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1995/05/26 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第30号
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1995/05/26 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第30号

#1
第132回国会 本会議 第30号
平成七年五月二十六日(金曜日)
    ―――――――――――――
  平成七年五月二十六日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 科学技術会議議員任命につき同意を求めるの件
 公害等調整委員会委員任命につき同意を求める
  の件
 証券取引等監視委員会委員長及び同委員任命に
  つき同意を求めるの件
 社会保険審査会委員任命につき同意を求めるの
  件
 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を
  求めるの件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
 日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を
  求めるの件
 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等
  に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び
  質疑
   午後一時四分開議
#2
○議長(土井たか子君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(土井たか子君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 中田宏さんから、五月二十八日から六月四日まで八日間、枝野幸男さん、中村時広さん、濱田健一さん及び若松謙維さんから、五月三十一日から六月七日まで八日間、右いずれも海外旅行のため、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
 科学技術会議議員任命につき同意を求めるの
  件
 公害等調整委員会委員任命につき同意を求め
  るの件
 証券取引等監視委員会委員長及び同委員任命
  につき同意を求めるの件
 社会保険審査会委員任命につき同意を求める
  の件
 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意
  を求めるの件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
 日本放送協会経営委員会委員任命につき同意
  を求めるの件
#5
○議長(土井たか子君) お諮りいたします。
 内閣から、
 科学技術会議議員に森亘さんを、
 公害等調整委員会委員に文田久雄さん及び宮瀬洋一さんを、
 証券取引等監視委員会委員長に水原敏博さんを、
 同委員に佐藤ギン子さん及び成田正路さんを、
 社会保険審査会委員に藤田恒雄さんを、
 中央社会保険医療協議会委員に金森久雄さんを、
 運輸審議会委員に黒川武さんを、
 日本放送協会経営委員会委員に青木彰さん、小林庄一郎さん、塩谷稔さん、仁田一也さん及び藤野貞雄さんを
任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 まず、科学技術会議議員及び日本放送協会経営委員会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに賛成の皆さんの起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#6
○議長(土井たか子君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、公害等調整委員会委員、証券取引等監視委員会委員長及び同委員、社会保険審査会委員、中央社会保険医療協議会委員及び運輸審議会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
     ――――◇―――――
 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進
  等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#8
○議長(土井たか子君) この際、内閣提出、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。通商産業大臣橋本龍太郎さん。
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
