くにさくロゴ
1994/11/02 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 農林水産委員会 第3号
姉妹サイト
 
1994/11/02 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 農林水産委員会 第3号

#1
第131回国会 農林水産委員会 第3号
平成六年十一月二日(水曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月一日
    辞任         補欠選任
     谷本  巍君     三上 隆雄君
     都築  譲君     吉田 之久君
 十一月二日
    辞任         補欠選任
     吉田 之久君     都築  譲君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         青木 幹雄君
    理 事
                大塚清次郎君
                佐藤 静雄君
                稲村 稔夫君
                菅野 久光君
                星川 保松君
    委 員
                井上 吉夫君
                北  修二君
                高木 正明君
                吉川 芳男君
                西岡瑠璃子君
                野別 隆俊君
                三上 隆雄君
                村沢  牧君
                井上 哲夫君
                都築  譲君
                刈田 貞子君
                矢原 秀男君
                林  紀子君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農林水産大臣  大河原太一郎君
   政府委員
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       農林水産省経済
       局長       東  久雄君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     日出 英輔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        秋本 達徳君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正す
 る法律案(第百二十九回国会内閣提出、第百三
 十一回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(青木幹雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、谷本巍君が委員を辞任され、その補欠として三上隆雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(青木幹雄君) 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○佐藤静雄君 審議の促進に協力する意味で、私は簡潔にお伺いいたします。御答弁も簡にして要を得たものをお願いしたいと思います。
 年金法改正について伺う前に、まず、先ごろ決定を見たウルグアイ・ラウンド対策について大臣のお考え方をお聞きしたいと思います。
 ガット農業合意の実施によりまして、我が国の農業・農村は大きな影響を受けることになります。この影響を最小限に食いとめ、我が国の農業・農村の将来を守るために、農水省にとどまらず、政府全体で施策をしてほしいという要望をいたしましたし、政府もそのように鮮明にしておったはずでございます。政府全体として、財政、金融、税制あるいは地方財政措置、あらゆる施策を省庁の壁を越えて実施していただかなきゃいかぬというふうに思っておるわけでございます。我々はそのようにたびたび申し入れもいたしたところでございます。
 十月二十五日、大綱を発表されたわけでございますが、その間、大臣の御心労、本当に御苦労さまでございます。私どもは高く評価をしておるわけでございますけれども、総合対策という観点から見てまいりますと、地方財政措置一兆二千億円、これがございましたけれども、農山村の活性化を図るための総合的施策、これは政府の対策の中にも、例えば農村に橋梁をつくってやろう、あるいはトンネルを通してやろう、あるいは公園や下水道のインフラも整備してやろうというふうに対策には出ておるわけでございます。あるいは生活環境の整備についても、医療、保健・福祉、これも農村に特別な施策を講じてあげようということを言っておるわけでございますが、その中の財源の裏づけあるいは省庁ごとの具体的な手法、それがはっきりしておりません。国民そして農民はその施策の実効性、果たして本当にやってくれるのかなということに不安を持っておるわけでございますから、この点について大臣の御見解を賜りたいと思います。
