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1995/02/27 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 大蔵委員会 第7号
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1995/02/27 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 大蔵委員会 第7号

#1
第132回国会 大蔵委員会 第7号
平成七年二月二十七日(月曜日)
    午前十時四分開議
出席委員
  委員長 尾身 幸次君
   理事 石原 伸晃君 理事 金子 一義君
   理事 村上誠一郎君 理事 新井 将敬君
   理事 北側 一雄君 理事 村井  仁君
 理事 早川  勝君 理事 五十嵐ふみひこ君
      大島 理森君    大原 一三君
      岸田 文雄君    熊代 昭彦君
      小泉純一郎君    塩崎 恭久君
      中谷  元君    中山 利生君
      福田 康夫君    堀之内久男君
      宮里 松正君    茂木 敏充君
      山本 有二君    青木 宏之君
      井奥 貞雄君    上田 清司君
      太田 誠一君    倉田 栄喜君
      竹内  譲君    谷口 隆義君
      中田  宏君    中村 時広君
      平田 米男君    藤井 裕久君
      宮地 正介君    宮本 一三君
      中村 正男君    永井 哲男君
      濱田 健一君    日野 市朗君
      渡辺 嘉藏君    田中 秀征君
      矢島 恒夫君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  萩山 教嚴君
        大蔵政務次官  石井  智君
        大蔵省主計局次
        長       伏屋 和彦君
        大蔵省主税局長 小川  是君
        大蔵省銀行局長 西村 吉正君
        国税庁次長   松川 隆志君
        国税庁課税部長 堀田 隆夫君
 委員外の出席者
        大蔵委員会調査
        室長      中川 浩扶君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十七日
 辞任       補欠選任
  山中 貞則君   山本 有二君
  谷口 隆義君   宮本 一三君
  平田 米男君   倉田 栄喜君
  矢島 恒夫君   佐々木陸海君
同日
辞任        補欠選任
  山本 有二君   山中 貞則君
  倉田 栄喜君   平田 米男君
  宮本 一三君   谷口 隆義君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 阪神・淡路大震災に対処するための平成六年度
 における公債の発行の特例等に関する法律案
 (内閣提出第五三号)
 平成七年度における財政運営のための国債整理
 基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関す
 る法律案(内閣提出第三号)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第八号)
     ――――◇―――――
#2
○尾身委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、阪神・淡路大震災に対処するための平成六年度における公債の発行の特例等に関する法律案、平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中田宏君。
#3
○中田委員 新進党の中田宏でございます。
 先週の金曜日には、本会議でかなり言いたいことを言わせていただきまして、大変に大臣初め皆さんには失礼をいたしました。まだまだ一年生の議員で、しかも新進党では最年少でありますので、国会のルールその他いろいろある中をかなり無鉄砲にやらさせていただいているのかもしれません。そこら辺は自分自身もまだよくわからない部分がありますので、ぜひ御指導を賜りながらというふうにお願いを申し上げます。
 きょうは、大蔵大臣それから萩山政務次官、石井政務次官と、そういう形でお聞きをいたしたいというふうにお申し出をさせていただいたわけでありますが、国会の今までのあり方からいえばかなり異例なことなのかもしれません。しかし、深い御理解をいただいて、後進の指導に来てくださったというような形で石井先生にはわざわざ御出席をいただいたりました。本当に心から御礼を申し上げます。後ほどちょっと二、三の質問をさせていただければというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げます。
 それでは私の方、質問に入らせていただきたいと思うんですが、私はこの租税特別措置法、いろいろ幾つもあるわけでありますけれども、その中で土地の問題に限っていろいろとお聞きをしてまいりたいというふうに思っています。
 土地、今景気がこれだけ深刻な状況にある中において、やはりバブルの時代のツケというのがまさに今の土地の状況であり、その資産デフレ現象の最大の要因が土地であり、それがまさに今の不景気につながっているということは明らかだと思うわけであります。したがいまして、土地をいかに流動化させていくのかということが今後の景気回復の大きな柱になろうというふうに思います。
 いろいろと景気浮揚策というのはございますし、既に政府も前政権から、前々政権からそして今の政権に至るまで大変な御努力をしてくださっています。公共工事等の大幅な増加、そしてそのほかにも幾つも施策をいただいているわけでありますけれども、やはり土地というものをとにかく流動化させていくべきだろうというのが、私は考える限り、いろいろな意見を総合する限り大きな意見なわけでありますけれども、そういう意味においてきょうは土地の問題を考えさせていただきたいと思うわけであります。
 まず、冒頭ちょっと順序を違っちゃうかもしれませんが、大臣の簡単な御所見で結構であります、景気の状況と土地の絡みというものを、今後土地を流動化させようという部分に関して簡単に冒頭御所見を例えればと思います。いかがでございましょうか。
#4
○武村国務大臣 日本経済全体は、御承知のように、政府も発表いたしておりますが、緩やかながら回復基調に入ったという認識でおります。そういう中でありますが、土地の動きは依然活発ではありません。土地こそ、あるいは土地が動かないのが不景気の象徴だという見方があることは承知をいたしておりますが、土地はやはり地価の動向との絡みがあると思いますし、御承知のように大都市圏を中心にして地価が低落をして、これがもうとまったかなお下がるかというこの辺の展望が定かじゃない、そういう中で今回の土地税制の議論も行われたというふうに認識をいたしております。
 業界の関係者等から強い陳情も私も受けましたが、譲渡益課税を下げたりあるいは地価税を廃止してもらえば、そのことで土地はどんどん動くんだと熱心に聞かされたわけでありますが、昨年も細川政権でいささか土地に対する御配慮をいただいたわけです。そのときもそういう議論がありました。
 しかし、残念ながら、それほどそのことが大きなインパクトにならなかったことも踏まえますと、果たして譲渡益課税を動かすことによって土地の動きが活発になるのかどうかについては、これは定かに確信的に物は言えないわけであります。まだ下がるという状況があれば幾ら下げても動かないという、やはり需要供給の関係が基本になるのかなというふうに認識をいたしております。
 そういう中ではありますが、今回は諸般の所得税が軽減された。減税の対象になったこととのバランスも考えて、これから議論をいただくような四千万以下についてのこうした措置をとらしていただいた次第であります。
#5
○中田委員 今大臣もお触れをいただきましたけれども、譲渡益課税について今回改正がなされるわけでありますけれども、これは税務上、そして税の目的上、この改正についてどういった意義で今回引き下げになるのかどうか。これは四千万円以下の部分は三二・五%に今度下がるわけでありますが、四千万円超はこれまでどおりということになります。今回四千万以下のみを三二・五に下げた。ここら辺の目的をちょっとお聞きしたいと思います。
#6
○小川(是)政府委員 土地の譲渡益課税制度につきましては、平成三年度の土地税制全体の改正のときに大きな改正が行われたわけでございます。そのときには、土地というものの公共性につきま。して、土地基本法が成立をして、非常に立法上も社会的にも強い位置づけが行われました。その結果、譲渡益につきましては、特に勤労所得等の負担との均衡に配慮して相応の負担を求めるべきということから、それまでのいわば二段階に分けておりましたのを一本にいたしまして、住民税と合わせて三九%の課税。その一方におきまして、優良な住宅地等の供給に資するものというのは、それまでの税率を引き下げまして二〇%にするという改正が行われたわけでございます。
 今回の税制改革におきましてもそうした考え方が踏襲されておりますが、さきの税制改革において勤労所得等の税負担が軽減されました。そうしたこととの関連で、負担水準について改めて議論が行われたわけでございます。その結果が、今回御提案しております、四千万円以下については勤労所得に対する累進構造の変化、軽減というものを踏まえて三二・五%とするのが適切ではないか、そうしてこれを安定的な制度として維持をしてまいりたいということで御提案をした次第でございます。
#7
○中田委員 この譲渡益課税の問題に関しては幾つかそのほかの議論などもあったかと思うのでありますけれども、せっかく政務次官に来ていただいておりますので、ちょっとそこら辺のお話をぜひお伺いできればと思います。
 一般的には、譲渡益課税が非常に高過ぎるということにおいて土地が回っていかないというような認識が今多くの関係者で言われ始めている現状でありますけれども、その部分に関して与党の中でもいろいろと御議論があったというふうにお伺いしています。実はこれは我々新進党の中でも当然議論があるわけでありまして、譲渡益課税、これは下げるべきだという議論もあれば、一方でまだまだと言う人もこれは新進党の中にもありますので、別にそこの矛盾がどうのこうのと言うつもりは本日はございませんけれども、ひとつお聞きをできれば。
 簡単に伝え聞いている限りでは、自民党の先輩方は、これは上がる前の一律二六%に戻すべきだという議論があったやにお聞きをします。一方で、社会党そしてさきがけの先輩方の中には、いやいやまだだというような議論があったやに聞いておりますけれども、そこら辺のこと、どういった御所見また議論があったのかどうか。社会党石井政務次官、せっかくお越しをいただいておりますので、ちょっとお伺いできればと思います。
#8
○石井(智)政府委員 きょうは私に対して御質問をちょうだいして、心からお礼を申し上げたいと思います。
 今もお話がございましたように、バブル経済の状態の中では土地というものに対して非常な投機的な要因が加わって、本来の土地のあり方というものが見直されなければならない、こういう議論を積み重ねて、三年だったと思いますが土地基本法を制定して、土地の基本理念というものを国家的に定めた。その精神でいくと、今、土地そのものが公共の用に供していくという本来の目的、それに見合った国民福祉の用に供していく、そういう中で必要な土地の流動化を図っていかなきゃならぬ、こういう状況にあろうと思います。
 現在土地が非常に低迷をしておる、そのことが経済を活性化させない要因になっているのではないか、こういう意見もあることは承知をいたしておりますが、まだ、今の地価の動向を見るとその状況にない。こういうことから、現在のその基本理念を堅持していく、そういう立場に立って、譲渡益そのものは据え置いていく必要があろうという判断をいたしましたけれども、その過程でほかの、譲渡益課税と違う部分というのか、通常の所得に関して税改正が行われたわけであります。そのあたりの整合性を図っていく上で、二段階の論をとりまして整合性を図ったというのが今回の内容でございます。
 与党三党で十分議論、精査の上調整を図った内容でございますので、御了解をいただきたいと思います。
#9
○中田委員 もう一問だけお聞きをしたいのでありますけれども、先生初め社会党の中での議論というのはいかがなんでありましょう、差し支えのない部分でお教えをいただければと思いますが、土地というのはまだまだ下げなきゃいけない、そのためには譲渡益課税などを初めとした税制に関してはまだまだ緩める段階にはないというような議論、御見解であるかどうか、そこら辺のところをお聞かせいただければと思います。
#10
○石井(智)政府委員 今の土地そのものが高いのか安いのかという議論は、国民的な大衆合意によってなされるものだろうというふうに思いますが、その中で、公共の用に供していく、そのために必要な流動化を図らなきゃならぬ、こういう立場でいろいろな角度から税の役割を、譲渡の時点、保有の時点、いろいろな時点時点においての整合性のある体系をつくり上げていくという立場で、有効な、基本理念に沿った運用が図られていくように努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#11
○中田委員 今私がちょっとお聞きをしたかったのは、土地の値段を含めて土地に対する御堂の御見解です。政務次官でありますから、そういう意味ではそこら辺、政党を代表しての答弁にはなりにくい部分がありますので、この辺にしたいとは思います。
 もう一つは、これは大臣ですからまたさらに御答弁しにくい部分があるかもしれませんが、先ほど申し上げたように、お聞きをしている部分では、自民党はもう少し下げよう、私も下げるべきだというのが論でありますけれども、社会党、さきがけを中心に、いや、そうじゃないという議論が活発だったようにお聞きをして、結局間をとったという形になっているように思うわけであります。そこら辺について、ちょっと大臣の御見解をお伺いできればと思います。
#12
○武村国務大臣 与党三党で税制の関係者、真剣な議論を最後までやっていただいて、その合意に対して大蔵省としても一定の意見を申し上げながらこういう結果を決定させていただいたわけであります。議論の経過はいろいろ新聞にも報道されておりまして、私も全部は承知いたしておりませんが、おおむね議員のおっしゃるような主張があったのかなと思い出しております。
