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1995/02/07 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 文教委員会 第2号
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1995/02/07 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 文教委員会 第2号

#1
第132回国会 文教委員会 第2号
平成七年二月七日(火曜日)
    午後零時三十分開議
出席委員
  委員長 伊吹 文明君
   理事 小川  元君 理事 片岡 武司君
   理事 河村 建夫君 理事 石田 勝之君
   理事 藤村  修君 理事 船田  元君
   理事 輿石  東君 理事 中島 章夫君
      小野 晋也君    木村 義雄君
      岸田 文雄君    栗原 博久君
      斉藤斗志二君    林  幹雄君
      穂積 良行君    石田 美栄君
      古賀 正浩君    西  博義君
      西岡 武夫君    鳩山 邦夫君
      福島  豊君    福留 泰蔵君
      沢藤礼次郎君    嶋崎  譲君
      濱田 健一君    山原健二郎君
      牧野 聖修君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 与謝野 馨君
 出席政府委員
        文部大臣官房長 佐藤 禎一君
        文部大臣官房総
        務審議官    雨宮  忠君
        文部大臣官房文
        教施設部長   木村  直君
        文部省生涯学習
        局長      泊  龍雄君
        文部省初等中等
        教育局長    井上 孝美君
        文部省教育助成
        局長      遠山 耕平君
        文部省高等教育
        局長      吉田  茂君
        文部省学術国際
        局長      岡村  豊君
        文部省体育局長 小林 敬治君
 委員外の出席者
        自治大臣官房参
        事官      陶山 具史君
        文教委員会調査
        室長      長谷川善一君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月七日
辞任          補欠選任
  稲葉 大和君     林  幹雄君
同日
辞任          補欠選任
  林  幹雄君     稲葉 大和君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 文教行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○伊吹委員長 これより会議を開きます。
 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中島章夫君。
#3
○中島(章)委員 私は、先週お聞かせをいただきました文部大臣の所信に関連をして、その中でも、特に触れられました阪神大震災関連の質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、文教委員会、一月十七日のあの大地震で命を落とされました児童生徒あるいは教育関係者に、改めて深い哀悼の意を表する次第でございます。
 この今回の未曾有の地震というのは、我々の予想をはるかに超える規模でございましたし、関西には地震が少ないという我々の非常に安易な常識を吹き飛ばすような地域で起こりました。これは都市づくりとかあるいは交通政策、危機管理、教育の面におきましても、我々に根本的な反省を促す神のしわざではないか、こういう気もいたすわけでございます。このとうとい犠牲者をむだにしないためにも、今、私たちは教育の問題について基本的な考え方をする必要があろうと思っております。
 きょうは、限られた時間でございますので、こういう緊急時、これを一つの思考の出発点にしながら、今問われております教育の地方分権、あるいは学校の主体性というものをどのように伸ばしていったらいいのかという点に絞りまして、特に施設管理あるいはカリキュラム管理といったようなところに絞って幾つかの御質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、学校が今度いわゆる収容避難所という形で非常に大きな働きをいたしました。そのほかにも文部当局あるいは教育委員会関係者によりまして、大臣の所信の中にもございましたように、救急医療態勢とか学校給食、あるいは授業料の減免とか教科書等の学用品の給与、あるいは入試時期の繰り延べ等々の非常に緊急な対応をなされたということは大変評価をしたいと思っております。そのうちでも、一つ最初に伺っておきたいのでございますが、収容避難所という形で多くの住民を学校が受け入れました。その家を離れた被災者が全体の被災者の中に占める割合というんでしょうか、これについてまずどれぐらいになっているのかということを大臣ひとつお願いをいたします。
#4
○木村(直)政府委員 このたびの地震による避難所となっています小中学校数及び避難者数は、兵庫県の報告によりますと、二月六日現在で三百七十七校、約十五万二千人が小中高校へ避難しておりまして、避難者数全体に占める小中学校に避難している人の割合は約六割という数になっております。
#5
○中島(章)委員 今お答えをいただきましたように、被災者全体の数が四十万とか三十万とかいろいろ言われてまいりましたが、その時々見ておりますと、今お答えがありましたように、五割を超える、六割という被災者がやはり学校を頼りにしてやってきて、そこにしばらく避難をするということは極めて私は重く受けとめる必要がある、こういうふうに思っております。
 これに関連をいたしまして、こういう地域のセンターといたしましての学校というのは、これから、少し話が飛ぶようでありますけれども、二十一世紀に向けて学校の五日制ということもさらに動いてまいると思いますが、そういうときに、学校施設そのものがやはり地域のセンターとしての住民のそういう期待を担うという必要が私はあるのではないかという気がいたします。例えば集会所でありますとか、あるいは週末の親子の活動の場所であるとか、あるいは場合によっては図書館の機能であるとか、給食についてあるいは老人に給食をというような、さまざまなことが言われてきておりますが、こういう施設のあり方、これから改修をする、あるいは学校をつくっていくというような場合に、そういう地域のセンター、教育機関としての学校というのはよくわかっているのですが、それに加えて地域のセンターとしての機能が含まれているべきではないかという気がいたします。その点について、学校管理のほかにも、例えば週末この地域に学校を開放する、そうするとそれはだれが管理するのか、学校の先生に頼むのか、あるいは社会教育の人たちに頼むのか、あるいはボランティアに任せるのか、こういった学校の施設を教育機関としてではなく地域のセンターとしてあらかじめ用意をしておくという必要性があると思うのですが、学校教育及び社会教育の両面からどういうふうに考えておられるか、伺いたいと思います。
#6
○遠山政府委員 お答え申し上げます。
 先生おっしゃられるように、学校はコミュニティーの中核としての役割を持っておりますので、学校教育に使われるだけではなくて、いろいろ社会教育なりスポーツなりの中核として整備をされていくべきだと思います。文部省でも、その線に沿いまして、いろいろなクラブハウスの整備でございますとか、学校にそういういろいろな附帯的な役割を果たさせ得るようなそういう施設を整備する際に補助を行っているところでございます。
 また、学校の施設は学校教育上支障がない範囲内で目的外に使用できますので、学校開放ということを文部省としましては積極的に推進をしておりまして、これも後で話が出るかもしれませんけれども、学校管理というのは教育委員会規則等で校長に委任されているのが通常なわけでございますけれども、学校開放の場合に、そうしますとどうしても校長先生の管理責任が問われるということで、校長先生の方で消極的になるという傾向もございますので、学校開放等をやる場合には教育委員会がみずから責任を持って管理責任を負い、積極的に実施をすべきだ、こんなことで指導しているところでございます。
#7
○中島(章)委員 今の一般的なお答えではわかるのですが、実際に、例えば週末に学校施設をあるグループが借りたいとかというときに、校長に申し出るのか、あるいは学校のその他の教員に申し出るのか、教育委員会に申し出るのか、市民の立場としてはどこだと理解をしておいたらよろしいのでしょうか。これは地域によっても違うのだろうとは思いますが。
#8
○遠山政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、通常の場合には、学校施設の管理につきましては、財産管理上の観点から、学校管理規則あるいは教育財産管理規則等によりまして、直接施設を管理しております校長先生に委任をされているわけでございますので、通常は校長先生なりに申し出てその使用の許可を得るということになろうかと思います。ただ、市町村の方で積極的に、うちの市町村は学校開放をするんだというような場合には、市町村の方で受け付け窓口を設けまして、そこで学校開放のために利用を受け付けるというようなことをやっておるかと思います。
#9
○中島(章)委員 そういう意味で、今後、学校施設を地域に、特に学校だけが地域と離れてということでは子供の教育上十分ではない、特に学校の五日制が近づいてまいりますと、私はこの委員会でも既に提案をいたしておりますが、カリキュラム改革をする必要もあるし、学校五日制ということになると、地域とそれから家庭にどういう役割を持ってもらうかということが極めて大事になりますので、そういう際に土、日を、例えば学校を使うということになりますと、やはりグループで使うようなときにはあらかじめ予定をして使うものですから、その辺は教育委員会でできるだけきちんと窓口を明確にして使えるように、市民にとってわかりやすいように、土、日になって連絡したが学校側がいないということのないように、ぜひひとつ今後とも各教育委員会等の御指導をいただきたいと思います。
 なお、今回の大地震のように、緊急時というのは、どういうふうに市民の学校施設の利用を許していくという筋道になるのでありましょうか。その点についてお答えください。
#10
○遠山政府委員 非常災害時におきます避難所として使用する場合につきましては、教育委員会規則等に基づいて使用するわけではございませんで、この場合には災害対策基本法に基づきまして、知事なりあるいは市町村長の調整のもとに、被災者の救難ですとか保護とかということについて的確かつ円滑な措置を講ずることが必要であるということの観点から、学校の施設を地域防災計画等におきましてあらかじめ避難場所として設定するとかというようなことで使用しているわけでございます。
#11
○中島(章)委員 若干話題を変えまして、実は、被災地で児童生徒の生徒減、つまり疎開をしてしまったとかということで生徒減ということが起こって、四月から五月一日、四月いっぱいですか、定数減になるのではないかという心配の向きもあるように思いますが、それはさておきまして、むしろこういうときは、教育委員会の判断によりまして、施設がまだ十分使えるというようなところ、あるいは交通の面でも、ウオーキングディスタンスにはないかもしれませんが、少し配慮をすれば十分通学ができるとか、そういうところへ生徒とか教員をシフトして持っていくとか、教育委員会内部ではかなり自由にやれるはずだと思っておるのですが、それをさらに他の教育委員会との連携というようなことをどういうふうにやっているのか、その点について伺いたいと思います。
#12
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 今回のように被災地域の学校が被災住民の避難所として提供される場合には、住民生活の安定を基本に置きつつ、児童生徒の安全確保や学習場所の確保などを図りまして、学校における教育活動の円滑な実施に努めることが重要であると考えているところでございます。
 今回の兵庫県南部地震の被災地域の学校につきましては、先生がおっしゃるように、自校だけでの再開が難しい場合には他校あるいは他の施設の利用や二部授業等の工夫も行いながら授業再開が進められているところでありまして、また、休校中の学校におきましても、例えば定期的に児童生徒を登校させ、いろいろな注意を与えたり、学習活動を行わせるなど、学校教育活動の再開に向け取り組みが行われているところでございます。
 文部省といたしましては、このような取り組みなどによりまして、学校における教育活動ができるだけ円滑に実施されるよう、今後とも、必要に応じて教育委員会の御要望等を十分に踏まえながら御相談をし、指導していきたい、このように考えているところでございます。
#13
○中島(章)委員 今の件は若干確認をさせていただきたいのですが、例えば臨時に生徒数が、四十人でやっているのだけれども五十人というような形でそのクラスがふえたり、あるいは教員を実際にそこへ二、三カ月場合によっては移すということも考えられるわけですか。
#14
○遠山政府委員 今回の地震によって、自分が通学している学校で勉強できないということで別の学校に通学するということになった場合に、そのときに一学級の児童生徒数が若干オーバーするということも一時的な措置としては認められることだと思います。
#15
○中島(章)委員 教員は。
#16
○遠山政府委員 教員の配置でございますか。――それは、一応教員の所属は決まっておりますので、臨時的に別の学校に手伝いに行くといいますか、そういう形になろうかと思います。
#17
○中島(章)委員 関連をいたしまして、大臣の所信にもございましたが、二日現在でも二万人を超える児童生徒が他府県に転入学をしているということでございます。実は、私が住んでおります鎌倉市におきましても、先週問うてみましたら十七人ばかり来ているのですが、圧倒的多数の十六人が小学生で、中学一年生が一人という割合だそうであります。
 これは一カ月以上、今回もう激甚震災でありますので、長期にわたる場合が出てまいります。そういう際に、指導要録上の扱いはどういうふうに考えておられますか。
#18
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 阪神地域から他地域へ一時疎開しております児童生徒数は、二月六日現在、幼稚園九百八十三人、小学校一万八千三百二十六人、中学校二千五百九十三人、高等学校百八十四人、特殊教育諸学校三十四人でございまして、合計二万二千百二十人となっております。
 児童生徒が転学した場合におきましては、先生御案内のとおり、校長は指導要録の写しを転学先の学校へ送付しなければならないことになっております。しかしながら、被災地におきましては、指導要録の写しの作成が極めて困難な学校があると考えられます。このため、学校の状況によりましては必ずしも指導要録を直ちに送付する必要はなく、いずれ状況が落ちついた段階で写しを作成、送付していただければよいと考えております。
 被災地域からの児童生徒を受け入れた学校におきましては、通常の転入学と同様、直ちに当該児童生徒の指導要録を作成する必要があることは、先生御案内のとおりでございます。
 いずれにいたしましても、今回の震災の深刻さを考慮いたしまして弾力的に運用していきたいと考えております。
#19
○中島(章)委員 今お話がありましたように、いわゆる疎開というのでしょうか、他府県へ参りました子供、圧倒的に小学生が多いのですね。中学生とか高校生は、やはり受験勉強という非常に重いおもしがかかっていると思います。私は、この件につきましては、中高というところがかなり厳しさを持つという必要はいつの時代にもあるわけですが、ただ、これだけの体験というのか、神が与えたまうた体験だと私は思うのですが、これは子供は生涯忘れないと思います。ここで物すごくいろいろなことを考えているはずでございます。これを四角四面の今受験勉強的なところへ何とか形どおり引き戻そう、それは行政としては大事なポイントではありますが、評価の点におきまして、今の指導要録も一つでありますけれども、これから公立高校、特に中学生については公立高校あるいは私立高校の入試がございますが、この場合に、ほかの家屋の倒壊等がなかったところの生徒に比べて私は不利になってくると思います。だから、この点をもう少し評価を、震災活動時の評価であるとか、いわゆるほかの関係のなかった子供と比較をして不利にならないような、そういう配慮というものができないものか、その点について伺いたいと思います。
#20
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 先生お話がございましたように、これから高校入試が本格化するわけでございまして、被災地域の高校受験生が不利な取り扱いにならないように十分配慮していただくよう、既に文部省といたしましては各都道府県教育委員会に要請をいたしておるところでございます。
 それに対しまして、各都道府県教育委員会では種々の配慮を現在講じていただいておるところでございまして、例えば、特別に定員枠を設定するなど、収容定員を超えた受け入れなどについての配慮をすることを決めている県が三十一県あるわけでございます。また、出願期間の延長などについての弾力的対応が三十五県、提出書類等の簡素化等、手続についての弾力的対応が三十七県でございまして、特別の受験機会を設けるなどの弾力的対応を予定している県が十五県、また、その他入学希望者がある場合には弾力的に対応する県が七県というのが公立高校の現在の取り組みでございます。
 また、私立高校につきましては、二月六日現在で、二十七都道府県の私立高等学校におきまして、出願期間の延長、調査書等出願書類の弾力的取り扱い、二次募集等の実施、また特別枠の設定など配慮を行った、もしくは行うこととしている旨の報告があるところでございまして、特に被災地域の高校受験生について、先ほども申し上げましたように、不利にならないような扱いを現在お願いしているところでございます。
#21
○中島(章)委員 ありがとうございます。質問を終わります。
#22
○伊吹委員長 これにて中島章夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、輿石東君。
#23
○輿石委員 私も、今回の兵庫県南部地震で亡くなられた方々、また御遺族の皆さんに深く哀悼の意を表したいと思うわけであります。
 先日、三日の本委員会における大臣所信に先立ちまして、大臣から今回の地震の被害状況並びに今日までに取り組まれた文部省としての緊急対策等も明らかにしていただいたわけですけれども、そこでも明らかになりましたし、先ほど中島委員の方からもお話がありました今回の被災者三十万人とも言われるうち、学校等の教育施設に約十五万二千人、半数を上回る人々が避難をされた。そしてきょう、地震発生から二十二日目を迎えた現在でもなおそういう状況にあるという状況も明らかになったわけですけれども、この間、学校では教職員が中心となって不眠不休の救援活動に従事しているということも御報告をいただいたところであります。
 最初に大臣に、このように今回の地震災害では学校を中心とする文教施設が避難場所として使われ、教職員が精力的に不眠不休の救援活動に当たっている、これらの教職員の対応についてまずどんな感想を持っておられるのか、お尋ねをしたいというふうに思います。
#24
○与謝野国務大臣 私も実際に、住民の方が避難されている高校に行ってまいりました。まさに校長先生を先頭に、全教職員が打って一丸となって住民のお世話をしておられました。また、同校に所属する学生も、例えば、いわばその学校に避難されている方の住民登録をする係を交代でされておられましたし、また、いろいろな連絡があることに関しまして、やはり高校生が一部屋設けて外部と住民との連絡に当たっておられましたし、また、一つの教室では、医務室を特別に設けてお医者様あるいは看護婦さんが住民のお世話をされておられましたし、また、外部からたくさんのボランティアの方が入ってきておられまして住民のお世話をしている姿を見まして、学校の先生を初めとした皆様方が住民生活の安定のために日夜献身をされているその姿を見まして、私は大変感動したわけでございます。
#25
○輿石委員 先生方が中心に住民の皆さんの避難のお世話をしている姿に大臣も感動をしておられるというようなお話もあって、教育は人にあり、とかく教師の批判もあるわけですけれども、そんなお話を聞きますと、ほっとする思いもするわけであります。
 また今後とも、こういうような災害の事態におきましては、学校を中心に文教施設が避難場所として使われることが考えられますし、いや応なしに学校が地域住民の避難場所となり災害拠点となることは、今回の災害でも明らかになったというふうに思うわけであります。
