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1995/02/24 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 予算委員会 第18号
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1995/02/24 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 予算委員会 第18号

#1
第132回国会 予算委員会 第18号
平成七年二月二十四日(金曜日)
    午前九時三十一分開議
出席委員
  委員長 佐藤 観樹君
   理事 衛藤征士郎君 理事 桜井  新君
   理事 野呂田芳成君 理事 深谷 隆司君
   理事 伊藤 英成君 理事 加藤 六月君
   理事 草川 昭三君 理事 三野 優美君
 理事 五十嵐ふみひこ君
      伊藤 公介君    浦野 烋興君
      江藤 隆美君    越智 伊平君
      越智 通雄君    菊池福治郎君
      後藤田正晴君    近藤 鉄雄君
      志賀  節君    関谷 勝嗣君
      高鳥  修君    長勢 甚遠君
      原田  憲君    村山 達雄君
      若林 正俊君    安倍 基雄君
      赤羽 一嘉君    伊藤 達也君
      石井 啓一君    石田 勝之君
      上田 清司君    川島  實君
      笹木 竜三君    月原 茂皓君
      松田 岩夫君    山口那津男君
      山田  宏君    吉田 公一君
      池端 清一君    今村  修君
      佐々木秀典君    坂上 富男君
      細川 律夫君    前原 誠司君
      穀田 恵二君    東中 光雄君
      松本 善明君    海江田万里君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  村山 富市君
        法 務 大 臣 前田 勲男君
        外 務 大 臣 河野 洋平君
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
        文 部 大 臣 与謝野 馨君
        厚 生 大 臣 井出 正一君
        農林水産大臣 大河原太一郎君
        通商産業大臣  橋本龍太郎君
        運 輸 大 臣 亀井 静香君
        郵 政 大 臣 大出  俊君
        労 働 大 臣 浜本 万三君
        建 設 大 臣 野坂 浩賢君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     野中 広務君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官)五十嵐広三君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 山口 鶴男君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (沖縄開発庁長
        官)
        (国土庁長官) 小澤  潔君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 玉沢徳一郎君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      高村 正彦君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      田中眞紀子君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 宮下 創平君
        国 務 大 臣 小里 貞利君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 大出 峻郎君
        内閣法制局第一
        部長      津野  修君
        警察庁刑事局長 垣見  隆君
        防衛庁参事官  江間 清二君
        防衛施設庁労務
        部長      涌田作次郎君
        環境庁大気保全
        局長      大津  進君
        国土庁土地局長 山田 榮司君
        国土庁防災局長 村瀬 興一君
        法務省民事局長 濱崎 恭生君
        法務省刑事局長 則定  衛君
        外務省総合外交
        政策局国際社会
        協力部長    高野幸二郎君
        外務省北米局長 時野谷 敦君
        外務省条約局長 折田 正樹君
        大蔵省主計局長 篠沢 恭助君
        大蔵省主税局長 小川  是君
        大蔵省関税局長 鏡味 徳房君
        大蔵省銀行局長 西村 吉正君
        文部大臣官房長 佐藤 禎一君
        文部省高等教育
        局長      吉田  茂君
        厚生大臣官房総
        務審議官    太田 義武君
        厚生省保健医療
        局長      松村 明仁君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部長 藤原 正弘君
        厚生省社会・援
        援護局長    佐野 利昭君
        農林水産大臣官
        房長      高橋 政行君
        通商産業大臣官
        房審議官    河野 博文君
        通商産業省環境
        立地局長    齊藤 眞人君
        中小企業庁長官 中田 哲雄君
        運輸省港湾局長 栢原 英郎君
        郵政大臣官房長 木村  強君
        郵政大臣官房審
        議官      品川 萬里君
        労働大臣官房長 伊藤 庄平君
        労働省職業安定
        局長      征矢 紀臣君
        建設大臣官房長 伴   襄君
        建設省河川局長 豊田 高司君
        建設省住宅局長 梅野捷一郎君
        自治大臣官房総
        務審議官    二橋 正弘君
        自治省行政局長 吉田 弘正君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (日本銀行総裁
        )       松下 康雄君
        予算委員会調査
        室長      堀口 一郎君
委員の異動
二月二十四日
 辞任         補欠選任
  中山 太郎君     長勢 甚遠君
  工藤堅太郎君     上田 清司君
  左藤  恵君     吉田 公一君
  藤田 スミ君     東中 光雄君
同日
 辞任         補欠選任
  長勢 甚遠君     中山 太郎君
  上田 清司君     工藤堅太郎君
  吉田 公一君     赤羽 一嘉君
  東中 光雄君     穀田 恵二君
同日
 辞任         補欠選任
  赤羽 一嘉君     左藤  恵君
    ―――――――――――――
二月二十四日
 平成六年度一般会計補正予算(第2号)
 平成六年度特別会計補正予算(特第2号)
 平成六年度政府関係機関補正予算(機第2号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 平成七年度一般会計予算
 平成七年度特別会計予算
 平成七年度政府関係機関予算
 平成六年度一般会計補正予算(第2号)
 平成六年度特別会計補正予算(特第2号)
 平成六年度政府関係機関補正予算(機第2号)
     ――――◇―――――
#2
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算、平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き、締めくくり総括質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。東中光雄君。
#3
○東中委員 阪神大震災、戦後最大の大惨事が起こりまして、その救援と復興、それから抜本的な防災対策をどうするか、これが今政治の大きな中心問題だと思います。従来型の巨大公共事業を初めとする、例えば新幹線にしろ高速道路にしろ、安全軽視の実態が非常に暴露されまして、また、消防力を中心とする震災即応体制が大変立ちおくれているということも明らかになりました。そして、国民にとって真の安全保障というのは何かということが課題だと思っています。
 私たちは、国民の安全最優先の見地から、予算の根本的な組み替えを要求しております。総理も、九五年度の当初予算は組み替えないでとにかく通してほしいということを言われておるわけですが、言うまでもなく四月一日からの予算であります。本年度の予算は、きょう第二次補正が出される、震災対策が盛り込まれます。
 それでは四月一日以降、今度の二十数万人に上る避難者の生活保障、あるいは救援活動の強化、あるいは住宅再建、そういった復興あるいは防災優先の町づくりをどうするか、こういう予算は今出されている九五年度予算では何にもないわけですから、現にこれはもう大震災が起こって、必要なことはもう明白でありますね。このままこれを通したのでは、これは四月一日から何にもできないじゃないですか。今重大なそういう課題を持っています。
 それから、消防庁の予算を見ましても、二百九億円、防衛費の〇・四%ということで、政府のつくっている最低基準も満たさないような、もう非常に貧弱な予算だということ、これはもう明白に出てきていますね。これを九五年度でどうするのか。当然今組み替えなきゃいかぬ問題ではないか。それでなかったら、四月一日から一体どうやるんだという問題が起こります。
 そして一方では不要不急の公共事業の予算が進められておる。あるいは、新幹線や高速道路なんかの安全性が保証されないままでの従来型の、例えばあの阪神道路公団だってちゃんとそのままの予算が組まれているではありませんか。これはもう現在の状態では、組まれているのは現状からいってまるっきり違うのだ、かえなければいけないということは明白であります。今組み替えをやらないままで進めるということは、一番の中心課題について目をつむることになるのです。どうしても組み替えをやるべきではないかと思うのですが、どうでしょうか。
#4
○武村国務大臣 今回の大地震に対応するため、当面緊急に必要となる経費については、きょう第二次補正で御提案をするところでございます。
 七年度当初予算は、御承知いただいておりますように、全体として一般歳出を厳しく抑制をしながら、高齢化、情報化への対応や環境への配慮やあるいは科学技術の振興や産業構造の転換など、我が国将来の発展基盤の整備など、本当に必要な施策に要する経費の確保に努めておるわけであります。また、回復局面にある経済情勢を踏まえまして、六年度と同じ規模の減税を引き続き実施をするほか、公共投資の着実な推進を図るとともに、国内産業の空洞化の懸念等、構造的課題にも対処をし、我が国経済の中長期的な安定成長に資するものとしたところであります。
 この七年度予算を組み替え、修正予算書の提出までには、たびたび申し上げてまいりましたように相当の時間を要します。これにより七年度当初予算の国会審議、成立がおくれれば、今お出ししている予算に盛り込まれた各般の緊要な施策に係る支出も当然おくれざるを得ないわけであります。また、景気に対する影響も望ましいとは言いがたいことにも留意をしなければなりません。
 いずれにしましても、今回の阪神・淡路大震災に係る財政上の手当てにつきましては、必要な措置を新年度におきましても適時適切に講じてまいりたい、最善を尽くしてまいりたいと考えております。
#5
○東中委員 兵庫県の見積もりでも約十兆円の被害があったと言っているわけですね。二十数万の人が今現に避難しているのですから。三月末までのその手当ては今度の補正でやるのでしょう。四月一日からないというのは、これはおかしいではないですか。それを組むべきではないか。当たり前のことだと思うのですよ。
 それをないままで四月一日から実施して、その後でかえるんだ。それもちょっとしたことではないのですね。大きな問題だから、思い切って組み替えをやらなければいかぬ。そうでなければ、実際の今問題になっていることを回避していることになるというふうに思うわけであります。
 だから、必要なものがあるということは、これはもう政府も認めておられるとおりです。だから、今度はそれに対して、不要不急のものがある、それを削るという方向をきちっと出すべきだ。その予算を、今までの九五年度の、災害がなかったときの従来型の予算を、今度は国民の安全保障という角度から、救済と復興、それから不要不急のものを削るという、この線を、方向を出すべきだ。さらに先のことについてはまた補正をやればいい。今、四月一日からの分について組み替えをやるべきだというふうに思うのですが、どうでしょう。
#6
○武村国務大臣 東中先生、私ども政府としましては、絞りに絞って、必要なものがたくさんある中で、それでもかなりカットをしながら重点的にこの予算を編成しておりますから、不急不要なものはありません。そういう前提であり、国民の皆様も各事業項目については皆大きな期待を持っていただいているわけでございますから、これは国民経済全体としてもお認めをいただいて、新年度早々からしっかり執行ができるようにひとつ御理解をいただきたい。
 地震に対しては今申し上げたとおりでございますから、問題は、御提案をいただくような仕組みと私どもの対応の考え方とどちらがいいかという判断の問題でありますが、たびたび申し上げてまいりましたように、組み替えとなりますとかなりの大作業でありますし、時間もかかります。今なお数字のつかめないものもあるわけですから、そうしますと、もう間違いなく新年度に予算の成立が入ってしまいます。それでいいのかどうか。そういう意味では、この予算は通していただいて、新年度で適切な震災に対する対処をさせていただきたい。これは万全を期して対処をしていきます。ぜひこのことに御理解をいただきたいと思います。
#7
○東中委員 私たちが言っているのは、例えば新幹線や高速道路の問題にしましても、これは今までの安全基準でのそれの拡大なり、さらに拡張なりということでやっていますね。これは安全基準を変えなければいかぬですよ。だから、その今までの部分のものはストップするということが要るということを私たちは言っているわけです。あるいは、東京臨海副都心の開発とか大阪ベイエリアというような開発は、これはもうまさに不要不急のものである、この震災における緊急という点からいうならば不要不急なんだ、あるいは、いわゆる防衛費にしてもそうであります、そういう問題をちゃんとやるべきだということを言っておるのであって、震災前の、余分なものはない、そんな感覚で物を言っているわけではないということを申し上げておきたいと思うのです。
 それで、予算の組み方という問題について、日本は世界有数の地震国でありますから、だから国
民の生命と財産を震災から守るということは政治の最優先の課題であると、改めて今度そういうことを感じたわけであります。だから、防災こそ国民の最大の安全保障だという、そういう見地から国の行政と財政をすべて見直すということが非常に必要だと私は思っています。
 そこで、これは私たちの主張であるだけじゃなくて、国際的にもそういう方向というのは出てきているのじゃないかというように思っています。総理は、三月にコペンハーゲンで開催される国連の社会開発サミットに出発する意向を示されております。サミットに向けて国連開発計画が「人間開発報告書 一九九四」というのを出しました。これですが、日本語版ですけれども、私もこれを読んでみました。
