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1995/01/20 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第1号
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1995/01/20 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第1号

#1
第132回国会 本会議 第1号
平成七年一月二十日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程第一号
  平成七年一月二十日
    午前十時開議
 第一 議席の指定
 第二 常任委員長の選挙
    …………………………………
  一 国務大臣の演説
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 議席の指定
 地方行政、外務、大蔵、逓信、労働、建設、科
  学技術、環境及び決算の各常任委員長辞任の
  件
 地方行政委員長外八常任委員長の選挙
 災害対策を樹立するため委員四十人よりなる災
  害対策特別委員会、公職選挙法改正に関する
  調査を行うため委員二十五人よりなる公職選
  挙法改正に関する調査特別委員会、石炭に関
  する対策を樹立するため委員二十五人よりな
  る石炭対策特別委員会、物価問題等国民の消
  費生活に関する対策を樹立するため委員二十
  五人よりなる消費者問題等に関する特別委員
  会、交通安全に関する総合対策樹立のため委
  員二十五人よりなる交通安全対策特別委員会
  及び沖縄及び北方問題に関する対策樹立のだ
  め委員二十五人よりなる沖縄及び北方問題に
  関する特別委員会を設置するの件(議長発議
  )
 国会等の移転に関する調査を行うため委員二十
  五人よりなる国会等の移転に関する特別委員
  会、地方分権の推進に関する調査を行うため
  委員二十五人よりなる地方分権に関する特別
  委員会及び規制緩和に関する調査を行うため
  委員二十五人よりなる規制緩和に関する特別
  委員会を設置するの件(議長発議)
 小澤国務大臣の平成七年兵庫県南部地震災害に
  関する報告及び質疑
 村山内閣総理大臣の施政方針に関する演説
 河野外務大臣の外交に関する演説
 武村大蔵大臣の財政に関する演説
 高村国務大臣の経済に関する演説
    午前十一時五分開議
#2
○議長(土井たか子君) 皆さん、第百三十二回国会は本日をもって召集されました。
 これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 議席の指定
#3
○議長(土井たか子君) 日程第一、議席の指定を行います。
 衆議院規則第十四条によりまして、皆さんの議席は、議長において、ただいまの仮議席のとおりに指定いたします。
     ――――◇―――――
 常任委員長辞任の件
#4
○議長(土井たか子君) 常任委員長辞任の件につきお諮りいたします。
 地方行政委員長粟屋敏信さん、外務委員長菅直人さん、大蔵委員長官地正介さん、逓信委員長高橋一郎さん、労働委員長松岡溝壽男さん、建設委員長鳥居一雄さん、科学技術委員長官里松正さん、環境委員長持永和見さん及び決算委員長虎島和夫さんから、それぞれ常任委員長を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
 常任委員長の選挙
#6
○議長(土井たか子君) つきましては、地方行政委員長外人常任委員長の選挙を行うのでありますが、既に安全保障委員長が欠員となっておりますので、この際、地方行政委員長外八常任委員長の選挙を行います。
#7
○山本有二君 各常任委員長の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されることを望みます。
#8
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 議長は、各常任委員長を指名いたします。
       地方行政委員長 川崎 二郎さん
           〔拍手〕
         外務委員長 三原 朝彦さん
           〔拍手〕
         大蔵委員長 尾身 幸次さん
           〔拍手〕
         逓信委員長 自見庄三郎さん
           〔拍手〕
         労働委員長 笹山 登生さん
           〔拍手〕
         建設委員長 遠藤 和良さん
           〔拍手〕
       安全保障委員長 神田  厚さん
           〔拍手〕
       科学技術委員長 野呂 昭彦さん
           〔拍手〕
         環境委員長 阿部 昭吾さん
           〔拍手〕
         決算委員長 石井  一さん
           〔拍手〕
     ――――◇―――――
 特別委員会設置の件
#10
○議長(土井たか子君) 特別委員会の設置につきお諮りいたします。
 災害対策を樹立するため委員四十人よりなる災害対策特別委員会
 公職選挙法改正に関する調査を行うため委員二十五人よりなる公職選挙法改正に関する調査特別委員会
 石炭に関する対策を樹立するため委員二十五人よりなる石炭対策特別委員会
 物価問題等国民の消費生活に関する対策を樹立するため委員二十五人よりなる消費者問題等に関する特別委員会
 交通安全に関する総合対策樹立のため委員二十五人よりなる交通安全対策特別委員会及び
 沖縄及び北方問題に関する対策樹立のため委員二十五人よりなる沖縄及び北方問題に関する特別委員会を設置いたしたいと存じます。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。
 次に、
 国会等の移転に関する調査を行うため委員二十五人よりなる国会等の移転に関する特別委員会
 地方分権の推進に関する調査を行うため委員二十五人よりなる地方分権に関する特別委員会及び
 規制緩和に関する調査を行うため委員二十五人よりなる規制緩和に関する特別委員会を設置いたしたいと存じます。これに賛成の皆さんの起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#12
○議長(土井たか子君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。
 ただいま議決されました九特別委員会の委員は追って指名いたします。
     ――――◇―――――
#13
○議長(土井たか子君) このたびの兵庫県南部地震により、幾多のとうとい生命が失われ、甚大な被害がもたらされましたことはまことに痛恨にたえません。犠牲となられた方々とその御遺族に対しまして、衷心より哀悼の意を表します。負傷された方々を初め避難生活を余儀なくされている方々に心からお見舞い申し上げます。
 ここに、犠牲者の御冥福を祈り、黙祷をささげたいと存じます。――黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
#14
○議長(土井たか子君) 御着席ください。
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(平成七年兵庫県南部地震災
  害に関する報告)
#15
○議長(土井たか子君) 小澤国務大臣から、平成七年兵庫県南部地震災害に関する報告のため、発言を求められております。これを許します。国務大臣小澤潔さん。
    〔国務大臣小澤潔君登壇〕
#16
○国務大臣(小澤潔君) 私は、政府を代表いたしまして、平成七年兵庫県南部地震災害について、その状況を御報告申し上げます。
 まず、今回の地震災害による多数の犠牲者の方々に心より哀悼の意を表しますとともに、御家族や友人を亡くされた方々、火災や倒壊により住宅を失われ、避難生活を送られている方々に対しまして、心からお見舞いを申し上げる次第であります。被災者の方々に対しましても、お見舞いを申し上げる次第であります。
 加えて、災害発生以来多くの国民の皆様から地元に対して寄せられた多大な御支援、御協力に心から感謝の意を表するものであります。
 次に、今回の地震災害による被害の状況について申し上げます。
 去る一月十七日午前五時四十六分ごろ、淡路島を震源とするマグニチュード七・二の兵庫県南部地震が発生いたしました。この地震による被害は極めて甚大であり、社会的・経済的影響も大きいことにかんがみ、非常災害対策に万全を期するため、中央防災会議の答申を受けて、去る十七日の閣議において非常災害対策本部を設置したところであります。
 二十日午前七時三十分現在、被害は、死者四千四十六人、行方不明者七百二十七人、負傷者二万一千百十六人、住家の全半壊三万四千百四十四棟に及んでいるほか、火災が四百十八件発生、鉄道・交通関係では、新幹線が高架橋の落下により一部不通、阪神高速道路が倒壊により一部不通といった被害が生じ、電気、ガス、水道等のライフライン関係では、多数の世帯で断水、停電等が続いております。また、なお約二十万人を超える方々が避難生活を余儀なくされております。
 政府といたしましては、発災後直ちに非常災害対策本部第一回本部会議を開催して、余震に対する厳重な警戒、被害状況の的確な把握、行方不明者の捜索、救出、被災者に対する適切な救済措置、火災に対する早期消火、道路、鉄道、ライフライン施設等被災施設の早期復興について、当面重点的に実施する事項として決定し、直ちに実施に移したところであります。
 さらに、被害状況を的確に把握するため、国土庁長官を団長とする政府調査団を第一回本部会議終了後直ちに被災地に派遣いたしました。政府調査団は、今回の震災により甚大な被害のあった神戸市、淡路島などを調査し、寸断している阪神高速道路、ビルや民家の倒壊現場などを調査し、また、被災住民の避難場所を訪れ、被災者の方々の生の声に耳を傾けて、各種要望を承ったところであります。
 政府調査団の帰京を待って、十八日午後六時三十分から首相官邸において閣僚会議が開催されました。私から政府調査団の結果を報告するとともに、村山総理も政府全体の動きに特に意を払っておられることから、
 被災者の救援や消防活動等に総力を挙げて取り組むこと、
 医療物資、医師、看護婦等の応援体制の確保について万全を期すこと、
 非常食料や飲料水等の供給及びその輸送手段の確保、
 非常用物資の供給のための迂回路の緊急確保、道路復旧の早急な実施、
 電気、ガス、電話等のライフラインの復旧に全力を挙げること、
 被災者の方々の当面必要な緊急融資等及び応急仮設住宅の適切な供給など、特に緊急に必要な事項について対策に万全を期すよう指示があったところであります。
 政府調査団の調査結果及び閣僚会議での議論を踏まえ、十八日午後八時より非常災害対策本部第二回本部会議を開催いたしました。
 同会議においては、第一回本部会議での決定事項等を引き続き実施することのほか、当面重点的に実施すべき事項として十七項目を決定し、直ちに実施に移したところであります。
 これらのうち主要なものを申し上げますと、
 住民に対する危険防止及び生活援護に関する情報の周知を図ること、
 被災者に対する適切な医療救護体制の確保に努めること、
 飲料水、食料及び生活必需品の物資の確保とその供給体制の整備に努めること、
 道路、鉄道、港湾等の被災施設の早期復旧を図ること。特に、緊急輸送路の確保、航空機による代替輸送の拡充に全力を傾注することなどであります。
 さらに、村山総理が昨日被災地を視察いたしましたが、総理の帰京後、政府として一体的かつ総合的な対策を講ずるため、内閣に総理大臣を本部長とする兵庫県南部地震緊急対策本部を設置し、昨日午後八時から全閣僚による当面の対策を協議したところであります。この中では、特に国の総合的な対策を速やかに効果的に実施するため、現地対策本部の設置を進めることといたしました。
 政府といたしましては、今後とも、関係省庁が一体となって、兵庫県、神戸市など関係被災自治体などと緊密に連携しながら、各種の対策を総合的かつ迅速に推進するとともに、事態の推移に応じ適切な措置を講じてまいる所存であります。
 また、昨年以来、北海道東方沖地震災害、三陸はるか沖地震など大規模地震が相次いでいることにかんがみ、地震予知・観測体制の一層の充実にも取り組んでまいることといたしております。
 以上、兵庫県南部地震災害に関し、その被害の状況と政府の対策について御報告申し上げた次第であります。
 我が国はその自然条件から災害を受けやすく、災害から国土を保全し、国民の生命、身体及び財産を守ることは国政の基本であります。政府といたしましても、全力を傾注し災害対策の推進に取り組んでまいる決意であり、国民及び議員各位の御理解、御協力をこの機会に改めてお願い申し上げる次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(平成七年兵庫県南部地震災
  害に関する報告)に対する質疑
#17
○議長(土井たか子君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。二階俊博さん。
    〔二階俊博君登壇〕
#18
○二階俊博君 私は、去る一月十七日未明、兵庫県南部を襲った地震による大災害について、新進党を代表して、総理及び関係閣僚に質問をいたします。
 質問に入る前に、このたびの地震災害により、まことに残念なことでありますが、とうとい生命を失われた四千名を超える皆様のみたまに謹んで哀悼の意を表するとともに、被災者の皆様に対し、心からのお見舞いと深く御同情を申し上げるものであります。
 今回の地震は、ある意味では関東大震災を超える規模の大災害となりました。これが対策に、政府も、兵庫県及び神戸市を初め各地方公共団体、ざらに民間の皆様も大いに努力をしているところであり、私たち新進党としましても、災害復旧に対し、直ちに海部党首を本部長とする兵庫県南部地震対策本部を十七日の九時三十分に設置するとともに、海部本部長を中心に直ちに調査団を派遣し、明日の内閣において国土・交通政策を担当する私自身も二度にわたって現地を踏査してまいりました。この際、私たち新進党としては全力を挙げて政府に協力し、一刻も早く事態の解決に、復興に力を合わせて取り組むべきだと考えております。(拍手)
 最初にお尋ねしますが、国家の最高責任者である村山総理は、十七日の午前五時四十六分ごろ兵庫県南部で発生した震災をいつごろ、どこで、だれから報告を受けられ、どのような対策を指示されたのかをお伺いいたします。なお、災害発生当日の総理御自身の御日程についても明らかにしていただきたいのであります。
 この際、この最初の総理への報告内容がいかなるものであったのかが重大な問題であります。当初これほど大きな災害に及ぶという認識に欠けていたのではないかとの疑問を抱くものでありますが、このように前代未聞の大災害に対し総理みずからが先頭に立つということで、今からでも非常災害対策本部を直ちに緊急災害対策本部に格上げし、みずからが総理として全責任を担い、今日までの災害対策のおくれを早急に回復すべきであります。
 昨日、総理は現地をごらんになり、緊急対策本部と、極めて紛らわしい名称の本部を設置されたようでありますが、私たちや現地の被災者の皆さんの要望は、災害対策基本法百五条に基づいた各種の強制的な規制などの総理の権限を広く認める、しかも効力のある緊急災害対策本部の設置を強く望むものであります。
 この設置に必要な災害緊急事態とは、「国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚な」非常災害とありますが、現に四千名以上の死者を出し、災害復旧への道筋もいまだ全く明らかでないこの大惨事に対する認識や対応において、今また誤りを繰り返してはならないのであります。この際は、官僚の判断だけではなく、総理としての政治判断、政治決断を強く要求するとともに、対策が後手後手にならないよう首相の指導力が問われているということをぜひ御認識をいただきたいのであります。(拍手)総理の現地に赴かれた御感想と決意のほどを改めて伺いたいのであります。
 災害発生時の事態の掌握のおくれが自衛隊の出動に大きな影響を及ぼしていると考えますが、県からの要請があろうがなかろうが、国土と国民の安全を守る崇高な任務を持つ自衛隊の出動について、タイミングや規模等について判断に重大な誤りがなかったのか、大いに反省の必要があります。
 と申し上げるのは、生き埋めの人が二百名ばかりおるので直ちに自衛隊の出動をという新進党の国会議員の要請に対し、地震当日の朝、大阪で実際の地震を体験した私自身は、明日の内閣の西岡武夫総合調整担当にお願いをして、防衛庁幹部に、事の重大性、当時の情報として二百名を超える生き埋めの生存者のことを伝えていただきました。しかし、残念ながら、この段階においては防衛庁幹部はこの事態を承知していなかったという重大な事実があるからであります。
 自衛隊の最高指揮官としての村山総理は、救援の初動活動において、人命救助最優先の立場からもう少し積極的なしかも迅速な指揮がとれなかったのか、悔やまれてならないのであります。(拍手)政治責任もあわせて、この際、総理の御見解を伺いたいのであります。