 それぞれ、今社会党の石井政務次官が社会党の考え方をお話しになりましたが、さきがけは五十嵐理事にお任せをしておりまして、専ら土地税制を余りたびたび動かすのはよくないと。絶えず動いてきたことは事実でございますが、そうなると、また下がるのじゃないか、また下げてもらえるのじゃないか、だから売るのはやめておこう、こういう期待にもつながったりして、税制がそういう心理的な影響を与える向きも確かにあるわけであります。
 もともと、平成三年の改正は、既に御認識のように、資産、消費、所得のバランスを頭に置きながら、土地の適正課税はいかにあるべきかという議論が行われましたし、片方、土地基本法も制定されて、いわゆる土地政策の基本をめぐる論議も踏まえてこうした税制が確立をされた。その中に地価税の創設ということもあったわけですが、それが、確かに不景気とか土地が動かないという状況はあるにしましても、また二、三年たって変えるということは、平成三年の議論を想起いたしますと、そう軽々であってはならないという主張も当然あっただろうと思うのです。
 しかし、諸般のそういう論議を踏まえて、最終的には、四千万以下についてはこうした配慮をさせていただいて、譲渡益課税二段階、まあ二〇%という優遇措置がありますから三段階かもしれませんが、こういう仕組みに修正をさせていただきたいというのが政府の考え方でございます。
#13
○中田委員 萩山政務次官にも一言御見解をお伺いさせていただければと思いますが、今整理をしてきたような意味では、社会党は、十一月の初めに税調の方で、地価税と譲渡益課税と有価証券取引税、まあこれは有価証券も入りますが、この軽減には反対する方針を決定をしている。ここら辺全部、簡単に言えば、資産課税の充実のためにはまだまだ現行制度を維持すべきだということだったと思います。
 そして、今大臣おっしゃっていただいたとおり、おおむねそういう議論だったということで、さきがけ、社会党はそういう見解だということだと思いますが、先生も差し支えないところで、自民党の議論はどういったところであったか、また先生の御所見なりというものをお伺いできればと思います。
#14
○萩山政府委員 中田先生の御質問にお答えいたしたいと思います。
 自民党は確かに、平成六年三月に、租税特別措置法の一部改正法案に対する修正案として、野党時代でありますけれども、土地譲渡益課税の軽減と地価税の負担軽減を提案したことは先生仰せのとおりであります。今回、土地譲渡益の課税の改正は、今般の税制改革によって勤労者所得の税の負担が軽減されたことも事実であります。そのことを踏まえて、土地譲渡益課税の負担水準についても改めて論議いたしました。
 今回の改正案は、現行の土地税制の基本的な考え方を堅持しつつ、通常の所得に比べて高い負担を求めつつ、なるべく簡明な税制のあり方を求め、改めて長期的、安定的なものとして構築していこうと考えたものであります。ですから、個人の長期保有の土地の譲渡益課税については、土地譲渡益の四千万円を超える部分については税率三〇%、先ほど大臣も石井政務次官もおっしゃっていたかと思いますが、譲渡益の四千万円までは現行よりも一段低い税率の二五%、まあ住民税を込みで三二・五%を適用するということで、二段階の累進税率となっておるのも先生御指摘のとおりであります。
 以上のような今回の土地譲渡益の課税の改正案は、連立与党における真剣な論議と御協議によって精査をしての結果であると受けとめております。
 なお、今回の税制改正は、土地譲渡益課税のあり方について、検討を先送りすることではなくて明確な結論を得たことは、土地取引に当たって不透明性や思惑を払拭しております。回復過程にありながら、その足取りの極めて緩やかな経済状況にも好影響を与えるものと思料したからでございます。
 また、地価税の負担のあり方についても、その意義、役割等を踏まえて、今後、地価税法の附則の趣旨に沿って、固定資産税などの土地の保有に対する税負担の全体の状況を勘案しつつ、引き続き自民、社会、さきがけ三党連立与党の検討課題にこれからもしていきたいと思っておる次第であります。
 以上でございます。どうもありがとうございました。
#15
○中田委員 ありがとうございました。
 きょうはそれぞれ、たまたま今、大蔵省の布陣というのは、大臣がさきがけ御出身で、両政務次官が自民そして社会党御出身ということでありますので、ぜひそこら辺のことをちょっと整理をさせていただきたいという趣旨で、こういった形でお聞かせをいただいたわけであります。
 ほかの委員会だったらなかなか両政務次官がそろっているなどというのはありませんから、私もありがたいことだと思いつつ、また一方で、かなり先週来いろいろなところでいろいろなことを言っておるものですから、諸先輩方には常に生意気に映る存在で大変恐縮でありますけれども、本当に御誠実に答弁をいただきましてありがとうございました。
 ただ、我々新進党から見ますと、今回の譲渡益課税の問題にしましても、どうもやはり与党の中で、三党の連立の中でやっていることの何だか妥協の産物だなという気がしないでもないわけであります。そういった議論が今まさに浮き彫りになった形だと思いますが、最終的に決まったのは、真ん中とってというような雰囲気もないではありません。
 そしてまた、その最後の定義づけとしまして、一つには、所得税の減税措置に見合った減税規模だというようなのが最後は理屈的に当てはまってくるのかなというような気がするわけでありますけれども、そういう意味でいうと、所得税の減税規模に見合って今回の譲渡益課税に関しても考えたなどということになると、また所得税の減税措置が、今度見直しをしたりということもまたまたテーブルにのっているわけですから、そうなると、ではその際にもこの理屈づけが通るのかなというような不安も覚えてしまうわけであります。
 そういう意味で考えると、これはやはりどちらかが矛盾しているような気がするわけでありますが、ここら辺に関していかがでありましょうか。
#16
○小川(是)政府委員 改正前の、あるいは今回の四千万円超のところの所得税の税率が三〇%となっているのは、実は、所得税の最高税率五〇%の二分の一を上回る水準で、他の所得よりも高い負担を長期譲渡所得について求めるのが適切ではないかということで設定されたわけでございます。
 今回の四千万円以下の見直しにつきましては、最高税率は今回の税制改革におきましてもそのまま維持されておりますが、その下の累進構造が直されまして、それを全体として比較いたしますと、やはり四千万円以下のところで税率の刻みをもう一つ置くというのが、たとえ簡明な分離課税としての譲渡所得課税としても適切ではないかということで、二五%への引き下げを御提案しているものでございます。
 したがいまして、こうした所得税の三〇%、二五%という長期譲渡所得に対する分離課税の税率は、今後所得税の税率構造がよほど大きな変化をしない限り、こうした形で維持されるべきものであるというふうに考えている次第でございます。
#17
○中田委員 といいますことは、所得税の変動とリンクをしているわけでは一概にはないということです。そうすると、これは、そういった所得税に見合わせたぐらいのというこの論は違うということであります。
#18
○小川(是)政府委員 その点につきましては、実は平成三年度の土地税制の審議の際の政府の税制調査会の答申にも残っているところでございますが、一つは、長期の譲渡所得と短期の譲渡所得で、短期譲渡所得がさらに大きく加重、負担が加重されております。将来の方向としては、土地税制、譲渡所得については、長期のものをむしろ短期のものにさや寄せしていくという考え方もこの答申の中では議論されているわけでございます。
 そのことの意味というのは、土地に係る税負担については、他の所得に対する所得課税の負担構造とは離れて、より大きな負担を土地の公共性というところから求めてもいいのではないかという議論もあるからでございます。
 したがいまして、所得税の構造とのバランスという問題が今日においては大きなポイントとして税率構造の改正をお願いをしているわけでございますが、ごく一部にはそういった議論、土地については全く別の負担を考えてもいいのではないかという議論がないわけではないという点においては、所得税の構造と離れた議論もあり得るのではないかという御指摘はその限りにおいてあり得るのではないかというふうに思うわけでございます。
#19
○中田委員 譲渡益課税のことを今までお聞きをしてきたのですが、石井政務次官と萩山政務次官におかれましてはもうこの後は質問いたしませんので、とりわけ石井政務次官は、よろしければ御退席をいただいても結構でございます。本当に本日はありがとうございました。
 質問を続けさせていただきますが、大蔵省として、土地の譲渡益課税と土地の譲渡面積あるいは流動化をしていくこととの因果関係というのはどういうふうにお考えなのかをお聞かせをいただければと思います。
#20
○小川(是)政府委員 土地を売却しようとする動機としては非常にさまざまなものがあると思います。一般的な土地譲渡に対する税負担の変更自体が土地の供給にどうつながるかということを判断するのは極めて難しいと存じます。これは、過去三十年ぐらいの土地税制の変遷を見ましても、将来において税率が間違いなく上がったままである、現在は低いけれども次第に高くなっていくという税制を昭和四十年代後半にとったこともございます。このときだけは、昭和五十年以降は税率が高い水準で維持される、今低いということから、当時の列島改造論なんかもあわせまして非常に大きな土地の譲渡があったこともございます。
 しかし、その後の状況を見ますと、さまざまな政策的要請において頻繁な改正が行われてきておりますけれども、このことは、常に税に対する緩和期待というものが生じてむしろ土地の供給というものに対して抑制的な働きを持つのではないかというところが懸念されてきたところでございます。
 したがいまして、土地税制というのは二つ問題がございまして、一つは、譲渡所得課税は極めて長期にわたって安定的であるということが一つの大事なポイントであると存じます。いま一つは、これまた平成三年の土地税制のときに議論されたところでございますが、その保有に対して適切な負担を求めているということがこれまた重要な二つ目の柱だというところでございます。保有に対する負担がございませんと、よくロックイン効果と言われますように、土地を保有する方はその資産価値から見ましてずっと持ち続けるということが最大の選択になってしまうというところでございます。こういった二つの点が現在の税制に生かされているのではないかというふうに思うわけでございます。
#21
○中田委員 今お答えをいただいたわけですけれども、今この不況の最中に、先ほど冒頭申し上げましたように、土地というのはやはりその大きな原動力としてある意味では期待をされて、そして別の言い方をすれば、この不況を引き起こした原因なわけであります。さまざまに不況対策ある中で、やはり土地というのは大きな柱だと申し上げたとおりです。
 その中で、個人も法人も、できれば売って、そしていろいろな、さまざまに抱えている借金を返済をしていきたいという意向があるわけですね。ところが、今のままだと、これは持っているのも売るのもどうも税金が重過ぎる、できることならば、売る際はもうちょっと軽減をしてもらえないものだろうかという声は非常に、私も聞いていて大きいわけでありますね。
 確かに譲渡益課税、これは三九と仮に二六だとすると一三%ぐちい違う。一三%違うと、これは本当に、土地の売買ですから、一千万、二千万、三千万とすぐに税額が違ってきてしまうわけですね。それでもって借金を返済することをより早めようと思ったりそういうのというのは物すごく今回は因果関係が私はある意味では大きいというふうに思うわけですね。
 私も.今まで幾つか資料を見てきた中では、この譲渡益課税の強化期とそれから緩和期、そしてそれと土地の取引の件数との因果関係というのはそんなに大幅な極端な動きにはなっていないということは認めるものでありますけれども、しかし今回は、今申し上げたような経緯でこういう譲渡益課税がもう少し軽減をされれば相当に処分をして、そしていろいろな借金を返済をしたい、そして処分がされれば、当然そこに土地が流動化をしてきて経済が浮上していく要因があるだろうというふうに思うわけでありますけれども、今回は、そういう意味でこれまでの前例と同じような考え方ではないのだろうというふうに思っておりますが、ここら辺の御見解をお聞かせをいただきたいと思います。
#22
○小川(是)政府委員 その点は先ほど大臣が申し上げたとおり、しょせん土地も、いろいろな特異性があるにしましても、市場における需要と供給というものによって価格形成が行われ、あるいは取引量が決まってくるというところであろうと思います。現状において、かなり一昨年来関係者からのヒアリング等も行ってまいりましたが、土地が動かない、もし仮に流動化されていないとしますと、それは買い手がいない、買い手がついてこないという方の問題でございまして、売り手が売ったときに出てくる利益に対する税負担が重過ぎるからということではむしろないというふうに受けとめているわけでございます。
 それからいま一点は、この点がバブルの後であるだけに大変難しいところでございますが、土地の取引量は、面積的にもあるいは金額的に見ましても、バブル以前の我が国の経済の規模に応じたバランスと今日とはほとんど同じ水準にあるというところでございます。バブルの時期に非常に大きな土地の売買が行われたというその後でございますから大変細っているように思うわけでございますけれども、現実は、土地の譲渡金額あるいは面積から見ましてもそう経済とかけ離れたものになっているわけではないという点も付言をさせていただきたいと存じます。
 今御指摘の点は、むしろ利用あるいは将来における売却を考えながら取得した大き過ぎる土地をどのように処分していくかという問題でございますが、結局のところ、市場における需要というものにどの辺で合ってくるかという問題であろうかと思うわけでございます。
#23
○中田委員 今局長のお言葉の中にバブルの時期という言葉がございました。確かに、多くの国民の皆さんは、まさに地価税の問題にしても譲渡益課税の強化にしても、バブルで土地が値上がりをし過ぎた、し過ぎたゆえに課税強化されたんだという印象なわけですね。これは間違いないです、実感として。そうなると、今度は逆に、土地が下がっているんだからそれは緩めるべきだ、今回少し緩めたわけですけれども。この認識というのは間違いのない率直な感想なわけです、多くの国民の皆さんにとって。
 土地税制は土地の政策の中における補完的な役割だというのが恐らく御見解だと思うのですけれども、今おっしゃつたのは、まさにバブルの時期に強化したんだからそれは今度は政策的に下げるべきですよという論が、そうなるとこれは十分に成立をする話だと思うのですけれども、ぜひそこら辺をお願いしたいと思います。