 それで、ここで言っていることは、各国の膨大な軍事支出が、国民の安全を守るのではなくて、反対に国民の生活を破壊していることをいろいろ数字を挙げて指摘しています。今こそ狭い国家安全保障から抜け出して、人間の安全保障を打ち立てるときだということが書いてあります。各国が軍事費を削減をして、その資金を人間の開発のために全面的に使うように提起をしています。国家安全保障という考え方から人間の安全保障への転換、軍事費を大幅に削減して、人間の開発、教育、医療、貧困の救済に使えというのがここにある中心的な課題です。
 この二十四ページを見ますと、こういうことが書いてありますよ。「いまこそ、国家の安全保障という狭義の概念から、「人間の安全保障」という包括的な概念に移行すべきときである。」「領土偏重の安全保障から、人間を重視した安全保障へ。」「軍備による安全保障から「持続可能な人間開発」による安全保障へ。」人間の安全保障は、安全に対する脅威は、経済の安全保障あるいは食糧の安全保障、健康の安全保障あるいは環境の安全保障、そういう人間の安全保障こそやるべきなんだ、国家安全保障から転換せいということを、この報告書で提起をしています。
 こういう考え方について、総理はどう思われますか。
#8
○河野国務大臣 議員が引用をなさいましたのは、九四年六月のUNDPが取りまとめて発表したものだと思います。
 おっしゃるように「人間開発報告書」、これは今議員がおっしゃるように、いろいろな安全保障、つまりヒューマンセキュリティーというのでしょうか、その中には経済の安全保障とか食糧の安全保障とか、いろいろ書いてあるわけでございますが、UNDPは、このヒューマンセキュリティーというものが世界共通の問題だというふうに言いまして、社会開発サミットは国際社会がこういう概念を認めて各国の開発戦略や国際協力をやるべきだ、こういう提案をしているわけでございます。それは御指摘のとおりでございます。
 ただし、このヒューマンセキュリティー、人間の安全保障という概念は、必ずしも国際的に確立した概念ではまだございません。そこで、今回の社会開発サミットにおいても、こうした概念については明確な位置づけをしておりません。そして、そういう中で我が国は、この社会開発サミットの目的における中心的概念を、むしろ社会的公正の実現、こういうことを主張するべきではないか、こう考えておるわけでございます。
 国会のお許しをいただけば総理の御出席を願いたい、こう考えておるわけでございますが、この社会開発サミットに対しまして、私どもはそういう感じでございます。
#9
○東中委員 総理、この六十ページにこう書いてあるのです。「近く開催が予定されている社会サミットは、このような確約をする好機になる。サミットでは、以下のような国際的な努力をしなくてはならない。」というふうに提起しているのですね。その中で、「いかなる国も、国民の教育・保健をさしおいて軍事支出を増やすべきでないという原則を確認する。」それから、「一九九五〜二〇〇五年の十年間におこなうべき軍事支出の削減目標で合意する。たとえば年三%の削減率を設定する。」そういうことが具体的にあります。
 この国連開発計画自体が、これはもう国連の常設機関ですから、それがそういう方向でやるべきだという提起をしている、方向を。それに対して、サミットに出られるという総理自身の大きな方向というか、どう考えていらっしゃるのか、お伺いしたいのです。
#10
○村山内閣総理大臣 今外務大臣から御説明がございましたけれども、委員御指摘のような提唱がなされていることは私も十分承知をいたしております。
 しかし、人間の安全保障という概念規定というものがまだ国際的に共通して定着をしていないという状況もございまして、この三月に開かれまする社会開発サミットは、これはもう目的が明確になっておりますし、具体的に取り上げる事項も、例えばこのコペンハーゲンにおける開発サミットの中心課題というのは、貧困の撲滅、雇用の拡大、社会的統合の推進、これは社会的弱者の社会参加の促進、こういった討議をされる項目が明確になっておるわけです。
 私は、こういうものを社会開発の中心的な課題として各国が真剣に取り組んで推進をしていく、そういう全体の中で戦争のない平和な人間の安全保障というものが確立されていくのではないか、こういうふうに考えておりますから、したがって私は、これまで日本の国が果たしてきた日本国平和憲法のもとにおける日本の国際貢献の役割としてはふさわしいものだ、積極的に取り組んで推進をしていきたい、こういう決意で臨むつもりでありますが、その点についてはそういう意味で御理解をいただきたいというふうに私は思います。
#11
○東中委員 貧困の撲滅という、そういう人間の安全保障を図るというのに、ここで言っておる方向として、開発計画が言っておるこの方向というのは、軍事費の削減、あるいは今まで世界ではこの三年間、四年間で三%ずつぐらいの削減がされてきた、これからもやるべきだ、こういうことを言っているんです。そして、軍事費の支出を国民の教育や保健を抑えてするというふうなことはやるべきじゃない。こういうふうに、貧困を撲滅する、今言われたとおりのことを課題にして、それについては軍事費の削減あるいは保健、教育などの優先ということを出しているわけですね。その考え自体について総理はどう思っていらっしゃるのかということなんですよ。
#12
○村山内閣総理大臣 これはもう、これまで国会でもたびたび私も意見を申し上げてまいりましたけれども、世界全体は、米ソ対立という超大国冷戦時代が解消して、そして今や平和と協調の時代になってきておる。地域的な紛争は絶えず起こっておりますけれども、これもやはり国連を中心にしてできるだけ紛争が解決されるような努力をされておる。言うならば、やはり軍縮の基調というものは世界全体の流れとしてこれからさらに強まっていくんではないかというふうに考えております。
 したがって、国連の改革の問題や、あるいは国連開発サミットの中でも今私が挙げましたような問題が議論をされる時代になってきたというふうに私は理解いたしておりますから、これから日本の国際的に果たす役割というものはますます大きくなっていくし、そういう役割は積極的に果たしていかなきゃならぬ課題であるというふうに私も受けとめて認識をいたしておりますということを申し上げておるわけです。
#13
○東中委員 だから、世界の動きは軍縮の方向で、貧困をなくしていく方向でということは認められたわけですよ。さらに、それが世界の方向であると同時に、いかなる国もそういうふうにそういう方向に向かうべきじゃないかというのがこの「人間開発報告書」の中で提起しておる方向ですね。
 それについては総理は言わないという格好になっているのですが、それだけじゃなくて、総理は一月の日米首脳会談で、戦後五十年間の米国の支援と指導に感謝をする、そして日米の創造的パートナーシップをつくるという趣旨のことを言われまして、日米安保体制の必要性については、
単に日米だけの問題ではなく、アジア・太平洋地域全体の平和と安定のために日米安保が果たしている役割は大変大きいものがあり、さらに維持していく必要がある、そして、米軍のプレゼンスがアジア・太平洋地域の平和と安定に不可欠だというふうに言われて、今後も駐留米軍経費を含めて支援体制に努力をしたいという趣旨のことを言われた、これは報道によるとそうなっております。
 クリントン政権の方は、アジア・太平洋地域の戦略体制の見直しということで、東アジア戦略構想を近く出すとか言われておりますが、在日、在韓米軍の十万人の戦力を二十一世紀に向けても維持していくという、そういう体制を方向として出しています。
 それで、米軍が日本、韓国で十万人体制、アジアでそういう前方展開体制を維持していくと言っていることに対して、総理はこの間の首脳会談でそういうことを認めるということを言われたのか、あるいは、むしろそういう体制は、米軍は撤去せい、縮小せいという方向の主張をされたのか。削減を要求されたのか、あるいはそれとも引き続いて駐留してほしいということを要求されたのか、この文言からいくとどういうことになるのですか。総理とクリントン氏との話し合いではどうなんですか。
#14
○河野国務大臣 首脳会談に同席をいたしましたので、私からも御説明を申し上げたいと思いますが、両国首脳の話は、ことしが戦後五十年という節目の年であるということを念頭に置いて、両国首脳は、この過去五十年近く両国が友好関係を保ちここまで来たということについて、お互いの気持ちを表明をされました。
 その中で、日米安保条約といいますか日米安保体制というものが、日米両国のきずな、あるいは両国間というものの一つの大きな象徴的なものということで、この日米安保体制というものが両国がお互いに協力し合ってここまで来るということに大きな力があったということを述べ合って、総理は、この安保体制というものがこれまでも重要なものであったし、引き続き重要であるという意味のお考えを述べられたわけでございます。
 これは、私の個人的な感想を申し上げれば、こうした安保体制というものがアジア・太平洋地域においてもその地域の安定に資するものであるというふうに、日米安保体制というものが結果としてアジア・太平洋地域の安定に資するものになっているというふうに私は思います。このアメリカのプレゼンスというものがアジア・太平洋の秩序を維持するという上で役割を果たしているということは、多くのアジアの首脳も認識しておられるというふうに私は理解しております。
#15
○東中委員 いや、私が言うのは、アジアに十万人体制という米軍の駐留があるわけです。その駐留は、あの共同記者会見によりますと、米軍がそういう駐在していること、日本に四万人の軍隊がいますね、それはアジアの平和と安定のために、アジア・太平洋地域の平和と安定のために不可欠である、こういうふうに言われているのですね。
 それから、現在日本の状態というのは、戦後半世紀を経ておりますけれども、なお米軍が四万人、横須賀では空母機動部隊がいます。沖縄には海兵隊がいます。佐世保には強襲揚陸艦までおる。百四十の基地があるわけですよ。その存在が、四万を超す米軍がおることが、それがアジア・太平洋の平和にとって不可欠である、それがなかったらアジア・太平洋の平和と安定は保たれないのだ、こういう論理になっているのですよ。
 あの超低空飛行を日本の至るところでやって、非常な被害が出ている。もう兵庫県も鳥取県も高知県も、県こぞって言うというふうな状態さえ起こっている。そういう駐留が、いわゆる冷戦体制のときのそういう状態そのものが今なお続いている、それが平和と安定のために不可欠だ、こう言って、本当に総理はそう思っているのですか。むしろ、これを撤去すべきだ。軍縮、基地撤去というのがこの人間開発報告なんかで言っている方向でもあります。その点どうですか。
#16
○河野国務大臣 あの両国首脳の話の中には、沖縄の基地の問題についても触れられておりまして、クリントン大統領からもそして村山総理からも、沖縄の基地の問題はぜひ統合等について努力をする必要がある、こういう両国首脳の合意もあるわけでございます。
 この両国首脳の話の中では、今議員がお話しのように、十万人構想とか東アジア防衛構想とかそういう話は具体的に出ておらないのでございまして、両国の大きな視点に立った首脳同士の話が行われたというふうに私は見ておりました。
#17
○東中委員 アジア・太平洋地域の平和と安定というのですね。安全ではないのです、安定というのですから。そのために米軍がおることが不可欠だということを両首脳が賛成をした。そして、村山さんは、今後も駐留米軍経費を含めて支援体制に努力をしたいと述べたというふうに報道されています。
 ところが、私は本当にもうけしからぬと思うのですが、駐留米軍経費を含めての支援体制ですから米軍が日本に駐留する経費を日本が負担をするということなんですけれども、これは地位協定の二十四条によれば、全部米軍が負担するということを書いていますね。「日本風に合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費はこ「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」というようになっているのです。
 それを、今度は経費を負担する。しかもその額は、今度の九五年度予算では六千億を超しますね。そのうちで法律上の根拠のない分、条約上の根拠のない分、特別協定で特別に認めた分がいわゆる思いやり分担で、二千七百十四億なんだ。これはもう初めてできたときから十数年の間に四十何倍にふえているのですよ。こういう経費、これこそ非常に危険であるし、そしてアメリカのお先棒を担ぐだけなんです。撤去をし削除すべきだ。不要不急だというのは、私たちはそれを言っているのです。
 時間がありませんので、こういう話、日米首脳会議の話し合い、これは許されないことだと思うので、はっきりと削るという方向を示してほしい。
#18
○河野国務大臣 一つだけ、事実関係でございますが、日米安保条約の義務という部分と、それを超えた思いやり予算の部分とがあって、その思いやり予算は何も根拠がないではないかという御指摘もございましたが、思いやり予算の部分についても特別協定というものをつくっておって今は根拠があるわけでございますので、その点はぜひ誤解のないようにお願いをしたいと思うのです。
#19
○東中委員 誤解していません。特別協定を結んで、本来の地位協定を変えたことがけしからぬと言っているのです。そして、それが来年で期限が切れるのに、それを引き続いてやるぞということがこの間総理が維持するということを言われた中には含まれておると思うので、それはけしからぬ、こう言っているわけであります。誤解しているわけではございません。
 終わります。
#20
○佐藤委員長 これにて東中君の質疑は終了いたしました。
 次に、海江田万里君。
#21
○海江田委員 きょうは全大臣のほかに、特に日銀総裁にも朝早くからお越しいただきまして質問をさせていただきますが、きのうの本委員会で東京協和信用組合、安全信用組合の処理問題で、日本銀行は去年の十二月九日どことしの一月十三日に政策委員会を開いて今回の処理の方針を決めておるということでありますけれども、問題は、その政策委員会の議論の中身が外に全く見えてこないということでございます。
 日銀の政策委員会は、こういう政策委員会月報というものをつくっておるのですけれども、これは九ページしかありません。しかもかなり大きな活字で書いてありますので、本当に、こうやって、こう振って落としてしまうと、後は中が真っ白になってしまうような中身しかないわけですね。
 大蔵大臣も、それから日銀総裁も、きのうは異口同音に、民間の金融機関はこれからディスクロージャー、情報の公開をしなければならないと
いうことをもう何度も何度もおっしゃっておりますけれども、情報公開をするのは実は民間の金融機関だけではありませんで、中央銀行の日銀もやはり情報公開をやらなければいけないのではないだろうか。とりわけ、一番重要な最高意思決定機関であります政策委員会で何が決まったかということは、箇条書きに私たちも知ることができますけれども、どういう議論があって、そしてこういうことが決まったのかということを、これはやはり公開をすべきじゃないだろうか。
 外国もこれはもちろんやっております。アメリカなんかではもう、言うまでもありませんけれども、FRBの中の連邦公開市場委員会というところは、大体四十日ぐらいで、一月半ぐらいで会議を開くわけですけれども、その会議があった翌日にはもう議事録が、どういう議論が行われたかという議事録が印刷をされて配られておる。それから、今度イギリスでも、来月からですか、大蔵大臣とそれからイングランド銀行の総裁との協議の中身については、これをきちっと議事録にして公開をする、こういうことが決まっておるわけですけれども、日銀だけがいつまでもこの程度の公開だけでは、内容の開示だけでは、これはやはり遅きに失するんではないだろうか、こういう気がするんですが、いかがでしょうか。
#22
○松下参考人 御指摘がございましたように、中央銀行の政策決定に当たりまして、その経緯あるいはその考え方の基本につきまして広く国民の御理解と御信任をいただけますように、内容につきまして十分御説明を申し上げる必要があるという点は、私どもも全くそのとおりであると感じております。
 私どもといたしましては、従来、これらの点につきましていろいろな方法、と申しますと、例えば総裁その他役員の記者会見でございますとか、また各種の団体との会合におきます講演あるいは質疑応答でございますとか、また、場合によりましてこの国会での御説明とか、あらゆる機会をとらえまして、そのような私どもの政策決定の考え方につきまして御説明をするように努力をしてまいっているところでございます。