#5
○国務大臣(大河原太一郎君) お話しのとおり、緊急農業農村対策の大綱につきましては、今後六年間の事業として、農業関係部門には、もう委員よく御案内のとおりでございまして、効率的、安定的な経営を速やかに育成する、担い手を育成す。これに対して農地を集積す。さらには過去の負担である負債なり、あるいは土地改良負担金等を軽減するというような措置、さらには御案内のとおり、そのための基盤整備としての高生産性農業基盤あるいは中山間地帯においては地域条件にかなった土地条件の整備を行う。あるいは後継者の育成を確保するために農外から今日の二倍三倍の担い手を確保する等々それぞれの施策が行われており、農山村地域につきましても、御案内のとおり主産業である農林業を中心として各種の収入機会を増大するための施策、さらには生産基盤と生活基盤を一体となしました条件の整備ということで、農業関係につきましては一つ一つの事業を積み上げまして、総事業費六兆百億円ということでございます。
 なお、農山村対策等につきましては、各省挙げて総合的にその施策を実施するということでございまして、ただいま委員がお挙げになりましたような各種施策について行うということにしておりますが、いずれにいたしましてもこれらの関連、幅の広い地域対策につきましては、平成七年度予算以降それぞれ具体的な内容を持って行うということが内閣の緊急農業農村対策本部、そこで決定されておりますので、いずれ具体的な事業の中身なり考え方なり、あるいは事業規模等について明らかになるというふうに御理解を願いたいところでございます。
#6
○佐藤静雄君 次に、農林年金の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 この年金制度は、三十四年に農林漁業団体の職員、資質のすぐれた人材を確保するとともに、その福祉の向上に資するように厚生年金から分離して創設したものでございます。以来、今日まで公的年金制度の一つとして重要な役割を果たしてきたということは評価できるわけでございます。
 しかしながら、農林年金の置かれている環境を調べてみますると、構造的な問題が内在しておるのではないかというふうに考えるところでございます。
 その第一は、掛金を負担する組合員と年金の受給者とのバランスの問題でございます。
 例えば組合員の大半を占める農協関係について調べますと、その職員数は近年本当に微増か同じぐらいでございます。農協がその役割を十分に果たしていくためには、例えば今度の食管法の改正に見られるように、現在の系統三段階制を二段階制にしてできるだけ農民負担を切り下げていく、あるいは農協の合併を推進してこれも農民の負担を少なくするというふうなリストラの道は避けて通れないというふうに私は考えております。したがって、これからは農林年金の組合員数は増加する余地は全くない、むしろ減少していくというふうに見通せるわけでございます。
 一方、高齢化が進む中で年金受給者が増加することは言うまでもございません。現在でも厚生年金に比べて成熟度は農林年金の方が高いわけでございます。したがって、農林年金の組合員と年金受給者とのバランスが崩れていくのではないかという懸念がございます。
 第二には、国民負担率の問題でございます。
 これからの国民の負担ということを考えた場合には、税金を含めて社会保障の費用、そういうものを含めて物を考えないと、これは大きな間違いを起こすというふうに私は思うわけでございます。
 今、租税負担率が二六%、年金、健保等の社会保障負担率が一二%、合計三八%ということに国民負担率はなっておりまして、今のところ先進諸国に比べて余り遜色はないということでございますが、これから急速に高齢化が進展するわけでございます。したがって、これらの国民負担率は年金だけでなく税金、税金はどうかは知りませんが、税金はそのままにしておいても、今後非常に国民の負担は上昇せざるを得ない状況にございます。国民の負担率が五〇%を超しますと、御承知のように勤労意欲の低下が起こりまするし、経済の活性化、活力が減退する、日本国にとっても大きな問題になってくるわけでございます。
 平成二年四月の行革審の最終答申においても、二〇二〇年ごろの国民負担率は五〇%を下回るように政府は努力すべきであるという答申をしておるわけでございます。年金の保険料、掛金率についても国民負担率を見ながら検討していくことが必要であろうというふうに思うわけでございまして、そのような観点を持って検討されるのかどうか。
 それから、農林年金にとって申し上げますると、今再計算を実施していると聞いておりますが、平成元年の財政再計算では二〇二〇年に三二・九%、三〇%を超してしまうということになっておりまして、今回の改正でそれは少し緩和されるということになると思いますけれども、とにかく国民の負担、農協の職員の負担、組合員の負担、そういうものを考えていった場合に、先ほど言ったように国民負担率とパラレルに物を考えていく必要があるというふうに思っておるわけでございますが、今後制度の長期安定を図るためにはそのような考え方で進まなきゃならぬというふうに考えますが、いかがお考えがお聞きしたいと思います。
#7
