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1995/02/20 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 予算委員会第四分科会 第1号
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1995/02/20 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 予算委員会第四分科会 第1号

#1
第132回国会 予算委員会第四分科会 第1号
本分科会は平成七年二月十五日(水曜日)委員会
において、設置することに決した。
二月十六日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      伊藤 公介君    越智 伊平君
      後藤田正晴君    工藤堅太郎君
      冬柴 鐵三君    佐藤 観樹君
二月十六日
 伊藤公介君が委員長の指名で、主査に選任され
 た。
―――――――――――――――――――――
平成七年二月二十日(月曜日)
    午後一時三十一分開議
 出席分科員
   主 査 伊藤 公介君
      稲葉 大和君    石田 美栄君
      高木 義明君    冬柴 鐵三君
      佐藤 観樹君
   兼務 大口 善徳君 兼務 大畠 章宏君
   兼務 土肥 隆一君 兼務 山原健二郎君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 井出 正一君
 出席政府委員
        厚生大臣官房総
        務審議官    太田 義武君
        厚生省健康政策 谷  修一君
        厚生省保健医療 松村 明仁君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部長 藤原 正弘君
        厚生省社会・援
        護局長     佐野 利昭君
        厚生省老人保健
        福祉局長    阿部 正俊君
        厚生省児童家庭 佐々木典夫君
        厚生省保険局長 岡光 序治君
 分科員外の出席者
        総務庁長官官房
        地域改善対策室
        長       炭谷  茂君
        環境庁水質保全
        局土壌農業課長 猪股 敏郎君
        大蔵省主計局主
        計官      丹呉 泰健君
        厚生大臣官房会
        計課長     大塚 義治君
        農林水産省構造
        改善局総務課施
        設管理室長   佐藤  準君
        運輸省運輸政策
        局消費者行政課
        長       淡路  均君
        建設省住宅局住
        宅建設課長   那珂  正君
        厚生委員会調査
        室長      市川  喬君
        予算委員会調査
        室長      堀口 一郎君
    ―――――――――――――
分科員の異動
二月二十日
 辞任         補欠選任
  越智 伊平君     稲葉 大和君
  冬柴 鐵三君     高木 義明君
同日
 辞任         補欠選任
  稲葉 大和君     越智 伊平君
  高木 義明君     石田 美栄君
同日
 辞任         補欠選任
  石田 美栄君     冬柴 鐵三君
同日
 第一分科員山原健二郎君、第三分科員大口善徳
 君、土肥隆一君及び第五分科員大畠章宏君が本
 分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成七年度一般会計予算
 平成七年度特別会計予算
 平成七年度政府関係機関予算
 (厚生省所管)
     ――――◇―――――
#2
○伊藤主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。
 本分科会は、厚生省及び労働省所管について審査を行うことになっております。
 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。
 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算及び平成七年度政府関係機関予算中厚生省所管について、政府から説明を聴取いたします。井出厚生大臣。
#3
○井出国務大臣 平成七年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算の概要について御説明申し上げます。
 平成七年度厚生省所管一般会計予算の総額は十四兆百十五億円、平成六年度当初予算額と比較いたしますと四千六億円、二・九%の増加となっております。国の一般会計予算総額に対し一九・七%、一般歳出に対し三三・二%の割合を占めております。
 厚生省予算につきましては、異例に厳しい財政事情のもとにおいても、保健、福祉、医療、年金といった国民生活の基盤の確保を図るため、必要な予算の確保を図っております。
 以下、その主要施策について御説明申し上げます。
 第一に、高齢者保健福祉対策であります。
 本格的な高齢社会の到来を目前に控え、国民が安心して老後を送ることができるよう、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を全面的に見直し、当面緊急に行うべき高齢者介護サービスの目標水準の引き上げや、今後取り組むべき施策の基本的枠組みなどを内容とした新ゴールドプランを策定したところであります。これに沿って、ホームヘルプサービス事業などの在宅対策や特別養護老人ホームなどの整備について大幅な拡充を図ることとしております。
 第二に、児童家庭対策についてであります。
 少子化の進行に対応し、子育てを社会全体で支援するため、昨年末に策定したいわゆるエンゼルプランの具体化の一環として「緊急保育対策等五か年事業」に基づき、多様な保育サービスの整備を図るなど緊急保育対策を計画的に実施することとしております。
 第三に、国民健康保険制度及び老人保健制度の改正についてであります。
 国民健康保険制度につきましては、低所得者層の増加、小規模保険者の増加等に対応し、その財政の安定化を図るため、保険料軽減制度や高額医療費共同事業の拡充などを行うこととしております。
 また、老人保健制度につきましては、老人医療費拠出金の算定に用いられる老人加入率の上下限の見直し等を行うとともに、著しい財政影響を受ける保険者に対しては、実情に応じ財政的支援を実施することとしております。
 第四に、障害者等の福祉対策についてであります。
 障害者福祉対策につきましては、自立と社会参加を目指し、市町村障害者社会参加促進事業を創設するとともに、障害者や高齢者にやさしいまちづくり推進事業の拡充や障害者のスポーツの振興
等を図ることとしております。
 また、市町村ボランティアセンターの増設などボランティア活動振興のための基盤整備を行うこととしております。
 第五に、水道・廃棄物処理対策についてであります。
 水道施設につきましては、生活の質的向上を実現できる水道を整備するため、簡易水道の整備とともに、高度浄水施設など安全で良質な水道水の安定供給のための施設整備を進めることとしております。
 また、廃棄物処理対策につきましては、ごみ排出量の増大に対応して、施設の計画的整備を推進するとともに、ごみの減量化、再生利用を進めるための施設の整備や啓発活動の充実を図ることとしております。
 さらに、生活排水対策として合併処理浄化槽の計画的整備を推進することとしております。
 第六に、疾病対策についてであります。
 がん対策につきましては、「がん克服新十か年戦略」を中心にして、がんの克服を主眼とした臨床応用や予防研究を実施するとともに、がん診療情報ネットワークの整備を推進することとしております。
 エイズ対策につきましては、二年次目を迎えるエイズストップ七年作戦を着実に展開することとし、相談・指導体制の充実、エイズ治療薬等の研究開発、さらには国際協力の推進などを図ることとしております。
 精神保健対策及び結核対策につきましては、地域の実情に即して実施する地域精神保健対策促進事業の創設、結核特別対策促進事業の充実強化等を図るとともに、精神医療及び結核医療の公費負担制度について公費優先を保険優先とし、医療保険の自己負担分について公費助成を行う仕組みに変更することとしております。
 以上のほか、年金額等につきまして、本年四月から昨年の消費者物価上昇率に応じて引き上げを行うとともに、保健医療対策の充実、食品の安全対策、医薬品の安全性の確保と適正使用の推進、また、戦後五十周年の節目を迎えるに当たって、戦傷病者戦没者遺族等の援護対策、原爆被爆者対策などの諸施策の推進を図ることとしております。
 なお、委員各位のお手元に資料が配付されておりますが、厚生省所管一般会計及び特別会計予算の主要経費別概要につきましては、お許しを得て説明を省略させていただきたいと存じます。
 今後とも国民の健康と福祉の向上を図るために、厚生行政の進展に一層の努力をしてまいりたいと考えておりますので、何とぞ、格別の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
 どうもありがとうございました。
#4
○伊藤主査 この際、お諮りいたします。
 厚生省所管関係予算の重点項目については、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○伊藤主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
  〔井出国務大臣の説明を省略した部分〕
 次に、平成七年度厚生省所管一般会計予算の概要を主要経費別に御説明申し上げます。
 第一は、社会保障関係費のうち、生活保護費につきましては、総額一兆五百三十二億円を計上しております。
 生活保護費につきましては、国民生活の動向等を勘案して改善を図ることとし、生活扶助基準につきましては、平成六年度に比し、一・〇%引き上げることとしたほか、教育扶助基準等の改善を行うこととしております。
 なお、引き続き制度の趣旨に沿って適正な運用を図ることとしております。
 第二は、社会福祉費でありますが、総額三兆四千七百二十八億円を計上しております。
 まず、高齢者保健福祉対策につきましては、新ゴールドプランの着実な実施を図るとともに、二十四時間対応ヘルパーの創設、痴呆性老人向け毎日通所型デイサービス事業の基準の弾力化、さらには定員三十人の都市型小規模特別養護老人ホームの整備等を行うこととしております。
 次に、児童家庭対策についてでありますが、共働き家庭等を支援するため、保育所における低年齢児の受入れ枠の拡大、開所時間延長保育事業の創設、低年齢児保育促進事業の創設など保育対策の一層の充実を図るとともに、放課後児童対策の拡充、児童扶養手当の引上げ等を図ることとしております。
 障害者等の福祉対策につきましては、障害者の自立や社会参加のための身体障害者デイサービス事業や精神薄弱者グループホームの拡充等を行うこととしております。
 社会福祉施設整備につきましては、新ゴールドプランに基づき、特別養護老人ホーム等の施設整備の促進を図るとともに、重度障害者施設等について所要の整備を行うこととしております。
 また、社会福祉施設の運営費の改善につきましては、職員の勤務時間の短縮を進めるとともに、生活費の引上げ等入所者の処遇改善等を図ることとしております。
 以上のほか、地域における民間社会福祉活動を推進するため、地域社会のボランティアを活用したふれあいのまちづくり事業等の拡充強化を図ることとし、また、婦人保護事業及び地域改善事業の実施等につきましても所要の措置を講ずることとしております。
 第三は、社会保険費でありますが、総額八兆三千百二十七億円を計上しております。
 まず、社会保険国庫負担金につきましては、総額一兆千三十八億円を計上しております。
 次に、厚生年金保険国庫負担金につきましては、厚生年金保険法の規定により算定した額のうち、昭和三十六年四月前に係る国庫負担について、四千百五十億円を一時繰り延べる特例措置を講ずることといたしました結果、二兆八千二百九十五億円を計上しております。
 次に、国民年金国庫負担金でありますが、総額一兆五千百八十三億円を計上しております。
 なお、一般会計から国民年金特別会計への繰入れの平準化措置による平成七年度の加算額二千三百七十二億円を繰り延べることとしております。
 国民健康保険助成費につきましては、総額二兆八千百九十四億円を計上しております。
 以上のほか健康保険組合につきましては、引き続き運営の安定化対策を講ずることとしております。
 第四は、保健衛生対策費でありますが、総額六千三百四十二億円を計上しております。
 本格的な高齢社会を健康で活力あるものとしていくために、歯周疾患、骨粗鬆症健診事業の実施をはじめ積極的に健康づくりや成人病の発生予防対策を推進するとともに、老人保健事業につきましては、引き続き健康教育、健康相談、機能訓練等の充実を図ることとしております。
 疾病対策につきましては、主要施策で申し上げたがん対策、エイズ対策、精神保健対策、結核対策の推進のほか難病患者に対する支援、臓器移植対策、予防接種対策等の充実を図ることとしております。
 地域保健医療対策につきましては、在宅医療の普及、医療施設の近代化の促進を図るとともに、病院機能評価の実施に対する支援、救急医療体制の整備等の充実を図ることとしております。
 さらに、患者数が少ないため、開発が進んでいない希少疾病用医薬品等の研究開発の推進を図ることとしております。
 原爆被爆者対策につきましては、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づき、諸手当の所得制限の撤廃及び原爆被爆者特別葬祭給付金の創設を行うほか各種施策の充実・強化を図ることとしております。
 以上のほか、保健・医療施設の整備、食品等の安全対策、血液対策、麻薬・覚せい剤対策などの経費を計上しております。
 第五は、恩給関係費のうち、遺族及び留守家族等援護費でありますが、総額千百九十九億円を計上しております。
 まず、遺族年金等につきまして、恩給の引上げに準じて額の引上げを行うとともに、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金の支給を行うこととしております。
 また、戦没者の遺骨収集、慰霊巡拝等の慰霊事業を実施するとともに、中国残留邦人等対策としては、毎年の一時帰国が実現できるようにするなど援護対策の充実を図ることとしております。
 第六は、公共事業関係費のうち、環境衛生施設整備費でありますが、総額二千六百四十三億円を計上しております。
 まず、水道施設整備費でありますが、簡易水道及び水道水源開発等の整備を推進することとしております。
 また、廃棄物処理施設整備費につきましては、ごみ処理施設、リサイクルセンター、最終処分場、合併処理浄化槽等の積極的な整備を図ることとしております。
 以上が、平成七年度厚生省一般会計予算の概要であります。
 次に、平成七年度厚生省所管特別会計予算について申し上げます。
 第一に、厚生保険特別会計につきましては、一般会計から三兆九千四百九億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上しております。
 第二に、船員保険特別会計につきましては、一般会計から六十九億円の繰入れを行い、歳入、歳出予算を計上しております。
 第三に、国立病院特別会計につきましては、一般会計から二千四百八十六億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上しております。
 第四に、国民年金特別会計につきましては、一般会計から一兆五千百八十三億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上しております。
 以上が、平成七年度厚生省所管特別会計予算の概要であります。
 何とぞ、格別の御協力を賜りますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#6
○伊藤主査 以上をもちまして厚生省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○伊藤主査 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑時間はこれを厳守せられ、議事の進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が極めて限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高木義明君。
#8
○高木(義)分科員 新進党の高木義明でございます。
