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1995/02/14 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第6号
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1995/02/14 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第6号

#1
第132回国会 本会議 第6号
平成七年二月十四日(火曜日)
    ―――――――――――――
  平成七年二月十四日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 野中自治大臣の平成七年度地方財政計画につい
  ての発言並びに地方税法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部
  を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明並
  びに質疑
    午後一時四分開議
#2
○議長(土井たか子君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(平成七年度地方財政計画について)並びに地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#3
○議長(土井たか子君) この際、平成七年度地方財政計画についての発言並びに内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣野中広務さん。
    〔国務大臣野中広務君登壇〕
#4
○国務大臣(野中広務君) 平成七年度の地方財政計画の概要並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 平成七年度の地方財政につきましては、現下の厳しい経済と地方財政の状況を踏まえ、おおむね国と同一の基調により、歳入面においては、地方税負担の公平適正化の推進及び地方交付税の所要額の確保を図り、歳出面においては、経費全般について徹底した節減合理化を図るとともに、住民に身近な社会資本の整備、少子・高齢化等に対応した福祉施策の充実、自主的、主体的な活力ある地域づくりなどを積極的に推進するため必要な事業費の確保に配意する等、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、節度ある行財政運営を行うことを基本としております。
 以下、平成七年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。
 第一に、地方税については、平成六年に行われた税制改革等の一環として個人住民税の減税を実施するほか、固定資産税の臨時的な特例措置の創設等を行うとともに、非課税等特別措置の整理合理化等のため所要の措置を講ずることといたしております。
 第二に、地方財政の運営に支障が生ずることのないようにするため、所得税及び住民税の減税に伴う影響額について地方交付税の増額及び減税補てん債の発行により補てんするとともに、所得税及び住民税の減税以外の地方財源不足見込み額についても、地方交付税の増額及び建設地方債の発行により補てんすることとしております。
 第三に、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、自主的、主体的な活力ある地域づくり、住民に身近な社会資本の整備、農山漁村地域の活性化、文化・スポーツの振興等を図るため、地方単独事業費の確保等所要の措置を講ずることといたしております。
 第四に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担基準の改善を進めることとしております。
 以上の方針のもとに、平成七年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十二兆五千九十三億円となり、前年度に比べ一兆五千八百十二億円、二・○%の増加となっております。
 次に、地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成七年度の地方税制改正に当たりましては、最近における社会経済情勢等にかんがみ、住民負担の軽減及び合理化等を図るため、固定資産税及び都市計画税について臨時的な課税標準の特例措置を設けるとともに、長期譲渡所得に係る個人住民税の税率の見直し、住宅及び住宅用土地に係る不動産取得税の税率等の特例措置の適用期限の延長等を行うほか、非課税等特別措置の整理合理化等を行うことといたしております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成七年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税法第六条第二項の額に一千八百十億円及び交付税特別会計借入金三兆三千三百九十九億円を加算した額から、同特別会計借入金利子支払い額四千三十三億円を控除した額とすることとした結果、十六兆一千五百二十九億円となっております。
 次に、平成七年度分の普通交付税の算定につきましては、自主的、主体的な地域づくりの推進、少子・高齢化に対応した福祉施策の充実、住民に身近な社会資本の整備等、地方団体が必要とする経費の財源を措置するため単位費用を改正し、さらに、農山漁村地域の活性化に要する経費を措置するため農山漁村地域活性化対策費を設ける等所要の改正を行うことといたしております。
 また、公営競技を行う地方団体の公営企業金融公庫に対する納付金制度を延長することといたしております。
 以上が、平成七年度の地方財政計画の概要並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞよろしくお願いをいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(平成七年度地方財政計画について)並びに地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#5
○議長(土井たか子君) ただいまの地方財政計画についての発言及び二法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。山崎広太郎さん。
    〔山崎広太郎君登壇〕
#6
○山崎広太郎君 私は、新進党を代表しまして、政府提案の地方税法の一部改正、地方交付税法の一部改正並びに地方財政計画に対し、地方の税財源の強化という観点から質問させていただきます。
 その質問の前提として、私は次の点を指摘し、政府の御見解を伺いたいのであります。
 まず、このたびの阪神大震災が、いささかでも地方分権への道を阻むものであってはならないし、中央集権を是とするものでもないこと、むしろ中央集権体制の弊害を指摘しなければならないものであるということであります。そして、いま一つは、官僚主導型の政治の限界を浮かび上がらせたものと言わざるを得ない点であります。
 阪神大震災は、災害規模の未曾有の点、そして初動態勢の有無や有効であったかどうかが問われなければならない点において、戦後最大規模のものであり、まさに総理がおっしゃいましたように、初めてのことでありました。
 国民は、二日二晩、燃え続ける神戸市をテレビで見続けるしかなかったのであります。死者一人という情報からスタートして、ついには五千人を超えるという信じがたい結果が招来したのであります。
 その原因は何か。総理を初め、待つ姿勢しか持ち得なかったからであります。間違いない判断、的確な判断がもたらされるのをだれもが待った結果にほかなりません。常に官僚の判断に依存してきたがために、間違いない判断を待つ、それがこれまで培われてきた我々に共通の習性ではなかったでしょうか。「間違いのない」ということにこだわり、「あえて」ということのない今日の政治・行政システムが、今度の阪神大震災への対応を性格づけていると言って過言でないと思います。
 そのことが、これほどの大災害の結果を前にして、だれも責任をとらないという結果をもたらしております。この重大な結果を前にしても、だれもその責任を明らかにしようとしない政治とは一体何なのかということであります。ここで政治が責任を明らかにしなければ、ついに政治がイニシアチブをとることはないということを指摘したいと思いますが、総理の御見解をお伺いいたします。
 官僚政治の限界という点については、国と地方との関係についても言えるのであります。中央があらゆる分野で地方をコントロールしてきた結果、地方の自律、自治の精神を奪ってまいりました。今までの政治はそれでやれたかもしれません。しかし、これからの政治は、政治がリーダーシップをとること、国民が自主、自律、自治意識を持つこと以外に進めることは困難であります。
 一億二千万の国民をただ政治・行政の施策の対象としてのみとらえるならば、たえ得ない財政負担をもたらすでありましょう。これからの政治は、国民の自主性をいかに引き出すかにかかっております、そのためには、官僚は少し身を引いて政治が前面に出ることと、地方に権限を渡しその自主性を高める以外にないのであります。この点について、総理のお考えをお尋ねいたします。
