くにさくロゴ
1995/02/17 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 商工委員会 第3号
姉妹サイト
 
1995/02/17 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 商工委員会 第3号

#1
第132回国会 商工委員会 第3号
平成七年二月十七日(金曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 白川 勝彦君
   理事 逢沢 一郎君 理事 甘利  明君
   理事 額賀福志郎君 理事 河合 正智君
   理事 古賀 正浩君 理事 増子 輝彦君
   理事 大畠 章宏君 理事 鳩山由紀夫君
      小川  元君    小此木八郎君
      奥田 幹生君    梶山 静六君
      熊代 昭彦君    谷川 和穗君
      中島洋次郎君    丹羽 雄哉君
      野田 聖子君    青山  丘君
      上田  勇君    小池百合子君
      笹川  堯君    武山百合子君
      豊田潤多郎君    西川太一郎君
      星野 行男君    山田 英介君
      吉田  治君    後藤  茂君
      佐藤 泰介君    前島 秀行君
      松本  龍君    和田 貞夫君
      吉井 英勝君    牧野 聖修君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  橋本龍太郎君
 出席政府委員
        経済企画庁物価
        局長      谷  弘一君
        通商産業大臣官
        房総務審議官  林  康夫君
        通商産業大臣官
        房審議官    河野 博文君
        通商産業省貿易
        局長      広瀬 勝貞君
        通商産業省産業
        政策局長    牧野  力君
        通商産業省環境
        立地局長    齊藤 眞人君
        通商産業省機械
        情報産業局長  渡辺  修君
        通商産業省生活
        産業局長    江崎  格君
        工業技術院長  平石 次郎君
        資源エネルギー
        庁長官官房審議
        官       並木  徹君
        中小企業庁長官 中田 哲雄君
        中小企業庁計画
        部長      安本 皓信君
        中小企業庁小規
        模企業部長   小川 忠夫君
 委員外の出席者
        国土庁大都市圏
        整備局計画課長 川本  敏君
        法務大臣官房会
        計課長     細川  清君
        大蔵大臣官房企
        画官      藤岡  博君
        大蔵省関税局調
        査保税課長   友利 文男君
        大蔵省証券局証
        券市場課長   藤原  隆君
        大蔵省銀行局総
        務課金融市場室
        長       木下 信行君
        大蔵省国際金融
        局為替資金課長 藤本  進君
        文部省高等教育
        局専門教育課長 本間 政雄君
        文部省学術国際
        局研究助成課長 霜鳥 秋則君
        農林水産大臣官
        房企画室長   渡辺 好明君
        運輸省港湾局管
        理課長     鶴野 泰孝君
        郵政大臣官房財
        務部契約課長  佐野 輝利君
        労働省職業安定
        局雇用政策課長 青木  功君
        建設大臣官房会
        計課長     林  桂一君
        商工委員会調査
        室長      石黒 正大君
    ―――――――――――――
二月十三日
 特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措
 置法案(内閣提出第一七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措
 置法案(内閣提出第一七号)
 中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時
 措置法案(内閣提出第一八号)
 小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部
 を改正する法律案(内閣提出第一九号)
     ――――◇―――――
#2
○白川委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法案並びに小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 これより各案について順次趣旨の説明を聴取いたします。橋本通商産業大臣。
    ―――――――――――――
 特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措
  置法案
 中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時
  措置法案
 小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部
  を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○橋本国務大臣 初めに、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 現下の我が国経済については、急速な円高の進展や内外価格差の存在等による我が国の事業活動を行う場としての環境条件の悪化、アジア諸国の急激な成長等による国際的競争の激化などの内外の経済的環境変化の影響を受けて、製造業等の国内における生産、投資等が停滞しており、産業空洞化の懸念が生じております。このため、これまで我が国に蓄積されてきた知識及び技能、技術、設備等を有効に活用しつつ、国内生産活動の活性化を促進し、国民経済の国際経済環境と調和のとれた発展を図ることが強く期待されているところであります。
 以上のような期待に対応することを目的として、今般、本法律案を提案した次第であります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、製造業等のうち内外の経済的環境変化の影響を受けて生産等の減少を余儀なくされている業種に属する事業者を「特定事業者」と定義し、その特定事業者が実施する新商品の開発及び生産等による事業の分野または方式の一定の変更、すなわち「事業革新」に向けた取り組みを、この法律において円滑化のための施策を講じる対象と定めております。
 第二に、特定事業者の事業革新を円滑化するため、内外価格差の是正や取引慣行の改善に資する情報の提供等の所要の措置を講ずることとしております。
 第三に、事業革新に関する計画を作成、主務大臣の承認を得た特定事業者に対し、産業基盤整備基金による債務保証、設備投資減税、日本開発銀行等からの低利貸し付け等の各般の措置を、雇用の安定等に配慮しつつ講ずることとしております。
 第四に、特定事業者に係る従業員の知識及び技能、加えて、技術、設備等を活用して行う事業に関する活用事業計画の承認を受けた事業者に対し、産業基盤整備基金による債務保証、中小企業信用保険の特例措置、日本開発銀行等からの低利貸し付けなどの各般の措置を講ずることとしております。
 その他、承認特定事業者が事業革新を実施するに当たっては、その雇用する労働者の理解と協力を得るとともに、労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講ずるよう努めなければならないこと等を規定しております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願い申し上げます。
 続きまして、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 現在の日本経済は、円高の進展、内外価格差の存在等による企業の海外進出が進み、産業空洞化が懸念されていることに加え、国内産業が成熟化してきていること等の経済の構造的な変化により経済の活力の低下が懸念されているところであり、新たな商品・役務を生み出そうとする取り組み、すなわち創造的事業活動を促進することを通じて、新規事業を開拓し、日本経済の地平の拡大を図ることが必要であります。
 このため、企業家精神に富む中小企業の創業及び研究開発等の活動を支援することにより創造的事業活動の促進を通じた新たな事業分野の開拓を図り、これにより産業構造転換の円滑化と国民経済の健全な発展に資することとし、本法律案をここに提出した次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、創業後五年未満の工業その他の特定の業種に属する中小企業者及び収入金額に比べて一定比率を超える試験研究費を支出している中小企業者に対して、課税の特例等の措置を講ずることとしております。
 第二に、著しい新規性を有する技術に関する研究開発及びその成果の利用等について計画を策定し、都道府県知事の認定を受けた者に対して、中小企業投資育成株式会社法、中小企業信用保険法等に係る特例措置、課税の特例措置等の各般の措置を講ずることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願い申し上げます。
 最後に、小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 小規模企業共済制度は、小規模企業の個人事業主や役員が相互扶助の精神に基づいて掛金を積み立て、事業の廃止、役員の退任等の事態に備えるための共済制度であり、中小企業事業団がこれを運営しております。経営基盤が脆弱で経営環境の変化に影響を受けやすい小規模企業者にとって、廃業時、退任時に生活安定資金や事業再建資金を支給する本制度の果たす役割は大きく、昭和四十年の制度創設以来普及も進み、今日では在籍者数は約百五十万人に上っております。
 本制度については、制度創設後約三十年の間に、高齢化の進行、金融自由化の進展など制度を取り巻く社会経済環境に大きな変化が見られるに至っており、また、小規模企業自体においても、経済の構造的な変化による経済活力の低下や産業空洞化が懸念される中にあって、事業所数の減少など深刻な問題に直面している状況にあります。
 このような状況を踏まえまして、小規模企業の経営を支える基盤的制度である本共済制度の安定的運営の確保と充実を図るため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、共済金等の額の改正であります。現行制度では法律別表で定められている共済金の額について、金利の変動などに対し制度の安定的運営を引き続き確保するため、法律別表で固定的に定める金額と金利の変動に応じて毎年度算定される金額を合算した額とするなど、所要の改正を行うこととしております。
 第二は、掛けどめ制度の導入であります。共済契約者は掛金を継続して納付することが義務づけられておりますが、経営基盤が脆弱な小規模企業者においては、経営の悪化等により継続納付が困難となる場合もあるので、このような場合に掛金の納付を要しないよう改正することとしております。
 第三は、第二種共済制度の廃止であります。本制度につきましては、在籍者が少なく、新規加入もない状況にあり、現状に即して制度を整理するという観点から、これを廃止することとしております。
 第四は、共済契約者向け貸付制度の充実であります。共済契約者については、中小企業事業団法に基づいて貸付制度を実施しており、多くの共済契約者が利用しているところであります。今回、共済契約者の実情や要望を踏まえ、創業・転業のための資金や入院費用、被災住宅の復旧費用等の事業に関連する資金を追加することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#4
○白川委員長 これにて各案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○白川委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。逢沢一郎君。
#6
○逢沢委員 自民党の逢沢でございます。
 ただいま橋本通産大臣から提案理由の説明がございました三法案につきまして、早速質問をさせていただきたいと思います。
 今日、我が国の政治にはたくさんの重要な課題が山積をいたしておるわけでありますが、その中で最も大きなテーマは、やはりこれからの日本経済をどうするのか、率直に一言で言うと、それが最も大きな、また喫緊の課題だなという認識を私自身持たせていただいております。
 日本経済のこれからを展望するとき、国民の皆様の間には、何か今まで我々が感じたことがないような漠然としたどうも不安が広がっているように思うのですね。あるいは、もっと強い言葉を使えば、非常に大きな不安感を持っておられる方もいないわけではない。賃金がカットされるのじゃないか、あるいは、今まで日本というのは失業とは無縁の経済社会を築いてきたわけでありますけれども、どうもそういうことでもなさそうだな、あるいは、これからだんだん高齢化社会ということになってきて、しかも空洞化ということになると、じゃ自分が六十歳を過ぎ六十五歳を迎えるころ本当に年金を手にすることができるのだろうか、言ってみればそんなこともちまたの話題に上るような昨今ではなかろうかというふうに思うのです。
 ことしはちょうど戦後五十年という大きな区切りの年でありますけれども、この五十年を振り返って考えてみますと、まあいろいろ日本経済、調子のいいときも悪いときも、浮き沈みはあったわけでありますが、総じて右肩上がりの経済を体現をすることができてまいりました。二度のオイルショックや、あるいは、お互いの記憶の新しいところでは、あれは昭和六十二年でございましたか、円高不況、これも果敢に乗り切ったということであります。
 つい三年か四年ほど前までは、まさに日本経済の先行き、将来というのはバラ色で、海外、諸外国からもジャパン・アズ・ナンバーワンとかなんとかもてはやされて、自動車も計算機も工作機械も、あらゆるものはもう敵なし、自信に満ちあふれていたのが、十年も十五年も前の話ではない、つい三年か四年ほど前のことなのですけれども、バブルが崩壊したその後は、一気にペシミスティックな状況になってきた。大きく言うと、自信喪失状態に日本人自身があるいは日本経済自体が陥りつつあるのではないか、そういう懸念が広がってまいりました。
 いろいろな統計指標を拝見いたしますと、例えば企業のRアンドD、研究開発投資もどうも対前年比マイナスをこの二、三年続けておる。あるいは設備投資も非常に低調である。失業は、それは確かにアメリカやヨーロッパに比べればまだ三%前後でございますが、しかし、かっての日本に比べれば相当高い水準で横ばいを続けておる、そういうことのようであります。
 確かに、景気は底を打って回復基調にある、新聞を見ればそう書いてあるわけでありますが、経済界あるいは中小企業の経営者の方々の実感を聞くと、景気はよくなっていると日経新聞には書いてある、あるいはその他の新聞には書いてあるけれども、どうも実感としてそのことがなかなか感じられない。
 少し調べてまいりますと、オイルショックやあるいは円高不況からの立ち上がりのときにはかなりV字角度で景気がよくなってきた、中小企業から忙しくなってきた、下請にまず発注が出てくる、そういうことを我々は経験してきたわけでありますけれども、今回の景気回復は、確かに中期的なトレンドで見れば少し右肩上がりになってはいるけれども、一進一退を繰り返しながらの景気回復というふうな状況のようであります。そして、そういう状況の中にあって急速な円高、また内外価格差の拡大、こういう状況を受けて製造業あるいは加工組み立て産業を中心とした海外への展開が非常に急ピッチで進む状況が生まれつつあるわけであります。
 そこで、橋本通産大臣のまず御認識をお伺いしたいわけであります。一部こういう海外への投資が盛んになる、同時にそのことは、裏返して言えば産業の空洞化が国内で進行しつつあるということが言われているわけでありますけれども、しかし、海外生産比率を諸外国と日本との間で比べてみますと、アメリカが平成三年の数字でありますけれども二七・五%、ドイツは平成元年の数字でありますけれども一九・六%に対して、空洞化の進行、海外へすごい勢いで投資が進んでいるとはいっても、日本の場合は平成四年度が六・二%、五年度が六・四%でありますから、アメリカやドイツ、ヨーロッパに比べればまだまだそういう水準であるし、考えてみると、雑貨、繊維に始まって、次第に海外にそういうものは譲り渡してきた、そういう歴史がずっとあるではないか。
 ですから、ここのところの百円新時代、あるいは急ピッチなアジア、特に中国への投資ということはここ一、二年の傾向としてはあるけれども、それはそんなに心配することはないのだといったような御認識なのか、あるいは、ここで的確な手を打たなければ本当にこれは大変なことになる、産業の空洞化、特に製造業の空洞化は大変な状況であるというむしろ御認識であるのか、まず大臣にお伺いいたしたいというふうに思います。
#7
○橋本国務大臣 通産大臣を拝命いたします以前の段階から私が日本の産業というものについて持っておりました問題意識は大きく分けて二点あったと思います。
 一つは、出生率の低下、そして同時に進行しつつある高学歴化の傾向の中で、みんなが勉強することはいいことなんですけれども、それは当然のことながら若年労働力の枯渇を意味する。同時に、高齢化が進展していく中で、例えば定年制がなかなか改まっていかない。私どもが社会に出ましたころには五十五歳が通常でありました定年制、今六十歳になりつつありますけれども、実態としてはむしろ六十五歳ぐらいまで働いていただかない限り日本の労働人口というものは今後減少する傾向にある。しかし、民族というもの、国というものが活力を持って育ち続けようとするならば、少なくとも労働力は微増するぐらいの状況が望ましい。ところが、今の我が国の社会構造の中で特に雇用の仕組みというものを考えますとその状況にはまだなってきていない。この人口の構造変化に伴う体制の切りかえがおくれている。これが一体どういう影響をもたらすのか、これが一つの問題意識でありました。
 もう一つは、急速に進展し、また、昨日から少々、従来以上の懸念が強まっております為替の水準等、実力を超えた為替の状況というものが非常に深刻な影響を与えているのではなかろうか。私自身が持っておりましたそうしたイメージというものは、通産大臣になりましてからいろいろ議論をしていきますと、一部は答えが用意されておりますけれども、これからなお用意をしていかなければならない部分も多々ある。そういう意味では認識を随分変えつつあります。
 そして、今委員が御指摘になりましたように、日本の産業というものにつきまして、内外の経済構造が大きく変化していきます中で製造業の海外直接投資というものが非常に大きく増加している。一方では、国内の既存産業が成熟化しているということもありましょうが、設備投資あるいは研究開発活動などが依然として低迷を続けております。これは、使い古された言葉になりますけれども、行き過ぎた円高あるいは内外価格差の存在、こうしたこともありましょうし、そうした中での新たな業を起こす意欲が減退しているといった構造要因もありましょう。
 そして、こういう状況を放置しておきますと、私は本当に雇用や中小企業、地域経済への悪影響というものを避けられなくなるという懸念を強く持っておりますし、さらに長期的には、日本の技術基盤というものが影響を受けてしまう、産業の空洞化という言葉で集約されるような事態というものを本気で懸念しなければなりません。
 同時に、確かに東西冷戦構造というものが崩壊をいたしましてから世界が大きく変わっております。そして、経済のボーダーレス化というような言葉も使われておりますけれども、アジアにおける工業化水準というものが急速に向上しつつある。旧社会主義諸国の市場経済化は進展しつつある。ダイナミックな国際的競争が今進行しつつあります。
 こうした中で、私は、企業が最適な産業立地の条件を求めて海外に展開をしていくということそれ自体は、やはり時代の必然としてとらえなければならないことだと思います。しかし、それが我が国の空洞化を招いてしまっては、これは困ることでありまして、まさに今政府自身が内外価格差の是正に努力をし、同時に新たな事業機会を創出するためにも規制緩和というものを推進していかなければならないと考え、これを現に進めつつある。
 そして、産業構造転換というものを円滑に進めていくためには、新たな事業分野を育て上げる、その育成支援というものと同時に、既存産業が事業革新を図っていかれようとする場合にどう支援を組み立てていくか。これによって、経済の新たな分野を開拓するための手法、さらに内需主導型の経済構造を実現するために良質な社会資本を計画的に整備していく。これを通じて創造力と活力にあふれた経済社会を構築していくことが必要である。これが最優先の経済政策上の課題だ、そう私どもはとらえております。同時に、こうした施策を総合的に実行していくことが、私は、おのずと空洞化対策につながっていくものだと考えております。
 もしこれに新たにつけ加えることがあるとするならば、我々は今、対外的な投資は非常に積極的に行っておりますが、国内への投資をいかに呼び込むか、こうした分野に対する工夫も今後一層大切になるでありましょう。こうしたことを進めていく、そのために、実は既存事業者の事業革新の円滑化による国内生産活動の活性化、これも、今回提案をさせていただき、御審議をいただく一連の法律案の一つが大切な役割、そのように認識をいたしております。
 我々は、アジア諸国を中心とした諸外国との間において、適切な国際分業体制というものをつくっていかなければなりません。同時に、我が国の産業の活性化を図っていかなければならない。非常に難しいかじ取りを必要とすることでありますけれども、私は、国民各位の御協力を得ながら、その目標に向けて全力を尽くしたい、そのように考えております。
#8
○逢沢委員 ありがとうございました。
 そこで、重ねて大臣にお伺いをするわけでありますが、先般、産業構造審議会の基本問題小委員会からの報告で、例の、新規成長が有望と見込める市場ということで、十二の分野が示されました。例えば住宅関連、市場規模が一九九三年には三十四兆円が二〇一〇年ごろには約四十兆円ぐらいにはなっているであろう、雇用も二百五十四万人がさらに大きなものになるといったような、それぞれの市場規模や雇用規模の予測も数字として示されているわけであります。
 今回提案をされた事業革新法あるいは中小創造法が、まさにこの十二の分野の成長、発展を推し進めるということで、なくてはならないだろうというふうに思うのですが、どうなのでしょうかね、この時限立法、七年あるいは十年、それが終わったころ、この十二の分野がどういう姿に成長を遂げているか。あるいは、大きく花開くためにはもちろんこの法律が円滑に運用されるということが軸になるべきであろうかと思いますけれども、その他とういった配慮や施策が同時に必要になってくるとお考えであるか、そのことについてお伺いいたしたいと思います。
#9
○橋本国務大臣 昨年六月、私の就任直前に、産構審におきまして御承知のような十二分野というものが特定をされました。そして、これらの分野につきましては、一九九三年段階における百二十九兆円の市場というものが二〇〇〇年においては二百十三兆円、そして二〇一〇年においては三百四十九兆円という展望が寄せられているわけであります。
 ただ、この中を最初に拝見しましたとき、例えば私は、医療・福祉の分野が果たしてこの程度の伸びなのだろうか、あるいは、拡大されると予定される雇用というものがこの程度で、高齢社会というものを現実にとらえた場合、果たして適切な数値目標であるのかということには少々疑問を抱きました。同時に、今回の、ちょうどきょう発生以来一カ月という一つの節目を迎えるわけでありますけれども、阪神・淡路大震災というものを振り返りましたとき、この中には都市環境の整備関連の分野というものが想定をされております。しかし、こうした分野については、むしろ新たな、災害に強い都市づくりというものを我々が真剣にとらえたとき、この程度の事業量の伸び、雇用の伸びということにとどまるのだろうかといった、そんな問題意識も生まれていないわけではありません。
 しかし、いずれにしても、こうした分野は新たに成長、展開を可能とする分野、そう想定されますし、そうした産業構造の実現を図りますためには、今回御提案を申し上げております事業革新円滑化法あるいは中小創造法などによる施策とあわせまして、どんなことがあってもやらなければならないこととして、良質な社会資本整備の拡充、殊に積極的に前倒しをしていくことによって新たな国内需要を創出すること、同時に、これによって対外収支の不均衡を少しでも是正をしていく努力、同時に規制緩和、競争制限的な民間の商慣行とよく言われますような分野においてこれらを是正することによって内外価格差を是正していくと同時に、市場アクセスを改善するための努力、そして同時に、業を起こした段階から店頭公開までの各段階に応じてより積極的、総合的な新規事業支援策というものを我々は総合的に講じていく必要があると思います。殊に資金調達について、立ち上がりの時点における資金調達をできるだけ得やすい状況をつくり出すために、金融市場等におけるあるいは証券市場等における改革の努力というものはお願いを申し上げなければなりません。
 私は、それこそ事業革新法及び中小創造法の法の期限が経過をした段階において産構審が目指しておられるような状態をつくり出していくためにも、こうした総合的な施策を引き続いて推進していかなければならない、そのように思います。
#10
○逢沢委員 ありがとうございました。
 今大臣から御答弁をいただきました内容に尽きる、あるいはそれがもう中核になるというふうに思わせていただいております。どうぞひとつ力強く引っ張っていただきますように、改めてお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、多少細かい話に立ち入るわけでありますが、事業革新法の中身のことについて二、三確認をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、事業革新法の中に記されておる特定業種の指定ということでありますが、いただきました資料によりますと、生産等の減少を余儀なくされている業種に属する事業者あるいは業種の指定ということで、鉄鋼、化学、繊維、自動車、家電等が検討されておるといったような資料をいただいているわけでありますが、さて、これはだれがどういう手続で指定をなさるのでしょうか。具体的な数値なりデータのとり方等がどういう形で国民に示されるのか、その点。
 そして、事業革新の要件でございますけれども、新しい商品の開発、生産、あるいは新しい生産方式の導入、あるいは新しい取引方法なり販売方法ということでありますが、ざっくばらんに申し上げれば、何をもって新しいとするのか、薪とするのか。この点についてもお伺いをいたしておきたいというふうに思います。
#11
○牧野政府委員 特定業種の選定の仕方でございますが、これは、通産大臣あるいは農林大臣等の主務大臣が省令で指定をすることになります。
 それで、この省令の指定の基準といいますか、その考え方でございますが、今委員が御指摘になりましたようなことで、内外の経済的な環境の構造的な変化を受けて生産等の減少を余儀なくされている業種ということでございます。
 具体的には今後省令で決めることになりますが、特定業種の指定要件といたしましては、例えば五年程度の中期的な期間において、過去五年において生産が例えば五%ぐらい減少している、あるいは雇用も減少の傾向にあるといったようなことを一応のメルクマールといたしております。さらに、三年間で一〇%ぐらい生産が減少しているといったようなものについてもこれを指定をすることも考えておりますが、そういった考え方に基づきまして省令の指定をいたしてまいりたいというふうに考えております。
 次に、事業革新の定義についての御質問でございますが、これは、特定事業者が構造的な経済的環境変化に対処して、新たな事業の分野または方式を開拓しようとする行為を事業革新ということでございますけれども、やや具体的に申しますと、一般的には、事業者の属する業種、経営規模、事業環境等に応じいろいろな形態が考えられますけれども、この法の第二条第二項各号にその類型を示しているところでございます。
 二、三もう少し具体的に申し上げますが、第一号の新商品といいますのは、必ずしもこれまで生産または販売をしていた商品が属する業種と全く異なる業種に属する商品ということばかりではなく、同じ業種に属するものでありましても、原材料あるいは生産加工技術等が異なることによりまして性能用途、販売用途、販路等が異なる商品というものもこれを対象にいたしたいと思っております。あるいは第四号にございます指定規定でございますが、これは、例えば部品の共通化、標準化あるいはスペックの削減等、原材料の購入を新しい方式で行うといったようなものについてもこれを拾い上げていきたい。
 要すれば、構造的なそれぞれの具体的ケースに応じまして、できるだけフレキシブルに考えてこの法の趣旨を生かしてまいりたいというふうに考えております。
#12
○逢沢委員 最後に、できるだけフレキシブルに対応したいという局長の御答弁で、ある意味では安心をいたしたわけでありますけれども、どうかひとつ、経済の実態が非常に大きく今変わろうとしている、あるいはその変化のスピードが速いということでございますので、最後の点をくれぐれもよろしく、重ねてお願いを申し上げておきたいというふうに思います。
 続いて、第三条の情報の提供、また第四条の取引慣行改善の促進について、あわせてお伺いをいたしたいと思います。
 情報提供につきましては、国民の皆様からも大変関心の強い内外価格差の調査が初めて努力義務を規定をされたといったようなことでありまして、大変その意味では私も評価をさせていただいております。
 商品等の価格が我が国の内外において異なる状況である、あるいはそういった状況のときに、その要因をどう調査をするかといったようなことになるわけでありますが、この内外価格差というのは、例えば経企庁の数字、あるいはジェトロもなさったことがあるでしょう。あるいは総務庁や総理府の数字も私も拝見をいたしたようなことがございます。大体似たような数字がアウトプットとして出てきたのを承ったような記憶もございますが、それは、その時々の為替でドルに統一して、もういきなりそれが内外価格差といったようなものもございましたし、購買力平価に直したようなものも確かにあったように記憶をいたしております。
 あるいは、どういう商品のとり方あるいは調査の地点を選ぶか等々によりましても相当これは変わってくるんだなということを記憶をしておるわけでありますが、初めて法律に国に努力義務を規定をしたということでありますから、これは国民もあるいは産業界も、果たしてどういうものが出てくるだろうか、あるいはどういう開示、公表の仕方になるのかなということについては相当注目が高い、強いというふうに思いますので、どういったものを実際に想定しておけばいいのかということについて、まずお伺いをいたします。
 そして、第四条の取引慣行の改善についてでございます。
 特定事業者からの申し出によって販売等に係る取引慣行に関する調査を行うということでありますが、率直に、ざっくばらんにお伺いをすると、これはいわゆる、俗に言われております系列取引を徹底して排除する、その意味では開かれた市場をつくるということが、系列取引という単語は法律の中にはないようでありますけれども、ねらいというか思いがそこにあるんだ、率直に言ってそういうことであるのかということについて、あわせてお答えをいただきたいと思います。
#13
○牧野政府委員 まず内外価格差の調査の問題でございます。
 これは、委員御指摘のとおり私どもも含めまして今までいろいろな機関で行ってきたところでございますが、私どもが今非常に念頭にございますのは、あくまでも事業革新の円滑化という、それを推進をするというために、内外価格差があるのは厳然たる事実でございますから、その要因を、実態を明らかにし、あるいはその要因を分析をし問題点を明らかにすることによってこの事業の革新円滑化に役立てよう、こういうあくまでも非常にはっきりした目的を持って行おうというふうに思っております。
 したがいまして、これは、もちろん消費物資も排除するわけではございませんけれども、平板な消費物資の内外比較というものを行うというだけではなくて、むしろ中間財あるいは生産財等の内外価格差、これを十分に分析をしまして、どこに問題があるのか、どこに是正すべき問題、例えば規制でありますとか問題のある取引慣行、これがこの内外価格差を生んでいるといったようなところを分析をし、その是正に努めるという観点から行いたいというふうに思っております。既に来年度予算案におきましても、こういった観点から行う内外価格調査費が増額をされておるところでございます。
