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1995/02/24 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 文教委員会 第5号
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1995/02/24 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 文教委員会 第5号

#1
第132回国会 文教委員会 第5号
平成七年二月二十四日(金曜日)
    午前十時三十分開議
出席委員
  委員長 伊吹 文明君
   理事 小川  元君 理事 河村 建夫君
   理事 石田 勝之君 理事 藤村  修君
   理事 船田  元君 理事 輿石  東君
   理事 中島 章夫君
      稲葉 大和君    小野 晋也君
      木村 義雄君    岸田 文雄君
      栗原 博久君    斉藤斗志二君
      中谷  元君    穂積 良行君
      古賀 正浩君    西  博義君
      西岡 武夫君    西村 眞悟君
      鳩山 邦夫君    福島  豊君
      福留 泰蔵君    沢藤礼次郎君
      嶋崎  譲君    濱田 健一君
      山原健二郎君    牧野 聖修君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 与謝野 馨君
 出席政府委員
        文部大臣官房長 佐藤 禎一君
        文部大臣官房文
        教施設部長   木村  直君
        文部省生涯学習
        局長      泊  龍雄君
        文部省初等中等
        教育局長    井上 孝美君
        文部省教育助成
        局長      遠山 耕平君
        文部省高等教育
        局長      吉田  茂君
        文部省学術国際
        局長      岡村  豊君
        文部省体育局長 小林 敬治君
 委員外の出席者
        文教委員会調査
        室長      長谷川善一君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十一日
 辞任         補欠選任
  小野 晋也君     西田  司君
  木村 義雄君     森  喜朗君
  古賀 正浩君     工藤堅太郎君
  福島  豊君     野田  毅君
同日
 辞任         補欠選任
  西田  司君     小野 晋也君
  森  喜朗君     木村 義雄君
  工藤堅太郎君     古賀 正浩君
  野田  毅君     福島  豊君
同月二十四日
 辞任         補欠選任
  加藤 紘一君     中谷  元君
  石田 美栄君     西村 眞悟君
同日
 辞任         補欠選任
  中谷  元君     加藤 紘一君
  西村 眞悟君     石田 美栄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一〇号)
     ――――◇―――――
#2
○伊吹委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福島豊君。
#3
○福島委員 今回の法案のことに関しましても若干質問させていただきますが、それ以外に、広く文部行政一般についてお尋ねしたいと思います。
 まず冒頭に、阪神・淡路大震災でございますが、文部省におかれましても、各教育機関の復旧のために日夜努力を傾注されておると伺っております。その御苦労に対しまして、大変御苦労さまですと感謝申し上げたいと思います。
 まず第一点目でございますが、今回の阪神・淡路大震災でございますけれども、この地域にはたくさんの海外からの留学生の方が在住しておられたと伺っております。この留学生の皆様が今回の大震災でどのような被害を受けられたのか、その状況につきましてどのように把握しておられるのか御説明をいただきたいと思います。
#4
○岡村政府委員 文部省におきましては、地震発生以来、財団法人日本国際教育協会などと協力いたしまして、留学生の安否の確認、あるいはその情報の母国への提供等に努めてきたところでございますが、今回の地震では、残念ながら留学生十二人の方が亡くなっております。なお、住居を失った留学生については、二百九十八人と現時点で報告されているところでございます。
#5
○福島委員 今回の大震災で非常に多くの留学生の方が住居を失われているということが、今の御報告で示されました。先日、文部省にお尋ねしまして、緊急援助金の支給であるとかまた臨時宿泊施設の提供などが現在行われているようでございます。しかし、今後の学業の継続ということを考えるときに、中期的または長期的な取り組みというのが必要なのではないかそのように感じます。この臨時宿泊施設におきましても、いつまでおれるのかという問題がございますし、また生活費の問題も、この緊急援助金では十万円ですか支給されていると伺っておりますが、十万円で生活できる期間というのはやはり限られておるだろう、そのように私は思います。
 この中期、長期的な展望につきまして、文部省のお考え、これを示していただきたいと思います。
#6
○岡村政府委員 御指摘のように、被災された留学生の方には緊急援助金として十万円の一時金をお支払いすることにいたしておるところでございます。
 中長期的な対応につきましては、特に御指摘の私費留学生で被災された方に対しまして、私費外国人留学生学習奨励費という国が予算措置をしております制度がございます。この学習奨励費の対象者の採用に当たって特に配慮するといったこと等、既存の支援措置がいろいろございますので、それを活用して今後も留学生が支障なく勉強できるように努力してまいりたいと思っております。
 なお、留学生の支援に関しましては、民間にも相当数の留学生関係奨学団体がございます。この奨学団体に対しまして、既に一月二十三日付で、奨学金の募集期間の延長あるいは奨学生の採用に当たって被災した留学生に配慮していただくよう文書をもってお願いしているところでございます。今後とも、いろいろな方々との連携もしながら十分配慮してまいりたいと思っております。
#7
○福島委員 ただいま前向きのお話をいただきましたが、いろいろなさまざまな国から日本に来られております留学生、この留学生の皆様が、日本で大きな地震に遭ったけれども、日本の政府また民間の人から本当によくしていただいたのだ、そのような印象を持っていただけるような対策というものを民間とともどもに万全を期していただきたい、そのように要望したいと思います。
 そして三点目でございますが、今回大変残念なことに、何人かの留学生の方が命を落とされております。学業半ばにしまして異国の地で命を落とされたということは、御家族の方にとっても大変痛恨の思いがあろうかというふうに思います。今回の大震災では、日本は世界のたくさんの国から大変な支援をいただきました。そのような観点に立ちまして、この亡くなられた留学生の御遺族の皆様に、なかなか弔慰金というのも難しいのかもしれませんけれども、何らかの形でお見舞いをするようなことができないのか。その点について、これは大臣、どのように感じられますかお聞かせいただきたいと思います。
#8