 限られた時間でございますが、本年は、御案内のとおり被爆五十周年を迎える年でございます。ただいまも厚生大臣から御説明がありましたように、当局におかれましては、新しい年度もまた被爆者対策の推進に鋭意当たられるという決意でございます。これまでも、被爆者行政におかれましては、格段の御尽力をいただいておりますことに心から敬意を表する次第でございます。
 私は、この際、被爆五十周年に向けて、今なお地元長崎県、長崎市におきまして、どうしてもこの被爆五十周年を節目にして解決しなければならない課題としてのいわゆる長崎原爆被爆地域の拡大是正、いわゆる不均衡の是正、この問題があるわけでございまして、この点について以下質問をしてまいりたいと思っております。
 去る一月に、本件につきまして長崎県、長崎市、そして被爆地域是正連絡協議会、被爆者援護強化対策協議会、これらの団体から厚生大臣に対しまして御要望があっておりますと思いますが、御承知でございますか。
#9
○松村政府委員 御陳情があったことは存じております。
#10
○高木(義)分科員 この陳情書と同じものを私も受けておるわけでございますが、この問題は、国会におきましても、衆参両院において、長い間にわたって各議員の方から問題提起がなされ、善処を強く要望されたいきさつがございます。
 改めて、私も今からの質問に当たりまして、その経過を振り返ってまいりますと、長崎の原爆被爆地域におきましては、昭和二十年八月九日被爆当時の長崎市区域と隣接する一部区域が爆心地より半径約五キロの範囲を被爆地に指定をしておりました。昭和三十二年に、原爆医療法制定時に、長崎市の一部隣接地域を含む爆心地より半径約六キロの範囲と旧長崎市行政区域である南へ半径約十二キロの範囲が被爆地に指定されたのでございます。そして、昭和四十九年に健康診断特例地域として北部に半径十二キロ、昭和五十一年には東西に半径約七キロにかかる地域を指定しております。
 その後、各地域から被爆地域是正にかかわる熱い要望活動があっておりました。昭和五十五年十二月十一日に基本懇、いわゆる国の原爆被爆者基本問題懇談会、この報告書によりまして、被爆地域の指定は、科学的・合理的な根拠なしに、これまでの被爆地域との均衡を保つためという理由で地域を拡大することは、関係者の間に新たな不公平感を生み出す原因となり、ただいたずらに地域の拡大を続ける結果を招来するおそれがあるとしている。このことによりまして、以降、国としては被爆地域是正の問題は、むしろ、その取り組みとしてはほとんど拡大の経過はないわけでございます。
 そういう中で、地元長崎県、長崎市は、何とか科学的・合理的根拠を探し出そう、そして被爆者の福祉にこたえていこう、こういう熱意の中で、昭和六十三年六月に、科学的根拠を目指すためにいわゆる岡島検討会というのを設置をいたしております。これはその調査方法について検討するものでございます。
 その岡島検討会は、平成元年十二月に、その調査方法を報告書で述べておりまして、いわゆるプルトニウムの調査測定が有効であろう、こういう方法を提言をしておるわけであります。これに基づいて長崎県、長崎市は、平成二年八月に、残留放射能の影響を確認するために、プルトニウム調査依頼を岡島検討会に委託をしたわけでございます。そして平成三年六月、岡島検討会は「残留放射能プルトニウム調査報告書」を出しておりますが、これの内容の中には、地域見直しの根拠、判断は示しておりません。
 したがって、この報告書が提出され、これに基づいて平成四年三月、参議院予算委員会におきまして、初村滝一郎議員の方から、当時の山下厚生大臣並びに政府にこの報告書の評価について質問をしたいきさつがございます。いろいろなやりとりがありまして、議事録もここにありますが、一々説明は省略いたしますが、この最後に、当時の山下厚生大臣としては、もう一度専門家の意見を聞いてみたい、こういうことを答弁をいたしております。これによりまして厚生省も専門家の検討班を設けて、その評価についていろいろ検討されておりました。平成六年十二月にその報告書、いわゆる熊取検討会という中で報告書が出ておるわけであります。この結論においては「残留放射能による健康影響はない」、これが端的な検討経過でございました。
 私は、ここに至って、被爆から約五十年経過をしておる中で、いわゆる科学的根拠を見出すのはほとんど難しい、困難であろう、このように思っております。したがって、いわゆる科学的・合理的根拠を求める一つのすべを求めて、今我々は合理的根拠に基づいてこの際一定の前進をぜひ図るべきだ、このように考えて質問に立ったわけでございます。
 そこで、質問をいたしますが、四十年以上経過した中でのこれまでの調査の意義についてどのように認識をされておるのか、まずこの点をお願いをしたいと思います。
#11
○松村政府委員 長崎県及び市が設置いたしまし
た長崎原爆被爆地域問題検討会によります「長崎原爆残留放射能プルトニウム調査報告書」というものが出されまして、これは、今議員御指摘のように、科学的な調査であります。この結果につきまして、さらに厚生省といたしましては、専門家から成る検討班を設置をいたしまして、この報告書の意義につきまして検討をさらに重ねたわけであります。その結果、平成六年十二月には検討班から報告書が出されまして、「指定拡大要望地域においては長崎原爆の放射性降下物の残留放射能による健康影響はない」、こういう結論をいただいておるところであります。
 私どもといたしましては、長い経緯のある問題ではございますけれども、まず県、市において科学的に調査がなされ、それからまた国におきましてもその評価を客観的にしてみた、こういうことでこれらの結論を尊重するという立場でございます。
#12
○高木(義)分科員 当時は大変な惨たんたる状況であったと思われます。したがって、被爆者の方々もそれぞれにさまざまな行動があったと思っております。いわゆる体外における被爆あるいは体内での被爆、これはその後、被爆者におかれては大変な健康の不安、生活の不安、私がここで語るには及ばないものがあると私は思うわけでございまして、当時の複雑な状況を見ると、ただ単に今のこの現実に立って科学的根拠を求めたにしても、それはある意味ではむなしいものではないのか、私はそのように思うわけであります。
 したがって、今行われておりますこの地域、これはいわゆる行政区単位というのも入っておるわけでございますが、これは一体科学的なのかどうかこの点について認識を賜りたい。
#13
○松村政府委員 戦後のいろいろ混乱をした時期ではあったかと思うのでありますが、この指定につきましては、当時としては科学的かつ合理的に指定がなされたもの、こう考えております。
#14
○高木(義)分科員 昭和三十二年、いわゆる旧長崎市の行政区として南へ十二キロを被爆地に指定したことが不均衡の始まりになった、このように言われております。昭和四十九年の健康診断特例地域の指定、いわゆる北に十二キロまでは、この地域の被爆直後の救護活動による間接被爆を理由としたとされております。また、昭和五十一年の健康診断特例地域の指定、東西に七キロまでは、広島において黒い雨が降った地域の地勢との均衡を図るためのものであった、このように言われております。
 また、国の科学的根拠とは昭和四十六年の日本学術会議の報告書、これは、半径約四キロが被爆、こういうことになっておりますが、これらの地域是正に対する科学的・合理的根拠にはなり得ないわけであります。私は、昭和四十九年におかれましても、五十一年におかれましても、基本懇がこれまでずっと言われ、そして厚生省がこれを受けてきた科学的・合理的根拠には全くなっていない。したがって、そのこと自体が私は矛盾をしておると思っております。
 このことに対しましても被爆者からは大変な納得がいかない不信感があるわけでございますので、私たちはこの際これをはっきりすることが当面の責務ではないか、こういう立場に立つものでございますが、この点についての御認識をお伺いしたい。
#15
○松村政府委員 当時の指定の仕方ということにつきましていろいろ御議論があることは私どもも承知をしておりますが、当時としては科学的、合理的な範囲で判断をしたものと考えております。
 また、その後、原爆の基本懇というところで改めてこの問題につきまして検討をし直したというか見直したといいましょうか、御意見をちょうだいしておるわけでございます。現在は、この基本懇の考え方に立って私どもは行政を進めております。
 この基本懇の考え方につきましては、議員御指摘のとおり、科学的・合理的、こういう点に立脚して物事を進めるように、こういうふうに言われておりまして、私どもは、こういったことで、戦後の当時の問題はいろいろ御意見があるかもしれませんけれども、少なくとも昭和五十五年の基本問題懇談会の御答申以後は、被爆地域の指定は科学的・合理的な根拠のある場合に限る、こういう形で進めておるところでございます。
#16
○高木(義)分科員 五十五年以降の話、以前の話、私は、被爆者にとってはそんな区別はないと思っております。
 基本懇が、今後の地域の是正については科学的根拠を持ってこい、これをつくれ、こういう厳しいことを、またもっともなことを言っておられる。しかし、今さら被爆五十年が近づく今日において、本当の科学的根拠を求めるといっても、それはもう無に等しい。そうしたら、それで永久にもうだめなのか。自分は昭和二十年八月九日に確かに原爆のあの惨禍の場にあった。したがって、そういう中で、真実は私は一つと思っておりますが、そういう方々が今なおそのようなことによって被爆の地域の是正からの枠外に置かれるということ自体、私はあってはならぬことだと思っております。
 そういう意味で、行政区単位にしたということはまさに科学的ではない。そういうことがあって、片方では科学的・合理的根拠に基づいてやりなさい、そういうこと自体が私は、戦後五十年において被爆者対策を総括する意味で、今新しい立場でこのことを考え直す時期に来ておるのではないかこのように思っておりますけれども、この点について、今の現実の被爆地域というのが科学的なんでしょうか、どうでしょうか。
#17
○松村政府委員 繰り返しになりますが、戦後の指定においては、当時の科学水準あるいは物の考え方というものから発して科学的にあるいは合理的に決められた、このように考えております。
 さらに、昭和五十五年以降におきましては、改めて被爆地域の指定は科学的、合理的にやっていかなければいけない、こういうことで私どもはこれに沿って運用しておる、こういうことでございます。
#18
○高木(義)分科員 平成三年の調査においても、今要望があっている地域においてはプルトニウムの存在が確認されておるわけです。通常、常識で考えて、地上約五百メートルで原爆が炸裂したと言われておりまして、五百メートル以上の山があれば話は別なんですが、そういう山はありません。そうしますと、当時の気象状態にもよるのでありますが、一部には西の風が吹いたとも言われておりますし、あるいはある意味では無風状態であったという話もあるわけでございます。しかし、総合的に考えて、十二キロの同心円で被害があることは、私はむしろこれこそ合理的じゃないかな、このように思っておるわけでございますが、この点についていかがでしょうか。
#19
○松村政府委員 今回の調査、長崎県、市によります調査によりまして、確かにプルトニウムが存在するということは指摘をされております。また、これを専門家会議が評価をしたわけでございますが、その結果が、先ほど来申しておりますように、健康被害はない、こういうことでございまして、確かに原爆の影響はあるということは、県、市のデータからもそれはあるんでしょうが、健康影響というものはないんだ、こういう結論になっておるところでございます。
#20
○高木(義)分科員 長崎の場合は、これは専門家の報告書の中にもありますが、長崎の「核分裂性物質としてプルトニウムが用いられ、炸裂後、あるものは崖となり、あるものは雨によって地上に落下したと考えられる。」これはフォールアウトでございますが、こういうこともこれはもう合意がされておることでありますし、またある専門家集団では、これまで被爆の後遺症、放射線の影響についていろいろな研究が長い間において行われております。これによって原爆被爆に伴う後障害のかなりの部分が解明されているが、不明の部分も数多く残っておる、こういうことを言っておりますね。むしろ被爆者の高齢化によって、これから被爆者の健康監視をより一層充実される必要がある、こういう提言もあちこちに見られておるわけでありますが、今被爆者ももう高齢化されてお
るんです。もう平均年齢六十六歳ぐらいでしょうか。今からそういう健康にとって非常に不安な毎日が続くわけでございます。
 だから、プルトニウムが落ちたことは事実なんです。したがって、今日私たちは、あの実現がなかなか難しいと言われておった被爆者援護法ができたわけですね。いろいろな反省点もあったわけでございますが、できないと言った援護法ができた。これは被爆者にとって物すごく大きな励みになりました。この際、そういった問題もこの時期に私は光を当てるべきではないかと思っております。科学的・合理的根拠でずっと押していくならば、じゃ、今の制度、今のシステム、今の現状は科学的であり合理的であるかといえば、そうじゃない。この点についてどうなんでしょうか。
#21
○松村政府委員 当時の地域の指定につきましては、いろいろ御意見があることは存じておりますけれども、少なくとも現時点においてさらにその指定地域を拡大するかどうかこういう問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、科学的・合理的な根拠というものが必要であろう、このように考えております。
#22
○高木(義)分科員 私は、その科学的根拠というのは、もうこういう年月がたった後にいろいろな今考えられるあらゆる手段を通じても困難だ、それはもう空論に等しい、こういうことから、いわゆる合理的手段に基づいて、新しい観点から被爆者対策の充実のために手を打っていただきたい、こういう立場から申し上げておるわけであります。
 さきに成立をいたしました原爆援護法、この援護法の議論を通じまして、附帯決議もあっております。この附帯決議の中の四項にも、「被爆地域の指定の在り方について、原爆放射線による健康影響に関する研究の進展を勘案し、科学性、合理性に配慮しつつ検討を行うこと。」もちろん、これは当然なことでございます。この場合の科学性、合理性、いわゆる非科学的なことをやっちゃいかぬ、非合理的なことをやっちゃいかぬ、こういうことであります。これは当然なんですが、こういう附帯決議もつけられておるんです。これに対して政府は、政府としてどのような受けとめをされておりますか。
#23
○松村政府委員 附帯決議があることも、もちろんよく存じております。附帯決議によりますと、「原爆放射線による健康影響に関する研究の進展を勘案し、科学性、合理性に配慮しつつ検討を行うこと。」このように書いてあります。したがいまして、これをそのとおり理解いたしますと、研究の進展において見るべきものがあれば、その科学性、合理性に配慮しつつ検討を行っていく、こういうことになろうかと思います。
#24
○高木(義)分科員 先ほどから言っておりますが、その合理的、合理性という生味では、今の地域の画定というのは不合理だと われますか、合理的だと思いますか。
#25
○松村政府委員 これも繰り返しのようでまことに申しわけないんですが、当時の状況下におきまして科学的、合理的に努めたんだろうとは思うのでありますけれども、行政単位に指定をしておるというようなことは、現在から見れば、あるいは議員御指摘のような面があるのかと思いますが、これから新たに事を起こしていこう、こういう場合には、私どもは先ほど来申し上げておりますこの基本懇の考えに沿っていかざるを得ない、こういうふうに考えております。
#26
○高木(義)分科員 これから新たな対応ということを今言われましたけれども、今後ともこの問題については深刻に受けとめて、そしてできるだけ前向きに考えていただく、こういうことも含めてのお答えですか。
#27
○松村政府委員 私どもは、附帯決議の御趣旨も考えて、健康影響に関する研究が進展をいたしまして新知見等が得られれば、そういった知見に基づいて科学的、合理的に検討していく、こういうことでございます。
#28
○高木(義)分科員 いつのことやら、わけわからぬようになりますか。被爆五十周年、ことしはそういう意味ではすべてのものについてある程度は決着をつける段階と私は思っております。ますます被爆者は高齢化されて、健康障害によって亡くなられていくという大変不幸なこともあるわけでございまして、私は、健康障害については、科学が発達した今なお医学的には未解明の分野があるとこれまでも申し上げてきました。今、被爆五十周年でございます。どうかこの際、ひとつ厚生大臣、福祉の向上を図るためにも、今日までの経過を十分に踏まえて、より合理的な方策をお示しいただく、当然政令の改正もあるわけでございますから、そういう中にぜひこの点についてお含みいただきたいと私は強く要望するわけでございますが、大臣の御所見を承りたいと思います。
#29
○井出国務大臣 昨年の臨時国会で、厚生委員会で衆参両方にわたって大変な御論議をいただき、そのときにも今委員御指摘のような問題が随分いろんな先生方から指摘をされたことも私も覚えております。そしてその結果、それぞれに附帯決議がついたことも承知しております。また、あの時点では政府の方の検討、専門家による検討班の報告が近々に出るというような時期でもございました。それが十二月の末になりまして報告がなされて、その結果は先ほど局長が申し上げましたとおりでございますし、また先生よく御承知のことでありまして、そういった意味では、基本懇のあの報告を私ども政府といたしましては尊重し、それを堅持していく立場なものですから、今度の検討班の報告書に基づいている現状といたしましては、先生の今おっしゃったような御要望には政府としては、被爆地の拡大ですか、なかなか困難であると申し上げざるを得ません。