 それで、これをどういった調査を行い、どういう公表の仕方をするかということでございますが、昨年暫定的にこういう調査を行い公表したところでございます。今のところ、毎年まとまった調査を行い随時公表していくということでありまして、その公表の仕方等につきましてはどんどん改善をしていきたいというふうに思います。
 また、その内外価格差調査の方法につきまして、いろいろなところで先ほど申し上げましたように調査が行われているわけでありますが、これは、それぞれの目的に応じて、多々ますます非ずということでいろいろな機関が行われることは結構だと思いますが、今私どもが申し上げましたような調査を積み重ねていくことによりまして、おのずと一つの基準なり方式なりが整備されていくものというふうに考えているところであります。
 それから、次の取引慣行の改善の問題でございますが、まず系列取引云々ということでございますけれども、私ども、長期的あるいは継続的な取引というものが透明性があり、また合理的なものであるならば特に問題があるということを申したことはございません。すなわち、系列取引そのものが問題だというようなことを申したことはございません。いずれにしましても、基本的には系列取引であれ何であれ、市場において取引の当事者間で自由にその内容を決定すべきものであるというふうに考えております。
 ところで、本法に規定します問題でございますが、本法にも規定がございますように、取引慣行が先ほど申し上げましたような内外価格差を生んでいる原因でありますとか、非常にコスト高になっておりますとかいうような指摘が、ある特定の業者、それも一社ではなくてかなりの数から申し出があった場合には、関連の事業者、問題を指摘されたような事業者、あるいはそれを所管する官庁と、また必要があれば私どもも入りまして、政府も入りまして、いろいろ議論を行い、問題がなければ、誤解が解ければそれでいいわけでありますが、問題があればその是正を目指しでそれなりの情報を関係者に伝えるといったようなことで、あくまでも民間の自主的な取引慣行の改善というものを、改正する方向でこの問題に取り組みたいというふうに考えているところでございます。
#14
○逢沢委員 ありがとうございました。
 この法律が施行された以後、今指摘をいたしました部分がどういう運用をされるかということについて、引き続き私どもといたしましても注視をいたしてまいりたい、そのように思います。
 それでは、中小企業関係の議論に移らせていただきたいと思いますが、言うまでもなく、日本の中小企業というのは日本の経済を考えるときにそれはもう大変な存在であるということを改めて指摘をしておかなくてはならないというふうに思います。戦後の経済復興あるいは高度成長期、そして安定成長の過程において、中小企業というのは確かに創業、廃業を繰り返しながらも日本経済の躍進、発展に大変大きな役割を果たしてきた、そのことを私としても高く評価をいたしたいと思います。全事業所数に占める中小企業の割合は御案内のように九九%、人の面で見ましても約八〇%近くは中小企業、こういうことでございます。
 ところが、大臣も御承知のように最近の傾向といたしましては、どうも中小企業の開業率と廃業率がもうほとんど同じぐらいの水準になってきた、そして製造業において特定をしてみると、残念ながら廃業の方が開業を上回ってしまう、逆転するような状況になっておるといったようなことであります。確かに、経済の大きな流れとすれば、第三次産業、いわゆるサービス業、これも大事にしていかなきゃならぬということはもちろんでありますけれども、やはり第二次産業、製造業に言ってみれば元気がある、活力がある、そういう状況というのは、特に日本経済の先行きを考えたときにこれはもう大変大きな課題であるというふうに私は認識をいたしております。
 そこで、今回の中小創造法では、こういった新しいベンチャー型の製造業、中小企業を育成していこう、育てていこうといったようなことでございますが、先ほど若干その内容についても大臣からお触れをいただいたようでございますけれども、この中小創造法でどういうメニューで新しい製造業を育てていこうとしているのか、その中身について改めて御答弁をいただきたいと思います。
#15
○橋本国務大臣 今委員からお述べをいただきましたように、中小企業の存在、そして我が国を代表するような大企業をすそ野として支えている中小企業の存在というものがいかに大きいかは、私はどれだけ強調しても強調し過ぎということはないと思います。
 そして、やはり何といいましても、多彩な創造力、アイデア、そしてこれを独創性をもって企業化していく、そして新しい市場を開拓し商品を開発していく、こうした面において、私は、製造業を含め中小企業の創業というものは非常に大きな役割を担うもの、そう思います。
 ですから、この措置法の中におきましても、製造業などにおける創業五年未満の方々に対する設備投資減税でありますとか、あるいは事業を営んでおられない個人につきましても、研究開発など事業計画の申請を認めて事業開始後速やかに各種の支援措置が利用できるような措置を講じる、さらに研究開発などの事業計画の認定を受けた創業五年未満の方の欠損金の繰越期間を五年から七年に延長する、こうしたことを組み込みながら工夫を凝らしております。
 ただ、一点、もう一つ我々として考えておかなければならず、この中に残念ながら効果的な対策がとれませんでしたものは、昨年の秋、中小企業庁長官に大変苦労をかけまして、特に非常に特異な技術をお持ちであり、しかも小というより零細な企業の相当数存在する大田区を中心に調査をしていただきました。そして、その中から出てきましたものの中には、今回の法案をつくるについても考え方として役立つものが多々あったわけでありますが、一つ、やはり出生率の低下とも関連する後継者難、非常に特化された技術をお持ちの小企業におけるその技術の伝承という面につきましては、非常に深刻な問題としてとらえながら、いまだにこれで必ず答えが出せるといった決め手を持ち切れておりません。これは、ひとり通産省あるいは中小企業庁といった立場だけではなく、労働省にも、また場合によっては文部省にも御協力をいただかなければならない今後の大切な課題、そのような認識を持っておることも申し添えたいと思います。
#16
○逢沢委員 ありがとうございました。今大臣からあえて御指摘をいただきましたそこの技術の継承、そのための後継者の確保、私どもの立場といたしましても引き続き勉強、検討をしてまいりたいというふうに思います。
 それでは、中小創造法のいささか手続論、中身のことについて大事な点だけお伺いをいたします。
 時間の都合もございますので簡潔にお答えをいただきたいと思いますが、中小企業者から研究開発等の事業計画が出された場合、果たしてどういう評価あるいは認定の手続、手順になるのかといったようなことでございますが、こういう表現をすれば多少失礼李言い回しになろうかとも思いますけれども、各都道府県には計画の是非を見きわめるだけの専門家がおられるのかどうか。
 あるいはこれはよく行政上の手続の問題で指摘がされるわけでありますけれども、申請の手続が非常に煩雑、複雑で、これならもう計画を出すのをよそうかといったような気持ちを持たれてもいけないわけでありまして、出したはいいけれどもなかなか答えが戻ってこない、急いでこの新しい計画に基づいてやりたいのだけれども、と言っているうちに時間が過ぎてせっかくのチャンスを逃してしまったといったようなことが起こってもいけないわけであります。中身についても何でもかんでも認めるというわけにもいきませんでしょう。しかし、その辺の厳しさの度合いというものが果たしてどの辺のところになるのかな。
 恐らく、この法律案が国会で審議をされているということからいたしますと、法律ができ上がれば早速というふうに考えておられる中小企業者の方もたくさんおられると思います。計画の評価の基準あるいは認定の手順、手続、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
#17
○安本政府委員 この法律におきましては、手続の簡素化ということについて幾つかの工夫を凝らしておりまして、一つは、一定の業種に属します中小企業者で創業五年未満であるならばそういう方々について、また試験研究費が収入の一定以上あるというふうな方々につきましては、そもそも認定というふうな手続をなくしていきなり租税特別措置等の適用が受けられるというふうな工夫をしておりますし、先ほど大臣がおっしゃいましたように、まだ事業を始められていない方も申請を認めるというふうなことで、事業が始まった後すぐそういった政策措置が受けられるというふうなことも図っているわけでございます。
 さらに、計画の認定手続、申請してこられて認定をする、そういう手続につきましても、事業計画の内容が当然先生御指摘のとおり技術的な専門事項を含んでおりますので、必要に応じまして学識経験者等の専門家の意見を聞く必要があるわけでございまして、所要の審査手続ということを経る必要があるわけですが、当然その中小企業者等の負担の軽減等を図るというのが大変大事なことでございまして、申請書類の簡素化とかそういったことも通じながら、できるだけ手続全体の簡素化を図っていきたいと思っております。
 しかしながら、都道府県におきます計画認定につきましては、各都道府県ごとにいろいろな事情がおありかと思います。そういったところで若干の違いが出てくるというようなこともあろうかと思いますけれども、全体にできるだけ統一的な運用ができるように工夫してまいりたいというふうに考えております。
#18
○逢沢委員 今御答弁をいただきました内容に沿ってぜひ適時適切な運用が図られるようにぜひ都道府県の方を指導していただきたい、そのように思います。
 アメリカのベンチャー型の産業あるいは企業群がどういう形になっておるかということについて若干指摘をさせていただき、関連をして議論を進めさせていただきたいと思いますが、私が調べさせていただきました範囲によりますと、まず、全米ベンチャーキャピタル協会の調査によれば、一九八〇年代の話でありますけれども、八〇年代に米国の大企業がトータルで三百七十万人のレイオフをしたそうでありますが、それに対して例のNASDAQですね、NASDAQに株式を公開したベンチャー企業や未上場の企業では、八〇年代に千九百万人の雇用を創出したといったような報告がなされております。
 調べてみて次第に驚きを大きくするわけでありますけれども、二十一世紀にはこういった産業分野が経済を引っ張る主役となるであろうと言われているソフトウエアあるいは情報通信、バイオテクノロジー、こういった分野の世界のトップテンの中に入る企業を調べてみると、非常に多くがアメリカの企業であり、かつその大多数が一九七〇年代あるいは八〇年代に生まれたいわゆるベンチャーであるといったような実態を目の当たりに私もいたしまして非常な衝撃を覚えた、こういうことであります。
 それに対して日本はどうかということを当然指摘をしなければならぬわけでありますが、ベンチャーの条件というのは、まず第一に、製品、サービスについて卓抜した新しいアイデアを持つ起業家がいるかどうか、そして二番目に、その起業家のビジョンを理解し支援をするベンチャーキャピタルが存在をするか、そして三番目に、生まれた企業をマネジメントする人材がいるか、この三つの要件を外すことができないということが指摘がされているわけでありますが、一番と三番については日本もまず遜色がない水準にある。問題は二番目だ。つまり、創業者、起業家のビジョンを理解してそれに資金を投入するベンチャーキャピタルが存在するか、あるいはそれが機能しているかといったようなことだろうというふうに思います。いわゆるアーリーステージから資金を投入するベンチャーキャピタルの存在、そして初期の発展段階で店頭登録をして資金を集めることが事実上できるかどうか、その体制の問題。どうやら問題はそういうところに絞り込まれてくるかなという思いを私もいたしているわけでございます。
 日本にいわゆるベンチャーキャピタルというものが存在をいたしておるわけでありますが、大蔵大臣もされた大臣には釈迦に説法の話でございますけれども、いわゆる大手金融機関の系列下に入っておる。アメリカでもそういった大手の金融機関の系列下のベンチャーキャピタルはあるようでありますが、それよりも、いわゆる独立系のベンチャーキャピタルがいわゆるベンチャーを見つける、育てる、そういう意味では大活躍を実はされておられる。
 私の友人にアメリカのベンチャーキャピタルを共同経営して活躍している友人がおりますけれども、まあ大体そういった独立系の彼らはパートナー形式でベンチャーキャピタルを運営をしているのだ、そういったようなことについても実は教えてくれたわけであります。話を聞いてみると、まさにハイリスク・ハイリターンの世界がそこで展開をされているなといったようなことでございました。
 ところで、日本のこの中小創造法はいわゆるシーズと資金がその発展段階に応じてうまく出会えるような非常にうまいスキームが組まれているなということについては私も評価をいたしておるわけでありますが、いわゆる民間のベンチャーキャピタル投資の出番というのが、この通産省からいただいた図表を見る限りではかなり遅い段階からになっている。
 それは日本とアメリカは違いもあるわけでありますけれども、アメリカのベンチャーがああいった元気がある、活力がある、そして、つい十五年ほど前までは三、四人で始めたところがもう数千人を雇用する、そういうところが数多く育っている背景には、その独立系のベンチャーキャピタルがかなり早い段階から、シーズをまあ言ってみれば技術に結びつけるような段階から資金を投入しておるといったような状況があるようでありますが、どうなんでしょうかね、大臣、日本の場合には、ハイリスク・ハイリターンといっても、なかなか社会の現状あるいは金融機関のいろいろな規制その他からすると一気にそこまでは望むことは難しいといったような認識から、ある意味では公的な補助金あるいは中小公庫からの貸し付け、そういった政府系のあるいは公的な資金を入れながら育てながら、ある程度めどがついた段階で民間のベンチャーキャピタルに登場願おうという意図なのかどうなのか、その点についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
#19
○橋本国務大臣 確かに今委員が御指摘になりましたように、私どもの立場からいたしましても、例えばNASDAQでありますとかパートナーシップ方式の存在などというものについて、大変ある意味ではうらやましい思いで見ておる部分があります。非常に早いステージから民間資金が入っていく、そして、ハイリスク・ハイリターンの世界といいながら、それが容認された上で存在をしている。これは非常に私は大きな要素としてアメリカ経済が活性化しつつある一つの原動力だと思います。
 我々としても、新しい事業の円滑かつ継続的な発展のためには公的な各種支援は幾ら組みましてもそれだけでは足りない。民間の資金というものが円滑な供給をしていただかなければならないと思います。しかし、残念ながら、創業・発展期の企業に対して資本市場を通じた民間資金が円滑に供給されているか、十分か、そうは言えないというのが実態です。それだけに、我々は一生懸命に関係当局に対しましても、新たな事業に対する民間資金の円滑な供給を促進できるように、店頭市場を初めとする資本市場の改善をしばらく前から呼びかけ続けてまいりました。
 昨年末、大蔵省などが店頭登録制度を見直す旨発表され、本年の一月には証券業協会が店頭登録基準検討等懇談会というものを設置されたわけであります。通産省としても店頭登録制度の改革についてのワーキンググループを設置して検討を続けているわけでありますが、これから先もそうした努力は続けていかなければなりません。ぜひとも御支援をお願い申し上げたいと思います。
#20
○逢沢委員 ありがとうございました。
 時間が参ったようでありますので質問を終わりたいと思いますが、最後に一言だけ申し上げておきたいことは、アメリカのベンチャーが持ついろいろなアイデア、新しい技術、そして日本の産業界、企業が持ついわゆるQCが徹底した、非常に上手に物をつくるその技術がうまくドッキングするというのですか、アメリカの新しい技術のアイデア、そして日本の卓抜した物づくりの技術、それがうまく出会うような場をつくっていくというのですか、民間では一部そういう動きもあるようでありますけれども、そういったものにぜひひとつ通産省とされましても注目をいただきたいと思います。
 私どもといたしましても、何かそういうところからアメリカのベンチャーの生き生きとした空気というのですか、気風というか、そういうものをできるだけ肌で感じられるような、そういう場づくりに腐心をしてまいりたい。そのことを最後に指摘をさせていただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#21
○白川委員長 次に、和田貞夫君。
#22
○和田委員 円高と親企業の海外進出によって、中小企業の皆さんが新しい分野の開拓をしたりあるいは新しい生産技術の開発に努力をされたり、さらには新しい製品の開発等々によってみずからが生き長らえる道を探っておられるわけでありまして、中小企業の皆さん、非常に御苦労が大変なものでございます。
 そのやさきに阪神・淡路大震災がございまして、兵庫県を中心とした地域の産業の後退だけでなくて、日本の産業あるいは雇用の問題に多大な影響を及ぼすことになったのではないかと考えまして、経済が前向きに進みつつあるときに、この震災によりまして、非常に残念に思うわけでございます。
 そういうときに、政府が今回事業革新円滑化法案を提案されました。産業空洞化のおそれに対処するため、あるいは事業革新による国内生産活動の活性化を目的とする極めて前向きの法案であると私は評価したいと思うわけであります。雇用の安定に対する配慮も従来の法律以上に行っているものと認識をしておりますが、この機会に二、三確認をしておきたいことがございます。
 まず第一には、本法案の第十四条、承認特定事業者が承認事業革新計画に従って行う事業革新のための措置についての工場立地法の適用については、当該承認事業革新計画に係る事業革新の必要性に配慮しつつ、適切に行うものとするとしておるのでございますが、これはどういう意味なのかということを御説明いただきたいと思います。
#23
○齊藤政府委員 工場立地法は、工場と工場周辺の生活環境との調和を図るために、工場を立地する事業者に緑地の確保等を求めておりまして、主務大臣は、工場立地が周辺の生活環境の観点から問題があります場合には勧告ができることとされております。
 それで、緑地の面積、割合、配置などの具体的な基準については、工場立地法第四条の規定に基づきます準則に定め公表しており、事業者は準則に従い緑地整備を行うものとされております。ただし、準則に適合しない工場立地でありましても、周辺の土地利用の状況等の個別事情を勘案し、事業革新の場合も含めまして、生活環境の観点から問題がないと認められた場合には勧告の対象とはならないことになっております。
 しかしながら、これまでは準則不適合の場合はそれだけで勧告されるものと理解されまして、このため、準則不適合の場合は工場の建てかえそのものを断念するケースがあるというふうに指摘されております。このため、今回、個別的事情を勘案し、準則に適合できなくても生活環境の観点から問題がない場合の判断基準を明確化しますとともに、事業者からの相談にもきめ細かく対応することによりまして、工場立地法を適切に運用しようとするものであります。
 したがいまして、本法案の第十四条の趣旨は、現行の工場立地法の運用の範囲内におきまして、その運用を適切に行うことが承認事業革新計画に関係します事業革新にも資することを確認的に規定したものであります。これによりまして、事業者が承認事業革新計画に従って既存工場の生産施設の建てかえを行う場合に、生活環境の観点から問題がなければ、準則不適合であっても事業革新計画の実施を断念することがなくなり、事業革新のための計画を立案しやすくなるというふうに考えております。
#24
○和田委員 この事業革新をやるというその理由で環境保全の取り組みが後退するというようなことがあってはいけない。また、現行の工場立地法の運用が余りにもしゃくし定規過ぎるというように事業者の皆さんが言っておられるということも承知をいたしております。
 したがって、政府としては、今局長お述べになったわけでございますが、今後、地域の通産局なりあるいは都道府県に対して、どのような運用基準で工場立地法の運用適正化を図っていこうというように指導されるのかお聞かせいただきたいと思いますし、また、環境保全がそのことによって従来よりも後退するというようなことがあってはならないことでございますので、その点については、ひとつ大臣から明確にこの機会にお答えいただいておきたいと思います。
#25
○齊藤政府委員 若干繰り返しになるところがあるかもしれませんが、本法案の第十四条の趣旨は、あくまでも現行の工場立地法の運用の範囲内において、準則に適合できなくても生活環境の観点から問題がない場合の判断基準を明確にしますとともに、事業者からの相談にきめ細かく対応することにより工場立地法を適切に運用することが承認事業革新計画に関係します事業革新にも資することを確認的に規定したものであります。したがって、工場立地法に基づきます環境保全上の取り組みを何ら後退させるものではございません。
 そこで、具体的な基準としましては、既存工場における生産施設の建てかえであること、当該生産施設の建てかえが建てかえ前の建設面積の範囲内で行われるものであること、準則に適合しないまでも、可能な限り緑地等の整備を行い、かかる努力の結果、準則の趣旨を著しく損なうものとならないということ、さらに、例えば工場周辺に住宅等が存在していない工業専用地域などに立地していることというような基準を考えております。
#26
○橋本国務大臣 ベイエリア法を議員立法いたしますときにも、委員がお述べになりましたこうした分野における御懸念というものを私どもも理解しておるつもりであります。そして、事業革新法の第十四条、これは、あくまで現行の工場立地法の運用の範囲内におきましてその運用を適切に行うことが承認事業革新計画に係る事業革新にも資することを確認的に、確認的に規定したものでありまして、工場立地法に基づく環境保全上の取り組みを何ら後退させるものではありません。
#27
○和田委員 今の大臣のお答えで安心をいたしております。運営に当たってひとつ十分に配慮を願いたいと思います。
 第二の点は、本法による事業革新の名をかりて安易に既存労働者を解雇したり、また、本法による活用事業の名をかりて下請事業者にこれらの労働者を押しつけるようなことがあってはならないと思うのでございますが、これらについてどのような歯どめを設けておられるのか。
 また、今回の法案で、連合の皆さんの意見を踏まえて、承認特定事業者は関係労働者の理解と協力を得るよう努めると、こういう文言を明記されたことは非常に意義を持つものであると思います。政府としては、この文言の精神を今後の産業政策、空洞化対策の通産行政の中で十分に生かしてもらいたい、こういうふうに思うのでございますが、これはひとつ大臣の方から所見をお伺いいたしたいと思います。
#28
○橋本国務大臣 本法におきまして、その第一条の法目的の中に雇用の安定への配慮をまず私どもは規定をいたしました。そして、事業革新計画及び活用事業計画の記載事項及び承認基準におきましても、雇用の安定などに係ります必要な規定を設けておりまして、雇用の安定を損なうことあるいは下請事業者に対する不当な押しつけがないよう法制的に十分な配慮を行ってまいっております。
 さらに、第十六条におきまして、承認特定事業者に対しまして、事業革新の実施に当たりましては関係労働者の理解と協力を得るよう努めるように規定をいたしておりますと同時に、労働省の施策との連携をも図っております。これによりまして、雇用への悪影響を防止すること、事業革新の円滑化が図られるものと考えております。
 私どもといたしましては、今後の産業政策の実施に当たりましても、関係労働者の理解と協力を得ながら事業が行われることが重要である、その趣旨を十分に生かしてまいりたい、そのように考えております。
#29
○和田委員 ひとつよろしく運営のほどをお願い申し上げたいと思います。
 次に、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法についてお伺いいたします。
 この法案の意義は大変期待をした内容のものでございまして、ひとつこの機会に確認させておいていただきたいことがございます。法文の「目的」のところに、「もって我が国産業構造の転換の円滑化と国民経済の健全な発展に資する」云々と明記されておるのでございますが、「我が国産業構造の転換」についてどのような姿を描かれておるのか。我が国の中小企業の現状と余りかけ離れることのないよう、特にこの機会にお聞きしておきたいと思います。
#30
○橋本国務大臣 昨年の秋、APECの中小企業大臣会合が大阪で開かれ、私自身がその議長を務めさせていただく光栄に浴しました。この際、非常に各国の意見がそろいましたのは、すそ野産業としての中小企業の重要性というものをどれだけ強調してもその限界はないという思いでありました。
 現在、我が国の経済というものが、円高の進展あるいは内外価格差の存在などによりまして、親企業の海外進出だけではなく、中小企業に至るまで海外進出が論議をされておる状況であり、産業の空洞化というものが懸念をされております。さらに一方で、国内産業の成熟化など経済の活力の低下も懸念をされております。
 そうした中で私どもは、雇用の安定あるいは下請企業への支援などにも配慮しながら、国内生産活動の活性化を図っていき、国際的な経済環境との調和のとれた、活力と創造性にあふれた内需主導型の産業構造というものをつくり上げなければならない、そう考えてまいりました。しかしそのためには、企業家精神に富む中小企業というものの創業及び研究開発などの活動を支援することは欠くことのできないことでありますし、同時に、中小企業による、まあこれは大企業でもいいわけですけれども、新たな商品あるいは役務の生み出されることが何よりも肝要であります。まさに創造的事業活動の促進を図らなければなりません。
 しかし、どれだけ企業家精神に富んでおられる中小企業でありましても、やはり中小企業という一つの限界がありますから、資金力あるいは人材、技術力などの経営資源を必ずしも十分有しておられるとは言えない場合も多いと思います。殊に新たに業を起こされようとする時点におきましては、信用力などにも乏しいということから資金面での困難が伴うことも当然のことながら想定しなければなりません。
 私どもとしては、こうした事態を踏まえた対応をこの新規立法にかけておるわけでありまして、国会で成立をさせていただきました後、この新規立法が大きな支援の役割を果たすことを期待をいたしておるところであります。
#31
○和田委員 冒頭申し上げましたように、今中小企業の皆さん方は、いろいろと困難を乗り越えて生き長らえようと努力し、頑張っておられるわけであります。戦後五十年を経て今日の日本経済を達成することができたのは、まさに中小企業の皆さん方の大きな下支えの力であろうと思うわけでございます。これからも日本経済の発展のためにも、この際、中小企業をぶっ倒すというようなことのないように、中小企業の皆さん方にこの法律の意義を生かして十分に支援活動をしていただきたいことをこの機会にお願いをしておきたいと思っております。
 この機会に阪神・淡路大震災に対する政府の、特に中小企業の皆さん方に対する対策、あるいは産業復興に対する政府の考え方について質問をさせていただきたいと思うわけでございます。
 去る九日の日に発表されました政府の被災企業対策、大臣を初め関係者の御努力に対しまして感謝申し上げたいと思います。現地の被災者の皆さんや被災企業の皆さんあるいは行政機関の要望を十分に反映したものとして評価をいたしたいと思いますし、一刻も早い実施をお願いしたいと思うわけでございます。
 私も二回ばかり現地に赴いてまいったわけでございますが、この際、関係者の声を踏まえまして、この機会にさらなる積極的な対策を確立をしていただきたいという思いで、若干意見を述べさせてもらいたいと考えておるところでございます。
 まず、金融支援策と仮設工場、仮設店舗及び貸し工場、貸し共同工場及び貸し共同店舗についてお尋ねしたいと思います。
 政府系の三機関の災害対策融資を初め、甚大な被害を受けた被災企業への融資利率を一定期間に限り二・五%、こういうように下げられたわけでございますし、また、貸付期間も延長されたわけでございますが、さらに一定の期間の間利子をゼロにする、そして、力が出てくれば利子をいただく、一日も早く立ち直るために努力してほしいというように思うわけでございます。今そのように政府としても検討し、努力をされておる、こういうふうにお聞きしておるわけでございますが、大臣のさらなる御奮闘をこの機会にお願いをしておきたいと思うわけでございます。
 さらには、神戸市の長田区、兵庫県のケミカル工業組合、壊滅状態であります。兵庫県ゴム協同組合、同じように大きな打撃を受けております。その中に、中小企業ではございますが、年商三十億に及ぶ中堅企業があるわけです。そのような企業の方々には、この間発表されました中小企業の融資支援ではとてもおぼっかない。ケミカル工業組合の場合、組合員平均で機械設備だけで一億三千万円の資金が必要だ、こういうふうに言っておられる。業界の大手になりますと、一社当たり十億円近い資金が必要だと言っておられる。
 中小企業ではございますが、開銀等を開いていただいて、担保は十分ございませんが、過去に多額の税金を納めておるわけでございますので、これらの方々の声としては、今担保がない、しかし長年税金を納めてきた、この納税額をもっておれたちの実力を一回評価してほしい、その上に立ってぜひとも融資をしてもらいたいんだ、力がついたら再びそれ以上に納税をさせていただく、こういう声を私は聞いてきておるわけでございます。これらの中堅企業に対する手だては、この間発表されました政策以外に何か考えられないだろうか、こういう気がするわけでございます。
 とにもかくにも、このケミカルシューズ関係で、末端の家内工業を含めますと千六百に及ぶ企業が、従業員の数で五万人、家族を含めますと二十万人の人たちがそれを糧に食べておられるわけであります。まさに甚大な被害であり、大きな規模の被害であるというように言わなくてはならないと思うわけでございます。
 さらに、生産の再開が一刻も早い時期に必要でございまして、この間、仮設工場や貸し共同工場の政策の発表がございましたけれども、まだどこにしようかというようなことで物色中でございます。これがおくれればおくれるほど、仮に今から一カ月後に仮設工場、貸し付け・貸し出し工場ができたといたしますと、その間には、名古屋、東京、大阪等々で神戸からの靴底を待っておるわけでございますが、それが届かないために生産ができない、もう既に韓国に走って海外から輸入をするという手当てをつけておる企業も出てきておるわけであります。遅きに失しますと、せっかく仮設工場で生産をいたしましても、その品物自体が国内で売れない、こういう状況がつくり出されるわけでございますので、一刻も早く仮設工場の建設を急いでいただいて、直ちに生産に入れるように最大限の努力をお願い申し上げたい。
 さらには、この仮設工場やあるいは共同貸し出し・貸し付け工場ができたときに、末端の家内工業的な方々も二、三共同して、五、六軒共同して共同作業的な場を求める場合は、そういうような方々もぜひとも対象にしてもらいたい、こういうように思っておるところでございます。これらにつきまして、一括御答弁をいただきたいと思います。
#32
○橋本国務大臣 まず第一点、今回決定をいたしました被災中小企業支援対策におけるその融資、それを実質的に無利子にできないかというお尋ねでありました。内容は既に委員御承知のとおりでありまして、従来の金利を下回る二・五%を提供するといった措置まで政府としては講じたわけであります。
 そして、被災者の方々に、どういう仕組みでありましても無利子でお金が届けられることが大事、そのような考え方を私自身も持っております。現在、県あるいは市におかれまして、国の協力を得てこれらの融資に利子補給を行うことによって、当初三年間を無利子にできるように御検討をいただいておると承知をしております。その実施の時期、内容については近く明らかにされるものと期待をいたしておりまして、県、市のお考えが固まりましたならば、実質、被災者の方々には利子を御負担願わない資金を提供できるもの、私自身もそれを一日も早く決定ができることを願っております。
 また、今委員からケミカルシューズ業界の例を引かれまして切々たるお話がございました。実は一月の二十八日に、兵庫県及び神戸市に私の方から、一日も早くどこでもよい場所を決めていただき、仮設工場の建設に着手しましょうということをお願いを申し上げ、場所の選定を願ってまいりました。ようやく場所もそろそろ出てまいるようであります。
 そして、私どもとして非常に焦っておりますのは、委員が御指摘になりましたこと以上に、そこで技術を持っておられた方々が工場の再興がおくれたためにどこかへ散ってしまったら、後で建物をつくり機械を入れてもそれを動かす人間がおりません。先日、ケミカルシューズ業界の皆さんがわざわざお越しをいただきましたときに、とにかく早く動かしましょうよということを私の方から強くお願いを申し上げました。同行しておられた神戸市議会の方にも、神戸市自身も急いでいただきたいということを強くお願いを申し上げております。
 特定の分野におけるものだけではなく、今委員が御指摘になりましたような、それぞれにおける、その業界における大企業というものはあるわけてあります。ケミカルシューズの業界の場合には、この業界における大企業と言われましても、実は中堅企業クラスの大きさでありまして、そういった意味では、私どもなりにこれからもできるだけこれらの既に決定しております措置が有効に活用されることを期待すると同時に、事業者などのニーズを踏まえながらの復興へ向けての支援を行いたいと考えております。
