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1995/04/14 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 環境委員会 第8号
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1995/04/14 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 環境委員会 第8号

#1
第132回国会 環境委員会 第8号
平成七年四月十四日(金曜日)
    午前九時二分開議
出席委員
  委員長 阿部 昭吾君
   理事 小泉 晨一君 理事 福永 信彦君
   理事 山口 俊一君 理事 石破  茂君
   理事 大野由利子君 理事 長浜 博行君
   理事 竹内  猛君 理事 宇佐美 登君
      金田 英行君    岸田 文雄君
      斉藤斗志二君    根本  匠君
      野田 聖子君    持永 和見君
      渡辺美智雄君    斉藤 欽夫君
      田名部匡省君    田端 正広君
      松沢 成文君    田中 昭一君
      三野 優美君    山崎  泉君
      岩佐 恵美君    中村  力君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 宮下 創平君
 出席政府委員
        公害等調整委員
        会事務局長   桑原  博君
        環境庁長官官房
        長       大西 孝夫君
        環境庁企画調整
        局長      石坂 匡身君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 野村  瞭君
        環境庁自然保護
        局長      奥村 明雄君
        環境庁大気保全
        局長      大澤  進君
        環境庁水質保全
        局長      嶌田 道夫君
 委員外の出席者
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環
        境整備課産業廃
        棄物対策室長  木下 正明君
        農林水産省畜産
        局畜産経営課長 信國 卓史君
        環境委員会調査
        室長      工藤 桂司君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十四日
 辞任         補欠選任
  逢沢 一郎君     岸田 文雄君
  松岡 利勝君     根本  匠君
同日
 辞任         補欠選任
  岸田 文雄君     逢沢 一郎君
  根本  匠君     松岡 利勝君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 悪臭防止法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第七九号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○阿部委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、悪臭防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松沢成文君。
#3
○松沢委員 皆さんおはようございます。長官並びに関係者の皆様、朝早くから大変御苦労さまでございます。
 それでは私は、新進党を代表して、悪臭防止法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。
 まず、大局的な視点から長官に、今回の悪臭防止法改正の目的とその必要性について伺いたいと思います。
#4
○宮下国務大臣 御説明申し上げます。
 提案理由で説明を申し上げたとおりでございますけれども、まず悪臭の現状でございますが、工場、事業場等につきまして現在アンモニア等二十二の個別物質の濃度規制でやっておりますが、これで対応できない複合臭、複数の物質が複合して強いにおいを発するものでございますが、複合臭が原因の悪臭苦情が非常に多くなっております。特に、調理でありますとかペットの飼育等、国民の日常生活に伴いまして発生する悪臭の苦情が五千件以上になっているというような実情、苦情がございます。
 今回の改正の目的あるいはその必要性についてでありますが、こうした工場、事業場等からの悪臭に対する嗅覚測定法に基づく規制基準を導入したらどうかということが一つ、それから悪臭の防止にかかわる国民の努力を明確にしていきたいということが第二点目でありまして、この二点を中心として法律で位置づけまして、悪臭の実態に的確に対応する措置を講じようとするものでございます。
 また詳細な御議論がこれから展開されると思いますけれども、私どもは、今までの個別の二十二の規制物質だけではどうも不十分であるという前提で、嗅覚法という方法を用いてさらに徹底を期していきたいというのが法案の提案の理由でございます。
#5
○松沢委員 今長官の御説明の中に、複合臭というか幾つもまざったにおいで、その一つ一つの物質の数値は規制内だけれどもまざったにおいだと臭くなる、こんなにおいというのも出てきた、また、生活関連の事業所、そういうところからのにおいも多くなってきて、以前とにおいに対する公害の様態が大分変わってきて、それが今回の改正の必要性の一つの要因であるというお話がありました。
 この法律は昭和四十六年に制定されて以来これまで一度も改正をされていないわけですが、こうした複合臭ですとか生活関連のにおいへの苦情というのは、ここ二、三年急にふえてきたというよりも徐々にふえてきていると私は思うのですね。昭和四十六年の制定以来これまで一度も改正を行わなかった理由というのはどの辺にあるのか、お聞かせいただきたいと思うのです。
#6
○大澤政府委員 御指摘のようにこれまで一度も改正していなかったわけでございますが、この法制定当時、主たる悪臭の原因となっている考え方としては、個別物質濃度に着目した規制によって悪臭を防止することが当時としては最も有効適切な規制方法であるということから現在に至っているわけでございます。その間、政令によって順次悪臭物質の追加を必要に応じて指定してきたわけでございまして、当初五物質だったのが今日では二十二物質まで増加しているという状況でございます。
 私どもとしては、機器測定の現行法以外にも、悪臭について嗅覚に基づく方法というものも当時からいろいろなところで議論されたりあるいは試行されていることは承知しておりまして、一方あわせて、個別の物質濃度で必ずしも対応できないというようなことがその間に地方自治体とかあるいは専門家、いろいろな研究者のサイドから指摘もされておったというようなことで、私どもも、あわせてといいますか、その後間もなくこういう方法についても十分研究する必要があるということで、科学的な収集とかあるいは研究、調査検討もしていただいてきたわけでございます。
 特に五十年代に入ってから、私ども、その調査研究の結果を踏まえて実際にフィールドでも使っていただいたり、あるいは一部の自治体では既に指導要綱とか条例等でも使われた実態もありますので、そういうところから実態値のデータを十分集めまして、その結果、嗅覚測定に関する方法論あるいは技術的なものについてもほぼ出そろったということで、先日専門家の集まりである審議会においてもこの方法が適当であるという結論が得られたので、今回改正に盛り込んだわけでございます。
#7
○松沢委員 ただいま嗅覚測定法、その技術的なものに対することが大きな理由の一つだという説明がありましたけれども、と同時に、先ほど長官が言われた第二の理由、環境の負荷の低減に対して国民が義務を負うというような環境基本法というのが一昨年でしたか、日本でもできて可決をされた。この中に、国民もいい環境をつくるために努力しなさいという義務ができたわけですね。それに対応するような形で悪臭防止法も環境の負荷の低減というのを義務づけるという意味で今回改正されたという要素もあるのでしょうか。
#8
○大澤政府委員 今技術的な問題を申し上げたわけでございますが、まさに御指摘のように、一方都市化が進んで住宅が非常に密集したりあるいはいろいろな商業地域も密集して、混在するというか集中するようになりまして、隣近所あるいは付近のにおいも、従来のように工場とか事業場のはっきりした事業活動に基づくもの以外のにおいの問題というか苦情、法律的に直ちに規制するほどでないにしてもそういう問題もふえつつあるというようなことから、これもやはり環境基本法の、国民も環境保全のために参加していくというようなことからも、今回の悪臭防止法の改正についてもそういう趣旨を込めて、国民の努力義務をこの際盛り込むようにしたところでございます。
#9
○松沢委員 次に、この法規制対象悪臭物質、私、ちょっと難しい名前で全然内容はわからないのですけれども、今後こういう特定悪臭物質の追加予定というのはされているのか。
 また、この表を見させていただくと、一号規制というのは全部これはされているわけですね。ところが、煙突だとか排水の二号規制、三号規制というのはされていない物質が多々あるわけですけれども、こういう二号規制、三号規制のされていない物質を規制していくという方向性もあわせて持っているのか、伺いたいと思います。
#10
○大澤政府委員 現在、先ほども申しましたように二十二物質が特定の悪臭物質として指定されているところでございます。現時点では事業場等についての規制についてはおおよそカバーできているというぐあいに考えておりますが、今回臭気指数による規制の導入によって、さらにきめ細かく対応できるということになったわけでございます。
 しかし、今後、産業構造とかいろいろな変化なり進展があろうかと思います。そういうことによって、いろいろな悪臭公害の主要な原因となる物質もあるいは特定して出てくる可能性はあろうかと思いますし、またさらに、これらの当該物質の大気中の濃度の測定が比較的容易であれば、やはり現行の測定方法というものも十分有効でございますので、そういう条件を満たした場合には、さらに追加という事態も出てくるかと思います、
 それから、二号、三号の規制基準の設定の問題でございますが、これはとりあえず一号規制によって、あと二号、三号の規制基準の設定の仕方というのは、もともと一号が基本になって二号、三号が設定されてくるという技術的な問題がございます。したがって、一号を動かした中で、今後できるだけ早期にそれらのデータを踏まえながら二号、三号を設定していくという考えでおるところでございます。
#11
○松沢委員 この法案の中に「測定の委託」というのがありまして、地方公共団体が独自で悪臭の測定をすることができない場合などには「総理府令で定めるものに委託することができる。」というふうになっていると思うのですけれども、どういう機関に委託する予定なのか。また、そういう機関は全国にいろいろ広くあるものなのか。また、技術的、人的にしっかりしたものを備えている、そういうものが全国に分布しているのかどうか、その辺について……。
#12
○大澤政府委員 測定機関についてでございますが、市町村がこの物質の濃度の測定を委託する場合と、それから今回新たに臭気指数の測定を委託するのと、二つ考えられるわけでございます。
 物質濃度の測定でございますが、これは国、都道府県ではもちろんできるわけでございますが、そのほかに全国に約四百六十、民間の環境測定分析機関がございまして、これは計量法という、こういう分析機関の規制をする法律がございますが、それに登録を受けた機関に限って委託できるということになっております。
 臭気指数、新たに考えている測定法についてでございますが、これも国とか地方公共団体でもできるわけでございますが、そのほか、測定技術能力のある、はかる人、専門職として臭気判定技士といいますが、この判定技士や、あるいは新しい嗅覚測定法に用いる機材を有している等の条件を満たす業者に今後委託するよう、法案が通った後その制度を準備したい、かように考えております。
 四百六十のうち、人の、マンパワーの要件それから機器の要件を満たしているものについては指定するなり登録する、まだはっきり決まっていませんが、そういう仕組みできちんと一定のレベル以上のものを委託機関としていくというぐあいに考えております。
#13
○松沢委員 この悪臭防止法を推進するために、先ほどの国民の自発的行動を促すことも必要だと思うのですけれども、環境庁としては、現在そのための具体的な施策を何か検討しているのでしょうか。
#14
○大澤政府委員 今回の改正案で、国民の努力義務といいますか、そういうものも入れているわけでございます。悪臭というのは苦情がスタートでいろいろな対応が求められるわけでございますが、やはり一人一人ができるだけ悪臭源を出さない、あるいはできるだけ抑えてもらうという工夫はぜひしていただかなければならないと思います。
 私どもとしては、その方策として、やはり国民に広く知っていただくということは非常に大事じゃないかということで、日常生活に伴う悪臭防止の手引をつくってそれを配布するとか、あるいは既にある政府の広報機関を活用しまして、そこで十分PRしていく。あるいは、さらに快適性を求めて、においマップの作成だとかパネル体験等の市民参加型のイベントもやりまして、いいにおいを十分体験することによってできるだけ悪いにおいを抑えていくというような意識の啓発といいますか、そういうことも含めて今後PRには十分力を入れてまいりたい、かように考えております。
#15
○松沢委員 昨年八月の産経新聞に、子供たちににおいマップを、町の香りマップをつくらせるというようなことを環境庁が考えているという記事が載っておりましたけれども、こういうことを広く展開していくという方向を持っているのでしょうか。
#16
○大澤政府委員 このにおいマップ等は、私ども既に検討しておりまして、平成七年度からクリーンアロマ推進計画という事業の予算もつきました。これは都市部において行政と市民が一体となって町のにおいを改善するために、今お話があったような木とか花のよい香りを普及させて、その香りにかかわる意識の高揚を図り、その結果としてといいますか、あわせて生活悪臭などを削減したり抑制するということに役立てたいということで、モデル事業のときに全国の市町村あるいは一部の地区のところを特定しまして、今申し上げたような趣旨の事業をこれから推進していこうというぐあいに考えております。
