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1994/11/18 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 政治改革に関する特別委員会 第5号
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1994/11/18 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 政治改革に関する特別委員会 第5号

#1
第131回国会 政治改革に関する特別委員会 第5号
平成六年十一月十八日(金曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月十七日
    辞任         補欠選任
     佐藤 静雄君     吉村剛太郎君
     楢崎 泰昌君     溝手 顕正君
     森山 眞弓君     野村 五男君
     角田 義一君     村田 誠醇君
     寺崎 昭久君     平野 貞夫君
 十一月十八日
    辞任         補欠選任
     清水 達雄君     加藤 紀文君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上野 雄文君
    理 事
                岡  利定君
                下稲葉耕吉君
                松浦  功君
                一井 淳治君
                本岡 昭次君
                木暮 山人君
                山下 栄一君
                吉川 春子君
    委 員
                岡部 三郎君
                加藤 紀文君
                片山虎之助君
                久世 公堯君
                永田 良雄君
                野村 五男君
                溝手 顕正君
                村上 正邦君
                吉川 芳男君
                吉村剛太郎君
                会田 長栄君
                岩本 久人君
                川橋 幸子君
                千葉 景子君
                深田  肇君
                村田 誠醇君
                山本 正和君
                都築  譲君
                寺澤 芳男君
                中村 鋭一君
                平野 貞夫君
                猪熊 重二君
                和田 教美君
                橋本  敦君
                下村  泰君
                西野 康雄君
   衆議院議員
       政治改革に関す
       る調査特別委員
       長        松永  光君
       政治改革に関す
       る調査特別委員
       長代理      大島 理森君
       発  議  者  三塚  博君
       発  議  者  冬柴 鐵三君
       発  議  者  茂木 敏充君
       発  議  者  保岡 興治君
       発  議  者  堀込 征雄君
       発  議  者  三原 朝彦君
   国務大臣
       内閣総理大臣   村山 富市君
       自 治 大 臣  野中 広務君
        ―――――
       会計検査院長職
       務代行
       検  査  官  疋田 周朗君
        ―――――
   政府委員
       内閣法制局第三
       部長       阪田 雅裕君
       法務省刑事局長  則定  衛君
       自治省行政局選
       挙部長      佐野 徹治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人
 格の付与に関する法律案(衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上野雄文君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十七日、佐藤静雄君、楢崎泰昌君、森山眞弓君、角田義一君及び寺崎昭久君が委員を辞任され、その補欠として吉村剛太郎君、溝手顕正君、野村五男君、村田誠醇君及び平野貞夫君がそれぞれ選任されました。
 また、本日、清水達雄君が委員を辞任され、その補欠として加藤紀文君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(上野雄文君) 公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、公職選挙法の一部を改正する法律案及び政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○下稲葉耕吉君 自由民主党の下稲葉でございます。
 まず、総理にお伺いいたしたいと思いますが、APEC等に御出席なされ、連日御多忙な政治日程で御苦労さまでございます。
 六年越しの一連の政治改革法案もいよいよ本日の参議院の政治改革特別委員会の審議をもって大詰めを迎えようといたしておるわけでございます。大変感慨深いものがあるわけでございまして、三百の小選挙区の区割り法案、あるいは政党に対する法人格の付与に関する法律、それから連座制の強化に対する公職選挙法の一部改正が本日のこの委員会で審議されているわけでございます。
 細川内閣のときに政府は一連の政治改革法案を御提出になりました。そして、それは衆議院では可決されました。参議院のこの委員会でいろいろ御審議なされました。そして、参議院の本会議で否決されたわけでございます。憲法の規定に基づきまして両院協議会が開かれました。両院協議会においても議調わなかったわけでございます。そこで、議長がお出ましになりましてお話し合いがなされ、細川総理大臣と当時野党でございました自由民主党の河野総裁との会談によって妥協が図られました。そして、その妥協の結論が両院協議会に戻されまして、両院の合意ができたということで法案がそれぞれ成立いたしました。それを受けまして区割り法案なりなんなり本日の法案になっているわけでございます。
 申すまでもございませんけれども、区割り法の施行の日からいわゆる三百、二百の小選挙区、比例区を決めました公職選挙法が施行されるわけでございまして、そして来年の元旦から政治資金規正法が動き出すわけでございます。そして、政治資金規正法と深い関連がございます政党助成法というふうなものも動き出すというふうなことで、大詰めに来ているわけでございます。まさしく政治改革を中心とする一連の動きが一つの大きな山場を迎えようとしているわけでございます。
 そういうふうな中におきまして、まず総理の行政に対する最高責任者としての御感想と、それからそういうふうなものが具体的な現実の問題となった今日、将来を展望しての総理の御決意等についてまずお伺いいたしたいと思います。
#5
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からるるお話がございましたように、六年がかりでようやく一連の政治改革に関連する法案が大詰めを迎えて、成立寸前にまでこぎつけてまいりました。
 お話がございましたように、その間にはいろんな紆余曲折がございました。しかし、こうしたことが国民の非常に高い関心と期待の中で議論をされてきておるその原点というのは、一連の政治に対する不祥事が続いてまいりまして、何としても政治に対する信頼を回復する必要がある。同時に、言うならば選挙が政策を中心にして、政党政治ですから政党があらわされるような選挙の体制というものをつくる必要がある。いろんな観点からいろんな意見が出されながら総合的に、選挙制度を変えるとか、あるいは公職選挙法を改正する、あるいは政治資金規正法を改正する、同時に健全な政党政治をつくっていくためにはやはり民主主義を賄うコストとして税金を投入するというようなこともあってもいいのではないか。いろんな意見が出されました結果、今お話もございましたような一連の法案が成立を見て、今回区割り法案やら政党助成法案が成立すれば関連法案すべてが来年から施行されるというところまでこぎつけることができた。
 まさに感慨無量なものがございますが、しかしそれだけに、引き締めて私どもは国民の期待にこたえ、政治の信頼回復のために頑張っていく必要があるのではないかという気持ちでいっぱいでございます。
#6
○下稲葉耕吉君 ありがとうございました。
 一連の法案が成立いたしますと、一部の報道には総選挙をすぐやったらいいじゃないかというふうな意見も報道されております。政治家の中にもそういうふうに主張される方もおられるようでございます。しかし、総選挙をやるかやらぬかというのは全く総理の専権、解散するかしないかというのは総理の専権でございまして、この機会にひとつ総理のお気持ちを伺っておきたいと思います。
#7
○国務大臣(村山富市君) これまで衆参両院の委員会で議論をする中で、今お話のございましたような意見も随分出されてまいりました。
 よくお話を承っておりますと、今できておるこの連立政権というのは国民がそのことを認めている政権ではないという意見もございますし、それから選挙制度が変わったんだから変わった制度のもとで信を問い直して出直しをするのは当然ではないか、こういう意見もある。私はある意味では当を得たまともな意見だというふうに思います。
 しかし、選挙というのはやっぱり一定の空白をつくるわけでありますから、今、当面する内外の諸課題を解決するための責任というものもございますし、同時にこれだけ大きく制度が変わってくるわけでありますから、その変わった制度の中で何を選択してもらうのかという政党としての国民に訴える責任というものもあるわけでございますから、そういう点も総合的に判断をして私は決断をしなきゃならぬというふうに思いますが、もろもろ考えてまいりましてまだまだその時期ではないんではないか。世論調査なんかを見ましても、そう急いで解散総選挙はすべきでないという声も相当反映されているところを見ますと、やはり当面する諸課題についてもっと責任を持って解決をしてほしいと、こういう期待の方が大きいのではないかというふうにも思われますので、今のところ解散は考えておりません。
#8
○下稲葉耕吉君 これは歴代の総理がそうでございますが、総理が一言解散をほのめかされますと、もう世の中はとまらなくなっちゃって走り出すわけでございますし、歴代の総理が寸前まで今のような御答弁をなさっておられるわけでございますが、非常に率直に御意見をおっしゃる村山総理のことでございますので、今の御発言のとおりに素直に受け取ってまいりたい、このように思います。
 それで、具体的な法案の中身に入りたいと思いますが、実は衆議院の審議の状況も私は記録等で拝見させていただきましたし、それから参議院の状況も承知いたしておるわけでございます。大体出尽くしたような感じでございますけれども、まだ基本的に大切なところで審議が残されているような面もございますので、きょうはその点だけをピックアップいたしまして御質問いたしたいと思うのでございます。
 まず、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律、いわゆる政党等に対する法人格付与法について御質問いたしたいと思います。
 この法律はいろいろ書いてございますけれども、特に大切な問題は、提案理由の説明にもございましたように、そしてまたこの法律の第二条解釈規定の中にも明確に書いてあるのでございますが、「この法律のいかなる規定も、政党の政治活動の自由を制限するものと解釈してはならない。」、こういうふうに規定されております。そしてまた、この法律と関連いたします政党助成法の第四条にも「国は、政党の政治活動の自由を尊重し、政党交付金の交付に当たっては、条件を付し、又はその使途について制限してはならない。」、こう書いてございます。これは素直に読めばそのとおりでございます。
 そこで、具体的にこの条項が問題になるのは何だろうかというふうなことで私なりに考えてみたわけでございますが、二つございます。一つは会計検査の問題がどういうふうになるかということ、一つは司法との関係、検察との関係がどういうふうになるのか、この二点だろうと思うのでございます。きょうはその点に絞りましてまず御質問いたしたいと思うのでございます。
 そこで、まず会計検査院にお伺いいたしたいと思うのでございますが、今申し上げましたように、政党助成法、それから今議題になっている法律の第二条に政治活動の自由というもの、それに対する制限を加えてはならないというふうな規定がございます。片や憲法第九十条には、国の収入支出の決算はすべて毎年会計検査院がこれを検査し、国会に提出しなければならないという規定がございます。それとの調整が具体的にどういうふうな形で行われるのかが一番問題だろうと思うのでございますが、まず検査院のお考えを承りたいと思います。
