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1995/02/21 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 予算委員会第七分科会 第2号
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1995/02/21 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 予算委員会第七分科会 第2号

#1
第132回国会 予算委員会第七分科会 第2号
平成七年二月二十一日(火曜日)
    午前十時一分開議
 出席分科員
   主 査 深谷 隆司君
      若林 正俊君    石井 啓一君
      河村たかし君    中田  宏君
      山口那津男君    沢藤礼次郎君
      細川 律夫君    横光 克彦君
   兼務 安倍 晋三君 兼務 宇佐美 登君
   兼務 東中 光雄君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 亀井 静香君
        郵 政 大 臣 大出  俊君
 出席政府委員
        運輸大臣官房長 黒野 匡彦君
        運輸省鉄道局長 戸矢 博道君
        運輸省自動車交
        通局長     高橋 伸和君
        運輸省海上技術
        安全局長    小川 健兒君
        運輸省海上技術
        安全局船員部長 加藤  甫君
        運輸省港湾局長 栢原 英郎君
        運輸省航空局長 土坂 泰敏君
        海上保安庁長官 秦野  裕君
        郵政大臣官房長 木村  強君
        郵政省郵務局長 加藤豊太郎君
        郵政省貯金局長 谷  公士君
        郵政省電気通信
        局長     五十嵐三津雄君
 分科員外の出席者
        警察庁刑事局捜
        査第一課長   中島 勝利君
        警察庁交通局交
        通企画課長   小池 登一君
        環境庁大気保全
        局自動車環境対
        策第一課長   小野川和延君
        環境庁大気保全
        局自動車環境対
        策第二課長   宮嵜 拓郎君
        大蔵省主計局主
        計官      増井喜一郎君
        文部省初等中等
        教育局職業教育
        課長      木曽  功君
        通商産業省基礎
        産業局化学製品
        課長      細川 幹夫君
        運輸大臣官房会
        計課長     辻  通明君
        郵政大臣官房主
        計課長     平井 正夫君
        建設省道路局企
        画課道路経済調
        査室長     佐藤 信秋君
        運輸委員会調査
        室長      小立  諦君
        逓信委員会調査
        室長      丸山 一敏君
        予算委員会調査
        室長      堀口 一郎君
    ―――――――――――――
分科員の異動
二月二十一日
 辞任         補欠選任
  江藤 隆美君     佐藤 剛男君
  石井 啓一君     中田  宏君
  山口那津男君     河村たかし君
  細川 律夫君     沢藤礼次郎君
同日
 辞任         補欠選任
  佐藤 剛男君     江藤 隆美君
  河村たかし君     山口那津男君
  中田  宏君     石井 啓一君
  沢藤礼次郎君     横光 克彦君
同日
 辞任         補欠選任
  横光 克彦君     遠藤  登君
同日
 辞任         補欠選任
  遠藤  登君     細川 律夫君
同日
 第一分科員東中光雄君、第二分科員宇佐美登君
 及び第八分科員安倍晋三君が本分科兼務となっ
 た。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成七年度一般会計予算
 平成七年度特別会計予算
 平成七年度政府関係機関予算
 (運輸省及び郵政省所管)
     ――――◇―――――
#2
○深谷主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。
 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算及び平成七年度政府関係機関予算中運輸省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。
 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢藤礼次郎君。
#3
○沢藤分科員 おはようございます。
 大臣、連日御苦労さまでございます。岩手出身の沢藤です。
 東北新幹線盛岡以北のフル規格化等についての大臣の御判断、御英断は、東北、北海道にとっては、将来の地域開発の展望を見出し得たと大変大きな喜びとなっております。東北人の一人として、敬意と感謝の意を表したいと思います。
 しかし、この一方、これに対して採算性とか経済効果の面で疑問だという批判や指摘が出ております。これは非常に視野の狭い考えだと私は思います。国土の均衡ある発展ということ、あるいはまた、全総、新全総、三全総、四全総という大きな流れの中で、高速交通体系の整備、あるいは地方の時代とかあるいは地方分散、いろいろな流れが、大きな流れがありまして、多極分散の流れの中で、この新幹線の占める位置というのは非常に大きいと思うわけであります。
 さてそこで、大臣にひとつお考えをお聞きしたいのですが、以上申し上げたことに関連をしまして、それを含みまして、将来を展望して五全総を組み立てようとするときに当たって、新しい国土軸の形成、広域的な交通運輸体系の整備という面で、鉄道の果たすべき役割というのは極めて大きくなるだろうと思います。このことについて、大臣の亀井哲学という、その亀井哲学の一端をお示し願えれば幸いです。
#4
○亀井国務大臣 私は、今の沢藤先生がお述べになりました基本的な交通体系についての理念、考え方、全く同感でございます。
 このたびの阪神・淡路大震災におきましても、今までの我が国の国土軸の形成にやはり問題があったということが証明をされたわけでございまして、一本だけではなくて、二本、三本、しかも縦だけじゃなくて横の軸、こういうものをきちっと日本列島にレイアウトしていくという、そうした大きな視野がなければ、やはりこういう災害の場合なんかでも大変だということを身をもって知ったわけでありますが、そういう意味では、今運輸省の中で、また連立三党の中で、陸海空の交通体系の整合性のある整備をするということで、今盛んに研究を御承知のようにしておるわけでありますけれども、私は、それがやはり五全総のまさに動脈として実を結んでいかなければならない、このように考えておるわけであります。
 従来もそういう努力を重ねてきたわけでありますけれども、やはり我々として、当座の交通体系どうするかという目先のことにとらわれて、単年度予算主義ですからどうしてもそうなりがちでありますけれども、やはり長期的な視野に立って、また全国的視野に立って予算を単年度でつくり上げていくということでなければならない、このように思っておるわけでございます。
 そういう意味で、整備新幹線につきましては、御承知のように基本計画もあるわけでございまして、今の整備新幹線だけやれば新幹線終わりということではないわけでございまして、とりあえずは整備新幹線を、早期にこれを完成をしていき、さらに基本計画にまで手を伸ばしていく。
 よく財源ということが言われるわけでございますけれども、こちらにも、大蔵省も主計官等も来ておりますけれども、また、今、財政当局と我々は交通政策についてお互いに、金を工面する方も使う方もやはり一緒になってどうあるべきかということを日ごろから考えていくことが非常に私大事じゃないかな、このように思っております。
 公共投資、十年で御承知のように六百三十兆という大枠があるわけですが、整備新幹線、マスコミなんかすぐ、財源はどうするの、財源なしにやって不見識だみたいな不見識な報道をよくするわけでありますけれども、新幹線も空港整備も含めて、やはり公共事業としてとらえるということでこのとおりきちっと規定をしておるわけでありますから、六百三十兆のうちの何%が新幹線なり空港に充てていいのかという、やはりそうした大局的判断の中で私は考えていくべきであって、財源問題も、何か特別に工夫しないと前へ進めちゃいかぬという考え方は間違いだ、このように思っております。
#5
○沢藤分科員 ありがとうございます。ぜひ御健闘をお祈りしたいと思います。
 盧泰愚大統領が、この前、国会に来られまして、未来に向けてということで、日本の新幹線、海底トンネルを通って、半島を通って、大陸を通って、若い青年たちが肩を組んで、世界に親善旅行をする、こういう夢を描こうじゃないかということを訴えられました。私たちも、そういった未来に向けてのビジョンというものを確立したいものだと思っております。
 まだたくさんありますが、時間の関係上、新幹線について若干要望を申し上げておきたいと思います。
 フル規格化と引きかえに在来線の経営分離が提起されて、地元ではかなり深刻な論議がなされております。大勢やむなしという表面の流れの裏では、市町村段階で不安を抱いているというのが実情だろうと私は思っております。
 例えば、分離に向かって、サービスの低下が始まるんではないか、列車の本数を減らすとか無人化駅をふやすとか、あるいは、現在五十一本通っている貨物列車の乗り入れや費用負担はどうなるんだろうか、接続している支線との関係はどうなるのか。特に大きな不安は、財政運営の問題であります。施設等の無償譲与なのか、有償譲与になるのか。それから、災害発生のときの手だてはどうなるのか。大変大きな不安がありまして、心配もあるわけですが、どうぞ、今大臣おっしゃったような基本的なお考えに立ちまして、これらの問題について、今後に向けて真剣に内容等について検討していただきたいということをお願い申し上げておきます。
 国策によって過疎過密の現象がつくられまして、その過疎地帯が、過疎なるがゆえにさらに不便をこうむるというのは、これは極めて不公平だ、公平を欠く政治だと思います。白河以北、一山百万と言われていますけれども、これは人間がいるわけで、明治の富国強兵の人材の供給地でもありましたし、戦後も、金の卵、集団就職、出稼ぎ、多くの努力が、大都会あるいは太平洋ベルト地帯を支えてきたわけですから、そういったことも念頭に置いて、ぜひ国土の均衡ある発展ということで頑張っていただきたいとお願いを申し上げておきます。
 二つ目の問題でありますが、新幹線に関連して、光と影の影の部分というんでしょうか、新幹線の騒音、振動等の公害対策についてお伺いします。
 暫定基準七十五ホンを設定いたしまして、達成期限は、当初三年間ということでありましたが、二年間延長して平成六年三月まででJRの対策は一応区切りがついたというふうに理解をしておりますが、昨年度中、騒音測定が実施されたと思います。
 岩手の例を申し上げますと、達成率は上昇してはおりますけれども、アンバラがありまして、例えば、住居系の地域に絞ってみた場合に、未達成率は、十二・五メートル地点で八三%になっている、二十五メートル地点で六九%になっているという指摘もあるわけです。恐らく地域によってかなりアンバラがあると思いますけれども。
 質問は、その調査の結果はまとまったのかどうか、まだだとすればいつごろ公表できるか。この一点だけお答え願いたいと思います。
#6
○小野川説明員 先生お尋ねの七十五ホン対策の達成状況の調査でございますが、お話ございましたように、平成五年度末を目途といたしまして七十五ホン対策が講じられてきたところでございます。
 環境庁といたしまして、この目標期限の到来を受けまして、平成六年の秋、具体的には九月から十一月でございますが、新幹線沿道、沿線の二十府県におきまして達成状況の調査を行っております。
 具体的には、七十五ホン対策区間は二百二十キロメートルあるわけでございますけれども、この対象区間につきまして、おおむね一キロメートルごとに一地点の割合で、全国二百二十三の地点で騒音レベルの把握を行っているところでございます。現在、このデータを解析中でございまして、もう二月でございますが、来月中、三月中にはその結果を公表できるもの、かように考えております。
#7
○沢藤分科員 これに関連して、これも一つ要望を申し上げておきたいのです。
 確かに、私もしょっちゅう新幹線を利用していますから、スピ一ドアップということは大事なファクターだとは思うのです。ただ、それに公害対策が伴いませんと、地域住民、ある老人の方はこうおっしゃっていました。私なんか新幹線に一回も乗ったことがない、しかし毎日数十回、通過による影響は受けているということを言われまして、やはりそういったことに対する思いやりというのですか、気配りというのも運輸行政の中の一つの大きな重要な点だろう、環境行政を含めてですが、これをひとつぜひ今後とも努力をお願いをしたいと思います。
 次に、海の方の問題になるわけですが、四級小型船舶操縦士の資格、免許取得ということについて御質問申し上げたいと思います。
 私が申し上げるまでもなく、日本の海面漁業は、遠洋、遠い沖合漁業というのはどんどんシェアが狭まってまいりまして、海面漁業の主役は沿岸漁業、養殖・増殖漁業に移っております。岩手の例をとりますと、生産量も生産額もシェアは沿岸漁業、養殖・増殖漁業が六〇%を超えている。今後ますますそのシェアは大きくなるだろう。そうなりますと、沿岸、養殖・増殖漁業を進めるための小型船舶の出番が非常に大きくなってくるわけであります。
 その小型船舶の運転の免許についてでありますが、今まで水産高等学校では取得できなかった。水産高校関係者は、二十年来このことについて要望してきたのですが、ようやく、運輸省令の改正によりまして、これは平成五年二月だったと思うのですが、水産高校が小型船舶操縦士の養成施設の指定を受けるという道が開かれたわけであります。水産関係者それから水産教育関係者は、このことを大変歓迎しております。大変ありがとうございました。問題は、これを実効あらしむるための幾つかの条件を整備しなきゃならないという点があるわけでございます。
 五つ六つあるのですけれども、きょうは特に三つ挙げて、関係する省庁といえば恐らく文部省と運輸省になると思うのですが、お答え願えればと思います。
 一つは、水産高校における免許取得に向けてのカリキュラムの編成の問題があります。これについては、大きな困難点はない。確保するべき、指定された授業時間数というのは、四級の場合はそう多くありませんから、これは何とか乗り切れるだろう。その実態、指導がどうなっているのかということが一つであります。
 二つ目は、免許取得のための実習艇、実習船、小型ですね、A型であれば二十トン未満、C型であれば五トン未満ということになるわけですが、四級だとC型、これの配置がないわけです。これを産振施設の中に入れるかどうかという問題も含めて、実習艇の確保という点での御見解をお示し願いたいというのが二番目であります。
 三番目は、これが一番厄介だと思うのですが、この資格検定に関しては、指導する教員が運輸大臣の指定する講習を受ける必要があるわけです。ところが、受講するということになりますと、受講のいろいろな条件があります。出張扱いなのか、経費はどうなのか、これはかなりの受講料がありますから。それから受講開催地であるとかあるいは期間であるとか、そういったいろいろな受講のための問題点が指摘されているのですが、トータルとしてどのような工夫、どのような配慮をしていただけるかということを、これは文部省と運輸省になると思いますけれども、お考えをお示し願いたいと思います。
#8
○木曽説明員 先生御質問の第一点でございますが、カリキュラムの問題でございます。
 これにつきましては、先生御存じだと思いますが、高等学校の学習指導要領で、学校や学科の特色に応じて、必要な教科、科目をある程度弾力的に設けることができるということで、弾力的な編成がまず可能になっております。
 その中で、文部省としては、平成五年、六年度につきまして、研究指定校に静岡県焼津水産高校を指定いたしまして、実際に小型船舶操縦士の養成施設の指定を受けたと考えて、実際にカリキュラムの編成が可能かどうかという研究を行っております。現在のところ、弾力的な編成は可能であるという報告を受けております。
 そういうことでございますので、カリキュラムについては編成が可能であろうというふうに考えております。
 それから第二点でございますが、実習のための船舶でございます。
 これにつきましては、産振補助の中で三分の一の国庫補助をする制度がございまして、毎年三隻ほどの実績で順次整備しておるところでございます。現在、五十一校の水産高校のうち二十三校で整備がなされているということで、まだ整備がなされていないところで、かつこの指定を受けたいというところにつきましては、今後積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#9
○加藤(甫)政府委員 ただいまの第三番目の御質問についてお答えを申し上げます。
 先生ただいま御指摘のように、実際に水産高校でこの課程を教える先生につきましては、講習を受けるという、御指摘のとおりの制度になっておりまして、東京で現在年二回、これは学科教員でございますが、実技につきましては東京と福岡で年四回行う、このような形になっております。これまでも、受講希望者数の状況などを勘案いたしまして、講習の開催の日数あるいは開催の回数などを逐次ふやしたりするなど、講習の実施についてできるだけの配慮をしてきたところでございますが、今後、水産高校五十一校のうちの大半の高校がこのような養成施設の指定を受けたいという希望を持っておられます。今後とも、そうした受講希望者数とか、あるいは講習の、こちらの方の船舶職員養成協会といったようなところで講習をしているわけでございますが、そちらの方の講習の実施団体における時間的なあるいは資金的な負担の程度などを勘案しながら、できる限り配慮をさせていただきたい、このように考えております。
#10
○沢藤分科員 ありがとうございます。
 冒頭申し上げましたように、海の漁業の主役は小型船に移っていくだろうということからすれば、全国の水産高校はほとんど例外なくこの制度を希望すると思います。したがって、実習艇の配置にしても、私はもう少しスピードアップできるような措置ができないかという希望を持っておりますし、講習につきましても、北は北海道、南は沖縄まであるわけですが、地域の教員によっては、勤務上の負担あるいは経費の負担ということのばらつきもあります。こういった点はひとつ文部省それから運輸省、関係省庁が連絡をとり合って、できるだけ受講しやすいように、そして日本の水産、特に海面漁業の振興が図られますように御努力をお願いしたい。
 運輸省担当課、大変いろいろ御苦労なさっているということを仄聞いたしております。御苦労さまです。今後ともどうぞひとつ御努力をお願いしたいと思います。
 次に、積雪寒冷地帯における交通事故、特にスリップ、滑走事故の問題を取り上げたいのです。
 もう二回か三回これは取り上げてきたのですけれども、特に昨年は非常に寒い日が続きまして滑走事故が多発をした。私の住んでいる地域でも、一つの事故で三人が即死をするというふうな、しかもそれは六十メートルも滑っていっているのですね。これは都会の方にはちょっと想像がつかないことかもしれません。こういった事故を防ぐということと、スパイクタイヤによる粉じん公害を防ぐということの二律背反的な要素をどのようにどこで調和をさせていくかという、非常にこれは悩みの多い問題ですが、やはり人命にはかえられません。
 そういった点でまずお聞きしたいのですが、警察庁、お見えになっていると思いますが、滑走事故の発生状況等について、特に去年あるいはことし、現段階における状況について、特徴的な点があれば端的にお示し願いたいと思います。