 こうした事態になりますと、学校は、そして教職員はどのように対応すればよいかという問題がここに出てくる。いぎというときにすぐ動けるような体制、そういうシステムを考えていかなければならないのではないかなというふうに痛感するわけですけれども、そうした場合の教職員のための救援活動のマニュアルみたいなものが必要になってくるんだろうと思うわけですけれども、大臣、その点について、そういうものが必要かどうか。
 また、さらにもう一つ、学校を避難場所として考えることがむしろ常識というような状況になりつつあるわけですから、そういう現実を踏まえますと、防災機能を備えた学校施設という発想で、学校もこれからの災害に耐え得るような施設でなければならないし、そうした施設設備の設置に当たっては、指針の見直し等も含めて考えるべきではないかというふうに思うわけですけれども、その点について大臣のお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
#26
○与謝野国務大臣 学校を初めとした教育施設は、比較的今回の地震に強かったのではないかという印象を私は持っております。もちろん古い学校で使えなくなったところも七十四ぐらいございますけれども、その後住民の避難施設として使われているということを見ましても、比較的地震に強かったということが言えるのではないかと思います。
 そこで、いざ地震が来ましたときに学校の教職員はどう対応するか、こういうことでございますが、一つは、児童生徒が学校にいるうちに地震が起きた場合、あるいは、先生が今御指摘になられましたように、地震の後こういうところがいわば防災拠点と申しますか避難場所として使われるような場合、これらのマニュアルを一体どうするか、こういうことでございますが、当然そういうものは必要になってくるんだろう。
 私は、文部省の事務当局には、今回の一連のことの記録は将来のマニュアルづくりのためにぜひ詳細に、文部省がどういう行動をとったか、あるいは兵庫県教育委員会あるいは神戸市の教育委員会がどういう指示を出したか、あるいは各学校において教職員がどういう活動をしたか、こういう記録はどうしても後のために残し、その記録からやはりいろいろな今後の教訓あるいは行動の指針というものを学ぶべきだと思っております。
 また先生御指摘のように、より地震に強い耐震性を持った校舎にするべきだという御示唆だろうと思いますが、そういう技術的なことを含めて今後検討していくべき課題だと思いますし、東京都などは、一部学校施設において食糧の確保あるいは飲料水の確保等も学校の校庭等で行っておりますので、もろもろ、いろいろなことを参考にしながら今後の指針を生み出すべきだと思っております。
#27
○輿石委員 学校の施設一つをとらえてみましても、先ほど中島委員の質問の中にもありました学校五日制も踏まえるという状況の中で、単に教育施設機関としての学校というとらえ方よりも、コミュニティー、その地域のセンターとしての役割、そういう面はますます重要視されてこなければならないと思います。また、けさの新聞等の報道によりますと、政府でも震度七を想定した防災基本計画も設定をするというような閣議での話し合いもあったようですから、文部大臣、ぜひそういう方向で、これからの文教施設も住民の皆さんの期待にこたえられるようなもの、そういうものを志向していっていただきたい、こう思うわけであります。
 次に、被災をした子供たちの問題について何点がお尋ねをしてまいりたいと思うわけですけれども、今回の災害により被災した子供たち、児童生徒に対する就学援助の問題について若干お尋ねをしていきたいわけです。
 最初に、この前回の文教委員会での実情報告の中にもありましたように、いまだ被災地の小学校から高校までは百六十八校ぐらい休校をしているというような二日現在の状況にあるわけであります。そして、先ほどお話もありましたように、大阪府へ五千五百八十一人ですか、子供たちが出ていっている。全国四十七都道府県に二万人以上の子供が転入学をしていっているという状況があるわけですが、こうした被災をした児童生徒を受け入れる市町村では、就学援助費の国庫補助制度に基づいて援助を行った場合、この市町村設置者が二分の一、国が二分の一という状況で支援をしていると思うわけですけれども、そうした場合に、国として十分な財源措置を講ずる用意があるのかどうか、その辺の実態についてお答えをいただきたいというふうに思います。
#28
○遠山政府委員 お答え申し上げます。
 兵庫県南部地震で被災しました児童生徒に対する就学援助の認定、それから学用品、給食費等の支給につきましては、可能な限り早急かつ弾力的な対応を行うよう各都道府県教育委員会を通じまして市町村教育委員会を指導したところでございます。
 具体的に申し上げますと、就学援助は通常は要保護それから準要保護の児童生徒に支給されるわけでございますが、被災した児童生徒につきましては、申請した人全員に支給する。それからもう一つは、弾力的な対応でございますが、新入学児童生徒学用品費と申しますと、小学校一年生あるいは中学校一年生に対してだけ支給されるわけでございますが、それも中学二年、三年あるいは小学校の二年から六年についてもそういう経費を支給する、このような弾力的な措置をとるように都道府県を通じて市町村に指導したところでございます。
 そして、今回の地震によりまして就学援助の金額がふえるわけでございますが、それにつきましては関係の省庁と相談しながら万全を期してまいりたいと思います。
#29
○輿石委員 弾力的な運用で、被災をした子供たちにはそうした方向で支援をするという答弁があったわけですけれども、今年度、平成六年度予算でこの救援、就学援助等の国の補助金といいますか、予算はどのくらいあるわけですか。
#30
○遠山政府委員 合計で約百六十億円でございます。
#31
○輿石委員 これは被災した子供たちの数や救援の仕方にもよりますけれども、今回のこの被災をした児童生徒に対する金額としてどのくらいの予算がかかりそうか、その辺は推計で結構ですから。
#32
○遠山政府委員 現在精査中で、確たるところはまだわかりませんけれども、上限として大体三万人くらいじゃないかと思いますので、そうすると五億から十億の間になるのではないかというぐあいに考えております。
#33
○輿石委員 ぜひ、親を亡くし、また住みなれた学校や友達から離れていった被災した子供たちに、五億から十億、そういうお金で解決できるものではないでしょう。心の痛みも含めて、金で解決できる問題ではないとしても、ぜひ十分な措置をしていただきたいというふうに思います。
 なお、この制度は御承知のように、義務制公立小中学校が補助対象というふうに理解をするわけですけれども、幼稚園と高校の、高校は特に九七%の進学率という状況であれば、ほとんど全員中学から高校へ進学をしているという実態もあるわけであります。そうした状況を踏まえて、被災地の幼稚園の幼児それから高校へ進学している生徒についても所要の援助措置が必要と考えますけれども、文部省はどのような対応を講じるつもりがあるのか、その点についてお尋ねをしたいというように思います。
#34
○遠山政府委員 先生御承知のように、就学援助制度というのは義務教育の円滑な実施を目的とするものでございまして、幼稚園の園児ですとか高等学校の生徒につきましてはその対象になっていないわけでございまして、したがって、就学奨励費を幼稚園の園児やあるいは高等学校の生徒に支給することは、現在の制度では困難でございます。文部省としましては、就学に必要な学用品の確保につきまして、関係団体に協力を要請するとともに、全国の児童生徒に呼びかけまして自発的な支援協力を各都道府県教育委員会を通じて要請をしているところでございまして、既に幼稚園、高等学校を含めまして学用品の供給が行われているところでございます。
 また、今回の地震によりまして、授業料等の負担が困難になった公立の幼稚園の園児それから高等学校の生徒につきましては、授業料の減免措置について各都道府県の教育委員会に要請をしているところでございます。またさらに、緊急に奨学金の必要性が生じました高等学校の生徒に対しましては、日本育英会の奨学金を適宜受け付けて、採用基準についても弾力的に適用することとしております。
#35
○輿石委員 この事柄の性質上、就学奨励費という形で、義務制に限ってという法律の適用対象範囲があるわけですけれども、何とかして幼稚園や高校の、繰り返しになりますけれども、被災した幼児や生徒にもそういう温かい国の施策を、手を差し伸べるというのが当然だろうというふうに思うわけであります。学用品等については関係団体からもそういう要請をし、それなりの取り組みがされているというようなお話もありました。
 私もこの土、日に、山梨ですから、山梨へ帰りました。そうしたら、先生方が四泊五日あるいは五泊六日で、自分の車へ食糧を積んで、寝袋を持って、そしてボランティア隊を三人一組で組んで、もう疲れ切った神戸市の市役所の皆さんや学校の現場の先生方を何とか手助けをしよう、そんな取り組みもされているわけですね。そこへ子供たちも、先生、一緒に私の学用品も、こういうものも持っていってくれ、そんな動きもあるわけであります。
 こういう悲しい出来事をばねに、やはり受験地獄、受験戦争、一方ではいじめという、かなり学校の中には問題も多いわけですけれども、こういう機会にすばらしい子供たちや教職員もいることを私どもは改めて認識しなければならないし、それに応じた国の手だてというものも同時に考えていかなければならないというふうに思いますので、今後、文部大臣、ぜひそういう方向を関係省庁にもなお一層働きかけていただきたいというふうに思うわけであります。その点について、大臣、いかがですか。
#36
○与謝野国務大臣 五千人以上の方が命をなくされるという大変な震災でございましたし、多くの財産的な損失も発生をいたしました。そして、この五千人以上の方が命をなくされたということについて、大変悲しい出来事だと思いますが、その方々の死をむだにしないためにも、やはりこういうものから多くのものを学び取らなければならないと思いますし、児童生徒にとっては予期せぬことではございますが、こういうことを通じまして、人が困難に陥ったときにどう自分が行動するかとか、そういういろいろなことを私は学び取っていただきたいと思いますし、先生方におかれましても、ぜひそういう児童生徒のよきところを伸ばすように御指導をしていただきたいと考えております。
#37
○輿石委員 先ほど遠山局長の方で、幼稚園、高校については対象外なのでなかなか困難な状況である、こういうお話は繰り返しありましたので、そう認識はするわけですが、お話の中に、授業料の減免措置等はもう既にやっておるというようなお話もあったわけで、これは各都道府県なり市町村で、一般財源の交付税措置という形で、その中から行われるという状況だろうと思うわけですけれども、それはやはりあれでしょうか、その各都道府県に文部省として徹底方を指導をしていくというような用意はありますか。どんな取り組みをこれまでされてきているのか、その確認等、どのようになっておりますか。
#38
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 公立の幼稚園、高等学校の授業料の減免措置につきましては、既に私どもの方から各都道府県に対しまして通知を差し上げまして、その減免措置を講ずるようお願いしたところでございまして、先生お話がございました財源措置につきましても、現在、地方財政当局の方でその財源措置について講じていただくように私どもとしてはお願いをし、またいずれ地方財政当局の方でそれらについて適切な対応をしていただくように、現在文部省としてお願いをしているところでございます。
#39
○輿石委員 ぜひ各都道府県、市町村にわたって、徹底方をお願いしたいというふうに思います。
 もう一点、私立学校関係の問題についてお尋ねをしたいと思うわけですけれども、私立学校の施設の災害復旧費等については既に予算委員会等でも取り上げられまして、その補助率のかさ上げ等が大臣からも御答弁があったように記憶をしているわけですけれども、被災した私立学校施設の災害復旧費と、それから被災生徒等の就学援助についても国の助成措置が必要というふうに考えるわけですけれども、その具体策等がありましたら明らかにしていただきたいというように思います。
#40
○与謝野国務大臣 今回の地震によりまして相当数の私立学校が被害を受けておりますことは、先生御承知のとおりでございます。特に被害の大きかった神戸市、芦屋市、西宮市などの一部の学校では、校舎の崩壊等深刻な被害の状況になっております。これらの私立学校施設の災害復旧につきましては、今回の地震が激甚災害に指定されたことに伴い、復旧に要する工事費等について、国がその二分の一を補助することができることとされております。そして、残りの二分の一については、日本私学振興財団において長期低利の貸し付け、すなわち、貸付金利四・一五%、貸付期間二十五年ということの対象になっております。
 私どもとしては、私学もまた国民に教育の場を提供しておりますから、できるだけのことをいたしたいということで、現在、財政当局と真剣な交渉に入っております。おりますが、激甚災害指定ということで、ある種の横並びという問題もございまして、一体今後どういうふうにして私学を援助していくのかということは、今後の財政当局との交渉あるいは被害状況の実態の把握等にかかってくるのだろうと思っております。
 被災生徒等に対する就学援助については、就学援助の認定について、可能な限り弾力的な配慮を行うとともに、日本育英会の奨学金貸与事業においても緊急に採用を行う措置を講じたところでございます。
 文部省としては、被害状況の把握に全力を挙げ、一刻も早い学校教育活動の回復に向けて、適切かつ迅速な対応をとるよう最大限の努力をさせていただきたいと考えております。
#41
○輿石委員 今大臣から、被災した生徒の就学援助について、その認定等についても弾力的にというお話があったわけですけれども、その認定の基準というようなものを若干教えていただきたいというように思います。
#42
○遠山政府委員 就学援助の基準でございますが、要保護児童生徒というのは、生活保護を受けている家庭の児童生徒でございます。それから、準要保護児童生徒というのは、要保護ではないけれども要保護に準ずる程度に生活が困窮している家庭の児童生徒ということで、実際の認定は各市町村に任されております。
#43
○輿石委員 私がお尋ねした趣旨は、要保護、準要保護の家庭というそういうことは承知をしているわけでありまして、それは裏を返せば、経済的理由でもって就学が困難という者を対象にこういう援助をするということは当然なことでありますけれども、弾力的な運用をということですから、この際、私立にあっても公立と同様、どこで学ぼうとその生徒児童にとっては同じ立場にあるわけですから、そういう意味で、大臣にお答えをいただきましたように財政当局とも今後詰めていただいて、私どもの趣旨が通るような状況で打開を図っていただければありがたいというふうに思います。
 時間が来ました。最後になりましたけれども、一昨日の読売新聞に、芦屋市の小学校の一年担任の植松先生が、みずからも中学三年の子供を亡くしてしまった、しかしその悲しさを越えて、もう二日目から自分の勤務校である避難場所となっている小学校でもう昼夜を分かたず奮闘をする。それを見ていた一年生の子供たちが、植松先生元気を出して、頑張って、そんな小さな子供たちの心のエールにこたえながら頑張っているのだ、子供たちと真正面に対面しているときつらさも忘れる、そんな記事が大きく、まあ大臣も見ていただいたかとも思うわけですけれども、こんなふうにみんな、教育現場も地域もこぞって全力で打開に向けて頑張っている姿、これをひとつ我々はばねにしてこれからの我が国の教育も考えてまいりたいというふうに思うわけであります。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#44
○伊吹委員長 輿石東君の質疑は以上をもって終了いたしました。
 次に、河村建夫君。
#45
○河村(建)委員 今回の阪神大震災、五千名を超える死者があったということでございます。大変な震災になったわけでありますし、学校関係等だけでも、児童生徒が四百五十名、それから教職員の先生方三十一名の犠牲が出た。教育文教施設等関係でも四千三百八十九件の大被災があったというふうに聞いているわけでありまして、私も心から哀悼の意を表し、また被災された方々にお見舞いを申し上げる次第であります。
 私も震災対策等から質問に入ってまいりたいと思うわけでありますが、先ほどの御質問等でかなり重複した面もありますので、できるだけ重複は避けながらと思っております。
 大震災からもう二十日余りたちまして、テレビ等マスコミ等によりましても、ようやく子供たちにも笑顔、学校へ行って子供たちに会ったりして笑顔が戻ってきた。そのようなテレビ等を見ましてほっと救いがあるなという感じがしておるわけでございますが、しかし、今なおまた学校に戻れないといいますか、休校の状態がたくさんあるわけでございます。我々教育行政にともに携わる者としては、今の時点におきましては、先ほど文部大臣の御答弁にもありましたが、学校教育の再開に向けて全力を尽くしていくということではないかと思っておるわけでございます。
 いろいろな情報があるわけでありますが、現時点で休校中の小中高三百校余り、こう言われておりますが、現時点どのくらいの状況なのか。それから、教育現場にいない児童生徒あるいは先生、戻れない状況、どのくらい今おられるのか、まずお聞きをしたいと思います。
#46
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 被災地域の多くの学校におきましては、地震発生直後から休校措置がとられまして、兵庫県内の小中高等学校の休校は、地震発生翌日の一月十八日には六百校を超えていたわけでございますが、その後徐々に関係者の御努力により授業が再開されてきておりまして、二月六日現在、昨日現在で公私立の小中高等学校の休校は約百十校でございまして、その児童生徒数は約七万人となっているところでございます。
 学校の先生方につきましては、それぞれの学校で、先ほどからお話がございますように、避難所として学校が利用されている場合にはそれぞれ先生方がそれらのお世話をするというような活動をしていただいておりますし、また授業再開に伴いましてそれぞれの所属する学校におきまして児童生徒に対する教育活動に従事しているという状況でございます。
#47
○河村(建)委員 学校教育の再開の条件をできるだけ早く整えていくということが当面の急務であるというふうに思っておるわけでありまして、きのうもテレビを見ておりましたら、テントの中で子供たちが授業といいますか集まっておりまして、風が吹くともう資料が全部飛んでしまうようなところでやっている状況もありました。今からちょうど一番寒いときに入るわけでありますが、まず、休校で、もう校舎そのものが使えなくなった学校のいわゆる仮設校舎、これが急がれると思うわけであります。私は、これはまず国が責任を持って早く建てていくということが必要ではないか、こう思っておるわけでありますが、この点について、まず、どういうふうな指導をされているかということが一点。
 それからあわせて、先ほど来もお話が出ましたが、学校施設というものが地域の防災センター的な役割を果たしたということが今回はっきりしてきたわけでありまして、そういう観点からしますと、改めて全国の学校建築物については、危険校舎等の問題もあるわけでありますので、この際、耐震、防火、防災の観点から全部見直して、特に危険校舎的なものは早急に手を入れるとかという対策がとられる必要があるのではないか。これは学校の再開と付随しての問題でありますけれども、まず学校の再開の問題は、仮校舎の建設の促進という問題。
 それから、先ほどお話しのように、避難所になっている学校、先生方もそこへ全部張りついておられるという状況にあるので、私は、もちろん学校に避難民がおられるわけでありますから、先生としてはそれをほっておくというわけにいかないという現状はあると思うのです。しかし、先生は、それもさることながら、子供たちの授業にできるだけ早くついていただく必要があるわけで、私は先生方にとってはこの辺が大変な負担になっておるのではないかと思うのです。
 だから、いわゆる避難民の対応については、全国から早くもっと人を、応援団体を頼むとかなんとかということで切り抜けていただく態勢をつくっていただく。もちろん、現場でも早く避難民の皆さん方には仮設住宅へ移っていただいて自立していただくということを話し合っておるそうでありますが、先生方に早く現場に戻っていただく。しかし、家がないというような問題があろうと思うのでありますが、先生方も避難民だという状況がある。そういう先生方はやはり早く、先生だけ特別というわけにはいかない面もあるかもわかりませんが、私はやはり先生は子供たちと一緒になって早く教育現場に戻っていただく措置ということはやらなければいかぬと思っておるわけでありまして、この点についてどのような措置といいますか、対応をしておられるか。
#48
○遠山政府委員 お答え申し上げます。
