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1995/03/29 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 外務委員会 第11号
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1995/03/29 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 外務委員会 第11号

#1
第132回国会 外務委員会 第11号
平成七年三月二十九日(水曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 三原 朝彦君
   理事 小杉  隆君 理事 福田 康夫君
   理事 東  祥三君 理事 松沢 成文君
   理事 松田 岩夫君 理事 秋葉 忠利君
   理事 前原 誠司君
      安倍 晋三君    石原慎太郎君
      柿澤 弘治君    斎藤 文昭君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      鈴木 宗男君    二階堂 進君
      松下 忠洋君    赤羽 一嘉君
      古賀 一成君   柴野たいぞう君
      高市 早苗君    山田 正彦君
      若松 謙維君    渡辺浩一郎君
      伊藤  茂君    上原 康助君
      松前  仰君    古堅 実吉君
      大矢 卓史君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 河野 洋平君
 出席政府委員
        外務大臣官房外
        務参事官    谷内正太郎君
        外務省総合外交
        政策局長    柳井 俊二君
        外務省総合外交
        政策局軍備管
        理・科学審議官 林   暘君
        外務省アジア局
        長       川島  裕君
        外務省北米局長 時野谷 敦君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   法眼 健作君
        外務省経済協力
        局長      平林  博君
        外務省条約局長 折田 正樹君
 委員外の出席者
        内閣官房内閣安
        全保障室内閣審
        議官      宇田川新一君
        人事院事務総局
        職員局補償課長 高橋 秀樹君
        警察庁生活安全
        局生活環境課長 瀬川 勝久君
        警察庁刑事局刑
        事企画課長   篠原 弘志君
        防衛庁長官官房
        防衛審議官   伊藤 康成君
        防衛庁防衛局防
        衛政策課長   守屋 武昌君
        防衛庁教育訓練
        局教育課長   山中 昭栄君
        防衛庁装備局武
        器需品課長   石井 道夫君
        法務省刑事局参
        事官      三浦 正晴君
        文化庁文化部宗
        務課長     中根 孝司君
        厚生省健康政策
        局指導課長   磯部 文雄君
        厚生省薬務局安
        全課長     植木 明広君
        通商産業省基礎
        産業局総務課化
        学兵器・麻薬原
        料等規制対策室
        長       掛林  誠君
        外務委員会調査
        室長      野村 忠清君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十九日
 辞任         補欠選任
  鈴木 宗男君     松下 忠洋君
  岡田 克也君     山田 正彦君
  鹿野 道彦君     渡辺浩一郎君
  羽田  孜君     古賀 一成君
同日
 辞任         補欠選任
  松下 忠洋君     鈴木 宗男君
  古賀 一成君     羽田  孜君
  山田 正彦君     岡田 克也君
  渡辺浩一郎君     鹿野 道彦君
    ―――――――――――――
三月二十九日
 千九百九十四年の国際熱帯木材協定の締結につ
 いて承認を求めるの件(条約第九号)(参議院
 送付)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並
 びに廃棄に関する条約の締結について承認を求
 めるの件(条約第六号)
     ――――◇―――――
#2
○三原委員長 これより会議を開きます。
 化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安倍晋三君。
#3
○安倍(晋)委員 それでは、化学兵器禁止条約について質問させていただきたいと思います。
 条約の中身について質問させていただく前に、今月の二十日にございましたサリンを使用した大変卑劣なテロ事件について二、三お伺いをさせていただきたいと思います。
 本条約によりましてこのサリンにつきましても禁止をされるわけでございますし、またこのサリンを製造あるいは保有するだけで罪になるという国内法の整備も今行っているわけでございます。そういう中にありまして、このサリンが、いわゆるテロ事件としては初めて化学兵器を使った大変卑劣な事件になったわけでございますが、今後、この条約を批准をしていく上で、この事件を解決をしていく、どういうことであったのかということの真相を突きとめるということは、大変私は意義深いものがあるのではないか、このように思うわけでございます。
 当然、戦争で使われるだけではなくて、また卑劣な戦争と言われるいわゆるテロ行為でこうした化学兵器も使われかねないという一例を示したわけでございまして、いわゆる戦争あるいはテロ行為、その双方について、今後そうしたことを世界からなくしていくという意味で大変有意義な条約に私はなっていくと思うわけでございますが、そういう中でこうした事件があった。ぜひともまずこの真相を私は究明をしていかなければいけないと思うわけでございますが、先般の三月二十日のこの事件の被害の現段階での状況、そしてまた捜査状況について、警察庁にお伺いをしたいと思います。
#4
○篠原説明員 お答えいたします。
 お尋ねの事件は、三月二十日の午前八時過ぎごろ、東京都の地下鉄築地駅など十六駅の構内あるいは車両に毒ガスが流出をいたしまして、十名の方が亡くなられ、約五千二百名の方々が負傷するという痛ましい事件でございましたが、警視庁におきましては、事件発生直後から約三百名体制の特別捜査本部を設置をして、鋭意捜査を行っているところでございます。
 これまでの捜査におきましては、現場に遺留されておりました物件五件を鑑定しておりますけれども、その結果、有機燐系物質でありますサリンが使用された疑いが強いということが判明をしております。また、不審者などにつきましての目撃情報も多数寄せられておるということで、警視庁におきましては、犯人の早期検挙と事件の全容解明に向けまして、全力を尽くして捜査を行っているという状況でございます。
 以上でございます。
#5
○安倍(晋)委員 昨年の六月の松本サリン殺人事件、そしてまた昨年七月の山梨県の上九一色村の異臭騒動、そして今月の五日の京浜急行電車内での異臭事件、そしてまた今月十五日、この地下鉄事件と同じように、場所も同じ霞ケ関駅で不審なかばんが発見をされているというような一連の事件があったわけでございます。こうした一連の事件は恐らく同じグループの犯行ではないかということが言われているわけでございまして、またそう考えるのが自然ではないか、このように私は思うわけでございますが、当局としての、この一連の事件の関連性、またあるいは犯人像についての見解をお伺いしたいと思います。
#6
○篠原説明員 お答えいたします。
 警察といたしましては、発生を認知した事件につきましては各都県警察においてそれぞれ捜査を行っておりますが、現時点では具体的な関連は把握をいたしておりません。
 なお、京浜急行での異臭事案につきましては、症状の面から見ますとサリンの症状とは違うという状況でございます。
 以上でございます。
#7
○安倍(晋)委員 また、仮谷清志さん拉致、監禁事件につきまして、警察がオウム真理教の施設を捜索した際、多量のサリンを製造していたという疑いが大変強まったということでございまして、これを殺人予備罪に切りかえて現在捜査中ということでございます。
 今般この条約を批准をいたしまして、そしてそれに伴って国内法も整備をするわけでございますが、国内法を整備することによって、サリンを所持をしているだけで罰することができるということになる、このように言われているわけでございます。この国内法を整備することによってこうした事件を未然に防ぐことができるかどうか、あるいはまた、もし今回のオウム真理教のように、サリンを製造するに十分な薬品を所持をしていたということでどういうような罪に問われるかということをお伺いをしたいと思います。
#8
○篠原説明員 お答えいたします。
 まず、現在の法律上の問題でございますけれども、私ども現在、殺人予備ということで捜索を行っておるわけでございますが、殺人目的からサリンを製造する原材料あるいは設備等を保持しておった場合、それにつきましては殺人予備という罪名が成立するかというふうに考えておりますけれども、サリンそれ自体の直接所持を取り締まる、あるいはサリンの原材料物質を集めた段階での直接の罰則というものはないのが現状でございます。
 現在、化学兵器禁止法案が審議中ということで承知をしておりますけれども、化学兵器禁止法案につきましては、化学兵器の禁止を担保するという観点からの必要な規制や罰則が整備されていると承知しており、それはそれで一定の効果は認められるというふうには考えておりますけれども、公共の危険を防止する観点から、同法案とは別に、サリンの発散、製造などの重罰化、あるいは先ほど申し上げましたようなサリンの不法製造を目的とするような原料物質の所持の犯罪化などを主な内容とする特別立法がより効果的ではないかと考えておるところでございます。
 以上でございます。
#9
○安倍(晋)委員 ということは、その特別立法化によって、現在の段階では、サリンを製造するに足る薬品を所持をしていても、例えばこのオウム真理教の場合も罪に問えないわけでございますが、しかし新しい立法によって、その段階でも十分に罪に問うことができるということなんでしょうか。
#10
○篠原説明員 お答えいたします。
 これは捜査上の一つのテクニックといいますか、課題ということになるかと思いますけれども、サリンを所持しておるという場合に、通常ほかに目的の用途がない、殺人目的ということが類推されるわけでございますけれども、現在の刑法の殺人予備におきましては、やはり目的というものの立証の必要がございます。これについてはやはりいろいろ、私ども、捜査上のなかなかのハンディがあるということでございます。したがいまして、サリンの所持、製造等が直接そういう目的の立証なしに処罰ができるということは、私どもにとって立証上極めて容易になるというふうに考えております。
 以上でございます。
#11
○安倍(晋)委員 それでは、条約の中身についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 化学兵器の使用の歴史というのは、残念ながら大変古くからあるわけでございます。しかしながら、一九二五年のジュネーブ議定書によって戦争での使用が禁止をされたわけでございます。しかし、平時における開発、生産、貯蔵ということについては、これは見落とされていたわけでございます。そしてまた、締約国以外が締約国に対して使用した場合は、化学兵器についても使用するということを留保をつける国も多発をしたわけでございまして、残念ながら実効性については大きな疑問が残ったわけでございます。そういう点で、今回のこの新たな化学兵器禁止条約ということになったのではないかと私は思うわけでございます。
 この条約が一九二五年のジュネーブ議定書と大きく違うという点ほどこかということを、端的に御説明をいただきたいと思います。
#12
○林(暘)政府委員 今御指摘がございましたように、一番大きく違います点は、一九二五年のジュネーブ議定書では、毒ガス等の戦争における使用を禁止するものでございました。それに対しまして、今回御審議をお願いをいたしております化学兵器禁止条約につきましては、化学兵器の完全な廃絶を目指すものでございまして、そういう意味で、戦時平時を問わず化学兵器の使用を禁止するということを規定しますとともに、化学兵器の開発、生産、貯蔵、保有の禁止、並びに、あります化学兵器を廃棄するということを規定をいたしております。
 それから、そういう措置を担保するために、条約上の義務として検証制度というものを設けておりまして、そういう意味では極めて包括的な内容の条約になっております。
 その検証制度につきましても、この化学兵器禁止条約につきましては、従来の多数国間の軍縮条約には例のない申し立てによる査察という制度を導入いたしております。この申し立てによる査察制度というのは、この条約のいずれかの締約国が、他の締約国において条約違反の疑いがあるという場合には、その申し立てに従って、その当該他の締約国の同意を得ずに査察を極めて短時間の間に派遣することができるという制度でございます。
 政府といたしましては、こういう制度、これは全く初めての制度でございますので、どういうふうに実施されるかということは条約が発効してからの問題ではございますけれども、こういう制度によって条約の違反防止が図られて、当初の目的である化学兵器の廃絶ということが達成されることを期待をしている次第でございます。
#13
○安倍(晋)委員 現在、世界は百八十数カ国の国あるいは地域によって構成をされているわけでございますが、本条約に百五十九カ国が署名をしているということは、わずか二十数カ国だけが署名をしていないということになるわけでございまして、ほとんどの国が署名をしているというのは大変喜ばしいことではあります。しかしながら、この二十数カ国の中に、北朝鮮、イラクあるいはリビア、シリアといった、化学兵器を所持をしているのではないかという疑いの大変濃い国が入っているわけでございます。また、紛争当事国になる可能性の強い国も含まれているということでございますが、どういう理由でこうした国々が署名をしていないのか、外務省のわかっている範囲で教えていただきたいと思います。
#14
○林(暘)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のとおり、署名をしていない国の中に、世上、化学兵器を持っているのではないかというふうに言われている国があるのは事実でございます。それぞれの国が具体的にどういう理由で署名をしていないかということは、恐らくそれぞれの国によって違いますし、我々としてすべてを把握しているわけではございませんけれども、一つは地域的な問題。その署名をしていない国の中に中近東の国が割に多いわけでございますけれども、中東における安全保障の問題との関係、具体的に申し上げれば、イスラエルとの関係ということがあろうかと思いますけれども、そういったことを念頭に置いて署名をしていないのかなというふうには考えております。
#15
○安倍(晋)委員 特に中東の国については、イスラエルは署名をしているわけでございますが、しかしイスラエルがなぜ署名をしているかということについては、恐らくイスラエルは核兵器を保有をしているであろう、このように言われているわけでございまして、この核兵器を保有しているであろうイスラエルとの軍備上のインバランスを埋めるには、化学兵器を保持することによって抑止力を持ち、またこのインバランスを埋めていくということに私はなっていくんではないか、このように思うわけでございます。化学兵器を廃絶をすると同時に、やはり核兵器についてもこれは同時進行で廃絶を目指していかなくては、私はある意味ではバランスを欠いた条約になっていくという危険性もあるんではないか、このようにも思います。
 この化学兵器を恐らく貯蔵あるいは製造をしているであろうという疑惑の強い国が世界でも二十カ国あるいは三十カ国あるんではないか、このように言われているわけでございます。我が国の近傍におきましても、北朝鮮、韓国、あるいは中国も恐らくそうであろう、このように言われているわけでございますが、外務省の把握をしている範囲内で、世界の何カ国ぐらい大体これは化学兵器を製造あるいは保持をしている、灰色であるという国があるか、または、私がただいま申し上げた近傍のこの三カ国はどういうような状況になっているか、お答えをいただきたいと思います。
#16
○林(暘)政府委員 化学兵器保有を明らかにしておる国は世界に二つございます。それはアメリカとロシアでございます。
 それから、ある意味で化学兵器の存在が確認された国がイラク、イランでございますが、イラクにつきましては、湾岸戦争の後に国連、UNSCOMが入りまして、化学兵器を廃棄をいたしております。
 それ以外に、いわゆる疑惑国と言われているものがあることは承知をいたしております。ただ、我が国として、我が国独自の手段によって確たる情報を得ているわけではございませんで、そういう意味で、政府として、この国が疑惑国であるということを申し上げる立場にはございません。
 ただ、今安倍先生御指摘のとおり、例えばアメリカの議会の調査局の報告によれば、公表している国も含めまして、二十五カ国ぐらいが保有国ないしは疑惑国というふうに言われております。アジアの国の中にも数カ国、その中に載っている国がございます。
#17
○安倍(晋)委員 私が今申し上げました北朝鮮、韓国あるいは中国についてはどうでしょうか。
#18
○林(暘)政府委員 今御指摘の中国、北朝鮮、韓国については、その中に載っております。ただ、中国、韓国につきましては、この化学兵器禁止条約の原署名国となっておりまして、それぞれ批准に向けての手続を進めていると承知しておりますし、そういう意味では、化学兵器を廃絶するという意図を表明している国だというふうには理解をしております。
#19
○安倍(晋)委員 中国につきましては、署名の段階で、抜き打ち査察については大変難色を示したということでございますが、実際にその難色を示したのかどうか、また、なぜ難色を示したかということについてお伺いをさせていただきたいと思います。
#20
○林(暘)政府委員 交渉の過程におきまして、条約に規定をされております申し立てによる査察、いわゆる抜き打ち査察でございますけれども、それのいわゆる抜き打ち度といいますか、そういったものが非常に厳しいということで、中国が交渉の過程において難色を示したという事実はございます。
#21
○安倍(晋)委員 そこがなかなか大変重要な点でございまして、その抜き打ち度について難色を示すということは、保持をしていないのであれば抜き打ち度が幾ら厳しくても全然関係ないわけですね。しかし、多少灰色あるいは黒である場合、うまくこれは繕っていこう、隠していこうという意図があれば、抜き打ち度が厳しければこれはちょっとやめておこうということになるわけでございまして、今の点をもう一度、再度確認をしたいと思うのですが、抜き打ち度について中国が難色を示したということについて、それはどういう意図であったかということについて再度お伺いしたいと思います。
#22
○林(暘)政府委員 先ほど冒頭にも御説明申し上げましたように、このチャレンジ査察と申しますか、申し立てによる査察というのは、こういう多数国間の条約で初めて導入された制度でございまして、それが当該国の同意を得ずに査察団が飛んでくるというメカニズムである以上、それぞれの国の国家主権との関係というのが当然に出てくるわけでございます。これは各国の法律制度、法制度その他から、こういう制度を受け入れるということについては、それぞれの国にそれぞれの事情があろうかと思います。我が国についても、それが全く従来の法制度で想定していなかったという意味においては、それなりの対応が必要だったわけでございます。
 そういう意味で、先ほどちょっと抜き打ち度という言葉を使いましたけれども、いわゆるそれぞれの国が有している国家主権と、こういう国際条約によって定められている制度をどう調和させるかという点の問題について、それぞれの国が問題を抱えているということは事実でございますし、中国の困難性というものもそういうところにあったのではないかというふうに理解をいたしております。
#23
○安倍(晋)委員 まだ残っている二十数カ国について、これはもう一日でも早く署名をさせる。また、批准国も現在まだ大変少ないわけでございます。批准国も、我が国もそうなんですが、どんどんふやしていかなくては、これは実効性がないということになるわけでございます。特にこの実効性を図っていく上で、残された署名をしていない国が大変重い意味を持ってくるわけでございますが、我が国がこれからこの条約を実効性のあるものにしていく上で、こうした国に署名あるいは批准をさせていくための努力を、どういう努力をしていこうと考えておられるかどうか、お伺いをしたいと思います。
#24
○河野国務大臣 段階が二つあったと思います。一つは、署名をするようにということを勧めるという段階が一つございました。我が国も、できるだけ多くの国々がこの条約に署名をするようにということで働いた、努力をした経緯がございます。ただ、今度はその次の段階で、それぞれの国が批准をするということを、早期批准を勧める、要請する、こういう段階に今入っているわけでありますが、これはまず我が国自身が批准をするということを済ませて、それから他国にも早期批准を勧めるということになろうかと思います。
 できるだけ早く、少なくとも署名を既に終えている国は批准をしてもらいたい。六十数カ国の批准によって、まず発効のための一つの形が整うわけでございますから、少なくともそこまでいくということがまず第一段階ではありますが、しかし議員がお話しのように、この条約の実効性といいますか効果が出るのには、すべての国がこの条約を批准するということで初めて効果が出るわけでございますから、まずは署名してくれたすべての国が早期に批准をされるように、我が国の批准が終わればそういう努力を我が国としても始めたいというふうに思っております。
#25
○安倍(晋)委員 これは当然、我が国は中身を議論をした後速やかに批准をする必要がある、このように私は思うわけでございますし、私も強く支持をしていきたい、このように考えております。
 ただ同時に、やはりこうした問題の国が署名をし、かつ批准をするということが大変大きなポイントになっていくわけでございまして、実効あらしめるためにもこれはぜひとも署名あるいは批准をさせなければいけない。しかし、どのようにしてこういう国を説得をしていくかということでございます。それとまた、批判をしてまた脱退をしてしまったらそれで終わりということがNPT同様大変大きな弱点ではないか、このように私は思うわけでございます。
 まず、署名をさせていく上での我が国の努力の一つとして、例えば我が国のODAを、まだ我が国は批准をしておりませんから、例えば署名ということに限って言ったとしましても、署名をしている国とそうでない国については、特に署名をしていない国についてはODAについて見直しをするということも必要ではないか、このように私は考えるわけでございまして、外務省の御見解をお伺いしたいと思います。
#26
○平林政府委員 お答えを申し上げます。
 ODA大綱の原則におきましては、先生御承知のように、大量破壊兵器の開発・製造等の動向に十分注意を払うということが規定されております。そして、この大量破壊兵器は、当然のことでございますが、化学兵器を含んでいるというのが我々の解釈でございます。
 したがいまして、ODA大綱の原則の運用に当たりましては、いろいろと具体的な状況に即し、また外交政策の観点から総合的に判断するということになっておりますが、その判断の一環として化学兵器禁止条約に対するそれぞれの援助相手国の姿勢も考慮すべき要素だというふうに考えております。
#27
○安倍(晋)委員 こうした条約を実効あらしめるためには、当然機関が大変強力でなければならないということがあります。しかし、それと同時に、やはり国連の肥大化も今言われておりまして、ある程度の国連のスリム化、リストラも考えていかなければいけない。相反することを私たちは今目指していかなければいけないわけでございます。
 この新たな機関をつくることによって当然予算の措置が必要になってくるわけでございますが、本条約の八条におきまして費用についての規定があるわけでございます。その費用としては、運営その他の費用、そしてまた査察についての費用という二本立てになっているわけでございますが、この両方の費用の国連においての予算が大体どれくらいの規模になるのか。また、査察というのは年何回やるかというのはなかなか予測がつかないわけでございますが、査察については大体どれくらいの予算が必要なのかということもお伺いをしたいと思います。
 特に査察については、ちょっと疑惑があるという段階で気軽にやれるものなのかどうかということにもかかってくるわけでございまして、査察に要する費用が大体どれくらいの規模になるのかということもあわせてお伺いをしたいと思います。
#28
○林(暘)政府委員 条約発効後に設立をされます化学兵器禁止のための機関の予算につきましては、現在ハーグにあります準備委員会で検討中でございまして、具体的な予算規模についてはまだ決まっておりません。
 その予算の内容として、今御指摘のとおり、いわゆる機関の運営の費用と検証のための費用ということになるわけでございますけれども、その配分についても現在のところ決まっておらないわけでございます。
