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1995/03/16 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 大蔵委員会 第9号
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1995/03/16 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 大蔵委員会 第9号

#1
第132回国会 大蔵委員会 第9号
平成七年三月十六日(木曜日)
    午後零時五分開議
出席委員
  委員長 尾身 幸次君
   理事 石原 伸晃君 理事 金子 一義君
   理事 村上誠一郎君 理事 新井 将敬君
   理事 北側 一雄君 理事 村井  仁君
 理事 早川  勝君 理事 五十嵐ふみひこ君
      荒井 広幸君    大島 理森君
      大原 一三君    岸田 文雄君
      塩崎 恭久君    中谷  元君
      堀之内久男君    松下 忠洋君
      宮里 松正君    茂木 敏充君
      青木 宏之君    井奥 貞雄君
      上田 清司君    太田 誠一君
      谷口 隆義君    中田  宏君
      中村 時広君    西川太一郎君
      平田 米男君    藤井 裕久君
      宮地 正介君    山本  拓君
      若松 謙維君    日野 市朗君
      渡辺 嘉藏君    田中 秀征君
      佐々木陸海君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  萩山 教嚴君
        大蔵大臣官房長 小村  武君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    竹島 一彦君
        大蔵省主計局次
        長       武藤 敏郎君
        大蔵省主計局次
        長       中島 義雄君
        大蔵省証券局長 日高 壮平君
        大蔵省銀行局長 西村 吉正君
        大蔵省国際金融
        局長      加藤 隆俊君
        国税庁課税部長 堀田 隆夫君
 委員外の出席者 
        経済企画庁調整
        局財政金融課長 塚田 弘志君
        法務省民事局参
        事官      菊池 洋一君
        大蔵省大臣官房
        審議官     長野 厖士君
        大蔵大臣官房審
        議官      花野 昭男君
        通商産業省産業
        政策局産業資金
        課長      小平 信因君
        大蔵委員会調査
        室長      中川 浩扶君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十六日
 辞任   補欠選任
  中山 利生君    松下 忠洋君
  福田 康夫君    荒井 広幸君
  井奥 貞雄君    西川太一郎君
  竹内  譲君    若松 謙維君
  谷口 隆義君    山本  拓君
同日
 辞任        補欠選任
  荒井 広幸君    福田 康夫君
  松下 忠洋君    中山 利生君
  西川太一郎君    井奥 貞雄君
  山本  拓君    谷口 隆義君
  若松 謙維君    竹内  譲君
    ―――――――――――――
三月十四日
 消費税増税の中止、消費税廃止に関する請願
 (不破哲三君紹介)(第二六四号)
 土地税制に関する請願(金田誠一君紹介)(第
 二六九号)
 共済年金の充実等に関する請願(輿石東君紹介
 )(第二八〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
三月十五日
 日本鉄道共済年金の財政再計算の早期実施に関
 する陳情書外三件(鳥取市東町一の二二〇鳥取
 県議会内長谷川和夫外三名)(第三〇号)
 不公平税制の是正と消費税の見直しに関する陳
 情書(長崎市桜町二の二二長崎市議会内中田勝
 郎)(第三一号)
 公共事業用地の取得に伴う特別控除の大幅な引
 き上げに関する陳情書(静岡県富士市永田町一
 の一〇〇富士市議会内松野俊一)(第三二号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 金融、証券取引及び外国為替に関する件
     ――――◇―――――
#2
○尾身委員長 これより会議を開きます。
 金融、証券取引及び外国為替に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石原伸晃君。
#3
○石原(伸)委員 大臣、連日お忙しいところ恐縮でございます。
 きょうは当委員会で、私は、昨今の円高問題を中心に大臣と論議をさせていただきたいと思っております。
 今回の為替相場の急変でございますけれども、きっかけは、メキシコあるいはスペイン、ポルトガルといったような通貨の不安にあるということでございますけれども、その背景としては、日本の貿易黒字の拡大基調、それと、それに相反しまして、アメリカ、ドル経済のいわゆる双子の赤字、こんなものがあると思いますが、今回の円高につきまして、その要因並びにこの基調というものを、大蔵大臣、どのようにお考えになっているのか、お話を伺いたいと思います。
#4
○武村国務大臣 要因の以前の問題として、今回の急速な円高・ドル安を含めた通貨の変動に対しては、大変強く懸念を抱くものでおりますし、こういう事態を本当に憂慮いたしております。
 要因になりますと、少なくとも日本経済に起因する要因があるわけではないというふうに認識をいたします。やはり、今御指摘のように、北米圏ではメキシコ・ペソの通貨不安がございますし、アメリカみずからにもさまざまな要因がございます。そして、別途、ヨーロッパでは、EUの圏内における通貨不安といいますか、スペインを中心にした。そういう対マルクとの関係の複雑な状況がございます。
 この二つからマルク高・ドル安という状況が起こって、それが円高に波及をしてきているというふうに認識をするわけでありますが、しかし全体としては、それぞれの国の経済諸条件を反映して動いているとは思われません。我々の言うファンダメンタルズを反映していないという表現もそこからくるわけでありますが、どちらかというと思惑的な要素、投機的な要素がかなりあったのではないかというふうに言わざるを得ません。
 ただ、日米関係で事態を見る限りは、依然として日米間の経常収支の大きなギャップ、日本側の黒、アメリカ側の赤という状況が存在をすることも事実であります。貿易収支は減る傾向に入っておりますけれども、それでもまだかなり大きなギャップが持続しているという見方もあるわけでございまして、そんなところに、ドル、円の関係では、何かあると円高になりドル安になるという状況も存在をしておりまして、ある意味ではここ二十年来の傾向であるというふうにも思うわけであります。
 いずれにしましても、そのときそのとき、経済的な条件よりもそういう思惑、投機の動きで世界の通貨が急速に変動するという事態を憂慮をしながら、G7諸国と一層緊密に連携をとりながら対応をしていかなければならないというふうに思っております。
    〔委員長退席、早川委員長代理着席〕
#5
○石原(伸)委員 大臣の要因の説明、私も同感でございます。
 そして、今回のこの円高、大臣が憂慮されておりますことは、やはり日本経済に対する影響というものもかなり大きなものがある。輸出関連企業を中心に影響が出ると思いますけれども、日本製品の価格競争力が低下しまして、円高に対応できる企業があるかと思えば、中小零細企業はもう、百円からあっという間に、昨年の七月以来この円高傾向が強まっておりまして、百円で前後してあたふたしていたものが九十円になってしまう、こういうことでは、食料品やあるいは衣料品など輸入品でも安いものが入ってきますから、そういうものをつくっているところでももう国内で競争ができなくなる、こんな影響があると思います。
 そしてまた、経済成長率も、実質二・八%を予想しておりますけれども、こういうものにも、この一ドル九十円台というものが定着いたしますと、悪影響が出てくるのではないかと考えております。あるいは、せっかくやっと薄日が見えてきたこの日本経済全体に対して、国内の設備投資が停滞したり、あるいは投資マインドが冷え込む、また安定しております雇用情勢にも悪影響がある、こんなことがあると思うんですが、この点につきまして、経済企画庁いらっしゃいましたらお話を伺わせてください。
#6
○塚田説明員 ただいま我が国の経済は、緩やかながら回復過程をたどっておりますことは御承知のとおりでございます。
 来年度の見通しにつきましては、これまで景気を下支えしておりました公共投資と住宅投資が依然として高水準で推移する中で、民需の二大需要項目でございます個人消費と民間設備投資が需要の中心として景気を牽引していくことになること等から、実質GDPの成長率は、先ほど御指摘のように二・八%程度になると見込んだところでございます。
 円高は、輸出入の両面から経済に影響を与えます。しかしながら、急激な円高の場合でございますと、やはり輸出産業の企業収益を圧迫いたしまして、企業活動に悪影響を与えるということが懸念されます。したがいまして、為替市場の動向を細心の注意を持って見守っていく必要があるというふうに考えております。
 最近の為替相場の動きにつきましては、先ほども御説明がございましたけれども、経済の基礎的条件を適切に反映していない、極めて投機的な面が強いというふうに考えております。政府として、通貨当局間の一層の緊密な連携協調を初めとして、為替相場の安定に引き続き努めることや、回復局面にある我が国経済の安定成長の確保に向けて、適切かつ機動的な経済運営に万全を期することが重要であると考えております。
#7
○石原(伸)委員 経済企画庁の認識も大蔵大臣と相違がないということがわかりました。
 そこで、この憂慮すべき事態に対しての対策というものを、大臣も関係閣僚会議、あるいは通貨当局との共同行動ステートメントを発表されております、取りまれておりますが、やはり政府・与党一体となりまして、八七年当時、中曽根内閣でございますけれども、六兆円程度の緊急経済対策を実施いたしました。内需の振興策あるいは金利政策、輸出関連企業に対して、特に中小企業に対して金融支援を行うとか、あるいはこれもこれまで行われてきた手法ですけれども、公共投資の上積みや前倒し、あるいはまた円高メリットというものもあるわけでございますから、電力・ガス料金の引き下げ等を、この九十円という水準が続いたらやっていかなきゃならない。
 このような円高対策について、大臣のお考えをたださせていただきたいと思います。
#8
○武村国務大臣 まずは、先ほども申し上げましたが、対外的な努力が一つの大きな仕事だと思っております。日米間の包括協議の問題もございますが、私どもとしましては、やはり通貨当局としての努力も精いっぱい果たしていかなければいけない。協調介入もそうでございますが、同時に政策的な協調についても、G7等を含めて、この事態を踏まえて真剣に努めてまいりたいと存じます。
 国内的には、もう御指摘のように、日本経済、緩やかな回復基調に入ったとはいえ、これが失速するようなことがあってはなりませんし、より緩やかな回復から本格的な回復に乗っていくような努力が基本ではないかと思います。
 国内需要を一層どうして喚起していくかということでもありますが、そういう中で、もちろん金融政策もございますし財政政策も一つの柱でありますし、あるいは御指摘のようなそういう輸出業者、当面の円高に伴うさまざまな対応策も、業界に対する対応策も必要でありますし、あるいは円高メリットの面からの料金を下げていく努力も必要であります。
 いま一つ大事なのは、経常収支の黒というものを前提に考えますと、やはり日本の市場をよりオーブンにしていく努力が片方で必要でございますから、そんな意味では一層市場を開放していく、輸入がふえるための努力に目を向けなければなりません。そこに今回、今最終段階を迎えております政府の規制緩和計画がどうなるか、どういう内容になるか、それを世界がどう評価するかというところも、円高、通貨対策の一環としても重視をしてまいりたいというふうに思っております。
#9
○石原(伸)委員 総論としては私の考えと大臣の考え、相違点はないのでございますけれども、三月の上旬から始まりました円高も、きょうは三月十六日でございます。もうやはり、しばらくしっかりとこの基調を見きわめた上で、具体的な政策を打ち出していく時期に私は来ているのではないかと思います。
 そんな中で、金利政策の中で、例えば構造不況業種になっております船舶などは、財投のお金が入って船舶をつくっているシステムがあるわけですけれども、これが実は十年以上前の固定金利の高いところで借りていたり、それで困っている構造不況業種というものが意外にあるわけです。やはり財投の固定金利というものは譲れないということかもしれませんけれども、このような円高局面が続く場合、そういう業種、これは住宅金融公庫なんかの高い金利で借りている人たちも実は影響を受けることもあるかと思いますけれども、このような金利政策についても柔軟に対応していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#10
○武村国務大臣 今ここで個別の、船舶等の御指摘がございましたが、答える用意ができておりませんが、いずれにしましても、そういった問題も含めて、改めてこの昨今の事態を真剣に見詰めて、政府のあらゆる努力、真剣に目を向けてまいりたいと存じます。
#11
○石原(伸)委員 大蔵大臣の力強い決意と承らせていただきたいと思います。
 先ほど来大臣は、政策協調、金利協調、対外努力に努めなければならない、これはまさに御指摘のとおりだと思います。今世界の為替市場で動いているお金は一兆ドルとも言われております。日銀、政府が市場介入する、円売り・ドル買いでございますか、市場介入する額というものは限られたものでありますから、やはりアメリカ、ドイツといったところと協調介入するときに初めて市場に大きなメッセージを通貨当局が発することができると考えております。
 そこで、このG7の開催でございますけれども、大臣は前向きな発言をされましたけれども、その後どういうふうになっているのか。先日はバーゼルの方でBISの中央銀行総裁会議があったわけでございますけれども、その見通しにつきましてお話を伺わせていただきたいと思います。
#12
○武村国務大臣 今直ちにG7の会合が持てる状況ではありませんが、やはり会合を開くこと自身大きな関心事になりますし、開く以上はやはり一定の成果が上がる状況を事前に確認をする必要がございまして、決して消極的に考えているわけではありませんが、来月になりますとG7の会合も予定されております。また、APECの蔵相会合もございまして、これも来月ですが、ルービン長官等とも真剣にそういう場を通じてまずは意見交換もし、考え方の統一も図っていきたいというふうに思っております。
