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1995/05/16 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 大蔵委員会 第16号
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1995/05/16 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 大蔵委員会 第16号

#1
第132回国会 大蔵委員会 第16号
平成七年五月十六日(火曜日)
    午前十時三十三分開議
出席委員
  委員長 尾身 幸次君
   理事 石原 伸晃君 理事 金子 一義君
   理事 村上誠一郎君 理事 新井 将敬君
   理事 北側 一雄君 理事 村井  仁君
 理事 早川  勝君 理事 五十嵐ふみひこ君
      大島 理森君    大原 一三君
      岸田 文雄君    熊代 昭彦君
      小泉純一郎君    中谷  元君
      中山 利生君    福田 康夫君
      堀之内久男君    松下 忠洋君
      宮里 松正君    茂木 敏充君
      山本 公一君    青木 宏之君
      井奥 貞雄君    上田 清司君
      倉田 栄喜君    竹内  譲君
      谷口 隆義君    中田  宏君
      中村 時広君    藤井 裕久君
      宮地 正介君    大畠 章宏君
      永井 哲男君    濱田 健一君
      日野 市朗君    渡辺 嘉藏君
      田中 秀征君    佐々木陸海君
      小森 龍邦君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  萩山 教嚴君
        大蔵省主税局長 小川  是君
        大蔵省証券局長 日高 壮平君
        大蔵省銀行局長 西村 吉正君
        大蔵省銀行局保
        険部長     山口 公生君
 委員外の出席者
        厚生省社会・援
        護局地域福祉課
        長       高山 康信君
        農林水産省経済
        局農業協同組合
        課長      米田  実君
        運輸省自動車交
        通局保障課長  星野 茂夫君
        大蔵委員会調査
        室長      中川 浩扶君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十六日
 辞任         補欠選任
  塩崎 恭久君     松下 忠洋君
  中谷  元君     山本 公一君
  平田 米男君     倉田 栄喜君
  中村 正男君     大畠 章宏君
同日
 辞任         補欠選任
  松下 忠洋君     塩崎 恭久君
  山本 公一君     中谷  元君
  倉田 栄喜君     平田 米男君
  大畠 章宏君     中村 正男君
    ―――――――――――――
五月十五日
 平成七年度における公債の発行の特例に関する
 法律案(内閣提出第九八号)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第九九号)
同月十六日
 共済年金の制度改革に関する請願外四件(穂積
 良行君紹介)(第九九三号)
 同(荒井広幸君紹介)(第一〇四四号)
 同(藤井孝男君紹介)(第一〇四八号)
 同(渡部恒三君紹介)(第一〇四九号)
 同(虎島和夫君紹介)(第一〇五六号)
 同(森喜朗君紹介)(第一〇五七号)
 同(瓦力君紹介)(第一〇六六号)
 同(坂本三十次君紹介)(第一〇六七号)
 同(福永信彦君紹介)(第一〇六八号)
 同(野田聖子君紹介)(第一〇八四号)
 同(松永光君紹介)(第一〇八五号)
 同(山本拓君紹介)(第一〇八六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 保険業法案(内閣提出第九三号)
 保険業法の施行に伴う関係法律の整備等に関す
 る法律案(内閣提出第九四号)
     ――――◇―――――
#2
○尾身委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、保険業法案及び保険業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村井仁君。
#3
○村井委員 法律案の審議も大詰めになってまいりましたけれども、まだまだ大切な問題もありまして、しかし、時間の限度もございます。少し細かくなるかもしれませんけれども、それから一部確認的な質問になるかもしれませんが、この法案について基本的な問題を幾つかまず保険部長にお伺いしてまいりたいと思います。
 ブローカー制度につきまして、これはもう今までも何度もいろいろな話がありましたが、我が国にとってなじみのない制度でありますので、契約者保護のために配慮をしなければならないけれども、一方で、例えば営業保証金を過大に積ませるというようなことになりますと、参入障壁というような非難を受ける危険もある。それからまた、賠償責任保険でいくんだという説明も伺っておりますけれども、これもよく考えると、故意とかあるいは重過失とかいうような話になりますと、免責が働くことも考えられまして機能しないという可能性もある。
 日米協議なんかの経過もあるんだとは思いますけれども、当面、現実的に考えますと、一定規模以上の法人などの経営基盤が確かな者に限って、それからまたブローカーが相手にする保険契約者。というのも自己責任を十分に問えるような大規模の企業案件、そんなようなものに限って認めていくというような方針でいくというのが現実的ではないだろうかというような感じがするんですが、まずその点につきまして、保険部長いかがでございましょうか。
#4
○山口(公)政府委員 保険ブローカーは保険契約者のため、または中立の立場で保険募集を行うものでございまして、保険会社としてはその保険ブローカーの行為に責任を負わないということのために、契約者の保護の観点からいろいろな措置を図る必要があろうというふうに思っております。
 また、先生御指摘のように、そういった観点から見て、実際的に少し制限的な方がスムーズにいくのではないかという御指摘もよくわかる議論だと思うのでございますけれども、私どもが今審議をお願い申し上げております法案におきましては、登録制をとりまして、保険募集に係る業務を的確に遂行するに足りる能力を有しない者には登録を認めないというふうにしておりますほか、代理店との兼業禁止、賠償資力の確保措置あるいは権限、損害賠償に関する事項を記載した書面の交付の義務、ベストアドバイス義務などさまざまな行為規制や、事業報告書の提出など大蔵大臣の監督規定を設けまして契約者保護を図ってまいりたいと思っておるわけでございます。
 今御指摘のようなブローカーの資格を法律的に一定規模以上の法人に限定したりあるいは対象を大規模な企業などに限定するということは、実際問題として非常にわかる議論でございますが、そのことを法律的に書き込むということはあるいは規制するということはやや難しいかなというふうに思っております。
 ただ、ブローカーが活発に活動しております欧米諸国の例を見た場合におきましても、ブローカーは一般的に大企業の物件を中心とし、中立的な立場からいわゆるオーダーメードの商品を媒介する者として特色のあるサービス提供をやっておりますので、我が国においてもこのような活動が期待されるところでございます。
 いずれにせよ、御指摘の点については、今申し上げましたような登録要件など、契約者保護の観点からいろいろな配慮をしてまいるつもりでございます。
#5
○村井委員 もう一つ、いわゆる生保で慣行化している一社専属制というものにつきまして相当な議論があったわけでございますけれども、これにつきましては、損保はその代理店を活用できるようにクロスマーケティングを確実にしたい、こういう考え方を非常に強く持っており、それから一方で、現在でも代理店を使っている中小生保の中には損保との乗り合い制による共存を希望していて、生損保の乗り入れということで考えますと、一社専属制の例外というものについてどういうものが認められるのかという基準、これにつきまして相当関心が集まっているようであります。
 これにつきまして、先日の御答弁の中で、基準の一つとして代理店の人数規模ということをおっしゃいました。それで、一方、谷口委員が要求しまして政省令で決める事項について御整理をいただいたわけでございますが、それの法律二百八十二条三項の政令の関連でこの点が触れられまして、「業務を的確かつ公正に遂行するに必要な人的構成」こんなような表現でこの部分が整理されている、こういうような状況でありますけれども、人数規模による制限ではなくて、一定の知識、経験があればよいというようなことも考えられるんじゃないかと思うんですけれども、このあたりどんなふうにお考えでしょうか、ちょっとこれは確認的な意味でありますけれども。
#6
○山口(公)政府委員 現行の募集取締法が制定されましたのは、昭和二十三年でございます。そのころは、敗戦による経済破綻によりまして壊滅的打撃をこうむった生命保険各社が経営基盤確立のために、熾烈な新契約獲得と小口契約の整理、乗りかえが行われまして、その結果、いわゆる乗りかえ募集や不正話法などの不適正な募集が横行したという歴史がございます。このため、契約者保護の観点から、生命保険会社の募集人の教育体制の確立、責任の明確化が重要と考えられまして、そこで一社専属制が導入されたわけでございます。
 以来、五十年弱にわたりましてこの制度は維持されまして、専業営業職員体制の改善努力等を通じ、販売活動の安定化、生命保険業の発展等に貢献し、現在におきましても、十分なコンサルティングサービス、アフターサービスを効果的に提供していくためには、生命保険商品の販売におきまして一社専属制の果たすべき役割は重要だというふうに考えられるわけでございます。
 こうしたことから、今回の改正法案におきましては、原則一社専属制を維持しつつ、商品特性に応じた販売チャネルの多様化、効率化が利用者の立場、国民経済的見地から必要なものとなっていることにも配慮しまして、契約者保護に欠けるおそれのないものと認められる場合に限りまして、生命保険募集人の一社専属制の例外として緩和することをお願い申し上げているわけでございます。
 したがいまして、長々と御説明申し上げましたが、今回の法改正によりまして、一社専属制という、非常に歴史的に経緯があって、そこで確立されてきた制度を今回初めて緩和させていただくわけでございますので、これがために万が一にも契約者保護に欠けるようなことになってはならないということで、一社専属制の例外の範囲について、せんだって申し述べましたように、また御提出させていただいた資料のように三つの要素を書かせていただきました。それを考慮しながら検討を進めさせていただきたい。