 まず、仮設校舎でございますが、仮設校舎をつくるか、それとも既存の学校の校舎をそのまま使うかということは、その学校とそれから教育委員会とよく相談をして決められるわけでございます。現在、その学校の校舎の中に避難されている住民がおられる場合には、その方が仮設の住宅に入っていただく等、実際に校舎で授業ができるようになるかどうかが休校をやめて授業を始められるかどうかのかぎになると思うわけでございます。
 それで、ともかく市町村の教育委員会の方で仮設校舎をつくるということを決めていただければ、私どもの方としては、従来から校舎の復旧までの間必要となる仮校舎ということで補助の対象にしているところでございます。今回もそのように対応していきたいと考えております。
 それから、安全点検の話でございますが、今回の地震で、これは現時点で約三千二十枚くらい公立学校で被害を受けたわけでございますので、被災地域のこれらの施設については、倒壊するとかあるいは落下物によって二次災害が生ずるということも懸念されるわけでございますので、早急に安全点検を行うように、被害を受けた学校の設置者に対して指導をしたところでございます。
 ただ、数が非常に多いので、学校の設置者で対応できないという場合もございます。県の方から要請がありましたので、文部省の方でも各都道府県の協力を得まして、一月二十七日から技術職員の派遣を行いまして、校舎の安全点検を行ったところでございます。
#49
○河村(建)委員 いずれにしても、県の方との連携ということになろうと思います。こういう緊急事態でありますから、ともかく早く対応をしろ、財源等については国が責任を持つ、そのくらいの形で仮校舎なりあるいは現実に使えるものは使っていくというような対応をしっかりやっていただきたいと私は思います。
 それから、教職員の先生方の早期現場復帰の問題、御答弁ありませんでしたが、これもぜひ急いでいただく必要があるし、万全を期していただく必要があろうというふうに思います。
 それから、入試の対応の問題については、先ほど質疑、答弁があったわけでありますが、ともかく受験機会を失わせてはならぬということであると思います。負傷者もおられるわけでありまして、動けないという人は、これはどうにもならぬのかもしれませんが、そういう方々への配慮とかあるいは受験料の問題の心配等々あるいは入学金の先の心配があるとか奨学金の問題とか、そういうことの温かい気配りが当然あってしかるべきだと私は思いますが、この辺についても対応はされておるのでしょうか。
#50
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 先生お話がございましたように、これから本格化する高校入試が円滑に実施されますように、被災した生徒の受験の機会が確保されるよう、受験生に対する配慮を行うことは大切なことであるというように認識をしているわけでございます。
 このため、先ほども御答弁申し上げましたが、文部省といたしましては、兵庫県も含めまして全国の都道府県教育委員会に対しまして、高校入試における配慮につきまして、出願期間や提出書類の取り扱いについての弾力的な対応を求めますとともに、特別の受験機会の確保やあるいは収容定員を超えた受け入れなど、可能な限りの対応を検討するように要請したところでございます。この結果、すべての都道府県におきまして、被災いたしました生徒につきまして配慮を行うことどしております。
 具体的な措置につきましては、二月六日現在で特別の受験機会を設けるなどについての弾力的対応が十五府県、出願書類の延長などについての弾力的対応が三十五府県、提出書類等の簡素化など手続についての弾力的対応が三十七都府県で見られるところでございます。特に兵庫県におきましては、昨日、学力検査に関する出願期間等を再延長することや、学力検査開始時間をおくらせたり、あるいは出願や受験場所について弾力的に対応することといたしたところでございまして、受験できなかった生徒に対しては特別の受験機会を設けるなどの配慮を行うことを決定したところでございます。
 また、私立高等学校につきましても、受験生の状況に応じた配慮を行うこととしている学校が全国で見られるところでありますが、兵庫県内の高等学校におきましても入試日程を十日以上延期するなどの措置を講じたところでございます。
 文部省といたしましては、被災した生徒が選抜に当たり不利益をこうむることがないよう、引き続き各都道府県における弾力的対応や円滑な受け入れにつきまして、各都道府県の取り組みを促してまいりたいというように考えているところでございます。
#51
○河村(建)委員 その点についてはできるだけの配慮をしていただいて、受験機会を失するということのないようにぜひお願いしたいと思います。
 それから、今回の震災で一番大きな打撃を受けておるのは私学であります。もちろん、すべてのものが被災を受けたわけでありますが、私学の場合、再建という問題がこれからの大きな課題になってきておるというふうに私は思うわけでございます。先ほど輿石委員の方からの御質問等もあったわけでありまして、激甚災害指定の場合には国が二分の一ということが決まっておるわけであります。ただ、これは一般の公立学校は三分の二、私立は二分の一、こういう形になっておるわけでありますが、今回のこうした激甚、大変な災害でありまして、こうした枠を超えてひとつ助成方を頼みたいという強い要請が来ておるわけでございます。これについて文部省としても、先ほど大臣も検討しているという話でございます。特に専修学校あるいは各種学校、これは少なくとも制度がないわけでありまして、これについては何らかの手だてをどうしても考えていただきませんと立ち直りはできないのではないか。専修学校あるいは各種学校におきましても、そこには何万という生徒がおるわけでありまして、そういうことを考えますと、この対応というものはやはり国が責任を持って考えていただく必要があるというふうに思っておりますので、その点について、お考えがあるかどうかということ。
 それから、先ほども話がありましたが、授業料減免の問題。これは私学も当然そういうことでありますし、先ほど幼稚園連合の方からも、幼稚園の園児に対する免除等も考えておるのだということをいただいたわけでございますが、その場合に、これに対する助成をどういうふうにするのかということが出てくると私は思うのですね。先ほど自治省の交付税のお話がちょっとあったわけでありますが、これは各県、この場合は兵庫県でありますが、当面兵庫県がこれに対して、減免したものに対しては助成をする。それに対して国が交付税、いわゆる特別交付税等の考えがあろうかと思いますが、そういうことで対応できないだろうかというふうに思っておるわけでございます。自治省にも、この点についてお考えを聞きたいということで御説明をお願いいたしておりますので、御答弁をいただきたいと思っております。
 それから、私学振興財団の活用の問題でありますが、これも助成の中の一環として、私はその金利の引き下げの問題等が当然考えられると思うわけでありますが、この点についても、あわせて私学助成の立場からお考えを聞かせていただきたい、このように思います。
#52
○伊吹委員長 ちょっといろいろ質問があるから、それでは、まず泊生涯学習局長が答えて、その後、自治省……。
#53
○泊政府委員 お答えいたします。
 専修学校、各種学校についての今回の災害による国庫補助の問題についてでございますが、御案内のとおり、現在専修学校、各種学校の災害復旧事業については、現行制度上は、日本私学振興財団による災害復旧費の融資制度が設けられているという現状でございます。ただ、これらに対する国庫補助制度は現在ございません。
 こういうこともございまして、兵庫県等から、融資制度以外に専修学校、各種学校の施設の災害復旧事業のための国庫補助制度の創設について要望を受けているところでございます。文部省といたしましては、今後どのような対応が可能か、関係省庁とも協議しつつ適切に対応してまいりたいと思っております。
#54
○陶山説明員 今回の地震によりまして、学費負担者が死亡し、あるいは災害を受けることによりまして、入学料や授業料等の学費の納付が困難であると認められる者に対しましては、私立学校を設置しております学校法人が学費減免等の措置を講ずる場合には、国において私立学校経常費助成の中で、学校法人に対しまして適切な措置を講ずるというふうに伺っておるわけでございます。
 先生今御質問の、地方負担に対する財政措置の面でも配慮すべきではないかという点の御質問でありますが、今のような助成措置に関連いたしまして、地方公共団体が助成を行うような場合には、当該団体の財政事情等を勘案いたしまして適切に対処してまいりたいと考えております。
#55
○河村(建)委員 ありがとうございました。
 もちろん倒壊した学校の校舎を建て直す際の問題等、今の各種学校、専修学校も含めるわけでありますが、地方自治体が助成をするという場合には、やはり国の方も一緒に交付税等で考えていただきたい。あわせてこの提案については要望いたしておきたいと思います。
 次に進みたいわけでありますが、大臣の所信表明を伺ったわけであります。今回の所信表明は、いわゆる災害地に対する対策も含めておやりになったわけでありますし、昨年、百三十一国会におきましても既に一度所信表明をいただいておるところでありますが、私は、ことしは戦後五十年の年に当たりまして、改めて戦後教育の統括といいますか、これからの新しい日本の教育のあり方をこの際考える節目の年ではないかという思いがいたしておるわけであります。これからの日本を見詰め直すべきだ、こういうときにこんな大震災も来まして、まさに足元から揺さぶられた感がするわけでありまして、国家の危機管理のあり方等々も考え直さなければいかぬという状況にあるわけでありますが、改めて日本のこれからの二十一世紀に向かってどういう教育をやるべきか、教育のいわゆる新しい目的意識、価値観の確立というものを打ち立てるときに来ておるというふうに思うわけであります。
 大臣は所信の中で、いわゆる個性尊重といいますか、個性の尊重を目指す教育改革の構築が第一だ、国民一人一人が潤いのある生活を実感して、多様な個性を発揮しながら自己実現を図ることができる社会をつくっていくためにも、こういうことを表明されておるわけでありますが、この個性尊重の教育改革ということの基本理念、これは具体的に言うとどういうことをお考えになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#56
○与謝野国務大臣 子供はそれぞれ神がつくった所産だろうと思いますが、同じようにこの世に生まれましても、一人一人はその人格においても、あるいは持ち味においても多分違ったものを持って生まれてくるんだろうと私は思っております。
 日本の明治維新以来の教育というのは、初等中等教育においては世界に類例を見ないほど成功した教育制度だったと私は思います。もちろん国民皆教育という名のもとで義務教育も進められ、また戦後の新しい憲法のもとでの義務教育も進んでまいったわけでございますが、やはり多くの方を教育するわけですから、画一性を完全に避けるということは恐らく不可能だろうと思います。
 そういう意味では、学校教育は画一的にいろいろなことを教える部分と、それから一人一人の児童生徒の持ち味と申しますか、個性と申しますか、そういうものを伸ばしていくという観点が必要だということは、この十年ぐらい、特に文部省もそういうことに配慮をして教育行政を行っているわけでございます。そういう中で、やはり一人一人の個性を大切にする、またそれを伸ばす、そういうことに一方では重点も置かれなければならないというのが、現在進行しておりますいろいろな教育改革の一つの原点であるわけでございます。
#57
○伊吹委員長 河村君、ちょっと待ってください。先ほど河村君の質問中、災害に対する私学の部分の答弁が抜けていたのじゃないかと思うので、事務局の吉田高等教育局長から……。
#58
○吉田(茂)政府委員 御指摘の点でございますが、国庫補助率の問題でございます。これは現在財政当局と相談を重ねてきているところでございますが、ただいま大臣が答弁を申し上げましたように、一つは激甚災害法で規定する他施設の補助率との均衡の問題、あるいは国庫補助以外の残りの経費については融資条件の、融資事業の条件緩和の問題、こういった問題を総合的に検討する必要があるということで、財政当局から非常に慎重な対応をすべきという意見が示されておるところでございますが、引き続き相談をしてまいりたいと考えております。
 それから、授業料減免等を私立学校が行う場合には、私どもといたしましては、私立学校を設置する学校法人が今回の地震による被災者等を対象として学費減免措置を講ずる場合、ただいま自治省から答弁がありましたように、その減免事業に対して私学助成の中で適切な措置を講ずるということをいたしたいと考えております。具体的にはさらに状況を見きわめながら検討してまいりたいと思っております。
 それから、融資条件の話でございますが、御案内のとおり、激甚災害におきましては、施設の残りの経費については長期低利の貸し付け、貸付金利四・一五%という数字があるわけでございますが、これにつきましてもさらに財政当局と相談をしてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#59
○河村(建)委員 ありがとうございました。
 大臣の個性を生かしたこれからの教育のあり方について所信を伺ったわけでありますが、私も、これは実に大事な観点だ、こう思いますので、ぜひ与謝野文部行政の中で、これから具体的に個性を生かす教育のあり方といいますか、そういうものの芽を出していただいて、これから二十一世紀の教育の指針をつくり上げていただきたい、このように思うわけであります。
 そこで、一点私は提案をしたいわけでありますが、今回、この大震災によりましてボランティア活動というものが非常に注目をされた。日本ではまだ育っていないのではないかと言われながらも、多くの方々がボランティア活動に参加をされたということ、高く評価もされておるわけでありますが、しかし欧米のボランティア活動に比べるとまだまだ日本はおくれておるというふうな話もあるわけでありますし、また逆に日本側のボランティアの受け入れも十分でない、いろいろな面で問題があるという指摘もあるわけであります。
 そこで私は、これからの教育の中にこのボランティア教育というものをきちっと位置づける必要があるのではないか、こう思っておるわけです。既に私の地元の小学校の先生、田中という先生がおるわけでありますが、現実にジュニアボランティア活動推進委員という名刺を持ちましてこの問題について真剣に取り組んでおられる先生、全国に相当数おられるそうであります。いわゆるジュニアボランティア教育ということで、すべての子供たちに人に役に立つ学習をしようではないかという呼びかけであります。
 これまでの教育、日本は戦後追いつき追い越せということで今日まで来て繁栄の中にある。しかし、ここまで行き着いてみたら、物の豊かさの中で心の貧しさというものだけが目立つ、こういう指摘もあるわけでございますし、かつては国家のためにという思い、教育の中にもそれが取り入れられて、すべて滅私奉公といいますか、そういう形のものがどんどん積み上げられていって、そして第二次世界大戦に突っ込んでいって、振り返ってみたら、これではいかぬ、今度は自分のためだというような思いがあり過ぎて、その反動といいますか、結局他人を思いやるというよりもまず自分のことだ、自分のための教育だ、もちろん基本的にはそれがあるわけであります。それが行き過ぎて、今日のいじめの問題にしても、あるいは不登校の問題であるとか自殺の問題であるとか家庭崩壊であるとか、あるいは離婚率の上昇、少子化現象、いろいろな問題を生んでおるのではないかという指摘、私もそのような感じがするわけでありまして、この際、やはりもう一度教育の中でこういう問題を基本的に考え直して、そしてやはり個人一人一人が、先ほど言われた、もちろん個性を大事にしながらも、思いやりがあって謙虚さを失わない子供をしっかりつくっていく、そして教育の中でそれをきちっと段階を踏んでやっていくということが必要ではないか、こう思うわけであります。
 文部省の学習指導要領の中にも道徳教育の問題であるとか、あるいは同和教育とか福祉教育とか、こういうことはうたってあるわけでありますが、今の教育の中ではまだ実践が十分伴っておりませんから、例えば福祉教育でも、障害者に対する理解はできたとしても、これを具体的に支援をどうしたらいいかということになると、それが教育の中に生かされていないという嫌いがあるわけであります。そういう観点から、はっきり学校教育のカリキュラムの中できちんと位置づけをしていく必要があるというふうに私は思っておるわけでありますが、この点について文部省の見解を聞かせていただきたいと思います。
#60
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 先般の兵庫県南部地震の被災地におきましては、大学生や高校生などが積極的にボランティア活動に参加しているということを私ども報告を受けているわけでございまして、かなりの学生生徒がそういう意味で今回の、ボランティア活動の実践の場として積極的に参加していただいているということを非常に心強く思っている次第でございます。
 これからの学校教育におきましては、先生今お話がございましたが、豊かな心を持ち、たくましく生きる人間の育成を図ることが重要でありまして、他人を思いやる心や感謝の心、公共のために尽くす心を育てることなどに配慮する必要がございます。また、生活体験の希薄化している児童生徒が、体験を通して勤労のとうとさや社会に奉仕する精神を培うことは、極めて重要であると考えております。
 現行の学習指導要領におきましても、社会奉仕の精神を涵養し、公共の福祉と社会の発展に尽くそうとする態度を育成することを重視いたしまして、例えば特別活動で奉仕的な活動を明示するなど内容の一層の充実が図られているところでございます。具体的に申しますと、特別活動等の中で地域の実情に応じまして、各学校におきまして清掃活動や老人ホームでの奉仕活動などさまざまな活動が行われているところでございます。
 文部省といたしましては、今後ともボランティアに関する教育の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。
#61
○吉田(茂)政府委員 先生御指摘のように、既に被災地住民の救援活動には多数の学生がボランティアとして参加をいたしております。これにつきまして私どもとしてもいろいろな点での配慮が必要であるというふうに思っておりまして、例えば授業の一環として、ボランティア活動に密接に関連のある授業科目については、ボランティア活動の実践を授業の一部として位置づけるということも含めまして、あるいはボランティア活動のための修学上の配慮であるとか、あるいは安全管理の問題、これにつきまして具体的に各国公私立大学に対して指導し、要請をしていこうというふうに考えておるところでございます。
#62
○河村(建)委員 私は、この際と言うとあれでありますが、きちっとカリキュラムの中に入れるべきだ、こう思っておるわけでありまして、ぜひ御検討を賜りたい。あわせて、それにはそれにふさわしい指導者が要るわけでありますから、これからの教員の採用についてはやはりボランティア活動歴というものを重視する姿勢というものが必要になってくるのではないかと思うわけであります。もっと突き詰めれば、大学受験前には一度はボランティア活動を義務づける、その上で大学受験資格を与えるということがあってもしかるべきではないかと思っているぐらいでございますし、昨今の新聞で投書欄なんかを見ておりますと、成人式を終えて、成人式をやってもらったら成人になっておるつもりでおるが、ぜひ、皆ボランティア制度というものを設けたらどうかという指摘もあるぐらいでありますから、私はこの際、そういうことを具体的に考えていただく。一年間に子供たちは千時間も勉強するわけでありますから、この田中聡先生、私に言われたのは、わずか一年間三時間でもいいからこういう時間をとってもらえばちょっとしたことができるんだということであります。
 実は、ここに小学校五年生になりました宮川佳子さんという方がジュニアボランティアセミナーに出た感想を述べておりますから、ちょっとこれこういうふうに気持ちが、子供たちがこういうふうになるんだという、ちょっと読ませていただきますが、この子は四年生でやったわけですね。
 私が、四年の三学期に、授業の一環として、ボランティアの勉強をしました。
 点字、アイマスク、手話の三つを、勉強したけれど、その中で、点字の授業が、一番印象に残りました。
 学校に、点字サークルの目の不自由な人と、目の不自由ではない人たちが、来てくださいました。
 そして、点字板の使い方などを説明をしてくださって、はじめに、自分の名前から打ちました。自分の名前を打つのにも、三分から五分かかる人が、たくさんいました。それほど、大変なのです。
 名前をうったら、目の不自由な中村さんに読んでもらって、自分の名前だったら、その点字は、正解です。
 合格したら、今度は花のしおりに名前を打ちました。それから他には自分の住所を打ったり、誕生日を打ったりしました。
 その他の授業が終わった後、私は、いろいろなことを思いました。