#24
○小川(是)政府委員 その点につきましては、ちょうど土地税制が基本的に議論されましたのが平成二年でございまして、平成三年に各種の税法の手当て、地価税法の創設を含めて行われました。時期的には、いわゆるバブルの最後あるいはそれが崩れ始めるかという時期でございましたから、議論が大変いわゆるバブルの問題を契機として進んだというのは事実だと存じます。
 しかしながら、この土地税制ができ上がる制度的な背景といたしましては、やはり平成元年の十二月に成立をいたしました土地基本法が非常に大きな契機となっておりました。したがいまして、そういった経済情勢と、土地に対する基本的な立法が国会で全会一致で議論されつくられたということが大きな要因になっていると存じます。
 したがいまして、当時の税制調査会の答申におきましても、これはいわゆるバブル対策ということではなくて、長期安定的にこういった税制を持つことが重要であるということが言われておりますし、平成三年の国会におきまして税法の御審議をお願いいたしましたときに、今委員御指摘のような、これはバブル対策でいずれはということかどうかという御審議がございました。当時、大蔵大臣、主税局長は、これはむしろ我が国の税制として安定的なものとして位置づけたいということを御答弁申し上げた次第でございます。
#25
○中田委員 今長期安定的というふうにおっしゃられましたが、税制というのは基本的にはそうなのかもしれません、税制そのものは。しかし、土地。もそうなんでしょうけれども、私は、長期安定的というのは、保有の部分に関してならまだしも、保有もきついわ売るのもきついわというのは、これは本当に土地を動かなくしている大きな要因だと思うのです。
 小川主税局長は、かつて参議院の大蔵委員会の中で、土地に関する税がくるくる変わるのはよくないというふうにおっしゃっておられる。それはそういう税もあるでしょうけれども、しかし、機動的に税率というものを変更することによってむしろ経済を刺激をしていくという税というものも一方で当然あるわけです。それだと恐らく主税局長も同じ御見解だと思うのです。そういう税もあってしかるべきだと思うのです。ですから、そういう部分というのは、主税局長はどういう部分がその税であって、それはまたどういうふうにすべきだというわけです。
#26
○小川(是)政府委員 現在の租税特別措置法は、大部分がいわゆる政策的な税制でございます。この場合の政策というのは、さまざまな社会的なもの、福祉に対するもの、あるいは学術的なもの、文化的なものがございますが、やはり一番大きいのは経済政策の観点でございます。経済政策の観点という意味では、生産活動に対して及ぼす影響を税制がいろいろな意味で支えているというふうに存じます。その意味におきましては、具体的な生産に及ぼす税制の効果あるいは需要に及ぼす効果というのは、それなりに皆さんに認識され、税制の基本原則をやや変えてでも受けとめられているのではないかというふうに思うわけでございます。
 そこへまいりますと、土地に対する税制というのは、過去何十年間かの経験からいたしまして、土地というものの持つ資本としてのあるいは資産としての特異性から、長期安定的に税制を持つということが極めて重要であるというふうに認識されているのではないかと思うわけでございます。
#27
○中田委員 ちょっと話を変えますけれども、この譲渡益課税、土地の譲渡益に関しましては、我が国は所得と分離して課税をするという形になっているわけでありますけれども、先進国、諸外国だと、これは合算をしてというケースが多い。私が調べた限り、そういうふうに思う。そこら辺に関しては、我が国はどうしてこういう形になっているのか、あるいはそっちのデメリット・メリットというのをちょっとお願いをしたいと思います。
#28
○小川(是)政府委員 長期保有の土地譲渡益に対する課税につきましては、昭和四十四年に分離課税方式がとられまして現在に至っております。この土地に対する課税方法を分離ではなくて総合課税といたしますと、当然のことながらいわゆる累進税率がきいてまいりますから、規模によって違いましょうが、それぞれ土地を売られるときには、やはり累進的な税負担を免れたいということで切り売りということが懸念されるわけでございます。そういう意味からは、分離課税の方が、土地のような切り売りが可能なものについてはよりすぐれているのではないかというのが一つございます。
 いま一つは、累進課税をいたしますと、同じ土地につきまして、だれが売るかということによって、下にある所得との関連で税額が違ってまいります。そこで、税負担の計算が大変複雑で、土地の売却に伴う負担額がはっきりしない。土地についての円滑な取引という観点からいたしますと、坪幾らで売買をする、あるいは全体としてこの面積を幾らで売買すれば税負担は幾らだというのがわかりやすいというのが分離課税のメリットであろうかと思います。
 また、土地によって生ずるキャピタルゲインという所得が勤労所得等とはちょっと性格が異なるのではないかという考え方が次第に定着してまいりました。そうした中では、この分離課税というのが、他の所得が総合課税であれ、より適切なものではないか、このような考え方が次第に強まって、今日定着してきていると考える次第でございます。
#29
○中田委員 そうしますと、四十三年の政府税調の答申の中で、「個人の長期保有土地に係る譲渡所得課税方式の変更」、そこで「現行の超過累進課税を時限的に分離比例課税に改めこという形で、この当時は時限的にこれをやっていくんだという形になっているわけですが、それはもうそうじゃないということであります。
#30
○小川(是)政府委員 四十三年七月の税制調査会の答申は、まさに土地税制のあり方について非常に基本的な議論を初めてした答申でございます。
 二つのポイントがあろうかと思います。
 一つは、土地の供給を促進するということでございまして、とりわけその早期供給を促進す。当時の都市化の進む中での住宅地供給の要請から、これが一つのポイントでございました。そこで、四十四年から土地税制を改めまして、二年ごとに、四十五年、四十六年は比例税率一〇%で、四十七年、四十八年は一五%で、四十九年、五十年は二〇%でという形で、段階的に税率を引き上げるということによって、早く土地を売ってくださいということにいたしたわけでございます。
 いま一点が、今御指摘の分離比例税率ということによって負担を明らかにする、取引がしやすいということを求めたわけでございますけれども、五十年に、この二〇%の税率期間が終わるときに、ふたたび税制調査会でいろいろ議論がされました。その後の税制についてどのような形をとるかということが議論されたわけでございます。
 その結果、五十一年度以降も、この分離比例税率という課税方式は土地取引に対して非常にすぐれた点を持っているということから、これを維持するということにされたわけでございますが、やはり大規模な土地取引まで全部同じ税率というのは負担のあり方としていかがかということから、当時は二千万円を基準にいたしまして、二千万円以下は、そのとき決まりました二〇%、二千万円を超える部分につきましては、ちょっと複雑な計算でございますけれども、上の部分について四分の三総合という方式をとったわけでございます。これは、大規模な所得を生む土地取引の部分については、このような課税方式をとっても土地取引の円滑化という観点と税負担の公正というバランスがとれているのではなかろうかということでございました。
#31
○中田委員 譲渡益課税のことばかり先ほどから聞いているのですけれども、そのほかに、単に二段階に税率を分けるということ以外にもやり方は恐らく幾つもあると思います。そこら辺の御見解をお聞きしたいのですけれども、例えば居住用財産の場合だったら、三千万円の控除が受けられる土地、建物に関しては、十年を超えていたら二〇%という税率、そしてそこから三百六十万円引くというのがあります。これなんかの適用範囲というのをもっと広げるとか、あるいは三千万円の特別控除の拡大をするとか、こういったやり方によっても流動化を促進するような策というものが何か出せたのではないかなという気はしますけれども、そこら辺に関しては御議論があったのかどうか、また、それに関する御見解をお聞かせいただければと思います。
#32
○小川(是)政府委員 ただいまの問題は二つの点に分解できるかと思います。
 一つは、土地の譲渡におきまして、例えば公共事業収用等ということになりますと、そうした収用等がしやすいように、売却益から五千万円を無税にする特別控除という制度がございます。確かに居住用財産についても三千万円というのがございますが、こうした特別控除のあり方についての議論でございました。
 実は、土地の譲渡所得は直近年で十六兆円ぐらいでございます。取引が二十四、五兆でございます。この十六兆のうち、現実に課税対象になっておりますのは三分の一程度でございまして、十兆円ぐらいは特別控除で無税になっているわけでございます。こうした無税になっている特別控除というもののあり方がこれでいいのかどうかという議論が一つあるわけでございます。
 それからもう一つは、課税方式としてはやはり、いろいろ議論はございましたが、この分離比例税率、せいぜい二段階といったような形での分離比例税率というのが、規模、大きさを分けて売買の容易にし得る土地というものについては最も適切な方式ではないかというのは定着してきているように思うわけでございます。
 なお、居住用財産につきましては、これはその人が一つだけ持っている居住用地あるいは資産を他の場所に移すときにどういう税制としてあるべきか、これまた長い長いいろいろな変化がございましたが、今日のような形で三千万円特別控除、そのあと金額に応じまして、六千万円まであるいは六千万円を超える部分、それぞれ軽減税率を適用するという形で実施されているという経緯でございます。
#33
○中田委員 主税局長についでにお答えいただきたいのですが、保有税のことをちょっとお聞きをしたいのです。特別土地保有税それからミニ保有税といったところ、ちょっとお聞きをしてよろしいです。ここら辺は今回租特の中で出てこなかったのか、そしてまた、この持っている意味合いについてお聞きをしたいと思うのです。
#34
○小川(是)政府委員 特別土地保有税あるいはいわゆるミニ保有税は、実は固定資産税と並びまして地方税の体系の中の税でございます。したがって、これらの税につきましては国税という角度からは議論をいたしておりません。
 地価税の創設の際には、固定資産税のほかにこの特別土地保有税等との関係が議論をされました。特別土地保有税等はむしろ利用を促進するという具体的な、したがって、利用していないものについてはむしろ負担を求めるといったような観点から当初から議論が行われていたというふうに承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、今後地価税につきまして、主として固定資産税の負担との関係で見直し規定が置かれて検討をいたしていくことになりますが、その際には、ただいま御指摘のような地方税も恐らく念頭に置いて検討が行われていくのではないかというふうに考える次第でございます。
#35
○中田委員 保有税に関しまして、やはり多くの厳しいという声があって、そして、私この間お聞きをしてきたところだと、土地を買ったはいいけれども、使いたいけれども今使いようがない、マンションやアパートを建てるのも実に難しい状況だと。
 また、実はこういった例もあるらしいのです。建築許可をもらおうにも、付近住民とまだ話し合いがついてなくてなかなか建築許可がおりないというのを役所の方から指導される、もちろん地方の話ですけれども、それぞれの自治体で指導されるということになる。そうすると、業者としてはぜひ建てたい、建てたいけれども建築確認をおろしてくれない、おろしてくれないまま三年超えてしまった。税金がかかりますという形になると、これはもう、建築確認をおろしてくれないのも役所だし、税金をかけるのも役所だし、どっちか何とかしてくれよという声があるわけです。
 確かにそのとおりでありまして、使いたくても使えないというケースもあって、そこら辺、直接の今回の課題ではないですけれども、ちょっと御考慮いただきたいと思うのであります。
#36
○小川(是)政府委員 恐れ入ります。ただいまの問題は地方税と地方の行政の問題であろうかと思います。ちょっと私どもではお答えしかねる点でございます。
#37
○中田委員 ついでにお聞きをしたので、それならば結構であります。
 そうしたら、時間ももう余りありませんので、譲渡益課税中心にお聞きをしてきましたけれども、譲渡益課税を含めて、大臣にひとつお聞きをしたいというふうに思うわけです。
 土地の場合は常に税金がついて回ります。売っても、持っても、買っても、税金がついて回ります。取得する際だったら不動産取得税、登録免許税、保有していれば固定資産税、地価税、売れば今出てきた譲渡益課税、また、もらえば贈与税もかかりますし、相続税という形で、それぞれ税金が山ほどかかり過ぎて、私、今回土地のことをちょっとお聞きしようと思って研究をすればするほど、非常に複雑過ぎるわけであります。
 これは、私も今回土地の問題に関して絞ってやらせていただいたのは、先ほど申し上げたように不況の問題がある。そしてそれを、では何とかしょうというふうに考え始めると、土地の税制の複雑さというものもある意味では足を引っ張っている要因なのかなという気もするわけです。もう少し税制そのものを簡素化すべきじゃないか。税制というのはそもそもより簡素に公平にという形が大原則でありましょうけれども、その部分を大臣にお聞きしたいと思うのですが、御見解はいかがでしょうか。
#38
○武村国務大臣 確かに土地に関する国・地方を通ずる税制はかなりの数に上っております。不動産取得税、登録免許税、固定資産税、地価税、譲渡益課税等々でありますが、先ほど来御答弁申し上げておりますように、やはり一般的には、所得、消費、資産等の間の均衡のとれた税体系を踏まえて土地に対する適正な課税を進めるということが基本でありますし、土地政策全体の中で、やはり土地の資産としての有利性を少しでも着目をして、外部要因等による有利性も大きいわけでございますから、これを縮減していくという考え方が基本にございます。それぞれ税目にはそれなりの課税の背景といいますか根拠があるわけでありますから、そのことはそれなりに御認識をいただきたい。
 お話がありましたように、保有、譲渡あるいは取得というさまざまな状況に対して課税が行われるわけでございますが、例えば登録免許税というのは、登録の背後にある担税力に着目した課税でありますし、地価税は、今まで御議論がありましたように、まさに有利性の縮減という視点から、土地保有に対して一年に一回課税をするということであります。譲渡益課税は、まさに一時の土地譲渡に伴う所得に着目して課税をするということであります。
