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1995/03/24 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 地方行政委員会 第11号
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1995/03/24 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 地方行政委員会 第11号

#1
第132回国会 地方行政委員会 第11号
平成七年三月二十四日(金曜日)
    午前十時三十三分開議
出席委員
  委員長 川崎 二郎君
   理事 塩谷  立君 理事 中馬 弘毅君
   理事 穂積 良行君 理事 粟屋 敏信君
   理事 山名 靖英君 理事 米田 建三君
   理事 北沢 清功君 理事 田中  甲君
      石橋 一弥君    栗原 裕康君
     田野瀬良太郎君    谷  洋一君
      西田  司君    根本  匠君
      蓮実  進君    平林 鴻三君
      愛野興一郎君    上田  勇君
      岡島 正之君    斉藤 鉄夫君
      富田 茂之君    永井 英慈君
      山崎広太郎君    吉田 公一君
      池田 隆一君    畠山健治郎君
      濱田 健一君    穀田 恵二君
      川端 達夫君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     野中 広務君
 出席政府委員
        警察庁長官   國松 孝次君
        警察庁長官官房
        総務審議官   山本 博一君
        警察庁生活安全
        局長      中田 恒夫君
        警察庁刑事局長 垣見  隆君
        自治大臣官房長 秋本 敏文君
        自治省行政局公
        務員部長    鈴木 正明君
        自治省税務局長 佐野 徹治君
 委員外の出席者
        大蔵省主税局税
        制第三課長   竹内  洋君
        通商産業省基礎
        産業局総務課化
        学兵器・麻薬原
        料等規制対策室
        長       掛林  誠君
        地方行政委員会
        調査室長    前川 尚美君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十四日
 辞任         補欠選任
  山本 公一君     根本  匠君
  吹田  ナ君     斉藤 鉄夫君
  加藤 万吉君     濱田 健一君
同日
 辞任         補欠選任
  根本  匠君     山本 公一君
  斉藤 鉄夫君     吹田  ナ君
  濱田 健一君     加藤 万吉君
    ―――――――――――――
三月十七日
 古物営業法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第七〇号)(参議院送付)
同月二十四日
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 九二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 九二号)
 古物営業法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第七〇号)(参議院送付)
 地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出第七八号)
 警察に関する件
     ――――◇―――――
#2
○川崎委員長 これより会議を開きます。
 警察に関する件について調査を進めます。
 この際、去る二十日発生しました地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件について野中国家公安委員会委員長から報告を聴取いたします。野中国家公安委員会委員長。
#3
○野中国務大臣 地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件及び品川区先路上における公証役場事務長被害の逮捕監禁事件捜査に伴いますオウム真理教関係箇所に対する捜索の実施状況について御報告を申し上げます。
 まず、地下鉄駅構内の毒物使用多数殺人事件につきまして申し上げます。
 去る三月二十日午前八時過ぎころ、朝の通勤ラッシュ時間帯をねらい、営団地下鉄日比谷線、丸ノ内線、千代田線において、何者かが不審物を車両内に置き去ったことにより、車両及び築地駅等十六駅の構内にサリンと推定される有毒ガスが立ち込め、乗客等多数が死傷するという事件が発生いたしました。改めて、犠牲となられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、負傷されました方々に心からのお見舞いを申し上げる次第であります。
 事件認知をいたしました直後におきましては、警視庁レスキュー部隊を含みます機動隊、交通整理班等約一万一千名を各現場に急行させ、負傷者の救助活動、避難誘導等の措置に当たる一方、特別捜査本部を設置し、犯人検挙のため全力の捜査活動に当たっているところであります。
 また、警察庁では、同日、対策室を設置し、事態の把握に努めるとともに、公共交通機関等における警戒強化と再発防止に万全を期するよう、全国の都道府県警察に対して指示をしたところであります。
 本事件は、朝のラッシュ時間帯をねらい、何の関係もない善良な市民を大量無差別的に殺傷するという悪質きわまりない事件でありますところから、全国警察を挙げて犯人の早期検挙と再発防止のために全力を尽くしてまいる所存でありますので、関係各位の御協力をお願いいたします。
 次に、オウム真理教関係箇所に対する捜査状況について申し上げます。
 二月二十八日午後四時二十分ころ、品川区上大崎三丁目先路上において、公証役場事務長が複数の男に拉致され車でいずれかに連れ去られた事件について捜査を進めましたところ、本件はオウム真理教関係者による犯行と認められたことから、警視庁においては、三月二十二日の早朝より約二千五百名体制で、都内を初め静岡県内、山梨県内のオウム真理教関係箇所合計二十五カ所を捜索し、各種薬品と思われる物件多数を押収しております。
 また、残念ながら拉致されました被害者の発見救出には至っておりませんが、捜索場所に不法に監禁されていた他の被害者の救出を図るとともに、監禁していた犯人四名を逮捕したところであります。
 いずれにいたしましても、拉致された被害者の早期救出に努めますとともに、捜索によって発見、押収された大量の薬品と思われる物件がどのような意図により保管されていたか等、その背景について現段階では判然としませんが、早急にその全容の解明を図るべく捜査に万全を期してまいる所存であります。
 なお、本日午前八時、大阪府警におきまして、大阪大学学生の拉致事件に関連をいたしまして、オウム真理教関係箇所四カ所の一斉捜査に入っておるところであります。
 以上申し上げ、詳細は政府委員より説明をさせます。
#4
○川崎委員長 次に、補足説明を垣見警察庁刑事局長から聴取いたします。垣見警察庁刑事局長。
#5
○垣見政府委員 ただいま大臣から御報告いたしましたことに関し、補足をして説明させていただきますし
 まず、地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件でございますけれども、同事件による被害の状況は、本日八時現在、死者十名、負傷者約三千七百名となっております。
 現在までの捜査状況でございますが、事件発生当日、警視庁築地警察署に約三百名体制の特別捜査本部を設置し、現場において発見、押収した遺留物の分析、目撃情報の入手など所要の捜査に全力を尽くしているところでございます。
 犯行に使用された有毒ガスにつきましては、現場に遺留されていた物件を回収するなどして、警視庁の科学捜査研究所等におきまして、多角的に鑑定を実施しているところでございますが、現時点におきまして有機燐系物質であるいわゆるサリンである疑いが極めて強いという状況にございます。
 また、現場で目撃された不審者につきましても、その特定に向け鋭意捜査を続行しているほか、乗客など多数の関係者から情報の入手等に努めておりますが、残念なから、現時点におきましては犯人を特定するまでの有力な情報の入手には至っていないという状況でございます。
 先ほど大臣からの報告にもございましたように、本件は、有毒ガスを使用し、わずかの間に数千名の死傷者を出すというこれまでに例を見ない悪質非道な犯行でございまして、国民の皆様方に多大な不安感を抱かせた事件でありますことから、一刻でも早く犯人を検挙して事案の全容を解明すべく、警察の総力を挙げて捜査に全力を尽くしてまいる所存であります。