○与謝野国務大臣 先生が御指摘のように、大変難しい問題がたくさんございます。これは、一般の被災を受けられた方と同じような取り扱いしか実はできないわけでございます。
 しかしながら、先生が御指摘のように、留学生の皆さんに日本に対していい印象を持って帰国していただくということが、今後の日本の国際関係を良好なものにしていくには大変大事なことでございます。そういう意味では、御指摘の点は確かにそのとおりでございますけれども、果たして制度としてそういうことができるかどうかということはさらに検討しなければならないことだろうと思っております。
#9
○福島委員 いろいろな困難はあろうかと思いますが、ぜひ前向きに御検討をしていただきたい、そのように要望いたします。
 引き続きまして震災関連の質問でございますけれども、大学など研究機関もさまざまな被害を受けられたようでございます。この被害の現状、そしてまた今後この研究機関、また大学の施設、どのように復旧を図っていくのかということにつきまして、文部省の見解をお聞きしたいと思います。
#10
○木村(直)政府委員 今回の地震におきまして、国立大学等が受けた研究施設そのほか校舎等の被害の状況ですけれども、大体二十二校で被害を受けている状況です。それで、被害の状況で特に大きいのは、神戸商船大学の岸壁が崩れたことによる建物倒壊とか、それから神戸大学の附属の中学校で建物の一部が倒壊したとか大きいのはそういうものがあるわけですけれども、あとは例えばライフラインがやられてしまったとか、それからガラスが破損した、建物に亀裂がいっぱい入ってしまったとかそういう状況が多いわけです。それで、早急にやらなければいかぬものは既に手をつけまして復旧をやっております。ライフラインについては大体できまして、ただ神戸商船大学はもとの方のガスや何かが来ていないということもありまして、そのガスの復旧や何かが今おくれていますけれども、神戸大学などは大体復旧しております。
 あと経費的な話ですけれども、それは六年度の二次の補正予算と、それから本格的な復旧に向けての予算はできれば七年度の方の補正で考えたい、そういう二つに分けまして、それで六年度の補正予算の、二次の補正予算の方では一応四十四億円ぐらいの復旧費を今予定している、そういうことでございます。
#11
○伊吹委員長 国立だけでいいのですか。御質問は、私立のことは。いいですか。――それでは、福島君。
#12
○福島委員 先日このような記事がございました。これは一月三十一日の朝日新聞でございます。これは、神戸大学の研究室がピンチである。これはよく御存じのように、神戸大学には西塚先生というノーベル賞候補にいつも挙がってこられる大変有名な先生もおられます。その西塚先生のことを取り上げておるわけでございますが、研究室が大変な状況になったということを言っておるわけでございます。
 建物の問題というのもあるわけでございますけれども、建物が復旧しただけでは研究というのはスタートできない。中の研究のためのさまざまな器材、サンプルとかいろいろありますけれども、そういうものも復旧の中で視野に入れていく必要がある、そのように思います。
 そういう観点から、平成六年度、七年度の予算の中で措置をしてまいりますという御答弁でございましたが、そういうところまで含めて、文部省としてはどういうふうに対応していきますというふうに考えておられるのか、その点についてお聞きしたいと思います。
#13
○木村(直)政府委員 研究室の中の大型の実験装置だとか、いろいろな備品等も相当被害を受けたという話は聞いております。実情がどの程度までやられたとかというのは今調査中でして、全部把握し切ってはいないのですけれども、今先生がおっしゃられた西塚先生の部屋ですか、相当高度の研究をやっておられて、それが冷凍庫が倒れちゃったりして大きな被害を受けたという話は聞いているわけです。
 そういうことに対する文部省の復旧の対応ですけれども、六年度でどうしても必要なものについては学内経費をできればうまく応用してやっていただく、どうしてもそれでは応じ切れないものについては七年度でいろいろ考えていくという考え方でございます。
#14
○福島委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、研究施設の震災についての安全性ということでございますが、例えば遺伝子組みかえの研究施設等がございますね。P3施設のようなものはやはり隔離することが必要だというふうにされて、今回週刊誌等でも指摘されておりましたけれども、震災のときにもしこういう施設が壊れたときにどうするのかというような指摘もありました。私もそれはやはり考えておく必要があるのではないかと思った次第でございますけれども、こういう研究施設、とりわけ隔離を要するようなものについての耐震基準といいますか体制というものは一体どうなっておるのかということにつきましてお聞きしたいと思います。
#15
○岡村政府委員 御指摘の組みかえDNA実験施設等に関する安全の確保でございますが、これにつきましては、文部省で「大学等における組換えDNA実験指針」というものを定めております。この指針におきましては、御指摘のように、P3の施設につきましては隔離のために実験室の前に前室を設ける等、物理的な封じ込め等について定めているほか、あるいは安全委員会の設置や安全主任者の設置等についても定めておるわけでございます。これに従いまして各大学は安全性の確保につきまして万全の注意を払っておるわけでございます。
 なお、今回の震災に際しまして、京都、大阪、神戸がこの施設を持っているわけでございますが、ここに確認いたしたところ、環境に悪影響を及ぼすような被害は生じていないということでございました。
 今後とも、こういった震災下の対応も含めまして、十分安全性の確保につきましては研究者の意向も踏まえながら対応してまいりたいと思っておる次第でございます。
#16
○福島委員 万全の対応をよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、地震の予知のことについてお尋ねしたいと思います。
 これは文部省が一元的に管轄しておるわけではありませんので、次の点についてお聞きしたいのですが、先日このような記事がございました。「地震観測情報、一元化を」、これは二月十七日の読売新聞でございます。この中で指摘されておりますことは、全国に配置されている地震計は約五百カ所に上る、このうち気象庁の所管は百八十カ所である、残りは科学技術庁と大学の所有であるが、気象庁に常時伝送されているのは全体の約一割にすぎない、このように述べられておりまして、せっかくさまざまなところでデータをとっているわけだから、やはり一元的に集めて運用したらどうか。地震はどこで起こるかわからないということもございますので、そういう観点というのは非常に大切だろうというふうに感じました。
 しかし、大学等、研究者の姿勢としますとなかなかデータをすぐに出さないという場合もあるのかなというふうにも思ったりもするのですが、この点につきましてどのような状況になっておるのかお聞きしたいと思います。
#17
○岡村政府委員 御指摘のように、我が国における地震予知研究は、文部省の測地学審議会が建議いたしました地震予知計画に基づきまして、大学あるいは気象庁、国土地理院といった関係機関が連携協力して推進しておるところでございます。
 ところで、データの関係でございますが、地震予知が可能とされております東海地域につきましては、気象庁が、自分の観測点からのデータはもちろんのこと、大学等あるいは他機関のデータも含めて各種のデータを気象庁本庁に集中して常時監視する体制をとっております。また、南関東地域におきましても、今後、大学を含め関係機関の観測データを気象庁に集中していくことになっております。