 いずれにせよ、五十年弱続いたこの制度の変革でありまして、一方で御指摘のようなクロスマーケティング等にも配慮しつつも、慎重な対応をさせていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#7
○村井委員 今お話しのように、生命保険の場合には、とりわけて一般不特定多数の個人契約者というのが対象になるわけでありますから、それに対する情報をきちんと提供するとか、そういう意味で、研修ですとかそういうようなことをきちんとやらせるという意味で、一社専属制の果たす役割というのは私は大きいと思います。そういう大筋のところを崩さないようにしながら、しかし、相互参入を認めたということの効果というものを減殺することがないように、また生損保それぞれが持つ経営資源というものをうまく生かしていくように、ひとつ運用の妙を図っていただきたいと思います。
 それからもう一つ、ファイアウォールにつきまして、銀証の、銀行、証券の間のファイアウォールと比べて低いものになるということは、これは大体確認済みであります。銀行、証券の間には、当然のことながら、まず利益相反の可能性がありますし、それから抱き合わせ販売のおそれやあるいは銀行の産業支配力というようなものが考慮されて、ある程度高いファイアウォールになっているわけでありますけれども、生損保の間というのは、同じ保険であるし、経営の独立性確保によるリスクの遮断というものがあればそれだけで十分ではないか。そういう意味では、省令で基準が明定されていれば足りるので、通達などによる規制は不要なんじゃないか。
 銀行、証券の間では、例えば証券会社役員が親金融機関役員等へ復帰することを禁止するとかあるいは制限するとか、あるいは子会社の本社を親金融機関の本社と同一建物の中に設置することを禁止するとか、それから情報遮断措置のない限りコンピューターの共用を禁止するとか、あるいはディーリングルームの共用を禁止するとか、そんな点を通達で決めていると聞いております。
 そういうようなところまでやらなきゃいけないのかどうか。省令で明定された範囲内くらいのところで生損保の関係のファイアウォールというのはいいんじゃないかという気がするんですけれども、その辺、御見解いかがですか。
#8
○山口(公)政府委員 省令以下の生損保間のファイアウォールにつきましては、御指摘のとおり、銀証におけるような利益相反等といった問題が比較的起こりにくいこと、それから親子間の経営資源の有効活用という観点からのクロスマーケティングの趣旨を踏まえれば、御指摘のように総じて銀証間のファイアウォールよりも低いものが考えられると思います。
 しかしながら、子会社である以上は親会社からある程度独立していることが必要と考えられますこと、それから生損保の兼営禁止の趣旨も配慮する必要があると考えますので、こうした点にきめ細かく対応するためには、銀証の例も合いみじくも先生御指摘いただきましたけれども、いろいろ通達あるいは自主ルール等で細かく決めておりまして、そういった銀証の例にもかんがみまして、通達などではっきりさせていくファイアウォールが適当ではないかと考えておりますが、いずれにせよ、法律や政省令の趣旨にきちっと合った形でやらせていただきたいというふうに思っているわけでございます。
#9
○村井委員 もう一つ、また大変細かい問題になりますけれども、法律の九十八条でしたか、付随業務がずっと並べてある中で、業務の代理、事務の代行というところが、第一項第一号だったと思いますが、いずれもまとめて、生損保兼営禁止の確保の観点から、省令で定めるものは認可に係らしめる、こういうような構成になっているわけであります。
 そこで、業務の代理というのはこれは法律行為ですから、そういう意味では私はきちんとそういう形で縛って認可の対象にするというのはよくわかるんですけれども、事務の代行というのはこれはどちらかというと単なる事実行為にすぎないので、特段に生損保の兼営禁止という観点からも問題はないのではないか。さような意味で、幅広く認めてもいいのではないかという感じがするんです。
 しかしながら、この条文を見ますと、両方とも、省令で定めるものは認可の対象、こうなっているわけですけれども、一体認可に係らしめる必要のある事務代行とはどんなものがあるんでしょうか。そこをちょっと御教示をいただければありがたいと思います。
#10
○山口(公)政府委員 先生御指摘のように、業務代理というのは法律的な行為、事務代行というのは言葉どおりとりますと事実的な行為という性格の、あるいはニュアンスの違いは存在するというふうに私ども思います。御指摘のとおりだと思いますが、具体的な行為について、これらが混然として明確な判別が困難な場合もあるし、また、事務代行でありましても、その具体的な内容によりましては生損保兼営禁止の趣旨の潜脱となるおそれのあることから、業務代理のみならず、事務代行についても認可に係らしめることとしております。
 具体的に申さなければどうもイメージがわかないというのはもっともでございまして、省令で規定され、認可の対象と考えています事務代行としましては、例えば保険料の集金あるいは保険金の支払いなどが当たるのかなという感じを持っております。
#11
○村井委員 その今おっしゃったことは、認可を受けなければできないということになるわけでありますか。
#12
○山口(公)政府委員 そうでございます。認可を受けてやっていただくということでございます。
#13
○村井委員 もう一つ、念を押して伺いたいのですが、その事務の代行という中で、今度はそこに省令で書かないと、付随業務ですから全然できないということに論理的にはなりますか。
#14
○山口(公)政府委員 「大蔵省令で定めるものに限る。」というふうに書いてございまして、そのとおりでございます。
#15
○村井委員 わかりました。
 それからもう一つ、いわゆる非社員契約ですね。これにつきましては、実は先日谷口委員が要求した資料でこれを見ておりましたら、この資料の二ページ目の「第六十三条第一項(非社員契約)」のところ、「法律案」では「剰余金の分配のない保険契約その他の大蔵省令で定める種類の保険契約」このようにありまして、そして「省令の内容」として掲げられているものを見ますと、「短期の保険や自動車損害賠償責任保険のようにノーロス・ノープロフィットの原則がとられている保険等の無配当保険を定める。」こんなふうになっておりまして、それを「省令で定める」と書いてあって、要するにお伺いしたいのは、「剰余金の分配のない保険契約」が実は右側にそのまま書かれているということなんですね。それで、それ以外の「その他の大蔵省令で定める種類の保険契約」というところが余りはっきりしないのですが、例えばどんなものがあるのでしょうか。
#16
○山口(公)政府委員 御指摘の省令の内容としましては、短期の保険や自動車損害賠償責任保険などの典型的な無配当保険のほか、剰余金の分配という形で負担の調整が行われるものの、実質的には無配当保険と考えられるような保険が考えられるわけでございます。例えば具体的な例で申し上げますと、再保険契約におきまして、再保険契約を受ける会社と再保険契約を出す会社の間ではどちらか一方のみが利益を受けないように調整を行うことがございまして、これを一般的には保険料の減額や割り戻し等で行っておりますが、ごくわずかの例ではございますが、これと同じ目的で剰余金の分配という形で行っている例がございますから、このようなものも非社員契約とすることを検討しているわけでございます。
 したがいまして、再保険契約におけるそういう特殊な場合というようなのがその例に当たろうかと思うわけでございます。
#17
○村井委員 ありがとうございました。
 以上、これまでの審議で出てきましたいろいろな問題の中で、ちょっと詰めてお伺いしたいなと思った点につきまして確認をさせていただきました。
 きょうは厚生省の社会・援護局の高山地域福祉課長、それから運輸省の自動車交通局の星野保障課長、農水省の経済局米田農業協同組合課長、それぞれおいでいただいていると承知しておりますが、実はこの法律、保険業法の改正に関連いたしまして、自賠法の方も一部いじられているということは御案内のとおりでありまして、附則で若干の修正が行われているわけであります。しかしながら、この自賠法の修正そのものについてお伺いするというよりは、自賠責に係る問題というのはなかなか大きな問題でございますので、これにつきまして少しお伺いをさせていただきたいと思います。
 先日、五月九日でございましたか、それぞれの共済制度につきまして概括お話を聞かせていただきました。その中で大変印象的でありましたのは、中小企業協同組合あるいは農業協同組合というのはそれぞれ一定の要件を持っている者だけが入れる、つまり、中小企業者であるとか、あるいは農業経営者であるとか農業者であるとかいうことが条件になっている。それに対しまして、だれでも入れるという特徴を非常に顕著に持っているのが生協ではなかろうか、お伺いしていてこういう印象を受けたわけであります。
 聞くところによりますと、例えば生命共済などをやっております場合、組合員になるために百円払えばだれでもなれる。かなり目立った広告をテレビや新聞なんかでも打っておられる。先ほど申し上げたように、中小企業協同組合や農業協同組合のようにまずそのメンバーになるのに一定の前提条件があるというのと違うとすれば、例えば私を含めまして一億二千五百万人の国民がすべて生活者であるということを考えれば、事実上、その生活協同組合というのは不特定多数を相手にするものだということは言えないのでしょうか。まずその点、これは御担当は厚生省ですね、ちょっとお尋ねをさせていただきたい。
    〔委員長退席、村上委員長代理着席〕
#18
○高山説明員 お答え申し上げます。
 生協は、地域あるいは職域における人と人とのつながりを基礎とする相互扶助組織でございまして、一定の地域や一定の職場に属し、そして組合の運営を担おうとする意識を持つ者がだれでも出資金を払って組合員になることができるとされていますのが生協法で定められております。
 しかしながら、生協が行う事業につきましては対象が組合員に限定をされております。このような、先ほど申しましたようなそれぞれの職域あるいは地域に該当した方でさらに組合員になった方、こういう方に限定されておりまして、御趣旨の、不特定多数を相手にして事業を行っているというわけではございません。
#19
○村井委員 百円で組合員になれるということが不特定多数を相手にしていないということのベースになるかどうかというのはまた議論の分かれるところだと思うのですけれども、時間の制約もありますから次へ進ませていただきます。
 全労済の自賠責参入問題というのが与党のプロジェクトチームで検討され、あるいは合意されているという新聞報道がございます。それで、まず自賠責の性格というものにつきまして確認をさせていただきたいと思います。
 時間の関係がありますので私の方から申し上げさせていただきますけれども、自賠責というのは、モータリゼーションの進展によりまして人身事故が多発し、この賠償を行わなければ大きな社会問題になる、そういう観点から、民法の原則にかかわらず、加害者は免責要件のすべてを立証できなければ責任を免れない、こういうことにしまして、事実上の無過失責任に近い賠償責任を加害者に負わせ、その履行を担保するために自動車運行者すべてが加入する強制保険としている、まずこれが一点ありますね。
