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1994/10/28 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 国民生活に関する調査会 第3号
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1994/10/28 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 国民生活に関する調査会 第3号

#1
第131回国会 国民生活に関する調査会 第3号
平成六年十月二十八日(金曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
十月二十七日
   辞任          補欠選任
     喜岡  淳君     大渕 絹子君
     吉岡 吉典君     有働 正治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    会 長         鈴木 省吾君
    理 事
                清水嘉与子君
                竹山  裕君
                森  暢子君
                直嶋 正行君
                中川 嘉美君
    委 員
                石井 道子君
                遠藤  要君
                加藤 紀文君
                服部三男雄君
                溝手 顕正君
                大渕 絹子君
                菅野  壽君
               日下部禧代子君
                栗原 君子君
                堀  利和君
                釘宮  磐君
                武田 節子君
                有働 正治君
                下村  泰君
                國弘 正雄君
   政府委員
       厚生大臣官房総
       務審議官     太田 義武君
       厚生省健康政策
       局長       寺松  尚君
       厚生省社会・援
       護局長      佐野 利昭君
       厚生省老人保健
       福祉局長     阿部 正俊君
       厚生省児童家庭
       局長       佐々木典夫君
       厚生省年金局長  近藤純五郎君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        林 五津夫君
   説明員
       文部大臣官房政
       策課長      小口 浩一君
       文部省生涯学習
       局婦人教育課長  大野  曜君
       文部省初等中等
       教育局高等学校
       課長       河上 恭雄君
       文部省教育助成
       局施設助成課長  玉井日出夫君
       文部省高等教育
       局医学教育課長  遠藤純一郎君
       文部省体育局学
       校健康教育課長  銭谷 眞美君
       工業技術院総務
       部医療・福祉機
       器技術企画官   大嶋 清治君
       郵政省通信政策
       局情報管理課長  根本 典夫君
       労働大臣官房審
       議官       渡邊  信君
       建設省住宅局住
       宅政策課長    山本繁太郎君
       建設省住宅局民
       間住宅課長    坂田 隆史君
       自治省財政局調
       整室長      北里 敏明君
    ―――――――――――――
 本日の会議に付した案件
○国民生活に関する調査
 (本格的高齢社会への対応に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○会長(鈴木省吾君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十七日、吉岡吉典君及び喜岡淳君が委員を辞任され、その補欠として有働正治君及び大渕絹子君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○会長(鈴木省吾君) 国民生活に関する調査を議題とし、本格的高齢社会への対応に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○竹山裕君 自由民主党の竹山裕でございます。
 我が調査会は、来る二十一世紀を展望した高齢者施策のあり方について調査をしているわけでありまして、既に過去二回にわたって提言なども行ってきております。この数々の提言につきましては実現を見たものも多く、また今日の保健・医療・福祉サービスとして、まだまだ十分とは言えませんが、一定の水準までには充実してきていると理解をしております。
 しかしながら、一方、国民のニーズの多様化、高齢化の進展の中で、介護の問題、費用負担あるいは公私の役割のあり方など検討を要する課題も多いわけでございまして、制度の一層の充実や総合化、体系化などを含めて、高齢化に対応した福祉社会の構築に向けて最終年の調査に真剣に引き続き当たっていきたいと考えているところでございます。
 そこで、まずその前提となります高齢化社会対策の基本理念、あるいは二十一世紀の高齢社会に対応する施策の基本的方向に関連して厚生省にお伺いをいたします。
 市町村の老人保健福祉計画が策定されて、また、ことしの三月末には厚生省から二十一世紀福祉ビジョンが発表されているわけであります。新ゴールドプランの策定に向けて作業も進められておりますが、どうも二十一世紀に向けた福祉社会の姿といいますか負担のあり方などが国民の皆さんにはっきり見えてこないというような声も巷間聞くわけでございます。言い方をかえれば、どういう生活のイメージを持っておればいいのか、またそのためにはどうした備えをしていればいいのか、国や自治体がどこまでそうしたものの面倒を見てくれるのか。私ども地元に帰り町の皆さん方の御意見に触れますと、こういう点での不安、疑問がある、これが日本国内の実情ではないかな、こんな感触を私は持っているわけでございます。こういう点からも、国民の皆さん方の理解を得て今後の施策を実行していく上で、その辺の不安、疑問などに少しでも解明を与えていくというあたりがこれからの取り組みとして極めてキーポイントになるんではないかな、そんな感じを持っております。
 今後の高齢化社会対策の基本理念、あるいは二十一世紀の来るべき高齢社会に対応する施策の基本的方向、公的責任の範囲等について改めでわかりやすく御説明をいただきたい。まずそこから入りたいと思います。
#5
○政府委員(太田義武君) 高齢化社会の基本理念それから施策の基本的方向、あるいは公的責任の範囲等についてというお話かと思います。
 先生御指摘のように、二十一世紀の本格的な少子・高齢社会に対応しました社会保障の全体像あるいは重要施策の基本的な方向等につきましては、先ほどお話のありました本年三月の高齢社会福祉ビジョン懇談会から提出されました二十一世紀福祉ビジョンというものが提言されておるところでございます。
 この二十一世紀福祉ビジョンにおきましては、高齢化が活力に結びつく明るい社会を構築するということを基本理念といたしまして、今後の目指すべき福祉社会像といたしまして、適正給付・適正負担型の我が国独自の福祉社会の実現を図っていくべきだと指摘されておるところでございます。
 また、その中におきましては、自分で自分を助ける自助、あるいはお互いに助け合う共助、あるいは公的な主体が行います公助、こういうものを適切に組み合わせました重層的な地域福祉システムづくりが重要であるというふうに提言されております。特に、公的な部門におきます役割といいますのは、地域のシステムづくり、あるいは必需的なサービスの確保、あるいはインフラの整備、あるいは人材の養成確保等について中心的な役割を果たすべきものとされておりまして、私どももこのような方向に沿った、提言を踏まえた施策の具体化に努めてまいりたいというふうに考えております。
#6
○竹山裕君 高齢社会対策の重要性は、お話しのとおり、もう言われて久しい、今後もまた重要課題でございます。その施策の整備充実について国民の皆さん方の要請も一層強まる中にあって、この要請にこたえていく二十一世紀を迎えること、安心した環境の中でそれが迎えられるという施策の総合的な枠組みを明確にして、国民の皆さん方の合意のもとでまたこれを実施していくことが重要だと思うわけであります。
 中曽根内閣時代に長寿社会対策大綱を閣議決定もしているわけでありますが、その後の経過の中で、豊かな高齢社会の構築、そのための施策の積極的な推進などに関する理念、政策の重要性や基本方針を明確に宣言していくことは必要大ではないかと思うわけでありまして、政府あるいは自治体、そして一方国民の責務も、今自助というお話もありましたが、そういう各観点からそれらの取り組みを明らかにしていくことが必要ではないか。こうした各視点からのその必要性についてはどんなお考えか伺いたいと思います。
#7
○政府委員(太田義武君) 少子・高齢社会に対応しました中でのいろんな施策、国や自治体あるいは国民のそれぞれの役割につきましても、先ほどお話のありました福祉ビジョンの中におきまして、個人の自立を基盤として国民連帯でこれを支えるという自立と相互扶助の精神を具体化していくことが重要であるということが述べられ、また地域を基盤とし、個人や家庭、地域組織・非営利団体、企業、国、地方公共団体などがおのおのの役割を果たす総合的な保健医療福祉システムの確立をしていくことが必要である、こういうふうに述べられております。
 具体的には、国は、基本的な施策の企画立案、これを担当していくべきものと考えておりますし、さらに地方公共団体は、住民に身近なサービスにつきましては、できるだけ市町村を中心といたしまして、そこで一元的、計画的に行われる必要があると思います。さらに、国民としては自立と自己決定あるいは主体的な参加を促進するという考え方が示されておりまして、今後のあり方の基本となるものと考えております。
 なお、社会保障分野におきます公的サービスと自助努力との関係、また国と地方公共団体の関係につきましては、社会保障の各分野ごとに異なっていくものと思われます。今後、先ほどのビジョンの基本理念とか基本的な施策の方向を踏まえまして、新ゴールドプランとかエンゼルプランなどの個々の施策の具体化を行っていく中で明確化していけるものと考えておる次第でございます。
#8
○竹山裕君 高齢者施策は、厚生省のみにとどまらず、前回のこの調査会でも多くの省庁からそれぞれ意見の開陳を得たわけでありますが、政府全体的な総合的な取り組みをしていかなければいけない。ゴールドプランの見直しにおいても、医療、住宅、年金、雇用などを含めた総合的な計画にすべきであるという観点に立って、総合調整的な方向を持って臨まなければいけないんではないかと思うわけであります。現行の各省庁の個別の法案に対して、その上に、理念法的といいますか、そういった法律が必要ではないかと考えるわけでありますが、厚生省としてはこうした法律のあり方についてどんなお考えをお持ちかお聞かせいただければと思います。
#9
○政府委員(阿部正俊君) 高齢者施策につきましては先生御指摘のようなことでございまして、必ずしもいわゆる福祉だけじゃなくて、ほかのサービスと合わせて初めて役に立つという面もあるわけでございますので、そういったふうな多様なニーズに対応していくためには、まさに御指摘のような、特に保健、医療、福祉などの各施策を体系的に形成していくということがぜひ必要だと思っております。
 そんなふうなことから、例えば私どもの方の組織の中の話でございますけれども、今回私どもの肩書も老人保健福祉局というふうなことになっていますけれども、そういったふうなむしろ、従来のサービス網から縦に割ったサービスの提供じゃなくて、できましたら利用者サイドから見たサービスの統合というものを目指したいということでは、先生御指摘のような方向と共通のものではないかと思っております。
 ただ、いわゆる法的に理念法というふうなものをつくることがどういう意味合いがあるのかということまで、率直に申しましてまだ日本のあれとしては熟していないのではないかなと思っておりますので、私どもとしては当面、例えば後でまたお話し申し上げる機会があろうかと思いますけれども、新しくゴールドプランを見直してニューゴールドプランというふうなものを今つくるべく準備しているわけでございますけれども、そういった中でもう少し理念的な、あるいは原理、原則のようなものをできるだけはっきりさせながら、そういう理念に基づいたサービスを構成する中から、国民共通の理念というものを構成していくように努力するのが当面の道ではなかろうか、こんなふうに考えております。
#10
○竹山裕君 ニューゴールドプランの話も出まして、これについて少し伺いたいと思います。
 今回、介護サービスを必要とする人たちだれもが自立に必要なサービスを身近に手に入れることのできる体制を構築することを理念とするという、新ゴールドプランの具体的な施策案を厚生省が提示されましたことを評価いたします。現在、このプラン策定に向けて財政当局としっかりと調整を図っておられると認識をしておりますが、厚生省としてこのプラン策定の取り組みを伺いたい。
 と同時に、前回のゴールドプランは厚生省、大蔵省、自治省合意のところでの計画でありましたが、新ゴールドプランは雇用あるいは住宅の建設などを含んだ対応ということで、これら政府が責任を持ってプランを実行するということからすれば、少なくとも閣議決定としての段階が必要ではないかというふうに考えますが、その点を含めて御意見を伺いたい。
#11
○政府委員(阿部正俊君) ゴールドプランをつくりまして約五年がたっておるわけでございますが、今回ニューゴールドプランということで取り組みましたポイントを前段で少し申し上げたいと思うんですが、三点あろうかなと思っております。
 一つは、ゴールドプランをつくりました後で、各市町村単位にも老人保健福祉計画というものをつくるという法律改正も行っていただきまして、そういう流れになっておりますので、その市町村のあるいは県の老人保健福祉計画というものから積み上げられてくる施策の量、それから方向づけということから見て現行のゴールドプランはどうだろうか。かなり目標水準の上方修正が必要ではないかと思っておりますが、そういう点が第一点。
 それからもう一つは、五年前と比べて新たな施策というのも幾つか追加されてきておりますので、そういったふうなものも取り込んでいきたいということ。
 それからもう一つは、ゴールドプランといいましても、平成十一年度という目標年次を持っておりますけれどもそこで終わるわけじゃございませんで、計画してつくったものは、むしろそれから以降どう役に立つのかということだと思いますので、そういうことを考えますと、量的整備だけではなくて質的な改善というものも入れ込むべきではなかろうかということで、私どもなりにニューゴールドプラン案をつくって与党等と御相談申し上げてきた、こういう経緯でございます。これにつきましては、財源も伴うわけでございますので、そういった財源的な配慮も含めましてもう少し時間をちょうだいして、できるだけ早く新しいゴールドプランの策定というのに何とかこぎつけたいものだというふうに思っております。
 今先生御指摘のニューゴールドプランの形式ということでございますが、御存じのとおり現行のゴールドプランは私どもとそれから財政当局とそれから実施主体との絡みもある自治省さんということで、三省の大臣の合意ということでやってきたわけでございますが、先生御指摘のように少し範囲も広がるということもございますし、その辺のことも含めましてこの形式につきましても、ゴールドプラン全体の策定というふうな検討過程の中で十分念頭に置いて検討してまいりたい、こんなふうに思っております。
#12
○竹山裕君 この福祉サービスについて、先ほどもちょっと巷間に理解が行き届かない面等のことを申し上げたんですけれども、住民によく知らしめていただくための厚生省としての福祉サービス普及のためのPR予算をどの程度計上しておられるのか。あるいは、より一層の理解、認識を深めてもらうために対応していってもらいたいなという強い希望を持っております。
 また、いろいろこれは言われて多きことでございますが、片仮名呼び名の活用ということで、もっともこれにはいろいろな採用関係あるいは働く立場の方々のことを考えておやりになっているとは思うんですが、この辺のこと。ショートステイ、デイサービス、デイケア、ケアハウスと、まあまあ私どもは特にここの調査会におりますから大変理解は進んでいる方のグループでございますが、その辺の考え方。あるいは老人福祉法という「老人」という呼び名。これもこの前、アイデア市長で名高い出雲の岩國市長のところは、老人会と言わないで慶人会と書くというようなアイデアも聞かされましたが、こうした呼称あるいは組織名を含めまして、PRということについてちょっと伺いたいと思います。
#13
○政府委員(阿部正俊君) 私どもも、具体的にサービスを受けられる方にわからない言葉では仕方がないわけでございまして、できるだけなじみやすい言葉でというふうに努力しているつもりでございます。ただ、率直に申しまして、これは福祉だけでなくて、日本語のいわば造語能力というものがいろんな場面でやはり大変今弱くなっているのかなということで、一生懸命頭はひねるんですけれどもなかなか適切な名前というのは、例えばヘルパーさんにしましてもデイサービスにしましてもショートステイとかというのは、ぴたっとしたものがなかなか生み出せないで悩んでいるというのが率直なところでございます。ただ、できるだけ利用される方にわかりやすいようにということで、少し熟語にはなっておりませんが、言いかえへの努力はしているつもりでございます。
 例えば、いろいろなパンフレット等について県なんかへの通知の場面で、パンフレットをつくるときには例えばこんなふうな言いかえはどうだろうかという提案をしている表現を二、三紹介いたしますと、ホームヘルパーにつきましては訪問し介護を行う人、あるいはショートステイについては特別養護老人ホーム等に短期滞在する事業とかということになっておりますし、きょうここにたまたま持ってまいったんですが、それぞれの第一線になりますとその辺の工夫もそれなりにしておりまして、例えばヘルパーにつきまして、これはある町のものでございますけれども、身の回りの世話をしてほしい方にはほほえみさんの訪問、こんなふうな表現がございます。これはヘルパーさんのことでございます。それから、こういったふうな在宅サービスについてのパンフレット等も最近市町村で大分展開するようになっておりますけれども、これについては、例えばデイサービスについては、センターで楽しく入浴や生活訓練をお世話しますというふうな表現でデイサービスと書いてあるわけであります。
 そういうようなことで、言いかえといいましょうか、できるだけサービスの中身を示すような表現で紹介する形でできるだけ努力をしていきたいなと思っております。
 また、老人という呼び方でございますが、これについては私どももさまざまな意見が出ているということを承知しておりますけれども、現在なお老人という表現あるいはお年寄りという表現が今の段階ではやはり一般的かなと思っておりますし、この辺については、法律的にとか行政的にというだけではなくて、広い意味での世論の動向ということも十分頭に置いて検討していかなきゃいかぬテーマではなかろうか、こんなふうに思っております。
#14
○竹山裕君 ちょっと視点を変えてみまして、この高齢者対策のテーマを国際貢献として我が国の貴重な体験を生かせないか。
 もちろん、高齢者対策の先進国はスウェーデン、デンマーク、イギリスとヨーロッパにその先陣があって、我々もそこから多くを学んできているわけでありますが、日本国の場合は特に言われるかつて先進国に例を見ないようなハイスピードでの高齢化なわけでございます。こうしたかつて人類が経験したことのないというその体験を、国際的な意味でも貴重な体験でもありますし、日本国のそれらのノウハウを、特にこれから隣国の中国、韓国を初めアジアの諸国は同じような形態で高齢化が進んでいくのではないか。そういう方面で貴重な経験を生かした国際協力なんというようなことはお考えがあるのか、あるいは実際にはそんなことで働きをしかけているのかどうか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#15
○政府委員(太田義武君) 私ども、日本の経験をいろんな国々、特にアジアの国々にノウハウといいますか経験をお伝えするということは大変重要だというふうに考えておりまして、高齢化対策という点でも若干行ってきております。
 特に、社会福祉の分野では昭和五十八年度から、そして社会保険関係は年金等関係ございますので平成三年度から、いわゆるアジアの諸国の方々の社会保険とか社会福祉に携わっている行政官をお招きいたしまして我が国で研修事業を実施しております。
 先生今お話しありました、その中には韓国の方とかあるいは中国の方も入っておられまして、それぞれ事業としては社会福祉関係ではことし十二回目になりますし社会保険関係では四回ほどになっておりますが、こういうことで、私どもこういうことについての情報をこれらの国々に提供していくということはやはり大変重要だと思っておりますので、今後とも積極的に取り組みたいと思います。
