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1995/02/21 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 地方行政委員会 第5号
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1995/02/21 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 地方行政委員会 第5号

#1
第132回国会 地方行政委員会 第5号
平成七年二月二十一日(火曜日)
    午後二時開議
出席委員
  委員長 川崎 二郎君
   理事 塩谷  立君 理事 中馬 弘毅君
   理事 穂積 良行君 理事 粟屋 敏信君
   理事 山名 靖英君 理事 米田 建三君
   理事 北沢 清功君 理事 田中  甲君
      栗原 裕康君   田野瀬良太郎君
      蓮実  進君    平林 鴻三君
      松下 忠洋君    山本 公一君
      愛野興一郎君    上田  勇君
      岡島 正之君    富田 茂之君
      永井 英慈君    山崎広太郎君
      吉田 公一君    池田 隆一君
      加藤 万吉君    畠山健治郎君
      穀田 恵二君    川端 達夫君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 野中 広務君
 出席政府委員
        警察庁長官官房
        総務審議官   山本 博一君
        自治大臣官房長 秋本 敏文君
        自治大臣官房総
        務審議官    二橋 正弘君
        自治省行政局長 吉田 弘正君
        自治省財政局長 遠藤 安彦君
        自治省税務局長 佐野 徹治君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        調査室長    前川 尚美君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十一日
 辞任         補欠選任
  西田  司君     松下 忠洋君
同日
 辞任         補欠選任
  松下 忠洋君     西田  司君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一六号)
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三九号)
     ――――◇―――――
#2
○川崎委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。栗原裕康君。
#3
○栗原(裕)委員 自民党の栗原裕康でございます。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案についてまずお伺いをしたいと思うわけでございますが、地方財政全体の近年の動向というのは大変厳しいものがあるというふうに思っております。そこで、大臣といたしましては、近年の地方財政の動向、そして将来にわたってどういうふうになっていくのか、そのことについてまず最初にお伺いをしたいと思います。
#4
○野中国務大臣 地方税や地方交付税が今日伸び悩んでおりますこと等に加えまして、所得税あるいは住民税の制度的な減税が行われ、さらにこの減税が特別減税をも含んで行われるようになりまして、明年度の地方財政は大幅な財源不足が予想をされるわけでございまして、平成七年度末の見込みにおきまして百十六兆円を超える多額の借入金残高を抱える見込みとなっておるわけでございまして、この状況は地方財政にとりまして深刻かつ危機的な状況であると認識をしておるわけでございます。
 一方、公共投資基本計画等の考え方に沿った住民に身近な社会資本の整備、あるいは今日的重要な課題であります少子・高齢化等に対応した福祉施策の充実、また自主的かつ主体的な活力ある地域づくり等の現下の重要な課題を推進していきますためには、地方団体の担うべき役割は、財源とは別に、重要な課題となって、地方団体に大きな責任を負わせておるわけでございます。そういう状況でございますだけに、財政需要はますます増大していくわけでございます。したがいまして、厳しい状態に置かれております地方財政の中におきましても、地方自治体が十分その役割を果たし得るような円滑な行財政運営を行っていくようにしなければならないと存じております。
 地方税、地方交付税などの地方一般財源の確保が最大の重要課題でありますとともに、今後とも、毎年度の地方財政計画の策定を通じまして税財源の確保に努め、地方の一層の活性化に役立てていくようにしたいと存じております。
#5
○栗原(裕)委員 御答弁でございますと、財政需要というのはもう年々増大をしているのだ、そのことが市町村、地方の活性化につながっていく、しかし財政が大変厳しい、今、危機的な状況というお話もいただきました。
 それじゃ、どうすればいいのだろう。財政需要は伸びていく、しかし財源は、これは景気がよっぽど大変な急カーブで回復すれば別でございますけれども、まさかそういうことを期待してはいられないと思いますので、じゃどうしたらいいのだろうかという議論になるわけでございますが、その辺のところはどういうふうにお考えになっておりますか、お伺いをしたいと思います。
#6
○野中国務大臣 国・地方を通じてでございますけれども、何といっても行政改革をより大胆に推進をいたしまして、そして、可能な限りの節減施策を煮詰めることによりまして財源の余裕を生み出し、一方におきましては、国の財源も厳しゅうございますけれども、地方交付税あるいは先般税制改正をいただきましたような地方消費税等、安定的かつ伸長性のある税源をこれからも確保することによって、この地方財政の危機を乗り切り、そして財政需要にこたえるような施策をやってまいらなければならないと存じておるところでございます。
#7
○栗原(裕)委員 国の方も二百十兆円を超える国債残高があるわけでございまして、国の方を余り当てにしてやるというのもこれからなかなか難しいだろう。今、大臣が、行革を徹底的にやるんだ、そして費用の節減に努めていく、こういうお話がございました。
 私も同感でございまして、行革をやっていかなければいけない。よく、国家公務員は百十万人、地方公務員は三百四十万人でございますか、そういうふうに言われております。約三倍地方公務員がおるわけでございまして、まさか首を切るわけにはいきませんけれども、いずれにしても地方の行革というのがこれから地方が活性化していく大きな道だと私は思います。
 その中で、さらに突っ込んでお伺いをしたいと思うわけでございますが、私は前々から広域行政と申しますか 一歩踏み込めば市町村合併、そういうものが大変行革に通じるのではないかというふうに思っておるわけでございます。
 これは、申すまでもなく、地方都市というのは一つ、ワンセットでございまして、必ず役場がなければいけない、必ず公民館がなければいけない、あるいは文化センターがなければいけない、あるいはごみ焼却場がなければいかぬ、葬祭場がなければいかぬ。みんなワンセットなんですね。
 そうしますと、例えば隣の町と直線にすれば二十分も離れていないところに同じような公民館、同じような公会堂、同じような規模の市役所があるのです。昔でありましたら、まず市街地があって、次にだんだん空き地が多くなってきて、田んぼがあって、畑があって、それから今度はまた隣の市町村に行く。今は市町村の垣根がほとんどわからない。例えば、夕方、山の上から見ますと、もう街の明かりがずうっと帯状につながっている。それは、二市二町、あるいは二市三町ぐらい含んでいる、こういうような状況があると思うのです。
 したがって、行革をやっていくには市町村合併しかない、私はそういうふうに考えておりますけれども、市町村合併についての自治大臣のお考えをまず伺いたいと思います。
#8
○野中国務大臣 全く栗原委員のお考えと私は同一でございまして、昭和二十八年に、政府並びに特に都道府県の強力な推奨によりまして合併が実施をされまして、当時約一万弱ありましたそれぞれの市町村が三分の一に減りました。自来ああいう大きな合併はないままに、今日三千余りの市町村が存在をするわけでございます。そういった中には、道路、交通あるいは通信手段等、この四十年随分大変な変革と進歩をしてきたわけでございます。
 けれども、それぞれ市町村の境界がありますために、委員がおっしゃいましたように、学校とか福祉施設とかいろいろな施設がそれぞれの市町村に固有に存在しなければならない。そういう矛盾を私ども目の当たりにしながら、今日まで自治省としては広域行政をより積極的に進める指導をしてまいったところでございますけれども、やはり骨幹となるべき自治体が大胆に、自主的に、かつ主体的に合併への道をたどってくれて、効率化の道を歩んでくれない限り真の地方自治は確立しないとまで私は考えておるわけでございまして、今回また国会に合併の法案をお願いをしておるわけでございますけれども、過去のような、積極的に国がかかわり、あるいは府県がかかわるような、そういう合併のあり方というのは、地方制度調査会の答申の中からも、自主的に、主体的にやるべきであるという御提言をいただいておるわけでございますので、府県ができるだけ指導の立場をとることによって、そして市町村が自主的に合併をして、そしてより効率的な自治体運営ができるように、お願いをしたいと期待をしておる次第でございます。
#9
○栗原(裕)委員 大変前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 実は、昨年の当委員会で、当時私どもは野党でおったわけでございますが、この市町村合併について御質問を申し上げました。
 当時の大臣の御答弁は、自主性に任せておるのだ、こういう言い方でございました。自主性に任せておって、じゃ、どのくらい実績があるのだと突っ込みましたら、それほど実績が上がっていない、そういうことでございます。
 それで、ちょっと余談でございますけれども、いわゆる小選挙区制の区割りの法律がちょうど国会に出る前でございましたけれども、この小選挙区の区割りができると、それによって合併が促進しにくくなるのじゃないかということを申し上げたのですね。そうしたら、当時与党の方たちから、まだ決まっていないとやじが飛びましたけれども、結局決まってしまいました。それは余談でございますけれども……。
 いずれにしましても、市町村合併をしていかなければいけない。今大臣がお話しなさいましたように、市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案の中で、自主性ということの具体的なあらわれとして、住民発議制、五十分の一の署名を集める、こういう案も出ておりますし、今までよりも一歩踏み込んだものであるというふうに、私どもは大変評価をさせていただいておるわけでございます。
 ついでに、大変恐縮でございますが、これからまた、もちろん審議をなされるのでございましょうけれども、このことについて若干伺いたいと思うのでございます。
 今大臣の答弁にもありましたように、都道府県、特に知事が助言をする、もうちょっと言いかえると、指導をするとまで言ってほしかったのでございますけれども、助言をする。こういうことが大分今までと違っております。具体的に、各都道府県の知事さんと自治省とは、この法律の運用につきまして、どのように打ち合わせをなさっていくおつもりかどうか。今までの市町村合併にかかわる知事の役割よりも、今度この法律が施行されますと、大変知事の役割というのは大きくなるわけでございますから、知事がまさに市町村合併のある意味での大きなポイントを握っておると言っても過言ではないと思いますので、知事さん等に対してどういう打ち合わせをしているのか、そのことについてお考えがありましたら、お伺いをしたいと思います。
#10
○野中国務大臣 御指摘のように、市町村の合併に関する都道府県の役割というのは、昨年十一月の第二十四次地方制度調査会の答申におきましても、市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県が、市町村の合併については、関係市町村の合意形成のため重要な役割を果たすことが必要であるという指摘をされているところでございます。
 自治省といたしましても、この答申の趣旨を踏まえまして、自主的な市町村合併を推進するために、市町村に対する必要な助言、情報の提供等や、市町村の求めに応じた市町村相互間の必要な調整を都道府県が行うことが重要であると考えておりますし、さらに、合併市町村の今後の新しい建設のための、市町村建設計画に都道府県の事業を位置づけることが必要であろう。そういう内容とした合併特例法の一部改正案を国会に提供しておるところでございます。
 自治省として、今国会における御審議をも踏まえまして、今回の法改正の趣旨を都道府県が十分理解をされまして、適切に市町村合併が、その実が上がりますよう、指導をしていただけるよう、私どももまた都道府県に要請をしてまいりたいと考えております。
#11
○栗原(裕)委員 ぜひ、そのことはよろしくお願いをしたいと思います。
 余分なことかもしれませんけれども、自治省出身の知事さんも大変多うございますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。
 その中で、先ほども言いましたように、住民発議制、五十分の一の署名を集めるということでございます。恐らく法律そのものを住民の、例えば自治会とかあるいはロータリークラブとかJCとかいろいろな団体があるわけでございますが、そういう人たちにこの法律案そのものをぽんと渡して、こういうことになりましたから、ぜひよろしくお願いします。もしお気持ちがあれば、住民発議でやってください、こういうことを言ったら、多分寝てしまうと思うのですね、大変恐縮でございますが。
 やはり市町村合併をしたら、先ほどから申しますように、全体の行革をしていくためには、市町村合併は有効な手段なのですよということをまず大前提とし、そして市町村合併をすればどういう特典があるのですということについてもわかりやすい――わかりやすいという意味は、お役人さん同士がわかりやすいということではなくて、住民の皆さん方がわかりやすい、そういうPRといいますか広報活動をしていただきたいと思うわけでございますが、そのことについてお考えがございましたならば、あわせてお伺いしたいと思います。
#12
○野中国務大臣 今回合併協議会の設置にかかわりまして、住民の発議制度を設ける趣旨は、これまでのような行政のイニシアチブだけでなく、幅広い住民等のイニシアチブによりまして自主的な市町村の合併が推進されるようにすることにございまして、まことに従来にない新たなる方向づけができたと私は評価をしておるわけでございます。
