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1994/11/14 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 政治改革に関する特別委員会 第3号
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1994/11/14 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 政治改革に関する特別委員会 第3号

#1
第131回国会 政治改革に関する特別委員会 第3号
平成六年十一月十四日(月曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月九日
    辞任         補欠選任
     種田  誠君     岩本 久人君
     肥田美代子君     角田 義一君
     渡辺 四郎君     深田  肇君
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     岩本 久人君     北村 哲男君
     千葉 景子君     細谷 昭雄君
 十一月十四日
    辞任         補欠選任
     細谷 昭雄君     岩本 久人君
     西野 康雄君     翫  正敏君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上野 雄文君
    理 事
                岡  利定君
                下稲葉耕吉君
                松浦  功君
                一井 淳治君
                本岡 昭次君
                木暮 山人君
                山下 栄一君
                吉川 春子君
    委 員
                岡部 三郎君
                久世 公堯君
                佐藤 静雄君
                清水 達雄君
                永田 良雄君
                楢崎 泰昌君
                村上 正邦君
                森山 眞弓君
                会田 長栄君
                岩本 久人君
                川橋 幸子君
                北村 哲男君
                角田 義一君
                深田  肇君
                細谷 昭雄君
                山本 正和君
                都築  譲君
                寺崎 昭久君
                寺澤 芳男君
                中村 鋭一君
                猪熊 重二君
                和田 教美君
                橋本  敦君
                下村  泰君
                西野 康雄君
   衆議院議員
       政治改革に関す
       る調査特別委員
       長        松永  光君
       政治改革に関す
       る調査特別委員
       長代理      大島 理森君
       政治改革に関す
       る調査特別委員
       長代理      自見庄三郎君
       発  議  者  三塚  博君
       発  議  者  笹川  堯君
       発  議  者  冬柴 鐵三君
       発  議  者  茂木 敏充君
       発  議  者  保岡 興治君
       発  議  者  堀込 征雄君
       発  議  者  三原 朝彦君
   国務大臣
       自 治 大 臣  野中 広務君
   政府委員
       内閣法制局長官  大出 峻郎君
       法務省民事局長  濱崎 恭生君
       自治省行政局選
       挙部長      佐野 徹治君
   事務局
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人
 格の付与に関する法律案(衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上野雄文君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る九日、種田誠君、肥田美代子君及び渡辺四郎君が委員を辞任され、その補欠として岩本久人君、角田義一君及び深田肇君がそれぞれ選任されました。
 また、去る十一日、岩本久人君及び千葉景子君が委員を辞任され、その補欠として北村哲男君及び細谷昭雄君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(上野雄文君) 公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、公職選挙法の一部を改正する法律案及び政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 三案につきましては、前回既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○岡利定君 自由民主党の岡利定でございます。
 いよいよ区割り法案の審議に入りました。第百二十八回国会の去年の十月十三日の衆議院本会議におきます趣旨説明から始まった衆議院議員の選挙制度の改正を初めとするいわゆる政治改革関連法案の審議もいよいよ総仕上げのときを迎えた次第でございます。
 御承知のとおり、この政治改革は、昭和六十二年六月に発生したいわゆるリクルート事件による国民の政治不信に対処するため、平成元年二月、竹下内閣が内閣の最重要課題として位置づけて以来、約六年間、七代の内閣の最大の政治課題として取り組まれてきたものでございます。長い道のりであり、その過程にはいろんなことがございました。直接関係してきた国会議員はもちろんでありますけれども、多くの国民の皆さんもそれぞれの思いなり感慨なりをお持ちだろうと思います。
 このたびの改正は、我が国の衆議院議員選挙について、大正十四年以来約七十年間続いて国民の中に定着してきましたいわゆる中選挙区制を廃止して、政党本位の小選挙区比例代表並立制の導入、政治資金の規制強化、政党助成制度の創設を柱とする画期的な内容のものであり、俗っぽい言い方をお許しいただければ、政治制度の平成の大改革と呼んでも過言ではないのではないかと思う次第であります。
 この改革は、今後の我が国の政治のあり方に大きな変化と影響を及ぼすものであり、その意味からも直接タッチしてきた私たちの責任は大変大きなものがあると思います。率直に申し上げまして、選挙制度には百点満点はないと言われますけれども、小選挙区比例並立制かつ重複立候補制を認める制度の導入が果たしてベターな選択であったかどうか、私自身個人的にはいま一つ自信の持てない面もございます。
 しかし、現行の中選挙区のもとで、国民の政治不信、政治離れ現象が起きていることも事実でございますし、制度疲労を指摘する声も強いこと、この六年間の真剣な論議と経緯の中で一応の結論が出されたものであること等々を考え合わせて、何とかこの制度を成功させるように努めなければならないと思う次第でございます。そのためには、総仕上げに当たって疑問をあいまいにしないで、さらに実務面、運用面を含めてきちんと整理しておくことが必要ではないかと思います。
 このような観点から、幾つかの基本的な事項について総論的に政府及び法案の提出に大変御努力いただきました先生方に御質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、このたびのいわゆる大改正全般の意義についてでございますが、特に小選挙区比例代表並立制の導入の意義、政治浄化の観点からの意義など、これは所管大臣でございます自治大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#5
○国務大臣(野中広務君) 今、同委員御指摘になりましたように、さまざまの国民の政治に対する信頼回復へのチャレンジが行われてまいりまして、竹下内閣以来の今お話しになりました節目節目を思い起こしながら感慨無量なものがあるわけでございます。
 そういう中から、政治改革についてこのたび、国民の強い期待と信頼にこたえようとして先般政治改革関連法案が成立をし今回の区割り法案の成立を行うことによりまして、衆議院の選挙制度の改革、政治資金のあり方あるいは政党助成の初めての施行が行われることになるわけでございます。ここに至りました経過を思いながら、これが真に新しい政治改革に結びつくように、本法案の早期成立を一日も早く念じておる次第であります。
 ただ、今お話がございましたように、果たしてこのすべての改革をもって政治の信頼が回復することができるかどうかは、これからこの制度に基づいて政治家一人一人が厳粛にその責任を感じながら、さらには国民各層の皆さんの御理解と御認識をいただき、後世この政治改革が真に国民の期待にこたえたものであったという評価をいただけるように、私どもは日々励んで決意を新たにしていかなくてはならないと考えておる次第でございまして、岡議員の御所見と同じ気持ちを私も今持っておる次第であります。
#6
○岡利定君 ありがとうございました。
 御出席の与野党の先生方からそれぞれ代表の方に御所見をいただきたいと思います。
#7
○衆議院議員(三塚博君) 岡委員の御指摘であります。自治大臣は政府を代表して見解を述べられましたが、同じ政治家同士の時代認識の中でスタートいたしておりますから、基本的には同じであります。
 御指摘のように、リクルート事件以来の政治不信、これを何とか回復をしなければならぬという、これも直接的なきっかけでありましたことは事実であります。同時に、世紀末を迎えて、戦後四十九年という節目を迎えようとしておる今日、政党政治のあり方、基本的には議会制民主主義が正しく機能していくのにはどうしたらいいのであろうかということでありますと、衆議院議員選挙制度というものは政策中心で信任を問わなければならない、その選挙活動は党中心でいかなければならない、こういうわかりいい形で、また政治に責任を明確に負う、こういう形で選出をさせていただく、この辺が重要なことであろうと思いますし、国家国民の期待にこたえる道でもありますし、ある意味では歴史の大きな潮流の必然であろう、こんなふうに思っております。
 よって、感懐は幾つかありますが、これは腹を据えて政治家みずからが、政党みずからが、またそういう意味では有権者の皆様が大きな意識改革の中でこれを断行していかなければならない重大なことであろう、こう思っておるところであり、御審議をお願い申し上げる理由もそこにあります。
#8
○衆議院議員(保岡興治君) 今、それぞれ野中自治大臣、三塚提案者からいろいろお話のあったこと、私も同感でありますし、先生が御指摘になられました今般の政治改革の抜本改正というものは歴史的に大きな意義を持っていると、私もそう思っております。
 私は、今、三塚先生もお話しになりましたけれども、やはりソビエトが崩壊をして東欧の民主化が起こるなど、世界で政治改革のあらしがそれ以来吹いている、こう思います。したがって、どの国も新しい秩序を求めて、国のあり方を求めて政治改革に苦しんでいる、本当に命がけで取り組んでいるという状況があって、我が国もその例外ではないという位置づけが必要だと思っております。
 そういったことで、私も昭和六十三年の暮れに、きょうここに委員でもおいでなさる久世先生とか森山先生とか自民党時代に御一緒に後藤田委員会で政治改革大綱の起草に当たって以来もうはや六年以上たつと、本当に感懐深いものがあるわけでございますが、政治改革の最大の柱である衆議院の選挙制度改正というのは、これは本当に候補者が主体ではなくて政党が中心となる新しい政治をつくっていこうということで、特に小選挙区制は得票の変化が議席の変化に転換するのが非常に厳しい制度でございますから、政党は政党の命である基本政策を掲げて国民に訴えて、政権をかけて国民に選択を願う、そしてまたその負託を受けて強いリーダーシップでこの大転換期に新しい国の姿を求めて道を開いていく、そういう制度だと思います。そういった意味では、本当に政治に緊張感が出てくる、政権交代の緊張感が政治を活性化していくということがキーワードだと思っております。
 そういった意味で、私はこの政治改革というものは本当にこれからであると。今、諸先生皆さんがおっしゃったとおりで、ようやく一歩を踏み出しただけのことで、この制度改正の基礎に乗っかって、沿って、政治のあり方や政党のあり方、あるいは政治家や有権者の意識改革まで含む幅広いリストラがこれからなお一層必要になってくる。
 そういった意味では、特に改革は痛みと苦しみを伴うということで、これはもう政治改革も例外ではありません。したがって、痛みや苦しみを甘受する勇気、これが政治改革には大事であって、そのためには政治改革というのが一体国家国民にどういう意義を持っているかという、その原点ほどこにあるかということをいつも見失わずに見詰めていくことであると思っております。改革の痛みや苦しみに耐えられずにもし無原則に手段を選ばないで政権や議席を争うような方向に流れていけば、これは世界や日本の歴史の大転換期に大きな国益を失っていく、そして国民の政治への不信がなお一層深まっていくことにもなりかねない。
 そういった意味では本当に、この制度改正が今度参議院で無事通過すれば今後は与野党で、新しい制度のもとで政治や政党はいかにあるべきか、新時代の憲政の常道というものはどういうものか、よき政党間の慣行やルールを求めて議論を深めて国民の負託にこたえていかなければならない。そういった中で、本当に政党の命とも言うべき政策を問いつつ、緊張ある政権交代のスムーズなルールというものも見出していくことが大事ではないかというふうに考えております。
#9
○岡利定君 ありがとうございました。
 まさに大変大きな意義を持った改革であって、制度ができ上がった、いよいよこれから本格的に政治改革に取り組むべきである、政治家個人はもちろんでありますけれども、政党の果たす役割というのは大変大事だということを両先生からお伺いいたした次第であります。
 ちょっとついでのことになりますけれども、この選挙制度の議論をずっとやってくる中で、小選挙区比例代表制の導入が衆議院議員の構成をどのような方向に導いていくのかということが大変議論されました。そして、二大政党に集約されていくとかあるいは、いや穏健な多党制に向かっていくんだとかいやそうじゃない、強力な一党出現のおそれというのがあるんだというようないろんな御意見が出されたわけでありますが、あのときは二百五十、二百五十のときの議論であったわけでございますけれども、三百、二百となった現時点において、三塚先生、また保岡先生、どのようにお考えか。また、これについて両先生と違う意見をお持ちでしたらまたお教えいただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
#10
○衆議院議員(三塚博君) 小選挙区制というのは、前段も申し上げました、選挙民にとって判断の基準が明確に示される、また政治の側も政党として責任を負う基本政策を明示をする、そして同時に、総選挙において審判を受けた結果として多数党を得たものが四年間にわたり政治の責任を基本政策に基づいて果たしていく、こういうことになる仕組みでありますことは御案内のとおり。そういたしますと、結果的に二大政党に収れんをされていくことだけは間違いなかろう、こう思います。
 価値観の多様化というのはそのとおりであります。ですから、私どもこの法律の提案の審議の際にも、また各党協議の中におきましても、一致いたしました最終結論は三百、二百という、これは展望を何とか明確にしたいということでありますけれども、この二つを入れることによりまして多様な価値観を二百において吸収しよう、こういうことであります。
 激突する二大政党であることもいい場合もありますが、不もの論議にも時に陥りがちな過去の経験、議会政治をやっておる国のケースなどを見ますとそんなこともございましたものですから、歯どめとして比例制を入れることによりまして思想、考え方に基づくグループが新しく生まれて、時に両者の激突の緩和材としてまたすぐれた見識を発揮をすることによって議会制民主主義というものが両々相まっていくのではないだろうか。結論的に言えば、二つの潮流はよけて通れない大きな流れになることは間違いがなかろう、こう思っております。
#11
○衆議院議員(保岡興治君) 私も基本的には、今、三塚提案者からお話のあったとおりであろうと思います。
 やはり小選挙区制というのは、一議席をめぐって国民に政権を選んでいただいて、そうして先ほども申し上げたように、得票以上に大きく議席に国民の最大公約数の意見の集約があらわれて、それで強いリーダーシップを政治に生み出していく。そういった意味ではいい点も悪い点もあると思うんです。
 確かに強い政治のリーダーシップ、党が中心になるということは、ある意味では個人のいろいろな多様な考え方を集約するいい制度とは言われながら、また一方でそれは個人の多様な意見や価値観というものを抑える可能性もあって、そういったものをいわば選挙を通じて国民に判断していただく。そして、政治姿勢あるいは政策、価値観というものを国民に厳しく問われるという意味で、政策、姿勢においても自浄力が強く働くというのもまた小選挙区の特徴だと思います。
 そういった意味で、政治に中選挙区に見られないすごい活力が、緊張が生まれる、これが小選挙区の特性で、行くところは二大政党になっていく。しかし、今度提案されて成立した制度は二百の比例制を持っておりますから、それと民意の多様な反映である制度との組み合わせで調和される点もあると思います。したがって、二つの政党じゃなくて幾つかのまた政党が合従連衡して政権をとるという要素も残されておると思います。
 そして、二大政党の多様な価値観を果たして民意としてうまく吸収できるかというその問題については、私は党議拘束というものについて少し緩やかに考えていくというようなことがこれからはこの二大政党の中で大事なことになってくるんではないかというふうに考えております。
 以上です。
#12
○岡利定君 ありがとうございました。
 いずれにしましても、今度の制度改革、特に選挙制度の改革が、我が国の民主政治の促進、それから政治の浄化に資するように努めていくことが我々の義務ではないかと思う次第でございます。
 それでは、いわゆる区割り法案についてお尋ねいたします。
 私は、ことしの一月の本委員会におきまして、選挙制度を抜本的に変え選挙区を従来の選挙区と全く関係なく設定するのでありますから、一票の格差を全面的になくする絶好の機会である、区割り基準は二でなく一にすべきじゃないかというようなことまで申し述べさせていただきました。
 ところで、区画審議会が真剣な御討議をいただきそして提出くださった選挙区画定案についての勧告、それを受けて作成された政府案のこの区割り法案によりますと、選挙区の最大格差は二・一三七、格差二を超える選挙区が二十八にもなった。さらにこれを平成六年三月末の住民基本台帳で見ると四十一選挙区にもなるということで、衆議院において憲法問題が大いに議論されたというように伺っております。これはまさに基本的な事項であり、立法府としてはあいまいにできないものであると考えます。
 この際、本件について行政府としての見解を法制局長官からきちんとお述べいただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
#13
○政府委員(大出峻郎君) 衆議院議員の定数訴訟に係りますこれまでの一連の最高裁判決によりますというと、法のもとの平等を保障した憲法第十四条第一項の規定は、選挙権の内容の平等すなわち投票価値の平等をも要求するものであり、これを重視すべきものであるが、国会が具体的な選挙制度を決定する上でこれが唯一絶対の基準となるものではなく、原則として国会が正当に考慮することのできる他の政策的目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきものとされているところでございます。
 今回提出をいたしております法案は選挙区画定審議会の勧告を受けて作成したものでございますが、同審議会は、各選挙人の投票価値の平等が憲法上の要求であるということにかんがみ、選挙区の画定案の策定に当たりまして、各選挙区の人口の均衡を図ること、各選挙区間の人口の格差が一対二以上とならないようにすることを基本とすることを重視するとともに、区割りに当たりましては、行政区画とか地勢とか交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行うこと、こういう同審議会の設置法第三条第一項に規定する基準に従いまして画定案を作成し、勧告を行ったものと承知をいたしておるところであります。
 このように、今回提出をいたしております法案は選挙区画定審議会が投票価値の平等についての憲法上の要求というものを踏まえて勧告をした画定案に従いまして法案化をいたしたものでありまして、その結果として今回の区割りによる選挙区の一部について御指摘のように選挙区間格差が二倍を超えるものがあるといたしましても、憲法上許されないものではないというふうに考えているところでございます。
#14
○岡利定君 本件を所管されます自治大臣の御所見をお伺いいたします。
#15
○国務大臣(野中広務君) ただいま法制局長官もお話しになりましたように、選挙区の区割りにつきましては、その設置法の三条の二項によりまして、委員御承知のように、各都道府県に一議席を割り当てまして、その上に今回の区割りが行われたわけでございまして、したがいまして都道府県に一を割り当てたその瞬間に既に一・八二倍になっておるわけでございます。
 先般九月に行われました衆参両院の政治改革特別委員会におきまして審議会の石川会長から、いわゆる市町村の区画をようかんのようにきちっと切ったらそれは二倍の数値に当てはめることは可能であるけれども、しかしそれぞれその地方の行政区画や地勢あるいは交通事情等の事情を総合的に判断をして、そしてあらゆる角度からぎりぎりの審議を行った。その結果、今御指摘がございましたように二・一三七倍になった。結果として二倍を超える選挙区ができることになったけれども、石川会長を初めとする審議会の皆さん方はあの四月十一日から八月十一日の四カ月間、猛暑の中、非常な困難を克服をされまして、ぎりぎりの選択と御審議を賜ったものでございます。今、法制局長官が答えられましたように、この結果をもって憲法の原則に反するものであるとは考えておらないところでございます。
#16
○岡利定君 次に、腐敗防止のための公職選挙法の一部改正の関係についてお伺いいたします。
 区割り法案とあわせまして、選挙の浄化のため連座制を強化する公職選挙法の改正案が与野党からそれぞれ議員立法として衆議院に提出されましたが、両者の協議によって一本化されて、併合修正案という形で可決の上、本院に送付いただきました。取りまとめに当たられました関係の諸先生方の御努力、御尽力に対して心から敬意を表したいと思う次第でございます。
 改正の内容は、選挙の一層の浄化を図る観点から、連座の適用の対象の範囲を広げようとするものであります。連座の強化は政治家みずからにとって大変厳しいものでありますが、これを政府提案ではなく議員立法として提案されたことは、政治家みずからが襟を正すという姿勢の表明であって極めて意義あることと考える次第でございます。
 本法案提出に至る考え方について、与野党それぞれ提出代表の先生方からこの経緯等についてお伺いいたしたいと思います。
#17
○衆議院議員(三塚博君) 岡委員御指摘のように、選ばれる側、候補者、政党と申し上げさせていただきますが、みずからの襟を正し、みずから血を流す決心をしてこそ初めて選挙が浄化をされ公正な選挙が行われるであろう、ここ一点を見詰めながら、連座制の強化、組織的選挙運動管理者という概念を提出することによりまして、買収等の選挙犯罪が起きましたときは候補者に連座をしていく、五年間立候補ができない、同一地域からできない、こういうことにいたしたのもそういうことでございまして、まさに選挙革命、これをやることによって議会制民主主義の健全な発展を期したい、こういうところにございます。
#18
○衆議院議員(保岡興治君) 先ほど岡先生も非常に強調されましたこの新しい選挙制度を成功させるためには、先ほども申し上げましたが、政党間の新しいあり方というものについての本当に論議を深めていくということが一方において一つ大切な点と、もう一つはやはり中選挙区の中で置き忘れてきたというか、お金のかかる日本の選挙風土を一掃して新しい制度に入っていくということがとても大事な柱だということでございます。我が国の選挙の現実を考えると、この腐敗防止というのはなくてはならない、欠かせない存在である。
 先ほど三塚提案者もお話しのように、選挙腐敗防止の決め手というものは何かというと、陣営として腐敗行為を出した場合に不利益が直接本人に及ぶようにすることでございます。そのためには連座制を思い切って拡充して、現在のような一部の者だけでなく、選挙運動の組織において末端で選挙運動を行う管理者まで買収や供応などの違反を犯した場合にも、候補者本人の当選を無効にし、一定期間立候補を禁止することにございます。政党が選挙運動の中心になってくるという新しい制度のもとでは、政党の役職員の行為もまた連座の対象にきちっと位置づけておかなければなりません。
 そういった厳しい制度でありますが、連座の対象となる者の範囲を拡大したことによって、厳し過ぎる、熱心の余り違反を犯した運動の管理者の行為によっても当選が無効になったりするのは過酷であるという意見もあります。しかし、むしろ範囲を広くしたことで違反者が出ないように陣営が必死で努力をすることによって腐敗防止に極めて決定的な大きな効果が生まれるというのがイギリスの一八八三年に制定された腐敗防止法の教訓でございます。
 このような選挙腐敗防止法の制定は、これはもう相当の決断を要することでございますけれども、与野党を問わず各党のリーダーが将来の日本のために清水の舞台から飛びおりる覚悟で提案して取りまとめたのが本法律案だと、そういうふうに思っております。これから政治が取り組まなければならない課題には、やむを得ず国民の負担や痛みというものを伴うものが多いわけでございますので、それだけにまず政治家から身を切る覚悟がぜひとも必要だということだと思います。
 腐敗防止法は、当初は従来のやり方をそのまま踏襲する政治家の中には犠牲者を出すことになるかもしれませんが、長い目で見れば今の政治家の抱えるさまざまな負担を大幅に軽減して、取り締まり当局も助かり、日本の政治が国際的にも信頼を高めて、また政治腐敗の大もとになっていると言われるこの選挙風土を一掃することによって国民の政治改革に対して真に求めている根幹にもこたえることが可能なのだと、そう考えております。
#19
○岡利定君 大変御努力いただいて併合修正案が作成されたわけでありますが、その結果、一本化できず修正案に取り入れられなかった項目も幾つかございます。買収罪等の刑の加重、選挙運動に関する支出の制限規定の適用の明確化、そして取り入れられておりますけれども施行期日の関係の修正といった点がございますが、なぜそういうことになったのか発議者からその辺の事情についてお教えいただきたいと思います。
#20
○衆議院議員(三原朝彦君) 委員御質問の件でありますが、最初に三塚委員と保岡委員がおっしゃったような、ああいう考え方に基づいて私たちは今回この併合修正案をつくったつもりなのであります。
 今、同委員がおっしゃったように、組織的選挙運動管理者に係る連座制の強化の問題、重複立候補に係る連座制の強化の問題、そしてまた施行期日も最終的には妥協が成り立ちまして今回見送ったといいますか、もう一度じっくり考えて見直そうじゃないかと我々は考えましたのは、組織的選挙運動管理者に係る買収等の加重罰の問題と、それと選挙運動に関する支出の制限規定、例の百八十七条の問題でありました。
 私たちの与党の方ではこの加重罰に関しては、総括主宰者とか出納責任者、地域主宰者と同じように今度持ち込む概念である組織的選挙運動管理者というのを同等に置くのは余りにも酷じゃないかもうちょっと慎重にすべきだということであります。組織的選挙運動管理者というのは類型が多岐にわたるであろう、そういうことから考えると、選挙運動の中心的な役割を担っておると考えられる総括責任者等と常に同じような加重罰というのはちょっと余りにも無理であるし、またもうちょっとこれから先、中心的役割を担っているかどうかというようなことが明確でない以上は慎重にすべきだという考えがありました。
 それともう一つは、買収犯等の犯情を捜査する段階ででもいろんな証拠あたりは収集することが可能になり、その証拠をもとに、追って連座制裁判で組織的選挙運動管理者か否かというのは認定もできるじゃないかということを我々与党は申し上げたわけであります。
 改革側の加重罰を置くべきだという考え方は、保岡委員から先ほど御説明ありましたように、よりフェアな選挙をやるということになるならば組織的選挙運動のリーダーといいますか指示指導する人は一般の運動員よりもやはり責任は重いんだと。買収等の犯罪を犯すことをそういう人たちが行うことは社会的に容認できない。であればこそ総括責任者等と同じような加重罰にするのが適当である。そしてまた、捜査の時点で加重罰の類型として調べていけば、その中で買収罪を犯した者の証拠を集めること、そしてまた意思の連絡とか組織内の地位等を吟味することによって刑事裁判で買収罪が明らかになるときに、同時に組織的選挙運動管理者ということが認定されて、そして加重罰にした方がスムーズに行くじゃないかという考えでありました。
 私どもの与党の案、つまり組織的選挙運動管理者の刑罰を一般より重くすることはやっぱりどうも刑の均衡を失するのではないかということ、そしてまた買収罪等を捜査する過程でその状況を見ることによって追って連座裁判に訴えることもできるということをお互いが理解し合って、今回は加重罰を組織的選挙運動管理者には科さないということになりました。
 しかし、附帯決議の中では一文入れておりまして、「組織的選挙運動管理者等に係る買収罪等に対する罰則のあり方については、連座制の速やかな適用のための方策を含め、今後引き続き検討するものとする」と、こういうふうに一文入れたわけであります。
 もう一つの選挙運動の支出の制限規定の適用の明確化であります。
 確かに百八十七条には、厳密に読みますと、選挙のときの使う金は出納責任者またはその出納責任者が文書で依頼した人以外は出しちゃいけないということになっておることは御承知のところでありますけれども、これもまた保岡委員から御説明ありましたが、法定選挙費以内に厳格にお金をおさめることによって莫大な選挙活動費を縮減し、また有権者一人一人が公明正大な選挙をやろう、そういうみずからの信念に基づいて投票権の行使をすることが実は本旨なんだという考えてあります。