 ただ、発展途上国との関係だけでなくて、やはり同じように高齢化の問題を共通に抱えております先進諸国、この先進諸国との間でもやはり政策情報の交換というのは大変大事でございまして、例えばOECDにおいて高齢化関連プロジェクトというのがございますが、こういうところに私ども日本も積極的に取り組んでおりますし、またアメリカとの間でも高齢化に関する日米合同委員会。というのも設けられておりますので、こういう場でいろんな議論がなされております。
 こういう議論の成果がまたこういう発展途上国への情報の提供というふうにもつながってまいりますので、そういう意味で今後ともこの面での国際貢献というのも私どもは積極的に伝えたい、そういうふうに考えております。
#16
○竹山裕君 過般、当調査会で山陰地方に委員派遣で実情を調査してきたわけでありますが、そのときにいろいろお話が出ました。我が調査会でももちろん検討をしていかなければならない点が幾つかあろうかと思いますが、その中から三つばかり続けて質問させていただきますので、お答えをお願いいたします。
 一つは、これはもう地方財政に大いに関係する問題でありますが、高齢化問題について市町村への期待と役割というのはますます増大していくわけでありまして、地域の実情を拝見しておりますと高齢化の程度は、特に山陰地方はそれが進んでいるということで伺ったわけであります。生活環境や家族の状況に相当地域的な隔たりといいますか格差が見られておりまして、高齢者施策の推進に当たっては、地域の自主性あるいは主体性を尊重して、市町村の住民あるいは利用者中心のサービスが提供できるような財政措置をしていかなければならないということを強く感じたわけであります。老人保健福祉計画の実効を確保するための適切な財政措置が欠かせない。この点についてのお考えをお聞かせいただきたい。
 それから、回っていった中で、小規模の老人ホームは大変アドホームな感じでいい雰囲気だなという感触を持ったのは私一人ではないと思うわけであります。そうした高齢者の生活の質を考えた一つの老人ホームのあり方ではないかと思います。現在の特養老人ホームの施設では定員規模が過疎地では三十名以上、一般的には五十名以上ということで、効率的な運営を考えればそうした規模の定めというのはやむを得ないかと思うわけでありますが、一方、福祉というのは効率性、経済性ばかりでとらえることはいかがか。そういう意味で、ボランティアで実際に活動してくれる人材あるいは家族との関係などを入れた、あえて効率性だけを追わない面での対応も考えていっていただいて公的な支援ができれば、大変ああした善意の集まりのような雰囲気の中でよりいい老人ホームのあり方ができるのではないかな、こんな点を伺っていきたい。
 それから、訪問看護の利用回数の制限でございますが、平成四年度から訪問看護ステーションの設置が進められてきて大変需要も高いわけでありまして、家族の場合は医療面での不安もございまして高齢者を病院に入院させたり中間施設に入所させるということが多いわけであります。これは高齢者御本人はもとより、家族の人も必ずしも大意でない面があるわけでありまして、そういう意味で、今の週三回保険請求の対象ということではいかにも十分でない。それ以上は一回当たり五字円という負担になるわけでありますので、この初の訪問看護、必要なときにあるいは症状に応じて利用回数の制限の緩和というようなことも考えていってはいかがか。
 以上、三点についてお伺いいたします。それで終わります。
#17
○政府委員(阿部正俊君) 簡単にお答え申し上げておきますが、市町村への財源措置の問題につきましてでございますが、六年度予算におきましては五千億を初めて超えましたが、来年度予算要求においては五千六百億余を要求しているところでございます。
 さらに、少し先の見通しといいましょうか先の考え方としては、まさにゴールドプランを財源措置も入れた上でもう一度見直しをして財源的な確保を図るようにしていきたい、このためにもニューゴールドプランというものをできるだけ早くつくるように関係当局等とも協議していきたい、こんなふうに思っております。
 それから第二点目でございますが、いわゆる小規模特養ということに関するお尋ねでございますが、まさにこういったそれぞれの地域の実情に応じた形というものをつくり上げていくということは大事なことだと思っておりまして、そのための一つの手法として三十人定員あたりまで下げた小規模特別養護老人ホームというのを山村、過疎地域だとかあるいは離島というあたりを中心にやっておるわけでございますが、現在までのところ約百カ所程度になってきております。こういった形をよりもっと普及させていくように努めたいというふうに考えております。
 それから、三点目の訪問看護についての利用回数制限の緩和の点でございますけれども、これについても私どももできるだけ病状なりあるいは患者さんの状態に合った形にしていきたいというふうに願っておりますが、一面これはある程度全国的な保険制度の財源を前提にしてやっておりますものですから、かなり画一的にならざるを得ない面も御理解賜らなきゃいかぬのではなかろうかと思っております。
 ただ、御指摘にもございましたけれども、末期の悪性腫瘍の場合のお年寄りのケースということについては特段の制限をしておりませんし、それから神経難病あるいは筋ジスの症状の方とか脊髄損傷の方とか人工呼吸器を使っておられる患者さんとかということにつきましては三回まで、従来の二回を三回に緩和するということでやっておりますので、この辺につきましてはこれからも利用実態を十分頭に置いて適切に対処していくようにしたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#18
○加藤紀文君 自民党の加藤紀文でございます。
 まず最初に、本調査会の中間報告に対するフォローアップということで、提言に対し具体的な推進計画を取りまとめてこられました関係省庁の皆様方の御労苦に対し、敬意を表するものであります。
 ことしの初めに旧連立政権の細川総理が唐突に国民福祉的なものということで消費税七%案を発表されましたが、このことがよいこととか悪いこととかいう議論はさておいて、高齢者福祉ビジョンや二十一世紀に向けての社会保障はどうなるかといったことへの国民の関心を改めて引き起こしたことは大きな一石を投じたのではないかと思っておるわけであります。特に、国民に消費税率の引き上げを求める前に将来の福祉の姿と負担の水準の具体的数字を示すべきだという声が大きく、マスコミもこぞって社会保障負担の試算を取り上げていたことは記憶に新しいところであります。
 年々ふえ続ける国の社会保障給付や保健、医療、介護、福祉のさまざまな体制が整備されることの反面、それを享受する国民の側の経済的負拍も同時にふえていくわけであります。高齢者人口がピークに達する二〇二五年には一言八十兆円の社会保障給付が不可避であり、二〇一〇年には国民の経済的負担は二十兆円になるかもしれないといったような数字がずっと続いていたわけでございますが、正直なところこんな数字になるのかなとため息とともに眺めていたような気がするわけであります。
 保健や医療、介護、福祉の体制をいかに効率のよいシステムにしていくか、国がサービスを受ける国民の負担をどのように削減していくか、社会的コストを互いに安くするかということを本当に真剣にこれから考えていかなければならないと思っているわけであります。
 私は、以前に予算委員会で同様の質問を当時の大内厚生大臣にさせていただきましたが、マルチメディアの技術を保健や医療、福祉のサービス利用向上に役立てたいと明快な御答弁をいただいた経緯がございます。
 厚生省にお伺いいたしたいと思いますが、マルチメディア技術を使ったトライアルに積極的に取り組む方針はございますのでしょうかどうか。もしあるのでしたら具体的な例を示していただきたいと思います。例えば兵庫県の五色町とか出雲市等の一部の自治体で試行している高齢者健康管理システムのように、市民にICカードを発行して市民の健康データをセンターコンピューターで管理している例があるわけでありますが、このようなデータの全国標準化とかフォーマット化は厚生省として考えておられるのかどうか、あわせてお答えいただきたいと思います。
#19
○政府委員(太田義武君) 今後の保健、医療、福祉の分野でのそういうコンピューターとか通信ネットワークシステムの利用というものは大変重要なことだと我々認識しております。特に、一つはサービスの質そのものを上げるということとサービスの効率化を図る、そしてまた先生おっしゃられたようなそういうコスト的にもどうかという観点は大変重要なポイントだろうと思っております。
 厚生省では、この五月に省内に情報化推進連絡本部というものを設置いたしまして、そこで来年度にかけまして長期ビジョンというのを策定したいと考えておりまして、保健、医療、福祉サービスの分野における情報化に積極的に取り組んでいきたいというふうに基本的には思っております。
 今御指摘の具体的な例ということで五色町のお話がございましたが、IC回路を活用いたしまして住民一人一人にそのカードを配って疾病の既往歴とか投薬歴、健診情報の記録あるいはそれの蓄積等によりまして健康管理とか診断治療の支援に役立っておると思いますが、これにつきましても、結果として健康につきまして住民の意識が啓発されるという点と同時に、むだな検査とか投薬等を防止することができましたり、医療費の節約という点も効果が期待できるであろうというふうに考えております。
 そのほかに厚生省でいろいろと考えております項目として大変たくさんのものがございます。ちょっと時間の関係で省略させていただきますけれども、一つは、サービスの利用を促進するという観点からどういう情報システムがあるのか。二番目として、サービスを高度化させるためにはどういうものがあるか。例えばがんの診療総合支援システムとか、先ほどの保健医療カードシステムもそうでございます。あるいは医用画像の電信、保存の問題、在宅医療支援システムとかいろいろ。と分野がございます。あるいはサービスの提供の効率化という観点からも医療機関のインテリジェント化とか、ちょっと医療とは離れますが社会保険のオンライン化とか、そういういろんな分野がございます。
 今先生が最後に御指摘になりました、これを進めていくためのいろんな課題というのがございます。例えば高度化とか標準化とかそういうものもございますし、あるいは規制がどういうふうに関係しているのか、そういう点もよくこの本部で勉強しながら、来年の夏に向けてのビジョンの作成に取り組んでいきたいというふうに思っております。
#20
○加藤紀文君 次に、郵政省にお尋ねしますが、郵政省でもいろいろ高齢化社会に向けて研究されておると聞いております。先ほど申し上げましたように、高齢化社会を迎えて国の負担やまた国民の負担をいかに軽減するか。今、ここらに対しての方策を、情報通信とかマルチメディアを利用すればかなり削減できると思うんですけれども、そういった施策も研究されておると聞いておりますが、それをちょっと教えていただければありがたいと思います。
#21
○説明員(根本典夫君) お答え申し上げます。
 郵政省では、高度情報通信社会の推進を進めておるわけですが、それは同時に高齢化社会でもあるということで、高齢化社会への取り組みというのが大変重要かつ喫緊の課題と考えておりまして、その関係で各種の研究も行っております。
 その一環としまして、例えばテレビ電話、今ではもう一般の御家庭にある電話機と同じサイズでカラーの動画像を送れる機器が開発され市販されておりますが、そのテレビ電話を病院と患者の御自宅に置きまして結んで、病院を退院された患者さんのリハビリテーションの状況あるいは健康状態の推移、そういうものをテレビ電話を通じて情報のやりとりをしている。そういう実験を厚生省と連携いたしまして進めております。
 先生御案内のとおり、情報通信というのは時間と空間、その克服を図る道具でございまして、テレビ電話を使った遠隔健康相談システムにおきましても、例えば週一回、月四回、往診なり患者さんが病院に行くことが必要な場合でも、それを一回ぐらいで済ませて、残り三回分はテレビ電話を使ったやりとりで済ませるようになるということも症例によってはかなり有効と考えられます。そうしますと、往診なり通院にかかる時間やエネルギーのコストの低減にもなりますし、あるいは通院にかなり長期間、長時間を要する患者さんの場合には通院すること自体で健康上の問題が生じる、そういうリスクを回避することができるという意味で社会的コストの低減というものにもつながっていくものと考えております。
 これは情報通信なりマルチメディアを使ったコスト低減の一例でございますけれども、いろんな使い方をすることによりまして高齢化社会における社会全体での負担の軽減につながっていくものと考えておりまして、郵政省としてもそういう方向で検討をさらに進めてまいりたいと考えております。
#22
○加藤紀文君 ありがとうございました。
 郵政省とか厚生省とか建設省とかいろいろな省でそれなりのお仕事も当然ありましょうが、高齢化社会に向けてのせっかくすばらしい技術があるわけですから、関係省庁よく連携をとってこれから進めていただきたいと思います。
 今のお話にありましたようにある程度のコスト軽減とかいろんな活用ができるようではありますが、これからの負担を軽減する一番大きなことというのは、皆様方の方策どおりやっていけばできましょうけれども、やはり介護を要する高齢者の方が減ることが一番じゃなかろうか。そのためには、高齢者が元気に暮らしていただく方策を考えるのが第一であって、高齢者の社会活動や余暇活動を充実させるプライマリーケアを徹底させる教育をするとか、高齢者の就業機会を広げるとか、高齢者の自立を支援する等の絶対に必要な施策に対しては思い切った予算措置も必要ではなかろうかなと思っているわけであります。
 先ほど竹山先生から新ゴールドプランについてお尋ねがありました。重ねてお尋ねする気はなかったわけでございますが、先日の衆議院の税制改革特別委員会で、来年度から三カ年で約七千億必要と言われている新ゴールドプランに対して、五%の消費税率では財政需要にはたえられないという発言があったようでございますが、この発言に対して厚生省はどのようにお考えになっているかお尋ねしたいと思います。
#23
○政府委員(阿部正俊君) ゴールドプランとそれからニューゴールドプランといいましょうか、それと今回の税制改正での財源的な対応関係の御説明という形になりますけれども、私どもが現在案として持っておりますニューゴールドプランは、平成七年度から五年間で、平成十一年度までの間にどれだけのことをやるのかというふうな計画案になっておるわけでございますけれども、これによりますと五年間で総事業費ベースで大体三・七兆円ぐらいの額というふうに想定してございます。さらに、初年度は約七千億円ぐらいの事業費、こんなふうな数値の構成になっておるわけでございます。
 一方、今回の税制改革に当たりまして与党でいろんな角度から御議論が行われたわけでございますけれども、その結果といたしまして、高齢社会に向けた当面緊急を要する施策というふうなことで、特に老人介護等を念頭に置きましてそれなりの財源措置がなされたわけでございますが、これによりますと九年度以降、消費税というのは九年度からということでございますので、九年度以降は三千億円という形になっております。ただ、それに至る七年度、八年度にも緊急の施策をする必要があるだろうということで、それぞれ七年度につきましては一千億、それから八年度につきましては二千億というふうな一つの財源的な枠というものが設定されたということになったところでございます。
 率直に申しまして、先ほど一番最初に申し上げましたニューゴールドプランの額との間には金額的な差異がございますので、これはそれで事足れりというわけにもいかぬのだろうと思いますが、私どもとしては今回の税制改革でとられました財源措置というのが大きな足がかりになると思っておりますので、こういったものを足がかりにしながら、財政当局等と協議を進めまして財源確保にさらに努力をしていきたいものだ、こんなふうに考えております。
#24
○加藤紀文君 大変だと思いますが、頑張っていただかなきゃならないわけであります。
 次に、ことしの三月に厚生省が発表しました二十一世紀福祉ビジョンによりますと、社会保障給付における年金、医療、福祉の比率が従来の五対四対一から五対三対二へ転換するとのことであります。従来比重の少なかった福祉の分野を充実させていくことは大変望ましい方向だと思いますが、しかし、殊にこれからますます比重が高まっていかざるを得ない高齢者介護サービスの財源をどのように賄っていくのか、いろいろ考え方があるようでありますが、厚生省としてはどの方向でやっていきたいのか教えていただきたいと思います。
#25
○政府委員(阿部正俊君) 先生のお尋ねは、より長期的に見た場合ということの、特に介護関係についての方向づけということだと思いますけれども、私は、これは今の仕組みの上で考える場合と、より先々どんなふうなことが考えられるかというのと二つに分けてお考えいただくしかないんじゃないかなと思います。現在の介護関係につきましては、医療保険というふうな枠の上に立ったいわば実質的な介護部分というような面と、それから狭い意味での福祉サービスということで位置づけられた制度面で行われる介護部分、二つあるのかなと思います。
 それで医療の側面、具体的には老人医療保健というふうな枠の中で行われる、例えば老人保健施設とか訪問看護ステーションというふうなものがそこで賄われておるわけでございますが、その財源構成は公費とそれから保険料財源ということになっていますし、それから狭い意味での福祉サービスというふうな仕組みの中で行われている介護というものにつきましては、公費と利用者の利用料の支払いという二つで構成されておるというふうな状況でございます。
 ただ、非常に長期的に考えると、せんだって社会保障制度審議会等からも御指摘がございましたけれども、制度審議会の意見書では介護保険という表現になっておりましたけれども、これは何も具体的なものが決まっているわけではございませんので、その辺のより長期的な視点で考えたときにどういう負担構成で考えたらいいのかというようなさまざまな議論がこれから展開されることになるのではなかろうかということぐらいしか今の段階ではちょっと申し上げかねるわけでございます。
#26
○加藤紀文君 わかりました。
 それでは次に、日本看護協会の保健婦活動調査によりますと、保健婦の多い市町村では在宅医療を支える保健サービスが充実しているということが報告されております。
 実際に保健婦の皆様方は医療と福祉のつなぎの役割を果たされており、保健・福祉・医療ニーズのある住民の家庭を訪問して健康相談に応じたり、家族の看護者のケア計画や介護方法をアドバイスしたり、ホームヘルプやデイサービスといった福祉サービスを利用できるよう助けておられるわけでありますが、保健婦だけでなくソーシャルワーカーとしての役割をも果たしていると私は思うわけであります。
 看護協会は人口三千人に対して最低二人は必要であると要望しておりますが、要望を満たしている市町村はわずかに二一%で、保健婦がいない、あるいは一人という市町村が五百六カ所もあるとのことであります。厚生省はこのことをどのようにお考えでありましょうか。また、各自治体に保健婦の確保についてどのような指導をされているのか、あわせて教えていただきたいと思います。
#27
○政府委員(寺松尚君) 今の先生の御質問でございますが、保健婦の確保につきましては、ゴールドプランの見直しや地域保健対策の総合的な推進を図るために重要な課題だ、こう認識いたしておるわけでございます。このために、私ども関係省庁とも十分協議の上で、各市町村に保健婦を配置するために必要な地方財政措置を講ずることといたしております。さらに、先般の国会におきまして地域保健法が成立いたしましたが、それによりまして、小規模町村の人材確保についても国や都道府県の支援制度を創設したところでございます。
 そのようなことで、各市町村におきます保健婦の配置につきましては十分対応できるように、今の考えでは二〇〇〇年に現在の市町村の保健婦のほぼ倍という数を確保いたしたいということで施策を進めておるところでございます。
 今、人口別にもいろいろな数字を先生御指摘になりました。私どもも研究班をつくりまして、人口に対しましてどの程度の保健婦が要るかというふうなことにつきましては既に研究班の報告としてお示ししてございまして、地方財政措置の中身等も十分お考えの上で市町村が対応していただきたい、このように考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今保健婦が一人もいないという小さな町村で財政力の弱いところが七十三カ所ばかりございます。そのようなことでございますので、保健婦、あるいは複数の設置というようなことをできるだけ早く指導してまいりたい、このように考えているわけでございます。
#28
○加藤紀文君 ありがとうございました。
 最後に、質問というよりもお願いに近いものがありますが、よく、高齢者御自身やその家族が介護の相談に行く窓口の対応がばらばらで困っているんだ、最寄りの役所や役場、保健所、福祉センターのどこに行くかで援助のされ方が異なってしまう、望んでいる介護が受けられないとの苦情がありますが、保健、医療、福祉の各分野が一人の高齢者にばらばらに対応すれば当然サービスにむらやむだが生じるわけでありますから、介護の専門家を配置して自治体の窓口を一本化し、さらにサービスのデータ化やネットワーク化まで踏み込んだ御指導をいただくことをお願い申し上げまして、最後の質問とさせていただきます。
#29
○政府委員(阿部正俊君) 御指摘の点につきまして、私どもなりの一つの回答ということとして想定していますのは、在宅介護支援センター、これは中学校区に一カ所程度は必要だろうということで将来一万カ所という想定でやっておりますけれども、これが要するに窓口一本化ということでの一つの対応の柱になるのではないかと思っております。
