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1995/02/24 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 労働委員会 第6号
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1995/02/24 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 労働委員会 第6号

#1
第132回国会 労働委員会 第6号
平成七年二月二十四日(金曜日)
    午前十一時一分開議
出席委員
  委員長 笹山 登生君
   理事 赤城 徳彦君 理事 大野 功統君
   理事 長勢 甚遠君 理事 河上 覃雄君
   理事 北橋 健治君 理事 柳田  稔君
   理事 岩田 順介君 理事 佐藤謙一郎君
      木部 佳昭君    栗原 博久君
      住  博司君    田澤 吉郎君
     田野瀬良太郎君    藤尾 正行君
      二田 孝治君    持永 和見君
      東  祥三君    初村謙一郎君
      鳩山 邦夫君    桝屋 敬悟君
      松岡滿壽男君    山口 敏夫君
      池田 隆一君    田邊  誠君
      永井 孝信君    寺前  巖君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 浜本 万三君
 出席政府委員
        労働大臣官房長 伊藤 庄平君
        労働省労働基準
        局長      廣見 和夫君
        労働省職業安定
        局長      征矢 紀臣君
        労働省職業安定
        局高齢・障害者
        対策部長    野寺 康幸君
        労働省職業能力
        開発局長    中井 敏夫君
 委員外の出席者
        建設大臣官房地
        方厚生課長   増田 優一君
        労働委員会調査
        室長      松原 重順君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十四日
 辞任        補欠選任
  加藤 卓二君    粟原 博久君
  粕谷  茂君    住  博司君
  佐藤 孝行君   田野瀬良太郎君
同日
 辞任        補欠選任
  粟原 博久君    加藤 卓二君
  住  博司君    粕谷  茂君
 田野瀬良太郎君    佐藤 孝行君
    ―――――――――――――
二月二十四日
 阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失
 業者の公共事業への就労促進に関する特別措置
 法案(内閣提出第五六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失
 業者の公共事業への就労促進に関する特別措置
 法案(内閣提出第五六号)
     ――――◇―――――
#2
○笹山委員長 これより会議を開きます。
 先刻付託になりました内閣提出、阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失業者の公共事業への就労促進に関する特別措置法案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。浜本労働大臣。
    ―――――――――――――
 阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失
 業者の公共事業への就労促進に関する特別措置
 法案(内閣提出第五六号)
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○浜本国務大臣 ただいま議題となりました阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失業者の公共事業への就労促進に関する特別措置法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 去る一月十七日に発生した阪神・淡路大震災は、亡くなった方が五千名以上を数える未曾有の大災害となったところでございますが、雇用失業情勢に対しましても深刻な影響を与えており、被災地においては、多数の失業者の発生が見込まれるところであります。
 しかしながら、これらの地域における民間企業の労働需要につきましては、産業が本格的に復興するまで、当分の間、多くは期待できないのが実情であります。
 他方、公共事業につきましては、道路、港湾、都市の復旧等の復興事業の需要が大きく見込まれておりまして、公共事業における労働需要は相当に大きいものと考えているところであります。
 このような状況にかんがみますと、被災して地元での仕事を求めておられる失業者の方々につきましては、その希望に応じて、でき得る限り公共事業において雇用の場を提供することが必要であると考えているところであります。
 政府といたしましては、このような考え方に立ち、本法律案を作成し、ここに提出した次第であります。
 次に、その内容の概要を御説明申し上げます。
 第一に、この法律は、阪神・淡路大震災を受けた地域における多数の失業者の発生に対処するため、当該地域において計画実施される公共事業にできるだけ多数の失業者が雇用されるようにし、その生活の安定を図ることを目的としております。
 第二に、労働大臣は、被災地域のうち、多数の失業者が発生し、または発生するおそれがある地域を指定し、その地域において計画実施される公共事業に、当該事業に使用される労働者の数とそのうちの被災失業者の数との比率を設定することができることとしており、当該地域内で公共事業を行う者は、その比率に該当する数の被災失業者を雇い入れなげればならないこととしております。
 なお、この法律は、施行の日から五年を経過した後に効力を失うものとしております。
 以上、この法律案の提案理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 以上でございます。
#4
○笹山委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○笹山委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。桝屋敬悟君。
#6
○桝屋委員 ただいま趣旨説明がございました今回の阪神・淡路大震災に対する特別措置法案につきまして、質疑をさせていただきます。新進党の桝屋敬悟でございます。
