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1995/02/07 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 農林水産委員会 第2号
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1995/02/07 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第132回国会 農林水産委員会 第2号
平成七年二月七日(火曜日)
    午後零時四十分開議
出席委員
  委員長 中西 績介君
   理事 久間 章生君 理事 二田 孝治君
   理事 松岡 利勝君 理事 倉田 栄喜君
   理事 小平 忠正君 理事 仲村 正治君
   理事 鉢呂 吉雄君 理事 錦織  淳君
      赤城 徳彦君    菊池福治郎君
      岸本 光造君    栗原 博久君
      栗原 裕康君    七条  明君
      徳田 虎雄君    中川 昭一君
      浜田 靖一君    保利 耕輔君
      松下 忠洋君   三ッ林弥太郎君
      御法川英文君    山本 公一君
      石破  茂君    大石 正光君
      木幡 弘道君    鮫島 宗明君
      実川 幸夫君    千葉 国男君
      畑 英次郎君    初村謙一郎君
      増田 敏男君    矢上 雅義君
      山岡 賢次君    山田 正彦君
      石橋 大吉君    遠藤  登君
      沢藤礼次郎君    辻  一彦君
      玄葉光一郎君    藤田 スミ君
 出席国務大臣
        農林水産大臣 大河原太一郎君
 出席政府委員
        農林水産大臣官
        房長      高橋 政行君
        農林水産大臣官
        房審議官    紀内 祥伯君
        農林水産省経済
        局長      東  久雄君
        農林水産省構造
        改善局長    野中 和雄君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    日出 英輔君
        農林水産省畜産
        局長      高木 勇樹君
        農林水産省食品
        流通局長    鈴木 久司君
        農林水産技術会
        議事務局長   山本  徹君
        食糧庁長官   上野 博史君
        林野庁長官   入澤  肇君
        水産庁長官   鎭西 迪雄君
 委員外の出席者
        農林水産委員会
        調査室長    黒木 敏郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月七日
 辞任         補欠選任
  木幡 弘道君     鮫島 宗明君
  前島 秀行君     沢藤礼次郎君
同日
 辞任         補欠選任
  鮫島 宗明君     木幡 弘道君
  沢藤礼次郎君     前島 秀行君
    ―――――――――――――
二月三日
 農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一三号)
同月六日
 農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第二〇号)(予)
同月七日
 中小漁業融資保証法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出第二五号)
 漁業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 青年の就農促進のための資金の貸付け等に関す
 る特別措置法案(内閣提出第四号)
 農業改良資金助成法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第五号)
 農業に関する技術の研究開発の促進に関する特
 別措置法案(内閣提出第六号)
 農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一三号)
     ――――◇―――――
#2
○中西委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法案、農業改良資金助成法の一部を改正する法律案、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法案及び農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 まず、農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。大河原農林水産大臣。
    ―――――――――――――
 農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○大河原国務大臣 農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 近年、農業をめぐる情勢は著しく変化しており、また、ウルグアイ・ラウンド農業合意に伴い、我が国の農業経営を取り巻く環境は一層厳しくなっていくことが懸念されております。
 こうした我が国の農業をめぐる急激な環境の変化に対応するためには、従来を大幅に上回るペースでの農地の流動化を進め、効率的かつ安定的な農業経営を育成し、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担うような農業構造を実現することが緊急課題となっております。
 このため、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の一環として、一昨年の農業経営基盤強化促進法の改正で整備された農地保有合理化事業について、その積極的な推進が可能となるよう、農地保有合理化法人に対する支援の強化を図るとともに、育成すべき農業経営に農用地の利用を集積するため、農地保有合理化法人による農用地の買い入れ協議制度の創設等の措置を講ずることとし、この法律案を提出することとした次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、農地保有合理化事業について、その積極的な推進が図られるよう、農地保有合理化法人に対する支援を強化することとしております。具体的には、農地保有合理化法人に対し、農地保有合理化事業等の実施のための助成、農地保有合理化事業等の実施のために必要な資金についての債務保証等を新たに実施することとしております。なお、支援措置を行う法人を農地保有合理化支援法人として位置づけ、必要な監督を行うこととしております。
 第二に、所有者から農業委員会に売り渡しの申し出があった農用地について、担い手への集積を図るため、農地保有合理化法人による買い入れが必要である旨の農業委員会の要請を受けた場合において市町村長が特に必要と認めたときは、農地保有合理化法人は買い入れ協議を行うことができることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#4
○中西委員長 これにて本案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○中西委員長 次に、ただいま議題となっております四案について議事を進めます。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。倉田栄喜君。
#6
○倉田委員 新進党の倉田でございます。
 本日の委員会は法案審議でございますが、お許しをいただきまして、まず冒頭に阪神大震災に関連をいたしまして若干の御質問をさせていただきたいと存じます。
 もう既に御案内のとおり、お亡くなりになった方が五千二百名を超えて五千三百人にも迫ろうとしておる。中には倒壊の建物の生き埋めになったままで助けを待つ間もなく火災でお亡くなりになった方もいらっしゃるんだろう、こんなふうに思います。お亡くなりになった方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、また被災をされた方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 また、今回の大震災に関して思いますことは、昨年末、三陸はるか沖地震がございました。我が新進党といたしましても、緊急に現地に見に行きまして、政府に要望いたしました。その直後の今回の大震災でございました。政府の対応、また日本のこういう大震災被害に対する対応のシステム、私もこうして国会に働かせていただいております政治家の一人として、本当に強い危機感を感じております。
 この後だってこの東京に、あるいは神奈川に、関東に、大震災が起こるかもしれない。そのときに三陸はるか沖地震の経験、そして今回の大震災の経験、これを十分に生かして、被害を最小限に抑えることができるかどうか。また、被災が起こったらできるだけ早くその回復力を持つことができるかどうか。政治に課せられた大きな責任であろうかと思います。
 同時に、現実に今大震災で被災を受けておられる方々にどう救援の施策を示していくことができるか、復興のプランを具体的に示していくことができるかどうか。行政に、政治家に課せられた責任はまさに重大であります。
 そこで、まず農林水産大臣にお聞きをいたしたいと思います。
 今回の大震災についての農水省でやらなければいけないことはいっぱいあると思います、その対応。そして同時に、この大震災の被害状況を見ながら次の被災に備えなければならないことも大臣御承知のとおりだと思いますし、被害をできるだけ最小限にしていく、そしてできるだけ早い回復力を持つ、これにどういう具体的なプランを示していくか。
 まず、今回の阪神大震災に関連をいたしまして、農水大臣のその大震災に対する姿勢と、そして今後の復旧、復興、そしてさらには次の被災に備えるための地震対策のあり方、その決意をお伺いをいたしたいと存じます。
#7
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 農林省といたしましては、今次の大災害に対する応急対策を含めての対策としては食糧の供給確保でございました。これにつきましては、災害発生早々政府米等三千トンを現地に送りまして、乾パン十万個等々で応急の措置を講じたところでございます。
 なお、他の生鮮食料品なり加工食品等についても必要でございますので、関係団体に対してその被災地向けの供給確保についての要請をし、促進をしたところでございます。
 さらに進みまして、本省体制の整備はもちろんでございますが、神戸市に農林省独自で食料品供給対策本部をつくりまして、県、市と綿密な連絡をとり、県の樹立した食糧確保計画による各品目等の提示を受けまして、これに対する確保方の措置をとったところでございまして、現段階におきましては、食糧については差し当たっての必要な状況を満たしておる、そういう判断をしておるところでございます。
 なお、そのほか御案内のとおりでございます淡路島等においては、非常に家屋の倒壊等痛ましいような、死亡者の方々も出たのですが、農林漁業地帯でございまして、特に漁港なり、あるいはあそこはため他地帯でございますが、ため池の破損等々の被害が甚大でございましたので、これについても早期に関係官を派遣いたしまして、応急工事あるいは今後の復旧の対応等についての措置をとってきたところでございます。
 なお、制度といたしましては、一月二十五日には激甚災法の指定、これは公共土木関係でございますので、漁港あるいは林地荒廃防止施設等に関する災害が対象でございます。それから、農林漁業関係の施設災害復旧は、二月三日に決定いたしまして八日に激甚災害の法令が施行されるということでございまして、それぞれの対策を講じておるところでございます。
 お話しの緊急管理体制については、今回のいろいろな災害の結果から、大きな参考と申しますか、反省をしておるところでございます。これは当然のことでございますが、迅速確実な情報の伝達あるいは連絡体制、これが今回においては大変欠けておったというような点。
 それから、これはきのう等の予算委員会においてもいろいろ御指摘をちょうだいしたのですが、食糧の備蓄について、備蓄の場所なりあるいは備蓄の対象の物資なり、あるいは輸送のルートなりあるいは配送のルート、あるいは炊飯施設との関係とか各般の問題について、今後危機管理の一環として検討していかなければ相ならぬ、さように思っておるところでございます。
#8
○倉田委員 今農水大臣から、今回の対応については反省すべき点も、こういう御答弁もございました。私は今回の対応が決して最善の措置とか最善の態勢で臨んだものであったとはとても思えないし、また国民の皆さんも被災者の皆さんもそんなふうにはとても思っていらっしゃらないだろうと思います。また、現地の兵庫県庁あるいは神戸の地方自治体の職員の方々が、まさに不眠不休で復旧、復興に取り組んでおられるとすれば、私たちもまた農水大臣を筆頭にして不眠不休で復旧、復興、また今後の被災対策に取り組んでいかなければならないのだろう、こんなふうに考えます。
 今農水大臣から三千トンのお米の話もございました。これも我が同僚議員からきのうの予算委員会で、それは本当にすぐ食べられるようになっているのですか、玄米とお米とは違うのですよというお話もあったことだろうと思います。もっと被災者の身になってやらなければならないことはいっぱいあるだろう。そのためには、農林水産関係のトップの農水大臣がまさに陣頭指揮をして、そして決断をしていただかなければならないことがいっぱいあるのだろう、こんなふうに思います。
 私ども新進党も、昨日、それぞれ各担当、いわゆる明日の内閣の方々が現地に参りまして、いろいろな要望も聞かせていただきながらそこで会議も開かせていただいたわけでございます。その中で、特に農業対策として強い要望がございましたので、ぜひこれは農水省及び農水大臣にしかるべく対応をしていただきたいと思いまして、きょう御質問をさせていただきたいと思います。
 一つは、今被災地の方々が何がお困りになっているかということになると、ともかく住む家がない。ともかく住むところを何とかしてほしいということで、これは政府も緊急仮設住宅の問題はできる限りの手を打っておられることと思います。しかし、仮設住宅は仮設住宅、同時に恒久的に住める家はどうなのかという問題もまた一方であろうかと思います。恒久的に住める家、どこに家を建てるのか。集団的に被災を受けた地域においては、もうこの地域ではなくてほかのところに住宅地域をつくってもらいたい、こういう要望もまた強くありました。
 そこで、そういうことで恒久的な住宅地域をつくろうとするときに、農水省関連におきましてはいわゆる農振地域がありまして、そこに、では家を建ててもいいですよというふうにはなかなかすぐにはいかない。これは、優良な農地を残そうとする一万の要請とともに、やはり相当手続がいっぱいあるわけでございます。しかし、いろいろな行政のことに批判もありますけれども、そういう手続を経てからでは間に合わないケースも多々あるのではないか。
 そこで、緊急宅地造成ということで、例えば農振地域の中であっても特に必要と認められる場合、緊急宅地造成を当該首長の判断によって特に認める、そういうことができないだろうか。これは現地の関係者の方々の強い要望でございます。この点についてお聞きをいたしたいと思います。
#9
○野中政府委員 災害の際に住宅は極めて重要でございまして、お話しのような場合に、多くの場合都道府県あるいは市町村が建てることになろうと思うわけでございまして、そういう場合には、現在のところ原則として住宅を建てるための転用というのは許可不要になっているところでございます。
 これで大体は賄うと思われますけれども、市町村が自分の区域以外で建てるというようなこともあろうかと思います。そういう場合の手当てにつきまして、今回農地法の施行規則を改正したところでございまして、これらによりまして県あるいは市町村が住宅を建てる場合にはおおむね対応できるのではないかというふうに思っております。
#10
○倉田委員 そうすると、今までの農振地域の解除を求めるという手続ではなくて、今回のこういう地震、被災、緊急の場合については現地の首長の判断で、あるいは首長のエリア、地域外のところも含めて、恒久の住宅地域に変更することも可能である、こういう御答弁ですか。
#11
○野中政府委員 都道府県あるいは市町村が住宅建設を行うために行う転用につきましては、原則として許可不要でございまして、ということはすなわち先生御指摘の農用地区域の中でありましても建てられるということでございます。
#12
○倉田委員 いろいろ首長の判断でできることである、こういうふうにお聞きをいたしましたけれども、もう一点、先ほど農水大臣も淡路島へ視察に行かれまして、漁港の被害が大変であるというふうにごらんになってこられたことと思います。
 いわゆる漁港であるとか農業関連施設であるとかそういう施設、国のいわゆる補助金事業ですね、これについても、これはなかなか首長独自の判断でいくというわけにはいかないのだろうと思いますが、これもいかがでしょうか。首長の判断によって事前着工を認める。それでもちろんしかるべく後に追認等々は必要かどば思いますけれども、事前着工を認めるというような形で早急に対応ができないものか、この点についてはいかがでしょうか。
#13
○野中政府委員 ため池等のいろいろな被災があるわけでございますが、こういうものにつきましては、非常に緊急を要するもの、緊急に対応すべきもの、仮復旧をするとか応急措置をするとか、そういうようなことで事前着工をするということを認めているわけでございます。それに当たらない場合につきましても、私どもといたしましては、単価を簡便にするとか、あるいは査定を現地でやらないで机上で行うような、範囲を広げるとか、あるいは査定に当たりましての書類等につきまして関係県から応援態勢をとるとか、そういうようなことで万全を期しまして、手続がスムーズに進むように進めているところでございます。
#14
○倉田委員 今御答弁をいただきますと、何とかできるんではないのか、こういうふうに希望も持てるわけでございますが、しかし、現地に実際に行ってまいりますと、確かに首長さんの判断でできることもいっぱいあるんだろうと思うのですが、首長さんが判断するにしても、例えば農業委員会がどうのこうのとか、いろいろな手続的なことというのはいっぱいあるんだと思うのですね。こういう調査をしなければいけない、こういう書類をつくらなければいけない、そのためにはこういう印鑑が必要である。
 それも含めて、早急に復興対策、そして復興の未来展望を示さなければいけないというこの状況にありますことを考えますと、そういう手続的な面であるとか、あるいはその審査の面であるとか、書類の面であるとか、そういうことは相当簡易迅速的に手続的な決裁をしていただかなければ、現実にあす示せないということもあるんだと思うのですね。
 こういう点は特に、私は、農水大臣に陣頭指揮をしていただいて、こういうことはもうこれでいいぞと農水大臣から指揮命令を出していただければ、こう思うのですが、今局長からも御答弁いただきました内容を一つ一つ詰めていきますと、結構できないよ、障害になっているよということもあろうかと思うのです。そういうところはひとつ、農水大臣が、ため池等の補助金事業の問題も、緊急住宅地、農振地域の解除の問題についてもぜひ陣頭指揮をとっていただいて、現地の地方自治体の方々の、あるいは被災者の方々の要望にこたえるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#15
○大河原国務大臣 ただいま構造改善局長からも一部話がございましたけれども、委員のおっしゃるように、急速なる復旧のためには、各種事業について簡素化とか、あるいは早期の取りかかり等々いろいろあるわけでございますが、まあ応急工事を直ちに実施するとか、あるいはその査定手続、机上査定をするとか、机上査定をするというのは相当のことでございますね。それから、農林省が持っております、あるいは都道府県の港湾、漁港なり、あるいは農地関係の技術者、技術官、これを動員して、査定事務その他復旧事務に対して支援態勢をとるというような各般な対策を現に講じておるわけでございますが、さらに一層の徹底を図りたい、さように思っております。
#16
○倉田委員 ここはひとつ、いわゆる役所として、行政としてあるいは政治家として、こうやっているから、そういうことではなくて、現実に被災者の方々の要望がきちんと満たされているかどうか、そういう視点からぜひお考えをいただきたいと思います。
 それから、復旧、復興のためにそれぞれ省庁間でいろいろ調整をしなければならないこともいっぱいあるんだろうと思うのです。よくマスコミ等で縦割り行政の弊害等々の指摘がされたりいたします。例えば、食糧を運ぶにしても、淡路島の漁港が壊れている、淡路島生産の水産物をどう運ぶか、そういう問題一つとっても、これは運送ルートの問題になれば農林水産省だけでは解決できない。運輸省とも、あるいは建設省とも協議をしていかなければならないことだろうと思います。
 今回の大震災に関連して、そういういわゆる縦割りを乗り越えたような形で省庁間の協議、これは果たしてうまくいっているんだろうか、どういうふうな体制で進んでいるんだろうか、この点少し気になるわけですが、これはどんなふうになっておりますか。
#17
○紀内政府委員 お答えいたします。
 今回の震災に対して最も大事なことは、先生も御指摘のとおり、被災者等の方々に迅速的確に対応するということが私ども一番必要なことだと思っております。
 その意味で、そのために必要な関係省庁と緊密な連携をとったところでございますが、具体的に申し上げますと、まず、先ほど大臣が申し上げました食糧の緊急対応でございますが、これにつきましては、御案内のように道路が非常に被災に遭っていてなかなか運送が思うに任せないということもございまして、自衛隊と連絡をとりまして、パン、弁当等をヘリコプターで優先的に配送していただくということを直ちにやっております。
 また、搬入先まで食糧を運ぶときに、どうしても道路を使わざるを得ないところもある。そういうところは、県警と連絡をとりまして、マル緊マーク、緊急の緊にマルを付しましてマル緊マークという制度を設けていただきまして、これで緊急の配送をしたということがございます。
 さらに、今先生御指摘の淡路島のフェリーの問題がございまして、牛乳なり生鮮野菜等の運送が困るということで、私ども運輸省へ日参いたしまして、新しいルートの確保、増便等を要請いたしまして、何とか今はおさまっているというぐあいに理解をいたしております。
 さらに、先ほど大臣から御答弁申し上げましたけれども、激甚災の指定、これは異例なケースでございますが、まだ被害が十分わからない段階で公共土木施設はやりましたし、農地、農業用施設についても直ちにやったということで、これは国土庁その他の関係省庁とも密接な連携をとってやったつもりでございます。