#13
○石原(伸)委員 ぜひそのような場で市場金利のことにつきましても、今日本では長短、低目誘導しておるわけでございますが、やはりドイツも合わせていただく、あるいは米国は高目にしていただく、こういう協調、あるいは公定歩合自体についても、今一・七五%という数字でございますけれども、金利政策も柔軟に対応していただきたい、こういうことを申し述べさせていただきたいと思います。
 それとまた、先ほど来大臣が御指摘のとおり、主要国間の協調というものが今度この円高局面では大きなテーマとなってまいりますので、国際会議の場で思う存分大臣のお考え、そして政府のお考えを披瀝されて、円高不況で町の方が困ることのないように、万全な対策を、具体策を早急に打ち出していただきますようにお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#14
○早川委員長代理 次に、岸田文雄君。
#15
○岸田委員 大臣、きょうもお疲れのところ、まことにありがとうございます。
 私は、東京の二つの信用組合の救済問題についてお伺いさせていただきたいと思います。
 私は、この問題、いろいろな問題を含んでいるとは思うのですが、大きく分けまして二つの要素があると思います。一つは、二つの信用組合の乱脈経営に対する責任追及、そしてその周辺の疑惑解明という問題。そしてもう一つは、破綻した金融機関を救済する方法がこれでよかったのかという問題。大きく言ってこの二つの要素があるのではないかと私は思っております。
 それで、救済方法がこれでよかったかという部分に関してでありますけれども、今回金融当局が考え出されました救済のスキームに対しまして、これはやはりペイオフをするべきではなかったかという議論があるのは事実であります。これに対しまして大蔵省の方は、日本の金融システムを維持するためにはこのスキームを実施するしかないのだということをおっしゃるわけであります。
 その理由としましては、預金保険機構、これは今お聞きしますと支払い財源八千二百五億円ほどおありになるのだということを聞いております。一見これで十分な資金があるように見えるわけですけれども、問題が他の金融機関に波及した場合にはとても秩序を維持することができないというようなことをおっしゃってみたりまた例えばアメリカの例としまして、八〇年代、貯蓄貸付組合、SアンドLが大量に経営破綻を来してしまったときに、預金保険自体がそれに対応し切れなくて破綻してしまった。
 それによりまして、現在まで一千百七十八億ドル、十兆円を超える資金が財政支出されている。こういった例があるということを持ち出してみたり、あるいはまたペイオフ自体、その資金ももちろんですけれども、作業、事務手続が大変煩雑だということもあるわけです。名寄せをしてみたり、債務との差し引きをしてみたり、大変煩雑で膨大な事務処理が要る。大変な時間がかかるということによって信用不安が広がるということも懸念される等々の理由をおっしゃって、今回のスキームを実施するべきであった。ペイオフはするべきでなかったということをおっしゃるわけです。
 私は、その説明、お話を聞いておりまして、大蔵省初め金融当局の皆様方がおっしゃることも十分考えなければいけないと思うわけですが、しかし、そうであるならば、素朴な質問としまして、そもそも今まであった預金保険機構とは何だったのだろうかという気がいたします。
 今回の二つの信用組合、資金量からいいますと合わせて二千億程度だということを聞いておりほす。日本の民間金融機関の中で決して大きな金融機関ではないと思うわけです。これより大きな存在は地銀、都銀初め幾らでもあるというのが日本の今の金融界であるわけです。そうした信用組合の破綻においてすらも使うことができない、機能することができないという預金保険機構というものは、そもそも単なる飾りだったのかというような気がしてならないわけです。そして、金融当局も、そもそもペイオフなどというもの自体実際に行うことを真剣に想定してこなかったのではないかというような気がしてならないわけです。
 この脆弱なる預金保険機構のあり方についてどのようにお考えか、さらには今後どうしていかなければいけないとお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。
#16
○武村国務大臣 私どもは、この時期のこのケースに直ちにペイオフの仕組みを発動することはちゅうちょをいたしました。かなり真剣に議論をしました。私自身も、むしろ最初はペイオフでいくべきだと判断をして、局長ともかなり真剣な議論をしたのであります。
 問題は、戦後五十年になりますが、我が国では幸い一度も金融機関が倒産をした。したがってペイオフの対象になった事例がないわけであります。それは大変ありがたいことではありますが、そしてもちろんペイオフなんということが、十分啓発されていないというか国民に説明できていないということもありますが、恐らく預金者のだれ一人と言っていいぐらい、自分の預けている大事な預金が、ある日金融機関が倒産をして返ってこなくなる、あるいは一千万円までは元本は返りますけれども、利子にしましても、そういう不利益な状況に立つということを予想もされていない。それが私の言う、この時期この国でと言っていることなんです。
 今回のケースでこれを発動するというのは、やはりそのこと自身が大変なインパクトになるし、国民の皆さんに瞬時に、テレビ報道の時代でもありますだけに、こういう状況を想定しますと、金融不安を起こす可能性がある。絶対そうなると私どもは言っているわけではありません。あえて言えば、たとえ一割でも五%でもその可能性があるというふうに考える以上はペイオフはとれないという判断ではあるのですけれども、そういう結論に達したわけであります。
 事態の状況、特に経営破綻の異常さといいます。か、経営者に対する怒りの気持ちからすれば、私どもも十月でもそのことは感じましたが、むしろペイオフこそ一番ふさわしいと言いたいぐらいでありますけれども、問題は日本全体に信用不安を起こすことがないかどうか、そのことだけは大蔵省、日銀としては回避をしなければならないという立場でかなり議論をした後、こういう結論をとらせていただいたわけであります。
 御指摘のように預金保険機構が当たるだけの能力を持っていなかったからではありません。今回は、一千万円以下のルールでやりましても五百億前後でございますから、預金保険機構の側に対応能力を欠いていたというわけではありません。多少時間がかかるというのは御指摘のとおりでございます。
 問題は、今後のことを考えますと、やはり幸いというか、今回のこの不幸な事態が国民の皆さんの中にそういうペイオフなんという事態があることや、金融機関がひょっとしたら倒産することもあるかもしれないという認識を少し持っていただいたということもありまして、余りいい教材ではなかったけれども、そういう意味での認識を少し国民の皆さんに持っていただくことができたことを考えますと、将来はペイオフはないと私は思っていません。
 近い将来すぐこれに切りかえるとは言いませんが、預金者である国民の皆さんのそういう意識も変わってくる中で、金融機関みずからももっとディスクロージャーの努力も信用組合も含めてしていく中で、やはり将来まで否定するつもりはありません。預金機構そのものも、保険料、資金量全体もこれでいいのかどうかということも含めて、将来に対する真剣な論議をしなければいけないというふうに思っております。
#17
○岸田委員 今大臣の方からおっしゃったことでありますけれども、今回ペイオフをためらわざるを得なかったその理由の一つとして、預金者側の状況というのが要素としてあると思うのです。預金者側に時には金融機関が倒産することもあるのだという認識ができ上がっていなかった。これはおっしゃるとおりだと思います。国民側に自己責任の原則というようなものが定着していなかったということがあると思うわけです。
 金融の自由化が進む中に、国民側にも自己責任の原則といった意識の定着がどうしても必要だということが言えると思うわけです。しかしそのためには、国民側に自分を守る材料、手段、情報が必要だということになり、大臣もおっしゃったように、金融機関のディスクロージャー、こういったものが必要になってくるということになるわけであります。
 私も、今まで大蔵委員会で何回か質問させていただいたときに、金融機関のディスクロージャー、これに対しましていかがですかということを何度がお伺いしましたが、なかなかはっきりとした前向きなお答えを今まではいただけることがなかったわけですけれども、こういった状況の中で、金融機関のディスクロージャーについて、現状のままでいいとお思いでしょうか、それともこれから何か具体的に変えていくおつもりがおありでしょうか、お聞かせいただけますでしょうか。
#18
○西村政府委員 ただいま御指摘のように、金融機関の破綻への弾力的な対応という見地からもディスクロージャーというものが早急に進められる必要がございますし、常日ごろの経営の健全化を図っていくためにもこのディスクロージャーというのは非常に大切なことだというふうに考えております。
 ただ、一挙に進めるというわけにもまいりませんし、特に現在、不良資産の問題で各金融機関非常に努力中の状況でございますので、ステップ・バイ・ステップで進めていく必要があるということで従来からも努力をしてきたところでございますが、今回このような問題を生じたことを一つの教訓といたしまして、この問題に一層真剣に取り組んでまいりたいと考えております。
#19
○岸田委員 今回の二つの信用組合の救済のスキームでありますけれども、要は、金融機関の救済に公的資金の導入の道を開くということになるのだと思うのです。
 御案内のとおり、日本の金融機関の不良債権の存在というものは、日本の経済に大変大きな影響を与えております、暗い影を投げかけておるわけです。その不良債権の存在が大変問題になっておるわけです。金融機関の不良債権に対する今後の取り組み等を考えた場合に、住専問題等、まだまだ深刻な問題がこれからも出てくる、クローズアップされることが予想されるわけです。
 しかし今回、大蔵省を初め金融当局は、公的資金の導入に当たって、金融システムの維持、このためにはどうしてもこのスキームしかなかったのだということを盛んに強調されるわけであります。けれども、このままでは、金融システムの維持というにしきの御旗のもとに、国民の理解を得られないままに公的資金を導入することを続けていくことにつながるのではないか、要するに、金融システムを維持するということを言い続けて、公的資金がどんどん使われていくことになってしまうのではないかという心配が出てくるわけです。
 そうしますと、今の日本の金融情勢、あるいはその内容等を考えた場合に、今後、金融機関の救済に当たって公的資金を導入する場合、確固たる理念とか哲学、こういったものまで必要なのではないか、そういったものをしっかり持って、国民に理解された上で公的資金の導入も一つの方法として考えなければいけない、そういったことになるのではないかと思うわけです。
 この公的資金導入に当たっての理念、哲学、こういったものについてどのようにお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。
#20
○西村政府委員 御指摘のように、現在、金融機関は不良資産という問題に悩んでおりまして、私どもも、これは日本経済の先行きのためにもできるだけ早く解消しなければいけない課題だと考えております。
 さて、そういうものを解消していく場合に、私どもとしては、従来、まず第一には金融機関の経営努力というものによってこれを解消していくべきであって、これまで直接的な公的資金の導入ということは行うことなく、共国債権買取機構の活用とか、引き当て制度の運用改善だとか、金利減免債権の流動化など、そういう方向での努力を行ってきたわけでございます。
 ただ、それでは公的資金というものは従来から利用されていなかったかと申しますと、公的資金というものの定義にもよるわけでございますけれども、従来から、それぞれの地域における金融問題の解決という観点からは、地方公共団体の財政支援がそれぞれの地域で行われてきた。それも一種の金融問題の解決のための公的資金の活用と言えるかもしれません。また、預金保険の資金というのも、これは民間金融機関が拠出したものではございますが、公的な組織でそれを集めてみんなで相談した上でこれを使うということでは一種の公的資金かもしれません。これも今まで何回か活用されてまいりました。
 さて今回、やむを得ず臨時異例の措置として日本銀行法二十五条に基づく出資という方法がとられましたけれども、これはまことにやむを得ざる、臨時異例の金融システムの安定を図るための措置であって、これから経常的に使われるような性格の手段ではないと思っております。
 これからも私どもは、先ほど申し上げましたような今までの手法をも活用しつつ、基本的には、この不良債権の処理の問題は民間金融機関の経営努力というものを基本に考えてまいりたいと思っております。
#21
○岸田委員 時間が参りましたので、大臣ほか金融当局、大蔵当局の皆様方、ぜひしっかりとした対応を心からお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#22
○早川委員長代理 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時三十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時十一分開議
#23
○尾身委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山本拓君。
#24
○山本(拓)委員 山本拓であります。
 きょうは、大蔵大臣に、大蔵省の信用秩序の維持についてお尋ねをしたいと思うわけであります。
 国会では、政治改革とか行政改革とかいろいろな改革論議をいたしているところでありますが、最近、地元へ帰りますと、大蔵省といえば官僚の中の一番象徴的なイメージが国民の中にあるわけですが、その最高幹部の方々の発言が、どうも平気でうそをついたりというような伝わり方がいたしておりまして、大蔵省に対する不信の念が国民の間に非常に強く伝わってきております。
 そこで、能書きは省きまして率直にお尋ねをいたしていきますけれども、国会答弁で大臣が、いわゆる田谷さんのことで週刊誌で報道されたことについて、九日の証人喚問以前の段階で、公務員として節度を超えることはなかったという報告を受けた。そういう国会答弁をされておられるわけでありますが、これは結果的にうそであったということになったわけであります。
 そこで、大臣にちょっとお尋ねしたいのですが、そのときは直接大臣が内部調査をされたわけではなかったと思うのですが、そのときに、節度を超えることはなかったという報告をだれから受けられたのか、お尋ねしたいと思います。
#25
○武村国務大臣 官房長であります。
#26
