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1995/06/01 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第32号
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1995/06/01 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第32号

#1
第132回国会 本会議 第32号
平成七年六月一日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十四号
  平成七年六月一日
    午後一時開議
 第一 農業者年金基金法の一部を改正する法律
    案(内閣提出、参議院送付)
 第二 地方自治法第百五十六条第六項の規定に
    基づき、農林水産消費技術センターの設
    置に関し承認を求めるの件(参議院送付
    )
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 日程第一 農業者年金基金法の一部を改正する
  法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第二 地方自治法第百五十六条第六項の規
  定に基づき、農林水産消費技術センターの設
  置に関し承認を求めるの件(参議院送付)
 災害対策基本法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(土井たか子君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(土井たか子君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 中曽根康弘さんから、海外旅行のため、六月十日から十八日まで九日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
  日程第一 農業者年金基金法の一部を改正す
   る法律案(内閣提出、参議院送付)
  日程第二 地方自治法第百五十六条第六項の
   規定に基づき、農林水産消費技術センター
   の設置に関し承認を求めるの件(参議院送
   付)
#5
○議長(土井たか子君) 日程第一、農業者年金基金法の一部を改正する法律案、日程第二、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、農林水産消費技術センターの設置に関し承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長中西績介さん。
    ―――――――――――――
 農業者年金基金法の一部を改正する法律案及び
  同報告書
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
  き、農林水産消費技術センターの設置に関し
  承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中西績介君登壇〕
#6
○中西績介君 ただいま議題となりました両案件につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 初めに、両案件の主な内容について申し上げます。
 まず、農業者年金基金法の一部を改正する法律案は、農業者年金の財政基盤の長期安定を図るための措置を講ずるとともに、農業に専従する女性の地位の明確化、若い農業者の確保、担い手農業者への農地集積の促進等の観点から、加入者の資格、経営移譲年金の支給要件等の改善を行おうとするものであります。
 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、農林水産消費技術センターの設置に関し承認を求めるの件は、農林水産消費技術センターの配置の適正化を図るために、東京農林水産消費技術センター仙台支所及び神戸農林水産消費技術センター岡山支所をそれぞれ本所に変更することについて、国会の承認を求めようとするものであります。
 両案件は、去る三月十七日参議院から送付され、同日本委員会に付託されました。
 委員会におきましては、五月十一日大河原農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、同月三十一日に質疑を行いました。
 質疑終了後、まず、農業者年金基金法の一部を改正する法律案について採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。なお、本案に対し附帯決議が付されました。次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、農林水産消費技術センターの設置に関し承認を求めるの件について採決いたしましたところ、本件は全会一致をもって原案のとおり承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(土井たか子君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第二につき採決いたします。