#9
○会計検査院長職務代行(疋田周朗君) お答え申し上げます。
 私ども会計検査院の検査活動は、先生御承知のとおり、会計検査院法に基づいて行われるものでございます。会計検査院は、国の毎月の収入支出について検査をすることになっておりますことから、国から政党に交付金が交付された場合における国の支出の段階の経理につきましては当然に検査の対象となるものでございます。それからまた会計検査院は、国が直接または間接に補助金、助成金等を交付しているものの会計につきましても必要と認めるときには検査できることになっております。したがいまして、国から政党に交付金が交付された場合には、交付された政党の経理についても本院の検査の対象となるというのが基本的な会計検査院法の認める権限でございます。
 そして、私ども会計検査院といたしましては、政党交付金が交付されることになりました場合には非常に多額の国費が支出されることになるわけでございますから、その予算の執行状況について関心を持って検査に臨む必要があると考えております。
 現在、政党助成法等の施行に関する政省令がまだ制定されておりませんことから、具体的な取り扱い手続については承知しておりませんけれども、政党助成法等の規定によります限り、交付金に係る報告書ですとか領収証書の写しあるいは内部監査人の監査意見書、公認会計士の監査報告書、こういった多数の関係書類が交付主体でございます自治省に提出されることになっております。
 したがいまして、会計検査院といたしましては、今後……
#10
○下稲葉耕吉君 時間がないからちょっと結論だけ言ってください。
#11
○会計検査院長職務代行(疋田周朗君) 実際に政党交付金が交付されることになった場合に、自治省における支出段階の経理につきまして鋭意取り組んで検査を行ってまいりたい、このように考えております。
 それで、自治省の検査の結果に基づきまして政党交付金の支出の適否を確認することになるわけでございますが、その結果必ずしも十分に支出の適否の確認ができなかったような場合には、個別に会計検査院法第二十三条一項第三号の規定によります検査指定を行うかどうか、こういった点につきまして、政党に対する法人格の付与に関する法律案あるいは政党助成法に規定されております政党の政治活動の自由との関係を十分に体しまして慎重に個別に検討してまいりたい、このように考えているところでございます。
#12
○下稲葉耕吉君 今の御説明を聞きますと、会計検査ができるんだと。ということになりますと、本法の二条の関係あるいは政党助成法の先ほど読みました四条の関係、本当にこんがらかってくるんです。そこが私は一番問題だと思うんです。条文には書いてあるけれども実際やりますというのじゃ、これは法の趣旨に合わない。
 私は私なりに検討してみますと、今、会計検査院法をおっしゃいましたけれども、会計検査院法では、例えば検査官会議でどういうふうなものを検査するかということを決めると十一条の三号に書いてある。それから検査の範囲の問題で、必要的な検査事項とそれから任意的な検査事項がある。まさしく政党助成というのは必要的な検査事項に該当しない、幾ら条文読んだって。二十三条の任意的な検査事項になっている。二十三条の三号に「国が直接又は間接に補助金、奨励金、助成金等を交付し又は貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計」と、こういうふうに書いてある。これはやるかやらぬかというのは検査官会議で決めるということなんですね。そういうことですよ。
 まず、そのとおりかどうか、それだけ返事してください。
#13
○会計検査院長職務代行(疋田周朗君) 今、先生のおっしゃったとおりでございます。
#14
○下稲葉耕吉君 そこで、昨年の十一月、衆議院の政治改革調査特別委員会でこの問題が議論されまして、法制局長官、それから当時の総理大臣も答弁なさっておられました。結局、細川総理はどういうふうなことをおっしゃっているかといいますと、「会計検査につきましては、これは立法事務費と同じ扱い、」云々というようなことをおっしゃっています。立法事務費とね。それから山花国務大臣は、「御指摘の問題については、先ほど引用になりました会計検査院法二十三条によって、内閣の請求があるときは会計経理の検査をすることができると、選択的な検査事項になっております。」ということを言っておられます。だから、検査するか検査しないかというのは任意的な検査事項であって、しかもそれは立法事務費と同じような扱いなんだというふうなことを言っておられる。
 私は、そこに法律の二条なりあるいは助成法の四条の規定、その政治活動を制限しちゃならないというふうな規定との調和がある、調整しなければならぬところがあるんですよ。今、検査院がおっしゃるようなことで、できますできますということじゃ、それは法律が死文化するんですよ。そういうふうなことで、任意的な検査事項であるということはおっしゃったとおりでございますから、その辺のところを十分やっていだだかぬとそれは行政の政治に対する干渉ということになりますよ。
 今の議論をあれしまして、総理の御見解を承りたいと思います。
#15
○国務大臣(村山富市君) 会計検査院の持つ機能、それから今回御審議をいただいておりまする政党助成法との関連には、扱い方についてどのように調整をしなきゃならぬかという課題は私は確かにあると思います。しかし、思想信条の自由とか政治活動の自由というのは憲法で保障されている基本的な権利みたいなもので、それだけにまた政治活動の自由というものも保障される、されなきゃならぬという意味で第二条が設けられているわけでありますから、したがってその第二条の規定を踏まえてどう扱っていくかという調整をきちっとしていただく必要がある。
 私の聞いているところでは、自治省に届け出て、そして自治省がそれを掌握して、もしその自治省に出されたものを会計検査院が一遍調査するとか検討するとかいうことになるというふうに今聞いておりますけれども、そこらの点は、今お話にございましたような問題も含めて何としても政治活動の自由が保障されると、政党活動の自由が保障されるということを大前提にしてその扱い方については考えていかなきゃならぬというふうに私は考えています。
#16
○下稲葉耕吉君 行政の最高責任者としての総理の御答弁はなかなかすばらしいものだと思います。そういうような点を十分考慮してやられなければいたずらに摩擦を起こすというふうなことになる。
 突き詰めて言いますと、それは政党に対して助成金を出した、その政党が例えば県の組織に出す、選挙区に流す、あるいは市町村までその助成金を流すということになりますと、形式的には市町村支部まで会計検査の対象になり得るわけですよ。そういうようなことまでやられますと、それはとてもじゃないが本法の趣旨にならないということを十分申し上げておきますし、総理の今の御答弁で私は満足でございます。
 同じようなことで法務省にお伺いいたしたいと思うんですが、今までは政党というものは人格なき団体でございました。ところが今度、法人格を与えられ、財産なりなんなりができるということでぴしっと決まっており、そしてそういうふうな団体に対して、政党要件を備える政党に対して交付金が来るということになります。
 今までは、私どもが例えば自由民主党の部会におきましていろいろ議論する。そこで政策を決め、あるいは法律案なりなんなりを審議する。最近は、今度はそれがさらに連立与党の政策調整会議に持ち込まれてそこで議論するというようなことになっている。そして案なりなんなりが決まったら政府にお届けして、そこで議論される。そして閣議決定されれば国会提案される。
 私どもは公務員でございますので、委員会の場でいろいろ審議する、これはまさしく職務行為でございます。ところが、その前の段階の政党の活動としての政策決定なりなんなりというのは、これが職務行為に今度はなるんだというふうなことになりますと、それに関連して汚職だとか何だかんだということになる可能性なしとしない。だから、そういうふうな性格がこの政党助成法なり今度の法律によって変わるのか変わらないのか。私は変わらないと思うんですけれども、法務省の責任ある御回答をいただきたいと思います。
#17
○政府委員(則定衛君) お答えいたします。
 結論的には、今、下稲葉委員の御質問にございましたように、私どもが今回審議されております法案の内容や審議のやりとり等から理解いたしておりますところによりますと、政党助成法なりあるいは法人格付与法なりが成立いたしました場合に、国会議員の職務権限あるいは地方議会の議員の職務権限等に影響を及ぼすものではないというふうに理解するわけでございます。
 そういたしますと、かねがね議論されております国会議員の活動として考える場面と政党人としていろんな活動される場面とが異なってくるものではないと。そういう意味では、結論的に職務権限の消長に何らの影響を及ぼすものではないというふうに理解しているわけでございます。
#18
○下稲葉耕吉君 法務省の御答弁、非常にすっきりいたしておりまして、大体従来どおりの解釈でいいというふうなことでございますので、それはそれで私もいいと思いますし、二条との関係もすっきりするというふうに思います。
 時間もございませんので、今度はいわゆる腐敗防止、連座制の強化を中心といたしました公職選挙法の一部を改正する法律案につきましてお伺いいたしたいと思います。
 これもいろいろ議論ございましたが、審議の過程でいろいろ聞いていまして、これだけはどうしてもはっきり確認しておいた方がいいと思う点が一点ございます。それを中心としてお伺いいたしたいと思うのでございますが、その前に総理にお伺いしておきたいと思います。
 今度、一連の政治改革関連法案が一段落いたします。特に問題になって、これは国民にどうしても周知徹底していただかなければならないなと私が思いますのは、今回の腐敗防止を中心とする連座制の強化、当選無効、この法律の内容だと思うんです。
 問題点は後で一点ほどまた確認いたしますけれども、それについて国民に対する広報の問題がございます。今までいろいろお伺いしますと、自治省は一生懸命やりますと、あるいは内閣の総理府広報室の系統で一生懸命やりますというふうな御答弁をいただいているんですけれども、率直に申し上げまして、従来の役所の広報活動で果たして十分かどうかというと、これは大変危惧いたします。そして、それが政治を変えるまでに私は影響するんじゃないかと思うんです。今度の法律の改正というのはそれほど重大なんですね。
 したがって、国民の一人一人がまずそれを十分理解して、こういうふうなことはできないんだ、特に連座制の対象になるような買収、供応なんというのはおよそ日本の選挙からはもうなくさなくちゃいけないんだというふうなお気持ちになってもらうことが、その罰則の適用だ何だかんだ具体的なそういうふうな問題よりもまず大事なことだろうと思うんです。
 そういうふうなことになれば、こういうふうな規定をつくったけれども規定が死文化する、それぐらいのことが望ましいわけなんですね。率直に申し上げまして、今の政府がお考えになっていることを私ども答弁で聞きますと、非常に不十分だと思います。徹底しないと思います。
 私どもは、そういうふうなことのために周知期間をもっと長くしたらいいじゃないか、あるいは適用の期間を国政選挙から、我々自身がつくる法律だから、統一地方選挙じゃなくて我々自身が最初その適用をいただくということで潔いじゃないかという意見もあったんですけれども、与野党の調整で三月一日からというふうな形になります。国政選挙がその前にあればまた別ですけれども、ということになる。
 その広報活動ということについて、これは私は、もうこの法律の条文を適用する適用しないよりも、適用しない方がいいに決まっているんですから、そういうふうな意味で私は、総理にもっと中心になって声をかけていただいて、そしてその選挙運動をやる人間ももちろんのことでございますが、国民一人一人がその理解に立っていただくということが必要だと思いますが、総理のひとつ御所見なり決意がございましたらお伺いいたしたいと思います。
#19
○国務大臣(村山富市君) 先ほど来お話がございますように、六年かかっていろんな角度から議論をし検討し、ようやく合意を得て関連法案が一括成立をしようと、こういう状況になっているわけでありますから、その中身をよく国民の皆さんにも知っていただく、御理解をいただく、そのための周知徹底をどうしていくかというようなことについても、やっぱり全国の地方の選挙管理委員会等を通じてお互いに知恵を出し合い工夫し合って取り組んでいく必要があるというふうに思いますし、同時に内閣、行政も一体となって、やっぱりこれは政治に対する責任があるわけでありますから考えていく必要があると思いまするし、何よりもやっぱり該当者である政治家お互いもそういう意味では責任もあるわけでありますから、そうした周知徹底方についても努力をする必要があると思います。
 私は今、お話を聞きながら思い出したんですけれども、寄附の問題等についても、よく政治家の皆さんは寄附をねだられますよね。その場合に、そんな寄附はできないんだ、これは寄附をした者ももらった方も罰せられるよと、こう言ったら、ああそんなことになっているんですかといって向こうが辞退をする。こういうふうなこともございますけれども、やっぱりそういう具体的な事例を通じて、こんなことはできないんだと、こんなことになったら罰せられるよというようなことをお互いの中で周知徹底を図っていくことも大事ではないかというふうに思いますけれども、これは行政に責任があるわけですから、行政は行政で、今申し上げましたように、工夫をし知恵を出し合って周知徹底方が図られるように今後取り組んでいかなきゃならぬというふうに私は思っております。