 それから、においを、今は排出規制中心に法的には規制しているわけでございますが、将来的には一般の住環境、住んでいる周りではどの程度のにおい環境を目指すべきかという環境指針みたい
なものも設定して、できるだけ悪いにおいを抑えていくということも今後は必要じゃないかと考えております。
 これも現在検討中でございますが、昨年度から検討しておるところでございまして、専門家によって検討しまして、一定の方向が出ればこれもできるだけ実現したい、かように考えております。
#17
○松沢委員 今出ましたクリーンアロマ推進計画、いいにおいをつくって悪いにおいを消していく、そういう町づくり運動をしていくわけですよね。
 先ほどの小学生による香りマップづくりとか、あるいは街路樹ですか、香りのいい街路樹を植えたり、あるいは駅前に花を植えたりということをするというふうに聞いておりますけれども、これはどれくらい本格的にやっていくのか。例えば、予算を、もう昨年度からということですけれども、どれぐらいつけて、どんなふうにそれを使っていったのか、進捗状況ですわ、まだ二年目ぐらいですけれども、その辺、もう少し詳しくお聞かせいただきたいのです。
#18
○大澤政府委員 このクリーンアロマ推進計画につきましては、今年度からでございまして、先ほどの環境指針については既に昨年度から検討しております。それで、今年度ですから、まだ具体的な執行はこれからなんですが、予算的には大きな金額でございませんが、年間、総額で千四百万の予算がついておりますが、全国、まだ箇所数は決めておりませんが、五カ所前後ぐらいはやれるのではないかと考えております。
 いずれにしても、これからきちんと全国のそういう熱心に取り組んでいるようなところとも協議しながら、五カ所前後ぐらいを選んでとりあえずスタートさせたいというぐあいに考えております。
#19
○松沢委員 これは環境庁が何かプランをつくってやってもらうというよりも、自治体のプランを環境庁が補助等で支援をする、こういう方向ですね。
#20
○大澤政府委員 今のような、自治体でもそういう熱心なところもあるようでございますので、そういうところの実態も十分把握しながら、それをまた他の自治体にも紹介するというようなことで、何カ所か選んでいきたいということで、協議しながらというか、私どもも勉強しながら、調査しながら、モデル地区を設定し、実施させていくというようなことを考えております。
#21
○松沢委員 次に、最近非常に問題になっている複合臭というものについてお聞きしたいのです。
 個別の物質では濃度が基準を満たしていても、それがいろいろ合わさった形になると非常に臭いというものが複合臭というのだと思うのですけれども、その複合臭の現況というか実態についてもう少し詳しく説明をいただけますでしょうか。
#22
○大澤政府委員 複合臭の問題でございますが、私どもが自治体から報告を受けている中の苦情の件数、規制地域内における件数でございますが、年間約五千件ございます。
 これを分析しますと、このうちの約六割については、現行の特定悪臭物質をはかって基準に合致するかどうかということで指導する、あるいは下げることができるという実態にありますけれども、残りの四割ぐらいは、今言った複合臭、多くの原因物質が入っていると思われるようなことで、現行の測定ではなかなか対応は難しいというようなことで、新しい方法が適当だと考えておるところでございます。
#23
○松沢委員 そういう複合臭が多いので測定の方法を新たに導入しようというのが嗅覚測定法だと思うのです。私も御説明を受けましたけれども、においを、機械だけではなく人の嗅覚に頼って強さというか不快感をはかっていくという大変難しい作業だと思うのですけれども、率直に言ってこの信頼性についてどんなふうに環境庁は認識されているんでしょうか。
#24
○大澤政府委員 嗅覚測定法というのは、若干説明がくどくなるかと思いますけれども、幾つかの要点がございます。恣意的といいますか主観的な要素が入らないということで、もちろんそういう方法であるということが確認されたので導入するわけでございますが、その要点というのは幾つかございます。
 一つは、においは、御承知のように人間の感覚としてとらえるものでございますので、嫌なにおいとかいいにおいとか、快とか不快という、感覚的にはこれはまた個人差があることでございます。しかし、今回採用する測定法というのは、苦情が出ている事業場付近で、そこの付近の空気を採取しまして、それを実験室、試験室に持ってきまして、それを段階的に希釈して、快、不快あるいはいいにおいか悪いにおいかという観点ではなくて、においがあるかどうかということに着目して判定していく。希釈しながら、最終的にはないという段階まで一般にはかるわけですが、それが一点でございまして、そういうときには個人差、感覚的な要素は入ってこないということがあります。
 それから二点目は、このにおいをかぐ人でございますが、これも普通私どもは、大抵の人は正常のにおいをかぐ機能を持っているわけでございますが、自治体においてあらかじめ正常のにおいをかぐ機能を持っているかどうかをチェックしまして、そういう人を、多くの人を登録しておきまして、実際測定するときには、一般に六人以上が基準になっておりますので、そこから多くの登録されたにおいをかぐ人、パネルと申しますが、そこから無作為に、意図的にだれそれというのではなくて無作為に抽出しまして六人以上決めまして、その人ににおいをかいでもらうという仕組みを入れております。したがって、恣意的でなくて客観性が出ると思っております。
 それから三点目は、先ほど申しましたように、現場からにおいをとってくるわけでございますが、それを試験機関、分析機関等でやるわけですが、その際に、当然においをかぐ人、パネルにはどこからとってきたかということをもちろん教えておりませんし、知らせてもおりません。ということで、自治体の職員なり、あるいはにおい検査機関の専門家がそういう処理をする、がぐ人は全然別なところにいるという形にしてあります。
 それから、これは技術的な四点目ですが、単純に工場、事業場の近くのにおいを持ってきて、それを希釈しながらこれがにおいがあるかどうかといえば、においがするとかしないという判断もし得るわけで、簡単にそういうやり方もあるのですが、今回はそのほかにダミーといいますかコントロールとして、全く無色透明の、何も入っていない空気の袋をさらに二つ用意しまして、それを確実に、正確に当てないとわからないような仕組みを導入しております。三つ入れておりますが、それで三点臭袋法というのですが、そういうことで、しかも先ほど申しましたが、においをかぐ人は専門的な、臭気判定技士といいますが、そういう一連の処理は当然専門家がやりまして、しかもかぐときにトラブルが起きないようにしてきちんと指導するという仕組みで今回の嗅覚測定法というのは実際に使われるわけでございますので、私どもとしては、いろいろ御指摘のような点のおそれはない、こういうふうに考えております。
#25
○松沢委員 今回の嗅覚測定法の導入が規制対象事業所にどのような影響を及ぼすかちょっと伺いたいのですが、例えば従来の基準では問題とならなかったものが、今回の嗅覚測定法を用いることによって改善の必要がありと言われる場合も出てくると思うのですね。そういう場合、施設の改善等を行う必要が出てくる。けれども事業所にしてみれば、今までのやり方でオーケーだったのに、これを導入されたら、それも人がやる、本当に数値としてしっかり出るものじゃないですよね、人の感覚でやるものですから。こういう新しい方法を導入することによって、やはりおまえは改善せよと言われる可能性も出てくると思うのですね。その辺については環境庁、どうお考えなのでしょうか。
#26
○大澤政府委員 新しい方法は、先ほど客観性といいますか、主観が入るか入らぬかということについて御説明しましたが、それを六人以上でやり
まして、においをかぐこと自体は、あるかないかというのは一般的に恣意というか主観によって変化はしないわけでございますが、それをさらに統計的に処理して一定の数値を出す仕組みになっております。
 したがって、もちろんその基準も数値を示して、それよりも超えているかどうかということでその工場、事業場等が違反しているかどうかを判断していくという仕組みになっておりまして、基本的には機器測定法と差異がないというか、ただ機器測定法は従来あくまでも個別の物質なものですから、二つ三つあったときにトータルの総量としてのにおいをはかれなかったということで、これからはそういうものについては嗅覚にしても数値として出して最終的には判断していく、あるいは指導していくということになるわけでございまして、私どもとしてはそういう方法は客観性を持っているということで、十分行政指導なりあるいは最終的には改善勧告等にも使えるものと考えております。
#27
○松沢委員 方法としては人の鼻によってかいでいくけれども、それを指数として出すわけだからこれは客観基準であるということだと思うのですね。
 そこで、よく言われるのは、ふだんは悪臭とは思えないいいにおいが毎日継続的に強烈にかがされることによって耐えられない。何か新聞では、ウナギのかば焼きで頭痛が起きたという人もいたらしいですが、こういうにおいも当然あると思うのですね。例えば、コーヒーの豆のにおいですとかラーメンのにおいなんというのは、好きな人はああいい香りということでしょうけれども、それを毎日隣でかがされたらこれはもう不快感そのものだというのもあると思うのですけれども、こんな場合には異議申し立てがあった場合にどういう対処をするのでしょうか。
#28
○大澤政府委員 確かにおっしゃるように、私どももいろいろお話を聞いているのですが、喫茶店の前とか付近を通ったときは、大変朝なんかいい香りで頭もすっきりするというようなこともあろうかと思います。ところが、コーヒーの焙せん工場の付近に住んでおられる方は、毎日毎日朝から晩まで、しかも相当濃度の高いにおいをかぐとコーヒーノイローゼみたいになるというような話も聞いたことがありますし、あるいはガム工場なんかもやはり、割とさわやかな香料なんか入っているのですが、これも近くで毎日かがされるとやはり不快な状況になるというようなことがございます。
 そこで一般に、先ほどもちょっと恣意的なところで申し上げましたが、よいにおいとか悪いにおいというものを私ども判定するときには、その強度とかあるいは頻度、つまり朝とか昼若干の時間かぐというのか、一日じゅうかあるいは一年じゅうか、そういう頻度とか継続時間、こういう状態によっては一般によいと思われるものでも不快感をもたらす、したがって苦情となって出てくるという場合があるわけでございまして、この悪臭防止法に基づく改善勧告では、一定以上の強さの臭気であって、その不快なにおいにより住民の生活環境が損なわれていると判断される場合にはこの法が適用されるということになっておりまして、今のような、一般にいいにおいですけれども結果的に悪く不快に感じるということになった場合には、当然、現行法もそうですが、法を適用してきちんと調査したりあるいは行政指導したりしていくということになります。
#29
○松沢委員 この嗅覚測定法の導入で各自治体は、先ほどおっしゃっていたように、オペレーターとかパネルとか、こういう人に協力してもらっていろいろやらなければいけませんね。この辺、人的、財政的にどの程度負担があるか、それを環境庁の方はどのように予測されていますでしょうか。
#30
○大澤政府委員 この嗅覚を測定する際に臭気判定技士という要員が必要なのでございますが、市町村が民間の環境測定分析機関に委託する場合には、現在臭気判定技士というのは、ちょうど六年度、昨年度までに六百人を大体超えておりまして、この新しい法律は平成八年四月の施行を見込んでおりまして、それからさらに地方自治体は規制地域を指定したり、あるいは新たな基準を導入するかどうかを準備していくわけでございます。それで施行前後を含めて一、二年を要するわけでございますが、その間に年間百八十人ずつこの要員が養成されるという予定になっております。
 それからもう一つは、これは新しい方法でございますので、私どもとしては自治体の職員につきまして、数は多くないのですが、従来から環境研修センターで研修もやっておりますが、今回新しい法律が施行される上で特別な研修会も開催しまして、あるいは技術マニュアル等も作成しまして各地方自治体にも配付しまして、この法の施行時には十分対策がとられるよう人の面についても十分配慮してまいりたい、かように考えております。
#31
○松沢委員 今、マニュアルを作成したり、研修会をやったりということは環境庁としてもやっていくというお話がありましたけれども、そのコスト、財政的なお金の面、これについては何か支援をする予定はあるのですか。
#32
○大澤政府委員 これは、今の新しい方法の地方自治体等への普及についてと理解してよろしいですね。(松沢委員「はい」と呼ぶ)これにつきましては、私どもも一号基準をできるだけ告示するまで策定するという作業と、あわせて先ほど申しましたように、実際に全国に具体的に施行するにはおよそ二年近くかかるという見込みでありますので、今後そういう研修会とかいろいろなPRについても予算等も含めて十分準備してまいりたい、かように考えております。
#33
○松沢委員 この嗅覚測定法の導入で小規模事業者、特に新たに規制対象になると思われるような業種はどんなものがあるか、それとまた、そういう業種に対する改善のための支援策というものを考えていらっしゃるのかどうか。
#34
○大澤政府委員 新しい測定法が導入されることによって、それが比較的従来の方法よりもより適当だという苦情の案件が約四割と申し上げましたが、その中でどういう業種が特に合致するかと申し上げますと、飼料とか肥料の製造工場、それから食品の製造工場、それからサービス業、これらについては多くの原材料を使うというようなことからなかなか現行法で測定したり規制が難しいということで、今回の新しい測定法に対応しやすいというぐあいに考えております。
 ただ、いろいろ小規模事業者等もこういう業種については多くあろうかと思いますので、私どもとしては、この悪臭防止対策を設けるに当たりましては、その事業者の技術力とか資全力を十分に勘案しまして、改善措置の段階的な実施など事業者の事業活動への影響も十分配慮してこの法の適用なり指導をしてまいりたい、かように考えております。
 支援策も考えておりまして、悪臭防止設備の投資につきましては、事業所税の軽減等の税制面での措置とか、あるいは環境事業団の長期の低利融資等の助成措置もありますので、そういうものを十分活用してまいりたい、かように考えております。
#35
○松沢委員 以上で終わります。ありがとうございました。
#36
○阿部委員長 石破茂さん。
#37
○石破委員 大臣、早朝から御苦労さまでございます。
 世の中何が起こるかわからない時代になりまして、大変物騒になってまいりました。最初、本題とやや関係のないことでございますが、お許しをいただきたいと思います。