 このようなことを踏まえまして、自治省といたしましては、都道府県や市町村に対しまして、例えばシンポジウムの開催や講演会あるいはその講演会への講師の派遣等を通じまして、合併特例法の改正内容やその趣旨を周知徹底をしてまいりたいと存じますし、また、この住民の方々からの発議制度等につきましては、照会があれば積極的に対応し、かつ都道府県の広報やあるいは市町村広報等をもっても、住民にこの趣旨が徹底して周知が行われますように、ぜひ協力をお願いしてまいりたいと思うわけでございます。そうすることによって、委員が御指摘になりましたように、今回創設された発議制度が住民の方々の中に有効に活用される、そういう道を開かなければ、この地方制度調査会の答申を生かし、今回法改正をお願いした意義がない、こう考えておる次第でございます。
#13
○栗原(裕)委員 とにかくわかりやすく住民の皆様方にお話をする、説明を申し上げるというのは、私ども政治家の重要な役目だと思っておりますので、私どもも努力いたしますけれども、ぜひ自治省におかれましても、そのことを徹底して努力をしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
 そして、重ねて大変恐縮でございますが、つけ加えるならば、例えば商工会議所とかあるいは商工会、特に経済に携わっている方たちが、この行政が細かく別れていることに対しての御不満といいますか非能率的であるという御認識が大変強うございますから、そういう方たちにぜひリーダーシップをとっていただくようにアプローチをしていただければ大変ありがたい。そのことはお願いしておきます。
 次に、ウルグアイ・ラウンドの農業合意に伴う地方単独施策の拡充のことについて、お尋ねをしたいと思います。
 たしか初年度で市町村に五百億、県に五十億、こういうことで、いわゆるふるさと創生の農業版、こういう予算が本年度からスタートするわけでございまして、このことは地方の自主性を生かすという意味で、私は大変すばらしいことだなと思っております。いろいろなことが言われておりますけれども、まず確認をさせていただきたいのは、対象となる市町村、これはどういう範囲になるのでしょうか。そのことをまずお伺いしたいと思います。
#14
○遠藤政府委員 お答えを申し上げます。
 ただいま御質問がありました農山漁村ふるさと事業でございますが、これに要します経費につきましては、現在お願いをいたしております地方交付税法等の一部改正の中に、基準財政需要額に算入するために、農山漁村地域活性化対策費という費目を臨時的に設けまして算定をすることといたしております。
 算定の基礎となります測定単位でありますが、第一次産業の就業者数を基礎として行うということでございます。額としましては、ただいま御質問の中にありましたように、市町村分五百億、都道府県分五十億ということでございます。
 それで、御質問の、対象となる団体でございますが、私ども、ウルグアイ・ラウンドの農業合意に伴う影響を受ける地域、市町村、そういったところにできるだけ広く自由な考え方に基づいて自主的、自立的な、そういった地域の活性化を図るために使っていただきたいということで、できるだけ多くの市町村を対象にしたいというように思っておるわけでございまして、具体的には、第一次の産業就業者数が非常に少ない、あるいはそういう第一次の産業就業者の比率が極めて低い市町村、そういったところは一定の基準を設けて除こうということでございます。そういう除く団体もできるだけ大都市圏に所属するような、そういう団体を除こうということで、現実に今予定いたしておりますのは、全国で約三千二百団体程度が対象になるというように考えております。全国の市町村数が現在二千二百二十五市町村というようになっておりますので、ほとんどすべての団体は該当するということでございます。
 なお、都道府県分につきましては、それぞれの団体が農山漁村地域をやはり抱えておりますので、全団体を対象として算定をいたしたい、このように思っております。
#15
○栗原(裕)委員 はい、わかりました。
 ほとんどの団体がこの交付税措置を受けられる、こういうことでございますが、それでは、具体的な金額でございますね、大体一律にするのか、あるいは少ないところは大体このぐらいで、多いところはこのぐらいだ、平均はどのぐらいだ、こういうような数字が今わかりましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。
#16
○遠藤政府委員 総額につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、この総額をどのように具体的に各団体に当てはめていくかということでありますが、具体的には、法律で単位費用をお決め願ってから詳細については算定方法を定めるわけでございますが、今時点では、市町村については一団体、少額な団体については五百万円、それから一番多くなる団体が二千五百万円、そういった金額の範囲内で、それぞれの団体の、先ほど言いました第一次産業の就業者数を基礎として、それにその第一次の就業者数比率、そういったものを補正要素として加味して金額を定めていきたいというように思っております。
 それから、都道府県にありましては、一団体当たり大体八千万円から、上の方は一億五千万円程度ということをただいまのところ予定をいたしております。
#17
○栗原(裕)委員 先日、地元のある会合で、そこの町長さんもいらっしゃったのですが、そのときに、このふるさと創生農業版の話をいたしましたら、ぼうっとして初めて聞いたような顔をしていらっしゃるのですね。それで、大丈夫かいなと思ったわけでございますが、実は竹下内閣の当時のふるさと創生論の最初のときには、金の延べ棒を買ってしまったり、あるいは宝くじを買っちゃったり、今日から見れば税金のむだ遣いをやったんじゃないかなと凝りを持たざるを得ないような使い方をしてしまったわけなんですね。ですから、これは特に初年度が私は一番大事だと思うのです。
 それで、伺いますと、特に使い道を限定しないわけでございますから、あるいは農道や林道やそういったものに、このせっかくいただいた交付金をオンしてしまって、それで事態をおさめてしまうということもできるのですね。ですから、そういうことになると、せっかく国民の血税を使わしていただくわけでございますから、それはむだ遣いとは申しませんけれども、何かちょっと寂しいような気がするのですね。
 ですから、各市町村、各地方自治体の、団体の、今現在わかっている範囲で、どんな反応があるのかというようなことを、具体的にお聞かせいただければお聞かせをいただきたいと思いますが、まずそのことから伺います。
#18
○遠藤政府委員 この農山漁村ふるさと事業でございますけれども、やはりガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意に伴う影響で、国の方では六年間で六兆円、地方の方は単独で一兆二千億円を措置しようということであったわけでありますが、その話が出たときから、市町村を中心として、あのふるさと一億円のような自由に知恵を出して使えるようなものがあったらいいという御意見を聞いておったわけであります。
 それで、全国町村会からも要望として、国が実施する特定農山村活性化のための諸事業では十分カバーできないきめ細かな担い手対策等に対処するため、市町村が地域住民の合意のもとに自主的、主体的に事業を実施するためのふるさと創生資金的な特別な財政措置を講じるようにという要望もあったような次第でありまして、私ども、こういった農山漁村ふるさと事業をやるということを決めまして、町村会等に報告をいたしましたときも、大変結構であるということで喜ばれた次第であります。
 それで、お話がありまして、初めて聞いた町村長さんがおるという御質問でありましたが、私ども、若干残念でございますけれども、私どもも一月の全国の総務部長会議、あるいは財政課長、地方課長会議、こういった折にも、新しくこういうものを始めるのでということを十分御説明し、PRをしたつもりであります。
 それで、この事業、やはり地方交付税というものでございますので、その目的を補助金のように練るわけにはまいりません。やはり地方団体が一般財源として、使途は地方団体が独自で判断をするというものでありますけれども、そういった中でも、やはりこの農山漁村の活性化ということにもう少し範囲を絞ってもらって、そして有効に使っていただけたらというように思っている次第であります。
#19
○栗原(裕)委員 繰り返して恐縮でございますけれども、とにかく初年度が私は大事だと思うのですね。
 それで、これは私の提案みたいなもので、大臣のお考えもぜひ聞かせていただきたいのでございますが、優秀なアイデアを出す、それは評価というのはもちろんある程度たたなければわからぬわけでございますが、大体こういう計画ですよ、こういう計画ですよ、こう出てきますと、各市町村から出てきた中の特に優秀だなと思うようなものを表彰するといいますか、発表するといいますか、もちろん、賞金を出せば一番いいのでしょうけれども、そんなお金はないということであれば、特に優秀であるものに自治大臣賞というようなものを出されて、皆さんが、全国の津々浦々の市町村が競ってアイデアを出して、それの特に優秀なものを表彰するとか、そういうことをなさったならば、これはある意味ではなかなかPRになるのではないか、あそこの市町村には負けるなというようなことで、お互いに切礎琢磨するのではないかというふうに私は思っておるわけでございますが、そのことについて大臣、もし御感想がございましたならば、ぜひ聞かせていただきたいと思います。
#20
○野中国務大臣 お説のように、竹下内閣のときにおきますふるさと創生事業と今度の農業合意に基づく農山漁村のふるさとづくり事業というのはやはり趣旨を異にしていると私は思うのです。
 したがいまして、今財政局長から答弁がありましたように、六年間、それぞれ交付税措置をするわけでございますけれども、それは地域の活性化、後継者対策、村おこし、そういう今日のいわゆるガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意に基づく深刻な影響を受ける農山漁村を対象にやるものでございまして、私も実は三千二百になろうとは夢にも思わなかったのですけれども、やはり結果として一定の数値を加えるとそういうことになるようでございますけれども、六年間をやるわけでございますから、今までと違ってそんなにいろんなメニューで、やる気のないところに交付税措置をする必要はないと私は思います。
 むしろ厚みをもって、やろうとするところに拠点的にこういう熱意を吸収して、そしてそこにいいものができていくというものを、そしてお互いに考えて知恵を出し合ったらこういうものができるんだというところを私はつくらしていくべきだ、そう思います。
 したがいまして、今栗原委員から御提案いただきました表彰制度等も貴重な提案だと存じますので、十分考慮して、そしてできるだけ期待に沿いたいと存じております。
#21
○栗原(裕)委員 ありがとうございました。
 時間が参りましたので、次は同僚の山本議員に譲りたいと思います。どうもありがとうございました。
#22
○川崎委員長 山本公一君。
#23
○山本(公)委員 自由民主党の山本でございます。
 同僚の栗原議員が今質問いたしまして、多少ダブる面もあろうかと思いますけれども、お許しを願いたいと存じます。
 先般の委員会におきまして、大臣の方から平成七年度の地方財政計画については概要御説明をいただきました。現下の厳しい財政状況の中での適切な御配慮をいただきました二法案に対しまして、その労を多と思うものであります。
 しかしながら、現下の地方財政は大変厳しいものがございます。国家の財政も厳しいものがあるでしょうけれども、地方においてもまた大変厳しいところに追い込まれております。そうした中でも、地方は地方なりに現場に即したそれぞれの地域住民のニーズにこたえるべく、さまざまなニーズを峻別をしながら事業を展開をしているところでございまして、私は地方のそういった努力に対して敬意を表するところでございますが、何分とも地方独自の財源というものは極めて乏しいものがございます。どうしても中央の支援に頼らざるを得ないのが現状ではなかろうかと思っておるわけでございますが、先ほども栗原委員が質問いたしましたが、重ねて大臣の現在の地方というものについてのお考え、またその財政状態についての御所見をまずもってお伺いをいたしたいと思います。
#24
○野中国務大臣 先ほどもお答えを申し上げましたように、もう地方税、地方交付税が大変伸び悩んでおる現状でございますし、所得税、住民税の制度減税及び特別減税が実施をされておるところでございますので、地方財政はまことに深刻であり、また財政が財源不足に陥っておることは、先ほど来申し上げておるとおりでございます。
 したがいまして、そういう厳しい財政状況の中にありましても、また今日的課題として地方公共団体が目指すべき福祉社会あるいは少子・高齢化のいわゆる今日的課題に報いるために、あるいは公共投資の基本計画に基づきます幾つかのこの住民のニーズに沿った地域づくりというものを考えますときに、地方公共団体が担うべき役割と責任はまことに大きいと思います。また財政需要も非常に増大をしておると考えるわけでございますだけに、地方団体がこの役割を十分果たし得るように、私どもは地方の自主的な財源の確保を十分果たしていかなくてはならないと今日考えて、予算の編成に取り組んだところでございます。
 それの具体的なものにつきましてはまた財政局長から申し上げますけれども、非常に厳しい状況でありましたけれども、今日、地方財政計画を振り返りますと、まず今日的な評価から見れば、私ども自画自賛と言われるかもわかりませんけれども、よく今日的努力を傾けることができた、そして地方団体がその役割を果たすべき地方財政計画を確立することができたと認識をしておる次第でございます。
#25
○山本(公)委員 今御答弁の中にありましたように、本当に今回の財政計画その他御努力の跡がうかがわれるわけでございますが、この平成七年度の地方財政収支の中を拝見いたしますと、六兆九千四百九十七億という財源不足が生じておるというふうに伺っております。それから、いわゆる減税による減収分というもの、二兆六千九百二十五億を、これは別個といたしまして、通常収支の不足が四兆二千五百七十二億あるというふうに伺っております。この不足額というのは史上最高だということだそうでございますが、この四兆二千五百七十二億という史上最高の通常収支不足額が生じたという一つの情勢というものについて、まずお伺いをいたしたいと思います。
#26
○遠藤政府委員 お答えを申し上げます。
 平成七年度における通常収支、今御指摘がありましたように、約四兆二千五百七十二億の財源不足が生ずることになりました。これも御指摘のとおり、昭和五十四年に財源不足額が四兆一千億というこれまでの最大の財源不足があったわけでありますが、これを上回る規模となったわけであります。