 それからさらに、自賠責は社会保障的な性格が強いので適正な運営が求められるわけでありますけれども、その運営をもし国が直接行ったのでは、これはもう大変膨大な組織、人員を要することから、できるだけ民間活力を生かそうということで、そもそもスタートから民間保険が担当するということを原則にし、そして、国は保険責任の六割を再保険という形で負担するといいますか面倒を見る、こういう仕掛けになっている。その意味で、保険が原則で、共済というのは、損保の店舗展開が手薄な農村部での契約者の利便という点から農協共済に限って特例として認められたもの、このように私は理解しております。
 また、自賠責は、無保険者の発生を防止するために契約の引き受け義務というものを保険と農協共済と両方に課するとともに、合意によって解約。するということも制約を課している、大体こんなふうなことだと考えますが、これは運輸省と農林省でよろしゅうございますか、確認をさせていただきたい。
#20
○星野説明員 現行自賠法の制度の考え方についてでございますが、基本的な考え方は、ただいま先生から御指摘いただきましたとおりである、そのように認識をいたしております。
#21
○米田説明員 農協の自賠責参入の経緯及び契約引き受けないしは合意による解約の関係、これにつきましては、自賠法に規定されておりまして、先生のおっしゃるとおりでございます。
#22
○村井委員 そこで幾つかお伺いしたいわけでありますが、広い意味での国営の保険という言い方は、ちょっと言い方が過ぎるかもしれませんが、しかし国が非常に深く関与している保険という意味で、そのすべての契約者、被害者に対して公平、公正な取り扱いを行う、これがこの制度にとっては非常に重要だ、私はこう思うわけであります。
 そういう意味で、損害調査体制あるいは事務処理体制、それから担当する人間の人的な研修を行う体制、こういったものの整備が必要だということを聞いておりますが、この点につきまして、運輸省からお話を聞かせていただけますか。
#23
○星野説明員 先生御指摘いただきましたとおり、自賠責制度は全国的な制度でございます。したがいまして、すべての国民あるいは被害者に対しまして公平かつ公正な取り扱いを行うために、今全労済の参入ということが議題になっておるわけでございますが、仮に参入をするという際には、やはり損害保険会社あるいは農協における現行の損害調査、事務処理体制に見合った体制を整備していただく必要があるかと考えております。
 そういう側面から申し上げまして、例えば全労済加入の各単位共済間の損害調査体制の一本化といったようなことを含めまして、それなりに体制整備に御努力をいただかなければいけない点があろうかというふうに考えております。
#24
○村井委員 さらに、共済責任というものを確実に果たすための財政基盤が必要であるということを以前伺ったように思いますけれども、この点につきましては、私もどうもよくわからない点もありますので少し詳しく御説明いただけませんか。
 例えば責任準備金ですとか、それから、今料率は赤字料率ですよね、そういう意味で当面の赤字処理の問題、これにつきまして、非常に技術的な話になりますけれども、お話を聞かせていただきたい。
#25
○星野説明員 御承知のとおり、保険あるいは共済制度の運営に当たりましては、受取共済掛金につきましては、例えば損保あるいは農協と同様に、義務積立金の形で将来の契約履行のために留保しておく必要があるわけでございます。
 ただ、ただいま先生からお話がございましたとおり、現在の自賠責保険の料率は赤字料率でございまして、収受した共済掛金あるいは保険料だけでは将来の契約の履行義務を果たすには不十分である、そういう実態にございますので、仮に自賠責に参入するに当たっては、何らかの別途の財源で必要な積立金をあらかじめ準備していただく必要がある。そういう面で、契約の履行を確実にするために必要な責任準備金と申しますか、必要な準備金を確保していただかなければならない、そのように考えております。
#26
○村井委員 非常に大切なポイントがいろいろあるんだということを認識させていただいたと思います。
 そこで、次にちょっと厚生省にお伺いしたいのですが、生協の一つであります全労済を自賠責に参入させますときに、非常に技術的な話になって申しわけないんだが、車が組合員以外に転売された、そういうときにはどうなるのでしょうか。つまり、員外利用というのは一切ない、こういうことになっていますね。たまたま車を組合員から買ったということになりますと、それだけで今度は組合に加入を強制されるということになりませんか。
 もしそういうことになるとすると、組合に対する加入脱退の自由というのは、私の理解するところでは、どの組合でも、これは農協でも中小企業協同組合でも生協でもすべて制度の根幹であるはずですね。そういう意味でも、加入脱退の自由に触れるということになると非常に問題が大きいと思うのですけれども、どうでしょうか。
#27
○高山説明員 お答え申し上げます。
 生協の行う事業につきましては、組合員による利用が原則でございます。また一方、自賠法につきましては、すべての自動車が保険ないし共済にかかっていなければならない、またそれぞれの保険会社、農協では契約引き受け義務がございます。そういう面がございますので、全労済が自賠責事業に参入した場合につきまして、この生協の原則あるいは自賠法の原則の調整を図ることが必要であるという御指摘だと思います。
 厚生省といたしましては、自賠法の趣旨にかんがみまして、無保険者が発生するというのを防止しなければならぬわけでございますので、仮に組合員の所有の車を非組合員の方に譲渡した場合につきましては、これは生協法第十二条の第三項で定めております員外利用の許可の規定がございますけれども、自賠責共済契約の更新の時期を限定いたしまして員外利用を認めることが適当ではないかと考えております。
#28
○村井委員 そうすると、この前以来、生協の共済につきましては員外利用はないということを私は承ってきたわけですが、自賠責に全労済が参入するということになりますと、これに例外をつくるということになりますね。
#29
○高山説明員 どのような形にするかにつきまして私どもから申し上げることはできませんけれども、私どもとして考えておりますのは、今のような形で調整するしかないのではないだろうかと考えておるところでございます。
#30
○村井委員 次の問題は、現在の生協法の仕組みでは、行政庁の業務検査あるいは監督命令等が比較的限定されているという印象を私は持っております。生協法の九十四条の一項、二項で、行政当局は、違反の疑いがある場合、それから組合員の請求がある場合、これを除いては検査ができない、こういうことになっている。これに対しまして、生損保に限りません、各保険会社や農協というのはこれは常時検査の対象になる、こういうところでかなりの差があるように思います。強制保険である自賠責を担当させる上で、他の制度とのバランスを私はいささか欠くように思うのですけれども、この辺はどんなふうに解決されるお考えでしょうか。
#31
○高山説明員 お答え申し上げます。
 先日も答弁させていただきましたとおり、生協は組合員の自発的な相互扶助組織でありますことから、その管理運営につきましては、生協法上組合の自主性をできる限り尊重するという仕組みになっております。行政庁による監督も、損保会社やあるいは農協に比べて大変緩やかなものになっているということは事実でございます。
 ただし、自賠責共済事業に参入をしたということになりますと、自賠責共済事業の国家強制保険たる性格にかんがみまして、これは契約者の保護というのを実質的に担保しなきゃならぬ。そのために自賠責共済事業を実施する共済組合、これはもちろん認められた場合でございますけれども、これにつきましては、私ども、農協の事例を参考にさせていただきまして、それに準じた監督体制をとることが必要であるというぐあいに考えておるところでございます。
#32
○村井委員 もう一つお伺いしたいのは、債務不履行防止措置というのが十分だろうかということであります。
 共済というのは本質的に、何といいましょうか、例えば農協共済の場合、いわゆる三段階でセーフガードを組んでいるという御説明をこの前開かせていただきましたが、共済というのは、私は、一般的に言いますと、組合員というのは一心同体である、仲間の苦しみというのは自分の苦しみだ、お互いに助け合うんだ、そういう意味では、倒れたときにはそれはしょうがないんだというようなことも十分にあり得る世界なんだと思っているんですよ、本来は。
 いわゆるロッチデールの原則というのはそういうところから来ている、そういう精神だろうと思うのですけれども、それでもしかし頑張ろうじゃないかということじゃないかと思うのですけれども、その点で、事実上不特定多数を相手にするという実態が適当なんだろうか。こういう疑問を踏まえまして、債務不履行防止措置というのは十分であるかどうか、この点についてちょっと、厚生省。
#33
○高山説明員 お答え申し上げます。
 生協の行います共済事業一般につきましては、先日も御答弁させていただきましたように、生協は組合員による自発的な相互扶助組織であるけれども、共済事業が多数の組合員の生活設計上重要な役割、機能を果たしていることにかんがみまして、生協の行う共済事業については、健全な事業運営が行われるような仕組みあるいはまた行政指導が行われているところでございます。
 それで、自賠責事業を実施するという場合、先生御指摘のように、例えば損保会社の場合では債務不履行防止措置がいろいろとられておるわけでございます。また農協につきましては、共済掛金のうち、政府に対する再保険を除く部分につきまして三段階の再共済といいますかがとられているわけでございます。
 それで私ども、生協が自賠責事業を実施した場合につきましては、やはり農保協の例にならって再共済の仕組みを整えることなどによりまして債務不履行防止を図る必要があるのではないかと考えておるところでございます。
    〔村上委員長代理退席、委員長着席〕
#34
○村井委員 もう一点、いわゆる生協共済は生命共済やらいろいろ他事業をやっておられますよね。そういう意味で、他事業との経理区分あるいは資産保全、そういう点で問題がないかどうか。この点については運輸省と厚生省、両方からちょっと御見解を伺いたいと思います。
#35
○星野説明員 自賠責保険の契約者の債務履行を確実に担保するためには、その履行のための資産を別途きちんと区分をいたしまして保全を図っていくということが極めて大切であります。
 御指摘のように、全労済は生命共済と損害保険共済をあわせて実施をいたしておりますが、実は農協共済についても同じように生命共済及び損害保険共済を実施いたしております。ただ、それぞれの共済の運営に関しましてはきちっとした区分経理を行い、監督官庁である農林省さんの指導のもとに資産保全については確実に図られております。
 そういう体制を、仮に全労済が自賠責に参入するに当たりましてはやはりきちっと整備していただく必要があるであろう、この点は、これまで私ども折に触れて申し上げてまいっておりますし、制度のスタートに当たりましては御配慮していただけるものだというふうに考えております。
#36