 海外の事例のお話がございまして、これも私どもいろいろ参考にいたしておりますけれども、日本銀行のこれまで現在のそういう周知徹底という努力につきましては、今申し上げたような内容に重点が置かれているというのは特徴でございますが、全体として、海外の中央銀行に劣らず一生懸命やっているという御評価を海外からもいただいているところでございます。
 しかし、御指摘もございますし、また、私どもといたしましても、いろいろなやり方の利害得失というようなものを慎重に考えながら、今後ともさらに工夫、努力をしてまいりたいと存じております。
#23
○海江田委員 今後努力をしていただけるということでございますので、これはぜひ、やっぱり全体にガラス張りにしなければいけないことでありますから、ぜひ私は、議事録をつくって、そしてそれを公開をする、一定のインターバルはあっても構わないと思いますけれども、やはり公開をしていただきたいと思います。
 それから、大蔵大臣、預金保険機構の見直しでございますが、まず第一点に押さえておかなきゃいけないのは、そのペイオフということについて、あるいは預金保険機構ということについて国民の多くが知らないということでございます。預金保険機構はきのう、きょう生まれた制度じゃありませんで、一九七一年ですから、もうかれこれ四半世紀たとうとしておるわけですよね。だから、その間に、これまではもちろん幸いにして発動はなかったわけですけれども、九〇年代になってからはやっぱり発動があったわけですから、この預金保険機構というものをもっと知らしめる必要があるんじゃないだろうか。
 アメリカなんかは、銀行に行けば、例えば十万ドルまでなら払い戻しはありますよとかいうことは書いてある。日本はどこに行っても、預金の通帳を見ても、一千万円までは保証されていますよ、ただ一千万円を超える金額についてはだめですよなんということはどこにも書いておらない。せっかくそういう制度がありながら、やっぱりこれまで十分に使ってこなかったんじゃないだろうかということ。
 それから、きのうは一生懸命払い戻しのペイオフのところを、今の一千万円をもう少し上げようじゃないかというようなお話もございました、その預金保険の見直しについて。ただ、保険料率の問題についてまだきちっとしたお話がございません。
 当然のことながら、一千万円のところをもう少し上げたり、それからその大口のところをカットするとか、いろいろな工夫をすれば、危険準備の積立金のところが圧倒的に不足をするわけですから、やはりその保険料率の見直しがなきゃいけない。その保険料率の見直しをやるときは、これは一律に今のパーセンテージを上げるんでなしに、いわゆる可変料率といいますか、自己資本比率等を一つの目安にして、そして決めていくというようなことは当然考えるべきでないだろうかという気がしますが、この点いかがでしょうか。
#24
○武村国務大臣 御指摘のように、預金保険機構の存在が今回の事件で大変大きく関心を呼ぶことになりました。私どももこの事件を教訓にして預金保険機構、法律を含めてあらゆる側面からさまざまな勉強をさせていただきたい。確かに支援のあり方もありますし、料率の問題もあろうかと思います。あるいは申し上げているような、ここに検査機能を持つことの是非、これも勉強したいと思います。
 アメリカは、一九二九年のあの大恐慌の経験から連邦預金保険公社が誕生したようでございます。そういう意味ではかなり先輩で、いろんな経験も積んできていることも素直にアメリカの経験として、そのまま導入はしませんが、勉強はさせていただきたいと思っております。
 ただ、世界を見てみますと、各国こういうものがありますが、保険料率で差を設けているのは確かに唯一アメリカだけでございます。自己資本比率等によるものではあろうかと思いますが、結局金融機関の中で保険料率で差がついてしまいますと、保険料率の高いところは危険な金融機関というレッテルを張ることにもなりかねない、そんな問題もございまして、慎重にこの点は御指摘を踏まえて検討をさせていただきます。
#25
○海江田委員 最後の質問になりますが、総理に伺っておきます。
 先ほどの質問でもございました、今回どうして組み替えができないのかということで、予算の編成が終わりまして、そしてそれから今回こういう大震災が起きたということが一つの理由だろうと思うんですけれども、ただ、私は冷静になって考えてみまして、じゃ、果たしてこの予算の編成の最中であっても機動的な対応ができたんだろうか、どうなんだろうかということを疑問に思うわけですね。
 それは言うまでもありませんけれども、財政の硬直化、国債費が、二〇%ももう最初から使い道が決まっておるとか、あるいは公共投資の配分の固定化でありますとか、これはもう二十年以上にわたってずっと配分が、まあ若干の動きはありますけれども、ほとんどもう固定化をしてしまっているという、こういうことがあります以上は、いつ震災が起きようと、今回のようにたまたま編成が終わってしまって、まさにこの国会が始まって、二十日から国会が始まって、そして予算委員会で審議をやる直前にこういう震災が起きたから、だから組み替えができないんだよということではなしに、私は、今回のことを真摯に反省をするならば、やはりこの予算の機動性といいますか、そういうものを持たせることではないだろうかという気がするのですね。
 そのあたりの感想といいますかお考えを、やはり予算をもっと機動的に、流動的に、それこそ必要な政策課題に応じて機敏に組み替えができるような体制を不断にとっておくということ、こういう心構えを御披瀝をいただきたいと思いま
すが。
#26
○村山内閣総理大臣 予算編成の難しさ、厳しさというものに対する御理解ある御発言もいただきましたけれども、今お話もございましたように、新しい年度の予算を編成して、後にこの大震災が起こったわけです、したがいまして、今御審議をいただいておりまする新しい年度の予算の中には、この震災に関連する予算というものは計上されておらない。
 そこで、とりあえず緊急必要とするものにつきましては、これから御提案をして御審議をいただきますけれども、六年度の補正でもって賄おう、そして緊急に対応していこうと。同時に、これからさらに救援、復旧、復興に対する金というのは、どういう規模でどの程度のものが必要になっていくのかというのは、これからやっぱり検討されなきゃならない問題なんです。
 しかし、七年度予算というのは単に震災だけの問題ではなくて、国民生活全般にかかわる問題もありまするし、とりわけ、経済に対する浮揚策といったような影響を持った予算でもありますから、この予算は予算として成立をさせていただきまして、そしてこの震災に対する、これから復旧、復興に対する予算というのは、新しく補正予算でもって十分充当して、その期待におこたえすることが至当であろう、こう考えて、今準備をさせてもらっておるわけです。
 ただ、お話にもございましたように、非常に硬直化した厳しい財政事情にありますだけに、これは一律に削減をするといったような形式的なものではなくて、やっぱり社会の変化に対応して、必要な予算は計上していく、そして選択をしていくという厳しい洗い直しの態度というものは堅持して、できるだけ財政の健全化を図っていく、同時に、国民の期待と要望にこたえ得るようなものにしていくという努力は、これからも引き続き厳しく対応していくものでなくちゃならぬというふうに理解をいたしております。
#27
○海江田委員 ありがとうございました。
#28
○佐藤委員長 これにて海江田君の質疑は終了いたしました。
 これにて締めくくり総括質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして平成七年度予算三案に対する質疑はすべて終局いたしました。
 この際、暫時休憩いたします。
    午前十時十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時開議
#29
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 平成六年度一般会計補正予算(第2号)、平成六年度特別会計補正予算(特第2号)、平成六年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して議題とし、審査に入ります。
 まず、三案の趣旨について政府の説明を聴取いたします。武村大蔵大臣。
    ―――――――――――――
 平成六年度一般会計補正予算(第2号)
 平成六年度特別会計補正予算(特第2号)
 平成六年度政府関係機関補正予算(機第2号)
    〔六号(その二)に掲載〕
     ――――◇―――――
#30
○武村国務大臣 平成六年度補正予算(第2号)の大要につきましては、先ほど、本会議において申し述べたところでございますが、予算委員会での御審議をお願いするに当たり、重ねてその内容を申し上げます。
 最初に、一般会計予算の補正でございます。
 まず、歳出面におきましては、阪神・淡路大震災等に対応するため、当面緊急に必要となる経費を追加することとし、災害救助等関係経費一千四百十億円、災害廃棄物処理事業費三百四十三億円、災害対応公共事業関係費六千五百九十四億円、施設等災害復旧費五百四十四億円、災害関連融資関係経費九百十二億円、その他の阪神・淡路大震災関係経費百十九億円、地方交付税交付金三百億円を計上しております。
 一方、歳入面におきましては、今回の大震災により生じた被害を勘案して租税及び印紙収入について六千二十億円を減額するとともに、その他収入の増加三百四十三億円を見込んでなお不足する歳入に対し、やむを得ざる措置として公債の追加発行を行うこととしております。
 この公債金の増一兆五千九百億円のうち七千七百九十四億円が建設公債、八千百六億円が特例公債の発行によるものとなっております。特例公債の発行等につきましては、別途、阪神・淡路大震災に対処するための平成六年度における公債の発行の特例等に関する法律案を提出し、御審議をお願いすることとしております。
 以上によりまして、平成六年度一般会計第二次補正後予算の総額は、歳入歳出とも第一次補正後予算に対し、一兆二百二十三億円増加して、七十三兆四千三百五億円となっております。
 特別会計予算につきましては、交付税及び譲与税配付金特別会計、道路整備特別会計等八特別会計において、所要の補正を行うこととしております。
 政府関係機関予算につきましては、国民金融公庫において、所要の補正を行うこととしております。
 財政投融資計画につきましては、阪神・淡路大震災等の被災地域の復旧に対応するため、日本開発銀行及び地方公共団体に対し、総額三千七百五十億円の追加を行うこととしております。
 以上、平成六年度補正予算(第2号)につきまして、その内容を御説明いたしましたが、なお詳細にわたる点につきましては、政府委員をして補足説明をいたさせます。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。
#31
○佐藤委員長 これにて大蔵大臣の説明は終わりました。
 引き続き、補足説明を聴取いたします。篠沢主計局長。
#32
○篠沢政府委員 平成六年度補正予算(第2号)の内容につきましては、ただいま大蔵大臣から御説明いたしましたとおりでありますが、なお、一般会計予算の補正につきまして、若干補足説明いたします。
 まず、一般会計予算の歳出の補正につきまして、御説明いたします。
 災害救助等関係経費一千四百十億円の内訳は、災害救助費八百五十三億円、災害援護貸付金三百七十一億円、生活福祉資金貸付等補助金百十七億円、災害弔慰金等六十九億円であります。
 災害対応公共事業関係費の内訳は、道路、港湾等の公共施設等の災害復旧等及び阪神高速道路公団、日本道路公団、神戸港埠頭公社等の災害復旧等に必要な国の補助等を行うための災害復旧等事業費五千九十六億円、二次災害防止対策、被災者向け公共賃貸住宅の供給等の住宅関係諸施策及び被災市街地の早期復旧を図るための土地区画整理事業等緊急に必要となる事業を行うための一般公共事業関係費一千四百九十八億円であります。
 災害関連融資関係経費のうち主なものは、中小企業等関係六百三十一億円、産業投資特別会計へ繰り入れ二百五十億円であります。
 中小企業等関係につきましては、中小企業事業団出資金二百七十一億円、中小企業信用保険公庫出資金百四十六億円、中小企業金融公庫出資金八十七億円、国民金融公庫出資金八十二億円等であります。産業投資特別会計へ繰り入れ二百五十億円は、日本開発銀行くの出資を行うために必要な経費であります。
 地方交付税交付金三百億円は、特別交付税の増額を行うため、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるのに必要な経費であります。
 なお、今回の一般会計補正予算において、所得税、法人税、酒税及び消費税の収入見込み額を減額いたしておりますが、地方交付税交付金につきましては、特に立法措置を講じてこれを減額しないこととしているところであります。
 次に、一般会計予算の歳入の補正につきまして
御説明いたします。
 租税及び印紙収入につきましては、源泉所得税六百五十億円、申告所得税一千二百十億円、法人税三千億円、相続税二百三十億円、地価税五十億円、消費税五百六十億円、酒税二百六十億円及び関税六十億円の減収を見込んでおり、全体として六千二十億円の減収となっております。
 その他収入につきましては、公共事業費負担金三百四十三億円を計上しております。
 公債につきましては、一兆五千九百億円を追加発行することとしております。この結果、六年度の公債発行額は、十六兆四千九百億円となります。
 以上、平成六年度補正予算(第2号)についての補足説明をいたしました。
#33
○佐藤委員長 これにて補足説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#34
○佐藤委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 ただいま説明を聴取いたしました平成六年度補正予算三案の審査中、日本銀行並びに公団、事業団等いわゆる特殊法人の役職員から意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人として出席を求めることとし、その人選等諸般の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#36
○佐藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤羽一嘉君。
#37
○赤羽委員 新進党の赤羽一嘉でございます。
 阪神・淡路大震災の応急復旧措置が盛り込まれた平成六年度補正予算、ようやく姿をあらわしましたので、本日与えていただいた時間の中で、二十九日目を迎えながらまだ最低限の人権すら守られていないような避難状態を強いられている被災者の皆様の思いを代弁する形で、与えていただいた時間質問させていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。
 今申し上げましたように、地震発生後二十九日間という月日が流れました。私も、毎週毎週地元に当然のことながら週末は帰らせていただいておるわけでございますが、本当に、一月二十六日の予算委員会集中審議の質疑の時間でも言わせていただきましたように、被災者の方たちの政治家に対する思いというか見方というのは極めて厳しい。もう二十九日間、幾ら総理が精いっぱいの対応をしてきたと申されても、現場の状況が一向に変わらない前には、何を言ってもむなしく聞こえるということでございます。そして、できる限りの施策を行ってきたと言われておりますけれども、しかし一向に変わらない。一向に変わりません。
 そして、それで、反省……(発言する者あり)まじめに聞いていますよ、まじめに質問しています。反省すべきところは反省しというふうに総理は何回も繰り返しておりますが、正直申しまして、失礼な言い方になるかもしれませんが、二月九日の緊急記者会見を、いよいよ重大な施策の発表があるのだなという思いで私自身テレビに見入ったわけでございますけれども、正直言って何のための記者会見だったんだろうという思いを強くしたわけでございます。
 あのテレビの中で総理は、希望があればあらゆる困難を乗り越えていくことができるというふうにおっしゃられたと思います。この希望があればあらゆる困難を乗り越えていくことができるというのはまさしく真理だと思いますが、その希望を感じ勇気を持ってこれからの生活を再建していこうとその被災者の方たちが立ち上がるに足り得る具体的な施策を決断し、実行していくことこそが我々政治家の使命ではないのでしょうか。正直言って本当に、いろいろな現場の思いというのが、あの記者会見を通して聞いていますと、本当にわかっていただいているのかなというのが正直な思いでございました。