 また、地震予知連絡会におきましては、大学の研究者も含めて各機関の専門家が定期的にあるいは必要に応じて集まりまして、全国の地震予知に関する情報の交換あるいは分析などを行っているわけでございます。
 大学が地震観測のデータを出したがらないというのは全く誤解でございまして、気象庁等が必要とするデータについては、つなぐことについては全くやぶさかではないわけでございます。
 ただ、御案内のように地震予知というのは研究段階でございまして、データがたくさん集まったからといって、それで何か予知に直ちに役立つという状況には必ずしもないわけで、有効なデータを集めていくということが大切だろうと思っております。
 地震観測情報のこういう有効な集中につきましては、関係省庁とも引き続き協議して、今後ともその実が上がるように努力してまいりたいと考えております。
#18
○福島委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 引き続きまして、話が全く地震から離れますが、次に生涯学習ということにつきましてお聞きしたいと思います。
 文部省は、生涯学習ということにつきまして近年大変に力を入れておられる、そのように伺っております。平成二年には、生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律が制定された。法制定から本年で五年目になるわけでございますけれども、さまざまな施策が推進されておりますけれども、実際に生涯学習というものがどういうふうに定着しているのか、五年前と比べてどのくらい進んでいるのかという検討をする必要があろうかそのように感じます。
 平成四年の七月、生涯学習審議会の「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」という答申で、次の四点が重点的な課題とされているというふうに伺っています。それは、一番目がリカレント教育の推進、二番目がボランティア活動の支援、推進、三番目が青少年の学校外活動の充実、四番目が現代的課題に関する学習機会の充実。それも、課題に対して具体的な施策として一体何をするのかということで、一番目が学習需要の喚起、そして二番目が多様な学習機会の提供、三点目が能力、学習成果の評価、この三点が具体的施策の柱であるというふうにされておるわけでございます。
 次に、具体的な施策について御質問したいと思います。
 まず、この学習需要の喚起という項目の中では、自己教育能力を育成しなければいけないということがうたわれております。「我が国の文教施策」を先日拝見しましたところ、「学習指導要領の改訂において、「自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力を育成すること」」これが基本方針の一つであるというふうにされておりまして、また各学校では、平成四年度より「生涯にわたる学習活動の基礎となる「自己教育力」の育成のための努力が行われている。」そのように記載されておりました。大変に結構なことであります。しかし問題は、どのようにすれば自己教育力、これが高まるのかということではないかというふうに思います。言うはやすく行うほかたしというような印象もあります。文部省としまして、どのような方法でこの自己教育力を高めようというふうに考えておられるのか、この点について御見解をお聞きしたいと思います。
#19
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 これからの学校教育におきましては、いわゆる自己教育力の育成を図ることが大変重要な課題でございます。このため、現行の学習指導要領でも、みずから学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力の育成を各学校におきます教育課程編成の基本方針とするよう示しているところでございます。自己教育力を高めるためには、例えば体験的な活動や問題解決的な活動を重視し、子供たちが自分の興味や関心などを生かして、自主的、自発的に学習に取り組むようにすることが大切でございます。このような教育は指導方法の改善充実に負うところが大きいと考えており、文部省といたしましては、指導的立場にある教員を対象とした講座を実施したり、指導資料を刊行したりするなどして教員の指導力の向上に努めているところでございます。
 今後とも、二十一世紀を生きる子供たちが、みずからの手で未来を切り開いていく資質や能力を育てる観点から学校教育の充実に努力してまいりたいと考えております。
#20
○福島委員 昨年八月の報道でしたが、文部省が初めて読書調査というのを実施したというふうに出ておりました。これは新聞報道では、朝日新聞でございますが、下記のような結果が述べられております。全く読書をしない、月に一冊も本を読まない人、これは中学校二年生で四四%、高校二年生で四〇%。これはさまざまな理由があろうかと思いますけれども、この記事には、文部省は精神的な成長が著しい中高生が本を読まないのは問題だと深刻に受けとめているというふうに述べておりました。自発的に学ぶ、そのような姿勢をつくっていくんだ。それは教育指導の方法、これをそのような方向で変えていくんだ、よくしていくんだというふうに今おっしゃっておられましたけれども、しかし結果として本を読まない、自分から勉強しようという子供さんが減っているということはやはり事実なのかなというふうに思うのですね。ですから、これは一つの指標ではあろうかと思うのです。
 この点について、昨年これは実施されたわけですけれども、私は継続的にぜひとも調査すべきであるし、どう変わっていくのかということを評価すべきだというふうに思うのですけれども、ことしもこの調査は実施されたのかどうかまずその点についてお聞かせください。
#21
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 先生おっしゃるように、調査につきましては、平成六年三月に全国学校図書館協議会に委嘱して行った読書調査では、児童生徒の読書にかかわる意識及び読書の実態や児童生徒の読書活動についての教師及び保護者の意識などを調査したところでございまして、先ほど先生からも具体的に、中学生で平成六年二月一カ月に一冊も本を読まなかった者は四四・〇%、高校生で四〇・五%となっているというお話がございましたが、そういう調査結果を得たところでございます。
 平成六年度につきましては、同じく全国学校図書館協議会に委嘱いたしまして、学校における読書指導の理状や学校図書館の実態等の調査を本年三月に実施する予定でございます。
#22
○福島委員 本年も調査されるということを聞きまして、一歩前進がなというふうに感じておりますけれども、本を読まないという生徒さんがふえているというこの現状に対して、どのように今後それを変えていくのか対応していくのか、これもなかなか自発性の問題ですから難しい点もあるかなというふうにも思うわけでございますけれども、この点について文部省のお考えをお聞かせください。
#23
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 読書活動は児童生徒の知的活動を増進し、人間形成や情操を養う上で、学校教育上重要な役割を担っております。また、社会の情報化が進展する中で、情報を活用する能力を育成するためにも読書指導の充実が必要であると認識をいたしております。このため、中学生、高校生の読書離れの傾向は解決すべき重要な課題と認識しており、読書指導を充実する必要があると考えております。