○政府委員(東久雄君) ただいま御指摘の点、ごもっともな点ばかりでございます。この農林年金は、これは発足の経緯がございます。他の共済制度との兼ね合いというようなことを考えて、発足の経緯からしてもきちっとした形をとっていかなきゃならない。ただし、先ほど御指摘のような構造的な問題があるわけでございます。そういうことも勘案いたしまして今回の制度改正が行われまして、例えば六十歳代前半の年金の見直しでございますとか可処分所得のスライド制の導入というようなことをやりまして、そういう現役世代に過重な負担にならないような措置を今回の改正でお願いしているわけでございます。
 もう一つの点でございます掛金率の問題でございますが、確かに国民の公的負担の問題というのはございまして、先ほどの五〇%云々というお話も私たちとしてはもっともであろうと考えておるわけでございますが、農林年金全体の問題につきましては、今御指摘のとおり現在再計算の最中でございます。しかし、長期的な見通しのもとに立って、世代町の不公平や急激な負担の増加というものを避けながら制度の健全な運営を図るということを旨として検討してまいらなければならぬと思っております。
#8
○佐藤静雄君 次に、今回の改正で最も問題になります六十歳代前半の年金の見直し、私も六十三でありますからちょうどそのところに来るわけでございますが、これは国民の生活設計に大きな影響を及ぼす改正と言わざるを得ないわけでございます。したがって、まず六十歳代前半の年金の見直しについてどうしてそういうことをしたのか、基本的な考え方をお伺いしたい。
 さらにまた、この改正は六十歳代前半の雇用をどうするかということに密接にかかわってくるわけでございます。それを抜きにしてはこの点は考えられないわけでございますから、その雇用をどういうふうに考えていく、あるいはどのように確保していく、その点についてどのような措置を講じているのか、その点についてもお聞きをしたい。
 さらに、高齢者の雇用は、年金だけでそれを支えるわけにはいかないわけでございまして、団体みずからの努力あるいは政府の支援、そういうものが相まって雇用の確保ができると私は思うわけでございますが、農林漁業団体の定年の状況を見ますると、六十歳定年制を実施している団体は七割をちょっと超しておるわけでございますが、六十一歳以上の定年制となると、今わずか四%しか決まっておりません。したがって、給与比例部分のみとなる六十歳代前半の年金の見直しか平成十三年度から始まり、平成二十五年度に完成するということを考えれば、早急に農林漁業団体において高齢者の雇用の促進をするということを考えなきゃいかぬ。そのためには農林水産省の指導が非常に重要なかぎを握っているというふうに考えますが、いかがでございましょうか。
#9
○政府委員(東久雄君) 六十歳代前半の年金の見直しの基本的考え方ということでございますが、これは六十歳引退社会から少なくとも六十五歳までは現役で働けるようなということで、六十五歳現役社会へと切りかえていくという基本的な考え方に立ちまして、一つは御指摘のとおり雇用政策の問題がございますので、雇用政策においては高齢者雇用の促進を図るということをやりながら、年金制度のところでは雇用と年金の連携を図ってやっていくということで、平成十三年度から年金支給の年齢を一歳ずつ引き上げていくという形をとっていこうということでございます。
 そこで、まず六十歳代前半の雇用促進という面での年金側の対応といたしましては、在職中に支給される年金というものが今もございますけれども、在職中の年金について賃金の上昇に応じて年金と賃金の合計が順調な形で増加するような形をとるということを年金の中で考えております。
 この点につきましては、年金の調整を実施する月収につきまして、政府提案は二十万円ということだったわけでございますが、衆議院の方の修正で二十二万円という形で、そこから上のところは年金と賃金とを調整いたしますという形で徐々に膨らましていって、三十四万円までのところは年金と両方加給するような形をとっていく制度を入れております。これは年金の方の対応でございます。
 さらに高齢者の雇用の問題でございますが、平成十三年というのはそんなに先ではございません。そこで、さきの通常国会において高年齢者等の雇用の安定等に関する法律というのと、それから雇用保険法で高齢者の雇用に関する面での改善ということをお願いいたしまして、その点をやっていただいております。例えば六十歳を下回る定年の禁止条項が入ってまいりますし、それからまた職業生活設計の支援をやるというようなこと、それから高年齢雇用継続給付を平成七年の四月一日からやっていくというようなことというような総合的な対応をしていくということで、政府全体としてこの面を取り組んでまいりますので、農林水産省としても農林水産関係の団体につきましてそのような方向をとっていくつもりでございます。
 さらに農林漁業の団体におきましても、一つは高齢者を中心に人材センターを各県でつくっておりまして、特に農協の場合には一つの集団というものがそんなに大きくないものですから、他の面での、例えば関連会社等への就職のあっせんとかそういうような形で、人材センターという形で他の職業へのあっせんということも努めていくという方向をとっております。
 我々といたしましても、御指摘のとお旦馬齢者の雇用ということ、これは定年は定年でいいんですが、定年後も働けるというような方向での改善ということも必要だと考えておりますので、そちらの方へ力を入れていきたいというふうに考えております。