 さらに今後、御案内のとおりいろいろな加工業、製造業、流通業、いろいろ災害が生じておるわけでございますが、その方々に対する対応のために通産省と密接な連携をとる、あるいは卸売市場の道路がやられておるということで建設省とも密接な連絡をとる、港湾についても運輸省と連絡をとるということで、今まで以上に関係省庁と緊密な連携をとって対応したいというぐあいに思っておるところでございます。
#18
○倉田委員 被災に関連して、ちょっとあと二点ほど、先ほど淡路島の漁港など施設関係の復興対策については、これは激甚災害指定を一月二十五日にやった。こういうことで、早急に施設関係の復興対策がなされているというふうにお聞きをいたしました。
 そこで、もう一つは、復旧資材あるいは復興資材、例えば直接的には木材とか合板など、そういう供給対策は十分なのかどうか。これは、農水省からのお答えですと、災害復旧用材木約一万六千トンを周辺営林局で備蓄をしている、それを充てていこう、こういうふうなお話も聞いたところでございますけれども、しかし、応急の木材、合板等の仮設資材、同時に恒久的な資材等々もあるわけですね。そうしますと、今後、そういう恒久的な復興需要、そういうものに対する見通し、それから、一部では、木材がどうのというわけではありませんけれども、便乗値上げたとかなんだとか、いろいろな話も一部聞こえてまいります。そういう価格動向、この辺、農水省としてはどんなふうにお考えになっておられるのか。木材が足りなくて困った。あるいは物すごく値上がりをしてしまって、とてもじゃないけれども自分の家は建てられない。そういうことにならないかどうか心配しているわけでございまして、この点もぜひ大臣、陣頭指揮に立っていただいて、農林水産省関係はまさに全力を尽くして被災者の方々の要望にこたえた。こういう実績を示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#19
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 国有林材の一万六千立米等における備蓄木材の放出等以外に、応急仮設住宅が大体三万戸ということでございますが、それに所要の製材品が五千六百立米、また合板が一万一千立米ということでございますが、これは近畿供給圏内の通常の月間の供給見込み量の一%程度でございまして、関係業界等が、体制を整えるように要望した際、十二分に供給可能だということでございます。
 それから、委員は恒久的な復旧としての木材の供給の対応についてお話がございましたが、今回は十万戸を超える建物が被害を受けている。これに対する木材については、製材品が約百五十万立米、これは近畿供給圏内の通常の年間供給見込み量の二三%だ。それから合板については三十万立米、これは近畿供給圏内の通常の年間供給見込み量の約一一%だということになっておるわけでございまして、これについても現地の営林局なりあるいは林野本庁の関係者、さらには木材団体並びに合板団体等々と協議会を設けまして打ち合わせたところ、これについての現在における供給は可能であるという報告を受けております。
 これからの問題でございますので、今委員御指摘のような供給のショートによって木材なり合板価格が値上がりをしていくというような問題を避けるような体制に努め、またこれらの資材についての価格なり需給動向を監視的な立場で見ていきたい、さように思っております。
#20
○倉田委員 阪神大震災に関連しては私の方からは以上で終わりたいと思いますが、また同僚議員の方から全体の被害像また全体の対策等々については質問があろうかと思います。大臣、どうぞ先ほど申し上げました農振地域の問題、ため池等補助金の問題、これは現地の要望、首長さん等の要望を十分入れていただいて、どうか陣頭指揮をしてしかるべく対応をしていただきたいと特に強く要望をいたしておきたいと存じます。
 そこで法案の方でございますが、まず青年の就農促進、この法案に関連をしてお聞きをいたしたいと思います。
 まず、大臣御承知のように後継者問題。これは、いわゆる昭和一けた世代と言われる方々のリタイアの時期がもう目前にある、始まっている。そういうことを考えますと、就農者を全体としてとらえたときに、単純に青年就農者、後継者だけの問題で対応できることではないのではないのか、そういう気がいたしてなりません。
 そこで大臣に、昭和一けた世代のリタイアの問題を前提に置きながら、農業全体の後継者問題をどのように認識をしておられるのか、まずこの点からお伺いをしておきたいと存じます。
#21
○大河原国務大臣 委員のお言葉をかりれば昭和一けたの農業従事者のリタイア、まさにさようでございまして、この十年間に約三分の二ぐらいの農業労働力のリタイアと申しますか、減少があるであろうということでございます。我々としては、そのようなことを前提といたしまして、今後の日本農業の担い手となる若い後継者の確保という視点で実は今度御審議を願っております法案等も考えておるわけでございます。
 これは一つのプランでございますけれども、御案内の新政策におきます個別経営の担い手なりあるいは個別経営の集合体としての組織経営体、そういうものの数を前提として世代交代期間をとらえてまいりますと、現在は、おかげさまで若干でございますが島内外からの新規就農者がふえてまいりまして、その傾向の続くことを願っておるのですが、五千人ぐらいだ。したがって、将来を担う五年、十年後の経営体、そのための農業内外からの新規就農者、これは現在の二倍ないし三倍のものは最小限確保しなければ相ならぬ、さように思っておりまして、政策を進めていかなければ相ならぬというふうに思っております。
#22
○倉田委員 私は、例えば産業の空洞化と同時に雇用の空洞化というのも実はこれから日本が抱える大きな問題だと思います。これはどなたも御異論がないのだろうと思いますが、農業というものを考えたときに、ここにいわば雇用の空洞化を埋めるだけの就労機会、就労の場をつくることは、私は農政のあり方いかんによっては可能なのではなかろうかというふうに思うわけです。
 それは、よくこの委員会でも議論をしてまいりましたように、本当に農業を魅力のある、もうかるものにしていく。いわゆるビジネスチャンスみたいな形で農業をとらえていくような施策を打ち出していく。そういうふうにして、そういう視点を持っていけば、あるいは農業を、足らないから来てくれという視点ではなくて、魅力のあるいわゆる雇用創出産業として積極的に意義づけていく、位置づけていく、そういうことが必要なのではなかろうかな、こういうふうに思っておりますが、大臣いかがでしょうか。
#23
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 やはり我々、先ほども申し上げました島内外からの新規就農者を確保するためにも、効率的な、安定的な農業経営というものがありまして、魅力のある経営体ということにならなければならないと思うわけでございます。例えば、生涯所得が大体地域の従事者なんかと変わらないとか、労働時間においても例えば千八百時間ぐらいで効率的な経営とか、そういう経営であれば農外からの就業者も期待できるということでございまして、委員はこれを、空洞化する日本経済全体の構造変革を契機としてもそれがあるのではないかという御指摘でございますが、私も一つの考えであるというふうに思っております。
#24
○倉田委員 私がそのように申し上げますのは、確かに現実的な問題、また当面すぐにでも対応していかなければならないということで、この青年就農促進の法案は評価されるべきだ、こういうふうに思うわけです。確かに全然しないよりも効果は上がるだろうと思いますけれども、しかし農業が、あるいは二十一世紀本当に魅力ある農業になり得るためにそれでいいのかどうか、果たして大丈夫なんだろうかという危惧感というのはぬぐい切れないわけであります。
 例えば、今、大臣新農政の話をなさいましたけれども、新農政に必要な新規就農者は恐らく、資料によりますと一万三千人から一万五千人ぐらいの就農者を確保していかなければいけない。そのために認定をして、そしてその認定をした人たちにしかるべき支援をしていく、こういう仕組みなんだろうと思うのですが、一方で、例えば農業というものを新しいビジネスチャンスを持った産業として、そういう魅力のある働き場として位置づけるとすれば、その人たちの創意とか活力とか、自分で自由にやっていきたいとか、そういうところを実は十分に生かしていかなければ、なかなかほかのところから飛び込んでこれない、そういう気がするのです。
 そこで、青年の就農促進、いわゆる認定制度ということと、そういう活力ある創意工夫、何となく役所からいろいろ言われて束縛をされるよりももう自分でやるよ、そういう人たち、もうどんどんどんどん農業は魅力あると持ってこなければいけないんだろうと思うのですが、そうでなければこの一万三千、一万五千という数字すら難しいんだと思うのですが、この辺、いわゆる認定制度と就農促進、果たしてうまく機能するんだろうか、こういう心配も実は持っております。
 例えば、今まで農外の人たちが余りわからない状況の中で、役所から、こういう計画を出しなさい、こういう書類をつくりなさい、あなたはこれについてどうするんですかと言われていても、もうやめたと言ってしまうような感じになりかねない、こういうふうに思うのです。そうだとすれば、手続の簡素化とか促進化とか、あるいは決裁の迅速化ということも考えなければいけない。そこで、その視点からひとつどうぞ、この認定制度、就農促進、そして創意、活力ある人、あるいは束縛を嫌う方々が農業に参加してこれるためにこれをうまく機能させてもらわなければいけないのですが、この点、農水省としてはどんなふうに御認識をしておられますか。
#25
○日出政府委員 先生お話しのように、新規就農者対策で、私どもは平成三年ごろから、就農前の対策、就農時の対策、あるいは就農後の対策という形で充実を図ってきたわけでございますが、外から新規就農します場合、これはサラリーマン子弟の場合もそうでございますし、農家子弟で例えば家の農業と違った農業をやる場合でもそうですが、一番今必要だと言われておりましたのは、いわゆる研修といいましょうか、新しい農業技術なり農法の習得でございますが、その習得期間の一つの経済的な基盤がないというのが大きな問題だったと思います。これはいろいろなアンケート調査でも確かめられているわけでございますが、そのために、今回この無利子資金の貸与制度といいますか、貸付制度をつくったわけでございます。
 ただ、先生お話しのように、この制度で一番最初に貸し付けます場合に、就農計画の認定制度というのが出てくるわけでございます。これは確かに条文では、例えば就農時におきます農業経営の目標でありますとか、あるいは農業の技術なり経営方法を実地に習得するための研修計画でありますとか、あるいは経営開始のための事業とか資金調達計画といったことを書かせることになっておりますが、これは当然、就農というのは、今申し上げましたように実地の研修を何年間がやった後、先の将来のことでございますから、当然書いていただくときには限界がございます。そういう意味で、計画期間中の変更とか補完とか、弾力的な運用を当然しなければいかぬと思っておりますが、今申し上げましたように、就農資金を貸し付けて新規就農者を確保するというのが私どもの一大眼目でございますから、先生がお尋ねのように、むしろ就農意欲を阻害することがあってはならないわけでございます。この認定を一回いたしますとその後の貸付審査が簡素化されます。そういう意味で、例えば研修の前に就農計画の認定をいたしますと、研修資金の貸し付け、その後の就農の準備資金の貸し付け、さらには改良資金の中の経営開始資金の貸し付け、こういった点でその後数年間にわたりますいろいろな資金の貸し付けの貸付審査が簡素化されるという効果もねらってこの制度を運用してまいりたいというふうに考えております。
#26
○倉田委員 そこで、認定制度が意欲、活力をそがないようにぜひ運用をしていただきたいと思いますと同時に、今農水省がお考えの認定制度というのは、恐らくいわゆる新農政における認定農家、これのやはり関連、ある意味では卵みたいな位置づけでとらえられていらっしゃるのではないのかなという気もいたします。そこはそこでやはりしっかりやっていかなければいけないのだろうと思いますが、私は、それ以外にもいわゆる農を支える人たちというのはたくさん必要なんだろうと思うのです。それだけでは到底足りるものではない。いわゆる専業農家、中核農家としての位置づけも必要かもしれないけれども、それ以外に集落とか中山間地域とか、そういうことを考えれば、もっと多様な担い手ということも考えていかなければいけない。そうだとすれば、いわゆる就農支援のあり方ということについてはもっと、両翼というのですかね、すそ野というのですかね、それを広げる必要があるのではないのか。例えば条件不利地域の就農者、これは確かに今回の認定制度は猶予期間とかなんとか特別措置がとられていることも承知いたしておりますけれども、それ以上にもっと、条件不利地域、あるいは女性就農者、女性に対する認定、こういうことも積極的にやる必要があるのではないのか。そうでなければ、その一万三千とか一万五千の数字はおろかもっと農を支える人たちをきちっと確保するためには不十分なのではないのか、こういう気がいたしますが、この点はいかがですか。
#27
○日出政府委員 先生のお話のような認識で私どもおるわけでございます。そのため、この新規就農の法案では、平場の地域に比べまして条件不利地域ではこういった新規就農が非常に難しかろうということで、実は償還期間二十年という、無利子資金で申し上げますれば大変異例な長さでございますが、就農後に償還の負担が極力少なくなるような配慮をして、この条件不利地域において新規就農しやすいということを大きな一つの目的にしたわけでございます。
 一方、先生、女性について触れられましたが、最近の県の農業大学校の中で女性の入校者が非常にふえてきております。こういった方々も就農していただくということでございますので、今回のこの新規就農の観点では、男性、女性にかかわらず、一つの就農のための研修をするといったようなことのときには男女にかかわらず就農支援資金を貸し付けるといったようなことも当然考えておるわけでございます。
#28
○倉田委員 私は、ぜひ女性就農者あるいは条件不利地域の就農者、この辺にももっと力を当てて十分な対策をしていただきたいと思います。
 同時に、就農支援の中身ですけれども、例えばフランスの就農助成金制度、これはDJAですか、いわば融資ではなくて供与制度、いろいろこれは供与ということになれば問題多々あることも承知をいたしております。しかし、よく言われる農業の多面的な機能であるとかなんとか、いろいろな議論をするとすれば、今すぐとは申しませんけれども、このフランスの就農助成金制度、こういうこともやはり農水省としてきちっと展望の中には検討していくべきではないのか、こういうふうに思います。同時に、就農のあり方についても、このフランスのDJAは、個人でやる場合と、配偶者と両方、奥さんも専業的にやる場合ときちっと、ある意味ではきめ細かく対策が立てられている。これは日本も、中山間地域でやはり夫婦二人ともきちっとやられる場合と一人でやられるというのは随分効果が違うのだと思うのですね。そういうことも十分これから検討をして、施策として取り入れていく必要があるのではないかと思いますが、この点、農水大臣いかがですか。
#29
○大河原国務大臣 お答え申し上げますが、DJAの点からの関係で、今回の私どもの御提案申し上げておる政策についての関連しての御意見と思いますけれども、この制度をひとつ発足させていただくわけでございますので、今後の実施の状況を見ましてそれぞれの、今もお話が出ましたような要素をこの制度でどうかみ合わせられるかという点についても検討をさせていただきたい、さように思うわけでございます。
#30
○倉田委員 それでは次に、ちょっと順番が変わりますけれども、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法案についてお伺いをいたしたいと思います。
 いわゆる二十一世紀の農業はどうあるべきなのかということで、技術は非常に大切なことであろうと思います。そういう意味で、民間の技術力、活力というのを十分生かして、二十一世紀の農業技術のあり方、あるいは産業としての農業そのもののあり方、これを十分に研究開発をしていくことは、私は大変大切なことであろうかと思います。
 そこで、ちょっと一般論、抽象論的過ぎるかもしれませんが、この技術研究、技術開発ということを考えた場合に、二十一世紀の産業としての農業の未来、これはどこまで今イメージできておりますか。どういうふうな技術研究開発を今進めよう、こういうふうに、法案の趣旨ですけれども、二十一世紀の農業の未来、それを現在研究分野に当たっている部門等も含めて、こういう農業のあり方があるのですよということについては、現在の段階でどういうことを描いておられますか。
#31
○高橋(政)政府委員 今後の農業の未来像でございますが、これは新政策におきまして、我々示しておるところでございます。
 それは、他産業従事者に比較して、遜色のない労働時間、千八百時間とかいうようなことでお示ししておりますが、また生涯所得を実現し得る効率的かつ安定的な農業経営、そういうものをつくって、そういう人たちが生産の大宗を担うようにしていこうということで、経営展望というような形でお示しをしておるところでございます。
 こういう経営体を育成していくに当たりまして、何と申しましても、革新的な技術の開発というようなものがなくては実現できないのではないかというように思っておりまして、そういう意味からの技術の重要性というものを我々深く心に思っているところでございます。
#32
○倉田委員 農業技術の研究開発というテーマを見るときに、やはり夢と希望を持たなければならない。確かに、今官房長お答えいただいたように、農業の経営体としての未来像というのは、そのとおりそれを目指していかなければいけないのでしょうけれども、農業のあり方、自然のもとで土を耕して、そしていわゆる気候条件のもとで作物を育てていく、こういう農業の今までのあり方ということと、例えば農業技術が研究開発をされて、それはもう一部実用化されておるでしょうけれども、工場で野菜をつくも、水耕栽培であるとかいろいろな技術があると思うのですね。例えば米を工場でつくるということは可能かどうかわかりませんけれども、それは建物の中で米をつくるというわけにはいかないかもしれないけれども、今は。しかし、その技術というのは、例えば水管理をどうするかとか、いろいろな問題があるのだろうと思うのですが、将来的に農業技術というのがずっと進んでいったときに、いわゆる気候条件とか、光と土と水とか、そういうものを技術研究の中でフォローしていくようなことができるかどうか、ありていに言ってしまえば、もう工場で農作物をつくるようなことができるかどうか、こういう視点は果たしてあるのでしょうか。その場合、もちろん今だって機械化貧乏なんという言葉がありますけれども、技術開発研究コストだとか、機械化コストだとか コストの問題はあり得るかと思いますが、二十一世紀の農業を考えたときに、そういう新しい技術を考えて、もっと根本的に違った農業というのは想定できないのでしょうか。描けないのでしょうか。
#33
○山本(徹)政府委員 先生御指摘のとおり、農業は一般の工業製品と異なりまして、光、土地、水などの自然の資源の制約のもとに、これらを有効に生かしながら生産を行うという性格を持っているところでございますけれども、最近の消費者のニーズに沿いまして、例えばハウス園芸で生産されますトマト、キュウリのように、今では一年じゅう安定してこれらが供給されるわけでございますが、こういった農産物をできるだけ安定的に周年供給する、あるいは農作業を省力化してコストダウンを図る、あるいは農業を魅力あるものに、また若者が夢を持って取り組めるように作業の環境を快適化する、改善する。このためには、先生御指摘のように、工場生産というのは現実にはなかなかコストの面で直ちに幅広い農産物について実用化することは困難な面がございますけれども、特に施設園芸、あるいは畜産等土地利用型でないものについては、装置化、施設化を今鋭意研究し、それが逐次実用化されているところでございます。
 特に、園芸作物につきましては、栽培管理の高度化、あるいはもともと労働集約的でございますので、作業環境の改善等の観点から、センサーの利用、ハイテクの利用による作業の自動化等を今集中的に研究しているところでございます。
 また、畜産につきましても、フリーストールあるいはミルキングパーラー等の導入、畜舎の現在の構造あるいは施設の最適な構造、配置等を研究しておりまして、省力化、あるいは育成環境の改善等に努力しているところでございまして、今後ともこれらの施設化あるいは工場化のテーマにつきまして、国、県、民間が一体となりまして、生産者が夢を持って農業に取り組めるように、農業が一層魅力あるものとなるように、高度な技術開発の実用化に努力してまいりたいと思っております。
#34
○倉田委員 私は、二十一世紀、農業技術がいろいろ進んでまいりますと、ある部分については本当に、野菜であるとか、水耕栽培であるとか、現在でも行われている、それがもっと進んでくると、相当工場生産的な部分というのは可能になってくるのではないのかなという気がいたしております。同時に、今農水省が進めようとしておる、いわゆる大規模化、集約化、平場の優良地域で農業生産をやっていこう、こういう一つの流れがあるのだろうと思うのです。
 そういたしますと、いわゆる農業改良資金助成法の方に移らせていただきますけれども、現在の中山間地域、農業集落としては六割、あるいは生産としては四割、これくらいを占めている状況がありますけれども、二十一世紀の農業を考えたときに、生産の主な部分は平場の優良地域というのですか平場の農業、そこでもうほとんど役割が果たされてくるのではないのか、あるいは高付加価値型の野菜といえども、それも技術研究が進んでくると、工場生産的みたいなもので十分国民の食糧供給というのは間に合ってくるような時代になってくるのではないのか。そうだとすれば、今農業人口の六割、生産の四割を占めているこの中山間地域対策、条件不利地域の農業、ここにおける集落、これをどう考えていくのかということは本当に大切な問題だろうと思うのです。
 私は、前回の集中審議のときに大臣に、いわゆる田の例を引きまして、水張りの円とか、学べる円とか、遊べる円とか、あるいは眺める円とか、そういう話を申し上げました。実は、多様な担い手ということで、大臣が農水省の大臣におつきになってから、高齢者の方々に対してもさまざまな施策を先頭に立ってやっていただいたことは私も大変高く評価をいたしております。
 そこで、これからの農というものを、生産としての農ということはさっき言ったように工場化あるいは平場の優良化のところでやれるかもしれない。じゃ、条件不利地域の農業、中山間地域の農業というのは一体どうなるんだ、こういうことを考えれば、私はその農というものをもっと幅広く、すそ野を広く担い手の問題も考えていかなければいけない。それは、定年退職者が生きがいのために、まさに生きがい農業、老人ホームなんかに入っているよりも、自分のふるさとの山に帰って野菜をつくり、果物をつくり、その方がはるかにいいという方々も、そういう人たちに対しても農水省としてきちっと視野を広げて、範囲の中にとらえてそれなりの施策をしていく。あるいは、これは学べる田というのは、文教農業という言葉もあるみたいですけれども、子供たちが自然に親しむために田の中で遊び、学び、そういうための田んぼがあってもいいだろうし、また、いわゆる中山間地域の観光ということで、そこでまさに自前の農作物で料理をつくって都会の方々にお出しをする、そういう農の形態、最初申し上げたのでいけば生きがいのための農業とか、あるいは教育のための農業であるとか、観光農業というかグルメのための農業であるとか、それは水産の方でも同じですけれども。あるいは治山治水、農業が果たしている役割というときに必ず治山治水のことを言われますけれども、それは国土保全帯みたいな、あるいは森林、この手入れのための組織であるとか、そういうことをいろいろ考えていかなければ、中山間地域というのは集落としても本当に廃村されて、だんだんなくなってしまうのじゃないのかという気がしてならないわけです。
