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1994/11/24 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 逓信委員会 第3号
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1994/11/24 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 逓信委員会 第3号

#1
第131回国会 逓信委員会 第3号
平成六年十一月二十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月十五日
    辞任         補欠選任
     岡  利定君     佐藤 泰三君
 十一月十六日
    辞任         補欠選任
     佐藤 泰三君     岡  利定君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山田 健一君
    理 事
                加藤 紀文君
                守住 有信君
                大森  昭君
                粟森  喬君
    委 員
                岡  利定君
                陣内 孝雄君
                鈴木 栄治君
                林田悠紀夫君
                及川 一夫君
                川橋 幸子君
                三重野栄子君
                河本 英典君
                林  寛子君
                鶴岡  洋君
                田  英夫君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  大出  俊君
   政府委員
       郵政大臣官房長  木村  強君
       郵政大臣官房審
       議官       品川 萬里君
       郵政省郵務局長  加藤豊太郎君
       郵政省貯金局長  谷  公士君
       郵政省簡易保険
       局長       高木 繁俊君
       郵政省電気通信
       局長      五十嵐三津雄君
       郵政省放送行政
       局長       江川 晃正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        星野 欣司君
   説明員
       外務省北米局北
       米第二課長    西宮 伸一君
       郵政大臣官房人
       事部長      寺西 英機君
       郵政大臣官房国
       際部長      内海 善雄君
       会計検査院事務
       総局第四局長   平岡 哲也君
   参考人
       日本放送協会会
       長        川口 幹夫君
       日本放送協会専
       務理事・技師長  森川 脩一君
       日本放送協会専
       務理事      中村 和夫君
       日本放送協会理
       事        安藤 龍男君
       日本放送協会理
       事        齊藤  暁君
       日本放送協会理
       事        中井 盛久君
       日本放送協会理
       事        菅野 洋史君
       日本放送協会総
       合企画室〔経営
       計画〕局長    慶田 敏紀君
       日本放送協会経
       理局長      石渡 和夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本放送協会平成四年度財産目録、貸借対照表
 及び損益計算書並びにこれに関する説明書(第
 百二十九回国会提出)
○郵政事業、通信、放送及び電波等に関する調査
 (郵政省施策の国民への周知に関する件)
 (移動電話・保険についての日米交渉に関する
  件)
 (郵便料金の在り方に関する件)
 (自由化に伴う郵便貯金金利の決定に関する件
 )
 (郵政事業の信頼確保に関する件)
 (放送行政の在り方に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山田健一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 日本放送協会平成四年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 まず、政府から説明を聴取いたします。大出郵政大臣。
#3
○国務大臣(大出俊君) ただいま議題とされました日本放送協会平成四年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書並びに監事の意見書の国会提出につきまして、その概略を御説明申し上げます。
 これらの書類は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。
 日本放送協会から提出された平成四年度の財務諸表によりますと、平成五年三月三十一日現在、一般勘定につきましては、資産合計は五千三百三十二億六百万円で、前年度に比し二百七十三億五千万円の増加となっております。
 これに対しまして、負債合計は二千三百二十四億四千八百万円で、前年度に比し五十億三千四百万円の減少となっております。
 資本合計は三千七億五千八百万円で、前年度に比し三百二十三億八千四百万円の増加となっております。
 資産の内容は、流動資産一千百三十四億四千三百万円、固定資産三千八百九十四億六千九百万円、特定資産三百二億九千四百万円であり、負債の内容は、流動負債一千三百四十二億九千七百万円、固定負債九百八十一億五千百万円となっております。
 また、資本の内容は、資本二千百九十億七千八百万円、積立金四百九十二億九千六百万円、当期事業収支差金三百二十三億八千四百万円となっております。
 受託業務等勘定につきましては、資産合計、負債合計とも二千百万円となっております。
 次に、損益について御説明申し上げます。
 一般勘定につきましては、経常事業収入は五千三百九十八億二千四百万円で、前年度に比し百六十七億八千四百万円の増加となっております。
 これに対しまして、経常事業支出は五千六十三億四千六百万円で、前年度に比し二百六十七億六千四百万円の増加となっております。
 この結果、経常事業収支差金は三百三十四億七千八百万円となり、これに経常事業外収支差金二十八億七千四百万円の欠損を加えた経常収支差金は三百六億四百万円となっております。
 これに特別収入四十三億一千万円を加え、特別支出二十五億三千万円を差し引いた当期事業収支差金は三百二十三億八千四百万円となっております。
 受託業務等勘定につきましては、経常事業収入は五億八千六百万円であり、これに対しまして、経常事業支出は四億七千八百万円となっております。
 この結果、経常事業収支差金は一億八百万円となり、これに経常事業外収支差金一千六百万円の欠損を加えた当期事業収支差金は九千二百万円となっております。
 なお、監事の意見書におきましては、監査の結果、財務諸表は、日本放送協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認めるとされております。
 以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
#4
○委員長(山田健一君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。川口日本放送協会会長。
#5
○参考人(川口幹夫君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成四年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに監事の意見書の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、一般勘定の当年度末の資産総額を財産目録、貸借対照表で見ますと五千三百三十二億六百万円で、この内訳は、流動資産一千百三十四億四千三百万円、固定資産三千八百九十四億六千九百万円、特定資産三百二億九千四百万円。このうち固定資産の内容は、建物一千十二億九千六百万円、土地二百三十七億九千九百万円、機械及び装置一千百三十四億四百万円、放送衛星百七十四億三千六百万円、その他の固定資産一千三百三十五億三千四百万円でございます。
 当年度末資産総額を前年度末と比較しますと、二百七十三億五千万円の増加となっておりますが、これは建設計画に基づく衛星放送設備、番組制作設備の整備等によるものでございます。
 一方、これに対する負債総額は二千三百二十四億四千八百万円で、この内訳は、流動負債一千三百四十二億九千七百万円、固定負債九百八十一億五千百万円。このうち固定負債の内容は、放送債券四百三十億六千万円、長期借入金三百二十四億四千百万円、退職手当引当金二百二十六億五千万円でございます。
 当年度末負債総額を前年度末と比較しますと、五十億三千四百万円の減少となっておりますが、これは長期借入金の減少等によるものでございます。
 また、資本総額は三千七億五千八百万円で、この内訳は、資本二千百九十億七千八百万円、積立金四百九十二億九千六百万円、当期事業収支差金三百二十三億八千四百万円でございます。この資本総額は前年度末と比較し三百二十三億八千四百万円の増加となっております。
 次に、受託業務等勘定について見ますと、当年度末の資産総額及び負債総額はそれぞれ二千百万円でございます。
 次に、損益計算書について申し上げます。
 まず、一般勘定の経常事業収支について見ますと、受信料等の経常事業収入は五千三百九十八億二千四百万円で、前年度と比較し百六十七億八千四百万円の増加となりました。これは主として、受信契約の維持・増加に努めた結果によるものでございます。
 なお、有料受信契約件数は四十万件増加し、当年度末には三千三百四十五万件となりました。
 次に、経常事業支出は五千六十三億四千六百万円で、この内訳は、国内放送費一千八百四十五億二千八百万円、国際放送費四十一億二千五百万円、契約収納費四百七十九億二千四百万円、受信対策費十五億四千百万円、広報費二十四億一千百万円、調査研究費五十六億一千四百万円、給与一千三百七十三億百万円、退職手当・厚生費五百二十三億九百万円、一般管理費百十八億八千八百万円、減価償却費四百三十六億九千二百万円、未収受信料欠損償却費百五十億一千三百万円となっております。
 これは前年度と比較し二百六十七億六千四百万円の増加となりましたが、主として、放送番組の充実に伴う事業運営費の増加等によるものでございます。
 以上の結果、経常事業収支差金は三百三十四億七千八百万円となり、これに経常事業外収支差金二十八億七千四百万円の欠損を差し引いた経常収支差金は三百六億四百万円であります。さらに、特別収入四十三億一千万円を加え、特別支出二十五億三千万円を差し引いた当期事業収支差金は三百二十三億八千四百万円となりました。このうち、債務償還に充てた資本支出充当は百七十一億八千百万円、建設積立金繰り入れは三十一億三千八百万円であり、事業収支剰余金は百二十億六千五百万円であります。
 なお、この事業収支剰余金は翌年度以降の財政安定のための財源に充てるものであります。
 次に、受託業務等勘定の経常事業収入は五億八千六百万円で、経常事業支出は四億七千八百万円となりました。その結果、経常事業収支差金は一億八百万円となり、これに経常事業外収支差金一千六百万円の欠損を差し引いた当期事業収支差金は九千二百万円となりました。この当期事業収支差金につきましては一般勘定の経常事業収入へ繰り入れております。
 なお、監事の意見書では、貸借対照表等は、監査の結果、協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認めるとされております。
 これをもちまして概要説明を終わらせていただきますが、今後の協会経営に当たりましては、公共放送としての使命と責務を深く認識し、放送事業の一層の発展に努力してまいる所存でございます。
 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
 ありがとうございました。
#6
○委員長(山田健一君) 次に、会計検査院から検査結果についての説明を聴取いたします。平岡会計検査院第四局長。
#7
○説明員(平岡哲也君) 日本放送協会の平成四年度決算につきまして検査いたしました結果を御説明いたします。
 日本放送協会の平成四年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書等は、平成五年八月三日内閣から送付を受けましたが、その検査を終えて、同年十二月九日内閣に回付いたしました。
 同協会の決算につきまして検査いたしました結果、特に法律、政令もしくは予算に違反し、または不当と認めた事項はございません。
 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
#8
○委員長(山田健一君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○岡利定君 自由民主党の岡でございます。大出大臣には以前から個人的には大変御指導をいただいておりますが、本委員会で初めて質問させていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 大出大臣も就任後早々から大変な御活躍をいただいております。八月にはソウルでUPUの大会議に出席されて、そして十月には京都でITUの全権委員会議ですか、これを主宰いただく。いずれも郵政関係最大の国際会議、世界的な会議でありますが、そこで大役を果たされ、大きな成果を上げていただいたということを伺っております。
 UPUの大会議は五年に一回、ITUの全権委員会議は四年に一回ということですので、どちらかに一つでも出られる大臣も少ないような感じがするんですが、二つとも出られるというのは、大臣、大変意義深い会議をやっていただけたなと思っておるところでございます。
 また、金利自由化完了後初めての通常貯金の金利引き上げに当たりまして、大蔵省の反対を押し切って、預金者の利益を守るという郵貯の方針といいますか伝統を貫いていただけたということも伺っておりまして、本当に大臣の御活躍に心から敬意を表させていただく次第でございます。
 ところで、現在、郵政省にはいわゆるマルチメディアに対する的確な対応というのが求められております。マルチメディアは、単に情報通信の世界だけではなくて、二十一世紀の日本の産業構造に新時代をもたらす分野である、また国民生活のあり方にも大きな影響を与えるものであると言われております。そのための本格的な行動開始の年がまさに平成七年度ということになるわけでございまして、そのための予算とか税制とか法案とか、大変大事な年になるんじゃないかと思っております。
 過日の委員会におきまして大臣の御答弁を伺っておりまして、大臣の豊富な御経験と知識を生かして大変情熱を込めて取り組んでいただけるということがわかり、本当に心強く思っております。大臣が郵政行政の最高責任者としまして的確なかじ取りをしていただけると確信しておりますが、よろしくまずお願い申し上げる次第でございます。
 ところで、きょうはNHKの平成四年度の決算ということでございますので、大臣からNHKに対して現状においてどのようなことを期待されておるか、お考えがあればお聞かせいただきたいと思う次第でございます。
#10
○国務大臣(大出俊君) いろいろ日ごろの岡先生とのおつき合いございまして、それに触れたお話いただきまして大変恐縮しております。また、いろんな場所でお目にかかっておりますけれども、お世話になっておりますことに御礼申し上げる次第でございます。
 型にはまったお答えにならざるを得ない感じがするのでありますけれども、NHKをめぐりましても、あるいは今のマルチメディアそれ自体につきましても、そこの問題が当面の問題もあれば将来の問題もある、たくさんあるわけでございますけれども、いずれまたどこかでお答えできる場面があればお答えしたいと思います。
 今の御質問につきましては放送法の第七条がございまして、これはもう岡先生知り過ぎるほどよく御存じのことでございますけれども、この七条の「目的」、やはりここに一つの枠がございます。七条では「協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるよう」、これは非常に難しいんですが、「豊かで、かつ、良い放送番組による国内放送を行うとともにこと、こういうふうになっておるわけでございます。そして「放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行いこ、ここにも今の御指摘のたくさんの課題があるわけであります。そして「あわせて国際放送を行うことを目的とする。」、これがNHKに課せられている法律的な枠組みだというふうに私は思っているわけでございます。
 そういう意味で幾つか申し上げますと、まず公共放送でございますという建前のもとに、NHKはそういう意味で、実際にテレビに映る背景というのはそうなっているんですけれども、ディジタル放送、映像のディジタル化というのが今日のマルチメディアの根源でございまして、コンピューターあるいは通信網で扱いにくいあるいは扱えないといういろんな映像をディジタル化することによっていわゆるマルチメディアという形に進んできたというわけでございます。だから、そういう意味で、ディジタル放送など今後の放送技術の高度化という点でますます御研究をいただいて進めていただきたい。
 それから二番目に、今まででもいろいろございますけれども、公正な報道というのが大原則でございますので、公正な報道に徹すると。そして、視聴者のニーズの多様化というものを見詰めて、さっきの七条にもございますけれども、高度化にこたえる質の高い番組の提供をしなければならない、そういう性格をNHKは持っている、これが二番目でございます。
 そして三番目に、今までもそうでございますけれども、諸外国の対日理解の促進、そして在留邦人への情報提供、大きな課題がございます。そういう意味での国際放送をこれからさらにひとつ充実したものにしていただく、ここらが大体NHKがこれからより一層懸命に果たさなければならない問題点だろうと思っております。
 そして、この役割を果たしていただいて、先般の委員会でも随分突っ込んだ御指摘がございましたように、あわせて経営の効率化という大きな問題がございます。経営の効率化など、経営基盤の安定強化、これもたくさんの課題が御質問の中にございましたが、これにもひとつ懸命に、より一層お取り組みをNHKの皆さんにはいただきたい、こういうふうに考えております。
 当面、それだけお答えさせていただきます。
#11
○岡利定君 どうもありがとうございました。
 それでは、NHKの方にお尋ねいたします。
 川口会長には、七月三十日に再任になられました。十月には海老沢副会長以下の新しい陣容で、二十一世紀を目前にして、またいわゆるマルチメディア時代の到来に対応するNHKの経営、運営に当たられておるわけでございます。私は、会長の新しい任期の三年の対応がNHKの、そしてひいては我が国の放送界を決定づける重要な時期じゃないかなと思う次第であります。
 そういう意味で、この任期中に何を目標にして、何をどのようにしていきたいかということについての会長の御抱負を具体的にお話しいただけたらありがたいと思いますが、よろしくお願いします。
#12
○参考人(川口幹夫君) ただいま郵政大臣の御見解を承っておりまして、私も全くそれと同じことを実は考えております。
 と申しますのは、NHK自体が長い歴史の中で放送文化の担い手としてこれまで国民の信頼を得てきた、これは非常に力強い事実でございますけれども、今テクノロジーの新しい展開とともに放送自体も非常に大きな山場を迎えております。これに対して柔軟に対応したい、そして新しいテクノロジーを最も有効に国民のためになるような形に使いたいということを考えております。そのためには、精神的な面での活性化を図る、それから局内の風通しのいい体制を整備するということをまず第一番に考えたいと思っております。
 それから二番目は、大臣もお触れになりましたように、NHKの生命は何といってもニュース、番組でございます。それが国民の信頼を得なければ全く存立の意味がないわけでございますから、番組の強化、充実についてはより一層の努力をしたいと思っております。特に、報道に関しては、国民全体が今後どのように生きていくべきか、そのことに対する大きな判断の材料を提供する、常に公正で中立的な立場をとって国民のために役立つものを提供したいというのが第一番でございます。
 それから、非常災害等に当たっては、できるだけ早くこれに対応して、人的なあるいは財産的な損害を食いとめる、そして復旧を図るというふうなことも当然NHKの大きな務めでございます。
 さらに、教育テレビを刷新いたしまして、本当の教育というものに役立つ番組の提供に努めたいというぐあいに思っております。
 このほかに、私が今考えておりますのは、例えば映像による海外への情報発信強化とか、多様化する国民生活にどのように対応してどのような番組をなすべきかという編成の問題とか、各種の具体的な問題がありますが、これについてはできるだけ十分な検討をして、大胆にしかし前向きに踏み込んでまいりたいというふうに思っております。
 三番目は経営の問題でございますけれども、幸いにして今協会は五カ年計画を終わるに当たって非常にゆとりのある財政状態の中で進行しております。ただ、国民から預かったお金で運営をするという形からいいますと、今後も冗費を切り詰めて、いわゆるスリムな体制のもとで運営をしていくということは当然私どもに課せられた最大の責務であるという認識をしておりまして、安定化する経営ということをぜひ考えたいと思います。
 そして、当然先行きにマルチメディア時代というのは来るわけですから、これにはどのように公共放送が対応するのか、一番いい方法を探していきたい。
 私が再任に当たって掲げたスローガンは「挑戦と前進」であります。挑戦というのは、常に新しいものへ挑戦をしていく、よりよきことへ挑戦していくという意味でのチャレンジ精神でございますので、これをスローガンにして今後とも頑張ってまいりたいというふうに思っております。
#13
○岡利定君 ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
 ところで、ハイビジョンとかマルチメディアと放送の関係などについては先日の本委員会でいろいろと各先生からお話がありましたので、当面の事柄について若干御質問させていただきます。
