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1995/02/07 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 労働委員会 第2号
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1995/02/07 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 労働委員会 第2号

#1
第132回国会 労働委員会 第2号
平成七年二月七日(火曜日)
    午後一時開議
出席委員
  委員長 笹山 登生君
   理事 赤城 徳彦君 理事 大野 功統君
   理事 長勢 甚遠君 理事 河上 覃雄君
   理事 北橋 健治君 理事 柳田  稔君
   理事 岩田 順介君 理事 佐藤謙一郎君
      木部 佳昭君    二田 孝治君
      古屋 圭司君    持永 和見君
      東  祥三君    初村謙一郎君
      桝屋 敬悟君    松岡満寿男君
      池田 隆一君    永井 孝信君
      寺前  巖君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 浜本 万三君
 出席政府委員
        労働大臣官房長 伊藤 庄平君
        労働省労政局長 七瀬 時雄君
        労働省労働基準
        局長      廣見 和夫君
        労働省婦人局長 松原 亘子君
        労働省職業安定
        局長      征矢 紀臣君
        労働省職業能力
        開発局長    中井 敏夫君
 委員外の出席者
        大蔵省主税局税
        制第一課長   福田  進君
        国税庁課税部法
        人税課長    田中 正昭君
        厚生省社会・援
        護局更生課長  冨岡  悟君
        厚生省保険局企
        画課長     辻  哲夫君
        通商産業省産業
        政策局総務課長 中村 利雄君
        通商産業省環境
        立地局産業施設
        課長      相澤  徹君
        通商産業省生活
        産業局文化用品
        課長      吉本 孝一君
        中小企業庁長官
        官房総務課災害
        対策室長    玉木 昭久君
        建設省都市局都
        市総務課都市高
        速道路公団監理
        室長      土屋  彰君
        労働委員会調査
        室長      松原 重順君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二日
 辞任         補欠選任
  加藤 卓二君     松下 忠洋君
  額賀福志郎君     村田敬次郎君
  二田 孝治君     西銘 順治君
  持永 和見君     越智 伊平君
  初村謙一郎君     工藤堅太郎君
  寺前  巖君     志位 和夫君
同日
 辞任         補欠選任
  越智 伊平君     持永 和見君
  西銘 順治君     二田 孝治君
  松下 忠洋君     加藤 卓二君
  村田敬次郎君     額賀福志郎君
  工藤堅太郎君     初村謙一郎君
同月三日
 辞任         補欠選任
  加藤 卓二君     越智 通雄君
  額賀福志郎君     若林 正俊君
  二田 孝治君     村田敬次郎君
  持永 和見君     村山 達雄君
  初村謙一郎君     月原 茂皓君
同日
 辞任         補欠選任
  越智 通雄君     加藤 卓二君
  村田敬次郎君     二田 孝治君
  村山 達雄君     持永 和見君
  若林 正俊君     額賀福志郎君
  月原 茂皓君     初村謙一郎君
同月六日
 辞任         補欠選任
  初村謙一郎君     伊藤 達也君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤 達也君     初村謙一郎君
同月七日
 辞任         補欠選任
  藤尾 正行君     古屋 圭司君
  志位 和夫君     寺前  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  古屋 圭司君     藤尾 正行君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 労働関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○笹山委員長 これより会議を開きます。
 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永井孝信君。
#3
○永井(孝)委員 このたび、我が兵庫県におきまして大変な地震の被害がございました。政府や各党挙げて支援のための措置をとっていただいていることにつきまして、心から敬意を表し、感謝申し上げますとともに、被災された方々のお見舞いと亡くなられた方に対して心から御冥福を祈るところでございます。
 さて、この地震対策について労働行政がどのように対応してまいりましたか、そのことを中心にきょうはお尋ねをしていきたいと思うわけであります。
 まず、今現状で、この大震災によって閉鎖に追い込まれた事業所数、あるいは全体の被災状況、あるいはその事業所で働く雇用労働者の中で労災に該当する者、死亡者数、あるいは今現実に仕事を失っている者、これらの被害状況について現在の時点で把握されている点について、まず初めに報告を求めたいと思います。
#4
○伊藤政府委員 私ども、今回の震災が起こりましてから、早急に相談窓口体制等特別の体制をしきまして状況把握に努めておるわけでございます。
 多数の労働者が休業を余儀なくされるなど、地域への雇用状況への悪影響が懸念されるところでございますが、兵庫県内の十その公共職業安定所に設けました特別相談窓口におきまして、二月五日までに求職者の方々から九千六百七十件、また事業主の方々から六千八百八件、その他関係機関の相談を含めまして合計一万七千百二十二件の相談を受けております。
 相談の内容といたしましては、求職者の方々からのものとしては、失業給付の特例措置などに関するものが七千六百五十四件に上っております。また、事業主の方々からのものとしては、雇用調整助成金の特例措置などに関するものが三千三十件に上っている、こういうふうに実情を把握しているところでございます。
#5
○永井(孝)委員 今のところ、労災適用を申請している件数は極めて少ないと思うのでありますが、おおむねどの程度労災保険の適用となる死亡者の数が把握されているか、お聞かせください。
#6
○廣見政府委員 今先生御指摘のように、労災の給付を既に申請された方、亡くなられた方で申請された方は二名、二件となっておりますが、私ども、今までの状況把握によりますと、業務上の理由で亡くなられた方二十二名、それから業務上の理由でけがされたと見られる方三十三名というふうに把握いたしております。
 さらに、労災保険の関係で何らかの御相談を受けているのが二月五日現在で百九十九件、こうなってございますので、これからまだまだ労災関係の相談あるいは給付の申請がふえてくるのではなかろうか、このように思っております。
#7
○永井(孝)委員 今お聞きしましたように、全体の被災の大きな状況もさることながら、直接労働行政に関係する分野においてもこれほどの大きな数字が出てきているわけであります。したがって、その震災に対する労働省関係の対策について、今後の取り組みは極めて重要でありますが、まず初めに大臣の決意をお伺いしておきたいと思います。
#8
○浜本国務大臣 答弁に先立ちまして、まず、今回の兵庫県南部地震により亡くなられました多くの方々及びその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表するものでございます。また、負傷されたり避難生活を続けておられる被災者の皆様にも心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
 労働省といたしましては、先ほどお話がございましたような非常事態下、労災病院の施設やスタッフの活用、雇用促進住宅の提供等による応急対策に取り組みますとともに、被災に伴う経済活動の混乱の中で、労働者の雇用の維持や生活の安定の確保を図ることが極めて重要であることにかんがみまして、失業給付や雇用調整助成金の特例支給、監督署や安定所における相談体制の整備など、総合的かつ積極的な取り組みを行ってまいったところでございます。今後におきましては、新規学卒者を含む労働者の雇用の安定の確保が引き続き最も重要な課題であると思いますし、また今後、離職者が発生した場合の適切な対応や災害復旧工事等における労働災害防止対策など、対処することが非常に多いと思います。
 私といたしましては、このような意味におきまして、労働省が今回の災害対策におきまして果たさせていただきました役割は非常に大きかったのではないかというふうに思っております。既存の制度や予算を最大限に活用いたしますとともに、必要に応じまして制度改正を機動的に行いますなど、労働省のあらゆる政策手段を用いまして全力で取り組んでまいりたいと思います。
#9
○永井(孝)委員 せっかく労働省が大変な御苦労をいただいて、大変な対策を今進めてもらっているわけでありますが、その中身について、せっかくの機会でございますから、少しきめ細かく聞いてまいりたいと思うわけであります。
 まず初めに想定されることは、これだけの大きな被災が起きたわけでありますから、大変な数の事業所が事業ができなくなっている、閉鎖に追い込まれている、どうやって立ち上がればいいのか全く手探り状況にある、不安がいっぱいだ、こういうのが実態だと思うのですね。片方、働いている人たちにとれば、きのうまで働いておった職場が急になくなってしまったわけでありますから、自分が働いているところの雇用主も被災者でありますから、普通の失業状況と違った形から大変な不安が今出てきていると思うのです。したがって、労働省として何よりも大事なことは、その多くの雇用労働者を抱えている事業主がまず雇用を確保するための事業の再開に全力を挙げること、働いている者が職を失わないようにすること、これが労働省としては最大の課題だと思うのです。
 ところで、現実に新聞の記事なんかを見ますと、これだけ大きな記事が出ています。普通の新聞でこれだけの見出しの記事が出るというのは少ないと思うのでありますが、「二百十社が四千五百人解雇検討」と出ている。どこまで労働省が把握をされているかわかりませんけれども、二百十社において約四千五百人の解雇、あるいは約二十社が高校生ら計約百二十人の就職内定取り消しを検討していることが明らかになったという記事なんです。
 被災者が、避難場所においてあるいは自分が何とか住めるような状況の中で、満足な生活ができないのですけれども自分の家を守っているというそういう人たちが、この記事を見て大変な不安を感ずることは間違いないと思うのです。実態はどうなっているのか。相談窓口をせっかく設置してもらっているわけでありますから、今の現状で、把握できる状況でこの解雇問題がどの程度出てきているのか明らかにしてください。
#10
○征矢政府委員 御指摘の報道の点でございますが、私ども確認いたしましたところ、兵庫県あるいは私ども公共職業安定所が発表したデータではございません。それに基づくものではございませんで、具体的な実態については承知しておらないところでございます。
 ただし、兵庫県南部地震によります被災地におきましては、多くの事業所で生産設備の損壊あるいはライフラインの断絶に伴う事業活動の停止等が生じておるのは御指摘のとおりでございまして、多数の労働者の方々が休業を余儀なくされるなど、地域の雇用状況への悪影響が見られるのは事実でございます。
 こうした厳しい情勢に対処しまして私どもがまず第一に考えましたのは、企業の雇用維持に向けた努力を勧奨するという視点から、被災地域内で雇用の維持を図ろうとする事業主の方への雇用調整助成金の支給、あるいは被災によります事業所の一時休業あるいは一時的離職、これは再雇用の予約が前提での一時離職ということでございますが、それにより賃金を受けられない、この場合の失業給付の支給等、緊急、非常に際しました特例的な措置を実施いたしまして、現在その円滑な運用に努めているところでございます。
 あわせまして、関係公共職業安定所に事業主及び休職者の方を対象にした特別相談窓口を設置いたしまして、所長の指揮下のもと一丸となりまして相談をいろいろ実施している、こういうことでございまして、先ほどお答え申し上げましたように、その相談の総件数が二月五日までの時点で合計一万七千件余になっている、こういうことでございます。
 今後ともこの施策の周知に努めまして、被災された事業主の方あるいは労働者の方々にこの制度を広く利用していただき、雇用の維持と安定を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。
#11
○永井(孝)委員 労働省としては、この四千五百人の解雇ということが裏づけのない数字だ、今の時点ではですよ、これからどういうことが起きるかわかりませんけれども。しかし、この数字がひとり歩きをすれば働く人は物すごい不安を持つわけですね。この不安を除去するために、この雇用調整助成金の適用であるとか、あるいは特例的に失業給付を行うとか、こういうことがもっともっと被災者の方々に、いやこういうふうにやっていますよということがわかれば、ある意味ではこの不安が除去できるわけですね。
 これは非常に大事なことだと思うのでありますが、もしも実態と合わない記事だとすると、これはやはりマスコミにも気をつけてもらわなければいけませんね。不安を助長するような報道が先走ったのでは、関東大震災のような流言飛語で大暴動につながるというようなことは、非常に神戸市民を初め被災地の方々が良識を持って対応されておりますから、称賛に値するほど冷静に事が運ばれておりますけれども、やはりそのことはこれから起きてくるであろう失業問題を考えるときに、これは見過ごせない問題でありますから、十分に配慮をした対策が私は必要だと思うのであります。
 ところで、片方で、これも新聞記事を引用させてもらって恐縮でありますが、阪神高速道路は御存じのように大変な被害を受けました。この阪神高速道路公団が百六人、料金の徴収係を解雇した、そしてさらに百四十九人が解雇を迫られているという記事が片方でございます。これは事実ですか、どうですか。
#12
○征矢政府委員 私どもただいま申し上げましたようなことで、公共職業安定所に特別相談窓口等を設けまして、いろいろな相談に応じているところでございますが、御指摘の報道につきましては、関係公共職業安定所等を通じまして実態をまずよく把握いたしまして、可能な限り雇用の維持を図るように相談、援助に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 具体的なあり方につきましては、現時点で私どもまだ把握を十分いたしていないところでございます。
#13
○浜本国務大臣 今永井先生御指摘のように、マスコミの報道によりまして皆さんに不安を持っていただくようなことをできるだけなくする必要があると思います。それで、私この間官房長に指示したのですが、労働省がこの震災対策でやっておることをきめ細かく記録をいたしまして、そしてマスコミに正しく知っていただくような措置を講じなければいかぬ、また、現下の情勢が適切に伝わるようなマスコミ対策もやっていただかなければいかぬ、そういう点、注意して適切に対応してもらうように指示をしております。
#14
○永井(孝)委員 大臣の御答弁にありましたけれども、行政の側からやっていることを周知徹底を図ることはまず必要なことだと思うのですね。今職安局長の御説明では、この百六人の解雇問題についても具体的に掌握をされていないということでありますが、これは新聞記事でございますけれども、解雇されたというふうに断定的に書いているわけですね。これは早急に実態を調べてもらいたい。
 あわせ、もしもこれが事実であるとするならば、これだけ労働省があるいは政府が生活を守るためにまず雇用を確保しなければいかぬ、解雇させてはならぬということで全力を挙げているときに、少なくとも政府の関係しているそういう事業団が民間の企業よりも先に、先行して解雇するということはもってのほかだと私は思うのですね。阪神道路公団と日本道路公団は別法人でございますけれども、同じ政府系の公団でございますから、そこは解雇せずに一定の要員運用を図ることぐらいは政府の主導でできると私は思いますからね。これはひとつ実態を把握してもらって、きっちりと対応してもらいたい。これは大臣、どうですか。
#15
○浜本国務大臣 お説のように、まず雇用の維持、確保につきましては、政府機関が率先して取り組んでやらなければならぬと思いますので、早急に実態を把握いたしまして必要なことをやってまいりたいと思います。
#16
○永井(孝)委員 この時間内でおいおい細かく聞いてまいろうと思っているわけでありますが、今私は、自民党、社会党、さきがけの与党の労働調整会議の責任座長をいたしています。その与党の労働調整会議で、医療面であるとか住宅面であるとかあるいは新卒者の就職対策、失業対策、休業対策、こういう雇用対策面全体、あるいは労災保険の事務に関すること、あらゆる面で速やかにきめ細かな対策を講じるように、震災直後に労働調整会議として決定をして、労働省に御要望申し上げてまいりました。早速そのことによって、労働省がもう既に措置をしているものに加えて、労働省が迅速に対応してもらったことについては、労働調整会議の責任座長の立場から感謝を申し上げておきたいと思うわけであります。
 例えばこういう問題があります。休業によって賃金を受けられない場合の基本手当の支給については、神戸の被災地の社会保険労務士サイドから我が党に対しまして、当該事業が再建のため部分的に再開されることになり、部分的にですよ、当該事業に雇用されている労働者が部分的に働き出すことができるようになった、その場合、なお部分的でありますから、同じ事業所でもさらに休業せざるを得ない労働者についてもこの特例支給が行われるかどうか明確にしてほしいという御要望と質問があったのです。
 我が党としては、当然これは特例支給は行われるはずだ、こう言って答えたのでありますが、しかし、事務当局において明確にすべきところはしてもらいたいということで、早速浜本労働大臣を通して担当部局に検討と積極的な対応を要請してまいりました。早速そのことについて私どもが期待しているような見解を明らかにしてもらって、通達を出してもらいました。これは、その一つ一つの問題が、その場その場で気がつけば的確に対応しなくてはいけない重要なことであることを示しているとともに、そういうきめ細かさの対応がこれから求められていくわけですね。そういうことを踏まえながら、若干労働関係の保険などについて御質問申し上げていきたいと思うわけであります。
 雇用調整助成金あるいは失業給付の特例、こういうものについて、今の法律上措置できるものと今の法律の枠内ではなかなか難しい問題があります。例えばこういう問題がありますね。今度の被災は、中小零細企業だけではなくて、大企業もやられているのです。大企業がへたってしまえば、それに関連している下請、孫請の企業も全部へたってしまいます。大企業も下請企業もともに被災している事業所もあれば、兵庫県の県外に下請、孫請の系列会社を持っておって、そこは無傷であるけれども、大企業の本体が被災を受けてしまったために仕事がないという場合も実は出てくるわけであります。したがって、その場合に、自分の事業所は無傷であるけれども、そういう状態の中で休業のやむなきに至った場合も雇用調整助成金の対象になり得るかどうか。これがまず一つ。