 また、このたびの被災者の皆様に、国として、自治体として、あらん限りの御援助を申し上げることはもちろんでありますが、二十五万人もの方々の避難所生活は大変なことであり、精神面、肉体面の衛生状況は日を追って深刻化を増し、その点が行政の責任者の最も頭の痛い点であり、思い切った復興への手だてを鈍らせるものでありましょう。お年寄りや働き手以外の方々を温かく迎え入れてくれるホームステイについて手段を講ずるべきと思いますが、ボランティアの活躍と相まって、政府として呼びかけの工夫がないものかどうか、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。
 さて、以上の考え方を前提として、地方財政について質問させていただきます。
 今国会に提出されております地方財政計画によりますと、平成七年度の地方財政計画の規模は八十二兆円余に上っておりますが、これに対する地方財源の不足額は六兆九千億円余にも達しており、これを特金借り入れによる交付税措置と地方債の増発により対応しようとするものであります。これは、地方債務の増大により将来に負担を繰り延べたにすぎない、大いなる負の遺産であります。緊急避難的措置であるべき特会借入額も十兆円にも上り、地方債残高も年度ごとの上昇率は一〇%を超え、総額百二十兆円にも達しようという極めて深刻な事態となってきております。
 これは昭和五十年度以降に我々が直面した財政危機への同じ道のりであり、バブルの再来があり得ないことを考えますとき、今回はそれ以上の険しい道となることを覚悟しなければなりません。このままでは、地方の財政的自立や地方分権の実現など、ほど遠い実態であります。現下の厳しい経済状態からして、景気対策に国と地方が一体となって取り組むべきはやむを得ぬことではありますが、国の財政と異なり他律的な財源に支配された財政運営を強いられている地方財政にとって、その再建は国の財政再建以上に道が険しいことも知らねばなりません。この現状について、総理の御認識をお尋ねいたします。
 我が国の地方財政は、高度経済成長期にあっては、独自財源たる地方税、一般財源としての地方交付税、特定財源としての補助金、地方債という財政手段が、中央政府のコントロールのもとうまく結合され、有機的に機能し、キャッチアップ型の経済発展に寄与してまいりました。しかしながら、オイルショック以降の低成長期を迎え、税収の伸び悩みや地方交付税の減少から生じる毎年の財源不足に対して、地方税の強化等の税制改正を行わずして繰り返される緊急避難的な措置が恒常化してまいりました。そのやりくりが、今や地方財源の性格をゆがめ、あいまいなものとし、そのことがさらに地方の財政的自立を阻害してきているという状況を見逃すことはできません。
 地方交付税を見ますと、都道府県レベルでは今や不交付団体は東京都のみであり、市町村でも百五十七団体にすぎないのであり、地方歳入構造の交付税への依存傾向が極めて顕著であることを物語っております。この傾向は、地方交付税の財源保障機能の強化をもたらしてきております。
 そのことは、ただいま提案されました地方交付税法の改正内容にもあるとおり、単位費用や測定単位、補正係数の見直しが毎年行われ、もはや地方交付税の基準財政需要額の算定は普通常識人の理解を超える技術体系へと複雑化しているのであります。配分技術が精緻なものとなればなるほど、特定の費用と結びつく形での地方交付税の特定財源化が進行し、地方の財政的自立を阻害してくるのであります。
 かつて、大蔵省の税制課長があるレポートの中で、「地方交付税による調整は国民の税負担を高めない最も安上がりの方法である」と論じていますが、その思想が今でも強く支配しているのではないかと思わざるを得ません。地方税の強化を伴わぬ地方交付税による税源配分機能は、地方財政の交付税依存傾向を強めるだけであることを指摘しておきたいと思います。
 次に、地方債でありますが、平成七年度も、財源不足を補うための一兆五千億円余の財源対策債及び国庫補助負担率恒久化への対処のための六千二百億円の発行が予定されておりますが、これらの措置はいずれも、地方債の交付税代替財源化、補助金代替財源化という性格を有するものであり、一般財源としての交付税と特定財源としての地方債の性格をゆがめる側面を持つものであります。
 また、補助金につきましても、平成七年度も、一般財源化措置として児童保護指導監査委託費等が地方財政措置することとされております。一般財源化への方向性は歓迎すべきものであっても、事務配分の見直しとその負担のあり方が考慮されない一般財源化は、単なる国から地方への負担の押しつけにすぎないものであります。
 以上申し上げましたように、これらの地方財政措置は、地方の財政的自立を高めるどころか、地方財政の依存体質を助長する以外の何物でもないのであります。地方分権へ向け大きな転換期を迎えようとしている今月、自律的かつ個性的な地方の発展を促すような、分権性にウエートを置いた全行財政システムの転換が求められているのであります。
 今こそ我々は、地方自治の育成強化を強く意識した分権システムの構想であったシャウプ勧告が訴える、地方税強化を中心とした地方税財政システムを構築すべきではないでしょうか。総理の地方財政措置に対する現状認識とシャウプ勧告の今日的意義について、所見をお尋ねいたします。
 次に、地方税の強化という見地から見た地方消費税の導入問題であります。
 地方消費税の導入は、平成元年度の消費税導入以来、地方の独立財源確保の観点から、地方自治体の期待も大変大きかったものであります。確かに、これまでの消費譲与税と比較すれば、地方消費税として新たな税目がふえたことは評価すべきであると考えます。
 しかしながら、地方税の拡充という観点から見ると、新設される地方消費税の税率は、現行の消費譲与税と住民税の恒久減税分を補てんするだけのものにすぎず、地方税の拡充にはほど遠いものであります。残る財源不足に対して、国の消費税に対する交付税率を現行の二四%から二九・五%に引き上げて対応しようとしているものでありますが、これは交付税依存傾向をさらに強めるものにほかならず、単年度のやりくりに終始した、全く長期的視点を欠いた不十分なものであります。その意味からも、さきの税制改革がいかに中途半端なものであるかを指摘しておきたいと思います。
 自治省は、これらの問題についてどのように大蔵省と協議されたのか。以前は予算編成のたびに地方財源の確保に当たって激しい闘いがありましたが、ここのところ地方三千二百余の自治体の期待を一身に担う自治省の姿が見えず、余りにも物わかりがよくなり過ぎているのではないでしょうか。自治大臣の所見をお尋ねいたします。
 さらに、さきの税制改正では見直し規定が設けられておりますが、当然、この地方消費税の税率についてもその対象であると考えますが、自治大臣の所見をお尋ねいたします。
 また、今回の地方消費税は県税として徴収されるものであり、これからの地方分権を担うべき基礎的自治体である市町村への財政措置は明らかにされておりません。これまで私が主張してきましたように、地方の財政的自立を確保するためにも、税目配分を見直す等の抜本的改革を行うべきであると考えますが、総理の所見をお尋ねいたします。
 なお、このたびの阪神大震災に伴う財政措置については十分な対応が必要であります。その財政措置に当たっては、地方の負担に転嫁することなく、国の責任において措置されることを強く要望し、総理の所見をお尋ねいたします。
 最後に、これまで私が申し上げてきましたとおり、地方財政を取り巻く環境はまことに厳しいものがあり、他律的な財源に支配された地方自治体は、中期的展望を持った財政運営が極めて困難な状態となっております。そのことが、地方の自律性を失わせ、分権の受け皿たる力をつけることを大きく妨げているのであります。地方税財政の抜本的改革なくして地方分権の実現はあり得ないのであり、厳しい現下の冬の時代にこそ、来るべき春の到来へ備えた衣がえを行うべきであります。
 地方それぞれの現場で、納税者である住民と行政が向かい合い、相互の責任と義務を意識し合うことによって初めて自治が生まれ、一人一人が豊かさを実感できる地域社会が実現されるのだということを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#7
○内閣総理大臣(村山富市君) 山崎議員の御質問にお答え申し上げます。
 第一の質問は、今回の震災が官僚主導型の政治の限界を浮かび上がらせたのではないかという御指摘でございます。
 私といたしましては、今回の地震発生後、災害対策基本法に基づきまして非常災害対策本部の設置を閣議決定し、当面緊急に実施すべき応急対策等の措置を講じたほか、私を本部長とした全閣僚をメンバーとする緊急対策本部、そして現地における対策を徹底するために設置いたしました現地対策本部、さらには地震対策担当大臣の指名など、政治のリーダーシップのもと、従来とられたことのない新しい対応をとってきたところでございます。
 私は、政治は政策の方向づけとその実現に強いリーダーシップを発揮し、一方、行政はその専門知識を生かして誠実に具体的施策の実現に当たるという両者の役割と責任とがかみ合ってこそ、思い切った政策が実現できるものであり、これまで政府の講じた被害者の救援対策や復旧・復興対策についても、こうした政治的リーダーシップのもと強力に推進してまいったところでございます。