 複雑なのはよくないと思いますが、それぞれそういった課税の根拠あるいは趣旨、目的があるということも御理解いただきながら、今後議論をしていかなければならないというふうに思っております。
#39
○中田委員 今、大臣は、複雑過ぎるのはよろしくないけれども、それぞれ意義があるので御理解をというふうに言っていただいたわけですが、乱やあるいは多くの一般の国民の皆さんからすれば、それは逆の話でありまして、それぞれの意義はわかっているけれども複雑過ぎるという感覚なわけです。
 もう時間がありませんので、最後に一つだけお聞きをしようと思いますが、税制に限らず、値段もそうなんです。土地に関しましては、一物四価というか五価というか、これももう実に複雑過ぎる。それぞれの税金をかけるためにそれぞれの値段がくっついておるという形になっていて、省庁的には大蔵省、国土庁、そして地方自治体も絡んで、建設省やそういったところも当然この土地に関しては絡んでくるわけですけれども、本当に、これはもう直接景気の話とは関係ないですけれども、今回も、私は勉強すればするほど非常にわかりにくい。
 これは、今申し上げたように、税のかけ方と、そしてもう一つは値段も幾つもある。ここら辺をぜひもう少し簡素化していただきたいというのが率直なところでありまして、そこら辺に関して、今おっしゃっていただいたとおり、私は、意義はわかるけれども複雑過ぎるということでありますので、ぜひともひとつ、もう少し多くの国民の皆さんにわかるような形に簡素化をしていくということは、恐らく今すぐにできる話のことで申し上げているわけではなくて、大きな課題だなということを申し添えさせていただきまして、質問を終わりにさせていただきたいと思います。
 きょうは、両政務次官にも御協力いただきまして、本当にありがとうございました。
#40
○尾身委員長 次に、宮本一三君。
#41
○宮本委員 租税に関する質問をさせていただく前に、実は私、兵庫県の方の選出なものですから、昨日、西宮市と芦屋市でそれぞれ、このたびの震災で亡くなられた方の合同慰霊祭がございまして、それに出席をさせていただいたわけでございます。本当に大勢の方がお亡くなりになられまして、その慰霊祭に参加されている遺族の方々を見ておりますと本当に残念な思いでいっぱいでございましたが、特に、亡くなられた方の九割までが圧死による死亡であるということが最近いろいろな調査でわかってまいりました。
 また、その中でも、聞きなれない名前でございますが、クラッシュシンドロームというのですか、クラッシュ症候群というか、足などを重いもので絞められて血液が流れなくなって長いこといるために、足の端の部分、血の回らない、血液の行かないところの筋肉が腐敗してきまして、重い荷物を取った後、今度は逆に血液が流れ始めますと、その腐敗した筋肉の中に発生した毒素が腎臓を急速に侵してしまう。腎臓が悪くなりかけていることに気がついても、幸いに大阪へ運び込んで助ける時間的な間があった人は助かりますけれども、被災地の周辺では水がとまっておりますから、そしてその腎臓の急速な処理のためには大変な水がないと作動しないといったことのために亡くなられた方も非常に多いというふうに最近わかってまいりましただけに、初動のおくれというものが本当に残念に思われるわけでございます。これは、大蔵大臣というわけではございません、むしろ総理の決断の問題だったと思うのですけれども、本当に残念に思うわけでございます。
 これにつきまして、大分前の話でございますけれども、日航機がダッカでハイジャックされまして、その人命を救うか救わないかというか、そのときに大変な要求を犯人側は突きつけてまいりまして、御承知のように、最終的には超法規的な措置で、赤軍の逮捕されている方とかあるいは全く関係のない刑事犯人まで釈放し、加えて身の代金、膨大な額を提供したというふうに聞いております。このことが後日、国際テロをむしろ助長することになったんじゃないかというような非難を浴びたことは事実でございますが、時の福田総理は、そのような国際的非難が自分にかぶさってくることはもちろん承知の上での超法規的判断だったと思います。
 この判断がいいか悪いかの問題はいろいろ議論されると思いますけれども、タイミングを移さずに決断する、そしてその結果を自分は一身で受けとめる、そういった総理の気迫というか態度というか、これは本当に福田総理の、当時としては悩み抜いた決断だったと私は思います。
 今度の災害で、そして、昨日私が慰霊祭に出たときの感じでございましたけれども、本当にそういった身を賭してでもこの問題に村山総理が適宜適切な対応をしていただいたのだろうかということに非常に疑問を持ってきのう帰ってまいりましただけに、きょう、ちょっと場違いかもしれませんけれどもあえて発言をさせてもらっておりますが、有力閣僚であります大蔵大臣、この問題について、もちろん総理の決断ということが最終的には必要なんでございますが、総理を補佐される有力な閣僚でございますが、あの初動について遺憾がなかったというふうにお思いかどうか、一言最初に、済みませんがお願いしたいと思います。
#42
○武村国務大臣 私も、災害直後現地を見まして、目で見た状況だけでも非常な事態だと、私も非常にという言葉をよく使うわけですが、まさに非常という言葉がぴったり当てはまるような大震災の状況を視察をしてまいりました。であります以上は、普通のルール、考え方を超えて、やはり非常な決意でこの災害には取りまなければならないという思いを新たにいたしました。
 今お話しのように、こういう大震災によって本当に数多くの方々が犠牲になられたことは、きのうの慰霊祭のテレビを、間接的に見ておりましても本当に胸が痛む思いがいたします。総理は私以上だろうと思います。
 ただ、決して弁解をするというわけじゃありませんが、率直に言って、日本国民全体がこういう大都市のど真ん中で直下型の地震が起こることを身近に想定をしていなかった。もちろん、そういう意味では政府も行政も、東海地震についてはそれなりの対応はあったとしても、千年以上大きな地震のなかった阪神地域ではひときわそういうことを想定をしながら暮らしているわけではない、あるいは地方自治体も訓練を積み重ねてきたわけではない、このことをまず率直に反省をしなければならないというふうに思いました。今、済んでから思えば、あのときこうすればよかった。ああすればよかったという反省点はたくさん山ほどございます。それは素直に反省をして貴重な教訓にしなければならないと思います。
 私は、総理をそばで拝見しておりましても、十七日の朝から総理はもうこのことで頭がいっぱいでありましたし、例えば、二十日の本会議が始まるために所信表明の相談もしなければなりませんでした。しかしこれは、国会はもう動かせませんから、しかも何日か前に記者ブリーフをするという慣行もございまして避けられないことなんですが、しかし、それでも、見ていますともうそのことは余り頭にないぐらい震災のことを心配されていて、結果としては、非常災害本部の設立も、過去の我が国のいろいろな、伊勢湾台風その他の例と比較しましてもかなり早い時間に設立をされております。
 まして、現地に対策本部を置いたり、内閣全体でまた、これは法律の根拠がありませんが、総理が本部長の体制をとったり、こういうところは、今資料を持っていませんが、過去の我が国の政権に比べれば、今回は村山総理の決断もあってかなり早い時間に設定されている。そういう点も御評価、御認識をいただきたいと思います。
 私が現地へ参りましたときに、大蔵省の担当では国税とか、特に神戸税関という大きな組織がありまして、神戸税関だけでも約千人近い職員が勤務をしてくれているわけですが、税関長に聞きますと、当日夕方までに役所に出勤できたのが七%だそうです。後から郵政大臣に聞きましたら、郵便局関係は二%ぐらいだったと。
 要するに、現地ではもう公務員ですらほとんど来られない。被害者であったりそういう状況でありますから、恐らく県庁、市役所、知事さんや市長さんの足元も大同小異ではなかったか。大事な担当の課長が来ないとか部長が来ないとか、会議も開けないとか、夕方までで、五時まででわずか七%ですから、もう地震の直後というか朝の出勤時間ではほとんど来ていない。そういう状況で対応が始まっているというところなんかも、これはまあそのことの責任もあるわけですけれども、そういう非常な状況であったことも考えながら全体の御評価をいただきたいと思う次第でございます。
#43
○宮本委員 非常な御努力をされておられたことは私もよくわかりますし、事実私も、あの震災の十七日の午後神戸市に入りまして、入るといいましてもなかなか簡単に入れないそんな状況でしたから、本当に自治体の方もあるいは政府の方も大変な苦労であったことはもちろんよくわかっておりますが、何らかの参考になればと思いまして私もそのときのことを申し述べた次第でございますが、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、租税特別法の改正の問題について御質問をさせていただきたいわけですが、ちょっと私飛び入りなものですから、長い議論の過程でダブることもあるかと思いますし、ちょっと先の議論を余りフォローしておりませんので、最初に、重複しましたらお許しを願いたいと思います。
 今度の改正で、電線類地中化設備、それと特定電気通信設備の特別償却の問題が出ておりますけれども、この二つの特別償却制度、概略だけでいいんですが、どんな内容の改正かひとつ御説明をお願いしたいと思います。
#44
○小川(是)政府委員 まず、電線類地中化設備の特別償却制度と申しますのは、電線共同溝の整備等に関する特別措置法という法律に基づいて整備される共同溝に入溝する電線類等について特別償却を認めているものでございますが、今回の改正におきまして、従来特定の都市部に限っておりました地域要件、これを撤廃するということにいたしております。
 いま一つ、特定電気通信設備の特別償却制度というものでございますが、電気通信事業者あるいは有線テレビジョンの放送事業者が取得する加入者系の光ファイバーなどを特別償却制度の対象に追加するというものでございます。
 同時に、この特別償却制度につきましては、これまで対象にいたしておりました中継系の光ファイバーケーブルなど電気通信基盤充実設備というものにつきまして特別償却率を引き下げる、あるいは電波共同利用設備及び電気通信役務の安定的な提供に資する設備に係る特別償却率を引き下げる、こういった内容の改正でございます。
#45
○宮本委員 ありがとうございます。
 電線類地中化設備の話、今お伺いしましたけれども、要するに、今まで都市だけに限定していたものを地域指定を外してということのようでございます。したがって、初年度の一〇%の償却はそのまま置いておきますというふうに理解しました。
 これは、次の問題、特定電気通信設備もそうでございます。確かに、範囲を拡大していただいた光ファイバーの加入者側のケーブルとか、あるいはその端末といいますかそういった装置も対象に加えるということで、これは、加えたものについては一四%、一二%、一〇%というふうに初年度七年度から徐々に下げていくわけです。それと、現行の制度の対象になっているものについては、初年度二〇%今まで対象になっていたのを、これを一〇%から九、八というふうに相当思い切って下げちゃおうという内容を含んでいる、こういうことでいいのです。
#46
○小川(是)政府委員 具体的な内容としては、今委員がおっしゃられたとおりでございます。最後に申し上げました電波共同利用設備及び電気通信役務の安定的な提供に資する設備に係る特別償却率につきましても、二〇%から一二%に引き下げるということにいたしております。
#47
○宮本委員 確かに、新しい設備を対象に加えたり、あるいは指定地域を解除というか全国的にということで、非常に大きな前進が含まれていると思います。同時に、この償却率なのでございますが、確かに、途中から年度を追うごとに下げていくということで、そのスピードを早目にやれよという意図も考えられますから、またこれも非常にタイムリー、いい措置のようにも思うのでございますが、全体として、情報産業といいますかマスメディア関連のこの種の普及が、国際的に見て、まあ日本もかなりの線は来ているのだけれども、どうしても立ちおくれているという心配があるだけに、我々としては、むしろ二〇%に初年度はこれを引き上げて、大いに促進すべき内容のものではないだろうか。
 確かに、初年度、例えば七年分については一四%というふうにし、後になるとだんだん下げていくという方法は、事業をプッシュする意味では非常に有効ではありますけれども、特に今度災害が発生していますから、そういったことも考えますと、災害の方にかなり手をとられてしまって、一二%、一四%の恩恵を受ける七年度の事業としては、ちょっと作業を急ぎたいんだけれどもなかなかやれないというような、そんな事情もちょっとあるような感じもいたします。
 それだけに、何とかこれをもう少し下げない状況で、かつ、できるなら二〇%ぐらいの制度をそのまま一部維持してもらうということの方が、この業界へのというか、この種の情報の問題については望ましい、あるいはまた、やっていただくべき内容ではないか。
 産業の空洞化が言われていますが、情報産業、これから世界に伍して勝っていかなければいかぬ分野がちょっと心配なものですからそのようなお願いをしたわけでございますが、これについてはどうお考えになりますでしょうか。
#48
○小川(是)政府委員 電線類地中化設備の特別償却につきましては、先ほど申し上げましたように、こうした作業といいますか状況の推移に応じまして今回対象を拡大したものでございます。
 一方、特定電気通信設備の特別償却につきましては、新しく、より拡充をする要請にこたえるために、スクラップ・アンド・ビルドという考え方に立ちまして、これまで既に特別償却が制度的に進んでまいりましたものにつきましては、できるだけ早くそうした投資を進めていただくために、特別償却卒を段階的に引き下げるという形で改正を御提案しているものでございます。
 一般的に申し上げますと、こうした政策的な税制は、新しい発展分野に対するもの、それから他方において、衰退あるいは非常に競争が激化してむしろ産業が全体として競争力を弱めていくものに対する配慮、両方の要請があるわけでございます。今回のこれらの措置につきましては、どちらかといえば伸びていく産業あるいは業種、技術といったようなものに対するいわば当初における支援措置でございますから、できるだけ早く全体としては区切りをつけ、あるいは段階的にその助成度合いを引き下げていくということが租税特別措置のあり方からして求められているというふうに考えた次第でございます。
