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1995/05/16 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 労働委員会 第14号
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1995/05/16 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 労働委員会 第14号

#1
第132回国会 労働委員会 第14号
平成七年五月十六日(火曜日)
    午前十一時三十二分開議
出席委員
  委員長 笹山 登生君
   理事 赤城 徳彦君 理事 大野 功統君
   理事 長勢 甚遠君 理事 河上 覃雄君
   理事 北橋 健治君 理事 柳田  稔君
   理事 岩田 順介君 理事 佐藤謙一郎君
      加藤 卓二君    粕谷  茂君
      木部 佳昭君    田澤 吉郎君
      額賀福志郎君    林  幹雄君
      二田 孝治君    持永 和見君
      東  祥三君    上田  勇君
      初村謙一郎君    鳩山 邦夫君
      桝屋 敬悟君    松岡滿壽男君
      池田 隆一君    永井 哲男君
      森井 忠良君    寺前  巖君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 浜本 万三君
 出席政府委員
        労働大臣官房長 伊藤 庄平君
        労働省婦人局長 松原 亘子君
 委員外の出席者
        労働委員会調査 松原 重順君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十六日
 辞任         補欠選任
  佐藤 孝行君     林  幹雄君
  田邊  誠君     永井 哲男君
  永井 孝信君     森井 忠良君
同日
 辞任         補欠選任
  林  幹雄君     佐藤 孝行君
  永井 哲男君     田邊  誠君
  森井 忠良君     永井 孝信君
    ―――――――――――――
五月十六日
 ハイヤー・タクシー労働者の労働条件改善に関
 する請願(網岡雄君紹介)(第一〇〇五号)
 同(網岡雄君紹介)(第一〇一六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 育児休業等に関する法律の一部を改正する法律
 案(内閣提出第二八号)
 介護休業等に関する法律案(松岡滿壽男君外四
 名提出、衆法第三号)
     ――――◇―――――
#2
○笹山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案及び松岡滿壽男君外四名提出、介護休業等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案に対し、他に質疑の申し出がございませんので、これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#3
○笹山委員長 この際、内閣提出、育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、大野功統君外四名及び寺前巖君から、それぞれ修正案が提出されております。
 提出者より順次趣旨の説明を求めます。岩田順介君。
    ―――――――――――――
 育児休業等に関する法律の一部を改正する法律
  案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#4
○岩田委員 ただいま議題となりました育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党・自由連合、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけを代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 修正の要旨は、
 第一に、介護休業の制度または勤務時間の短縮等の措置に準じて、事業主が講ずるよう努めなければならないとされている必要な措置は、「介護を必要とする期間、回数等に配慮した」ものでなければならないことを明確にすること。
 第二に、事業主は、介護休業の制度等に関する規定の施行前においても、可能な限り速やかに、介護休業の制度を設けるとともに、勤務時間の短縮等の措置を講ずるよう努めなければならないものとすること。
 第三に、政府は、介護休業の制度等に関する規定の施行後適当な時期において、介護休業の制度の実施状況、介護休業中における待遇の状況その他の改正後の法の施行状況、公的介護サービスの状況等を総合的に勘案し、必要があると認めるときは、家族を介護する労働者の福祉の増進の観点から同法に規定する介護休業の制度等について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#5
○笹山委員長 次に、寺前厳君。
 育児休業等に関する法律の一部を改正する法律
  案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
#6
○寺前委員 育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案提案理由の説明をさせていただきます。
 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題になっております育児休業法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由及びその概要を御説明申し上げます。
 我が党はかねて、高齢化社会、核家族化の進行のもとで家族の介護や看護が社会的にも重要な課題となっている中、多様な社会的介護支援システムの充実とともに介護休業制度の実現を強く要求してまいりました。このことはまた、家族責任を有する男女労働者の均等待遇に関するILO第百五十六号条約によって、国際的に労働者の権利として確立していたものであります。
 しかし、政府案は、一、介護休業期間が三カ月と短いこと、二、介護休業が、対象となる家族一人につき一回とされていること、三、対象範囲が、申し出た労働者の配偶者、子、父母、配偶者の父母(実質的に同様な関係も含む)と狭く限られていること、四、有給による所得保障や代替要員の配置の規定がないこと、五、施行が一九九九年と四年間も先送りになっていること、など労働者の権利として実効性ある介護休業制度を確立するという点から見ると不十分なものと言わざるを得ません。これが修正案を提出する理由であります。