 なぜこのような財源不足が生じたかという原因でございますが、一つは、やはり平成六年度にも財源不足を生じておりまして、これがベースになっておるわけであります。平成六年度は約三兆円でございますけれども、財源不足が生じていたということでございますので、平成七年度はこれを吸収するような歳入の伸びか、あるいは歳出の抑制がどちらかをいたしませんと、この財源不足が消えないということになるわけであります。
 歳入の方から申し上げますと、地方税は約三・六%ぐらいの伸び、景気の回復というものはある程度あるとはいうものの、まだ本当にこの財源不足を埋めるほどにはなかったということ、それから国税正税の一定割合であります地方交付税も、国税の伸びが低いということからほとんど前年度を上回らないというようなことでございます。
 一方、歳出の方も給与関係経費等の伸びは一・六%と低く、また投資的経費の単独事業につきましても、前年度対比五%というように低い伸び率で抑えたわけでありますけれども、全体としては、やはり歳出全体として実質的には四・三%ぐらい伸びるというような状況の中で、やはり前年度のこの三兆円という財源不足額をカバーするほどの歳入の面での伸びというのが期待できなかったということ、むしろそれを超える歳入不足になった、こういうように事実として考えている次第であります。
#27
○山本(公)委員 端的に、歳入が不足したというのが、そういうことだろうと思いますしからば、そういった中で、地方財政の運営に支障を生じないために、今回もさまざまな補てん等、対策を講じておられると思うわけでございますが、そのことについてお伺いをいたしたいと思います。
#28
○遠藤政府委員 お答えを申し上げます。
 所得税、住民税の減税による財源不足以外の通常収支の財源不足に対する対策でございますが、地方交付税につきましては、地方交付税法の附則四条第二項に基づきます一般会計からの繰入金、法定加算と言われるものでありますが、これを最終の大臣折衝におきまして、千八百十億円の加算を確保することができました。それから、交付税の特別会計におきまして、資金運用部から二兆九百七十億円の借り入れを行う。それから、既存の交付税特別会計で借り入れております金額のうち、平成七年度分の元金償還予定額が四千百九十二億あったわけでありますが、これの償還繰り延べを行うということで、交付税として二兆六千九百七十二億円を増額する。
 それから、もう一つは、個々の地方団体に建設地方債の増額をお願いをするわけでありますが、いわゆる財源対策債と申すものでございますけれども、これを一兆五千六百億円発行するということによりまして、通常収支の不足、四兆二千五百七十二億円を完全に補てんをし、地方財政の運営には支障がないように措置をしたということでございます。
#29
○山本(公)委員 今お話のありました中で、大半のものは、いわゆるやりくりからくる、素人考えですけれども、どっちかといったら、借入金の、負の要素の強い対策ではなかろうかと思うわけですが、その中で、一般会計からの加算というのがございました。これは、言ってみれば、私に言わせれば、負の部分ではないというふうな感覚でおるわけでございますが、一千八百十億円、これはもっと出せたんではないか、とれたんではないかというような思いがいたすわけでございますが、これを最大限のものだというふうに認識をされておられますか。
#30
○野中国務大臣 平成七年度の地方財政は、通常収支で約四兆二千六百億円、すなわち、減税分を含めると六兆九千五百億円になるという、大幅な財源不足が、先ほど来も財政局長から申しておりますように、見込めるわけでございます。これを補てんするために、法定加算分の加算を初め、国の一般会計からの繰り入れが望ましいと言われる山本委員のお考えは、そのとおりでございます。
 しかしながら、国の財政も、御承知のように、国債整理基金への定率繰り入れを停止し、また、五年度の決算上の不足に係る国債整理基金からの繰入相当額、約五千六百六十三億だと思いますが、これについて、決算調整資金を通じた同基金への繰り戻し延期をするなど、極めて深刻な状況であるために、国もまた大変なやりくりをやっておるわけでございます。
 こういう状況でありますために、地方交付税の所要額を確保するための措置として、国の一般会計からの繰り入れは、平成三年度から平成五年度までの特例減額に係る精算分である千八百十億円と委員御指摘のようにしまして、不足分は、交付税特別会計借入金の償還繰り延べ及び新たな借入金によって賄うことにしたのであります。この借入金の利息につきましては、国が負担することとした次第であります。
 地方、国とも、まことに厳しい、苦しい財政状況のもとでございますけれども、今日的には可能な限りの措置を講じたものでありまして、国・地方を通じて、今申し上げましたように異例の厳しい財政状況のもとで、今回の措置は、もちろん十分ではありませんけれども、やむを得ないものであったというように認識をしておる次第でございます。
#31
○山本(公)委員 いずれにいたしましても、各種の補てん等というのは借り入れというふうに私は考えておるわけでございます。先ほど栗原委員の質問の中で、大臣の方から、地方の借入金が百十六兆の残高に上るというようなお話がございました。借金というのは、当然これは返していかなければいけない性質のものでございますが、今後、その百十六兆円、償還に当たらなければならない、その辺についての対策をお考えならばお聞かせ願いたいと思います。
#32
○遠藤政府委員 御指摘のように、地方財政、借入金の合計が、御指摘ありましたように百十六兆円を超えるという規模でありまして、大変金額としては多いというように、私どもも認識をいたしております。
 これにつきましては、やはり毎年度この償還計画がございますので、それに見合って、毎年度の地方財政計画の策定の中で、公債費、あるいはこの地方交付税の特別会計で借り入れたものを返していくということを確実に地方財政計画に繰り込んで、これに見合う必要な地方税財源を確保していかなければならないというように、私ども考えているわけであります。
 これまでも、例えば平成元年度から前後三年度ぐらいの間には、交付税特別会計の借入金を予定よりも繰り上げて償還をしたというような実績もあります。交付税特別会計の借入金は、ピークはたしか昭和六十一年ぐらいに六兆円ぐらいの規模であったわけでありますけれども、平成三年ぐらいにはこれがもうほとんど繰り上げて償還をし終わっていたというような状況もあるわけでありまして、毎年度の返還計画どおりにきちっと返していくということとともに、地方財政の状況に応じては、こういう、交付税特別会計を繰り上げて償還する、あるいは財源対策債等の起債について減債基金を設定をして繰り上げて債務の償却をしていくというようなことも、やはり常に考えながら、適正な財政計画の策定に努めていかなければならないというように思っております。
#33
○山本(公)委員 順調な償還ができればそれにこしたことはないわけでございますが、きょう毎日新聞にちょっと出ていたんですけれども、「九三年度の市町村決算」というものが、全国の市町村の普通会計決算の概要というのが出ておりました。いろいろ書いてあったわけでございますけれども、地方税収の伸びが〇・二%と戦後最低であったというふうに出ておりました。そうした中で、この新聞記事を見ますと、自治省は財政の硬直化を懸念しているというような記事が出ておりました。本当にすさまじい財政状況をお伺いいたました。
 ところが、一方では、地方の時代だとか、地方の分権を推進していこうだとか、いろいろな、地方というものがクローズアップされるような時代になってまいりました。地方分権推進法案も近々提出されるというふうに聞いております。そうした中で、地方の時代、地方分権というものを進めていく上においては、地方みずからの体力を養うということが基本にあるのではなかろうかと思っております。そういった地方みずからの体力をつけるためにも、地方税財源の充実を図っていかなければならないと考えておるわけでございますが、その辺についてお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#34
○野中国務大臣 委員お説のとおりでございまして、地方の時代あるいは地方分権と言われて久しいわけでございますけれども、なかなか具体像が見えてまいりませんでした。また、言葉と活字が躍るだけで、地方からも熱い情熱が伝わってもきませんでした。
 そういう中で、一昨年六月、衆参両院において地方分権推進の決議がなされました。由来、具体的に地方分権への足取りがようやく出てまいりましたことは、地方行政にかかわる者として大変うれしく存じておる次第でございます。
 先般、行政改革推進本部の委員会の皆さん方の御提言、地方六団体からの意見書、あるいは地方制度調査会の提言等をそれぞれ踏まえまして、政府におきましても、地方分権大綱を去る十二月二十五日の閣議をもって定めたところでございます。
 この大綱に従いまして、今委員お説のように、総務庁を中心にして国会に早くお願いするべく法案を用意しておるところでございますけれども、これにはどうしても事務配分に応じた税財源を安定的に確保するということが重要であります。それだけに私どもは、地方が当面しております深刻な高齢化社会等の進展等、地域福祉の充実等を考え、また、さまざまな社会資本の充実を考えますときには、地方税財源の充実強化というのがこれから地方分権を推進していく上での大きな柱でなければならないと思うわけでございます。
 また一方、これを受ける地方団体もみずから行政改革をし、そして先ほど申し上げましたように、スリム化した中からみずからの財源を見出して受け皿づくりをしてくれなくてはならないと考えておるわけでございます。
 私は、就任いたしまして地方消費税を創設いただきましたときに、まず消費税の創設にかかわる地方交付税のあり方について、その率を決めますときに、結果的に二九・五%の決定になったわけでございますけれども、これを大蔵省でやることなく、院内の大臣室で大蔵大臣と協議をいたして決定いたしました。あるいは平成七年度の地方財政計画を決定するときも、総理大臣官邸において官房長官、そして大蔵大臣、自治大臣と御一緒いたしまして平成七年度の地方財政計画を決めました。少なくとも村山内閣になりまして、重要な政策決定を官邸を中心にして行うことに変えてまいりました。
 これは、私は内閣がまさしく地方分権の基本として歩もうとする姿だと考えてまいった次第でありまして、今後こういう姿勢を貫くことによって、国、地方がお互いに分担し合えるところを明確に分担して、そしてそれに伴う税財源あるいは人材の確保を行いながら、真に分権への道を歩んでまいりたいと私どもは考えておるところでございます。
#35
○山本(公)委員 ありがとうございました。
 今回の平成七年度の地方財政計画というのは、昨年十月、例の公共投資基本計画の見直しが行われた後に策定されたわけでございます。当然のごとく、その見直しをかなりの部分で考慮されておると解釈をいたしております。
 そうした中で、昨年十月の見直しは、生活に密着したいわゆる生活開運の公共投資を重点的にやっていこうというふうに基本的に見直されたと理解をいたしておるわけでございますが、私がちょっと心配しますのは、今地方自治の中でこういった生活関連といった場合には、今日的な課題にばかり目が行きつつあるのではないかということを懸念いたすわけでございます。と申し上げますのは、私の地元では昨年水不足がございました。今日的な水不足を補うならばダムを一つつくればよろしいわけでございますけれども、どんどん生活文化が向上してまいり、水の使用量もふえてくる。十年先には、五十年先には水の使用量はまだまだふえるのだということを考えるときに、今日的な課題だけにとらわれる地方自治体、地方自治のあり方であってはいかぬというふうにかねがね思っております。
 そういったことも含めまして、今回公共投資基本計画の見直しが行われました。それを受けて、新しい地方財政計画が策定されました。恐らくさまざまなものに考慮されていると思います。先ほど栗原議員がウルグアイ・ラウンド関連のことについては質問をされました。それと別に、いわゆる少子・高齢化対策として、ゴールドプラン、またエンゼルプランというものが本予算にも計上されました。今回そういった新しい政策に対して、言ってみればその実現を図るための最先端である自治省がどのような政策を行うようになるのか、その辺に対する配慮を今度の計画の中にどのようになされておるのかお伺いをして、質問を終わらせていただきたいと思います。
#36
○野中国務大臣 御指摘の公共投資基本計画の見直しは、社会資本の整備のうち、住民に一番身近な社会資本の整備については地方公共団体が主体となって行うことが基本とされておるところでございます。したがいまして、委員御指摘になりました少子・高齢化の進展に対応するための平成七年度の国の予算におきましては、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の見直し、いわゆる新ゴールドプランの策定、及び緊急保育対策等五か年事業の創設がなされまして、関係経費の増額が図られておるところでございます。
 平成七年度の地方財政計画の策定に当たりましては、これらの国庫補助負担事業に伴います所要額を計上いたしますとともに、地方公共団体が地域の特性に応じた社会福祉施設をその施策として推進できるよう、単独の社会福祉系統経費を前年度に比べまして約六・六%、二千百億円増の総額三兆三千四百億円を計上したところであります。
 なお、従来から進めてまいりました福祉のまちづくりのための地域福祉推進特別対策事業をより拡充いたしまして、障害者対策及び子育て支援対策等に係る事業を対象に加えることとしておる次第でございます。
 さらに、先般税制改革に伴いまして、少子・高齢化社会に向けて当面緊急を要する施策について一定の福祉財源の措置を講ずることとされたところでございます。
 今後とも自治省といたしましては、関係省庁とも協議をしつつ、地方団体のニーズに対応して単独事業を含めました福祉施策の充実を図り、必要な財源について、毎年度の地方財政計画の策定を通じて的確に確保を図ってまいりたいと考えております。
#37
○山本(公)委員 どうもありがとうございました。
#38
○川崎委員長 畠山健治郎君。
#39
○畠山委員 まずもって、震災以来今日まで、大臣初め関係者の皆さん方の御努力に心から敬意を表したいと存じます。一日も早い復興のために、今後とも引き続き御努力をお願い申し上げたいと存じます。
 限られた時間でございますので、議論はするつもりはございません。地方財政計画並びに地方税、そして地方交付税全般について自治省の所見をお伺いをいたしたいと存じます。
 まず第一に、阪神・淡路大震災と地方分権の関係についてお尋ねを申し上げたいと存じます。
 このたびの阪神・淡路大地震の実態は、学ぶべき多くの教訓を残しておろうかと思っています。これをいたずらに危機管理論に埋没させるべきではなくて、政府がなすべきこと、あるいは都道府県が対応すべきこと、また市町村が対応すべきことを冷静に区分をして、今後の防災と緊急対策に生かすべきだと考えます。