 平成四年度のNHKの経営というのは、不況のもと、大変厳しい環境のもとであったわけですけれども、協会の皆様の御努力で財政面では予算を上回る繰越金を確保できたというようなことで大変結構だと思う次第であります。
 平成四年度、NHKにとってもいろんなことがありましたけれども、余りいい話ではなかったんですが、ムスタンというNHKスペシャルの番組で、いわゆるやらせ問題というのが平成四年度の大きな問題となった次第でございます。
 この問題をめぐって、当時、報道のあるべき姿とか放送番組のあり方、それに従事する人たちの心構えがいろいろと論ぜられ、またNHKにおきましても事実関係の調査、関係者の処分等、厳しく対応されたことは承知いたしております。しかし、このようなことは一過性のものでないんじゃないかというふうな議論もその当時あったわけでありまして、常にこういうことのないように心してやっていくということが大変大事なことであると思います。まさかのど元過ぎればにはなっておらないと思うんですけれども、この点についてNHKがどう取り組んでおられるのか、お伺いしたいと思います。
#14
○参考人(中村和夫君) 御指摘のようなNHKの信頼を損ないかねないようなことがムスタンでは起こりました。私どもにとって信頼性というのは何よりも大事なものですから、ムスタンの事件を教訓にいろいろな措置を講じております。
 一つは、NHKと民放の番組倫理委員会というものをつくりまして、共同で提言をしております。また、放送倫理に関するシンポジウムも開いております。それから、NHK自体といたしましては、責任体制の明確化、それから五年ぶりにNHKの番組基準ハンドブックというものを改訂いたしまして、放送人としての自覚、心構え等々についての項を新しく設けて周知徹底いたしております。
 それから、具体的には放送現場の倫理に関する委員会というものを設置いたしておりまして、ここで倫理、制作上の表現の問題等々、具体的な例を取り上げまして、これまでにもたびたび番組ごとにケース・バイ・ケースで担当の責任者をその席に招きまして、いろいろ制作上の問題点等々についてその場で議論するということをやっております。それから、研修の徹底等も行いましたし、メディアミックスと番組制作との明確な区別というものも現在続けております。
 以上です。
#15
○岡利定君 何しろNHKの信頼あるいは放送の信頼の問題にかかわることでございますので、きちんと取り組んでいただきたいと思います。
 報道番組とドラマというのは全く違うんだろうと思うんですが、歴史ドラマを取り扱う場合に、歴史上の事実と創作との関係をどんなふうに考えたらいいのかちょっと疑問を感じておりますので、お教えいただきたいなと思っております。
 こういう場で個々の番組について意見を言うことは極力避けるべきだと考えておりますけれども、現在放送中の「花の乱」において特にそのことを感じますので、これを例にとって率直にお聞きいたしたいと思います。
 ごらんの方も多いと思いますけれども、「花の乱」は室町幕府の八代将軍の妻、日野富子を主人公として応仁の乱を描く大河ドラマであります。秀吉とかあるいは大石良雄といったような人の場合はみんなもよく知っておるわけでございますけれども、専門家とか歴史的な人は別として、一般的に余り知られていないといいますか、正確な知識を持っていない時代の話じゃないかなと思うわけであります。
 そういう意味から、ドラマとして楽しむ人もありますけれども、ドラマよりも歴史上の出来事として関心を持って見ている人も案外多いんじゃないかと思うわけです。私は、今日一つの大きなテーマになっております夫婦別姓、夫婦が別な名字を持つということの我が国の代表的な女性が日野富子であり、北条政子の二人だというように聞いておりまして、どんな人なのかなと思って大変関心を持ってこの番組を見せていただいておりました。
 ところが、ずっと進んでくる中で、NHKのサービスセンターが出されているステラの七月二十九日号というのを読んで驚いた次第であります。これによりますと、「花の乱」のドラマの大疑問ということで、だからいろいろなところから聞かれるんじゃないかなと思いますけれども、「放送が始まって四カ月たった「花の乱」。毎回じっくり見ていても、どうしても疑問が残る。」ということで、いろんなQアンドAを書かれておりますが、その中で主人公である日野富子の生い立ちについては全く創作だということをここに書かれておるわけです。
 「日野富子の父親は酒呑童子ということですが、本当?」「創作です。」、「富子は二人いて、入れ代わったの?」「もちろん創作です。」、富子が育った「「椿の庄」は、実在したところ?L「架空の土地です。」、「日野家に代々伝わる「火の橋」「水の橋」の扇は本当にあったもの?」「実際には日野家にはこういった扇はありませんでした。」、「富子と一休さんとの関係はどうだったの?」「ドラマではいま、一休は富子の最大の理解者として描かれていますが、実際は逆でした。」ということで、合っているのは美人だったということだというふうに答えてあるわけです。
 そのほか、いろんなことが書いてあるんですが、ドラマである限り当然のことながら創作なりフィクションも許されると思うわけであります。筋書き展開のためには、いわゆるストーリーテラーというんですか、そういう架空の人物を立ててやることもあるわけでありますけれども、歴史を知ろうとする面から見ると、このステラを読まない限りは日野富子さんというのはそういう人物だと。私もこれを読むまで全然わからなかったのです。これを読んだ人を大分聞いてみますと、これも余り読んでないわけです。そういう意味で、今放送しているのが事実だというように案外思い込んでしまう、またその力をNHKは持っておるというように思います。
 楽しい番組をつくる、かつ実像をできるだけ曲げないということは大変難しい課題であると思うわけでありますけれども、私自身もこの辺についてどういう基準でどう考えたらいいか確たるものを持っておりませんけれども、何となく余りにも創作が過ぎるんじゃないかなというような感じをふと持ったものですから、気になってあえてお聞きしたわけです。
 今週号のステラにこの作者といいますかシナリオをつくった人が「今だから話そう」ということでお話しされています。それによりますと、「実像を、つまり歴史の記述を伝えていく必要はもちろん学術的にはあるわけです。けれどもわれわれドラマティストは歴史を文化に高めていきたいと思う。
 日本の歴史を文化として語り継いでいく義務を、少なくともNHKの大河ドラマは背負っていると思います。」というように語っておるわけです。
 確かにそういう面があると思いますけれども、歴史を文化に高める場合に、違う人を、歴史上の実在する人物を変えてやるのは本当はどうなんだろうかな、そして違った形で、親が二人おるとか兄弟が二人おったとかというような形で将来に伝わったら、これは案外大変じゃないかなと思ったりしたものですから、この辺について歴史ドラマの事実と創作の関係というのをどういうぐあいに考えたらいいのか、NHKとしての、NHKといいますか、勉強のためにお教えいただきたいと思うんです。
#16
○参考人(川口幹夫君) NHKの番組を本当によく見ていただいて、ありがとうございます。
 私は前にドラマ部長というのをやりましたので、この問題については前から非常に悩みもし、考えもしてまいりました。特に、大河ドラマというのは、昭和三十八年にできましてから、もう三十年以上たつわけです。初めの「花の生涯」から始まりまして、非常にたくさんのファンの方ができました。それで、いつの間にかドラマがドラマではなくなってきたと。いわゆる歴史ドラマあるいは教養ドラマというふうな形でごらんいただく方が多うございまして、そこのジレンマに制作者の方はいつも悩むわけです。
 歴史をそのままやるというふうなことでは全くドラマ的には展開できません。それならばドキュメンタリーをやるかあるいは純粋の学術番組として番組をつくればいいわけですが、これがそういきませんので、どうしてもそこには創作という行為が入るわけです。それを作者が史実をもとにして、自分なりの創作を加えて、そしてドラマにしていくという過程をたどります。それが視聴者の方々には往々にして誤解を生ずるところがありまして、史実と思っていたのに史実じゃないじゃないか、うそを言っているというふうな御指摘があったり、あるいはドラマにしようと思って、おもしろくしようと思い過ぎて荒唐無稽なことをやり過ぎているというふうな御指摘はよくいただきます。
 この辺が実は非常に難しいところでございますけれども、私どもはあの番組自体はサラリーマンを含めて非常にたくさんの方がごらんになれる日曜の夜の娯楽番組という位置づけを形としてはとりたい。そして、その上で歴史というものは非常に幾つかの興味のある話題、興味のある人物、そしてそれに伴う興味のある展開ができますので、歴史に題材をかりようと。これまで三十年以上の間つくり続けてきたわけですが、今回の「花の乱」につきましては創作部分というのが非常に多くなりまして、結果としては岡先生のおっしゃるような疑問を抱かれる方も多いという実情でございます。
 ただ、近松門左衛門という有名な文楽あるいは歌舞伎の作者がおりますけれども、この人が、演劇というのは何かと問われて、虚実皮膜の間であるというふうに答えた有名な言葉がございます。虚と実の皮膜、皮と膜の間にドラマというのはあるんだと。つまり、事実をそのままやったんじゃドラマにならない、といってドラマチックになり過ぎてしまったら事実がどこかへ行っちゃう。だから、虚実の皮膜の間にドラマがあるんだということを近松門左衛門がしゃべっております。
 私はこれは今もそのまま私どもが守っていくべき一つの道じゃなかろうかと思っております。つまり、余り虚に走ってはいけないし、といって事実に固執し過ぎるとドラマが生きない、そういうところを皮膜の間におさめて、そして人情もあり、話もよくわかり、そして時代もある程度きちんと理解できる、人物の描写も史実にできるだけ即したものでありたい、そういうのを目指してやりたいと思っております。
 今の作品についてはそういう創作部分がちょっと多いというのか、非常に作者は豊かな才能を持っている人なんですね。ですから、創造の場が非常に広がってきたというふうなことでそのような誤解もあるかと思いますが、今後のドラマのつくり方については私どもも岡先生のような御意見の多いことを体して十分に心がけてまいりたい、こう思っております。
 ありがとうございました。
#17
○岡利定君 近松門左衛門のその辺の精神を体してしっかり頑張っていただきたいと思います。終わります。
#18
○川橋幸子君 歴史と文化に造詣の深い同委員の後に、私はまた大変事務的な殺伐とした質問に戻らせていただきたいと思います。
 日野富子の現在のドラマでございますけれども、会長の名答弁、虚と実の皮膜の間というお話もございましたけれども、女性の立場から言いますと、女性が主人公のドラマは、今までの歴史小説というのは希代の悪女がまれに見る愚かな女性というような描き方が多かったような感じがいたしまして、それから見ると非常にさまざまな人間像が出ておる今の「花の乱」は、私はあれはあれで結構じゃないかという感想だけ述べさせていただきまして、質問に入らせていただきます。
 今回は四年度の決算でございます。もう既に平成六年でございまして、今の中期計画でしょうか長期計画でしょうか、もう終わりに近づいている段階でございますけれども、四年度の決算それからその後の手直しもおありだったと伺っておりますけれども、今次計画の達成状況についてどのように評価していらっしゃるのか、NHK自身としてはお考えになっていらっしゃるのか、そこをお伺いしたいと思います。
#19
○参考人(中井盛久君) お答えいたします。
 平成二年から六年にかけまして五カ年の経営計画を立てまして、平成二年に受信料の改定、基本で約二八%のアップをさせていただきました。その結果でございますけれども、我々としては今のところおおむね当初目標に沿った線で来ているのではないかというふうに思っておりますが、多少、計画とそれから実績が違うところが出てまいっております。
 この計画そのものは、放送サービスの充実であるとかあるいは受信料制度の維持発展、それから効率的経営の徹底、活力ある創造的な集団の形成ということを柱にしてやり始めたわけでございます。
 具体的には、衛星放送の充実もかなり行われてまいりましたし、地域放送のサービスの充実によってもかなり貢献ができたと思っております。あるいはニュース・情報番組の強化ということで、先ほど御指摘のムスタンのような事件は多少ございましたが、全般的にはいろいろな調査をいたしましてもNHKへの信頼というものもいただいておりまして、おおむね順調にいっている。
 さらに、短波国際放送の充実ということも申し上げておりましたが、二十二カ国語、六十五時間というようなことで、時間を増加させる目標もほぼ今年度で達成いたしました。
 それから、映像による情報発信も、国内の受信料を外に持ち出すことについての議論もございましたけれども、今期、放送法改正によりましてNHKの必須業務としても取り上げていただいたというようなことから、徐々にその方向へ行くというようなことでかなり順調にいっていると思います。
 ただ、残念ながら計画に及ばなかったことは、放送の衛星契約が、せっかく衛星付加料金もつけていただいたわけでございますけれども、当初、六年度末で九百万件ぐらいという契約見込みでございましたが、今年度の予算の最終規模で六百六十五万ぐらいになるかと。伸びてはいるんですけれども、伸びが見込みよりは低い線で走っている。
 それから、営業経費率といいまして、これは収納するために使うお金でございますが、それが当初一七%程度あったものを六年度末で一二%程度まで下げたいという計画で進め始めましたが、現在の予算で一三・四というところで今のところはとどまっております。ただし、一七%からかなり下げてきたことも事実でございます。
 それから、衛星の収支相償を累積赤字があっても五年間で大体ゼロという見込みでございましたが、今のところ百八十七億円ぐらいの累積赤字がなお残る見込みでございまして、当初見込み五年でゼロがあと一年か二年でゼロになるかなというところにあるということでございます。
 しかし、全般としましては、先ほど会長も申上げましたように、この五年間で財政の収支は五百二十二億今年度末におきまして残るであろうということで、将来もうしばらくきちんとした安定した経営ができるという状況であると思います。したがいまして、先ほど申し上げましたように、おおむね我々の、自分たちの評価ということはなかなかいけませんけれども、目標に沿った線でいっているのではないかと、こう思っております。
#20
○川橋幸子君 中井理事がお答えになられて、大変客観的に、言いわけにならずに、身びいきにならずにお答えいただいて、私もNHKの職員の方々の努力を多といたしまして、そのとおりだと思います。
 さて、もう平成六年度も残り少なくなりまして、七年度以降どうなさるのかなということが私どもの関心になってきているわけでございますけれども、七年度以降、新経営計画というのを策定するお考えでいらっしゃるのかどうか。それから、もし策定なさるとすればその基本的なスタンスというものをどこのあたりに置かれるのかなと。特に、財政面につきまして受信料収入に収入の大宗を依存しているわけでございますけれども、料金の値上げ問題についてどんなお考えをとられるのか。このあたりをまとめて会長にお伺いしたいと思います。
#21
○参考人(川口幹夫君) 私どもが経営をやる上でもう片時も忘れてはならないのは、その経営の財源がお一人お一人の受信者の方から入ってきたものだということでございます。したがって、今財政的には非常にゆとりがありますけれども、これをできるだけ先延ばしするというのか、スリムな体制を続けていくことによって視聴者にこれ以上の値上げによる負担をおかけしないように最大限の努力を続けていくというのが基本的な姿勢でございます。
 ただし、七年度以降のことを考えますと、いろんな事業がこの後考えられます。特に、先ほどから問題になっておりますマルチメディア時代のあり方についてどのような体制を組むべきなのかとか、あるいは波の保有のあり方、番組内容のあり方、海外への情報発信のあり方、そして新しいテクノロジーの時代への対応のあり方、こういう問題については私どもは中長期の経営方針というものをはっきりこの際出して、そして将来への見通しを国民の皆様に問いたいというふうに思っております。ただいま中長期経営方針をまとめておる最中でございまして、来年の一月の経営委員会で大体確定して、そしてまた国会の皆様方にも御審議をいただこうというふうに思っております。
 現在、七年度については全く値上げをしないでも結構であります。私はそれはお約束をいたしました。八年度以降については、先ほども申し上げましたようないろんな事業がこれから山積をしてまいりますので、それと衛星の伸びの問題とか、いろんな未確定要素がまだありますので、ぎりぎりいっぱい、今年じゅうに検討いたした後で来年の頭にははっきりとした考え方を申し上げたい、こう思っております。
#22
○川橋幸子君 七年度は値上げをしないことははっきりしていらっしゃるわけですけれども、七年度以降の新中長期展望に立った経営方針につきましては年内にまとめられて年初に経営委員会に諮られる。そういたしますと、私どものまた予算の審査のときにそれが拝見できるというそういうスケジュールになろうかと思います。会長が先ほどもおっしゃいました二期目の抱負がきっとその新計画の中にはっきりと具体的に打ち出されてくるのではないかと期待をさせていただきたいと思います。
 さて、会長の御抱負にもありますし、前回の審査でも、またきょうもNHKの存在意義についてということが議論されております。先導的な役割を持つということがよく御答弁の中にもあるわけでございますけれども、この先導的な役割といいますのは、放送法七条の「目的」あるいは九条の「業務」の中に書いてありますような「放送及びその受信の進歩発達」、こういう文言がNHKの先導的役割というふうに言われているのかなと思いますが、この件につきまして、これまでの実績についてNHK御自身はどのように考えておられるのか、技術面の進歩発達について主としてお伺いしたいと思います。
#23
○参考人(森川脩一君) お答え申し上げます。
 NHKは、今先生おっしゃいましたように放送法七条と九条、これの精神にのっとりまして、これまでラジオでございますとかテレビジョン、それからFM放送、多重放送、衛星放送、それからさらにはハイビジョンなどなどいろんな新しいメディアの技術の開発と普及に取り組んでまいりまして、視聴者の御期待にこたえてこれたというぐあいに思っております。
 特に、近年におきましては衛星放送技術の開発に重点的に取り組みまして、世界で初めての本格的な衛星放送をスタートさせまして、新しい番組の開発の努力もあわせて行いました結果、ことしの九月末におきましては衛星が八百五十万世帯に普及するまでに成長をしてまいりました。
 このように、NHKは日本の放送メディアの開発と普及について常に課せられた先導的な役割を果たしてきました。それを通じまして日本のメディアの発展に尽くしてきたというふうに考えておりますと同時に、国際電気通信連合などの審議に貢献いたしまして、日本ばかりでなく世界の放送の発展にも寄与してきたというふうに考えております。
#24
○川橋幸子君 国内のみならず国際的にも貢献というそういう自負をお持ちのNHKでいらっしゃるし、私もそのようだと思いますけれども、これからの経済環境の変化なりあるいは放送を取り巻きます環境の変化、端的に言えば放送と通信の融合、産業間の垣根がなくなってしまうような新しい時代、産業間のボーダーレスが進む、あるいは国境の間のボーダーレスが進むというそういう時期において新計画がつくられるわけでございます。
 放送と通信の融合なんて聞きますと、ど素人の私は、それじゃNHKとNTTがドッキングなさって新しい技術開発をなさればよいじゃないかなんということを短絡的に考えますけれども、放送の進歩発達、こういうものの時代の要請に応じた変化というものを会長はどのようにお考えになられますでしょうか。
#25
○参考人(川口幹夫君) 私どももその問題で今非常に難しい問題に直面しているという認識をしております。
 おっしゃるように、NTTとNHKが一緒になって大きな会社をつくってというのは実はアメリカあたりでもそういううわさが立ったことがありまして、大変迷惑をしたことがございますけれども、そのような問題ではないだろうと私は思っております。
 ということは、通信は通信、放送は放送でこれまで発展をしてきたんですけれども、技術的にはそれが全く一つの端末で操作できるようになるということでございまして、中身はいわゆる通信系のものと放送のものとやはり違ってくるだろうと思っています。ただし、そこに多少の乗り入れ的なものが行われるのは、通信分野のいわゆるデータ的なものに対して、あるいはインタラクティブといいまして双方向的にやるようなものもできるわけですが、その中に放送がこれまで蓄えてきた財産とかあるいは放送が今まで持ってきた技術を駆使して、そういうデータないしはインタラクティブなものに対して御要求にこたえるようなものを提供する、そういうことは当然あるだろうと思っております。
 ただ、放送というものはこれまで七十年の歴史を持ってまいりまして、国民生活の中には非常に大きな部分を占めてきたと思います。それだけに我々がそこの責任を十分に自覚して、今後とも国民生活に大いに役立つような、また御信頼をいただけるようなものを出し続けていかなければいけないと思います。それがつまりは放送文化というものだと私は信じておりますが、その放送文化というものを新しい多メディア時代、多チャンネル時代の中でもやっぱり一つの位置づけとして確保するのがいいのではないか。そこには公共性を持つNHKがみずからの存在をかけて、やはり大きくその存在価値を認めていただくように努力をすべきである、このように思っております。
#26
○川橋幸子君 公共放送としてのNHKの存在意義というところで会長の放送文化というお答えがたびたびございまして、その放送文化、会長の考えていらっしゃるところまで到達するにはなかなか時間がかかりそうでございますけれども、それはまた予算のときにでもお伺いさせていただければありがたいと思います。
 最後に、ちょっと細かい質問をさせていただきまして終わりたいと思います。大出大臣にもお聞きしたいところだったのでございますけれども、ちょっと細かい話で終わらせていただくことをおわび申し上げたいと思います。
 会長にお伺いしたいんですが、一つは、衛星放送は二十四時間放送やっているのに、何で地上波だけ民放がやっているときにNHKは日の丸が出てお休みになるのだろうかというそういう時間の問題です。二点目は、先日、ラジオの第二放送をカットする、削減することにつきまして非常に反対の意見が強かったというお話がありました。この問題をどうなさるおつもりか。この二点、お伺いして終わりたいと思います。
#27
○参考人(川口幹夫君) まず、総合テレビの二十四時間放送を目指して体制を整備するという問題でございますが、これは私は会長再任のときの記者会見で申し上げました。
 というのは、現在の放送の体制、つまり十二時で打ち切って六時から始まるという間に何が起こるかわからない。つまり非常災害への対応という問題があります。我々の部内用語では火を落とすと言うんですけれども、火を落としてしまいますと、どうしてももう一遍火を入れて、そして放送体制をつくるまでに何分かの時間がかかります。ところが、非常に緊急の災害が起こった場合はもう寸秒を争うということになりますから、これにはできるだけ対応しなければいけない、これが一つ。