 点字は、目の不自由な人にも打つことができます。けれど、それは、とても大変なことです。私は、目の見えることに感謝すると同時に、点字を打ってあげたいと思いました。
 目の不自由な人も、がんばっています。だから、私たちは、そういう目の不自由な人たちを、助けてあげたいと思いました。目の不自由な人が、道を歩いていたら、ちょっとよけて、通りやすいようにするとか、私のような小学生にでも、できることがあるのです。私は、自分のできることから、やっていきたいと思っています。
 皆さんにも、人を助けるということが、どんなに素晴らしいことか、わかって欲しいと思います。心から人を助けようとする人間は世界中を探しても、数少ないと思います。
 私は、素晴らしい人間というのは、勉強や運動がよくできる人だと一年生ぐらいの時は思っていました。でも、この授業を受けてからは本当に素晴らしい人というのは、人を助けたりすることが出来る人間だとわかりました。
 これからも、思いやりのある人間になれるように努力したいと思います。という作文を寄せておるわけであります。このように、こうした授業を受けることによって子供が変わっていくということもはっきりしておるわけでありますので、ぜひこれから制度的に考えてもこのボランティア教育というものを入れていただく。こういうものが普及することになれば、いじめの問題等も私は相当これは減ってくるし大変な効果があるのではないかというふうに思うわけでありますが、改めて大臣、これについてどのようにお思いでしょうか。
#63
○与謝野国務大臣 ボランティアというのはそもそもやはり非常に自発的に行う、あるいは報酬を求めない、あるいは社会約に有用なことに参加して喜びを得る、そういうことで成り立っていると思います。しかしながら、児童生徒がボランティア活動に参加するきっかけというものも必要でございまして、そういう意味で、先生が御指摘になられましたように、やはりボランティア活動を指導するような先生もまた必要でございますし、またボランティア活動をした児童生徒には一定の評価を与える、また制度上もそういうものが単位認定されるということも一つの方法であると思います。
 ボランティアというのは、今全国的に非常に実は広がっておりまして、先生御指摘のように、単に道徳の時間でいろいろなことを教えられる、教わるだけではなくて、やはりみずから実践をして、体験の中でいろいろなことを学んでいく、そういうことも非常に大事なことだと思います。
 現に、例えば環境問題では、河原のごみを拾うとか、空き缶を集めてリサイクルするとかいろいろな、そういうやはり体験的な学習こそ児童生徒一人一人の血となり肉となるものだと思っておりますし、今回、多くの大学生が阪神大震災の現地に行っていろいろな活動をされておられます。そういうことも、それぞれの学生にとっては将来大きな心の財産になるものと私は確信をしております。
#64
○河村(建)委員 大臣から御答弁をいただきました。もちろんボランティアは強制的にされるべきものではないかもしれませんけれども、しかし、そうした心を育てていくことはやはりどうしても必要なことでありますし、小学校一年生には一年生の、あるいは二年生には二年生の、また上級学年には上級学年にふさわしいいろいろなボランティア教育というのはあるわけでありますので、ぜひその点について重きを置いていただいて、積極的に取り上げていただきたい、強く要請をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#65
○伊吹委員長 これにて河村建夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、藤村修君。
    〔委員長退席、小川委員長代理着席〕
#66
○藤村委員 新進党の藤村修でございます。新進党のトップバッターといたしましては、文教行政にかかわる災害対策の、阪神大震災の問題を中心に、質疑並びに提案等をさせていただきたいと存じます。
 まず、今回、本当に五千人を超える死者が出た戦後最大の大震災、私も大阪の北部の選出でございますので、親戚等関係者も大変多く、私自身の親戚も一人、やはり家の下敷きになって亡くなったという方もいらっしゃいますが、そういう亡くなった方々に対して深く哀悼の意を表するとともに、また学校の生徒の皆さんも、先ほど来御報告があったとおり、四百数十名の方が亡くなっております。先生方もたくさん亡くなっております。こういう方たちに、本当にお悔やみの言葉を申し上げたいと存じます。
 さて、私の方は一時間の時間をいただきまして、この災害対策、特に文教行政におけるということに絞って、ハード面のこと、それからソフト面のこと、あるいは見落としがないか、不備がないか、そういう反省点、それから、できれば建設的な提案等、順次さしていただきたいと存じます。
 まず最初は、ハード面といいますか、先ほど来も同僚議員の御質問の中でも触れていただいておりますが、まず、今回、非常にみんなが本当に安心したというのが、学校施設等が避難所になって、そしてそこへ多くの人が集まって何とか緊急避難ができ、そして今なおこれは、四百以上の学校に十六万人の方がまだ避難生活をされておる。そういう意味で、今回の経験というのは、本当に学校等の公共施設が非常に利用されたということ。
 そういうことからかんがみますと、今後新しく学校を建てるという先の話ではなくて、今すぐ復旧の問題でございますが、この復旧に当たっても、まず耐震が、今震度七というのも出てきましたわけですから、この震度七に本当に耐えて、学校は本当に安全だというものをひとつつくるためには、やはりこれは学校をつくる建設費の問題で多分細かい計算があると思うのですが、そういう単価アップの問題がすぐ出てくると思うのです。そういうことやら、あるいは先ほど与謝野大臣のお答えでも、東京都でも一部、食糧確保などをそういうところにされておる。
 これはやはり全国的に日本が、震災列島といいますか、そういうことから考えると、学校を一つの緊急時の避難場所としては考えられないか。その際には、今の食糧確保もそうでしょうし、あるいは防火水槽、それから火事にやられないスプリンクラー、さらにはそこが拠点となったときの通信設備の配備、こういうことなどを少し具体的に御提案して、さらに今回、交通の分断ということがありまして、避難所がそれぞれ当初孤立したということで、そのときに私どもは大阪にいまして、なぜヘリコプターが早く飛ばないかという思いが非常にあったわけですが、調べてみると、ヘリコプターはそんなに簡単にどこでもおりられないということがございます。
 ですから、例えば、避難所になる、緊急避難の場合のそういう学校の校庭などは割にすぐヘリポートとして使えるような、つまり、今幾つかの具体的なことを申しましたが、特に学校がそういう緊急避難時の一つのセンターとなって機能できるというものまでを含めた今からの復旧対策についてぜひ検討いただきたいのですが、私のこの考えにつきまして、与謝野大臣のお考えをお願いしたいと思います。
#67
○与謝野国務大臣 概して申し上げますと、幾つかの学校は事実上使用不能の状況に陥りましたが、多くの学校は住民の皆様方に避難場所として使っていただけるだけの強さを持っていたことは、今回いみじくも証明されたわけでございます。したがいまして、現在の学校施設というのは、本来の教育の場であると同時に、いざというときのその地域社会の、あるいはそのコミュニティーの一つの防災拠点として考えることもできるというのが、今回の大きな地震の一つの教訓であつだろうと私は思います。
 そこで、先生が御提案になられましたように、より強い学校建築をしたらどうか、これは一つの重要な御提案でございまして、やはり今後学校建築をする場合に、より耐震性を持った学校を導入してもよいのではないかと私は思います。
 それと同時に、これは文部省や教育委員会で決められることではございませんが、地方公共団体において、それぞれ学校においていろいろな災害の際のあらかじめの手当てをしておく。一つは、先生がおっしゃいました非常用の通信設備もそうでしょう。また、食糧の備蓄、飲料水の確保等もそうでしょう。また今回、いろいろな物資を輸送するについて、なかなかヘリコプターが着地できなかったという事例も多く見られますから、ヘリコプターの臨時の発着ということも考え得ることでしょう。これらもろもろは、やはり学校は学校の施設としての物の考え方をしてまいりますが、それぞれの地域社会において、その地域社会を担当する地方公共団体が防災計画を立てる中で、その一環として、やはりそれぞれの学校施設に附帯的にどのような防災設備を設けておくかということは、やはり地方公共団体において大いに考えおければならない重要なテーマであると私は思っております。
#68
○藤村委員 非常に前向きにお答えをいただいたと存じます。
 ひとつこれは政府委員の方にお伺いしたいのですが、学校の中でも今回、神戸大学がございました。ここの医学部が、文部省の報告にもありますが、建物の損壊、給水設備の破損ということでございまして、その医学部附属病院が相当機能が低下していたというふうに聞いておりますが、この辺、ちょっと最後の方の質問とも絡みますので、わかる範囲で、神戸大学の大学病院についてどの程度とうだったのかというのをちょっと教えていただきたいと存じます。
#69
○吉田(茂)政府委員 神戸大学医学部附属病院は、地震発生直後から救急患者の治療に不眠不休で取り組んでいたわけでございますが、ライフラインあるいは設備につきましては御指摘のような点がございまして、電気は、すぐ自家発電に切りかえ、その後関西電力から供給されるというような形で対応してまいりました。ガスは停止のまま、水道が、水が出ませんで、市からの送水によっていろいろな医療活動をやるということのほかに、大型のMRIとか、そういった医療設備については相当程度破損するというような状況の中ではございましたが、医療行為につきましては最大限の努力をもって取り組んでまいったところでございます。
#70
○藤村委員 神戸大学医学部附属病院が、ガスが停止し、そして水も出ないということでございまして、やはり先ほどの話の延長でございますが、学校がそうして避難所になる、これはやはり耐震構造を相当考えるべきだ。さらに、そういうまさに生命を守る最後のとりでといいますか、大学病院が、ガスが出なかったり水が出なかったりしないような、そういうものに備えるさらにもう一つの工夫を凝らしていく。やはり大学病院が今回、後でもちょっと述べるんですが、若干十分に働いてないという部分も感じられましたので、今の神戸大学については特にこういう設備の問題がありますので、これらが本当に、何がどうあってもここだけはちゃんと動いていけるというものが、地域の住民にとっても本当に安心感を与えるものだと思いますので、これは一つ御要望します。
 さらに一つだけ、これは事務的なことで、今後復旧事業、文教行政に絡むものも相当たくさんのものがいっぱいあるわけでありますが、これらの事務手続の簡素化をひとつ提案し、お願いしたいのです。例えば、一定以下の契約金額の補助事業の業者選定手続の簡略化であるとか、あるいは復旧図、図面を免除したり、あるいは積算内訳書を免除するなどの、そういう運用が考えられるのかどうか、あるいはその他に、弾力的にというお言葉の中でこういうことが考えられないかということをお答え願いたいと存じます。
#71
○遠山政府委員 お答え申し上げます。
 学校施設の復旧のため、今後は現地調査など事務量が大変多大なものになると考えられるわけでございます。このため、公立学校施設災害復旧の補助申請等に係る事務につきましては、被災市町村の負担をできるだけ軽減しまして円滑な復旧に資する必要があると考えておりまして、現在、関係省庁と協議をしているところでございます。
 いずれにしましても、短期間に多量の事務を処理しなければなりませんので、できるだけ事務の簡素化を図りたいと思っております。
 ちょっと先と言われました業者選定手続の簡略化につきましては、これは基本的には各地方公共団体における取り扱いの問題でございまして、文部省としては特に規制は行っていないところでございます。
#72
○藤村委員 次に、私立学校施設の復旧、そして専修・各種学校の問題を、これも同僚議員が先ほど来質疑いただいておりますが、私の方としては、特に専修・各種学校の問題、先ほども、要は、今の法律の中では結局当てはまらない、こういうことでございます。ところが、例えば今回兵庫県内だけでも専修・各種学校の全壊は十であります。半壊が六。聞いてみると、今後もう学校をやっていけない、見通し真っ暗というところが三十二ございます。また、神戸は特殊性からいっても、インターナショナルスクールだとか朝鮮上級学校もありますが、これらも各種学校ということであります。
 そこで、これは今の法律の枠ではつまりはまってこないわけですから、過去、昭和二十八年には、今の激甚災なんかの指定がない、前段の段階で、昭和二十八年に私立学校災害復旧臨時措置法などがとられたことがございました。
 ですからこの際は、いかに今の法律を駆使してもなかなか手厚いちゃんとした対応というのはできないものですから、二十八年、かつての歴史に倣いまして、専修・各種学校等の復旧臨時措置法のようなもの、こういうものを、これは大臣にお答えいただかないといけないと思いますが、考えられないものか。特に、近々に、今回の阪神・淡路震災復興法(仮称)という基本法をひとつつくって、それに関連する各種それぞれの具体的法律を今から我々の手でつくっていくわけでございますから、この点について大臣の前向きな御答弁を願いたいと存じます。
#73
○与謝野国務大臣 教育関係施設の総被害額というのはまだはっきりはいたしておりませんけれども、一週間ほど前の推定では、少なくとも三千五百億ぐらいはあるだろう。場合によってはこういうものはすぐ四千億、五千億というふうに被害額、損害額は広がっていくわけでございます。
 その中で、私立学校に対してどうするか。これは、激甚災害指定をされました途端にある種の制度が発動され、これは二分の一は補助をいたします、二分の一は低利融資をいたします、こういう制度ですが、専修学校、各種学校は一体どういう取り扱いになるのか。専修学校は補助の対象にはなりませんが、私学振興財団の低利融資の対象にはなっております。各種学校についても、いろいろな学校が含まれておりますけれども、やはり専門分野の教育を国民に提供しているという観点に立ては、これらが全く復旧できない状況のままに放置しておいていいのかという基本的な問題がございます。
 文部省としては、財政当局とも目下折衝中でございまして、何とか、各種学校、専修学校を含めました私立の教育提供をしておられます諸機関が震災からなるべく早く立ち直って通常の状況に戻れるように努力をしてまいりたいと考えておりますが、財政当局はなかなかガードがかたいというのが常でございまして、私どもの折衝もそう容易なものではないというのが現状でございます。
#74
○藤村委員 今お答えいただいたとおり、私立学校の場合もやはり二分の一は結局お金を借りる、有利子であります。そうすると、私学というのは、例えば文部省報告でも、甲南大学は建物四棟半壊、芦屋大学は建物二棟半壊、大変な被害を受け、そして半分お金を借りて、そのまた元利のお金を返していく、そして一般の経常費用ということまでを考えていくときに、本当に復旧、復興が日暮れて道遠しという感なきにしもあらずであります。
 ですから、今の私学とそれから専修・各種学校ですか、これを一括したような、昭和二十八年に臨時措置法があったような、少しこれは新しい発想で、今の法律の枠内で幾ら頑張ってもなかなか対応できないという部分を、ひとつ新しい臨時措置法で措置願いたいというのが願望でございます。
 続きまして、教育内容に関することにつきまして、少しソフト面で提案と質問をさせていただきます。
 まず、今回、大学、高校入試等、あるいは生徒の転入等、私は非常に素早い文部省の対応だと評価させていただきます。ただ、もちろんそれだけではなしに、いろいろな問題がまだあるということで指摘をさせていただきたいのが、児童生徒の心理的ショックあるいは避難生活でのストレス等への対応でございます。
 最近、にわかにこのことが非常に問題になってきているようでございます。私は、これらに対しては、当然民間のボランティアも今非常に活躍してくれてはいますが、ひとつ文部省の方としても、ある程度体制を整え、例えば小児科医、精神科医、臨床心理士らとの連携をうまくとった、そういうカウンセリングチームなどの現地派遣などは考えられないものか、これは教育行政の中で非常に重要な部分でありますので、この点についてお願い申し上げます。
#75
○小林(敬)政府委員 お答え申し上げます。
 大震災などの場合、大人でもそうですが、特に成長途上にあります児童生徒は、一定の緊張状態の後精神的に不安定な状態になる事例が多く見られるわけでございます。そういうわけで、児童生徒の心の不安を取り除くということが大変大事だというふうに私ども考えております。学校においても、心の問題を中心に児童生徒の健康状態に十分配慮しなければならないというふうに考える次第でございます。
 そこで、文部省といたしましては、先般兵庫県と大阪府の教育委員会等に対しまして、被災児童生徒に対する臨時の健康相談と心の健康相談活動を行うように求めた次第でございます。それから、被災児童生徒を受け入れている各都道府県の教育委員会に対しましても、同様の趣旨の指導をしたところでございます。その際は、やはり学級担任とか養護教諭の先生が中心になって、全教職員が児童生徒の状況をよく把握をいたしまして、子供の不安や悩みをよく聞き取ってあげることがまず大事だというふうに考えます。
 文部省としては、心の相談活動、健康相談活動の充実のために、日本医師会、学校保健委員会が作成いたしましたアドバイスを各都道府県等にお送りして、指導の参考に供したところでございます。それから、学校医や臨床心理士などのカウンセリングの専門家の協力も当然必要でございますので、各教育委員会や学校から派遣の申し出があった場合には、これに対応することができるように、医師会とか臨床心理士会にも協力を求めているところでございます。
 それからなお、兵庫県では教育委員会が県内の三カ所に精神科医等から成るチームによる窓口を設置いたしまして、電話等の相談に応じるほか、学校からの要請に基づいて専門家が派遣できるような体制をとりたいというふうに聞いている次第でございます。こうい体制ができますと、今まで学校もどこに要請したらいいのかという問題から解放されますし、要請を受けた方も迅速に派遣ができるということになると思いますので、より一層の効果が上がるのではないか、こんなふうに期待をいたしている次第でございます。
#76
○藤村委員 続いて、同じくやはり体育局関係でございましょうか、防災教育、訓練と言わずに防災教育と申しますが、学校における防災訓練がきょうまで、私ももちろん小さいころから経験がありますし、なされていることは確かであります。それが多分文部省の防災業務計画というものに従って、防災週間だけのものに、やや行事的になってはいなかったかなという一つ反省と、それから学習指導要領の中では、特別活動の学校行事の中に健康安全・体育的行事が位置づけられておりまして、さらにその中に避難訓練という、やや軽度のというか、軽い位置づけで、おざなりになってはいなかっただろうかという点。
 今回、阪神大震災が、これは早朝のことでございまして、学校がそういうふうに対応するという場面ではなかったのですが、これを契機にひとつ防災教育というものの見直し、洗い直しをするべきではなかろうかということについてお尋ねしたいと思います。
#77
○小林(敬)政府委員 その点につきましては、ただいま先生が御指摘されましたような点が心配されるわけでございます。常々私どもとしても、避難訓練等が形式的に、おざなりにならないようにということは注意してまいったわけでございますけれども、しかし、こういう大きな災害を一つのきっかけとして、あるいは教訓として一度見直しをして、実のある避難訓練等にしてまいりたいというふうに思います。
#78
○藤村委員 今、結局は「安全指導の手引」というものがあるんだと思うのですね。例えばスイスなんかでは、防災だけではありませんが、そういう訓練用の二百数十ページの教科書があるわけでありまして、文部省も少し本腰で防災教育というものをひとつ考え直してほしいというのが提案でございます。
 さらに、先ほど来学校の先生の問題で、生徒がよそへ出ていってしまって、四月一日時点での例の定員の問題、これは大臣もしゃくし定規に考えるのではないとおっしゃっていただいておりますので、安心はしているのですが、それだけで足りるのかな。つまり、先ほど夫カウンセリングの問題もあります、あるいは避難所になっている学校があります。先生というのは本当に今疲労こんぱい、先ほど来の質問もございました、その極に達するところで、本当に猫の手もかりたいわけでありますから、むしろ今の期間、少なくとも当面は加配措置というもの、先ほどの予算委員会でもその質問がされていたかと存じますが、つまりそういうところの前向きな配置が必要ではないかということ。
 それからもう一つは、今から結局、春休みになってもおくれを取り戻すために避難した学校は動きます。そうなったときに、これはよその地方、隣県等の教員のまた応援が得られるものか。つまり、今のシステムではそういうことができるのかどうかなどについて教えていただきたいと思います。
#79