 そこで、確かに中核農家としての青年就農者、これも必要なんだけれども、大臣もお考えの中にあると思いますけれども、もっと多様な担い手、そして多様な農業のあり方、そのための施策も農水省として考えていく、特に条件不利地域、中山間地域、こう思えてなりません。
 時間が参りましたので、最後にこの点について大臣の御所信をお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#35
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 前回のWTO特別委員会においても、委員からその点についての御指摘なり、御意見もちょうだいいたしました。確かに、中山間地帯におきます土地条件、自然条件、特に農業資源を活用してさまざまな形における経営の展開なり、あるいはその資源を利用してのいわば都市と農村との交流による所得機会の増大とか、各般の面で画一的なものではなくて、もっと視野の広い、範囲の広い政策をどう展開するかという点の御意見と思いますので、その御意見として今後検討してまいりたいと思っております。
#36
○倉田委員 以上で私の質問を終わります。
#37
○中西委員長 実川幸夫君。
#38
○実川委員 新進党の実川でございます。
 私は、就農者対策、いわゆる後継者問題を中心に何点か、大臣初め関係当局に御質問させていただきます。
 まずその前に、今同僚議員であります倉田議員からもお話がございました一月十七日の阪神大震災、五千数百名という方がお亡くなりになりました。御遺族の皆さんに心からお悔やみを申し上げさせていただきます。それと同時に、二万数千人という方がけがをされております。また家を失っております。そして二十数万人という多くの方々がまだ避難生活を余儀なくされているわけであります。皆さんに対しましても、心から御同情と、そしてまたお見舞いを申し上げさせていただきます。
 この点につきましては、先ほど大臣からもいろいろ御決意をなさっておりましたけれども、どうか被災者に対しまして、万全の協力体制をしていただきたいと心からお願いを申し上げたいと思います。
 その被災状況につきまして、先ほど倉田議員からも質問ございました。大臣からも今後の対策につきまして、万全の体制をとるという心強いお答えをいただいておりますので、どうかさらなる御協力のほどをお願い申し上げたいと思います。
 その被災状況についてでありますけれども、私からも何点か御質問をさせていただきます。大体大まかなところは同僚議員からも御質問をいただきました。大臣からも御返事をいただいておりますけれども、私の方からは、先ほど審議官の方から生鮮食品の安定ということも御答弁をいただきました。この点につきまして、恐らくこれから長期的な復興になると思います。市民の皆さんあるいは現地の皆さんも食糧に対しては本当に不安がつきまどうものと思います。
 それに関連いたしまして、新聞等で見ておるんですけれども、食糧に関係するいわゆる配送センター、そしてまた精米センター、それと食糧配給に関します基幹的なものであります先ほど審議官からもお話がございました卸売市場、これは阪神地域で数カ所あるというふうに聞いておりますけれども、いまだに水が出ていない市場もあるというふうに聞いております。当然これから長期的な展望になるわけでありますから、食糧の安定供給につきましても、この基幹となるいわゆる配送センターあるいは卸売市場、この被害状況、どのように現在なっておるのか、対応しているのか、この点についてまずお尋ねをしたいと思います。
#39
○鈴木(久)政府委員 卸売市場あるいは配送センターについての被害状況でございますけれども、私どもの方で現在正確に把握しておりますものは、卸売市場の方でございますけれども、これで申し上げますと、現在、今回の大震災によりまして大変大きな被害を受けております。特に神戸市の中央卸売市場の本場におきましては、荷物の搬入路あるいは水産活魚の売り場が陥没するといったような被害が出ております。また東部市場におきましては、施設全体の地盤が沈下しまして、水産の卸売場の支柱が破損するといったような甚大な被害を受けております。
 このような厳しい環境の中ではございますけれども、市場関係者が一体となって懸命の努力をいたしまして、本場の方では一月十九日から取引を開始しておりまして、また東部市場の方も一月二十三日から取引を開始しているところでございます。また農林水産省としましても、被災地に対する生鮮食料品の安定供給を図るという観点から、産地の出荷団体に対しまして、被災地の市場への優先出荷を指導しているところでございます。この結果、現在被災地の市場では、大変厳しい環境にはございますけれども、必要な出荷も行われておりまして、卸売価格も比較的安定しているというように報告を受けております。
 しかしながら、神戸市の中央卸売市場本場や東部市場などが相当の被害を受けておりますので、これら施設の早期復旧と業務の円滑化が図られますようにできる限りの支援をしてまいりたいというように考えております。
#40
○実川委員 今後もその食糧に関しては、食糧庁初め関係省庁と連絡をとり合いながら、徹底的な対策を練っていただきたい、このように思います。
 次に、先ほども質問の事項にありましたけれども、今回、農林そして漁業、特に淡路島等におきましては漁業関係者が相当な被害をこうむっているわけでございます。これまで恐らく農林漁業者が負債を抱えていることは間違いないと思います。今後返済になるわけでありますけれども、その負債に対します緩和、これはどのように対策をしているのか。そしてまた、これから長期的な災害復興に向かうわけでありますけれども、それらの農林漁業者に対しましての低金利での貸し付け、そういう点につきましてどのような措置を考えておるのか、その点についてもお伺いしたいと思います。
#41
○東政府委員 被災農林漁業者に対する金融関係でございます。
 これはもう、あれは十七日でございましたけれども、その日から返還とか償還の問題が生ずる部分がございますので、地震発生直後直ちに関係機関に申し上げまして、償還期限の延長、それから中間の据え置き期間の設定などの償還条件の緩和ということを直ちにやってくれと。これは災害等の場合にはそういうことをやるという条項があるものですから、そこを使ってできるだけ相談をしてそれをやってくれという指示をいたしました。そういう形で今の償還の負担の軽減を図りました。
 それからもう一つは、今回災害で被害を受けた兵庫県と大阪府の農林漁業者に対しまして、その復旧のための資金が、農林漁業施設資金ということで主務大臣指定施設の復旧の貸し付けがございます。これにつきましては、利率が通常四・七五%でございますが、今回の場合は特に激甚災というふうに我が方は考えまして、同様の扱いということで貸し付け後三年間は三%の利率にするということと、それから施設につきましても、今特認施設で一施設当たり四百万円というのがございますが、これの枠を八百万円に引き上げるということを直ちに実施させていただきました。
 さらに、御承知のとおり運転資金ですとか、例えば負債で返還がちょっと困難になるというようなものにつきましては自作農維持資金、それからまた漁業に関しては沿岸漁業経営安定資金というようなもので三・八%の金利の資金を用意しておりまして、それで対応するということにいたしております。
 なお、引き続きまして被害状況、資金の要望等の動向を速やかに把握した上で、また中小企業者が今回は大変大きな被害を受けております。これは中小企業の関係での融資ということで今いろいろ検討されているようでございます。それらの検討の状況も踏まえまして、今後どういうふうにやっていくかということをよく検討してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#42
○実川委員 今後も農林漁業者が立ち直りまして安心して農業、漁業をしていくような対策を十二分にとっていただきたい、このように思います。
 さらに、先ほど指摘されておりましたけれども、今回の災害で農業施設とかあるいは山林地域が大変な被害をこうむっております。
 先ほど倉田議員からも、ため池の話がございました。兵庫県はたくさんため池があるというふうに聞いておりますけれども、現在雨季に入っておりません。雨が少ない季節でありますけれども、これから三月、四月になりますと当然雨が多くなってくるわけであります。そういう中で、二次災害ということが心配されるわけでありまして、ため池での落水あるいは山腹等の亀裂、二次災害というものを考えなければなりません。当然これは災害復旧工事をやると思いますけれども、そういう事故が起こる前に緊急的な応急工事というものがどうしても必要になってくるのではないかなと思います。そういう点につきましてどのような対策をしているのか、お答えをいただきたいと思います。
#43
○野中政府委員 兵庫県南部地震によりまして、農地、農業用施設、先生お話しのため池、用水路、農地等に亀裂が発生するなどの被害が生じているところでございまして、お話しのように、ため池等につきましては、現在水を落としているものが多うございますけれども、今後水の需要期に入るわけでございまして、事は緊急を要するというふうに考えているわけでございます。
 私どもといたしましては、被災状況に応じまして、ポンプによります落水、水を落とすというようなこと、あるいは被災部分にシートで被覆をするというようなこと、あるいは亀裂の生じました部分につきましては穴埋めを行うといったようなこと等々の応急対策というようなものを実施をしているところでございます。さらに現在専門技術者等による現地調査等々も実施をしているところでございますし、いろいろな査定面での体制というのも充実をしているところでございまして、これら応急対策あるいは早期復旧に万全を期してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#44
○実川委員 今それぞれ御答弁をいただきましたけれども、今後も農林漁業者の救済措置、あるいは市民の不安のないような安定的な食糧の供給というものに万全を期してやっていただきたい、このように思います。
 引き続きまして、先ほど冒頭に申し上げましたように、青年就農促進について何点か御質問させていただきます。
 先ほど倉田議員からの御質問、大臣からも決意のほどをお伺いをいたしました。まさにこれからの二十一世紀、日本の農政は若い就農者いかんにかかっているもの、このように思います。
 今回の認定制度でありますけれども、いわゆるウルグアイ・ラウンドの後の合意を受けての制度だと思いますけれども、その一環として大変結構な制度だと思います。これから五百万ヘクタールの日本の耕地を進めていくにも、どうしても新しい就農者が必要でございます。先ほども指摘されておりましたけれども、一年に一万二千人から一万五千人の新就農者が必要だというふうに聞いております。そういう意味でもこういう制度は大変結構な制度ではないかと思います。
 また、それと同時に、先ほど大臣からもお伺いしましたけれども、本当に魅力ある農業、若い青年が本当に農業に携わってよかった。そういうような農業というものをこれから真剣に考えていかなければならないのではないかなと思います。これまでの日本の農政、確かに先輩たちが立派に携わってまいりましたけれども、今までの農業を引きずっていくような農業ではなくして、先ほど申し上げましたように、青年が飛び込んでいけるような未来志向的な農業に向けて抜本的な対策をぜひ行っていただきたい、このように思います。
 そこで、大臣にお伺いしたいのですけれども、現在の日本の農業の現状認識、そして今申し上げましたように若い就農者、いわゆる農業者の将来展望、この点について大臣の決意等お伺いしたいと思います。
#45
○大河原国務大臣 現在の日本農業の現状の認識なり、あるいはその新規就農者その他の問題等関連してどう認識しているかというお話でございますけれども、やや大きなことを申し上げれば、日本農業、戦後の日本の高度経済成長の中でいろいろな農政施策が行われましたけれども、経済成長に対する農業の立ちおくれが一方であり、他方では、何と申しますか、国際化と申しますか、市場開放の波が厳しく押しかけてきている。そういう過程の中で、八〇年代になりまして、御案内のとおり戦後の日本農業を担っていただいた担い手の皆さんの高齢化、老齢化、それのリタイアによる減少、新規就農者の不足等々で非常に厳しい状況になっておるわけでございます。
 特に、高齢者のいわゆる先ほどのお言葉をかりて言えば昭和一けたの方々のリタイアが急速にどんどん始まっておるわけでございまして、そういう事態にかんがみますと、やはり今後の日本農業のあり方としては、新政策にも示されておりますように、経営として生涯の所得というものが地域の他産業従事者と匹敵するようなもの、あるいは労働時間等においても、いわゆる千八百時間と申しますか、他産業従事者と匹敵するような労働時間の中で、新しい技術を採用した活力のある効率的な安定的な経営をつくる、それが若い方々への魅力を持っていただく、そういう経営だと思うわけでございまして、農業生産の大宗をこのような経営に担っていただくような農業構造をつくり上げるということが農政の課題であるわけでございます。
 そういう点を一方でにらみますと、やはりそういう経営体の後継ぎと申しますか、担う方々を確保するためには、現在の、わずかに五千人程度の内外から新規就農者がございますけれども、現在の二倍、三倍の新規就農者を確保することによってその目的を進めたいというわけでございまして、今回御提案を申し上げ、御審議を願っている法案、制度もそのようなねらいがあるわけでございます。
#46
○実川委員 今大臣の御決意をお伺いしましたけれども、今後も、本当に若い就農者が農業をしてよかった。そういうような農業の確立を目指して頑張っていただきたい。このように思います。
 さらに、新就農者について、関連しまして二点ほどお伺いをいたしたいと思います。
 今大臣からも、年間五千人の新就農者がおるというふうなことでございます。そこで、担当局にお伺いしたいのですけれども、現在、日本全国、国公立を含めまして、もちろん農業大学校という専門学校がございますけれども、国立の中には農学部、それとまた、先ほど話に出ておりましたけれども、各県に一つずつございます農業大学校、そして各県に農業高校、私立も含めまして相当な数の農業高校、学校があると思います。その数と、そしてまたその大学、高校を卒業する新卒者、そしてその新卒者の中でどのくらい毎年農業に従事する者がおるのか、その点の人数をお聞かせください。
#47
○日出政府委員 まず、農業高校なり農学系の大学の問題でございますが、文部省の学校基本調査によりますれば、平成五年三月に農業高校なり農学系の大学を卒業し就職した方のうちで農業に就農した数でございますが、農業高校で約千人、農学系の大学で約四百人でございます。それから、県にございます農業大学校の卒業者が大体年間二千人強だと思いますが、その約三〇%強が就農しておる、こういう状況でございます。
#48
○実川委員 それだけの数が新しく卒業するわけでありますけれども、パーセント的には本当に低い新就農率だと思います。その点について、どのように今後対策を練っておるのか、また学校に、これは文部省の管轄になると思いますけれども、指導していくのか。恐らく今まで農業大学校とか農業高校は農林省関係あるいは県の農林部と余り接触していなかったのではないか、そのような感じすらいたします。そういう点も含めてどのようにお考えになっているのか、もう一度お答えいただきます。
#49
○日出政府委員 先生今お尋ねのように、実は、問題は農業高校卒業者あるいは農学系の大学新卒者の中での就農率が低いということでございます。概して言いますれば、四%台か三%台といったところでございます。そこで、先ほど申し上げましたような新規就農者をこれから育成し確保していく場合に、この農業高校でございますとか農業系の大学新率者の中から就農者をふやしていくということが緊要でございます。私どもは、一応こういったこの三%台の就農率を約倍ぐらいには数カ年のうちに上げたいということでございまして、従来も実はいたしておったわけでございますが、農業高校生につきましては、都道府県の農業大学校への体験入学でありますとか先進農家への見学等をやっておったわけでございますが、これについては今後体系的に強化をいたしていきたいというふうに思っている次第でございます。
 いずれにいたしましても、今おかげさまで県の農業大学校への入学者あるいは希望者の数がふえてまいりました。これは、一方でやはり農業がおもしろいあるいはやりがいがあるという人たちがふえてきたわけでございます。こういう声を大いに支援するということが大切であろうというふうに思っている次第でございます。
#50
○実川委員 その卒業者に関連してもう一点お伺いしたいのですが、今回の認定制度ございますけれども、今御説明がございました農業高校あるいは農業大学、それに学びました四年間、三年間、相当な技術あるいは知識を得るわけであります。そういうことから関連して、先ほどいろいろと御説明をいただきました認定制度ですけれども、農業大学校の生徒には五万円、あるいは先進農家には十五万、このようになっております。これと、この卒業者には基準が当てはまらないかもしれませんけれども、今後このようなやる気のある高校生あるいは大学生に対しても準ずるような基準というものを設けてもいいのではないか、その点について、今後課題となるかどうか、お答えいただきたいと思います。
#51
○日出政府委員 先生お尋ねのとおり、この就農支援資金につきましての貸し付けでございますが、現実の農業大学校でございますと、農業の実習率が五割以上でございます。一方、農業高校でございますとか農業系の大学につきましては、卒業生の進路がさまざまだということで必ずしも就農を前提とした教育が行われているわけではございませんで、先ほど申し上げましたような実習割合はかなり低いというのが実態でございます。
 ただ、県によりましては、農業大学校のない県、先生の御地元もたしかそうではなかったかと思っておりますが、そういうことでございますので、都道府県知事が、この就農促進法に基づきます就農支援の対象となる実践教育を実施しているというふうに認められるようなところであれば、当然のことながらこの法律の就農促進方針の中で指定をいたします。指定をいたしますれば研修先としての貸付対象になる、こういうことでございます。よく県当局とも相談をいたしたいというふうに思っておる次第でございます。
#52
○実川委員 いずれにしても、今後の研究課題として対応していただきたいと思いますが、今局長からお話がございました私の県は千葉県でございますので、農業大学校、各県よりも一段、数段とすぐれた農業大学校ございます。と申しますと余談になりますけれども、昨年の例をとりましても、定員が百十名のところを数倍の希望者が来ております。そういう状況でございますので、千葉県におきましては、ちょっとまたこれも余談になりますが、全国で五千人というふうに言われておりますけれども、その十分の一が千葉県の新就農者でございます。それだけ地域的な事情もあるかと思いますけれども、今後ますますこういう新就農がふえていくのではないか、そのような感じがいたします。
 それと、もう一点新就農者に関しまして御質問をさせていただきます。
 先月二十九日だったと思いますけれども、これは農業会議所が主催した。たしか農林省からも出席をしていると思いますけれども、新農セミナーというものが行われました。これはもう七年前から行われておると聞いておりますけれども、今回は特に盛況でして、六百人を超える参加者があったというふうに聞いております。この三日に出た新聞ですけれども、この統計から見ますと、七年間で約三・五倍の参加者がふえているというふうに聞いております。たまたまこのセミナーに私の後輩が出席しておりまして、その帰りに私のところに電話がありまして、また昨日電話があったのですけれども、真剣に農業というものに取り組みたいという話でございました。特に今週から、窓口であります県の方に相談に行きたいのでどなたか担当者の方に電話を入れておいてくれないか、そういうようなところまで来ております。そういうことで、これからもこういうセミナーというものは全国で開くべきではないかな、このように思っております。
 特に、その青年が感化されたということはもう一つ理由があるんですけれども、これは、私どもの選挙区で三年前にこのセミナーに入りまして、聞きまして、実際に脱サラをいたし、そして昨年初めて商品化するまでになりました。そのことを恐らくその青年が聞いたと思うんですけれども、昨年初めて商品化して生産をし、現金収入を得た。そのときの喜びというものは、今までになかった感激を得たというふうに言っておりました。とにかく、今までの収入よりは今現在は少ないけれども、夢があるというようなことを言っておりました。恐らくこの人に感化されて私の後輩も農業をやりたい、そういう気持ちになったと思いますけれども、どうかこのような関係のセミナーというものを全国各地でやっていただけば、さらに新就農者がふえるのではないか、そのような感じがいたします。
 この点について、どなたか感想でも結構ですからお答えいただきたいと思います。
#53
○野中政府委員 先生お話しの新規就農セミナーでございますが、全国農業会議所が今全国二カ所で行っているものでございまして、農業に関心を持っている、新しく就農する、それに対する広報活動ということでございまして、先生御指摘のように、先般開催をされました東京会場では非常に多くの方が集まっていただいたというようなことでございます。
 この就農セミナーに限らず、新たに農業に就農をしたいというような方に対する全国新規就農ガイドセンターというのを全国農業会議所が開催をし、かつまた都道府県農業会議におきましては農地利用相談センターというのも開催をいたしまして、これらの相談にいろいろ応じているというところでございますが、最近非常に相談件数もふえてまいっているところでございまして、御指摘のように、この種の活動は私どもとしては活発に行っていかなければならないというふうに考えているところでございます。
#54
○実川委員 さらにこういうセミナー的なものを全国的に広げていただきたい、このように思います。
 それともう一点、その前日に行われました経営体育成シシポジウム、これも東京で行われたと思います。これはもう既に農業に従事した皆さんの集まりだと思いますけれども、その中で今回の認定制度についていろいろ意見が出たというふうに聞いております。その中で、この制度というものは小規模農家の切り捨てではないか、それとこの認定基準があいまいでもっと簡素化すべきではないか、そういう意見も出たと聞いております。それから、将来は認定農業者を組織化すべきではないか、そういう意見も出たというふうに聞いておりますけれども、これに関連してお答えいただきたいと思います。