 ただ、地震発生直後の初動期の対応についていろいろと御批判のあることは私としても十分に承知をいたしており、今後は、今回の経験に照らし、反省すべきところは率直に反省をして、震災対策に万全を期していく所存でございます。
 なお、一月二十日の本会議において私が初めてのことと答弁したことについて触れておられますが、現場における関係自治体の職員や、警察、消防、自衛隊などの防災関係者が、みずからも被災者となりながら、困難な状況の中で不眠不休の救援活動を続けておられることにつきましては、皆さんも御承知のことと思います。私が本会議で、初めての経験であり早朝のことで若干の混乱があったと申し上げましたのは、被災地のその当時の状況を申し上げたものでございます。この際、誤解を解いていただきたいと思います。
 また、政治責任についてのお尋ねでありますが、私は今回の地震が五千人を超える犠牲者と甚大な被害をもたらしたことを重く厳しく受けとめており、今後とも、私みずからが先頭に立って、引き続き救援対策と復旧・復興対策を推進するとともに、危機管理体制や総合的な防災体制の確立のため全力を尽くしていくことこそが、この内閣に課せられた責任であると考えているところでございます。(拍手)
 次に、地方分権の推進についてのお尋ねでございますが、今回の地震により極めて甚大な被害が生じたことを厳しく受けとめ、政府、関係機関及び関係地方公共団体が一体となって災害に迅速かつ的確に対応できるよう、今後の教訓として見直すべきところは見直すことが必要であり、その際には、住民に直接接する機会の多い地方公共団体が自主的、自律的に対応できる体制を確立できるような地方分権の視点も重要であると考えているところでございます。
 今回の復興計画の策定を初め、新たな町づくりに当たりましても、その主体はあくまでも県、市、町などの地方自治体でありますが、国としても、これらの自治体と十分連携をとりつつ最大限の支援を行うとともに、国の責任においてなすべき施策につきましては大胆に実行していくべく、強力な体制をとってまいりたいと考えているところでございます。
 なお、政府においては、昨年十二月二十五日に閣議決定いたしました地方分権大綱に沿いまして、住民に身近な行政は住民に身近な地方公共団体が処理することを基本として地方分権を推進していくこととしておりまして、二十一世紀に向けた時代にふさわしい国と地方の関係を確立するため、私といたしましても、具体的な成果を上げるべく強い決意でこれに取り組んでまいる所存でございます。
 次に、ホームステイについてのお尋ねでございますが、兵庫県では、一定期間家庭に迎え入れるボランティアによるホームステイを全国にお願いしております。この対象者は、高齢者、学童、身体の不自由な方等であり、既に一万一千五百件の温かい受け入れの申し出を受けておりますが、この利用者はいまだ少数であると伺っております。せっかくの申し出を受けておるわけでございますので、今後一人でも多くこのホームステイ制度を御利用いただけるよう、兵庫県等を通じ、被災された方々への周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、地方財政の現状認識についてのお尋ねでありますが、現下の地方財政は、多額の借入金残高を抱えているほか、地方税や地方交付税が伸び悩んでいるなど、まことに厳しい状況にございます。一方では、地方団体の財政需要は、住民に身近な社会資本の整備、自主的、主体的な活力ある地域づくり、福祉施策の充実等、ますます増大するものと考えております。このため、平成七年度におきましては所要の地方一般財源を確保したところでありますが、今後とも、地方税財源の充実強化を図り、各地方団体の財政運営に支障の生ずることのないよう適切に対処してまいる所存でございます。
 次に、地方財政措置の現状認識についてのお尋ねがございましたが、地方の必要財源は、地方公共団体がみずから賦課徴収する自主財源である地方税により確保することが基本でありますが、実際には税源が地域の経済力格差を反映して偏在している状況にあることにかんがみ、地方税の充実を図るとともに、地域間の財政調整機能を有する地方交付税の充実確保を図る必要があるものと考えております。
 次に、シャウプ勧告の今日的意義についてお尋ねがございましたが、シャウプ勧告は地方自治強化とその裏づけとしての地方税制の改革等について提言したものであり、地方分権の推進が大きな時代の要請となっている今日、同勧告の趣旨を改めて踏まえつつ、今後の地方税財源の充実強化に向けて努力していくべきものと考えておるところでございます。
 次に、まず、地方消費税における市町村への財政措置について御質問がございました。
 地方分権を推進していく中で、基礎的な地方団体である市町村の役割は極めて重要であると考えており、さきの税制改革において、都道府県の地方消費税収入の二分の一は市町村に対して交付することといたしているところでございます。
 また、地方税制の抜本的改革についてのお尋ねでありますが、昨年末に閣議決定されました「地方分権の推進に関する大綱方針」におきましても、「事務配分に応じた地方税財源を安定的に確保していくもの」とされているところでございます。地方分権の推進や今後の高齢化の進展に伴う地域福祉の充実等を考えますると、一地方税財源の充実強化を図ることは重要な課題であり、今後、こうした観点から地方税の充実を図っていく必要があると考えておるところでございます。
 さらに、このたびの阪神大震災に伴う財政措置についてのお尋ねでありますが、今回の地震災害に関しましては、当面必要となる財政需要にこたえるため、六年度二次補正予算の編成作業に鋭意取り組んでいるところでございますが、いずれにいたしましても、今回の地震災害に係る復旧対策について、地方財政の運営に支障がないよう、国として財政的に必要な措置を適時適切に講じてまいる所存であることについて御理解を賜りたいと存じます。
 以下の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣野中広務君登壇〕
#8
○国務大臣(野中広務君) 山崎議員の私に対する御質問についてお答えをいたします。
 地方消費税の導入についてのお尋ねでございますが、先般の税制改革におきましては、地方団体の財政運営に支障が生ずることのないよう大蔵省とも十分協議を行い、一つには、個人住民税等の減税に伴います地方税及び地方交付税の減収額を補てんするとともに、第二には、社会福祉費等の歳出の増加に充てるために必要な税財源、すなわち二兆五千四百億円を完全に確保するため、地方消費税の創設、増収額は一兆二百億円であります、にあわせまして、消費税に係る地方交付税率を二九・五%に引き上げ、増収額一兆五千二百億円であります、地方の自主税源の充実強化と地域間の財政調整機能の拡充を図ったところであります。今後とも、地方自治の充実強化に資するための必要な地方税財源の充実確保に努めてまいる考えであります。
 自治省に激励をいただきましてありがとうございました。今後、村山総理を先頭にいたしまして、関係閣僚連携し、大蔵省とも、ともに切磋琢磨いたしまして、一層地方自治の発展に目に見える姿で努力をしてまいりたいと考えております。
 なお、今回の地方税制の改正で、見直し規定の問題に触れられましたが、地方消費税の税率の見直し規定につきましては、税負担水準のあり方については、将来の社会福祉を初めとする歳出の見通しにつき今後国民的議論を尽くす必要があると考えられるとともに、地方の行財政改革の推進状況、課税の適正化の状況、地方財政の状況等を総合的に勘案した議論を行うことが重要であると考えられることを踏まえまして、見直し規定を設け、今後、地方消費税率のあり方等をも含め議論していくことといたしております。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(土井たか子君) 富田茂之さん。
    〔富田茂之君登壇〕
#10
○富田茂之君 私は、新進党を代表して、ただいま議題となりました地方財政計画、地方税法の一部を改正する法律案並びに地方交付税法等の一部を改正する法律案につき、行財政改革の観点を踏まえて、村山総理大臣並びに関係各大臣に質問いたします。
 本論に入ります前に、去る一月十七日に発生いたしました阪神大震災により亡くなられた方々並びにその御遺族に対し、心よりお悔やみを申し上げるものであります。また、地震により家屋財産を失い、負傷された皆様、地震発生後約一カ月が経過するにもかかわらずいまだに避難所生活を余儀なくされている多くの皆様に対し、心よりお見舞いを申し上げるものであります。
 とともに、支援活動、復旧活動に携わっておられる関係各機関の職員の皆様並びに多くのボランティアの皆様の不眠不休の御努力に対し、心からお礼を申し上げ、深く敬意を表する次第であります。
 私ども新進党も、与野党の壁を越えて、海部党首を中心に一致団結して復旧・復興のためのあらゆる施策に総力を挙げて取り組んでまいることをお約束いたします。(拍手)
 さて、村山総理は、就任以来、行政改革に命運をかけるとか、行政改革は村山内閣の最重要課題と、あらゆる機会をとらえて明言されてきました。殊に、昨年九月三十日の所信表明演説では、「特殊法人の見直しにつきましては、本年度内に行うことといたします。」と、明確に期限を区切って公約されております。
