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1995/05/23 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第29号
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1995/05/23 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第29号

#1
第132回国会 本会議 第29号
平成七年五月二十三日(火曜日)
    ―――――――――――――
  平成七年五月二十三日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 野中国務大臣のオウム真理教関連事件について
  の発言及び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(土井たか子君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(土井たか子君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 五島正規さんから、五月三十一日から六月七日まで八日間、衛藤征士郎さん及び宮澤喜一さんから、五月三十一日から六月十一日まで十二日間、右いずれも海外旅行のため、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(オウム真理教関連事件につ
  いて)
#5
○議長(土井たか子君) 野中国務大臣から、オウム真理教関連事件について発言を求められております。これを許します。国務大臣野中広務さん。
    〔国務大臣野中広務君登壇〕
#6
○国務大臣(野中広務君) オウム真理教関連事件について御説明申し上げます。
 本年三月二十日、地下鉄車両内においてサリンを発散させ、多数の方々を死に追いやりあるいは負傷させるという未曾有の事件が発生いたしました。ますもって、亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、負傷された方々にお見舞いを申し上げる次第であります。
 本事件は、朝のラッシュ時間帯をねらい、善良無辜な市民を無差別に殺傷するという日本の犯罪史上例のない悪質きわまりない犯行であり、国民に多大の不安と脅威を与えたものであります。
 我が国が誇る安全をまさに根底から揺るがしかねない事態を目の当たりにし、警察においては、早期全面解決を目指して、全国警察の総力を挙げて不眠不休で懸命に捜査に取り組んでまいりました。
 このような徹底した捜査の結果、本事件がオウム真理教関係者による組織的な犯罪であることを解明し、五月十六日早朝を期して教団の幹部らを逮捕するという段階を迎えることができたところであります。
 オウム真理教に対する捜査は、このように新たな局面に入ったところでありますが、これは全容解明への一つのステップにすぎないのであり、今後とも、事案解明のため徹底した捜査がなされるものと確信しております。
 このほか、同教団が組織的に敢行したと見られる逮捕監禁事件や武器等の製造容疑など幾多の犯罪容疑があることから、それぞれの事件についても捜査を完遂し、事案の全容を明らかにして、国民の皆様に安心していただけるよう重ねて督励してまいる所存であります。
 次に、再発防止についてでありますが、今申し上げた捜査活動に加え、これまで警察においては、連日、通常勤務員に加え数万人の警察官を動員し、公共交通機関や行楽地等多数の人が集まる場所に対して厳重な警戒措置を実施してきたところであります。
 また、公共の安全を確保する観点から、サリンを使用した犯罪を有効に取り締まるため、国会の深い御理解により、早期にサリン等による人身被害の防止に関する法律を成立させていただいたところであります。
 さらに、村山総理の指示により、サリン使用犯罪の再発を防止するとともに、サリン使用犯罪が発生した場合の迅速的確な措置を講ずるために設置されましたサリン問題対策関係省庁連絡会議を中心に、各関係省庁との緊密な連携のもと、政府一体となった諸施策の推進に取り組んできたところであります。今後とも捜査の進展を見守りつつ、引き続き警戒措置を継続し、万全を期することとしております。
 これまでの事態の推移を振り返りますと、警察は、オウム真理教をめぐる疑惑の真相を一刻も早く解明してほしいとの国民の期待にこたえつつあるものと認識しております。
 警察職員にあっては、国民の安全を守るという崇高な使命を達成するため、厳しい環境のもとで疲労こんぱいになりながらも、積極果敢にかつ士気高く捜査や警戒活動に従事しているところであります。そして、このような警察活動は、ひとえに国民の皆様の御理解と御協力に支えられたものであり、国家公安委員長として、国会の皆様はもちろん、国民の皆様に改めて感謝を申し上げるものであります。
 なお、オウム真理教との関連は現時点では明らかではありませんが、いわゆる松本サリン事件、警察庁長官狙撃事件、地下鉄丸ノ内線新宿駅構内における殺人未遂事件等、法秩序に対する重大な挑戦ともいうべき事件の発生も見ており、こうした現下の厳しい情勢のもと、国家公安委員長として、良好な治安の確保のために今後とも全身全霊を傾け職務に精励してまいる所存でありますので、国会はもちろん、関係機関、国民の皆様方の御理解と御協力を賜りますようお願いを申し上げる次第であります。