 次に、具体的に修正点について御説明申し上げます。
 修正の第一は、介護休業の対象となる対象家族の範囲を、高齢化と核家族化の実情を踏まえて政府案より広げております。同居の親族にまで広げたのは、条約が「近親の家族」を対象としていること、同居していること自体がその他の人からの介護を期待できないことを示していることによります。第二は、介護休業期間を一年間とし、この間に
要介護状態にある家族のおのおのが介護を必要とする一つの継続状態につき断続して取得できるようにしております。これは、長期にわたって介護の必要な事例が多く見られることや、社会的介護の利用などと組み合わせて利用しやすい制度にする必要があることなどから不可欠の措置だと考えます。
 同様に、時間短縮期間も一年間としております。
 第三に、介護休業制度の実効性を確保するためには、この制度の利用の申し出及び利用することに対して行われる解雇、職場復帰、配転、昇給などあらゆる面での不利益取り扱いを罰則をもって禁止することにしております。この措置は、育児休業についても適用いたします。ちなみに、罰則の程度は、労働基準法、職業安定法などを参考にし、懲役六カ月、罰金二十万円といたしました。
 第四は、代替要員を配置した中小企業者等に対して賃金の助成を行い、代替要員の配置を容易にする措置を講じることを国に義務づけております。
 第五は、休業者の所得保障を明らかにし、別に法律に定めるところにより、国と事業主の拠出により介護休業手当を創設することをうたっております。
 最後に施行期日でありますが、要求の緊急性と準備の都合から、一九九六年四月一日といたしました。
 以上が、修正案提出の理由とその概要であります。
 何とぞ委員各位の御賛同を得られますようお願いいたしまして、私の説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#7
○笹山委員長 以上で両修正案についての趣旨の説明は終わりました。
 この際、松岡滿壽男君外四名提出、介護休業等に関する法律案及び内閣提出、育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案に対する寺前巖君提出の修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。浜本労働大臣。
#8
○浜本国務大臣 内閣の意見を申し上げます。
 ただいまの新進党の御提案による介護休業等に関する法律案及び日本共産党の御提案による修正案につきましては、政府としては反対でございます。
#9
○笹山委員長 これより、内閣提出、育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する大野功統君外四名提出及び寺前厳君提出の両修正案並びに松岡滿壽男君外四名提出、介護休業等に関する法律案を一括して討論に付します。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。赤城徳彦君。
#10
○赤城委員 私は、自由民主党・自由連合、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけを代表して、ただいま議題となっております育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党・自由連合、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけ提出の修正案及び修正部分を除く原案に賛成し、新進党が提出された介護休業等に関する法律案に対し反対、日本共産党が提出された修正案に対し反対の立場で討論を行うものであります。
 少子・高齢化の急速な進展、核家族化等に伴い、家族の介護の問題は、育児の問題とともに我が国社会が対応を迫られている国民的重要課題となっております。
 介護問題に対処するためには、国全体として総合的な介護対策を進めることが重要であり、介護サービスの一層の充実を図ることが基本でありますが、家族による介護がやむを得ない場合には、労働者にとっては、仕事と介護とを両立させるための緊急的対応措置として、介護休業制度が極めて重要な意義を有するものであります。
 したがって、この制度を中小零細企業に働く方々も含め広く円滑に普及させることが求められております。
 このため、政府案は、すべての働く方々に一定の基準の制度が保障されるよう、法ですべての企業に一律に介護休業を義務づけることとしており、この点を大きく評価するものであります。
 しかしながら、この法律案は、各企業の労使間において履行されるべき労働条件を定めるものであり、その内容については、家族による介護や労働者の雇用の継続の必要性と企業の負担との調和が図られるようにする必要があります。
 したがって、政府案は、介護休業について、法律上の権利としては最低基準を設定するとともに、これを上回る部分については、企業の努力義務として労使の自主的な努力を促し、政府においても十分支援していくこととしており、これが最も現実的で制度の確実な定着を可能にしていくものと確信しております。
 具体的には、介護休業期間については、介護を必要とする家族を抱えた労働者にとっては、症状等がある程度安定するまでの間の休業の緊急性、必要性が高いこと等をかんがみると、政府案のように、三カ月とすることが適当であると考えます。三カ月程度の期間があれば、家族が介護を通して症状をよく把握し、その後の介護に関する長期的方針を決めることができるようになると考えます。
 一年など、より長期間の介護休業期間とすることについては、一人の家族に介護をゆだねることの問題、中小零細企業の負担等にかんがみ、企業に一律に義務づけるのは困難であると考えます。
 次に、介護休業の取得回数についても、政府案のように、介護を要する家族一人につき一回とすることが適当であると考えます。
 一人の労働者が同一家族に対して何回も介護休業を取得できることとすることについては、期間を一年とすることと同様の理由で、企業に一律に義務づけるのは困難であると考えます。
 さらに、施行時期についても、介護休業制度については、現下の普及率が一六・三%にとどまっていること、過去の立法例においても三年程度の準備期間を置いていることから見て、施行には十分な準備期間が必要であり、政府案が平成十一年四月一日としていることは妥当なものと考えます。
 以上の点から、私どもといたしましては、政府案に賛意を表するものであります。