 現在、まだ数千カ所でございますので必ずしも全国に行き渡っているという状況ではございませんが、この整備をできるだけ早く急ぎまして、そういう市民生活になじんだ形にならないとなかなか一本化という実感が出ないものですから、早く数を相当程度ふやすということ、それからもう一つは、窓口を開いても、特に在宅につきましては具体的に提供できるサービスがなければそこで終わっちゃうということになるものですから、やはり在宅サービスの量的、質的な体制というのを一日も早く強化していくということが両々相まって市民になじんでいくのではないかなと思っております。在宅介護支援センターというのを一つの有力な窓口というふうに考えてこれからも整備に努力してまいりたい、こんなふうに思っております。
#30
○加藤紀文君 ありがとうございました。
#31
○栗原君子君 社会党の粟原でございます。
 まず私は、本格的高齢化社会に対応して各省庁そして関係者の皆さんが大変積極的に取り組んでくださることに対して敬意を表したいと存じます。
 そこで私は、先般、各省庁からお伺いいたしましたことについて、二、三気づいたこと、また大変疑問に思っていることもありますので、質問をさせていただきたいと存じます。
 まず最初に、子育て支援のためのエンゼルプランのことについてでございます。
 一九九四年、ことしは国連が定めた国際家族年でございまして、「家族から始まる小さなデモクラシーし。核家族化が進み、抱える問題も大変多様化しているものと思います。エンゼルプランは働く母親を支援し、これからこれを充実することによって、今少子化傾向が大変強まってきておりますけれども、こういったことに対しても私は幾らかの歯どめもかかってくる問題である、このように思っております。
 そこで、保育対策の中で低年齢児、三歳未満児の受け入れ枠の拡大のことでございます。平成六年、四十万人でございますけれども、これを十年には八十万人にするということから見ましても、ゼロ歳児保育の拡大ということが大変今急がれている問題でもあろうかと思います。また、時間延長の保育とか、これらのことについても幾つかの問題があることも出てまいりました。
 延長保育は、同じくそこに働く母親でもあります保母の確保が大変また難しい問題ではなかろうかと思っております。そしてまた、時間延長保育が子供の側から見てどのようになるものか、働き過ぎをこのことは助長することになるのではなかろうか、こんな疑問もあるわけでございます。こういったことについてどのようにお考えでいらっしゃるのか、一言触れていただきたいと存じます。
 それから、放課後の児童対策でございますけれども、小学校の低学年の子供たちを対象にした学童保育クラブにつきまして、現在約四千五百あるわけでございますが、これを来年度は五千二百にふやすという計画をお持ちのようでございます。そしてまた、これを将来的には一万五千カ所にするという計画もございますけれども、ここで、小学校の空き教室が今大変各地で多くなってきているわけでございまして、この空き教室を利用しての学童保育というものにつきましてどのようにお考えでいらっしゃるのか、お伺いさせてください。
#32
○政府委員(佐々木典夫君) 二点ございますが、最初に保育対策の関係について御説明をさせていただきます。
 今お話もございましたとおりで、文字どおり女性の社会進出だとか、あるいは就労形態がいろいろ多様化しているという中で、乳児保育あるいは時間を延長した保育といったような需要が非常にふえておりますことは間違いないことでございます。
 そこで、私どもとしましては、いわば仕事を持ち、子育でもあわせてやっていくというのが現実に大事でございますので、子育てと仕事とが両立できるような支援の方策というものについて推進充実を図っていく必要があるというふうなことでございまして、これはこれからの児童家庭行政の中でも大きな課題の一つというふうに受けとめておるところでございます。
 それで、特に低年齢児の保育についてのお尋ねでございますが、総体で申しますると今百六十万人ぐらいの幼児が保育所を利用しているわけでございますけれども、比較的年齢の高い三歳・四歳・五歳児あたりになりますと定員に余裕がございまするが、一方、乳児、ゼロ歳児、一歳・二歳児あたりにつきましては、どちらかというと、希望はしておりながら必ずしも思うように利用ができないというのが率直な実情でございます。
 そういった意味合いから、年齢の低い児童を対象とした保育対策の充実というのが当面急がれるということでございまして、先ほど先生の方からもお話がございましたが、我々としましては三歳未満児、低年齢児四十万のところをもう少し精力的に拡充を図りたい、こんな気持ちでございます。
 そして、特にその中で乳児の関係につきましては、御案内のとおり労働省の方で非常に育児休業制度に一生懸命取り組んでいただいております。私どもとしましては、育児休業の普及活用と相まって、一方、保育サービスがどうしても必要な家庭についてはこれに対応できるようにするというふうな考え方のもとに必要な体制の充実整備を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
 具体的にはそういうことでございますが、例えば今年度でございますると、乳児保育の実施箇所数は、現在六千九百八十四カ所ということでございますが、これを六百六十一カ所ふやすということで七千六百四十五カ所にするといったようないわば対象箇所数の増のほかに、小人数の乳児を継続的に保育している場合につきましては、基本的に三対一の対応が必要になりますので手厚い保母の体制が要るわけでございますが、そういったところにも補助ができるような仕組みを今年度講じたところでございます。
 さらに、延長保育につきましても、これはいろいろな組み合わせで決まってまいりますけれども、実情に応じて二時間延長あるいは四時間延長できるようなケース、中には六時間まで必要があってやれるところについては所要の補助の対象とするといったような予算措置を今年度講じているところでございます。
 いずれにいたしましても、私どもとしましては必要な保育需要、これはやはり全体の女性の社会進出あるいは職場進出、家庭の変化等を踏んまえまして必要な手を打っていく必要があるというふうに考えておりますので、重点的に取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございます。
 それからもう一つの放課後児童対策につきましてのお尋ねでございますが、いわば保育所のOBというか、保育所を終わって学齢期に入っていった子供さんの問題でございます。基本的にはやはり同じような諸情勢から、放課後から夕方までの時間帯の子供さんの遊び等への対応ということが必要というふうに考えてございまして、そういう意味での放課後児童対策事業ということで必要な施策を講じているところでございます。
 私どもとしましては、現状で申しますると、この放課後児童対策につきましては、先ほども御紹介がございました今年度予算では四千五百二十カ所ということでございますが、例えば教室の活用というようなことがございましたが、実際に行われております場所を見てみますと、放課後校庭内なりに専用の部屋を設けているケースがありますが、お話のありました教室のあいたものを使っているというのは、平成三年の調査によりますと一千八十二カ所、全体の一八%ほどございます。あとは児童館でありまするとかあるいは団地の集会所なんかを使っているのも中にはあるようでございますが、その他公民館等の公的な施設を活用するケース等もございますようです。
 私どもとしましては、基本的にこの放課後児童対策事業につきましては、もちろん学校の空き教室も活用できまするところはそれも活用し、あるいは児童館なりその他の公的施設なり、端的に住民に身近な施設を活用するということによりまして、現実に都市部を中心にこの需要がございますので、対象箇所数をここのところしばらくは精力的にふやしていく努力をするといったようなことを中心にしまして、この対策の推進を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#33
○栗原君子君 今お伺いいたしましたけれども、昨日も担当者の方が来てくださいまして伺いますと、厚生省と文部省と連絡をとり合って空き教室の利用ができるように今いろいろやっているということをおっしゃっています。しかし、末端の自治体でどうなっているかということを御存じなのかどうか、私はこのことに大変疑問を持ったわけでございます。
 私も長年、地方議会の中でこの問題にも取り組んでまいりました。そして、けさ、ある町長さんにも電話をいたしまして、どのような状況であるか聞きました。そういたしますと、空き教室があるのだからあれを利用させてくれればいいじゃないかというのは、地域の住民の大変な願いでございます。そしてまた、都市化したところでは校門外に施設をつくろうと思えば、まず用地がない、そしてまた財政的にも大変窮屈である、こういったことがあるわけでございまして、空き教室の利用を望んでいるところは多いわけでございます。
 そこで、自治体に入ってみますと、教育委員会の管轄と、そして何といいますか、厚生委員会の管轄というのが違うわけでございまして、なかなか学校の空き教室を貸してくれないわけでございます。小学生の低学年は早く授業が終わるから、学童保育で空き教室に入りますと高学年の授業に差しさわりがある、廊下などを走り回って授業ができない、こういったことを言う教師もいるわけでございます。そして、ある校長先生は、もし何か事故でもあったら学校の責任を問われるから、とにかく頼むから校門の外にそんなものはつくってくれと、こういう状況でございます。
 こういった中で、厚生省の方が一生懸命文部省の方と机の上で議論をしておられるということを聞きまして、末端の自治体ではそうなっていないんだということをここで私は申し上げ、このことについて一言お伺いをしたいと思うんです。これは机上だけのプランでは進まないということなんです。
#34
○政府委員(佐々木典夫君) 放課後児童対策の中で特に教育行政分野との連携のお話がございました。今、教育サイドあるいは教育委員会サイドでの責任問題といったようなことから必ずしも積極的ではない面もあるのではないかというお話でございましたが、まさにこれはそれぞれの地域事情でいろいろであるなというふうに私も受けとめております。
 私も、私の住んでいる地元等については直接拝見してみましたけれども、基本的に小学校区ごとに全部づくっておる地域でございますが、教室が利用できるところについては基本的に教室を利用するということで、教育委員会の方と民生主管部局の方とでかなりいい話し合いがあり、この事業につきましては厚生省の方から補助金が参るわけでございますが、当該自治体の窓口としては教育委員会がやっているというようなところもございます。
 私どもとしましては、先ほども御答弁申しましたけれども、この放課後児童対策の場所、どんな施設でやるかということにつきましては、基本的にそれぞれ地域事情もございますので、極力学校施設が利用できるものはさせていただき、あるいは児童館等が整っているところはそこでやるところもございますし、その他の公的施設を使ってうまく対応している地域もございます。それぞれ地域事情がございますと思いますが、最も地域に身近な施設を活用することによって、それぞれの地域事情に応じて適切な対応をしていっていただきたいなというふうに思っておるところでございます。
 私ども、この問題に限らず、いろんな機会がございますので、必要に応じて教育行政当局とは引き続き必要な連携をとってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#35
○栗原君子君 よろしくお願いいたします。
 次に、ゴールドプランの関係につきましてお伺いをしたいと思います。
 在宅サービスが充実するようにさまざまな努力をしていただいていることは十分承知をいたしておりますが、その中で、ホームヘルパーを将来的には二十万人にする、こういう計画でございます。このホームヘルプサービスにつきましては、二十四時間対応のヘルパーの普及、また二十四時間巡回型の介護サービスを積極的に推進してほしいと思うわけでございます。あわせて、在宅介護支援センター、これを一万カ所という数字まで出していただいております。老人訪問看護ステーションも五千カ所の施設整備、これらをまた一層充実していただきたい、このように思うわけでございます。
 そして、私は一つには、またここで特別養護老人ホームのことについてお伺いをしたいと思います。
 先ほど竹山先生からもこの点の御指摘があったわけでございますが、今、国内で進んでいるところもあるわけでございますけれども、必ずしもそうではありませんで、施設を回ってみますとまるで収容所のような状況のホームもあると思うわけでございます。ここで、これから求める人に対しては個室化を進めるべきであろうと思うんです。もちろん、一人で住まいをする、一人で寝起きをするのは嫌だと言う方もあるかもしれませんが、そういった人は何人かで一つのお部屋にお入りいただいていいわけでございますけれども、聞くところによりますと、かなりの人たちが個室化を望んでいらっしゃるわけでございます。
 そこで、個室化をするための特別養護の設置基準のことでございますが、これが現在五十床になっておりますけれども、何とかこの設置基準を下げていただくことはできないものであろうかと思うんです。三十床なり二十床なりにしていただくことはできないものかと思うんです。
 と申しますのは、過疎地とか離島につきましては、五十人集まってもらうということは大変困難なことはよくわかるわけでございまして、三十床でスタートしておられるところもあるということを伺いまして、いいわけでございますが、都市部につきまして、まず土地がないわけでございます。そういったところでつくるということは大変難しいわけでございます。それとまた、高齢者の人たちはやっぱり地域の住みなれたところにいたいという気持ちをお持ちの方も多いわけでございます。そうすれば、当然、私は、都市部でもこういった特養のホームをつくってもらう必要があると思うわけでございまして、この設置基準の見直しについてもう一度考えていただくことはできないものかどうか、お伺いをいたします。
 それともう一つは、痴呆性老人の方のケアの充実についてお伺いをいたします。
 私は痴呆性の老人の方を介護していらっしゃる何人かの主婦の方も存じておりますけれども、もう地獄だということも聞くわけでございます。そういった意味で、これからふえるわけでございますから、痴呆性のお年寄りについてのケアというのがもう少し何とか政治の中でできるようにお願いをしたいと思うわけでございます。
 最近伺った話でございますが、グループホームというのが今大変見直されておりまして、知的障害者の人たちのグループホームのことは厚生省でも予算化がなされて、今取り組みがされているわけでございますが、痴呆性老人の人たちについてもやっておられるところがあるようでございまして、大変効果が上がっていると伺っております。このことについて厚生省ではどのようにお考えであるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
 それともう一つは、介護保険のことについてでありますけれども、「社会保障制度審議会社会保障将来像委員会第二次報告」という大変長い、報告書なるものが出ておりますけれども、これは介護保障の確立の一つとして介護保険構想の考え方というものも示されているようでございます。このことについてどのようにお考えでいらっしゃるのか、お伺いをいたしたいと存じます。
 一昨日の朝日新聞に少しこのことが載っておりまして、厚生省でも考えられているというような記事が載っておりましたけれども、そういったイメージがわくものがあればお聞かせをいただきたいと思っております。きょうの本会議で村山総理も、このことにつきまして新しいシステムとして検討をするといったような発言もなさっておられましたけれども、厚生省のお考えをお聞かせいただければと思います。
#36
○政府委員(阿部正俊君) 先生から幾つかの点について御質問がありましたので、まず最初に私から二、三点申し上げたいと思います。
 第一は、ホームヘルプサービスの点でございますが、特に二十四時間というふうな点でございます。
 現在までのホームヘルプサービスにつきましては、どうしてもやはりヘルパーさんがおるところからある一定時間、一時間とか二時間とかでもって派遣するというような形が一般的なわけでございますけれども、常時というふうな観点に立って、改めてヘルパーさんの派遣といいましょうか勤務形態というか利用形態を考えますと、やはり派遣ということだけではなかなかうまくいかない曲があるんではないかということで、どちらかといいますと、むしろ派遣でなくて巡回型といいましょうか、一定時間約束して一時間、二時間何か仕事をこなすために派遣するということでなくて、それと組み合わせながらというふうになると思います。短時間、十分、二十分という形であるけれども幾つかのところを巡回しながらケアをしていくというふうな形を少し組み合わせてやる必要があるんではないかということで、できますれば来年度から巡回型というものを一つの形に組み込むように少し普及を図っていくようにしたいものだと思って、現在予算要求中でございます。
 それから二つ目でございますが、特別養護老人ホームの配置基準といいましょうか設置基準ということでございます。
 これは、先ほどお話し申し上げましたように、一定地域について、過疎地、山村等については三十人規模でということがございますし、あと、さらに小さな市町村等につきましては、これはいわゆる特別養護老人ホームとちょっと言えないんですけれども、言ってみれば、デイサービスセンターやらショートステイやらあるいは介護センターやらの機能を明確に分けないで、いろんな意味でのサービスをする機能を持った拠点みたいなことで福祉センターのようなものをつくっているところもございますけれども、先生御指摘のいわゆる都市部につきましても、やはり五十人というのは少し大き過ぎて、土地等の確保等もあるし、なかなかできにくいというふうな御指摘もございます。
 特に、御存じのとおり東京都の二十三区内には大変少のうございまして、そこが我が国の老人福祉行政の質的な面あるいは量的な面での足りなさみたいなもののイメージにもなっているんじゃないかなという感じがしております。各区に一カ所程度でございまして、この辺の打開というのは大変急がなきゃいかぬのじゃないかと思っております。したがって、来年度予算では都市部においても三十人規模あたりを念頭に置いて、何とかもう少し数多く設置できるように、東京都とも十分協議しながら具体的な道筋を見出していくようにしたいものだと思っておりまして、何とかこんなふうな予算を確保した上で、東京都なんかとより具体的に折衝していきたいものだと思っております。
 それから三点目でございますが、痴呆性老人の問題でございます。
 確かに先生の御指摘のとおり、これからの、いわば寝たきり老人と総称されております対策なんかより以上に、かなり難しくかつ大変な課題ではないかと思っておりますが、率直に申しまして、今の専門家に相寄っていただきましても、具体的にこれが決め手というのはなかなかないのが率直なところでございます。
 したがって、私どもとしては、既設の特別養護老人ホームなりあるいは保健所なりでいろんな形での対応をそれぞれ工夫しながらやっているわけでございますけれども、そういう選択肢の一つとして、先生の御指摘のようなグループホームというふうな形、何らかの共回生活で、その御本人の自主的な生活ということを基本に設計をしながら組み立てていくような形、これもやはり研究すべきだというふうに思いますので、私どもとしては、ことしから何カ所かのグループホームのモデル事業というものを実施いたしまして、将来の具体的な施策に結びつけていくようにいたしたいと考えております。御指摘のように、グループホームというのも一つの方向づけであるというふうに考えております。
 それから、第四点につきましては審議官の方からお答え申し上げます。
#37
○政府委員(太田義武君) 第四点目の介護保険の問題でございますけれども、高齢者の介護問題が大変国民的な課題、今後の社会保障の大きな柱の一つであることは先生御指摘のとおりでございます。
 本年三月に取りまとめられた高齢者福祉ビジョンにおきましても、その中おいてこのように取り上げられております。「国民誰もが、身近に、必要な介護サービスがスムーズに手に入れられるシステムを構築していく必要がある。」、こういうふうに述べられております。
 そこで、厚生省といたしまして、このビジョン、提言を踏まえまして、この四月十三日でございますけれども、高齢者介護対策本部というものを設置いたしまして、新たな高齢者介護システムを検討するということになったわけでございます。
 さらに、七月でございますけれども、学識経験者から成る研究会を開催いたしまして、その基本的な論点とかあるいは考え方、それを現在整理、検討を行っているところでございます。年内にはその取りまとめをしていただきたいというふうに考えております。
 先生御指摘のいわゆる公的な介護保険、先ほどお話がありましたように、九月に社会保障制度審議会から第二次報告というものが出されたわけでございますが、そういう保険とするかどうかという問題、一つの選択肢というふうにはもちろん考えられるわけですけれども、いずれにしても現在その研究会で論点の整理あるいは考え方の整理を行っている段階でございます。まだしばらく時間をいただかなきゃいけないと思っております。
 いずれにいたしましても、先ほどの提言に触れられておりますように、国民だれもが身近に必要な介護サービスをスムーズに手に入れられるようになるようなそういうシステムづくり、これに向けまして諸外国の動向などもよく調査しながら幅広い観点から議論を進めていきたい、こういうふうに思っております。
