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1995/06/13 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第36号
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1995/06/13 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 本会議 第36号

#1
第132回国会 本会議 第36号
平成七年六月十三日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十七号
  平成七年六月十三日
    午後一時開議
 第一 臨時大深度地下利用調査会設置法案(参
    議院提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 衆議院議長土井たか子君不信任決議案(神崎武
  法君外七名提出)
 衆議院副議長鯨岡兵輔君不信任決議案(神崎武
  法君外七名提出)
 議院運営委員長中村正三郎君解任決議案(神崎
  武法君外七名提出)
 村山内閣不信任決議案(海部俊樹君外五名提出
 )
    午後一時四分開議
#2
○副議長(鯨岡兵輔君) これより会議を開きま
す。
     ――――◇―――――
#3
○山本有二君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 神崎武法君外七名提出、衆議院議長土井たか子君不信任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
#4
○副議長(鯨岡兵輔君) 山本有二君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○副議長(鯨岡兵輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 衆議院議長土井たか子君不信任決議案(神崎
  武法君外七名)
#6
○副議長(鯨岡兵輔君) 衆議院議長土井たか子君不信任決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。杉山憲夫君。
    ―――――――――――――
 衆議院議長土井たか子君不信任決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔杉山憲夫君登壇〕
#7
○杉山憲夫君 私は、新進党を代表いたしまして、ただいま上程されております土井衆議院議長不信任案について、提案の趣旨を御説明いたします。
 まず、決議案の案文を朗読いたします。
  本院は、衆議院議長土井たか子君を信任せず。
   右決議する。
    〔拍手〕
 以下、その理由を申し述べます。
 議長は、国権の最高機関であり、唯一の国の立法機関である国会の最高責任者であることから、議会運営に当たっては慎重かつ公平公正でなければなりません。しかるに、議長は、去る九日の衆議院本会議において、歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議の議決に当たり、過半数を超える約二百六十人の議員が欠席するという異常事態の中で採決の強行を容認し、議会制民主主義の根幹を無視する暴挙を行ったのであります。
 戦後五十年という歴史の節目に当たり、院として内外に向かって過去の戦争への反省と未来に向けた平和への決意を言明するということは極めて重要なことであります。冷戦構造崩壊後の世界で、我が国が経済力に見合った国際的な役割を果たすことが求められている今日、我が国の過去の行為を振り返り、誤った行為を率直に反省し、未来へ向けた平和への決意を内外にアピールする必要がありました。特に、アジアの一員としてアジア諸国と共存共栄を図らなければならない我が国は、太平洋戦争などで犠牲を強いた近隣諸国の不信感を取り除く必要がありました。
 国会決議はその出発点になるはずであり、その意味で国会決議は歴史的に重要な意義を持つものであり、国会が国民を代表して、二十一世紀に臨む我が国の姿勢を示す歴史的好機でもあったのであります。
 与党三党は、国会決議の与党案をまとめるのに約半年近くも時間をかけ、それでもなかなかまとまらず、これでは参議院選挙を戦うことができないということで、中途半端のまま国会に提出してきたのであります。したがって、与党が提出した決議案の内容は、文意不明のところも多く、到底歴史の検証と世界の評価にたえられるものではありません。このため、我が党は、決議の持つ歴史的意味の重要性にかんがみ、よりよい内容とするため内容の修正を求め、与党との協議を呼びかけたのであります。
 それは、戦争とそれに伴う犠牲を再び繰り返さないことを明記し、日本国民の総意として世界に表明すること。与党案では、「歴史観の相違を超え、」歴史の教訓を踏まえというように意味不明になっていたのを、「歴史観の相違を超え、」という文案を削除し、とりわけ世界の中で唯一の原爆被爆国である我が国民の悲願である核兵器の廃絶を盛り込むことなどの修正であります。いずれも、戦後五十年にして、我が国が国際的に開かれた平和国家として再出発するためには、欠くことのできないものばかりであります。
 しかるに、与党は、協議に入るや否や、その日のうちに採決に応ずればある程度の修正に応じてもよい、しかも十分以内に返答せよという、決議の歴史的意義もわきまえず、議会制民主主義のルールを無視した驚くべき強権的対応で臨んできたのであります。これは、我が党の修正を取り入れれば、与党三党の合意は崩れ、連立政権は崩壊しかねないことを憂慮した結果であります。まさに与党三党は国家国民の利益よりも党利党略を優先させたのであり、これほど国家国民をないがしろにし愚弄する行為はありません。(拍手)
 国会決議の強行採決が、国会の権威を失墜させ、国民の政治不信を高め、我が国に対する国際的信用を失わせる結果を招いたことは、けだし当然のことであります。党利党略も甚だしい限りであり、私は、全国民を代表して、与党三党並びにそれを許した土井議長に対し強く抗議するものであります。(拍手)
 国会決議の歴史的意義を認識し、内外にもたらす意味の重要性を考えれば、国民の総意を代表することが不可欠であり、そのためには我々野党と十分なすり合わせをすることが最低限必要なことでありました。土井議長は、国権の最高機関の長として、議会制民主主義を守るため、立法府の権威を守るため、与野党間の十分な話し合いを強く求めるべきでありました。それこそ国権の最高機関の長としての最低限の責務であります。
 しかるに、土井議長は、議院運営委員会の手続に従ったまで、議長に責任はないと国権の最高機関の長としての自覚を欠いたまことに無責任な態度に終始し、与野党幹事長・書記長会談を開いているさなかに、新進党欠席の議運委理事会で開会の時間を決定し、過半数以上の議員が欠席する中で本会議の開会を強行し、国会決議を採決するという驚くべき暴挙に加担したのであります。
 議会制民主主義のルールを守り円滑な議会運営を心がけるべき議長が、与党の行き過ぎをチェックするどころか、一方的に与党に加担し、議会制民主政治のルールを踏みにじったのであります。土井議長は、我が国議会史上にぬぐい去ることのできない汚点を残したのであります。(拍手)土井議長は失格であり、罪は極めて重いと断ぜざるを得ません。
 土井議長は、「せいいっぱい 土井たか子半自伝」におきまして、第六十八代議長に就任されるに当たっての心境を述べられております。いわく、「私は、民主主義は即決ではなく、時間のかかるものと思っている。徹底的に、ここまでやったという満足感が得られるまで論議を尽くしていただきたい。私は辛抱強く待つつもりでいる。」と述べております。
 しかるに、今回の決議の場合はいかがでありましたでしょうか。野党との協議は全く行われておりません。議長から議院運営委員会に対し、与野党の話し合いが不十分であるから委員会でさらに協議を続けるようにという指示も全くなされておりません。土井議長が議長就任時の信念を貫くとすれば、議運委員会で徹底的な論議を求めるべきではなかったでありましょうか。しかるに、土井議長は、議院運営委員会の手続に従ったまで、議長に責任はないかのような、責任を議院運営委員会に転嫁し、議長としての責任を全く自覚していないのであります。
 また、同著書において「強行採決はもってのほか、あくまでも審議を尽くすのが基本である。」と述べております。議長は今回の強行採決を国民にどう説明するのでありましょうか。自民党の議長の時代の強行採決はだめだけれども、社会党の議長のときの強行採決はよいとでも考えているのでありますか。(拍手)「強行採決はもってのほか、あくまでも審議を尽くすのが基本である。」という発言は、取り消すべきであります。
 それとも、土井議長は、同著書において「国会の活性化が非常に大切だと思う。」「衆議院の元気を取り戻したい」とも述べております。強行採決をやることが元気を取り戻すことと考えておいででしょうか。
 土井議長が、議会制民主主義を守る、強行採決はしないと言い続けてきたことは、その場しのぎの言動であったことが国民の前に明らかになったのであります。
 社会党もまた、これまで自民党の強行採決を強く批判されてきました。社会党そして土井議長は、いつから自民党の一員になったのでありますか。
 社会党は、自民党と連立政権を組むに当たって、国民への公約を一方的にほごにし、政党の傘ともいうべき基本政策をことごとく転換いたしました。今回の強行採決は、国会運営の面においても社会党は自民党に魂を売り渡してしまったことを如実にあらわしました。(拍手)社会党はいつの間に自民党になってしまったのか。これこそ五五年体制を表裏一体のものとして支えてきた自民党と社会党との連立政権の本当の姿であり、国民の前にその実体をさらけ出したのであります。
 また、このような歴史的意義のある決議は、日本国民の総意が込められてこそ重みがあり、国際的に信頼されることになります。議員の過半数以上が欠席し、しかも賛成者が約二百三十人という過半数にも及ばないという結果を招いたのであります。戦後五十年、我が国の過去への反省と未来に向けた平和への決意を示すべき国会決議は、国民の総意という形をとることができず、逆に、日本に対する絶望感や不信感を拡大する結果を招いてしまったのであります。国際的信用を失ったことに対する与党及び土井議長の責任はまことに重大であります。
 さらに、今回の強行採決は、国民の政治不信をさらに増大させました。昨今、無党派層の増大という現象に見られるように、国民の既成政党に対する不信が強まっております。今回の決議の与党案は妥協の上に成り立ち、参議院選挙を有利に戦おうとするため国会に提案し、しかも、連立政権維持のため我が党との修正交渉は拒否するというように、終始一貫党利党略を優先させたものでありました。
 また、良心や思想、信条を多数決の対象にしてはならないという近代議会政治の鉄則に反し、決議の採決を強行したのであります。そこには、過去と未来に責任を負い、国家国民の立場に立って日本の将来の進路を定めるという政治家としての良心がみじんも見られません。国民の政治不信をさらに増大させることは必至であり、その責任は挙げて与党及びそれに加担した議長が負うべきであります。(拍手)
 また、土井議長は、本会議決議は少なくとも全会派出席のもとに全会一致もしくは圧倒的多数によって採択されるべきである、法律や規則だけではなく話し合いに重点を置きその努力を重ねるといった、これまでの先達がつくり上げてきた議会のよき伝統と慣習をも無視してまいりました。
 さらに、今回の問題のみならず、我が党はこれまで数回にわたり議長に公正な議会運営の申し出を行ってきました。しかるに、土井議長は、与党の一方的な意見のみを取り入れ、我々の要請を無視し続けてきたのであります。こうした土井議長のもとでは、もはや正常かつ公平、円満な議会運営を期待することは困難であります。土井議長は速やかに退陣すべきであります。
 私は、このことを最後に申し上げ、土井議長の不信任案に対する趣旨説明とするものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○副議長(鯨岡兵輔君) 討論の通告があります。順次これを許します。谷垣禎一君。
    〔谷垣禎一君登壇〕
#9
○谷垣禎一君 私は、自由民主党・自由連合、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけを代表して、ただいま議題となりました土井議長不信任決議案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。(拍手)まず初めに、議員各位の良識に訴えたいと存じます。
 今回の事態で、議長が真に不信任に当たるような行動をおとりになったのでありましょうか。提案者の趣旨弁明をお聞きいたし、決議案の理由をつぶさに検証いたしましても、私には、何ゆえに議長が不信任されなければならないのか、釈然としないのであります。提出した会派の議員各位一人一人は、提出した理由を納得されているのでありましょうか。不信任決議案を提出された土井議長の心情を思うと、まさに同情を禁じ得ません。
 歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議の取り扱いをめぐっての議長不信任の理由は事実誤認が甚だしく、さらに、政党間においての協議が不調に終わったその責任を議長になすりつけるとは、言語道断であります。(拍手)新進党の皆さんは、一体議長の立場をどうお考えなのでありましょうか。
 不信任の理由に、議長は与党の数による一方的な決議の強行採決を容認しとありますが、自分の意見が通らなければ一方的に欠席し、強行採決と
する論理は、どこからの発想なのか甚だ疑問に感じるのであります。一方的な強行採決ではなく、新進党一党のみが欠席する強行欠席というのが実態ではないでしょうか。(拍手)静かに胸に手を当てて、お考え直しいただきたい。
 なお、新進党の議員各位の中には、本会議が開かれたその時間帯には、選挙区に向かっておられるなど、かなりの方々が国会にはおられなかったと報じられております点については、どのように反論をなさるのでありましょうか。(拍手)
 当日、本会議開会は公報に掲載されていたのでございます。新進党の皆さんは、議員本来の職務であるべき本会議出席を拒否したのであります。職場放棄と言っても過言ではありません。それを議長不信任の理由とされるならば、責任転嫁であると申し上げなければなりません。
 また、新進党の理由では、国民に対して間違った認識を植えつけてしまうおそれがございますので、ここに明白に反論を申し上げたいと存じます。
 新進党は、与党案をもとに決議をまとめることを最優先に修正案を提出した、それにもかかわらず与党は新進党の意見を一顧だにしなかったとしておられますが、果たしてそうでしょうか。
 会期末も迫った六月九日、本会議は公報に掲載されておりました。その九日の夕刻になっての与野党幹事長・書記長会談の席上、新進党はにわかに修正案を提出されたのであります。そのような押し迫った状況の中でも、与党三党は、新進党よりの修正案に対し、真摯に検討し修正協議に応じる用意があるので返事が欲しいと連絡したではありませんか。しかしながら、その返答がないために、その意思がないと判断し、本会議の開会に踏み切ったのであります。事実をどう解釈しておられるのか、全く理解のできないところであります。
 いずれにせよ、この間の経緯は、政党間の協議なのであり、議長の責任に結びつくものではありません。
 国会は論議を行う場であると同時に、避けがたき宿命として意思を決定する場であるという議会制民主主義の原点に立ち返ることこそ、今求められているものであります。
 議長は、国権の最高機関である我が国の第一院の代表者であり、その権威と地位は、我々国会議員が率先して守り、高めなければならないのであります。しかしながら、新進党がこのような理由をもってしてあえて不信任決議案を提出されたことは、やむにやまれぬ苦肉の策とは申せ、むしろ提出者を初めとするこれらに賛同する議員みずからが議長の権威をいたずらに冒涜するものと言わなければなりません。健全なる野党を目指すとした新進党のために心から惜しむものであります。
 さて、今国会は戦後五十年の節目に当たる通常国会であり、内閣提出案件すべてを成立させ、国会が立法府としての本来の目的を立派に果たしたのであります。このことは、関係各位の御努力の結果とは存じますが、土井議長の指導にもまた負うところが大でありました。また、土井議長は、開かれたわかりやすい国会を目指して国会改革に積極的に取り組んでおられ、実践されたものもあり、まさに間もなくという段階までこぎつけたものもございます。
 このように熱心に心血を注いでおられる議長に対し理不尽な不信任決議案を提出されることは、党利党略以外の何物でもないのであります。(拍手)まさに理由なき理由を付して不信任せんとしているものであります。
 今国会も案件が順調に処理され、会期が残すところ一週間を切った今、新進党が、議長の不信任決議案のほか、副議長の不信任決議案、議院運営委員長の解任決議案、さらに内閣不信任決議案を提出したことは、一体何を意味しているのでありましょうか。理解に苦しむと言わざるを得ません。国民の皆さんにこの事実をしっかりと胸に刻んでいただきたいと申し上げたい。誇りある日本国民の代表としての国会議員であるならば、節度を持って国民の範となるべき行動をとっていただきたいと考えるものであります。
 新進党の海部党首は、かつて私どもと政治行動をともにしていた昭和四十四年、大学運営臨時措置法案の措置をめぐり提出された松田衆院議長の不信任決議案に対して反対討論を行い、その中で、「議会政治の基本となる多数決の原理という根本問題を忘却しておる野党の玉砕主義にこそ、その責任はあるといわなければなりません。」「議長不信任案を党利党略の見地から安易にもてあそばれる傾向のある野党の態度に深い反省を求めて、私の反対討論といたします。」とされたのであります。
 ただいまどうお感じになられているのか、それともお忘れになられたか、率直にお聞きしたいと考えております。今回の不信任決議案三件、解任決議案一件を提出されるに当たって新進党の党首として決断されたことに対して、その議会制民主主義に対する崇高なる理想はどこへ行ったのでありましょうか。
 以上申し上げましたように、利己的なみずからの主張のみが絶対であるかのごとき主張には、断固として立ち向かわなければなりません。良識ある賢明なる議員各位を初めとする国民の皆様方にも、提案されている不信任決議案がただ単に党利党略に終始しているだけであることは、だれの目から見ても容易に御理解いただけることと存じます。
 最後に、国会は審議の場であり、審議を尽くすべきなどの御主張もあります。当然のことであります。ならばこそ、私たちが協議を呼びかけたとき何ゆえ御返事をなされなかったのか、残念でなりません。御返事がないゆえに、議長は議院運営委員会の議決により本会議を開会したのであります。それに対して不信任案の提出とは、全く理解できません。このような理由による不信任案の提出は、我が国議会政治の発展という点からまことに残念なものと言わなければなりません。
 この際、いわれなき態度をとられる会派と議員各位に深く反省を求め、正義と良心をもって国民の負託にこたえる議員各位とともに、本決議案に断固反対の意思を表明して、討論を終わります。(拍手)
#10
○副議長(鯨岡兵輔君) 小池百合子さん。
    〔小池百合子君登壇〕
#11
○小池百合子君 私は、新進党を代表し、土井議長不信任決議案について、次の三点にわたって賛成の討論を行うものです。(拍手)
 賛成理由の第一は、我が国国権の最高機関である国会の最高責任者としての議長が、議会制民主主義の根幹を揺るがす暴挙を当たり前のように行ったことであります。
 政治は話し合いの場であり、特に歴史的な意義を持つ今回の決議については、国民の意見をよりよく反映させるため与野党が十分に話し合い、内容を詰めるべきであります。その重要な決議を与党の都合から一方的に強行し、また、議会運営に当たって公平かつ公正でなければならない議長の役割と責任を放棄して、重要な意味を持つ今回の決議に歴史的な汚点を残したことは断じて許せません。(拍手)