○山本(拓)委員 ということは、官房長が本人から事情を聞いたということでよろしいでしょうか。
#27
○武村国務大臣 官房長が聞いたのか、あるいは何人かの職員が聞いたのか、そこまでは確認できておりません。私に報告をしてくれたのは官房長であります。
#28
○山本(拓)委員 例えば、大臣が、三月八日の参議院の北澤委員の質問に対しても、官房長から受けたという報告をそのまま国会答弁、国会で報告をされているわけでありますが、今考えてみると、官房長が大臣に伝えたその中身というのは結果的にうそだったわけです。だから、結果論で、今の時点で反省した場合に、そのときの国会に報告した報告は、それはうそだったということでよろしいです。
#29
○武村国務大臣 たしか答弁を二、三回しましたが、事務方の報告によれば、節度を超えているとは思いませんとか、あるいは節度を超えていないという報告を受けておりますとか、こういう答弁をいたしているわけであります。
 官房長が本人にヒアリングしたにしろ、あるいは他の職員にしろ、あるいはその後、私もみずから一時間余りましたが、とにかく強権力をもつて被疑者を取り調べるような、そんなものではありません。一定の信頼関係の中で、それぞれの立場で個人的な行動についてヒアリングをするわけでありますから、本人の話したことをきちっと確認をして報告をしてくれている、こういうふうに認識をいたしております。
#30
○山本(拓)委員 まあどうであれ、大臣が国会で代表してその中身を報告された。結果的にそれはうそだったということだけは間違いないですね。
#31
○武村国務大臣 私は、事務方の報告によればということを前提にして、その報告を国会で申し上げているわけであります。
#32
○山本(拓)委員 先ほど大臣がお話しになった中で、内部で調べる場合には強制力もありませんしということで、なかなか本当のことが聞けなかったというふうに聞いたわけでありますが、これはやはり大蔵省というのは、強制力がなければ本当のことは言わない人たちだということなんでしょうか。
#33
○武村国務大臣 私は、参議院でも申し上げたのでありますが、滋賀の知事をしておりますときにやはり税関係で汚職事件が起こりまして、もうやめている元税務課長が、一人が逮捕されるという事件でありましたが、しかし、その捜査の最中、やはりいろいろな関係者、うわさ等もございまして、当時の副知事、総務部長に命じて関係の職員、かなり努力をして状況把握をさしたことがありますが、全くそれらしきものは挙がってこないという、内部でのそういう努力の限界といいます。か制約といいますか、そのことをみずからも経験をいたしております。大蔵省だけなどというふうには思っておりません。
#34
○山本(拓)委員 これは不特定多数の人を取り調べるのではなしに、田谷さん一人だけだ、一人か二人、特定しているわけです。(武村国務大臣「取り調べじゃないです」と呼ぶ)事情聴取を。その事情聴取を特定の一人二人、例えば田谷さんにした。その本人の言葉が要するに結局うそだった。答弁したときには、その報告を官房長から受けたときには、それは大臣本人としてうそだなという感覚を、思いながら答弁したということですか。
#35
○武村国務大臣 うそであったかどうかは断定的には言えないと思います。どういう質問をするか、どういう表現で質問したかにもよりますからね。恐らく高橋氏との個人的なかかわりの状況がどうであったかということが基本だっただろうと思うのです。私もそうでした。私自身がやったときもです。
 なかなか人間というのは、山本さんも、お互い過去のことをそうきちっと覚えていない。田谷氏が香港へ行ったということは、これなんかはもう、それは一回限りのことでしょうから十分記憶にあると思いますが、例えば勉強会に出ていって、複数、それは五、六人の場合もあるし数十人の場合もありますが、我々政治家にしてもそうですし、役所の皆さんにしても、一年間にはかなりの頻度で勉強会というのはあるとしますと、何回行ったのか、そのときだれがいたのかというのは、これも僕もいろいろ聞いてみたのですが、そうきちっと、日記にでも毎日つけて克明に出席者の名簿を全部記録でもしている人なら別ですが、なかなか思い出せないものであります。
 その辺はやはり常識的な記憶力を前提にしながら聞くという限界はありましたが、おおむね私も、この二人にヒアリングをして概況をつかむことができたということであります。そのつかんだ、報告のあった事実を前提にして、先般処置をとらしていただいたわけであります。
#36
○山本(拓)委員 大蔵省に対する疑惑が出た場合に、疑惑を晴らすために内部調査をして、大臣が代表して国民にそれを国会の場で報告す。この報告するというのは、当然大臣の義務の一つだろうと思うし、報告する行為は、これは責任を持ってやられるという行為ではなかったです。そういう認識ではないです。
#37
○武村国務大臣 私は、これは大臣の義務とは思いません。
 今振り返っても、私みずからが本人に会って私的な行為についてあれこれ質問するのはいいとしても、その事実をみずからが集約するというのはいいことなのかなという、多少今でも、終わった後も振り返っているわけであります。やはりこれは職員の担当者がいるわけでありますから、そういう担当者を中心に、きちっと精いっぱい努力をして事実を掌握することが一番望ましいというふうに思っております。
 あくまでもこれは犯罪の取り調べじゃありませんから、私的な行為に対する過去の事実関係を確認すること、私自身そんな一生懸命メモをとりながらやるわけでもありませんし録音テープを置いてやるわけでもありませんから、大臣がみずからすることがよかったかどうかという、そういう気持ちが多少今あるぐらいでございます。
#38
○山本(拓)委員 そうすると、大臣のお話を聞いていますと、大蔵省というところでのいわゆる内部調査、今度も何か委員会をつくるらしいですが、そこらの報告というのは、大臣が国会で答弁する場合には全くそれは信頼性がない、自信を持ってやるものではないというふうに理解してよろしいです。
#39
○武村国務大臣 そう明快におっしゃらないでください。それは、やる以上は、どういう職員の職員であれ精いっぱい努力をしてやらせていただくわけでありますから。しかし一定の限界はあるかもしれません。そのことを特に強調するつもりはありませんけれども、そういうことを御認識をいただきたいとあえて申し上げたわけであります。
 しかし、やる以上は、まさに庁内の服務規律の保持という、そういう立場から関係の職員が精いっぱい努力をすれば、まあ私的な行為であるからそこそこ事実が掌握できるのではないか、またできたのではないかと私は思っております。
#40
○山本(拓)委員 今のお話で、内部で調べる場合には一定の限界があるとおっしゃいましたけれども、これは多くの人を聴取する場合には限界があるでしょうけれども、例えば田谷さん一人に、九日以前ですね、調べるのにどうして、何の限界があるのです。
#41
○武村国務大臣 やはり人間というのは、被疑者といえども、ああして拘禁をされて、最低二十日間ですか、朝から夜まで強権力を背景にして取り調べをされる、もちろん黙秘権もありますけれども、それでその犯罪の事実を自白するというケースが少なくないわけです。
 今回の場合は、そういう犯罪とは全く関係のない個人の事実関係を本人から聴取をするという行為でありますが、やはり恥ずかしいとかいろいろな気持ちがあって、何もかも過去の事実を全部語り得るものかどうか。そういうことも考えますと、そういう相手の人格を信頼した立場におけるヒアリングでありますから、それは本当の具体的な詳細にわたる事実が全部掌握できるかどうか、それは限界があると私は思います。
#42
○山本(拓)委員 そうすると、今の話ですと、田谷さんが事前の調査で、官房長の内部調査のときに、いろいろなメンツもあるだろうから香港へ行ったことを正直にしゃべらなかった。言わなかったということに理解を示したということですか。
#43
○武村国務大臣 今は田谷氏のことを前提に申し上げているわけではありません。
 これは官房長からお答えをいたします。
#44
○小村政府委員 大臣から繰り返し御答弁申し上げておりますように、私ども事務方としても、精いっぱい状況の把握に努力をしてまいりました。ただ私ども、具体的な証拠とかいろいろな事実関係を背景に質問をするとか、エビデンスを持っているわけでもございません。そのとき知り得る限りの状況について本人からいろいろなお話を聞き、私も私どもの承知し得る限りにおいてはということで申し上げてまいりました。今回、大臣も煩わしまして、新たに名前が出まして、具体的な行動について報道され、それに基づいてヒアリングを行い、現時点において知り得る限りの話をもとにして今回の措置をとらせていただきました。
 私、通常業務のほかに、いろいろな業務の中でこういう作業をするというのは、大変に困難に感じております。したがいまして、今後におきましては、紀律保持委員会において、できるだけ専門知識を持った者を含めまして事情を聴取するというようなものを今後の改善策として考えていかなければならないなというのがただいまの心境でございます。
#45
○山本(拓)委員 では、先般大臣が直接田谷さんと中島次長に対して聴取をされましたね、直接本人が、官房長じゃなしに。それを国会で述べておられますよね。この中身も、要するに責任は持たない、責任はないと。後で違うことが出てくるかもしれない。これは要するに、もう一回確認しますが、大臣は直接、所管の大臣として、トップとして、自分の部下に直接内部調査をしたわけですね、直接。それを今度国会で報告しましたね。だから、その中身は責任はありますか、ないですか。
#46
○武村国務大臣 これは本人の話を、認めた事実を基本にして御報告を申し上げているわけであります。私は、その限りにおいては本人を信頼したいと思っておりますし、事実だという前提で御報告を申し上げているわけであります。
 ただ、先ほど来申し上げたのは、これですべてかと言われると、それは一〇〇%自信を持ってすべてと言い切る自信はありませんと。これは司法当局ではありませんから、相手の人格を尊重しながらヒアリングをしているということはぜひ御理解をいただきたいと思います。
#47
○山本(拓)委員 少なくとも十三日の午前中の参議院で述べておられるわけですから、その十三日の午前中におっしゃった報告、その時点では、その後からまた違うことが出てきたらあれでしょうけれども、その時点では信頼して、自信を持って報告したということでよろしいのです。
#48
○武村国務大臣 もちろんそうであります。私ども自身は、事務方も含めて、その後何か新たな事実が出てきているとか出てきそうだという、そんな予感も今持っておりません。
#49
○山本(拓)委員 例えば、後から違うことが出てきたり結果的にそれがうそだったといった場合に、その報告はやはりうそだったということになるのではないかと思うのですが、そうではない種類の大臣の報告であると。要するに、大蔵省の内部調査の結果を、官房長に調べさせてもうそだった。今度は大蔵大臣が直接聴取して、そして予算委員会で直接報告を、本人の言うことを信頼して自信を持って報告したということです。
#50
○武村国務大臣 何か、うそにして、後、大臣の責任を追及したいわけです。
 私が申し上げているのは、やはり本人の話が基本でありますから、それだけはきちっと、言葉濁りなくきちっと確認をして、先般参議院で申し上げたことは、文書にして本人にも改めて再確認をしてもらったように聞いておりますが、そういう意味で、あの事実はまず間違いないというふうに思います。
 もちろん、すべて事実、私がそばにいたわけじゃありませんから、そういう意味で、本人の話を基本にしたものであるということを繰り返し申し上げているわけであります。
#51
○山本(拓)委員 私がそこを確認しているのは、我々国会議員も、また国民も、要するに大臣の国会での発言というものを、報告というものをどのように信頼したらいいのかという点なんです。だから、私はこの人から聞いてきて大臣として責任を持って報告しますという話ならああそうかなと、大臣がこれはうそか本当かわからぬけれどもとにかく言いますよというような感じなのか、どっちなんです。
#52
○武村国務大臣 これは私が直接二人に面談をして、本人の話を集約をして国会に報告をしたものでありますし、国会以前に、私自身が大蔵省全体の責任者として月曜日にああいう処置をとらせていただいたということであります。
#53
○山本(拓)委員 だから、今回の一連のことで大臣もお給料を少しカットしましたよね。それも責任の、何の責任をとったか知りませんが、これはこれとして、再度お聞きしますけれども、これから紀律委員会で内部調査をされる。さっきの大臣の一連の話を聞いていますと、検察とか警察とかというそういう取り調べと違ってということになりますと、例えば具体的にだれというわけじゃないけれども、大臣の言わんとすることは、警察の前なら本当のことを言うだろうけれども私の前なら余り本当のことを言わないのかもしれないのが大蔵官僚だというとらえ方をしてしまうのです。よ。実際そういう言い方になりますよ、今までの答弁をずっと聞いています。
 だから私は、大臣に確認したいのは、大臣として直接聴取されて、そして国会の場で国民の前に、大臣として、私が責任者としてこうでしたと。後で間違いだったら間違いだったで、それはそのときの話です。少なくとも、そのときの答弁そのものは大臣として責任を持って報告していることなのかどうか。
#54
○武村国務大臣 何回もお答えしておりますように、私の処分の前提になった事実確認でありますから、その事実を信じて、本人の話を信じて私は処置をとっているわけであります。両人とも反省するというコメントを発表しておりますように、処分の後もそういう経緯で今日に至っております。当然、国会に対する私の報告も、そのことを真実と信じて申し上げているわけであります。
#55
○山本(拓)委員 我々が政治改革を進めていく上で、小選挙区にするとかそんな話が政治改革ではないと私は思っているのです。もともと小選挙区なんかいいと思っていなかったから。それよりも、それを運用する中身の問題、大臣の発言とか政治家の発言とか、大体政治家の発言なんというのはいいかげんだというような風潮があるのを改めていく必要がある。
 その代表選手である、政党の党首の武村代表が今大臣ですから、その大臣の国会での報告というものは、大臣の意識として、そういう報告は初めからこんなものだとかそんなのではなしに、責任を持って報告しているということを自信を持って言っておられるのです。
#56
○武村国務大臣 何回も繰り返しお答えをいたしているつもりでございますが、いやしくも国会の場で私が発言をしているわけでありますから、しかも大臣として発言をしているわけでありますから、これはもちろん、お答えするまでもなく、私の責任でこの事実を信じて処分をし、報告をいたしているわけであります。
#57
○山本(拓)委員 それがやはり政治改革を進めている大臣の姿であります。