 また仮設工場あるいは貸し工場等につきまして、従来の私どもは高度化融資事業の活用によりましてこれを進めていこうと考えてまいりましたが、同時に、従来の高度化融資制度に比べて地方自治体の御負担を少しでも軽減できる方法を今検討いたしつつあります。今後ともに地方公共団体とも十分御相談をとりながら被災地の状況を十分に踏まえまして、仮設工場などの実現に向けて具体的な検討を早急に進めてまいりたいと考えております。
 昨日、兵庫県知事、神戸市長、それぞれに訪ねてくださいましたので、こうした点についての自治体としての御意見もできるだけ早く御確定をいただきたい、我々としては、お手伝いをしたくて待っているんだからということも実は申し上げた次第であります。
 また、その仮設工場等につきましては、建物だけではありませんで、機械の部分につきましても、近代化資金助成法の中で設備近代化貸し付けがございます。これは制度として無利子のものでありまして、こうしたものも活用していただくことによりまして、仮設工場の実現には具体的に進めていただけるものと信じております。
 また、特に御指摘のありました仮設工場ができ上がりました場合の入居の選考に当たりましては、これは地方公共団体あるいは公益法人等が御決定になるものではありますけれども、私どもといたしましても、当然のことながら供給能力を超えた入居希望がありました場合、その趣旨にかんがみてより緊急の立ち上がりが必要な零細な企業のニーズに十分配慮していただくように関係の地方公共団体あるいは公社等に対して御連絡をとってまいりたい、そのような気持ちでおります。
    〔委員長退席、大畠委員長代理着席〕
#33
○和田委員 小さなことでございますが、この機会に意見を申し上げておきたいと思いますが、例えば、この貸し付けに当たりまして罹災証明を発行しているわけですね。これは役所によって違うんですよ、用紙が。例えば、災害特別被災証明書と災害被災証明書と内容が違うわけですね、書き方も。これらはできるだけ証明書の形式をもっと簡素化して、そして統一化してもらいたいという意見が現場の方から出ておりますので、この点の配慮をひとつお願いしたいと思うわけでございます。
 さらには、今大臣の方からお答えいただきました二・五をさらに特定の期間の間、三年というように言われましたけれども、無利子で貸し出しすることができるよう、体質強化の資金だけでなくて政府三機関が貸し出す中身も、ぜひともひとつ貸出利率ゼロということになるように、なお大臣の奮闘をお願いをしておきたいと思うわけでございます。
 さらには、直接被害者だけではなくて間接被害者、取引をやっておられた例えば大阪のあるいは愛知のという間接被害者がございますが、この間接被害者に対しては収入の見込みを、減収するであろうというような証明を、地方通産局の方で発行されるというようなことを漏れ承っておるわけでございます。そのようなことがなされるならば、この間接被害者に対する貸付枠も、あるいは貸し付けの利息も四・五から三%にあるいは三%から二・五%にというようにできるだけひとつそこらあたりは柔軟のとれた対応策を考えていただきたい、こういうように思っておるところでございますが、その点についての意見をお聞かせ願いたいと思います。
#34
○中田(哲)政府委員 被災者が特別の融資を受けますためにいろいろな手続がございますけれども、その中に被災証明書の提出というのがございます。これは市あるいは町にお願いをしているところでございますけれども、委員御指摘の被災証明書あるいは特別被災証明書、これにつきましては、特別の被災を、災害をこうむっている程度の重い方に関しましては若干の金利が差がございまして、そのために一部フォームが違っているのがございますけれども、御指摘のような証明書の簡素化ということは大事なことでございますので、市町ともまた御相談をしてまいりたいというふうに思っております。
 それから、無利子の制度を政府系三機関の方にも適用すべきだという御指摘でございますけれども、県あるいは市の方で、震災復興のための特別の基金を設置すべく今御検討中ということでございまして、この基金を活用いたしまして、先ほど大臣から申し上げましたように、利子補給を行うその対象といたしましては、政府系三機関につきましても含めていくという方針というふうにも伺っているわけでございまして、この基金の造成につきまして、政府としても最大限の支援をしていきたいというふうに思っているところでございます。
 それから、三点目の間接被害でございますけれども、金利の点につきましては、従来間接被害は見てなかったわけでございますけれども、金利四・四五、特に被害の著しいものに対しましては三・〇というような思い切った利子を既に設定をしているところでございまして、全国の間接被害者を対象としているということもございまして、この金利で運用させていただきたいというふうに考えているところでございます。
#35
○和田委員 できるだけひとつ、被災者に対して有利に、柔軟に、弾力性を持って対応していただくようにお願いをしておきたいと思います。
 この機会に、中小だけでなくて、これは例えば神戸製鋼あるいは川鉄、住友ゴムという大企業も大きな被害を受けておるわけであります。例えばこの神戸製鋼の場合に、下請さんで協同組合神鋼協力会というのがございますが、これが二百五十社あるわけです。あるいは神戸市内には機械金属工業会、四百七社がある。あるいは神戸機械金属団地協同組合というのは二百三十七社ある。それらの方々にやはり大きな打撃を与えておるわけです。中小も中小でございますが、やはりこれが、単に兵庫県だけでなくて、大阪にも名古屋にも波及していく影響が非常に大きいと思うのですが、まだ大企業に対して対策が具体に出ておらぬわけです。一体これはどういうことかと思うのですが、おわかりの点がございましたら、この機会にお聞かせ願いたいと思います。
#36
○橋本国務大臣 既に、実は予算委員会等では同種の御質問が出ておりまして、私自身、従来中小零細企業を対象にしていた災害に対する対応でありましても、今回、非常に産業の集積度の高いこの被災地域の実情を考えるとき、大企業までを対象にせざるを得ないと考えるということは申し上げてまいりました。
 そして、今御指摘のように、地域経済社会、雇用等に及ぼす影響の大きさなど考えますと、被災地の産業及び電気、ガスといったライフラインの早急な復旧、復興に全力を挙げなければならないわけでありますけれども、本日夕刻の政府・与党の諸手続を得まして、先般来、鋭意、日本開発銀行による低利融資制度の創設について財政当局との論議をしてまいりました結果の骨格が固まることになっております。
 検討中の措置の内容といたしまして、電力、ガスなど、従来から開銀融資の対象になっているものだけではなく、小売業、製造業などにつきましても、従来開銀融資の対象となっていなかったものを対象とするということ、また、被災設備の性格に応じまして、現在の最優遇金利を下回る金利を一定期間適用する、融資期間、据置期間につきましても、従来より延長する方向で弾力的に運用する、こうしたことを煮詰めてまいっております。
 こうした措置を活用しながら、我々としては復旧支援を進めていくこととしたいと考えておりまして、委員御指摘の方向に今事態を向けつつあることを御報告を申し上げます。
#37
○和田委員 ひとつできるだけ積極的にお願いしたいと思います。
 つけ加えて申し上げますと、例えば、住友ゴムが生産拠点を神戸から他に移すというようなことがあると、そこにやはり雇用の問題、空白化が出てまいります。この鉄鋼業界がそういうことにならぬように、また下請がそこで存在することができますように、ぜひとも御配慮を積極的にお願いしておきたいと思います。
    〔大畠委員長代理退席、委員長着席〕
 時間がなくなりまして、この間、九日の政府の発表の中に「下請企業対策及び官公需確保対策の着実な実施」ということが書かれておるのですね。これは文書だけで終わらぬように、具体に、きょうは郵政省と法務省と建設省と来てもらっておりまして、意見を述べていきたいと思っておったのですが、あと五分ばかりしかありません。せっかく来ていただいたわけでございますが、私は、建設省の皆さんに、これからの復興計画に当たりましては、それを実施するについて、必ず地域の雇用の問題を絡ませて考えてもらわぬといかないということをこの機会に強く言っておきたいと思います。ゼネコンが他から下請を連れてくるようなことがあってはならない。ゼネコンはどこから来てもいいから、必ずその下請は現地のこの被災の、困っておる中小建設業者を使うように指導してもらいたいということを建設省の方にお願いをしておきたいと私は思うのであります。
 あるいは法務省、郵政省、通産省の方で官公需適格組合制度というのを中小企業の皆さんに、これはもう過去二十年も三十年も前からこの制度があるわけですね。ところが、これが毎年一回閣議で決定される、閣議で決定したことを自治省が自治体に通達する、自治体はその閣議決定を極めて忠実に守ってやっておられるのですが、肝心かなめの政府機関が一向に、官公需適格組合くそ食らえ、こういう態度であります。
 そこで通産省に、中小企業庁に言っておきたいのは、やるのであれば、この文書だけでなくて、具体的に各省庁を指導しなさい。どういうふうに指導したらいいかといいますと、入札公示というのが官報に掲載されておる。例えばウールであれば、指名されるための条件として、原糸から、糸から製織まで一貫して製造されるもの、あるいは一定の品物の提供を受けられる業者。ウールであればウール、ナイロンであればナイロン、麻であれば麻、みんなそういうように書かれた入札公示というのがされておるのです。これじゃ、適格組合だと何ぼ中小企業庁が言うたところで、これは中小は入れませんよ。靴についても同じこと。郵政省は全国各局の帽子から服からシャツから靴に至るまで、法務省は刑務所に入っておられる看守の方々の帽子から服から靴に至るまで、受刑者の作業衣に至るまで、みんなこういうことでございますので、大手のものしか入れない。建設業だけじゃないんです。
 こういうことをそのまま置いておいて適格組合でございと言ったところで始まらぬ。ここでせっかく政府が発表した六項目にそういう「官公需確保対策の着実な実施」というように書いておる以上は、これを受け取った、これを見た人たちは真に受けてしまいますよ。ここらの障壁があるということを、私は、時間的な関係もございますので、せっかくきょうは来ていただきましたけれどもまたの機会に譲らせていただくとして、指摘をさせていただきました。
 これを具体に中小の皆さん方に、現地の被災の中小企業の皆さん方に官公需が受注できるためにはそのようなことまでもやらないと現実にはできない、これは空文になってしまうということを私は申し上げましたので、そのことを踏まえて、この六項目がそのまま中小企業の被災者の皆さんにありがとうございましたと言われるような内容にしてもらいたいというように私は大臣にこの機会にお願いをしておきたいと思うのですが、どうですか。
#38
○橋本国務大臣 今の御指摘の点は、できるだけ早い対策本部の席上におきまして、私から今回の災害の主管大臣であります小里大臣を初め関係閣僚の方々に要請をさせていただきます。
#39
○和田委員 これは閣議でもひとつぜひともお願いをしておきたいと思いますし、各省の官房長会議を開いてもらって、この公示の内容は具体的にすぐに変更してもらわぬとだめですから、そのことをひとつ強く要望いたしまして質問を終わりたいと思います。
#40
○白川委員長 次に、鳩山由紀夫君。
#41
○鳩山(由)委員 三法案についてお尋ねを申し上げる前に、震災関係のことで一、二伺わせていただきとうございます。
 実は、一昨日、私ども商工委員会では、特に工業技術院にお世話になりまして視察をさせていただきました。委員長を初め多くの皆様方に大変な御指導をいただきながら、最先端の仕事ぶり、大変に勉強させていただいて、ありがたく思って帰ってまいりました。特に、昼食時の懇談会では、いろいろな問題がまだあると、最先端の研究をさせていただきながら研究費と旅費の融通性の問題など御指摘をいただいて帰ってまいりました。この件に関しまして、またじっくりと勉強をさせていただきたいとは思っておりますが、通産省の御指導をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 その折に、特に地質調査所に伺わせていただきました折に、特に震災関係に関しましていろいろと勉強させていただいたわけでありますが、所長から、アメリカにおいては活断層が通っておるところの帯状の周辺三十メーター以内には建物などを建てられない法律ができているというような御指摘をいただいたわけであります。日本において将来このような活断層に対する規制の問題など生じてくるのか、法的規制というものが必要であるのかないのか、通産大臣にお聞きをさせていただきたいと思います。
 アメリカと日本の活断層の違いというようなことも申されまして、アメリカなどは地震、すなわち活断層が活発になるのは二、三百年に一度という頻度で結構多いのだ、日本においては活断層といえども千年から数千年のオーダーで地震が起きるという話でございました。したがって、相当期間が長いからある意味では安心していられる期間も長いわけでありますが、人の住む地域というものに関しましては、ある意味で半永久的に安全でなければならないという思いもございます。この辺をどのようにお考えになっておられるのか。
 あわせて、埋立地の問題も、先日の商工委員会でも質問させていただいたわけでありますが、埋立地も同じような問題でありまして、半永久的にもし埋め立てをして国土として使わせていただくような場合には、震災などに遭ってもびくともしないような埋め立てをしなければなりません。そのようなことを考えたときに、今後の埋め立て問題に関する見通し、何らかの規制というものが必要とお考えになるのか、あわせてお聞きをしたいと思います。
#42
○橋本国務大臣 今委員が御指摘になりましたように、カリフォルニア州におきましては、一九七一年のサンフェルナンド地震を契機にアルキストープリオロ特別調査地帯法というものが設けられており、委員が御指摘になりましたような内容を含んでおるものであります。そして、これは私は一つの見識と思います。
 しかし同時に、我が国の場合、非常に狭い国土の中に多数の活断層が存在をしている。しかも、その意味では非常に不幸でありますけれども、必ずしもすべての活断層が把握されているわけではありません。
 こうした我が国におきまして、活断層周辺地域への工場、オフィス等の立地を制限するという場合には、これは地震災害対策の観点だけではなくて、活断層の周辺に工場等建設を制限する場合の経済的、社会的影響、現に活断層の上に立地しております建物の取り扱い、同時に、これらを踏まえました新たな土地利用規制を設ける社会的な必要性、こうしたものを検討する必要は必ず出てくると思われます。
 今回の阪神・淡路大震災の教訓も今後おいおい学問的に明らかにされてくると考えられますが、この中においても既に幾つかの問題が出てきておるようでありまして、例えば委員が埋め立ての問題にお触れになりましたが、かえって埋立地の方が被害が少なかったといったような事例も、実態はどうか、私は専門家ではありませんのでわかりませんが、提起をされております。私は、こうした諸点を踏まえながら、慎重にこれは検討する必要があるものだと考えております。
 また、埋立地について、公有水面の埋め立てということになりますと、一つは従来、瀬戸内海法におきまして一つの制約を加えてまいりましたことは御承知のとおりであります。ところが、もう一方の問題として、廃棄物の処理という観点から、残念ながら、狭隘な我が国におきまして、殊に今回の例えは建築物の倒壊いたしましたその後の廃棄物といったもの、海面埋め立てに頼らなければならない部分が多々存在をいたしております。また、雲仙・普賢岳のケースを想定いたしましても、海岸に流入いたしました多量の火山灰、泥流、これをどうとらえるか、こうした問題も現に存在をいたしております。
 そして、今回の大震災の復興に当たりましても、取り壊しました建造物の廃棄物は恐らく陸上処理では処分し切れませんので、一つは当然護岸等で破壊されましたところを修復するものに使われるでありましょうが、それ以外にも恐らく公有水面の埋め立てを実施せざるを得ない場所が生ずるであろうと思われます。その場合に、環境に対する配慮、漁業に対する配慮、同時にその廃棄物をもって埋め立てます。その結果としての造成されました土地に対する利用、こうしたことまでを考えた上で公有水面の埋め立てについては実施に移るべきもの、それぐらいの慎重さを必要とするもの、私はそのように考えております。
#43
○鳩山(由)委員 ぜひ、政府におかれましては慎重に、かつ真剣に御討議をいただいて、結論を見出していただければと思います。また当然、社会的影響あるいは個々の例において差というものは出てくるものだと思いますので、真剣に御議論を進めていただければと思います。
 続いて、事業革新円滑化法案について御質問させていただきます。
 私は、空洞化という言葉は好きではありませんが、これは必至ではないかというふうに思っております。すなわち、労働力のコストというものが余りにも現在のところ違い過ぎている日本と例えば東南アジアの諸国、特に東南アジアの諸国におきましても著しく経済的に発展を遂げている環境の中で、日本の企業が安い労働力を求めて海外に進出をしていくことに歯どめをかけるということも決してできるわけではないというふうに私は思っているわけであります。
 すなわち、現在の産業構造というものと十年後あるいは二十年後の日本の産業構造というものはおのずから違ってくるものだと理解をしなければなりませんし、かなりトラスチックに違う姿というものを見据えていかなければいけないのではないかというふうに思っております。それゆえにこのような円滑化法案というものがつくられたというふうに理解をさせていただいておりますが、先ほども逢沢委員の方からの質問もございましたが、私も関連をして二、三お尋ねを申し上げたいと思っております。
 すなわち、この法案において、特に鉄鋼、自動車、家電といった特定業種というものを定めておられます。そういった産業が、生産あるいは雇用というものを減少させていくなど構造的変化を余儀なくされていく環境の中で、むしろこの産業群が新しい商品を開発するとか、あるいは新しい生産方式を導入するといった場合に、できるだけ政府として積極的な支援を行う法案だというふうに承っております。
 ただ、私は、このように特定業種というものを定めて、それらの内部において、例えば、粗っぽく申し上げれば百万人なら百万人、海外に企業が進出することによって国内での労働力に余剰が生じてしまった場合に、その百万人の労働力を新しい産業に吸収していくための方策として特定業種にその仕事を与えるということで果たして十分できるのだろうかという思いが実はあるわけでございます。むしろ伸び盛りの産業群に対して積極的な支援を行って、現在例えば数百万人の雇用があるところもある、そのような伸び盛りの産業にさらに百万人の新たな産業をつくり上げていく方がむしろ容易なのではないかという思いがしているわけであります。
 すなわち、創造的な事業というものを行う企業というものを特定業種というものに定められたわけでありますが、必ずしもそこに定める必要もないのではないか。新しい商品というものを生産するあるいは新しい生産方式を導入する、大企業であっても、そういう企業に対して積極的な支援を行うということはお考えになられなかったのかお尋ねを申し上げたいと思います。
#44
○牧野政府委員 今委員の御指摘はもっともだと思う点もございますが、本法の目的は、あくまでも構造的に問題を抱えておる製造業が、いろいろ既存の雇用も含めてその経営資源を活用することによりまして何とかその雇用の安定を図り、事業の新しい活路を見つけ出す、これを応援する、こういう法の趣旨でございます。したがいまして、特定業種ということに限らせていただいているわけです。
 ただ、今委員御指摘のように、今後伸びていく産業、サービス業でありますとか、非常に技術先端産業でありますとか、こういうものはあくまでも、やはり主体的には民間の努力によりまして雇用の吸収が図っていけるものであるというふうに思っておりまして、今冒頭に申し上げました観点から、本法では特定業種というものに限らせていただいているわけでございます。
 ただし、特定事業者がみずからの努力によっては、その経営資源を活用して新たな事業をやるあるいは雇用をつなぎとめるということができない場合には、この法案にございますように、活用事業者という概念を設けまして、そして、その活用事業者につきましては別に特定という一切の、製造業に限りたいとは思っておりますけれども、限定はございません。これは、仮にどのような産業であろうともあるいは非常に利益を得ている産業であろうとも限定しておりません。こういうところが雇用を吸収してあるいは他の経営資源を活用して、吸収してこの事業の展開を図っていくというものについてはこれを本法の対象にしているわけでございます。
#45
○鳩山(由)委員 今お話がありましたように、活用事業者の部分において今私が意見として申し上げたところがある意味で述べられているのではないかと思います。それは事実だと思っております。
 ただ、特定事業者が計画を立てて新製品などを開発する、その雇用というもの、余った雇用をむしろ活用事業者に吸収をさせていただいて、中途採用などを受け入れていくというような話であろうかと思いますが、その場合に、私が判ずる限り、この中には、活用事業者の方には設備投資の減税というようなものは含まれていないように思われます。もし活用事業者に先ほど申したような大企業などを含めていただくような場合に、あるいは含めていただけるというふうに私は信じておるわけでありますが、その活用事業者が新たな事業を行って、中途採用の方々を特定業種からいただいて雇用を開発させていただく場合に設備投資の減税なともあわせて行っていただければと思うのですが、いかがでしょうか。
#46
○牧野政府委員 お説もわからぬことはないのですが、これはどのくらい助成をしたらいいかということとの見合いでございます。見合いでございまして、活用事業者というのは、今申し上げましたように、一般的には非常に元気があるといいますか、大いにこれから伸びていくという企業者が多いわけでございますから、それに対して設備の減税を行うまでの必要性はないのではないかという判断でございます。
 ただし、設備投資に対します融資でございますとか、あるいは先ほど来申し上げております雇用を吸収した場合に、雇用調整助成金でございますとかあるいは訓練費でございますとか、これは労働省の方において法案改正によりまして新たにこういうものを対象にするというふうになっておりますので、私どもといたしましては、活用事業者を大いにエンカレッジすることによってこの法の目的が達成されるというふうに考えております。
#47
○鳩山(由)委員 わかりました。
 この円滑化法案の中に特に文部省とのかかわりがある部分がございまして、企業と大学との連携協力の推進というふうにうたわれております。実は私の経験を少しばかり申し上げさせていただきたいのでありますが、私は一九七〇年にスタンフォード大学というアメリカの大学に留学をいたしました。まさにジリコンバレーの中心にあるような大学でございます。そこで最初は電気工学を勉強いたしたわけであります。その電気工学科の授業は、すべて二人に一台テレビが置いてありまして、当然教師がいるわけですからテレビを見なくてもいいのでありますが、テレビには黒板やOHPの文字などが映されている。ただ、我々がそこで質問させていただくのも自由なんですが、むしろこのテレビシステムというものは外に向けて完全に開かれておりまして、シリコンバレーに存在している企業の中で授業を聞くことができる。そして、時々その企業の方々から質問が飛んでくるわけでございます。
 そのように、最先端のあるいは基礎的な授業というものを、別に卒業証書がもらいたいとかいう話ではないわけでありまして、授業を聞いて単位をもらえる方式というものが学内だけではなくて産業の中にも、あるいは一般の民間の中にも開かれているシステムというものを二十四、五年前に拝見をさせていただいて、しみじみ日米の大学の授業の差というものを感じた次第であります。
 ちょうどそのころ、私どもは産学協同の問題の是非で大学紛争というものを経験していた年代でもございまして、余りの格差の激しさにびっくりしたわけでございます。そのような産学間の協同というものがどこまで進めばいいかというような議論は確かにあろうかと思いますが、例えば、これから伸びていくべき産業というものに対して、例えば情報産業などに対して、大学がより道を開いていく、特に私立大学に限られていかざるを得ないのかもしれませんが、そういった教育方向というもの、産業と大学との間の協力をなお一層進めていかれる道というものを模索しておられるか否か、お伺いをさせていただければと思います。
#48
○平石政府委員 ただいま先生御指摘ございましたように、新規産業の創出に向けまして新たな産業フロンティアを拡大する研究開発、特に基礎的、独創的な研究開発の推進が重要な役割を果たすわけでございますが、そういった分野におきましては、異なる発想を持ちました研究者同士の交流が不可欠でございまして、産学官の交流が極めて重要であると私どもも認識しております。またそれと同時に、人材育成の面でも産学官の協力が重要な課題ではないかと考えております。
 こうした観点からいたしまして、私ども通産省におきましては、産学官の交流を深めるべく研究者交流の拡充、また産学官の連携のもとでの研究開発プロジェクトの推進、また税制等によります共同研究の促進などに努めてきております。
 また、今般の特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案におきましても、文部省と協力して産業界と大学等との連携と協力の円滑化を図るものとされております。今後とも、各省庁と密接に連携をとりながら産学官交流の一層の推進に努力していきたいと考えております。
#49
○鳩山(由)委員 時間が参りましたのでこれで終了させていただきますが、最後に一言だけ意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 今院長が申された方向でなお一層の御努力をいただきたいと思っておりますが、この中小企業創造的事業促進法案の部分においても、特に新しい事業を若い人たちが行いやすくする、まさにいわばインキュベーター的役割を果たす法案であると理解をしているところでありますが、学生が卒業するとどうしても大企業に、大きな企業に安定を求めて就職したがる傾向というものにどこまで挑戦ができるかということだと思っております。
 どうもなかなか日本人、あるいは若い人たちには新しい発想が生まれているのかもしれませんが、我々の世代には安定志向が強く、また一律の授業というもの、同じタイプの人間をつくることにきゅうきゅうとしてきてしまった教育というものに本質的な問題があるのかな、意識の変換というものを行っていくような、そういう教育をしていかない限りなかなか、インキュベーター法案、受け皿をつくっていただいても実を入れることができるのだろうか、そんな不安も実際に感じております。
 その意味において、ぜひとも文部省におかれましても、また通産省におかれましても連携をとっていただいて、新しい産業に小さくとも自分たちが挑戦的に乗り込んでいくという企業家精神を持った学生を、若者たちをどんどんと輩出されていただけるような、そんな日本にしていただきたいということをつけ加えさせていただいて、意見として申し上げさせていただいて、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#50
○白川委員長 この際、午後一時三十分から委員会を再開することとし、休憩いたします。
    午後零時十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時五十四分開議
#51
○白川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。吉田治君。
#52
○吉田(治)委員 事業革新法、俗に言う空洞化三法の審議に入りまして、まず最初に、大臣の御所見というのですか、きのうの夜テレビを見ておりまして本当にショックを受けましたのは、ニューヨークの証券市場はもう最高だ、一方、東京証券市場は年初来の最安値を記録した、その理由はどこにあるのか。産業の空洞化等と言われていたアメリカが、いつの間にか復活してしまった。製造業を中心にその経済の力強さというものがニューヨークでも株価に影響し、今度は反対に東京では、忍び寄る空洞化、また不景気というふうなものが年初来安値の株価に反映した。これは、とりもなおさず空洞化というふうな問題があって、これは残念と同時におもしろいなと思うのは、なぜアメリカの産業の空洞化がとめられたかというと、やはり一つには自動車産業が復活した。
 この自動車産業がなぜ復活してきたかといいますと、非常におもしろいのは、新しいシステムも入った。ターンキーというシステムで自動車産業は復活した。大臣、よく御存じかと思いますが、アメリカの自動車産業復活においては、日本から設備を持っていくだけではなくて、人の教育も、システムもすべて起こして、それこそキーを回せば日本と同じ品質、日本と同じような安価なものができる。一方、それを考え出した日本の産業は空洞化におびえている。この空洞化というふうなもののもとをたどれば、これは、大臣、大蔵大臣もお務めになられて非常によく知っていらつしゃるとおりに、為替、円高、これはある意味で行き過ぎたと言ってもいい円高というものが大きな影響を及ぼすというふうに考えておる次第でございます。
 この辺から含めて、円高また空洞化についての、何でこんなことになってしまったのか。日本人が何を悪いことしてきたのか。一生懸命働いて、働いて、働いてきて、汗を流したら幸せになれるはずが、なぜ今空洞化といっておびえなければならないのか。まず大臣の御所見を賜りたいと思います。
#53
○橋本国務大臣 今、後場の為替を聞きましたところ、九十七円台の半ばで押し合っているようでありますが、行き過ぎたというよりも、私は、本当にファンダメンタルズを反映していない現在の為替水準であるという気持ちを強く持っておりますし、この一両日の状況というものは、メキシコの影響というものが先日のG7で一たん食いとめられたかと思いましたのにまた再燃をした、そしてドルが国内に還流しつつある、そんな感じもいたしております。
 しかし、ここまで円高になることを予測していたわけでは決してありませんけれども、例えば、一昨年の春の段階で、アメリカのエコノミストたちの中に一ドル百円論があったことは委員が御承知のとおりであります。そして、クリントン政権のもとにおいて、日米の経済不均衡是正の方針として、ある程度円高を容認する空気がありましたことも委員御記憶と思います。私どもは、その時点でアメリカ側に対して、円に対してだけではなくマルクに対しても弱含んでいるドル、これは円高というよりドル安と考えるべきではないのかという議論も随分いたしてまいりました。しかし、必ずしもこうした主張が生きたという状況ではございません。
 そして、内外の経済環境が大きく変化しております中で、我が国の製造業における海外直接投資が大きく増加をしている。しかし、国内に対する設備投資、国内投資というものは非常に低い。しかも、我が国自身の国内設備投資あるいは研究開発活動というものが依然として低迷している状況であり、これは間違いなしに円高の影響であり、内外価格差の存在であり、我が国における既存産業の成熟化というものがあり、同時に、新たに業を起こそうという意欲が減退しているなど、我が国の産業における閉塞感、こうした構造的な要因というものを挙げなければならないと思います。
 我々は、今海外生産比率で見た場合に、依然として欧米主要国と対比して水準は低いとはいうものの、こうした状況を放置しておりました場合には、先刻来の本委員会の御論議にもありましたように、我が国の雇用や中小企業、地域経済への悪影響、こうしたものが長期的には我が国の技術基盤への影響などという観点で心配をされ、産業の空洞化を懸念されているところであります。
 それだけに、我々がとらなければならないのは、まさに内外価格差の是正であり、新たな事業機会の創出を図るための規制緩和の推進であり、また、産業構造転換を円滑に進めるための新規事業の育成支援、既存産業の事業革新の支援及び内需主導型の経済構造を実現するために良質な社会資本整備を計画的に行っていくこと、しかもできるだけ前倒しで行っていくこと、さらに創造力と活力のあふれた経済社会を構築していくことが我が国の経済政策上の最優先の課題であると我々は考えております。同時に、こうした施策を総合的に講じることが空洞化対策そのものでもある、そのような認識も持っているわけでありまして、御審議をいただきます関連法案もその一環として考えていただくものであります。
 同時に、ここで我々が注意をして御説明をしていかなければならないことは、これらの法律案が海外直接投資の進展を妨害する、阻害するものを意図するものではない、同時に、特定の地域や産業を支援することだけを意味するものでもない。むしろ、グローバル化、ボーダーレス化が必要な経済の中で、我が国の産業構造転換施策とともに、アジア諸国を中心とした諸外国との間で適切な国際分業を進めながら、国際経済環境と調和のとれた我が国の経済の発展を図ることを目的としているということであります。
 それで、委員はターンキー方式というものを例に挙げられながら、アメリカの自動車産業の牽引力を言われました。私は、その自動車産業の牽引力、その前段階にもう一つアメリカで注目すべき対応があったように思います。それは、人材派遣業というものを非常に巧妙に駆使したということでありまして、我々はこの点も見落とすことはできない、そのような感じを持っております。