 私ども新進党は、与党案に対し修正案を提示させていただきました。ところが、与党は、野党との協議に入るや否や、その日のうちに採択に応ずればある程度の修正に応じてもよいと言いながら、十分以内に返答せよという驚くべき強権的態度に出たのであります。
 本来ですと、民主主義の執行者であるはずの議長は、与野党間の話し合いを進め、一致点を探って、さらなる議決の成熟に向けて協議を求めるべきであったにもかかわらず、議長は話し合いの継続を選択せず、突然本会議の開会を強行したのであります。
 憲法で国権の最高機関と位置づけられた国会は、神聖かつ真摯なものでなければならないこと
は、だれよりも議長自身が御存じのはずであります。にもかかわらず、議長は、議院運営委員会の手続に従ったまでと述べ、今回の強行採決に対する御自分の責任には一言も言及されないところか、まるで議長には責任がないかのような発言をなさっています。この責任逃れの姿勢は、阪神大震災のときに見せた村山総理の国会答弁と全く同じではありませんか。(拍手)
 議会制民主政治の最低限のルールを守り円滑な議会運営を心がける、そしてまた与党の数を頼んだ横暴には断固たる態度で臨む、それが議長としての本来の役割ではありませんか。今回の暴挙には、憲法学者として我が母校の教壇に立たれたこともある議長の見識を疑わざるを得ないのであります。兵庫の誇り、女性の誇りである土井議長の今回の行為には失望せざるを得ないのであります。土井議長の目指しておられる国会改革とは、強行採決を進めることなんでしょうか。
 賛成理由の第二を挙げます。今回の国会決議を強行したことにより、決議が持つ歴史的重要性が全く失われてしまったことです。
 戦後五十年の節目に当たる本年は、さきの戦争に対する我が国の反省と未来に向けた平和への決意を示す極めて重要な意義を持つものでありました。冷戦構造が崩壊し、経済的に極めて大きな力を持つに至った我が国は、今後、国際的な平和への貢献を果たさなければならないこと、これは明白であります。戦後五十年の節目の年に当たり、我が国の過去への反省と未来に向けた平和への決意を下して国会決議を行うこと、これは二十一世紀を目前にした我が国にとって、そして世界全体にとって、極めて重要な意味を持つものであります。
 アジアの一員として、アジア諸国との共存共栄を図らねばならない我が国は、太平洋戦争ではかることのできない犠牲を強いた近隣諸国に対して、率直に過去を反省し、その不信感を取り除く必要がありました。
 国会決議という形をもって、二十一世紀に臨む我が国の姿勢を内外に明らかにする歴史的な好機、チャンスでもありました。いえ、最後のチャンスだったかもしれません。今回の国会決議は、二十一世紀への出発点となるべきものであったのです。
 にもかかわらず、こうした極めて重大な意義のある歴史的決議を、与党は足して二で割る妥協の産物に堕さしめ、国語や歴史の教科書などに載せるには意味不明、魂の抜けた作文としてしまったのです。主語さえも不明な与党が提出した決議案の内容は、到底歴史の検証そして世界の評価にたえられるものではありません。
 私たち新進党は、こうした立場から、その内容をより歴史的な意義のあるものにし、我が国の新たなスタートを決意させるものとしての修正案を提示させていただいたわけであります。戦争とそれに伴う犠牲を再び繰り返さないことを明記し、日本国民の総意として世界に表明する。また、「歴史観の相違を超えこという文案を削除し、与党案より一層過去に対する反省を明確にする。さらに、人類で初めて核の被害に遭遇した我が国が、人類の究極の理想である核兵器の廃絶を盛り込むなどの修正案を提示させていただいたのであります。いずれにいたしましても、戦後五十年にして、我が国が国際的に開かれた平和国家として出発するためには、欠くことのできないものでありました。
 今回の国会決議を歴史に残る形で行いたいと望んでおられたのは、土井議長、あなたではありませんか。しかし、与党はこの修正案を検討するどころか、いきなり強行採決という非常手段に出ました。そして、その本会議開会のベルを押したのは、ほかならない土井議長であったのであります。議長は、長年の夢であった国会決議がこのような形で終結したことに本当に満足しておられるのでしょうか。こうした我が国の議会史上にぬぐい去ることのできない汚点を残した罪は極めて重いと断ぜざるを得ません。(拍手)
 賛成理由の第三は、強行採決という暴挙によって、意義のある決議自体に傷がついてしまったということであります。
 日本経済の危機よりも党務を優先し選挙応援に出かけていた与党の代表も欠席するという異常な形の国会議決により、歴史的に重要な意味を持つ決議は、その目的とは裏腹に、我が国国会の荒涼たる姿を露呈してしまいました。決議の内容が検討不十分のみならず、強行採決という暴力がまかり通って、我が国の政治不信を一層倍加させたのです。そして、近隣諸国のみならず世界じゅうの人々に日本の民主政治の未成熟さを印象づけてしまったのであります。賛成者わずか二百二十人という過半数に遠く及ばない数でこの大切な国会決議を採択するとは、一体何ということでしょうか。あるべき議会制民主政治を崩壊させ、近隣諸国の信頼を失墜させ、さらには、国民に政治不信を倍加させた今回の暴挙を私たちは到底認めることができないのです。
 大体、数が多いということだけですべての議案を決するのでは、選挙の結果だけが必要であって、野党や国会は全く必要ないということになるではありませんか。数の論理が優先する議会運営から、与野党が徹底して話し合い、共通点を見出し合うことこそ民主政治の原点ではないでしょうか。
 このたびの通常国会におきましては、災害対策、円高、サリン、このような喫緊の法案成立に対しましては我が党も最大限努力してきたではありませんか。そして、ちゃんと修正案も出させていただき、そこでじっくりと話し合いをし、そして国民生活に必要な法律をみんなで力を合わせて成立させてきたではありませんか。
 私たちは、これらの理由から、土井議長のもとでは議会制民主主義を守ることはもはや不可能であり、今後、国権の最高議決機関として正しい国会運営を期待することはできません。
 一ドル八十円台と為替レートは未曾有の水準に突入し、本日も株価は一万五千円を割ったままです。日本経済は、今やその産業構造を大転換すべきときに来ています。経済面だけではありません。対症療法のみでその場をしのぎ、問題解決を先送りするような小手先の政治対応だけでは、二十一世紀を生き延びるどころか今世紀中にも我が国は崩壊してしまうでありましょう。そのような危機的状況を、今回の国会決議でとられた議長の態度が加速、悪化させていることにお気づきにならないのでしょうか。
 ここにおいて、我々は、正義と良心そして良識をもって議長の速やかなる退陣を要求し、現社会
党を含みます政権与党のレクイエムとさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
#12
○副議長(鯨岡兵輔君) 東中光雄君。
    〔東中光雄君登壇〕
#13
○東中光雄君 私は、日本共産党を代表して、土井議長不信任決議案に賛成の討論を行います。(拍手)
 今回の戦後五十年決議は、歴史の節目に当たり、過去の戦争に関し日本の国会がその意思を示すものとして内外の注目を集めてきた極めて重要な案件でありました。そもそも院の決議は全会一致が原則であります。今回のような決議は、まさしく国会における全会派間での十分な議論を不可欠とするものであります。
 しかるに、土井議長は、そうした努力を何ら尽くすことなく、与党三党の合意に従って、我が党の強い反対を押し切り、与党提出決議案の本会議上程を強行し、異議なし採決で委員会審議を省略し、与党だけの賛成多数で強行議決したのであります。議会制民主主義をじゅうりんするものと言わざるを得ません。
 今回の決議の経過を見ると、与党三党が議運理事会に決議案を提示したのは六月七日です。これに対して我が党は、侵略戦争を合理化する与党案は決議すべきでないとの意見を申し上げ、翌八日の理事会に日本共産党案を提示しました。我が党は、志位書記局長の八日の記者会見で、国会決議というのは国会を構成するすべての会派での十分な論議を保障して行われるべきものであり、私たちはこの対案をもって実質的な政党間の議論を尽くすことを提案したのであります。
 しかるに、与党側は、決議の内容について何ら論議もしないままに、議会外において新進党との密室協議を繰り返し、あげくの果ては、九日の午後、一方的に与党案を国会に提出するや直ちに本会議上程の手続を行ったのであります。与党側の言うままに本会議強行の議事日程を進めた土井議長の見識は、厳しく問われなければなりません。
 戦後五十年、国会決議でやるべきは何であるか。それは、我が党が提示したように、旧憲法下、当時の政府は早くから朝鮮人民に植民地支配の圧制をしくとともに、アジア・太平洋地域で領土と勢力圏の拡大を目的とした侵略戦争を遂行し、中国人民を初め二千万人を超えるアジア諸国民の命を奪う等の甚大な被害を与えたこと等を明確にして、侵略戦争への深い反省と関係諸国への真摯な謝罪、誠意ある国家補償、日本国憲法の恒久平和の原則を守り戦争を二度と繰り返さない決意を政府に求めることであります。
 今回の決議は全く逆であります。侵略的行為や植民地支配は世界の近代史上の風潮であって、日本だけが特別の罪を犯したわけではないという論理に立って日本の侵略戦争を合理化し、一九三一年、中国への侵略を開始し、第二次世界大戦に至る侵略戦争の火ぶたを切った国としての特別に重大な役割と責任を、この国会決議によって免罪しようとするものと言わざるを得ません。アジア諸国や欧米からも憤りと批判が寄せられているのも、また当然であります。
 政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意した日本国憲法の根本原理を踏みにじる国会決議は、国会の歴史にぬぐうべからざる汚点を残したものであり、かかる決議を推進した土井議長は今やその職にとどまるべきではありません。
 以上、議長不信任に賛成する理由を述べ、討論を終わります。(拍手)
#14
○副議長(鯨岡兵輔君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#15
○副議長(鯨岡兵輔君) 採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#16
○副議長(鯨岡兵輔君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
#17
○副議長(鯨岡兵輔君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百八十四
  可とする者(白票)       百八十六
  否とする者(青票)      二百九十八
    〔拍手〕
#18
○副議長(鯨岡兵輔君) 右の結果、衆議院議長土井たか子君不信任決議案は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 神崎武法君外七名提出衆議院議長土井たか子君不信任決議案を可とする議員の氏名
      安倍 基雄君    阿部 昭吾君
      愛知 和男君    愛野興一郎君
      青木 宏之君    青山  丘君
      青山 二三君    赤羽 一嘉君
      赤松 正雄君    東  祥三君
      新井 将敬君    粟屋 敏信君
      井奥 貞雄君    井上 喜一君
      伊藤 英成君    伊藤 達也君
      石井 啓一君    石井  一君
      石田 勝之君    石田幸四郎君
      石田 祝稔君    石田 美栄君
      石破  茂君    市川 雄一君
      今井  宏君    今津  寛君
      岩浅 嘉仁君    上田 晃弘君
      上田  勇君    上田 清司君
      江崎 鐵磨君    江田 五月君
      遠藤 乙彦君    遠藤 和良君
      小沢 一郎君    小沢 辰男君
      大石 正光君    大口 善徳君
      大野由利子君    太田 昭宏君
      近江巳記夫君    岡島 正之君
      岡田 克也君    奥田 敬和君
      長内 順一君    加藤 六月君
      鹿野 道彦君    貝沼 次郎君
      海部 俊樹君    鴨下 一郎君
      川島  實君    河合 正智君
      河上 覃雄君    河村たかし君
      神崎 武法君    神田  厚君
      北側 一雄君    北橋 健治君
      北村 直人君    久保 哲司君
      工藤堅太郎君    草川 昭三君
      熊谷  弘君    倉田 栄喜君
      小池百合子君    小坂 憲次君
      小平 忠正君    木幡 弘道君
      古賀 一成君    古賀 敬章君
      古賀 正浩君    権藤 恒夫君
      左藤  恵君    佐藤 茂樹君
      佐藤 守良君    斉藤 鉄夫君
      坂口  力君    坂本 剛二君
      笹川  堯君    笹木 竜三君
      笹山 登生君    鮫島 宗明君
      実川 幸夫君    柴野たいぞう君
      白沢 三郎君    須藤  浩君
      杉山 憲夫君    田名部匡省君
      田端 正広君    高市 早苗君
      高木 陽介君    高木 義明君
      高橋 一郎君    竹内  譲君
      武山百合子君    谷口 隆義君
      樽床 伸二君    千葉 国男君
      塚田 延充君    月原 茂皓君
      土田 龍司君    富田 茂之君
      豊田潤多郎君    鳥居 一雄君
      中井  洽君    中島  衛君
      中田  宏君    中野 寛成君
      中村 時広君    仲村 正治君
      永井 英慈君    長浜 博行君
      二階 俊博君    西  博義君
      西岡 武夫君    西川太一郎君
      西村 眞悟君    野田  毅君
      野田 佳彦君    野呂 昭彦君
      羽田  孜君    畑 英次郎君
      初村謙一郎君    鳩山 邦夫君
      日笠 勝之君    東  順治君
      平田 米男君    広野ただし君
      弘友 和夫君    吹田  ナ君
      福島  豊君    福留 泰蔵君
      藤井 裕久君    藤村  修君
      二見 伸明君    船田  元君
      冬柴 鐵三君    星野 行男君
      細川 護煕君    前田 武志君
      増子 輝彦君    増田 敏男君
      桝屋 敬悟君    松岡滿壽男君
      松沢 成文君    松田 岩夫君
      宮地 正介君    宮本 一三君
      村井  仁君    森本 晃司君
      矢上 雅義君    柳田  稔君
      山岡 賢次君    山口那津男君
      山崎広太郎君    山田 英介君
      山田  宏君    山田 正彦君
      山名 靖英君    山本 幸三君
      山本 孝史君    山本  拓君
      吉田  治君    吉田 公一君
      米沢  隆君    米田 建三君
      若松 謙維君    渡部 恒三君
      渡辺浩一郎君    岩佐 恵美君
      穀田 恵二君    佐々木陸海君
      志位 和夫君    寺前  巖君
      中島 武敏君    東中 光雄君
      不破 哲三君    藤田 スミ君
      古堅 実吉君    正森 成二君
      松本 善明君    矢島 恒夫君
      山原健二郎君    吉井 英勝君
      大谷 忠雄君    山口 敏夫君
 否とする議員の氏名
      安倍 晋三君    相沢 英之君
      逢沢 一郎君    赤城 徳彦君
      麻生 太郎君    甘利  明君
      荒井 広幸君    伊藤 公介君
      伊藤宗一郎君    伊吹 文明君
      池田 行彦君    石橋 一弥君
      石原 伸晃君    稲垣 実男君
      稲葉 大和君    宇野 宗佑君
      臼井日出男君    浦野 烋興君
      江藤 隆美君    衛藤征士郎君
      衛藤 晟一君    遠藤 利明君
      小川  元君    小此木八郎君
      小里 貞利君    小澤  潔君
      小野 晋也君    小渕 恵三君
      尾身 幸次君    越智 伊平君
      越智 通雄君    大内 啓伍君
      大島 理森君    大野 功統君
      大原 一三君    奥田 幹生君
      奥野 誠亮君    加藤 紘一君
      加藤 卓二君    狩野  勝君
      柿澤 弘治君    梶山 静六君
      片岡 武司君    金子 一義君
      金子原二郎君    金田 英行君
      亀井 善之君    唐沢俊二郎君
      川崎 二郎君    河村 建夫君
      瓦   力君    木部 佳昭君
      木村 義雄君    菊池福治郎君
      岸田 文雄君    岸本 光造君
      久間 章生君    久野統一郎君
      熊代 昭彦君    栗原 博久君
      栗原 裕康君    栗本慎一郎君
      小泉純一郎君    小泉 晨一君
      小杉  隆君    古賀  誠君
      後藤田正晴君    河野 洋平君
      高村 正彦君    近藤 鉄雄君
      佐田玄一郎君    佐藤 孝行君
      佐藤 静雄君    佐藤 信二君
      佐藤 剛男君    斉藤斗志二君
      斎藤 文昭君    坂井 隆憲君
      坂本三十次君    桜井  新君
      櫻内 義雄君    志賀  節君
      自見庄三郎君    塩川正十郎君
      塩崎 恭久君    塩谷  立君
      七条  明君    島村 宜伸君
      白川 勝彦君    鈴木 俊一君
      鈴木 宗男君    住  博司君
      関谷 勝嗣君    田中 直紀君
      田中眞紀子君    田野瀬良太郎君
      田原  隆君    田村  元君
      高鳥  修君    高橋 辰夫君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      武部  勤君    橘 康太郎君
      谷  洋一君    谷垣 禎一君
      谷川 和穗君    玉沢徳一郎君
      近岡理一郎君    中馬 弘毅君
      津島 雄二君    塚原 俊平君
      戸井田三郎君    東家 嘉幸君
      徳田 虎雄君    虎島 和夫君
      中尾 栄一君    中川 昭一君
      中川 秀直君    中島洋次郎君
      中谷  元君    中村正三郎君
      中山 太郎君    中山 利生君
      中山 正暉君    長勢 甚遠君
      二階堂 進君    丹羽 雄哉君
      西田  司君    額賀福志郎君
      根本  匠君    野田 聖子君
      野田  実君    野中 広務君
      野呂田芳成君    葉梨 信行君
      萩山 教嚴君    橋本龍太郎君
      蓮実  進君    浜田 靖一君
      浜野  剛君    林  幹雄君
      林  義郎君    原 健三郎君
      原田  憲君    原田昇左右君
      平泉  渉君    平沼 赳夫君
      平林 鴻三君    深谷 隆司君
      福田 康夫君    福永 信彦君
      藤井 孝男君    藤尾 正行君
      藤本 孝雄君    二田 孝治君
      古屋 圭司君    保利 耕輔君
      穂積 良行君    細田 博之君
      堀内 光雄君    堀之内久男君
      町村 信孝君    松岡 利勝君
      松下 忠洋君    松永  光君