#11
○小池説明員 お答えをいたします。
 北海道と東北六県合わせて申し上げたいと思いますけれども、平成三年から六年にかけてのスリップ事故件数、これは二月中と三月中でございますけれども、法律施行前の平成三年が二千百六十二件でございます。その後、四年が二千二十九件、五年が二千百五十三件、平成六年が二千五百八十七件ということになっておりまして、法律によってスパイクタイヤの使用の禁止がされた平成三年以降平成五年までにつきましては、スリップ事故はおおむね横ばいということでございます。
 ただ、先生御指摘のとおり、平成六年にスリップ事故件数が増加しておりますけれども、これにつきましては、恐らく御指摘のとおり、大雪によりましてつるつる路面が大量に出現をしたというような気象条件、あるいはスタッドレスタイヤによる冬道の運転についてまだふなれな面があったのではないか、そういった複合的な要因があったのではないかと考えております。
#12
○沢藤分科員 スタッドレスタイヤ、スパイクタイヤ、どちらがどうという比較をここで論議しようとは思いません。ただ私、いただいた資料を別な角度から整理してみたのですが、タイヤの装着率、スタッドレスを装着している車とスパイクタイヤ装着の車の比率を見たら、スタッドレスの方がスパイクの六十六倍なんですね。平成六年の数字です、六十六倍。ところが、事故件数はスタッドレスの方が百十四倍なんです。装着率が六十六倍で事故件数が百十四倍。これはやはり数字として全く無関心でいられないという数字だろうと思うので、結局はスパイクタイヤをどう活用できるのか、できないのか、地域限定とか何かですね、あるいはスパイクに準ずるといいますか、水準に近いタイヤの開発という問題が出てくるだろうと思います。
 凍結路面についてのパンフレットを環境庁からいただきました。非常にいろいろな御努力をなさっていることについては敬意を表したいと思います。ただ、この中で、つるつるの原因ですけれども、零度前後、水があってということは、水があって滑るのは確かなんですが、零度前後という把握はちょっとおかしいのです。というのは、私は理科の元教師ですから、零度で凍る、零度で解けるという、温度は圧力によって違うのです。圧力が高くなれば融点は下がるのです。つまり、零度以下でも解けるのです。そういったことの配慮からすれば、零度前後という考え方じゃない、あるいは零度以下でも、寒いときでもスリップ事故は起こり得るという前提でお考え願いたいということを一言申し上げておきながら、質問の時間がなくなりましたので、二つ質問します。
 身障者が運転する乗用車のスパイクが認められております。これは私に手紙が来ました。やはり何とかスパイクを履かせて使わせてほしい、しかし肝心のタイヤがない、製造禁止、輸入も中止、どうしたらいいでしょうということなんですが、これは通産省にお答えを願いたいと思います。
 それから二つ目は、福島県の県議会が、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律の指定地域の指定について、各道県にその権限を移行する措置を講ずることという決議を上げている。これは恐らく各省庁に来ていると思います。これに対してはどうお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
#13
○細川説明員 お答えいたします。
 スパイクタイヤ粉じんの発生に関しまして、公害等調整委員会の調停に基づきまして生産、販売は中止しておるところでございます。また、このスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律の附帯決議に基づきまして、調停の対象外である輸入スパイクタイヤ等についても輸入、販売を自粛する等の指導を行っております。
 したがいまして、現在国内においてスパイクタイヤの供給はほとんど行われていないと承知しております。そのため、代替タイヤの研究開発を鋭意進めておるところでございまして、スタッドレスタイヤにつきましては非常に性能も向上しておると理解しております。
 したがいまして、今後一層そういう研究開発等を指導してまいるということを考えておりますので、どうぞ御理解をいただきたいと思っております。
#14
○宮嵜説明員 スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律におきましては、環境庁長官は都道府県及び都道府県を通じて市町村の意見を聞いた上で地域指定を行うということにされております。したがいまして、環境庁といたしましては、地域の生活実態に詳しい各地方自治体の意見を尊重しながらこれまで地域指定を進めてきたというふうに思っております。
 現在まで、十八道県の八百二市町村を地域指定したところでございまして、いまだ、指定要件を満たす十五市町村について指定が終わっていない状況でございまして、このような状況にも配慮する必要があるんじゃないかというふうにも考えております。
 したがいまして、今般地方議会から提出のございました地域指定を都道府県に移行する措置を講ずるようにという意見につきましては、関係省庁ともこのような意見があったということを十分話し合いをいたしまして、今後の問題提起として受けとめてまいりたいというふうに考えております。
#15
○沢藤分科員 それでは、時間が来たようで、要望を一つ、二つ申し上げて終わりたいと思うのですが、今の問題で言えば、身障者、つまり下半身不随の方たちはすごく不安を持っているわけです。例えばチェーンを巻けとか言われたって、これはできないのです、シーズンを通して。それから積雪寒冷地帯、過疎地帯で、道路に突っ込んだとしますね、助けを求めようにも電話のある場所に移動できないのです、生命の危険を感ずるわけですよ。そういった意味では、あらゆる知恵を絞ってそういう方たちの心配、不安を解消するように、関係省庁、ぜひ努力をお願いしたいということを強く強く申し上げておきたいと思います。
 もう一つは、これは質問しようと思ったのですが、要望にとどめますけれども、海上保安庁、アワビその他の密漁取り締まりに大変御努力いただいております、警察庁あるいは水産庁等との連携で。非常に有効なのは、関係省庁が横の連絡をとって緊密に作戦を立てながら当たっている。特に密漁グループは暴力団絡みが多いです。そういった点で、各省庁がタイアップして対策に当たっているという体制を今後とも強化していただきたい。そして、海の漁業者が安心して漁業に従事できるようにぜひ御努力をお願いしたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#16
○深谷主査 これにて沢藤礼次郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、中田宏君の質疑に移ります。中田宏君。
#17
○中田分科員 新進党の中田宏でございます。
 私は、都会横浜の議員なわけでありますけれども、大臣にも委員会に御出席をいただきまして、後ほど一点、二点、通勤ラッシュに対する御見解をぜひお伺いをしたいというふうに思います。
 まず、通勤ラッシュに関しまして、本当に今都市部に住む住民にとっては大変深刻な問題であります。もちろん根本的には東京の一極集中といったような問題もあるわけでありますけれども、しかし、その根本的な問題に対する対応とあわせて、今その不利益に接している国民、市民の皆さんに対するケアというものも常に考えていかなければいけないというふうに考えるわけであります。
 そこで、この通勤ラッシュの問題というのは、既に長年の課題であるというふうに思うわけでありますが、私は東急の田園都市線という、ここ永田町まで一本で自宅から毎朝来れるところに住んでおるわけですけれども、一向に通勤ラッシュが緩和されたという実感がないわけであります。この問題に取り組む運輸省の基本姿勢をまずお伺いをしたい。そして、ここ数年の混雑状況というのはどういうふうに経過をしてきているのか、その改善の経過、結果といったところをちょっとお伺いをしておきたいと思います。
#18
○戸矢政府委員 ラッシュ時におきます首都圏の通勤通学の混雑はまだ相当高い状態でございまして、私ども、もちろん一層の改善が必要だと考えております。そういう意味で、ハードの面では鉄道の整備、それからオフピーク通勤の促進といったような、ハード、ソフトの両面を車の両輪として推進していく必要があるだろうということでございます。
 鉄道整備につきましては、今後とも地下鉄を初めといたします都市鉄道の計画的な、着実な整備が必要だろうということでございますし、また私鉄等の新線建設あるいは複々線化といったような輸送力増強を着実に推進していきたいと考えております。また、ソフト面につきましても、今労働省と御協力をいたしまして、快適通勤推進協議会というものを設けていただきまして、関係方面、地方公共団体や経済界、労働界、いろいろな方々にお入りいただきまして、御協力をいただきながら、フレックスタイムといったようなオフピーク通勤、時間をずらしていただきますと大分効果がございますので、そういう促進に積極的に取り組んでいるところでございます。
 先生お尋ねの、最近の実態でございますが、実は、東京圏のラッシュは、昭和五十年度には二二一%というような混雑率でございましたのが、最近は平成五年度で一九七%、約二〇〇%といったような平均の混雑率になっております。これは、実は五十年から平成五年の間に輸送力が一・六倍に増強されております。そういう意味では非常に努力はしているわけでございますが、一方では通勤通学をされるお客様、利用者の方々も約一・四倍に増加しております。そういう意味で、実は、二二〇であった混雑率が二〇〇に下がってはまいりましたが、一番混んでいる時間でございますが、まだ二〇〇%にとどまっておるといったようなことでございます。
 私ども、運輸政策審議会の方からもこの混雑率をさらに下げるようにという御答申をいただいておりまして、当面、おおむね二〇〇〇年目途でございますが、三大都市圏で最終的には一五〇%というのが目標でございますけれども、首都圏につきましては、当面二〇〇〇年目途で混雑率を一八〇%までに下げたいということで現在努力を続けているということでございます。
#19
○中田分科員 今お答えをいただきまして、ラッシュに関してはひところに比べれば一九七%ということで、二〇〇台に落ちてきて多少は改善をしてきた、そういう御趣旨だと思うのですけれども、私が毎朝、私の場合は電車で参ります。本当に、来る電車というのはまさに殺人的というふうに言ってもいい状況でありまして、私が乗ってくる東急の電車だと、田園都市線でありますけれども、営団地下鉄と相互乗り入れですから、そこの永田町まで直通で来るわけですね。この電車で行くと、新玉川線の池尻大橋から渋谷までの区間、昭和五十五年度だと混雑率二三一、昭和六十年が二二五、平成二年が一九七、平成四年が一九三、平成五年が一九四、傾向としては確かに少しは下がっているのかもしれぬのですが、これは実態とはかなりかけ離れているというふうに私は思います。
 とりわけ、遠方の我々横浜の側から来る人間にとってみたら、急行、快速というのを利用して来るわけですね。各停で来たら一時間以上かかってしまう。急行、快速を利用して来るわけですけれども、これになりますと、この一九その数字とは全然違うわけです。一九七というこの数字は、この「混雑度の目安」でいけば、大体「体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める。」というのが二〇〇%の基準なわけですが、とてもじゃないですが、各駅停車の場合でも今の定義は全く当てはまりません。ましてやこれは快速、急行ということになったら、二五〇%で「電車がゆれるたびに身体が斜めになって身動きができず、手も動かせない。」、まさにこの状態でありますが、ここに窮屈な絵がかいてあるのですけれども、しかしこんな悠長な顔もしていられないほどむちゃくちゃな状態です。現実の話として、私は、体が宙に浮いてしまうのですね。私なんか百八十三センチ、七十五キロの大きい体が宙に浮くということが本当にたびたびあるぐらいにむちゃくちゃな快速、急行の状況であります。この東急の田園都市線なんかに関しましては、私は自分が利用しているだけにますます関心が高いわけですが、運輸省はどの程度把握をされておられますか。
#20
○戸矢政府委員 今先生おっしゃいましたように、田園都市線、新玉川線の最混雑区間というのが、池尻大橋と渋谷の間でございます。その混雑率が、今おっしゃいましたように、これはラッシュ時一時間当たりの輸送力とお客様の数という関係でございますが、平成五年度で一九四%、六十年度に二二五%であったのが、急行列車等をふやしまして一九四%にはなっているというのが実績でございます。
 なお、もちろん列車によって込んでいるところがございますし、一層の改善が必要であるというふうに私ども認識をいたしております。
#21
○中田分科員 これは運輸省の皆さんにもぜひ御努力をいただいて、このラッシュの緩和には積極的に行政の展開をお願いをしたいのですが、東急自身がどのように公共交通機関であるということの責任を自覚しているかということもまた、時期を改めてぜひ聞いてみたいと思うわけです。
 ちょっと小田急線の、例えば混雑緩和の抜本的対策として計画しているのに、高架によって複々線化を進めていくというようなこともあります。しかしこれは、住民の反対が厳しくて、工事の着工なんかかなりもめているというふうにも聞きます。
 東急が計画しているこれから先の混雑緩和策において、複々線化のそういった流れもあると思うのですけれども、これに関して、住民との合意などがきちっとできない、問題が進められないというケースも往々にして考えられると思うのですけれども、こういう場合、住民と鉄道事業者の合意が見られない場合、運輸省はどういった形でこれに対応していくのかお願いをしたいと思います。
#22
○亀井国務大臣 私は、基本的には、やはり地域住民の方との合意を前提にしていくべきだと思います。それについては、やはり住民の方も事業者の方も、それぞれ冷静に地域の交通機関の持つ公共性ということにしっかりと着眼をしていただいて、話し合いをしていただきたい。そういうことについての、お互いにそういう誠意を尽くさない結果というのは、お互いにこれはデメリットを受けるわけでありますから、だから、そういう意味で、私どもとしては、運輸省がいわば強権的にどんどん事業認可をしていくというような立場はとっておりません。
    〔委員長退席、若林委員長代理着席〕
#23
○戸矢政府委員 住民との関係、大臣お答えをしたとおりでございますが、先ほど先生、ちょっと東急がどういう姿勢で臨んでおるかというお話がございましたので、先生御質問の、田園都市線、新玉川線の混雑緩和というものについての現在の東急の取り組み方について、若干補足させていただきます。
 おっしゃいましたように、田園都市線あるいは新玉川線、大変輸送人員の増加が激しいわけでございまして、将来的にもこの路線は需要がふえていくだろう、まだ宅地開発等が進んでおりますので、というふうに見込まれているわけでございます。今のまま放置いたしますと、さらに混雑率が高くなるということもあり得るわけでございます。
 そういう意味で、先ほど申し上げた、一九四%というような池尻大橋−渋谷間の混雑率をさらに下げる必要があるということは事業者も認識をしておりまして、現在、東急自身は、東急東横線について、そういう混雑緩和対策を積極的にやりまして、一部、営団の七号線、目黒−駒込に路線をつくっておりますが、そちらに、実は目蒲線を使いまして東横線の一部のお客を流すというようなことも今全力を挙げてやっておりますが、それに加えまして、田園都市線の二子玉川園から大井町線の大岡山経由で都心へお客様を流すと申しますか、バイパスとして御利用いただくといったようなことを考えておりまして、実質的に田園都市線、新玉線の複々線化を図るということを考えております。
 具体的に、鷺沼と二子玉川園間を、田園都市線複々線化いたしまして、それから二子玉川から大井町線、今大井町線は各駅停車しかございませんが、これを路線を改良しまして急行が走れるようにいたしまして、しかも輸送力も現行五両のものを八両にするといったようなことにいたしまして、田園都市線の線増、鷺沼−二子玉川園を線憎いたしまして、それと大井町線の直通運転を行います。そういうことによりましてバイパスをつくろうということを考えております。
 当面、第一期の計画といたしましては、田園都市線の溝の口から二子玉川の間の複々線化、それから大井町線の二子玉川から大岡山までの改良といったようなことを、特定都市鉄道整備事業計画、これは特定都市鉄道整備促進特別措置法という法律がございまして、お客様からあらかじめ運賃に一定の率を上乗せしてちょうだいしておきまして、積み立てておきまして、金利のつかない建設資金として利用するという、ある意味で税制上の支援措置でございますが、去年の国会でその拡充を成立させていただきまして、その制度を活用いたしまして、ただいま申し上げました田園都市線、溝の口−二子玉川園の複々線化、それから大井町線の二子玉川−大岡山間の改良というのをスタートさせたいということで、私どもの方に今この事業計画の認定の申請が参っております。
 この区間、第一期の工事が、平成十六年度でございますが完成いたしますと、新玉川線の池尻大橋−渋谷間については一八〇%程度に混雑率が落ちるであろう。
 それから、溝の口と大岡山につきましては、現在普通列車しかございません、五両編成で二十一分かかっております。これが今の改良が完成いたしますと、急行で十二分で結ばれる。大岡山からは、今度は目蒲線の経由で新しい七号線なりあるいは都営の六号線といったようなものにつなげて都心へ直接、田園都市線のバイパスとして活用できる、こんなことでございまして、東急自身も、そういう意味で非常にその混雑緩和には努力をしているというふうに考えております。
#24
○中田分科員 今、実際東急の取り組んでいることもお答えいただいたわけでありますけれども、私は本当に、このラッシュの緩和の実感は、まず間違いなく私以外のほかの利用者も全員実感してないと思います。これは私は大臣にぜひ申し上げておきたいのですが、僕はこれは人権問題だと思っています。
 というのは、青葉台という駅があるのですが、そこから七時半から八時くらいに乗る電車、大体そういう電車というのは、そのまま直通で大手町に着くのが大体九時ぐらいになるんですね。そこら辺のオフィスで働いている方々が、ちょうど出勤時間になる。もちろん、そこに集中をするからの問題でありますけれども。しかし、その間、もう全く動けないところか身動きもできなくて、例えば新しい靴なんて履いていようものなら、もう本当にぼろぼろになってすぐ傷ついてしまうわけですね。よく、笑い話じゃない、見る風景で、駅員がドアを閉めるために押し込むわけです。その要員が駅に配置をされているわけです。これは、東急の場合は沿線開発も同時にやっている会社でありますから、そういう意味で言うと、このままの状態でどんどんどんどんと人口が膨らんでいけば、そのうち乗れない人が出てくると思うのですね。今のままいったら、そういう人も出てくる。
 その前に、私は人権問題と申し上げたのは、あの時間帯、お年寄りや子供は乗れないのですよ。お年寄りや子供が乗っても、私は当然、気づくことすらできない、席を譲るなんということは全然できない、守ってあげることもできない、私の一人の力でこうやってお年寄りをかばったりすることも全くできないです。それはもう流れに身を任せ、お年寄りも一緒に押して、そして乗り込まないと無理である。ある意味で言うとそれは、お年寄りや子供が乗ってくれば、ほかの乗客にとっちゃいい迷惑なわけであります。
 ということは、ある一定の時間帯、その公共交通に対して一定の年齢や一定の方々、例えば松葉づえを持った方々とかそういった方々は乗っちゃいけないというような電車になっちゃっているのですね。これはもう明らかに私は人権問題の域に達しているというふうにすら思います。
 私のような体力のある若い男でも、永田町の駅におり立った瞬間にはもうげそっとして、本当に勤労意欲がなくなると言ったら有権者から怒られちゃいますけれども、そのぐらいのげっそりとした感覚になる。それだけじゃ済まない、そこに住んでいる人が悪いんだじゃ済まない状態で、私は人権問題とさえ思えています。