 現在の準備委員会というのは約百二十名ほどで、とりあえず機関の発足のための準備をいたしております。この準備委員会の九五年の予算は五千六百万ギルダー、日本円に直しますと約三十二億円ということでやっておりますけれども、今御質問のこの機関が発足した場合にそれぞれ大体どのくらいになるかということについては、ちょっと命の段階では申し上げられないという状況でございます。
#29
○安倍(晋)委員 ということは、当然今のお答えでは、果たして我が国の国連における分担金がどのような増加になるのかということも恐らくわかっていないのではないかと思いますので、そのことについてお伺いをしようかと思いましたが、それは今のところわからないということでやめておきます。
 本条約の中には、条約の締約国の中に遺棄をした化学兵器については締約国はそれを廃棄をする義務があるということになるわけでございまして、我が国は、さきの大戦におきまして、中国に大量の化学兵器を廃棄をした、遺棄をしたと言われているわけでございますが、当然、日本も中国もこれを批准することによって、そういう条約上の義務が生じてくるわけでございます。
 もちろんこの条約上の義務いかんにかかわらず、我が国としては、そうした化学兵器、中国内に遺棄をした化学兵器について廃棄をする道義的義務、国家としての義務が別途もちろん存在するのは当然でございます。しかし、条約上の義務も出てくるわけでございますから、これは早急にどのような手段でやるかということも検討していかなければいけないと私は考えるわけでございますが、どのくらいの化学兵器が残っているかということと、どうやってこれを廃棄をしていくかということについて御質問したいと思います。
#30
○川島政府委員 お答え申し上げます
 中国側の調査によりますれば、旧日本軍によって中国に遺棄されて未処理のままになっている化学兵器は、砲弾で約二百万発、それから化学剤で約百トンというふうになっております。
 政府といたしましては、中国側が提起しているこの遺棄化学兵器のすべてについてまだ確認を行うに至っておりませんけれども、何回かにわたりまして現地調査、視察を行いまして、その一部につきましては旧日本軍のものであるということを確認している次第でございます。
 それで、これまでのところは現地調査等を通じての実態の把握という作業でございます。これから先、廃棄に至るプロセスをどういうふうに具体的に取り進めるかということは、まさに条約との脈絡、あるいは日中共同声明、日中平和友好条約等の精神から踏まえましても、日本にとって考えなければならない課題でございますけれども、現段階ではまだその辺の、政府としてどういうふうな段取りで処理というところまで持っていくかということは詰め切っていないというのが現状でございます。
#31
○安倍(晋)委員 この問題については、我が国の終わっていない戦後処理の一つでございますから、この条約の締結を、批准を機に、一日も早く、これは我が国の責任として早急に処理をしていかなければいけないと私は思うわけでございますし、またこれは、中国側の主張によりますと二百万発遺棄をされていて、その一発の処理が十数万円かかるということでございますから、大変な費用がかかるわけでございますが、しかしこれはもう我が国の負担においてやっていく当然の義務がある、私はこのように考えております。
 それと、これは直接この条約にはかかわりのないことでございますが、先ほど外務大臣がおっしゃったように、この条約を実効あらしめるためには、これはやはりすべての国が批准をするということが最も大切でありますから、これは一日も早くそのような状況にしていかなければいけないと私は思うわけでございます。
 このように、兵器、戦争にかかわることにつきましては、一国が一方的に宣言をいたしましてもこれは実効がないわけでございまして、核兵器しかり、またこの化学兵器についても、これは相互的に、またマルチ的に、お互いに廃棄をしていくということを約束して初めて実効がある、私はこのように思うわけでございます。
 その観点からいえば、ことし我が国が戦後五十年を迎えるわけでございますが、いわゆる不戦決議等々ということが言われているわけでございますが、この不戦決議というのもやはりこれは全く同じでございまして、我が国が一方的に不戦を言っても、他国から侵略されたときには当然防衛戦争の権利があるということであっては、これが果たして本当に不戦がどうかというのは大変怪しいわけでございます。
 これは、バリ不戦条約を結んだわけでございますが、アメリカが公文書において、自衛権は当然あるんだよということを確認いたしたわけでございます。その後、結果はどうなったかというと、第二次世界大戦も引き起こったわけでございまして、なかなか実効性がないということでございますから、私としては、我が国が一方的に不戦の決議をするというのはほとんど意味がないことではないか。目指すのであれば、むしろ自衛権すら否定をする不戦の条約をマルチで結ぶということによって初めて可能になるのではないかと思うわけでございますから、その点のところを最後に外務大臣に御見解を承りたいと思います。
#32
○河野国務大臣 国金で戦後五十年というこの節目に何か決議をやろうというお話し合いをしようということが、連立政権樹立の折に三党で合意がなされております。その三党の合意の、五十年目という節目に当たる年に何か決議を、この五十年目という年に思いをいたして決議をしよう、こういうことについては、私はちょっと外務大臣という立場で院の決議にあれこれ申し上げることはいかがかと思いますが、そういう話については大変意味のあることだというふうに私は思っているわけでございます。
 問題は、その決議の中身がどういう中身であるかということであろうと思いますが、今申し上げましたように、五十年という節目に当たって、我々はもう一度初心を思い起こして、そうしたものを自分自身に言い聞かせるということも一つの考え方であろうと思いますし、あるいは五十年目という節目に、未来に向かって我々はこういう道筋を進んでいこうではないかというのも一つの考え方であろうと思います。
 これらは院におきまして、議員の皆様方の総意といいますか、合意を導き出すという努力が今なされようとしているというふうに伺っておりまして、意味のある決議をぜひお願いしたいものだ、私はこう考えております。
#33
○安倍(晋)委員 では、これで私の質問を終了したいと思います。ありがとうございました。
#34
○三原委員長 伊藤茂君。
#35
○伊藤(茂)委員 この条約で、二つ感想、気持ちを持ちました。
 一つは、ハーグ議定書以来、長い期間にわたる努力でございますから、その努力には敬意を表しながら、実効性のある発足、運用をぜひ期待したいという気持ちでございます。
 もう一つは、国家間の対立、戦争とは違った形でこのような危険な物質が、しかも日本で、身の回りで使われたという状況が起きているということに、非常に危機感と申しましょうか、思いを深くいたします。日本は治安のいい国だということを誇りにも思い、自慢にしてきたわけでございますけれども、そうでないことになったら、これは国際社会でも本当に誇りを持った国にはなり得ない。どうしたらいいのだろうか。その二つの思いを深くいたします。
 若干質問をさせていただきますが、その前に一、二、お伺いしたいことがございます。
 その一つは、UNDOF、ゴラン高原への派遣の問題が議論されておりますが、二十六日の朝日新聞、現地の総司令官のインタビューで、日本の参加には賛成できないとか、語学で問題が起きるとか、あるいは輸送業務だけだと支障が出るとか、国連からの要請ではなく日本が参加を求めてきたのだとか、何かインタビューが報道されております。どういうことなのでしょうか。
#36
○柳井政府委員 ただいま御指摘の新聞報道につきましては私どもも承知しておりますが、御承知のとおり、このUNDOFへの派遣につきましては、昨年の五月に国連から、カナダの後方支援部隊の担当している機能の一部を我が国が担当する可能性について検討してほしいという非公式の打診があったわけでございます。これに基づいて検討を行ってきておりまして、仮にこの現地の司令官が伝えられるような発言を、まあ個人的な見解ということではあったようでございますが、行ったといたしますれば、何らかの誤解があったのではないかというふうに思っております。いずれにいたしましても、どのような趣旨で言われたのか、その辺を今後いろいろな機会に確認していきたいと思っております。
 なお我が国は、御案内のとおり、カンボジアあるいはモザンビークに自衛隊の部隊あるいは要員を派遣しているわけでございますが、語学上特に問題が生ずるということもなく立派な業績を上げられておりまして、国連からも評価されているところでございます。この司令官の発言の真意につきましては、現在、事実関係を在シリアの大使館を通じまして照会しておりますが、近く派遣予定の与党調査団及び政府の調査団が現地を訪れた際にこの司令官とも会う機会があると思われます。そのような機会もとらえまして、十分に意見交換をしたいと思っております。
 いずれにいたしましても、その参加の可否につきましてはニューヨークの国連本部の方で決める問題であると考えております。
#37
○伊藤(茂)委員 与党の調査団も間もなく出発をする、いい調査をしてくれるであろうと確信をいたしております。政府調査団も参るというふうにも伺っているわけでありまして、事実は明らかになると思いますが、いずれにしてもたくさんの人が関心を持っている問題ですから、司令官の発言にどう責任を持つのかという意味じゃないですよ、透明性のある取り扱いが関係機関でなされるように一層御努力を期待したいと思います。
 もう一つ伺いたいと思いますのは、中国への遺棄化学兵器の問題でございます。
 先ほどもお話がございましたように、中国側の発表では、化学兵器、砲弾で二百万発、また毒性化学割百トン、直接の犠牲者も起きているとかいうふうなことが言われております。隣国中国との過去を振り返ってみましても、現実、大きな重要な問題だろうと思います。
 これは、この条約が日中双方批准をして双方締結国となりました段階では、条約によりまして二年以内に廃棄を開始し、十年以内に完了するというふうなことになるのでありましょう。ただ、報告と報道を見ますと、老朽化ですね。もう何十年かたっていることですから、砲弾が腐ってくる。内容が漏れてくる。今度も新しい密閉のケースに入れたようでございますけれども、もっと巨大な部分があるわけでございますから、なるべく早くめどをつけるということが大事ではないだろうかというふうに思います。また報道では、村山総理が五月には訪中というふうなことも報道をされておりますけれども、そういう二年以内に廃棄を開始、十年以内に完了するという建前ではなくて、現実、このような砲弾などの置かれている状況から見ましても、あるいは両国の友好関係から見ましても、早くやるということが必要ではないだろうかというふうに思います。
 そういうことの、早期にやりましょうという大枠のめどをつけるというのが必要ではないだろうかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
#38
○川島政府委員 お答え申し上げます。
 確かに、この両方、日中両国が締約国になりますとこれは法的義務ということになりますけれども、それを待つことなく、道義的観点と申しますか、両国関係全般を考えまして既にいろいろ対応してきた次第でございます。それで、先般も十九名から成る専門家の調査団を送ったりしております。
 ただ、二百万発と申しましても、中国側の資料でも地域的には東北地方を中心に相当いろいろなところに散らばっておりまして、至急全般的な現状把握というものがやはり急がれるということでございます。その過程で、先般の調査団の際には、まさに御指摘のとおり、相当老朽化というか古くなっている兵器につきましては、改めて密閉容器収納等々を行った次第でございます。
 それで、十年といわず急ぐべきではないかという御指摘、まことにそのとおりだろうと思いますけれども、何分にもこの遺棄化学兵器の話は、戦後の処理の中で実は今までこういう問題がなかったものですから、さらに申せば、今までは、例えば賠償とか、あるいは個々の話でございますとサハリンの韓国人とか被爆者とか、人に対する仕事というものは割にいろいろなものがあったのですけれども、物の処理というのはこれが初めてでございまして、今までこういうものの処理というのを政府の中でやった体制がないものですから、その辺をどう詰めるかということ等も実は国内的にはあるわけでございます。
 ただ、それよりもまずは、あの膨大な中国の相当多岐に点在しているということの中で、どうやって全体像を把握してその次の段取りを詰めるかということ、まだやるべきことが非常に残っているというのが現状でございますので、これは外務省だけではなくて、どういうふうに政府全体として取り組むかということを考えていかなきゃならないとは思っておりますけれども、今はまず、調査を相当本格的にあれこれやっているというのが現状でございます。
#39
○伊藤(茂)委員 大変なことだなというのはよくわかります。しかし、これはやめることのできないことでございまして、やはりこういうことというのは日本側の方が最大限誠意を持って、最大限努力しますという姿勢を示すことによって、中国側の方も喜んで誠意を持って対応していただける。こんなことで何かこじれるようなことというのはあってはならぬことだと思いますから、やはりできるだけ早くと申しましょうか、責任あるレベルでそういう意思表示が相互になされるということが望ましいと思います。
 それから、国内のシステムのこともお話がございました。
 海に捨てるとか山に埋めるというわけにはまいりませんので、やはり技術的に分解をし処理をするということが必要だと思います。技術も必要ですし、お金も必要ですし、さまざまな調査その他人員も必要だろうと思います。そうなりますとこれも初めてのことなんですが、一体、外務省だけで解体技術の能力があるわけじゃございませんから、政府部内のそういう能力もかりなければなりません。
 何かそういうチームでもつくってやるということも必要なことではないかなと思いますが、その辺、こうしたいでも結構なんですが、こういう方向でやりたいと思っているというふうなことを、ひとつきちんと意思表示をお願いしたいと思います。
#40
○林(暘)政府委員 今御指摘のとおり、国内におきましても、いわゆる老朽化した兵器というものが地中から出てくるという可能性が排除されているわけではございません。その場合には条約の定めに従いまして廃棄をしなくちゃいけないということになるわけでございますけれども、これにつきましても、過去においてそういう事例がありましたときには海中に投棄をいたしたことがございますが、こちらの方も、この条約でも禁止されておりますし、ある時点から海中投棄の方も禁止をされております。そういう意味で、国内で廃棄をするということが必要になってまいります。
 それは政府としての責任としていたす所存でございますけれども、国内的にどの省庁がどういう形で責任を持ってやるかということについては現在政府部内で調整中でございまして、ただ、条約の義務でございますので、政府としては、責任を持って実施するということでやっていきたいというふうに考えております。
#41
○伊藤(茂)委員 できましたらやはりそう期間を置かない時期にこういう問題はやって、それから、お互いに、中国側にいたしましても、大変な技術と手間と費用もかかる大変な作業だなということは中国自身もおわかりのことだろうと思います。
 大臣、感想ありますか。
#42
○河野国務大臣 これはもう我が国の責任として、国際的に、まあ今具体的な話があるのは中国でございますが、中国に御迷惑をかけることのないようきちっとした処理が必要だ、しかも、伊藤議員お話しのように、できるだけ早期にこの処理を行うべきであるというふうに思っております。
 それから、国内の体制については、どこが所管をするかというようなことまで、全く新しいことでございますから、考えて決めていかなければなりません。現在、内政審議室などを中心にその調整に当たっているところでございますが、これも具体的な問題の処理にかかるまでにはそうした体制もきちんと決めなければならないと思いますし、これは決めるつもりでおります。
#43
○伊藤(茂)委員 念のためについでに伺うのですが、例えばで言うのですが、アメリカで製造された化学兵器か何かが沖縄にあるとか、何か、日本にはそういうことはないでしょうね。
#44
○林(暘)政府委員 日本にございます米軍基地における化学兵器等の存在の問題でございますけれども、これにつきましては、アメリカ側は一九九二年に、一般的な形で、当時のレーマン長官が、すべてのアメリカの化学兵器は米国の領土内にあって、領土内で廃棄するということを言っておりますが、別途我々としても、日本にあります米軍基地の中にはそういうものは存在しないというふうに米側から既に確証を得ております。
#45
○伊藤(茂)委員 条約を効果あるものにするために、大きく言って二つあるのではないだろうかというふうに思います。
 一つは、やはりすべての国の参加のための努力ということが、これは二十年にわたる努力の結果ではございますけれども、依然として残っているというのも現実でございまして、また、さまざま入っていただかなければならない国というものも世界における緊張地帯に存在している。要するに、重層的、多面的なさまざまの努力をしながらこれを打開していかなければならないということだろうと思います。
 それからもう一つは、やはり検証、査察の問題でございまして、初めてチャレンジ査察、疑惑の根拠を示せばどの国も要請することができるチャレンジ査察というのも初めてのことでありまして、これが本当に順調に行うことができるのかどうか、これも今までにない新しい実験になるわけでございます。
 その二つあると思うのですが、そのためにはさまざまの努力が必要であろうというふうに私は思います。例えば、執行理事国を選ぶ。八条二十三項を見ますと、六つの地域。私は、これはこのことからいっても大変適切な方法だろうというふうに思います。アジアでは九つの国を選ぶということになっております。また、そのうち四つは重要な国内化学施設などを持つという条件が条約の中に付されております。それらを考えますと、日本は当然やはりその義務、責任を果たすべき立場であろうと容易に私は想像するわけでございます。
 そうなりますと、やはりそういう締結国が集まって、だれを代表でやりましょうか、どうしましょうか。地域でというのは非常にいいことですから、やはりそういう中のことも含めて、いろいろな場面でそういう努力をしていくということが必要ではないだろうかということを感ずるわけでございまして、一般論ではなくて、さまざまそのための努力をしていく。それから、おまえのところは入らないから経済援助はどうということもちょっとストレートに過ぎるのじゃないだろうかと思いますが、やはり知恵のあるさまざまな努力を外交上どうやっていくのかということも必要だと思います。
 それから、もう一つの査察の問題もそうでございますけれども、国家主権の問題もあるでありましょう。あるいは産業機密ということもあるかもしれません。そういうことを考えますと、国家間、政府間の努力もいろいろ必要でございます。と同時に、これは人類的に非常に大事なテーマで、長年努力してやったものがこういうふうに実を結んだわけでございますから、また最近は国連、先般の国連の社会開発サミットもそうでございますけれども、有識者、NGO、市民団体、いろいろなものの参加ということが特徴になっております。
 いろいろなそういう形を通じて、政府だけではなくて、政府も協力をしながら、そういうものを禁止をしようという国際世論を起こすようなさまざまのフォーラムとかいろいろな努力、多面的にあっていいのじゃないだろうかというふうに思います。そういう意味で、条約を効果あらしめるものとするために必要な努力というものをぜひ多面的に、具体的にやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#46
○林(暘)政府委員 今御指摘のとおり、かつ、先ほど申し上げましたとおり、この条約というのは化学兵器を世界からなくすというためにいろいろな規定を、新しい試みを含めまして規定を置いております。それにつきまして、実際の実施においてどういうことになるかということについては、初めての試みでもございますし、条約ができ上がって実際に実施してみなければわからないという部分もあるわけでございますが、ただ、人類共通の願いである化学兵器を廃棄するというためにせっかくつくったものでございます。
 かつ、今御指摘のとおり、御承認いただければ、恐らく日本は原加盟国となりますし、執行理事会のメンバーにもなることができるというふうに思っておりますので、そういう立場、それから、非常に重要な化学産業を有している先進工業国としての立場、その他もろもろの立場から、これが実効的なものになるように、かつ、極めて多くの国が普遍的に参加する条約になるように、御指摘のとおり、いろいろな立場で努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#47
○伊藤(茂)委員 こういう面で多面的にさまざまの努力を、これは日本、国としても、国民としても誠実にやっていく。やはりこれからの日本に大変ふさわしい、またそういう努力の中でも、これからの時代の新しい国家イメージが生まれるような、そういう国でありたいというふうに思うわけでございます。
 あと目の前、当面のことでございますけれども、サリンをめぐる大変深刻な事件が起こっております。それを現実、事実がどうなのかということも警察が鋭意捜査中、まだ結論は明確に出ていないという段階でございます。ただ、この経過を考えますと、いろいろなことをやはり私どもは考えなければならないと思います。
 実は、日本でこういうことが発生をし、世界じゅうが関心を持って見ているというのも非常に残念な出来事でございますけれども、個別対応ですね、今度も国内法が同時に成立される見通しになっております。大変大事なことだと思います。それからさらに、罰則を含めまして特別立法を提出をするということが与党間でもまた国会でも合意をされている、これは妥当な措置であろうと思います。
 と同時に、ヨーロッパの場合などを見ますと、グリコの場合とかサリンの場合とか個別ではなくて、テロ行為一般についての特別の法律というものが存在をしているというのが見られるわけでございますが、そういうことを含めて何かやはり我々の社会にそういうことが起きないさまざまな手だてというものを、これはやはり国民的なみんなの議論で考えていくというふうなことが必要なのではないだろうかという感じがいたします。
 それから、事柄が非常に国際的でございまして、報道によりますと、今話題となっている、疑惑のかかっているオウム真理教、ニューヨークとかボンとかスリランカとかモスクワとか、支部があるようであります。ロシアの議会では、必要な調査をするように関係機関に指示をした、またモスクワのある地区の裁判所では、これを布教を禁止をする、差し押さえをするという措置がとられたというのはテレビで見たわけでございますが、国際的にも非常に影響が大きい。こういう問題が、国際的に一体、あってはならないことがどうなるのかと心配しながら見ているということになるわけであります。
 そうなりますと、やはり警察でやる当面の捜査、早くしてほしいと思いますが、それだけではないさまざまなことを考えなければならないということではないだろうか。何かそういう検討とかそういう議論とか、議会もそうでありましょうけれども、しなければならないという気持ちがいたしますが、何か、気持ちとしてどうお考えになりますか。
#48
○河野国務大臣 今回の事件については、もう申し上げるまでもなく、全く無差別に市民生活を恐怖に陥れるというまことに悪質な事件というふうに思います。この事件が一日も早く解決されるということを我々は捜査当局等に期待をしているわけでありますが、それと同時に、国際社会はこの問題について、我々も大変大きな衝撃を受け、高い関心を持って見ておりますけれども、国際社会はまた、もっとテロに対する意識で厳しくこの問題を見守っているように思います。
 考えてみますと、欧米の国々の中には、テロに対する厳しい対策、対応がございます。それはそれなりの理由もあるのだろうと思います。したがって、この問題の解決について、あるいはこの問題の予防について日本がどういう対応をするかということについても、欧米の国々の関心は非常に高いと思いますし、また我々も、国際的なテロ行為などにも十分思いをいたして、この問題の処理については、問題によっては国際的な十分な連絡をとるということもまた考える必要があろうというふうに思っております。
 いずれにしても、我が国において、さらに国際社会においてこうしたことが全く善良な市民に無差別にかかってくるというようなことが決して二度とあってはならないというふうに思いますし、こうしたことがテロ行為に利用されるというようなことが絶対にあってはならぬ、そのために十分な捜査と対応を考えなければならないのではないかというふうに思います。
#49
○伊藤(茂)委員 最後に一つ、宗教法人の問題でございます。
 憲法の立場で、宗教の自由、信教、尊重されなければなりませんし、私も、いろいろな宗派にまたがりまして大変尊敬する宗教人ということもいつも考えるわけでございますけれども、ところが、何かやはり、特に新興宗教と申しましょうか、そういう中で、人の心を救済をする、社会を救済をすると申しましょうか、そういうような役割を果たすべき宗教が、社会に不安を与え、あるいは犯罪団体に容疑されるようなことが起こってくる、大変残念なことだと思います。
 行政上の形式的なことは、これら団体は文部省の所管、それから知事に事務が移管されてそこで承認をする。何か、承認をされている宗教団体が十八万、その他を含めると二十数万あるのではないだろうか。とてもしかし、今の行政でこれを調査をしたり検証をしたり、とるべき報告をチェックしたり、そういう余裕はほとんどないのではないかと思うわけでございます。結局、何か事件が起こってから警察のお世話になるということが続いているわけであります。
