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1995/03/24 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第17号
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1995/03/24 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第17号

#1
第132回国会 本会議 第17号
平成七年三月二十四日(金曜日)
    ―――――――――――――
  平成七年三月二十四日
    午後一時本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 北海道開発審議会委員の選挙
 原子力委員会委員任命につき同意を求めるの件
 原子力安全委員会委員任命につき同意を求める
  の件
 国家公安委員会委員任命につき同意を求めるの
  件
 中央更生保護審査会委員任命につき同意を求
  めるの件
 漁港審議会委員任命につき同意を求めるの件
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出
  )
 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関
  係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 緊急失業対策法を廃止する法律案(内閣提出、
  参議院送付)
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき
  、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認
  を求めるの件
 育児休業等に関する法律の一部を改正する法律
  案(内閣提出)及び介護休業等に関する法律
  案(松岡滿壽男君外四名提出)の趣旨説明及
  び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(土井たか子君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 北海道開発審議会委員の選挙
#3
○議長(土井たか子君) 北海道開発審議会委員の選挙を行います。
#4
○山本有二君 北海道開発審議会委員の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されることを望みます。
#5
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 議長は、北海道開発審議会委員に
    中川 昭一さん    町村 信孝さん
    増田 敏男さん    小平 忠正さん
 及び 鉢呂 吉雄さんを指名いたします。
     ――――◇―――――
 原子力委員会委員任命につき同意を求めるの
  件
 原子力安全委員会委員任命につき同意を求め
  るの件
 国家公安委員会委員任命につき同意を求める
  の件
 中央更生保護審査会委員任命につき同意を求
  めるの件
 漁港審議会委員任命につき同意を求めるの件
#7
○議長(土井たか子君) お諮りいたします。
 内閣から、
 原子力委員会委員に藤家洋一さん及び依田直さんを、
 原子力安全委員会委員に青木芳朗さん及び都甲泰正さんを、
 国家公安委員会委員に新井明さんを、
 中央更生保護審査会委員に宇野昌人さんを、
 漁港審議会委員に米倉智さんを、任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 まず、原子力委員会委員、原子力安全委員会委員及び国家公安委員会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに賛成の皆さんの起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#8
○議長(土井たか子君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、中央更生保護審査会委員及び漁港審議会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
     ――――◇―――――
#10
○山本有二君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#11
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#13
○議長(土井たか子君) 地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長川崎二郎さん。
 地方税法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔川崎二郎君登壇〕
#14
○川崎二郎君 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、阪神・淡路大震災の被災者の負担の軽減を図る等のため、
 第一に、個人の住民税について、阪神・淡路大震災に係る財産形成住宅貯蓄等の利子等に係る道府県民税利子割の額を還付する等の措置を講じることといたしております。
 第二に、不動産取得税について、被災市街地復興土地区画整理事業に伴う復興共同住宅区内の土地の共有持ち分等の取得について非課税措置を講じることといたしております。
 第三に、固定資産税及び都市計画税について、阪神・淡路大震災により住宅が滅失・損壊した場合に、平成八年度分及び平成九年度分について、住宅が再建されるまでの間は、その敷地であった土地を住宅用地とみなして課税標準の特例措置等を適用するとともに、滅失・損壊した家屋及び償却資産の所有者等がこれにかわるものを平成十年一月一日までの間に取得した場合等に、三年度間二分の一を軽減する措置を講じることといたしております。
 以上が、本案の概要であります。
 本案は、本日本委員会に付託され、野中自治大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、質疑終了後、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#15
○議長(土井たか子君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
#17
○山本有二君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#18
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ―――――――――――――
#19
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。
 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係
  法律の臨時特例に関する法律の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
#20
○議長(土井たか子君) 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長尾身幸次さん。
 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法
  律の臨時特例に関する法律の一部を改正する
  法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔尾身幸次君登壇〕
#21