 もう一つは、労働者が出向している企業があります。この出向企業が震災に伴って休業あるいは倒産などを余儀なくされたという場合に、出向者が出向の元企業に復帰した場合、この場合も雇用調整助成金の対象とすべきだと思うのですが、この二つについてお答えをいただきたいと思います。
#17
○征矢政府委員 御指摘の二点でございますが、まず第一点目の、下請関係ということでございますが、元請の事業所が被災地にあって非常に被害を受けて、それによって関係事業所が休業に追い込まれた、こういう点につきましては、私どものこの制度におきまして、下請関係につきましては元請との関係で判断をいたしまして適用する、こういう考え方をとっているところでございます。
 それから第二の点の、出向で戻ってきた場合についてどうかという点でございますが、これにつきまして、ちょっと私、具体的な事実関係を把握した上で判断しなければならない面もあろうかと思いますけれども、基本的には、できるだけ弾力的に考えて適切に対処すべきであろうというふうに考えております。
#18
○永井(孝)委員 なかなか前向きに答弁していただいて感謝申し上げますが、雇用不安をなくするための大事な一つの手続でございますから、これはひとつ弾力的にできるものは弾力的に対応するということでお願いをしておきたいと思います。
 もう一つは、この雇用保険制度において、自分の所属する従来の安定所ではなくて、どこの安定所でも支給手続が行えるように、そういう配慮をすべきだと思いますが、それはなされておりますか。
#19
○征矢政府委員 今回の地震の災害、御指摘のように非常に規模が大きいわけでございまして、交通の途絶、あるいは避難所におきます生活を強いられている方々が少なくない。また、建物の損壊によります書類の紛失も相当あるものと考えられる中で、どうしたらいいか。こういう点につきまして、御指摘のような点について検討いたしまし
て、私ども、被災地域の雇用保険受給資格者の方については、本来手続を行うべき居住地域管轄安定所以外の安定所におきましても失業給付の手続を行うことができるように、あるいは書類の紛失等の場合につきましても、手続の簡略化等によりまして迅速な対応が行えるように、これは御承知のように、全国的にコンピューターにデータが入っておりますので、かつコンピューター自体は全部復旧いたしておりますので、そういうことを踏まえまして対処できるように行っているところでございます。したがいまして、最寄りの安定所においでいただきまして、そこで手続が可能なようにしております。
#20
○永井(孝)委員 ところで、被災をした事業所など、あるいは被災者本人も含めてそうでありますが、関係書類の紛失や焼失が随分あると思うのですね。これは、これからのいろんな安定所との間において手続をとる場合に大変困ったことになるわけでありますが、そういう場合の対応はどのようにされるのですか。
#21
○征矢政府委員 ただいま御指摘のように、書類の紛失等の場合、手続の簡略化等を考えておりますが、これもいろいろなケースがあるわけでございまして、そのケースに応じでどのように確認するか、一定の確認作業をいたしまして、それで支給する、こういうようなことで対応しているところでございます。
#22
○永井(孝)委員 さらに、事業主が労災保険の支払いができない、事業が災害のために休業に追い込まれた、そうなると労災保険料の納付が事実上不可能になる、あるいは労働者にすれば失業状態になるわけですから、これまた労働者の雇用保険の納付金も同じ状態になる。したがって、今度の災害は予期せぬ大災害でございますから、対象者も極めて大きい、社会不安も極めて大きい、今後の復興に対しても、政府はその対応について極めて難しい問題を処理していかなければならぬという大政治問題、こう考えていくと、雇用保険など労働保険にかかわる特別免除という措置をとることができないか。そのくらいのことをしてあげませんと、雇用の確保にも影響を与えてくると思いますが、どうでございましょう。
#23
○伊藤政府委員 御指摘は、雇用保険と労災保険の保険料の納付の問題かと存じますが、今回の兵庫県南部地震の被災地につきましては、労働保険料を、原則として五月十五日が納付期限でございますが、有期の事業等については早目に期限が来るものもございますので、その地域を指定いたしまして、この一月三十日付で労働大臣の告示を出しまして、労働保険料の申告、納付の期限をこの事情がやむまで延長するという告示を出したところでございます。
 また、個別の事業主から申請があった場合も一年間の延長ができますし、これを再猶予すれば最高三年までこの猶予期限を延長することができるということもあわせて指示しておりますので、窓口におきまして相談に応じまして、この措置を活用するようにいたしてまいりたいというふうに考えております。
#24
○永井(孝)委員 納付期限を延期することは大臣の決断ですぐにでもできることでありますが、延期したっていっかは納めなければいかぬわけですね。それを事業の復興ができた時点でさかのぼって全部納めるというのは、法律上はそうでありますけれども、災害に対応するために、期限を延期するだけではなくて、特別に減免措置がとれないかということを私はお願いしたいと思うのですが、どうですか。
#25
○伊藤政府委員 労働保険料は、その性格上、賃金掛ける保険料率という仕組みになっておりますので、先ほど申し上げました激甚災害法に基づく失業給付の特例期間中など、休業のために賃金の支払いができない期間については、当然保険料の徴収は行わない、こういう形になります。また、年一回の概算保険料で事前に納付していただいて、確定でその翌年度に精算するという仕組みでございますので、恐らくこの――三月の賃金総額はかなり減ってまいるかと思いますので、その場合は五月の時点で還付される、こんな形も出てこようかと思います。今後ともその辺は、事業主の方々の事業再開に向けての状況を十分見きわめながら、また重ねての対応が必要かどうか見きわめて検討してまいりたいと思っております。
#26
○永井(孝)委員 同じ趣旨のことですが、厚生省は来ていますね。社会保険料、いわゆる厚生年金であるとかあるいは健康保険、これについても同じことが言えるわけでありますが、減免措置をとることができないかどうか。
#27
○辻説明員 厚生年金、健康保険等被用者保険につきましては、現在、保険料の減免に関する規定は制度上設けられておりません。これは常用的雇用関係に着目して適用されるという被用者保険でございますので、災害がありましても被用者であれば一定の報酬が支払われる、したがって応分の保険料負担を求める、こういう考え方になっております。
 ただ、今回の震災につきましては、まさにこれまで例のないものであると言えるものでございまして、被用者でありましても給与の支払いが途絶えたり支払い額が大幅に減額するような状況が考えられます。こうした現行社会保険制度が予想してなかった事態に対してどのように対応できるか、私ども検討してまいりたいと考えております。
#28
○永井(孝)委員 今の時点で答弁すればそういう答弁しかできないかもしれません。しかし、この震災対策については、あらゆる角度から特別立法をしてでも対応していこうということを政府自身が検討しているわけでありますから、そのときに、今言われたように、被用者保険は、災害があっても報酬が支払われる以上は応分の保険料負担を求めるものである、これは今の法律はそうなんです。今の法律の適用で納付期限の延期などの措置がとられたとしても、法律の枠内で対応することにしては、政府を挙げて災害対策を進めるということにそぐわない。国を挙げて災害対策を進めるという以上は、特別措置というものは、特別立法の中に盛り込まれるのかどうか知りませんけれども、それはやはり厚生省も労働省も含めて私はやってもらいたい、またやるべきだと実は思うのですね。
 さっきの労働大臣の御答弁でもこういうことがございました。既存の制度や予算を最大限に活用するとともに、必要に応じて制度改正を機動的に行うなど、あらゆる政策手段を用いて全力で努力してまいりますと答弁をされているわけです。これは、単に労働大臣だけではなくて、村山総理以下、全閣僚が同じような立場で今対応してもらっていると思うのです。そうすると、未曾有のこの災害に対する救済措置として既存の法律の枠内だけで問題の処理をすることは、私は余りにも無策に過ぎはしないか、この点についてはさらに検討をするように強く求めておきたいと思うのです。
 なお、あわせて、大蔵省、参っていますか。大蔵省に聞きますが、事業の再開をするにしても、単に資金の援助といいますか、いわゆる特別融資を低金利で行うとか、特別融資を低利で行ってもらっても、これは当然返していかなければいかぬ金でありますから、借りたものは返すのは当たり前でありますからそのことは間違っているとは思いませんけれども、少なくともこれだけの災害復興ということを考えた場合には、法人税の減免措置とかあるいは、きょうは自治省呼んでおりませんけれども、固定資産税の減免措置であるとか、そういうものはやはり特別措置でなされるべきではないか。もし現行法でそのことが対応できないとするならば、これまた特別立法の中で考えるべきではないかと思いますが、どうでございますか、大蔵省。
#29
○福田説明員 まず、今回の兵庫県南部地震による被災納税者に対する税関係の対応を御説明させていただきたいと存じます。
 まず、喫緊の対応といたしまして、平成六年分の所得税の確定申告時期が近づいていること等を踏まえまして、国税庁におきまして、去る一月二
十五日、今回の災害により多大な被害を受けた神戸市を初め十八市町の納税者につきまして、申告、納付等の期限の延長の措置を講じたところでございます。
 次なる対応といたしまして、今回の兵庫県南部地震による損害に対しましては、その被害が同時大量に発生し、また社会インフラの被害も大きく、納税者の生活も困窮していることから、個々の納税者がこうむりました被害に係る所得税上の配慮はできるだけ早い段階で行うことが要請されていること、暦年課税でございます所得税制度におきましては、平成七年に発生した被害を平成六年分所得税に反映させることはできませんが、今回の被害は六年という暦年が終了しており、そのことによります平成六年分所得税が確定した後申告納税が行われるまでの特殊な時期に発生したこと等の事情を踏まえまして、緊急を要する臨時異例の措置といたしまして、六年分の所得に対して雑損控除等、災害減免法による所得税の減免の選択を前倒しして適用できることとする対応について検討しているところでございます。
 なお、こうした措置は、これから六年分所得を申告する事業所得者等だけでなく、既に年末調整を行っております給与所得者におきましても、確定申告を通じて適用できるようにしたいと考えているところでございます。
 先生今御指摘の、法人税など今申し上げました所得税以外の税における配慮等、被災地域の復旧に関する税制上の措置につきましては、今回の災害の実情をまず十分把握した上で、他の施策との関係にも留意しつつ総合的に検討していくべきものと考えております。
 損はすべてこれは損金で落ちるわけでございますけれども、法人税についての措置を検討する際には、その対象範囲をどうするかといった点につきましても当然検討対象となるわけでございますが、これにつきましても、災害の実情を踏まえまして、他の施策との関係にも留意しつつ検討すべきものと私ども考えております。
 いずれにいたしましても、御指摘の点も踏まえまして、適切に対処してまいりたいと考えております。
#30
○永井(孝)委員 二月十五日がち確定申告が始まっていくわけでありますが、十二月末の年末調整で既に処理がされているサラリーマンなどを中心にした所得税の関係ですね。この人たちは、今御答弁で伺いますと、平成六年の所得税の関係は確定しているけれども、前倒しで災害の関係については、どういいますか、申告さえすれば還付もできる、こういうことになるわけですね。そういうように受けとめていいわけですね。
#31
○福田説明員 そのような措置ができるように、そのためには法的な手当てが必要でございまして、そのような手当てができるようその対応について検討しているところでございます。
#32
○永井(孝)委員 これは税務署だけではなくて、大変な作業なのですね、本当は。後で労働省にも要員関係はお尋ねしようと思っているのでありますが、既存の税務署の体制ではなかなか対応し切れない面が出てくるかもわからないのですね。あるいは被災をした自治体が、例えば自分のうちが全壊したとか焼失してしまったとか、いわゆる財産が失われたわけでありますから、その損害を算定するわけでしょう。損害を算定することになる。そうすると、それぞれの個人の持っている財産の評価額というものは全部自治体が掌握をしておって、それで固定資産税なんかかけていくわけですね。そういう固定資産税をかけるための課税標準額を全部本人自身が把握をしてその上で申告しないと、どのくらいの損害があったかということは明らかにできないわけですね。
 そうすると、これは税務署だけではなくて各自治体の対応もこれまた大変なことになっていく。しかし、それをやり遂げなければいかぬ。そのための特別の相談の窓口であるとか、特別の場所であるとかいうものをやはり策定していく必要があると思うのでありますが、それはどうお考えですか。
#33
○田中説明員 お答え申し上げます。
 災害により被害を受けました住宅または家財等の資産の損害額の計算につきましては、原則として申告納税制度でございますので、納税者の方が御自分で個々に計算をして出していただくことになっているわけでございます。ただ、今回のような大きな災害等があった際に、その被害を受けた資産につきまして、その損害額を個々に計算することが困難な場合が間々ございますので、これは国税局においても、そのような場合に、専ら納税者の皆様方の便宜を考慮して、簡便な方法により損害額を計算してもよいというようにしている例もございます。そういう例も参考にしながら、今回の被災者の方々に対しましても、同様の対応を含め、納税者の皆さんの便宜に資するような方法について検討してまいりたい、スムーズに行われるように検討してまいりたいというふうに考えております。
#34
○永井(孝)委員 いずれにしても、被災者がスムーズにそういう申告なり、あるいは措置が受けられるような、そういう対策だけは万全にしてもらいたい。これは強く要望しておきます。
 あわせて、厚生省、身体障害者の皆さんの障害手帳、これもまた紛失する人が非常に多いと思うのですが、その手帳を紛失したために障害手当が受けられないとか、いろいろな支障が出てまいっていると思うのでありますが、これについて対応をどう考えていらっしゃるのか。あるいは、私もこの間現地に入ってきましたけれども、風邪などが大変蔓延している。あるいは、今寒いときですからさほど心配ないのかもしれませんけれども、集団避難場所へ行きますと、トイレなんかの関係あるいは水なんかの関係で非常に不衛生状態に置かれている、そういうことに対する防疫上の対策、これらについては厚生省はどう対応されるのか、聞いておきたいと思います。
#35
○冨岡説明員 御説明申し上げます。
 今回の地震によりまして、身体障害者手帳を紛失する、持ち出せなかったという方が多数おられるものと考えております。このため、手帳を提示しなくても住所、氏名を確認すれば速やかにさまざまな福祉サービスが受けられるよう、兵庫県、神戸市等の関係団体に伝えまして、不都合のないようにいたしております。
 また、福祉サービス以外にも身体障害者手帳を必要とする場合がございますが、必要な場合には手帳所持者であることを、所持証明といったものを発行しても差し支えない、そのような取り扱いで自治体と話し合いをしております。
 また、兵庫県、神戸市の事務処理体制が整い次第、再発行を速やかに行うよう指導してまいりたいと考えております。
#36
○永井(孝)委員 続けて、時間がございませんので、端的に、走って恐縮でありますが、雇用保険の関係についてもう二つほど聞いておきたいと思います。
 雇用保険の加入期間が六カ月未満の者に対する雇用調整助成金の適用等、雇用調整助成金の拡充強化を図るべきだと考えますが、それはいかがですか。
 もう一つ、ついでに聞いておきますが、日雇い労働者の雇用保険あるいは健康保険、これらについては前月に十三枚以上の印紙がないと翌月の対象になっていかないというのが今の法律でありますが、こういう状況の中で特段の配慮が必要だと思うのですが、これについてはどう対応されるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#37
○征矢政府委員 第一点目の、雇用保険の加入期間が六カ月未満の方に対する雇用調整助成金の適用等の問題でございますが、これは現在そういう方については適用対象となっていないわけでございますけれども、この今回の非常に厳しい状況にかんがみまして、そういう被保険者期間六カ月未満の方、これは新卒者も含めまして、そういう方について雇用調整助成金の適用対象とする、そういう方向での制度の拡充について現在検討中でございます。
 それから、日雇いの方々についてでございます
が、日雇い労働者の方々の雇用につきましては、今後復旧事業におきます労働力需要が増大するものと見込まれておりまして、公共職業安定所において地方公共団体等の発注機関あるいは民間の建設業者等と連携を密にしながら、復旧事業への求人を確保することなどによりまして、被災地における日雇い労働者の雇用の場の確保、これに最大限の努力をしたいと考えております。
 ただ、御指摘のように、当面の現状で、十七日以降の仕事がなかなかないというそういう問題がございまして、これにつきまして日雇い雇用保険制度の運用については、これはそういう日雇い労働者の方々の置かれている状況を踏まえつつ、弾力的な検討を必要に応じて行ってまいりたいというふうに考えております。
#38
○永井(孝)委員 積極的な対応を改めて求めておきたいと思います。
 次に、この地震に伴う事業所閉鎖等によりまして賃金の不払い事案がこれから多数発生してくると思うのでありますが、これは未払い賃金の立てかえ払い事業による立てかえ払いを迅速に行うべきだと思いますが、これはひとつ簡単に明瞭にお答えください。
#39
○浜本国務大臣 今般の兵庫県南部地震により被害を受けられました企業の中には賃金の支払いのための資金の確保、また支払いに困難を来され、労働者の方々への賃金が未払いとなる場合が相当数に上るものと考えられます。
 このような労働者の方々を早急に救済するという観点から、被災に伴う倒産等により賃金が未払いのまま退職を余儀なくされた労働者からの立てかえ払いの申請に対しましては、多数来署が見込まれる労働基準監督署に専用の窓口を設けまして、集中的に処理いたしますとともに、労働者の実情を踏まえた簡易な手続等によりまして対応を行うこととしております。また、未払い賃金立てかえ払い事業による立てかえ払いの迅速な実施に努めてまいりたいと思います。
#40
○永井(孝)委員 ついでのことに、こういう問題があるということを新聞記事をこれもまた引用させていただいて恐縮でありますが、平時のときであれば、突然の解雇でさえ最低一カ月分の賃金が予告手当として支払われる、しかし、事業主も被災者ならその金をもらえないという実態もしょうがないかなという、ある労働者のそういう感想が載っているのですが、こういうときでございますから、事業主も被災者、退職金も払えない、しかし首にするんだ、こういうことではもう最悪の状態になってまいりますから、この未払い賃金の立てかえ払いに関連をして、こういう退職を場合によっては余儀なくされる場合でも、一定の対応ができるようなことも労働省としてひとつ考えてもらいたい、これはお願いしておきたいと思います。