 最初に、新進党といたしましても、今回の阪神・淡路大震災については、特に雇用の安定と創出を図るということでは緊急の課題であるといたしまして、雇用保険あるいは雇用対策法等に基づく施策の弾力的な運用、これにあわせまして、ある意味では公的就労という言葉まで使いまして、雇用創出等を検討してもらいたい、こういう要望を行ってきたわけでございます。
 今回の特別措置法案は、そうした雇用創出という観点からも一定の役割を果たすものだというふうに評価をいたしております。特に雇用問題、雇用の創出につきましては、震災に伴います失業が
相当今後出てくるであろうということを強くマスコミあたりからも懸念をされております。そういう意味では、一日も早くこの特別措置の実施ということを望むものでございますが、一点だけ、今回の特別措置法案で言われております吸収率という言葉なんですが、我が新進党といたしましてはやはり抵抗を感じざるを得ません。法律ですから、法律の用語ということはあるのでありましょうが、震災の中で苦しんでおられる方々の存在を考えますときに、今回、対象は恐らく日々雇用の方々だろうと思うのですが、吸収というような言葉で取り扱われるということについては大変に私ども苦慮をしております。
 そういう意味では、法の運用に当たりましては、吸収率というような言葉ではなくして、例えば優先雇用というような言葉でありますとか、あるいは法定の雇用率でありますとか、できるだけやはり、一番苦しんでおられる人々、失業者に対する対策なんだということをどうか御努力をいただきたいと最初にお願いを申し上げたいと思うのですが、大臣、いかがでございましょうか。
#7
○征矢政府委員 今回の特別措置法案におきまして、御指摘のように吸収率という用語を使っているわけでございますが、これにつきましては、私どもの関係法律で地域雇用開発等促進法あるいは高年齢者雇用安定法等におきまして既に使用されておりまして、いわば法律用語として確立したものであるため、法制局とも御相談申し上げたのですけれども、本法案におきましてもそれに倣って使用しているということでございます。
 ただ、先生御指摘のようなことがございますので、今後、被災失業者を初め関係の方々に対する制度の周知に当たりましては、用語の使い方について十分配慮し、適切な表現をしながら対処したいというふうに考えております。
#8
○桝屋委員 今御説明の中で、今までの法の適用に当たって例もあることだということで御説明もございましたが、しかしながら、今回の大震災は我が国にとりましては戦後例のたい震災でございます。本当にそうした中で苦しんでおられる方々、一説では五万とか六万とか、いろいろマスコミで大きな数字が出てまいります。私は、こういう傾向に大変に苦慮をしているわけでございまして、政府としてはそうしたものにきちっと対応しておるのだということ、なおかつ、本当に人の痛みを理解をしながら、「人にやさしい政治」、こうおっしゃっている村山内閣でございます。どうか過去の事例ということではなくして、大震災に遭われた方々、失業された方々、そうした心を本当におもんぱかっていただいて、運用につきましては慎重な対応をお願い申し上げたいというふうに思います。
 この特別措置によりまして雇用が確保される方々は、今私、日々雇用だろうというふうに申し上げましたが、どういう業種が考えられるのか、公共事業それから就労形態というのは一体どういうふうにたっているのか、あるいは確保された就労の中で労働条件等は一体どういうことなのか、その辺、ちょっと具体的なお話をお聞かせいただきたいと思います。
#9
○征矢政府委員 この法律において対象といたします失業者は、阪神・淡路大震災に伴い被災した失業者の方々を対象とするものでございます。したがって、それが離職者であってもあるいは自営業者であっても、就労を希望する方を広く対象とするものでございます。
 対象となる公共事業につきましては、これは法律成立後具体的に指定をするわけでございますが、道路、港湾あるいは都市の復旧、住宅、工場施設等、これも広く十九事業を対象とする予定でございます。また、具体的な職種といたしましては、これは無技能者である労働者を予定いたしております。
 さらに、就業形態につきましては、これは有期雇用あるいは日雇い形態が多いと思われます。これにつきましては、基本的な考え方としまして、当該地域において震災後非常に深刻な雇用情勢にあって、なかなか地元でとりあえず働く場がないという場合の唯一の手段として、現地に復旧工事があるわけでございますから、そういうところで働いていただくということでございます。
 それで、労働条件につきましては、これはまだ具体的な把握を必ずしもしているわけではございませんが、大阪あたりでの今言いました無技能者の方々について、大体一日一万三、四千円ぐらいというふうに聞いているところでございます。
 なお、一定の技能を身につけるというようなことを支援するという観点から、公共職業訓練施設、公共の職業能力開発施設等におきまして、建設関連の技能労働者の養成に従来努めているわけでございますが、特に今般、この阪神・淡路大震災に関しましては、近畿地方を中心としまして、例えば移動式クレーンであるとかブルドーザーとかパワーショベル等の災害復旧に必要とされる分野の職業訓練を重点的に実施いたしまして、そういう意味での技能者の養成にも努力してまいりたいというふうに考えております。
#10
○桝屋委員 現場のお話を聞きますと、自分で店を経営していて、その店がつぶれて本当に仕事がないというようなそういう実態も伺っております。そういう意味では、これを新たな機会に転職というような方もいらっしゃると思います。単に日々雇用に限らず、今後常用雇用にかわっていけるようなそうしたきめ細かな対策もぜひお願いを申し上げたいというふうに思います。
 それで、今回のこの特別措置の対象になる失業者でございますが、もちろん特別地域ということだろうと思うのですが、どうなんでしょうか、罹災証明が必要になるんでございましょうか。職安の窓口に行ったときの事務手続としての取り扱いをちょっとお伺いしたいと思います。
#11
○野寺政府委員 被災失業者の確認方法でございますけれども、まず、原則として平成七年一月十七日以降に失業した方であって、先生御指摘のとおり、特別地域内に居住する失業者、それから、同じく特別地域内で行われる事業に従事していた方というのが対象になるわけでございます。
 確認方法は、原則として住民票でございますとか離職票等の客観的な資料によりまして確認するわけでございますが、現実にそういったものがない場合が多いわけでございまして、そういった場合につきましても、手続を簡略にして弾力的に迅速に対応したいというふうに考えております。
#12
○桝屋委員 今御説明がございましたけれども、大混乱の現地でございます。弾力的なあるいは迅速な対応という御説明がございましたが、ぜひお願いを申し上げたいと思います。