 高秀横浜市長は、「国から各自治体への指示は一切なく、神戸市から直接要請を受けた。被害の拡大は、国の指揮機能がないところに原因がある。自衛隊派遣も遅く、行方不明や大災害が放置されるなど、中央政府としては絶望的な対応、憤りさえ感じる」と、大都市の首長の立場から政府の危機管理体制の不備を指摘しておられますが、国民のだれもが同じ思いであります。村山総理はこれらの声をどのように受けとめ、みずからの責任の重大さをいかに感じておられるか、重ねてお尋ねをいたします。
 私は、新進党の調査団に参加し、被害地の状況をつぶさに調査し、さらに、貝原兵庫県知事や笹山神戸市長にもお目にかかりましたが、今私どもがなすべき最も重要なことは、行方不明の方々の早期救出であり、また、救出者の治療のための医師及び看護婦等の整備であります。なお今日現在避難をしておられる二十七万人を超える人々の日常の生活を守ることであり、それは水であり食事であり、この寒さをしのぐための毛布等の充足を急ぐことであります。
 やがて、悲しいことでありますが、不幸にして犠牲となられた多数の方々の葬儀についても、極めて深刻な問題であります。手厚い配慮が望まれるのであります。
 次に重要なことは、被災者の方々に対する一日も早いプライバシーの回復のための応急仮設住宅の確保であります。政府関係者はこのことに全力を尽くしていただいておりますが、なお一層の努力を切望するものであります。
 また、現在住宅ローンの支払いの最中に家屋が倒壊した人たちが崩れ落ちた家の前に茫然と立ち尽くしている姿を思うとき、これらの人々が新たな住居を求めるに際し、国は被災者の立場に立っての適切な対応をなすべきであります。ローンの支払い減免、支払い延期を含め、住宅再建に積極的に力をかすべきであります。
 応急仮設住宅が全国のプレハブ業者を総動員してでき上がるまでの間、周辺府県の民間住宅はもとより、客船の借り上げ等も含め、さらに応急、緊急の対応を求めるものであります。
 「人にやさしい内閣」が単なる看板であったのか。真に日本国民の琴線に触れるような温かい配慮を国を挙げて今求めているのであります。生活道路、一般道路及び高速道路の早期復旧や、住宅、道路等の耐震性についての専門家による再検討をも含め、建設大臣の見解を伺うものであります。
 次に、神戸港の機能回復についてでありますが、世界貿易の重要な拠点である神戸港の復旧は我が国の国際的信用にもかかわることであり、市民生活にも多大の影響を与えることになります。緊急な復旧が重要であります。また、新幹線を初め、私鉄を含む鉄道機能の回復は急務であります。総理としてこれらに対してどのような決意を持って取り組まれるのか、御方針をお伺いしたいのであります。
 次に、都市直下型地震の特殊性と激甚性にかんがみ、現行制度で可能な限り対策を講ずることは極めて当然のことであります。しかし、新進党としては、既存の法制度の枠内で対処が困難なもの、現行制度に加えさらに手厚い対策を緊急に必要とするものについて、特別な立法も行うべしと考えております。政府としていかに対処しようとしておられるのか、国土庁長官の御見解を伺いたいのであります。
 なお、被害総額が、民間経済研究所等で四兆円ないし八兆円と言われていますが、政府はどのように認識しておられるのか、あわせて御答弁をお願いしたいのであります。
 先ほどの御報告にもございましたが、地震予知についても万全の体制が必要であります。担当大臣としての決意のほどを重ねてお尋ね申し上げたいのであります。
 次に、総理にお伺いをいたします。
 今回の地震で、通信機能の麻痺について多くの国民の皆さんがかなりいらいらしており、通信によって安否が確かめさえできれば、直ちにあの混雑の道路に車を乗り入れる必要もない人もおられます。通信機能を初め、ガス、水道、電気等のライフラインの回復に全力を注ぐべきであります。
 なお、救護物資の輸送や救急車に加え、一般の車が重なって、伊丹空港から神戸市までの間がほとんど身動きができなくなっていた実情から判断して、車の乗り入れの制限等が早い時期になされるべきであるという声がしきりであります。これについても、当然早い段階に指導がなされるべきであります。
 消防自動車等が全国各地から応援に駆けつけていただいており、必死の消火作業が続いておりますが、火事がなかなか消えない、消せない。このことは私自身も、何とかならないのか、いら立ちを覚えたものであります。極端に申し上げますと、火事が鎮火したのではなく、まさに燃え尽きて焼け野原と化してしまっているのであります。総理もヘリコプターの上から昨日もこのことはごらんになったはずであります。かつて我が国にはどこの町にもどこの家にも防火用水なるものがありましたが、水道に頼り切っている消火体制も今真剣に見直す必要があるのではありませんか。
 また、神戸市長が、市独自でやれる対策もある、ぜひこの際特別交付税で国の財政上の支援を要請したいとのことであります。当然のことであり、特別の配慮を強く望むものであります。総理の答弁を求めます。
 激甚災害の指定についてもどのように考えておられるのか、御方針を伺いたいのであります。
 以上のような対策を講じていく上で、財源の問題が重要でありますが、補正予算の早期提出と年度内成立に向けて一層の努力を願いたいのでありますが、大蔵大臣の方針を伺いたいと思っております。
 歴史に学ぶということは常に大切でありますが、昨年一月十七日のアメリカ・ロサンゼルスの地震災害、昨年の三陸はるか沖地震等の教訓は、ここではほとんど生かされていないのではないかという危惧を抱くものであります。
 三陸はるか沖地震の際も、新進党は十二月二十九日直ちに対策本部を設置し、命を受けて私は八戸市に向かい、翌日三十日に第二回対策会議を開き、七項目にわたる要望を政府に申し入れました。総理、このことを御存じですか。御用納めの終わった後でもありますから、官邸にも主な富片にも幹部の姿はほとんど見当たりませんでした。それでも、国家の危機管理についておろそかにしてはならないということを私たちは政府に申し入れました。
 もちろん、総理も官房長官も国土庁長官も御不在の際に、三陸はるか沖の地震災害が発生いたしました。一月九日ごろになって、ようやく各省担当者も出そろってまいりましたので、明日の内閣において、十七省庁の担当者を前に、再度、国家の危機管理のあり方について法的措置を含め検討の必要がありということの警告を発したわけであります。それから十日もたたないうちに再び大災害に見舞われ、自衛隊の出動についても今議論を呼んでいるところであります。
 我が党としては、この際、国家の危機管理対策や、今回の災害の早期復旧に関する国会決議を提案させていただきますが、各党党首も壇上におそろいでありますが、特に議員各位の御協力をお願い申し上げます。(拍手)
 平和な日本、経済大国日本は、このような巨大地震災害の前に、都市基盤を含め、残念ながらいかに脆弱なものであるかを露呈いたしました。国家の危機管理についてもほとんど無防備の状態であり、責任者不在のような姿は大いに反省するとともに、復興に全力を尽くすと同時に、政府は日本経済の世界に及ぼす影響等にも配慮しながら対策を講じられるよう強く要請し、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#19
○内閣総理大臣(村山富市君) まず、未曾有の惨事となりましたこのたびの兵庫県南部地震による災害に対して、亡くなられた方々や遺族の方々に謹んで心から哀悼の意を表したいと思いまするし、同時にまた、被災をされて今なお避難生活を余儀なくされておりまする多くの方々に対して、心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
 第一の質問は、今回の地震災害に関しまして、何時何分にだれから連絡を受け、対策についてどのような指示を行ったのかという御質問でありますが、私は、この地震災害の発生直後の午前六時過ぎのテレビでまず第一に知りました。直ちに秘書官に連絡をいたしまして国土庁等からの情報収集を命じながら、午前七時三十分ごろには第一回目の報告がございまして、甚大な被害に大きく発展をする可能性があるということを承りました。
 この報告を受けまして、さらにその被害状況の的確な把握をして連絡をしてほしいということを要請するとともに、何よりも人命救助を最優先に取り組んでくれ、同時に、火災も起こっておりますから、消火に全力を尽くせということも指示をいたしたところでございます。午前十時からの閣議におきまして非常災害対策本部を設置いたしまして、政府調査団の派遣を決めるなど、万全の対応をとってきたつもりでございます。
 さらに、緊急災害対策本部を設置すべきではないかという質問でありますが、今回の地震災害に対しましては、政府としていち早く非常災害対策本部を設置いたしまして対策に万全を期してきたつもりでありますが、緊急に政府として一体的かつ総合的な対策を講ずるために、昨日、私も、お話がございましたように現地に参りまして、つぶさに現状の把握をし、同時に、被災者の方々からもいろいろな要望を聞いてまいりましたが、私を本部長とする兵庫県南部地震緊急対策本部を設置したところでございます。
 なお、災害対策基本法に基づく緊急災害対策本部の設置につきましては、今後の事態に対応できるように、緊急に判断をしながら措置をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 次に、政府の危機管理体制についての御質問でありますが、災害発生時におきましては、関係機関に対する迅速かつ的確な指示が実施できるよう政府の防災体制をとっているところでございまして、自衛隊等の対応につきましても、発生後直ちに伊丹で第三六普通科連隊が災害派遣を実施してきたところでございます。
 また、災害対策を円滑に実施するため、地方公共団体に対しましても必要な指示や要請を行ってきたところでございます。
 しかし、今から振り返って考えてみますると、何分初めての経験でもございますし、早朝の出来事でもございますから、幾多の混乱があったと思われまするけれども、いずれにいたしましても、防災上の危機管理体制の充実は極めて重要な課題であると認識をしておりまして、今回の経験にかんがみながら、今後見直すべき点は見直すこととして、危機管理体制の強化に努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、神戸港の復旧についてのお尋ねでありますが、御指摘のとおり、神戸港は我が国の国際海上コンテナ貨物の三割を取り扱う国際貿易の重要拠点でございます。また、被災者への救援物資の海上からの運搬の拠点として極めて重要な役割を果たすべきものでございます。したがって、その一日も早い機能回復を期さなければならないのは当然でございます。
 当面は使用可能な桟橋をフルに稼働させるべく、地元自治体と協力をしながら全力を挙げておりますが、被災している施設は、公共埠頭、コンテナ埠頭、フェリー埠頭等、多岐にわたっております。これらの施設の重要性にかんがみまして、政府としても復旧のための抜本的な対策に全力を挙げて取り組んでいることを申し上げておきたいと思います。
 次に、危機管理体制の法的整備を早急に行うべきではないかとの御質問でありますが、災害発生等による緊急事態が発生した場合には、政府は一体となってこれに対処することといたしております。このため、関係機関に対し迅速かつ的確な指示が行えるよう、関係機関から私に所要の報告が行われることとなっております。その上で、関係法規に基づく措置を講じ、必要に応じて対策本部を設置するなど、危機回避のための対処をしてまいりました。
 激甚災害の指定につきましては、本日の閣議で決定を見たところでございます。
 具体的に指摘されておりまする事例等につきましては、緊急時の被災地との通信確保のための回線増設、通信衛星の活用、自衛隊法、災害対策基本法、道路交通法や電気通信事業法等の適切な運用などによって対処をしてまいりたいと考えておりますが、もとより危機の態様は多種多様でございまするし、今後は、現行の制度の対応が十分かどうか常に念頭に置きながら対応し、今回の経験にかんがみながら、見直すべき点は見直しながら危機管理体制に万全を期してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、生活の立ち直りのための災害救援基金の法制化についての御質問でありますが、現在、被災者に対する生活の立ち直りのため、各種災害関係融資措置の実施や生活関連施設の復旧など、現行制度を最大限に活用して対処しているところでございますが、未曾有の大規模な災害となったことから、現行の制度での対応が十分かどうか常に念頭に置きつつ、適切に対処してまいりたいと考えております。
 以下の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣小澤潔君登壇〕
#20
○国務大臣(小澤潔君) お答えを申し上げます。
 質問は二点ございました。
 既存法制度の枠内では対処困難なもの、現行制度に加えさらに手厚い対策を要するものについては特別な立法を行うべきとの御質問が第一点であります。
 政府は一丸となって、災害対策基本法に基づきまして対策に万全を尽くしているところでありますが、兵庫県南部地震による被害の甚大性にかんがみ、施策によっては以前の制度や枠組みにとらわれない弾力的な対応が必要になる場合もあると考えております。
 また、第二点目におきましては、地震予知体制の確立についてでございます。
 地震予知については、東海地震を除いて、現状では大変難しい状況にあります。しかしながら、地震災害の防止、軽減を図る上で、地震予知の推進は重要な課題の一つであると認識しており、関係機関が連携し、地震観測体制の整備、地震予知の実用化のための観測研究を推進いたしておるところであります。今般め兵庫県南部地震を初め、最近我が国において大規模地震災害が発生していることにかんがみ、国土庁といたしましても、関係省庁と連携をとりつつ、観測・監視体制の充実について検討を進めてまいる所存であります。(拍手)
    〔国務大臣野坂浩賢君登壇〕
#21
○国務大臣(野坂浩賢君) 二階議員にお答えをいたします。
 今総理がお答えいたしましたように、今回の大地震、大災害につきまして、お亡くなりになった方々に対して心から弔意をあらわし、そして、多くの被災者の皆さん方が整然として、パニックも起きるような状況でございますのに、自重自戒をしながら整々と活動されておることについて心から敬意を払い、感謝を申し上げておる次第でございます。
 多くの被災者の皆さんが避難所等で不便な生活を強いられており、応急住宅の迅速な確保が必要であるという御指摘、まさにそのとおりだと考えております。
 このために、私どもは、応急仮設住宅については、兵庫県知事ともあるいは神戸市長とも十分な連絡をとりまして、当面五千戸を供給するというお話し合いになりましたので、建設省としても、十七日に業界の幹部の諸君を全員集めてこの対応をしておりましたので、きょうから直ちにこの支援活動に入り、仮設住宅を建設する、こういう体制にいたしております。その場所等につきましては、それぞれ資料をいただいておりますが、公団の土地もございますのでそれらの提供を申し出ておるところでございます。したがいまして、迅速な建設を促進することができる、こういうふうに考えておるところでございます。
 さらに、既存の公営住宅あるいは公団住宅の空き家の活用をしなきゃならぬ。隣県の皆さん方にも十分に調査をいたしまして、五千百戸を今確保しておるところでございまして、既に昨日から一部は公団住宅あるいは公営住宅に入居されつつあるということも御報告を申し上げておきたいと思うのであります。
 今後とも被災者に対する応急住宅の確保を積極的に推進してまいりたい、このように考えております。
 次に、付言して、道路の交通の問題についてお尋ねがございました。
 我々としては、御指摘がありましたように極めて限定されておりますので、緊急輸送を確保するための道路の応急復旧については、地震発生直後、高速自動車国道、阪神高速道路、直轄国道で二十七路線三十六区間あった交通どめの区間のうち、現在までに十九路線二十五区間の交通確保を図ったところであります。残りの八路線十一区間については、引き続き現在復旧作業に邁進しておるところでございます。
 特に、概括的に申し上げてもなかなかわかりにくいと思いますので、緊急輸送ルートを確保しておるところの内容については、名神高速の京都南から吹田、あるいは近畿自動車道の吹田から東大阪、阪神高速道路の東大阪線、神戸線大阪府域でございます。西側につきましては、山陽自動車道の備前から姫路東、国道二号線。北側からは舞鶴自動車道の福知山―吉川線、中国自動車道は津山から三田、こういう緊急輸送ルートを応急復旧いたしましたので、これらについての対策を今具体的に進めておるところでございます。
 なお、救援物資その他につきましては、全国各地から救援物資が続々と参っておりますので、今回一カ月間はこの公共料金はいただかない、こういうことに決定をいたしたところでございます。したがいまして、引き続き御指摘のように十分な対応ができますように、建設省としては全精力を傾注して皆さん方の御期待に沿う決意でございますので、御答弁といたします。(拍手)
    〔国務大臣武村正義君登壇〕
#22