      三ツ林弥太郎君    三塚  博君
      御法川英文君    宮崎 茂一君
      宮里 松正君    宮澤 喜一君
      宮路 和明君    宮下 創平君
      武藤 嘉文君    村岡 兼造君
      村上誠一郎君    村田敬次郎君
      村田 吉隆君    村山 達雄君
      持永 和見君    茂木 敏充君
      森  英介君    森  喜朗君
      森田  一君    谷津 義男君
      柳沢 伯夫君    山口 俊一君
      山崎  拓君    山下 徳夫君
      山中 貞則君    山本 公一君
      山本 有二君    与謝野 馨君
      横内 正明君    若林 正俊君
      渡瀬 憲明君    渡辺美智雄君
      綿貫 民輔君    赤松 広隆君
      秋葉 忠利君    網岡  雄君
      五十嵐広三君    井上 一成君
      伊藤  茂君    池田 隆一君
      池端 清一君    石井  智君
      石橋 大吉君    今村  修君
      岩田 順介君    岩垂寿喜男君
      上原 康助君    遠藤  登君
      緒方 克陽君    大出  俊君
      大木 正吾君    大畠 章宏君
      岡崎トミ子君    加藤 万吉君
      北沢 清功君    小林  守君
      五島 正規君    輿石  東君
      左近 正男君    佐々木秀典君
      佐藤 観樹君    佐藤 泰介君
      坂上 富男君    沢藤礼次郎君
      嶋崎  譲君    関山 信之君
      田口 健二君    田中 昭一君
      田中 恒利君    田邊  誠君
      竹内  猛君    辻  一彦君
      中西 績介君    永井 孝信君
      永井 哲男君    野坂 浩賢君
      畠山健治郎君    鉢呂 吉雄君
      濱田 健一君    早川  勝君
      日野 市朗君    細川 律夫君
      細谷 治通君    前島 秀行君
      松前  仰君    松本  龍君
      三野 優美君    村山 富市君
      森井 忠良君    山口 鶴男君
      山崎  泉君    山下八洲夫君
      山元  勉君    横光 克彦君
      和田 貞夫君    渡辺 嘉藏君
      荒井  聰君    五十嵐ふみひこ君
      井出 正一君    宇佐美 登君
      枝野 幸男君    小沢 鋭仁君
      菅  直人君    玄葉光一郎君
      佐藤謙一郎君    園田 博之君
      田中  甲君    田中 秀征君
      高見 裕一君    武村 正義君
      渡海紀三朗君    中島 章夫君
      錦織  淳君    鳩山由紀夫君
      前原 誠司君    三原 朝彦君
      簗瀬  進君    後藤  茂君
      土肥 隆一君    堀込 征雄君
      山花 貞夫君    吉岡 賢治君
      大矢 卓史君    海江田万里君
      牧野 聖修君    岡崎 宏美君
      金田 誠一君    小森 龍邦君
      石井 紘基君    中村喜四郎君
      中村  力君    楢崎弥之助君
    ―――――――――――――
#19
○副議長(鯨岡兵輔君) この際、議長に本席を譲ります。(拍手)
    〔副議長退席、議長着席〕
     ――――◇―――――
#20
○山本有二君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 神崎武法君外七名提出、衆議院副議長鯨岡兵輔君不信任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
#21
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 衆議院副議長鯨岡兵輔君不信任決議案(神崎
  武法君外七名提出)
#23
○議長(土井たか子君) 衆議院副議長鯨岡兵輔君不信任決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。川島實さん。
    ―――――――――――――
 衆議院副議長鯨岡兵輔君不信任決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔川島實君登壇〕
#24
○川島實君 私は、新進党を代表して、ただいま上程されました鯨岡副議長不信任決議案について、提案の趣旨を御説明いたします。
 まずは、案文を朗読いたします。
  本院は、衆議院副議長鯨岡兵輔君を信任せず。
   右決議する。
 以下、その理由を申し述べます。去る六月九日夜半、自民、社会、さきがけの与党三党の求めに応じて衆議院本会議が開会され、そこにおいて歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議の採決が強行されたことは、皆様御承知の事実であります。
 本来、国会決議は国民の代表者である国会がその意思を表明する厳粛なものであり、とりわけ戦後五十年の節目に行う本決議は、日本のみならず、アジアを初めとする世界に対して日本の意思を表明する重大な意味を持つものであります。しかるに、野党第一党である新進党との合意を図る努力も形式だけにとどめ、与党三党の合意案を強引に採決に持ち込むというやり方は、国会決議の常道を踏み外すものであるばかりか、戦後五十年の節目に大きな汚点を残すものであると言わざるを得ません。
 まして、この本会議には、抗議の意思を示すために欠席した我々新進党のみならず、与党の中からも多数の欠席者が生じ、何と本院の過半数を超える二百六十名の議員が欠席することとなり、その中での国会決議の強行採決は極めて異例かつ異常な事態であると言わざるを得ないのであります。(拍手)
 私たちは、このような事態を招くに至った過程において、議長を補佐し院の公正な運営に当たるべき鯨岡副議長の責任は極めて大きいと判断したことが、ここに副議長不信任案を提案した最大の理由であります。
 もとより、戦後五十年に当たり、我が国の過去への反省と未来に向けた平和への決意を示すことは、歴史的に大きな意義のあることであります。今後ともアジアの一員として、近隣関係にあるアジア諸国と一層緊密な関係を構築していかなければならない我が国としては、戦後五十年に当たり、過去の歴史を謙虚に振り返り、誤りは率直に反省し、犠牲を強いた近隣諸国の不信感を払拭し、未来に向かっての平和への決意を示すべきであります。また、冷戦構造が崩壊し、我が国がその経済力に見合った国際的役割を果たすことを求められている今日、我が国が過去の歴史を踏まえつつ平和への意思を明示することは、国際的な信頼を確かなものとするためにも必要です。
 我々新進党は、本国会冒頭における海部党首の代表演説において、今述べたような内容の決意表明の必要性を率先して主張しており、また党としても、去る六月二日に「戦後五十年に際しての党声明」を発表したところであります。
 このことからも明らかなように、新進党はいささかも国会決議の意義を軽視するものではありません。むしろその意義を重く考えるからこそ、国会決議の内容について与野党間における十分な協議を行い、世界に向かって恥じることのない決議案を作成したいと考えていたのであります。
 これに対して、与党が提示した決議案の内容は、与党三党の妥協の結果であることが文面からもうかがい知れるようなものであり、文意も不明確なところが多く、文章もこなれておらず、到底歴史の検証と世界の評価にたえられるものとは言いがたいものでありました。与党三党の国会決議に対する安易な考え方が反映していると言わざるを得ません。
 我々は、我が党の党声明を踏まえつつ、その内容について十分な協議を行うべく準備をしていたにもかかわらず、与党各党は議院運営委員会において、この決議は早急に決議すべきであり、しかも与党案はいささかの変更も不可能であるという態度に終始したのであります。
 これに対して、我々は文意と文脈の点に限定した修正案を提示し、少なくとも文章として恥ずかしくない国会決議にするための努力を行ったのであります。しかしながら、それすらも、若干の修正なら応じるが、即刻回答せよとの強硬な態度を崩さず、与党案を押し通したのであります。本来、このような重要な国会決議を十分な事前の協議なしに一方的に提出してくること自体、そしてその与党案は一字一句たりとも動かすことができないということ自体、国会決議の意義をおとしめるものであり、党利党略によって正常な国会運営をゆがめるものと言わざるを得ません。
 しかしながら、議長ないし副議長から、このような与党の一方的な国会決議案の取りまとめに対し何らの是正措置も図られてなかったのは、まことに遺憾であります。
 さらに、議長そしてそれを補佐する副議長が、本決議案採決のための本会議開催を強行採決した議院運営委員会の結論をそのまま承認し、与野党幹事長・書記長会談を開いているさなかに本会議開会を決意するということは、議会運営の常道を無視し、今後の国会運営にあしき先例を残すものであります。その結果として、新進党のみならず与党も含めて二百六十名に上る欠席者を出したことは、さきに述べたとおりであります。
 そもそも副議長は、国権の最高機関たる国会の長たる議長を補佐する重要な職責を有し、公正中立な立場から、議会制民主主義のルールを維持するために全力を尽くすべき立場にあるのであります。そのために、正副議長は政党の党籍をも離脱して中立性を保つようにしているのではありませんか。
 今回のような日本の歴史を画する重要な国会決議においては、国会運営の常道を踏まえることは、議会政治のルールを維持し、後世に範を示すためにも絶対の要請であります。しかるに、土井議長は、議院運営委員会の手続に従ったまでで責任はないと、社会党時代に当時の与党であった自民党の横暴を批判していたのと同一人物とは思えないような、議会政治のルールを無視した無責任な態度に終始し、また、当決議案が対象とする鯨岡副議長は、議長をいさめてその無責任な態度を改めさせることなく、その態度を承認したものであります。その責任は極めて大きいと言わざるを得ません。
 また、副議長職は、昭和五十一年より野党第一党がその職につくことが慣例となっていたものを、村山政権になってから、与党が議長職とともに独占することとなったのであります。これは、国会運営から野党を排除し、与党のみによる独断的な議事運営を進める体制をつくるものであり、議長及び副議長の中立性をみずからかなぐり捨てるものであります。その結果が、昨年の百三十一国会における村山総理の所信表明演説の強行、今国会の初日における本会議の強行などの再三にわたる不公正な議事運営としてあらわれていることは明白であります。
 これが、我々が副議長の不信任決議案を提出する第二の理由であります。
 さらに、鯨岡先生は、副議長になられたことにより、御自身の本来の政治的主張を変更されたのではないかと思われます。
 すなわち、鯨岡先生は、故三木総理とともに長年政治の道を歩まれた方と承知しております。故三木総理は、政治に公正さを取り戻し、また議会政治のルールを徹底して尊重された「議会の子」とでもいうべき方であると承知しております。しかるに、鯨岡副議長は、与党三党の意を受けて、今まで述べたような議会政治の常道を踏み外す議会運営に手をかし、御自身が本来目指しておられた理想を捨てられたとみなさざるを得ません。
 これが、我々が副議長の不信任決議案を提案する第三の理由であります。
 我々は、以上の理由から、鯨岡副議長のもとでは、議会制民主政治のルールにのっとった議会運営を期待することができないと言わざるを得ません。ルールなき国会運営には従うことができないのは当然であります。よって、ここに鯨岡副議長の退任を求めるものであります。
 以上、鯨岡副議長に対する不信任決議案の趣旨の説明といたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○議長(土井たか子君) 討論の通告があります。順次これを許します。山崎泉さん。
    〔山崎泉君登壇〕
#26
○山崎泉君 私は、自由民主党・自由連合、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけの三党を代表して、ただいま議題となっております鯨岡副議長不信任決議案に対し、断固反対の意を込めて、討論を行います。(拍手)
 先ほど、不信任決議案の提案者によりますと、提案の主な理由は、要するに去る六月九日夜の本会議の招集が不当であったということのようであります。
 しかし、当日の本会議は、あらかじめ予告されていたのみならず、議院運営委員会の正規の手続を経て正々堂々と開会に至ったものであります。したがって、それは土井議長の職権として当たり前のことを普通に行ったものであります。もしこれを逆に怠ったならば、国会法で定められた「議院の秩序を保持」するという議長の職員を全うすることが困難な事態を招くのではないでしょうか。
 鯨岡副議長もまた、「議長に事故があるとき又は議長が欠けたとき」議長の職務を行わなければならないという立場から、議長の職員遂行に協力したことはけだし当然であります。また、六月十四日が今国会の実質的な最終日という周知の状況のもとで、戦後五十年を記念する決議を六月九日中に本会議で採決するという運びについて、会期末の国会運営に当たって副議長が適切と判断されたことも極めて理にかなったものであると思います。
 そもそも議長及び副議長は国権の最高機関の代表であります。したがって、我々議員たる者は、その権威を守り高めるため日常不断の努力を迫られているのであります。それにもかかわらず、まことに理不尽かつ不可解な理由をもってその権威をいたずらに傷つけようとする政党が存在することは、不愉快のきわみと言わなければなりません。(拍手)
 さて、六月九日夜の本会議は、歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議が議題となりました。その内容は、日本がかつて植民地支配や侵略行為を行った事実を国会として初めて認識し、反省の念を表明した、まさしく歴史的な決議であります。また、それは戦争責任をだれかれに求めるものでなく、本院の意思の表明として行われたものであります。
 戦争責任については、国民の間に多様な意見があります。例えば、当時の軍部または政府の判断と指導、大企業の権益拡大の意欲、欧米列強の帝国主義的な行動などに責任を求める主張です。しかし、この決議は、これら歴史観の相違を超えて我々一人一人が反省しようという意味となっており、したがって、追悼の対象も内外の戦没者、犠牲者のすべてとされているわけであります。
 このような決議内容に反対された諸君がいることにも驚かなければなりませんが、何と集団で申し合わせて欠席するという新進党の態度は、歴史に汚点を残し、諸外国から批判を浴びる暴挙であり、許される行為ではないと私は思います。(拍手)
 その欠席の理由は、審議不十分ということのようでありますが、既に与党案は、六月七日朝、正式に提示され、協議が開始されており、実際には不十分と言えない実情にあったのであります。したがって、東京の二つの信用組合問題に関連して、新進党の前議員など二人の証人喚問のチャンスをつぶすために、議事引き延ばしを画策していたのではないかと疑われてもやむを得ないのではないでしょうか。
 顧みれば昨年六月三日……(発言する者あり)黙って聞け。鯨岡副議長は土井議長とともに「国会改革への一つの提言」を行いました。(発言する者あり)
#27
○議長(土井たか子君) 静粛に願います。
#28
○山崎泉君(続) その趣意書には、「国会が、真に国民に開かれたものとなるよう自己改革を行って、国民の皆さんのより強固な信頼を得ることこそが政治改革の基軸」であるとされ、提言の第一の柱は「政治倫理の確立」とされていました。我々本院の議員は、正副議長の提言を決して十分に実行に移しているとは言えませんが、歴史的な決議の場を集団で欠席した上、欠席した責任を他に転嫁するというやり方は、民主主義にも政治倫理にも反する行為であります。(拍手)
 いわれなき副議長不信任決議案の提案者、賛同者の諸君に対し、強い怒りを込めて反省を私は求めます。
 改めて申し上げます。
 政治は誠であります。政治戦術を最優先させた政治のあり方は今やめるべきです。私は、再度強い怒りを込めて反省を求め、私の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#29
○議長(土井たか子君) 柳田稔さん。
    〔柳田稔君登壇〕
#30
○柳田稔君 私は、新進党を代表して、ただいま議題となりました鯨岡副議長不信任決議案について、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 その前に、まず社会党の山崎議員が今申されました集団欠席とか牛歩など非人道的な行動をされるのは、社会党の専売特許でございます。(拍手)
 議会政治の基本は、議会のルールに基づく話し合いにあることは言うまでもないことであります。そして、そのルールヘの信頼が持てて初めて議会政治は正常に機能するのであります。人類の知恵である議会制民主主義は、単に制度として存在していればよいのではなく、このようなルールの尊重という精神と与野党各党間の信頼感があって初めてその特質が生かされるものであります。
 この議会政治において、議会運営のルールが公正に行われているかを見守り、議会運営の審判役を担うのが議長であり、その議長を補佐するのが
副議長であります。これらの職員は極めて重大であるとともに、厳正な中立性が要求されるのは、その占める位置からいって当然のことであります。
 特に本院においては、議長及び副議長の中立性を明確にするために、議長及び副議長は政党の党籍を離脱するのが習いとなっていることは皆様も御承知であります。このようなことを議長や副議長、与党の先輩諸兄にまず申し上げなければならないということは、まことに残念であります。
 また、土井議長には特に次のことを申し上げなければなりません。
 あなたは、著書の中で、「私は、民主主義は即決ではなく、時間のかかるものと思っている。徹底的に、ここまでやったという満足感が得られるまで論議を尽くしていただきたい。私は辛抱強く待つつもりでいる。」また「強行採決はもってのほか、あくまでも審議を尽くすのが基本である。」と土井議長の著書に述べられております。
 土井議長はこのことを十分に念頭に置いて、以下の私の討論をお聞き願いたいと存じます。(拍手)
 議会政治において、議会運営のルールが無視されるということは議会制民主主義の危機であり、ましてそれを正副議長が容認するような事態はゆゆしきことであるというのは、言うまでもないことであります。このたびの戦後五十年に際しての国会決議をめぐる事態は、まさにそのようなものであると言わざるを得ません。
 去る六月九日、自民、社会、さきがけの与党三党の求めに応じて衆議院本会議の開会が強行され、そこにおいて与党案そのままの歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議の採決が行われたのは、皆様御承知の事実であります。この本会議の開会に至る過程及び国会決議案の作成過程において、国会運営における重大なルール違反が行われたのであります。
 すなわち、まず、国会決議の内容をめぐり与野党の幹事長・書記長会談を開催している最中に本会議の開会を決定したことは、重大なルール違反であります。幾ら議院運営委員会の決定であるといっても、その決定自体が一方的になされたものであり、それを公正な議会運営の審判役である議長及び副議長が無条件で承認するということは、議会運営のルールヘの信頼を根本から失わせるものであります。それだけで十分に不信任に値すると言えましょう。
 次に、国会決議の案文の作成過程において与党案を一方的に採用したことも、重大なルール違反であります。幾ら議院運営委員会の決定であるといっても、そもそも全会一致が原則である国会決議において、与野党がその内容を協議する時間を与えないままに、与党が与党内で調整された案文を一方的に押しつけることを議長及び副議長が傍観していること自体、議会運営の話し合いのルールを保障すべき議長及びそれを補佐すべき副議長の職員を放棄するものであると言わざるを得ません。(拍手)これもまた重大な不信任の理由であります。