 ただ、ただいまこれまた局長が答弁いたしましたが、これからまた新たなる研究の進展によってそれなりの合理的なあるいは科学的な余地がはっきりしてきたというときには、当然考えなくてはならぬことはそのとおりだと思っております。
#30
○高木(義)分科員 時間が参りましたので終わりますが、いよいよ、まさにもう理屈は抜きにいたしまして、政治決断以外にないと思っておりますので、格段の御尽力を賜って、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#31
○伊藤主査 これにて高木義明君の質疑は終了いたしました。
 次に、土肥隆一君。
#32
○土肥分科員 私は、兵庫一区、中選挙区でいいますと神戸市全域の選出の議員でございますから、復旧、復興対策も進む中で押さえておかなければならない幾つかの点について、この分科会をかりて少し確認しておきたいと思います。
 被災地を詳細に見てまいりますと、被害が非常に大きかった、そこは活断層が通っているというふうに地質学的あるいは地震学的には説明をいたしますけれども、しかし、その上に乗っかって暮らしておりました被災地というのはいろいろな特徴がございます。その特徴をずっと追っかけていきますと、一種の弱者といいましょうか、弱者が住んでいらっしゃる地帯が見事に、見事にと言うと言葉は悪いが、それに符合するように被害が及んでいるわけであります。
 ちょうど一カ月たちましたので、先週の土曜日などその地域に入りますと、いろいろな花が焼け野原に、瓦れきの上にささげられておりまして、いろいろな弔いの行事も行われておりました。その弱者というか、行政のおくれというか、あるいは地域改善といいましょうか、そういうものがおくれているところに集中的に被害が及んでいるというふうに思うわけでございます。もちろんそこだけじゃございませんで、私どものところへ文句を言ってきた方は、おれの家は一億円で建てた家だ、どうしてくれるんだなんということを私に言う人もいるくらいですから、それは例外ももちろんあるわけであります。
 その一つに、いわゆる同和地区というのがございます。ここはもう本当に目を覆うばかりでございます。改めて質問いたしますので、土曜日ずっと詳細に見てまいりましたけれども、神戸には同和地区というのが、そうはっきりわかるわけじゃ
ございませんけれども、大体五つくらいの地区がございます。そのほかに西宮とか芦屋にもあるのでございますけれども、その地域の全体の人口の九割方は同和の皆さんが住んでいらっしゃるところでございますが、東灘区で一地区、灘区で一地区、中央区で二地区、長田区で一地区、須磨区で一地区ございます。
 その一地区で、例えば東灘区では死亡者が二十一人でございます。灘区も一地区で二十人、中央区は少し少のうございまして四人、長田区では三十人亡くなっておられます。須磨区では十七人。それから、木造家屋の倒壊状況を見ますと、ほぼ九〇%、少なくても五〇%、九〇%からの建物が、例えば灘区では九〇%、中央区の非常に少ないところでも五〇%、長田区などはもう多数と言わないと数えられないくらいでございます。今も瓦れきのまま残っております。これは最終報告じゃございませんから、またふえるだろうと思いますけれども、これは地対協の総括部会の資料でございます。やはり地域改善対策事業がおくれていたんだなということを痛切に感じまして、私も無念に思います。
 今後、この復旧、復興工事が始まるわけでございますけれども、そのときに、十分この地区の今までの置かれた状況と今後持っている問題性を自覚して、国も地方自治体も新しい復興の意味を考えていかなければならないだろうというふうに思っております。
 俗に、同和地区に対しては一般対策と特別対策というふうに呼ばれるわけでありますけれども、私は、やはりこの地区の復興においては一般化してはいけない、別に特化して、特別ということではございませんけれども、今までのいわば町づくり、行政のおくれがこの部分に集中的にあらわれたということを念頭に置いて、これから十分な今後の将来像、未来像を考えながら、新しい町づくりに神戸市民もこの同和地区の皆さんも立ち上がってくださるだろう、このように思っております。
 つまり、差別、それに伴う貧困、そしてその貧困ゆえの非常に不十分な、もう本当に一発の地震があったらすぐに倒壊してしまうような住宅事情、それが密集して住んでおりますから、一度にやられてしまって、火がつけばずっと燃え続けていくという住宅事情でございました。
 新しい町づくりが始まるに当たって、まず総務庁の皆さんにお聞きしたいのでありますけれども、従前から、例えば自立支援としての生活指導だとか職業指導であるとか職業紹介であるとか、それぞれの活動がなされてまいりましたけれども、今後総務庁としては、こういう同和地区の被災地の再興に当たってどういうことを念頭に置いて取り組んでいかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#33
○炭谷説明員 ただいま先生がお話しになりましたように、今回の阪神・淡路大地震におきまして、同和地区におきましても人的また物的において大きな被害を受けております。このような災害を繰り返さないために、同和地区を含めた被災地域全体の復興の中で、災害に対して将来にわたる安全な地域づくりを推進する必要があろうかと考えております。
 今後、このような対策が進められる中においては、地域改善対策として行うべきことも生じてくるだろうと思いますけれども、この場合は、関係省庁と連携をとりながら適切に対処し、先生のお話のありましたように、同和問題の早期解決という視点で仕事を進めてまいりたいというふうに考えております。
#34
○土肥分科員 一層の御配慮をお願いしたい、我々もそれをじっくりと見させていただきたい、このように思います。当地区は非常に高齢化率が高こうございまして、そして生活保護世帯も大変多うございます。つまり、普通の自立支援事業では十分でないという面が多々出てくるであろうというふうに思うのであります。
 そこで、幾つか私も提案を申し上げて御意見を聞きたいのでありますけれども、例えば家を建てる、これは公共住宅になろうかと思いますけれども、既に高齢化が非常に進んでいて、例えばそれぞれお宅に帰られてもそのまま自立した生活ができるとは到底思えない。自立したというのは、要するに日常の家事一般から身辺の仕事を自分でやっていく、そういう部分でも非常に不十分になるだろうということを私は想定いたします。したがいまして、この同和地区における高齢化の視点というものを忘れることなく、そしてお年寄りたちが十分なお世話を社会的にも受けられるような視点に立って町づくりに入っていただきたいと思うのであります。
 まず仮設住宅などが建てられるわけでありますけれども、私は、同和地区において、仮設住宅の入居というのは、高齢者あるいはそういう生活に自立力が落ちている方が多いので、特別なアフターケアが必要だというふうに考えております。まず、仮設住宅に入りますとそれぞれの独立した家になるわけでありますから、やはり在宅介護、在宅援助というものが必要だと思いますが、この地区は特にそういう面を配慮していただきたい。
 昔からこのあたりは福祉施設が全くないところでございまして、例えば特養などは一つもございません。それから老健施設ももちろんなければ、ケアハウスもなければ、在宅介護支援センターもなければ、訪問看護ステーションもない。何もない。あるのは隣保館でございまして、そこでいろいろな自立訓練が行われているということでございます。そういう意味では町づくりの中で、幸い神戸は、幸いというか、今まで町中になかなかそういう社会福祉施設を持ってこれませんでしたから、そういうものを同時に整備して、特養もある、あるいは在宅介護支援センターもある、訪問看護ステーションもあるというふうに福祉サービスをここの中に持ち込んできてほしい、こういうふうに思っておりますが、厚生省のお考えはどうでしょうか。
#35
○阿部(正)政府委員 先生御指摘のように、現在多数のお年寄りの方々が、亡くなられた方、それからさらに御自宅が崩壊して避難所に緊急に避難されている方等々たくさんございます。
 これから先の対応でございますが、一般的には在宅サービスというものを旧に復し、あるいはそれだけではなくてより充実していくということももちろんでございますけれども、やはりそれぞれの地域の拠点になる施設というもの、あるいはこれからの復興を考える場合には、住居といいましょうか住まい方として、例えばケアハウスの整備というふうなものも十分念頭に置いて考えなければいかぬのではないかと思っておりまして、そういったふうな考え方で兵庫県あるいは神戸市等にも私どもの考え方を申し上げ、これから一緒になって検討していこうというふうな視点で対応してまいりたいと思っております。
#36
○土肥分科員 これはある意味でいい機会だと思うのですね。町中にそうした高齢者対策、障害者対策の福祉施設が身近なところに、手近なところにあるという、しかも今までそういう恵まれなかった地域ですから、ぜひともそのほかの方々もそこを利用できるようにして同和地区の皆さんとも差別なくおつき合いができるようなコミュニティーをつくっていきたい、このように思っております。特にその辺はよろしくお願いしたいと思います。
 大臣、昨年でしたか、大阪の方の同和地区を御視察なさったということですが、普通、よその人が入りましてもどこがどうだということはもちろんわからないわけでありますけれども、そういうところを視察されたということですが、大阪は神戸とは若干違いまして、神戸の方がより集中しているというところでございますけれども、同和地区を視察された御意見、御感想、どうでしょうか。
#37
○井出国務大臣 昨年の九月の初めだったと思います。大変暑い時期でございましたが、大阪市内の同和地区を視察させていただきました。現地には大阪府やあるいは大阪市の同和行政の担当の方も一緒に行ってくださいましたが、地区の代表の方々から、住環境問題やあるいは高齢化問題の実
信もお聞きして、その後高齢者のいらっしゃるお宅を訪問するなど、三、四十分でしたか、ずっと見させていただきました。正直のところ、私の地元にも同和の皆さんのいらっしゃるところがあるのですが、随分最近進んできておったものですから、またちょっと規模がけた違いという感じもいたしまして、まだこんなに整備の進んでいないところがあったのかな、こんなふうに感じたのは事実であります。
 お聞きしますと、道路整備とかあるいは公営アパートなんかの計画もお持ちのようでございますが、ぜひ早くそれをきちっとやっていただきたいな、こんなふうに思った次第であります。ただ、大変皆さんも一生懸命やってきたし、そこにいらっしゃる皆さんも大変厳しい環境の中で、ちょうどあれは障害者会館が少し前にでき上がって、そこへ非常に皆さんよく集まっていらっしゃって、これが本当にみんなの情報を知り合ったりあるいは助け合ったりする核になるというようなことをお聞きしまして、これは非常に結構なことだなと思ったわけでありますが、しかしまだ解決しなくてはならぬ問題がたくさんあるな、こう感じたことも事実であります。
#38
○土肥分科員 私は、本当に差別のない社会をつくらない限り、日本は本当の意味で近代化された国だとは思いませんし、震災できれいさっぱりになったからこれでおしまいだというようなことがあるようではなおさら私ども日本国民としての民度が問われるというふうに思います。役所の壁を越えて、こういう差別とそれが生んできないろいろな矛盾、それがはかなくもこの大震災で暴露されたということでございます。もう少し私は、気をつけて町づくりをしなければならない点を申し上げたいと思うのであります。
 これは建設省にかかわる問題かと思いますが、これは同和地区のみならずこれからの公営住宅、相当急ピッチで整備されることと思いますけれども、これからの公営住宅、高層住宅というのは、これはもう公営も民間も含めて障害者、老人対策といいましょうか、高齢者対策といいましょうか、あるいはケアがついたマンションであり、ケアがついた公営住宅というふうにすべからくやるべきだというふうに私は思っているわけであります。
 厚生省はケアハウジングという構想をお持ちなのですけれども、つまり住宅、それは高齢者対応の住宅でありますけれども、もう既に一般住宅の中に高齢者も入ってそして同時にそこにケアがつくというようなシルバーハウジングの構想も将来的にもう少し見直していただきたいというふうに思いますけれども、どうでしょうか。今回の復興に当たりまして公営住宅が相当つくられる中で、このシルバーハウジング的な視点を持って、これは厚生省はケアの部分、ソフトの部分をつけなければなりませんので両省で相談していただかなければならないのですが、まず建設省、そして厚生省、将来についての私のこの提案についてどういうお考えか、お聞きしたいと思います。
#39
○那珂説明員 先生御指摘のとおり、今後の被災地の住宅復興におきましては、高齢者あるいは障害者等の弱者に対する十分な配慮を持った住宅対策が重要であると認識しております。
 このため、具体的に今後被災市街地において供給されることになります公営住宅等の公的賃貸住宅につきましては、高齢者の方々が使いやすいような、設計面あるいは設備面で十分配慮された、いわゆるバリアフリー住宅と申しておりますが、バリアフリー住宅とすることはもちろんでございますが、ただいま先生御指摘になりましたシルバーハウジング制度、具体的には、高齢者の居住の安定を図るために生活援助員による緊急時の対応等の福祉サービスの提供を厚生省との連携で行っているシステムでございますが、この制度の活用を十二分に図ってまいりたいと存じます。
#40
○阿部(正)政府委員 同じことでございますけれども、実は建設省さんとも、今後どうしようかということでお互い、話を合している段階でございます。今申し上げたようなシルバーハウジングなりあるいはケアハウスなりの整備、さらにそのケアの部分をどうするのかということにつきまして、例えばヘルパーステーションのようなものを公営住宅の隣接したところに併設するとか、かなり多面的な視点で考えていくようにしたいなと思っております。
 そういったふうなことで県、市等に働きかけをし、そういった計画にしていただければと念願しておるところでございます。
#41
○土肥分科員 このケアハウジングですけれども、平成七年三月末見込みで、全国レベルで二百三十六団地、五千八百五十八戸、既に住んでいらっしゃる方が千九百十二戸。本当に情けないというか、この構想が始まってそう長くはないからこういうことはあると思いますが、ひとつ厚生省、建設省と距離を持たないで抱き合ってやっていただきたい。
 私は厚生委員会におりますけれども、住宅政策は厚生省管轄にしたらどうかと言ったら建設省の方にしかられるかもしれませんけれども、それくらいに思っております。それくらいの熱意でやらないと、今後の二〇二五年、四人に一人がお年寄りの社会というのは、今からもうつくっていきましょうよ、そしていつでもお年寄りが安心して、自立心を持って暮らしていける住宅を提供することが非常に大事だというふうに思います。
 実態調査なども出てきて、兵庫県は三十万戸公営住宅をつくりたいなどと言っておりますけれども、私は、やはり実態調査に基づいて何%はシルバーハウジングにするというぐらいの気持ちで取り組んでいかなければならない、このように思っている次第でございます。
 それから、ちょっとついでにお聞きしておきますけれども、ホームヘルプ事業というのが神戸市でも展開されているわけでありますが、神戸市はパートヘルパーというふうな人たちも雇っておりまして、かなり量的に一定の水準に達してきたかと思うのであります。ところが、今回の震災でホームヘルパーさんの担当地区とか担当家庭というものが全部ひっくり返ってしまったわけですね。したがいまして、相当ばらばらになってしまって、しかもホームヘルパーさんも被災しているわけです。
 私ずっともう十二、三年前から民間のホームヘルプ事業をやっておりますけれども、それでも依頼者で亡くなられた方が十数人いらっしゃる。それから、ボランティアも五人ほど亡くなりました。そして、大勢の人が今避難生活を続けておりまして、そういうまたホームヘルプ事業を開始しているわけでありますけれども、相当ホームヘルプ事業にてこ入れをしませんと、今度は仮設住宅でみんな散ってしまいますね。そうすると、もうばらばらになるわけですよ。そこを行政区的に図もうと思ったら、例えば北区とか西区にずっと仮設住宅が建ちますとそこだけでは間に合わないわけですから、ではほかの区から応援に行くかというと、今のところ交通事情が悪いからだめですけれども、今に地下鉄も復活するでしょうからいいかとも思いますけれども、厚生省の方も相当指導して綿密な配置計画を立てないと、結局知らぬ間に仮設住宅でお年寄りが亡くなっていたということなどが起こりかねない状況でございます。
 ホームヘルパーに対する特別の配慮と、それから工夫が必要だというふうに考えます。どういうふうにやるかということについては、今具体的には計画をお持ちでないかもしれませんが、その辺の阿部局長の心構えだけでもちょっとお聞かせください。