 この件について、もし大臣御所見があったら、お願いをしたいと思います。
#25
○亀井国務大臣 おっしゃるように、日本は自由主義国家でありますから、どこに住めとか住むなとか、どこにオフィスをつくれとかつくるなとかという、そういう規制ができないわけでありますが、結果としてこうした一極集中、大阪もで二極かもしれませんが、私どもの田舎では、緑、水、青い空、非常にきれいな空気があるわけですが、一向にだれも住んでくれないので、どんどん横浜や東京に出てくるわけでありますけれども、そういう意味では、私は大きな意味では、そうした我が国の産業政策等を含めて、そういうことをやはりトータルな面で考えていかなければイタチごっこのようなことにどんどんなっていって、結局最終的にもっとひどい状況になってしまう。
 そういう意味で、私は、今の委員の先ほどからの御指摘、そうしたやはり、今すぐ効果はないかもしらぬけれども、五年、十年、二十年の先考えた場合、そうしたトータルの政策をどう展開していくか、その点が欠けておったことの政治の責任を感じるわけでありますが、それと同時に、全体のことだけ言っているわけにはいきませんから、今局長も答えましたように、運輸省としても輸送力強化のための具体的なそうした支援策を実施をしておるわけでありますが、これをさらに、ぜひ、委員からも何かいい知恵がありましたら、そういう私鉄等の事業者がやはり相当の設備投資の資金が必要なわけでございますから、そういうことを含めて、国として、国全体からコンセンサスを得られるようなそういうものがあれば、私はまだ新しい政策をやっていっていいと思うのですね。
 今おっしゃったように、本当に通勤でくたびれてしまう。今は、人権問題、まさにそういう状況であると思います。これはまさに、トータルの責任または当面の責任、両面において政治の責任だというふうに我々考えなければならない、このように私は思います。
 それからもう一つは、やはり労働省あたりが音頭をとっていただいて、込むといいましても一日じゅう込んでいるわけじゃないわけですから、朝とか夕方の限られた時間帯が一番ひどいわけですから、そのあたりを、勤務時間、時差出勤等を、退庁等ももうちょっと思い切って民間企業等がやっていくというようなこともやったらどうか。
 例えば、経団連とかいろいろありますが、業界団体、それぞれあるわけですが、余りつまらぬことばかり協議しないで、そういう具体的なことについても、そうした民間企業の経営者がそういう問題をみんなで協力をして大がかりに解決をしていくというようなことも私は大事なんじゃないかなという感じがいたします。委員の指摘は極めて大事なことだ、このように私は受けとめております。
#26
○中田分科員 それから、運輸省当局にはこの件をひとつ強く要望しておきたいのですけれども、先ほどの混雑率のパーセンテージというのがありましたね。しかし、これはもう先ほど申し上げたように、実態とは全然違います。
 私、運輸省の担当の方にお聞きをしましたけれども、そのラッシュ率というものをカウントをすることも、各社それぞれやってもらって報告を上げてもらっているというような感じで、先ほど申し上げたように、急行だ快速だとかいったようなきめ細かな実態把握というのは全然できていない状態なんですね。複々線化が実現をすれば将来は一八〇%台になるというような計算を先ほどお答えをいただきましたけれども、まずは正確にこのラッシュ率というものをきちっと把握をしていただきたいというふうに思います。
 先ほどの、この「混雑度の目安」ということで考えれば、これと現在の東急の実態というのは異なっているわけでございまして、そこら辺のきめ細かな実態把握というのをぜひ当局にきちっとやっていただくように要望をしておきたいというふうに思います。
 それから、運賃改定のことをちょっとお聞きをしたいと思います。
 一月の十九日に大手私鉄が運賃改定要求を行っていると思いますけれども、大手十四社平均で一九・七%。うち東急は二四・九%、かなり大幅な改定要求ということになっていると思います。
 先ほど来申し上げておるように、混雑がますます深刻化している中で運賃だけが上がっていくということに対しては、素朴な発想としては納得がいかない。しかし、一方で、これは混雑を緩和するためですよという、もちろんそういう意味でありましょうから、その部分に関しても理解はしていけるわけですが、この運賃改定と混雑緩和の担保、ここの部分をもう少しきちっとしていただかないと、利用者の中には、私も沿線の人たちからやんやと言われている状況の中で、公共料金ですから、これは、鉄道というのはそのために認可までしているわけですから。
 そういう意味では、サービスをよくするために上げているのですという、いわゆるタクシーのお話もよくありますけれども、そういう状況とはちょっと納得しかねるよという問題がこの鉄道に関しても出始めているというふうに思いますので、この部分をちょっと改定の方とあわせてお願いをしたいと思います。
#27
○戸矢政府委員 先ほど申し上げましたように、実は、特定都市鉄道整備促進特別措置法という法律に基づきます特定都市鉄道整備事業計画ということで、東急は現在、一つには日吉−多摩川園間の複々線化、それから目蒲線の多摩川園−目黒間の改良工事というのを行っております。それに加えまして、先ほど申し上げましたように、今度は田園都市線、新玉川線の混雑緩和ということで、溝の口−二子玉川園間の複々線化、それから大井町線の二子玉川園−大岡山間の改良工事、この新しい工事を行うために、先ほど申し上げました、我々、特待制度と通称言っておりますが、運賃の一部を積立金として積み立てて工事費に無利子のお金として充てるという形で、なだらかに運賃の御負担をいただこう、こういう仕組みでございますが、今回の運賃改定の申請の中には、この東横線及び田園都市線の混雑緩和のための投資のためにいただく部分というのが全体で七%程度入っているわけでございます。
 こういう抜本的な混雑緩和を図るための輸送力増強工事には多額の工事費と長期の工事期間が要るわけでございまして、先生おっしゃいましたように、私どもとしても、東急に対しまして、工事の完成時期をよく利用者の方に御理解いただき、運賃を上げざるを得ないという状況ではございますけれども、混雑緩和のための投資をこういうふうにやり、こういうふうに混雑が緩和されていくんだということを極力利用者に御理解賜るように努力をするよう重ねて指導していきたいというふうに考えております。
#28
○中田分科員 先ほど、ラッシュに関しては人権問題だというふうにおっしゃったのですが、実は、私、もう一つ人権問題があると思っています。
 それは、あの混雑電車というのは、私も何度も遭遇しているのですけれども、東急でずっと、私は大学も青山学院だったので渋谷まで東急で来る、国会という職場を与えていただいてからは永田町まで東急で来るという、ずっと東急で通って、その中で何度も見ているのですが、すりは見たことないです。痴漢といいますか、こういうのも非常に多いのですね。
 身動きがとれないからどうしようもないのですよ。疑われたりするのが嫌だから、私の場合、両手をつり革に上げちゃうんです。今、とりわけこういう立場になってからは、疑われて変なことになったら嫌だから、両手を上げちゃうんです。だから、本当にそうして防衛策を図っている男性もいるのですが、それ以上に、女性にとってこれは深刻な問題でして、私の友人で、本当の話で、一人、痴漢が余りに激しくて会社をやめたという人がいるのです。もう少し時間の遅い会社を選んだという女性がいます。
 これは、女性にとってはとんでもない電車になっていまして、仮にさわられていても、捕まえてもらうこともできない、周りの人に助けてもらうこともできない。ある意味ではさわりたい放題になっている。そういう極めて破廉恥電車になっているのです。
 これについて、このラッシュというのは、それは物すごい人権問題だと私は思うのですよ。
 このデータについてちょっとお伺いしたいのですが、今、首都圏の混雑がとりわけ大きいということが要因かもしれない。しかし、これは、実際数字を挙げてもらっても出てこない数字もいっぱいあると思うのですけれども、とりあえず、把握をしている、これは警察庁になるのでしょうか、すりだとか、痴漢というのはわいせつになるんでしょうかそこら辺のデータをちょっとお教えをいただきたいと思います。
#29
○中島説明員 とりあえず、東京都と神奈川県内の列車内におきまして私どもが認知をいたしましたすり事件と痴漢、いわゆる強制わいせつでございますけれども、この発生状況を申し上げます。
 まず、すり事件は、東京都内で昨年一年間で八千二百五十件、神奈川県内で六百八十八件発生しております。
 次に、強制わいせつにつきましては、東京都内の列車で六十三件、神奈川県内で四十四件という認知をしている状況でございます。
#30
○中田分科員 これは、各路線別とかそういうのは全然出てないのですか。
#31
○中島説明員 犯罪統計のとり方が少し先生の御要望と違っておりまして、私どもは、新幹線の中とその他の列車というふうに区分をして統計をとっております。したがいまして、路線別の数値といいますか、統計は把握をしておりません。
#32
○中田分科員 今申し上げたように、ラッシュ、込んでない電車でそれなりに、さっきの混雑度の目安でいったら、一〇〇%ぐらいの電車だったら痴漢のしようなんかないですよ。周りの人だってすぐわかりますし、おかしな行動をして、ある程度間隔があるところで妙に女性にくっついているなんという男がいればわかりますし、そういう意味では、ラッシュと女性の敵痴漢との関係というのは割と私は、必ず比例をしていると思います。
 これは捕まらない人たちも山ほどいますし、実際女性の人たちと私もよく話すのですけれども、恥ずかしくて声も上げられないというケースの方がやはり多いわけですね。そうなると、捕まえ切れない。仮にやめてくださいとかいうことで手を払ったとしても、それを駅員に連れ出すというところまでいかないケースも多いわけで、この数字は信じられない。神奈川県内で強制わいせつが四十四件、平成六年度というのは、これはもう実態とは全然違う数字ですから、ぜひもう少し、私は運輸省にもお願いをしたいと思うのですが、ラッシュと痴漢だとかすりだとかという犯罪はかなりかかわりがありますから、ぜひこれは研究をしていただいたり、現状把握に努めていただきたい。ましてや、ある意味では路線別にぐらい調べてほしいですね。
 どこの路線が破廉恥電車になっているかなんというのも住民にとって非常に大きなデータですので、場所を選ぶ際に、公共施設の、どこに何が配置されているというのも、もちろんどこに住むかの場合に大きいんですけれども、それとは別に、こういった電車の通勤の問題、それから、先ほど申し上げたように、お年寄りがいて、住んでも、病院に通うことすらある時間はできませんよというような問題が人権問題としてある、女性の人権問題もあるということも住居を選ぶ際の大きな問題でありましょうから、ぜひ把握に努めていただいて、そしてまた公表もしていただきたいというふうに思います。
 もう時間もあれですので、最後に御要望をちょっとして終わりにしたいと思います。
 まず、阪神大震災を顧みて、やはり都市型の災害対策ということに関してはぜひ万全の体制というのをもう一度研究をしていただきたいと思います。とりわけ、私が先ほど来、沿線住民ですから申し上げている東急電車なんか、ぎゅうぎゅう詰めのすし詰め状態で、地震が来たときなんというのは、まあ想像するのも嫌なぐらい悲惨な結果になると思います。これは地震がないときでも、二子玉川の橋を渡るとき、あそこの前で一時電車がとまることがあるのです。多摩川の橋の上で電車がとまっているとき、私は本当に正直言って怖いのです。ここで地震があったり、あるいはちょっと電車が傾いたら、下の多摩川に落下をして、この人たちみんなで、動けない状態のままでぐちゃっといくのかと思うともう嫌になってしまうのですが、こういった都市災害、これに関してもぜひ研究をしておいていただきたいというふうに思います。
 それから、先ほど大臣からぜひいい知恵があったらというふうに言っていただきましたので、私はこれを、都市を代表する議員としてはぜひ改善をしていかなければいけない。同時に、先ほど大臣がおっしゃっていただいたように、東京の一極集中というのは根本的な問題でもありますから、これに対する取り組みもしていきたいと思いますが、一方で、都市を代表する議員としてぜひこういった問題に関しては積極的にやっていきたいし、運輸省に対する支援策などもぜひ私も協力をして国会の中でも活動していきたいと思いますので、東急の皆さんにもどんどんとこういったプランなりというものもぜひ提示をしていきたいというふうに思っています。
 あそこら辺というのは、東急電車で、東急不動産で家を探して、私もそうなんですが、東急ドエルに住んで、東急バスで通い、東急ストアで買い物をするなんというような東急の町ですので、私はぜひそこら辺のところも御協力をしてさしあげたいという立場でありますので、ひとつ運輸当局、並びに先ほどの犯罪なんというのもありましたけれども、そこら辺の善処をお願いをしたいというふうに思います。
 ほかに幾つか、まだ東横線の問題でありますとか、横浜の方につながる地区の問題であるとか、ちょっとお聞きをしたかった部分もありますが、今回はそれはやめにしまして、また次回の機会にぜひいろいろとお伺いをさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。お世話さまでした。
#33
○若林主査代理 これにて中田宏君の質疑は終了いたしました。
 次に、河村たかし君。
#34
○河村(た)分科員 河村たかしてございます。
 大臣に、どてっぱつからで申しわけないですが、ちょっとお伺いしたいのは、カーナビというものが結構、カーナビゲーション、御存じだと思いますけれども、御存じでありませんですか、車の中にちょっとした画面がありまして、衛星から位置をとらえまして、大体自分がどこを走っておるかわかるものでございます。乗用車には最近結構よく売れておるのですけれども、あれは実際はトラックや何かにつけまして、もっとデータも入れて、例えばトラックから発信し、中の冷凍庫、冷凍運搬車でしたらこの冷凍庫の温度なんかをあるセンターに送って、そこからまた運転席に行ったりして、どういう道を走ったらいいかとかそういうことをコントロールすることもできる情報システムが可能なわけですよね。
 だけれども、まだどうも、場所を把握するというのもそれは大事ですけれども、そういうような社会全体の物流コストを下げるというか、効率的な運輸システムというのですか、そういうことで非常にこういうのは有効な技術なんですけれども、どうも運輸省はまだそこを、もっと商売というか事業の方にどんどん使ったらどうだというようなアドバルーンがちょっと低いように思うのです。
 郵政省なんかは、郵政省、それからどこでしたか、何とかというシステムでやりかけておるのですけれども、VICSですか、これには郵政、警察ですか、入っていますけれども、運輸は入っていない、建設ですか、そんなものを聞いておりますので、もっと情報通信をうまく取り入れて、全体的に物流コストを下げてという方向にぜひもっと積極的に取り組まれたらどうかと思うのですが、いかがでございましょうか。
#35
○亀井国務大臣 どうも私は、はっきり申しまして、そういう科学に極めて疎いものですから、御質問を受けて全く素人的なお答えになって恐縮でありますけれども、きょうも実は総理を本部長とする高度情報化推進本部、けさその会議もやったわけであります。
 私ども、委員御指摘のように、総論的に申し上げますと、物流コストというだけじゃなくて、やはり交通機関がスムーズに動いていく、それは委員おっしゃるようにマイカーからトラックから含めてそれが極めて大事なことでありますから、我々としては、私は仕組みはよくわかりませんけれども、そういうことが、やはりそういう整然としたスムーズな交通の流れになっていくということであれば、運輸省としてももろ手を挙げて、そういう方向で業界なり国民の方が進んでいくということについて、啓蒙なりまた支援策があればしていくということであろうかと思いますけれども、委員の御提言、きょうからちょっと勉強もしてみたい、こういうように思っております。
#36
○河村(た)分科員 ぜひ本当に、なかなか情報通信の方は、毎日、新聞記事でも物すごい量ですので、しかし、亀井運輸大臣、非常に頭脳明晰な方で、いつも下で見ておりますと原稿なしで読まれて尊敬しておりますので、ぜひこちらの分野もどんどん打ち上げていただきたいな、そんなふうに思っております。
 そういうふうにしますと、もう一つの問題点としては、割と画面ばかり見ておって危ないということがあるのですよね。アメリカなんかでは結構その辺が、非常にコントロールが厳しくて、それが向こうでカーナビが余り売れていない理由の一つでもあるというふうに聞いておりますし、それから、例えば車のテレビでも、僕はよく知りませんけれども、あれは本当は動いておるときに見てはいかぬという話も聞いておりますけれども、例えばそういうことですね。まあエンジンを切るまでやるかどうか別としても、とまった状況でないと映らないようにするとか、そういうふうな工夫もひとつ、ぐっと発達しできますと重要なのではないかと思うのですけれども、その辺は、政府委員の方で結構ですけれども。
#37
○高橋(伸)政府委員 カーナビゲーションにつきましては、先生御指摘のように、運転中の情報の読み取りあるいは情報機器の操作、こういったことが走行中の安全性についても懸念される事態もあり得るわけでございます。そういったことから、運転に対する注意力の低下を招くことがないよう、走行中の地図の簡略化を図ったり、走行中の操作の容易性等について自動車メーカーに対して指導を行っております。
 そこで、日本自動車工業会におきましては、次のような自主的な基準というものを定めております。これは禁止するということですが、その中に今先生御指摘のような、例えば走行中のテレビ放送は禁止する、あるいは地図の表示で非常に詳細な市街地の地図を出さないようにする、こういった自主的な規制を行っておるところでございます。また、私どもに運輸技術審議会というものがございます。ここにおきましても同様の指摘がなされておりまして、現在、平成六年、七年、八年と三カ年の予定で、目下、交通安全公害研究所におきまして、具体的なその画像の表示のあり方とか操作方法、こういったものを今勉強をしておるところでございます。
#38
○河村(た)分科員 動いとるときは見てはいかぬというようなことらしいですけれども、動いとるときに見とる人は結構見ていますので、あれは何か特殊な回路でつないとるかどうかわかりませんけれども、ちょっと気になったので、お伺いいたしました。
 それから、あと地元の話題なんですが、いわゆる中部新国際空港、私名古屋でございますので、これはずっと昔から地元は非常に熱望しておるわけでございますけれども、いわゆる六次空整が大体あんばいよういきまして、今、状況としてはちょっとエアポケットに入ったというか、まあまあ一段落というような状況です。
 これはちょっと大臣にお伺いしたいのですけれども、今度第七次に向けて、中部はいろいろ言っておりますけれども、それとはまた別に、総論的に、国際空港整備というのを、第七次に向けてどんなポリシーをお持ちかひとつ大臣のお気持ちをお伺いしたいのです。
#39
○亀井国務大臣 私どもは第七次空整、大体六月から七月にかけて詰めてまいりたいと思いますけれども、今御承知のように国際化時代で、激しく進展をいたしておる中で、まさに今飛行機というのは、ぜいたくな乗り物じゃなくて、げただというふうに思っていいという時代に入ったと思います。そういう観点からいいますと、現在の空港の整備の状況では、とてもじゃないですけれども、二十一世紀の空の需要は賄い切れない、これは目に見えているわけでもございます。
 御承知のように、韓国、香港等、大型のハブ空港がどんどん建設をされているという状況であります。そういう中で、関空、成田という一つのハブ空港を、現在まだそれぞれ過程でございますから、建設中でありますが、私どもは関空、成田で対応できると思っておりません。そういう意味では中部空港も、やはり一つの大きな独立したに近い経済圏を形成しておりますから、あそこに大型の空港が必要である、このような認識に我々は立っておるわけでございます。七次空整におきましても、そういう観点からこれを取り上げてまいりたいと思います。