 それからもう一つは、世界は二十四時間絶え間なく動いているわけです。しかも、今どういうところでどういうことが起こっても大体十五分以内にはそういう情報が映像で入ってくるような体制になっております。それに対して二十四時間の放送が生きているということは非常に対応しやすいということです。
 そのほかにもいろいろ理由がありますけれども、私どもは総合テレビを少なくとも二十四時間生かすことによって大きなプラスがあるはずだと。それならば、そっちの方に向かって進んでいこうというふうなことを考えております。ただし、人員の問題とかあるいは機材の問題、いわゆる体制をつくるにはなかなかの大きな問題が横たわっております。したがいまして、余りこれを無理してことしじゅうにやっちゃうとかというようなことは無理でありますから、年月をかけて十分にその体制を整えて、そして今の二十四時間体制に踏み切ろうというふうに思っております。
 ラジオについては、当初の予定では私は一波を削減すること自体がNHKのスリム化への一つの大きなシンボルになるというふうに思っておりましたので、そのことを経営構想の中に入れたんです。ところが、発表しましてから後、非常にたくさんの方から第二放送を利用している立場として絶対にやめないでほしいという嘆願的な御投書が相次ぎまして、そして今さらのように第二放送が果たしている役割を強く感じたわけでございます。
 現在、それをどうするか、まだ最終的には確認をしておりませんのでここでは申し上げられませんけれども、大きく検討の姿勢を変えなければいけないかなという感触を持っております。その場合は、しかし第二放送がごく一部の方にのみ愛好されるんじゃなくて、もっと広い層にもっとさまざまな情報を提供できるようなそういうものに変えていく必要があるだろうというぐあいには思っております。現在、まだ検討中でございます。
#28
○川橋幸子君 以上です。
#29
○河本英典君 河本でございます。
 実は、NHKのこうした質問をさせていただくのは今回が初めてでございます。私とNHK、日本放送協会との接点というものを考えてみますと、議員になります前は視聴者として、そして少しばかりの取材を受けた経験がございます。これは余りいい思い出じゃないんです。ちょっと不愉快なことがあったんですけれども、今回こうして質問をさせていただくということで非常に喜んでおるわけでございます。
 視聴者としてという面からいきますと、先ほど岡先生がおっしゃいました大河ドラマでございますとか紅白歌合戦、そんなことで親しみを持たせていただいたわけでございます。私、選挙区が滋賀県でございまして、先ほどお話がございました昭和三十八年、私記憶なかったんですけれども、今会長がおっしゃいましたけれども、大河ドラマは「花の生涯」が始まりでございまして、あれは彦根城が出てきますので、あれ以降大変お客さんがふえたということで、観光客がふえたということですごいんだなということを記憶しておったわけでございます。この間も京都の銀閣寺の近くに行きましたら、建都千二百年でライトアップしているということで、何でこんなに込んでいるのかなと思ったら、「花の乱」で銀閣寺が出ておるわけでございまして、大変その影響の大きさというのは驚くばかりでございます。
 私が知っている会社の一人の女の子なんですけれども、ちょっと変な子でして、親がNHKの番組しか見せないという境遇で育った子がおりまして、ちょっと変だなと思っておったら、やっぱりちょっと変なんです。番組自体は非常に模範的でありまして、いい意味ではいいんでしょうけれども、世の中の風潮というのはふざけた部分であるとか風俗というのがございまして、模範的な部分の上限がNHKであるならば、もっと悪いのもあるわけでございます。NHKだけで育つとああなるんだなというふうな見本を見まして、何でしたら、また紹介して見ていただいたらいいと思いますけれども。そんなことで、おかたいところだなというような印象でございます。これが視聴者としての接点でございます。
 取材につきましては、いろいろ先ほどからもございましたムスタンの話であるとか、あれは最近の話でございますけれども、あれは大変大きな、中央で問題になったので有名になりましたけれども、取材の方々が熱心さの余り、余り取材になれていない者がちょっと不愉快な面があるというのは僕はあっちこっちである話だと思うんです。これは大きな組織でございますし、一つの組織の長でございます会長の考え方をできるだけ徹底していただいて、またよろしくお願いしたいなと思うわけでございます。そんなことで取材の話が一つございました。
 今回そうして質問させていただくわけでございます。本日は決算についての質問でございますけれども、そんなことじゃなしに、一般的なお話を少し聞かせていただきたいなというふうに思っているわけでございます。少し準備してきたんですけれども、岡先生とか川橋先生が質問されたのでちょうど減っていいんですけれども、一つ緊急災害放送についてお伺いしたいと思うわけでございます。
 昨年の夏に北海道の南西沖地震が起こりまして、奥尻島では大変多くの犠牲者が出たわけでございます。また、この間も北海道の東方沖地震が起こりまして、緊急災害放送というのは非常に重要なものであるということを大いに認識したわけでございます。この速報というのは放送が担うべき大変重要な機能の一つであるわけでございますけれども、特に津波警報が発令されるようなことになりますと、本当に一刻を争うような、急ぐといいますかタイミングが非常に大事になるわけでございます。
 最近の災害報道、特に津波警報などに対する報道の現状を少し説明していただけたらと思いまして、御質問申し上げます。
#30
○参考人(中村和夫君) 災害報道は私どもにとって重大な使命を担っている放送でございますが、御指摘ありました去年の七月十四日に起きました北海道南西沖地震、奥尻島を中心に二百三十九人の犠牲者を出すという大きな災害になりましたけれども、このとき気象庁は津波警報を出すまで七分前後かかっております。この体制から気象庁はもっと早く津波警報を出すべく体制を改めまして、この春から三分前後で津波警報を出せるようにという体制を組みました。NHKも津波警報放送の即時化システムというのを導入いたしまして、警報の入電後、ほぼリアルタイムで出せるという体制を組んでおります。
 この十月四日深夜に起きました北海道東方沖地震では、地震発生の五分後に気象庁からの津波警報が出ましたのですが、気象庁からの津波警報が出て十四秒後にNHKの場合は七つのメディア全部を中断して一斉に津波警報を速報したということでございます。また、たまたまこの東方沖地震のときに衛星が食に入っておりまして、衛星放送が途中から放送できなくなるということで、例外的にBS3Nの補完衛星を使って災害報道を続けたという臨機応変の措置もとっております。
 以上でございます。
#31
○河本英典君 聞かせていただいて、大変な努力をしていただいていることを感謝するわけでございますけれども、本当にタイミングがというか、早急にしていただくということが助かるかどうかの瀬戸際の部分もございますので、よろしくお願いしたいと思うわけでございます。
 緊急報道ということでもう一つ。
 これは私どもの地元の話なんです。実は滋賀県の余呉町なんですけれども、町がCATVを全戸につないでテレビがついておるわけです。その町長とお話ししていて感心しましたのは、もちろん電源は入れておかにゃいかぬでしょうけれども、緊急連絡のときに、技術的にどういうことか知りませんけれども、テレビの電源が入りまして何か連絡できるようなことになっているんだということを聞きました。これは全国でそんなことをするのは無理でしょうけれども、先ほど川橋先生からお話しございました二十四時間放送の話と絡ませて、そういった二十四時間放送をやっていて、見ていればそういう災害報道が緊急に入るわけです。そうしたことができるという技術があるということはすばらしいことだなとびっくりしておったわけでございます。
 二十四時間営業といいますか二十四時間放送の問題、難しい手間のかかる番組を流していただくのではなしに、そういったことも考えてやれたらこれからの課題としていいのではないかな、緊急災害放送という切り口から考えていただくことはどうなのかなということをひとつお聞きしたいと思います。
#32
○参考人(川口幹夫君) 緊急災害報道については、今中村が申し上げたとおり年々歳々早くなっておりまして、そういうことについてのNHKの責任を一層重大に考えて対応したいと思っているところです。
 ただ、二十四時間放送はそのほかにも、先ほどもちょっと触れましたけれども、世界は二十四時間眠っていないわけですから、それについての情報をいち早く取り入れることができるという大きな利点もございます。もう一つ私がちょっと申し上げたいのは、現在「ラジオ深夜便」というのがありまして、これは終夜ラジオで放送しておるわけですが、これが非常にたくさんの高齢者の方々から御愛好いただいているわけです。そして、その中身についてはいろんな反応がありまして、例えば宗教的なものからあるいは世界の街角を結んだネットワークに至るまで、いろんな形の対応を楽しんでいらっしゃる方が多いというのもわかりました。
 テレビの場合も、ラジオとは同じようにはいかないと思いますけれども、そういう深夜に慰めを与える、あるいは深夜に何か非常にいい情報をとっていただくというふうなことも十分考えながら対応していくのが一番いいやり方ではないかというぐあいに思っております。
#33
○河本英典君 二十四時間営業といいますか放送の話でございますけれども、先ごろ開港いたしました関西新空港も二十四時間営業ということで、世界はどこかが昼間でどこかが夜なわけでございまして、二十四時間すべてが動いているわけでございます。本当にそういった意味での物の考え方、いろんな意味でやっていかなきゃいかぬ。
 特に、消費者志向といいますか生活者志向といいますか、そういった観点から言いましても、ますます便利で、もちろん供給する方は大変なコストと手間がかかるわけですけれども、いろんな意味でこれからの社会的要求でございますので、そういったことを大いに考えていく必要がある。民間はそういったことを大いに取り入れているわけでございますけれども、これから役所であるとか、半官半民でもないですけれどもNHKさんも今言いましたような二十四時間放送を大いに御検討願いたいというふうにお願いするものでございます。
 あとは、もう一つ緊急災害放送なんですけれども、現在日本には百万人を超える外国の方が住んでおられるそうでございますけれども、日本語だけで伝えておっては伝わらないということで、外国人向けの緊急災害放送は特別に何か考えられておられるかなということをちょっとお聞きしたいと思います。
#34
○参考人(中村和夫君) お答えします。
 昭和六十三年から外国人向けの緊急英語放送の運用というものを開始してございます。この緊急英語放送というのは、大規模地震の警戒宣言が出た場合、それから津波警報が出た場合に緊急に放送するものでございますが、総合と衛星第一、第二の副音声、それにラジオの第二放送で英語でその内容を放送するということで、これまで平成元年の三陸沖地震、平成五年の北海道東方沖地震、さらにこの十月の北海道東方沖地震で放送した実績がございます。
#35
○河本英典君 わかりました。
 災害につきまして、災害報道もちょっとお聞きしたいんです。最近で一番我々の記憶に鮮明なのは雲仙・普賢岳のああいった災害でございますけれども、災害報道でヘリコプターを飛ばしたり、最近でも民放のヘリコプターがぶつかったりしましたけれども、先ほどの取材の話でございますけれども、熱心になればなるほどエスカレートする。前回のこの委員会でも少し質問あったようでございますけれども、災害報道に当たられる職員の安全管理とかはどのように取り組んでおられるのかなということを少しお聞きしたいと思います。
#36
○参考人(中村和夫君) この前の質問で、平成五年の東方沖と言いましたけれども、南西沖地震の誤りでございます。訂正いたします。
 ヘリコプター事故が最近起きておりますが、NHKでも沖縄でヘリコプターが墜落して職員が犠牲になるという事故がございました。それ以降はヘリコプター取材については安全を徹底いたしておりまして、NHKの内部にも航空取材と安全というハンドブックがございます。この中で、大体四点についてチェックするように定められておりまして、一つは機長判断に基づいて飛行する、二番目は最低安全高度を厳守する、三番目に飛行時の見張りを怠らない、四番目に取材対象に迷惑をかけない等々の安全基準を厳守して取材に当たるようにという対策をとっております。
#37
○河本英典君 ぜひともその安全をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、地域放送について少しお話しさせていただきたいと思います。
 地域の活性化ということで、今後日本の大きな課題なわけでありますけれども、地域の活性化のために放送事業者、とりわけ公共放送であるNHKの果たす役割は大変重要だと思うわけでございます。地域放送を充実するとともに、地域からの全国発信を拡大していくべきであると考えますが、現在のそうしたNHKの地域放送の充実策というのはどのようにやっておられるかということを少し説明していただきたいと思います。
#38
○参考人(中村和夫君) 今御指摘ございました地域の情報の全国への発信というのは、この二年精力的に進めております。これは地域の振興という意味もございますが、情報が非常に多岐にわたって、一方では地球規模になってくると同時に、地域の情報も非常にミクロの情報が要求されてくるということで、地域の放送局が地域へのサービスということだけでなくて、もう少し地域の情報が日本全国に広まった方が地域のサービスにもなる、地域振興にもなるというような考えで全国発信ということをやってきております。将来、多メディアになればなるほどそういう形でのソフトの供給というのも真剣に考えていかなければならないものですから、今後ともそういう形での地域情報の発信というものには力を注いでいきたいというふうに思っております。
 現在、総合、衛星第一、第二等々で相当数のそういう形の番組をやっております。例えば、総合テレビでは「人間マップ」とか「列島リレードキュメント」、それから衛星の第一では「BSフォーラム」、第二では「クイズ歴史紀行」、子供番組ですが「あさごはんだいすき」等々の番組を、これは六年度に限っていいましてもこれらの番組をやっております。
 公開番組も別の意味で地域に対する振興策ということとの兼ね合いで倍憎いたしまして、現在五百十四本の公開番組をラジオ、テレビで展開しているという現状でございます。
#39
○河本英典君 余り細かくなり過ぎてかなりくだらぬ話を聞かせてもらう番組もよくあるわけでございます。そういった意味で、細かくなるばかりがいいんじゃないでしょうけれども、この間も実は我々の滋賀県の大津支局の話をちょっと聞いておったら、テレビの話でしょうけれども、昔はいろいろ番組を持たされて、いろいろ取材に行って細かい地域のことをさせていただいた。地域に御要望を聞くと、いろんな細かいことを取り上げてくれという話もよく聞かされるという話です。一方、経営努力の方向でしょうけれども、百人おられたのが七十人になって、それから局ごとじゃなしに近畿地区でまとめられるような形になって、そういったことで、細かい話じゃなしに、ちょっとくくりが大きくなったという話も聞いたことがあります。
 そんなことで、地域放送といいますのはUHFもありますから、その辺はうまいことバランスとっていただいて、またNHKらしくやっていただくということをお願いしたいと思うわけでございます。
 最後に、経営計画といいますか、先ほど川橋先生もちょっとお聞きになられたわけでございますけれども、年度をわたる経営計画もそうなんですけれども、事業体といいますか、NHKも一種の企業体であるわけでございますから、収支といいますか、経営のバランスをとっていく上で非常に大事なのはやはり人件費ではないかと思うわけでございます。その辺、大変な努力をされておるわけでございますし、今の大津の話も、百人いたのが七十人になったということを私はこの間聞かせていただいて、やはりそういった人員の方もかなり厳しくチェックされてやられているんだなという経営努力を聞かせていただいたわけでございます。
 やはり報道という公共的な責任と、それからそうした人を減らしてでもきっちりやっていくという経営努力ということは、これは裏腹のようでございますけれども、これは両方の責任を負っていただいておるわけでございますから、その辺、これからよろしく取り組んでいただきたいなというふうに思うわけでございます。赤字が出たから受信料を上げるというような繰り返ししゃ、これはやっぱり責任を果たしていないわけでございますので、その辺をよろしくお願いしたい。
 最後に会長にこの辺一言お言葉いただいて、終わりたいと思います。
#40
○参考人(川口幹夫君) 経営の効率化ということは、私どもが十五年ぐらい前からそういう計画を立てて実施をしてまいりまして、現在までに順調に効率化計画自体は進行しております。
 現実に一万三千人ぐらいの体制になりましたし、今後の問題としても、要員についてはいたずらにふやすようなことはしないと思っております。そして、先ほどスリムと言いましたけれども、スリムな体制で、できるだけ効率よくいい番組を出すということを心がけてまいろうと思っております。
#41
○河本英典君 終わります。
#42
○鶴岡洋君 最初の質問からちょっとダブって大変恐縮ですけれども、先ほど川橋委員からお話があった五カ年計画の件ですが、中井参考人からお話ございましたけれども、いずれにしても、NHKが平成二年度の受信料値上げを機会に、この二年から五カ年計画をつくられて、ことしか最終年度になるわけでございます。柱は三本ございまして、中には抽象的なこともございますし、それから具体的な数字の面も出して計画を立てておるわけでございます。
 数も多いんですけれども、もう一度中井参考人の方から、どの点が達成できたのか、どの点ほどういうわけで達成できないのか、その辺教えていただけませんか。
#43
○参考人(中井盛久君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたけれども、平成二年、受信料を基本で約二八%程度改定させていただき、その中で平成二年から六年の経営計画を、いろいろな計画を立てたわけでございます。
 そのときの計画値というのは、五年間で二兆六千九百億規模の収入、そして事業支出は約二兆六千億規模という形で事業収支差金九百何十億円を残す。それは最初の年は大いに黒が残りますけれども、五年間で収支相償するというような計画でございました。それが今ようやく最終年度に入ってきたわけでございますが、事業収入の規模におきまして二兆六千八百億、そして支出はやや抑えましたものですから二兆五千億規模、その差千七百三十四億というものが残っている状況でございます。資本支出充当がございますので、その差を引きますと、今年度末におきまして大体五百二十二億円が安定化資金として残っているというのが先ほど申し上げました詳細な数字でございます。
 そして、じゃ、その中でどういうことがあったのかということでございますが、具体的には先ほど申し上げましたけれども、ニュース・情報番組の強化だとか、あるいは大型企画番組の充実というようなことについてやる。それから、地域放送サービスの充実ということも一つの柱にしておりましたけれども、例えば今の会長のお話じゃございませんが、夕方の六時台には「イブニングネットワーク」というようなことで、地方のニュースをできるだけもう一度上げて東京から地方へ流して全中化していくというようなことで、かなり枠広げをいたしたりしております。
 それから、関東地区なんかにおきましては、関東はそれぞれが電波を出してないところが多うございますが、例えば東京のキャスターが首都圏関係のニュースのときに茨城の水戸局に行きまして、一日、首都圏ニュースがそこで全部集まって出るというようなことで、地域間の情報をうまく充実させてやっていくというようなことの努力をやっております。
 それから、衛星放送の充実、それからハイビジョンの普及促進、短波国際放送の拡充というようなこともお約束いたしておりました。先ほど申し上げましたが、ハイビジョン普及促進も間もなく、明日十一月二十五日、いよいよ実用化試験局の発足というようなことでだんだん放送時間も拡充し、それにのっとって我々も普及促進に努力しております。
 それから、短波国際放送につきましては、先ほど申し上げましたが、言語で二十二カ国語、それから放送時間は一日六十五時間にするということをお約束しておりましたけれども、これは予定どおり進行いたしております。
 それから、先ほど申し上げました、残念ながら計画に及ばないものでございます。ここを詳しく申し上げなきゃいけませんが、一つには衛星契約というものは平成六年度で九百万件契約をとるようにしたいという予定でございましたけれども、今年度の予算規模で既に六百六十五万件ということで、かなり落ちております。
 それから、営業経費率の圧縮でございますけれども、先ほども申し上げましたが、当初一七%程度で発足したこの経費率をできる限り一二%台ぐらいまでは下げたいということでございましたが、これが今年度の予算規模で一三・四%にどとまっております。
 それから、衛星収支をこの五年間で相償したいということでございましたが、収入面が先ほど言いましたように多少落ち込んでおりますものですから、伸びてはいるんですけれども鈍化しておりまして、その結果、累積赤字をゼロにするまでには至らず、現在、多分今年度末で百八十七億円ぐらいが残っているであろう、ゼロにするにはあと一、二年かかるというような状況でございます。
 その理由でございますけれども、衛星契約件数が計画を下回っているのは、後でまた営業担当からもお話があるかと思いますが、やはり景気が低迷したということが一つ大きなことであったんではないか。そして、パラボラアンテナが発見しにくい。このごろはマンションの上に一つつければ館内の全部で見れる状況になっていて、そこにチューナーをつけているかどうかということははっきりしないというふうなことがございます。
 それから、人手が足らなくて、そういうものを探していただくような委託の方々を集めようとしてもなかなか集まらなかったというようなこと、厳しい労働条件でなかなかそういうものが集まりにくかったというような状況もあったと思います。
 それから、営業経費率を一二%に下げるということができておりませんけれども、これは今申し上げました労働力がなかなか見つからない、そしてどうしても経費はかさむというようなことがこの大きな原因になっていると思います。
 以上のようなことで、実現できなかったのは営業系の、特に衛星系の契約並びに経費率の圧縮というのがお約束したとおりにはまいってないということは事実でございます。
#44
○鶴岡洋君 今、細々と御説明いただきましてありがとうございました。
