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1995/04/25 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 運輸委員会 第6号
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1995/04/25 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 運輸委員会 第6号

#1
第132回国会 運輸委員会 第6号
平成七年四月二十五日(火曜日)
    午後二時三分開議
出席委員
  委員長 井上 一成君
   理事 武部  勤君 理事 古屋 圭司君
   理事 村田 吉隆君 理事 江崎 鉄磨君
   理事 奥田 敬和君 理事 高木 義明君
   理事 緒方 克陽君 理事 高見 裕一君
      衛藤 晟一君    大島 理森君
      亀井 善之君    橘 康太郎君
      林  幹雄君    堀内 光雄君
      森田  一君    横内 正明君
      川島  實君    北橋 健治君
      古賀 敬章君    坂本 剛二君
     柴野たいぞう君    須藤  浩君
      樽床 伸二君    二階 俊博君
      福留 泰蔵君    米田 建三君
      赤松 広隆君    左近 正男君
      寺前  巖君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 亀井 静香君
 出席政府委員
        運輸大臣官房技
        術参事官    澤田  諄君
        運輸省運輸政策
        局長      豊田  実君
        運輸省航空局長 土坂 泰敏君
 委員外の出席者
        中小企業庁計画
        部金融課長   名尾 良泰君
        運輸委員会調査
        室長      小立  諦君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十九日
 辞任
  谷垣 禎一君
同日
            補欠選任
             柴野たいぞう君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  坂本 剛二君     川島  實君
  志位 和夫君     寺前  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  川島  實君     坂本 剛二君
  寺前  巖君     志位 和夫君
    ―――――――――――――
四月十八日
 ハイヤー・タクシーの免許制・認可制の堅持、
 諸施策の充実に関する請願(輿石東君紹介)(
 第六九三号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第六九四号)
 同(前島秀行君紹介)(第六九五号)
 同(上原康助君紹介)(第七七〇号)
 同(輿石東君紹介)(第七七一号)
 JR信越線存続に関する請願(佐々木陸海君紹
 介)(第七六八号)
 成田空港構内の救急医療体制の整備に関する請
 願(小川元君紹介)(第七六九号)
 同(塚田延充君紹介)(第八一四号)
 同(前原誠司君紹介)(第八一五号)
 同(高見裕一君紹介)(第八五二号)
同月二十五日
 ハイヤー・タクシーの免許制・認可制の堅持、
 諸施策の充実に関する請願(三野優美君紹介)
 (第八八二号)
 成田空港構内の救急医療体制の整備に関する請
 願(二見伸明君紹介)(第九一五号)
 同(鈴木俊一君紹介)(第九二七号)
 同(武部勤君紹介)(第九三五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 旅行業法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 五九号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○井上委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、旅行業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。林幹雄君。
#3
○林(幹)委員 自由民主党の林幹雄でございます。
 旅行業法の改正に当たりまして、何点か質問をさせていただきます。
 この旅行業法は昭和二十七年に旅行あつ旋業法としてスタートをしたと聞いておるわけでありますけれども、四十六年に今の旅行業法に改められたというわけでありますが、今回の旅行業法の改正に当たって、その基本的な考え方について、トラブルが結構多い旅行業に対しまして、規制緩和の流れも踏まえつつ、どのように規制のあり方を考えたのか、まずお伺いをしたいと存じます。
#4
○豊田(実)政府委員 お答えいたします。
 今お話のありましたように、前回の改正が昭和五十七年ということで、十年以上たっております。この間、海外旅行が非常に一般化したとか、あるいは団体旅行から個人、家族連れの旅行が普及し始めたというようなことで、旅行をめぐる環境が随分変わってきております。そういうような変化を踏まえまして、今回の改正に当たりましては何よりもやはり消費者の保護というものをより的確にしたいというのが第一点と、それから、今お話しのように、規制自体いろいろな観点から見直しをするということで取り組んでおりますが、旅行業に関しましても、今申しましたように、海外旅行というのは従来特別な分野ということで、それを取り扱う場合に、かなりきつい規制といいますか、行ってきたわけですが、海外の販売業務というのはむしろ国内の販売とそう大きな差がないというようなことから、その辺の業務をやるときの登録時の財産的基礎を大幅に引き下げるというようなことで参入の容易を図っております。
 以上の二点、消費者保護と、それから一定の場合の参入を緩やかにするというようなことで旅行振興というものに大きく寄与していきたいというのが今回の見直しの基本的な方針でございます。
#5
○林(幹)委員 それでは、その消費者保護あるいは規制緩和の趣旨から各論に入りますけれども、主催旅行を行わない旅行業者について、登録時の資産等に関しまして海外と国内を一本化するというのは、時代の流れにも合いまして極めてすっきりした形になっておりまして、適切なことだと考えますけれども、一方、その旅行業務取扱主任者は引き続き二種類の主任者の制度でありまして、一般の主任者がいない営業所では海外を扱わせないということになっていると聞いておりますけれども、それをどのように、その扱っていかぬというのを消費者にわからせるのか、標識で表示するというふうに聞いてもおりますけれども、どのようなものを考えておるのか、そしてその周知の徹底をどうするのか、また一般の主任者がいない営業所で海外旅行の業務を取り扱うおそれはないのか、そのための対策はどう考えているのか、お伺いしたいと思います。
#6
○豊田(実)政府委員 今御指摘のとおり、旅行業務取扱主任者については現行の二種類というものを維持するということでございますが、御案内のように、海外旅行の場合、旅券等の出入国の関係の特別な知識が要るとか、あるいは国際航空の運賃というのはかなり特別な知識が要るというようなことで、その辺についてきちんとした対応ができる主任者ということで区別しております。
 具体的に、取引をする際に主任者は書面できちんと条件等を通知するわけですが、その際に主任者の名前もきちんと記載するということで、利用者との関係では責任関係を明確にするということをしております。また、一般的には営業所にその標識を区別するように措置をする予定にしております。
 いろいろな違反行為についていろいろ防止策をとるということについては、私どもこれまでもいろいろ取り組んできておりますが、今後も、最終的には立入検査等を随時やるということで、違反のないような状況を確保して、利用者に安心して旅行に行っていただくという環境を維持していきたいと思っております。
#7
○林(幹)委員 私はその徹底は旅行業協会にお願いするという形になるのではないかと思うのですけれども、むしろそういうトラブルが多いのは、協会に加わってない業者、非会員というのですか、そういったものが結構多いのではないか、そういうふうに聞いておるのですけれども、協会に入ってない非会員に対する指導が大変大事ではないか、こう思うのです。それに対して運輸省としてはどのように行うのか。
 簡単に言うと、すべての旅行業者に協会に入っていただくということが一番いいわけでありますけれども、そういう強制的なことがやれるのかどうかわかりませんけれども、そこら辺も含めて、どういうふうな指導を行っていくのか。協会の会員でありますとか非会員でありますとかという、例えばマル適マークみたいなものを使用するとか、何らかの方法があるのではないかと思うのですけれども、その表示などの工夫ができないものかも含めて、ちょっとお答え願いたいと思います。
#8
○豊田(実)政府委員 旅行関係のいろいろなトラブルについて関係の協会が非常に大きな役割を担っているということはそのとおりでございまして、ただ、あくまで協会は任意団体の民間団体でございますので、加入、脱退は任意制というのが基本でございます。ただ、既に加入の率はかなり高率になっております。ただ、一〇〇%というわけではないので、非会員という存在はまだあるわけですが、非会員が行ったいろいろな旅行についてトラブルが発生した場合も、旅行業協会が苦情を受けていろいろ指導するということを今回の改正で取り組んでおります。
 あくまで民間団体ということで、その指導というものには限界があるわけですが、やはり旅行業協会としていろいろなケース、知識、経験ございますので、その辺のノウハウを十分に生かしてトラブルの解決というものに当たっていただきたいと思っております。
 また、当然ながら、非会員の会社が協会の指導に従わない場合は、私ども行政庁が連絡を受けて最終的には対応するということでございます。
 また、協会員であるか否かということを利用者側にはっきり示す手段としまして、今回、主催旅行の募集広告、これについて一定の要件を募集広告の中身に明記させるということを考えておりまして、その中で協会会員であるということをきちんと表示してもらうということを私ども省令で手当てしたいと思っております。
#9
○林(幹)委員 今のトラブルに関してでありますけれども、例えば非会員のところでトラブルが起きたといった場合に、どこに相談に行ったらいいのか、もうちょっと明確にされたらいいかと思うのですけれども、例えば旅行トラブル一一〇番みたいなものが今現在あるのかどうか、あるいはどこのセクションでやっているのか、その辺ちょっと加えてお聞きしたいのですが。
#10
○豊田(実)政府委員 これからいろいろ約款とか何かきちんと充実するという作業を並行して今行っておりますが、今御指摘の、トラブルがあった場合の相談先というものも、おっしゃるようにきちんと電話番号等明記して、周知徹底させるようにいたしたいと思います。
#11
○林(幹)委員 次に、今度の改正の中で登録の有効期間でありますけれども、これは依然として三年のままというふうになっているわけですけれども、その理由は何なのか。パスポートも先般、五年だったものを十年に更新しているわけですから、当然この登録期間も三年から五年ぐらいにしてもいいのではないか、このように考えるわけでありますけれども、その辺はどのようなものでしょうか。
#12
○豊田(実)政府委員 更新登録というのを三年ごとに行っておるわけですが、旅行業者というのは非常に中小企業が多く、数も多いということでございますが、これまで割合倒産の件数が少ないといっ状態で維持できているということでございますが、その一つが、やはり三年ごとの更新時期に財産的基礎をきちんとチェックするという体制で倒産の防止といいますか、役割を果たしてきていると思います。
 この三年をさらに先に延ばすかどうかというのはこれからの状況を踏まえて検討しなくてはいかぬと思いますが、今回の改正で主催旅行というものについて、消費者保護の観点からかなりきちんとした対応をするということを予定しておりますが、その辺の状況を踏まえながらこの更新登録制度についてはさらに検討させていただきたいと思いますが、これまでの経験から申しますと、三年ごとに見直すというのが利用者保護の観点からも非常に有効に働いているというふうに考えております。
#13
○林(幹)委員 それでは、旅行業法に関しまして亀井大臣にお伺いいたしますけれども、消費者とのかかわりの深い旅行業法については今後とも適時適切な見直しが必要だと考えるものでありますけれども、大臣の見解をお聞かせ願いたいと存じます。
#14
○亀井国務大臣 このたびは、ある意味では画期的な改正を行ったわけでありますけれども、時は刻々と流れておるわけであります。日進月歩の時代でございますから、常にそうした時代の要請に合わせていく努力を今後ともしてまいりたいと思います。委員からも、今後とも適時適切な御提案をいただければありがたいと思っております。
#15
○林(幹)委員 旅行業法そのものについて大体大臣のお考えを聞きまして納得しましたけれども、一点、成田空港について、絡めてお尋ねをしたいと存じます。
 現在、円卓会議の結論に基づいて第二期工事に入れるよう全力を挙げて取り組んでおります関係者の御努力には、地元の一人としても大変敬意を表するものであります。今、アジア地域でおくれをとっていると言われているハブ空港、この成田空港を今後ハブ空港として整備すべきだと思うのであります。また 二期工事完成後は国内線の大増便をすべきだとあわせて思うものでありまして、地域と共生する成田空港を目指す観点からも、地域の利便性を高め、乗り継ぎ客ひいては観光業に寄与することが大変大きい、こういうふうに思うわけでありますけれども、大臣の見解はいかがでしょうか。
#16
○亀井国務大臣 成田空港につきましては、我が国の今後の発展にとって、第二期工事によって全体を完成していくということが不可欠だ、このように考えておるわけであります。おかげさまで、反対運動を推進してこられた方々と国、自治体との間のいわゆる相互不信の状況が一応今解消に向かいつつあるわけでありまして、円卓会議の結果を国としてはきっちりと尊重しながら理解をいただいてまいりたい、必ずや理解をいただけるものと私どもは確信をしながら努力をしてまいるつもりでございます。
 なお、全体構想といいますか、完成をいたしました後はハブ空港としての機能をフルに発揮ができるわけでありますので、委員御指摘のような国内線との関係等も、これは総合的に機能する形で運営をしていきたい、このように考えております。
#17