 なお、昨年六月長野県で発生いたしました松本サリン事件につきましては、その解明に向け長野県警において捜査続行中でありますものの、残念ながら犯人検挙には至っておりませんが、この事件も今回の事件同様、犯行にサリンと思われる有毒ガスが使用され、多くの死傷者を出した悪質な事案でありますことから、薬品入手ルートの解明や、動機、背景などに関し聞き込み捜査など所要の捜査を推進し、早期解決に努めるよう督励をしてまいる所存でございます。
 次に、オウム真理教関係箇所に対する捜索等の実施状況についてであります。
 この事件は、その形態からして何らかのトラブルに端を発するものと思料されたことから、警視庁におきましては、捜査本部を設置し、所要の捜査を行いましたところ、オウム真理教関係者が深くかかわり、かつ犯行に及んだものとの確証を得たことにより、三月二十二日早朝を期して、オウム真理教東京総本部を初め、静岡県、山梨県内所在の関係箇所に対し捜索を実施したものでございます。
 その結果、残念ながら被害者の発見救出には至りませんでしたが、山梨県内のオウム真理教施設に不法に監禁されていた他の男女六名を救出するとともに、その不法監禁の犯行にかかわった信者と見られる四名の者を現行犯逮捕しております。
 また、捜索により、それぞれの箇所から薬品様の物品を含め相当量のものを押収いたしておりますが、それらにつきましては、現在、整理分析検討中のところでございます。
 なお、犯行に使用した車両の捜査などから犯人の一名と思料される者が特定できましたために、三月二十二日、被害者の早期救出の願いも込めて、犯人の早期逮捕のために全国に手配をいたしているところでございます。
 今回のオウム真理教に対する捜査は、公証役場事務長に対する逮捕監禁事件に端を発したものでございますが、捜索場所に他の被害者が監禁されていたことや、各捜索場所に多量の薬品と思われる物品が存在していたことなどから、それらの背景等をも含め、徹底してその全容解明に努めてまいる所存でございます。
#6
○川崎委員長 以上で報告は終わりました。
#7
○川崎委員長 次に、ただいま付託となりました内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。野中自治大臣。
    ―――――――――――――
 地方税法の一部を改正する法律案
    〔本本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#8
○野中国務大臣 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。
 阪神・淡路大震災の被災者の負担の軽減を図る等のため、固定資産税及び都市計画税の特例措置並びに不動産取得税の非課税措置を講ずる等の必要があります。
 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についての改正であります。
 個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、道府県民税について阪神・淡路大震災に係る財産形成住宅貯蓄等の利子等に係る利子割の額を還付する等の措置を講ずることといたしております。
 その二は、事業税についての改正であります。
 事業税につきましては、阪神保淡路大震災に伴い申告等の期限が延長された場合における中間申告納付の特例等を講ずることといたしております。
 その三は、不動産取得税についての改正であります。
 不動産取得税につきましては、被災市街地復興土地区画整理事業に係る復興共同住宅区内の土地の共有持ち分等の取得について、非課税措置を講ずることといたしております。
 その四は、固定資産税及び都市計画税についての改正であります。
 固定資産税及び都市計画税につきましては、阪神・淡路大震災により住宅が滅失・損壊した場合に、平成八年度分及び平成九年度分について、住宅が再建されるまでの間は、その敷地であった土地を住宅用地とみなして課税標準の特例措置等を適用するとともに、滅失・損壊した家屋及び償却資産の所有者等がこれにかわるものを平成十年一月一日までの間に取得した場合等に、三年度間二分の一を軽減する措置を講ずることといたしております。
 以上が、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#9
○川崎委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#10
○川崎委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。穂積良行君。
#11
○穂積委員 ただいま国家公安委員長としての野中大臣から、地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件という名称の、いわゆる地下鉄でのサリンとおぼしき毒物による無差別殺人事件についての御報告、それから同時に、公証人役場の仮谷さんの拉致事件についての捜査状況の御報告をいただきました。地方税法の改正法案もございますが、まず、ただいまの報告に関して質問をさせていただきます。
 私ども、これは国民ひとしくと思いますが、大変驚くべきこのような無差別大量毒物殺傷事件ということが起こりましたということですが、私どもはこれを報道で知ったとき、即座に思い浮かべたのは、例の松本市における、これもサリンとおぼしき毒物による殺傷事件であります。警察当局は、このような松本の事件が起こった後、こうした恐るべき毒物による不特定多数の市民をも巻き添えあるいはねらった事件が発生するのではないかということが懸念されておったのは事実だと思います。
 そうしたことを考えますと、あの松本事件の後、今回のような事件を予期して対策を検討しておられたのかどうか、その辺をまずお伺いいたします。
#12
○垣見政府委員 お答えいたします。
 委員御指摘の、いわゆる松本における有毒ガスによる多数の死傷者の事件発生後、捜査を通じまして同物質に対する鑑定知識の向上、流通ルートの解明等に当たってきたところでありますが、同事件の早期解決による犯行の動機の解明、さらには危険物の除去が同種事案の再発防止につながるという観点から、全国警察を挙げて関連情報の収集に努めるなど、措置を講じてきたところでございます。
 残念ながらその解明に至っておりませんけれども、引き続きその観点からこの事件についても捜査を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
#13
○穂積委員 並行しての、仮谷さんの拉致事件は、これは捜査によってオウム真理教の関係者が介在していたということによって今回の強制捜査に至ったということなんでしょうが、このような、松本事件、それから今回の拉致事件、そして地下鉄サリン殺傷事件、その三つに介在して、上九一色村のオウム真理教の施設があるところ、近傍での毒物検出といったようなことから、点と線を結びつけるような類推をしますと、どうもオウム真理教という極めて特異な宗教団体はおかしな団体だなと国民一般に思っているわけであります。その団体が重大な犯罪行為を、これまでにもどうもそうした事件を発生させたようなことがあるし、とんでもないことをやりかねないというような懸念を持たれていたのではないでしょうか。
 そうしますと、まず、サリン事件はさておいて、オウム真理教というこの特異な宗教団体について、犯罪の防止という観点からの予防措置を含めて対策はどんなふうに、これは警察当局は関心を持って、あるいは準備をしておられたのか、その辺はいかがでしょうか。
#14
○垣見政府委員 お答えをいたします。
 御案内のように、警察におきます捜査活動は、法令に従いまして証拠に基づき実施をいたすものでございまして、今般、品川における公証役場に勤務の方の拉致監禁事件の関係で令状をとり、東京都、山梨県、静岡県における関係施設につきまして広範に捜索をいたしたわけでございますけれども、これらは所要の手続、準備を行った上で実施をいたしたものでございます、
 なお、申し上げるまでもなく、警察におきましては、いかなる個人、団体でございましても、刑罰法令に触れる違法行為があれば、事案の捜査を尽くし、事案の実態に応じて厳正に対処するという考え方で活動をいたしているところでございます。
#15
○穂積委員 それではお伺いしますが、あの山梨の上九一色村を初めオウム真理教の各地の施設等についての捜査令状は、どういう名目で令状をとったんでしょうか。家宅捜索令状の趣旨を御説明いただきたいと思います。
#16
○垣見政府委員 お答えをいたします。
 今般行いました捜索の令状の容疑は、先般東京都の品川区内におきまして公証役場の事務長である仮谷さんが帰宅途中に車に連れ込まれて拉致監禁をされたという容疑事案を捜査し、その容疑事案の裏づけのため捜索令状を請求し、被害者の救出、犯人の発見、証拠物の押収を目的として実施をいたしたものでございます。
#17