○国務大臣(武村正義君) 今回の地震対策につきましては、関係省庁において既に次々と緊急対策を講じていただいておりますが、財政当局としましても、これらの措置に支障がないよう、補正予算を含め必要な財政措置を総動員して最善を尽くしてまいります。
 財政投融資につきましても、各公共団体等の要望を受けて、地方債の引き受けを初め適切に対処をしてまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
#23
○議長(土井たか子君) 田口健二さん。
    〔田口健二君登壇〕
#24
○田口健二君 私は、一月十七日早朝に発生した兵庫県南部地震による災害の状況とその対策について、自由民主党・自由連合、新党さきがけ及び日本社会党・護憲民主連合を代表し、村山総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 初めに、与党を代表し、今回の地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、被害に遭われた方々に対して、心よりお見舞いを申し上げます。
 また、困難な状況の中で冷静さを失わなかった被災者の方々を初め、懸命に救援活動を続けている関係自治体の職員の皆さん、消防、警察、自衛隊の皆さんの奮闘に敬意を表するとともに、これらの方々を含め、今回の災害復旧に際して御支援、御尽力をいただいた国内外のすべての皆様方に対し、深く感謝を申し上げます。
 連立与党は、この大災害に対し、直ちに対策本部を設置して現地に調査団を派遣し、被害状況の把握に努めるとともに、関係自治体からの援助についての御要望を聴取するなど、万全の救援、復旧対策を行うよう全力を尽くす決意であります。この通常国会の幕あけに当たって、与党として、関東大震災以来の都市部を襲った今回の未曾有の大災害に対し、抜本的対策を緊急に実施するよう政府と確認をし合い、今後の対策を進めていきたい、このように考えております。
 私も、与党調査団に参加をし、被災地を実際に見て、想像を絶する被害の大きさに驚くとともに、災害対策に万全を期すために果たさなければならない政府・与党の責任の重さを考えて、身の引き締まる思いがいたしました。
 総理、今回の地震災害について、総理も実際に被災地を見られたわけでありますが、どのように思われましたか。率直な御感想と、今後の災害復旧に当たってどのようにリーダーシップを発揮していかれるのか、改めて総理の御決意のほどをお伺いし、以下、順次、具体的に質問をいたしたいと存じます。
 まずは、行方不明者の捜索と救出、並びに負傷者の介助などの衛生・医療対策についてであります。
 現在も行方不明者の捜索と救生活動が懸命に続けられておりますが、いまだ多くの方々の安否が気道われる状態が続いております。政府も、被災者の救助や消防活動に、消防、警察、自衛隊や海上保安庁から多数の人員を投入してさまざまな応急対策をとられていることは承知をいたしておりますが、まずは人命救助を最優先の課題として行方不明者の捜索と救出、負傷者の手当てに最善を尽くすよう強く求めてまいります。
 そのためには、各級機関に対する必要な動員を含めて、その総力を挙げて取り組むことはもとより、被災地の自治体にとどまらず、全国各地の自治体、全国民的な応援、支援を要請するなど、とり得る限りの救援体制を早急に整え、政府の総力を挙げて取り組む必要があると考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
 次に、飲料水、食料、生活物資の確保も被災住民の生命にかかわる最重要課題であります。難を逃れて避難所にたどり着いたとしても、寒い冬の夜に毛布もなければ食料もないという状況に胸のふさがれる思いがいたしました。飲料水、食料、生活物資については、まず必要な量を確保するとともに、必要とされる方々に迅速に行き渡るよう、配布・補給のシステムに万全を期すことが必要だと思います。
 そのためには、被災地域に通ずる交通路、通信網を早急に復旧し、確保することが欠かせません。特に、緊急を要する物資を供給するためには、道路、鉄道、港湾の早期復旧を図るとともに、当面の応急策として、迂回道路の確保と緊急車両以外の一般車両の交通規制が必要だと考えます。政府は、交通路、通信網の早期復旧を含めてどのように対応されておるのか、国土庁長官にお伺いをいたします。
 また、都市部で発生した今回の地震では、広範囲にわたって電気、ガス、上下水道などのライフラインに大きな被害が生じており、いまだその数、数十万戸に及んでいます。当面、非常用物資の確保とあわせて、ライフラインの応急復旧に最善を尽くすなど、被災住民の生活を守るために必要な措置を優先することが極めて重要であります。ライフラインの復旧について、政府の取り組みの状況と復旧の見通しについて、国土庁長官にお伺いをいたします。
 さらに、今回の地震では、多数の建物が倒壊したことに加えて、同時多発的に大規模な火災が発生し多数の住宅が焼失するなど、多くの住民が避難所で不自由な生活を余儀なくされております。
 私は長崎県の雲仙・普賢岳の噴火災害の例をよく知っておりますが、避難所での長期にわたる生活には限界があります。速やかに空き家公営住宅の活用、応急仮設住宅の建設を急ぎ、住宅を確保するとともに、入居者の負担軽減を図る必要があると考えますが、これらについて、政府の取り組みをお伺いいたします。
 最後に、以上の対策を行うためには、必要であるならば制度改正も含めて行う姿勢で、必要かつ十分な財政措置を講じる必要があると考えますので、この点について総理の基本的な考えをお聞かせいただきたいと存じます。
 まず、激甚災害の指定については早急に対応を進めるとともに、被災した自治体への財政援助を強化していくことが必要であります。さらに、政府としては、責任を持って抜本的対策を緊急に実施するためには、今回の地震災害対策のために特別の補正予算を迅速に編成すべきではないかと考えます。総理は、これらの点についてどのようなお考えをお持ちでありましょうか。
 以上、私は、兵庫県南部地震について、当面する諸課題について質問をしてまいりました。未曾有の非常災害に際し、村山連立内閣として、責任を持ってこれらの課題に対処されるよう心から期待をするとともに、与党各党もそれを全面的に支持することを表明して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#25
○内閣総理大臣(村山富市君) お答えいたします。
 被災地を見た率直な感想と決意についてお尋ねがございましたが、実際に被災地を訪れて被害の状況を目の当たりにいたしまして、御家族を亡くされた方々や、自宅が倒壊し、または火災に遣われて避難生活を送られておる方々等々に接してまいりました。水が欲しい、食料が欲しいくガスはまだ来ないのか、もう少し正確な情報を知らしてほしいと、いろいろな要望のあることを私は聞いてまいりました。同時に、相次ぐ余震に不安な日々を送られておる住民の皆さんの姿を見て、その御心労を思うときに、まことに胸が痛む思いでございました。
 緊急に政府として一体的かつ総合的な対策を講ずるため、先ほど御答弁申し上げましたように、兵庫県南部地震緊急対策本部を設置したところでございますが、現地を見てまいりました後、閣議を開きまして、私を本部長とした、行方不明者の捜索、救助等の人命救助を最優先としながらも、生活必需品の確保、電気、ガス、水道等のライフラインの早期復旧など、日常生活の一刻も早い正常化を目指してこれからも努力をするために、緊急対策本部を設置したところでございまして、内閣が総体的に連携をとり合いながら、地元自治体と緊密な協力をして、これからの対策に万全を期してまいりたいと考えておることを申し添えておきたいと存じます。(拍手)
 行方不明者の救出等は今政府の総力を挙げて取り組む必要があるのではないかというお尋ねでありますが、現在のところ、消防が五千人、警察が三万人、自衛隊約一万三千人などにより、行方不明者の捜索と救出に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 負傷者の介助につきましては、日本赤十字社において三十五班二百十名を派遣するとともに、国公立や民間の医療機関等の関係者の協力も得ながら総力を挙げて取り組んでおるところでございます。
 また、衛生対策につきましても、仮設トイレの設置や防疫体制の確保等を行っているところでございます。
 この災害に係る支援活動につきましては、災害地以外の自治体や民間団体等全国的な応援をいただいているところでございまして、政府としても、災害対策基本法二十四条に基づきまして国土庁長官を本部長とする非常災害対策本部を設置し、さらに、一月十九日の閣議決定により、先ほども申し上げましたように、私を本部長とする緊急対策本部を設置したところでございまして、今後の事態に対応できるように総力を挙げて取り組んでまいる所存であることを申し上げておきたいと思います。
 次に、激甚災害の指定についての御質問でありますが、先ほども御答弁申し上げましたように、今回の地震災害の与える社会的・経済的影響の甚大さ等にかんがみまして、本日の閣議におきまして激甚災害の指定を行ったところでございます。
 なお、被災した自治体への財政措置等についてのお尋ねがございましたが、被災地域においては、被災者の援助、災害復旧事業などに多大の財政負担が見込まれております。これらの地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう、被災地方公共団体の実情を早急に調査の上、被害状況及び財政状況を勘案して、地方債の配分、特別交付税の配分など、適切な財政支援措置を講じてまいる所存でございます。
 なお、今回の地震災害対策のための財政措置として補正予算を迅速に編成すべきではないかという御質問でございますが、今回の地震による災害復旧等に関しましては、必要な財政措置を適時適切に講ずることにより万全を期してまいりたいと考えておりまするが、補正予算の検討も含めて、今後とも最善を尽くしてまいる所存であることを申し上げたいと思います。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣小澤潔君登壇〕
#26
○国務大臣(小澤潔君) 先生の御質問にお答えをいたしたいと思います。
 四点に絞られるかと思います。
 まず、飲料水、食料、生活物資の確保等についてでありますが、まず飲料水の供給につきましては、自衛隊による日量約一千トン、日本赤十字社による約十五トンを初め、その他関係機関の給水車約百六十台の協力等を得て給水を行っております。
 食料のうち主食につきましては、政府米三千トンのほか、パン、弁当についても、メーカーの協力を得て供給を予定いたしております。そのほか、缶詰、生鮮食料品、育児用ミルク、ロングライフを含む牛乳、バター、卵等の配備、出荷、輸送の体制を整えました。
 生活物資の確保についても、要望を把握しつつ、通産省等の関係省庁において関係業界への対応を要請いたしております。
 道路の復旧につきましては、まず緊急輸送ルートといたしまして、一月十八日より大阪方面から神戸、岡山方面から神戸の二ルートを、また、本日より北近畿方面から神戸へのルートを確保いたします。また、緊急生活物資、復旧資材の輸送のため、名神自動車道の京都南インターチェンジから吹田ジャンクションまでの間と近畿自動車道の吹田ジャンクションから東大阪ジャンクションまでの間の使用を一月十八日より開始いたしました。
 また、鉄道、港湾等の被災施設につきましても、被害状況の把握と早急な復旧工事の実施を予定いたしております。
 通信網につきましては、他地区からの応援一千名を含む計四千六百名を動員して通信機能の回復に全力を挙げているところでありますが、応急対策として、無料公衆電話四百五十台の設置、一千十台の業務用移動無線機の県への無償貸与、そのための地球局十六台の無償貸与等の措置を実施しているところであります。
 次に、ライフラインの復旧についてであります。
 平成七年兵庫県南部地震非常災害対策本部におきまして、ライフラインの早期復旧を重点的に実施する事項といたしまして決定をし、関係各機関に復旧に向けての特段の協力を要請いたしております。現在、全国からの多くの人員と資機材の応援を受けつつ、復旧作業に懸命に取り組んでいるところであります。
 復旧の見通しにつきましては、電気については二、三日後に仮設備による復旧、ガスについては一カ月半後、水道、電話については一カ月をめどに復旧されるよう、あらゆる努力を行っております。今後とも、関係各機関と連絡を密にしつつ、復旧が早期かつ円滑に行われるよう最善の措置を講じていく所存であります。
 次に、被災者の住宅の問題についてでありますが、今回の地震により、多数の家屋の倒壊や大規模な火災の発生により、多くの住民が避難所等で不自由な生活を余儀なくされている状況にあります。このため、応急仮設住宅につきましては、当面五千戸を供給する計画であります。この迅速な建設を図るため、関係企業・団体への協力を要請し、用地としては、住都公団用地の提供、国鉄清算事業団用地の提供の申し出等の措置を講じております。
 また、現時点においては、既存公営住宅、公団住宅等の空き家約五千百戸を確保し、その際、必要に応じ家賃等の徴収猶予または減免を行うよう指導しておるところであります。
 さらに、雇用促進住宅等の空き家約一千七百戸及び福祉施設等の有効活用等を進めるほか、災害公営住宅の建設に対する支援等により、被災者の住宅確保に努めているところであります。
 近畿における観測体制の強化について御質問がございました。
 地震災害の防止、軽減を図る上で、地震予知の推進は重要な課題の一つであると認識しており、これまでも関係機関が連携し、地震観測体制の整備、地震予知の実用化のための観測研究を推進しているところであります。国土庁といたしましても、関係省庁と連携をとりつつ、今回の地震活動について、その特徴をさらに詳しく把握し、西日本における観測・監視体制の充実について検討を進めてまいる所存であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#27
○議長(土井たか子君) 寺前巖さん。
    〔寺前巖君登壇〕
#28
○寺前巖君 私は、日本共産党を代表して質問しますが、まず、去る十七日早朝に発生した兵庫県南部地震により被災された皆さんに、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 今回の地震災害は、日本の近代都市が直下型地震の直撃を歴史上初めて受けたものです。高速道路、新幹線という日本の動脈があっけなく壊れ、家屋の倒壊を初め、電気、水道、電話など都市の社会システム全体が破壊され、本日現在で四千人を超す死者が出ています。そして、現在、三十万人近い被災者が避難生活を余儀なくされているのであります。まさに未曾有の大災害であり、それだけに、従来の発想を捨て、住民と関係者の声に全面的にこたえる緊急対策、抜本策に全力を挙げなければなりません。
 私は、災害発生後直ちに現地に入り、状況をつぶさに調査しました。きのうも政府に緊急対策を申し入れたところですが、以下、被災住民の皆さんから切々と訴えられた声に基づいて質問します。
 現地では、「もう少し救出が早かったら助かったのに」「遅過ぎる」の痛切な声がありました。まず何よりも人命の救出が最優先の課題です。ところが、現地に入ってみると、「今なお瓦れきの下などには何人埋まっているのか、人数の確認などできません」と現場の消防責任者が言っているところもありました。地域全体を破壊する大型災害だからといって手をこまねいているわけにはいきません。救出のための重機、小型土木機械を民間からも借り上げ、配備するとともに、新たにレスキュー隊を緊急派遣し、一刻も早い救出を行うべきであります。
 次に、被災者の救援の問題です。
 被災者のもとには、水、食料、毛布などが全面的に行き渡っているとは言えず、丸一日何も口にしていないという方もおられました。援助の絶対数が不足しているのです。しかも、兵庫県の副知事は、私どもに対して「避難住民だけでなく、百万大規模の被災者にふさわしい対策をとってほしい」と強調されていました。被災の規模に見合った大量の確保を緊急に行うべきです。
 また、被災者のもとに援助物資を確実に届けるため、陸路はもちろん、ヘリコプターによる空輸、さらには埠頭の優先復旧で海上からの大量輸送を早急に図る必要があります。
 寒さが最も厳しい今の時期に、水がなく、ガスもなく、湯も沸かせず、暖房もない体育館で避難生活を強いられているもとで、赤ちゃん、病人、お年寄り、障害者などを初め被災者の健康と衛生は深刻です。したがって、医薬品、医療チームの増強、暖房器具の確保、また、仮設トイレを大量に借り上げ、必要な数を設置することは不可欠です。さらに、ふろの確保も必要です。
 同時に、寝たきりのお年寄りや病弱の被災者などには特別の対策をとるべきです。例えば、近府県を含めた空き住宅の優先的活用やホテルの利用もその一つであり、直ちに実現すべきです。また、一刻も早い仮設住宅の建設はもちろんのこと、すぐにでも使用できるコンテナなどの活用を図るなどして、被災者の住宅確保を行うべきです。
 最低限の生活物資を購入するにも、当座の資金は欠かせません。被災者の当面の生活資金として、緊急一時金を支給すべきです。地場産業を初め中小業者に対する資金援助も緊急を要します。