 あしたは東京にとってはとても恐ろしい日だということが言われておりまして、町じゅうお巡りさんだらけでございます。ハルマケドンとか聞いたこともないような言葉がいっぱい出てくるわけです。サリンですね、これも大気の中にそういう気体がばらまかれてということで、環境庁にも大いにかかわり合いのある話であろうと思っております。大臣も大蔵官僚御出身ですから、行政というも
のの特質もよく御案内のことでおって、ある人に言わせれば、日本の行政機構というのは、法律があって先例があって予算があればこれは世界最強のものであるが、法律もなく前例もなく予算もないとこれほど機動性のないものも世界に珍しいというようなことであります。そういう面も確かにありましょうし、行政機構というものが法律も前例も無視して何でもかんでもやられたら、これはもうかえってたまったものではないということも私はよく認識はしておるつもりでございます。
 さて、とにもかくにもSFの世界でしか想像もしなかったようなことが現実問題として起こるようになりました。では、サリンが今この時点で、この間の地下鉄のようにクローズなところであればああいうようなケースになるわけですが、大気中にわっとばらまかれたらどういうことになるのかということも、あながち荒唐無稽なこととして片づけないで、やはりいろいろなシミュレーションをやってみて、前例がなければ対応できないということではなくて、ありとあらゆる可能性は探求をして、最善の措置、まさしく最善の措置ですね、これを講じていかねばならぬであろうというふうに思います。
 大臣は防衛庁長官もやっていらっしゃいましたからその辺の御造詣は深かろうと思っておるわけでありますが、かってミグ25というのが函館に飛んできたときに、結局とらえることができなかったのですね。地球は丸いものですから、海面ぎりぎりを飛んでくる飛行機というのは残念ながらとらえられるようになっていない。今も恐らく似たようなお話ではなかろうかというふうに思っております。フィクションの世界なのかもしれませんが、仮に某国からそういうような飛行機がわっと飛んできて首都圏上空に到達をして、その首都圏の上空からサリンのごときものがばらまかれるということも可能性としては想定をしておかわばならぬでありましょう。そういう場合に、一体政府としてはどのような対応をすべきなのか。
 かつて松本サリン事件のときに、これは何だかよくわからないね、何で人がばたばた死んだのかよくわからないということで、一体何だ何だということになった。結局は長野県のそういう部局が、大臣よく御案内のとおりであります、これはサリンであるということを特定をした。ここから先は人は入ってはいかぬ、ここから先は人はいてよろしいというようなことを適宜指導していき、行政としての対応をなしたというふうに承っております。
 環境庁にしても科学技術庁にしてもそうですが、実際に実動部隊を持たない役所であります。いろいろなシミュレーションの中で、例えば敦賀の原発に何か事故が起こった場合、例えばあそこが某国から攻撃を受けた場合に、ではどこが対応するのだ。ある物の本によれば環境庁だとこう書いてあるのもあって、よくよくお尋ねをしてみると、いやそうではない、核物質は科学技術庁だというふうなことを教えていただいたのですが、ではそういう場合にどういう対応になるのかということのシミュレーションもやっておかねばならぬでありましょう。
 それは横におきましても、先ほど申し上げたように、では首都圏の上空でそういうようなものが、大気汚染物質がばらまかれたというようなことが勃発をしたといたします。その場合に、行政の対応というのはどのようなことになるのであろうか。そしてまた、大気汚染というものを一番主に管轄をする環境庁として、関係部局として、どのような対応というものが考えられておるか。その点お教えをいただきたいと思います。
#38
○宮下国務大臣 今石破先生の方からいろいろな想定でお話がございましたが、確かにこれは想定であるといって一笑に付しておくわけにはいかないという実感が今度のサリン事件の発生だったと思います。例えば首都圏にそういうものが某国から持ち込まれて散布されるというような事態、これは現実問題として私はあり得ないと思いますが、しかし可能性が一%でもあれば対応すべきです。
 まず、そういう航空機、国籍不明の航空機の進入を防止するということはぜひ必要でございますから、私は防衛庁長官のときに、専守防衛という立場から、低空のキャッチはなかなかレーダーサイトでは難しいものですから、AWACSというのを、大変これは国会でも議論がございましたし、一機、高いのですけれども、機数が少なくとも、P3Cなど何機持っているよりも非常に効率的で低空もあるいは長距離も把握できますから、そういうものを今回四機導入することにいたしております。したがって、まずそういうことで防備をするということが必要であります。
 それから、有害な化学物質につきまして、これはドイツで開発された化学兵器でございますが、今度国会で御承認をいただいた条約とかあるいはそれに基づく法律による規制もございますが、これは政府一体として取り組まなければならない問題でございますが、環境庁に限って言えば、こういう劇毒あるいは化学兵器みたいなものですね、有毒な化学物質、こういうものについては直接それが起因でいろいろの障害が起きた場合は、これは一般的な大気とか水質とか土壌の汚染の物質とは違いますから、一義的には警察とかそういうところが対応すべきだと存じます。
 しかし、それが非常に広範な領域にわたって来た場合は、もちろん大気中の汚染濃度が高まって、それが人体に影響するというようなことであれば、これはもう即刻観測体制をしかなければなりません。今度の霞ケ関の問題でも、これは早速、依頼もございましたけれども、駅外の空気を採取いたしまして、どの程度サリンの影響があるのかという実際の調査をいたしましたが、発見はされませんでした。しかし、今後そういう事態があり得ることも想定をして、機動的に対応することは必要だと思います。
 しかし、環境庁だけでこれはどうにもなりませんから、今度政府の連絡会議を設けて、そういった問題に対応する総合的なそれぞれの機関がまたそれぞれの分担をして、しかも機能的にできるような体制を検討しようということで政府の会議をつくりましたので、とりあえずサリンについてはそれで徹底した研究がなされるべきだと思いますし、一方この原因究明は徹底的にやっていただかなくてはならぬと思うのです。
 今後いかなる事態が発生するか、とにかくああいう化学物質でありますと非常に予期できない点がございますから、私どもとしてはやはり危機管理体制の一貫として問題意識を持って対応しなければならぬ、こう私も強く感じておるところでございます。
#39
○石破委員 かつて、朝早くて初めてで混乱したという名答弁がございまして、ただ、やはり初めてのことに対応するというのがまさしく政治の役割であろう。混乱したのはだれかという議論は別にいたしましても、初めてのことに対応していくということをきちんとしていかなければいかぬ。
 かつてミグ25が飛んできたときに、何が大騒ぎになったかというと、これはどこの役所の管轄だというのが大騒ぎになったらしいですね。これは外国から飛行機が飛んできたんだから外務省だ、いや亡命者だから法務省だ、いや空港がぶっ壊されたから運輸省だ、いやこれは、飛行機は落とし物だから警察庁だとか、もういろいろな騒ぎになって、どこの役所だ、どこの役所だと大騒ぎしているうちに結局あんなことになってしまった。
 やはり今求められているというのは、まさしく長官が御答弁のように、もうとにかくそんなどこの役所の管轄なんということはどうでもよろしい、そういうような対策本部というものをきちんとつくって、ありとあらゆることに対するシミュレーションということをやっておかなければ、これから先何が起こっても不思議でない時代でございますから、ぜひともその点につきましてはよろしくというか、きょうのあしたというわけではありません、麻原彰晃に言わせればあしただという話でございますが、このことの対応というものは、一刻もゆるがせにできないことであろうというふうに思っておりますので、ぜひともよろしくお願
いをいたしたいと存じます。
 さて、本題のお話に入ります。
 今回の改正案につきましては、私どもとしても異存はございません。賛成をしてしかるべきものというふうに考えております。ただ、先ほど松沢委員の質問にもございましたが、それぞれの人によってにおいというのは感覚が全然違うわけですね。
 私は西日本の育ちでございますから、東京へ出てきて納豆というものがよくわからなかったんですね。納豆というのはぬれ甘納豆のことかと思っておりましたらば、東京へ来ますと、何か糸を引くような妙な食べ物がある。これは何か。うまいから食ってみると言われたが、何でこんなものが食べられるのか、いまだにもって私には理解ができないのであります。かって箱根の山の向こうには恐ろしい人が住むと教わったこともございますが、よくわからない話だな。要するに、個人差が非常にあるということでございますね。そのことをどうやっていくのか、非常に難しい問題であろうというふうには理解をいたしております。
 さて、規制緩和ということが世の中でよく言われております。これは法案をよく読みますと、規制緩和とか規制強化とかいうものとはちょっと質を異にするものなのかなというような気はいたしておりますが、規制強化という面もないではない。それはそれで、環境問題については何でも規制緩和をすればいいと私はもちろん考えておりません。ただ、予算委員会でもいろいろ議論をさせていただいたことでございますが、結局は、規制緩和にしろ規制強化にしろ、自己責任の原則というものも一方きちんとしておかねばならない問題でございましょう。
 この悪臭の発生につきましてもいろいろな原因がもちろんあるわけで、焼き肉屋さんもあれば、ラーメン屋さんもあれば、コーヒー屋さんもあれば、畜産もあれば、バスもあれば、自動車もある。いろいろなものがございますよね。この規制と自己責任というものについて、この臭気の問題に限りませんが、環境行政としては基本的にどのようなスタンスをお持ちですか。
#40
○宮下国務大臣 環境行政における規制というのは、大体社会的規制と分類される分野が多いわけでございまして、今政府が進めておるのは、経済的規制を主体としてこの緩和策をやっておるわけであります。
 今回の悪臭防止法は、これは規制強化と言えるかどうか、今までの二十二の規制物質に基づく規制から、嗅覚法ということによって複合的な悪臭に対応する対策でございますから、手法が選択的にできるようになったわけで、必ずしも規制強化であるかどうかはにわかに断定できないと存じます。
 しかしながら、環境行政全般が、規制をするという方法と、それから、もう一つの有力な方法は経済的規制ですね。これは、例えば税の面でいきますと、税で優遇をして公害防止施設等を促進をさせるという側面と、また一方、ヨーロッパで行われておりますが、今温暖化の問題が世界的に問題になっておりますが、CO2の削減のために、化石燃料に保有されている炭素の量に着目して、炭素税、カーボンタックスというのをやっている国もありますね。そういうことによってCO2の抑制を税制面から図ろう、これは経済的手法です。
 そういうさまざまな手法がございますから、これらを本当に適宜組み合わせてといいますか、そのそれぞれの効果と目的をよく判断をしてやっていくべきことは当然でございますが、しかし、今度環境基本計画で定められておりますことは、この環境の問題については、各主体が、つまり国、地方公共団体にとどまらず、要するに、事業者でも、それから国民一人一人がこの環境問題に参加をしていただくというのが、大きな、環境基本計画のキーワードの四つのうちの一つでございます。これは、今委員の御指摘のような自己責任原則ということを明確にしたものだと私は思っております。
 したがって、国民各位がやはり環境問題、生活型の公害あるいは地球環境を含めて意識水準を高めていただいて、自分たちが加害者であり被害者であるという意識で自主的に取り組むことが最も基本的に重要なことだと思いますから、今度の環境基本計画に沿って、自主的な取り組みということは呼びかけていきたい。あらゆる機会を通じて、あらゆる行事を通じ、私、今度、ちょっと話は余談でありますが、ベルリンで温暖化防止条約の二〇〇〇年以降のCO2の規制についてのあり方について、手順について定めてまいりましたけれども、我が国で第三回の締約国会議も私個人としては招致したいということでありますが、そのねらいは、国民にもっともっとそういった問題についての意識改革をし、意識水準を高めてもらいたいというような願いが一つはございます。
 それから、国際的な貢献の分野で、地球環境問題について我が国が強力なメッセージをやはり発していかなきゃいけない役割がありますから、そういう点でそういうことも考えたわけでございますが、基本はやはり国民みんながこれを自覚し、行動することであるというように考えております。
#41
○石破委員 大臣の御指摘のとおりかと思います。
 要するに、意識調査を見ましても、例えば自動車の排気ガスというものについては、これはだれが当事者としてやるべきなんだろうか、だれが臭気対策を推進すべきか。自動車の排ガスの場合には、複数回答でございますが、国がやるべきだというのが四九・五%、企業がやるべきだというのが四二・六%なんですね。じゃ、飲食店のにおいはどうなんだねというと、企業というんですか、お唐といってもいいかもしれませんが、これが四七・六、自分自身でやりなさいというのが二九・七。畜産については、やはり事業者がやりなさいが四五・七、自治体がやるべきだというのが二割、こういうのが出てくる。じゃ、製造工場はどうですかというと、これも会社、企業が七四・八、自治体が一五・六。ペットになりますと、自分でやりなというのが四一・三、町内会がやる、町内会とペットというのはどういう関係があるのか、私よくわからぬのですが、二六・三。
 こういうことになってくるわけで、何にしても自分でできることは自分でやってくださいよという、そういうような意識改革というんでしょうかね、そういうものをやっていかなければならぬ。何が何でも行政に頼るという、そういうような感覚からは抜け出していかねばならぬということではなかろうかな。全く身近な環境行政において、大臣御指摘のようなことをぜひ高めていただきたいというふうに思っておるわけでございます。