 確かに、議会運営は民主主義の原則に基づいて多数決で行われるものであります。しかしながら、もう一方で、民主主義が話し合いによって可能な限り合意に達するプロセスを重んじることを根本精神としていることは、だれしも否定なさらないところであろうと思います。
 聞くところによりますと、不信任案の提案者が述べておられるように、議長は今回の事態について、議院運営委員会の手続に従ったまでで、議長が責任を問われるゆえんはないと考えておられるようであります。百歩譲って多数決の手続に瑕疵はなかったとしても、議会制民主主義を運営する際の話し合いという根本精神を忘れている、または無視されていると言わざるを得ません。そして、このことは、その議長を誠心誠意補佐し、議会政治の審判役としての役割を果たすべき副議長の責任もまた、議長に劣らず重大であると言えるのであります。
 また、今回の事態において忘れてはならないことは、このような議会運営のルールを無視した国会決議の強行によって、本来戦後五十年に際しての決議が持つべき、日本国民そして世界の人々へのメッセージとしての輝きが失われてしまったことであります。
 全会一致の決議になることによって日本全体の意思となるべきところが、与党の党首も地方演説で欠席、与党の多くの議員が欠席、その中で、本院で半数にも満たない賛成者しか得られない形だけの国会の意思となってしまったわけであります。また、決議の文面も与党三党の最大公約数的なものとなり、文章も内容も世界に向けたメッセージとはほど遠いものとなってしまったのであります。
 このような結果となった責任の重要な部分は、国会決議、とりわけ今回の戦後五十年に際しての決議のような我が国の将来にとって重大な意義を持つ決議について、国会運営のルール破りを黙認した議長及びその補佐に当たっていた副議長に帰せざるを得ないのであります。
 さらに、村山政権成立以来続いている、従来の国会のルールを公然と無視した強引な国会運営も問題であります。
 今回の事態は、言うならば、従来のルール無視の集大成とでも言うべきものであります。その例として、不信任案の提出者の指摘するとおり、さきの国会における総理の所信表明演説の強行、今国会における開会日での本会議の強行などがあり、委員会のレベルにおいては枚挙にいとまのないほどであります。
 誤解のないように申し上げておけば、私たちは決して古い慣例がすべて正しいと言っているのではありません。しかし、議会はあくまで話し合いの場であります。話し合いの努力を尽くさないままに直ちに多数決に訴えるのは、多数派の横暴であります。議長、そうではありませんか。
 このようなルール無視ないしルール軽視の国会運営が行われた大きな原因の一つとして、副議長をも与党から選出することから来る、正副議長の与党による独占の弊害を指摘しなければなりません。(拍手)副議長の選出方法のこのような一方的変更によって、副議長による議長のチェック機能が失われ、ルール無視の議会運営が常態化したものと言えるのであります。この意味においても、与党選出の副議長は不信任に値するものであります。加えて申せば、提案者が指摘しておられる鯨岡副議長の議会政治に関する考え方の変節もまた、その信任を失わせるものであると言えましょう。国家国民のためでなく、議会のためでなく、自己
の党派の利害を最優先させる副議長は、我々にとって全く信頼できないものであります。
 私は、以上述べた理由により、鯨岡副議長の退任を求める不信任決議案に賛成することを表明して、討論を終わります。(拍手)
#31
○議長(土井たか子君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#32
○議長(土井たか子君) 採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本決議案に賛成の皆さんは白票、反対の皆さんは青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#33
○議長(土井たか子君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
#34
○議長(土井たか子君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百八十三
  可とする者(白票)       百八十四
  否とする者(青票)      二百九十九
    〔拍手〕
#35
○議長(土井たか子君) 右の結果、衆議院副議長鯨岡兵輔君不信任決議案は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 神崎武法君外七名提出衆議院副議長鯨岡兵輔君不信任決議案を可とする議員の氏名
      安倍 基雄君    阿部 昭吾君
      愛知 和男君    愛野興一郎君
      青木 宏之君    青山  丘君
      青山 二三君    赤羽 一嘉君
      東  祥三君    新井 将敬君
      粟屋 敏信君    井奥 貞雄君
      井上 喜一君    伊藤 英成君
      伊藤 達也君    石井 啓一君
      石井  一君    石田 勝之君
      石田幸四郎君    石田 祝稔君
      石田 美栄君    石破  茂君
      市川 雄一君    今井  宏君
      今津  寛君    岩浅 嘉仁君
      上田 晃弘君    上田  勇君
      上田 清司君    江崎 鐵磨君
      江田 五月君    遠藤 乙彦君
      遠藤 和良君    小沢 一郎君
      小沢 辰男君    大石 正光君
      大口 善徳君    大野由利子君
      太田 昭宏君    近江巳記夫君
      岡島 正之君    岡田 克也君
      奥田 敬和君    長内 順一君
      加藤 六月君    鹿野 道彦君
      貝沼 次郎君    海部 俊樹君
      鴨下 一郎君    川島  實君
      河合 正智君    河上 覃雄君
      河村たかし君    神崎 武法君
      神田  厚君    北側 一雄君
      北橋 健治君    北村 直人君
      久保 哲司君    工藤堅太郎君
      草川 昭三君    熊谷  弘君
      倉田 栄喜君    小池百合子君
      小坂 憲次君    小平 忠正君
      木幡 弘道君    古賀 一成君
      古賀 敬章君    古賀 正浩君
      権藤 恒夫君    左藤  恵君
      佐藤 茂樹君    佐藤 守良君
      斉藤 鉄夫君    坂口  力君
      坂本 剛二君    笹川  堯君
      笹木 竜三君    笹山 登生君
      鮫島 宗明君    実川 幸夫君
      柴野たいぞう君    白沢 三郎君
      須藤  浩君    杉山 憲夫君
      田名部匡省君    田端 正広君
      高市 早苗君    高木 陽介君
      高木 義明君    高橋 一郎君
      竹内  譲君    武山百合子君
      谷口 隆義君    樽床 伸二君
      千葉 国男君    塚田 延充君
      月原 茂皓君    土田 龍司君
      富田 茂之君    豊田潤多郎君
      中井  洽君    中島  衛君
      中田  宏君    中野 寛成君
      中村 時広君    仲村 正治君
      永井 英慈君    長浜 博行君
      二階 俊博君    西  博義君
      西岡 武夫君    西川太一郎君
      西村 眞悟君    野田  毅君
      野田 佳彦君    野呂 昭彦君
      羽田  孜君    畑 英次郎君
      初村謙一郎君    鳩山 邦夫君
      日笠 勝之君    東  順治君
      平田 米男君    広野ただし君
      弘友 和夫君    吹田  ナ君
      福島  豊君    福留 泰蔵君
      藤井 裕久君    藤村  修君
      二見 伸明君    船田  元君
      冬柴 鐵三君    星野 行男君
      細川 護煕君    前田 武志君
      増子 輝彦君    増田 敏男君
      桝屋 敬悟君    松岡滿壽男君
      松沢 成文君    松田 岩夫君
      宮地 正介君    宮本 一三君
      村井  仁君    森本 晃司君
      矢上 雅義君    柳田  稔君
      山岡 賢次君    山口那津男君
      山崎広太郎君    山田 英介君
      山田  宏君    山田 正彦君
      山名 靖英君    山本 幸三君
      山本 孝史君    山本  拓君
      吉田  治君    吉田 公一君
      米沢  隆君    米田 建三君
      若松 謙維君    渡部 恒三君
      渡辺浩一郎君    岩佐 恵美君
      穀田 恵二君    佐々木陸海君
      志位 和夫君    寺前  巖君
      中島 武敏君    東中 光雄君
      不破 哲三君    藤田 スミ君
      古堅 実吉君    正森 成二君
      松本 善明君    矢島 恒夫君
      山原健二郎君    吉井 英勝君
      大谷 忠雄君    山口 敏夫君
 否とする議員の氏名
      安倍 晋三君    相沢 英之君
      逢沢 一郎君    赤城 徳彦君
      麻生 太郎君    甘利  明君
      荒井 広幸君    伊藤 公介君
      伊藤宗一郎君    伊吹 文明君
      池田 行彦君    石橋 一弥君
      石原 伸晃君    稲垣 実男君
      稲葉 大和君    宇野 宗佑君
      臼井日出男君    浦野 烋興君
      江藤 隆美君    衛藤征士郎君
      衛藤 晟一君    遠藤 利明君
      小川  元君    小此木八郎君
      小里 貞利君    小澤  潔君
      小野 晋也君    小渕 恵三君
      尾身 幸次君    越智 伊平君
      越智 通雄君    大内 啓伍君
      大島 理森君    大野 功統君
      大原 一三君    奥田 幹生君
      奥野 誠亮君    加藤 紘一君
      加藤 卓二君    狩野  勝君
      柿澤 弘治君    梶山 静六君
      粕谷  茂君    片岡 武司君
      金子 一義君    金子原二郎君
      金田 英行君    亀井 善之君
      唐沢俊二郎君    川崎 二郎君
      河村 建夫君    瓦   力君
      木部 佳昭君    木村 義雄君
      菊池福治郎君    岸田 文雄君
      岸本 光造君    久間 章生君
      久野統一郎君    熊代 昭彦君
      栗原 博久君    栗原 裕康君
      栗本慎一郎君    小泉純一郎君
      小泉 晨一君    小杉  隆君
      古賀  誠君    後藤田正晴君
      河野 洋平君    高村 正彦君
      近藤 鉄雄君    佐田玄一郎君
      佐藤 孝行君    佐藤 静雄君
      佐藤 信二君    佐藤 剛男君
      斉藤斗志二君    斎藤 文昭君
      坂井 隆憲君    坂本三十次君
      桜井  新君    櫻内 義雄君
      志賀  節君    自見庄三郎君
      塩川正十郎君    塩崎 恭久君
      塩谷  立君    七条  明君
      島村 宜伸君    白川 勝彦君
      鈴木 俊一君    鈴木 宗男君
      住  博司君    関谷 勝嗣君
      田中 直紀君    田中眞紀子君
      田野瀬良太郎君    田原  隆君
      田村  元君    高鳥  修君
      高橋 辰夫君    竹内 黎一君
      竹下  登君    武部  勤君
      橘 康太郎君    谷  洋一君
      谷垣 禎一君    谷川 和穗君
      玉沢徳一郎君    近岡理一郎君
      中馬 弘毅君    津島 雄二君
      塚原 俊平君    戸井田三郎君
      東家 嘉幸君    徳田 虎雄君
      虎島 和夫君    中尾 栄一君
      中川 昭一君    中川 秀直君
      中島洋次郎君    中谷  元君
      中村正三郎君    中山 太郎君
      中山 利生君    中山 正暉君
      長勢 甚遠君    二階堂 進君
      丹羽 雄哉君    西田  司君
      額賀福志郎君    根本  匠君
      野田 聖子君    野田  実君
      野中 広務君    野呂田芳成君
      葉梨 信行君    萩山 教嚴君
      橋本龍太郎君    蓮実  進君
      浜田 靖一君    浜野  剛君
      林  幹雄君    林  義郎君
      原 健三郎君    原田  憲君
      原田昇左右君    平泉  渉君
      平沼 赳夫君    平林 鴻三君
      深谷 隆司君    福田 康夫君
      福永 信彦君    藤井 孝男君
      藤尾 正行君    藤本 孝雄君
      二田 孝治君    古屋 圭司君
      保利 耕輔君    穂積 良行君
      細田 博之君    堀内 光雄君
      堀之内久男君    町村 信孝君
      松岡 利勝君    松下 忠洋君
      松永  光君    三ツ林弥太郎君
      三塚  博君    御法川英文君
      宮崎 茂一君    宮里 松正君
      宮澤 喜一君    宮路 和明君
      宮下 創平君    武藤 嘉文君
      村岡 兼造君    村上誠一郎君
      村田敬次郎君    村田 吉隆君
      村山 達雄君    持永 和見君
      茂木 敏充君    森  英介君
      森  喜朗君    森田  一君
      谷津 義男君    柳沢 伯夫君
      山口 俊一君    山崎  拓君
      山下 徳夫君    山中 貞則君
      山本 公一君    山本 有二君
      与謝野 馨君    横内 正明君
      若林 正俊君    渡瀬 憲明君
      渡辺 省一君    渡辺美智雄君
      綿貫 民輔君    赤松 広隆君
      秋葉 忠利君    網岡  雄君
      五十嵐広三君    井上 一成君
      伊藤  茂君    池田 隆一君
      池端 清一君    石井  智君
      石橋 大吉君    今村  修君
      岩田 順介君    岩垂寿喜男君
      上原 康助君    遠藤  登君
      緒方 克陽君    大出  俊君
      大木 正吾君    大畠 章宏君
      岡崎トミ子君    加藤 万吉君
      北沢 清功君    小林  守君
      五島 正規君    輿石  東君
      左近 正男君    佐々木秀典君
      佐藤 観樹君    佐藤 泰介君
      坂上 富男君    沢藤礼次郎君
      嶋崎  譲君    関山 信之君
      田口 健二君    田中 昭一君
      田中 恒利君    田邊  誠君
      竹内  猛君    辻  一彦君
      中西 績介君    永井 孝信君
      永井 哲男君    野坂 浩賢君
      畠山健治郎君    鉢呂 吉雄君
      濱田 健一君    早川  勝君
      日野 市朗君    細川 律夫君
      細谷 治通君    前島 秀行君
      松前  仰君    松本  龍君
      三野 優美君    村山 富市君
      森井 忠良君    山口 鶴男君
      山崎  泉君    山下八洲夫君
      山元  勉君    横光 克彦君
      和田 貞夫君    渡辺 嘉藏君
      荒井  聰君    五十嵐ふみひこ君
      井出 正一君    宇佐美 登君
      枝野 幸男君    小沢 鋭仁君
      菅  直人君    玄葉光一郎君
      佐藤謙一郎君    園田 博之君
      田中  甲君    田中 秀征君
      高見 裕一君    武村 正義君
      渡海紀三朗君    中島 章夫君
      錦織  淳君    鳩山由紀夫君
      前原 誠司君    三原 朝彦君
      簗瀬  進君    後藤  茂君
      土肥 隆一君    堀込 征雄君
      山花 貞夫君    吉岡 賢治君
      大矢 卓史君    海江田万里君
      牧野 聖修君    岡崎 宏美君
      金田 誠一君    小森 龍邦君
      中村喜四郎君    中村  力君
      楢崎弥之助君
    ―――――――――――――
    〔議長退席、副議長着席〕
    ―――――――――――――
#36
○山本有二君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 神崎武法君外七名提出、議院運営委員長中村正三郎君解任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
#37
○副議長(鯨岡兵輔君) 山本有二君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○副議長(鯨岡兵輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 議院運営委員長中村正三郎君解任決議案(神
  崎武法君外七名提出)
#39
○副議長(鯨岡兵輔君) 議院運営委員長中村正三郎君解任決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。木幡弘道君。
    ―――――――――――――
 議院運営委員長中村正三郎君解任決議案
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔木幡弘道君登壇〕
#40
○木幡弘道君 私は、新進党を代表いたしまして、提案をいたしました中村議院運営委員長の解任決議案について、その趣旨を申し述べたいと存じます。
 去る六月九日、自民、社会、さきがけの与党三党は、戦後五十年の国会決議をめぐり修正を要求する我が党の主張を無視し、強引に衆議院本会議を開会し、決議案を与党のみの賛成で採択いたしました。これは議会制民主主義そのものを踏みにじる重大行為であり、断じて容認することができません。
 しかも、強行採決した与党三党自身から七十人にも上る欠席者を出し、結局、採決の賛成者は全議員の半数にもはるか満たないという前代来聞の失態を演じ、衆議院の品位を著しく汚したのであります。
 特に、さきがけ党首である武村大蔵大臣は、みずから兵庫の地方選挙の応援という理由でこの歴史的に重要な意義を持つべき本会議を欠席した事実がすべてを物語るように、この決議に対する与党の姿勢は極めて不見識かつ国会の権威を傷つけるものであったと糾弾せざるを得ないのであります。(拍手)
 さらに、決議文そのものも不明確な歴史認識に基づいたあいまいな文言であり、日本の歴史に一大汚点を残したことは極めて遺憾であり、その責任は極めて重大であります。