 申し上げるまでもなく、防災及び緊急対策の基本は地方自治体にあり、それを補完、支援するのが政府であろうかと存じます。これを基本にして今回の震災実態を見るとき、地方分権の推進がますます重要かつ緊急な課題であると思っております。
 先般、本院の地方分権特別委員会で行われました参考人の意見におきましても、警戒区域の設定、仮設住宅の期間、あるいは応急措置について、市町村長こぞって権限移譲が強く要請されておったところでございます。今回の大震災の教訓を地方分権の推進にどのように生かしていこうとなさっておられるのか、大臣の所見をお承りいたしたいと存じます。
#40
○野中国務大臣 このたびの阪神・淡路大震災におきまして極めて甚大な被害が生じたことを私ども厳しく受けとめながら、政府関係機関さらに関係地方公共団体が一丸となりまして、災害に敏速に、かつ的確に対応できる体制を早期に確立をすることが、多くの犠牲を伴った今回の震災にこたえる道であると考え、かつ、さまざまな見直すべきところは大胆に見直して、そして大きな教訓としながら取り組んでまいらなくてはならないと思っておるのでございます。
 そういう中におきましても、今委員が御指摘になりましたように、地方団体において、一番住民に身近なところが自主的にかつ自立的に対応できる体制を確立することが非常に重要であるということを、今回の震災を通じて認識をさらにした次第でございます。この教訓を生かしながら、地方分権の視点にも重要な位置づけであると考えておるわけでございまして、これから分権の推進に当たりまして、今回の教訓を十分生かし得るようにしてまいらなくてはならないと存じておるところでございます。
#41
○畠山委員 今回の大震災の一つの特徴は、自治体の管理あるいは中枢機能が麻痺したということにあろうかと思います。そうした中で被災者が地域の小中学校に避難したのはごく当然なことでありまして、それだけこうした施設が緊急時における市民のよりどころになっていることを示しておるのではないかと存じます。
 こうした実情を直視するならば、これからの教育施設は、単に教育だけではなくて、緊急時に対応する地域複合施設としての機能整備が求められるのではないかと考えます。コミュニティー施設の充実を図り、緊急時においてもそうした施設を中心に自立的機能を高める、こうした自治体内部の分権化があわせて行われることが、地方分権に対する国民の認識を高める道だと考えます。この意味で、これら教育施設を地域の複合施設として整備するために、当面、補助金のメニュー化、補助金適正化法の規制を緩和をするということ等々、自治体権限を強化する必要があるのではないかと考えますが、いかがでございましょうか。
#42
○野中国務大臣 御指摘のように、小中学校などの教育施設は、義務教育の実施の場という本来の機能を有しておりますけれども、別途、今回の災害における地域住民の緊急避難場所として重要な役割を果たし、現在も果たしておるわけでございます。また一方、防火水槽などの防火施設があわせて整備されておる例もあるわけでございまして、私は、今回の災害を思いますときに、消火栓が完全に破滅をしたときにいかに耐震性の防火水槽が大切であるかを思いますときに、校庭等を利用した防火水槽の設置ということは喫緊の急務であると認識をしておるわけでございます。
 御指摘のような観点から、学校施設の整備に当たりましては、さまざまな視点で今後地震等の教訓を踏まえながら重要な課題として取り組んでまいらなくてはならないと存じておるところでございます。
 自治省と文部省におきましては、先般来より、学校施設を有効に利用するために、一つには、余裕教室を体育、レクリエーション、文化活動、社会教育活動等の地域住民に広く利用できるコミュニティーの施設に転用するための施設整備事業に対して所要の財源措置を講じようとしたところでございますし、いずれにいたしましても、災害時の対応を含めて、私どもは、今日まで地域防災計画等では避難場所を公園等の広場に求めてまいりました。
 けれども、前にも申し上げたかと存じますけれども、今回の災害を見ますときに、いわゆる広場における避難というのは二日間が限度であります。やはり屋根つきのこういう教育施設等がいかに避難場所として大切であるかということを痛切に今回の災害を通じて感ぜられたわけで、地域防災計画の大胆な見直しをも含んで考えなければならないと思いますときに、そういう意味においての学校施設等の公共施設の複合的な活用や整備につきましては、施設の設置管理者である地方団体の意向が十分反映ができますように、国庫補助金の弾力的な運用がなされる必要があると考えております。今後そういう視点で私どもも関係省庁と取り組んでまいりたいと考えております。
#43
○畠山委員 ありがとうございました。
 次に、地方財政計画の意義についてお尋ねいたしたいと存じます。
 かつての地方財政平衡交付金の時代には、地方の財政需要を決定するための財政計画は十分存在意義があったと思います。地方交付税の基本となる税目と税率が最初から法で定められている現在とでは地方財政計画の意義は異なり、むしろ地方交付税配分の基礎資料的な意味合いが濃くなっているのではないかと考えます。計画の意義をどのように考えておるのか、所見をお承りたいと思います。
#44
○遠藤政府委員 お答えを申し上げます。
 御指摘のように、地方財政計画は、私の記憶では昭和二十二年ぐらいからつくられていたと思うのであります。御質問にありましたように、昭和二十五年に地方財政平衡交付金制度が発足をいたしまして、この平衡交付金の総額を算定するという重要な目的ができたわけでありますが、昭和二十九年に現在の地方交付税制度に改められたということでありまして、地方交付税が国税の一定割合になったということで、この地方財政計画もいわゆる平衡交付金時代のような意味での直接的な役割というものは減少をしたというようには思っております。
 しかし、この地方財政計画は現在においても、やはり交付税法の七条で、内閣がつくって国会に報告をし、一般に公表をするということが義務づけられているほど重要なものであります。
 具体的に申し上げますならば、地方財政全体の収支見通しをこの地方財政計画によって明らかにする。その中で、地方団体が必要な行政サービスというものをどういうように提供していくことが可能であるかということを見きわめていく、あるいは財源不足が生じた場合には地方の税財政に係る制度改正、あるいは一歩進みまして、地方交付税率の検討にまで進むというような財政収支の適合性の問題、そういったことを今後の財政計画で私どもは検証をするわけであります。
 しかも、仕事の面で申し上げますと、地方の住民の行政への多様なニーズに的確に対応するという必要性から、一定の行政サービスの水準を全国的に保障するというための必要な経費をどうやって確保していくかということでございますから、こういう意味での重要な指標になっていることも事実でございます。
 それから、地方団体の財政需要の動向を踏まえて、国の予算あるいは財政投融資計画、それから公共事業等の長期計画、最近では福祉施策の長期的な計画もありますから、そういったものとの関連のもとに、地方の財源をどのように確保していくかというような意味で、この地方財政計画は大変重要な意義を持っていると思います。
 最終的には、歳入歳出を見込む中において、地方税あるいは地方交付税の総枠的な保障をどのように実現していくかということを判定するためには、現在でも大変重要な意義を持っている計画であるというように認識しております。
#45
○畠山委員 ただいまの答弁、あるいは自治省財政局編集による「地方財政のしくみとその運営の実態」によれば、地方財源の保障、国の施策と地方財政との関連性、地方の財政運営の指標、そして個々の地方自治体の財源措置の四つの機能を指摘しておられます。
 そこで、まず第一の機能でありますが、地方財源の保障について御質問をいたしたいと思います。
 この財源保障を法律上担保するものは、地方交付税法第六条の三の第二項であります。しかし、一九七五年後半から、途中のごく一時期を除き、今日まで続いておる財源不足に対しては、借り入れや特例加算等の代替措置によって補てんされてまいったところでございます。
 この制度改正をめぐっては本委員会でも長年議論されてきたと伺っております用地方分権が国民的課題となっている現在、地方交付税法の本則の規定と財政の分権化をどのように接近させるか、それが今後のマクロレベルでの地方財源の課題ではないかと思います。地方交付税法が財政計画の公表を義務づけているのも、一つはこの財源保障の妥当性を問う国民的批判資料と位置づけておるためではないかと思います。これにこたえるためには国、地方財政の分権化、つまり制度の改正展望を示す時期ではないかと考えますが、御所見を承りたいと存じます。
#46
○野中国務大臣 深刻な地方財政の中から、今日多くの課題を抱えた地方公共団体の役割を考えますときに、一方今委員から御指摘いただきました地方分権を推進していきます場合には、その裏づけとなる地方税財源の充実は欠くことができないところでございまして、先般の税制改正におきましても地方分権の推進、地域福祉の充実等のために地方税源の充実を図ることとして、平成九年度から消費譲与税にかえて地方消費税が創設されることになりましたことは、その税の体系よりも、伸長性のある安定した財源を地方が確保したということについてまことに意義があると私は存じておりますし、さらに消費税に係る交付税率を二九・五%に引き上げることになりましたことも、また大きな意義を感じておるところでございます。
 したがいまして、委員御指摘のように、これから具体的に法律案を提案して地方分権の推進を国会にお願いをしていくわけでございますけれども、その法律案の成立に当たっては、事務配分に応じた、先ほど申し上げましたように、地方税財源を十分確保していくことというのは地方分権大綱の大きな基本方針でもありますし、また地方分権の大きな柱でもなければならないと考えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、交付税法の第六条の三の第二項でございますが、この趣旨を十分踏まえつつ、毎年度の地方財政計画の策定等を通じまして、今後さらに地方税及び地方交付税等の地方一般財源の確保に十分努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#47
○畠山委員 次に、地方の財政運営の指針、機能についてお伺いをいたしたいと存じます。
 「地方財政のしくみとその運営の実態」の中に述べておるのは、「地方財政計画に示された制度改正等に伴う経費の増減傾向を指針として運営する」とされております。しかし、近年の地方財政は、地方単独事業の増大によって、自主的かつ計画的な財政運営を行う時代に入っており、必ずしも財政運営の指針として地方財政計画に大きな期待を寄せていないのではないかとも思われます。財政運営の指針、機能を高めるためには地方自治体独自の事業をどれだけ計上するかがかぎだと考えますが、御所見を伺いたいと存じます。
#48
○野中国務大臣 御承知のように、地方財政計画におきましては、毎年度地方団体の財政運営の指標となります地方税及びその他の歳入や国庫補助負担事業に係ります地方負担額を適切に見積もりますとともに、投資に係ります単独事業や社会福祉あるいは環境保全対策、文化スポーツ振興対策等、ソフト面の単独施策の必要額を計上いたしておりまして、個々の地方公共団体には、これらの標準的な指針として、各地方団体の実情に即した財政運営を進めていただいておるところでございます。
 地方分権の推進という観点からも、今委員が御指摘になりましたように、地方団体が地域のそれぞれの特性を生かしながら、自主的、主体的に施策を推進していくための地方単独事業の適切かつ十分な活用が不可欠であろうと私も存じておるところでございます。
 今後とも地方財政計画の策定に当たりましては、地方の公共団体が適切な財政運営を行えるような、地方の単独事業に要する経費を適切に見込んでまいりたいと考えておるところでございまして、現に補助事業で十兆九千億円でありますが、地方の単独事業は本年十九兆五千億円を見込んでおるところでございます。地方の単独事業が非常に伸びてまいりましたことは、それだけ皆さん方の御支援によりまして分権への足取りが、十分ではありませんが、進めてこられることになったと私どもも認識をしておるところでございます。
#49
○畠山委員 次に、財政計画と決算についてお伺いをいたしたいと思います。
 ただいま申し上げた財政運営の指針あるいは自治体の財政計画に対する期待といった観点から、九二年度の財政計画と決算を比較してみますと、社会福祉や地方単独事業において乖離が見られます。財政計画に対する地方の期待を高めるためにもこれらを実態に近づける努力が必要かと存じますが、お考えをお伺いしたいと存じます。
#50
○遠藤政府委員 地方財政計画でございますが、これは本来地方団体のすべての歳入歳出をつかまえる、とらえるというものではありません。あくまでも標準的な水準における地方財政の歳入歳出の状況を把握するということが目的でありまして、そのことを通じて地方団体の標準的な行政に要する財源の保障をしていこうというものでございます。
 御指摘のように、計画と決算には乖離というのがどうしても存在するわけでありますが、理由といたしましては、まず地方財政計画は原則として単年度の当初ベースでいろいろ積算をするものでありますが、決算というのは実際の地方団体の財政運営の結果を決算として集計をするものであります。
 そこには、例えば歳入面でいいますと、その団体に特有の特定財源といったようなものや、それから景気の動向等によっては非常に税の自然増収というものがあるわけでありまして、そういう税の自然増収等がありますと、地方団体はやはりそれを利用して歳出化をしようというような形になりますので、どうしても歳入面の乖離が歳出面の乖離につながってくるということから、やむを得ない乖離の状況が出てくることもあるわけであります。
 御指摘の社会福祉関係経費あるいは投資的経費のうちの単独事業につきまして、私ども、近年ではさほど大きな決算との乖離はないというように考えております。かつて昭和五十年代には、投資的経費の単独事業の決算乖離が、いわゆる逆乖離である、計画に掲上した金額よりも決算の方が小さいというようなことが問題になった時代もあります。
 むしろ今はそういう時代とは逆に、計画よりも決算の規模の方が大きいというようなこともあるわけでありまして、私ども、そのこと自体は評価をすることができるのではないかと思っているわけでありますが、御指摘のように、地方財政計画が毎年度の財政運営の指針としての役割を狙っていることは事実でありますから、財政計画と決算が非常に大きく乖離するということは望ましいことではないわけでございまして、今後とも現実の財政需要というものをできるだけこの計画に反映をしていく努力をしていかなければならないというように考えております。
#51
○畠山委員 次に、自治体財政のディスクロージャーについてお伺いをいたしたいと存じます。
 ただいま指摘いたしましたことはマクロレベルでの問題でございますが、個々の自治体を見ますと、特別会計等がふえております。一体、自治体で、普通会計以外で、第三セクターも含めてどれほどの会計を持っておられるのか、自治省で把握しておられましたら、お伺いいたしたいと存じます。