#20
○下稲葉耕吉君 それでは、腐敗防止の関連の内容について一つだけ、時間がございませんので。主として御答弁いただいたのは保岡先生でございますので、御答弁いただければありがたいと思いますが、もう時間がございませんので、イエス、ノーだけで結構でございますからお願いしたいと思います。
 それはいわゆる組織的選挙運動管理者の問題でございます。用語によりますと、候補者等と意思を通じて組織により行われる選挙運動において、選挙運動の計画立案、調整または選挙運動に従事する者の指揮、監督その他選挙運動の管理を行う者を組織的選挙運動管理者等として位置づけと、こう書いてあります。
 ですから、要するに計画の立案、調整する、これは相当上の人だろうと思いますね。それから従事する者の指揮、監督、それは中間ぐらいの人かもしれません。その他選挙運動の管理を行う者、こういうふうに書いてあります。大ざっぱに言ってこの条文は三つの段階をそれぞれ選挙運動管理者と、こういうふうに位置づけてございますが、それは間違いございませんですね。それだけでいいです。
#21
○衆議院議員(保岡興治君) 組織的選挙運動管理者は、今、先生が言われたようないろんな態様の責任を負っている者をいうものだと思いますが、それは必ずしも上下の関係でなくて、一体で任務を遂行するというんでしょうか責任を負うという場合もあり、階層的に分かれて組織立ってやる場合もあろうかと思います。
#22
○下稲葉耕吉君 そこで、一つの例で申し上げます。
 ある会社の社長さんがいます。わかりやすく申し上げます。会社の社長さんがいます。その同窓生でも何でもいいですが、候補者と大変親しい。その候補者も国会議員であっても結構なんです。その人が、今度選挙だ、小選挙区制ができて大変だ、ひとつよろしく頼むというふうな話がある。それは今までもやってきたから、おれ一生懸命やるよ、お前も一生懸命国政で頑張れというふうな話をする。これは明らかに意思を通じていたと、こう思います。これはもう間違いないと。うなずいておられますからそうですね。
 そこで、その社長が会社へ戻って、そして支店長でも課長でもいい、集めまして、それで候補者と意思を通じたという話はしないんです。僕は信念としてあの男が好きなんだ、だから選挙運動を何とか皆さん協力してくれぬかという話をされる。意思を通じてないですよ。そこで、その課長なり支店長が、いやそれはわかったということで、今度は部下を集めて、部下に今度は、ここでいう二番目の指揮ですな、指揮してやらすわけです。
 その支店長なりあるいは課長の気持ちとしては、それは自分の信頼する社長が言うことだから一生懸命やろうというふうなそういうふうな意図の人もあるかもしらぬし、一生懸命やって票でも集めてやれば月給が上がるんじゃないかなと思う人もあるかもしらぬし、あるいは偉くなるかもしらぬと思うこともあるかもしらぬ。そして、その課長自身は全然その候補者は知らない、面識もないというふうなことだとしましょう。それで部下を集めて指揮、監督する。そうするとこの人も選挙運動管理者ですわね。この人が買収、供応なりやって捕まっちゃった。
 そういうふうな場合に、候補者は連座の対象になって当選無効になるのかならないのか、そこだけお答えいただきたいと思います。
#23
○衆議院議員(保岡興治君) じっこんにしている国会議員と社長との間で先生が言われるような関係があれば、それは支店長であれ、そのまた下で支店長と一緒に中心的役割を担う者が違反をすれば、それは連座にかかると思います。
#24
○下稲葉耕吉君 今申し上げました点が審議の過程で必ずしも明らかにならなかった点でございます。ということは、結果的に買収、供応で捕まるような人は、それは事件の立て方によってはもう全部連座にひっかかっちゃって当選無効になるんです。それほど大変な法律だということを国民のお一人お一人、候補者自身あるいは選挙運動に従事なさる方々が御認識されているかどうか。そこまでの大変な法律だということを認識されているかどうか。これは私はよくわからないと思いますよ。疑問だと思いますよ、私自身は。
 そこで、最初に僕は総理に、その辺が重大なところだと。これは普通の広報のようなやり方でやっていて後でぞろぞろやるんじゃだめなんだと。犯罪のないような社会をつくることが大切だ、そのためには国民に周知しなくちゃならないという、そういうふうな大変重大な問題だと思うんです。もう一遍、総理のひとつ御解釈を承りたい。
#25
○国務大臣(村山富市君) 連座制にかかるかかからぬかという判断というのは、それは具体的なやっぱり事実関係に基づいて判断をせざるを得ませんから、どの程度までその意思が通じておったのか、個人が単独で自分の判断でやったのか、そこらは大変難しい微妙な問題があろうかと思うんですよ。
 しかし、どういう事例があろうとも、連座制にかかる、かからぬにかかわらず、選挙活動の中で供応、買収があるということはそれはよろしくないことでありますから、それは十分お互いに注意しなきゃならぬと思いますけれども、しかしそういうこともありますから、よほど考えてこの周知徹底方を図らないと逆にまたいろんなマイナス面も出てくるような面も心配されますから、正しく認識ができるような形で周知徹底方を図ることは本当に大事なことだし必要なことだということをお話も聞きながら今さらに深く考えておるところであります。
#26
○下稲葉耕吉君 時間も参りましたので、最後に総理にお伺いいたしたいと思いますが、私は今回の法案が成立することによって政治改革が終わっ、たとは決して思いません。もう基本的な問題がたくさん残っております。政治倫理の問題にしましても、問題が起こるとわっとその意向が上がりますけれども、歳月がたっとあとまたしぼんじゃうとか、あるいは国会改革の問題にいたしましても、それぞれの党の改革の問題にいたしましても、あるいは地方分権の問題にいたしましても、その他いろいろ政治改革全体の問題についてまだたくさん問題が残っておる。
 私は、もともと衆議院と参議院は、衆議院が五十一対四十九が一対ゼロというような格好で民意をドラスチックに反映するような選挙制度ですから、それなら参議院は五十一対四十九がそのまま議席に反映するような比例を中心とした選挙制度にして、そして参議院が抑制、均衡、補完といいますか、というふうな機能を果たして、両院が相まってそれぞれ特色を生かしてやるような制度がいいと思うんです。ところが、参議院についてはわずかに四増四減が終わっただけのことで、参議院の選挙制度の問題も今後の問題だろうと思います。
 それから政治倫理の問題にしても、いろいろ議論はされますけれども、なかなか進まない。国会改革の問題にいたしましても、少しずつ進んでいることは事実ですけれども、まだまだです。それから政治資金の問題も、今度こういうふうな事柄でございました。あるいは今度、法定選挙費用との関連において私ども一つの考えをお示ししたんですが、野党の御協力ができなくて今回見送りになっています。大変いろいろな問題があるわけでございまして、一つのめどは立ちますが、将来の展望といたしまして政治改革についての総理の御決意なりなんなりお伺いして、終わりたいと思います。
#27
○国務大臣(村山富市君) 今、委員から御指摘がございましたように、今度は一応今までの中選挙区制を小選挙区制に変える。同時に、それに関連をして公職選挙法やら政治資金規正法の改正やらあるいは政党助成法やら、あるいは助成を受ける政党を法的の主体に変えていくというような一連の法案がそれぞれ出てきているわけでありますけれども、これができたからもうそれですべてが終わりだということには私はならないと思います。これはあくまでも出発点でありまして、それに関連をして、今御指摘のございましたような例えば行政全体の姿勢のあり方をどう変えていくかとか、あるいはそのために地方分権をどう進めていくかとか、あるいはまた行政府と国会との関係をどのように位置づけることが一番いいのかといったような課題も残されておるというふうに思います。
 国会改革につきましては、これは与野党間で十分それぞれ政党間でも議論をされているところだと思いますが、そうしたことで議論が深まって合意が得られればその合意を尊重してまいりたいというふうに思いますけれども、そうした一連の課題が残されておる。その課題についても真剣に取り組んでいって、総体的に日本の政治が正されていく、そして国民の信頼が回復する、こういうことになっていくようにこれからもさらに決意を固めて努力をしなきゃならぬというふうに私は認識をいたしております。
#28
○下稲葉耕吉君 終わります。ありがとうございました。
#29
○本岡昭次君 総理、APEC御苦労さまでございました。帰国後、一息入れる間もなく税制改革、そしてWTO、そしてきょう政治改革というふうに引き続いて頑張っていただいておるわけでございます。きょうこれから私に与えられた三十分間御質問させていただきます。
 まず、具体的な質問に入る前に、政治改革の審議について総理の御心境を伺っておきたいと思います。先ほど下稲葉委員の方からも経過を踏まえた御質問がありましたが、社会党の立場から私の方からも改めてお伺いをしておきたいと思うんです。
 政治改革関連の三法案が審議されまして、きょう村山総理の御出席をいただき大詰めを迎えております。これは六年にわたる政治改革の総仕上げであります。もちろん総理もおっしゃいましたように、これはスタートの仕上げたというふうに言えるんじゃないかと思います。顧みますと、昨年の参議院でこの審議が始まったときは、私は政治改革特別委員会の委員長でありました。政治改革の大波の中で、審議途中で不信任を受けました。そして、参議院委員会は可決、しかし本会議では否決というまことに不幸な状態が生まれました。その後の両院協議会では合意ができなかった。しかし、総・総会談で何とか合意が成立する。こういうふうに数々のドラマが展開されて最終的に両院における成案の可決成立となったのであります。
 そして今、我々が審議しておりますのは、その合意内容から来る最後の調整を法案として仕上げているんだと理解しております。この一時代を画することになる政治改革の一部始終にかかわってまいった者としまして、感無量のものがあります。これらの制度改革が政治腐敗の根源を断ち切って、そして新しい時代の要請に適切に対応し、民主主義のよりよい実現に役立ってほしいと私は痛切に願っております。総理の御心境を聞かせていただければありがたい、こう思います。
#30
○国務大臣(村山富市君) 先ほどもお答え申し上げましたけれども、また今、委員からもるる経過を含めてお話がございましたけれども、六年間、その間には政権もたびたびかわるし、同時にまた、今お話がございましたように、衆議院で自民党案が否決をされて政府案が可決される、可決された法案が参議院に回ったらその法案が否決される、そしてまた戻ってきて、そして衆議院で否決されたその法案が生き返ってくる、こういうようないまだかつてないようなことまで起こって、そしてようやくこちらに達しようとしている。
 その経過を振り返ってみますと、全く感慨深いものがあるわけでありますけれども、それだけに、何のためにこんなことをしてきたのかということを考えてみますと、やっぱりこれは政治をきれいにする、そして政党政治、議会政治ですから、主権者である国民が本当に政治を信頼できるようなそういう体制をどうつくっていくかということにあると私は思いますから、そういう意味から申し上げますと、この審議も通じ、この法案の成立を機にお互いに心してやっぱり取り組んでいかなきゃならぬし、その目的が達成されるような努力を共通してお互いにやらなきゃならぬという認識で、気持ちでいっぱいであります。
#31
○本岡昭次君 ありがとうございました。
 そこで、法案に関連しながら若干の質問をさせていただきます。
 まずその第一は、政治改革が求めているものは一体何なのかという、この問題であります。
 私は、政治改革とは、人々が、これは国民ですね、国民が政治に興味と関心を持って自分から責任を持って政治に参画しようというこうした気持ちをどうしたら持てるか、そのための政治の仕組みをつくっていく、これが政治改革ではないか、私はそういうふうに見ているんです、難しい言葉は抜きにしまして。そういう立場で見ますと、最近の国会議員の選挙やら都道府県知事の選挙の投票率の低さ、これはもう極めて憂慮すべき状態にあるわけであります。また、マスコミの調査による政党の支持率というふうなものを見ましても、支持する政党がないという層が増大をして大きな問題を示しております。
 考えてみますと、国や社会にとって最も危険なことは、政治に民意が反映しなくなること、政治が民意を離れてひとり歩きし始めると国が進む方向を誤るというのは、これは今までの歴史が証明をしております。先ほど言いました投票卒の低さ、あるいは政党を支持するという人が少なくなっていくというこういうことは、これは民意というものが政治から離れていっているという一つの現象ではないかと私は見ているんですね。そういう意味で、政党の最も大切にすべきものはこの民意をどう政治に反映させるかということであろう、こう思います。
 そういう意味で、今回の一連の政治改革の法案の制定によって、有権者、国民の立場から立った場合、本当の意味の民意を反映するという民主主義を実現する制度たり得るのかどうか、ここのところを絶えず我々が検証していかなければいけないんじゃないかと思うんですが、総理の御見解をいただけたらありがたいと思います。