○穂積委員 別件逮捕とか別件捜査というような言葉があるのは御存じだと思います。私どもは、どうもこの一連の事件が相互に関連しているんじゃないかというふうに、これはマスコミの皆さんもそんなふうに思っておられるでしょうけれども、そこは言葉じりをとらえられて後で問題にされてはという配慮もあるのでしょう、皆さんも慎重な言い回しをされています。
 だけれども、ずばり言いますと、拉致事件、不法監禁事件としてとった令状のもとで実際に大規模に数千人の警察官を動員して捜査している目的は、私ども国民から見れば、どうも怪しい、あるいは地下鉄サリン事件の関連、関係を探って、踏み込んで証拠をつかもうというような捜査をやってくれているんじゃないかというふうにみんな思っているんですね、これは。そこら辺は、確かに今刑事局長がおっしゃったように、捜査に当たっては証拠に基づき適正な警察組織の運用、動員というようなことは必要だと思うのですが、その辺は国民にもう少しわかりやすい姿勢で説明をいただいた方がいいんじゃないかと私は思います。
 その辺は今後の捜査の進展にまちたいと思いますが、それにしましても、大臣、こういうときには、だれかがやはり冷静に事態の推移をちゃんと把握して必要な手を打つということが特別肝要ではないかと思うのです。万が一、オウム真理教側が言っているような、おれたちはやっていない、だれかが仕組んで、おれたちをむしろ被害者としてやっているんじゃないかなんということ、どうもなさそうな気もしますけれども、そんなことでオウム真理教以外の組織が何らか関与しているというようなことがあったら大変なことになる。そうでないかどうかはこれからの捜査が明らかにすると思いますが、冷静に、しかし時に応じては機敏に、国民を安心させるような、二度とこのようなとんでもない反社会的な事件を起こさせないようにしていただきたいものだと思います。
 その辺について大臣からの御所見を伺っておきたいと思います。
#18
○野中国務大臣 このたびの地下鉄駅構内の毒物使用の多数殺人事件は、朝のラッシュ時帯をわらいまして何の関係もない市民を多量無差別に殺傷するという、悪質きわまりない、組織的、計画的犯罪と言わなくてはならないと存じておる次第であります。このような悪質きわまりない事件に対しまして、全国警察を挙げて犯人の早期検挙と再発防止に努めて、国民の不安を一刻も早く解消することが必要であると考えております。
 今回の一連の捜査につきましても、すべての責任は私自身が負うことを國松警察庁長官にも申し上げまして、厳正かつ果敢な処置を、対応を要請したところでございまして、今後、なお特別立法の制定の検討をお願いをしたり、またこの種事犯に迅速的確に対応できるような、人員や装備の面でもまた充実に努めてまいりたいと存ずる次第でありまして、国会、関係の皆さん方の御協力、御支援をもあわせてお願いを申し上げる次第でございます。
#19
○穂積委員 今大臣お話がございましたように、こうした事件の今後の未然防止ということからは、有効な措置と考えられるなら特別立法をもって必要な手は打つということは大変結構だと思いますので、これは私どもも検討させていただきたいと思います。事務当局もひとつその辺はよく勉強していただきたいと思います。
 なお、これは刑事局長、参議院の方の委員会でですか、オウム真理教絡みのいろいろな事件と、それから地下鉄サリン殺傷事件との関連等をどうも念頭に置いて捜査を進めたいと受け取られるような答弁をされていたと思うのです。報道によりますと、この二十日の事件発生の前の十七日に、自衛隊にも御協力願って防毒マスク、防護服等で機動隊等が訓練をして、そういう毒物に備えての強制捜査を準備していたという話も報道されているでしょう。この辺について、ちょっと委員会の答弁と今のこうした警察の対応、やることは、言えないことは言えないけれども、ちゃんとやっていますというようなことを自信を持って国民の皆さんにちょっと所信を披瀝していただきたいと思います。
#20
○垣見政府委員 先般の予算委員会でございましたかで緊急に御質問がございまして発言したものが、若干波紋を呼んで、今御指摘をいただいたような受けとめられ方をしているようでございますけれども、私も議事録をきちんとチェックしているわけでございませんので、また緊急の中で若干混乱をして申し上げたのかもわかりませんが、地下鉄における多数の死傷した事件と今般捜索をいたしました仮谷さんの拉致監禁事件の捜査と、関連をするというふうに考えた捜査をいたしているわけではございません。
 ただ、御指摘いただきましたように、仮谷さんの救出、犯人発見、証拠品の押収のための捜索に当たりまして大量の警察官を動員いたしました。また、ガスマスクなり防毒服等も準備をして捜索をいたしたことは事実でございます。
 これも御案内のとおり、昨年、山梨県下のオウム真理教の施設の直近におきまして異臭が発生をしたということで付近住民からの御連絡、訴え出等もございまして、私どももいろいろ調査、捜査をいたしたわけでございますが、その過程で、異臭が発生したと思われる直近の土砂を分析いたしましたところ、どうもサリンが生成された場合に検出されるというか、残るであろう残渣物と思われるものが発見をされておりまして、今回の捜索場所が大変広範なこともございますし、そういうサリンの残渣物と思われるものがその施設の直近から発見をされたというようなことも踏まえまして、場合によってはサリンによる被害というような不測の事態も予測されるというか、予想して措置せざるを得ないという判断から、やや物々しい形に受け取られたかもわかりませんけれども、そういう備えもして捜索を実施したというところでございます。
#21
○穂積委員 けさの新聞にも書かれていますけれども、オウム教が拉致、監禁など相次ぐ不法行為を行ってきたということに対して、警察庁も特別捜査チームを編成して対処するというような報道があります。そうなれば、オウム教の最高責任者は例の麻原彰晃教主なる人物でしょう、この人物について所在を警察庁は把握し、この人物をめぐる不測の事態についても備えているかどうか、その一言だけちょっとお聞きいたします。
#22
○垣見政府委員 個別的な捜査をいたしている事案に関連する御質問ですので、具体的にお答えするのは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、警視庁等、全国警察において必要と考えられるあらゆる措置というか、私どもの力にもちろん限界はございますけれども、私どもの力でできる可能な措置、手だてというのは尽くしているものというふうに承知をいたしております。
#23
○穂積委員 時間の関係上、それではこの問題はそのくらいにしまして、地方税法の一部を改正する法律案については、私から質問のみ一問お聞きいたします。
 阪神・淡路大震災の被災者なり被災企業に対しまして国税の方で軽減措置をとる、あわせて、地方税についても一部改正法によって措置をするということは、時宜を得たことだと基本的には思います。ただ、この措置による固定資産税等の軽減措置は、阪神・淡路大震災の被災者、被災企業についてはとられるとして、それでは、その前の雲仙・普賢岳あるいは北海道南西沖地震、三陸はるか沖地震等の被災者との関係において、税法上の公平さという観点からどういうことになるかという問題があるかと思います。
 被災者にしてみれば、家をなくしたというようなことでは同じだ、片方ではこうした軽減措置がとられるのに、私らの方はどうしてくれますかというような話などがあるかと思いますので、これらについて、大蔵省もおいでいただいたのですが、大蔵省、それから自治省当局、以前の雲仙・普賢岳の噴火あるいは北方の地震災害との関係において、今回の地方税法の措置あるいは国税の措置はこういう趣旨なので理解してほしいというような説明があれば、きちっと説明をいただきたいと思います。時間が来てしまいましたので、お答えをいただければ私の質問を終わります。
#24
○竹内説明員 お答えいたします。
 今回の阪神・淡路大震災でございますが、まずその被害が広範な地域にわたり、同時、大量、集中的に発生した極めて甚大なものでございまして、いわゆるライフラインの寸断など社会インフラの被害も大きかった等の点にかんがみますと、現行の諸制度が想定している災害とは面的、量的に相当異なるものでございます。また、我が国経済社会の大動脈において発生したこともございまして、その影響は阪神・淡路地域にとどまらず、我が国経済全体にかかわる問題となっているところでございます。したがいまして、現行制度ではその救済、復旧への配慮に十分な対応ができないという認識に至ったところでございます。
 このような事情を背景といたしまして、阪神・淡路地域における生活の再建及び経済の復興を緊急に図るとともに、地震等の災害に対して、将来にわたって安全な地域づくりを緊急に推進し、もって活力ある関西圏の再生を実現することを基本理念とする阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律が制定されまして、阪神・淡路大震災の被災者に対しては既存の枠組みとは異なる対応を行うということがされたところでございます。
 今回の震災税特法は、今申し上げました法律の趣旨を税制の分野で具体的に措置するというものでございまして、阪神・淡路大震災による被害に着目したものでございます。
#25