#42
○阿部(正)政府委員 被災前の状況ですと、兵庫県全体で三千名弱のヘルパーを派遣している件数があったというふうに承知しています。それから、神戸市ではそれとは別にまた二千名余の派遣世帯があったというふうに承知していますが、既存の方々につきましてはある程度安否の確認等が行われ、かつ、ある程度サービスも復活しておるわけでございます。
 先生今お触れになりましたように、従来の居住の場所とかなり大きく変動いたしますので、従来の形のままでそれをカバーするのがいいのかどう
かというのは、私、そのままいかないのではないかという危惧を大変持っております。例えば仮設住宅等にいわば拠点を別につくって、そこできめの細かい対応をするような形なり、あるいは今議論されておりますけれども、二次避難所というふうなことも神戸市等で検討されておりますが、そういったふうな場合のホームヘルプのやり方ということについては、私どもは、かなり今までの通常の形態とは違った形態で対応すべきではないかと思っております。その辺のことについて、神戸市なり兵庫県なりの御相談に十分乗りまして、実態に合った形でやるように心がけたいと思っております。
#43
○土肥分科員 今度の大震災でボランティアというようなことが相当話題になりまして、それもいろいろなのです。ボランティアを受け入れた先のトラブルというのもまた、ボランティアゆえのトラブルもございまして、しかし、おおむねいい働きをしてもらったというふうに思います。
 今後私想像するのに、在宅ホームヘルプ事業にボランティアを活用しないでは、到底ホームヘルパーさんやパートヘルパーさんではもたない。つまり、回数も多いでしょうし、それから時間も長くなるだろう。さまざまなホームヘルプ事業がニーズとして起こってまいりますから、私は、やはり神戸市も半分以上は被害が少なかったところですから、そのあたりの奥様方や、それからある場合には、神戸市で今問題になっているのは女性の失業者なんです。男性はいろいろ雇用促進だとか何かで、あるいは調整金などで救済される可能性も多いのでありますけれども、女の人の、パートなどに行っていらした方はみんな仕事がないのです。ですから、このパートヘルパーというのがございますけれども、もう少し生活の足しになるくらいの時間を差し上げて、そして人件費を出すというくらいしか何か雇用促進的な方面はないのではないかというふうにも考えておりますので、ぜひともその辺の視点も、神戸市ともよく御相談になりまして、大いに応援をいただく。
 それから、やはり地域ボランティア、特に在宅福祉が非常に盛んな町ですので、例えば灘生協も、それから私が事務局長でおりました神戸ライフケアー協会も、あるいは地域の婦人団体も非常に活発ですので、その辺の力を引き出すということをお願いしておきたいのですが、局長とうぞ。
#44
○佐野(利)政府委員 まさしく先生御指摘いただいたとおりだと思います。それで、私どもといたしましても、被災直後はいろいろ緊急な人手不足等に対応するために、例えば他県からの職員の派遣あるいは他県の施設への要援護者の受け入れというような形での体制づくりなども行ったわけでございますけれども、これから復旧、さらに復興という形になりますと、いつまでもよその県の助力に頼っているわけにもいかないだろう。また、まさしく今先生御指摘のあったように、地元の人たちの雇用の場の確保という点もまた含めて考えていかなければならない。こういうことから、これからの県内施設の体制整備、そしてショートステイなどを活用した場合の職員の受け入れというような形について、決して他県が手を抜くということではないわけでございますけれども、ボランティア、他県からの応援団を兵庫県内での体制づくりということで逐次振り向けていくように指導してまいりたい、こう考えております。
#45
○土肥分科員 最後に、それにしてもまだ二十万人を超える避難者がいる、それがまた、今度新しく仮設住宅が建って移ってもらったときに、大体どういう人が入るのか、どういう自立能力がある人かとか、一体お年寄りは何人いるのかとか、障害者は何人いるのかとか、それからまた半壊した家にまだ住んでいらっしゃる人が何人いるか、全く状況調査ができていないわけですね。したがって、プレハブが三万戸だ、四万戸だ、いや七万戸だと言っているのですけれども、これは余り根拠がないのですね。そういう意味では、実態調査を早くやってほしいというふうに思うのです。これはどこの仕事に、どこの省庁が音頭をとってやるのかわかりませんが、いずれにしても早期に実態調査ができるような体制をつくって、一通りざあっと健康状態も含めた十項目ぐらいの実態調査をして、そしてそれに見合った復興計画をやっていくべきだというふうに思っております。
 きょうは少し細かい話になりましたけれども、特に建設省さんのシルバーハウジングをぜひともお願いして、それからそれにマンパワーをつけていただく厚生省、大臣ひとつよろしくお願い申し上げます。
 終わります。
#46
○伊藤主査 これにて土肥隆一君の質疑は終了いたしました。
 次に、石田美栄君。
#47
○石田(美)分科員 よろしくお願いいたします。
 これは樋口恵子さんの言葉ですけれども、「大往生は男の発想、女は介護で立ち往生」という言葉がございます。また、厚生省の国民生活基礎調査でも、寝たきりの人の主な介護者は八四%を女性が占めているというふうに出ております。
 寝たきりの人たちの介護はそういうことですけれども、最近は、男の人たちも退職しますと、確かにスーパーなんかに行くと、買い物に来ていらっしゃる方は多いし、それから奥さんの後についてというか一緒に平生の食料の買い出しなんかについてこられていたり、そういう男の方の生活というか家事等への協力というか、ともに楽しむというような風景も見えますけれども、実際に、高齢者の家事分担の状況を調査したものがございますね。それを見ると、国によって違いはありますけれども、欧米では男性が二割から五割くらいが自分でしているという答えが出ているのに対して、日本では非常に少なくて、一〇%にも満たないというふうな数字が出ております。
 実際には、私たちの人生というのは、だれも人の手、ケアを経ないで生まれてくることもできないし、また人生の総仕上げである私たちの人生の終わり、死を迎えるに当たっては、分量とか長短はありますけれども、とにかくだれも人の手、ケアがなければ人生を総仕上げできないというのが実情でございます。
 夫婦の関係を見ましても、男の方は大体今の生活のままで奥さんにみとられて、そのまま人生を仕上げられるという方が一般的に八割でございますね。二割の何らかの男性は妻に先立たれる。そうしますと、女の人というのは、これも一般に言われていることですけれども、一生の間に三度老後をみとると言われます。両親の老後をみとり、そして夫の老後をみとり、そして最後に自分の老後を迎える。この両親の老後というのは、一度ではなくて、結婚していれば四人親がいるわけですから、四回。そして夫、そんな実情がなというふうに思います。
 そういうことですから、私は、これは国家の最大の問題だと思うのですけれども、経済等々の問題より、それ以上に高齢化、そして少子化の問題というのは、国の先を考えると大問題で、国が衰退するもとで、本当に心配しなければいけないと思います。しかも、少子化にしても高齢化にしても、より女性の問題で、女性が主体的に取り組んでいかなければいけない問題なんですね。そうすると、私たち数少ない女性議員は、衆議院は十四人しかおりません。だから、より女性が取り組まなければいけない課題だなというふうな意識がございまして、私も、以前の仕事もそういう女性問題を中心に仕事をしておりましたし、議員になる前も、なっても、そういった気持ちでいつも高齢者の方と接しております。私が接する高齢者の方といったら限られますけれども、でも、生活しています近所でそういう方を訪れることも多いのです。
 そんな中で、住んでいる地域で、それで全部一般化はできませんけれども、共通しておっしゃるのは、高齢者というのは七十過ぎたあるいは八十過ぎた女性の方が多いわけですけれども、男性の方は、先ほど申し上げましたように、割合そんなに心配をおっしゃらないのですけれども、女性の方はかなり、年金とか医療というのはもういいとおっしゃるのですね。年金なんかも、年をとれば
そんなにお金を使って暮らすわけじゃないから、いいと言うのです。じゃ何がと言うと、皆さん共通におっしゃるのは、安心が欲しいとおっしゃるのですね。人生の総仕上げに何がと言うと、これは状況によって違うのですけれども、安心が欲しいということを共通におっしゃるわけです。それは、そういう年齢の方なんですけれども。
 私は、また女性学の専門家でございまして、社会教育にも携わっておりましたけれども、公民館で、いろいろな地域で女性の方たちといわゆる学習会、研究会をずっとやっておりました。「岡山女性学10年」といったような本も、十年間のみんなの研究をまとめたりしてもおりますけれども、そういう女性学というのは、女性の視点でというか、幾ら男女が平等になったといっても、子供を産むということは絶対に男と女と違う点でございまして、そこから出てくるいろいろな、いい悪い、違いがあるであろう。ですから、こういう母性を持った女性というような立場で、男性が見るのとは違った見方で、学問もそうですけれども、既成のものにとらわれないでいろいろなものを見ていくことで、自分たちがよりいい人生あるいはよりいい社会をということで、いろいろな研究をしておりましたら、やはり行き着くところは高齢化の問題なんですね。
 主として集まっていたのは、三十代もいますけれども、四十代、五十代が主です。そうすると、これは次の高齢化に向かう人たち、女性なんですけれども、そういう中で、やはり高齢化の問題、周りの既に高齢者の人の意識調査をしましたり、いろいろな施設を訪問したり、そして自分の家庭環境の中でいろいろな悩みを話し合ったりする中でも、やはり共通して出てきたのが、どんな形にしろ、老後の安心が欲しいということでございました。お金をためなくても安心できるような、安心ができれば逆にため込まなくてもいいという、そういうことでございました。
 そして、もう一つ、こういう四十代、五十代、まあ六十代の女性が、日常、社会により関心を持って携わるというと、やはりこういう高齢者の方の、いろいろな形のボランティア的に参加する、そういう立場で今お年寄りの人を見たとき、何が欲しいかというと、これも何人かの方がおっしゃるのですけれども、高齢の人が家の中にいて出てこない、だから日常的に、子供だったら幼稚園とか保育園がありますね、まあ託老所というか、日常的に外に出られるような、集まれる場所が石田さん欲しいのですよ、こういうふうな声を聞く。
 この二つにまとめられるかなという気がするのですけれども、女性が老後への不安、逆に言えば安心、あるいは明るいというか、気持ちよくというか楽しくとまでいくとなおいいのですけれども、安心という言葉で象徴されるような、こういう声が中心としてあるというふうなことについて、まずどういう御感想、お考えをお持ちでしょうか。厚生大臣にお聞きできるとよろしいのですが。
#48
○井出国務大臣 女性学の専門家の先生から大変含蓄に富んだお話をお聞きいたしまして、ありがとうございました。
 実は、私も、先月ですか新ゴールドプランをテーマに元経企庁長官の高原須美子先生と対談をしたのですが、そのときにも、先生も、私ども女性は三回老いを体験せざるを得ないんですよ、こんなお話をなされておられました。樋口恵子さんの「大往生は男の発想、女は介護で立往生」、これは初めてお聞きしましたが、実は樋口先生にもお目にかかる機会があったときに、今先生がおっしゃったように、政治にもっと女性の方が出てきていただくべきじゃないか先生もいかがですか、こうお勧めしたのですが、私は十年後、今のような程度の高齢化対策だったら日本高齢者党をつくって総裁になるが、今のところそのつもりはない、こんなお話をされておったのであります。
 確かに女性の皆さんが今まで介護というのをほとんど背負っておられた。私どもも、ある意味ではつい最近までそれが当たり前だと思っておりましたし、私ぐらいの年配の者になりますと、ちょうど子供たちが適齢期になります。さあ私のせがれのお嫁さんはおれの老後を、おれの女房が親たちを見ているように見てくれるかいなというのがよく話題になるのでありますが、なかなかそれはもう期待できない時代だぞ、そのために我々もそれなりの覚悟なり態勢をつくっておく必要があるわいなというのを男性の中でも話し合っております。特に、まだ女性の方がそういう経験はおありですから、仮に  そういうある意味では強さを持っていらっしゃる。相手に先立たれた男性ぐらい惨めな弱いものはないわけであります。
 そういった意味では女性が元気で頑張っていただかなくちゃならぬわけですが、それが大変疲れてきちゃうだろうということもおっしゃるとおりでございますから、まさにこの公的介護サービスを充実して、介護を要するお年寄りや、あるいはその家族を社会的に支えていくことが本当に重要な時期だ、こう考えておりますし、今回策定をいたしました新ゴールドプランも、まさにそういうことの必要性を想定して考えたところだと言えると思います。
 したがいまして、おかげさまで、百点満点とは言いませんが、厳しい財政状況の中で新しい年度から新ゴールドプランとしてスタートできるようになりましたから、この着実な推進を図って、御指摘のような女性に過度の負担のかからないような状況、すなわち介護を要するお年寄りやその御家族を社会全体で支えていくような仕組みをつくっていかなくちゃならぬな、こう考えているところでございます。そのためには、新しい介護システムを今検討しております。これもできるだけ早くに結論を出さなくちゃと、こう考えておるところであります。
#49
○石田(美)分科員 ありがとうございます。
 私は、議員になる前、三十年以上教員をしていましたものですから、ついつい講義をするみたいにいろいろなことをお話ししてしまうので、お耳ざわりかなとも思います。
 それで、今厚生大臣もおっしゃいましたように、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」ですかいわゆる新ゴールドプラン、このことですけれども、この基本は、地域の意思、ニーズによって進められていくというのが基本であろうと思います。
 老人福祉計画というのは各市町村で作成されています。その中には、公のもの以外にも、多分、シルバーサービス振興会だとかウェル・エイジング・コミュニティーですかWAC法、そういったものとかいわゆる私立の全国有料老人ホーム協会のようなものでされているものとか、いろいろなものが実際に進められているということはわかるわけですけれども、そんないろいろな形態があるんですけれども、まだまだ実際に生活していて、先ほどから申し上げているように、男の方は漠然といい老後を、大往生というのが夢ですけれども、女の人の場合、自分のことを思うと、やはりまだまだ地域社会の中で自分のものが見えてこないというのが実態だと思います。
 それで、もっとそういういろいろなものが、一つ一つ聞くとそれはいいということはわかるのですけれども、これからのことだと思いますが、総合的なというか、もっと面でも広がりのあるような、安心ができるような町づくりというか、状況というふうなことでは、ひょっとして、全国的には、そういう何か理想に近いというか、安心できるような実態のあるような実例がございましたらお話しいただけたらと思います。
#50
○阿部(正)政府委員 先生、今度の新ゴールドプランの中に、実は体外的な計画の目標数値、ヘルパーさん何人とか、あるいは特別養護老人ホーム何人分とか書いてあるほかに、いわば今後の方策の理念というのをお示ししました。その中に、言葉だけ遊んでいるよと言われるかもしれませんけれども、「普遍主義」という表現でございます。
 これは、今の施策で、何万床つくるとか、何人、人を配置しますということだけではなくて、いわば、現在市町村が第一線のサービスの責任を持ちましょうということでやっていますけれども、その際に、高齢者のさまざまなサービスというもの
を、率直に言いまして一部の人に対する特定のサービスというような考え方がなかったのかな、もっと全市民を念頭に置いた、一番の住民行政としての基礎サービスではないのかというふうなことで、もう一度高齢者保健福祉の事業というものをそういう視点で物を考えていってもらいたいというふうな意味合いに私どもは考えています。
 そういう意味で、恵まれない方だとか、あるいは大変な苦労をしている方に何とかということではなくて、むしろ、みんなお年を召され、それなりに不自由な状態の期間を経て一生を終える姿がこれから想定されるわけでございますので、そういう意味で、まずいろいろな行政取り組みの姿勢といたしましても、そういったふうな、もう一歩進めた物の視点というのが必要になってくるのではないか。
 特に、これからのゴールドプランの五年間といいますのは、施設整備もさることながら、いわゆる在宅サービスというものをどう組み立てていくのかということになりますと、今の段階ではまだまだ、やはり在宅サービスにつきましては少し本腰が入ってない面があるのかなという感じがします。そういったふうな在宅サービスの充実ということを考えていきますと、ただ単に、今までやっていたことを一割、二割ずつ毎年ふやしていけばいいのだということではない形で、全市民を対象としてということを考えていきますと、やはりもう一歩進めた感覚でやってもらわなければいかぬのじゃないかこんなふうに思っております。そういう意味での意識改革等も含めまして、これからの五年間取り組んでいきたいと思います。