 実際に既に新聞等で今回の特別措置が報道されております。一定の雇用を確保するんだというようなことで報道されております。相当の方が期待をされておられると思うのですが、一説によると、先ほど申し上げたように五万から六万ぐらい失業者が出るのではないか、あるいは既に一万人ぐらいの方が職安で認定をされた離職票等をお持ちになっている、こういうお話も伺っております。
 そういう意味では、今回のこの特別措置で、先ほど言われましたいわゆる無技能の日々雇用の方々、通常でも相当の数が兵庫県にいらっしゃると思うのですが、さらに今回のこの被災で相当ふえておられるだろうと思います。そういう方が本当にこの措置で救済をされるのか、大変に国民は期待をして見ているわけでございまして、今後のこの特別措置で大丈夫だというところを大臣からぜひお答えをいただきたいと思います。
#13
○浜本国務大臣 委員御指摘のように、相当数の失業者が予想されるところでございますが、その多くの方々につきましては、当面雇用保険の失業給付で対処できると考えております。
 今後、被災地におきましては、道路とか港湾、都市の復旧、それから住宅、工場施設等を目的とした公共事業の需要が相当見込まれると思います。これにより相当のまた労働需要も創出されるものと期待しておるわけでございます。雇用保険の対象とならない失業者の臨時的雇用の場として大いに活用できるのじゃないかと思っておるわけ
でございます。したがって、先ほど先生が言われましたように、これまで失業保険の対象になっていらっしゃらない方も相当救済できると判断をしておるわけでございます。
#14
○桝屋委員 それで、今大臣からもお話がありましたが、一日も早いこの特別措置の対応、先ほど話がありましたが、弾力的なそして迅速な対応をお願いをしておきたいと思います。
 新進党におきましては、やはり公的就労ということも私ども当初検討いたしました。今も検討いたしておりますが、やはり今回の特別措置は恐らく無技能の日々雇用ということですから、ある意味では公共事業のまさに底辺を支えるこうしたマンパワーを確保するという、実態としてはそういうものになるだろうと、それ以外の失業者も私はいらっしゃるのではないかというふうに思うわけでございまして、なお新進党といたしましては、雇用創出について研究、検討を重ねていきたいとこのように考えておるところでございます。
 今回のこの特別措置で、公共事業の事業主体、市町村あるいは国から県から発注を受けて受注をするその事業主体は、当然ながら法定の雇用率四〇%を達成しようということになるわけですが、これは実務的にはどういうレベルでこの数というのはチェックされるのか、雇用率がチェックされるのか、お伺いをしたいと思います。
#15
○野寺政府委員 公共事業につきましては、基本的には、国の金が入っているあるいは地方公共団体のお金が入っている事業ということになるわけでございまして、実際問題として、今回の復興に関してはどれぐらいの事業が出るか、それは今回御審議いただく予算にも関係するわけでございます。私どもとしては、具体的に出てまいります事業を請け負われる事業主ごとに必要な申請をしていただくということになるわけでございまして、どのくらい出るか、これからどのくらい出ても大丈夫だようだ対応をしてまいりたいと思っております。
#16
○桝屋委員 今回の特別措置、今まさにどのぐらい出るかわからないという話でございました。本来でありましたら、政府として特別の措置を取り組むということになれば、当然ながら、対象はこれぐらいだろうと、これくらいの事業規模を考えているんだということを御説明いただくのが私は本来の筋だろうと思うのですが、なかなか震災ということで現在の失業の実態ということもまだつまびらかにされていないという御説明も受けております。
 しかしながら、ぜひこれは一日も早く、一たん新聞に出てしまうと大変に現場は混乱するとか、過度の期待をされても困るという消極的なこともあるでしょうが、私は、やはり震災対策として特別措置をやるのであれば、これくらいの事業を政府は考えていますよというようなそういう数字的なものも、出せる段階ではできるだけ早く出していただく。そうしたいと、どうしてもマスコミがいろいろな数字を出してまいりまして、憶測を呼び混乱も出てくるわけでございまして、そういう意味では、この事業の周知徹底にあわせまして、こうしたふうにこうした方向で事業を考えているんだというようなものはできるだけ早くお示しをいただきたい。これはお願いをしておきたいと思います。
 もう一つは、この被災失業者の雇用、これをやっていきましょうと、システムとして職安から紹介をしていただいて四〇%を確保しようということでございますが、法律を見ますと、雇用しなければならないと、こうなっておりますが、これはペナルティーとかというのはあるのでしょうか。
#17
○野寺政府委員 本制度は、事業主に雇用する義務を課するものでございますけれども、事の性格上、ペナルティーを科してやるということにはなっておりません。ただ、制度を設けます以上、この制度が実質的に効果が上がりますようにいろいろな形でPRをさせていただきますが、事業主の方々にもこの趣旨を十分御理解いただいて、雇用の場を広げていただくようにお願いしてまいりたいと思っています。
#18
○桝屋委員 今まさに御説明がございましたけれども、この制度そのものはペナルティー、罰則等はないということでございまして、そういう意味では当然ながら法律で雇用の義務は明確にされたわけでございますが、実態、それをそのまま実施できるかどうか。その担保は、まさに国や地方公共団体、公共事業ですから、やはり発注者の権限といいますか立場が一番強いと私は思います。当然ながら公共事業ですから、工期そして事業計画があり、その中で当然中間の支払いがあったり実績に応じて支払ったりということ、こういう事務手続が続くわけでございまして、そうした事務手続の中で今回の特別措置がどの程度実施されているのか、私は、事務担当者同士で十分確認もできるだろうというふうに思います。
 そうしたことをできるだけ迅速にやるということで、事細かな規定は設けない、この趣旨は理解できるわけでございますが、やはり逆に国や地方公共団体は強い指導性を持ってこの制度の趣旨を徹底をいただきたい、民間の事業主等に対しても徹底をいただきたい、これをお願いしておきたいと思います。特に建設省さんあたりにおきましては、公共事業、港湾の事業等もあるでございましょう、ぜひお取り組みをお願いしたい。労働省サイドからもそうした指導性について徹底をお願いしたい、このように思うわけでございますが、いかがでしょうか。
#19
○征矢政府委員 御指摘のとおりでございまして、今回お願いいたしました法律案によりまして一定の枠組みをつくり、請け負う事業主の方に義務規定を設けているわけでございますが、この制度を適切に運用していくためには、関係者の方々に十分御理解、御協力をいただきながら対処しませんと、この実効は上がらないわけでございます。