 まず、そこでお聞きしたいことは、現場と中央と話の乖離が余りにもあるということで、まず現場実態の御認識について確認したいと思います。
 今回、亡くなられた方が五千四百名とか全壊した家が十万戸というような話が出ているわけでございますが、何となく実感としてとらえにくい。その中で、十七日の午後から炎々と燃え盛り、夜中火災が続いて、十八日には隣の区の須磨区というところまで火災が移った、あの長田区の中にある家の、そのうちの何割ぐらいが全壊半壊、全焼半焼したというふうに認識されているのか、総理、お答え願えますでしょうか。もちろん正確な数はわからないとは思いますが、どのくらいの規模……(発言する者あり)いや、最高責任者の総理がどのような実感を持たれているかということをまず聞きたいわけです。総理、お願いします。
#38
○村瀬政府委員 申しわけありませんが、正確な数は把握しておらないところでございます。
#39
○赤羽委員 ですから、正確な数を聞いてどうのこうのということではなくて、まず今回の復興に向かって真剣に闘っていただきたい、そういう思いで、その最高責任者たる総理がどの程度の災害規模と認識されているかということをお聞きしたくて、それは結構ですから、長田区の何割ぐらいの家が今回全壊半壊、全焼半焼したのか、お答え願います。
#40
○佐野(利)政府委員 これは地域をどの程度の限定をとるかによって違いますけれども、今先生がおっしゃったような形でありますと、恐らく九割程度は倒壊したのではないかというふうに私ども認識いたしております。
#41
○赤羽委員 よく御認識をいただいてないということがわかったということで……(発言する者あり)内閣の中でも結構ですけれども、しかし非常に残念なんですね。二十九日間放置されている、あのまだ十八万とも二十万とも言われている避難所の生活の中で、何人もの御高齢者が……(発言する者あり)一生懸命やればいいというものじゃないんですよ。御高齢者が亡くなっているという痛ましいニュースが続いております。
 何人この二十九日間の間に避難所で亡くなっていたのか、担当大臣でも結構ですから明らかにしてください。
#42
○小里国務大臣 具体的な数値を市、町を通じまして今集計中でございますが、私がざっとお伺いいたしておりますところ、避難所の経験者を含めまして十数名と承っております。
#43
○赤羽委員 私は、数日前の新聞報道で四十七人と伺っておりますし、あの地震の後亡くなられた数から今ふえている数は、約百名近くふえているわけでございますので……。
 その辺なんですよ。零下何度、廊下の上で寝ているそのつらさがわからなければ、政治家がわからなければ、本当にクリーンヒットするような効果的な手段が打てないんじゃないですか。
 それで、問題があるんですよ。一昨日の報道で、長田区の避難所で亡くなられた方がいた。義援金の申請に家族の方が行かれた。これは今回の地震による死亡とは認められずに、受理されなかったという話がある。これは一体どういうことなんですか。これから弔慰金の話が出てくるわけでございます。
#44
○小里国務大臣 ただいまのお話は、義援金のお話でございます。先生御承知のとおり、地元において組織されました義援金募集委員会、これが主として取り扱っておりますが、今お尋ねのところでございますが、被災後亡くなられた方でも、被災とその死因との間に相当な因果関係があれば、これは義援金の対象になる、こういうふうに私は承っております。
 したがいまして、その相当な因果関係というのはだれが判断するかと申し上げますと、これは私どもも十分関心は持っておりますけれども、はっきり申し上げますと、市、町でございます。したがいまして、市、町がこれを判断すれば、当然それらの措置はとられるもの、さように私どもは確信をいたしております。
 なおまた、ただいま先生、新聞記事云々の話がありましたが、そのことについても、実はけさ方、私は対策本部を通じて問い合わせをいたしました。
 目下、県の監察医の診断書を中心に検討を一時的にしたけれども、その後をもう少し補完調査をする必要があるから待ってくれ、そういうような返事をいただいておるところでございます。
#45
○赤羽委員 今の弔慰金制度についても、もう一点聞きます。
 唯一の身内が兄弟しかいないというケースもあると思うのです。灘区内で実際、お姉さんが亡くなって弟さんしかいない。弟さんが救済を訴えられた。その兄弟姉妹には支払われなかったということに関しては、それも県市の判断かもしれませんが、地震担当大臣としてはどう認識されているのですか。
#46
○小里国務大臣 ただいまのお話は、弔慰金とおっしゃいましたけれども、義援金のお話だろう……(赤羽委員「弔慰金です」と呼ぶ)弔慰金ですか。弔慰金は、もう先生も御承知のとおり、世帯主の場合は五百万、世帯員は二百五十万、この原則がございますから、この原則に従って、市、町で厳正に御判断して、できるだけ早期に支給してくださいませんかと、これをしばしば督励を申し上げております。
 しかしながら、御承知のとおり、いろいろ混乱をいたしておりましたので、それらの手続が円滑に進んでいない実情は私も承っておりまするが、これは厳正にかつまた完全に履行されるべきものである、さように存じておりますから、篤とこれらの方向に向かって督励をいたしたいと思います。
#47
○赤羽委員 いや、兄弟姉妹には支払われなかった、現場対応では拒否されたということがあるのですが、その点について、支払われるようにするような思いはあるのですかということです。
#48
○小里国務大臣 大変具体的な事情を抱えての問題であるようでございますから、必ずそのことは具体的に、せっかくのお聞かせでございますから、丹精を込めて調査をして、できるだけこの趣旨にかなうようにいたしたいと思います。
#49
○佐野(利)政府委員 現在の法律では兄弟間での支払いは対象になっておりません。それは、現在の法律ではなっていないということでございます。
#50
○赤羽委員 ですから、現在は支払われない。それで、その制度に従って、当然窓口では支払わなかった。しかし、このような形を見直す思いはないのですかということなんですが。(発言する者あり)
#51
○小里国務大臣 答弁は違っておりません。
 私が先ほども申し上げるように、せっかくそういう提案があったから、丹精を込めて精査をします、こういう答弁を申し上げました。なおかつ、せっかくのお話だから、できるだけこの制度の趣旨にかなうように努力する、そういう意味のことを申し上げておるわけでございまして、今でもこの気持ちは変わりはございません。
 せっかくのお話でございますから、可能なのか可能でないのか、可能でないとすれば、今のお話のように、さらにこれをべかりしことに前進した措置はできないのかどうか、こういう緊急災害時でございますから、しかるべき機関によく相談を申し上げたいと思います。
#52
○赤羽委員 じゃ、制度を見直すのですかどうですか。
#53
○小里国務大臣 せっかくの御提案でございますから、丹精を込めてしかるべき機関と十分協議をいたしたい、かように申し上げるところでございます。
#54
○赤羽委員 前向きに検討していただきたいと思います。
 それで、これから復興は始まるわけでございますが、現地の話、思いを聞いていますと、総理は、反省すべきところは反省しというようなお話が本会議等々で出る、予算委員会のテレビで流れるのを聞いている、しかし、精いっぱいやっているというようなお話で、本当にどうなのかということで、まず、私が二十六日の集中審議で申し上げました、あれは天災、確かに地震は天災だったけれども、その後の初動動作が遅くて結局五千四百名の被害者にまでふえてしまった。これについては、総理自身の初期動作が遅かったことに原因があるというふうな御認識がございますか。
#55
○村山内閣総理大臣 これはもうたびたび私は本会議でもこの委員会でも申し上げておりますけれども、いずれにいたしましても、今お話もございましたように、五千四百名を超すとうとい生命がなくなった。同時に、御指摘のように倒壊した家屋、あるいは、あの当時は三十万を超す避難生活をされている方もおられたわけですよ。これだけの大被害が生まれてきたということについては、これはやはり厳しく、重く受けとめなきゃならぬというのは私は当然の話だと思いますよ。
 同時に、この委員会でたびたび指摘もございましたように、初動におけるあり方について、いろいろ指摘をされるような点やら批判をされる点やらあったことにつきましては、現状の姿に照らして、やはり見直す点は率直に見直す、直す点は率直に直すということが大事ではないか、こういう気持ちを申し上げた次第でございます。
#56
○赤羽委員 被害がここまでふえたことに対して、初動動作の手の打ち方、そこに原因があったと、もっと早く手を打てはここまで被害が広がらなかったという御認識がございますか。
#57
○村山内閣総理大臣 ですから、これは初動のいろいろな発動について、この委員会であらゆる角度から批判をされ、指摘をされる問題点がるるあった、その現状について、私は、率直に認めるものは認めなければならぬし、直すところは直さなければならぬ。
 したがって、あす何かがあったときに緊急に対応できるようなそういう措置というものはきちっとやっておく必要があるというので、先般の閣議でも決めて、そして、そうしたことがあった場合に情報が正確に官邸に集中できる、把握した情報がそれぞれの必要な部署に伝達される、そして行動ができる、こういう当面の制度の中でやり得る範囲の緊急措置というものは十分ひとつ確立していこうではないかというので、先般の閣議の決定もしていただいたところでございます。そういう点については御理解を賜りたいと思います。
#58
○赤羽委員 私は、システムだけの問題ではなかったと思います。システムの問題があったとしても、もっと初期動作を早く、五時四十五分に発生し、早く手が打てれば、繰り返しになりますが、ここまで被害が大きくならなかったものだと確信するものでございます。そして、その一点の責任を明確にされない総理が、復興の責任者として、これから神戸、兵庫の復興の指揮をとって、本当に任せられるのかといった思いが強いんですよ。
 ですから、総理、この点の総理の責任、進退を明確にして復興に当たる、そういう責任に対する明確な出処進退をはっきりさせる思いはあるんですか、はっきりさせてください。
#59
○村山内閣総理大臣 いや、あなたの意見は意見として率直に私は承っておきますけれども、むしろ、今私のところに寄せられてくる手紙やら電話というのは、やはりこういう困っている現状に対して早急に救援の手を差し伸べてほしい、そして復興と復旧に全力を挙げて取り組んでほしい、こういう意味の電話やら手紙をいただいておりますから、私は、内閣としてそれだけのことはやはり十分対応してこたえなきゃならぬ、それが今課せられた最大の責任であるということを自覚をして、全力を挙げて取り組んでおるところでございます。
#60
○赤羽委員 総理の言われることもわかりますけれども、しかし、責任の部分を明確にされない限り納得しない被災民は多いということなんですよ。まあ、いいです。
 それで、これから住宅問題、雇用の問題について話を進めますけれども、要するに希望があればあらゆる困難を乗り越えることができる、その希望を与えるために具体的な施策についてここで議
論させていただきたいということでございます。
 現場の話をもう一回させていただきますけれども、数多くの方が家を失って、私の知り合いの中にも、娘さんが下敷きになって、北区のある大きな病院に入院されている。集中治療室に入っています。これから六カ月間、集中治療室に入っていなければいけない。そこへ、だんなさんの会社が自宅待機となって、もう来なくていい、自宅にいなさい。今後どうなるかわからない。奥さんもパートに勤めていましたが、これも今回、解雇になりました。毎日毎日、北区に行く往復の運賃が二千五百円かかる。家賃が、幸いにして黄色紙ですけれども、賃貸マンションが残っているけれども、十一万円の家賃を払うのをどうしようか考えている。そういった切実な人がいる。その人は数多くのうちの一つの家庭の例だと思いますが、そこに本当に具体的にどうなるかということを、希望を与えていただきたいがために、今から具体的な質問をさせていただきます。
 先ほど申し上げました長田区だけではございません。数多くの家を失いました。しかし、いわゆる応急仮設住宅、この仮設住宅が、神戸市、この前第一次募集がございました。二千七百戸の募集があったんですが、六万件の応募があったんですね、神戸市だけで。それに対して、今用意されているのは三万戸プラス一万戸で四万戸、恐らく二万数千戸他の都道府県からの御協力で提供されている公団住宅に入ってもらうということで、計およそ七万戸を用意するということだと思うんですが、要するに、ありがたい話なんですが、地方に行っても働かなければいけない。見も知らぬ土地に行く、親戚でもない限りなかなか行けない。そういった中で、そういった他の都道府県からの御提供の公団住宅がなかなか埋まってないというお話を聞きます。
 そういう状況の中で、この計画、きょう補正予算を見ていましても、三万戸分の予算を組まれている。一体、応急仮設住宅、何万戸を最終的につくる用意があるのか。そして最終入居はいつになるのか。つまり、いわゆる避難所生活が終局するのはいつなのか。その御展望を担当大臣に。
#61
○小里国務大臣 時間の関係もありますから、一つは、県外に準備をした公営、公団、公社等の住宅状況、これは、先生がお話しのとおり、今三万戸というお話がございましたが、大体その前後でございます。この関係をひとつできるだけ消化をしていただきたいと、御承知のとおり努力をしてまいりました。
 今日の段階におきましては、その三万戸のうち一万六千前後が兵庫県域外でございました。今御指摘になるところはこのところを御指摘になったと思うんでございますが、関係者努力をいただきまして、おおむね八千戸前後は消化された、私どもはそのように推定いたしております。
 しかしながら、一たん県外にお出かけになったけれども、また帰っておいでになったというような行き帰りもあるようでございます。この計画が思うように消化されていない理由については、もう先生地元でございますから御承知いただいておると思いますが、一口で申し上げますと、できるだけ今まで居住せしところ、その集落に帰りたい、この志向が圧倒的に強いことがわかってまいりましたので、その辺に私どもの悩みの種もあることは、率直に申し上げます。
 それから仮設住宅四万戸、これはいつまで準備できるのかというお話でございますが、三月いっぱいで三万戸、そしてあとの一万戸を四月いっぱい、こういうふうに申し上げております。しかも、きょう、本会議の前後でございましたが、官房長官を中心にいたしまして、この三万戸の三月いっぱいというのはもう絶対履行しなけりゃいかぬからということで、もうしばしば、県知事を初め、あるいは関係市ともいろんな連絡をとって、これが実行方について、精励、鋭意努力してまいっておりますけれども、実は申し上げましたように、先ほども官房長官を中心にいたしまして、その契約をいただいておる三万戸の契約メーカーの皆さんをここ二、三日じゅうに集めて、そしてきちんとした責任者にその供給計画を具体的に出してもらおう、こういうような段取りまで協議をいたしまして、私は実はこの予算委員会が始まる直前に対策本部にその指示をいたしたような次第でございまして、誠心誠意、その辺はこれでもか、これでもか、もう言うなればその三万戸の完成を督励をいたしておるという実情だけは、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
#62
○赤羽委員 ありがとうございます。
 ただし、他の都道府県からの公団、埋まらない、なかなか進まない。それは先ほども申し上げましたように、仕事場の問題もある。よく情緒的に離れがたいというような御説明がありますが、私が思うには、家財道具が残っている家が多いんですよ。家財道具を引き出せない、置いたまま、そんな他の都道府県まで行くことはできない。ですから、今の、三万弱を他のところから借りて、四万戸の応急仮設住宅をつくるという計画では、これは早晩行き詰まると思います。
 ですから、四万戸、早急にさらにふやす計画はないのでしょうか。
#63