    〔主査退席、稲葉主査代理着席〕
 どうしても、やはり施設整備、特別養護老人ホームなり、老人保健施設なり等につきましては、具体的に上がってくるわけでございますけれども、在宅福祉というふうになりますとまだまだそこのところ、基礎的な住民サービス行政というふうな視点までは至っていないのが私どもの承知しておる今の段階なのではないか。ある程度時間もかかるかと思いますけれども、あるいは将来的には、先ほど大臣が申し上げましたように、もっと一般化した意味での介護サービスシステムといいましょうか、そういうことまでやはり視野に置いて考えていくべきテーマではないかな、こんなふうに認識しております。
 残念ながら、先生おっしゃるような意味での安心というのはなかなか量的に評定できませんのでわかりませんけれども、万全な状態だよというふうなことを言える地域といいましょうか、市町村といいましょうか、そういうものはまだ決して多くはない、むしろ非常に少ないというふうなのが現状ではないかと思っております。
#51
○石田(美)分科員 各地方公共団体で行っているのは、高齢者の在宅福祉サービス、特別養護老人ホーム等々の施設福祉サービスといったようなことを計画的に提供する体制を今進めておられるわけですが、そのほかにも、地方公共団体がするのではないけれども、いろいろな形で厚生省の方で認可をしたり、多少監督をしたり、いろいろな施設がございますね。そのそれぞれに利点また欠点等々あるわけですけれども、こういうのは、私たち女性が実際の生活の中でそんなに意識してこれを公にしないまでも、自分の老後もあわせていろいろなことを考えているわけです。
 例えば、いろいろな形があるわけですけれども、私の地域ですと婦人団体のずっとリーダーをされていた方が、ある年齢になられたら、お子さんもお医者様だし立派なおうちもあって、御主人が亡くなられて、アパートまでついていて生活にも困らない、そういう方なんですけれども、老後それをすべて片づけて自分で生活できるアパートに、一般のアパートですけれども、一階の一番足場のいいところの自分のサイズに合わせた住宅に彩られて生活されているのを見たりしました。
 そのほかにも、東京なんかで有名な方が、私は老後の老人ホームというか、過ごせる施設を何千万で買っているのよというような話を聞きますし、またある方なんかこれは東京の大学の先生でしたけれども、退官されたら大阪に戻られて、何人かが集まって、シニアハウスというのですかね、自分たちでつくってそこにはみんなが集まれるようなホールも持ったりとか、いろいろ聞くわけです。
 また、私の周りでも、私は岡山県なんですけれども、地元の実家があいているので、老後は東京の今仲よくした友達がみんなひとり身になったら集まってそこへ住もうねとかいろいろなそういう話を聞くわけなんですね。
 岡山でも女性学研究会でずっとやっている中で、みんなで話し合って、もちろん在宅介護も充実されなければいけないし、病院に入院することもあるでしょうし、いろいろな多様性のあるその人のそのときの状況に応じたものに対応できるものが要るわけですけれども、私たちが一つの大きな夢としてまとめましたのは、これは国くらいがどんとしてもらえるといいなとも思いましたけれども、県くらいで福祉の村というか町というか、人工的に、今まである公も私立もうまくまとめたようなモデル的な地域をつくろうというのが私たちの一つの夢として出てまいりました。
 そこには、例えば介護者の養成もできれば病院もあり、これからボランティア教育なんかができたらそこに子供たちが来て、施設でボランティアをして夏休み一月でも宿泊してもいいような宿泊施設もある。あるいは老後六十五歳ぐらいから夫婦でそこに移り住んで、しばらくはそこで働いて、またひとりになればそういうところに移って住んでもいい。あるいは食事をつくるのが大儀になれば、昔仲がよかった友達と共同で食事はできるとか、それでも年をとって足が不自由になっても車いすででも自分で郵便局へ行けるような印とか、銀行にも行けるし、多少お金は高くてもスーパーもきちっとあって買い物に行ける。
 たまたま私のところは瀬戸内海、岡山県ですから、海が見えるところがいいなというので、具体的にある市、今平地ですぐにでも使えるような土地が百十七ヘクタール確保できるなというようなところがありまして、そこを核にして、その周りには住宅もあるし、実はJRの鉄道もその辺まで入っていますし、ヨットハーバーなんかの計画もありますし、市長さんがそういうところに音楽堂もちょっとつくりたいなとか、近くの山、半島を全部使えるかなというようなところがあるのですけれども、コテージをつくって画家なんかを、瀬戸内海をかく人が多いですから、貸しコテージもつくりたいなとか、いろいろあるのです。
 これから女の方も男の方も結婚しない方もどんどんふえますから、これは一口に、いろいろな人の知恵が入っていかなければいけないのですけれども、総合的なそういう地域がっくれたらいいなというのがありまして、そこで言ったのですけれども、そういうところに行くときに、入るというのはおかしいですね、行って住む。場合によったら一月住んでみてもいいし、おじいちゃん、おばあちゃんがもしそこで暮らしていれば、夏休みは海水浴場もすぐありますし、家族で泳ぎに来たら、その近くにはリゾート的なホテルもあって、そこに泊まってしばらく遊んで帰ってもいいし、そこに働く職員も多くなればその人たちの住宅もできる。老人だけが隔離されるというのでなくて、そういう理想郷のようなのができたらいいな。だけれども、私たちが入るときには自分の持っているものは全部持っていく、年金も持っていく、ためているお金は子供にやるといっておくのでなくて、自立して経済的にそこに移れるという姿勢がないといけないなというふうなことを長い研究会の中で夢を描いてまいりました。
 どこということは申し上げられませんけれども、具体的に今市長さんなんかとそんな話をして、県とも話をして、まず岡山県にそういう理想的なところができて、そこに全国から申し込みが来てもいいしというふうな夢を描いております。
 もしそういうプロジェクトを一つの地域で進めていくとすれば、民間、公、いろいろ要りますけれども、そういうことを進めるのだと、国というか厚生省の御感想、あるいはそういうプロジェク
トを進める場合にどんな御支援が可能なのか、お伺いしたいと思います。
#52
○佐野(利)政府委員 まさしく先生のおっしゃるような御構想はいろいろなところで、またいろいろな規模であちらこちらにあるだろうと思うのです。
 一つのあり方としましては、御高齢の方々あるいは障害者の方々だけが集まってきて一つの村をつくるという考え方もあろうかと思うのですが、ただ実態は、これもよく先生御存じのように、これから日本の高齢化のスピードを考えていきますと、特に地方の町、村はほとんどがやはり障害者なり高齢者の方々ばかりのような状況になってくる村が非常にふえてくるわけでございます。ですから、余りあちらこちらから対象者を集めてくるという形よりも、もうその地域自体がそういう高齢者や障害者が住みやすいような、生活じゃすいような町づくり、村づくりをしていくということが私どもは基本ではなかろうかなという感じを一つは持っておるのです。
 いずれにしましても、そういうような町づくりなり村づくりなりをやるのには、一つにはやはりハード面の整備も必要でございましょうけれども、それよりも、実は今先生まさしく御指摘になりましたように、いろいろな知恵を出すようなソフト面の考え方も必要でございます。
 かつて私どもが障害者の住みよい町づくりの中の事業を進めたときには、ともすればハード面についつい注目をしたわけでございますけれども、やはりハード面だけではなかなか進まない。ソフトも含めた形でのそういう計画推進が必要である、こういう反省に立ちまして、実は昨年度から、厚生省の補助事業でございますけれども、やさしい町づくりの総合計画推進事業というような事業を始めております。こういうような形で障害者や高齢者にやさしい町づくりを推進していこう、こういう形でやっておりまして、本年度の事業で全国で約三十市町村でございますけれどもモデル事業として進めていく。そのときには、まずそういうソフト面の検討を進めるということと、それからそのソフト面の計画を進めた次の段階では、じゃ具体的に公共施設やなんかのハード面も直していこう、こういうような二段階のもので助成策を講じておるところでございます。
 ただ、あくまでもやはり厚生省はある意味でいいますと知恵を出すような段階でございまして、具体的な個々の施策について全般的に全部厚生省の事業でやるわけにもなかなかいきません。そのような点につきましては、今建設省なり、あるいは例えば交通機関なんかでありますと運輸省でも大体同じような形のものをそれぞれの所管の行政で進めておりますので、関係省庁連絡をとりまして、そういう事業を推進してまいりたい、こう考えておりますし、その関係で、そういう具体的な市町村に指定された場合に、そこでの計画推進もできるような形にはなっております。
#53
○石田(美)分科員 ありがとうございました。
 そうしますと、地域から実際にプロジェクトを進めていけば、いろいろな支援の方法もあって、進めていけるだろうというふうに解釈してよろしいわけでございますか。――はい。
 どうもありがとうございました。
#54
○稲葉主査代理 これにて石田美栄君の質疑は終了いたしました。
 次に、大口善徳君。
#55
○大口分科員 新進党の大口善徳でございます。きょうは、少子化問題につきまして、その中でも乳幼児の医療問題を特に取り上げてまいりたいと思います。
 私も、地元に帰りますと、乳幼児の医療の問題ではお母さん方からいろいろな御相談をいただきます。例えばアトピーの問題ですとかあるいは歯の矯正の問題ですとか、いろいろ乳幼児医療にお金がかかる、そういうようなことが子育てをしていく上において大変経済的な負担である、そのような声をいろいろなところで聞くわけでございます。
 少子化につきましては、それこそ平成五年度におきまして出生数が百二十万人を切る、また出生率におきましても合計特殊出生率が一・四六ということになる、これは大変深刻な問題だと思います。ただ、昔のように産めよふやせよということではなくて、当然結婚しない方もふえてまいります。また、晩婚化にもなってまいります。また、お子さんを持たない、これも一つの自由でありまして、そういう権利も尊重しなければなりません。ただ、お子さんが欲しい、また、本当は三人欲しいのだけれども経済的な理由で二人しかつくれない、そういうような方につきましては、これから高齢社会がますます進展してまいるわけですけれども、いろいろな意味におきまして、高齢者の方々を支える、また二十一世紀の日本、また世界を担っていく方々の育児の支援というもの、これは国を挙げてしなければならない、そのように考えております。
 そこで、大臣に、エンゼルプランにおける――エンゼルプラン、今、保育所の問題ですとかあるいは学童クラブ、保育の問題とか、そういうことに非常に重点を置かれている、それは当然大事なことでございましょう。乳幼児の医療問題につきましてはこれからだ、こういうふうに思います。出産につきましては一時金ということでかなりアップをしたわけでございますけれども、この乳幼児の医療問題につきましてエンゼルプランでこれからどう位置づけていかれるのか、このあたりについてお伺いしたいと思います。
#56
○佐々木政府委員 ただいま、乳幼児の医療費との関連で子育て支援策ということのお尋ねがございました。
 先に私からお答えさせていただきますと、今お話もございました少子化が進行しているわけでございますけれども、私どもとしましては行政面から、今先生のお話もございましたが、子供を持ちたい人が安心して子供を産み、育てることができるような条件整備をすること、これが大事だというふうな観点に立っておりまして、そういう意味で子育て支援社会づくりを目指しまして、昨年末、関係四省で、子育て支援の施策の基本的方向、いわゆるエンゼルプランを定めたところでございます。これにのっとりまして、子育て支援の策はいろいろな多岐にわたる課題がございますが、いろいろある中で、やはり少子化に対応するそれぞれの要因ごとの対応が要るわけでございますけれども、中で特に女性の社会進出というのは大きな流れでございますので、まずは、特に子育てと仕事の両立支援を緊急的に図りたい、そういったことを中心にいたしまして、緊急保育対策等五カ年事業ということで緊急対策を講ずることとしたところでございます。子育て問題はいろいろございますが、それぞれ事業の性格に応じまして着実な前進を図っていかなければならないと私どもは思っておるところでございます。
 お尋ねのありました子育てのコスト、いろいろございますけれども、検討すべき事項はたくさんございます。中で、今ございました乳幼児の医療費の無料化の関係につきましては、私どもも、各都道府県においてそれぞれ地域の実情に応じたいわゆる単独の措置ということでの対応をしていることは承知をいたしてございますが、この医療費の問題につきましては、医療費保障全般の考え方の中で、やはり医療を受ける者と受けない者とのバランス等の観点から、基本的には受診者に一定の御負担をいただくというふうな考え方でいきますのが原則的な考え方だというふうに思ってございまして、今の時点で都道府県の肩がわり的な形で無料化というようなことは私ども難しいと考えでございます。
 乳幼児につきましては、いろいろ課題がございますので、例えば難病の子供、あるいは未熟児、障害児といった特に手厚い援護が必要な児童のケースにつきましては、その治療に要する経費等について公費負担の措置を講ずる等、あるいは健康づくりの対策等を講ずるというようなことで対応を図っていきたい、こんなふうに考えているところでございます。
#57
○大口分科員 大臣にその点についてやはりお願
いいたします。
#58
○井出国務大臣 エンゼルプランは、その一環としてまず七年度から保育対策に重点を当ててスタートしようとしたゆえにつきましては、今担当局長が御説明したとおりであります。
 それから、乳幼児の医療費の問題でございますが、これは一昨年でしょうか、遠藤和良議員からも御同様の御質問を当時の厚生大臣がいただいておるわけでございますが、これまた今局長が答弁してくれましたが、受診者に一定の御負担をいただく、これは医療を受ける者と受けない者との均衡という観点に立ちますものですから、これを原則としておるわけでございます。
 しかし、難病とか障害児あるいは未熟児といった大変手厚い援護を必要とする児童の皆さんの特別の疾病や治療につきましては、もちろん既に医療費の公的負担を実施しているところでございますし、また、一歳半とか三歳でしょうか乳幼児の健康の保持増進を図るために母子保健施策も講じているところでありまして、今後ともこの面ではより一層の推進を図っていきたい、こう考えておるところであります。
#59
○大口分科員 平成四年十二月現在における乳幼児の医療費の無料化の実施自治体というのは、中で実施していなかったところが東京都、京都府、大阪府、沖縄県、京都市、大阪市、この六つであったわけでございます。ところが、その後平成六年四月現在におきましては、沖縄県でもこれは実施をされまして、今の六つとも全部実施。その結果、平成六年四月現在におきましては、乳幼児の医療費の無料化実施自治体、四十七都道府県すべて実施をしている、こういうことでございます。これは地方において医療費の無料化というものの要請がいかに強いものであるかということを物語っていると私は思います。
 また、医療費の無料化についての意見書というのがございますけれども、平成四年三月から平成六年十月まで、長野県、兵庫県、大阪府、群馬県、東京都、兵庫県、栃木県、神奈川県、佐賀県、岐阜県、この十都府県で意見書が出ておる。全国市長会におきましても、平成五年六月に決議要望書というのを出している。また、平成六年一月から十二月まで二十二件、平成五年一月から十二月まで九十七件、市町村議会において要望書が出ている。こういうことを考えますと、根本的にこの問題につきまして、地方のこれだけの要請がございますわけですから、やはり前向きに検討していただかなければならない、私はそう考えております。
 ちなみに、老人医療費の無料化制度につきましては、三十八都道府県が実施して、それから国の制度が創設された、こういうことでございます。今度の乳幼児の医療費無料化につきましては、四十七都道府県全部実施しているわけでございます。そういうことから、国の制度としても考えるときではないか。特に、こういう少子化の問題が深刻になってまいりまして、確かに、受ける受けないで不均衡があるというようなことでございますけれども、お子さんを二十一世紀の担い手として国が全面的に支援していこうという観点でいくならば、その不均衡というものは、ある意味では合理性があると私は考えます。この点についてはいかがでございましょうか。
#60
○佐々木政府委員 平成四年に比べて、ただいまでは全都道府県で何らかの形の無料化が行われているというようなことも踏まえ、あるいは子育て支援という観点から積極的な検討をすべきではないかというふうなお尋ねでございます。