 また、自由民主党・自由連合、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけ提出の修正案は、介護休業期間、回数等について最低基準を上回る措置を労使間での話し合いにより講じるよう努力が求められていることをより明らかにするとともに、施行前でも介護休業制度ができる限り早期に導入されるよう、事業主に対する努力義務を課し、さらに、制度が施行された後適当な時期に制度の実施状況等を勘案し必要な検討を行うこととしているものであり、妥当なものと考えます。
 これに対し、新進党が提出された介護休業等に関する法律案につきましては、介護休業に関し、休業期間、回数、家族の範囲、要介護の定義のいずれをとっても高い水準となっておりますが、中小零細企業も含めてすべての企業にこれを最低基準とすることは、現状の実態から離れて企業の雇用管理に余りにも過大な負担を強いるものであり、加えて、これらを直ちに施行しようとするのは、特に中小零細企業にとって実施が困難となり、かえって法の実効が確保されなくなるおそれがあると言わざるを得ません。
 以上のことから、私どもといたしましては、新進党案に反対の意を表するものであります。
 次に、日本共産党が提出された修正案につきましても、以上述べましたような理由から、私どもといたしましては、反対の意を表するものであります。
 これをもちまして、私の討論を終わります。(拍手)
#11
○笹山委員長 次に、柳田稔君。
#12
○柳田委員 私は、新進党を代表して、ただいま議題となりました新進党提出の介護休業法案に対して賛成、政府提出の育児休業法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 我が国は、他国に例を見ない速さで高齢化が進展していることは周知の事実であり、それに伴って介護を要する高齢者が数多く発生していることは厳然たる事実であります。
 介護の需要に対しましては、介護施設の増設・充実等の社会的介護体制の整備によって対応することは当然でありますが、新ゴールドプランの進捗状況は期待に反して大幅におくれているのが実情であります。そして、このような状況のもとで、毎年八万人を超える労働者が介護のために退職せざるを得ない状況にあります。
 この状況を改め、労働者が介護のために安心して休業できる権利を明確にすることは政治の果たすべき緊急の課題でございます。
 私ども新進党案は、このことを考え、生活者、勤労者、家族を重視することが重要であるという理由で、第一に、介護休業及び時短をあわせて一年間の権利とすること、第二に、要介護状態の発生ごとに取得できることとすること、第三に、介護休業期間中の所得保障を行うこと、第四に、来年四月から施行すること等を主たる内容とするものであり、一刻も早く実効性ある介護休業制度をという国民の切実な要望にこたえるものであると確信いたしております。
 先日行われました地方公聴会、中央参考人の多くの方々の意見も、これに賛同を得るものであったというふうに我々は考えます。また、この我々新進党案については、従来の社会党であれば賛成していただけるものと信じております。
 他方、政府提出の育児休業法の一部改正案は、介護休業期間は時短とあわせて三カ月、介護休業は介護を要する高齢者等につき一回、施行期日は四年先というものであり、所得保障も明定されておりません。これでは、介護施設への入所には一年をはるかに超える待ち時間を要する現実、労働協約による介護休業制度がない多くの中小企業に働く人々が三年間も取り残される現実等々には対応できません。とても実効性ある介護休業制度とは言えず、反対せざるを得ません。
 また、与党各党提出の修正案も、介護休業制度の実効性を高めるものではなく、反対せざるを得ません。
 以上で、両法案一括しての討論といたします。(拍手)
#13
○笹山委員長 次に、寺前巖君。
#14
○寺前委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま提案された与党提出の修正案及び新進党案、修正部分を除く政府原案について、もちろん私が提案しています日本共産党修正案については賛成の討論を行います。
 介護休業を取得することが労働者の権利であることを規定したILO第百五十六号条約は、一九八一年に採択され、一九八三年には発効したものであります。我が党は、今日になって政府が介護休業制度の法案を提出したことは、遅きに失したものであると考えます。しかしながら、政府案及び新進党案は、この労働者の権利を規定するものとして提案されたものであり、賛成するものであります。
 また、我が党は、介護休業制度が労働者にとって真に有効なものにするために修正案を提出したところです。与党提出の修正案は、我が党提案のように、さらに実効性のあるものに踏み込むべきであります。
 いずれにしても、我が党は、介護休業制度の積極的な側面を評価し、提案されている諸案件について賛成するものであります。
 終わります。
#15
○笹山委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#16
○笹山委員長 これより採決に入ります。
 まず、松岡滿壽男君外四名提出、介護休業等に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#17
○笹山委員長 起立少数。よって、本案は否決すべきものと決しました。
 次に、内閣提出、育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する大野功統君外四名提出及び寺前巖君提出の両修正案について採決いたします。
 まず、寺前厳君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#18
○笹山委員長 起立少数。よって、本修正案は否決いたしました。
 次に、大野功統君外四名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#19
○笹山委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#20
○笹山委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○笹山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#22
○笹山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十三分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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