 そして、本年一月二十日の施政方針演説におきましても、「私は、行政改革の断行を初めとする諸課題に全力を傾注し、「改革から創造へ」と飛躍を図ることにより、我が国の新たな地平を開くための「創造とやさしさの国づくり」に真正面から取り組んでまいります。」とか、「改革の方向を一言で言えば「官から民へ、国から地方へ」であります。すなわち、官と民との関係では規制緩和、国と地方との関係では地方分権、国民の信頼確保の観点からは行政情報の公開を進め、また、行政組織やそれを補う特殊法人等を改革をして、簡素で効率的な、国民の信頼にこたえる行政を実現していかなければならないと存じます。」とか、さらには「特殊法人については、情勢の変化によってその事業の役割が十分に果たし得なくなっているものはないか、改めて評価するとともに、行政の減量化と新たな時代の要請にこたえるため、年度内にすべての特殊法人の見直しを行い、政治的リーダーシップをもって統廃合を含めた整理合理化を推進する決意でございます。」と、力強く決意表明されております。
 ところが、この決意に反して、政府・与党が二月十一日未明までにまとめた特殊法人の整理合理化案は、単なる数合わせに終始し、大幅な歳出削減に結びつく本格的な行政改革とは到底言えないものであります。
 統廃合により十一法人の削減がなされるようでありますが、廃止される特殊法人は、厚生省所管の役員二名、職員わずか二十一名の社会保障研究所一つだけであります。この社会保障研究所についても、その機能が厚生省所管の他の研究機関に引き継がれる予定のようであり、歳出削減の実効性があるのか甚だ疑わしいのであります。
 また、統合が予定される七件についても、その業務の多くは継続され、理事ポスト並びに職員の定員が現実にどれだけ減少し、どの程度の歳出削減になるのか、国民の目に全く見えてこないのであります。焦点となった政府系金融機関の統廃合問題につきましても、与党各党、各省庁の思惑が絡み、国民の目から見て全く理解しがたいドタバタ劇を繰り返したあげく、結局、今国会会期中に結論を出すとして先送りされてしまいました。
 総理は、今回決定した特殊法人の整理合理化案を満足のいくものと考えておられるのですか。総理が国民に約束した改革とは、この程度のものなのですか。明確な答弁を求めるものであります。(拍手)
 報道によりますと、総理は消費税率引き上げで国民に痛みを背負わせたことにじくじたるものを感じているとのことでありますのであるならば、なおさらのこと、国民が見てはっきりわかるような、国民が十分納得できるような改革案、整理合理化案を総理みずからが先頭に立って取りまとめ、みずからの責任で実行に移すべきではないですか。
 今回の特殊法人の整理合理化案の決定に至る過程で、村山総理の顔が全く見えてこなかった、総理のリーダーシップが全く発揮されなかったのは、まことに遺憾であるとともに、総理の責任は重大であると言わざるを得ません。国民に聞こえてくるのは、武村大蔵大臣と橋本通産大臣の省益をかけた争いや、連立与党各幹部間の不協和音といったものばかりで、村山総理が強力なリーダーシップを発揮したと思えるものは何一つありません。今回の一連の経過を見る限り、今国会会期中にと結論を先送りしたとしても、結果は既に見えていると言わざるを得ません。
 総理はリーダーシップをいつどのように発揮されるのですか。また、総理はリーダーシップを発揮できなかった場合は国民に対してどのように責任をとるおつもりなのか。明確な答弁を求めるものであります。
 なお、武村大蔵大臣は、特殊法人の見直しに成果がなければ政権離脱も辞さずと言明してきたと伝えられておりますが、今回取りまとめられた整理合理化案につきどのような感想を持たれているのか、御所見を伺いたいと思います。
 そもそも、特殊法人の整理合理化案に関し今回のような不十分な結論しか出なかった最大の原因は、村山内閣がどのような目的、指針を持って改革に臨むのかが当初から明確でなかった点にあります。
 我が新進党は、特殊法人は民業の圧迫、事業の非効率などの弊害を生じており、行政改革の視点に立って、すべての特殊法人について設立当時の原点に立ち返り、事業の役割、意義を根本的に見直す必要があると考え、すべての特殊法人について存続の是非を根本的に見直すため、五年というタイムリミットを設け、その期間内にその必要性を十分吟味し、不要なものは廃止または民営化するとともに、存続するものについては新たな法律をもってその存続期限を付すサンセット法案を制定することを提言いたしました。
 そして、サンセット法制定に至るまでの当面の措置として、事業目的を達成しているものは廃止か縮小する、同種の事業を実施しているものは統合する、特定の地域を対象のものは全国的なものに統合か地方へ移す、民法法人等で事業可能なものはそれに任せる、企業的経営で効率化が図れるものは民営化するという明確な基準を設け、これに基づいて整理合理化を進めるべきと考えます。また、特殊法人の統合に当たっては、役員については統合前の合算総数の七割以下、職員については八割以下に削減すると、定員削減についても具体的に提言しております。
 このように、国民から見てわかりやすく明確な基準を設けることが改革の推進に当たっては重要であると考えますが、この新進党の提言につき村山総理はどのように受けとめられるか、御所見を伺いたいと思います。(拍手)
 さて、平成七年度地方財政計画によりますと、その財政規模は八十二兆五千九十三億円で、前年度比二・○%の増加とされておりますが、最大の問題点は、地方債、企業債、交付税特会借入金を合計したいわゆる地方の借入金残高が平成七年度末で約百十六兆円にも上るという点であります。
 地方の借入金残高は、平成三年度までは、累増してはいたものの、年間五兆円を超える増加はありませんでした。ところが、平成四年度以降、いわゆるバブル崩壊による税収減の影響があるとはいえ、八兆九千億円、十二兆六千億円、十一兆三千億円と毎年残高が異様な増大傾向を示し、七年度末までにさらに十三兆二千億円も増加する見込みとなっております。
 昨年三月二十五日、本院の地方行政委員会は、このような地方財政の危機的状況を憂慮し、地方財政の拡充強化に関する決議を行い、「百兆円を超える多額の借入金が将来の地方財政を圧迫するおそれがあることにかんがみ、地方一般財源の充実強化により、その健全化を図る」ための具体的措置を政府に対して求めております。にもかかわらず、平成六年度末見込みより約十三兆二千億円も借入金残高が増大するというのでは、この委員会決議が全く顧みられなかったと言っても過言ではありません。
 現在、本院の予算委員会で審議中の平成七年度予算案によれば、平成七年度末の国債発行残高は約二百十二兆円に上ると予想されております。これと地方の借入金残高を合算すれば、約三百二十八兆円の借金を国民が負うことになり、国民一人当たりに換算すれば約二百六十万円、夫婦に子供二人の標準世帯で一千万円を超える多額の借金を負担し、これを後世代に残すことになるわけであります。
 また、このような借入金の累増は、義務的な経費である利払い費などの公債費も膨張させることになり、平成六年度においても地方財政計画ベースで約九兆円が支出されているのであります。この結果、地方が政策的な判断で増減できる一般歳出を圧迫し、財政の硬直化がさらに進むことが懸念されるのであります。
 平成七年度地方財政計画の策定方針によりますと、「地方債については、住民税の減税に伴う減収及び地方財源の不足等に対処するための措置を講じるとともに、自主的・主体的な活力ある地域づくり、生活関連社会資本等の整備を推進する」として、十六兆三百三十二億円の計画規模とされておりますが、公債費のさらなる膨張を考慮した場合、策定方針の言う地域づくりや生活関連社会資本の整備に向けて、地方が本当に自主的、主体的に取り組むことができるのか、大いに疑問であります。
 そこで、地方の借入金の歯どめなき増大傾向に対し、地方の自主財源の充実、それを踏まえた地方財政計画の策定のあり方といった根本からの見直しが必要であると思われますが、この点に関し、総理並びに大蔵、自治各大臣の御所見を伺いたいと思います。
 次に、国民健康保険制度の見直しについて質問いたします。
 地方財政計画の策定方針によりますれば、「国民健康保険制度の保険基盤安定事業については、国の負担が平成八年度まで暫定的に定額負担とされることに伴い、市町村負担分四百五十三億円に対する地方財政措置として、地方交付税の特例措置三百七十三億円及び調整債八十億円により対処する」とされておりますが、そもそも保険基盤安定制度、これは応益保険料の軽減分を公費で補てんする制度でありますが、この制度の国庫負担割合は二分の一の定率負担が大原則であります。
 平成四年度においては、この原則に基づき応益保険料の軽減分約千二百億円の二分の一に相当する約六百億円を国が負担していたのでありますが、平成五年度、六年度につきましては、国庫の厳しい状況にかんがみ、暫定措置として国の負担を百億円の定額負担とし、国庫負担縮減相当額については地方財政措置が講じられたのであります。今回、定率負担の原則に戻らずに、何ゆえにこの暫定措置をさらに二年間継続することとしたのか、納得のいく説明を厚生大臣に求めたいと思います。
