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1995/02/20 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 予算委員会第六分科会 第1号
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1995/02/20 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 予算委員会第六分科会 第1号

#1
第132回国会 予算委員会第六分科会 第1号
本分科会は平成七年二月十五日(水曜日)委員会
において、設置することに決した。
二月十六日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      浦野 烋興君    高鳥  修君
      村田敬次郎君    伊藤 達也君
      松田 岩夫君    佐々木秀典君
二月十六日
 浦野烋興君が委員長の指名で、主査に選任され
 た。
―――――――――――――――――――――
平成七年二月二十日(月曜日)
    午後一時開議
 出席分科員
   主 査 浦野 烋興君
      高鳥  修君    村田敬次郎君
      伊藤 達也君    松田 岩夫君
      佐々木秀典君    畠山健治郎君
   兼務 池田 隆一君 兼務 東中 光雄君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  橋本龍太郎君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      高村 正彦君
 出席政府委員
        経済企画庁長官
        官房長     涌井 洋治君
        通商産業省環境
        立地局長    齊藤 眞人君
        資源エネルギー
        庁長官     川田 洋輝君
        中小企業庁長官 中田 哲雄君
 分科員外の出席者
        経済企画庁長官
        官房会計課長  堀   一君
        大蔵省主計局主
        計官      佐藤 隆文君
        厚生省健康政策
        局指導課長   磯部 文雄君
        通商産業大臣官
        房会計課長   横川  浩君
        予算委員会調査
        室長      堀口 一郎君
        ―――――
分科員の異動
二月二十日
 辞任         補欠選任
  伊藤 達也君     石田 祝稔君
  松田 岩夫君     弘友 和夫君
  佐々木秀典君     畠山健治郎君
同日
 辞任         補欠選任
  石田 祝稔君     伊藤 達也君
  弘友 和夫君     松田 岩夫君
  畠山健治郎君     佐々木秀典君
同日
 第一分科員東中光雄君及び第五分科員池田隆一
 君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成七年度一般会計予算
 平成七年度特別会計予算
 平成七年度政府関係機関予算
 〔総理府(経済企画庁)及び通商産業省所管〕
     ――――◇―――――
#2
○浦野主査 これより予算委員会第六分科会を開会いたします。
 私、自由民主党の浦野烋興でございます。私が本分科会の主査を務めることに相なりましたので、よろしくお願いをいたします。
 本分科会は、総理府所管中経済企画庁並びに通商産業省所管について審査を行うことになっております。
 なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。
 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算及び平成七年度政府関係機関予算中総理府所管中経済企画庁について審査を進めます。
 政府から説明を聴取いたします。高村経済企画庁長官。
#3
○高村国務大臣 平成七年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は、五百六十九億円余りであります。
 また、財政投融資計画につきましては、海外経済協力基金に係る分として、六千三十五億円を予定しております。
 以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。
 第一に、適切かつ機動的な経済運営と的確な経済情勢判断の推進に必要な経費として、六千二百万円余りを計上しております。
 この内訳の主なものは、経済状況を的確に把握するため単身者世帯の消費予測調査の実施、早期政策判断支援システムの運用・改善などに必要な経費であります。
 第二に、構造問題への対応に必要な経費として、一億四千五百万円余りを計上しております。
 この内訳の主なものは、内外価格差の是正、縮小のための調査分析、適切な公共料金政策の推進、規制緩和の経済に及ぼす効果の調査分析、空洞化等の構造変化への対応、活力ある地域経済の実現に向けた施策の検討に必要な経費であります。
 第三に、豊かで安心できる生活者重視社会の実現に必要な経費として、三十三億二千二百万円余りを計上しております。
 この内訳の主なものは、製造物責任法を適正に施行し、被害の防止と円滑な救済等を図るための消費者安全施策推進、地方消費者行政推進事業、国民生活センターの機能の充実強化及び生活者・消費者自立のための支援、経済と環境問題についての調査検討などに必要な経費であります。
 第四に、国際経済問題への取り組みの強化に必要な経費として、四百三十九億二千三百万円余りを計上しております。
 この内訳の主なものは、まず海外経済協力基金に対する交付金四百三十五億円余りであります。
 本基金の平成七年度の事業規模は、九千四百億円を予定しており、このための資金として、一般会計において、前述の交付金のほか出資金三千三百五十四億円が大蔵省に計上されるとともに、財政投融資計画においても、資金運用部資金等からの借入金六千三十五億円が予定されております。
 また、市場アクセスの改善と国際的に調和のとれたシステムヘの移行を促進するため、政府調達苦情処理機関の設置、運営、市場開放問題苦情処理体制の強化充実、対日投資促進と対日投資会議運営に必要な経費、二国間・多国間経済協議への積極的な取り組みに必要な経費、経済協力の充実強化を図るための経済協力基本方針の策定、地方公共団体との連携促進に必要な経費及び交流を通じた相互理解・支援の強化などに必要な経費が含まれております。
 第五に、経済分析・情報収集及び情報提供機能の強化に必要な経費として、七億八千五百万円余
りを計上しております。
 この内訳の主なものは、各種構造変化に対応した国民経済計算体系の改訂作業の推進、情報システムの高度化を図るための情報処理装置の整備などに必要な経費であります。
 以上、平成七年度における経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。
#4
○浦野主査 以上をもちまして経済企画庁についての説明は終わりました。
 別に質疑の申し出もありませんので、総理府所管中経済企画庁については終了いたしました。
        ―――――
#5
○浦野主査 次に、通商産業省所管について審査を進めます。
 政府から説明を聴取いたします。橋本通商産業大臣。
#6
○橋本国務大臣 平成七年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画について御説明申し上げます。
 我が国経済は、緩やかながら回復基調をたどっておりますが、一方では、雇用情勢が依然厳しい状態であるほか、設備投資も総じて低迷が続いております。
 そこで、ようやくあらわれてきた景気回復の足取りを本格的なものにしつつ今後の発展の基礎を築くため、為替変動を含め、内外の経済動向を注視しつつ、適切かつ機動的な経済運営に努めるとともに、我が国が、ゆとりと豊かさに満ちた二十一世紀を迎えるため、自己責任に基礎づけられた創造力と活力に満ちあふれた経済社会を構築することが必要不可欠であります。
 また、顕在化するエネルギー環境問題に対し責任ある対応を果たすとともに、新たな国際秩序の形成に向けて主体的に取り組んでいくことが一層重要となっております。
 私は、このような認識のもとに、平成七年度の通商産業省関係予算等の作成に当たり、次のような基本方針に沿って、諸施策の実現を図ることとした次第であります。
 第一は、国際社会に開かれた豊かな経済社会を実現するための改革の推進として、市場機能の強化による経済改革の推進と社会資本の整備を行うものであります。
 第二は、新規経済活動分野の開拓等を通じた産業構造転換の促進として、新規市場創造に向けた構造改革、技術開発、情報化、中小企業施策等を推進するものであります。
 第三は、総合的エネルギー政策の展開として、エネルギーの安定供給を確保しつつ、エネルギー供給体制の柔軟化・効率化等を推進するものであります。
 第四は、自己責任を基礎とした質の高い国民生活の実現として、環境調和型経済社会の構築等を推進するものであります。
 第五は、調和ある対外経済関係の構築と地球的課題への対応として、APEC域内協力等の対途上国協力、地球温暖化問題への対応等を行うものであります。
 この結果、一般会計につきましては、九千二十七億九千七百万円を計上しております。また、特別会計につきましては、石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計七千十一億九千九百万円、電源開発促進対策特別会計四千五百二十五億六千六百万円を初め、当省所管の五つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しているところであります。さらに、財政投融資計画につきましては、財投規模ベースで九兆五百七十八億円を計上しております。