○尾身幸次君 ただいま議題となりました法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、阪神・淡路大震災による被害が、広範な地域にわたり、同時・大量・集中的に発生したこと等を踏まえ、先般、緊急に対応すべき措置として講じた所得税における雑損控除の特例等の措置に加え、被災者・被災企業の被害に対する早急な対応及び被災地における生活・事業活動の復旧等への対応を図る等のため、所得税、法人税その他国税関係法律の特例を講じようとするものであります。
 以下、その主な内容を申し上げます。
 まず、被災者・被災企業の被害への早急な対応として、大震災により住宅が居住の用に供することができなくなった場合の住宅取得促進税制の適用の特例、財移住宅貯蓄等の要件に該当しない払い出しの場合の所得税の課税の特例、震災損失の繰り戻しによる法人税額の還付、法人の利子・配当等に係る源泉所得税額の還付、相続税・贈与税の課税価格の計算の特例、被災土地等に対する地価税の免除等の措置を講ずることにしております。
 次に、被災地における生活・事業活動の復旧等への対応として、被災給与所得者等が住宅資金の無利息貸し付け等を受けた場合の所得税の課税の特例、被災者向け優良賃貸住宅の割り増し償却、被災土地等事業用資産の買いかえの場合の課税の特例、被災代替資産等の特別償却、被災市街地復興特別措置法に基づく土地区画整理事業等に関連する土地譲渡益課税の特例、被災代替建物に係る登録免許税の特例等の措置を講ずることにしております。
 その他、居住用財産及び特定の事業用資産の買いかえの特例等に係る買いかえ資産の取得期間等の延長の特例、消費税の課税事業者選択届出書等の提出に係る適用関係の特例等、所要の措置を講ずることにしております。
 本案は、本日武村大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、質疑終局後、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#22
○議長(土井たか子君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
#24
○山本有二君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、参議院送付、緊急失業対策法を廃止する法律案、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認を求めるの件、右両件を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#25
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 緊急失業対策法を廃止する法律案(内閣提
  出、参議院送付)
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
  き、公共職業安定所の出張所の設置に関し
  承認を求めるの件
#27
○議長(土井たか子君) 緊急失業対策法を廃止する法律案、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。労働委員長笹山登生さん。
    ―――――――――――――
 緊急失業対策法を廃止する法律案及び同報告書
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
  き、公共職業安定所の出張所の設置に関し承
  認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔笹山登生君登壇〕
#28
○笹山登生君 ただいま議題となりました両案件について、労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、緊急失業対策法を廃止する法律案について申し上げます。
 緊急失業対策法は、終戦直後に大量に発生した失業者に対して、再就職するまでの一時的な就労の場を提供することを目的として、昭和二十四年に制定、施行されたものであります。その後、就労者数がほぼ一貫して増加を続け、次第に事業の非効率、失業者の滞留といった問題が生じ、失業対策事業が一時的な就労機会を提供する方法としては有効に機能しがたいという指摘がなされるに至り、昭和四十六年には失業対策事業への新規流入が停止されることとなりました。
 その後、雇用対策を拡充強化するための各般の施策が講じられる一方で、失業対策事業の円滑な終息に向けた取り組みが行われた結果、失業対策事業に就労する失業者数は大幅に減少しているところであります。
 本案は、このような状況にかんがみ、緊急失業対策法を廃止しようとするものであり、施行期日は平成八年四月一日としております。
 本案は、去る三月十七日参議院より送付され、同日付託となり、本日の委員会において浜本労働大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を終了し、討論、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認を求めるの件について申し上げます。
 本件は、労働省の所掌事務の円滑かつ効率的な遂行を図るため、再就職を希望する女子の職業相談、職業紹介等を専門的に取り扱う公共職業安定所の出張所一カ所を設置する必要があるので、その設置について国会の承認を求めようとするものであります。
 本件は、去る三月十三日付託となり、本日の委員会において浜本労働大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#29
○議長(土井たか子君) これより採決に入ります。
 まず、緊急失業対策法を廃止する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の皆さんの起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#30
○議長(土井たか子君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認を求めるの件につき採決いたします。
 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。
     ――――◇―――――
 育児休業等に関する法律の一部を改正する法
  律案(内閣提出)及び介護休業等に関する法
  律案(松岡滿壽男君外四名提出)の趣旨説明
#32
○議長(土井たか子君) この際、内閣提出、育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案及び松岡滝満男さん外四名提出、介護休業等に関する法律案について、趣旨の説明を順次求めます。労働大臣浜本万三さん。
    〔国務大臣浜本万三君登壇〕
#33
○国務大臣(浜本万三君) 育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明します。
 少子・高齢化の急速な進展、核家族化等に伴い、家族の介護の問題は、育児の問題とともに我が国社会が対応を迫られている国民的重要課題となっております。
 こうした状況において、労働者が生涯を通じて充実した職業生活を営むためには、仕事と育児や家族の介護とを両立させつつ、その能力や経験を生かすことのできる環境を整備することが極めて重要であります。
 中でも介護休業制度は、労働者が介護のために雇用を中断することなく家族の一員としての役割を円滑に果たすことのできる制度であり、労働者はもとより、企業にとっても有意義な制度として普及定着が図られるべきものと考えております。また、休業制度のみならず、育児や家族の介護を行う労働者の職業生活と家庭生活との両立のための支援事業の充実も求められているところであります。