 ロシアの裁判所がああいう判決を下したというのをぜひと私は言うわけではございませんけれども、やはり何か、こういうままでいいのかな。とにかく法律の定めにより認証し、あるいは基準に沿って認めて活動が行われているというわけでございますから、やはり行政で認めた団体が重大な何か問題を起こしていることに対して無関心、傍観というのは私はおかしいだろう。
 さすが文部大臣は、容疑が決定的になった場合には、解散を含めて断固たる措置をとるという発言をされているようでございますけれども、こういうことも、何かやはり考えるべき問題ではないだろうかという気がいたします。
 と同時に、これは別個に聞いておりますから実務的な答弁はもう結構ですが、それから、やはり戦争が終わるという新しい世界の中で、新しい不安、麻薬とかエイズとかこういう事件とかが起こってくる。やはりそういうものをどうやってないようにしていくのかということについても、私どももやはり広い立場から努力をしなければならないのではないだろうか。
 宗教団体のことは答弁を求めませんが、そういう気持ちを持って努力をする必要があるのではないかという気持ちを申し上げまして、終わらせていただきます。
#50
○三原委員長 前原誠司君。
#51
○前原委員 新党さきがけを代表いたしまして御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、今回のサリン事件で亡くなられた方々に対しては、本当に心から哀悼の意を申し上げるとともに、まだ後遺症などで苦しんでおられる皆さん方には心よりお見舞いを申し上げたいと思っております。
 今回、この化学兵器禁止条約というものが速やかに議論をされまして、また国内法も整備をされるということについて、我が党といたしましても全面的に協力をし、そして内容のあるものにしていくためにこの場でも議論を進めさせていただきたいと思っております。
 まず初めに、オウム真理教という宗教団体が、拉致事件を皮切りに強制家宅捜査というものが行われる中で、いろいろと今回の化学兵器禁止条約というものに関連をしてきている薬物、毒物というものが大量に押収をされているということでございます。国民一般の感覚として、ああいう劇物、また毒物、またそれを調合すればそういった劇物、毒物になるような化学物質、いとも簡単に入手できるものだなというのが率直な一般国民の感想ではないかと思いますけれども、今回の押収されたものの中に今の国内法の規定の中で違反するものがあったのかどうか、また、命回の条約を批准するに当たって国内法を改正いたしますけれども、改正する中で新たに売買というふうなものが禁止に当たるものがあるのかどうか、その辺の事実関係について、まずお尋ねをしたいと思います。
#52
○篠原説明員 お答えいたします。
 今回のオウム真理教関連施設に対する一連の捜索におきまして、一般的にサリンを製造するために必要とされる薬品類など多数押収をしておるところでございますけれども、これらにつきましては、詳細については答弁を差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般的に所持等につきまして禁止されているものは、まあ大部分が所持等については違法なものではないというふうに考えておるところでございます。
#53
○掛林説明員 先生の方からお話のありました化学兵器禁止条約の国内実施法の関連につきまして、御説明させていただきたいと思います。
 条約上規制対象となっております化学物質につきましては、現在国会の方で御審議いただいております化学兵器禁止法案におきまして、条約上の規定に即しまして所要の措置を講ずることとなっております。
 具体的には、サリン等の特定物質につきましては、製造、使用、所持、譲り渡し、譲り受け等は原則的に禁止になります。厳格な規制を行うことになっております。また、サリン等の原料物質の一部につきましては、これも条約上の規定に即しまして、この化学兵器禁止法案におきまして、製造の実績数量等の届け出、それから条約機関によります検査の受け入れ義務を課すということになっております。また、これらの規定に違反しました場合には罰則を適用するというようなことで考えております。
#54
○前原委員 条約に関連して国内法の整備において新たに厳しくなるということでございますけれども、昨日の本会議でも自治大臣が特別立法に言及をされておりました。
 化学兵器禁止法、その法案の中におきましては、化学兵器の使用、発散については無期懲役が一番重い刑になっている。そして、化学兵器として使用する目的でのサリンなどの製造、所持等については七年以下の懲役になっている。特別立法の案としましては、サリン等の発散とかサリン等の製造、所持等ということでありますけれども、この化学兵器禁止法でどういう部分がカバーできないために特別立法というものをやらなければいけないのか。そこを、刑法と化学兵器禁止法、そしてまた今回の特別立法の相関関係の中でちょっと御説明をいただきたいと思います。
#55
○篠原説明員 お答えいたします。
 まず、刑法の問題でございますけれども、現在オウム真理教施設の捜索については殺人予備を適用しておるわけでございます。サリンは、確かに人を殺傷するために供される場合が大半であろうかと思いますけれども、殺人予備という刑法の適用におきましては、目的という面の立証というのが現実問題としては不可欠な状況でございます。そういう面で、適用の問題においてはかなりの情況証拠の積み上げが必要となってくる。現在は、サリンを単純に所持、製造しておるということでは法に触れないという状況でございます。
 また、現在化学兵器禁止法案が審議中と承知をしておりますけれども、これにつきましては、現実に起きましたサリンによる毒ガス使用の重大性、そして公共の危険を防止する観点からのサリンの不法な製造、所持についての重罰化、あるいはサリンの不法製造を目的といたしましての原料物質の不法所持、これについてもやはり処罰することが必要ではないか、あるいは現場等における若干の行政措置面の必要性、そういったものを現在検討をして、特別立法という形で今国会に提出したいというふうに考えている状況でございます。
 以上でございます。
#56
○前原委員 要は、化学兵器禁止法、今は法案でございますけれども、それでは情況証拠の積み上げ等々で不備な面があるので、その点については特別立法で補っていくという解釈でよろしいのでしょうか。
#57
○掛林説明員 御説明させていただきます。
 化学兵器禁止法案につきましては、これは先ほども申し上げましたように、化学兵器禁止条約上の義務を的確に履行するために、国内実施上必要な措置を講ずるという性格のものでございます。
 先ほど申し上げましたように、サリン等を含めまして特定物質につきましては、製造、使用のみならず、所持、譲り渡し、譲り受け等の規制を、厳格な管理を行うということになっておりまして、これは条約上の義務を履行するという観点から行うものでございまして、その点から申し上げますと、この法案に不備があるというようなことではないと思われます。
 今御指摘のあった点につきましては、警察庁の方からも御説明がございましたように、公共危険犯というようなことから、サリン等を不法に所持している場合ということについては特別立法の方で今検討されるということでございまして、これは、化学兵器禁止法案におきましては、本来そういった反社会的なものということではなくて、本来許可を受けるべきときに受けていない、それに対する罰則を適用するというものでございまして、これらは互いに相補うものであるというふうに思っております。
#58
○前原委員 今の御説明でよくわかりました。
 次に移らせていただきますが、先ほど社会党の伊藤先生からも御質問がございましたけれども、宗教法人の認可の問題についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
 今回強制捜査というものが行われておりますけれども、いろいろ失踪の事件とか拉致の事件とか監禁の事件、あるいは今回の毒物の事件等々の疑惑が指摘をされているわけで、捜査当局によりまして、その点について今後明らかにしていただくものだと確信をいたしております。
 そこで、宗教法人として認可をしたというもの、逆にそれの取り消しまたはその宗教法人の解散命令というふうなものの基準、例えばこういう反社会的な行為を行ったということが仮に断定をされた場合、その宗教法人の認可を取り消す場合というものの判断基準を今文部省として持っておられるのかどうか。その点についてお伺いしたいと思います。
#59
○中根説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、宗教法人法におきましては、宗教法人の認証の取り消しにつきましては、認証書を交付した日から一年以内に当該団体が宗教団体でないということが判明した場合に限りまして行うことができるというふうな仕組みになっております。
 また、解散命令につきましては、宗教法人について、法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたときは、裁判所は、所轄庁、利害関係人もしくは検察官の請求によりまたは職権でその宗教法人の解散を命ずる、こういうことができるというふうにされているところでございます。
 今回の事件につきましては、御承知のように今捜査中であるということで、まだその事実関係が明らかでございませんが、進展いかんによっては、捜査の結果いかんによりましては、宗教法人法の問題に今後なり得るものと考えているところでございます。
 仮に解散命令という問題になりました場合には、先ほど申し上げました宗教法人法の八十一条という条文を適用してということになろうかというふうには考えられますけれども、現在のところ、法令違反を理由とする解散命令をしたケースはございません。
 したがいまして、これを適用するかどうかにつきましては、所轄庁である東京都を初め関係機関とも協議しながら的確に対応してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#60
○前原委員 今御答弁がございましたように、これは信教の自由と非常に密接にかかわってくる問題でありますし、非常に難しい対応をしなくてはいけない問題ではないかと思っております。
 信教の自由というのは憲法で規定をされていることでございますけれども、ただ、反社会的な行為でありますとか、やはり明らかに、例えば毒物を使って瞑想の世界に入るとか、そういうことが、その人たちにとっては、その団体の方々にとっては宗教かもしれませんけれども、しかしながら、一般常識から考えて、他人に危害を及ぼす、あるいは身体、生命に危害を及ぼすというふうな判断が下された場合においては、それはやはり信教の自由ということでなくて生命にかかわる問題になってくるわけであります。その点、憲法の中でのどちらを優先させるか、あるいはどちらに重きを置くかというふうなことでございますけれども、今御答弁がありましたように、今まで余りそういう適用がないということであります。
 再度確認をさせていただきたいわけでありますけれども、これは今問題になっているオウム真理教ということを特定ではなくて、仮に宗教団体が毒物などの生成によって人に危害を加えたとか、また監禁、拉致ぐらいでしたらそれがすぐさま宗教法人の解散命令につながるのかわかりませんけれども、そこら辺の、どういう判断基準を持たれるのか、その点について、ちょっと難しい御答弁かもしれませんけれども、再度お願いをしたいと思います。
#61
○中根説明員 お答えいたします。
 非常に難しい御質問であるわけでございますけれども、この場合の法令違反につきましては、法令といいましてもいろいろなものがあるわけでございます。手続法もあれば交通達反等の取締法もある、そういったものから刑法のように非常に生命、身体についての保護に至るものまで、いろいろあるわけでございます。
 そういった意味から、法令違反といっても、非常に重大な保護法益を確保するために必要な法令に違反している場合とか、その場合の被害が単に個人に及ぶ場合かとか非常に多数の方々の法益を侵害しているのか、そういったことを総合的に判断して決めざるを得ないのかな、こういうふうに一つ思うわけでございます。
 それから、またここで問題になってこようかと思うわけでございますけれども、これは単に信者個人の問題ではなくて、宗教法人としてこういった法令違反があったというふうな認定も必要になってくるわけでございます。
 そういったことも含めて、今後事案が明らかになりました段階でいろいろと検討させていただきたい、かように考えている次第でございます。
#62
○前原委員 ありがとうございました。
 次に移らせていただきます。
 今回審議をさせていただいている条約の中には、いわゆる化学兵器転用可能な化学物質を生産する工場については抜き打ち査察の対象になるということになっております。しかも、届け出制であるということであります。マスコミによりますと、査察対象になるのが大体百社ぐらい、それから報告義務のあるものについては約六千カ所、そういうことが言われているわけでございます。
 しかし、これはいわゆる申告をするという信義に基づいた大前提があってのことでありまして、今回のように秘密裏に毒物、化学兵器禁止条約において禁止をされる、また届け出義務があるようなものについて秘密にやっている場合、これについてはどういうふうな対処をしていったらいいのかというところが一つ大きなポイントになってくるのではないかと思っております。
 この条約によりましては、加盟国から怪しいというふうな認定があった場合においては、そしてその確証というものがある程度得られた場合においては、その施設においての査察というものが行われる、届け出をしていないところについても査察というものが行い得るというふうなことが書かれているわけでございますけれども、例えば今回のように、信教の自由というふうなものを盾にして査察を拒否をした場合、この点については、例えばこの条約に照らし合わせたら、その疑いのある施設については条約上どういう、ペナルティーと言ったらおかしいですけれども、ペナルティーが生ずるのか、あるいはその加盟国たる日本にどういったペナルティーが生じるのか、その点についてちょっとお伺いをしたいと思います。
#63
○林(暘)政府委員 国内法上の措置につきましては、必要がありましたら通産省の方から御答弁をいただきたいと思いますけれども、条約との関係で申し上げれば、条約上いわゆるチャレンジ査察、申し立てによる査察について、それが認められた場合で入ってくる場合には、日本として査察団に対してアクセスを与えなくてはいけないということになっておるわけでございます。
 それで、もしそのアクセスが与えられなかったというようなことになります場合には、これは当然のことながら査察団の最終報告に記載をされて、その報告というのがそれぞれの締約国ないしは執行理事会等に送付をされるということになります。執行理事会においては、この最終報告を検討し、違反があったか否かを検討するということになろうかと思っております。
#64
○掛林説明員 国内実施法上の関係を御説明させていただきます。
 化学兵器禁止法案におきましては、条約機関の職員によります事業所への検査につきまして、第三十条によりまして受け入れを義務づけております。この検査の受け入れ義務につきましては、その対象が私企業であるかあるいは宗教法人等の公益法人であるかとは無関係でございます。また、仮にこの条約機関による検査を拒否するということがありました場合には、これは法案に規定されております罰則の適用がございます。
 以上でございます。
#65
○前原委員 チャレンジ査察を受け入れない場合においては、今回整備をしようとしている国内法において罰則の規定があるというふうなことでございます。しかしながら、これは核の問題で北朝鮮がずっと査察を拒否をしてきたというふうなことでありまして、疑惑が解明されないというケースもあり得るのではないかと思います。疑惑があるのではないかと擬せられて、そしてチャレンジ査察を受け入れなさいということを勧告されながらもそれを拒否する、し続ける場合というのもあるのではないかと思います。その場合については、条約上どういうペナルティーになるのかわかりません。例えばある宗教団体が擬せられているという場合においても、しかしあくまでも憲法上認められた信教の自由なんかを盾にしてそれを拒否するといった場合においては、この条約上どうなるのか、あるいは国際法上どうなるのか、国内法上どうなるのか、その点について再度お伺いしたいと思います。
#66
○林(暘)政府委員 条約上の方についてお答えを申し上げますと、条約というのは、当然のことながら、国としての約束でございますので、今御指摘の特別の私人ないしは宗教法人に条約がどうこうということはございません。それについてのアクセスを認め得なかったという、今の例でいえば、日本政府というものに対して条約の違反があっなかなかったかという判断があり得るかと思いますけれども、条約で定めておりますのはその限りでございまして、直接の私人に対しては、これは日本国内でその私人に対して政府がどういう対応をするかしないかという問題であろうというふうには考えております。(前原委員「国際社会において日本がどういうペナルティーを受けるか」と呼ぶ)具体的にその件ということではなくて、一般に条約に違反があった場合にどういうことになるかということにつきましては、執行理事会が事態を是正してこの条約の遵守を確保するために適当な措置をとることができるという規定がございます。機関として、締約国に対して、条約の言葉をかりれば、集団的措置の勧告をするということが書いてございますし、最終的には国際連合、特に国際連合の安全保障理事会の注意喚起という、条約の建前としてはそういうメカニズムになっております。
#67
○掛林説明員 国内法の関係で申し上げますと、これは法の厳正な運用によりまして、拒否する者に対しましては罰則を適用していくことになると思います。
 しかしながら、同時に、やはりこの条約及びこの法案に基づく義務の履行の重要性ということが広く一般に認識されることが、あるいは理解されることが重要であると思っておりまして、こういったことのないような形で、またあわせて周知徹底ということを図っていくことも重要ではないかと思っております。
#68
○前原委員 これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#69
○三原委員長 松沢成文君。
#70
○松沢委員 新進党の松沢成文でございます。
 化学兵器の禁止条約についてですが、私もまず先般の地下鉄サリン事件の問題について質問をしたいと思います。
 まず、こうした無差別テロのような極悪な事件が起きまして、犠牲者の方また被害者の方、お悔やみ並びにお見舞いを冒頭申し上げたいと思います。
 まず、今回のサリン事件というのが欧米でかなり異常な関心を呼んでおりまして、二十七日発売のタイムとかニューズウイークでもかなり大きく報じられております。その中で、大量破壊兵器の使用によって、テロリズムは専門家が過去数十年間恐れていた一線を踏み越えた、今後はほかのテロ集団がまねをすることはほぼ間違いなく、再発があり得るという警告をしております。また、日本でも専門家が、一度化学兵器をテロに使ってしまったら、それまでにはできないと思っていたテロリストの心理的抵抗がなくなり、今回のようなテロが世界じゅうで模倣される可能性、危険性が極めて高いというふうに指摘をしています。日本は世界の中でも最も安全で秩序が整った国という見方をされていたと思いますが、この日本でこうした事件が起きたということに対して、海外の関心が非常に高いのではないかと思います。
 こうした海外の関心に対して、やはり私たちの日本の国は、今回のテロ事件、必ず犯人を挙げて、しっかりと再発が起きないような体制をつくっていくということが政治に課せられた極めて大きな任務だと思うんです。
 そこで、この事件、海外で大きく報道されているわけですけれども、この事件の国際的な重要性について、まず、政府としてどのように認識をされているか、伺いたいと思います。
#71
○河野国務大臣 議員御指摘のとおり、この事件は一日も早く捜査当局の努力によって解明をされて解決をしてほしいと心から念願をいたしております。
 それと申しますのも、御指摘のとおり国際社会のこの事件に対する注目度、極めて高いものがございます。そうした国際社会の関心事というものをきちんと解明してみせるということが重要であると同時に、この再発予防といいますか、再発防止のためにいかなる方法、措置が社会としてとれるかということを明らかにするというためにも、この問題の解決が必要であろうというふうに考えております。
#72
○松沢委員 次に、今このサリン事件との関連の疑惑を持たれているオウム真理教の問題について、少し関連で伺いたいと思うのですが、現在の法律、例えば毒物及び劇物取締法によっても、今回の家宅捜索で押収された猛毒物質の製造とか貯蔵については厚生省または都道府県への登録が必要である、取り扱いも厳しく規制されているわけであります。しかし、この法律はあくまでも製造・販売業者の規制を念頭に置くものであって、それを購入、使用する者については、一部取り扱いについて規制されているにすぎないわけなんです。
 そこで今回、この化学兵器の禁止条約の批准と国内法であります化学兵器の禁止に関する法律案の早期施行が求められているわけですけれども、しかし、今度の条約でもやはり「工業、農業、研究、医療又は製薬の目的」の場合は除外されると規定されていまして、規制物質が国内において全廃されるわけではありません。したがって、今後も国内においてサリンのような毒物が生成される可能性がなくなるわけではないと思います。
 今回の事件のように、社会通念上疑惑を持たれるに十分な量の使途不明の規制物質が蓄積されないよう万全の措置をとっていかなければならないと思うのですが、ただいま、これまでの質疑にもありましたように、特別立法をつくって罰則強化をしていくという方向性は示されたわけなんですけれども、例えば、不明確な貯蔵などを行っている疑いを持たれる施設についての立入検査ぐらいまでの措置を今後法的に認めていくという方向性も考えていくべきだと思うのですが、その辺についてはいかがお考えでしょうか。
#73
○掛林説明員 御説明させていただきます。
 化学兵器禁止条約上の、例えば表1剤につきましては、この化学兵器禁止法案上、特定物質として厳格な管理を行うこととしております。例えばサリン等の特定物質の製造につきましては、当該物質の使用に際しまして許可された数量のみの製造が許されるということになっております。したがいまして、当該特定物質が無目的かつ大量に貯蔵されることがないというふうに法の厳格な運用を行うことといたしております。
 さらに、このような厳格な法の運用を担保するために、許可製造者とかあるいは許可使用者等に対しましては、通商産業大臣が本法案の施行に必要な限度におきまして報告徴収及び立入検査を行うこととしております。
 いずれにしましても、サリンのような条約上の表1剤、法案上は特定物質でございますが、こういった条約上、先生の御指摘にもございましたように、許容された研究、医療、製薬及び防護の目的のために製造するというようなことにつきましては、これは通商産業大臣の許可に係らしめるということになっておりまして、無許可の製造行為とか、あるいは化学兵器製造のための予備行為といたしましての原料収集等は、違法行為としてこれは司直の手にゆだねられることになっております。このようなことから特定物質の厳格な管理が担保できるというふうに認識しておるところであります。
#74
○松沢委員 最後の、立入検査等の措置を認めるべきではないのかということに対しての考え方というのはいただけますか。
#75
○掛林説明員 この法案におきましては、条約上の規定に基づきまして厳格な管理を行うこととしておりまして、法案上も、特定物質につきましては、先ほど御説明いたしましたように、報告徴収及び立入検査を行うということにいたしております。
#76
○松沢委員 今回の事件の当初に、このサリンが外国から持ち込まれたのではないかという観測があったわけなんです。今までのところそういった事実は確認されてないようですけれども、私はこの観測を聞いてやはりロシアの動向が非常に気にかかったのですね。なぜなら、ロシアの軍の規律の乱れだとか、あるいは武器弾薬の奪取だとか横流しの横行だとか、あるいは核物質についてもその流出等がかなり報じられているわけですね。今後、条約が発効して、各国の規制物質の廃棄が始まった場合に、ロシアのように体制が混乱している一部の国から我が国に規制物質が流入する危険もあるというふうに私は思います。
 それで、条約発効による危険物質の廃棄に伴う規制物質の流出のおそれについて国際的な取り決めというのがなされているのかどうか、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。
#77
○掛林説明員 まず条約上の規制対象物質につきまして、現在の我が国におきます輸出入規制の実態を御説明させていただきたいと思います。
 現在、輸出に関しましては、条約上の表1剤、2剤及び3剤の一部につきまして、これはオーストラリアグループといいます、日米欧等の二十八カ国が参加しておりますけれども、この国際合意に基づきまして、既に外国為替及び外国貿易管理法及び輸出貿易管理令に基づきまして輸出規制の対象となっております。したがいまして、我が国からの輸出に対しては輸出許可が必要になっているわけでございます。また現在、輸入に関しましては、この外為法及び輸入貿易管理令上の輸入規制の対象とはなっておりません。ただ、先生の御指摘のように、条約発効後につきましては、この輸出それから輸入につきまして所要の規制が行われることになっております。
 ちなみに、この表1剤につきましては、現在、化学兵器禁止法案につきましては御審議いただいておりまして、昨日の修正によりまして、特定物質、すなわち条約の表1剤につきましては施行期日を繰り上げるということでございますので、この条約発効の時期にかかわらず、法律の施行に伴いましてこの表1剤に関します輸出及び輸入の規制が開始されます。それから、その他の表2剤、表3剤につきましても、これは条約発効後、条約の規定に則しまして輸出規制が行われることになっておりますし、表2剤につきましては、やはり輸入に関します規制が行われるということになろうかと思います。
