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1994/11/15 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 労働委員会 第3号
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1994/11/15 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 労働委員会 第3号

#1
第131回国会 労働委員会 第3号
平成六年十一月十五日(火曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十五日
    辞任         補欠選任
     川橋 幸子君     角田 義一君
 十一月十四日
    辞任         補欠選任
     細谷 昭雄君     清水 澄子君
  出席者は左のとおり。
    委員長         笹野 貞子君
    理 事
                野村 五男君
                庄司  中君
                古川太三郎君
                吉川 春子君
    委 員
                小野 清子君
                坪井 一宇君
                柳川 覺治君
                清水 澄子君
                千葉 景子君
                角田 義一君
                安永 英雄君
                足立 良平君
                風間  昶君
                武田 節子君
                三石 久江君
   国務大臣
       労 働 大 臣  浜本 万三君
   政府委員
       労働大臣官房長  伊藤 庄平君
       労働省労働基準
       局長       廣見 和夫君
       労働省婦人局長  松原 亘子君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       労働省職業安定
       局高齢・障害者
       対策部長     野寺 康幸君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐野  厚君
   説明員
       厚生省社会・援
       護局施設人材課
       長        吉武 民樹君
       通商産業省産業
       政策局企業行動
       課産業労働企画
       官        藤田 義文君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (障害者の雇用対策に関する件)
 (高齢者の雇用促進に関する件)
 (雇用保険制度に関する件)
 (産業構造の変化に伴う雇用対策に関する件)
 (介護休業の法制化に関する件)
 (過労死の認定に関する件)
 (労災病院の整備充実に関する件)
 (失業対策事業の見直しに関する件)
 (男女雇用機会均等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(笹野貞子君) ただいまから労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十月二十五日、川橋幸子君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君が選任されました。
 また、昨日、細谷昭雄君が委員を辞任され、その補欠として清水澄子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(笹野貞子君) 労働問題に関する調査を議題とし、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○野村五男君 質問をさせていただきますが、今日本を取り巻く環境は非常に厳しいことがあろうと思っております。毎日、新聞をにぎわしておりますけれども、特に大きな問題としまして四つの荒波にくらくれていると。その一つは輸出産業の凋落、もう一つは国内産業の空洞化、もう一つは米国産業の復活、そしてもう一つは新しい工業国の急成長と。そういう中で労働行政もあるわけでありますので、極めて厳しい状況下にあると思います。
 そこで、先般浜本大臣の所信表明をお伺いしたわけでございますが、所信表明の性格からしまして労働行政全般にわたる課題について触れざるを得ないといった制約があったかと存じます。そこで、大臣はこれまで議員として社会労働畑を中心に御活躍をくれてこられました。その御経歴、経験からして当然所信表明では言い足りなかったこと、あるいはぜひこれだけは実現しておきたいことなどがおありだろうと思いますが、まずその点を伺っておきたいと思います。
#5
○国務大臣(浜本万三君) 我が国経済は穏やかながら回復の方向に向かっているものと思います。雇用情勢は依然として厳しい状況にあります。また、中期的には国際化や情報化の進展に伴う産業構造の変化、あるいはまた高齢化、女性の職場進出など多様な構造変化が進展をしておるわけでございます。
 労働省といたしましては、こういう状況の中で的確にすべての問題に対応していかなきゃならぬと思っています。安心、ゆとり、活力に満ちた社会の実現を目指しまして各般の施策の積極的推進に努めてまいる所存でございます。特に、当面する問題といたしましては、重要な課題といたしまして離職者の再就職促進、また新規卒業者の就職支援等がございますので、そういう面に重点を置きました対策を講じて、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 また、所信表明の中でも申し述べましたとおり、どうしてもやりたいというのは三つほどございますので取り出しまして申し上げますと、一つは中長期的な産業構造の変化のもとでの雇用構造転換の円滑化、人材の育成というのがございます。それから第二番目は、介護休業制度の法制化問題の検討を初め、職業生活と家庭生活の両面が成り立つような支援対策を講じてまいりたいということでございます。三番目は、労働時間の短縮や職場における安全と健康の確保、さらには障害者雇用対策等の積極的な取り組みを推進してまいりたいと考えております。
#6
○野村五男君 現下の厳しい雇用情勢あるいは女性、高齢者、障害者の雇用といった懸案事項の着実な改善を図るためには、いわゆる受け身の姿勢や後手に回ってはだめで、大臣が就任時の記者会見で強調されましたように機動的な施策の実施が肝要であると痛感しております。
 そのためには、労使双方の理解を得るための調整、関係省庁との折衝など多彩な活動が不可欠であります。大臣の積極的な活動を期待するとともに、応援もしなくてはならないと思っておりますが、まず大臣の決意を改めてお願いいたします。
#7
○国務大臣(浜本万三君) 野村先生の温かい激励のお言葉に大変感謝をしておるわけでございます。
 申されましたとおり、現下の厳しい雇用情勢に対応するために、労働省としては総合的な雇用対策といたしまして雇用支援トータルプログラムを実施中でございます。これによりまして雇用の安定に努めておるところでございます。ただし、雇用調整は減少傾向にございますが、依然として求職者がなかなか就職しがたいような条件もございます。こうした方々の一日も早い再就職の促進に重点を置いた取り組みを強力に推進してまいらねばならぬと思っております。
 また、九月末に開催されました総理大臣を本部長とする緊急雇用問題等対策本部におきましても、関係閣僚と意見交換を行うとともに、経済政策、産業政策が一体となりまして雇用の安定に取り組んでいくことを確認いたしておりますから、ここでも懸命に雇用問題に取り組んでまいる所存でございます。
 さらに、労働省といたしましては産業労働懇話会の開催など、各種会合や関係審議会などを通じまして、労使双方とも意見交換、調整を行っておるところでございますが、今後ともあらゆる機会を通じまして関係者の考えを十分に参考にしながら諸政策の推進に努めてまいりたいと思っております。
#8
○野村五男君 さきの常会では障害者雇用促進法の改正、高齢者雇用安定法の改正、雇用保険法の改正が行われましたが、私が労働委員長時代の改正法であり、改正の趣旨が生かされ十分機能することを願うものであります。
 そこで、改正事項のフォローアップを時間の許す範囲でしてみたいと思っております。さきの改正の大きな柱は、職業リハビリテーションを実施する公益法人の障害者雇用支援センターを都道府県知事が指定する制度の創設でありました。当初の説明では本年度は熊本県、滋賀県、埼玉県、岡山県の四カ所と伺っておりましたが、実際の指定状況はどのようになっておりますか。
#9
○政府委員(征矢紀臣君) お答えいたします。
 熊本県におきましては、既に十一月一日付で熊本市を中心とする区域につきまして指定を行った旨の報告を受けておるところでございます。なお、残りの三カ所、ただいま御指摘の埼玉県、滋賀県、岡山県につきましても、逐次指定の準備を進めていると聞いておるところでございます。
#10
○野村五男君 そのように指定が予定どおりに進まない理由が何かをお伺いしたいのでありますが、複数市町村で設置する場合の市町村間の調整、設置補助費等に問題があると考えておられますか。
#11
○政府委員(征矢紀臣君) ただいまお答え申し上げましたように、三県につきまして指定に向けて逐次準備を進めているところでございますが、改正法の施行が十月一日でございまして、それから一カ月程度過ぎたところでもございまして、現在一カ所の指定という現状でございます。他の三県につきましては、御指摘のように複数市町村の区域の指定を予定しているということもございますし、財政面も含めまして関係市町村との調整にも時間を要するというようなことから、なおしばらく時間がかかるのではないかと考えているところでございます。
 私どもといたしましても、今年度中の指定に向けまして関係県に対する指導、援助に引き続き努めてまいりたいというように考えております。
#12
○野村五男君 予算措置の問題もあると思いますが、今後の指定促進策についてもお伺いしたいのでありますが。
#13
○政府委員(征矢紀臣君) 当面につきましては、本年度、法律で御議論いただきました際にあわせて考えておりました援助策等について、それに基づきまして促進することといたしているところでございますが、今後の動向等も見まして、なお今後に向けて必要な検討をしてまいりたいというふうに思います。
#14
○野村五男君 障害者の通勤対策や住宅の整備、福祉施設の整備費等について事業主団体等に対しても助成措置を講ずるなどの制度創設も図られ、意義ある改正と評価しておりますが、これまでの実施状況をお伺いします。
#15
○政府委員(征矢紀臣君) 今回の障害者雇用促進法の改正につきましては、先ほども申し上げましたように施行されたのが十月一日でございまして、一カ月余たったわけでございますが、施行後間もないということもございまして、現時点におきましては新設、拡充されました助成金につきましての支給実績はまだございません。
#16
○野村五男君 景気の厳しい折に、企業もなかなか障害者施設の整備に手が回らないのが実情かもしれませんが、制度創設の意義、内容を今後とも十分PRしたり、助成手続の簡素化や助成内容の充実を図るなど、制度改正が十分生かされるよう今後とも努力してほしいと思いますが、決意のほどはいかがですか。
#17
○国務大臣(浜本万三君) 今回、新設、拡充されました助成金制度というのは、大きく分けますと三つほどございまして、一つは処遇の改善、福祉施設それから重度障害者の雇用、そういうふうな諸制度があるわけなのでございますが、御説のように、こういう助成金制度というのは事業主の方々に活用されて初めて効果を発揮するものだと思います。その利用の促進を図ることは、制度の創設に劣らず非常に重要なものと考えております。
 このため労働省といたしましては、パンフレットの作成を初めといたしまして、助成金の内容が広く事業主の方々に周知できるように今努めておるところでございます。さらに、今後の助成金の支給状況やその効果を勘案しながら、引き続き助成手続の簡素化、助成内容の充実について検討してまいりたいと思っております。
#18
○野村五男君 次に、高齢者雇用安定法の施行状況についてお聞きします。
 定年延長や雇用継続は、企業にとってはコスト増になりますが、現下の厳しい経済情勢の中で果たして企業が積極的に取り組んでくれるのかどうか、改正法は円滑に実施されているのかどうか非常に危惧しているのであります。
 そこで質問させていただきますが、同法に基づく高年齢者職業経験活用センターの指定は十五カ所を目標としているそうですが、指定が思うように進んでいないとのことでございますが、現在までの指定の状況、指定が思うように進まない理由、今後の対策についてお伺いしたいと思います。
#19
○政府委員(征矢紀臣君) 高齢者の雇用対策につきましては、さきの国会で高年齢者雇用安定法の改正を成立いただきました。それを踏まえましてこの施行準備をし、かつ一生懸命取り組んでいるところでございます。
 御指摘の高年齢者職業経験活用センターにつきましては、その事業の中核となります高齢特例労働者派遣事業、これが実は関係審議会の議を経て十一月一日に施行されたということもございまして、まだ日にちがたっておらないということもございます。
 そこで、その設立を希望する事業主団体等におきまして、これは現在検討しておるのは八団体、八グループほどございますが、この施行も踏まえまして現在設立の準備が進められているところでございます。ただ一方、景気の低迷が長期にわたり続いているというようなこともございまして、設立に関心を持つ事業主団体等でありましても経済情勢等を慎重に見守っているところも多いのも事実でございます。
 いずれにしましても、今後中長期的に考えた場合に、このセンターの重要性を認識し、設立の機運が高い事業主団体等も少なくないと考えますので、私どもといたしましてはこれらの団体に対し積極的な広報あるいは相談等の働きかけを行いまして、センターの設立促進になお一層努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#20
○野村五男君 高齢者の労働能力につきましては、単純労働職、技能労働職等一定の職域については若年者に引けをとらない能力を発揮するとの調査研究もあると聞いております。
 そこで、高齢者の職域開発についての一層の調査研究と情報提供も労働行政の使命と考えますが、見解をお伺いしておきます。
#21
○政府委員(征矢紀臣君) 御指摘のとおりでございまして、高年齢者の職域の拡大と高年齢者の雇用の安定等についての調査研究を行うことは大変重要でございます。これを含めました幅広い情報を提供していくこと、これも高年齢者雇用安定法第五十三条等に規定されているところでございまして、私ども労働行政の大変重要な課題であるというふうに考えております。
 現在、これらの対策につきましては、高年齢者雇用の問題が個別企業の経営に直接かかわる問題であること等にかんがみまして、専門的知識を有し、高年齢者の雇用問題について積極的な活動を行っている高年齢者雇用開発協会、これは中央及び地方にございますが、そういうところを通じまして、この対応を弾力的かつきめ細かく行っているところでございます。
 労働省といたしましては、今後ともさまざまな施策を通じまして、高年齢者の雇用の促進に一層努力してまいりたいと考えているところであります。