 国民健康保険は、国民全体の三割に相当する約三千八百三十万人が加入しているにもかかわらず、保険者である三千二百四十五の市町村間の財政力格差が大きく、現在、三百六十九市町村の国保会計は赤字であると言われております。国民健康保険加入者は、組合管掌健康保険や政府管掌健康保険の加入者に比べて、同一収入の場合、掛金を約二倍支払いながら、外来診療時には、組合健保等の加入者が一割の自己負担であるのに三割の自己負担があり、明らかに不利益な状況にあります。この矛盾を解決するためには、各種の保険を一元化して、給付と負担の公平化が図られなければなりません。そのためにも、国保の財政基盤を強固にする必要があるのであります。
 国民健康保険の場合、保険料を支払う水準に達していない人が加入者の約四分の一と推定されております。このような立場の人々に対してこそ、国がより積極的な施策を講じるべきであります。暫定措置の継続などという小手先の対策ではなく、高齢化社会に十分対応できるような保険の一元化を含む抜本的制度改革に取り組むべきと考えますが、「人にやさしい政治」を標榜する村山総理並びに厚生大臣の御所見を伺いたいと思います。
 最後に、投資単独事業の推進について御質問いたします。
 地方単独事業の実績は、昭和六十三年以降毎年一〇%以上の伸び率を示しており、補助事業費の実績や地方財政計画で予定した事業費を大きく上回る状況となっております。これは、地方が、住民生活に身近な生活関連施設等の計画的整備や、地域の特性を生かした個性的で魅力ある地域づくりに創意工夫を凝らして積極的に取り組んできた成果であり、地方分権の推進という観点からも大いに評価すべきものと考えます。
 また、公共投資の過去十年間の実績を見ますと、推計ではありますが、公共投資の七〇から七五%程度は地方団体が実施し、公共投資の六〇%程度は地方団体が負担し、公共投資の四〇%程度は地方単独事業であります。この点から見ましても、地方の役割はますます高まっており、その事業実施に係る財源の確保は不可欠であります。
 さきの地方財政の拡充強化に関する決議におきましても、「地域の実情に応じた生活環境及び住民生活に密着した社会資本の整備を推進し、自主的・主体的な地域づくりを更に進めるため、地方単独事業の一層の充実を図ること。」が政府に対し要請されております。この地方単独事業の充実という点に関し、大蔵、自治各大臣はどのように取り組まれるのか、その御決意をお伺いして、私の質問を終えます。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#11
○内閣総理大臣(村山富市君) 富田議員の質問にお答えを申し上げます。
 特殊法人の整理合理化案についてのお尋ねでございますが、先週末十日に各省庁から見直し結果の最終報告が行われ、政府・与党一体となって、統廃合、事業・組織のスリム化その他の整理合理化の具体化に全力を挙げて取り組んだところでございます。
 今回の見直しは、すべての法人についてその事業の役割を改めて点検し、業務の縮減を含む事業の合理化、効率化を推進するものでございます。さらに、十四の法人を七法人に統合し、五つの法人について廃止、民営化等の組織形態の変更を行うものでございます。また、与党の改革案を踏まえ、財務内容の公開等、特殊法人の管理運営の改善も盛り込み、今後閣議において決定する予定でありますが、相当の成果を上げたものと認識をいたしております。(拍手)
 次に、特殊法人改革におけるリーダーシップについてのお尋ねでありますが、特殊法人の改革を含め行政改革の推進は、この内閣が全力を傾けて取り組まねばならない課題であると認識をいたしております。昨年九月二十二日の臨時閣議におきまして、私から各大臣に対しまして、与党の基本方針を踏まえ、行政改革の推進に積極的に取り組んでいくため、各大臣の責任において具体的方策を検討するよう指示をいたしたところでございます。それ以来、節目節目におきまして、私が各閣僚を督励するとともに、与党三党首会談あるいは政府・与党首脳会議の場におきまして、随時私から積極的に発言をし、取り組みをお願いしてまいったところでございます。
 先週末十日に各省庁から見直し結果の最終報告が行われましたが、これは、政府・与党一体となって、統廃合、事業・組織のスリム化その他の整理合理化の具体化に真剣にそれぞれ取り組んできたものでございます。閣僚折衝の最終場面では、与党各党党首とぎりぎりの協議を行い、特殊法人改革に全力を傾けて二月十日にまとめたものでございます。今後、政府系金融機関につきましても引き続き真剣な検討を行いますが、この過程において、私自身の責任において最大限の努力を払ってまいりたいと考えているところでございます。
 次に、新進党の提言についてのお尋ねでございますが、この提案は党内で十分御論議の上取りまとめられたものであると承知をいたしております。その内容につきましては、新進党独自のお考えがある一方、政府の今回の見直しと共通している部分もあり、改革の方向として全く異なるものではないと考えております。
 いずれにいたしましても、政府としても改革に全力を挙げて取り組んできたところであり、なお残された課題については、不断の努力が続けられなければならないと考えております。今後とも、全体としての改革の実現に向けて、野党においても御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
 次に、地方の自主財源の充実についての御質問でございますが、先般の税制改革におきましても、地方分権の推進、地域福祉の充実等のため、地方税源の充実を図ることとし、地方消費税を創設するとともに、地方団体の財政運営に支障が生じないよう必要な地方財源を確保するため、消費税に係る地方交付税率を引き上げることとしたところでございます。今後とも、地方団体が自主的、主体的な財政運営を行えるよう、毎年度の地方財政計画の策定を通じて、地方税、地方交付税等の地方一般財源の充実確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、国民健康保険制度の改革についてのお尋ねでありますが、今回の改正は、低所得者層の増加や小規模保険者の増加等、国民健康保険制度の抱える構造的問題に対応し、当面必要とされる措置を講じることにより、制度運営の安定化を図ろうとしたものでございます。今後の国民健康保険制度のあり方につきましては、医療保険制度の全体のあり方について幅広い観点から議論を行っていくことにより、より抜本的な見直しが図られるよう努めてまいる所存でございます。
 残余の質問につきましては、各大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣武村正義君登壇〕
#12
○国務大臣(武村正義君) まず、特殊法人についての感想でございますが、率直に言って、かなりの成果を上げることができた、こう思っております。
 過去、歴代の内閣が、この特殊法人の問題については何回もチャレンジをしてまいりました。そういう成果と比較いたしましても、今回、文字どおり半年間の短い期間の中でありますが、総理の熱意と各閣僚の大変な行政に対する督励の結果、これだけの、とりあえず十日で成果を集約することができたと思っております。
 一番小さな厚生省の社会保障研究所の話をお出しになりましたが、例えば私の所管いたしております大蔵省の塩の問題は、明治以来の国家管理をしてきました官営の塩を、今回思い切って民営化することに決断をしたわけであります。このことによって、いわば塩の専業にかかわっている職員は六百名おります、専従職員が。この専従職員は完全に職を失うわけであります。私どもは、一人一人の事情を伺いながら、真剣に職をあっせん、保障しながら、この民営化を断行していきたいと思っております。
 しかし、これまた率直に申し上げて、この成果だけで私は十分とは思っておりません。これはこれとして、野党の皆さんもそれなりの評価をしていただきたい。しかし、まだ今後も不断の努力を続けなければなりませんし、特に、政府・与党の方針としましては、共通性のある政府系金融機関については、今後も時間を区切って、共通の問題として、公的金融の改革に取り組んでいく決意であります。
 次に、地方財政計画の見直しでありますが、今日の国・地方を通じた厳しい財政状況を踏まえて、地方の自主財源の充実や地方における経費の節減合理化が大変重要と考えます。今後とも、毎年度の地方財政計画の策定を通じて、地方団体の財政運営に支障を生じないよう地方一般財源の確保に努めてまいります。
 次に、地方単独事業の充実でありますが、平成七年度の地財計画におきましては、地方単独事業について、公共投資基本計画等の考え方に沿った社会資本整備の着実な推進に配慮をしながら、前年度に比べて五%増の十九兆五千億円を確保したところであります。今後ともこの事業につきましては努力を重ねてまいりたいと思いますし、地方団体におかれましても、この事業の執行に適切な取り組みを期待するところであります。(拍手)
    〔国務大臣野中広務君登壇〕
#13
○国務大臣(野中広務君) 富田議員の御質問にお答えをいたします。
 最初に、地方の借入金の増大に伴う地方財政計画の策定のあり方についての御質問でありますが、地方団体が、住民に身近な社会資本の整備等現下の重要政策課題を推進し、円滑な行財政運営を行っていきますためには、自主財源である地方税財源を充実強化するとともに、あわせて地方交付税などの地方一般財源の確保を図ることが極めて重要であります。