○林(幹)委員 大臣の答弁、大変心強く思うわけでありますけれども、大変恐縮ですが、航空局長にこの二期工事完成後に成田空港の国内便の大増便に関する考え方をお伺いしておきたいと存じます。
#18
○土坂政府委員 今、平行滑走路の整備に向けまして関係者の御協力をいただきながら全力を尽くしておりまして、将来の見通しを明確に申し上げる状況ではございませんが、いい方向に向かっておると思います。平行滑走路ができた場合には、先生の御指摘のように、地域の利便ということを第一に考えまして、住民の御希望なども伺いながら国内便の増便を図っていきたい、それによって、国際、国内、名実ともに備わった立派なハブ空港にしていきたいというふうに考えております。
#19
○林(幹)委員 若干時間がありますけれども、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#20
○井上委員長 江崎鐵磨君。
#21
○江崎委員 新進党の江崎鐵磨です。
 発言の機会をいただきましたので、特に旅行業法と観光産業振興についてお尋ねをいたします。
 旅行業法については、昭和五十七年に改正以来十年余りを経過しておりまして、今回の改正は、海外旅行を中心とした旅行者数の増大、そして旅行の多様化、旅行業務に関する取引の形態の変化等に対応し、旅行者保護と利便性の一層の充実を図ることを目的としているといったことから、私どもも大きな関心を寄せるものであります。
 我が国において、今日、観光産業による経済波及効果は二十四兆五千億円に達し、日本では十五人に一人、世界では十人に一人が観光産業に従事していると言われるときに、まさに観光産業は二十一世紀には最大の基幹産業に位置づけられるものと予想する次第であります。そして、これをリードし、また支える立場にあります旅行業の皆さんの役割が大変重要視され、そして期待されるとき、このたびの改正案はこうした観点に立った上で立案作業に当たられたのか、具体的内容も含めて見解をお伺いいたします。
#22
○豊田(実)政府委員 観光産業の位置づけと申しますか、今お話がありましたように、経済面で見ましても非常に大きなウエートといいますか規模に発展してきておりますし、これから二十一世紀に向かってこの規模はますます大きくなり、これは日本だけではなくて、世界全体の動向もそういう方向に向かっていくと思います。
 ただ、観光産業の場合、単に経済的な側面だけではなくて、やはり人の交流を通じまして世界的な相互理解の増進であるとか、あるいは国内に目を転じれば地域の活性化ということとか、人の交流というものは非常に大きな役割があるのではないか。そういう面から観光産業というのが、今各地域とも大きな期待と申しますか、期待と同時に観光振興という点について各地域社会が非常に大きなエネルギーを注いできております。
 今回、旅行業法改正というのは、観光産業の一翼を担う旅行業というものが健全に発展し、利用者の要請に的確にこたえるということを心がける必要がありますが、先ほどお話を申し上げましたように、前回の改正から十年を超える期間が経過しておりますので、この間の情勢をきちんと受けとめて、これから二十一世紀に向かって利用者の要請に十分こたえられるような旅行業を育成していくという観点で今回見直しを始めたわけです。
 今回の改正は、法律改正という形でお願いする前段階で、実務面も含めまして旅行業問題研究会、これは旅行関係産業だけではなくて、学者の先生とか地域の方あるいは労働組合の方、いろいろな方に入っていただいて、旅行業をめぐるいろいろな個別具体案を検討した上で、法律的な手当てをする必要のあるものについて今回お願いしたわけです。
 その一点は、先ほど申しましたように、規制の緩和と申しますか、海外旅行の販売というものについて多くの人に対応していただくというような制度の見直し。それからもう一つは、利用者が非常にトラブルに巻き込まれるケース、主催旅行と言っていますが、いわゆるバック旅行についてきちんとした仕組みをつくるという二点を中心に今回の改正をお願いしております。
#23
○江崎委員 旅行業は中小企業の多い業界と聞いておりますが、実態はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。
#24
○豊田(実)政府委員 最近の調査でございますが、今の業種としては、一般旅行業、これは海外旅行も取り扱う業種と国内旅行専門の事業者と二つグループがございますか、いずれも中小企業が非常に多いということで、中小企業の定義は五十人以下の従業員数ということでございますが、これで見ますと、今申しました一般旅行業者の中で五十人以下というのが実に七四・四%という比率になっております。それから国内旅行業者でございますが、こちらはさらに率が上がりまして、従業員五十人以下の会社が九八・七%を占めるという状況でございます。
 また、経営状況も非常に厳しい状況に置かれておりまして、今申しました一般旅行業者の数字でございますが、率にして四四・五%の会社がいまだ赤字会社の状況にあるということでございます。
#25
○江崎委員 旅行業の今後さらなるレベルアップと発展を図るため、すそ野の広い中小企業の健全な育成を推進することが重要であると考えますが、今回の法改正において何か中小企業に対して特に配慮をしておられるかどうか、お聞きをいたします。
#26
○豊田(実)政府委員 中小企業の方にいろいろ持てる力を発揮していただくというようなことで、従来海外の販売というのをかなり制限的に規制をしておったのですが、今回その基準を大幅に緩和いたしまして、中小の旅行業者が海外旅行も取り扱うというような参入を容易にしたということが第一点でございます。
 それからもう一点は、むしろ形として見ますと規制強化といいますか、先ほど来からお話し申しますように、主催旅行というものについてかなりトラブルが従来多かったというようなことにかんがみまして、この点ではむしろ規制をきちんとすることによって、中小の事業者が旅行を扱う場合も利用者側が安心して旅行を申し込めるというような仕組みをつくっていきたいと思っております。
 いずれにしましても、中小企業の方がその能力を十分に発揮できるような環境整備に、この法改正だけではなくて、先ほど来から協会の活動等を含めましてどんどん整備していきたいと思っております。
#27
○江崎委員 例えば中小の旅行業者に対する支援は、そのほかにも中小企業対策として共同化等の取り組みも大切なことではなかろうかなと思う次第でありますが、それに対する運輸省の見解はどうか、お尋ねをいたします、
#28
○豊田(実)政府委員 中小企業の経営基盤というものをきちんとするというのは基本だと思いますが、そういうことで従来から、これは旅行業だけではございませんが、中小企業の経営基盤といいますか営業活動をきちんとする上で、中小企業等協同組合法に基づいて事業協同組合という制度がございます。
 これは残念ながらまだ旅行業の分野では全国で十四という状況ですが、できている事業協同組合については、共同で販売するとか共同でいろいろ仕入れをするというような共同事業を通じましてかなり効果を上げてきております。ですから、こういう先例がございますので、特に共同事業という点については、中小企業の皆さんに参画していただいて、利用者との関係でサービスをより向上させていくという手段としてこの共同事業というものがあるのではないかと考えております。
#29
○江崎委員 現在旅行業の皆さんから成る社団法人、二つの法人があります。全国旅行業協会、そしていま一つは日本旅行業協会、こうしたところへの運輸省の連携とか、また協力体制といったものはどの程度整っておるか、お聞かせを願います。
#30
○豊田(実)政府委員 先ほど、いろいろなトラブルの場面で旅行業協会にいろいろ役割を分担していただくということを申し上げましたが、私ども、そのトラブル防止ということだけではなくて、もっと積極的な面で両協会にはこれまでも一緒に取り組みをしております。
 例えば、昨年世界観光大臣会議というものを行っておりますが、これも協会の非常に大きな御協力と申しますか、御支援をいただいた会議でございます。また、本年に入りまして、ことし四月に旅フェアというものを幕張メッセで行っております。これは各地域、県と旅行関係事業者が共同して、主として国内の観光をよりきちんと利用者に理解していただくという、初めての旅の総合見本市というようなものですが、これも二つの協会が非常に力を合わせて御支援いただきまして、大変な好評でありました。そのほか、従来からやっておりますが、各県が共同して観光推進をするということで観光立県推進会議というものがございますが、この会議にも両協会から代表の方に参画していただいてきております。そのほか、日米の観光交流であるとか、それから基本的な審議会で観光政策審議会というものがありますが、こういう場面についてもそれぞれ協会の関係の方に御参画いただいて、私ども行政側と一緒になって観光振興というものに御支援をいただいているという状況でございます。
#31
○江崎委員 ただいま局長の方からもお話がございましたが、去年の秋、大阪で世界観光大臣会議が開催されたこと、私どもはテレビで知りましたが、特にこの会のテーマとか成果、そして今後の課題についてお聞かせいただきたいことと同時に、観光大臣会議というと、この場面は亀井運輸大臣が御出席されたのかどうか、その点もお尋ねしたいと思います。
#32
○亀井国務大臣 昨年十一月に、地域を含めまして百一力国だったと思いますが、観光大臣その他それに準ずる方々にお集まりいただきまして会議を催しましたが、OSAKA観光宣言も採択をいたしまして、観光が二十一世紀における世界平和を構築する上においても欠くことのできない産業であり、また文化遺跡等を保存するというだけではなくて、むしろ文化を未来に向かって創造していくという面からも観光の果たす役割が絶大なものであるという基本的な共通認識を持ったわけでございまして、今後世界の観光を各国の協力のもとで強力に推進をしていこう、そうして今後観光サミットを二年に一回程度持ち回りでやろうという合意にも達したわけでございまして、カナダ等が次は立候補もいたしたというようなことでございます。
 そういう意味で、今後観光業というのは、一国だけではなくて世界各国の協力の中で、世界ネットワークの中で、まさに二十一世紀における大きな産業として飛躍をしていく、そうした状態に立ち至っておる、このように認識をいたしておる次第でございます。
#33
○江崎委員 これは大臣にはお尋ねしにくいんですが、そうしたときに日本にもいよいよ、これは行政改革を推し進める上にあって、私は、観光大臣といったようなポスト、例えば北海道開発庁、沖縄開発庁といったものを統廃合し、観光庁、観光大臣ポジションといったようなものを考えたらどうかと思いますが、これはよろしいですか。
#34
○亀井国務大臣 これは私の私見でございますけれども、委員御提起のように、我が国の中央省庁の組織のあり方ももうそろそろ制度疲労が来ておる、私はこのように思います。そういう意味では二十一世紀に向けて思い切った中央省庁の統廃合等を実施をしていくべきだ、このように基本的には考えております。
 そうした中で、私の管轄から今観光業をとられますと寂しくてしようがありませんから、それは反対いたしますが、将来の問題といたしましては、私はまさに観光省、その中ではむしろ文化あるいはスポーツ等もきちっと視野に入れたものとして私は編成がえをされていくということが望ましいんではないかな、このように考えております。
#35
○江崎委員 今般、観光旅行の中でも海外旅行は極めて好調と聞きます。当然円高の影響もありますが、これは、随分円が安いころから海外旅行に人気が集中していることは御案内のとおりであります。国内旅行については、海外旅行好調のあおりを受け、そして阪神大震災といった未曾有の天災によりダブルパンチを受けて、これから国内旅行の空洞化とも言われている昨今、現状及び今後の見通しについてどのようにお考えになっておられるのか、また円高の影響以外に国内旅行の不振の原因といったものはどこにあるか、お尋ねを申し上げます。
#36
○亀井国務大臣 一つは、現在国内観光が低迷しておりますのは、一時のバブル経済のもとで推し進められました国内の観光開発、これが極端な形でとんざをしたという一つの後遺症がある、私はこのように思います。
 円高の進行で海外旅行が勢いづくということは当然のことでありますけれども、我が国の中の観光資源といいますか我が国の文化、そういうものもまだまだ、狭い日本の中であっても我々まだ接していない地域、分野が非常に多いわけでありますから、そういうところに、海外だけじゃなくて、国民の方々の関心、目が移行していく可能性は高いと思いますし、運輸省といたしましてもそれを推進をいたしたいと思います。
 ただ単に観光バスで乗りつけて温泉へ入って大酒食らって寝てしまうという、そういうタイプの観光だけではなくて、その地域の文化、人情にしみじみと浸るというようなそうした意味での観光、また家族ぐるみで滞在型での観光も楽しむ、そういうようなことについてのいろいろな諸施設の整備等につきましても努力をしてまいりたい、このように考えております。
#37
○江崎委員 私的なお話になりますけれども、私自身、これから海外旅行と国内旅行、これは旅行者の選択からすると、海外に向けられるのではなかろうか。
 それは私自身も、一年に一回必ず海外研修旅行、そしていま一つは国内研修旅行といって、後援会で、国内ですと、バスを十台も二十台も連ねて行く。そして昨年の四月にハワイ研修旅行を募集いたしました。その折に、二百名の締め切りといったことで募集したところ、何と三百六十名の応募があって、結局飛行機は二便に分けて出かけたわけであります。その折の旅行代金は一人十二万八千円、そしてこの中で、特に予備費を三千円含んでおりますので、実際の旅行代金は十二万五千円であり、四回の朝食、一回の昼食、三回の夕食、そしてホテルはシェラトンですから、ハワイでは一応Aクラスの下といったところです。そうしたところ、消費者は非常によく見ておると思うのです。
 したがって、後援会以外からも多くの皆さんが参加するといったことであったわけですが、昨日、きょうの質問のために、このハワイ旅行を主催しました旅行社に、名古屋−札幌ツアーを四泊五日で組んで、そして札幌ではAランクと言われるホテルで朝食を四回、夕食四回で大体どのくらいの見積もりが出るといったときに、十二万五千円といった数字が出てきた。これはもうとても競争にはならないと。非常に内外格差が顕著になってきたときに、特に国内旅行では、これから相当に業界の皆さんも真剣に取り組まないといけないと思っております。そして、特に運輸省でも、やはり二十一世紀の基幹産業にこの観光産業を持っていく上においても適切な指導が急務かと思っておる次第であります。