 だけれども、やはりま一つ私自身がちょっと心配なんです。大臣もだまされている可能性もなきにしもあらずというふうに私は勝手に考えているのですが、そういう中で、今回処分するに当たって、田谷氏本人などから調査した内容というのは、どうも信頼できるのかどうかわかりません。私はどうも信頼できないのじゃないかなというふうに思っているところでありますが、大臣、申しわけないのですが、私もちょっと勉強のために、直接本人から聴取されましたね、あの調書というもの、内容というのを文書で委員会に出していただけないでしょうか。
#58
○武村国務大臣 これは、調書もとっておりませんし、それを国会に出す義務は全くないと思っております。
#59
○山本(拓)委員 これは、官房長が同席してメモはとっていなかったのです。
#60
○武村国務大臣 官房長は確かに横に同席はさせましたが、メモはとっていなかったように私は覚えております。
#61
○小村政府委員 大臣と当人との話し合いにおきまして、私立ち会いましたが、私は何らメモもとっておりません。
#62
○山本(拓)委員 つまらぬことですけれども、それじゃ、先日参議院でお答えになったことは、大臣が頭で覚えていたことを述べられたのです。
#63
○武村国務大臣 もちろんその場では頭で記憶をしまして、後、横にいた官房長がその一番大事なところを文章にしてくれたのじゃないかと思います。
#64
○山本(拓)委員 紀律委員会というものができたそうですが、小村官房長が委員長です。
 そこで、これから大蔵省の信頼回復をするために、内部的な紀律委員会をつくる。ただ、先ほどから一連の話を聞いていますと、大蔵大臣は、私が国会で答弁するのは責任を持ってやる、それはある程度信じましょう。しかし、その大蔵大臣に資料を出すのは官房長ですから、官房長がでたらめなことをやっていたらこれはなかなか、もとが信頼がなければ何を調査したってだめですからね。
 そこで、官房長にお尋ねいたしますけれども、これからいろいろ調査される。そうすると、前の調査はでたらめだったわけです。今度調査をまたやられるわけですが、前回のでたらめをやった調査のやり方とこれからやる調査とどこを変えていくのです。
#65
○小村政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、現時点において、私どもできる限りのことを精いっぱいやっております。
 ただ、限られた時間の中、他の用務等々ございまして、なかなか時間的な余裕もない、あるいは具体的な証拠に基づいた調査でも何でもないわけですから、そういう面におきまして、反面調査もするとかそういう種類の役所の調査ではないと思います。しかしながら、やはり今回紀律保持委員会を設置いたしまして、大臣とも御相談をいたしまして、今後再びこのような事態を招かないようにいろいろな工夫をしてまいりたいと思っております。
 具体的には、今、何か問題があったとき、あるいはいろいろな話を伺ったとき、どういう対応をするか等々につきまして、専門家の意見も聞き、あるいは専門的な職員を置くかどうか、その点についてもまだ大臣と御相談しておりませんが、そういう人的な余裕のあるものにするのか、あるいは処分をするにしても、全体の職員を代表するもの、倫理審査会のようなものを設けて、そこできちっと議論をするシステムをつくるとか、あるいはこれから職員の規律保持のために、元気を出してあすからも仕事をしてまいらなければいかぬわけでございますので、必要以上に萎縮することなく、かっ規律の正しい職場にするにはどうすればいいか、こういった点について、紀律委員会あるいはその小委員会等を設けるとか、これからいろいろな工夫をしてまいりたいと思っております。
#66
○山本(拓)委員 今の官房長のお話を聞いていますと、本論に入る前に、システムをどうするかとかこうするかとかいうことでなかなか前に進まないようでありますが、では私もちょっとお手伝いさせていただこうと思います。
 大臣の直接調査によりますと、田谷氏は、平成二年八月四日から六日までの二泊三日の日程で、休暇をとって高橋氏のジェット機で香港へ旅行した。友人に二十万円支払ったということでありますが、八月の六日、七日、八日、八日は月曜日です。
 官房長にお尋ねしますが、これはすべて事実だと思いますが、事実確認のために、当時の八月八日の休暇届のコピーがありましたらちょっと教えてほしいのと、香港の宿泊先のホテル、それで帰りは商用機を使ったということでありますから、帰りの飛行機名とその代金の支払い方、これをする。べて調べて委員会に出していただけますでしょうか。
#67
○小村政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますように、私ども事情を聴取したのは、あくまでも本人の申し立てというものでございます。本人の申し立てを受けまして、それに基づきまして、その行為が社会通念上公務員として逸脱しているということで今回の措置を講じたわけでございます。
 具体的に、エビデンス、証拠をもって、いつ、どこで、どうしたというところまでは、私どもの調査能力では限界があるということでございまして、本人が香港に行ったという事実に基づきまして、申し立てに基づきまして今回の措置を講じた。その他の理由もございますが、そういうものでございます。
#68
○山本(拓)委員 それぐらいのことは、調べようと思ったらできるのです。だから、これは委員長、ぜひとも文書で資料を出していただけるように請求をさせていただきたいと思います。
#69
○尾身委員長 委員長としては、今の申し出については当委員会で取り上げるのは必ずしも適当ではないのではないかという意見を持っておりますが、問題の内容について、理事会で懇談の際、協議をいたします。
#70
○山本(拓)委員 私が申し上げたいのは、やはりうそをつくとかつかないとか、そこを事実なら事実ときちっと言った方がいいし、うそを隠そうとすると、そこに不信感が生まれるのです。だから、これは逆に大蔵省の信頼維持をするために、私は、うそじゃないということをきちっと証明をする必要があるというふうに思いますのであえて申し上げているところでございます。
 あわせて、田谷氏が支払った二十万円についてでありますが、いっ、どこで、だれに、また本人のどこの口座からお支払いになったか、わかることすべてをあわせて資料要求をさせていただきたいと思いますので、お願い申し上げます。
#71
○尾身委員長 申し出の件につきましては、理事会で協議いたします。
#72
○山本(拓)委員 はい、お願いいたします。
 武村大臣が今ほど答弁されておられますが、みずから聴取した内容によりますと、中島次長、ゴルフが二回とか、田谷さんが一回というふうに、これは参議院で述べておられます。ゴルフは中島次長が二回、田谷さんが一回ということを申されておられますが、これはきのうの新聞に、一九九〇年秋にオープンしたゴルフクラブで、高橋さんは田谷さんも中島さんもそれぞれ五回前後招待したという関係者の話が出ておりました。これは大臣の報告とちょっと食い違っているわけであります。
 これについては、中島次長にはきょうおいでいただいていると思うのですが、どちらが正しいのか、この報道は間違っているのか、まずお尋ねをいたします。
#73
○武村国務大臣 どうぞ誤解しないでいただきたいのですが、これはあくまでも、職務を背負って大蔵省の大事な仕事を日々担当してくれている幹部でありますし、私は、相手の人格を尊重し、そういう前提に立って事実を聞いているわけであります。
 先ほど来、ちょっと食い違うのは、何か法律に違反した行為をしたかのごとき、そんな感じを受けるわけでありますが、くれぐれも、公務員ではありますけれども職務に関係のない私的な行為についての事情聴取である。もちろん法律に触れる場合は私どもも法律に沿った処置をいたしますし、刑法に触れるような行為を行った者は当然司法当局が毅然として対処をしていただけるわけでありまして、そういうものとは違うことをどうぞ基本にしながら御判断いただきたいと思っております。
 だから、国会の場といえども、私はそういう意味で本人を人格的には信頼をいたしておりますから、本人の供述が正しいと。いろいろな報道や世間のうわさはたくさんございます。そういううわさみたいなものを全部本人にぶつけてみましたが、そういう事実はありませんという答えが返っております。大蔵省全体としましても私としましても、そういう前提で集約をして御報告を申し上げている点については、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
#74
○山本(拓)委員 中島次長には来ていただくようにお願いしてあるのですが、来ていないのですか。
#75
○小村政府委員 私が所管をしている事項でございますので。
 大臣とともにヒアリングをした結果、本人のこういう申し立てがありますということを例示として大臣が御紹介したことでありまして、大臣がお話しになりましたように、司法当局が尋問とか調査をし、反面調査をし、この事実に基づいて犯罪を立件するような性質のものではございません。あくまでも本人の人格を尊重し、その中で私どもが精いっぱい聴取し得る範囲内において聴取したものについて、大臣と御相談し、大臣が御判断し、今回の措置を講じたということでございまして、本人の職務とは直接関連するものでございませんので、答弁は私の方からさせていただきたいと思います。
#76
○山本(拓)委員 ゴルフを二回やろうと五回やろうと十回やろうと、そんなものはいいのです。ただ、要するに下手なうそはつかない。だから、うそなら本人が出てきて、そんなことはございませんと言えば、問題は、うそをついているかついていないかということを――私は信じているのです。よ。信じているから、むしろ本人にそういうことを言わせたいな、言っていただきたいな。その信頼関係だということでございまして、私は中島次長に直接お尋ねしたいと思っていますので、御答弁いただきたいと思います。
#77
○小村政府委員 中島次長は、所管の主計局次長として、精いっぱいことしの予算編成にも努力をしてくれました。彼の職員に属することについては彼から答弁申し上げますが、ただいまのお話は、私ども、大臣ともども本人とお話をし、本人の言葉を信じて今回の措置をとらせていただいたということでございます。
#78
○山本(拓)委員 そうすると、こちらは質問要求をし、きちっと手続を踏んでおりますが、それには一切答えないということなのでしょうか。
#79
○小村政府委員 事の性質上、私の方から答弁させていただいた方が適切だと存じます。
#80
○山本(拓)委員 何遍も言いますけれども、大蔵省の皆さんは立派な人です。私も認めます。そして、私自身が特に信頼を申し上げておる一人であります。だからこそ、なおさら、火の粉がかかってきた場合にはみずからがきちっとそれをただす。という姿勢が今一番大蔵官僚に求められているものだと私は考えているところでありますが、そういうことを絶対……(発言する者あり)いや、本人はここにいないのですか、ちょっとそれだけ確認してください。
 絶対出ない。絶対出ない。絶対出ないと言ったら別にそこまではいいです。出たくないと、出さないというのなら仕方ないです。
 では、これは再度確認しておきますが、官房長、もう一回そこを、こういう報道がなされ、またきちっと否定しておかないと、そういうあいまいにして、こういう質問をしているのにそれに答えないような形で逃げるという姿勢を映しますと、かえってそれは、私は大蔵省に対する不信が募るばかりであるというふうに考えます。だから、そこまでこんなことでしつこくやるつもりはありませんから、中島次長についてはその内部紀律委員会できちっとその辺の、二回ゴルフ、またいつごろか、その代金をどうしたのか等々をきちっと調べて委員会に提出するようにお願いを申し上げます。
#81
○武村国務大臣 幸い、お聞きをいただいている山本委員も、中島氏の件に関しては相手を信頼しているというお言葉もありましたが、決して逃げるとかいうことじゃなしに、本人は恐らくもうみずからここへ来て申し上げたい気持ちでいっぱいだろうと思いますが、私どもも信頼しておりますし、官房長以下大蔵省の職員も信頼している人物でありますだけに、そういう信頼関係の中で、本人が過去の記憶をたどりながら精いっぱい、事実は事実として率直に申し述べてくれたことを私どもが認識をし、集約をし、申し上げておりますので、ぜひ私どもの事実関係の報告を御信頼いただきたいと思います。
 なお、紀律委員会は、今後さまざまな角度から大蔵省全体の規律について真剣な論議をして一定の方向を見出していただこうと思っております。が、そういうものが報告が上がってきた段階で、また私から御報告を申し上げたいと思います。
#82
○山本(拓)委員 大臣がそこまでおっしゃるのなら、信頼してください、信頼しなさいということでそこまで当委員会で正式におっしゃるのならば、私はそれを承ります。信頼をいたします。ところで、話を変えまして、私も全然知らなかったのですが、地元に帰っていろいろ懇談会をやっていますと、先生、MOF担というのは何だねという話をよく聞きます。私も知らなかったからいろいろ調べたのですが、ある週刊誌、雑誌によりますと、これは都市銀行がいろいろ接待等をやっている人たちのことだということでございます。我々やはりそういう誤解も解いていかなくてはなりませんから、その誤解を解くためにも、きちっとそこの範囲を明確にしていかなくてはならないと考えているところでございます。
 ところで、銀行局長さん、また審議官、きょうはおいでいただいていると思うのですが、どれぐらいMOF担から接待を受けておられるのです。か、全くないということでしょうか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#83
○西村政府委員 MOF担というのは、そういう役割をやっておられる方のことを指しているのではないと私どもは理解をしております。MOF担というのは俗に言われている言葉でございます。が、恐らく大蔵省との連絡に当たっておられる、全体的な取りまとめを行いながら連絡に当たっておられる方のことを指しておるものと理解をしております。
#84
○山本(拓)委員 ということは、一切接待を受けてないということで理解してよろしいです。
#85
○西村政府委員 接待ということといわゆるMOF担という方のお仕事とは直接の関係はないものと私は理解しております。
#86
○山本(拓)委員 いわゆるMOF担という言葉がどのように解釈されるかは外しまして、では一切そういう接待は受けてない、いかなる者からもないということで理解してよろしいです。
#87
○西村政府委員 接待ということをどういう意味で使っておられるか存じませんが、私ども、仕事の上での連絡調整をするということはあるかと存じております。
#88
○山本(拓)委員 どういうことかと具体的に言いますと、料亭及びゴルフ関係です。その点についてどうです。
#89
○西村政府委員 仕事の上での連絡調整に当たることはあると思います。
#90
○山本(拓)委員 ということは、どのぐらいあるのでしょうか。
#91
○西村政府委員 どのくらいというのは、どういうことに関してどのくらいという意味で言っておられるのか、私にちょっと理解ができないところがございますが……。
#92
○山本(拓)委員 どれぐらいというのは、月に何回とか年間に何回とか、そういったことです。教えてください。
#93