 放送サービスの充実とかそういう点については大分前進をした、こういうふうに思っておりますし、私も全体としては評価をいたします。ただ、私が心配なのは、この委員会でNHKのことになりますと、予算のときにも決算のときにも常にそうなんですけれども、一〇〇%近く受信料を主体にしてNHKは経営されている、こういうわけでございますから、その受信料が達成されないということになると経営上非常に問題が大きいわけでございます。
 そういった面で、今お話のあった中でも衛星契約が元年八月に有料化になったわけですけれども、元年が百二十万、二年度が二百三十五万、三年度が三百八十万、こうふえてきて、あと四カ月ですけれども、六年度が六百六十五万、こういう話だった。ところが、この六年度の、来年の三月には九百万ということですから、差し引くと二百三十五万、こういう数字が出るわけです。
 今お話あったように、景気が悪かったとか人材が見つからなかったとか、パラボラアンテナを見つけにくかったとか、いろいろ理由はあるでしょうけれども、景気の先行きはちょっとわからないにしても、六年度の最後には九百万という数字を出すには根拠が私はあったと思うんです。その根拠に従って九百万という数字を出したわけですから、それが六百六十五万しかできないということになると、これは五万、十万が達成できなかったのとちょっと違うわけです、四分の一も少ないわけですから。
 ですから、この辺は今言ったような景気が悪いとか見つけにくかったとかいう点で、それはわかりますけれども、それじゃこれからこの点をどうするのか、これは受信料ですから。全体的に決算でいくとこの収支、来年は五百二十二億ですか、繰越金ができると、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、受信料の一番メーンになる衛星契約をアップさせるのには、それじゃ今後どうするか何か考えておられますか。
#45
○参考人(菅野洋史君) お答え申し上げます。
 衛星契約率につきましては、元年度に衛星料金を設定いたしまして以来、最初の元年度末で五一%、それから二年度末五八%、三年度末七〇%というふうに着実に向上させてまいりました。しかし、率直に申し上げますと、契約率が七〇%に達しましてからは衛星契約増加を最重点とする活動を行ってきましたが、契約率向上のテンポは実は鈍化しておりまして、四年度末は七一%、五年度末七二%、そして今年度は七三%を目指しているわけでございますけれども、年間一%程度の小幅の上昇率にとどまっているのが現状でございます。
 衛星の契約率の向上につきましては、衛星契約特有の困難な事情、先ほど中井から申し上げましたわけでございますけれども、なかなか容易な状況ではございませんけれども、しかしながら今後とも積極的に取り組んでまいらなければならぬというふうに思っております。
 一つはCATV、それから共同受信の集合住宅対策の問題でございます。
 CATVについては、この五年来というのですか、共存共栄施策ということで日本CATV連盟と円滑な関係を保ちつつ今日に至っているわけですが、さらに契約、収納について協力をいただくようにお願いをしてまいりたいなというふうに思っております。
 それから、共同受信の集合住宅については、中井も申し上げましたように、マンションの上にアンテナが一つついて、それであとは各家庭が受けているのかどうかよくわからぬという状況がございまして、この発見が非常に困難なわけでございますけれども、ここに戦力を投入するということも含めまして重点的にやってまいりたいというふうに思います。
 それから、口座振替などの間接集金の推進によりまして受信料収納要員の余力を生み出すということを今実はやっておりまして、その要員を衛星契約開発業務ヘジフトをするということにしております。
 それからもう一つは、テレビを売っていただいている電器商の組合の皆さんあるいはCATV事業者の皆さんに契約の取次業務の拡充をやっていただく、つまり電器商の方がテレビを売りまして、そのときについでに受信契約も結んでいただく、あるいはCATV事業者の方々に自分のところに加入しておられるお客様の衛星契約について取り次ぎをしていただくというような施策を実施いたしまして、今後も積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#46
○鶴岡洋君 時間がないのであれですけれども、この営業経費率の件も、これも先ほどお話があったのは二年度で設定したときには一七%、そういうお話だったですけれども、たしか一八%じゃなかったかと思うんです。それで、それが一二%ということで、ことしは一三・四%、こういうことなんですけれども、これも少なければ少ないほどいいわけですから、この点についても今後努力をしていただきたいということでとどめておきます。
 それからまた、受信料の問題でもう一点ですけれども、先般、同僚議員から受信契約の対象の範囲についていろいろ検討願いたいということでお願いをいたしましたけれども、この検討結果はまた後の機会に教えていただくとして、未収受信料の傾向から見てやっぱり近い将来値上げをしなければならないんじゃないかなと私は非常に危惧をするわけです。
 いろいろありますけれども、まずこの受信料の収入の決算を見ていくと、欠損引当金、これが年々ふえております。未収受信料について、平成三年度が百七十二億二千六百万、四年度が百六十八億四千五百万、五年度が百六十八億四千万、大体百七十億前後、こういうことになっているわけですけれども、しかし未収納率は上がっております。平成三年九六・六五、それが四年度九六・八二、五年度九六・九二。したがって、欠損引当金計上額は当然ふえてきている、こういうことになるわけです。平成三年度は百四十五億三千百万ですか、四年度が百五十億一千三百万、五年度が百五十四億九千八百万、こういうことでございます。
 それから、副次収入の件についても非常に減少傾向にある。それからまた、黒字に貢献してきた事業支出の伸びの低下も、事業費率で見ると徐々ではあるけれども悪化の傾向にあることは間違いございません。
 この理由、この動向をいろいろお聞きしたいんですけれども、もう時間がございませんので、お答え願いたいのは、こういったことは数字でいけば細かいこと、単年度にすれば小さいことであるけれども、これが重なっていけば数字はもちろん大きくもなりますし大変なことになるわけです。そうするとまた値上げをしなきゃならない、こういうことになるわけです。
 公共放送ですから副次収入を、前の島さんのときには五%ぐらいまでと言った覚えが私はあるんですけれども、これにしても、三%にしても二%にしても大したことはないと言うけれども、やはりこれも充実していかなきゃいけない。川口体制になってこれがどんどんパーセントでは減っているという数字が出ておるわけです。
 そういうことを兼ね合わせて、やっぱり最終的には何をやるにもお金が必要なわけでございますから、先ほど「挑戦と前進」と言ったけれども、挑戦と前進、新しい事業をやればやるほど金はかかるわけですから、それが受信料に依存しているということになるとどうしてもこういう状況から見てまだ値上げをさせてください、こういうふうになるんじゃないかなと。
 そこで、五百二十二億の繰越金が七年度はあるわけですけれども、会長は七年度はそういうことで値上げはいたしませんということははっきりと委員会でも言っておられますけれども、それじゃ今の状況で八年度、九年度、この辺は上げないということは御確約できるのか、どうですか。
#47
○参考人(川口幹夫君) 七年度については値上げをいたしません。これはもうお約束しております。八年度、九年度及びその後のことにつきましては、今中長期の経営構想を練っておりまして早晩はっきりした数字が出せると思います。私は、八年度は消費者に御迷惑をかけたくない、値上げは絶対しないという覚悟で今臨んでおりますが、もうちょっと細かい数字を積み上げませんとはっきりしませんので、来年の頭にはそういう形をはっきりさせることをお約束申し上げます。
#48
○鶴岡洋君 もう一つだけ、中期長期経営計画ですけれども、ことしで終わりになるわけです。今考えているということですが、その発表はいつされますか、その点だけお伺いいたします。
#49
○参考人(川口幹夫君) 年内にたくさんのいろんな形での会合を持ちまして、数字の検討それから将来の方策の検討、いろいろやります。そして、年内に大体の考え方をまとめまして一月の経営委員会に諮って、そしてきちんとした形で御報告を出そうというふうに思っております。
#50
○鶴岡洋君 ありがとうございました。
#51
○田英夫君 大変初歩的なことを最初に伺いたいと思うんですが、郵政大臣の最初の御説明でありましたように、このNHKの決算というのは放送法第四十条第三項の規定によって国会に出てきているという御説明がありました。
   〔委員長退席、理事大森昭君着席〕
 ということは、NHKから郵政省に報告があって、その内容を郵政省から国会に承認を求めるという形で提出された、こう考えてよろしいでしょうか。
#52
○政府委員(江川晃正君) 予算に関しましてはそういうことだと考えております。
#53
○田英夫君 ということになりますと、放送法の精神というのは、郵政省はNHKの監督官庁ということになりますか。
#54
○政府委員(江川晃正君) いわゆる監督官庁という言葉は、私は俗っぽい表現かなと思います。
   〔理事大森昭君退席、委員長着席〕
 しかし、法律的に郵政省とNHKとの関係がどうなっているのかということをひもといてみますと、はっきりと監督という言葉が使われております。
 先生御案内ですので条文を掲げるのもいかがかと思いますが、郵政省設置法の第五条には、「郵政省は、次に掲げる権限を有する。」とございまして、その中の二十二の十五というところに「法令の定めるところに従い、日本放送協会を監督すること。」となってございます。その法令というのは、先生も御指摘のように、放送法に限らず電波法などいろいろございまして、NHKが何かするに当たってのいろんなことがその条文に書いてございます。
 という意味におきまして、郵政省はNHKに対して監督する権限を有する、そのことを俗っぽく監督官庁かと言えば監督官庁だというふうにお答えしたいと思います。
#55
○田英夫君 まさにそのとおりなんで、私は午後もまた十分しかありませんからどこまでただせるかわかりませんけれども、申し上げるつもりなのは、民間放送もまたそういう意味で郵政省の監督下にあるというところを問題にしたいわけです。NHKの場合は、国会に予算を出す、決算を出す、その承認を得なければならない、こういうことで電波法の第四条と合わせますと二重の縛りを受けているという感じを私は持っているものですから伺ったわけです。
 例えばODA、全く種類が違いますから適切な例がどうかわかりませんけれども、ODA予算というのは年間一兆円を超して世界第一位ですが、これは全く国会とは関係なしに今行政府の考えで実行されている。それではいけないからというのでODA基本法を昨年出しましたが、解散で審議未了、廃案、こういうことになっているんですが、NHKの五千億、これは全く性格が違いますから適切な例ではないんですけれども、これは国会の承認を得ている。今鶴岡さんの御質問なんかを伺っていると、なるほどこれは国会で審議するということの意味があるんだなと私は感心して伺っていたんです。
 同時に、非常に原則的な問題で、NHKは報道機関でもあるわけですね。もちろんドラマもやり歌謡番組もやるけれども、報道機関だと考えていいですね。これは会長とうですか。
#56
○参考人(川口幹夫君) 当然、私どもは報道機関としての大きな使命を持っていると思っております。
#57
○田英夫君 変な言いがかりのような、言葉の遊戯のようですけれども、ジャーナリズムと考えてもいいですか。
#58
○参考人(川口幹夫君) ジャーナル、つまり流れていく時代のものをつかまえるということについて言えば、まさにジャーナリズムであります。
#59
○田英夫君 これは定説になっているわけではありませんから、これも適切かどうかわかりませんけれども、ある私の先輩のジャーナリストであり同時にジャーナリズム学者であった方が、権力を恐れず真実を報道する者をジャーナリストと言うと。そうなると、ジャーナリズムはその機関だということになりますね。その権力というのは一体何かということもこれまた極めて抽象的ですから、定義はあるようなないようなことですから、この言葉もぴったり当てはまるかどうかわかりませんけれども、私はこの精神に賛成ですし、ジャーナリストとしてそういう立場で活動をしてきたつもりです。
 となりますと、この権力というのは一体何か。一般的に言えば政府も権力ですね、行政府も権力です、そう考えざるを得ない。そうすると、午後申し上げますけれども、電波法第四条で放送局の免許は郵政大臣が握っている、十三条で再免許はそれもまた郵政大臣が握っている、したがってテレビ朝日の椿発言のような問題が出てくるとすぐに再免許はどうだろうかというようなことがマスコミで騒がれるという現実があります。ということは、テレビ朝日のような民間放送の場合でもこの電波法の規定によって社の運命が危なくなる、こういうことがあるわけで、どうしてもそこの配慮をせざるを得ない。
 権力を恐れずというジャーナリズムの精神を貫くことができるかどうかということは、新聞と全く違って、放送の場合は法律の規定によって縛りがかけられる。NHKの場合は、予算、決算の承詔を国会に求めるというところで二重に縛りがかけられてくるということを私は恐れる余り、こういうことをそういう立場から取り上げたわけなんです。
 問題提起にすぎませんけれども、NHKとしてはそういう状況に今置かれているということを、会長とういうふうに思っておられますか。
#60
○参考人(川口幹夫君) 今、行政でのいわゆる監督官庁的な形をとって郵政省があるということ、それから国会での審議を経ていろんなことを決めていただくということ、この二つについては私はそういう面があるというふうに思いますので、それほど異議は感じません。
 なぜかといいますと、番組の内容それからニュースの報道の内容そのものについては、報道の自由というものに対して私どもはやはりきちんとしたみずからの責任でもってそれを守らなければいけない。ここについて、例えば容喙をされるとか、あるいは不当な圧力を加えられるとかいうことに対しては、それは絶対にしてもらっては困るということを申し上げておきたいと思います。
#61
○田英夫君 こういう議論をすると長くなるんですけれども、今会長のおっしゃったことはNHKとしては全くそのとおりだと思います。そうでなければならないと思うんです。となると、NHKの場合は特にそうですが、新聞は比較的その意味では法律的な縛りは一切ないわけです。憲法二十一条を守りやすいわけです。民放は新聞に比べれば、場合によっては守りにくくなる。そういう状況にあるNHKを筆頭にする放送というものは、それぞれの中に言論の自由に対していわゆる権力から干渉があったような場合にこれを拒否できる、排除できる、そういう何らかの仕組みを持っている必要があるんじゃないかと私は感じ続けております。
 しかし、私の知る限り、NHKの中にも、民放の中あるいは民放連にもそうした機構的なものはないと思っておりますが、これはいかがですか。
#62
○政府委員(江川晃正君) 先生のジャーナリズム論に関する御意見は大変勉強になるところでご保ざいますが、我々としましては、それなりにこういうふうに考えております。
 まず最初に、NHKに対して国とか立法府、行政府が二重に何か権限を行使しているという趣旨の御発言がございましたが、法律のレベルで申し上げますと、立法府の携わる話と行政府が携わる部分とはやっぱりきれいに分けられている。そして、我々が立法府に提案するに当たりまして、言ってみれば行政府の意見を添えて出す、そういう役割で立法府に出すのでありまして、全く同じことを同じように議論するというようなことをしているわけではないなと思っているところでございます。つまり、二重とおっしゃいましたけれども、二重ではなくてちゃんと分けてきれいに一重になっているんじゃないかな、そう考えているところでございます。
 それから、あと権力の侵害と申しましょうか、そういうものに対して放送の法の世界、あるいは包み込む全体の法律構造の中で構造的に守れないようになっているのではないかなということでございますが、逆に言うと、行政の側も構造的に何か手を突っ込めるようにそうなっているものでもない。お互いに、例えば三条の二があるからといってむやみやたらに何でも手を突っ込めるというものではございません。やっぱり顕著な事例、社会的に問題になるような事例が発生したときに、それについていろいろと行政府としてやるべきことをやるというふうにやや自制的にも行動している、それが放送関係の法構造の原理ではないかなと思っておるところでございます。
#63
○委員長(山田健一君) 簡潔にお願いいたします。
#64
○参考人(川口幹夫君) 特段に先生の今おっしゃったような意味での、例えば局内委員会とかいったものはございません。ただ、私どもは、放送法というものが決められている精神というのは脈々と永遠に生き続けるものだという認識をしております。しかも、放送法は憲法の精神を受け継いていると思っておりますので、そういう形の中で我々が日常の業務を執行し、それから行政府と対応し、国会にいろいろ御説明をするというふうな段取りをきちんとやっていけばいいのではないかと思っておりまして、特段の委員会などは今は設けておりません。
 ただし、何かありましたら、それはやる必要があったらやらなければいけないだろうと思います。
#65
○田英夫君 終わります。
#66
○委員長(山田健一君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(山田健一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 日本放送協会平成四年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきましては、これを是認すべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#68
○委員長(山田健一君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって是認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(山田健一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#70
○委員長(山田健一君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 郵政事業、通信、放送及び電波等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#71
○守住有信君 先ごろからNHK決算、きょうも前半ございましたけれども、そういう中で例えば専務理事さんもメディアミックスという言葉、マルチメディアと同時にメディアミックス。これで私思い出しましたけれども、もう十数年前になりますが役人をしておりますときに、及川さんもおいでですけれども、一つはINSという、私はあのころ北原さん以下に世界の共通用語を使いなさいと。何だといったら、ISDNでございます。ディジタル化。インテグレーテッド、統合、ディジタル化。
 そういうのを思い出しながら、もう一つ私が独自に考えておりましたのが、あのころ、今も日電の小林宏治さん、CアンドC、コンピューター・アンド・コミュニケーション。私、政策局長をしておりましたときに通産省と大げんかをやった、大論争。つまり、それは何だといいましたら、通産省はいち早くコンピューター情報処理、情報処理学会までつくりましてやっておりました。その思想、哲学の中に通信はコンピューターのツールである、コンピューターネットワーク、こういうふうな価値観の問題まで入っておりましたので、実は次官会議、古今未曾有と言われておる一日二回やりました。通産省と大げんかをやっておる。それは価値観の問題、アンドなんですね。コンピューター・アンド・コミュニケーション。あくまでも手段、ツールでもない、上でもない下でもない。アンドで統合、組み合っていかにゃいけません。
 もう一つある。もう一つCをつけまして、これはコントロール機能、センサーでございます。ロボットその他、通信を使いながらのロボット。それからさらにもう一つ加えました。ブロードキャスティング。だから三CプラスB、こういうのを勝手な私のイメージづくりといいますか、世の中に向かって言っておりました。
 さて、そういう中でまさしくマルチメディア、メディアミックスから始まっていきます。通信から放送、統合へ、ディジタル化へという方向でございますけれども、自分なりに定義づけてみれば、音声、映像、動画、文字、図形、数表などマルチ、多数の情報メディア。情報メディアとはその意思、知識なり情報なりの伝達。したがいまして、ソフトと手段であるハードが連携し合ったまさしく統合の世界を構築していくのがマルチメディアに向かっての進め方ではないか、このように思っておるわけでございます。
 それで、一つの具体例としてCATVを取り上げたいと思うんですけれども、あのCATVも、昔、浅野電波監理局長時代、有線テレビジョン放送法はございませんでした。有線電気通信法による届け出ということでテレビ難視、都市難視、地方難視、これに取り組み出したわけでございますけれども、その後、有線テレビジョン放送法ができました。
 そして、そのとき、郵政としては株式会社ではなくて財団法人という形で、東京、名古屋、大阪、福岡となされましたけれども、こういう技術の進歩の著しいところはやはり資本力と技術力、株式会社で物事を進めなきゃだめじゃないかということを次官のころ当時の電波監理局長に申した覚えがございます。
 財団法人を株式会社に転換する場合、御参考までに言っておきますと、財団法人を解散しますと、寄附行為であるいわゆる基本財産は国庫に帰属いたします。私は、それを研究開発の調査機関、研究機関として置いて、あとの経営、運営は株式会社方式になすべし、こういう思い入れ、思想で指示しておりましたんですけれども、政治家になりましたもので、その後途絶えまして、それがさっぱりなんですな。財団法人を転身させるという、巨大な大東京、大阪、名古屋、福岡。
 そこで、別に、区制をしいておるところは区ごとでも結構ですよ、地域独占ではありませんよということであれが始まりまして、区役所もそれぞれの株式会社、東京では東急ケーブルテレビジョン、五島昇さんが元気のときでございまして、田園調布の沿線に東急文化論を展開するとか、西武にも言いましたが、西武は乗らなかったですけれどもね。それぞれ、福岡はケーブル21という会社がアメリカのコアキシャル社と組んだ形でやり出した。もう随分前のことでございます。
 それで、アメリカが圧力を加えようとしたら、ちゃんとCATVはアメリカ、外資とも組んでおるということで、あれは引き下がったわけでございます。いろいろな通信・放送摩擦が今までもありましたし、これからも出てくるというふうに皆さん方も承知でございましょう。
 そこで、最近のマルチメディアに関する雑誌等々いろいろ読んでおります。その中で一つ、CATVだけを取り上げて申し上げますけれども、日本のマスコミも学者方も評論家も、非常に日本の規制が著しいから日本のCATVはなかなか発展しないんだと。