#55
○野中政府委員 先生お話しの件は農業経営基盤強化促進法に基づきます認定農業者制度のことであろうというふうに思うわけでございますが、この制度は、実は、自分の経営を改善をしたいというような農業者の発意に基づいて市町村長が認定をするものでございます。すなわち、意欲的に農業に取り組みたいというような農業者の方を認定をして積極的に支援をしようというものでございますので、その農業者の方の現在の規模のいかんにかかわらず、その人の立てます計画が、市町村がつくります基本構想で農業経営の目標というのを立てておりますけれども、こういうものに照らして適切であり、またその達成の見込みが確実であれば、現在の規模は小さくても認定農業者にするというふうにしているところでございます。
 また、こういう中ではございますけれども、新規の就農者あるいは現在非常に小規模な経営ということで、規模を拡大する場合になかなか短期間で大幅な経営発展を図ろうというのも難しいというような方もいらっしゃると思います。そういう方につきましては、将来性を勘案しまして、計画の目標がただいま申し上げました市町村の定めます基本構想の指標をある程度下回っておりましても認定をするというような運用を行っているところでございます。
 また、これは申し上げるまでもないかもしれませんが、効率的かつ安定的な農業経営を実現するための方策ということでございますので、単に経営面積、土地の面積というだけではなくて、複合化あるいは集約化といったようなことで経営内容の改善、向上を図っていくということも非常に重要であるというふうに考えておりまして、そういう意味での規模拡大というものも非常に結構であるというふうに考えておりまして、これらも、現在市町村が定める基本構想において営農類型を定めまして、そういうものを目指していただきたいというようなことでございます。
 要するに、これから本当に意欲を持ってやっていこうというような方の経営の規模の拡大を支援するための制度ということでございまして、決して小さい方を切り捨てるといったような制度ではございません。
#56
○実川委員 いずれにしましても、今いろいろとお答えいただきましたけれども、これからの農業、いわゆる日本の農業を守るためにはどうしても若い就農者が必要でございます。そういう点を含めまして、今後とも就農対策に対しましては万全の対策をとっていただきたい、このように思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 農業に関する技術開発研究についてであります。
 いわゆる生研機構等でありますけれども、この法案、いわゆるウルグアイ・ラウンド後の合意を受けての法案だと思います。この趣旨、目的でありますけれども、このようにうたっております。農業に関する技術の研究開発の業務を行うことにより民間の研究開発能力を活用し、そして農業に関する技術の向上を通じて、効率的かつ安定的な農業経営の育成及び地域の特性に即した農業の振興を図ることを目的とする、こういうふうにうたわれております。
 これはもう当然のことでありまして、先ほどからもいろいろ技術のことを申しておりましたけれども、特にもう既に現場、いわゆる先進農家等におきましては、民間の研究機関ととっくに以前から研究を重ねまして、もう商品化している地域もたくさんございます。先ほど千葉の話が出まして恐縮ですけれども、もう私どもの地域、大変先進農家が多いんですけれども、そういう皆さんでは、バイオとかあるいは有機農業に関していわゆる、こういうことを申し上げて恐縮なんですけれども、普及員以上の研究を重ね、また知識を持っている方もたくさんいらっしゃいます。
 そういうことで、今回のこの制度というものは未来に向かって本当にいい機構だと思うんですけれども、この辺に関して、大臣、今までお話ししましたように、先進的な農家もたくさんいらっしゃるわけであります。そして、この技術、高いものを持っておるんですけれども、これからの研究機関、恐らく国際的な方向に向かっていくわけでありますけれども、今までのこのくらいの研究機関では十分なのかどうか、その点について大臣のお考えをお伺いいたしたいと思います。
#57
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 ただいまは実川委員の千葉県における先進的な農家の技術水準の高さなり技術に対するニーズの強さというような点についていろいろお話をちょうだいしたわけでございますが、当然のことでございますけれども、国の試験研究機関は基礎的な、先駆的な試験研究をやっておる。都道府県の試験研究機関が実用化をやる。民間試験研究機関においても大変エレクトロニクスとかその他新素材とか、そういうものでは非常に蓄積も持っており、それぞれが研究を行っておるところでございまして、先進的な農家の方々はそういうところを、直接民間等からも技術を導入しておるというようなことかと思うわけでございます。
 まあ、さようでございますけれども、やはり国の試験研究機関といたしましては、普及事業等からもその情勢をくみ上げるということはもちろんでございますが、先進的な農業経営者の皆さんの技術に対するニーズがどの辺にある、またどこが問題だということを酌み取って、それがまた生産現場に直結した技術に通ずるわけでございますので、そのような体制を取り上げるとともに研究機関自身の成果をさまざまな方法で、また農家の皆さんにもお知らせするといいますか提供する、そういう努力をすべきではないかなというふうに思っております。
#58
○実川委員 今大臣のお答えをいただきましたけれども、今後もその先進農家あるいはこれからやろうという意欲ある農業者の皆さんに対しまして、これらの点をさらに高めていただきたい、このように思います。
 この生研機構につきまして、もう一点お伺いをさせていただきます。
 この制度、大変結構なんですけれども、その中でも五年という期限、いわゆる研究成果というものを切っておるわけであります。これは大変結構なことだと思います。それに関連しまして、これから現場に直結する生研機構、これも今までないような制度だったと思います。現場の皆さんの意見を聞くということは大変結構なんでありますけれども、今後この制度、農林省といたしましてどのような課題を現場、農業従事者に与えられるのか、そしてまた、この得られた研究成果をどのように普及、実用化していくのか、その二点についてお伺いいたします。
#59
○山本(徹)政府委員 生研機構でこのたび実施いたします研究開発の課題でございますけれども、これは五年という限られた期間に十分実用化できる見通しのある課題につきまして、特に先進農家等含めて農家のニーズに即したもの、また農業の体質強化に役立つものについて、特に民間の研究機関に、先ほど大臣からも申し上げましたようなハイテク、バイオ等々のさまざまの蓄積のあるところとむしろ生研機構はタイアップして、課題を設定していただくことを想定いたしております。
 また、この研究成果の普及につきましては、生研機構や国が一体となりまして、広く都道府県、普及組織、また生産者団体、民間事業者に対して積極的な情報提供を行いまして、関係者一体となって現場で一日も早く実際に実用化できるように積極的な普及に努力してまいりたいと思っております。
#60
○実川委員 いろいろお答えいただきましたけれども、いずれにしましても民間と現場の直結した技術開発、大変結構なことだと思います。今後効率的また安定的な農業経営を図ることが大優先でありますので、さらにこれは進めていただきたい。それが恐らく魅力ある農業につながるものと思います。このような研究開発機構、生研に対してさらに積極的な対策を進めていただきたいと思います。
 時間が参りました。一点だけ最後に大臣にお伺いをさせていただきます。
 今回の農業改良資金助成法、この法案でありますけれども、もちろんウルグア・ラウンド合意の後を受けての対策だと思いますけれども、そのメリット、そしてまた具体的に今後どのような効果が見込まれるのか、その点について簡単で結構でございますけれども、お答えをいただきたいと思います。
#61
○大河原国務大臣 地理的条件、自然的条件、その他各般の条件で不利な状況に置かれております中山間地帯等におきましては、その規模の拡大がなかなか困難とか諸般の条件がございますが、そこにおける主産業である農林業の振興、特に農業の振興から申しますと、新たな収益性の高いと申しますか、付加価値の高いような新作物を導入することによって経営に新しい部門を開きまして、それによってその経営を発展させていくということが大事であろうということを考えるわけでございます。しかし、特に新しい作物を導入するというような場合におきましては、なかなかに経営の困難もございますし、心理的な不安もある、各般の準備も必要だし、そしてそれに対していよいよ経営を開始する場合には、通常の条件よりも有利な条件でバックアップをしなければ相ならぬ、そういうことでございまして、このたびの農業改良資金制度におきましても、新部門におけるその作物の導入の準備の資金とか、あるいは開始資金というような制度を設けまして、その導入を容易にいたしたいという点をねらいとしておるところでございます。
#62
○実川委員 時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#63
○中西委員長 矢上雅義君。
#64
○矢上委員 新進党の矢上雅義でございます。
 先日の阪神大震災に関しましては、明日の内閣より山岡賢次先生が農水担当として行かれ、これに対応する我が党としての施策を今現在まとめてペーパーにされております。また、倉田先生、実川先生からも質疑等ございましたので、今回私の質疑からは省かせていただきます。
 まず質問に入らせていただきますが、農業経営基盤強化促進法の一部改正についてでございます。これは従来より農地保有合理化事業として各県に農業公社等が設立され、公的機関がやられておりますが、こういう土地を動かすということは、民間の不動産業者なり人材、情報面ですぐれている業者さんがおられますが、そういう業者ではなく、あえて保有合理化法人をつくりそれを運営するという経緯以下についてお聞かせいただければと思います。
#65
○野中政府委員 この経営基盤強化促進法に基づきます農地保有合理化事業でございますけれども、これは農地の出し手と受け手の権利移動の間に介在をすることによりまして、農地の移動を構造政策という観点から望ましい方向に誘導をするというような目的で昭和四十五年の農地法改正により発足をしたものでございます。
 したがいまして、その担い手としては、営利を目的として売買を行う民間不動産業者では必ずしも適当ではないのではないか、地方公共団体等が出資または表決権の過半を持つ公益法人であって、かつ都道府県知事の承認を受けた農地保有合理化法人に実施をさせるということにしているものでございます。
#66
○矢上委員 今の御説明ですと、構造政策という観点からスムーズに望ましい方向に進めると、それはよく理解できました。ただ、いろいろ資料等見ますと、特に現場を預かっておられる農業委員会、農地銀行等ですけれども、専任の職員を抱えるところが少なく、主に役場の職員さんあたりが兼任で一人、二人の体制でやっておられます。また利用権設定率等権利移動の少ないところでは、やはり専従職員のいる割合が低いという結果が出ておりますが、今後十年間の間に農地の流動化を今までの二、三倍のペースで進めるとなると、この農業委員会に対する組織力の強化というのですか、そういう施策は当然お持ちなんでしょうか。
#67
○野中政府委員 農地保有合理化事業に当たりましては、お話しのように都道府県農業公社が中心になって行うわけでございますけれども、当然事業の全体にかかります情報収集でございますとか個別事案についての連絡調整、あるいは土地の位置、権利関係の確認とか登記関係の必要な書類の収集、確認でございますとか等々、これらのことにつきましては、地域の実情に通じております農業委員会に業務を委託をしているところでございます。
 農業委員会は、お話しのようにいろいろなところがあるわけでございますけれども、基本的には業務委託によりまして、現場に手足となって活動する機関を持たない県の農業公社といたしましては、その農地保有合理化事業が円滑に推進をされるのではないか。そしてまた、現地の農業委員会の活動等につきましては、これはまた別途、現地での農地の出し手あるいは受け手の掘り起こし、それらをまとめまして集落でもって全体としての計画をつくるとか、あるいは非常に流動化を先進的に進めていただいているところへの奨励措置とか、そういうようなものを別途予算措置等でも講じているところでございます。
 私どもといたしましては、この法律措置それから予算措置等々相まって業務が従来以上に推進をされますように全力を尽くしていきたいというふうに思っているところでございます。
#68
○矢上委員 ただいまの説明のとおり、確かに現場では農家の顔役さんあたりがいろいろ一人何役で頑張っておられますので、どうかその方々の御苦労が報われるような奨励金等、ぜひ充実していただければと思っております。
 次に、今の御説明の中で、職員さんが少ない、顔役さんたちが頑張っておられるということがありますが、高齢農業者また兼業農家、出し手となる人がたくさん潜在的にはおられますが、受け手となる人がなかなか見つからず先に進まない。また逆に、受け手が仮に見つかった場合を仮定しましたとしても、売り手の方といいますか、出し手の方は負債をたくさん抱えており、少しでも高く売りたいという要望の方もおられます。また、買い手の担い手農家の方々は、設備投資等既に負債を抱えている方々が多くおられ、将来の合理化等も考えると経営の採算性を考えて少しでも安く買いたい。一般的な観点からすると、こういう売り手と買い手のギャップがあるわけでございます。
 この場合の価格形成、特に、売り手に合わせ過ぎますと値段が高くなり過ぎて批判を浴びる。買い手に合わせますと今度は値段が安くなり過ぎて出し手がいなくなる。こういう価格形成をきちんとやる場合の機能というものは、やはり地元の顔役さんたちは、情報の掘り起こし、売り手、買い手の掘り起こしまではできても、なかなか価格形成の段階で身近な人が入るというのは難しいと思います。
 そういう中で、今回経営転換タイプという形で価格形成を外部の専門家に任せるというような段取りができてきたのだと思いますが、このような状況について今どのような問題を抱えておられるか、御説明いただければと思っております。
#69
○野中政府委員 農地保有合理化法人が農地を買い入れる価格につきましては、土地の種類、農業上の利用目的ごとにそれぞれ近傍類似の土地の通常の取引価格を基準といたしまして、その土地の生産力等を勘案した上で必要に応じて農業委員会の意見を聞いて定めているところでございます。また、農地保有合理化法人が売り渡す際の価格は、原則としてその農地の買い入れ価格に事業経費を加えた額を基準として定めているということでございます。
 そういう意味で、農地の価格が下落しております区域、地域では、合理化法人が買いまして、そして中間保有をしております間に周囲の地価がいわば下がってしまいまして、今度は、今申し上げたように通常は買い入れ価格に事業経費を加えた額を基準として売ることにしておりますので、通常の場合ですと受け手の農家の方に、売り渡し価格に割高感が生じてくるといったような場合があるわけでございます。まさに先生お話しのとおりでございます。
 そこで、今回新たな事業として経営転換タイプというのを設けることといたしておりますけれども、この事業におきましては、今申し上げましたような事情を踏まえまして、都道府県と市町村、農業委員会、農協などから成ります協議会を開催いたしまして、ここの意見を聞いて価格の決定をするというようなことにいたしておりまして、農地の受け手農家に対します売り渡し価格につきましても、売り渡しの時点における時価を基準とした価格設定をするというようなことにいたしまして、下落した場合などでも円滑に売り渡しか進むようにいたしたいというふうに考えております。
#70
○矢上委員 今のことについて少し確認をしたいのですけれども、農業委員会等専門家を集めた協議会の中に、やはり当然ですが不動産関係的な、不動産のそういう専門家も入られる予定でおられるのか、それとも一般的に専門家というのはその地域に住まれる農業専門家になられるのか。
#71
○野中政府委員 そういった専門家の方にも加わっていただきたいというふうに考えております。
#72
○矢上委員 先ほどの答弁の中で、価格の下落した地域でございますが、受け手に対して売り渡し時点での価格を前提とするという方法でございます。これは確かにこういう形で逆ざや的発想と言うとちょっと言葉は悪いのですけれども、買い手の方々が買い取る場合に、売り渡し時点での価格を前提とするとおっしゃいましたが、そういうことはやはり必要なことですので、ぜひ今後とも前向きに進めていただきたいと思っております。そうしませんとなかなか、土地を買い付けたけれどもそれが転売できずに、そのまま米の備蓄みたいな形で土地の備蓄というような形も起こりますものですから、やはり仕入れた土地を確実に新しい担い手に売るという価格の逆ざや的発想でぜひよろしくお願いいたします。
 次に、あともう一つ、この保有合理化事業におきまして、統計によりますと、所有権移転よりも賃貸借の方が昭和六十年以降どんどんふえております。一般的に中核農家、担い手農家というものは、土地を拡大するとそれに対応した経営体の拡大、法人化を進めていく。そういう中で経営の安定化を図っていくわけでございますが、賃貸借といいますといつかは返さなくてはいけない。そういう場合の経営体の不安感というものもございます。また一方、土地の出し手といいますか、土地を貸す方にしましても、一回貸したらもう返してもらえないのじゃないかという心配感もございます。
 私のうちも農業をやっておりましたが、昔は、十年ぐらい前までは一度人に貸したらもう戻ってこないのじゃないか、そういう心配も大変ございまして、なかなか農地銀行に土地を提供したがらない、そういうことがございましたので、今賃貸借の方がふえておって所有権の移転が減っておるということは十分わかります。ただ、これは余りにも賃貸借の方が今後伸び続けますと、経営規模を拡大しようとする担い手農家の方々が大変困る状況になってきますので、今後の方針についてどういうお考えでおられるのか、ぜひお聞きしたいと思います。
#73
○野中政府委員 先生お話しのように、農地流動化の現状を見ますと、賃貸借等によるものが七割を占めているというような状況でございます。ただ、北海道、東北といったような地域につきましては所有権移転の割合が比較的高いといったようなこともございまして、地域によって異なっているわけでございます。
 今回の農地保有合理化事業につきましては、それとはやや異なっておりまして、この事業を通じますと農地の売り渡し代金の支払いが早く確実である、あるいは税制上の優遇措置もあるといったようなメリットがございまして、このメリットが生かされやすい所有権移転によるものが多いというのがこれは現状でございます。今後は、先生お話しのように、所有権移転によるものが安定をしているということはございますけれども、やはり出し手の方から見ますと、売ってしまうというのもやや不安だというような方もあろうかというふうに思うわけでございまして、いずれにいたしましても、規模拡大という意味では、この所有権移転あるいは賃貸借等も含めまして拡大をしていくということが大切ではないかというふうに思っているわけでございまして、先ほどお話しのように、貸したら返ってこないというような不安を取り除いていただくために、現在提案をいたしております農業経営基盤強化促進法の前身となる法律ができて、安心して貸していただけるようにというような制度ができたわけでございます。今回はそれらの拡充でございますので、お認めをいただければ、拡充した制度を使いましてさらに一層この所有権移転あるいは賃貸借を進めてまいりたいというふうに思うわけでございますが、この制度によるものといたしましては、先ほど申し上げましたように、現状でも所有権移転が中心でございますので、この制度によるものとしては所有権移転によるものが引き続き中心になるのではないかというふうには考えております。
#74
○矢上委員 よくわかりました。
 次に、この事業の場合、受け手の確保というものが当然必要となってまいりますが、その受け手の確保としまして、新規就農者の確保、そしてまた現在の経営体を規模拡大に合わせた対応とするために、育成、つまり法人化、また集落営農機能を備えさせるということでございますが、こういう規模拡大のできる体力をつけていくということにつきまして、車の両輪として考えられますので、今後どのように力強く進めていかれるか、そういうところをお聞きしたいと思います。
 また、補足でございますが、農事組合法人、これにつきましては、補助事業を受けやすいためにつくった。有限会社、節税対策のためにつくった。こういう意向が結構強うございます。それに対しましてその後の感想でございますが、農家の方々にとりまして、設立準備や法人登記を、初めてのことでございますので大変苦労をされたというデメリットがございました。これを何とかしていただきたいことと、あとよかった点として、どんぶり勘定になっておったようなものが、経営内容がより明確に把握できるようになって経営の合理化に大変役に立った。またもう一つ、一番これも重要なことでございますが、有限会社等になりますと社会保険に加入できるものですから、福利厚生の労働条件面の改善が進んでいったということで大変喜ばれている状況でございます。こういう中で、今後どのようにまた強く取り組んでいかれるか、ぜひお聞かせください。
#75
○野中政府委員 私どもも、今お話しのようなことで、農業がいわば職業として本当に魅力のある、やりがいのあるものにしていくことが非常に重要だというふうに考えているわけでございまして、お話のとおり、新規就農者の確保、それから既に経営に入っておられる方の経営の発展というようなことを両面で考えていかなければならないというふうに考えているところでございます。
 新規就農者の確保につきましては、既に先ほど来御議論もございますが、いろいろな農業大学校における実践的研修教育等々、いろいろな施策がございますし、今回御審議をいただいておりますような青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法案を御提案を申し上げておりまして、これに伴いましていろいろな施策の拡充を格段に図っていくということにしているところでございます。
 また、効率的、安定的な農業経営の育成につきましては、これも今回改正でお願いをいたしております農業経営基盤強化促進法でございますけれども、これを軸にいたしまして、私どもは、本当にやる気のある、意欲のある農業者、こういう方に数多く認定農業者になっていただきまして、そういう方に基盤整備事業といえ、その他のいろいろな事業といえ、できるだけ集中的に実施をいたしまして、そしてまた農地につきましても、農地利用集積活動を通じまして農地が集まるようにするというようなことで、積極的に支援を行って、何としてもこれらの方々に発展をしていただきたい。そういう中で、お話しのように法人化でございますけれども、まさに御指摘のように、従来のいわばどんぶり勘定をやめて企業的な経営の発展を図るというような意味で、経営の発展、あるいは後継者をそこで一緒に働いていただくという面からも非常に大きな役割を果たしていけるものというふうに我々認識をしているところでございまして、この支援に私ども力を入れているところでございます。