#22
○野村五男君 来年度予算では、制度のより一層の充実のためにどのような施策を予定されているのか。今後の高齢者雇用安定法の運用に当たっての政府の決意とともに、具体的な施策等についてお聞かせ願います。
#23
○国務大臣(浜本万三君) まず、基本的な考え方でございますが、今後の急速な高齢化の進展に対応いたしまして、我が国経済社会の活力を維持していきますためには、二十一世紀初頭までに希望すれば六十五歳まで現役として働ける社会を実現していくということが非常に大切なことだと思っております。
 そのために、平成七年度におきましては、さきの通常国会で改正されました高年齢者雇用安定法に基づきまして、三つの重点を決めて取り組もうとしております。その一つは、六十五歳までの継続雇用の推進ということ。二番目は、高齢者の多様な形態による雇用就業の促進ということ。三番目は、定年退職後等における就業機会の確保ということ。これを重点に高年齢者雇用対策を推進してまいりたいと思っております。
 くらに、労働省といたしましては、これらの施策を積極的に実施することにより、六十五歳までの雇用機会の確保に万全を期してまいりたいと思います。
#24
○野村五男君 次に、雇用保険法の改正について伺います。
 九四年度の当初予算で失業給付の基本手当額として一兆一千七十八億円を組んでいますが、厳しい雇用情勢から実績がこれを上回れば積立金を取り崩すことになるとも報道されております。雇用保険法の改正によって、新たな給付として雇用継続給付が創設され来年四月から施行されれば、年間の予算は高年齢雇用継続給付として五千四百億円、育児休業給付として六百億円と見込まれておりますが、雇用保険の収支状況は心配ないのでしょうか、お伺いします。
#25
○政府委員(征矢紀臣君) さきの国会で雇用保険法の改正をお願いいたしまして、ただいま御指摘の雇用継続給付が創設されたわけでございます。これは来年の四月から実施される運びになりましたが、この法律改正を検討する段階でいろんな財政的な面での計算もいたしまして検討した結果お願いしたわけでございます。
 これにつきましては、この雇用継続給付制度を創設することに伴いまして、それに要する雇用保険の支出は拡大するわけでございますが、ただ一方で、雇用継続給付が効果を発揮することによりまして、これまでであれば失業していた方が働き続けるようになる、それができるということによる失業等給付の減少及び保険料の追加収入が見込まれること。二点目としましては、今回の雇用保険法の改正に伴う失業等給付の改正によりましてこの給付額が削減される面もございまして、全体としまして雇用保険の収支には大きな影響はないものというふうに考えておるところでございます。
#26
○野村五男君 雇用継続給付は失業給付と違い就業しながら、また育児をしながら給付を受けるものでありますが、法案審査の際も他の先生方から要望があったと記憶しておりますが、失業給付よりもいわゆる簡便な証明手続、支給手続を考えるべきであると考えます。どのような手続で支給するのか、簡単に御説明願いたいと思います。
#27
○政府委員(征矢紀臣君) 法案審議の際にそういう御指摘もあったわけでございますが、法律成立後つい先日、関係審議会の御議論を経まして政省令についての答申をいただき、現在その施行をする準備を進めているところでございます。
 そういう中で、この雇用継続給付は、その支給を受けようとする被保険者が賃金の支払い状況等に関する事業主の証明書等を添付いたしまして公共職業安定所に支給申請をまず行った場合に、公共職業安定所におきましてそれを審査した上で支給決定をする。原則としてその後本人の口座に給付の振り込みを行う、こういう方法で支給する考え方でございますが、これは労使間の同意というような一定の要件のもとに事業主がかわってこの支給申請を行うことができるようにすることもあわせて考えておるところでございます。
 なお、支給手続につきましては、御指摘のとおり、その簡略化にできる限り努めるとともに、公共職業安定所等におきまして、制度内容や手続の周知徹底、支給申請に際しての相談、援助等につきましても積極的に取り組んでまいりたいということでございます。
 これは来年の四月一日から施行でございますので、ただいま準備を始めておりますが、それまでの間にできるだけただいま申し上げましたようなことで、制度の周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
#28
○野村五男君 くらに給付の効果を上げるためには事務量の増大に伴う体制の整備も不可欠だと思います。
 平年度ベースでは高年齢雇用継続給付対象者が百十六万人、育児休業給付対象者が十四万人と推計されております。事務量も当然増加すると思いますが、厳しい定員削減計画のもとで難しいのは承知しておりますが、職員に過重な負担を強いることのないよう、また給付事務が滞ることのないよう、事務体制の整備も必要であると思いますが、いかがでしょうか。
#29
○国務大臣(浜本万三君) 要員の問題について御心配いただきまして感謝しております。
 いわゆる雇用継続給付は、高齢化、少子化が急速に進展する中で、高齢者の雇用促進のため、また、育児環境の整備をし後世代の健全な育成という今後の国の基本的課題に対処するためには非常に重要な課題だと思っております。お話しのように、それらの給付をいたしますためには、百三十万人の給付をしなければならないということでございまして、大変大きく仕事量がふえると思っております。
 そこで、私どもといたしましては事務の合理化それから効率化を図る一方、必要な人員の確保のため関係各省庁の御理解を得るなど、実施体制の整備に全力を挙げて取り組んでおるところでございます。
 恐らく予算編成時になりますと、委員の皆様方にも要員確保についてお力添えをいただきたいというようにお願いするかもわかりませんが、そのときにはよろしくお願いを申し上げたいと思います。
#30
○野村五男君 最後の質問にくせていただきます。答えられる範囲内で結構なんですが、労災保険について、総務庁による行政監察で、平成三年度の数字ですが、加入事業数二百四十九万に対して、なお百万を超える未手続事業があると報告されております。
 雇用保険は原則として労働者を雇用するすべての事業所に適用されるわけですが、このような未手続事業所はあるのでしょうか。お伺いしておきます。それで終わります。
#31
○政府委員(征矢紀臣君) 手元に具体的な数字がございませんが、御指摘のようにございます。
 労災保険にしましても雇用保険につきましてもこれは全面適用でございまして、本来的には全部事務手続をとっていただかないといけないわけなんですけれども、御承知のように零細事業所が多数あるというようなこともございまして、なかなか手続がとれない事業所も相当数ございます。
 ただし、これは事故が起こりました場合には、そこの労働者の保護に欠けることがあってはなりませんので、公共職業安定所に手続をとっていただければ雇用保険の給付はできる、そういう体制で対処しているところでございます。
#32
○足立良平君 新緑風会を代表いたしまして質問をさせていただきたいと思います。
 浜本労働大臣はかつては労働組合の仕事といいますか、働いている人たちの生活を向上させる、あるいはまた権利を拡大していく、そういう観点でずっとやってこられた経歴をお持ちのようでございます。そういう面で私は心から大臣の就任をおめでとうございますというふうに申し上げたいと思いますし、同時に本当に日本の働いている人たちの立場で今後労働行政というものを推進していっていただきたい、こういう面で大変な実は期待を持っているわけでありまして、そういう面でひとつ今後の御活躍を心から期待を申し上げたい、このように思っております。
 村山内閣は人に優しい政治という政治理念を実現するために、二十一世紀に向けて改革すべきは大胆に改革をしていこう、これは政治なり経済なりあるいは行政改革なりあらゆる問題に取り組んでいこう、このようにくれているわけであります。そういう点で村山内閣の一員として、内閣の基本方針を、浜本大臣らしさをどのように労働行政の中に出していかれようとしているのか。まず、その点についての所信をひとつお聞かせを願いたい、このように思います。
#33
○国務大臣(浜本万三君) 来年度の政策について主にお話ししようと思っておったんですが、観点が少し変わった御質問でございますので、それに沿ってお答えをさせていただきたいと思います。
 お話しのように、村山内閣の看板は人に優しい政治をするということでございます。また私は常々政治の要請は世間の普通の人の常識に立った行政を進めることが大切であるというふうに考えておる次第でございます。こうした立場に立って考えますと、現在の状況におきまして労働行政におきまして最も大切なことは雇用の確保を図ることであろうと思います。
 私は、就任早々学生特に女子大生の就職対策のため各地を回りまして、経済界の方々にお願いをいたしたことを初めといたしまして、既に雇用支援トータルプログラムの方針によりまして機動的かつ強力な雇用対策を推進しておるところでございます。
 御承知のように、景気はようやく穏やかながら回復の方向に向かっておると思いますが、雇用情勢は依然として厳しいものがございますので、今後とも雇用の確保に向けて万全の取り組みをしてまいりたいと考えております。
 また、一人一人の労働者が職場でも家庭でもその能力を発揮し輝くことができるように職業生活と家庭生活の両立を図っていかなければならないと思いますので、その積極的な支援政策を進めてまいりたいと思います。特に、今日本の社会で大きな問題になっております介護休業制度の創設というのは差し迫った課題でありますので、特に重点を置いて取り組んでまいりたいと思っております。
 また、行政改革の問題についてもお話がございましたんですが、行政改革の推進というのは簡単に申してなかなか難しい問題でございますが、効率的な行政を実現するために不断の努力をすることが必要であると思っております。そうした観点から、村山内閣といたしましては、連立与党におきまして行政改革を進めるに当たっての基本方針というのを策定いたしまして、この方針を踏まえまして積極的な行革を推進しようとしておるところでございます。既に総理大臣から各大臣に対しまして具体的な方針を検討するよう指示が出されております。
 したがって、私どもといたしましても、規制緩和でありますとか、地方分権でありますとか、情報公開でありますとか、特殊法人を初めとする各般の行政改革の課題について積極的な取り組みをいたしまして、国民の背くんの目に見えるような結果を出していかなければならないというふうに思っておるところでございます。
#34
○足立良平君 私は、今大臣の話を聞いておりまして実は大変に安心をいたしたわけであります。マスコミなり一般的に評判といいますか、そんな大したものでないのかもしれませんが、後ほど規制緩和問題等について少し質問をいたしたいと思いますけれども、村山内閣が、細川内閣にしてもあるいはまた羽田内閣に比べて、行政改革なりあるいはまた規制緩和の問題なり、そういうふうな問題にいささか後ろ向きではないかというふうな批評が若干なきにしもあらずであります。今大臣のお話を聞いておりまして、実は私はそういう面で、積極的にこれからの経済社会あるいはまたなかんずくその中における雇用というものを確保していくという観点で取り組んでいこうとくれている大臣の熱意をちょっと今感じたわけでありまして、そういう面で私は安心をしたと申しますか、そういう面での期待も申し上げている、こういうことです。
 これは、私正直に申しまして今までの細川さんの所信表明あるいはまた羽田さんの所信表明、あるいはまた村山現総理の所信表明とずっと読んでみまして、これから規制緩和の問題なり行政改革を進めていくに当たりましても、実際的には今までの秩序というものをやっぱりこれは変更していかなきゃいけないし、そこには当然にしていろんな力というもの、パワーが加わってまいりますし、羽田さんの表現をするなら痛みを伴うものだという表現もこの所信表明の中にしておられるわけであります。
 そういう面では、総論として行政改革を進めていきましょう、規制緩和を進めていきましょうということは、逆に我が国の経済社会の中で大変な痛みなりあるいはまた摩擦というものが生じてくるものだ、これをどのように乗り越えていくのかというものが私は必要なんだろうと思います。ひとつそういう点で積極的に私は取り組んでいっていただきたいということをあえて申し添えておきたいと思うんです。
 くて、その上でひとつ、これは大臣といいますよりも私は労働省の方にもちょっとお聞きをいたしておきたいと思うんです。
 今、大臣からお話がありましたように、雇用は極めて重要であるということはまくにこれはそのとおりでありまして、これはもういかなる経済社会になろうと雇用を確保するということは絶対に必要なことだろうというふうに私は思うわけであります。大臣の考え方と全く一緒であります。
 そこで、ちょっとお聞きをしたいのは、ただ雇用を確保するというのは抽象的には何ぼでもこれは言えるわけですが、問題は、我が国の産業が今日持っております構造的な課題が中期的にマクロ面で一体雇用にどういうふうな影響を与えてくるんだろうか。いわゆる雇用というのは、労働省が直接約六千数百万の人間を雇用するわけにはいきませんから、企業が雇用するわけでありますから、経済構造あるいはまた将来にわたるどういう変化を予測して雇用を確保しようとくれているのか、そういう影響が一体どういうものであるのか、この点についてまず労働省の方の認識をお伺いいたしたいと思います。
#35
○政府委員(征矢紀臣君) 御指摘のように、今後の国際化の進展あるいは技術革新の進展、規制緩和等によりまして大きな構造変化が見込まれておるところでございまして、これにどう対応するかということが非常に今後の重要な政策課題になっているところでございます。私どもといたしましては、中期的に二〇〇〇年ごろまでの産業、雇用の姿やあるいはそれに基づく政策の方向性について、これは学識経験者から成ります雇用政策研究会、これに検討を依頼いたしまして、本年六月に中期雇用ビジョンという形で取りまとめていただいたところでございます。
 これによりますと、中身の具体的なお話は省略いたしますけれども、規制緩和などの構造改革あるいは社会資本の整備等が行われることを前提とした場合に、一定の計算で需給見通しをいたした場合に、今後二〇〇〇年ごろまでは労働力需給は総体としてはほぼ均衡する、こういうふうな考え方をいたしております。ただし、これにつきましては、今後の労働力需給の見通しはさまざまな経済要因によりましていろんな影響を受けるわけでございまして、したがって、例えば構造改革等がどういうテンポで進むのか、そういうことにも影響されるところでございます。
 いずれにいたしましても、労働省といたしましては、労働力需給のミスマッチができるだけないように、できる限り失業者を出さないように、そういう観点から雇用対策に全力を尽くしていくことが今後の重要課題であるというふうに考えております。
#36
○足立良平君 今、局長から話がございましたが、雇用政策研究会、私も一応ずっと拝見をいたしまして、大変によくできているなというふうに実は思うわけであります。
 例えば、この中にもいろんな点の記載がありますが、再度ちょっとお聞きをいたしたいのは、それでは早急に構造改革に取り組まなかったときには一体どういうふうな我が国の経済あるいはまた雇用の状況になってくるのか、取り組んだときには一体どうなのか。取り組み方の問題なりいろんな点があるわけでありまして、これはある面においては労働省の所管でないのかもしれませんが、そういう点で、仮に構造改革に取り組まなかったときには例えば今の規制緩和も行いません、あるいは経済改革も行っていきませんというふうな状態の中で、それでは将来の我が国の経済構造なり雇用が一体どうなるんだろうというふうな点についての、労働省の見解をお聞きいたしたいと思います。