 以上、平成七年度における通商産業省関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。
 通商産業省関係予算及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。
 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#7
○浦野主査 この際、お諮りいたします。
 ただいま橋本通商産業大臣から申し出がありました通商産業省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○浦野主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
        ―――――
   平成七年度通商産業省関係予算及び財政投
   融資計画の説明
 平成七年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画について御説明申し上げます。
 まず、平成七年度における通商産業省の一般会計予定経費要求額は、九千二十七億九千七百万円であり、前年度当初予算額八千九百八十六億三千七百万円に対し、四十一億六千万円、〇・五%の増加となっております。
 財政投融資計画は、財投規模ベースで九兆九千七百九十一億円と前年度当初計画額九兆九千五百七十八億円に対し、〇・二%の増加となっております。なお、この中には産業投資特別会計からの出融資三百八十億円が含まれております。
 次に、重点事項別に、予算及び財政投融資計画の概要につき御説明申し上げます。
 まず、第一の柱は、「国際社会に開かれた豊かな経済社会を実現するための改革の推進」であります。
 我が国経済は、緩やかながら回復基調をたどっておりますが、一方では、雇用情勢が依然厳しい状態であるほか、設備投資も総じて低迷が続いております。ようやく現れてきた景気回復の足どりを本格的なものにしつつ今後の発展の基礎を築くため、為替変動を含め、内外の経済動向を注視しつつ、適切かつ機動的な経済運営に努めるとともに、我が国が、ゆとりと豊かさに満ちた二十一世紀を迎えるため、自己責任に基礎づけられた創造力と活力に満ち溢れた経済社会を構築すべく、経済構造改革を進めることが必要不可欠であります。
 このような認識の下、新たな産業構造を構築する前提として、市場機能の強化による経済改革の推進と社会資本の整備が不可欠であります。
 このため、まず、我が国経済全般の一層の効率化を進めるため、規制緩和等による競争促進、内外価格差の是正及び市場アクセスの改善を図る必要があります。具体的には、内外価格調査の拡充・強化に一億千万円、日本貿易振興会による対日アクセス実態調査事業に一億千八百万円等を計上しております。
 また、高齢化に対応し豊かで安心できる生活を享受できるための社会資本の整備とともに、「情報化」及び「研究開発」のための社会資本を整備することが必要であります。この関連で、公共投資重点化枠として、総額四十五億七千二百万円を計上しております。具体的には、創造的経済発展基盤地域(スーパー・テクノ・ゾーン)形成の促進に十四億二千二百万円、人間工学、情報科学の研究拠点の整備に十三億五千万円、先進的アプリケーション整備事業に八億円、二十一世紀型商業基盤施設整備事業(商業パサージュ整備事業)に十億円を計上しております。
 第二の柱は、「新規経済活動分野の開拓等を通じた産業構造転換の促進」であります。
 まず第一に、我が国産業が創造性豊かな産業へ脱皮するため、既存の事業者が有する労働力、技術、設備等の経営資源を有効に活用した事業革新の支援を行うとともに、国内における社会的ニーズの高い新規・成長分野における技術開発等の環境整備を行うことが必要であります。また、流通・デザイン分野も含めた繊維産業の構造改善の推進を図ることが必要であります。
 このため、事業革新の実施円滑化のための情報提供事業の推進(経済の構造的変化の適応円滑化対策)に五千万円、繊維産業の構造改善支援策(情報化・開発促進対策等)に四億七千百万円等を計上しております。
 第二に、我が国における基礎的・独創的な研究開発機能を強化・拡充し、技術開発を促進するための研究開発基盤の整備及び研究開発プロジェクトの推進等の施策を推進するとともに、技術・ノウハウを事業化に結びつけていくための総合的な新規事業振興策を展開していくことが必要であります。
 このため、まず、研究開発基盤の整備のため、産業技術フェローシップ制度の創設に三億五千四百万円、研究情報基盤整備事業(ネットワーク技術開発制度の創設及びデータベース構築事業)に五億三千八百万円等を計上しております。
 また、研究開発プロジェクトの推進のため、産業科学技術研究開発制度の拡充・新規二プロジェクトの創設等に二百四十八億六千万円、医療福祉機器技術研究開発の拡充に十二億三千三百万円、小型民間輸送機(YSX)の国際共同開発の推進に二十四億二千三百万円、次世代型無人宇宙実験システム等の研究開発の推進に百二十四億五千七百万円等を計上しております。
 さらに、技術シーズに基づく総合的な新規事業振興策の推進のため、ベンチャーエンタープライスセンター(VEC)の債務保証制度の改善・拡充に三億五千万円を計上しております。
 なお、工業所有権行政を積極的に展開するため、特許等の審査処理促進施策の充実に三百五十七億五百万円を計上する等、特許特別会計歳出予定額として七百六十三億七千百万円を計上しております。
 第三に、今後の我が国の知的生産性と活力の向上の基盤となる情報化を推進するため、公的分野の先導的な情報化、産業分野等反間分野の情報化及び基礎的技術開発等の供給基盤の整備を行う必要があります。
 このため、まず、公的分野の先導的な情報化のため、電子図書館システムの研究開発に九億千二百万等を計上しております。
 また、産業分野等反間分野の情報化の推進のため、生産・調達・運用支援統合情報システムの研究開発に四億千八百万円等を計上しております。
 さらに、基礎的技術開発等の供給基盤の整備のため、リアルワールドコンピューティング(四次元コンピュータ)の研究開発に六十億七百万円等を計上しております。
 第四に、景気全体が緩やかながら回復に向かう中で、中小企業については設備投資の回復が遅れるなど依然として停滞色が強く、円高の継続やそれに伴う空洞化の懸念などの構造問題も存在しており、我が国経済環境の変化に対応した中小企業施策を推進していくことが必要であります。
 このため、中小企業対策予算として、通商産業省所管一般会計総額千二百三十六億円を計上しております。
 具体的には、まず、中小企業の技術開発及び事業化の促進のため、中小企業が行う創造的な技術開発に対する補助(技術改善費補助金)に三十三億六千三百万円、信用保証制度の無担保保証の拡充に四億円、中小企業創造団地の整備促進に四億円等を計上しております。
 また、小規模企業の新規創業支援及び経営基盤の強化のため、小規模事業者支援事業の充実に六百九十三億七千五百万円(地方財政措置移行分を含む。)、小規模企業共済制度の見直しに五十五億四千三百万等を計上しております。
 また、革新的な流通関係形成の促進のため、中小流通業業務革新ネットワーク推進事業(中小企業指導事業費補助金)に四千万円等を計上しております。
 さらに、中小企業の構造調整支援のため、新分野進出に対する支援(中小企業新分野進出等事業費補助金)に三億五千三百万円、中小企業海外展開指導事業(中小企業事業団補助金)に二千七百万円を計上しております。
 第三の柱は、「総合的エネルギー政策の展開」であります。
 我が国のエネルギー供給構造の脆弱性からのエネルギーの安定供給確保、国民生活の豊かさ、経済全体の活力の向上の観点からのエネルギー供給の効率化、エネルギー消費と密接に関連する地球環境問題への対応といった三つの要請を同時に達成するため、総合的なエネルギー政策の展開を図ることが必要であります。
 このため、エネルギー関係予算として、石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計七千十一億九千九百万円、電源開発促進対策特別会計四千五百二十五億六千六百万円を計上しております。
 具体的には、まず、エネルギー供給体制の柔軟化・効率化の推進のため、負荷平準化対策の推進に十五億五千九百万円等を計上しております。
 また、エネルギーセキュリティの確保と環境問題への対応のため、エネルギーの安定供給体制の推進として、石油備蓄の着実な推進に三千四百三十一億二千六百万円、LPG国家備蓄の推進に十三億千六百万円、電源立地の総合的推進に百三十三億八千万円等を計上するとともに、原子力・新エネルギー等石油代替エネルギーの開発・導入の促進として、住宅用太陽光発電システムモニター等事業に三十三億九百万円、廃棄物発電の普及促進に十二億五千万円等を計上しております。
 第四の柱は、「自己責任を基礎とした質の高い国民生活の実現」であります。
 自己責任を基礎とした質の高い国民生活を実現するために、総合的な製品安全対策の推進、環境調和型経済社会の構築、ゆとりと豊かさを実現できる社会の実現等の施策を推進していくことが必要であります。
 具体的には、廃棄物処理・再資源化技術開発等の推進に三十億七千万円を始めとする予算を計上しております。
 第五の柱は、「調和ある対外経済関係の構築と地球的課題への対応」であります。
 世界経済の安定のため、我が国として調和ある対外経済関係の構築、地球的課題への対応に積極的、主体的役割を果たしていくことが必要であります。
 このため、まず、調和ある対外経済関係の構築のため、APEC域内協力等対途上国協力の推進として、発展途上国投資・技術提携等促進事業に五千八百万円、貿易保険特別会計の財政基盤の強化に二百四十八億千六百万円等を計上するとともに、先進国と産業協力、旧ソ連及び中・東欧支援等の推進として、国際博覧会予備調査に二千万円等を計上しております。