○佐野(徹)政府委員 私ども、地方税におきまして今回このような案を御提案をさせていただいておりますのは、今回の震災につきましては、その被害の面から申しますと非常に範囲が広い、それからまた、同時、大量、集中的に発生した極めて甚大な被害である、こういう点を考えますと、現行の諸制度が想定しておりますような災害とはいろいろな点で性格を異にするのではないかという点だとか、それから震災による影響面から申しますと、我が国経済社会全体にかかわる問題となっている、こういったことからその救済、復旧のためには新たな対応が必要ではなかろうかと考えた次第でございます。
 今回の震災につきましては、特に阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律といった法律が制定されまして、この法律に基づきまして阪神・淡路復興対策本部が設置されるといったようなこともございます。従来の枠組みとは異なる対応が行われているというように理解をしておるところでございます。
 こういった趣旨を今回御提案いたしております法案は税制の分野で具体的に措置をしたいと考えておるものでございまして、先ほど国税の方からいろいろな御説明がございましたけれども、国税における対応とあわせまして地方税における取り扱いにつきましても阪神・淡路大震災による被害に着目をいたしまして措置をしたというものでございますので、御理解いただければと思います。
#26
○穂積委員 終わります。
#27
○川崎委員長 富田茂之君。
#28
○富田委員 まず、本日の議題であります地方税法の一部を改正する法律案に関しまして、一点だけ御質問させていただきます。この法案の趣旨はもう大賛成でございますので、反対という意味ではございませんが、一点ちょっと明確にしておきたいと思いまして質問いたします。
 附則の第十六条の二の関係でございますが、固定資産税及び都市計画税につきまして、阪神・淡路大震災により住宅が滅失、損壊した場合に、平成八年度分及び平成九年度分について、住宅が再建されるまでの間は、その敷地であった土地を住宅用地とみなして、課税標準の特例措置を適用するというようなことが規定されております。
 この関係で、法案とか説明文書を見ますと、こういうふうになっております。「当該土地を平成八年度又は平成九年度に係る賦課期日において住宅用地として使用することができないと市町村長が認める場合に限り、当該土地を住宅用地とみなして課税標準の特例措置等の地方税法の規定を適用する」というふうになっておりますが、これは、本来この法案の趣旨からいけば、二年間くらいはなかなか住宅を建築するのは難しい、基本的にこの特例の適用を受けるのだということで設けられた規定だと思うのですが、このように「市町村長が認める場合に限りこというふうに限定的になりますと、どういう場合に認められるんだとか、そういう疑問が出てくるのだと思いますが、この規定の趣旨をちょっと御説明いただければと思います。
#29
○佐野(徹)政府委員 今回の特例は、震災によりまして被害が極めて甚大かつ広範囲に及ぶ、こういう観点から、復旧に際しましての納税者の税負担に配慮する必要があるのではないか、特に住宅が滅失なり損壊をいたしました場合には、住宅が再建されるまでの間は、これまで住宅用地の特例を受けて税負担が軽減されていました土地につきましては引き続いて住宅用地とみなして税負担に変動がないよう措置する、こういう趣旨のものでございます。
 この特例におきまして、今お話がございましたように、市町村長が認める場合に限る、こういうように書かれてございますけれども、これは被災した住宅用地を、例えば事業用地と使用することが明らかである場合など、引き続き住宅用地として使用されない場合を排除することがその趣旨でございまして、被災者がその土地に住宅を再建する場合には、当然にこの特例の適用が受けられるものでございます。
#30
○富田委員 なかなか被災者の方はそのあたり理解しにくいと思いますので、広報活動の方も十分行っていただきたいと思います。その点、希望しておきます。
 続きまして、先ほど公安委員長の方から御発言がございましたが、オウム真理教各施設に対する家宅捜索について何点か御質問させていただきます。
 今回の家宅捜索は、仮谷清志さんの拉致事件に関してなされたという御説明でした。二月二十八日の日中、本当に公道から突然一人の男性が連れ去られてしまうというとんでもない事件でありました。この事件について警察当局の方で捜査を進められて、車に残された指紋等から容疑者を特定して家宅捜索に至ったと思うのですが、報道によりますと、かなり以前から家宅捜索の準備をされていたのではないかと思われます。また、先ほど穂積委員の方からもお話がございましたが、三月十七日の時点で防毒マスク、防護衣等を警察庁の方から防衛庁に貸してもらいたいという依頼をされたり、また十九日には、自衛隊の朝霞駐屯地ですか、装着訓練等をされたというような報道もされております。
 この準備状況が外部に漏れたのではないかなというふうに思えるのですが、そのあたりは警察庁はどのように考えられているのでしょうか。
#31
○垣見政府委員 お答えいたします。
 ただいま御指摘がございましたように、本件捜索の容疑事案については大変悪質な事案ということで、警視庁におきましてはこれまで真剣にというか全力を挙げて捜査をいたしてきたところでございまして、その過程で今回の捜索が実施されたわけでございます。今回の捜索を実施するに当たりましては、御指摘もございましたように、もちろん相当の準備期間を要する捜索ということで準備をいたしておりました。
 その捜索を実施する状況が相手方に漏れたのではないかというような御指摘の御質問がと思いますけれども、私ども、捜査活動というのは、当然のことではございますけれども、秘密の保持というのが捜査がうまくいくかどうか大変重要なポイントを占めている課題であるというふうに認識をしておりまして、もう捜査と秘密というのはあらゆる機会に口を酸っぱくして捜査員に徹底をさせているところでございます。それは大原則でございます。もうそれは御指摘のとおりで、そういう捜索の情報等が事前に漏れるというのはあってはならないことでございます。
 ただ、若干御説明をさせていただきますと、今回の捜索につきましては御案内のように捜索の範囲が大変広範囲でございます。警視庁の事案でございますけれども、県外に捜索をいたしました。しかも、多数の施設を捜索いたしました。また、先ほども穂積委員からの御質問のときに申し上げましたように、その捜索を実施する場所の直近でサリンが生成されたのではないかというような疑いを持たれる事実が判明をしておりましたので、場合によっては発生が予想される不測の事態に備える諸準備が不可欠というのが私どもの判断でございました。そのために、今御指摘いただきましたような防毒マスクや防護服の借用なり、その着脱の訓練等も実施をいたしました。
 そういうような警察の諸活動が場合によっては相手方に察知されるという危険について、私どももいろいろ検討いたしました。しかし、そういう危険、相手方に察知されるという危険も冒すことになるかもわかりませんけれども、それだけの準備をして実施をしなければ不測の事態が起き得るという判断で今回の捜索を実施したということを御理解いただきたいと存じます。
#32
○富田委員 不測の事態に備えて準備したという点については理解しないわけでもないのですが、この捜索の際に保護された女性の話ということで新聞等で報道されておりますが、「捜索前日に、警察が来るからということで六人が注射を打たれたり、薬を飲まされた。」というふうな報道もあります。仮にこれが事実だとしたら、捜査側は準備万端と言っているけれども、この施設の中に収容されているいろいろな方がいらっしゃるわけですが、その人たちにとってどんなことがまた起きてしまうのかわからないというような事態も予想されたのではないかな。現に五十人近くの方がかなり変な状況で閉じ込められていた、そのうち六人が病院に保護されたということですから、そのあたりについても十分な注意をして捜索をしていただきたかったなというふうに思います。
 今回の捜索では、被害者である仮谷さん御自身の身柄の確保には残念ながらまだ至っておりません。東京、山梨、静岡と二十五施設ですか、かなり広範囲にわたって捜査されたわけですけれども、この一都二県に絞り込んだ捜査という点について、仮谷さんの身柄の確保が今回の捜索ではできなかったという観点から見て、ちょっとその点、一都二県の施設だけに絞ったという点ほどうだったのか、警察庁はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
#33
○垣見政府委員 お答えいたします。
 御指摘いただきましたように、今回大がかりな広範囲にわたる捜索を実施したにもかかわらず、残念ながら被害者の救出に至っておらないということは事実でございまして、私どもも大変残念に思っている次第でございます。
 ただ、捜索を実施する場所につきましては、いろいろな捜査の具体的中身にわたりますので詳細は申し上げかねますけれども、いろいろな観点から検討をして、被害者の発見、さらには被疑者の確保に資する可能性のある部分というものを選定し、検討を加えて実施をしたものでございます。