 そもそもこの決議をめぐる協議は、六月七日に初めて与党側から提示されましたが、我が党はそれまでに既に声明の形で示しており、与党が後から決めた案に従えなどと言える筋合いはないのであります。与党の決議案は極めて問題点の多いものでありましたが、私どもは、五十年の節目での国会決議は大きな意義があるとの観点から、決議案をまとめるべく党内で検討の上、九日に最小限の修正案を用意し、与党との協議を開始したばかりでありました。
 しかるに、与党側は、きょうじゅうに決議することに応ずるならば協議に応じましょう、十分以内に返事をしてほしいと、まるで問答無用の強権的態度で、我が党の回答を待つことなく議院運営委員会で本会議の時間が設定され、開会を強行したのであります。会期末までまだ一週間を残しており、九日に国会決議を強行する根拠はどこにも見出すことができず、与党の驚くべき暴挙と言わざるを得ないのであります。(拍手)
 言うまでもなく、議院運営委員長という役職は、国権の最高機関である国会において、議長を助け、その運営に大きな責任を持ち、中立公正な運営に心がけ、民主主義の本旨を理解して国会の権威を守るという極めて重大な責務を担うべきところであります。ところが、議院運営委員長は、与野党間調整役を果たすどころか、与党一辺倒に終始し、中立公正という議会運営を完全に放棄したのであります。
 野党第一党、院内第二会派である我が党の主張に耳を傾けることなく戦後五十年の衆議院本会議の決議を強行した結果、決議の意義は大きく失われ、しかも賛成者は定数の半分にも満たないという結果を引き起こしたのであります。
 このたびの決議は、過去を振り返り、未来に向けて我が国の平和への決意を国会として広く内外に表明するものであり、与野党の合意は不可欠のものであったはずであります。国会で決議をする以上、与野党合意を図るのはこれまでの慣例であり、これを無視した決議はおよそ決議に値しない、単なる三党宣言であると申し上げたいのであります。(拍手)
 また、与党間協議に膨大な日数を要したにもかかわらず、与野党間協議にわずか二日間で一方的打ち切り強行の姿勢は、初めから与党案強行ありきであったことは明々白々であります。
 私は同じ学び舎を巣立った後輩の一人として、我が身の不徳を恥じつつも、先輩としての議院運営委員長のその高潔な人品と高い見識に、所属党派は違えど深い尊敬の念を抱いてまいりました。その委員長が、今回の決議の持つ意義を、その重要性を理解できぬはずはなく、御自身の考えとはおよそかけ離れた、民主主義への暴力にも似た決断をせた背景は何なのでありましょうか。初めに三党連立政権の維持ありきであり、こうかつで矮小な党利党略ありきなのでありましょうか。
 これら低次元の流れに、もってみずから身を置いていたとしたならば言語道断。もしこの流れに押し切られたとしても、決断をなさったのはほかならぬ議運委員長、あなたなのであり、その職員にあって不適格と言わざるを得ないのであります。その結果、わずかの賛同者しか得られず、国権の最高機関である国会における衆議院の権威を失墜せしめた責任の一端は議運委員長にあることを重く受けとめていただかなければならないのであります。
 さらに、「歴史観の相違を超え、」歴史の教訓に学びなどとする全く意味不明な、わけのわからぬ日本語の羅列の決議に、アジアを初め世界の各国及び外国世論にも払拭でき得ないほどの不信感を与え、国際社会における我が国の信頼を著しく傷つける結果を惹起せしめたことは、議会人として、また日本人として、まことに遺憾のきわみであります。歴史的に極めて重い意味を有する今回の決議に対するその認識の欠如は、国際外交の面でもかくも大きく国益を損じたと言っても過言ではないのであります。
 今国会において、補正予算等の審議日数の強引なまでの手法による短縮の決定や、国会証人喚問の全会一致の慣例を無視した強行採決や、本会議及び委員会における一国の責任ある立場の閣僚としては想像だにでき得ない傲慢かつ不穏当な答弁の数々、枚挙にいとまのないこれら一連の政治姿勢は、村山政権における数による問答無用の強権傲慢内閣のあかしとして、我が国憲政史上に最大の汚点として記憶されるでありましょう。(拍手)
 そのきわめつけが、議運委員長が加担した今回の決議の強行採決でありましょう。与党の声も国民の声であるとともに、野党の声もまた国民の声であります。幅広く国民の声を聞き、それをいかに反映させるかと努力をするのが国会の務めであり、民主主義の原則であります。野党の声に耳をかさず問答無用と黙殺することは、すなわち国民の声を黙殺しているということを重く認識していただかなければならないのであります。
 これら一連の非民主的な国会運営がたとえ他の現場で行われようとしているときこそ、議院運営委員長は、議会制民主主義の最後のとりでとして、最大限の努力をしなければならないのであります。その立場にありながら、率先して党利党略に加担し、政権の維持だけを目的として意味不明な決議を強行した結果が今回の無残な国会決議のてんまつにつながり、議会制民主主義を、もってみずから冒涜したその重大な責任を強く訴え、ここに中村正三郎議院運営委員長の解任を要求し、提案理由の説明といたします。(拍手)
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#41
○副議長(鯨岡兵輔君) 討論の通告があります。順次これを許します。小沢鋭仁君。
    〔小沢鋭仁君登壇〕
#42
○小沢鋭仁君 私は、ただいま議題となりました新進党提出の議院運営委員長中村正三郎君解任決議案に対し、自由民主党・自由連合、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけを代表いたしまして、反対の討論を行います。(拍手)
 本決議案の提出理由によりますと、六月九日の歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議案を議題とする本会議開催に当たって強引な議会運営を行ったとありますが、こういう事実は全くないのであります。
 中村議院運営委員長は、昨年七月の就任以来、一党派に偏せず、議会運営に強い責任を持たれ、常に中立、公平、公正な立場で理事会、委員会を運営され、職務を全うされてまいりましたことは、むしろ皆様方がよく御存じのことと思います。私は、その委員長に解任決議案が出されましたことは、中村委員長のこれまでのこうした努力に反し、その名誉を著しく傷つけるものと思わざるを得ませんし、同時にまた、与野党を問わず、ともに委員会で仕事をしてきた仲間の一人として、まことに寂しさを禁じ得ません。
 そもそも、今回の経過を振り返ってみますと、去る七日の議運理事会におきまして、与党三会派で合意した歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議案の案文を正式に野党に提示し、新進党にも提出会派に入っていただくようお願いをしたところであります。七日、八日、九日と断続的に、再三にわたり議運理事会が開かれ、協議を行いましたが、新進党からは、党内で多様な意見が出され、まだ集約できないとのことでございました。
 中村委員長からは、この間、この決議は一月の開会時点から今国会の最重要案件であり、与野党ともにそれぞれ党内論議を実質的に尽くしてきていることは国民もよく承知し、注視していますし、一方、諸外国からも注目の決議であり、新進党も党内で最終の努力をしていることから、与野党間で十分相談していただきたい旨の発言が何度もございました。その意向のもと、与野党懸命の協議を続けました。しかし、この決議はいつまでも日を置くわけにはいかず、与党としましては、やむを得ず九日の午後、決議案を提出いたしました。(発言する者あり)
#43
○副議長(鯨岡兵輔君) お静かに願います。
#44
○小沢鋭仁君(続) ところが、新進党は、本件の取り扱いの協議のための議運理事会、議運委員会にも出席されず、そういう状況のもと、委員長は苦渋の決断で本会議を設定され、その間も強く交渉継続を要望されました。
 議会は言論の府であります。(発言する者あり)
#45
○副議長(鯨岡兵輔君) 不規則な発言を禁じます。
#46
○小沢鋭仁君(続) 議論に参加し、内容に反対であっても結論を大切にし、それを尊重するのは、まさに民主政治の原点であることは今さら申すまでもないことでありましょう。(拍手)そうした政治姿勢を貫き通すことこそが責任ある政治と言えるのではないでしょうか。
 現に、一部の会派は、今回も出席をして反対意見を述べております。欠席をして意見を述べないというのは、まさに国民から……(発言する者あり)もう一度申し上げます。欠席をして意見を述べないというのは、まさに国民から国会が最も批判をされてきた悪習であって、それを打破していくことが新しい時代の国会運営に求められているものと私は確信をしているところであります。(拍手)欠席は議会制民主主義の否定であります。
 以上申し上げましたような観点に立つとき、ルールにのっとり行っている行為に対し解任決議案を提出された中村議運委員長の心情を思うと、同情を禁じ得ません。
 ここに、議会人としての正義と良心と責任をもって国民の負託にこたえる議員各位とともに、
本決議案に断固反対の意思を表明して、討論を終わります。(拍手)
#47
○副議長(鯨岡兵輔君) 発言中に不規則な発言が多過ぎます。どうぞ、そういうことのないように、議会の権威を守ってください。(拍手)
 高木陽介君。
    〔高木陽介君登壇〕
#48
○高木陽介君 私は、ただいま議題となりました議院運営委員長解任決議案に対しまして、新進党を代表して、賛成の立場から討論を行うものであります。(拍手)
 まず、賛成理由の第一として、今回の戦後五十年決議をめぐる本会議の強行、自民、社会、さきがけの与党三党の強引な採決は、議会制民主主義を根底から踏みにじる行為であり、それを許した中村正三郎議院運営委員長の責任は重大であると認識するからであります。この議院運営委員長の対応は、まさに国民の政治不信を増大させる愚行を犯したと断ぜざるを得ません。
 そもそも今回の国会決議は、何のために、だれに対して、どのようなメッセージを送るものだったのでしょうか。国会決議の法的性格や拘束力に明文規定はありません。しかし、今回の決議は、戦後五十年を節目として、国内のみならず全世界に向けて、なかんずくさきの大戦で犠牲をこうむった国々、アジア諸国の人々に対して発信し、将来に向けて平和を誓い、人類共生の決意を示すことだったはずです。であるならば、この国会決議は、与党のみならず国民から負託を受けた議員の総意として、与野党の枠を超え論議を尽くして決議することがより重要な手続であったはずであります。
 しかし、今回の決議の与党案がまとまり、議院運営委員会で提示されたのが六月七日でありました。その時点で会期はまだ一週間以上も残っており、九日に本会議で採決する必然性はなかったはずであります。マスコミ等の報道によりますと、自民党は金曜日の九日の採決を逃し週をまたいでしまうと党内の収拾がつかなくなるとの指摘もありました。もしそのことが事実なら、そのようなすぐに壊れてしまうような決議案でもって、本当の意味での過去を反省し平和への決意を表明したことになるのでしょうか。(拍手)
 我が党は、戦後五十年の節目に当たって、過去への反省の上に立って平和への決意をあらわすことは重要であるとの立場から、与党案の最小限の修正を求めたのであります。この修正要求は、与党案についてはすべての行について意見を言おうと思えば言えるが、それでは決議を壊しかねず、何とかまとめたいとの思いからでした。ところが、その協議を開始したばかりにもかかわらず、与党は問答無用の態度で修正案を拒んだ上、本会
議を強行することを決定し、中村委員長はその暴挙を許したのであります。この委員長の行為は、断じて許されるものではありません。
 次に、解任決議案の賛成理由の第二は、本会議を強行開会したにもかかわらず、結局、与党三党側から七十人にも上る欠席者を出したあげく、最終的に賛成者が全衆議院議員の半数にも満たない、およそ二百三十人にすぎなかったことであります。
 さきがけ党首の武村大蔵大臣も欠席者の中に含まれておりました。欠席の理由は神戸市議選の応援のためと聞いておりますが、歴史的な国会決議をするに当たって、取り組む姿勢の軽さが象徴されているように感ずるのは私だけでしょうか。(拍手)あるいは、武村大蔵大臣も決議は週明けと考えていたのでしょうか。
 全議員の過半数にも満たない決議。今回の五十年決議を与党三党だけでするのであれば、国会の外でやればよいのであって、衆議院の決議とする以上、少なくとも野党第一党の賛同を求めるための文案づくりに精いっぱいの努力を行うのが議会であり、議院運営委員会の使命であると考えるものであります。
 その責任者である議院運営委員長が、その努力を放棄してしまいました。今回の強引な採決に関して、隣の韓国では、九日夜、与党単独の採決となり重みもなくなってしまったと報道されるなど、我が国の国会決議に対する失望感を与えてしまいました。そもそも議運の委員長は本院の議会運営の行司役でもあります。しかし、今回の中村委員長の対応は、与党に一方的に加担した結果、国権の最高機関である国会、衆議院の権威を著しく傷つけたことは明らかであります。
 賛成理由の第三は、与党の決議案が、我が国の平和への決意が不十分であるばかりでなく、文章表現としても意味不明だった点であります。
 それは、到底歴史の検証と世界の評価にたえられないものでもありました。与党案づくりの過程で、全く歴史認識の異なる自民、社会、さきがけ三党が、何としても政権維持を図りたいとの一心から、妥協に妥協を重ねた結果、「歴史観の相違を超え、歴史の教訓を謙虚に学びこといった意味不明の文言が連なっていったのであります。
 歴史観の違いをさておいて、歴史から一体何を学ぶのか。私どもは、この全く理解のできない表現を削除することを求めました。そしてさらに、与党案の「反省の念を表明する。」の後に、将来に対する日本の平和への決意を明確にする文言があった方がよいとの考えから、「そのような行為を再び繰り返さないことを誓う。」との一文を入れることを要求いたしました。ところが、こうした新進党の修正要求に対し、与党側は、きょうしゅうに決議することに応じるならば協議に応じる、十分以内に返事をしてほしいと問答無用の態度で、ついに新進党からの回答を待つことなく本会議の開会を強行したのであります。
 しかし、新聞報道によれば、社会党の代議士会では議員の中から、新進党案の方がいいのではないかとの意見が相次いだ、欠席議員が続出したのもそうした空気を反映したと言えそうだと、内情が明らかになっているのであります。とにかく、政権を維持するためにはみずからの主義主張をいともたやすく捨て去るような政党に未来がないことは明らかであり、国民の厳しい審判を受けることになるものと信ずるものであります。
 第四の理由としては、今回の与党の決議案に対して、世界各国からも大きな批判が起きたという事実であります。
 例えば、韓国外務省は、韓国の植民地支配に関して、列強の行為と関連づけ直接的な責任を回避しようとしていることを遺憾に思うとの論評を発表しました。英国紙タイムズは、侵略の事実を直視していないなどと、与党案に対し厳しい批判が浴びせられたのであります。こうした国際世論をも無視した上に、今回の強行採決の醜態のニュースはいち早く世界に伝えられ、我が国の民主主義
の未熟さと余りにも稚拙な決議案の内容に各国の批判が渦巻いております。
 今回の決議で、日本に対する海外からの信頼が大きく傷つけられたことは明らかであります。こうした対外的な影響の大きさを考慮すれば、与党に偏重した国会運営を行った議院運営委員長の解任は当然であると考えるものであります。(拍手)
 最後に、戦後五十年の節目に当たる、歴史的にも重要な意味を持つべき今回の決議が、自民、社会、さきがけの党略によってごり押しされ、歴史に大きな汚点を残したことは、政治家の一人として、極めて残念でなりません。与党三党は国民に対し陳謝してしかるべきであると考えるものであります。
 同時に、私は、与党がこのような結果を招いた責任を痛感し、即刻、村山連立政権を解体すべきことを強く訴え、私の議院運営委員長解任決議案に対する賛成討論といたします。(拍手)
#49
○副議長(鯨岡兵輔君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#50
○副議長(鯨岡兵輔君) 採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#51
○副議長(鯨岡兵輔君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
#52
○副議長(鯨岡兵輔君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百八十二
  可とする者(白票)        百九十
  否とする者(青票)      二百九十二
    〔拍手〕
#53
○副議長(鯨岡兵輔君) 右の結果、議院運営委員長中村正三郎君解任決議案は否決されました。(拍手)
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 神崎武法君外七名提出議院運営委員長中村正三郎君解任決議案を可とする議員の氏名
      安倍 基雄君    阿部 昭吾君
      愛知 和男君    愛野興一郎君
      青木 宏之君    青山  丘君
      青山 二三君    赤羽 一嘉君
      赤松 正雄君    東  祥三君
      新井 将敬君    粟屋 敏信君
      井奥 貞雄君    井上 喜一君
      伊藤 英成君    伊藤 達也君
      石井 啓一君    石井  一君
      石田 勝之君    石田幸四郎君
      石田 祝稔君    石田 美栄君
      石破  茂君    市川 雄一君
      今井  宏君    今津  寛君
      岩浅 嘉仁君    上田 晃弘君
      上田  勇君    上田 清司君
      江崎 鐵磨君    江田 五月君
      遠藤 乙彦君    遠藤 和良君
      小沢 一郎君    小沢 辰男君
      大石 正光君    大口 善徳君
      大野由利子君    太田 昭宏君
      近江巳記夫君    岡島 正之君
      岡田 克也君    奥田 敬和君
      長内 順一君    加藤 六月君
      鹿野 道彦君    貝沼 次郎君
      海部 俊樹君    鴨下 一郎君
      川島  實君    河合 正智君
      河上 覃雄君    河村たかし君
      神崎 武法君    神田  厚君
      北側 一雄君    北橋 健治君
      北村 直人君    久保 哲司君
      工藤堅太郎君    草川 昭三君
      熊谷  弘君    倉田 栄喜君
      小池百合子君    小坂 憲次君
      小平 忠正君    木幡 弘道君
      古賀 一成君    古賀 敬章君
      古賀 正浩君    権藤 恒夫君
      左藤  恵君    佐藤 茂樹君
      佐藤 守良君    斉藤 鉄夫君
      坂口  力君    坂本 剛二君
      笹川  堯君    笹木 竜三君
      笹山 登生君    鮫島 宗明君
      実川 幸夫君    柴野たいぞう君
      白沢 三郎君    須藤  浩君
      杉山 憲夫君    田名部匡省君
      田端 正広君    高市 早苗君
      高木 陽介君    高木 義明君
      高橋 一郎君    竹内  譲君
      武山百合子君    谷口 隆義君
      樽床 伸二君    千葉 国男君
      月原 茂皓君    土田 龍司君
      富田 茂之君    豊田潤多郎君
      鳥居 一雄君    中井  洽君
      中島  衛君    中田  宏君
      中野 寛成君    中村 時広君
      仲村 正治君    永井 英慈君
      長浜 博行君    二階 俊博君
      西  博義君    西岡 武夫君
      西川太一郎君    西村 眞悟君
      野田  毅君    野田 佳彦君
      野呂 昭彦君    羽田  孜君
      畑 英次郎君    初村謙一郎君
      鳩山 邦夫君    日笠 勝之君
      東  順治君    平田 米男君
      広野ただし君    弘友 和夫君
      吹田  ナ君    福島  豊君