 そういう観点から、この法案の円滑な施行に当たりましては、公共事業の工事の実施予定の事前把握あるいは発注者の本制度に対する理解と協力が極めて重要であるということでございまして、公共事業主管官庁あるいは地方公共団体との密接な連携を図り、制度の効果的な運用に努めてまいりたいというように考えております。
#20
○桝屋委員 これは強くお願いをしておきたいと思います。ペナルティーがたい以上、恐らく現場は公共事業発注に対して相当今から混乱をするだろう。特に復興が始まる今からしばらくの間、相当現場において混乱があるだろう。変な話、もう小さいことは言うな、もういいじゃないかというような取り扱いも出るのではないかと私は大変に苦慮いたしております。どうか制度の趣旨徹底について御努力をお願いしたいというように思います。
 最後になりますが、今回、この特別措置によりまして、地元の被災をされた失業者の方々、特に日々雇用という形になると思いますが無技能の方々が、これで一定の職の確保ということはできるわけでございますが、もう一つ、やはり恐らく今後、大手ゼネコン等の事業活動、大変不景気な中で震災景気というような言葉がもう既に出ておりますけれども、相当大手のゼネコンあたりの活動も活発になるのではないかというふうに私は思うわけであります。
 そういう意味では、地元の労働者を確保するという、失業者に職をというこのシステムと、地元の中小企業あるいは零細企業、公共事業にかかわる下請、孫請という形で入ってくる形もあろうと思うのですが、やはりそうした企業を、公共事業で地元の企業をしっかり使っていただくということも私は大事なことではないかというように思います。全国のゼネコンさんが今熱い視線を兵庫にお向けになっているという実態は私は多分あるだろうと思います。そういう意味では、恐らくゼネコン、ピラミッド形の労働の集約といいますか、労働者の確保という体制が既に既存のものがそれぞれあるだろうと私は思うのですが、そうした枠をも乗り越えて、労働者だけではない、失業者だけの確保だけではない、事業主、地元の企業を
しっかりこの公共事業の中で使っていただく、こういうお取り組みもぜひお願いをしたい、必要なことではないかというように思うわけですが、建設省さん、きょう来られていますか、ひとつお願いしたいと思います。
#21
○増田説明員 建設省でございます。お答えいたします。
 建設省におきましては、従来より、地元の中小企業者の受注機会の確保という観点からは、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律あるいはその法律を受けました毎年度の閣議決定に基づきまして、受注機会の確保につきまして可能な限り努力してきているところでございます。
 例えば、工事の規模に応じてランクごとのふさわしい企業を指名する発注標準というのがありますが、それを遵守するよう指導しておりますし、また、可能な限り分離分割発注というものも行っておりますし、また、共同企業体をぜひつくっていただいて、それによってより大きな工事を受注していただくということで指導してきているところでございます。
 それから、先ほどありましたように、特に今回の震災の応急復旧ということになりますと、工事は、例えば地元の地質の問題、あるいは迅速にぜひ施工しなければいかぬということから、従来にも増して地元の中小企業者に対する期待も私ども非常に多く持っておりまして、そういった観点から、できるだけ地元の建設事業者の指名ということにつきましても私どもとしても努力してまいりたいと思います。
 先ほどございましたように、今回、高速道路の倒壊に見られますように、かなり大規模な工事というのが目につくわけでございまして、そういう意味では大手のゼネコンということも当然あるわけでございますが、必ずしも大企業だけではございませんで、ごらんのように非常に多くの道路にクラックが入っておりまして、あるいはまた損壊した橋梁の裁断、撤去というような、地元の中小建設事業者にふさわしい工事が非常に多くございます。そういった意味で、ぜひ今後とも、私どもといたしましても事業の効率的施行ということに十分意を配しながら、地元の中小建設事業者の受注機会の確保ということに努めてまいりたいと考えております。
#22
○桝屋委員 ありがとうございます。ぜひそうしたお取り組みをお願い申し上げたいと思います。
 最後になりましたけれども、やはり今回の特別措置は、まさに公共事業の下支えをする、そういうマンパワーを確保しようということでございますが、聞くところによりますと、随分大阪周辺の労働者も移動されておられる。そして、中には事業主がピンはねをするとか、痛ましい話も漏れ聞こえております。そういう意味では、この事業、先ほどお願いしたように、しっかり趣旨を徹底していただいて、失業されている方を救済できるような一日も早いお取り組みをしっかりお願いしたいということを最後にお願いをして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#23
○笹山委員長 永井孝信君。
#24
○永井(孝)委員 今回のこの法律案の提案に当たって、大臣を初めとして労働省の皆さんが大変汗をかいていただきましたことに深く敬意を表しておきたいと思うわけであります。
 実は、この二月七日にこの委員会におきまして、災害問題で事実上集中的な審議が行われました。その委員会におきまして、被災地域での復旧、復興作業は大規模な事業となると思うが、その際、現地に広がっている雇用不安を解消するためにも、被災失業者を優先して雇用されるような仕組みをつくるべきではないかと私は強くお願いをいたしました。これに対して浜本労働大臣は、しっかりとそれを受けとめて積極的に検討をしていきたいというお約束をしていただいたわけでありますが、本日その結果がこの特別措置法案として示されたものとして私は理解をいたしております。それだけに、その御努力に深く敬意を表したいのであります。
 短時間の間に取りまとめていただいたわけでありまして、それだけに御苦労もあったわけでありますが、なお、幾つかの点にわたってこの際質問をさせていただきたいと思うわけであります。とりわけ村山内閣の大きな看板であります「人にやさしい政治」、これを労働省に置きかえて言えば、人に優しい労働行政の、その姿勢を示す法律となって、実効が上がるようにしてもらいたい、こう思うわけであります。
 そこで、労働省は、被災地域に特別相談窓口などを設置してもらってさまざまな相談を受け付けていただいておるわけでありますが、前回、七日の日に質問したころよりもさらに雇用状況が悪化していると思うのでありますが、新規採用予定者の内定取り消し問題を含めまして、現在の雇用失業状況についてまず伺っておきたいと思います。
#25