 結果的に、御指摘のように、特に被害者の救出に至っておりませんので、今後引き続き私どもとしては全力を傾けて捜査を実施し、また必要な箇所については捜索も実施することになると思いますし、それ以外の必要な手だても既に尽くしているところでございます。
#34
○富田委員 今の回答との関連なんですが、必要な手だてを尽くされているということですが、仮谷さんが監禁されている可能性のある施設、今回対象になったオウム真理教の施設ですけれども、こういうオウム真理教関連の施設が東京周辺にどのぐらいあるのか、またレンタカーが返されてその走行距離の範囲内じゃないかというふうな話もありましたけれども、そういう点でこれから絞り込みをされていくのだと思いますが、そういう関連施設については警察庁の方は全部把握されているのでしょうか。
#35
○垣見政府委員 先ほども申し上げましたように、捜査の個別具体的な内容については詳細申し上げるのは差し控えさせていただきますけれども、私ども、捜査上対象とする必要がある施設についてはいろいろ手だてを尽くして確認をし、また所要の措置をとっているというふうに御理解をいただきたいと思います。
 なお、宗教団体の施設がどのくらいあるかという点については、私どもの立場でお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
#36
○富田委員 拉致事件の容疑者に対する捜査なのですが、いろいろな手だてを尽くされているということですが、一部報道では、警察の方からオウム真理教側に、身柄をよこせ、引き渡せというような要求もされているというような報道もなされていました。そういうような事実はあるのでしょうか。
#37
○垣見政府委員 捜査におきまして犯人の逮捕というのは大変重要な事項でございまして、犯人が発見等された場合には、もう当然のことながら所要の手続をとって逮捕するわけでございます。
 今御指摘のような、当事者というか関係者と話をして犯人の出頭を求めるというようなことをしているという事実は把握をいたしておりません、承知をいたしておりません。
#38
○富田委員 一刻も早い仮谷さんの救出と犯人逮捕に向けて、全力を尽くしていただきたいと思います。
 それとの関係で、三月二十日に発生しましたいわゆる地下鉄サリン事件の関連で、ちょっと質問させていただきます。
 今回、拉致事件の方の容疑で家宅捜索をした際に、オウム真理教の関連各施設から、かなり多量の薬物、薬品、本当にいろいろな種類のものが発見されたというふうに聞いております。
 特に、サリンをつくる原材料になる三塩化燐、これが多量にあった。また、三塩化燐を原材料にして、三工程ぐらい、いろいろな工程を加えて、最終段階でイソプロビルアルコール、これを加える。このイソプロビルアルコールも発見された。最後にもう一個、弗化ナトリウムですか、これも加えてサリンができ上がるのだというふうに薬物の学者さんが説明されておりましたが、この弗化ナトリウムも大量に発見されている。こういう事実を考えますと、これはやはりこの施設でサリンの生成の準備なりされていたのではないかなというふうに思えるわけです。
 また、この施設の中にサリンを製造することができるような設備が存在したというような報道もされています。一部の新聞では、サリン工場と断定というような大見出しをつけて報道されているような新聞社もございました。そのあたりは警察庁の方はどのように今回の捜索で掌握されたのでしょうか。
#39
○垣見政府委員 お答えいたします。
 ただいま御質問のございましたように、新聞報道等でいろいろ報道されておりますが、多数の薬品類を押収したことは事実でございます。
 ただ、現在、その内容については、専門家、科学捜査研究所、科学警察研究所等で分析中でございますので、その詳細及び評価については現段階ではお答えをいたしかねる点を御理解をいただきたいと思いますし、また、捜索現場の状況についても、もう私どももいろいろな格好で詳細を把握したいというふうに考えておるのですけれども、現在これも整理、分析中で、捜索現場の状況がどういう評価に値するかについても現段階でのお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
#40
○富田委員 先ほど穂積委員の方も言われていましたけれども、国民にわかりやすく、また国民の安心に結びつくような捜査をしてほしいと穂積委員は指摘されておりました。
 これだけの大量の危険な薬品があるという報道がされますと、特に付近住民の方たちはもう心配でしょうし、また、これがどんなふうに使われちゃうんだというようなことで、かなり国民に対しても不安感を広げるのではないかと思います。
 きのうの捜索では、危険物が多過ぎるということで捜索を中断したというような情報も出ております。そのあたり、このまま薬物をこの施設に置いておいて大丈夫なのか、そういう点についてはどのように把握されているのでしょう。
#41
○垣見政府委員 お答えいたします。
 国民のいろいろ不安に思っている点を除去するように手だてを尽くせという御指摘、まことにごもっともというふうに承知をいたしております。
 ただ、御説明をさせていただきますと、少なくとも私どもが捜索をいたしました現場で、危険と思われるものについては押収をいたしております。そして、押収いたしたものが大変多量でございまして、残念ながら運搬能力、その他の手当て、また場合によっては運搬送印で危険が生ずるというようなこともございますので、そういう諸準備をして運搬する必要があるということで、一部分については御指摘のようにまだ現地に残っておりますけれども、その押収物の残っている現場には、当然のことながら警察官多数を配置して、それらが不法というか、問題を引き起こすことのないような措置をいたしているところでございます。
#42
○富田委員 先ほど刑事局長の御説明では、拉致事件とサリン事件が関連しているというふうに断定して捜査しているわけではないのだ、御自分の発言が誤解されているとすればということで御発言がありましたけれども、これだけの薬物があって、外から見るとまるで化学工場のような風景もテレビに映っておりました。そういうのを見ますと、やはり穂積委員も御指摘されていましたけれども、松本サリン事件、地下鉄サリン事件と何か関係があるのではないかというふうに国民には思えるわけであります。
 当然、そういうところ、法令に基づいて、また証拠に基づいて捜査をされるのでしょうが、捜査方針として、すべてそういう事件があったということを念頭に置かれて、これからも進めていくのでしょうか。
#43
○垣見政府委員 先ほども穂積委員から御質問がございましたときにお答え申し上げましたとおり、今回の捜索は二月二十八日に発生をいたしました公証役場事務長拉致事件の事案の解明のために実施をされたものでございまして、またその過程で、御指摘のようにいろいろな押収物等が発生をしております。
 それにつきましては、現在、警視庁等において分析中でございますので、その詳細、その評価については現時点での答弁を差し控えさせていただきますけれども、一般論で申し上げれば、捜査の過程で別の犯罪を裏づける証拠が発見されましたような場合には、当然のことではございますけれども、法令に従い、所要の手続をとることとなるということは当然のことというふうに考えております。
#44
○富田委員 ちょっと質問を続けさせていただきますが、三月二十二日の午前に開かれました閣僚懇談会におきまして、国家公安委員長の方から、今回のサリン事件等に関して、特別立法が必要なのではないかというような御発言があったようであります。それを受けまして、官房長官の方でも、検討に入るというような記者会見をされたようであります。
 公安委員長の方ではどのような御趣旨でこの特別立法の点について言及されたのか。先ほども御説明されておりましたけれども、ちょっと御説明いただければと思います。
#45
○野中国務大臣 先般、閣僚懇談会において私が発言をいたしましたのは、今回のこのサリンによって人を無差別かつ大量に殺傷するという事件を前にいたしまして、社会一般、国民の皆さんに重大な不安を生じさせるわけでございます。しかし、現在、公共の危険を防止する観点からサリンやサリンの原料物資の所持等を取り締まる法規が存在しないのであります。恐らく我が国におきまして、サリンを使用してこのような多量殺傷事件を前提とした法を想定しておらなかったのであろうと思うわけでございまして、そこで、サリンの所持等を取り締まるための特別立法の検討の必要性を関係閣僚の御理解を求めて発言をさせていただき、ただいま鋭意検討をしておるところでございます。
#46
○富田委員 その関係で通産省の方にもちょっと来ていただいておりますが、現在、参議院の商工委員会の方で、化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律案が審議されております。この法案の中には、サリンの製造とか所持も処罰されるというふうな規定があります。通産省の方で、この法案がなぜ今回提出されたのか、その趣旨をちょっと説明していただきたいと思います。