 さて、今回の改正案の中に、移動発生源、バスですとかトラックですとか、こういうものが抜け落ちておるわけですね。これもゆえなしとしないわけであって、苦情は少ない。苦情は少ないのはなぜかというと、これ、東京はどこのナンバーの車が走っているかわからないわけですわ。松本ナンバーの車が走っておるかもしらぬし、札幌ナンバーの車が走っておるかもしらぬし、鳥取ナンバーの車が走っておるかもしらぬ。どこの車が走っておるかわからないのに、どこに文句を言えばいいんだということがありましょうし、じゃ、自治体に文句を言ったところで何がどうなるというものでもないので、苦情を言っても仕方がないかなという、実際にはひどいにおいだねというふうに思っていたとしても、苦情の持っていき場所がないというようなことが苦情が少ないことの要因の中にはあるんじゃなかろうかというふうに思っておるわけでございます。
 しかしながら、これは都会の人はなれっこになっていますが、やはり私ども、田舎から出てきたときに、東京の空気というのはまあ何という空気であろうかというふうに思ったのを今でも鮮烈に覚えております。私が東京に学生で出てきたのは昭和四十七年でございますが、目まいがしそうになったし、かなりひどいものだというふうに思いましたが、一年住み、二年住み、三年住みしているうちに、まあこんなものだということになってしまいました。そういうふうにだんだんなれっこ
になっちゃうということもあるわけでしょうけれども、実際問題、一台のディーゼル車が十分走りますと、このにおいを消すためには東京ドーム一杯分の空気が要りますよということで、なれっこになっておるにしてもかなりひどいものであるには違いはないわけですね。
 今回、この移動発生源というものが盛り込まれなかった、盛り込めなかったと言うべきでしょうか、このゆえんはいかなるものでございましょうか。
#42
○大澤政府委員 移動発生源、特にバス、トラック等のディーゼルからは一般に排ガスが多い、あるいはそのにおいも出るところでございますが、これ自体を今回の法律に盛り込むかどうかということでございますが、その実情、実態を申し上げますと、自動車の排出ガスというものは、かねて大気汚染防止の観点から規制しているわけでございまして、しかも、最近、一番新しいところでは平成元年に中央環境審議会というところで答申が出ておりまして、元年の時点で、短期目標、長期目標、つまり五、六年先、あるいは九、十年先、そういう目標に向けて規制強化を進めるべしということを受けて、私どももそれに基づいて、短期目標についても長期目標についても技術的にきちんと検討しまして、かなりその低減をさせて強化を図ったわけでございまして、この排出ガスを規制するということによって、特にディーゼルの排気微粒子、これはその結果として悪臭の原因となる物質もあわせて低減していく、こういう仕組みというか実情、実態がありまして、私どもとしては、そういうことによって、長年自動車の単体規制と排出ガスの単体規制というものをやってきて、そのにおいというものもそれによって低減できた、このように考えております。
 したがいまして、今回特にそういうものを対象にしなかったわけでございますが、しかし、今後その悪臭防止対策の観点から、排出ガスの低減とあわせて、どうしてもその自動車排ガスについても、においの観点からも、独自のというか固有の方策が必要であるということがわかってくればというか、そういう方策でないと対応できないということになるとすれば、今後そういう状況を踏まえて、私どもも必要な措置というものを十分検討していかなければならない、こういうぐあいには考えております。
#43
○石破委員 ディーゼルに特定しましょうか。そのにおいとディーゼルとの因果関係というものはどこまで、どのように解明をされているものなのでしょう。文献を見ても、まだその牽連関係が明らかでない、こう書いてあるわけですね。
 ただ、これだけ科学が発達している時代に、本当に牽連関係が明らかではないということがあるのかしら。また、まさしく局長がおっしゃるように、その排出ガスというものをにおいというファクターを使って、やはり人間の官能に一番訴えるのはにおいですね。それで体がおかしくなっちゃってからでは遅いのであって、やはりにおいというものがまず一番に反応する。苦情が少ないとはいえ、やはりすごいですよ、これはね。そしてまた、苦情の件数が少ないとはいいますが、先ほど申し上げたように、どこの発生源だかわからないねということと、どこに文句を言っていいかわからないということがある。そういうことで少ないのではないのかなという気も私はするわけですよね。その点、これを用いてやっていくことができない、だろうか。
 それから、先ほどの質問で頻度という話が出ましたが、ディーゼル排気によるところの悪臭というのはこれは頻度としては極めて高いということがデータとしては出ておるわけであって、要するに、このにおいを使ってディーゼル排ガス規制というものにコミットしていく、タッチしていく、そういうものは具体的にこういうものだというものを、今わかる程度で結構です、お教えいただければありがたいと思います。
#44
○大澤政府委員 実はその御指摘の点というのはなかなかはっきりわかっていないわけでございまして、それから、厳密に議論された場合に、排出ガスを低減することによってにおいの方も連動して一定量がきちんと下がるかという、確かにデータは厳密に出せというとなかなか難しいというのは私どもも承知しておりまして、ただ、結果的には、排出ガスが一〇〇あるものが五〇に低減された場合、排出そのものが相当量減ることによって、においの発生源である排出ガスが減ることによってにおいも減っていくというようなことは実態上はあるということです。ただしかし、その燃料はそれなりに高温で燃えるものですから、排出ガスとにおいの要素が違って、高い温度によってかえってにおいがそのまま残る場合ということ等あり得るわけでございまして、そういう意味でも正直に言ってはっきり解明されていないと。
 それからもう一つ、御指摘のように、しかも移動体であるという、固定されているものじゃなくて常に移動するというようなことから、しかもそのにおいをかぐ、その影響を受ける場合にも、たまたまそのバスなりトラックのそばにいたときに受けるということで、ある場所で受けるけれども常にそこで受けるとは限らないとか、まずその排出ガスとにおいの関係というのはきちんと明らかにしなければいかぬだろうし、それから、そういう移動される、常に移動していくものについてどういう方法で対応するかということは非常に難しいと。
 しかし、繰り返しになりますが、結果的には排出ガスを抑えることによってにおいも相当減っていくというようなことでこれまで来ているわけでございまして、私どもとしてもこれはこれでいいと思っておるわけではございませんので、今後とも今御指摘の点も含めて、専門家による調査なり研究も十分していただいて、やはりどうしても現行では必ずしも対策として適当でない、そういうことがあれば、方法論的にもきちんとできるとすれば新しい方法も導入していきたい、このように考えております。
#45
○石破委員 まさしく移動発生源でありますからしてどこの車だかわからないわけですから、したがって、まさしく国の責務というのは重大だろうねということになるだろうと思います。税制の面も含めまして御検討いただきたいというふうに思っております。
 それで、畜産につきましては、後ほど竹内委員の方から御質問が子細にわたってあろうかと思いますから、触れる程度にとどめますが、私も自民党で畜産対策委員長をやっておったときも、そしてまた農林政務次官をやっておったときも、結局、畜産物の問題になりますと、要は公害をどうするんだいということですね、これが一番クローズアップされてきた。自由化によってどんどん安い物が入ってくる、どんどん町を遣われていく、そういう人たちに対してどういうような対策をするのかというようなことが問題になりました。
 これはほとんどが規制地域外でございますし、実際、改正をしなくても今の法律でも十分対応できるものでありますから、今回殊さら取り上げようとは、私は問題意識としては持ってはおりませんが、こういうものに対して、大体どういうような基本的なお考え方をお持ちであろうかと。もちろん、畜産行政の推進等も相まってやっていかねばならないようなことかと思いますが、やはりその一番の問題はそういう公害対策であろうなというふうに思っております。その点について大臣の御所感はいかがか。
 もう一つ、あわせて聞きますが、今回いろいろな、小さなラーメン屋さんにしても焼き肉屋さんにしても対象になることがあり得べしということだと思います。こういうのは概して経営規模が零細であり、事業としてもそんな、蔵が建つような話ではないと思いますね。毎日、毎日、本当にぎりぎりでやっている人たちもいっぱいいるであろうと。規制を緩和しろとかそんなことを申し上げておるのではありません。ただ、これにしゃくし定規に、かくかくしかじかだからすぐこうしなさいということは、ある意味、ちょっといかがなものかなという気もいたします。規制緩和をしなさいとかそれを緩めなさいとか、そういうことを申し
上げておるのでは全然ございませんが、その点についての御所見を承りたいと存じます。
#46
○宮下国務大臣 二点ございますが、委員は畜産行政、もう大変ベテランでいらっしゃいますが、我々の必要な食糧確保という面で非常に重要な産業ですね。そして今御指摘のように、やはり指定区域外にあることが多いわけですね。しかし、現実の問題としては、都市化が進んでくるとまたそこに居住者が後から来て苦情が出るというような問題がございますけれども、基本的には私は、畜産の問題は、今農林省でもいろいろ、ふん尿処理とかそういう衛生的な施設に対しての補助も行っておりますが、そういう施設を充実していただくと同時に、この法律の面では、既存の二十二物質の規制の手順の中で十分対応できるんじゃないかな、従来どおりの規制で十分じゃないかなという感想を持っております。
 それから第二点の食品等々あるいはサービスの小規模業者に対する配慮でありますが、法律の精神もそういうことが書かれておりますし、私としては急に、そういう経営的にあるいは資金的に非常に困難な業種に対して直ちにこれをやるということではありませんし、また、この法律自体がある猶予期間を持って大きな企業についてもやるようになっておりますから、弾力的な運用をやっていきたいと思っております。
#47
○石破委員 一つお尋ねをいたしたいのですが、音痴という言葉を使っていいのかどうかわかりませんが、だんだん鈍くなってきているなということがデータとしては出ているようですね。特に若年層、子供たちについては、嗅覚がどうも不自由になっているという言い方が一番よろしいんでしょうか、なってきている。どうもこれは何が起こっているのかよくわかりませんが、そういうように、だんだんそういうような鋭敏さというのが欠けてきているんじゃないかというのが、どうもデータとしては出てきているような印象を受けております。まあ、これはこれでいいんだと言ってしまえばそれまでのことですが、本当にこれでいいのかなという気がしておるわけですね。
 両極分解みたいな現象が起こっているような気もするのです。潔癖症というのが起こってみて、とにかくにおいは全くない方がよろしい、とにかく清潔清潔というので除菌スプレーとかいろいろなものがございますが、そういう現象の片一方で、だんだんそういうものに対する感覚が鈍くなっているという現象もございますね。
 このことに国としてどう対応しますかというのも漠たる質問でございますが、やはりこれは、国民の官能性というものがだんだんそういうふうになってきているとすればなかなか看過し得ない事象かなというふうに思いますが、いかがですか。
#48
○宮下国務大臣 私は、子供の環境教育というのは非常に重要だと思っておりますが、具体的に今申されたような点で申しますと、やはり豊かな自然の中に体験的に行って、そして緑の美しさ、豊かさ、あるいはそういうものが心の豊かさに通ずるような、そういう実践的な環境教育を通じて、都市の子供達もやはり今、例えば私は信州でございますけれども、信州等にいろいろな施設を設けて、夏休みその他そういうところへ行っておりますけれども、非常に空気がきれいです。そういうところで、やはり自分たちの住んでいる都会地の空気とは違うのだなという意識を持ってもらうこと、そしてまた自然と本当に共生ということを、私ども環境基本計画でも述べておりますが、こういうことを言葉だけでなしに実感として、自分たちの生存の基盤というものがやはり文明社会によってかなり汚染されているんじゃないかなというような感じを持つことが、将来その子供たちが自分たちの住む環境を改善しようという意欲につながっていくと思いますから、そういう点で感性が、確かに都会地だけに住んでいますとこういうものだなと思ってしまいますから、なるべく自然との共生を実践的にやってもらって、感性をやはり磨いていくということもこれからやはり非常に大切なことじゃないのかなと私は率直に思います。
#49
○石破委員 特に都市と農村の共生という観点からもそういうことをやっていかなきゃいかぬと思うのですね。皆さんが都市と農村との共生とか一極集中打破とかいろんなことを言いますが、全然そんなことにはなってないわけですね。
 私はよく農林水産委員会でも申し上げることでございますけれども、とにかくもう、都市は都市、農村は農村という観点から脱却をしていかなければいかぬであろう。大臣も御案内のとおり、ヨーロッパには一極集中の都市なんというのはないわけですよ。ロンドンにしてもパリにしてもそうです。大体都市というものの規模はこれぐらいのものである、都市が余りに過密になりますと費用対効果の限界点を超えるということも事実の認識としてはあるだろうと思っておるわけですね。都市を農村が支える、農村を都市が支える、こういうように国全体の経営計画というものを見ていかなければこれから先の国土運営というのはできないし、東京にこれ以上集中することというのが一国の富の配分として、経営計画として私は限界に来ているだろうというふうに思っているものですから、そういう観点からもぜひよろしく環境庁としてもおっしゃっていただきたいと思います。
 最後に一つ、問題提起になるのかもしれませんが、この法案につきましてはもうこれで結構です。大気汚染と関連をすることであるかもしれませんが、酸性雨について一つだけお尋ねをいたしたいと思います。
 対中華人民共和国ということでございますが、もちろん中華人民共和国と善隣友好関係を保っていかねばならないし、その友好はますます促進をされねばならないことは私もよく理解をいたしておるつもりであります。ただ、中華人民共和国にいろんなことを申し上げるときに、私はやはり人口が、今でも年間一千四百万人もふえておるとかいう話ですが、余り人口をふやすのをおやめいただけませんものでしょうか、そしてまた人権というものはやはりきちんと守っていただきたいということ、そしてまた余りに公害を惹起するような、そういうような工業開発そしてまた発電のようなもの、そういうものはいかがなものでしょうかと。もちろん内政干渉ということはよく頭に置いた上での話です。そういうことをしてはならぬということはよく存じた上での話です。やはりその三点というのは、日本としてはお願いをしていかねばならぬことではなかろうかというふうに思っています。