 しかし、現実問題といたしまして、ボランティアの選挙の応援とかまた勝手連と言われるものが選挙を行われている今、私個人でもかなり同級生だなんだという人が私の知らないところで一生懸命手弁当でやってくれているところは、これはもう当然認めるところでありますが、そういうことがある現実の中でこの公選法の百八十七条を厳格に考えるとしても、これを有権者に周知徹底することが今即座にできるのかどうか、また取り締まるとしても、そのことが実際一〇〇%可能かどうかということをいま少し検討した方がいいんじゃないかということにまたこれも与党と改革側でなりまして、今回はもう一度吟味し直そうということになったわけであります。
 選挙民の自覚とか選挙区の大きさ、人口の多少の差異もあって一概に、保岡委員がおっしゃったように、イギリスの例をすぐ日本に持ってくることが適当かどうかわかりませんけれども、しかしイギリスでは、それこそどなたも選挙できるような数百万の選挙費用の中でみんなが厳格に法律を守って、そして金銭的には明瞭な選挙運動が行われているということを聞きますので、何とか次回の政治改革のときにはこの点に関しても我々はみずから襟を正して法の執行ができるように明確な形をつくりたいと思っておるわけでありまして、この点に関しましても附帯決議案で「選挙運動に関する支出の制限のあり方については、政党の行う選挙運動に関する支出の取扱いを含め、今後引き続き検討するものとする」という一文を入れさせていただいた次第であります。
#21
○岡利定君 この公選法の改正につきましては、いろいろと定義などもまだ大変抽象的であったり基準が明確でないというようなこともございますので、後日、同僚の委員の先生からここら辺の具体的なことについてお尋ねいただくことにしたいと思います。
 ところで、選挙運動を規律する公職選挙法は随時必要に応じて部分的に改正されてきました結果、いわば継ぎはぎだらけの法律ということになって、素人にとって大変わかりづらいというようになっておるんじゃないかなと思います。さらに選挙の実態等から見て現実にそぐわない点、有名無実化している規定も多くあって、そのために守られなくなっているという意見もございます。
 選挙運動は多くの国民が直接かかわるものであり、かつその違反に対しては厳しく対応されるものでございます。それだけに現実に即した内容、わかりやすい内容にすることが必要となっていると考えるわけでございますが、この点について与野党の代表の先生方から御意見をお伺いいたしたいと思います。
#22
○衆議院議員(大島理森君) 岡委員の御指摘は同感でございます。
 多分、これはどういうふうにその点に取り組むかは別といたしまして、長い間の選挙法改正、改正、改正で今日まで来て、そして今、選挙制度自体が新しくなろうとしております。加えて、腐敗防止法という非常に厳しい連座制の強化を今盛り込んでおります。したがいまして、いつかの時点で新しい選挙制度の実態を見きわめつつ、ひょっとしたら、今、先生の御指摘のような観点から総洗いをしてみる必要性が私はあると、このように思っております。ですから、視点、考え方としては同感であります。
#23
○衆議院議員(笹川堯君) お答えいたします。
 今、先生が言われたように、確かに新しい制度が実施されるに当たりまして、今までの公職選挙法というのは非常にわかりにくい、素人がわからないというよりも相当な専門家でも私は迷う場合が非常に多いのじゃないかこういうふうに思いますので、すべては選挙によって選ばれ、その方々が国会で決めていくということを考えますと、私は与野党の皆さん方が合意していただければ、また国会の御承認をいただいて第三者機関で徹底的に公職選挙法を洗い直していただきたい、そのことが一番いいんじゃないのかなというふうに考えております。
#24
○岡利定君 自治大臣、いかがでございましょうか。
#25
○国務大臣(野中広務君) それぞれお話がございましたように、また同委員御指摘のように、私も率直に申し上げまして、現在の公職選挙法、たびたびの改正を行いましたために大変一般の人から見てわかりにくい選挙法になっておるということは御指摘のとおりであると思います。
 また、税法も私はそうだと思っております。これはいかに公正公平で、そして違反とかそういう穴をつくらないために埋めていくかということを基準に置いて、公職選挙法も、あるいは税法も脱税をさせないということを前提に置いてぎりぎり穴をつくらないということでやってまいりましたために余計に私はわかりにくくなったんではなかろうかと、こう思うわけでございます。
 今、それぞれお話しございましたように、やはりこの改正というのは前提としては各党会派にある御論議が前提になりまして、いかにして規制を緩やかにするかといったようなそういう各党会派の合意がなければ、私はなかなかわかりやすい選挙法あるいは税法をつくる、まあ税法は別といたしましても、選挙法をつくるというのは政党会派の合意というのが前提でなければつくりにくいんではなかろうかな、そんなように考えておるわけでございまして、ぜひそういう合意を得まして、そしてよりわかりやすい公職選挙法になっていく方向は私どもも願いたいものであると存じておる次第であります。
#26
○岡利定君 ありがとうございました。
 今後のお互いの大きな課題として取り組んでいかなければならないと思う次第でございます。
 次に、いわゆる政党法人格付与法案の関係についてお尋ねいたします。
 このたびの抜本改正の大きな柱の一つに、政党の活動費を国が補助するいわゆる政党助成制度の導入があります。一定の要件を満たす政党、所属国会議員五人以上、あるいは国会議員を有し得票率二%以上と、こういう要件を満たす政党には、国民一人当たり年間二百五十円、総額約三百九億円の国費が各党の前年度収入総額の三分の二を限度に所属国会議員数などに応じて政党交付金として配分されるというものでございます。
 国民の税金を取るなら政党も財産権などの法的な資格を明確にすべきであるとの批判がございましたが、このたび衆議院政治改革調査特別委員会松永委員長を中心とされまして与野党関係者の御努力により、正式名称、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律案がまとめられ、衆議院で可決の上、本院に送付されてきた次第でございます。大変御苦労さまでございました。
 本法案につきましては、法人格付与の形で助成金を受けるにふさわしい要件を法的に義務づけるものであるので、マスコミ等の論調も当然だという受けとめが多いようでございます。
 他方、政党の政治活動の自由が保障され、政党活動に公権力が介入することはあってはならないわけでございますが、政党が単なる政治家の自主的な集合体以上の存在となり、さらに今回の改正でも明らかなように、政党本位の政治が進められ、政党そのものの役割、責任が従前にも増して大きくなっている現状にかんがみまして、政党の権利義務を明確化するためのいわゆる政党法の制定が必要ではないかという意見もございます。
 このたび提案いただいております政党法人格付与法案といわゆる政党法との違いというのはどこにあるのかなぜそうしたのか、提案者から御説明いただきたいと思います。
#27
○衆議院議員(自見庄三郎君) 今、同委員から御質問がございましたいわゆる政党法についてでございますが、先生御存じのように、外国でも国内でもお互いの政党あるいは政治の歴史は違うわけでございますので、諸外国においてもいろいろ政党につきまして論議があるということでございまして、いわゆる政党法につきましても大変多岐にわたっておるということは御存じのとおりでございます。
 いわゆる政党法、大きく二つに類型化をいたしますと、一つは政党規制型の政党法、もう一つは国庫補助型の政党法があるというふうに思うわけでございまして、先生、今御指摘されたように、政党内部の組織、運営について規律するような政党法を制定すべきであるという御意見、御論議も一面ありますが、しかしながら今回御審議願っておりますいわゆる政党の法人格付与法案はそのようなタイプのものとは異なる内容のものであるということでございます。
 すなわち、今回の政党法人格付与法案は、政党が国民の、今、先生お話しございました三百九億円という話でございましたが、国民のまさに税金を原資とするわけでございますから、原資とする政党交付金の交付を受けるに伴って生じる社会的責務を十分に果たして国民の信頼にこたえていこうと。同時に、三百九億円も国費をいただくわけでございますから、政党に対して法的主体としての地位すなわち法人格を付与して、そして政党活動あるいは政治活動、民主主義政治の健全な発展に資するようにしようというのが御存じのように目的でございます。
 また、法案の中身におきましても、今お話がございました政治活動の自由というのはこれはまさに民主主義の大原則でございますし、憲法にも保障された大変貴重な権利でございますので、政党の政治活動の自由に対して公権力が介入することがないようにさまざまな配慮をしているところでございます。
 すなわち本法案においても、御存じのように、まず政党の行う届け出でございますね、何々党だとか所在地だとか代表者だとか、そういったことを届けるようにいたしておりますが、その届け先が中央選挙管理会でございまして、これは総理大臣が国会の承認をもって任命をするということで比較的今ある制度の中では中立性が保たれる組織だというふうに思うわけでございますが、あくまで形式的審査でございまして、きちっと住所とか名前とか書いてあればその先内容は問わない、形式的審査にとどめておるというところが一点大変大きな特徴だと思っております。
 次に、政党の組織、運営に関する民法の規定の準用につきましては、政党の政治活動のあり方に干渉することがないよう経済取引のためのみの必要最小限の準用にとどめております。
 先生、民法の適用を見ますといろいろ、こういった団体は年に一回総会をせねばならないと、こういう規定があるわけでございますが、政党でございますから党大会なりそういったものを開くということはまさに政治状況により、政党の自主的判断により、ことしは開かないとか来年は開くとか、そういった生き生きとしたみずみずしいダイナミックなものでございますから、そこまで法律の規定で規制をすることは好ましくない、こう考えて今、申し上げました経済取引のためのみの必要最小限の準用にとどめているということでございます。
 さらに政党の政治活動に万が一にも公権力が介入することがないように第二条でもはっきり「この法律のいかなる規定も、政党の政治活動の自由を制限するものと解釈してはならない。」、こういったわざわざ解釈規定を置いているところでございますし、衆議院の方では、各党の御了解をいただきましてこの政治活動の自由ということをわざわざ決議も実は委員会でもさせていただいたところでございます。
 なお、先生の今御指摘のありました、いわゆるいろいろな国によって歴史的経緯あるいは風土によりまして政党法につきましていろいろな考えがあるということはさっき申し上げましたが、日本国においても政党法につきましては憲法の保障する政治活動の自由ないし結社の自由の観点からいろいろな御意見ございますが、なお慎重に論議すべきであるという意見もあり、なかなかこれは難しい問題点も含まれているということでございます。まさに我々国会議員のいろいろ考えるべき、将来を含めて考えるべきものではないかと、こういうふうに理解をいたしているところでございます。
#28
○岡利定君 ありがとうございました。
 いわゆる政党法についてのお考えを与野党のそれぞれの先生方からお伺いいたしたいと思います。
 どなたがよろしいでしょうか。政党法についての考え方でございます。
#29
○衆議院議員(三塚博君) 小選挙区制という法律を中心として、公選法、政治資金規正法改正、両院において成立をいたしたところであります。
 私は、一月二十一日、参本におけるこれらの法律に対する採決の決定、これは参議院の決定でございますから重く受けとめていかなければならない、政治改革の第二段完成への原点はここにあったように思います。そういう点から、与党、野党を問わず、各党の合意を得てつくり上げていくことがこれからの政党政治へのスタート台であろうと考えました。残念ながら日本共産党の皆様からは最終的な賛成を得ることはでき得ませんでしたけれども、先々、政党の健全な発展のために御理解を得られるのではないかと私自身は期待をするわけですし、また提案者の一人としてそういう努力もしていかなければならないだろうと。
 こういう観点で、この政党助成法に発します、公的助成でありますが、この法律が成立いたしました以上、受け皿である政党の権利義務というものが明確にならなければならないだろう。今日、政党は任意団体としていかなる規制も受けない。受けますのは政治資金規正法等であるわけでございますが、国民の血税を受け入れさせていただくという決定を受けてスタートを切ります以上、法人格が権利の主体として必要であるのではないだろうか。当然、これが法人格を付与されるということでありますと民法上の規定を受けることに相なります。同時に、会計検査院等の検査も忌避することはでき得ないだろうと思います。
 そういう意味で、本来、自由民主党の政治改革本部長とすれば、政党法としていくべきものである、こう申し上げてきたわけでございますが、段々の議論、委員長代理からのただいまの答弁がありましたような各党の意見、また私どもも各党の意見を承らせていただきまして、直ちに政党法という位置づけで進むよりも法人格付与法、こういうことにおいて政党基本法、いわゆる政党基本法的な形で取り組むことがこの際妥当ではないのだろうか。それはまさに政党の自由な活動を憲法上保障されておりますようにそのとおり進めなければなりませんし、公的介入はこれは遮断をしていかなければならない。
 しかし、みずからこれだけの法律をつくるわけでございますから、私どもは、また政党も一人一人の政治家も候補者たらんとする者も、助成法の目指す健全な政党というものを目指して、また期待される政治家というものを目指しまして取り組んでいかなければならないだろう。そういう意味で、大多数の政党に御賛同いただきましたという意味で大変意義あるものでありまして、いよいよ本格的な議会制民主主義の基本である政党政治がスタートをするのではないかこんなふうに期待をいたすところであります。
#30
○衆議院議員(笹川堯君) お答えいたします。
 今、三塚先生からもお話がありましたように、私ども与野党で合意をいたしまして委員長提案という形で衆議院を通過させていただきました。今までと違って政党に公的助成金が出るようになるわけでありますから、またあるいは政党自身が物を取得して所有するということが法律的に認められるようになった、こういうことを含めまして大変私はいいことだなと、こういうふうに考えております。
 なお、国民の目から見て本当に厳しく公正に透明にやっているということが言われるように、将来は不足のところがあればまたそれを補っていく必要があるところだと思いますけれども、私は大変大きな進歩であろうと思いますので、先生にもひとつ御理解を賜りたいと思っております。
#31
○岡利定君 ありがとうございました。
 ところで、この公費助成の前年度収入実績三分の二の制限の妥当性についてでございますけれども、衆議院における質疑の中で、政党助成の制限のため収入実績づくりの口実とするパーティーなど資金集めが過熱しておる、また新党にも不利なので制限は撤廃すべきじゃないかという意見が出されております。これに対しまして法の施行後の状況を見る必要があるということでありますけれども、その後の対応として、この見直しには慎重であるべきだという御答弁と再検討の必要があるんじゃないかというような御答弁と、ややニュアンスの違う答弁が出ているような気がいたします。
 先ほどから御答弁ありましたが、政党助成の趣旨、そしてそれが国民の税金から出されておるものであること、さらに政党みずからの努力も怠るべきでないというようなことから、これを担保する制度的な歯どめ、言いかえると上限枠は必要だというように私は考えるわけでございますけれども、発議者の先生方からその点についてもう一度お伺いいたしたいと思います。
#32
○衆議院議員(大島理森君) 岡委員の御質問と趣旨でございますが、まさにこの三分の二をつくった趣旨は岡先生おっしゃる趣旨でございました。
 御承知のように、政党助成法というものをつくる経過の議論というのは、先生も参加をしていただいたし、そしてまた多くの先生方の御議論もいただいたわけでございますが、政党というのは基本的に自由であり、そして独立性を持たなければならない。その政党活動の最も大事な基本はその資金であります。したがいまして、その資金もでき得ればその基本に沿った形での集め方というのでございましょうか、それが本来あるべきであろうという基本を我々は忘れてはいけない、このように思うわけでございます。
 したがいまして、一番大事なことは、自助努力を基本とするんだということがないとやはり政党は私は死んでいくというふうに危惧をいたさなきゃいかぬと思います。ですから、経過の中でよく三分の一、三分の一、三分の一があるべき姿だとかいろんな議論が出ました。しかし、いろいろな議論の経過の中で、一方、自由に資金を集めるというプロセスが国民の皆様方からいろんな糾弾をされる、問題提起をされる経過の中で、我々は今度の改革の中で透明性をまず高めよう、それから一企業・団体あるいは一個人から多額な金を集めるという偏ったようなことはやめようということから、非常に厳しいまた政治資金の規制をいたしたのも御承知のことだと思います。
 そういうことから、公的助成を皆さんの御理解をいただいて導入することに相なりましたが、繰り返すようでございますが、やはり基本は自助努力を喪失させてはいけない。そういう観点から、やはり前年のその自助努力というものを一つのメルクマールとしながらもそこに三分の二という上限を設けることに与野党ともにこれは合意をした結果であります。
 なお、まだその公的助成が施行されていないときに今その三分の二を変えようという議論は、やはりいささか立法府のあり方論としても私はおかしいのではないかなという思いがございます。
 しかしながら、衆議院の議論の中においても、今、先生御指摘をいただいたような議論はございました。ございましたけれども、まず公的助成が施行され、その姿を見てから私どもはどうあるべきかという議論をすることにやぶさかではございませんが、今の時点でこの三分の二条項を取ろうということの結論は得ていません。したがって、これからの議論としてはあり得るのかもしれませんが、繰り返すようでございますが、三分の二というのはそういう政党の自助努力というものの基本を忘れてはならないということ、そういうふうな基本に立った条項であるという御理解をいただきたいものだ、このように思っております。
#33
○衆議院議員(笹川堯君) お答えいたします。
 実は私も、きょうは答弁者でありますが、衆議院で質問者のときには今の先生と同じような質問をいたしました。その結果、与野党できょうは答弁ということになりましたが、今、大島先生が言われたように、まだ施行もされてない前にこれを変えたらどうだという意見も実はたくさんありますが、それはいかがなものかと、これは特に国民の側から見てという感じになるだろうと思います。
 あるいはまた、今、御承知のように、政治の流れも変わってきまして、党を出て新しい党をつくろうということになりますと、実は十二月ごろに新しい党をつくりますと実績というものはもうなくなってしまうわけですから、旧党が合併した場合には当然一月一日の基準日でいただけますが、そういう不合理なものも実は生じできますが、こういう大きな流れの中でありますので、私は個人献金もそしてまた企業献金もある程度はやっぱりいただくことによって政党は活性化される、それと同時にまた税金をいただくことについても、私は公的助成金というのは個人的にはもう少しいただいてもいいんじゃないのかな、こう思っています。
 よくコーヒー一杯二百五十円というようなお話をする人もいますが、コーヒーも値段は場所によっては相当違いがありますし、また味においても相当違いますから、私は幾らが適当だということじゃなくして、それだけの価値のある政治活動をする、もって国民の皆さんから公的助成金はもう少し出してやってもいいんじゃないのかなというような雰囲気をつくっていくということが私は非常に大切じゃないかと思いますので、これから額は私はふやしていただきたいと思うけれども、ふえるかふえないかは我々政治家のこれからの政治活動、また選挙に対する情熱、国民に対する政治家としての責任をどこまで負えるかということでその額もおのずとまた定まってくるのではないのかなというふうに考えております。
#34
○岡利定君 先ほどからの自治大臣初め関係の諸先生方の御答弁の中からもうかがえるように、このたびの一連の制度改正はまさに平成の大改革と名づけられるぐらい、選挙制度を初めとして政治資金、選挙運動等の抜本的なものでございます。それだけに、直接政治に関係する者はもちろん、国民の皆様に正しく理解してもらうことが大変大事だと思います。
 区割り法案によりますと、公布から施行まで一カ月の余裕期間を設けておりますけれども、これはいわば周知期間の意味を持つものと思う次第でございます。
 自治大臣にお伺いしますが、一カ月間の周知で本当に大丈夫なんだろうか。また、この期間に効果的な周知を行わなければならないわけでございますけれども、具体的に何をどのように周知する予定を持っておるのか。また、それに必要な予算はどうなっておるのか。そして、あわせて関係の政省令がまた出てくるわけでございますが、これを法の公布とあわせて公布するのかどうかといった点について最後にお伺いいたしたいと思います。
#35
○国務大臣(野中広務君) このたびの選挙制度の改正のうちにおきまして骨幹となる部分につきましては三月に成立をいたしたわけでございますので、それ以来それぞれ周知に努めてきたところでもございますし、また今回の区割りそのものの周知ということになりますと、既に八月十一日に勧告をされまして以来、各報道機関等を通じましてもそれぞれ関係国民の皆さん方にもまた区割りを受けられる地域の皆さんにもある程度の周知ができたのではなかろうかと認識をしておりますので、大方この法律が成立をいたしましたら一カ月程度で都道府県あるいは市町村選管を通じて周知することが可能であろう、このように認識をして一カ月とさせていただいた次第でございます。
 この成立をいたしました政治改革関連の法案の内容等につきましては、先ほど申し上げましたように、それぞれ骨幹となるものにつきましては三月に成立をいたしましたので、平成五年度の第三次補正でいただきました約十八億の予算をもちまして周知に努めてまいったところでございます。
 今回、区割り法案を成立させていただきました後は、平成六年度の啓発の関係予算、既に二十二億八千万をいただいておるわけでございまして、新しい選挙区や腐敗防止策の強化の周知を含めまして国民お一人お一人になお一層理解をしていただきますよう、手段や方法に十分工夫を凝らしながら全力を挙げて周知徹底に取り組んでまいりたいと存じておるところでございます。また、加えまして総理府所管の政府広報を通じましても、この事業を通じまして積極的な広報がしていただけるようお願いを申し上げていきたいと存じておるのでございます。
 さらに、平成七年度の啓発関係予算といたしましては二十二億九千万円の概算要求をいたしておるところでございます。
 なお、政令関係等につきましては政府委員からお答えを申し上げます。
#36
○政府委員(佐野徹治君) 関係の政省令につきましては、国会で法案を成立させていただきました後に、法律の公布を一応のめどといたしましてできる限り早く公布できますように目下鋭意作業を行っておるところでございます。
#37
○岡利定君 ありがとうございました。終わります。(拍手)
#38
○下村泰君 自治省にお伺いします。
 実は御通知申し上げておりませんでしたので、これは御意見だけ承るという形にして承りたいんですけれども、まず、私が当選させていただいてこの参議院に来てから私の悲願でございました選挙に手話通訳を入れてくれと、これはもう十七年間申し上げてきたんです。やっと念願がかないましてどうやらその形になるようなお話を承っておるんですけれども、今度予算が計上されたというふうに承っておりますが、どういうふうにどんな形にその予算が組まれたのかそれをひとつ御説明願いたいと思います。
#39
○政府委員(佐野徹治君) 政見放送研究会、これは有権者の方々の研究会で政見放送手話通訳等につきまして御研究をいただいていたところでございますけれども、平成六年六月二十日に報告書をいただいております。
 それを受けまして、できますれば来年の参議院の関係につきまして比例代表の選出議員に手話通訳を導入できないかどうかそういうことを私ども勘案をいたしまして、平成七年度の予算にもそういった関係の例えは収録の関係だとか研修の関係だとかそういったことにつきまして現在平成七年度の予算で要求をいたしておるところでございます。
#40
○下村泰君 次は、郵政省電気通信局長の私的研究会の電子情報とネットワーク利用に関する調査研究会というのがありまして、ここから一日にパソコン通信を選挙運動に利用することを提言したという報告書があるんです。
 アメリカの方では既に、これはお金のかからない大変いい選挙運動だというんで大変向こうでは使われているんだそうで、例えばクリントン候補なんかは、パソコン通信で送られた質問に答えたり声明や報道資料を流したりした。このほか議員の活動記録や考え方、政治資金源などをデータベースにして有権者が手軽に調べることができたりして、大変向こうではいいんだそうですが、どうなんでしょう、この報告があったということに対して自治省の方はどういうふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#41
○政府委員(佐野徹治君) 私ども、郵政省でそういった研究会を持たれて報告書らしきもの、正式の報告書かどうかは詳しく承知しておりませんけれども、新聞等でそういうものは承知をいたしておりますけれども、郵政省の方から自治省として御相談にはあずかっておりません。
 したがいまして、郵政省ないしはその研究会でどういう考え方でやられたかということにつきましては、直接当事者からお話を伺っておりませんので、ちょっとこの場で私どもの考え、コメントを申し上げるのは差し控えさせていただいた方がいいのではないかと思います。
#42
○下村泰君 例えば聴覚障害の方というのは意外どこういうのを利用しているケースが最近多いんです。ですから、こういう方たちが利用台数が多くなった場合に一応考えられることでしょうか、考えられないことでしょうか。このくらいはお答え願えますか。
#43
○政府委員(佐野徹治君) 御案内のことだとは思いますが、現在の公職選挙法におきましては、いろんな選挙運動の手段につきまして一定のルールを設けております。文書図画等につきましてはどういう形で頒布なり掲示なりできるか、そういうルールがございますけれども、これらにつきましては従前からもいろいろ国会で御論議もいただいた結果でき上がっておるものでございますけれども、基本的には例えば選挙なり選挙運動の公平と申しますか公正と申しますか、そういうものをどういうように確保しながらやっていくか、こういう観点からでき上がっておるものでもございますので、やはりそういう観点からいろいろ判断をしていかないといけないのではないかと思います。
#44
○下村泰君 それからもう一つちょっと伺わせてください。
 選挙に関する文字放送でございますけれども、この方はどういうふうになっていますか、今のところ。
#45
○政府委員(佐野徹治君) 先生のお尋ねをちょっと確認させていただいて恐縮でございますけれども、政見放送に字幕を導入するということではございませんね。そういう御質問でございますか。
#46
○下村泰君 あくまでも文字放送。
#47
○政府委員(佐野徹治君) 文字放送でございますね。
 これにつきましては、ちょっと私どもまだいろんな技術的な観点から、特にこれは行政の主体と申しますよりも放送事業者なりなんなりそういうところとのやはりいろんなお話し合いが重要であると思っておりまして、まだ私ども行政の立場として具体的にどうするかというところまで検討する段階には至っておらないということにつきまして御了承いただきたいと思います。
#48
○下村泰君 それはそれでありがとうございます。
 それからもう一つ、在外邦人の選挙権の問題なんですけれども、ことしの三月までは政治改革特別委員会の皆さんが大変御熱心に動いていただいて、たしかことしの三月にはオーストラリアのシドニー、マレーシアのクアラルンプール等で現地の邦人の方々からいろいろ御意見を伺ったと聞いております。
 先進諸国といいましょうかサミットに参加している国々は、ほとんどいわゆる在外のそのお国の方々の選挙権を郵送その他のいろいろな方法でやっておられるように承りますけれども、どうなったんでしょうか途中で話が何か線香花火みたいに消えてしまっているんですけれども、目の前にもずらっといらっしゃるんですけれども、どうなっちゃったんですかね、その後。どうぞひとつ聞かせてください。
 大変これは在外邦人の方々の御要望のきつい条件だと思うんですけれども、答えられる自信のある方はどうぞ答えてください。いい加減な答えならやめてください。
#49
○国務大臣(野中広務君) 国外に居住をしておられます邦人の皆さん方の選挙権の行使につきましては、従来からそれぞれ御主張があってきたところでございます。また、重要な問題であると認識をしておるわけでございます。たしか五十八年でございますか、この在外邦人のいわゆる選挙法の法案を政府は提出をしたわけでございますが、残念ながら廃案となったわけでございます。
 いかにして選挙の公正を確保するか、かつまた適正で円滑な投票の執行ということが担保されるかというのは非常に難しゅうございます。一つはまた、それぞれ海外にあります在外公館の協力が得られるかどうか、あるいは在外公館がそういうことをなし得る可能性があるかどうか。あるいは郵便による方法もそれぞれあるわけでございますけれども、その国の郵便事情あるいはそれによって不正が起きないかどうか。そういうあらゆる観点から非常にまだ問題がたくさん山積をしておるわけでございまして、これをまだ十分こなし得てそして過去の経緯を踏まえながら法案として出せる環境には至っていないというように存じておるのでございます。
#50
○衆議院議員(三塚博君) それでは党側から申し上げます。
 線香花火で消えてしまったんじゃないかと、こう言うんですが、爆竹にはまだなりませんけれども、私どもはやはりこれだけの政治四法案さらに選挙腐敗防止法、こういう形でスタートを切るわけでございますから、本件はかねがね自治大臣からも指摘のようなことが各党間でも出ておりました。しかし、やはりサミット構成国がすべてそうではないのかという御指摘がありますように、議会制民主主義の基本を踏まえてやられておる国家は本件について積極的でございます。既にスタートを切っておるわけでございますから、各党協議の中で取り組まなければなりませんし、政党側として全力を尽くし、政府のしりをたたきながら、花火になるように頑張ります。