 以上申し述べ、御報告といたします。(拍手)
 国務大臣の発言(オウム真理教関連事件につ
  いて)に対する質疑
#7
○議長(土井たか子君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。七条明さん。
    〔七条明君登壇〕
#8
○七条明君 私は、自由民主党・自由連合、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけを代表し、オウム真理教関連事件について、村山総理並びに関係閣僚に質疑をさせていただきます。
 去る三月二十日、朝のラッシュで混雑する地下鉄車両内にサリンを発散させ、多数の人を死傷させるという極めて卑劣な無差別テロが発生をいたしました。改めて、亡くなられた方々とその御遺族に対し心から哀悼の意を表しますとともに、負傷されました方々に心よりお見舞いを申し上げる次第であります。
 これまで我が国の治安のよさは国内はもとより国際的にも高い評価を受けており、私もそのことを誇りにしてきた一人であります。申すまでもなく、日本国が発展をし、国民すべてが豊かな生活を維持するためには、まずもって良好な治安が確保されていなければなりません。我が国は国際社会の中で従来にも増して重要な位置を占めるに至っており、昨今は要人を含め数多くの外国の方々が日本を訪れる時代になっております。このような中にあって、かりそめにも日本は治安が悪いという印象を持たれることは、日本の国際的な信用が失われてしまうことにもなりかねない、そう思う一人であります。
 その意味で、国民が平穏で安心して暮らせる社会を守り、かつ国際社会における日本の信用在低下させないためにも、今回のような惨事を二度と繰り返さないようにすることが喫緊の課題であり、我々国政に携わる者の責務であると考えております。
 本事件は、捜査当局の御努力により、オウム真理教による犯罪であることを突きとめ、過日、教団の麻原代表を逮捕するなど捜査は着実に進展しているものと認識をしておりますが、今後とも徹底した真相の究明がなされるようなお一層の御尽力をお願いするものであります。
 さて、オウム真理教は、既に御案内のとおり、宗教活動の名のもとに数々の犯罪行為を行っていることは明らかであります。中でも国民に大きな不安と脅威を与えているのは、やはりサリンと銃器の製造容疑であると考えております。
 サリン事件につきましては、先ほどの公安委員長のお話にもありましたけれども、既に解決の方向で進展しておると認識をしておりますけれども、銃器の製造容疑については、いまだ犯人の検事に至っていないのであります。現在捜査当局において御努力されていることとは思いますが、昨今、国民のかけがえのない生命を一瞬のうちに奪い去る銃の恐怖が叫ばれているところでもあり、銃器の製造疑惑についても徹底的に究明していただきたいと考えます。国家公安委員長に、今後の全容解明に向けて取り組む姿勢について御所見をお伺いいたします。
 次に、オウム真理教による逮捕監禁事件等に関連してお尋ねをいたします。
 今回の一連の逮捕監禁事件等において極めて特異なことは、信者たる医師が被害者に自白剤や麻酔剤の薬物を投与するなど事件に深く関与していたという点であります。また、宗教儀式と称して幻覚作用を伴う薬物が乱用されていたとも伝えられております。心の救いを求めて入信してきた真摯な人々を、薬物を悪用して洗脳し、あげくの果てには全財産を取り上げてしまうという悪質きわまりない行為に、本来、人の生命を救うべき医師が加担していたということは断じて許すことのできないものであります。
 オウム真理教附属病院ではでたらめな医療行為が行われていたのは明らかであり、同病院に対し断固とした措置がもし行われていたならば、教団の犠牲になることのなかった人々が数多いのではないだろうか。この点、医師や医療機関に対する監督、医薬品の流通に対する管理、さらには医師の倫理観の向上のための施策を強化する必要があると思いますが、この点についても厚生大臣にお伺いをいたしておきます。
 次に、オウム真理教の解散命令についてお伺いをいたしたいわけでありますけれども、宗教法人法第八十一条一項には、所轄庁や利害関係人もしくは検察官は裁判所に解散命令を請求することができるとあります。
 一般に、宗教法人に対して解散を命ずることは、憲法第二十条の信教の自由の保障からも慎重でなければなりませんが、今回のオウム真理教については、教団幹部が次々に逮捕され、さまざまな違法行為が明らかとなり、教団トップの麻原代表が殺人容疑で逮捕されるに至っては、この教団が組織的に反社会的な行為を繰り返してきたことは明白であります。
 宗教法人は公益法人の一つでありますから、オウム真理教のごとく公益に反するようなものに、いつまでも法人格を与えておくべきではないと考えます。オウム真理教が行った行為は重大な犯罪であり、宗教法人法に規定する解散事由に該当することが明らかであります。一刻も早く裁判所に解散命令の請求をするべきではないか。と同時に、宗教法人法の見直し、改正の意思があるかないかについても、特に総理及び関係文部大臣にお聞かせを賜っておきたいと思うわけであります。
 次に、無差別テロ対策についてお伺いをいたします。