 こうした背景のもとに、政府としては、一昨年四月より婦人少年問題審議会において介護休業制度等の普及対策について御検討をいただいてまいりましたが、昨年の十二月、同審議会から建議をいただきましたので、この建議に沿って法律案を作成し、同審議会その他関係審議会にお諮りした上、ここに提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、介護休業制度の創設であります。
 労働者は、一定範囲の家族を介護するため、期間を明らかにして事業主に申し出ることにより、連続する三月の期間内において、対象となる家族一人につき一回の介護休業をすることができることとしております。
 第二に、勤務時間の短縮等の措置であります。
 事業主は、介護休業期間と合わせて連続する三月の期間以上の期間において、勤務時間の短縮の措置その他の、労働者が就業しつつ一定範囲の家族を介護することを容易にするための措置を講じなければならないこととしております。
 第三に、育児または家族の介護を行う労働者等に対する支援措置であります。
 国は、育児または家族の介護を行う労働者等の雇用の継続、再就職の促進を図るため、事業主等に対する相談・助言及び給付金の支給、労働者に対する相談・講習、育児または介護により退職した者に対する再就職支援その他の支援措置を講ずることとしております。第四に、育児休業または介護休業を取得する労
働者の代替要員に関する委託募集の特例についてであります。
 一定の基準に合致すると認められた事業協同組合等が、その構成員たる中小企業者の委託を受けて育児休業または介護休業を取得する労働者の代替要員の募集を行う場合は、許可制を届け出制にして手続を簡素化することとしております。
 なお、この法律は、本年十月一日から施行することとしておりますが、介護休業、勤務時間の短縮等の制度に関する部分につきましては、全事業所において介護休業等の制度を円滑に導入するための準備期間をとるため、平成十一年四月一日から施行することとしております。
 以上が、育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
#34
○議長(土井たか子君) 提出者松岡滿壽男さん。
    〔松岡滿壽男君登壇〕
#35
○松岡滿壽男君 ただいま議題となりました介護休業等に関する法律案につきまして、趣旨とその内容の概略を御説明申し上げます。
 我が国は世界に例を見ないほど急速に人口の高齢化が進行しておりまして、二十一世紀初頭には世界一の超高齢社会が到来するのであります。それは、先進諸外国が経験したことのない急激な変化であります。その結果として、高齢あるいは疾病のために介護を要する高齢者が急増しており、これに対応する施設・制度の充実は国民の切実な要請であり、それにこたえることは政治の急務であります。
 また、今日、急激な核家族化と女性の就業率の増加が進行しており、その結果、高齢者等の介護を担う勤労者の精神的・肉体的・経済的負担は過重なものとなっており、介護を支える家庭的・社会的環境は急速に悪化しております。したがいまして、勤労者が安心して家族の高齢者等の介護を行える制度を確立することは政治の重要な課題であります。
 こうした状況を前にして、政府は平成元年に「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を策定し、さらに平成六年にはその全面的見直しである新ゴールドプランを策定する等、高齢者福祉の実現のために諸制度の整備を進めておられることは承知しております。しかしながら、現在の政府の取り組み状況を見ると、その実現への道のりは遅々としたものと言わざるを得ません。
 申し上げるまでもなく、高齢者等の介護体制の整備は総合的に取り組むべき課題であります。要介護者の介護については、福祉施設の整備によって施設介護の体制を整備するとともに、他方では、社会保険制度の拡充や介護サービスの充実により在宅介護を支援する体制の確立を図らなければなりません。このために、介護を要する家族を抱える勤労者が雇用を継続しつつ介護ができるよう、介護休業制度の法制化がぜひとも必要であります。
 現在なお公的介護体制が十分とは言えない状況のもとで、介護を要する家族を抱える勤労者にとって、介護休業の権利の速やかな確立は緊急の要請であります。また、介護休業は、自助。共助・公助の重層的な介護システムを構築するための介護の方法について国民の選択肢を多様化するという観点からも、制度化する意義があると考えます。
 我々新進党は、以上の認識に基づき、介護休業制度の可及的速やかな確立を図るため、ここに本法律案を提出いたしました。
 以下、本法律案の内容の概要を御説明いたします。
 第一に、この法律は、日常生活を営むのに支障がある家族に対する介護を行うために、権利としての介護休業制度を設けると同時に、勤務時間等に関し事業主が講ずるべき措置を定めるほか、家族の介護を行う労働者及び事業主、事業主の団体等に対する支援措置を定めることにより、家族の介護を行う労働者等の雇用の継続等を図り、これらの者の職業生活と家庭生活の両立に寄与することを通じて、高齢化社会に向かっての経済的・社会的条件の整備を目指すものであります。
 第二に、この法律においては、介護休業の対象となる家族の範囲を配偶者、子、父母もしくは配偶者の父母またはその他の同居の親族としており、配偶者には事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み、親子関係には事実上養子縁組と同様の事情にある者を含むものとしております。
 第三に、介護休業期間は一年間を限度とすることとし、介護休業の回数は、介護休業の対象となる家族のおのおのが介護を必要とする一つの継続する状態ごとに一回としております。なお、労働者は、原則として休業開始予定日の二週間前までに事業主に申し出ることにより介護休業をすることができることとしており、この申し出があったときは事業主はそれを拒むことができないものとしております。
 第四に、就労しつつ家族の介護を行うことを希望する労働者に対して、事業主は一年間以上の期間にわたり勤務時間の短縮等の措置を講じなければならないこととしており、この措置は介護休業と組み合わせて取得することもできることとしております。また、事業主は、介護休業や勤務時間の短縮等によらずに家族の介護を行う労働者に対しても、それらに準じた必要な措置を講じるように努めなければならないものとしております。
 第五に、事業主は、介護休業あるいは勤務時間の短縮等の措置を申し出あるいは取得した労働者に対して、そのことを理由として解雇その他の不利益取り扱いをしてはならないこととしております。
 第六に、国は、介護休業制度及び勤務時間の短縮等の措置の導入による事業主の急激な負担の増加を緩和するとともに、これらの制度・措置の円滑な定着を図るため、事業主に対する給付金の支給を含む各種の援助を行うことができることとしております。その際、現時点における介護休業制度の導入比率が低く、また導入に当たっての困難が大きいと考えられる中小企業者に対しては特別の配慮をするものとしております。また、国は、介護休業を取得する尊家族の介護を行う労働者に対しても、相談・講習等の措置を講じること、地方自治体もこれに準じた措置を講じるよう努めなければならないこととしております。
 第七に、中小企業者が介護休業等を取得した労働者の代替要員を確保するのを支援するため、一定の要件を備える中小企業団体は例外的に、届け出をするだけで介護休業等の取得者の業務を処理するために必要な労働者の委託募集を行えることとしております。
 第八に、国は、介護休業中の労働者の所得を障するため、別に法律で定めるところに従い、労働者に介護休業給付を支給するものとしております。なお、この介護休業給付は雇用保険制度から支給することを想定しております。
 第九に、介護休業を取得する労働者の負担を軽減するため、介護休業中の労働者の負担すべき社会保険料については、別に法律で定めるところにより免除することとしております。