#10
○佐藤静雄君 今回の改正でいろんな前向きの努力をしていることは認めていきたいと思います。しかしながら、将来的に年金財政がますます厳しくなっていくことも事実でございます。この問題に対して農林年金みずから、例えば運用利回りの向上など自助努力が当然必要だというふうに考えます。
 そのようなぎりぎりの努力をしても、将来的には基礎年金に対する国庫負担を増額することも考えないといけないんではないかというふうに私は考えるものでございます。衆議院でも議論がございましたが、大変難しい問題ではございますが、この点について大臣の所見とこれからのお考え、それをお示しいただきたいと思います。
#11
○国務大臣(大河原太一郎君) 委員御案内のとおり、先般の当法案の衆議院通過の際に衆議院の厚生委員会におきまして附則がつけられました。御案内のとおりでございますが、次期財政再計算期を目途として、「年金事業の財政の将来の見通し、国民負担の推移、基礎年金の給付水準、費用負担の在り方等を勘案し、財源を確保しつつ、基礎年金の国庫負担の割合を引き上げることについて総合的に検討を加え、その結果に基づいて、必要な措置を講ずる」という附則が定められたところでございまして、したがって当年金を含めまして年金制度全体、国庫負担の問題につきましては、今後こうした年金制度のあり方なり財源確保の問題など総合的な広い視野から結論を出すべきものである、そういうふうに考えております。
#12
○佐藤静雄君 終わります。
#13
○稲村稔夫君 大変御苦労さまでございます。
 私は、きょう審議をいたします農林漁業年金法案についての質問をいたしますが、ちょうど今の佐藤委員とは順番が逆になるかもしれませんで、今最大の関心事でありますガット・ウルグアイ・ラウンド関連では、最後の方で大臣の御所見を伺うというような形をとらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 そこで最初に、本年金につきましては、今も佐藤委員からも御指摘がありましたように、農林漁業団体で仕事をしている職員が全体に例えば市町村職員並みのいろいろな対応ができるようにということなどが念頭に置かれながら当初出発をしたという経緯です。そこで、やはり気になりますのは市町村職員との対比で、一体どの程度農林漁業団体の職員の皆さんの水準というのが詰まってきているのか、開いているのか。まず、その辺のところのおよそのことで結構でありますから、御答弁をいただければと思います。
#14
○政府委員(東久雄君) この農林年金の発足は先生御指摘のとおりでございまして、三十四年度からそういう形で厚生年金から分離したわけでございます。
 そこで現在の状況でございますが、これまでの間数次にわたって年金法の改正をやってまいりまして、今では制度的には地方公務員の共済とほぼ同一になっております。他の共済制度というものと比べましても遜色はない形になっております。
 ただ、農協の職員につきましては、標準給与の平均額が他の制度のものと比較いたしまして低いという問題がございます。それからもう一つは平均加入期間も短いということがございまして、給付の水準という形で比べますと、退職年金受給権者の平均年金月額が十五万八千円ということになっておりまして、被用者年金各制度の中では、厚生年金よりは高いのでございますけれども、地方共済は二十一万七千円ということで、やはり大分高い状態でございます。制度的には同じでございますが、そういう状況がございまして、今のところはまだ地方公務員共済よりも支払い額については低くなっております。
#15
○稲村稔夫君 問題は今お答えをいただいた中ではっきりしてきていると思うんですが、制度的には遜色はないものになっている。つまり、建物に例えれば入れ物の方を、建物はそれこそ同じような建物ができている、しかしその中身の方がこれがまだなかなか追いついていないという問題だと思うんです。年金制度だけでは解決できる問題ではないということになりますが、農林水産省は年金だけをあれしているわけではないわけであります。まさに農林漁業団体の職員の処遇の向上というためにいろいろな形で各方面の努力をしていただかなければならない、そういう立場にあると思うんです。
 そういう中でいったときに、農林漁業団体の年金というものについてどのような特徴があるのかということを、私は、制度的にばかりではなくて実体について明確にしていただきながら、今後の対応を考えていただかなければならないんじゃないかと。問題は実体なんですから、幾ら形ができても。ということでありますから、その辺のところは今後の要望として申し上げておきたいというふうに思います。
 次に、先ほども財政再計算の問題がございました。今再計算の最中である、積み上げている最中ですからということで何も公式には言えないということかもしれませんけれども、しかし、これは年金財政とのかかわりなどもあって、今後の課題としては非常に大きな問題だと思うんです。だから、その再計算そのものがしっかりとでき上がった結果のときに御報告をいただいて、また私たちにも審議の機会を与えていただかなきゃならぬというふうに思いますが、同時に、およそ再計算の時期に見当としまして、どんな状況になりそうだという程度のこと、これは出てきませんか。そうしないと、なかなかこれからの問題を議論するにしても何だかわかりづらいということになるんですが、いかがでしょうか。