 現行の学習指導要領におきましては、読書意欲を高めることや学校図書館の機能の活用に努めることなど、読書活動に関する改善を図ったところでございます。
 また、平成五年度から、学校図書館図書整備新五カ年計画をスタートさせ、蔵書を約一・五倍に充実を図るとともに、平成七年度予算案には、読書指導のあり方等について実践的研究を推進するため、読書指導研究指定校事業に要する経費を計上するなど、学校図書館及び読書指導の充実のための施策を推進しているところでございます。
 平成六年一月には、児童生徒の読書に関する調査研究協力者会議を設置いたしまして、児童生徒の読書活動の現状と問題点を明らかにいたしまして、読書意欲の向上を図る指導方法等についての調査研究を行っているところであり、昨年の十一月にはその中間まとめが取りまとめられたところでございます。
 文部省といたしましては、今後とも読書指導及び学校図書館の充実を図るため、諸施策の実施に努めてまいる所存でございます。
#24
○福島委員 この小中学校図書館図書整備新五カ年計画でございますが、昨年の調査では、小中学校の先生の三分の二がこれを知らないというようなデータも出ておりました。ただいま、さまざまな形で取り組んでいくのだという決意をお示しいただきましたけれども、そういう中で、こういった先生方の認識も変わっていくのかなというふうにも思っております。ぜひとも積極的に施策を推進していただきたい、そのように要望いたすものでございます。
 続きまして、生涯学習の学習情報提供、学習相談の充実ということが先ほど生涯学習の一つのポイントとして挙げられておりましたが、その中で、文部省として生涯学習情報提供システム整備事業等に対して補助を行っておるというふうに伺っております。これは、生涯学習のための学習情報であるとか、それから学習相談のための体制を充実していくんだ、そういうふうに認識しておりますが、実際に、どの程度このシステムが利用されているのか、どのくらいの人がこの生涯学習ということを推進するためにこの事業を活用しているのかその現状について御報告いただきたいと思います。
#25
○泊政府委員 お答えいたします。
 先生ただいま御指摘のございました生涯学習情報提供システム整備事業ということで、各県が行っておりますシステムへの、平均値でございますが、年間接続回数が平均いたしますと約一万二千回という状況でございます。
#26
○福島委員 この一万二千回、これは多いか少ないかというとなかなか難しいわけですが、計算しますと、大体一年に一回利用する人が百人に一人いるかいないかというような数字になるのかなというふうに思います。そういう意味では、これも多いか少ないかといいますと、図書館を利用する人がどれだけいるのかということに比べますと、多いような気もしますし、しかしまだまだだなという気も非常にいたします。
 コンピューターのネットワークというのをつくるというのは大変大事なことでございますけれども、利用者のサイドからすると、身近にその端末があるとか使いやすいとかということが大変に大切な要素ではないかなというふうに思うのですね。そういう意味では、例えば都道府県レベルでセンターをつくるということだけでは、なかなか市民が使いにくいというところがあろうかと思います。例えばコンビニエンスストアとか身近にあるところでそういう端末が利用できるような形にならないかとかも思ったりもするわけでございますけれども、この利用者のアクセスのしやすさという観点から、今後この事業をどういうふうに推進していくのかということについて、御見解をお聞きしたいと思います。
#27
○泊政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、生涯学習情報というものを住民が身近なところで、しかも自分が望んでいるものを的確に選択できるようなシステムを整備していくということが大事であろうと思っております。そして、このためにも、先ほど申し上げましたような整備事業ということで、都道府県等に対しまして助成を行い、現在その整備の推進を図っているというところでございます。
 御指摘のございましたように、このシステム整備事業、昭和六十二年度から開始をして、歴史が比較的新しい事業でございます。当初は主として県域レベルにおける教育委員会相互間の行政上のネットワークづくりから始まったということもございまして、個々の住民の方がアクセスするためには必ずしも十分に整備をされていないというのが現状であろうと思っております。
 私どもとしましては、今先生の御指摘のような点まで整備が今後されることが課題であろうと思っております。各都道府県における積極的な取り組みというものを今後とも促してまいりたいというふうに思っております。
#28
○福島委員 ぜひ積極的な取り組みをよろしくお願いいたします。
 また、学習機会の提供ということで、多様な学習機会を提供する必要がある。「文教施策」の中では、学習機会を拡大、充実していくためには、人々のニーズに応じた多様な学習の場を提供していくことが必要である。そして、生涯教育において学校がどういう役割を持つかというと、学校教育そのものが重要な学習の場であると同時に、また生涯にわたる学習の基盤を培うものである。そしてさらに、単にそこに学ぶ学生さんだけのものではなくて、職業人、主婦、高齢者など幅広い人を対象にそのアクセスを広げて学習機会を提供していくことが必要であるというようなことが述べられております。
 この学校の多様な利用ということを考えたときに、最近マルチメディアということが一つの流行でございますけれども、こういったものをどういうふうに今後活用していくのか。また、双方向性といいますか、一方的に情報を流すだけではなくて、利用者の側、参加する側が情報を発信できる、そういうような双方向性のものをつくっていかなければいけないのだろうというふうに思うわけでございますけれども、この点についての文部省の御見解をお聞きしたいと思います。
#29
○泊政府委員 マルチメディアの生涯学習への利活用というお尋ねであろうと思います。
 御案内のとおり、最近マルチメディア時代への対応ということでいろいろな議論がされているところでございますが、いわゆる従来型の教育メディアに比べますといろいろな点で特性を持っている、教育の分野においても利活用できる面が多いのではないかという認識を持っております。
 今先生御指摘がございましたように、特に生涯学習ということになりますと、学習者のニーズというのは、一般的な傾向で申し上げますと非常に高度化してきている、あるいは多様化してきているといったようなこと、こういったニーズに的確にこたえるという意味では非常に有用なメディアであろうと思っております。特に現在までは、社会教育の面あるいは学校教育の面でもそうであったろうと思いますが、主としてパッケージ系のマルチメディアについては、かなりの研究開発と実際の利用というのも行われている状況でございますが、例えば先生今お話のございましたような通信とこれを組み合わせることによっていわば同時性あるいは対話型の指導形態が可能になってくるということがございます。
 そこで、こういった面への対応ということで、例えば来年度の予算におきましては、通信系のマルチメディアというものを利用した遠隔講座の開設といったようなものを研究開発をしてまいりたい。と同時に、既に開発された各種のマルチメディアというものをもう少し利活用を促進していきたいといったような事業に関する予算を新たに計上いたしておりますが、いずれにいたしましても今後の大きな課題でございますので、この特性というものをよく生かした形での対応というものに意を用いながら、私どもとしても努力を重ねてまいりたいというふうに思っております。