 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。
    ―――――――――――――
 災害対策基本法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)の趣旨説明
#10
○議長(土井たか子君) この際、内閣提出、災害対策基本法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣小澤潔さん。
    〔国務大臣小澤潔君登壇〕
#11
○国務大臣(小澤潔君) 災害対策基本法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、阪神・淡路大震災に対処するため行われた災害応急対策に係る車両の通行が著しく停滞した状況等にかんがみ、災害時における緊急通行車両の通行を確保するため、都道府県公安委員会による災害時における交通の規制に関する措置を拡充するとともに、車両の運転者の義務、警察官、自衛官及び消防吏員による緊急通行車両の通行の確保のための措置等を定めることとするものであります。
 以上が、この法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の要旨を申し上げます。
 第一に、都道府県公安委員会による災害時における交通の規制に関する措置を拡充し、都道府県公安委員会は、当該都道府県またはこれに隣接しもしくは近接する都道府県の地域に係る災害が発生し、またはまさに発生しようとしている場合において、区域または道路の区間を指定して、緊急通行車両以外の車両の道路における通行を禁止し、または制限することができることといたしております。
 第二に、通行禁止等が行われた場合の運転者の義務として、車両の運転者は、速やかに当該車両を通行禁止等に係る道路の区間外または道路外の場所へ移動しなければならないこととし、当該移動が困難なときは、できる限り通路の左側端に沿って駐車する等、緊急通行車両の通行の妨害とならない方法により駐車しなければならないことといたしております。
 第三に、警察官は、通行禁止区域等において、緊急通行車両の通行の妨害となる車両その他の物件の所有者等に対し、当該物件の移動等の措置をとることを命じ、当該措置がとられないとき等は、みずからその措置をとることができることといたしております。この場合において、警察官は、やむを得ない限度において、当該車両その他の物件を破損することができることとするとともに、当該破損については、損失補償の対象とすることといたしております。
 また、警察官がその場にいない場合に限り、自衛隊法第八十二条第二項の規定により派遣を命ぜられた部隊等の自衛官または消防吏員は、それぞれ自衛隊用緊急通行車両または消防用緊急通行車両の円滑な通行を確保するため必要な措置をとることを命じ、またはみずから当該措置をとることができることといたしております。
 第四に、国家公安委員会は、関係都道府県公安委員会に対し、通行禁止等に関する事項について指示することができることといたしております。
 以上が、災害対策基本法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 災害対策基本法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#12
○議長(土井たか子君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。小坂憲次さん。
    〔小坂憲次君登壇〕
#13
○小坂憲次君 私は、新進党を代表して、ただいま提案のありました災害対策基本法の一部を改正する法律案並びに村山総理と政府の政治姿勢について質問いたします。
 あの悲惨な阪神大震災の発生から五カ月近くがたとうとしております。大震災そのものが人災だったとは申し上げません。しかし、家族を亡くされた悲しみに暮れ、家を焼かれ、今なお不便な避難暮らしを余儀なくされている多くの被災者の皆さんの苦しみ、無念さを思うとき、果たしてこれを天災だったと片づけてよいのか、一人の国民として怒りを覚えずにはいられません。
 尊敬される指導者とは、危機に際して決断のできる人であり、その決断にあくまでも責任を持つ人であります。政府の最高責任者がみずからの決断によって国民に犠牲を強いた場合、それを一生をかけて償うべき責任を負わなければなりません。その意味で、よき指導者たることは極めて厳しく困難なものであります。
 しかし、阪神大震災に際しての村山総理の対応はいかがでありましたでしょうか。これは決断による犠牲、決断に伴う責任ではなく、決断しなかった、あるいはできなかったことによる犠牲であります。