#16
○政府委員(東久雄君) なかなか、今計算中ということなんでございますが、基礎データは厚生年金等と同じような基礎データを使いながらやっていくわけでございます。
 前の平成元年の見直しのときに、二〇二〇年に掛金率は三二・九という計算が農林年金についてはできております。それから厚生年金の方は、前の平成元年のときには二〇二〇年に三一・五という計算になっておりました。そこで、最近ちょっと計算されているので、厚生年金の方が現行制度のままやっておったとすれば、五年ごとでずれますが、二〇二五年の計算では三四・八になったはずでございます。それが今回の改正で二九・六になっているという状態でございまして、この辺が二〇二五年のときに出てくる一つの数字の参考になろうかと思います。いずれにしましても、現行の制度よりは今回こうして制度を改正していただくことによって相当程度掛金率が下がってくるというふうに考えております。
#17
○稲村稔夫君 私はちょっと不思議に聞いたんですけれども、厚生年金ですと対象職種だとか企業だとかいろんなところ、相当いろいろな種類のものがまじっているもの、要するに推計計算をするにはかなり複雑ないろいろな要素が必要だということになるんですけれども、それに比べれば少しはシンプルなのかなと。それから人数も規模も小さいということになったら、厚生年金の方がある程度している、恐らくまだこれは全体のつかんだ感じの程度のことなんでありましょうけれども、厚生年金の方でそれがあるのに農林年金の方はまだわからない、それを参考にしてくださいというような話はちょっと奇妙だなというふうに受け取れるんですけれども、そのことはいいことにしましょう。
 いずれにしても再計算の結果というものは、これはまたきちっと明らかにしていただくわけでありますから、していただかなきゃならないわけでありますから、そのときに議論させていただくことにしましょう。
 次に、農林年金制度に関する懇談会、これは私的諮問機関なんでしょうか、農水大臣の。そういうことでつくられて、そこが取りまとめを出しておられたります。まず、その懇談会の性格というのはどういうものなんでしょうか。性格というのは、大臣の私的諮問機関という性格はわかりましたが――性格という言葉は間違えました。ちょっと変えましょう。どういう意図でこういう機関をつくられたのか。
#18
○政府委員(東久雄君) 先ほどちょっと触れられました厚生年金の方の計算ができてきているというのは、厚生年金の方は平成六年度が財政再計算のときでございましたのでこれが出ておりまして、ただ農林年金の方は平成七年度でございますので、まだ計算が出ていないということで参考に申し上げたわけでございます。
 それから、今の農林年金制度に関する懇談会でございます。これは御指摘のとおり農林水産省として設けたわけでございますが、年金受給者、組合員、事業主、それから保険者、学識経験者というものを構成員にいたしまして、年金制度が今後どういうふうな方向に、特に農林年金という、年金制度全体については懇談会とか閣僚協議会とかございますけれども、農林年金をどういうふうに将来持っていくべきであろうかということで検討をいただいたわけでございます。平成五年の十一月に取りまとめを出していただいております。そういう性格の懇談会でございます。
#19
○稲村稔夫君 今ここで名簿もちょっと見させていただいているんですが、例えば農協、全中の常務であるとか、農業会議所の調査役であるとかという方々、あるいは共済組合の理事長であるとか、あるいは受給者連盟会長とかという方々、それに大学の教授であるとかというような皆さんが入っておられるということなんであります。しかし、私これを見ておりまして、受給者の方は、なるほど確かに受給者連盟の会長が入っておられるんですが、現役の方の、具体的に掛金を納める個人のといいましょうか、それは農協なりその他の農業団体でどういう組織があるか私はよくわからないところがありますが、例えの例でいけば労働組合もあるでしょうし、そのほかの組織ということもあろうかと思います。そういう立場の方が入っていないわけです。
 支払いといったら、賃金を支払う立場の方は入っておられるということになりますよね。全中の常務理事だとか会議所の調査役とかという形で入っておられるということになりますが、この辺、私はなぜ現役のそういう人たちの代表というのを中に入れていないのか、これがちょっと疑問なんでありますけれども、その辺の理由をちょっと。
#20
○政府委員(東久雄君) この一覧表、先生のお手元に行っているのがちょっと不十分だと思うんでございます。これは役職で書いておりますので大変誤解を生んだと思うんですが、二番目の稲垣さんという方が全国農業会議所調査役となっております。調査役というのは役員ではございません。この方が職員なわけでございまして、この方がそういう代表として入っておられるわけでございます。ほかは皆さん理事さんとか団体の理事長さんというようなことが主でございまして、その点配慮をしてその関係者にお一人入っていただいております。
 ただ残念ながら、ちょっと私の方の委員名簿が調査役と書いてあるものですから、なかなかおわかりにくかった点があったと思います。
#21
○稲村稔夫君 それはわかりました。