 また、地球的課題への対応のため、革新的地球環境技術開発に六十七億三千百万円、化学兵器禁止条約の実施体制の整備に二億八千五百万円等を計上しております。
 以上、平成七年度通商産業省関係予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明いたしました。
        ―――――
#9
○浦野主査 以上をもちまして通商産業省所管についての説明は終わりました。
        ―――――
#10
○浦野主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位にお願いを申し上げます。
 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。
 なお、政府当局に申し上げます。
 質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。畠山健治郎君。
#11
○畠山分科員 まず冒頭に、先月の十七日以来、大変な阪神・淡路大震災につきまして、大臣初め皆さん方の御努力に心から敬意を表したいと存じます。あわせて、一日も早い復興を目指して、今後とも一層の御努力を賜りますように心からお願いを申し上げたいと存じます。
 私は、主に鉱業政策につきまして通産省のお考えを承りたいと思っております。
 御案内のとおり、非鉄金属、とりわけ銅、鉛、亜鉛あるいはレアメタル等は、諸産業の基礎資材として、また国民生活にとって必要不可欠な重要な資材でございます。しかしながら、我が国の非鉄金属産業は、長年にわたる金属価格の低迷、エネルギーコスト、とりわけ電力コストの上昇、それから鉱害防止費用の増大等によりまして、産業基盤は極めて弱体化の一途をたどっておるのが今日の姿かと思っております。
 さらに、ここへ参りまして一段と円高が進行し、内外の経済不振と相まってメタル価格の低迷が一層続いておりまして、鉱山ところか国内製錬所までも危機に直面しておるというのが今の姿ではないだろうかと思っております。政府がこの危機を正しく御理解をしていただきながら多くの施策を施していただいておることに対しましては、心から敬意を表したいと思っておりますが、なお一層の有効な御支援を賜りたいという観点に立ちまして、若干の御質問をさせていただきたいと思っております。
 まず第一は、国内鉱山は、たしか菱刈鉱山ほか一、二の鉱山を残すのみという状況になってしまいました。この原因は、鉱脈が枯渇をしたということが原因ではございませんで、言うなれば品位が低いということあるいは国際競争力に弱いということから、閉山あるいは休山の余儀なきに至っておるのが今の姿であろうかと思っております。
 御案内のとおり、鉱山を抱える自治体というのは、言うなれば企業城下町でございます。鉱山がだめになりますと、自治体全体が崩壊をするというような状況に立ち至っておるというのが今の姿ではないかと思っております。そういう観点からいたしますれば、資源がなくなったというわけじゃありませんから、地元の人間からすれば本当に複雑な思いをしておるわけであります。あるけれども、競争力に打ちかてないというのでなくなってしまう、こういう姿であります。
 極めて限られた国内資源であります。こういう資源を確保するという観点から、鉱業政策を単なる競争力というだけじゃなくて、こういう観点からも見直していただく時期ではないだろうかと考えますが、大臣のお考えを承りたいと存じます。
#12
○橋本国務大臣 委員がもうよく御承知のように、我が国は世界有数の鉱物資源の消費国であります。そして、国内資源に乏しい日本として、鉱物資源の安定供給を確保することが非常に重要な政策課題であることは言うまでもありません。
 ですから、我々としては、最も安定的な供給源である国内鉱業の健全な発展というものは、当然のことながら脳裏に描き、その方向を求めていかなければなりません。同時に海外資源の開発を促進する、この両立てで資源の安定供給を図ってまいらなければならないと考えております。今後ともに、これらの施策によりまして、資源の安定供給の確保という視点から全力を挙げてまいりたい、そのように考えております。
#13
○畠山分科員 これまでの日本の鉱業というのは、単なる経済効果だけではなしに、いろいろな意味でたくさんの蓄積があろうかと思っております。
 具体的には、鉱山を探す探鉱という技術は、これは世界的にすぐれておる技術ではないだろうかというふうに思っておりますし、また採鉱という技術、掘るという技術だって、これはすばらしい技術だというふうに思っています。それから選鉱、鉱石を選ぶという技術も世界に但した技術じゃないだろうかというふうに思っております。
 こういうすばらしい技術を持っておるわけでありますし、これをまたさらに発展をさせていかなければいけないという使命があろうかと思っております。単に国内のためだけでなしに、このすぐれた技術を国際貢献という立場から生かしていかなければいけないという使命もあるのではないだろうかというふうに考えます。
 そういう立場からすると、もっともっと鉱業政策として大事にしてもらわなければいけないという立場にあるのではないだろうかと存じますが、大臣の御所見を承りたいと存じます。
#14
○橋本国務大臣 今委員の御質問を伺いながら、たまたま二十年余り前のふとした記憶を思い起こしました。
 それは、ある海外の方に叙勲をしてほしいというお申し入れが通産省からあったことであります。それは、たまたま銅の鉱山の非常に大きな、オーナー的な経営者でありました。そして、その叙勲というのも、その銅鉱石を、その当時は非常に銅が割高の時代でありましたけれども、非常な親日家でありまして、日本に対して一手に供給することを約束してくれた。これはそれこそ金属資源の確保という意味で非常に大きな功績、これが叙勲の理由であったと存じます。お手伝いをし、結果としてその叙勲は成功いたしましたが、そのときの、叙勲を受けた方よりも、むしろ当時の通産省の諸君の本当に喜んだ顔が忘れられずにおります。
 今委員が御指摘になりましたような視点は、我々が国内における資源を開発する上でも、また国際的な視野で資源開発に当たります場合でも忘れてはならない視点、そのように思います。
#15
○畠山分科員 それでは、特殊法人についてお伺いをいたしたいと思います。
 特殊法人の整理合理化は、村山内閣の公約の重要な柱になっております。当然精力的に取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。しかし、金属鉱業事業団でございますが、内外の鉱業政策上極めて重要なお仕事をなさっていただいているのではないだろうか、かように認識をしておる一人でございます。
 特に探鉱活動におきましては、鉱床面積が極めて限られておるというような部分、そしてまた地下の深部に賦存するということからいたしますれば、これを探し当てるというようなことは極めてリスクの大きい仕事であると思いますし、また膨大な資金を要するということでございます。このことを民間企業にだけ頼るというようなことは、到底不可能に近いようなことではないだろうかというふうに認識しておる者の一人でございます。
 また、いま一つには、鉱山廃止後の坑廃水対策の問題でございますが、半永久的に続いていく仕事でありますし、同時にまた生産性の伴わない、負担という経費になっていくわけでございます。こういう観点が一つと、いま一つには、これを放任しておくというようなことになりますと、カドミウム等を含めた鉱害問題で住民生活が脅かされるという、大変大きな問題をも抱えることになろうかと思います。こういう大事なお仕事をしていただいておるのが金属鉱業事業団ではないだろうかと思っております。
 ぜひひとつそういう観点から、この事業団は今後とも活躍してもらわなければいけないのではないだろうかというふうに考えますが、通産省のお考えをお聞きいたしたいと存じます。
#16
○橋本国務大臣 村山内閣として特殊法人の見直しに精力的に取り組む中で、通産省として聖域を設けず検討に当たってきたことは、委員も御承知のとおりであります。そして、その結果、私どもは複数の統合の案を提出をいたしました。
 その中に、今委員が御指摘になりましたように、この金属鉱業事業団を私どもは統廃合の対象といたしませんでした。なぜなら、まさに探鉱支援事業、あるいはレアメタルの備蓄事業など、これからの我が国にとって非常に大事な事業を現在も行い、将来にわたっても行わなければならない大切な事業団であります。
 当然のことながら、その業務の内容を見直して少しでもスリムにする、あるいは合理化を図る努力は、事業団にも図ってもらわなければなりません。しかし、存続が必要なものという視点は委員も御指摘のとおりでありまして、業務の見直しには努めつつ、この組織はこれからも活躍をしてもらいたい、そのように願っております。
#17
○畠山分科員 次は、石油並びに天然ガス等について少し承らせていただきたいと存じます。
 石油を取り巻く国際情勢は、湾岸戦争以来落ちつきを取り戻したというような状況になっておりますが、そうはいっても、旧ソビエト並びに中央アジア、アフリカ及びアジア・太平洋地域におきましては、潜在的な紛争の要因を抱えておるというのが実態ではないだろうかと思っております。そういう状況からいたしますれば、限られた資源ではございますけれども、我が国にとって国産の石油並びに天然ガスを求めるというようなことは極めて重要な仕事になるのではないだろうかと考えております。そういう観点から、二、三お伺いをさせていただきたいと思います。