#30
○福島委員 マルチメディアで学校を変える、学校を変えることによって学校を生涯教育に直結する、そのような展望で施策を推進していっていただきたいなというふうに要望いたします。
 続きまして、生涯教育の中でボランティアということも挙げられておりましたが、ボランティアにつきましては、今回の阪神・淡路大震災で本当にたくさんの青年たちがボランティアとして活躍されました。これを見ていまして、大変に日本という国家の将来に対して安心感を一面抱きました。
 昨年の高校生のライフスタイルの国際比較調査というのがありましたが、これでは、ボランティアヘの参加は、アメリカと比べると日本の高校生は十五分の一だという報道がありました。そのときは、日本というのはやはり大丈夫なのかなという思いがあったのですけれども、しかし実際にこのような大震災のようなことが起こってみると、どんどん自発的に多くの青年が行っている。そういう意味では、潜在的なボランティアに対しての志向性というのは、日本の社会というのはかなり高いのだろうなというふうな思いがいたしました。ただ、その潜在的な志向性を発揮する仕組みといいますかそれがなかなかやはり現実に日常の中ではないということが、ボランティア活動の少なさということにつながっているのかなというふうに思いました。そういう意味では、今後の課題として、日常的な活動としてボランティアに参加できるような、そういう仕組みづくりを地域できちっとしていくということが大切なんじゃないかと思います。
 まず、全体としまして、文教施策の中でボランティアの推進のために今後どのように、また、現在どのように取り組んでいるのかということにつきまして、文部省のお考えをお聞きしたいと思います。
#31
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 これからの教育におきましては、他人を思いやる心や感謝の心、公共のために尽くす心を育てることなどに配慮する必要がございます。また、生活体験の希薄化している児童生徒が、体験を通して勤労のとうとさや社会に奉仕する精神を培うことは極めて重要であると考えております。
 現行の学習指導要領におきましても、社会奉仕の精神を涵養し、公共の福祉と社会への発展に尽くそうとする態度を育成することを重視いたしまして、例えば特別活動で奉仕的な活動を明示するなど、内容の一層の充実が図られており、地域の実情に応じまして、各学校において地域の清掃活動や老人ホームでの奉仕活動など、さまざまな活動が行われているところでございます。文部省といたしましても、今後ともボランティア教育の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
#32
○福島委員 積極的に取り組んでいくつもりであるという御答弁でした。
 これも大変古い新聞でございますが、昨年の朝日新聞でございます。学校教育におけるボランティアということにつきまして、現場の先生からの意見ですけれども、「学校現場ではやり方が分からないため、何もしていないところが目立つ」というような御意見も披瀝されておりました。何をしたらいいのかわからないというような悩みを持っておられる先生も多々おられるのかなという印象を受けたわけでございます。
 この学校現場での現状というものにつきまして、指導要領は指導要領としまして、現場でそれはどのように行われているのかということについて、文部省の認識をお示しいただきたいと思います。
#33
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 ボランティア教育につきましては、道徳の時間におきましては、勤労のとうとさを理解するとともに、社会への奉仕の気持ちを深め、公共の福祉と社会の発展のために尽くす精神等を育成することとして指導が行われております。また、社会科の授業におきましては、社会福祉の大切さについて国民の関心が高まる中で、ボランティア活動が活発に行われるようになっていることなどが取り上げられております。さらに、特別活動の学校行事やクラブ活動の中で、地域の実情に応じ、先ほども申し上げましたが、地域の清掃活動や老人ホームでの奉仕活動など、さまざまな活動が行われているところでございます。
 文部省といたしましては、学校におけるボランティア教育を充実するため、教員等を対象とした研究協議会の開催、学校におきますボランティア教育の意義や指導の実践例を解説したボランティア教育指導資料の作成などを行っているところであり、今後ともボランティア教育の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
#34
○福島委員 さまざまな取り組みをしておるということでございましたが、現場で悩みがないように、さらによろしくお願いしたいと思います。
 そしてまた次には、こういうことも指摘されております。時間がなかなかないということでございます。例えば道徳授業につきましても、振りかえて授業が行われることがしばしばある。また、奉仕等体験学習推進校の資料を先日ちょうだいいたしましたが、山形県の角川中学校で、今後の課題として次のようなことが挙げられています。「現実問題として夏季休業等教育課程外の時間にも依存しなければならなかった。今後、学校週五日制との関連で体験活動の時間と場をいかに確保していくか、さらに工夫していく必要がある。」
 確かにボランティアというのは時間のかかる作業ではないかと思うのですね。言葉で教えるのは短時間で済みますが、みずから体を使って動くということにおいては時間が要る。そういうことを考えますと、やはり時間がないという現場の先生の御意見というのは大変に深刻なものがあるのかなというふうにも思ったわけでございますが、この点につきましての文部省の御見解をお聞きしたいと思います。
#35
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 まず、道徳教育の関係で最初に先生からお話がございましたが、平成五年度に行いました道徳教育推進状況に関する調査の結果を見ますと、小学校においては、標準授業時数三十五単位時間に対しまして平均時数が三十三・三時間であるなど、全体としては各学校において道徳教育の充実が図られている状況がうかがえるところでございます。しかしながら、御指摘のとおり、一部には道徳の時間を教科の指導や学級活動、学校行事などに充てた学校も見受けられるところでございまして、文部省におきましては、昨年五月、道徳の時間の一層の確保を求める通知を発したところでございます。
 ボランティア教育についてでございますが、道徳の時間の中で取り上げられているほか、学校行事やクラブ活動等の特別活動におきまして、地域の実情に応じたさまざまな活動が行われていることは、先ほど申し上げたとおりでございます。本年四月から月二回の学校週五日制が実施されるところでございますが、現行の学習指導要領全体の中で、それらの学校現場における教育課程の編成につきましては、六百四十二校の調査研究協力校におけるいろいろな実践例があるわけでございます。そういう中で、各学校がそういう実践例を参考にしながら適切な教育課程を編成して、学校週五日制の円滑な実施に向けた取り組みを現在お願いしているところでございます。