#38
○栗原君子君 昨日でございましたけれども、デンマークのアナセン教授を迎えて議員の勉強会というのがありました。私は参加できなかったのですけれども、代理の者が参りましてその報告を聞きました。
 デンマークではこういった高齢化社会に向けての取り組みが大変進んでいるということでございまして、先生がおっしゃった中に、人口六万人の町でことし四カ所グループホームをつくるんだ、そしてそれは七人の単位で一つのホームをつくって、これらは国が指導するのでなくして地方がやるんだ、そして地方税で賄ってやるんだ、こういった報告を聞いてきております。
 それから、デンマークの場合、介護保険については、実は来年一月からドイツが介護保険の制度を実施するということでございますけれども、こういったドイツ型の方式はデンマークはとらないんだ、そしてあくまでもやっぱり必要なサービスを必要な人たちが受けられる、これが福祉の基本である、こういうこともおっしゃっておられたようでございます。
 これらを考えますと、私は、この介護保険につきましては、何か金のある人は老後が幸せになるというような状況に結びつく可能性もあるような気がしてならないわけでございますが、やっぱり必要な人が必要なサービスを受けられるという、ここが原点ではなかろうかと思います。そして、お金をもらうより、あくまでもこれらは現物給付であるということが必要なことであろう、このようなことを思ったものですから、ぜひ諸外国のそういった実例なども研究いただきまして、私たちにさらに進んだよいサービスを提供してくださるように期待をして、時間でございますので終わりたいと思います。
 ありがとうございます。
#39
○森暢子君 森でございます。よろしくお願いします。
 高齢化社会への対応というのは今の政治の最大の課題ということで、この調査会も二年間いろいろと調査研究なさり、そして褒言をまとめられました。それに対して各省庁のいろいろな施策を聞いたわけでありますが、私は、きょうは主に文部省関係に絞りまして、具体的にどのように対処していらっしゃるかお聞きしたいというふうに思います。
 本日の本会議で話題になったのは、例えば社会保障制度であるとか年金教育、福祉教育とか福祉体験活動とか、そういうものをこの高齢化社会の対応で教育に求める部分が話題になりました。厚生省も年金教育は副読本をつくって皆さんにお願いしているとかいうふうなお話も伺いまして、この高齢化社会を支えていく若い人たち、これからの人たちに対する福祉に対する教育、これは大変大切なのではないかというふうに思います。
 資料を繰って見ますと、二〇二〇年にはゼロ歳から十四歳までの子供が一五・五%、それから働く人たち、十五歳から六十四歳と見ましてこれが五九%、そして六十五歳以上の方が二五・五%というふうな計算が出ておりまして、そして二〇二〇年には日本は世界最高の高齢社会に突入するという中で、高齢者と若い人たちのかかわり合いというのは大変大きいというふうに思っております。
 その中で、文部省の取り組みというのは意義があると思います。特に提言二に関しまして、「マンパワーの確保、福祉マインドの育成」というのが出ておりまして、そこをこの間聞いたわけであります。福祉の重要性や思いやりの心、公共のために尽くす心を育てるということをなさっていらっしゃるということで、関係教科等の内容の改善を図ったところであるというふうにお答えをいただいたわけでありますが、具体的に例をひとつ、どういうことをなさっているか挙げていただきたいと思います。
#40
○説明員(河上恭雄君) 学校でどういうふうな具体的な教科で教えているかというお尋ねかと思います。
 平成四年度、五年度、六年度と小中高等学校におきまして新しい学習指導要領に基づいた教育が始まっておりまして、改訂されたわけでございますが、豊かな心を持ちたくましく生きる人間の育成を図ることという改訂方針がございまして、それに基づいたいろんな改善が図られております。
 具体的に申しますと、例えば中学校の社会科の公民的分野というものがございまして、その中で、国民生活の向上と福祉の増大を図るためには社会保障の充実などが必要であることを理解させるというようなことがございます。その指導に当たりましては、したがいまして、新たに、高齢化の進展など社会の変化と関連させて指導するよう留意することを示しております。
 さらに、高等学校の家庭科でございますけれども、今回新たに男女必修といたしまして、その中で高齢者の生活と福祉という項目を設けまして、社会福祉の意義や課題あるいはボランティア活動を通しての高齢者への理解等について指導をしております。
 それから、特別活動という分野がございまして、その中で奉仕的な行事あるいは奉仕的な活動というものを明示しております。それに基づいて、福祉施設の訪問でございますとか福祉施設に入っておられる方との交流の機会とか、そういったことを学校の活動の一環としまして積極的に進めておるというような現状でございます。
#41
○森暢子君 ありがとうございました。
 それから、「福祉マインドの育成」の中で「社会教育における取り組み」というのが書いてありまして、@ABCとあるんですが、その中に、やはりボランティア活動をどのように学校教育の中でしていくかということなので、生涯学習ボランティア活動総合推進事業であるとか全国生涯学習ボランティア活動推進会議とかいろいろと出ているわけであります。
 ボランティアの精神はどういうことかということなんですけれども、小さいうちから子供たちにそういう気持ちを育てていくというのは大変教育の面でも重要かと思いますが、どのような形で取り組んでいらっしゃいますか、お聞かせください。
#42
○説明員(大野曜君) 先生御指摘のように、小さいときから子供たちにボランティアマインドを育成するということは大変重要なことであると考えまして、家庭教育、学校教育、社会教育、それぞれの場で培うことが重要と考えております。
   〔会長退席、理事竹山裕君着席〕
 特に生涯学習振興の観点といたしましては、人々の学習の成果を生かして主体的にボランティア活動に取り組むということが、生きがいあるいは充実感を持って生きていく上で大変有意義であると考えておりまして、御指摘のような生涯学習の観点からのボランティア活動の支援促進に関する各種の事業を実施しているところでございます。
 特に平成三年度から、地域社会の諸活動の中で人々の学習成果が生かされるよう、都道府県が行うボランティアの学習機会の充実、情報提供、相談体制の整備及びボランティアセンターを開設する生涯学習ボランティア活動総合推進事業に対して助成を行っております。これは、青少年から高齢者まで、また勤労者や女性を含むあらゆる層の人々のボランティア活動に関する学習や実践活動を支援促進することをねらいとしているものでございます。
 このほか、民間団体、青少年団体あるいは婦人団体、社会教育関係の団体が行います各種のボランティア事業に対する助成、国立の科学博物館、婦人教育会館、青少年教育施設等におけるボランティアの養成、活用等を促進しているところでございます。
 生涯学習審議会でも、生涯学習の視点から、人々のボランティア活動に対して支援推進することの重要性が提言されておりますので、そういった答申を受け、また学校週五日制、週休二日制等の状況も踏まえまして、今後とも生涯学習振興の観点から、ボランティア活動の支援推進、ボランティアマインドの啓培に努めてまいりたいと考えております。
#43
○森暢子君 ボランティアというのは、人に押しつけられるものではなくて、やはり個人の自主的な行動というのが基本理念であるというふうに思います。そういう中で、学校の中でどう取り組むかというのは本当に現場の先生方もお悩みだと思うし、しかしそれがもう人間形成の、人格形成上の大変根本的な問題ではないかというふうに思います。それから、職場や企業でもボランティアの取り組みがいろいろなされているようでございますが、職場によってはボランティア休暇というのが与えられまして、ボランティアのために休暇制度があるというふうにも聞いております。
 若い人たちがこれから次の社会を支えていくんですから、その中にそういうボランティアの気持ちというものをぜひ教育の中で力を入れてやっていただきたい、ますますやっていただきたいというふうに思います。
 次に、国際家族年への取り組みというので、各省庁それぞれございますけれども、文部省、厚生省、どういう趣旨で何を求めてやられたかということをお聞きしたいんです。
 というのは、見てみますと大変イベントが多いんですね。そして、有名な方をお呼びして、皆さん立派な方でどうこう言いませんけれども、タレント性のある人たちをお呼びして大きなイベントを持っている。それと、こういう家族年とかいうのがありますと必ず調査をしてイベントを持つということが多いわけですね。
 家族年の趣旨をどのようにとらえて、どう徹底させようとしたかということを文部省と厚生省にお聞きします。
#44
○説明員(大野曜君) 文部省では、国際家族年への取り組みにつきまして、特に核家族化、少子化、都市化といった家庭をめぐる状況の変化ということに対応するべく、家庭教育の振興施策を中心に国際家族年関係の事業を実施しております。また、学校教育関係では、高等学校における家庭科の男女履修の実施などの家庭生活に関する教育の充実ということを、特に本年度の高等学校の学習指導要領の実施というタイミングもございまして、家族年の関連というふうに考えているところでございます。そのほか、婦人教育、青少年教育、高齢者教育等におきましても家族の問題を取り上げて、いわゆる伝統的な家族のあり方ということではなく、時代の変化の中で今なお家族の持つ重要性ということを学び合い、あるいは家族の交流を深めるスポーツ、文化活動といったような観点からの充実も必要ではないかと考えたところでございます。
 御指摘のフォーラムの開催でございますけれども、今年度は国際家族年記念といたしまして「家族の中の子どもたち」をテーマとしたところでございますが、特に子供の教育、家庭教育は母親の役割というふうな言われ方ということが大変日本の場合強いというふうなこともございまして、このフォーラム家庭教育では、家族みんなで、父親も祖父母も母親も一緒になって、家族の中で子供たちの成長、発達を見守り、育てていこうというふうな趣旨をお互いに話し合う、あるいは経験を通して理解していこうということを趣旨に開催したところでございます。また、同様の趣旨で「みんなで担う共働き家庭」といった家庭教育の資料もこの夏作成して配付したところでございます。
 国際家族年の趣旨では、家族の定義というのは特に決められておりませんが、各国それぞれの中で、家族の持つ意味というものをお互いに理解し合い、その重要性を認め合い、そして家族の自立を中心としながら社会全体で支え合っていこうということが家族年の趣旨ではないか、あるいは原則ではないかと考えておりますので、その趣旨を十分踏まえてこれらの施策の実施に取り組んだところでございます。
 なお、昨年度から二年計画で家庭教育に関する国際比較調査を実施しておりますが、この結果の概要につきましては本年末には公表ができるかと考えております。また国立婦人教育会館におきましても、十二月に、海外の家庭教育関係の専門家、研究者を招聘して国際セミナーを開催する予定でございます。
 以上、国際家族年への文部省の取り組みの一環でございますが、家庭教育中心に御説明させていただきました。
#45
○政府委員(佐々木典夫君) 国際家族年についての厚生省の取り組みでございますけれども、今お話もございました国際家族年の趣旨というか目的が、それぞれ各国に応じまして家族あるいは家庭への対応というのは違いがあるわけでございますが、基本的に家庭あるいは家族の問題に対する各方面の関心を高めていく、そして家庭や家族の問題に対する取り組み、施策の強化を図るということが目的とされておったというふうに受けとめておるわけでございます。それぞれもう先生は御案内のとおりで、家族年の基本原則等がございますわけですが、さらには「家族から始まる小さなデモクラシー」というふうなことが共通スローガンで国際家族年が定められたわけでございます。
 厚生省といたしましては、こういった国連の決議の趣旨を踏まえまして幾つかの事業に取り組んだわけでございます。少し行事が多かったんじゃないかということでございますが、家族あるいは家庭の問題について理解を深め、関心を高めていく、あるいは時代の変化に応じた家族のあり方について、あるいはその大切さについて、この際改めて考えていこうというふうなことも大きなテーマだったというふうに受けとめておりますので、その趣旨に沿うような記念行事というのも幾つか企画したわけでございます。
 一例で申しますれば、家族や家庭あるいは子育でのあり方についての国際シンポジウムでありまするとか、いろんな多様な家族が家族ぐるみで参加できる記念音楽祭であるとか、あるいは家族で気軽に楽しめるスポーツ交流大会といったようなものの企画をすることを通じまして、多様な家族がございますわけですけれども、家族問題について考える契機とする、関心を高める契機とするといったようなことをねらったところでございます。それから、それぞれ都道府県レベルでも工夫してやっていただく記念行事等につきまして、必要に応じた助成措置等も講じたところでございます。
 それから、こういった行事にとどまりませず、問題は、厚生省の立場で申しますれば、やはりこの家族年の中で、子供と家庭、児童と家庭の問題という観点から、特に少子化対策、いわゆる少子化の問題に焦点を当てまして諸施策の推進拡充に努めたところでございます。
 若干申しますと、子育て家庭を支援するためのいろいろ行政レベルでやっているもののほか、民間の立場での力も発揮していただいたいろんな事業を振興するためのこども未来基金の創設でありまするとか、あるいは児童健全育成ボランティア活動の振興・助成事業の創設だとか、あるいは児童環境づくり推進協議会を全県に設置するといったようなことをお願いするとかいったようなことを通じまして、いわば官民挙げての子育て環境づくりの推進というようなことを一つ力点を置いたところでございます。それから、いろんな細かいものがございますが、子育ての相談体制の整備充実といったようなことにつきましても意を用いたところでございます。
 それから、仕事と子育てを両立させるという意味での両立支援体制の強化という観点から各種保育施策の拡充をいたしてございますが、さらには例えば駅型保育モデル事業といったようなモデル事業でございまするとか、そういったような多様な保育事業に対応する体制につきましても一つ施策の推進拡充を図ったところでございます。
 私どもとしましては、各種諸行事の実施とあわせて、子育て支援の対策の思い切った拡充を図るといったようなことの取り組みをいたしたところでございます。国際家族年の趣旨ができるだけ生きて所期の成果が上げられるよう、そのために私どもとしてはできるだけの努力をしてまいっているところでございます。
#46
○森暢子君 ありがとうございました。
 国際家族年の趣旨というのは、今厚生省の方からちらっと仰せになりましたが、「家族から始まる小さなデモクラシー」ということで、家族の中のそれぞれの人権を守っていこう、年寄りは年寄り、子供は子供、それぞれそれぞれの人権を認め合っていこうというのが大きな趣旨ではないかと思います。それから、家族という概念も、両親がいて祖父母がいて子供がいてという家族のイメージというのは、もう今はありません。いろんな形の家族があって、それをやはり社会が認めていく、そういう広い視野も必要ではないかというふうに思いまして、たくさんの予算を使いましてこういう行事をしていただいたのを契機に、そういう方向に向いていくようにお願いしたいというふうに思います。
 次に、介護マンパワーの確保という視点からお聞きしたいんですが、福祉等に関する専門的教育の実施と人材養成ということで文部省の方でいろいろと取り組んでくださっております。これから福祉に携わる人材を育成するというのは大変重要であります。
 その中で、文部省と厚生省がそれぞれいろいろな人材を育成しているということなんですが、大学、短期大学に福祉、介護、看護に関する学部や学科、そういうものがあるんですけれども、これについて、どういうふうなのがあるかということを短くおっしゃっていただきたいと思います。
#47
○説明員(遠藤純一郎君) 平成六年度現在でございますけれども、社会福祉関係の学部、学科につきましては四十一の大学それから二十三の短期大学に設置されておりまして、入学定員のベースで申しますと大学と短大を合わせまして七千九百六十四人というような入学定員となっております。それから、看護でございますが、看護系の大学が三十一校、短期大学が六十三校ございまして、入学定員につきましては大学、短大合わせまして七千三十八人、こうなっております。さらに、三十一の大学、短大が介護福祉士の指定養成施設の指定を受けておりまして、その入学定員は千四百十五人となっているというような現状でございます。
#48
○森暢子君 大学、短大で昭和六十三年から国家資格としてスタートしたということなんですが、社会福祉士とか介護福祉士が登録されていながら職につかない例が多いということなんですね。社会福祉系の大学を卒業しても社会福祉系の職につかない、これはいろいろな原因があろうかと思います。やはり職場での処遇の改善、職場が魅力ある職場であるというふうなことが必要なんではないかと思うんです。
 私も二年ほど前に自分でちょっとスウェーデンの福祉を勉強に行きましたところ、スウェーデンでは看護婦さんとか福祉に関連する職は大変社会の中で評価が高く、尊敬される職業であるという社会の理念が育っているわけですね。ですけれども、日本はまだ何かそこにいろいろと原因があるんではないかというふうに思います。
 もう一つ、高等学校で福祉に関するいろんな科目があるんですけれども、福祉に関する教科は学校教育法や学習指導要領上に明確に位置づけられていないために教科書がつくられていない、それで先生方が手づくりの教科書をつくったりしている、そういう状況があるわけですね。
 福祉マインドの育成とかマンパワーの確保のためには福祉教育の果たす役目が大変重要だということを見れば、福祉というのは将来の日本を担う人材を育てる基幹的な教科であるというふうに見てもいいと思うんですね。それで、学校教育法や学習指導要領上に明確にそれを位置づける必要があると思いますけれども、文部省の見解をお伺いしたいというふうに思います。
#49
○説明員(河上恭雄君) 先ほど申し上げましたように、福祉に関する指導につきましては、中学校・高等学校社会科等を中心にやっておりますけれども、特に高等学校の場合についてでございますけれども、家庭科の中でさまざまな福祉に関する現状、制度等について指導しておりまして、現在のところは、今年度スタートいたしました指導要領のもとでそういう形で、つまり家庭科の中で指導していくというスタンスでございます。
#50
○森暢子君 今申し上げましたように、これから福祉教育というのは大変大切になりますので、文部省もぜひそのあたりを考えていただきたいんです。
 参考までに、御存じだと思いますが、学校教育法施行規則第五十七条で、福祉というのはその他特に必要な教科というのが現在の位置づけなんですね。この辺も考えていただいて、ぜひ高校とか大学における福祉教育の充実が必要ではないかというふうに思います。
 まだデンマークの話になりますが、私が行きましたときにいろいろな、厚生省に関係ありますが、理学療養士とか作業療養士という方が福祉施設で働いていらっしゃいました。その中で、私が行きましたところでは、足の治療士という方がいらっしゃいまして、足だけを治療するわけですね。日本の男性が働いていらっしゃいましたが、デンマークの人は自分の足に手が届かないんですね、伸ばすと。それで足をいろいろ、つめを切ったり薬をつけたりマッサージしたりすることができないので、足の専門家の治療士がいらっしゃる。日本人は幸か不幸か知りませんが足が短いので自分の足の治療は自分でできるというふうな話を聞いてまいりまして、いろいろそれぞれ専門的な、社会的な治療をしてくれる人が十分にあるんだなということを感じてまいったわけであります。日本はこれからだというふうに思っております。
 時間が足りないんですが、もう一つ。
 子育ての支援のために、働く女性が子供を産み育てていけるための支援策ということで育児休業法ができまして、今回は育児休業給付が来年七月から決まったようであります。そのためにいろいろと労働省もしていただいておりますが、スウェーデン、デンマークの例を見ますと、在宅ケアの充実というのが一番重視されておりまして、その在宅ケアで家族の役割というのが大きい。しかし、その家族のだれかといいますと、女性が多いわけですね。その人たち、家族介護者への支援というのがこれから重大な課題になってくる。スウェーデンでは一九八八年には親族介護有給休暇制度、そういうものができたり、家族の介護者には現金支給をしたり、フランスでも支援策として介護手当とか税額の控除というのをしているようであります。
 労働省にお聞きしますけれども、今後高齢化社会に対応するためには、労働者が離職しないで安心して家族の介護を行うことができるということが重要でありまして、そのための介護休業制度というものの法的整備が大変必要であるということはもう皆さん御存じだと思うんですが、その実現に向けた決意のほどを聞かせていただきたいと存じます。
#51
○説明員(渡邊信君) 介護休業制度につきましては、これから高齢化や核家族化が進展する、こういう状況の中で介護を必要とする家族を抱えております労働者が働き続けるために大変重要な制度であるというふうに考えております。介護休業制度の法制化の問題ですが、これも大変重要な課題と認識しておりまして、現在関係の審議会で介護休業制度の法制化を含みます有効な普及対策について検討を行っていただいているところであります。