 それで、この因果関係もいまだに明らかではありません。そして、酸性雨によって木が枯れだということも実証されておるケースというのは極めてまれであるということも存じております。しかし、ヨーロッパにおきましてはそういうものに対する条約というものが既に締結をされておる。
 酸性雨の場合には、雨の中に含まれている成分がどうのこうのということも大事でございますが、それが降ったときに影響を受ける土壌と余り影響を受けない土壌と、そういうふうにある。日本の場合も影響を受ける土壌でありますが、しかしさらに影響を受けやすいのは、タイでありますとかベトナムでありますとかそういうところの方がより受けやすいし、中国自体もそういうものを受けやすい土壌を持っておる。そうすると、今後の地球人類の、二〇二五年には地球の高齢化がピークに達するわけでありますし、恐らく食糧危機というのは間違いなく来ると私は思っています。そうだとするならば、その地域が酸性雨によって汚染をされていくということは甚だ悲しむべき、憂慮すべき現象であろう。
 だとするならば、アジアの先進国としての我が日本の国が、私は貢献という言葉は余り使いたくはないのですけれども、責任を果たしていく上において、酸性雨というものについて我が日本の国の環境行政というものがいかなるような役割を今まで果たしてき、そしてまたこれからどういうふうに果たすべきであるというふうにお考えでいらっしゃいましょうか。
#50
○宮下国務大臣 地球環境問題の中で国境のない問題、温暖化防止はベルリンでこの間やりました
が、やはり酸性雨も大きな地球環境問題の一つです。これも国境がないと言っていいかと存じます。
 そんなことで、今国内的には、日光の立ち枯れ等々の現象がございますからこれを環境庁として今精査をしておりますし、それからまた関東地区全体もそういう視点で見よう、それからモニタリングの監視施設等も整備をしようということで、国内体制はやりつつありますが、今御指摘の中国との関係あるいはアジアの国々との関係では、中国も今発展途上で、経済成長率も御案内のように二けた以上の伸びをずっと続けているわけで、その前提にはやはりエネルギーの消費があります。それはやはり化石燃料を主体としていることは間違いございません。
 そして、言われるところによりますと、中国のこの化石燃料はSOxの割合、硫黄分が非常に多いとも言われております。酸性雨は硫黄だけではございませんが、また化学反応起こしたりして酸性度の強いことになるわけですが、そういう現象もあり得るわけでありますから、この酸性雨問題は、アジアに対してもモニタリング調査をやるための研究会をやったりいみいろやっております。
 それからまた、今度北京に環境センターができますけれども、これは環境保全全体についてノウハウなり人材養成なりをするODAの計画でありますが、あらゆる面を通じまして、やはり中国との関係、日本との関係が非常に深いわけでございますから、環境面の配慮というものもこれから二国間で、今協定はありますけれども、余り実質的に、実体的には進んでいない、今申しましたように、センターその他の設置とかモニタリングの研究のやり方のお話し合いをやるとかいうようなレベルでございますが、あれだけの大国が、十二億がやがて二十億になると言われていますから、こういう人口問題等を考えますときに、その経済発展が行われ、しかもそれが化石燃料で、我が国の歩んできたような道で経済発展が行われた場合の国境を越えた地球環境問題というのはこれは看過できないと思うのですね。
 そういう意味で、アジアにおける環境保全、こういったことをまず日本が先導的に役割を果たしていくことは当然だし必要なことじゃないかなという問題意識を持ってやらせていただいております。
#51
○石破委員 時間が参りましたので終わりますが、私は、この国が二十一世紀に生き残るというのは大変なことだろうと思っておるのです。今起こっているいろいろな事象というのは何となく、私の世代が言うのも変ですが、大正から昭和にかけて起こったことと恐ろしいほど酷似しておることが起こっておりまして、やはり環境というものをどういってこに使って日本の国が二十一世紀に生き残っていくか、まさしくそういう戦略を私どもも一緒に考えてまいりたいというふうに思っております。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#52
○阿部委員長 竹内猛さん。
#53
○竹内(猛)委員 短時間でありますから、極めて簡単に質問の要点を申し上げます。
 まず最初に、この法案について、日本社会党・護憲民主連合は賛成をします。
 その賛成の立場からこれから質問をするわけですが、最初に、この焦点になっている問題については松沢委員から質問がありまして、それで理解をしておりますからそれは省略をします。そのとおりだと思います。
 そこで、畜産の問題に関連をして若干御質問をしますが、二十二の問題が前から問題になっておりまして、その中に畜産に関するアンモニア等々に関する問題が入っていることも承知をしておりますが、その後、依然として状態が余り変わっていないということで、現在の畜産に関する悪臭に対する状態、それからそれの基準はどうなっているか、この二点についてまずお伺いします。
#54
○大澤政府委員 現在の悪臭防止法では、特定の物質を指定して規制するという形になっておりまして、畜産関係については硫化水素あるいはアンモニア等が主として出てくるという状況にありまして、その物質をはかることによってこれまで規制してきているという状況でございまして、今後新しい嗅覚測定法というものを導入することで今法律を御審議になっているところでございますが、畜産業に関しましては従来どおりの測定方法で対応可能な業種の一つである、かように考えております。
 したがって、新たなる測定方法というものを適用する必要は必ずしもないのではないか、このように考えております。
#55
○竹内(猛)委員 それは局長、甘いじゃないか。それは甘いよ。甘い。もう少し真剣にとらえないと、非常に困るんだね。
 というのは、建設省は頑張って道路をつくる。道路をつくると、その道路を利用して中山間地帯から今度は都市に通う人たちがいっぱい出てくる。安い土地を求めて今度はそこに住宅をつくる。その先に、養豚や酪農や、あるいは和牛を、養鶏をやっている人たちは、今専業化しているのです。小さな経営はつぶれちゃっている。だから、専業化して施設をつくって借金をしてやっているときに、後から入ってきて、においがけしからぬじゃないか、そういうことを言うと、行政機関は必ず経営者について文句を言う。後から来て文句を言われて、借金をして仕事をしているのに往生じちゃうんだね。こういう事態を環境庁、知っているかね。
#56
○大澤政府委員 御指摘のとおりでございまして、私も都道府県でも仕事をしたことがありまして、環境の仕事もやったことがありますが、畜産業でも、具体的に町の名前は出せませんが、そういうケースを私もみずから経験しております。確かに、せっかく周りに、付近に住居がないところで畜産業を営んでいるのに、後から住宅がふえ、周りの人が苦情を言って追い出していくというようなことがあるわけでございますが、悪臭防止法の観点からいえば、規制地域であればやはりどうしても、後から来ても先から来ても、規制地域になっておればやはり規制していくということが建前になります。
 しかし、私どもとしては、それはいい形ではないと思っておりまして、やはりそういう問題が生じないように、県なり市町村なり自治体が、都市計画、土地利用の計画を、住居とか畜産業が混在しないというような形であらかじめ十分配慮した形でその土地の配置を考えていく、こういうことが望ましいのではないかと私どもはもちろん考えております。
#57
○竹内(猛)委員 これは環境庁にも要請をするけれども、悪臭の基準というものがどうもはっきりしないですね。つくれないのでしょう、恐らく。だから、現場に任せるというその言い方、そういうことではなくて、これはもう少し真剣に研究をしないと経営者は困るんですよ。後から来て文句ばかり言われて、そして出ていけ、こういうことでは。
 そこで、この間、筑波の研究所、これ二つありますね。畜産関係の試験場が二つある。そこへ行ったら、何を研究しているかといったところの一つは、ふん尿の研究をしている、こういう話をした。これは大変いいことだと思うのですね。それからもう一つは、この間新潟県の東頸城郡の安塚の町長に来てもらっていろいろ話をした中で、町としては生ごみとふん尿を一緒にして、ある機械を通して二十五日目に有機質の肥料が出てきて、これをその地域の農業生産に使って大変いい成果を上げている、こういうような実情がある。
 これは畜産局の方に聞いた方がいいけれども、どうでしょう。これは何も別に安塚に限ったことではないので、あちこちにあると思うのですが、こういう施設に対して助成とか補助とか低利の融資をして、これを地域で促進をして、少なくとも中山間において後から来た者が先に生産をしている者について文句を言うようなことのないようにしてもらいたいと思うのです。まず最初に長官からそのことについて感想を聞いて、畜産局がその後について答えをしてもらいたい。
#58
○宮下国務大臣 竹内先生はもう実地経験に基づ
く御意見で、私もそう思います。特にふん尿処理が悪臭の原因になることも多いと思いますので、ふん尿の再利用、これは非常にやるべきことだと私は思います。
 特に、我が国農業がややもすれば化学肥料に非常に依存し過ぎまして、地方を荒らすとか、これは大きくいいますと地球環境に影響があると思うのです。ですから、有機農業を振興する意味からも、そういったものを少し誘導して、融資面その他あるいは補助が可能かどうか検討させていただいて、本当にあらゆる地域で適用できるようなものであれば進めることを、これは農林省にもお願いをしてやっていきたいな、こう思います。
#59
○信國説明員 環境問題に対します畜産農家の対応、いろいろあるわけでございますけれども、畜産側といたしましてもこれに極力対処するということで、地域から受け入れられるということが安定的経営の発展のために必要だと思っております。
 私どもといたしましても、いろいろな対応、例えば、共同施設でございますと補助事業あるいは低利の融資、あるいは畜産の環境関連の機器に対しますリース事業といったようなものをやっているわけでございます。
 その中で、いわゆる処理の仕方、いろいろございますけれども、生ごみと家畜ふん尿処理を一体的に行うというようなことにつきましては、全国に幾つかそういう事例もございますし、私どもの補助事業の中でそういう条件に合う整備をいたしまして、極力取り入れてまいりたいという姿勢でやっているところでございます。
#60
○竹内(猛)委員 農水省の方はかなり調査をしているようですけれども、それはさらに前進をして進めてもらいたいと思うのですね。
 去年の九月の段階で、ちょうど私が農林水産委員長のころですが、そのときに全国農業会議所に関係している経営者会議、これは一般の米もつくっておりますが、畜産、養鶏、養豚、それから乳牛等々の経営者が集まって、そこでいろいろと会議をし、要請をされた。ことしの三月七日にもこの皆さんは集合して、畜産に関する公害、ふん尿処理に対する準備金の創設とこれに対する税制について考慮してもらいたい、こういう要請をしております。
 これは要請としては大変前向きの要請だと思いますが、すぐこれができるとは思いませんけれども、少なくともそういう手当てをしないと、ただ規制緩和、そして行政が少数派にいたずらに文句を言う、これではどうにもならない。
 これについて、大蔵省出身の長官だから感想を述べてもらって、畜産局の方からそれに対してどうなっているか、お答えをいただきたい。
#61
○宮下国務大臣 畜産の振興というのは我々の食糧を確保するために大変重要でありますし、同時に、自由化を控えて非常に困難な状況にございます。したがって、私どもの国内自給率を高めながら食糧を確保していくことが重要な点であります。
 今、農業会議所の経営者会議のお話がございましたが、例えばそういう施設についての準備金制度を設けるというのは、経営形態が企業形態であれば私はそれは十分検討に値すると思いますが、個人の白色の、申告をなさるような個別の農家の場合はもっと違った形でそういった助成が必要だろうと思うのです。
 こういう点は、これはきょう税制論議をここでやる場でもございませんので、問題意識として竹内先生のおっしゃる点は大変重要なことだと私は存じておりますから、また折を見て私もしかるべきところにもお話も申し上げていきたい、こう思っております。
#62
○信國説明員 畜産農家に対します支援といたしまして、いろいろな助成事業にあわせまして、そういう税制面からの支援というのは大変重要な視点だと私どもも認識しております。
 そういう中で、先生御指摘の農業会議所からの要望を私どもも承っておりまして、何とかできないかというようなことでやっておりまして、例えば、直接準備金制度とは異なりますけれども、汚水処理に対しましていわゆる特別償却制度といったようなものを設けていただいております。
 そういう中で、準備金制度ということになりますと、その考え方が、将来発生または発生するおそれがある特定の費用に対しましてあらかじめ積み立てておくというような制度でございまして、私ども研究させていただいておりますけれども、これがそういうものとなじむのかどうかということについてなお研究が必要かと思っております。
 実態的には、先ほど申し上げました特別償却制度、効果としては同じようなものでございますので、当面こういうものを大いに活用していただくということで実効を上げていただいたらと思っております。
#63
○竹内(猛)委員 これはきょうここで結論を出そうというわけじゃないが、一つの提言として、ただ文句を言うだけでは済まない話なんです。やはりこれは政治の責任として進めていかなければならない。
 最後に質問するのは、アオコの問題です。
 閉鎖性水域というものが日本にはかなりある。私のところの霞ケ浦もその一つだし、各地にありますが、霞ケ浦の例をとってみると、夏になるとアオコが発生をして、土浦駅のプラットホームに行くとふん尿のたるをあけたようなにおいがぷんぷんとしてくる。いつでもそうなんです。
 このアオコ問題というのは二十二の品目には入っていないと思うのですね。これはまさにこの法律と関係があるだろうと思いますが、アオコ対策はどう考えているか、これについて。
#64
○嶌田政府委員 先生言われましたように、霞ケ浦でアオコの発生が見られておりまして、御承知のようにアオコの発生は湖の富栄養化が原因であるということで、そのためには窒素、燐の削減対策が必要であろうと思っています。
 こういうことで、環境庁といたしましては、従来から水質汚濁防止法によりまして排水規制の強化でありますとか、それから湖沼水質保全特別措置法によりまして湖沼水質保全計画に基づきます各種の対策を総合的にやってきているわけでございます。