 発展しないことは事実でございますが、それはなぜだということ、放送は、NHKもそうですけれども、民放も中継局をつくり、日本国民にひとしく、情報格差がないように、放送文化に格差がないように、日本はこれに時間をかけて力を入れてきた。補助制度も入れていますね。あの過疎地域活性化特別措置法の補助とか電気通信格差是正事業とかいろいろ入れてこれをやっておりますけれども、マスコミが、いろんな学者、評論家が書いておるところを見ますと、アメリカはこうなのに日本は規制が多過ぎて云々だと。確かにそういう部分はありますよ、段階的な発展でございますから。そういう部分もあると思いますけれども、そういう点で、CATVに対しては規制が厳しいから米国ほど普及が進んでいないというふうな世論がいろんな世界で言われておるわけで、私も目にするわけでございます。
 そこで、私としては、郵政省として、段階的ですけれども相当な規制緩和を既に行っておる、あるいは行おうとしておるというのであれば、それを十分世論に、各界に、学者その他経済評論家等々にわかるようなPR活動、情宣活動といいますか、労働組合的も言い方をしますと。そういうことがもっと要るんじゃないか。そして、一般の人だけでなくて外部の学者から評論家まで、外国の人力にもこれを理解してもらう。
 あるいはまた、私もかつて情報通信学会という、郵政省は学会が一つもありませんでした。情報と通信の融合という意味で学会もつくりましたけれども、学会の会報を見ましても余り出てないんですね。郵政省の人がそこへ出て発言する、原稿を書く、これがないなと思っておりましたところ、一人だけ発見しました。これは有名な大前研一、「大前研一のインターネット革命」、TとUとありますけれども、Uの方で、これはデータ通信課長が議論をしております。これも非常に私は、こういうやり方でそれぞれの局長、課長が外部の人と大いに議論し合って、そしてそれを記録その他でずっと展開する必要があるんじゃないか。
 そこで、私は日本のCATVについて戻りますけれども、相当な工夫をやっておられる。この間も資料をいただきました。時間がないから申し上げますが、日本のCATVが米国に比べて普及が進んでいない主な理由は、制度的なものではなく、次のことが複合的に関係しておると。一番目、放送波によるテレビ放送の普及という面。アメリカと比べて狭い日本でございますが、中継局は一万四千百余ある。国土は何十分の一です。アメリカの方は三大ネットワークと独立系一ですが、約三千局しかない。こういう事実があるんですね。それから認知度の不足。最初のイメージが難視聴解消でございましたからね。最近の都市型の多チャンネルというものに対するメリットというのが、郵政研究所でいろいろ調査されたところでは認知率は四割弱、こういうこともあります。もう一つは有料制。これに対応できるソフトいかん、こういうことでもございますし、ソフト不十分というのが、日本ではソフト提供は二十四社、アメリカでは七十八社と。あるいはまた建設上の隘路、いわゆる建設省の道路使用許可とかいろいろ金を取るとか、こういう問題がこっち側にあるわけでございます。
 そういうもろもろの角度からの規制ばかり郵政省がしておるんじゃないか、これだけ一点の議論がずっと行われておるんですよ。皆さん方も御承知だと思う、大臣以下。これに向かって、真実をもっと対外的に具体例を挙げながら、CATVならCATVを引き出して議論を大いに展開していただきたい、こう思うのが第一番目でございます。
 そこにつきまして、ひとつ今後の取り組みと大臣の心構え、取り組みをお伺いしたいと思います。
#72
○政府委員(江川晃正君) 先生御指摘のお話につきましては、私どもの方も大臣からよく訓示をいただいておりまして、そのもとに動いておるところでありますし、またこれから動きます。
 おっしゃいますように、CATVに関する規制が強いとかあるとかという、あることないことをあるかのごとくよく言われるというのは確かに事実でございまして、今我々は、例えば内閣にこの春にできました情報・通信作業部会におきましても、CATVに関する規制はもうほとんどありません、あるのはそれより別の世界における規制ですと。例えば、道路を使うに当たっては道路占用料であったり、電柱を通すに当たっては電柱の使用料であったり、何かを中に載せようとすると、例えば住民登録みたいなものをやろうとすると法務省のいろんなチェックだと。そういう電気通信プロパーが持つ、CATVプロパーが持つ規制と関係ない部分で利用が滞っているんだということをるる申し上げて、情報・通信作業部会でもそういうことで一応話が整理されたと承知しております。そういう意味では、我々はCATVに関しましては相当に規制を緩和し、開いたぞと思っているわけです。
 そこで、守住先生がおっしゃいますのは、そんなことを幾ら言ったって世間には知れていないんだから、あなたたちの手前勝手の理屈じゃないかというふうにおっしゃるところだと思います。我々もそのことは承知していまして、いろんな関係の部門に話を持っていったり、話をしに行ったりしているところです。
 世の中、渋谷の駅の前に出て抽象的にしゃべっても、これは余り意味がないと私は思います。しかし、CATVをやっている人たちの集合、事業体とか技術を研究しているグループだとか、それからやろうと考えている例えば商社などの情報通信部門の人たちの集まりとかというふうに、ある目的をきちっと持っている、しかもこの目的を持っているところに十分な話を持っていけば、非常に価値のある効果の高い説明になるんじゃないか、そう考えております。先生がおっしゃいますような、例えばCATVの事業者との朝の勉強会というような形で話をしたり、事業者協会とやったり、商社の関係でもやったり、メーカー筋とやったり、いろんなことをやりながら説明、宣伝に努めているつもりでございます。
 その意味では、先生のお目にとまるのがいろいろな雑誌の中に出てこないかもしれません。情報通信学会にもあるいは出ていなかったかもしれませんが、もろにCATVをやろうとする、あるいは関心を持っている人たちに対しては日々PR、説明に努めているつもりでございますが、さらにもっともっと実効のある周知宣伝はやっぱりやっていく必要があると考えますから、先生のお話の意を体して今後進めてまいりたいと思います。
#73
○守住有信君 いや、実は今お話しになったのはCATVを事業としてやろうという関心を持っておるグループに対してですよ。そうじゃありません。これはやっぱり専門の業界誌、あるいはまた一般の業界誌、あるいはマスコミ、ここの場でやらぬと、利用者は一般国民が大部分ですから、そういうのは一%足らずだ、業者で関心を持っているのは。もっと広げる方策が要るんですよ。手法が違うんですよ。朝の勉強会だけじゃだめなんだ。せっかくこういうのをやったのに、何か去年の記者会見で報道機関には発表してあるらしいですな。それ一回限りだよ、うちの記者クラブだけで。せっかく五項目まとめた、なぜそうかというポイントを世間一般は知らないんですよ。マスコミにも何も載っていませんよ。
 だから、専門のグループだけでなくて一般のメディアに、関心あるマスコミから一般マスコミに向かっていっぱいそういう場をつくる。そういう投稿をする。言論の自由でそういうところに投稿をするわけだ。そういうやり方をいろいろ知恵を出してやっていただきたいということを特にお願い申し上げておきます。
 もう一つ御参考までに、同じプレジデントを読んでおりましたら、「特派員の書かない「アメリカ情報」――〈最終回〉」と。私は最終回だけしか読まなかったんだ。「マルチメディアを制する者は世界を制する ニューヨーク市立大学教授 雪見芳浩」という、この雪見教授というのは私の熊本の後輩でございまして、個人的ですが、いいことをいっぱい書いておる。戦略的なことを書いておる。そしてその中の終わりの方に、特に身近な問題ですよ。
 八七年、八九年そして九四年とアメリカ政府は、日本にNTT方式と相容れない旧式のモトローラのアナログ方式の移動電話システムと器材を押しつけてきた。
 もちろん表の口実は「対日貿易赤字の削減」だったが、彼らの真の狙いは、日本をしてアメリカよりも先に移動電話のデジタル化へ移行させないためだったのである。
 モトローラ社の陳腐器材の大量処分とアメリカの日本牽制の利害が一致してのことだった。小沢一郎氏以下、政官産の指導者たちはまた、それぞれ目先の利権に幻惑されて、モトローラ社の「日本占領」に貢献したのだった。
 もっとほかも出ておりますよ。パソコンの問題も出ておりますよ。これは過去の連中だと思うけれども、今の流れ、一の会とか何かそういうのがあるように思って、今は私は外におりますけれども、これが日本国民全体、日本の産業界全体、日本全体にこれは影響してくる、こういう思いでおります。あとは郵政事業の方がございますから、ちょうど二十分たちましたので、後ろにおる諸君も帰ってから他の同僚にもうんと言っておいてくれよ、松野次官以下、そういう問題意識で大いに頼みますよ。以上でございまして、次へ移らせていただきます。
 次は、この間、決算委員会の締めくくり総括で自治大臣等に向かって、要するに前から気にいたしております郵便貯金の振替、オンラインができてもう相当たつと思いますけれども、まず第一にオンラインができてから何ぼたちますか、全国オンライン。
#74
○政府委員(谷公士君) まことに申しわけございません。正確には存じませんが、第三世代を迎えつつございますので二十年足らずたつのではないかと思います。十五、六年以上はたっておるかと思います。
#75
○守住有信君 この間も申し上げましたように、特に自治大臣と大蔵大臣も聞いておられましたね。私は、国民、県民、市民の選択の自由だと思っておるんです。銀行も利用するのもいいんですよ、郵便局も。銀行だけというと選択の自由が閉ざされちゃう、これが地方の公金の利用の実態でございます。まして地方の公金は各地元銀行等が入り込みましてどういうことをやっておるか。
 ついこの間も決算委員会の三上委員長以下と青森に行きまして、そして青森県とか青森市とか財務局とか、一緒に浅虫温泉に泊まりました。そして夕方入ろうとしておったら横に大部屋がありまして、畳の部屋で。そこに看板が出ておりました。みちのく銀行収入役協議会様と。それで、私はこういう性分ですから中へ入っていったら、収入役などが山のように酒を並べて、これが事実ですよ。
 そして一方では、簡易保険は、低利、長期でいっぱい貸し付けて、何兆何千億円だ、地方債で貸して。じゃ、銀行からどれだけ借りておるか。これも知りたいところです。銀行は地方公共団体へは七年物の債券で、七年しか仕組みがないから、銀行等はどれだけ地方自治団体に地方債で金を貸しておるか。これは把握しておられますね。外の世界も把握しなきゃだめよ、狸穴村じゃだめなんだよ。
#76
○政府委員(高木繁俊君) 地方債の中の民間資金の比率ということで申し上げたいと思いますが、平成六年度、今年度の地方債計画額は総額で約十四兆七千三百億円ございます。この中で民間資金と申しますと、約六兆五千七百億円、比率で四五%弱、こういう比率になっています。
 なお、残高ベースで、累計で見ますと、数字は省略いたしますけれども、民間の比率は約三〇%、こんな状況でございます。
#77
○守住有信君 その民間資金の場合の融通条件、金利とか、期間とか。そんな二十年、三十年はないはずですけれども、いかがでございますか。
#78
○政府委員(高木繁俊君) まことに申しわけありません。ちょっと今具体的に何年がというお答えを申し上げられません。
#79
○守住有信君 やはり現場では第一線が、大臣もセールスしたわけですよ。みんなその思いがある。私らにもある。苦労して一生懸命一軒一軒回ってやっておる。その貴重なお金が地方還元という形で公共団体最優先で、財投の中、地方債の中でやっておる。なるほど民間資金も活用していますよ。しかし、その条件が金利その他、特に融通がきかぬですよ。安定的長期資金が要るんだ。地方の社会資本の充実のため、高齢化、福祉だろうと何だろうといろいろ要るんだよ。そのときに地方公共団体、県も市町村も一体どれだけ郵便局のサービスをやっておられるか。
 たまたま私、熊本、九州でございますから、これを出しました。いろいろなサービスがございますね。公金といったって一本じゃございません。固定資産税、県民税、市民税あるいは町村民税、軽自動車税、都市計画税、国民健康保険、国民年金、公営住宅の入居料、それから小中学校の授業料、保育料、衛生関係、さらには今度は地方消費税も新たに導入されるわけでございます。その納入と支払いその他。今度は給付という問題もある。双方向ですから、オンラインじゃないけれども、双方向なんだから。
 そういうので見ていきますと、我が足元の熊本市、この間、市長選挙やったけれども、たった三つしかやっておらぬ。何事だ。鹿児島市は六つやっておる、宮崎市は七つやる、長崎市は多いな、八つやっておる。福岡市がやっと来年の四月から六つ。これが実態でございます。まして町村、ある町はやっておる、隣の町はちょこっとしかやっておらぬ。これを私は本当に憤激しておる。
 郵便局が苦労して集めて、強制的な保険・年金じゃありませんよ。任意の、努力をした資金を地方還元でやっておるのに、肝心の郵貯サービスの方は知らぬ顔。そして、私はみちのく銀行の収入役と言いましたが、これが実権を握っておる、三役の一人が。銀行はこうしてやっておるわけです、さっき言ったように。こっちは公の機関ですからやる必要もないし、やらぬ。何なんだと。
 これは本当に歴代、私は言うわけですよ、本気になって。私、あのとき言いましたでしょう。田中角さんは一遍金貸すのをとめた。それを浅野さんから聞いたんです。私は運用課で五年半も課長補佐をしましたが、政府関係機関もチンピラが来るわけです。これをとめた。それでないと、現場の局長以下セールスマンの諸君の思いを、何かワンクッション、スリークッションだから、運用課のやつは。何という思いでおるか、これが最大でございます。
 もう一つ、私は、もう二十年以上前ですけれども、市町村に融資、金貸しておるでしょう。看板立てると。今は市町村は看板があるわけです。ところが、あのころは簡保転貸債とか運用法改正を二度もやっていたものですから、看板表示の方はまず下からやろうと。下の市町村からやって、いずれ県と政府関係機関、これに看板立てると。ところが、もう二十年以上たったわけですよ、だれもやろうとせぬ。これはゼロから始めるんですからトップマターで局長みずからやらにゃいかぬ。市町村はみんな御承知のとおりですね。県の施設、政府関係機関、道路公団であれ住宅整備公団であれどでかいのが建った。有料道路だってあるでしょう。何も表示が出ておらぬ。私は道路公団の鈴木という総裁まで文句言いに行きましたよ、自分で。ところが、タイアップしてないものだから、本当に貯金と保険と組んで、そうして保険の方は直接でしょう、貯金は財務局理財部通じて行けと。くそたれがと思う。余計こっちでやれと。ただの金、税金の金じゃありません。強制的な国民年金・保険でもありません。どのぐらいあるかというといっぱい出てくるけれども、看板一つ出し切らぬ。訴えてみると。道路公団、住宅整備公団、何でもいいから訴える。これは大臣、角さんのごとくやってごらんなさい。それが私は、一生懸命努力しておる、あえて労働組合とは言いませんが、働く諸君たちのこれにこたえる道だと。地方公共団体だけじゃありません。こっちの政府関係機関、県もですよ。県も、あっちは出納長だとかあるいは副知事とか、地方銀行の何かやっておるんです。ほかもよう調べておりますので、幾つかの実例は把握しております。
 そういうのに対して、やっぱりこれは何か正義感を持ってやらぬと、大臣以下各局長、役割分担ですよ。そして、県と政府関係機関、本省がかすむんです。実感が乏しいんです。郵政はまだ実感がありますよ、すぐ足元に郵便局長、特定局長がおりますから。離れておるんです。だから政府関係機関や県に対してそれをづけづけ言い出すやつがおらぬ。何か郵政省近ごろ侍がおらぬのじゃないか。それでマルチメディア、マルチメディア、基礎工事は郵政事業ですから。
 時間も大分、要点だけは申し上げましたので、この程度で吠えるのはやめにさせていただきまして、大臣ひとつ所感、所見をお願いします。
#80
○国務大臣(大出俊君) 守住さんに本当は一番最初からお答えしなきゃいかぬわけですけれども、CATVから。
 これは、守住さん、十一月二十六日だと思いましたが、今売っているダイヤモンドをごらんになりますと、CATVについては非常に珍しくあれだけの特集をしたんだなと思っているんですが、ダイヤモンドに。今契約ができて動いているCATVの会社、黒字になっているところが六社、見方によっては九社ぐらいで、あと百何十社みんな赤字なんだ。
 つい最近、これほとんど商社がメーンですよ、今のCATV、日本の場合は。人口比じゃなくて世帯数でいきますと、日本の全世帯のうちで、日本の場合にはまだ都市型のCATVというのは四・七%しかないんですね。この一年間で五十五万世帯ふえているんですよ。おっしゃったとおり、去年がたがたやって幾らか知られたんだけれども、つまり規制を変えましたから昨年一年で五十五万世帯ふえています、見ると。それで、日本の場合はわずか百六十三万世帯、都市型CATVは。全世帯の四・七%しか入っていないんです。
 私はこれから急激にふえると思うんですよ。名前は挙げない方がいいかもしれませんが、天下の大メーカーが最近CATVに入ってきた。アメリカの側はTCI、最大のCATV会社、これが日本に入ってきている。タイム・ワーナー、これも入ってきている。何をやるかというと、なぜメーカーが入るかというと、電話なんですよ。これはダイヤモンドを読んでいただくとわかりますが、英国でやっているように、ナイネックスとUSウェストが英国へ入っていって、CATVあれだけやったでしょう。大変な広がり方ですよ。これ簡単に電話線巻きつけるような格好で電話業務を始めた。ブリティッシュ・テレコムが撤退をする場所が幾つも出てくる。あれは政府側の意図もあるからですよ。少しそうさせようという意思が政治的にあるから、ああなっていくには違いないんだけれども、日本の場合もこれからCATVというものを使った電話というのは出てくる。
 今NTTとNHKは規制されているからほかはできませんけれども、TTNetなんかもそうですが、あとは実際に自由にやっておるわけですからね。そこにやっぱりメーカーの大きな意思があるから、私はこれから日本のCATVというもの、有線テレビというものは急速に伸びていく可能性を持っている。
 ただ、ここが違うんですね。カナダなんというのは世帯数の七〇%がCATVに加入していますが、アメリカのチャンネルが全部見られるからなんですよ、これ。だからなんです。ベルギーなんというのは九〇%の世帯が入っていますけれども、電灯を供給している会社がやっているからです。どぶ板たたくように募集しないでいいからですよ、加入を勧めないでいいからですよ。
 ですから、そういう事情はありますけれども、日本の場合に、今見ていると、商社が引っ張ってきてやってきたものがほとんどうまくいっていませんけれども、急速に今度はメーカーまで入ってくる、その先を見ているから、こういうことになる。それから、任天堂のやっているテレビゲームというのは年間五千億売り上げを上げていますが、これとも大きく絡んでくる。
 そういう格好でどんどんふえてくると見なきゃいかぬと思っていまして、だからそこらをとらえた上での行政的な考え方を明確にしておく必要があると思っています。
 それから、今のお話でございますが、私は郵政大臣に就任させていただいた途端に記者会見で物を言ったんですけれども、かつて保険の運用権というものは奪還という看板を掲げた。これは守住さん御存じのとおりです。奪還、大蔵省からふんだくろうというんです。ふんだくられたんだからふんだくろうというんです。このときはなかなか保険局長もしっかりしていましてね、当時は。やろうということにこれはなりました。何も高木さんがしっかりしてないというんじゃないんです。本当にやろうと。とうとう持ってきたわけですからね。
 だから、さっき守住さんは運用課長などをおやりになった御経験があるとおっしゃっているんだけれども、貸している自治体が何でこれは簡保の資金で動かないかと言わないかと。そうすれば、もう本当に雨の日も風の日も苦心している現場の職員の立場からすれば、こんなに助かることもないし、ありがたいこともない。なぜそれをやってくれぬかという、そういう気持ちも現場にはみんなありますよ。
 問題は、保険はかくて運用権はとりあえず何とかやっているから、五十何%、これ今のところ二十五兆円という枠で少しつながっているようになっていますが、大蔵との関係は。運用していますけれども、貯金ですよ、問題は。ぐるぐる回った結果として、財投の中で貯金の皆さんが苦労して集めた金のこのぐらいのところがたまたま地方債を引き受けるという格好になるから、みんな苦労して集めた金で、郵政省の金でいったら何にもならない、これ。どうにも。
 こういう格好になっていちゃ困るので、貯金の新残高百九十兆にもなるんだから、今のようなことでほっぽっておくわけにいかないじゃないかということを言っているわけです。
 七年物で四・何%という今の預託利子なんだけれども、これもどうもおもしろくない、こっちと絡んでという言い方をしているんですけれども、少しここのところは頑張らなければ現場の、今現場でやった経験があるというお話ですが、戦時中ですけれども、私は確かに保険の募集で優績者になったこともございますし、たくさん募集していますからね。貯金保険課という課でございますから、貯金の方も当時は集金貯金と言っていましたから、集金貯金というのは入ってもらうと必ずその奥さんというのはその貯金から金を借りてくれるものでして、この方は必ずまた入ってくれるもので、そういう関係がありながら町の皆さんと親しくなって、まさに保険事業も貯金事業も共有財産ですよ、それだけに、御説のとおり、こちら側で主張すべきものはきちっとする、こうしろというところは、やっぱり国民の皆さんの共有財産なんだから、取るべきものはきちっと取るという私は姿勢が必要だと、こういうふうに思っております。
 とりあえずお答えをいたしておきます。
#81
○守住有信君 保険と貯金のお話がありましたけれども、対外的には郵政省なんです。郵便局なんです。貯金でも保険でもない。それでいつも三事業一体というのが長い間の伝統的な思想、精神でございまして、これは貯金の振替だ、これは簡保の運用だ、貯金の方は直接じゃないというんじゃなくて、ついこの間も両方の局長さんにお電話したり、両方の総務課長に並んで来てもらいましたよ、私の部屋に。組んでやれ、絡ませると。郵便局は一体ですから、こういうやり方で組んでやっていただくことを最後に特にお願いを申し上げるわけでございます。
#82
○政府委員(谷公士君) 先生の御指導、御指摘をいただきまして従来から取り組んできたつもりでございますけれども、まだまだ不十分であることはよく認識をしております。
 今の御指摘の件につきましても、郵政事業はもちろんでございますが、昨今、電気通信関係の行政につきましても地方自治体との関係もいろいろふえてまいりました。取引ということではございませんが、いろいろな機会に接触する機会というのはふえてまいったわけでございますので、そういう機会をとらえて広く理解を深めていただくように努力してまいりたいと思っております。
#83
○守住有信君 それは広過ぎて問題点が拡散してしまうよ。自分のところでしっかりやらんかい。
#84