#54
○吉田(治)委員 空洞化対策三法案、いろいろ問題はあると思うのですけれども、まず一点目ですね、この三法で使われる予算措置というのは今大体幾らぐらいの予定をしておるのでしょうか。
#55
○橋本国務大臣 ちょっと正確な数字は私承知をしておりませんので、事務方から御答弁を申し上げさせたいと思います。ただ、もし委員のお気持ちの中に、その予算的な措置だけがこの対策であるとお考えであるとするならば、私どもとしてはその点については多少補足をしておきたいと存じます。
 それは、予算措置と言われる部分だけではなく、金融面あるいは税制面の措置でありますとか、今日まで営々として技術的にも積み重ねてまいりました省エネルギー対策あるいは環境対策など、社会的な要請に応じて対象を絞り込んだ支援措置を進めてきた我が国におきましては、むしろ良質な社会資本整備の拡充、前倒しということを先ほども申し上げましたけれども、こうした努力を積み重ねていくとともに、規制緩和でありますとか市場制限的な商慣行といったものを是正することにより内外価格差を是正したり、市場アクセスを改善したり、こういうこととともに、それこそ立ち上がりから店頭公開までの各段階に応じた新規事業の育成策等、こうしたものが相まって目的が達せられるものであり、ただ単に、例えば製造業だけあるいは中小企業だけに対しての予算措置だけでこれは律せられるものではないということは申し上げておきたいと思います。
#56
○牧野政府委員 事業革新法に関する予算でございますが、これは、一般会計的な予算は後ほどあるいは質問があるかもしれませんが、産業基盤整備基金の情報提供業務に対する補助を行う費用でございまして、これは五千万程度でございます。
 ただ本法は、今大臣申し上げましたとおり、財投、税制、いろいろな対策を駆使しているわけでございます。財投、開銀融資につきましては、低利融資、恐らく年間数百億円の規模になるかと思います。それから、税制についてはその都度出てくるものでございますので、今幾らということは申し上げることはできないと思います。
#57
○中田(哲)政府委員 中小企業の創造的事業活動促進臨時措置法につきましては約七十億、それから、小規模企業共済法の一部改正につきましては五十五億円ほどを計上する予定になっております。
#58
○吉田(治)委員 大臣の方からもうお答えを先にいただいたのであれですけれども、きょうは農水の方、来ていただいていると思います。私ども、ガット・ウルグアイ・ラウンドと同じように、国際経済の大きな波の中で農業が非常に大変な問題になるということで六兆数千億に上る予算を決定しました。その中において、では具体的にこの六兆何千億というふうなものが、六兆一千億ですか、使われた場合に雇用がこれだけふえるとか、そういうふうな具体的な数字というものはきょう持ってきていただいているのでしょうか。
#59
○渡辺説明員 経済効果についてのお尋ねでございます。基本的な分野とそれから事業を実施いたしましたことに付随するものと二つに分けてお答えを申し上げたいと思います。
 基本的な分野といたしましては、当然のことながら、力強い農業構造をつくるわけでございますから、農産物のコストが大幅に下がる、その結果、国内産の農産物、良質、新鮮、安全、これが適正な価格で供給されるという効果がございます。それから、地域の活性化あるいは人の定住を通じまして国民共有財産でございます土地とか自然環境、そういったものが維持されるということでございます。
 それから二つ目の分野、これは事業の実施に伴う効果でございますけれども、農業関係の事業は、御案内のとおり、中小企業への発注率がまことに高い、八〇%以上が中小企業に対する発注でございますので、中小企業の振興に寄与するのではないかというふうに考えております。それから、事業の中で用地費の割合が多分五%ぐらいということで、投資の効果がそのまま景気や雇用に影響するということでございます。大ざっぱな計算で、十億円投入いたしますと、農林公共では波及効果が十九億円ぐらいです。それから、その他の公共事業ですと十六億円ぐらいかというふうに試算をいたしております。
 それから、雇用でございますけれども、農林関係の事業は労務費の割合が非常に高こうございます。大体四分の一ぐらいでございますので、これらが雇用の機会の増大に寄与するというふうに考えております。
#60
○吉田(治)委員 それにしても、六兆一千億と、今ざっと計算して百二十五億五千万というのは、余りにも数字としては、これは同じ国際経済の波にさらされているという中においてもどうもいかがかと思います。ぜひとも予算の部分からも、予算だけではないと大臣言われましたけれども、予算の部分からももっともっとこの空洞化対策に政府、また予算等も含めて積極的な取り組みをしていただきたい、かように考える次第でございます。
 大臣の答弁の中に、規制緩和、民間慣行の是正等という言葉も出てまいりましたけれども、これはどうなんでしょう。余り今まだできてないとはっきり言えると思うのですけれども、なった場合に、その結果によって弱者というのですか、やはりある意味ではこの規制緩和というのは勝者の論理というのですか、規制緩和して、自由競争して勝ったらその人がもうけよ、負けたらその人が悪い、悪いということはないでしょうけれども、負けたら負けた人の責任というふうな形をとられていくような感じがするのです。その場合の俗に言う弱者に対する今から何か準備をされているのか、いや、それは結果が出てきたときに判断するのかということについてお答えいただきたいと思います。
#61
○牧野政府委員 まず冒頭に申し上げておきたいのですが、今委員の御指摘のように、社会的な弱者か否かにかかわらず、事業革新法におきましては、事業者の事業活動のみならず雇用というものを最大のポイントというふうに考えております。我が国の既存の成熟化した製造業におきまして、いろいろ雇用が難しい問題が生じております。この雇用をいかに確保し、かつ革新的な事業に従来の従業員の能力なり見識をいかに活用してそれをキープしていくかということが、本法のこの目的にもございますように、非常に大きなポイントになっておることをまず御承知いただきたいと思います。
 今委員の御指摘のように、規制緩和等が弱者につらくなるようなことになるのではないかということでございます。規制というものは、世間一般に間々言われておりますように、中央官庁がないし地方官庁が単に権限を持って、自分の権限維持にきゅうきゅうとしているというようなことではなく、これはあくまでもやはり社会的ないろいろな勢力の間の利益調整の一つの制度であろうという面もあると思います。そういった観点から、規制緩和を進める過程において割を食うといいますか、そういった人たちが生じてくることも、これも否めない現実であろうと思います。
 ただし、私どもが今一番念頭にございますのは、先ほど大臣が申し上げましたように、非常に大きな国際的な環境の変化の中で、日本の製造業あるいは日本の産業全体が活力を持って生き抜いていくというためには、やはり相当いろいろなことをやっていかなければならぬというふうに思います。そういう意味合いにおきまして、規制緩和を大いにやることによって産業なり経済の活性化を図り、その国際的な競争に負けないようにしていくということは、これは非常に大前提であろうと思います。
 その過程において、いろいろ規制緩和をやる過程において出てきましたいろいろな問題、今先生言われました弱者という問題もございますが、こういった問題に対応しては、やはり新しい産業を興し、新しい企業を振興し、そういった中で雇用を吸収し、あるいはそういった規制緩和で割を食うような人々もどんどん吸収をしていくということが全体のためにも大事であり、ひいてはそういった、いわゆる先生言われましたような弱者の対策にもなるのではないかと思います。ただ、その過程におきまして、当然のことながら、職業の訓練でありますとかそういった新たな時代に対応していくようないろいろな対応が必要なことは、これは申すまでもないことでございます。
 そういったことで、規制緩和による影響を最小限にしていくための新規事業の分野の開拓でありますとか職業訓練を通じていく必要がございますが、また、その他一般的にいろいろ問題が生じた場合には、やはりこれはきめ細かく個別に対応していくということが大事であるというふうに思っております。
#62
○吉田(治)委員 局長今言われましたように、本当に雇用という問題は非常に大きなウエートを占めると思います。特に、本法におきましても第十六条のところで雇用のことについて述べられておりますが、私はぜひともここで数点のことを、できたら改正も含めてお願い申し上げたい、御提案申し上げたいと思います。
 この調子でいきますと、新しく事業革新をすることによって新しい雇用が生まれる。その雇用を吸収するためには、今までの古い、要らなくなったと言っては語弊があるかもしれません、その雇用をどこかに回す。どこかへ回すといったら、やはり関連企業、下請企業という意味で、解雇の玉突きというふうな現象が起こるのではないかという非常な危惧を持っております。
 私は、十六条の第一項だけではやはり足らないのじゃないか。そこにぜひとも、過半数を代表する労働者の協議というふうな前提もしくは義務づけというふうなものを入れていただかなければ、何か労働者の理解と協力を賜りたいというふうな条文だけでは、どうも雇用というものが果たして守られるのかなということと同時に、その一条のところにぜひとも、今局長言われました教育訓練、後の条文には出てまいりますが、その一項を加えていただきたいと思いますし、また二項目のところ、国だけじゃなくて、失業の予防という部分においては、やはり業界並びに会社、業界団体等も精いっぱい努力するというふうなことを入れていただきたいと思っております。
 この件についての通産のお答えと、それから、たしか何かの資料で労働省関係の法律ともハーモナイゼーションしていく、調整していくと書いておりましたので労働省の、この二つの立場、お答えいただければと思います。
#63
○牧野政府委員 御指摘はごもっともであろうと思っておりますし、その趣旨につきましては、先ほど申し上げましたように、私ども全く異論があるわけではございません。
 具体的に申し上げますと、本法におきまして、法律の「目的」の中で「雇用の安定等に配慮」ということを明示をしておりますし、事業革新計画及び活用事業計画の記載、これを承認をいたします基準として雇用あるいは下請の問題というのは十分に配慮することになっておりますし、さらに、先ほど御指摘がありましたけれども、雇用の安定の配慮義務を後の条文で置いておりますし、さらには、雇用問題を専門に扱っております労働省と十分に協議をするという条項も入れております。
 こういうことで、従来いろいろな法律がございますけれども、法制局等とも十分相談をしましたけれども、雇用の問題については従来のいろいろな法律に比しても十分配慮をしている、それに比べてもはるかに十分に配慮をしているということでございますし、先ほど申し上げましたように、労働省と十分協議をしますし、また、今回の法の策定に当たりましては労働組合あるいは労働諸団体とも十分な打ち合わせをした上でのことでございますし、また、今後いろいろな場面におきまして、労働者団体、組合団体等とは意見の調整を従来どおり、従来以上に進めていく、こういうことでございますので、法文上はこういう今の状況が私どもとしては適切であるというふうに思っております。
#64
○青木説明員 労働省でございます。
 ただいまの事業円滑化法第十六条の第一項の関係でございますが、事業革新を実施するに当たっての労働者の理解と協力を得るということでございますが、労働省といたしましては、事業主が事業革新を実施するに当たりましては、必要に応じ関係労働組合等の意見を聞くなどの措置をとることが望まれるもの、こういうふうに考えております。
 また、ただいまも通産省の方からお答えがございましたが、労働省といたしましても、こういった関係労働者の雇用の安定が図られるように通産省初め事業所管官庁とよく連絡、協力をしてまいりまして、雇用に悪影響が出ないように努力をしてまいりたいと存じます。
#65
○吉田(治)委員 局長、後の質問ともかかわってくるのですけれども、労働者の団体と協議したと言われますけれども、私も労働者の団体、いろいろな方に聞きましたら、こんな法律初めてだとか、この雇用のところが皆さん異口同音に出てこられまして、ちょっとこの雇用のことだけは一生懸命言っておいてくれよということ、私は至極もっともだと思います。空洞化イコール失業、解雇という言葉になってまいりますので、その込もう一度、既存の他の法律との調整という部分も含めて、通産並びに労働省の御所見を賜りたいと思います。
#66
○牧野政府委員 具体的な御質問でございますが、具体的には十六条の「雇用の安定等」というところがございますが、ここに、この第一項に「その雇用する労働者の理解と協力を得るとともにこという条項が入ってございますが、これは連合との調整の中で、連合の強い御意向を踏まえてこれを入れたものでございます。
 それから、今過去のいろいろな法律とどこが違うかということでございますが、ここは、いろいろな法律がございますので、ちょっと今ここの場でお答えができないで残念ですが、従来の他の法律に比べまして、この種の法律に比べまして、雇用の問題について特に重点を置いているということについては後ほど正確に御報告をいたしたいと思います。
#67
○青木説明員 通商産業省ともよく御相談をして、雇用の安定を図るように研究、検討してまいりたいと存じます。
#68
○吉田(治)委員 今いろいろな意見を聞いてというお話を聞かせていただきまして、これはただ事業革新法だけじゃなくて、中小創造法並びに小規模共済法の共通した質問としてお答えいただきたいのですけれども、こういういろいろな法律が出てきた場合によく言われることは、一部の人たち、一部の団体、特定の団体、そこから先に情報が流れない。
 いつも申し上げておりますように、私の父親は小さな町工場をやっておりまして、きのうの夜電話をしまして、小規模共済法というのを知っているかと言ったら、それは何やというふうな答えが出てまいりました。普通の町工場ですから、商工会議所にも加盟しておりません、中小企業団体連合会配下の組合にも加盟しておりません。何や、そんなものがあるんかいなというふうな話で、非常にいいものができていったとしても、それをどう周知徹底し、活用していくのかというふうなことが私は次の課題ではないかなと思うわけです。
 よく言われますように、知っている人だけが知っていて、得をするという言い方はよくないかもしれませんが、それを使って事業発展をしていく等々が言われておりますけれども、この辺について、この三法共通してお答えを賜れればと思います。
#69
○橋本国務大臣 先ほど来の委員の御質問、今追加して言われたお父君の例を引かれて、非常に私にも理解のできることであります。
 ただ、ちょうど昭和五十年代の初めに、失業保険が雇用保険に変わりました直後、当時は労働委員会ではありません、社会労働委員会でありましたが、国会の社会労働委員会と労働省が相当ぶっかったことがありました。というのは、例えば通産省なり他の省庁が雇用問題について手を伸ばそうとしたときに、雇用保険法の適用で大丈夫だという非常にかたくなな姿勢を労働省がとったために、国会が与野党を抜きにしまして反発し、特定不況業種離職者臨時措置法という議員立法をつくったことがございます。翌年、政府側がこれを追うように特定不況地域離職者臨時措置法をつくるに至りました。
 しかし、その後こうした経験の中から、私は、政府部内におけるそうした連係プレーというものは非常にうまくワークするようになってきた、そう思っております。それだけに、今委員が御指摘になりましたような不安をお持ちの国民があることを念頭に置きながら、この法律の運用につきましては労働省と十分連携をとって努力をしてまいりたいと思います。
 また、御指摘になりましたような施策の広報をいかにするかについては、私どもも改めて検討してみたいと考えますけれども、どうぞ何かよいアイデアがありましたならお教えをいただきたい。通産省だけではなく政府広報のあり方としても、新たな施策をどう周知徹底を図るかという点については私どもも検討してみたい、そのように思います。
#70
○吉田(治)委員 ありがとうございます。
 ちょっと確認になりますけれども、それでしたら、先ほどの十六条の件ですけれども、過半数を代表する労働者との協議というふうなものが、ある意味では、義務づけと言えないかもしれませんが、大きな前提になると理解してよろしいのでしょうか。
#71
○牧野政府委員 これは厳密に言いますと、協議を義務づけるということは、そこまでは考えておりません。ただ、いずれにしましても、当該企業あるいは関係の組合の方々との協力を十分行っていく、意見を十分聞いてやっていくということで、実態的には、恐らく組合なり労働者の反対といいますか、合意を得ないような計画が推進されるというふうには私ども思っておりません。
#72
○吉田(治)委員 では、あと二点ばかり、この事業革新法について細かいところですけれども、お聞きしたいのです。
 一点は、午前中の質問にもありました内外価格差、特に中間投入財等の内外価格差というものがやはり空洞化、外へ出ていく場合には大きくクローズアップされているのですけれども、その辺の認識と対応について経企庁の方にお答えいただきたいと思います。
#73
○谷(弘)政府委員 お答えいたします。
 私ども経済企画庁の方で内外価格差調査というのを、日米比較を八八年ぐらいからやっております。この中で内外価格差というのは、基本的には、日本で生活するとドルで幾らかかるか、それからニューヨークで生活しようとすると円で幾らかかるかというような比較をいたすわけでございますが、こういう調査の中で、まず購買力平価というものと為替の差というのが内外価格差に出てまいります。
 この購買力平価の方を見ますと、我が国の物価は非常に安定しておりまして、この九年ぐらいの間でございますけれども、大体四十円ぐらい購買力平価は向上しておりまして、その意味では内外価格差が縮小する方向に向かっておるのでございますけれども、この間に円高にレートの方が大きく振れておりまして、そのために結局、内外価格差が大きくなっておるという結果でございます。現在、昨年の九月までの調査によりますと、欧米の主要都市と比べまして、四割ないし六割ぐらい日本の生計費の内外価格差がある、こういう結果でございます。
 こういう内外価格差はなぜあるのかという問題につきましては、基本的には、貿易財の分野という一番生産性の進んだ分野、ここで国の経済力というのが決まりまして、生産性が高くなりますので、そのために所得も上がってくる。そしてまた、為替の方もそれなりに上がってくるということでございまして、そのために先進国一般に物価というものが国際的には高くなっております。
 しかし、そういう中で、特に日本の場合には先進国の中でもまた内外価格差が大きいということでございまして、では、それがどこにあるのかというと、個別の品物を内外価格差調査で調べてみますと、衣食住等の基礎的な消費財に係る分野、それから御指摘の中間財分野、特にエネルギーの分野でございますとかあるいは産業向けのサービスというようなところで物価が高いということが、我々今、日本の物価構造にゆがみがあるというふうなとらえ方をしておりまして、これが内外価格差を非常に大きくしている、こういうふうに認識しております。
#74
○吉田(治)委員 本当にこの内外価格差というのは何か。もとをたどっていくと、やはり円高だと。何でこんなことになってしまったのかなと私の一番最初の話になるのですけれども、この辺の通貨当局者の認識というふうなものをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#75
○広瀬政府委員 貿易局長でございますけれども、為替の動向につきましてちょっと御説明申し上げたいと思います。
 円・ドル相場につきましては、昨年の十一月二日でございましたけれども、海外市場におきまして、瞬間ベースで九十六円十一銭という市場の最高値を記録したところでございます。その後ドルは値を戻しまして、おおむね百円前後の取引が続いていたわけでございますけれども、二月八日以降九十八円台になりまして、きのう二月十六日からは九十七円台に再び円高が進んでいるところでございます。
 最近の円高につきましてはいろいろな理由が言われておりますけれども、一つには、投機筋がドルの高値を期待しましてドル買いに走っていたところ、なかなか高くならないということで、持ち切れずに手放し始めたのではないかとか、あるいはマルク高に連動して円も高くなってきたのではないかというようなことが言われております。
 しかしながら、趨勢的な円高の背景には、日米両国の経常収支の不均衡とかあるいはアメリカにおけるインフレ懸念等があるものというふうに考えております。このような状況は、先ほど大臣が申し上げましたように、私どもファンダメンタルズを反映したものとは考えておりません。したがって、景気回復への悪影響等を懸念しているところでございます。
 以上、最近の円高について申し上げました。
#76
○藤本説明員 先ほど、相場につきましては、推移につきましてはもう御報告がありましたので、私ども通貨当局といたしましてどういうことをやってきたかということを申し上げます。
 まず、昨年六月以降、急激なドル安がございまして、これに対しましてナポリ・サミットにおきまして、米ドルのさらなる低下は望ましくもないし、正当化もされないということで共通の認識が得られたわけでございます。その後、比較的落ちついていたわけではございますが、十月末から十一月の初めにかけまして再び急激なドル安が進行いたしまして、十一月二日には一時、九十六円十一銭をつけるに至ったわけでございます。これに対しまして、米国、日本等各国の通貨当局者が緊密な協力体制を示して対処した、それから、その後の米国におきます金融政策の発動等によりまして、年末年始にかけましてドルが値を戻してきていたという状況でございます。
 最近の為替相場につきましては、先ほどお話がございましたけれども、今後の米国経済の落ちっきに関する見通し、そしてメキシコの通貨危機に対する種々の思惑、欧州における各国通貨間の動向、そして我が国における経済動向等々、さまざまな要素を背景にやや神経質な動きをしているところでございます。
 我が国といたしましては、さきのG7等におきましても我が国から、為替相場の安定は経済の持続的な成長にとって極めて重要でありまして、引き続きG7が為替市場において緊密に協力していくことが重要であるということを発言いたしまして、これまでの累次のG7の為替問題に関する政策へのコミットメントが確認されたところでございます。
 いずれにしましても、今後とも相場の動向を注視しまして、粘り強く相場の安定を図ってまいりたいと思っております。
#77
○吉田(治)委員 ありがとうございます。
 いろいろお話を聞いていましたら、通商問題を担当する大臣として本当にやはり各国との交渉を一生懸命やっていただかなければならないということは自明のことでありますし、できるできないは別にしましても、ドルに影響されない経済圏ということで、円経済圏というふうなものも例えばアジア・太平洋という中でも見据えて考えていかなければならない時代に来たのかなという気もいたしております。
 事業革新法につきまして、最後一点。
 革新の円滑につながる工場のリストラ、新増設をしていこうといった場合に、大都市圏におきましては、私の生まれる以前かもしれません、できました工場制限法の規定が非常に重くのしかかってくる。事業革新法というふうなもので円滑にしようとしても、今度はそちらの縛りが出てくるという意見も非常に強く出てきているのですけれども、この辺、国土庁の方はどういうふうにお考えなのでしょうか。
#78
○川本説明員 国土庁でございます。
 工場等制限制度との御関連だと思いますけれども、工場等制限制度につきましては、既成市街地等への産業及び人口の過度の集中の防止を目的として進められておりまして、今日におきましても、既成市街地等におきましては産業や人口の集中が依然として大きいものがございますので、国土の均衡ある発展を図る上での工場等制限制度の意義は引き続き大きいものがあると考えております。ですから、その基本的な枠組みについては堅持する必要があると考えております。
 現行の制度におきましても、中小企業の近代化等に伴う増設や、面積を伴わないスクラップ・アンド・ビルド等につきまして新増設が十分可能になっております。
 国土庁といたしましては、今後とも関係地方公共団体等と密接な連絡をとって、本制度の事業者等への周知を行って、本法の適正かつ円滑な運用に努めていきたいというふうに考えております。
#79
○吉田(治)委員 そういうふうにいろいろ国土庁も施策をやられていると言うのですけれども、先ほどと同じで、周知徹底というのですか、やはり知らない人もたくさんあって、この法律があってね、という声も非常にたくさん出ております。ぜひとも、こういうふうに新増設もできるのだということを周知徹底していただくと同時に、この大きな規制緩和の流れの中でいつまでも、いや、意義があるんです、意義があるんです、意義があるんですと言うばかりじゃなくて、もうそろそろその意義自身も考え直して、撤廃を含めたことを考えていただかなければならない時代に来ているのではないかなと思っております。
 次に、中小創造法について質問させていただきたいと思います。
 中小創造法、支援制度の過程において技術というふうなものが非常に大きく取り上げられております。技術情報というのは、これは、単にどういうテクニックの部分があるかという部分だけじゃなくて、どういうふうなもうけ口があるのかというふうな部分を含めて、いっときは、異業種交流ですとかそういうふうな部分で、ネットワーク、ネットワークという言葉がよく言われましたけれども、連携ですとか開示、その辺を含めてのネットワーク化というものについて中小企業庁の方はどういうふうにお考えなのでしょうか。
#80
○安本政府委員 先生御指摘のとおり、技術情報の開示あるいはそれを広く伝えていくというふうなことは大変大事なことでございます。従来から、この点につきましては、例えば都道府県の公設試験研究機関の成果普及講習会でありますとか、事業団あるいは地域の情報センターというふうなところでそれをやっておりましたけれども、今おっしゃいましたようなネットワーク化ということに関しましては、平成七年度からコンピューターネットワークを活用して情報提供体制の充実を図っていくということを考えております。
 具体的に申し上げますと、公設試験研究機関がそのコンピューターネットワークにまず接続する、そういたしますと、内外を含めた他の研究機関でありますとか大学等の保有する技術情報と直接アクセスできるということになります。公設試験研究機関は、みずからも研究開発をやっているわけですが、そうした最新の情報あるいはみずからの情報、それから地域にありますいろいろな中小企業の情報あるいは大企業の技術情報、そういったものを含めて、生の情報ではなかなかこれまた中小企業に使いにくいというふうなこともありますので、公設試験研究機関でそれをかみ砕いて中小企業の利用しやすいような形にして、そのコンピューターネットワークに再度乗せる。そうするとまた、中小企業がパソコンでありますとかモデム等を使いましてこれに簡単にアクセスできる、そういうネットワーク化を図りたい、平成七年度からそういうことをやっていきたいというふうに考えております。
#81
○吉田(治)委員 コンピューターを扱える企業まで成長したところはいいでしょうけれども、そうでないところも多々あるということをお忘れなきようにしていただきたいと思います。
 先ほど、午前中の質問にもありましたように、創業、業を起こすということになりましたらお金の問題がたくさん出てくるやに聞いております。その中におきまして、昨年の税制改正のときに投資損失準備金制度というふうなものを通産省並びに中小企業庁から大蔵省に、ぜひともこれを認めてほしい、やはり新しい企業を起こして、そこで雇用というか仕事を生んでという中においてこの制度がどうしても必要だということで多分大蔵省の方に提案なさったと思うのですけれども、大蔵の方はこれを却下した、できないよと言ったと聞いております。この間のプロセス、過程、なぜそうなったのかということを、通産、大蔵、両方からお聞かせいただきたいと思います。
#82
○安本政府委員 私ども中小企業庁あるいは通産省から、投資損失準備金につきまして、平成七年度の税制改正要望でそういう要望をさせていただいたことは事実でございます。
 投資損失準備金をつくったらどうかというふうな発案そのものは、それによって、ベンチャーキャピタルが例えばベンチャービジネスに投資をするというふうなことのリスクを低減するというふうなことを考えた上でのことではございますが、本制度を、準備金制度そのものをよく考えてみますと、やはり直接的にはベンチャーキャピタル、これは、大抵は銀行系あるいは証券系の大会社の子会社というところが直接的には裨益する、中小企業者の裨益の仕方というのはある意味では間接的であるというふうなこと、それからまた、ベンチャーキャピタルそのもの自身はハイリスク・ハイリターンということで、御自身の懐の中で全部のリスクを一応吸い取るような形にはなっているようなこと。
 さらには、いろいろベンチャーキャピタルの投資を促すということを考えてみた場合には、さらにほかに予算的な措置として、創業者の方々が自分の経営情報についてディスクロージャーをしていく必要があるわけですね、ベンチャーキャピタルが出資していくためには。そのディスクロージャーのためにいろいろな財務分析、経営分析をしっかりやらなければいかぬわけですが、そういうもののために、公認会計士等の専門家、こういった方々に分析していただくための費用を補助させていただくというふうな形で、別途、投資損失準備金にかわって、ベンチャーキャピタルが出資しやすくなるようなそういった環境を整えようということでそちらの方に転換したものでございます。
#83
○藤岡説明員 お尋ねにお答え申し上げます。
 昨年末の税制改正の経緯につきましては、ただいま中小企業庁から御説明になられたとおりでございます。
 ただ、若干税制当局の立場ということから御説明を補足させていただきたいと存じますが、先生御案内のとおり、租税特別措置は、累次にわたります税制調査会の答申におきましても、特定の政策目的を達成するための有効な政策手段として位置づけられるものであると。しかし他方、税負担の公平等の税制の基本理念の例外措置として講じられているものであることから、個々の措置につきましては、政策目的、効果等を絶えず吟味して整理合理化を推し進めていかなければいけないといったような性格でございます。
 そういった観点から、平成七年度の税制改正におきましては、租税特別措置の大幅な整理合理化を実施いたしましたわけでございますが、他方で、社会経済情勢の変化に対応しました所要の措置も講ずることとしたところでございます。この検討過程におきましては、種々の御要望につきまして、その政策目的達成のための政策手段として税制が適当であるか、あるいは効果的な措置であるか等につきまして関係省庁とも十分御相談申し上げ、議論、検討を行った上で、税制改正全体として総合的に決定したものでございます。
 御指摘の中小企業の創業支援のための措置につきましても、ただいま中小企業庁からお話がありましたような問題が種々ございまして、本件準備金につきましては措置しないこととしたのでありますが、他方、本法に関係いたしましては、法人税におきます投資減税措置であるとか欠損金の繰越期間の特例措置でございますとか、種々必要な措置を講ずることとしたものでございますので、ぜひ御理解を賜りたいと存ずる次第でございます。
#84
○吉田(治)委員 説明していただいたらわかるんですけれども、やはり大蔵省、こんな言い方は暴論かもしれませんけれども、円高というものをとめられなかった責任をとって、こういうふうな新しい制度をやっていくのはどんどん認めていただかなくちゃ、正直言って、毎日毎日額に汗して働いている者は、何のことなんだと、何のためにそんな役所があるんだという声も出てくるのではないかなと私は思っております。
 支援制度の中で、技術とかそういうふうな問題の中で教育機関は、よく産官学と言われておりますけれども、産学協同の中で、やはり大企業と大学とか、割と大きいところとそういうふうな共同関係があると聞いておりますが、教育機関との連携というふうなものを、特に創業する、また現在の中小企業という部分からどういうふうにお考えで、現在どうなっているのかということを、ちょっとこの件は簡潔に通産、文部両方の方からお答えいただければと思います。
#85
○安本政府委員 中小企業者と大学、高等専門学校等の教育機関との連携が中小企業の研究開発等において有益であることは御指摘のとおりでございます。この旨、本法に基づき策定されます事業活動指針においても記載することを予定しているところでございます。
 また、平成七年度予算におきまして地域産学官共同研究事業というものを創設いたしまして、大規模な産学官の連携による研究開発をやりたいというふうに考えております。
 また、今後とも、文部省と連携をとりながら、中小企業と大学等の教育研究機関との連携が円滑に行われますよう努力していく所存でございます。
#86
○霜鳥説明員 文部省でございます。
 お尋ねの産学協同関係、大学との関係では、私ども、共同研究とか受託研究、これは学術研究の社会的協力、連携という位置づけで積極的に推進しておるところでございます。
 この共同研究、昭和五十八年度に制度を創設して以来、毎年着実にその実績が伸びてきておりまして、その中で、どれだけ中小企業との間で実施されているかという統計はございませんが、かなりの数の共同研究が実施されているのではないかというふうに考えております。また、六十二年度からは、このような研究協力の一層の推進のための中核的施設ということで、国立大学に共同研究センターを順次整備してきておりまして、現在全国で三十八ございます。これによりまして、従来より一層、地元企業との間の密接な研究協力の推進ということが図られているものと考えております。