#9
○国務大臣(橋本龍太郎君) 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案につきまして、その趣旨の御説明をいたします。
 我が国においては、近年の経済成長、国民生活の向上等に伴い、家庭等から排出される一般廃棄物の量が増大し、その最終処分場が逼迫しつつあり、廃棄物処理をめぐる問題が深刻化しております。その一方で、主要な資源の大部分を輸入に依存している我が国にとっては、これらの廃棄物から得られたものを資源として有効に利用していくことが求められております。このような状況において、我が国における快適な生活環境と健全な経済発展を長期的に維持していくためには、関係者の適切な役割分担のもとで、一般廃棄物の減量と
再生資源としての十分な利用を図っていくことが重要であります。
 このため、一般廃棄物の大宗を占め、かつ、再生資源としての利用が技術的に可能な容器包装について、市町村による分別収集及び事業者による再商品化等を促進するシステムを構築し、もって廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図るため、今般、本法律案を提案した次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、家庭等から廃棄物として排出される容器包装について、市町村による分別収集及び事業者による再商品化等を総合的かつ計画的に推進するため、その分別収集及び再商品化の促進に関する基本的な方向等について、主務大臣が基本方針を定めることとしております。
 第二に、事業者によって行われる再商品化が基本方針に即して円滑かつ確実に促進されていくように、主務大臣が、事業者の行う再商品化の量の見込み、施設の設置に関する事項等について再商品化計画を定めるとともに、市町村及び都道府県においては、その区域において廃棄物として排出される容器包装の量の見込み、そのうち市町村の分別収集により得られるものの量の見込み等について、分別収集に関する計画を定めることとしております。
 重二に、容器包装の利用及び製造等の事業を行う者は、毎年度、容器包装の利用量、製造量等に応じて、市町村の分別収集により得られたものの再商品化の義務を負うとともに、関係事業者はその再商品化を促進するための措置を講ずる義務を負うこととする等事業者の義務について定めるとともに、国、地方公共団体、消費者の責務を定め、関係者それぞれの立場で果たすべき役割を明らかにしております。
 第四に、事業者の負う再商品化義務の履行を円滑かつ容易にするため、指定法人に関する事項を定めることとし、当該指定法人への再商品化の委託により、その再商品化の義務は履行されたものとみなすこととしております。
 第五に、容器包装に係る分別収集及び再商品化等の促進の意義、事業者が負担する再商品化に要する費用の商品価格への適切な反映の重要性等について、国は国民の理解と協力を得るよう努めることとしております。
 以上が、この法律案の趣旨説明であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進
  等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に
  対する質疑
#10
○議長(土井たか子君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。増子輝彦さん。
    〔増子輝彦君登壇〕
#11
○増子輝彦君 私は、新進党を代表して、ただいま提案のありました容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案につきまして、総理大臣及び関係大臣に質問を行いますが、これらの質問に先立ちまして、二十四日パリで閉幕いたしたOECD閣僚理事会に関連して、総理と橋本通産大臣に質問を行います。
 日米関係は、戦後五十年の今、極めて異常な状態に突入してしまった観があり、大変心配をいたしております。
 二十四日までパリで開催されていたOECD閣僚理事会において、日米包括協議の自動車・同部品分野の交渉決裂を受けて臨んだ日本とアメリカ両国は、双方の主張だけを強く主張し緊張したナーバスな状況を打開するための、橋本通産大臣とカンター・アメリカ通商代表の会談が当然行われるものと思っておりました。その結果、合意解決策を見出し、来月中旬に開催されるハリファクス・サミット及び日米首脳会談において決着するものと期待をいたしておりましたが、残念ながら、橋本通産大臣・カンター・アメリカ通商代表会談は行われず、打開策も示されず、解決の糸口すらつかめなかったことは、まことに残念でありました。
 橋本通産大臣は大変精力的に主要各国の貿易担当閣僚と個別に会談をされ、OECDを舞台に我が国の主張を訴え、各国のある程度の理解と支持を得たものの、反面、「あらゆる保護主義に対抗する」あるいは「各国市場の開放への障害を取り除く」などの採択されたコミュニケのとおり、日本の抱える閉鎖性も逆に浮き彫りになってしまったのであります。