 まず第一には、ポスト第七次五カ年計画に基づく基礎調査についてでございます。国内石油、天然ガス資源の開発のベースとしての基礎調査は、企業の探鉱意欲の促進に極めて大きな役割を果たしておりますことは申し上げるまでもないと存じます。ポスト第七次五カ年計画におきましても、基礎物理探査及び基礎試錐をさらに積極的に進めていかなければならないのではないかと考えますが、いかがでございましょうか。
#18
○川田政府委員 お答え申し上げます。
 国内の石油、天然ガス資源は、今御指摘のように、最も安定したエネルギー供給源でございますとともに、その開発は、我が国が世界に向けた自主開発を推進していく上での技術力の向上などの大きな意義を有するものでございます。このため通産省といたしましては、昭和二十九年度以来、石油審議会の七次にわたる五カ年計画の答申に基づき、基礎調査を初めとする各種の施策を展開してまいったところでございます。
 平成六年度で終了いたします第七次五カ年計画後のそれに続きます今後の石油、天然ガス開発のあり方につきましては、平成六年六月に石油審議会から、平成七年度を初年度といたします第八次の五カ年計画の必要性が答申されたところでございます。
 通産省といたしましては、この答申を踏まえまして、平成七年度以降の施策の充実に当たってまいりたいと思っておるところでございますが、平成七年度の予算案では、秋田県の3子吉川沖などの地域における基礎物理探査あるいは基礎試錐を実施すべく、所要の予算の確保に努めさせていただいているところでございます。現在御審議を賜っている予算案でございます。
 今後とも、第八次五カ年計画、先ほど申しました答申に基づく諸施策ということでございますが、ぜひ第八次五カ年計画を着実に実施するということで取り組んでまいりたいというように考えておるところでございまして、七年度予算全体を申しますと、国内石油、天然ガスの基礎調査委託費といたしまして、七年度予算で百三十六億九千百万円の関係の予算を計上させていただいているところでございます。
#19
○畠山分科員 続きまして、石油、天然ガス鉱床の効率的な発見あるいは貯留層からの回収率の向上は、国内資源の有効な開発に不可欠なものであろうかと存じます。これらにかかわる探査技術並びに掘削技術及び採取技術等の一層の推進をしていかなければならないのではないかと考えますが、お考えを承りたいと存じます。
#20
○川田政府委員 最近におきます石油、天然ガス開発対象地域の開発条件は大変厳しくなりつつございます。そういう中で、これから探鉱開発を効率的に進めてまいりますためには、ただいま委員御指摘のように、技術力の強化ということが従来以上に重要になってまいっております。このため石油公団におきましては、油田、ガス田の発見率の向上、石油、ガス回収率の向上、探鉱開発プロセスの効率化といったような観点から、所要の技術開発を今までも実施してまいっております。
 平成六年六月に取りまとめられた、先ほどお答え申しました石油審議会の第八次国内石油及び可燃性天然ガス資源開発五カ年計画におきます提言に基づきまして、引き続き国内のフィールドを活用した石油の地質、探鉱、掘削、開発、生産、各分野の技術開発を積極的に推進するとともに、今後我が国周辺の探鉱対象となります大水深海域などの探鉱開発の効率化を目的といたしまして、技術開発の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
#21
○畠山分科員 次に、国産の天然ガスは、地域社会のエネルギー源及び原材料として重要な役割を担っております用地域振興に大きな貢献を果たしておりますことは、今さら申し上げるまでもないかと存じます。
 この天然ガスの安定供給を確保するためには、企業及び地方自治体の積極的な探鉱事業を推進していく必要があろうかと存じます。このために、引き続き探鉱費助成を確保していかなければならないと存じますが、お考えを承りたいと存じます。
#22
○川田政府委員 国産の天然ガスは、地域社会における重要なエネルギー源であるばかりではなく、我が国全体といたしましても、その開発は海外における自主開発を進める上でも重要な技術力向上の場となっておりますことから、今後とも所要の予算を確保し、その探鉱開発を推進してまいりたいと考えております。
 また、お触れになりました、地方公共団体がその地域のエネルギー需給を踏まえて探鉱開発の推進を図ることとされておられます案件につきましては、政府といたしましても、その地域の経済社会における重要性を勘案し、引き続き政策支援を進めてまいりたいというように考えております。
 探鉱予算につきましては、平成七年度におきましても四十四億七百万円の予算を計上させていただいておるところでございまして、これをもって企業あるいは自治体の探鉱促進を大いに進めてまいりたいと考えております。
#23
○畠山分科員 次に、リサイクル・マイン・パーク事業についてお伺いをいたしたいと存じます。
 今回、モデル事業として調査費が予算化されたというふうに承っておりまして、大変ありがたいことだというふうに喜んでおりますし、特に地元の方々からいたしますれば、鉱山の代替産業に発展するのではないだろうか、そういう大きな期待を寄せられておるところでございます。ぜひひとつこの期待にこたえていただきたい、私もそう願っておる者の一人でございます。期待が大きいだけに、御当局の決意のほどをひとつお承りいたしたいと存じます。
#24
○齊藤政府委員 鉱山のすぐれた技術、ノウハウや選鉱、製錬、坑廃水処理設備を利用した金属等未利用資源のリサイクルを図るということから、リサイクル・マイン・パーク構想というのを議論していることは先生今御指摘のとおりでございます。特に、平成七年度政府予算案におきましては、リサイクル・マイン・パーク事業の調査委託費といたしまして、約四千万円を要求しているところでございます。当該予算では、リサイクル・マイン・パーク構想のフィージビリティーにつきまして調査を行う予定としております。
 具体的な調査の内容につきましては、今後さらに検討していくこととしておりますが、再資源化原料の回収ルートの確立、鉱山保安法、廃掃法等の法規上の整理、新たな原料を受け入れることに伴います鉱害防止技術等の開発の必要性、既存施設の高度化の必要性及び有効利用方法につきまして、幅広く検討していく予定にしております。これらの調査の結果を踏まえまして、モデル事業等、今後の進め方につきましては検討していくということにしております。
 こういうような廃棄物の処理問題といいますのは、特に重要な問題になってきているということは先生も十分御承知のとおりでございまして、こういうような社会的な要請にもこの事業は十分こたえられる事業だと思っております。
#25
○畠山分科員 先ほども申し上げましたように、鉱山の蓄積として、探鉱技術あるいは採鉱技術、それから選鉱技術あるいは製錬技術等々大変なノウハウを持っておるわけでありますから、この技術を死なすことなしに、これからもひとつ大いに
活用していただくために、代替産業としての機能を果たしていただけますように、特段のひとつ御支援を賜りますように重ねてお願いを申し上げたいと存じます。
 最後になりますが、これもさっきちょっと申し上げました。鉱山の廃鉱跡というのは本当に惨めなものでございます。特に面倒なことは、坑廃水問題の鉱害ということで、大変周りの自治体に長い間御迷惑をかけるという問題が残るわけでございます。しかも、これに的確に対応するということになりますと、歳入のない部分に歳出だけどんどん伴っていくというようなことの悩みがあるわけであります。
 現在、休廃止鉱対策ということで特段の手厚い御支援をいただいておりますが、国の財源にも限りがあるというようなことで、どうしてもここの部分に厳しい目を注ぎがちになるようになってきております。しかし、今申し上げましたような大変な問題が内在しておるわけでありますから、ぜひひとつ今後ともこの問題に大きな目を注いでいただかなければならないというふうに考えます。お考えを承りたいと存じます。
#26
○齊藤政府委員 通産省といたしましても、この休廃止鉱山の坑廃水処理を着実に実施していきますことは極めて重要な仕事だと思っております。このため、従来より、休廃止鉱山鉱害防止事業費補助金等によりまして、休廃止鉱山におきます坑廃水処理を支援してきたところでございます。
 また、休廃止鉱山におきます坑廃水対策につきましては、今先生御指摘のとおり、恒久的対策として実施しなければならないという特殊性がございます。このため、確実かつ永続的な坑廃水処理を実施しますため、平成四年度には金属鉱業等鉱害対策特別措置法を改正し、鉱害防止事業基金並びに指定鉱害防止事業機関制度を創設することにいたしました。これに伴いまして、昨年度からは、鉱山会社から鉱害防止基金への拠出も既に開始されているところでございます。
 通産省といたしましては、今後とも、鉱害防止対策の重要性にかんがみまして、休廃止鉱山における坑廃水処理の着実な実施に努力してまいりたいと思っております。
#27
○畠山分科員 ありがとうございました。
 いろいろな意味で、今後とも日本の非鉄金属鉱業政策、ますます大事になってまいると存じます。今後とも引き続き御支援を賜りますように重ねてお願いを申し上げまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。
#28
○浦野主査 これにて畠山健治郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、池田隆一君。
#29
○池田(隆)分科員 それでは、私の方からは、空知炭鉱の閉山問題ということで、石炭政策を中心としながらお尋ねをしていきたいと思います。
 一月二十六日、突然組合側に会社側から、三月三日をもって閉山をするということの通告がありました。そして二月二十何日でしたか、会社更生法についての申請もするというような状況で、今この問題については極めて不透明な問題になっているというふうに思います。