 第十に、この法律のうち介護休業等に関する規定は、国家公務員及び地方公務員に関しては適用しないこととしております。なお、国家公務員及び地方公務員に関しては、別途法律を定めて、一年間の介護休業制度を導入することを予定しております。
 最後に、介護休業制度の早急な必要性を考慮して、介護休業等に関する規定の施行期日は、平成八年四月一日としております。
 以上が、本法律案の趣旨とその概要であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 育児休業等に関する法律の一部を改正する法
  律案(内閣提出)及び介護休業等に関する法
  律案(松岡滿壽男君外四名提出)の趣旨説明
  に対する質疑
#36
○議長(土井たか子君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。石田美栄さん。
    〔石田美栄君登壇〕
#37
○石田美栄君 新進党の石田美栄でございます。
 私は、新進党を代表いたしまして、政府提出の育児休業法の一部改正法案と我が党提出の介護休業法案に対しまして、質問をさせていただきます。
 さて、皆様も御承知のとおり、我が国はこれまで世界のどの国も経験したことのないスピードで高齢化が進み、現在、六十五歳以上の老齢人口は約千六百九十万人、人口七・七人に一人でございますが、高齢化のピークを迎える二〇二五年には約三千二百五十万人、三・九人に一人という超高齢化社会の到来が予想されます。また、本案の趣旨である要介護老人などは現在の二百万人から五百二十万人に急増することが予測されています。
 このような状況に対して、政府は「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、いわゆるゴールドプランを推進中ですが、現実の問題を解決するにはほど遠く、介護にかかわらなければならない家族の悩みは深刻でございます。特に女性の場合、介護と仕事の両立に困難を来している人が多数に上っているのが現状でございます。
 人はだれしもケアなしに生まれ育つことはできません。そして、人生の総仕上げである死を迎えるに当たって、その質や量に違いはあっても、これまたほとんどだれもがケアを必要とするのであり、良質のケアが欲しいものでございます。家族と家庭生活、人間と人間が生活の中でケアし合うことの重要性は、基本的に女性だけの問題なのではなく、基本的に人間そのものの問題であるのです。しかし、現実には介護の大部分を女性が担っているのが実情でございます。
 調査によりますと、要介護者の六割以上が在宅で介護を受けているのが実態で、年間八万一千人、毎日約二百二十二人の人たちが、家族の介護や看護のために仕事をやめていかなければならなくなっております。特に、八万一千人のうち七万三千人が女性でございます。女性の場合、みずからの妊娠、出産、子育てでは何とか工夫を重ねて精いっぱい頑張って乗り越えてきた人たちでさえも、介護を必要とする肉親、特に年老いた親を抱えたときにはどうにもならなくなって、せっかく積み重ねてきたキャリアもあきらめなければならないという話をよく聞きます。
 また、働く人たちの、要介護者を抱える家族についての実態調査によりますと、主たる介護者となっている人は、在宅ではやはり女性の割合が七割と高いのです。しかし、男性も三割いるとの結果に私も少々びっくりしていますが、意外に知られていないことだと思います。
 このような介護の実態を考えますと、ただいま議題となっております介護休業、勤務時間短縮制度の法制化は非常に重要な課題であり、だれにでもいつ何とき降りかかってくるかもしれない問題として、働く者みんなが注目し、実効ある法案の成立を期待しているところでございます。
 さて、ここにいずれも家庭生活と職業生活の両立を図ることを目的として提出されました二つの介護休業法制化案を比較し、それらの相違点について質問させていただきます。
 まず第一点として、介護休業の対象となる家族の範囲についてでございます。
 政府案では、要介護者の範囲を配偶者、父母、子、配偶者の父母としていますが、核家族化や一人っ子の家庭がふえているとはいえ、いろいろな家族構成での兄弟姉妹や同居の祖父母やおじ、おばなどのための介護休業は認められないと解釈してよろしいのでしょうか、浜本労働大臣にお尋ねいたします。また、この点について新進党はいかがお考えなのでしょうか、提出者にお尋ねいたします。
 次に、介護休業と勤務時間短縮の期間についてお尋ねいたします。
 子育ては、一年たてば一歳に、二年たてば二歳にと確実に見通しが立ちます。しかし、高齢者などの介護では、要介護状態になってからの年数が五年から九年が最も多く、一年未満はわずか三%、平均して五・八年という調査結果もあります。政府案、新進党案それぞれに三カ月と一年が基準になっておりますが、この提案の期間で十分であると本当にお考えになっておられるのかどうか、また、そのようにお決めになった根拠をそれぞれの提案についてお尋ねいたします。
 さらに、取得回数につきまして、政府案では要介護者一人につき一回としていますが、回復した後に再発した場合やほかに新たに介護が必要になった場合にはどのようにお考えなのでしょうか、浜本労働大臣にお尋ねいたします。同じく、新進党はどのようにお考えでしょうか、提出者にお尋ねいたします。
 次に、第三点目として、不利益取り扱いについてであります。
 政府案では、介護休業及び介護のための勤務時間短縮について、解雇の禁止は定められていますが、それらの取得に対して考えられる不利益取り扱いに対しては何らの措置もとられていないようですが、何も手を打たなくても十分とお考えなのでしょうか、労働大臣のお考えをお聞かせ願います。同じく、新進党はどのように対処されるので
しょうか、提出者のお考えをお聞かせください。
 さて、第四点として、介護休業中の所得保障についてお伺いいたします。
 介護に要する費用もさることながら、主たる介護者の年齢は四十代、五十代で六五%を占めており、ちょうど家庭的に子供の教育や住宅など最も負担のかかる年代であることがわかります。政府案では休業中の所得保障について何も定めていないのですが、それでよろしいのでしょうか。それではせっかく介護休業制度をつくっても取得する人は少ないのではないでしょうか、労働大臣のお考えをお尋ねいたします。それに対して、新進党のお考えもあわせて提出者にお尋ねいたします。
 次に、第五点目として、事業主とりわけ中小企業者の支援措置についてお尋ねいたします。
 介護休業制度を導入するに当たっては、事業主とりわけ中小企業者の負担がその円滑な導入を妨げる要因となり得るのではないかと考えられますが、政府案はこれに対してどのような措置を考えておられるのか、労働大臣にお伺いいたします。また、この点について新進党の提出者にもお伺いいたします。
 そして、第六点目として、施行期日のことでございます。
 労働省の介護に関する調査結果でも、最もニーズの高いのは介護休業制度の導入となっており、七割近い人が介護制度の確立を要望しております。また、冒頭にも申し上げましたように、毎日約二百二十二人もの人たちが介護や看護のために退職せざるを得なくなっている状況のもとで、多くの働く仲間たちがこの法案のできるだけ早い実現を望んでいるのです。それなのに、政府案では施行期日が平成十一年四月一日、新進党案では平成八年四月一日と大きくずれているのはなぜなのでしょうか、労働大臣及び新進党の提出者にそれぞれの理由をお聞かせいただきたいと思います。
 以上、介護休業制度に関する政府と新進党からのそれぞれの御提案について幾つかお尋ねしてまいりましたが、それらの相違点を踏まえて、政府御提案の改正法案が本当に弱い人や働く人に優しい法案であると確信しておられるのでしょうか、村山総理にお伺いいたします。