#78
○松沢委員 次に、今回の事件で自衛隊の化学防護班、防護部隊というのでしょうか、大いに力を発揮して、まあ先般の阪神大震災の教訓がその意味では十分に生かされたと思うのですけれども、ただ、いつも自衛隊に頼るのであれば、同時多発的にこういう事件が起こった場合に限界があると思うのです。
 そこで、警察あるいは消防にも、今回のような事件を想定して中和剤だとか防護服などを常備したそういう対策をもうとる必要があるのではないかなと私は思います。警察や消防の方が、今回オウム真理教の施設捜査の前に、自衛隊の化学防護班にいろいろとその対応について訓練を受けたという情報も入っていますけれども、やはり私は、警察、消防にも、こうした自衛隊の化学防護班とまではいかずとも、こうした事件に対する対応ができる部隊というか装置というか、そういうものも準備しておく必要があるかと思うのですが、その辺はいかがお考えでしょうか。
#79
○篠原説明員 お答えいたします。
 昨年のサリン事件以降、警察といたしましてもいろいろ検討を始めておるところでございますけれども、御指摘のとおり、防護服等の装備等の検討につきましては必要性を感じているところでございます。今後とも、そういった面の研究なり装備の充実という面について心がけていきたいというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。
#80
○松沢委員 それともう一つは、今回多くの被害者の方が病院に運ばれたわけですけれども、初めてだったもので都内の病院にこうしたサリン等の毒物の被害者への治療法のノウハウがなかったわけで、前回の松本のサリン事件の経験をもとに、信州大学附属病院というんですか、ここからアドバイスがなされたという報道もありました。
 こうした機会に、毒ガス等に対する対応をマニュアル化して各大病院に配置をするというか備えをしておく、こういうこともこうした危機管理には必要じゃないかと思うのですが、その辺は、厚生省の方だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
#81
○磯部説明員 今回のサリン事件は、先生今御指摘のとおり、一般的な治験のない特殊な中毒患者が大量に発生したという特異な事件でございまして、松本サリン事件における診療経験がありましたことから、厚生省といたしましてもその教訓を生かしていただくために、事件当日、信州大学医学部附属病院等の協力を得まして、サリン中毒に関する治療法等の情報を東京都衛生局あるいは東京消防庁等を通じまして医療機関に送付するなどの対応を行ったところでございます。
 サリン以外も含めました毒ガス全般の対応マニュアルということになりますと、厚生行政としての課題というよりは、化学兵器あるいは化学兵器に対します防衛ないし治安対策という観点から検討していただくのが適当なのではないかというふうに考えております。
#82
○松沢委員 今まで二、三の質問は、いずれもこうした毒物のテロに対する政府の危機管理能力、これをやはり高めていかなければいけないということで質問したのです。
 先般の阪神大震災におけるああいう災害時に対する危機管理能力は、政府の方でも今十分に検討して対策を練っているわけですけれども、例えば地震のときにも取り上げられましたアメリカのFEMA、米国連邦緊急事態管理局というのでしょうか、このFEMAでも、災害だけではなくて、あらゆる化学物質や放射性物質に対する危機管理も念頭に置いて対策をつくっているということで、また、司法省や国防総省でも緊急事態の対策を定期的に見直して協議をしているということであります。
 こうした点から考えても、我が国とアメリカとの危機管理に対する意識の差があらわれているわけで、政府として今後、危機管理について、こうした毒物のテロ等にも対する危機管理について、省庁間で協調して対策をつくるというような意思があるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#83
○宇田川説明員 まず、我が国の危機管理体制について申し上げますと、基本的には関係行政機関がその所掌事務について対処するというふうなことになっておりまして、それで足りない場合、必要に応じて内閣官房、私どもでございますが、あるいは総合調整官庁や省庁横断的な対策本部のような組織で連絡調整を行う、こういうことになっております。このような体制があるわけでありますが、政府としましては、今御指摘のような事態もあるわけでありますが、こういうふうな事態が起こった場合に、迅速的確に対応するために、関係行政機関間で必要に応じて情報交換を行っております。
 また、こういうような危機管理体制というのは、事の性質上常に点検、改善していくべきものであるというような認識がございますので、関係行政機関間の連絡体制の一層の確立を図るなど万全の体制をとるべく努めているところであります。
#84
○松沢委員 ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 次に、今回の事件というのは、明らかに複数犯の存在があって、サリンの入手法等を考えると、一定の組織を持ったものの犯罪であるということはほぼ確実だと思うのですけれども、にもかかわらず捜査の容疑は、殺人犯、殺人罪ということで行われているわけですね。今回のような組織犯罪というのは、刑法総則の共犯関係で処理することでは不十分であって、テロを含む組織犯罪についての特別刑法というものもつくっていく必要があるんじゃないかと思うわけなんです。現に、テロの多発に悩む欧米各国にはそうした特別立法を持った国が多いと聞いています。
 日本の現行法上は、破壊活動防止法が暴力主義的破壊活動を行った団体について規制しています。しかし、この法律は、政治上の主義主張を持ったものを対象にしているようであって、政治上とは言えないような、今回のような、宗教団体が絡んでいる疑惑があるような団体が暴力主義的な破壊活動を行った場合の対処は難しいように思うのです。
 そこで、破壊活動防止法を改正するなどして、テロを含む組織犯罪に対する立法措置を日本でも今後は考えていくべきではないかと思うのですが、この点については警察庁の方はいかがでしょうか。
#85
○三浦説明員 ただいま委員から御指摘のございましたテロを含む組織犯罪につきましては、国民の平穏な生活を侵害し、また法治国家の根幹であります法秩序の維持に重大な脅威を与えるものでございまして、到底容認できないものであるというふうに認識しておるところでございます。
 この種の事犯に対しましては、犯人の検挙、取り締まりの徹底や、迅速、厳正な科刑を実現するということによりましてこれを防圧することが肝要であろうかというふうに思うわけでございます。そのためには、まずもって現行法を多角的かつ有効に活用するということが必要であろうかと考えるわけでございまして、現に警察等捜査機関や検察当局におきましては、事案に応じまして、刑法上の殺人罪でございますとか傷害罪、公務執行妨害罪、兇器準備集合罪などの罪、また爆発物取締罰則、火炎びんの使用等の処罰に関する法律、暴力行為等処罰ニ関スル法律、さらには航空機の強取等の処罰に関する法律など、もろもろの罰則を活用するとともに、場合によりましては騒擾罪や破壊活動防止法上の罰則の適用なども考慮するなどしておりまして、犯人の的確な検挙と厳正な処理を図っておるというふうに承知しておるところでございます。
 当面、このような現行法を多角的かつ最大限に活用するということによりまして、この種のテロ事犯に有効に対処するように最善を尽くしていくべきであるというふうに考えておるわけでございますが、先般の地下鉄内における事件で使用されたとされておりますサリンにつきましては、現在国会で御審議されております化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律案によりますと、サリンが規制対象になるというふうに承知しておるところでございます。また、サリンの危険性等にかんがみまして、警察庁におかれましても別個の規制法を立案されているというふうに伺っておるところでございまして、これらが法律として成立いたしますれば、サリン等を使用した無差別テロ事犯の防圧に大いに資するのではないかというふうに期待しておるところでございます。
#86
○松沢委員 この問題の最後に、去る二十一日にマカリー大統領補佐官が、今回の事件に対して在日米軍や医療専門家による技術支援の用意があるとした上で、日本政府と対応を協議中であるというふうに明らかにしています。阪神大震災のときには、海外からの支援に対して日本政府も手続上いろいろ問題があったりして迅速に応ずることができなかったという批判もありましたけれども、そんなような反省も踏まえて、この米国からの申し入れに対して今回どのように対応したか、また今対応しているか、その辺についてお聞かせいただければと思います。
#87
○時野谷政府委員 ただいま先生お話しのとおり、米側より、被害者の治療などにつきまして協力支援の申し出がございました。私どもは、この申し出を多としております。それで、被害者の治療につきましては、本日、米側から専門家チームを受け入れるということにいたしました。
 若干具体的に申し上げますと、きのうでございますが、アメリカ側から、今般のサリン事件の被害者の治療に関しまして協力するために医師など五名から成る専門家チームを派遣するという連絡がございまして、私どもは、厚生省といろいろ御相談をした結果でございますが、このチームを受け入れることとしたということでございまして、本日の夕刻に来日する予定でございます。専門家のチームは、アメリカの厚生省の疫病対策センターの人を団長とする五名、こういうことでございます。
#88
○松沢委員 あとの質問は、午後の時間に譲りたいと思います。
#89
○三原委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十九分休憩
    ―――――――――――――
    午後一時四分開議
#90
○三原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。松沢成文君。
#91
○松沢委員 次に、化学兵器禁止条約の中身について質問させていただきたいと思います。
 こうした軍縮に向けての画期的な条約が締結に向けて進行中であるということは、大変意義深いことであると思います。私ども新進党としても全面的に推進に賛成をしていきたいと思っておりますが、幾つか中身について疑問点をお聞きしたいと思います。
 この条約に基づいて設立される機関、化学兵器保有国や疑惑国の化学兵器や生産施設の完全廃棄までの検証が一こいう機関によって行われるわけですけれども、この検証に当たる技術事務局というのがありますが、これはどのような専門的な知識と権限を持った組織なのか、説明をいただきたいと思います。
 また、この機関による検証の経過や結果は毎年すべての締結国に報告されるのかどうか、この点についてもお聞きしたいと思います。
#92
○林(暘)政府委員 お答え申し上げます。
 まず、技術事務局が有します専門的知識と権限は何かということでございますが、専門的知識には、当然のことながら、非軍事的ないわゆる化学分野における化学的、技術的情報のすべてに係るもの、それから化学兵器に関する化学的、技術的及び軍事的情報のすべてに係るものが技術事務局としては必要になってくるというふうに考えております。
 それで、この技術事務局は、化学兵器禁止条約の機関としてできます締約国会議、これは締約国のすべてが参加する会議でございますけれども、それと執行理事会、これは四十一カ国で構成されます理事会でございますけれども、それの活動を補佐し、さらに条約に規定する検証措置を実施するということを主たる任務といたしております。
 それから、技術事務局の行う検証の経過や、結果は毎年締約国に報告されるのかということでございますけれども、技術事務局は毎年、条約の実施に関します一般的な報告案を作成の上、執行理事会に提出することとなっておりまして、この報告案は当然各締約国に配付をされます。
 ただし、査察の最終報告につきましては、基本的に秘密のものとして取り扱われますために、締約国はこの報告を受領いたしますけれども、受領いたしました場合に、これを秘密のものとして特別の取り扱いをするという義務が条約上ございます。
#93
○松沢委員 この技術事務局、化学兵器に対する専門的な知識を持った者で構成するのが一番望ましいということでしたけれども、我が国が軍縮の分野で人的な貢献をしていくというのも大変重要なことだと思います。我が国で化学兵器の分野で最も高い知識、見識を持っているのは、間違いなく自衛隊の中にいらっしゃると思うのですね。
 この技術事務局に自衛隊の専門家を派遣する件について、実は先般の本会議での質問でも我が党の松田委員の方から取り上げさせていただきました。そのときの防衛庁長官の答弁というのは、前向きに検討したい、それだけだったのですけれども、松田議員も指摘をしましたけれども、自衛官というのは特別職の公務員であって、こうした国際機関等に派遣する場合に、いわゆる派遣法の適用を受けることができない。一般職の公務員であれば、この派遣法の適用を受けて、給料だとか年金の処遇上ちゃんとした措置がとれるそうでありますけれども、特別職の公務員、自衛官にはそれが適用されない。
 ただ、世界の国々の国際機関への派遣を見ていますと、軍人を派遣している例が多々ありまして、派遣に関してそういう制度をつくっているのではないかと思うのですけれども、私は、日本でも自衛官の方がこうした軍縮の人的貢献に活躍できるように、この派遣法等の改正も含めて、その手続を整備していく必要があるのではないかと思いますが、まずその点について防衛庁の見解をいただきたいと思います。
#94
○伊藤説明員 御説明申し上げます。
 ただいま委員からも御指摘のとおり、昨日私どもの長官からお答えを申し上げたとおりでございますが、防衛庁といたしましても、こういう国連の行う活動というものに対しては当然積極的に支援をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
 ただ、現行法はまさに御指摘のとおり、国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律というものは、私ども自衛隊の特別職の職員には適用がない、こういう制度になっております。
 そこで、今後の問題といたしまして、自衛隊員、特に自衛官の派遣に関しましては、適切な処遇あるいは身分、そういったことが保てますように鋭意検討を進めてまいりたいというところでございます。
#95
○松沢委員 ぜひとも前向きに検討をお願いしたいと思います。
 ここで、外務大臣に御見解をいただきたいのですが、我が国の国際貢献、人的貢献、それも軍縮という、我が国が憲法においても最も求めている軍縮に対しての人的貢献で自衛官の方に活躍をいただく、国際機関に出ていただくという方向性について、外務大臣としてはどのような認識を持たれているか、お聞きをしたいと思います。
#96
○河野国務大臣 国際社会において、軍縮の方向で我が国に知識あるいは技術、すなわち知見が求められているとするならば、これに対する貢献は積極的に行うべきであるというふうに思います。
 防衛庁におかれて、クリアすべきいろいろな問題があるというふうに答えられておりますので、そうした問題をクリアするためにどういう適当な方法があるのかということについては、まさに前向きに、積極的に御検討をいただいて、そうした国際社会の期待にこたえるべきであろうというふうに思います。
#97
○松沢委員 外務大臣からも前向きな御答弁をいただきまして、ぜひともその方向で検討をお願いしたいと思います。
 次に、この条約では、化学兵器やその製造施設の保有について申告制をとっていますけれども、この条約が作成されたことによって、いわゆる化学兵器の保有疑惑国と言われる国の化学兵器及びその製造施設の有無がこの申告制によって完全に確認されるのかどうか、非常に私は疑問があるのですが、その辺についての見解をいただきたいと思います。
 また、疑惑国が仮に化学兵器なり施設を持っているのに申告しなかった場合の確認方法みたいなものはこの条約の中に規定されているのかどうか、その辺もあわせて伺いたいと思います。
#98
○林(暘)政府委員 今御指摘のとおり、化学兵器保有疑惑国というようなものが条約の締結国ということになりますれば、関係の施設についての検証、すなわち申告及び査察を受け入れる義務が生ずるわけでございます。
 こういう国際的な多数国間の取り決めをつくります際に、有権的にその国内のいろいろなものを調べるということはなかなか難しいわけでございまして、したがいまして、こういう、これは核の場合もそうでございますけれども、基本的に各国に申告をしてもらうということを基礎に、それに従って検証するという制度になっております。
 ただ、この条約の場合には、通常の検証措置によって、それ自体として条約の義務に違反して化学兵器を生産、保有することは難しいものになるというふうに思いますが、もし万が一申告しなかった化学兵器ないしは化学兵器生産施設といったようなものにおいて条約違反の疑惑が生ずるようなことがあった場合には、最終的な手段としては、申し立てによる査察、チャレンジ査察というような形で疑惑の解明を行うということになろうかと思っております。
#99
○松沢委員 この条約が発効後、化学兵器の保有を認めている締約国は、保有する化学兵器及びその生産施設を申告して、十年以内に廃棄をすることが義務づけられているわけですけれども、化学兵器及び化学兵器の製造施設の保有国というのは、どのような手順で化学兵器及びその施設の廃棄を完了するのか、その廃棄までの手順について伺いたいと思います。
#100
○林(暘)政府委員 廃棄につきましては、今御指摘のとおり、加盟をいたしました際には、自国について効力を生じた後一年ないし二年以内に廃棄を開始して、これは種類によりますけれども、原則として十年以内、物によっては五年以内というのがございますけれども、それに廃棄を完了することになっております。
 廃棄につきましては、条約に定める方法で、かつ条約に定める廃棄段階に応じて廃棄を進めることとなっておりまして、その廃棄作業については、現地に設置されます機器によって監視するとともに、現地査察によって、いわゆる体系的検証と言っておりますけれども、そういう形での検証をしていくということになっております。
 それから、廃棄期限の十年につきましては、十年ということが規定をされておりますけれども、条約上さらに五年を限度として延期が可能であるという規定になっております。ただし、十五年を超えて延期することは条約上認められていないということになっております。
#101
○松沢委員 命御説明の中に、五年の延長が認められているというのがありましたけれども、これは具体的にどういう場合に認められるのか。また、五年以上の延長はないともおっしゃいましたけれども、五年間の延長で廃棄が完了しない場合にはどのような対応がなされるのか、この点についてもお聞かせいただきたいと思います。
#102
○林(暘)政府委員 五年間の延長、これは執行理事会が決定することになっておりますけれども、どういう場合にその延長が認められるかということは、そのときの状況によっていろいろなケースがあり得ようかと思います。
 考えられますのは、端的に申し上げれば、十年以内に廃棄ができないという状況でございまして、それは、量が多過ぎる、財政的にできない、技術的にもなかなか難しいというようなことで、十年以内に廃棄ができないということが通常の場合には考えられるかというふうに考えておりますけれども、現実にどういうケースになるかということは、その場合になってみませんとちょっと正確な状況は把握できないかと思います。
 それからさらには、環境の関係の問題もあろうかというふうには思います。環境上の問題で、なかなか廃棄施設ができない、ないしは廃棄が予定どおり進まないというようなことも考え得る状況かというふうには思っております。
#103
○松沢委員 今の御答弁にもありましたけれども、廃棄のための費用、これは保有国がすべて自己負担するということになっているんでしょうか。またこれは、化学兵器の廃棄にかなりの費用がかかると言われていますけれども、資金不足でできないというような国があるとしたら、それに対してはどのような対応がなされるんでしょうか。
#104
○林(暘)政府委員 御指摘のように、廃棄の経費といいますのは、遺棄兵器の場合を除きまして自国にある兵器を廃棄する場合にはその国が負担するということが条約上原則になっております。負担できなかった場合にどうするかということについては、特に具体的な規定が条約上ございません。ただし、御案内のとおり、報道等でも若干出ておりますけれども、ロシアが財政的になかなか難しいということは言っておるようでございまして、そういう事情は我々も承知はいたしておりますけれども、条約上自国が責任を持って廃棄するということになっておりまして、それ以外のほかの国が援助するとかなんとかということは、一般的な廃棄の問題については条約上規定はございません。
#105
○松沢委員 わかりました。
 次に、この条約が作成されたことによって当該国は自国以外に放置した毒ガス等の化学兵器の処理義務も負うことになったわけですけれども、この毒ガス処理義務が自国以外に、海外の方もこの条約に規定されることになった経緯について、まず伺いたいと思います。
#106
○林(暘)政府委員 いわゆる遺棄化学兵器の問題につきましては、条約の交渉過程におきまして、他国により、つまり自国の了承を得ないで他国により残された化学兵器の処理の困難性というものにかんがみれば、一国のみで処理し得る、自国の中に残したないしは持っている化学兵器と異なった規定が、ないしは体制が必要であるという議論があって、こういう規定が入れられたわけでございます。
 もちろん具体的なケースについてのことも念頭に議論はされたわけでございますけれども、一般的に申し上げれば、そういう交渉経緯でございました。
#107
○松沢委員 他国への遺棄化学兵器については、旧日本軍が中国に残してきたものについての質疑等もありまして報道されておりますが、世界的に見て、遺棄化学兵器の廃棄義務を負う国、日本のように負う国というのはどれぐらいあるのでしょうか、現在。
#108
○林(暘)政府委員 条約の規定によりまして、遺棄国は締約国からの申告及び国際機関による査察を通じて特定されるということになっておりまして、現時点においてどのような国が具体的にこの条約に言う遺棄国になるか、ないしは遺棄国の規定を適用されることになるかということは不明でございます。
 ただし、我が国の場合には、中国に対して調査もいたしましたし、旧日本軍の残した可能性の強い化学兵器が残されているということでございますので、申告をするということになろうかと思いますけれども、それ以外の国の状況については不明でございます。
#109
○松沢委員 それでは、この中国の遺棄化学兵器の問題ですけれども、新聞報道等では中国が中国国内に残る毒ガス等は旧日本軍によって廃棄されたものであるというふうに言っていますけれども、中国国内に廃棄されていると言われている化学兵器はすべて旧日本軍が放置したものであるかどうか、私はちょっと疑問があると思うのですが、その辺については外務省はどう把握されていますでしょうか。
#110
○川島政府委員 お答え申し上げます。
 これまで何回か現地視察及び調査を行ったわけでございます。それで中国としては、御承知のとおり、二百万発の化学砲弾等々と、こう言っているわけでございます。
 それで、もとよりそれら全部について確認を行うには至っていないわけでございますけれども、これまでの調査を通じます限りは、やはり旧日本軍の化学兵器であるというふうに確認せざるを得ないのではないかというふうに受けとめております。
#111
○松沢委員 もう少し詳しく、中国が遺棄化学兵器について、その場所とか量とか放置国について、放置国は日本だと言っているのですけれども、どのように確認されたか、また今回の調査で、旧日本軍が中国に廃棄したと言われている化学兵器、毒ガスの量とか場所とか廃棄の時期などについてどの程度確認できたか、もう少し詳しく教えていただければと思います。
#112
○川島政府委員 お答え申し上げます。
 この廃棄されたものが日本のものかどうかという点でございますけれども、これは、例えば砲弾によりましてはまさに旧日本軍のものと極めて酷似しておって、毒性によって何か色が異なる扱いを当時したそうですけれども、まさにそういうものがあるとか、刻印とかでもってわかるものもあったということのようでございます。それから、腐食が甚だしくて、そういうのが確認ができないようなものにつきましても、現場において中国側とどういう状況で発見されたか等々について協議等を行った結果、これはやはり日本のものである可能性が極めて高いということがこれまでの調査結果だったということでございます。
 それから、どういうところにということでございますけれども、これは相当広い地域、東北地方を中心に広い地域に見つかっておるということでございまして、これまでのところ、九一年の六月に吉林省ハルバレイ、それから河北省石家荘、それから九二年六月には江蘇省の南京で視察を行いまして、さらに去る二月の末から今月の中旬にかけまして、浙江省杭州、安徽省ジョ州及び江蘇省南京に調査団を派遣いたしました。この三回目の調査団が、これはある意味では一番本格的と申しますか、作業をいたしまして、その一時保管されている、これは中国側で保管されているものですけれども、その確認をいたすとともに、保管されてありますものが相当老朽というか危険な状態になり得るものですから、密封容器に収納して保管をしたというようなことでございます。それから現場視察、地中探査等を行った次第でございます。
 ただ、何分にも二百万発と言われるのを全部カバーしているわけではないし、今後やはり現状確認を日本としてやるには相当まだ調査というものが必要だろうというふうに考えております。
#113