#51
○下村泰君 例えば今、三塚先生、仙台ではよくお会いしますけれども、こういうところでは初めてでございますけれども、今、私の資料にありますのは、例えばアメリカあたりは郵便投票ですね。それからフランス、これは代理投票または在外公館投票、それからイギリスが代理投票、ドイツが郵便投票、カナダが郵便投票(在外公館への持ち込みもできる)、イタリアが日本とやや同じようで、本国に一時帰国すれば投票できる、こうなっています。そうすると、ほとんどの国々はやっぱりきちんとやっているわけですね。
 よく自治省の方に伺うと、選挙は公平を期さにゃいかぬ、公平を期さにゃいかぬと。じゃ在外邦人が投票するといったらどこに不公平が生ずるのか、私は逆に疑問に思うんですよ。出先機関がきちんとしていればそこへ行って投票すればいいんだから、そんなに小難しいことはないと思うんですけれども。これはできませんか今国会中にこのぐらいのことは。
#52
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のとおり、在外邦人に選挙権を与えたいという気持ちは同じでございますけれども、技術的にやはりどのようにして選挙の公正を期すか、あるいは果たして限られた選挙運動期間、告示から投票の間にそれぞれ海外に居住されておる方々に投票行為をしていただく可能性を考えますときに、まず第一に在外公館の協力を得なくてはなりません。これはなかなかしかし、各国に協力を得ることは非常に困難さが見受けられます。
 また、郵便というお話もございましたけれども、国内におきましても、郵便投票というのは非常に問題を残すわけでございますのでごく限られたものになっておるわけでございまして、果たして選挙の不正がこのことによって行われないかどうかという問題、あるいは期日までに、わずかな投票までの期間に到達し得るかどうかということを考えますと、非常に重要な課題でございますけれども、今申し上げましたように難しい問題がございまして、各省庁間でこれからもなお協議を重ねてまいりたいと存じておるところでございます。
#53
○下村泰君 今の大臣のお話を伺っていますと、何かそれじゃ在外邦人の数が少なけりゃ簡単にできそうだと、数が多くなれば多くなるほど、在外邦人が多くなれば多くなるほど公平が期せられないというような感じに聞こえてくるんですよね。
 本来は在外邦人の数が多けりゃ多いほどこれは重要な問題じゃないかというふうに私は受けとめるんです。それだけに、いろんな手続上難しいことがおありでございましょうけれども、向こうに行っているのも日本人なんですから、しかも日本の国を憂えていろいろ御心配なさっている方もいらっしゃいましょう。そういう方々に一日も早くそういう権利を与えるということはやはり政府として必要なことではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#54
○国務大臣(野中広務君) お話しの説はそのとおりでございますが、なかなか世界に点在しておられる邦人の皆さん方に公正な選挙の行使を担保するということに先ほど来申し上げておるようないろんな隘路があるわけでございまして、私ども熱意がないわけでございませんが、そのハードルを越えるために各それぞれの省庁と熱心にこれからも協議を重ねて、ぜひ先生の御期待にこたえられるような道を求めてまいりたいと存じております。
#55
○下村泰君 せっかく三塚先生もいらっしゃいますから伺いますけれども、非常に最近投票率がよくないんですよね。ここに新聞記事がありますけれども、八月二十二日の朝日新聞に掲載されているんですけれども、五百四選挙を調査した結果が載っているんです。二四%が無投票で成立して、投票があっても三八%が投票率が過去最低だったという報告が出されています。
 三百八十二選挙のうち百四十六選挙が過去最低。最も投票率の低かったのは九三年十月の神戸市長選の二〇・四一一%。それから水戸市、葛飾区、千葉市、川崎市、一宮市、これは愛知県です。それから豊中市、これは大阪府。奈良市、明石市、これは兵庫県。もう十五市区全部二〇%台にとどまっているんです。
 これだけ不人気になってきている現状で、果たして小選挙区というので投票率は上がりますか。
#56
○衆議院議員(三塚博君) お答え申し上げます。
 投票率の問題は、よく選挙民の政治意識にイコールしたバロメーターのように言われます。特に首長選挙というのは、立派な首長さん、実績を上げた首長さんというのはほぼ各党の御推薦をいただくということの傾向が深まっております用地方自治という民主主義の基本原則を踏まえれば、みんなが推薦をするということも一つの行き方かなと、こんなふうにも言われるわけでございます。しかし、選挙になってもそれほどの投票率のアップにはならないのではないかと、激戦だと言われても五〇%前後というのが大都市の傾向のようでございます。
 翻って、議会議員選挙ということで統一選挙で行われる地方議員のことは別として、委員が御指摘の小選挙区で果たして上がるのかねと。これは上がるように私どもが努力をしなければならぬというのが第一前提であります。そのためには基本政策を明確に示す、こういうことでなければなりません。そしてこの基本政策は、選挙後、政権に参加、構成をして責任を負うということになれば、その基本政策の実現に全力を尽くしていく。しかし、野党という立場になりましても、掲げた政策につきましてその実現に向けて、国家国民のために実現せよと政府に迫るというのも政党政治の大事な役目であろうと思います。
 こんなことを真剣に国会の場を通じて国民の皆様にわかりやすい形で結果を出していくということでありますと、この小選挙区制というのはまさに政策で、また政党対政党という形の中で激突をする、論戦を盛んにしていくということで、先ほど来答弁もありましたが、政治が活性化をして魅力あるものになっていくのではないだろうかと、こういうふうに思いますものですから、ぜひその方向にこれを盛り上げていくということであろうと思います。
#57
○下村泰君 今、三塚先生がおっしゃいました国民にわかりやすいという。ところが、実際のことを言って今度の選挙改革で一番わかっていないのは国民の方がわかっていないんですよ。わかっているのは先生方だけなんですよ。殊に衆議院の先生方は御自分のことに関する命に関することですから、政治生命に関することですから、先生方はよくおわかりになっている。ところが国民の方はさっぱりわからない。
 まずどういうところがわからないかというと、政治献金はそのままあるわけですよ、企業献金は。それの上に、企業献金がある上にまた助成金もよこせという。これは納得していませんよ、みんな。つまり、政治献金、企業献金が全部ない、何にもない、だから政治活動をするためにこれこれこういうことが必要だから国民の皆さんお願いします、コーヒー一杯分、というならわかるんですよ。こっちからいただくものはいただく、少し足りないからこっちもよこせ、そんなばかな話があるか、これが一般国民のわかっている話なんですよ。ですから、国民の方がわかり切らぬというのはそういうところがわかり切らぬ。先生方だけがわかり切っている、こういうことが現状じゃないかと私は思いますよ。
 ですから、そういうことが本当に国民に納得できるようにするには一体どうしたらいいのかということですね。私は、ますます政治離れして、ますます投票率が低くなると思いますよ。現に小選挙区でいった国々ではみんな低くなっているはずですよ、今。それだけに、これから一体どうしなきゃならないのか、どういう責任を持ってどういうふうに国民に対処していかなきゃならないのかというのは、これは大変な問題じゃないかと思いますしゃべっている私一人の問題じゃないと思います。これに関して自治大臣の御意見を伺って、終わりにします。
#58
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のとおりに、最近の投票率の低下はまことに憂慮すべきことでございます。
 一つには、やはり政治不信がいわゆる投票行為に結びつかないことになったのではなかろうか。あるいは最近の近代化が逆にまた投票行為に結ばなくなったのではなかろうか。いろんなさまざまな要因がありますけれども、特に若年層の政治に対する関心が薄いと申しますか、特に各級の選挙を通じて若年層の人たちの投票率が低いということには私ども重大な問題を抱えておると存じますので、これからより啓発に励んで投票行為に結ぶように、一生懸命に関係機関の協力を得て投票率の向上に努めてまいりたいと存ずる次第でございます。
#59
○下村泰君 ありがとうございました。
#60
○西野康雄君 新党・護憲リベラルの西野でございます。
 野中大臣あるいは三塚先生のいろんな御意見も今、拝聴しておりました。小選挙区導入の理由に、政党本位で、そして基本政策で争うんだ、こういうふうなことでございましたが、しかしながら皮肉なもので、連立政権が誕生して与党、野党ともその垣根というものが随分と低くなってまいりました。まさに政策本位で争うと言うが国民の目に映るのは、基本政策で一体どこが違うのだと。消費税の導入にしても、片や五%、それも六%の含みがある。片一方は国民福祉税という形で七%と。そして、片や五%の導入の際には福祉福祉ということをば大きく強調をしている。一体どこにそれだけの相違があるんだということになってくる。政策論争で活発なといいながら、今国会を見ておりますと情けないかなスキャンダル合戦である。お互いに足を引っ張り合っている。
 そういうふうなことを見ますというと、小選挙区というものが果たして本当に基本政策で争うような形になっていくんだろうか。これは重大な疑問もございますし、きのうも新・新党に彩られる議員さん二人とお話をしておりました。一人は余裕しゃくしゃくでございました。一人はどこへ行ってよいかわからないというふうな状況なんだということですね。
 私は兵庫県の西宮に住んでおりますが、西宮からだれが衆議院に出るのかというと、強力な人が一人西宮・芦屋地区にいる。淡路島の方へ行くと強力な長老がいらっしゃる。そしてまた、尼崎の方に行きますというとすごい方がいらっしゃる。そういうふうなことをずっと考え合わせると、まさに小選挙区というものは本当に政党できっちりと政策本位で争うのかというふうなことになると全くもって私自身は疑問に思うんです。
 答弁の通告も何もございませんが、今、下村さんとのやりとりを聞いておりまして若干その辺を野中大臣と三塚先生にお聞きしたいなと思うんですが、どうでしょうか。
#61
○国務大臣(野中広務君) 先生御指摘のとおり、今回の選挙制度のあり方についてはいろんな御意見があろうかと存ずるわけでございます。
 しかし、過去の中選挙区の中において、同一の政党人がその選挙区内で激しい戦いをすることが結果的に選挙資金の増大やらあるいは腐敗に結びついてきた等の反省点を踏まえながら、今回の小選挙区を中心とする選挙制度に大方の合意がなされて、そして法案の成立となったのでございまして、今後さまざまな問題がまだ残されておると思いますけれども、私どもはそれを克服をして、そして先ほど申し上げましたように、今回一連の政治改革が後世の批判に耐えられるようにやっていかなくてはならないと思っておるわけでございます。
 ただ、衆議院の選挙制度が手をつけられて出発点にかかっただけでありまして、参議院の問題あるいは地方の選挙の問題等さまざまな問題をまだ課題として残しておるわけでございまして、今おっしゃいましたように、政党間の選挙としてこれから我々はみずから研さんをすることによって、政党が責任を持つことによってこの選挙制度の改正がより効果的に国家民族の幸せの上に結びつけられるように努力をしていくことがスタート台に立った現在の気持ちであると思っておる次第でございます。
#62
○衆議院議員(三塚博君) 西野委員にお答え申し上げます。
 ただいま一例を御披瀝いただきましたこと、四十七都道府県、衆議院選挙区で言いますと百三十選挙区、この中で党の枠を超える者も出てまいり、また各党間の思惑、展望を含めて渦巻いておることは事実であります。
 しかし、七十年ぶりに本格的な小選挙区制がスタートをする、それも並立制、多様な意見を比例の中で吸収をしながら政治を活性化しようと。流れは二大政党へ流れるであろう、こういう政治の潮流はございますが、しかし直ちに次回の総選挙後そうなるかどうかはどなたもわかりにくいところでありまして、二、三回選挙が行われますと二大政党へと落ちついていくのかな、三極がそこに出るのかな、日本共産党はイズムを中心にあくまでも戦い抜くと、こういうことにただいまのところは見てとれるわけでございます。
 そういう中で、今次の小選挙区制というものについて私どもは、混乱は、政党政治というのは何か国民が期待する政治とは何かと、こういう原点を踏まえながら、苦しいけれどもこれを貫き通すという努力の中でできるだけ終息をしながら、政治が活性化する方向につくり上げていく努力を、各党それぞれ苦悩があるわけでございますが、公党としての使命感、責任の中で御努力をいただく以外にないのではないかと、こんなふうに思い、今それぞれがこの時期に、候補者たらんとする者、現職の皆さんも含め我々も含めて大変な時期に立ったな、二十一世紀に向けての政党政治のあり方の根本をつくる立場に立ったなと、こんな意味で、特に参議院の先生方については大所高所から、私どもよりは高い見地から物を見ていただける立場にありますから、格段の御指導と御鞭撻を賜りたいと思います。
#63
○西野康雄君 若干、政治の腐敗と小選挙区制度というので論理のすりかえのようなものが行われたかなと思っておりますが、しかし御意見は御意見として拝聴をいたしておきます。
 連座制の強化について若干質問をさせていただきますが、「組織的選挙運動管理者」という言葉が法案の中にも出てまいりますが、この組織的選挙運動管理者というものは、この概念を提出なさいましたけれども、具体的には何を指し示すのか、お答えを願いたいと思います。
#64
○衆議院議員(大島理森君) 組織的運動管理者ということでございますが、普通、選挙ということの実体論を考えますと、参議院の選挙もそうであろうと思います、また私どもの選挙もそうであろうと思いますが、いわば人的な一つの組織でもって行う、後援会でもそうでございますし、あるいはまたいろんな組織をつくってそして選挙をやっていく、そういう中で一つはヘッドクオーター的な役割をする人たちがおります。それはいわば企画的な役割を担う人たちだろうと思うんです。先生の場合でもそうだと思いますが、そういうふうな方々。
 もう一つは、それぞれの部署を担当してその選挙実体を動かしていく、リーダーというのでございましょうか。文面的には、先生御承知のように、そこにいろいろ書いてあります。概念としてはそんなとらえ方で、携わっている方々を組織的選挙運動管理者というふうな概念でとらえていると、このように思っていただいていいのではないかと思います。
#65
○衆議院議員(保岡興治君) 今、大島提案者の方から御説明を申し上げましたとおり、我々が行っている選挙の実態というものは、普通、空気や風でやるというのは例外でありまして、きちっとした組織をつくったり既存の組織を利用したりして組織で選挙をやっているのが一般的である。そういった意味で、そういった組織の中で選挙のあり方を決めたり、そのあり方を決めたものを実行したりする責任を持っているような人を連座の対象に広く適用することによって選挙の浄化を徹底的に図っていこうという趣旨でございます。
 そういった意味で、組織には典型的なものはまず政党があります。そして、議員の後援会なども最も中心に立つ組織である。そして、あとはいろいろな系列の首長や議員の後援会というものも選挙の組織の重要なものではないだろうかと思います。その他、会社、業界、農協団体とかいろんな団体、そしてまた小さいものでは同好会、同窓会、そういったいろんな組織を通じて選挙をやっている。
 そういう中で、先ほど大島提案者からもお話があったとおりでございますけれども、もう少し一般的に言いますと、ここで構想している組織的選挙運動管理者というのは、いわば選挙運動というものは、有権者の説得、理解及び支持の求め方、またそのための運動員のあり方、動き方、働きかけ方などを言うものだと思いますが、そういった選挙運動の計画、作戦の立案、調整、そして情報の収集、分析、判断、それに基づく計画の修正、運動員の指揮監督、資金の調達などの管理の行為を行う者をとらえようとしている概念でございます。
 選挙運動組織体及び階層的な組織の場合であれば、その各段階の全部または一部において中心となって取りまとめている者やこれを補佐する者を初め、その重要な部分の役割を分担する者、いわば参謀というんでしょうか。参謀といえば、辞書を引くと、作戦の計画、指導に当たるということになっていますが、そういう参謀クラスの者、すなわち先ほども申し上げましたが、その選挙運動を行う組織及びその各段階の全部または一部の構成員、運動員のあり方を決定し実行させる行為を行う者がここに言う組織的選挙運動管理者等ということだと思います。
 例えば先ほど挙げた政党や後援会のような典型的な選挙運動組織体の場合には、その一部、例えば一定の地域支部、職域支部、また青年部、婦人部、また地域支部の中の婦人部など、いろいろ各組織は細分化されて末端まであると思いますが、そういった選挙運動の管理を行う者もここに言う組織的選挙運動管理者に当たると。選挙運動全体のあり方を決める立場の者を広く連座の対象にしているということでございます。
#66
○西野康雄君 さすがに選挙に御苦労なさっているだけあって詳しく御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 早う言うたら街頭演説などの立案、調整をするとかポスター張りの指揮をとるとかそういう人たちのことだろうと思うんですが、少し気になるのは、当該買収罪等に該当する行為がおとりもしくは寝返りにより行われたものであるとき、または当該公職の候補者等が相当の注意を怠らなかったときは、連座制を適用しないものとすると、こういうふうなことですが、自治省にこの判断をお伺いしたらいいんですかね。
 組織的選挙運動管理者のおとり行為、寝返りによる場合は免責となるというんですが、何を判断にとって寝返りと言うんだろうかおとりと言うんだろうかそういうふうなところの判断基準をお伺いしたいと思います。
#67
○衆議院議員(大島理森君) お答えを申し上げます。
 おとりというのは、先生もおとりという言葉で概念があると思うのでございますが、例えば買収罪等に該当する行為がまずありましたと。その行為があった、その行為をした以外の人がそれを誘導するあるいはまた挑発をする。おまえ、ちょっと行って買収、あそこに定数があるから行ってやったらいいじゃないかと。たまたまその買収行為をした人が組織的管理者である。そこをねらってここに誘発者、誘導者がいるわけですね。そして、その人がなおかつその当該候補者以外の候補者の選挙総括者あるいはそういうふうな方々と意思を通じる、そしてもう一つ意図がある。それはそうすることによって相手を連座の適用にさせてやろうという意図がある。それらの要件が備わったものがいわばおとりであろうと思うのです。
 それから寝返りというのは、その誘導者あるいはまたその挑発者がいない、御自身が相手方と意を通じて、なおかつ連座制の適用にさせてやろうという意図をもって、そしてそういうことをやっていくということが寝返りの要件なんだろうと思います。
 要は大事なことは、この二つのことを例えばやられたとしても、その買収行為をやる方の地位がその選挙母体の選挙管理者でなければいかぬわけですね、これは先生御承知のように。そこにおいて一番大事なことは、何回も御答弁させていただいておりますが、候補者が相当な注意を払うということが実はこの連座制拡大の大きな趣旨なわけです。
 つまり、候補者みずからが買収等のような行為は絶対いかぬよというふうなことをすることによって選挙の浄化を果たしていこう、そういう責任を候補者に与えていこうということが趣旨なわけでございまして、具体的な事例はまさにそういうふうなものが起こったときの具体的事例として判断をされることであろうと思いますが、挙証責任というのは、多分その候補者、つまり連座制の適用とされるような候補者が挙証責任として負って裁判上は戦っていかなきゃならぬということに相なろう、このように思っております。
#68
○西野康雄君 大島先生の御答弁の中にも相当の注意を怠らなかったときという文言が出てまいりました。有権者にとっては、おとり行為、寝返りによる場合とか相当の注意を怠る怠らないというふうなところになると、これはどうもまた連座制の適用強化と言いながら抜け道をあっちこっちにつくっておる文言じゃないかそういうふうにしかとられないわけですね。
 やくざ映画で、親分が人を殺傷した、おまえ、かわりに自首してこいと。私がやりました、私がやりましたというのと一緒で、私がおとり行為をやりました、私がこうやりました、寝返り罪、はい、私がもうこれ全部全面的に責任をおっかぶりますというふうな情景が目に浮かぶし、怠らなかった、私は随分と注意をしていたんです、文書でも注意もしていたし、口頭でも全部の運動員に注意をしていたんですけれども、ところがこいつがばかでございまして、私の注意を聞かずに買収に走りましてというふうなことになるわけで、こういう文言を入れざるを得ぬのだろうけれども、連座制というのは、これは戦後だった一人しか連座制が適用されてそして議員失格になっていないわけです。
 連座制の適用とか連座制の強化強化と言うけれども、実はそれはそんなに皆さん方自身が本当にきっちりと腹の中でこれは厳しいものだという覚悟を持っておるのかどうかということを、国民自身が判断をすることでしょうけれども、国民自身はそういうふうにこういう文言を入れるということは納得をしていないんじゃないかな。そういうふうな感想を僕は率直に持っております。
 最後になりますが、政党助成金の使途についてですが、新聞ですけれども、「殿が日本新党につき込んだ貸金 十二億円のツケ、国民に」と。「日本新党は第二の国鉄清算事業団か?」というふうなことで、「日本新党は来月十日の新・新党合体に伴い消滅するが、党首・細川護煕氏はこれまで党に注ぎ込んだ金を税金から回収することを目論んでいる。」。こういうことが正しいかどうかわかりませんけれども、「解党を決めた先月三十日の党大会で、地方代議員が「党が細川代表から借りたカネは返せるのか」と質問した。これに対し党財務委員長は「解党後、負債は清算団体に移され、新・新党との契約で処理することになるだろう」」というふうなことで、最後にこの記事を書かれた政治評論家は、「それにしても、だれが頼んだ訳でもない?のに、殿が政治ギャンブルにつき込んだツケを国民に回されたら、国民は言葉は汚いが「自分のケツは自分でふけ」と怒るだろう。」、こういうふうなことになっているわけですね。
 政党助成金の使途というものを厳密に示していかなければ国民は納得しないと思うんですけれども、その辺の自治省の見解なりをお伺いして、私の質問を終えさせていただきます。
#69
○政府委員(佐野徹治君) この政党交付金の使途につきましての考え方でございますけれども、政党助成法の考え方は、政党交付金につきまして使途を限定いたしますと結果として国家が政治活動に介入することになるおそれがあり、また政党の政治活動は千差万別でございまして、これを一律に区分することは技術的にも困難である。こういったことから政党助成法におきましては、政党の政治活動の自由を尊重する見地からその使途を制限はしない、その政党の責任にゆだねる、こういう考え方で、一方では政党が公的助成を充当した支出を公表いたしまして国民の監視と批判にまつということにいたしておるところでございます。
#70
○委員長(上野雄文君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#71
○委員長(上野雄文君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、細谷昭雄君及び西野康雄君が委員を辞任され、その補欠として岩本久人君及び翫正敏君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#72
○委員長(上野雄文君) 休憩前に引き続き、三案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#73
○一井淳治君 国民の政治不信を解消していくということは、政府にとりましても我々国会にとりましても最重要課題であるというふうに思いますが、とりわけ政治腐敗の根絶に向けて努力していくことが最もこの政治不信の解消につながっていくというふうに思います。国民の期待にこたえるためにも、一層努力を強めていかなくちゃならないというふうに思いますけれども、自治大臣の御見解を伺いたいと存じます。
#74
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のとおりに、国民の政治不信を解消しますことは最重要課題であると認識をしておるところでございます。国民の政治改革に対する期待にこたえますためにも、早急に政治改革の関連諸法案を施行に移していくことがまた重要であると考えておるのでございまして、私といたしましては、今回の制度改革を契機に政治改革を目指す国民の政治に対する信頼が回復をし、そして信頼を確立し、政治腐敗の根絶に向けてさらに努力を重ねてまいりたい決意であります。
#75
○一井淳治君 政治腐敗の防止といいますのは、現在の政権の基本的な目的であるというふうに思います。
 六月二十九日にいわゆる連立政権の合意事項、正式には「新しい連立政権の樹立に関する合意事項」が結ばれておりますけれども、そのトップに「政治改革の継続的推進」ということが掲げられておるわけでございます。その項をちょっと読んでみますと、「衆議院の選挙制度改革など政治改革関連法案に基づく制度改革を着実に実現する。」ということから始まりまして、「政治腐敗防止のため必要な関連法の改正を進める。」ということが書かれておるわけでございます。
 そして、村山総理の所信表明演説でございますけれども、十八日の衆参両院本会議におきまして、「政治の浄化のため、さらなる政治腐敗防止への不断の取り組みを進め、より幅の広い政治改革を推進してまいります。」という国民に対する約束をされまして、その後、私も新聞記事をずっと抜き出してみましたけれども、例えば与党あるいは政府に対して腐敗防止を進めるようにという指示をなさっているという記事もかなりあるわけでございます。
 そういった中で、政権与党といたしましても熱意を持って腐敗防止に取り組んでいかなくちゃならない。そのためには、一つにはこの臨時国会で成立した数々の法案を、あるいは今回の臨時国会の法案に限らず、さきに成立しておる政治改革関連法案をすべて着実に実行していくために国民に対してPRをしていく。これは選挙に出る人だけの対応では不十分でありまして、実際に選挙を実施するあるいは選挙運動を行う国民一人一人の深い認識を必要とすると思うわけでございますけれども、そういった国民に対する啓発と、それとあわせて、この臨時国会で法案ができたからこれでおしまいだというのではなくて、今後とも政治腐敗に向けてさまざまな法案をつくる等の努力をしていかなくちゃいけないというふうに思うわけでございますけれども、自治大臣の御所見を伺いたいと存じます。
#76
○国務大臣(野中広務君) 委員ただいま御発言ございましたように、連立政権の樹立に当たりましての合意事項の第一に政治腐敗の防止が挙げられておるわけでございまして、国民の政治不信を払拭していきますためには政治倫理の確立が何よりも重要であると考えるわけでございます。同時に、今お話がございましたように、制度面につきましても改革を実現することが必要でございまして、腐敗防止策を含めた選挙制度の改革や政治資金制度の改革が速やかに施行できますよう、法案の成立を私も早期にお願いを申し上げる次第であります。
 もとより今回の制度改革は、先生おっしゃいましたように出発点でございまして、これからが重要な課題でございます。この諸制度の周知を徹底して行い国民の理解を得ながら、政治家はまた襟を正し、政党はまだその責任を重んじて、そして真の政治改革が出発点から新たなる道のりをたどっていかなくてはならないと存ずる次第であります。
 所管大臣といたしましてもさらに努力を続ける決意でございますので、各党各会派におかれましても引き続き御論議をいただき、また御指導をいただき、御検討をいただきたいと存ずる次第であります。
#77
○一井淳治君 あわせて、新しい選挙制度あるいは政治資金に対応できるように国民に対する啓発ということにつきましても一層の御努力をお願いしたいと存じます。
 次に、腐敗防止といいますと具体的にはお金の問題になってまいります。政治活動に関連するお金の動きというわけですけれども、これが企業から出てくる形は使途不明金という形をとる場合が多いわけであります。使途不明金といいますのは税法上の用語でありまして、必ずしも定義がはっきりしないわけであります。私は、これは通常一般的に使われている使途不明金という言葉で使わせていただきますが、これについて先般税法上の改正がなされまして、使途秘匿金について大体合計一〇〇%近くの課税をするということで一つの対応ができたわけでありますけれども、しかしこれだけでは不十分であると。商法上の規制をさらに考えていかなくちゃならないという世論もありますし、最近勉強したのでありますが、ことしの一月五日に出ております「商事法務」という雑誌で著名な大学教授の座談会がございましたけれども、そこでもそういう指摘がございますし、また日本税理士会連合会の答申でも同種の指摘があるわけでございます。
 この使途不明金の問題につきましては、私もこれまで何度か質問をさせてもらっておりますけれども、商法上というふうになってきますと、商法の四百九十八条一項十九号にあります過料による制裁ということが具体的な課題となってまいります。これは商法四百九十八条一項十九号を見ますと、会計帳簿に記載すべき事項を記載せず、または不実の記載をなしたる者は百万円以下の過料に処すというふうな規定がございます。この商法の規定する不実記載等と今私が申し上げました使途不明金とは、これは完全に重複するわけじゃございませんけれども、しかし商法の規制を厳しくしていくと使途不明金がおのずと減っていくという、そういう関係はあるというふうに思うわけでございます。
 そこで、法務省にお尋ねしたいわけでございますけれども、商法四百九十八条一項十九号がどの程度機能しているかということでございます。これは裁判所がこの過料を取るわけですから私の方で裁判所の方に聞いてみたんですが、はっきりした統計はございませんけれども現実の問題としてそういうことを扱った記憶がないという人がほとんどのような状況でございます。この四百九十八条一項十九号がどのような機能を果たしているか、現状ですね、これについてまず法務省にお伺いしたいと思います。
#78