#52
○遠藤政府委員 地方公共団体の普通会計以外の会計の状況でございますが、平成四年度末現在の数字で申し上げますと、地方公営企業が九千六百八十六事業、国民健康保険事業が三千八百五十二事業、それから収益事業が五百六十四事業など、全体で一万七千九百七十七会計となっております。
 それから、第三セクターでございますが、これは平成五年一月一日現在でございますが、地方公共団体が二分の一以上出資などを行っている法人、それから特別法に基づきます土地開発公社等、合わせまして五千六百九十九法人となってございます。
#53
○畠山委員 申し上げるまでもなく、地域社会において自治体は極めて有力な経済主体となっております。しかし、現行制度では、特別会計、企業会計を除き、第三セクターの会計は議会審議の対象ともなりません。このため、住民から見れば、自治体が直接間接にタッチする経済活動の総体は把握できない実態になっておるわけであります。辛うじてわかるのは、一般会計からの繰り出し金、出資金、補助金等であり、財団等に対する資金については、その運用益の使途について全くノータッチであります。
 財政のディスクロージャーを徹底するためには、自治体が関連する事業体のトータルした財政を予算の附属資料等として公開すべきではないかと考えます。制度的な検討を期待したいと思いますが、御所見をお伺いいたしたいと存じます。
#54
○遠藤政府委員 第三セクターや財団法人の基金、こういったものを設置いたしますときには公費の支出を行うわけでございまして、地方公共団体としましては、予算案という形で議会の審議を受けることになります。また、地方自治法二百四十三条の三の規定によりまして、出資額が二分の一以上地方団体が出資している法人、いわゆる第三セクターでありますが、これにつきましては、その経営状況を説明する書類を議会に提出しなければならないというように法律上されているところであります。
 私どもは、こういった地方団体が経費支出をするあるいは経営状況を説明する書類が議会に提出をされるといった手続の中で、自治体が関連する個々の事業体の財政についても議会の審議を経るということになりまして、その過程において住民に公開するということになると思うわけであります。
 こういった全体の地方団体の関与をしている団体についての連結決算のような考え方をとってはどうかという有力な意見が過去もしばしばあったわけでございまして、こういった点については、やはりすぐれた御見解でもありますし、私どもも常にそういう研究を続けていかなければいけないんではないかというように思っている次第でございます。
#55
○畠山委員 次に、いわゆる地方財政の借金についてお伺いをいたしたいと存じます。
 地方財政の借金総額は本年度末百三兆円とされておりますが、このうち財源不足に伴う財源対策として講じた交付税特別会計における未償還元利分並びに財源補てんとして発行した地方債の未償還分はどれほどになるのか、特に地方債の場合は理論数値として計算できると思いますが、具体的数値をお示しいただきたいと存じます。
#56
○遠藤政府委員 平成六年度末におきます地方の借入残高のうち、交付税特別会計における借入残高は約七・四兆円でございます。また、財源対策債あるいは調整債、臨時財政特例債等の財源対策として講じられました地方債の残高は理論値で約十四・八兆円となっているところでございます。
#57
○畠山委員 そうしますと、百二兆円のうち、地方財政がこれまで財源不足の状態になく、通常ベースの状態であれば生じなかった借金が、ただいま指摘された数字と理解してよろしゅうございましょうか。
#58
○遠藤政府委員 この借入金残高の中には、一部、例えば税制改革に伴います所得税、住民税の減税に伴う借入金、交付税特別会計で一・三兆円、あるいは地方団体が減税補てん債を発行いたしますが、これが一・六兆円といったようなものが今の中には含まれているわけでありまして、このようなものについては、通常の財源不足対策とはやはりちょっと性格が異なりまして、地方財政の収支不足を補てんするためのものでありますけれども、この借入金の償還については、税制改革の中で償還のための財源が確保されているものということで、別に考えてもいいのではないかというように思っております。
#59
○畠山委員 財源対策債償還基金によって措置される分を除きますと、さらに少なくなるわけではないだろうかと思います。その償還についてどのような展望を持っておられるのか、現行地方税財政制度によって得られる収入で償還は可能と考えておられるのかどうか、御所見を承りたいと存じます。
#60
○遠藤政府委員 御指摘のとおり、財源対策債等につきましては、過去においてこれを償却するための基金を各地方団体で設置をしていただくために地方交付税によって措置をしてきたところでございまして、これが約四・四兆円ございます。したがって、これにつきましては、先ほど申し上げました金額の中から既に償却をされているというように考えてよろしいかと存じます。
 今後の問題につきましては、毎年度の地方財政対策、地方財政計画を策定する段階において、この償還金あるいは元利償還金をきちんと見積もりまして財源対策を講じて償還をしていくということを第一義的には考えていかなければならないというように思っておりますが、なお余裕がありますれば、過去に行いましたように、交付税特別会計の借入金については予定を繰り上げて償還をする、いわゆる繰り上げ償還、あるいは財源対策のために発行をした地方債につきましては、減殺基金という形で地方団体に基金を積んでいただくというような形で借金を償却をしていくという方法も、余裕があればとっていかなければならないというように思っております。
#61
○畠山委員 次に、地方交付税に移らせていただきます。
 まず第一に、高齢者保健福祉費と一般行政経費についてお伺いをいたします。
 本年度の交付税算定から高齢者保健福祉費が、社会福祉費から独立したことについては高く評価をいたしたいと存じます。しかし、交付税のこうした算定区分の改正は、今後の地方財政の需要を導き出す原因ではなく、現に発生している財政需要にこたえるための結果にすぎません。
 問題は、最初に地方財政計画の意義について申しましたように、地方財政計画において地方の財政需要をどのように積極的に計上するかであろうかと思います。その意味で、財政計画の一般行政経費のうち、国庫補助負担金を伴わないものの中での社会福祉系統経費を充実することが極めて重要だと考えますが、この点についてのお考えを承りたいと存じます。
#62
○野中国務大臣 かつてどの民族も経験したことのない高齢化社会を迎えようとするわけでございます。それだけに、高齢化の進展に的確に対応していくためには、それぞれの地域の実情に即しまして住民に身近な地方公共団体が多様な施策を展開していかなくてはならないと考えるわけでございます。それが一番重要なことであると認識をしておるところでございます。
 このため、自治省といたしましては、これまでも毎年度の地方財政対策の中で福祉関係経費の拡充を図ってきたところでございますけれども、平成七年度におきましては、今御指摘の新ゴールドプランに係ります地方負担額について財源措置をいたしますとともに、単独の社会福祉系統経費を前年度に比べまして六・六%増の約三兆三千四百億円を計上いたしまして、地方単独事業の積極的な展開を支援することとしておるわけでございます。
 今後とも自治省といたしまして、地方団体のニーズに対応いたしまして、今申し上げた単独事業を含めた福祉施策の充実を図るとともに、必要な財源について、毎年度の地方財政計画の策定等を通じましてその確保に努めてまいりたいと考えております。
#63
○畠山委員 新ゴールドプランが新たに決定されまして、その一部が予算化されているわけでございますが、この計画に伴う地方の財政需要は幾ら見込んでいらっしゃるのか、また、エンゼルプランについてはどうなっておるのかまた、これに対応する地方の財源をどのように確保するつもりなのか、見解を承りたいと存じます。
#64
○遠藤政府委員 新ゴールドプランにおきましては、平成七年度から平成十一年度までの間に総事業量が九兆円を上回る規模とされているわけでありますが、このうちの地方負担額は四兆円弱というように見込んでおります。これはマクロの数字でございますが、平成七年度の事業費でございますけれども、事業費自体は約一兆四千六百億円でございまして、このうちの地方負担額は約五千八百億円というようになっております。
 それから、少子化対策についてでございますけれども、大蔵、厚生、自治の三大臣合意によりまして、当面の緊急保育対策等を推進するための基本的な考え方、これは緊急保育対策等五カ年事業というものを作成したところでありますが、これにつきましては全体の事業量というのは明示されておりません。しかしながら、平成七年度の事業費は約三百六十億円ということで、このうちの地方負担額は約百八十億円というふうになってございます。
 これに対する地方財源をどういうように確保するかということでありますが、これらの新ゴールドプランなどの実施に伴う地方負担につきましては、先般の税制改革に伴う財源フレームの中で平成九年度以降において所要額を確保したところでございますが、やはり今後の問題として、毎年度の地方財政計画の策定を通じまして国庫補助負担事業に伴う所要額を的確に見積もりますとともに、その所要地方一般財源の確保を図ってまいりたいというように考えている次第でございます。
#65
○畠山委員 次に、地方税に移らせていただきたいと思います。
 最初に、地方税の改革展望についてお伺いをいたしたいと存じます。
 国が国債発行を行うようになって以来、九五年度までに地方財政は規模において十七・三倍、そのうち地方税は十七・六倍、地方交付税では十八・一倍となっております用地方交付税の増大が財政規模の拡大につながったことはこれからもわかります。言いかえれば、国債発行下の地方財政は地方交付税によって保障されてきたとも言えるわけであろうかと思います。
 地方税収入が余り伸びないことが今日の地方の財源不足の原因であり、地方交付税に依存して財源確保を図らなければならないのもこれに由来すると考えます。また、地方交付税の伸びが国の財政悪化の原因などと理由もなく言われるのもこれが原因ではないかと思います。他方、地方税は安定性が求められるなど、国とは異なる性格が重視されてまいります。
 そこで、まず今後の地方税制改革の考え方について見解を承りたいと存じます。
#66
○野中国務大臣 地方団体におきましては今後より一層、高齢化対策を初め、先ほど来たびたび述べておりますように社会福祉や生活開運社会資本の計画的な整備のための経費が必要とされるわけでございまして、地方団体がその責任を的確に果たしていきますために、そして住民のニーズにこたえていきますためには安定的でかつ伸長性のある税財源が付与される必要があることは、委員御指摘のとおりであります。
 このため、今後地方税におきましては、所得、消費、資産等の間でよりバランスのとれました安定的な税体系を求めていきますとともに、その充実強化を図っていくことが必要であります。今後、政府税制調査会はもちろんのこと、国会等の御審議を通じて協議、検討を進める中で、これらの重い、けれども重要な課題に向かって対処してまいりたいと存じます。
#67
○畠山委員 現在、地方交付税不交付団体は百五十八団体と極めて少なく、また、現在の不況下では、法制度上交付団体になり得ない東京都を除けば、すべての団体が交付団体になってもおかしくないという状況下にあろうかと存じます。
 これを財政調整機能が働いているといえばいえなくもありませんが、やはり今後の税制改革を考える場合、指定都市あるいは地域中核都市くらいは不交付団体となるような税制改革でなければ意味がないのではないかと考えますが、御所見を承りたいと存じます。
#68
○野中国務大臣 地方財政が抱える重要な課題を考えますときに、委員のような御意見も当然出てくることはあろうと存じます。けれども、政令指定都市や御指摘のございました中核都市等の整備を進めていきます場合には、特に都市の環境の改善や土地、施設の整備の必要性がより増大をしておる今日でございますので、これに伴って財政需要も著しく増大をしていくものと考えておるわけでございます。
 これらの財政需要に的確にこたえていき、そして都市の環境や施設の整備を行っていきます場合には、より安定的な、そして特に景気に左右されない自主財源を必要とするわけでございまして、このような観点から考えますと、事業所税を初めとする税源の充実確保は、委員の御指摘ではございますけれども、より重要であろうと考えておる次第でございます。
#69
○畠山委員 その場合、地方交付税に安定性と伸長牲とをどのようにミックスさせるかが重要な課題だと考えます。市町村税において特に安定性が求められるのは当然かと存じます。都道府県税制においても伸長性を加味するということがこれまた極めて大切であり、法人の所得課税について検討する必要があろうかと思います。
 特に、地方消費税の創設が決まった今日、法人事業税の外形課税問題と地方消費税との関係を将来整理する必要があるのではないかと考えますが、御所見を承りたいと存じます。
#70
○野中国務大臣 御指摘のように、地方税は現在国税以上に直接税に偏った構造となっておるわけでございます。特に道府県民税は、法人所得課税に偏った、景気に左右される不安定な税収構造になっておるのは、委員御承知のとおりであります。
 今次の税制改革におきまして消費課税の充実の一環として地方消費税が導入をされましたことは、そういう意味におきまして、地方団体の歳入を支える安定的な税体系の確立をしたという上で大きな意義を持つものと考えておるわけでございます。
 今後も、所得、消費、資産等に対する課税がより均衡のとれた、安定性と伸長性が適度に調整のとれた地方税体系を確立するために法人税の所得課税のあり方を検討する必要がありますことは、委員が御指摘されるとおりでございます。事業税の外形標準課税の導入を含め、さらに多面的な検討を進めることが必要であると考える次第であります。
 この場合、事業税の外形標準課税の導入につきましては、消費課税としての地方消費税とは異なり、事業に対する応益課税としての事業税の性格、税収の安定的確保の要請等の観点を踏まえつつ、地方税における法人課税のあり方を検討してまいらなくてはならないと存ずる次第でございます。
 その意を体して、今後さらに検討すべき課題と認識をしております。
#71
○畠山委員 次に、地方税制と国税との関係についてお伺いをいたしたいと存じます。
 地方税法に基づき、条例制定がなければ自治体の課税権が生じないことは改めて御指摘するまでもないかと存じますが、国税における租税特別措置によって初めから自治体の課税権が排除されているのはどうしてでありましょうか。地方税は地方税として独自の非課税措置を持つことは当然ですが、地方税の独立性を尊重するなら国税の影響は制度的に遮断すべきではないかと考えますが、御所見を承りたいと存じます。
#72