 あわせて、これから復旧作業、復興作業に入っていくわけでありますが、当然、いつから始まっていつの時点で終わるかわかりませんけれども、大規模な事業になっていくと思うのですね。ちまたに言われておりますように、十兆円もお金が要るんじゃないか、こう言われています。そういうときに、今現在これだけ被災地は大変な雇用不安になっているわけでありますから、現地の人たちを最優先しながら労働力を確保する、言いかえれば、そのための労働力を確保するために現地の実情を把握して、それに適正に対応していくということが非常に肝要だと思うのですが、それに対してどうお考えでございますか。
#41
○浜本国務大臣 今回の震災によります被害は極めて大規模なものとなっております。当面の離職者対策はもとより、復旧工事に向けた技能工や労務者等の労働力につきましても、被災による離職者の雇用を第一に考えながら、その十分な確保を図ることが重要であると考えております。
 労働省といたしましては、被災地において必要とされる労働力の内容を十分把握いたしました上で、全国の約六百の公共職業安定機関のネットワークを活用いたしまして広域的な職業紹介を実施してまいりたいと思います。
 また、復興事業の実施に当たりましては、相当の雇用の創出が見込まれるものと考えますが、その充足に当たりましては、御指摘のとおり、被災者の地元における雇用の場の確保を優先する必要があると考えます。このため、被災地域において実施される公共事業に一定の割合で被災者を雇用していただく仕組みを検討いたしますなど、最大限の努力をしてまいりたいと思います。
 同時に、職業訓練が必要な方につきましては、在職の労働者に対する短期間の訓練コースの設定や事業主に対する委託訓練の実施など、機動的な職業訓練を行ってまいりたいと思います。
 こうした対策を通じまして、労働力確保対策の一層の推進に努めてまいりたいと思います。
#42
○永井(孝)委員 それとあわせて大臣、さっき大蔵省にもお願いしましたけれども、事業の再興のためになし得ることは、特別立法でも何でもいい、とにかくその中に知恵を出し合って、事業がそのまま廃業に追い込まれて失業者を生み出さないように事業の復興、これは中小企業だけじゃなくて大企業も同じことです、たくさんの企業を抱えておりますから、特段の御配慮をひとつ大臣の方でも御努力願いたいと思います。
 片方、この間大臣も現場を御視察いただいたわけでありますが、こういう雇用の問題、失業給付とかいわゆる労働保険の適用の問題、労災のこととかいろいろありますね。これから労働省の対応というものはもっともっと大きくなっていくと思うのですね。これからが本物だと思うのであります。
 この間私も大臣と同行させていただきました。現場へ行きますと、職業安定所あるいは基準局もそうでありますが、大臣の前だから余り弱音は吐かなかったと思うのでありますが、局長以下あるいは所長以下全部が泊まり込みで二十四時間態勢をとって頑張ってくれている。中には、この二週間の間におふろには一回しか入れなかったという幹部もいらっしゃいました。ひげも伸び放題。頑張ってはいるのですが、これは人間ですから限界があります。
 今、実態は、職業安定局長の話では、すべてを掌握しているわけではありません、これから掌握されるのでありましょうが、それの対応のためには大変な人手が要る。これはもう兵庫県にある出先機関だけでは対応し切れない。そうすると、他府県からも応援を求めるなどしてでき得る限り現地の負担を軽くしてあげないと、被災者にこたえる窓口がへたばってしまう。こういうことになってはいけませんので、これについてはひとつ特段の御努力を願いたい。
 新聞記事を引用しますが、「ごった返す神戸の職安」、これじゃ先が思いやられますので、これは大きな問題でありますから、大臣、決意を伺わせてください。
#43
○浜本国務大臣 今、永井議員からお話しいただきましたように、私も現地に参りまして、現地の職員の方が全く不眠不休で一生懸命頑張っておられる姿を見てまいりました。ある人の話では、自分が被災をしておるにもかかわらず、土曜も返上いたしまして業務に従事しておるというような職員もいらっしゃいました。要するに、被災関連の公共職業安定所の窓口におきましては、これから雇用調整助成金あるいは失業給付の特例措置の問題、あるいは新卒者の就職の支援、広域的な就職活動の支援等々、たくさんの業務が待ち受けておるというふうに思います。
 したがいまして、労働省といたしましては、本省の方から専任の担当官を現地に派遣をいたしまして、現地における労働力の送り出し、受け入れの調整、未内定新卒者等の合同面接会の企画立案を行いますなど、今後の情勢を見ながら必要に応じて県外からも職員の応援をさせてまいりたい、そして一生懸命やっておる方々を助けて、被災をされて困っていらっしゃる皆さんの雇用の確保に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
#44
○永井(孝)委員 その次に、もう時計とにらめっこですが、手っ取り早く申し上げますが、今度の
被災者に対する支援の中で特筆すべきはボランティア活動なんです。大変な数のボランティアの皆さんが連日のように被災地でいろいろな任務についてくれています。
 ところが、このボランティアの実態を見ますと、労使間で協定、協約というのができて、ボランティアに派遣される人は業務命令として認める、いわゆるボランティア休暇といいますか、それは業務命令の範囲内として措置をするところ、あるいは休暇は認めるけれどもノーワーク・ノーペイだというところ、あるいはそういう制度がないから行きたいなら勝手に行ってこい、欠勤扱いだ、しかし目的が目的だから欠勤扱いだけれども昇給とか昇格には影響を与えないようにしてやるから行ってこいとか、あるいはもう全く認められないから自分の休暇を使って行ったとか、種々雑多なケースがある。
 このボランティアの方々がもし仮に復興に従事しているとき、あるいは被災者に支援の手を差し伸べているときに、二次災害といいますか災害に遭ったときに一体どうしてくれるのかということがかなりの社会問題になっているわけでありますが、この際ひとつ労働省が汗をかいて、ボランティアに対して各経営団体あるいは労働団体に労働省からお願いもしてもらわなければいかぬと思うのでありますが、一定のガイドラインであるとか指針であるとかいうものをつくって、ボランティアの活動がよりやりやすくなるように、あるいはボランティア活動に対して一定の保障ができるようにということは考えられないかと思うのですが、どうでございますか。
#45
○浜本国務大臣 永井委員のお説のように、今回の震災に際しましてボランティアとして活躍されておる勤労者の方々が少なくなかったというふうに私は思っております。また、企業としても積極的にそのような活動を支援しておられるというふうに伺っておるわけでございます。私は、これらの活動に対しまして心から敬意を表しておる次第でございます。
 労働省といたしましては、従来から、ボランティア休暇制度の普及を図るために、勤労者がボランティア活動を行いやすいような環境を整備するために企業に対する啓発活動に努めてきたところでございます。この立派なパンフレットもっくりまして、啓発に努めてきたところでございます。しかし、全体の普及率を見ますと、企業規模計で〇・五%、千人以上で一八・八%というように、まだそんなにたくさんの企業がボランティア活動に参加させるような条件整備が整っていないと思います。
 私は、今回の経験を踏まえまして、今後とも労使の話し合いを通じましてボランティア活動が行いやすいような制度が導入されますように指導してまいりたいと思うわけです。なお、いろいろなモデルがありますから、そのモデルの例もお示しいたしまして、周知徹底に努めてまいりたいと思います。
#46
○永井(孝)委員 最後になりますが、これから復興作業に入っていくときに、ああいう状態の中での復興作業ですから、二次災害が起こらないように労働安全衛生面については特段の努力をしてもらいたい、これが一つ。
 それから、政府が復興計画を、復興対策をするために特別の機関を設けるとかいろいろなことが今検討されているようでありますが、その中でぜひひとつ私は考えてほしいことがございます。それは、被災事業の再開等に伴って雇用の維持拡大を図る事業主に対しては施設設備の設置に要する経費及び賃金を助成する雇用確保支援助成金制度というものが創設できないか、これが一つですね。
 もう一つは、きのうも労働大臣は経営団体に対して特段の御要望をいただいたようでありますから感謝いたしますが、内定を取り消されるという新規学卒者、こういう問題が非常に深刻になっています。したがって、これらの者の採用、研修などによって雇用機会を提供する事業主に対しては研修費、賃金等を助成する新規学卒者雇用確保助成制度というものが創設できないだろうか。
 この新たに創設できないだろうかという二つの問題と、二次災害の防止、これを含めて最後にお伺いしておきたいと思います。
#47
○征矢政府委員 お尋ねの二点目と三点目の関係でございますけれども、被災地におきまして当面雇用調整助成金の活用等によりまして雇用維持を図ることといたしておりますが、被災地の雇用情勢あるいは今後の本格的な復興に向けての動きなどあるいは地元からの要請、そういうものを踏まえまして、事業再開に伴い雇用の維持拡大を図る事業主に対してどのような有効な支援策があるのか、今後検討してまいりたいというふうに思います。
 三点目の新規学卒者の問題でございますけれども、これにつきましても、新規学卒者を雇用安定事業等の対象として雇用する事業主に対しまして、その雇用の確保を図るために雇用調整助成金の支給を行う、このような方向で、これは立法措置を含めまして現在鋭意検討しているところでございます。
#48
○浜本国務大臣 二次災害の防止につきまして答弁いたしますと、災害復旧工事等に伴う新たな労働災害の発生を防止するために、一月二十六日に現地の労働基準局に対しまして、安全パトロール等の実施を通じて労働災害の防止を図るよう緊急に指示したところでございます。現地では、これを受けまして、一斉安全パトロールによる指導を実施しておるところでございます。
 また、土木、建築等の専門家を現地に派遣いたしまして、復旧工事の安全確保について現地指導を実施しておるところでございます。
 さらに、建築物等の解体・撤去工事におきまして、粉じんによる健康障害が懸念されておりますので、防じんマスク等の無料配布を行ったところでございます。
 今後とも、関係機関と連携を密にいたしまして、労働災害の防止に努めてまいりたいと思います。
 なお、新卒者を何とか解雇せずに継続して雇用してもらいたいということは、きのうも実は経営者団体の皆さんにお会いをいたしまして、継続して雇用していただけるならば我々としては新たな助成措置を講じますのでぜひひとつよろしくお願いしますということをお願いいたしましたので、特別措置によりましてぜひとも実現するように努力をしてまいりたいと思います。
#49
○永井(孝)委員 もう最後になりましたが、政府の対応が遅いとかなんとかいう批判はあっても、批判するだけでおさまらぬわけですから、実際に対応していかなければいかぬわけですから、ひとつ全力を挙げて大臣を先頭に頑張ってもらいたい。この際にこそ労働省の存在価値が認められるというぐらいの気概を持ってやってもらいたい。大蔵省や厚生省、関連するところも省庁の垣根を超えてひとつ対応してもらいたい。このことを最後に要望させていただいて終わります。
#50
○笹山委員長 松岡滿壽男君。
#51
○松岡(満)委員 政権準備委員会で労働・雇用政策を担当することになりました。そういう立場から、労働大臣初め労働省の皆さん方に、今回の大震災さらに所信表明に関し私の考え方なり、また質疑をさせていただきたいと思います。
 質疑に先立ちまして、今回の阪神大震災で亡くなられた犠牲者の方々、そしてその御遺族の方々に心からなる弔意を表したいというふうに思います。また、寒い中再建に取り組んでおられる被災された皆様方に心から御同情申し上げ、一日も早い復興のために、私どもも与野党を問わず全力を挙げて取り組むことをお誓いをいたしたいというふうに思います。
 実は昨日、私ども新進党の明日の内閣は、現地に赴きまして実情を視察をさせていただきまして、神戸におきまして、我々が考えております第二次の震災対応策を発表させていただきました。その中で、特に現地の皆さん方、大臣も日曜日に入られたようでありますが、聞きしにまさる厳しい状況の中であります。一日も早い政府側の対応
を罹災された方々は望んでおるわけでありますけれども、いまだにその財源をどうするかという問題についても対応ができていないという状況であります。
 当初から、疑わしきは大規模対応をというのがこういう危機管理のときの鉄則であるわけでありますけれども、どうも初動対応が著しく出おくれてしまった、非常にちぐはぐな対応でありますので、現地の皆さん方はかなりいら立ちが見えてきております。
 現在の段階では、まず住むところをどうするかというところにあるわけでありますが、例えば神戸市の場合は、仮設住宅を二万戸ほど確保する見通しが立ったということでありますが、申し込みは五万戸でありますし、最終的にはやはり八万戸は要るのじゃないかという状況でありますし、西宮市も、第一次仮設で千二百五十戸に対しまして一万四千戸の要望がもう既に寄せられておる。二次、三次で三千戸、四千戸という計画をいろいろ立てておるようでありますが、公園をつぶしたってもう場所がないという状況になってきております。
 恐らく、まず当面は仮設住宅をどうするかということと、その次に来るのはやはり私は子供たちの教育をどうするのかという問題、さらに働く場所をどうするかというところに拡大していくと思うのです。
 先ほど永井委員と大臣、当局とのいろいろな質疑を伺っておりまして、確かに労働省の皆さん方は熱心に労災の問題あるいは雇用の問題に取り組んでおられるわけでありますけれども、これからが私は労働省としての非常に大事な時期を迎えつつあるというふうに思うわけであります。とにかくスピードがまず大切であるということ、それからやはりそのためには財源の問題を含めて特別法の制定等、かなり今までの縦割り行政の枠を超えた、先ほど御答弁にありましたような対応が求められるというふうに思っております。
 今回の大震災は、阪神という日本のちょうど中心にあるその位置で交通が完全に遮断されて、今、大臣も私も同じでありますが、飛行機でしか往復できない。しかも、貨物も韓国の方に緊急的に持っていかざるを得ないという状況。しかも、昨日陳情を受けましたケミカルシューズの皆さん方も、これはもう大変な危機感を実は持っておるわけです。今回の大震災が日本の経済、産業、雇用に与える非常に大きな影響があるわけでありますが、それに対します大臣のお考えと、そして基本的な対応、御決意のほどをまず承りたいというふうに思います。
#52
○浜本国務大臣 まず、松岡議員の明日の内閣の労働大臣就任、まことにおめでとうございます。日ごろ友人としてつき合っていただいておりますので、議員が明日の内閣の労働大臣に就任されましたことは、今後、一緒に力を合わせまして労働行政の推進に取り組んでいけると心強く実は思っておるような次第でございます。
 立ちおくれの問題についていろいろ御指摘があったのですが、今回の震災に対しまして、政府といたしましては、行方不明者の捜索や生活必需品の確保を初め、各種対策に全力を挙げてまいったと考えておりますが、振り返ってみますと、被害状況の早期把握が不十分であったことも事実であろうと思います。防災上の危機管理体制の充実は極めて重要な問題であると認識をしておりますので、この際、反省すべき点は反省をいたしまして、政府全体として危機管理体制の強化に努力してまいらなければならないと思っておる次第でございます。
 御指摘のように、とりあえず住宅問題が非常に重要な課題になっておりましたので、私ども労働省といたしましては、雇用促進住宅で幾ら今生き家があるかということを早急に調査をいたしました結果、兵庫県を含む近傍で大体千七百戸手当てすることができましたので、早速対策本部の方にその旨を報告いたしまして、ぜひ御利用いただくようにお願いをいたしておるところでございます。被災者の方が直ちに千七百戸に入居いただけるという条件がまだないようでございまして、それは多分御希望がいろいろあって難しいのではないかというふうに思いますが、現在二百月余りの御利用をいただいておるような状況でございますので、さらに努力をいたしまして、必要な方には御利用いただくように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
 それから、必要な特別立法は御指摘のようにぜひ必要だと私も思っておりますので、労働省といたしましても今後必要なものは対策本部の方にお願いをいたしまして特別措置をしていただくことにいたしておりまするし、政府全体もその重要な点については認識をいたしておりますので、今一生懸命取りまとめをいたしまして、新しい立法措置に努力をいたしておるようなところでございます。
 労働省といたしましては、今回の震災に際しまして中長期的にわたる対策を含めて検討いたしておりますので、簡単にその内容を御報告させていただきたいと思います。
 今回の地震は、御指摘のように極めて多数の労働者や事業主が被災する前例を見ない都市型の大震災であったと思います。今後の震災対策におきましても、労働省が果たすべき役割は非常に大きい、重要だというふうに認識をいたしておる次第でございます。
 したがいまして、こうした非常事態のもとで、緊急の対策といたしまして、労災病院における負傷者等の援護や被災者への雇用促進住宅の提供等に取り組みますとともに、失業給付や雇用調整助成金の特例支給、監督署や安定所における相談体制の整備などにより労働者の雇用の維持や生活の安定の確保を図るなど、積極的な取り組みを行ってまいったところでございます。
 また、新規学卒者を含む労働者の雇用の安定の確保や、離職者が発生した場合の適切な対応、さらには災害復旧工事等における労働災害防止対策等、今後長期間にわたる災害復旧の中で腰を据えて取り組むべき多くの課題があると認識をしております。
 私といたしましては、既存の制度や予算を最大限に活用いたしますとともに、必要に応じまして制度改正を機動的に行うなどいたしまして、これらの課題に全力で努力してまいりたいと思っております。
#53
○松岡(満)委員 昨日私どもが現場で感じたことは、それぞれの役所、市町村、それぞれ懸命の努力をしておりますし、ボランティア活動も非常に活発であります。世界じゅうがある面では日本というものを見直してきておるだろうという実感を感じるわけでありまして、きょう実は我々新進党の御婦人連中も海部党首の夫人を先頭に現地入りいたしまして、山口県から吹田先生のボランティアグループで豚汁の炊き出しを二千人分やっておるというような状況でございます。
 しかし、現状を見た限りでは、生産活動が開始されるまでにはかなり時間もかかるだろう。まず現在の半倒壊の家屋の処理もしなければいかぬ。瓦れきの処理、これは恐らく一千万トン以上になるだろうと思うのですね。特殊の業界を除いては、現場の仕事はまずこの瓦れきの処理から始まるだろう。
 我々は西宮やそれぞれの市長さん方の意見もいろいろ聞きましたけれども、政府が今回決定された、二分の一は国が面倒見よう、二分の一はそれぞれの市町村で対応してくれないかという処理の費用でありますけれども、現状、やはりそれぞれ税収が大幅に減るという状況の中でありますから、交付税で措置するといったってそれで地方自治体が対応できるわけではないと私は思うのですね。だから昨日、我々といたしましては全額やはり国で対応すべきだということを申し上げた。
 この瓦れきの処理をどういう形で労働省としては対応しようとしておられるのかということをひとつ伺いたいと思います。
#54
○浜本国務大臣 労働省としてはというふうになりますと、まことに申しわけないのですが、我々はその必要な要員を積極的に確保する、支援をす