#49
○宮本委員 考え方はわかるわけでございますが、できるだけ償却率の引き上げを要望しておきたいと思います。
 それでは、次の問題に移りたいと思いますが、個人の土地の譲渡所得課税、特に長期譲渡の問題についてでございます。
 確かに土地税制、非常に複雑な内容を含んでおりますし、また、その時代の要請に適宜適切に対応していくためにはやむを得ないと思いますが、かなり頻繁な改正が行われておりますし、また、その改正の過程で非常に細かく分かれているような点もございます。なかなかこれは素人ではついていけないぐら、いの変化でございますが、それもやはり、その時代時代の難しい問題をどう受けとめて対処するかというためにはやむを得ない一つのプロセスかなというように私も理解はしているわけでございます。
 ただ、長期譲渡の問題で、平成三年の改正で、今まで四千万以下は二〇%、四千万超は二五%、あと地方税が入っていますが、そういう体制で来ていたものを一気に三〇プラス九というところへ改正したわけでございます。この大幅な土地課税の引き上げといいますか、長期譲渡についての対応でございますが、これはやはり地価が非常にバブルの影響で高騰したことに対応する措置であったと思います。
 いろいろ、そうではないんだといったような考えもあるかもしれませんが、あの当時の議論を見ておりますと、一般的には、あの大変なバブルによる土地の高騰を抑えるために、金融面も手を打たなければいかぬけれども、同時に、土地をちょいと売却することによる土地の値上がり、これを直接的に抑えるためにはやはり税金をがんとかけることだというような発想がどうしてもあったように私は受けとめております。
 この問題については、それなりにその当時の時代背景からいうと納得できる点もあるわけでございますが、しかしその後、地価は相当下がってきております。この地価が下がったのは、ああいった平成三年の税制改正の結果重圧がかかって下がったのだというような見方もありますけれども、しかし税制がそういった役割を果たすかどうか。もちろん効果はいろいろあるのでしょうけれども、基本的にはやはり、バブルといいますか金融バブル、そっちの方が大きな要因であったというように思いますし、過剰流動性の問題の解決なしには、このような税制の改正をもってしても地価の抑制ということにはならなかったのではないのかなというふうに思うわけでございます。
 したがって、私は、平成三年の改正の状況、その社会的背景というか要請というか、そういう問題は今やなくなっているのじゃないだろうか。むしろ、平成三年までのあの税制がかなり人口に膳炎したというか、要するに多くの方が納得して理解をしてずっと続いたような気があるものですから、そして、バブルのときに急速、いろいろなマスコミの圧力等がありまして、これを無視するわけにはいかぬという配慮からやった面もあるわけでございますので、ここはひとつ思い切って平成三年の改正前の状況へ、つまり三〇%を、二〇と二五と、あと地方税がついていますけれども、そこへ戻すが望ましいのじゃないか。
 確かにそちらの方へ一歩進んだというか、一歩動いているわけで、四千万以下のものについては今度の改正で二五%プラス地方税七・五ですか、その辺まで一応四千万以下のものについてはやろうという意図で出された改正案でございますけれども、私たちとしては、ひとつそれを平成三年前に戻していただきたい、こんな希望を持っておりますので、その点について、これは大臣ひとつどんな感じかちょっと最初に、大事な問題でございますし、お答えがしていただければありがたいと思います。
#50
○武村国務大臣 土地譲渡益の課税の論議、いろいろな論議があろうかと思います。政府・与党の中でも、今回の改正に当たりましては三党でかなり真剣な議論をいただいて、最終的には政府の方針としてこういう提案を申し上げているところでございます。
 土地税制と土地の動きをどう見るか。今おっしゃったように、やはりバブルで、もう終わりかけたときでありますが、平成三年の抜本改正を行ったから地価が下がったとか土地が動かなくなったというふうに私どもは思いません。今議員の御指摘のとおり、さまざまな当時の経済の背景が一番大きな理由だと思います。
 問題は、今後どう考えていくかという議論をしているわけでありますが、先ほども申し上げたように、税制を下げれば土地は動くか、これは業界の方々とも私は真剣に議論してみました。絶対ということはないでしょうね、業界の皆さんも、必ず譲渡益課税を下げてくれたら土地はどんどん動きますよとまではおっしゃらないが、しかしそれに期待をされているという気持ちはよくわかりました。
 ただ、基本的に、土地をめぐる需給関係があって、局長も申し上げたように、需要の強さというのが一つありますよね。それに対する供給サイドから税制という問題が一つはあるわけですが、土地がまだ下がるかもしれないというときには、税を下げても余り効果がないのじゃないかという議論があります。事実昨年も一定の措置をとらしていただいた。そのときはいろいろな議論があって、建設省も含めて議論があって、これをすればきっと、当時の積極的な御主張の方はこれをとれば土地は動きますという議論であったようですが、余り動きませんでした。それは中途半端だからそうだ、もっと下げれば動くんだ、またそういう主張もあろうかと思います。その辺はやはり需給が基本だということをにらみながら、私たちは議論を集約する必要があるのではないか。
 株の動向についても、最近低迷いたしておりますし、きょうまた下がっておりまして、大変心配しておりますが、有価証券取引税、有取税、あれをなくしてほしいという陳情を昨年来受けておりまして、では、あれをなくしたら本当に株は活発に動くだろうかということを考えますと、それだけでこの有取税を廃止しないというわけではありませんけれども、真剣にそういうところに目を向けていきますと、必ずしも税の存否とか税額の高低だけで経済に必ずいい影響を与えるとは言えない、直接に結びつかない場合もあるわけで、その辺はやはりよく、どの税目にしましても真剣な議論を重ねていく必要があるというふうに思っております。
 今年度の改正としては、私どもは先ほど来申し上げているような姿勢で、四千万以下についてはこういう軽減措置をとらせていただくということでございます。
#51
○宮本委員 ありがとうございます。
 確かに今度の租税特別措置法の改正で、今の有取税の話とも似たような話だと思いますけれども、それが外れれば株あるいは土地が戻るかというと、それとは直接関係ないと思うのですが、ただ、取引の要するに流動性というか、これがもう少し促進されるような気がいたします。土地についても、この税金が足かせになってどうも売りたいのだけれども売る気にならぬというか、そういう本来の物の動きにブレーキをかける、障害になっているような気がいたしますものですから、これはひとつ大臣もまた主税局長もぜひその辺についてお考えを願えればありがた。いと思います。
 それから、次の問題でございますが、やはり租税特別措置の関係で、特定の事業用資産の買いかえの問題に移りたいと思います。
 この制度も非常に複雑でございまして、何回も何回も変わってきておりますし、昨年、平成六年度の改正のときに、市街地から区域外の減価償却資産への買いかえについて圧縮記帳を認めるという形になったわけでございますけれども、今度の改正で、特定の中小企業者が新しい分野に進出するのに適応できるようにということで、中小リストラ法の対象として認定された中小企業者、そういった業者が一定の長期所有の土地を売却いたしまして域外の建物、構築物あるいは機械も含めて買いかえた場合に八〇%の圧縮記帳に加えるということになっておりますし、また、事業革新の円滑化に関する措置法、これは不況業種として認定された業者だと思うのですが、これも域内の一定の土地、長期所有土地を区域外の建物とか機械等へ買いかえた場合に八〇%の圧縮記帳の対象にする、こんなふうに範囲を拡大していただいたようでございます。
 こういったものも加えていただくことになったということで、これは関係業者にとっては非常にありがたいことだと思うのでございますけれども、非常に大事な政策でございますので、せっかくの措置でございますから、八〇%圧縮ではなくて九〇%まで圧縮記帳を認めるというような改正をひとつ一歩進めていただけないものかというふうに思うわけでございますが、この点ひとつよろしくお願いします。
#52
○小川(是)政府委員 ただいま御指摘ありましたように、今回の改正におきましては、長期保有土地から減価償却資産、建物等への買いかえにつきまして、一度、平成三年度にはこれが廃止されておったわけですが、とりわけ平成六年度の改正におきまして、経済対策の一環として、時限的な措置として八〇%の圧縮記帳で買いかえ制度が復活したわけでございます。一年限りの、厳密には一年三カ月の経済政策としてとられたわけですが、今回景気状況なども踏まえまして、なおこれを一年延長する、ただし圧縮割合は八〇から六〇に引き下げるということで御提案を一つしているわけでございます。
 いま一つ、新たに設けることにいたしておりますいわゆる中小リストラの関係、あるいは事業革新の関係での買いかえにつきましては、圧縮記帳割合を八〇%として御提案をいたしております。
 こうした圧縮割合を九〇%にしてはどうかというお話でございますが、この問題は、やはり土地政策との関連で、元来買いかえ制度は、土地の譲渡についてよりましい売却の仕方、跡地の利用、あるいは外へ出ていった先がよりましいところである、国土利用上好ましい方向であるといったような観点から認められているものでございます。
 その意味におきましては、建物等への買いかえ、土地をいわば資産として使って売却益を投資に向かわせるという点は、いわゆる土地政策とは一つ別の企業の財務リストラ関係でございます。したがいまして、こうしたものにつきましては、一般にゼロといたしておりましたものを、景気対策の観点、あるいはリストラの必要性といったようなところから、八〇ないし六〇とするのがこれまでの制度あるいは土地政策との関連で上限であろうというふうに考える次第でございます。
 なお、現行制度、土地から土地への買いかえで九〇というのがございますが、これはいわば売る土地について、より追い出すべき、つまり環境等から考えまして従来ある工場等にその地域から出ていってほしいというその売り方。もう一つは、入っていく、新たに入っていく土地というのは、例えば過疎であるとか低開発地域であるといったように、ぜひ企業等に進出してほしいという誘導、誘致地域。
 この売る方が追い出し地域であり、かつ買う方が誘致地域であるという極めて特別のケースに九〇というのがあるわけでございまして、一般的には八〇、六〇というのも現行制度全体の中では極めて重い政策的な対応であるという点を御理解いただきたいと存じます。
    〔委員長退席、石原(伸)委員長代理着席〕
#53
○宮本委員 確かにこの制度は非常にメリットがありますだけに、土地制度全般としても真剣に考えなければならぬ問題だということはよくわかります。
 今八〇%というのも非常に大きな圧縮記帳だということで、それとの比較で一般的な域内から域外への買いかえについて、昨年八〇%になっていたものを今度の改正で六〇にするということも含まれておりますから、そういう意味ではそれを六〇にしたものとの比較で、こういったリストラあるいは事業革新の問題について、八〇というのは非常に大きな意味を持っているというこの理論立てもわかるわけでございます。
 ただ私は、昨年の一年だけの措置が全く経済対策のためにやったものかどうかについてはやや疑問を持っておりまして、やはり土地政策の一環として、非常に土地の動きが鈍いということから、促進するために八〇%の買いかえ適用というものを復活させた局面もかなり大きなウエートだったような印象を持っておりますだけに、できることなら今年度の改正でこれを八〇から六〇に圧縮しないままで、八〇のままで置いておいていただいて、さらに今度新設というか新しく追加されたこの二つの対象については九〇%に上げていただきたいということを要望しておきます。
 それから、今ちょっと触れられた。九〇%のものも若干あるけれどもこれは大変な例外的なものだよということをおっしゃられました。確かにそのとおりでございまして、一定の促進をどうしてもしなければいかぬ地域から、どうしてもこちらに来てくださいというところへ行くような、本当に政策的に二重丸の土地の移動については、これはボーナス的に九〇だという局長の説明はよくわかるのですが、このリストラ、この二業種についてもそれぐらいの意味を今回は持たせてあげないといけないのではないかなというふうに思いますので、その点についてもぜひお願いをすることにとどめておきます。
 それから、ちょっと時間もあれしてまいりましたので、復旧関係の問題、災害に関連する税制措置について、いろいろ予定をしておったのでございますが、一つ、二つ大事なものだけひとつお願いしたいと思います。
 まず最初に、欠損金の繰り戻し還付措置の停止を解除してほしいということでございます。
 税収の問題も考えての措置だったと思いますが、繰り戻しを従来一年間できるものをずっと今ストップしておりますけれども、これを何とか災害を受けた地域の、災害を、直接的な損害をこうむった。物理的な損害といいますか、工場がつぶれたりあるいは在庫がだめになったり、そういった直接的な物損的なものですか、限度をそういうものに限ってもいいと思います、そういう形ででも何とか繰り戻しの停止を解除していただいて、かつ、それも三年間にわたって繰り戻しを可能にする措置をこの際何とかとっていただけないものか、この点をひとつお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
    〔石原(伸)委員長代理退席、委員長着席〕
#54
○小川(是)政府委員 今回の地震災害により生ずる損失、個人生活においてあるいは生産活動においてこうむった損失についてどのように対応するかにつきましては、税制面におきましても、各方面での取引の状況あるいは被災の状況等を踏まえて、現在その可能性あるいはどういった対応が適切かということで検討をいたしているところでございます。
 その中で欠損金の繰り戻しの還付制度、今お話がございましたように、財政事情等から本則の一年還付を停止いたしておりますが、これを解除すべし、あるいはこれを特例として三年繰り戻しを認められないかということを各方面から御要望として承っているところでございます。
 しかしながら、この特例として、一般的な赤字企業には還付を停止したままそうした解除ということをとることが妥当かどうか、適切かという、一年繰り戻し還付の停止についてなお検討段階でございます。