      福留 泰蔵君    藤井 裕久君
      藤村  修君    二見 伸明君
      船田  元君    冬柴 鐵三君
      星野 行男君    細川 護煕君
      前田 武志君    増子 輝彦君
      増田 敏男君    桝屋 敬悟君
      松岡滿壽男君    松沢 成文君
      松田 岩夫君    宮地 正介君
      宮本 一三君    村井  仁君
      森本 晃司君    矢上 雅義君
      柳田  稔君    山岡 賢次君
      山口那津男君    山崎広太郎君
      山田 英介君    山田  宏君
      山田 正彦君    山名 靖英君
      山本 幸三君    山本 孝史君
      山本  拓君    吉田  治君
      吉田 公一君    米沢  隆君
      米田 建三君    若松 謙維君
      渡部 恒三君    渡辺浩一郎君
      岩佐 恵美君    穀田 恵二君
      佐々木陸海君    志位 和夫君
      寺前  巖君    中島 武敏君
      東中 光雄君    不破 哲三君
      藤田 スミ君    古堅 実吉君
      正森 成二君    松本 善明君
      矢島 恒夫君    山原健二郎君
      吉井 英勝君    後藤  茂君
      土肥 隆一君    堀込 征雄君
      山花 貞夫君    吉岡 賢治君
      大谷 忠雄君    楢崎弥之助君
 否とする議員の氏名
      安倍 晋三君    相沢 英之君
      逢沢 一郎君    赤城 徳彦君
      麻生 太郎君    甘利  明君
      荒井 広幸君    伊藤 公介君
      伊藤宗一郎君    伊吹 文明君
      池田 行彦君    石橋 一弥君
      石原 伸晃君    稲垣 実男君
      稲葉 大和君    宇野 宗佑君
      臼井日出男君    浦野 烋興君
      江藤 隆美君    衛藤征士郎君
      衛藤 晟一君    遠藤 利明君
      小川  元君    小此木八郎君
      小里 貞利君    小澤  潔君
      小野 晋也君    小渕 恵三君
      尾身 幸次君    越智 伊平君
      越智 通雄君    大内 啓伍君
      大島 理森君    大野 功統君
      大原 一三君    奥田 幹生君
      奥野 誠亮君    加藤 紘一君
      加藤 卓二君    狩野  勝君
      柿澤 弘治君    梶山 静六君
      粕谷  茂君    片岡 武司君
      金子 一義君    金子原二郎君
      金田 英行君    亀井 善之君
      唐沢俊二郎君    川崎 二郎君
      河村 建夫君    瓦   力君
      木部 佳昭君    木村 義雄君
      菊池福治郎君    岸田 文雄君
      岸本 光造君    久間 章生君
      久野統一郎君    熊代 昭彦君
      栗原 博久君    栗原 裕康君
      栗本慎一郎君    小泉純一郎君
      小泉 晨一君    小杉  隆君
      古賀  誠君    後藤田正晴君
      河野 洋平君    高村 正彦君
      近藤 鉄雄君    佐田玄一郎君
      佐藤 孝行君    佐藤 静雄君
      佐藤 信二君    佐藤 剛男君
      斉藤斗志二君    斎藤 文昭君
      坂井 隆憲君    坂本三十次君
      桜井  新君    櫻内 義雄君
      自見庄三郎君    塩川正十郎君
      塩崎 恭久君    塩谷  立君
      七条  明君    島村 宜伸君
      白川 勝彦君    鈴木 俊一君
      鈴木 宗男君    住  博司君
      関谷 勝嗣君    田中 直紀君
      田中眞紀子君    田野瀬良太郎君
      田原  隆君    田村  元君
      高鳥  修君    高橋 辰夫君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      武部  勤君    橘 康太郎君
      谷  洋一君    谷垣 禎一君
      谷川 和穗君    玉沢徳一郎君
      近岡理一郎君    中馬 弘毅君
      津島 雄二君    塚原 俊平君
      戸井田三郎君    東家 嘉幸君
      徳田 虎雄君    虎島 和夫君
      中尾 栄一君    中川 昭一君
      中川 秀直君    中島洋次郎君
      中谷  元君    中村正三郎君
      中山 太郎君    中山 利生君
      中山 正暉君    長勢 甚遠君
      二階堂 進君    丹羽 雄哉君
      西田  司君    額賀福志郎君
      根本  匠君    野田 聖子君
      野田  実君    野中 広務君
      野呂田芳成君    葉梨 信行君
      萩山 教嚴君    橋本龍太郎君
      蓮実  進君    浜田 靖一君
      浜野  剛君    林  幹雄君
      林  義郎君    原 健三郎君
      原田  憲君    原田昇左右君
      平泉  渉君    平沼 赳夫君
      平林 鴻三君    深谷 隆司君
      福田 康夫君    福永 信彦君
      藤井 孝男君    藤尾 正行君
      藤本 孝雄君    二田 孝治君
      古屋 圭司君    保利 耕輔君
      穂積 良行君    細田 博之君
      堀内 光雄君    堀之内久男君
      町村 信孝君    松岡 利勝君
      松下 忠洋君    松永  光君
      三ツ林弥太郎君    三塚  博君
      御法川英文君    宮崎 茂一君
      宮里 松正君    宮澤 喜一君
      宮路 和明君    宮下 創平君
      武藤 嘉文君    村岡 兼造君
      村上誠一郎君    村田敬次郎君
      村田 吉隆君    村山 達雄君
      持永 和見君    茂木 敏充君
      森  英介君    森  喜朗君
      森田  一君    谷津 義男君
      柳沢 伯夫君    山口 俊一君
      山崎  拓君    山下 徳夫君
      山中 貞則君    山本 公一君
      山本 有二君    与謝野 馨君
      横内 正明君    若林 正俊君
      渡瀬 憲明君    渡辺 省一君
      渡辺美智雄君    綿貫 民輔君
      赤松 広隆君    秋葉 忠利君
      網岡  雄君    五十嵐広三君
      井上 一成君    伊藤  茂君
      池田 隆一君    池端 清一君
      石井  智君    石橋 大吉君
      今村  修君    岩田 順介君
      岩垂寿喜男君    上原 康助君
      遠藤  登君    緒方 克陽君
      大出  俊君    大木 正吾君
      大畠 章宏君    岡崎トミ子君
      加藤 万吉君    北沢 清功君
      小林  守君    五島 正規君
      輿石  東君    左近 正男君
      佐々木秀典君    佐藤 観樹君
      佐藤 泰介君    坂上 富男君
      沢藤礼次郎君    嶋崎  譲君
      関山 信之君    田口 健二君
      田中 昭一君    田中 恒利君
      田邊  誠君    竹内  猛君
      辻  一彦君    中西 績介君
      永井 孝信君    永井 哲男君
      野坂 浩賢君    畠山健治郎君
      鉢呂 吉雄君    濱田 健一君
      早川  勝君    日野 市朗君
      細川 律夫君    細谷 治通君
      前島 秀行君    松前  仰君
      松本  龍君    三野 優美君
      村山 富市君    森井 忠良君
      山口 鶴男君    山崎  泉君
      山下八洲夫君    山元  勉君
      横光 克彦君    和田 貞夫君
      渡辺 嘉藏君    荒井  聰君
      五十嵐ふみひこ君    井出 正一君
      宇佐美 登君    枝野 幸男君
      小沢 鋭仁君    菅  直人君
      玄葉光一郎君    佐藤謙一郎君
      園田 博之君    田中  甲君
      田中 秀征君    高見 裕一君
      武村 正義君    渡海紀三朗君
      中島 章夫君    錦織  淳君
      鳩山由紀夫君    前原 誠司君
      三原 朝彦君    簗瀬  進君
      大矢 卓史君    海江田万里君
      牧野 聖修君    岡崎 宏美君
      金田 誠一君    小森 龍邦君
      中村喜四郎君    中村  力君
    ―――――――――――――
    〔副議長退席、議長着席〕
    ―――――――――――――
#54
○山本有二君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 海部俊樹君外五名提出、村山内閣不信任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
#55
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
  村山内閣不信任決議案(海部俊樹君外五名提
  出)
#57
○議長(土井たか子君) 村山内閣不信任決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。海部俊樹さん。
    ―――――――――――――
 村山内閣不信任決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔海部俊樹君登壇〕
#58
○海部俊樹君 私は、新進党を代表し、ただいま上程されております村山内閣不信任決議案について、提案の趣旨説明をいたします。
 まず、決議案の案文を朗読いたします。
  本院は、村山内閣を信任せず。
   右決議する。
    〔拍手〕
 以下、その理由を申し述べます。
 今日、政治、経済、社会、外交のすべての分野で時代閉塞感が日本全体に満ちております。このまま何もできないのでは、日本は危機的状況にあり、大きな転換期に立っているのであります。戦後五十年を経て、二十一世紀という大切な未来に向かっての新しい仕組みをつくるための改革が求められているのです。このときに当たり、内外の諸課題を正しく認識し、政策に誤りなきを期していかなければならないのであります。
 不信任の第一の理由は、村山政権にはこの大切なときを乗り切る意思も能力も欠けていると考えるからであります。(拍手)
 村山総理の社会党と自民党、さきがけという政治理念も基本政策も違う政党が連立を組んだことで、連立維持が最優先のため、譲歩と妥脇に精力を割き、思い切った改革は何も期待できない現状維持政権となっているのであります。与党三党の政策には本質的に大きな違いがあり、山積する重要課題に対して何らの解決も提示することのできないそのツケは、後世の禍根となって国民に降りかかり続けるでありましょう。もはや、こういう政権を一刻も放置することはできません。理念なき数合わせの政治では、これからの新しい時代を開いていくことはできないと私は言いたいのです。
 理由の第二は、失礼ながら、総理御自身が問われている問題だということであります。
 日本の政治のかじ取りをしっかりと進めていこうという総理の言葉はあっても、努力や意気込みが感じられないのであります。今ほど総理大臣のリーダーシップが強く求められているときはありません。にもかかわらず、何もしない政権の何もしない総理大臣であってはいけないのであります。(拍手)
 村山内閣の最重要課題と公約された行政改革の停滞、災害や危機に立ち至ったときの指導力の欠如、経済無策による円高の放置、国際社会での信頼の喪失、総理大臣の指導力によって解決しなければならない問題は山積しております。にもかかわらず、総理の責任を放棄し、連立政権の政策上の限界を語ったり、みずからやめたいという意思を与党の三役に漏らされたという報道や、それは村山総理の口癖だとも言われた報道も出てきています。それだけで辞職に値するものであると言わざるを得ません。(拍手)思わずやめたいという気持ちが本音で出てしまうのでしょうか。
 しかし、理念や基本政策が本当に違っておって、歴史の反省の問題さえ、歴史観を超えて反省しなければならないという村山総理を皆さん方は本当に……(発言する者あり)今大きな声でおっしゃるが、心から信任をし、心から支持していらっしゃるのですか。(拍手)私は、自民党の常識をここでもう一回お聞きしたいのであります。
 また、阪神・淡路大震災に際して、何しろ初めてのことですからと発言されましたが、村山総理はお忘れになったのですか。我が党は、三陸はるか沖地震の際、官邸の三役不在という緊張感を欠いた対応に、地震国である日本ですから、たとえ御用納めの後でも地震が起こることはあるのですから、常に緊急対応体制の必要性を指摘し、対応のお願いをしたはずでした。村山総理の正直な、人のよいところは率直に認めておりますけれども、公党の申し入れに対しても正直に受けとめてほしいのであります。
 第三は、村山内閣は改革の政治に背を向け、これを後戻りさせるような政権であり、これ以上政権の座にとどまることはふさわしくないと考えて
おるからであります。
 政治改革、行政改革、経済改革、教育改革などなど、我が国のあり方そのものを大きく変えていかなければならないときに、あなたは総理になられてどんな改革案を提示し、実現されたのでありましょうか。
 内閣の最重要課題であった行政改革に至っては、不退転の決意と勇気で断行すると施政方針演説でお述べになりましたが、中身不十分な地方分権推進法案が成立しましたが、この内容も、新進党が提出した法律案に比べ大きく後退した内容となっております。また、消費税の値上げのときのお約束であった行革に対する対応は、まことに中途半端であり、これは重大な公約違反であると考えるものであります。
 新進党は、現在、中央省庁の統廃合、特殊法人の整理合理化、国家公務員法改正等の提出を準備しておりますが、改革が必要なのは行政改革だけではありません。参議院選挙制度、立法府の機能強化などの政治改革、官主導、輸出主導型の経済構造を市場経済、国際競争時代に対応したものとする経済改革、資産、消費、所得のバランスのとれた税体系を確立するための税制改革、受験に偏し画一化した現状を是正し、創造力と個性重視に徹し心を育てる教育改革、国民が老後に不安なく暮らせる体制の整備や、危機や災害に強い国家とするための社会改革など、枚挙にいとまがないのであります。このまま無為に時間を費やすようなことは許されるものではありません。
 第四に、どうしても指摘しなければならないのは、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件への対応の責任が問われているということであります。
 初動のおくれが犠牲者をふやしたとしばしば指摘をされておりますが、前代来聞の大災害に対して、なぜ総理みずからが緊急災害対策本部を設置して陣頭指揮に当たられなかったのでしょうか。人命救助最優先の立場から、もっと積極迅速な対応をおとりにならなかったのでしょうか。
 また、オウム真理教によるいわゆる地下鉄サリン事件に代表される数々の事件が引き起こされ、それによって、とうとい人命、我が国の治安のよさへの信頼が失墜したことについて大きな責任を感ずるべきであります。あわせて、地下鉄サリン事件などに情報流出など一部の自衛隊員が深くかかわっていたということは、最高司令官たる村山総理の責任であることは、これは強く申し上げておきたいと思います。こうした事件に国の安全を任務とする自衛官がかかわったことは極めて重大であり、国民の信頼を大きく損なったものであります。
 こうした総理の責任に対して、総理御自身が全く自覚がないために、今回、不信任案という形でその責任の処理を強く求めるものであります。(拍手)
 第五に、村山内閣の経済無策、円高に対する対応の失敗を挙げなければなりません。
 総理、あなたは、今日の我が国が未曾有の難局の中で迷走を続けている経済実態の深刻さをどれほど真剣に認識してこられたでありましょうか。
 新進党は、急激な円高が進んでいた三月七日には直ちに対応策を申し入れました。さらに、円高が一層進行した三月二十八日には非常事態に対処するための緊急経済対策を提言したのであります。その後、一段と円が急騰した四月三日には再び緊急対策の実施を申し入れ、続いて、一ドル八十円を迎えた四月七日には談話を発表して緊急対策を促すなど、執拗なほどに不況・円高の深刻さを訴え、根本的な政策、改革の実施を求めてまいりました。
 ようやく政府が緊急円高対策を発表したのは四月十四日のことであり、タイミングを失ったばかりか、新味にも乏しく、実効性がないものと言わざるを得ません。そのために、きょうも円は八十四円前後です。景気の先行指標と言われる株価は一万五千円台を切っております。このままでは、円高に苦しむ中小企業を救い、産業の空洞化を阻止することはできません。
 我々は、思い切った生活関連公共投資や、学術研究、新産業開発育成のための研究投資が円高対策の背景として必要だということも申し上げてまいりました。また、市場開放と内外価格差是正のため規制緩和は重要な課題でありますが、この問題についての政府の対応に至っては、精査して確信を持って行われた計画とは認められないと言わざるを得ません。
 第六番目は、村山内閣はもはや世界の国々からの国際的な信用を喪失してしまっているという点であります。
 日本がこれまでとってきたような、また村山内閣が続けようとしているこれまでの外交政策の延長線上に、日本の未来を託すことはできません。過渡期で不確実性が高い時代であればあるほど、みずからの主張を明確に示す国家でなければ、世界からの評価も得られず、みずからの国益を全うすることもできません。外国の有力紙は、私がここでそのまま引用することを日本人としてはばかるような表現で、いろいろな言葉を並べております。
 特に次の諸点についての村山内閣の対応の誤りは、我が国の国益を損なったばかりか、諸外国からの信頼を失墜させたというべきだと思います。我が国にとって死活的な問題ともいうべき日米関係では、村山総理のまとめようとする指導力は見られず、その経済摩擦は今や経済ばかりではなく日米の基本的な関係に影響を及ぼしかねないと懸念されているところであります。冷戦の時代は終わり、日米関係が微妙に変化しつつあります。この状況を踏まえ、総理大臣が率先して関係改善に努力することなしには、日米関係のますますの悪化を招くばかりであると申し上げなければなりません。安全保障理事会の常任理事国入りの問題もあります。
 外相は、昨年九月二十七日、第四十九回国連総会で演説し、多くの国々の賛同を得て安保理常任理事国として責任を果たす用意があることを表明されました。この国連演説は我が国の意思を国連の場で初めて明確に示したものと各国とも理解をいたしました。我が国が国連において役割を果たす、そのために常任理事国入りを目指すものと理解したのでありますが、その後、政府首脳は、我が国は問題提起した段階だ、当時の官房長官は記者会見で、立候補ではないと言われたのであります。このような態度では、日本が常任理事国になることに世界の理解を得られるわけがありません。こうした責任回避ともとれるあいまいな発言は許されないものであります。
 さらに、ゴラン高原へのPKO派遣問題もあります。