○高山説明員 全労済が自賠責事業に参入した場合ということでございますけれども、自賠法の趣旨に基づきまして、自賠責と他の事業の経理についてはきちんと区分をしなければならない。私どもは、厚生省令で消費生活協同組合財務処理規則というのがございますので、これで所要の改正を行うことにより明確に区分する必要があると考えております。
 それから、資産保全でございます。これはもう、先ほど申しましたように行政庁による監督権限を強化してそういう資産保全をしっかり行うこと、あるいは、先ほど申し上げましたけれども、農協の例を参考とさせていただきまして、再共済という仕組みを整えることなどを通じまして、資産保全については万全を期するような体制をつくっていくことが必要であると考えておるところでございます。
#37
○村井委員 わかりました。
 ちょっと、今度は大蔵省にお尋ねをしたい。
 自賠法の二十五条でノーロス・ノープロフィット原則と、いうのがございますね。これはどういうものなのか、これをまずちょっと説明をしていただけませんか。
#38
○山口(公)政府委員 自賠責保険は、先生御指摘いただきましたように被害者救済を目的とした社会保障的性格を有する強制保険でございますので、その保険料率の算定に当たりまして適正原価主義をとっております。すなわち利潤の発生が認められないということになっております。これがいわゆるノーロス・ノープロフィットの原則でございまして、現行制度では保険会社のみに適用されているところでございます。これによりまして、契約者に対しまして可能な限り低廉な保険料で保険サービスの提供が可能となるということでございます。
 それで、保険会社は収入保険料の六割を国へ再保険しまして、四割はみずから保有しておりますけれども、この四割の部分につきましても、個々の保険会社において損害率が、事故率といいますか、それが違いますので、そのままでいきますとその収支差が発生します。そうしますとそういったノーロス・ノープロフィットの原則が実現できないということで、特定の会社における利益の発生を防止するという観点からプール制を採用しておりまして、リスクの平準化を図るわけでございます。現行の自賠責保険料は、御指摘のとおり三〇%程度の大幅な赤字料率となっておりますが、これはノーロス・ノープロフィットの原則に基づいて、過去に結果として生じた収支差額についてもすべて積み立てまして、その積立金を取り崩して契約者に還元しているという姿でございます。
#39
○村井委員 そうしますと、今御説明いただいたこのノーロス・ノープロフィット原則というのを、全労済が自賠責に参入したときにも適用するべきではないかと私は思うんですけれども、この点についてはどうお考えか。また、技術的にどんな問題があるんだろうか。そこをちょっと大蔵省から御説明いただけますか。
#40
○山口(公)政府委員 もちろん自賠責保険の性格というのが強制的な保険だという性格からしまして、ノーロス・ノープロフィット原則は、全労済が仮に参入される場合もぜひそれは原則に従っていただきたいというふうに考えているわけでございます。そうしますと、プールをいかにするかというような話になってくるわけでございます。
#41
○村井委員 じゃ、この点については今度は厚生省からも見解を聞かせてもらいましょうか。全労済が自賠責に参入したときにもノーロス・ノープロフィット原則を適用するというような方向で処理するべきだというふうにお考えになるかどうか。
#42
○高山説明員 お答え申し上げます。
 生協は非営利の相互扶助組織ということを何度も申し上げておりますけれども、生協法第五十二条に基づきまして、各種の共済事業から生じた剰余金については利用者に還元するのが基本でございます。しかし、仮に全労済が自賠責共済事業を実施するに当たっては、国家保険である自賠責制度の趣旨にのっとりまして、剰余金が発生した場合においても責任準備金として積み立てていくことが原則であろうと思っております。
 したがいまして、ノーロス・ノープロフィットという原則、これは自賠法の第二十五条につきまして損害保険会社が保険料率を算定する際の原則だと伺っておりますけれども、これについては、私どもにつきましても当然その趣旨を踏まえて料率を定めていくべきと考えておるところでございます。
#43
○村井委員 そうしますと、もし全労済が自賠責に参入するということになりました場合には、いわゆる現在損害保険会社が行っているプールに参加するというような感じになるのかと思います。もしプールに参加しないと、結局、言ってみますと、特定のある種のあるグループだけを全労済が自賠責でとるということになりますと、そこの事故率が仮に低い、このように考えますと、その部分で本来薄められるべき本体部分というのが、料率が高とまるといいましょうかそういう可能性もあるのではないかと思われます。
 要するに、プール制というのをきちんと適用する方が料率を、自賠責の料率というのは私はやはり大変重要な公共料金の一つだと思っているわけであります、強制保険なのですから。そういう意味で、これをできるだけ低廉に導くということは非常に大切なことだと思っているわけですけれども、そういう観点から、プールをするということが料金の高とまりを防ぐ、少なくとも公平をきちんと確保するという意味で非常に重要な手段ではないかと思うのですけれども、この辺について大蔵省いかがですか。
#44
○山口(公)政府委員 今先生がおっしゃいましたように、この自賠責制度の社会政策的意義といいましょうか、そのための仕組みでございますので、国民の皆様にきちんと説明できる仕組みである必要があると思うわけでございます。したがって、ノーロス・ノープロフィットの原則で可能な限り低廉な料率を提供するということに加えまして、国民がひとしく、どの保険会社あるいはどの取扱業者になりましても同一料率、同一サービスということでなければこういう強制保険は成り立たないと私は思うわけでございます。
 したがって、今先生のおっしゃったような方向は最低限必要なことではないかというふうに思うわけでございます。それで、きちんと説明できるシステムと同時に、取扱業者がイコールフッティングの扱いをされるということが非常に大切なことではないかというふうに考えております。
#45
○村井委員 以上、いろいろお話をお伺いしてきたわけですけれども、私は、協同組合制度というのは、歴史をたずねてみますと、あれは一八四四年かなんかですか、ロッチデールというイギリスの町で企業家数十人が集まって始めた、お互いにもうけ過ぎない、そしてもうけたものは全部みんなで分け合うというような形で、もうけを全部戻す、利益追求を目的としないというようなことで始まった、こんなふうに聞いておりますけれども、資本主義と社会主義といいますか、あるいは自由経済システムと社会主義的な経済システムというものが対立した時代に、資本主義の持っているいろいろな問題を少しでも解決しようというような観点から、資本主義社会の中でもこういう協同組合というシステムが、利益を追求しないということのゆえにそれなりの意義を持って広められてきたという歴史的な経過はあるのだろうと思うのです。
 私は、そういう意味で、生活協同組合を含めて協同組合組織というものの現代的な意味というものはそれなりに重要なものがあると思いますし、それをまた評価していかなければならないと思うのですけれども、やはり概念を余り混交させてはいけないのだろうと思うのです。
 私が概念の混交と言う意味は、一部に、全労済の自賠責参入問題というのを規制緩和という観点から主張される御議論がある。これは私は余り正確じゃないんじゃないか。これまで保険会社と農協しかできなかったのを、だれでもできるようにすればよいのではないか、それがこの趣旨なんだというふうに考えておられる向きがある。しかし、規制緩和というのは、本質的には私は、市場メカニズムを最大限に生かしていくという発想を伴っているものだろうと思うのでありまして、だれでもやれるようにすればいいというものではないのだろうと思うのです。全労済が自賠責に参入するということを規制緩和という視点から進めるという考え方には、そういう意味で私はくみしない。
 あえて言いますと、本来、コマーシャルベースでといいますか、市場メカニズムをできるだけ生かすという形でやってきたということは制度発足のときから明らかだったわけでありまして、普及促進という特別な理由で農協が参入した。そういう意味で、共済というのはこの世界の主役ではなくて、相当な制約のもとに置かれてしかるべきだと私は考えております。
 そういうことをちょっと申し上げた上で、今度全労済が、農協の場合には、農村部においてこの自賠責というのがなかなか普及しないという環境のもとで、しかし自動車をめぐるいろいろな悲劇というのは絶えないという環境の中で、できるだけ急速に自賠責を普及させていかなければならない、そういうような問題意識から、農協という農村部における非常に大きな経済的な存在にあえて自賠責をやらせるということを認めたわけでありますけれども、今度、この時点で全労済が自賠責に参入することの、全労済のメリットはわかりますよ、あれだけ大変一生懸命運動しておられるのだから。その全労済の実益は私は特にお伺いするつもりはないが、国民経済的な意味でのメリットというものはどういうものと認識しておられるかこれは厚生省の御意見を伺いたいと思います。
#46
○高山説明員 全労済側の主張でございますけれども、全労済は、一千万人を超える組合員を擁しておりまして、これまで任意自動車共済事業を通じまして、自賠責事業を行いたいということでいろいろ地道な活動、努力を続けられてきたわけでございまして、私ども伺っている限りは、自賠責制度という国家保険制度をやらさしていただくという場合、生協の人と人との助け合いという理念のもとに、組合員相互に、組合員による徹底した交通安全教育やあるいは地域福祉活動等を行いたいということを言っておりますので、こういうことを通じまして、多くの国民の方の生活の安定、向上につながるのではないかと期待するものでございます。
#47
○村井委員 どうももう一つよくわからないという感じがしますが、それはそれとしまして、厚生省にちょっとお伺いしたいのですが、一般に、共済というのは営利を目的にしないから、剰余金があれば返すというのを原則にしている、これは短期的に考えれば大変合理的なこと、大変結構なことなんですけれども、このたびの保険業法の改正で標準責任準備金制度というものを導入したり、あるいはソルベンシーマージン基準を採用したりしているということを考えますと、例えば共済とある意味では民間で同じような考え方を持っている相互会社、これにつきましても、民間ではかなり財務内容をよくさせていこうという非常に積極的な姿勢を今度の保険業法の中でとっている。
 この問題については後でちょっと保険部長にまたさらにお伺いしたい点がありますが、そういう環境の中で、共済というものの本質から、要するに共済というのはみんな返してしまうというのが本来のあり方なんですね。メンバーにみんな戻してしまうということなんですね。それで共済を保険と同じ安全性を持つものと考えていくというのは正しくないんじゃないだろうか。つまり、共済は理念を貫いていくと、さっきもちょっと触れたのですけれども倒れるということもある。そのときにはメンバーがみんな同じように危険をこうむるんだということを覚悟している、そういう同志的なメンバーが集まって結成されている、そういうものなんじゃないだろうかと思うのです。