○松沢委員 ちょっと突っ込んでお聞きしますけれども、例えば大戦の最後に入ってきたロシア軍の化学兵器がある、その中に含まれている可能性があるんじゃないか、あるいは旧日本軍への対抗上国民党軍等の所有していた化学兵器も含まれているんではないかという疑惑もあるやに聞いているのですが、その辺については外務省としてはどう把握をされているんでしょうか。
#114
○川島政府委員 今のところ、ほかの国のものではないかと逆に疑わしいものは見つかっていないということでございます。
#115
○松沢委員 それでは、我が国の国内の方の調査で終戦時までに広島の化学兵器工場で三百五十万発ですかの化学兵器を生産したという記録が残っているそうですけれども、製造工程や貯蔵先の記録は不明というふうに聞いています。また、戦時中の我が国の化学兵器開発の実態についてはどのように把握をされていますでしょうか。
#116
○守屋説明員 お答えいたします。
 旧軍による化学兵器の開発の実情を知り得る資料としましては、私どもの防衛研究所において保管しておる戦史資料がございます。しかし、旧軍は戦争終結時にこのような保有している多くの文献、書類を焼却しておりまして、防衛研究所において現在保管している資料から旧軍の活動の全体像を把握することは困難でございます。
 現在私どもが保有しておる資料としましては、「陸軍造兵廠歴史」という資料がございますが、これに基づきまして、わかる限りで概要を御説明いたしたいと思っております。
 旧軍による化学兵器の研究というのは大正十四年ごろから開始されたと考えられまして、旧軍が製造に成功した発煙剤、催涙剤、くしゃみ剤、窒息剤、びらん剤及び血液剤、こういう化学剤がございます。これは筒状の容器や砲弾に充てんされまして、昭和七年から順次旧軍の兵器として制式化されております。
 じゃ、どのぐらいつくられたかということでございますが、昭和七年から昭和十六年までに陸軍造兵廠のもとで製造されたものについては記録が残っております。それによれば、発煙剤とか催涙剤などを含めた化学兵器の製造数量は、砲弾にしまして約百三十七万発、それから爆弾にいたしまして一万九千発、それから発煙筒にいたしまして約二百三十五万個、それから化学剤としまして約三千三百七十トンでございます。
 それから、昭和十七年以降の製造量につきましては、記録が断片的でございまして、全体像を知ることは不可能でございます。
 旧軍が昭和二十年の終戦までに総量としてどれだけの化学兵器を生産しているか把握することは、実際上不可能な状態になっております。
#117
○松沢委員 この化学兵器禁止条約発効後、我が国は中国に放置した化学兵器の廃棄計画書というのを提出することになると思うのですが、こうした遺棄化学兵器の廃棄の処理能力がこの日本にあるかどうかということをまずお聞きしたいと思います。
 それと、中国で我が国のどういう機関がこの化学兵器の廃棄処理業務につくのか、ここら辺の、毒ガスの処理作業の見通しについて伺いたいと思います。
#118
○川島政府委員 物理的に何をやらなければならないかといいますと、まず調査がある程度進んでいろいろなところにあるなというのがわかると、これを今度収納いたしまして、それからしかるべき処理プラント、工場みたいなものをつくって、そこで無毒化のために処理をやる。
 そこで一応処理が終わるわけでございますけれども、技術的にも、そういう無毒化する、無害化するプラントの技術等については今のところ日本にはないというふうに承知しておりますし、いずれにいたしましても、二百万発と言われる膨大なものを全部収納すること自体が恐らく大変な工事であり、インフラの整備等が要るのだろうと思います。と申しますのは、大体におきまして大変山奥の人里離れたところに置かれてあるというのが現状のようでございます。
 そういうのが行く行く処理をするためにやらなければならない作業ということでございますけれども、これは、今までこういうことを、戦後ももはや五十年になるわけですけれども、日本政府としてやったことがなくて、したがって前例もないし体制をつくったこともないという状況でございますので、これからどういうふうに体制を組み上げていくかというのが政府自身として取り組まなければならない問題になっているわけでございまして、今のところ、調査から先のところについてどういう段取りでというのはまだ詰まってないということでございます。
#119
○松沢委員 最後に、大臣にちょっとお聞きしたいのですけれども、この中国にある遺棄化学兵器の処理問題については、今御答弁がありましたように、処理能力の面でも、あるいはだれがやるか、自衛隊は今の法律ではこういうことには出せないわけですから、こうした面でも非常に問題がある。また、その処理費用の面でも、単純に、二百万発本当にあったとして、新聞報道では一発処理するのに数十万かかった、掛け合わせると一兆に近い額になるわけですね。物すごい処理費用も負担となってくるわけです。
 確かに化学兵器の禁止条約というのは、世界的に軍縮に向けての非常に意義のある条約で、日本はそれに向けて推進をしていくというのは大変重要なことだと思いますが、この条約に規定されている海外の化学兵器の処理、中国でここまでのことをやらなければいけない。これは、よく考えてみると日本にとって大変な負担になる。
 世界で最も広範囲にわたる戦後処理だというふうに新聞でも報道がありましたけれども、これは日本にとって大変な負担になると思うのですけれども、これをやり遂げなければいけないという方向で今外務省も考えていると思うのです。その辺については、外務大臣、大変なことになると思うのですが、どのような認識をされているのでしょうか、最後に伺います。
#120
○河野国務大臣 政府委員御答弁申し上げておりますように、少なくとも今まで我々が得ているさまざまな情報、連絡、こういったものをもとにして考えましても、大変膨大な量の処理をしなければならないことになるであろうと思います。しかしながら、どんな状況であってもこのことは我々がやらなければならない問題であるというふうに考えております。
 我々がどういうふうに正確に適切に処理をすることができるか、我々の持っているノウハウだけでこれが完全にやり切れるかどうかということも含めて、中国におきます状況の正確な把握と同時に、我々がどういう方法、手段、手順をとってやっていくかということについて、鋭意検討をしていかなければならないと思います。このことは、やはり我々のやらなければならない極めて重要な仕事だという認識を持っております。
#121
○松沢委員 以上で終わります。
#122
○三原委員長 引き続いて、柴野たいぞう君。
#123
○柴野委員 新進党の柴野たいぞうでございます。
 化学兵器禁止条約の関連で引き続き質問させていただきます。既に同僚議員がさまざまな質問をしておりますので、重複を避けまして質問させていただきたいと思いますが、その前に、去る二十日に大変な事件が起きたわけでございます。化学兵器禁止条約の附属書の表1にも記載してありますサリンらしきものが朝のラッシュアワーのさなかにまかれるという、こういった、まさに一般市民を無差別で殺すという、地下鉄サリン事件というものが起きたわけです。ここにいる皆さんも非常に御関心が高いと思うんですが、最新の捜査状況を、連日ニュース等でもやられておりますけれども、警察庁の方は来ておると思うんですが、ちょっと教えていただきたいと思うんです。
#124
○篠原説明員 お答えいたします。
 お尋ねの事件の捜査の関係でございますけれども、現在、警視庁におきまして、事件発生直後から約三百名体制の捜査本部を設置をして、鋭意捜査を行っているところでございます。
 これまでの捜査におきまして、なお現在も詳細な鑑定を続行中でございますけれども、現場に遺留されておりました物件五件を鑑定しております結果、有機燐系物質であるサリンが使用された疑いが強いということが判明をしております。
 また、不審者についての目撃情報も多数寄せられておる状況でございますけれども、またそのほかに被害者からの事情聴取を通じての目撃情報の収集、あるいは駅構内の防犯ビデオ等から任提を受けての情報収集、そういったような作業を現在も幅広く行っておるという段階でございます。
 警視庁におきましては、犯人の早期検挙と事件の全容解明に向けまして、現在、全力を尽くして捜査を行っているところでございます。
 以上でございます。
#125
○柴野委員 とにかく一日も早く犯人逮捕と再発防止のために万全を期していただきたいと思うんですが、地下鉄でサリンらしきものが使用されたということでございますが、本条約の附属書の表1にサリンも記載されているわけですが、このサリンをつくるに当たって、五段階ほど複合した溶液をいろいろな形でつくるというようなことで伺っておりますけれども、そういったものを個人が容易に入手することができるんでしょうか。
#126
○掛林説明員 御説明させていただきます。
 サリン等の特定物質につきましては、私ども通産省の方で把握している範囲では、サリン等といったものを製造、販売等している企業は存在しません。したがいまして、一般に個人が入手するということは、事実上極めて困難であるというふうに考えております。
 また、サリンの前駆物質につきましては、そもそも我が国では生産等が行われておらず、また流通もしていないというものもございます。また他方、保健衛生上の見地から、毒物及び劇物取締法上の毒物あるいは劇物に指定されているものもございます。
 したがいまして、一般論として申し上げますと、既存法令等によりましてさまざまな規制が加えられていることもあり、また用途が限られている化学物質の場合には、そもそも一般の個人による入手は極めて限られたものになっているというふうに思われます。
#127
○柴野委員 しかし、いろんな新聞報道その他で見ますと、サリンをつくるために三つ、四つの溶液をあれするらしいのですが、印鑑を押して、そういった大学の研究所に出入りしている製薬会社なんかとやれば入手できるみたいなことが書いてありましたのですが、その辺はいかがですか。
#128
○掛林説明員 私どもの所管の法律ではございませんので、直接的にお答えするのは適当ではないと思われますけれども、ただいま申し上げましたように、毒物及び劇物取締法において、先生から御指摘のあったような規制がございまして、これは、そのような通常のさまざまな対応が既になされているというふうに考えております。
 私が先ほど申し上げましたのは、新聞報道等で報じられておりますように、一般人が薬局等に行って何かずく特定の化学物質が入手できるかのような報道がなされているのが散見されるわけでございますけれども、通常の場合ですと、やはり特定の用途に限った化学物質を取り扱っている業者にコンタクトをして買うということになるわけでございまして、そういう意味で、一般人が簡単に買えるというものにはなっていないということでございます。
 また、販売する側といたしましても、通常、私どもが認識している範囲内では、一見の客に売らないように配慮されているというふうに聞いておりまして、そういったところから、一般の個人が特定の化学物質を入手するということはさほど容易なことではないというふうに思われます。
#129
○柴野委員 そういうお答えなんですけれども、実際、サリンらしきものを使われた犯罪が発生したわけでございまして、それも大量に物資があるんじゃないかというふうなことでございまして、非常に危惧をしておるわけでございます。
 とにかく今度、法改正をやって、かなり厳しい罰則をつけた、そういったことをやるということになっておりますので、その辺、万全を期してやっていただきたいと思います。
 この地下鉄のサリン事件というのは、私は選挙区が東京の一区でございまして、私の選挙区で起きた事件でございます。かって阪神大震災のときに被災地の出身議員が代表質問その他で切々たることを訴えたわけなんですが、私の支持者で二名やはり被害者が出ておりまして、大変なことだなと思っております。ちょうど春休みだったから中学生、高校生が、通学者が少なかったので助かったという保護者の方も何名がおります。しかしながら、被害者は、もう二度と地下鉄には乗らないということでございまして、多少バスを経由してでもJRで通っているということでございまして、私も自宅にお見舞いに伺ったのですが、あしたから国会議員は全部地下鉄に乗ったらどうだといった厳しいブラックジョークというのですか、伺ったぐらいで、とにかく現地では、被害者は大変な状況になっているわけでございます。
 こういった本当にこの世にあってはいけないような事件が発生したわけでございまして、それだけに、この化学兵器を使っでのさまざまな、戦争に使われるだとかテロに使われるだとかいうことは甚大なる被害が出るわけでございまして、この禁止条約の役割といったものが非常に大きな意味をなすと思うのです。
 そういった意味で、これは二十年もかかってやっとできたと言われておりますけれども、この禁止条約の意義について外務大臣どのようにお考えか、ちょっと御所見を伺いたいと思います。
#130
○河野国務大臣 一九二五年に作成をされましたいわゆるジュネーブ議定書が戦時における使用についてこれを禁止するというものであるのに対しまして、今回の禁止条約は完全な廃絶を目指す、これは、戦時であろうと平時であろうとその使用を認めないばかりではなくて、開発、生産、貯蔵、保有の禁止、そして化学兵器の廃棄を規定する、さらに、その効力、その効果を確保するために検証措置についても規定するという、極めて包括的なものであろうと思います。
 こうしたことは、大量破壊兵器の軍縮及び不拡散が国際的課題となっている今日、極めて有意義であろうというふうに思っているわけでございまして、我が国としても早期の批准、そして国際社会が一致してこの条約に賛意を表し、批准をし、さらに、これを第一歩として大量破壊兵器がすべてこういう形で禁止される、あるいは廃絶されるということを私としては期待しているところでございます。
#131
○柴野委員 確かに、平時にまで拡大したこと、そしてまた検証や査察まで入れたということで、相当なる前進があったのじゃないかというふうに私も思うわけですが、しかし、化学兵器を保有している国やあるいは製造している国が入らないと決定的意味を持たないと思うのですね。現在多くの国が署名をしたり、あるいは批准をしたりしておりますけれども、いずれも、保有も使用もしない国が多いわけでございます。そういった意味で、本当に化学兵器を持っている、あるいは持っている疑いがある、実際にもう持っているということを公言している国もございますが、そういった国が加盟、加入しなければ本当に決定的な意味をなさないと思うのですが、現在化学兵器保有大国として挙げられる国はどのぐらいあるのでしょうか。
#132
○林(暘)政府委員 今御指摘のとおり、世界の中で化学兵器を保有しているということを公に認めている国が二カ国ございます。アメリカとロシアでございます。それ以外にイラクとイランが化学兵器の存在が確認をされ、まあイラクの場合には、湾岸戦争の後、UNSCOMという国連の監視団が入りまして、これを廃棄をいたしましたけれども、存在をしておったということがございます。
 それ以外に、いわゆる疑惑国、化学兵器を持っているのではないかと疑われている国がございます。我が国政府として、独自の情報でこれらの疑惑国の存在を確認はいたしておりません。そういう意味で、その国々の名前を申し上げることははばかられるわけでございますけれども、例えばアメリカの議会の調査局の報告によりますと、今申し上げた国以外に、約二十カ国がいわゆる疑惑国として名前が挙げられております。
#133
○柴野委員 確かに、化学兵器が非常に多い地域、これは中東と言われているのですが、イラクやリビア、シリア、エジプト、これらの国々はこれに加盟をしておりませんし、署名にも参加していないですね。そういった状況にあるわけでございまして、それらの国をいかに参加させるかというのが、この条約に実質的機能を持たせる意味で非常に大きなところであるわけでございます。そういった意味で、政府として、この条約が本当に機能するためにどういった国際的働きかけをやっているのかについて、ちょっとお伺いしたいと思います。
#134
○河野国務大臣 この条約は、できればすべての国が参加をすることが最も効果的であることは言うまでもないところであると思います。しかし、すべてが参加しないから、では全く効果がないかというと、そうではないわけで、できる限り多数の国の参加ということを目指すということも一つの方法であろうと思います。現に百五十を超える国が署名をしているわけですが、我が国としても、この条約に各国が署名をするかどうかという場面において、できるだけ多くの国が署名をすることがいいという立場に立って、多くの国にそうした働きかけを行ったことがございます。
 次の段階としては、できるだけ早く署名した国が批准をするということが次の段階でございますが、これは我が国としても、まず、みずからが早期に批准をするということが重要であって、我が国が国会で御承認をいただいて批准ができたということになれば、他の国々に対しても働きかけをするということに当然なろうと思います。と同時に、いまだ署名をしていない国に対しても、我々としては、署名をするようにという呼びかけをするということもまた必要であろうというふうに考えています。
#135
○柴野委員 まあこの条約は、六十五カ国が締結した後、百八十日後に発効するという形になっているわけなんですが、現在、批准している国は二十七カ国であるというふうに伺っております。これは、果たして六十五カ国批准されるまでにはどのぐらいの期間が必要なのか、そしてその見通しはどうなのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#136
○林(暘)政府委員 署名をいたしております国々の多くの国々が、それぞれの国の国内手続に従って批准のための準備をいたしております。ただ、いつ何カ国が批准を完了するかという見通しを申し上げることは甚だ難しいわけでございますが、この条約の暫定事務局というのが現在ハーグに置かれて準備をいたしておりますけれども、暫定事務局の方の見通しては、早ければ発効が本年内、言いかえますと、六十五カ国の批准というのがことしの夏ぐらいまでに早ければ完了するのではないかという見通しを持っているように承知をいたしております。
#137
○柴野委員 この化学兵器禁止条約は、三十九カ国から構成されるジュネーブ軍縮会議で交渉され、取りまとめに当たられたというような話を伺っておりますけれども、この軍縮会議の条約をめぐる最終交渉段階で、十四カ国がいわゆる議長の最終案に疑惑や不平を表明して修正案を提案したといったことを伺っております。どのような国がどのような修正案をお出ししたのでございましょうか。
#138
○林(暘)政府委員 この条約の成立過程におきますジュネーブの軍縮会議におきます交渉での経緯を若干申し上げますと、一九九二年の六月にその当時の化学兵器禁止特別委員会、これは軍縮会議のもとにあります特別委員会でございますけれども、それの議長をいたしておりましたフォン・ワーグナー、これはドイツの大使でございますが、それから条約のテキストのいわゆる議長としての裁定案が出されました。これに対しまして、いわゆる今御指摘の十四カ国、これは主な国は中国、インド、エジプト、インドネシア等でございますが、これらの国々が共同で修正案を出したという経緯がございます。
 この修正案は、例えば第一条の一般的義務、それから第九条の申し立てによる査察、いわゆるチャレンジ査察の実施手続、それから第十一条の経済的及び技術的発展等について、これらの国々、いわゆる開発途上国でございますけれども、これらの国々の意向を反映しようという修正案であったわけでございますけれども、基本的にこれらの提案のほとんどは他の国々に受け入れられませんで、最終条約案にも採用されなかったというふうに承知をいたしております。
 と申しますのは、議長の裁定案というのは、それまでの交渉でさまざま合意が難しいといういろいろな意見が出てきたところを議長がみずからの一種の妥協案として裁定をしてその案を出したわけでございますので、そういう意味で、議長が各国の意向をそれぞれ踏まえて、そういう妥協案としての裁定を出したものに対する今の修正案だったものでございますから、やはり多くの国々から受け入れられなかったということで、基本的には議長の裁定案を基礎にした条約案ができたというのが交渉の経緯でございます。
#139
○柴野委員 その軍縮会議に出ておりました日本の当時の田中軍縮大使も、議長案に対して、幾つかの問題点があり、改善のための協議が必要、こういうふうに述べまして、不満を表明していたというふうなことでございます。じゃ、どのような問題点を指摘し、どういった不満を表明していたのでしょうか。
#140
○林(暘)政府委員 今御説明申し上げましたとおり、議長の裁定案というのは、いろいろ分かれております各国の意見を勘案していわゆる妥協案として出してきた案でございましたので、もちろん我々としても、我々の立場からそれに一〇〇%満足してないという部分はございました。そういう意味で、当時の田中大使が今言われたような意見を申し述べたことはあろうかと思いますけれども、我々としては、条約が早期に成立をするということを最も重要と考えておりましたので、そういう意味で、議長の裁定案というものが、ある意味では唯一の妥協案であるということで合意に応じたものでございまして、条約の審議の過程においてはただいま申し上げましたような経緯はございましたけれども、現在の条約のどこの部分についてどういう不満を申し述べたかということは、若干申し述べるのは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。
#141
○柴野委員 私が漏れ伺ったところによりますれば、例の外国に遺棄した化学兵器の処理の問題について若干の問題があったのじゃないかというふうに伺っておりますが、それは事実ですか。
#142
○林(暘)政府委員 交渉の過程においてはそういうような問題もございました。
#143
○柴野委員 では、話を先に進めますけれども、この化学兵器禁止条約のいわゆる国際機関として、全締約国による締約国会議、そして四十一カ国の代表から成る執行理事会、検証を実施する技術事務局の設置が決定していますが、この機関の規模と主な役割と申しますか、そういったことをちょっとお伺いしたいと思います。
#144
○林(暘)政府委員 ここでできます機構といたしましては、今御指摘のとおり、いわゆるすべての加盟国が参加します締約国会議、四十一カ国の理事国から成る執行理事会、これは地域ごとに選出をされる予定でございますが、それとそういった加盟国から成る組織を補佐する役目ないしは検証その他の事務を行います技術事務局という三つから成り立っております。
 技術事務局の規模については、現在のところ、条約発効当初の段階では約三百七十名程度の人員になろうかというふうに思っております。
#145
○柴野委員 この機関への我が国の人の派遣はどのように考えていらっしゃいますか。
#146
○林(暘)政府委員 現在条約がまだ発効前でございますけれども、準備委員会事務局というのが、発効した場合に事務局が置かれる予定になっておりますオランダのハーグにございます。この準備委員会事務局に対しては、現在我が国から二名の職員が派遣をされております。
 それから、この事務局がどういうふうになるかということについては、技術事務局は締約国の国民のみが職員になれるという規定がございます。今後どういう国がこの条約を批准をしてこの条約の加盟国になるかどうかというようなことにもよるところがそういう意味で大なわけでございますので、現時点でどういう国の、どういう国別構成の職員になるかというようなことを予想することはちょっと難しい、そういう事情から申し上げて難しいということになろうかと思っております。
 それから、査察をします査察員というのが条約ができますと事務局にできるわけでございますけれども、これにつきましても、我が国から現在三名ほど応募をいたしております。
#147
○柴野委員 ところで、技術事務局の準備委員会から、これは全体で約百六十名の査察員のうち六十名を化学専門家としたいとの意向が我が国に伝えられ、防衛庁も化学兵器に精通した数人の自衛官の派遣を検討した。ところが、自衛官を国際公務員にする法律的根拠がなく、宙に浮いてしまった。また、準備委員会によれば、化学兵器専門家の査察員募集を二月からスタートさせ、四カ月の訓練を経て条約発効後直ちに関連施設の査察を始める予定であったが、日本の回答がなく、計画に支障が出てきているというふうな情報もございます。
 まず、この情報が事実かどうかということが一つ。それから、公募をするというふうなことも伺っておりますが、その公募の状況、この二点につきまして。
#148
○林(暘)政府委員 先ほど日本から三名応募をしているということを申し上げましたけれども、公募の状況は、政府から推薦を受けて応募するものと一般からの応募と何か二種類あるようでございますけれども、それを合計いたしますと数百名が応募をしているということで、その応募している人がすべて適格者かどうかという問題はもちろんございますけれども、人数的にそれで足りないということではないと承知をいたしております。
#149
○柴野委員 先ほど私が申しました、自衛官を国際公務員にする法律的根拠がないので非常に苦慮されてちょっと回答がおくれている云々というふうな情報を伺ったのですが、それについてはいかがですか。
#150
○林(暘)政府委員 自衛官の国際機関に対する派遣の問題については、先ほども御議論がこの場でございまして、いわゆる派遣法上の特別職の公務員の派遣についての規定がないということは事実でございます。ただ、そこの部分で、自衛官の派遣の問題で日本側からの回答がおくれたという事実はございません。
#151
○柴野委員 先回本会議でも松田議員、そしてまたきょう委員会でも松沢議員も指摘をいたしましたけれども、自衛官を国際公務員として勤めができるような体制にすべきではないか。