 自由貿易を標榜する我が国にとって、規制緩和、市場開放などをより強力に進め、その姿勢を具体的に世界各国に示すことが必要であり、あらゆる努力をして政治的指導力を発揮して実行することが、日米経済協議の新しい交渉のあり方を確立するとともに、世界の多角的貿易体制の強化に向けた決意なのです。今こそ村山総理大臣の姿勢と決断が問われているのです。その御所見を村山総理大臣にお伺いをいたします。
 また、これらに関して、ハリファクス・サミット及び日米首脳会談に我が国の総理大臣としてどのような決意で臨むのか、その考えもあわせてお伺いをいたします。
 橋本通産大臣、あなたの御努力には敬意を表しますが、なぜ橋本・カンター会談が持たれなかったのでありましょうか。我が国が一方的に譲歩する必要はありませんが、せめて、せっかくのチャンスであったにもかかわらず日米協議が行われず、なぜ打開できなかったのか、その理由と解決に向けての今後の決意とタイムスケジュールと見通しをお願いをいたします。次に、橋本通産大臣の提案のありました法律案につきまして、質問をいたします。かつては、環境問題に熱心だといえば特殊な政
治信条に結びつけられることがありましたが、現在はだれしもエコロジストと自称することが当然のこととなり、環境問題を語らなければ政治家にあらずの風潮さえあります。
 我が国は、戦後、高度経済成長を果たし、世界一の金持ちになりました。確かに開発優先のシステムは人類を物質的に豊かにしましたが、他方では、心の豊かさを奪い、自然を傷つけ、限りある資源を食いつぶしてきました。前世紀最後の年一九〇〇年に亡くなった哲学者ニーチエが「地球は皮膚を持っている。その皮膚はさまざまな病気を持っている。その病気の一つが人間である」と述べていますが、二十一世紀の環境を予見していたのかもしれません。
 人間が自然を征服するシステムは、もはや限界に達しました。大量生産、大量消費、大量廃棄を根本から見直すことができなければ、人類のみならず、あらゆる生物の生存そのものが危うい状態になっていくと言っても過言ではありません。今なら間に合うのです。今すぐ我々は行動しなければなりません。「グローバルに考え、ローカルに行動せよ」と言われるように、環境問題は世界的な課題であると同時に、身近な課題なのです。
 とりわけ日本は、使い捨て、頻繁なモデルチェンジ、過剰包装で悪名高き経済大国になっております。海外でも、日本人が住んでいる地域だけは異常にごみが出るとの不評も聞こえてまいります。表向きは壮大さを誇った平安京が、生活廃棄物を処理するインフラを持たず、非衛生的な臭い都だったと推定されているように、歴史的にも我が国は環境対策におくれをとってまいりました。
 我々の一般廃棄物の排出量は平成三年度で五千八十万トンに達し、再資源化量が百七十万トン、リサイクル率はわずか三・四%であり、最終処分量が千六百四十万トンであり、その残余年数はわずか七・八年、首都圏で四・八年と計算をされております。大変な切迫した状況であります。産業廃棄物のリサイクル率三九%をはるかに下回って走ります。
 とりわけ家庭から出ます瓶、缶、ガラス、プラスチック、紙などでつくられた容器包装紙が一般廃棄物の大量発生につながっており、その排出量の増加と最終処分場の逼迫にもかかわらず、容器包装の再生利用や生産、消費の抑制のための抜本的なシステムを確立していなかったことは大変問題であります。
 以上の見地から、新進党は、商品の容器や包装に使用される紙、瓶、プラスチック、ガラス等の再商品化を製造・販売業者の皆さんに義務づける容器包装のリサイクル促進法を早期に制定することを提案してまいりました。
 しかしながら、中身メーカーに引き取り義務を負わせ、再利用に要する費用を持たせようとする厚生省、通産省と、市町村に引き取り義務を負わせ、費用は中身業者だけでなく容器メーカーや素材メーカーにも広く負担させようとする農水省とが対立して、政府の取りまとめはおくれにおくれ、全国民的な課題を官庁の調整にゆだね、リーダーシップを発揮できず、大型連休直前の四月二十八日にようやく法案として提出をし、さらに、一次補正予算の審議において公党間の信義を一方的に破り、会期終盤になり本日本会議に提案したのは、まさしく村山内閣に総合調整能力が欠けており、政権担当能力に限界があり、その責任は極めて重大と言わざるを得ません。
 今回のこの法案にはさまざまな考えがあり、一〇〇%完全に合意を得ることは大変困難なのかもしれません。しかし、できる限り私どもはその努力を行い、一歩も二歩も前進をしなければなりません。新進党といたしましても、法案の十分な審議を通じながら、政府に場合によりましては修正をも求めることがあるかと思っております。
 以下、幾つかの質問を行います。
 まず、橋本通産大臣にお尋ねをいたします。
 廃棄物の減量と再生資源の利用促進の目的に沿ったというこの法律案は、今日まで我が国で推進してきた廃棄物処理の方針や計画や運用の大きな変更であり、さらに、地球規模での環境破壊が進む中で、経済的活動のあり方や国民のライフスタイルの変革を求めるものであるから、ライフサイクル・アセスメントを視野に入れながら、リサイクル社会の全体像を描かなければなりません。