 先般の税制改革におきましては、地方分権の推進、地域福祉の充実等のために、地方税源の充実を図ることといたしまして、消費譲与税にかえまして地方消費税を創設するとともに、消費税に係る交付税率を二九・五%に引き上げることとしたところであります。今後とも、御指摘のとおり、地方団体が自主的、主体的な財政運営が行えますよう、毎年度の地方財政計画の策定等を通じて、地方税、地方交付税等の地方一般財源の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、地方単独事業の充実についての御質問でありますが、先ほど申し上げましたように、地方団体は、住民に身近な社会資本の整備、自主的、主体的な活力ある地域づくり等のために、地域の特色を生かした単独事業を着実に推進していくことが要請されております。このため、平成七年度の地方財政計画におきましては、公共投資基本計画の趣旨にも沿って、地方単独事業費として前年度に比べまして五%増の十九兆五千億円を確保したところであります。
 地方団体が、このような社会資本整備や地域づくりを進める上での役割を十分に果たしつつ、円滑な行財政運営を行っていきますためには、自主財源である地方税を中心とした安定的かつ伸長性のある地方の税財源を充実強化していくことが必要でありますとともに、あわせて地方交付税などの地方一般財源の確保が極めて重要であり、毎年度の地方財政計画の策定を通じまして、その確保に努めてまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣井出正一君登壇〕
#14
○国務大臣(井出正一君) 富田議員にお答えをいたします。
 まず最初に、国民健康保険制度における保険基盤安定制度の国庫負担についてのお尋ねでございますが、今回の国保改正が制度運営の安定化のための当面の措置であること、国の財政が極めて厳しい状況にあること等を踏まえ、国庫負担を定額とする暫定措置を二年間継続することとしております。
 なお、国庫負担額につきましては、五年度、六年度においてそれぞれ百億円でありましたものを、七年度は百七十億円に、さらに八年度は二百四十億円にと増額することとし、市町村の負担が増大しないよう配慮しております。
 続いて、国保の抜本的制度改正についてのお尋ねでございますが、今回の改正案は、国保制度が抱える構造的な問題に対応するための当面必要な措置を講じるものであります。今後、医療保険制度全般における給付と負担の公平化について幅広い観点から議論をしていく中で、新介護システムのあり方等も踏まえ、国保制度の抜本的改革に向けさらに努力してまいる所存であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(土井たか子君) 古堅実吉さん。
    〔古堅実吉君登壇〕
#16
○古堅実吉君 私は、日本共産党を代表して、一九九五年度地方財政計画、地方交付税法並びに地方税法改正案に関連して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 まず、阪神大震災に関連してであります。
 質問に入る前に、災害で犠牲になられた方々に深い哀悼の意を表するとともに、困難の中で必死で頑張っておられる皆さんに心からのお見舞いを申し上げます。
 死者五千三百人を超す大災害となった地震から四週間、いまだに避難所生活を強いられている人々は二十二万人にも上っています。長引く避難所生活から逃れて、危険を承知で、退去勧告が出されている自分の住宅へ戻る人が出るなど、避難所生活を続ける被災者の我慢も限界に来ています。住宅、医療、衛生、教育、雇用、中小業者の経営再建と地元商店街の復興など、至急打開しなければならない課題は山積しています。今、救援の規模とスピードを被害の実態に即応したものに引き上げることは、国政の緊急かつ最大の任務です。
 この観点から具体的に伺います。
 政府は、当面、三月に三万戸、追加の一万戸を加えて四月までに四万戸の仮設住宅を建設する計画ですが、追加された一万戸については、土地の確保が二千戸までしかできず、発注ができない状況です。国有地の開放や民間に遊休地の提供を求めるなど、政府の責任で土地の早急な確保を図るべきであります。三月までの建設分についても必要な作業員や資材の確保を図り、仮設住宅メーカーに建設促進を強く要請して、一日でも早い入居を実現させなければなりません。どのような具体的な手だてをとられるのか、総理の答弁を求めます。(拍手)
 同時に、仮設住宅待ちになるのではなく、避難所生活そのものの改善も必要です。暖房マットや畳、洗濯機、乾燥機の設置を約束されましたが、それは希望があればすべての避難場所に設置するのですか。また、避難生活が長引けば長引くほどプライバシーの確保が必要となりますが、間仕切りなど最低限の手だてをとられるのかどうか。さらに、寝たきり老人のために入浴バスを動員するなどの特別の措置がとられるのかどうか。これらのことについていつまでに行うのか。現在の進行状況とあわせて厚生大臣の答弁を求めます。
 寝たきりのお年寄りや障害者などには特別の対策が必要です。これらの人たちのために、政府は仮設住宅の他に八千戸を国費で用意することを約束されましたが、確保されているのはいまだ一千戸に満たず、旅館については方針を決めてから十日たってやっと募集が始まる状態です。九日の記者会見で、総理は「災害に弱い立場にある方々に優先的に心を配り、きめ細やかなぬくもりのある対応をするよう対策本部に指示してきた」と言われましたが、進行状況は極めて不十分です。どのような手だてを打たれるのか、総理の答弁を求めます。
 また、神戸市が仮設住宅の第一次募集をしたところ、六十歳以上の高齢者だけの世帯、一、二級の障害者のいる世帯などの第一順位の世帯だけで二万一千八百九十七戸の申し込みがありました。八千戸では到底足りません。この数を大幅に引き上げるべきだと思いますが、どうですか。総理は会見で、被害を受けられた方に希望を持つことを訴えられましたが、具体的な展望があってこそ希望が持てるのであります。総理の明確な答弁を求めます。(拍手)
 住宅への応急修理の問題も切実です。
 災害救助法では、生活保護世帯や老人世帯など自力で応急修理ができない被災者に対して、自治体が応急修理をすることができるとされていますが、実際にはほとんど行われていないばかりか、制度そのものが被災者に知らされておりません。適用期限は災害発生の日から一カ月以内とされ、このままでは救助法の規定そのものが空文化することになります。期限を延長するとともに、援助の全面的な実行を図るべきだと思いますが、厚生大臣の答弁を求めます。
 また、貸し家の場合、家主が修理を拒んだり家主に資力がない場合には、借りている人からの申請でもそれができるようにすることが必要だと考えますが、あわせて答弁を求めます。
 中小企業、中小業者は、長引く不況の中で借金に借金を重ね、やっと生き延びてきたところへ、今回の大震災により壊滅的打撃を受けています。再建の意欲に燃えた業者にとって、長期で無担保、無保証、無利子の融資は不可欠です。中小企業者の立ち直りは復興の重要なかぎというのなら、この無担保、無保証、無利子融資こそ政府の責任で行うべきではありませんか。乱脈不正で破綻した信用組合の救済をするなら、どうして被災を受けた中小企業、業者に対する無利子融資ができないのか、これは国民の率直な声です。
 政府の防災対策に対する軽視、初動態勢でのおくれが指摘されている折、なおさら復旧・復興に対する政府の姿勢が問われています。利子補給でいえば、国がわずか〇・五%しか負担せず、あとは被災自治体に負担させるというのでは、政府の責任ある措置とは言えません。必要な財源は国がすべて負担する無利子融資を求めるものであります。総理の答弁を求めます。(拍手)
 消防職員や消防車の不足に加えて、消火栓が断水で使えないという事態が、延焼を食いとめることができず、今回の大災害をもたらした要因の一つにもなっています。震災時の消防水利の確保は耐震性貯水槽の整備が基本と言われながらも、事実上自治体任せになっています。自治大臣、消防水利の基準の中に耐震性貯水槽を位置づけ、その整備についても、国としての目標を持って十分な財源手当てを講じて、地方自治体が積極的に整備に取り組めるようにするのが国の責務ではありませんか。答弁を求めます。
 次は、地方自治と地方財政についてであります。
 憲法で「地方自治の本旨」がうたわれ、地方自治法が制定されてから半世紀にもなろうとしていますが、宅地開発指導要綱への国の干渉に見られるように、依然として自治体は国の強い統制下にあります。これは、戦後の地方自治制度の改革で、国と都道府県、市町村とは対等の行政機関であるとの建前が打ち立てられたにもかかわらず、戦前の制度を引き継いだ機関委任事務制度が温存され、自治体の長は主務大臣や知事の指揮監督を受け、地方の議会はその委任事務についての議決権を持つことはできないなど、旧制度そのままの仕組みが残されているからであります。
 総理は「地方が実情に沿った個性あふれる行政を展開できるよう、その自主性を強化し、地方自治の充実を図っていくことは、民主政治の原点」と施政方針演説で述べていますが、「地方自治の充実」を言われるなら、事務量で都道府県で七割、市町村で四割と言われる機関委任事務について、その制度の原則廃止をまず検討すべきだと思われますが、総理の見解を伺います。