 総理、今回の死者、不明者合わせて五千五百四名にも及ぶ犠牲者を、あなたはすべて天災のなせるわざと強弁することができますか。一国の最高責任者として、でき得る限りを尽くしたと、犠牲者のみたまとその御遺族と三十万人以上の被災者の方々に胸を張れるでありましょうか。
 初動態勢のおくれ、官僚任せの対応は、あなたの政治姿勢そのものではないですか。大震災が発生し、日本を代表する輝かしい町が一瞬にして瓦れきの山と化したとき、あなたは何を差しおいても直ちにあの現場に立つべきだったのです。これはパフォーマンスでも何でもない。総理一人の力で救援から復旧、復興へと何から何までできないのは承知いたしております。ただ、政府の最高責任者が真っ先に現場に立ち、全世界に向けて政治
のメッセージを送ることが何よりも必要だったのではないでしょうか。
 新進党は、平成七年度予算、七年度補正予算に盛られた震災対策について、不十分と指摘し、対案を示しながらも、可及的速やかな実施が必要であるとの観点に立って、野党として最大限の協力をしてまいりました。しかし、総理の責任問題は別であります。総理、あなたが総理としての国民に対する責任を自覚し、最高責任者としての責任のとり方がどうあるべきかを真摯に考えられるなら、これを機会に、政権維持のみを目的とした不自然な連立政権を解消し、潔く職を辞するべきではありませんか。
 夏の参議院選に向けて、自民、社会、新党さきがけの三党合意を見直し、新たな課題をつくるとか、共同公約にするとか、何をなしたいかも不明なまま無目的なスローガンづくりに腐心するのは本末転倒と言うべきです。国民が今まず望んでいるのは、無為無策のまま一年を過ごしてきた村山政権の清算であり、何もしない政治の継続ではないのであります。総理がみずからの責任をどう考えておられるのか、ここで改めて明確な御答弁をお願いいたしたいと思います。
 総理が総理として何をされようとしているのか、一つとしてそのメッセージが伝わってこないと感じるのは我々日本国民のみではないと思います。
 二十八日未明、ロシアのサハリン州オハ地区を襲った大地震は、死者、不明者三千人以上と推定される大惨事です。阪神大震災の記憶も冷めやらぬ我々日本人にとって、他人事とは言えない切実な出来事であります。
 この報に接し、総理として当日まずなされたことは、モスクワの日本大使館を通じ、エリツィン大統領にお見舞いを述べられたことと、国際緊急援助隊を派遣する用意があることを表明されたことのみでありました。すなわち、これは総理みずからのイニシアチブによらずとも、役人が事務的に用意した機械的な作業とも言えるわけであります。
 政府がロシア政府からの回答をただ待っている間にも、民間のアジア医師連絡協議会は即座に決断し、二十九日には第二次医療チームを派遣しております。函館市など地方言治体も、即座に民間機を利用した救援物資の供与を決めているのです。ロシア政府の返答がなかったから待っていたではなく、制約があるとはいえ、総理は御自身の意見として、最大限何ができるかを考えもしなかったのではないですか。
 その後、政府は千六百万円相当の第一次救援物資をサハリンに届けたとの報道もありますが、今度はエリツィン大統領が「外国からの援助は必要ない。後で北方領土を返せと言われるかもしれないからだ」と言明したと外電は伝えております。総理はこの発言をどのように受けとめられますか。ロシアの震災援助に関して総理の御見解をお伺いいたします。
 次に、防衛庁長官にお伺いします。
 阪神・淡路大震災に際し、百一日間の災害派遣を立派に務めた自衛隊は、救援・復旧活動に大きな役割を果たし、被災者は無論のこと、多くの国民に感謝され、信頼感を高めました。しかし、地下鉄サリン事件など、日本社会に大きな動揺を与え、日本の安全神話を根底から突き崩した一連のオウム真理教事件では、現職自衛官の関与が次々に明らかになっております。教団東京総本部への自作自演の火炎瓶投てき事件、運転免許試験場への不法侵入、陸上自衛隊空挺団長宅の盗聴事件、化学兵器関連本や航空部隊編成表の漏えい事件、そして三菱重工業の研究所への侵入事件、どれ一つをとっても到底看過することのできない深刻な事件であります。
 ところが、これほどの不祥事に対しても、玉沢防衛庁長官は、辞任の必要はないとしているのみか、防衛庁長官としての責務を全うすることが私の責任だと強弁する始末であり、昨日は陸、海、空の三自衛隊員を前に訓示をされたとのことであります。
 玉沢長官、あなたのなさなければならない責務とは一体何でしょうか。あなたが政治家としてしなくてはならないことは、自衛隊の規律を厳しくすることでも再発防止のマニュアルをつくることでもなく、まず辞任することによって責任の所在を明確にすることです。玉沢長官の辞任を強く求めますとともに、今回の一連の自衛隊不祥事に対する総理と長官の御見解をお聞きいたします。