○小里国務大臣 実は今お話しの、その四万それから三万、そのほかにも八千戸は、高齢者それから体調の整わない方々があるからという理由が主なるところでございますが、加えまして兵庫県域外の公営、公社、公団住宅等が一〇〇%近々埋まる見通しかないので、それにこたえて八千戸というものの準備をいたしたこと、先生御承知のとおりでございます。この八千戸は、兵庫県域内ですよ、できるだけ罹災者の皆さんが入りやすいようなところを選んでくださいよという方向で、督励、御相談を申し上げておるところでございます。
 なおまた、その四万戸をふやす計画はないのか、その用意はないかとおっしゃいますが、これはもうしばしば申し上げておるように、総理大臣にも何回も御相談をし、そしてまた厚生大臣初め建設省等にも相談を申し上げまして、貝原知事さん、あなたは四万戸をふやしても結構ですよ、もし四万戸以上の希望がありとすれば、全部それをお受けしますという宣言をなさっても結構でございますと、こういうことを私どもは御通告を申し上げておる状況からいたしましても、ただいまの御質問に十分おこたえできる、私はさように思っております。
 なお、かつまた、その四万戸をふやすということが今夜の夜中でも来た場合はあしたから直ちに作業に入れるように、住宅メーカー等を、国内のみならず国外にもいろいろ交渉をいたしておるところでございまして、しょせんこの問題は、私どもも積極的に、先生が先ほど言うように、罹災者が二十万前後おいでになるわけでありますから、それらの生活、健康、食事あるいは再生にかけるもろもろの問題を見詰めつつ、四万以上を必要ならいつでも出してくださいよ、私どもは臨機応変に、緊急に対応する用意がございます、こういう気持ちで、また準備もいたしておりますこと、よくひとつ御理解をいただきたいと思います。
#64
○赤羽委員 どうもありがとうございます。
 それと、プレハブ住宅、今、応急仮設住宅の広さが八坪なんですね、二十六・四平米、災害救助法の指定でそういうようになっている。ですから、実際問題、全焼のところは別にして、まだ家具は中にある、しかし出せない、こういうことに対しては何とか御配慮というのはいただける余地はないのでしょうか。
#65
○小里国務大臣 そこの技術的な話になりますと、むしろ厚生省の方からお答えいただいた方がいいかと思うのでございますが、先生のお話は、要するに坪数をふやしなさい、こういうお話であろうかと思うのでございますが、私の承知しておる限りにおきましては、坪数をふやすということは余り強い要請はいただいておりません。むしろ、参考までに申し上げますと、坪数を小さくしてもよろしいから、できるだけひとつ加速してくれないか、こういうような要望は非常に強く来ておりますから、先般、貝原知事もでしたが、神戸の笹山市長から直接、坪数を小さくしてでもいいから、ひとつこれを促進してくれないかという要望がご
ざいましたので、厚生大臣の方で十分御考慮をいただきまして、二、三日前からその作業に取りかかっていただいておる、そういう状況でございます。
#66
○赤羽委員 いや、それは恐らく、神戸はまだ入っている方が千名ちょっとなんですよ、十八万人いる中で。ですから、こんな待たせるのであれば小さくてもいいという、そういう御意見が出たのだったら、もう早急につくってほしいという思いだと思います。今の仮設住宅は本当に応急で、災害現場とか言いますけれども、この文明国の日本で、災害現場だからしょうがないというような形で放置されるということは本当にあってしかるべきことではないというふうに思うわけでございますので、どうか、これから恐らく半年とか一年は住むわけでございますので、それに対応できるような設備をお願いしたい。
#67
○小里国務大臣 これは先生、私が決してむきになって、力んで申し上げるわけじゃないのです。今、先生も私も、気持ちは同じですから。なぜこんなに仮設住宅の建設はおくれるのか、ここが皆さんの疑問だろうと思うのです。これはもう一口で申し上げまして、一月の十七日、災害発生いたしましたその時点においては、全国に二千戸しかなかったのです。しかも、その二千戸を持っていらっしゃったのは市町村の所有分が相当部分だった、メーカーはほとんど持っておいでにならなかった、そういういきさつがございます。
 お菓子や弁当は一時間、二時間でつくれるけれども、御承知のとおり、仮設住宅は相当な時間と相当な準備、そしてまた相当の構造が必要であるわけでございますから、そういう観点等からお考えいただければまず御理解もいただけるが、しかしながらそれでも、国内の量産体制、月に一万と当時言われましたけれども、経過は大体八千戸前後だったですね、今度一カ月経過してみましたら。ですから、もうそれぞれのメーカー、広く、プレハブのみならず住宅の産業にもその手を広げまして、しりを徹底的にたたいた。しかも、国外に向かっても、御承知のとおり十二カ国、外国の九十四メーカーそれぞれ、建設省、厚生省に当たっていただきました結果、なかなか外国はないですね。もうストックはないのみならず中小企業、ですから、五十戸、七十戸あります、こう言うのです。そういうことでは間に合わない。しかも、その製造から輸送するには五十日、六十日かかると言うのですね。
#68
○佐藤委員長 小里地震担当大臣、大変答弁が長くなりますので……。
#69
○小里国務大臣 そういう事情でございますので、御理解いただきたいと思います。
#70
○井出国務大臣 今、小里大臣が御答弁なさいましたけれども、今回の震災におきましては、極めて短期間に大量の応急仮設住宅を供給しなければならないという事態なものですから、やはり資材調達が最も容易な標準世帯向けの住宅を発注しなければならなかったという事情を御理解をいただきたいと思います。
 したがって、ある程度の収納設備、押し入れ二つついておるはずでございますが、設けているが、たくさんの家財道具をそこへ入れるということは、とても足りないことはよくわかっておりますが、しかし、そこまで要求されても、これは実現は大変困難であるということを御理解いただきたいと思います。
 それから、先日、議員から、ちょっと離れますけれどもお答えさせていただきたいと思うのですが、申し込み、応募をもう少しまとまってやれば……(赤羽委員「それはわかりました。一万二千戸いただいた、聞きました」と呼ぶ)よろしいですか。
#71
○赤羽委員 ちょっと先に進みたいのですが、そのトランクルーム云々については、先日運輸委員会でも、神戸港の倉庫、空きスペースが多いので、今回のこの件に関して、仮設住宅入居が決まり次第そこに家財道具を置けるような措置をとっていただきたいということを要請しましたので、ここではそれを御紹介させていただきます。
 あと、同じ住宅問題なんですが、この前、罹災都市借地借家臨時処理法適用を宣言していただいたわけでございますが、実態は、こんなケースばかりとは言いませんが、二階建ての木賃アパート住宅がつぶれて、それで大家さんが、こんな大家さんばかりじゃないのですが、つぶれた、もううちは建てられないよ、敷金返すからとっとと出ていってみたいなことで、実際はかなり追い出されている。そこで、そこに目をつけてというか、余りよくない不動産業者というか、いわゆる地上げ屋と言われる人間が来て安く買いたたいている。こういう話を、実は兵庫県内で今回民間賃貸住宅を提供して非常に頑張っていらっしゃる地元のよい不動産会社の方々から何件かお話を伺っておりますが、建設省として認識されている今の実態はいかがなものか、お伺いしたいと思います。
#72
○野坂国務大臣 お答えをいたします。
 その問題については、この間も冬柴先生から具体的にお話がございまして、罹災都市借地借家臨時処理法、これは地域を指定して政令で起こせばできるということになっておるものですから、政令で決めました。
 ただ、そこの方では、話がありますように、大家さんが、借地をしたあるいは借家人の皆さんに敷金は返す、そのときだから金が欲しい、だからそれは受け取る。それは、いわゆる権利はもうこれでなくなったんじゃないかということは一つは言えますね、返した、各契約は解除だということになりますから。
 そういうことになってはならぬというのが処理法の政令ですから、だから、これについては、神戸にも西宮にも相談所をつくりまして、弁護士や公団やあるいは市や県や、みんなそれぞれ、一つの相談窓口に行けば全部のことが相談ができるような措置をしております。今二カ所ありますが、今度は、そういうような状態があるということで数カ所にふやさなければならぬということにしております。一カ所に行けば、そこでは弁護士に、この場合はどうか、この場合はどうかということで、公団なり役所なり一つ一つで整理することになっておりますが、そういう事態もあったということをよく承知をしております。
 したがいまして、これは法務省と協力関係を結ばなきゃなりませんが、法務省は既にそういう政令も出していただいて、法務省と十分連絡をして、一たん渡しても知らなくて渡したわけだから、それについての権利の復活ということをやはり考えていかなきゃならぬじゃないかと。
 ただ、財産を全部失って、金は欲しいからもらうが、後から借りてでも建てる意欲があるかどうかということが問題です。後から建てるということであれば、そのローンについては、借家については借家人でも自分で建てることができる場合があるわけですから、それについては五年間の据え置きで三%で、そして国の助成が二・五%になりますから、その上は県や市にさらに、これについては普賢岳の例もあることでありますから、できるだけの御協力をということを我々からもお願いしております。
 できるだけのことをしなきゃなりませんが、そういう事態を招かないように、それぞれの相談窓口をつくっております。弁護士もおいででございますし、公団からも来ておりますし、建設省からも行っておりますし、府県の建築課からも行っております。そういう総体的な窓口、相談所をつくりまして十分に対応していかなきゃならぬ。そういうことで、それについては急いで対応措置を、法務省とも協議、連絡の上に万全の体制をしかなきゃならぬ。こういうことで、そういうお困りの方々は、さらに御相談をいただければ弁護士先生その他の皆さん方にも御協力をいただいて話し合いに応じてもらう、こういうふうな段取りに現在はいたしておるところでございます。
#73
○赤羽委員 それと、地上げの実態についてお伺いしたはずですが。
#74
○野坂国務大臣 先生がおっしゃるように、物価問題については、経済企画庁長官も前から申し上げておりますように、ビニールシートが少し上
がったという情報がありますので、我々は至急に全体を集めて……(発言する者あり)いや、ちょっと待ってください。それは段取りですから、全体が上がらないようにということで申し上げておったのです。
 土地が上がらないように、不動産協会とかそういう関連の事業には、全部集まってもらって、上げないように努力したい、努力してくれということを申し上げました。そのほかのアウトサイダーの皆さんもたくさんおるわけですから、そういうことがあるというような話もありますので、それぞれの協会その他を通じては、このような事態のときに土地の値上がりというようなことは国民感情から見ても許せないことだ、したがって御協力をいただかなければならぬということで、それに入っておる会員の諸君たちはできるだけ我々の意図に沿うように努力しておるつもりでありますが、具体的な事例があればお示しをいただいて、それに対応していかなければならぬ、そういうふうに思っております。
#75
○赤羽委員 要するに、たくさんの方が家をなくし、ほうり出されて困っているときに、そこにつけ込んで私腹を肥やすような状況というのはもう耐えられない最低のことですから、この点については引き続き監視をお願いしたいと思います。
 また、国土庁になるのですか、いわゆる地価監視区域を復活というか、つくっていくというような、そういったお考えはいかがでしょうか。
#76
○小澤国務大臣 先生御指摘のとおりであろうと思います。
 被災地及びその周辺においては、投機的な土地取引が行われることのないように、地元県市と密接な連携をとっております。また、国土庁といたしましても、現地に担当官を週一回程度派遣をいたして、そして実態の把握、必要な対策の検討等に努めておるところであります。
 具体的に申し上げますと、地元鑑定士による実態調査、また土地登記簿によります取引状況の把握等、また地元金融機関からのヒアリング等も行っておるところであります。
 今後、被災地を中心に復興事業が集中的に行われることとなるわけでありますが、これにかんがみ、投機的土地取引等による地価の上昇を招くことがないように、地元県そしてまた市と十分な連携をとりながら、必要に応じ監視区域の速やかな指定等適切な対応を図ってまいる所存であります。
#77
○赤羽委員 実際、そういった動きも散見されておるところでございますので、速やかな実行をお願いしたいと思います。
 続いて、これは多分大きな問題だと思うのですが、いわゆる分譲マンションをお持ちの方が今回被災されて、その家を取り壊して再建するかどうか、これについて質問させていただきたい。
 要するに、今現場を回ると、こういったところはもう無数にあるのですね。そこで実際は、ばらばらに避難してしまった、そこにお住まいの方が集まって会合を開くこと自体が極めて困難である、ようやく連絡がとれても、事が大きい、現行法の区分所有法であっては全く太刀打ちできない、ですから、国からの何らかの支援策が出てから話し合いを始めようということで待っている、そういうお住まいの各マンションの組合の実態が多いと思います。
 そういった中で、いわゆる区分所有法の六十一条の八項ですか、被災の日から六カ月以内に何らかの決着がつかなければとにかく買い取り請求権がどんどん発生するというようなゆゆしき事態に今の現行法でいきますとなると思うのですが、きょうの新聞報道なんかにも、この区分所有法について何らかの緩和措置がとられるというふうな報道もございますので、その点について御説明お願いしたいと思います。
#78
○前田国務大臣 多数のマンションが被災地にございますことは承知をいたしておりまして、特に先生御指摘の区分所有法の法律の中にあるマンションと、それからすべて全壊してしまいましたマンション、これは法的な扱いが違ってまいります。
 現行法のもとでは、全壊いたしますと、もうこれは民法の規定に入ってしまいまして、共有者全員の意見の一致ということが必要でございまして、これからようけ建てかえていく中で、この全会一致というのは極めて条件としては厳しいものがあるというような観点から、私どもは、今検討いたしまして、区分所有者間の権利関係、例の大規模建てかえの五分の四条項等を今新たな法として検討をしておるところでございます。
 いずれにいたしましても、多数のマンション所有者の合意形成と少数意見の尊重というのは極めて難しい問題でございまして、先生から六十一条八項につきましても御質問ございましたが、この点につきましては、細かい点につきまして民事局長の方から詳しく御説明いたしたいと存じます。
#79
○赤羽委員 ですから、その六十一条八項、もう一回質問しますけれども、大臣おっしゃるように、全壊すると規定にないわけですね。そんなことを想定していない法律だという証左でもあると思うのですが、一部滅失から六カ月以内に集会で決議されなければ区分所有者間で買い取り請求権が発生するということで、要するに、一部滅失の時点が地震発生日となるならば七月十七日にその買い取り請求が飛び交うことになって、その中でまた不当な価格での売買、買いたたかれみたいな嫌な問題が発生するおそれがあると思うのですね。その点について、政府委員の方。
#80
○濱崎政府委員 御指摘の、建物の区分所有等に関する法律の六十一条八項の規定、これは御案内のとおり、いわゆる分譲マンションが、価格的に見て二分の一を超えるような大規模な部分滅失があった場合の規定でございまして、御指摘のように、そういう状態になった場合には四分の三以上の多数決議で復旧の決議をできる、また五分の四以上の多数決議で建てかえの決議をすることができるということになっておりますが、その決議ができない場合の措置を定めているものでございます。
 ただ、これはもう既に御案内と思いますが、そういう場合に、区分所有者がもうそこから出ていきたいという場合に他の区分所有者に対して買い取ってもらうことができるという規定でございますので、強制的に買い取られるという規定ではございません。したがいまして、それは区分所有者の判断によるものでございまして、もちろん相対で買い取ってもらう、売買が行われるということはこの法律の関与するところではない、それは自由に行われるわけでございますけれども、その場合に買い取ってもらうことができるという規定でございます。
 したがいまして、この規定によって御指摘のような不当な売買が必然的に生ずるということではないであろうというふうに考えている次第であります。