 以上の緊急対策の一端について、責任ある答弁を求めます。
 それにつけても、現地の自治体などの混乱ぶりは想像を絶するものがあります。被災者が救援を求める生の声を行政側がくみ上げ、その場で救援対策を実行するために不眠不休で奮闘する自治体に何でも任せにするのではなく、政府が決めた現地対策本部を直ちに機能させ、広域的かつ迅速な対策を講ずるべきです。具体的な答弁をお聞かせください。
 次に、都市機能の安全確保について質問します。
 これまで政府が極めて安全だとしていた高速道路が落下したり、橋脚が折れ数百メートルにわたって横倒しになりました。また、山陽新幹線が崩落しました。ポートアイランドでは、大規模な液状化現象が発生している今日、河川・港湾施設も大きな被害を受けています。超高層ビルや大規模な地下街を初め、湾岸地域での大規模な埋め立てと開発が相次いています。今回の地震を教訓に、全国的、全面的な総点検を早急に実施すべきと考えますが、総理、建設大臣及び運輸大臣の明確な答弁を求めます。
 人の命は地球よりも重いのです。亡くなられた命は余りにもとうといものです。人の命は金にはかえられません。これにこたえるには、政府予算に占める防災関係予算の一つとってみても、その割合は七〇年代の八%から、ここ数年は五%程度にむしろ減っているような財政政策の根本的転換が強く求められています。
 我が国は、世界じゅうの地震と火山の一割が集中している有数の地震国です。今回の災害の教訓を全面的にくみ上げ、従来の震災対策を根本的に見直し、新しい備えを総合的につくるべきです。
 このことを指摘して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#29
○内閣総理大臣(村山富市君) お答えをいたします。
 今、現地を視察された、調査をされた現状について、つぶさな御報告がございました。まことにそのとおりだと私も把握をしております。
 当面、陸海空すべての手段を総動員して、とにかくやれることはもうすべてやってほしい、こういう要請もいたしまして、今取り組んでおるところでございます。
 とりわけ現地対策本部の設置についてお尋ねがございましたが、昨日現地に参りました際にも、兵庫県の知事から同様の要望がございました。これは一つの省だけで対応できない、各省が持っておる機能というものを総動員して総合的にやはり対策を立てていく必要があるというふうにも思われますので、きのうの閣議におきまして、私は現地の状況も報告をして、現地対策本部の設置について直ちに取り組んでいくという方針を決めておりますから、緊急に現地の対策本部を設置して、地方自治体と連携をとり合いながら十分対応できるように対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 それから、高速道路や新幹線などの安全基準の見直しについてお尋ねがございましたが、今回の被災の状況をつぶさに検討いたしますると、高速道路あるいは新幹線を初めとする交通施設の防災対策の重要性というものを改めて痛感させられたところでございます。そのために、今回の被災状況について十分専門家の調査も行っていただきまして、安全基準等、あるいは構造上の欠陥があったのかないのか、そういう点も十分ひとつ検討していただきまして所要の対策を講ずる必要があるということを痛感しておりますから、その対策についても万全を期していきたいというふうに考えていることを申し上げておきたいと思います。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣小澤潔君登壇〕
#30
○国務大臣(小澤潔君) お答えを申し上げます。
 先ほど田口先生に、自衛隊による日量約百トンを千トンと申し上げました。ここに訂正をさせていただきます。
 質問は五点かと思います。
 現在のところ人命救助は最も優先すべきことであり、消防五千人、警察三万人、自衛隊約一万三千人などにより全力を挙げてこれに取り組んでいるところであります。人命救助活動においては、行方不明者を傷つけることがないよう、重機等を慎重に使用することといたしております。
 水の供給につきましては、自衛隊による日量約百トン、日本赤十字社による約十五トンを初め、その他関係機関の給水軍約百六十台の協力等を得て給水を行っております。
 食料のうち米につきましては、当面の炊き出しに必要な政府米三千トン、二百万人三日分相当を確保いたす所要の措置をとっております。
 毛布につきましては、他県よりその応援十万枚以上、日本赤十字社から三万六千枚を供給いたしておりますが、米国からも在日米軍により五万二千枚の提供及び輸送を受けることといたしております。
 今後とも関係省庁と密接な連携をとりつつ、被災者の方々の支援に万全を期してまいる所存であります。
 次に、医薬品につきましては、被災地からの要請を受け、空輸による風邪薬、抗生物質の迅速な供給や日本赤十字社を通じた輸血用血液製剤の確保等に努めておりますが、引き続き、兵庫県とも協力の上、供給の確保に努めていきたいと考えております。
 また、暖房器具につきましても、より多くの数量の早急な確保に努めております。
 仮設トイレの借り上げ、設置につきましては、関係団体の協力を得て実施しておりますが、同様に、今後ともより多くの数量の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、今回の地震により、多数の家屋の倒壊や大規模な火災の発生により、病弱の方やお年寄りなどの災害弱者を含め多くの住民が避難所等で不自由な生活を余儀なくされている現況にあります。このため、応急仮設住宅については当面五千戸を供給する計画であります。その迅速な建設を図るため、関係企業・団体への協力を要請する等の措置を講じております。
 また、現時点において、既存公営住宅、公団住宅の空き家約五千百戸を確保し、さらに、雇用促進住宅の空き家千七百戸及び福祉施設等の有効活用等を進めております。なお、その活用に当たっては、特に災害弱者について特段の配慮がなされるものと考えております。
 今後とも、被災者の住宅確保に一層努めてまいる所存であります。
 今回の地震によりまして住民の方々の日常生活に大変な支障が生じていることは、十分承知いたしておるところであります。このため、これらの方々の当面の生活資金の確保策として、現在までに各種の災害関連融資、金融関係における預金の引き出しの便宜等の措置を実施することといたしているところであります。今後とも、これらの措置の円滑な実施に努めるとともに、激甚災害の指定など中小企業者への融資の特例措置を検討するなど、これらの方々の生活の安定に最善の努力を講じてまいる所存であります。(拍手)
    〔国務大臣亀井静香君登壇〕
#31
○国務大臣(亀井静香君) お答えを申し上げます。
 緊急物資の輸送につきましては、あらゆる方法、あらゆるルートで対応をいたしておりますが、民間のトラック業者を初め、あらゆるものを総動員いたして御協力をいただいておりますが、政府といたしましては、関空に集まります救援物資、現在神戸港の九バースが使用可能でございますので、海上保安庁の船艇、民間の船等に御協力をいただきまして救援物資の輸送に当たっております。
 さらに、ヘリコプターが極めて効果的でもございます。現在、自衛隊のヘリコプター、海上保安庁のヘリコプターがこれに従事をいたしておりますが、さらに、民間の方々の御協力をいただきまして、全国からヘリコプターを集結いたしまして、被災地にできるだけ近いところにヘリポートを設置いたしまして、補給基地との間のネットワークを現在構築中でございます。
 そうした観点から積極的に現在取り組んでおることを御報告申し上げます。(拍手)
 それから、このたび、新幹線の線路等大変な損傷を受け、また私鉄等の駅舎等も大変な被害が発生をしたわけでございますけれども、鉄道施設につきましては、日本列島をかって襲った最大規模の地震、これにさらに上限を一応の目安としての耐震設計をしておるわけでございますけれども、しかし、このたびこういう事態になったわけでございますから、私どもとしては事態を深刻に受けとめております。そういうことで、鉄道施設耐震構造検討委員会を発足させまして、東京理科大学の松本教授を委員長に、きょう第一回の検討会を開いておるところでございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣野坂浩賢君登壇〕
#32
○国務大臣(野坂浩賢君) 寺前議員にお答えをいたします。
 高速道路や橋梁の安全基準についての御質問でございます。
 従来から、関東大震災あるいは新潟地震、そういう経験を生かしながら、順次、基準の整備を行ってまいりました。しかし、このような中で、今回の道路橋を初め、大きな被害が出ましたことを重く受けとめております。
 私は、あなたと同じように地震発生直後に現地に飛びまして、さらに専門家の皆さん方も調査するために多く現地に派遣をいたしました。したがって、被災の状況というものをつぶさに掌握しておるところでございますが、今もお話がありましたように、地震工学等の専門家から成る委員会を設置いたしましたので、各委員の英知を集めて原因を徹底的に究明し、必要な措置を、万全の対策を講じてまいりたい、このように考えております。
 以上です。(拍手)
#33
○副議長(鯨岡兵輔君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#34
○副議長(鯨岡兵輔君) この際、暫時休憩いたします。
   午後零時三十八分休憩
         丁
    午後二時四分開議
     ――――◇―――――
#35
○議長(土井たか子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説
#36
○議長(土井たか子君) 内閣総理大臣から施政方針に関する演説、外務大臣から外交に関する演説、大蔵大臣から財政に関する演説、高村国務大臣から経済に関する演説のため、発言を求められております。順次これを許します。内閣総理大臣村山富市さん。
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#37
○内閣総理大臣(村山富市君) 第百三十二回国会の開会に当たりまして、まず、午前中御審議もいただきました関西地方を襲った兵庫県南部地震により亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表し、また、負傷された方々や避難生活を続けておられる方々に心からお見舞いを申し上げます。
 政府としては、私自身が先頭に立って、直ちに関係閣僚を現地に派遣し、実情把握に努めるとともに、地方公共団体と一体となって、警察、消防、自衛隊、海上保安庁などの各機関も最大限に動員をし、行政組織の総力を挙げて救援・復旧活動を行ってまいりました。昨日、私も現地に赴きまして、近代的大都市が初めて経験した大地震による、想像を絶する惨状を目の当たりにいたしまして、言葉を失う思いがいたしました。そして、被災者の方々の苦しみと悲しみを痛いほど肌で感じ、改めて住民の方々の不安解消に全力を傾けるとの決意を強くいたしたところでございます。
 まず、依然続く余震に厳重な警戒を行いつつ、いまだに行方が確認されていない方々の捜索、救助にあらゆる努力を行ってまいります。
 また、負傷された方々等の医療体制を確保するとともに、厳しい寒さと空腹の中、不安な避難生活を強いられておられる被災者の方々の窮状を一刻も早く改善するため、飲料水や食料、毛布などの供給を初め、公共住宅の活用や仮設住宅の建設による住宅の確保、入浴施設の整備、電気、ガス、水道、電話等のいわゆるライフライン施設の復旧、道路、鉄道、港湾等の輸送手段と施設の確保などを早急に進める所存であります。
 さらに、速やかに被災者の方々が正常な市民生活に戻り、また経済活動が復興するために、住宅再建のための融資措置、預貯金引き出しの便宜などのきめ細かい対策や中小企業の立ち上がりを助けるための緊急支援措置などを講じてまいります。
 これらの急を要する復旧、復興対策が資金面や制度面の制約などにより遅延することがあってはなりません。復旧に取り組む地方公共団体の活動への財政支援を初め、時期を失することなく、補正予算の検討などあらゆる手段を尽くして万全の財政金融措置を講じてまいりたいと考えています。
 今回の都市直下型地震がもたらした甚大な被害と犠牲を貴重な教訓として、また、先年来の北日本を中心とした地震被害や依然火山活動を続けている雲仙・普賢岳の状況も深刻に受けとめて、日本列島全体の災害対策を見直し、再構築していかなければなりません。予想外の被害を見た道路、建築物等についての科学的調査分析と地震に強い構築物や輸送システムの開発、大規模災害時の政府、自治体の対応の検討、予知・予報能力の向上のための体制の強化や研究開発の促進など、総合的な防災対策に万全を期してまいる所存でございます。
 なお、全国から、さらには海外各国からも被災地や被害者の方々への温かいお見舞いと御支援をちょうだいしておりますことに対し、この場をおかりして、私からも厚く御礼を申し上げる次第でございます。(拍手)
 平成七年、一九九五年は、戦後五十年の節目の年であります。私は、改めて、これまでの五十年を振り返り、来るべき五十年を展望して、世界の平和と繁栄に貢献し、国民に安心とゆとりを約束する国づくりに取り組む決意を新たにいたしております。この年を過去の五十年から未来の五十年へとつなぐ大きな転機の年としたい、年の初めに当たっての私の願いでもございます。
 思えば、敗戦の混乱の中で、国民だれもが「二度とこのような戦争を繰り返してはならない」と胸に深く刻んだところから我が国の戦後は出発をいたしました。そして、あの焼け野が原から、今や一人当たり国内総生産が世界一となるまでの発展を遂げることができたのは、戦後の復興期から高度成長期、さらにはその後の数々の変動を乗り越えて、先輩たちが平和の維持と国民生活の向上のために、知恵を絞り、懸命に走り続けてきたからにほかなりません。その努力に深く感謝するとともに、改めて平和の大切さを痛感いたす次第でございます。(拍手)今後の五十年においても、我が国はまず平和国家として生きねばならないというのが私の信念であります。
 戦後五十年を迎えたこのとき、世界では、東西両大国の対峙による戦後秩序は過去のものとなり、国内にあっても社会全体にわたって地殻変動ともいうべき構造変化が起こりつつあります。我々は、今こそ、戦後長く続いた政治、経済、社会諸制度を謙虚に見直し、新たな歩みを始めなければなりません。
 昨年六月のこの政権の発足以来、私は、長年の懸案であった政治改革、税制改革、新たな世界貿易機関への積極的な参加、日米包括協議の前進や被爆者援護法を初めとする戦後処理などの困難な諸課題に全力を傾け、それぞれの問題に大きな区切りをつけることができました。
 しかし、私が掲げる「人にやさしい政治」を実現するためには、時代の要請に応じ、勇気を持ってさらなる改革を行っていく必要があることは言うまでもありません。改革は新しい社会を創造するための産みの苦しみともいうべきものでございます。思い切った改革によって、「自由で活力のある経済社会」、「次の世代に引き継いていける知的資産」、「安心して暮らせるやさしい社会」を創造していくこと、また、世界に向かっては、「我が国にふさわしい国際貢献による世界平和」の創造に取り組んでいくこと、この四つの目標が私の「人にやさしい政治」の目指すところでございます。(拍手)
 私は、行政改革の断行を初めとする諸課題に全力を傾注し、「改革から創造へ」と飛躍を図ることにより、我が国の新たな地平を開くための「創造とやさしさの国づくり」に真正面から取り組んでまいります。
 国民経済の成熟化、人口の急速な高齢化や価値観の多様化、さらには国際情勢の激変など内外情勢は大きく変化し、戦後の我が国の発展を支えてきた行政システムも今やさまざまなゆがみを生じ、従来どおりのあり方をそのまま踏襲していたのでは社会のニーズに対応できなくなってまいりました。二十一世紀の情勢の変化にも柔軟に対応できる行政の実現を図るためには、今こそ行政の民間の活動への関与のあり方や、行政における中央と地方との関係等を抜本的に見直さなければなりません。これによって、生活者の幸福に重きを置き、より自由で創造性にあふれた社会を実現するために全力を挙げることが、我々政府の未来への責務であると存じます。(拍手)
 改革の方向を一言で言えば「官から民へ、国から地方へ」であります。すなわち、官と民との関係では規制緩和、国と地方との関係では地方分権、国民の信頼確保の観点からは行政情報の公開を進め、また、行政組織やそれを補う特殊法人等を改革をして、簡素で効率的な、国民の信頼にこたえる行政を実現していかなければならないと存じます。
 先般、行政改革の実施状況を監視するとともに、行政情報の公開に係る法律・制度についての検討などを行う行政改革委員会が発足をいたしました。この委員会の意見を国民の目、国民の声と心得て、行政改革の推進を図ることといたします。
 さらに、政と官とが適切に役割を分担し、政治がより強力な指導力を持って改革を進めるためにも、新選挙制度の趣旨が生かされる政策本位の政治の実現と腐敗防止の徹底を図り、国民の政治への信頼を確保していかなければなりません。