#32
○国務大臣(村山富市君) 最近のこの一連の選挙の実態等を見ましても、非常に投票率が低いとか、あるいはまた各政党支持や政治への関心に対する世論調査を見ましても、無関心層が多いとかあるいは支持する政党がないといったようなものが大変多いとか、こういう現象が起こっていることについては私もよく認識をいたしておりますけれども、こういう実態をどのように解消していったらいいのかと。これは私は、こうすれば絶対こうなるという特効薬はないと思いますけれども、やっぱり何よりも大事なことは、政治をもっと身近なものとして国民の暮らしの中でお互いにわかりやすいようなものを考えていくということも大事なことではないかと思うんです。
 そういう意味から申し上げますと、政党が政策を決める過程、あるいは国会で法案が審議をされて一つの法案が成立する過程、そういう一つの過程がやっぱり透明度を高めてそして国民の皆さんによくわかるような形で進められていく、こういう扱い方についてもお互いにやっぱり考えてみなきゃならぬことがあるんではないかと。これは今はもう国民の暮らしに政治が直結するぐらいにかかわり合いが深いわけでありますから、本当に国民の皆さんがそういう点を理解していただければもっと政治に対する関心度が高まっていくんではないかというふうに思いますから、そういう部面も大事なことではないかというふうに思います。
 同時に、やっぱりこの選挙という機会を通じて、そして本当に政党が政策をもって選挙ができるような条件というものをお互いの政党の責任でどうつくっていくかというようなことも考えていく必要があろうかと思いまするし、せっかくこれだけの議論をして選挙制度も変え、いろんな関連する法案も変えていこう、制度も変えていこう、こういう時期ですから、そうしたことをお互いに総体的に考えて、そしてもう少し主権者が本当の意味で政治判断をして政治をつくっておるといったような実態をつくれるようにすることが何よりも大事ではないかというふうに私は考えています。
#33
○本岡昭次君 今、総理がおっしゃいました。結局、主権者は国民でありますから、国民が本当に関心を持ち、そして主体的にどうかかわれるようになったかという、そこが本当の政治改革ができたかどうかということのバロメーターであるということ、総理もそういう意味のことをおっしゃいましたんで、政治改革はそういう意味で文字どおりスタートだと、こういうふうに御認識いただいて頑張っていただきたいと思います。
 そこで、この民意の反映という問題、それから今、総理のおっしゃったこととかかわってひとつ質問したいんですが、過日、村山総理とテレビで対談なさった方が次のような問題を投げかけておられるんです。
 今、選挙民の想像を超した連立が行われている、また政策の大転換が行われているのに、政治の側から国民の真意を聞こうという態度がない。区割り法案など一連の政治改革法案が成立したとき、一刻も早く総選挙を行うことが必要ではありませんかと、私は総理に問いかけたところ、総理は、それも非常に重要な点であるが、しかし国民は疲れていると。というのは、この不況の中でみんな苦労しておるんだ、だからやっぱり安定というものを大切にしていかなきゃいかぬと、こうおっしゃったということであります。
 そこでこの対談者は、総理のおっしゃることもごもっともではあるが、しかしこれでは国民は選挙という意思表示の機会が与えられないことになる、やはり疲れていても選挙という意思表示の場を与える方が重大ではないかとおっしゃっているわけです。そして、国民はこの激変する政治にただ手をこまねいているだけであって、結局そのことは、民主主義に対するこれほどの冒涜はないんではないか、こうおっしゃっている。このままでは国民は無力感に陥り、政治への興味を失い、やがて政治不信が広がり民主主義の危機を招くのではないかと心配していると、こう述べておられますね。
 この今、私が申し上げましたことに対していろんな意見が出てくると思いますが、私はこの意見に大方賛成したいのでありますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
#34
○国務大臣(村山富市君) 今、本岡委員が言われたような考え方を持っている方も私はおられると思いまするし、あながちその考え方も間違いではないと思います。
 ただ、昨年七月総選挙がございまして、自民党が過半数を割った形で結論が出て、そしてこの連立政権ができたわけですね。連立政権が細川さんから羽田さんにかわり、また私にかわってきたと、三回かわったわけであります。だれも想定しなかったという意味からすれば、細川連立政権ができるということについても想定しなかったと思うんですね。羽田政権ができるということも想定しなかったと思うんです。
 私は、何に一番国民が期待しておったかといえば、やっぱり政治を変えてほしい、政治がもっと変わらなきゃいかぬ、こういう気持ちがあったと思うんです。ですから、細川連立政権ができたときは大変な高い国民の支持率であったわけです。これはやっぱり政治を変える方向というものを国民は期待しておったと。しかし、それは何も想定してできた政権じゃないわけですから、そういう意味からすれば今の連立政権も同じことが言えるんではないかと思うんです。
 私は、これからしばらくの間連立政権が続いていくと思いますけれども、その連立政権のあり方というものについて国民にやっぱり正しく理解と認識をしてもらうということも大事ではないかと、こう思いますね。
 ですから社会党が、今御指摘もありましたように、これは恐らく社会党のことを言われたと思うんですけれども、政策を大きく転換した。しかし、この転換する過程というのは国民の皆さん方の前で党大会でも議論をするし、あるいはまた国会の中でも問答して、そしてなぜ変えたのかというようなことについてはそういうものを通じてやっぱり国民の皆さん方にも御理解をしていただいたんではないか、こういうふうに思っておりますから、ですから何も国民の知らないところで勝手に政策を変えて、そして無責任に政治をやっているというふうなことではない、私はそういうふうに考えています。
 同時に、先ほど来申し上げておりますように、やっぱり解散というのは政治の空白をつくるわけでありますから、したがってその当面する政治課題等についても政権を担っている以上は責任を持って国民のために処理をしていくということも大事な仕事でありますから、そうしたものも含めてやっぱり検討していく必要があると思いまするし、考えてみますと来年の七月には参議院選挙もありますから、その国政レベルの選挙を通じて、これまで一連のとってきた政策がよかったのか、政治のやり方がまずかったのか、悪かったのかというようなことについても国民の審判を受ける機会というのはあるわけですから、したがってそうしたものを総合的に判断をして結論を出すべきものだというふうに私は考えています。
#35
○本岡昭次君 もう一つ関連してお伺いします。
 私は別の角度から、政治改革で何を求めるのかと問われればそれは民主主義の実現であろう、こう思うんです。そして、具体的には政権交代可能な政治システムをつくることというふうに答えたいと思います。
 今までの日本の政治が民主的であったかどうかという尺度はいろいろあろうと思いますが、国民の立場からすれば、政権交代のあるデモクラシーというものを、国民の側から、有権者の側から見ればそういうものを持つことができなかった。政治そのものがそういうシステムをつくらなかったという問題が私はあると考えているからです。したがって、政治改革を進めるという場合に大事なことは、政権交代が可能になるその政治システムをどうつくるかということにやはりメスを入れていかなければいけないんじゃないか、こう思います。
 その場合に一番重要なことは、時の与党にかわって政権を担い得る対抗政党を創出していくシステムであります。よく言われるように、五五年体制、万年与党があって万年野党があってと、こういうことじゃなくて、いつでも政権を交代する力を持った対抗政党というものをどうシステムの上でつくり出せるようにするかということだと思うんです。
 しかし現実には、何もシステムをつくらなければ、私は野党の長い間の経験の中で、政権政党に対して政党というふうに同じ看板をかけてもそのハンディキャップは物すごく大きなものがあります。したがって、どうしても政党間の対等に競争できる条件をどうつくるかということが必要になってくると思うんです。
 そこで私は、大きなものとして資金の問題とそれから情報を入手する手段の問題が挙げられる、こう思うんですね。特にそのハンディキャップの差が大きい。今回の法案の審議の中でやっております政党助成法は、公的資金を政党に交付していくということは資金面のハンディキャップを埋めていくものになるであろう、そういう意味で私は評価をしたいと思いますし、それが今後そういう観点でどう機能するかということを見守っていかなければならぬと思っております。
 いま一つの情報の問題なんですが、行政府の持っておるマンパワーや情報は、これは政権党が圧倒的に持つわけですね。私は、参議院で税制改革の法案をつくって、そして久保さんがそこにいてやったときのことを理事をしておりましたから思うんですが、もうあのときほど野党という悲哀を情報を入手するという問題で味わったことはありません。
 そこで、やはりこれから行政府の持っているマンパワーや情報を政権党だけでなく対抗政党にも公平に提供して、そして健全な政党間競争ができるようなシステムを積極的につくっていく必要があるというふうに思うんですが、今の私の考えておることにつきましてひとつ総理のお考えを聞かせていただければありがたい、こう思います。
#36
○国務大臣(村山富市君) 行政と立法府との関係というのは、これはやっぱり行政は中立であるべきだということはある意味では当然だと思いますし、しかし議院内閣制のもとにおいては政府・与党との関係というのもありますから、そこらは若干いろいろ問題があるんじゃないかという気がします。
 したがって、私どももやっぱり野党の時代にはなかなか情報の入手ができないということもあったと思いますけれども、ただ言えることは、今、議員からもお話がありましたように、政党助成法が成立をして公的な資金が政党にそれぞれ配付される、その資金を持って政党みずからが政策活動ができるような条件をきちっとやっぱり整備していく、党が持つということも大事なことではないかと思いまするし、半面、今回、行政改革委員会というのが設置をされますけれども、その行革委員会では情報公開法をどうつくっていくかということもこれから議論をしてもらうわけであります。
 そんな意味では、単に与党、野党というんではなくて、国民全体に対してあらゆる情報が公開されていく、こういう仕組みもつくっていくことが必要ではないか。これは政党だけが知ればいいというんではなくて、政治については国民全体がやっぱり知っていただく、そして何よりも主権者が判断できるような素材を提供していくということが大事だと思いますから、そういうことも兼ね合って徐々に今御指摘のあったような点が改善されていくような努力はしていかなければならぬものだと、私はそういうふうに思います。
#37
○本岡昭次君 先ほどから御答弁いただいていることにもっと細かくお伺いしたいんですが、限られた時間でありますので、また次の機会がございましたらそのときに譲ります。
 そこで、参議院の選挙制度について伺っておきます。
 随分と参議院の選挙制度と衆議院の選挙制度の問題についてはこの委員会で議論になりました。今回のこの法案が可決成立することによって、衆議院の選挙制度が小選挙区制と比例代表制の組み合わせになります。そうなりますと、現在参議院が持っている選挙区と比例というものと原理的に同じになります。細かい点ではかなりの差がありますが、原理的には同じなんです。
 国会が衆参の二院制度として構成されている以上、私は、それぞれが違った原理で代表が選ばれ、そしてその代表によって院が構成されなければならないんではないかというふうに考えています。そうでなければ二重に審議をしていく合理性と必要性ということも薄れて、やがて二院制の危機が訪れるのではないかという懸念を私は持っております。衆議院、参議院がそれぞれ違った選挙原理で代表が選ばれるよう、やはりこの法案が可決成立した後直ちに参議院の選挙制度の改正に着手をしなければならないんではないかと思います。
 この問題について、過日の審議等で自治大臣は、参議院の方でまずしっかりやってくださいというお話がございました。それは当然であります。しかし、参議院は参議院としてやるにしましても、衆参で構成しているこの国会、二院制の国会というあり方から見て一体どういうふうにこれからすることがいいのかということは、やはりこれは内閣の立場からより大きな観点で審議がされ、そして一つの答えが出てくる、そして参議院の審議と両々相まって二院制というものがより日本の政治を国民のために機能していくというふうに私はしなければならぬと思うんですが、総理、どうでしょうか。
 自治大臣のおっしゃるのはごもっともなんです。参議院でまずやってくださいと。だけれども、そこだけではまずいんじゃないか。衆議院の選挙改革を大きく進めていったのもやはり第八次選挙制度審議会というものが土台にあったことは間違いないわけですから、ぜひ参議院にも二院制の立場からきちっとした対応をお願いしたい。それから総理のある意味では決断というふうな部分も含めての御答弁をいただければありがたい。