 現在、日本の関心というのは阪神大震災に集中しているわけですけれども、それは当然だとも思いますが、その陰に隠れまして、この空知炭鉱の閉山問題というのは、日本のエネルギー政策を考える上でも極めて重要な問題だというふうに考えていますし、また雇用の面からいっても、国の政策との関連の中でこういう状況を迎えているという意味においても、極めて重要だというふうに考えています。
 石炭の問題というのは、戦後五十年を迎えまして、エネルギー革命が三十年代から続いてきて石炭産業が衰退してきた。戦後の復興そのものは、石炭政策の中で極めて重要だったというふうに考えます。その中で多くの労働者が頑張ってきたけれども、エネルギー革命の中で衰退をしていって、非常な労働者が悲哀を感じているという部分もあるわけです。
 第九次政策まで、石炭政策について政府としてもいろいろなかかわり合いを持ってきたわけですけれども、エネルギーがない日本の国という形の中では、やはり唯一国内にあるエネルギーとしての石炭政策というのは極めて重要だというふうに考えているわけです。しかし、海外炭とのバランスの問題等からいって、こういうような状況を迎えているわけですけれども、日本のエネルギー政策上、石炭エネルギーはどのように位置づけられて今後推進しようとしているのか、その基本的なことをまずお尋ねしたいと思います。
#30
○川田政府委員 お答え申し上げます。
 まず、石炭をエネルギー全体としてとらえますと、資源の賦存量の膨大さ及び賦存範囲の広さなどによりまして高い供給安定性、あるいは世界的な目で見ますと経済性にも優位にあるエネルギーである、こういう位置づけなどもあるわけでございまして、私どもも、我が国一次エネルギー供給の中で、現時点でも一六%を占めておりますし、二〇一〇年度でも一億三千四百万トン、一五・数%というような大きなウエートを占める中核的な石油代替エネルギーの一つ、こういう位置づけがなされておるところでございます。
 ところが、この石炭政策の中身を見ますと、今委員もお触れになりましたように、昭和三十年代以降のエネルギー革命の中で、我が国の国内石炭鉱業はいわば構造不況に陥った形となっておりまして、関係者のいろいろな合理化努力がなされてまいったところであります。そういう努力にもかかわりませず、なお最近の状況で見ましても、これも委員お触れになりましたように、大きな内外価格差の定常化あるいはさらに拡大をしていくというようなこともありまして、大変厳しいことに相なっておることは御高承のとおりでございます。
 そこで、我が国では、この国内石炭鉱業対策につきまして、平成四年度から、九〇年代を石炭鉱業構造調整の最終段階と位置づけまして、国民経済的な役割と負担の均衡点を探るということが課題とされておるところでございます。この新しい石炭政策は現在推進の途上にある、こういうことでございます。
 こういう考え方から、国内の石炭鉱業構造調整対策の促進、構造調整に即応した形での先行的な産炭地域振興対策、累積鉱害の早期解消に向けた鉱害対策などを着実に進めながら、一方で、先ほど一等最初に触れましたように、エネルギー全体として、海外炭というものの安定供給確保、あるいは石炭の問題はどうしても地球環境問題とのかかわりの大きいエネルギーでございますので、その面にもクリーンコールテクノロジーといったようなものを通じて、地球環境に配慮した石炭利用を進めるといった各般の施策を講じておるところでございます。
#31
○池田(隆)分科員 先ほども言いましたけれども、新しい石炭政策まで、ポスト八次、九次政策まで進めてきています。
 特に七次では、「国内炭は貴重な国内資源であり、その活用については、積極的な配慮を行う必要」があると言ってきていたのが昭和で言って五十六年。それが八次に入って、「需要動向を勘案すれば、生産規模の段階的縮小はやむを得ない。」というふうに変わってきて、これは六十一年です。平成三年六月の新しい石炭政策、九次と言いますけれども、この九次策では「国民経済的役割と負担の均衡点までは経営の多角化・新分野開拓を図りつつ、国内炭生産の段階的縮小」を図っていく、あらかじめ対策をしながら進めていくというふうに変わってきているわけです。
 しかし、この特に八次と九次策の中で、炭鉱が北海道内でもたくさん閉山、縮小されていきました。八次では、三井砂川、北炭の真谷地、幌内、それから三菱の新大夕張、そして九次でも、今年度四年目を迎えますけれども、もう既に三井芦別、そして住友赤平、そして今回の空地炭鉱と、こういうふうな形になってくるわけですね。いずれも北海道の空知炭田の閉山問題なわけです。
 この一連の閉山、縮小の流れ、特に今回の空知
炭鉱の閉山問題、これは我が国のエネルギー政策との関連ではどのようになっているのか。やむを得ないというふうに考えているのか。先ほど言いましたけれども、海外炭の輸入の問題、内外価格差の問題からいってやむを得ないというふうにとらえているのかできるだけ残していこうという形の中でとってきた結果がこうだったというふうにとらえているのか。いずれにしましても、我が国のエネルギ「政策との関連の中でどういうふうになっているのかその点をお尋ねしたいと思います。
#32
○川田政府委員 お答え申し上げます。
 国内の石炭鉱業が大変厳しい状況下にあるということは、先ほども説明を申し上げたところでございます。
 平成三年六月の石炭鉱業審議会答申の中におきましても、関係者のいろいろな論議、現状認識の中で、そういう厳しさが随所に指摘をされておるところでございます。先ほども触れましたように、現在その審議会の答申を踏まえまして新しい石炭政策を展開をいたしておるところでありますが、その中におきましては、九〇年代を構造調整の最終段階と位置づけをいたしまして、「経営の多角化・新分野開拓を図りつつ、国内炭生産の段階的縮小を図る」ということにいたしておるところでございます。
 個々の山、鉱山の経営の問題ですが、これをどうやっていくかという問題は、一つ一つにつきましては、石炭会社の経営者が、経営判断に基づいて労使の間の交渉を経て決定をされるというものだと考えておりまして、今回の空知炭鉱の閉山提案も、このような政策の枠組み、その中で会社経営者が存続へのぎりぎりの努力を払われた上でやむを得ず御判断になられたもの、こういう理解をいたしておるところでございます。
#33
○池田(隆)分科員 第九次政策のポイントというのは、今も答弁がありましたけれども、先に雇用対策等あらかじめ対策をきちんとやっていく、その中でやむを得ず縮小する場合は縮小していくという考え方だったというふうに思うのです。
 この九次策の中で、先ほども言いましたけれども、三井芦別、それから住友赤平、これがもう既に閉山されています。これは、特に私も議員になりましてから、住友赤平が問題になりまして、この町にも視察に行ってきました。あらかじめ対策も、それなりに企業誘致も図りながら、地元の雇用も進めていたというふうに理解をしています。当時の雇用対策では離職者を上回る再就職先が紹介された、これは地元も含めてですけれども、こういうような形になっていたと思うのです。
 しかし、今回の閉山では、極めてその辺の対策が手抜かりになっていた。ここが閉山になったらどうするのだろうという心配点が、地域も含めて北海道的にも非常に問題になっていた。しかし、現実問題になった。そうすると、この九次策、一体何だったのだろうかということが問い直されるのではないかと思うのですけれども、そういう意味で、あらかじめ対策がないまま今閉山の問題、危機になっている状況、通産省としてはどのようにとらえているのか、お尋ねしたいと思います。
#34
○川田政府委員 平成四年度を初年度といたします新しい石炭政策におきましては、従来からの石炭鉱業合理化安定対策に加えまして、石炭鉱業の経営多角化、新分野開拓を支援いたしますとともに、石炭鉱業の構造調整に即応いたしました先行的な地域振興対策を積極的に推進をしているところでございます。
 平成四年度以降これまでに、委員お触れになりましたように、平成四年九月末に三井芦別、平成六年二月末に住友赤平の二件の閉山が発生をしているところでありますが、石炭会社グループによります新分野開拓への支援、地域振興整備公団による工業団地の造成や、自治体に対する産炭地域振興臨時交付金の交付などの対策を重点的に進めてまいったところでございます。
 空知炭鉱の所在いたします歌志内市におきましても、北炭グループの新分野開拓事業に対する助成措置、地域振興整備公団による文珠団地の造成、高齢者健康センター建設事業に対する産炭地域振興臨時交付金による支援などを行ってまいったところでございますけれども、委員お触れになりましたように、大変状況が厳しいということにございます。この中身を見てみますと、地理的制約あるいは石炭企業の財務の状況、昨今の景気の低迷などの要因が重なりまして、私どもあるいは関係者懸命の努力を行ってまいっているところでございますけれども、大変な難しさがあるということもまた事実でございます。
 今後とも、北炭グループの新分野開拓事業に対する支援を私ども引き続き行ってまいりたいというように考えておりますが、それとともに、仮に閉山の事態に立ち至った場合には、産炭地域振興関係各省庁等連絡会といった場を活用しながら、空知地域における雇用、地域振興対策を推進していきたいと考えております。
#35
○池田(隆)分科員 支援策に触れましたので、具体的なことについてお尋ねをしていきたいと思います。
 一月二十六日に組合側に閉山通告、二月三日に会社が会社更生法を裁判所に申請という形の中で、閉山を迎える労働者にすれば、一体交渉をどういうふうにやっていけばいいのかという戸惑いがあります。一昨十八日ですか、もう交渉が行われたようですけれども、保全管理人を通す中で進めるというような極めて異例の状態で交渉が進められていますし、特に今の大きな問題としては、退職金そのものをどうするかということが大きな一つの焦点になっている。三月三日にスムーズに閉山を迎えられるのかどうかということも、ここが大きなキーポイントだろうというふうに言われています。