 この観点から、本法案の今日的意義と理念について、この点については総理の御所見を伺いたいと思います。
 次に、橋本通産大臣に以下五点をお伺いいたしたいと思います。
 その第一に、この法案には排出者負担の原則が貫徹されていないのではないか。また、廃棄物の発生自体を減少させるインセンティブが働かないと思われるが、いかがなものでありましょう。
 第二は、本法案は中央主導の性格が大変強く、各地域における民間の自主的活動が阻害されないか。これは地方分権の流れにも反するものと思われます、
 第三点は、本法案によると、特定事業者がみずから直接リサイクルができない場合に委託する指定法人が設立されることになっているが、これは官僚の天下り光となる可能性があり、行政改革の精神に反するのではないか。この指定法人がなければこのリサイクルシステムは機能しないのか。どうしても指定法人が必要とするならば、都道府県もしくはブロック単位でもよいのではないか。この点についてお尋ねをいたします。
 第四は、この法案におけるリサイクルシステムは、分別排出がいかに徹底するかが大変重要であり、リサイクル費用が製品価格に上乗せされ、国民が負担し、住民がごみを分別して出すが前提となっておりますが、その周知と国民の意見が十分反映されておらず、国民的議論が不十分ではなかったのかと思われますが、いかがでありましょうか。
 さらに、第五として、ごみ問題、リサイクル問題については、市町村、消費者、事業者の責任分担が極めて大切と考えるが、費用負担の点とあわせてお伺いをいたしたいと思います。
 次に、井出厚生大臣にお伺いをいたします。
 今回の施策の実施に伴う地方自治体が負担するコストは、全体としてどのような見通しになるのか。それにより、本法案に基づく施策の実施に当たり、厚生省の廃棄物処理予算の動向はどのように推移するものと考えられるのか。この点を厚生大臣にお伺いをするものであります。
 今度のリサイクル法案、極めて国家的な重要な課題でございますので、私ども新進党は、先ほど申し上げましたとおり、十分な審議を通して、この課題を一日も早く解決してまいりたいと思っております。
 実は昨日、東京のある若手経済人の方にお会いをいたしました。あるイギリスの将軍が、百戦錬磨の海軍の将軍でありました。夜、航海をいたしておりますと、遠くに明かりが見える。このまま突き進めば間違いなく衝突してしまう。だんだん近づくに従って、無線のない時代でありましたから、ランプによって信号を送りました。左に二度寄ってくれ、何度も何度も実はそのシグナルを送りました。一方、向こうの灯の見える方からも同じようなシグナルが送られてまいりました。ところが、間もなく衝突しようという寸前に、その遠くの先の光が何であったかということに気がつきました。それは灯台の光でありました。
 私どもは、見えないものに、壁に向かって盛んに左二度に方向転換せよというようなことを言っていたということを考えるときに、国民に向けて私どもは一体何をやっているのでありましょうか。このところを私どもは十分考えながら、責任ある政治と変革ある、社会情勢のためにたゆまざる改革をしていかなければなりません。今日、私どもの国家的責任は重大なものがあります。私ども、真摯に初心に返って国家国民のために政治をやっていくことを皆さんとともに思いながら、私はこの決意を申し上げまして、この質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#12
○内閣総理大臣(村山富市君) 増子議員の質問にお答えを申し上げます。
 まず第一番の質問は、規制緩和、市場開放などをより強力に進め、その姿勢を世界各国に示すことが必要ではないかとのお尋ねでございますが、我が国といたしましては、世界に開かれた経済社会を実現することが不可欠の課題であると認識をいたしております。
 こうした観点から、先月取りまとめました緊急円高・経済対策におきましても、機動的な内需振興策に加え、規制緩和推進計画の前倒し実施や輸入促進、経済構造改革等のための各般の施策を盛り込んだところでございます。また、規制緩和につきましては、既に発足をいたしました行政改革委員会でも、規制緩和小委員会を設け、規制緩和の一層の推進に向け検討を進めていただいておるところでございます。
 政府としては、これらの施策を着実に実施しながら、今後とも、米国を初め各国と十分協議しながら、多角的自由貿易体制の維持強化のために積極的に貢献をしてまいる所存でございます。
 また、関連で、今後サミットや日米首脳会談にいかなる姿勢で臨むかとの御質問でございますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、規制緩和を初めとする国内経済改革は、国民生活の質の向上に資するものであると同時に、対外関係上も極めて重要でございます。このため、我が国といたしましては、サミットや日米首脳会談等の場を通じ、これまで我が国が行ってまいりました国内経済改革の努力について説明をし、諸外国との間で議論を深め、さらにお互いの理解を深めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、本法案の今日的意義と理念についてのお尋ねでございますが、我が国経済社会は、経済成長を遂げ高度化するにつれまして、大量生産、大量消費、大量廃棄型となり、ごみの量が増大するとともに、多様なごみが発生するようになってまいりました。これに伴い、特に近年最終処分場が逼迫する一方で、技術的に利用が可能な再生資源が利用されないままに廃棄されている状況となっております。