 阪神大震災、そしてオウム真理教事件と、国の基盤と社会の安全を揺るがす深刻な事態に対しての総理初め政府の対応は、村山政権の無責任体質を白日のもとにさらしたというほかはありません。一体、だれが国の重要政策を立案し、だれが政治決断をし、そしてだれがその責任を負うのか、この政権は何一つ明らかになっておりません。明らかなことは、妥協に妥協を重ねた不透明な政策決定プロセスがあるということと、だれも政治決断と呼べるものは行っていないこと、そしてだれも責任をとらないということであります。
 もういいかげんにしてほしいというのが国民の率直な声なのです。このままでは国民の政治不信はますます高まるばかりで、今政治が新たに出直すための第一歩は総理の退陣であることを改めて指摘しておきたいと思います。
 さて、今回の法改正に伴う問題点について質問いたします。
 総理並びに関係大臣は、本会議あるいは予算委員会など委員会の場において、答弁のたびに繰り返し総合的、万全の対応を言明してこられました。今般の改正は、今まで答弁されてきた総合的かつ万全な対策と言えるのでしょうか。もし緊急的措置の必要な事項のみとりあえず改正するというのであれば、現在検討されているその他の事項は、いつ起こるかもしれない災害の対策として緊
急的な対応の必要のない事項なのでしょうか。総理の御見解をお尋ねいたします。
 今回の法改正では、都道府県公安委員会による災害時の車両の通行の禁止または制限措置の拡充を定め、あわせて警察官、自衛官及び消防吏員による緊急通行車両の交通路確保のための措置を定めています。しかし、もし今回大地震と同規模の地震が昼間の大都市で起こったならば、道路は交通渋滞の車でびっしりと埋まり、障害となる車を排除し退避させる場所もないことが想定されます。この法律が予定しているように、障害となる車両や障害物を排除し、また通行禁止などの規制措置を速やかに区域内を通行している車両に周知し、緊急通行車両の交通路を確保することが本当にできるのでしょうか。国家公安委員長の見解と決意をお聞かせください。
 このような観点からすると、今回の一部改正案による対策は、相変わらずの平面的な対策のみを考え、今回震災で指摘されたように、空からの立体的な消防・救援体制を緊急に整備せよといった要望が生かされておらず、甚だ場当たり的な対策と言わざるを得ません。
 私は、二月七日の災害対策特別委員会を初めとした委員会の場において、たびたび、消防庁、海上保安庁や自衛隊、そして地方自治体の保有するヘリコプター、飛行艇など航空機を登録し、災害時に統括して運用し有効活用できるような組織、すなわち仮称消防防災飛行隊を創設し、立体的な災害対策を直ちに整備すべきだと指摘してまいりました。今後、政府は立体的な救援・消防防災対策をどのように整備していくのか、国土庁長官にお伺いいたします。
 我が党は、「防災のための5―UP作戦」と銘打って新災害対策基本政策を取りまとめ、危機管理、治安、防災対策の強化による安全国家・安心社会宣言を発表いたしました。地震国日本においては、いつどこで今回同様な悲劇が起こるかわかりません。関東大震災クラスの東海大地震が懸念される中で、今のように総理のリーダーシップも見えず、連立内閣のきしみばかりが目立つ政府・与党に万全の対策を期待することができるでありましょうか。今この瞬間にも起こるかもしれない大地震に対し、総理は今度こそ自信と責任を持って対処できると国民の前に断言できるでしょうか。
 最後に、国民のすべてが不安に思っているその心構えをお聞きし、質問を終わりたいと思います。(拍手)
   〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#14
○内閣総理大臣(村山富市君) 小坂議員の質問にお答えを申し上げたいと存じます。
 まず、阪神・淡路大震災への対応と私の責任についての御質問でございますが、政府といたしましては、今回の地震発生後、緊急対策本部や現地対策本部を設置するなど、政治のリーダーシップのもとにおいて政府一体となり、地元自治体とも緊密な連絡をとりながら、被災者の救援対策と復旧・復興対策に可能な限りの対応を行ってきたところでございます。また、活力ある関西圏の一日も早い再生を目指して、阪神・淡路復興対策本部や復興委員会を発足させるなど、これまでの前例にとらわれない措置をとってまいっておるところでございます。
 ただ、初動期における政府の対応につきましては、いろいろと御批判や御意見のあることは十分承知をいたしております。私も、機会あるごとに、今回の経験に照らし、見直すべきところは率直に見直してまいりたいと申し上げてきたところでございます。
 このために、大規模地震発生時の第一次情報収集体制の強化と情報連絡体制の整備に関する当面の措置について本年二月に閣議決定を行ったほか、先般国会の御協力もいただきまして成立した平成七年度補正予算におきましても、地震被害の早期評価システムの開発やヘリコプターからの画像伝送システムの拡充等に要する経費を計上したところでございます。