○政府委員(濱崎恭生君) 委員も御指摘のとおり、この過料の制度は過料の裁判という形で裁判所で運用されるわけでございますが、裁判所の方では過料事件についての統計は持っておられるけれども、その事由ごとの統計は持っておられない。したがって、御指摘の会計帳簿の不実記載等に関する過料事件の数ということもそれだけ取り出して把握できないということのようでございます。したがって、そちらの方からどういうふうに機能しているかということを私どもの方としても判断しかねるわけでございます。
 この過料の制裁規定というのは、私どもとしては現行制度のもとで適正な運用がされるということを期待しておるわけでございますが、それとあわせて、こういう規定が存すること自体による抑止機能というのもこれは相当にあるのではないか。ただ、それは数量でもって御説明できることではございませんのではっきりしたお答えを申し上げることができないわけでございますが、それなりに機能はしているのではないかという認識を持っております。
#79
○一井淳治君 規定があるだけでは全く機能していないと私は思うわけです。実際にせめて年に一人でも百万円取られる人がおられたら、ものの五万円でも取られる人がおられたら機能しているというふうに言えると思うんですが、どうも私が認識している範囲では本当に数年間に一件もないんじゃないかというふうな、これは裁判所に統計がないわけですから、一件一件全国の裁判所に電話して聞くわけにもいきませんしわからないんですが、どうでしょうか、私の今の認識は数年間に一件もないんじゃないかというその程度じゃないかと思うんですけれども、どうでしょう、法務省の御認識は。
#80
○政府委員(濱崎恭生君) 申しわけございませんけれども、私どもとしてもそんなにたくさんあるというふうには思っておりませんけれども、年に一件もないのかどうかということにつきましては、それだけの御答弁を申し上げることができないことをお許し願いたいと思います。
#81
○一井淳治君 商法を、この法律の運用を担当されておりますのはやはり法務省でいらっしゃいますから、この点を十分調査をされまして、この規定が空文化しないように具体的に働くように御努力いただくことは法務省の責任じゃないかというふうに思いますが、私の考えは違っているでしょうかどうでしょうか。
#82
○政府委員(濱崎恭生君) これは一井委員の御質問に対して従前からお答え申し上げておるところでございますけれども、商法上、会計帳簿の不実記載というのは抑止しなければならないという観点のもとに、商法の立場としては主として株主や取締役会やあるいは監査役、さらには大会社につきましては会計監査人の制度、そういった内部の監視機能、会計監査人ということになりますと純粋に内部ではございませんけれども、そういう組織としての監視機能を充実させる、それによってそういう適正な会計処理というものをきちっと確保していただくという制度を用意しているわけでございます。
 そういう制度のもとで、会計帳簿の不実記載をめぐって会社に損害を及ぼすということになりますと、損害賠償の制度を用意しておりますし、さらには特別背任罪という制度も用意しているわけでございます。
 私どもとしては、そういう組織としての監視体制ということをできるだけ充実させていく、その制度を十分に会社に理解してもらって、その制度のもとで要するに内部の体制としてそういうものをチェックしていただく、そういう体制を充実し、かつそういうことで実際にやっていただくということを図るということがまず何よりも大事ではないだろうかというふうに思うわけです。
 もちろん過料制度というものもそういう制度を補完する意味において存在するわけでございますが、これはやはり株主、会社債権者、そういった会社の利害関係人からの通報によって裁判所が適正に運用していただくということに期待するほかはないと思うわけでございますし、それを越えて公権力が独自に会社の帳簿をチェックするというようなことをするということは、これは事実上もう大変難しい問題であるし、問題点も多いのではないか、そういう問題もございますので、ただいま申しましたようなことで努力をさせていただきたい。
 先般の平成五年の商法改正についてもそういった観点からの改正を実現させていただき、その制度のもとでの適正な運用ということについて私どもとしては可能な限りの努力をしているつもりでございます。
#83
○一井淳治君 監査役とかあるいは株主の監視機能というのが確かにございます。しかし、その前提として会計帳簿にきちんと記帳しておいてくれないと監査役もごまかされてしまうし、株主も帳簿を見てもわからないわけですから、やはりこの帳簿や会計関係の書類がきちんと書かれておるということが何といっても基本でありまして、それがないと監査役も株主も監視できないわけですから、やはりこの点が一番の基本ではなかろうかと思うわけであります。
 この百万円以下の過料では不十分だから刑罰にしろという立法論も一部にはあるところでありまして、私はこの規定自体が機能するようにやはり法務省で考えていただかないと、今のようにそれは監査役にやらせておけとか株主にやらせておけとかいうのではいつまでたっても使途不明金が少なくならないというふうに思うわけであります。
 この間の税法の改正によりまして九六・九%の重税が課されるようになりましたけれども、これも時限立法ですからその先がどうなるのかわからないというふうな状況ですから、やはり法務省として何とかこれが機能するように考えていただきたいと思うんですが、どうですか。法務省の権限でないんでしょうかこの点は。
#84
○政府委員(濱崎恭生君) 先ほどの補充になりますけれども、監査役がそういうことを監視するという観点からは、制度としては営業報告を求める、業務、財産の状況を調査できるという規定を設けているわけでございまして、そういう権限を監査役にきちっと行使してもらうということについては、私ども御案内の社団法人日本監査役協会等を通じまして最大限の努力をさせていただいているところでございます。
 過料制度の運用ということ、運用は私どもの権限ではございませんけれども、過料制度というのは、これは御案内のとおり、実に大変たくさんの過料事由というものがいろんな法令でございます。そういうものを含めまして、これは制度として存在する以上は適正な運用ということを考えてまいらなきゃならない問題であると思いますけれども、そういった幅広い対象である過料制度というものをどういうふうにやっていったらいいかということは、委員の御指摘も踏まえて私ども肝に銘じておきたいと思いますけれども、現実にすぐどういうふうにできるかということになりますと大変今難しい問題であろうというふうに思っておりますが、お言葉は十分受けとめさせていただきたいと思います。
#85
○一井淳治君 どうもお席に着かないうちにまた重ねて質問をしてまことに恐縮なんですけれども、世論の動きや学者の意見なんかも、やはり商法段階で頑張ってもらわないとと。というのは使途不明金が百億単位ですから、何しろ。全体の使途不明金ではなくて一部の企業の抜き取り検査の結果、単位が百億単位ですから、数百億円ですから、これに対してどうするかという危機意識を持ちながら商法に頼らざるを得ないという考え方を持って議論をしているわけでございますから、やはり商法の主管官庁であります法務省にぜひともこの規定が実効性を持つにはどうしたらいいだろうかということを真剣に考えていただきたいわけでございます。
 これは私一人の質問ではなくて、これも局長さんは御承知と思いますけれども、参議院の法務委員会で附帯決議をしているわけでございますから、附帯決議の意味もこういったことにあると思いますので、十分な御検討と何らかの前進を図ってくださいますように、何らかじゃなくて大きな前進を図ってくださいますように希望を申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つは、今お話がありました監査役制度でございますけれども、大勢の方が涜職罪等によって逮捕されます。この金額が何百万というあるいは何千万という大変な額なんですけれども、これについて監査役はどのようにしたのか、そういった報道を聞いたためしがございません。ということは、商法上は監査役制度はかなり前進しておるんですが、法務省の努力によりまして確かにさまざまな監視制度が前進しているんですけれども、これが十分に機能していないんじゃないかというふうに思うわけでございますが、その点はいかがでございましょうか。
 特に監査役の監査の制度が一番大事だと思うんですけれども、この点が機能しないためにこの種の政治腐敗の問題が起こっているというふうに思うんですが、その辺はいかがでございましょうか。
#86
○政府委員(濱崎恭生君) 御指摘のとおり、これまでは監査役といっても中心となる監査役は会社の中で育った人であるというような関係から、必ずしも監査役が監査役として毅然とした監査を行うということが十分にできていなかったのではないかというようなことを実務界からも聞いているところでございます。
 しかしながら、そういった点については、先ほど申しました日本監査役協会等のお話を聞きましても徐々に改善されつつあるということを聞いておりますし、繰り返しになりますけれども、先般の改正等の機会を通じまして、私どもとしても監査役協会あるいは経団連等の経済団体等を通じましてそういうことを毅然とした態度を持ってやっていただくということをお願いしておりますし、それは先生、一挙にパーフェクトなものになるということについては時間をかける必要があろうと思いますけれども、少しずつ改善されてきているということであろうと思います。
 御指摘のような場面についてはそれまでの監査機能が、具体的にそういう問題のあった事例については監査機能が十分に機能していなかったということなのかもしれません。そういった点については私どもとして従前にも増して努力を傾けていきたいというふうに思っております。
#87
○一井淳治君 まことに申しわけありませんが、まだ続けて。
 それで、これは民間団体に対する啓発ですから強制的にもできないと思うんですね。その点、法務省の困難なお立場は私もわかるんですけれども、この啓発活動としてどういうことができるのか、どういうことをやっておられるのかということをちょっと御説明いただきたいと思います。
#88
○政府委員(濱崎恭生君) これは先生には釈迦に説法がと思いますけれども、現在の会社法の制度、これは自由な経済活動を確保するという観点から、会社の設立につきましては一定の基準を満たせば設立を認めるいわゆる準則主義をとっておりますし、会社の運営につきましても、制度としてきちんとした制度を用意して、その制度のもとで会社関係者にしっかり運用してもらうということを期待しているわけでございます。
 そういうことで、会社の数で言えば有限会社を含めれば三百万社ある会社に対して私どもがどういうふうに周知させる努力をすることができるかということにつきましては、私ども監督権限を持っているわけではございませんので、おのずから限度があるということを御理解いただきたいと思いますが、具体的には法改正がされる都度、私どもといたしましては解説書をつくって、それをできるだけ広く会社の関係者に利用していただく努力、あるいは先ほど来申し上げておりますように、日本監査役協会あるいは経団連等の経済団体、そういうところの場で理事者の方々に十分説明し、あるいはそういうところで開かれる会合の際に出席して趣旨の説明をする、そういう場を通じでできるだけ広く関係会社の役員、監査役等の方々に理解していただくという努力をさせていただいているということでございます。
#89
○一井淳治君 その啓発活動を今後一層強めていただきますよう要望いたしておきます。
 次に、法案の具体的内容でございますけれども、今回の公職選挙法の一部を改正する法律案によりまして連座制が強化されまして、特に組織的選挙運動管理者等にかかわる連座制の強化によりまして腐敗防止が相当進むんじゃなかろうかと私も強く期待している者の一人でございます。
 その条文の意味についてお伺いしたいわけでございますけれども、「公職の候補者等と意思を通じて組織により行われる選挙運動において」というくだりがあるわけでございますけれども、この「意思を通じて」ということの意義を御説明いただきたいと思います。
#90
○衆議院議員(堀込征雄君) お答えをさせていただきます。
 「意思を通じて」という意義は現行の連座制にもある概念でありますが、選挙運動について意思を通じる、こういう概念だというふうに考えておるところでございます。もちろん個々の犯罪についてまでこの意思の疎通が必要かどうかということについてはそういう意味ではないだろうという解釈をしておりまして、「意思を通じて」は、明確な選挙運動についての意思の連絡がある場合だけではなくて、暗黙のうちにも相互に意思疎通がある、こういうケースにおいても「意思を通じて」ということになるだろうというふうに理解をしておるところでございます。
#91
○一井淳治君 この点は将来実施する上で大変重要な点でございますので、もう少し突っ込んでお伺いしたいんですが、この「意思を通じて」と言えるためには認識だけで足りるのか認識だけでは足りないとすればどのような要素が必要なのか特に認容までが必要なのか、そのあたりのことについての御説明をいただきたいと思います。
#92
○衆議院議員(堀込征雄君) お尋ねのとおり、先ほど申し上げましたように、選挙運動について意思を通じる、こういうことでありますから、具体的な事実関係の中で選挙運動をやることについて相互に了解をしているんだ、こういう関係が必要だろうというふうに思っているわけでありまして、単に認識をしているだけではここに言う意思を通じるということにはならないだろう、このように考えるわけであります。
 今お尋ねの認容という意味でございますが、今度の連座制は、委員御承知のとおり、重大な当選無効まで含むものでありますから、そういう意味では認容という意味が相互了解というようなものを意味するということであればやっぱりそういうことが必要なのではないか、このように考えております。
#93
○一井淳治君 そして、この連座制につきましては、一定の場合に免責されるという免責事由がございます。これは事の性質上、私も免責事由があるべきであると思いますが、この意義について質問をさせていただきたいと思います。
 先ほど午前中の質問にも出たわけでございますけれども、他の問題も含めまして一括して御質問になりましたのでちょっと意義が不明確でありましたので、この免責事由でありますおとりについては何か寝返りとは何を指すのかという点についての御説明をいただきたいと思います。
#94
○衆議院議員(大島理森君) 先ほど西野先生からどんな概念かと、そういうふうな質問がありましたが、今、一井先生からもう少し具体的というよりは要件的に答えろということでございますので答えさせていただきます。
 おとりとは、買収罪等に該当する行為が当該行為をした者以外の者の誘導または挑発によってされ、かつ、その誘導または挑発が連座制の規定に該当することにより当該公職の候補者等の当選を失わせまたは立候補の資格を失わせる目的を持って、当該公職の候補者等以外の公職の候補者等その他その公職の候補者等の選挙運動に従事する者と意思を通じてされたものであることをいうというふうに認識しております。
 寝返りにつきましては、買収罪等に該当する行為が連座制の規定に該当することによって当該公職の候補者等の当選を失わせまたは立候補者の資格を失わせる目的を持って、当該公職の候補者等以外の公職の候補者等その他その公職の候補者等の選挙運動に従事する者と意思を通じてされたものであることをいうというふうに解しております。
#95
○一井淳治君 大変よくわかりましたが、後で会議録をよく読んで勉強させていただきたいと思います。
 次に、また字句を重ねてお聞きして失礼でございますけれども、免責事由のもう一つ、「相当の注意を怠らなかったとき」とはどういうことなのか、具体的な基準など示して御説明をいただきたいと思います。
#96
○衆議院議員(大島理森君) この「相当の注意を怠らなかったとき」のことでございますが、このことも、いわば「相当の注意」というのは、まず社会常識上それだけの注意があれば組織的選挙運動管理者等が買収等の選挙違反を犯すことはないであろう、その期待し得る程度の注意義務、こういうことに解しております。
 加えて、その「怠らなかった」ということの判定でございますが、これは結果発生の予見可能性あるいは結果回避の可能性の程度によって決せられるであろう、このように思います。
 さらに、そのそれぞれの事情から見る判断として申し上げますと、まず選挙運動の中に、運動体全体の中におけるその人の地位とか役割、あるいは候補者との具体的なかかわり方、その他具体的事情がいろいろあるんだろうと思いますが、直接的な注意を要する場合あるいは間接的な注意を要する場合、相対的に決せられることになるのではないかこのように思っております。
#97
○一井淳治君 これは大変重要な問題ですから、もう少し踏み込んだ質問をさせていただきたいと思います。
 この「相当の注意」の意味なんですが、「相当の注意」とは、要するにどの程度の行為を候補者等が行えばよいのか。特に末端の組織的選挙運動管理者に対して実際にどの程度の処置をとればその「相当の注意」を果たしたと言えるのかということについて御説明をいただきたいと存じます。
#98
○衆議院議員(保岡興治君) 今、大島提案者から御説明があったとおりでございます。これは候補者とそれから組織的選挙運動管理者とが近いか遠いかとか、その他いろんな事情によって具体的に注意義務が果たされていたかどうかということは決まるわけですが、一般的に言えば、候補者から遠いからといって、あるいは近いからといって、注意義務そのものの質は変わらない。これは先ほど大島提案者が説明したとおりです。
 ただ、個々の具体的な注意義務を果たしていたかどうかの判定、これは先ほど申し上げたように、場合場合によって違う。平たく言えば、選挙運動を行うについていろいろな方法、手段があったり、これは選挙運動の内容にもいろいろあると思います。そういった中身の濃い選挙運動を選挙運動組織体に候補者が期待しお願いをしているというような事情があれば、それと同じような程度の中身の濃い浄化努力が求められている。したがって、もっと具体的に言えば、ポスターやパンフレットを配ったり張っていただいたり、それをさらに末端に流していただいたりするような選挙運動が具体的に行われる場合は、それとあわせて、今度はこういう厳しい連座制が施行されることになったので、こういうことがあるとこれはもう当選無効、資格剥奪につながるという意味をよくそこにもあらわしていただいて、とにかく選挙運動で支持をお願いする熱意と努力と同じぐらいの浄化の努力も求められている、そういうふうに理解していただければ正しいかと思います。
#99
○一井淳治君 大変簡にして要を得た回答をいただきまして、よくわかりました。また、非常に審議の能率が上がりましたので、私の質問はこの程度で終わらせていただきたいと存じます。
 ただ、今のお話を聞いておりまして、本当にこの新しい選挙制度というものは、候補者本人も相当真剣に頭の入れかえをして勉強をして、そして選挙組織に対して十分に浸透を図っていかなくちゃならない。自分自身もそういう気持ちになるように心を入れかえないと新しい時代についていけないなという認識を深めたわけでございます。
 そういうことで、こういった選挙制度はまさに大変でございますから、自治省にも本当に啓発を深めていただきまして国民全体が新しい選挙制度でやろうというふうになるように御努力をいただき、また我々も引き続き腐敗防止、そして政治改革に対して前進をしていかなくちゃならないという決意を申し上げまして、時間の途中でございますけれども、質問を終わらせていただきたいと思います。(拍手)
#100
○川橋幸子君 時間が一井先輩の残された時間と私の割り当て時間で四十分余でございますけれども、おつき合いいただきたいと思います。(「短縮、短縮」と呼ぶ者あり)そうでございますか。何か別の要望もあるようでございますので、審議促進に御協力したいと思いますし、よろしくお願いしたいと思います。
 大きく分けまして、午前中も下村委員ほかから御質問ありました投票率の低下の問題と、それと個別具体的なお話について伺わせていただきたいと思います。
 投票率の低下の問題に入ります前に、私の個人的な経験でございますけれども、今は学園祭がたけなわでございます。若者の政治参加が低下していることを午前中も野中大臣の方からお話がございましてそれを憂えていらっしゃるということですが、昨日は、お茶の水女子大という女子大でございますが、そこが政治絶望隊、絶望ですよ、希望ではございませんで、絶望隊が若手議員と話をするというそういう感じのシンポジウムがございまして、私も参加させていただきました。
 質問通告にないことでございますけれども、なくてもお答えいただけるかと思いますので、まずその皮切りに、その絶望隊がとりましたアンケート、会場に来られたのは若者が多うございましたけれども、ほかにも男性の方も多かったし、あるいは女性の私と同じような中高年世代も多うございました。今の政治に信頼しているかどうかイエス、ノーでアンケートをとっておりました。
 イエスがどのくらいの割合、あるいはノーがどのくらいの割合とお考えになられますか。まず大臣、いかがでございましょうか。
#101
○国務大臣(野中広務君) 一連の政治腐敗から今日の政治改革への道のりを歩んできたことを思いますときに、また委員御指摘のように、若い人たちが政治に参加しあるいは投票行為に結びつかない現実を思いますときに、イエス、ノーというときにはノーの方が大変多いんではないか圧倒的に多いんではないかと考えておる次第でございます。
#102
○川橋幸子君 どのくらいの割合でございましょうか。数字はいかがでございましょうか。
#103
○国務大臣(野中広務君) 私、いささかコメントする立場にございませんけれども、八割ぐらいはノーと答えるんではなかろうかと思います。
#104
○川橋幸子君 きょうは政治改革に信念をお持ちになります各党の先生方がぞろっと前においででございますので、私の方から恐縮ですけれどもちょっと御指名させていただいてよろしいでしょうか。大臣のお隣の三塚先生に同じお答え、何割と思われますか。
#105
○衆議院議員(三塚博君) 野中大臣と大体感触は同じであります。
#106
○川橋幸子君 感触だけですか。
#107
○衆議院議員(三塚博君) 八〇対二〇かなと。
#108
○川橋幸子君 お二人御答弁いただきまして、まさにアンケート調査、別にそれは母集団は特定の人たちですから一般的な数字がどうか、当てはめることはできませんけれども、でも若者の政治不信というものに対する絶望感といいますか拒絶感というのは非常に高く、今まさにお二人にお答えいただきました八割がぴったり正解でございました。大変先生方、現実をよく、若者の気持ちをよくおわかりでいらっしゃるということでございます。
 さて、政治改革の達成を目前にいたしまして、本来ですと国民の方の政治参加意識が高まっていくのが当たり前ではないか、常識的ではないかと思われるようなそういう状況を前にいたしまして、なかなか国政選挙――自治体選挙はいろいろさまざまな要因あるかと思いますので、この際、国政選挙に限ってみたいと思いますけれども、投票率が傾向的に低下してきているわけでございます。
 そこで、そうした傾向に対して、選挙制度全体、選挙システム全体を所管なさる行政の立場からどのようにお考えで、どのように対処していきたいとお考えになっていらっしゃるか、まず大臣からお伺いしたいと思います。
#109
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のように、最近の投票率の低下傾向というのがまことに深刻かつ憂慮すべき状態にあるわけでございます。
 その原因といたしましては、もう今さら申し上げるまでもなく、政治への不信が投票率の低下につながったのではなかろうか。表現が適切かどうかはわかりませんけれども、最近の豊かさの中で政治的無関心が増大をしておるのではなかろうか、あるいは政策や候補者についての適切な情報がまだまだ不足しておるのではなかろうかなどいろいろな見方があると思うのでございますけれども、投票は国民の政治参加の最高の手段でございますので、今後とも選挙に関する関心を高めるべく、私ども各都道府県選挙管理委員会あるいは明るい選挙推進の会等を通じまして各団体一体となって粘り強く啓発活動をやってまいりたい、そう考える次第であります。
 特に棄権をされた人を調査いたしました数字を見ましても、用事があったとか病気だったからとかという数字はありますけれども、特徴的にやはり選挙に余り関心がないとか、あるいは適当な候補者も政党もなかったという数字が最近ここ一、二回の選挙では非常にふえておるという傾向もございますので、より啓発活動に積極的に努めてまいりたいと考える次第であります。
#110
○川橋幸子君 それでは各党の方々にお伺いしたいと思いますけれども、三塚先生にはもうお伺いいたしましたので、三塚先生以外の自民党の先生、お一方いかがでいらっしゃいますでしょうか。政党という立場から、あるいは政党を代表してが難しければ一政治家の信念でどうぞお話しくださいませ。
#111
○衆議院議員(松永光君) 一般的に言いますと、選挙について当落が予測ができない、決まっているなどという選挙の場合は概して投票率が低い場合が多いようでありますが、非常に接戦になったような場合には投票率が高まるというふうに思います。それからもう一つは、争点がはっきりしておりまして、そして自分はこっちを支持する、自分はこっちを支持できない、こういうように争点がはっきりしているような場合にもこれまた投票率は高まるだろうというふうに思います。投票率が低い場合は概して争点が必ずしも明確でないような場合、それからもう結果が予測できるからというような場合にも投票率が低いようであります。
 したがって、投票率を高めるためには、有権者に対する一般的な啓発活動のほかに、争点を明確にして、そしてどちらを支持してくださいますかという明確な判定が求められるような状態にすれば投票率は高まるだろうと。そしてまた、選挙の結果が予測できないぐらい、そういうことが投票率を高めるわけでありまして、はなからわかっているというような場合は投票率は高まらぬというふうに思います。
 以上です。
#112
○衆議院議員(堀込征雄君) 今度の政治改革は、御存じのとおり、やっぱり選挙制度を変えたり政治資金やお金の関係を変えるだけではなくて日本の政治を抜本的に変えていこう、こういうことでございますから、現在の政治不信に対しても国民の皆さんに一つは関心を持っていただくという方策を講ずるということはもちろんでありますが、私ども政党それから議員もやっぱりこの改革をした志を大事にしながら、政治に対してきちんとした方向づけや政策を国民の前に提起をしていくべきだろう。
 とりわけ戦後政治が、一方で利益誘導型と言われたり、また我が党のように常に批判政党だけであったというような批判もあったわけでありますから、そういうことを克服しながら具体的な政策、国民の皆さんに関心を持っていただけるような責任を政党も議員もきちんと果たしていくということが求められていることなのではないか、このように考えている次第であります。
#113
○衆議院議員(茂木敏充君) 委員御指摘の投票率の低下は、大変深刻かつ憂慮すべき問題であると考えております。
 そこで、投票率低下の原因でありますが、主に二点あるかと存じます。特に若者の間においてはそのような傾向が顕著なのではないかと考えておりますが、既に御答弁の中にもありましたように、まず第一点は、一連の政治腐敗問題から生じております政治不信と政治への無関心という問題でございます。もう一点、多分お茶の水女子大の方なんかそうだと思うのですが、政治的に関心がありましても、現行の選挙制度のもとではいわゆる同士打ち等が起こったりいたしましてなかなか政党それから政策中心の選挙が展開されない、このためにだれを選んでも結局同じではないかと、このようなことから棄権が生ずる、このような問題であろうかと思います。
 そこで、後者の問題についてでございますが、いわゆる区割り法案の速やかな成立によりまして政治改革関連四法案全体が施行されかつ的確に運用されることによりまして、今後は政策、政党中心の選挙が行われることによりまして大きく改善されるものと期待いたしております。
 それから前者の政治腐敗の問題でございますが、これから生ずる政治不信そして政治的無関心を払拭することが、まさに我々が今回提案させていただいております選挙浄化に関する法の改正であると認識いたしております。
 もし若者の投票率の低下等々の問題について改めて御質問がありましたら、改めてお答えさせていただきます。
 以上です。
#114
○川橋幸子君 ほかに今までのお答えと違う、我が党はこうしたい、私はこうするというようなお答えがありましたら伺いますけれども、よろしゅうございますか。
 それでは、次に進ませていただきます。
 政党中心、理念、政策を問う、そういう政治にするのだと。腐敗をなくすということとあわせて、理念、政策を問う政党政治に持っていく、これが願いでございます。しかし、争点が明確でないというような松永先生の方からのお答えもあるわけでございます。
 現在、各政党が、新・新党の方でも今、緊急の課題でお詰めになっていらっしゃるのかもわかりませんが、これは今までのどの政党も争点を、必ずしも離れるのがよいというわけではないと思いますが、やっぱり明確にする、具体性を持たせる、あるいは言葉だけでなくて実行するという、そういう意味の政党の責任というものをぜひこれから明確にしていただきまして、会場にお見えの皆様は、別に絶望しているわけではない、希望に変えたいのだけれども、なかなか希望が持てない状況なので頑張れと私は激励されてまいりましたので、この場をかりて、これは一大学の集会というよりもある種典型的なものかと思いますので、ぜひ政党のリーダーの方々に御努力いただきたいと思います。
 それでは、具体的なお話に入らせていただきます。非常にこれは実務的な問題でございますけれども、選挙改革と言われるほどに制度が大きく変わりますので、自治省の方に先にお伺いしたいのです。
 ある新聞で、不在者投票の場合は記号式の用紙の印刷が間に合わないというような、こんな新聞記事が載っておるわけでございますけれども、本当でございましょうか。また、これに対してはどのような事態が予測されて、予測される事態にどのように対処していかれるおつもりでしょうか。
#115
○政府委員(佐野徹治君) 今回の改正によりまして、衆議院議員選挙につきましては投票当日におきましては記号式投票を行うこととしたものでございますけれども、不在者投票というのは選挙の公示日から行うことができるわけでございまして、選挙の公示日からということになりますと、投票用紙の調製が間に合わないわけでございます。そういうことで、不在者投票につきましては従来どおり自書式投票により行うということにしたわけでございます。
 なお、御指摘のようないろいろな混乱なり問題が生じないように、私どもといたしましても周知啓発には積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#116
○川橋幸子君 ありがとうございました。細かなことではございますけれども、新しい制度が円滑に滑り出しますように、今の部長答弁のとおりぜひ御努力いただきたいと思います。