 ただ、若干中京の経済界というのは、おとなしいというのか控え目というのか、大阪等に比べまして中央の方に地元の熱意みたいなものが余り伝わってきていないというのが気になるわけでありまして、国家的プロジェクトとして国が推進するわけでありますけれども、やはり地元自体が自分たちの郷土を豊かにしていくという熱意がなければ、お仕着せのもので推進できるわけではない、私はこのように考えております。そういう意味では、将来、九州あるいは千歳等を含めてハブ空港を建設をするということが私どもとしての当面の方針でございます。
#40
○河村(た)分科員 名古屋はおとなしいと伺いましたが、昔三英傑が出まして結構力んどったんですけれども。まあ、その熱意の出し方が、これはまた後でちょっと聞きますけれども、自分たちで七十億からの調査費を使ってやっとるということですから、陰徳を積んどるという状況でございますので、その辺のことをぜひ誤解されませんように、口でぎゃあぎゃあ言うのも一つの熱意かもわかりませんけれども、陰徳を積むというパターンもあるということで、それはまた聞きます。
 もう一つ総論的に、港湾というかコンテナなんというのは、今回震災がありましたけれども、昔は神戸、横浜というのは、やはり港では多分アジアでもトップだろうと思いますけれども、今は残念ながらコンテナの輸送もぐっと下がってしまったというような状況なんですよね。ですから、今言われたハブ空港の問題でも、そう言われますけれども、僕たちから見ますと、本当にそういうのをつくる気があるのかないのか。現実論として、韓国やら上海ですか、どんどんできできますよね。言っとるだけで一向に大きいのはできない。となれば、大きくつくるのじゃなくて、もっと人口があるところに、機能的に、南北に非常に長い国ですから、東京、大阪、名古屋と、それからもう二つぐらいつくる、そちらが実は方針なのかというような感じもするのですよね、大型のをどんとつくるよりも。その辺は、多分これは政治家としての一つのセンスというか決断だと思いますので、亀井大臣、ここらはひとつお願いしたいのですけれども、どちらのお考えでございますか。
#41
○亀井国務大臣 簡単に申し上げますと、我が国の飛行場はどれも中途半端だと言っていいと思います。そういう意味で、やはり二十四時間体制の、しかも乗り継ぎ等を含めて地方空港ときちっとリンクをした、そうしたきちっと体系化されたシステムというのがどうしても必要であると思います。
 そういう意味では、私は先ほど言いましたように、ソ連対日本という関係じゃありませんから、今度は自由主義経済ロシアと日本ということであれば、やはり地政学的には一番近い北海道が向こうどの関係で一つの空の玄関になると思います。また、中国大陸、朝鮮半島とのことを考えれば、九州が一つの玄関になってくると思います。そういう意味では、確定的に言っておるわけじゃございませんが、そうした大型の二十四時間体制の、しかも地方空港ときちっとリンクしたハブ空港というのを、北海道、関東それから中部、大阪、九州、これぐらいはつくらなければ到底対応できないと考えております。
#42
○河村(た)分科員 ということは、例えば北海道に何千ヘクタールというようなどえらい、そういう物すごいのをつくるより、機能的に、やはり人間が住んどるところにミニハブ空港というのですか、そういうような感じでつくっていく、そういうのは大体亀井大臣の理念というのですか、そんなふうに御理解させていただいて結構ですか。
#43
○亀井国務大臣 私は、一極集中というふうには考えておりません。私というよりは、運輸省がその辺はそういう基本的な考え方でございます。最近どうも大臣と事務局は違うと言われるのですが、これは一体でございますから、今後ともそういう方針だろうと思います。
#44
○河村(た)分科員 それで、先ほどの話なんですけれども、熱意の問題ですけれども、今言いましたように、七十一億になりますか、地元の金を使って、これは本当に美談でございまして、そういうことをぜひ御理解をいただいて、陰徳を積む名古屋、中部国際空港の面々ということでして、大臣としては、御苦労さんだね、ようやってみえるね、それで終わりなのかどうかということをちょっとお伺いしたいのです。
#45
○亀井国務大臣 私どもといたしましては、地元が、陰徳と言われましたけれども、そういう形で取り組んでおられることはよく承知をいたしておりますけれども、さらに力強く委員もあのあたりの政治力をひとつ結集をいただきまして、みんなでいろいろな知恵を出して、国がやる部分、また地元がやる部分、いろいろあろうかと思いますけれども、基本的には国家的プロジェクトとして、国がやはり全面支援をしていかなければならない。しかし、やはり自治体、地元経済界等を含めて、これに対する積極的な取り組みがなければ、池のコイのように上からえさを投げてくれるのを口をあけてというわけにはいかない。私は、そうだと言っておるわけじゃございません、非常に熱心にやっておられますけれども、さらにさらにお取り組みを願いたいという意味で申し上げているわけでございます。
#46
○河村(た)分科員 ということになりますと、具体的に言いますと、今度の七次空整でどういうふうに取り上げられるかということを注目して見ておるんですけれども、ここら辺は、多分、まあ審議会が始まるのでというような話になるかもわかりませんが、ここは、亀井大臣のことでございますので、もっと歯に衣を着せず、自分の、政治家としての信念で、もうぜひ中部としてはここに事業着手を、入れてほしいということでございますので、ぜひその辺のところ、一言、いわゆる官僚答弁じゃなくて、亀井大臣ならではのひとつお言葉をいただきたいと思いますが、どうですか。
#47
○亀井国務大臣 私の気持ちとしては先ほどのような気持ちでありますが、私は、そちらにもいろいろ注文をつけているんです。例えば、アクセスの問題ですね。関空が、現在予想以上の、今ちょっと落ち込んでおりますが、この実績を上げておりますのは、アクセスが非常にしっかりした、むしろ開港の前にそれがきちっとある程度でき上がっておったということが大きな、これは成功の原因です。
 そういう意味で、私は、中部空港につきましても、アクセス面等について、今のうちからやはりきちっと計画を立てて、しかも事業に着手をしていく。空港をつくってからやろうというのでは困るわけでありまして、私どもとしては、やはり国としても巨大な金をつぎ込んでいくわけでありますから、きちっと成功できる、そのためには「自治体として今のようなアクセスの問題等、きちっと取り組んでいただくという姿が見えてこなければならないと思います。
#48
○河村(た)分科員 そんなことで、熱心にやると思いますけれども、そういうふうに大体がそろった場合には、次、七空整では事業着手いいんじゃないか、そういうことでよろしいですね、大体感じとしては。どうですか。
#49
○亀井国務大臣 ですから、委員もなかなか強引ですが、そこらのこと、委員もぜひ今後、地元の自治体、財界等とお話しいただきまして、私ども運輸省、航空局、いつでも細かい御相談にも応じておるわけでありますから、そういうことの中で地元の要望が具体化していくということを、私自身が期待をいたしております。
#50
○河村(た)分科員 それでは、次はリニアを。
 これも、大臣ばかりで申しわけないんですけれども、リニア新幹線、前よく楽しみに見ておったんですけれども、最近、一向何か声がないというようなことでございまして、まず、整備新幹線の話も出ると思いますけれども、やっぱりこの東京−大阪間は、利用者が一日三十五万人でしたかそういう本当の大動脈でございますし、仮に新幹線がもし何かの事故でとまったような場合のバイパス機能もあると思いますので、これは本当にやる気があるのかないのかということを、必要なのかどうなのか、この辺のところを一遍、亀井大臣に率直に理念をお聞かせいただきたいです。
#51
○亀井国務大臣 私どもはやはり、リニアがうまくこの技術面での開発が完成をし、特に安全面、これがきちっと二〇〇%クリアできれば、次の高速交通機関として私どもとしては積極的にこれを活用したい、そういう基本方針でおるわけでございまして、一応、現在実験線、建設しておりますが、平成十一年度中には一応そういうことについての一応のめどが立てられればな、このように今考えておるわけであります。一応九年から実験にかかれるかと思いますけれども、十一年度中にというふうに考えておりますので、これは、とにかく極めて高速性の乗り物でありますから、私は、何度も申し上げますように、安全性、また人体に対するいろんな意味での影響等を含めて徹底した実験または検討が必要である、このように考えておりますが、積極的な姿勢は全然変わっておりませんので、この点は御了解いただきたい。
#52
○河村(た)分科員 そういうことになりますと、この地質調査ですね。これは、もうはや大分、五年くらいやっておるんですが、一向に、何か前、ちょろっと出たことはあるような気がするんですけれども、全線にわたっての地質調査を五年間くらいの間に出せというような話に、出せとはなっておらぬですかね、と思うのですけれども、一向に出されないんですが、もし無理だったら中間報告ぐらい出すとか、それとも何か、出してずっこけると格好悪いもんで出さぬのか、どうもその辺しっかりわからぬのですが、どうなんですか。
#53
○戸矢政府委員 中央新幹線の関係の調査だと思いますが、基本計画路線として全幹法で位置づけられておりまして、現在、地形とか地質等の調査を進めております。ただ、これは鉄建公団とJR東海が全線にわたってボーリング等の地形地質等に関する調査を行っているわけでございますが、今の段階では技術的な可能性を判断する段階にはまだ至ってないというのが実態でございまして、さらに調査を続けさせていただきたい、こんなところでございます。
#54
○河村(た)分科員 もう五年になるんですけれども、やっぱり相当かかるんですかね。ほとんど終わっとるんでないかという話もあるんですけど、まだでございますか。
#55
○戸矢政府委員 さらに調査をすべき部分が残っておるというふうに承知しております。
#56
○亀井国務大臣 何度も申し上げますように、私どもとしては、この実験線での実験を徹底的にやりたい、このように考えておりまして、それで、いける、安全性二〇〇%、大丈夫だという、そうした時点の中で、事実上急展開をしていくという形になると思います。
#57
○河村(た)分科員 四全総の中では、「長期的視点から調査を進める」というようなことになって、まだ先のことで、これは国土庁だから知らぬと言われるかわかりませんけれども、次の五全総の中では「調査を進める」ではちょっとたるいと思いますけれども、だから、もっとぐっと踏み込んだようなことを運輸省としても言っていかれるのかどうか、その辺ちょっとお伺いしておきたいのですが、これは大臣に、ひとつ。
#58
○亀井国務大臣 これは、もうリニアやるんだというような確定的な前提にすべてが立ってまいりますと、私はこういうことを恐れるわけです。人間ですから、技術的に安全面で若干の問題が残っても、やはり行け行けどんどんというような形でいってしまうという危険性みたいなものが、私はあると思うのですね。
 ですから私は、リニアについては安全性をとりあえずもう徹底的に追求するということに、もうやるんだというような前提の路線で走らせるということは、走らせるというのは流れをですが、ということは、ある面ではやはり危険であり、とにかくこの際、高速鉄道として使えるのか使えないのか、安全面で、もうこれを純粋に技術的に技術陣に検討してもらうということが前提である、このように考えております。
#59
○河村(た)分科員 今の御時世で安全面を余り言われますと、何せ新幹線でもああなったんだから、これは五百キロで走るのに、これは危ないぞということになる可能性もあるんですね。だけど、もう一つの安全面というのは、やっぱり新幹線が何かの意味で動けなくなったときに、そういう意味でのバイパスとしての安全面もございますものですから、ぜひこれはそうめげずに、ぜひともやって、進めていただきたいというふうに思っております。
 それと、このリニアの話が出たころだと思いますけれども、土地の深いところ、大深度地下の利用というのですか、この話もかなりありまして、これも何かバブルとともに消えてしまったような気がしないでもないのですけれども、リニアをやるということになりますと、私どもの名古屋も、いろいろな説がありますが、地下にどんとこうひゃあてくるというふうにもなってくると思うのですけれども、この辺のところは、必ずしも大臣の所管ばかりではないと思いますけれども、どういうようなふうになっておるのですか、最近余り聞きませんけれども。
#60
○戸矢政府委員 大深度の地下利用の問題でございます。
 おっしゃいましたように、将来、リニアが敷設されることになりますと、都心部に入る場合にはこの大深度を使うということが可能性として考えられるわけでございます。最近、閣議決定しております平成三年一月の総合土地政策推進要綱というものでは、さらに、法律面、安全面あるいは環境面等の種々の観点から、この大深度地下利用について慎重に検討というようなことにされております。
 現在、政府では、内閣内政審議室を中心に関係省庁間で、私権制限の問題でございますとか安全あるいは環境等の問題、そういうものについて検討しているところでございまして、さらに検討を続けていくということになっております。
#61
○河村(た)分科員 最後でございますけれども、半ば繰り返しになりますが、整備新幹線の話がいろいろある中で、財源問題が出てきますが、やはり東京、名古屋、大阪というのは、今言いましたように、三十五万人も一日に利用されるという物すごい大動脈でございますので、ぜひこれは大臣の、日ごろ勇気のある大臣でございますので、その財源の分配問題というのも、必要なところにはやはりきちっとやる、要らぬところはちょっと待ってくれやということで、ここのところはぜひ名古屋を通していただいてやっていただきたい。最後に、その辺の決意をひとつお伺いして、終わりたいと思います。
#62
○亀井国務大臣 交通体系の整備というのは、やはり長期的な観点、国家的な観点からやらなければならないというのが私の考え方でございまして、現在、運輸省の中でもそうした研究会、これをやっておるわけでございます。
 そういう意味で、大都市間のアクセスをどうしていくか、また、日本列島の全体の均衡ある発展を遂げるためにはどうしたらいいかという、そうした問題を処理をしていくわけでありますけれども、私は、交通体系をどうするかということは運輸省が決めるべきことだ、ここに大蔵省の偉い人が来ていますが、別に大蔵省が交通体系をどうするかという責任を持っておるわけではない。しかし、金を出してくれぬとつくれぬわけでありますから、私どもは、財政当局とやはりある意味では一体となって、日本の将来の交通体系がどうあるべきかということを一緒に考えていきながら財源問題も解決をしていきたい。
 六百三十兆の、当面、十年間の公共投資の財源があるわけであります。二%使ったって十三兆ですね。二%使うというのは非常に控え目だと私は思います。それだけの価値がないのかというと、そんなことはないと思いますね。やはり整備新幹線等についても、三%から、場合によっては、リニアまで入れますと五%、六%ぐらい使ったって、国民から見たって使い過ぎじゃないというコンセンサスは得られると思うわけでありまして、そういう意味で、きっちりと公共事業の中に位置づけをしながらこの問題も解決をしていきたい、このように考えております。
#63
○河村(た)分科員 どうもありがとうございました。
 以上で、終了します。
#64
○若林主査代理 これにて河村たかし君の質疑は終了いたしました。
 次に、横光克彦君。
#65
○横光分科員 横光克彦でございます。よろしくお願いいたします。
 現在、国内の交通ネットワークの中で大きなウエートを占めているのはやはり鉄道であろうと思うわけです。そういった意味で、JRの在来線が、国土の均衡ある発展と地域の住民の活性化のために大きな役割を果たしてきていると思うわけです。しかし、現在、非常に車社会になってきた。各地域の住民の足が、非常に車にウエートが置かれつつあります。しかし、環境問題やさらにエネルギー等の問題で規制が強められつつありますし、これからさらにそういった可能性があるのではなかろうか。
 そういったことを考えますと、これらの課題に対応し得るすぐれた交通手段としては、やはり鉄道の利用をさらに促進していく必要があるのじゃなかろうか、このように思っております。
 そういった意味で、鉄道利用の促進を国としては非常に積極的に、整備新幹線や、今お話ございましたように、リニアモーターカーやいろいろなことで進められているわけでございますが、それは大きな形での都市と都市との交通手段あるいは長距離的な交通手段、そういったグローバル的な考えでもって進められていると私は受け取っております。そういった意味では、本当に地域の住民の利用促進のためにはどのようなことが考えられるかといいますと、やはり複線化の問題になってしまうのではないかと私は思うわけです。複線化というものがある程度進みますと、地域の住民にとっては非常に利用価値が高くなるし、利益性あるいは便利性というものもさらに促進されていく。
 そういうわけで、きょうはちょっと複線化の問題についてお伺いしようと思っております。
 まず、全国の在来線における単線と複線の比率、これは今どのような状況になっているのでしょうか。
#66
○戸矢政府委員 先生のお尋ねの、全国の在来線の複線化の状況でございます。
 まず、JRの在来線でございますが、JRの在来線は、営業キロが全国で約一万八千キロございます。そのうち複線化された路線が約六千キロでございまして、複線化率が約三三%になっております。それから民鉄線、JRではございません、私鉄の線でございますが、民鉄線につきましては、営業キロが約七千キロございます。そのうち複線化されております路線は約三千キロでございまして、複線化率が約四三%になっております。
 それで、JR、民鉄線合わせますと営業キロが約二万五千キロになるわけでございますが、そのうち複線化された路線は約九千キロということでございます。複線化率が約三六%になってございます。
 なお、ちなみにJR九州について数字を御説明させていただきますと、営業キロが約二千百キロございますが、そのうち複線化されております路線が約四百八十キロでございまして、複線化の割合は約二三%になっております。
#67
○横光分科員 全国的には、在来線、JRの場合は三三%、まだまだ単線の部分が非常に多いというわけですね。やはりこれは、国鉄からJR、民営化されたということで、それぞれのJRの経営判断ということでそういう状況になっているのでしょうが、それでも複線化の要望は全国的に多いのじゃないか、必要性から加味されて。
 そういった中で、この複線化率は近年どのように推移してきているか、ちょっとそこのところをお聞かせください。
#68
○戸矢政府委員 複線化率の最近の変化の状況でございますが、全国ベースで昭和五十九年に約三二%でございました。これが現在は約三六%になっておりまして、十年間で約四%上昇した形になっております。
 それから、JRだけについて見ますと、昭和五十九年には約二八%でございましたものが現在約三三%、先ほども申し上げたとおりでございまして、十年間で五%程度の上昇になっております。
#69
○横光分科員 やはり鉄道の複線化というのは、全国レベルでも余り進んでいないわけですね。
 ちょっと話を狭めて、九州の問題なんですが、やはり九州は、皆さんおわかりのように交通体系が、これは車も道路も鉄道も含めてですが、どうしても西高東低という形になっているわけですね。博多から熊本、鹿児島、長崎、佐賀、こっちの方面に比べまして、東側、博多から大分、宮崎方面というのは、道路網も鉄道網も非常に、どちらかというと立ちおくれているというのが現状でございます。
 そういった中で、東九州の方に、小倉からずっと、博多から大分を通って宮崎、鹿児島へ行く日豊本線という大動脈があるわけですね、大動脈幹線が。日豊本線の、先ほど九州の複線化率二三%とお聞きしましたが、その中で、今度は日豊本線だけの複線化率はどの程度になっていますか。
#70