 しかし、それにいたしましても、例えば利害関係と言うと言葉は非常にどぎつくなるんですけれども、受給者とかあるいはその掛金を納めておられる組合員の方、そういう立場の人たちの意見というのがやっぱりかなり重要な意味を持つと思うんです。ということで言っていきますと、代表がお一人入っていればそれでいいということには私はならないと思います。もっとその辺は意見がいろいろと反映できるような構成をお考えになってしかるべきだったのではないかというふうに思います。
 これはもう懇談会は取りまとめを出してしまった役なんですから、そのことについては私が今意見を申し上げて、これからもしまたおつくりになるということであれば、そういうことを十分に配慮しておつくりになるべきだと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
#22
○政府委員(東久雄君) 実はこの委員の構成は十名ということでございまして、そういう意味で非常に限られた人数になっていたと思います。
 先生御指摘の点、またこれは多数決でやるというような会議ではございませんですので、そういう意味でこのお一人ないしはもうお一方は農林年金の理事を務めて、この農林年金の理事の中にも支払い者が一人入っておられまして、その方も一人は入っておられるんですけれども、今後ともそういう意見は十分反映されるような、こういう形でやる場合には十分な意見が反映されるような形をとっていく必要があると考えております。
#23
○稲村稔夫君 このときの十名ということの話はわかりましたから、問題は、何人がいいのかとかあるいはどういう人たちを入れるのかというのは、また新たなものをつくるときには検討されなきゃならない問題だと思いますけれども、今、今後その辺のところを配慮もにおわせた御返答をいただきました。実際に受給をされる方、そしてその掛金を納める方の声というのがこれがやっぱり一番大事なんだと思いますから、ぜひその辺のところを配慮いただきたいというふうに思います。
 次に、公的年金制度の一元化ということで今いろいろと進められているわけでありますが、この公的年金制度の一元化というのが、先ほどの話ではありませんけれども、制度的には一元化をされて、制度的にはみんな同じになりました。同じでありますということになったとしても、支給をされる年金額がこれが格差があったのでは、やっぱりなかなか仏つくって魂入れずのたぐいになっていくのではないかというふうに思います。
 そこで、今後もその公的年金制度の一元化について政府の方は精力的に進めるという形で取りまれるんだと思いますけれども、特に農林漁業団体について、私は他の業種とちょっと違うところというのは、同じようなところもあるかもしれませんが、例えば農協さんが非常に多い、そして国家公務員並みの賃金をいただけているような団体も中にはある。そうすると、その構成員全体の数からいけば、平均で考えれば平均水準というのがこの程度であるとすると、わずかでもその高い部分が加わっていると平均水準は高くなって出てきます。というようなことになりますから、その全体の判断のときにはややもするとその辺が見誤りがちになる可能性も持っているので、なおさら気になるわけであります。
 今の水準でいけば決して農林漁業団体の職員というのは高い水準ではない、むしろ低い水準の方に入る、この賃金水準ということを考えてみますとね。ということは、これはみんな年金額にはね返ってくるわけです。そういうことを含めて考えていきますと、一元化というのもそのままずっといったのでは意味が余りないんじゃないかと思うんです。そうすると、一元化を目指していくというのであれば、そこの格差を少し埋めるための努力がいろいろとされなきやならないだろうというふうに思うのでありますけれども、その辺のところを、これは政策的な課題になってくると思いますので、大臣は一元化に向けてどういうふうにお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
#24
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 一元化については、公式的に申し上げますと、産業構造なり就業構造の変化に即応して年金財政を構築す。各制度間の負担の不均衡を是正、不公平を是正す。年金制度全体の長期的な安定と整合性のある発展というようなことでやはり一元化はどうしても必要だろうと思うわけでございます。
 ただし、その場合にはそれぞれの年金がそれぞれ固有の問題を抱えております。我が農林年金におきましても、御案内のとおり、分立の際にも市町村職員との均衡というようなことで職域年金が取り上げられたということもございますので、今後におきましても一元化についてはその辺等を十分考慮しながら、一元化の方式についてまだこういう方式ということは決まっておりません。ただいま議論中でございますので、御所論等を踏んまえて取り扱っていきたい、さように考えております。
#25
○稲村稔夫君 ぜひ、固有の問題点、いわゆる問題点と思われるところはできるだけ解消ができるように、そしてまさに一元化というのは本当に名実ともに一元化の意味があったなというようなところへいきますように御努力を、今のお答えでいただいたわけでございますが、御努力をぜひお願いしたいと思います。