 私は、これまでの生協活動なりなんなりというものは、そういうらちを出ない、きちんとした運用が基本的にはされてきている、だからこそ、例えば加入脱退の自由に触れるような問題であるとか、あるいは員外利用の問題であるとかということについても、他の制度に比べればややきつい縛りをかけて今日に来たということがあると思うのです。今度の全労済の自賠責参入ということをきっかけに、その生協のシステムというものが大きく変質するような感じがするんですけれども、そのあたりにつきまして、厚生省どんなふうにお考えですか。
#48
○高山説明員 生協の行う共済事業につきまして、これまで消費者の生活の安定、向上を図る上で大きな役割を果たしてきております。
 先生御指摘された点でございますけれども、安全性についての御議論でございますけれども、現在に至るまで少なくとも給付について不安を抱くような状況でございません。またこれにつきましては、短期的に、例えば一年掛けのものと、もう少し長期的に見なければならないもの、そういう点につきましては、割り戻し金の扱いにつきましても当然異なってまいるという考えております。
 それからまた、共済事業は組合員及び会員への奉仕を最大の目的とし、営利を目的としないという生協の性格がございますけれども、これは私どもの勝手な考えかもしれませんけれども、自賠責のノープロフィットという原則にもかなうものだと考えておるわけでございます。
 全労済の自賠責参入問題につきましては、これまでの任意保険の実績を踏まえて組合員からの要望にこたえようとするものでございまして、その目的とするところは国民生活の安定と生活、文化の向上を期するということでございまして、被害者救済を目的といたします自賠責制度の考え方、精神というものと反しないのではないかというぐあいに考えておるところでございます。
#49
○村井委員 全労済の自賠責参入問題の経緯につきましては、私もある程度背景を承知していてこのようなことを申し上げているわけでありますから、いずれにしましても現在の自賠責の求めているさまざまな要件、自賠責という制度が当然に要求する要件というものを、きちんとそれとの整合性を図ってこの問題に対応をしていただきたい。
 いずれにしましても、このことによって、もう一度繰り返しますけれども、強制保険なんですから、公共料金の一つとも考えられる自賠責の保険料率というものが高とまりするというようなことにならないように、できるだけ低廉なサービスを国民に提供できるというような方向になるように御配慮をいただきたい、お願いをしておきたいと思います。
 さて、もうちょっと時間をちょうだいしまして、保険部長に少し別のことですが最後にお伺いしたい。
 これはある意味では経営の健全性という問題であって、今共済の問題に関連して私が述べたこととも関連するわけでありますが、生命保険の大手があらかたそういう形態をとっている相互会社、これはどちらかというと今まで、自分でため込むというのは余りいいことではない、できるだけ社員に配当を手厚くするのがいいということでやってきた。しかしながら、先日も私も指摘しましたし、ほかの皆さんもいろいろ御発言になりましたけれども、相互会社と株式会社の本当の違いというものはだんだん不明確になってきた。
 これは平成六年の保険業法の保険審議会の答申の「別添こでもいろいろ書いてあるけれども、実際問題としては、よく読むとそんなに違いがないということを前提にして議論がされている。それでその結果、今度相互会社を株式会社に切りかえるというような、そういう法制も整備されることになるわけであります。
 このたびの保険業法の全面改正で志されているというのは、保険という、生命であれあるいはその他の資産であれ、それが何かのリスクに遭ったとき、一種のラストリゾートといいましょうか、最後のよりどころとなる性格のものに、本当の意味での契約者保護を図るためにはその経営主体が健全な運営をされなければいけない、経営主体の健全性の維持確保が不可欠である、こういう認識を非常に強く前面に出してきた、このことが今度の保険業法の改正の一つの大きなポイントだと私は思っているのです。
 しかしながら、図らずも今の経済状態から、最近の報道などには、これは言い方は慎重にしなければいけないのでしょうけれども、保険会社の経営は決して安泰なものではないとかということをうかがわせるようなものがありますし、それから、保険会社の中でも特に生保について、去年の秋でしたか、雑誌の「エコノミスト」で、生保が危ないなんて大きな見出しで出ていましたね。そんなものもありますし、それから高齢化もどんどん進む、さまざまの危険が増大しているこの社会で、この最後のよりどころとしての保険の果たす役割というのが、破綻したら契約者保護基金で守られるから大丈夫だとか、そんな安易な発想で通るものじゃないと思うのですよ。
 そういう意味で、経営の基盤を堅固にしていくように行政も業界も努力していく、そういうことが私は非常に大切だと思うのです。その際の幾つかの問題点というものをちょっと挙げさせていただきまして、それで包括的に御見解をお伺いをいたしたいと思います。
 最初に、共済につきましては、共同で助け合うということの限界、危険が存在するということはさっきちょっと申し上げました。それにつきましては、それぞれの共済でそれなりの対応をいろいろ工夫される、そういう世界だろうと思います。
 一方、簡保というのは、これは私は九日にもちょっと触れましたが、民業補完を本来の趣旨とするものであるということを考えますが、いずれも保険類似商品を販売しているということで、その結果、契約者の側からしますとその違いが必ずしもわかりにくい。保険がやっていること、共溶がやっていること、簡保がやっていること、この違いがわかりにくい。
 そのために、その誤解に基づく、誤解を伴う競争が生じまして、例えば保険会社が他の共済ですとかあるいは簡保ですとかを意識して料率を下げるというようなことをする。そのときの保険の方の歯どめはソルベンシーマージン基準だとか保険準備金だとかというようなことになるのでしょうけれども、共済の方にはソルベンシーマージン基準なんという発想はない。そういうことであると、この競争関係というのは大変大きな問題になるのではなかろうか。
 それから、民間保険がそれに対抗しようとすると大変大きな問題を生ずるのじゃないか。あるいは、簡保が金額の大きな保障を行うということになりますと、民間保険の補完にとどまらず、保険の経営に大きな影響を及ぼす可能性があるのではないだろうか、こんな問題が一つあります。
 それからもう一つの問題は、民間保険の中でも、配当が本年で五年連続減配、こういう経済環境ですからそんなような話も聞きます。それでもなお、実際の運用実績をはるかに超える配当金を支払い、それから契約者還元をするということがされている。こんなような契約者還元が、この間も触れましたけれども、そもそも高い予定利率と相まって保険会社の経営を非常に苦しくさせているのじゃないだろうか。
 それから三番目に標準責任準備金、これはあくまで標準でしかなくて、必ずしも純保方式ではなくてチルメル方式で積んでもいい、これはこの問保険部長からもお話があった。そうすると、かなり下回った、純保方式で積むのに比べて下回ったことも容認されるということになるとしますと、苦し紛れに積むべきものを積まない、こんなことになるとか、あるいは各社の積む基準がばらばらで、そのために保険料に差が生じるというような望ましくないことが起きる可能性もあるのじゃないだろうか。
 そういう意味で、基準を明確にし、できるだけ早く各社がそういった標準責任準備金の積み方を公表することができるような体制に持っていくべきではないか。そういうことをすれば、今度は契約者の側もそれぞれの保険会社の保険料が、あるいは保険商品の構成がこうこうであるのはこういう積み方をしているせいだというようなことを判断した上で契約をする、契約の自己責任というものも確立てきるのじゃないか、こんなふうに思うわけでありますが、このあたりにつきまして御見解をお伺いをしたいと存じます。
#50
○山口(公)政府委員 今先生の方から非常に包括的に保険の本質にかかわる部分を御指摘賜ったわけでございますが、私ども、保険の社会的な役割というのは、日常生活あるいは企業活動のラストリゾートだということでは全くそのとおりでございます。ラストリゾートであるものが非常に不健全なことでありますと、我々も安心できないということになります。それがまた経済活動や我々の生活自身を脅かすということになりますので、これは社会的な存在である保険会社の使命だと言っても過言ではないというふうに思うわけでございます。
 私ども、今回保険業法を改正させていただきまして、そういった健全性を図るということに力を入れさせていただくわけでございますが、まず一点目の共済、簡保等につきましては、共済につきまして、もし民間保険と同様の事業内容、あるいは商品内容をおやりになっているということでございますれば、それらを監督されております監督官庁におきまして、私どもが御提案申し上げている保険業法のこの考え方も十分参考にしていただきまして、それで所要の監督、規制をきっちりとやっていただければ幸いでございます。
 また、簡保につきましては、やはり臨調、行革審等において、官業は民業の補完、官業としての立場を守りつつ適切な運営を行うというような御指摘を賜っておりますので、簡保におかれましては、こういった趣旨を踏まえつつ適切な事業運営を行っていただければ幸いでございます。ともすれば簡保と民間の生保が競い合ってというようなことが世上言われることのないように、お互いに国民のため、全体のことを考えてやっていく必要があろうかと思うわけでございます。
 それから二つ目の御指摘は、契約者還元で配当を無理することによって経営が苦しくなっているという傾向があるのではないか。一部そういった動きというのは否定できるものではないと思うわけでございます。特に、この間も御指摘賜りましたように、生保の平均予定利率の水準が現実の運用に比べましてかなり逆ざや状態になっている。
 これが、急激な金利の低下によりましたので追いつけないというやむを得ない面もございますけれども、経営を圧迫している一つの要因になっていることは否めないのではないかというふうに思いますので、例えば予定利率の見直し問題につきましては喫緊の課題だと私ども思っておりまして、当局としましても、適切な場合には側面からできるだけ支援をさせていただきたいというふうに思っているわけでございます。
 それから、健全性の最後のポイントであります責任準備金のお話でございますが、これから標準責任準備金という考え方を入れまして、大蔵大臣がその積み立て方を規定できるようにしております。標準責任準備金の考え方は、できるだけきっちりと積んでいただこうというものでございますので、恐らく一番手厚い積み方というのを、私どもとしては標準責任準備金として御提示を申し上げるということになろうかと思うわけでございます。
 ただ、現実に今チルメル方式等をとっておられるわけでございますが、一挙にそこまでいけるかどうかの問題はございますが、あくまでそういったあるべき姿を目標に、そちらの方向に保険会社が努力をしていくということで健全性の確保に努めるということが必要ではないかと思うわけでございます。