#47
○掛林説明員 御説明させていただきます。
 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律案につきましては、化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約、いわゆる化学兵器禁止条約と言われておりますけれども、この国内実施法案でございまして、化学兵器禁止条約上の義務を的確に履行するために必要な措置を講ずるものでございます。
 具体的には、化学兵器の製造、所持、譲り渡し、譲り受け及び使用の禁止。それから、サリン等特定物質につきましては、製造、使用等の原則禁止を初めとしまして、厳格な管理を行う、さらに、その他の指定物質等につきましても所要の措置を講じるということでございます。さらに、このような許可あるいは届け出の事業者に関しまして、国際機関が派遣いたします検査がございますけれども、その検査の受け入れ義務を課す。さらに、本法の規定に違反した場合には罰則を適用するというような内容のものでございます。
#48
○富田委員 現在サリンの製造、所持を罰する法案がかかっているわけですが、この特定物質の規制等に関する法案と公安委員長の方が考えられている特別立法との関連というのはどのようになるというふうにお考えなのでしょうか。
#49
○垣見政府委員 お答えをいたします。
 ただいま通産省から御答弁もございましたように、現国会で化学兵器禁止条約の国内実施法の御審議が行われている。ということは承知をいたしておりますが、この法案が成立すれば、サリンの無許可製造等について一定の処罰がされることになっておることも承知をしております。
 しかしながら、これはあくまで化学兵器の禁止を担保するための、ある意味での行政刑罰的なものでございまして、公共の危険を防止する観点からのものではないというふうに私ども認識をしておりまして、今回の事件等にかんがみまして、公共の危険を防止する観点からの特別立法による処罰が必要ではないかというふうに考え、今検討いたしているところでございます。
 なお、特別立法の検討の中身でございますが、これも草々の間で必ずしも十分詰まっているわけではございませんけれども、サリンそのものの不法所持について、化学兵器禁止条約の実施法で定められた法定刑よりも重い処罰をする必要があるというふうに考えておりますほか、通産省所管の法律では処罰をされないサリンの原料物質の不法所持につきましても、何らかの格好で処罰する形のものができないかというような観点も含めて検討しているところでございます。
#50
○富田委員 特定物質の規制等に関する法案との整合性をきちんと考えていただいて、立法化に向けて御努力いただきたいと思います。
 最後に、先ほど穂積委員の最初の質問に対して、刑事局長の方で、松本サリン事件が起きて以降、全国的に関連情報の収集にこれまで当たってきたというような御発言がありました。その中で、外国からの情報等に関してはどういうアクセスをしていたのかなというふうに一つ疑問があります。
 昨日の新聞でしたか、アメリカの情報機関の方で松本サリン事件の現地調査をして、今回のような事件が起こる可能性があるというような報告書がことしの一月の段階で出ていたというような報道がありました。そういう具体的な報告書等について警察庁の方はどのような掌握をされていたのでしょうか。
#51
○垣見政府委員 松本におけるサリン様のものに端を発する有毒ガス事件につきましては、御指摘のように諸外国からも大変注目をされておりまして、今御指摘いただいたような方の調査が行われ、レポートが出されたということは承知をいたしております。
 私どもの現場の捜査と必ずしも合致をしないような点等も判断の上ではあるようでございますけれども、そういうようないろいろな方の御意見、情報等も参考にしながら捜査を進めていったというふうに承知をいたしております。
#52
○富田委員 いろんな調査がされているようですので、独自捜査だけではなしに、いろいろ意見も参考にしていただいて、本当に再発防止に努めていただきたいと思います。
 質問通告していなかったのですが、先ほど公安委員長の方から、特別立法の検討とあわせて人員、装備の充実を図っていきたいという御発言がありました。本当にこれはもう大賛成であります。今回のような事件で警察庁から防衛庁に一々防毒マスクを借りなきゃだめだとかということでは、独自の準備というのもなかなかできないと思います。また、人員の面でも、これまで毎年の予算要望の際に警察庁の方からは増員というのがなかなか出てまいりませんでした。行革という観点もあろうと思いますが、こういう事件が起きてきますと、国民の目から見ても、やっぱり警察庁自体の人員、装備の充実ということを本当にやってもらいたいというふうな意見が出てくると思います。
 その点に関しまして、最後に大臣のお考えをお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#53
○野中国務大臣 ただいま御指摘のように、装備及び人員の配備等につきまして、それぞれ十分な整備を行ってまいりたいと考えておりますので、国会関係の皆さん方の御協力、御支援をまたお願いを申し上げる次第でございます。
#54
○富田委員 終わります。
#55
○川崎委員長 穀田恵二君。
#56
○穀田委員 毒物使用による事件で亡くなられた方々に心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、三千人を超える被害者の方々に心からお見舞いを申し上げます。
 先ほども大臣からお話がありましたように、今回の事件は、まさしく無差別のものであり、人命尊重に対する挑戦であり、民主主義に対する許しがたい挑戦として、我が党としても断固糾弾したいと思っています。
 きょう質問したいのは、第一に、国民の疑問は、警察は何をやっていたか、そして捜査の時日経過についてもっと明らかにすべきではないかということだと思うのです。その声にどうこたえるかについて質問したいと思います。
 昨年六月二十七日、松本で有毒ガス事件があって、きょうの新聞でもこういう記事が載っています。ことしに入って、捜査本部のある松本署に名乗り出た。二人が宇宙服のような着衣でやっていたというようなことまで出ています。そういう情報が寄せられている。
 これらも含めて、多くのマスコミは、あの事件が予行演習と違うかというふうなことで、警察の真剣な捜査を要望しました。ところが、見込み捜査で若干初動を誤ったりなどして、何の手がかりもつかめないまま今日に至っているのではないだろうかということを率直に思うわけです。
 ですから、その後も、先ほどあったように、山梨の上九一色村のサリン事件が発生した直後に、生成した後に残る有機燐系の化合物の検出など、相次いで不審な事件が起こっています。いずれも結局未解明だ。ですから、どうして原因究明や逮捕ができなかったのか、そしてそういった声にどうこたえるのかということについて、まず最初に聞きたいと思います。
#57
○垣見政府委員 お答えいたします。
 御指摘のように、もちろん、最近発生した地下鉄の事件は今警視庁において全力で捜査を始めたところでございますけれども、松本において発生した事案につきましては、あと少しで一年にもなるというような状況の中でございます。それにもかかわらず事案の解明に至っていないということは、大変私ども遺憾に思っている次第でございます。ただ、この事件が大変重要であり、また、何としてでも解明しなければいけないということで、長野県警を中心に現在に至るも体制をとって捜査を進めているということをぜひ御理解いただきたいと思います。
 また、捜査に当たっては、これは全容を解明し、犯人の検挙、原因を突きとめないと、県民あるいは国民の皆様にその内容を御説明するというわけにはなかなかまいらない点がございます。そういう意味で、捜査の状況が不明確ではないかという御指摘をいただくわけでございますけれども、そういう捜査の内容、全容を明確にするためにも、何としてでも一日も早く全容を解明し、犯人の検挙に努めたい、また、そのように関係県に督励をしてまいりたいというふうに考えております。
#58
○穀田委員 今の話はちょっとおかしいと思うのですね。私が言っているのは、全容を解明できなければ全容を発表できない、そんなことは当たり前の話ではないですか。
 問題は、松本事件が起こって以来、こういう新しい報告もあるのだが、不審な四人組が現場付近で目撃されていたという情報もある。こういうことも含めて、何にもこれを発表せずに来ている。ところが、御承知のとおり、市販の薬でも簡単にできるという報道が最初は出たりする、第一通報者が容疑者扱いされるとか、いろいろなことが起きているわけですね。そのことが結局未解明のままにずっと来ていることに対して、少なくとも、今どうなっているのだ、これだけの大事件なのだから、人の命にかかわることなのだから、中間的に、こういう事態になっている、こういうことになっている、こういう協力を得たいというようなことについての報告をするのが当たり前ではないですか。その辺がどうも考え違いしているのではないかなと私は思うのですが、いかがですか。