 規制緩和については、内外からの要望を踏まえ、本年度内に、今後五年を期間とする規制緩和推進計画を策定し、実施に移してまいります。その際、経済的規制は原則自由化の方向とし、社会的規制は本来の政策目的に沿った必要最小限のものとすることを見直しの基本といたします。
 地方が実情に沿った個性あふれる行政を展開できるよう、その自主性を強化し、地方自治の充実を図っていくことは、民主政治の原点であります。住民に身近な行政はできる限り身近な地方公共団体が担っていくことを基本として、国と地方の役割分担を本格的に見直し、地方公共団体自身の改革をも期待をしながら、権限移譲、国の関与の廃止や緩和、地方税財源の充実強化を進めなければなりません。昨年末に決定をいたしました地方分権大綱に基づいて、地方分権推進の基本理念や地方分権の推進に関する委員会の設置などを定めた法律案を今国会に提案いたします。
 本年は、内閣制度発足百十周年に当たります。政府としては、引き続き、行政組織の見直し、内閣機能の強化、省庁間人事交流の促進などに努めてまいります。
 特殊法人については、情勢の変化によってその事業の役割が十分に果たし得なくなっているものはないか、改めて評価するとともに、行政の減量化と新たな時代の要請にこたえるため、年度内にすべての特殊法人の見直しを行い、政治的リーダーシップをもって統廃合を含めた整理合理化を推進する決意でございます。(拍手)
 行政情報の公開は、主権者たる国民に対し行政が十分な説明を行い、その信頼を得なければならないという民主主義の基本に照らし、早急に取り組むべき課題でございます。このため、行政改革委員会から情報公開に係る法律・制度について二年以内に意見具申をいただくことになっております。また、急速に進歩しつつある情報通信技術の成果を行政分野に積極的に導入し、効率的、効果的な行政の実現を図る行政の情報化に計画的に取り組んでまいりたいと考えています。
 行政改革は本内閣の最重要課題であります。私は、言葉だけの改革に終わることのないよう、不退転の決意と勇気を持って実のある改革を断行する所存でございます。(拍手)
 我が国財政は、公債残高が昨年末ついに二百兆円を超え、さらに増加する見込みであり、国債費も歳出予算の約二割を占め、政策的経費を圧迫するなど、構造的に一段と厳しさを増しております。財政が新たな時代のニーズに的確に対応し、豊かで活力ある経済社会の建設を進めていくため、制度・施策の根本までさかのぼって歳出の抜本的な見直しを行うなど、財政改革をさらに強力に推進してまいります。
 また、活力ある福祉社会の実現を目指す視点に立った税制改革の関連法が昨年成立をいたしましたが、その法律に盛り込まれている消費税及び地方消費税の税率の見直し規定の趣旨を踏まえ、国・地方を通じた行政及び財政の改革の推進、そして社会保障の将来の姿の検討について一層積極的に取り組むとともに、今後ともあるべき税制に向けて不断に努力してまいる所存でございます。
 我が国経済は、引き続き明るさが広がってきており、緩やかながら回復基調をたどっております。一方、雇用情勢が依然厳しい状態にあるほか、設備投資も総じて低迷が続いております。ようやくともった景気回復の明かりが今後とも着実にその明るさを増すように、引き続き、為替相場の動向を含め、内外の経済動向を注視しながら、機動的な経済運営に努めてまいります。
 我が国経済の将来への展望を確かなものとするためには、構造的な変化へのしっかりとした対応がなされなければなりません。成長への信頼に陰りが見え、急速な円高の進展や内外価格差等による高コスト経済化、国際競争の激化等の内外環境のもとで、産業の空洞化やそれに伴う雇用への懸念など、先行きに対する不透明感が広がっております。一方、今や経済に国境のない時代となり、我が国産業も世界にその活動の場を拡大しております。このような状況のもと、我が国が世界の国々とともに繁栄の道を歩んでいくには、自由で柔軟な、活力と創造性にあふれた経済をつくり上げていくための構造改革がなされなければなりません。
 具体的には、まず、内外価格差の是正・縮小であります。内外価格差は、豊かな国民生活の実現への妨げになっており、さらに、国内産業の競争力を低下させております。情報の提供等により消費者や産業界の意識改革を促し、政府規制の緩和や独禁法の厳正な運用、競争制限的な取引慣行の是正を進めることにより積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 この関連で、公共料金につきましては、安易な改定が行われることがないよう、案件ごとに厳正な検討を加えるとともに、情報の一層の公開に努めてまいりたいと考えております。
 次に、産業構造転換の円滑化であります。既存の産業がみずからの経営資源を有効活用して行う事業革新を積極的に支援していくとともに、構造的な雇用問題に対応して、労働移動ができるだけ失業を伴うことなく行われるための施策を幅広く展開してまいります。
 かつてのように国の経済を将来に向かって牽引する産業の姿が明らかでない中にあって、経済の新たな地平を切り開く新規産業の育成もまた重要であります。資金調達環境の整備など総合的な支援策の推進に力を入れるとともに、円高等の厳しい環境の中で、中小企業がその持ち前の企業家精神を発揮することにより、構造改革を進展させていくため、中小企業者や創業者が行う研究開発及びその成果の事業化を促進してまいりたいと考えています。
 以上のような観点から、昨年末には産業構造転換・雇用対策本部を設け、内閣一体となって経済構造改革の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、農林水産業は、食糧の安定供給という国民生活に欠かすことのできない重要な使命に加え、自然環境や国土の保全など多面的機能を有しております。また、農山漁村は、地域文化をはぐくみ、あの唱歌「故郷」に歌われているような、ゆとりと安らぎに満ちた空間を提供してくれます。我が国農業は、ウルグアイ・ラウンドト農業合意の実施に伴い、新たな国際環境のもとに置かれることになりますが、この影響を極力緩和するとともに、我が国農業・農村の二十一世紀に向けた自立と発展を期して、効率的で安定的な農業経営の育成、農業生産基盤の整備、農山村地域の活性化などの施策を総合的に推進してまいります。また、林業、水産業につきましても、緑と水の源泉であり、美しい日本の象徴ともいうべき森林の整備保全に力を注ぐとともに、豊かな海の恵みを生かした水産業の振興、漁村の活性化などに努めてまいりたいと考えています。
 二十一世紀に向け、創造性にあふれた社会を実現するためには、天然資源に恵まれない我が国にとって最大の資源である人的・知的資産をさらにつくり出し、次の世代に引き継いでいかなければなりません。尽きることのない知的資源である科学技術は、私たちの未来を創造し、知的でダイナミックな経済社会を構築するかぎでもあります。
 私は、若者の科学技術離れに歯どめをかけ、人材の育成確保や研究者の研究環境の改善を図るため、大学や研究機関の教育研究活動の充実や産学官の連携の強化とともに、創造的、基礎的な研究の充実強化等に力を入れ、国民生活に密着をした分野や先端技術分野の研究開発の推進、国際的共同研究の促進など、我が国の研究開発活動を活性化し、科学技術創造立国を目指して全力を傾けてまいります。
 生産性の向上や新規市場の創造に大きく寄与し、国民生活の充実にもつながる情報化の推進は、我が国が本腰を入れて取り組むべき重要な課題であります。産業の情報化や、学校、病院、図書館、官公庁など国民生活の情報化を推進、情報通信の高度化に向けた諸制度の見直しに総合的に取り組むと同時に、新たな低利融資制度等による光ファイバー網の整備や電線共同溝などの整備、情報通信関係技術開発等も積極的に進めてまいりたいと考えています。また、これらの施策を盛り込んだ基本方針を策定するとともに、来月に予定されている情報社会に関するG7閣僚会合に臨むなど、世界情報インフラ整備等の情報通信に関する国際的な展開にも積極的に対応してまいります。
 国家は人によって栄え、人によって滅ぶと申します。教育を通じて、個性と創造性にあふれ、思いやりの心を持った人間を育てることは、国づくりの基本であります。いわゆる偏差値偏重による受験競争の過熱化を緩和するために、また、我が国の教育が、国際化、情報化、科学技術の革新といった変化に、より適切に対応し得るよう、いま一度教育上の課題を見直し、より魅力的な、そして心の通う教育を実現するために教育改革を推し進めていかなければなりません。
 最近、児童生徒のいじめの問題が深刻になっております。まことに心が痛みます。子供や青少年の問題はいわば社会の縮図であります。教育界のみならず、社会全体が協力して解決すべき課題であり、子供たちがお互いを思いやりながら心健やかに育つよう、家庭、学校、地域社会が互いに手を携えて取り組んでいかなければなりません。政府としても、そのために真剣に努力をしてまいりたいと考えています。
 これからの日本は、積極的な文化の創造と発信を通じて、人々が心にゆとりと潤いを持って人間らしく生きることができる真の文化国家を目指すべきであると考えます。私は、創造的な芸術活動や地域文化の振興、さらにスポーツの振興に努めてまいります。
 教育、学術、文化、スポーツの分野における国際交流・協力は、国境を越えて互いの多様性を理解し合える環境を築く上で極めて重要であると思います。このため、「留学生受入れ十万人計画」の推進や、平和友好交流計画の一環として実施する青年招聘事業、国際共同研究や研究者交流、海外の文化遺産の保存修復などを進めてまいりたいと存じます。
 人の一生には日の当たる時期もあれば、つらく厳しいときもあり、また、心身の強健な人もあれば、病苦に悩む人もあります。いろいろな立場や状態にある人々が、社会全体の支え合いの中で、人権が守られ、差別のない、公正で充実した生活を送ることができる社会を建設することは、「人にやさしい政治」の中心をなすものであります。今、地方公共団体でも、お年寄りや障害者に配慮した町づくり条例の制定など、徐々に人に優しい社会づくりの輪が広がっております。私は、その先頭に立って、「やさしさ」を現実の政策に具体化していくため、最大限の力を注いでまいります。
 まず、老後の最も大きな不安要因である介護問題に対処し、安心して老後を迎えることができる社会を築くために、高齢者介護サービスの整備目標を大幅に引き上げるなど、施策の基本的な枠組みを強化した新ゴールドプランを推進するとともに、新しい公的介護システムの検討を進めてまいります。
 また、少子化の問題に対しては、次代を担う子供が健やかに生まれ育つ環境づくりを進めるため、子育て支援の総合的な施策を推進してまいりたいと存じます。
 さらに、障害者基本法や新長期計画を踏まえ、障害者の自立と社会参加のため、福祉施策の充実や障害者雇用の促進など総合的施策の展開を図ってまいりたいと考えています。
 豊かな人生を送るために何より大切なものは健康であります。看護職員を初めとする医療従事者の確保など医療体制の整備や医療保険制度の安定に努めるとともに、「がん克服新十か年戦略」などの疾病対策を推進してまいります。特に、全世界共通の課題であるエイズについては、国際協力在一層進めるとともに、治療体制の整備や啓発普及に積極的に取り組んでまいります。
 社会全体の活力の低下が懸念される中、これまで社会的に能力発揮の場が限られていたお年寄りや女性にもっとその知恵やエネルギーを発揮していただかなければなりません。二十一世紀初頭までに、六十五歳まで現役として働ける社会を実現していくため、継続雇用の推進を初め、高齢者のニーズに応じた多様な形態の雇用機会の確保に努めてまいります。また、育児休業法の定着を図るとともに、介護休業制度の法制化に取り組むなど、職業生活と家庭生活の両立のための対策に力を注いでまいります。さらに、男女の雇用機会均等の確保など、女性の能力発揮の環境を一層整備をしてまいりたいと存じます。
 雇用に限らず、社会のあらゆる分野に女性と男性がともに参画し、ともに社会を支える男女共同参画社会の形成は、今後我が国社会がその創造性と活力を高めていくためにもゆるがせにできない課題でございます。政府としては、政府審議会の委員に占める女性の比率を一五%に引き上げるとの目標を平成七年度中に達成するよう全力を挙げることを初めとして、社会の各分野においてさらに男女の共同参画を推進してまいります。また、本年は北京において第四回世界女性会議が開催される予定でもあり、国際的に平和や開発のための女性の行動を強く支援してまいる所存でございます。
 地球規模で、また、将来世代にわたって広がりを持つ今日の環境問題は、人類共通の課題であります。我々は、経済社会活動や生活様式を問い直し、祖先から受け継いだ美しく恵み豊かな自然と環境を守り続けていかなければなりません。先般策定をいたしました環境基本計画に基づき、環境への負荷の少ない循環型経済社会の構築、自然と人間との共生、環境保全への国民的参加と国際的な取り組みの推進を長期的な目標として、人と環境との間に望ましい関係を築くため総合的施策の推進に全力を挙げてまいりたいと存じます。
 特に、廃棄物の減量化や資源の有効利用の観点から、リサイクル関連の技術開発を推進するとともに、市町村、事業者及び消費者の協力を得て、リサイクルの推進のための仕組みを検討し、適切に対応してまいります。また、新エネルギーの積極的な開発や導入によるクリーンなエネルギー政策の推進も不可欠であると存じます。
 環境を守ると同時に、国民生活をより充実するための積極的な環境整備がなされなければなりません。本格的な高齢化社会の到来を控え、豊かな国民生活を実現するためには、国民に身近な生活環境を整備し、同時に、国際化の進展にも配慮しつつ、国土の均衡と特色ある発展を図る必要がございます。大都市圏における通勤混雑の緩和や都心居住の推進など、住宅、生活環境の改善、地方圏への都市・産業機能の分散や活力に満ちた地域社会の形成、さらには、基幹交通網整備等を促進するとともに、北海道や沖縄の開発、振興にも積極的に取り組んでまいります。このため、昨年見直された公共投資基本計画を踏まえて、社会資本整備の着実な推進に努めてまいります。
 国民生活の安全は、「安心できる政治」の実現の上で不可欠な要素であります。製造物責任法が本年七月に施行されますが、製品の安全性に関する消費者利益の増進を図る観点から、総合的な消費者被害防止・救済策の確立に努めてまいります。
 最近、一般市民を対象とした凶悪な発砲事件や薬物をめぐる事件が多発しております。良好な治安は、世界に誇るべき我が国の最も貴重な財産ともいうべきものであります。これを守るために、国民の皆様とともに今後とも全力を尽くす所存でございます。
 以上申し述べました「自由で活力のある経済社会の創造」、「次の世代に引き継いていける知的資産の創造」、「安心して暮らせるやさしい社会の創造」という政策目標の達成のためには、相互に連関した各種の課題を総合的にとらえ、計画的に解決していかなければなりません。このため、政府といたしましては、二十一世紀に向け、新たな経済社会の創造や国土づくりの指針となる経済計画や全国総合開発計画を策定し、これらの「創造」のための施策を積極的に展開してまいりたいと考えているところでございます。
 私は、戦後五十年という節目の年を迎えて、過去への反省を忘れることなく、世界平和の創造に力を尽くしていくことが我が国外交の原点であるということをいま一度強調したいと思います。我が国が目指すべき平和への道は、武力の行使による平和の実現ではなく、過去の痛ましい経験から得た知恵や世界に誇る技術の力、あるいは経済協力を通じた世界の平和と繁栄の実現であります。それは「人にやさしい政治」を国際社会に広げていく道でもあります。
 我が国は、みずから非核三原則を堅持するとともに、核兵器を含む大量破壊兵器やミサイルの拡散防止、通常兵器の移転の抑制に努力してまいります。昨年我が国が国連総会において提案した核兵器の究極的廃絶に向けた核軍縮に関する決議は圧倒的多数によって採択をされましたが、今後とも核兵器不拡散条約の無期限延長の実現や全面核実験禁止条約の早期妥結など、唯一の被爆国として、核兵器の究極的廃絶と軍縮に向け、世界に積極的な働きかけを行う考えでございます。(拍手)
 世界に向けて軍縮を唱える我が国が、みずからも節度ある対応をすることは当然であります。平和憲法の理念を遵守し、近隣諸国の信頼の醸成に力を入れつつ、国際情勢を踏まえた必要最小限の防衛力整備に努めていくことを改めて内外に申し上げます。
 戦後処理の問題については、さきの大戦が我が国国民とアジア近隣諸国等の人々に多くの犠牲と傷跡を残していることを心に深くとどめ、昨年八月の私の談話で述べたとおり、平和友好交流計画や戦後処理の個別問題について誠意を持って対応してまいります。これは日本自身のけじめの問題であり、アジア諸国等との信頼を増す結果となると確信をいたしておるところでございます。(拍手)
 本年は国連にとっても創設五十周年の記念すべき年に当たります。この歴史的契機に、世界の平和と安定の確保及び環境、貧困、難民といった地球的課題への対処などの分野での国連の機能を強化し、その改革を一層進展させていかなければなりません。我が国としても、安保理改革を初めとする国連改革の議論に積極的に参加をしてまいります。