 以上で新進党を代表しての質問を終わらせていただきますが、真に人に優しい政治の観点から、それぞれに誠意ある御答弁を期待いたします。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#38
○内閣総理大臣(村山富市君) 石田議員の質問にお答えを申し上げます。
 政府案は本当に弱い人や働く人に優しい法案と確信しているのかとのお尋ねでありますが、介護休業制度は、高齢化、核家族化が進展する中で、介護を必要とする家族を抱える労働者が働き続けるために重要な制度であると考えております。このため、政府は、今国会に介護休業制度の法制化を盛り込んだ法律案を提出いたしたところでございます。
 この法律案につきましては、長い間、労働者代表、使用者代表及び公益委員で構成される婦人少年問題審議会において真摯な検討が行われ、労使ぎりぎりの折衝を重ねた結果を踏まえ、家族介護や労働者の雇用の継続の必要性と企業の負担との調和を図りつつ、弱い人や働く人に優しい制度が確実に定着するようにと考え、慎重に検討した工作成されたものでございます。こうした点について何とぞ御理解を賜り、この法律案の早期の成立について心からお願いを申し上げるところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣浜本万三君登壇〕
#39
○国務大臣(浜本万三君) 石田議員の御質問は、私に対して六点ございますので、順次お答えをいたします。
 まず、介護休業制度において対象となる家族の範囲についてのお尋ねでございますが、企業に一律に義務づける制度の枠組みにおいて、この点を検討するに当たっては、労働者本人が休業してその家族の介護に当たる必要性について国民的コンセンサスが必要であると考えます。このため、本法律案では、制度利用者の実態等から見まして、配偶者、父母、子及び配偶者の父母を基本としていますが、婦人少年問題審議会の議論を踏まえ、父母及び子に準ずる一定の範囲の親族をも対象にすることとしております。
 具体的に申しますと、同居及び扶養の要件を付して、祖父母、兄弟姉妹及び孫についても労働省令で対象に含める方向で検討いたしたいと考えております。三親等のおじ、おばを含めることにつきましては、そこまでは社会の合意ができているとは考えていないわけでございます。
 第二は、介護休業等の期間及び回数についてのお尋ねでございますが、今国会に提出した法律案は、婦人少年問題審議会の建議において、介護休業制度の定着を確保し得るような基本的な法的枠組みをつくるべき時期に来ているとしつつ、その内容につきましては、家族介護や労働者の雇用の継続の必要性と企業の負担との調和が図られるよう十分配慮する必要があるとの指摘がなされていることを踏まえまして作成いたしたものでございます。
 すなわち、介護休業制度の法制化につきましては、法ですべての企業に一律に介護休業を義務づけることとする一方、義務づけの部分は最低基準として、これを上回る部分については企業の努力義務として労使の自主的な努力にゆだねるという基本的考え方に立っているところでございます。
 具体的に申しますと、法で義務づける介護休業期間については、一つ、介護休業制度は家族による介護がやむを得ない場合の緊急的対応措置であり、家族が介護に関する長期的方針を決めることができるようになるまでの期間として三カ月程度の期間が必要であると判断されたこと、第二は、既に介護休業制度が導入されている民間の事業所におきまして実際に介護休業を取得した者の大部分、これは七七・七%となっております、これは三カ月以内に復帰していることなどから、三カ月間といたしたところでございます。
 また、回数につきましては、対象家族一人につき一回は確保することとしつつ、再発した場合など一回を超えて介護する必要が生じた場合には、労使間の話し合いにより妥当な解決が導かれるよう必要な努力を促しているところでございます。
 第三番目は、介護休業に関する不利益取り扱いについてのお尋ねでございますが、介護休業の申し出をしまたは介護休業をしたことを理由とする解雇の禁止や、年次有給休暇の取得要件である出勤率の算定に当たって介護休業を出勤とみなす取
り扱いにつきましては、法に既に規定したところでございます。それ以外の賃金、配置その他の事項につきましては、いかなる行為を不利益取り扱いとして禁止することが適当であるかのコンセンサスが得られていないこと等にかんがみまして、法律上は明文化しないこととしたものでございます。
 なお、介護休業を取得する権利の行使を妨げるような不当な取り扱いは絶対にあってはならないことであり、適切な指導を行っていく考えでございます。
 第四点は、休業期間中の経済的援助についてのお尋ねでございますが、昨年の十二月に出されました婦人少年問題審議会の建議におきまして、休業期間中の経済的援助のあり方につきましては、今後、介護休業制度が適用される時期を念頭に置きつつ、さらに十分に論議することが適当であるとされているわけでございます。つまり、制度の適用時期を念頭に置きながら、十分に検討の上対処してまいりたいと考えております。
 第五点目は、中小企業に対する配慮措置についてのお尋ねでございますが、介護休業制度の導入率につきましては、中小規模の事業所において特に低くなっております。介護休業制度の法制化に当たりましては、中小企業に対する配慮が最も重大な課題となっておるわけでございます。
 このため、この法律案におきましては、中小企業においても介護休業制度が円滑に導入できますように、準備期間として三年間程度とることとし、介護休業制度等の施行時期を平成十一年四月一日からとしたところでございます。また、それまでの間におきまして、中小企業集団を通じた中小企業の計画的取り組みに対する相談・援助、代替要員確保のための支援、介護休業制度導入奨励金の支給など、中小企業に特に配慮した援助策を総合的、体系的に推進してまいりたいと考えております。
 最後の御質問でございますが、施行期日についてのお尋ねでございます。
 介護休業制度の適用時期につきましては、介護休業制度の現時点での普及率を考慮いたしますと、各事業所において介護休業制度を円滑に導入するための準備期間として三年間程度とる必要があるとの婦人少年問題審議会における多数意見を踏まえまして、平成十一年四月一日といたしたものでございます。労働省といたしましては、それまでの間においても、中小企業を含む事業所でなるべく早期に介護休業制度が導入されることが望ましいと考えております。そのため、先ほど申し述べましたようなさまざまな支援措置を積極的に行い、円滑な施行を図ってまいりたいと考えております。(拍手)
    〔桝屋敬悟君登壇〕
#40
○桝屋敬悟君 新進党案に対します石田議員の質問にお答えを申し上げたいと思います。
 初めに、介護休業の対象となる家族の範囲についてでございますが、この点につきましては、介護休業制度の基本的な要件でありますことから、新進党案では、配偶者、子、父母及び配偶者の父母だけでなく、同居の親族も含めるものとして、その旨を法文上明示しているところでございます。こうした取り扱いをした理由につきましては、配偶者、子、父母及び配偶者の父母以外の親族についての介護の要請も決して無視することはできず、いわゆる共助の理念からも、これらの者についても家族の範囲に含める必要があると考えたからでございます。
 次に、介護休業の期間についてのお尋ねでございます。
 新進党案では、介護休業期間は最長一年を限度としているところでございます。石田議員御指摘のとおり、連合の調査においても平均介護期間が七・七カ月にも及ぶというデータもございます。政府案の三カ月という期間ではいかにも介護の概念にはそぐわず、緊急避難的な看護の枠から脱していない、このように考えるところでございます。また、既に企業で導入されている介護休業の期間のほとんどが一年を限度としているわけでして、こうした労働界のニーズも勘案いたしまして、介護休業期間を最長一年間としたところでございます。
 次に、介護休業の取得回数についてでございます。