 この委員会では絶えずその問題がこれは最初のときから出ておるんですよ。何で衆参一緒にやらないのかという問題がずっと出ているんですよ。衆議院を先行させれば参議院がそれに合わせるという立場にしか立たないではないかと。同時並行にやればそれぞれの立場で、二院制があって違った原理で代表を選ぶと選び方はどうなるかという議論ができたのにという悔しい思いが私たちにはあります。そういう意味でひとつお答えいただければありがたい、こう思うんです。
#38
○国務大臣(村山富市君) 今、本岡委員からもお話がございましたように、これは私がこういう席でこういう発言をしていいかどうかわかりませんけれども、憲法で日本の場合は二院制というものができているわけです。衆議院の持つ役割、任務と参議院の持つ役割、任務と違うからこそ二院制というものが存在しているわけですね。それが全く同じような性格で同じようなことを繰り返してやるだけだという意味からすれば二院制の意味はもうないじゃないかと、こういう意見も出てくると思いますね。
 したがって、衆議院の選挙制度をどう変えていくかという場合に、二院制というものがどうあるべきかということも前提に踏んで、そしてやっぱり議論をし合いながらこの衆議院の選挙制度の改正も行われていくというようなことが私はされてきたんではないかと。それにかかわっておりませんからわかりませんけれども、当然そういう議論もあったんではないかというふうに思いますね。
 そして、曲がりなりにも、先ほど来お話がありますように、六年間の経過を踏まえて、いろんな経過の中で議論もされながらようやく結論が出ようとしておる。その結論を受けた立場でその二院制というものを考えた場合の参議院はどうあるべきか、どうしたらいいのかというようなことについては、これは私がここで意見を差し挟んで言えば、立法府の決めることだ、こういうことになる可能性もありましょうから、個人的な見解はそれなりに私も持っているつもりですけれども、これからひとつ十分各党間で話し合いをしていただいて、そしてこの衆議院の今度の選挙制度の改正を受けた立場で参議院はどうしたらいいのか、どうあるべきかということの議論も深めていただいて、そしてできるだけ合意を目指していただきたい。その合意については尊重しながら私たちも十分対応していかなきやならぬというふうに思っておるところでありますから、御理解をいただきたいと思います。
#39
○本岡昭次君 今の総理の答弁にはたくさん不満があるんですが、しかし今の時点ではやむを得ないかなとも思います。成立した後、今、私が申し上げましたような議論は一度やっぱりしっかりやっていただきたいなと思うんです。
 もう時間もなくなりましたので、そこでいま一つ、これも総理の御決断をいただいておいた方がいいんじゃないかと思う点があります。それは海外在留日本人の参政権の保障の問題なんですね。これもこの委員会の中で繰り返し質疑が行われましたが、靴の底から足をかくような形で核心がなかなか出てまいりません。そこで、この海外在留の日本人の選挙権が保障されていない現状は、これは大変憂うべき個人の持つ基本的人権の問題だという認識をまず確立して、その上で具体的にどう解決したらいいかという議論を私は進めなければならぬと思うんです。
 自治省がおっしゃっているように、選挙に当たって公平性とか公正さが保障されなければならない、それはそうなんです。それを無視したら選挙はできませんから。だけれども、それが先行して、やはり憲法第十五条で保障されている参政権をまずどうするかという議論が技術上の問題によって後ろに置かれていくということはよくないと私は考えます。ある意味では、これは海外におられる方は自分の参政権という権利を奪われているんだというふうにとらえても仕方がないと思うんです。
 やはり国民主権の原則に基づいて、この参政権の保障を前提にした具体的な審議をやっていっていただかなければならぬのですが、これは総理が、わかった、そういう方向でやろうと、こういうふうにおっしゃっていただくことによってスタートするのではないか。でなければ、やっぱり自治省の中では技術論のレベルでの議論で少しもこのことが前へ行かない。世界のサミットにも参加する先進国の日本がこうした問題の解決すらできないというのでは恥ずかしいのではないかと思います。ここはひとつ、文字どおり、総理のやろうじゃないかということをこの審議の最後におっしゃっていただければ、このことについて繰り返し質疑した同僚の議員もすとんと胸に落ちるものがあるのではないかと思うんです。いかがでしょうか。
#40
○国務大臣(村山富市君) 海外に居住しあるいは滞在しておる日本人に基本的人権として選挙権を保障していくということは、ある意味では私は当然なことだと思うんです。
 今、質問を聞きながら、私も衆議院の内閣委員会でそれはやるべきじゃないかという意味の質問をしたことを思い出すんですけれども、しかしこれは実際にやるとなると技術的に大変難しい扱い方の点もあると思いますけれども、かつてこれは法案も出されて廃案になったという経過もありますので、これは出したって廃案になればまた意味のないことですから、そういうものも十分検討した上で、私は前段で申し上げましたように、基本的な人権を保障するという立場からすれば、どこに住んでおろうと日本人の権利の行使は当然されるべきものだというように思いますから、そういう立場からこれからさらに一層この検討を加えていきたいというふうに思います。
#41
○本岡昭次君 どうもありがとうございました。
#42
○平野貞夫君 新緑風会の諸先輩の方々、それから当委員会の先生方の御配慮により、村山総理に質問する機会を得ましたことを感謝しております。
 さて、本委員会に付託されています三法案、これが成立しますと政治改革は一つの節目を迎えることになるわけです。いよいよ政党、政策中心の政治が始まろうとしているわけでございますが、ここ数年、政治改革をめぐってすったもんだがございましたが、まずは村山総理、野中自治大臣の御努力に敬意を表しておきます。これが戦後五十年という境目で発足することに私は何か因縁を感ずるわけでございます。
 そこで本日は、政治改革を確実に進めるために、その根っこである戦後我が国の民主主義というものはどんなものであったかという観点から、二、三のことについて総理にお尋ねをしたいと思います。
 まず第一は、政治と宗教の問題でございます。
 四月会という組織があります。村山総理もかつて出席されたことがあると聞いておりますが、憲法の信教の自由ということからいえば、特に権力側にある与党は宗教に対しては中立であるべきと思います。また、特定の宗教を代弁したり攻撃したりすることはすべきでないと私は思います。与党幹部の政治家、四月会に出席していた方々が特定の宗教の攻撃をその後も繰り返しておりますが、これらの人たちの見識に私は問題があると思います。
 村山総理、いかがでございますか。一言お考えをお聞かせ願いたいと思います。
#43
○国務大臣(村山富市君) これは憲法で信教の自由というのは保障されているわけですから、宗教活動の自由というものは当然保障されなければならぬと思うんです。
 今、お話がございました与党幹部か議員がそれぞれその会合に出て発言されたことについて私は全部つまびらかにいたしておりませんから、したがってここでコメントしたりそれに触れて批判がましいことを言ったりすることはできないと思うんです。
 しかし、いずれにいたしましても、信教の自由、宗教上の自由、宗教活動の自由というものは保障されているわけでありますから、それはしっかり守っていかなきゃならぬものだというふうに考えています。
#44
○平野貞夫君 いろいろ議論をいたしたいんですが、時間の関係で別の機会に譲りたいと思います。
 次に移ります。
 政治資金規正法第二十二条の五は、外国からの政治資金導入を禁止し、資金の受け入れは違法行為として禁錮三年以内ないし罰金刑となっております。この規定の立法理由は、外国からの内政干渉を防ぎ、国の独立を確保するためのものであると私は認識していますが、そういうことでよろしいですか。選挙部長、お答え願います。
#45
○政府委員(佐野徹治君) 御指摘の政治資金規正法の第二十二条の五では、「何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織から、政治活動に関する寄附を受けてはならない。」と規定されております。
 これは我が国の政治や選挙が外国の勢力によって影響を受けることを防止する見地から、外国人や外国法人等から政治活動に関する寄附を受けることを禁止しているものと承知をいたしております。
#46
○平野貞夫君 村山総理、最近、中央公論新書というもので時事通信のモスクワ特派員であった名越さんが書いた「クレムリン秘密文書は語る 闇の日ソ関係史」という本があるのを御存じですか、あるいはお読みになったことはありますか。
#47
○国務大臣(村山富市君) 残念ながら、その本は読んでいません。
#48
○平野貞夫君 極めて重大なことが書いてありますので、ごく簡単に要点を紹介します。
 「六〇年代初期の日ソ両共産党関係の悪化によって、ソ連共産党は日本での足掛かりを探す必要に迫られた。」。中略。「ソ連がその政策を日本に浸透させる拠点は日本社会党だけだった。」。略しまして、「日本での共産主義運動に注がれる資金のほぼ全額が社会党への工作に回された。」。略します。「ソ連側は社会党の影響力増大に必要な支援を惜しまなかったが、時には社会党側の多大な要求に閉口することもあった。しかし、結局社会党が利益を得て、ソ連は要求されるままに施しを与えるだけだった」という、元KGBの社会党工作担当者と言われている人で現在ロシア東洋学研究所のキリチェンコ国際学術交流部長の証言をベースにこの本は、一九九二年の春に公開されたソ連共産党中央委員会関係の公文書の中から、社会党に提供された資金の記録の多くの具体例を書いております。私はこれを読みまして大変驚きました。日本の戦後民主主義の根本を疑うようになりました。
 村山総理、このキリチェンコ氏の証言はどう思いますか、事実と思いますか。
#49
○国務大臣(村山富市君) 今、御指摘のありました社会党に関する報道は、たしか昨年の九三年の二月ごろだったと思いますけれども、なされたことは承知をいたしております。
 社会党の本部では、党内外での調査は言うまでもなく、九三年の三月に、報道されたその時点で調査団をモスクワに派遣をいたしまして、関係資料の調査並びに関係者から事情聴取も行って徹底的な調査を行った結果、そういう事実はないということを私は確信を持って申し上げます。
#50
○平野貞夫君 この本の中の具体的な典型的なことを紹介したいんですが、これは余りやると時間もございませんし、またこれを読んでいただければいいことでございますので申しませんが、私はこの本を読んで、この本に書かれている現場を見たわけではありません、しかし重大な疑惑を持たざるを得ません。
 昨年三月でございますか、自民党もモスクワにこのことで調査団を出され、膨大な報告書をつくり、一部が公表されております。多くのものは金庫の中にあると聞いております。社会党も、今、総理がおっしゃるように、調査団を出されて事実はないという結論を出されたということを承知しております。しかし、このことは、非常に例は悪いんですが、疑われた者が私はやっていないということを言ったと同じことで、客観的に国民を納得させるものではないと思います。
 私がなぜこの問題にこだわるかといいますと、私自身、戦後民主主義、すなわち新憲法で育った人間だからでございます。昭和十年前後に生まれた私たちの世代の多くは、率直に言いまして、新憲法のもと、社会党に自分たちの理想を求めた時代があるんです。昭和三十年に左右社会党の合同のときには、自衛隊や原発に対して社会党は理解した政策を出していたんです。率直に申し上げまして、私は昭和四十年代の終わりまで、昼は国会で多くは自民党に言われた仕事、選挙のときには社会党に投票して、社会党の懐メロ族の一人だったんです。この本を読んで、社会党が名実とも赤いリンゴに唇を寄せていたという歌を思い出して、自分の青春が何であったか、まことにむなしいものがあります。私の世代の多くもそういうことを感じていると思います。
 そこで、社会党の中には非常に立派な方、健全な良識を持った方もいます。特にこの特別委員会の方たちは私はそう思っておりますが、もしこの本に書かれていることが事実でない、問題があるというなら、社会党委員長として抗議なり発行の停止を要求すべきじゃないかと思いますが、いかがでございますか。
#51
○国務大臣(村山富市君) 平野委員が若いときに、国会におって、仕事は自民党から言われてし、選挙のときには社会党を入れたという、その御協力に対しては心からお礼を申し上げるものであります。そのときに平野さんが思い切って社会党に入党されていれば今のようなことはなかったんではないかと、私はそう思うのでありますけれども、残念です。
 これは事実関係を今申し上げましたように、わざわざモスクワまで派遣をして、そしていろんな資料やら関係者から事情聴取もして徹底的に調査をした結論として、その事実はないということを確認して帰っているわけであります。したがって、私はそれでもって国民の皆さんも了解していただいておるんではないかというように思いますし、仮にこれは争ってみても、外国で関連する問題ですから、それは結論もなかなか出しにくいんではないかというふうにも思いますし、私どもは国民の皆さん方の前にその事実はないということをやっぱり明らかにして了解をいただいていると、こういうふうに思っています。