#59
○垣見政府委員 御指摘いただきましたように、この松本の事件に関しても、各種の情報をいろいろな方からいただいております。それらについてはつぶさに捜査をし、検討をし、その真偽というか事件に関係するかどうかについては、捜査を尽くしております。
 その結果、現在までその内容を発表していないということは、それらは残念ながら捜査の真相に突き当たっていないということでございます。それは大変残念なことでございますけれども、そういうふうに現在まで全容の解明に至っていないという段階であることを申し上げさせていただきたいと存じます。
#60
○穀田委員 それでは話を変えまして、坂本弁護士一家拉致事件について聞きたいと思うのです。
 三月二十日、上九一色村の住民がオウム真理教の信者に不法監禁され、脅迫されたとして提訴しています。報道によると、監禁された際に、住民の一人は、あんたにも家族がいるんだろう、坂本弁護士のようになってもいいのかとおどかされたと述べています。この事実について確認していますか。
#61
○垣見政府委員 御指摘の事案につきまして、平成四年十二月でございますか、御指摘いただいたような事実があったということで地元住民の方から告訴が出されておりまして、捜査をいたしているところでございます。
#62
○穀田委員 その坂本弁護士のようになってもいいのかという件については確認されていますか。
#63
○垣見政府委員 具体的にどのような脅迫文言があったかどうかにつきましては、現段階では私、この場でコメントを差し控えさせていただきますけれども、告訴の内容からは、御指摘のような告訴内容になっているものと承知をいたしております。
#64
○穀田委員 差し控えると言いますけれども、私は、これは大事な問題だと思うのですね。日本の国で、今度の仮谷さんの事件もありましたけれども、一家が丸ごといなくなっているということについてこれだけ長い間問題になっていて、こういうことについて差し控えるということは、例えば捜査上の秘密なのですか。
#65
○垣見政府委員 個別事案の捜査の具体的内容については、基本的に、捜査を尽くし、私どもとして所要の手続で送致をし、また、場合によっては裁判で明らかにしていただくという立場でございますので、その途中の段階では、原則としては差し控えさせていただくというのが私どもの従来からの考え方でございます。
#66
○穀田委員 私は、やはり今度の問題に限って言うならば、そういう証言があったことについて確認したかどうかぐらいのことについて、それは当然報告したっていいと思うのですね。しかも、これは有力な事実を挙げているのだから、これについて手を打ったのかどうかということに当然なりますね。それについてもコメントを差し控えるということになるのですか。これだけ長い間者さんが不安に思っておられて、国の中で一家が丸ごといなくなって、しかもそういう問題について新しい証言が出た場合に、その証言者がだれであり、その内容が事実であるかどうか、そしてどうなっているかということについて報告するのが当たり前じゃないですか。
#67
○野中国務大臣 さまざまな情報なりがあったことは事実であろうと存じております。けれども、それが犯人を特定し、事件捜査に至るまでの状況に立ち至らなかったために今日になりましたことは、先般、穀田委員の質問にも私から遺憾の意を表した次第であります。
 仮に、途中で、完全な犯罪の想定ができない場合に見込み捜査をやった場合は、共産党あたりだったら大変な御指摘をいただくことになろうと思うわけでございまして、そういう点で、警察が地道な、そして真剣な努力をしてまいったことを私は御理解いただきたいと思うわけでございます。
#68
○穀田委員 今の発言で言うと、全然お門違いの話をしていると思うのですね。見込み捜査は見込み捜査の問題であって、私が今回の問題で言っているのは、そういうことについて確認されているのだろうかと。これについて言うならば、多くの方々が不安に思っておられて、もう長い事件でもあるから、少なくともこれはこういうことを確認していますよというぐらいの話については捜査上の秘密でも何でもないのじゃないかと言っているのですよ。それに答えていただかないと、何か話を別な方向に持っていっては困ると思うのですね。
 なぜかというと、この問題は、当時からもそういうオウム真理教の問題について、この問題に限っていえば、坂本事件に限っていえばあったわけですから、そういう関連からすれば、一連のことについて報告があってもしかるべきではないだろうか、このことは当局の姿勢が問われる問題ではないだろうかと私は言っているのですね。
#69
○垣見政府委員 ただいま大臣より御答弁をいただいたのに若干補足して説明をさせていただきますが、今委員御指摘の山梨における告訴事案につきましては、当然のことではございますけれども、告訴を受理し、告訴人から事情を聴取し、事案の解明に努めているところでございます。ただ、残念ながら、被疑者の特定にまで至っていない、事案の解明にまで至っていないというのが現在の段階でございます。
#70
○穀田委員 そう言ってくれればいいのですよ、簡単に言えば。そこの事実についてきちんとどういう形なのかということを私は言ったわけです。
 最後に一つだけ質問したいのですけれども、今度の場合、新聞によりますと、こういうのが出ています。「治安出動の議論も」ということで、「防衛庁・自衛隊は二十二日、オウム真理教施設に対する家宅捜索に関連し、警察庁の要請などに基づき」「部隊への非常呼集」、それから「ヘリコプターを三十分以内に離陸できるよう待機。それから「化学防護隊に待機」、「航空隊に待機」というふうなことで要請をしたということが新聞では報道されています。
 そこで、一つは、どういう要請をしたのかということと、二つ目に、どういう協力を得られたのかということについて、お聞きしたいと思います。
#71
○垣見政府委員 お答えをいたします。
 今回の上九一色村等の捜索に当たりましては防衛庁から支援をいただいておりますが、主として装備品の貸し出し、またその着用等についての指導が主体でございます。この要請は、官庁間協力の一環として支援を要請したものでございます。
#72
○穀田委員 というと、装備品を中心としたもの、官庁間協力だ、要するに協力の内容はそうだということだと。
 つまり、私が聞きたかったのは、この場合のそういう待機というのは、その待機も含めて要請したのですか。つまり、普通、待機というのはいろいろなのがありますね。だから、そういうことになったのかどうかということを聞きたかったわけです。結果としてそうなったのか、そういう要望をしたのかということなんですね。
#73
○垣見政府委員 お答えをいたします。
 待機というか、一部部隊等が待機をしたという報道等もなされておりますけれども、その待機に当たっては、私どもとしては、正式な要請というか、あるいは場合によっては都道府県知事さんの要請という想定も考えておりましたけれども、そういうようないろいろな事態が考えられるので、できれば、いざ要請があった場合には対応できるような状態で、待機というか措置をしていただきたいということを、私どもの方から要請をいたしております。
#74
○穀田委員 わかりました。
 では最後に、新聞報道によりますと、先ほどもお話ありましたけれども、また刑事局長もお認めになりましたけれども、十七日に既に、毒物、そういうものに対する予防策に対して必要な物資だとかというものをお願いしているのですね。そうしますと、この時点で捜索の場が、先ほど明確でなかったものですから、サリンの製造工場として可能性がある、そういう感触をつかんだということですか。そこだけちょっと、最後にお願いします。
#75
○垣見政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、今回の捜索に当たりましては、捜索場所自体が、サリンが生成されたと思われる残渣物が発見をされた場所の直近に施設があるというか、その施設の直近にそういう事態が生じたというか、言い方はいろいろあろうと思いますけれども、そういうことで、この捜索に際して、サリンによる突発的な事案というものの発生ということも念頭に入れて捜索せざるを得ないという判断で、防護服等の用意もいたしたものでございます。
#76
○穀田委員 終わります。
#77
○川崎委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#78
○川崎委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 地方税法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#79
○川崎委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○川崎委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#81
○川崎委員長 次に、内閣提出、古物営業法の一部を改正する法律案及び地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。野中国務大臣。