○征矢政府委員 被災地域に特別相談窓口を設置いたしまして雇用にかかわるさまざまな相談を行ってきているところでございます。事業所、休職者からの相談件数は、二月二十日現在約三万三千件に上っておりまして、二月七日以降相当相談がふえております。相談の内容を見ましても、雇用調整助成金に関するものが約八千件、失業給付の支給に関するものが約二万件というような内容になっております。今後とも被災地における雇用失業情勢は予断を許さない厳しい状況にあると考えております。
 また、二月二十日現在、被災地の新率者の採用内定の取り扱いにつきましては九十社五百七十六人に対する相談が行われておりまして、公共職業安定所による指導等を通じまして十三社五十五人につきましては採用内定取り消しを回避することができましたが、残念ながら十社八十八人につきましては採用内定の取り消しの確認がされておりまして、新卒者に関しましても今後の動きを注視していく必要があるわけでございます。
 それで、この点につきましては、この前の御指摘も踏まえまして、新規学卒者をできるだけ採用内定取り消しをせずに四月以降採用していただく、こういう観点から、雇用調整助成金をこの新規学卒者に適用するという考え方での立法措置を、これは財政支援特例法の方で一括法でお願いしているところでございます。
 いずれにいたしましても、復旧には相当長期間を要すると見込まれますので、雇用への影響も相当心配されるところでありまして、引き続き、被災地におきます雇用失業情勢の的確な把握に努めつつ対策を実施してまいりたいというふうに考えております。
#26
○永井(孝)委員 今も答弁がありましたように、日を追って雇用状況は悪化をしてきているわけでありますから、その面では、今回のこの特別措置法が極めて実効力をもたらすためのといいますか、効率的な施行ということが求められていくわけでありますが、残念ながら現地においては、民間の産業が直ちにもとどおり復興するということはなかなか難しいと思うのですね。しかし他方で、最前の委員の質問に大臣がお答えになりましたように、道路とか港湾とか都市の復興など公共事業そのものについては相当程度の雇用の創出が見込まれる、このように私も理解をするわけであります。
 そこで、この法案は、公共事業に一定の雇用労働者の吸収率を設ける、そのことが大きな目的になっているわけでありますが、この地元の雇用の場を提供することを目的としたその吸収率というのはどの程度をお考えになっていらっしゃるのか、明らかにしてもらいたいと思います。
#27
○野寺政府委員 吸収率は労働大臣が定めるということになっておりますが、現在のところ四〇%を想定しております。今後復興のための公共事業が大量に見込まれますので、そういった率によりまして大量の労働需要が雇用されることが可能になるというふうに考えております。
#28
○永井(孝)委員 その四〇%というのは、どの程度の復興事業でどの程度の労働者が必要なのかという数字はまだまだ明らかになっておりませんけれども、総トータルの四〇%ですか。
#29
○野寺政府委員 基本的には、まず職種によりまして違いがあるわけでございますけれども、現在のところ無技能者をまず考えておりまして、無技能者全体につきまして四〇%という形になるわけでございます。
 もう少しちょっとややこしい御説明をさせていただきますと、手元に持っておる労働者以外に新たに無技能者を雇う必要が生ずるという場合を想定しているわけですが、その両者を含めまして四〇%まで安定所に登録している被災失業者を雇用してもらいたい、こういう制度でございます。
#30
○永井(孝)委員 簡単に言えば、総トータルの必要雇用労働者の四〇%ではなくて、その一定の消化でき得る事業の内容に基づいて算定するということですか。もう一回ちょっとそこを念を押しますが。
#31
○野寺政府委員 必要となる労働力をまず技能者と無技能者に基本的に分けまして、無技能者について必要となる労働力のトータルの四〇%、こういうことになるわけでございます。したがいまして、くどいようでございますけれども、手元の労働者が既にあるという場合に、それプラス新たに必要とたる労働力、無技能者、その両者を含めまして全体の四〇%、こういう計算になるわけでございます。
#32
○永井(孝)委員 そうすると、四〇%という数字が表へ出るとそれがひとり歩きをする。期待を大きく持ってもらうのはいいのでありますが、結果的に、その四〇%という数字がひとり歩きした場合に、その反動で、期待しておったほどではないではないかということでまた不満が蓄積をしていくわけですね。
 だからそこは明確にしておいた方がいいと思うのでありますが、今お答えになったような内容でいきますと、復興事業は公共事業でありますから、土木建設事業がまず公共事業としてやられるわけです。そうすると、かつて我々がよく指摘してきましたように、三Kという職場があるのですね。危険であり、汚い、きついという、この三Kと言われてきた職場に相当するような分野にこの問題が、この雇用の対象者が絞られてくる可能性がある。これで果たして必要な労働力を確保することができるか、あるいは雇用を求める側の期待にこたえることができるかという心配が片方であるわけですね。
 だから、今の御答弁にありましたような内容だけではなくて、もちろんそれぞれの企業については専門職や管理職を含めていろいろな人材を持っているわけでありますが、その本来想定しておられないような分野にまでできるだけ踏み込んだ雇用の確保ということにやはり労働省は目を向けていかないと、三Kだけの、どういいますか、てこ入れということになったのではまずい、こう思うのですが、どうですか。質問の趣旨がよくわかりませんか、わかりますか。
#33
○征矢政府委員 今回お願いしております法律につきましては、御趣旨のとおり、先ほども申し上げましたように、極めて厳しい被災地の状況の中で、当面の仕事としてはっきりしておりますのは、災害復旧の公共事業、これはたくさん出る、ただ、全部焼け野原になっておりまして、できるだけ早い復旧といいましてもなかなか事業の再開ができない、こういう状況の中でのいわば臨時的な、とにかく働ける場所で働きたいと希望する方についての対策だ、こういうことでございます。
 したがって、先生御指摘のように、そういうもののみならず民間におきますもろもろの事業、例えば公的な援助等もある程度受けている事業、そういうようなものについてもできるだけ地元の希望する方についての雇用を進めていく、これもやはりあわせまして大変重要な課題であるというふうに考えております。
#34
○永井(孝)委員 事細かくやりとりすれば時間が足りませんので、質問の仕方も不十分だし、お答えする方も時間の関係でなかなか十分にお答えできないと思いますので、はしょって恐縮でありますが、最前の委員の質問の中で、対象地域の中身が説明をされました。対象地域外に居住する者であっても、この激甚災害法の対象地域で勤務しておった者、従事しておった者、これも対象になるというふうにお答えになっていたようですが、間違いございませんか。