○戸矢政府委員 日豊本線の複線化率についてのお尋ねでございますが、日豊本線は、先生おっしゃいましたように、小倉から鹿児島に参ります五百十二・六キロの路線でございます。
 この路線のうち、複線化されております区間は、小倉−立石間八十五・二キロ、それから中山香−杵築間八・八キロ、日出−大分間二十五・七キロ、合わせまして百十九・七キロの区間が複線化されておりまして、複線化の割合は約二三%になっております。これは、先ほどJR九州の複線化率約二三%と申し上げましたが、ほぼそれと同程度の複線化率になっております。
#71
○横光分科員 やはり東九州方面が非常にそういった意味でおくれていたわけですが、幸いにも道路関係では、昨年の十二月に地域高規格道路に大分県の方は本当におかげさまで五路線指定していただきました。さらに、九州横断道路、北大バイパス、東九州自動車道も少しずつ進みつつあります。その上に高速化ということで、国の御理解と援助のもとに、今度の春のダイヤ改正で高速化事業を竣工していただきました。本当にありがとうございます。そういった意味で、大分と小倉間が約十分程度短縮されるということになり、これは利用者にとりましては非常に便利になったわけでございます。
 しかし、それも先ほど私が申しましたように、これも大分−小倉間、大分−博多間、要するに大分、別府、中津、小倉、博多と、いわゆるそれぞれの中核都市を経由した大きな形での高速化なんですね。この地域の住民の人たちは、それは余り利用できないわけなんです。そういった意味で、私はこの複線化というものを今回取り上げたわけです。
 ちょっと資料をお渡ししているかと思いますが、今局長さんからお話がございましたように、大分以北、大分−小倉間の中で複線化されていないのが、お渡しいたしました資料の中のピンクでなぞっているところです。ここだけが今でも単線なわけなんですね。
 そして、私がここをなぜ複線化していただきたいかといいますと、これは地元の非常に強い要望もあるわけでございますが、その中の一つとして山香町と杵築市と日出町という三市町がこの路線に関係があるわけです。この地域というのは、いわゆる上の方の中津、小倉方面の企業が大分進出し始めている。そしてまた、下の方の大分、別府の方の企業、あるいは通勤というものもふえつつある。ちょうどこの区域というのはその中間になるわけですね。そして、この区域の人たちは、どちらかというと農業をやりながら働くという、いわゆる二種兼業の方たちが多い。そういった中で企業、働く場は確保しても、単線であるために、非常に交通手段が悪いために、そこから結局出ていってしまう、働くために。そして、残念ながら過疎がより進むという現状が続いてきているわけなんです。お恥ずかしいのですが、大分県は過疎化率が今全国一になってしまいまして、そういった意味でもこの問題は、今県知事さんを初め非常に真剣に考えているわけでございます。
 さらにもう一つ訴えたいことは、大分以北、小倉までの間の十三・二キロの単線部分、ここの部分の用地が既にもう買収されているわけなんです。要するに、ある意味では複線化するための条件整備ができているわけなんですね。複線化するために一番大事なのは、用地を確保することだと思います。そういった意味では、用地が既にもう確保されている、この十三・ニキロの単線区域が。それはもちろん旧国鉄時代に複線化ということを進めるために、用地の買い上げを国鉄が始めて進めたわけですが、立石−中山香間は昭和五十四年から用地の買収が始まり、五十九年にはすべて国鉄が買い上げてしまった。杵築−大神間というのも五十四年から五十七年ですべて買収してしまっている。大神−日出間というものも五十六年から五十七年の間に用地は買収できている。
 そして今、ここで問題になっているのは、地域の、地元の住民、そしてまた地主の方たちが、複線化するという約束でもってあえて自分たちがお持ちの土地を国鉄に差し上げたわけですね、複線化してくれるということで、そういった条件で。それは線路沿いの土地ですから、複線化するという約束で売ってくれという要求があり、それならばそうしましょうという協力でもってそうしたわけでございます。そのときにも民営化になる兆しはあったわけですが、民営化になったとしてもこの複線化事業は継続していくんだという約束のもとで用地を売った。こういう地域の人たちの声を私は聞いてまいりました。
 そのような約束事がありながらも、あれから十年以上、用地を売ってからたつわけですが、一向に複線化が進まない、民営化されたということを理由に進まないわけですね。これはある意味では地主の人たち、売った人たちにとっては約束違反であり、非常に市や町に対して不信の感を抱き始めているわけですね。まずこういった大きな問題がございます。
 さらに、先ほど申しましたように、この区域はベッドタウン化されつつありますし、複線化になればさらに、そこに住んでいながら働きに行く、過疎の進行の歯どめになる、複線化になればそういった大きなメリットがあるわけなんです。
 この下の方に日出という駅がありますね。ここまでは大分から別府まで複線なものですから、二十分置きに朝でも電車がある。ところが、日出から杵築の間が単線なものですから、この杵築というのは非常に、先ほど申しましたように大分方面あるいは中津方面にも働きに行く人たちの、今ベッドタウン化しているわけですね。これは例えば、大分の方に行く場合、日出−大分間は二十分置きぐらいにあるのですが、日出−杵築間は一時間に一本しか走らないというような状況である。そのために、杵築の人たちはわざわざ日出まで車で行って、日出から電車に乗るというような不便をかこっているという状況があるわけです。もちろん、車で行く人も多いですが、車の場合は、やはりちょっとでも事故、交通渋滞があったら大変なことになる、あるいは危険性、そういった時間の確実性等を考えると、やはり皆さん鉄道を利用したい、こういう声が大きいわけですね。そういった意味での必要性。
 さらにもう一つ、ちょっと御説明いたしますと、日出の左に暘谷駅という駅があります。これは、現在複線化されているところの駅ですが、この暘谷駅のところに日出高校というのがあるのです。この日出高校が今度、平成九年度を目標に、日出の右隣の大神駅のところに移転する予定があるわけです。ということは、ここに移転して、県でも初めて手を挙げようかとしている総合学科の学校を始めようとしている。いわゆる選択制のある高校、大学のように好きな科目を選んでいけるような総合学科というのを文部省が始めているわけですが、総合学科を取り入れた学校として、ここの大神駅の近くに移転する可能性がある。総合学科になりますと、県下各地からより広い人たちがそこの学校に応募してくる可能性がある。そうすると、今までは日出近辺の学生だけだったのが、今度はもっと広い区域からその学校に通う可能性があるわけですね。そうした場合、この大神駅が単線のど真ん中なんです。高校生、通学生のために非常に不便な形になる。鉄道のダイヤに合わせて学校のカリキュラムあるいは始業時間、終業時間を合わせなければいけないような状態になってしまうらしいんですね。
 そういったもろもろの条件で、ぜひともこの単線区域、大分以北の十三・二キロ、この区域の複線化が地元の皆様方の要求が非常に強いわけでございますが、この日豊本線の複線化計画の現在の検討状況はどのようになっているのでしょうか。
#72
○戸矢政府委員 先生おっしゃいましたように、国鉄時代の昭和四十八年から複線化、立石−亀川間でございますか、始まっておりまして、中山香−杵築間が五十二年、豊後豊岡−亀川は五十五年、日出−豊後豊岡間は六十二年の三月、国鉄改革の行われる直前でございますが、複線化が済んだというふうに承知しております。
 ただ、立石−中山香五・ニキロそれから杵築−日出間八キロ、十三・ニキロほどが単線区間として残っているわけでございます。この区間、おっしゃいましたように、用地買収も九九%方終了しているというふうに私ども承知しております。
 ただ一つには、実はJR九州は、現在鉄道整備基金の助成を受けまして、先生もおっしゃいましたけれども、まず小倉から大分の間の高速化というものに全力を挙げております。これはおかげさまで順調に進みまして、この四月一日には完成いたしまして、高速化、スピードアップができるということでございます。JR九州としては、当面このスピードアップによる輸送改善、お客様がふえていくというようなことをも見ながら、今後、残りました二つの単線区間についての輸送需要の動向を考えながら検討していきたいということでございます。
 実は、これは今単線ではございますけれども、線路の容量という意味ではまだ列車の増発は可能のようでございまして、そういう意味で、容量が足りないということではないようでございます。
 いずれにいたしましても、JR九州、まず高速化を今やっております。それが完成し、全体のお客様の状況を見ながら、今後この問題についても検討していきたいというふうに私ども承知しております。
#73
○横光分科員 実際はJR九州さんの経営判断でございましょうが、複線化にしてもそんなにお客さんはふえないだろうとか、あるいは採算に合わないだろうとか、そういった形で滞っているのじゃないかと思うのですが、これは鶏と卵の問題で、ふえないからやらないのじゃなくて、やればふえる可能性が物すごくある地域なわけですね。ですから、そういったことでひとつ非常に大胆な決断をどうにかお願いしたい。
 そうして本当に、私が先ほどからしつこく言っていますのは、まだ用地も何も買収されていない区域を急いでやってくれと言っているのじゃない。用地をすべての人が提供してくれてできている。トンネルまでできている。ただ唯一ネックは、聞きましたところ、杵築のそばにある八坂川ですね。あそこの鉄橋に随分と費用がかかるのじゃないかということをお聞きしておりますが、この日豊本線、今言いました大分以北の十三・ニキロを複線化した場合にどれくらいの経費が必要となるか、わかりますか。
#74
○戸矢政府委員 この十三・ニキロ、JR九州の試算でございますが、それによりますと、立石−中山香間五・ニキロで約二十億円、それから杵築−日出間八キロでございますが、六十四億円ということで、合わせまして八十四億円程度の工事費がかかるというふうに概算されております。
#75
○横光分科員 用地は買収していても、やはりまだこんなかかるのですね。これはやはり大変な金額ですね。
 確かにいろいろ課題はございましょうが、運輸省としては、先ほど申しましたこの日豊本線の複線化、日豊本線全体、大分県以北だけではなくて日豊本線全体の複線化の問題、それからまた私が今言いました十三・ニキロの問題を含めましての複線化に対する運輸省の取り組み方は、これからどのような形でなされようとしておりますか。ちょっとお聞かせください。
#76
○戸矢政府委員 私どもも、日豊本線の複線化に対して地元の御要望が非常に強いということはよく承知しております。ただ、先ほども申し上げましたように、工事費が約八十四億円かかるということがございます。一方、JR九州自身の経営もなかなか環境は厳しいというのが実態でございます。
 そういう中で、実は鉄道整備基金の助成を行いまして、ある意味で、高速化というのも非常に強い地元の御要望でございましたので、国、私どもといたしましても、地元の御要請あるいはJR九州の支援という意味でも、この高速化に経営安定基金の無利子融資ということで支援をしているというようなことがございます。
 そんなことではございますけれども、先生今御指摘のとおり、この区間の複線化につきましては、地元の御要望も大変強いということでございます。JR九州に対しましては、やはりいずれにいたしましても、関係の地元の地方公共団体の御協力がないとなかなか前に進めない話だろうと思います。そういう意味で、今後関係地方公共団体の御協力もいただきながら、さらに、先ほど申し上げましたように、高速化によりましてこの日豊本線全体がお客様がふえて、利用客がふえていくということも期待されているわけでございますので、そういうことも踏まえながら今後対応していくようにJR九州を指導してまいりたい、こんなふうに考えております。
#77
○横光分科員 はい、よくわかりました。
 ただ、高速化の面では本当にお力をいただきましたが、先ほどから言っていますように、高速化というのは、ある意味では長距離の人たちのためには非常に利便性があるわけですが、本当に地域の住民の人たちの足になるためには、高速化の次の段階はやはり複線化であろう、そして特に大分以北ではこういう状況になっているということを含めまして、どうかひとつ今後よろしくお願い申し上げます。
 もちろん第一義的にはJR九州の経営判断であると思いますが、地域住民の足の確保をするためにも必要な工事でございまして、今お話がございましたように、県と市町、そしてJR九州、三位一体となって進める計画であろうと思いますが、どうか運輸省、国の方も、非常に積極的に御指導のほどをひとつよろしくお願いいたします。
 大臣もお話聞いて大体おわかりかと思いますが、村山総理の県でございますので、そういった意味で、こういった状況が進んでいる中でならもうちょっとしっかりやっていただきたいというようなことをもしお考えでございましたら、ひとつ。
#78
○亀井国務大臣 村山総理の地元だから特別扱いをするというわけではございませんけれども、委員は先ほどから熱心にそうした地方の抱えている現実的な問題をお話しになっておられる。私のところも全く田舎で、単線の列車が走っておるところであります。
 採算性とかそういうものはもちろん大事ではありますけれども、公共の交通機関としての使命を持っておるわけでありますから、東京、大阪というところだけの利便性が促進をされるというだけじゃなくて、採算的には問題があるところであっても、日本じゅう便利なところにばかり人が集まって住んだら困るわけでありますから、そういう地域には採算面を若干度外視をしても別なところでもうけるというような観点から、そういう問題について私は、JR各社とも採算性偏重ということじゃなくて取り組んでいくべきだということを常に言っておるわけでございまして、石井社長にも、先生からそういう御熱心な強いあれがありましたことを踏まえまして、また具体的に、積極的にとにかく研究して取り組めということを私の方からアドバイスもいたしたいというふうに思っております。
#79
○横光分科員 本当に力強いお言葉をいただきまして、どうもありがとうございました。長期的になってもいいですから、一メーターでもいいから着工が始まることを地元の人が希望していますので、どうぞひとつよろしくお願いします。
 時間が来ましたが、建設省の方にお越しいただいていますのでちょっと一言お聞きしたいのですが、先ほど申しましたように、地域高規格道路が指定されましたが、これを今度調査区間及び整備区間として一日も早く指定していただきたいわけでございますが、この調査区間、整備区間の指定はいつごろになるのか、ちょっとお聞かせください。
#80
○佐藤説明員 お答え申し上げます。
 先ほど先生から御指摘ありましたように、昨年の十二月でございますが地域高規格道路、候補路線と計画路線の指定をさせていただきました。現在、指定されました計画路線につきましては、整備のプライオリティーの検討や概略ルートの検討といった基礎的な調査を開始しております。
 この調査の進捗を勘案しながら、さらに整備手法の検討であるとか環境アセスメントであるとか、あるいは必要に応じて都市計画の手続、これらの調査を進めるための調査区間というものと、さらにその次の段階でございますが、事業着手に向けまして実施設計や地元の協議といったものを進める整備区間、このそれぞれの区間を指定していこう、こういうことで準備を進めております。
 現在、それぞれ各県あるいは直轄の地方建設局の事業が事業としては予定されておりますので、それぞれの調査の進み方の内々のヒアリングを始めておるところでございまして、いつというのは現時点では正確には申し上げられませんが、事業全体は急ぐということで私どもも大いに進めておりますので、できるだけ早くこの指定ができるように準備を進めておるところでございます。
#81
○横光分科員 地域の発展と活力ある地域づくりを進めていくためには、先ほどの鉄道と同じようにこの地域高規格道路も非常に大きな意味を持つわけでございます。どうか一日も早く計画路線を調査区間あるいは整備区間として指定していただきますことを心からお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#82
○若林主査代理 これにて横光克彦君の質疑は終了いたしました。
 次に、安倍晋三君。
#83
○安倍(晋)分科員 質問に先立ちまして、さきの阪神・淡路大震災の発生の日から亀井大臣を初め運輸省の皆様各位が本当に獅子奮迅の働きをしてこられましたことに対しまして改めてまず敬意を表したい、このように思う次第でございます。
 私は、船舶検定・検査について何問か質問させていただきたいと思います。特に、二十トン以上の漁船に限ってお伺いをしたいと思うわけでございます。
 まず、今我が国の漁業を取り巻く環境は大変厳しいものがあるわけでございまして、先般ウルグアイ・ラウンドの妥結を見たわけでございますが、その中には水産分野があるにもかかわらず、残念ながら水産業に対する支援というのはほとんどなかったわけでございますし、輸入魚の増加に伴いまして魚価は低迷をいたしております。そしてまた、水産資源はだんだんと減少している中におきまして、公海を使うにおきましては韓国漁船、中国漁船の大変無謀な操業の中で日本漁船も今大変な被害を受けているわけでありまして、残念ながら中国はその状況を改善しようとしていないという状況でございまして、船主の中には今後漁業を続けていくかどうか本当に岐路に立たされている船主もたくさんいるわけでございます。
 私の地元の山口県におきましても、かつては漁業県として十一カ統に上る遠洋漁業の基地があったわけでございますが、現在は、二社ほど操業しているわけでございますが、一社は相当厳しい状況にあって、アクティブなのはほとんど一社しかない。という状況になっているわけであります。
 そういう中で、二十トン以上の船舶検定・検査、これは昭和八年に制定されてもう六十年以上たつわけでございますが、その間十四回改正がなされているわけでありますが、しかしながら大変技術が進歩した六十数年の現実をある意味では無視をしているところも多分にあるのではないか、このように私は思っているわけであります。そういう六十数年前の制度と法律によって大変検査が厳しいものになっていて、それに伴う出費が数千万円に上るわけでございまして、景気がいいときはいいのですが、だんだんこのような厳しい状況になってきますと、その負荷に耐えられず、船舶検定・検査にお金がかかり過ぎるということも理由の一つとして漁業を離れていこうというところも出てきているわけでございます。
 もちろん、この制度自体は、安全な航海を保障しなくてはいけないわけでございますし、普通の自動車とは違いまして船の場合は海の上にいるわけでありますから、そこで故障をしたりあるいは事故が起こった場合はすぐに人命につながるわけでありますから、その重要性は私も認識をしているわけでありますが、しかしながら、このハードルが余りにも高過ぎる、あるいはこの中身自体が古過ぎるためにそれをクリアするのに大変な資金がかかるのであれば、やはりもう一度現在の技術の進歩に合わせて改正をしていくべきである、このように私は思うわけでございます。
 一年前にもこの問題について私は質問をさせていただいたわけでございますが、この十四回の改正の中で検定・検査の中身について果たして改正したものがあったかどうか、そのときにもお伺いをしたわけでございますが、私の目から見ればいわゆる中身についてはそうした改正が実際はなされていないのではないか、このように思うわけでございますが、お答えをいただきたいと思います。
#84
○小川(健)政府委員 船舶安全法、昭和八年に制定されまして以来十四回の改正を行いまして、技術の進歩に応じまして検査の合理化、そういったものを取り入れてこれまで来ていると思っておりますし、いろいろな国際的な基準との調和を図りながら検査の合理化を図ってきております。
#85
○安倍(晋)分科員 十四回の改正の中で、それを詳しく逐条ごとに見てまいりますと、むしろ厳しく改正をしたという改正も何回か行っているわけでありまして、例えば備品等々について、それとかエンジン解放検査の中身について、これを改正したのかどうかということについては、改正したかどうかということをまずお伺いをしたいと思います。