○西村政府委員 私が年に何回ゴルフをしておるか、そういう意味でございましょうか。それとも、年に何回夜食をとっておるか、そういうお尋ねでございます。
#94
○山本(拓)委員 まあいいですよ、おつき合いしましょう。
 私が申し上げているのは、いわゆる銀行関係者とともに料亭及びゴルフをすることがありますかという質問と、あるということであるならば月に何回かという、一般論ですよ、一般的にどの程度あるのかということをお聞きしているのです。
#95
○西村政府委員 私、先ほどから申し上げておりますように、仕事の連絡調整ということで接することはございます。それが何回ということは一概には申し上げられない。その時々に、その人によってもいろいろなケースがあろうかと思います。
#96
○山本(拓)委員 では局長自身は、去年一年間とのぐらいと認識しておられます。
#97
○西村政府委員 必ずしもこういう権威のある場でお答えすべきようなことではないようにも思いますけれども、それは時によっていろいろなケースがございますから、一概に何回とかいうふうに申し上げられないと思います。
#98
○山本(拓)委員 私が申し上げたいのは、一般的に銀行、いや、要するにこれもいろいろ報道、報道というかうわさが、これは事実ではないということでお聞きしたかったのです。だから、一般的に二十回とか三十回とか、ゴルフは年間五十回、一回の料亭十数万円、ゴルフ一回十万円とか、まあ大蔵官僚だけで一千万とか、そんなくだらない報道が私は腹が立ってしょうがない。だから、それをきちっと、そうではないということを明確にしてほしいという観点から御質問をしているわけですから、再度お願いをいたします。
#99
○西村政府委員 ただいま例に挙げられましたようなことは、うわさでいろいろあるのかもしれませんけれども、そういうことは事実でないと私どもは思っております。
#100
○山本(拓)委員 事実ではないという明言、ありがとうございます。私は信頼をいたします。
 それでないと、銀行局長というのは、所管の銀行に通達を出したりまた検査する物すごい権限があるわけです。その関係の間にそういうことがあったらこれはまた大変なことでありますから、そういうことがないという御答弁でありましたから、私はきょうのところはこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#101
○尾身委員長 次に、若松謙維君。
#102
○若松委員 新進党の若松謙維でございます。
 山本議員に引き続きまして、本日は、住専の問題、さらにはデリバティブ、この二つの問題について質問をさせていただきます。
 その前に一つだけ、まずクリアしていきたいと思っておるのが二信組問題でございます。
 まさかの東京都の三百億円支援、これがお流れになった。そういうことですけれども、今回の東京共同銀行ができたときに、出資金として民間銀行が既にお金を出されているわけですけれども、これから今度は収益支援。要は無利息で貸し付けるとかそんなことではないかと思いますけれども、東京都の三百億支援があるからこそ民間の金融機関は、先ほどの出資金になりまたは収益支援もやるんだ、恐らくこういった形で東京共同銀行のスキームができたと思います。
 それでは、実際、東京都の支援の三百億円がだめになった。そうすると、今、民間の金融機関は、当初の前提が崩れたということで、でも既に出資金は、民間は約四百億円ですか出資しているわけで、かなり腹立たしく思っているのではないかと思います。
 それで、これから収益支援をこのスキームでやりますと、今後民間銀行の収益支援が求められる。出資金と同じ金額、約四百億円ぐらいだと思います。そうしますと、この収益支援というのが、実際に民間銀行が受けてくれるのか受けてくれないのかというのは、大事な問題だと思います。
 大蔵大臣、東京都の三百億円支援がなくなった。こういった状況において、これから民間金融機関が収益支援をやってくれるのかどうか、いかがお考えです。
#103
○武村国務大臣 私は、それはやっていただけるものと信じております。
 御承知のように、スキーム全体としては、今お話しの出資金、これは日本銀行の二百億と金融機関全体の二百億で、四百億はもう全部支出をしていただいております。加えて、預金保険機構からの四百億も、二十日の開業と同時に措置をしていただけるようであります。八百億。さらに、今お話しの支援という、これは全国の金融機関の融資を基本にした支援策でありますが、先般、東京都のああした予算措置があった後、東京都と日本銀行と大蔵省、三者が、金融機関の方々に集まっていただいてその状況を説明をしているようでありますし、その席では異論が出なかったようであります。
 そういう意味で、私は金融機関の御支援はいただけるものと信じておりますし、東京都も、恐らく議会も、五会派のあの文章を、声明文を見てみますと、都の監督の責任は重いということとあわせて、部かの金融機関の信用秩序の維持、預金者保護のためには十分な責任を果たしていかなければならないことを明確に表現されておりますし、そういう意味では、知事選挙の後、どなたが知事になられても、少なくとも東京都の責任の重さということは十分認識をいただいて、的確な御判断がいただけるものと期待をいたしております。
#104
○若松委員 東京都が何らかの責任を果たしてくれるのじゃないかと。
 そうすると、また大蔵大臣は東京都庁に出向かれるのです。新しい都知事が来られて、三百億円支援で再度。
#105
○武村国務大臣 これはもう御承知のように、都の監督責任については、都の執行部もそれから都議会の多くも率直にお認めになっていることでございますから、出向く必要はないと思っております。
#106
○若松委員 じゃ、私の聞きたかったところです。けれども、先ほど、収益支援は今後金融機関はやってくれる、そういうお話です。
 それで、幾つかの金融機関に聞いたのですけれども、この収益支援というのは、例えば、例えばですよ、マーケットで銀行が金利四%で借り入れて、それをただで、無償で貸し付ける。そうすると、調達コストはあるわけで、ところが収益はない。このコストというのは通常、一般的には、税務上寄附金扱いなんです。寄附金扱いですと、全額損金算入できないケースが多々あります。いわゆる有税か無税かという話です。
 民間銀行は、この収益支援は、いわゆる有税だったらとても支援できない。有税ということであれば、かなり民間銀行は怒ると思うのです。スキーム自体が崩れると思うのです。大変重要な、この有税か無税かの話になると思います。
 そうしますと、主税局になるのでしょうか、国税庁になるのでしょうか。この収益支援が実際に行われた場合、有税ですか無税ですか、どういう取り扱いになります。国税庁、お願いします。
#107
○堀田政府委員 お答え申し上げます。
 個別にわたる事柄につきましては、私どもは基本的に答弁を差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論として申し上げますれば、先生御指摘のように、寄附金課税が行われるかどうかという問題になるわけでございますけれども、それは、支援者と被支援者との関係、あるいは支援の内容などの具体的な事情を考慮いたしまして、支援を行うことに相当の理由がありまたその支援の内容も合理的だという場合には、その支援者が被支援者に対して供与する経済的利益について寄附金課税は行わないということにしているところでございます。
 ただ、これはあくまでも一般論でございまして、支援事案の内容はいろいろございます。本件の場合も含めまして、個々の事案が今申し上げましたような見方に合致するかどうか、それは個々に検討し判断をするということでございます。
#108
○若松委員 個々に判断す。要は、判断を先に延ばすということです。
 じゃ、実際に、これは国税庁、主税局が決めるのですか、それとも銀行局がこの有税無税を最終的に決めるのです。どういう手続になるのでしょうか。透明にしてください。
#109
○堀田政府委員 このタイプの問題につきましては、支援する金融機関なりあるいは監督する当局から私ども国税当局の方に照会がございまして、先ほど申し上げましたようなことで、支援者と被支援者との関係とか支援内容等、その具体的な状況に基づきまして私ども国税当局が判断をするということでございます。
#110
○若松委員 それでは、有税も可能性としてあるということです。
#111
○堀田政府委員 本件につきましては、収益支援の基本的スキームにつきましては私ども承知をしておりますけれども、その具体的な課税関係を判断しまずに際しましては、先ほどから申し上げておりますような支援者と被支援者との関係とか、個々の支援者がどういう形でどの程度の支援をする。るのかという具体的な話がございませんと判断ができないということでございまして、私ども、今の段階では基本的なスキームを承知しているという段階でございますので、課税関係、右にするか左にするかということについては、これから具体的な状況に基づきまして、支援の相当性なり、内容の妥当性、合理性について判断をしてまいりたいということでございます。
#112
○若松委員 これは大変重要な問題です。収益支援ができるかどうか、スキームが存続するかどうかという重要な問題です。これから検討ということですけれども、これはどうしてこれから検討なんです。もっと前から既に結論を出してしかるべき話じゃないでしょうか。どうしてこれからという、今から、やっと聞いた話なんです。銀行局から全然話を聞いていない、そういうことなんです。
#113
○堀田政府委員 先ほど申し上げましたけれども、収益支援の基本的なスキームについては、私ども、説明を聞いておりまして承知をしておるということでございます。ただ、先ほどから繰り返しておりますけれども、実際にこの寄附金課税を行うか行わないかということは、個々の支援者が支援をした場合にどう判断するかということでございますので、実際に個々の金融機関なら金融機関がどの程度の支援をどういう趣旨で行うのかということがありませんと判断はしかねるということでございまして、そういった判断をするような材料は私どもまだ持っていないということでございます。
#114
○若松委員 先ほどから個々、個々と言いますけれども、個々の銀行ということだと思うのですね。これは大蔵省からいただいた新銀行の出資払込額一覧で、銀行名がずっと並んで、例えばどこどこの銀行は幾ら、どこどこの銀行は幾ら。これを、個々に、状況ごとに違う、そういうことをおっしゃりたいのです。これは一律です。何か説明がちょっとかみ合わないのじゃないですかね。
#115
○堀田政府委員 こういう収益支援の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、支援をする金融機関なり、あるいはそれが広くわたります場合には監督する当局から私ども事前に照会を受けて、その内容を聞いて判断をしていくということにしております。
 その判断をするのをできるだけ早くスムーズにできるようにということで、総合経済対策において体制の整備等を図って敏速な対応をするということでやっているわけでございますけれども、今の段階で、私どもに対しまして、先ほど申し上げているようなところまで含めて具体的なスキームの提示があって、判断を求められるという状況には立ち至っていないということでございます。
#116
○若松委員 それでは、銀行局の考え方としてはいかがでしょうか。
#117
○西村政府委員 今回の処理方策は、両信用組合の処理のために民間金融機関が、金融システムの安定性の維持、ひいては支援金融機関の事業にも資するとの観点から広く収益支援を実施するものであると承知をしております。
 この点に関しまして、民間金融機関の方々がその税務上の取り扱いについて御関心が高いことは私どももよく承知をしておりますが、民間金融機関の収益支援の税務上の取り扱いにつきましては、このスキームの基本的な枠組みについて国税当局と御相談をしておるところでございまして、今後具体的な内容について税務当局に御相談をしてまいりたいと考えております。
#118
○若松委員 今、民間の金融機関も三月決算で、株価がかなり下がってきたということで決算対策も大変苦労されております。
 その具体的というのがちょっと抽象的なので、もうちょっと突っ込んでくれます。
#119
○西村政府委員 このような問題につきまして、すべての場合に税務上の取り扱いが事前に決まっておるというわけではございません。そこのところは税務当局の考え方と私どもの方の考え方をよくすり合わせをいたしまして、よく相談をして詰めてまいるというのが普通のケースでございまして、この問題につきましても、先ほど申し上げましたように、関係者の御関心が非常に高いということも私どもよく承知をしながら詰めてまいりたいと考えております。
#120
○若松委員 こういった新しい取引について税務上問題になる場合に、よく、ルーリングという形で事前合意という手法があるわけです。
 それで、私は民間金融機関の皆様の気持ちを代弁すれば、まさに大蔵主導で今回東京共同銀行のスキームができて、出資金も払わされた。そして収益支援もこれからやらされる。その収益支援が寄附金認定で、それでさらに有税で税金をかけられると、もうダブルというかトリプルショックです。そういう形で、かなり憤慨していると思うのです。そういった民間の金融機関の気持ちを察して、果たして有税でいいのかな。私が金融機関だったら恐らくとんでもないという気持ちだと思うのです。どうでしょうか、ルーリングという形で……。
 具体的にいつごろ、取引が始まってからです。か、それともその前です。
#121
○西村政府委員 私どもは、今回の処理方策に対する民間金融機関の出資ないしは収益支援が、私どもが決定したということではなくて、民間金融機関の自主的な御協力によるものというふうに考えております。しかしながら、私どもも、このような方策について御協力をお願いいたしましたということについてはそのとおりでございますので、私どもの立場からも、この問題につきまして民間の方々のお気持ちに沿うような方向で今税務当局に説明を申し上げておるところでございまして、これは税務当局との話し合いを今後も続けてまいりたいと考えております。
#122
○若松委員 では、今の税金、有税、無税です。けれども、大蔵大臣の御意向はいかがでしょうか。
#123
○武村国務大臣 大変この点を御心配をいただきまして、ありがとうございます。
 私は税のことは詳しくわかりませんが、気持ちとしては、このスキームが予定どおりスムーズに成就することを心から期待をいたしている次第でございます。
#124
○若松委員 ぜひ勉強してください、大切な歳入面での責任者でございますので。わからなければ教えてさしあげますので。ぜひ温かい配慮を私は求めるものでございます。
 続きまして、住専の問題に移らせていただきます。
 この住専の前に、先ほどの東京都支援、これが流れたということで、じゃ次、関心が、やはり世間は早い、マスコミの皆さんも住専の記事をかなり書いていらっしゃいます。今回の東京共同銀行以外に現在の不良債権、これは日本の経済全体としてどうなっているのか。ここら辺がやはり関心があって、その上で、じゃ住専の問題はどうなのか、そしてさらに、その後に続く農協関係の問題ですね、どうなるのかということを明確にしたいと思っているのではないかと思います。