るということでございます。瓦れきの処理につきましては、既に政府がその考え方を発表いたしまして、半分は地方交付税で大部分を補てんするという政策を打ち出しておるわけでございますから、この計画につきましては恐らく自治体の方で御計画をなさるというふうに思いますので、自衛隊ももちろん応援するということでございますので、そういう総合的な力を結集いたしまして瓦れきの処理を行うということになると思いますので、労働省としてはその必要な要員を協力、支援させていただく、こういうことになると思います。
#55
○松岡(満)委員 新進党としては、これは公的就労で対応したらどうかという提案を実はいたしておるところであります。この議論はまた別にいたしたいと思います。
 地元でケミカルシューズ工業組合の皆さん方の陳情をいただきました。全体で五百社、これで二十万人の方が生計を立てておられるということでありますが、全国の八〇%が実はこの長田地区を中心として生産をしておったわけであります。無傷は四十社だけだ、これは恐らくかなり大きな、大規模の一貫メーカーだろうと思うのですけれども、残りの九割ぐらいが全壊や半壊という状況であります。
 御承知のように、彼ほど産業の空洞化問題についても議論をしてみたいというふうに思っておるのですが、地元でケミカルシューズをやっておられた方々はやはり、これはまさに賃金コストの面から見て、このままいったらアジア地区にとられてしまうのではないかという危機感を非常に持っておりまして、かなり大幅な、最高十億程度の、無利子、元金据え置き二カ年、低利十八年返済の創設を願いたいというような強い要望がありました。
 これは橋本通産大臣や武村大蔵大臣、野中自治大臣にも陳情をされておるようでありますが、こういう事態に対して、当面急いで再建できそうな部分というものは、こういう形で非常に限定されていくと私は思うのですね。だから、一つのケースとして、政府としてはこういうものに対してどのような対応をされようとしておられるのか、その対処について伺ってみたいというふうに思います。
#56
○浜本国務大臣 政府といたしましては、ケミカルシューズはどうするというような対応を決定したということは、私伺っていないわけでございます。恐らくこれは通産省の中小企業対策という中で計画をされる、対応、対策を打ち出されるものと私は思っておるわけなんでございますが、何か話によりますと、現地の方でも市の方が仮の工場というんですか、そういうものをつくって、そして特定の被災者にお貸しをして、そこから生産を開始していただくような体制をとろうかというような話がございます。
 労働省の方といたしましては、私に話がございましたのは、こういう離職者に対する温かい政策を期待するということと、もう一つは、中小企業の再建に際して、金融その他積極的な支援をしてほしいということがございました。それからもう一つは、雇用保険を掛けていない方があるいはあるのではないかと言う人がございました。そういう人に対する対策を講じてもらいたいという話がございましたので、その点につきましては安定局長の方に、何か積極的な手はないかというので検討を命じておるところでございます。
#57
○松岡(満)委員 恐らく零細な業者ですから、雇用保険を掛けてないとか、そういう状況の中で働いている人が非常に多いんだと思うのですね。ですから、そういう点につきましては、大臣の御決意を先ほど承ったわけでありますが、今までの枠にとらわれずに、積極的な対応をぜひお願いをいたしたいというふうに思うわけであります。
 また、パートタイムや内職、それから今の零細企業、それに対する施策に対しまして、ひとつ万全の対応を特にお願いをいたしておきたいというふうに思います。
 事業所が再建されるまで、いろんな形で、さっきの瓦れき処理も含めて雇用をやはり積極的に創出していく努力が、この次、住宅が確保され教育の問題もある程度見通しが出てくるという段階では、かなり深刻な事態に恐らくなってくるだろうというふうに思うわけであります。ですから、公的就労ということをさっき私申し上げたのは、やはり国や関係自治体が出資する公益法人を登録して復興事業等へ優先的に就労できるような、そういう対応を緊急に対処する必要があるんじゃないかということで、先ほど申し上げたわけであります。
 今回の大震災で村山内閣の危機管理能力というものに対する批判というものが世間でずっと沸き上がってきておるわけでありますが、確かにどういう立場の方々がなられても、今の日本が置かれている政府の状況、危機管理対応の機構というものでは、これはやはり基本的にこれを見直していかない限り難しい問題だろうというふうに実は思うのです。しかし、今後こういう災害というものがいっどういう形で降りかかってくるかもわからない。ですから、こういう体験を十分に踏まえて、これからの危機管理対応というものを組み立てていく努力を強く要望をいたしておきたいというふうに思います。
 労働雇用問題は産業、経済の動向に深くかかわっておるわけでありまして、今回の所信表明その他で大臣がいろいろ述べておられるわけでありますけれども、特に今我々が一番気になっておりますことは、これだけ名目所得というものが非常に高水準な国になってきている、しかし、実質所得については、かなり円高、為替レートといわゆる購買力平価との乖離というものが出てきているわけでありますから、実質的にはかなり、三割、四割高いものを買わされておるというのが実情になっておりますね。個人消費が二百数十兆あるといたしましても、その中で実際は百兆円を超える規模で実質的には高いものを買わされているということは、見えざる税金を我が国の国民は払わされているという実情があるわけであります。
 片方でどんどん価格破壊というものも進行してきている。これはやはり当然、世界の中でアジア地区を中心として低賃金、低コストの地域があるということでありますから、一物一価でありますからどうしてもそういう方向に引っ張っていかれるということは、これはやむを得ない状況でありますし、我が国としてもやはり市場開放を進めながら、きちっとした対応をして生き残りをしていかなきゃいけないという状況の中にはめ込まれておるというふうに思うのです。
 経営状態がこういう形で非常に厳しい状況の中にありますから、ベースアップというものについても非常に限定的な状況の中に今置かれておる。そういう中で生き残りをかけて企業はさらに低賃金、低コストの地域に出ていく。それがやはり産業空洞化を生んできておるというふうに思うのです。
 我が国は六千五百万人就労しておるわけでありますけれども、その中で国際競争力があってかなりの部分日本経済全体の中で稼いでおる就労人口というのは恐らく五、六百万ぐらいだろうと思うのですね。あとはサービス産業とかあるいは流通あるいは農業その他生産効率の低い製造業、恐らく六千万人というものが数百万人の高収益を上げているところに食い込んで共存しているというのが日本経済の実態だろうと私は思うのですね。
 ですから、今まで労働政策としては、できる限り既存の産業の中で頑張ってもらって、そして雇用調整助成金とかそういう中で失業を出さない努力をずっと続けてこられた。それが世界の中で三%という非常に低い失業率、外国から見れば非常にうらやましい状況を現出してきておったと思うのです。
 しかし、これからはそういうことは通らないだろうと私は思うのですね。そうすると、日本の中で生き残るべき産業と、そしてある面では外国に出ていかざるを得ない産業、それに頼らざるを得ない分野というものがだんだん仕分けされていく、そのときに今差しかかっておると私は思うの
ですね。その段階で今回の大震災が出た。だからケミカルシューズあたりは非常に焦っているわけですね。何とかスピードのある対応をしてほしい。こういうものに対してはやはりできる限り迅速な対応というものが望まれるわけだというふうに私は思うのです。
 そこで、大臣に伺いたいのですけれども、そういう厳しい状況の中に今我が国は置かれている。片方では産業空洞化が進んでいる。そうすると、当然、失業というものにどう対応していくのか、新しいそういう雇用政策を打ち立てていく、今まで抱え込ませてきたものではなくて、新しい産業を育て、それに対する労働力移動というものを円滑に行っていくということが労働雇用政策として求められている、こういう時期にあるというふうに思うわけでありますが、これに対する対応を伺いたいというふうに思います。
#58
○浜本国務大臣 我が国の経済は緩やかながら回復基調に入っておることは議員も御承知のとおりであります。しかし、雇用面においては製造業を中心に依然として厳しい状況にございます。そういう中で、労働省といたしましては、雇用の安定を図るために、引き続き雇用情勢の変化に即応した対策を機動的に実施してまいっておるところでございます。
 また、今後見込まれる産業構造の大きな変化のもとで雇用の安定を図りますためには、産業、企業間の労働移動ができる限り失業という痛みを伴うことなく円滑に行えるようにすることが重要であると考えております。
 そのため、昨年末には、政府が一体となって経済構造改革に取り組むため、産業構造転換・雇用対策本部を設置いたしたところでございます。労働省は、その中で人材の育成や失業なき円滑な労働移動への支援等を初め、各般の施策を着実に実施していきたいと考えております。
#59
○松岡(満)委員 まだ日本の場合は製造業で外国に依存している分野というのは六%か八%、ヨーロッパあたりは二〇%、アメリカは三〇%という状況になっておりますね。それに向けて移行していく場合には当然規制緩和もしていかなきゃいけないし、市場開放も積極的に進めていくという姿勢が大事だと思うのです。
 その中で、この前、これは細川内閣時代ですか、中期雇用政策ですか、労働省は出されましたね。それから通産省の方は産業構造審議会の方で、二十一世紀の産業ですか、そういうものを出しておられるわけでありますけれども、やはり私は産業政策と労働政策というのは十分な連携をとりながらやっていかなきゃいけないという立場にあるというふうに思うのです。
 通産省来ておられるでしょうか。今私が申し上げました産業構造を転換していく、その中で、たまたま先ほど、来ておられるのかちょっとわからなかったものですから、ケミカルシューズの問題についても対応をちょっと通産省の方に伺いたかったわけでありますけれども、そういう連携作業というものがどういう形で労働省と通産省の方で行われているのか、また長田地区のケミカルシューズの対応について通産省サイドのお話を伺いたいというふうに思います。
#60
○吉本説明員 このたびの震災で被災された中小企業者の操業の再開を支援するために、現在、中小企業事業団の高度化事業の活用によりまして仮設工場とか貸し工場を設置する制度の実施の方策等について鋭意検討しているところでございます。
 今後とも、引き続き被災地域の実情を十分に把握するとともに、高度化融資制度の趣旨に留意しつつ中小企業者のニーズに沿った対応策を早急に検討してまいる所存でございます。
#61
○松岡(満)委員 現地の実情を把握しておられると思いますので、ぜひ速やかな対応をお願いいたしたいというふうに思います。
 結局、市場開放を進めていき、さらにまた規制緩和を進めていくということによって、物価水準というものは当然なことですけれども下がっていくわけですね。そうすれば実質所得というものがふえてくる。そうすれば消費というものが当然ふえていくわけですね。さらに、産業が拡大していって雇用機会が増加していく。そういう一つのサイクルというものを新しい産業構造の中で打ち立てていくということが非常に今後重要な課題だというふうに思うのです。
 特に、それぞれ世界じゅうの状況を見てみますると、産業政策、経済運営というものが行き詰まった国は必ず政権というものがかわってきておるわけでありますし、そこはやはり人間の生活の基本的な部分でありますので、その辺の運営を過たないように両省での十分な連携をお願いをいたしておきたいというふうに思うわけであります。
 先ほど永井議員の方からも就職の話が出ておりました。今年、特に現地の就業活動は大変なことになるだろうと私も思うのですが、それ以前に景気の低迷の中で新卒者の就職の状況というのが非常に厳しい状況にあるわけであります。
 特にきょう大臣にお伺いしたいのは、男女雇用機会均等法が制定されて十年になるわけでありますけれども、皮肉なことに女子学生の就職難、非常に厳しい状況にあるわけです。女子については、就職内定状況を見ると、昨年の暮れの段階で男子学生が八四・六%、女子学生は六九・四%でありまして、かなり低い状態にあります。また、就職活動において資料が送付されなかったり、自宅通勤に限るという条件がつけられたり、さまざまな差別的な取り扱いが私どもの耳に入ってくるわけであります。均等法では募集、採用、配置、昇進について性差別を行わないよう努力義務を求められておるわけでありますが、どうも本当に努力をしているとは思えない状況がかいま見えてくるわけであります。
 また、賃金格差については、男性を一〇〇として女性の賃金は五〇・九であるわけでありまして、この数字は九三年のものでございますけれども、七〇年の男女格差とほとんど同じであるという現状があるわけでありまして、この二十年間変わっていないという状況であります。
 労働大臣、この状況をどのように認識しておられるのか、また改善をされようとしておられるのか、その辺を伺いたいというふうに思うわけであります。
 また、この問題に関連しまして、女性のフルタイム労働者の時間当たり賃金を一〇〇として、パートの賃金は七〇にすぎない。週二十五時間以上あるいはフルタイム働いてパートとして扱われる女子労働者が多いわけでありまして、こういう実情に対する対応を伺いたいというふうに思います。
#62
○浜本国務大臣 女子の就職が非常に少ないということにつきましては、私どもも議員と同じような考え方を持っております。ただ、最近の事情を申し上げますと、差別というよりも、大企業が事務系の職員の募集を非常に減少させたというところにも一つの原因があるのではないかというふうに思っておるわけでございます。
 女子の就職状況は議員がお話しのとおりでございますが、そういう状況に対しまして、私ども労働省といたしましては、次のような就職問題への対応を取り組んでおるわけでございます。
 一つは、均等法に基づく指針の改正をいたしまして、その周知徹底を図っておるということ、第二番目は、特別相談窓口を設置いたしまして相談にあずかっておるということ、三番目は、事業主団体への要請行動を行っております。平成七年度におきましても、募集、採用における均等取り扱いの確保にぜひ御協力をしてくださいということもお願いをいたしまして、女子の採用について啓発を行っておるような次第でございます。
 もし、今回の就職に際しまして均等法上に基づくいろいろな差別があるとすれば、今調査をしておりますから、これは指針とか均等法の見直しもしなくてはならないのではないかというふうに思っておるところでございます。
 それから、賃金差別の問題でございますが、確かに賃金格差はかつて非常に大きかったと思うの
でございますが、昭和四十五年が五六・一%、平成五年が六一・六%ということでございますので、そういう数字を見ますと、多少格差は縮小しておるのではないかというふうに思っております。
 この格差の要因といたしまして考えられますことは、就業しておる産業、規模、職種の違いということが一つあると思います。それからさらに、平均勤続年数が男子に比べて短いということもあると思います。また、学歴構成の違い等が考えられるわけでございます。労働省といたしましては、男女雇用機会均等法に基づく男女の均等取り扱いの実現、それから職業生活と家庭生活との両立支援対策等に今取り組んでおりますので、これらの施策を推進することによりまして、結果として男女の賃金格差が縮小できるのではないかというふうに思っておるところでございます。
#63
○松岡(満)委員 女子労働の実態については大臣から対応についてのお話がありましたが、例えば今度、介護休業ですね。これについても、既に大手は労使協約に基づいて実施をいたしておりますし、公務員も実施されておるわけでありますが、実際とっておる実態というものは非常に低いのですね。これはやはり、そういう段階での女子就業者が少ないという実態が図らずも出てきているということだろうと思うのですね。特に、百万人以上の寝たきり老人、それに対して九三年の実績で年間八万人ぐらいが介護のために職場を去る、その九割が女性だということで、介護休業に対して今回政府の方も法案化をしておられるわけでありますし、我々新進党としてもその介護休業について対応いたしたいというふうに思っておるのですが、実態を調べてみるとそういう状況がある。それはやはり、女子のそういう介護休業を実際にやらなければいけない年代の就業者が大企業では実態的に少ないという現実がやはり露呈されているということだろうというふうに思うわけであります。
 特に、これから高齢社会を迎えますし、産業構造も変わっていくという中で、女子が貴重な労働力として果たしていかなければいけない立場というものは非常に大きなものがあるというふうに私は思っておるのです。それだけに、職場と家庭がきちっと両立てきる環境を整備していかなければいけないというところに介護休業制度の大きな存在意義というものがあるだろうというふうに思うのです。この介護休業制度につきまして、若干質疑をいたしていきたいというふうに思うのです。
 親の介護が必要になる時期は、企業においても責任ある立場に立ってきておるわけでありまして、そういう立場の人が職場を変わらなければならないという状況になるということは、本人にとりましてはもとより、企業にとりましても社会にとっても大きな損失になるわけであります。少子・高齢化社会の実態を見るならば、介護を必要とする家族を抱える労働者が安心して職場で仕事を継続することができるという状況をつくることは極めて重要な課題だというふうに思っております。
 我々新進党としましても、関係各団体と協議をしながら、介護休業法を今国会に提出する予定であります。政府におかれましても、この重要な問題に前向きに取り組むべきではないかというふうに考えておりますが、まず御見解を賜りたいというふうに思います。
#64
○浜本国務大臣 少子・高齢化が進展いたします中で、介護を必要とする家族を抱える労働者の雇用の継続を図りますために、介護休業制度を含む仕事と介護との両立支援対策を強化することが重要な課題であると認識をしておる次第でございます。
 このため、介護休業制度の法制化、介護を行う労働者に対する支援措置の実施等を内容とする育児休業法の改正法案を今国会に提出すべく、本日の閣議で決定をしたところでございます。
 したがって、私どもといたしましては、この政府案の成立に向けて全力で取り組んでまいりたいと思いますので、新進党さんの方もひとつ御協力いただきたいと思います。
#65
○松岡(満)委員 ここらでちょっとジャブぐらい出しておかなければいかぬのですけれども、介護期間が三カ月ということのようでありますが、期間的な点で、私はそれでは足りないのじゃないかというふうに思うのです。それと、今の社会的なニーズから見ても、やはり施行はできるだけ急ぐべきだというふうに私どもは考え、そういう立場から主張してまいりたいと思うのですけれども、この点についての大臣のお考えを承りたいと思います。
#66
○浜本国務大臣 もう松岡さんもよく御承知のように、我々の政策決定の前段作業は、いわゆる労公使の三者構成で大体相談させていただいておる、こういう事情がございます。そういう事情の中でこの法案の要綱を決め、そして法案を決定したという経過がございます。
 今お話しのように、休業期間が三カ月では短いのではないかとか、あるいはもう少し早くすべきではないかというような御意見もあるのでございますが、三百人以下の中小企業等の御意見も考えますと、なかなかやはり全体の調整をとることが容易でございませんので、このような法案になったというふうに私は思っております。