 また、各種災害対策の基本となる防災基本計画につきましては、中央防災会議に専門委員会を設置し、実践的な対応が可能となるよう見直しを行っており、近く成案を取りまとめることといたしておりますし、災害対策全般の見直しにつきましては、現在、学識経験者等により構成される防災問題懇談会において検討が進められておりまして、本年十月をめどに結論を出すことといたしております。政府といたしましては、その結果を踏まえ、施策の充実などについて対応してまいる所存でございます。
 もとより、我が国は地震など各種災害に見舞われやすく、国民の生命財産を守ることは国政の基本でございます。私といたしましては、今回の経験に照らし、今後ともみずからが先頭に立ってリーダーシップをとり、連立政権として全力を挙げて災害対策に取り組んでまいる決意であります。そして、このことこそが私に課せられた責任であると考えております。
 次に、一年を過ごしてきた村山政権について、私の責任をお尋ねでございますが、この内閣は、昨年六月末に成立して以来、連立与党三党の政策合意を基本として、政治改革を初め、規制緩和、特殊法人の見直し、地方分権の推進などの行政改革、税制改革、年金改革、被爆者援護法、世界貿易機関への参加など、長い間懸案となってきた困難な課題に一つ一つ区切りをつけてきたところでございます。
 同時に、本年に入り、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件を初めとした相次ぐ事件の発生、急激な円高の進行など、次々と課題が山積しており、これらに全力で取り組んでいるところでございます。
 こうした中で、改めでこれまでの成果を総括し、三党合意がどこまで実現できたかを検証する
必要があるのではないかと考えております。その上で、何が課題として残ったのか、これから新たに取り組むべき重点課題は何かといったことを国民の皆様に具体的にお示しをし、これらを着実に実行していくことが総理としての私に課せられた責任であると考えております。
 次に、今般のサハリン北部地震についての御質問でございますが、今回の地震により非常に大きな被害と多くの死傷者が発生しておりまして、五月二十八日には、私よりエリツィン大統領に対しお見舞いのメッセージをお伝え申し上げました。
 政府といたしましては、このような状況にかんがみまして、人道的見地から、全体で計十六品目、総額一億二千五百万円相当の支援物資を供与することを決定し、既に三十日、三十一日の二回にわたり、毛布、食料、人工透析器等の支援物資を函館からユジノサハリンスクに輸送し、ロシア側現地関係者に引き渡しをいたしました。
 人的支援につきましては、ロシア側より、自国で対応が可能であり、当面必要はないと考えている旨の回答がございましたが、我が国といたしましては、被害状況にかんがみ、必要が生じた際には直ちに対応できる体制を整えておるところでございます。
 政府といたしましては、今回の地震の被害につき今後さらに情報収集に努めるとともに、引き続きロシア側とも十分連絡をとりながら、支援物資の供与を実施していく所存でございます。
 また、エリツィン大統領の発言につきましては、お尋ねがございましたが、我が国はあくまで人道的見地から誠意を持って支援を行っているのでございまして、北方領土問題との関連は全くございません。もし大統領の発言が事実であるとすれば、まことに残念なことであると思います。
 次に、災害対策基本法の見直しについての御質問でございますが、政府におきましては、阪神・淡路大震災を契機といたしまして、防災体制の見直しを検討しておりますが、その一環として、災害対策基本法についても総合的な見直しを検討しておるところでございます。想定される見直し検討項目としては、緊急災害対策本部の組織、機能や情報伝達体制の見直し等がございますが、その多くは防災体制の基本的なあり方にかかわるものであり、防災問題懇談会での議論を踏まえた上、十分な検討が必要であると考えております。
 しかしながら、今回は、再び大規模災害が発生した場合に、直ちに人命救助等に影響が生じるおそれがあり、緊急に対応すべきものとして、道路上の放置車両等に関する規定の改正を行うこととしたものでございます。今後は、その他の項目についても、必要な検討を経て適切に対処し、災害対策に万全を期してまいる所存でございます。
 次に、一連の自衛隊の不祥事についての御質問でございますが、オウム真理教に絡んだ反社会的事件に現職自衛官が関与していたことは、内閣総理大臣といたしましてもまことに残念で、遺憾なことでございます。私からは、防衛庁長官に対しまして、今後とも引き続き規律厳正なる部隊を保持し、文民統制に基づいた、国民に奉仕し信頼される自衛隊を確立するよう申し伝えたところでございまして、防衛庁長官としての責務を全うしていただきたいと考えております。
 次に、いつ起きるかもしれない今後の大地震に対する対処についてのお尋ねでございますが、冒頭申し上げましたように、政府といたしましては、今回の地震発生後、政治のリーダーシップのもと政府一体となって、被災者の救援対策と復旧・復興対策に可能な限りの対応を行ったところでございます。