 いわんや、これを三年認めてはどうかということは、税制の安定性あるいは財政活動の安定性、また現行制度の戦後長く安定した制度として置かれているところからいたしましても、そういった長い期間欠損金繰り戻し制度を適用するということは、制度として、いかに特例とはいえとりがたいというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、御指摘の繰り戻し還付制度については、その停止措置の解除について検討をしているという段階でございます。
#55
○宮本委員 一年の繰り戻しについては議論しているというか、検討の俎上に上がっておるということでいいですかな、そういうふうに理解させていただきました。
 それから、三年はもってのほか、とてもだめだという感じなんですが、前に、円高のときにたしか三年繰り戻しをやったような記憶があるのですが、それはどんないきさつだったか、もし記憶していたら、局長覚えておられたら、ちょっと何かございませんか。
#56
○小川(是)政府委員 欠損金の繰り戻し制度が本則どおり一年というのがずっと働いておりましたその時代のことでございますが、昭和四十六年十二月のいわゆるニクソン・ショック後のスミソニアンによる為替の調整がございました。それが一度。それから、昭和五十年代の前半に円高不況が大変募り、中小企業を中心にして影響を強く受けたことがございました。この二度、いずれも一年の欠損金繰り戻し制度があった時代でございますが、中小企業に限りまして三年間の繰り戻しという特例を実施した経過がございます。
 くどいようでございますけれども、今日は一年の繰り戻し制度を停止しているということで、当時とは状況が違うということを申し上げさせていただきたいと思います。
#57
○宮本委員 確かに当時と財政事情も本当に違うということはよくわかりますし、停止措置もとっている今の時代でございますから、その点はよくわかるのですが、確かに円高のときも大変なことだったし、特に中小企業は大変だということでとられたわけでございますが、今度の災害も大変なことなんです。
 だから、このままにしておきますと、大きな企業でもう既に、神戸等ではいろいろな障害、交通の復活も港湾の復活も遅いということを見越してどんどん、逃げ出しているというと語弊がありますが、シェアをあるいはお得意さんを離さぬためには、急いでどこででもいいから生産を続けて供給を続けないとならぬといった。企業からいうと至上命令。そんなもののために、とにかく今は別の工場でやっていることを増設するとかそんなことを急いでやっておりますから、よほどの措置をとらないと戻ってこれなくなる、あるいは空洞化が本当に進んでしまいはしないかなということを私は真剣に心配をいたしておるものです。
 それだけに、過去に、中小企業に限ってではありましたけれども、そういう措置をとられるだけの理由、いろいろ実施されたわけですから、こんな異常事態というものは、これはそれこそ百年に一回か七十年に一回かというような大事件でございますだけに、それが先例として非常に大きなマイナスを、税全般の運営の問題に響くようなことはまずまずあるまい。あったら大変なことでございますが、そういうことも考えまして、何とかここはひとつ、難しい財政事情はよくわかりますけれども、検討課題の隅っこの方にでもとにかく少し引き入れてもらって考えていただけないか、この点を特に強く要望いたしたいと思います。これは私の方の要望でございますから、アンサーは要りません。
 それから、ちょっと時間があれですが、もう一つ、地価税の問題なんですが、これはまた地価税となると土地税制の、あるいは土地に対する基本的な考え方というか理念というか一そういったものが出てまいりまして非常に難しいとは思いますけれども、しかし、今言ったような被災地の問題等考えますと、地域を限定してでもいいんですが、極端に本当にひどい被災を受けている地域については地価税を一定の期間だけ免除するということ。
 これはもう既に発表、何か措置がとられているのか。そうだったらあれしますけれども、もしとっておられないようでしたら、ぜひ真剣に考えていただきたいと思います。百貨店なんかもうとてもじゃないけれども持ちこたえられませんというようなことを言っていますし、大工場もみんなそうだと思いますから、これはお願いしたいのだが、どうですかわ。
#58
○小川(是)政府委員 地価税の負担のあり方につきましては、一定の課税時期、一月一日でございますが、に土地を保有している場合には、その資産価値に応じて税負担を求める。土地の価格、いわゆる路線価ができ上がってくるのが八月でございますから、それを考慮して十月末に申告納付をしていただく。二回に分割して納付をしていただいているものでございます。
 そうした土地の保有に着目をして、かつその価値に応じて負担を求める。ものでございますから、いわゆる期間概念による所得計算といったようなものと無関係でございます。そのため、平成七年一月一日現在に土地を持っておられた方について、こうした災害が生じたからといってどう考えられるか、大変難しい問題でございます。
 恐らく、平成八年一月一日以降は、そこで形成されます土地の価格というものに今回の災害というのが反映されていくことになろうかと思いますが、本年、年の初めに震災が生じただけにどのような対応をしたらよろしいのか、できるのか、現在被災地の状況も含めまして実態を把握し、対応について検討を進めているという状況でございます。
#59
○宮本委員 今のアンサーはこう理解していいです。来年、八年一月一日には、これだけつぶれてしまったあの町の土地ですから、価値が極端に言うと下がってしまうだろうから、その下がったところで課税することになろうからかなり小さなものになりますよという感じ、短絡的に言ってしまえば。これはちょっと局長としてなかなか難しい表現を使わなければいかぬでしょうけれども。
 それと、ことしの一月一日現在の価値で評価した地価税というのが差し当たりの問題になってくるわけだけれども、その時点ではれっきとした建物なり資産価値があったわけですが、これはどうかな、今から十分検討しますというアンサーのように理解しました。これでいいです。
#60
○小川(是)政府委員 基本的に、今委員が解説をしていただいたとおりでございまして、ある時期、時点で保有していることに着目して、かつその時点の価値を課税標準にしている税でございますから、本年は本来一月一日現在の土地の価格に応じて負担を求めるものでございます。ただしかし、それが十月未に申告をしていただいて負担をしていただくというものでございますから、そのままでいい、これだけの震災を受けながらそのまま課税をしていいとはちょっと考えられないのではないかという問題提起がございました。
 私どもも、地価税の性格、筋論からいえば冒頭申し上げたとおりでございますが、そこに何か七年分について考える余地がないかということを真剣に検討しているということでございます。
#61
○宮本委員 ありがとうございました。ゼロということも対象に含めてひとつぜひ検討をお願いしたいと思います。
 それから、最後になりましたけれども、国税職員の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 私もその関係の仕事をさせていただいたわけでございますが、確かに法人の数とかあるいは個人事業者の数が非常にふえてまいりましたし、またそういった方々の行う経済活動自体が非常に多岐にわたって複雑になってきております。それだけに、そういった企業、個人の税務調査に携わる職員は非常に苦労が多くなってまいっておるわけでございますが、絶対的な数の不足ということが痛感されるわけでございます。
 事実、例えば法人の実調率といいますかそういったものもどんどん下がってまいりましたり、個人の場合もそうでございますが、十年、十五年に一回しか回っていかないようなことになってくる。そうなりますと、やはり税の執行面からの負担の公平さというものにいろいろと問題が発生してきやしないか。よく世間で言われるクロヨンだとかなんとか、これはごろ合わせのあれで、決してそういうことはないわけでございますけれども、しかし、そういったことが社会的にも言われるということ自体、これはよほど注意し、適正な調査ができないと、大きな納税意識に関する問題を残してくるような気がいたしますだけに、私としては何とか、これは行革を進めている最中でございますけれども、しかし同時に、必要なものは必要なのでありまして、ぜひ国税職員の増員が必要ではないがなというように考えておりますし、またそうお願いしたいわけでございます。
 それと、事務的な処理の簡素化といいますかそれに資するために、これは徴収義務者さんには非常に御負担をかけておりますから余り御無理なお願いも難しいということはわかるのでございますが、しかし、適正な課税のスピード化のためにも、源泉徴収票に徴収義務者の電話番号だけちょっと入れていただく、これがあるかないかで非常にスピードが変わってまいりますが、そういうことを何とかやってもらえないかなというような二点をお願いしたいと思います。
#62
○松川政府委員 最初に、源泉徴収票の話でございますけれども、御指摘のとおり、現在は所得税の還付というのは大変多いわけでございますが、その中に源泉徴収票を悪用して不正還付を受けるという件数もかなり出てきております。こうした意味から、この源泉徴収票に徴収義務者の電話番号を記入していただきまして、この方への照会を容易に行うということで不正還付を防ぐことが必要であるということでございますが、他方、いわゆる徴収義務者に新たな事務負担を課すということになります。しかし、法令の許す限り、不正還付の防止という観点から、徴収義務者の事務負担が余り大きくならないような範囲で前向きに検討していきたいというふうに考えております。
 それから次に、国税職員の増員の件でございますが、御指摘のとおり、最近、税務を取り巻く環境は、まさに納税者などの課税対象が非常にふえてきております。また、不正手口が巧妙化し、経済取引も国際的に展開されているということでございます。それから、徴収の面では物納、相続税の物納申請も非常にふえてきているということで、質量両面で非常に事務量がふえてきているということでございます。
 このような状況にかんがみまして、国税庁では、従来から事務運営自体の合理化、簡素化に努めているわけでございますが、なお必要となる要員についてはその確保に努めているところでございます。今後とも、事務運営の合理化、効率化等の努力をさらに続けていきますとともに、税務の困難性及び歳入官庁の特殊性を踏まえまして、厳しい行財政事情のもとでございますが、国税職員の増員について関係各方面の御理解を得られるよう、一層の努力をしてまいりたいと思います。
#63
○宮本委員 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。
#64
○尾身委員長 次に、矢島恒夫君。
#65
○矢島委員 私は、提案されております法案の質問に入る前に、東京協和、安全両信用組合の問題で二、三お聞きしたいと思います。
 経営が破綻したこの東京協和信用組合が、一昨年から昨年にかけて、特定の大口預金者にこの信用組合の基準レートの二倍に当たる年五%以上の高金利で契約していた。こういうことが一部報道されました。私の知っているところでは、国際青少年育成振興財団、ここには平成六年十一月一日契約で二億円の定期預金で金利が五・九%、それから情報科学国際交流財団、ここには平成六年十一月二日契約で四億二千四百万円、この定期預金に金利が五・九%、また個人預金者の佐藤元秘書には平成六年十一月四日契約の十五億円の一カ月定期に金利五%などなど、少なくとも七団体・企業と八個人には五%から五・九%の高金利がつけられているわけです。
 しかも、これらの内容は、営業部門で獲得した預金ではなくて、高橋前理事長の交友関係を使って集め、そして優遇したものである、これが経営破綻の要因になっている、こう言われているわけですけれども、こういうやり方を大蔵省は認めるのか、またこういう特定預金者に対する高金利の問題をいつの時点で知り、そしてまたどう対処したか、お答えいただきたいと思います。
#66
○西村政府委員 個々の預金者に対する対応ということについてはこの場では答弁を差し控えさせていただきたいと存じますが、一般論として申し上げまして、預金の自由化は、ほぼ十年前からステップ・バイ・ステップで、大口から始めまして小口に至るまで、少しずつ自由化を進めてまいりました。昨年の十月十七日にこの預金自由化のプロセスを完了いたしまして、十月十七日からは、当座預金を除きますと、金利の自由化が行われたわけであります。
 したがいまして、預金金利を幾らにするかということは、これは経営者と預金者との間の契約にゆだねられているという状態に今なっておりますわけですから、経営の健全性を確保しながらではありますが、できるだけ高い金利を預金者に還元しろという考え方が一般的にはあるわけでございます。
 このケースについてその限度を超えたような高い金利であったかどうか、そこは経営判断の問題であったわけでございますけれども、その問題について、一つ一つの預金の金利が適正であったかどうかということについては、この場での答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
#67
○矢島委員 そういう問題について、銀行局としてはいつの時点でこういう高金利のものを知ったか、またどういう対処をしたか、その点についてはいかがです。
#68
○西村政府委員 通常の状態におきましては信用組合の監督は都道府県知事が行っておるわけでございますが、本件について申し上げますと、非常にいろいろと問題があって、東京都だけではなかなか対処が難しくなってきたということで、一昨年の八月に検査に入りますときには、私どもが協力をいたしまして、大蔵省の検査官も一緒に検査に入りました。したがって、概況につきましては一昨年の夏に把握していたと申し上げてよろしいかと存じます。
#69
○矢島委員 こういう特定預金者に高金利で契約する一方で、両信用組合が法律で定められた規制、つまり法定貸出限度額を超えて行った大口融資、合計で約千七百八十一億円とも報道されております。東京都が行った「東京協和信用組合の経営実態と指導事項」この中にも、平成五年に法定超過貸し出しか二十先、平成六年には二十二先となっている。同じくこれもやはり一昨年からの東京都と大蔵省との合同の調査の中でわかったことだろうと思うのです。こういうことを考えますと、高橋前理事長のこれらの行為というのは、まさに商法四百八十六条の特別背任罪に当たる、私はこう思うわけです。
 そこで、大蔵大臣にお聞きしたいのですけれども、この大口融資先というところを見ますと、高橋前理事長が理事を務めるところの財団法人だとか、あるいはまた政治家あるいは元政治家の秘書などが含まれているわけであります。まさにこれは前理事長の企業やあるいは個人への便宜という点が浮き彫りにされていると思うのです。