#52
○平野貞夫君 総理は、社会党委員長は国民に納得してもらっていると思っていても、国民側は果たして納得しているでしょうか。これはわからぬと思います。常識的に考えて、やはり疑いをかけられた方が調査して事実はありませんということは世間には通らぬと思うんです。私は早急に時間をかけずにやるべきだと思いますけれども、国際社会もこのことについては極めてやっぱり問題に、不審にしているわけでして、明確にこれはすべきじゃないかと思っております。
 そういったことを通じて、戦後五十年問題というのが与野党で今議論されておりますが、私はまず戦後五十年問題として検証されなきゃいかぬのは、戦後五十年の我が国の民主主義が何であったかということだと思います。いよいよ成立します、発足します政治改革の必要性というのは、私は原点はここにあったと思うわけでございます。社会党に対するソ連共産党からの資金提供には疑惑が私はあるということを申し上げておきます。
 また、最近アメリカで報告されましたCIA資金疑惑、こういったことが事実とすれば、日本国家の独立、民族の自立、憲法に言う国家の名誉はどうなるんですか、事実とすれば。まず政府において事実かどうか徹底した調査を行い、事実でないなら国民や国際社会にきちんとした説明をすべきだと思います。もし万が一事実なら、関係のあった政党や政治家はきちっとした責任をとり、政治的清算を行うことが政治改革スタート、国民への義務だと思いますが、総理、いかがですか。
#53
○国務大臣(村山富市君) 政党が外国から、外国の政府から、あるいはいろんな機関から資金援助受けてはならないということはもうこれは言うまでもないことであります。これは現に私は、社会党はそんな事実はないと、こう申し上げておりますし、自民党も河野外務大臣が委員会の、この参議院じゃありませんけれども、衆議院の委員会の質問に対する答弁で、そんな事実はないと、こう言っているわけでありますから、私はそれを信頼いたしております。
 しかし、いずれにいたしましても、そんな事実があってはこれはもう大変なことですから、これからも気をつけなきゃなりませんけれども、これまでもなかったと、こういうことについては私はそれを信頼しております。
#54
○平野貞夫君 大変お話がお上手で、我々のような若造は何かうまく言いくるめられているような感じでございますが、率直に申しまして、疑われた当事者である、その当事者、関係の人が事実がないと言ったってこれは第三者は納得しませんよ。しかも、アメリカにせよソ連にせよ、文書、公文書、そういったものの保管、確実性、これは情報公開に基づいてきちっと私はやられていると思います。
 したがって、との点については私は、せっかくの総理の答弁でございますが、ぜひ事実関係を明確にするということがやっぱり戦後五十年の一番最初にやらなきゃいかぬことだと思います。そしてまた、良識の府と言われている参議院というのは、まさに日本のデモクラシーのあり方というものの根底を考えるにはこの問題を避けて通れない問題だと思っておりますしこのことについては時間の関係でこれ以上申し上げませんが、いずれ別の機会にまた取り上げさせていただきたいと思います。
 今、十二月十日を目指して新党を結成すべく準備が進められております。それはそういった疑惑のある戦後民主主義と言われたいわゆる五五年体制を清算し、決別し、世界に通用する民主政治を我が国に確立させようとするものであります。こういうことを申し上げまして、私の質疑を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#55
○和田教美君 私は、質問時間が短いですから、総理に集中して質問させていただきます。
 区割り法案を初めとする政治改革関連三法案がきょう午後委員会で採決、二十一日に本会議で成立する見通してあります。これによって、竹下内閣以来六年間にわたって最大の政治課題となってきました政治改革がようやく法律的な枠組みが一応決着がついたということになります。その点では確かに歴史的な意味を持つと言えるのですけれども、その反面、政治改革全体を成功させて国民の政治不信を解消するという観点に立ては、法律面の枠組みが整うということはいわば政治改革の出発点にすぎないということも言えるわけでございます。
 そこで、総理にまずお聞きしたいのですけれども、この枠組みに魂を入れると申しますか目を入れるといいますか、そういうために今、何が一番必要だとお考えなのか。それから広い意味の政治改革というものは今後も続けていかなければならないわけですけれども、内閣においてこれから重点的にどういう問題に取り組んでいこうとされておるのか。その点についてまずお考えをお聞きしたいと思います。
#56
○国務大臣(村山富市君) 今、お話もございましたし、これまでの先生方からの意見もございましたが、なるほどこの六年間の経過を踏まえてようやくこの一連の関連法案が成立を見ようといたしておるわけであります。言うならば、仏がつくられた。その仏にどう魂を入れていくかということになろうかと思うんですが、その魂を入れるのはだれが入れるかといえば、これはやっぱり政治家みずからが倫理を確立するということも大事なことですし、同時に選挙権を持つ、選挙権を行使する有権者の皆様方にも、先ほど来お話もございましたように、徹底してやっぱり理解をしていただくということによって名実ともに魂が入れられていく、私はそう思います。
 しかし、これは今お話もございましたように、政治改革をする言うならば出発点のようなものですから、腐敗防止等についてはふだんからやっぱりお互いに心して努力をしていかなきゃならぬ課題だというふうに受けとめておりまして、これからの努力によってさらに政治の刷新を図り、改革を図り、そして政治全体に対する信頼を回復することが大事である。そのためには政治改革だけではなくて行政改革も必要だし、同時にまたそのための情報公開も必要だし、同時にまた国会と行政府との関係等についてももう少し正すものは正していくことも大事なことだというように思いますから、そうした一連の改革をなし遂げることによって全体として日本の政治の姿勢は正されるものだというふうに考えています。
#57
○和田教美君 次に、今、政界の話題となっております衆議院解散・総選挙の時期の問題について二点お伺いいたします。
 第一点は、区割り法案の成立によって改正公職選挙法が一カ月の周知期間を置いて十二月中には施行されるということになるわけで、新しい選挙制度の時代に入るわけでございますが、その前に総理が本臨時国会で抜き打ち的に解散を行って現行中選挙区制のもとによる総選挙を行う可能性が全くないと断言できるかどうか、まず確認のためにお聞きしたいのが第一点でございます。
 それから第二点は、そうは言っても我々はいつまでも解散・総選挙の時期を先送りすることには反対でございます。新しい選挙制度が施行されればなるべく早く解散・総選挙を断行すべきだと考えております。
 例えば、村山総理は、連立政権発足以来、自衛隊の合憲、日米安保の容認、それから消費税の税率引き上げ等々、次々に従来の社会党の基本政策や重要公約を根本的に変更させてきておりますが、この転換はまだ国民の認知を受けたとか言えないと思います。そのこと一つを取り上げても新選挙制度のもとで早い時期に国民の審判を受けるということは当然だと私は考えるわけでございます。
 先ほどの総理の御答弁で、内外の課題が山積して政治空白をつくるべきではないという理由で総選挙を先送りするという発言がございましたけれども、これは私は論理が逆ではないか、内外の重要課題が山積しているからこそきちんと民意を問うべきではないかというふうに考えるわけですけれども、総理のお考えをお聞きしたいと思います。
#58
○国務大臣(村山富市君) 現行の中選挙区制度で解散・総選挙する意思はないということを断言できるかと、こういうお話でありますけれども、解散について私がここで今、するとかせぬとか言うことは差し控えたいと思うんですね。ただ、常識的に考えて、今ここでこれだけ議論をして新しい選挙制度ができようとしているのに理由もなく解散なんというものはできるものじゃない、こういうように思いますから、国会がもう解散・総選挙する以外に選ぶ道はないというような事態でも起こってくればこれはまた別ですけれども、常識的に考えれば私はそんなものではないかというふうに思います。
 それから、制度ができたらやっぱり早く解散をすべきではないかと言いますけれども、社会党が例えば自衛隊やら安全保障に対する見解を変えたと。社会党だけのために解散・総選挙をすることがいいのか悪いのかというようなことも私はやっぱりあり得ると思いますから、ですからそのためだけで解散・総選挙をするわけにもいかぬなと、こういう気持ちですね。
 それから今、委員から言われましたように、重要な課題があるだけにやっぱり信を問い直すべきじゃないか、こういう御意見でございますけれども、これは最近の世論調査を見まして、この内閣は支持できない、だから解散・総選挙をしてやっぱり信を問い直して新しい政権で出直すべきだ、こういう世論が圧倒的に強ければ私はまたそれなりに考えなきゃならぬ点があるかと思いまするけれども、まあ支持率もそこそこなっておりますし、それからいろいろ見ますと、今、解散をすべきではない、もっとしっかり当面の課題について取り組んで責任を果たせ、こういう声も強いようなことも私は承知をいたしておりますので、そうした意味における責任も感じております。
 先ほども申し上げましたように、来年の七月にはこれまた参議院選挙もある、国政レベルの選挙があって、それぞれの政党が問われる選挙もあるわけでありますから、そういうこともやっぱり想定しながら全体として総合的な判断をして結論を出さなきゃならぬ問題ではないかというふうに私は理解をいたしております。
#59
○和田教美君 次に、社会党の議員集団、新民主連合の社民リベラル新党結成の動きに関連して、新選挙制度のもとにおける我が国の政党システムのあり方についてお聞きしたいと思います。
 新聞報道によりますと、新民連の中には、この際、党を出て社民リベラル新党を旗上げすべきだという意見があるということですけれども、総理はこれにはどうも反対のようで、しかし社会党が全体として社民リベラル、民主リベラル、新党の方向に衣がえするということなら構わないという考え方のように伝えられております。もちろんこの問題は社会党の問題でございまして、我々外部からとやかく言う筋合いではないかもしれませんけれども、こうした動きに一つ共通点があると私は思います。それは、社会党が当面、自民党や野党の我々新・新党とは別に第三の極を目指すという方向だと思います。
 そこでお聞きするわけですけれども、総理は、小選挙区制のもとでも政界はすぐ二大政党制にはならない、そして将来的にも三極構造による穏健な多党制が望ましいとお考えなのかどうか、それとも三極構造は過渡的なものであって、将来は二大政党勢力の対立になっていくというふうにお考えなのかどうか、その点についてお答えを願いたいと思います。
#60
○国務大臣(村山富市君) これはそれぞれのやっぱり考え方があると思いますけれども、せっかくの御質問ですから私の考え方も率直に申し上げたいと思うんです。
 私は、これだけ国民の価値観が多様化しているときに、政党が上から二つの枠組みを決めて、これしか選択の幅はないんだ、どっちを選びますかと、こういう問い方はある意味では今の価値観の多様化した時代におけることを考えた場合には民主主義の原則に反するのではないか。そうではなくて、やっぱりいろんな考え方を持っている方々、それが政党を通じて政治に反映されていくというのが民主主義の前提として大事なことだというふうに思っております。したがって、二つの政党に収れんをされていく、大きいことはいいことだと、そしてこの二つの政党になって選挙をやって勝った方が政権を担当する、それが悪ければ次の選挙ではまた政権がかわるというようなことも、それは一つのルールとして皆さんが想定し得ることではないかと思います。
 しかし私は、今はそうではなくて、これは連立政権の時代に入っていくというふうに思いますから、いろんな意見が政党を通じて反映される、その反映される役割を持った政党はお互いに合意できる政策を中心にして連立政権を組んで、そして多様な国民の意見がその政党を通じて政治に反映されていくと。こういう仕組みというものを連立政権は持っていると私は思いますから、その連立政権のよさが十分に政治に生かされていくというようなことになれば、何もあえて二つの政党に収れんをする必要はないのではないか、むしろ穏健な多党制の方が国民の二ードにこたえ得る民主主義の制度としてあり得る正しい姿ではないか、私はそう思うんです。
 これは世の中にはやっぱり力の強い者もあれば弱い者もある、あるいは健常者もあれば障害者もある、そういういろんな方々の意見がそれぞれ政党を通じて反映される仕組みというのは大事に考えていく必要があるというふうに私は思いますから、今、無理に二つの政党に収れんをするという考え方は誤りではないか。むしろ幾つかの政党が存在して連立政権を組んで、そして民主的に透明度を高めて、国民の声が素直に国政に反映できるような仕組みというものを真剣に考えた方がいいのではないかというふうに私は考えています。
#61
○和田教美君 終わります。
#62
○委員長(上野雄文君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#63
○委員長(上野雄文君) 速記を起こしてください。
#64
○吉川春子君 日本共産党の吉川です。
 総理に質問いたします。