○政府委員(谷公士君) ちょっと言葉が足りませんでしたけれども、当然、まずは貯金でしっかりやるべきでございますので、私どもも自治省その他関係のところとやっておりますし、また地方におきましては郵政局、郵便局、それぞれ関係の自治体に接触をしてきております。今後ともなお一層努力をしてまいりたいと思います。
#85
○及川一夫君 郵政大臣、大変御苦労さまでございます。お聞きをしながら、議院内閣制というのはなかなか大変なものだなということを実は感じているわけです。議院内閣制ですから、前の内閣が何をやっても、前々内閣が何をやっても、現内閣がそれこそ責任を負っていかなきゃいけないというシステムになっていますので、ひとつ我慢強くやっていただきたいものだというふうにお願いをしておきたいと思います。
 まず第一に、これは局長に尋ねておきますが、モトローラ関係の合意書が九四年、ことしの三月にでき上がっております。アメリカとの関係でモトローラがさまざま約束をして、それに対して郵政省がお言葉を添えてあるわけですが、大体どうなんでしょうか、約束し合ったことが現状予定どおり、計画どおり進んでおられるのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
#86
○政府委員(五十嵐三津雄君) 具体的に九四年の三月ということでございますので、民間ベースでいきますと日本移動通信IDOとモトローラの話でございますが、それぞれ民間業者が立てた計画ということについては、ほぼそういった民間業者の計画どおりに推移しているというふうに承知をいたしております。
#87
○及川一夫君 もう一つお聞きしたいのは、日米の新協議、包括協議の中では電気通信関係のものをかなり協議の対象にするということになっているわけです。通信機器問題ということに一口で言えるんでしょうが、その協議が、十八日あたりの新聞によると、十六日で作業部会の討議が終わって、改めて協議を開始するというようなことが最近報道されているんですが、今何かそういった予定が具体的にありますか。
#88
○説明員(西宮伸一君) 外務省の北米二課長でございます。
 お尋ねの件は、今月の十五、十六日、東京におきまして日米の包括協議の中の規制緩和の作業部会がございました。その際、いろいろな規制緩和。につきアメリカの要望書というものが提示されまして、これは公表されておりますが、その中で電気通信についてもアメリカ側は関心を有しているということでございます。今後、日米間の協議をどのような日程でやっていくかという点につきましては今のところ未定でございます。
#89
○及川一夫君 未定ではあるがこれからやっていかなければならぬ問題、こういう前提に立ってさらに御質問申し上げるんです。
 実は、守住先生が雪見芳浩先生の話をさっきされましたね。国際学者としても大変有名な方でして、NHKの放送でもかなり日本の経済、アメリカの経済ということで双方向でやりとりをしている姿を見て、なかなか歯切れのよい、しかも核心を突いたことをようずばずば言われるなということで非常に私は尊敬をしている一人なんですが、熊本の出身だそうで、どうも恐縮でございます。
 そういう点で、例えばここに「アメリカ殺しの超発想」というのがございまして、これがあの先生が全部書かれている問題なんですよ。湾岸戦争のことも、さらには北朝鮮核問題のこと、米のこと、そしてモトローラのこと、実は全部書いているわけでして、先生は雪見先生を大変お褒めになったが、これは日本政府の外交姿勢という問題についてかなり厳しい指摘をしている内容になっているわけであります。つまり、アメリカの脅迫あるいは圧力に徹底して屈しているということを実は書いておられまして、私も読んでみてなるほどと思うことと、かつて私も三回ほど逓信委員会や予算委員会でモトローラ問題で質問をしたことがあるものですから、一つ一つ納得のできる実は指摘になっているわけです。
 外交交渉は、いずれにしても日米関係はかなり近い関係で、それこそ鋭い対決をしながらも何とか関係をよくしなければいけないということで続けていかれるわけですね。したがって、今御答弁いただいたように、通信機器問題でもその他のことでも、アメリカとの日米交渉が展開をされるだけに、我々もひとつ外交交渉に当たる姿勢の問題について反省的にとらえながら、いかにあるべきかということをしっかり踏まえた上でやっていただかないと、これはもう本当に大変なことになるんじゃないかなという思いから、実は一度、二度触れたことがあるんですが、このモトローラの問題について質問をしたいというふうに思うのでございます。
 そこで、これも大分長い話なんですけれども、八七年に通信協定ができ上がって、さらに八九年にも再交渉があって、そして九四年の三月十二日に今度は合意書というものができ上がった、こういう経過を持っておりますね。それで、アメリカとの関係では全部誤解のない形でしっかりした認識を統一しているのかどうかというふうに見ますと、どうもこれから先もさまざま問題が出てきそうだと思っております。とりわけ、このモトローラ方式が日本に入ってきたということについては、ヨーロッパでもアメリカでも意見というよりは批判が実はあると私は受けとめております。
 それだけに、聞きたいことは、八九年の通信協定を結んだ際に、合意書の精神をうたった前文に非公開のものがあるということが言われているんですが、そういうものがありますか。
#90
○説明員(内海善雄君) 八九年の合意に関しましては非公開のものというのはございません。合意された中身についてはすべて公開しております。
#91
○及川一夫君 そうすると、九四年一月二十八日の日経新聞、ここに「「自動車・携帯電話」八九年に非公開書簡」と銘打たれまして、これは当時の事務次官であった奥山さんが、今NCCの社長さんですかやっておられるようですが、この方が認めておられるんですな。「書簡が存在するのは事実だが、周波数の割り当てでモトローラ方式の自動車・携帯電話にも」、要するに八九年の協定は「参入の機会を与えるとの考えを述べたもので」と、こういう受けになっているわけですよね。まず書簡はあるということを認めておるわけです。
 そして、アメリカは、その書簡の中に、その前文で日本自身が同等な市場アクセスを認めるというふうに書いてあるんだと、この合意文というのはそういう立場に立って合意文書がつくられたんだというふうに言っているものですから、同等の市場アクセスとは、ずばり言ってNTTならNTT方式と同じ市場というものを保証する、こういう意見があって、いわばIDOという会社がモトローラ方式でやっている仕事というのは八九年の協定に違反すると、そこから出発して九四年の交渉に発展をして合意文書というものができ上がった、こういう経過と私は受けとめておるわけですよ。
 ですから、前文の非公開の書簡というものがあるということはここで、これはマスコミですからどのぐらい証拠立てできるかどうか知りませんけれども、しかし奥山さんがここであるというふうに答えておられる、その意味を言っておられるということからすると、ないとはなかなか国際部長も言えないんではないでしょうかな。
#92
○説明員(内海善雄君) そういう書簡はございます。あるんですが、それはもう既に公開している書簡でございまして、非公開ではないのでございます。これはもう既に公開しております。
 その中身は何かと申しますと、先生おっしゃったとおり、当時の郵政事務次官の奥山からアメリカの次席代表ウイリアムズあての手紙がそれでございますが、その手紙自身がいわゆる合意の中身でございまして、決して非公開ではないんです。公開しておりますが、日経新聞の方は何を間違ったのか非公開書簡と書いておるところでございます。
#93
○及川一夫君 しかし、私は見ていませんな。この交渉が合意されたときに、国際部長さんも、さらには当時の電気通信局長もおいでになってこういう合意をしましたというお話をちょうだいしましたが、前文なるものは私は皆さんに教わっておりません。公開されておらないんであります、私には。
 そして、これは何を間違ったかと、こう言われるが、要するに一月二十八日の時点でこの前文があるということを認めておられて、その意味するものを奥山さんが言われているわけでしょう。だから、この時点でも私は公開ではないのだろう、非公開ということを前提にしてその意味するものは違いますよということを当時の事務次官が強調されていると、こう私は受けとめるんですが、いかがですか。
#94
○説明員(内海善雄君) 大変恐縮でございます。くどいようなんですが、この書簡というものは当初から公開をされているわけです。ただ、我々が積極的にそれを持って皆様方に広く御説明に上がったかどうかまでは私は承知しておりませんが、いずれにしましても公開されておりました。
 そして、今回のモトローラ事件につきましては、この書簡の解釈をめぐって、先生が御指摘ございました同等な市場アクセスということについて、アメリカの方が好きなような解釈をしていたものですから、一月の何日か忘れましたが、この書簡をしかるべき記者の方にもよく見せ、あるいは外国人の方にも見ていただいて、こういう意味じゃないでしょう、アメリカが言っているのはちょっと違う意味ですよねということを確認するために、これは古い文書ですけれどももう一回捜し出してきまして見せたという経緯はあるんですが、いずれにしましても、この書簡自身は当初から別に隠しているものでも何でもなくて、公開しておった部分でございます。
#95
○及川一夫君 今さら押し問答をしてもいたし方がありませんが、それ自体を後ほど見せていただこうというふうに思います。
 それから次にもう一つ、モトローラ問題の原点というのは一体どこにあるのかということを私なりに整理をしてみますと、モトローラ方式とNTT方式というのは互換性があるんだろうか。ないと言われているんですよね。ですから、互換性がない、日本にはない方式をモトローラ方式でやれというふうに言われたと同じ。それをやると約束をした。それが果たしていいのか悪いのかというところに問題点があるんじゃないかというふうに私は受けとめました。
 なぜなら、アメリカだってモトローラの方式のほかに小さいのが何かあるらしいんですけれども、アメリカ全土がモトローラ方式でほとんどすべて運用されている。ヨーロッパに対して、日本に対するものと同様にモトローラ方式をやってほしいというふうに言ったときに、ヨーロッパの各国はお断りをしたという経過もあるようであります。なぜ日本だけかということになる。
 大体、互換性のないものをアメリカがどうしてもやれやれと言うのは、先ほど守住先生が紹介された、どうも古くさい、これはもうこれから通用しなくなる、売らないと在庫のまま腐ってしまう、したがって在庫一掃的に日本に押しつけてきたのではないかという解釈、理解になって、モトローラというのは何だということに私はなっていくんだと思うんですよ。
 もともと互換性がないというのは、新幹線に例えれば、新幹線を引いておいて日本の製品の機関車を走らせて営業しているけれども、アメリカ製品を使えと言って押し込んできて、いや、アメリカ産のやつは今の日本の新幹線には合いませんからあきまへんと、こういうふうに言うたら、じゃ、別の新幹線をつくれ、そうするとおれの機関車は走れる、だからつくるべきだつくるべきだというふうに言っておることと同じだという説もあるわけですよね。
 それほど互換性のないものを採用したというところが大きな問題点になるし、これから先、一体これはどうするのかということは大きな問題だというふうに思いますが、局長、いかがですか。
#96
○政府委員(五十嵐三津雄君) 携帯・自動車電話のいわゆる方式の問題についてでございますが、まず、当時のことを振り返って少し申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 日本では、自動車電話、携帯電話というのは昭和五十四年から始まっておりました。アメリカは五十八年からという実態でございます。日本は、その間ずっと数も余りふえないでやってまいりました。
 昭和六十年度に電気通信の自由化がございました。これに伴いまして、電電公社、NTT以外のところも参入したい、こういう動きになってまいりまして、その技術基準につきましては、電気通信審議会で昭和六十一年の四月に検討された答申が出されております。このときには公聴会も開かれまして透明な手続をとって審議がされたというふうに承知をいたしておりますが、そのときに、新規事業者の参入を容易にするとかサービスを多様化していくというような観点から複数の方式を認めるということで、現実には三つの方式を答申されております。それは、NTT方式、そして北米方式、俗に言われるモトローラ方式でございます。さらに北欧方式、ヨーロッパ方式とでも申しますか、この三つが答申されているわけでございます。
 私ども郵政省としましては、この透明性のある格好で審議された審議会の答申を尊重しまして、この方式につきまして必要な省令の改正等を行って北米方式の導入を図るというようなことになってまいるということでございます。もちろん当時、現在はセルラーと言われている第二電電系の会社でございますが、これが初めからモトローラ方式を採用しようという計画を持っておったというふうに私は承知をいたしております。
 それからもう一つ、そういうことで確かに方式が現実の問題として二つ入ってくるわけでありますが、北米方式の端末の互換性というものを確保するというような観点からNTT方式の基地局にローミング、接続するという方式をつくりまして、そういう意味では現在NTT方式とセルラーの方式、モトローラ方式といいますか、この方式においてはその互換性を確保しているという現状であります。
 つけ加えて申し上げさせていただきますと、平成元年七月からいわゆる北米方式のサービスが始まります。さらに、そういう流れを通じてサービスが始まるわけでございますが、当時NTT方式で出されているNTTの料金というのは基本料金が月々一万九千円でございました。これが一気に一万三千五百円という非常に安い値段で出たということから、その後の普及につながっていくという結果になってまいっております。
 互換性の問題につきましてとあわせまして状況を報告させていただきました。
#97
○及川一夫君 それは値段の安くなったところを言いたいんだろうけれども、値段が安くなる反面、また基地局をかなり短距離でふやさなければいけないというモトローラ方式の欠陥もあるわけですよね。だから、どっちを採用するのかは企業によって採用したらいいと思いますが、いずれにしても互換性がないところというのが問題の焦点ではないかというふうに批判的には物が言われているというふうに私は受けとめておきたいと思います。
 そこで次に、時間が余りないものですからあれですが、九四年の合意書、これはもう具体的に数値目標が入っていますよね。それは民間の企業間がやったんだと言えばそれまでですが、しかし私は郵政省があえて裏打ちしているという前提に立ちますと、政府ベースで数値目標を立てることは管理貿易につながるということで、それこそ細川内閣時代には決裂、物別れになったという問題がある。その直後ぐらいにこの合意書では、何局を設置するとかあるいはどのぐらいの加入者にふやすとか何カ月でやるとか、いろんなことが立てられていまして、郵政省はそれを監視をするとかしないとかというそういうものになっているんで、この辺は霍見さんが言われるように通信主権というのを何と心得るんだ、国家主権という立場から見ると全くもって圧力に屈した態度ではないかと。
 そして、余計なことかもしれませんけれども、小沢さんの名前がしょっちゅう出てくるわけですよ、この本の中に。当時は官房副長官ですか、それから九四年のときには内閣を支えておった与党ではあるけれども、いわば政府のお役人でも何でもない、高官でも何でもない人が三月ころに渡米をしている、あるいは二月ころに渡米をしている。わからないようになっているけれども、すり合わせてみると小沢さんの像が出てくる。
 じゃ、小沢さんが皆これをやったのか。やったという新聞もあれば、やらないという新聞は一つもなかったけれども書いてない新聞もあったという状況でして、何か湾岸戦争の問題などを含めて全部小沢さんが仕切って、結局は小沢さんというのは使いやすいやっと、アメリカから見れば。あれを引っ張り出せば何でもできると。郵政省にかなりの権力を振るっている、だからおれの言うことは聞くんだ、あいつを何とかすればというふうにつながった批判になっているわけですよ。私が思っているんじゃないですよ、この本の中に書いてあるやつを紹介すればそういうものだというふうに思うんです。
 そういう角度から今度合意書を見ていくと、例えば、「書簡に記された行動の達成をモニターし、最後まで見届けます。」と、こうなっているんですよ。ところが、英語をちょっと今度つけていただきましたから見てみますと、モニターというのは英語ですよね、何でこれを日本語に訳さないのかという問題があるでしょう。それから、オーバーシーという単語は監督というふうに訳してもいいんじゃないですか。だから、そういう目でこの文章を、「書簡に記された行動の達成をモニターしことは、監視しと読んでいいんでしょう、これは。監視し、最後まで監督しますと、こう読みかえるとまさにこの合意書の性格というものが赤裸々に出てくるじゃないかというふうに思うんですよ。
 したがって、ここから先が質問ですが、なぜ監視し、監督と、モニター、オーバーシーをそういうふうに訳さなかったのかという点についてちょっとお伺いしておきたいというふうに思います。
#98
○説明員(西宮伸一君) お答えをさせていただきます。
 我が国政府といたしましては、この九四年三月の決着に際しましては、あくまでもIDOがとる行動の達成状況につきモニターするということでございまして、その上で電気通信事業法等既存の法令に従って政府としてできる範囲内の措置をとりつつ、その達成まで見守るということを確認したわけでございます。
 御指摘の、モニターは監視するではないか、オーバーシーは監督するではないかという御指摘でございますけれども、辞書に確かにそのような訳があることは私も承知しておりますが、監視とか監督とかいう言葉はややもすれば一般的な監督・監視権限と受け取られかねない。それは我々の意図しているところではございませんで、あくまでも電気通信事業法等既存の法令の範囲内でできることをやるということを約束したまでだということを反映させるために、最後まで見届ける、モニターという言葉を使わせていただいた次第でございます。
 監督という言葉は、裏返して翻訳いたしますとスーパーバイズとか、またほかの英語になってきまして、これはやはり我々の考えるところでは、既存の法令を超えて一般的な監督権限を行使するような印象を与えるので避けた次第でございます。
#99
○及川一夫君 私は語学の専門家じゃないから、それ自体には私自身の意見は言わないけれども、今答弁されたことでアメリカは本当に納得しているだろうかどうだろうか。私のような意味でオーバーシーとかモニターというものを受けとめたとすればこれはやはり問題になってきますよ。
 だから冒頭に、一体計画は予定どおり進んでいるんですか、問題はありませんかということを実は聞いたんであって、仮に予定どおりいかないということが、四半期ごとにあなた方は調べると言っているわけだから、またIDOの通信会社もそれを認めているわけですから、そうくるということを前提にしているわけですからね。恐らく問題が出ればこの言葉自体も違うと、おまえたちが監視し監督するということを約束したんだということは向こうが言うかもしれませんよ。そういう問題を私はこの中にははらんでいると。
 我々から言わせれば、何か数値目標を立ててしまった、それから民間の企業に対して行政官が一定の責任を負った、そしてアメリカの言うことを全面的に認めたと、言葉は悪いが降伏してしまったということになっては大変だという思いが訳の上にも何となくあらわれてきているんではないかというふうに私は言わざるを得ない気持ちがしてしょうがないんですよ。
 私は、いずれにしてもこういう訳になっていますからそれはそれなりに確認しておきますけれども、これからの交渉に当たって、そういう姿勢じゃアメリカとの交渉は成功しない、やっぱり本当のことをきちっと言うべきだというふうに私は思うのであります。そして、だめなものはだめと言うぐらいの気迫を持った対応というものをぜひお願いしたい。日本の外交の弱さが郵政省からあらわれたというんじゃちょっと話にならぬのじゃないですかな、ということを心配して私は申し上げているつもりなんであります。
 そこで、郵政大臣、時間が参ったんでありますけれども、恐らく郵政大臣も多少はお読みになったんじゃないかなというふうに私は漏れ承っておりますけれども、やはりこの通信機器問題についてのこれからの対米交渉というものをたくさん抱えておりますし、政府全体として考えることでありますが、ぜひ郵政大臣に、この本の評価はどうですかというふうに聞きたいところだけれども、それはそれとして、やはり我が国の対米交渉のあり方の問題として、こういうものを反省材料にされてきちっとした対応をするということをひとつ御検討をお願いしたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
#100
○国務大臣(大出俊君) 及川さんの今の御質問ですが、当時私はモトローラ問題というのに非常に興味を持ちまして実は調べたことがあるんですよ、調べ切ってはおりませんけれども。百五十九局の基地局をふやす、筋が通る話かなんてことまで考えたこともあるんです。また、モトローラにかかわる方々に、二、三ではなくて三、四聞いてみたこともあるんですよ。
 ただ、非常に困ったのは、私の大臣就任というのは六月三十日でございますから、前任者の時代のことでございますので、私からとやかくということを言える立場にございません。したがって、そういう意味では内海さんなり五十嵐さんなり当時御関係の方々が今答えておられますので、私は皆さんと縁が遠いわけです、そこのところは。したがって、そのことずばり私が御答弁申し上げる限りにない、そういう立場だと。
 ただ、及川さんも御存じのとおり、私も三十二年もおりまして、外務、防衛というのは私の専門でございますから、いろんな日米関係の文書もあればやりとりもあれば単語の解釈、両方で適当にというのもあれば、山ほどございます。ただ、一つだけ言えることは、誤解だと、こういう言葉が返っできますけれども、誤解であれ何であれこういう文書がこういうふうな、雪見さんもいろいろ書いておられますから読んでみましたが、つまり誤解や疑義というようなものが出てくるようになる、これはまことに困ると思っているんですよ。
 ですから、日米間の問題というのはやっぱりできるだけ透明度を高めて、今のUXの機種選定なんかも同じことが言えるんですけれども、そういういろんなことが出てこないように透明度を高めるという姿勢が政府としては私は一番大事なことなんだろう、こう思っております。それだけは一般論として申し上げられると思うんでありますが、この点は私のおらないときのことでございますので御勘弁いただきたい、こう思っております。
#101
○及川一夫君 終わります。
#102