 今後とも、この水質保全計画の対策が一層適切また有効に推進されますように、関係省庁と連携して努力していきたいというふうに考えております。
#65
○竹内(猛)委員 時間が来たからこれで終わりますけれども、一つ注文しておきたいことは、環境問題についての教育ですわ。これは文部省の仕事かもしれないが、文部省に任せておいてもだめだから、やはり実態の教育をしなければ、問題が起きてからいろいろ文句を言うのじゃなくて、お互いが理解をし合うということが必要ですから、環境教育というのはこれから二十一世紀に向かって非常に大事だ、そのことだけ注文して、終わります。
#66
○阿部委員長 岩佐恵美さん。
#67
○岩佐委員 まず、悪臭についての九三年度の総苦情件数九千九百七十二件のうち、約半数が規制対象とならない発生源からの苦情となっています。九三年度末現在、規制地域がある市区町村の数は千六百四十、全国の五〇・三%であります。苦情件数が比較的多い移動発生源、建設作業現場、下水、用水、ごみ集積場、これらが規制の対象外となっているわけです。
 近年、大都市地域での自動車排出ガスによる悪臭苦情件数の割合、これが増加する傾向にあります。九二年八月の環境庁の「臭気に関する意識調査結果について」でも、自動車の排ガスが「非常に気になる」「やや気になる」合わせて五六・八%になっております。これは住宅地域、商業地域、準工業地域で第一位、新興住宅地域では第二位にランクをされています。
 自動車排出ガスに含まれる悪臭物質などを新たに規制対象にするなど、悪臭苦情件数の実態から見ても、規制地域の拡大とあわせて規制対象の拡大が求められているというふうに思います。
 先ほどからも議論がありましたけれども、例え
ば大気汚染防止法だとか水質汚濁法だとか、あるいは廃掃法とか、そういうようないわゆる縦割りの法律ではなくて、この悪臭についても総合的に国の基本計画とかあるいは方針、これを策定をして対応していくことが今必要になっているんじゃないかというふうに思います。その点について、大臣のお考えを伺いたいと思います。
#68
○宮下国務大臣 規制地域の拡大につきましては、この法律の中でも都道府県知事が市町村長の意見を聞いて指定をすることになっておりまして、実績からいいますと、だんだん指定市町村の数が年々増加している現状にはございます。今後とも適切な規制地域の指定の拡大を行うということは非常に大事なことでございまして、その実態に応じまして都道府県や市町村を指導してまいりたいと思っております。
 また、規制対象の追加につきましては、この規制対象自体は、工場、事業場等を基本としておりまして、自動車排気ガスとか一時的に設置する作業場については、これを規制対象にいたしておりませんけれども、先ほど来の議論がございますように、一義的には大気汚染防止法による排気ガスの規制ということがこのにおいとの関連であると存じますので、そういう基本的な施策をきちっとしていきたいと思います。
 なお、自動車排気ガスにつきましては、先ほど局長も答弁されましたように、今後いろいろ検討してまいりまして、その排気ガスと大気汚染の関係、それから悪臭との因果関係、特に微粒子の原因がなかなかはっきり分析できていないという事情もあるようでございますから、そういった点を含めて検討してまいりたいと思います。
#69
○岩佐委員 悪臭への苦情が多い廃棄物最終処分場についてですけれども、これも管理型の場合、現行で規制する悪臭四物質をさらに拡大をする、また安定型の場合でも排水処理対策の義務づけとあわせた悪臭対策、こういう検討がされていくべきだというふうに思います。これらについても今後検討をしていってほしいというふうに思います。
 それで、きょうは、この法律に関連をする問題として、瀬戸内海の豊島の産業廃棄物不法投棄問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 私は現地に行ってきたんですけれども、現地は今でも廃棄物処分場特有の悪臭が立ち込めて、五十三度の発熱で鼻を刺すような、私も生まれて初めてああいうにおいをかぎましたけれども、同行者はちょっと吸い過ぎて一時的に吐き気を催すというような、そういう異臭が漂っておりました。
 私は、昨年二月十五日の当環境委員会でこの豊島の問題を取り上げたわけですけれども、その際厚生省は、県による代執行について、厚生省が県を指導する、そして不法投棄の原状回復措置については、行政上の措置あるいは民事上の損害賠償責任、それから費用負担のあり方について総合的に検討を進め、本年秋までに結果を取りまとめたい、そういう答弁がありました。この県による代執行と検討会の結果、これは現在どのようになっているのでしょうか。
#70
○木下説明員 御説明いたします。
 香川県におきましては、不法投棄を行った豊島総合観光開発株式会社に対しまして、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第十九条の四の規定に基づく措置命令を平成二年十二月、平成五年十一月の二回にわたり行っております。しかしながら、豊島総合観光開発株式会社に対するこうした二度の措置命令については、土堰堤の設置等、一部を除き履行されていない状況でありまして、香川県におきましては、さらに廃棄物処理法の趣旨を踏まえ、不法投棄を行った豊島総合観光開発に対する措置命令の履行が必要であるというふうに考えているところでございます。そういうことで、残念ながらまだ現在のところ、行政代執行につきましては行われていないところでございます。
 また、不法投棄の原状回復方策検討委員会につきましては、先生の御指摘のとおり、平成五年九月に設置をいたしまして、不法投棄が行われた場合の原状回復措置につきまして、行政上の措置や費用負担のあり方について総合的な検討をお願いしているところでございます。現在、同委員会は、設置以来九回開催をしておりますが、まだ取りまとめに至ってございません。今後できる限り早い時期に取りまとめをお願いしたい、このように考えております。
#71
○岩佐委員 この豊島の問題は、少し整理をしていくと、二十年前の一九七五年十二月に、豊島総合観光開発株式会社が産業廃棄物処理業の許可を香川県に申請したところから始まります。豊島の島民は、有害な産業廃棄物の持ち込みに反対運動を行いますが、香川県は七七年六月、許可申請を受理してしまいます。そのため、島民の大多数が原告となって産業廃棄物処理場建設の差しとめ請求訴訟を起こしましたが、事業内容をミミズによる土壌改良剤処分業に変更し、無害な産業廃棄物に限定をする、また被害が出た場合、島民に損害賠償をする、操業を一時停止する等を約束をしたため、和解をしました。
 ところが、会社は、八三年ごろから土壌改良剤処分業を事実上廃業し、シュレッダーダストや廃油、汚泥を大量に搬入して野焼きをし、埋め立てをするようになりました。香川県は、立入検査で当初から会社の違法行為を知りながら放置したばかりか、シュレッダーダストを有価物であるとして、業者に金属くず商の許可を受けるよう積極的に指導していました。この点の事実関係について、県は議会の答弁で認めております。そして香川県は、九〇年十一月に兵庫県警の摘発を受けて初めて産業廃棄物と認め、撤去の措置命令を行いましたが、実質上、会社の命令違反を容認、放置しているばかりか、これまでの県の責任も一切認めず、行政代執行も拒んでいるわけです。今答弁があったとおりです。
 そこで、九三年十一月、豊島の関係住民が公害紛争処理法に基づいて調停を申請しました。それで、公害等調整委員会は、国の予備費二億三千五百万円を支出をして、豊島産業廃棄物水質汚濁被害等調停事件に係る実態調査を行っていますが、この実態調査の目的、調査方法、今後の見通しについて簡潔に述べていただきたいと思います。公害等調整委員会からお答えいただきたいと思います。
    〔委員長退席、石破委員長代理着席〕
#72
○桑原政府委員 先生御指摘の、香川県豊島にかかわります産業廃棄物の事件でございますけれども、公害等調整委員会は、平成五年の十二月にこの事件を受け付けた後、所要の調整手続を進めてきたところでございますが、当委員会として産業廃棄物による汚染の全体像を把握するという必要がございますので、今般その実態調査を行ったところでございます。
 この調査では、我が国の廃棄物の権威者三名を専門員に任命をいたしまして、その指導を得ながら、当該処分地に投棄されている廃棄物の種類や毒性等に加え、土壌、地下水、周辺海域等、広範な領域にわたる影響の有無を解明することにしております。現在調査結果を整理している段階でございますけれども、今後、調査の結果得られたデータにつきまして専門員による解析、評価等を経た上で、その結果を踏まえて鋭意調停を進めてまいりたいというふうに考えております。
#73
○岩佐委員 その調停の方向ですけれども、別に調査結果を公表するというだけではないと思うんです。その点、今後の対応まで含めてやられるというふうに理解をしているんですけれども、いかがですか。
    〔石破委員長代理退席、委員長着席〕
#74
○桑原政府委員 調停のやり方でございますけれども、申請者、被申請者両方の言い分等を十分踏まえた上で、当委員会の調査しました結果を踏まえて、双方ができるだけ納得できる調停案といったものができ上がるように努力をしていく所存でございます。
#75
○岩佐委員 調停をやるに際して、双方の立場を考えてなかなか踏み込んでお答えがないようですけれども、私どもとしては、公害等調整委員会と
いうのが調査結果に基づいて、調査結果を出すというだけではなくて基づいて有害物をなくしていく、撤去していく、そしてもとの状態に戻していく、そういうことで努力をされるというふうに理解をしているわけですけれども、その点についてはお答えいただけないということであれば仕方がないというふうに思いますけれども、そういう方向でしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 とりわけ今回の事件というのは非常に大規模で、しかも日本でも例がない事件でありますので、ここでしっかりやってもらわないととんでもないことになるというふうに思います。
 この実態調査で明らかになった点というのが三つほどあるというふうに思っています。
 一つは、撤去しなければならない産業廃棄物の量が四十八万立米に及んでいるということ、二つ目に、シュレッダーダストなどの野焼きで有害物質が濃縮をされ高濃度に変化をしているということ、それから三つ目に、野焼きで化学反応を起こし高濃度のダイオキシンが発生をしている、こういう三つの点があるというふうに思います。
 従来厚生省は、この環境委員会での答弁でも、シュレッダーダストの量は香川県当局の報告をそのままうのみにして十五万トンと言ってきていたわけです。しかし、県当局の数量というのは実測をしたものではありませんでした。九〇年十二月当時に業者が持っていた搬入書類の数量を合計しただけのものであります。公害等調整委員会が測定した四十八万立米という数量が正確だというふうに当然理解をするわけですけれども、改めて厚生省に伺います。
#76
○木下説明員 御説明いたします。
 香川県豊島におきます不法投棄量につきましては、先生の御指摘のとおり、同県から、約十六万トン、内訳といたしましては、シュレッダーダストが約十五万トン、その他の鉱滓、汚泥一万トン、合計十六万トンという報告を受けているところでございます。
 一方、新聞におきまして、約四十七万から四十八万トンという推計値が報道されていることも承知しているところでございますが、この数値の根拠等につきましては、厚生省としては確認をしていないところでございます。
 不法投棄量の正確な数値につきましては、今後とも香川県に対しまして、その十分な把握を指導してまいりたいと思っております。
#77
○岩佐委員 この実態調査で、廃棄物の溶出試験では、二十一地点三十三試料が鉛の基準値を超過をしている、総水銀が一地点一試料、PCBが三地点四試料、ベンゼンが四地点四試料、有機塩素系化合物が七地点七試料が基準値を超過しています。
 ボーリングにより採取した廃棄物含有量試験では、十三地点十三試料で鉛の参考値を超過をし、カドミウム七地点七試料、総水銀三地点三試料、砒素は一地点一試料が参考値を超過をしています。また、ダイオキシンは六地点十七試料すべてにおいて検出をされている。この他土壌、浸出水、地下水、周辺環境も同様の実態です。
 また、この四十八万立米の産業廃棄物からは、最高値で、鉛が六・七ミリグラム、これは基準値が〇・一ミリグラムでありますからかなりなものであります。総水銀が〇・〇一ミリグラム、基準値が〇・〇〇五ミリグラムに対してであります。それからPCBが〇・〇〇七ミリグラム、基準値が〇・〇〇三ミリグラムです。それからベンゼンが十三ミリグラム、基準値は〇・一ミリグラム、それからトリクロロエチレンが三十九ミリグラム、基準値は〇・三ミリグラムでありますから、これからもわかるように、高濃度の有害物質が検出されております。
 県が公表した調査結果では、鉛を除いて他の物質はすべて基準内となっているわけです。しかし現実には、公害等調整委員会の綿密な実態調査で高濃度の有害物質で汚染されていることがはっきりしたと思います。
 このような有害な廃棄物は、九五年四月施行の産業廃棄物の埋立処分に係る有害性判定基準や土壌環境基準、排水基準からすれば、本来遮断型の最終処分場に埋め立てしなければならないようなものであると思います。それを、本来廃棄物を処理すべき場所ではないところに有害物を持ち込んだものであります。この実態を環境庁としてどう受けとめ、どうすべきだというふうに考えておられるのか、伺いたいと思います。
#78
○嶌田政府委員 豊島の不法投棄の問題につきましては、今御議論がございましたように、これまで厚生省の指導のもとに香川県が主体となりまして種々対応がなされてきたものと承知しております。
 先ほどお話がありましたように、現在、国の公害等調整委員会におきます調停が進められているところでもございますし、現在行われております調査結果を踏まえまして、専門家による評価がなされまして対策が検討されるというふうに考えております。
 環境庁といたしましては、この調停が一刻も早く成立いたしまして適切な対策が講じられることを期待しているところでございますが、環境汚染を防止するという観点から、厚生省、香川県との連絡を密にいたしまして、適切な措置が確保されるように今後とも努めてまいりたいと考えております。
#79
○岩佐委員 さらに、ダイオキシンの問題ですけれども、分析結果を見ますと、六地点十七検体の廃棄物と四地点四検体の浸出水すべてから検出をされています。廃棄物の最高値は、毒性等価濃度換算で一グラム当たり三十九ナノグラム、浸出水は一リットル当たり二十八ナノグラムとなっています。厚生省が暫定的に決めた一日許容摂取量〇・一ナノグラムに比べて、今回の調整委員会の調査結果というのはずば抜けて高い数値になっているわけです。