○佐野(徹)政府委員 地方税におきましては、税の基本的な性格だとか納税者の便宜等を勘案いたしまして、課税上国税の課税の仕組みを一部活用しておるものがございます。例えば法人住民税の課税標準は法人税額とされておりますし、また法人事業税の課税標準は、所得の計算は法人税における所得計算の例によるとされておるところでございます。その結果、法人税における租税特別措置は、特別にこれと異なる取り扱いをする旨の規定がない限りは、法人住民税及び法人事業税に影響を与えるということに相なるわけでございます。
 こういったことから、御指摘のように、国税における租税特別措置が地方税に影響しないように遮断すべきである、こういった御指摘があることにつきましては、私どもも承知をいたしておるところでございますけれども、一つは、国の租税特別措置の中には地方税におきましても同様の取り扱いを行うことが適当なものがあるということ、それからまた、国の租税特別措置の影響を完全に回避しようといたしますれば、税額計算が非常に複雑となりまして、納税者、それに課税庁の双方に多大な労力とコストを負担させることになること、こういった事情等から、租税特別措置の取り扱いにつきましては国税の取り扱いに準拠しつつ、地方税としての性格から国税と異なる取り扱いを行うことが必要な場合に限りまして国税の影響を回避することとしているところでございまして、御理解を賜りたいと思います。
#73
○畠山委員 次に、地方消費税と特別地方消費税についてお伺いいたしたいと存じます。
 地方消費税が創設されたことで、特別地方消費税の廃止論がとかく取り上げられておりますが、これはどのような理由によるものか。名前が似ているだけで廃止と言われておるのはおかしいのではないかと考えます。来年度、千四百六十六億円の収入見込みとなっており、この取り扱いいかんによっては、その偏在性、額において、地方財政に大きな影響を与えることになろうかと存じます。今後の対応についてお尋ねいたしたいと存じます。
#74
○野中国務大臣 特別地方消費税につきまして、委員から非常に御理解のある意見を含めました御質問をいただいて、私も感謝をしておる次第でございます。
 委員がもう十二分に御承知のとおりに、平成元年度であったと存じますけれども、税の抜本改正におきまして、課税対象とされております消費行為と個別の地方団体の行政サービスとの間に密接な対応関係があり、特に保健衛生、環境整備及びリゾート整備等、地域の振興を図る上で重要な役割を果たすものであるということから、税負担の調整を行った上で地方の自主税源として存続をすることになり、消費税と併課することとなったわけでございます。
 この税は、平成五年度で、委員が今御指摘になりましたように、千四百億円余りの税収がございまして、自主財源に乏しい都道府県において貴重な税源となっておるのでございます。また、その五分の一が地方の市町村に交付されるわけでございまして、市町村によりましては、その交付額が税収の一割にも相当するという、そんな町村もあるわけでございまして、そのような事情を考えますときに、今委員の御指摘にありましたように、名前が似ておるから廃止をするなどという意見は、私は余りにも拙速に過ぎた意見であると認識をしておるところでございます。
 今後、地方消費税の導入の際におきまして、庶民感覚として消費税、地方消費税、特別地方消費税というのはなかなか理解しがたい部分もあるわけでございますので、税そのものを残す中で、名称等を含めて、十分自主財源の必要性を踏まえつつ検討をしてまいりたいと考えております。
#75
○畠山委員 最後に、国民健康保険制度についてお伺いをいたしたいと存じます。
 今回の地方財政対策によりますと、国民健康保険については、九五年度及び九六年度においても暫定措置を講ずるとしておりますが、地方の負担を減らすためにはどのような対策を講じようとしたのか、内容を御説明いただきたいと存じます。
#76
○遠藤政府委員 今回の国民健康保険制度の見直しでございますけれども、国保制度の抜本的な改革を行うまでの間、低所得者の増加あるいは小規模保険者の増加など、国保が抱えます構造的な問題に対応するため、当面必要な措置について行うというものでございます。
 幾つかございますが、まず第一に、保険基盤安定制度につきましては、国庫の二分の一定率負担というものが原則でありますが、平成五年度及び平成六年度限りの措置として、これが国庫百億円負担ということに固定されていたわけであります。これを平成七年度は百七十億円、平成八年度は二百四十億円ということで増額をしていくという方向をとったわけでありまして、厳しい財政状況の中でありますが、可能な限り地方負担の軽減を図っていくということにいたしております。
 なお、地方の負担額につきましては、地方財政計画に計上をいたしますとともに、所要額を交付税において措置することといたしております。
 また、国保財政安定化支援事業でございますが、御案内のような厳しい国保の財政状況を勘案いたしまして、平成七年度、平成八年度の二年間の措置として、前二年に行われたのと同じ額を、千二百五十億でございますが、これを一般会計から国保の会計へ財政支援するということにつきまして、地方財政措置を講ずることといたしております。
 なお、この国保財政に関連いたします制度改正として、懸案でありました老人保健制度における老人加入率の上限、二〇%でありましたが、これが二二%に引き上げられることが実現をいたしました。これは、国保の保険者であります市町村、非常に高年齢者が多いということから、その負担の軽減が図られることとなったことであり、この点につきましては評価されていいのではないかというように思っている次第でございます。
#77
○畠山委員 極めて単純なことでございますが、国民健康保険税と言われてみたり、国民健康保険料と言われてみたりしておるわけでありますが、どちらが一体適当なのか、国民からすると非常にわかりにくいわけでありますから、どちらかに統一する必要があるのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
#78
○佐野(徹)政府委員 国民保険税は、医療保険である国民健康保険の財源を賄うための保険料でございまして、保険料の徴収の手段として税の形式をとっているということからくる若干の違いはございますけれども、基本的には国民健康保険料との間に大きな差異はございません。これを統一すべきではないかというようなお尋ねでございますけれども、国民健康保険税は昭和二十六年に、国民の費用負担に関する義務観念等から申しまして、税による方が効率的であるということ、その結果徴収率が向上して保険財政の基盤の確立が図られる、こういったような理由から、徴収上の便宜として導入されたものでございます。
 しかしながら今日では、国民健康保険料の徴収制度も整備されてまいっておりますので、税の形で徴収する必要性は薄れてきております。また、その後の社会経済情勢の変化によりまして、逆に、税の形式をとっているために、医療費に対応して負担すべきである保険料という意識を失わせているのではないかといったような指摘もなされております。こういったこと等から、基本的には保険料へ移行することが望ましいというように考えている次第でございます。
 このため自治省といたしましては、所管省である厚生省とも協議をしながら、市町村の事務処理体制への影響等にも配慮しつつ、保険料への移行に向けまして具体的な検討を行うこととしておりまして、医療保険審議会におきます審議等を踏まえながら、今後適切に対応してまいりたいと考えておる次第でございます。
#79
○畠山委員 今回の暫定措置の延長は、国、地方の財政状況からすればやむを得ないと考えますが、暫定措置の終わる九六年度中において今後の国民健康保険制度のあり方について議論することが極めて重要だと考えますが、御所見を承りたいと存じます。
#80
○野中国務大臣 委員御指摘のとおりでございまして、国民健康保険は、国民皆保険制度の一環といたしまして、地域保険としてスタートをしたわけでございますが、国費と保険料で賄うことを基本としてやってきた保険制度でございます。
 特に、高齢者の加入の割合が他の保険制度と比べまして大変高いことは財政局長から申し上げたとおりでございます。また、他の保険から除外された低所得の加入者の割合が非常に高いわけでございます。その財政基盤が実に脆弱であるわけでございます。市町村財政に悪影響を及ぼすことが常とされてきたわけでございます。一部、職能的国民健康保険を除きましては、市町村が特別会計で持っ健康保険が多いわけでございます。市町村長がみずから持っ特別会計でございますだけに、保険の赤字を一般会計で補てんをいたしまして、そして黒字決算をするという長い経過をたどってきたわけでございます。
 私は、その結果が国民健康保険制度を抜本的に改革さすスピードをよりおくらせたのではなかろうかと思うわけでございます。むしろ逆に言うと、税金を納めた人が、一方、その税金の一部を国保に持っていっておるといういびつな関係になっておるわけでございます。そういう点を考えますと、これから国保財政の安定化のためには、医療保険制度の二元化の方向を見据えながら、医療費の適正化や医療保険制度の給付と負担の公平等の基本問題を解決していくことが必要であると存じますし、これは本来、国民皆保険の一環をなすものでございますので、今申し上げましたように、国の責任において適切な対応が講ぜられるべきと考えておるところでございます。
 今後とも、委員が御指摘になりましたように、国保問題の根本的な解決に向けまして、関係省庁と十分検討を進めて適切に対処してまいりたいと存ずるところでございます。
#81
○畠山委員 質問を終わります。ありがとうございました。
#82
○川崎委員長 田中甲君。
#83
○田中(甲)委員 質疑の時間をちょうだいいたしました新党さきがけの田中でございます。
 大臣、また自治省関係の皆様方、警察庁関係の皆様方、また委員の皆様方も若干お疲れの様子でありますが、テンポよく質疑をさせていただきたいと思います。また、前段者ともかなり内容が重複しておりますので、その辺は割愛をさせていただく中、的確な質問をさせていただき、少しでも早目に終了させていただきたい、そんな気持ちであります。
 まず、非課税等特別措置の整理合理化について、私も与党税調の一員とし会議に参画しておりました。ですから、租税特別措置の話に当然関連をしながら、非課税等特別措置の整理合理化は随分論議をさせていただいたものでありますが、野中自治大臣も、抜本的な整理合理化を図る、その旨を繰り返し答弁をされ、与党においても、昨年の十一月に租税特別措置及び非課税等特別措置の平成七年度改正についての基本方針を決定し、鋭意その見直しに取り組んでいるところであるわけですが、冒頭、平成七年度税制改革における地方の非課税等特別措置の見直しの結果について、項目数あるいは税収面、それぞれの観点から、まず税務局長に御説明をいただきたいと思います。
#84
○佐野(徹)政府委員 今、非課税等特別措置の問題につきましてのお話がございましたが、私ども、地方税におけるこの特別措置につきましては、絶えず整理合理化を図っていかなければならない、このように考えておりまして、平成七年度の改正におきましては、厚生年金基金等に係る生命保険会社の収入保険料に係る特例だとか、日本電気計器検定所、日本消防検定協会、小型船舶検査機構、軽自動車検査協会、これらに対する特例の見直しなど、非課税等特別措置の積極的な見直しに取り組んだところでございます。
 この結果、来年度の税制改正におきましては、廃止が二十二件、縮減が四十件、合計六十二件の廃止縮減を行うこととしております。
 一方、非課税等特別措置の新設拡充につきましては、新設一件、拡充十三件の合計十四件にとどまっております。これに伴いまして、税収は、平年度ベースで約八億円程度の増収となっております。
 なお、住民税だとか事業税におきます国税の租税特別措置の影響による増収額は、約百八十四億円程度でございます。
#85
○田中(甲)委員 平成七年度の税制改正においては、従来よりも廃止や縮減が多く、また新設も少なかった、そのように私も認識をさせていただいておるところでありますが、スクラップ・アンド・ビルド、もちろん廃止することも必要でありますが、大胆に新設をしていくということもまた、地方自治の独自性というものをつくり出す上で必要なことではなかろうか、そんなことも考えております。従来にない多くの廃止件数、そういうことだそうでありますが、実際に、その内容において果たしていかがなものかという面も若干は持たせていただいております。
 そこで、今回のこの改正を自治大臣はどのように分析、評価をしていらっしゃるか、御所見を賜りたいと思います。
#86
○野中国務大臣 御指摘のとおりに、来年度の税制改革におきましては、例年になく特例措置の見直しを行います一方、新規の特例措置の新設拡充につきましては厳しく抑制をされてきたところでございまして、それぞれ関係各位の御努力に感謝をしておるところでございます。
 先般の税制改革において、消費税率のアップ、地方消費税の創設が行われましたことによりまして、その議論の過程で、税制上の特例措置の見直しを厳しく行うべきであるという指摘がございました。また、いわゆる見直し条項においても、特例措置に係る課税の適正化が織り込まれた経過を踏まえますときに、今回の見直しは、これらの経過を踏まえまして大変評価できるものであると考えております。
 ただ、私個人は、まだ積み残した部分があったと一面思っておる次第でございます。
#87
○田中(甲)委員 ありがとうございます。先に次の質問の答弁もいただいたような形になってしまいましたが、参考までにその名称を挙げてお話をするわけで、決してそこに強く指摘をしたいというつもりはございません。事業税、社会保険診療報酬、この特別措置ということはかなり与党税調の中でも審議の対象には上がっておりました。このままでは十分だと思わないという大臣の答弁がもうございましたが、その他具体的に、もし今後このような非課税等特別措置があれば廃止をしていきたいなど、その項目を挙げていただければ幸いに思います。
#88
○佐野(徹)政府委員 地方税における非課税等特別措置は、平成六年度におきましては、地方税独自のものとしての減収規模で一兆六百五十億円相当、国税の租税特別措置の影響によるもので三千百二十億円相当となっております。
 先ほど大臣の方からもお話がございましたし、また、田中委員の方からもお話がございました。私ども、平成七年度の税制改正におきます非課税等特別措置は最大限努力いたしたわけでございますけれども、なお引き続きましていろいろな観点から、特にどれと申しますのはなかなか困難な点がいろいろございますけれども、いろいろな角度からこの非課税等特別措置の合理化につきましては最大限の努力を行ってまいりたいと考えております。
#89
○田中(甲)委員 次の質問に移らせていただきます。
 関連ではありますが、例えば国税において租税特別措置が規定されると、地方税法上何らかの改正を行わなくともいわば自動的に地方税においても特例措置が設けられた形になってしまう。前段で質問をされました畠山議員も言われておりましたが、特に固定資産税や不動産取得税における非課税特別措置、この扱いは国税の特別償却とは異なり、一度軽減したらそのままで、翌年あるいはその後の年度において軽減が取り戻せるというものではないはずであります。国税が租税特別措置を設けるから地方税において特別措置を講ずべき