 ここに総理府からいただいた資料があるわけですけれども、これは財団法人二〇〇一年日本委員会の資料であります。その役員として高橋前理事長の名前と山口敏夫前労働大臣の名前が並んでおります。高橋氏と山口氏との親密な関係は枚挙にいとまがないわけですけれども、そうした間柄の中で、山口氏の親族が経営するゴルフ場開発あるいは関連会社、あるいは実体不明の企業、ここまで融資が行われているわけです。特に、プリムローズカントリー倶楽部とかあるいはむさしの厚生文化事業団には貸出限度額を超えた融資が行われている。これはまさに、高橋前理事長と山口前労働大臣との密接な関係があればこそこういう融資がされたことは明白であると思うのです。その総額は四十億五千百五十万円にも上る。その大部分が回収困難と言われています。
 大蔵大臣、こういう政治家との癒着の問題についてどうお考えか、御感想をお聞かせいただきたいと思うのです。
#70
○武村国務大臣 今回の二つの信用組合をめぐる問題については、私どもは二つに整理をしながら対処をしていかなければならないと思っております。
 一つは、この二つの組合の、今も御指摘がありましたような、経営をめぐるさまざまな問題の解明でありますし、その中で、当然、法に触れる事態が明らかになれば、その法的な責任も厳しく求めなければならないという姿勢であります。
 同時にまた、今御指摘のありましたような大口預金に対する金利、これは金利自由化という日本全体の方針の中で、一つ一つのケースについて、契約という形で行われることでありますからそのことを問うわけにいきませんが、いわゆる過剰融資の問題でありますとか、預金や融資に対しての比率、超えるものは二〇%以内という問題でありますとか、あるいは役員の関連事業に融資をする場合には事前に理事会を開いてきちっと承認を求めなければならない等々の問題で、法を超える幾つかの事態があります。
 こういう問題については、この法には罰則はないわけでありますが、こういう問題も含めて、あるいは預金保険機構のあり方も含めて、この事件から、法的な改正を含めた新たな措置への努力、法的な責任を追及する仕事、我々が今後の姿勢として、行政や法の面での反省に立った改善、改正の努力、この問題が一つございます。
 もう一つは、今御質問にありませんが、この事態によって日本の金融システムにどういう影響を与えるか、そこから出てきた今回のスキームといいますか、対処の考え方の問題であります。
 後者については、私どもは今振り返りましても、このスキームは間違っていないというふうに思っております。
#71
○矢島委員 大臣は、昨日テレビの中で、船は沈める、船長の責任は重大だ、しかしお客の問題等もあるというような発言をされていましたが、ぜひ厳正に事実を解明すると同時に、国民が納得し理解できる対処をお願いしたいと思います。
 法案に対しての質問に入りたいと思います。
 昨年秋の国会で、消費税率を五%に引き上げる法案を提出された際に、大蔵大臣は、率直に言って時間が足りなかった。ことし実現という政治目的を果たすためにあえて今回のような五%で一体処理をしながら、なお附則条項を置くという一つの道を開いたという趣旨の答弁をされました。また、いわば消費税率にかかわる大事な問題点を真剣に、しかも具体的に検討をして、数字の上で精査をして、その上の見直しの最終結論を見出していくとも言われております。
 ところで、その直後である今回の来年度の税制改正、これはその第一関門となるわけでありますけれども、よく見ますと、従来の政府の改正案の枠を破ったものとは到底言えないのではないか。法人税法の引当金には手をつけておりませんし、狭い意味の租税特別措置のごく一部を整理するに終わっている。十二月十六日の各新聞はいずれも、不公平の是正徹底できず、変わらぬ企業優遇などということを書いております。
 廃止は八項目あるわけですけれども、ほとんど利用実績の少ない中小企業向けてあります。最もメスが加えられるべきであった大企業向けの措置の廃止は一件もありません。税収的にも、そう多く増収となっていないと思います。それどころか、大企業向けの特別措置は拡大されているものもある。
 大臣にお聞きいたしますけれども、今回はこの程度にして、来年はもっと思い切った大胆な見直しをするおつもりかどうか、そのことをお聞きしたい。
#72
○武村国務大臣 今提案をいたしております七年度の改正は、御指摘のように、廃止は八件、創設が四件でありますが、縮減の方向での修正が二十七件ございます。そのことも御評価を賜りたいと思うのであります。
 当然、特別措置は時代の要請を受けて措置をとるものでありますから、絶えず一つ一つの措置について目を向けて、絶えず改廃の努力を続けていくことが大事だと思っております。来年以降もそういう姿勢で努力をしてまいりたいと存じます。
#73
○矢島委員 私、今大企業に対する特権的な減免税にメスを入れていないことを申し上げたわけですけれども、具体的な問題で質問したいと思います。
 まず、事業革新円滑化法、この制定に伴う税制措置の拡充関係についてお聞きしたいと思います。
 政府がこの法律の目的に沿って事業革新計画を進める特定業種に至れり尽くせりの支援を決めているということに対して、私、大変驚いたわけであります。
 金融上の措置といたしまして、日本開発銀行その他から超低利の融資が受けられる。産業基盤整備基金から債務保証をしてもらえる。税制上の支援措置といたしましては、増加試験研究費の税額控除制度、それから事業革新設備の二五%の特別償却、これは大変大きいわけであります。そのほか、不動産取得税の六分の一の軽減措置、買いかえ特例、それから登録免許税の軽減措置等があるわけであります。
 大臣、どうしてこんなに至れり尽せりの措置をとるのか。特に、自動車や電機など主要産業の多国籍企業、大企業による大規模な海外生産展開を放置したまま、国内産業の縮小や、あるいは下請中小企業や地域経済への犠牲の転嫁、こういうものを容認するもので、産業空洞化の歯どめにはならないということ。また、リストラの名による大企業の大量の入減らしを容易にして余剰人員を人為的につくり出すものであり、関連会社や下請企業等に出向者を押しつけることになるのではないかと思うわけです。
 大蔵省にお尋ねしますけれども、この税制上の支援措置で、国税はおおよそどの程度減収になるのです。税目別にお示しいただければありがたいと思います。
#74
○小川(是)政府委員 いわゆる事業革新円滑化法につきましては、通商産業省が今国会に御提案をしたものでございますが、今委員からお話がございましたように、我が国経済の空洞化ということを懸念し、国内の雇用、下請中小企業、技術開発等への悪影響を防止するという観点から法律がつくられているわけでございます。
 税制上の支援といたしましては、これまたただいま委員おっしゃられましたように、法人税関係では、増加試験研究費に係る税額控除、あるいは設備の特別償却、さらに長期保有の土地等の買いかえ特例が対象になるわけでございますが、そのほかに登録免許税についての税率の軽減措置がございます。
 こうした措置に係る減収額につきましては、私ども、法人税につきまして、平年度で百億円程度というふうに見込んでいるところでございます。登録免許税等につきましては極めて僅少であろうかと考えております。
#75
○矢島委員 百億円という答弁がございましたけれども、全部計算するともっとふえると思います。この増加試験研究費税額控除制度というのは何度も見直されてきたわけですけれども、そして同時に、対象を拡大してきた歴史があると思うのです。昨年度も対象を拡大いたしまして、八百九十億円の減収になっております。
 今回の事業革新円滑化法はどうなっているかというと、一つは、民間企業の研究費が最近減ってきていることを見ておく必要があろうと思うのです。最高を記録した九一年度に比較して、九三年度には七・一%も減少しています。その中で、事業革新円滑化法の対象に想定されいる鉄鋼の研究費は二〇・五%、それから自動車が一五・六%、電機は一〇・七%、総合化学・化繊が七・二%、民間の平均より大幅に減少しているわけであります。その影響でこの税額控除額も九二年度から減少してきています。
 ところが、この事業革新円滑化法の対象については他の場合と基準が違っています。平成七年一月一日を含む事業年度の直前の事業年度以降の試験研究費の額の最も多い額としている。つまり、試験研究費が減少してきた今日でも一〇%の増加試験研究費税額控除を受けられるようにしたということであります。特別償却の二五%なども含めて再検討すべきではないのか。
 増加試験研究費税額控除制度などをこのようにして、どうして租税特別措置を見直したと言えるのか、お答えをいただきたいと思います。
#76
○小川(是)政府委員 租税特別措置につきましては、新しい措置を必要とする場合には、とりわけ強くスクラップ・アンド・ビルドという考え方で当たっているところでございます。全体の対応は先ほど大臣から申し上げたとおりでございますが、本年も全体といたしましては、法人税関係の租税特別措置は減収額の約一割程度むしろ増ということで見直しているわけでございます。
 中で、新しい措置として必要なものとして、一つはこの事業革新円滑化法関連でございまして、こうした政策の緊要性というのは政府全体として重要であると考えた次第でございます。そして、そのときに何を考えなければならないかということの一つが、委員まさに御指摘がございました。大事な我が国の経済の中核をなす産業における研究費、試験研究費が必ずしも伸びないというところでございます。
 ここに対する支援といたしまして、高度成長期に研究費がどんどん伸びているときには古い基準年度でよろしかったわけでございますが、特定の産業につきましては、その基準年度を七年一月一日を含む事業年度とすることによってさらに研究費の増額に努めていただきたい、それを支援するというのが今回の制度改革の内容でございます。
#77
○矢島委員 私は、大企業に対する特権的減免税にメスを入れていないことを指摘しているわけでありますが、今申し上げた増加試験研究費税額控除制度について言いますと、私ここに国税庁の「法人企業の実態」というのを持ってまいりましたが、それを見ればはっきりしているわけです。
 増加試験研究費税額控除額の推移というのが出ておりますけれども、これを見ますと、資本金百億円以上の企業が圧倒的に多いということが明瞭であります。この制度について抜本的なメスを入れることを要求いたしまして、時間がありませんので、次の質問に移りたいと思います。
 先ほど、特定電気通信設備の特別償却制度については質問がございました。そのことにつきましては、主税局長の方から御答弁があり、その内容を知りました。
 そこで、今いわゆるマルチメディアに向けて、このインフラとして、加入者に至るまでの光ファイバーの全国ネットワーク構築ということが言われているわけであります。光ファイバーという大容量のネットワークができるということはいいことだと私は思います。問題は、その方法であると思うのです。
 そもそも我が国の電気通信事業者というのは、税制面で国際的にも例がないような優遇がなされている。一例を挙げてみますと、これはアメリカ商務省に提出されたETIのレポートですけれども、通信機器の償却期間の国際比較というのが出ております。これは一九八九年の段階での比較ですけれども、こうした比較が出るのは珍しいことで、基本的に現在も大体同じであろうと思います。
 これを見てみますと、光ファイバーの償却期間、日本が十年です。それに対してアメリカが二十七・二年、ドイツが二十年、イギリスが二十三・七年。もう一つ、ディジタル交換機を見てみますと、日本が六年、アメリカが十七・五年、ドイツが十年、イギリスが十年。日本の通信機器はアメリカの半分しかもたないのかといいますと、そんなことはあるわけありません。実際に通信ケーブル業界に問い合わせてみましたところ、光ファイバーは二十年ないし三十年、十分使用にたえられるというお答えがありました。つまり税制上の償却年数と実際がかけ離れているわけなのです。税制上大変な優遇がされている。これに加えて、今回さらに優遇しようというわけであります。
 電気通信事業者で光ファイバーを加入者系まで敷設するということになりますと、そのかなりの部分はNTTであろうと思うのです。NTTといえば、この二月一日から基本料金の大幅値上げを実施いたしました。基本料金というのは、電話を全く使わなくても義務的に支払う料金でありますから、低所得者やお年寄りの家庭などにも一律にかかる料金です。消費者としては防衛のしょうがない値上げであります。しかも、この光ファイバー敷設には、一般会計から二十三億円の補助を出します。それから、二・五%という超低利の融資制度も創設されようとしています。税という入り口でも優遇して、また一般会計という出口でも利子補給をしてやる。
 値上げはする、ほかに例がないような超低利融資もする、税金はアメリカやドイツの半分、それをさらにまたまけてやる。NTTに対してどうしてこんなに優遇措置がとられるのか。大臣、これはどういうお考えです。
#78
○小川(是)政府委員 特定電気通信設備の特別償却制度につきましては、一方におきまして加入者系光ファイバーケーブル等を対象に追加しました。他方におきまして、これまで特別償却の対象にしておりました幾つかの設備につきまして、償却率を段階的にかつ大幅に引き下げることにいたしているわけでございます。
 これは、全体といたしまして、こうしたメディア、通信サービスの提供あるいは電波の有効利用を安定的にする、高度情報化へ対応するという大きな政策目標に向けての措置であると同時に、その中で、しかし先にスタートしたものは極力これを圧縮をし、現時点で必要なものに最小限の対応をするというものでございまして、大きな政策措置に応ずるものでございます。決して特定の大きな企業に対する税負担の軽減を趣旨とした。そういう性格のものではございません。
#79
○矢島委員 そうおっしゃいますけれども、来年度の加入者系光ファイバーの敷設計画を見てみますと、NTTとともに、NTT以外の第一種電気通信事業者、NCCと、CATV、こういう事業者が設備投資計画を持っています。
 郵政省に聞きましたところ、設備投資計画の八割以上をNTT一社が占めている、大部分がNTTであるということです。しかもNTTは、さきに私が申し上げた値上げなどによりまして、来年度には経常利益が四千億を上回るだろうという報道もされております。四千億円といえば、恐らく日本の数ある大企業の中でも最高レベルだと思います。NTT自身にとっても、民営化から十年間ですけれども、この最高水準の経常利益を回復することになると思います。さらに、NTTはいわゆる内部留保を五兆五千億円ため込んでいる。その上に租税特別措置で優遇する、こういうことになるわけなのです。