 新進党案では、一つの継続する要介護状態につき一回としているところでございます。その理由は、政府案のように家族一人について一回では狭さに失し、現実の介護ニーズに対応できないと考えるからでございます。したがって、新進党案では、回復後の再発や新たに要介護状態になった場合には、その家族について再度の介護休業を取得することができることとなるわけでございます。
 それから次に、介護休業の取得によります不利益な取り扱いへの対応についてのお尋ねでございます。
 政府案が解雇の制限についてのみ規定しているのに対しまして、新進党案では、解雇その他労働省令で定める不利益な取り扱いを広く禁止しているところでございます。その理由は、労働者にとりまして不利益な取り扱いには、例えば停職、減給、降格、配置転換等も想定されるわけでございまして、こうした不利益をこうむることを放置するならば、介護休業を制度化した意味が大幅に失われると考えるからでございます。
 以下の質問については、北橋議員の方からお答えをいたします。(拍手)
    〔北橋健治君登壇〕
#41
○北橋健治君 続きまして、石田議員の御質問にお答えをいたしたいと思います。
 石田議員の質問の第四は、介護休業中の所得保障についてであります。
 新進党案では、国等は、介護休業中の勤労者に対して、別に法律で定めるところにより介護休業給付を支給するものとしております。その理由は、介護休業を取得する勤労者及びその家族の生活の安定を図るとともに、安心して介護休業を取得できるようにするためには、介護休業中の所得保障が不可欠であると判断をしたからであります。
 なお、介護休業中の勤労者の経済的負担の軽減のために、新進党案では、介護休業中の勤労者の社会保険料を免除することといたしております。
 質問の第五は、事業主とりわけ中小企業者への支援措置についてであります。
 新進党案では、介護休業制度の実施に関し、国が事業主等に対して給付金の支給その他の必要な援助を行うに当たっては、中小企業者に対して特別の配慮をする旨の規定を設けております。その理由は、介護休業制度の導入率の低い中小企業者
にとりまして、制度の早期導入の負担を軽減するために手厚い助成措置を講ずる必要があると考えるからであります。そして、この規定に基づき、手厚い助成措置を実施し、介護休業制度の導入の円滑化を図りたいと考えております。
 質問の第六は、施行期日についてであります。
 新進党案では、介護休業制度本体の施行期日を平成八年四月一日としております。その理由は、まさに質問中に指摘されておりますように、介護休業の一刻も早い実施を必要とする状況があるからであります。すなわち、今介護のために退職せざるを得ない勤労者は年間八万人に達しているわけであります。私どもは、当面する困難を乗り越えまして本制度の実現を早急に図ることが、国民福祉の向上と豊かな生活に向けて不可欠であると判断したからであります。
 なお、制度の早期導入に当たり負担軽減措置を講ずることは、先ほど申し上げたとおりであります。
 以上、桝屋議員とあわせまして御答弁を申し上げたところでございますが、私どもは、この法案を提出するに当たりまして、働いている皆様方の代表である連合の皆さん方と十二分に議論を尽くしてまいりました。連合に働いている人は八百万かもしれませんが、すべての働く皆様方の声を代弁して、連合の皆さん方と緻密なる議論を展開してまいりました。もちろん、一方におきましては、今リストラ、円高で中小企業者は大変な立場にあります。中小企業者のお立場を十二分に配慮しつつ、万全の措置を講じつつ、我々は、働く仲間の皆様方が真に期待するような制度の早期実施に向けて、このたび提案したところであります。
 何とぞ新進党の立法趣旨をお酌み取りいただきまして、同法案の審議に当たりまして、与党の皆様方の温かい御高配を賜りますようにお願い申し上げ、答弁を終わらせていただきます。(拍手)
    ―――――――――――――
#42
○議長(土井たか子君) 永井孝信さん。
    〔永井孝信君登壇〕
#43
○永井孝信君 私は、自由民主党・自由連合、新党さきがけの御了解をいただきまして、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、内閣総理大臣並びに関係大臣に質問いたします。
 介護休業の法制化は四年前に育児休業法が成立して以来の課題ですが、普及率がなお一六・三%にとどまっている中で法制化にこぎつけるについては、労働団体、使用者団体等関係各位の努力はもちろんですが、同時に、浜本労働大臣の強いリーダーシップがありましたし、また、私ども社会党としては、あらゆる機会をとらえてその実現に努力してきた成果とひそかに自負しているところであります。「人にやさしい政治」をうたう村山内閣にふさわしい法案と思うわけであります。
 本法案の内容に入る前に、まず、介護問題に対処する基本的な考え方について伺っておきたいと思います。
 高齢者介護の問題は、実に切実であり深刻です。民間グループの調査によれば、いわゆる寝たきりや痴呆症老人を介護している家族が、その疲労や終わるめどのないつらさに耐えかねてお年寄りを虐待するケースが急増していると指摘されています。中には殺人事件に発展した事例もあり、何とも痛ましい限りであります。これは、公的な介護サービスが整っていない我が国の貧しさを象徴するものと言わねばなりません。
 しかも、我が国は今後とも急速に超高齢化社会に移行しようとしており、西暦二〇二五年には世界一の高齢社会が到来すると見込まれています。
 昨年九月、社会保障制度審議会が社会保障将来像委員会第二次報告を発表しました。その報告は、家族形態の多様化、小規模化、共働き世帯の増加などにより、家庭内の役割分担や老親扶養に対する考え方も変化してきており、家庭での介護や育児の力が弱まり、社会保障制度に対する期待が高まっていることを指摘しているのであります。
 今日、高齢者介護政策の基本方向としては、高齢者が家族介護に依存せずに自立した生活を送ることができるような社会介護の確立、言いかえれば家族介護から社会介護への転換が求められているのであります。また、そうであればこそ、私どもも、先般、高齢化社会に向けた税制の抜本改革との関連で、高齢者保健福祉推進十カ年計画を大幅に見直し、上積みして、新ゴールドプランの策定を求め、実現を見たのであります。
 そこで、福祉問題に造詣の深い総理並びに厚生大臣にお尋ねします。
 社会保障将来像委員会第二次報告をどのように受けとめておられるのか。介護問題についての基本的見解はどうか。また、新ゴールドプランをどのように位置づけているのか。私どもは、これをナショナルミニマムとして位置づけ、推進しようとしているのでありますが、いかがでしょうか。御見解をお聞かせください。
 次に、本法案の内容につき、焦点となっている事項について幾つか質問いたします。
 その一つは、介護休業の期間についてであります。
 老親介護つまり高齢者介護は、基本的には社会サービスによるべきであって、その子供に就労を断念させてまで責任を負わせるべきではありません。しかし、現実的には、日本では社会サービスが立ちおくれているため私的に解決せざるを得ない場合が多く、働き続ける意思を持ちながらも、介護のために退職を余儀なくされる労働者が少なくないのが実情であります。しかも、その大半は女性です。
 このため、社会党は、これまで新ゴールドプランの推進など社会サービスの整備を急ぎつつも、当面の対応策として、最低三カ月の介護休業を保障し、それ以上は個々の労働者の実情に応じて休業を認めることを事業主の努力義務とすることを主張してきました。
 政府案では、連続する三カ月となっていますが、三カ月とすると、それより長い休業期間を定めた既存の労働協約にも悪影響を与えるのではないかと心配する声もあります。そこで、どのような考え方に基づいて三カ月という期間を設定したのか、改めてお伺いいたします。また、これらの心配の声にはどうおこたえになるか、労働大臣の御見解を伺います。
 さて、この問題については、対案を出された新進党提出者にもお尋ねいたします。