 労働省としましては、次の通常国会への提出も視野に入れて審議が進められることを期待しておりまして、その結果を踏まえて対応していきたいと考えております。
#52
○森暢子君 期待しているではなくて、やりますという気持ちを言っていただけたら。私どもは本当に介護休業制度の成立を望んでおりますので、一緒に協力してやってまいりたいというふうに思います。ぜひこの介護休業制度の法制化、これに向けて頑張ってまいろうではございませんか。ぜひ労働省もよろしくお願い申し上げたいと思います。
 時間が来ましたが、最後に一つ。
 もう一つ、少子化対策ということではございませんが、やはり子供を産み育てるということの一つに、教育費が大変負担が大きいんですね。その例はいろいろとございますけれども、保護者が支出する教育費というのは大変大きい、そのことについてやはり文部省も力を入れないと、子供が産めない、三人も四人も産みたいけれども教育費にかかってもう無理だという方がたくさんいらっしゃるわけですね。この対策をどのようにお考えでしょうか。
#53
○説明員(小口浩一君) 文部省といたしましては教育の機会均等の理念を実現するためにも、また先生御指摘のように安心して子供を産み育てるためにも、父母の教育費負担が過大にならないように配慮することは重要であるというふうに認識をいたしております。
 従来から育英奨学事業、私学助成あるいは幼稚園就園奨励費補助事業というような予算面の措置とともに、税制措置の面におきまして十六歳以上二十三歳未満の特定扶養親族に係る扶養控除額の割り増しあるいは学校の授業料等にかかります消費税の非課税というような措置を講じてきておるところでございます。
 育英奨学事業につきましては、御案内のように、経済的な理由によりまして修学困難な大学生、高校生等に対して学資の貸与事業を実施いたしておるわけでございます。平成七年度の概算要求におきましては、事業費総額で二千二百六十六億円を要求いたしておるところでございます。また、幼稚園就園奨励費補助事業の充実ということでも、幼稚園児を持つ保護者の経済的な負担の軽減とともに公私立幼稚園間の保護者負担の格差の是正を図るため、保育料の減免措置等を実施しておりますが、七年度要求におきましても保育料等の減免単価の改定等を要求しているところでございます。また、私学助成の充実につきましても、経常費助成を中心に私学助成の推進を図っておるところでございます。また、税制面におきましても、特定扶養親族に係る扶養控除につきまして、今国会に提出された税制改革関連法案におきまして控除額の引き上げというようなことが盛り込まれているところでございます。
 今後とも保護者の教育費負担軽減の見地から適切に対応してまいりたいというふうに思っております。
#54
○森暢子君 以上です。
#55
○直嶋正行君 私は、当国民生活調査会もいよいよ三年目の最終的なまとめに入るということなものですから、今後の議論の参考にということで、特にきょうは新ゴールドプランに重点を置いて省庁の御見解を承りたいと思います。
 まず最初にお聞きしたいのは、厚生省の方で策定された新ゴールドプランの目標値と、それから地方老人福祉計画に基づく地方自治体での集計値とを見ますと、かなり開きのある部分がございます。例えばホームヘルパーがそうなんですが、自治体の積み上げは十六万八千人、新ゴールドプランでは二十万人。それからデイサービスセンターでは、一万三千カ所に対して新ゴールドプランは二万カ所と、こういう開きが出ていますが、これは何か、ほかのものに比べると非常に数字に差があるというふうに思うのでありますが、どういう理由でこういうふうになっておるんでしょうか。
#56
○政府委員(阿部正俊君) 市町村の計画の集計というのは、それぞれの市町村ができるだけ自主的にやってくださいということで計画を立てられまして、それを県を通じて集計したということでございますので、そのままの数字を合計したものでございます。
 それで、先生御指摘のように、幾つかの点で私どもが今回提案いたしております新ゴールドプランではその数値が違っているものが確かにございます。二つ例を挙げられましたが、それについて違いというのを申し上げますと、一つはホームヘルパーにつきましては、計画集計値では十六万八千人というふうな数字になってございますが、私どもは二十万人というふうに言っております。これの最大の要因は、私どもの二十万人というのは、いわゆる障害者福祉といいましょうか、障害者を対象として障害者向けに派遣するヘルパーというものも事実上各市町村で一体でやっておりますので、その間の数字が老人保健福祉計画ということではのってきませんので、その分を私どもは約三万人程度というふうに見込んでおりますが、それを乗せまして十六・八万プラス約三万ということで二十万人というふうな数値になっておるということでございます。私どもの国レベルにおきましても予算的にもいわば一体でやっておりますので、新ゴールドプランということでは、やはりわかりやすく言えば三万人というのを含んだ上で目標を設定した方がいいのではないかということで二十万人としているところでございます。
 それからデイサービスセンターでございますが、これは一万三千カ所という集計になっておりますが、私どもは二万カ所というふうにしておりまして、これは、大きな違いは、デイサービスセンターといいますのは私どもとしては非常に数多く必要だろうというふうに思っておりますが、市町村の段階になりますとどうしても、例えば要介護度という面から見ると重い方についてはなかなか対応できる見通しが立たないといいましょうか、あるいはそこまでは無理かなというふうな御判断があるかと思いますが、そういうふうな対応できるデイサービスセンターが比較的わずかしか上がってきていないということ。それからもう一つは、先ほど痴呆性老人の非対応というふうな話がございましたけれども、デイサービスセンターでも特に痴呆性老人につきまして毎日通所をするタイプというものも予定しておりまして、こういったようなことについてはまだ市町村段階の計画にはほとんどのってきておりませんので、この辺ぜひ上積みしていくべきではなかろうかということで、総計二万カ所という目標をやはり堅持していきたいということでございます。
 その他ございますが、多分、市町村段階での計画集計値を下方修正したというよりもむしろプラスの修正が主なところでございますが、そんなふうな違いが出てきておるということは確かでございます。
#57
○直嶋正行君 今御説明があったんですが、これは現在のゴールドプランには、例えばお話があった障害者対策、それから重度の人のためのデイケアサービスというのは入っているのか、入ってないのか。
   〔理事竹山裕君退席、会長着席〕
 それから今お話の中にありましたが、ちょっと私素人だからお聞きしたいんですが、この障害者対策と介護対策というのは同じ考え方、同じ延長上で考えてやっていく、こういう発想でよろしいんですか。
#58
○政府委員(阿部正俊君) まず前段の方でございますが、ヘルパーにつきまして現在十万人と言っていますが、これにも数万人分、必ずしもはっきりした数字を出しておりませんけれども、障害者向けに派遣するヘルパーもカウントした上で十万人と言っております。それからデイサービスセンターにつきましても、対痴呆毎日通所型のデイサービスセンター等も入れ込んで数値を、現行の計画をつくっておりますということでございます。
 それから後段の方でございますが、これは政策一般論なので、大変難しいといいましょうか、あれなんですけれども、私どもとしては、基本的な対象も違いますし、一部共通したものはございますけれども、物の考え方とかあるいは政策の広がりとかということを考えますと、やはり別に考えるべきものではなかろうかと思っております。
 ただ、これも歴史的な経緯等々もございまして、ヘルパーにつきましては、むしろ拠点としてはほとんど地域一緒の形で展開した方が、より利用者の利便、あるいは効率ということから考えましても、一体でやる方、がいいのではないかと。一部の、むしろお年寄りの方が中心でございますけれども、お年寄りのヘルパーと同じような中身でカバーできる部分については障害者も一緒の形でやった方がいいんではなかろうかというようなことで、これについては含まれた形になっておるということでございまして、ゴールドプランそのものも、これはじゃ別にした方がいいんだというふうな物の考え方も成り立つと思いますけれども、一緒にやってきておりますので、二十万人という中には障害者に対して派遣されるヘルパーの人数も入れてやる方が妥当なのではないかと、こんなふうに考えた次第でございます。
#59
○直嶋正行君 今の御説明でわかりましたが、介護の話と障害者の話というのは、入れるとすればやっぱり説明がきちっとあってしかるべきだと思います。
 どうもありがとうございました。
 それからもう一点です。さっきも出ていましたが、特に地方自治体で特別養護老人ホームとかデイサービスセンターを建設される場合に、国庫補助の基準額がやはり低い、実際の建設の支出と比べると相当開きがあるという声が大分ございます。私も調べましたら、国の補助は実際に要るお金の六割ぐらいしか当たらない、こういう地方自治体からの指摘もありました。
 それで、これから新ゴールドプランにすることによってよりこういう施設を充実していこうということになりますと、実際のお金と国の基準との開きが大きければ大きいほど、どんどんいわゆる超過負担といいますか、地方の負担が拡大していくということになるんじゃないかと思うんです。私は、国の算定基準といいますか、補助の算定基準と地方の実態との間に少し開きがあるんじゃないか、こういう気がするんですけれども、この点についてはどうですか。
#60
○政府委員(阿部正俊君) 特別養護老人ホームと社会福祉施設全般でございますけれども、その補助基準上、どういうふうに単価を設定すべきなのかという議論はずっとあるわけでございますが、私どもとしては実勢単価にできるだけ近づく形で努力したいということしか申し上げられないわけでございます。
 ちなみに、若干の説明をさせていただきますと、平成六年度におきましても従来よりは約九%の引き上げを図ったところでございますし、それからあと、一般ではございませんけれども、特に都市部の対策として、都市部に建設しておりますゴールドプラン対象施設については特例の割り増し単価一〇%というのを追加したとか、それからさらに、都市部には少し高層でつくらざるを得ない、高層といいましても何十階というんじゃありませんけれども、平家ではなかなか難しいので三階ないし四階というふうなケースも出てきておりますので、そういった場合には面積単価も余計かかりますものですから八%程度の加算をするとか、細々した工夫はしているのでございますけれども、各市町村はそういった基準をかなり上回って整備をするというふうなケースもございますので、市町村によりましては実際に建設される場合の経費とそれから補助基準上の差というのは現在もあるというのは事実でございます。
 私どもとしては、できるだけ実態に即してやるように、さらにこれからもそういう配慮をしながら努力していきたいということを申し上げておきたいと思います。
#61
○直嶋正行君 ぜひお願いしたいと思いますが、私、この話を聞いて思い出したのが、公団住宅で昔つくったものがもう今の時代に合わなくて狭過ぎる、だから二、三軒を一軒に合わせて改築をやっていますね、あれを思い出したんですよ。こういう計画というのは十年計画ですから、十年後のでき上がったときに余り世間水準と合わなくなってしまうとやっぱり同じような問題が出てくると思うんです。使ってもらえないとまた意味がありませんから。
 特に、それで私もう一点申し上げたいのは、先ほどありましたが個室の話なんですね。これも、やはりなかなか国の方の補助をもらえる基準ということで見ると必ずしも地方でつくる場合の希望に合わない、こういう声がよく聞こえます。そういう意味で言いますと、厚生省としては、時代を少し先取りするぐらいのおつもりでこういう問題というのは考えていくべきじゃないか。
 今回の新ゴールドプランの中に個室化の推進ということが入っていますが、何か具体的な数字があれば、現状よりこれぐらいにするよというのがあれば教えていただきたいということなんですが、どうでしょうか。
#62
○政府委員(阿部正俊君) 先生御指摘のように、今の水準上ここまでである、それは十年、二十年と役に立っていかなきゃいかぬということを考えますと、これから先の、特にニューゴールドプランというふうなことになりますれば、質の改善ということも含んで面積の基準をもう少し広げたいというふうに思っておりまして、そういったようなことでニューゴールドプランでは単位面積の拡大ということを一つの眼目にしたいと思っております。
 現在の姿を若干御説明させていただきますと、いわゆる個室割合というものの対応できる補助基準というのを設定しておりまして、補助基準上の設定としては昔よりも少し広げまして、入所定員の大体三割ぐらいまでは可能な面積基準にしてございますし、それからさらに、これは居室ということではございませんけれども、デイルームだとか食堂とか共通の居住スペースというふうなことの改善も図ってほしいということでの単位面積の追加とかということをやってきております。
 ただ、むしろ大変後ろ向きのように聞こえるかもしれませんけれども、一面、やはりこれから先の特別養護老人ホームということを考えますと、個室かどうかということももちろん大事なポイントでございますけれども、もう一つ、一人一人の生活というものを組み立てるにはどうするかというふうな意味での、例えば中のレイアウト上の配慮とか、それから入所者と施設側との基本的な関係というのをどういうふうに認識するのかとかというふうなところでの、広い意味での処遇面ということでの物の考え方も、やはり今まで、具体的にどこの施設がどうという意味じゃありませんけれども、もう少し発想を変えていただく面もやはり必要なのではないか。部屋が独立しているからよくてということだけではないのではないか。
 今度のニューゴールドプランでも利用者本位・自立支援というふうな一つの理念を示してございますけれども、そういったふうな面からのさまざまな工夫というのもやはりあわせて必要になってくるのではないだろうか、こんなふうに考えておるところでございます。
#63
○直嶋正行君 今のお考えを承ってなるほどと思う部分もございますが、日本の社会が全体的に教育水準が高くなった、それだけ昔と違って、皆さんやっぱり自我といいますか、自分のプライドとか、お互いにそういうものを大事にしようという、これからそういう社会になっていくと思うんですね。ですから、ぜひその点もお酌みをいただきたい、このようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 それからあと、新ゴールドプランの実現可能性といいますか、これについてちょっとお聞きしたいんです。
 先ほどもお話がございましたが、この新ゴールドプラン、厚生省の案を拝見いたしますと、相当膨大なお金がかかる。御答弁では国、地方、初年度で七千億ぐらい、こういうお話でした。
 現実に今回の税制改革の中で出てきた二年間の財源枠というのは、福祉向けということで初年度が一千億、二年目が二千億、こういう数字であります。平成九年度以降は三千億ぐらいというお話がございました。かなりこれは、実際にこのプランと現実の間には開きがあるんじゃないか、ちょっと言い方は失礼ですが、早くも瓦解したんじゃないか、こういう気もしないわけではありません。
 僕は、こういう今回の新ゴールドプランにしても、厚生省のもともとおつくりになったゴールドプランに地方自治体が数字をそれぞれおつくりになって一生懸命積み上げて、その目標にさらに、さっきお話しのように、厚生省として大事だと思われる部分を追加をされておつくりになった計画ですから、これはやっぱり本来は実行すべきものだと思うんですよね。そういう視点に立つとちょっと心配なんですが、この点についてはどうでしょうか。
#64
○政府委員(阿部正俊君) ニューゴールドプランというふうに銘打ちまして私どもが提案しています案というのは、これは二つの側面があるだろうと思っております。一つは、従来のゴールドプランの延長線上で、その上でさらに市町村が改めて保健福祉計画をつくったものの数値にできるだけ近づけるように、フォローができるような数値に直していくというふうな側面と、それからもう一つは、先ほど先生が挙げられましたような、例えば特別養護老人ホームの面積の拡大だとか、あるいは、ニューゴールドプランの案をごらんいただきますと、例えばリハビリテーションとか従来のゴールドプランでは具体的な形になってなかった点についても範囲を広げてやっていきたいというふうなこともありますので、必ずしも私どもの案が実現しませんと市町村の老人保健福祉計画のフォローすらできないということではないわけでございます。
 ただ、率直に申しまして、先ほどもお答え申し上げましたが、税制改革の一環として提示されました財源措置だけでは、やはり十分な私どもが想定したニューゴールドプランの実施というのは、差が出てくるというのも事実でございますので、その辺どういうふうに判断し、将来の展望を描くかということにつきまして、まだ少し時間をいただいて、できるだけ早くニューゴールドプランの策定、そのときには、何がしかの財源についてどう考えるのかということも含めて、計画の中に織り込んで方向づけを示していくようにするべく今努力中と、こういうふうに御理解をちょうだいしたいと思っております。
 ただ、率直に申しまして、やはりいわばやりくりで物を考えるようなわけにはなかなかいかないことだと思いますので、国民といいましょうか、国会も含めまして、長期的な財源というのをどう考えるのかということの御理解を得ながらやはりやるべきものではなかろうか、こんなふうに思っております。
#65
○直嶋正行君 今のお話の中にもございましたように、多分財源との関係で言えばちょっと先へずれるというようなこともあり得るのかもしれませんが、ただもう一つ私はこの新ゴールドプランで申し上げておきたいのは、竹山委員の質問の中にもありましたが、現在のゴールドプランというのは三省庁の合意でスタートされておる、せめて閣議決定ぐらいというお話がありましたが、私は、今のお話の財源の見通しも含めて、これは本来は、国としての一つのプランでありますから、やっぱり法的措置を考えるべきだと思うんです。
 このニューゴールドプランの中にも、一番最後ですか、基盤整備法の策定、これは仮称ということなんですが、こういうことをお考えなのか記載されてますが、この点についてはどうでしょうか。もっと私はきちっと位置づけて、これから非常に重要な問題ですから、しっかりやっていくべきだと思うんです。
 例えば道路整備計画なんていうのは、そのとおりいくかいかないかは別にして、計画と財源をつくって五カ年計画をやってますね。やっぱりこれからの福祉というのは、そういう長い目で見て、きちっと裏づけをつくりながらやっていく。単年度主義でやっている以上多少の開きは出るかもしれませんが、国としての一つの中長期のビジョンを実現していくという面で考えますと、そういう位置づけをして法的にもきちっとしてやるべきじゃないか、こういうふうに思うんですけれども、この点についてはどうでしょうか。
#66
○政府委員(阿部正俊君) 私どももニューゴールドプラン案ということでお示ししたときには、基盤整備法といいましょうか、何かの法的な一つの措置が必要なんじゃないか、これも検討したい、こういうふうに表明しておりますが、そのとき、率直に申しまして、想定された最小限の意味での必要性といいますのは、いずれにしても財源確保というのをはっきりしませんとできませんものですから、いわば消費税というふうな論議の中で行われた過程でお示ししたものですから、そのときに、いずれにしても消費税というのはすぐにはなかなか実現できないのではないか、将来の財源措置というのを前提にして、それをいわば前に引っ張ってきてやるためには何らかの法的な手当てが要るのではなかろうかなというふうなことが一つございました。それからあと、先生御指摘のような形で、もう少し政府全体の計画といいましょうか、あるいはそれを法的に少し裏、つけるものも望ましいのじゃないか、こういうことでお出ししているということです。
 財源措置についても一定の結論が出ましたしということで、多少状況も変わってきたのかなと思いますが、御指摘のように、ゴールドプラン全体の位置づけというもの、それからその中身、あるいはその財源措置ということの絡みで物を考えていくようになる必要があるのかなと思っているんですが、どんなふうな形のゴールドプランの中身と位置づけになるかということを早急に組み立てまして、できればそれを裏づけるような法的措置につきましてもできるだけ対応すべく、私どもとしては検討の項目に入れて対応していきたいものだ、こんなふうに思っております。
#67
○直嶋正行君 例えば国生審のこの間の報告書の中にも、高齢化対策としてのニューゴールドプランの提言とあわせまして、今おっしゃったような趣旨と必ずしも一致するかどうかわかりませんが、包括的な法律措置の必要性を提言していますが、ぜひそういう方向に沿って努力をお願いしたい、こう思います。
 時間がありませんので、ちょっと文部省の方にお聞きしたいと思います。
 さっきお話が出ましたが、今自治体で、学校の施設をデイサービスセンターとして活用する、こういうことを現実的におやりになっているところもございます。それから、例えば配食サービス、高齢者に対する食事のサービスも学校の給食設備を使って実施する、これも現実にやっているところもあるようでございます。私はこういう本来利用されていない施設を有効活用していくというのは大変重要な視点だというふうに思っているわけなんですけれども、中には、こういうことをやろうとすると、文部省の方から、例えば校舎の建築に出した補助金を戻せとか、こういうようなことを言われるというような御指摘もありました。