だというシステムも、特に固定資産税や不動産取得税等においては改めて検討されるべき項目だと思いますが、もし御意見がありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
#90
○佐野(徹)政府委員 地方税の場合には、先ほど畠山委員の御質問にお答え申し上げましたように、国税の課税の仕組みを一部活用しておるものがございます。例えば、法人住民税の法人税割だとか法人事業税だとか、こういうものにつきましては、国税におきます法人税におきます租税特別措置においていろいろな措置がなされますと、特別の措置を講じない限りは、そもそも課税標準を国税によっておりますので、地方税におきましてもそれが影響を受ける、こういう形になるわけでございますけれども、例えば固定資産税につきましては、課税標準はあくまでも固定資産税独自のものでございます。
 したがいまして、私ども固定資産税における特別措置をどうするかという場合には、固定資産税といった税の性格等を十分に検討いたしまして、適切であるかどうか、そういった観点から検討をしておるものでございますし、引き続きまして、固定資産税等地方税独自の課税標準を持っておりますものにつきましては、そういった立場で私ども考えてまいりたいと思っている次第でございます。
#91
○田中(甲)委員 非課税等特別措置につきましては、どうぞ平成八年度、また今後も引き続き鋭意努力をして見直していただきたい、御要望を申し上げる次第であります。
 次に質問させていただきますのは、地方分権下における地方税制のあり方、そんなテーマを持たせていただく中で、私が申し上げるまでもなく、今地方分権の大きな流れが国会議員全員が合意、そして理解をしているところ、その認識を持たせていただいておりますが、前段者も再三御質問されているように、税財源ということがそこには極めて重要なこととなってまいります。地方へ税財源の移譲を行うことが不可欠である、この点に対しまして、移譲を推進することが重要であるというお考えを改めて自治大臣より御答弁をいただきたいと思います。
#92
○野中国務大臣 委員が今御指摘になりましたように、地方分権の推進によりまして権限移譲が行われましても、それに伴う税財源が充実強化されない限り、高齢化やあるいはその他地域の活性化等、さまざまな地域の役割を果たしていくことができないのでございます。したがいまして、このような観点から、地方税の充実と地方交付税の所要額の確保というのは、私どもに課せられた大きな地方分権への責任であると認識をしておるわけでございます。
 地方分権そのものも、ようやく国会の御審議を得る一歩手前までなってまいりましたけれども、真に分権を確立するためには、なかなか総論賛成、各論反対、道険しいと思うわけでございまして、ましてそれを推進してその実を上げるためには、今申し上げました、委員御指摘のとおりの税財源の確保が欠くことのできない重要な課題であると認識をしておるわけでございまして、関係されます国会議員の先生方のより一層の御協力と御支援をこの機会にお願いを申し上げる次第であります。
#93
○田中(甲)委員 その中で、地方消費税の創設ということが、平成九年ということでありますが、ほぼ取りまとめられた、私は、大変にすばらしい実績を自治大臣がおつくりになられた、これからの地方分権において欠くことのできない安定財源ということがまず一本道が開かれた、そんな認識をさせていただいております。
 その中で、平成九年よりということでありますが、地方が事前に条例の制定その他改正というものを行っていく、その地方消費税を受け取る側の器づくりということを早急に進めていくことができるように、国政においても政令や省令というものを早急に整備していく必要があるのではないかと考えるのですが、この件についてはどのようにお考えでありましょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#94
○佐野(徹)政府委員 地方消費税につきましては、さきの臨時国会におきまして、税制改革の一環として地方税法の一部改正法が成立し、地方税源の充実の観点からその導入が決定されたところでございます。
 この地方消費税は、今お話ございましたように、平成九年度からの導入でございますけれども、地方税として画期的な制度でもあり、また、御指摘のように都道府県にその全体像をできるだけ早く周知する必要もある、こういった観点から、現在鋭意その制度の細部につきまして内容の詰めの作業を行っている段階でございます。
 これらの点も含めまして、都道府県におきまして課税条例の制定等に関しまして私ども必要となる制度の周知徹底につきましては、引き続き努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
#95
○田中(甲)委員 ぜひ御努力をいただきたいと思います。早く地方にその実態というものを知らせてあげれば、地方でもその対応にそれだけ早く取り組んでいくということができるわけですから、ぜひともお願いをしたいと思います。
 この地方消費税に関してでありますが、先般の税制改革において、このような文章を私は重要な部分として押さえております。「社会福祉等に要する費用の財源を確保する観点、」二点目は「地方の行財政改革の推進状況、非課税等特別措置等に係る課税の適正化の状況、地方財政の状況等を総合的に勘案して検討を加え、必要があると認めるときは、平成八年九月三十日までに所要の措置を講ずるものとする。」と法律上で規定されている。この「地方の行財政改革の推進状況」という文言ですが、国税においてはこの点は消費税の部分ですが、地方のという言葉が当然抜けております。「行政及び財政の改革の推進状況」という言葉で書かれております。
 この「地方の行財政改革の推進状況」を自治省としてはどのように指導していくのか、どのような取り組みの姿勢を持たれているかどうか、地方行政に自治省が関与をされていくかこの点をまずお聞きをしたいと思います。
#96
○野中国務大臣 地方分権の推進が大きな時代の流れになっておる今日、地方公共団体がみずから果たすべき役割はますます重要となっておるわけでございます。現在の地方行財政の状況というのはまことに厳しいものがあるわけでございまして、税制改革で国民の理解と協力を得ますためにも、どうしても国・地方を通じた行政改革の実行が求められるわけでございます。
 自治省といたしましては、地方公共団体がこのような状況の中で改めてその責任を自覚しながら、簡素で効率的な行政の確立に向けまして、自主的、積極的に行政改革を進めていくことが必要であると考えまして、昨年の十月、地方公共団体の自主的、主体的な行政改革の一層の推進を図るために、地方公共団体における行政改革推進のための指針を自治省で策定いたしまして、それぞれ地方公共団体に通知をしたところでございます。国・地方を通ずる行政改革の推進は喫緊の課題であり、指針に向けてそれぞれ今地方公共団体ではその推進本部を設け、そして、その推進本部の中に民間の委員の皆さん方も入っていただいて、住民の理解と協力を得ながら、地方公共団体みずからの行政改革を積極的、計画的に推進をされておると私どもも認識をしながら、これからもなおフォローアップをしていかなくてはならないと考えておるところでもございます。
 時に、財政が余裕がありますために、国家公務員を大幅に上回った給与の支給が行われるとか、こういう実情を見ますときに、地方みずからが逆に地方分権の足を引っ張っておるのではなかろうかと思う点さえ考えられるわけでございますので、私どもといたしましても、必要な指導あるいは助言、情報提供等を行ってその実を上げてまいりたいと考えております。
#97
○田中(甲)委員 ぜひとも今後の指導をお願いしたいと思います。
 非常に積極的に、自主的に、みずからの自治体の行政改革をしようとしている行政区域があることも認識しておりますが、私自身も市議会議員、県議会議員を務めさせていただいている、そんな経験の中から、まだまだ自治体自身に行政改革、むだを省いていくという姿勢に欠けている点も感じてまいりましたので、国の指導というものもある程度必要ではなかろうか、そんな考えを持っておりますので御質問をさせていただきました。今後ともどうぞよろしくお願いをいたします。
 さて、ここで基本的なことを再認識させていただきたいと思いますが、地方消費税は、地域の自主的な姿をつくり出す、その基本的な安定した財源としてすばらしい、これはもうだれしもが認めるところでありますが、地方税に求められている基本的な考え方、地方税に求められている基本的な要件というものを、甚だ恐縮でありますが、再確認をさせていただきたいと思います。
#98
○佐野(徹)政府委員 国税、地方税双方に適合いたします租税原則として通常言われておりますのが、公平、中立、簡素、この三原則でございます。地方税の体系につきましては、以上の三原則に加えまして税収の安定性と普遍的が加わってまいります。さらに、自主性の原則が地方自治との関連から言われております用地方税におきます公平性の観点からは、国税の応能原則に対しまして地方税は応益原則がより重視されるとされているところでございます。このほかにも、税収の伸長性なども地方税原則として加えられることもございます。
 以上でございます。
#99
○田中(甲)委員 ありがとうございます。
 消費税というのは、地方消費税は、そういう面におきまして非常に景気に左右されない安定的な財源と思われる。そこで、今回、先に消費税の五%ありきという論議がされたように私は記憶しております。五%という先に数字が仮置きされたことによって、平成八年の九月にまた見直しを行うということでありますが、この仮置き五%というもとの中で、それでは国税を四%にし、地方消費税を一%にするという、結果的に国税に対してその二五%を地方消費税に充てる、数字が正確かわかりませんが、二兆四千億円ということも一%に相当するということがよく言われておりました。
 この割合というものは、仮置き五%に対する、そして国税が四%に対する二五%ということでありますから、今後消費税というものが税率を上げていかざるを得ない場合に、この地方消費税の税率の見直しということが当然行われていかなければならないと思います。その見直しを行っていくお考え、そして今後、また、消費税の中でも地方消費税の割合をふやしていきたいというお考えが同時にあろうかと思いますが、その辺の御所見をぜひお聞かせをいただきたいと思います。
#100
○野中国務大臣 地方消費税あるいはその骨幹となる消費税そのものの税率水準のあり方につきましては、今委員がお説のとおりに、将来の社会福祉を初めとする歳出の見通し、あるいは今後の国民的議論を十分尽くす必要があると考えるわけでございます。けれども、地方消費税という枠そのものに考えましたときには、地方の行財政改革の推進、あるいは課税の適正化の状況、あるいは地方財政の状況等を総合的に勘案をしてその改正のときの議論にのせなくてはならないと考えておるわけでございます。
 しかし、言われておりますように、消費税の税率見直しというのは、その前提にいわゆる行政改革を含む国民の合意を得るべきみずからの努力が課せられておるわけでございますので、私どもは当面、その行政改革を中心とする努力に最善の努力を傾けまして、その上でなお将来の財源の見通しを立てて議論をしていくべきであると考えておるところでございます。
#101
○田中(甲)委員 先走り過ぎた質問をして、大変に御無礼をいたしました。おっしゃるとおりだと思います。
 それでは、平成九年より、国民の理解をいただき、消費税率が五%に設定された場合の一%分、この金額が、二兆四千億円という数字を使わせていただくならば、これが都道府県に配分をされて、都道府県から市町村にまた配分をされる。それは五〇%、二分の一が県から配分をされるやに認識をしております。実はその交付の基準というところに御質問をさせていただきたいと思います。
 まず第一点、県に地方消費税を配分する場合の基準をお聞かせいただきたいと思います。
#102
○佐野(徹)政府委員 県に配分する基準と申しますか、これにつきましては、それぞれ主たる事業所におきまして、それぞれのところで所在する都道府県にまず納税をいたすわけでございますけれども、この地方消費税と申しますのは、やはり消費に着目をいたしまして課税をする税でございますので、各都道府県間で精算をいたすことにいたしております。現行の法律では、この精算の基準といたしまして、統計上どれるデータに基づきまして消費というものを中心に精算をしていく、このような仕組みになっておるところでございます。
#103
○田中(甲)委員 御説明いただいたとおり、県の場合は消費を基準としてというお話であろうかと思います。
 それでは、質問を先に進ませていただきますが、県から市町村に配分する場合の今度は交付基準というものをお聞かせいただきたいと思います。
#104
○佐野(徹)政府委員 県から市町村に交付いたしますものは、要するに全体の地方消費税の二分の一でございますが、この二分の一を、一つは人口でございます、それからもう一つは従業員数でございまして、それぞれ人口が半分、従業員数が半分、こういった形で都道府県から市町村の方に交付されるものでございます。
#105
○田中(甲)委員 ここで、中核都市、政令都市の話に踏み込んでみたいと思います。
 たまたま私が生活をしているところは千葉県の市川市というところですが、都市近郊の、特に、住んでいる住民が東京に向かって生活をされている地域、千葉県に限らず、埼玉県や神奈川県、さらには大阪府周辺の近郊の都市におきましては、この従業者数二分の一という割合では、人口二分の一、従業者数二分の一、受け取る交付基準によって入ってくる地方消費税の額に非常に目減り感を感ずるということを私は現段階で懸念をしているのであります。
 これから地方分権推進法を諮っていったり、さらには市町村の合併法の一部を改正するという、地方に重きを置いての施策をとろうとしている中で、合併を促進する、あるいは中核都市、政令都市になろうとする意欲やインセンティブというものを与えていくことを考えていきますと、東京近郊、大阪府、あるいは大都市近県の行政において目減り感を感じさせるような配分方法になっているのではないか、そんな危惧をするわけでありますが、その点に対する御所見をいただきたいと思います。
#106
○佐野(徹)政府委員 地方消費税につきましては、その精算後の収入の二分の一を市町村に対して交付をする、これは今お話を申し上げたところでございますが、これは、地方団体の消費の額に応じて消費課税の成果を帰属されることを基本としつつ、現在統計上市町村ごとの消費の額を直接把握できる統計資料がございませんので、これにかわる資料といたしまして人口と従業者数を用いることとしたものでございます。