 今後のサリン等を使用した無差別テロへの対策を確立し、再発防止に万全を期するためには、早期に全容を徹底解明することはもとより、今回の事件を教訓とした中長期的視野に立った対策が必要であろうと思います。これはまさに政府の危機管理の問題だと思います。無差別テロ対策に万全を期するため、必要な法律・制度の整備、体制や予算面における強化など早急に諸対策を講じ、世界に誇れる良好な治安を維持することが、我々国政に携わる者の義務と確信をいたしております。
 今回の麻原代表逮捕に当たって、政府は、捜査当局による一斉逮捕が始まるや否や直ちに関係閣僚会議を開催するなど、関係省庁が一体となり無差別テロ対策及びオウム真理教対策について推進しているところであると伺っておりますけれども、今後、オウム真理教に限らず、ほかの反社会的集団が、従来の常識では想像もできない無差別テロを引き起こすことも考えておかなければなりません。政府の今後の取り組みについて、総理に御所見をお伺いしておきます。
 次に、今後のオウム真理教信者の社会復帰に向けた対策についてもお伺いをいたします。
 麻原代表が殺人罪で起訴された時点でオウム真理教に対する解散請求が行われるものと認識をしておりますが、その場合、全財産を教団に取り上げられ、その生活のすべてを教団に依存している出家信者が、マインドコントロールにより精神的なダメージを受けたまま普通の社会生活に戻ることの苦労は想像を超えるものがあろうと思います。
 その意味で、私は、末端の信者も被害者の一人であり、特にオウム関連施設の子供たちが通常の子供らしい生活を取り戻すまでには多くの困難が待ち構えているものと思われます。犯罪行為者に対しては厳正に対処することは無論でありますが、ややもすれば見落とされがちな残された信者が今後直面するであろう幾多の試練を考えるとき、彼らの将来を憂慮してやまないのであります。
 そこで、残された信者の社会復帰を考えるに際し、彼らの生活をいかに確保していくのか、カウンセリングを受けさせるなどの措置はあるのか、信者の子供たちの受け入れをどうするのかなとについても、関係省庁を挙げたシステムづくりが必要不可欠と考えておりますけれども、この点についても総理にお聞かせをいただいておきたいと思います、
 最後に、長期間にわたる捜査活動や治安維持などに対する関係当局の御努力に敬意を表しますとともに、事件の真相の早期解明と再発防止に努めていただきますよう重ねてお願いを申し上げて、私の質問とさせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#9
○内閣総理大臣(村山富市君) まず冒頭に、三月二十日の地下鉄サリン事件で亡くなられた方々や遺族に対しまして心から哀悼の意をささげるとともに、負傷された方々にお見舞いを申し上げたいと存じます。
 オウム真理教につきましては早急に解散をさせるべきではないかという御質問でございますが、所轄庁等が裁判所に解散請求をするには、宗教法人法に定める解散事由に該当することを立証する資料等が必要でございます。今後、麻原代表を初めとして幹部の起訴の状況を見定めながら、資料の収集検討を重ね、解散請求に向けて適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、宗教法人法の見直しについてお尋ねがございましたが、オウム真理教事件を契機に、宗教法人制度についても国会等において論議が行われ、種々の御指摘や御意見があることは十分承知をいたしております。このため、文部省の宗教法人審議会でこれら制度上の問題について検討を行っていただくようにしたところでございますが、信教の自由のあり方など基本的問題にも配意をしながら、できるだけ早期に検討を進めていただきたいと考えておるところでございます。
 次に、無差別テロに対する政府の取り組みについてのお尋ねでございますが、いわゆる地下鉄サリン事件のような多数の人々を対象とした無差別テロは卑劣きわまりない行為でございまして、断じて許すことはできません。政府といたしましては、地下鉄サリン事件に見られるような無差別テロが、オウム真理教といった団体により組織的に引き起こされたことにかんがみまして、今後、こうした違法行為を意図する反社会的集団の的確な把握に努めるとともに、組織的犯罪を未然に防止するための体制の整備など可能な限りの措置を講じてまいりたいと考えております。
 また、地下鉄サリン事件等の事案に対しましては、サリン等による人身被害の防止に関する法律を議会の御理解もいただきまして制定するなどの措置をとったところでございますが、今後とも、無差別テロに使用されるおそれのある凶器等の規制のあり方の見直しを含め、同種事案の再発防止について関係省庁が一体となって取り組んでまいる所存でございます。
 次に、残された信者の社会復帰についての御質問でございますが、罪のない善良なオウム真理教信者の方々が一日も早くもとの落ちついた生活を取り戻すことができるよう願っております。政府といたしましても、信者の方々の置かれている困難な状況の把握を含め、講ずべき必要な措置について既に各種検討を始めているところでございますが、今後、これらの検討状況を踏まえ、関係省庁連絡会議の開催や、必要に応じて関係自治体とも十分連携をとるなど、政府としての取り組みを推進してまいりたいと考えているところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣野中広務君登壇〕
#10