#37
○政府委員(征矢紀臣君) ただいまの雇用政策研究会の中期雇用ビジョンにおきましては、先生御指摘の構造改革が進まずあるいは社会資本の整備等が適切に講じられない場合においては、これはその結果として経済成長率につきましてもこれは成長が鈍化するというようなことになるわけでございまして、そういうことになれば労働力需給も緩和する、緩和するということはその間のギャップが失業という形で出てくる、こういう見込みをしているところでございます。
#38
○足立良平君 今ちょっとお聞きをいたしまして、労働省としてはそういう面ではやっぱり経済改革というものは進めていかないと大臣の言われる雇用というものは確保しにくいのではないか、こういう認識に立たれているようであります。
 それで、ちょっとその上でお聞きをいたしたいわけでありますが、労働大臣のこの所信表明というものを私ずっと何回も熟読をさせていただいたわけであります。何回も熟読させていただいて実はふっと気がついたことでありますが、この経済改革中いわゆる最重要項目であります規制緩和の問題、規制緩和という文言が実はこの所信表明の中には一言も入っていないわけであります。
 それから、後ほど少しお聞きもいたしますが、円高などによっていわゆる一般的に空洞化ということが盛んに今提起されているわけであります。事実、今の急激な円高の中で相当進行しているのではないかというふうに想定がくれているにもかかわらず、この所信表明の中には一言もその問題が出てきていないわけであります。
 もちろん、行政改革の問題等出ていないわけでありまして、したがってそういう面で私は基本的なこういう大きな変化要因というものを一体どのようにお考えになっているんだろうかということを、私ちょっとその点が理解しにくいわけであります。この文言を言わしていただくなら、これは一ページのところだったと思いますが、この一番初めのところに、中長期的に見ると経済活動の国際化、これが一つ。いわゆる中長期的に見た場合の経済活動の国際化、それから技術革新の進展、それから出生率の低下、高齢化の急速な進展というふうなことで大きな産業の構造変化が見込まれているというふうにおっしゃっているわけでありまして、その点でいかがなものであるのかなという感じをいたすわけでありまして、その点ちょっと教えていただきたいと思います。
#39
○国務大臣(浜本万三君) さっきおっしゃいました例の中長期の見通しの中で、これは閣議の中でもいろんな資料を検討いたしておるわけなんですが、総体的に言えばこれから雇用が減少する産業と、それから増大するであろう産業というものをある程度見通しておるわけでありますが、減少する産業といたしましては製造業並びにサービス業。それからいわゆる増加する産業といたしましては、情報通信産業でありますとか福祉産業でありますとか住宅産業でありますとか、そういうものが雇用が増大するであろうというような見通しを立てておるわけでございます。
 それから、労働省がさっき申し上げました中長期の見通しの中で言えば、今先生から御指摘になった三つのケースをお示しをしておるわけです。
 例えば、Aのケースは適切なマクロ政策が講じられず、規制緩和等の構造改革が進まない場合というのがございまして、その場合には経済成長率が二%台前半で労働力需給状況は緩和ぎみになると。それから第二のBのケースといたしましては、構造改革が進んだケースといたしまして、二%台後半の経済成長率で労働力の需給は緩和すると。それから三番目のケースとして、構造改革が進む上に一層の社会資本等の整備を図るケースといたしまして、先ほど局長から御答弁いたしましたように、三%程度の経済成長率で労働力の需給はほぼ均衡するであろう、こういう見通しを立てておるわけでございます。
 そういう前提に立ちまして、規制緩和というものがどういう影響を及ぼすかという御質問にお答えしますと、規制緩和が中長期的な産業構造に与える影響については、規制緩和の具体的な内容や進め方、さらにはそのときどきの経済情勢により異なると考えられますことから、その影響について定量的に推計することは非常に困難であろうというふうに思います。ただ、一般的には規制緩和によりまして新たなビジネスの拡大が起こると思います。また、物価の低下と実質所得の増大、実質所得がふえるということが考えられます。そういうことを通じまして、雇用や就業機会の拡大が期待されることがあると思います。
 一方、生産性の向上や既存分野の効率化を通じて雇用需要が減少するおそれもあると思います。ですから、規制緩和の推進に当たりましては、中長期的な産業・就業構造に与える影響に十分配慮しながら、適切な対応をしていかなければならないと思います。
 抽象論でまことに申しわけございませんが、そんなことが考えられると思います。
#40
○足立良平君 大臣から大変丁寧な答弁をいただきました。確かにそういう点があると思うんです。
 ですから私は、後ほどさらに申し上げたいと思いますけれども、そういうふうに大変に労働が流動化していかざるを得ないということが想定されるときに、そういうことを前提に置いた雇用政策を一体どういうふうにつくっていくかということは、私はまず前提条件をはっきりとさせていかないと、先ほどちょっと私申し上げたようにこの所信表明の中には、例えば一般的な経済の国際化とか少子化であるとか、いろんなそういうふうな要因で長期的にあるいは中長期的に経済構造が変化するという認識では、私は実際的には相当のミスマッチが生じてくるのではないかという感じがします。これは後ほどの議論にいたしたいと思います。
 さて、その上で、通産省おいでいただいていますか。通産省の方で産業構造審議会等を持たれて、今申し上げたような産業構造の変化なりあるいは規制緩和の中におけるいろんな点について研究をされているようでありますので、報告書の概要と、余り時間がありませんが、特に労働力需給の展望なり、あるいはまたこれは通産大臣の所信表明の中にも労働行政への云々というようなこと、それに近いような文言があったりいたしまして、ちょっと興味を持ったわけでありますが、そういう点につきましてひとつ報告をお願いいたしたいと思います。
#41
○説明員(藤田義文君) お尋ねの産業構造審議会の報告でございますが、これは本年六月十六日に取りまとめられたものでございます。
 この報告書におきましては、マクロの構造調整すなわち公共投資の推進等社会資本の整備を行うということと、ミクロの経済改革と言っておりますが規制緩和を推進すると。それから、あわせまして経済フロンティアを拡大するという観点から、産業構造政策を三位一体としてとり行うということを前提といたしますと、二〇〇〇年まで経済成長率は実質三%強、二〇一〇年までには二%台半ばの成長が実現可能であるというふうに予測しております。
 また、こうした社会資本の整備でございますとか規制緩和といったものを通じまして、住宅あるいは福祉、環境、こういった社会ニーズに対応いたしました新しい分野の成長市場の発展を予測しておりまして、こうした新しい分野の成長のもとで、総体としての労働力需給もバランスするというふうに考えております。
 一方、具体的に就業構造について見ますと、情報サービスを中心とした産業関連サービス等が伸びるという見込みがございますが、一方で製造でございますとか運輸、流通という分野では就業者数の減少を予測しておりまして、また職種につきましても、管理職でございますとか販売従事者といったものの減少、それから一方では知識・専門的職業従事者の増加を予測しております。
 したがいまして、こうした産業、職種間のミスマッチということが予想されることでございますので、したがって今後は、転職を通じました就業構造調整というもののウエートが高まっていくと考えられると指摘されております。
 なお、行政といいますか、雇用システムにつきまして、質の高い雇用機会を現実のものとするために、労働力の需給調整機能の強化によりまして就業者の産業間移動を円滑化する、あるいは能力開発の促進、こういうことを通じまして就業構造転換を円滑化するための政策が重要であろうと、こういう指摘がなされているところでございます。
#42
○足立良平君 今の報告の中で、労働力の流動化といいますか、転職という表現があったと思うんですが、大体どのくらいを通産省の方としては想定をくれておりますか。
#43
○説明員(藤田義文君) 数字につきましては、この十年間で数百万大規模の転職が見込まれるのではないかという想定をしております。
#44
○足立良平君 もう一つお聞きをいたしたいのは、従来の例えは日本の産業構造というものが、ちょうど振り返ってみましたら昭和四十八年の第一次石油ショック、あるいはまた昭和五十三年、四年くらいですか第二次石油ショック、それから昭和六十年くらいの円高不況、そして今回の不況という、実は大変大きな経済の波、変化があったと思います。そのときくらいから我が国の経済構造というものは大変な変化を遂げてきたと思うんです。
 従来の産業構造が転換をしたときの、例えばいわゆる転職とか、これは相当数あったんですけれども、これからの転職の数というものと、それから今までの産業構造が大きく転換する中における転職とかどうとかいうのは相当状況が違ってきているのではないかと、私はこのように思うんですが、そういう点についてはこの産構審の中ではどういうふうな議論がなされておりますか。
#45
○説明員(藤田義文君) 先ほど、トータルで見ますと労働市場はバランスするということを申し上げたわけでございますが、産業ごとの労働力の需要の増減とか職種のミスマッチのマグニチュードは大変大きいという指摘がございます。
 しかも、産構審で予測しておりますのは、今後少子化が予想されますので、少子化に伴いまして新卒者が減少していくという予測がありまして、これまでの就業構造転換と違いまして、新規学卒者の参入、それから高齢者の退出による自然減という形でこれまでは就業構造転換が行われたわけでございますが、今後は転職を通じた就業構造調整においては高まっていくのではないか、こういう議論がございました。
#46
○足立良平君 ありがとうございます。通産省の方はこれで結構でございます。
 私、通産省のこの産構審の内容それから労働省の中期雇用ビジョン、この両方をずっと拝見をいたしておりまして、基本的な考え方は同じ考え方であるというふうに私は理解をいたしております。
 そういう面で、特に今産構審の方でもいろんな議論をくれているように、この転職という問題を中心に相当これから雇用問題を考えるときの大きな問題になってくるというふうに判断をいたしますが、その点を含めまして、労働省としては今の議論について一体どういうふうな感想をお持ちなのか、ちょっとお聞きをいたしたいと思います。
#47
○政府委員(征矢紀臣君) 通産省の産業構造審議会の報告におきます。ただいまの内容でございますが、これにつきましても中長期的な観点から、今後の産業構造の変化のあり方あるいはそれとあわせて雇用構造の変化の問題につきまして、基本的な方向、問題点等整理されたものというふうに考えておりまして、私どもの中期雇用ビジョンとそういう意味では基本的には同じような認識であろうかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、先生御指摘のように、今後好むと好まざるとにかかわらず大きな構造変化がある中で、本来的には構造変化というのが、労働面でいきますと世代間の交代で対処できれば一番理想なわけでございますが、構造変化のテンポがあるいは規模が大きい場合には、それが労働者が中途で仕事をかわらなければならないという、そういう面に直面するわけでございまして、そういう意味での産業間あるいは企業間の労働力移動、労働移動、そういうものが従来より多くなる、そういうことが想定されるところでございます。
 これに対する私どもの対応としましては、そういう労働移動があるとした場合には、できるだけ失業という形でなくて労働移動ができるようなそういう対策、支援策、そういうものを検討していくことが今後の重要課題ではないかというふうに考えているところでございます。
#48
○足立良平君 局長、今答弁されましてまさにそのとおりだと思うんですね。大臣の所信表明の中にもそういう構造変化の中で失業が発生しないようにするということは一番望ましいことだというふうに御指摘になっている。これはすべての私はそういう願いだろうと思います。
 ですから、それが一番望ましいことははっきりしているわけでありますが、さりとて本当にそういうふうな状態というものができ得るのかどうなのか。現実的に今産構審の中での議論がありますように、この十年間に数百万人の転職というものを考えていかなければいけないだろう。これはそのときの経済状況ですから、どういうふうに変化するかというのはこれははっきり計量できるものでは今の段階ではありませんけれども、想定としてはそうなってきているということになると、現在の三%の失業率でも約二百万弱ですね、二百万弱。
 そうすると、転職ということになって、それが相当変わってくるとなりますと、しかもそれは大きな経済成長、高成長というものが行われない中における転職というものを考えてみると、現実的にはこれを失業なしにスムーズに労働移動化させていくということは、通産省側におけるマクロ経済論としてそういう労働力というものをどうとらまえるかということはあったとしても、現実に労働省の所管として失業を発生させないようにどうするかというふうになると、それは私は至難のわざではないかという感じがしてならないわけです。
 特に、これはひとつここで質問をしたいと思うのでありますけれども、先ほど通産省の方の今まで余り転職問題はそう大きく表に出なかったという話もありましたけれども、もう一つつけ加えるとするなら、日本の場合にはいわゆる中間労働市場というものが調整役を果たしていた。いわゆる系列会社の問題です。そして、それぞれの大企業なりそれぞれの企業が相当構造改善に迫られてきたときに、それぞれの労働者をどんどん系列企業にいわゆる出向という形で出している。現実的にはこの出向問題が、例えば日米の包括経済協議の中において系列化問題というものが今提起をされてきて、そして改めて今日本の中におけるそういうシステムというものが批判されてきている。現実的に系列化の中における仕事の流れというものも相当変化をしつつあることも事実ですね、統計を見ますと。
 そうなってくると、従来のようなそういう中間労働市場の調整力というものは大変少なくなってきている。そして一方では、大変ないわゆる構造改革なり進んできているという状況を考えてみますと、私は、ちょっとこれは労働省がおっしゃっているような方向にうまくいくのか、いくなら一番いいんですよ。いってほしいと思うんです。いってほしいと思うんだけれども、おっとどっこいそういくのかという感じがしてならないわけであります。
 したがって、そういう面で今後のいわゆる出向制度の問題について労働省として一体どのようにお考えになっているのか、ちょっとお聞かせを願いたいと思います。
#49
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま先生の御指摘でございますが、私ども失業という形を経ずに労働移動を最大限やらなければならない、あるいはそのための対応策を考えなければならないということが重要な課題であるというふうに申し上げましたが、これは現実にはなかなか難しい問題でございまして、それなりにうまくいくかどうかという点になりますと、これはなかなかそう簡単ではないと認識しております。
 しかし、少なくとも経済構造が非常に大きな変化の時期を迎え、そういうことになっていくことが予測されるとすれば、それに対応する対策としてできるだけそういう雇用面での枠組みをつくっていかなければならないのではないかということは言えるのであろう、そういう意味での対応を考えているところでございます。