 この問題について香川県知事は記者会見で、ダイオキシンに国の環境基準が定められていないことを挙げて、県として緊急対策は行わないとしています。県当局の言うまま何らの対策もとらないで、廃棄物を放置したままで本当に生活環境が保全できるのでしょうか。厚生省のお考えを伺いたいと思います。
#80
○木下説明員 御説明いたします。
 今回の新聞報道によりますと、公害等調整委員会の調査によりましてダイオキシン類が検出されたというふうに言われております。ダイオキシン類は非常に毒性の強い化学物質であり、私どもも大きな関心を持って受けとめているところでございます。しかしながら、今回の測定結果は、公害等調整委員会の調停活動の一環で実施されたものでありまして、原則非公表のため、公害等調整委員会からは調査結果をいただいていないところでございます。
 今後、公害等調整委員会におきましては引き続き精密調査を行う予定と聞いておりますし、その結果を含め公害等調整委員会の結論を見守ってまいりたい、このように考えております。
 厚生省といたしましては、引き続きまして、二次汚染が生じないように周辺環境の監視等の適切な対応を香川県に対して指導してまいりたいと思っております。
 なお、必要に応じ香川県において環境保全上の観点から所要の措置がとれるようさらにまた考えていきたい、このように考えております。
#81
○岩佐委員 香川県当局は、公害等調整委員会の実態調査結果について、廃棄物の浸出水の化学分析などに異議を申し立てるなど、責任回避を図っているわけです。しかし、浸出水をろ過した後に検査をする、あるいは有機塩素系化合物を揮発した後に検査をする、そして汚染数値を低くする、そういう香川県の調査結果の方がよほど問題だと思います。
 こうした責任を回避しようとする香川県当局の姿勢そのものが豊島の汚染、環境破壊を深刻にしてきました。香川県当局は、明らかに産業廃棄物であるにもかかわらず、七七年三月の厚生省環境衛生局水道環境部計画課長通知を盾にして、有価
物と強弁してきました。兵庫県警に摘発をされ、やっと九〇年十二月になって産業廃棄物と認めましたけれども、それまでの責任は一切認めようとしていません。このような県の態度を放任してきた指導責任、私は厚生省にその責任があるというふうに思いますけれども、その点についてどう認識をしておられるのでしょうか。
#82
○木下説明員 御説明いたします。
 豊島における廃棄物の不法投棄問題につきましては、先生のお話のとおりのような経過があるいはあったのかもしれませんが、一応、現在のところ香川県は、被害の拡大がないように、不法投棄を行った豊島総合観光開発に対して指導の徹底をしているところでございます。またさらに、県におきましては、事業場、その周辺の環境等の調査を定期的に実施いたしております。厚生省としても、措置命令が履行されるよう県が最大限の努力を払うことが必要であると考えておりますし、さらに、撤去されてない現状を踏まえて、生活環境の保全を図る観点から、今後香川県により所要の対策が講じられるように適切に指導してまいりたい、このように考えております。
 廃棄物であるか有価物であるかにつきましては、なかなか微妙な問題でございますので、今後ともさらに現状の問題について適切に対応してまいりたい、このように考えております。
#83
○岩佐委員 厚生省がいまだに廃棄物であるか有価物であるか微妙な問題ですみたいなことを言っているようでは、豊島の問題が解決されていかないのですね。やはり過去の問題をきちっと直視していかなければ、これからの対策というのは出てこないわけですね。厚生省、きちんともっと厳しく対応をしていくべきだというふうに思います。
 次に、四十八万立米にも及ぶ産業廃棄物を撤去する責任が、違法な産業廃棄物の処理を行っていた豊島総合観光開発株式会社と違法な処理を知りながら委託してきた製紙会社等にあるのは当然であります。同時に、香川県当局が初期の段階でシュレッダーダストや廃油を産業廃棄物として搬入をとめて、業者に金属くず商の許可を与えて違法行為を助長していなければ、このような大問題を引き起こさなかったはずであります。
 香川県の担当職員は警察調書でこう言っているのですね。私の松浦さん、というのは会社の実質的経営者ですが、に対する気持ちは、気の短い乱暴な男で、機嫌を損なえば何をするかわからない人、このことから強いことが言えず、松浦さんの都合のよい回答をしているのであります、これが松浦さんでなければ行政処分等の適正な措置ができたと思うのですと言っているわけであります。
 シュレッダーダストや廃油は産業廃棄物であるのに、業者から有償だと言われ廃棄物に該当させなかったというわけですから、香川県当局の責任は重大だと思いますし、その点をうのみにしている厚生省の責任も私は重大であるというふうに思います。
 委員長、ちょっと写真を大臣に提示したいのですが、よろしいでしょうか。
#84
○阿部委員長 はい。
#85
○岩佐委員 これは二枚の航空写真であります。一枚は業者が産業廃棄物を持ち込む以前の、ちょっと黒っぽい方ですね。それが一九六六年七月の写真ですから、約三十年前の写真であります。もう一枚は九二年六月、最近の写真であります。
 ごらんいただけばおわかりいただけると思うのですが、業者の埋め立てで形状が大きく変わっています。環境庁の第二種の特別地域があるわけです。第二種の特別地域は島に接続するくらい大きくせり出しています。島が離れていたのですね。前は小舟も通れたそうなのですけれども、もう今は舟も通れない、そういう状況になってしまっています。島とわからないくらいになっているのですね。普通地域も百メートルくらい海側に膨らんで埋め立てられているわけです。しかも、この第二種特別地域に有害な産業廃棄物が埋め立てられたり、あるいは山から落としたみたいな形で押し出しているのですね、私もちょっと現場を見てまいりましたけれども。まさに自然環境が破壊をされている実態です。特別地域でこのような不法な形状の改変が行われる、あるいは産業廃棄物が不法に投棄される、こういうことは許されないというふうに思います。
 昨年二月の当委員会で、当時の環境大臣の、国立公園の保護の観点から適切な対応をしていただくよう指導してまいりたいという答弁があったわけでありますけれども、早急に指導をしていただきたい、そのことを大臣にお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#86
○宮下国務大臣 私もちょっと現場、今写真を拝見して、かなり変わってきているなという感じはいたします。国立公園の二種地域でもございますので、当時の、今御指摘の二月の担当大臣のおっしゃったとおりだと存じますが、なお、今公害等調整委員会でこの処理がなされておりますので、その調整は単なる調査だけではないと私は存じます。したがって、そういった問題を含めまして、このあり方について検討し、処理を指示してまいりたいと思っております。
#87
○岩佐委員 香川県知事は、公害等調整委員会の専門委員や国の指導を受けて対処したいというふうに今言っております。私は、本当に今国のリーダーシップが問われているというふうに思います。国として、豊島の廃棄物を九四年三月に厚生大臣が指定した廃棄物処理センターの香川県環境保全公社で焼却をさせる、四十八万立米の廃棄物をさらに減量化する、そしてその残渣を遮断型の最終処分場に埋め立てる、こういうのが理想だというふうに思います。ぜひそういう方向で指導していただければというふうに思います。
 二十年間不法な産業廃棄物で苦しめられている島民の皆さんが今一番望んでいること、これは有害な廃棄物をとにかく一日も早く島から撤去してほしいんだ、そしてその後に豊かな前のような自然を回復したいんだ、孫子の代まで本当に今の人たちがよく頑張ってくれたなという自然を残していきたいんだというのが島民の皆さんの切実な要求なのですわ。もう本当にささやかというか、当たり前の要求であるというふうに私は思います。
 今重要な段階を迎えています。本当に各省庁を調整して、あるいは現地も大きく見ながらやっていかなければならない、そういう時期でもありますので、ぜひ宮下大臣の指導性を発揮していただいて、積極的に対応していただきたい。再度お願いをしたいと思います。
#88
○宮下国務大臣 今申しましたように、公害等調整委員会で取り上げられている事案でもございますので、それらを見きわめながら、今委員のおっしゃったような趣旨に沿って対応をしてまいりたい、こう思っております。
#89
○岩佐委員 次に、東京八王子市の上川町黒沢地区の産業廃棄物の問題であります。
 これは何回か国会で取り上げているのですけれども、現在親会社の横浜オール清掃の破産で休止状態になっている東京環境センター廃棄物処分場の現地を調査しました。この東京環境センターの処分場というのは、三千平米の自社処分場と九千九百三十四平米の上に七千九百九十一平米を上積みしたそういう許可処分場の二カ所があるわけです。
 自社処分場は、九三年八月の大雨で浸出汚水が大量流出して、黒沢川や川口川を汚染をし、川が青く色づき、悪臭が立ち込め、コイもドジョウもいなくなってしまったところであります。この事故で、自社処分場が六千平米以上あることや、他に二カ所自社処分場を造成しているということが判明して、東京都の指導で縮小や中断が行われたところであります。
 自社処分場の浸出汚水は、業者が活性炭処理、薬剤処理、沈殿処理施設を設置しましたけれども、黒沢川の悪臭はおさまらない。硫化水素やアンモニア臭とともに薬品臭がしているわけです。
 許可処分場については、自社処分場の流出事故の経験から、上川東部町会が上積み部分の増設許可を認めないよう東京都などへ強く要求していたにもかかわらず、東京都が安易に許可をしてしまったところであります。
 現地を見たところ、許可処分場では、安定型最終処分場にもかかわらず、安定五品目以外の廃棄物が多く埋め立てられています。また、山側の亀裂のそばに、覆土と称して残土を五メートルも積み上げていました。また、自社処分場では排水処理プラントも運転していない、こういうことが確認をされました。
 そこでまず、安定五品目以外の廃棄物の埋め立て、これは廃棄物処理法違反ではありませんか。処分場から撤去をさせる、そういう措置をとるべきだと思いますけれども、厚生省に伺いたいと思います。
#90
○木下説明員 御質問の安定型処分場につきましては、東京都によりますと、先ほどのお話のとおり経営危機に直面しておりますので、本年の三月以降、週に一回程度の立入検査を実施いたしております。こうした立入検査時におきましては、安定型五品目以外の廃棄物が搬入された状況は特に認められなかったというふうに聞いております。しかしながら、この問題は地元住民の方々も非常に大きな関心を持っている問題でもありまして、引き続きまして監視に努め、必要に応じ適切な措置が講じられるよう東京都を指導してまいりたい、このように考えております。
 また、亀裂の問題でございますが、先生のお話のとおり、この処分場は昨年の九月に廃掃法の構造基準に適合するものとして変更の許可が行われたものであります。現在、最終処分場の表面に最大五センチの亀裂が生じていることがことしの三月十日に判明しておりますが、この亀裂は廃棄物と土砂の沈下速度の違いから生じたものでありまして、こうした亀裂によりまして最終処分場が崩れるおそれはないのではないかという報告も聞いております。
 なお、先ほどお話ししましたとおり、週に一回の現場立ち入りを行っておりますので、その際に異状の有無をさらに確認をすることといたしております。
 以上、五品目以外の混入の問題あるいは亀裂の拡大の問題につきましては、さらに十分な配慮を行ってまいりたいというふうに考えております。
#91
○岩佐委員 大体、安定五品目だけだったらそんな異臭が発生するなんということはあり得ないのですよ。物すごく臭いのだということです。私は、対応が非常に甘いというふうに思っています。大体、安定五品目というのは一体何なんだということがここでも問われているわけであります。今、業者に対してきちっと指導する行政の姿勢が問われているというふうに思います。
 それから、泊社処分場の排水処理プラント、これは私が行ったときには運転していませんでした。今、たとえ現場に技術管理者がいたとしても、実際にプラントを操作する専門の技術者がいなければいけない。また、技術者を置くにしてもお金がかかる、薬剤処理するにしてもお金がかかるわけですね。破産による休止状態で稼働できない実態だというふうに言われているのですね、現地に行けば。稼働のためには人件費も含めて毎月四百三十万円もお金がかかるということであります。こういう排水プラントが稼働しないという事態は非常に重要な事態なんですね。何でここまで追い込んでしまったのかということだと思うのですね。
 それから、亀裂が五センチといいますけれども、場所によってはかなり、十五センチぐらいのところもあるわけですね。それが縦にぴいっと入っているわけです。山とその残土、かなり積み上げられているわけですから、そこの間にびいっと亀裂が入っていて、その真下には病院の宿舎があるのですね。だから、住民は、崩れない、崩れないと言われても、崩れる不安を非常に抱いているわけですね。ですから、きちっと指導していくことが必要なんですね。
 大体、東京環境センターという業者は、先ほど来指摘をしましたけれども、さまざまな行政指導を東京都から受けているのですね。地元住民に対しては、増設計画は説明しない、公害防止協定もなかなか締結しない。全く不誠実な態度に終始をしているわけです。
 この問題について、私も町会の皆さんと、去年の九月二日に、厚生省と環境庁に対して増設許可を認めないよう指導を要請に伺いました。厚生省の木下産業廃棄物対策室長が、私たちの要請を受けて、それで東京都の指導課長に事情を聞きたい。と連絡を入れるのですね。それが五日に連絡を入れる。八日に来てくださいというふうに言っていた。ところが、東京都は六日にもう増設変更許可をおろしてしまった。要は、言ってみれば、厚生省が事情を聞きたいよということで八日に来るはずだったのに、電話を入れたら、その明くる日にぽんとおろしてしまった。全く不誠実きわまりない東京都の対応だというふうに私は思います。
 さらに、厚生省の態度も問題なんですね。私たちの要請を受けながら、許可した後に説明を受け、追認をするということなんですね。今の話のようにいろいろ問題が起こっているのだけれども、東京都から聞いて、今は問題はない、問題はないということでうのみにしているわけですね。