 前回、平成三年ですか、イラクの例の大量破壊兵器の解体特別委員会に自衛官の方が参加したのですが、そのときは外務事務官兼自衛官というおかしなあれで出たわけなんですけれども、これからも、国際的なこういった化学兵器の禁止条約ですとか通常兵器の禁止云々ですとかというのが出ますと、こういった専門家がさまざまな国際機関で活躍することになる。そういった専門的知識を持っているのはやはり自衛官の方が多いわけでございまして、そういったものに対応するためにもそういった体制の整備が必要だと思うのですが、大臣、その点いかがでございましょうか。
    〔委員長退席、福田委員長代理着席〕
#152
○河野国務大臣 その持つ知見からいって余人をもってかえがたいという状況であれば、自衛官の方々に御苦労をお願いするということであろうと思います。しかし、そのためには、先ほど来防衛庁からも御答弁ございました身分その他の問題についてどういうことにするかということなど、クリアしなければならないものがございます。それらについて検討はしなければならぬというふうに思っております。
 いずれにしても、国際社会から軍縮問題について期待をされているという状況というものがあれば、それを踏まえ、その期待にこたえられるような知見を有する人間というものはどういう今立場におるかということなどもよく考えたいと思っております。
#153
○柴野委員 いずれにいたしましても、そういった海外に自衛官の方々が専門知識を生かして活躍するのにも、退職金ですとか年金ですとか、さまざま身分の問題で不安定な状況で、一生懸命仕事ができないような状況にならないような体制の整備を急いでいただきたいと思います。
 さて、次のテーマに移りますけれども、先ほど松沢議員も御指摘をしておりましたけれども、いわゆる中国における旧日本軍の毒ガス処理問題でございます。
 私が伺ったところによりますと、当初我が国は、化学兵器の処理問題は中国と日本の当該二国間の問題であり、条約交渉と切り離し、化学兵器の存在する国の責任だけを規定するよう主張してきたと聞いております。どのような経過で本条約の第一条のような規定となったのか、そして中国との交渉の経過はどうなったのかという二点につきましてお答えいただきたいと思います。
#154
○林(暘)政府委員 先ほども御議論がございましたように、他国に他国の了承を得ずに残した化学兵器の取り扱いについてどのようにするかということはいろいろ議論がございました。その結果、現在つくられております一条の「一般的義務」においては、二つの考え方が書かれております。基本的には遺棄化学兵器については遺棄国が責任を持ってやるということと同時に、いわゆる領域国、その国に化学兵器が存在する国も廃棄の義務があるという二本立ての規定に第一条上なっているわけでございます。
#155
○川島政府委員 日中間のやりとりについて補足させていただきます。
 そもそも、一九九〇年に中国側から、旧日本軍が遺棄した化学兵器により中国国内で被害が生じておるということで、その処理が要請されてきたのが始まりでございまして、以後何回か日中間で、二国間での協議を行っております。
 流れといたしましては、今まで政府間協議、専門家レベル等で計五回やっておりますが、中国側からこの問題の重要性を指摘しまして、両国間で協議をして処理をしようというのが初めのころの協議でございます。
 そして、この問題の解決の重要性につきまして、これは大変重要だという認識の一致を得まして、その方法についていろいろ意見交換を行って、まずは実態の把握が不可欠であるということが両国間で認識をともにするに至りまして、そして、中国側の現地調査の結果を聴取するとか、今後の調査をどういうふうに進めるか等について意見交換を行う、こういう感じで五回にわたる協議が流れてきたということでございまして、これは、最初の協議は九一年の一月でございまして、一等最近は昨年の九月でございます。この間に現地調査を三回やったというのがこれまでの経緯でございます。
#156
○柴野委員 結果として、この条約を批准すれば、これ十年以内ということですか、これ全部、二百万発、それから、毒性薬剤というのですか、百トンもあるというようなことでございまして、これは大変な負担をしょうわけでございます。
 そういった中で、先ほど来から議論されておりますけれども、果たしてそれだけの、二百万発、東北地方一帯に至るところにあると言われるそういったものを処理するだけの力が我が国にあるのか。自衛隊には毒ガス処理のノウハウがそれほどあるとも聞いておりませんし、外務省では、外国の民間企業に委託するしかない、こういった話もあるわけでございまして、しかも、金額ベースでいつでも相当な金額がかかるということでございました。
 しかしながら、先ほど河野大臣も御答弁なさいましたけれども、これは条約を批准する以上は責任持って果たしていかなければならないといったことを申し上げておられるわけでございまして、そういった我が国の責任ある対応をやっていかなければいけないと思うのです。
 ところで、私が心配しますのは、いろいろな旧戦史の本とか、いろいろなのを見てみますと、日本が毒ガスを使ったのは中国だけじゃないのですね。「日本軍の毒ガス作戦しという、これは吉見義明さんという方が書いた大月書店の本でございますけれども、これによりますと、マライの攻略作戦ですとかシンガポール攻略作戦、こういったものにも、嘔吐性ガスのあか割とか、液体青酸の入った「ちび」と呼ばれる毒ガス兵器を大量に使用したといったことが言われております。そういったことも書かれておりますが、そして証拠もいろいろ挙がっておるわけでございます。
 そういった意味で、私は、現在では中国の遺棄兵器のことが問題になっておりますけれども、インドシナ各国のところにもあるんじゃないかなというふうにも思うわけなんですが、その点いかがでございましょうか。
#157
○林(暘)政府委員 我が国の化学兵器が遺棄されているというふうに我が国に言ってきておりますのは中国のみでございます。
#158
○柴野委員 まあ当然で、中国だけですということなんでしょうけれども、しかしながら、マライ攻略作戦やシンガポールの攻略にも使われたわけでございまして、そういったインドシナ各国の山にそういうものがあるかもしれない。まだわからないですけれどもね。そういったこともある可能性はあるわけでございまして、もしそういったものが出てきた場合、当然、この条約に従えば遺棄処理をする責務を負っているわけでございまして、それはやらなければいけないと思うんですが、その点はもちろんおやりになりますね、他国から来ても。
#159
○林(暘)政府委員 もしどこかの国で出てきた化学兵器が旧日本軍の遺棄したものであるということが認められた場合、これは、この条約の規定に従いまして、国際機関の方の検証も必要でございますけれども、そういうことになった場合には、当然の義務として我々は廃棄をしなくちゃいけないというふうに思っております。
#160
○柴野委員 次に、核拡散防止条約関連に移りたいと思うんですが、化学兵器よりも恐ろしい兵器がいわゆる核兵器でございます。一九七〇年に発効したNPT、核拡散防止条約はことしで二十五年の期限切れを迎えるわけでございまして、我が国は無条件、無期限のNPT延長を求めているわけでございますが、この見通してございますね、どういった方向になるんだろうかと。他国の動向等を踏まえまして、その辺をお伺いしたいと思います。
#161
○林(暘)政府委員 御案内のとおり、このNPT条約は、二十五年たった時点で延長についての決定をすることになっておりまして、それは締約国の過半数で決定をするということになっております。最近締約国数が大分ふえてまいりまして、現在のところ百七十五カ国が締約国でございますので、それの過半数で決定が行われるということになります。
 状況でございますが、我が国を含めましていわゆる先進工業国、それから旧東側諸国、それから一部の開発途上国等が無期限延長というのを支持いたしておりまして、それぞれの国によってどの程度の国が支持しているかという見通しは少しずつ数字が違いますけれども、七十カ国を超える、七十から八十カ国に近い国が無期限延長を支持しているというのが現状でございますが、現時点でまだ過半数には恐らくいっていないのかなという感じで見ております。それに対しまして、非同盟諸国の中の国々には、無期限延長ということをすると核保有国による核軍縮の義務が十分履行されないんではないかという懸念から、無期限延長については反対をしているという国々がございます。
 そういうのが現在の状況でございまして、来月の四月十七日からレビューと延長のための会議が四週間開かれますけれども、そこの場でどういう決定が行われるかということを現時点で確たる見通しを申し上げることは非常に難しゅうございますけれども、現状はそういう状況になっております。
#162
○柴野委員 これも先ほどの化学兵器禁止条約と同じように、核を持っていると思われている国が入っていないということでございまして、決定的な意味をなさない側面があるわけでございます。北朝鮮あるいはイスラエル、アルジェリア、リビア、インド、パキスタン、ブラジル、アルゼンチンなど、核兵器保有の疑惑が伝えられております。こういった、NPTに非加盟のため、本当の意味での核兵器禁止のための条約が機能していないというのですか、そういった側面もあるわけでございます。
 このNPTが本来のまさに核兵器廃絶に向けて大きな効果を発揮するために、こういった国をいかにこういった条約の批准国にしていくか、締約国にしていくかということが大きな眼目になろうかと思うのですが、そういった国々に対する働きかけは、政府としてはどのように行っているのでしょう。
#163
○林(暘)政府委員 御指摘のとおり、NPTの枠外にありまして核を持っておると疑われている国、閾国というふうに呼んでおりますけれども、そういった国の存在がございます。今先生から御指摘のありました国々の中では、我々としては、そういう国としてイスラエル、インド、パキスタンという国を考えております。
 言われた国の中の、アルゼンチンにつきましてはNPTに加盟をいたしましたし、ブラジルにつきましては、NPTには加盟をいたしておりませんけれども、ラ米地域の非核条約であるトラテロルコ条約を批准いたしまして、IAEAとセーフガードの取り決めも結んでおりますので、そういう意味では、実質的にはNPTに加盟したのと同じような状況にブラジルについてはなっているというふうに理解をいたしておりますので、そういう意味で、NPTの枠外に、らち外に置かれておるのはイスラエル、インド、パキスタンであろうかというふうに思っております。
 こういう国々に対しましては、二国間のいろいろな協議の際、これは外務大臣が向こうの外務大臣等に会うときはもちろんのことでございますけれども、事務的にもいろいろなレベルでの協議をしておる際に、NPTへの加盟ということを強く呼びかけているという状況でございます。
 残念ながら、今までのところイスラエル、インド、パキスタンについてはそれぞれ、それぞれの理由からまだNPTには加盟をいたしませんし、いたす意向を示しておりませんけれども、我が国としては今申し上げましたような形で働きかけをしているということでございます。
#164
○柴野委員 そういった核疑惑国、それからNPTの未加入国、こういったものにどんどん入っていただいて、本当の意味のあるそういった禁止条約というものができるということが唯一の被爆国である日本の大きな役割でもあろうかと思いますし、また、それに対して日本は大きなリーダーシップをとるべきであるというふうに考えるわけでございます。
 一方、こういった動きとともに、核を拡散させないということも非常に大事でございますが、核保有国の軍縮と申しましょうか、核兵器の削減というものも非常に大事だと思いますね。そうしませんと、御承知のとおり、核保有国だけが一方的に有利な、おかしな状態になるわけでございまして、そういった意味で、核保有国への核兵器削減に対する政府としての働きかけ、こういったものは今どういう状況かということをお聞かせください。
    〔福田委員長代理退席、委員長着席〕
#165
○林(暘)政府委員 御指摘のとおり、核を拡散させないということと同時に、現在核を持っております核保有国の核削減のための努力というのは必要であると思っておりますし、我々もそういうことでいろいろ努力をいたしております。
 NPTの第六条におきましても、いわゆる核保有国の核軍縮交渉義務というのが規定をされておりまして、それに基づきます核交渉をさらに推進するようにというようなことでもいろいろな申し入れをしております。
 具体的には、ごく最近で申し上げますと、昨年の秋、国連の第一委員会で、我が国の提案で、究極的な核廃絶を目指した核軍縮のための決議案というのを出したわけでございますけれども、その中におきましても、核保有国が核軍縮をすることを、核の究極的廃絶を目指して核軍縮をすることを慫慂するようなことで決議案を出したわけでございます。
 また、現在、米ロがSTARTUの批准手続をいたしておりますけれども、STARTUの批准が終われば、その先についての核軍縮交渉ということも視野に入っているように言われております。そういう点につきましても、核保有国がさらに核軍縮を進めるように、それぞれの国について働きかけていきたいというふうに思っております。
#166
○柴野委員 そういった意味で、核保有国に対する核軍縮を本当に積極的にやっていかなければいけないと思う次第でございます。
 それから、先ほど四月十七日からこの延長会議が始まるということを伺いましたけれども、私は一つ大変心配をいたしておるのでございますが、なかなか無条件、無期限の延長というのは、必ずしも今、過半数、非常に厳しい状況にあろうかと思います。そういった状況の中で、もしそこで延長が決定されない場合、また延長に必要な過半数確保が得られなかった場合、この条約は一体どうなるのか、この点につきましてお伺いしたいと思います。
#167
○林(暘)政府委員 NPT条約の十条二項では、二十五年たった時点で会議を開催いたしまして、延長期間について、この条約が無期限に延長されるか、一定期間、これは単数複数両方で書いてございますけれども、一定期間延長されるかを、過半数で決定するという規定になっております。
 今御指摘のとおり、もしいかなるフォーミュラもといいますか、過半数がとれない場合にはどうなるかということでございますけれども、その点は、そういう事態についてのきちんとした規定がこの条約にはございませんけれども、加盟国の中で皆が考えておりますのは、そういう事態になってもそれによってこの条約が失効することはない、決定がされるまで条約は生きているというふうな解釈をしておりますので、もし万が一決定がされないというような事態、そうでないように我々は望んでおりますけれども、もしそういう事態になるとすれば、延長会議をある期間中断して、改めてまた延長会議を開くというようなことになろうかと想像をいたしております。
#168
○柴野委員 それでは次のテーマに移りますけれども、きのうの夕刊に、米朝両国の専門家協議、いわゆるKED〇の問題で、二日早く切り上げた、北朝鮮側が新提案を行ったらしいと、夕刊各紙いろいろ報道されております。
 まず、北朝鮮の新提案の中身、これは政府側に来ているかどうか。それから、専門家協議で行われてきた、要するになぜ二日前に急に協議を切り上げたという、こういった経過につきまして、ちょっと教えていただきたいと思います。
#169
○川島政府委員 ベルリンの会議が二日早く終わったということでございますけれども、これは交渉打ち切りではございませんで、そこまでの討議を踏まえて、両方とも本国に持ち帰るということでございます。
 そこで、今までのところ米朝両交渉当事者ともに、いわば途中経過でございますので、どういうところに立っているかというのを明らかに外にしておりませんものですから、私どもとして、交渉がここまできてこうなったというのを申し上げる立場にないことは御理解いただきたいのですが、要するに流れとしては、北朝鮮側は、韓国製の軽水炉というものは受け入れられないということは、これはずっと表明していたわけでございます。一方、KEDOは韓国型軽水炉という前提でスタートしているわけです。
 そういう中で、北朝鮮側として、そういう基本的な立場は崩さない中で、韓国を全く排除するわけではないけれども、基本的には韓国型炉という形では受け入れられないというようなことで立場の表明をしたというふうに理解しておりますけれども、先ほど申しましたとおり、交渉途中での段階で、両方とも詳細は明らかにしないという前提で持ち帰っておりますので、これ以上につきまして申し上げることはここでは差し控えさせていただきたいと思います。
#170
○柴野委員 何と申しましょうか、新聞ではいろいろ書かれておりますけれどもね。韓国の技術者は三五%以内ならいいとか、機械のレーベルはアメリカ製ならいいとか、いろいろなことを言われています。
 いずれにいたしましても、これは期限が、四月二十一日までに供給契約を締結するということになっておりますけれども、こういった新しい動きが出てきたわけでございまして、ひょっとしたら、米日韓でニューヨークでKEDOの取り決めをやった合意内容の見直しといいますか、修正というようなことも出てくると思うのですが、まず、期限内に供給契約ができるのだろうかということが一つ。それから、中身は言えないと言っておりますけれども、いずれにいたしましても、取り決めの際の合意の中身の変更ということが想定されるわけでございまして、その辺についてちょっとお伺いしたいと思います。
#171
○川島政府委員 確かに四月二十一日という日取りがございます。これは供給取り決めの一応努力目標ということでございますので、これが一日でも過ぎると全部壊れてしまうというような話ではないのだろうと思っております。まだ若干の日取りがございますし、ベルリンで決裂したわけではございませんので、それまでの間にしかるべく妥協ができることを私どもとしては期待している次第でございます。
 ただ、基本的には、韓国がやはり中心的な役割を財政的にも果たすということ、そこのところは私どもとしては前提として考えざるを得ないだろうと考えております。
#172
○柴野委員 いずれにいたしましても、北朝鮮が相当韓国炉に強い抵抗を示しておりまして、これでずるずるいって四月二十一日を過ぎても合意がなされない場合は、また経済制裁かというようなことで大変なことになるなと危惧をしておりまして、何とかうまく話し合いで、そういったまた悪いシナリオに戻らないような体制にできればと思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、韓国型の炉を入れますと、北朝鮮にとりましては、韓国の技術者、そういったものが大量に入ってくるわけでございまして、さまざまな面で懸念が出ているわけでございます。そういった意味で私も心配しておったわけでございますが、そういう中で、もともと韓国炉と決めた経緯ですね、三国でやったのでしょうけれども、決定的な要素というのは何だったのでございましょう。
#173
○川島政府委員 お答え申し上げます。
 一つは、技術的にはきちんとしたものを韓国がつくっているという実績、それからもう一つは、それはいろいろな国があり得ましょうけれども、実際問題として、中心的な役割を財政的にも果たし得る、また果たす用意があるのは韓国しかなかったという状況のもとで韓国炉ということになったわけでございます。
#174
○柴野委員 時間が来たので、終わります。以上です。
#175
○三原委員長 引き続いて、若松謙維君。
#176
○若松委員 新進党の若松謙維でございます。
 今回は、化学兵器禁止条約につきましてさまざまな観点から質問をさせていただきます。また、今までに大勢の先生方が質問されましたので、重複の部分あると思うんですけれども、その点は御容赦をいただきたいと思います。
 まず初めに、今回の大変国内的に物議を醸し出しました地下鉄サリン事件、これについて若干触れさしていただきます。
 今月の二十日、東京の営団地下鉄で発生したいわゆる地下鉄サリン事件、この質問に先立ちまして、この事件で亡くなられました十人の方々に対します御冥福を深くお祈りするとともに、被害に遭われた大勢の方々に対してお見舞いを申し上げます。
 今回の地下鉄サリン事件は、一部のマスコミ報道によりますと、霞が関つまり行政官庁をターゲットにしたのではないか、こういう憶測の記事が多くあります。御存じのサリンが仕掛けられた五本の地下鉄、これがすべて当日の午前八時十分前後に霞ケ関駅を通過する予定であった、こういう事実もあるわけでして、そうしますと、行政官庁、一口に言っても、特に外務省はどちらかというと遅い方、それに対してほかの役所は比較的早い役所があるわけです。
 ですから、この時間帯を考えますと、恐らく警察庁または警視庁、これをターゲットにしたのではないか、こんな分析も特にマスコミ等で多々行われておりまして、政府といたしましてこの犯行の目的、これをどのように考えているのか。また、ターゲットにされたと言われております行政官庁の職員の被害状況、これもあわせてお伺いしたいと思います。
#177
○篠原説明員 お答えいたします。
 被害に遭いました地下鉄の車両は、御指摘のとおりいずれも近接した時間帯に霞ケ関を通過する予定でございます。したがいまして、御指摘のような点の考え方も見られるわけでございますけれども、現在犯人が具体的に特定されていない状況におきましては、私どもとして断定はできないという状況でございます。
 また、サリンと思われる有毒ガスによりまして、乗客の方々に多数の死傷者が出たわけでございますけれども、私どもの方といたしましては、霞が関勤務の警察庁、警視庁の職員約四十名の被害というものは聞いておりますけれども、一般的な行政官庁職員の被害状況についての把握はいたしておりません。
 以上でございます。
#178
○若松委員 それで、いわゆる警察庁、警視庁関係は四十名というお話ですけれども、人事関係を全部まとめておられます人事院にお聞きしますけれども、行政官庁の被害状況、総括的に御説明いただきたいと思います。
#179
○高橋説明員 平成七年三月二十四日現在において人事院が把握しております一般職の国家公務員の被災者につきましては八十二人となっております。幸いにいたしまして、これらの中に死亡した音あるいは重体であった者はおりませんで、ほとんどが軽症者となっております。
#180
○若松委員 八十二人の省庁別の内訳はおわかりになりますか。
#181
○高橋説明員 八十二名の内訳でございますが、各省、数は少のうございますが、多いものを挙げてみますと、法務省三件、外務省四件、国税庁四件、文部省八件、厚生省五件、通商産業省六件、郵政省二十八件、以上でございます。
#182
○若松委員 なるほど。
 そのほかに、警察庁、警視庁関係が四十名、そういう理解でよろしいわけですね。
#183
○高橋説明員 ただいまの警視庁の職員は私どもの一般職の国家公務員の範囲外でございますので、今先生御指摘のとおり、警察庁の職員はこの四十名の中に入っております。
#184
○若松委員 数字的にはわかりました。
 それで、人事院管轄以外の自衛隊、防衛庁ですね。防衛庁の被害状況はいかがでしょうか。
#185
○伊藤説明員 私どもの方では、昨日現在までで集計しておりますが、防衛庁職員約七十名が中央病院等で診療を受けております。このうち、入院に至らない、軽症と申しますか、その者が三十名でございまして、残り約四十名が入院をいたしたわけでございますが、昨日段階では、全員退院をして勤務に服しておるところでございます。
 なお、国の職員ではございませんけれども、防衛庁共済組合の職員がこれとは別に約十名程度被害を受けておりまして、このうちの一名は、なお現在入院中ということでございます。
#186
○若松委員 なるほど、やはり防衛庁と警視庁、警察庁、数字的に見るとかなり多いというふうに見受けられます。この判定等は御専門の警察庁にお任せいたすとしまして、私としては、次の質問に移らせていただきます。
 今回のサリン事件がありまして、マスコミの御報道もいただいて、大変、自衛隊の方々が防毒マスクをして車内等を洗浄している。いわゆる日ごろの訓練の成果というものが理解できたわけですけれども、防護研究というのですか何というのですか、こういった事件が起きた場合の、特に化学兵器に対する実験、これは大変秘密的なもので公開しにくいと思うのですけれども、当然国民的にも関心が高いのではないか。可能な範囲で結構ですけれども、どういうような、今のこういった化学兵器またはそういった物質に対する、いざ起きた場合の防護体制というのですか、そういったところを御説明いただければと思います。
#187
○山中説明員 防衛庁におきましては、万が一化学兵器を使用された場合を考慮いたしまして、その防護の見地からの研究あるいは教育訓練を実施しているということでございます。
 具体的には、化学防護のための食器材の改善、あるいは化学科部隊の運用、さらに化学防護に関する教育訓練のあり方、こういったことについての研究を実施いたしてきております。また、陸上自衛隊の化学学校等におきまして、これは各部隊等から派遣された隊員でありますが、所要の学生に対します化学兵器に関する基礎的な知識の付与、あるいは、その防護方法等についての教育も行っております。また、それぞれの部隊におきましても、防護方法等についての訓練を実施しているということでございます。
#188
○若松委員 次の質問なんですけれども、今回のサリン事件で亡くなられた十名の方々、本当にお気の毒でならないわけですけれども、この十人の方々の中にお二人の営団地下鉄職員の方がいらっしゃいます。まさに執務の過程として、不審物を身をもっていわゆる大衆乗客のもとから離そうということで、その結果お亡くなりになったわけです。勤務態度というか、大変、命をかけたところには敬意を表する次第ですけれども、やはり危険なものは危険なものということで、今後、こういった職員の方の、幾ら職務上とはいえ、危険物を離れるような日ごろの訓練というのでしょうか、知識というのでしょうか、そういったのも今回の事件を教訓として必要になるのではないかと考えております。そういった、今後当然防衛庁との協議も必要になってくると思うのですけれども、万が一事件が起きて危険を最小限に食いとめるような体制、これを今後どのように政府としてお考えなのか、その再発防止対策、こういったところをお聞きしたいと思います。
#189