 私どもも、各都道府県がそういうことで独自にそれぞれのやり方でやっておるということは承知をいたしているわけでございますが、先ほども御答弁させていただきましたように、やはり医療費の保障のあり方という観点からは、今のような形で一定の御負担をお願いする、しかし、政策的に手厚い対応が要るものについては、これはぴしっと対応していくというふうな考え方が今の時点で基本的に大事なところではないかというふうに思っております。
 もとより、子育て支援の関係につきましてなすべきことはいろいろございます。私どもも、多岐にわたる施策の中から、緊急度等をよく勘案しながら、計画的な施策の展開に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#61
○大口分科員 地方分権ということでございますけれども、地方に財源がないという状況の中で、地方自治体は精いっぱいこの少子化に立ち向かっているわけでございます。そういう点で、やはりここは政府といたしましても、しっかりと取り組んでいただきたいと思うのです。
 今地方財政は非常に逼迫して厳しい折でございます。また、この一覧表を私も見ておりますけれども、全国でこの医療費の無料化、ばらつきがすごくあるわけです。その適用年齢が一歳未満から中学校卒業までというような適用年齢の格差がある。あるいは無料化の対象が一律でない。所得制限があったり、あるいは歯科が入っていたり入っていなかったり、あるいは入院に限定して通院は入れなかったりとかばらつきがある。自己負担金のあるものとないものがある。あるいは助成の方法ですが、現物給付と償還払いの相違がある。
 これは地方自治体の独自性ということで、ある程度地方自治体の独自性にゆだねるということは大事なことですけれども、こんなに格差がありますと、同じ日本の国において、引っ越しをするたびに医療費の助成が違う。このようなことは、医療の全国的な、どこへ行ってもある一定の水準をサービスする、こういう国としての一つの要請からいきますと、これは問題があるのじゃないかな、こういうことも指摘をしておきたいと思います。
 続きまして、特に歯科について、問題にしてまいりたいと思うのです。
 この歯の問題につきましては、六歳児未満の乳幼児の場合に乳幼児加算というのがございます。基本診療の加算と特掲診療料の加算、こういう加算がございます。この加算につきましては、確かに、大人の方を治療するのに比べて、乳幼児を治療する、これは非常に何倍もいろいろな面で手数がかかるといいますか、そういうことからこの乳幼児の加算につきまして歯医者さんに技術評価として加算することは当然のことだ、私はこういうふうに思うわけです。しかし、今まさしく少子化でもって、乳幼児について考えていかなければいけないこういう状況の中で、この乳幼児加算ということによりまして、やはりお母さん方の負担というのは非常に大変なものがございます。
 例えば、虫歯二本をグラスアイオノマーで充てんする、その場合の保険金額というのは二千四百円なのですね。また、同じ虫歯二本をレジン充てんした場合には三千円を取られる、こういうことなのです。これがお子さんが一人、二人、三人となっていきますと、これは大変な負担になってまいるわけです。乳幼児加算ということは、技術料として評価すべきであるという点においては全然異論はないのでありますけれども、こういう加算をした場合の自己負担につきまして、やはり国として考えていくべきではないかな、私はそのように思うわけです。
 特に虫歯の有病率が、三歳以後急に多くなっている。それからまた、医療現場において、給料日前に子供の受診キャンセルが多い、そういう現場の声もあるわけです。そういうことからいきますと、この乳幼児加算について国としてどう考えるのか、お伺いしたいと思います。
#62
○岡光政府委員 御指摘がありましたように、六歳未満のお子さん方の歯の治療の場合には、それだけ治療に当たっては成人の場合と比べれば手間がかかるものですから、加算の制度をつくっているわけでございます。御指摘がありましたように、グラスアイオノマーセメントによる治療の場合、例えば二本治療をして二日の診療がかかった、こういう場合には総点数は八百三十四点、一点十円でございますので、八千三百四十円になるわけでございます。子供の場合ですから一部負担割合は三割という計算になりますので、三割ということで計算をいたしますと二千五百円、こういうことになるわけでございます。
 おっしゃいますように、加算というのは、治療
を行う医療サイドにそれだけのいわば手間暇がかかるものですから、それを配慮して行っているわけで、具体的に申し上げますと、初診料の場合に二百十点になっておりますが、その中には加算が四十点入っておるとかあるいは充てんをしたような場合の具体的な治療につきましては通常の場合の五割増しにしておる、こんなことになっておるわけでございます。
 そういう場合の一部負担金についてどういうふうに考えるかということでございますが、私ども、一部負担の考え方としましては、一つは、実際に医療を受けた、そういう方がその医療を受けた程度に応じまして負担をしてもらう、こういう考え方で一定割合の、本人の場合ですと一割とかあるいは家族の場合ですと三割とか、そういうふうに一定割合を負担をしてもらうという格好になっているわけでございます。そのことがまたコスト意識の喚起にもつながるであろう、こう考えておりまして、一定割合を負担していただいておるわけでございます。
 どうしてもこの点についてその負担ができない、こういうことを考えまして、その医療費の一部負担の負担の関係で家計が破壊されてしまう、こういうことになっては困りますので、例えば一月当たりで見まして総トータルの負担が、今のところ六万三千円を超える場合にはそれ以上は負担しないでいいですよ、例えば百万円の医療費がかかった場合に一割の一部負担ですと十万円かかりますが、それでも六万円で結構ですよというふうに、家計をこの医療費の負担で破壊しないような特別の高額療養費の制度なんかも持っておるわけでございまして、その際には、特に低所得者に対しましては特別の配慮をして三万五千円に負担を減じているわけでございます。
 こういった一般的な対応で家計負担の軽減に配慮をすることによって、トータルとして対応したいというのが現在の私どもの考え方でございます。
#63
○大口分科員 この点につきましても、非常に現場においてはこのことについては声が高かったものですからさらに検討をしていただきたい、私はこのように思います。
 また、歯科の矯正治療につきましてお伺いをしたいと思います。
 平成四年度の三歳児の歯科健康診査の実施状況によりますと、反対咬合あるいは上顎前突、要するに出っ歯といいますね、開咬、叢生、乱ぐい歯、こういう不正咬合の数が、受診児童百六万七千六百四十六人に対して、不正咬合の人数が十二万五千二百七十七人と、およそ一一・七%、一割を超える三歳児の受診児童がこういう不正咬合であると、こういう現実がございます。
 これは、食生活ですとかあるいはかたいものを食べないですとか、あごが発達しないとかいろんな要素が考えられると思いますが、こういう不正咬合といいますのはこれから、矯正歯科学会でいろいろと研究をされていることと思いますが、身体に生理的、病理的あるいは心理的ないろいろな障害を及ぼすものである、こういうふうに考えるわけでございます。
 例えば、生理的な障害としましては、そしゃく能力の低下、あるいは発言の障害発生、あるいはあご骨の成長、発育、こういうことに障害をもたらす可能性がある。また病理的な障害としましては、虫歯が発生しゃすい、こういうことがございます。かなり乱ぐい菌となりますと、これはもう磨いてもきれいに掃除できないというような状況もあります。あるいは心理的におきましても、これは子供が消極的になったり、それで社会的な適応性を失う、こういうおそれもあります。このような種々の深刻な影響というもの、これから研究される中でますますそういうことがはっきりわかってくると思います。
 そういう点におきまして、諸外国においても、スウェーデン等では一種の公費負担医療制度というのがあるようでございますけれども、日本におきましても、こういう矯正治療について考えなきゃいけないと私は思います。
 と申しますのも、その歯科の矯正治療を行いますと、保険の適用がありませんので、何十万、場合によると百万近くこれがかかるわけです。このことは、一般家庭におきましてお子さんの歯科の矯正をしたいという思いが、保険の適用がないために高額な医療費を負担しなければいけないということで非常に深刻であるわけです。経済的な事情をとるかお子さんのそういう歯科の矯正を選択するかそういうことで非常に悩ましい問題があるわけです。この点につきまして政府としてどのように考えておられるか、御答弁願います。
#64
○岡光政府委員 御指摘がありましたように、現在のところは疾患に起因することが明確なかみ合わせの異常のケースに限りまして歯科の矯正治療の対象にしているわけでございますが、先生からお話がありましたように、単に歯並びをきれいにするというそれだけではなくて、やはり生活上いろいろ支障のあるケースもあるわけでございます。
 その辺につきましては、私どもの診療報酬を扱う中央社会保険医療協議会のその席におきましても、疾患としての位置づけが明確でないもので、その歯科の矯正治療の対象の範囲にどの程度のものを加えていったらいいのかこれはひとつ今後の歯科医学の進歩等を踏まえまして中長期的に検討すべきではないか、こういう指摘も受けておりますので、そういった専門の検討の場等を通じながら、どのようなものを対象範囲にしていけばいいのか、これからも検討していきたいと思っております。
#65
○大口分科員 今歯科矯正では、唇顎口蓋裂に起因した咬合異常または顎変形症による手術の前後における治療、こういうものが保険の適用になっているわけでございますが、それに近いものとかいうものも私はあると思うのですね。ですから、要するに疾患と直接結びつくようなグレーの部分というのがかなりあると私は思うのですね。こういうものについては早急に、その中長期的な検討というようなことじゃなくて、もう早期にこれは検討すべき課題じゃないかな、こう思うわけです。
 実際に私の身の回りでも、三歳児で大体一割ぐらいの人が不正咬合という状況ですから、治療を要する者はそれからさらに減るわけでございましょうけれども、やはりかなりの数のお子さんについてこういうことが考えられるわけです。それを経済的な理由で放置しなきゃいけないという現実があるわけですよ。これから少子化、そして二十一世紀を担う子供を、子育てを全面的に支援していこう、こういうことからいきましても、これはやはりしっかりと考えていただかなければいけないと思います。この件につきまして大臣にちょっとお願いします。
#66
○井出国務大臣 私も身近にそういう小さな子供たちが存在していることは承知しております。特にこの問題は最近また関心も高まってきたわけでございます。
 いわゆる永久歯にかわるわけですが、こうした際に菌とあごとのアンバランスなどによってこういった状況が出てくるわけでございます。これがそしゃくあるいは身体にどの程度影響が与えられるのか、全身の健康に何らかの障害を及ぼしているのかどうか、正直言って私、まだ現時点で承知しておりません。日本歯科学会などの専門家の先生方にも少し御意見をお聞きしてみたいなと考えております。
#67
○大口分科員 大臣から、そういう歯科学会の方の意見を聞いていくと。また、この矯正歯科学会の研究ということについてもやはりバックアップを厚生省としてもしていただきたい。そしてこの問題については、重要な課題ですし、中長期的なというようなそういう悠長なことを言っていられない状況でございますので、どうか前向きに考えていただきたいと思います。
 もう一度大臣に、それについてお願いします。
#68
○井出国務大臣 その方向でいきたいと思います。
#69
○大口分科員 よろしくお願いいたします。
 以上で、質問を終わります。
#70
○稲葉主査代理 これにて大口善徳君の質疑は終了いたしました。
 次に、山原健二郎君。
#71
○山原分科員 個別の問題になりますが、徳島市の川内町の江湖川堤防敷地を埋め立てた土砂に有害物質が含まれているという疑いが地域住民の中から出てまいりまして、徳島県の大きな問題となっています。
 この問題について質問をいたしたいのですが、この問題の土地は、国営米津干拓建設事業によって造成された土地改良財産となっております。事業そのものは徳島県によって代行され、造成後の土地の管理についても、農林省と徳島県との間に昭和四十一年三月三十一日に結ばれた協定によって徳島県に委託されております。しかし、財産権は国にあるはずでございますが、間違いないでしょうか。農水省の方からお答え願います。
#72
○佐藤説明員 そのとおりでございます。
#73
○山原分科員 問題の埋め立ては、川内土地改良区が管理者である県の承認を経ずに行ったものであります。土地改良区に聞きますと、みずからの管理下にあるものと錯誤したとして、てんまつ書と工事申請書を県に提出をしまして、県はこれを事後了承したという経過になっております。
 農水省と徳島県との協定書によりますと、国営土地改良工事以外の工事が行われる場合には、あらかじめ農林省の承認を受けるものとするとなっております。この県による工事承認に当たって、財産権者である国は事前に承認するという手続をとったのでしょうか、伺います。
#74
○佐藤説明員 この件につきましては、徳島県が管理を行っておりまして、管理者として土地改良区の工事については承認をしたというふうに聞いております。また、事前に国に対しまして、財産所有者としての国に対しまして承認を求めることになっておりますけれども、残念ながら、この件につきましては、国有財産部局長となります農政局にはその承認はいまだとられていないという事実でございます。
#75
○山原分科員 土地改良区が事後承認のために出した整備計画を見ますと、埋め立て後に公園化を図るとなっています。土地改良財産を少し補強するというようなものではなくて、協定上からいっても本来ならあらかじめ国の承認が必要なケースだと思いますが、少なくとも県が事態を把握した時点で農林水産省に報告をして承認を得る必要があったはずですが、この点はいかがですか。
#76
○佐藤説明員 県の方からも、その県が把握した時点で一応、部局長である農政局の方に相談が持ちかけられたようでございます。ただ、まだその承認手続そのものは実際上行われてはいないという事実でございます。
#77
○山原分科員 問題は、手続が不明朗だということにとどまらないで、埋め立てられた後に、そのすぐ近くの河川で魚が急に死んで浮き上がったり、あるいは奇形の魚介類が見つかったり、あるいはアオノリがとれなくなったり、養殖していた魚が次々に死ぬという被害が相次いております。漁民にとってはわけがわからないものですから、伝染性の病気ではないかと考えまして、それを抑えるという高い薬品を購入したりしておるわけですが、余りにも高価なので、県に補助の申請までしたわけですが、結局原因はわからないということで補助金は出なかったわけですけれども、そういう事態が生じております。
 こうして問題が表面化してきまして、既に漁業協同組合では昨年の十月の臨時総代会で、土砂埋め立てでノリ栽培に被害が出たとして損害賠償を求めていく方針を決めておるようであります。農林水産省は漁民の生活を守る立場にありますが、この面からも農林水産省としてこの問題を放置できないと思いますが、この点はいかがですか。
#78
○佐藤説明員 県の方の報告によりますと、この埋め立てられた土壌につきまして、その安全確認のための調査を行ったというふうに聞いております。そういうような報告を受けました当省といたしましては、その安全性につきましては問題がなかったのかなというふうに考えております。
#79
○山原分科員 これはやはり調査してください。地域住民も疑念を持ちまして、問題の土地の土砂を採取して分析調査を独自に行っています。その土砂の採取の際も、物すごいにおいで倒れそうになったり、幾つかのサンプルを採取しただけで結局すぐ埋めてしまうというような状態があるわけですね。
 地域住民で組織する、真相を究明する会から分析調査の依頼を受けた環境監視研究所、これは大阪市にありますが、そこでは、環境庁の定める調査方法に基づき分析をし、環境計量士の名前と印も押した計量証明書を提出をしております。
 環境庁にこの点で伺いたいのですが、環境計量士の証明つきの分析結果については一般に信用性のあるものだと承知しておりますが、この点いかがでしょうか。環境庁に伺います。
 二点目は、その結果を見ると、九カ所の土壌のうち五カ所から、環境庁の定める基準を上回る鉛、砒素、水銀及びその化合物が検出をされた。サンプルによっては、鉛及びその化合物で環境基準の七ないし八倍、砒素、水銀で二ないし三倍という数値も出ております。環境庁には事前に検査結果を渡しておるわけでございますが、その点、どうお考えでしょうか。
#80
○猪股説明員 第一点の環境計量士のことにつきましては、私どもの方も外部に出すときにはそういうところに出してやっていただくようにお願いしておりまして、信頼できるものだと思いますが、御指摘の地元の、真相を究明する会が行いました土壌の分析につきましては、私どもの方の土壌環境基準の告示に基づく分析方法ではなくて、産業廃棄物の最終処分基準の分析方法で行っているというふうに聞いております。産業廃棄物の最終処分の基準につきましては、一般環境から隔離された遮断型処分場とか管理型処分場とか、そういったところに持っていくかどうかを判定するためのものでございますので、そういった分析結果をもって、一般環境中におきます水への影響を判断する観点から設定しております土壌環境基準の基準値に照らしまして評価するのは適当ではないのではないかというふうに考えております。