 もう一つ言えば、十六日に私、現地に入って厚生省から事情を聞いて、現地はどうなっているかといったら、厚生省の事情聴取と大分違っていて、排水プラントは稼働していなかった。ところが、厚生省は稼働していると聞いているわけです。だから、そういう点でも全く東京都の報告と違う事態になっているわけです。ですから、大雨でも降って、しかも災害や水質汚濁が起こったら、一体だれが責任を負うのかという問題になってくる。それだけ大規模な処分場になっているわけですから、きちっとした対応をしていく必要があるというふうに思っています。
 九三年十月の当委員会で、私この問題について質問をいたしました。この質問に対して、環境庁としても対応していただくということで、その後の交渉でも対応していただくというような回答を得ているわけです。とにかく、現地の人たちは、こんな無責任な業者に最初から許可すべきじゃなかったんだ、これから雨量が多くなると本当に亀裂による災害とか汚水の流出が心配なんだ、一日も早く手を打ってほしいという切実な要求が上がっています。それから、つぶれてしまった業者と住民が会合した際に、その住民の方が頭にきて、興奮して、そのことで脳内出血を起こして三日後に亡くなってしまうというような事件も起こっているのですね。
 ぜひ、環境庁として、厚生省の方とも連絡をとりながら、この問題に厳しく対応していただきたいというふうに思うのですけれども、最後に大臣の答弁をお願いしたいと思います。
#92
○宮下国務大臣 事実関係は私もよく承知しておりませんが、ただいまの御議論を拝聴いたしておりまして、やはり放置できない問題であることは事実でございますから、厚生省、東京都等と我が方環境庁がよく連絡をとって実態を明らかにして、そして適切な対応をして住民の不安のないようにいたしたい、こう思っております。
#93
○岩佐委員 終わります。
#94
○阿部委員長 中村力さん。
#95
○中村(力)委員 無所属の中村力です。ことし一月にこの環境委員会に所属になり、きょうは同僚議員の方の御好意によりこのように質問させていただくことにまず感謝申し上げたいと思います。
 さて、質問に入る前に、先ほど長官も石破議員の御質問に対するお話の中で触れられたことですが、先週閉幕しました地球温暖化防止条約第一回締結国会議における長官を初めとする環境庁そして政府の皆様方の御苦労に心から敬意を表したいと思います。
 新聞報道によりますと、いわゆる先進国の中でも、二酸化炭素排出削減の方向をはっきり打ち出そうとするヨーロッパ、いわゆる欧州連合と、それには消極的なアメリカ、オーストラリア、そして我が国日本との間での対立が鮮明化して、いつまでにそしてどの程度の削減を目指すべきかということについてあいまいなままになっているとのことですが、長官が日本政府代表演説の中で、再来年、一九九七年の第三回締結国会議を日本で開
催したいとせっかく発言されたわけでもありますし、ぜひ日本としても具体的な行動を決めるときだと考えます。
 私自身は二酸化炭素削減に大きな効果を持つ環境税の導入に賛成の立場ですが、それによって起こる物価上昇とかあるいは経済成長への阻害といったマイナス要因もできるだけ数量化した上で、恐らくさまざまなシミュレーションが必要だと思いますけれども、そういう資料を多く取りそろえてもらった上で私ども議員の間で公の場でその導入の是非を議論を行うべきであり、そのための長官のリーダーシップの発揮をこの場をかりて何とかお願いしたいと思います。
 さて、この悪臭防止法の一部を改正する法律案については、私は賛成の立場で、先輩議員が触れられなかった二つ、三つぽどについて質問を行いたいと思います。
 まず一つは、この改正の目的の一つである、これまで対応できなかった複合臭の問題についてですが、複合臭が原因となっているこれまでの苦情件数については、悪臭苦情の全体件数、平成三年から平成五年の間おおむね一万件前後でありますけれども、その中で大体複合臭が原因となっている苦情件数がどれくらいの割合であるのか、もしわかればお教えいただきたいと思います。
#96
○大澤政府委員 悪臭については年間約一万件くらいあるわけでございますが、そのうち規制地域内において工場とか事業場を原因とする悪臭の苦情というのはその約半分の五千件ございます。
 その中身を分析してみますと、従来、現行の特定物質による規制ではなかなか難しいという業種ですが、つまり複合臭等による悪臭問題がどれぐらいあるかということでございますが、これは大体その四割ぐらいございまして、この新しい方法を導入すればこれに的確に対応できるのではないか、かように考えております。
#97
○中村(力)委員 先ほど松沢委員も触れられたことなのですが、改正案十二条について御質問したいと思います。
 本条は、仮にこの法律に違反しても罰則がない、いわゆる訓示規定ですが、この立法過程において、罰則を含めた立法措置をとることと今回の努力義務規定にとどめることとの間で比較考量が行われたと思うのですが、その比較考量を具体的に、その検討経緯あるいは罰則を含めた規制法律案の問題点をお教えいただければありがたいと思います。
#98
○大澤政府委員 今回、十二条の国民の責務規定については、御承知かと思いますがいろいろな経過がございますが、一つは、環境庁で既に成立しておりますが環境基本法というのがございまして、その九条においては、国民の責務として「国民は、」「環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。」こういう定めがございます。私どもとしては、今回の改正法において、これを受けまして十二条の規定にあるように日常生活に伴う悪臭の発生の防止に関する規定を設けたわけなのです。
 なお、その検討の過程で、このような国民の責務規定を設けている類似の立法例を御紹介いたしますと、例えば水質汚濁防止法、これについては生活排水対策、あるいは廃棄物の処理及び清掃に関する法律については廃棄物の減量化、それから再生資源の利用の促進に関する法律では再生資源の利用を促進する、こういう例がございますし、これらの法令はいずれも罰則を設けておるわけではございませんが、一般国民を対象としまして訓示的な規定の形式をとっているという状況にございます。
 そこで、罰則の規定をできないかどうかという点についても検討をしたわけでございますが、問題点といいますか、罰則を設ける規制を行うとすれば、まず行為の内容は、罰則を背景とした強制力をもって禁止しなければならない、こういう一般に納得できる行為に限定しなければならないという点が一つございます。また、その行為者は、その行為が違法か否かできるだけわかるように、禁止される行為の範囲を明確にしておく必要がある、限定的な規定としなければならない、こういう点がおおよそあろうかということでございます。
 こういう点についても検討したところでございますが、今回はやはり、先ほどの関連の法令にあるように、国民に対しまして幅広く取り組みを求めるに際しては、罰則という規制措置というものでなくて、訓示的な規定で国や地方公共団体が意識の啓発を図ったり国民の自発的な行動を促していく、こういう政策手法がこの悪臭防止法についても有効かつ適切である、こういう判断から訓示的な規定にしたわけでございます。
#99
○中村(力)委員 今お答えいただきましたように、これまでそういう訓示規定もなかったわけですから、今回新しい条文ができるということで一歩前進ということは私も評価しますしもちろん賛成の立場ですが、この法律で訓示があっても、これからも場合によっては個人あるいはある集団でこの規定を無視してしまうことも起こり得るわけですから、それが万が一起こった場合のそれに対する法律的な対応もぜひ政府部内で引き続き御検討をお願いしたいと思います。
 最後に、このような、においに限らずさまざまな、広く言えば環境破壊に対して、法律によるいわゆる規制を行うのかあるいは経済的誘導効果を行うのかということについてさまざまな議論がありますし、私もいろいろな面で悩んでいる者の一人ですけれども、今回のことでも、やはり思い出しますのが、余り直接の関係はないかもしれませんけれども、いわゆる空き缶のぽい捨てについてこの機会をかりてお伺いしたいと思います。
 御存じのように、シンガポールでは厳しい罰則を伴ういわゆるぽい捨て禁止法があり、日本でも幾つかの地方自治体でぽい捨て禁止の条例を独自に定めておりますが、その定められている地方自治体の大まかな数についてお教えいただきたいですし、さらにその条例を定めた影響を含めて、いわゆるポイ捨て現象に対して、国として政府はどういう検討をしているのかお教えいただきたいと思います。
#100
○大西政府委員 お答えを申し上げます。
 まず空き缶等のポイ捨てについて罰則を設けた条例を制定しておる自治体の数でございますが、これは私どもが平成五年の九月に全国の市町村に対して行った調査の結果でございますが、空き缶等のポイ捨てについて罰則を設ける条例を制定している市町村、七十三市町村でございますが、その効果についてもあわせ伺いましたところ、ざっと申し上げますと、抑制効果が認められたというのが、七十三市町村の回答をいただいたうち十九、パーセントで二六%でございます。以前とほとんど変わらないというのが三十四市町村、四六・六%、以前より増加したというのが二市町村で二・七%、回答がないのが十八、二四・七%でございまして、この結果から見る限りでは、必ずしも顕著な効果が認められるとはなかなか言いがたいかなという感じがいたしております。
 それで、私ども政府におきましては、ちょうど昭和五十五年に京都で空き缶条例の制定が検討されたということがございまして、それを契機に政府におきましても、五十六年から関係十一省庁から成る空き缶問題連絡協議会というのを設けまして、以来その場でいろいろ空き缶問題に関する対策の検討あるいは連絡調整等を行ってきておりますが、この協議会におきます意見では、空き缶等のポイ捨て行為すべてではなくて、そのうち例えば交通の障害となるような悪質なもの、こういうものについては道路交通法による検挙措置をとるといった検討をいたしておりますが、ただ基本的にはやはりこの種の行為はモラルの問題ではなかろうかということで、ポイ捨てをしないというモラルを社会的に広めるような普及啓発活動に重点を置いて、その充実を図ろうということが現時点での共通した考え方になっておる状況でございます。
 この協議会は、引き続きまたこの問題についても検討を行っていく考え方でございます。
#101
○中村(力)委員 これまでの対応方法に対する評価として承りましたけれども、一つの問題を解決するためには、法規制の面と経済的誘導方法と、そして言うまでもなく、今御答弁いただきましたように教育の問題もあろうかと思います。それぞれの分野で自分たちに今何ができるかを、それぞれ責任分担をはっきり認識しながら具体的な解決に向けて一つ一つ前進してまいりたいと思いますので、また長官を初めとする政府の皆様方の御尽力を心からお願いいたしまして、質問を終わります。
 以上です。
#102
○阿部委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#103
○阿部委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、参議院送付、悪臭防止法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#104
○阿部委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#105
○阿部委員長 次に、ただいま議決いたしました本案に対し、山口俊一君、石破茂君、竹内猛君、宇佐美登君及び岩佐恵美さんから附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。石破茂君。
#106
○石破委員 私は、ただいま議決されました悪臭防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につき、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び日本共産党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    悪臭防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一 嗅覚測定法を用いた規制制度の円滑な運用を図るため、その導入の趣旨を地方公共団体等に十分に周知徹底するとともに、今後、調査研究の推進、科学的知見の集積に努め、法第四条第二項第二号及び第三号の各規制基準の早期設定を図ること。
 二 嗅覚測定法の導入に際し、事業者に対する指導に当たり、事業者のとるべき対応措置をできるだけ具体的に示す等により、悪臭防止対策が円滑に進められるよう十分配慮することを都道府県知事に指導すること。
   とりわけ、小規模事業者等経営環境の厳しい事業者に対しては、事業活動への影響も十分考慮し、改善措置の段階的実施等、きめ細かく行われるよう都道府県知事を指導すること。
 三 諸外国や他の環境分野における動向等を踏まえ、悪臭の測定方法、影響、防止技術等に関する調査研究を引き続き推進すること。
 四 市民の自発的な悪臭の防止への取り組みを促進するよう、普及啓発等を進めるとともに、より快適なにおい環境づくりに向けた取り組みを一層進めること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#107
○阿部委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の皆さんの起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#108
○阿部委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいま議決いたしました附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。宮下環境庁長官。
#109
○宮下国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。
    ―――――――――――――
#110
○阿部委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いた。いと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○阿部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#112
○阿部委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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