 いずれにしましても、基本的にはこれは受け皿となります産業がどういう分野にあるか、あるいはどういうところで新しい生産性の高い産業が育っていくか、そういうことなしてはこれは雇用の受け皿がないわけでございますから、そういうこととあわせての対応策ということになろうかと思います。
 それから、中間労働市場の問題がございました。確かに御指摘のように、今までは系列企業の中での出向、異動、そういう形で相当程度対処してきたのがなかなかそれがそうはいかなくなる、そういう場合にどうかという御指摘でございます。これにつきましては、出向という問題についてはいろんな議論があるわけでございますが、個々の労働者につきましては、失業を回避し雇用の継続を図るという意味ではこの制度というのは雇用の安定に役に立っている措置であろうというふうに考えるところでございます。
 その対応につきまして、今後雇用支援トータルプログラムの中での緊急対策としましては、従来の系列企業でないところにつきましても出向を受け入れるその事業主に対する支援をする、こんな形で雇用の安定を図ろう、これは中高年齢者雇用機会確保助成金制度というようなものも設けておりますが、そんな形で対応を考えているところでございます。
#50
○足立良平君 きょうは一般的な大臣の所信表明に対する質問ですから、余り突っ込み過ぎるのはいかがかと思いますから、この程度にしたいと思うんです。ただ、雇用問題というのは、考えていかなきゃならないのは、これは牧野昇くんでしたか、何かちょっと見ておりますと、例えば企業内の失業が三百万人にも及んでいるのではないか、これは見方によってはいろんな見方がありますから、一概にこの数字が正しいかどうかわかりません。けれども、これは雇用調整助成金とかいろんな問題で失業を出さないということでやってきた、やってきたことで確かにこれは大変に日本の失業率というものが低く抑えてこられた。
 これは、失業を抑えるということは社会が安定することでもありますし、あるいはまたそういう失業を抑えないと、逆に言うたら規制緩和とか経済改革というものを進めていくことができない、そういう問題も一方に私はあると思います。雇用問題をどのようにするかということが、ある面においてはこれからの我が国の経済改革をどのように進めていくことができるかどうかという問題にかかわってくるのではないかというように私は思っておりますから、そういう面ではある程度可能な範囲内で企業内でそれを抱え込んでいくということは大切だと。
 しかし、逆の見方をすれば、そのことによって本来のもう少し採算性の高い、効率の高い産業構造に切りかえることができないようなことになっているのかもしれない。それは国際的な観点からして日本がこれから生きていく点で本当にそれがいいのかどうなのかという議論も一方にあることは事実ですから、そういう面ではそれぞれ立場が違っていろんな意見というものが出てくるんだろうというふうに私は思うんです。
 これは、大臣に決意をちょっとお聞きをいたしたいと思うんですが、乱そういう点で今までも申し上げてきておりますのは、平成五年の三月だったんですが、そのときは村上さんが大臣でございました。それから平成五年の十一月には、今度は坂口さんが大臣でございました。そのときにも私申し上げたんですが、こういうふうに今雇用問題というものを、やはりこれは労働委員会だけでなしに、ある面においては政治の一番重要な柱にどんと据えていかなきゃいけないというふうに私は考えております。
 雇用問題をどうするかということから、ある面においては産業構造なりというふうな問題も含めて、これは逆にそっちからアプローチしていく。産業構造はどんどん変化しちゃって、そして雇用問題はどうかというと、後で追いかけていくような性格のものではないだろうというふうに私は実は考えております。そういう面では、例えばこれからの産業構造のあり方の問題、あるいは産業政策をどのようにつくり上げていくのか、あるいは金融政策を一体どのようにこれから我が国としてはやっていこうとするのかというふうな問題等々について、やはり雇用問題を所管する、勤労者を所管する労働省がもっともっと発言力を持ち、そしてその中で中心的な役割を果たしていっていただかないと、これからこの雇用問題というものを本当の意味でうまく進めていくことができないのではないか。先ほど言いましたように、実は私、この労働委員会にかわってきて余り間がないんですが、そういうことを感じていて、三代目の大臣にわたって今申し上げているわけでありまして、私はそういう点で規制緩和というものもこれは進めていかなきゃいけない。
 ただし、規制緩和を進めていかなきゃならないけれども、例えば十年間に数百万、五百万前後ぐらいの転職者が本当に出てくる、そうしたらそれをどういうふうにするのか。今度はそれを吸収するキャパシティーというのは一体どうするのか、アメリカのようにベンチャー企業がそれを全部吸収し得ることが日本の企業社会の中であり得るのか等々考えてみると、それではどういうタイムスケジュールで例えば規制緩和というものを進めていこうとするのかというふうな問題がやっぱりきちんと論議されなきゃいけないのではないかというふうに私は思うんです。ちょっと大臣に。
#51
○国務大臣(浜本万三君) 要するに、今委員のおっしゃることは、産業政策とそれから労働政策を一体的なものにして進めていかなければだめじゃないかという御示唆の御質問だというふうに思っております。
 それで、労働省がこれまで雇用支援トータルプログラムによって一つ重要な柱にいたしましたのが、できるだけ企業の皆さんにお願いいたしまして、失業者を出さないようにしていただこうということで雇用調整助成金というのを出しまして、できるだけ企業に抱えていただくような政策をお願いしたわけでございます。それを、平成六年八月中に公共職業安定所に各事業場から提出されたものを見ますと、恐らくこれは将来参考になると思いますので申し上げますと、休業して失業させないという事業場が二千七百事業場、人員が約二十一万四千人。それから、教育訓練をして失業を出さないようにしたところが四百事業場、約二万七千人。今あなたが言われた出向が百事業場、非常に少ないんですが五百人というのが今ここへ資料として出ておるわけです。
 それで、私どもといたしましては、そういうふうに企業で抱えていただける場合には、雇用調整助成金によってできるだけ失業を出さないように協力をお願いする。そのほかの問題は、要するに再就職促進事業を積極的にやりまして、しかもそれは相当な助成金を出しまして就職機会の支援をするということもやってきたわけでございます。
 局長からもお答えいたしましたように、産業構造の大変革があるわけでございますから、当然労働者の大きな移動というものが予測されるわけでありますから、その場合には失業をしないように労働者の移動ができないかということを考えなきゃいかぬと思います。それを今私どもの方ではこういう法律を改正いたしまして実施しようとしておるわけです。それは、特定不況業種労働者雇用安定法の改正をいたしまして、失業を出さないで労働力の移動ができるような支援活動をしていこうということを考えておるわけです。
 それから、くつき委員から御指摘いただきました私の所信の中に書いております円高による空洞化の心配の問題でも、そこは触れておるわけです。円高により生産拠点の海外移転が進展する中で産業構造は大きく変化しつつあります。
 こうした状況のもとで行われる雇用調整の動向に対応するために、やむなく必要となる労働移動については、できるだけ失業を経ることなく行われるよう雇用機会の確保や能力開発の支援を進めていくなど、特定不況業種労働者雇用安定法の改正を含め積極的な対策を講じますというふうに申しておりますので、次の通常国会にはこの法案を提出いたしまして、ぜひ成立をさせて、失業のない労働移動ができるようにして現下の情勢に対応してまいりたいと、こう考えております。
#52
○足立良平君 ちょっと済みません、それぞれ準備していただいたのに時間もほとんどなくなってしまいまして、質問が全部できない面があるかもしれません。
 それで、私お聞きしておきたいと思いますのは、介護休業の問題について今までとちょっと違った点でお聞きをしておきたいと思います、
 先ほども、冒頭の大臣のお話等お聞きをいたしておりまして、この介護休業の問題は何としても次に法制化したいというふうな熱意をお聞きいたしまして、私も大変うれしく思っております。私の野党の方も、議員立法ででも考え方をまずまとめていこうということで今鋭意作業を行っております。そういう面でこれから労働省として、この介護休業の問題について今後大体どういうふうなスケジュールでこの問題に取り組んでいこうとされているのか、既に検討をされているのではないかというふうにも思っておりますので、ちょっとその辺のところについてお聞きしておきたいと思います。
#53
○国務大臣(浜本万三君) これからのスケジュールというお話でございますが、介護休業制度は高齢化、核家族化が進展する中で介護を必要とする家族を抱える労働者が働き続けるために重要な政策であるということは御承知のとおりでございます。
 そこで、介護休業制度の法制化につきましては重要な課題と私ども認識をしておりまして、現在婦人少年問題審議会で、専門家会合の研究結果を参考としながら、介護休業制度の法制化を含む有効な普及対策について検討を行っておるところでございます。
 私といたしましては、本会議でも各委員にお答えをさせていただきましたように、次の通常国会への提出を視野に入れて審議が進められることを期待しておりますから、その結果を踏まえまして対応してまいりたいというふうに思っております。
#54
○足立良平君 最後でございますが、私は、過労死の問題、これは相当時間をかけてゆっくりとやりたいというふうに実は思っていたんですが、時間もほとんどございません。ですから、ちょっとかいつまんで申し上げたいと思いますが、これは富士銀行でございますか、十一月の八日でしょうか新聞各紙に相当出されまして、この過労死の訴訟の問題で提起が出ているわけであります。私は今回のをずっと当たってみますと、実は過労死の訴訟で、これは一応御承知のようにもう和解が成立をいたしておるわけですが、労災申請を遺族はいたしていない、労災申請を。そういう点が一体どういうところにあるのかということを、ひとつちょっとお聞きをいたしたいと思うんです。
 労災という問題で、例えば行政訴訟と労災の認定、いわゆる不支給が決定された者に対する行政訴訟というものが今比較的多く提起をされて、しかも労働省、監督署が決定したものに対して結局覆ってしまっている、相当数が。最近どんどん出てきているということについて、そういう点で過労死というふうな問題とかこの認定の基準というものが、私はやっぱり今日の状況からして、まくに働いている人たちの立場に立ったそういう基準というものがなされていないのではないかという感じがしてなりません。そういう点で、今後のいわゆる見直しの問題を含めて労働省の考え方をちょっとお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#55
○政府委員(廣見和夫君) 今お尋ねがございましたように、最近いわゆる過労死の認定をめぐりまして各方面からいろんな御意見等も聞かれております。マスコミ等でもいろいろと報道がなされてございます。
 そういう中で、私どもはこの認定をめぐる問題について整理していく必要があるのではなかろうか。特に大臣からも先ほど来お話もございましたように、やはり社会常識というようなことから考えて、こういう認定をめぐる問題についても整理する必要があるのではないかというふうな御指示も賜っております。そんなようなことで、我々事務担当者を中心にいたしました検討会を設けまして、この認定をめぐる問題についての整理、検討を進めるということでやっております。できますれば、本年末を目途に結果を取りまとめたい、このように今鋭意検討しておるところでございます。
 なお、少し具体的にお話のございました富士銀行の和解の問題につきましては、民事の関係でということであったかと思いますので、私どもの方には労災補償の請求がなされておりませんので、詳細は承知いたしておりません。
#56
○足立良平君 終わります。
#57
○風間昶君 公明党保国民会議の風間でございます。
 初めて労働委員会に所属させていただきましたので、きょうは一般質疑ということでございますので、高齢社会に対応した労働行政というか、労働行政のあり方について大臣及び関係の皆さん方に御質問させていただきたいと思います。
 高齢社会と労働行政というテーマで整理するならば、きょうの質問は三つの流れに沿って、一つは六十歳から六十四歳までの雇用の確保の問題、それからもう一つは労働力年齢が上がってくることに伴う環境改善の問題、そして高齢者、老人を支える労働者の生活の観点から介護の問題ということで順次質問をさせていただきたいと思います。
 最初の高齢者雇用の問題で、年金の支給開始が六十から六十五に引き上げられるに当たって、この年齢の方々の生活の確保のための雇用創出、またこの年齢の方々を雇用している事業主に対する援助や雇用奨励策の整備拡充の問題で、まず六十歳以上定年制は六年の雇用管理調査によりますともう約八四%となって定着しつつあって、なおかつ平成十年には六十歳定年の義務化を図ることとなっているようですけれども、じゃ六十五歳定年制を現在導入している会社、企業はどのくらいの割合があるのか。それからもう一つ、それは労働人口の何%ぐらいカバーされているのか、数字でお答えいただきたいと思います。
#58
○政府委員(征矢紀臣君) 平成六年一月現在の数字でございますが、六十五歳以上の定年制を実施している企業数は約四千五百社でございます。その割合は五・〇%となっております。また、六十五歳以上定年制を適用される常用労働者の割合は一・八%となっております。
#59
○風間昶君 わかりました。政府が七年、つまり来年四月から実施予定の六十五歳までの継続雇用に対する行政指導の強化について、この問題はさっきの話じゃないですけれども、年金の支給開始年齢の引き上げに先立ってやっぱり一定の効果が上がらなければならない問題であると思いますけれども、その意味から、この行政指導の目標の年度、そして新たに何人ぐらいの雇用を創出することを目標としているのか、これも端的に数字でお答えいただきたいと思います。
#60
○政府委員(征矢紀臣君) 六十五歳までの継続雇用制度の導入促進のための行政指導についてでございますが、これにつきましては、高年齢者雇用安定法に基づきます高年齢者等職業安定対策基本方針というのがございます。これは五年間の計画でございますが、この方針におきまして継続雇用制度の普及の目標を定め、これに従って指導を行うこととなっているところでございます。
 このため、労働省といたしまして、労使の御意見も十分お聞きした上で、年度内に高年齢者等職業安定対策基本方針を改定することとしております。これは、従来の方針があるわけですが、さきの通常国会で高年齢者雇用安定法の改正をしていただきましたものですから、それに基づく新しい方策あるいは現状等を踏まえたものを年度内に策定することとしておりまして、これに基づきまして六十五歳までの継続雇用制度の導入に関する計画の作成、指示等の指導を計画的に行ってまいりたいというふうに考えております。
#61
○風間昶君 新規に何人ぐらいの雇用を創出することを目標とされていらっしゃるんですか。
#62
○政府委員(征矢紀臣君) この新しい基本方針につきましては、来年の四月以降の方針ということで、年度内に関係審議会の御意見も聞いた上で決めたいと思っておりまして、その内容等につきましてはこれから検討する段階でございまして、具体的な数字は手元にまだございません。
#63
○風間昶君 本当にそうなんですか。いや、わかりました。ないということですね、具体的に。