 世界には、冷戦後の今日にあっても引き続き未解決の問題や不安定要因が存在しております。モザンビークにおけるPKOやルワンダ難民救援のための自衛隊部隊等の活動は国際的にも高く評価されましたが、我が国としては、地域紛争の予防と解決のために、外交努力や人道・復興援助等の面の協力に加え、平和維持活動など国連の活動に人的な面や財政面で引き続き積極的に貢献をしていく所存でございます。
 アジア・太平洋地域には、目覚ましい経済発展等を背景に、域内各国間の相互依存関係を一層深化させることが必要であるという共通の認識が生まれてきております。我が国としても、この地域さらには世界全体の平和と繁栄を実現するべく、ASEAN地域フォーラム等における政治・安全保障対話や、APEC等での経済面の協議を通じ、協力の強化を図ってまいります。本年、我が国は、APECの議長国として大阪で会議を開催いたしますが、この地域の成長が我が国の繁栄と密接に結びついていることを十分認識し、発展と調和のとれた貿易・投資の自由化の促進やこの地域の発展基盤の整備等の協力の前進のために尽力する所存でございます。
 朝鮮半島に関しましては、昨年十月の米朝合意が緊張緩和の契機となることを願いますが、情勢は今後とも予断を許しません。まず重要なことは、北朝鮮が今次合意内容に沿い誠実に行動し、核兵器開発問題に対する国際社会の懸念を払拭することでございます。我が国としては、韓国、米国等々の関係諸国と緊密に連携をしながら、朝鮮半島の平和と安定のためにできる限りの貢献を行っていく所存でございます。
 韓国との間では、友好と協力を基礎とし、未来に向けた両国関係の強化に努めてまいります。
 また、日中関係につきましては、一層の発展を目指し、中国の改革・開放政策が着実に進むよう引き続き協力をし、国際社会が直面する諸問題についても中国とともに積極的に参加してまいりたいと考えているところでございます。
 戦後五十年の年の初めに行ったクリントン大統領との首脳会談でも認識の一致を見たとおり、日米両国は、この五十年の間に、世界の平和と繁栄に対する責任を共有するところまでその関係を発展させてまいりました。今回の首脳会談では、これからの日米協力のあり方を十分話し合い、安全保障面での対話、APECの成功のための協力、地球規模の問題の解決や開発途上国の女性支援等、多くの課題において将来に向けた相互の協力関係を一層発展させていくことを合意したところでございます。
 また、このような協力関係の政治的基盤となっている日米安保体制を堅持していくことを改めて確認いたしました。沖縄の基地問題についても、米国側の協力を得て、今後さらなる努力を払っていく所存であります。日米協力関係は、両国にとってのみならず、国際社会全体にとって極めて重要な関係であり、今後ともその強化に努めていきたいと考えております。
 日米関係においては、ともすれば経済面での摩擦に焦点が当てられがちですが、両国間の経済関係を円滑に運営していくことが双方の利益であることを改めて想起すべきだと考えます。昨年来、大きな前進を見ている包括協議についても、今回の首脳会談の成果も踏まえ、引き続き積極的に取り組んでいく所存でございます。
 欧州におきましては、EUの拡大に向けて着実な進展が見られております。一体性を強め、国際社会における発言力を増しつつある欧州との関係強化は極めて重要であります。最近、欧州側も我が国との対話と協調を重視する建設的姿勢をとっていることを踏まえ、経済、政治分野を含む広範な協力関係の構築に引き続き努めてまいります。
 混迷するロシア情勢は注視していく必要がありますが、今後とも、政治、経済両面にわたり均衡のとれた日ロ関係を進展させる必要があります。特に両国間の最大の懸案である北方領土問題が、今日もなお未解決であることは大変残念なことであります。私としては、東京宣言に基づき、政治対話の推進等を通じこれを解決し、両国関係の完全な正常化を達成するために、さらなる努力を払ってまいる所存でございます。
 中東地域については、昨年の和平に向けての画期的進展を一層発展させていくため、関係諸国首脳等との政治対話、多国間協議への参加、対パレスチナ人及びイスラエル周辺国支援などを通じ協力を進めてまいります。
 今や国境線を越えて、各国や地域間の経済の相互依存関係がますます深化をし、国家は対立の中では互いの繁栄を実現できない状況にあります。このような中、我が国としても規制緩和や市場アクセスの一層の改善などにより、国際社会と調和のとれた経済社会の実現に努力してまいります。本年一月一日、WTOが発足をし、世界的な貿易の自由化の中核となる国際機関が誕生いたしました。WTOは、貿易の自由化と規律の強化を通じて世界経済に多大の利益をもたらします。これまで自由貿易の利益を最も享受してきた我が国としては、WTOにおいて積極的な役割を果たすこと等により多角的自由貿易体制の一層の強化に貢献してまいりたいと存じます。
 世界には、いまだ貧困や停滞から脱することができないでいる諸国や人々が数多く存在しています。これらの諸国の経済的発展を積極的に支援していくことは、平和国家として、そして国際的にも「やさしい社会」の創造を目指す我が国が最も力を入れて取り組むべき分野であると考えています。我が国の地位にふさわしい貢献を図るため、政府開発援助大綱を踏まえ、環境と開発の両立や民間援助団体との連携も念頭に置いて、貧困に悩む開発途上国や市場経済への移行努力を続ける諸国などに対する支援を続けていきたいと考えています。また、環境問題や人口問題など地球規模の問題については、我が国の知識や経験をもって、引き続き国際社会の共通の認識や枠組みづくりに向けて積極的に取り組んでまいる所存でございます。
 ことしは戦後五十年であると同時に、あと五年余りで新世紀を迎える年でもあります。二十一世紀が人類にとって希望に満ちた世紀となり得るかどうかは、残された期間における今の世代の取り組みがその成否を決すると言っても過言ではありません。
 二十一世紀というまだ見ぬ未来への助走期間において政治に求められていることは、新たな時代に生きる我々の孫やひ孫のために今我々が何をなすべきかを虚心に話し合い、その答えを見出し、勇気を持って実行に移すことであります。今ほど真摯な政策論議とそれに基づく改革努力が求められているときはありません。私も、このことをしっかりと心に置いて、透明で開かれた政策論議を重ねながら「創造とやさしさの国づくり」に全力を傾けてまいりたいと決意をいたしております。
 国民の皆様と議員各位の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#38
○議長(土井たか子君) 外務大臣河野洋平さん。
    〔国務大臣河野洋平君登壇〕
#39
○国務大臣(河野洋平君) 第百三十二回国会の開会に当たり、私は改めて心を引き締め、全力で日本外交の推進に尽力する決意であります。
 外交の基本方針につき所信を申し述べるに先立ちまして、十七日に起きた兵庫県南部地震で犠牲になられた方々とその御遺族に対し謹んでお悔やみを申し上げるとともに、負傷された方々及び被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。また、諸外国からも多くのお見舞いと支援の申し出をいただいていることを御報告申し上げ、あわせてこれらの国々に謝意を表したいと思います。
 国際社会においては、冷戦終結後の平和と繁栄を確かなものにすることを目指し、たゆみない努力が続けられておりますが、政治、経済両面での課題は多く、その実現は決して容易ではありません。外交の目的は、言うまでもなく国際政治の現実を踏まえて着実に国民の利益を図っていくことにありますが、国家間の相互依存が深まる中、我が国の安全と繁栄は国際社会全体の平和と繁栄の中でのみ実現できることは明らかになってきております。私は、そのような認識のもと、我が国外交が世界平和と繁栄に創造的役割を果たせるよう努める決意であります。
 本年は戦後五十周年を迎えます。この節目の年に当たり、私は、基本的人権の尊重、民主主義、平和主義といった我が国の憲法の掲げる理念のもと、これらの理念を国際社会においても実現するべく努力をし、人類全体のよりよき未来を築いていかなければならないとの思いを新たにいたしております。
 次に、我が国として取り組むべき主要な政策課題につき述べたいと存じます。
 第一に、地域紛争への対応が冷戦後の国際社会における重要な課題であります。
 私は、この問題の解決のためには、紛争の予防、政治的和解、停戦・選挙監視、人道援助、復興開発援助など、あらゆる側面からの包括的取り組みが重要であると考えます。我が国は、憲法が禁ずる武力の行使を行わないことはもとよりでありますが、個々の状況に照らし、我が国が最も適切に貢献できる形で紛争解決に積極的に取り組んでいく所存であります。
 昨年、国連の平和維持活動について、我が国は、エルサルバドル、モザンビークにおける活動に参加をいたしましたが、今後とも、要員、物資、資金のそれぞれの観点から国連平和維持活動に積極的に協力をしてまいりたいと思います。
 ルワンダについては、我が国として初めて大規模な国際的な人道救援活動を行うため派遣した約四百名の自衛隊部隊等が、所期の任務を全うし、無事に帰還をいたしました。彼らの立派な活動を心からたたえたいと存じます。政府としては、今後とも、ルワンダの難民支援とその帰還のための環境整備及びルワンダ国内の安定等に向け、NGOなど民間の支援活動との連携を強めながら、国際社会とともにでき得る限りの協力を行っていく所存であります。
 さらに、我が国は、旧ユーゴスラビアの紛争への取り組みとして、人道支援やバルカン半島南部における予防外交などに努めていくほか、中東和平の促進のため、政治対話の強化、多国間協議への参画、対パレスチナ人支援及びイスラエル周辺国の支援等に努めてまいります。
 今後とも、このような形で地域紛争の平和的解決に一層の努力を行っていく所存であります。
 第二に、大量破壊兵器の不拡散など軍備管理・軍縮問題に積極的に取り組んでまいります。
 昨年は、北朝鮮の核兵器開発問題に関して米朝合意が成立し、ウクライナの核不拡散条約への加入による第一次戦略兵器削減条約の発効などの進展が見られましたが、依然、核兵器の拡散の危険は大きいものがございます。その中で、我が国は、唯一の核被爆国として非核三原則を堅持するのみならず、核兵器の究極的廃絶に向け引き続き努力をしてまいります。
 昨年、我が国は、国連総会におきまして、核兵器の究極的廃絶に向けた核軍縮に関する決議を提案し、圧倒的多数によって採択されましたが、これもこのような取り組みの一環であります。我が国は、全面核実験禁止条約交渉の早期妥結とともに、核不拡散条約の無期限延長に積極的に取り組んでいく所存であります。
 また、その他の大量破壊兵器やミサイルの拡散を防止すること、また、多くの紛争が大量に蓄積された武器によって深刻さを増している現実にかんがみ、武器の売却が抑制されることが重要であり、そのための努力をいたしてまいります。
 北朝鮮の核兵器開発問題については、米朝合意が確実に実施され、北朝鮮の核兵器開発に関する国際社会の懸念が払拭されることが重要であります。このため、我が国としても、今後とも米国、韓国等の関係諸国と緊密に連携しつつ、最善の努力を払ってまいる所存であります。
 第三に、世界経済の繁栄のため、我が国は主要な役割を果たさなければなりません。
 主要国経済においては、総じて景気の回復・拡大が見られますが、雇用問題等依然大きな問題を抱えております。このような中にあって、我が国は、世界経済の持続的成長を確保する観点からも、内需主導型の経済運営に努めるとともに、抜本的な規制緩和の実施等の国内経済改革により、市場アクセスの一層の改善と内外価格差の解消に努め、中期的に経常収支黒字の十分意味のある縮小を達成するべく努力をする必要があると存じます。
 本年一月一日、世界貿易機関が発足をいたしました。これにより、大幅な関税引き下げに加え、サービス貿易、知的所有権、紛争解決手続等の分野における規律の策定や強化が実現されることとなりました。これは、多角的自由貿易体制の維持強化に向け大きな意義を有するものであり、改めて、七年以上にわたる農業問題を含むウルグアイ・ラウンド交渉及びその後の国内手続に当たられた関係者の御協力に謝意を表したいと思います。我が国としては、今後、世界貿易機関において積極的役割を果たすとともに、投資の自由化、貿易と環境などウルグアイ・ラウンド後の課題にも真剣に取り組み、もって多角的自由貿易体制の一層の強化に貢献していく所存であります。
 世界において経済社会開発を促し、人権の尊重と民主主義を確保していくことが、我が国が取り組むべき第四の課題であります。
 アジア・太平洋、アフリカ、中近東、中南米、旧ソ連、中・東欧の多くの国が民主化や経済開発の努力の過程でさまざまな課題を抱えており、我が国は、社会の不安定や紛争の原因を取り除くべく支援していくとともに、民主的な制度づくりを助けていく考えであります。開発援助の実施に当たっては、政府開発援助大綱を踏まえ、被援助国の軍事支出の動向や、民主化、市場経済化の進展などに注意を払いつつ、第五次中期目標を着実に実施してまいります。また、NGOとの連携の強化に努めるとともに、開発途上国の女性に対する支援を拡充していく所存であります。さらに、これらの諸国を国際協調に組み込んでいくため、貿易や投資の促進や政策対話の推進に取り組んでまいります。
 第五に、環境、人口、エイズ、麻薬といった地球規模の問題に取り組まねばなりません。我が国は、これらの分野の多くで豊富な経験と進んだ技術を有しており、国際的な枠組みづくりへの貢献や政府開発援助等を通じ国際社会においてイニシアチブを発揮していく考えであります。その一環として、私は、昨年九月、国際人口。開発会議に出席し、地球規模問題イニシアチブのもとでの人口・エイズ問題に関する国際協力を表明したところであります。
 国家間の相互依存関係がかってないほどに深まっている現在、ただいま述べました諸課題への取り組みに当たっては、国際協調の強化が不可欠であります。その際、我が国としては、国連やG7等のグローバルな場での協力とアジア・太平洋における地域協力を相互補完的に進めていくことが必要だと考えます。
 国連は、冷戦後の世界の平和と繁栄のため極めて重要な役割を期待されており、国連創設五十周年に当たる本年、時代に適合した国連改革を一層前進させることが重要であります。私は、昨年の国連総会において、我が国は、国際貢献についての基本的な考え方のもとで、多くの国々の賛同を得て、安保理常任理事国として責任を果たす用意があることを表明いたしました。政府としては、国民の皆様の一層の御理解を得て、この安保理改組問題の進展に引き続き努めてまいります。また、本年の社会開発サミット及び世界女性会議の成功に積極的に協力をいたします。
 アジア・太平洋地域においても、経済及び政治・安全保障の両面における具体的な協力の動きをさらに確実なものにしていきたいと考えます。
 特に、昨年十一月のAPEC非公式首脳会議において、今後のアジア・太平洋地域の発展の観点より大所高所から率直な意見交換が行われ、貿易・投資の促進・自由化と開発面での協力の具体化に向け大きな一歩がしるされました。本年、我が国は、APECの議長国として非公式首脳会議と閣僚会議を開催いたしますが、地域協力の一層の前進を図るため、積極的にその任を果たしてまいりたいと考えます。
 また、昨年は、アジア・太平洋地域における初めての全域的な安全保障対話として、第一回ASEAN地域フォーラムが開催されました。域内各国間の相互の安心感を高めるための具体的協力を進展させるため、今後とも同フォーラムに積極的に参加をしてまいりたいと存じます。
 このような地域協力を推進していくためにも、日米安保体制をその政治的基盤とする強固な日米関係の存在が極めて重要であります。今般の村山総理の訪米において、日米両国がさまざまな課題において協力を推進していくことにつき合意したことは、日米関係を一層強固なものにすると考えます。日米安保体制については、我が国の安全を確保していくためばかりでなく、アジア・太平洋の安定のためにも極めて重要であることを改めて確認いたしました。我が国としては、今後とも日米安保体制を堅持し、安全保障面での対話を促進するとともに、米軍駐留経費負担問題を含め、その円滑かつ効果的な運用に努めてまいりたいと存じます。
 また、日米間の幅広い緊密な経済関係を円滑に発展させていくことが重要であることは、疑問の余地がありません。包括経済協議については、昨年来得られた成果をも基礎としつつ、引き続き積極的に取り組んでいく考えであります。特に、その枠組みのもとで進められている地球規模問題に関する協力は、具体的な成果を生んでおり、一層の進展を図ってまいります。
 私は、戦後五十周年のこの年に、以上に述べた日米協力を着実に結実させることにより、日米パートナーシップを将来に向けた前向きなものとして一層強化していく所存であります。
 韓国との友好協力関係の発展は、我が国外交政策の重要な柱の一つであります。今後とも、歴史の教訓を踏まえつつ、日韓関係を未来に向けた安定したものとし、さらに国際問題にも協力して取り組む関係を強化するための努力を積み重ねてまいります。
 また、良好で安定した日中関係をさらに発展させていくことは、日中両国のみならず、アジア・太平洋地域ひいては世界の平和と繁栄にとり極めて重要であります。我が国としては、中国の改革・開放政策が着実に進展していくよう引き続き協力を行うとともに、国際社会が直面する諸問題に関する日中両国の協力関係を強化し、成熟した未来志向の日中関係をさらに発展させていく考えであります。