 三井芦別、住友赤平、このときには平均して一千万円程度の退職金が支給された。しかし、今の段階でいきますと、交付金等の中でやってもせいぜい四百万円程度じゃないかということで、実際私も視察をしてきまして、橋本さんという保全管理人にも会いましたけれども、やはり公平感という意味から、この辺が特に一番問題だろうというふうにも御心配なされていました。そこのところをどうするかということが私に課せられた最大任務などの決意があったわけです。この退職金等にかかわる上積み問題というのは非常に重要なわけなんですけれども、現段階で通産省としてはどのように考えておられますでしょうか。
#36
○川田政府委員 空知炭鉱における退職手当等に関する件でお尋ねでございますが、まず私どもといたしましては、従来から石炭鉱業の円滑な構造調整を図るため、個々の炭鉱の閉山に際しまして、石炭鉱業構造調整臨時措置法に基づきまして閉山交付金を交付し、石炭会社の退職手当等労務債の一部を助成をしてきたところで、これは委員も御高承のところかと存じます。
 空知炭鉱におきましては、会社による閉山提案がなされました後に、空知炭礦及びその親会社たる北海道炭磯汽船の双方から会社更生手続開始の申し立てが行われるという状況があったわけであります。我々も非常に残念な事態と受けとめておるところではありますが、保全管理人、会社、経営者ともども、組合との間で、退職諸条件を初めとする閉山に関する厳しい話し合いを当事者として行っておられるということを承知いたしておるところであります。
 いずれにいたしましても、石炭鉱業の円滑な構造調整を実現してまいりますためには、閉山問題に関して、新たに主体となられた保全管理人も含めて、保全管理人、会社、経営者及び組合との間で合意を見出すということが、喫緊かつ最優先の課題であるというように認識をいたしておるところでございます。
 現在、両当事者間の話し合いによる円満な合意が成立するには大変厳しい状況であるという現地の状況をお聞きいたしておるところであり、私どもとしても、こういう事態は深刻に受けとめておるところでありますが、やはり基本は、両当事者
間における合意見出しの努力ということであろうかと思っておるところでございます。
#37
○池田(隆)分科員 従来ある支援策では当然決着がつかないだろうということで、地元のマスコミ等の中でもそのことが大変問題になっているわけでして、二月十七日の地元紙の一面に出たやつですけれども、「空知砿閉山の退職金十億円余上積み」これもマスコミ報道等で御存じだと思うのです。通産省方針、週明けですから、今週最終判断するんじゃないかというような形ですね。従来よりも何らかの対策で十億円以上上積みするんじゃないかというような報道。
 さらには一月十九日の、これは中央紙の道内版ですけれども、同じく空知炭鉱閉山問題で、「「上積み」打開図る 通産相近く「政治決断」」というような見出しで載っているわけです。ですから、労使交渉そのものの解決に国の支援ということが極めて焦点化されている、極めて関心を持っているという状況だろうと思うのです。
 従来の対策以上に何か上積みを考えておられるのかどうか。こういう報道は地元でも期待感を持っているわけですし、解決の部分についても大きな要素になろうと思っていますので、その辺の支援策で新たな支援というものを考えておられるのかどうか、その辺お尋ねしたいと思います。
#38
○川田政府委員 現地におきます大変厳しい状況につきましては、私どもも現地の状況をよくお聞きしておるところであります。先般も石炭部長を現地に派遣をいたしまして、関係者から地元の実情をよくお聞きをさせたところでございます。
 しかしながら、筋道として、先ほど申しました閉山問題に関して石炭鉱業の円滑な構造調整を実現していくという立場からいうと、保全管理人、会社、経営者、組合との間で合意を見出すということが基本でございますので、そういう道を懸命の努力をしていただいておるところでございます。
 ただ、お触れになりましたように、現在当事者間の話し合い、合意が成立するには大変難しい状況であるということで、私どもとしてもこういう事態を大変深刻に受けとめておるところでございます。こういう状況につきまして大臣にも逐次状況を報告いたしておるところでございますけれども、なかなか事態がそう簡単にいかないという難しさがあることで、胸を痛めておるところでございます。
#39
○池田(隆)分科員 これは上積みするにしても、政治決断という形の中で、いろいろな要素が絡み合ってきて、会社更生法を申請した会社にそのような支援ができるのかどうかという物理的な問題も含めまして、いろいろ大きな問題だというふうには思っています。しかし、現地の組合にすれば、北海道で残されてきて、あとこれが閉山してしまえば太平洋炭鉱しか残らない。頑張ってきた、しかし最後になったら退職金も半額程度ということであれば、何で最後まで頑張ってきたんだという思いが強いわけですよね。
 そういう意味では、通産省及び労働省も含めまして、いろいろな意味で政府全体としてこれにかかわっていく必要があるだろうと思う。北炭グループや三井グループも含めましてもう積極的に支援することは当然なことですけれども、国の支援としても大きなものをしていかなきゃならぬ状況だろうと思います。そうしないと、下手をすると、その労使の問題がずっと続いたままでは閉山状況を迎えられない。迎えればいいというものじゃないのです。
 会社も、露炭の方でまた会社を存続していくというような考え方もあるようですから、そういう新しい事業へも向けていけないという状況もあるわけですので、その辺は通産省としても積極的に進めていただきたいというふうに思っています。大臣、この辺のところのお考え、どうですか。積極的にお願いをしたいと思うのです。
#40
○橋本国務大臣 現在までの状況、今長官から御報告を申し上げたとおりであります。
 そして、先週の十四日、衆議院の石炭対策特別委員長の方からも、政府において問題に適切に対処するようにという御希望の表明がございました。十五日、これを踏まえて、石炭部長に現地に行ってもらいまして、労使のみならず職員の方の御家族の声も聞いてきてもらいました。これは正直申しまして、読むのがつらいような切実なものがありました。そういう状況の中で、十八日、労使問でもう一度きりぎりの交渉をやってほしいということをお願いをし、行っていただいたが、必ずしも望ましい結論には達していないという報告をけさ受けました。
 こうした状況の中で、破産などという最悪の事態を避けるために、閉山問題について合意を見出すということが喫緊、最優先の課題であるということから、自分自身、何ができるかを早急に考えを取りまとめて、事態の解決に向けて努力をいたしたいと考えている、率直な心境はそのとおりであります。
 ただ、残念ながら、まだこうすればというところに至っているということは申し上げられる状況ではありません。ただ、現地で聞いてきてメモにしてもらいましたのを見ましても、お子さんが高等学校を受験していいだろうかと聞かれたとか、お年寄りが、もし閉山になって御夫婦がどこかほかへ移られるときに自分も本当に連れていってくれと言われたとか大変つらいものがございました。真剣に考えて早急に結論を出したいと考えております。
#41
○池田(隆)分科員 時間もありませんが、支援対策については、地域の対策も必要ですし、それから、仮に閉山になったら雇用対策も必要になってくるわけです。当然政府の支援というものは積極的にやらなければならぬ。
 特に自治体なんかも、年度の予算が六十億円中、市税が四億五千万程度、そのうち炭鉱に依存しているのがもう五〇%だ。そして歌志内市も、当時最高四万六千ほどあった人口も今は七千人台という形の中で、大小十五くらいあった炭鉱が閉山をしてきて、本当に全国一ミニの都市になっていて、炭鉱に依存している町。商店の皆さんともお話をしてきましたけれども、今月の給料とうするか。会社更生法を出されちゃったものですから、全部もう債権になっちゃって、すぐ支払いがなされないということで、地域ぐるみの問題として本当に大きな問題になっています。
 最初にも申し上げましたけれども、阪神大震災、これは自然災害、空知の炭鉱の閉山問題というのは本当に人災だろうというふうに思っていますので、政府の支援というものをしっかりとやっていただくように最後にお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#42
○浦野主査 これにて池田隆一君の質疑は終了いたしました。
 次に、東中光雄君。
#43
○東中分科員 長田区のケミカル業界の被害復興については、この国会でも随分論議をされてまいりました。橋本大臣は、二月一日の予算委員会で、うちの吉井議員に対しまして、兵庫県知事、神戸市長にも会い、仮設工場について、あいている無事なところがあるならば、「仮設の工場を建てて、賃貸でも提供するような工夫をしていただきたい。」というお願いをしてきたということを言われました。また、「被災地域の実情を少しでも把握を正確にすると同時に、早急に対応策を進めてまいりたい」というお話で、通産省の被災中小企業支援対策を二月九日付で出されまして、「操業の早期再開の支援等」というところで、「仮設工場、仮設店舗等の整備の促進」を掲げられております。
 制度をつくっていただいて非常に結構だと思っているのですが、問題は、今ああいう状態ですから、速やかに、できるだけ早く業者の要望を入れて実現するということだと思うのですが、用地のめどはどうなっているのか、あるいは仮設工場建設着工のめどはどうなのか、どういうふうに進めるか、これについてお伺いします。
#44
○中田(哲)政府委員 現在、私ども、中小企業事業団の高度化事業を活用いたしました仮設工場、仮設店舗の制度の発足の準備に努めておるところ
でございまして、補正予算が成立したら直ちにこれが実施できるようにということで準備を進めております。