#81
○赤羽委員 それで、買い取ってもらうというか、反対の五分の一の方が買い取ってくれという請求権が発生するのじゃないんですか、それで、そのときには有無重言わせず買い取らざるを得ない、そういうことなんじゃないんですか、確認したいのですが。
#82
○濱崎政府委員 そういうことでございます。保
 なお、そういうことで売りつけられた方が直ちに代金を支払うことができないというような場合を考慮いたしまして、その代金の支払いについては猶予をしてもらうことができるという規定もあわせて設けているところであります。
#83
○赤羽委員 要するに、家というのは一生涯の買い物だと思うのですね。大体、キャッシュでマンションを買ったり住宅を買ったりする方というのは少ないと思うのですね。ですから、一生涯働いて三十年ローンを組んで何のハプニングもないという前提で、一生懸命仕事をしながらローンを返していく。ですから、今回被害に遭った方というのは、ローンの残高、債務残高を持った方たちがほとんどだと思うのです。そこに建て直すということは、最初の金額ほどではないにしても、またいわゆるダブルローン、二重ローンを組まざるを
得なくなる。かつ、五分の四の賛成があっても五分の一の反対者の分まで買い取らなければいけなくなる。これは二重だけではなくて二重、三重の、実質的にはこの資金負担が本当にできるのだろうかという深刻な問題だと思うのですね。要するに、建てかえに参加しない人の区分所有権を、例えば地方住宅供給公社などのような公団、公社が買い取るというような、所有権の売買ができるような形をしてあげて、かつ五分の四というところも大幅に緩和をしなければ、なかなか抜本的に問題というのは解決しないのじゃないかというふうに思うのですが、建設大臣の御見解をお聞きします。
#84
○野坂国務大臣 お答えしますが、全壊の場合は全員一致ですね。一部の場合は五分の四の賛成でいいわけですね。だけれども、全壊の場合も今回は特例で五分の四にしよう、それで買い取っていただくようにする。それで話し合いができればいいと思うのですよ。だけれども、話し合いができない場合は、買い手もない、どうするんだ、おれたちも金がないんだと。しかし、復興は急がなければならぬし、建設も非常に緊急な問題である。
 そういう状態のときに一体どうするかという場合は、地方自治体が中心になりまして、もちろん建設省、政府も応援をしますけれども、土地を兵庫県なら兵庫県、神戸市なら神戸市が買い取って、そしてその復旧、復興に役立つようにしてマンションを建てかえる。そして、建てかえた後に、新しい方々にお入りいただけませんか、こういうふうな話をしてそこに入っていただく。ということになれば、当面の間肩がわりをして地方自治体がやる、そのためには国としては積極的に支援をするというのはきょうの提案の法律に出ておるわけですから、積極的に国としては支援をして、早急にマンション建設のために努力をしてまいりたい、そういうふうに考えております。
#85
○赤羽委員 それと、ここ数日の新聞報道なんかによりますと、いろいろな不動産会社が、定期借地権を利用したシステムでいろいろな御提案があるようでございますが、その置かれた方たちの状況というのはいろいろだと思うのですね。同じマンションの中でも、最近入ったばかりでローンが残っている方もいれば、もうローンが終わっている方もいる。また逆に、ローンは少し残っていながら、もうリタイアして収入がなく、もう年金生活をしているだけの人もいる。ですから、いろいろな選択肢を設けて、細かい規制はできるだけ緩和して、選択の余地を与えていくということをしていかないと、この問題というのは根本的には解決できないものだというふうに思います。
 それで、あと、住宅金融公庫なんかも災害復興住宅融資で随分頑張っていただいているというふうに認識しているわけであります。この限度額なんですが、これは従来どおりなんですか。限度額を拡充をしていただくという考えはないんでしょうか。
#86
○野坂国務大臣 ちょっと長くなりますけれども、いろいろ問題点がたくさんあるだろうと思うのですよ。
 先生は特に地域の皆さんと密接な関係がありますから申し上げておきますが、一般住宅相談というのがありますね。それから戸建ての住宅復旧相談、それから分譲マンションの復興相談、一つのところに全部おって、建築士会とか住宅金融公庫とか宅地建物取引業協会とか、全員がそこに張りついておるわけですね、どういう相談でも応じられると。したがって、たしか二千七百十万だと思いますけれども、三年間を五年間にして、これを三%にして、国の助成を〇・五出して、そしてあとは地方自治体に協力をしてもらう。何%下がるかわかりませんが、今話し合いをしておるところです。
 したがって、それの微細にわたる問題についても、先生は特に必要であるというふうにお考えのようですから、事務当局から数字を挙げて詳しく説明させます。
#87
○梅野政府委員 先ほどから大臣の方から基本的なことについての御説明を申し上げたわけでございますが、定期借地権の問題その他、いろいろな手段方法を講じて、先生御指摘のように、被災マンションの再建については、個別の条件がそれぞれいろいろと重なっておるわけでございますので、できるだけその個別の条件に合った対応に努めていきたいということで、いろいろな準備をしているということでございます。
 それから、先ほどの貸付限度額の引き上げの問題でございますが、マンションにつきましては約一千万円、二千七百十万円という数字をもってこれに当たろうということで考えておるところでございます。
#88
○赤羽委員 それと、住宅金融公庫だけのローンで家を買っている方は少ないと思います。それにあわせて民間金融機関から金を借りて、合わせでつくっている。
 大蔵大臣に伺いたいのですが、この債務の残高に対するリスクというのは、その借りた個人に一〇〇%負担させるべきものなんでしょうか。こういった天災のときに、貸出側の金融機関も応分のリスクを背負うべきだというお考えに対してはどうでしょう。
#89
○西村政府委員 今回の震災に際しましては、被災者の方に対しまして、民間金融機関及び先ほどお答えになりましたような住宅金融公庫において、新規融資、既往債務の取り扱いにつきまして、被災者の便宜を図るよう配慮をしておるところでございますが、今般のこれらの措置は、被災者に対する住宅への措置が極めて重要な問題であるということを認識いたしまして、被災者の負担を真に軽減するためにどのような施策を総合的に組み合わせていくことが望ましいかを真剣に検討した結果、政府としてとり得るぎりぎりの限界として講ずることとしたものでございます。
 ところで、今御指摘の債務の削減というような問題につきまして申し上げますと、住宅ローンの債権者ということになりますと民間の金融機関ということになるわけですが、その貸付債権というものは、一方においては、預金者から預かったお金を運用しているという性格のものでございますので、これを国が強制的に免除する、減殺するというようなことは、現行の制度のもとにおいてはできないという点も御理解をいただきたいと存じます。
#90
○赤羽委員 現行の制度のもとではそんなことはできないというのは当然わかっているのですが、事が事でありますし、できる限り精いっぱいのと今ありましたけれども、そこをさらに、これから問題がかなり出てくると思うんですね、この件については。ですから、最大限の措置をお願いしたいと思います。
 また、これは続けて質問をしていきたいと思いますし、またあと、先ほど大臣答弁にもありましたが、きょうの毎日で、公庫融資の無利子も検討しているという記事も出ておりますので、何とか、これも最大限、御努力をお願いしたいというふうに思います。
 それで、住宅金融公庫の金を借りるにしても、今回の減免措置の申告をするにしても、ほとんどが罹災証明書というのが必要書類として挙げられているのですね。この罹災証明というのはかなり問題が多い。各市によってその罹災証明の基準が違う。
 これは何か、いろいろなところで質問しても要を得ないような御答弁が多かったのです。報道によったり、いろいろ見聞きするのですが、例えば、尼崎ではかわら一枚でも罹災証明を発行していただいた。しかし、一番被害の多かった神戸市では、かなり罹災証明、多分今は一割ぐらいしか発給されていないと思いますが、進んでいない。この辺の実態について、自治大臣ですか……。
#91
○吉田(弘)政府委員 罹災証明の御質問でございますが、これは御案内のように、義援金とかあるいは各種の融資を受ける際に提出が義務づけられている、あるいは奨学金の返還猶予の申請や税の申告の際に、その交付を受けていればその提示が求められるというふうになっているわけでございます。
 今お話しございました、各市町村によってまち
まちではないかという話でございますが、罹災証明は、御承知のように、この事務は市町村の固有事務ということになっておりまして、申請に係る事実の確認ができる限り証明ができるというふうになっているものでございます。各市町村におきまして、被災状況の現地調査等によって事実の確認を行いまして、これに基づいてその発行の可否を判断をしているわけでございます。
 そういう中で、被害の状況につきましては、各市町村において確認した事実に基づいて判断をするわけでございますが、災害の被害認定基準につきましては、「災害の被害認定基準の統一について」という昭和四十三年の内閣総理大臣官房審議室長の通知がございます。これにおいて示された統一基準により行うようにということで、県の方から各市町村に通知をされておりまして、そういうことでやっているというような状況でございます。
#92
○赤羽委員 ですから、罹災証明書というのがどうでもいいような書類だったら今のままで構わないと思うのですが、今御説明ありましたように、これから受けられる特別融資等々のすべての申請に必要な重要な書類なんだ。
 実際、要するに神戸で申請に行った。当然、自分の家が危ないといって戻ってはいけない。あれは、建設省が余震対策ということで赤紙、黄色紙、緑紙を張っていただいたわけですけれども、黄色紙になっている。家に戻れない、避難所生活をずっと続けている。四時間も五時間も並んで罹災害を申請したら、おたくはだめですと言われる。今神戸市では再調査を受け付けているのですね。そして、その再調査をする。そうすると、またその調査をしに、今大変忙しい市の担当、区の担当が行って再調査をしているのです。こんなむだなことを本当にする必要があるのかなと。
 例えば復興促進地域みたいに、指定された地域はもうすべて罹災したという証明を出して、それ以外の地域、指定されていない地域では、申請に応じて調査に行くということの方がよほど時間の短縮にもなりますし、こんないろいろなトラブルが起こらず、また、そのトラブルに対応する職員の負担も軽くできると思いますが、その点について、自治大臣、お考えはどうでしょうか。
#93
○野中国務大臣 現地の状況は、もう委員が御承知のように、それぞれ被災証明を発行するに当たりましては、被災の状況の現地調査等を行いまして行うわけでございますし、限られた市のあるいは町の人員によってそれぞれ個別の被災状況を確認をしてから証明事務を行うわけでございますので、あの混乱期において、被災者の皆さん方のこの証明事務に十分対応できなかったことは私どもも承知をいたしておりますし、あるいは全壊、半壊、一部損傷ということについても、私の方はやはり半壊だと思う、いや全壊だと思う、見解が分かれて、そして他の府県から応援に来た皆さん方の応援もいただきながら被災証明の調査をやったわけでございますから、十分納得のいかれる証明事実になっていなかったということも聞いております。
 それだけに、被災者の声を聞きながら、改めてまた現地に行って調査をするといったような状況もあったわけでございまして、やはり被災の現状から考えまして、こういう一部の混乱があったことは私どももよく承知をしておるところでございまして、今後は証明事務の迅速な処理をできる限り、それぞれ、単なる神戸あるいはその近隣市町だけでなく、他府県の職員の応援の方もいただきながら敏速に処理できるように、そして被災者の要請に一日も早くこたえられるように今指導をしておるところでございます。
#94
○赤羽委員 重要な書類ですので、被害の少なかったところはほとんど全面的に出してもらって、一番被害の深刻なところでその審査が厳しいなんというおかしな不公平が出ないように、何とかよろしくお願いしたいと思います。
 残された時間も少なくなりましたので、次に移りたいと思います。
 地元の公共職業安定所なんかを回りますと、大変な数の職を失われた方たち、また事業主の方たちも雇用調整助成金の御相談で来られているわけでございます。これは先週の労働委員会でも質問をさせていただきました。相談件数も、これ、労働省からいただいたのは、この一月弱で、事務所、雇用主の方ですね、約一万八千件、求職者、これもまた一万七千七百件、これはもう通常の年間ベース以上の方たちが来ている。
 私の知る限り、労働行政、特例給付という形で、まずその人たちの生活優先ということで、今まで雇用保険に入ってなかったところも遡及制度、措置をフルに使っていただいている。大変感謝している次第なんでございますけれども、先ほども言いましたように、今は自宅待機、この年度末に解雇というような話もかなり出てくると思います。また、今回地場産業ということでケミカルシューズ、有名になったわけでございますが、これは約五百社、就業人口五万人のこのケミカルシューズのところもほとんどやられている。どれだけ再開できるかわからない。
 神戸はこれまで、重厚長大ですか、いわゆるリストラをして工場を移そうとしていた企業が実は多くて、これが今回のいわゆる大震災によって工場を閉め、ほかに移転するような形がある。雇用機会がもう先細りというか、明確にこれから失業者の問題は大変だなというふうに思うわけでございます。
 今、雇用保険といいましても、半年とか十カ月の話であります。どれだけ、本当に雇用保険で対応できるだけの数でおさまるのかどうか。毎日新聞なんかでは、失業者六万人に上るかみたいな形が出ておりますので、その辺の見通しをまず聞かせていただきたいと思います。
#95
○浜本国務大臣 お答えをいたします。
 議員が地元議員といたしまして、被災者の雇用対策に非常に熱心に御協力をいただいておることに対して、厚く感謝をいたしたいと思います。
 また、私ども労働省といたしましては、雇用対策は震災対策の最重要課題として総理から積極的に取り組むように指示をされておりますので、全力を挙げて取り組んでおるような次第でございます。
 では、どういう問題についてどのように取り組んでおるかということを……(赤羽委員「その辺はよく理解しております。どのくらいの見込みになるか」と呼ぶ)それはまだはっきりした数字がつかめておりません。きょう私の方も担当の方に申しつけまして、せめて今週中、全力を挙げてその数字を集約するように今指示をしておるところでございます。
 先生御指摘のように、三万五千件に余る相談件数でございますので、相当の離職者があるいはまた雇用調整助成金を活用される方が出ると思いますが、これは現在の予算の中で十分対応できますので、御安心をいただきたいと思います。
#96
○赤羽委員 ありがとうございます。
 その対応ができるといいましても、雇用保険というのは永久の制度ではないわけでありますし、要するに、やはり企業が生き返らなければこの雇用問題は解決しないというふうに思うわけでございます。
 ですから、特に神戸というのは中小企業が多いわけでございまして、この中小企業に対するいろいろな融資もしていただいているわけでございますが、通産大臣にお聞きいたしたいのですが、県の復興基金を使って今二・五%の部分を無利子にしていただけるような動きもあるやに聞いておるのです。ぜひこの点だけはお願いしたいという声が強いのですが、大臣に御答弁を願いたいと思います。
#97
○橋本国務大臣 細かい前置きはもう省かせていただきます。そして、国の仕組みは既に御承知のとおりであります。
 県や市におかれまして、国の協力を得て、これらの融資、今二・五%まで下げているわけですけれども、これに利子補給を行うことによって、当初三年間を実質、被害者の方々に受け取っていただくときには無利子にする、今その準備が進んで
おると承知をしております。
 それと同時に、今、委員、一つつけ加えさせていただきますが、おかげさまできょうようやく、現地の方から、場所が決まり、仮工場が建てられることになりました。県市の手続が終われば、我々としては三月末までには中に入っていただける状態のものをつくり上げられる。今、県市の手続を待っておるところであります。