 確かに、法人をつくります場合の手続がややふなれであるとか、そういうような御意見、感じがあるということを我々よく承知をしているわけでございまして、従来からこういう方々に対するコンサルティングあるいは経営研修等々といったような、そのための御援助でございますとか、あるいは農地の現物出資でございますとか、そういうような各般の施策を集中をいたしまして、こうした意欲のある方々の認定農業者としての発展、さらには、条件が整う場合には今の法人化の推進といったようなことに全力を尽くしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
    〔委員長退席、鉢呂委員長代理着席〕
#76
○矢上委員 わかりました。今の答弁で大体わかりましたので、その方向でぜひ力強く進めていただきたいと思います。
 次に、新規青年の就農促進法の関係にまいりますが、低利で長期の資金、それに対する需要というものは、やはり現場を回りましても、担い手農家、若手の方々から大変強い要望で、今回の法案というのは非常に喜ばれる法案だと思っております。
 ただ、問題が大きいのが、同時に、現場に行きますと、大体五十代、六十代の方から聞きますと、息子に後を継がせたくない理由の一つに、父親である自分がいろいろな農協関係の連帯保証人になっておって借金で首が回らない、このまま息子に後を継がせると借金まで継がせるから、もう息子に後は継がせたくないという方が結構おられるわけでございます。そういう中で若手の方々は、将来を見て、できれば低利で長期で大きな金額を借りたいと思っておられますが、資料等によりましても、これは九州管内の資料でございますが、肥育牛の農家の方で、借金ですけれども、借入金、平成二年が七百万であったのが平成四年には三千万円、増大しております。また、今経営のきつい採卵養鶏等に関しましても、平成二年の借入金が七百四十万、平成四年が二千万円、特に、既に自由化にさらされているところは非常に設備投資を積極的にやっていかざるを得ない、しかしなかなか採算もとれないということで大変苦労しておられるものですから、本制度におきまして、過剰貸し付けを防止するための措置というものは非常に営農指導としても必要になってくるものですから、その辺の運用面をちょっと、今までの対策とこれからの課題等についてお聞かせ願えればと思っております。
#77
○日出政府委員 この青年就農促進法の就農支援資金でございますけれども、いわば資本装備のための資金ではなくて、いわゆる研修でございますとか営農準備に必要な資金ということでございますので、一般的に先生が事例で挙げられましたような資本装備をするための資金、あるいは貸し過ぎといったようなこととは若干面は違うとは思っております。
 ただ、もちろん無利子のこういった研修等の資金でございますけれども、例えば農業大学校に二年行き、その後先進農家にまた二年行ったというようなことで、それぞれ月額五万円、十五万円で計算いたしますと、全部で六百万ほどになるわけでございます。そういう意味で、過剰貸し付けのような事態というのは想定していないわけでございますけれども、当然ながら、貸し付けに先立ちます時点で、この貸し付けをいたします青年農業者育成センターあるいは改良普及センター、こういったところでよく相談にあずかりまして、現実的で実行可能な計画となるように必要な助言は十分にいたしたいというふうに考えている次第でございます。
#78
○矢上委員 私の勉強不足もございまして、よく理解させていただきました。
 次に、就農促進法関係で、就農計画を提出して認定していただく、そういう計画で認定就農者になられるわけでしょうけれども、ちょっとこれも話は違いますが、平成五年度でしたか、農業経営基盤強化促進法による認定農業者ですか、これも始まったばかりでございますのでなかなか大変な、地域に対する取り組みもまだこれからだと思います。やはりこれも現場で聞きますと、隣の村は一生懸命この計画が出されて認定者がふえておるのに自分の町では、村ではなかなか町村の取り組みが鈍くてめったにそういう人見らぬなという声も聞くものですから、確かにスタート地点ではございますが、今回の青年就農促進法に関する計画におきましても似たような状況に陥らないように、スタートでありながらも、スタートが大事でございますので、今後六年間を乗り切るために、まず農業経営基盤強化促進法の今の取り組みの現状、それとまた今回の就農計画制度が同じようなことにならないように、ぜひその辺の対策についてお聞かせ願いたいと思います。
#79
○野中政府委員 農業経営基盤促進法によります認定農業者の実態の方を私の方から御答弁を申し上げたいと思います。
 この法律に基づきます農業経営改善計画でございますが、平成六年十二月末で五千七百七十五という経営体の数でございます。この法律は、まず最初に都道府県が基本方針をつくりまして、それから次に市町村が基本構想をつくる、そして今の農業者が農業経営改善認定計画をつくる、こういうことでございます。
 現在、市町村が計画をつくっている最中というところでございまして、実は、今年度中には大体市町村の基本構想が出そろうものというふうに考えております。確かに、当初この私どもの制度につきましても、若干その趣旨、メリット等につきまして必ずしも十分に御理解をいただいてない嫌いもあったところでございますけれども、今のように市町村の構想が出そろってまいりますし、また、国、地方公共団体一体となって制度の普及に努めておりますので、最近では徐々に理解が深まっておるというふうに考えているところでございまして、今後は認定の申請がふえてくるのではないかというふうに期待をしているところでございます。
#80
○日出政府委員 私どもの青年就農促進法の中の就農計画の認定でございますが、経営基盤強化法の認定と違いまして、認定そのものの多い少ないが市町村ごとにばらつくといったようなことは通常考えにくいわけでございまして、知事が広域的な観点から認定をするということでございますから、基盤強化法の認定のような状況はないんだろうというふうに思っております。
 ただ、私どもが気をつけなければいかぬと思っておりますのは、この法案では、国が三分の二、県が三分の一原資を出して育成センターで貸し付けるわけでございます。従来、改良資金の例でもございますが、この原資の関係といいましょうか、財政事情等から、ややもしますと熱心な県とそうでない県が出てくる、そういうような傾向がうかがえるというふうに思います。そういうことにならないように、私ども県とよく相談をいたしまして、きちんとした対応ができるようにしたいというふうに思っている次第でございます。
#81
○矢上委員 確かに、県の出資分もございますから、財政事情きついところが当然予想されますが、ぜひ県また現場におきましても理解、説明を進められて、積極的にこの就農計画の認定を進めていただきたいと思っております。
 次の質問でございますが、これは質問するつもりでありましたが、ちょっとお願いに変えさせていただきたいと思います。
 まず、新規就農者、後継ぎが来る場合に、これはつい最近うちの党の議論の中で出てまいったことでございますが、配偶者がなかなか確保できない。四十代の方で農業後継者の方がおられるが、お嫁さんの来手がないということがございます。それは、農家の中におきまして家父長の力が強いとか、また女性や若夫婦に対する家族、また農村社会の中での福利厚生の面が足りない、いろいろございます。そういう中で、私の地元の熊本県におきましては、賃金の面とか休日確保をどうするか、家族で協定制度を結んだりして対処しておるところもございます。
 また、本来の配偶者の確保のために、地元の町村におきましては、消防団に委託しまして、お嫁さん情報を集めてきてくれてそれで結婚が成就した場合には、そこの消防団に奨励金、十万円だったかと思いますけれども、奨励金を出してみたり、また、消防団等を利用してスキーツアーを企画して交流する機会をつくる。確かにこれはプライベートな問題であり、市町村レベルでやることでございますが、この新規就農された方々が幸せな家庭を築くためには国挙げての支援も必要でございますので、これらの全国的な普及のためにぜひお力をかしていただきたいということでございます。
 また、現在、農家といいましても、同居というところも減ってきております。やはり若いうちは親と若夫婦が別々に暮らして、まあ遠くではございません、近くでございますが、御両親の老後の世話がかかるときには一緒に面倒も見れる、そういう近さの住宅といいますか、そういう住宅対策を考えた場合に、地方におきましては、当然アパート経営されているところもほとんどございません。また、若い人たちが家を建てたくても、農地でございますので、なかなか下水の関係、また取りつけ道路の関係等ですぐ宅地を造成できるわけでもございませんので、できれば公営住宅の充実など、できるだけ早くそういうものを進めていただいて、新規就農者の方々が家庭を持ちやすくするためにそういう御努力をぜひお願いいたしたいと思います。
 これは質問する考えでございましたが、ちょっと時間の都合で要望に変えさせていただきます。
 また、残りの問題についてでございますが、新規参入者の方々で特に要望が強い問題がございます。
 それは、新規参入する理由として、創意工夫ができる職業としてということのほかに、有機農業と申しますか、減農業、無農業農業、そういうところの取り組みに力を注ぎたいということで新規参入者がふえておる現状がございます。ただ、それに対して、新規就農者の皆さん方が、減農業、無農業の指導者がどこにおられるか、また指導者の数が少ないためにそういう指導者を求めておられること。また、土づくりの期間が三、四年かかるものですからその間に非常にでき、ふできがある、そういう経営面での不安定な部分を抱えておりますものですから、その土づくりの期間の経営安定化の助成。また、こういう有機農業関係の農産物は大量生産品とは呼べずに比較的少量のものが多くございます。そういう中で一般のルートに乗りにくい、かといってすぐ新規参入された方々が産直のような方法をとるというのもまた難しい問題がございますので、その面について十分な対策が今後なされるかどうか、それについて答弁いただければと思っております。
#82
○日出政府委員 先生の有機農業でございますが、近年取り組みの拡大が非常に目覚ましい分野でございます。ただ、先生お話しのとおり、幾つかまだ私どもの対応としても足りない部分がございますが、私どもといたしますれば、この有機農業、環境保全型農業の一形態ということで、今大いにいろいろな面で推進をいたしたいと思っております。
 その中で、先生がお触れになりました技術指導者の関係、これにつきましても、普及の中の千人の方を技術指導者という形の中心に位置づけるべく研修を実施をいたしますとか、あるいは農業改良資金の中に有機農業の導入資金といったものをつくりますとか、あるいは先生も御案内のとおり、有機農産物の表示のガイドラインをつくるといった等々も今やっておるわけでございます。
 そのほか先生お尋ねのこういった有機農産物の流通活性化を支援する事業も、これ昨年度だったと思いますが、食品流通局の方からこういった事業をいたしまして、流通サイドと生産サイドの交流を促進する事業も今始めているところでございます。まだまだこういった問題につきましては、実は有機農業の方々はどちらかといいますといろんなやり方をしているだけではなくて、さらに行政に余り頼らないということでやっておる方も非常に多うございます。しかし、私どもとすれば、有効な支援ができる面についてはそれなりの対応をこれからもいたしていかなきゃいかぬというふうに考えておる次第でございます。
#83
○矢上委員 確かに現在、有機農業の方々は、自助努力といいますか、行政に頼らずに一生懸命やろうという方々が多く、行政の施策となかなかかみ合わない部分もよく存じ上げております。ただ、若手経営者、農協の流通の中に入っておられる方々でも、こういう有機農業の仕組みはよくわかるけれども、一年か二年やったけれども失敗したという方が多くてもう懲り懲りだという方もおられます一そういう方々の意見が、やはり土づくり期間の経営安定化に対するバックアップが何とかいただけないであろうか、これは一つの産業でございますので、でき、ふできに対するバックアップは非常に難しいかと思いますが、そういう狭い分野といいますか、特定の分野に限ってもし今後とも何らかの施策ができるようでしたら、ぜひよろしくお願いいたします。
 次に質問する予定でございましたが、新規就農者に対する相談体制についてでございますが、これはちょっと時間の都合で次回の質問に回させていただきます。
 次に土地改良についてでございます。
 土地改良についてでございますが、規模拡大が進むということは、理論上も現実にも結果的に農家戸数が減少するということになります。そうなりますと、規模拡大して広大な土地改良施設ができ上がっている、それに対する維持運営費を結果的に少ない農家の方々が負担するということにもなってまいりますが、これで果たして今後の経営が成り立つのか。新農政といった場合にはそこまで踏み込んで考えていきませんと、今のままでは大変じゃないかという気がします。
 特に土地改良区自体が小規模なところで財政基盤が弱い、また混住化が進んできて農業者の高齢化、また土地改良組合の組合員数が減少してきますと、溝を、用水路を掃除する場合には集落の農業者で労働力を提供しておったり、また去年のような渇水時期には、水あけのための、何といいますか、当番を組んでどこに水をあける等などの大変人手のかかることを労働力を提供して皆さん方でやっておられますが、その労働力の提供もなかなか農家数の減少で見込めない、また管理費、維持費の負担も、少ない農家ではこれからきつくなるのではないか、そういうことでこの点についてどうお考えでしょうか、よろしくお願いいたします。
#84
○野中政府委員 土地改良施設から受ける受益というものは面積に応じて変動するわけでございますので、規模が大きくなりましても面積当たりの負担が大きくなるというわけではないんだろう、そこはそれなりに収益が上がるわけでございますから、その一定分として払えるということはあるわけでございます。ただ、面積が大きくなりますと、トータルとしては負担が大きくなるといったような問題は確かにあるわけでございます。
 私どもといたしましては、土地改良施設というのは農業生産を支える基本的な施設でありますと同時に、国土資源の総合的な保全あるいは農村の活性化、環境保全などにも寄与するものでございますので、従来からではございますけれども、国といたしまして、特に公共性の高い一定の施設につきましては、国による管理あるいは都道府県の管理に対する助成といったようなことを行っておりますし、土地改良区などが管理する施設につきましても、施設の整備補修に対する助成でありますとか、あるいは地方連合会によります施設の管理技術に関する指導に対する助成といったようなさまざまな援助も行ってきているところでございます。
 また、今お話もございましたが、土地改良区で農家の方々が減って基盤が弱くなってくるというような問題もあるわけでございますので、平成七年度からはこの土地改良区の活性化構想を策定をいたしまして、これに基づきまして、土地改良区の統合あるいは再編整備などといったようなことも推進をしてまいるということにいたしております。これら相まちまして、地域の実情に応じて適切に対応をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
    〔鉢呂委員長代理退席、委員長着席〕
#85
○矢上委員 改めて申し上げますが、お金で片のつく部分はそれで結構だと思います。ただ、先ほども申しましたが、現実には用水路をさらったりする清掃は地元の農家の集落の方々が出ておられますし、渇水時の水あけ当番というようなものも地元の方々がやっておられます。そういう大きな農地をもとに農業をしながら、今度はまた大きな施設を少ない農家でそこまで果たして労働力の提供ができるのか、そういう部分もございますので、よろしくお願いします。
#86
○野中政府委員 確かに農家が減ってまいりますと、水路の掃除、維持管理などが残った中核的な農家の負担にかかるといったような問題等もあるわけでございます。これらにつきましても、地域によりましては、そういうような状況に応じまして土地改良区等がその部分を担うといったような動きなども出てくるのではないかというふうに思いまして、これへも対応しなければならない。また、さらにもう少し先のことで言いますと、その大区画の水管理あるいは集落全体の水管理というものを、もう少し人手に頼らずに先進的なインテリジェントシステムで水管理をしていくといったようなことも開発をしていかなければならないんではないかというふうに考えておりまして、これらにつきましては、別途御提案を申し上げております新技術の開発に関する法案等に基づきまして、そういったシステムを今後開発されていくのではないかというふうに考えているところでございます。
#87
○矢上委員 時間がなくなりましたので、大臣にぜひ御要望がございます。
 よく言われることでございますが、新農政を進めていく、そしてまた混住化が進んでいく、そうなりますと、一部の農家の方がおられて、サラリーマン的な方々がおられて、高齢化の方々がおられる。そうした場合、用水路とか農道というものは単なる農業用施設ではとどまらずに社会資本の整備として位置づけ、その費用ですが、負担金、維持運営費等は、これから先は新農政を進めれば進めるほど、そこの農業者の限りなくゼロに近い形での公的負担と申しますか、結果的に社会自体が背負う公的負担として進めていかざるを得ないのではないか。それを私だけでなく多くの議員の皆様方が考えておられるわけですが、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
#88
○大河原国務大臣 率直に申し上げまして、なかなかに難しい問題でもあるかと思います。農村の混住化の問題、そこにおける農業関係の公的施設の管理の問題、しかもそれが多面的な役割も演じておるということでございまして、負担をいかにするかという点でございます。先ほど構造改善局長がお答え申し上げましたように、その土地改良施設等についてのいろいろな形における国の公のバックアップ等々、いきなりずばり公的負担を導入することについてはなかなか困難があるかと思いますので、緑と水の土地の基金の創設とか、その他そういう意味で一層の公的な支援を強めていくという方法がしかるべきかと思うわけでございます。
#89
○中西委員長 もう終わってください。時間がうんと経過しましたから。
#90
○矢上委員 これで終わります。どうもありがとうございました。
#91
○中西委員長 千葉国男君。
#92
○千葉委員 新進党の千葉国男でございます。
 昨日私は予算委員会におきまして、阪神大震災に対する農水省の救援対策について農水大臣にお伺いをいたしました。大臣から、農水省、地元自治体あるいは関係業者の方々等挙げて連携をとり、真剣な対応が続けられているとの御答弁をいただきました。初動段階でどうしても農水省は受け身の態勢がありましたけれども、今後さらなる御努力をお願いを申し上げたいと思います。
 そこで、農村あるいはまた漁業用施設等の復旧のための、ここで農水省の積極的な姿勢を示すために、長期無利子融資制度等を考えてはどうか。あるいはまた今後の食料品の価格をしっかりと守っていくという意味で、被災者のために価格監視体制の確立、こういうことについても今後しっかり力を入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#93
○大河原国務大臣 農地、農業用施設、その他公的な助成が行われる部門につきましては、激甚災害法の適用等によって高率の助成が達成し得る政令の指定も決まりまして、八日に公布されるということでございます。激甚災害法に基づく指定でございます。
 それから、長期低利等の問題につきましてはこれは個人施設の、個人の問題かと思うわけでございますけれども、これについては、農林漁業者につきましては、農林漁業金融公庫の主務大臣指定施設がございまして、長期低利の資金が災害復旧資金として既に用意されております。
 それから、その他の点におきましては、例えば中小小売業者等、神戸市等はそういう生鮮食料品その他の関係の業者の方がございますが、これについては、中小企業金融公庫におきまして三分の特例的な措置がとられる等、各種各般の融資制度についての対策が既にとられておるところでございます。
 それから、第二段の物価の監視問題ですが、既に災害が発生しまして早々に食糧事務所と県の関係の担当職員が組みまして、パトロールを現在やっております。結果によりますと、これは経済企画庁等の物価監視調査等も突き合わせてみましても、やはり落ちついておるということを御報告申し上げられるのではないかというふうに思います。
#94
○千葉委員 今大臣から低利融資ということがありましたけれども、ぜひ無利子まで頑張るようによろしくお願いを申し上げたいと思います。
 一月二十三日の本会議におきまして、海部党首の方から農業問題について新進党としての基本的な考え方を二つ明確に示しました。その一つは、基礎的な食糧の自給体制を確立する。二つは、農業の持つ役割というのは、国土保全あるいは環境保全の産業であって、自然との触れ合いを通じて豊かな心を醸成するヒューマン産業としての役割を重視する。こういうふうな方針を打ち出したわけであります。
 そこで、食糧自給率についてお伺いしたいと思いますが、去る一月二十六日、農水省として平成五年度の食料需給表の速報を公表いたしました。これを見ますと、食糧自給率はカロリーベースで三七%、穀物自給率に至っては二二%と、大変な低落をしているわけでございます。もちろん、平成五年といえば未曾有の冷害に見舞われた年でありますので、国内的に生産量が大幅に落ちた。こういうこともあるかと思いますけれども、こうしたことを踏まえて、今後、こうした極めて低い水準に今陥らんとしている自給率についてどのように受けとめられ、そしてまた将来に向けてどう力を入れていこうとされているのか、お願いしたいと思います。
#95
○大河原国務大臣 委員御案内のとおりでございまして、昨年のウルグアイ・ラウンド農業合意受け入れに伴う国内対策におきましても、近年における自給率の低下傾向に対して歯どめをかけて、国内農業資源を最大限に活用して生産の維持拡大を図って自給力の強化に努める、結果としての自給率の低下を阻止していく、そういうことを明らかにしておるところでございまして、この点は大変政策の重点としていくべきであると思うわけでございます。
 さらに申し上げれば、そのためにはやはり何と申しますか、経営感覚にすぐれた効率的、安定的な経営というものが各地域の農業生産の中核になって、生産力の高い、供給力の高い農業生産が各地域に展開されるということが大事であるというふうに思うわけでございます。
 なおこの点については、農政審議会におきまして既に昨年の九月から、委員御案内の農産物の需要と供給の長期見通し、これの新しい作業、平成十七年を目途にした作業、検討が始まっております。その際においても自給率の問題が大きな問題として、その積み上げ作業が行われておるわけでございます。
#96
○千葉委員 二番目の環境保全、農業の外部経済効果といいますか、その位置づけについてお尋ねをいたしたいと思います。