○国務大臣(野中広務君) オウム真理教の銃器製造疑惑についてのお尋ねでありますが、この事案を初め、最近の銃器にまつわる各種の事件の続発は、ただいま議員から御指摘もありましたように、ある意味において我が国が世界に誇れる文化の一つである良好な治安を揺るがしかねない重大な事態と認識しております。お尋ねの事案についても、警察におきまして、その全容解明に向け全力で捜査を進めているところでありまして、国家公安委員会といたしましても、一刻も早く国民生活に安心感を与えるよう督励しているところであります。
 また、先般成立していただきましたサリン特別法、またさらに銃刀法の改正によりまして、銃等を所持しておる者はみずから進んで警察に届け出た場合はその罪を減免されることとされておるところでありますので、関係者でこのような危険物を所持しておる者は進んで警察に届け出を行い、信者である前に民主社会を構成する一員としての責任感に立って、一刻も早く、ただいま総理から申し上げましたように、社会復帰をされることを期待しております。(拍手)
    〔国務大臣井出正一君登壇〕
#11
○国務大臣(井出正一君) 七条議員の御質問にお答えをいたします。
 医師や医療機関などの監督についてのお尋ねでありますが、今回の事件については、詳細はまだわかっていませんが、二度と起こってはならないものであり、早期に完全解決されるよう願っております。
 医師につきましては、医師法上、その診療行為の内容について逐一行政庁が監督を行うというのではなく、医師が罰金以上の刑に処せられた場合において免許の取り消し等の行政処分を行い、適正化を図っているところであります。今回の事件についても、今後の捜査や裁判の状況を踏まえ、医道審議会の意見を聞いて厳正に対処する所存であります。
 また、御指摘のとおり、医師は人の生命、健康を扱う職業であり、高い倫理観と豊かな人間性が要求されるものであります。今後このような事件を起こさないためにも、年前卒後の教育、研修や生涯教育の一層の充実に努める必要があると考えております。
 医療機関につきましては、医療法に基づく人員や構造設備基準を満たし、衛生上支障なく運営されなければならないこととされており、立入検査等によりその適正を期しているところであります。
 オウム真理教が開設している東京都中野区の診療所につきましては、これらの基準に照らし、開設許可に当たり検査を実施しており、事件発生傍においても既に立入検査等を行ったところであります。今後、捜査の状況等を踏まえ、厳正に対机していく考えであります。
 次に、医薬品の流通に対する管理につきましては、一般的には、医療機関と卸売業者の取引に関し、個々の医薬品の使用目的のチェックや販売量を規制することは適当でないと考えております。しかしながら、今回の事件を踏まえ、特殊な用途の医薬品について常識を超える量の注文があった場合には、その用途等について確認を行うとともに、特に不審のある場合には、必要に応じ販売を差し控えるなど慎重に対処するよう関係業界に対して注意を喚起しているところであり、徹底を今後も期してまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣与謝野馨君登壇〕
#12
○国務大臣(与謝野馨君) まず、オウム真理教の解散命令の請求の御質問ですが、宗教法人の代表役員たる者が報道されるような重大犯罪に関与していたということであれば、解散命令の請求を行う必要があることは論をまたない状況であると考えております。したがいまして、麻原代表の起訴後、できるだけ速やかに解散命令の請求を行うべきものと考えており、関係機関との間で準備を行うよう指示したところであります。
 次に、宗教法人法の改正についての御質問ですが、オウム真理教事件を契機に、宗教法人制度についても国会等において種々の議論が行われ、宗教法人の所轄庁のあり方や認証後の活動状況の把握の方法などについて問題点が指摘されているところであります。現在、宗教法人審議会において、これら制度上の問題について検討を行っていただいております。この問題は、信教の自由や政教分離の原則にかかわる問題であり、慎重な検討が必要でありますが、できるだけ早期に取りまとめをいただきたいとお願いをしているところであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(土井たか子君) 坂本剛二さん。
    〔坂本剛二君登壇〕
#14
○坂本剛二君 新進党を代表いたしまして、ただいま御説明を受けましたオヴム真理教関連事件について、総理並びに関係閣僚に質問をいたします。
 村山政権は、発足以来、間もなく十一カ月になろうとしておりますが、大変御苦労さまでございました。最近、総理の後ろ姿には疲労と限界がにじみ出ていると言われております。村山総理御自身も、やめたいとたびたび漏らしておると仄聞するものであります。しかし、御冗談はよしていただきたいのであります。大震災対策、今回の組織的な大型テロ、円高等々に何らの解決策も立てぬままおやめになることは、平和と繁栄、安らぎを願ってやまない国民に対する、まさに背任行為であるからであります。
 村山総理の資質や手腕力量については、決断力、判断力のなさからくる単なるリーダーシップの欠如として片づけることはできますけれども、今日ただいまほどすべての国民が安全社会を望んでいるときは、我が国の長い歴史の中でもなかったのではないでしょうか。
 以上申し上げました上で、質問に入ります。