#98
○赤羽委員 この無利子の融資、無利子・無保証・無担保、言い出せば虫がいいと言われるかもしれませんが、本当に、もうすべて失ったところから再興させるという意味で、ぜひ実現のほどをお願いしたいと思います。
 また、今仮設工場のお話だと思いますが、要するに、よくケミカルシューズほかでという話もありますが、組み立て工場だけだとなかなかだめなんですね。靴の、縫ったり、色づけをしたりとか、本当に家内零細工業というか、家をあけるとそこでミシンでやっている。そこの部分も仮設工場でカバーされるのかどうか、その辺はどうなんでしょうか。
#99
○橋本国務大臣 今、仮設工場として長田区内に三カ所の候補地が挙がってまいりました。そして、そのうちの一つは機械関係でありますが、他の二カ所はケミカルシューズであります。そして、一つ一つの業者の方々がお入りになる形のものと、ある程度の広いスペースをとりまして、今委員が言われましたような細かい組み合わせ、その中には零細な業者の方々もあります、それがチームとしてお入りをいただけるようなスペースを用意した、そうした建物も用意をいたしました。連関したそれぞれの部分が中に入っていただけるような形になっておると私どもは思っております。市の方で入居のときにその辺は十分御判断をいただければ、十分対応できると思います。
#100
○赤羽委員 ありがとうございます。
 あと、そういう地場産業を立て直すということが大事だと思うのですが、先ほど言いました、これまで神戸を支えてきた工業というのは、産業というのは、非常にリストラを進めていく、どちらかというと伸びる状況じゃないというか。ですから、要するに本当に神戸を復興させるためには、運輸委員会で聞いたのできょうちょっと予定あったのですけれども省きますが、神戸港を二年間で復興させていただけるというお話がありましたが、二年たったらその間に、後背地の神戸港を支えている企業、産業が没落したりなくなってしまっては、港ができても物流が流れてこなければ神戸の復興はあり得ないというふうに思うわけであります。
 それで、この特別融資はもちろんありがたいのですが、何とか新しい産業を誘致できるような環境をつくっていただけないかというふうに私は思うわけでございます。貝原知事も先日どこかで言われていたと思いますが、例えば中国での経済特区をこの復興推進地域にかけて関税をフリーにするとか、今こういった状況の中であそこに会社を、企業を持ってくるというのはなかなか難しいと思いますが、そこに持ってくれば、例えば法人税は免除するとか、三年間なりなんなり期限を切って、そこだけは規制を外して、一つは規制緩和の推進モデル都市にするような大胆な抜本的な取り組みをしていただかないと、雇用機会を創出と口で言うのは簡単ですが、本当に極めて難しいんじゃないかと思うわけでございますが、そういったお考えというのはないのかどうか。
#101
○橋本国務大臣 私は、この部分は役所の紙でなしにお答えをしたいと思うのでありますが、確かに委員が心配されるような問題点は私も懸念をいたします。そして、そのFAZについての御要望も伺っております。
 しかし、私は、神戸の場合に、何をいいましてもやはり国際港としての機能を回復することが最大であり、同時に、今までの神戸港と同じものができたのでは、私はその役割は十分には果たせないと思います。そして、従来から一つの問題でありましたのは、日本の国際港の中で二十四時間、週末をも含めて荷揚げのできる港というものはごく限られておりました。神戸港も、その意味では限界のある港であります。そしてそれが、アジアにおける競争の中で神戸港が徐々に地位を低下してきた原因でもありました。
 今、県も市もそれぞれに計画をおつくりになっておられます。政府としても復興委員会を今度設置をしていただくわけでありまして、大所高所からの御指導がいただけると思います。我々も全力を尽くしますけれども、やはり私は、神戸港というものが、これからの青写真の中で二十四時間荷揚げのできる、そして勤務のローテーションをどういうふうにされるか、そういう問題はあるでしょうけれども、週末でありましても荷揚げのできる、そうした機能を持つ港に生まれ変わっていただきたい、それは逆に神戸の復興のかぎになる、そのように信じております。
#102
○赤羽委員 ありがとうございます。
 ですから、神戸の港の復興というのはもうおっしゃるとおりだと思いますが、それと同時に、本当に新しい産業を、産業群、企業群を誘致しやすいような通商行政をぜひ大胆に推進していただきたいと思います。
 時間が参りましたので、あと、本当は国立病院の災害医療センターの設置と、きょうの本会議でも出ていました私学復興についての特別の助成、そして第二次補正予算の財源問題についてお伺いをしたかったのですが、また次の、次の機会があるかどうか最後の問題はあれですけれども、復興は時間がかかるわけでございますから、一つ一つ真剣に質疑をさせていただきたいと思います。
 きょうはどうもありがとうございます。
#103
○佐藤委員長 この際、上田清司君から関連質疑の申し出があります。赤羽君の持ち時間の範囲内でこれを許します。上田清司君。
#104
○上田(清)委員 同志のお許しをいただきまして関連質問をさせていただきます。新進党の上田清司でございます。
 政府の皆さん、連日御苦労さまです。阪神・淡路の大震災から三十七日、今後の復旧、復興の対策のために、また望ましい危機管理体制のために、改めて若干の検証をさせていただきたいと思います。
 私は、阪神・淡路の大震災とロサンゼルスのいわゆるノースリッジの地震についての比較をちょっとしてまいりました。少し聞いていただきたいと思います。
 期せずして、ちょうど一年前のロサンゼルスは一九九四年一月十七日、四時三十一分、そして阪神・淡路はことしの一月十七日、五時四十六分、極めて近い時間でもあります。震源の深さは二十メートル、ロサンゼルスは十八メートル。マグニチュードが七・二と六・七。震度が六−七と五−六。そして倒壊家屋が、阪神・淡路は全壊が九万三百一、ロサンゼルスが一万四千、約六・四倍阪神地区の方が多く倒壊しているわけであります。負傷者が三万四千六百六十二、ノースリッジの方が九千三百四十八、ここは約三・七倍阪神地区が大きな負傷者を出しております。火災が、阪神が五百二十四件、ノースリッジの方が百件、ここが約五倍でございます。死者、阪神・淡路地区が五千四百二十、一応二月二十二日付にしております。そしてノースリッジの方が六十一人。九十倍です。ここに私は大変な驚きを感じております。
 もう一度申し上げますが、家屋の倒壊は六・四倍、負傷者は三・七倍、死者は九十倍(火災は五倍。いろいろな環境、条件が違うこともあえて承知の上ですが、死者の数が余りにも多い。こういうことについて、担当大臣、そして総理の所感を伺いたいと思います。
#105
○村瀬政府委員 兵庫県南部地震のマグニチュードは七・二でございます。それから、ノースリッジ地震につきましてはマグニチュード六・七でございますので、まず地震そのもののエネルギーの規模がノースリッジ地震に比べまして五、六倍であったということは言えようかと思います。
 それからもう一つ、震度につきまして、兵庫県南部地震では、神戸市の中心部等かなり広い範囲が震度その揺れがあったことに対しまして、ノー
スリッジ地震では、ロサンゼルス郊外の一部地域で日本の震度階で言う六相当の揺れがあったというような、基本的な違いがあるということをまず申し上げたいと思います。
#106
○村山内閣総理大臣 今局長から答弁もございましたけれども、今般のこの兵庫県南部地震というのは、昨年一月にロスで発生しましたノースリッジ地震について負傷者数や倒壊家屋数等を単純に比較することは、両国の統計の基準のとり方も違いますから、単純に私はできないと思うのです。
 ただ、今お話がございましたように、地震の規模につきましては、兵庫県の場合にはマグニチュードは七・二、ノースリッジ地震の場合には六・七と大分差があるわけです。同時に、この兵庫県の南部地震では、神戸市の中心部等から広い範囲で震度その大きな揺れが生じたのに対し、ノースリッジ地震では、ロサンゼルス郊外の一部地域で我が国の震度六相当の地震があった、こういうところにも私は差が見られると思うのですね。
 したがって、この震度七という激震により家屋倒壊が激甚であったことは、また死者数が多かったことについては、そういう意味の違いの原因もあったのではないかというふうに私は思います。したがって、単純に比較することは無理があるのではないかというふうに思っております。
 ただ、今回の政府の対応についていろいろと御批判があることは私も十分承知をいたしておりまするし、こうした御批判には謙虚に耳を傾けながら、見直すべきものは率直に見直して、今後の災害対策に万全を期していかなければならぬということについては御意見のとおりであります。
#107
○上田(清)委員 率直に反省していこうということでございますので、早速大いに反省していただくためにも、官邸の対応とスーパーダイエーの対応について、危機管理の対応、それを御説明しながら参考にしていただきたいと思います。
 五時四十九分に、ダイエーの社長、副社長は地震のニュースをテレビで知っております。そして、五時五十五分に社長から副社長に連絡をとっております。六時に村山総理はテレビで地震を知ったというふうなお話をされております。そして六時三十分に、実はダイエーの方は現地営業本部長より被害状況がどんどん入るような仕組みになっております。
 七時に、いわばダイエーでは閣議にも当たる役員会が浜松町のオフィスセンタービルで災害対策本部を設置して、会議と、全国から三百人の応援部隊を現地によこすような指示をしております。これは、政府が閣議で十時に災害対策本部をつくったのから比較しますと三時間前にそうした指示をきっちりとやっているという、大変これは民間の危機管理体制としてはすばらしいなというふうに私は思っております。それから七時三十分には、ヘリコプター、フェリー、トラック等の手配を現地対策本部長、専務に命じております。
 総理は、九時二十分に月例経済報告の関係会議に出ておられますが、もう少しある意味ではしっかりした、しっかりしたというよりも早目に災害の問題について取り組みを指示するようなことをお考えにならなかったのでしょうか。これが一つ質問でございます。
 そして、十時に定例会議を、閣議をやっておられます。ダイエーにおくれること三時間。そして小澤長官に現地に飛ぶようにという御指示をされたというふうに私は知っておりますが、その後、十一時五分に二十一世紀地球環境懇話会に出ておられます。この時間には、現地の本部長であります専務がヘリで現地に飛んでおります。
 十二時七分に政府・与党首脳会議をなされまして、この席上で秘書官の方から死者が二百名を超したというメモが入り、総理はえっと驚いたというふうに承っておりますが、これは本当に驚かれたのでしょうか、それともこのお話はないのでしょうか、後でまた答えてもらいたいと思います。
 十二時十分に、福岡から百二十名、東京から二百四十名、ダイエーの方は応援の派遣を出発させております。十二時四十五分に、現地対策メンバーは神戸ポートアイランドに到着しております。十四時七分、武村、河野、羽毛田主席内閣参事官が施政方針演説の検討会をなされております。そして、ダイエーにおくれること二時間三十八分、十四時三十八分、小澤長官が入間基地より航空自衛隊の輸送機で飛び立っておられます。ダイエーでは、現地対策メンバーがこの時間には既に復旧に向けての活動をしております。
 十五時二十分に藤原国土庁事務次官からの報告を受けて、総理は協議をなされております。このときに初めてある意味では被害の状況をよく把握されたのかなというふうに思います。それを受けた上で十六時の記者会見になったのではないかなと私は思っております。十六時二十分に、小澤長官がヘリで神戸に視察に飛んでおります。十八時に、東京浜松町オフィスセンターと現地対策本部との間で衛星通信が稼働しております。
 こういう一日の官邸の流れとダイエーの危機管理体制の流れを見ていますと、常に同じような仕組みの中では二時間から三時間のおくれが出ているように思います。もちろん、仕組みも中身も違う、民間と政府だ、いろいろな意見があるでしょう。しかし率直に、総理、反省すべきものは反省する、いろいろなお話をされておられますから、こういうことに関して、二つほど質問を申し上げておりますが、その質問と、ダイエーのこうした迅速な動きについて、政府と比べて一体どのような感想を持たれるか、お聞きしたいと思います。
#108
○村山内閣総理大臣 今、ダイエーが今回の地震に対してとられた措置について、これは私も文書をいただいて拝見させていただきました。これは、ダイエーという一企業の中でこういう場合、起こった場合にどういう対応をしていくかというマニュアルがきちっとやはりつくられているわけですね。私は、これはこれから危機管理の体制をつくっていく上で参考になるというふうに、十分そういう受けとめ方をして拝見をさせていただきました。
 ただ、申し上げておきますけれども、地震があったとき、正直に申し上げまして私は六時過ぎにテレビのニュースで最初に知ったわけですね。そしてすぐ秘書官に指示をして、直ちに現状について報告してくれということを連絡をとって、そして七時半ごろ、警察庁と国土庁だと思いますけれども、その連絡を受けて、そして情報の第一報が入ったわけです。
 そのすぐ直後に官房長官から、今度のこの地震は相当被害が拡大しそうだ、したがって非常災害対策本部を設置するように指示をした、こういう連絡を受けましたから、それはよかったと言って、そして十時からの閣議で非常災害対策本部を設置をして、そして専任の大臣も決め、同時に私が本部長となった緊急対策本部も設置をして、非常災害対策本部を閣僚全員がバックアップをして一体となって取り組めるような体制をつくっていこうと言って措置をしたわけです。
 同時に、それだけでは足りませんから、これは県やら市と十分連携をとってやらなければなりませんから、したがって、現地にも国土庁の政務次官を本部長とする関係各省庁の担当者を派遣をして現地対策本部も設置をして、そして現地と中央と十分連携もとり合う、同時に地方自治体とも緊密な連携のもとにこの執行ができる、こういう臨機応変に対応できるような態勢もとってやってきたところでございますから、その点については御理解を賜りたいと思うのです。
 同時に私は、現地における皆さん方は、みずから被災者でありながら、警察の職員も、市の職員も、県の職員も、消防署の職員も、不眠不休で頑張ってきておる、その努力に対してはもう心から敬意を表したいというふうに思いますけれども、今ずっと、これまでも申し上げておりまするように、今のダイエーの問題とも比較をして、危機管理の体制における初動の態勢について、御指摘のあったような、あるいは御批判のあったような点については、率直にやっぱり改めるべき点は改めなければならぬ。
 そして、あすあったときにどうするかといった
ようなことにつきましても、今の体制の中で、今の制度の中で、今の仕組みの中でできる点は十分ひとつやろうではないかということで、関係各省庁の担当者を集めて、そしてチームをつくって検討していただいて、そして先般の閣議でも決めて、対応できるだけの措置を講じたというところでございますから、御理解を賜りたいと思います。
#109
○上田(清)委員 政府の対応とダイエーの対応と、早かったか遅かったか、率直な感想はどうですか、例えばダイエーがすごく早いなとか。
#110
○村山内閣総理大臣 ですから、ダイエーという一企業の中における危機管理の体制と、そして国全体あるいは県、市等々を含めた体制の中での話ですから、私は、それをそのまま比較をすることは無理があると思いますけれども、しかし、先ほど来申し上げておりますように、ダイエーがとられたいろいろなマニュアルを見ますと参考になる点は十分あるというように思いまするし、今の、現制度における危機管理の体制につきましては、皆さん方からも批判をされておるし、意見もちょうだいいたしておりますから、そういう点については率直に受けとめて、直すべき点は直し、改める点は改めて、危機管理の体制というものを緊急に確立する必要があるというので、先ほど来申し上げておるような措置を講じてまいりましたということを申し上げておる次第であります。
#111