 問題は、この光ファイバーの敷設を税制上支援するとしていながら、三十兆円から五十兆円とも言われる光ファイバーの全国網構築に向けた設備投資の計画、特に、だれが負担するのか、こういう点が全く明らかになっていないということなのです。
 光ファイバー網の構築に必要な設備投資を賄うために、NTTの中で、経営基盤を強化せよとか、あるいは経営基盤が脆弱な市内電話部門の料金を引き上げろとか、既にこういう声が出ているわけです。これは通信機械工業会が昨年三月に発表した「『光の国』実現に関する提言」です。この中には、光ファイバー網の構築早期実現の方策として、第一に、料金リバランシングによる電気通信事業者の経営基盤の安定ということを挙げております。
 膨大な設備投資の全容というものが明らかにされないままに、税制で優遇して、一般会計を使った超低利融資を行い、利用者に値上げということがなし崩し的に行われようとしている。大蔵大臣、ひとつこういう今日の状況についての御見解を承りたい。
#80
○武村国務大臣 情報通信の分野は、今や大変熾烈な国際競争の中に立っているわけであります。アメリカと比較しますとかなりおくれをとっていると言われている中で、我が国もこの分野に意欲的に取り組んでいこうとしているわけであります。特定の大企業そのものに低利融資をする、減免をするというふうに御理解いただかないで、情報通信の基軸になるような事業あるいは試験研究を激励するという考え方だと思います。
 したがって、今御指摘の点も、光ファイバーというこれからの日本の情報通信社会の基軸になるような大事な仕事に対して政府も目を向けながら、激励策として今回低利融資を講じようとしているわけであります。その他の各事業に対する税制上の政策もそういう趣旨で御理解をいただければというふうに思います。
#81
○矢島委員 特定企業に対する優遇をどんどん進めるということについての問題点を私指摘しました。消費税増税の大前提である不公平税制の是正、私ども全く不徹底だ、このように感じております。こういうやり方では、国民は税率五%への引き上げを納得しないだろうと思います。そのことを申し上げて、質問を終わります。
#82
○尾身委員長 これにて租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#83
○尾身委員長 次に、阪神・淡路大震災に対処するための平成六年度における公債の発行の特例等に関する法律案について議事を進めます。
 本案につきましては、去る二十四日質疑を行い、他に質疑の申し出もありませんので、これにて質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#84
○尾身委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 阪神・淡路大震災に対処するための平成六年度における公債の発行の特例等に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#85
○尾身委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#86
○尾身委員長 次に、平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案について議事を進めます。
 本案に対する質疑は、去る二十一日既に終局いたしております。
 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#87
○尾身委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#88
○尾身委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、石原仲兄君外三名から、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。早川勝君。
#89
○早川委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして案文を朗読し、趣旨の説明といたします。
    平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 連年にわたり特例的な措置を講ぜざるを得ない我が国財政の現状にかんがみ、国の財政の実態を明らかにすることにより、財政改革についての国民の理解と協力の確保に努めること。
 一 膨大な国債残高を抱える我が国財政の現状を真剣に受け止め、財政の柔軟な対応力の回復を図るため、既存の制度・施策や歳出構造について、更に徹底した見直しに取り組むこと。
 一 繰入れ特例等の各種の措置はあくまで臨時緊急の措置として慎重に取り扱い、それぞれの制度・施策の運営に支障を生じない範囲で行われ、歯止めを有するものに限るよう留意すること。
以上であります。
 何とぞ御賛成賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
#90
○尾身委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#91
○尾身委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。武村大蔵大臣。
#92
○武村国務大臣 政府といたしましては、ただいま御決議のありました御趣旨を踏まえまして、配意をしてまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#93
○尾身委員長 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 この際、本案に対し、新井将敬君外二名から、新進党提案による修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。村井仁君。
    ―――――――――――――
 租税特別措置法の一部を改正する法律案に対す。
  る修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#94
○村井委員 お手元に租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する修正案の要綱、それから法案をお配りしてございますが、おおむね要綱に沿いまして御説明を申し上げたいと存じます。
 この租税特別措置法の一部改正法が提案されましたときに、一月十三日に閣議決定が行われたわけでありますが、その際に、廃止すべき租税特別措置の一つとして、地震防災対策用資産の特別償却というのが掲げられておりました。一月十七日の震災の発生によりまして、政府はこの改正を見合わせまして、改めて閣議決定を行い、一月三十一日、この特別償却はなお継続するということにしたわけでありますが、私どもがさらに精査しましたところ、本来租税特別措置として対応するべき防災関係の条項で、大変な重要なものがまだある。
 その第一項が電線類地中化設備の特別償却制度でありまして、今般の震災で、地中化されました電線が大変防災上効果があったということが明確になっておる。そういうことを考えますと、租税特別措置というのは、ただやめればいいというものではない。有効なものは十分に生かすべきでありまして、私どもはそういう意味で、償却割合が現在百。分の十でありますが、これを百分の二十に引き上げる、こういう修正を積極的にとるべきであると考えるものであります。
 第二に、特定電気通信設備の特別償却制度のうち、なかんずく電気通信システム信頼性向上促進税制と呼ばれるものでございますが、例えば回線切りかえ装置の電子式のものであるとかあるいはシールド工法による洞道であるとか、こういったものにつきましては、現在は償却割合が百分の二十となっております。先ほど大臣が誇らかに縮減二十七件とおっしゃいましたけれども、その縮減の中の一件に入っておりまして、これが百分の十二になっておるわけでございます。私どもは、このような防災上非常に意義のあるものについては縮減をするべきではない、百分の二十に戻すべきである、このように考えるものでありまして、これが私ども修正を求める第二項であります。
 第三項めは、個人の土地等に係る土地の譲渡益課税でございますが、これにつきまして、百分の二十五に引き下げるということになっておるわけでございますけれども、これを私どもはさらに百分の二十に引き下げるべきであるという主張をいたしております。これが第三項でございます。
 四項めは、いわゆる買いかえ特例の問題でございますが、これは説明の便宜上、裏でございますが、算用数字の3とございます、長期所有土地からの償却資産への買いかえ一般の問題から御説明をさせていただきます、
 平成六年度の税制改正におきまして、景気対策を考慮いたしまして、いわゆる旧十五号買いかえと呼ばれるものでありますけれども、長期所有土地を売却して、そして償却資産に買いかえた場合に八〇%の圧縮記帳を認めるという思い切った措置をとったことは御高承のとおりでありますが、政府はそれに対しまして、この割合を六十に引き下げるという措置をとったわけであります。私どもは、今なお景気の足取りは重く、このような措置をとるのにはなお時期尚早であると考えるものでありまして、この点を改めまして、百分の八十そのままに維持するべきであるという主張をするものであります。
 そういたしますと、例えば、ここで算用数字の1及び2に戻るわけでありますが、特定中小企業者の新分野進出等による経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時措置法あるいは特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法、これによりまして、いわゆる圧縮記帳の比率が八割になっているものがあるわけでございますが、これにつきまして、より一層のインセンティブをつけるためにはこれを九十に改める必要があるであろう、このように考えて修正案を整理したものであります。
 なお、付言いたしますと、もう一度、最初に申し上げました電線地中化問題それから特定電気通信設備の特別償却制度、これら災害関連のものは、先般二月十七日に本院で可決されました。また参議院でも成立しております、阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律では対処できない本来的な租税特別措置であるがゆえに、我々は、あえて租税特別措置法の修正を行ってこのような対応をするのが立法府としての責任であると考えるから、このような提案をしたものであります。
 なお、これに要する所要額は、百億円をやや超える、このように計算をされております。
 御賛同いただくことをお願い申し上げます。(拍手)
#95
○尾身委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。
 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において御意見があればお述べいただきたいと存じます。武村大蔵大臣。
#96
○武村国務大臣 政府としましては、平成七年度の税制改正として、最近の社会経済情勢の変化及び現下の厳しい財政状況に顧み、課税の適正公平を確保する観点から、租税特別措置の大幅な整理合理化を行うとともに、早急に実施すべき措置を講ずるため、最善の案として本法律案を御提案申し上げているところでございます。
 ただいま議題となりました修正案につきましては、反対であります。
#97
○尾身委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 租税特別措置法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、新井将敬君外二名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#98
○尾身委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#99
○尾身委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
#100
○尾身委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、金子一義君外三名から、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。北側一雄君。
#101
○北側委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。
    租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 租税特別措置については、今後とも、政策目的、政策効果、利用状況等を勘案しつつ、一層の整理・合理化を推進すること。
 一 変動する納税環境、業務の一層の複雑化・国際化、更には制度改正等に伴う事務量の増大にかんがみ、複雑・困難であり、かつ、高度専門知識を要する職務に従事する国税職員について、税務執行面においても、負担の公平確保の見地から、職員の年齢構成の特殊性等従来の経緯等に配慮し、今後とも処遇の改善、職場環境の充実及び定員の一層の確保につき特段の努力をすること。
以上であります。
 何とぞ御賛成賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
#102
○尾身委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#103
○尾身委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。武村大蔵大臣。
#104
○武村国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
#105
○尾身委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#106
○尾身委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
    〔報告書は附録に掲載〕
#107
○尾身委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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