 このように、アジア・太平洋地域における各国との協調関係を強化する一方、この地域に残っている不正常な関係を正常化することが重要であります。
 言うまでもなく、朝鮮半島における緊張の緩和、南北対話の促進が図られなければなりません。日本と北朝鮮の関係についても、南北関係や米朝関係の進展と相まって改善の努力を強化すべきものと思います。私は、改めて日朝国交正常化交渉の再開を呼びかけるとともに、北朝鮮側の前向きな対応を期待したいと存じます。
 日ロ関係の幅は広がっておりますが、いまだに領土問題が解決されず、平和条約が締結されていないという極めて不自然な状態が続いております。日ロ関係の完全な正常化はアジア・太平洋の平和と安全のためにも重要であり、東京宣言を基礎として日ロ関係全般を均衡のとれた形で拡大させるため一層の努力を払う考えてあります。また、領土問題解決に向けて四島交流等、両国国民間の相互理解の促進を図る所存であります。チェチェン情勢については、多数の犠牲者が出ている事態は人道的観点から遺憾であり、国内秩序の平和的回復を強く期待するとともに、ロシアの改革が後退することなく継続されることを希望いたします。
 自由・民主主義といった基本的価値を共有し、世界の約七割のGNPを占め、世界全体の平和と繁栄に大きな影響を持つ日米欧主要各国の協力は、国際問題の解決に当たってますます重要になっております。我が国としても、G7等の場において引き続き日米欧間の政策協調の強化に努めてまいりたいと存じます。
 その中で、欧州は、欧州連合における協力の拡大深化を背景とし、引き続き国際社会において重要な存在であり、我が国としても、経済分野における協力はもとより、政治対話を含む広範な協力関係の構築に引き続き努めてまいります。
 国際協調を進展させるためには、各国との相互理解と信頼関係を一層強固なものとしていくことが出発点であります。特に、本年は戦後五十周年という節目の年に当たり、我が国としてアジアの近隣諸国等との間の過去の歴史を直視し、そこから将来に向け、各国との相互理解や相互信頼を促進することが重要であります。そのため、昨年八月末の内閣総理大臣の談話で発表された基本方針に従って、歴史研究への支援を含め、平和友好交流計画等につき誠意を持って対応してまいります。
 また、相互信頼の基礎になるのは、まずお互いの文化に触れ、歴史を学び、心と心の触れ合いを育てていくことであります。そのために、広報活動の強化と文化面での交流・協力の拡充強化を行っていくほか、科学技術の面での協力を一層積極的に進めてまいります。
 以上申し述べましたように、激動する国際情勢の中で、我が国が的確かつ機動的な外交活動を展開していく必要性は増大いたしております。政府としては、海外での日本人の安全確保の重要性を強く認識しており、さきの自衛隊法の一部改正により緊急時の邦人救出のために政府専用機等の派遣が可能となったことをも踏まえ、今後とも在外公館の邦人保護体制及び危機管理能力の強化に努めてまいります。私は、外交実施体制の強化に一層努めるとともに、そのよって立つ基礎としての国民の皆様の一層の御理解が得られるよう引き続き努力してまいります。何とぞ、議員各位、国民の皆様方の一層の御支援と御協力をお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#40
○議長(土井たか子君) 大蔵大臣武村正義さん。
    〔国務大臣武村正義君登壇〕
#41
○国務大臣(武村正義君) 平成七年度予算の御審議をお願いするに当たり、今後の財政金融政策の基本的な考え方について所信を申し述べますとともに、予算の大要を御説明いたします。
 まず、今回の兵庫県南部地震で亡くなられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。今後、速やかに被害状況を把握の上、財政金融上の措置につきましても、補正予算の検討も含めて、最善を尽くしてまいる所存であります。
 我が国は、戦後五十年の間に、国民一人一人の英知と努力により幾多の試練を乗り越え、世界にも例を見ない目覚ましい経済発展を遂げてまいりました。バブル経済崩壊以降の長きにわたったここ数年の低迷からもようやく抜け出し、我が国経済にも明るさが広がりつつあります。
 一方、目を外に転じますと、世界経済の一体化が一層進む中で、アジア諸国の急速な成長や旧計画経済諸国の国際市場への参入など、我が国をめぐる情勢には大きな変化が見られます。
 このような内外の諸情勢のもとで、今後我が国の進むべき道は、来るべき二十一世紀を展望しつつ、国内的には、国民一人「人が生活面での真の豊かさを実感できるような活力ある経済社会を実現していくとともに、対外的には、世界経済の安定的発展のために我が国にふさわしい貢献をしていくことにあると考えます。
 まず、財政金融政策の前提となる最近の内外経済情勢について申し上げます。
 我が国経済は、これまで景気を下支えしてきた公共投資と住宅投資が引き続き高水準で推移することに加え、個人消費や設備投資などの民間需要の自律的回復を通じて、内需を中心とした安定成長に向かうものと期待いたしております。
 国際経済情勢を見ますと、世界経済は、地域によってばらつきが見られるものの、全体として拡大基調を強めております。先進諸国では、景気拡大の足並みがそろい、また、旧計画経済諸国の一部に低迷が見られるものの、アジアを中心とした開発途上国では、景気は拡大を続けております。
 私は、今後の財政金融政策の運営に当たり、このような最近の内外経済情勢を踏まえ、以下に申し述べる諸課題に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 第一の課題は、現在回復局面にある我が国経済における内需を中心とした安定成長の確保であります。
 二十一世紀に向けて、我が国が豊かで活力ある経済社会を構築し、調和ある対外経済関係を形成していくためには、内需を中心とした安定成長を持続していく必要があります。
 さきに申し上げましたように、我が国経済は、これまでの累次にわたる経済対策等の効果もあって、緩やかながらも回復基調をたどっております。
 平成七年度予算編成に当たりましても、このように回復局面にある我が国の経済情勢を踏まえ、一段と深刻さを増した財政事情のもと、平成六年度と同程度規模の所得減税を引き続き実施するほか、公共投資の着実な推進を図るとともに、国内産業の空洞化の懸念等の修造的課題にも適切に対処し、我が国経済の中長期的な安定成長に資するものとしたところであります。
 今般の税制改革も、活力ある福祉社会の実現を目指す視点に立って行ったものであり、我が国経済社会の豊かさと活力の維持増進に資するものと確信をいたしております。
 金融面では、七次にわたる公定歩合の引き下げの効果などにより、各種金利は依然として低い水準にあり、今後ともその効果を見守ってまいる所存であります。
 また、為替相場につきましては、経済の基礎的諸条件を反映して安定的に推移することが望ましいと考えており、今後とも為替相場の動向を注視し、適宜適切に対処し、為替相場の安定を図ってまいる所存であります。
 第二の課題は、財政改革を引き続き強力に推進することであります。
 財政改革の目的は、一日も早く財政がその対応力を回復することにより、今後急速に進展する人口の高齢化や国際社会における我が国の責任の増大など社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応し、我が国経済社会の豊かさと活力を維持増進していこうとするところにあります。財政の硬直化がさらに進めば、我が国経済の発展にとって重大な支障となりかねません。このため、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくことが基本的な課題であり、将来の世代に多大な負担を残さず、健全な形で我が国経済社会を引き継いていくことこそ、今の我々に課せられた重大な責務であることに改めて思いをいたさねばなりません。
 しかしながら、我が国財政の現状を見ますと、累次にわたる経済対策を実施するための公債発行等の結果、公債残高は急増し、昨年末にはついに二百兆円を超え、国債費が政策的経費を圧迫するなど、構造的にますます厳しさを増しております。また、国際的に比較しましても、公債依存度、利払い費率等が主要先進国の中でも一、二を争う高い水準にあるなど、我が国財政は著しく悪化した状況にあります。さらに、これに加え、平成五年度決算において税収が三年連続して減少し、初めて二年連続して決算上の不足を生じるという極めて異例な事態となり、その後の税収動向にも厳しいものが見込まれております。
 平成七年度予算につきましては、各般の努力により、何とか、財政体質の歯どめなき悪化につながりかねない特例公債の発行によることなく編成することができましたが、極めて厳しい状況のもと、NTT株式の売却収入に係る無利子貸し付けの繰り上げ償還に係るものを除いた建設公債の発行額を増加せざるを得なかったばかりか、平成五年度決算上の不足額の繰り戻しの延期等の特例的な措置をとるのやむなきに至ったところであります。この結果、平成七年度末の公債残高は約二百十二兆円に増加する見込みであり、また、特例的な措置の中には今後処理を要するものもあるなど、財政事情は一段と深刻の度を増していると言わざるを得ません。
 こうした足元の財政事情に加え、安定成長下の経済においては、過去見られたような大幅な税収の増加を期待することは困難であることを考えれば、今や我が国財政は一刻も放置しておけないほどに脆弱な体質になっていると言っても過言ではありません。
 私といたしましては、我が国財政がこのような切迫した状況にあることについて、広く訴えるとともに、国民の御理解と御協力を得て、今後さらに一歩でも二歩でも財政改革の歩を進めるべく全力を尽くしてまいる所存であります。
 第三の課題は、調和ある対外経済関係の形成と世界経済発展への貢献に努めることであります。
 世界経済は、貿易や直接投資の拡大とともに相互依存関係をさらに深めつつありますが、その中にあって、我が国は、調和ある対外経済関係の形成に努めるとともに、世界経済の発展のために積極的に貢献していく必要があると考えます。
 我が国としては、世界経済のインフレなき持続的成長の強化を目指して、G7蔵相・中央銀行総裁会議を通じた政策協調を進めるとともに、APEC蔵相会合等において各国との対話、協調に努めてまいります。
 日米包括協議の金融サービス分野における協議につきましては、先般決着を見たところであります。その中で、我が国が実施することを表明した金融サービスに係る規制緩和措置等につきましては、これを誠実に実施してまいる所存であります。
 七年半にわたるウルグアイ・ラウンド交渉の終結を受けて、今年一月一日に世界貿易機関が発足いたしました。我が国としましても、この新たな国際機関のもと、多角的自由貿易体制の維持強化に一層積極的に貢献してまいりたいと考えております。
 平成七年度におきましては、関税制度について、石油関係の免税・還付制度の適用期限の延長、自動車用繊維製品等の関税撤廃等の改正を行うことといたしております。
 経済協力につきましては、引き続き開発途上国への支援の促進に努めてまいりますとともに、旧計画経済諸国についても、市場経済への円滑な移行のため、他の主要先進国とも協調しながら適切な支援を行ってまいる所存であります。
 第四の課題は、金融自由化の着実な推進とともに、証券市場の活性化を図ることであります。
 我が国経済の今後の発展を確保するためには、国民の金融システムに対する信頼を確保し経済活動に必要な資金の円滑な供給を図るとともに、金融・資本市場の自由化、国際化を着実に進展させることが不可欠であります。
 このような観点から、金融行政においては、金融システムの安定性確保のため万全を期するとともに、金融機関の不良資産の処理の促進及び資金の円滑な供給の確保を図ってまいる所存であります。また、金融自由化につきましては、これを着実に推進しているところであり、昨年十月には、流動性預金の金利が自由化されたことにより、預金金利の自由化措置がすべて実施されております。金融制度改革につきましても、証券子会社や信託銀行子会社の営業が開始されるなど、着実に進展をしております。
 保険制度改革につきましては、昨年六月の保険審議会報告を踏まえ、所要の法律案を今国会に提出すべく、現在鋭意準備を進めているところでございます。今回の保険制度改革は、自由化、国際化等の環境の変化に対応するとともに、保険事業の健全性を確保することを目的とした改革であり、二十一世紀に向けて新しい保険制度を構築しようとするものであります。
 証券市場の活性化のための施策につきましては、個人投資家の株式投資を促進し、証券市場のすそ野を拡大する観点から、先般、証券投資信託の改革の具体的方策を取りまとめ、実施に移しているところであります。また、我が国における外国株市場活性化のため、外国株に係る上場基準等の緩和と外国企業に係る開示費用の軽減措置を講じたところであります。さらに、研究開発型、知識集約型等の新規事業を実施する企業の資金調達をより一層促進するため、店頭登録制度について所要の見直しを行うこととしております。また、社債の発行に係る適債基準等の基本的見直しを本年度中に行うことといたしております。
 次に、平成七年度予算の大要について御説明いたします。
 平成七年度予算は、財政体質の歯どめなき悪化につながりかねない特例公債の発行を回避するため、従来にも増して徹底した歳出の洗い直しに取り組む一方、限られた財源の中で重点的、効率的な配分に努め、質的な充実に配意することとして編成をいたしました。先ほども述べましたとおり、平成七年度予算編成をめぐる財政事情の厳しさには尋常ならざるものがあり、全体として歳出規模の圧縮に努めましたが、厳しい中にあって豊かで活力ある経済社会の構築等のために真に必要な施策に要する経費の確保に努め、いわば「風雪の中の寒梅」のような予算づくりを目指したところであります。
 歳出面につきましては、既存の制度・施策について見直しを行うなど経費の徹底した節減合理化に努めることとし、一般歳出の規模は四十二兆一千四百十七億円、前年度当初予算に対し三・一%の増加となっております。
 国家公務員の定員につきましては、第八次定員削減計画を着実に実施するとともに、増員は厳に抑制し、二千八十五人に上る行政機関職員の定員の縮減を図っております。
 補助金等につきましては、地方行政の自主性の尊重、財政資金の効率的使用の観点から、その整理合理化を積極的に推進することといたしております。
 また、現下の一段と深刻さを増した財政事情にかんがみ、特例的な措置として、平成六年度予算に引き続き国債整理基金特別会計に対する定率繰り入れ等三兆二千四百五十七億円を停止する等の措置を講ずるとともに、平成五年度の決算上の不足に係る国債整理基金からの繰り入れ相当額五千六百六十三億円の同基金への繰り戻しを延期するという臨時異例の措置を講ずることといたしております。これらの措置につきましては、税外収入の確保のための特別措置とあわせ、別途、平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案を提出し、御審議をお願いすることといたしております。
 これらの結果、一般会計予算規模は七十兆九千八百七十一億円、前年度当初予算に対し二・九%の減少となっております。
 次に、歳入面について申し述べます。
 税制につきましては、今般の税制改革及び特別減税に関連する法律が成立したことを踏まえ、平成七年度税制改正として、最近の社会経済情勢の変化及び現下の厳しい財政事情に顧み、課税の適正公平を確保する観点から租税特別措置の大幅な整理合理化を行うとともに、早急に実施すべき措置を講ずることといたしております。今後とも、あるべき税制に向けて不断に努力をしてまいります。
 税の執行につきましては、今後とも国民の信頼と協力を得て、一層適正公平に実施するよう努力してまいる所存であります。
 また、税外収入につきましては、一段と深刻さを増した財政事情のもと、外国為替資金特別会計及び自動車損害賠償責任再保険特別会計からの一般会計への繰り入れの特別措置を講ずる等、格段の増収努力を払っております。
 公債につきましては、公共事業等の財源を確保する等のため、建設公債九兆七千四百六十九億円を発行することといたしております。また、所得税減税の実施等による平成七年度における租税収入の減少を補うため、いわゆる減税特例公債二兆八千五百十一億円を発行することといたしております。なお、借換債を含めた公債の総発行予定額は三十七兆九千七百五十八億円となっております。
 財政投融資計画につきましては、対象機関の事業内容等を厳しく見直すとともに、国民生活の質の向上等各般の政策的諸要請に的確に対応していくとの考えに立ち、住宅建設、地域の活性化等の分野を中心に一層の重点的、効率的な資金配分を図ったところであります。
 この結果、一般財投の規模は四十兆二千四百一億円、二・一%の増加となっております。また、資金運用事業を加えた財政投融資計画の総額は四十八兆一。千九百一億円、前年度当初計画に対し〇・七%の増加となっております。
 次に、主要な経費について申し述べます。