 いわゆる地下鉄サリン事件につきましては、捜査当局によってオウム真理教による組織的、計画的な犯行であることが明らかになったのでありますが、この事件は、世界的にも例を見ないほど凶悪な犯行であり、十二人のとうとい命を奪い、多数の方々に傷害を負わせた。憎んでも余りあるものであります。
 まずもって、亡くなられた方々とその御遺族に心から哀悼の意をささげますとともに、負傷された方々にお見舞いを申し上げるものであります。そして、この事件の全容解明と、いまだ解決されていない事件でオウム真理教の関与が取りざたされているものについて、その全貌が明らかにされるよう強く求めるものであります。
 私は、この事件発生後における警察当局の捜査並びに警察や関係機関による再発防止措置については、その努力は多とするものでありますが、オウム教団がこれほど反社会的組織に成長するまで、なぜ知らなかったのか、なぜ放置されていたのか、松本サリン事件のその後についても国民のフラストレーションは強まる一方でありました。
 なぜこのようなサリンの製造が長期間にわたって見過ごされてきたのか。今回の地下鉄サリン事件が発生しなければ、松本サリンは解決の糸口さえも見出せなかったのではないか。政府の毅然たる対応がなされていたら、今回の事件は未然に防ぐことができたのではなかったかとの感を深くするものであります。
 総理は、本国会において、良好な治安は世界に誇るべき我が国の最も貴重な財産ともいうべきものである、これを守るには今後とも全力を尽くすと言われました。しかし、この事件によって、我が国の治安のよさに対する国際的な評価も大きく失墜し、国民の日常生活にも深刻な不安を招いたのであります。
 政府は、一体、治安のよさを守るために実際に何をしたのでありましょうか。ただ口当たりのよい言葉を並べるだけであって、今日の情勢に対応した必要な法律の整備や警察力の増強を怠ってきたこと、そして全行政機関において毅然とした法執行を進めてこなかったことが、この事態を招いたのではないかと思うのであります。
 そこで、まず、オウム真理教の施設で数々の違法行為が放置されてきた問題について質問をいたします。
 オウム真理教では、建築基準法に違反して工事完了届が出されないままに施設が使用され、消防法に違反する多くの危険物が貯蔵されていました。そして地元の住民の皆様からは、オウム真理教の施設を何とかしてほしいとの要望も出されていたのでありますしかるに、関係行政機関は警察の捜査の手が入るまでそれを放置しており、立入調査も行っていなかったのであります。
 私は、「人にやさしい政治」の美名のもとに、調査や処分の権限を持つ行政機関がその権限をきちんと行使することを問題視するかのような風潮があり、各行政機関の事なかれ的対応を招いたのではないかと思うのであります。個々の法令に基づく立入調査が通常になされていれば、今回の事件の前にオウム真理教の違法行為の実態が明らかになっていたと思うのであります。これが放置されていたことについての総理の見解をお伺いしたいのであります。
 また、今回のサリン事件で原料に用いられた三塩化燐などの薬品については、本国会で成立したいわゆる化学兵器禁止条約実施法によっても、個々の売買の規制は全くないのであります。御承知のように、三塩化燐は原子爆弾におけるプルトニウムにも匹敵するほどのものであります。そのほかにも、地下鉄新宿駅改札口付近で青酸化合物を使用した事件も起きております。青酸ソーダは毒物劇物取締法の規制対象ではありますけれども、法律上はだれでも購入することができ、ずさんな管理をしていても責任を問われるようにはなっていないのであります。
 各種の規制は必要最小限度にとどめるべきではありますが、このような多数の国民の命に脅威を与えるものの原料となり得るものや危険な薬品については、必要な法律の整備を含め、その物質の所在が十分に監視されるシステムをつくるべきであると考えるのでありますが、総理並びに厚生大臣の御所見をお伺いいたします。
 次に、今回のオウム真理教による一連の事件の捜査を見ると、私は、組織的、広域的な事件に対して警察が十分に対応できていないことを痛感するものであります。
 各地でオウム真理教による拉致監禁事件などが相当以前から行われていたにもかかわらず、なぜ今回の地下鉄サリン事件の前にオウム真理教の組織にメスを入れることができなかったのかということは、多くの国民の抱いている疑問でありましょう。もとより、事件の捜査である以上、十分な証拠はなくとも行うべきだと言うつもりはありません。しかし、このような大きな組織による犯行について、事件が発生したところの所管の都道府県警察に捜査をゆだねるだけでは不十分ではないか。さらに言えば、小さな規模の県警だけの力ではもともと困難であり、今回の場合は、東京都内の事件が起き、警視庁が担当することになって初めて摘発ができるようになったのではないかと思えるのであります。
 また、こういった組織に対する有効な法的手段を整備する必要はないのでありましょうか。今回の一連の捜査において何が隆路となっていたのかを明らかにし、警察の組織や法的制度を含め、改めるべきことを見出すことが必要であると思うのであります。今回の捜査を踏まえて、今後どのような措置を講じていかれるお考えであるのか、国家公安委員長の御所見を伺います。
 ただいまの中間報告にもございましたが、今回の事件では、全国の警察職員が大変な疲労こんぱいを来しております。このことは、警察力の手薄さを如実に物語るものではないでしょうか。国民の安全を守り、そして国民に広まった不安を解消するためには、警察力の抜本的な増強を図るべきと考えますが、この点についての総理のお考えをお伺いいたします。