○篠原説明員 お答えいたします。
 同種事犯の再発の防止のために、現在、地下鉄などの交通機関や地下街、公共施設、空港など、大勢の人々が集まります場所を中心に、警察におきましては警戒警ら活動を強化しておるところでございます。また、これらの施設管理者に対しましては自主警戒の強化をお願いするとともに、不審物を発見した場合の連絡通報体制の確立をやっておるところでございます。また、万一不審物発見の際の関係機関との連絡体制の確立に努めておるところでございます。
 私どもといたしましては、今回の事件は極めて悪質かつ残虐性の高い事件であるというふうに判断しておりまして、被疑者の検挙と再発防止に万全を期してまいりたいというふうに心がけておるところでございます。
 以上でございます。
#190
○若松委員 それで、このサリン事件に関して国民が今一番不安に思っているところがいわゆる毒性物質、これが簡単に一定水準以上の知識があれば入手もしくは製造ができる、こんなことが明らかになったわけです。
 今回の地下鉄サリン事件、さらにはオウム真理教の問題、これをリンクするというのはまだ断定できかねるわけですけれども、万が一、このオウム真理教と問題を分けまして、そして、たまたまそういった団体が毒物または化学物質を所有していた、そういう事実をまず前提に置いて一般論として伺わせていただきたいのですけれども、現行法としましては、サリンやその原料を犯罪目的でない目的のために所有することは禁止されていない。現状におきましては、いわゆる毒物であってもその所有者が犯罪のために所有していると言わない限りその所有は認められる、こういう状況で、見方を変えればほぼ野放しに毒物の所有者を認めている、こういった人たちに対して野放しになっている。いつ何とき毒物を犯罪目的にしようとしても、それに対して未然に防ぐ法律なり、またはそのすべがない、これが現状ではないかと思います。やはりこの毒物の規制、これは再検討が、また政府でも特別立法寺考えておりますけれども、現在の毒物の規制の概要、ちょっとこれについて簡潔に説明いただきたいのですけれども。
#191
○植木説明員 毒物劇物取締法は、日常流通しております有用な化学物質の中から作用の激しい化学物質につきまして、国民の保健衛生上の観点から、適正な目的に使用することを前提といたしまして流通するものを規制することとしております。
 その規制内容といたしましては、毒性、劇性の強度に応じまして毒物、劇物、特定毒物を指定いたしまして、製造業、輸入業、販売業の登録を行い、毒物劇物取扱責任者を設置し、管理を義務づけております。また、販売に当たりましては、事前に毒物劇物の名称、数量、年月日、氏名、職業、住所を記載しまして、印を押した書面の提出を求めるなどして、そういった手続を定めております。また、危害防止のために、飛散、漏出や運搬等における基準設定などを行う、そういった規制も行っております。
 以上でございます。
#192
○若松委員 そうしますと、今度は化学兵器禁止条約の中の表1から3、この分類と、国内的な毒物というんですか、これで日本の法律がこの化学兵器禁止条約の表の1から3を網羅しているのかどうか、そこら辺の整合性というか、関係性について説明をお願いします。
#193
○掛林説明員 御説明させていただきます。
 化学兵器禁止法案につきましては、これは化学兵器禁止条約の国内の実施のためのものでございまして、条約上の義務を的確に履行するために必要な措置を講ずるものであります。
 具体的には、まず化学兵器の製造、所持、譲り渡し、譲り受け及び使用の禁止、それから化学兵器として使用されるおそれが高い毒性等の特性を有するサリン等の化学物質でありまして条約に明記されたものについて、その製造等の原則禁止、さらに化学兵器として使用可能な特性を有する毒性化学物質の原料物質でありまして条約に明記されたものにつきまして、製造等の届け出制、さらに許可届け出事業者等に対します条約機関が派遣する国際査察団による検査につきましては、その受け入れの義務づけ、さらにこれらの本法案上の規定に違反した者に対する罰則の適用等の規定を置いております。
 条約上規定されました表1剤から表3剤につきましては、この化学兵器禁止法案上特定物質あるいは指定物質として指定することになっております。
#194
○若松委員 そうすると、結論というか、化学兵器禁止条約に載っている表1から3は、何らかの形で国内法で届け出または規制等がかかっている、そういう理解でよろしいわけですか。
#195
○掛林説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。
#196
○若松委員 それでは次の、この化学兵器禁止条約の具体的な中身について質問を移らせていただきます。
 まず、この条約第二十一条に規定しております効力発生要件、これについて、先ほど柴野議員からも、六十五カ国の批准はどのような状況か、そんな話をされました。ただし、この条約なんですけれども、その前に、あれはハーグですか、条約を署名しました。それで、「署名のための開放の後二年を経過するまで効力を生じない。」二年間以内に当初署名に参加した人たちはそれぞれの国内に持ち帰って条約批准に努力しなさい、そういうことだと思うのですけれども、実際に署名式が二年前の一月に行われて、この開放後ですから、ことしの一月が開放後になるわけなんです。
 実際、この二年間という意味、どういうような意味があるのか。そしてまた、署名式が済んで二年以上も経過してから我が国内で国会承認を求めてきた理由、これも、ただ国内的にいろいろと、法案、条約がいっぱいあってそういった日程等を調整してここまで延ばしてきたのか。本来ですと、去年もこの化学兵器条約を審議することもできたわけです。あえて延ばしたというその理由を聞かせてください。
#197
○林(暘)政府委員 条約それ自身において二年間の経過期間が置かれておりますのは、この条約が署名されて以降、化学兵器禁止のための機関の設立に向けての行財政面及び検計画での諸準備を行うためもございましたし、また締約国、特に非常に大きな化学産業を有する締約国の国内体制の整備が必要なわけでございますので、そういったことを準備するための期間で少なくとも二年間が必要というふうに考えられてああいう規定が置かれているわけでございます。
 政府がこの国会に承認をお願いするのに二年間かかったのはなぜかという部分でございますが、これにつきましても、我々、署名以降国内法の準備その他これの国内実施体制の準備に努めてきたところでございまして、やっとその準備が整いましたので、今国会に提出して御承認をお願いしているという次第でございます。
#198
○若松委員 いろいろと準備のために、国内法との調整のために二年間かかった、そう理解いたしました。
 それでは、当然、中国のは後で触れさせていただきますけれども、化学兵器、第二次大戦中の遺棄、こういったところの具体的な問題も兼ね合わせて同時並行で化学兵器禁止条約が進んでいる、そういった配慮からも延ばしてきた、そういうことも言えますか。
#199
○林(暘)政府委員 この条約上、先ほどからも議論がございますように、条約が発効した場合に、遺棄化学兵器について遺棄国の責任が規定をされております。したがいまして、中国に遺棄した化学兵器の廃棄の問題というのは我が国として抱えているわけでございますが、この問題があるから国会に御提出するのがおくれたという事情はございません。
#200
○若松委員 それでは、違った観点から質問いたします。
 万が一、万が一じゃなくて必ず、年内でも発効予定となるこの化学兵器条約が実際に施行されますと、新国際機関、KED〇とかIAEAとか、そういった新国際機関が組織されてハーグに置かれる。これは決定したわけですね。そして化学兵器を査察されるわけですけれども、我が国、いわゆる恒久平和を願う日本として、この新国際機関、化学兵器禁止条約を遵守する新国際機関は査察が大きな目的だと思いますが、こういった新国際機関に対して我が国の基本的な対応、積極的にやるのか、他の国とあわせてやるのか、当然資金的なところは国連の分担率と同じということでこれは枠は決まっているわけですけれども、人的貢献というところから、例えば新国際機関の事務局長もしくは局長クラス、次長、次官とか、そんなポストで、日本としてどういうふうな対応を考えていらっしゃるのか。
 また、やはり査察官ですから、レベルの高い査察官が必要となるわけで、日本としてどのぐらいこの新国際機関に査察官を派遣されようとしているのか。単なる個々人の、国連の世界は基本的にはボランティアですから、個々に応募して、試験を受けて入所する、そんなところですけれども、やはり国が後押しをされるのかされないのか、そういったところをできたら具体的に御説明いただきたいと思います。
#201
○林(暘)政府委員 この条約が発効いたしますと、ハーグに本部が置かれる予定になっておりますけれども、既に条約発効後に設立を予定されております化学兵器の禁止のための機関、それの設立準備を行うための準備委員会の作業が今ハーグで行われております。その準備委員会にいわゆる暫定事務局という形で事務局がついております。その事務局には現在我が国政府の二名の職員が派遣をされて、その事務局で働いておりますし、そのうちの一名は検証局の申告・秘密保護部長をいたしております。
 また、化学兵器の禁止のための機関ができました暁に査察員というものを備えなくてはいけないわけでございますけれども、これも先ほどから御説明をいたしておりますように、査察員の候補として現在二名、これは日本の産業界の方でございますけれども、そういう方に応募をしてもらっているというのが状況でございます。
 御指摘のとおり、いろいろな意味で我が国としてもこの化学兵器禁止条約というのは非常に重視をいたしておりまして、これが実効のあるものとして発効の暁には実施されることを期待をいたしております。
 そういう意味で、人的な部分につきましても、できる限りのことはいたしたいと思っておりますし、その意味で、関係省庁、民間企業等の協力をいただいて、今申し上げました人以上に人的貢献をできるように努力をいたしてまいりたいというふうに思っております。
#202
○若松委員 今の点について、引き続き、特に事務局長とか、そういうトップクラスについてお聞きしますけれども、KEDOのときも当然事務局長がアメリカ、日本の国際機関としての事務局長は現在いまだに三ですね。たしか三つですか。まず、その点からちょっと確認を。命現在、国際機関で事務局長ポストは幾つありましたか。
#203
○林(暘)政府委員 私、担当ではございませんけれども、担当の者がおりませんので……。
 私の記憶ではWHOの中嶋事務局長とUNHCRの緒方高等弁務官がおられます。それから、明石さんが、国際機関の事務局長かどうか、ちょっとステータスが定かではございませんけれども、ユーゴの責任者として国連の方から、PKOの方の派遣をされております。
#204
○若松委員 そうすると、従来、緒方さんがUNHCRに入られてから三名体制で、いわゆる現状は変わっていない、そういうことだと思います。
 いかがでしょうか。これから本当に日本の人的国際貢献というのがさらに求められると思います。ぜひこういった局長ポストにやはり手を挙げて、本当に二十一世紀、日本が世界に冠たる平和国としての国際協力国になり得るという観点から、この機会に潔く立候補すべきではないか。人はいると思うのですけれども、その点、外務大臣、いかがでしょうか。
#205
○河野国務大臣 一つは、ふさわしい人間がいるかどうかということがあると思います。私は、国際機関で働く、私は決して長とまでは言いませんけれども、国際機関でハイレベルで働く人間というものが日本でどういう形で少なくとも今いるかということを考えてみますと、これはただ単に公務員の中からだけ探すというのではなくて、民間も含めて広くそういう人材を求める必要もあるだろうと思うのですが、なかなか正直、国際機関のハイレベルで働いていただく人間を求めることはそう簡単なことではないというふうに私は思います。
 それは、そのポジションがどれだけ長く保障されるかということもございますし、それから身分、待遇の面で、つまり、日本から国際機関のハイレベルのセクションで働いていただこうと思うと、それは現在でもかなり高い地位あるいは待遇を得ている人ということになろうかと思いますが、それにふさわしい待遇が果たして得られるかどうかというようなことも実は問題があるんだろうと思うのです。
 それは別の観点で考えれば、そういう場で働こうと思っている人、それはもう待遇とかの問題ではなくて、自分はこういうところで国際社会のために働いてみたい、そういうふうに思われる方が実は一方で相当おられるだろうと思うのですが、そういう方がそのポジションを得るまでの間に、じゃどういうところで勉強しておられるか、あるいはどういうところで経験を積まれておられるか、つまり、そういう方々に経験を積む場所を提供するような状況が今どれだけ日本にあるかということもまた考えなければならない。何かあるときに、さあだれか行けと急に言っても、なかなかそれは、そう簡単に人間は見つかるものではないなというふうにも思うんです。
 しかし一方で、議員がおっしゃるように、もっともっと国際社会で貢献するために、人的な貢献、人的な貢献というと言葉が正確でないかもわかりませんが、ある意味では知的な貢献というんでしょうか、そういったことも含めて、我が国はそういうことにももっと意欲的であるべきだというふうには私も考えております。
#206
○若松委員 いわゆる局長レベルのポストの数、さらには通常のスタッフとしての数、これはいろいろあると思うのですけれども、スタッフレベルの数をふやすためにも、トップダウンというのですか、局長に日本人をどんどん送る、そういったこともやはり戦略的には重要じゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか、大臣。
#207
○河野国務大臣 理屈は十分わかっているつもりでおります。
#208
○若松委員 ということは、お悩みということですね。
 そうしますと、じゃスタッフレベルに話を移しますと、これも質問通告しておりません、わかっていれば。
 化学兵器禁止条約というのはIAEAと大変似たファンクションになる、いわゆる査察が大きな目的だと思います。今IAEAは、職員が何人いて、そのうち日本人が何人勤務しておるか、大体で結構です、わかりますか。
#209
○林(暘)政府委員 ただいまちょっと正確な数字を持ち合わせておりませんけれども、たしかIAEAは事務局員が二千名ぐらいであったか、二千名強だったかというふうに思っております。
 IAEAに働く日本人職員でございますが、あそこは原子力関係をやっているということで、かなり日本の職員が、比較的には多い機関だというふうに私は記憶をいたしておりますが、それでも数十名程度じゃないかというふうに、これは正確ではございませんけれども、記憶で申し上げればその程度じゃないかと思っております。
#210
○若松委員 数十名というと、大体二、三%ということですね。
 そうすると、いわゆる人的な国際貢献というところで、当然国際機関、こういったところへの日本人の派遣ですけれども、やはり日本として考えなくちゃいけない、また乗り越えなくちゃいけないのは、日本の独特の雇用制度というのですか、終身雇用制度、これがかなり大きな一つの限界としてあるのではないかと思います。
 もう一つは、あとは国連職員または国際機関職員の給与です。今この円高で、日本人にとって魅力が大変少なくなってきた。さらには、万が一日本での一つのキャリアプランというか、どこどこの企業に勤めて海外に出る、また戻ってきてポストがない、ここら辺もやはり乗り越えなくちゃいけない点かな。
 そうすると、国際協力なり国際貢献というのを全面的に進められている外務省、さらに国内の雇用形態なり従業員の意識、経営者の意識、当然外務省としてもやはり世界から求められている日本の人的協力、貢献、そういったところでやはり国内に何らかの発信をしなくちゃいけないと思うのですけれども、そういった点から何か努力をされていますでしょうか、外務省といたしまして。
#211
○河野国務大臣 国際機関がどういう仕事をしておるか、そしてまた、日本が国際貢献として積極的に役割を果たしていくべき時期に来ておるというような点については、外務省として広報その他を通じて努力をいたしております。
#212
○若松委員 その広報の努力ですけれども、国内には外務省内に国連職員の募集の窓口がありますね。
 きょうは、国連課の方いらっしゃいますか。来ていないですかね。実は、私もそのドアをノックした一人であります。隣の東議員もまさに国連職員の経験者でして、率直に言いまして、窓口の対応が私にとっては非常に屈辱的なものが多くありました。同じく国連職員を目指して、外務省のわずかの窓口に行って非常に不愉快な対応を受けたというケースをよく聞きます。だから、何か今の国連職員の不足というのは、やはり外交努力をされる外務省の努力不足というのがこれは明確じゃないかなと私は思えてならないのですけれども、いかがでしょうか。
#213
○河野国務大臣 外務省にある窓口が、国連で働く意欲をお持ちの若い方々にとって不愉快な対応であるということであれば、私は厳重に指導するつもりでおります。
#214
○若松委員 ぜひそれをやっていただいた上で、本当に日本人として国際機関の職員、どんどんどんどん交流ができるような形でこれからも努力をしていただきたいと思います。
 続きまして、この化学兵器禁止条約ですけれども、これはもうほかの先生が触れたと思います。いわゆる北朝鮮の参加、今のところ北朝鮮は態度を保留、それとも明確に拒否、どちらかだと思います。この事実というのは、いわゆる北朝鮮のこの化学兵器禁止条約への参加、また不参加がKEDOの交渉に影響を与えるのかどうか、こういった点についてはいかがでしょうか。
#215
○川島政府委員 北朝鮮はまだ署名していないということでございまして、我が国として、北朝鮮もこういう条約に入ってくるということは重要だろうと考える次第でございます。
 北朝鮮との関係について申せば、KED〇というのが一つの核疑惑を晴らすという観点のプロセスとして重要なわけでございますけれども、北朝鮮との関係で行く行く対話をしなきゃならない問題は大変いろいろございまして、これもその一つだろうと思いますし、KEDOの御議論でしばしば指摘されましたミサイルの問題とか、さらには朝鮮半島全般の話とかいろいろあるわけでございますけれども、そういう対話というものは、行く行くKEDOが動き、南北関係も動き、米朝関係も動き、日朝の対話も始まるという中でいろいろ取り上げていくべき問題だろうと思いますし、そういう中で、これは一つの重要な問題だろうと考える次第でございます。
#216
○若松委員 また、これは北朝鮮というひとつの外交交渉ですので、これはまたしっかりやっていただきたいと思います。
 ちょっとこれは質問通告ないんですけれども、ほかの先生方が聞いてないようですので、この化学兵器禁止条約について、当然、これから発効のための六十五カ国の批准を今求めております。そういう段階で、かなり先走った質問になりますけれども、今後、そういった脱退、NPTもありました。加盟して、さらにそれから脱退しようとする国に対する防止策というんですか、歯どめ策というんですか、そういったものはどのようになっておりますか。
#217
○林(暘)政府委員 この条約の規定上、脱退につきましては、次のような規定になっております。締約国は、この条約の対象である事項に関係する異常な事態が自国の崇高の利益を危うくすると認める場合には、その主権を行使してこの条約から脱退する権利を有する。自国の崇高な利益を危うくするという言い方をしておりまして、これは基本的にNPTの脱退条項と同じ書き方になっております。
 この自国の崇高な利益を危うくするというのは何かということについては、いわゆる定まった解釈はございませんけれども、単に、何といいますか、事情が変わったからということで脱退できるということではないというふうに考えられておりまして、これはやはりここに掲げてありますように「自国の至高の利益」というものということで、かなり、非常に異常な事態であるというふうな場合にしか脱退はできないというふうに解釈するのが適当であろうかというふうに考えております。
#218
○若松委員 そうすると、この異常な脱退というのが、自国ということですので、かなり自国の主観、これが結構強く主張される根拠となる、そういうことになるわけですか、いかがですか。
#219
○林(暘)政府委員 化学兵器禁止条約の場合には、まだ発効もいたしておりませんので、その脱退ということを云々するのもあれでございますけれども、例えばNPTの問題についていえば、唯一の例が北朝鮮の例であったわけでございます。それで、北朝鮮は、御案内のとおり、特別査察というものについてのIAEAといいますか、の対応を不満として脱退をしようとしたわけでございますけれども、NPTの意義というものを重く見る締約国サイドから、何とかNPT体制から脱退をするというようなことがないようにという形で、今、委員も御指摘のとおり、最終的にはKED〇を含む、軽水炉の供与というような形を含めまして、北朝鮮をNPT体制の中にとどめて、不拡散というものを実現しようというふうに努力をいたしたわけでございますし、したがいまして、ここに掲げております至高、先ほど崇高と、私、申し上げたかもしれませんけれども、至高の間違いでございますので、至高の利益を危うくするというのは、やはり非常に重く考えるべき文言であろうというふうに考えております。
#220
○若松委員 それで、これも特に通告してないんですけれども、ほかの先生方聞いていらっしゃらないということで、そんなに難しくありません。ある国がこれからこの新国際機関の査察を受けて、万が一この化学兵器を生産、保有していることが判明した場合、これは制裁措置があるというふうに条約にあります。具体的に制裁措置というのはどういう形になるのか、もしおわかりであれば御説明お願いします。
#221
○林(暘)政府委員 この条約の十二条に「事態を是正し及びこの条約の遵守を確保するための措置」というのが書いてございまして、条約違反ということが起こった場合に、その事態を是正するためには、基本的に執行理事会がそれを検討をいたします。それで、執行理事会の勧告に基づきまして、その違反をしているという「締約国がこの条約に基づく義務に従うための必要な措置をとるまでの間、この条約に基づく当該締約国の権利及び特権を制限し又は停止することができる。」というのが第一段階でございます。
 その次の段階におきましては、重大な障害がこの条約によって禁止されている活動から生ずる可能性のある場合には、締約国会議がその当該締約国に対して国際法に適合する集団的な措置を勧告することができる。これはこの化学兵器禁止条約の機構内の措置でございますけれども、この集団的な措置というのはいわゆる国連に言う集団的な措置ではございませんで、この機構としての集団的な措置でございますから、その締約国に対する、例えばこの条約で規定をしております物質の輸出を禁止するとかなんとか、そういったたぐいの措置だと思います。
 その次の措置が、国際連合総会及び国連安保理事会の注意を喚起するという措置になっておりますので、この時点で最終的には安保理事会が国際の平和の維持という観点から問題があるかどうかという判断があれば、それに応じた措置を講ずるということになろうかというふうに考えております。
#222
○若松委員 これも通告なくて恐縮なんですけれども、これも質問されてないということで、ODA四原則との関係なんです。化学兵器禁止条約、これは、要は保有も生産も当然使用もできない。そうすると、保有が疑わしいという国がいろいろなマスコミの推測等も含めて幾つかあるわけです。複数のマスコミで言われているのが、私の知っている限りでは中国とかベトナムとかシリアとかミャンマーとか、当然こういったところは日本のODAの提供国となっております。この点とういうふうに外務省としてお考えなのか、御説明いただきたいと思います。
#223
○河野国務大臣 我が国のODAは、いわゆるODA大綱というものがございまして、そのODA大綱には御指摘のように四つの原則が書かれております。その中には、大量破壊兵器にかかわる文言がございまして、その大量破壊兵器の中にはこの化学兵器が入るか入らないかという問題はございますけれども、私どもは化学兵器は大量破壊兵器の中に入るという、そういう認識でございます。したがいまして、この化学兵器について、その開発を進めるとかあるいは保有するとかいうことには我々は十分関心を持たざるを得ないというふうに私は思っております。
 しかしながら、ODA大綱の四原則というものは、その原則を十分に参考にしてこのODAについては考えるということになっておりまして、それぞれの国にはそれぞれの国の立場というものがあって、それらを総合的に判断をするということが重要だというふうに考えているわけでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、この問題には、我々、このODA実施に当たって関心を持つべきものだというふうに考えていることは申し上げていいと思います。
#224
○若松委員 大変重大な関心ということで、この化学兵器禁止条約が実際に発効されまして効力が生じまして、それ以降、その保有されると一般的に疑義がある国が明確に保有されていると、万が一そうなった場合には、先ほどのODA大綱ですね、こういった精神にのっとってどのように対処されますか。
#225
○河野国務大臣 我が国にはODA大綱というものがあって、そこにはこういう原則が書かれているのだから、この原則というものを十分認識してもらいたいということをまず申し上げることから始まるだろうと思います。そして、我が国が目指しているといいますか、願っているといいますか、そういう方向というものを十分理解をしてもらう努力をするということが重要だろうと思っております。
#226
○若松委員 ということは、当然ODAというのはいろいろと長いその国との歴史もありますし、万が一そのODA提供国がこの化学兵器の保有、生産等をしたことが明らかになっても、それが即ODA提供をやめるものではない、そう理解していいわけですね。