 ただ、今回の経験に照らしまして、見直すべきところは率直に見直すとの観点から、大規模地震発生時の第一次情報収集体制の強化と情報連絡体制の整備に関する当面の措置について閣議決定を行ったほか、平成七年度補正予算においても必要な措置を講じたところでございます。また、各種災害対策の基本となる防災基本計画につきましても、実践的な対応が可能となるよう見直しを行っており、さらに、災害対策全般の見直しにつきましては、防災問題懇談会において検討が進められております。政府といたしましては、今後ともみずからが先頭に立ってリーダーシップをとり、全力を挙げて災害対策に取り組んでまいる所存でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。
 以上です。(拍手)
    〔国務大臣玉沢徳一郎君登壇〕
#15
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 私に対する質問についてお答えをいたします。
 オウム真理教に絡んだ反社会的事件に現職自衛官が関与していたことは、国民の生命と安全を守るべき自衛官としてあるまじき行為であり、懲戒処分にした自衛官が五名に上ったことはまことに残念であります。
 今後は、このような反社会的な集団が自衛官をどのような意図を持って活動に関与せしめようとしていたかという点も含め調査を行うとともに、みずからの手で厳しく律することにより、規律厳正なる部隊を保持し、国民に信頼される自衛隊を確立していくことが私の責務であり、辞任によってその責務を放棄することは毛頭考えておりません。昨日は、厳正なる規律の保持について全国の自衛隊員に対して訓示するとともに、隊員教育上の措置及び服務指導上の措置等を講ずる旨の防衛庁長官通達を発したところであります。
 今後、私もみずから陣頭に立ちまして、日本の民主主義を守り、平和と安全を破壊しようとする反社会的集団との戦いをさらに続けてまいる決意であります。
 以上です。(拍手)
    〔国務大臣小澤潔君登壇〕
#16
○国務大臣(小澤潔君) お答えをいたします。
 立体的な救援・消防防災対策の整備についてのお尋ねでございます。
 政府におきましては、阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、防災体制全般についての見直しを検討いたしております。平成七年度補正予算におきましても、警察における広域緊急援助隊創設関係資機材等の整備、緊急消防援助隊創設関係資機材の整備、ヘリコプター、ヘリテレビ、ヘリポートの整備等に要する経費を計上いたしておるところであります。
 御指摘の立体的な救援・消防防災対策につきましては、その効果、問題点等を、関係省庁とも密接な連携を保ちつつ、慎重に検討していくことが必要であると考えております。
 以上です。(拍手)
    〔国務大臣野中広務君登壇〕
#17
○国務大臣(野中広務君) 小坂議員の御質問にお答えをいたします。
 先ほど総理からも答弁申し上げましたとおり、災害対策基本法の基本的な見直しにつきましては、現在鋭意検討中でございます防災問題懇談会での十分な議論を踏まえ、行うものと承知をいたしております。しかしながら、阪神・淡路大震災におきまして、御承知のとおり、道路上の放置車両等の除去等につきまして十分な対応が困難であり、このため災害応急対策の迅速な実施に著しい支障を来したところでございます。このような問題は、現行法制上の運用では対応が困難でございますので、議員も御指摘になりましたように、いつ起こるかわからない災害に対する対応策として、今回、国会に法改正をお願いしたところでございます。
 御指摘の、車が退避する場所がないと想定される場合におきましては、今回の改正によりまして車両の運転者の義務が規定されましたことから、道路外へ退避のできない場合におきましては、そのような場合におきましても左端に沿って駐車をされることとしておるところでございます。このことによりまして、緊急通行車両が通行するための一車線は何とか確保できるものと考えております。
 通行車両への規制の周知につきましては、ラジオ等による広報のほか、規制区域入り口付近やその道路での立て看板、垂れ幕、情報板、警察の車両による広報、現場警察官の広報等を行いまして、徹底を図っていきたいと考えております。
 また、緊急通行車両の通行の妨害となるような車両があります場合には、今回の改正によりまして新設されました警察官の措置命令や警察官みずからの措置により、緊急通行路の確保を図ってまいる所存であります。(拍手)
#18
○議長(土井たか子君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#19
○議長(土井たか子君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時四十七分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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