 政府は、国連からの打診を受けて、ゴラン高原に展開している国連兵力引き離し監視隊のカナダ後方支援部隊の一部機能を引き継ぐことについて検討をしてこられました。非公式とはいいながら、既に打診から一年を経過しております。現地に派遣された政府調査団報告によれば、五原則の枠内で我が国要員の派遣が可能であるという条件が満たされているという報告書の状態であるにかかわらず、ついに結論を出されていないのであります。さらに、この上、派遣の可否そのものについてなおあいまいな態度をとり続けるのであれば、余計に我が国への信頼を損なうことになるのではないか。私は、村山総理はこのことは肝に銘じていただきたいと思うのです。
 さらに、この時期に連立与党三党が北朝鮮に調査団を派遣されたことであります。
 交渉態度や訪問の時期や目的は、どのような展望を持った上でのものなのか。国際社会の焦眉の問題となっている北朝鮮の核開発疑惑に対して、日米韓三国で協調体制を一層強固にして北朝鮮と交渉すべきときであり、理解に苦しむものであります。
 総理、あなたの政権が長引けば長引くほど日本は世界から孤立していくのではないでしょうか。(拍手)サミットに参加される前に新しい政権に政治をゆだねることがあなたに与えられた最善の策であるということを申し上げておきたいのであります。
 最後に、村山内閣がこれ以上続くことは、議会制民主主義にとって不幸な結果をもたらすということであります。
 村山政権を支える与党三党は、戦後五十年に当たっての国会決議の取り扱いに関し、議会政治のルールを無視し、しかも内容の意味不明な点の太る国会決議を提出し、これに対してよりよい内容への提案をしても問答無用の採決を行うという暴挙をされました。このような与党の上に乗った商権は、議会制民主主義にのっとった政権とは到底言えるものではありません。
 以上七点にわたり、主な理由を申し述べました。
 「憤激のない国民は滅びる」とはプラトンの言葉であります。国民は今、憤激をしております。私は、国の未来に深い憂いを持って、ここに村山内閣の退陣を要求し、趣旨説明を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#59
○議長(土井たか子君) 討論の通告があります。順次これを許します。亀井善之さん。
    〔亀井善之君登壇〕
#60
○亀井善之君 私は、自由民主党・自由連合、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけを代表いたしまして、ただいま議題となりました村山内閣不信任決議案に対し、断固反対の討論を行うものであります。(拍手)
 今回の内閣不信任案の提出は、一日たりとも停滞の許されない今日の内外環境や国民生活への影響を顧みず、さらには、国際社会の行く末を議論し、我が国の貢献が強く期待されている先進国首脳会議の直前に行われたという二つの点をとってみても、国内的にも国際的にも全く許しがたく、野党第一党として不見識かつ無責任な行動と言わざるを得ません。(拍手)
 村山内閣は、昨年六月に発足して以来、連立与党三党が自己改革と切磋琢磨に努めながら、大胆な改革の実施、透明で民主的な政治、そして安心できる安定した政治を目指して、既存の枠組みや過去のイデオロギー対立を超えて、常に国民の目の高さで物事を見詰め直し、政治改革、税制改革、年金改革、被爆者援護、地方分権、世界貿易機構への参加などの長年の課題に対し、透明で民主的な論議を通じて解決策を見出してまいりました。
 野党の諸君がこの政権を無策内閣と呼ぶのであれば、これらの課題に対し責任ある結果を生むことなく政権を投げ出した過ぐる連立政権に対して、我々はどのような呼称を与えればよいのか、言葉もありません。
 また、国民の価値観がこれほどまでに多様化し、東西対立の崩壊後、旧来のイデオロギー対立が世界的に無意味なものとなっている中で、我々の連立の枠組みを野合政権、公約違反とそれこそオウム返しに繰り返すばかりで、具体的な政策論争においては何ら明確な対立軸を示し得ない野党の諸君は、果たして議会制民主主義の何たるかを理解しているのか、国民に対して何を主張しようとしているのか、そもそも一体どのような歴史観、世界観を持っているのか、心からその見識を疑わざるを得ません。
 新進党の海部党首、あなたはこの前のテレビ番組で、自社連立政権を「水と油の政権」と批判されました。しかし、新進党こそ哲学も体質も異なる人々の集まりであり、このような寄せ集めの党でいかなる改革がなし得るというのでありましょうか。
 海部党首とともに党運営の任にあるその人物は、かつて自由民主党の最も批判される部分を全部持っていった人物であり、かつて総裁・幹事長の関係で、まさに「水と油の関係」と称されていた張本人であり、現在でもそのような御関係なのではないでしょうか。
 戦後五十年の節目を迎え、我が国は、現在、これまでに経験したことのない内外にわたる大きな試練と課題に直面しております。国内的には、未曾有の大惨事となった阪神・淡路大震災やサリン事件などによる、世界に誇る我が国の治安の危機への対応と、新世紀にふさわしい自由で創造性にあふれた社会の構築であり、外交的には、過去の五十年を謙虚に振り返り、未来を志向し、我が国にふさわしい国際貢献により世界の平和の創造を行うことであります。
 村山政権は、これまで、震災によってもたらされたとうとい犠牲と被害を深い教訓とし、防災に対する危機管理体制を再構築し、被災者の救援と被災地の復旧・復興に総力を挙げるとともに、国民一人一人が安心して暮らせる日本を築き上げていくため、政府各部を強力に指揮してまいりました。
 また、予算案の成立さえもままならなかった過去の連立政権とは異なり、本内閣のもと、本予算の年度内成立や累次の補正予算の成立を実現し、臨時会、通常会において、過去に例のない法律案の一〇〇%の成立を達成したことは御承知のとおりであります。(拍手)
 経済政策面では、緊急円高・経済対策の策定、実施など、現下の厳しい経済環境を打開すべく積極的な経済運営を行うとともに、二十一世紀を見
据えて、戦後の我が国を支えてきた経済社会システムのゆがみや制度疲労を見直し、規制緩和推進計画の策定や思い切った特殊法人改革などの行政改革の断行、一層の市場開放と新たな経済フロンティアの開拓など、改革から創造へと新たな飛躍を求め、経済社会構造の改革にも全力で取り組んでまいりました。
 外交面でも、単にノーとだけ唱え、対外関係を破壊して顧みないがごとき無責任な外交姿勢には断固としてくみせず、我々は、主張すべき点は主張しつつも、国際機関における解決を模索するなど、責任ある交渉を行ってまいりました。さらに、前政権が実質的に何ら手をつけることがなかった戦後処理の問題に対しましても、日本自身のけじめを明確にすることにより創造的な平和外交の礎を築き上げるべく、国連やAPECなどの国際会議の場において、あるいは二国間の首脳会談などを通じて、国内外においてでき得る限りの外交努力を行ってまいりました。
 こうした状況の中で、政策論争により責任ある対案を示して政策の内容の相違を国民に問うのであればともかく、政策的には何らの有為な提言も行わず、我々の真摯な政策調整努力に対し、ただただ無策、無能といったばり雑言を浴びせるのみの対応に終始し、また、東京協和、安全両信用組合の乱脈融資に関与した国会議員の疑惑解明要求にも一貫して消極姿勢を変えなかった野党の諸君の姿を、国民はどのような気持ちで眺めていることでありましょうか。
 そうした諸君が、事ここに及んで、いわば戦後五十年の総決算ともいうべき平和決議に対しても、野党内での議論の対立をみずから収束しようともせず、あるいはその対立を糊塗せんがために、ひたすら連立与党に責任を負わせる形で、国会議員の本務たる本会議の出席を怠り、さらには内閣不信任案の提出に及んだことは、言語道断、民主主義の根幹を揺るがす暴挙、愚行と言わざるを得ません。(拍手)
 時まさに、二十一世紀の世界と我が国の未来を決すべき重要課題が山積し、それらへの我々の取り組みがこれから本番を迎えようとしております。政治家が国を思うのはこの上のない使命であり、今総理は、世界の繁栄の実現のため、いわば日本の運命を背負って、まさにサミット、先進国首脳会議に旅立とうとされておられます。その直前に、総理に失態や過ちがあるのであらばいざ知らず、野党の諸君は、国会運営に関して言いがかりとも言える内容で、事もあろうに内閣不信任案を提出しているのであります。
 賢明な議員諸君の判断により不信任案は否決されることは当然でありますが、こうした行動であえて総理に無用の傷を負わせた上で、日本の代表として行ってこいというのが、本当に政治家としてあるべき姿なのか、国民に対して説明ができ得るものかどうか、議員諸兄一人一人が真剣にその良識に照らして考える必要があるのではないでしょうか。(拍手)
 世界と国家国民の大事を忘れ、党利党略のため国政を混乱におとしめんとする本不信任決議は、直ちに圧倒的多数により否決されるべきことを訴えて、私の討論といたします。(拍手)
#61
○議長(土井たか子君) 羽田孜さん。
    〔羽田孜君登壇〕
#62
○羽田孜君 私は、新進党を代表して、ただいま提案されております村山内閣不信任案に対し、賛成の立場から討論を行うものであります。(拍手)
 我が国を取り巻く内外諸情勢は、外にあっては冷戦後の新たな秩序模索の中における世界平和の維持と経済の発展、内にあっては戦後最大の不況、大震災等に対する危機管理体制の確立など、課題が山積しております。
 ところが、村山内閣は、これらの課題に対し、厳しい認識もなく、改革の意欲も持ち合わせておらず、政権担当能力を喪失した無責任内閣であり、この内閣の存続自体が我が国の危機を深めるものとして、我々新進党は即刻の退陣を要求するものであります。(拍手)
 自民、社会、さきがけの三党による村山内閣が誕生したのは、約一年前の六月二十九日でありました。その約十カ月前の選挙では政策も理念も自民党とは正反対のことを訴え、互いをののしり戦った者同士の結合で、その誕生のときから既に矛盾に満ちあふれた政権であり、国民への公約違反の内閣であったと言えます。(拍手)
 まず、村山連立内閣は、政治改革を求める国民の大きな期待をねじ曲げる形で誕生した政権でありました。
 政治改革の観点から見たとき、三十八年に及ぶ長期政権から転がり落ちた自民党が、野に下り、政官業の癒着体質と惰性に流れる政治を反省し転換するまたとないチャンスであったものを、その清算がなされないうちにこれに手をかしたことと、敗戦から五十年の大きな時代の転換期に、しかも選挙制度改革の目指す二大勢力による大政治が行われようとしたやさきに、自民党に政権復帰を許す主役を演じたのでありました。政治を変える大切な時を失わしめ、今日の政治の混沌を招いたものであり、外国紙の表現をかりるならば、まさに「禁じられた結婚」であると申し上げましょう。
 細川連立政権が政治改革を目指してスタートしたときの与党第一党であったことから考えても、大きな自己矛盾と言える選択であったと断じざるを得ません。
 第二に、村山総理は、これまで掲げてきた基本政策を、政権についた途端、百八十度転換しました。すなわち、日米安保条約は堅持、自衛隊は合憲、原発容認、さらには日の丸・君が代を認める、また牛歩や議員辞職までして阻止しようとした自衛隊の海外派遣を推進する立場に立ったのであります。
 私どもは、それが真実であればその転換はよしとするものでありますが、村山総理は、社会党を政権の座に据えるために、年来の主張、政策であった目的を何の説明もなくわびることもなく捨て去ったという、政権という手段を目的化する本末転倒の姿を露呈したものであります。(拍手)政治家の最大の倫理とも言える公約を弊履のごとく捨て去ったことにより、支持者のみならず、国民、否世界の人までがあきれ果て、政治不信を募らせた責任は大きいと申し上げざるを得ません。(拍手)
 村山連立内閣は、「人にやさしい政治」という耳ざわりのよいキャッチフレーズでスタートしましたが、何か事をなすというよりも政権維持に主眼を置いた政権であり、円高・不況対策、税制、行革、規制緩和、地方分権、国連改革、ゴランヘのPKO派遣問題ほか、後退こそすれ前進はなく、
めぐりめぐって国民に痛みを与え、日本の未来を危倶される政治を行っていると断じざるを得ません。
 政権発足時、自民党の有力閣僚が「新政権を衆議院議員の残り任期の三年間もたせるために最大限の努力をする。政権維持のために賢い妥協をする気持ちなら、自民、社会、さきがけの連立は長く続く」と発言している言葉一つをとってみても、党とみずからの保全を考えるのみで、そこには国民への責任や理想と信念のかけらもないことを物語っていると言えます。(拍手)
 殊に、失礼な言葉ではありますが、村山総理の理念不在、リーダーシップの欠如が事あるごとに政治に影を落としていることを指摘せざるを得ません。ちまたの素朴な声の中に村山内閣退陣の声が満ちあふれていることを知ってほしいと思うのであります。
 政権の誕生のときに見られたこれらの矛盾と問題点が遠因となって、村山内閣の停滞、すべての改革先送りという今日の姿になったものと申せます。
 その第一は、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件等への対応の問題であります。
 阪神・淡路大震災においては、初動態勢のおくれから多数の貴重な人命を失いました。しかし、総理は、対策のおくれを深刻に反省するどころか、早朝のことであり、初めてのことであり、若干の混乱はあったという、まことに無責任な答弁をされたのであります。
 しかし、この経験は初めてではなかったのであります。つい昨年の十二月二十八日に発生した三陸はるか沖地震の際、我が党は直ちに明日の内閣の災害担当者を現地に派遣、調査に基づいて首相官邸に申し入れを行いましたが、総理、官房長官を初めとし、これに対応できる責任者不在という緊張に欠けた姿があったのであります。この当時、総理はお国入りをして地元でくつろいでおられましたが、そのことは責めないとしても、官邸の体制がこのときの経験を教訓に生かしていたならば被害はもっと抑えられることができたはずで、このことを思うとき、返す返すも残念でなりません。
 地下鉄サリン事件においても、政府の広報活動のおくれからいたずらに国民を不安に陥れました。また、オウム関連事件に自衛隊員がかかわっていたことは、長官の責任は当然のこと、村山総理の責任であることは論をまちません。しかも、このオウム真理教関連施設の違法性や彼らの振る舞いについて地元の人々から苦情が呈されたり、望遠鏡で定時観測もされていたと言われるとき、何ゆえ直ちに対応できなかったのか、内閣の責任は問われるべきで、以上のことからだけでも村山内閣の不信任は当然と申すことができます。(拍手)
 第二に、行政改革の公約違反であります。
 村山総理は、行革の入り口とも言える特殊法人の見直しについても、政府系金融機関の統廃合を先送りし、この問題でさきがけの武村蔵相と自民党が激しく激突する中で、村山総理は傍観するだけでありました。行革に内閣の命運をかける、首相として政治生命をかけるという勇ましい言葉はどうなったのか。総理はこの一点をもってしても公約違反の責任を免れることはできないと言えましょう。
 第三には、村山内閣の経済無策、円高に対する対応の失敗であります。
 我が党は、急激な円高が進んでいた三月七日には官房長官に対し緊急の申し入れを行い、さらに、円高が進行した三月二十八日には緊急経済対策の提言を行いました。また、四月三日には再度の申し入れを官房長官に行うなど、執拗とも言えるほど不況・円高に対する改善策を提言してきたのは御存じのとおりであります。にもかかわらず、村山連立内閣は、この経済危機に対し相変わらず傍観者的な態度をとり続けた罪は重いと言わざるを得ません。政府が緊急円高・経済対策を発表したのは四月十四日のことであり、このときは完全にタイミングがおくれ、せっかくの効果を発揮することもできませんでした。
 円高に苦しんでいる中小企業の方々や失業率の上昇、そしてこの数日間の株価の異常な低迷が見られますが、これらの兆候に我が国経済の立ち直りが困難であると予測する専門家があるほどであります。この対策には公定歩合や財政対応も必要でありますが、市場は何よりも政府の強固な意思と意欲をあらわすメッセージを期待しているのであります。規制緩和、内需拡大策による黒字幅の縮小、不良債権を抱える金融機関へのわかりやすい対応などであります。
 そして、これらの緊急、非常な対応につき、野党首脳に対する真剣な協力要請、協議があるならば、そのこと自体が大きな効果を発揮したものと信じます。しかし、さきに述べたように、それらの行動は、震災のときと同様、常に野党の我々の方からの呼びかけであり、残念ながら、こんなときにも総理の顔が見えないのであります。
 終わりに、さきの敗戦五十年にかかわる決議について申し上げます。
 このたびの決議は、社会党委員長でもある総理にとって最も大切なものであったはずであります。にもかかわらず、我々との真剣な話し合いをしようという姿勢も示さず、幹事長・書記長会談のさなかに、新進党欠席の議運委理事会で開会の決定をしてしまったのであります。その結果は、議員定数の半分にも満たない票数での可決という国会史上例のない汚点を残したのみならず、この本会議に、決議の推進を主張していたさきがけの党首、武村蔵相の出席もなく、自民党の有力幹部の出席もありませんでした。
 三党によるファッショ的強行採決とも言えますが、むしろ、議論を深めることや、週を明けると議論が高まり、もろい連立の土台が崩壊することを恐れる余りの、意思のない強行であったと申せます。(拍手)強行開会に手をかした議長の責任は第一でありますが、本会議においてこの決議を評価する旨の発言を求めた総理も大きな責任を負わされたと申せます。
 この決議を外国に説明するとき、各国はどう受けとめましょうか。むしろ、これからの我が国の歩みにも不信を抱かれるもとをつくってしまったと申し上げざるを得ません。新たな期待と尊敬、信頼の道を開くことが期待されるはずの決議が、外交的な一大汚点を残してしまったと言えるのであります。この間にも、ついに総理のリーダーシップ、顔を児ることができなかったのであります。ただ、無念の思いが残るのであります。
 総理に長年友情と信頼を感じてきた私にとって、つらいことでありますが、率直に申し上げま
す。この国をより質の高い国として、世界の中で孤立することのない国として、次代の子供たちにつないでいくために、今、村山連立政権がなし得る行為は、さきに申し上げてきたことから、総辞職をされることであるという一事であります。(拍手)
 以上を申し上げ、不信任決議案に対する賛成の討論といたします。(拍手)
#63
○議長(土井たか子君) 山原健二郎さん。
    〔山原健二郎君登壇〕
#64
○山原健二郎君 私は、日本共産党を代表しまして、ただいま議題となりました村山内閣不信任決議案について、我が党がなぜ賛成するかを明確にして、討論を行うものであります。(拍手)
 今、政治に対する不信と怒りが未曾有の規模で広がっています。それはなぜか。公約違反の政治、オール与党の政治が大手を振ってまかり通っているからであります。その政治への不信と怒りの元凶こそ村山内閣であると断ぜざるを得ません。
 細川内閣以来の小選挙区制の押しつけ、それを引き継いだ村山内閣は、消費税の増税法案を強引に成立させました。社会党は、さきの選挙で消費税反対を公約に掲げていたはずであります。それを事もあろうに村山首相は「公約を少し変えるぐらいは裁量権の範囲内」と開き直りました。有権者は公約を信じて一票を投じたにもかかわらず、「公約を少し変えるぐらいは」とは何事でございますか。余りにも有権者をないがしろにするものであり、これだけでも不信任に値すると言わなければなりません。
 それだけではありません。年金の支給開始年齢を六十歳から六十五歳に引き上げる年金改悪法案をごり押ししました。また、日本民族の四千年来の主食である米の輸入自由化を受け入れ、国民の食糧に重大な不安をもたらしました。また、邦人救出を口実に、自衛隊機を海外に派遣する自衛隊法改悪も行いました。
 村山内閣のもとで、国会は、まさに悪法製造マシンのごとく、これらをいとも簡単に次々と成立させたのであります。国権の最高機関としての国会の権威と威信、議会制民主主義を踏みにじって、日本共産党を除く事実上のオール賛成で進められたのであります。
 どれ一つとってもどの党も選挙公約に掲げてはいないばかりか、とりわけ社会党はいずれにも反対をしていたものであります。それを村山首相みずからが率先者となり、これらの悪法の押しつけ役として推進してきたのであります。余りにも無節操のきわみ、国民不在の政治と断ぜざるを得ません。