 じゃ、ちょっと話を変えまして、平成七年度概算要求の第一の柱の四番目に高齢化に対応した高齢者対策の総合的展開と、千九百四十四億円、六年度予算に対して八十三億七千五百万円ぐらい多く要求されていますけれども、その右側の主な内容のところに三つ柱が立っております。六十歳定年を基盤とした六十五歳までの継続雇用の推進、多様な形態による雇用就業を可能とする施策の実施、それから定年退職後等における就業機会の確保の推進と。もっともっとあるんでしょうけれども、中身的には。主な内容が三つ書かれてございますが、今年の予算額に比べて八十三億七千五百万円多い部分は、この三つのどこに力を入れていくつもりか明らかにしてほしいんです。
#64
○政府委員(征矢紀臣君) 未年度予算要求につきまして、ただいま御指摘のように大きく分けまして三つあるわけでございますが、重点をどこにとおっしゃられますと、この三つはいずれも重要でございまして、それぞれが重点ということで対処いたしたいと考えておるところでございます。
#65
○風間昶君 それじゃ、一番最初の六十歳定年を基盤とした六十五歳までの継続雇用の推進というところ、重要であるならば中をもうちょっと親切に書いてほしいんです。空欄なんです。後で教えていただきたいと思います。
#66
○政府委員(征矢紀臣君) 恐縮です。来年度の要求の具体的な考え方につきましては、後ほど先生のお手元に届くようにいたしたいと思います。
#67
○風間昶君 ぜひお願いします。
 二つ目の問題で、労働力年齢が上がってくる、つまり労働人口が高齢化してくるということでありますから、労働力の平均年齢も上がってくることは当然であって、そうするとさっきも議論になりましたように、六十歳から六十五歳の雇用を積極的に推進する結果、労働力の平均年齢が確実に上がるとすると、問題は高齢者の方々が働きやすい職場環境を整備しなければならないはずでございます。
 そうしますと、景気がいいときは高齢者の方は結構はいほいと来てください、来てくださいと、女性、障害者。景気が悪くなると切られていくという事実も一面的にはあるわけで、リストラの波を一番激しくかぶるのが高齢者で、いわば雇用の緩衝帯のような役割を負わされてきた面があるかというふうに思います。この職場環境の整備に関する基本的な、不況から回復しつつあるけれども、現時点での職場環境の整備に関する基本姿勢、そして、勤労は国民の義務でもあると同時にやっぱり基本的な人権の一つだというふうに私は考えておりますので、働きたい意欲のある高齢者ができるだけ職場につけるよう努力するのが政府の私は役割だと思います。
 そういう意味で、高齢者雇用に関する大臣の決意をぜひお伺いしたいと思います。
#68
○国務大臣(浜本万三君) 今後の急速な高齢化の進展に対応いたしまして、我が国経済社会の活力を維持していくためには、どうしても二十一世紀初頭までに、本人が希望いたしますれば六十五歳まで現役として働ける社会を実現していくということが基本的に大切なことだと思っております。
 このために、労働省といたしましては、六十歳定年制を基盤、六十歳定年制は平成十年にはもう義務化するということですから、基盤とした六十五歳までの継続雇用の推進、高齢者が多様な形態により働けるようにするための施策の実施、さらに高齢者の雇用継続を援助、促進するための高年齢雇用継続給付の支給などによりまして、六十五歳までの雇用機会の確保に積極的に取り組んでまいるということでございます。
 特に、高齢者の働きやすい職場環境ということを議員御指摘になりましたんですが、職場環境の整備につきましては、これはもう重要な課題と考えておりますので、専門家による相談、援助制度や、事業主に対する助成制度の拡充等を図ってまいりたいと思います。
#69
○風間昶君 これは恐らく二十一世紀に入る前に相当大きな国内課題になるのではないかというふうに予測されるところでありますので、大臣の御任期中に、次どうなるかわかりませんかどうかは別にして、ぜひやり遂げていただきたいというふうに思います。
 ちょっと観点を変えまして、労働災害について伺いたいと思います。
 労災、私もこれまで整形外科医として仕事をしてきたものですから、何人もの労災の特に脊損の患者さんを診させてもらってきたわけですけれども、全体に発生数とか数は減少傾向にあるように労働白書にも書かれてございますけれども、実は全体数は少ないんだけれども、被災者そのものは高齢者の方が多くなってきているのでございまして、そしてまた、いろんな機械化というか単純な昔の機械化じゃなくて、コンピューター化された新しい機械操作で新たな労災の発生も予測されるわけであります。
 全国に三十九の労災病院がございます。北海道は、昭和三十年の五月に設立された美唄労災病院と岩見沢労災病院、それからもう一つは三十五年に設立されました釧路労災病院、三労災病院がございまして、労災病院のニーズもこれから重要になってくるというふうに思います。
 北海道もそうですけれども、大体二十年代から建てられたんでしょうから相当建物ががたびしきているのではないかというふうに思うんです。北海道の三労災病院に限って大変恐縮なんですけれども、施設面でどのような充実を図られているのか、また図ろうとしているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#70
○政府委員(廣見和夫君) 今お尋ねのように、確かに労災病院、昭和二十年代から四十年代の初期にかけまして建設されましたものが大半でございますので、確かに古くなったり、あるいは狭くなったりということで計画的に増改築工事を進めなければならない、そういう面で努力していく必要がある、このように私どもも思っております。
 その中でお尋ねの北海道の三労災病院でございますが、美唄労災病院につきましては、五十七年度から六十一年度にかけまして病棟であるとか診療棟の増改築等を行っております。岩見沢につきましても、若干おくれておりますが、五十九年度から六十三年度にかけまして同じような増改築等を行い、また平成五年度には外来棟の増築を実施いたしております。それから釧路労災病院、これは御指摘のとおり三十五年につくられたものでございますが、現在平成五年度、六年度の基本構想調査、こういう調査をやっておりますが、それをベースといたしまして、一定の増改築工事が必要であろうということをベースに考えまして必要な予算を要求するという段階でございます、予算要求中ということでございます。
#71
○風間昶君 ありがとうございます。本当に相当ひどい、ひどいというか古くなってきて、いわゆる病院特有のにおいも含めて、かえってぐあいが悪くなるような印象すら受ける。そういうことは要するに現場に行かないとわからないんですよ。ですから、きちっと対応していけるようにぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
 関連して、労働者の健康を守るという意味から、産業医の方々、全国で四万近くいらっしゃるんでしょうけれども、ほとんど十六年前に建てられた産業医科大学の卒業者ではなくて、地元の地域の医師が産業医として現実に労働者の方々の健康管理を含めて、健診を含めてやっていらっしゃるわけです。それで、十六年前ですから、定員百人前後で約千人ちょっとぐらいの産業医大の卒業生の方々がいらっしゃって、実際に三十九ある労災病院に勤務しているのはたった八十一人なんですよ。大臣、御存じでしたか、知らなかったでしょうね、きっと。
 産業医大というのは、そもそも労働環境と健康に関する医学教育だけじゃなくて、すぐれた産業医を確保するためにつくられた大学なわけです。千人卒業されてたった八十一人しか労災病院に、もちろんお役所に勤めていらっしゃる方もたくくんいらっしゃると思います。むしろそっちの方が多いんですが、ただ私、前に労災病院でいろいろお話を伺ったときに、産業医大の卒業生は臨床を余りやらないで研究、つまり労働環境だとか労働行政だとかという基礎的な研究の方々の従事者が多いんですけれども、現実に臨床研修を知らない学問的な研究者で占められているというのは、ある意味ではまた大事なことなんですけれども、現場の医療からすると甚だ遺憾だということがあるのでございまして、卒業後の研修に、ぜひ労災病院を卒後研修に僕は入れていただきたいなというふうに思うんです。
 このことを含めて、初めて大臣にこういう問題を突きつけて大変恐縮なんですけれども、労災病院というのはあるんです。ぜひ一回行っていただきたいと思いますし、労災病院の役割、これについての御認識を伺いたいと思います。
#72
○国務大臣(浜本万三君) 今、委員に勧められまして資料を見まして、八十一人だけじゃないんじゃないかと思います、それは。例えば産業医科大学の大学院というのは六十一名とか、それから訓練コースに入っている人が二百五十一名とか、医大の教員が百三十名とかいうことですから、ですから八十一名だけじゃない。全体からいうと相当数があって、産業医科大学で研修したことを産業医として尽くしていただいておるというふうに理解はしております。
 今後の問題につきまして、私も労災病院の重要性ということはもう非常に強く認識をしております。そのわけは、近年労働力人口の高齢化でありますとか、それから技術革新に伴う労働態様の変化が急速に進んでおることとか、それから職業性疾病の多様化、それから健康の維持増進に対する関心の高まり、こういうふうなことを見ますと、労災病院が果たすべき役割、機能というものは一層大きくなっておるというふうに思っております。
 こういう情勢の変化を踏まえまして、私ども労働省といたしましては、既に多様な体制を整えておるわけです。例えば、岡山県の吉備高原にあります医療リハビリセンターの設置でありますとか、あるいは福岡の飯塚の総合せき損センターの設置でありますとか、あるいはリハビリテーション学院の創設でありますとか、もういろんなことを既にやっておりまするが、先生の御指摘のような、リハビリテーション医療というような充実が大切だということを多分御主張になっておると思いますから、そういう充実については積極的にこれから行っていく必要があると思います。そして、労災病院がさらに特色をも発揮するよう一層努力をしてまいらなきゃならぬと思っております。
#73
○風間昶君 大臣のおっしゃるとおりでした。労災病院にだけ勤務しているのが八十一人でした。
 次に、三番目の高齢者を支える労働者の観点から、若干介護の問題についてお伺いしたいと思います。職場をリタイアされて年金で暮らしていこうとする高齢者の方々を支える労働力、これもまた従来からある構図でありますが、今後これが労働人口の高齢化ないし減少傾向の中でどういうふうに変わっていくのかなという問題と絡めて、厚生省の資料によりますと、昨年、家族の介護のためにやむなく退職された方は八万一千人、そのうち女性が九〇%でございます。このままいくと二〇二五年、二〇二五年には私はもう七十四歳になっているんですけれども、二十一万九千人に達してしまうというふうに推定されています。
 労働者が男女の差がなく介護のために退職することなく働き続けるためには、国民の介護問題への認識の広がり、もう一方では、こちら側からすれば社会サービスの整備、そして先ほど大臣が御決意を述べられた介護休業制度の法制化を急がなければなりません。
 先月、十月の毎日新聞の調査でも、九〇%の人たちがこの介護休業制度導入に賛成しておるわけであります。厚生省、来ておりますか。その介護サービスを拡充していく上で二年前このマンパワー確保の法律ができました。ゴールドプランの取り組みを踏まえまして、その後、介護を担う人材の確保を、区切って人数的に目標値があると思いますけれども、どんなふうに具体的にしていったらいいのかその取り組みをちょっと簡単に教えてくださいますか。
#74
○説明員(吉武民樹君) ただいま先生お尋ねがございました福祉人材確保法を制定していただきまして、昨年の四月に社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針というのを策定いたしました。この指針に基づきまして、幅広い人材確保対策を推進しているところでございます。
 この基本指針の中で、福祉人材につきましては、高齢化の進展に伴いまして、平成二年度で七十五万人の方が福祉サービスに従事をしていただいておりますが、平成十二年までに約百十一万人程度の方が従事されることになるのではないかというふうに見込んでおります。その中の、特にゴールドプランの推進を図る上で、直接介護サービスに従事をしていただきますホームヘルパーの方あるいは特別養護老人ホーム等の寮母の方々、こういった介護職員の方々につきましては、ゴールドプランは平成二年度から実施をしておりますので、平成元年時点で八万九千人の方々がおられたわけでございますが、最終年度の平成十一年度に約二十七万人必要だというふうに見込んでおります。
 この介護職員の方々の中でも、特に中核的な存在といいますか、例えばホームヘルパーでございますれば、チーム方式をとる場合にはそのチームのリーダー格になっていただきますとか、あるいは施設の場合でも主任寮母さんなどになっていただくというようなことで、専門的知識と技術を持ちまして介護に当たる介護福祉士制度という制度が昭和六十二年に創設をされております。この制度によります介護福祉士の実際に資格を持つ方々は、平成元年から登録を開始されておりまして、ことしの九月末現在で約四万七千人の方々が登録をされております。
 そのいわゆる養成力といいますか、この資格取得のためには、一つは養成施設を卒業していただく、これは高校を卒業されまして二年間短大あるいは専門学校で専門に勉強していただく方でございます。それから国家試験に合格するというこの二つの方法がございまして、養成施設は毎年設置が進んできておりまして、本年度は全国で百五十六校、一学年約九千二百人の定員の状態になっております。それから、国家試験の合格者の方につきましては、今年度の試験で約七千人が試験に合格をくれておりまして、両者を合計いたしますと大体年間約一万六千人ぐらいの方が新たに資格を取得するという状況になっております。
 私どもは、これからこの養成力の強化といいますか、これに力を入れてこの介護福祉士を中心としまして、先生がおっしゃいます将来の介護サービスの中核となるマンパワーが十分確保できるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#75
○風間昶君 大変ありがとうございます。そのとおりいくためのまた具体的な工夫が必要だと思いますので、ぜひおくれないでやっていただきたいと思います。
 大臣、介護をする人は、保険によっても違いますけれども大体月二十一万から二十五、六万入院費用がかかる上に、そして五時間二十分しか眠れていない、平均的に。本当に介護を十二時間以上やるともうへとへとなんですね、介護する人たちが。
 御案内のとおり公明党は、民社党さんもそうですけれども、一昨年の夏に介護休業の大綱を発表しておりますけれども、早期にやっぱり介護休業制度が法制化されることを要望しますし、また先ほど大臣が強い御決意をおっしゃって、本当にこれは差し迫った問題だというふうに認識するわけでありますけれども、十月二十五日の参議院の当委員会での所信表明でも大臣が、「家族を抱えた勤労者が仕事を継続できるよう、介護休業制度の法制化問題の検討に真剣に取り組むなど、職業生活と家庭生活との両立支援対策を一層充実してまいります。」とおっしゃって、さっき法制化を含む有効な普及というお言葉を使われました。
 私は、これは単に普及支援策、そういう普及支援策ということじゃなくて、制度として育児休業と両輪のように職場と家庭の両立支援法として来春に確立するというふうに受けとめくせていただくには、ちょっと大臣のお言葉が甘いかなと思うんでありますが、いかがでございましょうか。
#76