 私なりに調べました。昨年九月末のいわゆる都銀、長銀、信託の不良債権、これは残高として十三兆三千三百億円、これはもう公表されております。そして、この十三光何がしに担保保全、さらにはいわゆる債権償却特別勘定、これが設定されている金額がかなりありまして、全く何もされていない、いわゆる要処理債権、これは約四兆円あります。
 不良債権がどんどん減っているという事実もあります。これはなぜかというと、共国債権買取機構が平成四年度にできまして、それ以降、買い取り実績、いわゆる不良債権を共国債権買取機構が買い取りまして、今までに、先月末で約七兆三千億円買っております。買っているというのは債権額面であって、実際の買い取り価格は三兆三千億円。要は四兆円、金融機関として債権買取機構に処分することによってこの不良債権を損として実現している。こういうスキームがあるわけですけれども、共国債権買取機構も、実際に三兆円買ったけれどもそのうち幾ら回収しているかというと、一千六百億円です。ほとんど回収できない。そうすると、これも正直言って不良債権です。不良債権を移しただけ。一部不良債権を損として実現した。
 こういう状況で、さらにそのほかに、よく大蔵で言う不良債権の予備群、四分類ですか、例えば貸し出し注意先とか、いろいろな区分けがあります。こういう予備群というのは今どのくらい実際に、四分類と言われるところであるのでしょうか。
#125
○西村政府委員 ただいま不良債権の現状について大変に精密な分析をしていただきまして、私どもの認識もほぼ同じでございます。
 御指摘のように、いわゆる公表不良債権につきましては、九三年の九月末をピークにいたしまして、公表不良債権額から手当て済みのものを除きますと、いわゆる未処理の残高で申し上げますと随分と減ってはきておるわけでございますが、これは御指摘のように、部長銀、信託、マネーセンターバンク二十一行のものであり、かつ公表されている部分でございますので、このほかにも、世間で不良債権という概念で呼んでおるようなものがございます。
 一つは金利減免債権というふうに言われておるものでございまして、公表されておるものが破綻先債権と延滞債権であるわけでございますが、そのほかにも、金利減免を行っておる債権がございます。
 これにつきましては、もともと回収を前提とするものでございますので、破綻先債権や延滞債権と少し性格の異なるものではございますけれども、必ずしもすべて回収できるとは限らないという意味で、十分留意をしていかなければいけないものだと存じております。これが正確にどれくらいの額がということについては、今後ディスクロージャーの手続を進めていく中で把握していくべきものだと存じております。
 なお、このほかに、この二十一行以外の地域金融機関、あるいは協同組織金融機関の不良債権というものもあるわけでございまして、今回の二つの信用組合の破綻処理という問題もこのような部分に関する不良債権の処理の一環だと認識しておるところでございます。
#126
○若松委員 先ほどの都銀、長銀、信託、要処理債権約四兆円、これから手当てが必要なもの。さらに共国債権買取機構、これもいまだいっぱいある。三兆以上ある。そのほかに地銀、第二地銀等もある。先ほどの不良債権予備群、金利減免債権等もあるわけで、これも当然表面化してくると思います。そうすると、現在の共国債権買取機構の不良債権処理のスキームで果たして克服できるのかどうか、これは大変国民の関心の的ではないかと思いますけれども、大蔵省の見解はいかがでしょうか。
#127
○西村政府委員 共国債権買取機構に関しまして申し上げますならば、先ほど御指摘のように、買い取り実績の累計で、債権の額面ベースでは七兆三千三百億ほどございます、それから、買い取り価格で三兆三千六百億というような計数になっておりますが、一応これは不良債権の処理としては帳簿上は終わっておると考えてよろしいかと存じます。
 問題は、依然として処理をし切れないで残っておる不動産というものがあるわけでございます。が、それが十分に処分し切れないままに、回収されないで残っておる、そういう実態が問題であるというようなことがよく世の中で言われるわけでございます。私どももこれは、不動産が流動化するためにはやはり経済情勢の変化を待たなければならない要素が非常に多いと存じますが、一応帳簿の上での不良債権の処理というものは終わっておると考えております。
 なお、こういう工夫のほかに、先ほど申しましたような、マネーセンターバンクの公表不良債権以外の問題を処理するのに十分な手段が用意されているかということについては、私どももこれからまだまだ工夫をしなければいけない、いろいろな工夫をしながらこの問題に真剣に取り組んでまいりたいと考えております。
#128
○若松委員 今のところ共国債権買取機構以外にお考えにはなっていない、そういうお答えだと思います。
 それで、住専に移らせていただきます。
 現在この住専、住宅金融専門会社、八社あります。そして今、この八社の平成六年三月末の借入金残高、借入金残高というのは、いわゆる母体行、この住専を設立した都銀、信託、長銀または地銀、証券会社も入っております、そういったところが貸し付けているわけです。いわゆる母体行として、または融資行として貸し付けている。この貸付額、住専としての借入額は現在十四兆円。その五割以上が不良債権と言われております。いわゆる不良債権というのは、破綻または延滞貸し付け、そういうことでかなり危ないということで、七兆円です。ですから、さっきの要処理債権四兆円、さらに共同買取機構三兆円、さらにここで七兆円、こういうふうにいっぱい出てくるわけです。
 住専に関しまして、この住専をどういうふうにするかということで、これも大蔵省がやはりスキームを考えられたわけです。いわゆる金利の減免です。いわゆる母体行が金利はゼロ、さらに一般行、系統ということで、これは金利の低減、そういうような処置をして、少なからずこの住専八社のキャッシュフローはチャラにす。そういうことで、とりあえずこの十四兆円の借入金、債権ですね、債権をとにかく十年間生かす、十年間年かして、十年後の不動産市況にゆだねる、大変苦しいスキームなわけです。
 ところが、三月一日の日本経済新聞社の記事によりますと、この住専、八社ありますけれども、そのうちの一つ、総合住金、これは第二地銀主体の住専です。これが、「本年の三月末に返済期限の来る借入金元本を計画通り返済することが困難になり、農林系金融機関に返済繰り延べを要請し始めた。」こういうふうに記載されているということです。この金額が約三、四百億円だと思います。
 とにかく今の金利減免のスキームで十年間何とかこの住専をもたせて、十年後の不動産市況の活況に任せる、大変気の短い日本人で気の長いスキームだと思います。ところが、一方に具体的にこうやって総合住金さんがそういうふうに返済の繰り延べを要請している。さらに、去年の九月末の決算でも八行中四行が実際に債務超過。もうかなりこのスキーム自体が機能していないのではないか、崩れているのではないか、恐らくそういう認識が一般ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#129
○西村政府委員 いわゆる住専の八社につきましては、先ほど御指摘のような借入金残高あるいは貸付残高というものを抱えまして、いろいろと苦労をしておられることは事実でございましょう。
 このような状況を踏まえまして、一昨年の二月から六月にかけまして、七社につきましてはそれぞれ十カ年にわたります再建計画を策定いたしまして、今それに取り組んでおられるわけですけれども、その実績を見てまいりますと、計画よりも少し下振れをしておるかなという感じでございまして、私どももその進捗状況を注意して見守っておるところでございます。
 十カ年ということになりますと二十一世紀になってしまうわけでございますけれども、もとよりそういう問題はできるだけ早く解消をするということが望ましいわけでございまして、私どもも今後この問題に、もともとは民間金融機関同士の話でございますので民間金融機関ベースでの努力が前提になるものでございますけれども、私どもとしてもこの問題を注意深く見守ってまいりたいと考えております。
#130
○若松委員 その早く解消ということは、要は、今のところ不動産市況の回復を希望するしか、ほかには手はない、そういうことです。
#131
○西村政府委員 この問題は、なかなか難しい、またボリュームとしても大変大きな問題でございますので、一つの考え方で快刀乱麻を断つごとく解決できるとは考えておりませんけれども、いろいろな方面からの努力を当事者の方々にもしていただきたいと思いますし、私どもも、そういう問題を注目しながらこの問題に取り組んでまいりたいと考えております。
#132
○若松委員 実際に日本の不動産のマーケットの特徴としては、いわゆるキャピタルゲインねらい、その時価の上がりをねらう。利回り、いわゆるイールドはほとんどない。ニューヨークとかアメリカの不動産マーケットは、いわゆるイールドというのですが、利回り志向、キャピタルゲインはそんなにねらわない。ロンドンはその中間、キャピタルゲインも利回りもそれなりにねらう。
 恐らく今日本の不動産マーケットというのは全くキャピタルゲインねらいで、世界の不動産業界からすれば非常に異例な業界だからこそこれだけバブルがひどくなった。それがはじけて、ではどこら辺に落ちつくのか。そういうことを考えますと、世界の例を見ると、ニューヨークまでいかないまでも、やはり落ちどころはロンドンぐらいの、いわゆるイールド、利回りとキャピタルゲインねらい、ここら辺の接点じゃないか。そうすると、やはり利回りというところで、不動産市況が活況ということになれば、投資利回りは三、四%、少なくとも。ところが、まだせいぜい二%ちょっと、二%台だと思います。
 果たしてこういう日本独特の不動産状況で、このスキームで解決できるのか、十年後大変厳しい状況になるのか、これは大変重要な問題だと思うのですが、いかがでしょうか。
#133
○西村政府委員 大変に精密な分析に立っての御議論だと存じますけれども、多くの人々は、この問題が、過去において何回かありましたように、不動産市況の回復とかそういうことだけで解決できるものだとは考えておられないだろうと思いますし、私どももそのように楽観をしておるわけではございません。いろいろ難しい条件の中で努力をしていかなければならない問題だと思っております。
#134
○若松委員 それでは、またリスク管理の話をさせていただきますけれども、万が一を考えて、不動産市況が回復しない、この八社のうちどれかは大変になる、また救済が必要だ、そういう状況が万が一来た場合に、いわゆる資金繰りに窮した。支障を来したこの住専に対して公的資金の活用というのを考えていらっしゃいます。
#135
○西村政府委員 この住専と言われるものが、例えば今回問題になっております信用組合などと違うのは、預金を受け入れていないということでございます。公的資金という定義というのは、これもまた人によっていろいろあろうかと存じます。しかしながら、その多くは、預金というものの性格、国民が預金というものに持っている信頼を維持するためにどうしたらいいかということで議論をしておるケースが多いかと存じます。
 そういう意味におきましては、この住専問題というのは少し違った色彩を持っておるかと存じますので、その違いは我々も認識しつつ問題の処理に当たってまいりたいと考えております。
#136
○若松委員 今、住専は預金はやらない、ですから万が一住専がだめになった場合でも、預金がないからペイオフとかは必要ない、そういうことです。実際にこの資金源は、母体行または融資行、いわゆる金融機関同士の話、そういうことになるわけです。金融機関同士の話になった場合には、どんなことがあってもペイオフは必要ないし公的資金は必要がない、公的資金を手当てする必要はない、そういう理解でよろしいわけですね。
#137
○西村政府委員 今御指摘のように、住専そのものには預金はないわけでございまして、したがって、住専に関してペイオフとかそういう問題は生じないわけでございます。しかしながら、住専の資金というものは預金を集めている金融機関から融資されているというケースが多いわけでございまして、そういう意味では、住専の経営状況というものはひいては預金を扱っている金融機関の経営状況というものにつながってくることは御指摘のとおりでございます。
 したがって、私どもといたしましては、そういう影響がどの程度出てくるのか、それに対してどのように対応する必要があるのかということは真剣に考えなければいけない課題であろうかと考えます。
#138
○若松委員 そうすると、局長の話は、預金はないけれどもやはり住専の借入金のもとの原資は当然預金だ、万が一住専の幾つかがだめになったとすれば、そうすると預金ということで最終的に母体行なり融資行の経営に関係してくるからやはり公的資金は否定することができない、そういうことです。
#139
○西村政府委員 私は、今仕組みという意味で申し上げた次第でございまして、住専の経営状況というものは確かにいろいろ御苦労は多いかと存じますけれども、今十カ年の計画を立ててその経営の再建に取り組んでおられるところでございますので、私どもはその経営努力の状況を見守っておるところでございます。
#140
○若松委員 ここで、では自己責任という観点から、自己責任といったって直接ではなくて、間接で母体行なりに影響を及ぼす、そういう状況で、ではこの住専に絡む問題についても、繰り返しますけれども、公的資金の活用というのをやはり捨てることはできない、そういうことです。
#141
○西村政府委員 私どもは、金融機関の経営というものは自己経営努力によるというのがその原則であると考えております。したがって、金融機関の経営の再建のためには何といってもまず金融機関自身がその再建に取り組み、努力をしていくということが大前提になると考えておりますし、今そういうことで皆さん真剣な取り組みをしておられるところでございます。今御指摘のように、公的資金をどのようにするかというようなところまで私どもの検討はまだ進んでおらないと申し上げる段階でございます。
#142
○若松委員 経営努力されているから当面見守る、そういうことです。
 では、見守るというのが、経営努力されている住専に対して果たして激励なのか、甘えなのか、これは両面とれると思います。甘えではないというところをどうやって保証されます。公的資金の活用というものを今おっしゃられない。使うかもしれない、使わないかもしれない、これは甘えにつながると思うのですけれども、それはいかがです。
#143
○西村政府委員 甘えというふうな御指摘もございましたが、私どもは金融機関がみずからの経営努力で再建に取り組むというのが大前提であると考えておりまして、決して甘えることなくその経営努力をしていくということを私どもも見守っておるところでございます。
#144
○若松委員 大臣、お話をお聞きいただいて、この住専、公的資金の活用というところで、万が一のリスクを想定してどういうふうにお考えなのか、所見をお願いします。
#145