 水田の持つ国土保全あるいはまた環境保全機能、公益的な機能を有していることはよく知られているところでございまして、いろいろな評価の仕方がございます。例えば、代替法では年間四兆七千億であるとか、ヘドニック法では年間十一兆であるとか、いろいろ言われているわけでありますけれども、具体的に金銭的に換算するのは難しい面もあるわけです。そういう意味で、食糧の供給ばかりではなくて、農業、農村の持つ外部的経済効果、ダムの問題であるとかあるいはまた土砂の流出防止ということとか、お金に換算できない要素があるけれども、そういう大事な要素を農業、農村というのは持っているんだ。こういうことをしっかりと、今後の農業、農村の確立のためにはそうした国民的なコンセンサスづくりというのが大変私は大事なんじゃないか、こういうふうに思っているわけです。
 そういう意味で、今後そうしたものについてどのように農水省としてPRも含めて対応していくのか、お願いしたいと思います。
#97
○大河原国務大臣 御案内のとおりでございまして、農業は自然の循環過程において営まれている最も自然と調和した産業部門である、そういう意味で環境保全にも役立つというわけでございますが、他方ではやはり化学肥料なり農業というようなものについて環境に負荷する面もあるわけでございます。したがいまして、これらの面についてのセービングと申しますか、できる限りの、その負荷を軽からしめるような農業技術を開発して、それを積極的に進めていくということがやはり大事だと思います。いわゆる環境保全型農業と言われるものでございますが、今後強くこれを進めなくてはならないというふうに思っております。
 現在におきましては、都道府県において環境保全型農業の推進の基本方針というものを立てていただきまして、それらの環境保全的な技術の実地の検証ということを進めるとともに、さらに市町村におきましても、その基本的な計画を立てて推進をしていく。それに必要ないろいろな施設の整備というような点についても考えていきたいと思います。
 それから、先ほどの御質問に対する農蚕園芸局長の答えにもございましたが、有機農産物については表示のガイドラインをつくりまして、有機農産物の関係から環境保全型農業の推進を図っていくというところでございまして、今後、この点については一段と政策としても力を入れたい。いわゆるウルグアイ・ラウンドの国内対策においてもそれをうたっておるわけでございます。
#98
○千葉委員 ひとつしっかりお願いを申し上げたいと思います。
 ウルグアイ・ラウンド農業合意の受け入れに伴いまして、厳しい、また新たな国際環境の中で、我が国農業が今後試練に立たされていくことになるわけですけれども、今後の農業、農村をめぐる状況を考えたときに、高齢化の進展あるいはまた後継者不足というのが非常に顕在化してきておりまして、先ほど大臣からもお話がありましたように、経営感覚にすぐれた経営体、これをしっかりと育成をしていかなければならないわけです。
 そこで、こうした望ましい経営体を育成する上で、その指針となるべき農業経営基盤強化促進法に基づきまして、市町村でこの基本構想の策定が急がれているわけでありますけれども、昨年末現在で千四百四十九の市町村で策定された。こういうふうに聞いておりますが、本年度じゅうにすべての市町村でこれを完成できるのかどうか、この見通し、大丈夫でしょうか。
#99
○野中政府委員 本法によりまして策定を予定をしている市町村が三千五十三あるわけでございまして、現在時点、先生御指摘のように千四百四十九の市町村でございます。残りの市町村につきましても、策定作業が現在急ピッチで進められておりますので、本年度中に策定を終える見込みでございます。
#100
○千葉委員 これがやはり基本となりますので、しっかりお願いをしたいと思います。
 ちょっと話が変わりますけれども、経営体の中で農業法人がありますけれども、たまたま私は宮城県でございますので、宮城県の農業生産法人の推移等についてちょっと調べさせていただきました。昭和三十四年から平成六年までの間で、全体的に農業生産法人百四十五戸、法人として届けられているわけですが、考えてみますと、三十五年間かかって百四十五戸、こういうことでございますので、年間にしますと四法人ぐらいしか実際にはできていない、こういうふうな実態であります。こういう実態についてどのように評価されているのか。
 そして、新しい展開として平成五年、平成六年から新農政の方針が発表されて、少し上向きになってきた。少し勢いを持ってきたかな。こういう五年、六年で十六法人が誕生しているわけなんですが、今後そういう意味で、法人育成のためにどのような力を入れようとされているのか、よろしくお願いします。
#101
○野中政府委員 法人形態によります農業経営は、経営管理能力の向上、雇用労働関係の明確化、あるいは経営の継続性の維持といったような点で利点を有しておりますので、現在、効率的かつ安定的な農業経営の育成の一環といたしまして、地域及び各経営体の実情に応じて農業経営の法人化を推進をしているところでございます。
 特に平成五年以降でございますが、農業生産法人の事業あるいは構成員の要件を緩和をいたしまして、多少広げていると申しますか、そういうこと。さらには、農業生産法人の設立あるいは運営等に関しまして、やはりなかなかなれないといったような声もございますので、コンサルティング等の指導体制の整備。さらには、農業生産法人が規模拡大をしてやっていく、あるいは農業生産法人としてふやしていくというようなことで、農地を現物出資をするというような制度、合理化法人からでございますが、こういうようなものを設けるといったような措置を講じたところでございます。
 さらに七年度におきましても、これは新たな措置でございますが、贈与税の納税猶予を受けております人が農業生産法人に使用貸借をした場合につきまして、その継続を認めるといったような税制の特例措置も創設をするということにしているところでございます。こういうようなことでございまして、私どもといたしましては、意欲的な農業者の方を中心に法人化につきまして一層関心が寄せられまして、徐々にその動きも活発化をしているところでございます。
 今申し上げましたような各般の支援措置を精いっぱい推進をいたしまして、この法人の育成指導ということに格段の力を入れてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#102
○千葉委員 五年、六年と少し勢いが出てきたということで、さらにしっかりと推進を図っていただきたい、こう思います。
 次に、今回の青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する法律は、青年の就農を促進するために実践的な農業技術等を習得させることを目的としているわけでありますけれども、その習得の場として、私は、農業大学校が重要な役割を果たしているのではないか、こういうふうに思っております。
 これも、ぜひ全国的なことを教えていただきたいと思うのですが、宮城県に農業実践大学校というのがありますが、そちらを回りましていろいろと視察をしてまいりましたが、定員に対して応募状況がまだまだ十分期待にこたえているような状況ではない。あるいはまた、二年間の就学を終えて就農の現場に入ろう、こういうふうになりますと、五十八人在籍をしておりました平成六年度でも、実際に就農するというのはわずか五名、七%。それから、農協、農業関連その他のそういう農業に関する方々を入れましても三五%ぐらいの就農態勢である。せっかく大学で勉強させていただいても、現実にはそういう厳しい状況になっております。そういう意味で、全国のそういう若い方々の農業大学校での実態はどのようになっているのか、教えていただきたいと思います。
#103
○日出政府委員 お尋ねの都道府県の農業大学校でございますが、全国で四十一校あるわけでございます。この農業大学校への応募者数につきましては、県の実情によりまして若干異なっているわけでございますが、全体的には平成三年が大体一番ボトムでございまして、それから徐々に毎年二百人ぐらいずつ上がってきている状況でございます。
 私どもといたしますと、この傾向をさらに強めていきたいというふうに思っているわけでございますが、一方でこの就農率でございますが、卒業後すぐに就農する方、あるいはちょっと将来一度置いてまた就農する方等々、いろいろな形態がございますが、全国的に見ますと合わせて大体三割といったことろでございまして、これに兼業的に就農する方、この方も含めますと全体の就農率は七割前後というふうに承知しております。
#104
○千葉委員 今、日出局長からお話ありましたように、せっかく実践的な技術を見につけてもなかなか現場にすぐ反映されない。そういう意味で、もっと大学校のあり方も含めて、かけがえのないこれからの農業後継者でありますので、ぜひ大事に育てていただきたいな、こういうふうに思っているわけでございます。
 それで、そうした実践大学校の前提となります中学校とか高校があるわけですが、そこの中で実際に農業、農村に関する指導担当の方々がいろいろ御苦労をされているわけですけれども、実際に今の生徒さん方の考え方、職場観といいますか、それが一つありまして、一番多いのは、やはり収入の多い職場、これが五四・三%。それから次が、自分の才能が伸ばせる職場、三一・二%。それから、休暇がとれ、残業の少ない職場、二六・二%。仕事が楽で楽しい職場、一九・五%。こんな感じで並んでいるんですが、全体的に今の生徒の考え方というのが、そういうやはり世の中を反映して収入が多いとか、もう一つ希望が持たれるのは、やはり自分の才能を生かすということ。今度は、先生方が進路指導に当たって心がけていることは何かというと、やはりそういう生徒の意向、生徒の適性、こういうものを重視して進路指導に実は当たっているわけでございます。
 そういう意味で、その中でこれからもしっかりと力を入れていきたいことは、農業の大切さあるいは役割の重要性、こういうものについてはしっかりとやはり担当者として教えていかなければいけない、あるいは夢のある農業政策の確立をお願いしたい、こういうふうな担当者からの声が聞こえてきているわけですね。
 そういう意味におきまして、やはり大学校においても、かけがえのない一人一人に対して、そういう前提に立っている子供さんたちのそういう意識というものをしっかりと大事にして意識改革を、教える側も、大学、学校の方ももっとしっかりと力入れていかなければならないんじゃないか、こういうふうに思っておりますが、どうでしょうか。
#105
○日出政府委員 先生お話しのように、県の農業大学校の卒業生の就農率をもう少し上げたいというわけでございますけれども、これのいろいろな手段につきましては、現場でも大変悩んでおるようでございます。こういう中で、いろいろマン・ツー・マンの指導等を行いながら就農率を上げていくわけでございますが、例えば普及センターとの協力でいろいろな情報を提供するとか、あるいは先進農家での体験学習の実施でありますとか、こういった地域に根差した実践的な研修等をやりながら就農意欲の向上を図っていくというようなことに尽きるかと思っておりますが、私どももこの新規就農法案を出しました以上、当然のことながら、こういった県農業大学校の卒業生の方の就農率の向上につきましては、今まで以上に気をつけていきたいというふうに思っていう次第でございます。
#106
○千葉委員 大学校を卒業されて就職する方もいろいろいるわけなんですが、その中の、平成六年十一月、昨年十一月に、進路意向調査を大学校でアンケート形式にやりました。そこで、なぜ農業に従事しないで就職をするのか、こういう質問に対して一番多い答えが、要するに親がまだ若いから、これが四二・九%。お父さんと一緒に仕事するほど我が家の農業体制はまだ整っていない、こういうことです。それから二番目は、就職し、将来に備えた資金を蓄えたい、これが三九・三%。ですから、自分は将来まだ農業をやりたいという気持ちがあるけれども、いろいろな家の事情から考えると、自分できちっと農業を営むための資金づくりが必要だな、こういう意識ですね。その次が、農業以外のことも勉強したい、これが三一・一%。それから、農業だけでは生活が不安だから、二五%。
 こんな感じで出ているわけなんですが、そういう意味におきまして、若い、こういう将来は農業を志しながらさまざまな家庭の事情、また自分の将来計画とかなんかでまだすぐには農業に携わることができない、こういう人たちに対する個々の対応をもう少し身近になって相談をしていく、力になってあげることによってさらに就農に近づいていくんじゃないか。そういう意味での支援策をもっとしっかりしていただきたい。また、教える側の先生方の体制についてももう少し強化をしていくべきではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
#107
○日出政府委員 先生お話しのとおり、農業の世代交代ということで考えますと、親と子という関係でいいますと、子供さんが成人してすぐにスムーズな世代交代が行われるものではないことは事実でございます。そういう意味で、そういった親が若いのですぐに就農しないというような事情はよく見られるわけでございますが、一方、私どもの方の立場からいたしますれば、高い技術力なり経営管理能力なりを習得して、早く就農してほしいという気持ちはあるわけでございます。
 そこで、今回の青年就農促進法の中の一環といたしまして実は改良資金の方の改正をいたしておりますが、この中で、今ございます経営開始資金を拡充いたしまして、親と別の新しい経営部門で農業をやります場合の取り扱いということで、機械とか施設とかの導入に必要な資金の貸付限度額を実は千八百万から二千三百万に上げるというようなやり方もいたしまして、こういったことも期待をしたいということでございます。
 もう一つの指導職員の方でございますが、指導職員一人当たりの研修生の数が三・五人ということで、相当に充実はされておるわけでございますが、これにつきましても、先生のお話のようなことは十分ございますので、これからも充実強化に努めてまいりたいというふうに考える次第でございます。
#108
○千葉委員 先ほども出ましたけれども、農業以外のことも勉強したい、こういう気持ちを持っている学生が大変多いわけでございます。それで、前回のWTOの公聴会のときに福島での公聴会がございまして、その中でのいろいろな対応のときにも、やはり農家に残っている青年、その中で海外研修に参加した青年がほとんど落ちないで、よしやろうというんで頑張っているわけなんですね。
 ですから、やはりこの二年間の研修の中で、青年ですから世界に知識を求めたりあるいは世界に友を求める、あるいは国内交流があってもしかるべきだと思いますが、そういう積極的なことをやって、友達ができたり、海外へ行ってフランスの農業を見てくる、アメリカの農業を見てその中からもう一遍日本の農業を考えて、将来を担う我々はどうするんだ、こういうふうな希望を与えるプランというのがやはり今度の支援政策の中にあっていいんじゃないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
#109
○日出政府委員 先生お話しのように、農業大学校の在籍中に、一カ月程度でございますけれども海外農業研修をやる学校が多くなってまいりました。これにつきましては、先生お話しのような大変大きな効果が期待できますので、この充実強化に努めたいと思っております。
 一方、卒業生の海外研修につきましては、これまで私どもは国際農業者交流協会の派遣制度というところで、これは私どもが助成をいたしておりますが、年間でいいますと、百六十人ほどこういった青年農業者の海外研修ということも進めておるわけでございます。これにつきましても、今後とも充実を図ってまいりたいと思っておる次第でございます。
#110
○千葉委員 一番大事な後継者育成でありますので、さらに力を入れていただきたいとお願いをいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
#111
○中西委員長 木幡弘道君。
#112
○木幡委員 備蓄の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 実は昨年の、さきの国会の予算委員会で、農林大臣にもあるいは防衛庁長官にも自治大臣にも、それぞれ一朝有事の際の備蓄を万遺漏なくするべきだという質問をいたしましたところ、それぞれの大臣から大変完璧な答えをいただいたのでありますが、残念ながら、この大震災の中で都道府県、市町村の食糧の備蓄の問題については、心ならずも大変寂しい結果になったということでございます。
 実は、大変申し上げにくいことでありますが、大臣にぜひ聞いていただきたいことは、かつて農林省、特に食糧庁の食管会計の赤字の問題で、一兆円になんなんとする国家財政負担を余儀なくしたことがございますね。それの気持ちが常に農水省あるいは食糧庁の中に残っているのかどうかはわかりませんが、私からすれば、一年間の租税収入が五十兆の中の五十分の一で一億二千万の命の主要食糧を備蓄をしていく、食糧安保の見地からすると、決してそれは国民の目からもむだな金だったというふうには思えないと思うのであります。
 とりわけ一兆円の負担というのは毎年ではありませんから、とすると、備蓄の問題、またこの前NHKの教育テレビで、かつての食管法と全く違うのは、新食糧法の中に明確に備蓄の数量を百五十万トンと明記してあるんだというふうにどこかの学者が言っておりました。宿舎でそのテレビを見まして、すぐ新食糧法をそうだったかなと思って見直してみましたら、それはないのでありまして、これずっと私自身のことで言いますと、農青年活動、農協運動あるいは地方議会の活動の中で、国の米の備蓄の問題についてはその都度ころころ変わってきたという感じが否めないんであります。
 大臣にぜひお尋ねしたいことは、この阪神の大震災を契機に食糧の備蓄について、新食糧法で食糧の備蓄がきちっと賄うことができるのか。あるいは片一方の、生命を維持するために極めて重要と言われる石油エネルギーについては、石油備蓄法という法律が別個にできているんでありますが、私自身も主要食糧の備蓄については新たな立法化、単独の立法化を図るべきだというふうに思っておるのでありますが、その辺あわせて大臣の所信のほどを伺いたい、こう思います。
#113
○大河原国務大臣 昨年、一昨年のことからの推移を見ますと、平成五年度の大凶作にかんがみまして、我々としてはゆとりある需給を確保するためには、やはり十分なる備蓄が必要だということで、それを前提にいたしまして、新食糧法案でも備蓄を、需給調整を兼ねながらも、役割を持たせながらも相当程度の備蓄を行うということは、新食糧法案を御審議願った際にも申し上げたとおりでございまして、数量は書いておりません、百五十万トンというのは。しかし、はっきり過去の戦後の凶作の経緯、不作の経緯、そういうものから見て、やはり百五十万トンを基本ラインにして、さらに需給調整のゆとりを持って、上の方に約五十万トン程度の幅は持たせるべきではないかということも申し上げたとおりでございまして、これは百五十万トン、基本的には政府米でやるわけですけれども、自主流通米につきましては、生産者団体の在庫調整、これに対しても国が面倒を見るというようなことも申し上げて、新食糧法の基本計画におきましても、その生産者団体の在庫の保有ということについての規定があるわけでございます。
 そういう意味で、大きな不作、その他の米全体の需給にかかわる問題につきましては、それについての対応の備蓄につきましては、それによって対応していってしかるべきであろうというふうに思うわけでございます。
 今回の阪神の大災害につきましての言及をちょうだいしたわけでございますけれども、これについては都市災害の局地的な災害でございまして、現に私どもも、政府米が神戸、兵庫県にも二万数千トンございまして、二万七千トンですか、大阪にも二万何千トンある、自主流通米を含めると、兵庫県内では十二万トン、これは全体の県の消費量が月三万トンでございますから、四カ月分あるというようなことで、応急の米について申せば対応ができたわけでございます。
 そういうような経緯でございますけれども、特に備蓄については、全体の不作その他のための備蓄とともに阪神の災害等につきましては、やはりその周辺においてどの程度の備蓄主体を、備蓄は国なりあるいは公共団体において持つべきであるか、その配置の場所とか、あるいは炊飯施設とセットにしてこれを行うべきであるとか、あるいは輸送のルートなり配送のルートというようなことについて、あるいは備蓄対象の品目等についてもいろいろな御意見をちょうだいしておるわけでございまして、単純な玄米なり、あるいは精米をする施設とのセットで置けばいいというような話もあるが、なかなか災害のときは大変だ、したがって、乾燥米飯とかあるいは缶詰米飯とか、そういうものをむしろ備蓄いたすとか、大災害であっても都市災害的な局地災害についての備蓄の対応等については、今後危機管理体制の一環として考えていくべきであるというふうに思っておるわけでございまして、我々としてもせっかくの御意見でございますので、備蓄法というものについても、今回の経験あるいは不作の経験あるいは新食糧法における備蓄制度というものをそれぞれ勘案いたしまして、今後の検討課題にさせていただきたい、さように思うわけでございます。
#114
○木幡委員 ぜひ御検討いただきたい、こう思います。特に備蓄の問題で出てまいりますのは、昨年も六十五万トン、六十五万トンの合わせて百三十万トンにする、こう決定をしましたらば大豊作になった。大豊作になった途端にまた減反緩和から通常どおりの減反に御協力をいただかなければならない。もちろんこれは財政的な面、あるいは国の食糧を預かっている方々からすれば当然そういう結果になるということは理解はできても、農家からすれば、とれなくなればとれなくなったで大騒ぎ、豊作になれば豊作になったで即座にまた減反強化だというふうに、これが農家の方々が農水省に対して不信を抱く一番の原因かな、こう思っているわけでございますので、この減反政策と備蓄の問題、常にリンクをしていることはわかりますが、常によく見えない。この辺もあわせてぜひ御検討いただかなければならない、こう思っております。
 それから大震災でありますが、これはもう現地の食糧事務所の、私も食糧事務所で乾パンを備蓄していたというのは初めて今回知ったのでありますが、大変機敏な対応で、農水省、食糧事務所の方々は現地から大変喜ばれたというふうに聞いて、喜ばしい限りだ、こう思っているのであります。
 大変申し上げにくいことを大臣に言いますが、実は亀井運輸大臣と大河原大臣が青森で党人としての行動をなさった。これは、運輸大臣はわずか十分しかいなかったんだ、携帯電話もあるし、何でも指示をしていっているから党人としての行動をとるのも別に構わなかったという旨の答弁をなさっております。これは当然、今携帯電話もありますし、ファクシミリもありますし、マルチメディアの時代でありますから、そういうことを極論をすれば、これは大臣全部自宅にいても構わないということになるわけでありますし、指示命令を行うことができるメディア、機械さえ持っていれば何でもできるということにもなるわけでありますから、私が申し上げたいことは、関東大震災以来のこれだけの被害になったときに、行政の長たる責任者というのと党人というものの重さというのはどちらがどういうふうな形で重きを置かなければならないのかということをはっきりしないと、これから先の我が国の行政府の主たる責任と、そしてまたそれに伴う各担当大臣の意欲というものが国民に伝わってこない、こう思うのでございますが、まずこの件について大臣の気持ちのほどをお聞かせいただきたい、こう思います。