 なぜ一体このようなことが起きるのか。ついこの間まで反自民が看板であったはずの社会党が、自民党政治に吸収され、それまでの非武装・中立という党是まで投げ捨て、自衛隊は合憲、安保は堅持などと自民党政治への完全同調を宣言したからであります。今や社会党は護憲とも革新とも一切無縁の保守勢力となり、社会党という名前をも消し去ろうとしているのであります。
 こうした国民不在の政治に対して国民の厳しい審判が下りつつあることも、御承知のとおりであります。さきの東京都知事選挙や一斉地方選挙の結果こそは、こうした公約違反、オール与党の政治ノーの声を明確に示したものと言えます。それは公約違反の政治を厚かましく進める村山内閣ノーの審判であり、これこそが天の声、地の声であります。
 村山内閣不信任の第二の理由は、安全と成長の神話が崩れ去ったと言われているように、阪神・淡路大震災、サリン・オウム事件、異常円高と、国民の命や暮らしを根底から脅かす事態が続出しているもとで、それらに対して村山内閣が全くの無為無策であるということであります。
 阪神大震災から五カ月も経過しているのに、いまだに三万人もの被災者が避難所暮らしを余儀なくされております。住宅再建の計画も、三年間で十二万戸と必要数の半分程度にすぎません。さらに、震災で失った家や営業用資産などの損失を補てんする個人補償を国の責任で実施することは多くの被災者にとって必要不可欠であり、現に切実に求められているのであります。
 ところが、村山内閣は、本予算でも、さきに成立した第一次補正予算でも、何らの措置をとりませんでした。財源がないのではありません。地震国日本で国民の安全保障といえば、震災から国民の命と財産を守ること以上に重大な責務はありません。ところが、村山内閣は、軍事費やゼネコン・大企業奉仕の公共事業など、不要不急の経費に指一本触れないという頑迷な姿勢をとり続けてまいりました。
 異常円高の対応も同様であります。異常円高の直接の原因は国際的な為替投機にありますが、投機筋が安心して為替投機に走る深刻な構造的ゆがみの原因が、アメリカのドル垂れ流しによる歯どめなきドル低落と、日本の大企業が円高を口実に労働者、下諸にさらなる犠牲を強いて海外市場への輸出拡大を続け、異常円高を一層進めるという悪循環、すなわち「悪魔のサイクル」にあるからであります。ところが、そこにメスを入れずして、村山首相はただ、困ったもんだとか一喜一憂しないなどと余りにも情けない態度に終始しておるのであります。
 そればかりか、アメリカのドル垂れ流しの是正すら要求できず、また大企業のリストラを支援する姿勢をとり続け、悪循環を加速する役割を果たしているのが村山内閣であり、日本経済を深刻な危機、荒廃の道に引きずり込むものとして、これ以上の継続は断じて認められないところでございます。
 深刻な社会不安を招いている地下鉄サリン事件等、オウム真理教の反社会的行為の実態が次々に明らかになっていますが、人間社会とは相入れない犯罪組織のこれら蛮行は絶対に許されるべきではありません。しかし、このサリン・オウム問題でも、政府の対応に重大な手落ち、立ちおくれがあったことは、坂本弁護士一家事件、松本サリン事件への対応、上九一色村での数々の不法行為の放置など、明々白々であります。なぜ早く手を打たなかったのか、なぜこれまで放置してきたのかというのが国民の率直な声であります。
 そもそも、政治が堕落と腐敗を強め、経済が深刻な行き詰まりのもとにある中で、社会だけが健全でいられる道理はありません。その意味でも、村山内閣の余りの無力さは厳しく糾弾されなければなりません。村山内閣不信任の第三の理由は、戦後五十年という侵略戦争に対して最も厳しい反省をすべきときに、何と侵略戦争を合理化する決議を推進した
ことであります。
 これまで、歴代の内閣は、さきの戦争を、侵略的事実は否定できないとか、侵略的行為とか植民地支配があったなどという文言で侵略戦争への反省を回避してまいりました。ところが、今回の決議たるや、これまでのごまかしに加えて、世界の列強が侵略的行為、植民地支配をやり、その中で日本もその世界の潮流に従ったのであって、日本だけが特別に悪い犯罪を犯したのではないという、どっちもどっちという開き直りの暴論に立ち至ったのであります。経過を見れば、この点では新進党も全く同じ立場であることを申さなければなりません。
 しかし、問題になっている第二次世界大戦は、日本、ドイツ、イタリアという侵略国家が軍事同盟を結んで、アジアとヨーロッパで領土と勢力圏拡大を目指す侵略戦争を遂行したというのが歴史の真実であります。戦後の国際政治が、国連憲章にあるように、日独伊の侵略国家に対する断罪を共通の基礎に置いているとおり、二度と軍国主義、ファシズムを許さないというのが戦後政治の出発点であります。強行された国会決議は、まさにこの戦後政治の原点を覆すものと言わざるを得ないのであります。
 村山総理は、かつて野党の立場にあったとき、この壇上から、侵略戦争の過ちに対する国家意思の表明として謝罪と不戦の決議を要求しました。ところが、総理になるや、侵略戦争を侵略的行為とごまかし、そして今や侵略戦争合理化に踏み出したのであります。この変節ぶり豹変ぶりは余りにも異常であり、国会の歴史にぬぐうべからざる汚点を残す暴挙として、国の内外から早くも厳しい批判を浴びているところであります。
 私は、戦後、「再び教え子を戦場に送るな」との信念のもとに教育と政治に携わってまいりました。本院に名を連ねて二十五年、ことしは戦後五十年の節目の年、その思いはひとしおでございます。この記念すべき年に、日本の戦争を合理化する決議案を強行したことは言語道断の最たるものであり、平和の流れに逆らってはばからない村山内閣に怒りを込めて内閣不信任を突きつけるものであります。
 こうした村山内閣のもと、政治が腐敗し、そして経済も行き詰まり、社会も病んでおります。今や国民はこうした日本社会の根本からの転換を切実に求めています。日本共産党は、七十三年来の立党の精神を生かし、国民こそ主人公、人間が尊重される社会へと転換するために日本の世直しを進めることをここに表明するものであります。
 以上申し述べまして、村山内閣を信任せずの決議案に対する賛成討論を終わります。(拍手)
#65
○議長(土井たか子君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#66
○議長(土井たか子君) 採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本決議案に賛成の皆さんは白票、反対の皆さんは青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#67
○議長(土井たか子君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
#68
○議長(土井たか子君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百七十九
  可とする者(白票)       百八十九
  否とする者(青票)       二百九十
    〔拍手〕
#69
○議長(土井たか子君) 右の結果、村山内閣不信任決議案は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 海部俊樹君外五名提出村山内閣不信任決議案を可とする議員の氏名
      安倍 基雄君    阿部 昭吾君
      愛知 和男君    愛野興一郎君
      青木 宏之君    青山  丘君
      青山 二三君    赤羽 一嘉君
      赤松 正雄君    東  祥三君
      新井 将敬君    粟屋 敏信君
      井奥 貞雄君    井上 喜一君
      伊藤 英成君    伊藤 達也君
      石井 啓一君    石井  一君
      石田 勝之君    石田幸四郎君
      石田 祝稔君    石田 美栄君
      石破  茂君    市川 雄一君
      今井  宏君    今津  寛君
      岩浅 嘉仁君    上田 晃弘君
      上田  勇君    上田 清司君
      江崎 鐵磨君    江田 五月君
      遠藤 乙彦君    遠藤 和良君
      小沢 一郎君    小沢 辰男君
      大石 正光君    大口 善徳君
      大野由利子君    太田 昭宏君
      近江巳記夫君    岡島 正之君
      岡田 克也君    奥田 敬和君
      長内 順一君    加藤 六月君
      鹿野 道彦君    貝沼 次郎君
      海部 俊樹君    鴨下 一郎君
      川島  實君    河合 正智君
      河上 覃雄君    河村たかし君
      神崎 武法君    神田  厚君
      北側 一雄君    北橋 健治君
      北村 直人君    久保 哲司君
      工藤堅太郎君    草川 昭三君
      熊谷  弘君    倉田 栄喜君
      小池百合子君    小坂 憲次君
      小平 忠正君    木幡 弘道君
      古賀 一成君    古賀 敬章君
      古賀 正浩君    権藤 恒夫君
      左藤  恵君    佐藤 茂樹君
      佐藤 守良君    斉藤 鉄夫君
      坂口  力君    坂本 剛二君
      笹川  堯君    笹木 竜三君
      笹山 登生君    鮫島 宗明君
      実川 幸夫君    柴野たいぞう君
      白沢 三郎君    須藤  浩君
      杉山 憲夫君    田名部匡省君
      田端 正広君    高市 早苗君
      高木 陽介君    高木 義明君
      高橋 一郎君    竹内  譲君
      武山百合子君    谷口 隆義君
      樽床 伸二君    千葉 国男君
      塚田 延充君    月原 茂皓君
      土田 龍司君    富田 茂之君
      豊田潤多郎君    鳥居 一雄君
      中井  洽君    中島  衛君
      中田  宏君    中野 寛成君
      中村 時広君    仲村 正治君
      永井 英慈君    長浜 博行君
      二階 俊博君    西  博義君
      西岡 武夫君    西川太一郎君
      西村 眞悟君    野田  毅君
      野田 佳彦君    野呂 昭彦君
      羽田  孜君    畑 英次郎君
      初村謙一郎君    鳩山 邦夫君
      日笠 勝之君    東  順治君
      平田 米男君    広野ただし君
      弘友 和夫君    吹田  ナ君
      福島  豊君    福留 泰蔵君
      藤井 裕久君    藤村  修君
      二見 伸明君    船田  元君
      冬柴 鐵三君    星野 行男君
      細川 護煕君    前田 武志君
      増子 輝彦君    増田 敏男君
      桝屋 敬悟君    松岡滿壽男君
      松沢 成文君    松田 岩夫君
      宮地 正介君    宮本 一三君
      村井  仁君    森本 晃司君
      矢上 雅義君    柳田  稔君
      山岡 賢次君    山口那津男君
      山崎広太郎君    山田 英介君
      山田  宏君    山田 正彦君
      山名 靖英君    山本 幸三君
      山本 孝史君    山本  拓君
      吉田  治君    吉田 公一君
      米沢  隆君    米田 建三君
      若松 謙維君    渡部 恒三君
      渡辺浩一郎君    岩佐 恵美君
      穀田 恵二君    佐々木陸海君
      志位 和夫君    寺前  巖君
      中島 武敏君    東中 光雄君
      不破 哲三君    藤田 スミ君
      古堅 実吉君    正森 成二君
      松本 善明君    矢島 恒夫君
      山原健二郎君    吉井 英勝君
      大谷 忠雄君    太田 誠一君
      川端 達夫君    中村  力君
      山口 敏夫君
 否とする議員の氏名
      安倍 晋三君    相沢 英之君
      逢沢 一郎君    赤城 徳彦君
      麻生 太郎君    甘利  明君
      荒井 広幸君    伊藤 公介君
      伊藤宗一郎君    伊吹 文明君
      池田 行彦君    石橋 一弥君
      石原 伸晃君    稲垣 実男君
      稲葉 大和君    宇野 宗佑君
      臼井日出男君    浦野 烋興君
      江藤 隆美君    衛藤征士郎君
      衛藤 晟一君    遠藤 利明君
      小川  元君    小此木八郎君
      小里 貞利君    小澤  潔君
      小野 晋也君    小渕 恵三君
      尾身 幸次君    越智 伊平君
      越智 通雄君    大内 啓伍君
      大島 理森君    大野 功統君
      大原 一三君    奥田 幹生君
      奥野 誠亮君    加藤 紘一君
      加藤 卓二君    狩野  勝君
      柿澤 弘治君    梶山 静六君
      粕谷  茂君    片岡 武司君
      金子 一義君    金子原二郎君
      金田 英行君    亀井 善之君
      唐沢俊二郎君    川崎 二郎君
      河村 建夫君    瓦   力君
      木部 佳昭君    木村 義雄君
      菊池福治郎君    岸田 文雄君
      岸本 光造君    久間 章生君
      久野統一郎君    熊代 昭彦君
      栗原 博久君    栗原 裕康君
      栗本慎一郎君    小泉純一郎君
      小泉 晨一君    小杉  隆君
      古賀  誠君    後藤田正晴君
      河野 洋平君    高村 正彦君
      近藤 鉄雄君    佐田玄一郎君
      佐藤 孝行君    佐藤 静雄君
      佐藤 信二君    佐藤 剛男君
      斉藤斗志二君    斎藤 文昭君
      坂井 隆憲君    坂本三十次君
      桜井  新君    櫻内 義雄君
      志賀  節君    自見庄三郎君
      塩川正十郎君    塩崎 恭久君
      塩谷  立君    七条  明君
      島村 宜伸君    白川 勝彦君
      鈴木 俊一君    鈴木 宗男君
      住  博司君    関谷 勝嗣君
      田中 直紀君    田中眞紀子君
      田野瀬良太郎君    田原  隆君
      田村  元君    高鳥  修君
      高橋 辰夫君    竹内 黎一君
      竹下  登君    武部  勤君
      橘 康太郎君    谷  洋一君
      谷垣 禎一君    谷川 和穗君
      玉沢徳一郎君    近岡理一郎君
      中馬 弘毅君    津島 雄二君
      塚原 俊平君    戸井田三郎君
      東家 嘉幸君    徳田 虎雄君
      虎島 和夫君    中尾 栄一君
      中川 昭一君    中川 秀直君
      中島洋次郎君    中谷  元君
      中村正三郎君    中山 太郎君
      中山 利生君    中山 正暉君
      長勢 甚遠君    二階堂 進君
      丹羽 雄哉君    西田  司君
      額賀福志郎君    根本  匠君
      野田 聖子君    野田  実君
      野中 広務君    野呂田芳成君
      葉梨 信行君    萩山 教嚴君
      橋本龍太郎君    蓮実  進君
      浜田 靖一君    浜野  剛君
      林  幹雄君    林  義郎君
      原 健三郎君    原田  憲君
      原田昇左右君    平泉  渉君
      平沼 赳夫君    平林 鴻三君
      深谷 隆司君    福田 康夫君
      福永 信彦君    藤井 孝男君
      藤尾 正行君    藤本 孝雄君
      二田 孝治君    古屋 圭司君
      保利 耕輔君    穂積 良行君
      細田 博之君    堀内 光雄君
      堀之内久男君    町村 信孝君
      松岡 利勝君    松下 忠洋君
      松永  光君    三ツ林弥太郎君
      三塚  博君    御法川英文君
      宮崎 茂一君    宮里 松正君
      宮澤 喜一君    宮路 和明君
      宮下 創平君    武藤 嘉文君
      村岡 兼造君    村上誠一郎君
      村田敬次郎君    村田 吉隆君
      村山 達雄君    持永 和見君
      茂木 敏充君    森  英介君
      森  喜朗君    森田  一君
      谷津 義男君    柳沢 伯夫君
      山口 俊一君    山崎  拓君
      山下 徳夫君    山中 貞則君
      山本 公一君    山本 有二君
      与謝野 馨君    横内 正明君
      若林 正俊君    渡瀬 憲明君
      渡辺 省一君    渡辺美智雄君
      綿貫 民輔君    赤松 広隆君
      秋葉 忠利君    網岡  雄君
      五十嵐広三君    井上 一成君
      伊藤  茂君    池田 隆一君
      池端 清一君    石井  智君
      石橋 大吉君    今村  修君
      岩田 順介君    岩垂寿喜男君
      上原 康助君    遠藤  登君
      緒方 克陽君    大出  俊君
      大木 正吾君    大畠 章宏君
      岡崎トミ子君    加藤 万吉君
      北沢 清功君    小林  守君
      五島 正規君    輿石  東君
      左近 正男君    佐々木秀典君
      佐藤 観樹君    佐藤 泰介君
      坂上 富男君    沢藤礼次郎君
      嶋崎  譲君    関山 信之君
      田口 健二君    田中 昭一君
      田中 恒利君    田邊  誠君
      竹内  猛君    辻  一彦君
      中西 績介君    永井 孝信君
      永井 哲男君    野坂 浩賢君
      畠山健治郎君    鉢呂 吉雄君
      濱田 健一君    早川  勝君
      日野 市朗君    細川 律夫君
      細谷 治通君    前島 秀行君
      松前  仰君    松本  龍君
      三野 優美君    村山 富市君
      森井 忠良君    山口 鶴男君
      山崎  泉君    山下八洲夫君
      山元  勉君    横光 克彦君
      和田 貞夫君    渡辺 嘉藏君
      荒井  聰君    五十嵐ふみひこ君
      井出 正一君    宇佐美 登君
      枝野 幸男君    小沢 鋭仁君
      菅  直人君    玄葉光一郎君
      園田 博之君    田中  甲君
      田中 秀征君    高見 裕一君
      武村 正義君    渡海紀三朗君
      中島 章夫君    錦織  淳君
      鳩山由紀夫君    前原 誠司君
      三原 朝彦君    簗瀬  進君
      岡崎 宏美君    金田 誠一君
      小森 龍邦君    石井 紘基君
      鯨岡 兵輔君    中村喜四郎君
    ―――――――――――――
#70
○山本有二君 議事日程は延期し、本日はこれにて散会されることを望みます。
#71
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時九分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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