 全国旅行業協会の機関誌で、私、大変興味深く拝見をいたしました。これは、東日本旅客鉄道の松田社長、そして現在、明日の内閣の国土・交通担当二階俊博先生、運輸委員会の委員でもあられますが、こちらの対談の中で松田社長がおっしゃっておられること、何といっても長期旅行をこれから国内も手がけなければならないときに、ホテル、旅館で宿泊した場合、例えば一泊目は一万五千円だ、二日泊まったら一万円、三日泊まったら八千円というような価格でバランスをとらないと、旅館に泊まればもう食事がついております、朝食そして夕食がついたときに、かなりこれは料金に上積みされるといったとき、とても日本のホテルや旅館では、長期滞在して、大臣がおっしゃられたように、その地域の歴史や文化をゆっくり見る、また美術館や博物館へ出かけていろいろ楽しんだりするということが、一カ所に滞在しては国内の場合無理ではないかなといったような気もしております。
 そして、特に東北では、コストダウンが必要だといったことで、旅館でもホテルでも素泊まりは幾らかといったようなことに現在取り組んでおる。そして、食べ物はどういったものを食べたらこれだけですといって選択をさせる。今は旅館に泊まればことごとく、もう旅館の言うままの食事が出てきたり、それ以外のものを欲しければ時価幾ら幾らといったものをこちらがオーダーしなければならない。それは当然旅費には含まれておりません。そんなときに、東北の旅館で今話し合っていることは、共同仕入れとか、また東北の旅館八十軒が寄って、シーツや部屋に飾る花、主要な食品はことごとく組合のようなものをつくって対応し、コストダウンを図るといったような努力をしておるといったことを松田東日本旅客鉄道社長がおっしゃっておられること、これは、これからの日本の旅館とかホテルにも非常に必要なことではなかろうかなと思ったのですが、それについて局長から。
#38
○豊田(実)政府委員 国内旅行が非常に停滞しているという状況は統計の上でもはっきりしておりまして、平成六年、暦年でございますが、海外旅行が対前年一二・八%増という増加に対して、国内旅行は九九・〇という、前年に対して一%減とほぼ横ばいにとどまっているという状況でございます。
 国内旅行の不振の原因としてやはり一番のあれは、割高感ということだと思います。これは、今いろいろお話がございましたが、従来の国内旅行というのは、かなり立派なホテルなり旅館を前提にして、また食事もきちんと一定の食事をつけるというようなことが基本にありまして、それを前提に費用といいますか価格が設定されているということでございます。
 ただ、旅行の形態はいろいろ変わってきまして、特に最近個人とか家族、小グループの旅行というものがふえてきまして、その要請内容といいますか、中身も、食に対する好みも非常に多様化しております。
 こういうような多様化に対して、旅館側なりホテル側が十分対応できているかというと、残念ながらまだまだそこに至っておりませんが、この辺については、今お話しのように各地域の関係の方はかなり危機感を持っておりまして、何とかその割高感を解消し、旅行者の好みに合った、選択性の高い旅行をつくり上げるというために地域が一体となって今取り組んできております。
 私ども、観光政策審議会で部会を設けまして、その辺の状況を各地域からお話を伺ったりしておりますが、既にいろいろ試みと申しますか、食事の問題、そのほか泊まれる料金の多様化というようなことで、成功してきているといいますか、長期滞在に向かって動き始めたという地域もございます。
 それからもう一つは、値段だけではなくて、各地域の魅力といいますか、これは海外旅行の場合に、各地域に行った場合に、非常に旅行したという実感が伴うような行事であるとか景観が楽しめるわけですが、残念ながら国内の場合は非常に均一化したというようなことがありまして、これについては再度伝統芸能を見直すとか、いろいろな各地域の特色を生かした食べ物とか行事というものをもう一度構築することによって地域の魅力を訴えたいということで、これについてもいろいろな地域で動きが出てきております。私ども、これらを行政の場でも十分支援していくことを心がけていきたいと思っております。
#39
○江崎委員 これからも円高が長期化すれば海外旅行は順調に伸びていく、一方、国内旅行については低迷が必至と言われておりますが、幾ら海外が伸びたといっても、円高が日本の経済を疲弊させてしまったら、これはすべての業界、特に旅行業界といえども長期展望は決して明るくありません。せっかく、ここ数年の間に日本人の生活スタイルが大きく変わり、レジャー等に生活の重心を移し始めているときだけに、運輸行政の一層の努力を私は願うものでありますが、これについて亀井運輸大臣の御所見をお伺いいたします。
#40
○亀井国務大臣 我が国の国土全体についての交通インフラをきちっと推進をしていくことが、委員御指摘の国内観光業の発展にもすぐ寄与してくることになろうかと思います。そういう意味で、運輸行政、東京、大阪に偏重した交通機関の整備ということは考えておらぬわけでございまして、どんなに批判をされようとも、私どもとしては国土の均衡ある発展を図るための長期的な視点に立った政策を展開をしていくつもりであります。そういう意味で、観光業についても、我々としては、長期的な観点から見ますと、割と簡単に出かけていかれるような状況にしていきたいと思います。
 ただ、先ほども申し上げましたけれども、今までのような、だあっと繰り出して、だあんと大騒ぎして団体旅行で帰ってくる、これもストレス解消にはいいわけでありますけれども、そうではない、本当の意味の心身をいやすというような、そうした地道な観光というのが今後定着をしていく必要も私は一方ではあると思いますので、そのあたりのノウハウ等につきましても各業界とも運輸省一緒になって勉強いたしまして、お手伝いができる点はどんどんしてまいりたい。
 また、陸海空の各交通機関につきまして、今委員が御指摘のような点を配慮しての、運賃の問題もございますし、ただ私は運賃だけのことではないと基本的には思います。そうしたきめの細かい交通機関と観光業者一体となった魅力のあるメニューづくり等も推進をしていくべきだ、このように思いますが、運輸省としても勉強しながら努力したい、このように考えております。
#41
○江崎委員 一層の取り組みをお願い申し上げます。
 私の選挙区に、今国際都市を目指す人口七万の町、犬山市というのがあります。この犬山市は交通アクセスも非常に恵まれまして、名古屋駅から鉄道で二十分、名古屋空港からバスで二十分程度のところであります。特に、ここは城下町で栄えまして、かつて非常に繁栄をきわめておったのですが、ここのところに来て多少スローダウンしたといった地域であります。日本最古の天守閣を誇る国宝犬山城、そして明治時代を代表する建造物を全国各地から移築しました建物の博物館、明治村、いま一つは、これはまだ二十カ国ちょっとかと思うのですが、世界の建造物を集めました野外民族博物館リトルワールドといったものがあり、そして非常に風光明媚な木曽川の日本ライン下り、そうしたまさに観光の町であり、市の財源も決して豊かまではいかないけれども、乏しくない。
 そうしたときに、市当局が、昨年の暮れだったか、犬山市も国際観光都市を目指して国際コンベンション指定都市の申請をいたしておりますので、ぜひお骨折りをいただきたい。早速運輸省の観光部に連絡をしましたところ、一次には恐らく間に合わない、これは一、二の条件が整っていないため、次の選考ではぜひ犬山市も指定都市にしたいといった明るい御返事をいただいたのですが、この国際コンベンション都市の認定される最低基準といったものをお聞かせいただけましたらお願いをいたします。
#42
○豊田(実)政府委員 国際コンベンション、国際会議を誘致するということで、国際会議観光都市を認定するという制度がございます。
 これは当然ながら、まず施設面として国際会議場の施設が必要であるということが第一点、それから、会議に参加する方が宿泊できるような容量の宿泊施設が必要だというのが第二点、これはハード面でございます。
 それからもう一つ、今回大山市の場合に特にお願いしておるのは、その誘致体制といいますか、コンベンションビューローと称しておりますが、いわば県とか地元の商工会議所等が一体となって会議を誘致したり開催する場合の支援をする、あるいは会議場の運営をするとか、そういういわばソフトの面の体制づくりというものを今回特にお願いしておるわけですが、その施設にあわせまして、そういうような具体的な会議を行うに当たっていろいろ支援活動をしたり、情報提供をしたり、運営そのものを切り盛りするという組織をぜひお願いしたいという、以上の三点でございます。
#43
○江崎委員 ただいま局長からお話がありました。よく理解ができます。
 それで、当然犬山市は宿泊施設も非常に整っておりますが、そうしたせっかく手を挙げたところがなかなか運輸省から指定されない。私ども、ちょうど昨年の秋、愛知県では国体が行われましたが、国体で都道府県それぞれの選手団が来まして公民館で地元の人がお世話をする、中には民宿を引き受けましょう、選手団の方どうぞ、多少不自由はあっても一生懸命おもてなしをしますといったことで、市が民宿を引き受けていただけるところへいろいろお願いをしたら、これはもう皆さんが、ぜひ他府県の選手をうちで民宿を引き受けよう、それこそ選手の数が足りなくなるぐらい民宿の希望があったわけであります。
 国際コンベンションといえども、私は海外旅行をしたときに、実際に外国の日常生活になじむ、そういったときに、何もホテルで泊まらなくてもある程度民宿のような、民宿もあったのですが、ドイツに出かけましたときに、ホテルで泊まる者、語学ができる者は民宿を希望すればホームステイでどうぞといったことで、ホームステイを私も希望したのですが、旅行して一番記憶に残るのはその地域の人たちとの触れ合いといったときに、宿泊施設が余り整わないといったようなことでコンベンション指定都市を考えられると、私はまずいのではなかろうかなといった気持ちを持ってなりません。
 国体の選手がいろいろ礼状を書いてくるときに、一宮市の市民の心に触れることができましたといったような大変感謝の言葉があります。一宮はまだ人口二十七万で、東京に比べたらうんと田舎で、当然下水道の完備はまだまだの都市であります。恐らく大阪とか東京から来た選手団には、何だ、下水の完備もしていなかったといったような不満よりも、その地域のぬくもりといったことを一番喜ぶのではなかろうかなといったときに、やる気のある市で国際コンベンションに名乗りを上げたら、これはひとつ寛大に、何か運輸省の指導も必要としながらぜひ認可する方向に向けていただかなければならない、それが本当の国際交流にもつながると思います。
 ただし、市町村に財源が余りにも乏しいようなところは必ず過大負担になってしまいますので、これは見きわめていただくことは結構ですが、ある程度の財政を確保しておる市町村で、下水が完備されていなくても宿泊施設が多少悪くても、民宿でも引き受けようといったような熱意のあるようなところへ、私は国際コンベンション、大いに結構だという考えを持っておりますが、もう一度局長の御見解をお聞かせ願います。
#44
○豊田(実)政府委員 ちょっと前の条件の一つを落としましたが、四番目に観光資源の存在ということで、この場合は犬山市も当然そういう面では充実したものでございます。
 それで、観光資源の存在というのを特につけ加えたのは、今お話しのように、会議そのものというよりは、その前後のツアーを通じて地元とむしろ親しんでいただくという機会が確保できるような場所を私ども期待しているわけです。
 今お話しのように、宿泊施設等いろいろ工夫の仕方があるではないかという御指摘だと思うのですが、その辺、やはり先ほど申しました地元の受け入れ体制といいますか、そういう形を私どもよくお話を伺いながら対応させていただきたいと思っております。
#45
○江崎委員 特に今国会で、運輸大臣所信表明の中でも、先ほど来繰り返しておりますが、「ゆとりある生活にとって観光の果たす役割も重要であることから、旅の総合見本市や「観光立県推進会議」の開催、観光基盤施設の整備に取り組むほか、連続休暇の普及・拡大や充実した休暇を過ごすための環境の整備に努める」といった決意を述べられております。
 既に観光立県推進会議とか旅の総合見本市のお話がありましたので繰り返しませんが、特に私、一昨日ロ本経済新聞を見まして、運輸省がいろいろ観光旅行、観光産業振興の方針を打ち出されました。大変結構なことであると同時に、末尾に、このゴールデンウイークの国内、国外の旅行者数、前年を上回っておるといった記事を見ましたときに、非常に心強く思った限りであります。
 やはり日本人も、今まさに一人一人が心の豊かさとかゆとりといったときには旅行が欠かせない、私は必須条件がと思うときに、そろそろ長期バカンスといったようなものについて、運輸大臣も先頭に立っていただいて、労働省とも、時には文部省、学校もございますので、話し合いながら、こうしたことにぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、その点について大臣の御見解をお願いいたします。
#46
○亀井国務大臣 委員御指摘のとおり、世界的にも長期バカンスというのはますます定着をし、拡大をしておると思います。ただ、年がら年じゅう休みをとって遊んではかりおっては国家はもちませんから、それも一定の限度の中であろうと思いますけれども、日本の場合はまだまだ長期のバカンスを取り入れ、拡充をする余地があるといいますか、今から努力をまだ日本はずべき段階である、このように思います。今度海の日も制定をされましたけれども、ああした祝日だけでなくて、長期休暇をそのあたりを含めて前後に思い切ってとっていくということについて、後ろめたさを感じないような制度的なものも考えていいんではないかな、このように思っております。
 なお、先ほど委員から国際コンベンションセンター等、田舎にも設置しようというようなお話がございましたけれども、先ほども申し上げましたように、何も都会が世界の国々の観光客を受け入れる主軸でなければならぬということはないわけでございまして、愛知県の田舎であろうと広島県の田舎であろうと、やはりそういうところで世界の方々が日本の人情に接していただく機会をつくるということも私は非常に大事だ、このように考えております。
#47
○江崎委員 もう時間が参りましたので結論に向かいたいと思います。
 我々が、国民が特に豊かさや心のゆとりといった実感をできる社会に観光とか旅行といったものは非常にこれからも効果的であり、大きな役割を果たすものといよいよ私は確信する次第であります。そうしたときに、ぜひひとつ、運輸省のさらなる御理解のもとに、観光産業振興はこれから運輸省の政策の中でも最も重要な政策の一つに挙げていただきたいということであります。
 特に、ただいまも大臣からお話ございましたが、戦後五十年経過した今日、国の復興に真剣に取り組んでこられた世代の方の一部には、観光とか旅行というと、多少軽く軽薄に受けとめられる場合が往々にしてあるのではなかろうかなと。