○政府委員(松原亘子君) 事実関係だけ私から御説明させていただきたいと思いますけれども、婦人少年問題審議会という労働大臣の諮問機関で昨年の四月から介護休業制度の問題について本格的に取り組みを始めたわけでございます。
 これをどのように我が国に定着させていくかという点についてでございます。その過程でいろいろな議論がございまして、法的措置のあり方についても検討すべき時期に来ているというところまでは審議会の中での御議論がまとまりつつございますけれども、今の段階まだ審議会の議論が行われているところでございまして、労働省の立場としましては、審議会の結果を踏まえてやりたいということから、法制化をいたしますという断言ができないという、こういう状況にあるということは御理解をいただきたいというふうに思う次第でございます。
#77
○国務大臣(浜本万三君) 今、局長から答弁いたしましたような進行状況でございます。
 多少抵抗をくれておるということが新聞にも出ております。そこで、私としましては一番適当な言葉といたしましては、次の通常国会への提出を視野に入れて審議が進められることを期待し、その結果を踏まえて対応させていただきたいと思いますと、こういうふうにさっきも申し上げたわけでございますので、その辺でひとつお許しをいただきたいと思います。
#78
○風間昶君 時間があれなんですけれども、じゃ大臣に、いつごろまでにこの審議会から答申されることを望んでいらっしゃいますか。
 それで質問を終わります。
#79
○国務大臣(浜本万三君) やっぱり次の通常国会に提出するということになりますと、次の通常国会は一月でございますから、十二月中には何らかの結論、つまり法案を出せというような結論を出していただくことを期待しておるわけでございます。
#80
○風間昶君 終わります。
#81
○吉川春子君 まず、失対制度問題について大臣にお伺いいたします。
 労働大臣の私的諮問機関である失対制度調査研究会が、年内にも失対事業を最終的に打ち切る緊急失対法の廃止を内容とする報告書を出そうとしています。十一月四日に労働法学者、弁護士など三百七十名が連名で大臣あてに「失業対策制度の見直しに際しての要望書」を提出しております。ごらんになっていることと思います。
 内容は、
 (1)失業対策制度の見直しにあたっては、従来の政策路線や制度検討に拘束された狭い視野からそれを行なうのではなく、今日の情勢にふさわしい雇用・生活保障や失業対策の原則を明らかにする方向で政策体系の見直しを行なうこと。その際とくに、失業者にたいする公的雇用保障の今日的意義、その失業対策における具体化の方向について検討すること。
 (2)長期失業者を対象とする雇用創国政策、とくに公的就労事業の創設・拡充政策について、他の先進国の事例一たとえばドイツの雇用促進法による雇用創出)をも参考にしつつ検討すること。
 (3)拙速かつ非人道的な緊急失業対策法の廃止を排し、失対労働者の労働・生活条件の保障・改善をはかりつつ、今日的な広い視野で失対事業の見直しを行ない、その積極的諸側面の活国策を検討すること。としております。
 これは極めて傾聴に値する見解だと思いますが、労働省としても正面から検討して政策提起を行うべきだと思いますので、そういう立場から対応していただきたいと思いますが、労働大臣の御見解を伺いたいと思います。
#82
○政府委員(征矢紀臣君) 失業対策事業につきましては、これは私ども過去の経緯で五年ごとに見直しをするということでやってきておりますので、その観点からまずお答えをさせていただきたいと思います。
#83
○吉川春子君 いや、いいですよ。検討するかどうか。
#84
○政府委員(征矢紀臣君) いずれにいたしましても、今回の見直しに当たりましては四月に失業対策制度調査研究会が設置されておりまして、現在失業対策事業の今後のあり方について検討を行っていただいているところでございまして、十二月上旬を目途に報告が取りまとめられるというふうに承知いたしております。
 私どもといたしましては、この研究会の報告内容を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。
#85
○吉川春子君 そういう答弁が出ることはわかっているんです、全然答弁になっていないでしょう。だから私、大臣にお伺いしたんですが、失業対策という非常に重要な制度でもあるし、今の内容をきちっと受けとめていただいて検討していただきたい、こういう要望を大臣に申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
#86
○国務大臣(浜本万三君) 一応労働省の手続といたしましては、さっき局長が申しましたように、研究会の報告内容を踏まえて適切に処理するということになっておるんですが、その際には、今先生が言われました報告書といいましょうか文書等につきましても、もちろん検討をいたしまして結論を出すということにさせてもらわなきゃいかぬと思いますね、それは参考にいたしまして。
#87
○吉川春子君 この問題はその報告書が出ないとそれ以上はちょっと質問できませんので、続きまして住友四社の女子差別、均等法のもとでの是正の問題について伺いたいと思います。
 女性が大企業で働き続けるとはどういうことなのか。住友金属の北川清子さん、五十四歳の方ですが、次のように記しております。
 三十五年間の会社生活は差別の歴史そのものであった。ミセス第一号であったため、一年半近く仕事が与えられず、部長席に一番近いところにぽつんと席を置かれ、毎日が苦痛の日々でした。長男が生まれたときも部長に、犬猫でも母親の手で子供を育てているのに、君は子供を保育所に預けている、犬畜生にも劣る、君は人間を生産する機械かと暴言を吐かれた。また、十九年間四階に島流しされるなど、一人の女性にこれほど次から次へと人間の尊厳を傷つけることができるものだと思い続けてきましたと記されています。
 今、男女差別禁止の国際世論がさらに高まり、国連女性差別撤廃条約ができ、日本でも批准されて、雇用機会均等法ができて八年たちました。この均等法は女子に対し昇進・昇格差別を行わないよう企業に努力義務を課し、職場に女子差別があるときは婦人少年室に調停を求めることができるようになっています。
 このたび、住友金属、住友化学、住友電工で勤続十九年から三十五年の十二名の女性が、これらの会社では女性社員は男性に比べて昇進が遅い上に賃金が男性の半分、均等法違反であるとして女性差別是正についての調停申請を行いました。また住友生命でも、既婚女性に対する差別があるとして調停申請が行われました。これについて、大阪婦人少年室により住友金属一社のみ調停開始の決定がくれました。
 今挙げました四社について、個別にその理由を簡単でいいですから御説明いただきたいと思います。
#88
○政府委員(松原亘子君) 今回調停申請がありました住友四社の事案のうち二社につきましては、均等法に規定する事項について事業主と女子労働者の間に紛争があるということ、そしてその紛争解決のために調停が必要であるというふうに判断をいたしまして、事業主に対し調停に対して同意するかどうかということの同意を求めたわけでございますが、求めた結果、一社につきましては同意を得られたということで調停の開始を決定いたしましたが、他の一社につきましては同意が得られなかったということから、調停の不開始の決定をいたしたわけでございます。
 また、残る二社のうち、一社につきましては申請内容に係る事実がない、事実の認識といいますか、事実を明らかにするために調査をいたしたわけでございますけれども、その過程で申請内容に係る事実がないというふうに認められましたので、調停の必要がないと判断をいたしました。
 もう一社につきましては、調停の対象となる紛争ではない、それには当たらないということで調停の不開始を決定したものでございます。
#89
○吉川春子君 今の答弁だと、どの社にどういう決定をなくれたということが全くわからないでしょう。企業名をちゃんと挙げて言ってください。
#90
○政府委員(松原亘子君) 個別の企業名について、どの会社についてどういうふうにしたということは私どもはこの場で明らかにすることまでは必要がないんじゃないかと申し上げまして、四社につきまして今申し上げたような結果になったということを御報告した次第でございます。
#91
○吉川春子君 なぜ国会の委員会でその企業名を報告する必要ないと判断したか、そのあなたの判断をまず聞きましょう。
#92
○政府委員(松原亘子君) この調停という制度は既に改めて御説明するまでもなく、女子労働者と事業主がいわばお互いに譲り合うという精神をもって紛争を解決しよう、解決をしていこうという仕組みのものでございまして、当該事案というのは本来当事者の問題として解決くるべきだということだと私どもは認識をいたしているわけでございます。
 ただ、ここで御報告いたしますのは、具体的なケースについて婦人少年室の判断がどうであったかということについて申し上げる必要があるということから、今申し上げたような御報告をしたということでございます。
#93
○吉川春子君 こんなことで時間とるとは思わなかったんですけれども、大臣、これはもうマスコミでもテレビでも新聞でも大々的に報道されて、どの社はどういうことになったということで企業自身も記者会見して述べていることを何で国会の委員会の場でだけ企業名言えないんですか。私、本当におかしいと思いますよ。国会、労働委員会軽視じゃありませんか。
 労働委員会の先生方に対して、この企業についてはこういうことでしたと言うことがどこに差しくわりあるんですか。こんなことで私を怒らせないでくださいよ、大臣。
#94
○国務大臣(浜本万三君) 局長が申した答弁は、労働省のこれまでとってきた方針なんですが、多分、先生が四社それぞれ事情を知っておられるという前提で申し上げなかったんじゃないかとも思いますが、そういうふうに善意に解釈してやってください。
#95
○吉川春子君 大臣、企業名をこの場で言うことは不適切だとお考えですか。
#96
○政府委員(松原亘子君) 新聞には確かに個別の企業名について、個別にどういう事案であったかということは内容は報道されておりますけれども、私どもからはそういう報道といいますか、そういうことを公表したことはございません。
 したがいまして、私が申し上げるとすれば、新聞に公表されたところをもとに申し上げるということはできるものでございます。
#97
○吉川春子君 それでいいですよ。
#98
○政府委員(松原亘子君) それでは改めて申し上げくせていただきますと、先ほど申し上げました二社のうち、紛争を解決するために調停が必要であるというふうに判断いたしましてかつ相手方の同意が得られたというのは住友金属でございます。調停が必要があるというふうに判断いたしましたけれども相手方の同意が得られなかったというのは住友化学でございます。それから、申請内容に係る事実がないということから調停の不開始を決定いたしましたのは住友電工でございます。それから、調停の対象となる紛争には当たらないというふうに判断をいたしまして不開始決定をいたしましたのは住友生命についてでございます。
#99
○吉川春子君 住友化学については大阪の婦人少年室、まあ労働省本省と連絡とりながらやったと思いますので労働省が調停開始相当の判断をせっかくしたわけですね。しかし、企業側が拒否したということで調停が不開始というふうになってしまったんです。
 国連への政府の第一次の報告書においても、労働省自身がこれは迅速な紛争解決の措置であるというふうにしているこの調停ということについて、これでは迅速な紛争解決の措置として機能しないんじゃないでしょうか。だから、調停開始ということは当事者の一方の申請でできるようにするべきだと思いますが、この点はいかがですか。
#100
○政府委員(松原亘子君) 調停制度そのものにつきましては、先ほど申し上げたとおり両当事者がお互いに譲り合って事態を解決しようというものでございます。
 そういう基本的な考え方に立つ調停制度でございますので、その調停に乗るということについての合意がないと調停そのものがうまく機能しないというふうに考えまして、これは法律を制定するときからさまざまな議論があった点でございますけれども、一万申請の場合には他の当事者の同意が必要であるというふうに法律上規定をされたわけでございます。
#101
○吉川春子君 このことでもわかるように、やっぱり法律の改正というのが非常に求められているわけなんです。
 それで、住友金属の調停開始は、均等法が施行されて八年、初めてであるという点で非常に大きな意味を持つわけですね。調停を女子差別の是正救済機関として有効に機能させるためにも大変重要である手続について伺いたいと思います。
 全体のスケジュールはどうなっておりますか。一回目、二回目、三回目までのスケジュールが決まっているし、一部消化されたと聞いておりますが、そういうこととあわせて、調停案を示すのはいつごろになるのか、概括的にお示しいただきたいと思います。
#102
○政府委員(松原亘子君) 調停が開始されますと調停のプロセスそのもの、今先生がおっしゃいました調停案の提示ですとか、そういったことについては調停委員会に任されるものでございますので、私からはちょっと御答弁を申し上げることができないということを御理解いただきたいと思います。
#103
○吉川春子君 第一回の調停が行われたと聞きますが、その日にち、それと第二回、第三回の日にちも決まっていますね。じゃ決まっていることだけで結構ですからおっしゃってください。
#104
○政府委員(松原亘子君) これまで二回、申請をした女子労働者の方からは二回、それから会社側からは一回、事情聴取及び意見陳述をもらうために調停委員会が開かれたということは聞いております。そして、次回についても予定がくれているということは聞いておりますが、具体的な日時まではちょっと本日は把握してまいりませんでしたので、申しわけございませんけれどもお答えはできません。
#105
○吉川春子君 私が把握している日時について労働省の婦人局長ともあろう方が把握していないというのは非常に驚きですね。
 それで、申請者が調停の場に出席できやすいようにしていただきたいと思うんですけれども、十分に陳述できる時間を保障するような仕組みになっているんでしょうか。それから、その日程を設定するのに申請人の都合を聞いているんでしょうか。その辺はいかがですか。
#106
○政府委員(松原亘子君) 調停委員会は三人の調停委員の先生方から成るものでございますので、今先生御指摘の日程調整につきましては、もちろん意見陳述をくれる方々の日程と三人の委員の方々の日程を調整いたしまして日にちを決定いたしているわけでございます。
 また、それぞれ一回ごとの時間というのはそんなに長くとるというのも常識的ではございませんので、大体二時間程度ということが常識的な線かと思いますが、その間におきましては女子労働者の方々から十分に意見を言っていただく時間をとっているというふうに聞いております。
#107
○吉川春子君 女性たちの調停の出席に当たっては、ウイークデーだとちょうど仕事とぶつかるわけですね。だから、会社側に十分その時間を保障させるように指導していただきたいと思うんです。会社は調停に応じてその場に出ましょうということにしたわけですから、労働者の時間の保障もしてほしいと思います。
 今私が聞いているのでは、調停の時間二時間プラス行くのに三十分、帰りに三十分と前後三十分ずつ保障しているらしいんですけれども、これはちょっと窮屈ではないかと思います。具体的に何分ということではなくて、会社側にこれに出席できるように労働者の時間を十分保障するように指導していただきたいと思いますが、それはしていただけますか。
#108
○政府委員(松原亘子君) こういうことに出席する場合にその時間を事業主がどう配慮するかというのは、基本的には労使自治に任されている問題だと思いまして、行政がそこまで指導する問題ではないというふうに私は思っております。