○遠山政府委員 今回の兵庫県南部地震による災害に伴いまして、兵庫県では一時的に県外などへ避難している児童生徒数が多数に上っているわけでございます。その生徒は、近い将来、相当数また被災地に戻ってくるということが予想されます。それからまた、先ほどお話がございましたように、精神的に不安定な児童生徒も見受けられるということで、それの対応も必要だということを踏まえまして、学校運営上の支障ですとか、あるいは教育指導上の混乱が生じないように、教員定数の弾力的かつ妥当性のある措置について現在財政当局と検討をしているところでございます。
 それから、教員の応援措置でございますが、これは派遣をしている県の教育委員会の考え方によると思うわけでございまして、派遣している県の方で引き続き応援をしてもよろしいというような判断を下せば、その教員は引き続き被災地の学校で支援をすることができるということでございます。
#80
○藤村委員 さらに、義務教育の方は教科書無償というものがありますが、先ほど来も一つ問題になっておりました、高校生は、家がつぶれ、教材が全部なくなり、あしたから勉強する材料が何もない、それで被災者であります。そういう中で、こういう震災という特別の事態に際しては、義務教育の幅を広げてというか、高校生の少なくとも象徴的な教科書というものは無償で被災された方に提供できないものか。これは聞いてみましたら、文部省は非常に前向きに検討いただいているということでございますが、何か厚生省の生活保護法の枠組み云々とかということが何かあって、そういう役所間の一つ議論があるということでございますが、その辺、まず文部省の考え方と、それから何が困難な問題かということについて教えていただきたいと思います。
#81
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 被災した高等学校生徒の教科書につきましては、兵庫県教科書協会の御協力によりまして、保護者の負担とならないよう対処をされているところでございます。また、就学に必要な学用品の確保につきましては、文部省といたしまして、関係団体に協力を要請いたしますとともに、全国の児童生徒による自発的な支援協力につきまして、各都道府県教育委員会を通じて要請をいたしまして、既に、幼稚園、高等学校を含め学用品の支給が行われているところでございます。
 被災した高等学校生徒の教科書等の給付につきましては、災害救助法における給付の対象が義務教育諸学校の児童生徒に限られておりますことから、文部省としては、その対象拡大につきまして関係省庁に要望いたし、配慮を求めてきているところでございます。
#82
○藤村委員 結論としては、高校生の教科書は、ほぼ無償で何とか手当てができそうだということでございますね。
#83
○井上政府委員 ただいま申し上げましたように、実際に高校生に対します教科書の支給につきましては、兵庫県あるいは教科書協会の御協力によって、既に保護者の負担とならないように対処をされているところでございます。ただ、先ほど先生からお尋ねがございました国の財源措置につきましては、先ほど申し上げましたような災害救助法における規定の関係から、現在関係省庁に要望をしているところでございます。
#84
○藤村委員 これは東京の新聞ではございませんで、与謝野大臣も東京でいらっしゃったら目についていない、おとといなんですが、大阪で、非常に大きな、私もびっくりした記事でありまして、「父と母二通の死亡届」、こんな見出しの記事でございます。
 震災四日目の二十日ごろ、神戸市東灘区役所を中学生ぐらいの少年が訪れ、両親の死亡届を出した。連日三百件もの届けの受理に忙殺されていた市民課係長は、思わず慌ただしい仕事の手をとめ、「頑張って」と声をかけた。息子と同じ年ごろの少年は、二通の書類を差し出し、「ありがとう」とだけ答えて去った。あの混乱の中で、ゆっくり言葉を交わす余裕はなかった。
 あるいは、神戸市灘区の自宅が倒壊した高一の姉と申三の弟は、一・一メートルの雪に埋もれた岡山北部のおば宅に引き取られた。階下で寝ていた両親は即死状態、二階の姉弟にはけがもなかった。ラジオの「尋ね人コーナー」で両親の死と姉弟の生存を知ったおばら親族四人が、十八日夜、岡山から駆けつけた。避難所にいた二人を見つけ、遺体とともにワゴン車で連れ帰った。疲れ果てた姉弟は車中、無言の両親のそばで眠り続けたという。
 非常にショックな記事でございます。
 これは、両親とも本当に今回亡くされた、震災孤児という言葉が出てきて、あるいは震災遺児という言葉が出ております。私どもの関係する団体で調べました。民間の奨学団体で、あしなが育英会というのがございます。災害遺児とか病気遺児に奨学金を出す団体でございます。今回、阪神大震災で亡くなられた方の名簿を頼りに推計しましたところ、二十歳未満の災害遺児の数が、父を亡くした子が四百四十六人、母を亡くした子は六百五十二人、合計千九十八人、千百人ぐらいと推計をされております。民間の団体でございますこの同育英会は、非常に資金難でもあるんですが、直ちに特例措置として高校の奨学金の在学採用や、今春高校や大学、専門学校への進学希望者の予約採用の延長措置をとって対処をしているところでございます。
 文部省としては、これは日本育英会の奨学金貸与など、当然あらゆる対処をしていただいていることは承知しておりますが、こうして災害で今回親を亡くした子供たち、災害遺児というものへの、例えば授業料の減免措置は考えていらっしゃるか、考えられるか、その辺についてお聞かせ願いたいと思います。
#85
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 公立高等学校の授業料の減免措置につきましては、既に各都道府県に通知を差し上げまして、入学金あるいは授業料等の減免につきましてそれぞれの県における条例に規定がございますので、そういう制度を活用した措置について既にお願いし、そういう措置が現在各県において講じられているところというように私ども報告を受けているところでございます。
#86
○藤村委員 今の、例えば要保護とか準要保護とか、そういう対象、つまり経済的なものを一つ基準にした対象でその減免措置があるということだと理解したんですが、それ以外に、これは全国でもかつてから、交通事故で親を亡くした子供たちの高校授業料減免措置がそれぞれの県、教育委員会対応で相当進んでいるということにかんがみますと、今回、災害遺児という、災害で親を亡くした子供たちは当然経済的バックはなくなっているわけで、その要保護、準要保護に入るとは思うのですが、一つ象徴的にそういう枠を設けられないものかということについて、いかがでございましょう。
#87
○井上政府委員 今回、兵庫県南部地震におきまして災害を受けられたそういう生徒、高校の生徒等につきます入学金、授業料の減免措置につきましては、今回の災害が非常に想像外に大きいということもありまして、そういう被災を受けた生徒については、申請を待って授業料の減免措置を行うという措置を今お願いし、またそういう措置を各県において講ずるように検討していただいているところでございます。
#88
○藤村委員 はい、よくわかりました。
 それで、今の、災害遺児の関連では、これも報道されて御承知の方も多いと存じますが、全国の災害遺児でそういう団体から奨学金を受ける大学生たちがまた中心になりまして、これは今回の災害で新たに遺児になったというか、そういう人たちの応援をしようと募金運動なども進んでおります。
 これが、先ほど来河村議員も質問をされておりましたボランティアの活躍というものが今回非常に注目をされるし、これは前の北海道南西沖地震の際からも注目をされ、私も災害対策の委員会でもこの問題、相当長く御質問をしたりいたしました。そのボランティアを支援していこうというのは、今一つの空気だと思います。
 それで、例えば村山総理は、ボランティアがもう少し活動しやすいような制度や、あるいはけがをした場合の補償措置も考えられなければならないというふうな答弁をされていたり、あるいは五十嵐官房長官も新しい立法措置を含めての検討を表明しているところであり、この機会に、一、ボランティア団体を公益法人として認める方法、二、企業等の寄附金の損金算入を認めるなどの税制措置、三、ボランティア保険制度など、こんなことが今一つ話に出ているわけでございます。
 それで、文部省は、むしろこの文部行政の中でも、今ボランティアというものを非常に重要視しながら、新しく学校教育でも、あるいは生涯学習の中でも取り入れていこうという主たる官庁でもありますし、ぜひ中心的に進めていただきたいのです。
 これは先週の金曜日でございましたか、今回の震災ボランティアの支援のための各役所の連絡会議が開かれて、新聞の見出しによれば「具体策打ち出せず」云々とあるが、このときの模様ないしこの方向性はどうなっているのかをお尋ねしたいと存じます。
#89
○泊政府委員 お答えいたします。
 今回の兵庫県南部の地震に際しましては、先生御案内のとおりに、さまざまな、例えば青少年団体あるいは社会教育団体、あるいは先ほど来話題になっておりますところの、学校で先生や子供たちが一体となって、あるいはグループをつくってといったような、さまざまな形で自主的なボランティア活動が行われているということでございます。
 改めて申し上げるまでもなく、このボランティア活動、非常に大事なことだろうと思っております。互いが、それぞれの奉仕活動を通じて他人に対する思いやりといったようなものを身につけていくということは、特に青少年にとっては大事な体験でもあろうと思います。
 文部省といたしましても、生涯学習の推進の観点からいわゆるボランティア活動の推進、支援というものを進めてまいっておりますが、先生ただいまお尋ねございましたように、政府全体といたしましても、去る二月の三日にボランティア問題に関する関係省庁連絡会議というものが設置をされました。ここでは、今お話もございましたように、ボランティアやあるいは市民公益団体が行う公益活動の支援をどういう形でやったらできるだろうかということを連絡、協議をしていこうということでございます。
 御案内のとおり、昨今、雰囲気としては盛り上がってまいっておりますけれども、まだ日本としては根づきが浅い歴史だろうと思っております。そういう中で、当面こういったボランティアやあるいは市民公益団体の実態というものをまず把握しよう、その上で、今ございましたように、これらの法人格の取得の問題、あるいは法的な支援、公益性を担保する法的な枠組みというものがどういうものになるだろうかといったような問題、あるいは具体にこういうボランティアや市民公益団体に対する支援措置というものはどういうものがあり得るだろうか等々、今後幅広く検討をやって進めていこうということになっております。
 文部省といたしましては、先生御案内のとおり、生涯学習の推進という観点から、特にこれまでもボランティア活動の推進というものについては学校教育を初め社会教育の面でも取り上げてまいっておりますけれども、私どもとしましては、この問題を考えるときに大事なことは、社会的、文化的な風土づくりというものを大事にしていく必要があるだろうといったようなこと、あるいはボランティア層の拡大と場をどう開発をしていくかといったような問題、あるいは情報の提供、あるいは連携協力の推進、こういったものを大事にしながら推進方策を考えていく必要があるかなと思っております。
 来年度の予算では、例えば先進諸外国におけるボランティア活動の実態とその振興策といったようなものについて国際調査も実施をしたいというふうに思っておりますが、今後とも重要性にかんがみましてその推進には十分意を用いてまいりたいというふうに考えているところであります。
#90
○藤村委員 基本的に私もその考えで結構だと思います。つまり、順番を経るということでありまして、余り文部省が先頭に立ってボランティアを引っ張っていくのではなしに、むしろ今ある民間のボランティアをやはり側面支援をして育てていただく、こういう姿勢がまず必要であります。
 それから、先ほど与謝野大臣、ボランティアのことも少しお答えいただいておりましたが、今回こんな事例もございます。これは、ボランティア活動が今回非常にうまくいった一つの武器としてパソコンネットワークの情報通信ですね、これが全国どこでもとれる。例えば、こういうふうに出てくるわけです。地元のあちこちのボランティアが自分でパソコンで電話回線を通してどんどん、例えばこれは情報ボランティアグループという一つのグループに登録されて、情報が入ってくるわけです。「避難所名 若葉小学校」「人手の過不足 避難者自身が運営していくようになってボランティアが不要になりつつある」、ライフラインは電気と水道と電話が〇K、交通事情は大型トラックOK、交通の便もよいなど、災害時にこの情報通信を利用して、またボランティアが今動いている。こういう実態を割に後追いしながらフォローしているのだと思いますので、ぜひこの際には、先ほど局長のお答えに、つまり現状を把握してというところ、本当に現状を、そこの把握はもうにわかにスピードを持ってやっていただきたいと存じます。
 さらに、風土づくり、文化の面というお話の中では、先ほど与謝野文部大臣は、ボランティアは自発性、社会性、無償性というのが基本でありました。ただ、これはやはり時代が変わってきていることをひとつ認識いただきたいのは、例えばボランティアが一生懸命災害対策で応援をするときのやはり実際の実費はかかってくるわけで、これまでも無償性で済まされはしないだろうし、そういう支援の援助というものを今後文部省もぜひ考えていっていただきたいというのが希望でございます。
 次に、一つ、これは与謝野大臣、所信表明でも、災害対策で、「大学病院等による救急医療への取り組みを初めこということで、大学病院を最初に挙げて所信を述べられたわけでございます。
 それで、ただ今回神戸大学の病院は被害を受けた側の病院で、なかなかこれはうまく機能していなかった。そうしますと、私、大阪でございますが、阪神地区では、あるいは京阪神地区と言ってもいいですね、やはり京大病院、阪大病院という非常に指導的な大学病院がございます。そこで、じゃ大学病院の今回災害における被災者の受け入れ状況がどうであったかということをちょっとこれはつぶさに調べてみました。
 私は大阪の北部の出身でございますが、そこにやはり阪大病院がございます。例えば、地震発生の一月十七日に、この阪大病院が地震の被災者を受け入れたのは二人、あるいは大阪市立大学病院、ここも二人でありました。あるいはその他の病院でずっと見ますと、豊中市立病院は二百四人、箕面市立病院は六十二人、これは初動の、初日であります。それから一週間で見ましても、阪大病院はその一週間で二十七人、大阪市大病院は七十六人、豊中市立病院は二百八十二人、箕面市立病院は三百三人、大阪市立総合医療センターは百十六人など、実は、大阪府下でずっと見るときに、大学病院が一番受け入れていないというのが一つ数字で見られるわけであります。
 ですから、私たち特に北大阪に住む者として、阪大病院というのがやはり医療の水準の面でも、あるいは医学生を教育する面でも最高のレベルの大学だという安心感も持ち、そしてだからこそ期待もしておったのですが、実態としてこういうことであった。だから、大学病院による救急医療への取り組みというものが今回うまくいっていなかったのではないかというのを私は数字で感じるのですが、とりあえずこの数字についての与謝野大臣の所見をお伺いしたいと存じます。
#91
○与謝野国務大臣 まず、神戸大学の名誉のために申し上げておきますが、神戸大学の附属病院は不眠不休でまさにやっておられました。院長以下、家に帰ることもなくニ十四時間病院にとどまって、病院に来られる方すべてに対して治療行為を行っていた、こういうことでございます。その数は、多分先生のお手元に資料が行っておると思いますが、病院としてはフルキャパシティーで働いていた。
 ただ、神戸大学病院は小児科病棟を中心として患者が退避せざるを得ないような被害も受けております。それから、電気は自家発電で間に合いましたが、例えば腎臓の透析を行うために必要な水を確保するまでには相当程度時間が要った、こういうことでございますが、その後名古屋大学等から看護婦のチーム三十数名も供給を受けまして、神戸大学も神戸大学出身者を中心とした周辺のあらゆる医師を動員して治療行為に当たりました。また、その治療に必要ないろいろな医薬品等々は周辺の国立大学から直送をしてもらいまして、医薬品また医療の内容とも大変難しい状況の中では高い水準の医療を一般罹災者に供給することができたと思っております。
 ただし、ああいう混乱した時期でございますから、負傷者を他の府県に移送するということについては大変な困難が実は伴いまして、極端な例でございますけれども、神戸市内では治療ができないということで、名古屋大学まで運んで治療した、ヘリコプターで運んで治療した例もありますし、今先生が言われた阪大に引き取っていただいたものもございます。
 原則としては、周辺の国立大学は、確かに見かけの収容人員は先生の御指摘のごとく他の市立病院と比べて低いように見えますが、医薬品の供給とか、あるいは医者のチームを組んで現地に派遣するとか、具体的、実質的な医療行為への参加は私は称賛に値すると考えております。
#92
○藤村委員 大臣おっしゃるとおり、神戸大学は本当に一生懸命やっていただいております。ただ、阪大病院につきましては、確かに医薬品等云々で、一生懸命やっているという部分もありますが、やはり素直に反省してもらうところは、阪大病院の考え方では、現地に医者が行っても設備もないし、基本的にはこちらへ患者に来てもらうという体制をとられたようであります。そういう体制の中で、受け入れ数が他の市立病院等と比べて余りに少ないということは数字ではっきり出ておりますし、あるいは、阪大病院のすぐ裏手に万博公園がございまして、そこが自衛隊のヘリコプターの基地なんかになって物資を運びました。帰りにまた患者を乗せてくれば非常に近い総合医療センターであったわけであります。そういう意味では、万全に働いたというだけでなしに、何か落ち度はなかったかということも、ひとつここは厳しく反省をしていただくということが一つ。
 それから、私は、前向きな提案といたしまして、今回の阪神大震災のような場合、そして神戸大学病院はまだ被害は少なかったけれども、神戸市の病院等々は相当たくさん、もう病院自体がつぶれてしまっている、こういう状況の中で本当に、近隣府県がある意味では相当に協力をし患者を運んでくる、そういうことが必要であるということ。特に今回、今もう流行語になりつつありますクラッシュシンドローム、挫滅症候群という、これはきょうまではそんなに年にたくさんの件数はなかったので余り知らなかったわけですが、この震災の中で押しつぶされている方々で、細かい説明はしませんが、これは見たところそんなにけがもしてないんだけれども、本当に半日で死んでしまうような、そういう救急の患者こそは、これは透析が必要ですからね、本当にすぐに運んで、近隣の病院が協力し合う。
 私はここで提案したいのは、国立病院、文部省は確かに国立病院でありますが、国立病院だけと言わずに、市立病院も市大病院もあるいは民間病院も、ひとつ緊急時にネットワークが組める、これも先ほどの避難所のネットワークと同じでありますが、これは病院の情報通信のネットワーク、それも衛生を利用したようなものぐらいをここでやはり新たに考えていくべきではないか。特に首都圏においても、当然大震災への備えをこれは着々やるとしても、東京だけでない、神奈川を含めた隣県の病院の相互情報交換システムというものを新たに提案し、これは文部省だけでできることではないと思いますが、ぜひひとつ新しいアイデアについて与謝野大臣のお考えをお聞かせ願いたいと存じます。
    〔小川委員長代理退席、委員長着席〕
#93
○与謝野国務大臣 今回の震災は、そういう医療の面でも大変多くの教訓を残したと私は思っております。この問題が一段落をいたしましたら、いろいろな地点で震災が発生したということを想定してある種のシミュレーションをして、一体医療体制をどのように動員すれば被害を最少限に食いとめられるか、あるいは地震災害後の順調な医療供給ができるかということは勉強をしなければなりませんし、先生が御指摘のように、そういう場合には国公私立病院、開業医の皆様方を含めて、どういうシステムで被災者に対して医療を供給できるか、これは外部からの医療品の供給、外部からの医師、看護婦の供給を含めまして幾つかのケーススタディー、シミュレーションをやって、常日ごろある種のネットワークシステムを組み立て、いざというときにはそういうものが立ち上げられるようなところまでやはり勉強をしておく必要があるというのは、先生の御指摘のとおりだと考えております。
#94
○藤村委員 一つ、途中で私質問を飛ばしたものについて、申しわけございません、さかのぼって質問させていただきます。
 今回被害を受けた学校を復旧するわけですが、そこに避難されている方もいるときに、学校を再開するときは、例えば仮教室というものが考えられるのか、仮教室をつくる場合は費用はどうなるのか、その辺ちょっと教えておいていただきたいと思います。
#95
○遠山政府委員 学校を再開するにつきまして、仮の校舎をつくるということが必要であれば、それに対する補助制度はございます。
#96
○藤村委員 今制度があって、国庫負担でやるということでよろしゅうございますか。
#97