 また、その開示につきましては、今の時点で開示云々ということになりますと、いろいろ世上契約者の誤解等を生じるという、営業面でのいろいろな影響が非常に大きいということもございまして、慎重に対応せざるを得ないかとは思っておりますけれども、先ほど申し上げました標準責任準備金制度を私どもが御提案申し上げ、そういう制度の導入を図っていきます際には、契約者等の無用の誤解が生じないことを確認しながら、できるだけそういったものを回避していく方向で検討させていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 以上でございます。
#51
○村井委員 昭和十四年に制定された現行保険業法を全面改正するという大変な作業でありまして、約六年の日子を費やして、そして今日に至ったわけでありますが、その運用に当たりまして、ぜひこの委員会でいろいろ議論のありましたところを酌んで、そしてまた、ただいま保険部長も触れられたような、保険の果たす非常に大切な国民経済における役割というものを十分に果たせるような体力を確保できるようなそういう環境をつくるように、行政も、また業界も御努力をいただきたいとお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#52
○尾身委員長 次に、新井将敬君。
#53
○新井委員 このたびは五十数年ぶりの法改正ということで、非常にこの法改正は注目されております。
 また、損害保険、生命保険ともに百十年、百年以上の歴史を持っておりまして、百年間の歴史を持っているこの状態の中で、規制緩和、自由化、そういうものをにらみながら、五十数年ぶりの改正である。
 そういう中で、ずっと話を伺っておりますと、この未来に向けてのビジョン、そして企業の活性化、新規参入、自由化による競争の激化、そういうもののもたらすメリットというものと同時に、それぞれの業界が百年の歴史を持っておりますから、今までのその業界の積み上げてきた歴史というものもまたよく判断いたしませんと、歴史的な経緯を無視して、なかなか早急に手をつけてはいけないようなところも実にあるなというのが率直な感想でございます。
 規制緩和と申しましても、決して規制緩和自体が利益をもたらすのではない、規制緩和によって国家全体が利益を受けるということを考えますと、私はやはりその規制緩和、自由化という中に三つの利益をよくバランスをとらなければいけないというふうに思いました。
 一つは、契約者、消費者の利益保護ということでございます。
 第二点は、事業者、事業主体というものがその利益をちゃんと上げることができ、また、ある意味では保護されることもなければいけない、そういうふうに思います。
 それから第三の問題は、第二とも絡んでおりますが、規制緩和によって業種の転換が起きた場合に、それぞれ歴史を持って活動してきた事業主体が雇用している人たち、その代理店やあるいはその契約社員、そういう非常に膨大な、保険業全体で百万にも達すると言われる、現在この仕事に従事しておられる人たちの利益、あるいはその保護ということもあわせて考えなければいけない、そういうふうに考えてまいりました。
 ですから、規制緩和、自由化は重要ですけれども、いたずらに行け行けというのではなく、やはり守るべきところは守りつつ、商品等の尊重すべき今までの歴史は尊重しつつというところが最も国民の利益にかなう筋道ではないかというふうに思っております。
 特に、時代の流れの中で、生命保険は人間の生死にかかわる商品、損害保険は物の損害と海上や貨物、そういうものにかかわる商品である、こういうふうに截然と思っていた時代から、いわゆる介護や疾病、第三分野と言われるところで両業界の商品が競合してくる、こういう状態にも至っておりまして、そういう意味で、歴史を尊重しながら前に進むということが一番必要だというふうに思っております。
 今までいろいろな皆さんが非常に細部にわたり非常にいい質問をしてこられまして、大体、本当に多くの議論はなされていると思いますが、ちょっとおさらいの意味で、今申し上げたようなバランスの中で、この法改正全体の趣旨というものをまずお聞きしたいというふうに思っております。
 この法改正の規制緩和の目玉というのは幾つかございますけれども、一つは、商品、料率等の許可制が届け出制というものに大幅に緩和される。これによって、事業主体と契約者の間にそれぞれのメリット、デメリットが生じますが、それぞれのメリットやデメリット、それのバランスということについてどういうお考えを持たれているかということを、まず聞かせていただきたいというふうに思っております。
#54
○山口(公)政府委員 お答え申し上げます。
 今先生の御指摘になりましたような歴史的な感覚のもとに、ねらいとすべきものをきちっと整理して、新しい制度を間違いなく動かしていくということが最も大切なことだと私どもも痛感いたすわけでございます。
 御指摘の、商品、料率の届け出制の点でございますけれども、これはまずメリットと、デメリットとは言えないかもしれませんがいろいろと心配な点というのがあるわけでございます。
 一つは、一般の消費者等にとりまして新しいニーズというものが高齢化社会の到来とともにふえてくるだろう。また、ニーズの多様化ということで、その点での保険商品に対するニーズも新たなものになってくるだろう。こういったものに的確に対応していただけるようなことがこういった自由化の流れの中で期待できる、大きく言えばそういうことでございますし、保険会社にとりましても、そういった、今までよりもっと違った観点からの新しいイノベーションというのが生まれてくるということが期待できるのではないかと思うわけでございます。
 一方、それはいい面ばかりではございませんで、料率、商品の自由化が行き過ぎまして、料率が乱高下して、それで保険会社の方が今度は契約者を逆に選んでしまうというような、いわゆる引き受け拒否といった事態が起こるとすれば、これはまさに私どものねらいとは全く逆の方向でございます。これが生まれないようにしなきゃいけない。
 そうしますと、どうしても、届け出制の導入におきましては、やはり契約者のことをよく考えて段階的かつ着実にという観点から、主として大企業を中心とする大口企業物件とか国際的な取引に関する保険、専門的な知識を有する事業者等が契約者となる保険といったものから順次、手順を踏んで自由化をしていく、こういうことでその解決を図ってまいりたいというふうに思っております。
#55
○新井委員 同様に、ブローカー制度ということも日米の交渉で非常に華やかに取り上げられておりますが、こういうブローカー制度というものも、どういう趣旨で、契約者あるいはその事業主体相互のメリット、デメリット、そういうものはどういうふうにお考えでしょうか。
#56
○山口(公)政府委員 御指摘のように、今回、日本にとっては全く新しい、ブローカー制度というのを導入させていただくわけでございますので、この点については非常に御議論があるものと思います。
 保険ブローカー制度は、特に大企業の物件等を中心としまして、これまでの代理店や募集人とは違うオーダーメードの商品を、その中立的な立場で提供する、アイデアを出すという機能があるわけでございます。そうしたことによりまして、販売チャネルの多様化、販売面での競争促進を通じて利用者の利便が確かに期待できる面があろうかと思います。
 他方、保険ブローカーにつきましては、会社の方がその損害に対して責任を負わないという法的な面がございますので、そういった面は十分な手当てをしなければならないということになるわけでございまして、もしかして発生するデメリットというものをなくすように法的にはやはり手当てをしていかなければならない。
 そういった意味から、保険ブローカーにつきまして、登録制のもとで、業務を的確に遂行するに足りる能力を有する者だけを登録で認めることとしまして、代理店との兼営禁止、賠償資力の確保措置、それから権限、損害賠償に関する事項を記載した書面の交付義務、ベストアドバイス義務などの保険ブローカーに対するさまざまな行為規制や事業報告書の提出など監督の規定を設けて、先生のおっしゃったいい面を引き出し、デメリットを少なくするというのに努力してまいりたいというふうに考えております。
#57
○新井委員 おさらいのつもりでもう一つだけ。
 今回は、銀行、証券、そういうものとの垣根というものはまだ超えないという段階で、相互参入は生損保ということに限られているわけですが、このことのもたらすメリット、デメリットを同じ趣旨でお聞かせいただきたいと思います。
#58
○山口(公)政府委員 今回の改正の目玉にさせていただいております生損保の相互参入でございますが、生損保の子会社方式による相互参入によりまして、いわゆるクロスマーケティングを通じたワンセットの商品販売が可能となるなど、経営資源の有効活用が図られ、事業の効率化が高められるというメリットがございます。また、適正な競争が促進されますと、いろいろなニーズに的確に対応できるという企業活動が期待できるのではないかというふうに思うわけでございます。
 しかし、他方、生損保の相互参入の実施によりまして、率直に言って競争単位がふえるわけでございますので、それぞれの市場はより競争的なものとなるわけでございます。これがいい面で出る反面、仮に行き過ぎた場合には保険会社の健全性というところに問題が生じて、かえってそれが契約者に不利益をもたらすということもあるわけでございます。
 したがって、契約者保護の観点から、とりわけ保険会社の健全性の維持というものをうたわせていただいておりまして、ソルベンシーマージン基準の導入あるいは契約者保護基金の設置等を規定させていただくということとあわせて、公正な事業運営の確保という観点から、経営に対するいろいろなチェック、たとえば少数社員権等のチェック、ディスクロージャーについての規定の整備等をあわせお願い申し上げて、そういったデメリットが生じないように最善を尽くさせていただきたいというふうに思っているわけでございます。
#59
○新井委員 先日からの議論を聞いておりますと、銀行、証券ですか、銀行との相互参入ということを早くやるべきだというような意見も非常にあったと思います。答申から後退したではないかとか、いつ銀行との相互参入をやるのか、そういう議論もあったと思います。
 私は、銀行の預金商品と保険会社の持っている保険商品というものの基本的な性格、銀行はその預金を受け取って預かる、金利を払うわけですが、保険商品は保険料を受け取り、保険の支払いということを、事故とかあるいは人の生死で払わなければいけない。そういうように考えますと、一般的に考えれば、むしろ銀行よりも保険会社は、より強度な安全性といいますか、事業体として、安全性、信用性は高いぐらいのところでなければいけないのではないかなという気がするわけですけれども、それはどういうふうにお考えでご保ざいましょうか。
#60
○山口(公)政府委員 銀行と保険が若干違う要素を持っているのではないか、それは確かに先生御指摘のとおりだと思うわけでございます。