#35
○野寺政府委員 そのとおりでございます。
#36
○永井(孝)委員 じゃそこは、そのように確認をさせていただきまして、さて、本日国会に提出されました第二次補正予算、きょう審議を予算委員会でされるわけでありますが、その中に特別の財政援助等に関する法律案というのがございます。これは災害特で審議をされるようでありますが、その施策を見ますと、公共土木関係では補助率が十分の八、社会福祉法人の社会福祉施設関係にも三分の二、高率の事業並みの補助が行われることになっているわけですね。公共施設関係では同じく三分の二、さらに商店街の振興組合等民間施設関係にも二分の一の補助、まあ特別の財政援助を行うことになっているわけでありますが、この法律では、「公共事業」として「国及び特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人自ら又は国の負担金の交付を受け、若しくは国庫の補助により地方公共団体等が計画実施する公共的な建設又は復旧の事業」、このように規定されているわけですね。
 この中に、公的な援助を受けて行われる民間の復興事業についても、公共事業に準ずるものとして、被災失業者の雇い入れに関して協力を求めることができるようにすべきではないかと思うのでありますが、それはどうでございますか。
#37
○征矢政府委員 民間の復興事業でありましても、今般の被災地の復興に向けた一連の財政上の特別措置により公的な援助が行われることとなるものにつきましては、被災失業者の雇用の場として協力を求めることができるようにすべきであるという御指摘の趣旨は、大変重要なことであるというふうに考えております。
 しかしながら、被災失業者に関する雇用割合の設定につきましては、本日国会に御提出いたしました第二次補正予算に盛り込まれている復興のための公共事業と表裏一体をなす施策であって、早急に実施することが必要であること、あるいは協力の要請は事実上行うことも可能であること、そういうようなことを考慮いたしまして、今般の特別措置法につきましては、公共事業におきます雇用義務のみを規定することとし、民間のただいま申し上げましたような復興事業の実施につきましては、御指摘の趣旨も踏まえて関係者に協力を求める形での行政指導を行うことによって対処してまいりたいというふうに考えております。
#38
○永井(孝)委員 法律では、今言われましたように、公共事業と表裏一体をなす施策である、だから公共事業に限定した、これはわかるのです。ただ、労働行政のあり方として、じゃこの法律をつくったが、民間のそういう事業については、復興については一定の特別の補助は行うのだけれども、それについては法律に盛り込まれていないからどうぞ御勝手にということでは、労働行政が成果を上げることができないと思いますから、今の答弁で、配慮を行って対処してまいりたいということでありますから、それはそれでいいのでありますが、とりわけこの法律が規定していない事業の中に公団などがあるわけですね。
 例えば、阪神高速道路公団とかあるいはJRの橋梁の復興とか、これらはこの法律の対象になっていないわけでしょう。なっていないのだけれども、その公団やJRの性格からいって半官半民みたいなもので、とりわけ政府の方からすれば影響力を行使しやすい対象である。少なくともそこらぐらいは、法律に盛り込まれていなくてもこれに準じて、一定の復興作業については吸収率を設定して求めるぐらいのことがあっていいのではないか、こう思うのですが、どうですか。
#39
○征矢政府委員 御指摘の点ごもっともでございまして、ただいま御指摘のような半官半民でやっている公団等につきましては、今回のこの法律の趣旨をよく御説明いたしまして、これに準ずる形での協力を求めていくという考え方で対処いたしたいと思います。
#40
○永井(孝)委員 現地の期待が大きいだけに、雇用不安をなくするためにという前提で懸命の努力をされていますが、さらにしてほしい。
 あえて申し上げるならば、この間の、私の七日の日の質問に対して、大臣はこのようにお答えになりました。労働省のあらゆる政策手段を用いて全力で取り組む、これは大臣の御答弁であります。したがって、この復興事業というのは総合的なものでなければならぬわけでありますから、もちろん雇用失業問題についてもその立場から対応されてきているわけです。そこで、国が特別に財政上その他の援助を行う事業については、当然国民や被災者の共感を得られるようなものでなければならぬ。そこで私は大臣にその決意をこの前伺ったわけでありますが、それぞれさまざまな形での雇用面についても、当然、今御質問申し上げましたように、一体的なものとして配慮していってもらいたい。
 そこで、私はあえてこの七日の日の質問で申し上げたことをもう一回申し上げるのですが、ここにもう一回あのときの新聞を持ってまいりました。この雇用問題、こんな大きな活字で書かれているわけですね。あるいはこの間の予算委員会の分科会でも新聞をお示ししました。これはごく一部の新聞のことを言っているのでありまして、大変な大きな活字が躍っておりまして、被災地では雇用に対する不安がより高まってきたわけですね。これによって高まってきた。そして、この委員会で各委員からいろいろな質問があって、労働行政がこの新聞に書かれているようなことじゃなくて、一生懸命やっているということも明らかになっている。
 職安で、この失業問題あるいは雇用給付の問題を相談を持ちかけていっても相手にされないというような、こんな見出しを見て労働者がより不安を高めていったわけでありますが、そうではないということもこの委員会で明らかにされて、この新聞記事じゃありませんけれども、その中に書いてあることは実際にやっていることとは全く違いますよということを労働省の方が明らかにしたわけですね。ところが、この後の新聞を見ますと、例えばこの職安で相手にされない、悲痛な叫びが次々に出ているというふうに新聞記事に書かれている。その同じ新聞社のその日の夕刊、明くる日の朝刊を見ましても、このことに対して、国会でそのことが明らかにされた、このように対応していますということは一言一句書かれていない、報道されていない。
 私はあのときに、労働省が一生懸命やっていることについては積極的に被災者の皆さんに知ってもらう、周知徹底できるような方策を講じるべきである、そのことが不安を除去する大きな力にたるということを繰り返し申し上げてきたのです。それぞれ努力はされているのでありましょうけれ一とも、事実と仮に違ったことが大きく報道されて、皆が不安を持っている。そうではないということが明らかになったことについては、全く新聞を通して知ることができない、テレビを通して知ることができない。これじゃ片道切符なのですよ。だから、労働省の対応については、もっとしっかりと被災者の皆さんに周知徹底できるようにすべきだということを申し上げてきているのですが、マスコミというものの力は物すごく大きい。だとすると、マスコミ対策は極めて重要な課題だと受けとめて労働省は対応すべきだと思います。