 この問題について、さっき厚生省の方のお話は質疑の中で出ていましたが、文部省の方の、こういう空き施設を利用していくことについての御見解をお伺いしたいと思います。
#68
○説明員(玉井日出夫君) いわゆる余裕教室の活用についてでございますけれども、現在各学校におきましては新しい学習指導要領に基づきまして教育内容やあるいは指導方法の改善充実に取り組んでいるわけでございます。したがいまして、施設の面につきましても、例えば多目的スペースだとかあるいはコンピューター教室、こういうものも大変重要になってきますので、余裕教室が生じた場合にはまずは教育活動の充実、こういうものに活用していくのが基本であろうかとは考えております。
 しかしながら、一方、これらの整備が既に十分に図られている、なお余裕教室がある、こういう場合にありましては、その余裕教室を生涯学習の場だとか、あるいは先生御指摘のいわゆる福祉の場とか、こういう形に活用することはあるというふうに考えております。ただ、それをどういう優先順位で考えていくかということになりますと、これは個々具体の問題になってまいりますので、そこは設置者である市町村においてそれぞれの地域の実情やあるいはニーズに応じてしかるべき御判断をなさることだろう、かように思っております。
 なお、補助金の件でございますけれども、補助が入っている以上、他の目的に使われる場合には補助金返還が原則になりますけれども、それが適正なもので、別に営利目的に使うわけではないという場合には、これは返還を要しないという取り扱いもしているわけでございます。現に、例えば学童保育施設になっているとかあるいはデイサービス施設になっている現実の例がございますけれども、これについては別に返還を求めているわけではございません。
 以上でございます。
#69
○説明員(銭谷眞美君) 給食の件について御説明申し上げます。
 地域の高齢者の方々に対しまして食事を提供するために、その食事の調理を学校給食施設を利用して実施するということにつきましては、当該調理場に余剰の調理能力がある場合には可能であるというふうに考えております。先生お話しございましたように、具体的な事例といたしまして、東京都の品川区あるいは千代田区においては、ひとり暮らしの高齢者の方々に対しまして学校給食調理場を活用して配食サービスを実施しているという事例もあるわけでございます。
 ただ、その実施に当たりましては、学校給食調理場の設置者である市町村におきまして、地域の実情を踏まえまして、本来の目的である学校給食の実施に支障を生じないかどうか、あるいは経費の負担区分をどうするか、労務管理の問題、その他運営上の諸問題について十分検討していく必要があるというふうに考えております。
#70
○直嶋正行君 もう時間がありませんので、一言だけ申し上げておきたいと思います。
 今、本来の目的に支障がない限りはそれぞれの設置者の判断でということでお話があったんですが、ここがなかなか微妙なところで、本来の目的に支障があるかないかという判断はまたいろいろと議論があるところだと思います。
 ただ、私が申し上げたいのは、もちろん文部省のお立場からすると教育がまず第一だ、こういうことになるんですね。これはわかるんですが、今議論していましたように、これからの社会というのはお金は随分かかるけれども、その財源をどうするかというのはこれはまた大変な話なんですね。ですから、公的な施設の共用といいますか、できるだけ弾力的に活用していく、こういうことは私はこれからの時代の要請だというふうに思うのでありまして、この点についてはぜひ各省庁ともよろしく御配慮をお願いしたい。
 この点を申し上げまして、私の質疑を終えたいと思います。
#71
○武田節子君 私は、公明党の武田節子でございます。
 今、我が国は超高齢化社会の本格的到来とあわせて超出生率低下時代を迎えております。そこで、厚生省は生きがいと活力ある高齢社会を目指して、安心して介護を受けられる社会づくりのために現行ゴールドプランを大幅に拡充した新ゴールドプランの検討がなされておりますけれども、ホームヘルパー、デイサービスの倍増、在宅支援センターの早期整備、大都市における老人福祉施設、老人保健施設の整備促進、重介護を必要とする高齢者の入院、入所の確保など、介護サービスを必要とするだれもが、いつでもどこでも必要とするサービスを受けることのできる体制づくりを進めるというものでございます。その中で、在宅介護支援センターについて厚生省にお尋ねいたします。
 実は、親の介護、夫の介護、子育てをしながら働く女性の体験事例を通して在宅介護支援センターについてお尋ねいたします。
 田無市に住む安保さんという方なんですけれども、次のような報告がございました。彼女は夫に先立たれて、二人のお子さんを育てながら働き続けている母子家庭の母親でございます。
 安保さんは、在宅介護支援センターが平成十一年まで一万カ所、中学校区に一カ所の割りで設けられるとの発表を聞いて、都内の幾つかの区の実態を調べました。在宅介護支援センターはゴールドプランの中の在宅福祉施策の四本柱の一つであるということから、これに関心を持ったようでございます。現在、中野区てはなし。北区二カ所。杉並区一カ所。江戸川区なし、しかし独自の形で進めておるようでございます。田無市なし。東大和市一カ所。この現状に驚いて、厚生省に問い尋ねましたところ、平成二年から三年間で全国七百九十一カ所、目標の八%。あと残りの九二%は七年間でできるのでしょうかと、大変心配の様子の報告がございました。
 また、彼女は、日本で初めての二十四時間ホームヘルプサービスが秋田の鷹巣町で始まったことを知って、早速電話をかけて聞いてみた。鷹巣町は人口二万四千人、高齢化率一九%で、ホームヘルパー常勤二十一名、非常勤二十名の体制となっています。安保さんの住んでいる田無市では、常勤ヘルパーはたった二名、非常勤が十一名しかおりません。これでは必要なときに必要なサービスは無理です。
 鷹巣町で実際にこの制度を利用したのは七十三歳と六十九歳の二人暮らしの姉妹です。六十九歳の寝たきりの妹を七十三歳の姉が介護していましたが、妹の容体が急に悪くなり、姉も二十四時間づきっきりの介護で夜も寝られない状態になっていました。そんな状態を見たヘルパーさんから福祉課に連絡をし、町長のゴーサインが出ました。現在では、介護者の姉も安心して生活をしているとのことでした。
 秋田のこんな小さな町で二十四時間体制のホームヘルプサービスができたのは、朝日新聞の論説委員の大熊由紀子さんの講演を町長初め行政、町民の皆さんが聞いたのがきっかけとなりました、ということです。やはり、行政は現場に学べと言われておりますが、大変重要なことだと痛感しましたと強調しております。
 また、各区の実情を調べましたが、各区がばらばらで、またPRが不足ですから住民に余り利用されておりませんということで、非常にPRが大事だということを言っております。
 その後のもう一つの例と一緒に御回答いただきたいと思いますが、次に、東大和市に住む熊谷さんという方の事例です。
 昨年一月、夫が突然クモ膜下出血で倒れてしまいました。緊急手術をしないと命にかかわる重大な事態になってしまいました。夫の回復の見通しは全くつかず、私は仕事を続けられなくなり、会社からは退社勧告を受けて、昨年六月退職せざるを得ませんでした。こういうときに介護休業制度があったらどんなによかったかと思うと、とても残念でなりません。夫はその後一種一級の障害者になってしまいましたが、一年二カ月の入院の後、本年四月二日、やっと退院することができました。さて、私が住んでいる東大和市にも在宅介護支援センターが本年四月オープンいたしました。現状では電話による相談で、受付の時間も午前九時から午後八時まで、時間制限があります。在宅で介護している私にとって、突然容体が変わったりしたときなど、相談したいときに相談できないということは非常に不安です。また、支援センターの受付では、六十五歳以上という年齢制限があります。
 こうした現状から私は次の点を望みますということで、五点にわたった要望が来ておりました。
 その一。この支援センターは、相談を受けたときにスムーズに用件が処理できるよう、医療、保健、福祉の窓口の一本化を望みます。その二。ゴールドプランでは二十四時間の相談となっていますが、現実は午前九時から午後八時まで電話で受けつけて翌日の返事となっております。二十四時間体制の対応、アドバイスのできる支援を望みます。その三。現在のゴールドプランでは、介護支援センターは中学校区に一カ所となっていますが、小学校区に一カ所を望みます。その四。年齢制限を外し、現在の在宅介護支援センターの名称を、高齢者や障害者を在宅で介護する者への生活の支援をするセンターとして、生活支援センターという名称に変えてほしいと思います。その五。支援センターにいろんな人の相談がたくさん寄せられ、利用されることによって、マネージメントとしての力がつき、知恵がわき、実態に即した対応ができるものと思います。多くの人が利用しやすいように、PR、周知の徹底を望みますという報告が来ております。
 まとめてこれに対する厚生省からの御回答をお願いしたいと思います。
#72
○政府委員(阿部正俊君) 在宅介護支援センターにつきまして、さまざまな角度からの御指摘、御意見を御紹介いただきました。
 率直に申しまして、在宅介護支援センターというふうな形で、一定の地域ごとに、そこに居住される、何がしかの介護という面での支援が必要な方々が、そこと常に、いわば二十四時間というのは、二十四時間電話すれば、もちろんまだそこまでいっていないということも御指摘にございましたけれども、私はそれだけでは足りないと思います。むしろ、そのセンターが二十四時間、何がしかの支援が必要なお年寄りを常に掌握するということがまず逆に必要なくらいなのではなかろうか、こう思っています。何かあったら気をつけますよというだけではなくて、そのセンターが、中学校区に想定されるのは百人前後かなと思いますが、常時何らかの形で常にコンタクトを持てる体制をつくっておくということの方が、これは理想論と言われるかもしれませんけれども、むしろそういうふうに持っていきたいものだと思っています。
 率直に申しまして、今、田無市の例を御紹介いただきましたけれども、全体の一万カ所という中でまだ一千カ所程度でございますので、これからまさに急ピッチでという計画になっていますが、幸い市町村の平成十一年度までの計画では、私どもの全体の大きな集計としてはやはり八千カ所ぐらいは具体的な計画になってきておりますので、それなりの整備ができるのではないか。ただ、私どもはやっぱり八千カ所では足りないと思いますので、新しいゴールドプランでは一万カ所という目標を何とか堅持して、率直に申しまして市町村がどうしても中心になるものですから、大いにその気になっていただいてつくっていただくように、さらに奨励をしていきたいものだと思っております。
 あと、大都市部での不足といいましょうか、例を挙げられました。確かにそのとおりだと思います。ただ私、挙げられた区の状況、今すぐにはちょっと何カ所計画しているか数字がございませんが、例えば大阪市あたりではかなり本格的に、在宅介護支援センターを数十カ所つくっていくんだというふうな計画を立てているところもございますので、そういったふうなまだまだ不十分な体制の、計画すら持っていないところについては、さらに子細に市町村の計画を分析いたしまして、さらに奨励し、一生懸命やっていただくように指導もしていきたいと思っております。
 それから、二十四時間ということで鷹巣の例を挙げられましたけれども、実は私も、大熊さんと一緒に、鷹巣町に半年ほど前ですけれども行ってきまして、挙げられました姉妹の様子も拝見してまいりました。確かに町としては数十名のヘルパーというのを持ちましてやっているということでございますが、これは大きな都市でも十分できるのではないかと思います。鷹巣町で二十数名ならば、二十万の都市ならば二百数十名のヘルパーということに人口当たりで考えますとなるはずなんで、それぐらいの気持ちで特に大都市部では取り組んでいただきたいものだ、こんなふうに思います。それがあって初めて二十四時間という体制もできるわけですから、ぜひ各市町村でも、大きな都市部でも、そういう御計画を立てていただきたいものだと思っております。
 ただ、先と言われた生活支援センターというふうな名前にしたらということでございますけれども、当面はかなり広範な御相談にも応じなきゃいかぬわけでございますけれども、やはり介護というふうな一つの専門的なことを一番中心にしたいと思いますので、私どもの制度的な名前としてはやはり介護支援センターというのを大事にしていきたいものだと思います。それぞれの地域の中で固有の名前としてどういうお名前をつけられるか、より市民になじみやすいというところについては特段の制限はしておりませんが、機能としてはやはり在宅介護支援センターというふうな名称に沿った機能をこれから拡充していかなきゃならぬと思っていますので、その名称については今の姿を維持したいものだなと思います。ただ、何回も繰り返しますが、具体的な名前というのはそれぞれ自由に考えていただいて結構だ、こんなふうに考えております。
#73
○武田節子君 次は、労働省にお尋ねしますけれども、その前にまた事例を申し上げたいと思います。
 江戸川区に住む大垣さんという方なんですけれども、私は中高年、働く女性です。七年前、十歳、七歳、三歳と三人の子供を抱え、離婚しました。職業も二度ほど変わり、現在は七十八歳の母と五人暮らしです。二年ほど前、福祉の区と言われている江戸川区に引っ越してきました。
 母は糖尿病から眼底出血を起こし、また心臓病の心筋梗塞があり、現在では骨粗鬆症の激痛により何度か入退院を繰り返しています。ことしの二月、地域の方から会社に電話が入り、母の心臓が停止しましたとの知らせで、びっくりして泣き泣き病院に飛んで行きました。幸いに大事には至りませんでしたが、また六月には朝、突然歩けなくなるなど、私はいつも後ろ髪を引かれる思いで出社いたします。
 そのたびごとに会社を早退したり休暇をとったり、また子供が三人いますと、学校などで一カ月のうちに休むことが出てきます。入社したばかりの会社で有給休暇はなく、毎月欠勤すると皆勤手当が飛んでしまいます。七月の例で言いますと、母の入院で二日欠勤しました。今後のこともありますので前もって社長に現在の事情を説明し相談したところ、よく考えて返事をしますとのことでした。一瞬首になるのかなと思いました。そして給料日、明細を見ますと何と二万三千円が減収になりました。驚いて社長に話を聞きましたところ、欠勤日は無給であるからあなたも気兼ねなく休みやすいでしょうとの返事でした。気兼ねなく休むどころか、生活ができなくなるのに。こんなとき生活保障給付のある介護休業法があったらとしみじみ思いました。
 ここで労働省にお尋ねいたしますけれども、前の東大和市の熊谷さんの例も、またこの大垣さんの体験の中にもありますように、介護休業法の早期制定を切実に願っている人が大変多くなっております。特に中高年、働く女性を中心に増加しております。労働省におきましては、介護休業制度に関する専門家会合の報告書を参考にしながら、現在、婦人少年問題審議会において具体的な検討をされているようでありますが、ここでお聞きしたいことを三点申し上げます。
 一点は、広く女性の声が反映されるように、婦人少年問題審議会の委員の中に働く女性の代表、特に介護をしながら働く女性が入っているのでしょうか、お伺いいたします。二点目は、既に公明党は、平成五年三月十二日、参議院に党独自の介護休業等に関する法律案を提出しましたが、期間は一年間を限度とし、退職せずに介護できる、そして介護休業中の所得保障を行うなどの内容のものですが、それらは検討されているのでしょうか。また、労働省は、介護休業期間については、平成五年度女子雇用管理基本調査によると、実際に労働者による取得された介護休業の期間としては最低三カ月程度を確保することが適当であろうと考えられているようでありますが、その理由は、その取得率が三カ月未満が七七・七%で最も高いということですけれども、これは生活保障がないからで、ぎりぎりの線ではないかと私は推測するのですけれども、いかがなものでしょうか。また、最低二カ月ということは、もっと長期になる可能性も含んでいると解釈してよろしいのでしょうか。最低に対して最高はどのくらいと考えておられるのでしょうか。
 以上、三点について、労働省にお伺いいたします。
#74
○説明員(渡邊信君) まず、婦人少年問題審議会の女性の委員ですけれども、この審議会は、公労使の代表で構成されておりまして、全員で二十名ですが、そのうち女性委員が、公益が四名、労働代表が三名ということになっておりまして、合計七名です。なお、この公益代表の女性四名の方も職業を持っておられます。なお、これらの女性委員の方が現在介護をする人を抱えているかどうかということは存じ上げておりません。
 それから次に、公明党が提出をされました介護に関する法律案、例えば介護の期間を一年間、こういったことが議論されているかどうかということでございますが、婦人少年問題審議会には労働側、経営側の代表も出ておられまして、現在いろいろな角度から検討がなされている、こういう状況でございます。
 それから、介護の期間についてお尋ねがございました。実際に、民間で既に介護休業制度を導入されている企業で、介護休暇をとったという方の中では三カ月未満で復職をしたという方が七七・七%ということで最も多いわけであります。三カ月で復職をされたその理由というものについては特に調査をしておりませんが、おっしゃるように経済的な理由もあれば、三カ月程度で要介護者の方の病状が安定をして施設に入ったというふうな、いろいろな事情があろうかと思います。私どもが委嘱をしました専門家会合の結果でも、三カ月程度は最低必要ではないかというふうに報告をいただいておりますが、この三カ月程度はあくまで最低の基準かというふうに思っておりまして、例えば労使の協定でこれを一年間に延ばすというふうなことは、自由にできるといいますか、実際に民間で行われている制度は一年というものが多い、こんなふうに承知をしております。
#75
○武田節子君 次に、住宅に関して総合的に質問をいたしますけれども、初めに一点だけ厚生省にお尋ねいたします。
 これからの高齢化社会に対応した対策は、各省庁がばらばらに取り組むのではなく、緊密に連携し一体的に推進する必要があると思います。新ゴールドプランにおいてはシルバーハウジングプロジェクトなど建設省の一部住宅政策を含んでおりますが、さらにその他の高齢者住宅施策や運輸省の公共交通ターミナルの施設整備など、各省庁の施策を網羅的に取り込んだ総合的な計画が必要と思いますが、厚生省の考え方をまずお伺いしたいと思います。簡単によろしくお願いいたします。
#76
○政府委員(阿部正俊君) 簡単にお答えいたします。
 住宅対策を初めといたしまして、まさに連携してやっていかなきゃいかぬということで具体的に進めておりますので、後ほどまた関係省庁からのお話もあろうと思いますけれども、ただお年寄りということになりますとどこまでも広がっていくということもありますので、どうしてもその中心部分はどこだというところをやはりある程度限定して一つの方策を立てないと、いわば国政全体の計画みたいなことになりかねない面もございますので、どこまでゴールドプランという中に取り込めるのか、各省ともよくよく協議して、できるだけ連携をとれるような形にしていくように努力したいと思っております。
#77
○武田節子君 次は建設省にお尋ねしますけれども、五点についてお尋ねしますので、最後にまとめてお返事いただければ結構でございます。
 建設省は、本年六月二十八日に、高齢者が生涯を通じて健康で心豊かな生活を送ることができるように、住宅・社会資本の整備に関する中長期的な施策の方向、整備目標を取りまとめた「生活福祉空間づくり大綱」を策定し、その中で、高齢者向け公共賃貸住宅を二十一世紀初頭までに約三十五万戸整備するとの目標を立てております。この三十五万戸という数字の根拠は何なのでしょうか。シルバーハウジングプロジェクト、シニア住宅など、高齢者住宅の種類ごとにその内訳の数字を明確にしていただきたいと思います。
 二点目は、シルバーハウジングプロジェクトの実績は平成四年度まで約一千戸にすぎません。厚生省の類似した住宅政策であるケアハウスは平成四年度で三千七百六十人分となっていることに比べれば低い水準ではないでしょうか。整備が進んでいない理由及び今後の整備の見通しについてお伺いいたします。
 三点目については、本格的な高齢社会に向けて、一般住宅を高齢者が安心して生活できるように配慮した住宅へと変えていく必要があります。大綱の中で建設省は、今年度中に長寿社会対応住宅設計指針を策定するとしていますが、どのような内容のものか、お教えいただきたいと思います。また、指針の策定によりどのような効果が期待できるのですか、お伺いいたします。
 四点目は、これからは、高齢者に配慮した、だれもが安心して生活できる住宅に転換していく必要があると考えますが、住宅を新規に建設する場合には、少なくとも現在の住宅を改造するための費用と新規の増加費用部分を比べた場合は、増加費用部分の方がかなり安価で済むのではないでしょうか。新規に建設する場合の増加費用は一戸当たりどの程度と考えられているのでしょうか、お伺いいたします。また、増加費用については、現在実施されている割り増し貸し付けにとどまらず、増加費用については低利融資を行うというような制度の創設が有効な施策と考えますが、いかがでしょうか。
 五点目については、住宅内の事故によって年間四千人を超えるお年寄りが亡くなっていると聞きます。高齢者になっても安心して住み続けることができる住宅の整備が急務ですが、既にスウェーデンやイタリアでは一般住宅のバリアフリー化を法律で定めています。こうした外国の立法化事例についてはどのような評価をされておられますか、お伺いいたします。仮に、我が国においても同様に法律で定めるとした場合、どのような問題点があるとお考えですか、お尋ねいたします。スウェーデンでは建築基準法の条項でバリアフリー化を定めていますが、我が国の建築基準法の中でバリアフリー化を定めることは可能でしょうか。