○遠山政府委員 負担金ではございませんが、補助金という形でお金が出ます。
#98
○藤村委員 それではもう一つ、地震研究ということでございます。
 これは、特にきょうまではやはり首都圏とか南関東とかいうことが重点であったのですが、果たして阪神地域がきょうまで地震研究の対象になっていたのかどうか、これだけちょっと教えてください。
#99
○岡村政府委員 我が国におきます地震予知研究は、御案内のように、測地学審議会が建議する地震予知計画に基づいて、大学、気象庁、国土地理院等関係機関が協力して行っているわけでございます。
 ところで、今回地震の起こりました地域は、地震の専門家の集まりでございます地震予知連絡会、これは国土地理院が事務局をやっておりますが、この地震予知連絡会から特定観測地域ということで指定されております。これは、この地域は人口が密集していること、歴史上大きな地震の経験があること、活断層も比較的多いといったことに基づきまして特定観測地域ということに指定されているわけでございます。
 この地域については、関係機関がそれぞれ観測研究をかなり密にやっておるわけでございまして、大学について申し上げますと、名古屋地区については名古屋大学、それから紀伊半島の中部地域については東大地震研、それから京阪神地区につきましては京都大学防災研が、地震や地殻の変動あるいは地磁気等の観測点を設けまして観測研究を行っているところでございます。
#100
○藤村委員 以上、地震研究までちょっと触れさせていただいて、結局最後に大臣に御答弁願いたいのは、いよいよ阪神・淡路震災復興法のような、仮称ではありますが、そういうものをひとつ基本法をつくって、そして個別には、文教の中では、今この委員会でずっと出てきているような種々の問題が、今までの法律の中だけでなかなか適時適切に対応できないという部分がやはり相当出てきておりますので、それらを一括したような臨時措置法というものを我々で提案していきたいと存じます。
 そういうときに、文部省、文部大臣のその臨時措置法づくりについての御意見、御所見を最後にお伺いしたいと存じます。
#101
○与謝野国務大臣 臨時措置法といって一くくりにするのか、個別の法律の改正なのかという問題はあるのだろうと思っておりますが、いずれにしても、復興を迅速に行うという観点から考えれば、何らかの立法措置あるいは例外措置というものは必要になるのではないかと思っております。
 そのときに、法律をつくるときにやはり大事な観点は幾つかございます。
 一つは、被災を受けたお一人お一人が、どこまで自力で立ち直れるかという問題。国、地方自治体がどこまで財政支援を行えるかという問題。それからもう一つ大事な観点は、やはり復興をする以上、災害に強い、近代都市と言われるにふさわしいものをっくり上げていかなければなりませんので、そういう都市計画法、建築基準法関係の法律あるいは借地借家法等については既に適用するということが決まっておりますけれども、そういうもろもろの個人の権利義務に関する規定と都市、建築関係の法律をどうマッチングさせていくかというような問題もございます。
 法律を改正するとういことは、実は余り難しい作業ではないと思っております。ただ、その財源をどうするのか、また、財源を使ってある種の補助、援助等を行うにいたしましても、被災を受けた人に対しまして、ある種の公平感を与えた財政措置でなければならない。また、財源をどう国民の間で負担していくかという問題も最後には残るのではないかと思っております。
#102
○藤村委員 以上で終了させていただきます。ありがとうございました。
#103
○伊吹委員長 これにて藤村修君の質疑は終了いたしました。
 次に、石田美栄君。
#104
○石田(美)委員 新進党の石田美栄でございます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、阪神大震災関連の質問をさせていただきます。
 先ほどからも随分いろいろなお話が出まして、その中でも、いろいろな形でのボランティア活動、高校生、大学生等々ボランティア活動のことが随分話されましたけれども、被災地周辺での学生寮に住んでいた、あるいは下宿生活をしていた学生たちも、マスコミ等で報じられていますように、自分たち自身が被害を受けているにもかかわらず、被災地でボランティア活動に汗を流している学生も多数おります。
 こうした学生、多分学校の方は今休校になっていてということでもあると思いますけれども、こういう学生寮、下宿などで生活を送っていて、今そういうものが倒壊して居場所がなくなっている学生というのはどれくらいあるのか、わかりましたらお教えいただきたいと思います。
 また、そうした学生たちがこれから学業を続けていくのに住まいをどう確保するのか、そういったことについての対策が何か考えられていますでしょうか、お伺いしたいと思います。
#105
○吉田(茂)政府委員 御指摘のような、倒壊などのため居場所がなくなってしまった学生数いかんということでございますが、地震発生以後多くの大学が自然休校の措置をとった状況でございますので、そういった学生の実数の把握が現在非常に難しい状況でございますが、鋭意今努めておるところでございます。
 部分的な数字でございますが、神戸大学で二月六日までに判明した自宅、下宿等の被災状況でございますが、全壊家屋にかかわる人が二百八十二人、一部損壊家屋に住んでいる、それが九百三十三人、合わせて千二百十五人。これは全学生の約八・六%でございまして、調査を完了した学生の約二八・五%という数字が出ております。特に神戸大学の場合には状況が厳しいようでございまして、神戸商船大学では調査完了者の約七・六%がこれに該当しておるということで、相当ばらつきがございますが、厳しい状況の中にあるわけでございます。
 学生の居住施設の確保は、私どもとしても非常に重要な課題だというふうに考えておるわけでございまして、例えば、これも部分的な御報告で申しわけございませんが、大阪大学の場合では仮宿泊施設の確保ということで、全壊等によって居住場所の見込みが立たない学生四十二人について学生寮等で受け入れようということで、今把握している数字では、そのうち十一人を学生寮に入れるというような形での努力を今積み上げているというところでございます。
#106
○石田(美)委員 ありがとうございました。
 多分それは、学生寮なんかの学生についてはわかるでしょうけれども、一般に下宿している学生などのことは恐らく、でも、私も岡山でして、近所には、下宿がもうだめになったので国に帰ってきているなんていう学生もいまして、そういう学生もいろいろな意味で今後大変だなというふうに思います。そういうことがいろいろ出てきましたときには、またお考えいただきたいなというふうに思います。
 次に、私もこのような状況で、岡山から東京に出てくるのが飛行機ということになってしまったわけですが、一昨日飛行機に乗ってみましても、受験生らしい高校生が随分乗ってまいりました。そういうのを見ておりまして、私自身も親戚に被害をこうむった者もたくさんいまして、そこのうちの子供が大学生だとか就学していますと費用も大変かかるわけですが、家自体もなかなか大変という、そういうことは、これから受験する子供たち、そして今在学している学生たちも、家の窮状の中で自分自身の将来についてどうしたらいいかと迷っている子供たちも多いことと思います。
 そんな中で、被害者の人で、阪神で被害を受けて、そして東京だとかいろいろな地方、大学等々に出かけて下宿したりしている学生、そういう学生も、自分のうちが大変ということで学業が続けられるかどうか。そうしたことは若者の将来を大きく左右する状況ですので、先ほどからも次々に御質問されておりますけれども、被害者の人でこの春、高等学校とか専修学校、短期大学、大学などを受験するであろう数というふうなものはどれくらいいらっしゃるのか、おわかりになりますでしょうか。
#107
○吉田(茂)政府委員 実は、御指摘の点は把握が非常に困難な数字でございますが、一つの考え方の一助として申し上げますと、災害救助法が適用される地域、十五市十町でございますが、そこから平成七年度大学入試センター試験の志願者数が約三万四千人ということでございます。担当数に上っております。こういった数字、あるいは平成六年度入学者選抜の志願者数や地域の高等学校生徒数の県内生徒数に占める割合から、極めて、何といいますか、概略の数字をとらえようということで努力をしてみたわけでございますが、非常に概略的な数字で申しわけございませんが、入試センター試験の志願者約三万四千というのはある程度しっかりした数字でございますが、この被災した地域から大学、短期大学を受験するという数字は、今申し上げましたように、極めて概略的でございますが、推計いたしますと約八万人前後ではないかというふうに考えております。
 専修学校については、ちょっと今、試算にも至っていないという状況でございます。
#108
○井上政府委員 ただいまお尋ねのございました被災地域の高等学校の受験者数についてでございますが、これから出願期間を迎えることなどから、現時点では必ずしも明らかではないわけでございますが、災害救助法が適用される地域、先ほどお話がありましたように、十五市十町からの高等学校等への入学志願者につきましては、これも大学の場合の推計方法と同様の考え方に基づきまして計算をしたわけでございますが、その結果約八万一千人と想定をされているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後それらの受験生については、出願時期を待って、正確に数字が確定するものというように考えております。
#109
○石田(美)委員 そういう非常に多くの人数になりますが、いろいろな資料を見ましても、高等学校で、初年度の納付金、入学金、授業料など、平均、公立て三十六万四千円、私立てすと八十二万円、短大、私立の文系で九十四万七千九百円、理系ですと九十七万八千円、大学、公立て六十六万四千円、私立の文系ですと九十八万四千三百円、理系ですと百二十八万七千八百円、こういう進学についての初年度の費用でございますが、いろいろと授業料免除だとか、そういういろいろなことが言われておりますけれども、そういう多くの人数でこういう多額の金額、どこまで実際に実行されていくのか。
 受験、進学を迎えた親御さんへの、生活の中で、子供を学校に行かせたときに一番どういうことが変わりましたかというアンケート調査をとっているものがありますけれども、その中でも、生活費を切り詰めるようになったというのがもう大多数というのが、子供を学校に行かせる親の現状でございます。
 そんな被災の状況で、こういう費用のかかるという中で、家計は大変ですし、遺児になった人はもちろんですけれども、親が職を失ったり、家の再建、ローンを抱えてというふうなことで、多分、進学を断念して働かなければというふうな子供というのは随分出るのではないかというふうに懸念いたします。
 例えば、育英奨学金につきましても、具体的に七年度予算での総額がどれくらいで、こういう被害に対してどれくらいそれをもっとアップして考慮していくのか。一人当たりの貸与額というのも、申し上げるまでもなくわかっているわけですけれども、こういう実際に要る費用に比べれば少額でございまして、そういうことも、専修学校も含めて、文部省の方で育英奨学金について、枠にしても、一人当たりの貸与金にしましても、特別に何か対策をお考えでしょうか。
#110
○吉田(茂)政府委員 今の御指摘の中で、日本育英会の関係ですと、例えば今お願いをしております予算の、平成七年度の事業費総額が二千二百四十七億ということでございます。相当数の方々が日本育英会奨学金について今回臨時に募集をするという中で応募をされることが予想されるわけでございますが、従来は、当該年度の予算の範囲内で災害の場合の臨時の奨学金も運用してまいってきたわけでございますが、今回の兵庫県南部地震は従来の災害の規模とは異なるという状況であるために、この奨学金貸与の申請状況を私ども見ながら、どのような対応をしていくか、特に財源についてどう考えていくか、この申請状況をよく見ながら鋭意検討していきたいというふうに思っております。
 ただ、現在のところ、どの程度の申請が参るかまだ数字が出そろっておりませんので、その状況を見てまいりたいと思っております。
#111
○石田(美)委員 ありがとうございました。
 でも、その中で、迷っている子供たち、いろんな対応が明確になれば、そういういろんな計算のもとにいけるかいけないか、特に、個人の枠、今の金額を申し上げればいいのですけれども、そういうのではとてもやれないなという感じがいたしますので、こういう、特に被災者の、もう今学生である人あるいはこれから合格した人たちについて、貸与額の枠なんかについての見通しはいかがでしょうか。重ねてちょっとお伺いしたいのです。
#112
○吉田(茂)政府委員 現行制度の運用の中でその月額を増額していくということはなかなか難しい面がございます。なお、どうやっていくかということになりますと、例えば、無利子貸与と有利子貸与、こういったものの併用貸与制度というものを活用していくとか、いろいろ考えながら対応をしていきたいと思っておりまして、例えば、この併用貸与制度を活用してまいりますと、私立大学、自宅外の学生の場合には、通常の場合五万四千円が十万八千円というような形になっていくというようなことも考えられるわけでございますが、そういった制度の活用等よく検討してまいりたいと思います。
#113
○石田(美)委員 そういうふうなことも明らかにしていただけると、受験生等々方針が立つのではないかと思います。これは文部省にお答えいただくというわけにはいかないと思いますけれども、要望として、それに加えて、こういう若い人たちにとっては一生を左右するような大切な時期で、実際、進学できたかできないかというのはかなり一生を左右するということになりますので、人に優しい手厚い対策をお願いしたいと思います。
 そして、こうした被災者の高額教育負担軽減のために、特別減税の是非だとか、親御さんの教育費の、税金を納めるときの控除だとか、そういうふうなことを考えていただけたらと思います。
 そしてまた、国民金融公庫の取り扱いの中で、教育ローンについても金利を軽減して、限度額のこともありますけれども、貸し出せるといったような検討も大蔵省に働きかけていただくというふうなこともお願いするということ、これは要望で結構ですので、お願いいたしまして、災害につきましての質問を終わらせていただきます。
 続きまして、教育改革についてお尋ねしたいのですけれども、日本の教育は、確かに国民全体への基礎教育という点では世界に誇るべきすばらしいものであったと思います。しかし、民主的社会、国際的社会に責任ある自立した一員を育てるという点ではどうだろうかというふうに思います。個性豊かなということも大切ですけれども、民主主義社会を支え、これからの国際化とともに、地方分権、地方の時代に国民一人一人がしっかりとした自分の意見を持ち、それを発表できるような教育が重要であると思います。果たして、他人の異なった意見も十分尊重しながら議論を展開できるような教育が、特に中学校、高等学校、大学で行われているだろうかというふうに思います。
 また、学校五日制に向けて、教育内容の見直しが必要だろうと思います。今日のように、情報化が進み、生涯学習が進められる中、いつでもどこでも学べるという時代に、学校教育の役割を見直してみる必要があるのではないでしょうか。そしてまた、六・三・三・四の学校制度にしても、戦後五十年近く続けてきて、九七%という人が高等学校に進学するという状況や、幼児期の教育など、学校制度についてもここで一度大きく考え直していく必要があるだろうというふうに思います。
 そして、先日の文部大臣の所信表明の中にも「来るべき二十一世紀に向けて、国民一人一人が」、この「一人一人」というのは、私は、男も女もというふうに特に強調したいのですけれども、特にその中で、「自己実現を図る」ということが大きな理念だと思います。おっしゃっている中のこの自己実現なんですけれども、これも、男女を問わず、家庭でも地域でも職場でも、そういう社会でひとしく能力を発揮していくことができる、これを目指した文教政策の果たすべき役割はますます重要だというふうに読み取りました。
 今の、文部大臣の所信表明の自己実現というところを少し後に回しまして、今の学校制度について、ここで一度大きく見直してはという続きのお話でございます。
 このように、学校五日制とか生涯学習、教育の地方分権、国際化の時代に向けて、また登校拒否、いじめの問題、校内暴力、そして今大きく話題になっていますボランティア教育や環境教育が叫ばれている中で、教育の長期的展望に立った学校教育の見直し、改革について文部大臣がどのように考えられ、これから、先ほども与謝野文部大臣のときに将来の教育の大きな道をという河村委員のお話もございましたけれども、教育の改革、制度面でも内容の面でも、見直し、改革についてどのようにお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
#114
○与謝野国務大臣 教育制度自体は、不断の見直しと改革への意欲を持って臨まなければならないと私は常日ごろ思っております。
 現在の小学校六年、中学三年、高校三年、大学四年という制度を見直すべきだという御提案でございますが、確かにそれも一つの物の考え方であろうと私は思っております。六・三二二制というものが導入されたときに、日本は実際は違う制度をとっておりまして、小学校六年、中学五年、高等学校三年というような制度で例えば私の父の世代は教育を受けたわけでございます。
 しかし、どの制度がいいかという優劣をつけるための決定的な論拠は実は余りないわけでございます。そこがこの問題を非常に難しくさしているところでございますが、やはり戦後五十年間、そろそろ見直せという意見もございますし、戦後五十年、この制度は定着したという意見も実はございます。
 そういう中でございますが、私どもはそういう学制改革についても重大な関心を常に寄せなければならないわけでございますが、目下のところは、この問題に手をつけるという考え方は実はないというふうに申し上げるのが正直だろうと思っております。
 ただし、一部の意見では、中学、高校を切り離しておくことが正しいのかどうかという意見はありまして、中高一貫という御主張はございます。この中高一貫という考え方は、実際はある県では実験的に導入をされておりまして、中学に入りますと、高校三年まで同じ学校で生活をするという公立学校も既に全国で多分一つできておりまして、こういうものの成果というのはやはり注目に値するのではないか。これは、先生のおっしゃる学制改革ではありませんが、既存の制度の中でそういう工夫も実はできるという一つのあかしてはないかと私は思っております。
 いずれにいたしましても、教育というのは知識を詰め込むということではなくて、一人一人の人間が人格を高めるというところに、日本の、教育基本法の第一条に教育の目的が書かれておりますけれども、やはり人格を高めるということのほかに、先生が今言われましたように、それぞれの人が持っている、これは特に女性を含めまして、それぞれが与えられた自分の個性、特徴、持ち味を十分発揮して社会の中で力強く生き抜ける、そういう社会を目指すということは、先生と私は全く同意見でございます。
#115
○石田(美)委員 私も、今文部大臣がおっしゃいました中学と高校の一貫というふうなことが、このたびのいじめの問題でも、特に小学校から中学に入ったときの中学一年生あるいは二年にかけて、この辺に集中的に出ているということが、もしここが、中学、高校が一貫の六年間という状況の中だったらどういうふうになるんだろうなというので特にお伺いしてみたわけでして、私学ですとそういう一貫教育をしていらっしゃるところも多いので、そういう学校でのいじめの状況と、中学と高校が分かれている中で、何かそういう集計があって、もし一貫しているところの方がそういう状況が少ないというふうな、そういう何か資料はございますでしょうか。
#116
○与謝野国務大臣 特に大きな差があるという調査は多分ないのではないかと思いますが、合いじめの専門家会議もやっておりますし、そういう専門家の方にお伺いして、後ほど先生の方にそういう傾向についてお知らせをいたしたいと思っております。
#117
○石田(美)委員 そういう六・三・三・四の学制についても、変えるのがいいということも、私もわかりませんけれども、そういうことも含めて考えていく、研究していく必要があるのではないかなというふうに思います。高等学校でも、総合学科の高等学校が次々にできておりますね。けさも神奈川県で非常に倍率が高いという、そういうことも含めて考えていくといいのではないかなというふうに思います。
 これは非常に私見なんですけれども、もう九七%も高等学校に進むのだったら、高等学校まで義務教育にして、ここを一貫にして、そして十五歳を過ぎれば自由にいつ学校をやめてもいいというふうなこともできないのかなというふうなことも私自身は考えてみたりすることもございます。
 制度についてはこれくらいにさせていただきまして、ちょっとお話しするのが前後してしまったのですが、先ほどの大臣の所信の自己実現という教育の大きな理念に戻りまして話を進めさせていただきたいのです。