#86
○小川(健)政府委員 エンジンの解放検査のことでございますが、中間検査におきますエンジンの解放検査の緩和につきましては、エンジンの製造実績あるいは使用実績、検査実績等を考慮して選定いたしました型式のエンジン、これを搭載しております船舶を対象に、船主がエンジンについて的確に点検整備を行っている場合には解放検査を省略する方向で検討を進めております。
 それで、既に対象となるエンジンを選定しております。これは現在二型式のエンジンがございますが、選定しておりまして、現在その条件に合致する船舶を選定しているという段階でございます。既に対象となるエンジンはもう選定しております。それで、そのエンジンを搭載する船舶、それを現在選定しているという段階でございます。
 さらに、今回選定したエンジン、現在二型式のエンジンがございますが、それら以外のエンジンでさきに述べました条件、製造実績とか使用実績、検査実績等でございますが、これらを満足するものについても今後解放検査を省略する方向で準備をしております。
#87
○安倍(晋)分科員 今おっしゃったのは型式認定制度ではないかと思いますが、今おっしゃった解放検査を省略するというのは、これは二十トン以上も含まれるのでしょうか。
#88
○小川(健)政府委員 船の大きさには関係いたしません。
#89
○安倍(晋)分科員 実は、ほぼ一年前に同じことを質問させていただきました。そのときにも今のお話を伺ったわけでございますが、ただ、一年間実際に省略というのはまだ行われていないわけでありまして、これは一日も早くやっていただかないと、これができたころにはほとんど遠洋漁業をやる人がいなくなってしまうという現実に直面するのではないか、このように私は危惧をしているわけでありますが、先般も私が質問した際に型式承認制度については御説明をいただいたのですが、そのときに認定事業所制度、これは十四回にわたる改正の中で行われたことなんですが、この認定事業所制度はどのように活用されているかということをお伺いしたいと思います。
#90
○小川(健)政府委員 認定事業場制度は昭和四十八年に創設されまして、これまで多くの事業者がこれを活用しております。ただ、船舶の認定事業場につきましては、自動車のように大量生産が行われている物件とは異なりまして、船舶は一般に一品生産でございます。船舶全体を定型的に整備すること自体は困難でございまして、船舶全体に認定事業場制度を活用することは不適当だというふうに考えておりますが、船舶に備える設備、例えば救命いかだの整備のような定型的なものにつきましては整備認定事業場制度を活用いたしまして、国の検査を省略し、合理化を図っております。
 それからまた、船舶検査で重要な事項でございますエンジンの整備につきましても、規制緩和の観点からも整備認定事業場制度の運用を早期に開始すべく、現在検討を行っているところでございます。
#91
○安倍(晋)分科員 現在、船舶検査官は二百四十六人ということなのですが、若干数字は変わっているかもしれません。二百四十六人であれば、この二百四十六人で、全国に散らばるドックに行って検査を行うわけでございますが、しかしながら、やはりこの人数が十分か不十分かということになるのですが、今の制度のもとでは、残念ながらこの人数は十分とはいえないと私は思うのですね。この方々はお休みもとりますし、土曜、日曜日は休まれるわけでありますから、そのときに大切な漁期を逸してしまう、しかも数少ないドックに幾つか船が検査待ちで待っているうちに、実際に仕事をする日にちがそれによって失われていってしまう、機会を失われてしまうというのは大変大きな問題でございまして、一カ統船の場合は大体三隻から四隻で操業を行っているわけでありますが、もっとこの認定制度を活用することによって一カ統船につき大体五百万円くらいの経費が節減できるのではないかということを大日本水産会は言っているわけであります。
 小型船舶造船業法に制定されている造船所は主任技術者を選任して運輸省に届け出るということになっているそうでございますが、この主任技術者は、大体ほとんどのドックで大変水準が高いということを私は聞いているのです。他方、船舶検査官の場合は、もちろんベテランの方は大変高い水準を持っておられるわけでありますが、しかしまだ任官して間もない方の場合は、その技術水準からいって、こちらの造船所にいる主任技術者よりも実際は実務の面においては多分に劣る方もいて、実際に検定といっても造船所の主任技術者の後ろをついて回っているという人たちもいるということも、これは実際の話として私は聞いているわけでありまして、ここらでひとつ、もう少しこれを弾力的に運用していく。
 これは、現在の行革の中で船舶検査官をふやすというわけにはいかないわけでありますから、そういう中においてはやはりもっと、せっかくつくった、改正した認定事業所制度を今後も活用する方向で考えていただきたいと思いますし、先ほどエンジン解放検査を省略するというお話は、大変私は心強い話だと思いますので、これはひとつぜひとも期限をどこかに置いて、ターゲットを置いて考えていただきたいと思いますが、大体その目安というのはおありでしょうか。
#92
○小川(健)政府委員 船舶検査官二百四十六名、各地方の運輸局にいて船舶の検査を行っているわけです。先生がおっしゃいました、各造船所にいる主任技術者を使ったらどうかというお話もありますが、先ほど申しましたように、船舶自体を認定事業場制度であれするのは、船というのは定型的なものではなくて一品生産ですので、なかなか難しい面がございます。
 ただし、船舶に搭載するいろいろな救命設備とかそういったいろいろな機器につきましては、できるだけ認定事業場制度を活用して検査の合理化を図っているわけでございます。それで、これらの認定事業場の対象範囲というものもこれからできるだけ広めまして、品目も広め、工場もふやしまして、できるだけ検査の合理化を図っていきたいというふうに思っております。
#93
○安倍(晋)分科員 できれば大体期日、月安を教えていただきたかったのですが、できる限りその目安を出せるように検討していただきたいと思います。負担については、やはりエンジン解放検査が一番大きな負担になっているということでございますので、その点をぜひとも改善をしていただきたいと思います。
 次に、期間なんですが、これは四年、六年で、中間検査が二年、三年であるわけでありますが、特に大型船舶の場合は、二十トン以上の場合は二年、四年、中間と定期点検があるわけであります。この定期検査と中間検査、やはり中間検査をもう少し簡略化をしてほしいというような強い要望がございますし、また二年、四年というのは、今技術の進歩と機械等々の進歩によって耐用年数、保証年数的に三年、六年で十分ではないかと言う技術者も何人かいるわけでありますが、この中で、運輸省としてはこの二年・四年を三年、六年にすることを検討するかどうかということをまずお伺いしたいと思います。
#94
○小川(健)政府委員 国際的には、一般の船舶は定期検査の間隔は五年でございます。五年でありますけれども、アニュアルサーベイといって毎年の検査を行うことになっております。これに対しまして、漁船に対するトレモリノス条約というのがございまして、漁船につきましては定期検査の間隔は四年、しかし毎年の検査を行わずに二年ごとに中間検査を行うことになっている。一般の船とのバランスがここでとられているというふうに考えております。それは長さ二十四メーター以上の船でございますが、総トン数二十トン未満の船につきましては、現在でも六年ごとの定期検査とそれからその間の三年ごとの中間検査を行うことになっております。
#95
○安倍(晋)分科員 二十トン未満につきましては、民間の機関、協会等々を利用してというように改正をされておりまして、それほど強い不満というのはないのですが、主に二十トン以上の船舶だと私は思うのです。
 今お話がございましたトレモリノス条約なんですが、この条約について今批准に向けて作業中であるということでございますが、批准というのは大体いつぐらいにお考えなんでしょうか。
#96
○小川(健)政府委員 トレモリノス条約の発効要件は、全世界で十五カ国以上の国が入り、その締約国の合計の漁船数が一万四千隻以上になった時点の一年後ということになっております。それで、現在は、国の数は十八カ国批准したわけですけれども、隻数はまだ約五千三百隻。一万四千隻に対しまして五千三百隻ですので、まだ発効要件には達しておりません。
 この見通しはどうかということですが、やはり漁船を多く持っている国の批准がない限りなかなか発効しない状況になっております。我が国は批准すべく今作業をしているところでございます。
#97
○安倍(晋)分科員 先ほど定期検査について四年と中間検査二年、これをやはり三年、六年にするべきであると私申し上げたわけですが、従来から申し上げている中で、条約によって縛られるというお話があったのですが、条約はまだ我が国は批准をしていないわけなんですが、しかし条約によって縛られるために二年、四年になってしまうというのは話が逆であって、三年、六年にすることができるということであればその条約自体を見直すべきではないか、このように思うわけでありますし、むしろ、そういう条約に入ることによって漁業者が大変な負担を強いられるのであれば、この批准そのものを考えなければいけない、このように私は思っているわけでございますが、運輸省の方としては、これは外務省になるのかもしれませんが、この条約に入るに際してこの二年、四年の中間・定期検査の期間をもう一度再検討することが可能かどうか、お伺いしたいと思います。
#98
○小川(健)政府委員 トレモリノス漁船条約はまだ発効しておりませんし、発効していない条約の改正というのもまたできないような状況でございます。
 それで、船の安全確保のための検査、これは大体、漁船も含めてでございますが、国際海事機関、IMOで国際的に決められているわけでございまして、日本だけがそれを緩和するというのはちょっと難しいんじゃないかというふうに考えております。
#99
○安倍(晋)分科員 このことについてはぜひとも、条約はそういうことであれば、我々、漁業者の意見を聞く限り、そう簡単にはこれは批准するのはどうかな、このように思っているわけでありまして、そういうことから、皆様方にもこの条約についてはもっと、果たしてこの条約を結ぶことによってどういう影響があるかということを考えていただきたい、このように思います。
 それとまた、備品の検査についてなんですが、備品の検査についても漁業者も大変な不満を持っているわけでありまして、たしか一年前に私はこれ、法律で定められております無かん大錨の装着義務についてお伺いをしたわけでございますが、この無かん大錨というのはまさに今全く無用の長物と化していて、このいかりを実際に使っているという漁船はほとんどいないわけでありますが、それとはまた別途実用的ないかりを使っているのですが、しかし、法律で定められているものですから、実際はこの無かん大錨を置かなければいけない。邪魔なものを置いているために、むしろそこにけつまずく人もいるのではないかと言っているぐらいなんですが、前回質問させていただきましたときに、それは検討するというお話だったのですが、その後どうなったか、お聞かせをいただきたいと思います。
#100
○小川(健)政府委員 無かん大錨のお話でございますが、船の大きさに応じまして漁船に備えつけられる錨、アンカーの数、大きさ、それから鎖の長さが定められているわけです。ただ、規則の中では無かん大錨と有かん大錨とは同等に取り扱っておりますので、無かん大錨がどうということではないと思います。
 先生の言われるのは、予備のアンカーについて、航行中に脱落したとき等のために備えつけるものがあるわけですが、これがむだではないかというお話かと思いますが、脱落、損傷する事例も少ないという御指摘もございますので、実態を踏まえた上で見直しをしたいというふうに思っております。
#101
○安倍(晋)分科員 それと、事故の際の救命いかだなんですが、この救命いかだを、定められた救命いかだに加えて、特別の安全のためにさらにいかだを、定められていない、義務でないにもかかわらず装備をした場合にも、そのいかだについて認定、検定を受けなければいけない。これは、むしろプラスアルファでやっているにもかかわらず、認定、検査を受けなければいけない。それは大変また負担になるわけでありますが、そうであれば、じゃもう面倒くさいからやるのはやめよう、置いておくのはやめようということに当然なってくるわけでありますが、その点についてどのようなお考えを持っているか、お聞かせをいただきたいと思います。
#102
○小川(健)政府委員 先生の御指摘は、法定外で自主的に装備した救命設備、これに対しましては、検査は要らないのではないかということかと思いますが、救命設備というのは、万一の事故の際に人命の安全を確保する上で遺漏のないよう船舶安全法で規制しているわけでございまして、自主的に装備した救命設備であっても万一の事故の際に人命の安全を確保する目的で使用することが考えられるわけでございます。この際、当該設備が誤作動あるいは不作動等、本来の機能を阻害する場合があるわけです。そういうことを防止するために、検査は、法定外で積んだとしても必要だという考え方でこれまでずっと来ております。
#103
○安倍(晋)分科員 それは理論としては当然わかるわけでありますが、しかし、それを積む方の側となって考えれば、これをさらなる安全のために積んだら、それについても検定・検査をされるということであれば、だったら、積むのをやめるかという話になる。積むのをやめるよりも積んでもらった方がいいということを考えれば検査をやめるべきではないか私はこのように考えるわけでありますが、これはこれ以上御答弁は結構です。
 あと、無線の検査について、郵政省と運輸省で全く同じ検査を行っていた、二重検査を行っていたのですが、これについては前回質問をさせていただいたときに十分に検討するというお話だったのですが、その後の進捗をお伺いしたいと思います。
#104
○小川(健)政府委員 船舶に搭載する救命用の無線設備、これにつきましては、運輸省は船舶安全法に基づく船舶の航行の安全という観点から、それから郵政省は電波法に基づき電波監理の観点からそれぞれ異なる法目的で検査を実施してきたわけでございます。
 しかしながら、二つの検査には共通の項目も存在するわけでございまして、それを避けるため、昨年の一月から整備記録の様式というものを統一化いたしまして、従来両法に基づきそれぞれの整備事業者が別個に行った整備を一回で済むように措置することにつきまして運輸省と郵政省が合意に達しまして、今年度末から、来月末でございますが、実施することにしております。
 これによりまして、整備の重複による船主の費用負担はかなり大幅に軽減されるものと思っております。
#105
○安倍(晋)分科員 無線についてそのような前進を見たというのは船主の皆さんも大変喜んでいただけたのではないか、このように私も思うわけでありまして、他の項目についても、むしろこれは、ぜひとも船主の立場になって考えていただきたいな、このように思うわけであります。
 もちろん、これは安全基準でありますから、私も再三申し上げておりますが、これを変えていくというのには慎重の上にも慎重を期さなければいけないわけであります。しかしながら、船員自体が自分たちの安全を一番考えているわけでありまして、それと同時に、生活をしていかなければいけないわけでありますから、そのバランスをどのように考えていくかということが大切ではないか、このように私は思うわけであります。この改正というのは慎重にやらなければいけないわけでありますが、これは思い切った決意で、変えていくことは変えていっていただきたいと思うわけでありますが、ひとつ大臣からお考えをいただきたいと思います。
#106
○亀井国務大臣 先ほどからお伺いをしておりまして、安全面からのチェックというのは極めて重要であるとは思いますけれども、やはり今の時代、技術もどんどん進んでおるわけでございますし、いろいろな状況が変化をしておるわけでありますから、委員御指摘のようなことにつきまして、何か一年前に検討するという約束をしておって、どうもまだ検討中だというようなことがあるようでありますが、そういうことは、一生懸命検討はしておりますけれども、やはり変えるべきものはきっちりと早期に変えるということで、次に委員が質問されるときに同じように検討中だということは絶対にさせませんので、私はそのようにお約束をいたします。
#107
○安倍(晋)分科員 ただいま大臣から大変心強いお話をいただきまして、私も大変うれしく思っているわけでありますし、また漁民も大変な期待をしているのではないかと私は思うわけであります。
 これで、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#108
○若林主査代理 これにて安倍晋三君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして運輸省所管についての質疑は終了いたしました。
 午後二時から当分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時開議
#109
○深谷主査 休憩前に引き続き会議を開きます。
 郵政省所管について、政府から説明を聴取いたします。大出郵政大臣。
#110
○大出国務大臣 委員の皆様には、平素から郵政行政の適切な運営につきまして、格別の御指導をいただき、心から御礼申し上げます。
 郵政省所管各会計の平成七年度予算案につきまして、御説明申し上げます。
 まず、一般会計でありますが、歳出予定額は五百二億円で、平成六年度当初予算額に対し七十八億円の増加となっております。
 この歳出予定額における重要施策について御説明申し上げます。
 まず、加入者系光ファイバー網の円滑な整備を促進するため、第一種電気通信事業者及びCATV事業者を対象として、投資負担軽減のための特別融資制度を創設することとしております。
 また、公共投資を活用し、公共分野における高度な情報通信ネットワークの先導的な利活用方法の開発・普及の本格的展開、欧米に比肩し得る情報通信基盤技術の研究開発を推進することとしております。
 さらに、マルチメディア化に対応するため、高度ディジタル技術を用いた放送番組の制作を行う者に対する支援、放送のディジタル化の促進などにより、マルチメディア環境の整備を推進することとしております。
 国際面では、国際放送の充実による国際相互理解の推進、国際的政策対話の実施を通じた世界的な情報通信基盤の構築の推進、開発途上国に対する国際協力の展開などにより、国際社会に貢献していくこととしております。
 また、視聴覚障害者向け専門放送サービスの推進などによる情報アクセス機会の確保、地球環境計測技術の研究開発などによる環境保全への貢献などを通じ、人に優しく、安心できる生活環境の実現を図ることとしております。
 さらには、二十一世紀に向けて、新たな技術革新による情報通信の展開を目指し、先端的技術の研究開発、宇宙通信技術の研究開発など情報通信分野の新たなフロンティアを開拓する技術の研究開発を推進することとしております。
 次に、郵政事業特別会計でありますが、歳入歳出とも予定額は七兆三千六百十八億円で、平成六年度当初予算額に対し二千二百八十三億円の増加となっておりますが、いわゆる通り抜けと言われております収入印紙等六印紙に係る業務外収入・支出分を除きますと、歳入歳出とも予定額は四兆七千百億円で、平成六年度当初予定額に対し六百二十五億円の増加となっております。
 この歳出予定額における重要施策について御説明申し上げます。
 まず、郵便事業では、お客様のニーズに対応したサービスの向上により利用の拡大を図るとともに、効率化と営業力の充実・強化により事業運営基盤の整備を図ることとしております。
 為替貯金事業では、為替リスクヘッジ手法の導入等資金運用制度の改善・充実を行うことなどにより、安心して暮らせる社会づくりのための為替貯金事業の展開を図ることとしております。
 簡易保険事業についても、為替リスクヘッジ手法の導入等資金運用制度の改善・充実を行うことなどにより、長寿福祉社会と金融自由化に対応するための簡易保険事業の展開を図ることとしております。