○粟森喬君 まず、郵便料金がことしの一月二十四日に改定になりました。この間、改定して後のいわゆる収入状況、郵便物取り扱い状況を見ますと、一四・八%増という累計に今なっています。たしか改定が二四%でございますから、改定した料金そのものがまだ収入にはね返っていない。ということは郵便の一部のところがやっぱり離れている。ファクスにかわるとかいわゆる急便にとられるとか、いろんな状況が出てきておりますが、郵政省としては今の販売の回復状況、収入状況を見まして、これで順調だとお考えなのかどうか。改定率を二四%にしたわけですから、二四%まで回復しないと本来的にはこれはいけないと思うのでございますが、まずその見解をお尋ねしたいと思います。
#103
○政府委員(加藤豊太郎君) 郵便料金改定後の収入と物数の状況についてお尋ねがありましたけれども、まず収入面についてですが、今年度四月から十月まで、十月は実は速報値なんですけれども、これの累計で見ますと、対前年度比一五・六%の増になっております。先ほど先生がお話しになりました一四・八というのは九月末累計でございます。
 一方、物数につきましては、四月から九月までの累計では、対前年度比マイナス三・九%まで沈み込んでおります。ただ、十月単月では、普通局の速報が入ったんですが、マイナス〇・三%ということで、ほぼゼロに近い状況になっておりますが、これにつきましては、今これを評価したとしたならば、楽観できる状況にはありません。しかし、おおむねこれは予測の範囲内で推移しておるというふうに評価しております。
 実は、郵便料金は、御指摘がありましたように、平均で二四%の値上げをしたところでありますけれども、物数につきましては、改定後一年間、五%程度の利用減を既に見込んでおりました。したがいまして、収入増加率は値上げ率よりも低くなるということを想定しておりました。
 私ども、今後とも効率化だとか合理化を積極的に推進いたしまして、経費の節減を図るとともに、郵便サービスの改善だとか営業活動の充実努力、強化によりまして需要の創出に努めておりまして、平成六年度の予算で計上しているところの五百二十五億円の黒字、これは今のところは確保できるというふうに踏んでおります。
#104
○粟森喬君 何となく聞いておると、大変順調なようで結構でございます。
 しかし、順調ならやるべきではないことが内部で検討されているようでございます。というのは、ダイレクトメールであるとか大量の広告物の郵便物の割引率を現行より変えようという報道が既にされています。これは郵便法を変えなければできない法定事項の範囲だと思いますが、私は、何となく今数字を聞いておって順調なら、これを仮にやるとなると問題ではないか。
 といいますのは、一般の利用者の封書であるとかはがきというのは下げないわけですね。これだけ下げるということは、本来、当初値上げを考えていた水準を一部に、特定の利用者に、一部といってもこの制度を使う人に限定されますが、その人たちに値下げをするというのは、料金値上げに対する郵政省の極めて慎重な配慮というのか、果たしてこれが、もう一年もたたないうちに次のこの部分を下げなかったらちょっともう競争に勝てないという判断に立つというのは、私は料金改定のあり方の問題として、そういう内部検討を始めたことの真意についてひとつお伺いしておきたい、こういうふうに思います。
#105
○政府委員(加藤豊太郎君) 今年度の収入及び物数の状況につきまして今御報告をさせていただきましたけれども、先ほど申し上げましたとおり、予測の範囲内ではありますけれども決して楽観できる状況にはないというふうなことでありますし、さらにまた特に大口のお客様を中心といたしまして、差し出し通数の節減だとか民間宅配への移行というふうな動きがあることも事実でございます。
 いずれにしましても、こういうふうなものをある程度見込んだ形で、郵政審議会で昨年九月から十一月まで七回にわたって慎重な審議をいただきまして、今回の郵便料金改定をさせていただいたわけであります。
 今お尋ねの大量の郵便物の差し出しに対するところの割引の問題についてですけれども、大量の郵便物を出されるお客様に対するところの料金の割引というものは、先生御承知のとおり、事前にこれを区分していただく、私ども利用者区分と言っておりますけれども、そういうふうなことで郵便局が行うべき作業の一部分を分担していただくということで、そういうことによりまして郵便局としてもコスト削減となるという効果をお客様に減額という形でお返しするというふうなものが一つの要素としてあるわけです。
 さらにまた、例えば広告郵便物についてですけれども、広告郵便物のような大口利用者に対するところの料金割引によりまして需要の拡大効果も期待できるというふうに考えているわけで、こういうことから今の減額制度、割引制度というふうなものができているわけであります。
 こういうふうなことによって、今楽観できる状況にはないわけですけれども、大口の皆様方につきましてはこういうふうな割引制度を拡大することによりまして郵便全体の需要をふやす、それから収入もふやしていく、そういうことによって独立採算制の郵便事業の財政を安定させる。そういうことによりまして、その結果としまして、小口の一般の利用者の皆様方に対しましてもできるだけ長期にわたって現行料金を据え置いていくということで貢献できるものだというふうに考えております。これがなければ逆に需要全体をふやすことがなかなか難しくなってきて、料金の据え置きもなかなか難しくなってくるというふうなことを恐れておるわけであります。
 なお、御指摘の料金減額制度の拡大につきましては、従前から特に大口のお客様から強い要望をいただいておりまして、郵便事業にとりましては重要事項ということで、現在私どもは来年度の予算に関連して要求をさせていただいておるところでございます。
#106
○粟森喬君 今いろいろ答弁されたんですが、ちょっと私が納得しないのは、一年たたないわけでしょう。公共料金のあり方についていろんな意見がある中で、少なくとも国会に承認を求めない範囲でやったときに、その種の需要予測がある程度なければいけない。本来的にはその時点で、一年後というのか二年後のことも見通さずにとにかく一遍上げちゃうと。この部分は郵便法の改正ですから、何か意図的にその部分だけ切り離して別の手法で持ち込んでいこうという、今の郵便のあり方についてもいろんな議論がある段階というのは当然出てきても私はやむを得ないというふうに思いますが、やはりこの部分は、ここはやっぱり見通しが甘かったから次は下げさせていただくということを一部の利用者にだけ与えるという印象を持たせるのは非常によくない。同時に、そうしなかったらほかの郵便物をまた上げにゃいかぬ。
 そうすると、私は郵便の持つ公共性、役割などについて、今の市場メカニズムの中で本当に郵政省がどう考えているかということについて、これはもうちょっと今後の議論とするわけでございますが、こういう一部に対して割引をやっていこうとする姿勢については納得しているものではないということをまずここでは申し上げておきたいと思います。これは。いろいう言ったって、これからの審議の中で十分そういう意見を考慮してどうやるかということを考えてもらいたいと思います。
 この際、このことについて私は郵政大臣にもちょっと申し上げておきたいと思います。
 というのは、公共料金の値上げということに対して、前政権は年内ですが凍結というふうに一部発表した。郵便料金はその前なので何となくそれでよかったんではないかという話があるけれども、私は今凍結がすべてではないと思いますが、公共料金のあり方がとりわけいろいろと取りざたされていると思います。
 例えば、古い資料で大変申しわけないんですが、経済企画庁の郵便料の国際比較、それぞれの国内の郵便料金の比較をしたら日本は割高水準の国に入っております。アメリカは比較的安い。それで、アメリカの郵便の集め方、配達の仕方が違うからこれは安いんだというけれども、問題の本質はそんなことにあるんじゃなく、高いか安いかでその国の例えは生産コストの中に幾らかかるのか、いろんな企業活動にどのくらいのコストがかかるのかということですね。
 これは郵便料だけではなく電話料、電気料金、さまざまな公共料金が取りざたされている中で、そういう割高感があると言われるこの郵便料金に対して、今回の値上げというのは本当にこれでやむを得なかったと言うんだろうけれども、果たしてこのままのやり方で本当に郵便料あるいは郵便事業というものは持ちこたえられるのかどうか。上げれば減る、そして赤字になって独立採算が維持できないというある種のジレンマが、国内の関係だけではなく国際情勢も含めて、これは内外価格差の問題から出てくるわけですから、今後のこの種の料金の扱い方について郵政大臣の見解があればお尋ねをしておきたいと思います。
#107
○国務大臣(大出俊君) 粟森さん、私もこの方をやってきた経緯がございまして、特に逓信官吏練習所というところの卒業なものですからね。事業経営という学問的な体系がございまして、この中に郵便料金というものをどう考えるかという部門があって、いろんな議論をしてきた長い経緯があるんです。いろんなことが絡むんですね。単純にいかない。
 なぜかといいますと、今決算ベースで見ますと、一月に二四%上げていますけれども、この物数のトータルは日本の場合二百四十五億通ございます。これはアメリカに比べて二番目なんですけれども、アメリカは日本の二百四十五億通の八倍もあるんです。千六百八十八億通あるんですから、けたが違うんですね。フランスは、人口は日本の半分ですけれども二百二十五億通あるんです。日本が二百四十五億通、フランスが二百二十五億通。
 粟森さんや私ども含めて、日本の一人当たりの年間にお出しになる郵便の物数が今百九十七通なんです。この一人当たりの百九十七通というのは世界で十五番目なんです。こんなに低いんですよ。国情はそれぞれ違いますけれども、どうすれば一体郵便物というのはふえるのかという、つまりこんなにたくさん年間四百通以上も個人が出している国が幾つもあるわけです。日本は百九十七通なんです。
 そうすると、一体何でこっちの方の国はこんなに物数が多いのかという問題があるわけですね。値上げしたから落ちるというけれども、必ずしもそうじゃないんです。やっぱりそこには政策があると私は思っておる。全体としてどういうふうに見なきゃならないかという点。
 もう一つは、今、粟森さんがいみじくもおっしゃっている内外価格差の点からという御質問があったわけでありますけれども、これも余り価格差が開けばリメールなんという問題が起こるわけですね。はがきで香港が二十七円で日本が五十円だから、これだけ差があったら、到着料を計算に入れても、日本で出すべきはがきを企業的に大量に集めて香港に持っていって向こうから出すと差額でもうかってしまうというんですね。これ皆さんとも随分相談しまして、リメール問題は、騒ぐ前から心配していたものですから、韓国で万国郵便連合の大会議がございまして、韓国の大臣にお願いしたりいろんなことをやって、ようやく何とか歯どめをしたんですけれども、そういう問題も起こる。
 そこで、私が心配して内外価格差というものはどうなっているのかと。ここに表がございまして、これは現状です。為替レートその他をずっと計算していきますと、後で事務当局からもお答えいただきますが、日本は現状高い高いとおっしゃるけれども、実際には為替レート問題がございますから高い部類に入らないんです。全部ここに数字がある。ちゃんと換算したものがございます。
 ですから、今どういうふうに将来に向かって、あるいは現状を、この郵便料金をどう考えるかというお話がございましたけれども、そういう意味で総合的に判断をしてどうあるべきかを考える必要がある。そして、国際比較ということになると、為替レートその他がありますからやっぱり詳細の計算が要る。そういう面で計算してみると現在は高いわけではない、こういうふうに国際比較の面で思います。
 そこで、今度のこの値上げ二四%平均というのは、今私が申し上げたようなことも含めて審議会で自主的にということでやっていけるようになっていますから、審議会で十三年ぶりに御検討をいただいたんだけれども、初めてなんだけれども、東京、大阪で公聴会まで開かれて、三カ月間で七回審議会を続けてやっておいでになる。そういう意味で、九月、十月、十一月で七回郵政審議会をお開きになっていますから、今回は、いろんな御意見のある、新聞がいろいろお書きになっている中で相当苦労をされて、しかも時間をかけてお出しになった結論と、こういうふうに私は思っております。いろんな予測が入ってこれなっているかもしれません。しかし、そこを事務当局がどうお考えかわかりませんが、当時私はいないからわからないんですけれども、私の見方からすれば、人件費の非常に集中する仕事でもございますので、円高メリットがあるわけじゃないんだし、そういうことで結果的に現状の価格というのはそのあたりで当面やむを得ないだろうという落ちつき方に私自身がなっているということを申し上げておきたいと思います。
#108
○粟森喬君 次の改定はこれからの問題でございますから、また改めて議論をすることにして、貯金のことについてちょっとお尋ねしたいと思います。
 十一月四日に、通常貯金の金利を〇・〇三%利上げをするかどうかで郵政省と大蔵省が大変対立をしたと。当初予定をしていた期日を結果的におくれさせざるを得なかった。
 まず、私がここでお尋ねをしたいのは、この〇・〇三%の利上げをぜひともしなければならないというのは、私の知る限りでも、いわゆる民間の一カ月通知預金というんですか、それとの格差にこだわったからだろうと思いますが、まず自由金、利になって初めて改定に当たって大蔵省と協議をやったんですが、結果的にその実施時期をずらさなければならなくなった事情、そしてその経過についてはいろいろ言われていますが、郵政省としてはどういうふうな見解を持っておられるのか、お尋ねしたいと思います。
#109
○政府委員(谷公士君) お答えいたします。
 まず、ちょっと経緯から御説明させていただきたいと思いますが、御存じのように十月十七日から流動性預貯金金利の自由化が実施をされまして、その時点におきましては私ども自由化後の民間金融機関の金利改定の状況というのは見通すことができませんでしたので、これを見定めてからと考えまして、この時点での改定は見送りました。
 その後、自由化実施後、民間金融機関の金利改定状況も出そろいましたので、私どもとしても郵便貯金としてこの自由化のメリットを利用者の方々に還元すべきだと考えまして、その時期としましては、通常、毎月第一月曜日を改定の時期と考えておりますので、その第一月曜日に当たります十一月七日に改定を行おうと考えました。
 そして、その水準といたしましては、民間金融機関の改定状況が平均的に見ますと〇・〇三%でございましたので、そういった状況にも配慮をいたしまして、改定幅はわずかということではございますけれども〇・〇三%にとどめたわけでございます。
 それで、実施をする方向で大蔵省と話をしておりましたところ、公表時点に至りまして、突然、正式の協議の申し入れという通告を受けました。私どもとしましては、私どもの金利の設定が一般の金融機関の金利の設定に強い影響を及ぼすという場合がこの協議の要件になっておりますので、この程度のものであれば、かつ民間金融機関の後追いということでございますので、そういった状況にはなるまいと考えまして、そのことを理解していただくべく説明してまいったわけでございます。そういった中で時間が経過いたしまして、一週間おくれの改定となりました。以上が経緯でございます。
 それで、自後を見ましても、これによりまして民間金融機関の金利形成に何らかの影響が出たという状況はございません。
#110
○粟森喬君 そうしますと、毎月これからやるわけでしょう。その都度こういう格好でおくれるというのは、結果的に金利決定システムにおける大蔵省と郵政省のやっぱり協議のあり方の問題にかかわると思うけれども、十二月にはこういうことは起きないというふうに理解してよろしいのかどうか、お尋ねをしておきたいと思います。
#111
○政府委員(谷公士君) 今、原則として毎月第一月曜日を改定の時期と考えておると申し上げましたけれども、当然その段階におきまして、市場の金利の情勢、それから民間金融機関の普通預金の金利設定の状況等を見て総合的に勘案するわけでございます。もちろん、これに当たりましては預金者の利益も考えますが、そういった結果、改定を要するということになりますと引き上げを行いますけれども、必ず月に一回実行するかどうかということは、今申し上げました諸情勢を見た上でございますので、そのようになるかどうかわかりません。
 それから、今回のこの引き上げの考え方でございますけれども、実はこの問題につきましてはいささか民間の方々にも誤解があるのではないかと思います。民間の普通預金と郵便貯金とは同じ商品であるのに一%程度の利差があるのはおかしいというような感じの御指摘でございますけれども、基本的にこの両者は商品特性、利用実態におきまして異なる点が多いと考えております。すなわち、私どもの通常郵便貯金はほとんどすべて個人の方が利用しておられまして、貯蓄性、決済性一体としてお使いになっておられますけれども、民間の普通預金は四〇%が法人の利用でございますし、そういったことを反映いたしまして資金の滞留期間も極めて短いものと考えております。
 したがいまして、そういった商品特性、利用実態を踏まえて、これまでの規制金利下におきましても両者間の金利には一・一%ないし一・四%の金利差がございました。ことしの春、大蔵省と自由化に際してのルールについて話し合いをいたしました際に、こういった実態を踏まえてこのルールをつくったわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、この金利差にはそういう意味での合理性があると考えておるところでございます。この点につきましては、私どもの努力も足りないのかもしれませんので、関係者の方々の理解を求める努力をしていかなきゃならぬと思っております。
#112
○粟森喬君 念のためにもう一度お尋ねしておきたいけれども、改定をするかどうかというのは皆さんの判断だというけれども、〇・〇一でも改定が必要ならば当然月の当初にはやるべきなんだが、やるかやらないかという変動があったらどの単位でやるのか、これだけちょっとはっきりさせておいていただきたいと思います。
#113
○政府委員(谷公士君) 大蔵省と合意いたしましたルールによりますと、市中の普通預金金利が市場実勢をしっかり反映して上回っております際には直接の比較で一%程度の金利差、それから一般の普通預金金利が市場の実勢を反映しておりません場合にはCDの金利も加味したような別の計算式がございまして、今回はそちらの計算式を使ったわけでございますけれども、これにつきましてもいずれも一%程度、〇・九ないし一・一%の幅がございまして、その中で先ほど申し上げましたもろもろの事情を勘案して決めていくということになりますので、〇・〇一%の金利差が出たから直ちに同幅でということではございません、総合的に考えてまいりたいと。それから、もちろん機動的であると同時に安定的な金利設定ということも配慮しながら決めていく必要があるだろうと考えております。
#114
○粟森喬君 今始まったばかりだから、〇・〇一とか〇・〇三にこだわるのはどうかなと思うけれども、ある種のあるべき姿をかなりきちんとやっていかないと、金利自由化を受ける貯金のあり方というのは非常に大事な問題ですから、また改めてやる機会がありましたらやらせていただきます。
 時間の関係がございますので、ちょっと一つお聞きをしておきたいと思いますし、意見として申し上げますが、いわゆる簡易保険に関する日米経済協議の中身をいただきました。
 この内容を見ますと、今後、外国保険事業者の要請があれば、情報提供と意見提起の場を与えることを保証したという一項がございます用意見を述べることを保証したということになれば、簡易保険のあり方について意見を言われれば聞きっ放しで済まないことになると思いますが、この辺の文章の理解を郵政省としてどうお考えか、お尋ねをしたいと思います。
#115
○政府委員(高木繁俊君) 先生おっしゃいました内容でございますが、もうちょっと合意内容の文章として申し上げたいと思います。
 その内容は、「主として疾病、傷害及び介護の保障に係る保険商品について、その拡大又は変更のための法律改正を国会に求める提案の作成に関しこ、日本における外国保険事業者に対して、その要請に基づき情報提供し、意見交換をする機会を設ける、こういうことでございます。
 実は、私どもは法律改正によって新商品を導入しようという場合には、これは従来から、特にまたこの第三分野商品に限定しないわけでありますけれども、いわゆる予算折衝の過程で大蔵省と協議をしてまいりました。その協議を通じまして民間保険会社の意見というものも聞いてまいったところでございますし、その場とはまた別の、私どもが直接民間の会社と意見交換をするということもやってまいりました。
 したがいまして、今回のこの合意と申しますのは、従来から実行上行ってきたことではありますけれども、米国側の求めもありまして、外国保険事業者から要請があれば意見交換するということを明確に書いたものでございます。
 したがって、意見交換の場におきましては、これは従来と同様になりますけれども、外国保険事業者から妥当な意見が出てくれば、これは私どもも当然に尊重をしてまいらなければならないと思いますし、そうでないものが出てまいれば私どもの考え方を十分に説明をして御理解いただくように努めるということに相なろうかと思っております。
#116
○粟森喬君 その文章を私も読んで思ったんですが、簡易保険のことだから、例えば疾病とか傷害、介護の保障がついている部分ありますね。これは、もう郵政省としてそこは別の法律なんだから関係ありませんというふうに合意をするのが本来なのにもかかわらず、郵政省職員と意見交換をするというのは何ゆえなのか。私は、これは簡易保険のあり方そのものに、ひょっとすると日米が協議の中の本体そのものの商品に関与する道筋をつけることにならないかという懸念を持っているので、これは非常に重要なことでございますので、郵政大臣としてどういうふうにお考えか、見解を聞いて私の質問を終わります。
#117
○国務大臣(大出俊君) 今、高木保険局長からお答えをしたわけでございまして、大蔵省との絡みもございまして、二、三ちょっと私が物を言ったこともございましたけれども、要するに意見を交換する機会を設ける条件がございまして、設ける、これまでけるわけにもいかぬだろうというのがこうなったところでございまして、それに尽きるわけでございます。
#118
○粟森喬君 終わります。
#119
○鶴岡洋君 それでは私の番なので、大臣に一番先にお聞きしたいんですが、午前中、大臣に質問がなかったので、午後は一番最初にちょっとお答え願いたいんですが、郵政省の不正、不当行為についてでございます。
 ここに資料がありますけれども、大臣もごらんになったかと思いますが、この資料は先日国会へ提出された会計検査院の平成四年度決算検査報告書の処分処置調書でございます。不正、不当行為による処分処置を受けた状況が各省庁別にここに載っております。これを見ますと、平成四年度は一千四百七十四人処分されております。そのうち郵政省は三百九人、大蔵、厚生省に続いて三番目、結果としては大変多くなっているわけです。
 しかも、その内容を見ますと、懲戒免職から停職、減給、戒告、ずっといって十一段階になって最後は降任と、こうなっております。郵政省の数字を見ると、懲戒免職、重い部分が非常に多くなっているわけです。最も重い懲戒免職が、裁判所を含めた十二機関のうち、郵政省が五十件中四十三件、停職が一件中一件、これは郵政省、減給は二十六件中十七件、それから戒告が五十一件中四十件、訓告が百二十三件中百十七件。これはどう見ても、やはりその数としては大変多い。非常に私残念に思うんです。この中でも、大蔵省の場合は処分前の退職者が百十三人もいますけれども、それはそれとして、今申しましたように郵政省の処分者が非常に多い。