 これが近代社会の大きな私たちの財産でございますが、人権、そして人間一人一人はこの世に幸せになるために生まれてきたという、近代社会の私たちがみんな是とする理念、それは自己実現。一人一人が持って生まれてきた能力をいろいろな形で最大限生かして生きられるということが幸せなんだというふうに思います。
 そして、そういう理念と、日経連の労働問題研究委員会が平成七年版の報告の中に、「女性人材の能力発揮・向上と意識改革」というところで、特に挙げていらっしゃるのが社会全体の意識改革、社会自体の意識改革が必要だということをまとめておられます。その意識の改革ということになると、そこには教育の果たす役割というのが非常に重大であると思うのですけれども、この自己実現ということと、社会の意識、女性に対する社会の意識を変えるという、教育がそこを埋めていくべきだと思うのですが、現実には、前の文教委員会でも私もちょっと触れさせていただいたのですが、時間切れになりましたので、きょう少しゆっくりここのところをお話ししていけたらと思うのです。
 実際に起こっている状況というのは、昨年は国際家族年でありましたけれども、日本の状況というのは、少子化、女性の晩婚化、非婚化、そして熟年の離婚が進んでいて、平成五年の離婚件数は過去最高でありますし、そして特殊出生率は過去最低の一・四六になっております。
 そして、これも昨年末に出ております「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について」というので、文部省、厚生省、労働省、建設省が出している資料でございますけれども、そこの冒頭にも、「少子化への対応」ということで、平成五年の我が国の出生数というのは百十八万で、終戦直後は二百六十八万であったのが百十八万まで生まれる数が下がっているというのを冒頭に書いてございます。半数以下だというわけです。さらに次の段落のところに「少子化の原因」ということで、二十五歳から三十歳までの女性について見ると、未婚率が昭和五十年には一八・一%であったのが、平成二年には四〇・二%になっている、要するに女性が結婚しないということ。その次に、夫婦、実際に結婚している人の出生、子供を持つ数について触れているのですけれども、これは実際には二人を超しているのですね。結婚した夫婦の子供を持つ数というのは安定していまして、むしろ上昇ぎみにあるという。ところが、女性が結婚しない。ここのところに、自己実現という大きな理念を挙げて、そして社会の意識を変えなければということを言いながら、そこを埋める教育が実際どうなのかということを私は一番責任を感じており、考えなければいけないと思っているところでございます。
 もちろん、この資料の中にも、少子化の背景となる原因、そしてその施策ということでいろいろな、住宅のこととか教育費のことだとか、子育て支援、さまざまな支援策が示されております。こういういろいろな社会的な支援を行う施策というのは非常に重要だと思いますけれども、根本的な解決というのは、私は教育面での役割が欠かせないというふうに思います。
 教育は、もちろん総じてこれは人生論と言えるんだろうと思うのですが、人間の生き方という中、これはイコール男性の生き方でもないし、男性の生き方イコール女性の生き方でもないと私は思います。男性の生き万プラス女性の生き方、これが人間の生き方というふうに思います。男と女は同じではない、異質ですけれども、自由でお互いに共生できるような人生論、その中で特に母性を持つ人間であるという女性を対等に見る人間観とか人生観といったような観点が、教科書を初め学校教育の中にどれだけ組み込まれているのだろうかということを見ていかなくてはいけないと思うのです。
 民主主義の発達の歴史、人権の歴史の中で、ここでの人間というのはかっては男性でありました。後発だった女性の解放の歴史というのは、日本の教育の中で実際にどれだけ取り扱われているだろうかということを見ていきたいと思うのです。
 それで、社会教育の中ではこのようなことにどれくらい取り組まれているのか、そして次に、高等教育機関ではどうなのか、さらに高等学校、中学校の教科書の中でこうしたものがどのように取り扱われているかをお伺いしたいと思います。
#118
○伊吹委員長 ちょっと待ってください。順番にやりましょう。一番最初は社会教育関係の質問がありましたから、泊生涯学習局長。
#119
○泊政府委員 先生御指摘の点につきましては、一番大事なことは、やはり意識の変革ということが大きいという御指摘は私どもも同感でございます。
 この問題につきましては、いわば男女の役割を固定的に考えないで、男女が協力をして、いわば共同参画社会を実現をしていくということに向けていろいろな施策を講じているところでございます。
 社会教育の面で申し上げれば、例えば女性の社会参加支援のための特別な推進事業を実施をして、女性の能力というものを活用した社会参加活動のモデル的な事業というものを婦人団体等へ委嘱をするといったような事業、また、先生御案内のとおり、地域社会において市町村等が各種の学習講座等を開設をするといったような形で推進をいたしているところでございます。
 今後とも、その点につきましては、大きな流れの中で、いわゆる学習機会の提供の充実でありますとか情報提供の問題でありますとかといったような面で私どもも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#120
○吉田(茂)政府委員 いわゆる女性学あるいは女性論というような形の授業科目が開設されている高等教育機関というような観点から調査をいたしてみますと、これは国立婦人教育会館の報告書でございますが、平成四年度、ちょっと数字があれでございますが、四年度に女性関連講座科目等を開設している大学、短期大学数は二百六十八校、科目数が五百十二科目ということでございます。
 これは、平成二年度に比べますと、開設大学、短大数は二百五十一校から十七校増加しておりまして、中でも、国立大学では二十八校から十校増加しているというような形で、誕生が比較的最近でございますが、その割にはこういう形で女性学関連の授業科目の開設がふえているというような状況でございます。
#121
○井上政府委員 学校教育におきましては、男女平等教育につきまして、小学校、中学校及び高等学校の各学校段階を通じまして、社会科や道徳、特別活動等におきまして、児童生徒の心身の発達段階に応じて適切に指導することとしているわけでございます。
 具体的に申しますと、中学校の社会科の公民的分野におきましては、現在の家族制度の基本的な考え方は個人の尊厳と両性の本質的な平等に基づいていることを理解させますとともに、道徳におきまして、男女は互いに相手の人格を尊重し、健全な異性観を持つようにすることとしているところでございます。
 また、高等学校では、現代社会におきまして、基本的人権の保障や人間の尊厳と平等等の観点から男女平等を取り上げますとともに、ホームルーム活動において、男女相互の理解と協力について取り扱うこととしております。
 特に、高等学校におきましては、本年度より実施されております新しい学習指導要領におきまして、家庭科を男女とも必修としており、この中で、男女が協力して家庭生活を築いていくということについても指導することとしているところでございます。
#122
○石田(美)委員 ありがとうございました。
 確かに男女平等を教育の中で入れているというふうなことはわかるのですけれども、女性の場合、同じではないわけですね。女性が社会に進出するようになったいきさつ、歴史というのは、男性の歴史とはまた違った独特、非常に重要な面がございます。
 先ほどもおっしゃっておりました高等教育の中あるいは社会教育の中では、かなり女性のライフサイクル、なぜ女性も自己実現、そういった人生の中で社会の顔、子産みと台所だけではない社会の顔も持つようになったかという、女性の立場からの見方というふうなものの教育、これは女性学という分野になるのですけれども、この女性学と女性解放とはちょっと意味合いが違ってくるいきさつ、歴史的な学問的ないきさつがあるわけですけれども、高等教育の中では確かにかなり取り入れられています。社会教育もそうです。
 ですけれども、中学、高等学校では本当に、ここに私も資料をいただいているのですけれども、中学校では、これが学習指導要領では民主主義の思想の普及、社会運動の展開といったところで歴史の分野で出てまいりますが、女性の解放についての意味というのは、そうですね、ここにありますこれだけなんですね。半ページあるかないかでございます、実際に教科書に出てきますのは。
 高等学校についても、ここに資料をいただいているのですけれども、同じでございます。これも部落解放運動、次に婦人解放運動などが活発化したことを理解させるというところで出てくるのですが、ちょっと詳しいことをやっていますと時間がなくなりますので、本当に半ページあるだけというのが日本の教育の実情でございます。
 実は私は、今一大政治課題でもあります高齢化問題、少子化の問題も、確かに日本人といえばこれは男と女の問題でありますけれども、こういう問題は、より今女性の問題でございます。
 私自身は、この政治の世界に入る前、女性学の研究者でございまして、女性学の視点で社会教育、高等教育、国立婦人教育会館の女性学講座の企画委員にも携わっておりました。この衆議院に出馬する前にも「女・男の現在をみつめて―岡山女性学十年―」、これは賞もいただいた本なんですけれども、こういう本を出しております。その中で、教育は国づくりの基本ということで、女性の非婚化、晩婚化も、それは自由社会ですから個人の自由だと言えますけれども、教育内容の欠陥にその要因を見ることができます。出生率の低下の原因もここにあると私は思うのです。
 こうした高等教育の中あるいは社会教育の中で女性学の視点の講座を持ってみまして、社会教育の中では、既に結婚して子供を持っている三十代、四十代、五十代、六十代といった女性の人たちが、そういうことをもっと早く学んでいたらもっといい人生が送れたけれどもということを言われますし、また、私も短期大学でも教えておりましたけれども、地元の岡山大学でも男性論、女性論といった一般教育科目の講座に出ておりました。そんな中で、授業が終わりますと男子学生も女子学生も寄ってきて、ああそういうふうに、今ごろの女は生意気だとか、そういうふうに思っていたけれども、そういういきさつがあったのか、先生、僕ら初めてそういう話を聞いた、女子学生であれば、そういうことをもっと早く知っていたら人生を計画して見通していけるのにというふうな反応を得ております。
 これは中学校、高等学校で、女も家庭の顔だけではなくて社会の顔も持つようになったそうした歴史とか意義といったものを、そこからまた出てくる、女は母性を持つ、子供を産むということからいろいろな問題が出てきております、こういういわゆる女性学の視点を取り入れた授業を受ける必要を私は強調したいと思います。
 これは、女だけが授業を受けるということではなくて、男性もともに、そうした母性を持つ人間というところの理解を持っていただけるような教育が取り組まれるということが、この日本の将来の存亡のかかっている人口問題、少子化の問題解決にはどうしても必要だと思います。
 この女性学が何かというのは、ちょっと時間がございませんので、資料をきょう配らせていただきまして、これは私が考える女性学、一応まとめでございまして、何かのときにお読みいただけると、ああそうなのかとわかっていただけると思いますけれども、私自身も、たまたま高等教育を受けましたけれども、社会に出ていろいろな差別の中で一生懸命頑張る中で、男の人には負けないんだ、男女平等なんだと一生懸命頑張りました。その結果どうだったかというと、そこで結婚もしなかったり子供も持たなかったら恐らくそういうことはなかったんだろうと思いますけれども、組合運動一つにしましても男の人と同じようにやりました。結果は、吐血して、血を吐くという、体を壊すという結果に終わって、そういうときに、女性学というのは最近の学問なんですけれども、男性のために、男性の、男性によってつくられてきたというのが社会でして、そこに母性を持って子供を産みながらというふうな形で女性が入っていくということは物すごく無理があるということに気づいて、例えば子供を産みながら働くというふうなそういうことも、労働者として子供を産んだりすることというのは効率が悪いからよくないというふうに偏見を持たれるわけですけれども、そうした、女性が母性を持つ人間だということが正当性を持つ、それも正当に社会で受け入れられるためには、世の中の価値観、学問の上で女性の視点を入れたものに変えていかなければいけないという、なかなか短い時間で説明できないのですけれども、それを知ったときに、私は、ああそうか、男と女は同じではない、違ってもいい。ですから、私自身は衆議院議員になって、一年生の議員の中で多分最長老だと思うのですね、おくれているわけですけれども、それも同じである必要はない。平均寿命は大体六年長いわけですから、六年遅くたってそれだけ人生豊かなのかもしれない。私の場合だったら母性も十分、子供も持ち、やれる人生がより私はよかったのかな、そういうふうなことでございまして、ちょっと時間がなくなるといけないのですが、そうすると、少子化に対処できるような教育は何かということを考えてみたいと思うのです。教育によってやはり少子化現象に歯どめをかけていくということが重要だと思いますし、実際にそれでもって子供の数がうんと減った少子化現象に歯どめをかけた国の例をちょっとお話ししてみたいと思います。
 現在、特殊出生率ですけれども、発展途上国というのは大体五人から六人です。日本も戦争が終わったころ大体五人近くでございました。そうしたことが恐らく戦後の日本の繁栄にも、子供が生まれるという形で発展してきたと思うのです。ところが、今は御存じのように五人くらいだったものが一・四六でございます。そして、同様に低いのがイタリア一・二六、ドイツ一・四八なんですね。こうした国々は大体父権制の強い国でございまして、スウェーデンとかアメリカといったところも出生率が非常に下がったところから、今はスウェーデンが二・一一、アメリカが二・〇一というふうに回復しております。それには、スウェーデンの場合は御存じのようにもう制度的にも徹底した支援をしておりますし、またそこに徹底的な支援ができるようになった背景には、もう徹底した男女平等教育をしております。スウェーデンでは男女平等教育を教員教育課程履修の必須科目としているというふうに教育に組み込んでおります。
 スウェーデンのお話よりもちょっとアメリカの方のお話をしたいのですけれども、アメリカの場合も高等学校では女性学というのがどこにもあるそうでございます。先日も、日本からアメリカの高等学校に行っている友達の子供さんが帰ってこられていて、ばったり出会って、私のことを女性学の先生ですよという紹介をされて、アメリカで女性学どうと聞いたら、そんなのアメリカの高校では常識だよ、どこにでも講座としてあるよと言っていました。
 ここで、前にもちょっと御紹介させていただいたのですけれども、これがアメリカの高等学校の女性学の教科書の一つなんでございます。私が訳しまして、これは短大で使っていたのですけれども、こういうのを一冊使っているわけですね、科目として。この教科書は皆様とも関係なくはないので、あのスペースシャトルの惨事のときに、マッコーリフさんですね、この方は高等学校で女性学を教えておられました。こういうところにも、昨年は向井千秋さんが日本の女性として初めて宇宙飛行士で、このマッコーリフさんもそうでした。マッコーリフさんはスペースシャトルが爆発しまして亡くなられたわけですけれども、同じように、こういう女性の宇宙飛行士でも、マッコーリフさんは実はあのとき八歳と六歳の子供がいたわけですね。それでスペースシャトルに乗った。向井千秋さんは御存じのような方でございます。たまたまですけれども、お子さんはいらっしゃいません。
 このスペースシャトルの惨事の後、多分皆さん方い議院の方は、そのときに科学技術庁長官だった河野洋平さんが募金をされて応募をされたのじゃないですか。何千万も集まったそうですね。このマッコーリフさんのニューハンプシャーのコンコードの学校に多額の寄附をされたそうですね。それをコンコードの高校では、それならマッコーリフさんの後にコンコード高校で日本の女性に来てもらって日本の女性の話をしてほしいということで、これはインターナショナルインターシップですか、に要請されてそれに応募したのがこの宮城正枝さんという私の友達なものですから、彼女がこの教科書を持って帰られて一緒に訳して日本で使っていたという教科書でございます。
 そのごとく、やはり出生率を二人台に回復させるには長い間教育の中で植えつけてきているというのがスウェーデンだとかアメリカの例でございまして、どうかこの日本の教育、制度もそうですけれども、先ほども申しました、これから五十年あるいは百年先の日本の教育を考えて教育改革に取り組む中で、ぜひこうした女性教育といいますか、女性学的なものを入れていくということをお願いしたいと思うわけです。こういうあたりについて、国の将来のこういうことを含めた教育改革について、私は随分勝手なことを申しましたけれども、文部大臣の御感想をちょっと伺いたいと思います。
#123
○与謝野国務大臣 我々男性にとりまして女性というのは永遠のなぞという部分もございますが、近年、女性を職場という観点から見ますと、大変女性の方が活躍をされているわけでございます。我々の衆議院の議長も女性の方でございますし、また、文部省関係ではもうあらゆる審議会で女性の進出ぶりが各省の中でぬきんでて一番高いということもございますし、例えば来年度は上級職を通って文部省に採用される職員は七名も女性の方がおられるということで、女性の社会進出というのは大変なものだと私は思っておりますし、またその能力においても、実際民間企業もあるいは役所というような場所でも、実際働いておられる女性の能力は男性にまさるとも劣らないというところまで行っていると思います。
 そういう意味では、先生が目指しておられます、男、女ひとしくその能力を発揮し、対等な立場で仕事を進めていくということについては、私は社会全体としてはそういう方向に動いている。これは自然に動いているわけではありませんで、先生のような女性の地位向上のために一生懸命働いておられる方々の努力の集積としてそういうことが起きているのだろうと私は確信をしております。
 学校教育の中でどう男性と女性との役割分担を教えていくかというのはなかなか難しい問題ではございますけれども、今の高等学校の新しい学習指導要領においては、やはり従来慣習として女性の役割であったというふうに常識的に考えられておりました、例えば料理や炊事、洗濯とかその他のものについても男性はある知識と技能を持つべきだということで、そういうことについてもやはり男の生徒であってもそれを学ぶ機会を持つということで女性に対する理解も一段と深まる、こういうことであろうと思います。
 もう一つ、先生がお話しになりました少子化の問題ですが、少子化というのは学校教育だけで救えるような問題なのかどうかということはございます。先生が御指摘になりましたように、実は結婚された方の持たれるお子さんの数というのは平均的な水準をいっている。むしろ、二十五歳から三十歳にかけての女性群の間での結婚率というのが非常に低い、したがって出生率も低い、こういうことでございまして、女性の晩婚化というのは一体どこに起因するかといえば、結婚難ということではなくて、むしろ女性の自立可能性が高まったということによって引き起こされている面があるのではないかと私は思っております。
 ただ、結婚された方で子供を持ちたいという方が、自分の産んだ子供の教育負担、そういうものを考えてなるべく少なくしか子供を産まないという傾向がありましたら、その点についてはやはり文教行政の中で考慮に値すべき問題であると思っております。
#124
○石田(美)委員 ありがとうございました。
 やはり、先ほど文部大臣がおっしゃいました、周りに優秀な女性がたくさんということですけれども、そういう方ほど自己実現と社会の意識とのギャップの中で結婚しない人が多くなるというのも大きな国家的な問題であろうと思います。
 したがって、ある男の人に言わせれば、女に高等教育を受けさせるからいけないのだということを言われる方もありますけれども、ここのところが、社会全体の意識を本当にそういうものに持っていくための、また女性自身が女性の人生というのはどういうのをたどるかといったような、歴史の中に現代の課題を学ぶような歴史教育をぜひ中学、高等学校の中にもっとしっかり入れていただくことが基本的な解決だろうと私はやはり確信しておりますので、今後ともこの課題について皆様とともに取り組んでまいりたいと思います。
 文教委員でも女性は一人ですので、かなりお耳ざわりあるいは生意気なことを申し上げたかと思いますけれども、国の将来がかかると私はもう必死の気持ちでございます。将来とも御協力願いたいと思います。
 ありがとうございました。
#125
○伊吹委員長 これにて石田美栄君の質疑は終了いたしました。
 次に、山原健二郎君。
#126
○山原委員 今回の阪神大震災につきまして質問をいたします。