 新進党が提出された法案では、休業期間が一年となっています。休業する側からいえば選択の幅が広がるわけで、長ければ長い方がよいのは当然です。他方、特に中小企業等にとっては、最低三カ月というのは労働者が申し出れば拒否できなくなるわけですから、その場合の代替要員の確保等雇用管理上の負担が加わることは事実です。一年とすればなおさらであります。
 そこで、一律最低保障の社会的強制としては、最低三カ月というのが少なくとも現在の時点ではぎりぎりのコンセンサスではないでしょうか。しかも、労働省の調査によっても、かなりの労働者がこの制度によって救われることは明らかです。この点について、新進党提出者の御見解を伺いたいと思います。
 その二つは、介護休業制度の施行時期についてであります。
 政府案では、施行時期が今から四年後の平成十一年四月となっています。これに対し、法制定保後、企業規模を問わず早期に施行してほしいとの要望があり、その気持ちについては私どもも十分理解しています。しかし、他方、雇用管理上の負担を負わせられることになる中小企業への配慮も必要です。
 この問題を考える上で、昨年の国会で成立した高齢者雇用安定法の改正の場合が参考になります。六十歳未満の定年を禁止するなどを内容とした同法案では、大企業と中小企業を区別せず、一律に三年間の準備期間を設けた上で施行されることとなっています。普及率が八割の状況での措置であったのであります。残念ながら介護休業の普及率は一六・三%と低く、特に中小企業にはほとんど普及していないのが現状なのであります。
 今回の法案にも、同様に三年間の準備期間が設けられているのはやむを得ないのではないでしょうか。そのような現実的な政策判断があったればこそ、私どもも新進党の皆さんも、当時、四年後施行の高齢者雇用安定法の改正案に賛成したのではなかったでしょうか。新進党の皆さんが、今回、あえて中小企業を含め来年直ちに施行するとしているのは一体いかなるお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
 さて、政府案でも、四年後にはどの中小企業にもこの法律を受け入れていただかなければなりませんが、それまでの間、何もしなくてよいというわけではありません。現に、自主的にこの制度を導入している企業もありますし、雇用する労働者の実情に応じて法施行以前にも導入を検討していだきたいし、政府としても、三年後までほうっておくのではなくて、企業に対して前倒し実施に努力するよう積極的に指導援助する必要があると考えますが、労働大臣の御見解を伺います。
 第三に、休業中の所得保障について伺います。
 せめて、この法律に基づき四年後に全産業、全労働者を対象に介護休業制度が実施される際には、育児休業の場合の育児休業給付と同様の給付が行われるようにすべきであると考えるのでありますが、総理大臣並びに労働大臣の御見解をお聞かせください。
 第四に、看護休暇についてお尋ねします。
 我が国では介護と看護を区別せず使用しているため、いろいろ誤解が生まれやすくなっていますが、今回法制化しようとしているのは介護休業制度で、むしろILO百六十五号勧告やECの親休暇及び家族休暇に関する指令案にある家族看護休暇については触れられていないのであります。私どもは、配偶者や子供の突発的事故や病気のための休暇である家族看護休暇制度については、本人の病気休暇とあわせてこれからの課題として残されていると考えております。そこで、この点について政府は今後どのように対処しようとしているのか、労働大臣にお尋ねをいたします。
 最後に、迎えつつある超高齢化社会に対応して、新ゴールドプランの着実な実施に全力を注ぐ一方、法制化されようとしている介護休業制度の積極的な活用について、我が党としても与党としても全力を挙げて取り組む所存でございますが、総理並びに関係大臣のそれぞれの御決意を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#44
○内閣総理大臣(村山富市君) 永井議員の質問にお答えを申し上げたいと存じます。
 介護の問題について幾つかお尋ねがございましたが、社会保障制度審議会の社会保障将来像委員会第二次報告におきましても、高齢化や少子化が進み、女性の就業意識が大きく変化している現状等から、高齢者等の介護を支援する施策の充実の重要性が指摘されているところでございます。今後の社会保障を考えていく上で、介護の問題は、永井議員御指摘のとおり、最も緊要性の高い課題の一つであると受けとめております。そのために、新ゴールドプランを着実に推進していくことにより、国民だれもが安心して老後を迎えることができるよう介護サービスの必要な基盤を整備していくことは、極めて重要な当面の課題であると考えているところでございます。
 次に、介護休業中の経済的援助についてのお尋ねでありますが、御指摘のように、育児休業の場、合には、休業前の賃金の一定割合や休業中の社会保険料の本人負担について、休業制度が全面適用となるこの四月から給付措置がとられることとなっておりますので、これとの対比での御質問であると受けとめております。介護休業制度の義務的適用は平成十一年四月からとなっておりますので、この時期を念頭に置きながら、各方面の御議論も踏まえて、御指摘の点については今後十分検討の上対処してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、新ゴールドプランについてのお尋ねでありますが、介護の問題は老後の最大の不安要因であり、本格的な高齢社会の到来を目前に控え、介護サービスの基盤整備が急務であることは先ほども申し上げたとおりでございます。このため、新ゴールドプランを着実に推進していくために全力を注いでまいる決意でございます。
 次に、介護休業制度の積極的な活用についてのお尋ねでありますが、新ゴールドプランの着実な実施と相まって介護休業制度を普及し確実に定着させていくことによって、高齢化社会における最も大きな課題であります介護問題の解決にこれからも全力を尽くしてまいりたいと考えていること係を申し上げておきたいと存じます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣浜本万三君登壇〕
#45
○国務大臣(浜本万三君) 永井議員に御答弁を申し上げます。
 永井議員の御質問は、この法律案作成の過程並びに法律案の趣旨を十分理解をいただきました御質問でございますので、大変感謝をいたしております。
 五つ御質問がございますので、以下、順次お答えをいたします。
 介護休業期間についてのお尋ねでございますが、今国会に提出いたしました法律案は、婦人少年問題審議会の建議におきまして、介護休業制度の定着を確保し得るような基本的な法的枠組みをつくるべき時期に来ているとしつつ、その内容につきましては、家族介護や労働者の雇用の継続の必要性と企業の負担との調和が図られるよう十分配慮する必要があるとの指摘がなされたことを踏まえて作成をいたしたものでございます。
 すなわち、介護休業制度の法制化につきましては、法ですべての企業に一律に介護休業を義務づけることとする一方、義務づけの部分につきましては最低基準として、これを上回る部分につきましては企業の努力義務として労使の自主的な努力にゆだねるという基本的考え方に立っているものでございます。
 具体的には、法で義務づける介護休業期間につきましては、介護休業制度は家族による介護がやむを得ない場合の緊急的対応措置であり、家族が介護に関する長期的方針を決めることができるようになるまでの期間として三カ月程度の期間が必要と判断されたのであります。既に介護休業制度が導入されている民間の事業所におきまして実際に介護休業を取得した者の大部分は、七七・七%は、三カ月以内に復帰しておるということでございます。以上の点から、三カ月間としたところでございます。