 これはどうなっておるのか、こういうことですけれども、これは大臣が悪いと私言っていません。言っていませんけれども、今までももちろんございました、こういうことは。私も長いこと郵政関係の委員会に所属をしておりましたので承知していますけれども、ただ最近起きたものを見ると非常に意図的、計画的なような感じがするわけです。ということは、悪質といいますか、そんな感じがしてならない、逆にそういうふうに数が多くなっている、こういうことです。
 本当にそれが構造的なものなのかどうなのか、私もその辺はわからないんですけれども、そうかといって意図的、計画的ではないともまた言えるわけです。例えば、福祉手当の個人情報の利用ということで、先月ですか、富山市の中央郵便局で起きた問題ですけれども、ここの課長さんは、こういうふうにやったということは固定客がつくれるチャンスと考えた、通常の営業活動の範囲だと思って、プライバシー侵害については考えていなかった、とぼけているんだか何だか知らないけれども、こういうふうに言っているわけです。ということは、これは指導教育が悪かった、こういうことになってくるわけです。モラルの低下がどうかわかりませんけれども、この点について、この不正、不当行為について大臣は最高責任者としてどういうふうに考えておられるか。
#120
○国務大臣(大出俊君) ちょっと済みません。先に答えさせます。
#121
○政府委員(谷公士君) 今御指摘の富山の件につきまして事実関係を先にお答えさせていただきたいと存じます。
#122
○鶴岡洋君 それは後でやりますから、今は大臣の感想だけちょっと。
#123
○国務大臣(大出俊君) 私はこれ見まして、局長さん初め皆さんに、ちょうど今先生がおっしゃったと同じことを言ったんですよ、これ多過ぎるじゃないかと。職場を知らないわけじゃないんで、金銭扱っていますから、随分職場の時代に苦労した経験もあって、その上で皆さんにそういう話をしたんです。
 トータルで申し上げると三十万からの職員を抱えていて、確かに大変たくさんのところに事業所があってやっておいでになる、金銭を扱っている、だからこういう犯罪の発生しやすい職場環境にあることも否めがたいという意味のお話がありましたから、それはだめだ、否めないとか否めがたいとかなんというのはやめてくれという話にしまして、要するに、郵便局の赤い自転車に乗って郵便局の制服着て行きますと、それは貯金にしても保険にしても郵便にしても、町の方はそれでもう全面的に信用しているわけですからね。明治の初めごろから始めてきて今日まで長い歴史もあるんですから、そういう大変な信用、これ前提にして物を考えると、一件たりとあってはならないことである、私はそう思っている。
 だから、全体で見て三百九件、御指摘のように懲戒免職四十三、停職が一、減給十七、戒告四十、訓告百十七と、こうあるんです。何とかこれを減らす努力をしなければならない。それには何が一番ポイントかというと、職場でみんなを集めて話す機会がいろいろあるわけですから、指導要領的なことを常時話を進めてきているわけですから、最重点にこの問題を置いて、つまり三事業の信用をきちっと守っていくというふうに考えるのが筋だという話を皆さんに逆に私が申し上げたんで、同じことをここで申し上げているんですけれども、ぜひひとつそういうことでやる努力を、わずかな時間しか私おりませんけれども、一生懸命やりたい。
 もう一つある問題は、制度を考えないとできないですね。昔、私が郵便課や保険課というところにいたときに、保険は外務だけで六十何名かの課ですけれども、その中に十名、監視員という制度がありまして、保険をとってきて、ずっと現金計算をして出納簿へ入れて、責任者が一人残っておしまいにするんですけれども、その中の契約者と被保険者が違ったり、いろんなことがありますけれども、それには監視員の方が書いて通信事務ですぐ出せるのがありまして、出して、こういう契約は間違いなかったかと、一々そういうことをやる制度がありまして、今変わった形でやっているということなんですけれども、やっぱりそこらを制度的にどうすればこういうことが起こらないようにしていけるかということをもう一遍私は考えてみる必要がある、こう思っているんです。
 事務当局の皆さんもこういうことが起きないように一生懸命全力を挙げて努力してまいる、皆さんそう言っておりますので、ぜひひとつそういうことでやらせていただきたい。大変これは申しわけないことだと思いますけれども、以上、御答弁申し上げたいと思います。
#124
○鶴岡洋君 大臣の言われるように、数が多いからそういう事件が多少起こるのはしょうがないとかなんとか、これはそういうことでは私はないと思うんです。やっぱりこれは壊滅ですか、きちっとしなきゃいけないと。そこには制度的な問題があるということで、その点についてはきちっとする、こういうことでございますので、よろしくお願いを申し上げます。
 同じことになるかもしれませんけれども、そういうことで、先日提出された会計検査院の報告の処置処分状況ですけれども、これの数字が多いだけではないんじゃないかなということで、私ちょっと数字が違いますけれども、人事院の職員局のデータを調べてみました。そうすると、やはりここでも同じようなことが言えるわけです。
 例えば、六十二年のデータを見ますと、全省庁で一千二百三十件の処分数がありました。全職員に対する比率である在職者比は〇・一四です。すなわち一万人に対して処分された者が十四人、こういうことになるわけです。これを郵政省に当てはめるとどうなのかというと、この年の処分者数は郵政省は八百十。だから、在職者数の比率というんですか、それは〇・二六ということになる。片方は〇・一四、片方は〇・二六ですから、職員一万人に対して二十六人ということになりますから、約倍とは言いませんけれども、そういう数字が出てくる。
 この数字をまとめて申し上げますと、六十三年保には〇・一二、郵政省は〇・二七、平成元年〇・一二、郵政省は〇・二八、二年、三年、四年と、こうなってきて、平成五年のときは〇・一五、郵政省は〇・三五と二倍ちょっとになっているわけですね。大体〇・一五が水準ですけれども、二倍から三倍になっている。したがって、全省庁中の構成比も、昭和六十年以前は大体五〇%以下だったんですけれども、これもこの数字からいくと、六十一年が六九・二〇%、六十二年六六%、六十三年、平成元年、二年、三年、四年と、こう来て、平成五年には八四%、こうなっているわけです。
 こういう事態になった原因というのは、先ほど言ったようにいろいろ問題はあると思いますけれども、私よくわからないんですが、局長さん、携わっていて何が原因なのか、それから郵政省はこれをどういうふうに分析しているのか、その辺をもうちょっと詳しく教えていただけませんか。
#125
○説明員(寺西英機君) お答え申し上げます。
 昭和五十九年から平成五年までの郵政省の懲戒処分件数は、年間八百件から千件台で推移いたしております。その中で、平成五年は千七十一件と保多くなっているわけですけれども、今大臣からも御答弁いたしましたように、その中には犯罪的なものと、それから職場の服務規律違反みたいな面がございます。特に、郵政事業自体、郵便の送達あるいは貯金、保険等すべて国民の日常生活に欠かせないものでありますから、要するにそういうサービスの低下というのは許されないということで、遅刻とか欠勤等の職員の服務義務違反、そういうものに対しましても非常に厳正に対処しております。
 そういうことでございまして、この件数の中でも、ほかの省庁と違いまして一般服務関係が平成五年度でございますけれども四百二十五件、半数近くがそういうので出ているとか、あるいは交通事故の関係、これは外務員が多いものですから交通事故が多い面で、それで若干こちらの注意違反とするものの問題で処分することもございます。そういうものが百件を超えているとか、そういう面でも多くなっている面がございます。
 そういうことがありますので、省としましては、こうした郵政事業の特質等を考慮いたしまして、一方では明るい活力ある職場づくりに努力するとともに、職員の服務規律及び綱紀の厳正な保持ということを最も重要な課題として取り組んでいるところであります。
 今後とも、犯罪の防止に努めるとともに、職場の上司等による日常的な指導教育の実践や信賞必罰の徹底などにより職場規律を確保し、お客様から信頼されるサービスの提供に努めてまいりたいと考えております。
#126
○鶴岡洋君 監察局というのがございますけれども、監察局でそれをやったからこれはいけないぞとか、またこれは懲戒免職にするとか、それから訓告、戒告にするとか、こういうことだけではなくて、やっぱり先ほど言ったように現業が多いからとか、人数が多いからということは問題にならないわけですよ。やったことはやったんですから、よくないことですから。
 だから、なぜよくないことが出てくるのかということを、監察局でこれはだめなんだ、これはこういうふうに処罰しろ、こういうんじゃなくて、やはりならないようないわゆる事前の手は打たなきゃいけないんじゃないか、そういう研究と言うとおかしいけれども、なぜこうなるのかという、こういう機関というのはあるんですか。
 また、そういう分析をして、じゃ、こういうふうにしようというような局というんですか課というんですか、そういうのはつくりませんか。つくって状況を調べて、総点検して、さっき大臣が言ったように制度が悪いんだというところもある。だから、この制度はこういうふうにしなきゃいけない、こういう制度だからこういうふうに問題が出てくるんだということを研究する機関でもつくりませんか、どうですか。
#127
○説明員(寺西英機君) そういうことにつきましては、毎年担当部署で分析をきちんといたしておりまして、必要な指導をいろいろなところへおろしているということでございます。
 それで、制度的欠陥でやられるもの、それは貯金とか保険とか、そういうものにつきましては、仕組みとしてどういうチェックができるか、事務センターからいろいろな問い合わせのはがきを出すとか、そういう面でいろいろ対処できるところは対処していきたいというふうに考えております。
#128
○鶴岡洋君 その部署というのはどこですか。
#129
○説明員(寺西英機君) こういう処分関係につきましては、第一義的には官房の人事部で引き受けて分析いたしております。それから、犯罪関係になりますとこれは監察の方でやっているということであります。
#130
○鶴岡洋君 時間が来ましたので、最後に大臣にお伺いしたいんですけれども、一番最初に言いましたように、最近悪質というか意図的というか計画的というか、そういうような額も非常に多い犯罪が出てきているわけです。
 具体例として、本年六月の新聞報道で、名古屋、神戸などの特定郵便局が巨額の脱税事件に加担した疑いで国税の査察を受けたという非常にショッキングな事件もございました。それから、昨年の一月ですか、これは神戸だと思いますけれども、製靴会社の脱税に関連して神戸の衣掛郵便局が国税の査察を受けた。こういうのが何件か出てきております。内容はここで申し上げるまでもございませんので申し上げませんけれども、大臣も御存じだと思います。
 そこで、大臣にお伺いしますけれども、こういう一連の、いわゆる特定局に集中してきておりますけれども、特定局の局長さんというのはいわば地元の名士の方がほとんどです。地域の事業主や経営者とおつき合いも非常に多い。しかも、その背景には貯金獲得のいわゆるノルマ、この逆に報奨金ですか、その存在が重くのしかかっている、こういうふうになっているわけです。報奨金というのは郵貯の場合には〇・四五ですか、それにまだノルマがかかると。だから、私は、ノルマと報奨金というのは悪く解釈すればあめとむちと、こんなような感じもしないでもないわけです。職員の営業努力の顕彰はもちろん結構です。やはり、労働意欲を上げるためには当然やるべきことだと思いますけれども、こういう時代になって、この際、私は営業努力の顕彰というのは何か別の方法を考えられないものかと、やめろとは私は言いませんけれども考えられないかなと、こういうふうに今思っているわけです。
 金利も自由化され、民間もさまざまな経営努力を始めております。郵貯獲得も厳しくなって、残高も一時的に減るかもしれませんけれども、しかし国の機関として公平公正な運営に努め、国民の信頼を回復することが私は先決だと思うんです。先ほど言ったああいう事件が次々に起きてくるということは大変なことなんです。極端に言えば、郵便局は脱税の温床だなんて、このように悪口を言われかねませんので、このまま抜本策を講じなくていいのかどうなのかという疑問を持っております。
 こういう点で大臣のお考えをもう一回お聞かせ願って、質問を終わりたいと思います。
#131
○国務大臣(大出俊君) ごもっともな御質問をいただいているわけでございます。
 よく言われてきている問題、勧奨手当のようなもの、これは制度でそうしているわけでございますけれども、これも長い議論がございまして、国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法、給与の特例法と一般的に言っておりますけれども、ここで「職員が発揮した能率が考慮されるものでなければならない。」という、つまり職務の内容と責任に応ずるという形で原則としてこれは認められているわけでございます。それを郵政省が制度化をして、今お話がございましたように、勧奨手当の形で仕事を前に進めるということを含めた手当にして出しているということでございまして、これは私はぜひお認めをいただきたいというふうに思っているわけでございます。
 そこで、わずかな期間ではございますけれども、この期間にある意味では集中的に、五カ月おりますけれども、その最初のところに今御指摘のように幾つも出てまいりまして、いささか唖然としたというのが私の実感でございます。神戸の衣掛局の件もここにございます。それから、保険なんかでも契約者と被保険者が違う。私もさんざんとりましたけれども、これは何親等という、つまり家族の中であると対契約する立場は安心できるんですけれども、そこに関係ない人を被保険者にされますと、募集している当事者だって心配だなという気がするものなんですよ、本来。
 ですから、そこはやっぱり制度的にきちっとそういうのを、昔の監視員制度が職場に別な形でなっているならそこは検討して、こういうふうにしてオンラインシステムをとって機械化していますから、コンピューターの容量もあるかもしれませんけれども、事務センターなら事務センターできちっとチェックできて、そういう第三者が被保険者になっているような場合は確かめておかないと、ある意味の犯罪に利用されるということになる。そこらは細かい分析が私は必要だと思っております。
 そしてまた、今お話がございましたように、意図的に脱税の一つの方策に使われるなんということがあったらえらいことでございまして、ですからこれもやはりあった事件でございますから分析をして、今後そういうことの全くないような方法を考えなきゃいかぬ。
 特定局の制度それ自体、これは今までいろんな議論のあったところでございまして、局長の任命のあり方がそれでいいのかとか、収支対償の法とはいいながら、借り上げ局舎の形で局長さんのお持ちになっている局舎を使うことがいいのかとか、それよりむしろ互助会局舎にするべきであるとか、あるいは大都市の特定局は忙しいんだからそういうところは国営にすべきだとか、いろんな議論が今まで制度的にはあったところでございます。
 しかし、御指摘のように、これまた地方に参りますと特定局長さんの社会的な影響力というのは非常に大きなものがございまして、それが零細な預貯金を集めてくる原動力になっておったり、印紙その他が売れていく原動力になっておったりいたしております。そういう非常にいい面はきちっと位置づけながら、お話のようないろんな今起こってきている、幾つもありますから、ここらを真剣に、何でこういうことになるのか、どうしたらいいのかというのをひとつ勉強させていただこう、こう思っております。一生懸命やってまいりたいと思います。
#132
○鶴岡洋君 ありがとうございました。終わります。
#133
○田英夫君 大変時間が短いので、午前中の続きのようなことを、お尋ねというよりも私が一方的にしゃべることになるかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。
 私の主張は、もう二十年来、佐藤内閣のときに予算委員会で述べまして以来繰り返しておりますから、そのことを余り重ねて申し上げませんが、要するに現在の放送法、電波法のシステムの中で、いわゆる行政府、そしてそれと関連をする与党の力が放送に及ぶシステムになっているんじゃないか。つまり、電波法第四条で郵政大臣が放送局の免許権を持っている、十三条でその更新、再免許ということが決められている。
 このことは、アメリカのFCCのような、つまり電波は国民の共有物であるから、議会、アメリカの場合は議会の民主党、共和党から推薦をされたFCCの委員によって放送局の電波の割り当てを行っている。二千人になんなんとするスタッフを抱えてやっているわけですから、日本でいうと公正取引委員会のような、行政府、国会から独立したそういう機関で行っているというところに民主主義のもとにおけるアメリカの場合は非常に意味がある。日本の場合は、権力という言葉はいいかげんだということを朝も申し上げましたが、もっとはっきり言えば行政府と与党、こういう力の圧力によって放送が影響を受ける仕掛けになっているんじゃないか。
 最近のこの一年間のように与党が始終かわりますと、これはかえっていいことかもしれませんが、特定の与党が延々と政権を担っていると、そのひずみは、今の私の懸念は大きくなるわけでありますが、そういう状況をこのまま放置していいかどうか。特に、マルチメディア時代というものがもう目の前に迫ってくる中で、放送と通信の関係とか、さまざまな問題が出てくるときに、朝も申し上げたように、特にNHKが二重の縛りを受けているというような状態でいいのかどうかということを非常に懸念しているわけです。やるならば、放送法、電波法の改正というような形になるでしょうけれども、今のうちから仕組みを全面的に考え直さないと民主主義のもとにおける放送ということが守れないのではないか、憲法二十一条が守れないのではないかということを懸念するわけです。
 今のような制度だとどういうことが起こってくるのかということになるわけですが、これは話せば長くなりますけれども、例えば新聞の場合は、記事審査委員会とか記事審査室とかいうところで、しかも活字になって残っていますから自分の新聞の書いたものを検証することは容易であります。また、最近はテレビといえどもVTRが発達をいたしましたから、すべての番組が残っているということで検証できるので、番組審議会などは機能を発揮しようと思えば相当できるわけです。番組審議会というのは、その委員の皆さんは、まさか二十四時間とは言いませんけれども、その放送局に関するすべての番組を見ているというわけにはまいりませんから、ピックアップして自分の意思で見ておられる。その結果として、審議会があると、その場で声の大きい人が勝つようなことになりかねないという結果に実はなっております。
 したがって、放送局の自己検証システムを強化すればいいではないかということでは片づかない。同時に、この問題は、行政府が関与するということは最も排除すべきことですから放送局が自主的にやらなくちゃいけない。そういうことになると、民放の場合なんかは民放連というものがもっと役割を果たしていいんじゃないだろうか。あるいは放送界全体の中でNHKを含めて検証の機関をつくったらどうか。けさ、NHKにはNHK自身の検証機関はあるかどうか、ないというお答えでしたけれども、そういう問題が一つあります。
 残念ながら、民主主義先進国のアメリカの場合は、FCCという根本がまず違っているし、それから放送局の自己防衛といいましょうか、これは民主主義の世の中でも、力のある権力を握っている側は、はっきり言えば政府や与党は自分たちの気に入らない放送に対しては必ず圧力をかけるというのが自然の現象だと思っております。これをなくせというのは、むしろ無理だろうと思う。当然、そういう圧力が生じてきたときに、言論の自由の立場から放送局がどう対応するかという立場で当事者が考えるべきことではないか。行政府はそこに関与すべきではない、与党、国会も関与すべきではないということになれば、そういうことになると思います。
 アメリカの場合で言えば、小さな報道番組のやり方一つとっても日本と違った自己防衛のための配慮をしている、こういうことを申し上げたいのであります。
 つまり、例えばニュース番組、日本の場合ですと例に挙げてはあれですが、テレビ朝日のニュースステーション。今一番人気があると言われていますが、久米さんがいて小宮さんがいて朝日新聞の論説委員の和田さんがいるという三人のシステムになっていますが、一体だれがニュースキャスターで、だれがニュースコメンテーターかということの区別がわかりません。アメリカの場合ですと、どの局でも、三大ネットワークはもちろん、この番組のニュースキャスターはだれである、その番組のニュースコメンテーターはだれである、我が社のニュースコメンテーターはだれであるということを画然と、むしろ誇らかに世間に公表している。これは、局が任命をしたコメンテーターでありますから、局を代表して一つの政治問題についても意見を言う。内容はしばしば日本の新聞の社説に当たるくらいの明快な意見を述べるわけですが、それはコメンテーターという肩書で許されている。
 ちょうど私がやっていたころに、ベトナム戦争の北爆が再開をされたら、CBSテレビの著名なニュースキャスターであったウォルター・クロンカイトという人はとうとうとその事実だけを報道します。しかし、彼は絶対に意見を言わない。しかしそのときに、それじゃこれをどう考えたらいいか、我が社のニュースコメンテーターに聞いてみようと。エリック・サブライトという人が当時のコメンテーターですが、これは北爆反対、こういうことを放送局として明快に述べておりました。
 今、久米さんの例をとったわけですが、久米さんは時々ぱっと、小さな短い時間ですが、意見を言います。小宮さんはほとんど言いません。どうやらあの三人のスタイルの中では和田さんがコメンテーターであるべきようですが、余り明快というか、はっきりした意見を言われない。三人いながらその辺がはっきりしないというようなところに今の日本の放送局のこの問題に対する配慮のなさがあらわれているんじゃないだろうかなということを心配しております。
 どうやら時間が来てしまいましたけれども、かなり一方的にしゃべりましたが、私が申し上げたいのは、専門家である大出郵政大臣、また放送行政局長、そのことをいつも考えておられるわけですから、私の申し上げていることの意味を御理解いただきまして、これからの行政の中で反映をさせていただきたい、これはお願いであります。
 終わります。
#134
○委員長(山田健一君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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