 本法案は、こうした状況に対応するために、リサイクル率が三%強にとどまっている一般廃棄物のうち、容量で見た場合約六割を占める容器包装廃棄物のリサイクルを大幅に進めようとするものでございます。具体的には、容器包装廃棄物について、消費者が分別排出、市町村が分別収集、事業者が再商品化の義務をそれぞれ負うという役割分担のもとで、広範な関係者の参加による新たな社会システムを構築しようとするものでございます。
 私は、本法案は、大量廃棄を行う社会からリサイクルを推進する社会への転換に大きく貢献する画期的な意義を有するものであると考えておりますので、皆さんの御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
 以下の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
#13
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず、OECD閣僚理事会においてアメリカ側との会談が行われなかった理由についてのお尋ねがございました。
 当初、ブラウン商務長官との会談が予定されておりましたが、直前になりまして、ブラウン商務長官の帰国が早まるから、そのために時間がとれないということで、アメリカ側との会談がキャンセルになりました。また、最終日には、残念でありましたが、閣僚理事会の昼食協議の場にも、そして会場にもカンターさんのお姿が見えません
で、お目にかかることができませんでした。
 ただ、今日までの状況を振り返りましたとき、アメリカとの間における自動車並びに同部品、補修部品分野の協議におきまして、日本としては、ディーラーシップのアクセスあるいは補修部品市場に係る規制緩和など、政府の責任の範囲内のことにつきまして最大限の提案を行ってまいりました。残念ながらこれが終結をいたしませんでしたのは、アメリカ政府が、個別企業の自主的に発表しております自動車部品購入計画に対する上積み改定並びに外国車を取り扱うディーラーの数を約束しろという二つの数値目標を最後まで求め続けた結果でございます。
 議員から、コミュニケについての言及もございましたが、「あらゆる保護主義に対抗する」というテーマは、日本が主張し、コミュニケに取り入れられたことでありまして、解釈につきましてはいささか議員と異にするものがございます。
 今後、協議は、包括協議の舞台からWTOのもとにおける国際ルールに移行することになるわけでありますが、私はこの中で適切な解決が図られることを心から期待いたしております。
 現在、米国における制裁候補リストの発表を受け、我が国といたしましては、五月十七日、WTOのもとにおける二国間協議を米国に要請いたしました。その際、本件を通常の協議より迅速に処理される緊急案件として取り上げるよう要請をいたしましたが、現時点におきまして、まだ米国から具体的な返事を受け取っておりません。
 既に五月二十日以降、現実に高級車の米国への輸出に影響が出始めておりまして、緊急案件扱いの必要性につきましては各国にも理解を求めてきたところであります。しかし、残念ながら、この緊急案件としての取り扱いにはアメリカが拒否する可能性が強いと思われるわけでありますが、仮にアメリカ政府がこれを拒否いたす場合には、国際社会からその合理的な根拠を求められることになります。
 いずれにいたしましても、我が国としては、本件について、多国間の枠組みの中で国際ルールにのっとった適切な解決が図られるよう全力を挙げてまいりたいと考えており、ハウスにおける御支援を心からお願い申し上げます。
 次に、本法案の関連についてのお尋ねにお答えを申し上げます。
 我が国におきましては、家庭からの廃棄物について市町村による回収システムというものが整備をされており、一般廃棄物につきましては、約四割の市町村が既に何らかの形で分別収集を行っております。しかし、市町村が分別収集を進めましても、逆有償の負担がかかり、事業者によりリサイクルをされていないという問題がございます。本法案は、事業者の役割分担として、その費用負担により市町村が分別収集いたしましたもののリサイクルを進めていこうというものでございます。
 したがいまして、本法案では、消費者は分別排出、市町村は分別収集を行い、事業者が再商品化を行うという適切な役割分担を行うことといたしております。この結果、例えば分別収集率が三〇%の時点におきましては、分別収集のために市町村、事業者のそれぞれが約一千百億円から一千二百億円を負担することになろう、そのように想定されております。