 今回のこの法律の問題についてもそうです。これはどのようにマスコミ対策をされているのか、この際ひとつ、参考までにお聞かせをいただきたいと思います。
#41
○征矢政府委員 御指摘の点もごもっともでございまして、私どもできるだけ広く周知するという立場から、出先の相談窓口での相談はもちろん、リーフレット、パンフレットのたぐいにつきましても数十万部印刷いたしまして配布する、あるいは新たな制度の枠組みをつくる際には、これについては記者発表いたしまして記事にしていただく、こういうようなことで努力いたしているわけでございますが、なお御指摘のように不十分でありまして、なかなか周知徹底しない面がございます。
 したがいまして、今後、さらに周知徹底するようにさまざまな工夫、努力をしてまいりたいというように思います。
#42
○永井(孝)委員 時間が参りましたので終わりますが、せっかくこれだげの特別措置法を頑張って短期間のうちにつくり上げていただいたのでありますから、この法律がすばらしい成果を生むように、ひとつ大臣を先頭にして労働省が取り組んでいただきたい。このことを御要望申し上げて、終わります。ありがとうございました。
#43
○笹山委員長 寺前巖君。
#44
○寺前委員 先ほど大臣の提案理由説明を聞きました。公共事業における労働需要は相当に大きいものと考えられる、被災して地元での仕事を求めておられる失業者の方々につきましては、その希望に応じてできる限りこの事業に雇用の場を提供したいのだ、こういう趣旨でこの法律をつくったのだと。
 こういうようなことは今に始まったことではなくして、従来にもありました。公共事業について、昭和四十七年に告示されている沖縄振興開発特別措置法第三十九条第一項に基づく事業で、吸収率は六〇%としておやりになった。同じく昭和四十七年に労働省告示第四十号で出ている高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第二十二条第一項によって、やはり失業者吸収率を四〇%というふうに位置づけられました。さらに、昭和五十八年、労働省告示第五十五号、地域雇用開発等促進。法第十九条第一項によって、失業者吸収率四〇%と位置づけられました。
 私は、せっかく問題を提起された以上は、これらの過去の失業者吸収率がどのように成果をおさめておるのか、まず結果について報告をしてほしいと思います。
#45
○野寺政府委員 簡単に御説明いたしますと、今先生御指摘の三つの法律に基づきます失業者の吸収率制度の実績でございますが、これは一番新しい数字が平成六年の七月から九月の集計ということになります。この間、制度を適用されました地域におきます使用延べ人員が二十七万三千七百二十五人、それからこの吸収率制度によりまして吸収されました延べ人員は一万一千四百十三人ということになります。これを単純に率で計算しますと、四・二%でございます。
#46
○寺前委員 そうすると、六〇%なり四〇%なりの吸収率、こう告示を労働大臣がしたわけですけれども、実態は四・二%ということになると、これは値打ちがあったなというわけにはいかないと思うのです。
 労働大臣として、今度の告示で恐らく四〇%ということになさるのでしょう、新聞にはそういうふうに既に報道されていますから。とすると、過去のこういうようなことになったのでは、法律はつくったけれども実態は違うでは、これは被災民に対して申しわけないことになるのではないか。そこを絶対にそうさせないという保障はどのように考えておられるのか、御説明いただきたい。
#47
○野寺政府委員 御指摘のとおり、本制度につきましてこれをどのように活用するかが課題でございます。ただ、事態をよく見てみますと、手持ち労働者を持っている事業主に対して、その手持ち労働者を解雇してまで被災失業者を雇えということは、これは筋が通らないわけでございます。したがいまして、手持ち労働者以外に必要となる人というのを対象にして、そこに被災失業者を吸収していただくというのが制度のねらいでございます。
 ただ、いずれにしましてもこの制度をつくります以上は、先ほど申し上げましたとおり、被災失業者はもとより事業主の方にも十分この制度を理解していただきまして、できる限りこの制度が被災地の雇用に役立つように活用してPRしてまいりたいというふうに思っております。
#48
○寺前委員 大臣は六〇%なり四〇%と言いながら実際は四・何%であったというこの事実を過去
から考えたときに、この被災地において手持ちの労働者を持っているから仕方がないのだということで済まされるとするならば、この吸収率というのは一体どういう意味を持つのだろう。私は、宣伝用の言葉にしかすぎないのではないか、無責任ではないかという非難を受けるそしりを免れないと思うのですが、大臣、この点について、しかと保障するようにしてくれますか。いかがでしょう。
#49
○征矢政府委員 ただいま御指摘の点でございますが、過去の事実につきましての数字はこれは確かに数字的に低い、そういう問題がございますが、他面で現地でそういう形での就労を希望する方が少ないことも事実でございまして、そういう面から低い数値になっているという結果もあるわけでございます。
 いずれにいたしましても、この制度の運用に当たりましては、できるだけ実効が上がるよう制度の運用を図らなければならない、こういうことでございまして、現地におきます希望する失業者の方々の状況等も踏まえまして、できるだけこの円滑な運用を図り、雇用の場の確保をしてまいりたいというふうに考えております。
#50
○寺前委員 大臣にはそれは後でひとつお答えをいただくということにしたいと思います。
 次に、こういう被災地においては失業者対策として職業訓練も重要な課題になると思うのです。何か特別な施策をおとりになっているのでしょうか、御説明をいただきたいと思います。
#51
○中井政府委員 今回の阪神・淡路大震災に伴います経済活動の混乱から、離職者の増加も心配されているところでございますけれども、その再就職の促進というためには職業訓練というのは極めて重要であるということは御指摘のとおりだと思います。
 現在、被災地域を中心に、職業訓練の特別コースあるいは委託訓練の設定等機動的な訓練を行うというふうにしております。
 また、今後、職業安定機関との連携を密にしながら、離職者の訓練ニーズを十分に踏まえて、必要に応じて職業訓練指導員の応援体制を組む、あるいは事業主等への委託訓練を弾力的に実施するということによりまして、その実施に万全を期してまいりたいと考えております。
#52