 今回のオウム教団の一連の事件に当たっては、現職自衛官、元自衛官が関与し、重要な情報を流していた。あるいは火炎瓶を投げ込んだ事件の直接の犯人だったといったことが指摘をされておりますが、責任者である玉沢防衛庁長官には重大な責任がありますが、長官の受けとめ方はいかがなものであるのか、お伺いをいたします。また、今回の事件に関する自衛隊員関与の事実関係、隊員の規律、問題点等について明らかにしていただきたいのであります。
 最後に、我が新進党は、去る十八日、テロや災害を予防し、生命財産、健康についての不安におびえることのない「安全国家・安心社会をめざす宣言」を行い、重大な事件が起きてからの対策ではなく、予防するために必要な法律やシステムの整備の推進などを行うべきことを明らかにしております。国民の安全を守ることは、国家の基本であり、政府の何よりも重要な責務であると思うからであります。村山総理は、今回の事件で我が国の治安のよさへの信頼が国際的に失墜したことについてみずからの責任を明らかにするとともに、国民の安全を守るために今後何をなされるお考えであるのかをお伺いいたしまして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#15
○内閣総理大臣(村山富市君) 坂本議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 オウム真理教の施設の違法行為についてのお尋ねでありますが、山梨県におきまして法令違反の洗い出しを行い、その是正に向けての調査等を鋭意進めておると承知をいたしております。特に、お尋ねの建築基準法違反及び消防法違反につきましては、四月二十四日に山梨県及び富士五湖消防本部合同で立入検査を実施し、その後、警察当局に対する告発も行っております。
 いずれにいたしましても、このように現在地元山梨県等において鋭意取り組みがなされているところでございますので、国といたしましても、県や関係自治体などと連携をとりながら適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、原材料物質、薬品の規制のあり方についての御質問でございますが、サリンの原料となり得る物質につきましては、毒物及び劇物取締法や、先般施行されました化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律及びサリン等による人身被害の防止に関する法律を厳正に適用することが必要でございます。このため、平成七年四月十九日に行いましたサリン問題対策関係省庁連絡会議における申し合わせにおきまして、サリンの原料となり得る物質等の管理等につきましては、適正な保管管理を一層徹底するための対策等を講じているところでございます。
 今後の対応につきましては、警察の捜査結果や流通実態の調査を現在行っておるところでありますが、その結果等を踏まえまして、現行法の趣旨、目的を勘案しながら、必要があれば適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、警察力の抜本的な増強を図るべきとの御指摘でございますが、法秩序に対する重大な挑戦ともいうべき凶悪な犯罪が続き、国民生活に不安を生じていることは憂慮にたえません。良好な治安は世界に誇るべき我が国の最も貴重な財産ともいうべきものでございまして、これを守るために今後とも全力を尽くしてまいる所存であります。このために必要な警察体制の整備や治安基盤の充実については、十分に検討していく必要があると考えているところでございます。
 次に、国民の安全を守るための今後の対応についてのお尋ねでございますが、今回の事件は諸外国においても大きな関心を呼んでいるところでございまして、安全な国という日本に対する評価を損ないかねないものであると認識をいたしております。捜査当局は、こうした事件の重大性にかんがみ、事案の全容の速やかな解明に向けてその総力を挙げていると承知をいたしております。政府におきましても、サリン等による人身被害の防止に関する法律の策定、関係省庁連絡会議の設置等の対策を講じてきたところでございますが、今後、警察の対応力の充実強化を図り、国民の安全の確保と信頼の回復に向けて全力を期してまいる所存でございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣井出正一君登壇〕
#16
○国務大臣(井出正一君) 坂本議員にお答えをいたします。
 サリンの原材料物質の規制等についてのお尋ねでありますが、厚生省の所管する毒物及び劇物取締法は、日常流通している有用な化学物質の中で作用の激しいものを毒物、劇物として指定し、国民の保健衛生上の見地から、製造・販売業等の登録や譲渡手続、保管管理等の必要な規制を行っており、御指摘の三塩化燐や青酸ソーダについても毒物に指定しているところであります。
 さらに、今回の事件等を踏まえ、三塩化燐等の流通実態の把握に努めるとともに、その適正な保管管理の一層の徹底等のため、譲渡手続の遵守等について都道府県や関係業界団体を通じて指導しているところでございます。
 今後の対応については、ただいま総理からも御答弁がありましたが、警察の捜査結果や流通実態の調査結果等を踏まえ、現行法の趣旨、目的を勘案しつつ、必要があれば適切に対応してまいる所存であります。(拍手)
    〔国務大臣野中広務君登壇〕
#17