 それでは次に、連座制の強化の話で数点クイズのような質問をさせていただきたいと思います。国会の質問が重箱の隅をつつくようなクイズであってはいけないというような、こういう御意見もありますけれども。
 今回の連座制の強化につきましては、先ほど来、「意思を通じて」ですとか、それから免責条項の中に「相当の注意」という、考えようによってはかなり幅の広い、どういう解釈にするか非常に幅の広さが考えられるわけでございます。適正な施行、別に警察国家になる必要はないと思いますけれども、私ども議員が身を正し襟を正し、政党が襟を正すためにつくりますこの連座制の強化でございますので、ぜひ適切に運営していただきたいと思うわけでございます。
 まず、クイズその一でございますけれども、今もう十一月、この時期になりますともうそろそろ忘年会のはしりがございます。会社とか、私は社会党でございますから労働組合の会合とかというのがすぐ頭に浮かびます。そのほかにもいろいろな、同窓会等々あるわけでございます。忘年会が持たれます。その忘年会の席に主催者の方が立候補予定者を招いた、それであいさつしてもらった、こういう具体的なケースの場合にはどういうことが判断基準になってどういう事態が想定されますのでしょうかお尋ねします。
#117
○衆議院議員(堀込征雄君) やっぱり我々、具体的なケースでいろいろ起こっているものですから、そういう問題を明らかにすることが必要だろうと思います。
 今お尋ねのケースでありますが、例えば会社とか労働組合が主催をする忘年会に立候補予定者が行ってあいさつをする、その主催者である会社や労働組合の構成員が後日買収罪というような罪を犯したというケースの場合は、その立候補予定者とその当該会社、労働組合の間に意思の疎通があったのかどうかということが具体的に検討され判断をされると、こういうことになるだろうと思います。当然その立候補予定者のあいさつの内容だとか立候補予定者とその忘年会の主催者の間の意思の疎通、こういうものが認定できるのかどうかというところが最終的な判断の基準になるだろう、こういうふうに思います。
 ただ、年末の選挙も多いわけでありますが、選挙中この忘年会と称して、よくあるケースですが、候補者を呼んでそこで出席者に全部お酌をして回るとか、そういうことについてはそのものが供応ということになるのではないか、こういうふうに思いますので、通常のケースは前段申し上げたとおりでありますが、選挙中のケースとかそういうケースにつきましてはもうそのものずばり犯罪に当たるんではないかこういうふうに考えております。
#118
○川橋幸子君 ありがとうございました。きっと活字になりますと大変明快な解釈例規にこれがなっているのではないかと思いますが、そう期待したいところでございます。
 もう一問お聞きさせていただきます。
 第一線の非常に人口規模の小さな市町村に参りますと、公民館が即選挙事務所になるというようなこともあるわけでございますね。公民館ということでございますので不特定多数の方がお見えになる。そういう方々にちょっとお昼どきだったから振る舞うなんということが自然の情としてあるのではないかと思います。いかがでございましょうか。
#119
○衆議院議員(堀込征雄君) よく地方議員の選挙などの場合、その地元の公民館とかあるいは自宅とかが選挙事務所になりまして、朝昼晩お食事が出るというのが相当な選挙風土として定着をしているという実態はあると思います。
 選挙事務所自体が組織がどうかということにつきましては、それは単なる場所ではありますけれども、そこにはスタッフが必ず出入りをして一つの運動体をつくっているところでありますから、今度の改正で言う組織というものに該当するケースが多いのではないかこういうふうに考えられるわけであります。
 そういうことでありまして、現行法でも実はこの食事の提供はたしか十五人、しかも弁当の提供というようなことに制限があるわけでございます。しかし、実際には衆参議員では、全国の新聞報道、一部の新聞報道によりますと、何かレストランというようなことで何百人も出入りをして食事をする実態があるとか、今、先生御指摘のとおり、市町村長とか地方の選挙におきましては、自宅だとか公民館を選挙事務所にして、村じゅう、自治会じゅうの皆さんがそこに出入りをして食事をするというような選挙風土が実際にはあるわけでございまして、今度はそういう風土そのものをやっぱり変えていく。そうした風土を変えながら全体の選挙の浄化を図っていくというのが今回の法の趣旨でございますので、三月一日施行といいますと地方統一選挙にもかかわるわけでありますが、そういう意味で我々自身も政党や議員組織を通じながらそういう努力が必要ですし、そういう取り組みが必要なのではないかと、このように認識をしている次第であります。
#120
○川橋幸子君 さすがに公民館はない、質問が間違っておるというようなそういうお声もございましたけれども、公民館的といいますか、今回の法案も的、的というのがたくさん出てまいりますが、そういう選挙風土があることは諸先生方よく御存じかと思います。
 今回は相当の注意をもって議員も努めるというのが免責条項になっているのは、それは免責するのが趣旨ではなくて、議員自身が襟を正して、議員自身が選挙で自分を応援してくださる皆さんにもこの法律の趣旨、精神というものをお伝えくださる、こういうことが一番大きな課題、ポイントかと思いますのでも、議員の先生にしてみれば、いやなかなか自分はそうしたいんだけれども、今までこうだったのが、行ったのにお茶の一杯も出なかった、お菓子の一つも出なかったというような、こんなお話でお困りのこともあるのではないかと思います。
 選挙風土を変えていく、一つ意識改革をやっていくということが、これは政治家の言いわけではなくて非常に大きなことだと思いますけれども、そういう意味で、法の施行に当たられます自治大臣の方に、先ほど啓発は十分やると言っていただきましたけれども、そうした有権者の自覚を促すようなそういう面についてはどのようにお進めになられるお気持ちでいらっしゃるか。基本的なお気持ちで結構です。
#121
○国務大臣(野中広務君) 今、委員御指摘のように、この選挙の腐敗防止という連座制強化の趣旨をどう生かしていくかという問題は非常にいろんな側面で難しい問題があるわけでございますけれども、選挙運動を行う側だけでなく、有権者の方々にもその内容を十分御理解をいただかなければ、今回の場合、非常にその結果がもたらすところが重大でもございますので、そういう意味を含めまして理解しやすいように、私ども周知に当たりましてはできるだけ平易に、かつできれば、私自身もわからないところがたくさんありますので、提案者の先生方にも御指導いただきながら、この組織的選挙運動管理者等につきましては具体的な事例集等の発行も含めましてその手段、方法を十分考えて周知徹底を図ってまいりたい、こう考えておる次第であります。
#122
○川橋幸子君 具体的事例を含めましてという、わかりやすくという大臣のお気持ちでございまして、ぜひそのようにお願いしたいと存じます。別にそれが税金の脱税と似たような逃れという意味ではなくて、やっぱりわかりやすく、今まで麻痺しているところが、いやこういうところに節度が必要なんだよという、そういうわかりやすさをぜひ大臣に再度御希望して、お答えばもう十分でございます。
 それでは三塚先生、最大政党の自民党ではいかがでいらっしゃいますでしょうか。こうした腐敗防止に対する政党の責任というのは大きいかと思いますが、政党としてはどのように、あるいはまだこれからということでございましたらどのように進めたいと思っていらっしゃるかお気持ちを伺いたいと思います。
#123
○衆議院議員(三塚博君) ただいま野中大臣から言われましたような、政府が主体的に本法律の目指すところを明確に想定されるケース別にやられるということでありまして、大変時宜を得た御答弁だなと思っております。
 与党三党で本案を取りまとめた際に、個々別のケース、過去の善意の慣習等々ございます。
 一つ申し上げますと、町村議会議員選挙、統一選挙にスタートを切るわけでありますが、御案内のとおり、部落推薦であります。町内会推薦であります。そういたしますと、個人の家あるいは個人ではない集会場のようなところを事務所として設定されるようでありますが、ほとんどが個人の候補者の事務所と、こういうことになりますものですから、お昼でありますとか夜は食事が出るのは当然であると、またビール程度、冷や酒程度が出るのも慣習として行われており、そのことが警察によって、司法によって摘発をされたというケースは皆無でありますと記憶をしております。
 ところが、今度の連座制の強化によりますと、これは公職を目指す選挙はすべてその対象になりますものですから、その点、今、委員御指摘のように、意識改革というのがまず第一義的には候補者の決心であります。決意であります。そして同時に、選挙運動者、地区民のこれに対する御認識をいただく。こういうことで、自由民主党といたしましても国民運動本部を中心に本件についてのケース別の問題提起を書きながら、やはりこのことは供応等に抵触するおそれがありますから自粛を願わなければならないし、やめていただかなければならないと、こういうことで国会議員の秘書さんを中心に執行部の方が計画をされております。
 同時に、私といたしましても、都道府県連、特に市町村会議員候補者、主要な党の代表、地方支部でございますが、集めて本件の徹底を図るということで準備をいたし、本法が参議院において議決をいただきましたら直ちにこのことのスタートを切ろうと、まさに国民的運動という観点でこれに取り組んでいかなければならないなと、こう思っております。
#124
○川橋幸子君 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)
#125
○都築譲君 私は新緑風会に所属しております都築でございますが、今回の政治改革、小選挙区制の導入ほか選挙制度の改革あるいは腐敗防止、一連の改革が大きく進んできたわけでございまして、ここに至るまで各党のあるいは関係議員の先生方の本当に御尽力、御努力、そして熱意に改めて敬意を表するものでございます。この改革によりまして国民の政治に対する信頼を大いに回復することを期待したいと、このように思っております。
 私からは、幾つか法律案が出ておりますけれども、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律案を中心に幾つかただしていきたいと、このように考えております。
 政党助成法が成立いたしまして、やがて三百九億円という国民の税金によります公的な助成を政党に対して交付することになるわけでございます。その観点から、政党に対して法的主体としての地位すなわち法人格を与えて適正な運営に努めていこう、そして政党政治の発達に貢献していこう、こういう趣旨であろうと考えるわけでございます。
 ただ、この政党助成法につきましても、前年実績の三分の二を上限とするというふうなことになっております。これはけさほども御答弁がございましたけれども、自助努力を求めるんだと、こういうことでございますけれども、例えば政党の予算として一億円の経費がかかるということであれば、政党交付金の助成が期待できるといたしましても約六割は自助努力で確保しなければならないと、こういうことになるわけでございまして、そういった意味では、今までの十割全部自前で調達しろということに比べれば改善かもしれませんけれども、いずれにしてもまだ少し疑問が残るのかなというふうな感じがいたしております。
 きょうは、その問題は既に法律として成立をしているわけでございますから取り上げないことといたしまして、法人格付与法案を中心に幾つかただしていきたいと、こう思います。ただ、衆議院の政治改革調査特別委員会におきましても、「改革」の前田武志議員が既にかなり詳細にわたって質問をいたしております。重複は避けたいというふうに考えておりますので、そうするとかなり技術的な事項になろうかと思いますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 私は、この法人格付与法案、やはり政党法といったものにつながるんではないかという疑念が提示されておりますけれども、その観点から、特に政党の政治活動の自由あるいは個人の政治活動の自由の観点から幾つか御見解を伺っていきたい、このように思っております。
 松永委員長は、提案理由説明の中でも特に言及されまして、政党の政治活動の自由を制約するものではないということを特に強調されておられるわけでございます。
   〔委員長退席、理事一井淳治君着席〕
 例えば法案の第二条にその趣旨の「解釈規定」があるわけでございます。「この法律のいかなる規定も、政党の政治活動の自由を制限するものと解釈してはならない。」と、こういうふうになっておるわけでございます。
 では、ここでいうところの「政党」とは一体何ぞやと、こういう問題もあるわけでございますけれども、第三条に「定義」として「この法律において「政党」とは、政治団体のうち、次の各号のいずれかに該当するものをいう。」ということで、国会議員を五人以上有する、あるいは選挙の際に二%の得票数をとったものと、こういうことになるわけでございます。そうすると、五人未満とかあるいは二%未満の得票率しかとれない、そういった政党はこの第二条の「解釈規定」の中からはどうなるのかというふうな、非常に素人っぽい発想でございますけれども、そんな読み方もできてしまうのかなというような気がします。
 その問題は別といたしまして、少し詳しく見てまいりますと、例えば第四条でございます。ここで「法人格の取得等」ということになっております。「中央選挙管理会の確認を受けた政党は、その主たる事務所の所在地において登記することにより、法人となる。」、そして第四条の第二項で「この法律の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。」と、こういうふうに書いてあるわけでございます。
 それで、私が特に問題にしたいのは政党の名称の問題でございます。一般に第三者に対抗し得ないという法律上の用語につきましては、民法の百七十七条、こういったところにございまして、取引の安全を図る、取引関係の保護を図るというふうな形で善意の第三者の保護を図る規定になるわけでございますけれども、例えばこれとはまた別の法体系、商法の十二条でも同じように、登記すべき事項については登記した後でなければ第三者に対抗できないと、こんな規定もあるわけでございます。
 ただ、商法の場合はもう一つ二十四条の第二項に「商号の譲渡」というふうな規定がございまして、ここではいわゆる会社の名称、こういったものを物権に準ずるものとして、あるいは無体財産権のような性格を持つものとして保護がされる、こういうことになっておるわけでございます。ただ、これについては学説もいろいろあるようでございまして、排他的効力を否定する、いやしないんだと、こんな議論もあろうかと思います。
 政党の名称というのは、その一つの政治グループの政治理念とか政治姿勢とか基本政策とか、あるいは国民の中でどのグループに自分たちの政治活動を依拠するのかそういったものを端的に明瞭に具現をする、体現をする非常に重要な公称、そういう機能を持つものだろうと、こう思うわけでございますけれども、この第四条第二項の第三者に対抗し得ないということは一体何を意味するのか、名称の独占を登記した政党に認めることになるのか、あるいは重複した登録を認めることも可能なのかそこら辺のところをお伺いをしたいと、このように思います。
#126
○衆議院議員(松永光君) 第四条第二項の解釈に関する事柄だと思うのでありますが、一般的にいわゆる対抗要件というのは、当該法人が第三者との間に行った法律行為についてその効果が当該法人に及ぶ、そのことを第三者に対して主張し得るし、そして承認されるという考え方がいわゆる対抗要件、対抗し得るという問題だろうと思います。
 本法の場合でございますが、登記すべき事項が第七条第二項に書いてあるわけでありますが、当該政党の名称、目的、事務所云々の事柄がこれによって第三者に対して主張し得るし、そしてその効果を第三者も承認しなきゃならぬということを定めであるものと私は解釈いたしております。決して、名称独占などということは全く考えておりません。
#127
○都築譲君 それともう一つは、実は公職選挙法の第八十六条の二第三項という規定がございまして、ここでは紛らわしい名前を使うなと、こういうふうな形で政党の名称について、たしかこれは衆議院の比例選挙の関係だろうと思いますけれども、そういった形での制限がかかっておるわけでございます。それとの関係でいくと、こちらの方から名称などについてはある程度排他的な効力を認めていくことになるのかなというふうな気がいたしますが、いずれにいたしましても、では重複した登録といったものは認めるような形になるというふうなことはあり得るわけでございますか。この法案の四条二項の規定からいきますと、そういったことは理論的には可能になるというふうなことでよろしいわけでしょうか。
#128
○衆議院議員(松永光君) とういう名称の政党をつくるかあるいはどういう政治団体名を使うかということは、当該政治団体ないし政党の自由に決めるところだというふうに理解をしております。そしてまた、その政治団体がこの法律に基づく法人としての登記をできる政党に該当する場合に、その政党が所要の事項の確認を中央選挙管理会に求めて、その確認を得た上で登記所に登記申請をするわけでありますが、その場合、登記所はいわゆる形式審査だけでありましてその他の事項についての審査はしませんから、場合によっては同じ名前のものが登記されることも一〇〇%ないという保証はありませんけれども、しかしそういうことがあり得るかどうかということは、当該政党の良識によって私は避けられるのではなかろうかというふうに思っております。
#129
○都築譲君 それでは次の点でございますが、今度は「法人の設立等」という第二章の部分でございます。
 第五条で「政党は、次に掲げる事項を中央選挙管理会に届け出て、中央選挙管理会の確認を受けることができる。」と、こういうふうな形になっておるわけでございます。それで、その確認の際に第五条の第二項では幾つか文書を提出しなさいというふうになっております。第二項の第三号で承諾書あるいは宣誓書といったものをこの文書として書いておるわけでございますが、この承諾書、宣誓書は、それぞれ当該政党に所属するということでの承諾とかあるいは他の政党に所属していないということを誓う宣誓書ということでございますから、その限りにおいては問題ないような気もいたしますけれども、例えばその宣誓のあり方について幾つかのやり方があろうかと思います。
 ただ、これは基本的には政党のそれぞれの内部規律の問題であろうかと、こういうふうに思うわけでございますけれども、例えば宣誓書の定め方によっては著しく政治家個人の活動を、例えばこの政党に所属してこれからはいかなる公党行動とかそういったものも行いませんとかずっとともにいたしますとかそういうような形で将来的な活動の約束をとってしまうようなことだってありかねないわけでございます。
 それはまた内部規律の問題ですからその内部で解決することは当然あるんだろうと、こういうふうに思いますけれども、具体的にこういう承諾書なり宣誓書について、もう既に前例が参議院の比例選挙区などでもあるのかもしれませんけれども、どういう書式なり、あるいは承諾書、宣誓書を作成する時期を想定されるのか、そこら辺のところについてお伺いをしたいというふうに思います。
#130
○衆議院議員(松永光君) 今申された条文のことでありますが、先ほどお話がありましたように、法人格を取得する政党は国会議員五名以上または二%以上の得票率というのが政党助成法にも書かれておる要件でありますし、また本法にも書かれておる要件であります。その要件に該当しておるかどうかということは、これは中央選挙管理会に届け出をして確認を得なきゃなりません。その要件に合致しているかどうかということの形式的な明確さを求めるために承諾書あるいは宣誓書なるものが求められておるものと私は理解をいたしております。
 その宣誓書の中に、今、委員御指摘のような将来の政治家の政治活動をひどく束縛するようなことを求める政党があるかもしれませんけれども、それは政党自身の問題でありまして、中央選挙管理会あるいは登記所、これはその内容にかかわらず形式的に国会議員の数そして得票率、こういったものが明らかになれば、それで確認書は出されるし登記はなされるというふうに理解をいたしておるところでございます。
#131
○都築譲君 今回の法人の設立については、これは通常は大体一回きりの手続になろうかと思うわけでございまして、むしろこういったものが大きく問題になるのは政党助成法の関係であろうかと思うわけでございます。
 特に問題が大きくなるのは小政党の場合、例えば本当にぎりぎりの五人というふうな政党があった場合に、政党助成の対象になるか、あるいは法人になることができるのかどうかそういったぎりぎりの状況におる政党について、例えばこういうことで政党として法人格を取得して政党助成の対象になろう、こういうことで当初は動いておった。それで、実際にはそういう届け出をするということでそれぞれ皆さん合意をして、そしていよいよ承諾書も宣誓書も書いて届けようという直前の段階になって、これは例えば法人格の場合ですと、あくまで想定の場合でございますけれども、一人が離党をしたいというふうな形になった、あるいは脱党する、あるいは分派行動をする、こんな形になった。こういった場合にほかの四人のグループは、何とかそうはいってもという形で慰留をする、あるいは離党届けを保留してしまうとかいうふうな形で事態が進んでいくというふうな状況があるわけです。
 ただ、離党したいと思う本人は、本当に自分の政治信念を生かすにはこの少数政党でなくてもっと別のグループで活動しないことにはやはり自分の政治理念を実現できない、こういうふうに思うような場合もあろうかと思うわけでございますけれども、そうした場合に、だからそんな状況で、実態的には四人しかいないような状況になる。ところが、形式的には承諾書も宣誓書もどって手続的にはもう五人という状況が整っているような状況があろうかと思うわけです。そういった場合の取り扱いは果たしてどういうふうになるのか教えていただけますか。
#132
○衆議院議員(松永光君) 中央選挙管理会の確認書、それに基づく登記所の登記、この関係ではいずれも実質審査はしないわけであります。実質審査をすれば、場合によっては行政側の政党ないし政治団体の活動にいささかでも介入するという結果になりかねませんので、そういう問題を引き起こさないために形式審査のみにとどめておるわけであります。
 したがいまして、中央選挙管理会でもあるいは登記所でも当該政党が届け出た文書に基づいて確認書も出し登記もなされるということでありまして、実質上、実はこの政党助成金の交付を受けるだけの国会議員数がなかったという場合も想定はされるわけでありますけれども、それはまさにその政党自身の良識あるいは良心の問題でありまして、最終的には国民がそのことについての判断を下すことになろうかと、こういうふうに思っております。登記所ないし選挙管理会としては形式の審査だけで事は処理するということと私は考えております。
#133
○都築譲君 ありがとうございました。
 それから次の点は、今度は法人の解散等でございます。これは第四章に規定があるということで、第十条以下に幾つか規定があるわけでございます。
 政党助成法の方では、継続的に毎年毎年助成をしていくという観点から、解散だけではなくて政党の分割についても幾つか規定があるわけでございますけれども、この法人格の方ではそういったところまでは実は規定がなされていないわけでございまして、そこのところが問題にならないのかなというふうな疑問を実は持っておるわけでございます。
   〔理事一井淳治君退席、委員長着席〕
 例えば第十条の第四項でございます。これは規定を読みますと、「第四条第一項の規定による法人である政党が第三条第一項各号のいずれにも該当しない政治団体となった場合において、当該政治団体が同項各号のいずれにも該当することなくその日の翌日から起算して四年を経過したときは、当該政治団体は、法人でなくなるものとする。」というふうな規定があるわけでございます。
 それぞれの政党はそれぞれの内部規定を当然持っておるわけでございますから、自律性を持って政治活動を行っていく、あるいは内部規律で各党員を律していく、こういうことになろうかと思うわけでございますけれども、この条文の読み方によっては実は政党の内部規律に公権力が介入せざるを得ないような状態が出てくるんじゃないか、こういうふうに考えられないかなと思うわけでございます。
 というのは、この法案に「第三条第一項各号のいずれにも該当しない政治団体となった場合において」、こうありますけれども、例えばこれが選挙の結果、国会議員が五人を割ってしまった、五人未満になった、あるいは得票数が二%を切ってしまった。これはもう明らかだろうと思います。あるいは何らかの理由で五人の国会議員のうち一人が辞職をするとか、そんな事例も考えられるだろう。そういったときは非常に明らかにその事実というのはわかるだろうと思うわけでございます。また、先ほどの政党の分割とかあるいは離党をするとか、こういうような話が出てくるような場合があろうかと思うわけです。
 この第十条四項で言っている「その日」というのが本当にいつなのかそしてだれが判定することになるのか。例えば先ほどと同じ例で申し上げますと、政党が個人の離党届けを保留し続ける、一生懸命慰留し続ける、こういうような場合はお互いの政治信念がぶつかり合っているような状況で、いずれも真正のような感じがするわけでございますけれども、「その日」というのはだれがどういうふうに判定をするのかそしてそれはいつからスタートするのか。
 というのは、これまたそういう事由がなくなってから四年たったら実は法人でなくなるわけでございます。法人でなくなったらちゃんとまた解散の登記をしなさい、こういうふうになっている。解散の登記をサボったら今度は過料が科せられる、こういうふうになるわけでございますから、お互いの政治信念がぶつかり合っているそういった状況の中で、「その日」というのはだれがいつどういうふうに判定をするのかというところについてはいかがお考えでございましょうか。
#134
○衆議院議員(松永光君) 条文を読んでいただければ既に委員もよく御理解のことと思いますが、四年を経過したときに当該政治団体が法人でなくなるということにした趣旨は、通常は、選挙の結果、国会議員の五人が欠けた、あるいは二%という得票率を失うようになってしまったということが「その日」の一つであります。そして、四年間は猶予するというか法人格を持った政党として認めるという意味は、四年の間にまた選挙があるだろう、これは間違いなく衆議院の場合は四年以内には選挙があるわけでありますし、参議院の場合には三年後には選挙があるわけでありますから、そのときに五人ないし二%の要件を充足するということが当然考えられる。でありますから四年待とうということに実はしておるわけであります。
 今、委員御指摘の政党の分割等の場合におきましては、これは分割等がなされた日から考えられるわけでありますけれども、それが五人あるいは二%に欠ける結果になったということについて、四年後に政党としてそれなりの措置をしなきゃならぬわけでありますけれども、それはまさにその政党自身の責任と良識において対処してもらいたいと、こういう考え方でございます。
#135
○都築譲君 ありがとうございました。
 それから次は、ちょっとまた非常に細かい条文でございますが、例えば十五条で、これは経過措置のようなところもあろうかと思いますが、第六章「雑則」の中の第十五条「得票総数の算定の特例」のところで、政党の合併の場合の規定でございますが、「合併に関する文書の写しその他自治省令で定める文書を提出したときは」ということで算定の特例がなされる形になるわけでございます。この「自治省令で定める文書」というのは具体的にどの程度のものをお考えになっておられるのか。余りまた細かいものを出して個別の政党の活動に介入するようなことにならないのか。取り越し苦労かもしれませんけれども、少し基本的な考え方を聞かせていただければと、このように思います。
#136
○衆議院議員(松永光君) 委員御指摘のように、第十五条の半ばあたりに政党の合併の場合のことについての規定として「当該二以上の政治団体の間で合意された合併に関する文書の写しその他自治省令で定める文書」云々と、こうなっておるわけでありますが、この場合の自治省令で定める文書の提出を求めるわけは、政党の合併によって国会議員の数がふえますし、あるいはまた得票総数もふえるでしょう。そういったことを出してもらいたいという、そういう意味でございまして、そういう中身の自治省令ができるものと考えております。
#137
○都築譲君 ありがとうございました。
 あと、先ほど政党法につながるんではないかこういうふうな御指摘もございましたし、衆議院の方でも前田武志議員が既にその点について見解を聞かれておるわけでございます。政党法といったものについては、先ほど自見委員長代理の方から既にお話しございましたように、政党を規制するという視点のものと国家からの補助を与える観点のものの二種類があるんだろう、こういうふうなお話でございました。
 我が国においても昭和二十二年、社会党、民主党、自由党、国民協同党、この四党共同提案による政党法なるものが発案をされましたけれども、これについては非常に国民の世論も賛否両論ということで二分をされた。反対の議論としては、やはり結社の自由を制限することになるんではないかとか、政党の発達というのは自主性にゆだねるべきであるとかあるいは小政党なり新しい政党に非常に不利になるんではないか、こんなこともあったわけでございます。
 私としては、今回のこの法人格付与法が憲法の原則、いわゆる結社の自由あるいは政治活動の自由こういったものをより一層強化をして、そして議会制民主主義が一層発展していくことをこの法律が円滑にかつ適正に施行されることで期待を申し上げたい、このように思っているわけでございます。
 時間が参りました。以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)
#138
○寺澤芳男君 午前中、下村委員から御質問がありました海外に住んでいる日本人の選挙権につきまして、私は違ったアングルからまた御質問をしたいと思います。
 私自身、おととし一九九二年の七月に参議院議員の初当選をいたす直前までアメリカにおりました。二十一年間アメリカにおりまして、さっき計算してみましたら、衆議院の選挙を六回、参議院の選挙を六回、東京都知事の選挙を四回、私が日本人であるにもかかわらず、アメリカにいたということで選挙ができなかった。この問題は、今、海外に約七十万人、二十歳以上が約四十六万人と言われております。同じ日本人です。しかも、憲法第十五条で保障された参政権を当然持っているわけであります。
 私の経験で言いますと、ニューヨークにいたときはNHKもほとんどケーブルテレビですが、今リアルタイムで見ようと思えば見られる。大きな新聞、日経、朝日そして読売、全部もう即読める。非常に情報が完備されております。もちろん海外の日本人はニューヨークだけではありません。非常にへんぴなアフリカや何かに住んでいる日本人もおりますので、公正を期さなければならないのは当然でありますが。