○寺前委員 私は、仕事の分野でもいろいろな分野でも同じことなんですが、避難所におったりあるいはそれぞれのところに散っておるわけですから、情報を本当に的確にお教えしてあげるということは非常に重要な活動だと思うのです。いろいろな職安のところに張り出すだけではなくして、住民のところにどんな施策をやっているのかということをぜひとも積極的に具体的に示してあげてほしい。これが一つの私の願いです。
 それからもう一つは、この閲兵庫県に聞きましたら、建設機械運転コース、クレーン運転コースというのを十五名の募集をやったところ、二十六名の応募者があった。あと十数名の人は入れないという事態になるわけです。私は、被災地であるだけに、被災地向けに必要なそういうことを今からでも追加して受け入れるということを検討してほしいと思うのです。いかがなものでしょうか。
#53
○中井政府委員 今先生がおっしゃったのは、兵庫県の県立校におきます委託訓練として実施をする建設機械の運転コースなりあるいはクレーン運転コースのことだと思います。確かにそれ以外にも必要ではないかということでございますが、先ほどもお答え申し上げましたように、その離職者のニーズに応じまして具体的に必要ならば、指導員の応援を踏まえながらやっていきたいと思っております。具体的には、私どもの雇用促進事業団の訓練施設、能開施設におきまして、建設の機械あるいはクレーンの訓練等もまた別途考えております。
#54
○寺前委員 時間が少のうございますので、ちょっと進めさせてもらいます。
 最近新聞を読んでいたら、ダイエーというような全国チェーンの企業で、バートの労働者が六百三十人退職強要をやられているというのが載っていました。この間、神戸へ行きましたら、星電舎という神戸では大きな会社になるらしいですが、六つの販売店が被災して営業ができなくなったので、正社員を再配置するためにパート百人ほどの人を解雇をするという話が出ていました。
 私は、調べてみたらいろいろあるのだろうと思いますが、大手企業の場合にはいろいろな手の打ち方があるだろうと思う。私が提起している心配事、こういうことを事実として知っておられるのか、あるいはこういうことに対してどういう指導というのか、どういう援助をしておられるのか、私は何らかの手を打たれる必要があるんじゃないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。
#55
○征矢政府委員 労働省といたしましては、今回の震災に伴って、多数の被災企業が従業員の解雇を行い、あるいは地域の雇用情勢に深刻な影響を与えることに関して、大変心配しているところでございます。このため、被災地域の事業主に対します雇用調整助成金の支給や、あるいは事業所の休業等により賃金を受けられない方に対する失業給付の支給といった各般の特例措置を講じながら、特別相談窓口等においてきめ細かな相談を実施しているところでございます。
 御指摘のような個々の事案につきましては、関係公共職業安定所により実態の把握に努めるとともに、必要に応じて、特例措置の活用あるいは関係事業所等での採用の促進などについて、その実情に応じた雇用の維持や再就職の促進が図られるよう指導しているところでございます。
#56
○寺前委員 今、避難所へボランティアの人がたくさん応援に行っておられます。いろいろ避難所の人たちのお世話をやっておりますが、見ていると、これは一カ月、二カ月になってくると、学生さんたちも学業が始まるから戻っていかれるだろうし、多くの面倒を見ておられる人たちはおらなくなっていくだろう。しかし、現地の避難所というのはすぐになくなるわけにはいかないです、仮設住宅の建設の状況から見たってそうなります。
 そうすると、この際に、そういう面倒を見るところの仕事を自治体がおやりになる、その場合に、失業者の吸収、短期間の問題としてでもそういう場を吸収していくというようなことをお考えになったらどうなんだろうか。この間も自治体に聞きましたら、労働省がそういうような姿勢を積極的におとりいただくならば、我々は本当にうれしいですということを自治体の人が言っておられました。
 そこで、私は大臣に、これは一般的な行政上の話ではありませんので、大臣のその問題に対する見解をお聞きしたいと思うのです。先ほど申し上げましたところの雇用率の執行の問題、あるいは職業訓練の問題、それからパート労働者がしわ寄せを受けてやめさせられていくという実態が生まれてきている、大手の社会的責任から見て、そういうところをどうするのか、今申し上げたそういうようなことをきめ細かく御配慮いただきたいと思うので、ひとつ大臣のこれらの問題に対する御見解を聞きたいと思います。
#57
○浜本国務大臣 お答えいたしますが、今議員の主張されたいところは、この際、公的就労事業を起こしたらどうかというお話のように思われます。この問題につきましては、これまでの経験から、事業の効率性の問題でありますとか、失業者の滞留等の問題がございまして、なかなか難しい問題ではないかというふうに思っている次第でございます。
 一方、今回提案しております法案につきましては、公共事業に関しまして被災者が雇用される割合を定める方式は、迅速かつ簡単な方法でありますし、かつ相当の労働需要も見込まれるということがすぐれた点ではないかというふうに思っております。問題は、どのようにしてその効果を発揮させるかという問題でございますが、これは公共事業を発注する発注者並びに受注される受注者に対しまして積極的に労働省の方からお願いを申し上げまして、被災者の方の就労の確保をしていく以外にないのじゃないか、かように思っているような次第でございます。
#58
○寺前委員 せっかくの機会でしたが、時間がもう終わりましたので、やめさせてもらいますが、大臣、ぜひ実効あるように責任を持ってお仕事をなさることを心から期待申し上げます。
 終わります。
#59
○笹山委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#60
○笹山委員長 これより討論に入るのでありますが、申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失業者の公共事業への就労促進に関する特別措置法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#61
○笹山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○笹山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#63
○笹山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時七分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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