○国務大臣(野中広務君) 坂本議員の私に対する御質問についてお答えをいたします。
 今回の一連の事件に対しましては、警察は、警察庁の調整のもとに、各都道府県警察が相互に連携を密にして、総力を挙げ、各部門が協力しつつ捜査を進めてきたものと承知をいたしております。
 組織的、広域的事件への対応につきましては、既に広域化に対応するための警察法改正等法制度の整備をしてまいったところでありますが、捜査活動を取り巻く環境の変化に応じまして、このたびのオウム真理教の閉塞的、組織的、計画的、異常異質の犯罪等の全容解明の上で、御質問の点も踏まえて、必要な組織・体制についてさらに検討してまいらなければならないと考えております。(拍手)
    〔国務大臣玉沢徳一郎君登壇〕
#18
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 陸上自衛隊第一空挺団の三等陸曹二名が、三月二十日から二十三日までの第一空挺団の非常勤務態勢及び災害派遣準備状況につきまして、オウム真理教関係者に事後、情報を提供したものでありまして、またこの三等陸曹のうち一名が、三月十九日、南青山のオウム真理教総本部に対する火炎瓶投てき事案に関与していたものでございます。
 これら両名につきましては、四月二十八日付で懲戒免職及び停職処分を行ったところであります。規律厳正であるべき自衛隊員がこのような行為を行ったことは、自衛官としてあるまじき行為でありまことに残念に思い、申しわけない次第であります。
 防衛庁長官としましては、オウム真理教が自衛隊にいかなる意図を持って接触を図り、かつ利用したかを含め厳しく調査し、隊員の中で今後規律違反があった場合は厳正なる処分を行い、あくまでも規律厳正なる自衛隊を保持し、国民に信頼される、平和と安全を守る自衛隊を形成するよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 以上であります。(拍手)
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#19
○議長(土井たか子君) 東中光雄さん。
    〔東中光雄君登壇〕
#20
○東中光雄君 私は、日本共産党を代表して、オウム真理教関連事件について質問します。
 三月二十二日以来、上九一色村などのオウム関連施設に対する連日の捜索によって、オウム真理教は、宗教法人の目的を著しく逸脱する反社会的犯罪行為を組織的に重ねていることは既に明白であります。オウム教は、教団施設を偽装した一大化学プラントで恐るべき無差別大量殺人兵器である毒ガス・サリンを生成し、また銃器などの製造をしていたことは物理的にも明らかになっておるのであります。さらに、一連の拉致監禁、薬物不法投与、献金強要、財産強奪、児童虐待などの反社会的行為を組織的に行っているのであります。
 このような宗教法人オウム真理教の存続は、一日も許されるべきではありません。世界がこれを注目しています。総理、今日に至るもなお、政府がオウム真理教の解散請求を行わず、教団施設等の使用を認めているのはなぜです。答弁を求めます。
 政府は、直ちにオウム真理教の解散命令をとり、政府の請求で清算人を選任し、命令解散したオウム真理教の残余財産、すべての施設を国もしくは地方公共団体に帰属させて、これを撤去し、オウム真理教の反社会的行動による被害者、住民の要求にこたえるべきであります。
 次に、サリン事件の捜査についてであります。
 昨年六月二十七日、松本で死者七名を出すサリンによる殺人事件が発生しました。その直後の十月九日と十五日に、上九一色村のオウム施設周辺で異臭発生事件が起きています。近隣の住民は、サリンだ、逃げようと言って深夜に退避をしています。その異臭の発生源が第七サティアンであり、その周辺の草木が枯れていたことは、当時、警察官も住民もこれを確認しているところであります。
 ところが、警察は周辺土砂の採取を二カ月後の九月まで行わず、十一月末になってサリンの残溶物の存在を鑑定したのであります。毒ガス・サリン生成にかかわる重大事案で、なぜ証拠の採集繰定がこのようにおくれたのか、責任ある答弁を求めます。
 また、昨年十一月のサリン鑑定結果が出た時点において、捜査当局は、サリン製造と松本事件への関与の容疑で強制捜査をやるのが当然であります。猛毒ガス・サリン製造疑惑を科学的に鑑定しながら、なぜ翌年の三月二十二日までオウム施設等の強制捜索をしなかったのか、明確な答弁を求めます。
 警察当局が、捜査上の当然の原則さえ踏み外して、オウム側に証拠隠滅の機会と時間を与えたことは、まことに重大であります。
 オウム施設周辺土砂のサリン鑑定結果が初めて報道されたのは、本年一月一日の読売新聞です。捜査当局しか知り得ない捜査の内容、サリン鑑定の結果、捜査の体制まで報道されたその直後から、オウム側は、一月四日にサリンの被害者はオウムであるとして近隣住民を告訴したのを初め、化学プラントの操業を停止し、機械施設の一部撤去や改造、中和剤による洗浄を行うなどの大々的な証拠隠滅を行ったのであります。
 一月一日の報道から地下鉄サリン事件後の強制捜査発動までの八十余日間、オウムを放置した捜査当局の責任は極めて重大であります。国家公安委員長の責任ある答弁を求めます。