 以上、五点についてお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
#78
○説明員(山本繁太郎君) 建設省の住宅政策課長でございます。
 お尋ねの五点のうち、住宅金融公庫の低利融資の制度を除く四点について私の方から御説明をさせていただきます。
 まず第一点目、生活福祉空間づくり大綱で私どもが目標として掲げております三十五万戸という数字についての考え方でございます。
 実は私ども、生活福祉空間づくり大綱で、二十一世紀初頭までに建設省が責任を持っております公共賃貸住宅についてどういうことを目標にやらなきゃいかぬかということを整理いたしまして三十五万戸という数字を出しておりますが、基本的な考え方について御説明いたしますと、二十一世紀において想定をされます、推計をされます高齢者等を含む世帯の数、その中で貸し家に住んでおられる方々を推計いたしまして、貸し家に住んでおられる方々の中で建設省が目標として掲げております最低居住水準の目標というのがございます。
 例えば高齢者単身でございますと、マンションなんかですと二十五平米より小さな住宅に住んでおられる方は最低居住水準をクリアできていないというふうに考えるわけですけれども、あるいは御夫婦二人の場合は二十九平米とか、そういう最低居住水準の目標というのを掲げておりますけれども、貸し家に居住される方々の中でその最低水準をクリアできない方々、これについては公共賃貸住宅で担う責任があるんじゃないか、そういうことを目標にしようではないかということで、いろいろ厚生省が見通しを持っておられる数字とかそういうものを駆使いたしまして、その世帯の数がおよそ三十五万くらいになるんじゃないかと計算をいたしましてこういう目標を掲げさせていただいたわけでございます。
 次に、第二点目のシルバーハウジングプロジェクト、なかなか意欲と比べて実際に供給している数が少ないではないか、なぜそういうことなのかというお尋ねでございます。
 これ実は、六十二年度から厚生省と協力する形で非常に新しいプロジェクトとして住宅政策を追求してきたわけですけれども、実際は、供給します際に現にある公営住宅を取り壊して建てかえるとか、あるいは実際に事業主体の場で福祉部門と建設・住宅部門が意思疎通を図りながらこの仕事を進めなきゃいかぬ新しい仕事だということもありまして、御指摘のように現在まだ一千戸というオーダーでございますのですけれども、計画ベースでいいますとかなり意欲的にやっておりまして、計画策定が済んでおるのが今四千五百戸ございます。それから既に建設に着手しておりますのも三千三百戸ございますので、これから順次本格的に供給する体制になると思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それから一二番目でございます。
 長寿社会対応住宅設計指針というものを準備しているそうだけれどもどういう考え方だということでございますけれども、これは実は、建設省では、国とか公共団体あるいは国にかわって公団などが賃貸住宅をつくります際には、高齢者がお使いになりやすい住宅を標準的な仕様としております。既にそういう取り扱いをしております。それから住宅金融公庫の融資についても、高齢者がお使いになりやすいような住宅については特別な割り増し融資の制度を持っております。そういう基準についてもう少し民間の方々にもわかりやすいように整理をしてこの考え方を普及していくことが、マンションとかそのほかの民間住宅についてもこういう高齢対応にする上で意味があるというふうに考えておりまして、でき上がり次第、例えば建築士とかそういう関係の団体あるいは住宅供給企業の方々、公共団体の方々に普及することで、我が国の住宅をそっちの方向に持っていくという上で役立てていきたいなと思っておるわけでございます。今年度中にぜひ策定して発表していきたいというふうに考えております。
 それから五点目の西ヨーロッパ、北欧とか南欧におけるいろいろな試みについてどういうふうに考えるか、我が国ではどういうふうにこれについていけるのかという御質問でございます。
 まず基本的な考え方といたしまして、高齢社会を既に経験しております西ヨーロッパの各国がこれまでにどういうふうなことで知恵を尽くし努力をしてこられたかという御経験につきましては、私どもがこれから高齢社会に対応していく上で、時間も限られているわけでございますので、大いに参考にして努力をしなきゃいかぬ、参考になる知恵が蓄積しているというふうに受けとめております。
 ただ、具体的にバリアフリーについて、我が国の住宅に例えば建築基準法などの法制の上でどういうふうに取り扱えるか、どう考えているかということでございますけれども、現在の段階では、建築基準法の考え方は、国民の皆様が通常であれば自由にいろいろできることについて最低限どうしても満たさなきゃいかぬ基準ということで義務づけていくことになるわけでございます。そのためには、国民の皆さん一般がそういうふうに考えていただくということがまず非常に大事でございます。
 建築一般についてはそうですけれども、特に住宅につきましては、その空間というのが非常に私的なプライベートな空間でございますので、個人個人の方々がいろいろ選択をされる、そういう要素もありますので、今我が国のこの現状で直ちに建築基準法でそれを義務、つけるというような対応はなかなか難しいのではないか。融資とか税制とか先ほどの長寿住宅の設計指針というようなソフトな方法でいろいろ誘導していくという段階にあるのではないかというふうに私ども考えているわけでございます。
#79
○説明員(坂田隆史君) 第四点目でございますけれども、御説明いたします。
 まず、高齢者の方が住宅の中で不都合なく生活できるように、住宅内の床の段差を解消する、それからトイレでありますとか浴室内に手すりを設置する、いわゆるバリアフリー化というふうに申しておりますけれども、そういった工事を行う場合の増加費用についてのお尋ねでございます。
 これはいろんなケースがございますので、ごく一般的なケース、例えば在来木造住宅の一戸建てで百二十平方メートル程度のケースで試算いたしましたが、そういたしますと大体百二十万円から百八十万円程度、ちょっと幅がございますけれども、その程度になろうかと存じます。住宅金融公庫融資ではこれに対応いたしまして、バリアフリー化の工事を行う場合には、先ほどの御指摘にもございましたけれども割り増し融資を実施させていただいております。本年度からその割り増し額を一戸当たり五十万円から百万円に引き上げたところでございます。また、高齢者用のトイレでありますとかバスユニット、それからホームエレベーターなんというのも最近出ておりますが、そういったものを設置いたす場合にも百五十万円までの割り増し融資というものを実施させていただいております。
 増加費用に対しましては、高齢の方が同居する住宅についてバリアフリー化工事を行うようなケースもございますが、そういったような場合の割り増し融資の引き上げなどもまだまだやっていかなければならないというふうな状態でございまして、今後ともこうした方向で住宅金融公庫融資制度の拡充等によりまして、高齢者の方々に配慮した住宅づくりを支援させていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
#80
○武田節子君 終わります。
#81
○有働正治君 私は、十月十八日、予算委員会でゴールドプランについて質問いたしましたが、時間の関係でやれなかった中から幾つか質問いたします。
 一つは、ことし、九四年度は老人保健福祉計画のスタートの年であります。ところが、その初年度から、特別養護老人ホームの建設費など施設整備の国としての助成が、その八割、大半を来年度に先送りいたしました。ことしはわずか二割しか予算措置をしなかったわけであります。その影響を厚生省はどのように掌握されておられますか。簡潔にお願いいたします。
#82
○政府委員(阿部正俊君) 今回、六年度の予算の執行に当たりまして、特に特別養護老人ホームの各県の協議状況からしますと、予算額をかなり大幅に上回る協議となりまして、こういう中で老人福祉計画せっかくそれぞれの市町村のつくっていただいたものをどう受けとめるかということを、率直に申しまして大分苦慮いたしまして、そういう中で、特定のところを遠慮していただいて特定のところだけ拾い上げるというわけにもいかぬだろうというふうなことで、単年度事業という御希望があったところにつきまして二年間の事業にしていただければというふうな、そういう趣旨で、六年度については二〇%、七年度については八〇%という二カ年の継続事業として内示したわけでございます。
 これは、結果的にはそういうことになりましたけれども、各都道府県との協議も経た上での内示ということにしておりますので、各市町村は残念だというふうに思うところもございましょうけれども、今のところおおむね御理解を得ているのではないかな、こんなふうに思っております。
#83
○有働正治君 自治省は、その影響だけで結構ですから、どのように把握しておられますか。
#84
○説明員(北里敏明君) 今年度、特別養護老人ホーム建設費の一部が二年に分割されて交付されることになったということで、厚生省からも、また地方団体からもそのように聞いておりまして、全額確保を前提として予算計上しておりました地方団体が予算補正等を今後余儀なくされるというふうな影響も出てまいります。建設主体であります社会福祉法人等にとっても非常に残念な事態であるというふうな認識を持っております。
#85
○有働正治君 極めて重大であるということを指摘せざるを得ません。認識が非常に甘い、実情もよく把握されていない、合意だからいいんだと言わんばかりの厚生省の態度は、私に言わせれば極めて不当であります。
 私どもの調査によれば、群馬だとか新潟だとか富山など各地で、例えば来年四月一日予定していた開所が不可能になった、あるいは受け入れが半年はおろか一年先に延ばさざるを得ない、着工のめどがつかぬ、こういうところもあるわけです。あるいは、借金で対応せざるを得ない、こういうことも出ていて、全国的に極めて重大な事態。国の方針に基づいて福祉計画また新しいゴールドプランということでせっかく対応している自治体の中には、口は出すけれども金は出さぬ、せっかくの計画が大変な事態になったということを率直に訴えられて、多くの自治体から私のところにも要望が届いているわけであります。
 ところで、厚生省、特養ホームの待機者というのは全国でどれくらいおられるというふうに認識されておられますか。
#86
○政府委員(阿部正俊君) いわゆる特別養護老人ホームの待機者ということでございますが、実は平成二年から新しく、老人保健福祉計画というようなことで、在宅、施設両方にらんだ上での必要な方策を考えてほしいというようなことでやってまいってきております。従来の待機者というのは、在宅の状況とかいうものにかかわりなく、ともかく入所を希望している人がどれくらいいるか、まだできない人がどれぐらいいるかということでの調査でございましたので、平成二年度時点では約三万人という調査がございました。
 ただ、先ほど申し上げましたように、これからは単なる特養の入所というふうな希望がどれぐらいあるかということだけで物を考えていくということではなくて、むしろ在宅も含めてその整備を進めるということでもございますので、現在の時点では、これまでのような特養のみについての待機者の推計というふうな調査は行っていないというのが現状でございます。
#87
○有働正治君 最近の調査によりますと、五万数千人に上っているというデータも出ているわけであります。私も幾つかの自治体にお聞きしまして、かなり調べているわけであります。県によりましては、入居自体が何年先まで待たなければならないという状況で、極めて待たれている状況にあるわけであります。にもかかわらず、今年度は二割しか措置しないで八割は後回しということは、極めて影響が大きいということであります。極めて遺憾であると言わざるを得ないわけであります。
 そこで、厚生省に聞きます。
 特養の待機者についてやはり実情をよく把握するように努めていただきたい。第二点、来年措置する残り八割につきまして、自治体の要望、状況に応じて完全に実施されるよう望むわけでありますが、いかがでありましょうか。
#88
○政府委員(阿部正俊君) 前段の、待機者ということでございますが、先ほど申し上げましたように、特養ということでのともかく希望者の集計というふうな性格の調査でございましたので、そういう形で物を考えていくというのは、それぞれ各市町村で老人保健福祉計画、特に在宅重視というような方向で物を考えていただくというふうなことになっていますので、その数字というものを従来のような形で調査し掌握していくということについては私どもは今の段階では考えておりません。
 また、後段の方でございますが、今回、六年度予算で二年間継続ということでお願いした市町村の特養の整備のケースにつきましては、来年度予算では優先的にその事業が完成するように取り計らうというのは当然のことではないか、こんなふうに思っております。
#89
○有働正治君 実情把握を、やはり希望者がどれだけいるかということは非常に重要なわけでありますから、これは後でも問題にしますけれども、対応していただきたい。
 それから、ことしと来年ということで先送りされたわけですけれども、それについては優先的に確保するという意向が示されました。自治体によってはもともと来年はこうやりたいという、来年度の計画があったわけです。先送り先送りされないように、もともと来年度措置したいと考えておられた、それについても配慮する、対応するということが望まれるわけでありますが、厚生省、いかがですか。
#90
○政府委員(阿部正俊君) 七年度予算はこれからのことでございますので、今断定的なことを言えるような状態にはないわけでございますけれども、私どもとしては、できるだけ各市町村の整備計画というものにそごを来さないような予算的な対応は基本的にしていくべきだろうというふうに考えております。
 来年度予算、年末にかけましてさらに財政当局等とも折衝いたしまして、そういったふうなことが可能になるような予算を何とか組んでいきたいと思っております。
#91
○有働正治君 それから、ホームヘルプ事業など在宅福祉事業の場合も当面申請額の六割しか交付しないという通知が出されて対応されています。つまり、残り四割は事態を見ながら対応するということのようでありますが、残りをどうするのか。完全にきっちりと、やはり今年度対応していただきたいと思うわけでありますが、厚生省いかがですか。
#92
○政府委員(阿部正俊君) 在宅補助金につきましても、率直に申しまして協議額がかなり予算額をオーバーしたというふうな状況がございますので、今先生がお話しのようなことで、当面六割内示ということで対応させていただいております。
 これにつきましては、私どもとしてはできるだけ年度内に追加内示ということで対応するつもりでおりますけれども、そのときの額につきましては、要請額全部果たしてできるかというところについては今ちょっと断定的に申し上げかねるところでございますので、都道府県等と十分調整をした上で、何とか事業執行にできるだけ支障がないように対応するつもりでございます。
#93
○有働正治君 きっちり対応していただきたい。
 この点について自治省にもお尋ねします。
 私が今申しました特養の建設費の繰り延べの問題、あるいはホームヘルプ事業など在宅福祉事業の予算措置の問題、自治体としては、当初計画をスムーズに執行していく上でどうしても完全実施していただきたいという希望が相次いで寄せられて、自治省の方にも寄せられているはずであります。
 そういう立場から、自治省としても厚生省等々と十分協議して、自治体の意向に沿うよう確実な対応を願いたいと求めるわけでありますけれども、いかがですか。
#94
○説明員(北里敏明君) 先ほど申しましたように、ことし建設費の一部が二年分割になったという事態につきましては、極めて遺憾といいますか、残念な事態であったと認識を持っておりまして、こうした分割交付によりまして地方団体等で来年度計画しておりますものにつきまして予算が確保できるかどうかまた不安であるというようなこともございまして、自治省としてこの七月にも関係各省にその所要額確保ということを強く申し入れをさせていただいております。
 また、来年度予算につきましても、地域福祉施策、こういう福祉関係施策の充実のために関係省庁に適切な対応を求めてまいりたい、このように思います。
#95
○有働正治君 ホームヘルパーなどの人件費の問題でありますが、都市部などで常勤の職員を雇うとなりますと年間五百万円くらい必要であります。そういう中で、新ゴールドプランの中でも補助単価を実態に見合って大幅に引き上げが求められている。これは地方六団体等の強い要望でもあるわけであります。こうした処遇改善に積極的に対応していただきたいというのが共通の要望であります。
 厚生省、いかがでありますか。
#96
○政府委員(阿部正俊君) ホームヘルパーの補助単価の改善につきましては、人事院勧告を踏まえた手当額の引き上げたとか、あるいはヘルパー活動の充実を図るための活動費の引き上げとか、あるいは、ヘルパーさんというのはチーム方式ということを言っておるんでございますが、それの中心になります、主任ヘルパーと称しておりますけれども、そういった方に対する業務加算の改善とか、さまざま講じておるわけでございます。来年度予算におきましても、しかるべくアップということで予算要求をしているところでございまして、引き続き所要の改善に努力してまいりたいと考えております。
#97
○有働正治君 現実と要求との乖離が極めて大きいわけで、大幅な、実態に見合った改善を強く要求します。
 次に、老人ホームというのは、関係者にとっては文字どおりそこが生活の場になるわけであります。その点から申しまして、お年寄りの方々の尊厳、これが守られるようにすること、これは非常に重要なわけであります。特養ホームなどの個室化、これが諸外国では当然の方向になっているわけで、我が国でも強く求められているわけであります。
 この点で、厚生省に改善を求める努力をお願いしたいわけでありますが、いかがですか。
#98
○政府委員(阿部正俊君) 特別養護老人ホームのいわゆる個室化ということでございますが、これにつきましては、私ども基本的にはもう少し個室の割合というものを拡大させていくべきだろうと思いますし、現在のゴールドプランを超えて新しいゴールドプランというものができるのであるならば、さらにその方向で改善を進めるべきだろうというふうに思っております。
 ただ、先ほどもちょっと申し上げたところでございますけれども、やはり個室というふうなことについての考え方といいましょうか、私はやはり民族的な多少の違いはあるのかなというふうに思っておりますし、あと同時に、従来の福祉サービスというふうなものの物の考え方の中に、それぞれの入所者本位というふうな発想があったのかなというふうなところもあわせて考えていくべきものではなかろうかなと。ともかくすべて個室化ということがすべての目標ではないのではないか、もう少しあわせて考えていかなきゃならぬ点が幾つかありはしないかというふうな考え方でこれから対応してまいりたいと思っております。
#99
○有働正治君 あわせてという方向であろうとも、改善に努力するということはそれはいいわけですね。
 自治省にお尋ねします。
 今申し上げましたホームヘルパーなどの人件費の処遇改善と特養ホーム等のこういう個室化等、それに必要に見合う補助基準、処遇改善ということ、これも自治体の共通の大きな要望であるわけで、改善方を求めるわけでありますが、いかがですか。
#100
○説明員(北里敏明君) 自治省といたしまして、今御指摘のホームヘルパー等のマンパワーの確保あるいはそれの処遇の充実あるいは個室化等につきましても、その拡充が望まれておるということは認識をしております用地方団体の意見、意向も踏まえまして、各地方団体が適切に事業を実施できますように関係省庁に要請をしてまいりたいと考えております。
#101
○有働正治君 全国の自治体が新しい老人保健福祉計画を策定しているということは非常に画期的なことであります。住みなれた町や村で老後を安心して暮らしたいとの高齢者、家族の切実な願いにこたえるため、計画の円滑な実施、住民の声を反映した引き続く見直し、充実が求められているというふうに考えるわけであります。
 そこで、まず自治省にお尋ねします。
 政府、都道府県は市町村のこういう自主的な計画づくりを、プランをつくる場合には尊重する、そしてこれを奨励、援助する、これが地方自治なり住民自治の精神だと考えるわけですが、この点いかがですか。
#102
○説明員(北里敏明君) 平成二年の老人福祉法等の改正によりまして、住民に最も密着した基礎的自治体でございます市町村が、施設福祉あるいは在宅福祉を総合的に実施する体制が整備をされたわけでございます。これを踏まえまして市町村は地域の実態を踏まえた市町村の老人保健福祉計画等を作成いたしまして、特別養護老人ホームの設置等の事業を実施しているところでございまして、御指摘のとおり、地域の実情を十分承知しておる市町村の自主性というものを尊重して、これをまた国のほうが支援していく、あるいは県が支援していくということは当然のことであると思っております。
#103
○有働正治君 当然厚生省もそうした考えだろうと思うんで、一言だけ、その点間違いありませんね。結論だけひとつ。
#104
○政府委員(阿部正俊君) 市町村段階から組み立てるというふうな新しい方向づけをとったというふうに理解しております。
#105