 そこで、時間の関係もありますので、きょう私はもうそれこそ聞きたいことを全部みんな途中でやめては次へ移って恐縮でありますけれども、実はこういう審議をやりますたびに、最後に本委員会の総意ということで附帯決議がついたということになるわけです。前回の平成元年十二月の本委員会で八項目ばかりの附帯決議がついております。どのように附帯決議について農水省がお取り組みになったか、その辺のところをお答えいただきたいと思うんです、八項目全部というと時間がなくなりますので、通告をしておったものをまた一つ落としまして、時間の関係もあって落としまして、三つだけちょっと簡単にお答えいただきたいと思います。
 一つは、団体職員の人材確保への留意ということが言われているわけでございます。人材確保への留意というのは、具体的にどういうことを農水省はやられましたでしょうか。
 二番目は、国庫補助の確保と所要財源の確保ということであります。
 三番目は、定年延長や高齢者雇用の推進等雇用環境の整備ということであります。
 それぞれどのような具体的な対応をされたか、お答えいただきたいと思います。
#26
○政府委員(東久雄君) まず、農林漁業団体職員の人材確保への留意という点でございますが、これは先生先ほど御指摘のように、昭和三十四年に制度が発足したということで、これは地方公務員との関係、特に地方公務員共済との関係があったわけでございますが、現在までのところ、その辺は地方公務員共済と同様な形で制度等の改正をお願いしております。この点で十分人材確保という目的が達せられるように、むしろこちらが不利にならないようにということを心がけております。
 それから、第二番目の財源の確保の問題でございますが、国庫補助額でございますが、これにつきましては平成六年度もこの必要額を全部計上しておりますし、これまでのところ、この平成元年度の附帯決議を受けまして毎年きちっとした財政措置を講じております。また、今後もこの財政措置については、この制度が健全に維持されるような方向で十分確保してまいる所存でございます。
 それから、第三番目の点でございます定年延長や高齢者雇用の問題でございます。
 これは、今回の六十歳代の前半の年金の見直しに当たっては、こういう高齢者の安定した雇用機会の確保の促進というようなことを心がけて、六十五歳まで働くことができるようなことをやらなければならぬということでございます。
 そこで、今までのところ農協の方でも定年延長が順調に延びてきております。七割近くの者が六十歳定年というところまで来ております。そういう六十歳定年というような形での定年延長が延びてきておりますとともに、六十を超えてからも再雇用というようなことも含めて高齢者雇用を図っていくということで、さきの通常国会で高年齢者等の雇用の安定等に関する法律と、それから雇用保険法というようなものを改正していただきまして、それらについての手段を持ったわけでございますし、また農林漁業団体におきましても人材センターを設けて、いわゆる関連会社等への人材派遣というような形で定年後の方々といいますか、六十歳を超えた方々の雇用に努力しておるということでございます。
 以上でございます。
#27
○稲村稔夫君 それぞれ今お答えいただいたんですけれども、少しまだ抽象的過ぎるところがあるんですが、時間の関係があって余り伺えないのは残念であります。
 ただ、私の方で、例えば定年延長は六十歳になっているということがふえてきているといっても、肩たたきが早く起こっていれば、これはまた別にもう一つ新たな問題が出てくるということになるわけです。その肩たたきがどの程度行われているかという実態などを資料として要望いたしましたが、具体的にはこれはなかなか掌握はできない、こういうお話であります。なかなか面倒なことはわかっておる。しかし同時に、この資格喪失者数でずっと見ていく限りにおいては、やっぱり全体に高齢化が進んできているということは事実でありますし、その高齢化が進んでいく中で、まさに肩たたきがいつ行われるかというのは、これはまた非常に大きな課題でもある。その辺のところは難しいけれども、ある程度掌握をしながら対応をしていただかなければならない課題だというふうに思うんですよね。
 特に、六十歳から六十五歳まで、今度は六十五歳にならないと支給が最終的にはできないということになりますからね。そうすると、六十歳と六十五歳の間のまさに生活の問題がかかってくるという、そういうものでもありますだけに、その辺のところはかなりシビアに考えていかなければならない課題だと思うわけでありまして、この点は私は意見として申し上げておきたいと思います。
 もう時間がなくなりましたから、最後に大臣に伺いたいと思います。
 こういう農業者団体年金法の審議をしてみましても、例えば農協の労働者の賃金の水準というのがやっぱり問題になるわけでありますが、農協の労働者というのは、これはまた農業の発展がなければなかなか待遇改善も面倒ということになります。そうすると、このWTOの批准問題、対策問題、これと絡んでくるということになるわけであります。
 私は、この間もいろいろと大臣の御努力されたことはそれなりの評価はいたしますけれども、しかし、これで本当にWTO対策というので十分に国内対策が展開できるんだろうかなという大きな疑問は残ったままなのであります。これは、国家財政のもっともっと集中的な投資ということもやられなければならない課題なんだというふうに私は思っておりまして、極めて不十分だと思って、大臣の努力をされたということと、全体ではまだ不十分だということ、これまた別にした形の議論をしておりますけれども、本当にこれからが大変なんだというふうに思います。