 これは学問的な議論だといろいろあると思うのでございますけれども、一番違うのは、保険においては、相互扶助といいましょうかあるいは保障性といいましょうか、そういったものがあるというふうに思うわけでございます。ただ、安全性、信用性というところから見ますと、銀行にもそういったものが強く求められているものでございますし、保険も同じぐらいそういったものが求められるということではなかろうかというふうに思う
わけでございます。
#61
○新井委員 もちろん安全性の順列をつけたわけではございませんが、この相互参入という問題に関しますと、正直に言って、早急に銀行と保険との垣根を取っ払って、先ほど私が申し上げたように規制緩和の三つの条件、契約者の利益、それから事業主体の利益、それから三番目に、現在それに雇用されている方々の職業転換だのの時間的な余裕やあるいは利益という観点からすれば、私はむしろそういう規制緩和、自由化という美辞麗句の余り、何でも緩和して自由競争させればいいんだ、没落していけば仕方がないんだ、失業者が出てもそれは努力をして他業種に転換するしかないんだ、こういう政治ではいけないのではないか、やはり非常に長い歴史を持っておりますから、その歴史を尊重してやるということが適当である、適切であるというふうに思っておりました。
 お聞きしますと、つい最近のアメリカで、銀行の証券業務を制限する法律がございます、この法律改正を下院で行った。そのときに、今まで銀行が保険業務を兼務するというふうに伝えられてきた、あるいは運動があった、そういうところが実現しないまま、一応銀行と保険の分野というのは区分したまま証券との垣根だけを低くする、こういうことをつい最近アメリカの下院で可決したという新聞記事を読みました。
 こういうふうに考えましても、現在事業経営としても、一部の銀行の方からの、信用組合ですか信用金庫等からの陳情もあるようでございますが、業種の競争力とかを実際考えますと、銀行と保険の垣根はなかなか、論理的にはともかく歴史的、現在の実力等を見ても口で言うほど簡単なことではないのではないか、むしろ非常に慎重な話ではないのか。これは規制緩和という言葉に反するかもしれませんが、実際はそういう難しいことなのではないかなという気がしてならないのですが、どういうふうにお考えか、お願いしたいと思います。
#62
○西村政府委員 広い意味での金融制度改革、銀行、証券、信託、保険、いろいろな世界での相互乗り入れというものにつきましては、ある意味では今先生御指摘のように世界的な流れといいますか、議論の対象になっているわけでございます。
 我が国の金融制度改革もそのような大きな世界的な流れの中でこの十年ばかりいろいろな議論が行われてまいったわけでございますが、保険と銀行との関係につきましては、平成三年の金融制度調査会の答申「新しい金融制度について」におきましては、「金融制度の見直しを行うに当たっては、保険業を含めた幅広い相互参入が行われるべきである」という基本的な方向性が示されております。
 ただ、御指摘のように、具体的にこれを進めていくについてはいろいろな配慮をしなければいけないということで、昨年六月の保険審議会の報告におきましては、まず子会社方式による生損保の間の相互乗り入れを含む保険制度の自由化を進めること等が肝要であり、その定着を見きわめた後に子会社方式による他業態、銀行とか証券とかを含めまして、他業態への進出を含めた制度改革が完了するよう、段階的に行うべきであるという考え方が示されておるわけでございます。
 現在お願いしております法律改正も、そのような考え方にのっとって進めているということでございます。
#63
○新井委員 この規制緩和と自由化で、事業主体、事業者というものに、先ほどから三つの条件を挙げておりますが、そこに与える影響ということは、御通達とか御指導とかで慎重にやらなければいけないと思うのですが、私は例えば運用で、区分経理とかソルベンシーマージンというような、商品ごとに区分経理をして商品の性格にふさわしい運用をしていく、これは非常に立派なことだと思いますし、ソルベンシーマージンというものを設けて、BIS規制のような絶対的な数字は置かない、むしろ置くべきではないと思いますが、置かないにしても、自己資本というもの、リスクウエート、投資のリスクというものを考えていくというのは、非常にこれも理にかなった論理的な考えだと思うのですが、この現在の業界が置かれている状況の中では、こうした区分経理とかソルベンシーマージンというように本来非常に健全な経営を約束する方針が、実際は非常にその運用というものを保守化してしまう。
 あるいは、例えば区分経理一つとりましても、企業年金とか個人保険とか分けてまいりますと、歴史的に古いのは個人保険でありますから、それと株式の含み益を、本来個人保険で買った含み益を、歴史的に浅い企業年金で赤字が出ている、そちらの方に振り分けて運用してきた。企業年金の問題は後でまた申し上げますけれども、振り分けて運用してきた。
 ところが、個人保険を買った人からすれば、あるいは区分経理の考え方、来年から実施される考え方からすれば、不公平だ、私どもは個人保険を買ってそれで株式利益が出ているんだから、それは自分たちの利益なんじゃないか、勝手に企業の内部で含み益を移動されては不利益であるという声が出る可能性もあると思うのです。
 そういう歴史がなくてスタートするならいいのですけれども、今、負の財産を抱えてスタートするときに、その区分経理の間の負の含み益やそういう損を入れた合理的な算定根拠と指導というものについてはどういうふうに考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
#64
○山口(公)政府委員 今先生の御指摘は主に生保の経理問題で、非常に難しい、またポイントの点でございまして、生保は、悪口を言う人はどんぶり勘定と言っているのですが、大きな経理の中でお互いのリスクを相殺し合ったような形で広く運用しているというのが特徴だったわけでございますが、今先生いみじくも御指摘ありましたように、内部補助的なものが行われてむしろ不公平ではないかという観点からいいますと、ちょっと公平性上問題である。そうすると、適正な区分ぐらいはしておかないと、例えば個人保険と団体の企業保険が一緒では、例えば配当を決めるときにとてもちょっと公正なものと言えないであろうというようなことで、実は区分経理を今度導入させていただく。
 ただ、区分経理もとことんいきますと人別管理になって、一人ずつ管理する、これは保険の意味を全くなさなくなりますので、ある程度のグルーピング、例えば五つぐらいにグルーピングするとかいうことで適正な区分経理をするということで今検討をしておりまして、そうしますと、ある程度の不公正なといいましょうか不適切な内部補助、利益の補助はとめられる。同じ種類の年金なら年金あるいは死亡保障なら死亡保障の集団でお互いに補助し合う、こういう形で配当を決めていくというようなことからいいますと、やはり区分経理をある程度の区分をしてやっていく。
 ただ、おっしゃったように、非常に長い歴史があって、そうやっていなかったという歴史がありますから、それをどう入れていくかというのは非常に技術的にも難しい問題があります。これにも、今私どもの方でも業界の方と一生懸命勉強をしておりまして、そういった方向で検討しております。
#65
○新井委員 これは来年の四月からということですね。ですから、しゃくし定規というよりも、当面は論理的でなくても、少し歴史的な経緯を踏まえて柔軟な対応をしていただきたいというふうに思っております。
 もう一つは、ソルベンシーマージンの算定式ですが、これでリスクウエートは国債はゼロですね。それで株式投資が十数%ですか。そうなりますと、これも余りかたくなな運用をいたしますと、株式投資に対してのブレーキをかけて、国債保有ということに非常に走りやすい。
 ですから、余りソルベンシーマージンというものも、先ほどから例を挙げていますが、BIS規制のようにからっとしてしまってかえって事業体として融通がきかない、今まさにそれで銀行も困っているわけですが、そしてそういう国債投資と株式投資の間に余りリスクウエートに大きな違いがあっても、これは証券市場に対して悪い影響を与えを可能性がありますし、また日本の証券に対するリスクウエートと外国株式に対するリスクウエートに差がありますと、これも国内株ならリスクウエートは低い、外国株ならリスクウエートが高い、何かそういう一般論ではちょっと通用しないものもあるし、場合によっては海外から問題視されることもあるのではないか、そういう気がしてなりません。その辺について、ちょっとお考えを伺いたいと思います。
#66
○山口(公)政府委員 ソルベンシーマージン基準の、例えばリスクウエートが投資行動に思わぬ影響を及ぼすという視点の御指摘だろうと思うのです。
 実は、これは健全性をはかる指標をつくろうとすれば必ず出てくる矛盾点といいましょうか、非常に悩ましい点でございまして、私どももそれを意識していなければいけないというふうに思うわけでございます。
 確かに、リスクウエートを見てそのリスクの少ないものだけをやっていればソルベンシーはむしろ上がっていく、下がらないで済むという点があります。したがって、ソルベンシーマージンの高い低いだけを私どもが余り問題にしますと、そういった思わぬビへービアを結果的にとらせてしまうということになるわけでございます。
 保険会社というのはある程度リスクをとってくれるというところが非常に社会的な存在としても有意義なものでございまして、保険会社が全くリスクをとらないということになってしまいますと、だれが一体世の中のリスクをとってくれるんだということになりますので、先生の御指摘は、いみじくもその非常に難しいバランスをとらなければいけない点を御指摘いただいたわけでございます。
 私ども、その辺をよく見ながら、だからこのソルベンシーマージンが余りひとり歩きするのをある意味で警戒するわけでございますし、今試行段階でよく状況を見ておりますけれども、御指摘の点をよく踏まえながらこのソルベンシーマージンの扱いというものを考えていきたいというふうに思っています。
#67
○新井委員 私も、何かソルベンシーマージンというものをイコール保険支払い能力、こういう図式化をすることに対してはやはり危険なものを感じております。ですから、今おっしゃったように、ソルベンシーマージンの高い低いでその事業者のランクづけをやるようなことは非常に危険だ、それは間違いでさえあるというふうに思っております。
 省令等でリスクヴェートを決めていかれるということですし、ソルベンシーマージンが幾らなら危ないとかここから上はいいとかということは必ず起きてきますから、これは注意に注意、柔軟な対応に対応をよほど考慮して扱いませんと、多分マスコミ的にひとり歩きをしてしまう危険な数値でもあると思いますので、ひとつ非常に弾力的な運用と、当局がやはりそういう立場を、必ずしも企業のランクづけというわけでもないのだというようなこともしっかりと考えていただいて、これは扱っていただきたいというふうなことをお願い申し上げます。
 あと、ちょっと時間もありませんが、厚生年金の運用保証利回りの問題、これも非常に現在の運用に絡む問題でございます。