 これも、私が絶えず指導いただいております明日の内閣の国土・交通担当の二階先生から、江崎君、観光といった意味、特に中国、儒教の古典、易経の中で、「観光」とは「国の光を観る」、この言葉の意味するところは、一国の王たる者は諸国の輝かしい文物を視察して回るべし、あるいは王たる者は自国の威光を発揚し顕示するべしとあり、これらの行為を指して「観光」と称し、また「国の光を観るは王に賓たるによし」、これは一国の風俗の美を見ることによってその君主、その指導者の徳というものが最もよく察知され、そして輝くばかりに徳の盛んな国を見ては、その君主に仕えることを願わずにはいられないといった語源をよく理解するようにといったことを聞かされましたとき、私どもは、観光といったこの意味をもう一度深くかみしめなければならないと思う次第であります。
 観光産業の振興に努めなければならないと再認識をするときに、特に運輸大臣は苦学をして今日があるといったことをいろいろなところでお聞きいたしました。大臣は、この観光といった語彙、どんな受けとめ方をしておられるか、同時にこれから観光産業に特にどのように力を入れて取り組んでいただけるか、そうした質問をさせていただきます。
#48
○亀井国務大臣 私は明日の内閣の二階大臣ほどの学識がございませんので、そうした高邁なことはよくわからぬわけでありますが、何度も申し上げておりますように、観光は、やはり一時的にストレスを解消するためのどんちゃん騒ぎ的なものももちろん私は必要だと思いますけれども、本当の意味、生まれた日本の過去の歴史あるいは文化、風物、人情、そういうものに、狭い生まれ育った土地だけじゃなくて、広く日本じゅうのそうしたものに触れていくということがやはり日本人としての幸せな一生を送る一つの要件ではないかな、私はこのようにも思うわけでもあります。
 また、そうしたことの中で、国家としての一体感、国民としての一体感というのも醸成をされていくわけでもございますし、外国との関係でも、お互いに相互理解、言葉の上、書物の上で言ったところで、これがきっちりと根づくものじゃございません。やはり具体的な交流をして、お互いに肌を接していくという、妙な意味じゃございませんけれども、そういうことが私は極めて大事だ。
 そういう意味で、観光産業というのは、観光業をただ形式的に繁栄をさせて、観光業者がもうけていけばいいというものではない。もちろんそれも大事でありますけれども、やはりそうした文化的な我々の営みの上において不可欠なことであるということをきっちりと認識をして観光行政を進めていくべきだ、このように考えております。
#49
○江崎委員 ぜひひとつ、これからも観光産業に十分取り組んでいただきますように。
 それで、本来なら私の質問を終わらせていただきますところ、ちょうど土坂航空局長お出かけいただきました。質問の中には入っておりませんので、簡単で結構であります。
 あすでちょうど一年を迎えます名古屋空港における中華航空機墜落事故について、運輸省の事故調の結果が、かなり進んではおりますが、航空機事故で、要するに機体が悪かったとか操縦ミスであったといったことはなかなか決めつけることができない状況にあることはよくわかるのですが、随分遺族側が事故調査委員会にいら立ちを感じておるといったことを聞いております。
 したがって、できる限り、人為的ミスであったのか、機体が完全でなかったかとかいったことを早く遺族側に言っていただかないと、ちょうどきょうの朝、名古屋から東京に向かうときの、朝日新聞ですけれども、いよいよ遺族会連絡会がエアバス社そして中華航空に対して一億円の慰謝料をこれから請求する、六月にも賠償請求を提訴する構えといったことでありますが、こうしたときにも、やはり旅行でそれぞれ旅行業者が当然中に入っておる団体もあるときに、いろいろな不平不満が旅行社に随分寄せられておるといったことであります。
 先ほど来、特にこの旅行業者は中小企業が圧倒的に多いときに、なかなか運輸省の事故調の方で結論づけがなされないと、すべてそれが旅行社にも降りかかって非常に今苦しい思いをしておるといったような旅行社からのお話もありますので、できる限り早く運輸省で、どの程度人為ミスであったのか、それとも機体に欠陥があったのかといったような結論を出していただくことを願いまして、私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#50
○井上委員長 福留泰蔵君。
    〔委員長退席、緒方委員長代理着席〕
#51
○福留委員 新進党の福留泰蔵でございます。
 旅行業法の改正に関連いたしまして質問をさせていただきます。さらに関連して、観光産業の振興という観点からも何点かの御質問をさせていただきます。
 新しい世紀を前に今求められておりますのは、先ほど来いろいろ議論があったところでございますけれども、ゆとりと豊かさを実感できる社会をつくることであります。そのために、観光産業の振興というものは不可欠であります。また、旅行業者を中心にホテル、運輸、リゾート施設といった多様な業者で構成されます観光産業は非常にすそ野が広く、二十一世紀には国内最大の産業になるとも言われております。旅行業法の改正は十三年ぶりとのことであります。旅行会社の取扱総額が年間十兆円に迫るなど、旅行市場が拡大している中での久しぶりの改正であります。
 私は、今回の改正が新しい余暇時代に対応し、観光産業の振興につながるのか、また消費者を保護することになるのか、さらに旅行業者、特に中小業者の保護に配慮がなされているのか等の視点から、幾つかの質疑をまず行わせていただきます。
 まず、同僚の委員の質問と重複しているところもございますので、割愛させていただきながら質問を進めさせていただきますけれども、先ほどの質疑の中でも、今回の旅行業法の改正の背景については、旅行をめぐる環境変化の中で、第一に、消費者保護、第二に、参入の緩和を含める規制の見直し、この二つの目的があるというふうな御説明がありました。そしてさらに、旅行業の現状と課題については、これまで旅行業問題研究会において検討がなされてきた、そして、その成果が今回の改正に盛り込まれたというふうに理解しているわけでございますけれども、国内旅行、海外旅行の振興、観光産業の振興という観点からしたときに、今回の旅行業法の改正は、それを阻害することはないと思うわけでございますけれども、プラスの効果として、具体的にどのような効果が見込まれるのか、まずこの点についてお伺いしたいと思います。
#52
○豊田(実)政府委員 今回の改正のポイントとして、旅行者が安心して旅行を楽しめる、その制度をきちんとしようということで、主催旅行について規制を強化するということが一つございます。ただ、一方で、海外旅行というのはかなり普及してきたといいますか、先ほど御指摘がありましたように、値段の点でも国内旅行とそう変わりのない状況が出てきて、気軽に楽しめるという背景がございまして、そのために、やはりそれを受ける窓口といいますか、販売業にかなり幅広く対応していただくということで、企業の参入というものをより容易にしたいということで、規制の見直しをしております。
 第一の主催旅行についての責任関係を明確にするということは、旅行というのを皆さん日常生活で非常に高く評価といいますか、従来住宅問題というのが非常に関心事であったわけですが、今、旅行をするということが第一の関心事であるという調査結果もありますが、そういう旅行に対する意欲をきちんと受けとめるためには、何よりもやはり安心して旅行を申し込めるという状況を確立する必要があると思います。今回の改正は主催旅行を中心にした、旅行のトラブル防止という効果が期待できますので、その意味で、旅行振興というものに大きな寄与をするのではないかと思っております。
 それからもう一点の、販売窓口をふやすといいますか、多様化するというようなことで、これも身近で海外旅行を購入できるというようなことから、旅行全体を振興できるのではないかというふうに考えております。
#53
○福留委員 今回の旅行業法改正の主な内容として、一つ、登録制度の見直し、二つ、営業保証金制度の改善等、三つ、旅行業者の業務の適正化、四つ、旅行業協会の業務の充実等、及びその他から成っているわけでございますけれども、まず一つ、登録制度の見直しという観点から、今回の改正では、国内主催旅行業の資産額が、今まだこれから検討されるということですけれども、従来の三百万円から七百万程度に引き上げられることになっているようでございます。
 トラブルが依然として発生しておる主催旅行について、国内旅行主催者の資産額が引き上げられることにつきましては、消費者保護という観点から理解できるものでありますけれども、中小旅行業者の立場からしますと、所要の一定の経過措置が必要ではないかと思うわけでございますけれども、この点について運輸省のお考えをお尋ねしたいと思います。
#54
○豊田(実)政府委員 今回、資産の額として、現行三百万というのを、国内の主催旅行の場合は七百万という水準に持っていきたいというふうに考えております。ただ、今御指摘のように、中小の事業者にとってこの金額を一挙に増加するということについてはいろいろ問題もございますので、私どもとしては、当面、三年ぐらいはその間の五百万という金額で対応したらどうかということで検討しておるところでございます。
#55
○福留委員 次に、営業保証金制度の改善の件でお伺いいたします。
 この営業保証金制度の改善については、営業保証金によって担保される債権を消費者優先にしたことは評価できるものであります。
 そこで伺いますけれども、まず、営業保証金はおおむねどの程度に設定するつもりなんでしょうか。大幅な引き上げというのを心配しているところでございますけれども、その点どうか。そして、営業保証金の算定を取引額ベースに変えることによりまして、事業者の負担がふえることにならないかと心配するわけでございますけれども、この二点について、あわせてお尋ねいたします。
#56
○豊田(実)政府委員 営業保証金の具体的な金額は現在検討しておるところでございますが、取扱金額として、例えば七十億円程度という事業者については七千万の営業保証金というような、率といいますか、水準で考えております。
 この金額を決定するに当たりましては、従来、いろいろトラブルを起こしたケースがございます。そのときの債務の金額、その実態調査を前提にして、その旅行の取扱金額どこのいざというときの営業保証金の額というようなものをチェックして、今申し上げたような金額が一つの水準になっておるわけです。
 一方で、今回、営業保証金の算定の基礎として、従来営業所の数でその額を決定しておったわけですが、営業所を設けなくても、マスコミ等の宣伝で一般的な申し込みをするということで、かなり取扱金額が多い事業者が出現しております。そういう事業者が、例えば、万一何かトラブルがあった場合に営業保証金が十分でないというようなことを避ける意味からも、営業所の場所の数ではなくて、扱っている金額に対応した営業保証金ということを今回の制度としては改正したわけでございます。
#57
○福留委員 次に、旅行業者の業務の適正化という観点からお尋ねいたしますけれども、今回、国内主催旅行業者の責任が強化されることになるわけでございます。主催旅行責任の強化は、先ほど来申し上げているとおり、消費者保護という面から評価できるわけでございますけれども、例えばトラブルの原因が旅行会社ではなくして旅館、ホテル等にある場合は、最終的な責任はだれが負うのかということがあるわけでございますけれども、この点についての見解はいかがでしょう。
#58
○豊田(実)政府委員 トラブルの原因そのものがいろいろなケースがございますが、今お話しのように、旅館側にいろいろ責任があって旅行内容が不完全なものになったというケースを想定した場合でございますが、今回、こういうケースについても、主催した旅行会社がまず第一次的に旅行者に対していろいろ金銭的な給付等の責任を負うという体制にしております。これはあくまで旅行者、利用者を保護するという観点から、窓口としては旅行会社が一手に引き受けるということでございます。あと、具体的にトラブルが発生した旅館とその旅行会社の間は、別途請求関係が生じるということで、あくまで利用者との関係では旅行会社が前面に出るということを前提にしております。
#59
○福留委員 旅行業務取扱主任者の職務が今回重点化されるわけでございます。それに伴って、その主任者試験の内容の見直しということも必要だと思うわけでございますけれども、この検討をなされる予定があるかどうか、お伺いしておきたいと思います。
#60
○豊田(実)政府委員 主任者というのは、従来旅行業全般の管理監督というような観点も含めて対応させていただいておるわけですが、やはり主任者というのは、個々の取引において大きな役割を果たすといいますか、利用者との関係で、その旅行内容を説明したり最終的なトラブルの窓口を引き受けるということで、主任者制度を確立していきたいと思っております。
 そういう意味で、従来の一般的な常識的な知識とかあるいは語学とかいうような観点よりは、むしろ契約そのもののいろいろな法令とか約款、こういうものの知識を重点に試験内容を見直していきたいというふうに考えております。
#61
○福留委員 次に、今回の改正の中身の一つの柱であります、旅行業協会の業務の充実という点についてお尋ねしたいと思います。
 代理店等の違法行為などに対して、旅行業協会による指導ということが今回考えられているようでございます。その旅行業協会への加入状況というものは、先ほど来の質疑の中でも御答弁があったとおり、かなりの比率まで加入されているという実態はあるようでございます。各種ノウハウを持つ旅行業協会による指導の必要性というものは理解できるところでございますけれども、まず一義的には運輸省が監督を十分行うことが基本だと思いますが、この点いかがでしょうか。
#62
○豊田(実)政府委員 旅行全体、利用者との関係も含めまして秩序ある状況を維持するということで、利用者が安心して旅行を楽しめる環境整備という点では、この旅行業法を中心として行政側として対応する場面が多いと思います。
 ただ、私ども、先ほど来から旅行業協会という存在について大きな役割があると申しましたのは、旅行事業者、その代理店も含めましてかなり数が全国的に多いということと、利用者の数が非常に多いということで、その場合に、トラブルを国側が全部吸収して個別に対応するというのはかなり限界があるというようなことで、協会にまずその持っている機能といいますか知識、経験を十分生かしていただきたいということでお願いをしておるところでございますが、御指摘のとおり、最終的な責任といいますか、今回の旅行業法の改正の目的を達成するために国としてきちんと対応するという必要があると考えております。
#63
○福留委員 今回、今申し上げたとおり、旅行業協会に新たに社員外に対する指導及び苦情処理を行う業務が追加されたわけでございます。先ほど同僚委員の質疑の中で、旅行業協会と運輸省の連携、協力が必要ではないかという質疑がなされ、それについての答弁があったわけでございます。行政処分の権限を有する運輸省と旅行業協会の適切、円滑な連携というものは必要だと認識しているところでございまして、これも今後とも積極的に推進していただきたいと思いますけれども、今回新たにこの旅行業協会に付加された業務に対する財源の確保という観点から、運輸省としての支援策が必要ではないかとも私は考えるわけでございますけれども、この点についての御見解。