 公共事業関係費につきましては、昨年十月に策定された新しい公共投資基本計画を踏まえ、本格的な高齢化社会が到来する前に着実に社会資本整備を推進するとの観点に加え、回復局面にある我が国経済情勢も考慮し、高い伸びを確保することとしております。また、住宅、下水道、環境衛生等の国民生活の質の向上に結びつく分野を初め、二十一世紀に向けて新たな時代のニーズに的確に対応するため、思い切った重点投資を行うなど、重点的、効率的な配分に一層の努力を払っております。また、住宅金融公庫融資の着実な推進、公共賃貸住宅の供給の促進、住宅宅地関連公共施設の整備の促進など、住宅対策の拡充を図っております。社会保障関係費につきましては、老人保健制度及び国民健康保険制度の改正、公費負担医療制度の見直しを行うほか、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を全面的に見直し、老人介護対策のさらなる充実を図るとともに、低年齢児保育の充実など緊急保育対策等を推進することに加え、がん対策、エイズ対策等の諸施策について、きめ細かく配慮しております。雇用対策につきましては、雇用の安定に万全を期するため、産業構造の変化や大学新卒者等にも配慮した総合的な雇用対策等を引き続き推進することといたしております。
 文教及び科学振興費につきましては、教育環境の整備、高等教育・学術研究の改善充実、文化の振興等を図るとともに、基礎研究の充実を初め科学技術振興のため、各般の施策の推進に努めております。
 中小企業対策費につきましては、中小企業の置かれている厳しい経営環境に配慮し、技術・ノウハウの開発やその事業化及び創業への支援による中小企業の創造的事業活動の促進策を初め、特に緊要な課題に重点を置いて施策の充実を図っております。
 農林水産関係予算につきましては、世界貿易機関設立協定の承認やいわゆる新食糧法の成立等、我が国農業・農村を取り巻く内外の諸情勢を踏まえ、経営感覚にすぐれた効率的、安定的な経営体が生産の大宗を担う農業構造の実現に重点を置くこととし、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策を含め所要の施策の着実な推進に努めております。
 経済協力費につきましては、開発における女性の役割の重視、環境への配慮等の新しい側面に十分配慮するとともに、NGOとの連携を強化するなど援助実施体制の充実に努めるほか、開発途上国における人づくり支援等を通じ、きめ細かく真に効率的な援助を目指すことといたしております。
 防衛関係費につきましては、東西冷戦終結後の国際情勢、一段と深刻さを増している我が国の財政事情などを踏まえ、効率的で節度ある防衛力の整備を図ることといたしております。
 エネルギー対策費につきましては、地球環境保全の重要性等も踏まえ、総合的なエネルギー対策の着実な推進に努めております。
 地方財政につきましては、平成六年度に引き続き極めて厳しい状況になっておりますが、円滑な地方財政の運営に支障を生じることのないよう所要の措置を講ずることとし、所得税減税、住民税減税の影響について交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金や減税補てん債の発行により補てんずるとともに、一般会計からの加算や同特別会計の借入金を活用すること等により所要の地方交付税総額を確保することといたしております用地方公共団体におかれましても、このような厳しい財政事情のもと、従来にも増して歳出の節減合理化を推進し、より一層効率的な財源配分を行うよう要請するものであります。
 この機会に、平成六年度補正予算について一言申し述べます。
 平成六年度一般会計補正予算につきましては、歳入面では、最近までの収入実績等を勘案して租税及び印紙収入の減収を見込む一方、税外収入の増収等を計上するとともに、歳出面では、災害復旧等事業費、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策費、義務的経費の追加など、特に緊要となった事項等について措置を講ずることとしております。
 以上によりまして、平成六年度一般会計補正後予算の総額は、当初予算に対し歳入歳出とも六千七百三十五億円減少し、七十二兆四千八十二億円となっております
 以上、平成七年度予算及び平成六年度補正予算の大要について説明をいたしました。両予算が現下の諸情勢に果たす役割に御理解を賜り、何とぞ、関係の法律案とともに御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
 二十一世紀まであと六年足らず、今、新しい世紀を目前に控えた我々の責務は、内外の一層の調和ある繁栄を築き、我々の子孫に伝えていくことであります。
 しかしながら、その道は平たんではありません。我が国経済は、本格的な高齢化社会の到来や国際分業体制の進展など、内外の経済環境の変化を背景としたさまざまな構造的課題に直面しているのであります。従来の発想や行動様式のままでは、これらを克服することはできません。
 二十一世紀に向け、活力に満ちた経済社会をつくり出すためには、簡素で効率的な行政のもとで、より自由な経済活動を展開し、我が国に本来備わっている活力を改めて引き出すことが必要であります。そのためには、行財政改革と経済構造改革をともに強力に進めていかなければなりません。
 それは困難で苦痛を伴う道ではありますが、国民一人一人が自信と勇気を持って取り組めば必ずや新たな地平を切り開くことができるものと確信いたします。
 国民各位の一層の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#42
○議長(土井たか子君) 国務大臣高村正彦さん。
    〔国務大臣高村正彦君登壇〕
#43
○国務大臣(高村正彦君) 我が国経済の当面する課題と経済運営の基本的考え方について、所信を申し述べたいと思います。
 まず、今回の兵庫県南部地震で亡くなられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。今後速やかに被害状況を把握の上、その影響に十分留意して、今後の経済運営に万全を期してまいります。
 戦後五十年間、我が国経済は、国民のたゆまぬ努力により幾多の困難と試練を乗り越えて、目覚ましい発展を遂げ、今や国民一人当たりの国内総生産額はOECD加盟国中第一位となりました。
 しかしながら、内外価格差の是正・縮小が大きな課題となるなど、国民が真に豊かさを実感できる社会の形成に向けて、なお一層の努力が必要となっております。
 また、今回の景気調整過程の中で、日本経済のさらなる構造転換の必要性、高齢社会の本格化に備えての長期的な活力、成長力の維持などといった構造的課題がより明確に認識されるようになってまいりました。今ほど、こうした課題を克服し、二十一世紀に向けて新たな経済社会を創造していくことが求められているときはありません。
 本年は、景気の回復を確実なものとすることはもとより、これらの諸課題を克服し、新たな経済社会の創造を目指していく年としなければなりません。
 内外の経済の状況について申し述べたいと思います。
 世界経済の動向は、全体として拡大基調を強めており、米国では景気拡大が続き、西欧諸国の経済も拡大しております。市場経済への移行を進めるロシア等では総じて経済の低迷が続いておりますが、東欧諸国では生産が回復しつつあります。アジアでは経済が好調に拡大しております。こうした中で、ウルグアイ・ラウンド合意に基づき、WTOが創設の運びとなり、APECにおいても、当該地域における貿易・投資の促進・自由化等の方向が打ち出されるなど、将来に明るい展望を与える動きが出てきております。
 我が国経済の現状を見ますと、企業設備等の調整が続いているものの、景気は緩やかながら回復基調をたどっており、経常収支の黒字幅も縮小傾向にあります。ただし、雇用情勢については、製造業を中心に依然厳しさが見られます。
 以上のような経済状況等を踏まえ、私は、平成七年度の経済運営に当たりましては、特に次の諸点を基本としてまいりたいと考えております。
 第一は、回復局面にある我が国経済を内需を中心とした安定成長へと導くことであります。
 このため、平成七年度予算においても、近年になく深刻な財政事情のもとで、公共事業関係費の四%の伸び率を確保するなど、公共投資の着実な推進を図ったところであります。
 税制面においては、平成六年度と同規模の所得減税を引き続き実施し、働き盛りの中堅所得者層の負担累増感の緩和などを図ることとしております。
 さらに、住宅投資の促進、投資環境の整備を通じた民間投資の喚起など各般の施策を講じております。
 金融政策につきましては、内外の経済動向や国際通貨情勢を注視しつつ、今後とも適切かつ機動的な運営を図る必要があると考えております。また、金融機関による資金の円滑な供給、不良資産の処理を促進するための措置などを引き続き講じてまいります。
 雇用面では、産業構造の変化に伴う失業の予防、離職者の再就職促進、失業を経ない労働移動への支援、女性・高齢者の社会参加への支援を積極的に推進することにより雇用の安定に万全を期してまいります。
 中小企業に対しましては、経営安定や新たな事業展開を図るための支援策を推進してまいります。
 物価の安定は、国民生活安定の基礎であり、経済運営の基盤となるものであります。今後とも、物価の安定の維持に努めてまいります。
 民間部門の自助努力に加え、以上のような政府の施策を適切に実施することにより、平成七年度の我が国経済は内需中心の安定成長に向かい、実質経済成長率は平成六年度の一・七%程度の実績見込みから二・八%程度に上昇するものと見込まれますが、為替の変動、兵庫県南部地震の影響等、不確定要因も存在しております。
 第二は、創造的で活力ある経済社会を構築するため、規制緩和などの構造的な改革を着実に進めるなど我が国経済の将来の発展に向けてその環境を整備することであります。
 まず、規制緩和につきましては、五年を期間とする規制緩和推進計画の着実な実施により、自己責任の原則と市場原理にのっとって民間活力が一層発揮され、新たな分野への挑戦が促されるような環境の整備に向けて努力してまいります。その際、競争制限的な慣行を改め市場機能の一層の活用を図るため、競争政策の積極的展開を進めることが重要と考えます。こうした取り組みは、高コスト構造の是正などを通じて内外価格差の是正・縮小にも資するものであります。
 最近の円高等を背景とした国内産業の空洞化やその雇用面への影響に対する懸念に対処し、政府が一体となって産業構造の転換と雇用対策に取り組むため、昨年末に産業構造転換・雇用対策本部を設置したところであります。規制緩和等の推進に加えて、既存産業による事業革新、新規事業の育成等への支援により産業の活性化を促し、内需主導型の国際調和型産業構造の形成を進め、雇用の確保を図ってまいります。
 さらに、高度情報化への対応、創造的な研究開発、独創的な人材の育成に向けた環境の整備などを積極的に推進してまいります。
 また、国土の特色ある発展に向けて、東京への集中の弊害の除去と地域の活性化を図るとともに、環境と調和し、持続的発展が可能となる経済社会を築いていくための施策を推進してまいります。
 第三は、生活者・消費者重視の経済運営により、豊かで安心できる国民生活を実現していくことであります。
 高齢社会が本格化する二十一世紀を控え、真に豊かな生活を実現し、活力ある経済社会の発展に資する基盤を構築する観点から、総額六百三十兆円の公共投資基本計画に沿いつつ、今後とも生活関連分野等への公共投資の重点的、効率的な配分を図ってまいります。
 このため、平成七年度予算におきましては、住宅・社会資本の整備により、快適で潤いのある生活環境を創出するとの観点から、住宅・市街地、下水道や環境衛生、公園等の事業に公共事業関係費の重点投資を行ったところであります。
 また、良質な住宅の蓄積が豊かな国民生活実現の基礎となるとの見地から、今後とも土地対策や住宅対策の充実を図ってまいります。
 さらに、だれもが社会参加でき、生きがいとゆとりを持って安心して暮らせる社会を実現するため、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の見直し、いわゆる新ゴールドプランや保育対策の充実、労働時間短縮のための取り組みへの支援などを行ってまいります。
 円高の進展に伴って、産業界におけるリストラの対応、消費者の価格志向の強まりなどを背景に、経済全体にわたる構造的変化とともに急速な価格体系の変化が生じております。内外価格差の是正・縮小につきましては、こうした状況を踏まえ、消費者・生活者重視及び高コスト構造是正の観点から、内外価格差の実態調査を進めつつ、競争環境の整備や輸入拡大のための具体的な対応を進めてまいります。
 公共料金につきましては、昨年十一月の「今後の公共料金の取扱いについて」の基本方針に基づき、個別案件ごとに厳正な検討を加え適切に対処するとともに、情報の一層の公開に努めてまいります。
 安全で豊かな生活を実現するためには、生活者みずからが主体的な役割を果たしていくことが重要であります。このため、地域活動への参加を初めとする社会参加活動などを促進してまいります。また、消費者取引の適正化や国民生活センター等を通じた情報提供の充実など、消費者保護会議で決定した諸施策を積極的、総合的に推進してまいります。
 特に、昨年成立した製造物責任法につきましては、本年七月の施行に向けて、その内容について周知徹底に努めるとともに、関連する諸施策を含め、総合的な消費者被害防止・救済策の確立に努めてまいります。
 第四は、経済活動の国際的相互依存が一層深まっている現状を踏まえ、我が国として主体的、積極的に努力し、世界経済の持続的発展に積極的に貢献するとともに、調和ある対外経済関係の形成に努めることであります。
 このため、ウルグアイ・ラウンド合意の着実な実施に努め、新たに成立するWTOを中心とする制度的枠組みの中で、多角的自由貿易体制の一層の強化に貢献してまいります。
 また、規制緩和に加え、市場開放問題苦情処理体制、対日投資会議の活動や政府調達手続の改善を通じて、諸外国から我が国への市場アクセスの一層の改善を図るとともに、輸入や対日直接投資の促進を図ってまいります。
 政府開発援助につきましては、開発途上国の安定と持続的発展のため、政府開発援助大綱の理念・原則を踏まえつつ、政府開発援助の第五次中期目標に基づく経済協力の拡充と、国別援助方針に基づく効果的、効率的な援助の実施に努めてまいります。
 以上、我が国経済が当面する主な課題と経済運営の基本的方向について申し述べてきましたが、これらの諸施策を進めていく上で中長期的な展望が必要なことは言うまでもありません。
 政府は、平成四年六月に「生活大国五か年計画」を策定し、生活者重視の経済社会変革を進めるとともに、内需主導型の経済成長を定着させるべく努めてきたところであります。計画策定後約三年を経過し、我が国を取り巻く内外経済情勢は大きく変化いたしました。
 世界経済を見ると、アジア、中南米等新興経済の発展、ウルグアイ・ラウンドの終結、WTOの創設、APECの新たな展開等大きな動きがあるほか、地球環境問題への対応も現実に差し迫った問題となっております。国内的には、バブルの崩壊、急速な円高の進展により戦後二番目の長期景気後退を経験する中で、内外価格差が拡大し、国民が生活の豊かさを実感できない大きな要因となっているとともに、国際分業関係が進展する一方で、我が国産業・雇用の空洞化の懸念が生ずるなど構造的な課題が顕在化しております。また、社会的には、二十一世紀を前に、子供が少なくお年寄りが多い少子・高齢社会がまさに現実のものとなってきております。
 このような現行計画策定時に予期されなかった内外諸情勢のもとで、我が国経済の将来の姿にも変貌が見込まれ、日本の経済社会のあり方について多面的な見直しが必要とされております。
 こうした認識のもと、来るべき二十一世紀に向け、地球社会の発展に寄与しつつ、自由で活力があり、国民が豊かに安心して暮らせるとともに、国内外に開かれた経済社会の創造を目指した新たな経済計画を策定してまいります。
 私は、二十一世紀の新たな座標軸のもとで、日本が目指すべき社会は、より一層国民の意欲と能力に応じた参加と多様な選択が実現され、国際社会との調和と世界への貢献を図りつつ、国民が希望に満ち安定した生活を過ごすことができる社会であると考えます。
 私たちは、先人の努力によりこれまで蓄積してきた資本力、高い教育水準、高度な技術基盤やそれを支える文化的基盤などを有しております。これらの財産を二十一世紀に向けた新たな経済社会の創造に活用していけるよう、私は精いっぱい努力してまいります。
 国民の皆様の御支援と御協力を切にお願い申し上げます。(拍手)
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#44
○山本有二君 国務大臣の演説に対する質疑は延期し、来る二十三日午後一時から本会議を開きこれを行うこととし、本日はこれにて散会されることを望みます。
#45
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。本日は、これにて散会いたします。
   午後三時四十五分散会
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ソース: 国立国会図書館
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