 また、この共同研究センターにおきましては、地元企業に対します技術相談、あるいは技術革新に対します高度技術研修といったものも実施しておりまして、中小企業における研究開発推進の一助にはなっているのではないかというふうに考えておりまして、文部省といたしましても、今後とも、さまざまな改善、工夫を進めながら、中小企業との連携を含めまして、産学共同研究の一層の推進ということを図ってまいりたいと考えております。
#87
○吉田(治)委員 本田自動車の本田宗一郎氏は、技術者として自分の勉強の至らないところを、浜松高専に入り直して勉強して、あれほど大きな会社を立派に隆々とされたということで、本当に地元の教育機関とそれぞれの中小企業、またオーナー、そこに働く人たちとの共同というのは非常に重要だと思いますので、より一層の推進と同時に、教育というのは敷居が高いと、こんな言い方は非常に失礼かもしれませんけれども、大学よう通らなかったから今はこんな商売をやっているんだという人もやはりたくさんいらっしゃると思います。そういう人たちが入りやすいような、また受け入れやすいような環境づくりもしていただきたいと思います。
 続いて、小規模共済法ですけれども、これは、経営環境等とかいろいろ変わってきたということですが、すべてのものを含めて私、一点だけお聞かせいただきたいのは、これがなぜ空洞化対策法案三つの中の一つになっているのか、どういう意味で空洞化対策になっているのかということを一点、簡潔にお聞かせいただきたいと思います。
#88
○中田(哲)政府委員 小規模企業を初めといたします中小企業は、国内産業の空洞化など大変厳しい内外環境の変化に直面しているわけでございますけれども、このような状況に対応していくためには、私ども、二つの方向で政策を展開する必要があるというふうに考えております。
 第一の方向は、例えば、技術力を高めて新しい商品、サービスの開発をする、クリエーティブな事業展開を支援するといったようなことで環境変化への適応力をつけていく、こういう政策であろうかと思っております。もう一点の第二の方向は、環境変化に対しまして経営を安定させる、中小企業者の先行きの不安を除いていく。この対策は第一の新しい事業展開を進めていく際のベースになるような環境整備という面もあるわけでございますけれども、このような二つの方向があるんではないか。いわば、空洞化等に対しまして攻めと守りの両面の対策が必要であろうというふうに見ているわけでございます。
 今般の小規模企業共済法の改正案は、主として後者の方の政策でございまして、小規模企業者の将来への不安を除く、また事業再建を支援するといったような基盤的な制度でございます共済制度を長期的に安定させるように整備していく、これを通じまして空洞化等に対応していこうというものでございます。
 また、今般の制度改正にあわせまして還元融資制度を拡充いたしまして、共済契約者に対します創業・転業時貸し付けを創設することといたしているところでございますけれども、これはむしろ、今申し上げました第一の方向の空洞化対策でございまして、その意味では今般の小規模企業共済法の改正は、攻めと守りと申しましょうか、両面の対策をあわせ持つ改正案であるというふうに考えておるところでございます。
#89
○吉田(治)委員 もう最後の質問ですけれども、こういうふうにいろいろな法案が出てきて、本当にすばらしい施策がなされていっていても、やはり現場、私地元へ帰りまして、大阪、中小企業の町、私の同世代はみんな今、一応専務だとか取締役だというふうな名刺は持っておりますけれども、まあ言っても中小企業の町工場の跡取りの連中ばかりでして、それらと話して、こんなのあるんだ、あんなのあるんだという以前に、どないしよう、バブルのときに借りたあの金の金利、返せと言われているけど金ないしな、借りかえさせてくれといってもなかなか厳しいしなと。
 いわば、こういう施策があるよというのを、先ほど私は周知徹底、周知徹底と申し上げまして、私なりに努力して申し上げる以前の問題として、中小企業特有の、融資であるとか金利とか、そういうふうなものの問題の方が重くずっしりのしかかってきて、そこまでなかなか目も向けられない。
 それで、こういう話をしようものなら、おまえはええよな、そういう話ができる身分でと。身分かどうかわからないけれども、でもこれからこうせにゃいかぬのと違うかというふうな部分で、国の方としても中小企業の基盤というものに非常に力を入れられているのでしょうけれども、そういうふうな一方には現実があるという中で、一番問題になっております中小企業の融資というのですか、金利の問題等を含めて、最後に、通産並びに大蔵省の御所見を賜って、質問を終了させていただきたいと思います。
#90
○中田(哲)政府委員 中小企業が先ほど来御議論のございます環境変化に適応して、これから経営を安定させ、また発展させてまいりますために、金融措置というのは大変に重要な、基本的な施策であるというふうに思っておるわけでございまして、私ども、今後ともきめの細かな金融措置を講ずることによりましてこれらの中小企業者を支援してまいりたい、かように考えております。
#91
○木下説明員 お答え申し上げます。
 バブル期に受けた融資の返済に関してでございますけれども、まず民間金融機関の融資でございますが、この具体的な条件につきましては、個々の金融機関の自主的な経営判断によりまして、当事者間の契約ということで結ばれているものでございますので、私どもといたしまして、融資の返済条件など、こうした具体的な個々の契約の内容について指導をするという立場にはない、こういうことは御理解いただきたいと思います。こうした中で、私どもといたしましては、金融機関に対しましてこれまでも折に触れまして融資体制の一層の強化を求める、このようなことで中小企業金融の円滑化に努めてきたところでございます。
 また、政府系金融機関による借入債務の負担の軽減、こういうことがありますけれども、この点につきましては、従来より、高金利部分の繰り延べ措置を含む元利返済資金貸付制度の実施、また実情に応じた返済猶予への配慮、担保徴求の弾力化など、こうした措置を講じてきているところでございますので、よろしく御理解をお願い申し上げます。
#92
○吉田(治)委員 まあ、大蔵省さんの言われるとおりですわ。でも、それはわかっているんですわ、みんな。あなたが金借りて、あなたが借り方が悪かった、経営者として資格がないんだと、はっきり私も申し上げるときがあります。それはそのとおりなんです。でも、じゃ、あのときにどういう状況だったかというのを思い起こしていただいたら、それだけで済むのかなというふうなのは、正直ここで申し上げたいと思います。
 最後、あと時間が数分残っておりますので、これら空洞化対策三法というもの、過去から未来へということは、これがまたもう一度日本の経済の力がふえて、貿易黒字がふえていくような施策では決してないということはかたく確信しておりますが、その辺の、大臣のこれから未来へかけるお気持ちと御所見、御見解を最後に賜りたいと思います。
#93
○橋本国務大臣 第二次世界大戦後の我が国の産業経済の歩みを振り返りますとき、常にその時期その時期における、リーディングカンパニーとでも申しましょうか、そういうものが生まれ、そしてそれが時代を引っ張ってきた。しかし、今、二十一世紀を目前にしながら、次の時代を引っ張る産業が必ずしも見当たらない、こういう言葉がよく言われます。我々とすれば、産構審答申で提言をされましたいわゆる十二分野の中に、殊に情報通信といった分野にはその機能を期待するわけでありますが、こうしたものを立ち上げていくためにも、先刻来御論議になりましたようなさまざまな角度からの対応を我々は考えていかなければなりません。
 そうした中におきまして、今我々が求められておりますこと、それは、いかにして内需中心で安定した絆済成長を続けていくかということであり、同時に、できるだけ早い時期に、言いかえれば、まだ高齢化の進展する中でも我が国の経済に余力のある間に、いかにして良質な社会資本整備を、しかも前倒して急いでいくかということであろうと思います。そして、ここで私は逆に、今経常収支の黒字で批判を浴びておりますものが相当程度解消していくかぎもあろうと思っております。また、解消させなければなりません。
 先刻来御論議になりました諸点を踏まえながら、我が国の中小企業というものが健全な足取りで発展を遂げていくことができますように、すそ野産業としての役割を十分担い得る体制を今後とも存続できますように、しかもそれが集中豪雨的な輸出の批判を再び招かないで済むような経済運営になるよう、全力を尽くしてまいります。
#94
○吉田(治)委員 終わります。
#95
○白川委員長 次に、上田勇君。
    〔委員長退席、額賀委員長代理着席〕
#96
○上田(勇)委員 新進党の上田勇でございます。
 きょうは、政府から提案されております、俗に言う空洞化関連三法について質疑をさせていただきます。
 本日は、ちょうど阪神・淡路大震災の発生から一カ月が経過いたしましたが、この災害、実に戦後最大の被害をもたらし、今なお二十万人を超える方々が避難されているという、極めて深刻な被害が生じたわけであります。そういう意味で、私たちとしましても、現在直面している現下の最大の課題というのは、やはりこうした被災された皆様への適切な支援、それから阪神・淡路地域の一日も早い復興のために、今後とも迅速的確な対策についてしっかりとした議論をしていくことにあるということでございますので、この点について若干最初にお伺いしたいというふうに思います。
 新進党としましての提言や要求等につきましては、これまでも、二月一日に「阪神大震災復旧に関し当面の緊急に為すべき対策について」を初めといたしまして、数次にわたってこれまで申し述べてきておりますので、ごらんになっていただいていることとも思いますので、きょうはその中で何点かに絞りまして御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 今度の震災におきましては、水道、電力、ガス、情報通信施設などのいわゆるライフライン、私たちの日常生活にとりまして必要不可欠なライフラインがほぼ完全に寸断されてしまった。通産省の関係でも、電力は一時百万世帯で停電、ガスも一時八十五万戸で供給停止、現在もなお復旧率が三割程度というふうにも聞いております。そういう甚大な被害が発生したわけであります。
 現在、これまでも不眠不休で復旧に当たられている関係機関の皆様、また全国からも応援に駆けつけておられる皆様にも心から感謝申し上げるところでありますが、ライフラインの関係で言いますと、激甚災害法で、道路などの公共土木施設あるいは農地とか農業施設、こういったものは国の特別の財政援助の対象になっておりまして、これはかなり国からの助成があるわけでありますが、電力、ガス、こういったものは対象になっておりません。もちろん電力やガスというのは民間企業の施設ということでありますが、道路などと同様に、やはり私たちの日常生活においては一日たりともなくてはならない、そういう意味で公共性の極めて高い施設だというふうにも考えております。
 少なくとも、今回のように広範な地域にわたってこういうライフラインに重大な被害が生じたケースでございますので、激甚災害法と同等の財政支援、そういったものが必要と考えておりますけれども、きょう、先ほど本会議で、特別の財政措置についての立法についても検討しているというような答弁もありましたが、通産省として、こういう電力、ガスの復旧についてどのような財政支援の対策を講じるつもりか、その点についてお伺いしたいと思います。
#97
○橋本国務大臣 委員が御指摘になりましたように、電力、ガス、さらに通産省所管外でありますけれども、神戸の場合で例にとりますならば、かつて特殊法人でありましたものが移管をされました外貿埠頭、さらにJR西日本の被害、私鉄等、極めて規模の大きい、しかも住民の生活に欠くことのできないものが現行の体系では助成ができないものがございます。また、阪神高速道路公団にいたしましても、補助の規定はございますが、一〇〇%助成の規定はございません。
 そうした中で、私どもといたしましては、被災地の産業、また地域の方々の暮らしということを考えながら、電気、ガス等ライフラインの早急な復旧、復興に全力を挙げてまいりました。しかし、予想以上の被害の深刻さ、同時に全国からの約二千三百名の、特にガスにおきましては応援部隊を派遣していただき、全力を挙げて復旧に当たっているわけでありますが、その諸君の宿舎そのものを確保することが極めて困難な状況であります。そして、今残りました突堤の利用できる部分に船を係留し、その船を基地として中央部に作業要員が出動するといった対応もとりながら努力を続けておりますが、残念ながら、まだ相当な時間を要する状況であります。
 こうした中におきまして、日本開発銀行による低利融資制度を創設すべく、鋭意財政当局との間で議論を煮詰めてまいりましたが、本日夕刻の政府・与党の手続を終えまして、その骨格が固まるところまで参っております。
 その概要としては、電力、ガスなど従来から開銀融資の対象になっているものだけではなく、小売業あるいは製造業等についても、従来開銀の融資対象になっていなかったものも対象にすると同時に、被災設備の性格に応じまして、現在の最優遇金利を下回る金利を一定期間適用すること、融資期間、据置期間につきましても、従来より延長する方向で弾力的に運用する、こうした措置を活用しながら復旧を進めてまいるよう全力を挙げているところであります。
#98
○上田(勇)委員 今回の災害では、多くの工場が崩壊、焼失いたしまして、今日に至ってなお、中小企業を中心としまして企業活動の再開のめどが立っていないケースがたくさんあります。政府でも、仮設工場あるいは貸し共同工場といったものへの支援策については先般打ち出したわけでありますけれども、いろいろなケースで、町全体がほとんど壊滅状態になっていて、従来の地域、場所で工場再建のめどが立たない、そういったケースがたくさん私どもも話を聞いております。そのために、一日も早い操業再開を促すためには、仮設の工場団地のようなものの設置が必要というふうに考えておりますし、また、そのための政府からの支援が今強く求められているのじゃないかと思います。
 新進党も、去る十四日に提示しました第二次補正についての申し入れの中で、この点については要求しているところでありますけれども、通産省として、このことについてどのように考えられているか、御意見を伺いたいと思います。
#99
○橋本国務大臣 一月二十八日、私が兵庫県及び神戸市に参上いたしましたとき、私の方からお願いをいたしました一点がこの点であります。そして、できるだけ早く兵庫県なり神戸市なりの工業団地等で被災の度合いの少なかったところ、スペースのあいているところを決めていただきたい、そして、仮設工場などを早急に建設したい、そのために中小企業事業団の高度化融資事業を活用したい、場所を決めていただきたいというお願いを申し上げました。
 先般来その論議を続けておりまして、先日、神戸市の方でも候補地を大体おまとめをいただいたようであります。一昨日お見えになりました神戸市議会の議員の方からも、たしか昨日から市議会を開いてこれを決めるというようなお話がございましたので、早急に御決定を願いたいということを申し上げております。我々としては、その場所が決まり、市あるいは県の方針をお決めいただき次第御協力を申し上げる、そんなつもりでおるところであります。
#100
○上田(勇)委員 ただいまの大臣の御答弁だと、その場所が、適当な場所が設定されれば、それについての国としての支援をもう既に検討済みであるというふうにお伺いしますけれども、もちろん、ああいうふうに広域な範囲で被害が生じた、被災しているわけでありますから、なかなか場所の選定というのも難しいかと思います。そういう意味で、候補地が上がってきたというのは大変復興に向けて明るいことであると思いますが、現在そういう状況ということでありますと、通産省として具体的にどのような支援策、あるいは財政金融の支援かもしれませんが、その辺を考えられているのか、具体的なものがあれば教えていただきたいと思います。
#101
○中田(哲)政府委員 仮設の共同工場あるいは共同店舗等につきましては、私ども中小企業事業団の災害復旧高度化事業、これを用いたいというふうに考えております。実質的には九割無利子の制度でございまして、従来の高度化事業に比べまして、国の負担割合を相当程度高くした制度として実施をいたしたということでございます。
 大臣が申し上げましたように、用地の選定も大分煮詰まってきているようでございますけれども、この制度のスキーム自体につきましても県、市と私ども煮詰めておりまして、ほぼ煮詰まってきている状況にあるわけでございます。
#102
○上田(勇)委員 もう一つ地元の方々から聞くいろいろなお話の中で、こういうふうに大変深刻な被害が生じていて、企業の再建への意欲が減退し、被災地域において産業が空洞化してしまうのではないか、そういう懸念が地元では持たれているものであります。
 その対策として、先般明らかにされました「ひょうごフェニックス計画」の中でも、これは先ほど本会議でも大臣に対して御質問があったと思いますけれども、優先度の高い戦略事業の一つとして、やはり再生の意欲を高める明確な誘導策の導入が必要であるということから、被災地域をフリー・トレード・ゾーンとする提案が兵庫県の方から上がっております。
 今回の深刻な被害を考えるとき、このくらい思い切った措置が必要なのではないかと私も思うところでありますけれども、先ほど大臣の御答弁の中では、現在関係方面と協議し、検討するということでありました。御答弁、若干消極的なように感じたのですけれども、その点、お考えを伺いたいと思います。
#103
○橋本国務大臣 私は、本委員会でも御答弁を申し上げたと思いますけれども、兵庫県、大阪、この領域を対象とした激甚災の中で、一番、これから先の神戸市というものを考えますときに、港の機能をいつまでに回復できるかということが非常に心配であります。私自身、サラリーマン時代、貿易の場面で神戸港にしばしば通いました。そして、二回被災後の地域を拝見し、埠頭の被害というものに、最初のときは茫然自失の思いでありましたし、この回復をどうするのか非常に気になっております。そして、港の機能を回復することが何より私は大切なことではなかろうか、そのように考えております。
 その中におきまして、兵庫県からフリー・トレード・ゾーンの御要望があることをよく存じておりますし、既に日本の制度としても、いわゆるフリー・トレード・ゾーンの整備を目標とした輸入・対内投資法を平成四年に創設しておりますし、関税法の改正で総合保税地域制度を創設いたしております。そして、神戸港地域におきましては、平成五年三月、この法律に基づきましてFAZの地域に指定をいたしまして、航空及び海上貨物の荷さばき・保管施設、冷凍保管施設等の整備を推進してまいりました。
 このFAZの地域における貿易関連施設について総合保税地域に許可されることに、これは残念ながら通産省の所管ではございませんけれども、なりますならば、輸入原材料を使用し、製品を製造し輸出する場合に関税が免除をされる、また、この地域内に置かれている間は関税が留保される等のメリットが生ずるということであります。
 ですから、私は、こうした制度を活用することについて、FAZ計画を推進される地元や関係省庁とも連絡をとりつつ検討してまいりたいという御答弁を申し上げました。そして、こうした計画を推進していきますためにも、一日も早い港の機能の回復を心から願っております。
#104
○上田(勇)委員 FAZの計画については、今大臣の御説明にもありましたように、保税、いわゆる輸入したものを保税地域で加工をして輸出するというような目的も含まれているわけでありますけれども、やはりここは阪神地域、大変な被害があったわけでありますし、むしろこれから復興に際しての需要がかなり期待されるというのでしょうか、需要があるところであります。FAZで言われているような、輸入したものを加工して輸出する、そういうものだけではなくて、やはり阪神地域においての需要にこたえるような関税についてのことも考えなければいけないのではないかというふうに思います。
 この施策については、兵庫県の方からも非常に優先度の高い戦略事業の一つとして位置づけられていることでもありますので、いろいろ大蔵省の方での法制度的な問題もあるのかもしれませんけれども、今後こういうフリー・トレード・ゾーンの実現について、いわゆる法制度、技術的な問題について、大蔵省の方に御質問したいと思います。
#105
○友利説明員 今通産大臣からお話がございましたとおり、FAZの受け皿といたしまして、保税制度の面から助成する目的で総合保税地域という制度が平成四年からつくられております。この総合保税地域というのは、輸入促進地域におきます貿易関連施設、これができ上がった段階でこれを総合保税地域として指定いたしまして、この総合保税地域のいろいろな貿易関連施設につきましては、蔵置とか展示とか加工とか、あるいはその施設間の移動等が関税留保のままできる、こういう制度でございます。
 今回、阪神・淡路大震災によりまして神戸港が大きな被害を受けられたということで、今後、被災地の復興のためにこの総合保税地域制度……
#106
○額賀委員長代理 答弁者は、もうちょっとマイクに近づいて明確に答えてください。
#107
○友利説明員 はい。この総合保税地域制度がどのように活用できるか、関係省庁あるいは地元の御要望も聞きながらよく相談してまいりたいというふうに思っております。
#108
○上田(勇)委員 阪神地域において今回の災害、被害が非常に深刻であることから、先ほども申し上げたように空洞化に対する懸念が非常に強く示されております。
 きょうは、ある意味で我が国の産業の空洞化についての法案の審議をしているわけでありますが、こうした震災の中で、震災の影響を受けた阪神地域においてその空洞化に対する懸念がとりわけ強いものと思われますけれども、この阪神地域における産業の空洞化の対策としてどのようなものを考えられているのか、御意見を伺いたいと思います。
    〔額賀委員長代理退席、委員長着席〕
#109
○橋本国務大臣 本日、御承知のように復興委員会についての考え方というものを政府として国会に提示をさせていただきました。現在、兵庫県、神戸市それぞれに、将来に向けての復興計画をお考えであります。国の立場としては、国が考えたものを押しつけるのではなく、兵庫県、神戸市を初めとする関係の市町が御検討になり、みずからの青写真を描いていかれる中で、全力を挙げてそれらの計画を推し進めていくというのがその役割でありましょう。そして、私は基本的には、やはり現在この被災地域に立地しておられた企業が一日も早くその場において立ち上がられるようにお手伝いをしていくのが我々の役だと思っております。
 同時に、その意味でも、陸上部門がどれだけ立ち上がりましても、神戸という都市の性格は、御承知のように港とともに発展してきた町でありまして、港湾機能を除外視してこの町の再建はあり得ないと考えております。そして、神戸の市民生活の中には港湾の諸活動に依存して生計を営んでおられる方々も多くおありなわけでありまして、むしろ、この立ち上がりを急ぐと私が申し上げたのにはそうした意味も含めていることを御理解いただきたいと思います。
 そして同時に、非常に産業集積度の高いところでありますから、よくケミカルシューズに代表されますような地場の特性を生かして今日まで産業を営んでこられた方々に対しての対応とともに、大企業をも今回は支援の手を差し伸べるべき相手、当初から私は申し上げ続けてきた、それも今申し上げるような気持ちからであることを御理解をいただきたいと思います。
#110
○上田(勇)委員 また、この震災によりまして、これから雇用の問題も今非常に深刻になっております。
 先日も新聞の記事に、ここには兵庫県と県内十その公共職業安定所が合同就職面接会を開いたというような記事も載っておりますし、そこにも非常に多くの求職者が訪れたけれども、なかなか希望職種が見つからないというような記事であります。また、新卒者についても、既に内定の取り消しを通知した企業が、これは新聞によりますと十社だ、通知された新卒者もかなりの数に上っているというような実態があります。これはもちろん所管としては労働省のお話なのかもしれませんが、やはり日本の産業全体を所管しています通産省としても、働く場を確保していくために産業界への協力要請、そういったものが必要ではないかというふうに思います。
 これまでもおやりになっていることあるというふうに伺いますけれども、具体的にどのような働きかけをされ、また今後さらに事態の深刻度がこの雇用の問題については増していくということが予想されますけれども、どういうような方法で取り組んでいかれるのか、その点お伺いしたいと思います。
#111
○橋本国務大臣 産業界に対して、例えば新卒者の一つ例に挙げられました採用内定取り消しといった事態を招かないように、その内定通知をそのまま現実の雇用に生かしていただきたいというお願いは、労働省を通じても再三私どもはお願いをしてまいりました。同時に、そのかわりといっては大変失礼な言い方になりますけれども、本来ならば雇用調整助成金の対象にならない新卒採用の社員に対しましても雇用調整助成金の対象にしていただきたい、労働省当局に弾力的な運用をお願いをし、好意的なお返事もいただいてまいりました。
 また同様に、例えば系列の企業の一つであり、御自分の会社は被害を幸いに免れたが、親会社が被災したために自分の企業において仕事が行えないような状態、こうした方々が、現に例えば神戸製鋼に関連しあるいは川崎製鉄に関連し、その他それぞれの大企業の下には非常にたくさんおられます。こうした方々は、みな実はその親企業の業を興すために皆駆けつけて全力で働いておられます。こうした関係の方々をも雇用調整助成金の対象にしていただく、こうした具体的な措置も今まで労働省にお願いを申し上げ、御協力をいただいてまいりました。
 同時に、先日お越しいただきましたケミカルシューズ業界の方々にも申し上げましたことでありますが、理屈よりも早く、とにかく一日でも早く工場を建てて動かそうよ、でないとせっかく技術を持った人たちが、まだ待っていてくれるけれども、なかなか始まらないとなったら散ってしまう、働き手が散ってしまってから工場をつくって機械を入れたって何の役にも立たない。むしろ仮設工場を早急に立ち上げ、機械を入れ、その技術を持った人々が散らない間に仕事を始めることが大事なんだから、とにかく急ごうよということを実は私の方からも申し上げました。
 これは酒造業界あるいはその他神戸を中心とした被災地域において非常に大きなエリアを持つ中小企業すべてに通じることでありまして、私どもとしては、個々具体的に御相談を受けるたびにそれぞれに対する我々としての気持ちをも申し上げ、御要望も承り、個別に対応を続けております。
#112
○上田(勇)委員 災害関係については以上で質問を終わらせていただきまして、次に、本日の主要議題であります産業の空洞化の問題について、今回提出されています法案への質問も含めまして質問させていただきます。
 現在、政府あるいは民間機関等で提示されていますいろいろな各種のデータを見てみますと、国内の製造業が生産設備を海外にシフトしている。その中でも、特にこれまで我が国のリーディングインダストリーと言われてきた業種において、その海外生産比率が急速に高まっている。そうした環境の中で今後の雇用不安、国内における生産技術の衰退、そういったものが懸念され、この空洞化という問題が現在非常にクローズアップされているわけであります。
 アメリカにおきましても、かつて景気の低迷が長く続きまして、産業の空洞化といった問題が大きく取り上げられました。もちろん米国政府によります規制緩和の推進とか民間企業のリストラ努力によりまして、今日米国の経済は大変な回復を見たわけであります。しかし、従前から見ますと、産業構造はやはり相当変化した、これも確かであります。
 現在の我が国の産業の置かれている状況というのは、こうした米国のような産業構造の変革の過渡期的な状況なのか、それともやはり我が国の諸条件、米国とは異なるわけでありますので、将来にわたる我が国の経済のあり方を考えるときに、危機的というような状況なのか、どのように認識されているのか。将来の我が国における望ましい産業構造についてのビジョンを含めまして所見を伺いたいと思います。
#113
○橋本国務大臣 何回か本委員会においても御答弁を申し上げてきたことでありますが、多少重複することはお許しをいただきたいと存じます。
 そして私は、長期的に考えたとき、我々が今対応を怠れば非常に困難な状況に逢着するであろうということは考えております。同時に、我々が対応を過たなかった場合、必ずしも悲観的なものと考えているわけではありません。
 今非常に大きく内外の経済情勢が変化しております中で、確かに我が国の製造業の海外直接投資は大きく増加をいたしております。一方で、国内の設備投資、研究開発活動というものは依然として低迷をいたしております。そして、この背景には、経常収支の大幅な不均衡を背景とした行き過ぎた円高の進展というものがあり、内外価格差の存在があり、国内の既存産業の成熟化があり、新たな業を起こす意欲の減退など、我が国の産業界における閉塞感などの構造的な要因があることは間違いがありません。ですから、こうした懸念に対応するために内外価格差の是正も非常に大切なものになっておりますし、新たな事業機会を創出するためにも規制緩和の推進が求められているところであります。
 そして私どもは、産業構造転換を円滑に進めるための新規事業の育成、既存産業の事業革新の支援、そして内需主導型の経済構造を実現するために、良質な社会資本整備を計画的にできるだけ前倒ししていく努力をすることによって、創造力と活力にあふれた経済社会をつくっていく、これが現在、経済政策上最優先の課題だと考えておりますし、これらを総合的に進めていくことによって空洞化対策にもっなげていかなければならない、そう考えているわけであります。
 そして現在、産構審の答申によるいわゆる十二分野というものが将来の期待される新たな雇用の場として、産業の場として提起をされているわけでありますから、それぞれの分野における将来に向けての大きな業としての発展をしてもらいますためにも、やはり規制緩和の努力は進めなければなりません。そうしたものを積み重ねていくことによって、また我々は新たな経済社会を引き続き活力のあるもので維持し続けていくようにしていかなければならない、そう考えているところであります。
#114
○上田(勇)委員 それでは、今回提出されている三法案につきまして、まず特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案、事業革新法案について、何点かにわたりまして質問をさせていただきます。
 本法案の趣旨というのは、これは既存事業者の事業革新を促進する、そのことによりまして経営資源の有効活用による経済フロンティアの拡大を図る、こういう目的でありますけれども、これはやはり、あくまで個々の企業あるいは業界の自助努力が前提となっている法案であります。先ほど大臣の御答弁の中にもありましたように、やはり個々の事業者、企業だけではどうしても対応ができない円高であるとか景気の長期低迷あるいは内外価格差の問題、そういったものは個々の企業や業界だけでは当然対応できない問題でありまして、国としてはマクロ経済対策がやはり重要になってくるわけであります。
 その意味で、今度の法案は、個別の事業者あるいは業界、そういったものを対象にしているわけでありますが、これと同時に、そうした個別の企業がそうした努力をすることによってそれがちゃんと報われるようなマクロ経済の環境にすることがやはり国としてより重要な課題であるというふうに思います。
 今回のこの法律でありますけれども、ここで事業革新ということになっておりますが、企業のそうしたリストラが、例えば人員の合理化であるとか固定費の削減、場合によっては研究開発費の削減といったものに向かってしまうと、国際競争力のなくなってきた、衰えてきた産業の単に延命策にしかならない。ある意味ではこの法案が目指しているものとはちょっと違った方向に行ってしまうのじゃないかということが懸念されます。そういった意味で、この法案の運用に当たって、目的としているところがきちんと達成されるように、この中で示されている事業革新計画の承認に当たってはこの点について十分留意すべきであるというふうに考えておりますが、所見を伺いたいと思います。
#115
○牧野政府委員 今御指摘になりましたように、マクロ対策が非常に大事であるということは全くおっしゃるとおりであろうというふうに思います。大臣が申し上げましたように、現在の日本の大きな経済変革の中でこれに対応していくためには、公共事業、社会資本の充実でありますとかそういったマクロ対策、あるいは規制緩和、内外価格差の是正といったミクロ対策、いろいろな対策を総合的に講じていくことが必要でありまして、その結果、いわゆる空洞化というものにも対応できるというふうに思っております。
 それで、この事業革新円滑化法は、そういったいろいろな対策の中のいわゆる事業者を相手にする一環、ただ一つの政策であるというふうに位置づけておりまして、これによって空洞化対策に決め手になる、これだけで決め手になるというふうに思っているわけではございません。