○上田(清)委員 率直に反省すべき点は反省するという、そういうお考え方ですけれども、一月の二十日の私たちの同僚議員であります二階俊博議員の発言に対して、大変率直に、初めてのことであり、多少混乱があったという、そういう答弁をされた。しかし、その後、二月十四日の衆議院の本会議で、山崎広太郎議員の質問に答える形で……(発言する者あり)大事なことなんです、大変な。これは被災地のことであったという答弁を総理はなさいました。これが実は、先ほど言われたように、被災地の方々は大変熱心にやっておられた、御苦労をなさっているということに関して、大変これは失礼な話でもありませんか。いいですか、被災地の方々に対して、混乱していたのは被災地だったとあなたは言ったでしょう。論理が合わないと思いませんか。
#112
○村山内閣総理大臣 いや、私が本会議で答弁をしたことにつきましては、若干の説明不足と舌足らずの点があったということは、私も率直に認めます。
 ただ、私が申し上げたのは、初めてのことでもあり、早朝のことでもあり、若干の混乱があったのだろうと思いますということは、それは現地を考えた場合に、五時四十六分ですね、早朝です。しかも、こういう大地震があるなんてことはだれも想定していませんわね。突然、これは自然災害ですから起こったわけです。みずから被災をされた方がたくさんあるわけですよ。
 そういう方々がこれから、救援やらいろいろなことに携わらにゃいかぬという意味では、交通渋滞もあろうし、倒壊した家屋もあれだけあるわけですから、そういう意味における現地の混乱というものは十分想定できるという意味でこれを申し上げたので、そういう混乱の中から立ち上がって、一生懸命頑張って、不眠不休で努力している皆さん方には心から敬意を表したいということも、また改めて申し上げたところでありますから、私は素直にそういう気持ちで申し上げたということを御理解賜りたいと思うのです。
#113
○上田(清)委員 一月二十日の答弁の文脈を丁寧に読めば、被災地のことだということは絶対に考えられない文章ですよ。
 議事録をお読みいたします。
 政府の危機管理体制についての御質問でありますが、と、わざわざ政府の危機管理体制についての御質問でございますがという前置きを言っておられます。そして、災害対策云々……(発言する者あり)読んであげましょう。
 災害発生時におきましては、関係機関に対する迅速かつ的確な指示が実施できるよう政府の防災体制をとっているところでございまして、自衛隊等の対応につきましても、発生後直ちに伊丹で第三六普通科連隊が災害派遣を実施してきたところでございます。
 また、災害対策を円滑に実施するため、地方公共団体に対しましても必要な指示や要請を行ってきたところでございます。
 しかし、今から振り返って考えてみますると、何分初めての経験でもございますし、早朝の出来事でもございますから、幾多の混乱があったと思われまするけれども、いずれにいたしましても、防災上の危機管理体制の充実は極めて重要な課題であると認識をしておりまして、今回の経験にかんがみながら、今後見直すべき点は見直すこととして、危機管理体制の強化に努力をしてまいりたいと考えているところでございます。文字どおり、政府の対応の話であって、被災地の話ではないのです。
#114
○村山内閣総理大臣 ちょっと、その議事録を見せてください。――いや、今あなたからこの議事録を、私が述べた議事録を読ませていただきましたけれども、こういうふうに言っているわけですね。地方自治体に対して連絡をとり、指示もし、要請もしたところでありまするけれども、何分早朝のことであるし、初めてのことでありますからと、地方自治体ということを前提にして私は申し上げているわけですよ。ですから、指示や連絡をとり、要請もしたけれども、地方自治体の現場ではこんな混乱があったと思いますという意味のことを言っているわけですから、私の言っていることには矛盾はないと思います。
#115
○上田(清)委員 いいですか、前段でお話をしました政府の危機管理体制についての質問だということで確認をされて答弁をされているのですよ。しかも、現地が混乱していたと言いますけれども、笹山神戸市長は六時半に市役所に来ておられます。七時に兵庫県も神戸市もちゃんと災害対策本部をつくって稼働しているんですよ。それは混乱しているかもしれない、しかし一生懸命やっているんですよ。それに対して、被災地がどうして混乱をしてできなかったんだというような言い方になるのですか。
#116
○村山内閣総理大臣 いや、私はそんなことを言っているわけじゃありませんよ。(発言する者あり)いやいや、知事や市長は……
#117
○佐藤委員長 静粛に願います。総理の答弁中でございます。
#118
○村山内閣総理大臣 知事や市長がどうだこうだと言っているわけじゃないんですよ。しかし、どなたがお考えになっても、あれだけの大地震があったんですよ。倒壊家屋があって、あれだけの亡くなった方がおられるわけでしょう。したがって、混乱が現地になかったなんということはどなたも想定しないと思いますよ。
 私は前段に、地方自治体に連絡をとり要請もした、しかし、早朝のことでもあるし、初めてのことでもあるから混乱もあったと思われますということを申し上げておるので、そのとおりに私は御解釈をいただきたいと思うのです。私が舌足らずでなくてそういう点についてもう少し詳しく説明すれば理解を得られたと思いますけれども、私は、あの文章の文脈から見て、素直に御理解を賜りたいというふうに思います。
#119
○上田(清)委員 文章の文脈で見るからこそおかしいというふうに言っているのです。
 それで、被災地における、現地の混乱ということを、もちろん混乱しているのは十分混乱しているわけですけれども、それなりに現地の、被災地の方々は冷静に行動されていたということを私はきっちり把握したいために、警察庁を通じて資料を要請いたしました。
 例えば、この間の、被災以後の被災地における犯罪の発生件数等も現地が冷静であったか冷静でなかったかという一つの、証拠とは言いませんが、状況を捕捉するようなものになるはずだということで取り寄せましたら、むしろ一月十七日から二月二十二日までの、この間のもろもろの事件は一年前のその時期よりもはるかに件数が少なくて、
極めて冷静だったということを私は申し上げたい。
 自治大臣に、現実の被災発生以後の現地の混乱の状況についてどのような判断をされるか、評価をされるか。
#120
○野中国務大臣 今委員から被災地における犯罪状況につきましてお尋ねがございましたけれども、これは直ちに全国から五千五百名の機動隊を増派いたしまして、警察官といたしましても三万人体制をもってこの治安とそして被災者の救済に当たり、交通渋滞の整理を今日まで続けてまいっておるわけでございます。また、婦人警察官を百名余り全国から配置をいたしまして、避難所を中心といたしました方々の救護あるいは慰安に当たらせておるわけでございます。また、パトカーを全国から動員いたしまして、県の職員とともに深夜に至るまで、連日二十四時間体制で被災地の警護に当たっておるわけでございます。
 そういった中から、被災地の皆さん方からも自警の組織をつくろう、あるいは全国からいらっしゃいましたボランティアの皆さんもまた活躍をいただきました。そんな中から、兵庫県の皆さん方の沈着な、冷静な対応が犯罪を大きくすることなく今日に至っております。
 したがいまして、一日当たりにいたしましても、平素のときよりも犯罪件数が窃盗等では減ってきておる。けれどもオートバイは、交通渋滞のためにオートバイの窃盗は非常に件数が通常のときよりふえておるという状況でございまして、これはむしろ、それぞれの地域における皆さん方の大きな活躍で沈着冷静に行われておることを私どもも高く評価をし、感謝をしておるところでございます。
#121
○上田(清)委員 今自治大臣の御報告にあったように、現地の方々は極めて冷静で沈着てあったという御報告がございます。確かに、オートバイだけはちょっと件数がふえたという事実もございますが、このことをすべてと言いませんが、総理、どうして被災地に混乱があったというふうな形で締められたのですか。
#122
○村山内閣総理大臣 私が現地に混乱があったと言うのは、あの十七日の早朝のことを言っているのであって、それ以後、今自治大臣からお話がございましたように、それは職員も消防署の皆さんも警察の皆さんも、全国から応援もいただいて、そして冷静沈着に救援対策に取り組んでいただいたということについては、もう本当に感謝もしていますし、敬意も表しているということはたびたび申し上げておるとおりであります。
 ですから、私が混乱があったと申し上げましたのは、地震が発生したその直後のことを申し上げておるのであって、その後時間がたつに従ってお互いに冷静に客観的に対応してきたことは当然だというふうに思いますから、誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
#123
○上田(清)委員 あくまでそういう形で総理が、この文脈における政府の危機管理体制という最初の言葉を無視されて、きちっとやれないということであれば、その次に移ります、時間がありませんので。
 それでは、総理と法務大臣にお伺いしたいと思います。先日のロッキード判決における、最高裁の判決における田中科学技術庁長官の発言に対して、法務大臣と総理の見識についてお伺いしたいと思います。
#124
○前田国務大臣 田中科学技術庁長官のロッキード最高裁判決についての御意見についてどう感じるか、こういうことだと思います。
 行政府の一員でございます閣僚が、今回具体的な事件の判決について閣僚として意見を述べることは差し控えるべきであると思いますが、田中長官の場合は、先生御承知のとおり、田中元総理の親族、長女というお立場でありますし、特に御発言の際にも、特に私的御意見、親族としての意見という前提でお話をされた発言であろう、かように思っております。
#125
○村山内閣総理大臣 今法務大臣から御答弁があったとおりでありますけれども、最高裁から出された判決というものは、判決について内閣としてとかく意見を申し述べることについてはやはり差し控えるべきだ。
 私は、しかし、このロッキード事件というものが与えた影響というものは大変大きいものがございますし、とりわけ政治家としてお互いに厳粛に受けとめなきゃならぬ事案だというふうに考えておりますから、まあそういうこともあって、国会では政治改革の問題があれだけやかましく議論されて、そして政治資金規正法の改正なり公職選挙法の改正なりなされてきたわけでありますから、その経緯も十分踏まえた上で、これは政府も国会も一体となって、襟を正して、国民に信頼をされる政治の確立のために努力していかなければならぬと思うのです。
 ただ、田中科学技術庁長官は、わざわざ閣僚としてではなくて個人としてという立場を鮮明にして、これは親族の関係もありますから申し上げておるのでありまして、この委員会でも閣僚としては厳粛に受けとめておりますということも申し上げておるわけでありますから、御理解を賜りたいと思います。
#126
○上田(清)委員 総理は、物忘れが激しいようでございますね。あなたが、社会党の委員長あるいは国対委員長をやっていらっしゃるときに、閣僚の発言に対して、個人と分けて、それであなたは納得したことがありますか。お伺いしたいと思います。
#127
○村山内閣総理大臣 いや、どういう事例で申し上げておるのか、よく私には理解ができないのです。
#128
○上田(清)委員 過去に閣僚の発言について、閣僚として、個人としてといろいろ使い分けをされたりして、そして個人としてでも現実には閣僚の責任をとらされた人たちがいます。(発言する者あり)桜井新先生とかね。いいですか、過去に、いいですか、最後まで聞いてください。
 総理、閣僚の発言の中で、個人と前置きさえすればすべてが許されるのですか。きちっと答えてください。
#129
○村山内閣総理大臣 それはやはりケース・バイ・ケースで、それは事例が違うんですから、それを比較してとやかく言われることについては私は筋違いではないかと思います。
#130
○上田(清)委員 これは、事は重大であります。なぜなら、科学技術庁長官は特許の許可を持っております、特許申請等の。そうしますと、そうした特許申請について、いいですか……(発言する者あり)いえいえ、いろいろな申請の、そういうことを判断する、そういう科学技術の、そういう部分について、科学技術の……
#131
○佐藤委員長 静粛に願います。
#132
○上田(清)委員 では、一歩譲りましょう。(発言する者あり)いや、大丈夫です、最後まで聞いてください。
 いいですか、これは極めて大事なんですよ。ある政治家が、司法の判決に対して個人という前置きさえ置けばどんな発言でも許されるとなれば、司法と立法と行政の関係、憲法すらも、これは大事な問題なんです。
#133
○橋本国務大臣 大変申しわけありません、一点だけ申し上げさせてください。
 特許は特許庁が取り扱っております。特許権の審査は、構えて私どもの役所の責任であります。
#134
○上田(清)委員 ええ、特許に関してはそうですが、科学技術の研究に関して何らかの形でそうした部分と関連しているんです。そのことを私は言ったんです。それよりも、きちっと対応を言ってください。この特許の話はいいです、もう。
 それよりも、いいですか、政治家の一個人という立場をとれば、最高裁の判決に対して何とでも物は言えるんですか、閣僚として。
#135
○村山内閣総理大臣 ですから、それはケース・バイ・ケースで判断をしなければならぬこともあると私は思いますよ。
 今回の場合には、田中科学技術庁長官みずからが新聞記者から問われて、親族ですから個人としてはということを前提にして言われていることに
ついて、私はそれなりの御理解はあってもいいのではないかと思うのですよ。そしてしかも、この席で問われた場合に、閣僚としては厳粛に受けとめておりますということまで言っているわけですから、そのことについては皆さん方にも御理解を賜りたいと思います。
#136
○上田(清)委員 肉親の情はよくわかります。肉親の情はよくわかりますが、これは大変重要な問題なんです。閣僚の立場で、個人的な見解ということで裁判の中身について、判決の中身についていろいろコメントができるということを許されるなら、これから司法をやるそうした職員の人たちの士気、モラールというものはどう考えられますか。
#137
○村山内閣総理大臣 いや、何度も申し上げておりますように、閣僚としては厳粛に受けとめておりますと本人側自身が申し上げているのですから、御理解を賜りたいと思います。
#138
○上田(清)委員 過去において、閣僚として厳粛に受けとめている、あるいは個人として何らかの形で言いましたという形で、すべて分けられましたか。(発言する者あり)中身が大事なんだよ、まさにこれは。裁判が不公平だと言っているんですよ。裁判が不公平と言っているんですよ。中身が問題なんですよ、だから。
#139
○村山内閣総理大臣 いや、これは総理として、あるいは閣僚として、出された最高裁の判決については厳粛に受けとめて、政治家としてお互いに襟を正して、信頼が回復できるようなこれからの努力もやはり一層しなきゃならぬという受けとめ方であります。
 しかも、田中科学技術庁長官は、新聞記者から問われて、これはまあ親族の関係もあって個人的に問われたんだと思います。そこで、注意深く、個人として意見を申し上げればこうですと、こう申し上げた上で、この委員会では、閣僚としては厳粛に受けとめておりますと、こう言っているわけですから、その点については皆さん方からも御理解をいただけるのではないかと、私はそう思っております。
 これはすべて、こういうことがあってもすべて云々ということを言われましたけれども、これはやはりケース・バイ・ケースで判断をすべきものだと私は思っております。
#140
○上田(清)委員 総理、個々のケース、個々のケースと言われますけれども、裁判の中身について具体的にワープロで紙に書いて、単に感想を言ったような程度じゃないのです。きちっとした判断というものを出されているのです。これはやはり大変、司法に対する一つの判断というものを閣僚として言ったと同じような意味合いを持つと私は思います。どう思いますか。
#141
○村山内閣総理大臣 先ほど答弁をしたとおりであります。
#142
○佐藤委員長 これにて赤羽君、上田君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明二十五日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後七時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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