 また、徳島県が堤防の土壌をボーリングして採取いたしまして、土壌環境基準の告示に基づく分析方法でやりました結果によりますと、全地点で、鉛、砒素、水銀など土壌環境基準の項目すべてにつきまして、基準値に適合しているというふうに聞いております。
#81
○山原分科員 徳島県が問題ないと発表した検査結果書を見ますと、ほとんどのサンプルについて、どの程度の含有量であるかの数値記録がありません。何々未満と書き込まれているだけなんですね。しかも、どこの検査機関でどなたが責任を持って行った検査結果かという記載がなく、証明責任者不明の書面となっています。住民が行った分析結果の証明書と比べましても、そのお粗末さは歴然としておりまして、公的な責任ある証明とは言いがたいと私は思うのです。
 一般に、こうした検査結果は、環境計量士が証明する、検査機関と責任者も明確にした上で出されるものだと私は考えておりますが、環境庁は、県の検査結果について、どこの検査機関によるもので、責任を持った環境計量士はどなたであったか、この点は把握をしておられますか。
#82
○猪股説明員 県の方からの報告によりますと、県の附属機関であるセンターの方で分析されたというふうに聞いておりまして、先ほど、未満とかなにかという話がありましたけれども、これは定量限界を示している話で、表現形態としてそういうふうな形をとったものというふうに思いますが、私どもとしては、そういった県の機関でやられたものでございますので、信頼できるものというふうに思っております。
#83
○山原分科員 私もこんな問題は素人ですけれども、何となくすっきりしませんね。本当に環境庁としてその裏づけをつかんでいな、いとするならば、問題がないとする県の言い分は信用性の問題で根拠がないということになりかねませんし、県が問題ないと言っているだけであって、環境庁と
して問題ないとは言えないのじゃないかという点をここでは指摘をしておきます。
 もう一つ。厚生省に伺いたいのですが、仮定の話となりますけれども、地元住民が分析調査したものが産業廃棄物であるとすれば、少なくともコンクリート地中堅やあるいは防水シートなどで封じ込める措置が必要な数字だと思いますが、この点どのような判断をされますか。
#84
○藤原政府委員 徳島県によりますと、この堤防敷地の埋め立てに用いられたものは建設工事から排出された土砂でありまして、廃棄物処理法上、廃棄物でないとされているものでございます。
 また、先ほど環境庁からも答弁ありましたように、漁協等からは有害なものだということで撤去要望がありますが、徳島県が確認のため行いました分析結果では、土壌環境基準を満足しているというものでございます。
 そういう意味からいたしまして、私ども廃棄物処理法を所管しておるという立場から申しまして、廃棄物処理法上の特段の問題はない、こういうふうに考えておる次第であります。
#85
○山原分科員 産業廃棄物かどうか不明というか、ちょっと明らかにならないのですが、これは大変肝心なところでございまして、徳島県はその埋立土砂がどこから運ばれてきたのかも出所を明らかにしていないのですね。
 土砂の出所について、県は当初こういうふうに言っている。昨年の七月ですが、大阪の住之江競艇場の建設残土だと県議会で答弁をいたしております。ところが、翌八月になりますと、それがうそであることが判明いたしまして、県は九月の県議会で、川内土地改良区の報告をうのみにして特定したが間違っていたとして正式に陳謝し、一転して、大阪市内七カ所のビル建設地残土、鳴門市内の山土、川内町内の土砂など合計一万八百立方メートルだと説明をするわけでございます。しかし、具体的にどのビル建設の残土かどこの山土か明らかにしておりません。
 農林水産省に確かめたいのですけれども、この川内土地改良区による埋立整地計画は事業費五百万円とされておりますが、このうち、埋立土砂の受け入れにどのくらいの経費がかかっているかおわかりでしょうか。
#86
○佐藤説明員 今回の堤防に埋め立てた工事につきまして、その内容につきましては農林水産省としては把握しておりません。
#87
○山原分科員 もう一回言ってください。ちょっと聞こえない。
#88
○佐藤説明員 今回の堤防に埋め立てをした工事、川内土地改良区が行ったというものについて、どれくらいの費用をかけてその埋め立てを行ったかということにつきましては把握しておりません。
#89
○山原分科員 随分わからない点が多いわけですね。昨年九月の県議会で県側は、無料で残土を受け入れているという答弁をいたしております。大阪市内から運んだ残土だとしますと、運賃だけでも相当な費用がかかるわけですし、山土でも削って運んで埋め立ててもらうとなりますと相当の経費がかかることは常識なんです。だから県議会でも、一万立方メートルもの残土を処理するには二千万円近くの金がかかるはずだ、ただで受け入れるとは常識では考えられないというのは、これはもう常識で考えてもそうなんですね。そういう疑念があるわけです。
 しかも、この土地改良区の理事長は、四国放送テレビの報道でインタビューに答えて、持参金つきの土砂だと述べております。この持参金つきの土砂という意味が私にわかりかねますけれども、持参金がついた土砂ということになれば、金を払ってでも処分してもらいたい土砂だということになるわけでして、住民が疑念を持つのは当然のことだと思います。
 問題のない土砂だというのであれば、疑惑を晴らすためにも、県も土地改良区も、逆に、進んでこの出所を明らかにすべき立場にあります。有害物質を含んだ廃棄物で埋め立てられたということになれば、国の財産が侵されたということになるわけですし、そうであるかないかはっきりさせるためにも、財産権者たる国は、県と土地改良区を指導して、その土地の土砂の出所を明らかにさせるべきだと思います。そういう責任があると思いますが、この点はどうですか。
#90
○佐藤説明員 当方で徳島県からの報告を受けておりますのは、その大半が大阪市内の建設現場からの建設残土というふうに聞いておりまして、また、県の方の報告によりますと、その安全を確かめたということでございますので、当方としてはそういう報告を受けておるというところでございます。
#91
○山原分科員 経過は十分おわかりにならない点があると思いますけれども、これだけ問題になって、県議会でも毎回問題になりますし、第一、出所がわからぬなんて。国有地でしょう。国有地へ、農水省の所有地へ一万立方メートルの土砂が運ばれてきて、どこから出てきたかもわからない。産業廃棄物であるかないかよりも先に、どこからそれが出てきたかということがわからない。運んだ業者はどなたかということぐらいは特定するのが、これは土地管理の責任の上からも当然のことじゃないでしょうか。
 私は、今ここで全部詰めてしまおうと思っているのではありませんが、これだけの疑惑のある問題はやはり明らかにすべきだと思います。その点、管理者である、また財産権を持っている農水省としては、態度を明らかにすべきだと思いますが、この点どうですか。
#92
○佐藤説明員 この財産の実質の管理者といたしましては、徳島県が管理をしております。それで、先生の御指摘の点につきましても、なお実態がわかるように調査するなり、そういうようなことを管理者としての県の方には伝えておきたいと思っております。
#93
○山原分科員 私もあちらこちら行っている間に、これほどの不明朗な話は余り聞かないのですよ。だからこの問題をあえて取り上げまして、現地の話も聞き、そしてきょう御答弁いただいているわけです。ぜひ調査をしていただきたいと思います。そのお約束はできますでしょうか。
#94
○佐藤説明員 先生の方からさらに調査をするようにという御要望があったということにつきましては、県の方に伝えたいと思っております。
#95
○山原分科員 県の方に伝えるだけじゃなくて、やはり疑念がある、しかも県が出してきた資料というのは何にもないのですよ。ただ基準以下であるということだけであって、どなたが検査をしたのか、どういう機関が検査をしたのか。私の県だったら、これは県の衛生研究所とかいろいろな機関があって、合意で検査をする場合もあります。
 これは何にもわからない。そんな不明朗なことが許されていいのかという問題になりますので、難しいことは何もないわけです、出所がどこだということと、検査はどこがやって、どなたがやったのかということ。住民側は委託して、ちゃんと計量して、物をつけて、名前も判も押して、そして数値も出しているのです。ところが、県の方は何にもそれが出ていない。基準以下だ、以下だ、以下だ。数字がないのです。そんな検査で住民が納得するはずはないですね。そのことを私は今言っておるわけです。
 高知県出身の山原がそんなことを言ったって、県は取り上げはしませんよ。それはやはり国が、財産権を持っている国が追及すべきです。それは国有財産を守るためにも、問題が起こったら当然やるべきことなんだ。もう一回お伺いしておきます。
#96
○佐藤説明員 先生の御趣旨は十分承っております。直接の管理者として県が責任を持って管理している財産でございます。したがいまして、先生の今のお話の御趣旨につきまして、十分県の方に伝えていきたいというふうに思っております。
#97
○山原分科員 これは厚生大臣に問うべき問題であるかどうか迷いながらこの分科会へ入って、大臣には大変あれですが、大臣にお伺いしたいのですが、私はるる事態を述べてまいりましたのでお聞きいただいたと思いますが、住民の皆さんが疑
念を抱き心配をぬぐえないというような状態がありまして、それは当然のことだと私は思っています。
 仮に問題の土砂が産業廃棄物であれば、厚生省としても放置できない問題でありますし、人の健康にもかかわってくる問題でございますから、そういう意味で、厚生大臣として、また閣僚の一人として、住民の疑念を晴らすためにきちんと、真相解明といってもそれほど難しいことじゃなくて、どこから土が来たのかということなんですね。それから、どこが検査をしてどういう数値が出たのかということを明らかにするだけですから、ぜひこの点について御努力をいただきたいと思いますが、大臣の御見解を伺っておきます。
#98
○井出国務大臣 私、実は、先ほど資料はいただいたのですが、詳しいことはきょう初めて伺いました。
 厚生省といたしましては、廃棄物の適正処理の推進による安全で快適な生活環境の確保がますます重要になっておるわけでございまして、こういうことから、不法投棄の防止、あるいは減量化、再生の推進等の施策を引き続き強力に推進して、国民の期待にこたえていかなくてはならぬと思います。
 ただいまの問題につきましても、関係者による円満な解決について、必要に応じ関係省庁とも連携し、適切な処理を進めていきたい、こう考えておるところでございます。
#99
○山原分科員 これで終わります。ありがとうございました。
#100
○稲葉主査代理 これにて山原健二郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、大畠章宏君。
#101
○大畠分科員 日本社会党の大畠章宏でございます。
 きょうは、医療問題、また心身障害児・者の対策、特に障害者の支援策、高齢・福祉問題、三点についてお伺いをしたいと思いますが、その前に、井出厚生大臣におかれましては、日ごろ村山政権を支える中核として大変頑張っていただいておりますことに心から敬意を表したいと思います。
 さらに、きょう、お伺いしますと、阪神大震災対策で厚生大臣も大変お忙しいということでありますから、厚生省の官僚の皆さんとの討論ということにさせていただいて、厚生大臣には退室していただいて結構でございます。有効にこの三十分間を使って阪神大震災対策に寄与していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。どうぞ。「人にやさしい政治」ですから。
 それでは、大臣は退室されましたけれども、私、最初にちょっと三点ほど質問させていただきますというお話を申し上げました。今「人にやさしい政治」という話がございましたけれども、やはり一番そういう優しさを求めているというのは、一生懸命自分で自立して社会生活を営もうと思うのですがなかなか思うようにならないという障害者の皆さんに対して、政治がいろいろな施策をどう実施していくかここが大変重要なポイントの一つではないかと思います。
 そこで、最初に、障害児・者の支援策についてお伺いを申し上げたいと思いますが、一つには、長年日本も福祉政策に一生懸命取り組んで、また実施をしてまいりました。しかし、現在、ゴールドプランあるいは新ゴールドプランという計画が日本においても進められようとしておりますが、実際、私ども、地域におりまして、まだまだお寒い限りであるということは申し上げなければならないと思います。これからその施策を充実させるということはわかるわけでありますが、現実問題、私のおります地域、茨城県の北部の方でありますが、その地域では、例えば北茨城市、高萩市、十王町というところには精神薄弱児の施設というものが現在ございません。そういう地域の方々は一体どうすればいいのか。
 そういうことを考えますと、厚生省としても一生懸命頑張っているとは言いながら、まだまだお寒い限りであるということは指摘をしなければならないと思います。特に、心身障害者の御本人はもちろんのこと、その心身障害児・者を抱える家庭、家族の方のお気持ちを考えると、今、厚生省が中心となりながら新ゴールドプランあるいはいろいろな福祉プランを出しておりますが、もう行政に頼っているばかりではだめじゃないか、自分たちでつくろうじゃないか、そういう声も上がってきています。
 もちろん、そういう御父兄の方々の御自分でやろうという御意思も大変重要な力だと思いますが、だからといってそれでいいということにはなりませんし、やはり福祉は、「一人は万人のために、万人は一人のために」ということわざがありますが、そういう観点から、一生懸命、自分たちの息子たちが何とか将来も安心して生活ができるような社会環境を築こうという、そういう御父兄の方々、お父さん、お母さんの方々に対して、こういう形で私どもは支援策を考えておりますからどうぞ安心してください、そういうことをきちっと示すことが、まさに村山政権の「人にやさしい政治」の一つの大きな柱ではないかと思います。
 そこで、最初にお伺いするわけでありますが、現在、精神薄弱児施設等々の設置基準と、それから現状と、これからどう対応しようとしておられるのか、まずその件についてお伺いしたいと思います。
#102
○佐々木政府委員 ただいま心身障害児、精神薄弱児・者の施策の現状、これからどんなふうに取り組むのかというふうなお尋ねがございました。
 私どもも、障害福祉施策はこれからさらに強力な推進が要ると思っておりますが、基本的には、障害児あるいは障害者の方々が可能な限り住みなれた地域で自活できるような条件整備を図っていく。さまざまなニーズを抱えておるわけでございますが、それぞれにきめ細かな対応をしていくような施策を強力に推進していくということが必要ということで、私どもも基本的にそういう観点から諸般の施策を進めておるところでございます。
 ただいま、特に精薄児・者関係の施策の現状のお尋ねがございました。
 実は、全般で申しますと、精神薄弱児・者の関係につきましては、精神薄弱児、子供の関係につきましては、子供さん全体が少なくなっているということもございまして、定員に若干余裕ができるような展開になってございますけれども、一方、大人の方は大変需要が多うございます。そういった観点から、例えばここ数年は、毎年、施設の数にして全国で百カ所から百二十カ所ぐらい、定員で五千人から六千人分ぐらいを全国ベースで整備を進めてまいってきているところでございます。
 茨城県下の例が先ほどございました。茨城県の整備状況も、おおむね全国にパラレルというような感じで受けとめてございますが、それぞれ地域によっての違いというのは多少あり得るかと思っておりますが、私どもは、基本的に、県下全体を眺めていただいて、それぞれの地域事情に応じた必要な施策の整備、在宅施策の整備とあわせて、本当に施設での対応が要るところについては施設の整備を図っていくというふうな考え方で臨んでおるところでございます。
 県内の施設の状況等、個々に数字では申し上げませんけれども、必要な整備をどうするかという点につきましては、私どもも、これまでも、基本的には、霞が関、厚生省で全部というわけにはまいりませんので、基本的考え方をお示しして、各都道府県で実情を踏まえた対応をお願いしているわけでございます。
 例えば、常にいろいろな機会で申し上げておりますけれども、それぞれの施策、サービスの対象者の動向なり、それぞれの地域のいろいろな状況を踏まえた上で、ひとつ計画的な施設整備なり施策の推進に当たっていただきたいということを常々申しておるところでございますが、ただいまの趣旨は、先般の全国民生主管部長会議等においても、私の方からも必要な資料を添えて指示なり要請をしているところでございます。基本的に、それぞれの地域の実情に応じまして、在宅の施策、施設の施策を組み合わせた上で、必要なものについては強力に展開を図るというふうな考えでござ