 そこで、今委員の御指摘でございますが、あくまでもこの法律の目的は、既存の企業が事業革新を行うことによって、既存の経営資源をうまく活用して事業革新を行い、雇用の維持発展に役立てたい、こういうことでございますので、例えば今御指摘になりました具体的な革新計画を承認するに当たりましても、午前中の委員の御質問にお答えをいたしましたけれども、できるだけフレキシブルに、既存の事業者が既存の経営資源を十分に活用し、やる気のあり、かつやる能力のある、そういった事業者に対してそれをバックアップする、その環境を整備するという観点から、できるだけフレキシブルに対応してまいりたいというふうに考えております。
#116
○上田(勇)委員 国内産業の空洞化の原因の一つというか、最大のものかもしれませんが、これは内外価格差であるというふうに言われております。経済企画庁の物価レポートや通産省の産業の中間投入に係る価格調査ですか、そういったものでも、消費財においてもまた生産財においても国の内外でかなりの格差があるということが言われております。この是正のためにも産構審でも規制緩和の推進、競争制限的な民間慣行の是正、そういったものが挙げられておるわけであります。また、先ほど大臣からは、通産省として規制の緩和が非常に重要なこれからの課題であるというお話がありました。
 もちろん、規制といったものはそれぞれ法律に基づいて行われることでありますし、また政令、省令、通達、さまざまな形で行われておる規制がありますけれども、そうしたものをこれから、もともとそうした規制、それが設けられたときにはそれなりの理由があって導入されたものとは思われますが、やはりここは、現在においてその必要性、あるいは逆にそういった規制が産業の振興を妨害しているのじゃないか、そういった点も今多く指摘されていることであります。
 そういった意味で、先ほど大臣から規制緩和については強力に推進していくというふうな非常に心強いお話を伺いました。それについて今後、いろいろなタイムフレームもあると思うのですが、具体的にどのような方針でこの規制緩和を進められていくのか、お伺いしたいと思います。
#117
○橋本国務大臣 内外各分野から規制緩和についての御要望をちょうだいいたしましたところ、通産省に届けられました規制緩和要望というものがたしか二千五百件を超えておったと思います。そして、その中で通産省の所管外のものはそれぞれ各省に送付をいたしました。そして通産省自身に対して求められましたものの重複を整理いたしますと、三百五十二の項目が規制緩和要望として我々の手元に残ったわけであります。
 今週火曜日、私の方からその結果を公表させていただきましたが、ちょっと今正確な件数、申しわけありません、何件措置済みまたは措置進行中ということにしていたか忘れましたが、百四十件余りは既に措置済みあるいは措置を決定して進行しつつある。八十九件どうしても規制緩和のできないと思われる、安全性にかかわるものが中心でありますけれども、ございました。こういう努力は我々はこれからも続けてまいるつもりであります。
 そして、例えば電力の保安規制等に一つ例をとりますならば、発電設備等につきまして、本当に非常に規模の大きなもの以外については、でき上がりました後の立入検査はさせていただきますけれども、事前のさまざまな規制というものを取り払う決心を既にいたしました。年間、今までは大体千件ぐらいありましたものが、恐らく四十件程度に減るであろうと私どもはこの点について考えております。
 さらに、製造物責任法が成立をいたしまして今年七月から施行されるわけでありますが、これに伴いまして、現在、甲種、乙種と分けておりまして、政府認証に係らしめているもの、自己認証に係らしめているもの、振り分けておるわけでありますけれども、その甲種と言われる政府の認証に係らしめておりますものから、相当部分を自己認証に移しかえることにいたしております。これによりまして、テレビでありますとか電気冷蔵庫でありますとか、家電製品ほとんど全部と申し上げても間違いではないと思いますが、これは政府の認証から外れることになります。
 今後ともに、我々はできる限りのこうした規制緩和の努力を進めてまいりますと同時に、通産省所管分野だけではなく、他省庁の分野においても、そういう努力がされることを心から期待をいたしております。
#118
○上田(勇)委員 報道されているところによりますと、先日、この規制緩和の問題について、アメリカとの間で話し合いが行われた。私ども新聞等で読んだ限りでありますが、米国の方からは、規制緩和の推進が余りにもスピードが遅いんじゃないか、あるいは、日本として本当にそういう規制緩和を進めていくやる気があるのかという懸念が表明されたというふうに書いてありまして、また国内からも、やはりこの規制緩和をもっと積極的に推進してほしいという声がたくさん聞かれております。
 その中で、もちろん、今の大臣の御発言にありましたように、安全にかかわるものとかそういった必要な規制は当然残さなければならなわけでありますが、やはり経済活動に係るさまざまな規制については、極力それを緩和、撤廃していくことがこれからの産業の活性化を図っていく上で重要な問題であるというふうに思います。
 今大臣の方からは、政府としてはかなり積極的に取り組んでいる、進めているという御発言でありましたけれども、ちょっと今引用させていただいた、国の内外から、ちょっと対応が、速さが遅い、あるいは本当にやる気があるのかというような疑問が出ているというようなことについて、それをどういうふうに受けとめられているのか、御所見を伺いたいと思います。
#119
○橋本国務大臣 私は、今政府としてはと申し上げなかったと思うのです。通産省としてはと申し上げたつもりでありますし、通産省同様に、各省も積極的にやってほしいものという希望を申し上げたと思います。
 そして私は、先日、EUのバンゲマン委員が訪日をされ、お目にかかりましたときにも、通産省としてのこの規制緩和の内容を説明しました。彼は、大変ハッピーだ、ぜひその調子で頼むということで、通産省関係には全く文句はおっしゃいませんでした。
 ただ、私もその席におったわけではありませんから、詳細を存じているわけではありませんが、報道によりますと、電気通信分野あるいは保険・金融の分野、こうしたところに不満が出たということが報ぜられております。そうした分野が十分な規制緩和が行われることを、また行われているその作業が進行しているであろうことを私も心から願います。
#120
○上田(勇)委員 もちろん、外国から言われたからやるということで規制緩和を進めるわけではありませんけれども、今この規制緩和といった問題が非常に国内でも重視されているときに、どうも海外からそういう、全体的にもう一つ取り組みが不十分なんじゃないかという評価が行われることは非常に残念であります。
 今お話にありましたように、通産省としては、極力積極的に推進していくという立場であるということであります。これは別に海外からの評価ということだけではありませんが、やはり国内、私たちの産業の活性化という意味で必要なことでありますので、今後ともそういう取り組み、さらに働きかけも含めて、特に橋本大臣、これまで主要な閣僚を歴任されてきて、行政万般について大変な見識があるというお立場であると思いますので、ぜひともそうした努力をお願いしたいと思います。
 先日の新聞の中に、「製造業の回復 中小立ち遅れ」というような新聞がございまして、この新聞の内容を見てみますと、これは通産省あるいは日銀の資料等を使いまして、製造業の工業生産あるいは経常利益、設備投資、そういったいわゆる指標について、大手と中小を比較するときに、ともに、大手に比べまして中小企業の回復が著しくおくれている結果が出ております。
 これは、例えば工業生産額にしても、大手は九四年に対前年比プラスに転じているのに、中小は依然回復傾向にあるとはいえまだマイナスである、あるいは経常利益についてもそうした傾向が見られますし、また設備投資についても中小の回復のおくれが大変目立っている、依然としてまだ非常に低い水準にあるという結果が報道されております。
 そういう意味で、その中小企業に対して特別の、特段の対策が必要なのではないかというふうに考えておるわけでありますが、今回のこの法案、これはいわゆる業種全体を指定して、当然その中には親企業もありますし、その下請関連企業、中小企業も含まれているわけでありますが、とりわけこの中小企業について、こういう景気の全体を見ると、数字では回復基調にあるという中で、大手と比べてそれぞれの指標がまだまだ低い、そういう状況にありますので、この中小企業に対してやはり特別の、特段の配慮、対策が必要ではないかというふうに考えているところであります。
 本法案にもそうした内容が盛り込まれているわけでありますが、この中小企業に対して特に対策が必要というふうに考えているわけですけれども、その点について御所見をお伺いしたいと思います。
#121
○橋本国務大臣 今の御質問、正確に中小企業庁長官から答弁をさせますけれども、その前に、先ほどの数字だけ正確に申し上げたいと思います。
 通産省に参りました規制緩和についての御要望の総数は、延べにして二千五百七十五件でありました。そして、重複を整理いたしまして、通産省主管分に対して御要望のありました項目は三百五十二件であります。そのうち措置済みのものが、現在進行中のものを入れまして百四十五件、検討中のものが百十八件でありまして、困難であるというお答えをいたしましたものが八十九件であります。これは理由を付して正式に公表をいたしましたので、今後また、もし必要でありましたなら資料として提出もさせていただきたいと思っております。
 今のお尋ねの点には長官から御答弁をさせていただきます。
#122
○中田(哲)政府委員 中小企業の景況につきましては、今委員御指摘のとおり、各種の指標の示すところ、甚だはかばかしくないものが多いわけでございます。一時回復の兆しが見えたものにつきましても、また足踏み状態といった点があるわけでございまして、生産あるいは在庫調整等々につきまして、大企業に比べまして非常に動きが弱く、低迷しているという状況にあるわけでございます。
 この要因といたしましては、いろいろなことが考えられるわけでございます。例えば設備投資につきましては、バブル期におきます高水準の投資によりまして、いまだに設備過剰感が残っているといったような問題もあるわけでございますけれども、私ども、このような景気回復のおくれの背後には、先ほど来御議論がございます空洞化問題等々、内外環境の激変に伴います構造的な問題があるのではないかというふうに懸念をしているわけでございます。
 政府といたしましては、累次の経済対策によりまして中小企業向けの各種の金融制度を、税制措置等を講じてまいりましたけれども、このような構造対策を早急に実施をする必要があるというふうに考えているわけでございまして、ただいま御審議いただいております中小企業創造的事業促進法、これを軸にいたしまして、金融措置あるいは中小企業信用補完制度あるいは設備投資減税、こういったものを体系的に、総合的に投入できる体制を早急に整えていきたい、かように考えているところでございます。
#123
○上田(勇)委員 今度の事業革新法の中で、第三条あるいは第四条、この第三条が内外価格差の調査ということでありますし、国がそういう内外価格差あるいは国の内外の産業の動向等について調査を行い、必要な情報の提供に努めるというような規定がありますし、また、第四条においても取引慣行の改善について同様のことが規定されているわけであります。努力規定ではありますけれども、こうした条項が国の義務として設けられたという点は評価に値するものだと思いますが、こうした内外価格差の問題あるいは取引慣行などのことについても、やはり情報がタイムリーで適切に提供されることが重要であるというふうに思います。
 午前中の答弁の中で、この調査について予算づけを行って拡充しているということでありますけれども、こうしたいわゆる内外価格差の調査というのはこれまでも通産省でも行ってきておりますし、また経企庁では当然行っております。また、いわゆる農産物や食品については農水省でも行っている。また、公表されていないかもしれませんが、そのほかの機関でも各種の調査を行っているというふうにも聞いております。
 もちろん、それぞれ違った目的あるいは違った時点で行っていることかもしれませんけれども、やはり的確に内外における価格差、あるいは特に消費財、生産財を問わず、そういった価格差について、これはこうした多くの調査が行われているその重複といったものがないよう、またそれぞれの目的がそれぞれ十分達せられるような相互調整を行って、やはり効率的なものにすべきであるというふうに考えます。
 とりわけ、今回こうした規定が、これは初めてということでありますが、こうした法律の中に盛り込まれるわけでありますので、これまでそれぞれが省庁、これは縦割り行政の一つの問題かもしれませんが、行ってきたそういったさまざまな調査、やはり相互調整を行って、より効率的なものにすべきであるというふうに思います。
 とりわけ、今回この法律に書かれたことでありますので、通産省として、こうした相互調整を行って、それぞれが今行っている調査、そういったものの調整、あるいはその重複がないようなことなどの省庁間の調整を行っていくべきであるというふうに考えておりますが、その点についてどういうふうに対処されるつもりかお伺いします。
#124
○牧野政府委員 今御指摘のとおりだろうと思います。
 ただ、内外価格差の調査にいたしましては、これはあくまでも、午前中の委員にも御説明いたしましたように、私どもといたしましては、内外価格差が何に由来しているか、そこに規制でありますとか取引慣行でありますとかいろいろな問題がありますが、何に由来しているか、それを是正するためにはどうしたらいいかという明確な目的意識を持ってやっていきたいというふうに思っております。
 そういった意味で、私どもとしては、この目的を貫くために、当然そういった目的に役立てるという観点から、各省庁で行っておられます調査あるいは民間の調査等も十分に参考にし、かつ意見の調整を行ってまいりたいと思いますけれども、そういう目的がそれぞれのやる機関で違いがあろうかと思いますので、その調整、その調査を総合するということだけを考えて、仮にも今申し上げましたような目的に役に立たないような格好になることは避けたいと思いますが、今委員の御指摘のとおり、できるだけいろいろな調査の重複を避けるということは大事でございますし、各調査機関、各省庁と十分意見の交換は従来もいたしているつもりでございますが、より一層努めてまいりたいというふうに考えております。
#125
○上田(勇)委員 多くの関係機関で、もちろん目的が違うということでありますが、それぞれの目的を達成することも一つ重要でありますけれども、やはり現在行政改革が言われているときに、重複あるいは非効率的な面を極力避けていかなければいけない。その意味では、もちろんそれぞれの目的を達成しながら、できるだけ効率的なものにするようにぜひとも努めていただきたいというふうに御要望させていただきます。
 同様に、この第四条の方で、「取引慣行の改善」ということで、競争制限的な取引慣行についても、これは特定事業者からの申し出ということで開始されるような手続になっておりますけれども、調査を行う。これも国の内外からの要望にこたえる意味で非常に重要なことではないかというふうには思いますけれども、ここで気になるのが、一つはやはり、特定事業者からの相当数の申し出がなければこういう調査を行わないということ、あるいはその結果についても、申し出をした特定事業者それからその取引の相手方、その他関係者というのはどの範囲かということがあると思うのですが、にしか情報の提供が行われないということであります。
 確かに、直接の利害関係者というのは取引の相手方だけなのかもしれませんけれども、逆に言えば、そうした取引にかかわっている当事者だけ、またその関係者だけにしか情報が提供されないと、結果的にはそこで和解というのでしょうか、うやむやのうちに終わってしまうというようなことも懸念されるのではないかということであります。
 そういった意味で、これはやはり調査あるいはその関係者への通報ということではなくて、国として本当に調査だけで十分なのか、あるいはそれを改善するための措置を講じていくというところまで規定すべきではないかというふうに考えますけれども、その点についてお考えを伺いたいと思います。
#126
○牧野政府委員 まず、御指摘のようにこの法律によります第四条は、相当数の事業者の申し出ということでございます。この四条の趣旨でございますけれども、確かに、御指摘のように取引慣行というのが、政府の規制に加えて内外価格差を生じしめている要因になっている面も多々あると言われております。他方、政府の規制というのは、これは政府がどんどん廃止というか是正をしていけばいいわけですが、取引慣行というのは、中には悪いものも、悪いといいますか、問題のあるものもあろうかと思いますけれども、取引慣行すべてが問題だ、一部の人が問題だと言うのは必ずしも本当に合理的でないかどうかということにつきましては、これは民間のあくまでも取引の慣行でありますので、一面的に決めつけるというのもなかなか難しいという問題がございます。
 取引慣行で、例えば価格を規制しておりますとか極めて問題のあるものは、これは当然独禁法上問題になるわけでございますから、そういった方法で規制をすればいいわけでございますが、従来からあって、独禁法違反というようなことではないにしてもいろいろ問題があるということにつきまして、やはりこれはある程度の事業者が問題だと、その業界全体で問題だというようなものについて、相手方の業界にそれを申し出る、是正を申し出る。そうした場合にその話し合いを、必要があれば所管の役所も入っていろいろオープンに議論をして、その結果それが必ずしも一方が言うようなものでないかもしれません。あるいはまた問題があるかもしれません。
 そういった場合に、仮にそういうことであればそれを関係者、関係者というのは、できるだけ私どもは、今委員が御指摘のように、当事者だけということではなくて、両方の業界団体でありますとか、それに関係するいろいろな幅広い関係者にこの情報を伝達することによりまして、開示することによりまして、その結果、民間の合理的な意思が働いてその取引慣行が是正をされていくということを期待するというのが、現在の自由経済の中におきましては極めて適切な方法であろうというふうに思っております。
 問題があれば直ちに主管官庁がこれはおかしいとかどうとかいうことは、何度も申し上げますように、取引慣行というのはあくまでも民間の取引のあり方でありますから、そこはそういう適切な対応をということが適切な対応というふうに私ども思っているところでございます。
 ただし、今申し上げましたように、その関係者というものはなるべく広く、かつ議論ができるだけオープンに行われるようにいたしたい。実際上の運用はそういうふうにいたしたいというふうに考えております。
#127
○上田(勇)委員 もちろん今お話しになったように、例えば独禁法に違反、法律事項等に違反するもの、そういったものはそちらの法令等で対応すべきものであるというふうに考えますけれども、いわゆる競争を制限するようなそうした取引慣行について、その取引に携わっている当事者の中からそういう不満が出たということでありますので、かなりそういう意味では、もちろん利害の衝突というのもあるでしょうから一概には言えないかもしれませんが、ある意味で、事実としては問題がある可能性というのはかなり高いというふうに予想されるわけであります。
 同時に、今当事者あるいは両者の関係業界の中での話し合いということでありましたけれども、これはやはりそうした慣行について相当数の申し出があるというわけでありますので、そういうことであれば、それはどういう慣行にあるのか、そういう実態を公表することによって、その慣行に従わなくても取引ができる、そういったバイパスも出てくるかもしれません。そういった意味で、市場原理を働かせてそういった慣行を改めていくという意味からは、関係者も幅広くということでありましたけれども、むしろこれは、国の役割としては一般に公表するくらいの形でやるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#128
○牧野政府委員 御趣旨はよく理解ができます。ただ、法律で公表ということになりますと、これは、何度も申し上げますように、独禁法等法律に違反をしないようなものでございますならば、民間の、あくまでも民間の取引の形態でございますから、それを何らかの予断を持って公表するというのはやはり穏当さを欠くと思います。
 ただ、先ほどるる御説明しましたように、関係者に対する情報の提供ということは、これはできるだけその関係者を幅広くとらえるとかいうことで、実態上もし問題があれば、その情報の提供の仕方によって、いろいろな周囲のプレッシャーといいますか、いろいろな圧力の中であしき慣行が是正をされていくというふうに努めたいと思いますし、これがこの四条の趣旨でございますから、そういうふうに運用をいたしたいというふうに思っております。
#129
○上田(勇)委員 当然この条項の目的といったのは、こういう内外価格差にしろ、それを是正を行っていく、縮小を行っていく、あるいはそういう問題があると思われるような取引慣行についてはそれが是正されるようにしていくということが目的であると思いますので、それがより確実に行えるような対策、方策をぜひとも要望したいと思います。
 それで、この法律の中でちょっと視点を変えさせていただきますが、国内もそうですし国際的にもそうなんですが、今後の産業構造を展望していく場合に、やはりサービス産業の重要性といったものは、もうそういう視点というのは欠くことができないというふうに思います。今回法律の中で、また関連施策も含めまして、サービス産業をどのように位置づけられているのか。あるいは、今度の法令について言えば、この中の活用事業者の中にはサービス業というのが入らないような形になっておりますけれども、その辺の理由、あるいはそういうことで問題はないのか、その点についてのお考えを伺いたいと思います。
#130
○牧野政府委員 各先進諸国の例を見ましても、サービス業が今後の経済成長なり全体の産業の一つの大きな担い手になることは間違いないことであろうと思いますし、我が国においても同様であろうというふうに思います。
 ちなみに、産業別のGDPの構成比を見ますと、一九八五年に製造業が三一・四%であったものが一九九二年には二九・五%に減少をしているのに対しまして、サービス業は一五・四%から一七・二%に増加しているなど、伸びている分野であります。今後このサービス業が大きく伸びていくであろうし、それが非常に大きな役割を担うということについては当然のことだろうと思います。
 さらに注意すべきは、製造業とサービス業というものが相互相乗的に発展をしていくということが非常に大事だろうというふうに思っております。サービス業自体はそういうことで、いろいろ問題ももちろんあり、それに対していろいろバックアップをする必要もあるわけでございますけれども、ほっておいてもどんどん伸びていく、こういう分野であろうと思います。
 ところが、先ほど来るる申し上げておりますように、製造業、特に既存の成熟化した製造業は、いわゆる空洞化というものの危機にさらされているわけでありまして、この製造業、もちろん衰退をしていくものを助け上げようということではなくて、この既存の製造業が既存の経営資源、労働者あるいは設備その他をフルに活用すれば新しい、これはいわゆる事業革新でありますが、これをやれば雇用なりあるいはそういった製造業自体が国内に相当存立をしていける。何とかそういったものが存立をしていけるような環境を整えようというのがこの法律の趣旨でございます。したがいまして、私どもとしましては、そういった趣旨からこのサービス業をこの法律の対象にしなかったわけでございます。
 ちなみに、ただし、当然のことでございますが、サービス業はサービス業でほっておくかということでありますけれども、そうではなくて、サービス業に対しましては、当省におきましても、この法律とは別にいろいろな対応、対策を講じていく必要があることは当然でございます。
 例えば、先ほど来大臣が申し上げました十二の新規分野、成長分野でございますが、その中の有望な分野である高度情報処理事業につきましては、高度情報処理技術者の育成のためのいろいろな支援、あるいは医療情報システムの普及のためにはシステムの標準化等、それぞれサービス業の分野におきまして諸般の対策を講じていくということは当然でございます。
#131
○上田(勇)委員 本法案において特定業種については省令で定めるという規定になっておりますけれども、伺っておるところによりますと、鉄鋼、化学、繊維、自動車、家電、そういったものを念頭に置いておられるというふうに聞いております。こうした産業を見てみるときに、例えば鉄鋼とか化学、重化学工業の典型でありますが、これはどの辺に立地しているかを考えると、例えば東京の近辺であれば京浜工業地帯、そういった臨海部に立地しているケースが多いのではないかと思います。
 例えば京浜工業地帯の例で申し上げれば、やはりこれは、先ほど吉田委員からもお話がありましたが、工業等制限法ですかの規制も受けておりますし、また、臨港地域の指定を受けていて用途規制等もあるというところであります。この法案の中で、事業革新計画、新商品の生産、開発あるいは新生産方式の導入ということを考えるときに、そういったことを図ろうとする場合に、こうした規制が阻害要因になっているというケースも多々あるというふうにも聞いております。特に、生産方式を新しくするイノベーション、例えばいろいろオートメーション化をするときには、逆に生産施設の規模自体、面積がかえって大きくなってしまうというケースも、むしろそちらの方の事例が多いというふうにも聞いております。
 また、こうしたいわゆる生産方式、生産ラインの改善あるいは効率化といったものがすべて一気にできるものではない、何年もかかって徐々にやっていくケースもある。そうした場合に、生産施設の面積が現状以上にふえてはならないというような規定になっているわけでありますけれども、最終的にはそれを満たすとしても、途中段階で生産施設の面積が増加してしまって、これがしかも何カ月というような場合だけではなくて、特に大規模な工場とかになりますと何年ものスパンでそういうことも考えていくわけでありますので、こうした場合でもこの工業等制限法では認められないというようなケースもあるというふうに伺っております。
 この法律の中でも例外基準がたしか何点か認められております。例えば制限区域内での移転で人口の増がないときだとか何点か認められているわけてありますが、これはやはり、特に京浜工業地帯などのそういう臨海地域で、かなり生産施設も老朽化している古い工業地帯などで効率化、生産方式の改善等を考えていくときに、この規制について、例外基準は認められているのですが、これのもう少し弾力化といったものが今必要なのではないか。特に、今回この事業革新法の目的を達成するためにはそういう規制の緩和といったものが必要なのではないかというふうに考えます。
 制限法の所管庁は国土庁であると思いますので、国土庁にちょっと見解を伺いたいと思います。
#132
○川本説明員 工場等制限法の問題でございますけれども、工場等制限法、既成市街地への産業、人口の過度の集中の防止ということを目的としてつくられておりまして、今日におきましても、既成市街地を中心に、産業、人口、さまざまな機能でございますけれども、ストック面を中心にして集中が依然として大きくて、国土の均衡ある発展を図る上でやはりこうした制度の意義が引き続きあるものというふうに考えております。したがって、その基本的な枠組みというものは堅持する必要があるというふうに考えております。
 この現行法におきましても、中小企業の近代化等に伴う増設とか面積の増を伴わないスクラップ・アンド・ビルドなどにつきましては、現行の制度のもとでも新増設が十分可能でございます。
 国土庁といたしましては、今後とも関係地方公共団体等とも密接に連絡をとりながら、本制度の事業者等への周知を十分図りまして、この法律の適正な運用に努めてまいりたいというふうに考えております。
#133
○上田(勇)委員 もちろん国土の均衡ある発展という観点から一カ所に集中することを避けるという目的というのは理解できるわけでありますけれども、今ここで問題になっているのが、国内のそうした産業の国際競争力が落ちているのだ、それに対応する方法としては、やはりその生産方法であるとかそういったものを改善、効率化を図っていかなければいけない。そういうときに、施設を更新するときにやはりどうしても生産性向上というのが前提になるわけでありますので、当然生産量というのがふえる場合、これがかなり多いと思いますし、先ほど申し上げたように、オートメ化をするとかえって生産施設の面積が大きくなるというケースも多いというふうにも伺っております。
 そういった意味で、もちろんこの工業等制限法の本旨というのですか、本来の趣旨というのは十分わかりますけれども、ただ、それを余りにも、その点について固執する余り、結局は今もう国内の産業が国際的に見て競争力が低下している、何か手を打たなければいけないといったときに、もうちょっと弾力的な運用が必要なのじゃないかというふうに思います。
 この点について、この規制の緩和あるいは運用の弾力化について今後、今の御答弁では余り考えられてないというような趣旨だったかと思いますが、再度ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
#134
○川本説明員 基本的にはその法律の枠組みを堅持する必要があると思っていますけれども、今先生おっしゃいましたように、いろいろな産業構造とか経済社会も変わってきていますので、この法律の運用につきましては、なおその見直しが必要であるか検討をしてまいりたいというように思っております。
#135
○上田(勇)委員 この工場立地についてよく制限三法というふうに言われるのですが、今取り上げました工業等制限法、それから工場立地法、工業再配置促進法、こういう法律によって工場の立地についていろいろな規制が行われているわけであります。もちろんその趣旨は、工業等制限法も多極分散というのですか、国土の均衡ある発展という目的があるようにそれぞれあるわけでありますけれども、その規制、運用等が若干現在の我が国の産業の置かれている現状にそぐわなくなってきている面も多々できてきているのじゃないかと思います。
 今工業等制限法のことを取り上げましたが、例えばその三法と言われる中の工場立地法などについても、これは工場を新設、改築するときに、例えば緑地を工場敷地のある一定の割合以上は絶対確保しなければならないというような規則があります。例えば京浜工業地帯のような地区というのは古くから工場が立地している地域でもありまして、こうした制限を現状ではクリアしてないというものもあります。ところが、それが、今回の法律の趣旨にもあるように、事業革新あるいは生産方式を改善していくに当たって工場新設、改築等を行うといったときにこうした規定がかかってしまうというようなケースもあるというふうに聞いております。
 もちろん、ある一定面積以上の緑地であるとか環境施設といったものを確保していくという意味は、労働環境という意味からも、周辺の環境という意味からも重要なことであるのはわかりますが、こうした規制についても、例えば緑地といってももうちょっと概念を広くして、例えばレクリェーション施設だとか博物館などといった市民に開かれた施設であれば、一定限の範囲はつくかもしれませんが、それをカウントするとか、同一エリアというか同一地域内であれば一定限の代替措置みたいなものでも認めるとか、そうした自治体とかのニーズあるいは個別事例によってこうした法律の運用についてももっと弾力化を図ることが可能なのではないかと思いますけれども、その点について御意見を伺いたいと思います。
    〔委員長退席、甘利委員長代理着席〕
#136
○齊藤政府委員 お答えいたします。
 工場立地法は、工場と工場周辺の生活環境との調和を図るというために、工場立地をいたします事業者に緑地の確保を求めたりしておるわけでございますが、主務大臣は、工場立地が周辺の生活環境の観点から問題があります場合には勧告するという制度になってございます。その緑地の面積割合、それから配置などの具体的な基準については、準則というもので公にしております。
 それで、先ほどおっしゃいましたように、事業者はこの準則に従い緑地の整備を行うということになっているわけでございますが、この準則に適合しない工場立地でありましても、周辺の土地利用の状況等個別の事情を勘案し、事業革新の場合を含めまして、生活環境の観点から問題がないと認められた場合には勧告の対象となっておりません。
 工場立地法については、今般、個別的事情を勘案し、準則に適合できなくとも生活環境の観点から問題がない場合の判断基準を明確化しますとともに、事業者からの相談にもきめ細かく対応することにしております。これによって事業革新のための計画の立案がしやすくなるということになると我々は考えております。
 ただ、これは現在の工場立地法を改正するということじゃございませんで、現行法の中での運用をよりきめ細かくやっていくということでございます。
#137
○上田(勇)委員 さらに、例えば京浜工業地帯という事例を挙げてみますと、これは港湾法に基づく臨港地区の指定の問題があります。この臨港地区の指定があった場合には、土地利用あるいはそこに建てられる建物などについても規制が行われるわけであります。その権限は、臨港地区の指定については港湾管理者、その土地利用については都市計画の方の管理者というふうになっているようでありますけれども、そうした地域の指定、変更、解除、そうしたことについても、これから特にこういう産業構造の変化が行われるときに、よく、例えば京浜工業地帯だと重化学工業中心の地域でありましたけれども、いわゆる工場施設自体は縮小されるというケースもあります。そういった意味で、そういう事業、産業構造を変えていくときに、こうした利用にかかわる制限とか規制、そういったものについても弾力的な運用が必要じゃないかというふうに思います。