 そしてさらに、旅行業協会については、日本旅行業協会と全国旅行業協会の二つの社団法人があるわけでございますけれども、これは、従来の旅行業登録種別でありました一般旅行業と国内旅行業が両者を分ける根拠になっていたと聞いております。今回の改正によりますと、それが一本化して単に旅行業となったわけでありまして、二つの協会を分けていた旅行業の種別が統合されるわけでございますので、協会がこれからどうなるのかというのが単純な疑問として提起されるわけです。
 そこで伺いますけれども、今後ともこの二つの協会が競争しながら旅行業界の健全な発展のために存続していくものと考えればいいのかどうか、これもあわせて見解を伺いたいと思います。
#64
○豊田(実)政府委員 旅行業協会と私ども行政側といろいろな場面で共同して事業を推進してきましたし、これからもその取り組みについては従来以上に密接な連携の上でやっていきたいと思っております。財源等の問題あるいは具体的な制度の運用というような面でいろいろこれから工夫していかなければならないと思っておりますが、先ほど触れましたように、両協会とも加入率はかなり高い率になっておりまして、そういう意味では、プラスアルファのトラブルといいますか、相談事業は、ウエートとしてはそう多くないのではないかと思っております。
 また、二つの協会の役割と申しますか、お話しのように、従来、日本旅行業協会が海外旅行を含めた旅行全般の業務の実績ということがあるわけですが、一方で、全国旅行業協会の方は中小の事業者を対象に、特に国内旅行というものを中心に業務の実績を重ねてきております。今回の法律改正で、その両協会の会員の資格制限というものは旅行業一本ということで特になくなったわけでございますが、従来からそれぞれ協会が経験を積み重ねてきた分野、特性がございますので、それぞれの会員のもとで、両協会ともその得意な分野を生かして、今後とも私ども行政と一体となって取り組んでいただけるのではないかと考えております。
#65
○福留委員 以上で今回の旅行業法改正に関連する質疑をひとまず終了させていただいて、観光産業の振興という観点から、関連して引き続き質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、円高問題でございます。
 これも先ほど来質疑のあるところでございますけれども、近年の円高傾向で、国内観光の空洞化というものが非常に懸念されているところでございます。また、ここのところの円高の急騰というものは甚だしいものがあるわけでございます。この円高というものは、観光産業という観点からどのような影響を与えていくのか、円高が将来的にプラスになるのかどうか、運輸省の認識、さらにその円高に対する観光産業という観点からしての対応策、ございましたらお伺いしたいと思います。
#66
○亀井国務大臣 円高がこのような形で急激に進行するということは、経済にとって極めて重要な、深刻な影響を与えるわけでございますから、我々といたしましては、アメリカ初め各国の協調を得ながら、これの改善をやらなければならないという基本的な立場で今いろいろと対策を講じておるわけでございますけれども、この問題につきましては、いろいろな側面もあろうかと思います。
 ドルという基軸通貨の信用、価値、これが極めて急激に低下をいたしておるということは、アメリカにとりましても、長期的に見ればこれが極めて深刻な問題にならざるを得ないということであろうと思いますし、基軸通貨国としてドルをどんどん印刷をして、ばらまいて、基軸通貨国としてのだいご味をいつまでも有頂天になって味わっておるわけには私はいかないだろう、このように思います。
 そういう意味では、我々としては、アメリカに対して、思い切ったドル高への誘導をしていないことについての反省を強く求めたいと思いますし、また日本としては、そうした国際的な理解、協力を求めながら、しかし独自でやれることをこの際思い切ってやらざるを得ない。円高の影響を回避するには、我が国独自でやることといいますと、御承知のように、外需を内需に振りかえるということでありますから、これを今第一次補正に向けて、十五日に提出予定にしておりますけれども、これの中身で勝負をしたい、このように一つは考えておるわけであります。
 円高というのは、別な面では円が強くなっていくことでございますから、長期的にはこれが日本経済の体質にとってプラスになっていく面もあるわけであります。将来は円が国際基軸通貨として成長をしていく一つの産みの苦しみというような点も一面では私はあるのではないか、このように思うわけでございます。しかし、その産みの苦しみの中で、我が国経済が死んでしまっては元も子もないわけでございますし、中小企業がこれで破局的な局面に立ち至ってもいかぬわけでございますので、観光業を含めて、短期的なそういう対応をどうとっていくか、これが一つのポイントであろうと思います。
 観光につきましては、外国への観光はほっておいても自然とふえていくというような傾向にあるわけでございますけれども、国内観光をどういう形で振興していくか。中小の観光業者、旅館、ホテルを含めて多いわけでもございますし、国内の観光業者もまた零細が多いわけでございますから、このあたりに対して細かい、金融支援等を含めまして思い切った対応をとってまいりたいと思います。うちの方に観光部もあるわけでございますので、それぞれの業界の方々から、遠慮は要りませんので、細かい相談を持ち込んでいただければ運輸省として全力を挙げていろいろお手伝いをし、御支援もしてまいりたい、このように考えますし、先ほどの江崎委員の御質問にもお答えをいたしましたけれども、日本における観光というのが、ただ金もうけのための産業という次元だけではなくて、もっと深く豊かに、国民生活にとって不可欠な分野として発展をしていくためのいろいろな、各地域における施設の整備なり、そうした問題につきましても細かい対応をしてまいりたいと思いますので、委員の方からもまた具体的にいろいろと御提言を賜ればこなしてまいりたい、このように思っております。
#67
○福留委員 まことに前向きの御答弁、ありがとうございます。
 今の大臣の御答弁をお伺いして、そのとおりだなと思う部分と、やはりもう少し認識として、アメリカだけに何か頼るというふうな姿勢よりも、大臣の方も、国でやるべきことはきちんとやらなければならない、そのためにも第一次補正できちっとやるというふうな御答弁だったと思うわけでございますけれども、私どもとしては、その第一次補正部分も含めてもっとさらに積極的な円高対策というものを、海外旅行という面でも観光産業という面でも積極的に行っていく必要があるのではないかと思っております。
 新進党は、四月十八日に、「円急騰に関する当面の緊急措置」というものを発表いたしました。今大臣の方からも、私どもの意見があれば積極的に取り入れていただけるという前向きの御答弁がありましたので、せっかくの機会でございますので、私どもの提言をさせていただきたいと思います。
 この「円急騰に関する当面の緊急措置」の中で、規制緩和の推進、円高差益の還元をするべきだという項目があります。その項目の中の一つに、海外旅行の促進を積極的にやっていくべきだ、具体的には「海外旅行促進キャンペーンの実施、長期休暇の取得の推進、姉妹都市間の交流等の草の根交流の推進、地方からの出国率の向上等に取り組む。土産に対する課税を撤廃する。」
 以上、具体的な提言をしているところでございます、せっかく大臣からもこちらの意見をということでございましたので、この提言をさせていただきますけれども、この点についての運輸省の見解をお伺いしたいと思います。
#68
○豊田(実)政府委員 海外旅行の促進ということが非常に重要だということは、私ども再三お話し申し上げておるところでございますが、外国との相互理解をより深めるという意味と同時に、国際収支のバランス改善という面でもこの海外旅行というのは非常に大きな役割を果たしているというふうに考えております。
 細かい数字になりますが、平成六年の暫定値でございますが、旅行収支の赤字というのが一年間で三百五十二億ドルという赤字でございます。貿易収支の黒字というのは千二百九億ドルですので、約三割というような規模になっております。こういう面で、我が国の国際収支のバランス改善というような点で、この海外旅行を促進するということは大きな課題だと思います。
 今いろいろ御提言のあった事柄につきまして、私ども、今回の旅行業法の改正を基本としまして、関係協会等と十分連携しながら対応をしていきたいというふうに考えております。
#69
○福留委員 前向きの答弁、大変にありがとうございます。
 先ほどの大臣の答弁の中でも、私は、円高問題というものは、これは直近の問題としても国内産業に大変大きな影響を与えるだろうと思っております。国内観光旅行の中でも、中小の旅行業者の方々に与える影響というものほかなり大きなものがあるのだろうと思います。大臣の方から、先ほど答弁の中で、この国内観光への金融支援についても積極的に行っていくというふうな御答弁がありました。ぜひともその点の推進の方をよろしくお願い申し上げておきたいと思います。
 続きまして、観光産業という観点から、阪神の大震災のことについて何点がお尋ねしたいと思います。
 一月十七日に阪神の大震災が起きたわけでございますけれども、大変な被害が起きたわけでございます。今回の阪神の大震災による観光面での影響という面で、直接的な被害、また間接的な被害というものがいろいろあったのだろうと思います。その影響の実態について、まずどうなっているのか、お伺いしたいと思います。
#70
○豊田(実)政府委員 一月に発生しました阪神・淡路の大震災でございますが、直接阪神・淡路地区でホテル、旅館がかなり被災を受けております。全体の数を申しますと、百十四軒ございますが、そのうち登録ホテル、旅館の関係では九十八軒が被災しているという状況でございます。また、本日議題となっております旅行業の関係でございますが、旅行業者のうち、当該地域で全体で百九十三事業者ございますが、六十三社、八十二営業所が被災しているという状況でございます。
 当然ながら、全体として旅行需要というのが減少したわけですが、資料として一番手元にある資料で二月分の取扱額、これは大手の旅行業者五十社で調べておりますが、国内旅行で七・六%減、それから海外旅行で五%の減ということで、これは全国ベースでございますので、阪神地域、淡路地域に限定しますと、この現象はもちろんもっと大きい数字になると思います。ただ、その後、交通機関が次々と回復してきておりますので、今後はこの辺の状況はもっと需要がふえてくるのではないかと考えておりますが、被災直後の状況を今御紹介したわけでございます。
#71
○福留委員 今回の震災では、今御説明があったとおり、観光への影響というものは大きなものがあったわけであります。しかし、その観光の重要な要素であります交通機関、それから文化財等の観光資源及び旅館、ホテル等に対する復旧支援策も行われているところだと思いますけれども、その支援策と、そしてさらにその復旧状況についてお尋ねしたいと思います。
#72
○豊田(実)政府委員 いろいろな観光施設がございますが、神戸市のケースで見ますと、既に被災した観光施設の約七割が営業再開あるいは近々に再開するという状況になっております。
 また、ホテル、旅館の宿泊施設でございますが、こちらにつきましても、神戸市の状況でございますが、約八割が営業再開あるいは近く再開するという状況になっております。
 御案内のように、山陽新幹線、四月八日から開通しておりますが、いろいろな交通施設につきまして今後も復興の努力をしていきたいと思っております。
 また、具体的に阪神・淡路地区のいろいろな支援対策を検討するということで、地元の関係者も含めまして復興対策協議会というものを二月以来既に三回開いております。この協議会を通じまして具体的な情報を全国に提供するとか、あるいはこの間四月に行われました旅フェアで阪神・淡路地区のPRを特にコーナーを設けて実施するとかいうようなことを通じて、阪神・淡路地区の活性化といいますか、再度大きな人の流れを受け入れるという方向で今取り組んできておるところでございます。
#73
○福留委員 今回、旅行関係の業者もかなりの被災を受けたわけでありますけれども、具体的な金融支援策というもの、先ほど大臣は、円高問題に対しても金融支援策を積極的に考えていきたいという御答弁がありました。特に観光産業の場合は、直接被害もさることながら、間接被害がかなり大きいものがあるのだろうと思います。これは、二次産業等の物をつくる産業と事柄の性質が違うわけでございまして、被害の定量化が困難であるとか、また因果関係の特定も困難な場合が多いと思うわけでございます。
 今回の観光産業、また旅行業者等の被災された業者に対する金融支援策について、特に間接的な被害に対する支援策について、きょうは中小企業庁来ていただいておると思いますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。
#74
○名尾説明員 御説明申し上げます。
 阪神・淡路大震災に対する中小企業の金融対策といたしましては、被災中小企業者に対して政府系金融機関の融資の特例措置、あるいは中小企業信用保険の付保限度額の特例措置を講じているところでございます。さらに、被災地以外の中小企業者につきましても、いわゆる間接被害者でございますが、被災地に事業所を有する企業と一定以上の取引がある場合には、政府系中小企業金融機関において融資の特例措置を実施しているところでございます。特に、担保が不足している中小企業の場合におきましては、政府系中小企業金融機関の貸し付けにおきましては、中小企業の個別の事情により弾力的に対応しているところでございます。
 今申し上げました措置は震災関連の特例措置ではございますが、これらの措置以外にも、政府系中小企業金融機関におきましては一般的な貸付制度がございまして、いろいろな中小企業の資金ニーズにこたえられる体制が整っていると思っております。
 いずれにいたしましても、今後とも中小企業の実情に即してきめ細かな対応を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
#75
○福留委員 私も今回の阪神の大震災で被害を受けられた業者の声も幾つか耳にしているわけでございますけれども、今回は、政府の金融支援策の一つとして、今まで適用していなかった間接被害に対しての支援策が行われたということは高く評価していいのたろうと思いますけれども、実態的には、先ほど申し上げたとおり、こういう観光業のような因果関係の特定が難しい、それから被害の定量化が難しいものについては、なかなか現実的には難しい実態があるようでございます。大臣は先ほど、円高問題についても積極的な支援をされていかれるというお話がありましたけれども、円高問題については、間接的という意味ではより一層困難な状況があるんじゃないかと私は思いますけれども、ぜひその支援策についてはよろしくお願いしたいと思います。