 そういう中にありまして、先生が先ほどから申されているとおり、ボランティア教育も今後の学校教育において非常に重要な意味を持っておりますので、今後ともボランティア教育の一層の推進を図りつつ、教育課程全体の中での正確な実施ということについて私どもとして指導していきたい、このように考えておるところでございます。
#36
○福島委員 また、週五日制になるということで、学校でボランティアを教えるということ、そしてまた地域でのボランティア活動、これを結びつけていく作業というのはやはり必要なのではないかというふうにも思うのでございます。開かれたボランティア教育をしていく、その点についての文部省の御見解もお聞きしたいと思います。
#37
○井上政府委員 お答え申し上げます。
 学校週五日制は、先生既に御案内のとおり、子供たちの望ましいこれからの人間形成というのを図って、学校、家庭、地域社会が子供たちの健全な育成という観点から十分ゆとりを持たせ、また学校で得られない、先生がおっしゃるような体験的な学習というものも地域社会の中で展開していくことも期待されているわけでございます。そういう意味で、学校週五日制を実施するに当たりまして、学校、家庭、地域社会でそういう点についても十分連携を図りまして、子供たちの学校外における活動におきましてもボランティア活動が積極的に取り上げられ、児童生徒がそういうものに参加するような取り組みというものを今後とも社会全体で行っていく必要がある、このように認識しているところでございます。
#38
○福島委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 残り時間も少なくなってまいりました。法案について若干お聞きしたいと思います。
 まず、学部等の改組についての問題でございます。
 さまざまな学部が新しくできております。例えば和歌山大学のシステム工学部ですと、デザイン情報学科とか環境システム学科、そしてまた島根大学にしましても生態環境科学科等々、私のような古い大学を出た者にとりましては一体どういう学部なのかよくわからないということで、先日文部省の担当の方からいろいろと御説明をお聞きしました。そうしましたところ、学問の変化というか、社会の変化が非常に急速であって、その中で学際的な領域についての対応というのが迫られているのだなということを実感いたしました。
 逆に言いますと、こういう学際的な課題を設けた学部、新しい学部ですけれども、これはどういうふうに効果的に教育していくのかということは大きな問題だと思うのですね。そうしますと、そこで旧来のアカデミズムの範囲にとどまらない、例えばデザイン情報というようなことであれば、現場で働いている、現場でたくさん経験を持っている方、企業の方、そういう方が積極的にその教育現場に入って教えるというようなことが必要なのではないか。大学の仕組みそのものをもっとオープンにしていかないと、こういう本当に学際的な新しいものに十分に対応することにはならないのではないか、そういうような感じを持ったわけでございます。この点につきまして、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
#39
○与謝野国務大臣 大学の教育研究を社会のニーズに対応したものとする上で、また大学を社会に開かれたものとする上で、民間企業等で多様な経験を積んだ社会人を大学の教員などに採用することは大変重要なことであると考えております。
 文部省においては既に大学設置基準を改正し、教授等の資格要件として「専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有する者」を追加し、社会人を大学の教授等に採用することを容易にしたところでございます。こうした改正により、社会人から採用された教員数は毎年着実に増加をしておりまして、四年制大学では、昭和五十七年度間の一千百五十二名から、平成三年度間には一千八百三十七名へと増加をしております。
 今回の法案で設置を予定している静岡大学情報学部や和歌山大学システム工学部などにおいても、民間企業等で実務経験を積んだ者を教官として採用することとしております。
#40
○福島委員 積極的に民間に開かれた大学ということで取り組まれているというお話をお聞きしました。これは、教える側だけの問題ではなくて、学ぶ側の方の問題でもあると思います。現在のように情報技術がどんどん進んでいく中では、実際に企業で働いておられる方も、何とかしてまたもう一遍学ぶ機会を得たい、これは生涯教育の中ではリカレント教育ということで位置づけられておると思うのですけれども、さまざまな取り組みを文部省でも推進してきたというように伺っております。
 今回のこの学部等の改組については、直接関係するというわけではありませんけれども、その現状につきまして、また、今後の社会に開かれた大学をつくるという意味で、どのような取り組みをさらに進めていくのかということにつきまして御見解をお聞きしたいと思います。
#41
○吉田(茂)政府委員 リカレント教育につきましては、文部省でも、大学への社会人の受け入れといったことを拡大するために、例えば大学の履修形態なり修業年限など、制度の弾力化を図るというような形で社会人を受け入れる体制を整備しつっあるところでございます。
 平成七年度予算案におきましても、社会人の受け入れの推進、あるいは社会人を含めた教育研究条件を整備するという観点から、三大学、四研究科につきまして、社会人学生のための入学定員増を行うというような努力を続けておるところでございます。
#42
○福島委員 さらに積極的に進めていただきたいと思います。それで、学部等の改組も、名前が変わるだけではなくて、中身が変わる、開かれた大学になるということを目指していただきたい、そのように思います。
 もう一点、国立医科大学に係る定員の問題でございますが、払お聞きしたいのは、救急部というのが医科大学には設置されている、これは各大学にあろうかと思います。ただ、この救急部の定員なのですけれども、担当の教官の方は多くが他の教室、例えば麻酔科教室であるとか整形外科の教室であるとか併任というような形になっている場合が多いのではないかなというふうに思うのですね。救急部そのものの定員というのが、全体の定員の枠がありますから、なかなか十分にとれない状況の中でやりくり算段をしているというのが現場の対応ではないかというふうに感じてきたわけですけれども、この点につきまして、現状は一体どうなっているのかちょっとお聞きしたいと思います。
#43
○吉田(茂)政府委員 御指摘の点につきましては、救急医療を実践するための体制を整えるということで努力を重ねてまいってきたところでございまして、現在におきましては、国立大学病院の救急部は、助教授一名を筆頭にいたしまして、看護婦さん八名等、計十二名を基本的な枠組みといたしまして、全体の国立大学病院でこういう形を措置したところでございます。同時に、例えばICU、集中治療部の教官に協力いただくとか、あるいは非常勤の医師である医員の配置を行うというような形で協力をいただく形もあるわけでございますが、今申し上げましたような基本形は配置をし終わったという状況でございます。
#44
○福島委員 私もよく存じませんが、助教授一名、看護婦八名、そして若干名で十二名ということになるのでしょうか私はやはり少ないのじゃないかなという気がいたします。看護婦さんを入れてということであれば非常に少ない。