 これは、この臨港地区についても、土地の利用あるいはそこに建てられる建物についての規制、こうしたものについてもそれぞれやはりいろいろなケースがあると思いますので、そういう弾力化が必要と思いますけれども、御見解を伺いたいと思います。
#138
○鶴野説明員 御説明申し上げます。
 まず初めに、今先生の方からもお話がございましたけれども、臨港地区の制度等について簡単に御説明をしたいと思います。
 臨港地区は、港湾の管理運営に必要な地域ということで定められます。その指定や変更につきましては、都市計画の区域内では、港湾管理者の申し出た案に基づきまして都道府県知事が都市計画決定をするということになっております。それから、都市計画区域外におきましては、港湾管理者が運輸大臣の認可を受けてこれを行うということになっております。
 それから、臨港地区内におきましては、一定の行為を行う場合に届け出が必要になるということになっております。さらに、この地区の中では、港湾管理者は、例えば商港区、旅客や一般の貨物を取り扱うようなことを目的とする区域というような、それぞれの分区と称しておりますが、こういうものを指定することができるというふうになっています。分区が指定されますと、その中では、各地方公共団体の条例に基づきまして、分区の目的に沿わない構造物の制限等が行われるということになっております。
 先生御指摘のとおり、事業革新を行っていく場合について、臨港地区の解除あるいは分区が必要になるような場合もあろうと思われます。最近いろいろ、昔に比べまして社会的ニーズが変わってきておりますので、私どもと建設省の方でいろいろと御相談いたしまして、平成四年に、その御相談の結果でございますけれども、臨港地区内における土地利用の開発でありますとか、個々の地域における土地利用に係る計画との調整というようなことを行って、臨港地区の指定なり変更なりを推進するようにという通達を出しております。これによりまして、細かい御説明は省略いたしますが、港湾行政、都市行政の調整方が図られるようになってきていると思っております。機能の多様化あるいはニーズの変化に対応した臨港地区の指定なり変更等が進められておりまして、臨海部の開発プロジェクトが推進されてきているというふうに考えております。
#139
○上田(勇)委員 ただいま何点かにわたって御質問をさせていただいたのですが、このように、事業革新ということで生産施設や工場のリニューアルを図っていくという場合にもこういうようなさまざまな制限や規制があって、現実にはそれを一つ一つクリアしていかなければいけない。同時に、今御質問の中でもわかったと思いますが、それぞれの規制がまたそれぞれ違った官庁で所管されていて、それぞれの官庁の許認可といったものが必要になってくる、そういう現状であります。
 そういった意味で、先ほど、通産省としては規制緩和に取り組んでいくということでありましたし、この事業革新法に基づくさまざまな施策が実際に有効に働けるように、こうした規制はもちろんそれぞれ目的があります、環境の問題であるとか、港湾であれば港湾機能等の問題といったものがあると思いますし、それぞれの目的を損なわない範囲で極力この法案の目的が達成されるような規制の緩和あるいは運用の弾力化について今後ぜひとも、この事業革新法を進められる通産省の立場からもこの点について進めていただきたいと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
#140
○牧野政府委員 本法案を作成いたします段階で大変多くの各官庁に御相談をいたしましたが、大変前向きの御協力をいただいているというふうに思っております。
 ただ、るる議論がございましたように、既存の政策なり法律なりにはそれなりの法目的もあるわけでございますから、そういったものを尊重しづつ、かつ、私ども今御提案を申し上げておりますこの革新法の趣旨というものをできるだけ生かすように、今後とも各省庁と十分協議を進め、必要な御協力をお願いをいたしたいというふうに思っております。
#141
○上田(勇)委員 ぜひともその点、各省庁、それぞれの所管している省庁がばらばらでございますけれども、連携をとった上で、目的が達成されるような御努力をお願いしたいと思います。
 それで、若干視点を変えますけれども、今回、この特定業種、念頭に置いてあるのが、鉄鋼、自動車、家電、いわば日本のこれまでの主要な輸出産業であります。現在は状況が変わっているということでありますが、依然として主力な輸出産業でありますし、かつてアメリカ、ECともいろいろな貿易摩擦の激しかった業種でもあります。今回の法案、その目的といったものはもちろん違うというふうに理解しておりますけれども、輸出産業への助成、あるいは、こうした助成策をとって再び輸出攻勢をかけてくるのではないか、こういったことが海外からも懸念されるのではないかというふうにも考えられます。
 あるいは、現在WTO協定で自由貿易を進めていく中で、これはやはり国内産業保護というようなそういう誤解も招く可能性もあるのではないかと思います。これまでのいろいろな経済摩擦、貿易摩擦といったものが誤解や理解不足に起因しているものもたくさんあるわけでありますので、この点ぜひとも、またこういうアメリカ、EUとの貿易摩擦、そういったものが激しくなるとした場合に、逆にまた結局はいろいろな点で我が国も方針を変えなければいけないといったケースもこれまであったと思いますので、この点、海外も含めてそういう誤解が生じないようにどのように対処するのか、御見解を伺いたいと思います。
#142
○牧野政府委員 御指摘の点は重々認識をいたしております。この法案の目的は、今委員御指摘になりましたように、当然のことながら輸出振興を目的とするものではなく、さらに、競争力のない産業の延命を図るものでもありません。趣旨につきましては、先ほど来御説明申し上げたところでございます。
 それで、法案でどういうふうにこれを扱っているかということでございますが、「目的」その他随所に国際経済との調和という条項が入っておりますし、かつ、事業革新計画やあるいは活用事業計画を承認をいたしますが、その承認の条項の中に、国際経済との摩擦が起きるようなものについてはそれを十分にチェックをいたしまして、そういったものは事業革新計画として認めないということにいたしたいと思います。
 さらに、今御指摘がございましたが、この法案によりまして事業革新計画を行う特定事業者に財投あるいは税等の助成を行うものではございますが、これは、今御指摘がございましたWTOの一般的な規則を完全にクリアをするものでございます。
#143
○上田(勇)委員 それでは次に、いわゆる中小創造法のことについて何点か御質問をさせていただきます。
 これまでもほかの委員からも発言のあったとおり、アメリカの事例で見ても、ベンチャー企業が雇用創出には大変役立っている。そういう意味で、これからは創造的なこういう新しいビジネスの育成が経済の活性化のためにも必要だということは広く認識されているところでありますし、この法案の方向性については評価するものであります。
 本法案を見てみると、やはり一つには、特別業種は特定しない、あるいは、もう既に事業を起こしている者だけではなくて、これから起業しようとする者も対象に入っている、また、いろいろな行政手続、認定手続を経なくても減税措置等の特例の特典を受けられるといった点については、非常に評価できる内容であるというふうに思います。
 特に、法案の中で業種の特定を行っていないというのは、やはり、このように経済環境の変化のスピードが速い時期に、なかなかこれ、従来のように国が戦略的に産業を見つけてそれを育成するというのは非常に難しいのではないかというふうに思います。そういった意味で、それぞれのベンチャービジネスの創意工夫、そういったものを生かしていこうという点については、とてもいい発想じゃないかというふうに思います。
 また一方、ここで先ほどから何回か議論にも出ていますが、産構審の基本問題小委の方では、新規・成長分野、これに住宅関連だとか、医療。福祉関連など十二分野を特定しているわけであります。もちろんこれは、この業界という形で特定しているものではありませんけれども、いずれにしろこういう分野ということを指定しているわけでありまして、この中小創造法の方ではそういう指定は行っていない。この辺の整合性、あるいは今後、日本のそういう産業構造、どういうふうな新規・成長分野があるのか、その辺のビジョンも含めて御見解を伺いたいと思います。
#144
○安本政府委員 本法案は、創業、あるいは研究開発とその成果の事業化といった取り組み、すなわち創造的事業活動を促進することを通じまして新たな事業分野を開拓いたしまして、日本経済そのものの地平を拡大していこうというふうなことを目的とするものでございます。したがいまして本法案は、原則として、御指摘のように、特に業種や分野を限定せずに、新たな事業分野の開拓に資する研究開発等を幅広く、かつ総合的に支援するというものでございます。
 他方、昨年六月に産業構造審議会基本問題小委員会報告書が提示した十二の新規・成長分野は、社会ニーズが強く、今後さらに発展が見込まれる住宅関連、医療・福祉関連を初めとする市場分野を列挙したものであるわけでございます。本法案に基づく支援によりまして、こうした基本問題小委員会が列挙した分野を含めまして幅広い分野での新たな事業分野の拡大が図られまして、結果的に日本経済の地平が拡大され、また活力が倍加されるということが期待されているわけでございます。
#145
○上田(勇)委員 ということは、この産構審で挙げた十二分野というのは、あくまで見込みあるいは予想ということであって、特に国としてその分野について集中的に育成を図っていくあるいは支援していくということではないというふうに理解してよろしいんでしょうか。
#146
○牧野政府委員 この十二分野については、内外の衆知を集めて議論をして一つの方向を出したものでございますので、これについて通産省といたしましては、全力を挙げてこれを支援をしていく、そういう対象として考えております。
#147
○上田(勇)委員 産構審の報告書の中でも、こうした産業を醸成させるような環境整備に努めるというふうにも書かれておるわけでありますので、ある意味では戦略的な分野というふうにとらえていることであると思いますが、ちょっとさっきもお話ししたように、経済環境、非常にスピードが速い、変化も激しい、そういうときに、なかなかじゃあ国がこれを育成しようといってそれでうまくいくような時代でもなくなってきているような気もいたします。もちろん、国としての経済の方向、こういうビジョンを持っていくということは大切であります。一方ではそれだけでは対応できない。その意味で、この中小創造法案の趣旨がそれを補完するという意味で役立ってもらえればということを期待するものであります。
 それで今回、やはりベンチャービジネスということを考えたときに、これはやはり創業時としてもある程度の資金の調達が必要になってまいります。これまでも数多くの委員からも御指摘があったようでありますけれども、やはり、この法案の中に盛り込まれている税制や金融、補助金といったものだけでは不十分なんじゃないかという感じがいたします。やはりこれは、民間の資金、そういったものが大量に動員できるような施策が必要であり、その一つの方法としては、やはり資産で賄う、エクイティーファイナンスがどうしても必要なのではないか。これは、アメリカの事例等についての御説明もこれまでありましたように、店頭市場の整備、そういったことが重要な課題になってくるわけでありますが、店頭市場への上場条件が日本の場合はかなり厳し過ぎるといったこともいろいろな方々から指摘されています。
 また特に、これは必ずしも大蔵省の見解とは一致しませんけれども、行政指導による条件がやはり厳しいというような指摘もいろいろなところで言われているのも事実であります。これは、やはり投資家を保護するといった観点からのこともあると思いますけれども、どうしてもこういうベンチャービジネスといったものはリスクの大きい投資でありますので、その分当然リターンも大きいという相関があるわけであります。どうしてもそういう性質がありますので、これは投資家保護ということよりもむしろ、やはりそれぞれ投資家が自主的というのですか、それぞれの判断で投資の意思を決めていくというような形にしていかなければいけないことではないかというふうに思います。
 その意味で、ここで当然重要になってくるのがやはり情報公開、ディスクロージャーをきちっとやっていくことが必要だというふうに思います。これは、アメリカのNASDAQ、店頭市場などでもこのディスクロージャーについてはかなり厳格に行われているというふうにも聞いております。
 そういういろいろな点があるわけでありますが、今後こういうベンチャービジネスを育成していく上で、そういう店頭市場における規制の緩和、あるいはディスクロージャーについてももっと厳格にしていく等のことをしていかなければいけないわけであります。これまでもいろいろな諸規制の緩和等は行われているわけでありますけれども、今後どういう方向でこれを進めていかれる考えなのか、大蔵省の御見解を伺いたいと思います。
#148
○藤原説明員 お答え申し上げます。
 大蔵省といたしましても、店頭市場の整備拡大ということがベンチャー企業を含めました企業の資金調達にとって重要であるということは、以前から十分認識いたしております。そういうことも踏まえまして、今般、現行の基準では公開が難しいと考えられますいわゆる研究開発型でありますとか知識集約型でありますとか、こういうような新規事業を実施する企業の資金調達をより一層促進するために、店頭登録制度について見直しを行うことといたしております。具体的には、本年四月より、現在週三社から五社といたしております過当なりの公開会社数の制限を撤廃することといたしております。
 もう一つは、先ほど申し述べましたように、研究開発型でありますとか知識集約型でありますとか、こういうようななかなか現在の基準においても公開することが難しいという事業につきまして、投資家保護に配意しつつ、店頭登録基準の特則を設けるという措置を講ずることといたしております。そこで、その特則の対象となる事業の範囲でありますとか特則の内容、あるいは投資家保護の方法などにつきまして検討を行っていただくために、日本証券業協会に店頭登録基準検討等懇談会が設けられまして、本年六月を目途にその結論を得るべく現在既に議論が行われているところでございます。今委員御指摘のディスクロージャーの話につきましても、当然、投資家保護の一環としてこの中で御議論されることと思っております。
 なお、もう一つ申し添えますと、同懇談会におきましては、懇談会自体は協会の会員等で構成されるわけでございますが、その検討に当たりましては、通産省を初めといたしましてベンチャー企業など関係する各界からの御意見を聞かせていただくということにいたしております。
 以上でございます。
#149
○上田(勇)委員 先ほど大臣からも、ベンチャービジネスに対する資金の供給、そのための店頭市場について今後非常に進めていきたいという御発言をいただいておるわけであります。もちろん、今大蔵省の説明もあったように、投資家保護という視点も欠かせないことであると思うのですが、私はやはり、投資家を保護していく、投資家の権利を保護していくという意味では、経営に関するそういう情報、ディスクロージャーをやはり徹底して行っていくといったことが一番の方法じゃないかというふうに思います。
 大臣も先ほど、店頭市場について、これからそういう点を伸ばしていかなければいけないというお考えでありましたが、このディスクロージャーの問題についてどうお考えか、御見解を伺いたいと思います。
#150
○安本政府委員 ディスクロージャー体制を整備するというのは御指摘のとおり大変重要なことでございまして、中小企業庁では、新法の中で計画認定されました企業に対しましては、このディスクロージャー体制を整備するために、またベンチャーキャピタル等からの出資が進むように、財務分析、企業審査でありますとか事業評価、そういったことに要する費用につきまして平成七年度から助成対象としたいというふうに考えております。
#151
○上田(勇)委員 若干視点は違うのですが、今問題となっている東京共同銀行の問題についても、やはりそういう情報の公開性といったものが問題があったというふうに考えられますし、また、この件に限らず、これまで投資家に対してあるいは預金者に対して、銀行の場合でありますけれども、やはり全般に情報の公開といったものが必ずしも十分行われてこなかったのではないかという気がいたします。ゆえに、そういった意味で、投資家、預金者に対する保護といったものが逆に損なわれてしまったというようなこともあるのじゃないかと思いますけれども、その点についてどうお考えか、御見解を伺いたいと思います。
#152
○橋本国務大臣 私は、委員の御指摘のような点は確かに否定できないものと思います。そして、大蔵大臣当時を振り返りましても、ディスクロージャーというものについて随分積極的に論議を進めてきたつもりでありました。しかし、必ずしも十分でなかったという感じを今持っており、今後より積極的なディスクロージャーを進めることにより、これはたまたま今金融市場の一つの例を引かれましたが、私は、店頭取引等を含めまして、証券、債券、金融各市場における活性化がより期待できるものになると思っております。
#153
○上田(勇)委員 それでは次に、これもまた今日とても重要な課題であります行政改革の問題について、何点かお伺いしたいというふうに思っております。
 もちろん行政改革、今日これは村山内閣にとりましても、これまで総理の御発言からいえば、最重要な課題というふうに位置づけられていると思いますし、特に時代の要請ということもそのとおりであると思います。その中でも、特に特殊法人の見直しの問題について、これまで総理のいろいろな場での発言を見ますと、とりわけ重視されているというふうな感じを持っていたわけであります。
 今回政府で案を取りまとめられたわけでありますが、これは、総理が従来おっしゃっていた歳出削減を行うという意味では、これはそれほど期待できる内容にはどうもなっていないのではないかというような気がいたします。そういう意味ではいろいろな難しい問題もあるのでしょうけれども、残念ながら多くの国民の期待には十分こたえられている内容ではないというふうに認識しているところであります。
 ただ、もちろん総理は、先般も本会議等で、今回の特殊法人の見直しについては相当な成果が上がったと評価されておるわけでございますけれども、大臣は、これまでいろいろな閣僚ポストを経験されている意味では非常に各省の行政内容について精通されているわけでありますが、今回政府として取りまとめられた特殊法人の見直し案について率直な御意見、御評価をいただければと思います。
#154
○橋本国務大臣 私が行政改革というテーマに取り組みました中で、今までを振り返ってみますと、今回はある意味で三度目の特殊法人に対しての見直しの機会であった、そのように思います。
 第一次臨時行政調査会が建議されましたその答申の中の特殊法人、その最終的な整理が宇野行政管理庁長官のとき、たしか大平内閣の最後であったと思いますが、宇野行政管理庁長官の手元で行われましたときがその大きく動いた第一回でありました。そして、第二次臨時行政調査会が発足をいたしましてから、第二次臨時行政調査会の作業の中において提起されました問題にこたえるべく特殊法人の整理が行われましたものが第二回目。そして、その意味では私は、今回が三度目の私自身の体験の中における特殊法人の整理統合であります。
 私は、他省庁のものを論評するつもりはありませんが、通商産業省としては、所管する十三の法人について例外なく真剣な検討を行いました結果、石炭鉱害事業団と新エネルギー・産業技術総合開発機構、いわゆるNEDOの統合を一つ、そして、アジア経済研究所と日本貿易振興会の結合をすべきという結論を得て、これを公表いたしました。
 それで、これを考えますプロセスの中で、石炭鉱害事業団につきましては、平成十三年度末でその事業を完了すべきと定められておりますだけに、そこまで待って廃止をする方が、単独の法人としてそこまで存続した上で廃止をする方がよいのか、あるいは統合する方がよいのか、随分迷いました。しかし、共通する事業を抱えておりますこともあり、むしろ平成十三年度末までに残事業を完了する、そのためにも統合した方がよいという結論を得たのが第一の組み合わせであります。
 また、現在、ジェトロの活動と並びまして、我々はアジア経済研究所の研究成果というものを極めて重用いたしております。そして今、APECという一つの組み合わせの中で、我々はアジア・太平洋地域の主要な国の一つとしてこの地域における将来の大きな役割を担う立場にあります。本年、APECの議長国であることをも考え、アジア・太平洋地域におけるより大きな前進を図る、そうした考え方から、今回これを機会にこの組織を統合したい、その方が将来に向けての前進になる、そのような私どもは決断をいたしました。
 その限りにおきまして、我々は非常に積極的に検討をした上であるべき姿を追求してきた、そのように考えております。
#155
○上田(勇)委員 政府案の取りまとめの段階で、政府系金融機関の整理統合が焦点になったというふうに承っておりますけれども、報道によりますと、閣僚と与党の間の意見の調整が難航したとか、あるいはいろいろな事情があって、結局は今国会中に結論を得るという形でいわば先送りが行われたわけであります。
 報道によりますと、大臣はこの政府系金融機関の問題について、財投制度の見直しを含めて首相の諮問機関で検討するということを提案されたというふうにも伺っております。もちろんこの財投制度、見直しが必要という点ではそのとおりではないかというふうに思っておりますが、ただ、これが新聞報道ではいかにも問題の先送りの理由というような形で報道されておりますが、それでは困るわけであります。
 そこで、今後の政府系金融機関の見直しについて、どのような観点から、また、どういうスケジュールで見直しを行っていくという考えなのか、また、どういうような成果を目指して努力されていくのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#156
○橋本国務大臣 新聞報道並びにテレビの報道では、大変さまざまな報道がありました。しかし、少し前の報道まで振り返っていただきますならば、昨年の秋から私が政策金融をどう取り扱っていくのかということを繰り返し閣僚懇談会等で発言し、問いかけておりましたことを恐らくその活字の中に見出していただけると思います。
 それで私は、大蔵大臣の時点におきましても、財政投融資のあり方というものを基本的に見直さなければならないという考え方は持ち続けておりました。残念ながら、その時期そこまで私は作業を進めることができませんでした。なぜなら、財政投融資のあり方についてさまざまな議論を展開されながら、同時にその財政投融資についてメスを入れる以上、民間金融機関がどこまでの役割を背負っていただけるのかを確認する作業がなければ、これは非常に危険な要素をはらみます。大蔵大臣在任中、そういう意味では私は民間金融機関の方々に対してそういう問いかけをいたした時期もありましたが、残念ながら財政投融資の役割を大幅に減少し得るようなお答えがちょうだいできなかったのが実態でありました。
    〔甘利委員長代理退席、逢沢委員長代理着席〕
 ですから、今回特殊法人の見直しが内閣としての大きな課題になりました時点から、私は、政策金融というものを考えるならば財政投融資のあり方そのものからメスを入れなければならない、そして、それについては民間金融機関がどこまで長期・低利、固定化する資金提供ができるかを、その答えを求めなければならないということを申し上げてまいりました。私は、これを決して災害のせいにするつもりはありません。しかし、現実のこの大震災の復興に対し、非常に長期かつ低利、固定化する資金の提供が求められているのが実情であります。そして、こうした特殊な状況を離れましても、例えば都市の再開発等を考えますと、相当期間資金が固定化し、しかも低利で融資をされなければ行えない事業というものが多々あることは御承知のとおりであります。
 そうした意味において、私は、財政投融資についての御批判を世間から受けますたびに、大蔵大臣の当時から、では経済界の皆さんは財政投融資に頼る政策運営を求められないのですか、どうなさるのですかという問いかけとともに、民間金融機関がどこまでの役割を担い得るかについても同じ疑問を呈してまいりました。今回の論議の中においても、私は同様の考え方で自分の議論を整理いたしております。そして、個々の機関の統廃合ということ以前に、我が国の財政運営の中で財政投融資がいかなる役割を担うべきか、ここを確定すればおのずからその後の機関のあり方等は結論を得るもの、そのように考えております。
 そして、取りまとめの最後の段階におきまして中小関係のものが例示に挙げられましたときに、確かに私は弱い者いじめをするのですかということを申し上げました。政策金融を行う以上は、大企業を相手にするものの方がより民間からの資金は得やすいはずでありまして、国策として、中小零細企業に対する金融対策というものは私はできる限り今後ともに国として用意をしていくべきもの、そのように考えております。
    〔逢沢委員長代理退席、委員長着席〕
#157
○上田(勇)委員 時間でありますのでこれで終わらせていただきますが、この行政改革という問題、非常に重要な問題でありますし、また村山内閣にとりましても大きな公約であるというふうに思います。
 そういう意味で、私たちも、野党の立場でもありますが、この行政改革の政府の取り組みについてはしっかり監視し、また建設的に行革が実現できるように取り組んでいく決意でございますので、ぜひとも政府・与党におかれましても、この行革、大変国民が期待していることでありますので、全力を挙げていただきたいということをお願いして、質問を終わらせていただきます。
#158
○白川委員長 次に、星野行男君。
#159
○星野委員 星野行男でございます。
 私は、まず産業空洞化対策につきまして何点かお伺いをいたしたいと存じます。
 我が国の製造業は戦後の我が国の経済発展の原動力でありましたが、近時製造業の対外直接投資、なかんずく対アジア向けの直接投資が急増いたしております。また、個別品目の海外生産比率も、カラーテレビが七二%、ラジオや電子レンジが六三%、電気冷蔵庫が四〇%、自動車が二二%と、これまた激増をいたしております。また、大手メーカーが生産拠点を海外に移転することに伴いまして、国内下請企業の選別が進み、廃業に追い込まれる中小企業も多くなり、製造業では廃業率が新規開業率を上回っており、失業率も二・九%と高どまりの上、余剰労働力、いわゆる潜在失業率が、六千万人の勤労者の五%、三百万人にも及んでいると言われております。このような傾向はさらに進むものと言われている次第であります。
 このような、我が国製造業の空洞化の進行そして国際競争力の低下は、我が国経済にとりましても、また雇用の面におきましてもゆゆしき事態でございまして、通産省が今回、事業革新円滑化法、中小企業創造法、小規模企業共済法の空洞化対策関連の法案をまとめ国会に提出をされましたことに、まず敬意を表したいと存じます。
 しかし、私は、これらの法案を一応評価はいたしますけれども、果たしてこれだけで空洞化の流れをとめることができるのか、あるいは国内産業、なかんずく製造業の活性化ができるかどうか、甚だ疑問に感ずるものであります。日本と東南アジア等の生産コストの比較では、土地が百分の一、人件費が二十分の一、また税金が二分の一から三分の一、さらに円高による競争力の低下と事態は深刻であります。
 私は、この対策といたしまして、まず企業の税負担の軽減が必要であると考えます。我が国の法人課税の実効税率が、御案内のとおり国税三三・四八%、地方税一六・五%、合わせまして四九・九%でございまして、先進諸国中最高であり、東南アジア諸国等の二倍ないし三倍であります。これでは、ボーダーレス化が進んだ今日の経済環境のもとでは、製造業だけではなく他の企業も海外に移転したくなるのではないでしょうか。
 経済が右肩上がりの成長を続け、国境の垣根も高かった時代と今日では発想を変えることが必要であります。午前中の逢沢委員の御質問にもございました、企業の数では大企業は一%、中小企業が九九%、そしてまた従業員の数は中小企業において八割近い、こういう日本の現状でございますが、大手が一つ動くことによりまして、そのすそ野の中小零細への影響は甚大であります。
 この際、企業の租税負担を思い切って引き下げ、国内での操業の存続を図り雇用を確保することが、国民の利益のためにも必要ではないかと考えますが、橋本通産大臣の御所見を承りたいと存じます。
#160
○橋本国務大臣 基本的に、私は委員の御指摘を肯定したい気持ちでいっぱいであります。これは、平成六年十二月の税制調査会の答申の中におきましても、「所得・消費・資産等の税体系の中で取り組むべき課題としては、資産課税の問題に加えて、法人課税のあり方の問題もある。」という形で問題の提起がなされております。
 そして、今委員がお述べになりましたようなさまざまな要素の中で、我々は必死でこれら産業の育成のために努力を払ってまいらなければなりません。しかし、こうした努力を必死で払ってまいりましても、やはり企業の税負担というものが諸外国に比べて高い、それが産業の空洞化の一因となっているんだという声があることは事実なんです。
 我々として、今回、産業空洞化防止のための税制面での対応といたしまして、本日御審議をいただいております法案に関連し、設備投資や研究開発を促すための税制の優遇措置を講ずることといたしました。しかし、さらに、法人所得課税につきましては平成七年度の政府税調の答申で提起をされておるわけでありますから、経済構造の変化に対応し、我が国経済の一層の国際化の進展、企業活力の維持、こうした観点を踏まえながら「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」という基本方向が明示されているわけでありまして、通産省といたしましても、企業をめぐる税制につきましては同じような見地から見直しをしていくことが必要であると考えております。
 今回提案させていただきました法案、さらに企業税制についての検討を一つのステップといたしまして、今後、企業を取り巻く経済システム全体のあり方についてさまざまな観点から一層検討を加えていきたい、そのように考えております。
#161
○星野委員 ありがとうございました。
 今回の事業革新法あるいは中小創造法、それぞれなかなかきめ細かな対応が盛り込まれている、そのように考えておりますが、今申し上げたような、今まで、戦後我が国は、経済の復興あるいは高度経済成長あるいは今日の経済発展、この過程におきまして行政の経費は大企業を含めた企業の税負担に負うところが大変大きかったわけでありますが、今日このような状況になりますとやはり雇用の確保、これがまず国民生活のために大変重要である、そういうふうに考えている次第でありまして、なおひとつこれからの対応につきましては御研さん、御努力をお願い申し上げたい、かように存ずる次第であります。
 さて次に、いま一つは円高対策でございます。
 急速、急激な円高の進行が我が国経済、あるいはなかんずく製造業を直撃したことは御案内のとおりでございます。この円高の問題につきましては、御案内のように昭和六十年、プラザ合意による円高政策、あるいはまた平成二年からの日米の構造協議、あるいはまた近時における各分野ごとの、それこそ数値目標を掲げた、しかもスーパー三〇一条をかざしたアメリカの市場開放の要求等々がありまして、今まではいずれも日本の黒字減らしには余り大きな効果がなかったわけであります。
 つい数年前、アメリカ系のある人が来まして、一応円は百十円まで戻す、戻すけれどもそれで黒字が減らなかったらいずれ八十円台にするんだ、こういう話を聞いたことがありましてぞっとしたわけであります。為替レートはいろいろな変動要因があるということは承知をいたしておりますけれども、やはり本筋は、内需を拡大をいたしまして、日本のそれこそ千三百億ドルにも上る黒字を減らしていく努力を我々が真剣にしていくことが必要ではなかろうか、そんなふうに思うわけであります。
 そういう観点から、先般橋本通産大臣が、さきの商工委員会におきまして鳩山由紀夫委員の質問にお答えをいたしまして、今回の阪神・淡路大震災の教訓として、いみじくも第二、第三の国土軸の必要性を説かれたわけでございます。この国土軸につきましては、四全総のフォローアップの中で議論され、西日本、東日本の第二国土軸、そして日本海側のいわば第三国土軸、さらに太平洋側と日本海側を結ぶ地域連携軸、こういう構想が固まっているというふうに聞いているところでございます。これを実現することは、大地震等の災害対策だけではなく、大臣が所信表明で述べられました内需中心の経済の安定成長により貿易黒字を縮減をいたしまして円高の是正を図るためにも有効であり、同時に空洞化対策といたしまして、国内における産業再配置のためにも極めて重要であると考える次第でございます。
 そこでお伺いをしたいのでありますが、この国土軸の基盤をなすインフラストラクチャー、まあインフラといたしまして、まず新幹線がございます。現在着工中の東北新幹線それから北陸新幹線、九州新幹線、さらに第二東海道線としての中央新幹線あるいは日本海側の羽越新幹線など、いずれも重要なものであります。御案内のように、この整備新幹線三線五区間が五百一キロ、その他全線ということで計算いたしますと、合計は約一千五百キロということになります。これをフル規格でやるといたしますと七兆円、大体キロ三十億から五十億、こういう計算になるわけでありますが、このほか基本計画線が十二線あるわけでありまして、これが三千五百十キロということになっているわけであります。こういう新幹線につきまして、私はやはり国土軸というような観点から積極的に整備をしていく必要がある、そのように考えております。