○武村国務大臣 住専をめぐる経営の問題が存在することは認識をいたしております。お答えいたしておりますように、それぞれ十カ年の再建計画を立てながら、大変厳しい状況のもとではありますが再建に当たっていただいているところでございます。
 今、仮定の上で万一ということでありましょうが、公的資金をどうこうというところまでお答えするのは少し遠慮をさせていただきたいと思っておりますが、真剣に住専の経営の行方を見詰めているというふうに申し上げておきたいと思います。
#146
○若松委員 やはりこの住専を通した自己責任というのは大蔵としてもまだ明確に断言できない、そういうことではないかと理解いたしました。
 それでは、この住専問題ですけれども、先ほど局長が、基本的には民間の金融機関同士の問題だ、いわゆる母体行または融資行、これの金融機関同士の問題だと。では、母体行と融資行、責任はどちらが重いのです。どちらに優先させるべきなのです。
#147
○西村政府委員 今御指摘の点が大変難しいところでございまして、お金を貸した側と借りた側でそれぞれのお立場の御主張がございます。今そういうそれぞれのお立場の御主張をお互いに述べ合ってその解決策を見出していこうとしておられるところだと存じますので、そのような民間同士のお話し合いの成り行きを私どもも見守っておるということでございます。
#148
○若松委員 民間同士ということは、では大蔵の皆様のいわゆる関与なしに民間同士で話を決めてもらう、そういう理解でよろしいわけです。
#149
○西村政府委員 御指摘のように、この問題は基本的には民間の当事者同士の問題でございます。
#150
○若松委員 それではちょっと歴史をひもといてみたいと思いますけれども、住宅金融会社、住専ですね、この住専は昭和四十年代後半に個人住宅ローンを扱う子会社、そういう形でつくられたわけです。当然その母体行がある。いわゆる都銀系とかまたは地銀系とか、そんないろいろな住専が現在まで八つできた。ところが、当時余り母体行、都銀なりがやらなかった住宅ローンに対して、みずから不動産、個人住宅ローンのマーケットに進出して、結果的にこの住専の仕事の分野がいわゆる母体行にとられてしまった。ではどうしようかということで、住専はまさにバブルの時期に乗じて不動産事業に手を出した。結果的にさっきの七兆円の不良債権。
 この住専ですけれども、できた当初は、主要役員、全部大蔵省からの官僚なのですよ、社長は。先ほど金融機関同士で決めてくれという話ですけれども、この住専は、社長が八つ全部大蔵官僚です。これは大蔵省主導です。いかがですか。
#151
○西村政府委員 御指摘のように、住専会社は主として住宅の取得に必要な資金の貸し付けを業務とするものでございまして、昭和四十六年から五十四年にかけまして、当時の旺盛な住宅資金需要に応ずべく民間金融機関が共同で設立したものと承知しております。
 ただいま大蔵省出身者がすべての住専の社長という御指摘がございましたが、そういうことはございませんで、住専八社のうち数社の役員の中に大蔵省に在籍した経歴のある者がいることは事実でございますが、御指摘のようにそんなにすべての住専の経営に当たっておるというわけではございません。
#152
○若松委員 それは間違いじゃないでしょうか。確かに現在の会長もしくは社長で大蔵出身は三つあります。ところが、設立当初はこれは全部大蔵官僚だと聞いております。それは正確です。
#153
○西村政府委員 現在、八社の社長のうち二名が大蔵省に在籍した者でございます。
#154
○若松委員 会長はいかがです。
#155
○西村政府委員 住専の会長をしている者は、大蔵省出身者では一人おります。会長と社長を合わせまして三名でございます。
 それから、過去をさかのぼりまして、発足当初全員がというお話でございましたが、私の理解しておるところではそうではございません。
#156
○若松委員 それでは、この住専に対する大蔵官僚、累計では何人です。
#157
○西村政府委員 ちょっと私、今正確にお答えするだけの用意がないのですが、手元に住専各社の社長、会長の過去の事例を記したものもございますけれども、御指摘のように、必ずしも大蔵省の出身者が経営に当たっておるということではございません。例えば、住専の会社の中には社長として大蔵省出身者が全く就任していないケースもございますし、現段階において会長にも社長にも就任していない住専もございますので、ちょっと累計という勘定の仕方が直ちにはできませんけれども。
#158
○若松委員 累計は、これは国民の関心が高いと思いますので、理事会でぜひ検討、調べていただくように、委員長よろしくお願いします。
#159
○尾身委員長 どうぞ、質問してください。
#160
○若松委員 局長、これはぜひ委員会に資料を提供されるように要請いたします。
#161
○西村政府委員 累計という意味がちょっと私に理解できなかったので先ほどのようなお答えを申し上げたわけでございますが、累計という意味が住専の社長に過去一回でも就任したことのある会社の数という……(若松委員「そうじゃないです。役員です」と呼ぶ)役員。それは、歴史的に設立以来の累計という意味でございます。私、今ちょっと手元にそれにお答えをする用意がございません。
#162
○若松委員 今は無理だと思いますから。
 それと、先ほど何行かは大蔵官僚が会長なり社長なりを設立当初やっていないと。全く大蔵官僚が入っていない住専は幾つあるのです。
#163
○西村政府委員 現時点で申し上げまして、社長、会長はもとより、役員にも大蔵省の出身者が入っていないというものは、例えば手元の資料では三社ございます。
#164
○若松委員 私とは情報が違うので、事実をやはり、山本議員の質問に非常に似たパターンになってきますけれども、ちょっと事実と違うのですね。
#165
○西村政府委員 客観的な事実でございますので、私の理解しておるところを御説明申し上げますと、八社のうち、住宅ローンサービスには大蔵省出身の役員はおりません。それから、第一住宅金融、協同住宅ローンにも大蔵省出身の役員は現在おらないと理解を……(若松委員「現在じゃない、設立当初から」と呼ぶ)設立当初でございますか、設立当初からということで申し上げますと、――役員です。
#166
○若松委員 まず、設立当初の会長もしくは社長。
#167
○西村政府委員 設立当初で大蔵省出身の会長、社長がいなかったのは住宅ローンサービスでございまして、この住宅ローンサービスに関しましては、現在に至るまで大蔵省出身の社長というものは就任したことがございません。
#168
○若松委員 八社中一社だけということで、あと七社はやはり大蔵官僚の方が入っている、この事実をまず明確にしておきます。
 いずれにしても、この事実だけ見ましても、住専のスキームというのは、やはり大蔵省の主導というのですか、これはかなり大きいと思うのです。結果的に今回のバブルの被害が大きくなった。こういうような住専がつくった数兆の不良債権がここでもできた。これはやはり住専という問題は、先ほど金融機関同士の問題だとおっしゃいましたけれども、大蔵省の監督責任の問題じゃないのです。なぜ、本来の個人住宅ローン以外の事業、不動産事業に乗り出したときに、母体行を通じて明確に監督を指示しなかったのです。答弁してください。
#169
○西村政府委員 住宅金融専門会社が設立されました当時、金融に精通した者として大蔵省の出身者が役員として迎えられたケースはたくさんあると思いますけれども、その後、この住宅金融専門会社の経営が軌道に乗りましてからは、次第に民間の方々にそういう立場が移りつつあるというふうに理解をしておりますし、かつ大蔵省出身者がその経験を買われて経営に当たります場合にも、それは民間金融機関の経営者として能力を発揮しておるということでございまして、大蔵省の行政との関係におきまして、出身者であるかないかということは必ずしも関係がないのではないかと考えております。
 むしろ、それぞれ民間経営者としてその能力を発揮してこられたわけでございますし、大蔵省は、この住宅金融専門会社というのは一般の銀行とか協同組織金融機関よりもより緩やかな監督検査体制の対象として、創意工夫が発揮できるような、そういう枠組みの中で経営に当たってこられたものと理解をしております。
#170
○若松委員 それでは、大蔵官僚の出向の話は抜きにしても、大蔵のいわゆる大蔵検査さらには日銀考査、こういった監督をしている中でやはり母体行をしっかり、母体行はやはり大蔵管轄なわけなんですね、大蔵の監督責任があるわけなんです。その結果、この八社の住専は、八社というか大体七社ですけれども、不動産事業に乗り出した。これ自体はやはり大蔵の監督責任の甘さじゃないのでしょうか。
#171
○西村政府委員 御指摘のように、発足当初は住宅金融というものに重点を置いて経営しておったわけでございますが、近年に至りまして、銀行、金融機関がみずから住宅金融というものに乗り出しまして、いわゆる住専の独自の活動分野というものが狭まってきた結果、不動産金融等に乗り出したのではないか、そういう御指摘は多いところでございます。
 しかしながら、それが行政の結果であるということではなくて、むしろ民間金融機関の経営方針としてそのように進めてこられたわけでございますし、恐らくそういう金融機関みずからが住宅金融に乗り出す中で、それでは、そういうところが母体行になっている住宅金融専門会社の経営をどのようにしていくかということは、民間金融機関においてもいろいろと考えながら運営をしてこられたものと考えておりまして、必ずしも行政というものと直結した問題ではないと考えております。
#172
○若松委員 私はそうは思いません。明確に思いません。これはやはり大蔵主導であることは、時間がありませんので、今後、私たちの同僚、新進党の議員がいろいろと追及してくれるものと確信しております。
 残り十分になりましたので、またこれも関心のあるデリバティブ、大変専門的なお話になりますので、ぜひ委員の先生方、目をあけていらしてお聞きいただきたいと思います。
 それでは、やらせていただきます。
 この金融派生商品、いわゆるデリバティブ、まさにベアリング証券、これは海外で起こった事故で、最終的に全世界のベアリングの経営が困難に窮した。そういうことで、他の買収先に救済されたということですけれども、このデリバティブについて、基本的にオフバランスですから大変管理が難しい。かつ、オプションにしろ、スワップにしろ、わずかの参加料でその参加料の何十倍もの契約ができる。それだけに、参加料の何倍、ある意味では十倍近くの損が一遍に出る。かつオフバランスということで、大変危険な、リスクの高い取引。それが非常に今マーケットとして成長しているわけです。
 それでは、大蔵省にお聞きしますけれども、金融機関、銀行さんはかなりノウハウがあって、かつ過去にも事故がありました。そういったことで、一生懸命やられております。証券会社もかなり監督の目を光らせていると思います。
 それで、生保、損保は大蔵省としてしっかり監督されていますでしょうか、このデリバティブについて。
#173
○西村政府委員 デリバティブ取引は、近年急速に拡大しているところでございますが、その反面におきまして、リスクが、基本的には従来の伝統的金融商品と変わるものではございませんけれども、複雑に絡み合っている商品や価格の変動幅が特に大きい商品もあるため、不測の損失につながる可能性もございます。
 こうしたことから、生損保全社におきましては、資産運用における為替リスク、金利リスク、有価証券の価格変動リスク等をヘッジするために、オプション、為替予約、金利スワップ等のデリバティブ取引を活用しているところでございますが、当局といたしましても、証券先物取引等について保有限度枠を設けるなど、保険会社の健全なリスク管理の実施を確保すべく監督の充実に努めているところでございます。
#174
○若松委員 それで、最近デリバティブに対して規制を強化すべきだという動きがありますけれども、これについては大蔵省の見解はいかがでしょうか。
#175
○西村政府委員 ただいま申し上げましたように、デリバティブというものは便利な反面、いろいろとリスクが複雑多岐にわたっておるところがございます。そのように、デリバティブ取引にはリスク管理が困難な面もございますが、国民経済的な有用性も大きいことから、大蔵省といたしましては、これを直接的に規制しようというよりも、デリバティブ取引が適正に行われるための環境の整備が重要である、そのように考えております。
 また、各国の金融当局においてもこのような意見が多いと承知しておりまして、私ども、そのような国際的な動向をも勘案しつつ、現在金融制度調査会の基本問題検討委員会等におきまして、そのあり方を御審議いただいているところでございます。
#176
○若松委員 大変満足のいく回答でございます。
 それでは一般事業会社、金融機関とか上場会社はそれなりのしっかりとしたチェックを受けるわけですけれども、一般事業会社、特に日本酸素というのが大変有名な巨額のデリバティブによる欠損を出しました。これについては通産省でしょうか。通産省はやはり通産省としての、デリバティブに対して一般事業会社に何らかの規制なりをかけていくのでしょうか。いかがでしょうか。
#177
○小平説明員 御説明申し上げます。
 デリバティブに関しましては、金利、為替相場等の変動に伴いますリスクをヘッジする手段ということで、活用法を誤らなければ事業会社にとって有用な手段であるというふうに認識をしているところでございます。
 事業会社がデリバティブを含みますいろいろな金融商品をどのように選択し利用するかは、それぞれの企業の経営判断の問題であるというふうに考えているわけでございますけれども、そういう判断の前提といたしましては、それぞれの会社が、商品の特性でございますとか内在するリスク等につきまして十分理解をして、リスク管理を十分に行った上で活用することが望ましいと考えております。
 しかしながら、通産省としては、金融商品としてのデリバティブにかかわる制度については所管をしておりませんので、これについて述べることは差し控えさせていただきます。
#178
○若松委員 そういうことで、要は通産省はデリバティブをあえて規制するとかそういうことはしない、これが明確になりました。結局先ほどの、リスク管理が重要だ。
 さらにもう一つ、このデリバティブを健全なものにならしめるためには情報開示が必要だと思います。現在、金融機関並びに上場会社、これはいわゆる一般会計原則に従って時価情報が求められております。決算日時点のそのデリバティブの取引のいわゆる値洗い、実際損をしているのか得をしているのか、こういった情報が要求されているのですけれども、時価というのは取引所があるもの。ところが、このデリバティブのほとんどは、大半は取引所のない相対取引、いわゆる店頭またはOTCと言われる取引なのです。これは時価じゃないがゆえに公開をされておりません。大変不備だと思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
#179
○日高政府委員 委員御指摘のように、デリバティブの多くのものにつきましてはオフバランスということもあり、そういったいろいろな問題があるということで、近年このディスクロージャーにつきましてもかなり整備が行われてきたわけでございます。ただ、御指摘がございましたように、例えば先物取引についても上場物に限られているといったような問題があることは十分認識をいたしておるところでございます。