 サリン生成とその使用による大量殺人という重大事案について、捜査当局が、別件逮捕などのこそくな手段ではなく、真正面から殺人事件として取り組み、上九一色村での異臭事件発生直後の昨年七月段階で速やかにサリンを鑑定し、強制捜査に踏み切っておれば、地下鉄での第二のサリン殺人事件の発生を阻止し、オウムの反社会的犯罪行為の拡大を防ぐことができたのではありませんか。総理の所見を求めます。
 第三に、オウム真理教の関連する犯罪、とりわけ五年半前に起こった坂本弁護士一家拉致事件について伺います。
 この事件は、極めて異常な一家全員の自宅からの拉致事件であり、現場にオウム真理教のバッジが残され、重要な情報も寄せられたのにもかかわらず、警察当局はいまだに拉致事件とはせず失蹉事件として扱い、強制捜査もなく、有効な対応はしておりません。なぜなんでしょうか、伺います。
 最後に、私は、坂本弁護士一家と仮谷さんの救出、一連の大量殺人を初めとする犯罪史上類例を見ない異常な凶悪犯罪の刑事責任の徹底追及と、サリンや銃器などの所在を徹底的に追及してその全容を明らかにし、国民の不安を一刻も早く解消することを強く求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#21
○内閣総理大臣(村山富市君) 東中議員の質問にお答えをいたしますが、オウム真理教につきまして、いまだ解散請求をしていない理由についてお尋ねがございましたが、先ほどもお答えを申し上げましたように、所轄庁等が裁判所に解散請求をするには、宗教法人法の定める解散事由に該当することを立証する資料等が必要であります。今後、麻原代表を初めとして幹部の起訴の状況を見定めつつ、資料の収集検討を重ね、解散請求に向けて適切に対処してまいる所存でございます。
 次に、オウム真理教につきまして解散請求が認められた後の清算などの対応についての御質問でございますが、今後、関係機関で十分協議を行い、法律の定める手続に従い、厳正に対処していかなければならない問題であると考えております。
 次に、地下鉄サリン事件という第二のサリン事件の発生を阻止できたのではないかとのお尋ねでございますが、松本サリン事件や上九一色村での異臭事案につきましては、警察におきまして、それぞれ全力を挙げて必要な捜査や情報収集を行ったものと承知をいたしております。犯罪の捜査は、法令の定むるところに従い、かつ証拠に基づいて一つ一つ着実に事実を積み重ねていかなければならないところでございまして、国民の皆様にもこの点、何分の御理解を賜りたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣野中広務君登壇〕
#22
○国務大臣(野中広務君) 東中議員の私に対する御質問についてお答えいたします。
 異臭事案の際に、上九一色村での証拠の収集鑑定がおくれたとの御指摘でありますが、警察といたしましては、異臭事案の認知をいたしましたものの、犯罪の具体的な容疑を問擬するに至らなかったものと承知をしております。その後、諸方面からの情報を総合的に分析判断して鑑定を実施したところであり、証拠の収集や鑑定が異常におくれたものとは考えていないところであります。
 次に、三月二十二日まで捜索を実施できなかったことについてのお尋ねでありますが、今日の事態になりますと、御指摘のように、当時なぜ強制捜査ができなかったのかという、いわゆる御指摘があることは承知をいたしておりますけれども、昨年のあの時点での状況において強制捜査を行うことは困難であったものと承知をしております。
 その後、二月二十八日に発生いたしました公証役場事務長被害の逮捕監禁事件について機を置かずに捜査を行った結果、同事件がオウム真理教関係者による犯罪であることを突きとめ、教団施設の捜索に至ったものであると承知をいたしております。
 次に、オウム真理教を長期間にわたって放置したとのお尋ねでありますが、議員が御承知のように、ただいままた総理からも申し上げましたように、犯罪の捜査は、法令に定めるところに従いまして、証拠に基づき一つ一つ事実を積み重ねていかなければならないところであります。オウム真理教に係るサリン疑惑については、昼夜を分かたぬ警察当局の粘り強い捜査の結果、今日の解明に至ったものと承知をいたしております。
 成本弁護士一家失蹉事件に対してのお尋ねでありますけれども、今日なお解明に至っていないことはまことに残念でありますが、警察当局におきましては、神奈川県警に捜査本部を当時直ちに設置をいたしまして、あらゆる可能性を念頭に置いて所要の捜査を鋭意行っているものと承知をいたしております。
 また、国民の不安を一刻も早く解消せよとの御指摘でありますが、オウム真理教をめぐる犯罪容疑が国民の皆さんに多大の不安と脅威を与えていることにかんがみまして、警察においては不眠不休で懸命に捜査に取り組み、着実に成果を上げつつあるところであります。今後、警察において同教団による犯罪容疑を徹底して解明し、早期に国民の不安が解消されるよう強く督励してまいる所存であります。(拍手)
#23
○議長(土井たか子君) これにて質疑は終了いたしました。
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#24
○議長(土井たか子君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時八分散会
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ソース: 国立国会図書館
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