 区割り法案は民意を切り捨てる最悪の小選挙区制を完成させるものですが、加えて憲法の十四条、四十四条の保障する一票の価値の平等も保障されないものです。
 自治大臣は、十四日の当委員会の私の質問に対して、一人が一票を持つことが普通選挙の原則であると答弁されました。しかし、区割り法は特定の一人に二票以上を与える結果になるんです。すなわち、一票の格差は最大二・一三七倍、これは国調ですが、住民基本台帳によると二・二二六倍となり、法のいう一対二未満を基本とするということも守られずゆゆしいことですが、自治大臣はこの程度なら憲法の原則に反しないと、このように答弁されました。そしてその説明として、法によって最初に四十七都道府県に一議席ずつ配分した段階で格差は既に一・八二倍になっているんだ、仕方がない、審議会には精いっぱい努力してもらったと、こういう御答弁を繰り返しておられるわけですが、これは本当の意味での答弁にならないと思うんです。
 一対二をどこまで超えたら憲法の原則に反するのかという私の質問に対しては、数値は言えない、裁判所が判断すると、こういうふうにおっしゃったわけです。これでは格差がどこまで拡大しても法としての歯どめがないことになるのではありませんか。
 総理、事は憲法の基本的人権にかかわる重要問題です。二倍をどこまで超えても憲法は許容するとお考えなんでしょうか。はっきりとお示しいただきたいと思います。
#65
○国務大臣(村山富市君) 今回の区割りの案につきましては、九月に行われました衆議院及び参議院の政治改革特別委員会におきまして審議会の石川会長から、市区町村をいわゆるようかんをきれいな形ですぱっといけば二倍未満ぐらいにおさめることは不可能ではなかったと。しかし、選挙というのはようかんを切るようにすぱっとやったことが本当の意味で民意の反映になるのか。そうではなくて、行政区画やら地勢やらあるいは交通等の事情等を総合的に判断をしてやっぱり区割りというものは合理的に決めなきゃならぬものだと。こういう判断もした上で審議を重ねた結果、最大の格差が二・一三七倍になった、これはやむを得ない結論であったと、こういうふうな答弁をされたというふうに私は聞いていますけれども、この区割りの審議会に全部ゆだねて、そして一定の前提のもとに審議をしていただいて出た結論ですから、私はその結論は尊重しなきゃならぬというふうに思っておるわけです。
 そして、中選挙区の場合における一票の持つ重みにつきましては裁判所の判断も出ていますけれども、小選挙区の場合にこれが憲法に違反するかしないかという裁判所の判断もまだ出ていませんから、私がここでこれは憲法に違反するとか違反しないとか言及することについては差し控えたいというふうに思っています。
#66
○吉川春子君 そうすると、二倍をどこまで超えても構わないと、審議会が一生懸命判断されれば。どこまでというのもちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、ではどの程度超えるまで許容できるのか、その限界があるのかないのか、その点を端的にちょっとお答えいただけますか。
#67
○国務大臣(村山富市君) どの程度を超えたらというのではなくて、可能な限り一票の格差を最小限にとどめるように真剣な議論をして出してきた結論ですから、何も一票の格差がどんどん拡大していくことを期待しているわけでもないし、そんな結論を出そうと思って審議会は審議をしたのではない、私はそういうふうに思っておりますから、これを出された結論については尊重すべきものだというふうに私は思います。
#68
○吉川春子君 私は、審議会がということじゃなくて、そういう法律についてどうかというふうに伺っているんです。
 自治省の資料によりますと、一票の価値の平等を求める衆議院定数訴訟は、昭和三十五年以来、十回の総選挙について百六十八件起きているんですね。今後、小選挙区制が導入されますとこれらの訴訟はなくなるとふうに総理はお考えですか。
#69
○国務大臣(村山富市君) これは国民の皆さん方の中にはいろんな考え方を持っている方があるわけですから、ですから、いやこれはやっぱり憲法に違反すると思っている方もありましょうし、いやこの程度ならそれは了解できるよというふうな意見を持っている方もあると思いますから、訴訟が起こるか起こらぬかということについてここで私が断定的に、いやそれは起こらないでしょうとか、いやそれは起こるでしょうとか言うような事柄ではないのではないかと、そう思います。
#70
○吉川春子君 そうすると、例えば一対二未満に全部おさまっていれば、それは憲法の保障する範囲だということで学説も判例も多くの意見も一致していますから、それは起こらないんですけれども、この法律の場合はでは起こる可能性もあるというふうに総理はお考えですか。
#71
○国務大臣(村山富市君) 今お答えしましたように、それぞれやっぱりこれも考え方があるでしょうから、いやこれはやっぱり憲法に抵触する、平等な権利を侵害すると、こういう考え方を持っている方がもしあるとすれば、それは訴訟をもって争うというふうなことになるかもしれませんし、私はさっき言いましたように、訴訟が起こるか起こらないかということを私がここで判断して、いやそれは起こらないでしょう、いやそれは起こるでしょうというようなことを言う立場にはないということを申し上げているわけです。
#72
○吉川春子君 今度、衆議院の定数を抜本的に是正する法律だ、だから一票の価値を争う裁判というのは起こらないという確定的な御答弁はなされないというところにこの法案の持っている重要な欠陥が示されていると思います。
 重ねてお伺いいたしますけれども、東京高裁が六月三日の定数訴訟で、選挙権として一人に二人分以上のものが与えられることがないという基本的な平等原則を遵守すべきことは、世論のひとしく指摘するところであるばかりでなく、これまで公選法の議席定数の改正をいずれも緊急措置あるいは当分の間の暫定措置であるとしてその抜本改正を必要としてきた国会自身の認識であると言えるとして、今後速やかに実現すべき選挙制度の抜本改正における定数配分については、このような世論及び国会自身の認識に即した基準によって違憲判断をすべきだというふうにしています。選挙区の抜本改正では一票の格差を一対二未満に抑えるように強く要望する判決になっているわけです。
 今回の法案は、この判例にこたえるものとなっていないんじゃないんですか。
#73
○国務大臣(村山富市君) さっきからお答え申し上げておりますように、基本的な平等の原則をしっかり守っていくということは大事なことだと思います。当然のことだと思います。それを前提にしていろんな角度から区割りについて検討した結果出された結論だと、私はそう受けとめておりますから、その出された結論についてはやっぱり認めるべきものだ、承認すべきものだというふうに私は申し上げているわけです。
#74
○吉川春子君 私が伺ったのは、この判例が言っている要請に沿う内容に今回の法律がなっているかどうかという点です。その点はいかがですか。
#75
○国務大臣(村山富市君) 平等の原則を前提にして何とかその原則に沿うような結論を出そうと。今御指摘のあった判例もあるわけですから、その判例の趣旨にも沿えるように結論を出していこうと、こういうことは当然審議会の中では皆さんが考えて検討されたと思うんです。その結果出された結論ですから、私は認めるべきものではないかというふうに思うんです。
#76
○吉川春子君 審議会の皆さんがやられたという前提に法律があるわけですよね。私は審議会の皆さんがどうやられたかということを聞いているんじゃなくて、そういう法律についてどうなのかということを聞いているんであって、法律が憲法の平等原則を修正できるはずはないんであって、その点について今度の法案は一対二未満を守ることはできないわけだから非常に欠陥法案ではないか、その点を申し上げているんですけれども、最後に、総理は一対二というものを厳密に守らなきゃならないというそういうことはお考えにないのかどうか、その点をお伺いして質問を終わりたいと思います。
#77
○国務大臣(村山富市君) さっきから答弁していますように、平等の原則を守る、あるいは裁判所の判例があればその判例は守らなきゃならぬということを前提にして、平等な権利を保障するためにどのような区割りがいいのかということについてあらゆる角度から検討されたんではないかと私は思っています。その出された結論ですから、その結論は認めざるを得ないと。
 同時に、これは国勢調査あるいは五年ごとにあるそれに準じた調査等々参考にしてこれらの区割りは是正されるということになっておりますから、その一回一回を通じでできるだけ平等の原則が守られるような形でやっぱり検討を加えていかなきゃならぬものだというふうに私は思っております。
#78
○吉川春子君 終わります。
#79
○下村泰君 いよいよ、政治改革と言われた、日本じゅうの課題と申し上げていいのか、あるいは永田町だけだったのかもしれませんけれども、大変長きにわたった課題が今、一つの区切りをつけようとしています。私は、この小選挙区制に強い不安と危惧を持つ者の一人なんですけれども、こうした形で終わろうとしていることに大変つらい思いをしております。しかし、ここまで来ればあとは国民の判断を待つほかはないと思います。
 さて、私は、一貫して参政権を大きく制限されている障害あるいは難病、寝たきりの方々の問題を指摘させていただきました。例えば政見放送に手話通訳をとにかくつけてくれと申し上げてから二十年たっているんですよ、総理。私が国会へ来たのが四十九年なんです。そのときからずっと手話通訳をつけてください、つけてくださいと言ってきたのがやっと一部だけ認められるようになったんです。そのこと一つ取り上げましても、手話がわからない方はどうするのかなとと、なお多くの課題を残したままなんです。政治家自身の不始末の後片づけに追われまして、そういう人々の問題が今回もまた後回しにされているという気がしてならないんです。
 総理の「人にやさしい政治」というスローガン、これはいろいろ批判もあるようですけれども、私は素直にその言葉を信じたいと思います。しかし、障害を持っている方々とか難病の方々に対するこれまでの政治の余りにも冷た過ぎたことが、ここへ来て急にやさしくなりましたよと言われても、そういう方々は、どこがやさしいんだ、いつ一体、何月何日何時何分からやさしくなるんだ、じゃどういう形になってやさしくなるんだと、これは疑惑を持ちますよ。そう思うのが僕は人間だと思います。これは戸惑うばかりだと思います。今までの冷たさを具体的に温かいもの、やさしいものに変えていかないと、このスローガンはあくまでも見かけ倒しですね。
 つっころばしの二枚目という言葉がありますけれども、役者でいい男いい男と言われますと本人もすっかりその気になって踏ん反り返るんですね、雪駄の裏みたいに。するめみたいになっちゃう。踏ん反り返るんですよ。支えが何にもないから、ちょんと押すとすてんとひっくり返るんです。それと同じスローガンになってしまったらだめだということを申し上げたいんです。
 積み残した問題を一つ一つ申し上げると、これは時間がなくなります。ぜひこれまで私が申し上げてきたことをもう一度議事録でも何でも結構でございますから見ていただいて、なるほどなと思うことが一つでも二つでもありましたら、そのやさしさを政策の上に反映していただきたいと思います。
 いかがでしょうか、自治大臣と総理大臣、お二人にひとつお答えを願いたいと思います。
#80
○国務大臣(村山富市君) 下村先生がかねがね身障者等に対する施策について機会あるごとに御意見を述べられ、具体的な人にやさしい政治の実現に向けて御努力をいただいていることにつきましては本当に敬意を表したいと思います。
 心身の不自由な方々が選挙に参画できるようにその便宜を図るというのは、申すまでもなくやっぱりこれは基本的に持っている権利ですから、その権利が公平に行使されるようにするというのは当然の話であります。
 しかし、これまでなかなか実現できなかった面もありますけれども、点字投票や代理投票、あるいは病院等における不在者投票、あるいは郵便による不在者投票などの制度も設けたり、それからまた啓発事業の一環としていわゆる点字公報を配布するなど、これまでも種々の対策は私は講じてきていると思います。
 また、平成七年に予定されておりまする通常参議院選挙におきましては、比例代表選挙の政見放送に手話通訳制度を導入すべく今、準備もいたしておりますから、恐らくこの七月の通常選挙には実現できるのではないかというふうに私は期待をいたしております。
 今後とも、今御指摘のありましたような心身不自由な方々の基本的な人権と選挙の公正というものを確保する意味で、可能な限りの手だては講じてそれが実現できるようにしなきゃならぬものだというようなことについては全く認識を同一にいたしておるということだけは申し上げておきたいと思います。
#81
○国務大臣(野中広務君) ただいま総理から答弁がありましたとおりでございまして、私も重度障害の福祉のためにいささかかかわる者として下村先生の長年の主張をよく聞いてまいりましたし、これからもなお選挙の公正が期せますように一層努力をしてまいりたいと存じます。
#82
○下村泰君 時間がなくなりましたのでこれで終わりにしますが、ひとつどうぞ今の公約をお守りになっていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#83
○西野康雄君 新党護憲リベラルの西野でございます。