います。
 特に、施設につきましては、重度の精神薄弱者の施設と、また端的に在宅での自活が難しいようなケース、方々につきましては、平成六年度を初年度としまして、第二次重度障害者緊急整備計画ということで施設の緊急整備計画をやりまして、本当に施設での処遇が必要な方で、待機を余儀なくされている方々については、五カ年程度の計画でこれを解消していきたいといったような考え方で私どもも積極的に臨んでいきたいと思っております。
 今申しましたような考え方で、地元県、市とも必要に応じ状況に応じて御相談の上で、私どもも適切な対応をしてまいりたいと考えております。
#103
○大畠分科員 基本的な視点についてはわかりましたけれども、それでは大体いつごろになったら、私どもの地元ということだけじゃなくて日本の国内における空白区というのがなくなる予定でしょうか。
#104
○佐々木政府委員 私ども、施策推進に当たっての考え方は、できるだけどの地域でも早く実現をしたいと思っているわけでございますが、例えば、先ほど申しました重度障害者の施設の緊急整備につきましては、目標としましては、平成十年度を目標に五年計画で計画的な施設の整備を図ろうということでございまして、端的に、ざっとした感じでございますが、現在の精神薄弱者援護施設の整備状況と申しますのは、平成五年度末定員で約十万人でございますけれども、これを五年間で二万人の整備を図ろう。現時点での考え方でございますが、この十二万人の整備を図ることによって、これはそれぞれなかなか予測の難しさもございます、地域差もございますけれども、これまでの施設の整備状況なりあるいは新規待機者の発生状況なり、あるいは施設を退所していく方々なりの一定の割り切った推計をいたした上で、十二万人レベルの整備をしていきたいと考えでございます。
 今の時点での考えでは、このような整備ができますれば、現に待機を余儀なくされている方々については、全体として見れば解消ができるような状況に持っていけるのではないか、そんな気持ちを持って私ども、この整備を強力に推進したいと思っているところでございます。
#105
○大畠分科員 今のお話を伺いますと、平成十年ぐらいまでには、日本全国のそういう空白区といいますかそういうところが解消するというふうに理解してよろしいのですか。
#106
○佐々木政府委員 全体のお話で申し上げておりますので、私どももそれぞれの地域の実情、極力、県、市とも十分な連絡をとり合いながら、本当に必要なところに必要な施設がきちっとサービスされるような、そういう努力を重ねながら、全体の、マクロの数字を今申しましたけれども、そういう努力を重ねていきたいというふうに考えております。
#107
○大畠分科員 私もスウェーデンの国にも行ってまいりましたけれども、高負担高福祉という一つの考え方もございます。それから、日本の現状のような税負担のもとでどう福祉施策を展開していくか。高負担高福祉の方がいいということを私は主張しているわけではありませんけれども、いずれにしても、先ほど精神薄弱児の方々の絶対数が非常に少なくなってきているというお話もございました。また、大人の方が多くなってきているという話もございました。いずれにしても、少なくても多くても、実際、地域にそういう方々がおられるという事実は事実であります。
 したがって、そういう方々を一生懸命下支えしながら、何とか子供たちに社会的な生活をきちっとしてこいといって頑張っている御両親の方々のことを考えると、大変厚生省の方でも頑張っておられますが、きちっと明確に将来を示してあげるということが何よりも励みになると思うのですね。いつまでにこういうことをやれるんだということでありますから、そういう将来の目標といいますか将来の道筋をきちっと示してあげることが私は大変重要だと思うのです。
 そういうことからしますと、先ほどのお話によりますと、平成十年ぐらいまでには、日本国内の各地域実態を十分勘案しながらできるだけそういう趣旨に沿った形で空白区をなくしていきたいというお話がございました。ぜひ、平成十年というとあっという間でございますから、ことし平成七年ですからあと四年後には、その四年の間に全国のそういう空白区というものをなくそうという目標と伺いました。
 大変この福祉問題、平成九年の四月から消費税を現在よりも上げようという動きの中で国民のコンセンサスがとれるというのは、それなりの行政改革をしながら、そして国民のニーズに沿った形で税金を使う、そしてそういう社会をつくるというのが最低条件でございますので、そういう意味からしても、ぜひ今のお話に基づいて、国民の期待にこたえて各県がそういう施策の実施ができるように、厚生省としてもさらに御努力をお願いしたいと思います。
 あと、心身障害児・者の福祉施設の建設については、適所、入所の二つのタイプの施設があるわけでありますが、平成七年度の中でどのような計画を進めようとされているのか伺いたいと思います。
#108
○佐々木政府委員 具体的に、来年度におきます施設整備の考え方はいかがかというようなお尋ねでございます。先ほども申しましたが、基本的に、障害者の施策を推進するに当たりましては、できる限り住みなれた地域で自活、自立てきていくようなことを支援していくというのが基本でございますので、私どもは、施設の整備に当たりましても、本当に施設での処遇が必要な人たちについてよくその事情を勘案して整備をするという考え方でございますので、非常にあれですが、何でも施設をどんどん整備すればいいという考え方ではございません。
 本当に施設で対応をするのが必要な方々についてはそういう対応をするということでございまして、そういう意味では、先ほども申しましたけれども、施設の整備に当たりまして、地方自治体に対しましては対象者の動向、地域の実情あるいは在宅福祉施策の状況等を踏んまえて計画的に当たってほしいと言っております。その際、特に入所施設につきましては、その設置の必要性あるいは他の施設の代替の可能性等十分に精査した上で計画に当たってほしいというふうな指示をいたしてございます。
 気持ちは先ほど申しましたようなことでございますが、適所なりの施設で対応する方がよいケースは極力それでいく、それから、本当に収容施設が要るケースについてはその対応をする、よくよく地域のいろいろな要素を勘案した上で計画をつくって御協議をいただきたい、こんな考え方を指示しているところでございます。
 私どもは、今申しましたような考え方に従って、極力地方自治体との連携をよくした上で必要な整備を進めていきたいと思っておるところでございます。
#109
○大畠分科員 何でも施設をつくればいいという考えを持っていないということでありますが、私は地方自治体の議員をした経験もございますが、いろいろ箱物というようなものがいわゆるバブル時代に随分つくられました、どんどんですね。しかし、私は、福祉施設関係については、もうつくり過ぎているとか、あるいはもうそれだけっくればいいというものではなくて、今度はソフトの時代だということが言われていますが、福祉問題については全く違うと思うのですね。
 在宅在宅と言いますけれども、福祉施設に例えば高齢者の方が入所した場合には、国と県から二十七万という助成が出ますね。在宅の場合には、今ホームヘルパー関係を中心として支援の手を差し伸べようとしていますが、どうも私は、この福祉問題で、最近の傾向として、施設じゃなくてやはりソフトだという話があります。ありますが、福祉問題についてはまだまだ私は施設の充実というものは不足していると思うのですよ。
 それがすなわち、先ほど申し上げたように、その地域で確かに少ない方かもしれませんが、では
その人たちは、お父さん、お母さんは今後どうやっていったらいいんだろうか。まだまだ未来というものが展望が持てない、あるいは未来の生活というのがまだ描けない。私が死んだらどうするんだろうか、この子供はそういう不安感を持った方々が全国各地にまだまだたくさんいるわけですよ。そういう方々を考えますと、今、佐々木さん、児童家庭局長さんですが、施設さえつくればいいというものではありませんと言うけれども、まだその発言は早いですよ。それは、一般の公共施設等については、いろいろな文化ホールとかたくさんつくり過ぎた感じもあります。しかし、福祉問題については、まだまだ私はその発言をされるのには時期が尚早ではないかと思いますね。
 したがって、私は、今冒頭にも申し上げましたけれども、村山総理を先頭として「人にやさしい政治」を行おう、これは非常にいい方向でありますし、国民も望んでおります。そういう意味においては、ぜひその心身障害児・者をお持ちのお父さん、お母さんが自分の子供の将来像というのが想定できるように、そういう環境をぜひつくるべくさらに御努力をお願い申し上げたいと思います。
 それから、あと、きょうは運輸省見えていますね。淡路課長さんがおいでだと思いますが、この日本のおくれている福祉の中に、大いに障害者の方も町に出てください、電車に乗ってあちこち行ってくださいという話もありますが、一日前に駅に通報しないと駅員の方はサポートして車いすの方を電車には乗っけることはできませんという話なんですが、こんな、一日前に通告しないとだめですというような制度を、一体先進国と言われる国々は相変わらずやっているんでしょうかね。それともそうじゃないんでしょうか。
 そういうことからすると、そういう仕組み自体がもう私は大変残念なんですね。言うなれば、駅に行くと必ず上がったりおりたりがありますから、元気な人は階段上がればいいし、ちょっと疲れた人はエスカレーター、あるいは車いすはエレべーターとか、そういう三点セットの交通手段というものを各駅に少なくとも設置をする、あるいはまたバスであれば、最近ではふえてまいりましたけれども、リフトつきのバスをやるとか。
 アメリカのクリントン大統領も総合福祉社会政策を進めようというので、これも大統領選挙の一つの公約の中に入っておりますが、心身障害者の方々が一般の健常者の方と同じような社会生活を送ることのできる社会的な仕組みを、システムをつくろうとして必死に頑張っているわけでありますけれども、そういう観点において、運輸省は、交通機関におけるエレベーター、エスカレーター等々、障害者の方々に対する施策についてはどう現在考えておられるか、お伺いしたいと思います。
#110
○淡路説明員 先生御指摘の点については、私ども全く同感でございまして、障害者の方とか高齢者の方々が移動をする場合にバリアフリーを実現するということは最大のテーマということで取り組んでおります。
 冒頭御指摘ございましたような、一日前に連絡しなければならないというようなことは指導しておりませんので、それは即時、適時適切に対応するということで今後もソフト面のそういったようなことは指導してまいりたいと思っております。
 それから、駅が一番おくれていると言われておりますけれども、駅のエレベーター、エスカレーターの設置につきましても、平成五年八月から、設置するようにということで事業者を指導してきております。また、国としても、平成六年度に新たにエレベーター、エスカレーターの設置事業に対する補助制度を設けました。
 今後とも、いろいろな形でこういう助成制度なり助成策の拡充に努めてまいりたい、そう思っております。よろしくお願いします。
#111
○大畠分科員 基本的な方針についてはわかりました。
 一日前に通告しなさいなんということは指導していないということですが、実際上、そういう運用がされているということも御存じの上でお話をされていると思うのですが、ここら辺は厚生省なのか運輸省なのかわかりませんが、その谷間に落ちてしまっている国民はどうすればいいのか。うちの管轄じゃない、あるいはこっちの管轄じゃないということがよくあるのですが、国民は今存在するわけですから、そして毎日働いて、税金を払って、そういう施策について希望をしているわけでありますから。そこら辺は厚生省ともよく話をしながら、いや、うちの方から通達していないという形だけじゃなくて、実際を見た上で、ぜひそれが通常の、健常者の方々と同じように運行ができるように、さらに努力していただきたいと思います。
 さらに、そのエレベーターとかエスカレーターの設置につきましては、今全国の、昔の国鉄、今はJRでありますが、民営化されまして予算的にも大変厳しい状況のもとで動いています。したがって、助成策ということでありますが、さらにこれは駅の常識という形になるように、言ってみれば、この問題については、民間のところでありますが、税金を使ったとしても国民の皆さんは子としていただけると思うのですよ。さらにそういう助成策を強化して、ほとんどの駅にはそういう三点セットが設置されるように努力していただきたいと思います。
 こういうものが全国の駅にどういう形でこれから普及されていくという見通しといいますかそういうものはどう考えておられますか。
#112
○淡路説明員 私ども、駅につきましては、最重要課題として取り組んでいるのは、公共通路からプラットホームまで、段差が五メートル以上、かつまた一日の乗降客数が五千人以上というところをまず絞っていきたい。JR、民鉄、公営含めまして、こういうような駅が全国に千八百ほどございます。かなり整備は進んできておりますけれども、これをまず整備していこうということでございます。
#113
○大畠分科員 非常に細かな問題ですが、私はそういうことも福祉社会の中の大変重要な課題だと思いますから、ぜひこれからもさらに御努力をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 次に、外国人の医療制度問題について、残りの時間、お話をお伺いさせていただきたいと思います。
 外国人の医療制度問題については、現在いろいろと改善が進んできていると思いますが、非合法の入国の方、あるいは合法的に入国された方、いろいろなケースがございます。
 幾つかのことについてお伺いしようと思いましたけれども、時間がございませんので、非合法でも合法的にでも、病気をした場合に病院に駆け込む。そうすると医療機関の方では、その病院の方は、非合法であれ合法であれ、診察をしなければならない、そういう実態にあるわけですね。その病院の方では、今度は医療費を取れなくて非常に困るというケースが現在でも各所で起こっているのじゃないかと思うのです。
 この問題は医療問題だけじゃなくて人権問題とも絡んできているのだと思いますので、そのはざまで非常に苦労している医療関係、お医者さん関係に対して、今厚生省はどういう援護措置をとろうとしているのか、お伺いしたいと思います。
#114
○太田(義)政府委員 委員御指摘のように、我が国に合法的におられる外国人の方と、それから非合法といいますか不法に滞在しておる方とおられるわけですが、適法に滞在しておられる外国の方につきましては、内外人平等の原則というのがございまして、それに基づきまして医療保険制度が適用になっておりまして、またそれに基づいて医療が受けられるということになっております。
 いわゆる不法に滞在しておられる外国人の方につきましては、今先生御指摘のような問題がありますし、医療費の未払いの問題が生じてきているという認識も私ども常に持っております。
 実は、この問題につきましては、一つは入国管理政策との関係がございます。どういうことかといいますと、例えば入管法六十二条では、そういう退去強制に当たるような方々を発見した場合には通報しなければいかぬという義務が明確に課さ
れております。さらに、そういう方でもいいのだということになりますと、医療目的のために、非合法といいますか不法に入国してくる方をどうするかという問題もございます。
 さらに考えますと、実は未収金の問題といいますのは、不法に滞在している方だけではなくて、日本人の方でも、あるいは合法的に滞在している外国の方でも同じ問題が生じてくるわけでございますので、この点からいうと、公平性の問題でどういうふうに考えるか、いろいろと問題がございます。
 そういうことから、さまざまな視点から多面的な検討が我々は必要じゃないかということを考えておりまして、昨年の十一月に、加藤一郎元東大総長、合成城学園長の加藤先生を座長といたします外国人に係る医療に関する懇談会というものを開催しておりまして、現在検討を行っております。この検討は本年六月ごろを目途に検討結果を取りまとめていただきたいと思っておりますので、その検討結果を待って、また対応していきたい、こういうふうに考えております。
#115
○大畠分科員 時間が参りましたので終わりますが、この問題もやはりいろいろな関係があって、日本に来ている方がよい印象を持って国に帰っていただくということもありますし、人権問題でもありますし、いろいろ複雑な問題が絡んでおりますので、ぜひ今の諮問機関等で十分検討をしていただいて、適切な、現実的な対処をしていただけますよう要望をします。
 あと、高齢化の介護の機器の問題について質問をしようと思いましたけれども、これはまた別の機会にさせていただきたいと思います。大変ありがとうございました。
#116
○稲葉主査代理 これにて大畠章宏君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明二十一日火曜日午前十時から開会し、厚生省及び労働省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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