 私は、最後の四年間ワシントンの国際機関におりました。国際機関で三十カ国以上のいろんな国から職員が来ているわけですが、みんなそれぞれ自国の大統領とかあるいは議員の投票を喜々として、例えばワシントンのそれぞれの国の大使館へ行って投票するとかあるいはメールで投票するとか、いろんなことをやっております。それを横目で見ております我々日本人は、日本がこれだけ経済大国になったにもかかわらずどうして我々は参政権がないんだという非常に素朴な疑問にぶつかって、非常に不満を、そして不平を鳴らしておりました。
 去年、カンボジアに我が国の自衛隊がPKOで参りました。カンボジアで選挙が行われた。カンボジアの選挙はオーストラリアにいるカンボジア人も東京にいるカンボジア人も投票できた選挙でありますしかるに、国で派遣された自衛隊員は去年の七月の日本の衆議院議員の選挙に投票できなかった。大変おかしな話であります。
 これを私がしつこく申し上げますのは、昭和五十九年に初めて国会に在外選挙法案が公職選挙法の一部改正という形で提出されておりましたが、一度も実質審議をされずに、昭和六十一年の衆議院解散と同時に廃案となってしまいました。多分、自治省あるいは外務省それぞれがいろんな技術論でできないというようなことをおっしゃるのであろうと思います。しかし、同じ日本人でたまたま海外にいるというだけで選挙権がないということを早く解消しないと、私は政治改革が完了したとは思えません。
 もう一度、自治大臣、そしてちょうどここに各党の有力者がおられるわけなので、それぞれの党であるいは政治家として、海外に住んでいる日本人がいまだに選挙権がない、いろんな技術論で行政当局は難渋を示していて、果たしてこのままだと、五十九年でもう十年たっている、難しい難しいでまた十年たつかもしれません。それについてお答えをいただければ大変ありがたいと思います。
#139
○国務大臣(野中広務君) 国外に居住をしておる日本人の方々の選挙権の行使につきまして、海外在住の非常に経験の豊富な委員からただいま切実な御意見を承ったところでございます。
 委員が御指摘になりましたように、昭和五十九年の四月に在外選挙法の法案が提出をされましたけれども、残念ながら六十一年、日の目を見ることなく廃案になりました。今、その当時を考えますと、約十年とおっしゃいましたけれども、第一に選挙期間が大変短くなってきております。したがいまして、選挙が実施されることを、あるいは立候補者の氏名、政策、これがどのように伝えられるかということが、委員も今それぞれテレビあるいは新聞等の例を引き出しながらおっしゃいましたけれども、実際問題としてこういう、先ほども質問の中にございましたけれども、告示日の締め切りのときにならない限り投票用紙の大きさもわからない、不在者投票は自書方式でやらなくてはならない、こういう状況の中で選挙の公正さが本当に保てるのかどうかあるいは短期間で在外公館で協力を得られるかどうかという非常に難しい問題もございました。
 また、その在外の選挙権を付与する人が短期滞在者があるいは海外の永住権を持った人なのかそこのところをどう分けるかという非常に難しい問題もあるわけでございまして、前回の際には、選挙権の行使を保障するために本人の申請に基づいてということを前提として在外公館において投票することを一応法案に盛ってきたわけでございますけれども、当時から考えますと、先ほど申し上げましたように、選挙期間等の非常に短くなった等多くの問題を抱えておりますし、また郵便投票等の問題もありまして、選挙の公正さを確保できるかどうかといったような問題点があるわけでございます。
 一方で、委員のおっしゃったように、政治改革が真にそういう問題をクリアしないでできるかどうかという重大な課題でもございますので、関係各省庁とも十分協議の上で総合的に取り扱いを検討してまいりたいと考えております。
#140
○委員長(上野雄文君) それでは、質問者の要求が各党代表ということでありますから、順次指名いたします。自民党代表大島理森君。
#141
○衆議院議員(大島理森君) 実は、政治改革の論議をしている中でこの問題はかなり真剣に議論してまいりました。先ほど三塚議員からもお話がございましたが、また一方、行政当局の非常に技術的な問題もございますが、私どもは前向きにかなり議論してまいりました。
 個人的に考えますと、私のすぐ近くに三沢のベースがございまして、私の家内とそこの将校の奥さんたちと友達で、時々家へ遊びに来たりしますと、大統領選挙や何かで、非常にそういうことで喜々としていろんな議論をしている姿を見ました。一方、我々も五十万になんなんとするそういう方々がおられるという姿を見たときに、これから真剣に議論しなきゃならぬことだと思っております。
 ともかく今までは選挙制度と政治資金で非常に議論が与野党ともに集中してまいりましたので、今後大きな課題として取り組まなきゃならぬという意思は持っております。
#142
○委員長(上野雄文君) 改革代表保岡興治君。
#143
○衆議院議員(保岡興治君) 寺澤委員の海外長期滞在の御経験に基づく貴重な御意見、本当に私も各党の先生方のきょうこの委員会で述べてこられたことも一部始終伺っていましたが、これはぜひ二十一世紀の新しい政党政治をつくっていく大事な要素として、先生も「改革」の一員でいらっしゃいますが、「改革」の政策委員会で直ちにこれは各党に申し入れをしていただくように要請をしたいと思います。
 私は、各党間で政策の違いを明確にして、選挙で負託を受けて強いリーダーシップで政治を展開するということも政治改革の大きな目標でありますが、各党協議をして政策で一致できるものはどんどん思い切ってやっていく。これは日本の構造改革を進める上では政治のリーダーシップが大事ですから、一致できるものは強いリーダーシップのためにもそういった各党の協議が大事なんじゃないか。御指摘の点はそういう意味でもきちっとした対応を各党でできるように努力をしたいと思います。
#144
○委員長(上野雄文君) 次は、社会党代表堀込征雄君。
#145
○衆議院議員(堀込征雄君) 御指摘のとおり、この問題はずっと議論されてまいりました。我が党としては、今回腐敗防止を初め幾つかの党議を決定する際に、この問題、それから十八歳投票権の問題、それから在日外国人の地方参政権の問題などもこれからやっていこうということを決めましたが、とりわけこの問題は実は経過もあり、一番重点に取り組もうということで党の方針としてやっておりますので、これからできるだけ速やかに取り組みを進めてまいりたい、このように考えております。
 私も実は衆議院の調査団でオーストラリアなどへ行ってまいりました。要は、熱意も非常に強いんですが、技術問題ということに、郵便投票制度だとかあるいは選挙人の登録だとか、そういう問題になっているだろうと思いますが、この技術問題が、先ほど自治大臣の御答弁ございましたように、非常に難しい厄介な問題を含んでいると思いますが、しかし何とかそれらを解決しながら決断をするときに来ているだろう、このように考えております。
#146
○委員長(上野雄文君) 次は、さきがけ代表三原朝彦君。
#147
○衆議院議員(三原朝彦君) 私も堀込委員と同じように、昨年調査にオーストラリアとシンガポールとマレーシアに同道してきたわけでありますが、確かに技術的な問題では、例えば郵送なんかのときにはフェアネスみたいなことが問題になる。逆にシンガポールでしたか大使館の方がおっしゃるには、一万数千人の有権者がいます、もし例えば大使館の中で投票するとなりますと、その人が一度に一日のうちに来るということになりますと収拾がつきませんという、そういう技術的なこともおっしゃっておられました。
 これから先は私の個人的な意見でありますが、衆議院も比例制というのができましたから、まずそれなら半分からだけでも、比例の部分だけ、政党に投票する部分だけでも実は郵送のような形がフェアネスが確保できればできるんじゃないかなと、そんなことを道々同僚の議員の人たちと話をしておったし、また私はその面では結構挑戦してみてもいいんじゃないかなと思っておる次第であります。
 それともう一つ、今の堀込委員も言われましたが、在日の外国人の地方選挙における参政権みたいなことですね。これも私たちの党では議論になっておりますし、また私たちの党の支部では既に在日外国人の人も党員として認めようというようなことをやっているところもあるということを付言させていただきます。
#148
○寺澤芳男君 皆さんありがとうございました。
 先ほど自治大臣から、海外にいる日本人でも短期で滞在しているのか長期で滞在しているのかという御発言がありましたが、私は短期であろうが長期であろうが日本人の国籍を持っている人であれば、これは憲法第十五条の参政権というのが保障されているというふうに解釈をいたします。ですから、十年いようがあるいは三年いようが、そういうこととは関係なしに、憲法で保障されている参政権ということで処理していくべきものだと私は考えております。
 具体的に海外にいる有権者がこの制度を求めて今、運動をしております。私のところにも、シドニーの保坂さん、ニューヨークの竹永さん、これは代表者ですが、ロサンゼルスの金井さん、ブラジルの網野さん、バンコクの秦さん、マニラの島田さん、パリの谷口さん、いろんな方が多くの署名をとって今、送ってきております。どうかこの問題を超党派でこれから必ず、難しさはあるでしょうが、ほかの国がやっていることですから、我々日本も一生懸命に知恵を出し合ってこの実現に向かっていきたいと思います。
 次の質問は、政治改革が議論された当初、腐敗防止さえしっかりやれば中選挙区制でもいいんだという声がありました。その声に対して、いや中選挙区制ではだめなんだ、小選挙区制にしてこそ候補者同士によるサービス合戦あるいは腐敗行為をなくし、政党による政策論議を中心としたきれいな選挙を実現することができるのだという説明もかなり行われました。
 ところが、今回、小選挙区制のもとでも腐敗行為がふえることを前提として連座制の強化がなされようとしております。それでは小選挙区制とは一体何なのか腐敗行為をなくすのかそれともふやすのかこの辺のところが国民の中にはどうもいまいちわからないという感じがしておりますが、提案者はこれに対してどうお考えになっているのでしょうか、御答弁をお願いします。
#149
○衆議院議員(大島理森君) 寺澤委員がお聞きしたいことにお答えするのに本当は保岡さんが一番適切なのかなと思ったりもしますが、私もこの問題を六年間やってまいりまして、今、委員が質問された、これは片方の一つの私は正論だと思います。つまり、中選挙区制がすべて悪いという議論では私はないと思います。
 中選挙区制における限界性というのはその他にもたくさんございました。例えば一票の格差の問題、これは実際問題として限りなく二対一に近づけようと思いますと、まさに百五十からそのぐらいの選挙区をいじらなきゃならぬ。一方、同士打ちの問題がある。そこの政策という最も闘わなければならない点が埋没していく。あるいは政権交代という政党のコンペなわけですから、そこの緊張感がどうしてもやっぱり欠けていくなと。もう一つは、先ほど申し上げた同士打ちの中で、いわば政治と金の問題がいびつな形になって膨れ上がってきた。そういう状況から、やはり制度を変えなきゃならぬという一つの議論がございました。
 確かに私どもは、この新しい選挙制度を導入しようとしたときに、政策本位、きれいな選挙を目指そう、こう言ったわけであります。小選挙区になりますと、私は多分それが落ちついていく過程において、私どもがつくったような腐敗防止法、そういうふうなものも含めてお互いに監視し合うという現状も生まれてくるだろうと思います。そういう意味では政治と金の問題も落ちついていくだろうと思いますが、一方、戦いでありますから、激しくなる選挙区もかなり予測されることも事実であろう。
 したがって、そういう意味で中選挙区制よりは小選挙区制で、こういう腐敗防止法をつくって、環境をつくって、より浄化した選挙体制、環境づくりができる、これが今回の腐敗防止法の私どもの主張でありましたし、また小選挙区での戦いのその現実を予測しますと、一方においてはそういうおそれもあるので、そういうところをきちっと押さえていこうということで新たにつくったと、こういうことでございます。
#150
○衆議院議員(保岡興治君) 寺澤委員が御指摘のような、中選挙区時代にこういう厳しい連座制の強化ができなかったものだろうかという論点もあったように思いますが、私はやっぱり今度のような抜本的な、政治全体を変えていくというそういう革命的な制度改正の機会をとらえてしかこういう思い切った連座制の強化は難しかったと、そういうふうに思っています。
 しかし、これが小選挙区制を基本とする新しい政治の抜本改正とあわせてもう一つの柱として連座制の強化に基づく腐敗防止法が成立を見るということは、これは大変意義のあることであろう、こう思っております。
 また、小選挙区制については、これは民意の集約とかあるいは政権の安定、政権の交代、そして中選挙区制度のもとでのいろいろな政治の弊害を克服して新しい時代の政党政治をつくるという大きな目的がある一方、先ほど大島提案者が説明したとおり、やはり非常に緊張の働く制度でございますので、政治姿勢というものもこれは厳しく選挙民に問われる。そういった意味では、確かに緊張の中からうっかりすると手段を選ばず、中選挙区下で長い間養ってきたというか、そういう社会風土ができ上がってきたというか、そういう風土の中でおかしな腐敗した選挙が起こる可能性もなしとはしませんが、一方で非常に浄化の力が働く制度でもあるということも一言えると思います。
 したがって、この新しい選挙浄化法とも言うべき連座制の拡大は、小選挙区制度の施行において大きな意味を発揮してくると私は信じております。
#151
○寺澤芳男君 どうもありがとうございました。
 次の質問は、今回の連座制の強化で連座の対象者が組織的選挙運動管理者にまで拡大されました。法案では「組織的選挙運動管理者等」としておりますが、この「等」とは一体何であるのか。これは政治家の地位を左右する重要な法律でありながら少々明確性を欠くのではないだろうかと思って、念のために御質問を申し上げます。
#152
○衆議院議員(保岡興治君) 先生の御指摘のように、条文の表題として「組織的選挙運動管理者等」という文言が使用されています。しかしながら、条文の中では、「公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者と意思を通じて組織により行われる選挙運動において、当該選挙運動の計画の立案若しくは調整又は当該選挙運動に従事する者の指揮若しくは監督その他当該選挙運動の管理を行う者」と明快に規定してありますので、御指摘のように、「等」という言葉は条文の中には用いてありません。
 そういった意味で、不明確だという御指摘は当たらないというふうに考えるところでございます。
#153
○寺澤芳男君 もう時間がありませんから一言。
 昭和六十二年六月に発覚しましたリクルート事件以来の政治課題であった政治改革も、いよいよ大詰めに入ってまいりました。リクルート事件、佐川急便事件、ゼネコン汚職事件は、いずれも政治資金に絡む不正が招いた事件でした。そして、この再発を防止するため、政治と金の関係をクリアにすることがいわゆる腐敗防止法案の最大の目的であります。今度の政治改革を無事完成させることによって国民の信託にこたえなければならないと思います。
 質問を終わります。(拍手)
#154
○山下栄一君 初めに、連座制強化の法改正につきまして御質問したいと思います。
 いろいろ準備いただいたと思いますけれども、大分削っておりますのでいろいろ御迷惑をかけると思いますけれども、よろしくお願いを申し上げたいと思います。時間の関係で大分はしょりたいと思っております。
 朝から何度も強調されておりますように、国会での政治改革への取り組みも、昭和六十三年のリクルート事件が起こって以来六年を超えましていよいよ実を結ぼうとしておるわけでございますけれども、改革の第一歩であるというお話も何度もございました。
 政治におけるずっと繰り返し行われてまいりました不祥事の根本原因の問題でございますが、これは単に政治家の倫理観とかそれから制度の不備とかそういうことだけではないという、そういう指摘もあらゆる角度から、またあらゆる階層の立場の方からも御指摘があってきたわけでございます。政治に金がかかる構造的な背景があるという、そういう指摘でございます。地盤培養の行為に金がかかる、選挙そのものに国民の常識を超える大変なお金がかかって、そのお金の関係でなかなか政治家に人材が集まらないという原因にもなってきたわけでございます。
 選挙に常識を超えた金がかかる根本原因は何かという点につきまして、まずお考えをお聞きしたいと思います。与党の提案者の方、お願いいたします。
#155
○衆議院議員(大島理森君) 委員にお答えしますが、衆議院選挙の場合、参議院選挙の場合、いささかその理由、原因が若干違う面もあろうかと思います。
 私ども衆議院選挙、今までの制度でございますと、政権をとろうといたしますと、中選挙区制において少なくとも一党の候補者は過半数を目指して立てる、あるいは全員当選を目指して立てるという現状が続いてまいりました。そうしますと、そこにおいては、委員御指摘のように、率直に申し上げましてまさに後援会、この組織づくりが一番のポイントであったと思います。その後援会づくりの経過の中で、パンフレットを作成するとか集会を行うとかあるいはまた人と人、フェイス・ツー・フェイスで会うとか、そういうふうな活動がまず第一であった。そういうふうな構造的な中選挙区制における政権を目指す必然性から出てくるところの、どうしても政治資金がかかるという原因があったということは一つあるだろうと思います。
 また、そのほかに日本の文化的な風土というものもあるのかもしれませんが、基本的にはそういうことがあったのではないかなと、このように思っております。
#156
○山下栄一君 今、文化的な風土もあったというお話があったわけでございますけれども、第八次選挙制度審議会におきましてもその辺の指摘があったわけでございますが、筑波大学の土本先生という方が「腐敗選挙と法規制のあり方」という論文の中でおっしゃっていること、大変この段階におきまして、また今審議されております連座制強化の大きな法のねらいにもかかわる御指摘がございますもので、引用させていただきたいと思います。
 買収の根源は、
 我が国の精神風土、ないし日本人の気質に根ざしているように思われます。そもそも買収行為は一種の贈収賄行為です。贈収賄も買収も我が国特有の「贈答文化」に起因しています。その贈答は単なる親愛の情を示すだけでなく、それ以上の「ある気持ち」が託されています。受ける側も暗黙のうちにそれを察知してある負担を感じ、そのお返しとして相手の「ある気持ち」に応じようとします。ちょっと途中を飛ばします。
 贈賄や買収の風習を温存させる根源は、この日本人の義理・人情を重んじる気持ちにあるので、その根はまことに深いといわなければなりません。この感情は我が国独特なもので、生活の潤滑油の役割を果たしていますが、法とか正義とは無縁な主観的、情緒的なものです。こういう指摘がございまして、この贈賄や買収の根源はまことに深い、このように御指摘があるわけでございます。
 ただいま大島委員もお話しございましたですけれども、日本人の精神風土、文化風土にかかわるというその辺に目をやらないと政治と金の問題は解決しないというこの指摘に対しまして、特に自治大臣にちょっとお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#157
○国務大臣(野中広務君) 先ほど大島提案者が申されましたように、それぞれ政党あるいはまた選挙区事情、そしてまた従来行ってまいりました現行中選挙区制度、こういうさまざまな上に、今、委員御指摘のような我が国の持つ独特の風土等もあったかと思うわけでございます。
#158
○山下栄一君 制度改革は意識改革を伴って初めて魂が入る、こういうことで今回の法改正は意識変革を促す、そこに大きなねらいがある、こういうことで特に政治家みずからの身を切る覚悟というお話も何度もあったわけでございますけれども、そういう従来の選挙常識を根底から変えていきたいんだという法改正の趣旨が意気込みとして述べられておるわけでございますが、今回の法改正が政治家並びに国民全体の意識改革を促すというふうにつながるんだという、その辺の理由につきまして提案者からお聞かせ願いたいと思うわけでございます。与野党それぞれお願いしたいと思います。
#159
○衆議院議員(大島理森君) 山下委員、この腐敗防止法免責事由のところでたびたび答弁させていただきましたが、今度のこの意識改革の先頭に立つべき人間は立候補者及び立候補予定者ですよと。今、私どもも自治大臣に一生懸命PRしてくださいということはお願いしておりますが、むしろPRするべきは我々であるという認識を持たなきゃいかぬと思います。そのことが国民の意識を変えていくということにならなければいけないと思います。
 実は、今週、私も帰りまして、我が党の想定される私の選挙区の県会議員さんに集まっていただいて、今、金の話ばっかり出ているものですから、あるいは選挙区の話ばっかり出ているものですから、実は今こういう連座制の強化を議論しておるんだ、こう言いましたらもう大変にびっくりしまして、これは率直な私はお話をします。
 つまり、率直に言って、先生もおわかりだと思いますが、こういうことを余り厳しくすると選挙運動の足が鈍るんじゃないかという私ども自身の心配もすべての議員にあるのかもしれません。だけれども、そういうことを乗り越えて私どもがPR者にならなきゃならぬし、意識改革者にならなきゃならぬ。そうすることが最終的に国民の皆さんに改めてこの趣旨、意思が徹底されていくもの、そういう意味で私は、私どもも極端に言えば血を流す、あるいはつらい思いもしながら痛みを思いながらやっていくことが最も大事な手法であるということだと思っております。
#160
○衆議院議員(保岡興治君) 大島提案者の言われたとおりでございまして、今度の選挙浄化法とも言うべき連座制の強化は、いわば従来の司法官憲に刑罰を厳しく細かく規定をして取り締まりをお願いして浄化の責任を果たしていただくというのではなくて、候補者みずからが命がけで自分の選挙運動を通じて選挙の浄化の責任を果たすということで、まさに官憲に頼らずみずから選挙浄化の責任を引き受ける、要するにそれだけの大きな転換を図る革命的な要素を持っている。
 そういった意味で、本当に日本の選挙風土というものは、今、山下委員の御指摘のように、本当に贈答文化、日本の伝統文化、礼を尽くすには形を必ずあらわしなさい、そういう教えの中で社会を築いてきておりますから、これは政治の場面だけは違うんだということの意識の大転換を図らないとならない、こういう趣旨でございます。
#161
○山下栄一君 今回の法改正のポイントは、国民に呼びかけるものじゃないんだ、政治家、おまえの、私の、あなたの、その命がけの戦いによって初めて徹底されるんだという、このことにつきましてはまた最後に確認させていただきたいと思います。
 連座制強化の内容でございますけれども、連座対象者を拡大する、そしてその拡大された責任者に対して徹底して政治家が、候補者が選挙浄化の責任を持つというのがポイントだろうと思うわけでございます。特に何度もきょうもお話ございましたが、組織的選挙運動管理者の組織でございますが、本来選挙を目的にしない団体、特に人の余りつながりが強くないそういう団体、例えば同好会とか同窓会、町内会、PTA、こういう団体が今回の対象となる選挙運動体、このように認められるのはその組織がどのような態様を備えたときかということにつきまして野党提案者にお聞きしたいと思います。
#162
○衆議院議員(保岡興治君) 午前中の質疑でも申し上げましたとおり、我々の選挙というのは風や何か空気で票を得るということもありますが、一般的に組織を通じて選挙をやる。既存の組織を利用したり新しく組織をつくったりして選挙をやる。今度の法改正では、恐らく政党が選挙運動の中心になりましょうから、政党組織というものが一番選挙にかかわりのある団体組織になると思います。
 そのほか議員の後援会とか、そういう多くの系列の議員に応援していただくという意味ではその方々の後援会。その他企業、労働組合あるいは各種業界、団体。小さなものでは同好会、同窓会、あるいは地域のいろんな団体を考えると商店街、町内会、自治会。あるいはまた役所で、本当は選挙をやっちゃいけないんですけれども、実際にやったとすれば役所なども組織的な選挙運動の連座のかかる要件の対象になる組織足り得る。
 そういった意味で、我々の選挙の実態を幅広くとらえて、そういう組織を通じて選挙を行う場合、その選挙のあり方やそのあり方を実行する立場にある者に選挙の浄化の責任を候補者を中心に、候補者にそれらの者が買収等の違反をしないように努力を尽くしていただく、こういう趣旨でございます。
 それを一般的に法解釈として申し上げますと、組織とは、特定の公職の候補者または公職の候補者となろうとする者の当選を得せしめまたは得せしめない目的のもとに役割を相互に分担して活動する人的結合体またはその連合体というふうに解釈をいたしているところでございます。
 これは実質的見地から判断する、あるいはどの程度継続していればいいかということについては、役割を分担して活動する人的結合体として意味がある程度に継続していれば足りるとか、あるいは指揮命令系統が必要かというと必ずしもそうではない。それから組織の総括者みたいな存在が必要かというと必ずしもそうではなく、組織の選挙運動の具体的な意思決定をする一人間の集まりがあれば、その人間の一定の範囲内の方々の同意を得るということで候補者と選挙浄化のつながりをつくっていくことができますので、そういった総括者の存在も不要である。人数はどれだけ必要であるかというと、選挙運動については役割の相互分担を行うための必要な人数があれば足りると。その他いろいろ具体的に目的に沿って解釈をしていくことになろうと思います。
#163
○山下栄一君 人間の考える組織はすべてその対象となるということだと思うわけでございますが、この組織的選挙運動管理者の責任者の中身でございます。今も少し御説明がございましたように、要するにこの選挙運動全体を決定する立場の方、計画の立案とか調整という言葉で法律の中では表現されていると思うわけでございますが、選挙運動全体のあり方を決定する立場の人、今度はこの運動員に対して影響力を持つ人、これは指揮とか監督という言葉で表現されていると思うわけでございます。また、そのほかにも管理という言葉もございましたが、そういう立場にある人、正責任者だけではなくてそれを補佐する人も入る、さらにその正責任者と役割の一部を分担する者も入るんだと、こういうことでございます。
 結局、連座対象者が限りなく拡大していくわけでございますけれども、見方によれば選挙運動にかかわった者の大半、運動員の大半に及ぶ話になってくるということで、一つ例を出しますと、ある組織、一つの会社であって、会社の組織の中では役職がない方、一メンバー、この方がある人に投票依頼をしたと。その人がさらに別の、近所だったら近所の方に拡大を強く働きかけた場合は、それでまた本来ある組織の無役職の場合であっても新たな組織をつくることになるんじゃないかなと思うわけでございます。強く他者に投票依頼を拡大することによって、強く働きかけることによってまた新たな組織ができ上がっていくというふうにも考えられるわけでございまして、こういう場合も組織選挙運動者の範囲内に入ってくるという、こういう考え方でよろしいんでしょうか。
#164
○衆議院議員(保岡興治君) 選挙運動というのは、運動を展開するに従っていろいろな組織が参加したり、組織それ自体が同心円的な広がりを示すというのが実態だろうと思います。
 そういった意味では、先生がおっしゃったように、どなたかが強く候補者の支持を求め、ある組織がそれを引き受けて選挙運動を展開し始める。その場合、この連座の適用の要件としては候補者に制裁を最終的には科するということでございますので、候補者等とその組織とが意思を通じていなきゃいかぬ。要するに選挙運動をなさることについて明示であろうと黙示であろうと相互に了解がなければならない。そういう状況が先生が今御指摘の事案で発生していれば、そういう組織の選挙運動管理者等の違反は連座の適用になってくると、こういうふうに思います。
#165
○山下栄一君 公職の候補者等と意思を通じてというあかしの問題でございますが、よく支持決定推薦状とか推薦決定証の発行、これがある場合は当然意思を通じてということになると思うわけでございますけれども、ほかにどのようなことが考えられるか。例えば名刺の交換などをした。ところがそれ以上の働きかけはなかった。こういう場合、この名刺の交換だけで意思を通じたと言えるかどうかという具体的な問題ですが、お願いします。
#166
○衆議院議員(冬柴鐵三君) この条文で「意思を通じて」というところは大変重要な部分であります。
 意思を通じてというからには当事者がまず必要であります。だれとだれの間にどのようなことが行われることが必要かということであります。一方の当事者は公職の候補者またはそれになろうとする者、それに限られます。それからもう一方の当事者は組織的選挙運動体の総括的地位にある人平たく言えば、その選挙運動をやってあげよう、いわゆる推薦決定をしようあるいは応援をしようということを組織の代表として決め得る立場にある人、そういう人が両当事者であるというふうに言えると思います。その間に何が行われなければならないかというと、選挙運動をやろうということについて両当事者の間に相互に了解が成立していることであります。
 したがいまして、名刺を交換したという一つの事実から、それだけの事実で今言った三つの要件を判断することは乱暴でありますけれども、あえて申し上げれば、その間に今申し上げたような関係が成立をしていると客観的に認定され得る場合には、これは意思を通じたことになる、このように考えられます。
 私は、名刺の交換だけでは、今、答弁することは乱暴だと思うわけであります。しかし、その名刺を交換することに象徴される内容ですね。そこに今、両当事者の間に名刺が交換された、それが客観的にその選挙を運動してあげよう、してください、そういう意思が諸般の事情から認められる場合には意思を通じたことになり、そうでない場合には意思を通じたことにはならない、そういうふうに申し上げたいと思います。
#167
○山下栄一君 別の例でございますが、支持決定をしていただいた会社があるとすると、その会社の課長が意気に感じて、会社とは関係のない地域の町内会、その課長さんがたまたま地域の町内会の会長をしているという町内会の組織を利用して買収に及んだと、こういう場合、意思の連絡はその町内会組織にまで及ぶのかという、そういう一つの例でございますが、この点についていかがでしょうか。
#168
○衆議院議員(冬柴鐵三君) 候補者以外の者が行った選挙犯罪の結果、候補者が資格を喪失するという重大な結果が及ぶわけですから、候補者がその運動体の存在を認識しなければここには意思を通じたということにはなりませんので、候補者としては、頼んだ会社の課長さんと言われましたが、その会社に運動してほしい、そのようなことであったと思うんですが、たまたま違うところでやられたとしても候補者とその町内会とは意思を通じているとは思えません。