 ただ、本件につきましては、女子労働者の方々が調停の場に出られないような状況にあるというふうには伺っておりません。
#109
○吉川春子君 大臣に今までのことを踏まえてお伺いしますが、会社のかなり上役の人と調停の場でやりとりするというのは、そこからお給料をもらって働いている者にとっては相当のプレッシャーですよね。しかし、そういうことをあえてするということには並み並みならぬ今までの経緯があったわけですが、せっかく労働省も判断し会社側も応じこういう場が持たれたわけですから、それに出ることによって不利益な扱いかないように、あるいは出席する時間等の保障の点も十分会社側の方に配慮していただくように労働省の方からも、行政指導というそういうかた苦しいものではなくて、そういう配慮をするように助言なりしていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#110
○国務大臣(浜本万三君) 調停制度の趣旨はもうさっきお話があったとおりでございますが、その運用に当たりましては、制度の趣旨に沿って紛争が円満に解決されるということをお互いに念頭に置きまして運用していかなきゃならぬというふうに思います。
 それで、給料を保障するかどうかという点につきましては、自分の権利を主張されるわけでございますから、会社の方が便宜を図らなければやっぱり有給休暇等を取得いたしまして出席するということしかないんじゃないかと思っております。
 第二は、その日にちを設定し有給休暇でもこの調停に参加できるような条件をつくる場合には、関係者がそれぞれ事情を話し合って、関係者の許される事情の中で円満に決定をするというふうに当事者が努力する以外に方法はないんじゃないかなと思っております。そういう気持ちでないと紛争の解決という一番重要なことがうまくいかないんじゃないかと思います。
#111
○吉川春子君 今ちょっと私受けとめにくかったんですけれども、要するにそういう場にちゃんと出席して発言もし調停がうまく進むように、そういうことを労働省としても希望している、こういうふうに受けとめていいんですね。
#112
○国務大臣(浜本万三君) 労働省は、吉川議員が今言われたようなことは指導していないそうでございます。
#113
○吉川春子君 指導していないというのではなくて、そういうふうに労働省の方も十分に陳述ができるような時間も、それからいろいろな条件もできるような配慮をしてもらいたいと。
 そういうことによって非常に不利益が与えられたり、それからなかなかその場に出席が難しかったり、そういうようなことでは調停の場がうまく機能しないわけですから、そういう点でしかるべく配慮を労働省の方としても念頭に置いていただきたいと、こういうことなんですが、大臣、もう一度お願いいたします。
#114
○国務大臣(浜本万三君) さっきも申しましたように、やっぱり役所がこうしなさいああしなさいとか言うよりも、紛争の解決をするためにはお互いが紛争を解決するという精神に立って調停に参加する以外に方法はないと。その場合には、出席される会社の方が出席する申請者の意向もよく聞きながら円満に話し合って決めていただくということが一番よろしいんじゃないかと思いますがね。
#115
○吉川春子君 調停はどのように行われるのかといいますと、これも国連のレポートに政府が書いていることなんですけれども、調停の中立性、公平性を担保するため、第三者機関によることが適当ということで機会均等調停機関が設けられているわけですけれども、この委員会のメンバーの選任の基準はどうなっていますか。
#116
○政府委員(松原亘子君) 私どもが地方に示しておりますのは、調停委員会の委員としてお願いする方は、女子労働問題ですとか企業の雇用管理、労働法、労使関係につきまして学識経験を持ち、かつ労使それぞれに対して公正中立な立場に立って十分な説得力を持っている方ということを基準として、労働大臣が任命をするということにいたしているわけでございます。
#117
○吉川春子君 労働委員会は、メンバーは労、使、中立と、三者から選ばれるという構成になっておりますが、これはそういうふうに厳密にはなっていないんですけれども、今のお話で中立公正ということで選ぶということでしたけれども、考え方としては労働委員会のように労、使、中立、こういう立場で公平にという、そういう意味ですね。
#118
○政府委員(松原亘子君) 公平中立という意味を議論するというのはあれかと思いますので、労働委員会との違いを申し上げれば、この均等法に基づきます調停というのは、個別の事業主と女子労働者の間の紛争を調停をするというものでございまして、労働委員会が扱っております集団的な労使関係の問題ではないということから、いわゆる労働側代表とか使用者側代表というような形で委員をお願いするということはしていないわけでございます。
#119
○吉川春子君 しかし、その内容というのは、中立公正を担保できるよう、というふうに政府自身も国連のレポートで述べているので、そういう立場で委員が選ばれているものと私は受けとめているわけです。
 これはちょっと進行中の問題ですので、もう一つの問題について伺いたいと思いますが、住友電工について労働省は調停不開始、事実誤認という判断を、今答弁にもありましたように下したんですが、これは時間がないので私の方から言っちゃいますと、一般職出身の管理者が十九人いる、それから現在一般職の男性と比べて遜色ないと、こういう形で女性たちの訴えは事実誤認であるという判断を下したと聞いておりますけれども、この住友電工では男性の管理職は二千五百人いる、女性は十九人なんですね。これでもって女子差別がないというふうに認定するのはちょっとおかしいと思いますが、それはいかがでしょうか。
#120
○政府委員(松原亘子君) どの程度の数の管理職がいるかによって差別があるかどうかということを判断するというのは、適当ではないというふうにまず私どもは思います。
 本件につきましては、当事者の方々が女性は管理職から排除されているという申し立てで持ってこられたわけでございますけれども、事実を調査した結果、先生も御指摘されましたように、一般職から管理職になった女性は十九人ということで、いるという実態がございまして、女性が排除されているという事実はないということから、事実誤認で不開始というふうに決定をいたしたわけでございます。
#121
○吉川春子君 この問題についてもちょっと労働大臣、お伺いいたします。
 住友電工の男女差別の実態を明らかにするために、実は労働組合に対して、組合に保管する資料の開示を大阪簡易裁判所に求めているんですけれども、これは今問題にする問題じゃないんですが、その中の記述について私ちょっと引用したいと思うんです。
 そのときの申立人の一人の西村かつみくんの例を見ますと、西村さんより五年後に入社した同学歴の男性たちはすべて管理職になっていますが、彼女は一般職にとどまっている。そして、賃金の格差も大きく、勤続年数が長くなるに従って女性が男性の賃金の半額になっていく現実は住友金属と同じなんですね。調停開始相当と労働省が判断した住友金属と同じなんです。
 一般職から管理職に登用される基準は示されておりません。それで、この西村さんだけではなくて、女子従業員から管理職に登用されているのは、わずか〇・六五%なんです。これは九三年の数字ですけれども、女子二千百五十人の中で十四人が管理職。それがさっき十九人と言いましたね、一年前の数字ですから十四人。男子従業員一万二千八百人中二千四百人が管理職。これは男子は一九%が管理職になっているんです。女子は男子の管理職登用の三十分の一なんですが、これでも男女差別はないと、このようにおっしゃるんですか。
#122
○政府委員(松原亘子君) 今御指摘の数字は、私ども具体的にその企業に対してどのような実態にあるかということを現時点で、ここにもちろん資料はないわけでございますし、今先生が御指摘があったことを仮定の話としてこれはどうかということについて私どもはお答えできる立場にはないというふうに思います。
 それは、個別具体的にさまざまなバックグラウンドを調査しなければいけませんし、先生も既に御存じのとおりだと思いますけれども、この住友電工ですか、この企業につきましては、一般職、それから専門職等といったようなコース別に労働者を採用し、くまざまな雇用管理を行っているという実態もあるわけでございますので、そういうものを総合的に勘案しなければ、数だけをもってこれが差別の結果であるかどうかという判断はできないものだというふうに考えております。
#123
○吉川春子君 労働大臣、数の問題だけじゃないんですけれども、男性が二千四百人から五百人の管理職がいる、女性は十四人ないし十九人だと。その登用率が〇・五%だと。一、二数字は違うと思うんですが、労働省のつかんでいる数字と私の言っている数字は大体変わらないんですけれども、それはまあ住友電工というものはちょっとさておきましょう。
 一般論として、これだけ男女の登用のパーセントですね、実際の数じゃなくてパーセントに差が。あっても、なおかつここでは男女平等だ、差別はないというふうに言い切れるんでしょうか。それ、一般的な話で結構ですので、松原局長ではなくて大臣の御認識を伺いたいんですが、いかがでしょうか。
#124
○国務大臣(浜本万三君) 今の話で私の手元に資料が来ておるんですが、これを見ますと、あらかじめ専門職で採用された者、これが男子の場合には千六百七十七人、女子が四十三名。一般職から今度は管理職に昇進した者、これは女子の場合は一般職千三百八十二名に対して十九名、一・四%、それから男子一般職から管理職に昇進した人は百三名でたった一名、率は一・〇%。だから、男女の一般職から管理職への昇進は女子の場合が悪くないという結果がここへ出ておるわけなんですよ。この資料で言うんですよ、これは本当かどうかというのは、多分うそじゃないと思うんですよ。そういうことを考えますと、やっぱり資料が、本当のものが吉川議員の方へ行っておるのかなという気がまず第一にします。これは私の感じです。
 それからもう一つは、さっきも言いましたように、一般的に男女差別というものは数が多い少ないによって判断されるものではない。これは局長からお話があったように、機会が均等であるかないかということによってやっぱり判断をくれるべきものである、こういうふうに思います。一般的にはそういうことなんですね。ただ、具体的に言えば、今のように一般職から管理職へ上がった者が、吉川議員が言われるよりも、女子の方が一・四、男子が一・〇ということになるとちょっとおかしいなという気が和しておるわけです。
 それから、労働省の方の立場から言いますと、この事件については所管の婦人少年室長において当事者から事情を聴取いたしました。多分今のようなこともわかったんじゃないかと思います。女性が管理職から排除されているという事実はしたがってない、調停の対象ではないということをだから判断したんじゃないかなと、これは私、想像でそういうふうに思うんですね、今の資料から申しまして。
#125
○委員長(笹野貞子君) 吉川春子君、時間がありませんので。
#126
○吉川春子君 私、大臣はちょっとこのからくりをわかっていて委員会の席だからおっしゃっていると思うんですけれども、女性を全部一般職にやるわけですよ、均等法が導入された直後から男性は全部総合職にして。今言われた男性の一般職というのは、ちょっと語弊があるかもしれませんけれども、言ってみればブルーカラーですね。そういう人たちを一般職としてだけとどめておいて、一般の事務職は全部男性の場合は総合職なんですね。だから、それでもって今ちょっと大臣がだまされちゃったのかな、それとも知ってておっしゃっているのか、それは私はわかりませんが、そういう数字であって、実際に事務職で、いわゆるホワイトカラーで管理職に登用されているのは女子は一%未満、男性は一九%と、二千数百人の差ができるわけですね。
 もう時間がなくなりましたので、これ追及できませんが、引き続きやりたいのは、こういう形でコース別人事管理ということで、大臣もこれはどうかなと思うようなやり方を企業がして、実際には均等法を脱法しているんですよ、脱法行為だと思うんです。だから、このコース別人事管理について引き続きやりますが、こういうことをやめさせない限り女子差別はなくならない、そういうことだけ指摘して、私、質問を終わりたいと思います。
#127
○三石久江君 私は、護憲リベラルの三石です。
 浜本労働大臣は常に女性の側に立った大臣として、私は喜んでいる一人です。そこで、婦人の名称の問題について質問をさせていただきます。
 私は、本年六月二十二日の本委員会で前労働大臣にも質問いたしましたのですが、最近のいろいろな行動計画とか報告書ではほとんど婦人という言葉は使われなくなりました。婦人の語源から男女差別の意味があると指摘されていますので、ぜひ婦人局を女性局という名称に変えていただきたいと思います。前大臣は、昨年五月の閣議で、法令上の婦人を女性という表現に改めていこうということで、総理府が中心になって検討が進められていると述べられました。
 そこで、労働省としては長い歴史があることでなかなか踏み切れない気持ちはわからないわけではございませんが、総理府では婦人問題担当室を男女共同参画室に、その他も婦人という表現を避けるようになってきているように思われます。労働省でも、平成四年には「婦人労働の実情」という資料を平成五年から「働く女性の実情」に改められました。しかし、依然として婦人局、婦人局長となっていますが、女性局あるいは他の名称に改める意思はありませんでしょうか、どうでしょうか。
 私は、本来女性だけを対象にした部局の設置には反対なのですが、現状では男女共同参画型の社会をつくるためには、女性の地位向上のための施策とか組織はまだ当分必要だろうと思います。大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
#128
○国務大臣(浜本万三君) 婦人局の名称につきましては、婦人は既婚者や一定の年齢以上の人を指すイメージが非常に強いと思います。若い女性の理解が得にくいんじゃないか、こういう話で女性局に改正したらどうかという改正案の趣旨については私もよく承知をしております。
 婦人局の業務というのを見ますと、婦人の地位の向上対策、男女雇用均等法等の対策、それから女性に着目した施策を中心としてこれまで進めてまいりましたが、近年、育児休業法やパートタイム労働法の施行や介護休業の普及促進など、男女労働者を視野に入れた施策へとだんだん領域が広がっておるというふうに思います。組織の名称は、基本的には所掌する業務を国民に広く的確に理解していただきやすいようにすることが適当であるというふうに思います。
 婦人局という名称につきましても、歴史も古く、それから婦人の地位向上のシンボルとしての意味から、婦人局がいいか、あるいはまた若い人にもなじみやすい女性局がいいか、業務あるいは施策の広がりを視野に入れて別に新しい名称の方がいいのか、これは広く各方面の御意見も伺いながら検討する必要があるんじゃないだろうかと思っております。
 特に、きょうは三石さんが熱心にそういうふうに言われるものですから、私といたしましても今後重要な検討課題として検討させていただきたいと思います。
#129
○三石久江君 ありがとうございます。
 それでは次に、議題を変えまして六十四歳までの雇用確保についての質問をさせていただきます。
 年金改正法が可決、成立いたしまして、国民年金の支給開始年齢が二〇一四年から六十五歳に繰り下げられることになりました。繰り下げは段階的に行われるので、六十歳になっても年金をもらえない人が出てくるのは二〇〇一年でありますし、わずか七年後のことになります。年金の支給開始年齢が繰り下げられるために生ずる問題は、部分年金のみの支給で不足する生計費を補うために労働市場に参入するであろう労働者の雇用の確保であると思います。