 また、郵政事業共通の施策としては、郵政事業の情報化、効率化を推進するとともに、時代の変化に対応した人的基盤の充実、郵便局舎の整備と機械化、システム化の推進、郵政事業の国際化への対応と国際社会への貢献などに必要な経費を計上しております。
 次に、郵便貯金特別会計でありますが、一般勘定の歳入予定額は十三兆三千八十六億円で、平成六年度当初予算額に対し五千百三十八億円の増加となっており、歳出予定額は十兆一千五百三十五億円で、平成六年度当初予算額に対し六百億円の増加となっております。
 また、金融自由化対策特別勘定におきましては、歳入予定額は六兆六千三百八十四億円で、平成六年度当初予算額に対し二千二百二十四億円の増加となっており、歳出予定額は六兆六千三百四十億円で、平成六年度当初予算額に対し二千二百二十三億円の増加となっております。
 次に、簡易生命保険特別会計でありますが、歳入予定額は十九兆二千七百三十三億円で、平成六年度当初予算額に対し二兆一千六百五億円の増加となっており、歳出予定額は十二兆二千五百六億円で、平成六年度当初予算額に対し一兆七千四百九十八億円の増加となっております。
 以上をもちまして、郵政省所管各会計の平成七年度予算案の概略につきまして、御説明を終わらせていただきます。
 何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
 以上でございます。
#111
○深谷主査 以上をもちまして郵政省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#112
○深谷主査 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宇佐美登君。
#113
○宇佐美分科員 新党さきがけを代表いたしまして、郵政関連の予算案また予算案関連の特殊法人、認可法人のことについて御質問をさせていただきたいと思っております。
 去る昨年の十二月十七日朝日新聞、これは一面と十一面ですか、この中で郵便貯金振興会のあり方についての議論というものが提示されております。これまでも臨調などで郵便貯金振興会のあり方や郵便貯金会館のあり方というものが議論されてきているわけですけれども、改めまして郵便貯金振興会の役割について、また郵便貯金会館そのものが幾つあるのかという基本的なデータから教えていただきたいと思います。
#114
○谷(公)政府委員 お答えいたします。
 まず、郵便貯金会館の数でございますが、全国に十五カ所ございます。
 それから、郵便貯金振興会の役割でございますけれども、郵政大臣は、郵便貯金事業に対する国民の理解を深めていただくための方策といたしまして、どなたでも広く国民に御利用いただけるような施設を設置することができることとされております。この施設の管理運営につきましては、国みずからが行いますよりも民間の創意工夫を生かした方が経済的、効率的に行えるのではないかということで、民間の発意に基づきまして設立されました法人でございます郵便貯金振興会に委託するという形になっております。したがいまして、郵便貯金振興会の役割でございますが、このような施設の管理運営を委託を受けて行いますことと、それから郵便貯金に関する調査研究及び出版物の刊行を行うことということになっております。
#115
○宇佐美分科員 今、郵便貯金の国民の理解を深めるのだというのがその役割として郵便貯金会館の御説明があったわけですけれども、記事によりますと、ホテルなど建設用のものの土地を大量に購入していく、また現在でも、日光ですか、では施設を現実につくっていく中で、宿泊施設として非常に地元でも議論になったと書かれているわけでございます。
 民業圧迫というものがないようにというような議論がこれまでもされてきているわけですけれども、郵便貯金会館として想定している顧客というものがあるはずです。どのようなものを考えているのか。
#116
○谷(公)政府委員 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、この施設の目的は、広く国民に御利用いただくことによって郵便貯金に対する御理解を深めていただくということでございますので、利用者については特定をいたしておりません。限定なしに、オープンな施設として設けられておるものでございます。
#117
○宇佐美分科員 オープンな施設として設けられているということは、いわゆる近隣にホテルがあれば当然ホテルの顧客と戦うことになるわけですし、また、近くにないとしても、安いものがちょっと離れたところにあるとなれば、当然そちらの方に我々のような市民というものは移っていくわけでございます。そうしておりますと、先ほどから申しておりますように、民業圧迫ということで競争が起きてくるわけでございますけれども、このことに関して、昭和五十八年三月十四日、臨時行政調査会の最終答申の中で、郵便貯金振興会を名指しで指示しているというか指摘している部分がございます。その内容を御説明ください。
#118
○谷(公)政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘の五十八年の臨調答申におきましては、郵便貯金会館につきまして、原則として会館の新設は行わないこととするとされております。
#119
○宇佐美分科員 原則として新しいものをつくらないんだということをしっかりと臨調の答申の中で言われておりますし、また、その後の同年五月の閣議においては、「施設関係法人については、民間と競合する会館、宿泊施設等の新設を原則的に中止するとともに、既存施設の運営の民間委託等を進める。」としているわけでございます。
 「民間と競合する会館、宿泊施設等の新設」ということの中で、どういう施設が民間と競合すると考えているのか。私の考え方からすれば、先ほどから申しておりますように、顧客がオープンだということはすべての顧客を対象にしているわけですから、自然と競争が起きてしまう。つまり施設があること自体が競争なんだ、競合することになるのではないかと考えているわけですけれども、その点についてお答えください。
#120
○谷(公)政府委員 御指摘の臨調あるいは閣議におきます決定の趣旨は、宿泊を中心としますような機能を持ちました施設につきましては、民間と競合するということで、原則的にその新設を抑制するという御趣旨だと思います。
 私ども、今先生御指摘の、計画しております施設につきましては、そういった宿泊を中心とする施設として考えておるわけではございませんで、例えばカルチャー教室、ギャラリー、ホール、会議室、貯蓄相談センター等の、地元の要望を取り入れた、地域の特色を生かした新しいタイプの施設といったようなものの設置を検討しておりまして、その際にも、その機能につきましては、地域の開発計画あるいは地元の関係します民間の事業者の方々の御意向等を踏まえまして、その具体的な建設に当たっていきたいと考えております。
#121
○宇佐美分科員 今、二つチェックしたい部分があるわけですけれども、一つは、臨調答申を先ほど答えていただいたように、「郵便貯金振興会については、原則として会館の新設を行わない」という指摘が臨調でされているわけです。これに対して閣議決定は言葉は変わっているわけですけれども、臨調答申そのものをどういう考え方で郵政省として受けとめているのかというのがまず第一点。
 第二点として、この文章の中では、「民間と競合する会館、宿泊施設等の新設を原則的に」ということで、「民間と競合する会館」の後に句読点が入っているわけです。つまり、民間と競合する会館の新設を原則的にというような形で文章がかかっていくわけですから、宿泊施設でなくても、競合する場合には当然のことながら原則的に中止するというわけでございます。
 先ほど、ホールなどということでの利用だと言われていますけれども、バブルが終わった現在、土地や貸しビルが余っている中で、現在は貸し会議室等があるかと思います。貸し会議室等とこれは当然のことながら競合するわけでございますから、第二点目としては、民間と競合するというこの指摘に合わないのか、合っているのか、どういう認識でいるのか、その点をお答えください。二つお願いします。
#122
○谷(公)政府委員 当時の御指摘は、宿泊機能を中心として民間と競合するというふうにお考えだったと思います。しかし、先生御指摘のように、時代が変化いたしますと民間と競合する分野にも変化が生じてくるということは当然だろうと思います。私どもとしましては、当時の状況は状況として、その趣旨を踏まえて対応していくというふうに考えております。
#123
○宇佐美分科員 恐らく局長は、お話ししながらも、自分で矛盾を感じながらお話ししていると信じているわけですけれども、役所というものは基本的に文章を追いかけて施策というものをやっていくにもかかわらず、時に、臨調答申では宿泊施設というものを想定した文章だということを言います。行間を読めということなんでしょうけれども、少なくともこの文章の中では原則として会館の新設を行わないんだということを指摘しているわけです。この臨調答申そのものをどういうふうに考えているのかというのが第一番目の質問です。その点をはっきりとお答えください。
#124
○谷(公)政府委員 臨調の答申の趣旨につきましては、先ほど申し上げましたように、民間と競合するような、当時といたしましては宿泊機能が中心と思いますけれども、そういった施設の新設は原則としては行わないようにという御趣旨であったわけでございます。私どもとしましては、そういう趣旨を含めまして、民間と競合し、民間に圧迫を与えるような施設をつくらないという意味でこの御趣旨を守るように運用していきたいと考えております。
#125
○宇佐美分科員 ですから、その趣旨というのはどこの文字から読めるのか教えてもらえますか。
#126
○谷(公)政府委員 「郵便貯金振興会については、原則として会館の新設を行わないこととする」というふうに臨調答申では書いてございます。当時の会館は、問題となっておりましたのは主として宿泊機能という意味で問題とされていたと考えております。したがいまして、当時の臨調答申の趣旨は、直接的には宿泊機能を中心とする施設という御趣旨であったと思います。
#127
○宇佐美分科員 いいですか、お役所の方々がお話しするときには、例えば宿泊施設を想定してという場合でしたら、宿泊施設等の新設をというような形で文字に入ってくるはずなわけです。入っていないということは、原則として会館の新設は行わないと、この文字のとおり受けとめていただきたいと思います。
 これは水かけ論になってしょうがないですし、現実的には政治の世界の中で、郵便貯金会館そのものを建ててくれという要望も受けた形で郵政省の方も動いていらっしゃるのでしょうから、その点については一政治家としても反省というか、過去に対しての反省はあるわけでございます。
 それでは、平成六年度の予算の中の状況と、もう執行している部分もあると思いますけれども、来年度予算の中での扱いとして土地の購入等を考えているのかどうか、その点を教えてください。
#128
○谷(公)政府委員 平成六年度におきましては、カルチャー教室、ギャラリー、ホール、会議室等の施設を中心とします、私ども、それを地域文化活動支援のための施設と仮に呼んでおりますけれども、こういった施設について三カ所の購入をいたしました。平成七年度予算におきましては、政府としてはニカ所の購入を予定いたしております。
#129
○宇佐美分科員 「駅前一等地を大量購入」という見出しで書かれているわけです。閣議決定無視なのか、そんな疑問も上がっている中で、先ほどから申しております臨調答申からすれば、文字を追いかけてみれば、どう見てもその会館の新設というのはおかしいと考えて普通ではないかと私は思っているわけです。そんな中で、批判を受けている、そして行革というものを歳出削減の意味でも考えているこの御時世の中で、土地の購入というものをまだやるのかということは非常に疑問なわけでございます。平成七年度においての土地の購入そのものを中止すべきではないかと考えているわけです。その点はどうお思いですか。
#130
○谷(公)政府委員 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたような機能を備えました施設につきましては、一部民間で行われておるところはあるかもしれませんけれども、全体的に見まして、民間ではなかなか経営の難しい施設であろうと考えております。こういった施設について、私どもが地元の御要望を酌みながら提供させていただくという考えておりますので、平成七年度におきましてもそのように運びたいと考えております。
#131
○宇佐美分科員 郵便貯金振興会の概要の御説明をいただいたことがあるわけですけれども、運営方法で国からの補助金、交付金なしということを大々的にというか、書いてあるわけですけれども、当たり前でございまして、土地の購入等は政府が直接やっているわけですね、郵政省を通した形の中である建物の中で運営するだけですから、どなたがやられてもある程度の利益が出て当たり前なわけです。固定資産税を含めて税制的な優遇措置も受け、土地の購入そのものに経費がかからなかったわけですから、運営そのものが、例えば隣のホテルよりも安くできますよ。安くできれば競合するわけですし、高くというか同じ値段にすれば、その税金の分だけでも利益が出て当たり前なわけでございます。当たり前のことが、今言われている説明ですと競合しないのだと言われても、納得できないわけでございます。
 来年度以降の予算に関しましては、今国会で今議論されているわけですけれども、その執行の中におきまして、行革というものをさらに一層考えた上で、ぜひとも郵政省としても取り扱っていただきたいと思うわけですけれども、これまでの質疑応答を受けまして、郵政大臣の方、どのような見解、御認識をお持ちか、お尋ねをさせていただきまして、終わりたいと思います。
#132
○大出国務大臣 今何回か答弁を申し上げておりますように、地域文化活動などの支援をしていく、そういう施設を考えたいということで、地域の開発計画などとの整合性を考えながらやっていこうということになっておりますので、今の御質問の趣旨を体しまして、慎重に相談をさせていただきたい、こういうふうに思っております。
#133
○宇佐美分科員 私の質問の趣旨を踏まえたと、体してと言っていただいておりますので、ぜひともこのあり方をさらに郵政省の中でも議論していただきたいと思うのと同時に、与党の行革プロジェクトの中でもこれから議論がさらに白熱していくことかと思いますし、また、この奥にあります財投の問題に関しましても政府系金融機関の議論とともになされていくわけでございますので、ぜひともその議論の行方をごらんになっていただきながら、同時に郵政省の中でも、新しい郵便貯金会館のあり方というもの、基本的に施設はつくらないんだという認識のもとで御議論をしていただきたいと思います。
 きょうはどうもありがとうございました。
#134
○深谷主査 これにて宇佐美登君の質疑は終了いたしました。
 次に、東中光雄君。
#135
○東中分科員 今回の地震と電話について、私素人でございますのでお伺いをしたいと思うのですが、大分私も電話をかけて、かからなくて往生したことがあるのですが、この地震による電話の被害の状況、程度、それから、それがその後どういうふうに回復されているのか、実情をお聞かせ願いたいと思います。
#136
○五十嵐政府委員 今回の地震の発生直後は、加入者の交換設備の障害及び加入者線の障害によって、三十万を超える電話につきましての障害が発生をいたしております。
 まず、このうち交換設備についてでございますが、この交換設備につきましては、八つの交換局の交換設備の障害が発生をいたしまして、二十八万五千の電話に障害が生じたところでございます。内容的なことをちょっと申し上げさせていただきますと、この交換設備の障害のときに、電源系統の障害やバッテリーの枯渇による障害によるものが三局、その他交換機の制御用の回線の障害によるものが五局でありました。なお、その後の復旧状況も含めて申し上げさせていただきますと、交換設備による障害につきましては、地震発生の翌日、十八日の午前中までにはすべて復旧をいたしております。
 それから、加入者線の部分についてでございますが、最終的には十九万三千の回線に障害があったということでございますが、一月の末までに、うちが壊れたとか、そういう倒壊によるものを除きまして、すべて回線を復旧いたしておりまして、現在は、この加入者線につきましては、残りの回線につきまして、家屋が復旧していくのに合わせまして復旧をさせるということで取り組んでいるところでございます。
 もう一つ、中継系の設備についてNTTの中継伝送路四区間で障害が発生しましたけれども、予備伝送路に自動的に切りかえていく、被災回線の七割を切りかえまして瞬時に救済した。残りの三割につきましても、十七日中には手動によりまして他の回線に切りかえて救済をいたしております。さらに、今申し上げました中継系の回線の障害自体につきましても、二十四日までにはすべて復旧を完了いたしております。このほかに、新規事業者につきましても、神戸を経由する伝送路に障害が発生しましたけれども、十八日までにはすべて予備伝送路により救済をいたしております。
 現在そういう意味では、概括的に申し上げまして、一月末までで復旧作業というのは基本的に終わっておりまして、家屋の倒壊等によっているもの、これにつきましては、その家屋が回復するに従って加入者線を入れていくという状態になってございます。
#137
○東中分科員 ちょっとよくわからないのですけれども、私は大阪ですが、私の地元の秘書が東灘区御影に住んでいたわけです。電話するのですけれども、初めは呼び出しかかっておったんですよ。そのときは本人は退避せいということを言われて出ていっているから、呼び出しはかかっているけれども出ないのですね。それからしばらくして、今度はかけるとブーブーといってかからないのですね、一体どうなっているんだろうな。向こうは向こうで電話をしようと思っても、家の電話はかからない。それで公衆電話ならかかるということで行ったら、もうずらっと並んでいる。そのうちにお金がいっぱいになってかからない。どうもこうもならないのですね。
 どういうことでそういうふうになるのか。それは殺到したということもあるんでしょうけれども、それこそ何とか消息を知りたいということでやるわけですから、用をなさなくなったのですが、どういうことなんでしょう。
#138
○五十嵐政府委員 ただいま先生から御指摘のありましたとおり、いわゆる障害が起きたという意味で通話が不通になるという以外に、もう一つは、復旧対策等々の優先電話、これを確保して地震対策に当たるというようなことから、電話につきまして、例えば東京からかかる電話でも規制がかかった、ビシーの調整としての規制がかかったという事実がございます。これも徐々に回復されまして、二十四日以降はこの規制はすべて解除されております。ただ、十七日には最大九五%の規制がかかっておりますので、十回かけても一回しかかからないというような状況が出た事実はあるかというふうに思っております。
 少し御説明させていただきますと、我が国の電話のネットワーク、とりわけNTTのネットワークということで申し上げてまいりますと、概括的に申し上げますと、平常時の通話量をもとにつくっていって、ある程度余裕があるわけでございますが、大体ピーク時の五割増し、このくらいの形で設計されているというのが現在の日本のネットワークでございます。しかし、今回の地震においては、NTTによりますと、最大時で平時の五十倍の通話が発生したということで、電話が非常にふくそうしてかかりにくくなった。
 災害復旧というようなことがありますので、具体的に地方公共団体あるいは交通関係あるいは電力、そういったことを確保するために重要通信というのを確保する必要がございます。そういう意味で、公共機関等、これが大体三十七万八千台の優先電話がございます。それから、一般の国民の皆さんに御利用いただくという意味で、七十八万五千の公衆電話、これを優先的に取り扱うという仕組みになっておりますので、一般の通話が規制されたという事実でございます。
#139
○東中分科員 自宅からはかけられないけれども、公衆電話ならかけられる、これはどういうことなんですか。
#140