 なぜそういうことが必要かというと、認識した結果、その町内会へ赴いて選挙犯罪やらないでくださいよということを候補者自身が働きかける経過がなければこの結果を引き受けるというわけにはいかないわけでございますから、今の場合には意思を通じたことにはならないというふうに言えると思います。
#169
○山下栄一君 参議院選挙区の場合、衆議院と違いまして選挙区域が非常に広大なわけでございます。したがいまして、候補者自身じゃなくてその代理の方、例えば秘書とか親族とかそういう方が組織の責任者と直接交渉して支援を取りつける場合があると思うわけでございますけれども、この代理者が候補者に報告しないで代理者の裁量でそういう行動に及んだ場合、候補者とその組織と意思を通じていたかどうかは非常に判断が難しいと思うわけでございますが、基本的に意思を通じていると言えない場合が多くなるのではないかと思うわけでございますが、この点についてはいかがでしょうか。
#170
○衆議院議員(冬柴鐵三君) いずれも事実問題でありますけれども、先ほども申しましたように、一方の当事者は候補者等、すなわち公職の候補者と候補者となろうとする者であります。しかしながら、手足論ということがあります。
 質問者がおっしゃいましたように、広大な日本全国を一人の人間が走るわけにはまいりません。したがいまして、多くの補助者というものが必要になろうかと思います。今、挙げられましたように、親族、秘書、そういう人たちが候補者の手足となってそういうような活動をされる。その認識結果が候補者に通じなければ候補者としては努力のしようがありませんからそういう意思を通じたことにはなりませんけれども、諸般の事情から、その一点ではなしにその前後の事情その他から意思を通じたと認め得る事実が認められる場合には、候補者本人でなくてもその手足の人が認識することをもって意思を通じた場合もあり得ると思います。
 しかし、原則として今説明されたことでは私は意思を通じたことにはならないのではないか、このように判断をいたします。
#171
○山下栄一君 次に、免責事由についてでございますが、免責事由の中の、特に相当の注意を怠らなかったときは連座の適用を受けないという規定についてでございますけれども、この相当の注意を怠らなかったということは、選挙浄化のための注意義務を怠らなかったということになると思うわけでございます。きょうも朝から何度もお話がございました候補者に遠いか近いか、また注意を直接的に行ったかどうかという問題もあるというお話がございましたけれども、特に候補者から遠い位置にある末端の組織、末端の責任者、この責任者は候補者に一度も会ったことがないという、そういう場合に要求される注意義務の程度はどの程度か。
 特に参議院の場合、先ほど申しましたように、相当組織の上位の者、候補者に近い責任者にも直接会わないということも多いわけでございますが、その場合、先ほどもお話しいたしましたが、代理の人が、例えば秘書とか親族が間接的に働きかけ、候補者が直接演説したりとか握手したとかというんじゃなくて、間接的な働きかけをやる。特に文書等の広報活動を通じて候補者でない代理の方がやる場合もある。この場合、相当な注意という問題がございますけれども、相当な注意を行ったかどうかということについてですけれども、候補者が秘書とか親族に対する周到な注意を行っておればこの適用を受けないのかという、この点についてはいかがでしょうか。
#172
○衆議院議員(保岡興治君) この点については、たびたびお答えも申し上げてきておりますけれども、候補者等に課せられている選挙浄化の注意義務というのは、一般的に社会常識上それだけの注意があれば組織的選挙運動管理者等が買収等の選挙違反を犯すことはないであろうと期待し得る程度の注意義務ということでございますが、この点は、候補者に近い位置にあろうが遠い位置にあろうが基準として変わりのないところでございます。
 しかし、具体的にどういう注意を払って尽力して努力していれば注意義務を果たしていたと言えるかどうかということについては、近い位置にある者は非常に高い注意を求められますし、遠い位置にある者はそれよりか程度の低い注意で足りるということになりますが、今回の連座制の趣旨が公職の候補者等に徹底した選挙浄化を果たしていただこう、その責任をとっていただこうということでございますので、遠い位置にある場合であっても、社会通念上、候補者に要求されるできる限りの注意を払うということは要請されていると思います。
 そういった意味で、通常一般の注意能力を前提としますけれども、候補者が可能な限りの措置を講じていたにもかかわらず、それでもやむを得ず偶発的に犯罪が発生してしまった場合のように、社会通念上、通常こういう努力を払えば違反は発生することはないであろうという、そういう程度の措置は講じていることが求められている、こういうことが言えると思います。
 先生がおっしゃるように、非常に末端の遠いところの責任者に対し組織に対してどういう浄化を求めれば注意義務を達成したと言えるかどうかというのは、最終的には具体的な事案で判断する以外ないのですけれども、先ほど申し上げているとおりに、選挙運動にはいろいろな方法、手段があって、中身の濃いものから薄いもの、近いところで非常に密度の濃い選挙運動を展開しているところもあれば比較的薄い選挙運動を展開しているところもある。
 少なくともそういった選挙運動をお願いしている方法、内容に沿った同質同量の注意義務を果たすということは必要なことで、ポスターやパンフレット等で広く末端にお願いしている場合は、それに合わせて連座制が今度こういうふうに改正になって当選の無効あるいは資格剥奪など重大な結果が生ずるということについて、同じようなポスターやパンフレットでその趣旨を徹底していただくということは最低限度必要だと。
 しかし、そういう努力をしていたにもかかわらずという場合でしょうか、例えば中心部分で選挙違反が多発する、あるいは末端部分でも非常に広く選挙違反が起こってしまったというような結果がそこにあらわれた場合には、注意義務が本当に尽くされていたかどうかということについては非常に厳しく問われるということになるのではないかと思います。
#173
○山下栄一君 候補者が相当な注意を怠らないということをするために、組織への間接的な働きになればなるほどパンフの発行とか、そういう広報活動をやっぱり必死になって訴えてやる必要があると思うわけでございますが、広報活動をやればやるほど金がかかってしまうという面もあると思うんですけれども、この点についてはどうでしょうか。
#174
○衆議院議員(保岡興治君) それは工夫の問題で、同じパンフレットやポスターにその趣旨を書くとかいろいろ工夫も可能だろうと思いますし、全体としてはやはり選挙運動を熱心に行うと同じように熱心に浄化運動をするということで、経費の負担がどうなるかちょっと具体的にはわかりませんけれども、日本の選挙風土の一新を図っていくためにはこれ以外ないという決め手としての制度でございますので、日本全体として選挙に候補者の負担が非常に将来は軽減されてくるだろうと思いますし、何よりも国民の信頼を回復する大きな力になると思っております。
#175
○山下栄一君 次に、連座裁判について御質問いたします。
 組織的選挙運動管理者の刑罰によって候補者が当選無効並びに立候補制限となる場合の裁判の手続、行動と挙証責任、これがどうなるのか、御説明をお願いしたいと思います。
#176
○衆議院議員(冬柴鐵三君) 連座の裁判は、他人の犯罪によって自己の当選が無効にされるという重大な裁判手続であります。
 二つの大きな形がありまして、一つは候補者以外の人が犯した選挙犯罪について有罪の判決、すなわち懲役、禁錮刑以上の裁判が確定をしたと。これは今回、執行猶予がついた場合も含むわけでございます。そういうものが確定をいたしますと、一つの制度では、その候補者に対して、あなたに関係する組織的運動管理者あるいは関係者が有罪の確定がありましたよという通知が行ってから三十日以内に候補者の方から訴訟を起こさなければいけないという一つの方法と、もう一つはそういう確定しましてから三十日以内に検察官の方から当選者に対してあなたの当選には問題がある等、そういう訴訟を起こす、二つの方法があります。
 一つの方法は、法定刑が加重される場合にそういう類型が選択されております。後者の検察官から訴訟を起こすという類型はそうでない場合でありまして、今回の今問題になっております組織的選挙運動管理者の場合は最終的に刑が加重されなくなりましたので、それが今の法律案になっておりますので、そういう管理者に対して有罪の判決が確定した場合には、検察官が原告になって、当選人等に対してその当選が無効であり、そして確定後五年間立候補制限がありますよ、受けますよという訴訟を所轄の高等裁判所に対して提起することになっております。三十日以内であります。判決確定後三十日以内でありますから、三十日を超えて提起されたらそれは無効にはなりません。三十日以内に提起されれば訴訟が係属することになります。訴訟の形態は民事訴訟であります。一審は高等裁判所、二審は最高裁判所で二審制になります。
 このときの立証責任の分配でありますけれども、原告である検察官は、この当選が無効になるという理由を立証しなければなりません。すなわち、組織的選挙体と意思を通じてそしてこの運動がされた、その管理者たる地位にある人が買収等の重罪を犯した、これは四つの類型だけになっております。二百二十一条、二百二十二条、二百二十三条、二百二十三条の二という四つのこれは非常に重い類型でございます。買収とかそういうような犯罪でございますけれども、そういうもので禁錮刑以上の刑に処せられる、執行猶予はついているけれども処せられてそれが確定した、こういう事実をまず立証しなければなりません。
 そうなりますと、被告とされた候補者、当選者の方としてはその当選を無効とされないためには、先ほど来問題になっていました、その有罪を受けた者がおとりであった、あるいは寝返りであった、もう一つはそういうことをしてもらっては困るという万全の注意を払った、相当の注意を払ったということを被告の方が立証しなければならないという責任を負うことになります。立証配分はそうなります。
 ただ、ここから先は私の私見でありますけれども、おとり、寝返りというのは、先ほども説明がありましたように、大変難しい事実を立証しなければならなくなります。挑発とか誘導、そういうものによって当選を無効にする目的を持って、しかも相手の候補者あるいはその運動員と意思を通じてやったというようなことは、強制捜査権のない候補者は到底その事実を立証することは私は困難であろうと思います。そういうことから、私は、そういう疑いが相当濃厚であるということを候補者が立証した場合には検察官の方で、いやそういうものではありませんでしたということを完全に立証しなければならないことになるのではないか。すなわち立証責任転換の法理がそこでは一部働く場合があるのではないか。私の私見ではありますけれども、そういう意見を持っております。
 以上であります。
#177
○山下栄一君 ちょっともう時間がなくなってきました。最後に一点だけ。
 冒頭の質問に返るわけでございますけれども、今回の連座制強化の法改正の趣旨は、とにかく政治家自身の徹底した選挙浄化責任、これを要求する法改正である。それによって選挙風土を変え選挙革命を目指すんだという、そういう意気込みで臨んでおるわけでございます。したがいまして、国民への啓蒙啓発の前に我々政治家自身の覚悟といいますか、これが大変重要になってくる、そこがポイントになると思うわけでございます。先ほど川橋委員の方からもお話がございましたが、したがいまして政治家我々の意識変革を行うために、政党として、政党挙げてこれに取り組む必要がある、このように考えるわけでございます。
 先ほど三塚委員からも少しございましたけれども、与野党それぞれ政治の取り組み、今回の先頭に立って戦うという取り組みについてどうしていくのかということについて、その決意をお伺いしたいと思います。
#178
○衆議院議員(大島理森君) 先ほど三塚委員がお話しした方針で我が党も取り組んでおりますし、もう一つは、政党政党というそれぞれの政党と同時に、かつて政治改革をつくるとき民間政治臨調の皆さんがえらい熱心にやって、その後さっぱり声が聞こえません。むしろこれからああいう形での運動をしていただくことが非常に大事なのではないか、私どももそういうふうに働きかけていきたいと思っております。
#179
○衆議院議員(保岡興治君) 先ほど申し上げましたとおり、これは本当に政党、政治家、有権者の意識改革をこれからこそ一層努力して努めていかなければならない。そういった意味で、政党間で、与野党間でもっと協議の場をつくって、新しい政党政治のあり方ということあるいは選挙のやり方、政策協議のやり方、いろんなことを話し合ってルールをつくるということを真剣に考えることが大事なんじゃないだろうか。そういった意味で、我々もこれから新党を結成するのを間近にしておりますけれども、新しい政党としてそういう新しい時代の政党政治に対するはっきりした対応をしていきたいと考えております。
#180
○山下栄一君 以上で終わります。(拍手)
   〔委員長退席、理事一井淳治君着席〕
#181
○理事(一井淳治君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#182
○理事(一井淳治君) 速記を起こして。
#183
○吉川春子君 私は、一問目から答弁者がいないので質問の順序を変えざる得ませんので、基本的な問題から本当は入りたいんですけれども、これを後日に譲りまして二番目の質問から入ります。
 小選挙区の区割り法案についての質問をいたします。
 まず、大臣にお伺いいたしますけれども、普通選挙において一人が一票を持つということが大原則であって、税金の多寡によってある人はゼロとか一人が二票持つとか、こういうことはあってはならない、こういう原則は確立されていると思いますが、端的に御認識を確認したいと思います。
#184
○国務大臣(野中広務君) 投票価値の平等の実現は、選挙区制のいかんを問わず極めて重要な課題であると認識をしております。
#185
○吉川春子君 一人一票を持つということが近代の普通選挙の原則である、ここはよろしいですね。
#186
○国務大臣(野中広務君) 基本的にそう認識しております。
#187
○吉川春子君 設置法は一対二未満を基本とする、こういうふうに書いてありますけれども、本来一人一票でありますけれども、二票程度なら裁量の範囲という意味ですか、それとも一対二が原則という意味ですか。その点はどうでしょう。
#188
○国務大臣(野中広務君) 今回の区割り案におきましては、再三申し上げておりますとおりに、二倍未満におさめることを基本とされてきたわけでございますけれども、しかし区割り案の作成に当たりまして、その前提として審議会の設置法の三条の二項で各都道府県に一議席を与えて配分をいたします。その結果、委員御承知のように、既に都道府県間の格差が一・八二倍となったのでございます。
 その前提の上に立って今回の区割りが決められたわけでございまして、九月の衆参両院におきます石川会長の御報告にもございましたように、市区町村をようかんのように切ってやれば二倍未満におさめることは不可能ではないけれども、一方、行政区画なりあるいは地勢、交通、こういう事情を総合的に考慮をしたときに今回のいわゆる最大格差二・二二七にならざるを得なかった、こういうお話がございましたように、審議会とされましてはぎりぎりの努力をされたものと認識をし、それは憲法の原則に反するものでないというように存じておる次第でございます。
#189
○吉川春子君 私は、審議会がどういう努力をされたかということを伺っているのではありません。日本の学説、通説は一対二未満ということですけれども、アメリカの小選挙区では実際にも一対一の原則をかなり厳しく厳密に貫いています。一票の価値の平等という点から考えますと、一人に二票与えてはならないという点は非常に重要だというふうに思うわけです。
 それで、六月三日に東京高裁の判決がありますけれども、「選挙権として一人に二人分以上のものが与えられることがないという基本的な平等原則をできる限り遵守すべきものであって、このことは、議員定数の配分をめぐる世論の等しく指摘するところであるばかりでなく、これまでの公選法の議員定数の改正をいずれも緊急措置あるいは当分の間の暫定措置であるとして、その抜本改正を必要としてきた国会自身の認識でもあったといえる。」と、こういうふうにしておりまして、一対二未満を原則とすべきだと、こういう判示がありますね。
 この点について大臣はいかがお考えですか。
#190
○国務大臣(野中広務君) 今回の人口格差が一対二以上にならないようにするという基本を設置法で定めました場合、格差が二倍以内という基準を遵守して、できる限りこの基準に沿った案を作成することを求められたのがその趣旨でございます。人口格差一対二未満を満たさなくなりましても直ちに違法という問題は生ずるものではないと考えておるわけでございまして、これを数値的にお示しすることは大変困難だと存じておるのでございます。
 そこで、委員が今御指摘になりました衆議院の選挙区の格差をめぐる昭和五十一年の最高裁の判決では、定数配分につきまして、憲法第十四条の第一項の規定は、選挙権の内容の平等、すなわち投票価値の平等をも要求するものであり、これを重視すべきものである、このように示されまして、これが憲法上、選挙制度の決定のための唯一絶対の基準となるものではなく、原則として、国会が正当に考慮することのできる他の政策目的ないしは理由との関連において調和的に実現されるべきものと解されなければならない旨、判示されておりますわけでございまして、この考え方は以後の定数訴訟判決におきましても踏襲をされておるところでございます。
   〔理事一井淳治君退席、委員長着席〕
 これまでの定数訴訟判決はもとより中選挙区下のもとにおけるものでございまして、小選挙区下のもとにおきましてどのような判断が示されるかは現在の段階におきましては明らかではございませんけれども、いずれにいたしましても、中選挙区、小選挙区制のいかんを問わずに投票価値の平等の確保は重要な課題と認識をいたしております。
#191
○吉川春子君 今、大臣がおっしゃいましたけれども、今までの判例というのは、中選挙区制のもとで一対二を超えた場合にどうかそして国会の選挙を無効にしてしまうということが非常に国政上影響が多い、そういう条件のもとで下された判断でありますので、これは小選挙区制を新たに導入する場合についての基準にはならないということは明らかだというふうに思います。
 それで、東京高裁の判決はこういう立場に立って、今後速やかに実現すべき選挙制度の抜本是正においては、これまでのような基準によってでなく、世論及び国会自身の認識に即した基準によってその合憲性を判断すべきであるというふうにしているわけですね。
 今回の区割り法は、この点において判例の要請に沿わないものではありませんか。
#192
○国務大臣(野中広務君) 先ほども申し上げましたように、今日までの定数訴訟の判決は、委員おっしゃいましたように、小選挙区のもとにおけるものでなく中選挙区下においてなされたものでございまして、今後、選挙区が中選挙区、小選挙区どのようになりましょうとも投票価値の平等というものは、先ほど申し上げましたように、重要な課題として確保されなくてはならないと認識をしておるわけでございます。
#193
○委員長(上野雄文君) 吉川君、三塚提案者がおいでになりましたからどうぞ御質問を。いつでもよろしいですから。
#194
○吉川春子君 ちょっとこっちを始めちゃったんで、その後に行います。
 ちょっと調子が狂いますけれども、一対二未満を基本とするという意味をそれでは伺いたいと思いますけれども、一九九〇年の国勢調査では今回の小選挙区区割りの最大格差が二・一三七倍となっていますが、具体的にはこの程度が一対二未満を基本とするということなんでしょうか。
#195
○国務大臣(野中広務君) 今度の区割り審の先ほど申し上げましたような経過をたどりまして、都道府県に一を配分した後、それぞれ市町村あるいは行政区画、地域の地勢等を考えていたしました結果が二・一三七倍になったわけでございまして、これが今申し上げましたように二対一未満におさまることが一番いいことでございますけれども、結果として審議会の区割り決定はこのようになりましたということを私は申し上げた次第でございます。
#196
○吉川春子君 そうすると、その後、住民基本台帳によりますと格差が二・二二六倍になっておりますけれども、これも一対二未満を基本とするというこの範囲であるわけですか。
#197
○国務大臣(野中広務君) 住民基本台帳はその時点時点で出すものでございますので、区割りの審議会設置法で定めましたように、十年に一度行います国勢調査を基本として見直すことといたしております。けれども、なお中間的に行われます五年ごとに行われます簡易調査におきまして著しくいわゆる人口に格差が生じたと審議会がお認めになります場合、あるいはその他特別の事情によりまして、市町村の合併等が行われまして急激に人口の格差が生じることとなりまして、それが多くの地域に及んで審議会がその必要を認めました場合には、中間的にも区割りの勧告を改められることが付言、付記されておるわけでございまして、そのような状況のもとにおいてなお定数の、また区割りの見直しをすることが可能であると考えておる次第でございます。定数ではございません、区割りの勧告をすることが可能であります。
#198
○吉川春子君 私は、具体的に一対二未満を基本とするということをお伺いしているわけです。
 一対二未満というときはわかりやすいんですけれども、一対二を超えてもいいという場合、どこまで超えてもいいのかということを数量的に大臣から明確に示していただきたいと思うんですが、今後十年ごとの国調、そして住民基本台帳ということでやっていきますと、徐々に二・二幾つという数値がふえていくわけですね。どこまでふえれば、どこまでは許容できでどこまでが違憲になるんですか、明確にお示しいただきたいと思います。
#199
○国務大臣(野中広務君) その数値を私が申し上げる立場にはございません。
#200
○吉川春子君 そうすると、これはだれが判断するんですか。一対二未満を基本とするとしながら、一対二を超えてもいいんだと、それで一対二・二二六でもいいんだと。じゃ二・二二七じゃどうか、二・二二八じゃどうか、こういうふうに言っていきますと、どこまでも基本とするという非常にあいまいな日本語のもとに数値は限りなく延びていく可能性がありますね。しかし、それに歯どめをかけることを自治大臣がお示しできないと今おっしゃいましたけれども、じゃどこまで合憲なのかという判断はだれがするんですか。
#201
○国務大臣(野中広務君) 従来、定数に対する訴訟におきましての判決をもってされてきたわけでございます。
#202
○吉川春子君 裁判にこれをゆだねるというのは全くよくないことですね。
 結局、そういうふうに言うということは非常に法律があいまいだということを指摘せざるを得ないんですが、そうしますと、もう一つ伺いたいんですけれども、今度はその一対二未満を超える選挙区が国調の場合だと二十七ですか、そして住民台帳でいくと四十一ありますね。これはそうすると幾つまで超えれば違憲なんですか。四十一までいいとすると、四十二はどうですか四十三はどうですか。あるいは極論して三百全部超えても、一対二未満におさまらなくても、それでも合憲だと、こういうふうにおっしゃるんですか。
#203
○国務大臣(野中広務君) 今回、先ほど来るる申し上げておりますように、区割り審議会の審議をお願いをする際に、両院でこの法律を成立をさせまして、そして区割り審議会に勧告を求めて、その勧告に基づいて今回法案を提案させていただいておるわけでございます。
 したがいまして私どもは、今、委員のお説のように、どこまでいったらそれが違憲であるのか合憲であるかということを申し上げる立場にないわけでございまして、できる限り、可能な限り審議会におかれましては一対二未満でおさめようとして努力をされましたけれども、都道府県に一割り当てたところで既に一・八二の格差を生じておるところに区割り審議会が大変な御苦労をされたところを御理解いただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。
#204
○吉川春子君 そうしますと、その区割り審議会が四十七都道府県に全部一ずつ配分して、その後は、区割り審議会がやったことであれば、全部一対二未満を基本とするというこの原則に当てはまるんですね。
#205
○国務大臣(野中広務君) 当てはまるというわけではございませんけれども、私が申し上げておりますのは、区割り審議会にお渡しする前に、前提として都道府県に一配分をして、それから審議会の審議をお願いをして、そしてそれぞれの勧告をいただいたわけでございます。したがいまして、そこのところでもう一・八二の格差を生じておるわけでございますので、区割り審議会が出されました結果、二を超えることに若干なりましたことは、私は憲法の原則に反するものでないという認識に立っておる次第でございます。
#206
○吉川春子君 要するに、区割り審議会を盾にされますけれども、憲法を修正するような法律というのはできないわけですよね。そうしますと、やっぱり憲法に抵触しないような法律をつくらなきゃならない。その区割り審議会の法案の原則がいいのかどうか法律の原則がいいのかどうかという質問を私はしているわけなんですが、それについて、区割り審議会にお任せしてある、裁判所で最後は判断していただく、こういうことでは法律として非常に欠陥のある法律じゃないかというふうに思います。
 私たちは、一対二未満におさまれば小選挙区はいいよ、こういう立場では決してありません。小選挙区制の問題についてはいろんな場面で申し上げてまいりましたけれども、そういうことをさておくとしても、この一対二未満を基本とするということが非常にあいまいで、歯どめもないし、どこまでが憲法十四条あるいは四十三条に合致するのか、そういう基準も全くないのでは本当に欠陥の法案としか言いようがないんですね。その点についてはどうでしょう。審議会に判断させる、あるいは裁判所に判断させる、これでは余りにも無責任な立法の方法じゃありませんか。
#207
○国務大臣(野中広務君) 法案を提案した者の立場といたしましては、区割り審の勧告をそのまま勧告どおり法案として提案をさせていただきましたと、これ以外にお答えはないわけでございます。
#208
○吉川春子君 じゃ、この問題の最後に伺いますけれども、今、一票の格差、価値の平等を求めての裁判がたくさん起こされ、判決が既に出ているものもありますけれども、この今出されている法案が現実に施行された場合に、こういう一票の価値を求める国民の裁判というのはなくなるんでしょうか。一票の価値が確実に守られる、こういうことで裁判がなくなるとお考えなんでしょうか。大臣の御意見をお聞かせください。
#209
○国務大臣(野中広務君) 議員御指摘のような訴訟が出てくる可能性はあろうと思います。
#210
○吉川春子君 正直なお答えと言うべきなんでしょうか、そういうことが出てくることが予想されるような法律というのはやっぱり非常に問題じゃないかと思います。
 三塚先生がお見えになりましたので、ちょっと質問をまた途中で切りかえまして最初の順序に沿って質問したいと思うんですが、先ほど寺澤議員が指摘されましたように、小選挙区制の導入の根拠の一つとして腐敗防止につながるということが非常に言われたわけです。
 今国会の村山総理の所信表明演説でも、政治改革には大きな柱が三つあると。第一には、選挙制度を改革するとともに、腐敗防止を徹底し、政治の基本姿勢を変えていくことだと。区割り法案の成立により一運の政治改革が初めて施行され、長年の懸案が実行に移される。と述べて、腐敗防止が小選挙区制の完成ということだということを強調されております。
 それから細川総理、当時の総理も、「現行の中選挙区制のもとでは、いわゆる同士打ちが避けられず、選挙は必然的に政党間の政策論争というよりは候補者個人間の競争にならざるを得ないという要素を内在しており、これが政策課題に対する政治の対応を不十分なものとし、また、政治と金をめぐるさまざまな問題を生じさせる大きな要因となってきた」と、これは昨年九月二十一日、参議院本会議で述べておられるわけです。
 私どもは、小選挙区制を導入しても政治と金の問題はこれは選挙区から必然的に出てくるものではない、まさに小選挙区制こそ金がかかる激しい選挙戦が展開されるということを指摘してまいりました。
 十月十三日に衆議院の連座制強化のための公職選挙法改正案の趣旨説明において、三塚議員はこのように述べておられます。「さきに実現の運びとなりました衆議院の小選挙区比例代表並立制のもとでの選挙は、まさに政党間の政権をかけた、中選挙区制では想像のできないほど熾烈な選挙になることが予想されます。」。また、保岡議員も、このような政治と選挙の世界に住みなれた体質のまま新しい選挙制度に足を踏み入れても現行中選挙区制のもとでの政治の弊害を本当に克服できるか、かえって事態は今より悪くならないか、各方面から強い疑問が寄せられているのも当然のことだと言われているわけです。
 そこで三塚先生にお伺いしたいのは、想像ができないほど熾烈な選挙、これはどういうことなんでしょうか。
#211
○衆議院議員(三塚博君) 先ほど欠礼をいたしましたのは、理事各位にお願いを申し上げ、党の会議がございまして、大島提案者、保岡提案者、また松永委員長もおられますものですから、そういうことで欠礼したことをまず釈明をさせていただきます。
 さて、ただいまの熾烈な選挙とは何かこういうことでございます。
 保岡提案者がおられるところであえて申し上げますと、奄美大島が一人区でございました。中選挙区下における象徴的な選挙区、奄美選挙ということで広く知られたわけであります。かつて彼が自由民主党におられました当時、本部長のもとで選挙腐敗に関する小委員長として大変な御勉強をいただき、やはり奄美のケースは日本のケースでありますから、それを再び繰り返さないような状態をつくらなければならない。民主主義の原点は公正な選挙で選ばれることが基本である。それは同時に候補者自身の政治意識、政治に取り組む責任感、これが一つあります。同時に、選挙民各位の旧来の陋習を打ち破った公正な選挙への意識改革も当然行われなければなりません。
 そういう論議をずっと進めて原案をつくり、各党の了承を得まして本日御提案を申し上げておるわけでございまして、私どもはそういう先例をにらみながら、もう一つよき先例は、イギリス議会においてたび重なる選挙腐敗の事例がございまして政治の信頼が払底をいたしたときがございました。それを踏まえてイギリスの政治家は、一八八三年、選挙腐敗防止法、連座制の強化をうたいとげましてこの法律が成立をした。その後の総選挙、選挙違反がなくなったという報告が明確になされ、昨今行われた総選挙においても、自来、イギリスの総選挙においては選挙違反は死語になりましたと、こういう成果を上げておることも一つの参考としながら意識改革をまず仕上げると。