 そこで、六十歳以上になっても満額の年金をもらえない人が不足部分を補うために労働市場に就業者として参入してくると仮定して、男子の六十ないし六十四歳の労働市場をどの程度拡大する必要があるのかをシミュレーションしてみますと、お手元の表のようになります。この表は、平成二年度の国勢調査による各年齢ごとの人口と平成五年度の労働力調査による就業者比率を用いて推計したものです。
 例えば、平成六年四月に五十二歳であった男子労働者から年金支給開始年齢の段階的引き上げ対象年齢になっておりますので、この労働者が属する平成二年時点の国勢調査人口を見ますと九十四万四千人になっております。
 ここで、平成五年の労働力調査では五十五ないし五十九歳層の就業者率は九二・一%であり、同様に六十歳ないし六十四歳層の就業者率は七一%でありますので、平成六年に五十二歳の人が五十五ないし五十九歳になった時点と、六十から六十四歳になった時点の就業者率としてそれぞれ推計しますとこの差は二一・二%、実数は十九万九千人、約二十万人となります。
 このように、平成六年の各年齢ごとに、それぞれ五十五ないし五十九歳と六十ないし六十四歳の時点の就業希望者数を求めて、二〇〇一年以降の年金の満額支給開始年齢の段階的引き上げの対象年齢の欄に積み上げていきますと表の右半分下の欄のようになりまして、二〇一三年には就業希望者は約百万人と見込まれます。この表は平成二年以降各年齢層とも年金満額支給年齢までの生存率を一〇〇%として推計しておりますのでかなり乱暴かもしれませんが、概略を推量する上で有効であると考えましたのであえて提示いたしました。
 また、平成四年の労働省の高年齢者就業実態調査の結果からは、男子の六十ないし六十四歳層の就業理由の七八%が経済的理由を挙げておりますので、年金が満額もらえないとなりますと現在の労働力率が上昇することが考えられます。さらに、雇用者から自営業、例えば農業への転出とか勤務延長制度、再雇用制度の活用、退職金の運用などで推計どおりの就業希望者がふえるというわけではありませんが、新たな高齢者雇用政策が必要になることは避けられないでしょう。
 前国会で高年齢雇用継続給付制度ができまして、来年四月一日から施行をくれますが、この制度は幸いに就職できた人の賃金をカバーするものにすぎません。現在、企業の定年はおおよそ六十歳が定着してきておりますが、その後も勤務を認める勤務延長あるいは再雇用の制度がある企業は、平成六年労働省雇用管理調査報告によりますと七〇・五%でありますが、そのうち全員を制度の対象としている企業は両制度とも三〇%前後にすぎないのです。また、六十歳層の求人倍率は平成元年以降〇・一〇ないし〇・二五倍という低さであるので、これから考えますと、一たん離職した者の再就職は相当に厳しい現状から、新たな高年齢者の雇用を開発するために積極的な対策が不可欠であると考えます。
 労働大臣は所信表明で、「二十一世紀初頭までに少なくとも六十五歳まで現役として働けるような社会の実現を目指していくことが重要」であると述べられています。それには、同じく前国会で成立した高年齢者等の雇用の安定等に関する法律によって対策を講ずることになろうと存じますが、改めてお尋ねしたいと思います。
 ただいま資料の表で説明いたしましたように、高年齢者の就業希望者、言いかえますと失業者が多数発生するおそれが十分ありますので、年金をもらえない年齢層の労働力率あるいは雇用者率をどのように見込んでおられるのか。平成五年の労働力調査では四七・七%ですが、どれほど上昇させ得るとお考えでしょうか。その結果、高年齢者の雇用をどのくらい開発することが必要となるか。そして、この人たちの雇用を確保するために企業側にどのような対応を求めていくのでしょうか。また、労働者側にはどのような準備が必要と考えておられますか、お伺いいたしたい。
 もう一つ、年金の満額支給開始年齢の段階的引き上げに伴って、法定の定年年齢を引き上げていくことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。高年齢者の雇用確保についての労働大臣としての御所見とともにお伺いしたいと思います。
#130
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま先生御指摘のように、年金の支給開始年齢が引き上げられます二〇〇一年までの間の最重要課題は六十五歳までの雇用の確保でございます。したがいまして、さきの国会で成立させていただきました高年齢者雇用安定法あるいは雇用保険法に基づいて六十五歳までの雇用機会の確保に最善の努力をしなければならないというふうに考えておるところでございます。
 そこで、これまた御指摘のように、一たん失業しますとなかなか現状では再就職が困難であるということでございますから、そういうことのないようにするためには、法律に基づきまして定年、これは平成十年の四月になるわけでございますが、六十歳以上定年が義務化され一般化される、そういうことを前提にしまして六十五歳までの継続雇用の促進、これは事業主にお願いすることになるわけでございますが、継続雇用制度の導入に関する計画をつくっていただいて、それに基づいてこの継続雇用を図っていただく、こういう考え方の指導をこれから積極的にしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
 これに対しましては、一方で事業主の方に対してこういう継続雇用制度、これは希望すれば全員継続雇用につながる制度という意味でございますが、そういうものを導入した事業主に対する助成制度を設けて積極的に推進するとか、あわせまして、労働者につきましては改正された雇用保険法に基づきまして高年齢雇用継続給付を支給することによって、これは五年間、定年後六十五歳に至るまでの間支給するわけでございますが、そういうことによって雇用の維持を図ってまいりたいというふうに考えております。現時点におきまして、この高年齢雇用継続給付を五年間支給いたします者が、定着いたしました段階での対象労働者は大体百十六万人程度を見込んでいるところでございます。
 そんなことで、今後最善の努力をして高齢者の雇用確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
#131
○国務大臣(浜本万三君) 定年制の漸次引き上げにつきましてお答えするわけですが、本格的な高齢化社会のもとで高齢者が安心して生活が送れるようにするためには、雇用政策と年金政策との連携を図りながら高齢者の雇用の促進を図ることが重要であるというふうに認識をしております。
 この場合、高齢者は六十歳を超えると健康等の個人差が拡大をいたします。また、就業ニーズも多様化してまいります。したがって、高齢者の企業内における六十五歳までの雇用確保につきましては、少なくとも現時点におきましては一律に六十五歳までの定年延長をするということは必ずしも適当ではないんじゃないかというふうに思っております。また、事業主にとってもちょっと過大になるんじゃないかというふうに思います。
 このため、労働省といたしましては、六十五歳までのやり方といたしましては、とりあえず平成十年四月から六十歳定年を義務化させる、そのほか勤務延長や再雇用といった多様な形態による継続雇用を促進することによりまして、二十一世紀初頭までに、希望いたしますれば六十五歳まで現役として働ける社会が実現できるように積極的に取り組んでいきたいと思っております。
#132
○三石久江君 大いに積極的に頑張っていただきたいと思います。
 それで、次に雇用の分野における男女機会均等法について、先ほども吉川議員から質問がありましたけれども、私からも質問をさせていただきます。
 大臣は、雇用の分野における男女の均等な機会の確保に努めるという所信を表明されましたが、去る九月十二日、労働省は機会均等法が制定されてから初めて紛争の調停開始を決定したと新聞で知りました。均等法の救済制度は、雇用の分野における男女差別の迅速な解決を図るという役割を果たすべきものであるはずですが、本来の機能を十分果たしているのか疑問に思われます。前回の労働委員会で、現在のこの法律の体系で相当効果が上がっていることを強調されましたが、ようやく調停に至る事案が一例出たにすぎないことから疑問に思うわけです。
 今までに申請された調停件数は、女性労働者九十五件、企業数は十社でしたが、その後取り下げ三社、調停不開始四社、不同意二社、調停開始一社ということになりました。取り下げ三社は、調停開始のため婦人少年室が事業主に対しいろいろ調査をされたり働きかけをして、その過程で自主的解決に至ったとのことで、結構であったと思います。
 そこで、同じような質問になるかと思いますけれども、調停不開始が四社、六十三件ありますが、これは婦人少年室長が紛争解決の調停の必要を認めなかったことになります。調停対象外あるいは事実誤認というのはどのような基準で判断されたのでしょうか。均等法施行規則や通達に大まかな基準は書いてあるようですが、新聞報道などでは、実際の解釈や判断は労働省や婦人少年室長の胸三寸であるとの批判も出ておりますし、婦人少年室長に調停が必要と認められなかったものは門前払いとの表現も見受けられますので、ぜひその点を明らかにしていただきたいと思います。また、その決定に対し申請当事者は納得しているのかどうか、御答弁いただきたいと思います。
#133
○政府委員(松原亘子君) 調停申請事案が調停対象事項に該当されないというふうに判断いたしました事案は三社について、実質は二社なんでございますが、ございます。
 そのうち一社は、女性だけが対象となっております一般職女性の中で既婚女子が昇格や役付登用から排除されているとして調停を申請した事案でございます。それからもう一つは、女性だけが対象となっております一般職のコースの変更があったわけでございます。コース制度が変更されたんですけれども、そのコース制度の変更に件いコースの転換を求めた女性、もう少し具体的に申し上げますと、二つのコースがありましたものを三つのコースにしたわけですが、二つのコースのうちいわゆる一般職にいた方々が転換試験を受けて新しいコース制度のもとで一般職から業務職になるという、こういう試験があったわけですけれども、その新しいコースのもとで一般職にあった女性が業務職への転換を求めたと、こういうケースでございます。
 これはいずれも女性の中での問題といいますか、男女間での取り扱いを異にするというものではないというものでございますので、均等法の調停対象事項には該当しないということで不開始にいたしたわけでございます。
 それから、事実誤認につきます問題でございますが、これは先ほども申し上げましたけれども、女性であることを理由として管理職への昇格ができないということを申し立てて調停を申請された事案でございますけれども、事実確認をいたしました結果、そういった事実が存在しないということで調停不開始を決定いたしたわけでございます。この調停対象事項に該当するかどうかといったことは、具体的には雇用機会均等法及び規則の中に書かれておりますので、婦人少年室におきましてこれを事実に基づき厳正に判断をいたしまして決定をいたしているわけでございます。
 調停不開始の決定は申請当事者に文書で通知をいたしておりまして、その趣旨は調停を申請された方々も理解をしていただいているというふうに考えているところでございます。
#134
○三石久江君 門前払いではないということなんですね。
 次に、時間が一番最後で、背くんお帰りになりたいんではないかなと思いながら、介護休業制度について質問をさせていただきます。
 大臣は就任に当たり、来年度の施策の中に介護休業制度だけはどうしても整備したいと意欲を見せておられました。所信でも法制化問題の検討に真剣に取り組む姿勢を表明くれました。先ほども足立議員がいろいろ質問なくれましたけれども、労働省の介護休業制度に関する専門家会合では、介護休業の取得要件、手続、期間等を内容とする報告書を本年七月に提出しました。労働省としては、婦人少年問題審議会の婦人部会で現在検討中とのことですが、介護休業問題は男女ともに関係のあることで、なぜ婦人部会で検討するのかについて疑問がないわけではありませんが、既に何度も検討会が開かれているようですので、ここでは改めて問題にしようとはいたしません。現在どのような点が論議の焦点になっているのか、現在の審議の状況と今後のスケジュールを示していただきたいと思います。
 公務員につきましては、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律によって既に本年九月から介護休業を取得できるようになっています。民間の方がおくれておりますので、一日も早い制度化が望まれるわけです。私のところにも多数の方々から要望書やら陳情が参っています。本来ならこの臨時国会に提出されてしかるべきであったと思っておりますが、どんなに遅くとも次期通常国会に提出して速やかな施行をすべきであると考えますが、大臣の決意のほどを再度お伺いしたいと思います。
#135
○政府委員(松原亘子君) 現在、婦人少年問題審議会で、先生御指摘のようにことしの夏出ました専門家会合の報告書を参考にしながら検討を進めていただいておりますけれども、議論は多角的に行われておりまして、介護対策全体における介護休業制度の位置づけをどう考えるかといったような点、それから法制化の議論も出ておりますけれども、現在法制化すべき時期なのかどうかといったような点なども議論になっております。
 また、介護休業制度を定着させるという観点から、その制度として介護休業の期間をどうするのかとか、対象になる家族の範囲をどうするかとか、介護休業期間中の支援対策をどうするかなど、多角的な検討が現在まだ行われている途中でございます。
#136
○国務大臣(浜本万三君) 私の決意について述べろということでございます。
 介護休業制度の法制化につきましては、大変重要な課題であると認識をしております。婦人局長から報告させていただきましたように、現在、婦人少年問題審議会で専門家会合の研究結果を参考にしながら介護休業制度の法制化を含む有効な普及対策について検討を行っているところでございます。
 私といたしましては、次の通常国会への提出を視野に入れて審議が進められることを期待しております。その結果を踏まえまして対応してまいりたいと考えております。
#137
○三石久江君 最後に、この制度の円滑な普及のためには介護休業導入企業への助成措置も不可欠でありますが、概算要求ではどうなっておりますか。
 また、介護休業取得者には中高年齢者が多いと思われますが、休業中の収入確保が重要な問題となろうと思います。雇用保険の財政状況にも配慮が必要ですので、制度発足と同時とは言えないまでも、給付制度実現の方向性を打ち出し、その検討に着手すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
#138
○政府委員(松原亘子君) 介護休業制度につきまして、私ども来年度さらに積極的な施策をとるべきであるというふうに考えまして、今先生御指摘がありました介護休業制度を導入した企業に対する奨励金制度を創設したいというふうに考えておりまして、今大蔵省と折衝をいたしているところでございます。
 なお、介護休業を取得する労働者に対する経済的な支援の問題につきましては、先ほど審議会の議論の中でその点も含めて議論が行われているというふうに申し上げましたが、労働省といたしましてはその結果を踏まえて対応いたしたいというふうに考えているところでございます。
#139
○三石久江君 終わります。
#140
○委員長(笹野貞子君) 本日の質疑はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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