#76
○亀井国務大臣 震災対策ももちろんでありますけれども、先ほども申し上げましたように、円高対策について我が国政府として独自にやれることは徹底的にやるということで、現在、観光業だけでなくて中小企業全般について、金融面に対しても万全な措置を今とろうとしております。
#77
○福留委員 ぜひとも万全の支援策をお願いしておきたいと思います。
 関連でございますけれども、震災の復興対策の一つとして、先ほどの御答弁の中にもありました山陽新幹線については四月八日から再開をされたということでございます。これは当初の予想よりも早く運転再開できたということでございまして、関係各位の努力に敬意を表するものでございます。JR西日本は四月八日から時速百七十キロの徐行運転で再開しております。二十二日からはひかり号の通常運転速度であります時速二百三十キロに復帰し、連休前にはのぞみ号の通常運転速度であります二百七十キロを実施する予定と伺っております。
 実は、震災前から、神戸市西区の長坂トンネル西口付近では、「のぞみ」の衝撃波が原因と見られる振動で家屋にひびが入るとの沿線住民からの訴えがありました。この訴えによりまして、本年度中に衝撃波を逃がす空気穴の緩衝工を設置する予定になっております。そんなところに今回の震災が起きたわけでございますけれども、今回の震災でも家屋の壁や土台に亀裂が入るなどの打撃を受けたことから、地元住民からは徐行解除への不安の声が出ております。新幹線の運転再開に当たりましては、安全面の検討を十分に行うことは当然のことであります。その安全も、車両の走行安全もさることながら、周辺環境への安全考慮は不可欠だと思うわけでございます。
 実は、本日、JR西日本は沿線住民への説明会を予定しているようでございますが、のぞみ号の時速二百七十キロ走行に当たっては地元住民の理解を踏まえた上で実施すべきと考えますけれども、運輸省の見解を伺いたいと思います。
#78
○亀井国務大臣 いつも申し上げておりますように、交通機関にとっては安全が第一でございます。ちょっと前までは人情はかこに乗ったり歩いておったわけでありますから、利便性を追求することは当然でありますが、その前提は安全であることであると思います。
 そういう意味で、JR西日本の開通につきましても、私どもとしてはタイムテーブルをつくらせなかったわけです。いつ開通をする、それに合わせて工事をやるということはさせなかったわけでございまして、徹底的な安全チェックを自主的にやった上で、さらに運輸省それから検討委員会の厳重な検査を受けて、それで大丈夫だということで初めて運行を許可をするということでやってまいったわけでございます。
 今そういう形で運行再開をいたしておりますけれども、のぞみ号を初め、スピードを競うだけが交通機関の生命ではございません。飛行機のような極めて高速なもの、新幹線のような中速、それぞれ存在意義があるわけでございまして、極端な高速性をねらうということであれば、これは全部飛行機に切りかえればいいわけでございます。
 そういう意味では、JR西日本の「のぞみ」の運行につきましても、委員御指摘のように安全性をきちっとチェックをしながら前へ進んでいく、しかも、今御指摘のありましたような、そうしたトンネル付近でのいろいろな御意見等があれば、それを謙虚に率直に受け入れて、それについての調査対応等をきちっとやっていく、また、住民の方々にもきちっと説明をして御理解を得る中でこうした問題は前へ進めていくという形でやらせておることを御理解を賜りたいと思います。
#79
○福留委員 非常に前向きの御答弁、ありがとうございます。地元の沿線住民の方々も、今の大臣の御答弁をお聞きになれば心強く思われるはずでございます。大臣がおっしゃるとおり、この区間だけを徐行運転したとしても、私の聞くところによると二、三分のおくれで済むのではないか、その二、三分もひょっとするとほかのところでカバーできるのではないかと言われるぐらいのものでございますので、JR西日本がここの二百七十キロ走行にこだわるということかどうも理解できないという住民の声がございます。どうか沿線住民の合意を得た上で二百七十キロ走行を許可、認可されるように、もう一度申し上げておきたいと思います。
 時間も残り少なくなってまいりました。観光産業の振興という観点から、交通手段の一つとしてもう一点、お伺いしておきたいと思います。関西空港の件でございます。航空局長お見えで、ありがとうございます。
 関西空港が二十四時間空港として内外の大きな脚光を浴びて、旅客、貨物のターミナルとして役割を果たしていただいておりますが、二十四時間空港らしいサービスの面で、例えば、緊急、応急の医療の対応、電話、ファクス等、国際空港の名にふさわしい二十四時間サービス体制が整備されているのか、またこれから整備しようとされているのか、この点についてお伺いしておきたいと思います。
#80
○土坂政府委員 関空の救急医療体制でございますが、あのターミナルビルの中にクリニックがございまして、お医者さんが二十四時間常駐していただいております。仮に急患が出た場合には、そのお医者さんにまず現場に駆けつけていただきまして、その現場で必要な処置をとっていただく、その上で、医者の指示を受けて救急車で最寄りの病院へ運んで本格的な手当てを受ける、こういう体制になっておりまして、救急車につきましては、消防署の分室が空港内にございまして、これも二台、二十四時間体制で常駐をしていただいておる、こういう状況でございます。
 他方、ファクス、電話等のサービスでございますが、これはやはり空港ターミナルビルの中にビジネスセンターというコーナーがあるのですが、その中で、これはビジネスマンの便宜ということで、例えばワープロであるとかコピー機であるとかタイプライターであるとか、そういったものと一緒に、まあ電話もそうでありますが、ファクスも置かれておる、こういう状況でございます。
 たた、ファクスは現在のところ一台でございますので、ビジネスマンに限らず広く御利用いただくわけでございますから、この点はこれからのお客様のニーズというようなものも考えまして、一層充実していただくように関空会社を指導していかなければならないというふうに考えております。
#81
○福留委員 まだまだ不十分な部分も認識しておられるようでございますので、関西空港が二十四時間空港として十分な機能を果たされるよう、今申し上げた点についての整備等をよろしくお願いしておきたいと思います。
 質問の最後の締めくくりとさせていただきたいと思いますけれども、きょうは旅行業法の改正という問題に関して質疑させていただき、さらにこれからの観光産業の振興という形で何点かの質疑をさせていただきました。観光という問題については運輸省の一部局が担当するものではないと思うのでございますけれども、各省庁がかかわるさまざまな問題があるのだろうと思います。観光産業の振興のためには、観光の分野に関係する、例えば運輸省とか農水省とか郵政省、厚生省等々の各省庁がより一層連絡協力し合うことが必要だと思うわけでございます。
 そういう観点から、先ほどの質疑の中でも観光省みたいなものの設立というお話がありました。大臣も将来的な可能性として、その方向についてのあるべき姿であるというふうな御見解が示されたわけでございます。将来的には省というような形も考えられると思いますけれども、まず当面の問題としては、各省庁間における連携というものを考えていく必要があるのではないか、そういう場が必要ではないかと考えますけれども、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。
#82
○亀井国務大臣 観光部を中心に現在観光政策を展開しているわけでございますが、委員御指摘のように、狭い意味の運輸省の縄張りの中で、現在もこれは推進できるものではございません。そういうことで、各省庁とは実態的には非常に細かい連絡をし、協力をいただきながら、また他の省の仕事としてやってもらうものはやってもらうということの中で現在進めておるわけでございます。これは、我が国の行政事務がきちっと縦割りに、これは何も観光だけではございません、すべて縦割りにきちっとおさまっていくものではございませんので、観光部を中心にそうした努力をいたしておるところでございます。一層頑張ってまいりたいと思います。
#83
○福留委員 さらにもう一点だけお尋ねしておきたいと思いますけれども、観光関係事業に従事している方々の資質の向上というものが、これからの観光振興という観点から必要になろうかと思います。また、国民の観光への関心というものをより高めてもらうということも重要だろうと思います。こういうことが長い目で見ての観光振興につながっていくものだと思うわけでございます。
 そこで、観光に関係する文献、資料等を集めた図書館をつくるとか、またさらに、例えば、仮称ですけれども、観光大学とかいったものをつくるべきであると考えるわけでございますが、この点について大臣の御見解をお伺いいたします。
#84
○亀井国務大臣 観光産業を担う方々をどう育てていくかということは、これは大変重要な課題でございます。ハードの部分を整備いたしましても、ソフトの面が欠けますと、これは意味をなさぬわけでございますので、そうしたものを養成するという観点から、観光大学というものを我々としては現在真剣に検討をいたしておるところでございます。
#85
○福留委員 観光産業についていろいろ質疑させていただきましたけれども、関係各位が協力しながらも、運輸省として観光の重要性をさらに十分に認識されて最大限の推進を果たしていかれますよう要望し、そのために私どももできる限りの御協力をし、観光産業の振興にともに努めてまいりますことを表明させていただきまして、私の質問を終了いたします。
 ありがとうございました。
#86
○緒方委員長代理 須藤浩君。
#87
○須藤委員 新進党の須藤浩でございます。
 これまでの質問の中で、今回の旅行業法の改正につきまして、かなり類似点といいますか、質問が多くなされ、そういう意味では、質疑の形で問題点がかなり浮き彫りになったかと思います。
 今回のこの旅行業法については、旅行業問題研究会ですか、昨年の五月から関係者の協力で綿密に協議を重ねられてきたということで、そういう意味では大変時代の流れに沿った意味で、近代化といいますか、改正がされているものというふうにまず思います。
 そこで、これまでいろいろと質問が出ましたので、もしダブっているところがありましたら大変恐縮ですけれども、その辺の御答弁に関しては、よろしくお願い申し上げます。
 まず最初に、円高について、先ほどからかなり急激な円高に関連して海外旅行等の問題について触れられておりました。当然、円高が進むことによりまして、旅行費用というものが非常に低廉化の傾向で実施することができるということであろうと思います。
 そこで、これには当然メリットとデメリットというものがあろうかと思いますけれども、まずこの円高問題を踏まえて、さらに海外旅行の促進を図るため、こういった観点から対応策というものを考えることが一つ必要であろうと思いますが、これに関してはどのようなお考えを持っていらっしゃるか、まずお伺いします。
#88
○豊田(実)政府委員 円高という背景に国際収支の面があるわけですが、これは、先ほど申し上げましたように旅行収支の面では赤字ということで、平成六年の暫定値で三百五十三億ドルという数字が出ております。国際収支のバランスを改善するという意味でこの海外旅行を促進するというのは一つの役割を果たしておると思いますが、単に経済的な意味だけではなくて、先ほど来からお話し申し上げているように、外国との相互理解ということで、もっともっと多くの日本人が海外旅行を楽しむというような環境づくりが必要だと思っております。
 その際に、旅行業といいますか、旅行業者が主催旅行をするという際にきちんとした責任体制を確立することによって、利用者とのトラブルのない関係を維持するということで安心して海外旅行を楽しめる、そういう体制が必要だということで、今回の法律改正の一つの柱になっております。
 円高を踏まえて海外旅行を盛んにするという施策として、休暇の問題とか、あるいは旅行地でのいろいろな安全確保とか、課題はたくさんあると思いますが、私ども、非常に大きな流れになっております海外旅行について、もっともっと多くの人が安心して楽しめる環境づくりというものにさらに努力をしていきたいというふうに考えております。
#89
○須藤委員 日本国内から海外へ旅行するということで、いわゆる一般の方々が旅行するということではこの円高傾向というのは大変な、いい意味においてメリットがあるということであろうと思いますが、例えば、資料の中に、いわゆる海外への修学旅行、この数字を見ますと、平成三年で三百校、平成四年が三百三校、平成五年になりますと三百九十九校と、かなり多くの学校が海外への修学旅行に行かれているということで、これは国内における旅行を考えて、総合的に考えると、同じ経費であれば海外へ出ていろいろな修学をするということのあらわれであろうと思うのです。
 この辺は、例えば運輸省として、観光的な見地も含めて、こういった修学旅行に対する、援助とは言いませんけれども、支援であるとかあるいはそれを進めるための対応策といいますか、そういったことに関してありましたらお答え願います。
    〔緒方委員長代理退席、委員長着席〕
#90
○亀井国務大臣 修学旅行であれ何であれ、学生が小学校、中学、高校、大学段階で旅行するのは大いに結構な話だと私は思います。ただ、円高であるがゆえに海外旅行が非常に安くやれるという面もあるし、またドル減らしという効果もあるということで、それは結構でありますけれども、旅行は全部海外旅行がいいんだなんということを運輸省としては推奨をするつもりはございません。
 やはり学生にとっても、生まれた我が日本でももっともっと知ってもらいたい、そうした地域がたくさんあるわけでもございますから、またそうした古い歴史、文化遺産、いろいろなものがあるわけでございますから、私は、安くなったから海外旅行を推奨という気持ちはございません。海外にも国内にも同様にどんどんと、教室の中で勉強するだけが勉強じゃございませんので、これは推進をしていきたい、このように考えております。
 それにつきましては、やはり業者等が交通機関あたりと提携をしながら、できるだけ安くそうした多彩なメニューを提供していける努力をするように指導をしてまいりたいと思います。
#91
○須藤委員 今の御答弁を伺いまして、実は私は少し安心したかな。つまり、修学旅行にしろ、あるいは日本人がこういった状況の中で海外に出るということは大変好ましいことだと思います。ただ一方で、それが諸外国から見た場合は、日本人の行動あるいは行動様式であるとか、そういったものの一つの評価につながってくるということは当然あると思いますので、そういう意味では、自国の歴史や文化や伝統というものをしっかり踏まえた上で、こういった海外旅行、あるいは修学旅行も含めたそういう旅行が進められるということをやはり基本に置いておくべきであろう。そういった意味で行政からの支援もしていくべきであろう、私もこう思います。