 もとより、法で示す最低基準を理由として労働条件を切り下げるということがあってはならないということは申すまでもないと思います。政府といたしましても、法律の基準を上回る制度の導入が労使の自主的か話し合いによりまして進められるよう、必要に応じ支援してまいりたいと考えております。
 第二の点は、介護休業制度の適用時期についてのお尋ねでございますが、介護休業制度の現時点での普及率を考慮いたしますと、各事業所において介護休業制度を円滑に導入するための準備期間といたしまして三年間程度とる必要があるとの婦人少年問題審議会における多数意見を踏まえまして、平成十一年四月一日といたしたものでございます。
 労働省といたしましては、それまでの間においても、中小企業を含む事業所でなるべく早期に介護休業純度が導入されることが望ましいと考えております。そのため、広報啓発に努めますとともに、中小企業集団を通じた中小企業の計画的取り組みに対する相談・援助、介護休業制度導入の奨励金の支給等、企業が円滑にこの制度を導入できるようにするための支援措置を初めといたしまして、積極的に指導援助を行い、円滑な施行を図ってまいりたいと考えております。
 第三につきましては、介護休業期間中の所得保障についてでございます。
 育児休業給付と同様の給付が行われるようにすべきではないかとのお尋ねでございますが、育児休業中の経済的援助につきましては、御承知のとおり、育児休業制度がすべての企業に適用されます本年四月一日から育児休業給付が支給されることになっておる次第でございます。介護休業中の経済的援助につきましては、昨年十二月に出されました婦人少年問題審議会の建議におきまして、休業期間中の経済的援助のあり方については、今後、介護休業制度が適用される時期を念頭に置きつつ、さらに十分に議論することが適当であるとされておりますので、総理からも御答弁申し上げましたとおり、制度の適用時期を念頭に置きながら、十分に検討し対処してまいりたいと考えております。
 第四点でございますが、配偶者や子供の突発的事故や病気のための休暇である家族看護休暇についてのお尋ねでございますが、これにつきましては、永井先生御承知のとおり、私も同じような問題意識を持っておるところでございます。ILO算百五十六号条約や第百六十五号勧告の趣旨、欧米諸国の実情なども十分念頭に置きながら、関係者の間で論議を深めていただく必要があると考えておるところでございます。
 最後の質問は、介護休業制度の積極的な活用についてのお尋ねでございますが、この制度は、介護を必要とする家族を抱えた労働者が、その介護のために緊急やむを得ない場合に一定期間休むことにより雇用の継続を図ることができるようにする制度として、極めて重要な問題であると考えております。本法が成立いたしましたならば、介護休業制度の円滑な導入、普及定着等に向け、事業主等に対しまして広報啓発に努めますとともに、積極的に取り組んでまいりたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣井出正一君登壇〕
#46
○国務大臣(井出正一君) 永井議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、社会保障制度審議会の社会保障将来像委員会第二次報告についてのお尋ねでありますが、この報告書は、我が国の社会保障制度を二十一世紀の少子・高齢社会に対応したものに改革していく必要があるとの基本的認識のもとに、年金、医療、福祉などの施策の基本的方向について幅広い観点から意欲的な検討が行われた成果でありまして、今後の社会保障行政を進めていく上で参考とすべき貴重な御提言であると認識しております。特に、今日、喫緊の課題となっております高齢者を対象とした新しい介護システムについては、社会保険方式による公的な介護保障制度の導入が提言されており、今後、こうした提言を参考にしつつ検討を進めていくことといたしております。
 次に、家族介護から社会介護への転換についてのお尋ねでありますが、今後の高齢社会においては、高齢者を精神的に支える家族の役割を十分評価しつつ、家族に過大な負担をかけることなく高齢者ができるだけ家庭や地域で暮らし続けることができるよう、介護を必要とする高齢者に対して必要な介護サービスを社会的に提供していく基盤を整備していくことが重要であると考えております。
 新ゴールドプランの位置づけについてのお尋ねでありますが、高齢者介護施策については、各地方自治体において老人保健福祉計画を作成し、地域のニーズに応じた介護サービスの提供基盤の整備が進められているところであります。厚生省といたしましては、この老人保健福祉計画の作成も
踏まえ、介護サービスの整備目標の引き上げ等を内容とした新ゴールドプランを策定したところでありまして、これを着実に推進し、地方自治体の取り組みを支援していくことを通じて、介護サービスを必要とする高齢者だれもが身近にサービスを手に入れることができる体制を構築してまいりたいと考えております。
 最後に、新ゴールドプランの着実な実施についてのお尋ねでありますが、新ゴールドプランは、国民が安心して老後の生活を迎えることができる介護体制を整備するためのものでありまして、これを着実に推進し、計画に基づく自治体の取り組みを全面的に支援していくことによりまして、地域の実情に応じた介護サービスの基盤の整備に全力を尽くしてまいりたいと考えております。(拍手)
    〔大野由利子君登壇〕
#47
○大野由利子君 永井議員の御質問にお答えいたします。
 質問の第一は、介護休業の期間についてであります。
 新進党案では、権利としての介護休業期間は最長一年間としております。その理由は、第一に、労働団体の調査におきましても平均介護期間は七・七カ月に及び、三カ月では介護休業を必要とする実態と余りにかけ離れておりまして、介護のために仕事をやめる年間八万人、そのうち実に九割が女性でございますが、これらの人々の救済とはなり得ない状況でございます。第二に、既に現在労働協約等によって導入されている介護休業の期間は、その多くが一年間とされていることを考えますと、これは妥当な案ではないか、このように思っております。
 質問の第二は、介護休業制度の施行時期についてであります。
 新進党案では、介護休業制度の施行時期を企業規模を問わず平成八年四月一日としております。その理由は、介護の問題に直面している多数の労働者の実態及び今後直面することになる多くの労働者にとっての必要性を考えるとき、可及的速やかな実施が必要である、このように考えるからであります。
 また、以上二つの質問に共通して、新進党案の実施による事業主、特に中小企業の負担の増加ということについてお尋ねがありました。
 新進党案は、中小企業の負担の増加という点に十分配慮し、法律の中に中小企業に対する特別の配慮義務を定め、それによって中小企業に対する手厚い助成措置をとり、中小企業の負担を軽減することとしております。
 確かに、介護休業の制度化に関しましては、事業主の皆様にも御負担をお願いしなければなりません。しかし、高齢化社会においていや応なく迫ってくる介護の必要性に対しまして、共助共生の精神に立って実効ある支援を行うためには、これらの事項の実現はぜひとも必要である、このように考えております。
 また、戦後の経済成長優先の政策の中で、額に汗する勤労者の福祉がともすれば後回しになりがちであったことを思うとき、国民のゆとりと豊かさの実現を願う立場から、生活者重視の立場からは、これらの事項の実現はもう待ったなしてございます。もう遅過ぎるのではないかとさえ言えるのではないかと思います。いち早い実現を心より願っております。(拍手)
#48
○議長(土井たか子君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#49
○議長(土井たか子君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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