#115
○大河原国務大臣 一月十七日に災害が発生いたしまして、先ほども申し上げましたが、緊急炊飯用の三千トン、あるいはただいまお話が出た乾パン十万食というようなそれぞれの対策、あるいは加工食品とか生鮮食料品、まあ、物でいえばパンだとか、LL牛乳とか、あるいは即席めんどか各般の供給確保も必要でございますので、それについての業界団体、近畿周辺に事業所を持つ業界団体に対して供給確保について連絡いたしました。さらには、中央の本省における対策本部はもちろんでございますが、特に現地の県なり市の食糧確保計画、これをしっかり把握して、これに対するバックアップをするというのが中央の責任でございますが、そのために神戸市に農林省としては独自に食料供給対策本部をつくりまして、調達計画をやっていた。それの見通しかほぼ立ったところで私は青森県に対しての政務についたわけでございます。
 これは今も委員がお話があったとおりでございまして、電話で随時現地から連絡をとりながら状況を把握して必要な指示を与えてきたつもりでございまして、災害対策の実際の推進については私は支障がなかったと今でも確信しておりますが、委員が御指摘になるように、大災害に際しての関係大臣の基本的な姿勢という点についての御批判等については、謙虚に受け取らせていただきます。
#116
○木幡委員 ぜひこれから先も、内閣総理大臣以下各大臣といいますのは一億二千万国民の行政府における責任者でありますから、ぜひ今大臣が申されたような気持ちで取り組んでいただきたい、こう思っておるところでございます。
 残りの時間、行革についてお尋ねをしたいと思います。
 大震災の復興計画あるいはその後の対策で、ややもすると行革が陰に隠れて見えなくなりつつあるのかなという心配をしている者の一人でございますが、ついこの前新聞に、蚕糖事業団と畜産事業団が統合することが決定したような報道が、大変大きな活字で飛び込んでまいりました。農水省関係の九つある特殊法人の中では、前から蚕糖事業団と畜産事業団の統合については話題になっていたということは承知をしておりますが、この辺の報道については、まず大臣どういうふうに思っていらっしゃるか。
#117
○大河原国務大臣 御案内のとおり、特殊法人の整理合理化という問題は、行政改革の一環として内閣の最大の課題であり、それを進める方針でございます。それを受けまして各省とも検討を進めておるところでございますが、一つの節目としては、今月の十日までに検討の結果をあれをするということに相なっておりますので、最終の検討をただいま省内でも行っておるところでございます。
 そういうことでございますが、検討の視点、重点に置いて配慮するべき事項としては、御案内のとおり、昨年のガット・ウルグアイ・ラウンドの協定を受け入れる際の関係法案として、蚕糸砂糖事業団なり畜産振興事業団等が、国境調整のための国家機関ということをあの法律で認められた経緯もあるし、また、畜産物価格安定法その他の現在の時点における果たしている機能、これは引き続いて現在の畜産の情勢あるいは蚕糸の情勢から必要であろうということを考えますと、その機能の維持というような点も一つの大事な点だというふうに思っております。それら、その役割の維持と機能の確保という点がいかになされるか、またそれを確保できるかというような点は、私どもとしては非常に大事なことであるというふうに思って、現在検討を進めておるところでございます。
 なお申し上げれば、現在の蚕糸砂糖事業団は、過去には砂糖事業団と繭糸価格安定事業団と二つに分かれておったわけでございますが、価格安定事業については両者を統合しても可能であろう、過去の行革の際に統合したという経緯がありまして、その後の経過を見ても、機能自体は果たしてきたという点もあるわけでございます。
#118
○木幡委員 去年の行革大綱では、おおむね二年間を目途に見直しをして、その結果に基づき必要な措置を講ずる、こういうことになっておりますし、それからもう一つは、それぞれ規制緩和の問題も大変この大震災の前には話題になって、各党から規制緩和あるいは省庁の統廃合の問題、連日がまびすしく報道されたのでありますが、現在の段階で、農水省にかかわる規制緩和その他で実績としてこれはあるぞというようなものがあったらこの機会にお聞かせをいただきたいのと、今の答弁でよくわかりましたが、その他の、蚕糖事業団、畜産事業団以外の七つのそれぞれの特殊法人についても英断を持って行うことにするのか、あるいはその辺の合理化その他の計画が内部で検討されているのかどうか、これもあわせてお聞かせいただきたい、こう思います。
#119
○大河原国務大臣 委員の御質疑の中にもありましたのですが、まず一つ申し上げたいのは、特殊法人の整理問題は、細川内閣時代は二年ということですが、村山内閣になりまして、現在の内閣においては一年、本年度中に実施するということに、繰り上げ実施ということに相なりまして、それを受けての検討を続けておるということでございます。
 それからまた、農林省所管の九事業団につきましては、それぞれについて検討を行っておるということでございます。
 なお、規制緩和等については、官房長をして答弁させます。
#120
○高橋(政)政府委員 農林省の規制緩和につきまして、今までぜひ規制緩和をやれということで言われておりましたのは特に食管ですね、食管の流通関係の規制緩和を初めとして今まで特に強調をされて、要請をされてきたところでございます。それで、これにつきましては、御承知のとおり昨年のWTO国会で、流通を含めまして食糧関係につきましては抜本的な規制緩和をした。こういうふうに思っております。また、特に海外との関係では、今まで数量規制をしておったものにつきましてこれを関税化するということでの、これも大きな規制緩和であったと思っております。それから、そのほかの規制緩和につきましても内部で検討をしておりますが、我々といたしましては、この三月までにそういった。どういうことについてやっていくかということを決めていきたいというように思っております。
#121
○木幡委員 行政改革の件で、いつも私思っていますのは、よく中央省庁の統廃合、この大震災を契機に国土庁って一体何なんだというようなことから、あるいはただひたすら天下り防止だというような粗っぽい論議が先行するというのは大変好ましくないことであろうと思うのであります。国民そのものも、必要なものは人員を配置し必要でないものは省力化をするということなのであって、すべてを統廃合したり人員を削減するということが必ずしも国民が望むところではない、こう考えておる者の一人であります。
 とりわけ公務員の場合に、この前自民党の幹事長もどこかで講演をなさったのを新聞で見ましたが、役所の場合に、六十歳定年だとはいいながら五十前後でほとんどの方が退職せざるを得ないというような、ほとんどというのは語弊がありますが、退職をするようなケースが多くある。あるいは民間と比べまして、生涯獲得賃金というのが格段の差がある。これを考えずして、ちょうど私と同じくらいの年齢で役所を離れるということになれば、ちょうど子供が高校生、大学生の一番お金のかかる年代に収入の道が閉ざされるということであっては、当然これは天下りをしなければ生きていけないわけでありますから、これは大臣にお伺いするというのはいかがかと思いますが、内閣の一員として、閣議の中あたりでぜひ発言をしていただきたいという気持ちを込めて御質問申し上げたいのであります。
 特に大臣の場合には、農林省の職員のOBでもいらっしゃる。後輩の方々、特に一昨年の二百年来の大凶作では昼夜を分かたぬ、目を引っ込ますような努力をなさっている。あるいは今度の、関東大震災以来の阪神大震災、こういう状態の中でそれぞれの職員が血眼になって働いている。にもかかわらず、世間では一方で天下りがどうだというような話になる。これはおかしいのであって、当然定年までいられる状態をつくる。民間と生涯獲得賃金の格差が少なくなるように努力をした後、しかしあなた方はでは天下りについてはだめですよということが両方並行しなければ、これは役所の方々に対して大変申しわけないことだなというふうに思っているのですが、期せずして行政改革、各省庁の統廃合、あるいは特殊法人の天下り等々の見直しを契機に、今の私の意見に対して大河原大臣の考え方をお聞かせをいただきたい、こう思います。
#122
○大河原国務大臣 公務員制度の問題にかかわる問題でございまして、委員もおっしゃいましたように、私の所管するところではございません。人事院等各般の面での検討が必要だというふうに思うわけでございますけれども、あえて私見を申し上げれば、昨年の年金制度の改善は、六十歳の現役時代から六十五歳の現役時代に、いよいよ高齢化社会に移るんだというようなことを考えますと、そういう視点から、現在公務員の一般の定年は六十歳でございますし、また、幹部職員については、組織の新陳代謝というようなことで、勧奨制度等によってもっと早くリタイアをしておるわけです。いよいよ人生六十五歳現役時代というものに入りますので、それに応じたやはり公務員等についての在職期間等は考えてもいいのではあるまいか、これはあくまでも私見でございますけれども、そう思っております。
#123
○木幡委員 最後に、六兆百億円のラウンド対策の問題についてお伺いをしたい、こう思うのです。
 実は、農水省としては予算をいただければどんな形であっても構わないという考え方があるのか、あるいはきちっとさきの国会で六兆百億については論議をし、可決をして正式にその支出をするということになったわけでありますから、当然これは本予算で対応できるような状態でなければ、これから先、来年の例えは平成八年度の予算編成のときにまた同じように、例えば大臣がそのままお続けなのか、あるいは政局がこのままなのか、これ、だれしもわからないわけであります。その都度、やはりきちっと六兆百億の問題については、どんな状態になっても本予算でもって対応ができるというようなことがなければ、私どもの目からすれば、これ一年ごとに、ことしも一千億ちょっとでありますか、それが大変心もとない感じがするのでありますが、大臣としては、今回の六兆百億の予算計上の件と、これが平八の当初予算の編成に当たっても何らこれについて影響が出てこない、心配がない状態で六兆百億の問題については対処できるんだというふうにお思いなのか、この辺をお聞かせいただきたい、こう思います。
#124
○大河原国務大臣 この問題につきましては、昨日も予算委員会において、当委員会所属の小平委員から総理なりあるいは大蔵大臣、私にも御質問をちょうだいしたところでございます。
 この点については、私はやはり対策事業の安定的な推進という点からいえば当初予算に計上するのが望ましい。ただし、本年の場合は実は一年目でございまして、末端の実施体制なり末端のニーズというものがあった場合には迅速に対策に具体的にかかりたいということもございまして、補正予算において計上されたということでございます。
 今後の方針としても、やはり当初予算において原則的に盛り込むべし、ただし諸般の事情があれば補正予算によってもそれを補足することはやむを得ないというふうなことで言う以外は、それぞれその年の予算編成の事情、あるいは国内対策の推進状況等々いろいろございますから、断定的なことは言いにくいのではないかというふうに思っております。
#125
○木幡委員 この六兆百億、どうしてもマスコミはいまだにばらまき予算だというふうな論調が崩れておりません。二百年ぶりの大凶作のときのあの米の騒動、これは食糧庁も二十三万トン何がししかなかったという大変心もとない状態もあったにしても、いずれともかく食糧を生産する産業といいますのは、他の工業生産物を生産する産業とはおのずと違うわけでありますから、その辺の意識啓蒙をきちっと、ラウンドを受け入れる、WTOが発足する、国内対策が六兆百億だ、これについてはらまきではないんだということを明確にするためにも、大臣以下農水省の方々が第二次、第三次産業従事者の方々にきちっとわかっていただくという作業が極めて重大だ、こう思うのですよ。それを最後に、決意のほどを伺って私の質問を終わりたいと思います。
#126
○大河原国務大臣 このたびの国内対策六兆百億の対策費だけでなくて、農業の、食糧の供給の安定だけでなくて、国土資源、あるいは環境とかに持っている大きな意味ですね、産業としての意味、これについての国民的な合意を得るための努力は常にしていかなければなりませんし、ただし必ずしも私は十分とは言えないわけでございますので、今度の国内対策費に対するいわれなき批判に対して十二分の理解を求めるための努力を引き続いていたしたい、さように思っております。
#127
○木幡委員 ありがとうございました。
#128
○中西委員長 藤田スミ君。
#129
○藤田委員 法案に入る前に一言だけお伺いをしておきたいと思います。
 阪神大震災によって農林漁業関係も大きな被害を受けました。兵庫県は全国一を誇るノリ加工施設、工場がありますが、これが壊滅的な被害を受け、卸売市場はもちろん、漁業施設やため池、農地等々その被害は極めて深刻なものであります。大臣も淡路島に調査においでになったということを知っておりますし、また先ほどからその復興のために万全を期すという決意も聞かせていただきました。それは当然のことでございます。
 私は、ここで大臣に二つだけ明確に答えていただきたいと思いますのは、そのノリ加工の、共同施設ではなくて個人の工場ですね、これの問題については中小企業向け融資ということになるわけでありますけれども、しかしこれはもう無利子融資を実施してほしいというのは切実な願いであります。この点については、通産大臣も他の中小企業関係の問題では無利子の融資実現のために全力を尽くすという明確な御答弁をいただいておりますし、小里大臣もそうであります。そこで、大臣の、この点について明確に全力を尽くしていくというお立場なのかどうかを示していただきたい。
 もう一つは卸売市場でありますが、これについては激甚災害法に指定されるように要望するというお話でございました。そこで、それは経緯がどうなっているかということをお伺いしたいと思います。
#130
○紀内政府委員 今御指摘の個人の所有の被災したノリ加工施設の問題でございますが、今回の災害により被害を受けられました漁業者の方に対しまして、御案内のとおりその復旧のために農林漁業施設資金、現行四・七五%でございますが、今回は特に激甚災と同様の扱いということを即刻決めましたので、御案内のとおり、貸し付け後三年間三・○%ということでやっておるわけでございます。
 今御指摘の今後のこれへの対応でございますが、私どもとしましては、今委員からも御指摘のございました被災中小企業者等に対する支援措置というものが今後どういうぐあいに扱われるか、また私どもとしては過去の被災農林漁家に対する災害融資というものも十分見据えていかなければならぬということで、こういうものも見ながら、今後検討をさせていただきたいというぐあいに思っております。’
#131
○藤田委員 大臣、私が申し上げているのは、無利子融資ということで力を尽くしてほしいということをお願い申し上げているわけです。今の御説明はよく知っているんです。その上で申し上げておりますので、大臣にお伺いをしているわけです。卸売市場の問題もともに答えてください。
#132
○大河原国務大臣 今担当審議官から申し上げたとおりでございまして、被災中小事業者に対する中小企業金融公庫等の融資等についても最大限の低利資金を確保するというのが通産大臣の姿勢でございます。我々も低利、無利子ということについての確約はできませんけれども、最大限の低利の確保をいたしたい、さように思っております。
 それから、中央卸売市場の施設災害、相当ひどうございます。特に神戸の東部
市場、私も見てまいりましたけれども、東部卸売市場等は非常に大きな影響を受けております。
 これに対する災害復旧の問題ですが、現在の農林関係の災害施設関係の復旧体系は、実は農地、農業用施設とか漁港とかという農林水産関係の施設が中心でございまして、都市の流通施設等、卸売市場というのはまさに生鮮食料品の供給の基地でございまして、そういう意味では食生活のライフライン、それに対する助成体系が不備でございますので、今回を契機にいろいろな制度としてこれを取り上げるか、あるいは予算として十分にするか、とにかく復旧についての手当ては何としても確保いたしたい、さように思っています。
#133
○藤田委員 それでは、農業経営基盤強化促進法の一部改正案についてお伺いをいたします。
 大体この法案は一般会計予算関連法案でありまして、補正予算関連法案ではありません。しかも、この法案は三週間にわたって農地所有者に対して譲渡禁止の私権制限を課すものでありまして、本来慎重な審議を行うことが国民的課題であります。それを補正予算関連三法案と一括で全体でわずか四時間というようなことで審議を済ませてしまうことが平気でまかり通る。これは国民から負託された審議権を放棄するに等しいことであります。日本共産党としては極めて遺憾であり、このようなことが二度とないことを強く求めておきます。
 そこでお尋ねをいたしますが、今回の一部改正は、認定農家に対して、認定農家以外の農地の利用権の集積ではなく農地そのものの利用集積を促進するために、新たに公有地の拡大の推進に関する法律の手法を持ち込んだものであります。これまでの認定農家に対する農地集積手段を強化するものであるわけであります。
 買い入れ協議制は、農用地の所有者からの申し出が前提になっておりますが、実際は市町村の基本構想の中での話であって、市町村や農地保有合理化法人の側から認定農業者の周辺の農地保有農民に対して農地を手放す働きかけが強力に行われ、その結果申し出を行うことになります。その可能性については農水省も否定をしておりません。しかも、申し出は口頭でも構わないという判断であるために、農地所有者の自主性がどれだけ担保できるかどうかという問題が起こるわけであります。特に、買い入れ協議制は、三週間の譲渡制限に違反したときは十万円の過料がかかる。私権に対する制約を課しているものでありまして、その自主性が損なわれたときは認定農業者に対する農地集積が強権的なものになってしまうおそれがあるわけであります。いかがでしょうか。
#134
○野中政府委員 今回御提案を申し上げております農業経営基盤強化促進法に基づきます買い入れ協議制でございます。
 お話しのように、これは農地の所有者から自発的に利用権の設定等についてあっせんを受けたいというような申し出を受けまして、そういう申し出を受けましたのを受けまして、農業委員会そして市町村が中に入ってこの買い入れ協議を行うというようなものでございます。
 最初のこの申し出というのは自発的に行われるものでございまして、申し出を決して強要するようなものではございません。法文にその点は明確であろうと思われますけれども、実際の運用に当たりましても、この買い入れ協議制度につきましては地方公共団体あるいは農業委員会、農業者等関係者にその制度の趣旨が徹底をされますように、説明会の開催あるいは通達等を通じまして十分指導をしてまいりたいと考えております。
#135
○藤田委員 法律用語として申し出というのは、書面か口頭か、それは定まったものじゃないのです。したがって、非常にここのところが重要な問題なのであります。だから、文書でというふうに、口頭じゃだめ、文書できちっと申し出を受けるということにするならばすると後でお答えください。
 現在農村地域は高齢化しております。今回の買い入れ協議制の対象となる農地所有者についても、高齢化した農民が多く含まれることになります。そして、農地所有者の農地に対する利害関係者も、相続関係者も含めて多数存在することになるわけであります。そのために、農地の所有権の移転については関係者の十分な了解がなければトラブルの発生になることは言うまでもありません。それが、基本構想のもとで、高齢化した農民に対して強引な働きかけがなされるならば、買い入れ協議に移行した場合は、農地所有者の関係者の意向がどうであれ、三週間の譲渡禁止がかかるわけですから一層現場ではトラブルが起こる可能性が高いということになるわけでありますが、そのようなことにならないという保証はどこにありますか。
 三つ目、もう一つ聞いておきます。
 他方、認定農家でない農家は、この買い入れ協議制で遮断されるために、規模拡大して優良農地を買いたいと思ってもそれができないということになりはしませんか。
#136
○野中政府委員 この制度は、先生御承知のとおり、私どもといたしましては、これから農業を本気でやりたいというような方にできるだけ農地の集積が行われまして、規模の拡大等がスムーズに行われるように、いろいろな仕組みを設けているところでございます。
 それで、この買い入れ協議制につきましては、しかしながら前にも申し上げましたように、決して強要するというものではございませんで、所有者の方からそういうような、自分は農地を売りたいというようなことであっせんをしていただけませんかというような申し出を受けるということを前提にしているものでございまして、これは文書でなければならないというふうには考えておりません。私どもは、口頭でもいいのではないかというふうに考えておるところでございます。
 それから、買い入れ協議に入りましても、これは三週間の間はできるだけほかの方に売っていただかないようにということでございまして、この買い入れ協議に基づきましてその所有者の方がこの売買等に同意するかどうかというのは、全く所有者の方に任されているというか所有者の方が自由に判断ができるというようなものでございまして、そういう意味でも決して強制をしていくものではないというふうに考えております。
 なお、こういうような買い入れ協議制に伴いまして農地を買い入れるという方の方でございますけれども、これは私どもといたしましては、今後の日本農業を考えますと、本気で農業をやっていこうというようなことで認定を受けております農業者にできるだけこういうような農地の利用権の集積等が行われるということが好ましいというふうに考えているわけでございまして、そういうような認定農業者に対してこの利用権の設定等が行われるように調整を進めることとしているところでございます。
 まあ、認定を受けてない農家で買い入れをしたいというような農家もあろうと思いますけれども、恐らくそういう方は、その買い入れ等によりましてみずからの経営を拡大をしてその地域で本当に意欲的に農家をやっていこうという方であろうというふうに思われますので、そういう方はできるだけ認定農家になっていただくことが好ましいのではないかというふうに考えているところでございます。
#137
○藤田委員 あなたが、本気で農業をやりたいという人を対象にと、裏返したら、本気で農業をやろうとしないという人がたくさんあるということを意味するじゃありませんか。私は、随分それは不遜な発言だというふうに思うんです。認定農家は本気で農業やろうとするものであって、認定農家でない者は本気で農業をやろうとするものでないという認識は本当に将来重大な過ちを犯すことになります。
 口頭で、文書でなく口頭でいいのではないかというお考えだそうでありますけれども、そうなるといよいよ心配になるわけでありまして、言った。言わないほどいいかげんな話はないんです。したがって、これは何としてもきちっと文書にするというふうに、大臣、考えていただけませんか。一言で結構です。
#138
○大河原国務大臣 ただいまのところ考えておりません。
#139
○藤田委員 私は、そういうことではとてもこの法案を通しちゃならないということを申し上げておきます。