 なお、今のような具体的な問題点につきましては局長の方から審議の経過等を報告させますので、ひとつぜひお聞きの上で御協力をいただきたいと思います。
#67
○松原政府委員 本日、介護休業制度を法制化するということで閣議決定をさせていただいたわけでございますけれども、ここに至りますまでに審議会でかなり長い間議論をお願いいたしました。
 先生おっしゃいましたように、介護というのは千差万別、いろいろあるわけでございます。この休業制度を考える場合に、では要介護の状態をどういうふうに考えるのかとか、介護政策全体の中でこの休業制度といったものをどういうふうに位置づけるのかといったような基本論をまず御議論いただいたわけでございますけれども、その過程で、特に専門的な分野については、お医者様とか介護の専門家の意見を聞くべく、そういった会合を持つ必要があるのではないかということで、審議会で議論がそういうふうにいきまして、介護休業制度に関する専門家会合というものを私ども持たせていただきました。その専門家会合で、特にかなり技術的な面、医学的な面、そういった点について御検討いただき、その結論が昨年の夏に出たわけでございます。
 その三カ月に関します部分につきましては、特にお年寄りの方が寝たきりになるケースといたしまして最も多いのが脳血管性疾患の場合のようでございますけれども、それを例にとりますと、発症してから一定時期は入院する、退院をしてから、本来ならば、では直ちに社会的な福祉施設サービスに入れるかというふうに考えられるわけですけれども、必ずしもそれはそうではなくて、一定の期間、安定する、回復する、そういった時期を経なければなかなか社会的な福祉サービスヘ移行するにも難しい、こういう専門的な御意見でございまして、その期間というのが大体三カ月だ、こういう御意見をいただいたわけでございます。
 そういうことから三カ月というのを一つメルクマールにいたしたわけでございますし、また、長期寝たきりになるケース、アルツハイマー、さまざまあろうかと思いますけれども、そういう場合につきましても、三カ月あれば恒常的なといいますか恒久的な介護対策について計画が立てられる、そういうことも踏まえてこの三カ月という考え方を私どもの法案では示させていただいたわけでございます。
 なお、その施行時期の問題につきましては、もちろんさまざま御議論ございましたけれども、介護休業制度の最新時点での普及率は、五百人以上の企業は既に半分以上導入しておりますけれども、三十人から九十九大規模につきましては一
四%ちょっとというふうに、非常に規模別の差が大きいのが実態でございます。そういうことから、中小企業について直ちに導入するというようなことになるといろいろ混乱も生ずるということから、十分なる準備期間をとる必要があるのではないかというのが審議会での多数意見でございました。そういうことから、私どもは施行期日を平成十一年ということでお出しをさせていただくというふうに思っているわけでございます。
#68
○松岡(満)委員 大臣や局長の懸念しておられること、また労使双方の状況等については十分私どもも理解はしておるわけですけれども、結局、やはりそういうものが法制化されないと遠慮してしまうという部分とか、それから、やはり中小企業に対してはきちっとした助成措置をとってやらないといけないだろうと私どもは思っております。特に、労働基準法の改正から始まって、いわゆる時間短縮やら育児休業の導入、さらに非常に景況が悪いという状況を引きずりながら来ているわけですから、そういうものに対する十分な配慮も大切だと思いますけれども、やはり職場と家庭というものをきちっと両立させる仕組みを早くつくっていくということが、いわゆる私ども新進党の男女共生社会ですね、そういうものの実現のためにも必要な前提条件だというふうに私は考えております。
 この議論はまた十分にする機会もあろうと思うわけでありますから、介護につきましてはその程度にとどめさせていただきたいと思います。
 一つ伺っておきたいことは、今回、本予算関係、どうも新聞を見ますると二十三日に一応上げて、二十四日に二次補正というようなお考えを自民党さん、与党の皆さん方持っておられるということなのですが、我々も、海部党首は、確かにこういう大震災、非常のときでありますから、いろいろな面で私どもは被災者の立場に立ち国民の立場に立って協力をしていこうということは申し上げておるわけでありますが、細部の問題につきまして先ほど来いろいろな議論をしておりますね。
 そういうものに対して必要な経費というものは、財政的な裏づけは当然必要なわけですから、そういうものが出てきた場合には、やはり予算についての修正、組み替えということについても議論しなければいかぬことだろうというふうに私どもは考えておるわけです。特に、先ほど御提案申し上げた公的就労等につきましては、例えば雇用調整助成金とか失業保険とか、これは運用で転がしていける部分はあるわけでありますが、新しい事態が出てくれば、これは当然もう少しきちっとした議論をしていかなければいかぬなというふうに我々は考えておりますので、その辺に対してしっかりとこの場をかりて発言をさせておいていただきたい、このように思うわけであります。
 いずれにしましても、今回の災害、特に初動のおくれを、この労働政策、万全な対応でひとつ頑張っていただきたいということを特にお願いを申し上げまして、私の質疑を終わりたい。引き続いて、我が北橋委員の方から、災害中心に新進党としての質疑を展開させていただくということを申し上げて、私の質疑を終わりたいというふうに思います。ありがとうございました。
#69
○笹山委員長 北橋健治君。
#70
○北橋委員 新進党のトゥモロー・キャビネット、明日の内閣の労働・雇用政策副担当をしております北橋でございます。
 大臣並びに労働省の皆様方には連日の災害対策で御奮闘していただいておりまして、心から敬意を表したいと思っております。実は、私も兵庫県西宮市生まれでございまして、高校卒業までは西宮、芦屋、神戸の方で若かりし日を過ごした一人でございます。
 先週の木曜日と金曜日に現地に参りまして、大変な災害を受けた現地の視察をしてまいったわけでございますが、テレビ、新聞で報道されているものとは全然違いまして、大臣も現地に行かれてその点はよくお気づきだと思いますけれども、本当に悲惨な状況でございます。しかも、私が中学、高校時代からお世話になった方々、友人が随分亡くなっておりますだけに、本当に無念の思いであります。
 この問題につきましては、労働省において既に既存の法令の中で可能な限りの対策を拡充したり前倒しをしたり、いろいろな御努力をされていることを承知しておりますが、今回の災害の被害の大きさにかんがみまして、やはり政治家としての決断によって、トップダウンで事務局に対して思い切ったことを促していく努力が求められているのではないか、このように思っております。
 冒頭、私は、政治責任ということについて触れさせていただくわけでありますけれども、大臣も連日連夜御奮闘されている中にありましてこのような質問を最初にするということは大変気が引けるわけであります。しかしながら、ちょうど一年前に起こりましたロサンゼルスの地震のときのアメリカの対応、あるいは国内でもいろいろと批判があったわけでありますけれども、最も痛烈に批判をしているのは海外の知識人であります。欧米諸国のマスコミを初め、インテリの多くは、信じられない、これは地震という名の大虐殺だと報じた新聞もあります。
 そういった意味におきまして、今後災害対策を思い切ってやっていく場合に当たりまして、やはり原点に返って、単に危機管理体制が乏しかったといったシステムの問題では片づけられない、やはり村山内閣としての責任というものが非常に大きいのではないか、このように私は感じております。二日間車が使えませんでしたので、徒歩で三万歩歩きました。亡くなった方々とかいろんな方の御家族にもお会いをいたしましたけれども、あの皆様方は浮かばれない気持ちだと思うのです。
 そういった意味におきまして、これは主として総理を中心とする初動態勢についてお伺いするわけでありまして、閣僚の一員とはいえ、労働省を所管されている大臣にお伺いすることは所管担当外という答弁になるのかもしれませんけれども、そういった意味で、以下お伺いさせていただきたいと思っております。
 ロサンゼルスの場合は、やはり神戸と同じように夜中に地震が発生しました。日本が五時四十六分ですから、それよりも一時間ちょっと早い四時三十一分に地震が発生しました。このときに、すぐにアメリカの連邦緊急事態管理庁、俗にFEMAと呼ばれている、日本では国土庁に当たるんだと思いますけれども、そこの長官がすぐに大統領に報告をしております。そして、クリントン大統領が、地震発生から一時間二十分たちまして、ウィルソン州知事に対して支援を直接要請をしているわけです。夜中であります。一時間二十分後には大統領はそこまで動いているわけであります。そして現地と連邦政府とが一心同体となって思い切った対策に入ったわけであります。
 それから比べますと、驚くべきほど村山内閣の対応はおくれたわけであります。まず、当時の村山首相のその日の動きでありますけれども、これについては閣僚の一員としてどのようにお感じになっているかを、まず最初に御所見を率直にお伺いしたいと思っておりますが、今さらあえて申し上げるまでもなく、既に各要員会において、当時の首相の行動についてはいろいろと疑問視をする、信じられない、これが行政の長としてのあるべき一日の日程なのか、そういう御指摘が多々ございました。
 重複をするわけでありますけれども、官邸に入られたのは八時二十六分ごろであります。そして、最初に官邸に入られてやったことというのは月例経済報告の会議であります。もちろん、毎月やっていると思いますけれども、この経済報告関係の閣僚会議は重要であります。しかしながら、まずはやはりこの大地震に際しての緊急会議をやるのが私は当然だと思っております。そして、この場において村山首相というのは、むしろ全般的な不況対策を論じておられた。そういった関係閣僚会議というのは、マスコミが冒頭入って、そのとき小耳に挟む内容というのはあるでしょうか
ら、正確な内容はわかりませんけれども、いずれにしても月例経済報告の関係閣僚会議に出られた。その後に閣議が開かれるわけでありますけれども、その中で、もちろん地震のことも話し合われたと思いますけれども、二十日から始まる首相の所信表明の演説内容に触れられまして、行革に命運をかけるという言葉を入れるかどうかという問題について論じ合ったと、このように報道する週刊誌もございます。
 そしてその後に、十一時五分から総理は二十一世紀地球環境懇話会なるものに出席をされました。地球環境というのは確かに重要な懸案であります。しかしながら、この時点においてこのような会議に総理が出られるというのは、果たしていかがだったんでしょうか。
 そして、二時四分からは自由連合の国会議員の皆さん方とお会いになられました。夕方には渡部さんや堺屋さんという文化人に会われました。
 いずれも総理のぎっしりと詰まった過密スケジュールの中で、毎日大変きついだろうと思います。その中で一生懸命日程をこなされていたとは思うけれども、一時間二十分後にアメリカの大統領は現地の州知事に対して要請をした。恐らく、その内容ははっきりとわからないけれども、ありとあらゆる手を打てということを指示をされたと思う。それに対して総理がこのような一日の行動をされていた。これでは行政の長として、果たして危機管理システムができていたとかいないとかという問題以前に、やはり総理としての政治姿勢が問われるのではないでしょうか。
 村山内閣に任命をされた閣僚の一員として、この日の首相の行動についてどのようにお感じになっておられるでしょうか。まずお伺いいたします。
#71
○浜本国務大臣 今議員から総理の日程を詳しく御報告をいただいたのですが、私は総理の日程について管理する立場でございませんので、そういう詳しい事情はまず第一に承知しておりません。
 しかし、私どもが九時に最初に総理にお目にかかった時点の事情を拝見いたしますと、やはり神戸の震災については非常に心痛をされておりまして、会議の途中でも時々震災関係の担当者の皆さんに打ち合わせをしながらそれぞれの会議を進められる、こういう事情であったと思いまするので、決して総理がこの震災の問題について念頭にないような行動を振る舞ったということではないというふうに私は思います。常に心配しながら、そして自分の指示の行き渡る範囲においては指示をしながら情報の収集に努められておった、こう思うわけでございます。
 私の方は、九時のこの官邸に参ります途中で既に車の電話で秘書官に命じまして、労働省の方は労働省の方で緊急に対策本部を設置すべきであるということを指示いたしまして、労働省は早くから震災の対策本部を設置いたしまして、どんな事態にも対応できるように対処してきたところでございます。
 また、議員から申されました全体の危機管理等に対する考え方でございますが、今回の震災に対しまして政府としては、行方不明者の捜索や生活必需品の確保を初め、各種対策に全力を挙げてまいったと考えておりますが、振り返ってみますと、被害状況の早期把握が不十分であったことも事実であろうと思います。こういう点はやはり反省しなければならないと思います。
 また、防災上の危機管理体制の充実は極めて重要な問題であると認識をしておりますので、この際、反省すべき点は十分反省をいたしまして、政府全体として危機管理体制の強化に努力してまいらなければならないと思っております。
 また、現地、被災地の復興対策につきましても、政府の全力を結集いたしまして取り組んでいかなければならぬ、かように思っておる次第でございます。
#72
○北橋委員 私はやはり、友人、知人の多くを失った一人といたしまして、日本の行政府の長がその日、アメリカのクリントンさんのようにもっと強力な指導力を発揮して、速やかにその災害救助、被災対策の陣頭指揮に当たってほしかった、大変残念であった、そのように感じております。
 今総理の一日のスケジュールについて私は触れさせていただいたわけでありますけれども、議論は既にされてまいりましたが、自衛隊が災害救助のためにどうしてもっと早くたくさんの数で出動できなかったのであろうか、このことは各方面から非常に指摘をされております。
 交通事故でも、救急車に乗って運ばれる場合に、なかなか夜間の救急病院が見つからないということでその途中で亡くなる人が非常に多い。早ければ随分と多くの人命が救われるであろうにということは関係者がよく言ってきたことでありますが、こういった大震災の場合も、やはり四十八時間以内が人命救助の場合、勝負ではないか。要するに、迅速に対応しなければだめだということであります。
 その時点で自衛隊の皆さん方は全く責任はない、とにかく命令に従って全身全霊をもって危険な業務を今まで果たしていただいたと私は思っておりまして、関係者の皆さん方には心から敬意を表しておりますけれども、しかし、自衛隊を指揮する立場の政治責任というのはやはり大きいのではないか、このように感じております。
 地震当日に出動した自衛隊員というのは二、三百にとどまったと聞いておりますが、政府が一万人体制にすべしと決めたのは地震発生から三十時間以上もたった十八日の昼過ぎだと聞いております。そして実際に一万人体制が整ったのは十九日午後、地震発生から何と五十時間以上たっていたわけであります。もしも総理がその日のいろんな行事をキャンセルされて、とにかくどうなっているんだといろいろな情報を集めて、そして迅速に対応しておれば、自衛隊の早期出動、そして本格的な体制はとれたはずであります。
 そういった意味からしますと、私は、五千人を超える亡くなられた方々のことを思いますと、やはりこの政治責任は極めて重大ではないのか、このように思っておるわけであります。直接自衛隊の指揮監督に当たられる閣僚ではございませんけれども、内閣の一員として、この自衛隊の本格的な早期出動態勢を要請するのが極めておくれた、その点についてどのようにお感じになっておられるか、お伺いいたします。
#73
○浜本国務大臣 自衛隊の出動に対しましては、総理も総理のお立場から見解を予算委員会で申し述べられました。また、防衛庁長官は、担当大臣といたしまして自衛隊の行動について詳しく皆さんに御報告をしたところでございます。したがって、私はこの問題については、自衛隊は長官以下その情勢に応じて一生懸命努力していただいたのではないかというふうに実は思っておる次第でございます。
 その程度しか私としては今答えることはできないと思います。あとは全部、防衛庁長官及び総理大臣の予算委員会における答弁をひとつもう一回振り返ってこれを呼び起こしていただきまして、お二人のその事情について御了承いただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
#74
○北橋委員 今世論の動向は、大変な被害に遭った神戸、兵庫県南部に対してどのような復旧の手を差し伸べるかということに注目をされております。そういった意味におきましては、この関係の予算の成立といった一段落した時点におきまして、あの日早朝、地震が発生したとき以来の村山内閣の行政の対応については、もう一度問われるときが来るだろうと思います。労働大臣のお立場でございませんのでこれ以上はこの自衛隊の問題については触れませんけれども、やはりこれは大変残念な結果ではなかったか、このように感じております。
 もう一つ、人命救助という意味におきましても重要でございますが、ボランティアの海外からの受け入れについても、政府は極めて消極的な姿勢に終始をしたわけであります。このことは、実際欧米先進国から地震が発生して間もなく何とか救
助のためにボランティアで行ってあげたいという、そういった方々の非常な驚きを皆さんは禁じ得ない、このように各報道は伝えております。
 例えばフランスの場合でありますけれども、フランス政府が支援を申し出たのは地震があった一月十七日夕方であります。そのとき日本政府は、申し入れはありがたいが今のところ必要ないと回答しております。ところが翌十八日午後になって、検討すると変更したそうです。そして十九日、翌日は何の反応もない。二十日になって初めて、受け入れる、ただし申し入れよりももっと小規模でという返事が来た、このように伝えております。
 この問題につきましてスイスの人たちがこういうことを言っております。救助隊と捜索犬を入国していただいたわけでありますけれども、日本は各国の救援申し出を拒絶した、これはトリビューン・ド・ジュネーブというスイスの新聞であります。そして、日本政府はすべて自分自身でできると思っているようだ、このように書かれております。それから救助チームの隊長は何と言っているか。早期に到着していれば救助の確率はもっと上がった、たとえ二十四時間でも大きな違いがあったはずだ、これもジュネーブ・ポストに伝えられました。
 イタリアでは何と言われているか。こういった各国が助け合って救援という仕事を手分けして行うことによってお互いの理解が深まるのではないだろうか、それを日本政府が断るというのは理解し合える世界をつくろうということを拒否することだ、ラ・レプブリカにそのように伝えられました。
 このように見ますと、自衛隊の早期出動もしかり、当日の総理の行動もしかりでありますけれども、やはりこれは行政を指揮監督するはずの村山内閣の政治責任といいますか、その基本姿勢について、これでは到底国民は承服できないのではないか。担当が労働省でございますだけに大臣にこれ以上この問題はもういたしませんけれども、いずれにしましても、海外からは痛烈な批判というものが来ているわけであります。
 そういった意味におきまして、その政治責任をどの程度感じるかということはそれはそれぞれの政治家の良識の、良心の問題でありますけれども、今後の被災者の対策に当たっては、事務当局に対して今までの法令の通常の範囲内を大きく踏み込んででも思い切った対策を政治家としてトップダウンで決断をする、その方向でぜひともこういった不名誉なことを挽回していただきたい、強く要請を申し上げて、以下順次、労働省関連の質問に移らせていただきたい、こう思っております。