 実際に、救急医療というのが大変大切だということが今回の大震災でもよくわかりました。救急医療をそれのみに、のみにといいますとあれですけれども、専門に携わるスタッフの人数をしっかり確保すべきなのじゃないか。確かに、定員の枠というのが全体としてある、なかなかそれは行革ということが言われている中で厳しいということはわかるのですけれども、そうしますと、やはりだんだん医学そのものも変化してきておりますから、分野も広がり、また細分化してきている、そういうことを考えますと、その枠そのものを見直すということも必要なのじゃないかというような認識もあるのですけれども、その点について御見解をお聞きしたいと思います。
#45
○吉田(茂)政府委員 確かに、救急部の医療の重要性、緊急性は御指摘のとおりであろうかと思います。また一方で、今お話のありましたように、行財政情勢の極めて厳しい状況の環境のもとにあるわけでございます。そういう意味で、今申し上げましたように、助教授一名、看護婦さん八名、あと医療職二名、事務の方を含めて十二名の基本体制をつくり終えたところでございますが、さらに救急医学講座の教官であるとかICUの教官であるとかに協力を求めて仕事をしておるわけでございまして、例えば被災に遭いました神戸大学では、十七名の体制を組みまして対応しているというところでございます。
 大変厳しい状況の中での対応で、なかなか困難な面があるわけでございますが、いろいろな工夫、改善を凝らしながら、さらに努力をしてまいりたいと思っております。
#46
○福島委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 最後に、時間が残り少なくなりましたが、理科離れということが最近大変言われております。また、いろいろと文部省からも資料をいただきまして、さまざまな取り組みをしておられるというふうにお聞きしました。私がショックでしたのは、昆虫のカブトムシが動かなくなった、子供がどうしたかというと、コンビニエンスストアに電池を買いに行くと言って母親がびっくりされたという話があったというふうに報道されておりまして、まさに理科離れというか自然離れといいますか、進んでいるということは事実なのではないかなというふうな気がいたします。
 しかし、日本の将来を考えましたときに、日本はやはり技術立国で生きていくしかないというふうに私は思います。そのためには、本当に優秀な人がどんどん科学また技術の分野で育っていただく必要がある。そして、そういう人材を輩出するためには、青少年のころからの理科の教育ということが非常に大切だというふうに思います。
 昨年の八月に、日本物理学会が要望書を大臣に提出しているというふうにお聞きしました。その要望書の中では、理科の時間数が減少した、その点について、実験、観察によって裏づけされた学問である自然科学にとっては致命的である、実際に実験し観察するということによって自然科学に対しての理解、興味が芽生えてくる、そういうことからの要望であったかというふうに思うのです。
 今後の日本の将来ということを考えたときに、今の青少年の理科離れをいかに防ぐかという観点から、どのような決意を持って臨まれるのかこれは最後に大臣に御認識をお聞きしたいと思います。
#47
○与謝野国務大臣 まず、社会全体として理工系出身者を大切にするという雰囲気が出てこなければならないわけで、やはり企業等も理工系の方を人事等の面においてきちんと処遇する、そういうようなことも、バックグラウンドも私は大事だと思っております。
 加えまして、やはり児童生徒が、いつの時期かは別にいたしまして、理科に触れるということでみずからの好奇心や学習意欲が触発されるという機会をつくらなければならないわけでございます。そういう意味では、観測や実験等に参加していただく、これは学校内でのそういうことも大事ですし、学校外でそういう機会に触れられるという機会を私どもっくっていく必要があると思っております。
 加えまして、やはり教える先生の側も、理科という難しい学科を教えるその方法あるいは教え方、そういうものについて研修を重ね、児童生徒の理科に対する関心を高める、そういう教え方というものが多分あるはずでございます。加えまして、やはり小中学校における理科の教室あるいは実験室等をきちんと整備する、必要な器具、必要な薬品等々、必要な標本等もきちんとそろっている状況にする、そういう整備も私はまた大事なことであろうと思っております。
 総じて言えば、やはり知識偏重ということから、みずからの目、耳でいろいろな自然現象を観測しあるいはそういうものの実験に参加して、好奇心あるいは向学心あるいは理科に対する大きな関心というものが生まれてくるような環境づくりをすることがやはり大事であると思っております。
#48
○福島委員 ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#49
○伊吹委員長 これにて福島豊君の質疑は終了いたしました。
 次に、山原健二郎君。
#50
○山原委員 教養部、学部改組に当たりましていつも出てくる問題ですが、教職員の増員要望について法案に関係して質問をいたします。
 教養部廃止を伴う改組に関連しまして、教職員の増員措置がとられないために、一般教育と専門教育とを総合的に保障するための体制づくりという上で困難を抱える場合が多いわけでございますが、今回の場合、静岡大学などではキャンパスが静岡と浜松に分かれておりますために、教員の増員措置は切実な問題となっておると聞いております。また信州大学の場合などもその問題が出ておりまして、キャンパスが長野、松本、上田等に分かれておりますために、この問題も増員要請というのが出ているわけです。
 文部省は、この教養部改革に当たりまして、教職員の定員増は認めないという前提ではなくて、大学の実情を踏まえた教員配置に努力すべきだと思います。また、既に教養部廃止の改組が実施されている大学でも、教員増員の要望が強いわけでございまして、こうした改組後の実情を踏まえた要望についてもしゃくし定規でなくて対応すべきだと思いますが、この点についてぜひお考えをいただきたいと思うのですが、お答えをいただきます。
#51
○吉田(茂)政府委員 学部の創設など、国立大学の教育研究体制の整備に当たりましては、やはり既存の学部等の組織を徹底的に見直しまして、教養部あるいは併設短期大学部の廃止、あるいは既存学部の学科の改廃等を行うことによりまして、新たな定員増を極力抑制するということを基本といたしまして必要な教官の確保に努めておるところでございます。
 こういった中で、例えば静岡大学におきましては、既設工学部の学科の廃止、教養部の廃止というようなことをいたしまして、厳しい行財政事情の中で限られた定員や予算をできるだけ有効に活用しつつ教職員を適正に再配置していくという基本のもとに、例えばキャンパスが二つに分かれているというような場合には、同一教官が同じ日に異なるキャンパスにおいて授業科目を担当するというようなことがないようなカリキュラム編成上の工夫もするというような運用面の配慮もしつつ、学生の教育に支障のないよう努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#52
○山原委員 学部改組に当たりまして、常にこの問題が出てくるわけでございまして、今後についても十分配慮をいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 今度の震災の問題で、授業料等の免除措置をとる私立学校への財政支援についてでありますが、今回の大震災で被災した学生生徒に対して私立学校が授業料等を減免する場合には、私立学校経常費助成の中で適切な措置を講ずる、これが文部省の対応方針となっています。文部省のまとめでは、減免措置を実施する予定の大学は、全国で三百三十二校に上っている。多くの私立大学、高校でこうした減免措置がとられるよう国として十分な財政援助をぜひ実現してもらいたいという声があるわけでございます。