 この間からほかの議員からも質問が出ておりまして、現在四・五%と、去年一%下げました。しかし、実質の利回りからすればまだまだ実は高い状態で、苦労しているところでございます。厚生省の通知等で、九七年度から時価評価になるまでの間は、予想との差は財政再計算をしないということで一応猶予が与えられているわけですが、九七年の市場によっては負担の先送りにすぎないという状況にもあることはもうよく御承知だと思います。
 現在、引き下げ要望、要するに全部の運用が非常に悪い、厚生年金の立場からすれば生保に預けている分はとらの子のようなものだと思いますが、一万生保からすれば非常に苦しい、こういう状況で、いろいろな陳情等も出ておりますけれども、当局として、今厚生省との折衝というものはどんなふうになっているか、お伺いしたいと思います。
#68
○山口(公)政府委員 今御指摘のように、企業年金の予定利率というものが市場の運用利率と逆ざや、それもかなりの幅の逆ざやになっておりまして、これが生命保険の経営を圧迫していることは、私ども事実だろうと思います。
 それで、今業界の方でも企業年金の当事者の方へお願いに上がっておられるようでございますが、私どもも、適切な場合は側面からいろいろな御支援をしていきたいというふうに考えておるところでございます。一刻も早くやはりこうした逆ざや状態が解消されることが望ましいというふうに思っておるわけでございます。
#69
○新井委員 全体としての、先ほど申しました、事業者が今非常に苦しい時期での保険業法の改正でございますから、もう一つは、やはり含み益を非常に吐き出してきておりまして、そういう意味では、大蔵省全体として見れば、今こういう規制緩和、自由化、あるいは区分経理やソルベンシーマージンやという指標をつくった、間接的にそういう株式市場対策もやりながら、やはり業界の体力と健全な経営というものに資するということだと思います。
 昨年の商法改正で、今自社株買いということが一部の条件で認められております。これは、やはり株式市場といいましても需給というものが根底にある、その中で、非常に供給余力、バブル期を経ていわゆる過剰資本になっている、そういう意味で自社株を買って減資をする、そういうことをやっていけば、需給がタイトになり全般的に非常に好影響を与えるのではないかということが言われております。
 私、ちょっとこの間仄聞したのですが、この政府の方針を受けて、各事業者に自社株を、またこれは実施したところが一つもないそうですから、どういう事情なのかヒアリングを大蔵当局が始めたということをちょっと新聞で読んだわけですけれども、自社株買いは総会の決議が、了解が必要ですから、このヒアリングを六月の株主総会ぐらいまでに間に合わせる、そういうことを聞いておるのです。この自社株買いのヒアリングというのは、今どういうふうに行われているのでしょうか。
#70
○日高政府委員 委員御指摘がございましたように、自己株式の取得規制については、昨年十月の商法改正、改正商法が施行されたということで、それ以来私どもも、経団連なりあるいは証券会社等を通じて、この自己株式取得を促進していただく、それが市場の活性化の一助になるだろうということで、いろいろな形でお願いをしてきたわけでございます。
 したがいまして、改正商法が実施されて以来、私どもとしてはそういう努力を積み重ねてきたわけでございますが、今御指摘がございましたように、先般の緊急円高・経済対策、ここの一つの項目として、「本年六月の定時株主総会に向け、発行企業に対し、株主に対する利益還元策として自己株式取得への積極的取組を要請する。保一という一項目が入りました。これを受けて、私どもとしても、経団連等を通じて発行企業の方にお願いをしているところでございます。
 今ヒアリングということでございましたが、私どもは、そういうお願いをしていく過程で、どういう状況であるかを伺っているということでございます。まだ具体的にどういう取り組みをされるか、まだまだ六月末の株主総会までに間がございますので確たる状況を把握してはおりませんけれども、私どもとしては、いずれにしてもこれが証券市場の活性化の大きな柱になり得るものだということで、これからもお願いを続けてまいりたいというふうに考えております。
#71
○新井委員 多分、自社株買いのヒアリングをされてまいりますと、日本の企業全体に株主の利益というものに対する配慮は少ない点もあると思います。ただ、もう一つは、先日一つ御議論をいただいたのですが、やはり株主が、自社株買いによって一株当たりの利益がふえたとみなされて、現実には収入がございませんのにみなし配当課税がかかるというふうに伺っております。そうなりますと、自社株買いということをやろうと思いましても株主総会で株主の御了解がいただけない、株主から、収入もないのにみなし配当の課税を受けることは何とかしてくれないかという声が証券局のヒアリングの中で出てくる可能性は非常に私は強いのではないかというふうに思っております。そういう場合に、みなし配当課税についてどういうふうに考えておられるのかお聞きしたいというふうに思います。
#72
○日高政府委員 確かに、自己株式取得規制を緩和する商法改正の際にも、経団連等からはみなし配当課税がある限りなかなか促進できないではないかという声があったことは事実でございます。そのような経過がございましたものでございますから、先般の商法改正に合わせたときの税制改正において、みなし配当課税について、そのものは撤廃はされてはおりませんけれども、源泉徴収不適用制度とか新しい税制措置を講じたところでございます。
 今私どもとしては、こういった新しい税制が動き出しているわけでございますので、それを受けて、自社株取得についてお願いができないかということでお話をしているところでございます。
#73
○新井委員 時間もだんだん参りましたので、特に、この間主税局長の方の御返答はいただきましたからあえてここでまたもう一度お聞きするということはございませんが、五十数年ぶりのこの業法の改正が日本の内外に与える影響、そしてまたこれからの契約者そして事業者に与える影響も非常に大きなものがございます。
 先ほどから申し上げましたように、歴史的な経緯というものを十分に考えていただき、また法律がつくられたときと各事業者の経営状況も非常に違い、悪化しているということもございますので、機械的な措置ではなく、非常に弾力的な運用をしていただくと同時に、税制改正等におきましても、制度改正印税制改正ということではなく、ひとつ今までの経緯を踏まえて幅広い見地から御議論を進めてまいりたい、そういうふうに思っております。
 時間ですので、これで終わらせていただきます。
#74
○尾身委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#75
○尾身委員長 両案につきまして、日本共産党から討論の申し出がありましたが、先ほどの理事会で協議の結果、御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。
 これより両案について順次採決に入ります。
 まず、保険業法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#76
○尾身委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、保険業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#77
○尾身委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#78
○尾身委員長 ただいま議決いたしました両案に対し、村上誠一郎君外三名から、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。村上誠一郎君。
#79
○村上委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 この附帯決議案は、政府に特段の配慮を求めるものであり、個々の趣旨につきましては、案文の朗読により趣旨の説明といたします。
    「保険業法案」及び「保険業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一、本法案に示した政省令を制定するに当たっては、行政の透明性を確保するため、その内客を明確に規定するべきはもちろん、本委員会の審議の経過を十分に配慮し、いやしくも法律に明定された政省令以外の行政命令によって、本法案が意図する保険制度改革の趣旨が損なわれることのないように格段の注意を払うこと。
 一、今回の制度改革が広範なものであることにかんがみ、その着実な実施を確保するために、必要な場合には段階的・漸進的にこれを進め、混乱を招かないように配慮すること。
 一、商品・料率の届出制、ブローカー制度の導入などに当たっては、契約者保護に十分に留意するとともに、ディスクロージャー(業務及び財産の状況の開示制度)の充実を図って自己責任の原則確立に資するよう配慮すること。
 一、ソルベンシーマージン基準については、早期にその定着を図るとともに、将来その公表を行うように検討すること。
 一、生損保間の子会社による相互乗り入れを実効あらしめ、生損保両事業の競争促進を通じ、利用者のニーズヘの的確な対応を図るため、ファイアーウォールは必要最小限のものとするとともに、生損保の募集秩序と競争条件の公平性に留意しつつ、クロス・マーケティングの実現が確保されるように十分配慮すること。
 一、いわゆる第三分野に係る激変緩和措置については、長期にわたることのないよう十分配意すること。
 一、支払保証制度については、早急に検討を開始すること。
 一、銀行・証券等との相互参入については、今回の法律改正による制度改革の定着状況を見極めつつ、子会社による相互参入ができるだけ早期に可能になるように努めること。
 一、自動車損害賠償責任保険の取扱いについては、事故処理に対する適正な事業運営体制の確保に合わせ、自動車損害賠償責任保険が強制保険であることにかんがみ、料率をできる限り低廉にするように配慮すること。
以上であります。
 何とぞ委員の御賛成を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
#80
○尾身委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#81
○尾身委員長 起立多数。よって、両案に対し附帯決議を付することに決しました。
 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。武村大蔵大臣。
#82
○武村国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#83
○尾身委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#84
○尾身委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#85
○尾身委員長 次回は、来る十八日木曜日午後三時理事会、午後三時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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