 また、中央政府主導で権限が強過ぎるという御指摘がございました。しかし、市町村による分別収集は地域の実情に応じて行われるものであります。一方、事業者の再商品化は民間の自主的で自由な活動によるべきものでありまして、市町村レベルといった地域性にとらわれず、効率性を勘案して全国的、広域的に行われるべきものだと私は考えております。
 このため、本法案では、地域ごとに行われております分別収集が、全国的、広域的に再商品化事業に円滑に引き継がれるような仕組みを考えております。すなわち、本法案では、主務大臣が基本方針や再商品化計画などをお示しする、市町村や都道府県がこれらに即し、あるいは勘案するといった地方公共団体の御判断や自主性を尊重した分別収集と再商品化の調整の仕組みをとっているものであります。
 また、本法案では、諸般の措置を講じますので、各地域の事業者の多様な企業努力というものが促され、新たな再商品化の方策等を実施する各地域の事業者が競争入札を通じ活用されるもの、そうなると私は思っております。すなわち、基本方針におきまして、新しい再商品化の方策の開発に事業者、国、地方公共団体が努める旨を記載いたしますとともに、再商品化計画におきまして、具体的な新しい再商品化方策についても積極的に記載し、民間の創意工夫を促すこととしております。
 また、指定法人は、商工会議所など地域に根差した団体に業務委託することを検討中でありますし、評議員会といった組織に地域の代表、消費者団体の代表、事業者の代表等にお入りいただくことを考えております。
 また、再商品化事業の動向などに関する調査、情報収集を行うことも考えておりまして、例えば、地域の実情と再商品化事業が必要とする広域性、効率性とのバランスをとるべく、ブロック単位といった広域的地域単位で、そこで分別収集されるものについて全国の再商品化事業者を対象として競争入札を行うといったことも考えられます。このような措置によりまして、地域の活力、民間の創意工夫が生かされるもの、そのように考えておるところであります。
 また、再商品化能力を有する事業者へのアクセスが困難な中小企業者など多くの事業者にとりましては、委託先が実際に再商品化を行うことを担保し確認する必要がないように、委託をもって義務を履行したこととなる義務履行の代行機関が必
要となります。
 いずれにいたしましても、指定法人は民間の発意により設立される事業者の再商品化義務の代行機関でありまして、国民や産業界から批判の起こるようなことは厳に慎んでいかなければならないものと承知いたしておりまして、議員から御指摘のありましたような官僚の天下り光といったような御批判を受けないよう注意してまいりたい、そのように考えております。(拍手)
    〔国務大臣井出正一君登壇〕
#14
○国務大臣(井出正一君) 増子議員にお答えをいたします。
 まず、本法の実施に伴う地方自治体の負担についてのお尋ねでございますが、市町村は一般廃棄物処理経費として平成三年度現在で約一兆六千億円を負担しており、この費用は毎年相当の伸びで今日まで来ております。今回の施策の実施に伴い、市町村にとっては、収集費用は増加するものの焼却や最終処分に要する費用等が減少することから、全体の費用負担は、今後最終処分場の確保が一層困難になると仮定した場合で、今後も焼いて埋める処理を続ける場合に比べ、例えば分別収集率が三〇%となる段階では九百億円ほど減少するものと見込んでおります。
 次に、本法の実施に伴う厚生省の廃棄物関係予算の動向についてのお尋ねでありますが、廃棄物関係予算につきましては、これまで焼却施設や最終処分場の整備を中心に平成七年度予算で約千四百二十四億円、前年度対比一一・四%増となっておりますが、今後は、廃棄物の循環型処理への転換の一環として、市町村が分別収集を行うために必要なリサイクルセンターとかあるいはリサイクルプラザ等の施設の整備に補助の重点を移していく考えであります。
 このため、リサイクルセンターやリサイクルプラザの整備については、現状の二十五カ所から、法施行後おおむね十年間で四百カ所程度にふやしていくことを見込んでおります。この場合、人口二十万大規模の都市に設置される施設の建設コストを比較してみますと、焼却施設のみを設置する場合は約百四十億円であるのに対し、分別収集を行うこととし、リサイクルセンターと焼却施設をあわせて設置する場合には約百三十億円程度にとどまると見込まれます。このように、本法に基づく施策の実施は、従来の燃やして埋める処理よりも、相当の廃棄物処理経費の節減を図ることができるものと考えております。
 以上であります。(拍手)
#15
○議長(土井たか子君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#16
○議長(土井たか子君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十四分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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