    ―――――――――――――
 古物営業法の一部を改正する法律案
 地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律
  案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#82
○野中国務大臣 ただいま議題となりました古物営業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
 この法律案は、近年における窃盗等の財産犯の発生状況及び古物営業に係る業務の運営の実態の変化を踏まえ、並びに現下における規制緩和の要請にこたえるため、公安委員会の許可を必要とする営業の範囲を見直す等古物営業の許可に関する規定の整備を行うとともに、取引の記録について帳簿への記載に加えて電磁的方法による記録を認めるなど古物営業に係る業務についての規制の簡素合理化を図るほか、窃盗等の財産犯の防止及びその被害の迅速な回復を図るため必要な規定の整備等を行うことをその内容としております。
 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
 まず第一に、目的に関する規定の整備についてであります。
 これは、この法律の目的を、盗品等の売買の防止及びその速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もって窃盗等の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することとするものであります。
 第二に、定義に関する規定の整備についてであります。
 その一は、近時、窃盗等の被害に遭った商品券、乗車券、郵便切手等が換金処分されるケースが増大していることにかんがみ、公安委員会の許可を必要とする営業にこれらの証票等に係るものを加えるため、商品券等の一定の証票のうち使用のために取引されたもの等を本法の対象となる物品とするものであります。
 その二は、例えば大型の船舶のように、窃盗等の被害に遭い換金処分される蓋然性に乏しく、また、現実にもそのようなケースのないものを本法の対象となる物品から除外するものであります。
 その三は、古物の買い取りは行わず、古物の売却だけを行う営業または自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行う営業は、盗品等を取り扱う蓋然性に乏しいことを考慮し、古物営業に含まれないこととするものであります。
 第三に、古物営業の許可等に関する規定の整備についてであります。
 その一は、複数の営業所等を有する古物商等が増加していることにかんがみ、古物営業の許可は、同一都道府県内については、営業所等ごとに取得しなくてもよいこととするものであります。
 その二は、許可の基準、許可の手続等に関する規定の整備についてであります。
 これは、許可の基準及び許可の取り消しに関する規定等を整備するほか、手続の簡素化を図るための措置として、営業内容の変更に係る許可制度を廃止し、届け出で足りることとし、また、二以上の公安委員会の管轄区域内に営業所を有する古物商等に係る法人の役員の変更等については、そのいずれか一の公安委員会に対する届け出で足りることとするものであります。
 第四に、競り売り及び行商に係る許可制度の廃止についてであります。
 競り売り及び行商のうち、競り売りについては、許可制度を届け出制度に、行商については、許可制度を廃止するとともに、行商をしようとする者は、古物商の許可証等を携帯していれば足りることとするものであります。
 第五に、管理者に関する規定の整備についてであります。
 古物商及び古物市場主は、営業所または古物市場ごとに、管理者を選任しなければならないこととするとともに、管理者の解任の勧告に関する規定等を整備するものであります。
 第六に、氏名の確認等及び帳簿への記載等に関する規制の緩和についてであります。
 その一は、古物商が古物の買い受けを行う際の義務につき、相手方の氏名等を確認する方法のほか、相手方が署名した文書を受領する方法も認めることとするとともに、少額の取引をする場合及び自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける場合については、この義務を免除するものであります。
 その二は、古物商が古物の売買等を行う際の義務につき、帳簿へ記載する方法のほか、帳簿に準ずる書類へ記載する方法または電磁的方法により記録する方法も認めることとするとともに、売却等の際の帳簿等への記載等の義務については、特にその必要のある古物に限ることとするものであります。
 第七に、行政処分に関する規定の整備についてであります。
 これは、軽微な法令違反行為については、営業の停止命令等に至る前に指示を行うこととするとともに、古物営業の許可を取り消し、または古物営業の停止を命じることができる場合の要件を整備する等、所要の規定の整備を行うものであります。
 第八に、盗品等に関する情報の提供に関する規定の整備についてであります。
 これは、公安委員会は、盗品等の売買の防止等に資するため、盗品等に関する情報の提供を求める者に対し、情報の提供を行うことができることとするものであります。
 その他、この法律案では、手数料に関する規定の整備、罰則の整備等所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、所要の経過措置等を設けることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概略であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
 引き続いて、ただいま議題となりました地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及びその概要を御説明申し上げます。
 政府は、国家公務員の災害補償制度につきまして、人事院の意見の申し出を受けて、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしておりますが、地方公務員の災害補償制度につきまして、これと同様の制度改正を行うなど、所要の措置を講ずる必要があります。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、地方公務員災害補償法の一部改正について御説明申し上げます。
 第一に、介護補償の創設であります。
 傷病補償年金または障害補償年金を受ける権利を有する者で、一定の支給事由により常時または随時介護を要するものに対して、当該介護を受けている期間、介護に要する費用を補償することとしております。
 第二に、遺族補償年金の支給水準の改善であります。
 遺族補償年金を受けることができる子、孫または兄弟姉妹の範囲を、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者とするとともに、遺族補償年金の最高額である平均給与額の二百四十五日分を受ける場合の遺族数が「五人以上」となっておりますものを、遺族数が四人の場合にもこの年金の最高額に該当するようにし、遺族数が二人及び三人の場合についても年金の支給額を引き上げることとしております。
 第三に、年金たる補償の支給期月の改善でありますが、現在年四回の支払いとなっている年金たる補償について、年六回支払うように改めることとしております。
 第四に、福祉施設の内容の改善等であります。
 「福祉施設」という名称を「福祉事業」に改め、福祉事業の内容に、被災職員が受ける介護の援護及び公務上の災害を防止するために必要な事業を加えることとしております。
 第五に、罰金額及び過料額の適正化でありますが、経済情勢の変化等を勘案し、所要の引き上げを行うこととしております。
 次に、消防団員等公務災害補償等共済基金法等の一部改正についてでありますが、地方公務員災害補償法の一部改正に合わせまして、「消防団員等福祉施設」という名称を「消防団員等福祉事業」に改め、消防団員等福祉事業の内容に被災団員が受ける介護の援護を加えるとともに、消防団員等公務災害補償等共済基金が市町村等に支払う経費の対象に介護補償を加えることとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決賜りますようお願いを申し上げます。
#83
○川崎委員長 以上で両案の趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る四月十一日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本円は、これにて散会いたします。
    午後零時五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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