 そこで海外旅行について、いわゆる海外旅行の行き先、渡航先なんですが、おおむね日本人の場合世界各国どちらへも行くという傾向はあろうかと思うのですが、その中で、例えばアメリカやカナダやヨーロッパ等いわゆる主要国の交流の拡大というものをぜひ図っていくべきであろうと私は思いますが、それと同時に、同じアジア圏ですね、このアジア圏への海外旅行ということについて運輸省としてはどういうような見解をお持ちであるか、まず伺いたいと思います。
#92
○豊田(実)政府委員 観光を通じて人の相互理解を深めるということを再三申し上げておりますが、やはり周辺各国との理解というものを私ども日本の国民として第一に心がける必要があると思います。
 そういう意味で、周辺国との人の交流というものをより太いパイプにしたいということで、全般的な対策とほかに、例えば韓国、中国等と二国間の継続的な観光協議というものを実施しております。これは相互に、受け入れ体制とか情報の提供の手段とかかなりきめ細かい協議を毎回重ねてきておりまして、徐々にその効果が出てきておりますが、アジアのほかの国との関係も含めまして、今後ともそういう具体的な対策を積み重ねていくということで努力していきたいと思っております。
#93
○須藤委員 観光旅行につきまして、例えば民間ベースで、日本の食品であるとかあるいは商業であるとか工業製品であるとか、そういったもののいわゆる展示といいますか、そういったものをかなり行われて、外務省あるいは運輸省、そういったところでの支援を得ながらそういうものが催されていることがかなりあろうかと私は思うのですが、この観光という点で国際協力の推進ということに一役を買っているのではないか、このように考えますけれども、こういった面を充実する必要性もさらにあろうと私は思います。
 具体的に、海外の国におきましてそういった民間ベースで行われる日本の紹介、それから当然日本人が海外旅行に行った場合、そういったところに情報が、今どこでどういうものが行われているとかそういったものがわかると、意外とセットとして、自分の国が海外にどう紹介され、そしてそこでどう受け取られているかということに対する認識が深まるのではないかな、こういうふうに私は考えるのですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
#94
○豊田(実)政府委員 いろいろな国から、観光分野で国際協力といいますか、一緒に手を組んで対応していこうという申し入れなり呼びかけがありまして、私ども、官民両方の面で、専門家を派遣したり、あるいは逆に向こうから研修員を受け入れるという人材面の協力というのが一つあります。それからもう一つ、観光の資源、非常に歴史的な遺産というものを抱える地域があってもなかなか一般的な人が見る状況にないといいますか、アクセスの問題とか、施設の、資源の保存状態というようなものをより観光に結びつけるような形でお手伝いするというようなことが、既に毎年数件ずつ出てきております。
 今後、実は昨年、世界観光大臣会議をやりまして各国の大臣がお見えになったわけですが、その大臣とのいろいろな話の中でも、今お話のありましたような観光分野での人の面あるいは具体的な技術協力の面でいろいろな問題が取り上げられ、また具体化していくというような状況にあります。
 さらにもう一つ御紹介申し上げたいのは、世界観光機関という国際機関がございますが、初めてアジア地区で太平洋事務所というのを大阪にスタートさせたいということで、今準備に取りかかっております。これは単に日本のためだけではなくて、アジア・太平洋地域全体の世界観光という観点から、いろいろな施策を実施するセンターとして役割を果たしていくということでございます。これについて日本政府としても全面的に支援するということで対応させていただいております。
 また、APECなども観光面でかなり役割を拡大しつつありますが、こういうような機関とも十分連携しながら、我が国として観光に関して蓄えている人材とかノウハウを各国に十分生かしていただくということで努力していきたいと思っております。
#95
○須藤委員 そこで、そういった御努力をいろいろされているということなんですが、今回のこの改正法に伴いまして、日本旅行業協会とそれから全国旅行業協会、いずれも民間の協会なんですが、そういったところと連係プレーをとりながら、世界に対する日本の紹介あるいは観光旅行者に対する情報提供等のサポートということを具体的に連係プレーをしていくというようなことはあるのか、あるいは考えられているのか、お伺いしたいと思います。
#96
○豊田(実)政府委員 これは従来も個別に対応してきておりますが、今後の課題としては、今お話しのように各国別にといいますか、日本側としてかなり専門家を養成しまして、ある国のいわば日本側の窓口というような人を各協会に置いていただいて、その人を中心に官民挙げていろいろな対策に取り組むということで、国別にかなりきめの細かい施策といいますか、協力をやっていく段階ではないかと考えております。全般的な情報提供その他の努力は当然ながら継続いたしますが、今後の課題としてはむしろ国別にきめの細かいルートをつくっていくということだと思っております。
#97
○須藤委員 次に移りますけれども、日本からの海外旅行者は一千三百万人を超える、こういう勢いに迫っておりますが、その中で、先ほどからも出ておりますが、旅行に伴ったトラブルも結構出ているということで、この改正法の中には当然そういった指導面であるとか責任というものが制度としてかなり盛り込まれておりますが、その実態がどういうものであるかということの内容を運輸省の方で把握している範囲内でまずお伺いしたいと思います。
#98
○豊田(実)政府委員 海外旅行のトラブルというのはいろいろなケースがございますが、件数、全体として大体年間一千件ぐらい、苦情、相談という形で表面化したものが約一千件ございます。このうち約八割が海外旅行ということでございますが、中身としまして一番多いのは、航空機とかホテルが変更しまして、利用者側の要請との間でギャップが生じるというようなトラブルがやはり一番多いということですが、もう一つ、そういういろいろな条件が変わってキャンセルするという場合に、その取り消し料のやりとりをめぐりましてトラブルが生じる、そういう二つの分野の件数が非常に多いという状況になっております。
#99
○須藤委員 そこで、今、ホテル及び航空機それからキャンセル料の事後対応ということなんですが、これはいわゆる旅行業者とそれから当事者にすべてが任せっきりになっているのか、それとも何らかの形で省庁として関与ないし指導も含めたそういうものがあるのかどうか、伺います。
#100
○豊田(実)政府委員 これは、先ほども申しましたように旅行業協会というのが一つの場面としてあるわけですが、その場でなかなか解決できないというケースについて、あるいは旅行業協会を通さないで直接我が方の行政の窓口に相談に見えるというようなケースもございますが、いずれにしましても、私どもも旅行業法という法律を前提にしてこれまでもいろいろ旅行のトラブルの防止というものを図ってきておりますので、この辺については、国側としましても、現在の体制、それから今回の改正はその関係をよりきちんとしたものにしようという改正をお願いしておるわけですが、そういう制度をフルに使ってトラブルの発生を防ぐと同時に、万一発生した場合も十分納得いただける解決方法をきちんととりたいと思っております。
#101
○須藤委員 これまで生じましたトラブルという実態があって、それに対してそのトラブル防止のためにどうするかということの改正が含まれているはずですから、そういう意味では当然そのための対応策というものもかなり具体的な面で私はできるかなというふうにも思いますが、たしか先ほどの質問の中で、そういったものに対する苦情、相談ではないのですが、窓口ですね、こういったものの設置に関して質問がありましたが、これは協会とそれから運輸省とも当然かかわってくると思うのですが、この対応策がなかなか追いつかないというようなことも場合によっては私はあるのではないかということも考えられますが その辺についてはどういうような対応をされるか、伺います。
#102
○豊田(実)政府委員 先ほど申しましたように、年間一千件というかなり大きな件数になっておりますが、今回の改正につきましては、このようなトラブル発生そのものを防止しようというのが非常に大きな柱になっておりまして、具体的には、旅行業務の取扱主任者というものをきちんと位置づけまして、契約をする際に書面でその条件とか何かをきちんと説明する、その責任者の名前も先方にきちんと明記するというようなことで、第一次的には何かトラブルがあった場合もその主任者が責任を持って解決するということで、そういう意味では従来の体制をかなり大きく強化するということになると思います。それからまた、利用者側もだれを相手に相談していいかということがきちんと書面ではっきりするということでございます。
 それからもう一つ、全般的な話でございますが、旅行するに当たりまして約款というのが一つのいろいろな補償問題のポイントになるわけですが、今回の約款においては、利用者保護ということを前面に打ち出して約款の内容を固めていきたいと考えております。
#103
○須藤委員 それでは次に移りますが、日本から海外への旅行というものは大変急増している。一方で、円高の関係も要因としてありますが、日本に来る外国人の方々の日本への海外旅行、この促進というものを当然ながら日本として大きく図っていく必要があろう、このように思います。これは、日本のことをよく知っていただく、日本から海外へ出て、そこで日本の文化やその他いろいろなものを紹介するのはもちろんですが、一方で日本の国内に来ていただいて多くのものを知っていただくということも大変重要な、相互理解にとって必要なことであろうというふうに思います。
 そこで、海外からの日本国内への旅行者の促進を図っていかなければならないと思うのですが、これについて今どのようなお考えを持っていらっしゃるか、お伺いします。
#104
○豊田(実)政府委員 外国人の訪日でございますが、平成六年、全体の数で三百四十七万人ということで、平成五年に比べて六万人増と幾分ふえておりますが、大ざっぱに見ますと横ばいの状態だということでございます。
 我が国の来訪外客数という水準を諸外国の状況と比べてみまして、ちょっと古いデータでございますが、一九九二年、いわば日本の人口に対して何%の外客、お客さんがあるかという数字でございますが、日本がわずか三%、年間の数字でいうと人口に対して三%の外からのお客さんということに対して、例えばフランスとかスペインというのは、ほぼ人口に匹敵する人数の外国からのお客さんがあるということでございます。英国みたいに、日本と同じような島国でございますが、それでも三二%と、けた違いのお客さんが来ているという状況でございます。
 こういうような状況に対しまして、私どもとしてはこれまでもいろいろ努力をしてきておりますが、特に最近の円高というようなことで旅行費用が相対的に非常に高くなっているという点とか、あるいは周辺地域のいろいろな観光の魅力と比べて、日本の観光の魅力がこのところどうも余りぱっとしないのではないかというような批判もございます。
 まず最初の旅行費用の相対的な割高というものについては、いわゆる安い宿泊施設というもの、これも既にかなりありますが、その辺の情報が外からのお客さんに的確に伝わらないというようなことで、その辺を、インターネットといいますか、国際的な情報網を活用して安い宿泊施設をPRするというようなこととか、あるいは外国の人が一人で町を観光できるような外国語による案内表示板を普及させるというようなこと、あるいは各都市で姉妹都市交流というのをやっておりますが、その辺をより活発にするというようなことを通じて外国からのお客さんにもっともっと日本に来ていただくということに努めたいと思っております。
#105
○須藤委員 今具体的に姉妹都市であるとかあるいは安い宿泊費のための情報提供ということが出ましたが、各市町村、自治体で今言われた姉妹都市、あるいは市でも県でもそれぞれの国と国際交流協会というものがありますね。個別の交流協会もありますし、幾つかの国を入れた中での交流協会というものもあろうと思います。
 それで、よく行われるのがその交流協会を通してホームステイ、これは旅行とは多少違うのですが、そういったことの情報提供やあるいは支援というのはかなり行われている。安い宿泊料という意味では、商売ベースでいうと、それは当然業者の提供するホテルと民宿あるいは旅館に泊まっていただくという話になるのですが、海外からの日本への多くの旅行者の一層の促進を図るということになりますと、今申し上げたようなホームステイみたいなものの情報提供というものをかなり行っていくことによって、相乗効果が出てくるのではないかなというふうに私は考えるのですけれども、この点に関しましてはいかがでしょうか。
#106
○豊田(実)政府委員 外からのお客さんに、東京とか大都市を中心に従来多かったわけですが、いろいろ全国各地域の特色のある地域観光を楽しんでいただくということが、これから大きな課題だろうと思っております。そういう意味で、各地域が持っているいろいろな、今の安い宿泊施設を初めとして、観光資源とか伝統的な行事とかいうような情報をより各国に提供するということで、いろいろな手段がございますが、私ども、関係法人として国際観光振興会というのが世界的な事務所、ネットワークを持っておりまして、これは各都道府県と連携しながら、それぞれの地域の魅力というようなもの、さらに具体的な利用方法等を対外的にPRするために、共同で毎年いろいろな国に対して事業を展開しているというところでございます。
#107
○須藤委員 今回の法の改正の趣旨は三点ほどありましたが、いずれにしましても、情報提供をどのように的確に行い、その中で、民間であれば自由競争の原則に従って動くということが必要であろうと思いますけれども、日本の国を海外に紹介し、あるいは相互理解、観光も含めてそういったものを進めていくためには、協会と関係省庁ですか、こういったものの横の連絡をかなり密にしながら、総合的に見て、日本のいわゆる国益にかなうような政策というものを推進すべきであろう。そういう意味で、先ほどから同僚議員から出ていますように、観光に関する統括的な省庁もある意味では必要だろうということに結論がなってくるのではないか、このように思うわけですけれども、最後に一言、大臣にその辺の考え方をお伺いして終わりたいと思います。
#108