 御質問がございました店頭デリバティブの問題につきましては、例えば店頭デリバティブの市場価格というものをどのように把握していくか、あるいはどのように測定するかという問題もございますし、また、仮に価格の測定ができたといたしましても、その価格にどの程度の客観性や厳密性があるのか。上場物と比べてどうしても店頭の場合にはそういったいろいろな問題がございますので、そういった点について十分議論を進めていく必要があるということを考えております。
#180
○若松委員 私、イギリスに四年、アメリカに二年おりました。そこで、現地の時価情報、デリバティブの時価情報を見ました。OTCは当然一応フェアマーケット、時価として、それなりのサポートドキュメントがあればちゃんと時価情報として認めております。日本は、しゃくし定規に考えているがゆえに、ほとんどのOTCが公開されていない、まさにリスクが表に顕在化されていない、そういう状況なんです。これはぜひ改善してください。
 続いて、金融機関、上場会社はいいんですけれども、一般事業会社、これは大蔵は管轄じゃないので法務省になると思います。商法の世界になると思います。非上場の一般事業会社に対して、会計処理、評価ですね、さらには情報開示、これの唯一の規制は商法ですけれども、商法は取得原価主義ということで、値洗いとかそういうのを認めない。また情報開示もまだ不整備だ。法務省はデリバティブ取引に対してどういったお考えでしょうか。
#181
○菊池説明員 お答え申し上げます。
 いわゆるデリバティブといいますものは比較的新しい現象でございますので、その評価や開示についての商法上の考え方といいますものはまだ固まっていないわけでございます。
 私どもといたしましては、デリバティブにもいろいろな内容のものがあるようでございますので、まず、当事者間にどのような権利義務関係があるのか、または債権債務関係があるのかといった点から検討し、それぞれのデリバティブを法律上どのような資産として位置づけることができるのかといった点から問題を考えていく必要があるというふうに考えております。
 この問題につきましては、これからなおさらに勉強してみたいと思っております。
#182
○若松委員 最後になりますけれども、例えば日本ですと、商法、税法、そして会計と三つが絡み合って、新しい金融商品等に対して非常に対応が鈍い制度となっておりますのであるがゆえに、ぜひ法務省としても、商法、具体的には計算処理規則ですね、そういったところでの新しい動きに対応できるような前向きの検討をぜひ早急にしていただきたい、それを要望して、本日の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#183
○尾身委員長 次に、佐々木陸海君。
#184
○佐々木(陸)委員 十五分と時間が限られておりますから、端的な答弁をいただきたいと思います。
 きょうは円高問題を論議するということになっておりますので、最初にちょっと円高の問題をお聞きしたいと思います。
 一ドル八十円台というような現在の円の状況を、政府は正常と考えているのか異常と考えているのか、異常と考えているんでしたら、その原因と対応はどう考えているのか、端的に大臣の見解をお聞きしたいと思います。
#185
○武村国務大臣 過般から今日にも至っております円の相場をめぐる急激な変動、今回も円高でございますが、このことはどう考えても正常な状況とは思っておりません。特に、さまざまな各国の経済の状況というものを的確に反映したものではありませんし、日本側に主たる要因があるとも思えないだけに、今回の事態については大変憂慮をしながら、懸念をいたしているところであります。
#186
○佐々木(陸)委員 異常だったら、その原因は何で対応は何かということもお聞きしたのですが、憂慮していると言うだけで、対応については余り明快な答弁がありませんでした。何かありますか。
#187
○武村国務大臣 昼間石原議員の質問にお答えをいたしたと思っておりますが、御記憶いただいておりましょうか。
#188
○佐々木(陸)委員 大変失礼しました。
 私ども、今度の円高の問題についても、一つは、ドルが基軸通貨であるにもかかわらず、アメリカが国際通貨制度の安定のためにしかるべき努力を払っていないという問題が一つあるだろうと思います。今大臣が、主として日本の問題ではないだろうと言ったのもその問題に含まれるのかもしれません。
 それからまた、日本の問題としては、日本の少数の大企業が長時間過密労働でどんどん輸出をして黒字をため込むという問題もあります。さらに、為替投機というような問題も背景に重大な問題としてあるのではないかと我々は考えています。
 例えば、東京外国為替市場の一日平均の取引高は、九二年月月の調査によりますと千二百八十億ドル、同じ年の日本の貿易額は年間で五千二百九十四億ドル、一日平均だと十四億五千万ドル。ですから、これは非常に乱暴な計算ではありますけれども、一日間の貿易に必要な額の約八十八倍の外国為替取引がなされているわけであります。ここにはもちろん資本取引に伴う外国為替取引もありますけれども、当然外国為替取引そのもので投機的利益をせしめようとする取引が広範に行われているという問題があるだろうと考えております。
 こういう問題もきっちりと対応を考えていかないとこの円高問題なんかに対処していけないという観点から、一つだけお聞きします。
 こういう外国為替取引に投機的に関与して、日本の国民の生活の安定の根本にかかわる通貨レートをこういうふうに変動させている、こういうものに対して大蔵省としてもきっちり調査をして、どういう者がどういう投機をやっているのかということを大いに公表するというようなことをやったらかなり防げるんじゃないかと思うのですけれども、そんな点についてどう考えます。
#189
○加藤(隆)政府委員 委員御指摘のように、現実の為替市場におきます取引は、いろいろな取引要因に基づく取引が一体となって取引されているところでございます。そうした個々の取引の動機にさかのぼって調査するということは現実的には難しいことではないかと思っております。
 さらに、今日では国際間の資本取引について、自由な資本取引を認めることが既に国際的に確立した原則になっており、二十四時間、世界の各市場で同じ為替取引が行われているということも踏まえた対応が必要と考える次第でございます。
#190
○佐々木(陸)委員 無理だろうという話であります。
 現在の円高の問題などは、端的に言えば今日の世界の経済体制そのものの矛盾、そういうものから生まれている。だからそれに対する対応というものもそう単純ではない、簡単にはいかないという問題が現実にあるわけでして、やはり経済体制、自由な取引とかいう体制になっているわけですけれども、やはりその中で、そこを打ち破るような提起をしていかないと、単純には解決していかないんじゃないかということを申し上げておきたいと思います。
 次に、二つの信用組合の問題についてちょっとお聞きします。
 この信用組合の問題に関連して政府が今とりつつある措置について、国民の批判は強いわけですが、ああいう措置をとる理由として、二つの信用組合、これを破綻させていくならば全金融システムを危機に陥れるのだと言わんばかりのことを政府は言っているわけですが、さきの、女王陛下の銀行とさえ言われたイギリスのベアリングズ社、この倒産についてはイギリスの政府当局は何もしなかったし、そしてあれが倒産したからといって信用不安やパニックみたいなものは一切起こっていないわけですが、この東京の余り名前も知られていなかった二つの信用組合が破綻すると日本の金融システム全体が大変なことになるのだという説明は、どう見ても国民的には納得が得られないと思うのですが、大臣の口から納得のいく筋道をちょっと教えてください。
#191
○西村政府委員 今御指摘がございました中で、イギリスとの比較がございましたけれども、いわゆるベアリングズ社の問題というのは、マーチャントバンクと言われておる組織でございまして、どちらかというと日本では証券会社に近い組織がと存じます。
 イギリスにおきましても、今回と同様の問題、セカンダリーバンクと言われるものが次々と経営破綻を生じまして、金融システムの危機と言われた時代がございました。日本でもその問題については、ライフボート作戦ということが言われまして、イギリスの例をとりまして日本にもそのような考え方を適用すべきであるという議論がなされたぐらいでございまして、決してイギリスにおいては日本とこういう金融システムの維持ということについて考え方が違うというふうには私どもは理解しておりません。
#192
○佐々木(陸)委員 聞き方が悪かったのかもしれませんが、じゃなぜこの二つの信用組合がだめになってしまったら全金融システムが揺らぐというふうになるのか、その経路をちょっと教えてほしいということです。
#193
○西村政府委員 私ども、今回の二つの信用組合の問題が直ちに必ず金融システムの破綻につながるとまで申し上げておるわけではございません。
 仮にこの信用組合の経営が破綻し、例えばペイオフというような手段をとったといたしますならば、御存じのように一千万円以下の預金については利子が払われませんし、一千万円を超える預金については元本も保証されないというような事態が生ずるわけでございます。そのことが日本の預金者、金融機関利用者が今まで預金とか金融機関に持っておった信頼というものに非常に大きな影響を与える、そのことによって金融システムが動揺するという可能性がいささかでもあるならば、それはやはり防止するのが金融当局としての役割ではないかという考え方で今回の処理対策を考えた次第でございます。
#194
○佐々木(陸)委員 どうもしかし、だれが聞いても、風が吹けばおけ屋がもうかるというような議論にしか聞こえないと思うのですが、大臣どうです。
#195
○武村国務大臣 そういう見方はいかがでございましょうか。金融不安は絶対に起こらないとおっしゃるのでしょうか。金融不安が起こったときにだれがどう責任をとるのでありましょうか。少なくとも昭和金融恐慌のあの経験も踏まえなければなりませんし、イギリスにしろアメリカにしろ北欧三国にしろ、ほとんどの市場経済の国における経済の中枢的な役割を担っております金融に不安、動揺が起こるということが一体どういうことなのか、信用に対する秩序が壊れるということがどういうことなのか、そのことを真剣に見詰めれば私どもとしましては、いささかでもそういう可能性がある――今回は戦後初めてのことになりますから、もしペイオフにいたします。そういう意味では、その責任を強く感じながら今回の措置をとらせていただいた次第でございます。
#196
○佐々木(陸)委員 私は、もちろんこんな、こんなと言ってはあれですが、二つの組合がおかしくなろうとも、やはり大蔵省を先頭にして国民に心配ないのだということを呼びかけていけば、そんな大臣が言うようなことにはならないと思いますし、今の説明でも納得はできませんけれども、そこまでしかし大臣が深刻に考えられるのでしたらちょっとお聞きしたいと思うのですけれども、じゃこのスキームを決める際に、例えばきょうもいろいろ参議院でも議論がありましたけれども、長銀の責任というようなものについてはどの程度深く検討されたのでしょうか。
#197
○武村国務大臣 これはまた、別の視点から真剣に見詰めなければならない問題だと思っております。
 イ・アイ・イ・グループなるものに長銀が大きくかかわっていたということは御承知のとおりでありますし、また、二つの信用組合にも一定のかかわりを持っていたことも私どもも認めざるを得ません。そういう意味で、今回のスキームにおきましても、日本長期銀行に約二百七十億の支援を要請をいたしたところであります。
#198
○佐々木(陸)委員 つまり、二百七十億の支援ということを課しているということは、長銀の今度の一連の事態に対する責任というものもそれなりに認めるということです。
#199
○西村政府委員 日本長期信用銀行に対しましては、一般の金融機関と同様に六億円の出資、それから十億円の収益支援を要請するほか、先ほど大臣が御指摘になりました。収益ベースで二百七十億円、元本ベースでは四百五十億円ということになりますが、そのような協力を求めたところでございます。
 これは、日本長期信用銀行が他の金融機関と異なった立場にある、イ・アイ・イ・インターナショナルのメーンバンクであったという経緯にかんがみまして、応分の支援を求めたものでございまして、そういう点から長銀の置かれておる立場というものを私どもも理解しておるつもりでございます。
#200
○佐々木(陸)委員 もう時間がありませんけれども、その金融システムの危機というようなものに対処される上で、大臣もこの間東京都議会の動向の中ではわざわざ都庁を訪ねていって都知事と会うというようなことをやりましたけれども、しかし、あなたの立場に立つにしても、日銀が戦後初めてのような措置をとる、そのスキームを決めるその段階で、都知事とかあるいはそういった関係者と大臣自身が会ってきっちり話し合うというようなことがなされた形跡はどうなのでしょうか。
 それからまた、そのスキームを閣議できっちり確認するというようなことを本当にやっているのかどうなのか。閣僚の中からもこのやり方に対して批判が出てくるというような問題があるのです。けれども、本当に危険があった危険があったと言うのだけれども、それに対応するような、政府挙げての対応というようなことにしているわけじゃなくて、やはり大蔵サイドで何からょこちょこと決めて、後が大変になったから大騒ぎしているという形になっているというふうにしか見えないのですけれども、その点いかがでしょうか。
#201
○武村国務大臣 この措置は大蔵大臣の権限の範囲内でございます。閣議案件には該当いたしません。そういう意味で、私の責任で最終判断をしたものであります。
 都庁へ伺いましたのも、いよいよ都議会が始まるということで、もう昨年三者で合意はしているわけでありますし、鈴木都知事もそういうことを踏まえて責任の一端を担うべく三百億の予算提案をされているわけでありますけれども、私どもも改めてあの時期に都庁を訪問して、三者でこのスキームでいこうということを確認し合った次第であります。
#202
○佐々木(陸)委員 最後です。
 この問題は、これからも追及していかなければならぬ問題だと思っていますけれども、いずれにしても、今の国民の感情から照らしてこの乱脈を極めた信組に対す。こういう対応というようなものについては、決して金融システムを守るというようなことではなくて、むしろ現在の政治システムを危うくするようなものだということを指摘して、質問を終わりたいと思います。
#203
○尾身委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後七時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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