 このような制度そのものにメスを入れないために、整理合理化という政府方針とは裏腹に、機関委任事務はふえ続けています。また、保育所の入所事務など団体委任事務になっても、通達などで国が関与を続ける事例が見られますが、こうしたことはやめるべきではありませんか。厚生大臣並びに自治大臣の答弁を求めます。
 臨調答申以来、政府は、国は外交・防衛に専念し、住民生活にかかわるものは地方という考えのもとに、教育や福祉、社会保障など国民生活にかかわる分野の多くを地方に押しつけてきました。総理もこの方針を踏襲されるつもりなのかどうか。また、憲法二十五条は、国民の生存権を保障する担保として、社会福祉、社会保障及び公衆衛生について不断の向上と増進を国に義務づけていると思いますが、総理の見解を求めるものであります。
 地方自治を保障する上では、自主財源の確保がとりわけ重要です。交付税の不交付団体は、都道府県では東京都一団体、市町村では百五十七団体と、全国三千三百ある自治体のうちの一割にも満たない数です。自前の財源で財政運営ができない自治体が圧倒的だという現状をどう思われますか。交付税に頼らない、自主財源でみずからの財政運営が可能になるように、国から地方への税源移譲が行われるべきだと思いますが、総理の率直な答弁を求めます。
 九五年度の地方財政計画は、歳出の主要項目である地方単独事業を八年ぶりという低い伸びに抑えながらも、六兆九千四百九十七億円という過去最高の財源不足を生じる事態となりました。財源不足は表面的には補てんされたとはいえ、そのほとんどが地方の借金であります。財源不足が生じた場合、特例措置として国の一般会計からの繰り入れを行うのが法律の原則です。不足額のほとんどを借入金と地方債の増発という、いわば地方の借金でそれにかえるということは、繰り入れを行うという国の責任の放棄にはなりませんか。大蔵大臣の答弁を求めます。
 三兆三千三百九十九億円の新たな借入金を含め、交付税特別会計の年度末の借入金残高は十兆七千七百二十四億円にもなります。この数字は、十一年前に、これ以上の借り入れは地方の財政体質を一層悪化させてしまうとして、資金運用部からの借り入れをやめた八四年当時の借入金残高五兆六千九百四十一億円を大幅に上回るものであります。今回の借り入れは、借り入れはしないという政府みずからの約束を踏みにじるだけでなく、財政体質を一層悪化させてしまうとした額を大幅に上回る借り入れを行った自治大臣の政治責任が問われるものであります。自治大臣の答弁を求めます。
 法律に基づく額三千九百七十五億円、自治大臣と大蔵大臣の覚書に基づく額七千四百十七億円、合計一兆一千三百九十二億円が九五年度の交付税特別会計に繰り入れられ、地方に配分される予定でありました。ところが、実際に繰り入れられた額は千八百十億円で、九千五百八十二億円という過去最高の額が先送りとなりました。財源不足が生じるなら、予定額をなぜ優先的に繰り入れをしなかったのですか。答弁を求めます。
 また、今回の九千五百八十二億円を加えて、先送りされた額は総額五兆四百十三億円にもなります。渇水災害、三陸はるか沖地震、そして阪神大震災と、自治体から財政支援が今ほど待たれているときはありません。交付税を地方の共有財源というのなら、先送りされた交付税は地方に配分すべきであります。その意思があられるかどうか、最後に自治大臣の答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#17
○内閣総理大臣(村山富市君) 古堅議員の質問にお答えをいたします。
 まず第一は、仮設住宅の用地確保についてのお尋ねでありますが、兵庫県では、現在、関係市町村に要請をいたしまして追加分一万戸の用地を確保する調整作業を進めておりますが、とりあえず住宅・都市整備公団の十ヘクタールの土地が確保されたと報告を受けております。今後とも、国有地の活用を含め必要な土地の確保につきましては、兵庫県、神戸市など関係市町村とともに鋭意調整を進めてまいりたいと考えております。
 なお、応急仮設住宅の建設につきましては、既に約三万戸を発注いたしまして、今約一千戸が完成をし、順次入居をいただいているところでございますが、さらに、二月中に約六千戸が完成する予定であります。三月中には三万戸すべてを完了させるべく最大限の努力を払っているところでございます。このため、関係業界に資材等の確保に最大限の御協力をいただくとともに、夜間の資材搬送や工事の実施を初めとするきめ細かな工事促進策を講じているところでございます。
 次に、高齢者、障害者等の住宅対策についてお尋ねがございましたが、現在、四万戸の計画のもとに建設を急いでおります応急仮設住宅につきましては、優先的に入居をしていただいているところでございます。さらに、健康に不安のある高齢者、障害者等を対象といたしまして、民間アパート等を借り上げる道を開いたところでございまして、関係業界等の御協力のもとに、その確保に努めてまいっているところでございます。
 なお、このような民間借り上げ等につきましては、兵庫県においては八千戸程度必要ではないかとの意向が表明されておりますが、避難所の高齢者等の必要に応じられますよう、できる限りの量を確保してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、中小企業の復旧対策として無利子融資を行うべきではないかとのお尋ねでございますが、今般決定をいたしました被災中小企業支援対策におきましても、被災中小企業者の資金調達の円滑化を図るために、地方公共団体との連携や政府系中小企業金融機関の活用によりまして、従来の超低利三%を実質的に下回る金利二・五%を提供するなど、政府として思い切った措置をとっておるところでございます。
 さらに、県や市におきましては、国の協力を得て、これらの融資につきましては、利子補給を行うことにより当初三年間を実質無利子とする方向で検討中であると承知をいたしております。その実施の時期、内容につきましては、近く具体的に明らかにされるものと期待をいたしているところでございます。
 次に、機関委任事務制度についてのお尋ねがございましたが、政府といたしましては、昨年十二月二十五日、地方分権大綱を閣議決定したところでございます。この中では、御指摘の機関委任事務につきましても整理合理化を積極的に進めるとともに、その制度のあり方についても検討を行うことといたしているところでございます。地方分権の推進は、現内閣の最重要課題の一つと位置づけているところでございまして、政府といたしましては、今国会に地方分権推進の基本理念や委員会設置などを盛り込んだ地方分権の推進に関する法律案を提出することといたしているところでございますので、皆様方の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
 次に、国は教育、社会保障などを地方に押しつけてきたとの御指摘でございますが、臨調行革審答申においては、住民に身近な行政はできるだけ身近な地方自治体で処理するという基本的な考え方が示されており、政府が昨年末閣議決定いたしました地方分権大綱におきましても、この考え方に沿って地方分権を具体的に進めていくこととしているところでございます。
 御指摘の項目のうち、まず教育についてでございますが、現在、地方公共団体は学校の設置運営など教育行政の多くを担っており、国はこれを支援するため、学校制度の枠組み、教育課程の基準などの全国的な基準の制定のほか、必要な財政措置を行うとともに、地方公共団体への指導助言を行ってまいりたいと考えています。
 次に、社会保障についてでございますが、社会保障分野におきましては、全国的な基本ルールの制定や全国的規模、視点が必要不可欠な施策・事業などにつきましては国において適切に実施されるべきものでありますが、一方、保健・福祉サービスなど国民生活に密接に関連した施策につきましては、従来より積極的に権限移譲等を推進してきたところでございまして、今後ともこの方向で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 今後とも、地方分権の基本的考え方を踏まえ、国と地方の適切な役割分担を目指してまいる所存でございます。
 次に、憲法第二十五条についてのお尋ねでございますが、同条は「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定されており、国は、社会保障制度をより公平、公正、効率的なものへと再構築するなど、具体的な施策を通じまして社会保障の充実に向けて努力していくことが必要であると考えております。このため、今後とも国と地方の適切な役割分担に留意をしながら、いろいろな立場や状態にある人々が、社会全体の支え合いの中で、公正で充実した生活を送ることができる福祉社会の実現を目指してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、自主財源の少ない地方団体が多いことについてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、歳入のうち地方税収の占める割合が三〇%未満の団体数が全体の約七割を占めているなど、多くの地方団体が財政力の面で問題がある状況であると認識をいたしておるところでございます。このような状況を踏まえ、地方税財源の充実強化を図り、各地方団体の財政運営に支障を生ずることのないよう適切に対処してまいる所有でございます。