 また、高速自動車道等の高規格幹線道路、さらに、国際化の進展する中で新幹線や高速道路に劣らず空港や港湾も重要でございます。これら国土軸の基盤となるインフラの整備につきまして、おおよそどのくらいの投資額になるのか。公共投資十カ年計画四百三十兆円を、二百兆円追加いたしまして六百三十兆円というふうに決定されているところでございますが、恐らくその中身にこういうものが含まれているのではなかろうか、こう思うわけであります。おわかりになる範囲で結構でございますけれども、この第二国土軸あるいは日本海国土軸あるいは地域連携軸、そういう中でのインフラ整備、今申し上げた新幹線あるいは高速道路あるいは空港、港湾、こういうものについてどれくらいの投資額が見込まれているのか。
 あるいは、さらに伺うことができれば、この阪神あるいは淡路大震災の中で耐震構造ということが非常に強く反省点として言われているわけでございますが、そういう耐震構造にした場合の見積もり、おおよそどのくらいになるのか、おわかりの範囲で結構でございますが、お聞かせ願えませんでしょうか。
#162
○橋本国務大臣 今委員から御意見を賜りましたような分野、通産省としては専門的な知識を持つ立場にはないわけでありますけれども、来年度から実施をされます新たな総額六百三十兆の公共投資基本計画の中で、自然災害を未然に防止するための施設整備また安全な居住環境の確保、全国的な基幹ネットワークの整備を推進する、これらの点は主要施策として明記をされているわけであります。
 こうした中で、今回の大震災の教訓を分析いたしながら、震度七という非常に厳しいものに対しても耐えられるだけの構造を持った交通インフラ整備というものは相当な額を必要とするものになるでありましょう。しかし、私どもは、今回の被害の中で、本当に第二、第三の国土軸を準備しておかなかった結果、これがいかに今復興のためにも障害になっているかを痛感させられております。さらに、細川内閣時代、公共投資の中でウエートを低下させております港湾につきましても、その港湾が機能を失いましたとき、いかに深刻な状況になるかを今如実に味わわされております。
 そうなりますと、公共投資基本計画の中で、当然ながら私は、従来と違った順位の見直しも考えられなければならないと思いますし、その優先度もそれぞれに変化をするであろうと思います。
 今委員は新幹線から説き起こされたわけでありますが、道路と鉄道一体どちらを優先するのか、さらには空港のネットワークをどうするか、港湾整備のあり方、今回の震災の中から我々は多くのものを学び取らなければなりません。こうした深刻な被害の中から得られる教訓というものを最大限に生かしながら第二、第三の国土軸の整備に当たるべき、そのように考えております。
#163
○星野委員 私はそこで、これは大臣にお答えを求めるようなやぼなことは申し上げないつもりでございますが、我が国の今の財政で、本当にこれだけの、六百三十兆に上るこれからの公共投資が果たしてできるのかどうか、その点を大変心配をいたしておるわけでございます。
 御案内のように、この阪神の問題を別にいたしまして、新年度予算を基準にして平成七年度末の我が国の国債残高二百十二兆円と言われております。さらに、いわゆる隠れ借金四十二兆円とも五十兆円とも言われているところでございます。それから、地方債も地財計画の計算で平成七年度末は百十五兆円に上る。こういうことで、いわゆる国も地方もまさに財政は危機的な状況にあるわけであります。単純詞算いたしまして、この二百十二兆円に地方債百十五兆円、合計いたしますと三百二十七兆円、それに仮に隠れ借金五十兆円といたしますと三百七十七兆円、大変な額になるわけであります。
 しかも、政府は大変苦労されまして、この税制改革、平成九年の四月から消費税二%アップを決定されたところでございますが、政府や自治体、発注側の消費税負担を減じますと、実質増収は、一%で、二・一兆円、二%で四・二兆円、恒久減税分三・五兆円を引きますと、あと残りはわずか七千億円、これで新ゴールドプランを支弁いたしますと、残りはほとんどないに等しい。
 そういう状況の中でこれからいわゆる新しい公共投資十カ年計画、果たして実現する財源が賄われるのかどうか、大変私は懸念をいたしております。ここで、所管も違いますし、橋本大臣にこの財源問題をお答えいただこう、そういうつもりはございませんけれども、大変大きな問題点として御指摘をさせていただきたいと思います。
 さて、こういうインフラ整備に伴うところの民間投資の誘発効果についてでございますが、大変身近なことで恐縮でありますけれども、上越新幹線か昭和五十七年の十一月大宮暫定開業、六十年三月上野乗り入れ、現在は東京駅まで入って大変便利をさせていただいております。
 私ごとで恐縮でありますが、昭和五十年から平成元年まで新潟県小千谷市長を務めておりまして、企業誘致には随分力を入れてまいりました。しかし、新幹線が通るまでは関東方面の企業も雪深い新潟には全く見向きもしてくれなかったわけであります。それが、新幹線が通るようになりましてから企業の新潟を見る目が変わってまいりました。十指に余る企業誘致に成功させていただくことができました。その中で、大手電機メーカーの半導体の工場もございまして、既に一千億円近い設備投資がなされ、現在約千八百人ほどの若者が働いております。私は、新幹線効果がいかに大きいかということを身をもって痛感をいたしました。
 実は、昭和五十九年、新潟の方は五十九年豪雪と言われるような大雪でございましたけれども、その目がくらむような大雪の中、新幹線は一分一秒もおくれることなく実は長岡駅に到着をいたしました。そういうことで、その大手メーカーの担当の方もこれなら安心して小千谷に工場をつくってもいい、こういうことで実は企業誘致が実現をいたしたところであります。
 そしてまた、先ほどお話もございましたように、現在国際化が進んでいる中で空港も港湾も非常に重要でございます。これも、新潟港では環日本海圏をにらんだ中でテクノスーパーライナーの就航、あるいは空港では、新潟空港の三千メーター化を第七次空整に組み入れていただくように要望をいたしているところでありますが、もちろん新潟だけではなくて各地域このような要望がメジロ押しになっているわけでございます。
 そういうふうに、新幹線、高速道路あるいは空港、港湾などのインフラ整備をいたしますと、当然、地域開発効果や民間の投資誘発効果、あるいはさらに雇用創出の効果が生まれてまいります。これは大変大きいものでございます。このような大型公共投資がなされますと、一般的にこれに伴う民間の投資誘発効果は公共投資額の二・三倍とも聞いておるわけでありますが、通産省はこのあたりどういうふうに見ておられるか、事務方の方にお伺いいたします。
#164
○牧野政府委員 今委員の御指摘になりました、交通インフラの整備によってそれぞれの地域の民間経済の誘発効果がどうかということについて、これは定量的に把握するのはなかなか難しゅうございます。従来、公共投資をどれだけやれば景気がどれだけ押し上がるかというような乗数効果につきましては、大体公共投資の乗数一・三九というのを一般的に使用しているようでございます。しかし、これは今委員がおっしゃいましたような地域開発等、多面的な中期的波及効果を考慮したものではございませんので、御質問にお答えすることにはならないと思います。
 それで、恐縮ですが、そういったことで具体的にその効果を定量的に把握することは困難でございますが、今委員御指摘のように、交通インフラは、単に短期的な需要創出効果にとどまらず、中長期的効果として非常に、あるいは人や物の広域的な交流の拡大を通じまして産業や都市機能の集積を高め、地域経済の活性化を促すということで、民間投資や事業の誘発につながるということは間違いないことでございます。
 例えばかつての臨海工業地帯のように、鉄道、港湾に隣接して石油化学コンビナートが非常にいんしんをきわめたという例もございます。また、先ほどちょっと御指摘がございましたけれども、現在では高速道路、空港の周辺にLSI工場等の電子部品産業が立地しているというのも、これも現実の姿でございます。
 私どもは、いずれにいたしましても交通インフラが中長期的に民間投資を誘発する効果は非常に大きいと考えておりまして、こういった交通インフラの整備は、産業、国民生活に非常に多面的にかつ息長い効果をもたらすと思っております。それで、先ほど来から議論がありますいわゆる産業の空洞化ということ、これに対しては多面的な対策がもちろん必要でございますけれども、そういった目的のために非常に有効な手段であるということで、私ども直接こういう公共投資インフラの所管ではございませんが、そういった空洞化の防止という観点からも非常に期待をしているところでございます。
#165
○星野委員 今お答えがございましたように、いずれにいたしましても、例えば大ざっぱな数字でありますが、こういう公共投資百兆円したといたしますと百数十兆円の民間の投資誘発効果が生まれてくる、このように理解をいたしているところであります。
 黒字を減らし、そしてまた、それこそ大臣が言われましたようなファンダメンタルズを反映しないこの円高水準、そういうものを是正するためには、やはり制度としてはそういう内需拡大を積極的に進めていく。また、そういうことによって産業基盤整備ができ、あるいは企業の活動が活発になり雇用が創出され、さらにまた、いわゆる一極集中の是正ということにもつながってくる、そういうふうに思いますので、ひとつぜひ力を入れてお進めを願わなければならない、そう思っております。
 さて、次に産業再配置政策についてお尋ねをいたします。
 通産省が今まで各種の法律をつくり制度をつくり、産業再配置に大変な御努力をしてこられました。あるいは近時では、テクノポリスあるいは地方拠点都市など、私どももその恩恵を受けているわけであります。現在、製造業の生産拠点の海外移転が進んでいるわけでありますが、海外展開にはそれなりのリスクも伴うものでございます。また、将来現地の賃金が上がるとかあるいは為替レートの変動が生ずるとか、現在あるところのメリットが将来は薄くなることも十分想定されるところであります。
 そこで、私は、我が国の三十七万平方キロのこの国土資源をもっともっと有効に活用すべきではないかと考える次第であります。これも自分の経験を持ち出して恐縮でありますが、先ほど述べました大手電機メーカーの半導体工場を誘致する際、実は、土地開発公社の工業団地の用地買収費並びに造成費を合計いたしますと、三・三平方メートル当たり単価五万円かかりましたが、これを三・三平方メートル当たり二万七千五百円で売り渡しました。それで、差額は一般会計から土地開発公社に対する補助金で補てんをいたしたところでございます。
 また、誘致企業、地元企業問わず、新規の設備投資により一定の雇用を満たした場合、市条例で三年間固定資産税を免除いたしました。現在はそういう地方自治体も多くなっていると存じますが、このような企業誘致や地場産業育成の経費は、これは自治省の話になりますけれども、交付税算定の際の基準財政需要額に私は全額算入すべきであると考えます。
 また国も、国土軸などの産業基盤整備や法人課税の軽減とあわせまして、買いかえ特例とか低利融資など、税制、金融面での産業再配置政策をもっと拡充強化すべきであると考えますが、このことについて通産省の考え方をお尋ねいたします。
#166
○齊藤政府委員 今先生御指摘のとおり、通産省におきましては、地域経済の活性化と国土の均衡ある発展を図るという観点から、工業再配置施策、テクノポリス施策、頭脳立地施策、オフィスアルカディア施策などの産業立地施策を推進してきているところでございます。
 具体的に申しますと、大都市圏から地方圏への工場移転等に際しましての買いかえ特例制度、さらに工場等への固定資産税の減免に対する減収補てん措置等の税制関連の措置、地方圏に立地します工場等の設備投資に対します低利融資制度、さらに地域整備公団を活用した、地方圏におきます中核工業団地等の造成というような事業を行ってきております。さらに、現在国会で御審議をいただいております七年度予算案におきましては、広域的観点に立って研究開発及び情報化のための重点的な施設整備等に取り組みます創造的経済発展基盤地域、私どもはこれを通称スーパーテクノゾーンと呼んでおりますが、これの形成、促進にかかわります予算を計上させていただいておるところでございます。
 通産省といたしましては、今後とも魅力と活力ある地域経済の形成を図るということから、これらの施策を強力に推進しますとともに、内外の環境変化に適切に対応した施策の展開を積極的に図っていきたいというふうに考えております。
#167
○星野委員 ありがとうございました。
 そこで、このスーパーテクノゾーンの仕組みでございますが、今までのテクノポリスとかそういうものとこのスーパーテクノゾーンがどう違うのか、その考え方あるいは施策、組み立て、そういうものをもう少し詳しく御説明願えませんでしょうか。
#168
○齊藤政府委員 従来のテクノポリスといいますのは、条件を提示いたしまして、いつまでにどういう計画を出してくださいというやり方でやっていたわけでございますが、今回私どもが考えておりますスーパーテクノゾーンといいますのは、ポテンシャルのあります地域の自主性、独自性を生かして、経済活動の高度化を図りますために、複数県にまたがります二足の広域的な地域を対象にいたしまして、地域における中核的な研究開発施設、情報施設を重点的に整備しますとともに、これらを有効活用しますソフトの支援も一体的に推進するということを考えております。
 ですから、複数県さらに通産局も間に入っていただきまして、どういうふうにその地域の技術、産業を持っていくかというのを十分に御相談していただいて計画をつくっていただき、それに対して私どもは支援していこうという考え方でございます。
#169
○星野委員 わかりました。まあテクノポリスは税制、金融両面から支援をする、こういうことでございましたが、各県内の特定の地域、こういう指定の仕方でございました。今度は複数の県にまたがる広域の地域を予定しているというふうに伺いましたが、この支援のやり方、例えば、今申し上げたようなテクノポリスは税制、金融、そういう両面からの誘導でございましたが、このスーパーテクノゾーンにつきましては、そのあたりの違いはございませんか。
#170
○齊藤政府委員 予算措置が中心になってまいります。先生御存じのように、産業再配置促進補助金というのがございますが、この補助金を活用しまして、特に今回、公共投資重点化枠というところの枠も活用いたしまして、先ほど申しましたような中核的な研究開発施設あるいは情報の関連施設の整備をこれで行います。さらに、中小企業庁等の予算を活用いたしまして、ソフトといいますか、研究開発それ自身でございますね、そういうのも一体的にやっていこうということでございます。そして、この地域には当然、テクノポリスを現在やっている地域も含まれるようなことになってまいります。ですから、特段税制については考えておるわけではございません。
#171
○星野委員 関連いたしまして、この空洞化関連三法とのかかわりもあるわけでございますが、いわゆるこれからのニュービジネス、新しい産業を育てていこう、こういう考え方になるわけでありますけれども、このこれからのいわゆるリーディング産業といたしまして、一に情報通信、あるいは二に住宅産業、三に環境、四に福祉と、いろいろなふうに言われるわけであります。これは特定な業種を固定あるいは特定するということではないと思いますけれども、特にこれから脚光を浴びる、あるいはまた日本の産業、経済を引っ張っていく、さらに国民生活まで変えていく、こう言われておりますマルチメディア、この情報産業関係につきまして、郵政省とのかかわりもあると思いますが、通産省の方で、この情報通信産業の育成についてどのような考え方でやるか、これも伺っておきたいと思います。
#172
○渡辺政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘のように、情報通信分野の技術の革新によりまして、コンピューターが小さくなり、高性能化し、安くなり、マルチメディア化したという最近の顕著な特色によりまして、コンピューターは、大企業のコンピュータールームだけではなくて、家庭とか学校とかあらゆる分野に満ちあふれるようになってきております。したがいまして、これらのコンピューター情報産業を思い切って推進、振興いたしまして、新規産業の創出をしていくということは極めて重要な課題であると考えております。
 こういった考え方のもとに、私どもといたしましては、昨年の七月でございますか、思い切った電気通信分野、情報通信分野の規制緩和を行いました。四十九項目にわたる規制緩和を閣議決定いたしまして、関連法案が関係当局からこの通常国会に出されることになっておると思いますが、そういった規制緩和を一つの柱にいたしまして、さらにそれに加えまして、ソフトウエア産業の育成、あるいはデータベース産業の振興、さらにはマルチメディアソフトの振興といったようなソフト面、さらには基盤的な技術開発といったようなところを思い切って進めまして、情報産業を推進するハード、ソフト両面にわたる足腰を強くしていきたい、かような考え方のもとに総合的な施策を推進しておるところでございます。
#173
○星野委員 関連いたしますが、実は、これからの我が国の産業、経済の国際競争力に大きな影響のあると考えられますCALSについてお尋ねをいたしたいと存じます。
 御案内のとおり、CALSは世界じゅうの企業の取引をマルチメディアネットワーク、すなわち電子ネットワークで行おうとするものであります。これによりまして、開発あるいは設計、生産、調達等のビジネスが格段にスピードアップされ、企業競争力の源泉になると同時に、従来の企業取引の方式を変えまして、世界の産業、貿易構造に大変革をもたらすのではないかと見られているところであります。この対応を誤りますと、さきの委員会で山田英介委員が述べられた国際標準化機構、すなわちISOの問題とあわせて、日本企業が世界市場から締め出されかねない危険性、いや、むしろそのねらいが秘められているのではないかとも考えられる極めて重大な動きと受けとめております。
 御案内のように、CALSはもともと、一九八四、五年ころからアメリカ国防総省、ペンタゴンで後方支援やあるいは調達業務のペーパーレス化と、それから、例えばB1爆撃機のマニュアルが機体よりも重くなったとか、あるいはイージス艦にマニュアルを載せますと喫水線が十センチ下がったとか言われるような、資料ぺーパーの増大による管理、運用重負荷の解消から発想をされたところでありますが、これが一九九三年ごろからいわゆる全米の情報スーパーハイウエー、すなわちNII構想とドッキングいたしまして、製造業を中心とした産業界の情報システムの高度化とビジネスシステムの改善にまで発展をいたしました。そして、マルチメディアネットの大黒柱となってアメリカの世界経済覇権戦略の中心に据えられるようになってきたところであります。
 具体的に申し上げますと、CALSによりまして新製品開発の設計や仕様変更などの時間と労力が大幅に短縮され、例えばクライスラー社がネオンという新車を開発いたしましたけれども、今までの手法でいきますと、大体新車の開発期間が五十カ月ぐらいかかるそうでありますが、これが三十カ月で完成をいたしました。コストも大幅に圧縮をされまして、一万ドルを切った価格で売り出されたところでありまして、御案内のように、日本でも九十万円を切るような価格で売られているわけであります。これがアメリカ自動車産業復活の原動力となり、産業競争力の強化に大きな威力を発揮しているところであります。
 さらに、アメリカでは一九九七年以降、全政府調達をCALSベースで実施する計画だと聞いております。あるいはヨーロッパ、EUでもCALSによる企業取引を国際ルール化しようとしておりまして、地球規模の電子ネットワークによる企業取引の実現をもくろんでいる、こんなふうに考えられるところであります。
 このCALSにつきまして、通産省御当局の方でどんなふうな御認識と今後の取り組みについて方針をお持ちか、お尋ねを申し上げます。
#174
○渡辺政府委員 産業の情報化の一例といたしまして、今先生御指摘になりましたように、CALSをめぐる、特にアメリカにおける最近の大変な熱気というのは今御指摘のとおりでございまして、従来ペンタゴンの調達方式に採用されていたものを商業化に利用しようという大きな流れが今まさに進んでおるわけでございます。
 こういった実態を我々もしっかり踏まえまして、我々といたしましては、従来から電子取引、取引面の電子化という点においては手をつけておったわけでございますが、さらにCALS、これは生産・調達・運用支援統合情報システムと呼んでおりますけれども、これを新しい産業情報システムの中核に据えよう、こういう認識を持ちまして、平成七年度から三カ年計画というくらいの具体的なタイムテーブルを設けまして、実証モデルの開発事業を進めていきたいということで、平成七年度の予算に四・二億円の予算をお願い申し上げておるところでございます。
 具体的には、発電プラントの一部を想定いたしまして、これを電力業界、重電業界さらには情報産業の関係業界等、広くチームを組みまして、CALSに必要な設計図のデータの統一、その他各種の規格の標準化、さらには実証実験を行っていきたい、かように考えておりまして、現在技術研究組合、これらの関係業界を中心といたします技術研究組合の設立準備を進めておる、かような準備状況でございます。
#175
○星野委員 既に通産省の方でそういう御認識を持ちまして生産・調達・運用支援統合情報システム、こういうもので実証モデルを発電のプラントでまず手をつけていこう、こういうことで、まことに結構なことでございますが、もう一つ踏み込んで、例えば具体的に構成のメンバーあるいは企業、そういうものがどうなっているのか、あるいは技術研究組合の設置も予定されているそうでありますが、そういう中に民間企業の方がどれだけ関心と参加を示しているのか、そのこともお尋ねしておきたいと思います。
#176
○渡辺政府委員 お答え申し上げます。
 研究組合を、予算を通していただきましたらできるだけ早い機会に発足させたいと考えておりまして、具体的には電力業界、これはそれを直接使うところでございますけれども、電力業界、重電業界それから機械業界、こういったようなところをまずベースにいたしまして、さらにコンピューターのメーカーそれからソフトメーカー、これを加えまして、それで研究組合をつくりまして、具体的な今の標準化に関する実証実験に入っていきたい。
 さらに、それのアドバイザリーグループということで、例えばそこででき上がります一つの標準というものを、鉄鋼メーカーあるいは航空機メーカーあるいは自動車メーカー、そういったようなものが今度汎用的に利用するという方法でこれを広げていく必要がございますから、そういった業界からもこれに対する意見を聞きまして、幅広く、三年計画でいろいろな産業にこれが充当できるようなそういう標準化を進めていきたい、かように考えておるわけでございます。
 昨年でございますか、アメリカでこのCALSの大会がございました。サンフランシスコでございましたけれども、アメリカ業界もさることながら、日本からもたくさん出まして、全部で一千社ぐらい集まったわけでございますが、そのうち相当数が、日本の企業もこれに参加いたしておりまして、そういう意味で、産業界挙げてこれに対する強い意欲が現在生まれてきておる、こういうことで、この意欲をうまく育てていきたい、かように考えております。
#177
○星野委員 三年間でそういう実証モデルをやっていく、また、民間企業の方も大分関心が盛り上がっている、こういうことでございますが、今伺いますと、新年度予算四・二億円、こう伺いました。全く出発が違いますから比較にはならぬのでありますけれども、米国の九四年度の国防省のCALS予算が日本円で一千億円というふうに言われているわけでありまして、果たして、まあ関心と熱意はわかりますけれども、四・二億円、しかも三年間でそういう実証モデル、こういうような、率直に言うと生ぬるい対応で、世界の変化は速いですよ、追いついていけるのかどうか、大変心配をいたしておりますが、もう一度お答え願えませんか。
#178
○渡辺政府委員 お答え申し上げます。
 おっしゃるとおり、アメリカのCALS関連予算ということで国防省その他で発表されております金額は大変、今先生挙げられましたような大きい数字になっておりますけれども、その中で、今我々がやろうとしておるCALSのまさにその標準化の、我々がやろうとしておる分野に相当する金額というのは、一千億等々と言われている金額よりも相当これが、コアの部分は小さくなってくるだろうと思っております。必ずしもそこをどのくらい計上しておるか、我々、実態がまだつかみ切れておりませんけれども。ただ、そういうことで、今言われておるような全体の金額よりもコア部分、我々に該当する分野というのはアメリカも小さくなってくるであろうというのがまず量の比較でございます。
 ただ、それにいたしましても、アメリカの方が進んでおること、さらに予算の充当が大きいことは間違いございません。そういうこともございまして、我々といたしましては、先ほど申し上げましたように、各産業、特にリストラ、さらにはホワイトカラー部門の生産性の向上のための大変強い意欲が出ておりますので、この強い意欲を最も効率的に我々でオルガナイスいたしまして、その活力を生かすことによってぜひ追いついていきたい。私は、これからの指導と熱意をうまく組み合わせれば十分追いついて、我々独自のやり方でしっかりとした生産性向上に活用できる、かように考えております。
#179
○星野委員 私ども素人が考えましても、設計あるいは生産あるいは調達を一々ペーパーでやっているよりも電子ネットワークを使った方がいかに効率がいいか、あるいはいかにコスト的になるかということは十分理解のできるところであります。生産性の効率化、向上あるいは競争力の強化、そういう意味で非常に重要だと思うのでございまして、ぜひ力を入れて取り組んでいただきたい、そう思う次第であります。
 それから、世界じゅうの貿易取引をやがて今申し上げたようなマルチメディアネットワーク、電子ネットワークでやっていこう、こういう動きを指摘したわけでありますが、こういうことにつきまして、通産省としては見通しはどんなふうに見ておられますか、お尋ねいたします。
#180
○渡辺政府委員 情報産業の振興のためには先ほども申し上げましたような各種の施策を総合的に集中していかなければなりませんが、特に重要なのは、ネットワーク社会ができ上がるわけでございますから、そのネットワークがそれぞれオープンに、かつ継ぎ目なくつながり合うということが重要であります。かような考え方に立って、今先生御指摘ありましたように、世界じゅうが、特に先進国を中心にいたしまして、やがてそれは発展途上国に波及していきますけれども、ネットワークで相互運用が図られなければならないというのが非常に大きな課題になってまいります。
 ところが、現在、各種の通信技術あるいは情報関係につきましては、必ずしもそこの相互運用が世界じゅう継ぎ目なくつながるということになっておりません。まさにそこに焦点を当てまして、GIIと呼ばれておりますけれども、各国がそれを持ち寄りまして、世界でそういった新しい相互接続、相互運用、そういう世界じゅうをつなぎ合わすようなネットワーク社会をつくろうではないかという動きが出てきておりまして、先生御案内のとおり、今月の二十五、二十六日と二日間でございますけれども、ブラッセルでG7の郵政関係、通信関係及び情報関係の大臣が集まりまして、初めてのGIIの会議が開かれることになっております。そこでも今御指摘の点はまさに非常に大きな課題でございまして、その重要性の認識とそれに向けてのこれからの取り組みの話し合いが行われる、こういうふうに認識いたしております。
#181
○星野委員 昨年ハイビジョンにつきまして、アナログかディジタルかいろいろと論争がありました。ありましたけれども、この電子ネットワークについてもこれはディジタルなんです。世界の流れはディジタル、こういうことでございまして、これはもうさっきのISOと同じように、競争力を持つものではありませんけれども、しかし、産業、経済、社会のシステム、流れがそういうふうになってまいりますと、その流れに乗らなければこれはどうにもならない、こういう結果になるわけです。非常に重要だと思います。
 それから、そういうことになってまいりますと、我が国におきましても国内の取引、CALSを取り入れていかないと、産業競争力の問題は当然でございますが、新たに外国企業の国内参入、そういう問題で新たな非関税障壁として貿易摩擦の対象になってくるおそれも十分あるのではないか、そんなふうに懸念されるわけでありますが、このことについても、輪切りで申しわけないのですけれども、御認識をお示しいただきたいと思います。
#182
○渡辺政府委員 今御指摘いただきました問題というのはいろいろな角度に絡む問題であろうと思います。
 一つは、今度議論されますGIIの会議におきましても、世界各国でそれぞれ電気通信、情報関係に関する規制の態様が違っております。したがいまして、一番これがオープンになっておる国とそうでない国との間では相当規制が違っております。したがいまして、今回の一つのテーマというのが、各国の電気通信に関する規制のあり方について、できるだけその整合性を図るようにしようではないか、願わくはそれをできるだけ自由にしていこうではないか、こういう自由化の課題が一つございます。それも重要な一つの柱になると思います。そういうことで大体主要な国において同じような規制のフレームワークができ上がりますと、まず、それについて参入するときに障壁があるとかいったような、そういうパーセプションがなくなることが一つあると思います。
 もう一つは、具体的な、先ほども申し上げましたけれども、どういう標準化を行っていくかという、各国それぞれ標準が違っておりますから、それを国際的な標準化を図っていって共通のものにしていく。それができ上がりますと、これはそういう意味ではますますシームレスにつながっていくわけでございます。
 ただこれは、技術の開発、発展が非常にハイスピードでございますものですから、随分早い段階で標準化をしてしまいますとかえって高いものについて、もっと消費者が潤うような、そういう技術の進展が阻害されるという問題がございます。かといって、それが行き着くところまで行っておりますと事実上のデ・ファクト標準というのができてしまいまして、それで、一番進んだところが全部独占してしまうという問題も起こってまいります。いろいろな難しい問題がございます。それで、今の標準化と技術の進歩というのをどういうふうにうまくバランスをとるか、これも今回のGIIの非常に重要な一つの課題になっております。
 ほかにもございますけれども、今の二つの側面というのが今先生の御指摘になられた問題に非常に絡む問題でございまして、十分我々も認識をしておるところでございます。
#183
○星野委員 アメリカのこのCALSの問題は、先ほど申し上げたようにペンタゴン主導なんですね。そう見てまいりますと、やはりこれは危機管理とも絡むことになるのではないか、そんなふうに考えるところであります。これは国防あるいはいろいろな面での国益とのかかわりを持ってくる、そういうふうにも見なければならない、こう思うわけであります。
 そういうことで、先ほど来事務方から御答弁をいただきましたけれども、このCALSの問題について、大臣もお聞きいただいておったわけでありますが、大臣の御認識。
 それからまた、予算の面で、新年度予算案は四・二億円、こういうふうに伺いましたが、それはもう決まったものですから、それはそれでやむを得ないと思いますけれども、やはりもっと予算面で、それこそいろいろな仕事をやる上で、予算がなければ仕事はできないことはこれは目に見えておるわけであります。やはりもっと大幅に予算を増額いたしまして、これから我が国の産業貿易の方向づけ、あるいはまた、場合によればまさに命運にかかわる、そういう認識をお持ちいただいて、積極的なお取り組みが必要だと思うのでございますが、最後に大臣からこの問題についての御認識また御決意を伺わせていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#184
○橋本国務大臣 先ほど来委員がお述べになりましたように、この問題は大変大切な問題と我々も受けとめております。殊にこのCALSによる政府調達導入の動きが広まりつつありまして、二〇〇〇年までには、多国籍企業や中小企業に至るまで、官公庁との取引を行うすべての業者がCALSプログラムに準拠することを義務づける。特に中小企業者に対しての教育を行うなど、官民によるCALS普及がスピードアップをしてまいりました。さらに、これを一九九七年に前倒しするといった大統領の指示も出されているところでありまして、先ほど機情局長から御答弁を申し上げておりますように、我々としては極めて大切な問題と認識をいたしております。
 私は、こういう分野の技術にどれくらいの費用がかかるものか見当がつきませんが、恐らく今後こうした分野にかかる国の予算としての金額もふえていく性格のものであろうと思います。
 国防予算を使うアメリカと同列にはまいりませんけれども、競争していき得るだけの予算は今後ともに確保していかなければならないテーマ、それだけの重要性のあるテーマ、そのように認識をいたしております。
#185
○星野委員 ありがとうございました。
 お疲れのところでございますので、きょうはこれで終わらせていただきます。
#186
○白川委員長 次回は、来る二十一日火曜日午後一時四十五分理事会、午後二時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト