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1995/02/23 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第9号
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1995/02/23 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第9号

#1
第132回国会 本会議 第9号
平成七年二月二十三日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第六号
  平成七年二月二十三日
    午後一時閣議
 第一 特定事業者の事業革新の円滑化に関する
    臨時措置法案(内閣提出)
 第二 中小企業の創造的事業活動の促進に関す
    る臨時措置法案(内閣提出)
 第三 小規模企業共済法及び中小企業事業団法
    の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 特定不況業種等関係労働者の雇用の安定
    に関する特別措置法及び雇用促進事業団
    法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第五 労働者災害補償保険法等の一部を改正す
    る法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 特定事業者の事業革新の円滑化に関
  する臨時措置法案(内閣提出)
 日程第二 中小企業の創造的事業活動の促進に
  関する臨時措置法案(内閣提出)
 日程第三 小規模企業共済法及び中小企業事業
  団法の一部を改正すみ法律案(内閣提出)
 日程第四 特定不況業種等関係労働者の雇用の
  安定に関する特別措置法及び雇用促進事業団
  法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 労働者災害補償保険法等の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
 国民健康保険法等の」一部を改正する法律案(
 内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時六分開議
#2
○議長(土井たか子君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 特定事業者の事業革新の円滑化に
  関する臨時措置法案(内閣提出)
 日程第二 中小企業の創造的事業活動の促進
  に関する臨時措置法案(内閣提出)
 日程第三 小規模企業共済法及び中小企業事
  業団法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#3
○議長(土井たか子君) 日程第一、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案、日程第二、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法案、日程第三、小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。商工委員長白川勝彦さん。
    ―――――――――――――
 特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措
  置法案及び同報告書
 中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時
  措置法案及び同報告書
 小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部
  を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔白川勝彦君登壇〕
#4
○白川勝彦君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、商工委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案について申し上げます。
 本案は、近年の我が国経済が直面している産業空洞化の懸念に対処するため、内外の経済的環境変化の影響を受けて、生産、投資等の減少を余儀なくされている製造業等の将来に向けた自主的な事業革新を、雇用の安定等に配慮しつつ、支援しようとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、内外の経済的環境変化の影響を受けている業種に属する事業者を特定事業者とし、その特定事業者が、承認を受けた事業革新計画に基づいて事業革新を行う場合、産業基盤整備基金による債務保証、設備投資減税等の各般の措置を講ずること、
 第二に、特定事業者の設備、技術、従業員の知識等を活用して行う活用事業計画の承認を受けた事業者に対し、産業基盤整備基金による債務保証、中小企業信用保険法の特例等の措置を講ずること、
 第三に、特定事業者の事業革新を円滑化するために、内外価格差の是正や取引慣行の改善に資する情報提供等の各般の措置を講ずるほか、労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講ずること等であります。
 次に、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法案について申し上げます。
 本案は、新たな事業分野の開拓を図る上で、中小企業の創造的事業活動の促進が重要であることにかんがみ、中小企業の創業及び技術に関する研究開発等を円滑にするために必要な措置を講じようとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、工業その他の特定の業種に属する創業後五年未満の中小企業者及び収入金額に比べて一定比率を超える試験研究費を支出している中小企業者に対して、中小企業投資育成株式会社法に係る特例措置及び課税の特例措置を講ずること、
 第二に、著しい新規性を有する技術に関する研究開発及びその成果の利用等について研究開発等事業計画を策定し、都道府県知事の認定を受けた中小企業者等に対して、中小企業投資育成株式会社法、中小企業信用保険法等に係る特例措置及び課税の特例措置等の各般の措置を講ずること等であります。
 次に、小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、近年の経済環境の変化に対応し、小規模企業共済制度の安定と一層の充実を図るための措置を講じようとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、共済金等の額を、法律の別表で固定的に定める金額と金利に連動して毎年算定される金額を合計した額とすること、
 第二に、共済契約者が、経営の悪化等により掛金を継続して納付することが困難になった場合に、掛金の納付を要しないようにする掛けどめ制度を導入すること、
 第三に、共済契約者向けの貸付制度の対象に創業・転業のための資金等を追加すること等であります。
 特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案については去る二月十三日、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法案並びに小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案については去る二月六日それぞれ当委員会に付託され、二月十七日橋本通商産業大臣から提案理由の説明を聴取した後、直ちに三案について審査を行い、同二十一日質疑を終了いたしました。
 特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案並びに小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案については、討論を行いました。
 次に、採決に入り、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案は、多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法案については全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案については多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。
 なお、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(土井たか子君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一及び第三の両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の皆さんの起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#6
○議長(土井たか子君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第二につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第四 特定不況業種等関係労働者の雇用
  の安定に関する特別措置法及び雇用促進事
  業団法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 労働者災害補償保険法等の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
#8
○議長(土井たか子君) 日程第四、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律案、日程第五、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。労働委員長笹山登生さん。
    ―――――――――――――
 特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関す。
  る特別措置法及び雇用促進事業団法の一部を
  改正する法律案及び同報告書
 労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律
  案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔笹山登生君登壇〕
#9
○笹山登生君 ただいま議題となりました二法律案について、労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、最近における内外の経済的事情の著しい変化に伴い、雇用調整を余儀なくされている業種に係る労働者等の雇用の安定を図るため、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法の廃止期限を延長するほか、特定不況業種に係る労働者の雇用の安定のための措置の充実を図るとともに、新たに特定雇用調整業種に係る労働者を当該措置の対象とする等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、去る二月十四日付託となり、同月十五日浜本労働大臣から提案理由の説明を聴取し、十七日の委員会において質疑を終了し、昨二十二日の委員会において討論、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、最近における社会経済情勢にかんがみ、労働者の業務災害及び通勤災害に関し、介護補償給付等の創設、遺族に対する年金額の引き上げ等、労働者災害補償保険等による保険給付の内容を改善するとともに、海外で行う中小事業に労働者以外の者として派遣される者を特別加入の対象とするほか、安全衛生のための措置を講ずる中小事業主に対する業務災害の発生状況に応じ北労災保険率の改定に関する特例の創設、労働保険に係る保険料の申告書の提出期限及び納付期限の延長等の改正を行おうとするものであります。
 本案は、去る二月十日付託となり、同月十五日浜本労働大臣から提案理由の説明を聴取し、昨二十二日の委員会において質疑を終了、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○議長(土井たか子君) これより採決に入ります。
 まず、日程第四につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の皆さんの起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#11
○議長(土井たか子君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第五につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 国民健康保険法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出)の趣旨説明
#13
○議長(土井たか子君) この際、内閣提出、国民健康保険法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生大臣井出正一さん。
    〔国務大臣井出正一君登壇〕
#14
○国務大臣(井出正一君) 国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。保
 今回の改正は、国民健康保険制度における低所得者層の増加、小規模保険者の増加及び老人保健制度における老人加入率の上限を上回る保険者数の増加等を踏まえ、国民健康保険制度において、保険税の減額制度の拡充、平成八年度までの暫定対策による制度運営の安定化を図るとともに、老人保健制度の安定を図るため、老人医療費拠出金制度の所要の見直しを行おうとするものであります。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、国民健康保険制度の改正として、まず、低所得者層の増加に対応し、保険税負担の一層の公平化を図るため、被保険者数に応じ、または一世帯ごとに定額を課税する応益保険税の割合の高い保険者について、新たな保険税の減額制度を創設することといたしております。
 次に、事業運営の不安定な小規模保険者の増加に対応するため、高額な医療費を共同で負担する事業を法律上の制度として位置づけることその他の小規模保険者支援策を講ずることとしております。
 また、低所得者が多い等により保険料負担が過重となっている保険者に対する財政安定化の措置及び保険料の減額分を一般会計から補てんする保険基盤安定制度に係る国庫負担の特別措置について、いずれも平成八年度まで延長することとしております。
 このほか、国民健康保険税の課税限度額を引き上げ、精神保健法に基づく措置入院等について、被保険者資格に係る住所地主義の特例を設けることとしております。
 第二に、老人保健制度の改正として、老人医療費拠出金の算定に係る医療保険各保険者の老人加入率の上下限措置につきまして、この老人加入率の上限を超える保険者数が著しく増加してきた状況等を踏まえ、上下限の段階的な引き上げを行うこととするとともに、老人保健制度を支える医療保険各保険者の運営基盤が揺らぐことのないようにするための特別調整措置の実施、公費負担が五割となっている医療等の対象の拡大を行うこととしております。
 なお、政府は、この法律の施行後三年以内を目途として、老人医療費拠出金の算定方法に関し検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものといたしております。
 最後に、この法律の施行期日は、一部の事項を除き、平成七年四月一日からとしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 国民健康保険法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#15
○議長(土井たか子君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。久保哲司さん。
    〔久保哲司君登壇〕
#16
○久保哲司君 新進党の久保哲司でございます。
 新進党を代表いたしまして、ただいま厚生大臣から趣旨説明のありました国民健康保険法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 まず最初に、阪神・淡路の大震災は、きょうで発生後三十七日目を迎えました。亡くなられた五千四百余名の方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、家をなくされた方、また職場を失われた方、さらに今なお避難所生活を余儀なくされている多くの方々に、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 まず最初に、この震災に関連し、総理にお尋ねいたします。
 今回の大震災による死亡者は、きょうの新聞報道で五千四百二十四名になっております。住宅被害は十九万戸に及び、避難所生活をされている方、今徐々に減ってはおりますけれども、今なお二十万人を超えておられます。そんな中で、残念ながら死亡者は日々ふえ続けていっております。過日、十五日の日に厚生委員会でも質問をさせていただいたのですけれども、その段階では死亡者の数は五千三百二十九名でございました。それが、先ほど申し上げましたように、きょう現在五千四百二十四名、この一週間ばかりの間に約百名の方がさらに亡くなっておられる。
 一月二十日以来、総理は、本会議で、また予算委員会で数多く答弁をされてこられました。そんな中で、何分にも初めてのことでとか、あるいは多少の混乱があったとか、また最近では、反省すべきは反省し云々というふうにも答えておられます。しかし、今なお亡くなる方がふえていっているこの現実というのは、総理の言うように、初めてのことでやむを得なかったとか、あるいは多くの方がおっしゃるときありますけれども、天災だからやむを得ないじゃないか、このようなことで片づけられることなのでしょうか。人災あるいは二次災害と言われても仕方のない、そういった要素はなかったのでしょうか。ここは大事なところだと思います。
 確かに、家がつぶれた。道路が、また港湾が、橋がぶっつぶれたというのは、これは確かに地震、そのときの一瞬の出来事やったんやと思います。だけれども、人命は、先ほどあった五千四百二十四名は、地震があったその一瞬に死んだのと違います。
 一月の下旬に、私は、大阪で移動しているときに、電車の中で知り合いの方に会いました。その人が、久保さん、こうおっしゃってこられました。何でっか、こんなことで話が始まったわけでありますけれども、その方はこんなふうに言われました。
 自分の会社も、神戸に支社があります。だから、十七日の朝大阪の本社に出社して、その地震の情報が入ってくるなり、これはえらいこっちゃというわけで同僚の人たちと一緒に車二台に分乗して、そして神戸に向かった。道が込んで込んで仕方がないので、いつも行っているところやからようわかるというので細かい道に入っていった。迂回をしようとした。だけれども、塀が壊れ、さまざまなものが散乱しておってなかなか前に進めない。車の進むその障害物を取りのけようとして同僚と一緒におりていったときに、助けてくれという声が聞こえてきた。その声を聞いて、その後ろに続いておられた軍の方々にも声をかけて、約十数人の人たちでその人の上に乗っかっているものを取りのけ押しのけ、大きい柱については車のジャッキを持ってきて上げて人を助け出しました。十七日、十八日の二日間で合計六人の方を助け出しました。このようにおっしゃっておられました。(拍手)
 私は、この話を聞いた瞬間、頭をどつかれたような思いがいたしました。と同時に、被害の何割がというのは、間違いなく政治が、行政の対応がおくれたがためではないか、このことを強く強く感じた次第であります。
 政治の使命というのは、国民の生命と財産を守ることであります。政治家は全知全能を傾けてこれに取り組むべきであります。ましてや、人の命は地球よりも重たい、こんな言葉すらございます。総理、あなたはその政治家の頂点にある人であり、日本国の責任者でもあります。
 繰り返しますが、一瞬で五千四百名が亡くなったわけではありません。報道によれば、総理は、十七日のお昼過ぎに二百名を超えた死者が出た。この報告を受けられたときに、声を出してびっくりされた。このような報道がございましたけれども、その間にも多くの方々が、消防の人たちが来てくれるのを、警察の方々が来てくれるのを、そしてまた自衛隊の方々が来てくれることを、何してんねん、はよ来てくれんかい、こんな思いで待っておられたのじゃないか、このように思います。
 総理、人災というべきものがあったのかどうか、また、反省すべきは反省しというふうにおっしゃっておられますけれども、その反省すべき点というのは一体何なのか、この点について御答弁をお願いしたいと思います。
 次に、行方不明者数が一けたになった現在においても、なお多くの方々が亡くなっておられる。しかも、その方々の多くはお年寄りを初めとするいわゆる弱者と呼ばれる方が多い、このようにも聞いておるわけでございますけれども、これは言うならばまた三次災害というふうな呼び方もできるのじゃないか。この点について総理はどう受けとめておられるのか、お伺いをしたい。また、厚生省はどのような対応をされておられるのか、厚生大臣からお答えをいただきた。いと思います。
 さて、国民の健康についてでございますけれども、人間、だれも好きこのんで病気になったり、けがしたりする人はいません。まれに、進んで入院する人もおるようでありますけれども。要するに、病気やけがというものは本人の意思にかかわらず起こってくるものであります。厄介なものであります。それだけに、職業の違いであるとか、あるいは年齢の違いであるとか地域の違いであるとか、そういったことによって受益と負担の間に差があってはならない、このように思います。これが国民の健康を支えるシステムを考える場合の原則でなければならない、こう思います。
 しかし、現状は、さまざまな制度がそれぞれの歴史を背負って、負担と受益に違いを有しながら存在しています。
 国民健康保険制度は、被用者保険の加入者を除くすべての国民を対象とする公的保険であり、国民皆保険体制の土台として極めて重要な役割を担っておることは言うまでもございませんが、それゆえに、またさまざまな構造的な問題を抱えております。最近、特にそれらが深刻化してきております。
 国保制度は、その性格からして、無職の方あるいは低所得の世帯の人たちもその対象として受け入れておるわけでありますけれども、その比率が年々増加してきております。平成四年には、所得のない方が五分の一を超えるといった状態にまでなってきております。その結果、そういった方々からは保険料を徴収できない。だけれども、それはそれじゃどこからいただくか。結局、いわゆる中間所得者層と呼ばれる方々のところにその負担がかかるわけで、その結果として、国保の保険料は高いと言われるようなことになっておるわけであります。
 この国民健康保険制度は、原則として市町村が保険者ということになっています。だけれども、産業構造等の変化により過疎化がどんどんどんどん進展しでいっている中で、被保険者数が非常に少ない小規模な保険者が急増しております。現在、被保険者数が三千人を割っているような小さな保険者すなわち市町村が、全体の三分の一を超えております。こうしたところでは、高額を要する医療が発生した場合にすぐに運営の不安定につながりますし、また、職員が非常に少ないために日常の事務処理にも困難を来すといった問題にも直面をしております。
 このほかにも、最高と最低とで六倍近くの開きがあると言われる保険料の市町村間格差であるとか、他の保険に比べて著しく進んでいる被保険者の高齢化など、さまざまな問題が起きているのが現状でございます。
 にもかかわらず、今回の、ただいま御説明のありました改正案の内容は、大臣御自身も暫定対策という言葉をお使いになったようでありますけれども、私も明らかに暫定対策でしかない、このように思います。国民健康保険の深刻な構造的問題を解決するのであれば、またそれを目指すのであれば、当面の措置ではなく、この際抜本附な対策を講ずるべきではないのか、このように思いますけれども、この点について厚生大臣のお答えをいただきたいと思います。
 次に、改正案の内容について何点がお尋ねをいたしたい。
 低所得者の保険料軽減制度の拡充、これは今まで聞いた話によれば、いわゆる中間所得者層の保険料負担が過重になっていることに対応し、負担の公平を図るとの見地から、応益保険料の割合が比較的高い保険者について保険料軽減制度の拡充を図る、このようになっておるわけでございますけれども、なぜ一律に拡充をするのでなく応益割合の高い保険者についてのみ行うこととしたのか、その趣旨について御説明をいただきたいと思います。
 二番目には、保険料軽減制度に関連して、保険基盤安定制度の取り扱いについてお尋ねをいたします。
 低所得者の保険料の軽減に伴う減収分を公費で補てんじょう、これが保険基盤安定制度でございますけれども、軽減制度を拡充すれば確かに軽減された方は助かります。だけれども、その裏返しで、公費による補てん額は増大します。この公費による補てんは、これもまた国が本来二分の一を負担すべきにもかかわらず、平成五年の改正において、平成五年、六年と二年間に限ってではありますけれども百億円というふうに定められました。それが、今回ではさらに平成八年度まで二年間延長するというわけであります。
 ちなみに、平成四年度の二分の一の枠というのは六百億であります。そうなりますと、その差額分というのは結局市町村がかぶることに保なります。もちろん、都道府県は四分の一で、市町村がその残りをかぶるということになり、国の方においては地方財政措置を講じております、このようにおっしゃるかもしれませんが、そういったお金が工面できるのであれば最初から制度とおりに負担してやるのが筋ではないか、このように思います。
 都道府県、市町村にとってこの措置は最善なのかどうか、また小規模保険者が抱える運営の不安定化、こういったことを解消する一つの方法として、保険者の広域化、これを促進すべきだ、こういった声がありますけれども、このことについて自治大臣はどのようにお考えか、お答えをいただきたい。
 また、あわせて、国庫負担の定額化措置を延長することで本当に国保運営の安定化に支障を来さないのかどうか、厚生大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
 第三に、医療費の地域格差についてお尋ねをいたします。
 医療費の地域格差は、保険料の地域格差に大きな影響を与えます。現在、一人当たりの医療費は最高と最低で約六倍の開きがある、このように聞いております。このため、該当の市町村もその適正化に必死になって頑張っておるわけでありますけれども、これといった決定打が見当たらずに、対応に苦慮しているのが実態でもございます。今回の法案では、医療費の適正化について特段の対応はなされていないようでございますけれども、国として今後国保の医療費の適正化にどのように取り組もうとしておられるのか、厚生大臣にお尋ねをいたします。
 以上、何点がお尋ねをしてまいりましたけれども、最初にも触れましたように、私には、今回の改正案は当面のことしか視野に入れていない場当たり的な対策との感がぬぐえません。国保の置かれた厳しい状況を考慮すれば、今回の改正を踏まえても、数年後には、国保制度の構造的問題を抜本的に解決するために、国保のみならず医療保険制度全体の大幅な見直しを行うことが必要になってくると思われます。
 また、既に昨年には我が国の高齢化率は一四%を超え、本格的な高齢化社会に突入いたしました。二十一世紀には、四人に一人が六十五歳以上の高齢者、七人に一人が七十五歳以上のいわゆるオールド・オールドと呼ばれる後期超高齢者という、こういった社会を迎えることになります。こうした急激な高齢化の進展を展望するならば、老人保健制度についても、公的介護システムの検討などとも連動させながら、遠からず抜本的な見直しを行うことが必要になってくると思われます。
 そういった意味で、医療保険制度、老人保健制度を取り巻く大きな課題は依然として残っているわけでございますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、最後に、この点について総理大臣並びに厚生大臣の決意をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#17
○内閣総理大臣(村山富市君) 久保議員の御質問にお答え申し上げたいと思いますが、今、久保議員から、大地震が発生した当時のことを想起しながら、既に五千四百名を超す亡くなられた方々が出られた。こういうお話をお聞きしながら、胸の締められる思いで厳しく重く受けとめて拝聴いたしました。
 国民の生命、身体及び財産を守るということは、もちろん国政の基本でございます。政治・行政を預かる者として、いわゆる天災と言われるものによる自然災害の被害を最小限にするために、できる限りの諸施策を講じていくという責任があることは、申し上げるまでもないと私は思います。ですから、今回の地震発生以来、政府といたしましては、できる限りの対策をとってまいりました。
 ただ、初動期における対応についていろいろ御批判のあることは十分承知をいたしておりまするし、私も、今回の経験に照らしまして、見直すべき点は率直に見直す、反省すべき点は率直に反省をすべきであると考えておるところでございます。
 当面、こうした見直しや反省に立ちまして、今回の教訓を踏まえながら、初動期における即応体制につきましては、当面の制度、仕組みの中でできる範囲のことは直ちに実行していこうではないかというので、関係省庁の担当者とプロジェクトを編成しまして、それぞれ議論をしてまいりました。
 どうして現状の情勢が直ちに官邸の方に通報できるか、そして情報を把握したらそれを関係部署にどのように伝達をすることができるかというようなことについて、今申し上げましたように、現行制度、仕組みの中で可能な範囲のことについては直ちに実行しようではないかというので、閣議で決めたところでございます。これは、NHKやあるいはJRやら、あるいはまた電力会社やら、それぞれ全国的なネットワークを持った民間につきましても御協力をいただいて、官民一体となってこうした即応体制に直ちに対応できるようなそういう仕組みというものをしっかりつくっていこうというので決定を見たところでございます。
 なおまた、防災計画の見直しやあるいは今後の防災体制をどうするかといったような問題につきましては、これは今後の経験にも照らしまして、専門家も含め国民的な議論をする必要があるという立場から、言うならば防災臨調といったようなものを、これは仮定でありますけれども、設置をして、そして十分国民の英知も集めて、今度の経験にかんがみた防災対策というものをしっかりつくっていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、二十一世紀を見据えて、防災に強い国土を再構築していくことが肝要であると認識をいたしておることについて御理解を賜りたいと存じます。(拍手)
 御指摘のございました。特に高齢者や乳幼児など災害に対し弱い立場にある方々の問題は、非常に重要なものであると御指摘のとおり認識をいたしております。私も、これまで機会あるごとに、閣議におきましても、特に高齢者の方々や、あるいは寝たきりのお年寄りやら、あるいはまた身体障害者やら、同時に乳幼児を抱えたお母さん方、普通の人とは違って行動の自由のきかないような者については特別の配慮を行う必要があるのではないかということも指摘をし、指示をしてまいったところでございます。
 今後も、防災計画の改定に当たりましては、こうした経験も十分踏まえた上で、この問題につきましてはなお重要な問題と位置づけて、慎重に対応していく必要がおるというふうに認識をいたしていることを申し上げておきたいと存じます。
 次に、医療保険制度及び老人保健制度の基本的見直しについてのお尋ねがございましたが、今後の本格的な高齢化社会においても、良質かつ適切な医療が効率的、安定的に供給できるようにすることは極めて大事なことだと考えております。今後、公的介護システムのあり方に関する議論も十分踏まえながら、医療と保険と介護といったようなものをどう組み合わせて、そして老後の生活の保障あるいは健康の維持等々ができるかということについては、これからも慎重に議論をしてその対策に努めてまいらなきゃならぬ課題であるというふうに認識をいたしておりますから、積極的に取り組んでまいりたいと考えていることを申し添えておきたいと存じます。
 以下の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣井出正一君登壇〕
#18
○国務大臣(井出正一君) 久保議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、被災者のうちの高齢者の方々などに対する対応についてのお尋ねでございますが、避難所において生活している方々の医療の確保が急務であります。したがいまして、これまで医師、看護婦の常駐する避難所救護センターの設置を進めるとともに、避難所救護センターの設置されていない避難所については、医師、看護婦による巡回診療体制を設けて対応しており、入院治療が必要と判断された方々については、速やかに病院等への移送を行っております。
 さらに、保健所を拠点として、保健婦による母子、老人等を対象とする巡回健康相談も実施しておるところであります。
 さらに、避難所に対するパトロール隊の巡回により要保護者の発見に努め、必要に応じ福祉関係機関への連絡を行い、特別養護老人ホームなどの施設への緊急入所やホームヘルパーの派遣を実施しているところであります。
 今後とも、避難所等における被災者の方々に対する適切な医療の確保と、援助を必要とする高齢者等の把握やきめ細かな対応に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
 次に、国民健康保険制度の構造的問題の解決についてのお尋ねでございますが、今回の改正は当面の措置として行うものではありますが、保険料軽減制度の拡充等、国民健康保険の運営を一層安定化させるための措置を講じているところであります。今後、高齢化の進展、低所得者層の増加、小規模保険者の増加といった国民健康保険制度の構造的問題の解決に向け、医療保険審議会における審議を踏まえながら、抜本的改革に向けて努力してまいる所存であります。
 次に、保険料軽減制度の拡充についてのお尋ねでございますが、定額の保険料である応益保険料の割合の高い保険者においては、被保険者個々人の応益保険料の額も高くなっているという実態にありまして、低所得者に対する保険料を軽減する必要性が高いものと考えております。また、応益保険料の割合の低い保険者にお川では、所得に応じて定められる応能保険料の額が高くなっていることから、中間所得者層の保険料負担の緩和を図るため、応益割合を高くすることが望ましいものと考えております。これら双方の負担軽減の必要性等にかんがみ、応益保険料と応能保険料の割合が、国民健康保険制度上標準割合とされている五〇%に近い保険者を中心に、保険料軽減制度の拡充を図ることとするものでございます。
 続いて、保険基盤安定制度に係る国庫負担についてのお尋ねでございますが、今回の改正が制度運営の安定化のための当面の措置であること、国の財政が厳しい状況にあること等を踏まえ、出庫負担を定額とする暫定措置を二年間継続することとしております。しかしながら、今回の改正では、五年度、六年度それぞれ百億円でありました国庫負担額を、七年度は百七十億円に、さらに八年度は二百四十億円にと増額することとし、市町村の負担が増大しないよう配慮しております。なお、国庫負担の縮減分の全額について地方財政措置を講ずることとしております。
 また、病床数が多いこと等、地域の実情に応じた財政支援を行うための国保財政安定化支援事業もさらに二年間継続する等、国保の運営安定化のための措置を講じているところであります。
 次に、医療費適正化についてのお尋ねでございますが、まず、今回の制度改正の一環として、著しく医療費が高い市町村について一定の部分を国、都道府県、市町村が共同で負担する措置であります基準超過医療費共同負担制度の基準の見直しを行い、極端に医療費の高い市町村については一層の医療費適正化のための努力を促すこととしております。
 また、医療費適正化対策としては、この制度の活用のほか、医療機関に対する指導監査体制の強化、保険者によるレセプト点検の充実、健康診査等の保健事業の拡充等を一層推進していく必要があると考えております。
 また、入院医療費の適正化については、住みなれた家庭、地域での医療が可能となるよう、新ゴールドプランや在宅医療の着実な推進に努めてまいる所存であります。
 最後に、医療保険制度及び老人保健制度の抜本的見直しについてのお尋ねでございますが、今後の医療保険制度のあり方については、医療保険制度全般における給付と負担の公平化について幅広い観点から議論していく中で、新介護システムのあり方等も踏まえ、その見直しを検討してまいる所存であります。老人医療費拠出金の見直しについても、このような新分譲システムのあり方も踏まえながら、今回の改正法附則第四条の規定にもありますとおり、広範な視点から抜本的な検討を行い、三年以内を目途として制度の見直しを行ってまいりたいと考えておるところでございます。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣野中広務君登壇〕
#19
○国務大臣(野中広務君) 久保議員からの私に対する質問にお答えをいたしたいと存じます。
 最初に、保険基盤安定制度は、国、都道府県、市町村が共同して被保険者の保険料負担の緩和券図るためのものでありまして、議員からも述べられましたように、本来国庫が二分の一の定率負担をすべきところを、平成五年度及び平成六年度限りの措置として百億円とされたものでありまして、ただいま厚生大臣からも答弁がございましたように、このたび、厳しい財政状況の中でありますけれども、可能な限り市町村の負担の軽減をするべきであると考えまして、平成七年度は百七十億円、平成八年度は二百四十億円に増額をいたしまして、この負担分については所要の地方財政措置を講じたものでございます。御理解を賜りたいと存じます。
 次に、国保制度におきます小規模保険者対策についてでありますが、小規模保険者の運営の安定化を図るため、広域化等を初めとする多くの対策が必要ではないかとの議論がありますことは、十分承知をしておるとこうでございます。国保制度につきましては、今議員御指摘のとおり、さまざまな問題があるわけでございまして、特に高齢者や低所得者が多く、その内容はまことに深刻であります。
 自治省といたしましても、国保財政の安定化のためには、医療保険制度の一元化の方向を見据えつつ、医療費の適正化や医療保険制度間の給付と負担の公平等の基本問題を解決していくことが必要であると考えており、今後とも、国保問題の根本的な解決に向けまして、関係省庁と十分に検討を進めて適切に対処してまいる所存であります。
 以上であります。(拍手)
#20
○議長(土井たか子君) これにて質疑を終了いたしました。
     ――――◇―――――
#21
○議長(土井たか子君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十四分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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