 私どもが現地を視察しまして、そしてまた多くの関係者の方のお話を聞いておりまして、口々に言われるのは、今はもう生活するので大変だ、とにかく住宅それから水がない、子供の学校なんかえらいことになった、そういうことでとにかく毎日生きていくことに必死であります。しかしながら、そのうち今度は、今まで自分が働いていた会社が倒産するんじゃないだろうか、大変なことになったという雇用不安が日一日どこれから深刻になってくるのではないか。
 これに対して労働省もいろいろな対策を既に発表されているわけでありまして、その御努力は多としたいと思っておりますが、そこで、それぞれの個々の各論に入ります前に、きょうは通産省にもお見えいただいていると思いますけれども、今回の災害によりまして事業所が閉鎖なり休業なり、大変憂慮すべき、今後の雇用問題を惹起しかねないような憂慮すべき事態がかなり深刻になっていると思うのですけれども、今日把握されている段階での現状を御報告願いたいと思います。
#75
○玉木説明員 お答え申し上げます。
 今般の地震によります被害状況の詳細は、被災者の救援、ライフラインの復旧等が言うまでもなく優先されるということで、現時点では詳細まで把握し切れてはおりませんけれども、これまでに私どもの近畿通商産業局、兵庫県、神戸市あるいは事業協同組合等の中小企業関係団体から入手した情報によりますれば、まず工業関係では、四十一組合千五百五十四社を対象といたしました調査で、倒損壊二百十八社、半損壊六十六社、その他被害七十九社の合計三百六十三社、これは全体の二三%でございますが、これが被害を受けております。
 一方、商業関係におきましては、商店街におきまして二百八商店街八千八百六十三店舗を対象といたしました調査で、倒損壊二千四百八十九社、焼損四百二十社、合計二千九百十九社、これは八千八百六十三店舗の三三%に当たりますけれども、これらが被害を受けております。
 また、いわゆる小売市場、市場と呼ばれておりますものにつきまして八十の市場で二千四十八店舗を対象に調査をいたしまして、倒損壊七百六十七社、焼損百六十三社、合計九百二十社、これは全体の四五%というのがそれぞれ甚大な被害を受けているという報告を受けております。
#76
○北橋委員 今中小企業庁の方からお話しいただきました。事業所の中でも大半が中小企業でございますので、よく報告はわかるわけでありますが、大手企業についても重大な被害が出ております。とりわけ鉄鋼、造船を初めといたしまして機械・金属の主要な産地の一つでもございますだけに、今後の対応に当たっては、単に中小企業対策の域にとどまらず、中堅以上の大手企業についても、大変な事態になっているという認識を当然お持ちだと思いますけれども、強く要請をしておきたい、こう思っております。
 いずれにしましても、通産省からの御報告にあるように、兵庫県南部に働いている方々の職場は大変な事態になっております。そういった意味で、まずは企業としての再建、復興のために全力を尽くさなければ大変な雇用問題が発生する、そういう認識が明らかになったわけであります。
 その場合に、通産省の方にお見えいただいておりますのでつけ加えてお伺いいたしますが、事業を再開する場合に、辛うじて倒壊を免れた事業所でございますが、大きなネックになっているのが工業用水でございます。
 現地に行きますと、去年渇水が全国各地でございましたので、工業用水を分けてくれといっても、総論では同情していただいてもなかなか各論になると水の確保は難しい。ある会社では、これは韓国に行って買ってくるしかないのかな、こんな話も出ておりまして、工業用水の確保は、そういった事業所が倒産、閉鎖に追い込まれないために重要な項目に挙がっております。この点について政府としてどの程度強力に支援をしていく考えなのか、お伺いいたします。
#77
○相澤説明員 お答え申し上げます。
 工業用水道につきましては、神戸市それから西宮市等を中心にいたしまして大きな被害が発生しております。そのうち尼崎市、伊丹市の工業用水道につきましては既に給水を再開しておりますが、残ります神戸市におきましては断水中でございます。また、西宮市におきましても一部給水の状態にございます。
 先生御指摘のとおり、工業用水道は産業活動にとって非常に重要でございます。各工業用水道事業者におきましても、漏水が判明した箇所等から順次復旧作業を大至急進めておるところでございまして、早期復旧に努めているところでございます。
 通産省といたしましても、そういった工業用水の重要性にかんがみまして、いろいろな応援体制の整備でございますとか、あるいは専門家グループの派遣というようなことで、事業者によります復旧作業のできるだけ早期完了ということを応援すべく最大限の支援を行っているところでございます。
 以上でございます。
#78
○北橋委員 先ほどロサンゼルス地震のアメリカの事例を少し申し上げたのですが、私も調べてみて驚いたのですが、アメリカの場合、フリーウェー、道路を復旧する場合に、とにかく急がない
と産業、民生が停滞するということで、どういうことをアメリカ政府は考えたかというと、予定より一日早く完成するごとに二千万余りのボーナスを業者に出すとしたところ、一カ月半以上も早く完了した事例もあった、こういうことであります。
 要するに、私が申し上げたいことは、通常の補助率、通常の行政の枠組みの中で対応するということは、お役所の立場からするとそれしかできないのでしょうけれども、今後特別立法が予定されているようでございます。今後の復興に当たりましては工業用水という問題が生命線になっている、失業を防止するためにはその事業所の早期再開が不可欠でございまして、そういった意味でも特段の御配慮が必要だ、このように思っておりますので、通産省として特別立法にいろいろな項目を出すときに、工業用水の問題についても十分御検討いただきたい、要望しておきます。
 それともう一つ、神戸製鋼や川崎製鉄の臨海部分の工場用地を自治体の方に売却をいたしまして、一つの大きな復興のための用地を取得するという計画があると聞いております。通常、私どもは、不況になったりあるいはいろいろな災害のあったときに、政府として、あるいは政党もそうですが、中小企業に力点を置いた対策を打ち出すのが通例であります。しかし、今回の地震については大企業も中小企業もないわけでありまして、親ガメこけたら子ガメ孫ガメ皆こけるという大変な危機感が広まっております。
 そういった意味では、こういった大企業の用地を売却するというのは、それぞれの企業の発祥の地ということもありまして、大変につらい、せつないことでありますけれども、それをしなければもう生きていけないというところまで大打撃を受けた事情でございますので、今後の企業の復旧活動に当たりましては、大企業、中小企業を含めた対策を十二分に念頭に置いてやっていただきたい、このように思っております。
 さて、労働省にお伺いしたいと思いますけれども、通産省からお話がありましたように、大変多くの事業所が今閉鎖になったりあるいは休業状態になっている、あるいは倒壊になっていつ再開のめどが立つかわからない、こういう厳しい状況にあるわけでありますが、いわゆる雇用情勢を見るときの一つの目安は有効求人倍率と俗に言われるわけでありますけれども、災害が発生して、現地の職業安定所も毎日本眠不休で大変御苦労をされていると思うので、なかなか情報が精査されて上がってくるというのは難しいかもしれませんが、現時点で、例えば有効求人倍率などに示されるような雇用状況をどのように認識されておられるでしょうか、お伺いしたいと思います。
#79
○征矢政府委員 有効求人倍率につきましては、現在、全国平均で見まして〇・六四倍ということでございまして、最悪期の〇・六二倍に比べますと若干プラスでございますが、四カ月連続してそういう状況である。
 これに対しまして、今回の経済不況の一つの特徴でございますが、大都会地域におきまして全国平均よりもかなり雇用情勢が厳しいということでございまして、阪神地区につきましては全国平均より低い〇・四倍台、〇・五を切る倍率の状況でございます。
 ただ、その十七日以降につきまして、これは先生御指摘のように、相当被害が大幅でございまして、さらに厳しくなっている面も想定されるわけでございますが、現時点におきましてはそこまでの状況の把握はできておりませんで、これは専ら失業予防、雇用維持の観点からもろもろの対策をとっているのが現状でございます。
#80
○北橋委員 神戸の方はもともと求人の状況がなかなか厳しい地域だった、こういうお話でございまして、震災の後どうなっているのかというのはなかなか統計を把握するのは大変かと思いますけれども、やはりそこでどの程度重大な問題になるのかという現状分析が前提になければ、今後の対策にもいろいろと支障を来すのではないか。
 以下質問いたしますように、それぞれ項目ごとに労働省は御努力されているわけでありますが、もっと踏み込んでやってほしいという気持ちを私ども持っているわけであります。その前提は、当地における雇用問題というのが極めて重大な、不安定な状況になるのではないか、このように思うからであります。
 そこで、労働省は今、的確な数字は震災の後はないということなんですけれども、報道によりますと、これは神戸の公共職業安定所の数字でございますが、震災前の求人は約五千六百人あった、それに対して求職者は約一万七千人だったということであります。つまり、震災前は〇・三程度だったのが神戸の公共職業安定所の管内の有効求人倍率であります。
 それが、今通産省からお話ございましたように、かばんやゴム関係、機械・金属製造業、そういった中小企業に加えまして、神戸製鋼、川崎製鉄、三菱重工業、日本の基幹産業の大きな工場がございます。そこの関連協力企業が相当壊滅的な打撃を受けたということで、これは相当に長期の休業や廃業に追い込まれるのではないか、このように現地では皆さん不安がっているわけであります。
 そこで、一つの推定値といたしまして、震災前〇・三程度あったものの、今後は〇・〇五、百人職を求めても五人しかない、二十人に一人しか仕事がない、その辺まで落ち込むのではないかというふうな推定があります。これは恐らく公式的なお話ではなくて、担当者の勘だとかいろいろな情報を非公式にまとめた数字だと思いますが、いずれにしてもこれはもう大変な、職がない、求めても職がないという状況が間もなく出現してくるのではないか、そのように思うわけであります。
 つまり、神戸の被災地ではほとんど職が得られなくなる、そのチャンスがなくなる、これがやはり今後対策を考えるときに前提になくてはいけない。数字は上がってきていないかもしれませんけれども、まずそういう認識をぜひ持っていただきたいと思っております。
#81
○浜本国務大臣 御意見のとおり、今般の地震災害の被害地域におきましては、復旧工事に相当時間を要するものだというふうに思います。この面で雇用への悪影響が懸念されておるわけでございますが、一方で、今後復興需要に伴う雇用機会も見込まれるのではないかというふうに期待をしておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、先ほど局長が答えましたように、まだ十分なる情勢を把握しておりませんりしたがいまして、今後、被災地における雇用失業情勢の正確な予測、見通しに向けまして、関係省庁との緊密な連絡のもとに情報の収集に努めてまいりたいと思います。
#82
○北橋委員 現地の方も毎日大変御苦労が多いと思いますけれども、ぜひ的確な現状判断のために御努力をお願いしたいと思っております。
 ちなみに、報道によりますと、二月以降の求職者は二万五千人から三万人ぐらいにふえるのではないか、それに対して求人は七割減の千数百人程度に落ち込むのではないかという予測が地元にあるようでございますので、来週もまた労働委員会が開かれるようでございますので、可能な限りそういった現状把握には御努力をお願いしたい、こう思っております。
 そこで、今後失業を発生させてはいけないわけでありまして、政府としても既にいろいろな対策を打たれていると思いますが、その中で、雇用調整助成金というものは極めて有効な対策の一つだと思っております。既に政府の方もこの点については新たな震災対策を打ち出されておるわけでございますけれども、内定者の取り消しについては、既に財界方面を労働大臣が直接お願いに回るとか、大変御奮闘をいただいておりまして、御努力を多としたいと思っておりますが、何でも高校生の内定者は昨年暮れの時点で約二千八百人、その半分はやはり取り消されるのではないかというふうな、そういった不安というものが現地にはあるようでございまして、そういった意味では、雇う会社の方も食うや食わずの、あすの先行きが全
くわからない状況でございますので、これは、大臣が要請をされるということは、まずはその基本姿勢を示したということだと思うのですけれども、その後に相当思い切った援助策を講じないとだめだと思うのであります。
 既に御答弁があったらお許しをいただきたいと思いますけれども、特別立法を講じないとこういった内定者に対する雇調金の給付はできないということでありますが、近く政府が予定されている特別立法の中に組み込まれる方針でしょうか、確認をしたいと思います。
#83
○浜本国務大臣 ちょっと状況だけを申し上げておきますと、さっきの神戸新聞のような情報が出ますと大変皆さんの不安をかき立てることになりますので、現在の被災地の公共職業安定所における新卒者への影響の把握でございますが、これは二月六日現在で合計三十六社、二百六十六人の新卒者にかかわる採用内定の取り扱いについての相談があったという報告を受けております。ですから、まだ内定を取り消したという情報ではございません。
 私といたしましては、そういう状況でございますので、すべての新卒者について職場の確保を図っていくことが非常に重要な課題と考えておりますので、一月三十日に、事態への的確な対応を図りますために新卒者支援についての通達をまず全国に発出いたしました。通達におきましては、内定取り消しの回避等に向けた事業主指導に加えて、採用内定を取り消さざるを得ないケースについては新たな就職先の確保に努め、円滑な就職の実現に向けて努力するように指示をしたところでございます。
 そして昨日は、日経連、日商それから中央会の三団体のトップの方々に対しまして直接お願いをいたしますと同時に、六日の午後にも関西財界の代表者の方々にお願いをいたしたような次第でございます。いずれも企業の団体の代表の方は、その事情はよくわかるからできるだけ協力するというようなありがたい御回答をいただいたところもございますし、また、現に大阪の松下電工さんのような企業は積極的に協力してやろうという実績を出していただいておるところでございます。
 それから、最後の御質問のお答えになるのですが、やむを得ず内定取り消しの対象となった新卒者が出た場合には、近隣府県で開催される就職面接会も御利用していただいて、早期に再就職をしていただくということも考えさせていただきたいと思うわけです。
 取り消されないようにするためには、企業主の方々、事業主の方々に、雇用調整助成金の適用を拡大する措置をとっておりますのでぜひひとつよろしくお願いしますということでお願いをしておりますから、その約束に従いまして法的な措置も含めて検討をしてまいらなければならぬと思っております。
#84
○北橋委員 厳しい中で新卒者を雇う被災企業に対しては雇用調整助成金を支給して、何としても政府としては内定取り消しという不幸な事態に至らないように努力をする、検討するということは承知しているのですが、間違いなくやっていただけますね。
#85
○浜本国務大臣 特別立法でぜひ実現したいと思っています。
#86
○北橋委員 どうぞよろしくお願い申し上げたいと思っております。
 雇調金につきまして、労働界あるいは被災地域ではいろいろな要請というものがございます。その中で、例えば、今産業構造が大きく変わる中でやむを得ずもとの企業を離れて出向している社員の人というのが少なくないわけでありますが、その出向先の事業所が今回の災害のために休止あるいは閉鎖をすることになりまして行き場がなくなるわけでありますから、もとの企業に戻ってくる場合、そういった出向者に対しても雇調金を適用してほしい。これについては政府の方もその方向で適用するということを内々聞いておりますけれども、そのように理解して間違いないでしょうか、確認をしたいと思います。
#87
○征矢政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、ケースによっていろいろな場合があろうかと思いますが、その辺をいろいろチェックいたしまして、できるだけ弾力的に対処してまいりたいというふうに考えます。
#88
○北橋委員 できるだけ弾力的にということでございますが、要するに、適用していただけるのですね。適用できないケースというのはやはりあるのですか。
#89
○征矢政府委員 いろいろなケースがあろうかと思いますが、弾力的にという件につきましては、できるだけ適用する方向で弾力的に考えたいというふうに思っております。
#90
○北橋委員 この点は、日本の基幹産業でございます鉄鋼や造船、そういった大企業、中小企業を含めた重要な産地でありますだけに、出向者というのは大変数多い現状にあります。そういった意味では、相当の被害が出ておりますので、かなりの方がもとの企業に戻らざるを得ない事態になるのではないかということで、ぜひとも原則的に適用するという方向で御努力をお願いしたいと思います。
 続きまして、雇調金の概念からしますと、現在は被災地域の事業所に対して適用しているということでございますが、それによって救済をされないケースというものが想定されます。それは、神戸の方で半加工製品というものを調達をしまして、被災地域でないところで製品化をする会社というものは当然あるわけでありまして、取引先の企業が事業所が休止になっている。結局、地震被害のために、いわゆる間接的な影響で原料が調達できないということで、休業を余儀なくされるケースというのが想定されると思うのです。
 現時点におきましては、全国一律の業種指定による救済と、あるいは被災地を面的に救済するという二本の仕組みがあるわけですが、その中でどうしても救済されないケースというものも想定できる。そういった意味で、そういった場合にも失業を予防するために雇調金というものを適用することをお考えいただきたいと思うわけでありますが、いかがでしょうか。
#91
○征矢政府委員 ただいまの御質問につきましては、いわば制度をどこまで適用するかの限界的な問題になろうかと思います。
 その点につきまして、例えば下請関係でありますと現状の枠組みの中で、先ほどもお答え申し上げましたように道があるわけでございますが、取引関係で被災地以外のところに事業所があって、被災地における部品がそちらに行かなくなったというようなことになります件でございますが、この件につきましては、今言ったような関係にないとすれば即この対象になるというわけにはいかないわけでございますが、御指摘のような点も踏まえまして、事業再開の見通し等の状況を見守りながら検討してまいりたいと思います。
#92
○北橋委員 やはり日本の企業社会というのは、今度も自動車の場合そうだったのですが、部品が来ないから、今ジャスト・イン・タイムで、かんばん方式の企業なんかは自動車もできないというふうにして、物すごく地域的に離れたところで生産活動が行われておりますので、神戸、芦屋、西宮、尼崎といえば日本を代表する工業地帯でございますだけに、そこからの製品、部品が来ないために大変な事態になるということは十分考えられると思うのです。そういった意味で、既存の二つの方法による方向では救済されないケースが想定をされますので、その点については検討するということでございますが、ぜひとも前向きにやるという方向で御検討願いたい、こう思って要望をしておきたいと思います。
 具体的な事例があると私どもも非常に攻めやすくなるのですけれども、今のところまだ事例が挙がってきていないものですから、また政府の検討状況も注目をしてまいりたい、こう思っております。
 それから、今回は交通が遮断されたために通勤がとてもできないというケースがかなりあるようでございます。私ども、今度の被災地を見ており
まして心配しているのは、例えば消防団のまじめな団員の方が不眠不休で活動されて過労死で亡くなられる事例がありました。あるいは家を失って不自由な集団生活を体育館なんかでされているお年寄りの中で亡くなられた方がたくさんの数に上ってきております。今後こういったことが続いていきますと、過労死という問題が相当出てくるのではないかと大変心配をしているわけであります。
 したがいまして、通勤というものが交通の遮断によって大変な過重な負担になっているのではないか。私も神戸から芦屋の方まで歩いていったわけでありますが、ここはバスでやっておりますけれども、なかなか交通が大渋滞、緊急災害用の札をつけた人たちの車の渦でまた前へ進まないぐらいですから、ましてや一般車は動かない。バスも相当におくれる。もう大変な勤務時間がかかっております。それでも行ける方はいいのですが、行けない方もいらっしゃる。あるいは御家族がけがをされた、介護をしなくちゃいけない、あるいは自分の家がもう倒壊寸前になっていて復旧するために会社へ出られない、いろんな事情があるわけです。
 結局、今回の地震によって会社に行きたくても行けないようなケースというものは十分あり得るのではないか。その場合に、会社に来れないのだから、まあ世の中不況だし、この際首切りだと、こういうことになってしまっては大変なことでございますので、こういったことについても雇調金の適用などの何らかの対応が必要ではないかと思うのですが、政府の方針をお伺いいたします。
#93
○征矢政府委員 雇用調整助成金につきましては、これは御承知のように、被災地域内の事業所におきまして、被災に伴い事業活動の縮小を余儀なくされ、その雇用する労働者について、失業予防の観点から休業等を実施するものに対して雇用調整助成金を企業に対して支給する、こういうことでございます。したがいまして、その休業の内容につきまして個々の事情をチェックするということではございません。
 ただし、この休業のあり方については、当然労使間でお話し合いをいただきまして、労使間の協議に基づく書面による協定によりまして、これを出発点として私どもの方で手続をする、こういう仕組みでございますから、労使協議をする際の協定の内容として、今言ったような諸般の事情を考えて休業のあり方をどうするかということでお考えをいただけたらというふうに考えております。
#94
○北橋委員 何でも雇調金で救済をするというのは法令の仕組みからして難しいという趣旨だと思うのですけれども、ただ、労働省としてできることもあると思うのですね。実際に欠勤したり遅刻をするということで、そういうことを理由にして一方的に解雇をされるのではないか。現実にそういった事例があれば質問しやすいわけでありますが、そういう事業所がないことを祈るのですけれども、不幸にしてそういうことがあった場合に、これは雇用を守るという見地から絶対に許してはならないことだと思うのです。
 そういった意味では、そういった一方的解雇を禁止する、そういう労働省としての指導というものはあってよいのではないか。この点についても十分留意した対応を求めたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#95
○征矢政府委員 その辺につきましては、御承知のように、一般的に解雇権の乱用問題としての判例の積み重ねもあるところでございまして、そういう中で、ただいま申し上げましたような解雇がないように、私どももできるだけ配慮し、かつ指導してまいりたいというふうに思います。
#96
○北橋委員 今度の地震は戦後初めての大地震でございます。したがいまして、判例は戦前のものもあるかもしれませんけれども、本当に信じられないほどの大変な被害が出ているわけでありまして、判例等も加味しということでございますけれども、過去の事例にとらわれることなく、この雇用不安を未然に防ぐために、全力でこういった問題についても対応していただきたい。強く要望しておきたいと思います。
 先ほど労働大臣の方からも、いろいろとその対策がある中で、雇用保険の制度に未加入の方々の雇用についてもお触れになられました。法令という基本的な枠組みがございますので、気持ちの上で何とかしてあげたいと思っても、なかなか踏み越えられない世界があるのかもしれません。
 しかしながら、現実に被災地を見ておりますと、雇用保険に入っていないパートの方も多いと思いますし、また、零細事業所、一人親方のところというのは、特に事業所が倒壊などでとても仕事がしにくくなっているという状況だと思うのです。ですから、同じ働く者として、雇用保険の未加入者に対して何ら措置が設けられないというのは、これは極めて問題があるのではないか。この点についても可能な限りの万全の措置を、雇用保険の柔軟な対応、適用というものをお願いしたいわけでありますが、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#97
○浜本国務大臣 先ほど御答弁申し上げましたように、確かに今度の災害に遭われた方の中で、例に出しました長田地区の中小商工業者の方で雇用保険に加入してない人がおる、その対策はどうするのかという話がありましたときに、現状ではなかなか難しい事情がありますけれども、何かそういう手だてはないだろうかということで今検討をさせておるということをお答えしたわけなんでございますが、誠意を持って検討しなきゃならぬと思っております。
#98
○北橋委員 今大臣の方から、誠意を持って検討しなければならないという御答弁でございます。ぜひ御尽力をお願いしたいと思っております。
 また、新進党の方でもいろいろと政策を議論してまいったわけでありますが、一つのアイデアといたしまして、一つの基金を造成いたしまして、雇用保険の非加入者に対して特例的に所得の一定割合を無利子で融資する、そういう内容の基金を造成して対応してはどうか、そういった議論もしているところであります。政府の方も真剣に検討されるということでございますので、今後改めてまた質疑の機会に譲りたい、こう思っております。
 雇用問題をいろいろと質問させていただいておりますが、先ほども松岡議員の方から、産業の空洞化といいますか、そういった海外移転という問題についても触れられました。これは通産、労働両方にお伺いしたいと思っているのですけれども、もしもこういう災害がないとした場合に、果たして日本の経済がどのような状況で推移していたであろうか。やはりこの異常な円高の水準が続いておりまして、一ドル百二十円ぐらいだったら日本の企業も何とかやっていける、今の水準ではとてもやっていけないと、もう悲鳴が上がっているのが昨今の経済界でございました。中国の開放政策ということは、要するに安い中国の労働力をどんどん使ってほしいということであります。日本人一人雇用する賃金があれば、向こうでは四、五十人雇えるのではないかという、そういった分析もあります。
 そういった意味で、日本経済全体の大きな流れとしましては、二十一世紀に向けてかなりの産業が海外に立地を移転していくのではないか、そういうことが各方面から非常に注目をされておりますし、また、雇用を守る立場からしますと、極めて憂慮すべき事態にもなりかねないということでございます。
 そういう大きな円高のもとでの産業構造の転換あるいは海外への立地の移転、こういった大きな流れの中で今回の地震災害に遭ったわけであります。私は、神戸の各事業所の経営者の皆さん方の良識を信じたい一人でありますけれども、場合によっては、生きていくために、これを機会に神戸で事業所を再開するよりも海外に移転するということを考え始める経営者が出てくることを大変憂慮をいたしております。
 そういった意味で、自由主義経済のもとで政府がこの空洞化という問題について直接的なコントロール、関与をするということは限度があるかもしれませんが、事被災地域の雇用問題の重大性にかんがみますと、これは何らかの踏み込んだ対応があってしかるべきではないか、このように思うのですけれども、労働省としてこういった事態が発生しないように何か対策をお考えになっているかどうか、お伺いしたいと思います。
#99
○征矢政府委員 この地震災害の被災地域におきましては、復旧に相当長期間を要すると見込まれる状況になっておりまして、これに伴い事業活動の縮小または他の地域へ移転を余儀なくされる事業所が相当出てくる、そういうことが地域の雇用条件に悪影響を及ぼすことが懸念されるところでございます。
 私どもの当面の緊急雇用対策としましては、先ほど来申し上げておりますように、事業所の休業あるいは一時的な離職によりまして賃金を受けられない方々への失業給付の支給特例、あるいは雇用の維持を図ろうとする事業主の方への雇用調整助成金の支給、このような特例的な措置を現在一生懸命相談等に応じ講ずることによりまして、雇用の維持を図っているところでございます。
 今後とも、今後の情勢を見ながらまたさらなる対策、必要な対策等について検討もしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#100
○北橋委員 特に業種でも労働集約型の事業所がそういった海外の移転を考えるのではないかということを私どもは憂慮をするわけでありますが、通産省に対してお伺いします。
 通産省としても、事業所の再開、復旧のためにはありとあらゆる手だてをお考えであると思いますけれども、やはり当地における雇用という問題を考えますと、海外に安い労働力があるとかいって行かれたのでは困るわけでありまして、労働省もいろいろと留意をされて今後考えるということでございますが、事業所の再開に当たっていろいろな援助をする、こういうチャンスがあるわけでありますから、できるだけ早く被災地を復旧して、そこで工場団地をもう一遍再開してもらうとか、海外に出ていかないような、やはりこれは思い切った統制経済的な手法も考えてもいいのではないか。それぐらいのことをしなければ被災地の雇用を守れない。
 先ほど私は神戸の職安の数字を申し上げましたけれども、百人が職を求めても五人しかないのじゃないか、こういう驚くべき事態になっているわけでありますから、それぐらいの空洞化という大きな流れの中での災害でございますので、思い切った措置をとっていただきたいと思うわけでありますが、いかがでしょうか。
#101
○中村説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、現在の我が国経済の状況につきましては私どもも空洞化という大変強い懸念を持っておりまして、経済活力の停滞あるいは高コスト体質による海外展開ということに大変強い懸念を持っておりまして、このための法律を今国会に提出することといたしまして対策を講じているところでございます。
 このたびの震災によりまして、中小企業のみならず大企業につきましても大変甚大な被害をこうむっているわけでございまして、これらの企業群につきましては、関連事業者とか下請事業者を通じまして地域全体に対して大変大きな影響があるだけではなくて他の地域の企業群にも大変な影響を持っているということで、私どもとしても、一日も早い復興を図るとともに、他の地域を含めて経済全体に悪影響を及ぼさないようにすることが極めて重要だということで、大企業対策も含めまして、財政でありますとか税制、財投その他あらゆる手段について鋭意検討を行っているところでございます。
#102
○北橋委員 労働大臣の御所見を承りたいのですが、労働集約型の事業所を中心に、事業所が再開されるときに海外に移転するのではないかという不安というのは現地で確かに大きいのですね。
 これは労働省所管だけでも抱え切れない問題でありますが、今後、通産大臣その他といろいろな災害復旧を論じられるときにこの点についても労働大臣の方から強く要請をしていただきたいのでありますけれども、いかがでしょうか。
#103
○浜本国務大臣 産業構造転換・雇用対策本部というのをつくりまして、通産省の政策と労働省の政策を一体にさせた取り組みをしようとしておるわけでございます。
 私の方では、先ほど局長から御答弁申し上げましたように、経済がこれだけ大きく転換をしておりますから、当然労働者の流動というものが予想されるわけでございます。したがいまして、失業の伴わないような労働移転を促進する必要がございますから、今回法案といたしまして国会に提案をさせていただいております。この法案を成立させていただきまして、現下の情勢に対応できるような対策を講じてまいりたいと思っております。
#104
○北橋委員 ぜひ政府としても、被災地域の事業所がこれを機会に海外に移転することが断じてないように、雇用を守る見地から特段の御高配、御尽力をお願いしておきたいと思っております。
 ひとつ税金の問題でちょっとお伺いしたいと思うのですが、先ほど新進党の税制調査会で議論しておりまして一つ出たのですが、労働省所管に勤労者財産形成制度、財形という制度がございます。これについては税の優遇措置も講ぜられまして、毎年労働省がこの制度の拡充のため大変骨を折られているようでございます。
 これだけの災害でございますので、とにかく預貯金何でも崩して何とかしないとやっていけない、こういう事情に追い込まれた勤労家庭も多いと思うのですね。今回の災害のようなケースで取り崩したような場合に、今まである税の優遇措置がなくなるのではないか、こういう問題点が現場から上がってきているわけなんですが、やはりこの問題についても、勤労者の生活を守るという見地からぜひとも弾力的、柔軟に対応して、税の恩典がなくなることがないような御配慮をお願いしたいわけでありますが、いかがでしょうか。
#105
○七瀬政府委員 財形非課税制度につきましては財形年金貯蓄と財移住宅貯蓄と二つございまして、年金貯蓄の方につきましては、こういう非常災害の場合には預貯金を取り崩しても非課税ということになっております。他方、住宅貯蓄の方につきましては、住宅目的であれば問題ないのでございますけれども、目的外ということになりますと財移住宅貯蓄制度の趣旨からいって課税されるということになっております。
 この点につきましては、制度の趣旨等いろいろ難しい問題がございますけれども、今先生がおっしゃったような事情もございますので、何とかならないのかという観点から検討しているところでございます。
#106
○北橋委員 新進党としては、この財形制度は本来勤労者の生活をより豊かにするという趣旨から発足をした制度でございますので、ぜひとも先ほどの要求は貫いていきたい、政府に対して強く要望していきたい、このように考えておりますので、よろしく実現に向けての御努力をお願いしておきたいと思っております。
 最後に、時間が参りましたけれども、雇用の創出といいますか、何らかの対策が今後迫られるのではないかと思います。今は生きていくのに精いっぱいという御家庭が大変多いわけでありますが、そのうち職場の状況が明らかになってきて大変な雇用不安が蔓延するであろう。そういう中にあって、建設省なり厚生省なりそれぞれの所管官庁が国からいろいろと補助金を交付されて、自治体も努力をしていろいろな事業をやると思います。したがいまして、言うなれば雇用を創出するというチャンスがふえてくると思いますけれども、しかし、何らかの思い切った緊急の雇用安定創出事業というのが今後被災地域に必要になってくるのではないかと思うわけであります。
 これについては、予算措置、とりわけどういう仕事を考えるかという問題がありますけれども、
やはり今後の雇用情勢いかんによっては政府としてもぜひとも大型の雇用を創出するプランニングというものを考えていただきたいと思うわけでありますが、労働大臣の方からその点につきまして最後に御所見を承って、私の質問を終わりたいと思います。
#107
○征矢政府委員 大臣がお答えする前に私どもの考え方を若干申し上げたいと思います。
 先生おっしゃるように大変厳しい状況でございまして、そういう中で当面の対策としては雇用調整助成金の支給、あるいはそれでもたなくなる場合には失業給付の特例、そういうことで最大限雇用の維持をしていただこうということで対策をとっているところでございます。大体見通しといたしましては、労働者の方々、いろいろな勤続年数の方がおられるわけでございますが、最大限で見ますと大体一年ぐらいの間は生活の確保というのは雇用保険等で可能であろうというふうに考えております。
 若い勤務年数の短い方は別でございますが、家庭を持った方については、その間にいろいろな面での災害復旧事業、これは恐らく今後民間あるいは国も含めまして検討されていかなければならない、そういうことによって被災地が一日も早い復興に向かって動いていかなければならないということになるわけでございますが、その際の災害復旧事業、これがいろいろな形で行われることが想定されるわけでございまして、そういう中でのいわゆる公共事業、国、地方公共団体が行う、あるいは発注して民間業者が行うそういう事業につきまして、できるだけ地元の失業者の方々、働きたいという方々が優先的に雇用できるような仕組み、公共事業に一定割合で被災者を雇用していただくような仕組みを検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。これは当然立法措置が必要になるわけでございますが、そういう形での仕組みというものを検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#108
○浜本国務大臣 今局長からお答えいたしましたように、復興事業の実施に当たりましては相当の雇用の創出が見込まれると私も考えております。
 そこで、公共職業安定所におきまして、地方公共団体等の発注機関や民間建設業者等との連携を密にいたしまして、復興事業への求人の確保に努めてまいりたいと思っておるわけでございます。特に、被災者の就労ニーズというものがあると思いますので、そのニーズに応じた復興事業の求人情報を提供いたしまして、うまくそこは調整をしてまいりたいと思っております。
 また、被災地域において実施される公共事業には、一定の割合で被災者を雇用していただくような仕組みを検討をしていただきたいと思っております。
 また、被災者の地元における雇用の場を確保するため、労働省といたしましてはこれまで以上に努力をしてまいりたいと思っております。
#109
○北橋委員 終わります。ありがとうございました。
#110
○笹山委員長 寺前巖君。
#111
○寺前委員 先ほど出た話なんですけれども、ちょっと大臣に確かめておきたいと思うのは、大臣の所信表明を読んでいますと、大体三つの対応をこの震災問題でやっていきたいと。一つは、医療や住宅面における協力の問題、これは緊急を要する問題として大事ですと。第二番目に、雇用を安定させなければいけない、そのために雇用保険の特例をやるとか、雇調金の問題とか、あるいは相談所をつくるとか、新規学卒者に対する適用をどうするかとかいう問題が出ました。三つ目に、災害の復旧のために労働者を確保していきたい。大体こういう三つをおっしゃったと思うのです。
 そこで、私も何回か神戸なり西宮なりへ入りまして、向こうで頼まれた話が幾つか出てきたのです。どういう話が出てきたかといったら、その一つは、神戸といえば日本の港の上においては非常に重要な位置を占めているところです。ところが、港湾というのはつぶれてしまったら、海上コンテナを二千両とか二千五百両とかあそこで陸揚げをして搬送するんだけれども、やっていけないんんだ、事業がつぶれたら働く者はお払い箱になってしまう、だから事業をつぶさぬようにしたいんだという要望が非常に強いわけです。これは私は、ケミカルシューズのところへ行ったときも、やはりそこの労働者から訴えられた問題は、再建をやってくれ、事業の話を必ず持ち出してくる。これは私は、大震災地における特徴だろうと思う。
 ところがそういうふうなときに、現地におりましたら、新幹線それから阪神高速道路ですか、ずたずたにやられているわけでしょう。これは震度七に耐えられるようなものでないものをよく平気でつくっておったなと今さらのごとく感じました。
 そこで、大臣は、雇用を安定させたい、何とかしてやりたい、こういうふうにおっしゃっているのだけれども、道路公団ですよ。切符を処理するところです。あそこはもう、阪神高速自動車道路はつぶれましたから、これは走らすわけにはいきません。だから、したがってそこの窓口の人は仕事がなくなったんですから、会社と契約を解除します。そうすると、そこの労働者は自分の勤めている会社がなくなったら首になるというのは、それは客観的にそうなってきますよ、順序がそうなるもの。道路公団は一月の末に契約を解約したんでしょう。労働大臣は何とか雇用の確保を、それは引き続き雇調金でもとやっているのだけれども、何のことはない、現場の建設省所管の方では平気で解約をやっている。労働大臣たまったものじゃないだろうなと私はそういうふうに思うわけなんです。
 だから私は、はっきりこの際に建設省に事実を御説明をいただきたい。どういうことになっているのか。結果として今どういうふうにしているのか。私は、道路公団に直接問題を提起しましたから、お答えをいただきたいと思う。
#112
○土屋説明員 お答えいたします。
 このたびの地震によりまして、阪神高速神戸線は甚大な被害を受けて全線不通となっだところであります。これによって、料金収受業務そのものが成り立たない事態となったために、阪神高速道路公団と料金収受業務を委託している会社、団体との契約も当然終了したこととなりまして、対象となる二社に対して、去る一月二十四日をもって本契約が終了した旨を公団から通知したところでございます。
 このため、会社、団体は、料金収受業務を行っていた社員、職員を解雇せざるを得なくなり、そのための手続を進めているところであると公団から聞いているところでございます。
 この雇用関係につきましては、基本的には会社、団体とその社員、職員との問題であると認識しておりますけれども、公団としても、会社、団体が収受員に対する再就職のあっせん等を円滑に行い得るよう、可能な限りの支援に努めていると聞いているところでございます。
#113
○寺前委員 聞いているってあなた、聞いている程度で大臣、よろしいか。結果はどうなっているんや、現状は。少なくとも現状どうなっているぐらいまで心を寄せてやらなかったら、震災地に対する対応とは言えぬと思うのだけれども、全然知らないの。
#114
○土屋説明員 公団からのこの二つの会社、団体に対する通知、それからこの会社、団体がその社員、職員に対しまして対応しているところにつきましては、公団から聞いているところでございます。
#115
○寺前委員 言ってください。
#116
○土屋説明員 その内容につきましては、団体につきましては、解雇せざるを得なくなりました職員の方に対しまして、解雇する旨を正式に本日伝える、伝えたのは先月末だと聞いておりますけれども、伝えるとともに、今月の十日には退職金を払うという形で聞いているところでございま
す。
 なお、もう一つの会社につきましては、あしたそれについて行うということを聞いております。
 なおまた、解雇せざるを得なくなった職員あるいは社員の方に対しまして、その後さらに関係するところで働きたい希望があるかどうかというようなことについても、この会社あるいは団体が各社員、職員からそれをお聞きして、可能な限りの対応をするというような形のことを聞いております。
#117
○寺前委員 よくわかりましたか、大臣。もう一回私きちっと説明してほしいと思う。何人の人を雇用しておって、何人の人までこういう方向でいきそうだというのだったらいきそうだでいいから、災害のときだから余り格好つけたって始まらないのよ。だから、責任持っているんだったら責任持っているらしく、一緒になってやはりここで報告してほしい。大臣たまったものじゃないよ。
#118
○土屋説明員 料金収受が不能となりました会社、団体でございますけれども、一つは財団法人阪神高速道路利用協会でございます。こちらにつきましては、収受員が公団との契約におきまして百六名でございます。もう一つの方は、神清道路サービス株式会社でございまして、こちらの方は公団との契約上、収受員が百四十九名でございます。
 この二社につきましては全面的に影響が出るところと聞いております。このために、公団におきましては、会社あるいは団体に対しまして、これらの方の再就職のあっせんに努めるということで、阪神高速道路の同業他社というのですか、同じような料金収受をしている会社に対しまして再就職のあっせんを行うということで、今五十数名程度の枠をとりつつ当たっているところでございます。それ以外にもこれから出てまいります復旧工事とか、そちらの方の関係で少しでも多くの方に雇用が、雇用というのですか、再就職先があっせんできないかということで、公団といたしましても鋭意、会社あるいは団体に対しまして再就職のあっせんの話ができないかということで努めているところでございます。
#119
○寺前委員 私は、今災害の事態が起こっているときには二つの面を考えなければいかぬと思う。一つは、対象規模全面にわたって相談に乗ってやらなあかん。それからもう一つは、早いこと処置を考えてやらなければ、不安を残したらあかん。この二点から、私は対応策というのは即刻とってほしいわけなんです。だから、私はこの話を耳にしたときには阪神高速道路公団、あそこへぱっと電話を入れたのですよ、この事態に対してどうするんやと。僕は、やはり即刻やっていかなければいかぬと。今の話を聞いておって、きょう全員、会議を集めてやっていくから、それはどういう対応になっているか、変化は生まれていくと思う。いずれにしたって、私は、災害地において大臣が雇調金を出してでもと言っておるのだったら、その気持ちはやはり全体に執行させていかなかったらせっかくの気持ちが生きてこないという問題になるので、あえて大臣にかわって私から建設省にお願いしておきたいと思うのです。そういう点では私はもう率直に言わせてもらいます。
 それから、雇用の安定の問題について、この間尼崎の特別養護老人ホームの喜楽死というところの人たちに実は会いました。この人たちは二カ所、今特別養護老人ホームを持っている。三カ所目を芦屋につくりたい。海岸べりにつくる。もう九割方できているんです。ところが、その海岸がずうっと崩れてしまった。ひびが建物の中のど真ん中伝いにずっと入って、液状化現象というんですか、大変なことになっておる。四月で開園をしていきたい、四月にやるのにこの建物ではどうにもならぬな、建物を修復しようと思ったら海岸の護岸をちゃんとしなければいかぬな。
 私はおとといの日に、この兵庫県の芦屋、西宮、尼崎というのですか、港湾事務所に行ったら徹夜で仕事をしておられました。所長さんがもう半月以上泊まり込みでやっておられる。それから、県内からも応援が来る、他府県からも応援に来てもらって、それで私、この問題を持ち込んだら、第一次査定で十三日から点検してもらう中に入れようと思っておりますと言って答えてくれました。だから、そこが決まらぬことには直すことはできない、こういう話になっているんです。こういうようなところで実は四月からやろうというのだから、もう五十人内定しておられるわけです。だから、内定しておられるのだから、さっきからの大臣の、雇調金で面倒見ましょう、こういう話になるだろうと私はその話を言っておいてあげた。ところが、頭をいろいろひねっておられるので、まだどういう方向にされるか決まらないんです。
 そこで、私は雇調金の問題について聞く場合に、雇罰金の手続というのがあるんです。調べてみたら、事前の届け出をして、実際に休業して、その後受給申請という手続をとらなければならない。どのぐらいかかるのかと言ったら、普通だったら三カ月かかるんだと言うんです。それは金のゆったりしている企業だったらもつかしれぬけれども、今ひっくり返ってしまっているときに、いや制度としてはこうやって面倒見ますといったって、現実的には役に立たぬということになるのと違うか。何ぼ早めてやれといったところで、これはどうなんでしょうか、三月の末にならなければ何ぼ早めたってできないのと違いますか。
 そうなると、私はこの間の手を打つことを、中小零細な経営体に対しては面倒見てやるという制度を相伴って初めてこれが値打ちが出てくるんじゃないだろうか。だから、雇調金の支払いの時期を簡素なやり方で早めるという問題どこのつなぎの問題を考えてやらなければいかぬのではないかと思うんですが、いよいよ補正予算も考えられる段階だから、特例法も考えられるときだから、この際に大臣の見解を聞きたいと思う。
#120
○浜本国務大臣 言われたようなこともこれから数多く発生すると私は見ています。ですから、いろいろあろうけれども、手続はできるだけ簡素化して、そして弾力的に早く支給するような方法を考えてくださいということを局長以下にお願いをしておるわけなんです。ですから、恐らく、あなたが言われるように三カ月もかからないうちに支給されるような体制はぜひつくっていきたいと思っております。
 なお、具体的には局長の方から答弁させます。
#121
○征矢政府委員 ただいま大臣が申したとおりでございまして、できるだけ手続を簡素化し早く支給するという方向で対処しているわけでございますが、ただ、一面で、これは休業の計画をできるだけ早くつくっていただいて、それに基づいて休業を一カ月間やっていただいてから支給する、こういう仕組みなものですから、三カ月までいかないにしろ、その間支給するというわけにはまいらぬ、これは当然休業した実績を確認してその上で払うという仕組みでございますから、なかなかそこのところはまいらぬ、こういうことでございます。
 それから一方で、そういうことですから、つなぎについてどうするかということで、何とかならぬか、こういう御指摘でございますが、これは率直に言ってなかなか私どもの方では難しい問題でございまして、当然、事業再開、復興についてどういうつなぎをするか、どういう手当てをするかというのは政府全体としてほかの問題も含めて検討すべき課題でございますものですから、できるだけ早く支給をするというような方向についての努力は今言いましたようなケースに応じてしたいと思いますけれども、御指摘のようなつなぎにつきましては、なかなかおこたえできかねるのが率直なところでございます。
#122
○寺前委員 だから、局長以下の体制ではその分は難しいので、大臣の責任やという話なんだ、今の話は。だから、そういうふうにちゃんと理解してもらわないと。
 その次に、失業給付の問題、これも書いてありますね、やりますといって。ところが、失業給付
を一たんもらってしまうと、これは何歳以上は何年勤めた場合には何日とちゃんと基準があるんです。これ、一たんもらってしまったら、残日数は後で加算はされるにしたって、これはもう五十五歳の人が一年だったら何日と、もう一回出直しになるわけだ、今度新しくなっていく場合。災害の結果こういうもらい方をせざるを得ないというんだから、災害時の担当になったこの地域の人の問題については、特例措置を考えるということをやってやらないと権利の放棄になってしまうのではないだろうか。いかがなものでしょう。
#123
○浜本国務大臣 この失業給付の特例支給の制度は、休業状態であっても失業したものとみなして、これまでの勤続年数を踏まえて失業給付を支給するものであります。このため、失業給付を受給する以前の被保険者であった期間をさらに通算する取り扱いを行うことは、他の離職者の場合と余りにも均衡を失するということになります。したがって、なかなか困難ではないかというふうに思っております。さらに、事業所において労働者の離職を助長するおそれもなしとしないということでございますので、大変問題ではないかと思っております。
 また、休業期間中において生活の安定を図るために、失業給付に加えて何らかの給付を行うことは、これまた非常に難しいというふうに思います。
#124
○寺前委員 そうすると、だんだん詰めていったら、残りはちょっとしかないようになってしまうなということにしか印象は受けない。
 つけ加えて、それならついでに聞きますと、さっきもここで話が出ていましたパートなり臨時の労働者の問題ですわ。所信表明を読んでいたら、それは枠外ですわ、その話の入ってない人たち。これは全国統計を見たって、総務庁の資料を見ると、一九九三年で九百二十九万人パート労働者がある。このうち短時間労働被保険者は労働省の推計で百万人だ。実際に加入しているのは四十六万人ぐらいじゃないだろうか。ほんの一部分しか入ってないことになっておるわけです。圧倒的な働いている人たちがこういう恩恵を受けないといったら、一体どういう恩恵があるんだろうか。やはり救済しなければならない圧倒的な人を救うためにどうするかというのは、私は大きな問題だろう。いかがですか。
#125
○征矢政府委員 いわゆるパートタイム労働者の方々の保険でございますが、これにつきましては、ただいまお話ございましたように、過労働時間が二十時間以上の方については、これは雇用保険が適用される仕組みになっております。したがいまして、そういう方について今回の特例制度も含めてこの保険制度についての給付を行うということはできるわけでございますが、過当なり労働時間が二十時間にいかないような方、これは若干の要件がもう二つぐらいあるわけでございますが、そういう方につきましては、これは雇用保険の現在の制度上この保険制度が適用されないということでございまして、日雇い保険の関係につきましてはまた別でございます。これは別でございますが、そういう仕組みの中での対応でございますから、これは現行制度上なかなか難しい、こういうことでございます。したがいまして、そういう方につきましては、パートバンク、パートサテライト等でいろいろな相談をしながら今後の対応を考えていくというようなことで対処してまいりたいというふうに考えております。
#126
○寺前委員 何を相談してくれはるのやろ、相談所へ行って。何にもあらへんかったら相談にならへんでっせ。しかも、お店を閉めるという話がずっと、今まであったところでもお店を閉める方向が今の現状になっていると思うわ。そうすると、あなた、行くところあらへんなっていきよるわ、これ。
 そこで、それじゃ、公共機関が被災民を対象として救済をするという公共事業を起こすのかというのや。やるのかやらぬのかどうなんや。私は、この問題を考えなかったら、例えば港湾の労働者でいえば、埠頭を直すのに一カ月やそこらで直す話にはならない、そうでしょう。だから、まして都市部で働いておられたいろいろな職種の仕事はそう簡単に救済されることにはならない。相談所を開きましたといったって相談にならぬじゃないか。そこで、国が、自治体がそこで事業を起こしてやるということが、緊急にこういう場合には必要なんじゃないだろうか。大手が港湾を直すために必要な人をよそから連れてきて直すという仕事は、それはそっちであるかもしらない。だけれども、本当にいろいろな職種の仕事をやっておられた大多数のこの枠外の人たちの救済のための事業というのは、特別に起こさなければいかぬのと違うでしょうか。それはどうでしょう。
#127
○征矢政府委員 先ほど申し上げましたように、雇用保険制度の対象にならない方、これにつきましては、一般的に申し上げますと、家計について主として担当している方ではない方ということになるわけでございますのでございますが、しかし、そういう方々についての今後の対応をどうするかということも大きな課題でございます。
 先ほども申し上げましたように、災害復旧事業、今後は災害復旧事業というのはいろいろな面からいろいろな形で起こるわけでございまして、そういう中で公共事業について、これは国、県、市町村あるいはその発注する公共事業、これも当地において今後の重要事業として実施されるわけでございますから、そういうものについて地元の希望する被災者の方々が働けるような仕組みを考えてまいりたいということでございます。これにつきましては、先ほどお答え申し上げましたように、立法措置も含めて考えてまいりたいということでございます。
#128
○寺前委員 時間の都合もありますからあれですけれども、日雇い労働者の切手を張ってやるという給付がありますな。これはずっと毎月、二月間働くと二十何枚かな、二月で二十六枚ですか張るとちゃんと給付が出るという、これはもう前からの制度がありますわ。ところが、これは本人の意思に反してこんなことがばんと起こったために、日数が足らぬという問題が起こってくる。日数足らずにならずに済むという人も起こってくるでしょう、それは。
 それから、例えば港湾でいったら、コンテナの残っておったやつを運び出さんならぬという問題があったから大体行くだろうけれども、二月になったら、今度はその仕事がよその港に行ってしまったから神戸ではもらえぬという問題も出てくるかもしらぬ。これは僕はいろいろな分野でいろいろな形で姿はあらわれると思う。
 そういう人たちがせっかくの制度の上に乗って日常生活をやってきておられたんだから、そういう人たちの救済というのはしかるべき方法でやはり考えないかぬのじゃないだろうか、その点は考慮しておられるかどうか、お聞きをしたいと思います。
#129
○征矢政府委員 日雇い労働者の方々の雇用につきましても、今後復旧事業が進む中での労働力需要、これも当然増大するものと見込んでおるところでございまして、公共職業安定所におきまして、地方公共団体等の発注機関あるいは民間建設業者等と連携を密にし、復旧事業への求人を確保することなどによりまして、被災地におきます日雇い労働者の方々の雇用の場の確保に今後最大限努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 ただ、先生御指摘のように、十七日に大災害が起こりまして、その後こういう非常事態、緊急事態の中で、制度的になかなか難しい面のある日雇い雇用保険制度の運用に当たりまして、当面のこういう情勢を踏まえて、日雇い労働者の方々の置かれている状況を考えつつ、この取り扱いについては弾力的な方策も検討してまいりたいというふうに考えております。
#130
○寺前委員 ぜひお願いをします。
 時間の最後になりましたので、大臣に、さっきの阪神の話を聞いておられて、これが政府の直接管轄している範疇で起こっている問題であるだけに、私は御所見をお聞きして終わりたいと思いま
す。
#131
○浜本国務大臣 阪神の道路公団の問題につきましては、先ほど質問されました永井さんには、事情をよく調べて適切な対応をいたしますというふうに答えさせていただいたわけでございますが、今建設省の方から若干その事情を伺いましたが、なお詳細に調べまして、できるだけ雇用維持に努めていただくように、お願いできる条件があればお願いをしてまいりたいと思っております。
 それから、委員から特に御指摘のありました港湾労働者の問題でございますが、神戸の港湾労働ができないという場合もございましょうから、例えば大阪その他で広域的なあっせんをしていただくように事業団体の方にもお願いをいたしまして、できるだけ雇用の確保に努めてまいりたいと思っております。
#132
○寺前委員 港湾の労働者の問題については、あえて補足的なことを申し上げて申しわけございませんが、あれは地域指定で免許を持っておられる事業ですから、よそへ行くということになると、よその事業者との関係もありますし、黙認という運輸省の問題も出てくるでしょうし、そこは十分御配慮いただいて今のお気持ちを貫いていただいたらありがたいと思います。
#133
○浜本国務大臣 そのことはよく承知しております。したがって、双方で話し合っていただかないと問題の解決はできないというふうに思いますので、何としても話し合っていただいて、お互いに働く場所を確保していただくようにお願いしたいと思います。
#134
○寺前委員 どうもありがとうございました。
#135
○笹山委員長 次回は、来る十五日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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