○有働正治君 ところが、都道府県による指導とか調整の名のもとに市町村の計画を国の基準の枠内に押しとどめるようにするなどの干渉がなされている事例が多々聞かれます。
 例えば奈良県菟田野町は特別養護老人ホームを家族の身近な町中につくろうといたしましたが、計画の書き直しを指導されてカットされた事例があります。北海道の場合、特養ホームが、六十五歳以上人口当たり、九二年度で一・九%と全国一位です。ところが政府が施設依存型だと非難し、これは明白に非難いたしました。事実上干渉いたしました。これは厚生省の担当の役人の明白な言動、裏づけもございます、一々申し上げませんが。道も屈伏し、一・一%と計画を大幅に下回らせた経緯があります。この結果、北海道の特養の待機者というのが二千八百五十五人と急増いたしました。にもかかわらず、例えば苦小牧市では新たに二カ所の建設を予定していましたが、そういう中で、国の非難とそれに応じた道の対応でゼロになりました。浜益村でも、村長もぜひ特養をつくりたいという意向を持っていましたが、カットされた経緯があります。北海道等は、厚生省は施設依存型と非難するわけでありますが、炭鉱の閉山など経済的困難からの出稼ぎなどで家庭での介護力が極めて弱い、加えて冬季の豪雪などの経済的、社会的条件等々があるわけであります。福岡その他でもこういう明白な事実があります。
 地域の実情を無視して、国の基準、高齢者人口の一%強などの枠にあくまでも抑えようということは、先ほどの立場、地方自治の精神からいって侵害に当たる、やはり地方分権がこれだけ言われているという点からいってもおかしい。
 そこで、私は求めたいのでありますが、市町村の自主的な計画をできるだけ尊重するという点で、先ほども述べられたわけでありますが、その点で正すべきだと私が指摘した件、そのほかにも聞こえてまいります。都道府県に改めて、その趣旨が、市町村の計画ができるだけ尊重されるよう指導を徹底していただきたいということを厚生省に求めますけれども、いかがですか。
#106
○政府委員(阿部正俊君) 私が申し上げたのは、今までの、国が中心になりましてどちらかというとお金を流してやるというよりも、それぞれの地域の中から組み立てていこうじゃないかというのが老人保健福祉計画の基本ではなかろうかと思っております。
 そのときに、やはり将来の方向づけということを考えますと、どちらかといいますと従来施設入所ということに非常に偏ってきた日本の高齢者福祉の将来を考えますと、もう少しそこのところの考え方というのを直すべきじゃなかろうかということで、いわゆる在宅というのを強調していきたい。これは何もお金のかかるとかかからないとかということではなくて、将来の地域の中での生活というものを重視していくとなれば、やはりできるだけ在宅というのを可能な限りやるということでございますので、そういう意味で都道府県等の対応に当たりまして在宅と施設入所とのバランスをできるだけとるようにというふうな一つのアドバイス、指導というのもあったでございましょう。
 あるいは、地域的な資源の配置ということからすると、例えば小さな町村部ですべての資源をそこで備えるというのはなかなか難しいというふうなことから、共同部にひとつもう一回福祉圏的な物の発想の中で都道府県がアドバイスをしながら整備についての調整というものも、やはり私は必要であるし、現実にそういうふうな観点からの指導、調整というのはあったのではないかと思いますし、これからもそういったふうな考え方はやはり必要なのではないか、こんなふうに思っております。
#107
○有働正治君 私は具体的に指摘したわけでありますし、一つは具体的な事実もあるわけですから、調査して積極的に対応していただきたい。今の答弁は合理化するだけで全く納得できないということを、最後に厳しく要求しておきます。終わります。
#108
○下村泰君 一番最後ですので、ほかの委員の方でほとんど意見が出尽くしました。できるだけダブらないようにダブらないようにお話をしなきゃなりませんのでえらい苦労をするんですが、まあもうちょっとですから勘弁してください。
 先般、当調査会で建設省からも住宅対策についての御説明をいただきました。厚生省、建設省、そして自治体などでも行っている事業を見ますとほぼ基本的な施策は出そろったと思うんですね。ですから、競馬じゃないけれどもゲートにほとんど入っている。何やるよかにやるよという目標をぶら下げてすっぽり入っておる。あとは質と量の充実、基本から応用の施策ということになると思うんです。
 もう一つつけ加えさせていただきますと、これまでの在宅介護機器と住宅対策というのが別々にやられていたような気がするんですよね。
 例えば、調査会でこの間も所沢の国立医療センターへ行きましても、そこでいろんな機器があるんです。機器があるんだけれども、ただ説明されるだけで、それが実際にどう使われるか、うちの中でそれがどう動くのかというようなことは、これはやっぱりあとはもう頭の中で想像する以外手がないんです。
 ことしの七月に熊本の方でモデルハウスがあるというので早速見に行ったわけですが、大変よくできているんですわ。そうしましたら、今度は通産省ですね、これ、こういうのは本当にしゃべりにくんですが、在宅介護機器システムハウス(ウエルフェアテクノハウス)というんですか、全国七カ所における具体的な基本計画が決定した、こういうふうに出ておるんです。これは大変結構なこっちゃなと思っているんですけれども、私の見てきたのというのは、民間の皆様方が独自に考えて開発して、これが一番いいんじゃないかなというふうにつくったものですから、見に行って大変ためになったわけです。通産省の取り組みが、果たしてこの計画に私らどんな期待を寄せたらいいのかなとも思うんです。一度通産省も見に行ってほしいと思いますけれども、本当はこの調査会の皆さんも見に行っていただくと、大変すばらしい、こういうパンフレットもありますけれども、皆さんにお配りしてもいい。こんなものもあるんですが、これ見に行ってきたんですよ。
 それで、通産省に伺いますけれども、おたくの方で出している計画ですけれども、今後どういう方向へいくというんでしょうか、御説明ください。
#109
○説明員(大嶋清治君) お答えいたします。
 少し発言しにくかったわけですけれども、ウエルフェアテクノハウスというものでございますが、最近の介護機器一式、すなわち車いすとかあるいは介護用のベッドとか天井走行リフトといったもの一式を備えた高齢者対応住宅でございまして、高齢化の進展の中で今後一層増大します在宅介護ニーズに適切な対応を図る観点から、介護機器技術と高齢者対応住宅を一つの融合した技術システムとしてとらえ、専門家の意見を踏まえまして建設するものでございます。これによりまして、単一の機器の研究だけではできないような機器と機器との相互のインター・フェイス、あるいは機器と住宅環境とのインターフェイスといったものが具体的に研究が可能になるというふうに思っております。完成後につきましては、望ましい将来の在宅介護のあり方を考える先端的な介護機器の研究現場となるというふうに考えております。
 現在、このウエルフェアテクノハウス、先生も御指摘のとおり全国七カ所において整備中でございまして、来年の二月から三月の完成に向けて現在工事を進めているところでございます。完成後は、ウエルフェアテクノハウスを活用しまして要介護の人に実際に滞在実験をしていただく予定でございます。それぞれの建設地域におきまして先端的な在宅介護機器の研究を促進するためにも、工業技術院といたしまして所要の予算を平成七年度の概算要求に盛り込んでいるところでございます。
 なお、技術普及を図る観点から、研究に支障がない範囲内でウエルフェアテクノハウスを広く一般に開放し意見を求めますとともに、介護機器あるいは高齢者対応住宅に関する普及啓蒙の場としても活用されることを期待しております。
#110
○下村泰君 余り横文字が多いのでよくわからないんですけれども、いずれにしましても、おたくの方でも今計画なさっていること自体は利用される方にすばらしい結果をもたらすものだというふうに、今お話を聞いて想像だけします。
 建設省に伺いますけれども、建設省の方々にもこの間ビデオを見ていただいたんですよ、ハウス二十一というやつの。そうすると、建設省としてはこれは普及させなきゃいけない役目をしょっているわけですけれども、これから建設省としてはどういうふうにこういう問題をお考えなんでしょうか。それをお伺いしておきたい。
#111
○説明員(山本繁太郎君) 建設省の住宅政策課長でございます。
 御指摘の問題について、高齢社会の到来を目前に控えておりますので、高齢者に配慮した住宅をできるだけ早く普及するということが非常に大事な課題だというふうに考えております。ビデオも見せていただきました。非常にすばらしいものだと思います。
 民間の住宅といいますか、国民の皆様方が取得される住宅がぜひそういうものにこれからなっていくようにするためには、やはり国民の皆様がすばらしいものだなというふうに思っていただくことが非常に大事でございます。そういう意味で、いろいろな市場誘導の方策をとりながらやっていくという考えでございます。
 今までも高齢者に配慮した構造設備を取り入れた住宅については住宅金融公庫の融資を充実させてきましたし、先ほど武田委員の御質問にもお答えさせていただきましたけれども、長寿社会対応住宅設計指針といったものをつくって、住宅産業界それから公共団体、それから国民の皆様方に、こういうようなすばらしいものがありますというのをぜひわかっていただきたいというのが中心でございますが、とりあえず、例えば七年度とういうことを考えているかということを具体的に御説明申し上げますと、まず住宅金融公庫の割り増し融資額、現在こういうのを配慮したものが百万円ほど割り増し融資することにしておりますけれども、七年度からこれを倍額二百万円に引き上げてほしいという要求をいたしております。
 それから、民間住宅の誘導については税制も非常に大きな意味を持ちます。今、住宅取得促進税制というのがございますけれども、特に高齢化対応のために増改築工事が行われた場合に、現行の住宅取得促進のための税額控除の控除率を、現在、借金の額の一・五%を税額控除するという仕組みですけれども、六年間を通じて毎年五%ずつ税額控除してくださいというような要望を税制当局にもお願いしております。
 こういうふうなことで、年々施策を充実させながら高齢者に配慮した住宅の普及に取り組んでいきたいというのが私どもの姿勢でございます。
#112
○下村泰君 実際に見てきて思ったことなんですけれども、ただ、熊本の岱明町というところですから坪が安いんだよね。だから、向こうでできる分には今あなたにビデオを見ていただいたとおりに非常に使いやすくて老人お二人でお住みになるにはうまいぐあいだなとは思うんです。あそこで大体六十万から八十万で建つちゃう。けれども、東京の場合は土地の方が大変ですから、だからあそこでの計算じゃこっちへ来ると全然合わないから、これから先はそういうことが大きな問題になってくるんじゃないかなとは思うんですけれども、そういうところはひとつ研究してみていただきたいと思います。
 それから、厚生省にひとつ伺います。
 現在の在宅介護支援センターや介護実習・普及センターなどで福祉用具の展示相談が行われていると思うんですが、少なくともどうも私の見た在宅介護支援センターでは、無理して場所をとってただ陳列してあるというようなのが多いんですよね、そういう状態が。はっきり言って、品数、その質の問題も含め、中途半端みたいな感じがするんですよ。
 だから、本気で福祉用具の啓蒙普及を考えるならば、先ほども申し上げたように、使われる方の生活実態に即して対策を考えないと意味がなさないと思う。新ゴールドプランで、仮の名前ですけれども福祉用具館や民間の販売サービスガイドラインをつくって、それから日常生活用具の給付事業見通しとでもいいましょうか、そういったものをひとつ見直してもいいころじゃないかと思うんですが、今ある制度、システムの充実と強化を常に考えることも忘れてはならないと思います。
 在介センターなどの福祉用具の紹介、相談の現状、これをどういうふうに認識なさって、実生活の中に生きた福祉用具の普及をどういうふうに考えていらっしゃるのか、ひとつ御意見を伺いたいと思います。
#113
○政府委員(阿部正俊君) 下村先生御指摘のように、在宅介護支援センターには、そういったふうな展示ということもできるように面積その他機能も持たせておりますけれども、ただ率直に申しまして、在宅介護支援センターは例えば職員配置等も二人ということでございますし、個々の個別の状態に応じて用具をうまく調整して使えるように個人へ指導したりというのは、かなり念入りな指導というのは、まず今の段階では無理だろうと思います。
 したがいまして、どちらかといいますと、いろんな直接身につける介護のときの必要な用品だとか、あるいは非常に定型的な車いすとか、そういう日常的にお使いいただけるようなものはそこで判断されてあっせんしていくというようなことになるのかなと。
 さらに必要なのは、住宅の改造だとかあるいはもう少し複雑な機器とかということになりますと、やはり個人個人にフィッティングをどうするのかということをかなり専門的な観点から少し時間もかけてやっていかなきゃいけませんので、その機能というのは在宅介護支援センターでやるというのはなかなか難しいだろうと思っていますので、今先生例を挙げられました福祉用具館、仮称ですが、そういうようなところでは、もちろん展示もございますけれども、そういう個々人へのフィッティングというようなことについてもかなり専門的にやれるような体制をいずれつくっていくことになるんではないか、こんなふうに考えています。
 現在の段階では、在宅介護支援センターの展示場というのは、どっちかというと出店といいましょうか、というふうな位置づけで物を考えるのかなというふうに考えております。
#114
○下村泰君 この間、私テレビで見たんだけれども、局長もごらんになったかな、人間の歩くスピードで歩けるような義足ができて、何か中にコンピューターが仕込まれていて、それで調節するというとその人の歩く速さにぴちっと合うような義足が今できているので、すばらしいものができてきているなと思いました。それからクッションがつくようになって、今までだとただ棒状の状態なのがクッションもつく、それから弾力もつく。そのうちに今度は駆けられるんじゃないかというようなところまでいっているらしいんです。
 これが日本でできたというのは大したもので、いつかたしかこの調査会で行ったと思いますが、九州の方へ行ったときにあちらで義足の話を伺ったときに、そこでつくっていらっしゃる義足の方がドイツのものよりは高いんですよね。向こうの方が安いんですよ。それで機能はどうかというと日本の方があんばい悪いなんて言われていたんですけれども、この間のあれを見て、大変すばらしいものができるようになったなと思うんです。こういうものも含めて、すべてのものをきちんと統括をある程度するようにして、お互いにそういう業者の方々にわざを競っていただくというのも必要じゃないかなというような気もするんですが、ひとつ考えてみていただきたいと思います。
 次に、痴呆の高齢の人に対しての住宅対策としてグループホームの有効性について既にいろんな方が指摘されてきている。ようやく新ゴールドプランの中に一言入ったわけなんですが、ただそこには整備目標数がないんですね。どういう内容のをどれくらいつくるつもりでここに書かれたのか、これを伺いたいと思います。それで、既に知的障害の方や精神障害の人々において実施されているんですが、同じように考えているんでしょうか。
#115
○政府委員(阿部正俊君) 痴呆性老人のグループホームにつきましては外国でもそれなりに例はございますが、私どもの検討状況を申し上げますと、かなり専門家的な専門家の観点から見ましても、痴呆性老人対策ということはなかなか容易じゃないというふうなことは非常に共通した認識なんでございますけれども、どんなふうな形での対応がいいかというのはなかなか一義的な解決方法というのは見つからないというのが率直なところでございます。
 そうはいいながらも、病院とかあるいは専門施設での対応に加えまして、もう一つやはり生活とあわせ兼ねた一つの拠点というのは必要なんではないか。グループホームの具体的なイメージというのを今の時点で描くことは大変難しいのでございますが、どっちかといいますと、例えば病気の治療とかというふうな形ではない形、それから施設かどうかということからしますとだれかがすべてを管理するというふうな施設ではない形、むしろ御本人の住まいということを中心にしながら、それをサポートできる形での共同生活といいましょうか、というふうなイメージでひとつグループホームを考えていくべきではなかろうかと思っていまして、先生の期待に必ずしも沿えないかもしれませんけれども、現在そのためのモデル実験というふうなことの計画を幾つか持ちまして、今年度から開始してまいりたい、それの成果を得ながらニューゴールドプラン等々に盛り込んでできるだけ具体化していくように努力したい、こんなふうな段階でございます。
#116
○下村泰君 ついでにと言っては失礼ですけれども、現在、身体障害者の人々に対しては十名定員の福祉ホームというのはあるんですよね。グループホームというのはないんですよ。自治体の中には独自に事業化しているところもあって、ニーズとしてはあるわけなんですけれども、私は、福祉ホームはそれで大変有効だと思うんですけれども、福祉ホームの役割、グループホームの役割というのは、そのサイドだけでなくて、形態、やり方の違いにおいてそれぞれあると思うんですね。
 福祉ホームはそれで結構ですけれども、グループホームというのもこれもなかなか捨てがたいものがありまして、本当言うと、お役所の方からあなたたちこれだけお金やるから、これで適当にやってくれと、これが一番いい方法なんだけれども、こうはいきませんわな。ですから、こういう要求は大変あると思うんですが、今こういうグループホームに対してどういうふうにお考えでしょうかね。ちょっと聞かせてください。
#117
○政府委員(佐野利昭君) 先生が今おっしゃいましたように、知的障害者の場合には、その知的障害によって社会性が欠けるという面があって、なかなか社会適応が困難である。そういう面をサポートする意味で、グループホームをつくって、そこにそういう社会性に欠ける人たちの社会性に欠ける部分を補う形で地域社会に生活していただくという体制づくりをしているわけでございます。
 いわゆる知的障害のない身体障害者の場合には、どちらかといいますとやはり非常に自立性あるいは自主性に富んでいる方が多いわけでございまして、そういう面でいいますと、独自にそれぞれの形で生活されるという体制づくりの方がより望ましいのではないかというのが従来の考え方だったと思うんです。今先生がお話しになったような、そういうグループホームのようなスタイルが、知的障害のないような身体障害者の場合にもその社会的需要が本当にあるのかどうかということにつきましては多少疑問な点もあるわけでございますけれども、私ども厚生省の中に身体障害者施策推進の総合対策本部を今度つくりましたものですから、そこで総合的にそういう施策のあり方をもう一遍見直してみまして、今後対応を考えてみたいと思います。
#118
○下村泰君 四十四分が終了時間ですから、もう一つ伺います。介護についてちょっと伺いたいと思います。
 介護保険について伺います。実は三年ほど前に逓信委員のときに、ちょうどドイツで介護保険が議会で議論されているころだったんですけれども、郵政省の簡保の担当者にこの保険をどう思うかということをお尋ねしたんです。また、日本へ導入するとしたらどうかということをお聞きしたのですが、明確な答えがありませんでした。国のシステムとして導入するというのは大変だなと思ったわけですけれども、そんなことを考えていましたら、社会保障制度審議会は、厚生省内の声として介護保険導入の話が本格的なテーマとして出てきたというふうに承っているんですが、うれしい反面大丈夫かなという気も一方にはあります。具体的なものはまだ決まっていないようですけれども、私がドイツの検討結果から見て思っていたんですけれども、この制度を結果としてどういうものにするかは別として、ヘルパー制度のあり方、家族介護の評価、施設への措置制度などについて相当根本的なところまで議論する必要が出てくると思うんです。
 検討途中ということなんですが、その辺どういうテーマをどの程度議論されているんですか、それを承って終わりにしたいと思います。
#119
○政府委員(太田義武君) 新しい高齢者の介護システムにつきましては、先生御指摘のように社会保障制度審議会の報告書でも触れられており、また私ども厚生省の福祉ビジョンの中でも、国民だれもが身近に必要な介護サービスをスムーズに手に入れられるシステムという提言も受けてございまして、そういう点を受けまして、対策本部をつくりまして、あるいは研究会を設置してまさに今研究の途中でございますが、介護問題は、先生おっしゃられますように、医療とか福祉など極めて幅広い分野にまたがるものでございますので、検討の過程において現行制度との調整の必要なものが出てくるのではないかというふうには考えております。
 いずれにしても、先生おっしゃられました介護保険の制度につきましては、選択肢の一つであるとは思いますけれども、先ほど申しましたように、まだ今研究会での研究の途中でございます。年内には報告書をまとめていただけると思っておりますけれども、そこでは介護問題をめぐる基本的な論点とか考え方を今整理、検討しているところでございますが、今後とも諸外国の動向を調査しながら研究会の場で幅広い観点から議論をしたい、こういうふうに考えております。
#120
○会長(鈴木省吾君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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