 特に問題となるのは、被災地及びその近隣地域の私立学校で、被災した生徒学生が多数に上るため、免除措置をとるとなりますとその私学法人が負う財政負担も多額に上るわけでございまして、先日現地でも実情を聞いたわけで、これは文部大臣にもお伝えしたわけでございますが、ある学校、例えば今度神戸神港学園というのが、私も伺ったわけですが、被災生徒のうち、半壊、半焼以上の罹災証明を受けた生徒に対しまして入学金と一年間の授業料免除措置をとることにしましたが、年間三千万円から四千万円にもなる学費免除額に対して、行政側がどのくらい負担してくれるかわかりませんという深刻な悩みを訴えられたわけです。その他の学校でも、行政側の対応が不透明なために学費免除措置で二の足を踏んでいたり、被害の大きな私学では、学校の復興が最優先であり、学費減免の措置まで手が回らないというような実情があるわけでございます。
 そこで第一点は、経常費助成で適切な措置を講ずるというその対象として、授業料だけでなく、入学金あるいは施設整備費もぜひ含めてもらいたいという要求が出ておりますが、これについてどのようなお考えを持っているかという点です。
 第二点は、私学法人任せにせず、主要には国の財政負担によって被災生徒学生への学費減免が実現できるような特別助成を創設してもらいたい、あるいは予算措置もとってもらいたい、こういう強い要求があるわけですが、これについてどうお考えでしょうか。
#53
○吉田(茂)政府委員 私どもといたしましては、今回の災害に関連いたしまして、例えば高等学校、幼稚園等の関係でございますと、関係の府県が学校法人の行う学費免除措置に対しまして助成を行うという場合に、その財源の一部について平成七年度の私立商等学校等経常費助成費補助金の中で配慮してまいりたいというふうに考えておりますが、具体的にはやはり災害を受けられた学費負担者あるいは学生数等の状況、あるいは学校法人の取り組み状況、学校経営に及ぼす影響、こういったものを十分勘案しながら配慮をしてまいりたいと考えております。
 その場合に考えられますのは、授業料あるいは入学金あるいは施設費、こういったものが対象として考えられるわけでございますが、具体的には今申し上げましたような状況を勘案しながら対応してまいりたいというふうに考えております。
#54
○山原委員 いよいよ切実な要求の時期を迎えておりますので、ぜひ十分な手当てを考えていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 時間が余りありませんので、もう一つは、先ほどちょっと出ました、神戸大学で世界的にも最先端を行く非常に貴重な研究成果も失われたという報道も出ているわけでございますが、こういう残念な結果を再び招かないための震災対策が講じられなければなりませんが、大規模地震対策特別措置法によります地震防災対策強化地域内の国立学校の施設については、耐震診断の結果に基づき、昭和五十六年度から計画的にその改修を実施し、整備は終了したということになっています。しかし、過去の最大級の地震に耐えられるとした公共施設が無残な結果を生んでいるわけでございまして、この現実を踏まえまして、この耐震基準についても見直しが求められておると考えるのでございます。
 また、この地震防災対策強化地域は静岡県を中心とした限られた範囲にすぎないわけでございまして、予想される東海地震だけでなく、今回のような直下型地震の破壊力のすさまじさを踏まえるならば、新たな基準に基づく耐震対策を全国的規模で進める必要があると考えるわけですが、この点について文部省の見解を伺いたいと思います。
 同時に、貴重な研究成果などの保管についてでありますが、電源喪失とか給水ストップなどの場合にも対応できるいわゆるバックアップ体制を検討すべきだという声が出ているわけですが、この点についての考え方を伺います。
#55
○木村(直)政府委員 これまでの国立学校施設の建築に当たりましては、建築基準法によってやってきているわけです。先生の言われましたように東海地震の場合の想定で、静岡県を中心とした地域については国立学校施設についても耐震補強がされているわけです。
 それで、そのほかの地域についてはそういうことはまだされていないわけでして、今後ほかの地域でも今回のような大地震が起こる可能性があるということも言われていますので、当然建築基準法もこれからいろいろ検討されて変わるんだろうということは想定されますので、それに伴って国立学校施設についても、新しい建物はもちろんのこと、古い建物についても耐震補強をしていかなきゃいかぬという考え方はあるわけでして、基準法に沿った考え方でいろいろ国立学校の施設についても耐震補強のこと等も考えていきたいと思っております。
 それから、電源が停止してしまったというようなことによりまして研究資料がだめになってしまったとか水がとまってしまったことによってまたいろいろ被害を受けたということも各研究室でたくさん出ているということは聞いております。
 そういうことに対して、これまでも非常電源設備というものを百五十カ所くらいの大学ではつけているわけですけれども、今回の地震のようなことがありますと、もう少しその辺のことはいろいろ考慮しながら、重要研究については、そういう場合に非常電源設備が働くというようなことまでも考慮していかなきゃいかぬと考えますので、今回の被害の調査を踏まえながら、その辺のことも十分対応していきたいと思っております。
#56
○山原委員 次々と新しい経験、新しい事態が起こっているわけでして、これに対して文部省として、やはり万全の対策を検討していってほしいと思いますが、文部大臣、最後に、こういう事態を踏まえまして、大臣としてどういうふうな態度で臨むか、決意を伺って質問を終わりたいと思いますが、いかがでしょうか。
#57
○与謝野国務大臣 御承知のように、大学の研究室等には貴重な標本、サンプル、データ等が保存をされております。先生御指摘の、例えば電源が切れだというような場合は、例えば凍結保存をされている標本等が解けて、標本としてあるいはサンプルとしての価値がなくなる。これは長い間蓄積された研究成果を一瞬のうちに無にするということもございます。
 今後、研究室の設備のあり方、耐震に対する考え方というのは、建築基準法とともに私どもは新たに見直して、貴重な研究データ等がそのような震災によって失われないような、そういう配慮をしていく必要があると考えております。
#58
○山原委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
#59
○伊吹委員長 これにて山原健二郎君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#60
○伊吹委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、国立学校設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#61
○伊吹委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○伊吹委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#63
○伊吹委員長 次回は、公報をもってお知らせ
することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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