#227
○河野国務大臣 そう言っちゃ身もふたもないわけでございまして、我々はそういうものがない状況というものを国指しているわけですから、我々が目指しているものはこういうものですよということは十分申し上げなきゃならぬということを先ほど申し上げました。
 それで、それぞれの国にはそれぞれの国の、例えば隣接する国の状況とかいろいろな状況があるわけで、そうしたものを総合的に判断をする必要があるということでございます。しかしながら、我々が目指しているものはこういうものだということははっきり申し上げて、その方向に近づく努力、あるいはその方向から外れないために、我々としてもさまざまな主張、姿勢を見せていくということが重要だろうと思っているわけです。
 このODA大綱の問題は、議員も十分御承知のとおり、じや、中国に対してどういう姿勢をとっておるか、あるいはその他の国々にも、例を挙げればいろいろございますけれども、しかし、我が国がこういう大綱を持っているということを十分説明することによって抑制的、抑止的なことになる、あるいはまたそういう方向に姿勢が変わっていくということが望ましいわけでございまして、その点は我々としても大きな関心を持っていますよということはきちんと説明をし、伝えなければならないというふうに考えているわけです。
#228
○若松委員 身もふたもないということですので、じゃ、要は、万が一そういった疑義なりまたは生産、保有なりが明らかになった場合に厳しい態度で臨む、そういう理解はよろしいわけですね。
#229
○河野国務大臣 重ねて申し上げるようですけれども、重大な関心を持っている旨きちんとお伝えをしなければならないというふうに思っておりまして、それは思っているだけではなくて、事実として私は重大な関心を持って見たいと思っております。
#230
○若松委員 ODA四原則というのは、基本的には、このODAを提供する前に、当然被援助国に対して提供する、しない、それで日本には四原則がありますと、そういう議論の中で日本の四原則を理解してもらってODAを提供する、これが原則論ですよね。
 そうしますと、そのODAを提供した後に化学兵器の保有が万が一ある、または疑義が持たれる
  何か大臣の御答弁ですと、非常に現実追随型というのですかね、流れに任されるまま、毅然たる日本の態度は見られない、そういうふうに伺うのですけれども、いかがですか。
#231
○河野国務大臣 国際社会、国際政治の現実というものもまたあるわけで、それぞれの国には、先ほども申し上げましたように、至近距離、隣接する国々との関係その他あるわけでございますから、そうした点も我々は見なければならないと思います。
 しかし、今議員がおっしゃったように、現状を追随する、いつでも現状を追認するというだけであればこれはまた意味がないわけですから、我々が目指している状況というものをきちんと説明をして、その方向に向かって我々としては我々の政策を進めていくということを理解させる努力が必要だと思います。
#232
○若松委員 大臣の大好きな国際情勢という言葉が出ましたけれども、では、例えば今後情勢が、ODAを新しく提供する国が今後出てくる、国交をさらに開いて、どこの国とは言いませんけれども、そういったところで核兵器なりまた化学兵器なりの生産なり保有なりの疑義がある、そういったところもやはりその国際情勢の中で新たなODA提供国として提供する可能性もある、そういう理解でよろしいわけですか。
#233
○河野国務大臣 これは、一つ一つケースをよく考えて判断をすべきものであって、一つの原則を踏まえてすべてだめ、すべていいというふうにここで言うべき状況ではないと思います。
#234
○若松委員 では、四原則というのはどういうものなんですか。先にありきものなんですか、後にありきものなんですか。
#235
○河野国務大臣 四原則というのは、ODAを実施するために我々がこの原則を掲げて、この原則にのっとって実施をしようというわけでありますが、この四原則を踏まえて、なおかつ現実に即した判断をするということになっているわけであります。
#236
○若松委員 では、また別の機会に四原則、ちょっと基本的な対応、またこれからいろいろな新しい国際環境が出てきますので、その都度また質問等をさせていただきたいと思います。
 もう時間がありませんので、中国におきます日本の毒ガス処理問題、これに関してたしか前の先生方が幾つか聞かれたと思いますけれども、中国に遺棄した何百万発と言われる元日本軍の化学兵器、これの処理ですけれども、いずれにしても、この処理はだれかがしなくてはいけない。そうすると、やはり自衛隊の活用というところも考えられるわけです。そうしますと、自衛隊がこういった目的で海外に行く行かないというのもまた大きな重要な問題になると思います。
 これは新しい立法、特別立法が、万が一そうなった場合、その前に防衛庁に伺いたいのですけれども、見込みと言っては変ですけれども、この毒ガス弾の処理、やはり日本として責任を持ってやらざるを得ない。万が一防衛庁でやれと言われた場合に、オーケーするというのは変なんですけれども、そういう立場になった場合にしっかりと任務を遂行されますか。
#237
○守屋説明員 お答えいたします。
 防衛庁といたしましては、化学兵器が使われた場合、これに対する防護、あるいは化学兵器によって汚染された機材をクリーニングする、こういうふうな能力については必要な装備を保有いたしております。
 ですが、今話題に上っておりますような化学兵器を安全に処理するためには、これらの兵器を分解したり焼却するため特別の施設及び装備が必要となると考えております。このような施設や装備は防衛庁としては現在保有しておりませんし、またそのための知識や経験を持っていないというのが現状でございます。
#238
○若松委員 命の御説明ですけれども、じゃ今回の地下鉄等での汚染処理、こういったところは恐らく防衛庁としてできるところかなと。そうしますと、万が一そういったところでの海外要請があった場合に、特別立法が必要ではないかと思いますけれども、その点、外務省いかがでしょうか。
#239
○川島政府委員 お答えと申しますか、自衛隊法の話ですので、外務省として有権的に申す立場にございません。
#240
○若松委員 了解です。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
#241
○三原委員長 古堅実吉君。
#242
○古堅委員 本日最後の質問に立ちます。
 日本共産党は、この化学兵器禁止条約に賛成であります。本条約が早急に発効し、その有効性が発揮されることを期待しながら、数点にわたって関連することをも含めて伺わせていただきます。
 この条約を実施するために、通産省が国会に提出している化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律案の第三条「禁止行為」と第二条の定義は、条約の言う「化学兵器」の定義より範囲が狭いのではないか、このように思われます。
 と申しますのは、第三条の「禁止行為」では「何人も、化学兵器の製造の用に供する目的をもって、毒性物質若しくはこれと同等の毒性を有する物質又はこれらの物質の原料となる物質を製造し、所持し、譲り渡し、又は譲り受けてはならない。」ものとするというふうになっております。化学兵器の製造の用に供する目的を持っていることが要件とされているのであります。その化学兵器について、第二条の定義は「この法律において「化学兵器」とは、砲弾、ロケット弾その他の政令で定める兵器であって、毒性物質又はこれと同等の毒性を有する物質を充てんしたものLというふうになっております。
 これでは、化学兵器条約の表1に掲げられたサリンやソマンといった禁止物質であっても、砲弾、ロケット弾あるいはミサイルなどといった化学兵器の製造の用に供する目的を持っていなければ、国内法で禁止できないということにならないかということなんです。御意見をお伺いいたします。
#243
○掛林説明員 御説明させていただきます。
 化学兵器禁止法案上の「化学兵器」につきましては、ただいま先生の方から御指摘のあったとおりでございますけれども、これにつきましては、その製造、使用等が禁止されるわけでございます。また、御承知のように、その違反行為につきましては直ちに罰則が適用されるということでございまして、当該罰則の構成する要件を明確にするという必要がございます。
 他方、化学兵器禁止条約上の「化学兵器」につきましては、これも先生おっしゃられたとおりでございまして、繰り返しになりますけれども、平和的目的等の条件に、「条約によって禁止されていない目的のためのものであり、かつ、種類及び量が当該目的に適合する場合」以外の場合の「毒性化学物質及びその前駆物質。」というようにあいまいに定義づけられております。
 したがいまして、法案上は「化学兵器」を、先ほども申し上げましたような事情から外形上明確にし、社会通念にも合致するような形で定義づけるようにしたものでございます。
 さらに、先生から御指摘のありましたサリン等の「特定物質」につきましては、これは本法案上、製造、使用、それから所持、譲り渡し、譲り受け等が原則禁止になっておりまして、これも無許可で製造した場合あるいは使用した場合等につきましては刑事罰が科せられるということになっております。
#244
○古堅委員 端的にお聞きしますけれども、今回の地下鉄で使用されたサリンですが、ビニール袋に入っていたということであります。これをこの法律は禁止できるかということを御説明願います。
#245
○掛林説明員 砲弾に入っていない場合のサリンそのものにつきましては、化学兵器法案上、これは「化学兵器」という定義には該当しておりません。
 しかしながら、このサリン等につきましては、これは先ほど申し上げましたように、法案の三条第三項によりまして化学兵器製造のための毒性物質の製造の禁止、あるいはこれは刑法上の殺人罪あるいは予備罪等の適用の対象となるものであると思います。これらを通じまして、条約の的確な実施の担保が可能ではないかというふうに認識しております。
#246
○古堅委員 もう一つ伺う点は、罰則についてです。
 条約は、「条約によって禁止されていない目的のためのもの」以外は、サリンなどの毒性化学物質とその前駆物質は全面禁止しているわけであります。ですから、所有そのものを許さない厳しい措置が必要ではないか、こう考えます。したがって、毒性物質を装てんした化学兵器を製造する目的を持たなくても、所有、所持、それ自体を厳しい処罰の対象にする必要があると思いますけれども、この法案はそういうことになっておるんでしょうか。
#247
○掛林説明員 条約上は、それぞれ毒性等に従いまして表1剤、表2剤、表3剤というふうに分けられております。また、条約上は、それぞれどのような対応をするかということにつきまして、表1剤については極めて厳格な管理を要請し、表2剤、表3剤につきましては原則的には自由な体系というふうになっておると承知しております。
 この条約上のそれぞれの表剤に対する規制の対応に従いまして、化学兵器禁止法案上は、表1剤に対する特定物質につきましては厳格な管理をするということにしており、また、それらの表2剤、表3剤につきましては指定物質ということにつきまして、これは条約上の義務が履行できるような措置を講じておる次第でございます。
#248
○古堅委員 次に、日本の遺棄化学兵器について伺いたいと思います。
 中国に本条約の言う日本の遺棄化学兵器が存在することは確認できるかどうか。政治的な責任ある御発言をいただきたいと思いますので、大臣の方からお願いします。
#249
○河野国務大臣 旧日本軍が遺棄したと思われるものが中国にあるという情報を持っております。
#250
○古堅委員 私がお聞きしているのは、条約上に定義されている遺棄化学兵器。中国に日本の遺棄化学兵器が存在することをこの条約の審議との関係において確かめておきたいという立場から、大臣の御意見を伺っているわけです。
#251
○河野国務大臣 政府委員から御答弁させます。
#252
○川島政府委員 御答弁申し上げます。
 中国が言っております日本が遺棄したという化学兵器、マスタードガス、ルイサイト、ホスゲン砲弾等々いろいろあるわけでございまして、これらはこの条約に言う化学兵器であるというふうに認識しております。
#253
○古堅委員 この第二条の「定義及び基準」、そこの6に出てくる「「遺棄化学兵器」とはこというのがございますよね。その定義に従って、中国に日本が残してきた遺棄化学兵器が存在するということは確認できるかと、極めて簡単なことですよ。
#254
○林(暘)政府委員 今御指摘の遺棄化学兵器の定義といいますのは、ここにあります「千九百二十五年一月一日以降にいずれかの国が他の国の領域内に当該他の国の同意を得ることなく遺棄した化学兵器をいう。」という定義がございます。今、アジア局長からも御答弁申し上げましたように、かつ、日本軍が化学兵器をつくった時点という情報からして、中国で日本軍が残してきた可能性が非常に高いということが調査団によって確認されております兵器は、ここに言う遺棄化学兵器であるというふうに考えております。
#255
○古堅委員 戦後五十年がたちましたが、旧日本軍が中国を侵略した際遺棄した化学兵器がいまだに未処理で大量に存在することが確認されているのであります。その総量、うち中国当局が処理した量、未処理の量、それと未処理の化学剤の量など、それぞれわかっているところを報告してください。
#256
○川島政府委員 中国側の調査によりますれば、現時点で判明している遺棄化学兵器は中国東北部を中心に十数カ所に分布しておりまして、廃棄処理されていない化学砲弾が約二百万発、化学剤が約百トンというふうにされております。それから、その同じ中国側の調査でございますけれども、中国が既に廃棄したあるいは初歩的な処置を施した化学兵器として、化学砲弾三十万発余り、それから化学剤二十二トン余りということに報告されております。
#257
○古堅委員 中国に日本の遺棄化学兵器がいまだに大量に存在していること自体、極めて重大な責任の問われる問題でありますし、かつ反省の求められている問題だと考えます。
 ところで、この条約では、日中両国が締約国になった場合に、日本が中国に遺棄した化学兵器を日本が廃棄する義務を負う、そういうことになりますが、条約上のこの要件がそろうにはまだ先のことだというふうに思われます。しかし、条約の精神に立ては、日本が一日も早く中国に遺棄した化学兵器を廃棄すべきだと思います。その準備状況と着手の見通しについて説明願いたい。
#258
○川島政府委員 お答え申し上げます。
 確かに、本条約の脈絡で申しますれば、日中両国が本条約の締約国にならないと法的に云々という話にはならないわけでございますけれども、そもそも日本が、今度御承認いただく前から、日中間におきましていろいろ作業を始めたわけでございまして、その考え方の背景といたしましては、日中共同声明、日中平和友好条約あるいはこの条約の精神、そういうものを踏まえて対応しようということでこれまでやってきている次第でございます。
 具体的には、既に逐次御答弁いたしましたけれども、今やっている段階は、中国側の遺棄化学兵器に関する調査を踏まえまして、日本として現状把握に努めているというところでございます。何分にも相当量的にも多いし、地域的にもいろんなところにあるということでございますので、まず現状を、どういうふうになっているかを把握することが急がれる次第でございます。そこから先どういうふうにするかということは、まさにこの条約の精神のみならず、共同声明、平和友好条約の精神からいたしましても、行く行くはいろいろその廃棄に至るプロセスを開始しなければならない立場であろうかと思いますけれども、目下のところ、調査の先の段取りについては、政府部内としてこれにどう対応するかということについては、まだ詰め切っていないというのが現状でございます。
#259
○古堅委員 念を押しますけれども、条約上の十年云々を考えていらっしゃるということではないと思うのですが、速やかにそういう方向に進めたいということがおありでありましょうし、大方のめどについてどうなのかというお考えがあればお聞きしておきたい。
#260
○川島政府委員 速やかにという点につきましてはそのとおりでございます。
 今後の段取りといたしましては、今のところ考えておりますのは、もう少し大がかりな調査、単に調査だけではなくて、その時点で、先般の調査団のときもやりましたのですけれども、既に漏れてきて危ないようなものについてはとりあえず収納するとか、そういう作業も並行して行わざるを得ないかと思いますけれども、もうちょっと調査が必要であろうという感じでございます。
#261
○古堅委員 次に、関連してちょっとお尋ねしておきたいと思います。
 ことしは、中国に対する本格的な侵略の第一歩となった柳条湖事件から六十四年目に当たります。アジアを侵略したのは米英であって、日本はそれと戦ったのだ、こういう言い方、主張がいまだにあるというのは、言ってみれば本当に歴史的事実に照らしても恥ずかしいことだ、そう申さねばなりません。
 そこで、あの対米戦争の性格について大臣にお尋ねしたい、このように考えます。
 昨日、政府の担当職員を通じて資料もお届けしてありますので、お読みいただいたものだと考えますが、しかし、大事なこの資料の引用をさせていただきながら伺いますので、的確にお答え願いたいと思います。
 一九三一年九月の柳条湖事件をきっかけに中国への侵略を本格化したが、その五年後の一九三六年六月三十日、参謀本部第二課が発表した「国防国策大綱」と題するものは、「皇国ノ国策ハ先ツ東亜ノ保護指導者タル地位ヲ確立スルニアリ」とした上で、「好機ヲ捉へ実力ラ以テ東亜ニ於ル其根拠地ヲ奪取シ一挙被圧迫東亜諸民族ヲ独立セシメ且「ニューギニア」豪州及「ニュージーランド」ヲ我領土トス此際米国ノ参戦ヲ覚悟スト雖モ成シ得ル限リ其中立ヲ維持セシムルコトニ努力」と述べています。ここで既に、太平洋諸国を我が領土とするために対米戦争を行うことを明確にしているのであります。
 そして、一九四一年七月二日の御前会議の決定である「情勢ノ推移ニ件フ帝国国策要綱」なるものは、「自存自衛ノ基礎ヲ確立スル為南方進出ノ歩ヲ進メ」ることを確認し、「帝国ハ右目的達成ノ為如何ナル障害ヲモ之ヲ排除ス」るという決定をし、これに関連して、軍令部総長は、「逐次南方進出ノ歩ヲ進メマスルコトバ現下ノ情勢ニ鑑ミマシテ緊要ナル措置」と述べつつ、「万一英米等カ飽ク迄モ妨害ヲ続ケ帝国トシテ之カ打開ノ途ナキ場合遂ニハ対英米戦二立チ到ルコトアルヲ予期セラレマスノテ之ヲモ辞セサル覚悟ヲ以テ其ノ準備ヲ整へ」ることが肝要だと説明し、さらに、「米国力参戦致シマシタル場合ニハ帝国ハ」「大東亜共栄圏建設ノ為遂ニハ武カヲ行使スルモ施策ノ完遂ヲ図ルヘキテアルト存シマス」と述べております。
 対米戦争は、アジアと太平洋諸国に対する領地拡張の上で障害となったアメリカを排除するためのものであったということは、今紹介しました資料でもはっきりしております。この歴史的事実については、外務大臣、認められますか。
#262
○河野国務大臣 戦争に至った経緯は複雑なものであって、一般的にその戦争の性格を特定するということは容易ではないというふうに思います。
 この問題については、もう既にいろいろな方々からさまざまな御議論がございました。政府の立場として、現在、断定的なことを申し上げることは困難だというふうに考えております。
#263
○古堅委員 よく論議されてきました戦争の性格としての侵略戦争云々、そういう言葉は別にして、日本がアジアから南方に領地拡大を図る上で障害となったのがアメリカで、対米戦争はその障害を排除するためのものであったというふうに、あの資料は明確に裏づけるものとなっておるのです。その事実は認めますかということについての質問です。
#264
○河野国務大臣 したがって、今申し上げましたように、さまざまな議論がある、さまざまた言い方があったに違いない、こう考えておりまして、それを今一刀両断的に断定するだけの私には資料がございません。
#265
○古堅委員 私が引用します資料を見たことがないとか、あるいは勉強させてもらいますなどという御答弁になったんじゃ質問に立つ意味もないと考えて、昨日わざわざその資料を職員を通じてお届けしたのです。しかるに今のような御返事しかいただけないことは残念です。時間との関係もありますから、いずれまた、その続きはさせていただきます。
 この条約に戻ってもう一度お尋ねします。
 条約第三条は、条約発効後三十日以内に各締約国が機関に対して化学兵器の所有状況について申告することになっております。いずれ日本も申告することにはなりますが、現在政府が把握している概要を可能な限り御説明いただきたい。
#266
○林(暘)政府委員 御指摘のとおり、これが発効いたしました場合には、日本政府として、三条に基づく申告をいたさなければならないわけでございますけれども、そのための作業をいたしております。
 現在の政府として化学兵器は所有はいたしておりませんし、化学兵器の生産施設もございませんけれども、いわゆる老朽化した兵器というものがあるかどうか、その辺については地方公共団体を含めて調査を依頼しているところでございます。
#267
○古堅委員 第三条「申告」のところですが、第一項(a)(@)、それから(a)(B)、そことの関連でちょっともう少し具体的にお伺いします。
 在日米軍基地について、三条一項(a)の(@)の申告をすることになるのか、また(a)の(B)に基づいて、在日米軍基地に化学兵器があれば日本がその報告をすることになるか、お尋ねします。
#268
○林(暘)政府委員 この錐垂フ義務は、いわゆる領域国、保有国両方に係るものでございますので、そういう意味で日本政府としても報告、申告をしなくてはならない義務がございます。もちろんこの条約の規定で、それができない場合にどうするかということはございますけれども、日本政府としてはそうするつもりでございます。
 在日米軍の化学兵器について今御指摘がございましたけれども、アメリカ政府としては、米国の化学兵器はすべて米国領域内にあるという旨公式に発表をいたしておりますし、また我が国としては、在日米軍基地に化学兵器等が存在しないという点について米国から既に確証を得ておりますので、その旨の申告をする、ないしはその申告すべきものがないということになろうかというふうに承知をいたしております。
#269
○古堅委員 どういう方法をもって存在するかどうかを確認するかという問題は、大事な条約上の責務を果たしていくという面からも問題になると思うのですね。
 沖縄には辺野古という米軍基地があります。かなり前から、そこに化学兵器や核兵器が保存されているんではないかということで、繰り返し繰り返し疑惑のいろいろな言い分、報道、そういうものなどがそれなりの裏づけとなるようなことなども伴いながら言われ続けてまいりました。しかし一方では、今のようにして、ありませんというアメリカの言い分ということになっています。
 これはただ単に、これまでこういう条約を前提としない段階での話ですから、事こういう条約が生まれ、アメリカは米軍基地について、日本は自国の領土内における米軍基地との関係において、申告、報告を互いに関連して持ってくるということになりますというと、やはり条約の誠実な責務を果たすという面からも、こう言われている疑惑などにも的確にこたえられるように、そして国民にも納得のいくようなそういうことも大事ではないか、こう考えます。例をとって辺野古の問題を持ち出しましたが、そういうところにはアメリカに申し入れして、立ち会って、そこを検査するとかそういう方法をもって正確な報告、それができるようにすべきではないか、こう考えますが、そうなさるおつもりはありませんか。
#270
○林(暘)政府委員 在日米軍の基地の関係の問題につきましては、この条約ができ、かつこの条約を日本として批准をするという過程において、米側から先ほど申し上げましたような確証をもらっているわけでございますので、政府として今御指摘のように立ち会って検証をするという考えは持っておりません。
 それから、ただいま御指摘の、基地で報道がなされたという化学兵器につきましては、これは暴動鎮圧剤であったというふうに我々は承知をいたしております。
#271
○古堅委員 いずれにしても、こういう疑惑に対して、ただ単にアメリカの一方的な言い分ということだけをうのみにするような形では済まされない、そういう事態があることだけは指摘しておきたいと思います。
 最後に、第三条一項の(e)には、暴動鎮圧のために保有する化学物質などを明示することになっております。警察及び自衛隊が保有するこの種の化学物質の名称と量について簡単に御説明いただきたいのです。
#272
○瀬川説明員 お答えをいたします。
 現在警察で保有をいたしておりますいわゆる催涙ガス、これにつきましては、化学兵器禁止条約に言う暴動鎮圧剤ということになると思いますので、外務省と連絡をとりながら、的確に申告等の措置をとってまいりたい、こう思います。
 なお、使用しておる物質につきましては、クロルアセトフェノンというものでございます。
#273
○石井説明員 お答えいたします。
 防衛庁では、条約に定義されている暴動鎮圧剤に該当するものとして催涙剤を保有しております。これは一般的にCNとかあるいはCSとか言われるものを保有しております。
#274
○古堅委員 時間になりました。終わります。
#275
○三原委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#276
○三原委員長 これより本件に対する討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#277
○三原委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#278
○三原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#279
○三原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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