 こういうことの中で、それは候補者、政治家、そして政党、これに真剣に立ち向かうことによりまして選挙界が改革をされていい方向に進むだろうと。私自身は、保岡当時の小委員長とともに党の各位ともまた各党の皆さんとも懇談をした中で、そういう議会政治の母国であるイギリス総選挙において行われたことをよいことはよいこととして学んでいこうと、こういうことでございます。
 一人を選ぶという選挙は、御案内のとおり、首長の選挙等々を見ましても熾烈をきわめるわけでございます。私どもは、他を顧みるわけではございませんが、国政における政治と金の問題、選挙と金の問題等々の深い反省の中で、再びそのようなことを起こしてはならないだろう。政治家みずから、特に国会みずからがそのことを範を示すことによりまして、立派な選挙制度がここにでき上がり、同時に政党政治に習熟した形の意識改革が行われることによって、日本の政治が困難な内外の今日の状況に的確に対応していける基盤ができるのではないだろうかと、こんなふうに考えた次第であります。
#212
○吉川春子君 私、時間が余りないのでやりとりしている暇がないんですが、三塚先生、もう一つ伺いますが、小選挙区制を導入する根拠として、腐敗がなくなるんだと、これをもう徹底的に喧伝されたわけですね。そういう奄美を見ても、一人を争う選挙になれば熾烈になりますよと、なぜ小選挙区制の論議が高まっている最中に声高におっしゃってくださらなかったんですか。何か国民は、小選挙区制になれば政治がきれいになりますよと、こういう宣伝を盛んに聞いたわけですね。そのときにおっしゃらなくて、今まさに小選挙区制の並立制が通っちゃった後おっしゃる意味はどういうことなんですか。
 それから小選挙区制ということは、だから選挙の腐敗をなくするんじゃなくてもっと熾烈な選挙になると、このことははっきりしているわけですね。
 その二点について、済みません、短い時間で。大臣にも聞きますので。
#213
○衆議院議員(三塚博君) 今それを声高に言うことはタイミングを逸しておるのではないかという御指摘でございますが、決してそうではございませんでした。党内の論議におきましても本問題は長い時間かけてやらせていただいたところでございます。そういう点で、正式提案という形の中でそのことを御指摘のように本会議において申し上げさせていただいたのでございまして、御理解を賜りたいと思っております。
 熾烈な選挙というのは、政策が国の将来を決める、あるいは国民の生活の基本を決めるということになれば、当然熾烈になりますことは容易に想像できることであります。だからといって、不法な行為によってその選挙を勝たんがために、いわゆる勝ては官軍という思想は選挙界からなくしていきますことが日本の議会政治への健全なスタートになるのではないだろうかこういうことでございます。
#214
○吉川春子君 大臣、一人を争う小選挙区制において非常に選挙が熾烈になる、お金もかかる、こういう御意見について大臣の御認識はいかがですか。
#215
○国務大臣(野中広務君) 新しい小選挙区比例代表制の選挙のもとにおきましては、ただいま三塚提案者がお話しになりましたように、従来と異なって政権を獲得することを目指して政策をめぐって政党間の厳しい争いが行われるわけでございますので、私はそういう意味において新たなるまた緊張が出てくると認識をしておるわけでございます。
 それだけに、それが高じまして腐敗行為がまた起きるようなことがあってはなりませんので、このたび改正法として腐敗防止を含めました連座制の強化をお願いをしたところでございます。さらにこれを与野党で合意をされましてなお強化する必要があるということで、連座制の強化の提案がなされたものと認識をいたしております。
#216
○吉川春子君 そういたしますと、その小選挙区制の導入ということと腐敗防止につながる、お金がかからなくなるということとは結びつかない、少なくとも結びつかないという御認識だというふうに承ってよろしいですか。
#217
○国務大臣(野中広務君) 腐敗防止ということは、中選挙区のもとにおきましては、先ほど大島提案者のお話がございましたように、幾つかの党争の中において、政権を目指すためにいわゆる複数以上の同じ党の候補者を出す、そのために後援会組織等、個人間の対立がなお腐敗をもたらすことになった、そして多くの信頼を失うことになったと、こういうことでございまして、今回の場合は、政権を奪うために、また政党間の政策を争うために激しい争いと緊張が生じてくるという、この形態の違いは出てくると思います。けれども、そのことによってまた腐敗が起きてはならないわけでございますので、連座制の強化をお願いをしたところでございます。
#218
○吉川春子君 要するに、形態は違うけれども、激しい選挙が行われてお金がかかるという御認識のようです。そして、だからその腐敗防止を改めて出したんだという御意見のようですけれども、それならば、中選挙区制のもとで腐敗が横行して、小選挙区制になれば腐敗がなくなるんだ、きれいな選挙ができるんだ、こういう論拠は崩れたと思うんですね。
 だから私は、時間がなくなりましたので最後に、小選挙区制導入の最大の論拠であった政治と金の問題が解決できる、こういうことがない以上、この導入の根拠が崩れたものである以上、私はこの法案は導入の意味を失ったんだというふうに思います。
 また、政策本位の問題については、次回引き続き質問をさせていただきたいと思います。
 以上で終わります。(拍手)
#219
○森山眞弓君 衆議院の選挙制度の改革というのが大詰めになってまいりまして、私も平成元年自民党に政治改革本部ができましたときからかかわってまいりました一人といたしまして、まことに感慨無量のものがございます。しかし、先ほどからたびたび同僚議員からもおっしゃっておられますように、これで終わりではもちろんないわけでございまして、私が特に申し上げたいのは、次は参議院の番であるということでございます。これも大変急ぐべき重要な課題だと思うのであります。
 国会が二院から成っている、そしてすべての法律は両院で可決されなければ法律にならないということを考えますと、憲法にはそのように書いてあるわけですから、政治改革と言う以上は参議院の改革も重要な部分でありまして、これができなければ改革ができたとは言えないというのは当然だと思います。衆議院の選挙制度の改革がともかく一応形ができそうな今、これに見合う参議院の改革をこの機を逃さずにやらなければいけないというふうに思うのでございます。
 選挙制度審議会におきまして衆議院の選挙制度の改革についてかなり詳細な御検討がありまして、それをもとにこの法案が今、山場を迎えつつあるわけでございますけれども、私に言わせれば、本来審議会の先生方には、そもそも国にとって望ましい国会というものはどういうものであるべきか、その国会の議員はどのようにして選べばいいかというところから考えていただきたかったというふうに思うのでございます。しかし、無から始めるわけではありませんので、現実にはまず衆議院からということになったのはやむを得ないと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、憲法に決められた二院というものがお互いに補い合ってバランスのとれた政治をやっていくという観点から考えますと、一日も早く残りの半分に取りかかるべきだというふうに思うのでございます。
 特に衆議院の選挙制度の形がある程度見えてまいりました今日、その衆議院の選挙制度、そのような制度によって選ばれる衆議院議員の皆さん、その衆議院議員が形づくる衆議院、それに対応して参議院はどのようなものであるべきか、そのあるべき参議院を構成する議員はどのように選ばれるべきかということを今こそ具体的に考えなければいけないし、衆議院と同じような母体から選ばれる議員が参議院で同じようなことをやっていたのでは存在意義はないわけでございますから、ここで十分に検討しなければいけないし、来年の参議院選挙には間に合いませんけれども、その後また三年たてば次の参議院選挙があるわけですので、そのときまでには遅くても見当をつけておかなければいけないんではないかというふうに思います。
 第八次選挙制度審議会答申も、参議院についても一応考えていただいております。その「望ましい選挙制度のあり方」という部分では、次のようにおっしゃっております。「参議院に期待されている役割は、衆議院に対する抑制・均衡・補完の機能を果たすことによって国会の審議を慎重にし、国民代表機関たる国会の機能を遺憾なく発揮せしめることにあると考えられる。」、そして「参議院が憲法によって期待されている役割をよく果たすためには、衆議院議員とは異なる選挙の仕組みによって参議院議員が選出されることにより、衆議院とは異なる面からの民意が代表されるようになっていること」というのが必要だということを言っているわけでございます。
 これらの点を考慮していただきまして、次は参議院であるということにつき、自治大臣といたしましてはどのような御認識でいらっしゃいますか、お聞きしたいと思います。
#220
○国務大臣(野中広務君) 委員おっしゃいますとおり、今回衆議院の選挙制度が改正をされるわけでございますけれども、参議院の選挙制度につきましても、今お話しのように、二院制の趣旨が生かされて、これを基本として早急に改正をされるべきであろうと存じておるところでございます。
 特に委員御指摘ございましたように、第八次選挙制度審議会の答申やあるいは政治改革をめぐる国会の御審議が、参議院においてそれぞれ与野党の御論議を通じましてさまざまな検討がなされてきたと聞いておるところでございます。
 先般は、百二十九国会におきまして、一応各党の合意によりまして四増四減の定数是正が行われたところでございますけれども、今後さらに次なる選挙制度につきましてそれぞれ与野党において濃密な御論議をいただき合意をいただいて、早くこれが選挙制度として改正を見られるように私どもも期待をいたしておるところでございます。
#221
○森山眞弓君 第八次の答申の中には、「これを選挙制度の面から言えば、参議院については、衆議院のみによっては必ずしも十分に代表されない国民各層の意見を反映するため、特に職域的な代表や専門的知識・経験に優れた人材が選出されるようなものとする必要がある」ということをおっしゃっております。
 さらにさかのぼりまして、昭和二十一年の今の憲法が可決されますときの附帯決議の第三項で次のようにおっしゃっています。
 参議院は衆議院と均しく国民を代表する選挙せられたる議員を以て組織すとの原則はこれを認むるも、これがために衆議院と重複する如き機関となり終ることは、その存在の意義を没却するものである。政府は須くこの点に留意し、参議院の構成については、努めて社会各部門各職域の知識経験ある者がその議員となるに容易なるよう考慮すべきである。というふうにございます。
 また、それに引き続きまして七月三日に設けられた臨時法制調査会では、参議院議員選挙法案の要綱が審議されましたが、その中で、「全国民を代表する選挙せられた議員を以て組織す」と、衆議院と全く同一の原則の中ではどのようにすれば参議院が本来の任務を遂行するに最も適した練達堪能の士を参議院議員として選出することができるかということを最大の問題としているわけでございます。このとき、推薦制あるいは勅選制なども話題になったようですが、この原則に反するということで日の目を見なかったと聞いております。まさに、現在もこれと同じ問題に直面していると言えるのではないでしょうか。
 第八次審議会の答申では、選挙制度につきまして、「目指すべき参議院議員の選挙制度のあり方として」と言いまして、一、候補者推薦制をとること、二、都道府県を代表する議員を選出する選挙のみとすること、それから三は、広域のブロック単位の選挙のみとする、四は、全国単位の選挙のみとする、五は、都道府県単位の選挙と広域のブロック単位または全国単位の選挙とを組み合わせる、などさまざまなものを取り上げて検討をしてくださいましたようでございます。
 候補者推薦制というのは、「民主的かつ公正な組織による一定の推薦母体が憲法の定めている二院制下における参議院の議員としてふさわしいと認めて推薦した候補者について国民が選挙する制度」というふうにおっしゃっておられまして、「国民による選挙の過程の中に推薦母体による候補者の推薦という要素が加わることにより、職域的な代表や専門的知識・経験に優れた人材の選出、衆議院とは異なる面からの民意の代表などが期待される」というふうにおっしゃっておりまして、「この推薦の制度がうまく機能するのであれば、候補者推薦制は参議院議員の選挙制度にふさわしい制度である」というふうに言っておられます。
 ところが続きまして、さまざまな考え方があってこの制度を制度化するためには「推薦母体の構成や推薦手続など制度上及び運用上の課題について憲法の規定との関係を含めて十分つめられる必要がある。」というふうに言われております。
 そこで、ここに言う「憲法の規定との関係」ということでございますが、この答申にはそれだけしか書いてございませんので詳しい問題意識がよくわからないのですけれども、憲法の規定の中で、この推薦制ということを頭に置いた場合にどのような点が問題になり得るか法制局の御意見をお聞きしたいと思います。
#222
○政府委員(大出峻郎君) 参議院において候補者のいわゆる推薦制を採用することに関連しての御質問でございますが、憲法第四十三条第一項は「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」というふうに規定をいたしておるわけであります。
 御質問の推薦制が選挙人による選挙を行う、こういうことを前提といたしまして、選ばれた議員が全国民を代表する選挙された議員であるならば、憲法第四十三条第一項の規定上は直ちに問題が生ずるとは考えられないと思いますが、さらに推薦機関の構成だとか推薦手続など具体的な制度とその運用について憲法上も問題が生じないかどうか、その辺は詳細に検討する必要があるのではないかというふうに考えておるわけであります。
 ただ、いずれにいたしましても、問題とされるいわゆる推薦制の全体の内容、仕組み、そういうものを具体的に検討した上でなければ一概にその可否について断定的に申し上げることは困難であるということを御理解いただきたいと思います。
 今、先生が御指摘をされました審議会の答申で憲法上云々ということが出ているというお話でございましたが、それについては私ども直接その審議会での議論の内容につきましてつまびらかにいたしておりませんので、審議会で具体的にどういうものを念頭に置いていたかということについては、ちょっと私どもここで申し上げるだけの自信がないことを御理解いただきたいと思います。
#223
○森山眞弓君 審議会の中における議論については詳しいことはわからないと法制局長官がおっしゃいましたが、それでは自治省の方では何か材料をお持ちでしょうか、資料を。
#224
○政府委員(佐野徹治君) 第八次の選挙制度審議会の参議院議員の選挙制度の改革につきましての答申では、先ほど森山先生の方からるるお話がございましたように、候補者推薦制につきましては、「その制度化を図るためには、推薦母体の構成や推薦手続などの課題について憲法の規定との関係を含めて十分つめられる必要がある。」、こういった答申になっております。
 これにつきましてさらに突っ込んだと申しますか、さらに具体的な議論というのは審議会ではなされなかったものと承知いたしております。
#225
○森山眞弓君 この答申を拝見いたしまして、これを参考にしまして、当時の自民党の参議院選挙制度小委員会というところでかなり具体的にみんなで勉強したのでございます。
 参議院の制度について、当時、憲法の枠の中で、そして自民党が提案しておりました衆議院の選挙制度改革を前提として、では参議院はどうすればいいかというふうに考えたときに、審議会でもこのような御指摘があることだから推薦制というのを少し突っ込んで勉強してみようではないかということで、その当時自民党においでになりました中西啓介先生の御提案ということで推薦制の一つの形が示されました。それを簡単に申し上げますと、「内閣が衆参両院の同意を得て任命する推薦委員会によって全国一選挙区で議員候補者を推薦し、その名簿に基づいて投票するもの。定数は二五二人。」というような内容でございます。
 これについて各参加しておりました議員からもさまざまな意見が出たのでございますが、今やや具体的な提案としてお示ししたわけですが、そのようなケースの場合にはいかがでしょうか法制局長官。
#226
○政府委員(大出峻郎君) 私どもの立場といたしましては、ただいまのような御議論がなされたあるいはその内容について、あるいは考え方について、どのような考え方でなされたかということについては承知をいたしておりませんので、今、具体的にそれについて申し上げることは差し控えさせていただきたいというふうに存じます。
#227
○森山眞弓君 それでは次に、この審議会は続けて「都道府県を代表する議員を選出する選挙のみとすることについて」と言って少し言及しておられます。
 「参議院議員は都道府県という地域の代表であるという考え方を徹底しようとする観点から出されたものである。」そしてさらに、全国規模のものあるいはその他さまざまなことをおっしゃいまして、結局「我が国の都道府県は連邦制国家における州や邦とは同視できないことから、これを結論とするには至らなかった。」というふうに言っておられまして、都道府県単位のみとするということも一つの案として検討したけれども、都道府県が州とか部とかいうものとはちょっと違った立場だというふうに思われて適当ではないという、あるいは結論にはならないというふうに言っておられるわけなのでございます。
 この点については、憲法上の問題といいますか法律上の、何といいますか、連邦制度や合衆国のようなものと都道府県の違いということを説明していただくことはできませんでしょうか。法制局長官、お願いします。
#228
○政府委員(大出峻郎君) 先生御承知のように、参議院議員の定数配分規定についての訴訟に対する最高裁の判決があるわけでありますが、その最高裁の判決によりますと、憲法第十四条第一項の規定は、選挙権の内容の平等すなわち投票価値の平等をも要求するものであるけれども、憲法は投票価値の平等を選挙制度の仕組みの決定における唯一絶対の基準としているものではなく、国会は正当に考慮することのできる他の政策的目的ないし理由をしんしゃくして、その裁量により選挙制度の仕組みを決定することができるのであって、国会が具体的に定めたところのものがその裁量権の行使として合理性を是認し得るものであることが必要であるという考え方を示しておられるわけであります。
 そして、投票価値の平等との関係で、どういう場合に憲法上問題が生ずるかということについては、そこで取り上げられた具体的な選挙制度の仕組みのもとにおいて、投票価値の平等の有すべき重要性に照らして到底見過ごすことのできないと認められる程度の投票価値の著しい不平等を生じさせ、国会の裁量的権限の許される限界、そういうものを超えると判断される場合に初めて議員定数の配分の定めが憲法に違反するに至るというふうに解せられるのであるというような考え方を示しておられるわけであります。
 したがいまして、具体的な選挙制度の決定に当たりまして、いわゆる人口比例といいますか投票価値の平等ということだけではなくて、それ以外に国会がいろいろ裁量し得る範囲のものというのはあり得ることを前提とした判決であると思います。ただ、そこで重要なことは、国会の裁量権の行使として合理性を是認し得る、そういうものであることが必要だ、こういう考え方を強く判決の中で述べておられるということであろうかと思います。
 先生の先ほどの御質問にあります、都道府県単位で例えば一定数をもう人口比例とはかかわりなく割り当てていく、こういうような制度いかんということであろうかと思いますが、憲法上の要請といたしまして、投票価値の平等という要請というものが一方において強くある、それとの関連で御指摘のような制度というものが合理性を有するものであるということが具体的に説明できるのかどうかということが中心になって、そういう立場でいろいろ検討されるべき事柄ではないかという考え方を持っておるところであります。
#229
○森山眞弓君 今、長官がおっしゃいましたように、合理的な納得のできる裁量の範囲という中に、都道府県単位で人数を人口にかかわりなく一定数を決めていくということが入り得るんではないか、仮に思い切ってそれが入ると考えたらどうなるかということを、実は先ほど申し上げました自民党の参議院選挙制度小委員会におきまして私、思いつきまして提案をしてみたのでございます。これも問題点も確かにおっしゃるように残るんですけれども、メリットもないことはないと思うんです。
 私が思いつきまして申し上げた内容は、各都道府県みんな二人ずつ、四十七で九十四人と、政令指定都市というのがございますが、これも二人ずつということで、合計百十八人になるはずでございますが、その程度のことをやってみたらどうかということを一応考えまして皆さんに議論していただきました。
 これでもしやるとすれば、地域の代表という意味で、衆議院が小選挙区とブロック別の比例代表ということになりますと、国民生活に非常に密接な関係のある行政単位である都道府県というものを代表するという人が参議院において働くという意味で、大変その意味でバランスを持つことができるんではないかという点が一つ。
 それから有権者との関係、投票の方法が単純でわかりやすいだろうということであり、直接選挙でやるとすれば、有権者とも密接であって候補者個人への信頼が判断基準となりますので、おのずから見識のある人が議員として選ばれる可能性が強いという意味で好ましいのではないか。そして、最もわかりやすい改善として定数が大幅に削減されるということでございます。
 しかし、これについては問題点も確かにございまして、おっしゃるように、政令指定都市を都道府県など行政の単位として独立したものであるということをどこかで法的に確認しなければならない。それがどのような方法でできるだろうか。公職選挙法、特に参議院議員の選挙をするための法律の中にそのような趣旨をうたえばいいのかあるいは場合によったら憲法改正までしなければならないような問題なんだろうか。その辺がちょっとひっかかることは確かでございますし、また今の私が申したような案でやりますと、例えば東京には政令指定都市というのがございませんので、東京は二つに分けて二十三区とそれ以外にするといたしましても、神奈川県と福岡県がそれぞれ政令指定都市を二つずつ持っておりますので、その結果、例えば福岡県は四百八十万人の人口で六人、それから千百万人の東京が四人というふうになるというわけでございまして、これもちょっと矛盾しているというふうに言われればそのとおりなのでございます。
 大変難しい問題でございまして、どこかで割り切らなければならないんではないかという気持ちが今もなお私は非常に強くしております。
 そのほか、これが余りにも難しくてややこしいものですから、結局、人口割にせざるを得ないのかなということでその試算もいたしてみましたり、大変苦労したわけでございますが、そんなことで、ただ人口について大変こだわると、結局、衆議院の小選挙区の場合とサイズこそ違え質的には同じものができていくということになってしまう結果になるんではないか。恐らく同じようなことを悩まれて審議会の皆さん方も、結論を得るに至らなかったという話尾が大変多いのはそういうことなんだろうと思うんですね。
 確かに審議会をやっていただいておりましたときは、衆議院の改革をまずしたい、そして衆議院についてはこういう案をつくるということまでは行きましたけれども、それが本当に国会の中で審議されて通過するであろうか成立するであろうかという確証はなかった何年か前の話でございますので、それが決まらないのに参議院をまた精密に組み立てるというのは非常に難しかっただろうと思います。
 ですから、このようなことを今、大体衆議院についてはクリアしてきた今日でございますので、もう一度改めて審議会をお願いして、衆議院はおかげさまでこのように一応の形ができましたが、それを前提にいたしまして日本の国のために最もふさわしい参議院はどうあるべきでしょうかと。この前いろいろ御提案いただいたたくさんの項目がございましたが、それらについてもっと突っ込んだ御議論をいただいて相当具体的なものとして再度お示しをいただきたいということをやっていただいたらいいんではないか、そう思うんでございますが、いかがでしょうか。
#230
○国務大臣(野中広務君) 今、森山委員のお話を承りながら、平成三年でございましたか、ここにおられます松浦先生を委員長にされまして自由民主党の中で参議院制度の小委員会が持たれ、また森山委員から選挙区選出のあり方について御提案になったことを思い起こしておるわけでございます。
 先生が今御指摘されましたように、参議院の選挙制度のあり方につきましては第八次審におきましていろんな、例えば今お話にありました候補者推薦方式あるいは選挙区一本化の問題あるいはブロック選挙の導入等、それぞれ検討がされたわけでございますけれども、結果として抜本的な改革についての結論を得ることができなかったわけでございます。この問題は、その後各党間で御論議をいただいたわけでございますけれども、ことしの七月、比例制等につきましては随分突っ込んだ議論もされたと承っておりますけれども、結果的には四増四減に終わったと私は理解をしておるわけでございます。
 衆議院の制度も、あの一月末のややドラマチックな決定を振り返ってみますと、やはり私は審議会でやるということよりも参議院の各党会派で合意をいただくことが、そして濃密な御論議をいただくことが大切ではなかろうかと、このように今、せっかくの御提案でございますけれども、認識をしておるわけでございます。
#231
○森山眞弓君 大臣のお言葉ではございますけれども、衆議院の選挙制度の改革につきましてあのようなドラマチックな展開になり今日を迎えだということは、やはりその下敷きというか 一番基本に選挙制度審議会の御提案がありまして、それに基づいてかなり具体的な詰めが各党間で行われた結果でございますので、それに比べますと参議院についての審議会のお考えは大変抽象的で漠然としておりまして、そう申しては失礼でございますけれども、衆議院ができたらいずれ改めてやろうやというのが言外に見えているような感じがするのでございますが、いよいよその時が来たのではないかという気がいたします。
 この間、またちょっと話は違いますけれども、読売新聞が憲法改正の案を提案されまして大変いろいろな面で論議を呼んでいるようですが、その中でも参議院のことについて言及しておられます。
 それは、中身といいますか、参議院の院のあり方についてかなり重要な指摘がございまして、それも大変傾聴に値するべき内容だと思いますが、さらに詳しく「ジス・イズ読売」に出ていたあの案の解説を見ますと、やはり「避けられない参議院の選挙制度改革」ということでかなり詳しく指摘しております。「衆議院の新選挙制度は、選挙区選挙と比例代表選挙の組み合わせという点では、現行の参議院選挙制度ときわめてよく似たものである。これでは、両院の構成に大きな違いを求めることは至難である。」というふうにはっきりとおっしゃっているわけでございまして、その後、推薦制とかその他いろんなことが、さっき申し上げたような議論がちょっと書いてございまして、早急に参議院の選挙制度も改正しなければいけない、改めなければいけないということが指摘されております。
 このように、読売ばかりでなくほかのところでもこの問題について掘り下げて検討していただくということが大変好ましいと思いますし、しかもそれはゆっくりとはしていられないというふうに思うわけでございます。
 したがいまして、そのような世論を喚起するという意味でも参議院の選挙制度について本気でもう一回学識経験者の皆様の御意見を承る、そしてあそこまで話がちょっと進んでいるわけですから、それを具体的にまとめていただくということにもう少し熱意を持って取り組んでいただきたいというふうに思うのですが、もう一度お聞かせいただきたい。
#232
○国務大臣(野中広務君) 参議院の選挙制度はもう避けて通れない喫緊の急務であるということは、先生と認識をともにするところでございます。
 ただ、率直に申し上げまして、この八次審の経過を考えましたときに、区割り審議会のような形で、もう一任すればそのまま勧告を受けるという担保があれば別でございますけれども、学識経験の先生方だけにお願いをして、そしてそれぞれの政党会派の合意が可能かどうかということを考えますときに、やや私は、なお重ねて参議院における、政治の場における政党間のそれぞれの合意を得るような形を期待することが望ましいのではなかろうかと思うわけでございますが、それぞれ参議院の政党会派がすべて区割り審のような形でいわゆる審議会に一任される場合、その場合は私どももこのあり方についてまた勉強させていただくことが必要ではなかろうかと思いますけれども、それは院の存在を越えてはならないことでございますので、慎重に対応しなければならないと存じておるところでございます。
#233
○森山眞弓君 大臣のお立場でなかなかそれ以上のお答えはしにくいのはわかりますが、大変お恥ずかしいことではありますけれども、選挙制度の改革というのは議員だけに任せておいたのではなかなか進まないということは幾多の経験が物語っているわけでございます。もちろん私たちもこれからも一生懸命勉強し、何がいいかどういうことが可能かということは検討していかなければいけないし、していくつもりでございますけれども、それにしても議員という立場ではなかなか一〇〇%踏み込むということがしにくい場合もございますわけでございまして、やはり客観的なお立場から学問的に十分分析をされて説得力のある案というものを、案とまでいかなくてももうちょっと具体的な方向をお示しいただくということがさらに議員同士の議論を活発化し進めていく大きな材料になるのではないかというふうに思う次第でございます。
 ようやく結論を得つつあります衆議院の制度、それを踏まえて参議院はいかにあるべきかということを改めて考えるべき重大な時期だというふうに思いますので、くどいようでございますけれども、もう一度御検討くださいますようにお願い申し上げる次第でございます。
 そして、ここに残っていていただきます衆議院の先生方も、この法案が通ったからといってこれで終わりではないということをよく踏まえていただきたい。仮にこれが成立したとしてもまだ半分にもならない、ごく端緒についただけであって、先ほど来おっしゃっております腐敗防止が現実に行われることが大変大切である、それはもちろんですけれども、選挙制度ということだけ考えてもまだ半分しかできてないんだということを十分認識をしていただきまして、参議院制度の改革につきましても衆議院サイドの方からどうぞ活発な議論をしていただき、私どもにも御協力をいただきたいというふうに思うわけでございます。従来と同様の熱意を持って一緒に議論を進めていただきたい、そのようにお願いをしたいと思っております。
 以上で終わります。(拍手)
#234
○委員長(上野雄文君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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