 お尋ねの用地の問題等につきましては、県市の方で今鋭意検討をしていただいておりますけれども、仮設工場につきましては、相当用地の選定が進んできている、絞り込まれてきているというふうに伺っております。いずれ入居予定企業とのお話し合い、あるいは募集の過程を通じましてはっきりしてくるだろうというふうに思っております。
#45
○東中分科員 仮設店舗の方はどうでしょう。
#46
○中田(哲)政府委員 仮設店舗につきましては、用地の問題がなかなか難しい点がございます。従来の商店街をそのまま復興するのか、場所を移して店舗を設定するのかこのあたり、地元の商店街の御意向もまだ必ずしも煮詰まってきていないという感じのようでございます。
 私ども、用地の問題が難しいところは地元での御意向がまとまるのをお待ちするということでございまして、むしろ用地の問題、いろいろな問題がないところで仮設店舗の御要望があれば、それにできるだけ早く対応できるようにしたい、かように考えております。
#47
○東中分科員 なるべく早く進めるようにやっていただきたいのですが、それと問題は、一つ賃貸料が問題になると思うのです。これは全然見当つかぬのですか。
#48
○中田(哲)政府委員 賃貸料につきましては、県市あるいは第三セクターが事業主体になるわけでございますけれども、こちらの方でいろいろな試算を合しているようでございます。私どもの希望といたしましては、適切な賃貸料によりまして、入居者の負担が軽いということが大事だろうと思っておりますけれども、あくまで地元の方の御判断をお待ちしているという状態でございます。
#49
○東中分科員 第三セクターあるいは地方自治体が主体になるのだけれども、こっちからこういう制度をつくって進めるということだったわけですから、地震で壊れたことへの対応なのですから、賃貸料が、今長官は適切にとおっしゃったけれども、何が適切かということが一番問題になっているわけですので、どういうめどというか基準といいますか何かないのですか。
#50
○中田(哲)政府委員 やはり賃貸料につきましては、仮設工場等の実際の構造、スペースあるいは入居者の被害の程度、資力等々いろいろなことをお考えの上で設定されることだろうと思っておりまして、いましばらく県市あるいは第三セクターの方の御検討を待ちたいというふうに思っております。
#51
○東中分科員 第三セクターなり県市なりのやることを見ているというよりは、むしろ方向づけというのはやる必要があるのじゃないでしょうか。ただ適切にというだけではどうも……。大臣、どうでしょう。
#52
○橋本国務大臣 問題はこういうことだと思うのです。
 私、委員の言われる気持ちがわからないのではありません。ただ、例えば、我々からいたしますと、どこが適切な場所であるのか、それ自体が実は判断がつきません。例えば、殊に仮設店舗、商店の場合でありますと、従来の商圏との絡みで場所を選んでいただかなければならない。そして、大変申しわけないが、お入りになる方々にある程度負担能力がおありなのか、完全にもう立ち上がり時の資金は空になっているという状態で入られるのか。恐らく私は後者が多いと思います。
 殊に、今度は仮設工場の方になりますと、先日もケミカルシューズの業界の方々、神戸市議会の代表を入れて私お話ししましたけれども、労働者を散ってしまわせないためにもスピードを上げなければならない。ところが、御承知のように規模が非常にばらついております。そうなりますと、例えば一つの業者の方に割り当てたスペースを区分してお使いをいただいて、零細な皆さんがお入りになるといったケース、いろいろなケースが想定されると思います。そして、やはり国が、我々の頭で考えて適切な水準とかそういうものをそれに押しつけることは、私はいいことではないと思うのです。
 ですから、やはりここは私は、県及び市の、あるいは第三セクターの、現地の実情を一番よくつかんでおられる皆さんが設定されるものに従いたい、また、国の姿勢はそうあるべきだ。ただ、仮設工場を建てる費用あるいは仮設店舗をおつくりになる費用、さらに立ち上がりの時点の資金をどう工面するか、そういう部分はできる限り国がお手伝いをしていく、その部分は積極的に乗り出していく、私はそれがむしろ望ましい姿ではないかと思うのです。
#53
○東中分科員 ケミカルシューズ、私も行っていろいろ聞いたのですが、職種というか、つくる部品が物すごく多いのですね。それこそ規模もいろいろあります。だから、大臣の言われるとおりだと思うのですが、ただ適切にということだけを言われておると、本当の小さいところがどうもできなくなってしまうというようなことのないようにということを特に申し上げたいわけです。
 それで、今言われた設備あるいはつなぎの融資の問題ですが、どういうことになるでしょうか。
#54
○中田(哲)政府委員 設備資金、運転資金につきましては、先ほど委員御指摘の二月九日の取りまとめにございますように、政府系中小企業金融三機関の特別融資制度を設けることとしておりますので、これの御活用をいただけるというふうに思っております。
 また、このほかに設備資金につきましては、例えば従業員百人以下の企業につきましては、設備近代化資金という無利子の融資制度がございます。これは、国と県が一緒になりまして、県を窓口にして貸し付けを行うものでございますけれども、このようなものも御利用いただけるのではないだろうかかように考えております。
#55
○東中分科員 融資の枠はトータルでどれぐらいになりますか。
#56
○中田(哲)政府委員 兵庫県の融資の枠につきましては、数字を今時ち合わせておりませんけれども、県から伺っている範囲では、今年度分につきましても貸し付けの枠の残があるということで、当面は対応できるというようなお話でございます。また、個々の中小業者に対する枠といいますか、貸付限度は四千万ということでございます。ただし、所要資金の二分の一以下ということでございます。
#57
○東中分科員 ケミカルシューズ関係の会社では、億単位の融資をお願いしたいというふうな要求がずっと出ておることは御承知だと思うのですが、そういうのについては、震災に関しての融資としては方法はないということですか。
#58
○中田(哲)政府委員 金額の大きなものにつきましては、政府系中小企業金融機関による災害復旧貸し付けというものが適当ではないかというふうに思うわけでございますけれども、例えば中小企業金融公庫からの災害貸し付けでございますと、一般貸し付けのほかに一・五億円ございます。一般貸し付けと両方合わせますと五億五千万というところまで借りられるわけでございます。仮に高額な設備の場合には、そのような制度を御利用いただけるのではないかというふうに考えるところでございます。
#59
○東中分科員 今度被災したことによってそういう設備資金がどうしても要るという場合の、要するに金利ですね、それはどういうことになるのですか。
#60
○中田(哲)政府委員 ただいま御説明申し上げました貸付制度について申しますと、三千万円まで当初三年間は実質二・五%になるというふうな措置を講じております。ただ、三千万を超える部分につきましては、この特別の利子が適用されません。そういう意味では、それ以上の大型の貸し付けになりますと若干高い金利になる。普通の金融よりは安いわけでございますけれども、そういう形になるわけでございます。
#61
○東中分科員 大臣、激甚災で三%になる部分を今度は二・五まで下げるということ、それは下げることは結構なのですけれども、もう実情からいえば、何とか無利子にしてほしいという要求というのは、本当に私なんかが接する範囲の被災者、中小業者というのはみんなそう言いますね。
 住宅のローンの問題もありますけれども、それとは別にしましても、二・五%じゃなくて、実際上本人の責任じゃなくて起こったこういう事態だから、確かに今までよりは下げられたのですから一つの決断でしょうけれども、この際、これだけの大きな被害ですので、思い切って無利子、あるいは答弁の中でもできる限り無利子に近い方向に向かって努力するというお話がありましたが、そういう点はどうでしょう。利子補給ということになればそんなに大した金が要るわけじゃありませんから。大臣、どうですか。
#62
○橋本国務大臣 今長官からお答えを申し上げましたように、従来の災害対策を大きく踏み越して、思い切った措置を我々としてはとってまいりました。しかし、委員がお述べになりたいこと、要するに、被災者が受け取る時点で無利子のお金ができないか、これは我々も何とか工夫をしたいと思ってまいりましたことであります。
 ですから、県や市において、国の協力を得ながらのことでありますけれども、これらの融資について利子補給を行うことによって、当初三年間を実質的に無利子にする方向で鋭意御検討をいただいているということを私どもも伺っております。そして、その実施時期などにつきましては、近く具体的に明らかにされるものと期待をいたしておりまして、これは本院におきましても予算委員会で何回か私自身が申し上げてまいりましたが、被災された方々の手元に実質にお金が渡る時点で実質的に無利子が誕生できるような仕組みというものは、我々も県や市とともに御相談をいたしております。
#63
○東中分科員 そういう事情は私もお聞きはしているのですけれども、思い切って――だって、仮に三%を全部国が利子補給するということにして、一兆円の融資額として三百億ですわね、年間の利子補給は。これだけの大きな、まあ戦後初めてのという状態ですから、三百億といったら、それは個人で見れば大きいですけれども、国が踏み切るということになったらそんなに、政党助成費じゃありませんけれども、これはやろうと思ったらできることではないだろうかという気がしますので、何としてもこの際、被災して、やりたいと思うけれどもやれないと言っておるところが随分あるわけですので、そういう点をどうか一層考えてほしいというふうに思うわけです。