 次に、国から地方への税源移譲についてのお尋ねでありますが、先般の税制改革におきましては、地方分権を推進し地方税源の充実を図るため、地方消費税を導入することとしたところでございます。また、昨年末に閣議決定されました「地方分権の推進に関する大綱方針」におきましても、「事務配分に応じた地方税財源を安定的に確保していくもの」とされているところでございます。地方分権の推進や今後の高齢化の進展に伴う地域福祉の充実等を考えますと、地方税財源の充実強化を図ることは重要な課題でございまして、今後、こうした観点から、自主財源である地方税の充実を図るとともに、地域間の財政調整機能を有する地方交付税の充実確保を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣井出正一君登壇〕
#18
○国務大臣(井出正一君) 古堅議員の御質問にお答えをいたします。
 避難所における暖房マット、洗濯機、乾燥機の設置についてのお尋ねでございますが、現在、避難所の生活に関しては、避難所緊急パトロール隊が各避難所を巡回する中で把握したり、避難所から御要望のあった必要な物品については早急に手配する体制をとっているところであります。
 御質問のございました点につきましては、例えば洗濯機については、水道の復旧状況も踏まえながら配置を進めており、二月八日現在百三十二カ所で配置されているなど、避難所での必要性を踏まえて順次設置を行っているところであります。未設置の避難所につきましても、必要性に応じ早急に設置すべく手配を行ってまいりたいと考えております。
 次に、避難所におけるプライバシーの確保方策についてのお尋ねでございますが、現在、被災者の方々が一日も早く住宅に入居し安定した日常生活を取り戻すことができるよう、応急仮設住宅等住宅の確保に全力を挙げて努めているところであります。しかしながら、しばらくは避難所での生活をお願いせざるを得ない方々の生活にも配慮する必要があり、できる限り間仕切りの設置をするなどして住環境の整備を図ってきているところであり、現在未設置の避難所につきましても、避難者の状況等を見きわめつつ早急に対応することとしております。
 寝たきりの高齢者などの入浴についてでありますが、先月から民間の入浴事業者に御協力をいただき、有料老人ホームを拠点とした移動入浴車十四台による巡回入浴サービスが実施され、現在までに約八百名の寝たきり老人の方々に利用されております。また、被災地のデイサービスセンターも地域により事業を再開し始めており、入浴サービスも部分的に実施されております。さらに、今後、被災地以外の市町や社会福祉協議会等が所有する移動入浴車による入浴サービスも順次実施されることとなっております。今後とも、民間の事業者等の御協力を得ながら、地元自治体と一体となって、高齢者等に対するきめ細かなサービスに全力を挙げてまいる所存であります。
 次に、被災住宅の応急修理についてのお尋ねでございますが、災害救助法による住宅の応急修理については、半壊等の被害を受けた者がみずからの資力では修理できない場合に、日常生活に必要欠くことのできない部分、例えば居室、炊事場、便所等の最小限度の生活の維持に必要な部分について、地方自治体が修理を行うものであります。その期間については、原則として災害発生の日から一カ月以内に完了することと定められておりますが、被災の状況によっては、厚生大臣による特別基準を設定し、必要最小限度の期間延長をすることができることとなっております。したがいまして、今回の災害についても、地元自治体と十分に調整し、適切に対応してまいりたいと思います。
 続いて、被災住宅の応急修理の周知についてのお尋ねでございますが、兵庫県及び関係市町においては、被災者の避難所への誘導や、食事、飲料水の供給等の救助が優先されていたところであり、応急修理に関しては技術者の確保が整わず実施がおくれていると聞いております。しかし、兵庫県では、既に関係市町に対し応急修理の実施に関して通知するなど、制度の周知徹底を図るとともに、技術者の確保等、体制が整い次第、順次実施する予定でございます。
 借家人からの応急修理申請についてのお尋ねでございますが、被災家屋については、一般的には家主に修繕義務があり、いち早く家主が修理を行うべきでありますが、家主の資力等の関係で修理できない場合には、借家人が応急修理の申請を行うことも差し支えないものであります。
 三番目に、保育所の入所事務についてのお尋ねでございますが、地方公共団体の自主性を尊重するとの観点に立って、昭和六十二年度より保育所の入所事務は団体事務化したところであります。これに伴い、保育所に入所する基準については、政令の定める基準に従い、市町村が条例で定めることとされたところでありますが、市町村が適切に条例を定めていく上での参考として、政令の趣旨をやや詳細に示した条例準則を示しているところであります。また、この準則においては、地域の実情に応じて必要な事項を規定していくべき旨も盛り込んでいるところであります。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣野中広務君登壇〕
#19
○国務大臣(野中広務君) 古堅議員の私に対する質問についてお答えをいたします。
 まず、耐震性の貯水槽の整備についてのお尋ねでありますが、今回の阪神・淡路大震災のとうとい教訓にかんがみましても、震災時の消火用水の確保のために、消火栓のみでなく、防火水槽等、地域の実情に応じ、河川等の自然水利をも含め、多様な消防水利体制を確保することが必要であると存じておるところであります。また、特に御指摘のありました耐震性貯水槽につきましては、初期消火を行うのに極めて重要な役割を果たすものでありますので、今後、一層の整備促進について地方公共団体を指導しますとともに、所要の財政措置を講じてまいりたいと存じております。
 次に、団体委任事務についてのお尋ねでありますが、国は、担任する事務の運営等について、地方公共団体に対して適切と認める技術的な助言指導等を行うことは、地方自治法第二百四十五条においても認められているところであり、一般的に申し上げて、国から各地方公共団体への通達はこの規定を根拠に行われているものと考えております。一方、通達等による指導を行う場合には、地方公共団体の自主性、自律性の尊重といった観点に十分配慮されなければならないものであります。
 いずれにいたしましても、自治省といたしましては、昨年十二月二十五日に閣議決定いたしました地方分権大綱に沿って、早期に関係法案の御審議をいただき、今後とも、地方公共団体の自主性、自律性が図られるようなお一層努力してまいりたいと考えております。
 次に、財政体質の悪化についてのお尋ねでありますが、平成七年度の地方財政は、地方税の伸び悩み、国税収入の低迷等から約四兆二千六百億円の財源不足が生ずることとなり、交付税特別会計における借入金約二兆七千億円及び地方債の増発一兆五千六百億円により補てんすることといたしたところであります。その結果、交付税特別会計は平成七年度末で約十・八兆円の借入金残高を抱える見込みとなっておりますが、これらの措置は、このように極めて厳しい地方財政の状況のもとでありますけれども、一方、地方団体が住民の要請にこたえてその役割を十分に果たしていくためのやむを得ない措置であり、今後とも地方財政の健全化に努めてまいる所存であります。
 最後に、財源不足の補てんについてのお尋ねであります。
 平成七年度の財政対策につきましては、一般会計から千八百十億円の加算を確保したところでありますが、これを除く法定加算及び特例加算につきましては、国の厳しい財政事情等を踏まえ、後年度に加算することといたしたところであり、やむを得ないものと判断した次第であります。今回の先送り額につきましては、地方交付税法附則第四条第二項の規定に基づき、後年度、平成十三年度から平成二十二年度に加算され、将来の地方交付税総額の安定的確保に資することとなりますが、今後とも、毎年度の地方財政計画の策定等を通じて、地方税、地方交付税等の地方一般財源の確保に努めてまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣武村正義君登壇〕
#20
○国務大臣(武村正義君) 減税先行期間における所得税の減税による地方交付税の減収に相当するものにつきましては、交付税特会の借入金により対応することとし、七年度におきましては一兆二千四百二十九億円借り入れることにしております。また、住民税の減税による減収に相当するものにつきましては、減税補てん債の発行により全額補てんすることとされ、七年度においては一兆四千四百九十六億円の発行を予定されております。これらについては税制改革の中で償還財源が確保されているものであります。
 次に、減税による影響を除いた通常収支分につきましては、税収の低調等により四兆二千五百七十二億円の財源不足という大変厳しい状況にあります。(拍手)
#21
○議長(土井たか子君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#22
○議長(土井たか子君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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