 先ほどから総理は解散についてはないんだというふうなことでございますが、けさほども社会党のとある政策集団が会合を開いて、一月に向けての民主リベラル新党ですか、党大会に解党みたいなものをずっとやるんだみたいな、そういうふうなことも聞こえてまいりました。そういう中で、また解散風が吹いてくるのかな、そんな思いもしております。既に耳に達しておるでしょうし、そういうシナリオはもう御存じでしょうけれども、何かそういうふうな風もどうも吹くんじゃないかななんて思ったりもいたします。
 総理に対して御質問を申し上げます。
 小選挙区制度が政党間の政策争いになる、こういうふうなことも言われておりますが、現実には旧連立、新連立に政策の違いがほとんどないような状態というのが今、生まれております。政策そっちのけのサービス合戦が繰り広げられる可能性がどうも大ではないだろうかと、ここのところ新聞紙上もそういう危惧の念というんですか、そういうものが随分と出てきております。
 首相自身、かつては中選挙区支持論者ではなかったかなと、こう記憶をいたしております。私の記憶が間違いであればそれも御訂正を願いたいわけでございますが、小選挙区制度に対する総理の御見解をお伺いしたいと思います。
#84
○国務大臣(村山富市君) どの選挙制度が一〇〇%いいものかということについて結論を出すのはなかなか難しいと思いますね。やっぱり中選挙区には中選挙区のよさがあったからこれまでずっと日本の国は中選挙区でやってきたと思うんです。しかし、それもまたやってくる過程の中で、例えば一つの政党から同じ選挙区に二人も三人も立候補して、そして同じ政党の者が争い合う。必然的に個人的な選挙になるし競争が激化されるというようなこともあるので、やっぱり中選挙区でなくて小選挙区制の方がいいのではないか、政党が政策をもって争う選挙になり得るんではないか、こういう意見もあったかと思いますね。
 それから同時にまた、だんだん小選挙区制で選挙をやっておれば行く行くは二つの政党に収れんをされて、政権が交代できるような時代が来るのではないか、私は必ずしもそうは思っていませんけれども、そういう意見もございましたね。
 しかし、せっかく小選挙区制度がこれからつくられていくわけですから、ですからやっぱりいいものにしていかなきゃならぬと思うんですね。そのためにはやっぱり政党が責任を持って政策をもって争えるような選挙をやっていく、こういう心組みで選挙に準備をしていくし取り組んでいく必要があるというふうに思いますしね。同時に、公職選挙法やら政治資金規正法まで改正して、今度の連座制の強化も議員立法でもって出されているというような経過もあるわけですから、そういう点もやっぱり徹底的に守っていただいて、そして腐敗を防止して国民の信頼が回復できるような、そういう結果が生み出されるような努力というものをしていくことによっていいものにしていくことができるのではないかというふうに考えておりますから、そういうことはやっぱり可能性を追求していくことが大事ではないか、私はそう思っています。
#85
○西野康雄君 中選挙区で一つの党が二人も三大もと、それはそうなんですが、むしろそれは自民党の中の派閥争いの部分が選挙に出てきたので、自民党自身も今、派閥解消だとかに随分と向けていっているわけですから、そうすると中選挙区の一つの弊害というものが私は解消されていっているんじゃないだろうかな、そんな思いもしないことはないんです。
 最後に、腐敗防止法は地位利用利得罪のような議員の政治外の活動を律すべきところにむしろ重点を置くべきではないだろうか。今回の連座制強化は早くもしり抜け、ざる法というふうな声も聞こえております。首相は、今後いわゆる腐敗防止法はどうあるべきとお考えでしょうか、所見をお伺いいたしまして、私の質問を終えさせていただきます。
#86
○国務大臣(村山富市君) さっきから御議論もありますように、制度ができてもその制度をどう使って生かしていくかというのがお互いですから、したがってお互いがやっぱり決められたことは守らにゃいかぬ、悪いことは悪いんだということで倫理を確立してきちっとやっぱり守っていただいて、お互いが腐敗防止のために努力をしていくということは当然だと思いますからね。
 ただ、今言いましたように、地位利用なんということになりますと、議員の正当な活動まで阻害されるというようなことになってもやっぱりいけませんから、いろいろな角度から慎重な検討を加えていくことが必要ではないかと私は思います。
#87
○西野康雄君 ありがとうございました。
#88
○委員長(上野雄文君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより三案の討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#89
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、内閣提出の公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び衆議院提出の政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律案に反対、衆議院提出の公職選挙法の一部を改正する法律案に賛成の討論を行います。
 まず冒頭に、私は質疑の打ち切りに強く抗議いたします。本委員会で大臣が出席しての質疑時間はわずか十時間程度、加えて衆議院で行った参考人質問さえも行わず、審議が尽くされたとは到底言える状況にはありません。また、小選挙区制導入について、本委員会の審議において与党内からも強い疑問や批判が出ており、理事会でも問題点は審議をやればやるほど際限なく出ること等を認めながら、会期末だからという理由で審議終局を決めるとはとんでもないことです。
 さらに、定例日、委員会室、質問時間や順位など当委員会のスタートに当たって理事会で決めたことを与党の都合で一方的に変更させられました。法案の成立を急ぐ余り、議席の多数を背景にこのようなことがまかり通るならば、議会制民主主義は危機に陥ってしまうと言わなくてはなりません。
 このような状況のもと成立させられようとしている法案の内答はさらに重大なものです。
 まず区割り法案ですが、反対する第一の理由は、小選挙区三百の区割りを画定するとともに、憲法違反の小選挙区制、政党助成などいわゆる政治改革関連法案を完成させるためのものだからであります。
 この選挙制度は、多様な民意を切り捨て、比較第一党が虚構の多数議席を得て、国民が反対する悪政も十分審議を尽くさぬままでも強引に推し進める強権政治を可能にするものです。しかも、小選挙区制推進論者が導入の根拠としてきた金のかからない選挙、政党本位・政策本位の選挙が可能になるという口実は、今回提出された法案の衆議院本会議の趣旨説明において、提案者みずから、中選挙区制では想像もできないほど熾烈な選挙になることが予想されると述べているように、完全に破綻していることは明らかです。
 第二に、小選挙区間の一票の最大格差が国勢調査で二・一三七倍、住民基本台帳で二・二二六倍となり、また格差二倍を超える選挙区が国勢調査によれば二十八、住民基本台帳では実に四十一全選挙区の約一三・七%に上っており、憲法の保障する投票価値の平等の原則に反し、著しい不均衡が生じている点であります。東京高裁の今後速やかに実現すべき選挙制度の抜本改正における定数配分については、この基準を違憲判断とすることが相当であるという指摘にさえこたえられない内容となっています。
 自治大臣は、この点について私の質問に対し、違憲訴訟が出てくる可能性はあると答弁しました。まさに重大な答弁です。提案者である大臣が違憲訴訟の可能性があると考えているいわば欠陥法案を国会に押しつけようとすることは前代未聞であり、みずからこれを撤回すべきであります。さらにそれを良識の府と期待されている参議院が唯々諾々と可決するなどということは国会の権威にかかわることであり、これに賛成する議員の責任が厳しく問われて当然であります。もし実際に違憲判断が下されたとき、国会は何と申し開きするのでしょうか。
 次に、政党等に対する法人格付与法案について反対理由を述べます。
 本来、有力な社会的存在である政党への法人格付与、そのこと自体は当然と考えます。ところが本法案は、単なる法人格付与法案ではなく、憲法違反の政党助成を受け取るための条件整備が目的です。政党助成制度とは、金権政治の根源である企業・団体献金を温存した上、憲法の思想・良心の自由を侵害して、政党を支持するしないにかかわらず、国民の税金を政党に交付する違憲の法律と言わなくてはなりません。法人格の付与をそのような違憲の政党助成の受け皿をつくることとリンクさせることは反対です。
 次に、いわゆる腐敗防止法案についてですが、不十分ではありますが、連座制の強化は必要であり、これは賛成であります。
 さて、最後に強く訴えたいと思いますが、日本の選挙制度の歴史の中でも、国民に入れられず戦前二度にわたり廃棄されてきた小選挙区制が今また導入されようとしています。しかし、今なお小選挙区制には反対ないし疑問の多くの世論があり、小選挙区制に賛成した政党の国会議員の中にさえこの制度に対する疑問が少なくありません。参議院ではこの一月、否決までした法案であります。これを具体的に動かすために、以上のような重大な問題点がありながら、今、短時間で質疑を打ち切り、採決に付することの責任は重大です。
 我が国は、かつて侵略戦争やファシズムによって諸国民にも多くの被害と犠牲を与えたにもかかわらず、政府に侵略戦争の反省がなく、今なお日本は厳しい批判にさらされています。日本と世界のため、再びこの歴史を繰り返してはならないということは、多くの国民の一致した思いであると考えます。小選挙区制を導入し、日本の民主主義の発展に大きな障害をつくり出すことは絶対に許されません。私たち日本共産党は、憲法と民主主義を守るため、国民とともに闘い続ける決意を表明し、討論を終わります。(拍手)
#90
○委員長(上野雄文君) 他に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めます。
 これより直ちに採決に入ります。
 まず、公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#91
○委員長(上野雄文君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、公職選挙法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#92
○委員長(上野雄文君) 全会一致と認めます。よって、本案は原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 木暮君から発言を求められておりますので、これを許します。木暮山人君。
#93
○木暮山人君 私は、ただいま可決されました公職選挙法の一部を改正する法律案に対しまして、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議、二院クラブ、新党・護憲リベラルの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政治改革を求める国民の声に応え、選挙における腐敗行為の防止を徹底するため、政府は、
 本法施行に当たり、次の諸点について、遺憾なきを期すべきである。
 一、組織的選挙運動管理者等に係る連座制の創設及び重複立候補者に対する連座制の適用の強化については、本委員会における審査の過程において明らかにされた立法趣旨等を十分踏まえ、その適正な施行を図るとともに、立法の趣旨及び内容の周知徹底について、万全を期すること。
 二、公職選挙法違反の取締りについては、今回の連座制の強化に伴い、その影響が一層広い範囲に及ぶこととなることにかんがみ、従来に増して厳正公平を旨としてこれに当たるとともに、国民の選挙運動への自発的参加を損なうことのないよう十分留意すること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#94
○委員長(上野雄文君) ただいま木暮君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#95
○委員長(上野雄文君) 全会一致と認めます。よって、木暮君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、野中自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。野中自治大臣。
#96
○国務大臣(野中広務君) ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましても、その御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
#97
○委員長(上野雄文君) 次に、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#98
○委員長(上野雄文君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○委員長(上野雄文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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