○五十嵐政府委員 ただいま申し上げましたように、災害が発生いたしましたときには、まずその地域での電話を確保する、とりわけ対策の電話を確保するというようなことから、いわゆる重要通信をやるための優先電話というのがございます。そのほかに、一般の方々がお使いいただくという意味で、各家庭、日本でいいますと五千八百万加入がありますから、これが一気にだっと一定のところに集中しますと、先ほど申し上げました交換機は到底もたないという設計もございます。そういった意味合いで、先ほど数字を申し上げましたが、七十八万五千台の公衆電話につきましては、その規制のかからない電話としてお使いいただけるような、そういうシステムになっているということでございます。
#141
○東中分科員 その公衆電話が今度は金が入らなくてかからない。電話の役をなさないんですよ、本当に必要だと思ったときに。何とかそういう対策なり、これはいろいろな条件の現状はわかりますけれども、あれじゃ困りますので、何か方法はないのかどうか。郵政省としても何か検討会やっていらっしゃるようですが、その点とうなんでしよ一つ。
#142
○五十嵐政府委員 私の方からとりあえず公衆電話の関係につきましてお答えをさせていただきたいと思いますが、公衆電話、これも電話回線を通じまして電力、電気が供給されるという形で作動しているのでございますが、テレホンカード、これを使う場合には電話回線用の電力では不十分だということで、一般の電源から電力が供給される、こういう形になってございます。そんな意味で、今回の災害の直後には広範囲にわたって停電になりましたものですからテレホンカードの使用ができなくなったということでございます。
 先ほどから申し上げてまいりましたとおり、公衆電話というのはいわゆる優先電話として重要な電話だというふうに考えております。そういった意味では、テレホンカードが使えなくなるというようなことも好ましくないのではないかというふうに考えておりまして、現在、こういう非常災害時で停電になった場合、公衆電話機が十分に使用できるような対策につきまして、NTTを含めまして電気通信事業者と検討しているところでございまして、今後も検討してまいりたいというふうに考えております。
#143
○東中分科員 全体として地震における通信確保をいかにしてやるかという点でいろいろ問題点も今度はあったと思うのですが、技術的な細かいことはわかりませんけれども、ああいう状態じゃ困るということだけは言えますので、重要な通信を確保せにゃいかぬ、そのための措置をとられること、これはもう当然だと思うのですけれども、だからといって一般の国民は遮断されてもしょうがないんだではぐあいが悪いので、そこらの点についての方向なり、大臣ございましたらひとつお聞かせ願いたいと思います。
#144
○大出国務大臣 東中さんの御質問にお答えいたしますが、私もあのときに慌てて調べまして、直接いろいろ電話したり、また調べてもらったりしました。御説のように、何としても大きな教訓でございますから、今後きちっと確保できるものはしなきゃならぬということになると思うのですがね。
 そこで、今お話ございますように、七十八万六千という公衆電話がある。実際は八十二万あるのですけれども、赤い色をしているのが三万四千ばかりございまして、これは通用しませんので除外いたします。したがって、緑色が七十五万三千ございます。ディジタルが二万二千ございます。黄色いのが八千ございます。青色が三千ございます。赤い色が三万四千ございますが、これは除外いたします、優先電話に入りませんので。これを除外して計算すると優先電話は七十八万六千になります。公衆電話です、これは。これを何としても確保する方法を考えなきゃならぬというのが一つ。
 それで、今お話ございましたように、カードを使いますというと、今、回線伝わって流れてくる電力というのは数十ミリワットと言われる本当にわずかな電力なんです。ところが、カードを使うと吸引力が必要になりますので、数十ミリじゃなくて数十ワットになってしまいます。そうすると、これは別な電源がないと吸引できませんから使えない。古い型の百円もこれは使えません。そういう意味で、そこらも考えてどうこの公衆電話を確保するか、これは大きな課題の一つでございます。
 もう一つは、今お話しの優先電話でございますが、今トータル三十七万八千という数字が出ておりますけれども、もう一つ十八万六千という数字があるのでありますが、この十八万六千という数字は、防災機関、消防、警察、国、地方公共団体、電気、ガス、水道など、これで十八万六千最優先確保でございまして、その他の機関、病院、新聞社、銀行などなどを入れますと、こっちが十九万二千ございまして、トータルで三十七万八千ということになる。したがって、この優先電話は今局長申しておりましたようにどうしても確保する手だてを考えていかなきゃならぬ、こういうことになる。
 それから、今の御質問の中で、どういうふうにこれからやっていけばいいのだということなんでございますけれども、通信回線の地中化、これでもやはり損害はあるわけでありますけれども、比較すると大変に少ない。しかしそれは十何倍か費用がかかる。かかるけれども、ここらのところは安全である限りはそちらに向かっていかなきゃいけないだろうと思っているのが一つ。
 それから、通信回線の多ルート化、民間企業の中でトランスポンダーを借りてきて、これは使用料が高いですけれども、衛星通信使ってトランスポンダーを入れてやった企業がございますが、これがメーンで後ろにNTT回線を使っている。この企業は全く無傷でございました。だから、そういう多様化、つまりいろいろなルートを使うという方法が非常に必要になるのじゃないのかなというふうに思っております。
 それから、非常用電源をどういうふうに使っていくかという問題もございます。
 それから、確保の方策について、一つは国における携帯電話、可搬型地球局。これは非常に活躍しましたが、可搬型の、運べる地球局。例えば国際電電、KDDがやっておりますような、ポータブルで広げるとすぐ衛星使えますから、すぐどこでもつながるという、そういうつまり可搬型の地球局の配備、備蓄。
 それから、防災行政無線、これはもう大変な金かけているのですけれども、センター局の兵庫県庁のものがつぶれてしまいましたから、これはいろいろな原因ございますけれども、そんなことの金輪際ないようにしなければならない、こういうふうに考えております。
 それから、非常災害時における通信のネットワークの総合運用ということ、これも非常に大事なことでございまして、アメリカなどにも例がございますが、それをどういうふうにこれから組んでいくかということ。
 今のところ、八日から始めました大地震対応の通信ネットワーク体制に関する検討会、これで鋭意検討いたしておりますが、今申し上げたような幾つかの課題をさらに深めていただいて、大きな教訓として、今後そういうことのないように万全を期す方向で進めたい、こんなふうに思っています。
#145
○東中分科員 電話関係、ありがとうございました。
 あと、まるっきり違うことをお伺いするわけですが、近畿郵政局で業績拡大を増進させるために、ゆうパック制度でイベント企画版を行って集中販売活動を推進しておられます。その中に、近畿郵政局「パワフル近畿パーフェクト年賀95」、これはいろいろなものが出ているのですけれども、こんなことでいいのかなと私は思っているのです。
 ここに持ってきているのを見ますと、「年末年始郵便業務近畿地方推進本部」というのが一番上に書いてあるのです。その次に、「パワフル近畿パーフェクト年賀95」「推進本部情報」、六年十二月十六日とこうなっているのですが、その次の見出しは「「そごう百貨店小包」最後の追い込みを」というふうに書いてあるんです。それで、十二月二十日まで販売をやるんだというのですが、販売についての「ポイントこというのがありますが、何と書いてあるかというと、「十分な商品知識を身につけ、メリットを活かしたセールスの展開」というふうに書いてあるんです。「ポイント二」の方は「ターゲットを絞った、効果的な販売活動の展開」。それで丸印をつけて「ご自宅用に お正月用品が割引でお得です。数の子・鮭・ハム・みかんなど」。その次には「お世話になった方へ」ということで「相手の好みを考えて選ぶのがポイント お酒・ビール・お茶・のりなど」。それから次の丸印のところでは「企業・事業所には みんなで分けられるお菓子・コーヒー・紅茶などが人気」。こういうポイントが書いてあって、それでみんな売れ、こういうわけですよ。
 それも、売るのは、ここに郵政省のマークの入っておるけい紙ですが、そこにどう書いてあるかというと、「「そごう百貨店小包」の販売取組みについて」ということで、「民間宅配便からの奪還取組みとして“そごう百貨店”と提携しゆうパック確保に努めていくこととなりました。本商品の目標は大阪府下統一して職員一人当り四個と設定されていますので、チーム活動の一環として早期達成に向け積極的に取組むこととします。」販売期間十一月七日から十二月二十日まで、「価格等」「カタログ価格は定価になっていますが、申込用用紙は割引後の価格になっています。」割引率は、酒類は五%、食料品は一〇%、衣料一般は一五%、これはそれぞれの郵便局、これはどこの郵便局で出したかわかりませんけれども、出しているんですね、課で。
 こういう調子でそごうの品物を、酒やら衣類やら何やらというのを、年末の繁忙期ですよね、一切の本来の職務とは別に、だあっと販売活動をやるんですね。これは一体どういうことなんだろう。ここまでいったら、それは宅配に対して小包郵便を獲得するということじゃなくなりますからね。こういう実情を御存じでしょうか。
#146
○加藤(豊)政府委員 先生からただいま、そごうとそれから郵便の小包の提携につきましていろいろお話がございましたけれども、私ども、郵便小包、先生御案内かと思いますが、平成四年十一月に料金を改定させていただいて以来、その取り扱い数が非常に減少傾向になっておりまして、非常に厳しい状況にあります。そこで、この利用促進に向けて積極的な営業活動の展開ということが私どもの喫緊な課題でございます。
 このようなことから、私ども、先ほど申しました料金改定以降、昨年の九月に料金面でのサービスの改善だとか、それから集荷サービスの充実だとか夜間配達だとか、さまざまな施策に取り組みまして、利用の拡大とそれによるところの財政の改善ということに懸命の努力を払っているところなんです。
 その一環として今御指摘のような近畿の取り組みがあったというふうに承知しているところでありますけれども、私ども、特にデパートのお歳暮に係るところのゆうパックの利用につきましては、量的にも非常に私どもゆうパックの利用のウエートは大きいのですね。そこで、郵便の財政の改善にも非常に大きく寄与するということから、この販売促進ということが私どもにとりましては非常に重要な課題だというふうに感じておる次第でございます。
 御指摘のそごうデパートとの提携についてでありますけれども、このお歳暮の郵送、お客様に利用を勧奨したものでありまして、それはぜひ努力をしていかなきゃならぬというふうに思うのですけれども、その場合に、先生御指摘の、国民、利用者から見て、国営の郵便局がある特定のデパートの支援をしているのではないかというふうな無用の誤解は招かないように、カタログだとかチラシの作成ないしは取り組みに配慮をしていく必要があるのかなというふうには感じております。
#147
○東中分科員 ちょっと余りきれいごと過ぎるんじゃないですか。それは、言われている趣旨はそういうことから出発したんだろうと思いますけれども。
 今度の場合、この場合で言えば近畿郵政局はそごうとの話し合いで提携をしたという、その場合に、そごうは福井、石川、富山、山口県への配達ルートを郵便小包によるものにするということにして、そしてそのかわり、今度は近畿郵政局、さっき言ったものですね、大阪府下職員一人当たり四個の販売活動を郵政の職員がやる。国家公務員がやるんですからね。それは、そごうの酒類とかいろいろ三種類のそういうものを販売するわけですからね。
 しかもそれが、これは特殊郵便課のチーム編成図というもの、職場にあったのですが、これを見ますと、人の名前も書いてあるのですよ。全部チーム、一班、二班、三班、四班、五班、六班、それぞれチームについて、課長代理それから課長、上へ行くほどノルマがあるものだから、そのノルマ、下で果たされない人がおったら、上の人が無理をして、年末のボーナスも半分くらいを何か買う。買い取ってまた売るのかどうか知りませんけれどもね。そういうことになってきたら、それが販売活動、郵政省の職員の販売活動だということになったら、しかもそれは、そごうの商品の販売活動ですよ。それが郵政省職員の公務になるんですかね。あるいは職務行為になるのかどうかということを含めましてね。
 また、忙しいときに、書留をやっている人が、書留の処理を忙しくやっている人が、どの時間にやるのか知らぬけれども、そごうの品物を、売る先が事務所ならばお菓子を分けられるように、そういう特徴があるよというようなことを言って売りに行くのかどうか。これは余りにも異常ではないかというふうに思うのですが、大臣、どうでしょう。
#148
○加藤(豊)政府委員 技術的な問題もかかわりますので、私の方から答弁をさせていただきます。
 私どもは郵便小包を売っているわけでありまして、そごうのお歳暮を売っているわけではございません。
 そこで、私ども、先ほど申し上げましたように、郵便の、特に小包の収入を確保して財政基盤の強化、確保ということが喫緊の課題だと申し上げましたけれども、そのためには、目標を掲げまして、その目標達成に向けて全職員が取り組むことが必要不可欠だというふうに思っているわけでありまして、先生御指摘ありましたところの特殊郵便課の職員につきましても、このような職員は直接にお客様と接点がないわけでありますけれども、しかし、その担務を通じまして営業活動のアイデアを考案しまして、それで営業活動の一翼を担うことができるとか、それから、その人の適性等を勘案しまして、先ほど御指摘ありましたような、薄く広く目標を設定するというふうなこともやっているわけでありまして、こういうふうなことは妥当なものではないかというふうに私ども考えている次第でございます。
#149
○東中分科員 妥当とかいうもんじゃないですよ、あなた。特殊郵便課の人は、窓口の人が、小包を持ってくるあるいは頼みに来る人に接したときに、こういうのがあるから小包でやったらいいですよと言って、それは宣伝をするというかそういう意味での小包郵便の獲得に努力すると、それはいいでしょう。ところが、全然違うことをやっているんでしょう。いっその拡大をやれというのかと、販売拡大を。昼休みに行けというんですか、あるいは本来の仕事をほっておいて行くんですか。それで、休みの時間中に行けというような、行くよりほかにないわけでしょう、そごうの年末商品を買う人を探しに行くわけですからね。それを探しに行くのは職務時間外でやるんですか、職務時間中にやっていいんですか。そこを聞いているんですよ。
#150
○加藤(豊)政府委員 郵便の販売というのは、必ずしもお客様の相手方のところに行って売るということだけではないわけでございまして、先ほど申しましたように、例えば特殊郵便物を取り扱っている職員、書留だとか等々扱っている職員ですね、こういうふうな者がそれを扱っている際に、こういうふうなやり方をしたならば一番売れるのではないかというふうなアイデアが自分の仕事を通じて考えつくことがあるわけでありまして、そういうふうなものについて、いろいろ実際に外回りの人間にアドバイスするとか、たまたまある程度の時間の余裕があるときには、そういうふうなアイデアを使って自分の見当のつくところに出かけていくとかいうふうなことはあるんだろうというふうに思っておる次第でございます。
#151
○東中分科員 あなた、さっき説明したじゃないですか。これは三人で一つのチームをつくって、目標十六と書いてあるんです。達成したのは十三やったと。隣のチームはやはり三人で十六目標で二十四達成していると。その二つを合わせて一班の一部へ入るわけですが、これは三十六目標で四十二になっていっていると。いってないところもあると。だから、上へ行くほどその足らぬ分を足していくんですよ。個数ですよ。一人当たり四個というふうに、しかもノルマだと、こう言われるわけです。思いついて、アイデアが出てというような、そんなもんじゃないですよ、これは。具体的なんですから。こういう商品、この商品とこの商品と、サケだとかマスだとかいうことまで含めてそういう商品を売ると。四個というふうになっているんですから。
 そういうシステムで、こういうチームをつくって、班をつくってやっていくというふうなことを、期間を決めて、それで大阪府全体でですよ、やるんだと。特殊郵便課は特殊郵便課の本来の職務がある。この、そごうのこういう商品について、十一月何日から十二月二十日までの間に四個すっ売れと、ノルマだと、超過達成したというふうなことをやって、これは最後前年比一七六・五%達成したと、こうやって尻たたきするんですね。こんなもん、むちゃくちゃですよ。それは大臣、もともと郵政の出身ですから、これはちょっと異常だと思いますわ。
#152
○大出国務大臣 東中さん大阪でいらっしゃるから、地元におられて日常いろいろお調べになったんだろうと思うんですがね、ちょうど平成四年の十一月ですか小包の料金を値上げしたんですね。民間が上げたのを後を追ったような形で値上げした時期があるんですけれども、非常に大幅な値上げ、一七・七%ぐらい上げたんですけれども、この後がたんと減りましてね、私も実は郵便も配達したし小包も配達した男ですから、非常な心配をしたことがある。ちょうどこの時期、ちょうどこの間の前年の決算ベースで見て四億百万個というのが小包のトータルですけれども、非常に危険な状況になっていた時期。
 ですから、全国的にいろんな形で事業そのものを考えて、働く皆さんが苦労した時期なんですね。ですから、私の足元なんかでも、横浜の中央市場がございまして、ここの青果団体が、三百何軒かある自分の団体のもう末端のお店に、こういう品物、ミカンとかリンゴとかいろんなものを年末申し込んでくれれば郵便局が配達してくれるというようなことで大変な大量の集荷をして、積み込むところなどは局員はお手伝いができるわけですから、そういうお手伝いなどしまして大量に受け入れた時期などがございます。
 だから、恐らく例に挙げておられるのもそういう時期に行われてきたんだろうという気がするんですけれども、何しろ私現場を見ておりませんので、そういう大変な努力が全局的にあった時期だから、その一つなんだろうと。だから、一遍また私なりにどうなっているのか見さしていただいて考えてみたいと思うんでありますが、危機感を私自身が持ちましたから、恐らくそういう時期だったんだろうという気がいたしますが。
#153
○深谷主査 東中光雄君、恐縮ですが、時間が過ぎておりますので、一言でお願いします。
#154
○東中分科員 そうですか。済みません。
 私も全逓の事件を担当したりして職場のことはある程度知っているつもりです。しかし、これはほんまに、公務員ですから、の行為としては、やっている人も、本当にわしゃ何をやってんのやという気になっています。それから、ほかから見たっておかしな話ですよ。しかもそれが、こういうふうに挙げて体系的にやっている。去年の暮れですよ。ことしも、だからこういうことでバレンタインに向けて、それからおひなさんに向けてまた組んでいるんですよ、イベントを。こういうことをやり出したら、それはもう郵政労働者というのは本当にぐあいが悪いというように思いますので、ぜひ正していただきたいということで、質問を終わります。
#155
○深谷主査 これにて東中光雄君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして郵政省所管についての質疑は終了いたしました。
 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 分科員各位の熱心な御審議と格別の御協力によりまして、本日ここに本分科会の議事がすべて終了することになりました。心から感謝申し上げます。
 これにて散会いたします。
    午後二時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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