 これは港湾関係で、通産省に言ってもだめなんだという話をお聞きしたのですけれども、私、全港湾の労働組合の皆さんと震災直後に懇談をしまして、あそこの神戸港はバースが全部使えなくなった。海上コンテナの輸送業者、これはもう九〇%が中小零細なんです。それが、震災で車もつかってしまって使えなくなったという人もありますけれども、車はあるけれどもコンテナが入ってこれなくなったということで、世界の神戸港の海上コンテナ運送業者は仕事がなくなっているわけですね。これは零細企業ですから、もうこのままでいくとつぶれてしまう。だから、どうせつぶれるんだったらこの際やめようかという空気さえ出ているというのですね。労働者にしてみたら大変です。
 そして、海上コンテナの運送というのは特別の技術が要るんだそうですね。限られた数だけれども、二千台ぐらいの自動車らしいのですが、特別の技術が要るのと、合間を見てほかの仕事をするというわけにはいかない。それから、動き出したらどうしても要る業者だ。そういう関係があるわけですので、何としても経営意欲をなくしてしまうということを防がなければいかぬということで、雇用上の問題もあるでしょうけれども、つなぎ資金がどうしても要るわけです。
 一両で月百五十万ぐらいの融資を半年ぐらいしてもらえぬかという要求が切実に出ているわけです。こういうのに対しても、これはもう海上コンテナ輸送業という非常に限られた、ほんの少しですけれども、死活にかかわっておるということなんですが、何か融資制度を特別にやるということはできないのかどうか。中小企業庁としてどうなんでしょう。
#64
○橋本国務大臣 委員、御自分の陳情を受けられた組合の話だけされるのは、ちょっとずるいと思うのです。
 そして私は、港湾は所管外のことでありますけれども、現実に我々としても非常に深刻にこの復旧についてのスピードというものを気にいたしております。なぜなら、神戸という町の性格上、港湾の機能が回復いたしませんと、陸上をどれだけ立派につくり上げましても、かっての能力は当然ながら減殺されるわけであります。
 ところが、今たまたま委員はコンテナ輸送についての話をされましたが、実は私は、最初に入りましたときには関西国際空港におりまして、海側から中心部に入りました。荘然といたしましたのは、本当に岸壁が完全に崩壊しているというより海側に全部ずり出してしまっている。その背後は本当に地形が変化してしまい、コンテナバースそのものも波打っている。ガントリークレーンは倒壊している。この機能を回復するのにどれぐらいかかるだろうと本当に思いました。
 ところが問題は、港から外に出る道がまた破壊されている。そして今、復旧のために入る交通手段としても、港がほとんどワークしないという状態であります。そうしますと、これはコンテナを輸送する業者の方々だけではなく、港という機能に寄り添って生きてこられたすべての業者が、実は死活問題になってまいっております。
 一本でも早急にバースを生かしていくことはできないのか、同時に、そのバースで揚げられた荷物というものが運び出される道路をどうやって確保してもらえばいいのか、関係各省に早急な対策をお願いを申し上げているところでありまして、コンテナ輸送の業者のみならず、港湾という機能に寄り添って生きておられる業者の方々全部にその問題がある。
 そして、その回復のためには、一本でもバースを生かすことがまず最初、私どもはそうとらえておりまして、御要請の点は関係省庁にも正確に伝えるつもりでありますが、我々としては、港の事態というものは特定業種のみではない、港に依存するすべての機能が非常に深刻に事態を受けとめている、そのことだけを申し上げておきたいと思います。
#65
○東中分科員 いや、私も全港湾のことだけを言っているわけじゃないのでして、この問題はきょう別のところで寺前議員が運輸省に要請をしているところですから、勝手なことを言っているわけじゃないのです。
 ただ、本当に小さい業者であるだけに深刻ですよ。つぶれるかつぶれぬかという問題になるので、そういうことについての融資の問題を、これはぜひ考えてもらう必要があるのではないか。余り長く要らぬですようなぎで。三カ月ほどするとまた三分の一くらい動くと、この間運輸大臣も言っていましたから。まあそう簡単にいかぬかしらぬけれども、いかぬかったら余計深刻ですから、ひとつぜひ救済措置、地震によって殺されてしまうことのないように救済するだけの話で、悪いことをやった者の救済じゃないのですから、ひとつぜひお願いをしたいというふうに思います。
 それで、厚生省に来ていただいているのですが、お医者さんの関係ですが、兵庫県の保険医協会の記録を見まして、随分被害がたくさん出たようですね。例えば中央区なんかでいいますと、お医者さんは二百軒あるのですが、そのうち全壊、半壊、焼失が三十三院所、一六・五%、何らかの損壊を受けたのが百十六院所で五八%、今もう休診中というのが四十二、それから診療再開の見込み立たずというのが三十院所ある。神戸市全体でいいますと、全壊、半壊が百五十七、何らかの損壊を受けたのが四百七十五、全体で千百二十九院
所があるのですが、そのうちの四二・一%が損失を受けたのです。そして休診中は百三十三、それから見込みなしというのが百二十九。
 だから、地域医療がもう動かないというふうな状態になっておりまして、いろいろ全国から医療関係のボランティアが救援に参加していますけれども、そういう状態で、倒壊、焼失した院所が働いておった地域に仮設の診療所をつくって、そして医療活動ができるようなそういう体制を何としてもとってほしいという要望が非常に強く出ておるわけですが、厚生省はそういう点についてどういうふうに進めていっておられますか。
#66
○磯部説明員 被災者の方々に対する医療の確保を図りますために、避難所救護センターの設置、それから巡回診療の実施等の当面の体制整備にこれまで全力を挙げて取り組んできております。今後は、被災者の方々が仮設住宅に入居し、生活を立て直していくという段階に移っていくために、このような新しい状況に対応した医療提供体制のあり方について、地元自治体や医師会の方々の意見、要望を伺いながら検討を進めております。
 その基本的な方向といたしましては、地域ごとの医療の需給関係をきめ細かに把握しまして、避難所救護センターから既存の診療所の活用へと円滑に移行していく、また、仮設住宅に入居された方々等につきまして、既存の診療所では対応できない部分をカバーいたしますために、県市が仮設診療所を計画的に設置するという方向で検討を進めているところでございます。
 以上でございます。
#67
○東中分科員 仮設診療所をつくるという方向で検討している、着手はまだしてないわけですか。それから、どういう単位でつくっていくのかというのはわかりませんか。
#68
○磯部説明員 具体的には、県市、それから厚生省の現地本部で検討を行っておるところでございまして、実際にどの場所にどの程度といったことは、そこでの検討を待って決めたいと考えております。
#69
○東中分科員 先ほど言いましたように、例えば中央区あるいは東灘区という中で診療所が何%半壊、倒壊と申し上げましたが、それ式に、仮設住宅、新しい居住環境ができますね、それに対応して、例えば何月に対して一戸建てるとか、こういう意見も出ましたね。仮設住宅が例えば百戸なら百戸できたら、そのうちの一戸を仮設診療所にしてくれたらどうだというような意見も、全く個人的な意見でしたけれども、お医者さんでそういうことを言う人もありました。そういうことについての基準とか方向とかいうものはお考えじゃないんですか。
#70
○磯部説明員 先生御指摘のとおり、仮設住宅の住民の方々の数と、実際にその仮設住宅を建てました付近にある診療所のうち今機能できるものの数、それから今あります避難所救護センターそのものが引き続くかどうか、そういったいろいろな要素を勘案しまして、最終的にどうしてもカバーできない部分について仮設診療所をつくるといった考え方でやっていく方針でございます。
#71
○東中分科員 仮設住宅の建設が今まだ千戸余りですからね。しかし、今月末までには相当数がふえていくでしょうから、それに見合って早くそういう方向を進めてもらいたいということを申し上げておきたいと思います。
 それと、民間医療機関の復旧、再建のための公的補助と無利子融資の要請が強く出されておりますが、その点について、今出された方向を明らかにしていただきたいと思います。
#72
○磯部説明員 医療機関の復旧につきましては、まず基本的に、やはり社会福祉・医療事業団の融資を中心に考えておりますが、既に通常の貸付利率よりも利率を引き下げ、年四・四五%、さらに、被害の大きな医療機関につきましては年三%に軽減する措置を講じているところでございますが、地域医療を早急に確保するという観点から、被害の大きな医療機関に対する利率を年三%から実質年二・五%へとさらに引き下げるとともに、その適用額を一千万円から三千万円に引き上げる等の措置をとる予定でございます。
 また、医療機関への補助につきましては、公的医療機関につきまして、これまで予算補助により災害復旧に必要な費用の二分の一の国庫補助を行ってきたところでございますが、さらに、一定地域につきましては、公立病院に対する補助率の引き上げ、また民間病院の救急医療等政策医療を担う部分の災害復旧に必要な経費に係る国庫補助を新たに法律補助により行うこととしております。
 また、患者の療養環境等を改善する病院、また政策医療を担っている診療所に対しまして、医療施設近代化施設整備事業の対象に加えるといった措置をとることとしております。
#73
○東中分科員 厚生省も通産省もでありますが、特に中小業者が震災によって倒産してしまうというふうなことのないように、一層の融資や補助についての検討をお願いして、時間ですので、質問を終わります。
#74
○浦野主査 これにて東中光雄君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明二十一日火曜日午前十時から開会し、通商産業省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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