 このことによりまして、昼間の人口も含めたそれぞれの地域の消費の全体を把握できることになるのではないかと考えておりまして、そのようなことで法案も御提案申し上げ、また御承認いただいたわけでございますけれども、配分基準としては、今申し上げましたような観点から申し上げますと、適切なものではないかと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
#107
○田中(甲)委員 適切なものではないかと認識をされているということでありますので、与党として余り突っ込んだ質問は控えたいと思いますが、また自分の住んでいる地域を出して大変に恐縮でありますが、千葉県では、五十六万人にならんとしている船橋市、四十六万人にもう既に届いている松戸市、その規模の地域であっても、昼夜間人口差というところの基準をもってすると三十万人以上の基本的基準のある中核都市に残念ながらなれないという状況であります。
 また、同じように従業者数というもの、つまり昼間の人口ということを余り重要視して配分基準をつくられますと、地域によってはかなり都市として住民サービスの多様なニーズにこたえる財源の確保というのが極めて必要でして、また、不謹慎に事例として使うつもりはございませんが、阪神大震災のような都市型災害ということを考えた場合に、万一都市に災害が発生してもしっかりとその災害に備えているという都市災害の防災対策費も、もちろんその他で配慮されている点も認識しておりますが、しかし実態はかなりその地域が予算を必要としている。
 ぜひともこの大都市近郊の昼夜間人口差のある地域に対して、まさに地方分権を進めていく際の、中核都市や政令都市というのが市町村合併法の一部改正に連動して期待しているだけに、財政面でもしっかりとしたものをつくり出していただきたい。現段階では適切なものであるという認識をされているという御答弁をいただきましたので、今後そのような検討をしていただける機会があれば大変にありがたいと思います。
 できましたら大臣の御所見を賜れれば幸いであります。
#108
○野中国務大臣 政令指定都市や中核都市の整備を進めていくということは、都市の環境やらあるいは都市の施設整備には欠くことのできない問題でございまして、私、一人の政治家としてお許しをいただきますならば、今日までの政策の中に都市対策というのは若干おくれをとってきたことを反省しておる一人であります。今後、なお重点的に都市対策、都市基盤の整備というものは考えていく政策の重点であろうと思っておるわけでございます。
 ただ、今回の阪神・淡路の大震災を見て、私は率直に、これからの我が国土における町づくりを考えるときには、巨大な集中した都市をつくっていくことより、我々は、人口二十万ないし三十万くらいの都市を限りなくつくっていくことを目指さなければ、地震帯に覆われた日本というのは今後真に国民の生命財産を守ることはできないのではないか、そんな悲痛な感じさえ私は受けた次第であります。
 委員がおっしゃいますように、これからの大きな都市は、財政需要あるいは住民のニーズにこたえていくための支出というのは膨大になってくるわけでございますので、私どももその財政需要にこたえられるような施策は十分配慮していかなくてはならないと存じております。
#109
○田中(甲)委員 大臣より貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案について、従来より感じていたことがございます。その点について、御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、地域の文化、スポーツの振興、この点で、実は前段の、たしか栗原委員からも質問された部分と若干重複をしてしまうかもしれませんが、今回のこの文化、スポーツの振興ということは、かなりソフトの面の充実を中心にお考えになられているという受けとめ方をしております。そんな中でありますが、文化会館やいわゆるハードの部分、箱物というものが最近とみに多くなってきておりまして、隣の地域にもつくったからまたつくる、非常に簡単を言葉を使わせていただくならば、むだを感じる場面が随所にございます。今回の対応は、特に、設置されているいわゆる箱物の有効利用、有効活用にも資すると考えてよろしいのでしょうか、これが一点。
 そして、文化会館ですとか文化施設、そのようなハードの施設、箱物については、設置に当たって効率的な調整、また設置後の利用計画等も、これは規制緩和と逆行するかもしれませんが、自治省または都道府県において一定の基準を設けて指導する、そんな姿勢も若干必要ではないかと私は考えるのですが、その点についていかが御認識でありましょうか、御答弁をいただきたいと思います。
#110
○野中国務大臣 平成七年度の地方財政計画におきましては、自由時間の増大や健康づくりに対する地域住民の意識の高まりを踏まえまして、地域文化、スポーツ振興等を拡充することといたしておるわけでございます。
 一つには、まず地域文化振興対策につきましては、地域の文化交流活動の支援や創作活動の奨励等の文化振興施策へ支援を行うために、平成五年度から地方財政計画の地域文化振興対策経費を創設してきたところでありますけれども、平成七年度におきましても、引き続き地域文化の振興を図るために、地域文化振興対策経費を一層拡充することといたしまして、五百五十億に対して六百十億円、前年対比約一一%の増を図ったところでございます。
 また、スポーツの振興に対しましても、平成七年度から地方財政計画に地域スポーツ振興対策経費を創設をいたしまして、地域住民が主体となった多様なスポーツ活動を推進しますとともに、その活動の拠点である公共スポーツ施設の利用を図っていくための経費を充実する施策を講じた次第でございます。
 ちなみに、地域スポーツ振興対策経費は四百三十億円を五百六十億円程度にふやしますとともに、地域スポーツ活動推進経費のソフトの面におきましては百二十億程度、そして公共スポーツ施設利用経費は四百三十億から四百四十億へと伸ばしますとともに、地域スポーツ・リフレッシュ事業の推進のために百億円程度を計上いたした次第でございます。
 委員から今御指摘をいただきましたように、確かに今日までの我々の施策を振り返ってみますときに、いろいろな、各省で考えてまいりました施策で箱物が随分多くなってきたということは謙虚に反省をし、そして、それが十分機能し、生かされていない、あるいは広域的に利用されていないといったようなことを考えますときに、これまた行政改革の大きな一つであろうと考えるわけでございます。
 そういう点での反省を含めまして、今それぞれ文化会館、美術会館などのハード面の施設を充実することを差しおきまして、今後有効な利用、活用が行われるような面で私どももこの地方財政計画を当ててきたわけでございまして、それだけに先ほど申し上げましたように、地域の文化の振興対策あるいは地域文化の交流活動の推進、創作活動等の奨励を主として考えてまいったところでございます。
 今後、箱物は別といたしましても、各市町村がこぞってふるさと創生を含めて箱物をつくっていくというのはこれは自重を促して、そしてより効率的に、よりその建物が都市の施設とかわらないような、文化を享受できるような、田舎においてもそれぞれ普通の多目的な建物だけでなく、音楽機能を備えた、そういうものが広域的につくられることによって私はこの活動を十分可能ならしめる、あるいは文化水準を高めることができると思うわけでございます。
 そういう点で、これから広域圏の実施計画等の一環として、さらにまちづくり特別対策事業等を起こしまして、この圏域における広域的な総合的な計画を整備していきたいと考えておるところでございます。
 委員が御指摘された点は、謙虚に私どもこれから地方公共団体の行政改革の柱の一つとして踏まえながら、この効率的な施設の運営を行うようにやってまいりたいと考えておるところでございます。
#111
○田中(甲)委員 適切な、そして丁寧な御答弁をいただき、恐縮しております。
 文化についてもう一点。私は、東京への文化の一極集中ということも、一つの言葉の表現ではありますが、いわゆるレベルの高い文化に接する場合に、東京に出てこなければならないというような面があろうかと思います。ところが、地方分権を推進していくという観点では、文化という定義を、私は自己の表現、地域の表現あるいは都市の表現、国の表現、そういうものが文化だと思いますので、各それぞれの地域によって自分たちの町の持っている文化というものをしっかりと継承してもらえる、そういう体制をつくり出していくことが、これからの地方分権という面で極めて重要なものになってこようかと思います。
 この点について、地域文化、スポーツ振興という項目の中で、各自治体もそうでありますが、どうもかなり苦慮されている実態というものを私も感じます。今後、特にこの点に対して、つまり地域の伝統的な文化、芸術等を、継承者不足に悩んでいる地域あるいは継承をどのように行っていくかという、地方における文化の継承という点で、もし御所見を賜われればありがたいと思います。
#112
○野中国務大臣 御指摘のように、伝統文化の継承やその後継者の確保は極めて重要な課題でございまして、自治省といたしましても、地方財政計画におきまして、先年来、地域文化振興対策といたしまして、一つには郷土芸能の保存・振興事業、あるいは地域文化祭あるいは芸術祭、こういう地域の文化活動あるいは文化の交流関係、あるいは地域の創作美術の芸術展、文化功労者の顕彰事業といった創作活動奨励関係、また巡回美術あるいは美術芸術特別展などを織り込みました。
 そういう地域に根差した古い伝統がなお継承されていきますように、平成七年度におきましても前年度比一一%の増額をいたしまして、それぞれ御指摘のような地域のかけがえのない芸術文化が継承され、さらに発展していく、また交流をされていくように引き続き努力をしてまいりたいと存じます。
#113
○田中(甲)委員 最後の質問項目に移らせていただきます。地域の国際化への対応という点で、若干この質疑の時間を使用させていただきたいと思います。
 財政計画において、地域の国際化への対応ということがやはり今後の大きな課題であるという内容をもって書かれております。今回の震災の際にも、海外の姉妹都市から、激励の言葉や援助が随分届けられました。こういう地域独自の国際交流というものが実際に着実に進んでいるということを、そんな面からも改めて感じた次第であります。
 現在の自治体間の姉妹都市の実態、これに対する支援措置、これがどのようになっているか、ぜひとも御答弁をいただきたいと思います。
#114
○野中国務大臣 基本的な面で私からお答えをいたしまして、具体的な内容につきましては政府委員からお答えを申し上げたいと存じます。
 地方公共団体が、委員が御指摘のように、国際化施策に関しまして熱心でなければならないということは、言をまたないことでございます。自治省といたしましても、従来からさまざまな支援策を通じまして、国際交流あるいは国際化への施策を図ってきたところでございます。
 平成七年度の地方財政計画におきましても、地域の国際化を推進するために、地域の経済文化交流の促進、専門家の派遣及び研修生の受け入れ等の自治体国際協力の計画的推進、外国からの青年の招致、国際交流あるいは協力に関する情報の収集及び提供等の、地方公共団体の取り組む国際化推進施策に対しまして財政措置を充実いたしまして、前年度対比約九・一%、百億円増の千二百億円を措置しておるところでございます。
 また、我が国の地方公共団体で海外との姉妹提携を行っている団体は、本年二月一日現在で七百二十二団体でございます。提携数は千八十六件となっておるわけでございます。
 この交流内容としましては、友好親善のための相互理解の促進、地域の経済文化交流の促進を初め、近年は専門家の派遣あるいは研修生の受け入れ等によりまして国際協力活動も着実に進んできておると思っておるところでございます。
 また、今回の阪神・淡路大震災に伴いまして、兵庫県、神戸市その他のそれぞれの市町に対しまして、例えば兵庫県は七州と提携をしております、また、神戸市におきましても七都市と提携をしておりまして、そこから大変な支援策といたしまして、お見舞状はもちろんのこと、義援金その他、食器、食料品、飲料水あるいは住宅建設の支援の申し出、木材の提供など、さまざまな心からの温かい援助が寄せられておるところでございます。私としては、これこそが真の国際協力であり、国際交流ではなかったかと思い、その成果を感謝しておるところでございます。
 こうした地方公共団体による姉妹交流に対しまして、自治省といたしましても、今後とも財団法人でございます自治体国際化協会を通じて、姉妹提携に関する情報の提供や所要の地方交付税措置を講じますとともに、所要の財政支援を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
#115
○田中(甲)委員 ありがとうございます。
 今大臣の御答弁の中にも、海外の青年招致事業という言葉が含まれておりました。いわゆるJETプログラムでありますが、私はこの制度は大変にいい制度と思い、認識をさせていただいております。ぜひ招致対象の国の拡大を行ったり、これは文部省の事業とはまた違いまして、外国人の方が直接子供たちに触れる、交流を図る、生きた海外との接触、触れ合いということがもっと地方において拡大していくことを望むところでありますが、御意見、御所見をいただければありがたいと思います。
#116
○野中国務大臣 地域レベルにおきます国際交流と外国語教育の充実を図りますために、文部省、外務省及び財団法人自治体国際化協会等と相協力いたしまして、自治省といたしましては、昭和六十二年度から、語学指導等を行う外国青年招致事業、いわゆるJETプログラムを実施をしてまいり、八年目となるわけでございます。
 平成六年度には十一カ国から四千百八十五名を招致しますとともに、スポーツ国際交流員などの活動分野の拡大も図ってきたところでございます。これまでに述べ二万一千名の外国青年が我が国各地で語学指導や国際交流活動に活躍をしているところでございます。
 平成七年度は、地方公共団体の要望を踏まえまして、実績、受け入れ体制等を十分勘案しながら、約四千七百名程度の人たちを受け入れようとしておるところでもございますし、新たにポルトガル語圏域の方々及びスペイン語圏域の国を招致対象国に加えたわけでございます。中国、韓国からの国際交流員も市町村にも配置することといたしておるところでございます。
#117
○田中(甲)委員 ありがとうございます。
 まだ十分程度時間が残っておりますが、どうぞ市民サービスの充実、そして生活者本位の自治を行うという大きな目的に向かって、国際化の面もそうでありますし、文化、スポーツの点もそうであります、また税制の確立、安定した財源を確保するということもそうでありましょう、そんな面に向かって、今後も一層御努力をいただきたいとお願いを申し上げ、質問を終わります。
#118
○川崎委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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