 規模の大きさ、犠牲者の数、私も参りまして、本当に息をのむような感じがしたわけですが、この大震災から何を学ぶかということが非常に大事だと思っておりまして、これを忘れることなくいつまでもこの問題の復旧と対策を強化していただきたいと思うのです。この救済、復興について、現行の制度あるいは基準にとらわれることなく必要なことはすべてやるという政府の姿勢だろうと思いますし、また国民もそのことを期待しておるわけですが、このことについて文部大臣、最初に、どういう御決意があるか伺っておきたいのです。
#127
○与謝野国務大臣 神戸及びその周辺の市というのは過般の戦争で相当の被害を受けまして、いわば灰じんの中から五十年がかりであの町をつくったわけでございます。そういう町が一瞬のうちにあのような大きな被害を受けたわけでございまして、これを何年間でもとのところまで復興できるか、そういう問題であるわけでございますが、私は、なるべく早くもとの状態あるいはもとの状態よりもさらにいい都市にしなければならない。
 これは、民間だけの力ではそういうところまで参りませんし、また、県の財政あるいは市の財政を従来のところの水準でやっていって復興をしてごらんといっても、これもまた無理でございまして、国として相当の財政援助を地方公共団体にも差し上げなければなりませんし、また激甚災害に指定されましたので相当の援助はできますけれども、短時間のうちにもとの状況に戻すということになれば、やはり考えられるあらゆる手段方法をとって、なるべく短期間のうちに神戸をもとの町あるいはもとの町以上のものにしなければならないと思っております。
#128
○山原委員 学校の教育活動が再開されることが、一日も早く行われる必要があるわけですが、現地へ行きまして、被災学校の施設について、まず専門家による安全点検の実施が必要だということを痛感しました。これは西宮でもそうですが、被災学校の先生方、校長さん、また教育委員会の方にお会いしましても、外見上はしっかりしているけれども、大きな亀裂がある、あるいはひび割れですね、専門家の手を経なければチェックがしにくいという面などもありまして、聞くところによりますと、文部省は一月二十七日に建築技術専門家を派遣し点検作業に入ったというふうに伺っておりますが、これはいつまでに終わるのですか、それとも点検の結果は、簡単でいいですが、どういうふうになっておるか、また私学の安全点検についてどういうことをやっておられるか、伺っておきたいのです。
#129
○遠山政府委員 今回の兵庫県南部地震によりまして、全体で三千二十校の施設が被害を受けている状況にあるわけでございます。被災施設につきましては、当面の倒壊それから落下物による二次災害を防止するために早急に安全点検をするように被災を受けた学校の設置者に対しまして指導をしたところでございます。それで、学校の設置者の方だけでは技術職員が足りないという場合には、関係の自治体から要請を受けまして、文部省でも関係都道府県の協力を得まして技術職員を派遣しまして安全点検を行ったところでございます。
 それで、文部省の方で調査した学校でございますが、一月二十七日から二月三日までの間に主としてかなり被害の大きな学校を中心にして見たわけでございますが、百二十三校を見まして、そのうち安全と判定されたものが八十二校で、二百十六棟でございます。それから、危険あるいは要注意と判定されたものが百八校、二百六十一棟でございます。一つの学校でも、一棟は安全、一棟は危険というような場合もありますのでダブっておりますので、こんな結果になっております。
#130
○伊吹委員長 山原君、ちょっと待ってください、御質問のあと残りの答えがありますから。
#131
○木村(直)政府委員 今、公立学校については、助成局長の方から都道府県の職員の力をかりてやっているという話をいたしましたけれども、私立学校につきましては、文部省の技術職員、それとあと国立大学等の施設部の職員、そういう人たちを動員しまして、一月二十九日から二月十日までの間に設置者から安全点検をしてほしいと要望があった施設について、今調査中でございます。
 それで、今要請された施設数は全体で百三十五施設、そのうちの約九十施設が今終わったところでございます。安全、要注意、危険という形で判定を一応しているわけですけれども、そのうち安全というのは二五%ぐらい、それから要注意が五五%、危険が二〇%、大体今までの調査ではそのような感じで危険判定をやっております。
#132
○山原委員 時間の関係もありますので、仮設校舎の問題が非常に急がれておりますが、西宮市だけで即必要な仮設校舎百五十八教室というふうに聞いておりますが、神戸の方ではさらに大規模な対応が必要であろうというふうな状態でございまして、この激甚災害指定で、仮設には国が三分の二ということになっているわけですが、これは三分の一でも大変なのですね。西宮市の教育長は、国からの手当ては不明だが、そんなことを言っている場合ではないので、とにかく設置に踏み切っているのですというふうな話もありまして、国庫負担のかさ上げということが強く要求されていますが、これについて、今どういう状態なのか、伺っておきたいのです。
#133
○遠山政府委員 仮設校舎につきましては、従来から補助の対象としてきたところでございまして、今回も適切に対応してまいりたいと思います。
 それで、補助率の件でございますが、これは三分の二でございます。ただ、激甚災害になった場合でも、校舎の復旧等と違いまして、かさ上げ措置はございませんで、通常の三分の二の補助が行われる、こういうことでございます。
#134
○山原委員 プレハブの仮設校舎の場合、これは今までもいろいろ問題があるのですが、とにかく寒い時期ですから、寒さに対する対応とか、そういう細かいことまで要求が出ているわけでございまして、例えば、ホットカーペットを敷くなどという対策なども考えているのかという問題も出ております。
 また次に、私学の場合ですけれども、この復旧は、阪神は非常に私学の多いところでございますから、これはもう大変な問題で、今回二分の一の補助ということで、二分の一のあとの残りの二分の一ですね、融資の問題から含めて、これはとても耐え切れない。殊に学費を抑えて備蓄をせずに頑張ってきた私学もあるわけですが、そういうところにとりましては、何らかの方法が講じられなければ、再建することも不可能であろうというような問題も出ているわけですが、この点について、特別な対策を立てる必要があると思いますが、この点はどうですか。
#135
○与謝野国務大臣 先生御指摘のとおり、被災地においては多くの私学が甚大な被害を受けております。激甚災害になりますと二分の一補助、それから二分の一は私学振興財団の四・一五%の融資を受けられるという制度になっておりますが、そういうもので果たして私学が早急に復旧できるかという具体的な問題があるわけでございます。
 現在、文部省では補助率のかさ上げというのは、他の制度との横並びにおいて一体可能かどうかというのを財政当局と打ち合わせておりますし、また一方では、私学振興財団の四・一五%の長期低利融資がさらに低利にできるかできないかという検討を始めたところでございまして、にわかに結論は申し上げられませんが、先生と同じような懸念を持って文部省も財政当局と折衝に当たっているところでございます。
#136
○山原委員 検討中だということですが、とにかくこの問題は、私は結論がわかっておると思うのです。何らかの対策を立てなければ、これは復旧もできないということですから、ぜひ実現するのだという意味での検討だというふうなお答えをいただきたいのですが、いかがでしょうか。
#137
○与謝野国務大臣 私学の被害の後の現状については文部省も大変大きな懸念を持っておりまして、なるべく早く復旧の途につけるような方策もまた文部省として考えなければならない。そういう観点に立って、財政当局と目下折衝中でございます。それが実現できるかどうかということは現時点でにわかに先生にお答えできませんが、我々としても最大限の努力を傾けてまいります。
#138
○山原委員 これはぜひ決意を持って臨んでいただきたいとお願いする次第でございます。
 それから、専修学校、各種学校の場合ですが、いわゆる第一条校ではないということで問題になっておりまして、関係者の間から、先ほども質問がありましたが、切実な要求となって、法改正あるいは予算措置を講じてもらいたいという意見が出ているわけですが、これについてはどうおこたえになるおつもりですか。
#139
○与謝野国務大臣 専修学校はすべて私学振興財団の融資の対象になりますが、各種学校では融資の対象になるものと融資の対象にならないものと実はございます。しかし、専修学校、各種学校もまた国民に教育の場を提供するということを考え、またこれらの学校も早急に復旧する必要があるという社会的要請がある以上、私どもとしては工夫に工夫を重ねていかなければならないと思っております。
#140
○山原委員 最初に申しましたように、現行の制度、規則にとらわれない対策というのが今度の災害では一番要求されておると思いますので、その点よろしく御検討いただきたいと思います。
 次に、私学助成の問題について、私は震災地域特別助成といいますか、そういう立場で物を考えていただきたいと思っております。
 私学は校舎の復旧だけでなくて、経常的な私学経営費についても特別な助成が必要となっておると思います。震災による生徒、学生数の減少なども含めて、経営の大きな困難が予想されるわけでございまして、こうした事態に対応した特別助成を施すべきだと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#141
○吉田(茂)政府委員 現在、私学につきましても被害状況の把握に全力を挙げておりまして、激甚災害法に基づく補助制度あるいは日本私学振興財団の長期低利の貸付制度など、こういった現行の制度を十分活用することによりまして、私立学校における災害復旧事業の円滑な実施に努めるということが肝要であるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、迅速かつ適切な対応をとるよう、最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#142
○山原委員 最大限の努力ということはわかるのですが、現在、高等学校以下の私学に対する特別助成制度というのは、もちろん御承知のように、過疎地域特別助成などの制度があるわけでございまして、こうした点を考えますと、震災地域の私学に対する特別な助成制度といいますか、いろいろな形があると思いますが、これはぜひ考えておかなければ、これは本当に再建もできないという事態が起こりかねないと思うわけでございますし、その点をもう一回決意を込めて御答弁をいただきたいのです。
#143
○吉田(茂)政府委員 ただいま申し上げましたような制度を活用しながら、最大限の努力をしてまいりたい、こう考えておるわけでございますが、さらに、現在、私ども、特例措置として考えておりますのは、被災学校法人の経営に必要な資金に対する低利貸し付けの措置でございまして、今回の地震で被災して経営に困難を来した学校法人の資金需要にこたえるため、特例措置として、通常の貸し付け条件よりも有利な条件での緊急融資を行うこと、あるいは既往債務の返済期限が来ておる、そういった場合に、施設整備費等につきましての既往債務の返済猶予、この年度末のものを延長するというようなこと、あるいは私立学校において入学料や授業料等の学費を減免するといった場合には、私立学校経常費助成の中で学校法人に対して適切な措置を講ずるというような形でのいろいろな財政措置を現在考えておるところでございまして、こういったものを総合的に措置いたしまして援助措置を充実していきたい、こういうふうに考えております。
#144
○山原委員 この点も、もう少しきっぱりとお答えいただきたい気持ちがあるのですが、時間の関係で……。
 続いて、奨学金の緊急貸与と返還猶予の問題でありますが、これは被災子弟への奨学金の貸与については、日本育英会から各大学等、私立も含めて、都道府県教育委員会に対し適切な対応を通知しております。
 この点で、しかし、これらの災害貸与の予算枠は独自に組まれておるわけではありませんので、したがって、日本育英会に対する国としての予算措置を十分とる必要があると思いますが、この点ほどのような対応をしておりますか。
#145
○吉田(茂)政府委員 御指摘のように、緊急に奨学金の必要が生じた学生生徒に対する対応を急いでおるわけでございます。
 これは、通常、災害の場合につきましては、事業費の運用の中で対応ができるわけでございますが、今回は非常に大規模な災害であるということで、どのくらいの数の応募と申しますか、申し込みがあるか、その点が今までの考え方では律し切れない面がございまして、私どもとしましては、どの程度の申し出があるかを現在チェックをしておるところでございます。これを十分見きわめながら、財源措置をどうするか、鋭意検討をいたしたいと思います。
#146
○山原委員 返還猶予の問題ですが、日本育英会の運用規定では現行では五年間となっておりますけれども、この五年を超えても猶予が可能となるような弾力的な措置が求められておると思いますが、これは後でお伺いしますが、時間の関係で先へ行きます。
 もう一つは、根本的には貸与ではなくて給付制の実現が私は課題になっておると思います。そういう意味で、この育英制度をこの際強化していく必要があるというふうに思いますので、この点もよろしくお願いいたしたいと思います。
 時間の関係でもう一つ、現在の、現地における障害児に及ぼしておるさまざまな影響について質問をいたしたいと思います。
 障害児諸学校の子供たち、教職員も、今回の震災で亡くなったり、あるいは家を失ったりした人が多数おります。多くの障害を持った子供たちが避難生活を余儀なくされていますが、障害を持つゆえに避難所で生活ができないというケースが非常に多く、このため、壊れかけた家で不自由な生活をしている者、中には車が生活の場となっているケースなどもあります。
 それから、近隣府県を中心に、全国の障害児学校から休暇などを使って多数のボランティアが入って、こうした子供たち一人一人を訪ねて生活介助などに当たる活動が続けられています。
 その方たちの報告によりますと、避難所に一時身を寄せたが、子供が情緒不安定のために大きな声を出したりするため、避難所生活が続けられずに、壊れかけた家に戻ったという家族、一般の避難所とは別に障害児学校の教室で、暖房もない中で生活をしているという家族、あるいは震災以降三週間近くにわたっておふろにも入っていない人、自杖がなくて困っている目の不自由な人、あるいは役所へ行っても手話通訳ができる人がいないためにさまざまな手続ができないで困っている人、こういう状態が次々と報告をされておりまして、私は、文部行政を挙げて、この障害児の様態について、実態を把握して、全力を挙げて、障害の種類、程度に応じた細やかな対応をしていただきたいと思うわけでございます。
 この点について、ぜひ総力を挙げて対応していただきたいと思うわけですが、例えばボランティアのルートあるいは行政のルート、あるいは学校のルート、これに県、市との連携をとって、障害を持った子供たちが今どういう状態に置かれているか、何が求められているかをつかんでもらいたい。そして、入浴サービス車の派遣あるいは簡易洋式トイレを持っていく、自杖を届ける、役所への連絡を援助するなど、文部行政としてやるべきことは、細やかな手だてをとって、全力を挙げてもらいたいという要求が出ておりますが、この点についての見解を伺います。
#147
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 障害児の児童生徒につきましては、私どもも兵庫県の教育委員会あるいは神戸市教育委員会等に対しまして、適切な対応をするようにお願いをしているところでございまして、今回の地震によりまして、兵庫県内の特殊教育諸学校の児童生徒のうち、現在までに三名の死亡が判明をしているところでございます。また、神戸市及び阪神地区の特殊教育諸学校十九校のうち、二月六日現在で四校が休校中でございます。
 いずれにいたしましても、特殊教育諸学校におきましては、在籍する児童生徒の現状把握等についても御配慮いただいているところでございますし、また児童生徒のうち、特に転入学を希望する者につきましては、各都道府県教育委員会に、転入学につきまして可能な限り弾力的に取り扱いまして、速やかに受け入れをしていただくようお願いしているところでございまして、文部省といたしましては、兵庫県教育委員会に対しまして、転入学希望者の、国立久里浜養護学校や他の都道府県の学校への転入学のあっせんを申し入れるなど、円滑な受け入れが行われるように努めているところでございます。
 また、被災によりまして、特殊教育諸学校幼稚部及び高等部の幼児、生徒にかかわる授業料等の納付が困難な場合におきましては、授業料等の免除または減額を行うように各都道府県教育委員会に対して依頼をしているところでござい」ます。
 さらに、被災により困窮している特殊教育諸学校の児童生徒の学用品の購入や通学用品の購入等につきましては、特殊教育諸学校就学奨励費の支給等につきまして、弾力的かつ迅速な対応を図るように各都道府県教育委員会に対して指導しているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも特殊教育諸学校の児童生徒にかかわります授業再開あるいは実情の把握等につきましては、兵庫県教育委員会、神戸市教育委員会と密接な連絡をとりまして、今後適切に対応していきたい、このように考えておるところでございます。
#148
○山原委員 この問題については、なお近隣の府県からたくさんの、いわゆる障害児学校の教職員などが休暇をとって、さまざまなやりくりをしてボランティア活動に入って、介助その他の手助けをやっているのがたくさんあるわけですね。これに対して、私は、ボランティア休暇として、職務専念義務の免除とかそういったことも当然文部省としては考えるべきだと思いますが、そのことをぜひやっていただきたい。
 それからもう一つは、はり、きゅう、あんま、この国家試験でありますが、弾力的な対応をお願いしたいと思うのです。盲学校などの卒業予定者にとって目前に迫ったはり、きゅう、あんまの国家試験のことが不安な問題となっておりまして、震災の後は試験の準備、勉強もできる状態ではなく、試験日をずらしてもらえないかなどという生徒や盲学校の先生などからの要望が出ているわけでございます。大学等の場合には一定の弾力的対応が措置されておりますから、そういう点から考えましても、これも一つの問題として、ぜひ厚生省とも相談をして対応をする立場をとっていただきたいと思いますが、この二つの点についてお伺いします。
#149
○井上政府委員 公立学校の教職員がボランティアとして参加する場合につきましては、既に職務専念義務の免除の取り扱いについて各都道府県教育委員会に通知を差し上げているところでございます。
 また、二月二十五日、二十六日の両日、兵庫県内三校の盲学校生徒三十七名が受験するあんま等の厚生大臣国家試験につきましては、試験開始時間をおくらせていただくとともに、兵庫県外への受験地変更が可能になるなど、受験生に対する配慮が行われているところでございます。また、校舎が損壊し休校している神戸市立盲学校につきましても、受験生に対しましては授業を行いますとともに、交通事情により登校が困難な生徒に対しましては教員を派遣しての授業が行われているところでございます。
 今回のあんま等の厚生大臣国家試験についてはできるだけの配慮を行っていただくよう、引き続き厚生省についても要望していきたいと思っております。
#150
○山原委員 最後に、先生方も疲労こんぱいしておると思う。学校の中には避難してこられた方がたくさんおいでになりますし、その対応もしなければなりませんし、このままでは倒れる人も出てくるというような状態にあることは御承知と思います。
 そこで、これは文部大臣も非常に前向きの答弁もされておると思いますが、被災地に対する教職員のいわゆる加配の問題ですね、これはぜひ考えていただきたいと思います。現実を見ました場合にそのことが強く要請されておりますので、この点について文部大臣の見解を伺います。
#151
○与謝野国務大臣 被災地域で四月に教職員を配置するわけでございますけれども、その基準となるべきものは何かということでございますが、現に在籍する、あるいは在籍するであろう生徒数で計算するというのは実情に合わないと思っております。
 と申しますのは、先生御承知のように、たくさんの児童生徒が親類縁者を頼って他の場所で学校に行っているわけでございまして、そういう方が帰ってくるということも十分予想されます。また、児童生徒も地震自体の衝撃を受けておられると思いますし、またその後の避難生活も経験しておりますし、いろいろな意味で心理的に不安定になっているということも実は考えられるわけでございます。
 そこで、教育指導上あるいは学校経営上やはりどこかで妥当な教員の配置というものがあるはずでございまして、兵庫県並びに神戸市とも相談をしながら弾力的な、かつ妥当性のある教員配置というものを行うべきだと考えております。
#152
○山原委員 時間が来ましたので、終わります。
#153
○伊吹委員長 これにて山原健二郎君の質疑は終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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