○亀井国務大臣 委員の御指摘のように、運輸省だけでこの内外の観光を推進をするわけにはまいらぬわけでございまして、これはやはり民間の観光業者の方、あるいはホテルなり旅館なり、そういうものを経営しておられる方々、また世界のそうした旅行業者あるいは各交通機関が持っておりますネットワーク、そういうものが一体となって、そうした観光面での国際交流あるいは国内における観光業の進展を図っていかなければならないということは当然のことでありまして、その意味では、各業界、団体と私どもは今後とも緊密な連絡をとりながらお互いに一体となってやってまいるつもりでございますので、今後ともよろしく御支援のほど、お願い申し上げたいと思います。
#109
○須藤委員 終わります。
#110
○井上委員長 寺前巖君。
#111
○寺前委員 今話を聞いておりましたら、トラブルというのが、旅行の計画、日程というのですか、それからホテルとか、そういうところの問題に一つは問題がある、それからあとは、返金するとかそういう問題に問題がある、これが一千件ほどの中から大体中心的課題になっておるので、それに対する対応をやらないと消費者保護にはならない、大体そういう趣旨の局長さんの答弁であったと思うのです。私、もう少しそれ、ちょっと具体的に聞きたいと思うのです。
 私もそう思うのですよ。宿泊施設とか搭乗機などの内容というのは、旅行業者が背負う重要な課題だと思うのですね。せっかくパック旅行で行く、一体飛行機のどこへ座るんだ、どんなホテルに泊まるんだろうか、これは、希望を持って旅行者というのはやはり見ていると思うのですね。ところが、旅行業法の十二条の五では書面による契約を旅行業者は旅行者と契約することになっているけれども、現行約款の第九条を見ると、契約を締結したときは、旅行者に旅行日程、旅行サービスの内容等や当社の責任に関する事項を記載した書面を交付する、こういうふうには書いてあるのだけれども、いつまでにそれを交付しなければならぬのかということになると、これは非常にあいまいになる。これ、旅行者の方からやめるという場合だったら、一カ月以上前でなかったら何ぼか取られできますわな。直前になったらアウトですわ。何にもくれへんということになるでしょう。だから、旅行者の方にはその三十日以前に一定の対処をせなんだらあかんというのだったら、旅行の業者の方も、少なくとも三十日以前にちゃんとこういうふうにやりますのやということをきちんとやらすということを約款の上でも明確にしなかったら、先ほど話を聞いておったら、書面でやりますのやといったって、書面のやる時期はいつなんだということを明確にせないかぬと私は思うのですが、そういう問題意識ありますのかいな。どうです。
#112
○豊田(実)政府委員 いろいろなトラブルが発生したときにだれがどういう責任を負うかということで、現行の旅行業法はかなり不明確なというか、はっきりしていないという面がありますので、それを今回、主催旅行契約というものを基本としまして、利用者、旅行者との関係で責任関係をきちんととらえるということであります。
 今お話の中に出ておりました、中身について具体化するということをもっと早くやるべきではないかということですが、海外旅行の場合、現行を申しますと、最初の段階では、ホテルの具体的な名前とか、それから航空機会社の名前とか便名とかいうようなものが確定するのがかなり遅くなっているという実態があることは事実でございます。今後、そういう旅行契約の成立した後、中身について出発前の一定時期までに、途中経過も含めましてきちんと対応させるように、これは約款上で明記したいということで今検討しているところでございます。
 それから、キャンセルについて、会社側の期間と利用者側の期間に差があるという実態、これも御指摘のとおりでございます。ただ、これは沿革的に見ますと、全国に旅行の申込者が展開しておりますので、その集計等に時間がかかっているという実態でその辺の日数が決められたと聞いておりますが、今日のように情報の伝達手段がかなり便利になってきておりますので、この期間についても短縮する方向で検討していきたいと思っております。
#113
○寺前委員 余りこだわらぬと気楽に言ってもろうたらよろしいんやわ。要するに、お客さんの方から、旅行者の方からいったら、三十日前までに大体ちゃんと手続しなかったら、もうそれは金取られて気楽になれまへんのやわ。だから、判断というのは三十日前が限界になっておるのや、今旅行者の方からいえば。だから、旅行者の判断に、期待にこたえるように業者が仕事をするんだということで期日を今明確に約款に入れるようにしたいとおっしゃったから、あとはもう関係者で詰めはるんやさかいに詰めてもらったらよろしいけれども、そういうふうにきちんとしてほしいというのが、私はこの旅行業法の改正問題見てから感じた一つや。
 それから今度は、計画をやめる場合には、本人の方からやめる問題と業者の方からやめるという問題と、これは両面ありますわな。そうすると、業者の方からやめるという内容としては計画変更というものがあるわけだ。要するに、飛行機の便が言っておった便と違うものになるとか、ホテルが違うのに変わるとか、大型の変更が起こる。こういう場合には、私、明確に変更をやる場合には、そんなやったらやめるわということを旅行者が言える選択権というのも明確にすべきではないか。これが一つ。
 それからもう一つは、変更が起こって、それが水準の低いものになった場合には、ちゃんと一定の変更の差額が生まれているはずですよ。だから、その差額が生まれた分について返金するということをやはり旅行者にしなければいかぬのと違うか。これは旅行者に対する業者の方の責任の問題やね。とにかく、きちんとしなければいかぬ。
 それからもう一つは、今度はそういう変更が起こった場合に、返金する期間、要するに旅行が済んでしまってから何日以内に処理するんやという期日を明確にする、それ以上になった場合には今度は延滞料を払う。もう世間の常識的にきちんとした基準をつくらなかったらトラブルは消えぬな、正直言って乱そう思いましたわ、今度これを調べてみて。どうですか、その問題については。
#114
○豊田(実)政府委員 今いろいろ御指摘ございました点、おっしゃるとおり、契約の際にきちんとした記述をしていない、書面できちんと通告していないということで発生しているトラブルだと思います。
 今回、再三申し上げますように、契約する際に書面で条件等をきちんと確認するということを前提にしておりますが、なおかつ旅行の前提となる、例えば一定のランクのホテルというようなものが確保できなかったというような場合には、旅行者の申し込みに対して重要な条件が変わるわけですので、この際は取り消し料、キャンセル料なしで取り消しができるとか、そういうようなことをきちんと整理して約款等で明記させたいというふうに考えております。
#115
○寺前委員 私、もうちょっと細かくいろいろ言っておるのやけれどもな。聞きづらいかいな、私、声が出えへんもんやさかいに。
 要するに、返す前やったら返す金はいつまでに返す、それ以上になったときには遅延料を払うとか、明確じゃないのよ、これ。だから、そういうところまで踏み込んで整備をしないといかぬのと違うかと
#116
○豊田(実)政府委員 途中で旅程が変わったために精算するという行為がございます。それで、この点について、お話しのように現在一定の期間ということを限っておりませんが、これについても海外旅行等いろいろなケースがございますが、関係者で検討しまして、それぞれ一定の期間を契約の際にきちんとさせるということをさせたいと思います。
#117
○寺前委員 それから、せっかくの機会やから全部言うけれども、例えば旅行したいと申し入れる。そしたら、人数そろわへんかったらやめるわ、こうなるわ。そのやめるわというのは何日前に言うたらええのや。これもさっき昼言うたように、本人の方の取り消しの場合やったら三十日やというのがあるのです。ところが、業者の方から取り消しという話になったときには、国内旅行やったら七日とか、海外は二十一日、こうなるのや。これは、やはり僕は、本人はそんな、あんた、間際になって中止されて、長い間の計画してはったものがつぶれるのだから、考えてみたら、やはり本人に三十日ということを言うのだったら、業者の方も三十日というふうにして対等な扱いにするように僕は改善しないかぬと思うわ。この一方的中止のやつね。旅行者が集まらぬからといったって、変更がきくようにやはり旅行者に対して責任を持つ、そんなことを考えていますのかいな。
#118
○豊田(実)政府委員 一定の人数を前提にしてパック旅行を計画し、販売するということで、今御指摘のように、最少の人数が集まらなかった場合に旅行業者の方から旅行を取りやめさせていただくという場面があるわけですが、海外旅行の場合二十一日ということになっております。また、この点では逆に利用者の方の都合で取り消す場合を三十日ということで、このギャップの御指摘だろうと思いますが、先ほど申しましたように、この期間の差については可能な限り短縮するように努めたいと思います。
 また、その旅行の人数、最少人数ということですが、最近旅行会社もいろいろな小型の旅行を計画しておりまして、可能な限り、旅行を申し込んだ場合に実行できるような工夫をしてきておりますので、その面でも御迷惑をかける範囲を可能な限り少なくするという努力を今しておるところでございます。
#119
○寺前委員 もう時間ないさかいに、もっと聞きたいこといっぱいあるんやけれども、どうもすかっと答えてくれぬで困るんやわ。
 それで、トラブルが起こる話が保護問題の中心なんだから、そうすると、外国へ行ったら、ばあっと旅行者を連れて、パック旅行、店やどこかへ入ったりしよるわけや。そうしたら、そのときに業者が案内して事が起こっているとかなんとかいって、そこの行った先でまたトラブルが起こるんや。そうすると、そこの問題について責任が業者の側に移るのか移らぬのか、きちんとしたそこの体制問題も要るんやわ。消費者保護を言う以上はもう少し細かいところへ、ここは改善しないかぬな、ぴしっと見なあかんと私思うのやな。それに対する見解をひとつ局長さんに聞いて、話はそこはもう終わりますわ。
 それから大臣に、せっかくの機会だからあれなんですが、トラブルの発生というやつはどうなっているのだろうか。さっきもあったけれども、九三年度の日本旅行業協会の書面による申し立て苦情は二百十件、そのうち海外旅行のパックが全体の七五%、それで国内は五%にすぎない。それで、中小の旅行業者というのは年に何回も何回もパック旅行をやるわけじゃない。そうすると、トラブルの圧倒的部分というのは中小じゃないのですね。要するに、予定をばあんと組んだわ、それだけ人が集まらなかったとか、そういうところからいろいろとトラブルが起こってきよるわけでしょう。
 そうすると、今度の法改正によって年に数回行う国内主催旅行業者の保証金等の引き上げということになると、一番の問題を起こしているところが問題にならぬと、そうでないところに影響がかかってくるわけや。だから、そういう意味では、後々きちんとした約款その他をしてもらうことと同時に、中小の旅行業者用の対策を考えてあげないと、これによって新規参入が中小の諸君にはできないという問題が出てきたりして、逆な、予想とは違う面に話が発展することになる。そこは気をつけなければならぬ問題やな。大臣はそこをどういうふうに考えておられるのか、これはひとつお聞きしたい。
 以上です。
#120
○亀井国務大臣 それぞれ業者も悪意でそうした事態を招くということはまずないと思うわけでありますが、特に海外旅行で多いという場合は、やはりふなれな環境のもとで、心ならずもそうした予想したこととは違った事態に遭遇をして旅行者を満足させることができないという事態の場合が多いとは思うわけでありますが、しかし、旅行業者は単に金もうけのためにだけやってもらっては困るわけでございますから、観光の持っておるいろいろな使命、これをきっちりと考えて対応してもらいたいと思います。
 御指摘の、中小の業者が今のままだったら海外での旅行く展開ができないじゃないかという御指摘、私はこの点は確かに委員の御指摘の面があると思います。大きな業者保……(私語する者あり)ちょっと黙っていてください。そうした大手の企業というのは、海外にそれぞれ支店なりエージェントなりというのをきっちりと持って対応しておるわけでありますが、中小業者がそこまで持てというのはなかなか私は現実面で大変だと思います。
 しかし、日本は大使館、公使館、領事館を世界に展開をしておるわけでありますから、プロパーの外交をやるだけのために大使館の要員を置いておくのは私はもったいないと思うわけでありまして、やはり中小の旅行業者が海外に仕事を展開をしていく場合に、その地域のいろいろなノウハウについてそれを知らせてやる、これは運輸省の観光部経由でも結構でございます。そういう形で外国の在外公館というのが観光業についても当然私は積極的に貢献をしてもらわなければならない、このように思います。
 今後、具体的に申し上げますと、中小業者の方々、私どもの観光部の方に具体的にひとつ依頼をしていただきたい。私どもの方でできる限り在外公館等についてそうした便宜を図るようなお手伝いを中継をしてやってまいりたいと思います。
 また、外国でトラブルが起きた場合等につきまして、御承知のように在外公館は邦人の保護という重大な使命を持っておるわけでありますから、旅行者に対してもそういう使命はそれぞれの大使館、公使館は持っておるわけでもございます。そうした意味で、広い意味においてそうしたネットを中小業者等にも私は利用していただくということも大事だ、非常に現実的なことであろうか、このように考えております。
#121
○豊田(実)政府委員 いろいろ御議論ありましたが、基本的には、条件をきちんと書面で確定し、それを利用者にわかりやすく説明するということが基本だと思います。それで、旅先でのいろいろな追加の旅行というのがあるわけですが、この関係もいろいろなケースがありますので、きちんと条件をあらかじめ利用者にお知らせする、その上で実行するということだろうと思います。
#122
○寺前委員 終わります。
#123
○井上委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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#124
○井上委員長 本案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。旅行業法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#125
○井上委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
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    〔報告書は附録に掲載〕
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#127
○井上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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