 青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する法律案でありますが、端的にお伺いします。
 一番大事な問題は、このような意欲に燃えた青年農業就農希望者、それも親の農業を後継する青年なら問題はないわけですが、新規に、今まで農業とは縁のなかった青年が就農しようとしたとき最も問題となる農地の確保が保証されるかどうかの問題であります。その点、政府としてそのような青年にもきちっとした見通しを与えることができるのかどうか、明確にお答えください。
 また、この資金は無利子ですが、元金は返済しなければなりません。しかし、日本育英会法を見ましても、奨学金で学校の教師になったときは返済が免除されるわけです。当然、農業の公共性、そしてそれに携わる者の公益性から考えて、この資金も返済免除にするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#140
○日出政府委員 後段の方からお答え申し上げますと、この就農支援資金につきまして制度を仕組みますときに、私どもの方も償還免除制度はとれるだろうかという検討をいたしたわけでございます。ただ、私どもがやりますものは、無利子資金の貸し付けでございます。しかも、今までに例のないような、償還期間が二十年にまで延長できるというような、そういう意味で言いますれば、償還する方の負担が極力小さくなるような制度ということでございます。
 一方、先生お挙げになりましたような医師でありますとか看護婦等につきましては、公共的なサービスの担い手である職業ということで、実は既存の奨学金制度で償還免除が認められているわけでございますが、農業自身に一定の公益的な機能が認められましても、農業者自身は基本的には私的な経済活動の担い手であるということで、国の債権管理法の問題等々の議論の中で、私どもといたしますればこの償還免除制度を設けることは困難だという結論に至ったわけでございます。
 それから、土地の問題でございますが、この新規就農者に対します土地につきましては、私どもの方も、これが一つの大きな問題であろうということでございます。そこで、新規就農法案の二十二条で明定してございますが、農業委員会が農用地の利用調整の中で「認定就農者が認定就農計画に従って就農できるよう努めるものとする。」という努力規定を置いておるわけでございます。私どもといたしますれば、この点につきましても、十分意を用いて運用してまいりたいというふうに考える次第でございます。
#141
○藤田委員 新規就農者の確保というのは、今後の我が国の農業の発展にとって欠くことのできない課題であります。年間、新規の就農青年は数千人にとどまっているのに対して、農業就業人口は年間万単位で減少しておりますから、この新規就農者の確保というのは、我が国の農業の将来にとって欠くことのできない問題であります。そういう問題意識があるならば、農業に携わる者は私的な営利目的を持った者だというような定め方、そういう認識ではなしに、国民の食糧を担い、生産し、そして日本の国土の保全、それから環境を守り、文化のためにも貢献している産業なんだという位置づけで、今この日本の一番重要な問題に対してもっと積極的な姿勢であってしかるべきではないかというふうに考えますが、大臣、一言だけお答えください。
#142
○大河原国務大臣 ただいま農蚕園芸局長から御答弁申し上げたとおりでございまして、本件については、WTOの特別委員会等におきましても、農水所属の委員のほかの方からもいろいろな御指摘があって、我々としてもいろいろの検討をしたところでございますが、先ほど農蚕園芸局長からお答え申し上げたとおりでございます。
#143
○藤田委員 次に移ります。
 農業技術の研究開発促進特別措置法案です。この法案は、ウルグアイ・ラウンド対策の一環として、現場に直結した農業新技術の研究開発を促進するため、生研機構を通じて民間企業への研究委託を行う、こういうことですが、提示されている技術開発テーマは、ウルグアイ・ラウンド合意の影響を最も強く受ける農民にとって緊急に求められている技術とは到底言えないものだと考えます。
 また、実用化が急がれる技術であれば、民間企業が既存の制度を利用して研究開発を行う、そして国が責任を持って開発に取り組む、これが本来の筋というものではないでしょうか。国家予算を民間企業の研究費にする根拠というのは、どう読んでも見出すことはできません。
 私はここに、九三年に総務庁が出しました「農業技術の開発・普及に関する行政監察結果報告書」というのを持っておりますが、大臣、ちょっと聞いてください。
 農水省は、一研究室に配置される研究員数は研究の継続性及び人事管理の観点から三人以上が望ましいとしているが、九二年七月時点で十試験研究機関の一研究室当たりの研究員配置現員は約二・五六人、三人を下回っている。さらに、十試験研究機関のすべてに配置現員が二人以下の研究室が見られ、その割合は四六・七%に上る。農水省は、過渡的なもので中長期的には解消するとしているが、研究室別に研究員定員を見ても、二人以下の少数の定員配置で細分化されたものが八十九研究室、つまり二一・四%もある。また、一九八三年から九三年までの十年間で研究室数は二・三%の削減にとどまっているのに対し、研究員の定員は七・五%削減されている、こういうふうに指摘をされています。
 しかも、この傾向は定員削減によってなお続いており、国の基礎研究、プロジェクト研究を支える研究員数は、減りの一万なんです。こうした状況に手を打たずに、民間に委託すれば研究が進むといったやり方は、農業試験研究が足元から崩れていくものと言わざるを得ません。国が本来責任を持つ公的な試験研究機関にこそもっと力を注がなければならないと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
#144
○大河原国務大臣 今度の法案との関係でお話ございましたが、それから総務庁の報告等もございましたが、研究室体制で、小部屋制度でいくか大部屋制度でいくか、いずれが可かという問題が一つの課題としてあるわけでございまして、現在小部屋制度をとっておりますけれども、むしろ過去における大部屋制度で、大部屋というとおかしいですが、その体制の方がしかるべしたという御意見もあるわけでございます。
 もう一つは、研究員の不足については、研究補助員、これの充足、確保ということも一つの問題であるというふうに考えておるところでございまして、おっしゃるような、一方的ないろいろな見方については、各般の面からの検討の上で結論を出すべきものだと思います。
#145
○藤田委員 私は、小部屋制度にするか大部屋制度にするかというような問題ではなしに、全体として定員が削減されていって、さらにこういう制度が持ち込まれることによって足元から崩されてしまうんじゃないかという危惧を申し上げておるわけであります。
 もう最後に、一分になりました。農業改良資金法の一部改正案についてですが、今回の資金は、中山間地域で新規作物の導入や新たな栽培管理方法を導入したときに無利子融資を行うものでありますが、そのこと自身に反対するものじゃありませんが、しかし新規作物導入で中山間地農業が立て直せるのかどうか。そのことについては、農業者自身もこれで立て直せるというふうには思っていないんじゃないか。そのことは、二年前に制定された特定農山村法によって新規作物導入や生産方式の改善など営農改善計画を策定した農業団体の数を見ても明らかであります。
 最後に、その数を言っていただいて、終わります。
#146
○日出政府委員 今回の特定地域新部門導入資金でございますが、大変使いやすい制度でございます。あるいは対象地域も条件不利地域ということで、幅広い、二千百市町村に及ぶわけでございます。そういう意味で、これにつきましては、具体的な数字は申し上げられませんけれども、かなりの程度使いがいのある、あるいは需要が非常に大きいものというふうに考えている次第でございます。
#147
○藤田委員 質問に答えてませんね。私は、特定農山村法によって新規作物導入や生産方式の改善などの経営改善計画を策定した農業団体は幾つあるのかということを聞いたんです。答えはゼロなんです。結局、二年間かかったけどゼロだったんです。私はそこを深刻に受けとめるべきだということを、実は大臣に申し上げたかったわけであります。何としても農産物の輸入自由化、この政策を転換しなければならない、そのことを示しているということを申し上げたかったわけでありますが、時間がありませんので、終わります。
#148
○中西委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#149
○中西委員長 ただいま議題となっております各案中、まず、青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法案について議事を進めます。
 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#150
○中西委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#151
○中西委員長 この際、本案に対し、松岡利勝君外四名から、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び日本共産党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。松岡利勝君。
#152
○松岡(利)委員 私は、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び日本共産党を代表して、青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、青年農業者の育成確保に遺憾なきを期すべきである。
     記
 一 就農促進方針の策定に当たっては、青年の就農に関する業務を行う団体・機関等と十分な調整を行い、地域の農業の実情を的確に反映したものとするとともに、就農計画の認定に際しては、新たに就農する青年の創意を活かしつつ、就農の実態に応じた弾力的な運用が行われるよう指導すること。
 二 青年農業者育成センターの就農促進業務が円滑に行われるよう、新規就農に関する必要な情報が十分集積される体制の整備に努めること。
 三 研修終了後の就農が円滑に行われるよう、他の金融・補助制度との連携に十分な配慮を行うこと。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#153
○中西委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 松岡利勝君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#154
○中西委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大河原農林水産大臣。
#155
○大河原国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
    ―――――――――――――
#156
○中西委員長 次に、農業改良資金助成法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 農業改良資金助成法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#157
○中西委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#158
○中西委員長 この際、本案に対し、松岡利勝君外四名から、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び日本共産党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。仲村正治君。
#159
○仲村委員 私は、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び日本共産党を代表して、農業改良資金助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    農業改良資金助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、特定地域の農業経営の改善に遺憾なきを期すべきである。
     記
 一 特定地域の基幹的産業である農業の振興に資するよう、「特定農山村法」をはじめとする関係制度、対策等との連携を図りつつ、特定地域新部門導入資金の積極的な活用を図ること。
 二 新規作物等の導入に当たっては、農業改良普及員等により地域の特性に応じたきめ細かな対応を行うとともに、当該作物が定着するよう加工等による高付加価値化を図るほか、需要の的確な把握、産品の流通ルートの確立につき適切な助言・指導を行うこと。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#160
○中西委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 松岡利勝君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#161
○中西委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大河原農林水産大臣。
#162
○大河原国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
    ―――――――――――――
#163
○中西委員長 次に、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法案について議事を進めます。
 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。藤田スミ君。
#164
○藤田委員 私は、日本共産党を代表して、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法案の反対討論を行います。
 本法案は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の一環として、平成六年度補正予算案とともに提出されました。しかし、生研機構の事業を根本的に変える重大な内容を持つ本法案は、本来ならば通常国会において十分な審議を行うべきものであります。
 以下、反対の理由を述べます。
 本法案に、これまで民間企業に対して研究の出融資のみを行っていた生研機構が、民間への研究委託を行うことは、企業の権益をより拡大するものであり、特定のバイオテクノロジー企業やエレクトロニクス企業への実質的な企業補助金を拡大し、知的所有権の優遇も図るものです。
 しかも、一括五十億円計上など、民間への研究費拡大の一方で、政府が直接責任を負っている国の試験研究機関は、定数減の一途をたどり、研究体制の充実が必要とされながら、対策はなおざりにされたままであります。
 また、提案されている研究テーマは、ウルグアイ・ラウンド農業合意の打撃を最も強く受ける中小農家にとって、緊急な施策とは到底言えないものであります。実用化が急がれる必要な技術、機械は、民間任せにするのではなく、本来国が責任を持って開発に取り組むべきであり、本法案に反対いたします。
#165
○中西委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#166
○中西委員長 これより採決に入ります。
 農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#167
○中西委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#168
○中西委員長 この際、本案に対し、松岡利勝君外三名から、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。鉢呂吉雄君。
#169
○鉢呂委員 私は、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけを代表して、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、農業の現場に直結する革新的な研究開発の促進に遺憾なきを期すべきである。
     記
 一 基本方針の策定及び研究開発課題の設定に当たっては、農業者、農業団体等現場のニーズ及び意見を的確に反映し、関連業界、学識経験者等幅広い分野の専門知識を十分に活用すること。
 二 研究開発の成果の現場への迅速な普及が図られるよう、協同農業普及事業、農業構造改善事業等の各種施策において積極的に対応すること。
 三 本法は、平成十二年三月三十一日までに廃止するものとなっているが、そのことによって研究開発及びその成果の普及に支障をきたすことのないよう十分に配慮すること。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#170
○中西委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 松岡利勝君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#171
○中西委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大河原農林水産大臣。
#172
○大河原国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
    ―――――――――――――
#173
○中西委員長 次に、農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 これより討論に入ります。討論の申し出がありますので、これを許します。藤田スミ君。
#174
○藤田委員 農業経営基盤強化促進法の一部改正案について、反対討論を行います。
 我が党は、十ヘクタールから二十ヘクタールもの経営規模を前提とした一部認定農家に農地を集積し、他方、その認定農家のために事実上の強制による農地を放出することによって多くの農業者が離農などに追い込まれるような差別と選別の新政策の仕組みについては、反対の立場を明らかにしてまいりました。
 この国の新政策の方針のもと、一昨年成立した農業経営基盤強化促進法は、都道府県が基本方針、市町村が育成すべき農業経営に関することなどの基本構想を策定し、市町村が認定した認定農家に対して、認定農家以外の農家の農地の利用権や所有権を集積することをその基本的仕組みとしております。
 今回の一部改正は、認定農家に対して、農地の利用権の集積ではなく、農地そのものの利用集積を促進するために新たに公有地の拡大の推進に関する法律の手法を持ち込んだものであり、これは、これまでの認定農家に対する農地集積手段を強化するものであり、到底賛成することはできません。
 農地保有合理化法人による買い入れ協議制は、農用地の所有者からの申し出が前提になっておりますが、実際は、市町村の基本構想の中での話になり、市町村や農地保有合理化法人の側から認定農業者の周辺の農地保有農民に対して、農地を手放す働きかけが強力に行われ、農地所有者の自主性がどれだけ担保できるかどうか問題が残る。特に、買い入れ協議制は、三週間の譲渡制限に違反したときは十万円の過料がかかる私権に対する制約を課しているものであり、その自主性が損なわれたときは認定農業者に対する農地集積が強制的なものになってしまうおそれがあります。
 このような買い取り協議制の問題点とともに、農村現場では、これ以上一部の農家に農地を集積していけば、過疎化が進行して、一体農村集落は成り立つのかという不安感が強く出されています。その危惧が現実の問題になっているとき、この点でも十分な集落単位の話し合いが必要なのであり、このような集落単位での話い合いを十分に行わず、買い取り協議制で農地の集中を進めることは極めて問題を残すことは明らかであります。
 以上、討論を終わります。
#175
○中西委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#176
○中西委員長 これより採決に入ります。
 農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#177
○中西委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#178
○中西委員長 この際、本案に対し、松岡利勝君外三名から、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。錦織淳君。
#179
○錦織委員 私は、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけを代表して、農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、農地流動化の促進に遺憾なきを期すべきである。
     記
 一 効率的かつ安定的な農業経営を速やかに育成するため、本法に基づく農業経営改善計画の認定が円滑かつ着実に行われるよう、市町村等に対する適切な助言、指導を行うこと。
 二 農地保有合理化法人の財務基盤を強化するための助成に当たっては、当該法人による農地の中間保有・再配分機能が十分発揮されるよう指導すること。
 三 農地保有合理化法人による買入協議制については、関係機関等との連携のもと望ましい担い手に対する効果的な農地利用の集積に資するよう、地域の実情に応じた必要な助言、指導を行うこと。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#180
○中西委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 松岡利勝君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#181
○中西委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大河原農林水産大臣。
#182
○大河原国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
    ―――――――――――――
#183
○中西委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました四法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#184
○中西委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#185
○中西委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十九分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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