 そこで、本当に今度の国内対策で農林漁業の活性化ができるだろうか、その辺のところも含めまして大臣からお聞きをしたいと思います。
 ただ、そのことを伺うことの中にはもう一つあります。今、我々は後継者対策ということを随分いろいろと重視をしてやっております。確かに後継者対策は大事なんです。同時に、後継者もない、高齢化したままで対応しなければならないという農業の実態もあるわけです。このことも含めてWTO体制を受け入れたということに対する国内対策、これでいいんだろうかということがあるんですけれども、大臣いかがでしょうか。
#28
○国務大臣(大河原太一郎君) WTOの農業関連対策に伴う農業への厳しい影響なり、あるいはこれを契機としてさらに二十一世紀に向けての我が国の農業・農村の自立というようなことで、その必要な対策としてこのたびの政策大綱を取りまとめたわけでございます。私どもとしては、着実な総合的な、また的確なこの施策の実施によりまして我々の目標に近づくものというふうに確信をしておるところでございますが、この施策を強力に推進する傍ら、農業をめぐる諸情勢は今後もいろんな変転も予想されますので、さらにそれに応じた施策を抜かりなく対応いたしまして所期の目的を達成いたしたい、さように思っておるところでございます。
 なお、ただいま第二段のお尋ねでございますが、高齢者の問題についてのお尋ねでございますが、御案内のとおり我が国の農業・農村は国全体に比べて二十年以上早く高齢化が進んでおるという事態でございまして、この高齢者の方々に対してどういうことで配慮していかなければならないかという問題があるわけでございますが、農業・農村においては高齢者の方々の経験や知識等が生きる部分も相当ある、環境もいいというような問題も考えておりまして、高齢者対策について具体的な施策を、ただいまもある程度は各般の面で進めておりますけれども、積極的な対応をしてまいりたい、さように思っておりまして、このたびの大綱においても婦人対策と高齢者対策を今後の重点の一つとして取り上げて進みたい、さように考えておるところでございます。
#29
○都築譲君 私は、新緑風会を代表いたしまして、今回の改正法案について幾つか政府のお考えを聞きたい、こういうふうに思っております。
 申し上げるまでもありませんけれども、日本の経済社会を取り巻く環境は大きく変化をしておりまして、産業構造とかあるいは貿易構造、就業構造、そしてわけても高齢化の進展というふうな大きな変化があるわけでございます。そんな中で活力ある経済社会を維持発展させていくためには、やはり活力ある農林漁業といったものを維持発展させていく必要がある、それをまた支える農林漁業団体の役割というのもますます重要になってくるだろうと思うわけです。ですから、そこで働く職員の処遇の問題、これは非常に重要な問題だろう、こういうふうに思っているわけでございます。
 そんな観点から三つばかり、一つは今回の改正法案について農林団体の特別の事情と申しますか特徴、そういったものを踏まえた改正法案になっているのか、それから二点目がボーナスに対する特別掛金の問題、三点目が年金の一元化の問題、大きく分けて三つの点について政府のお考えを聞きたい、こういうふうに思っております。
 まず最初の点でございますが、一つはこれから年金の支給開始年齢を六十五歳まで引き上げていくということでございますが、その観点で六十歳から六十五歳までの間に別個の給付を設けてその間の生活の安定を図っていくという趣旨だろうと思います。
 この関係で実は私がお尋ねしたいのは、農林漁業団体の雇用構造の状況でございますけれども、今までいろいろお話がございました。私がいただいた資料で、平成五年三月末現在で年齢階層別の農林年金の組合員数を拝見いたしますと、例えば男子の場合は二十から二十九歳層が五万六千、三十から三十九歳層が九万七千、四十から四十九歳層が九万一千。ところが五十から五十九になると五万六千と激減をしていく。それから六十歳以上になると約一万というふうな状況になってくるわけでございまして、定年延長にお取り組みになっているとか、あるいは再雇用とか人材センターで就職活動を行う、こういうふうな状況があるわけでございますけれども、実際には、私これはよくわからないんですけれども、農協の職員の方たちというのは実は自営の農業を兼務されている。私は以前地方に勤務したことがございますけれども、やはり市町村の職員とか、あるいは国の機関でも地方の出先機関の職員は結構自営で農業をやっておるんです。ただ、そこのところは両親とかあるいは奥さんに任せるとか、そんな形があるんじゃないかなと思うわけです。
 実際に兼業農家の農協団体の職員、こういった人たちはどの程度いるのか。それから定年延長なり再雇用制度、あるいは雇用終了後の他企業への再就職の状況、退職後の就業実態、こんなものについて資料がありましたらちょっと教えていただきたい、こういうふうに思っています。
#30
○政府委員(東久雄君) まず最初に、農林漁業団体職員、漁業も含めてでございますが、そのうちの農林漁業の収入というものがある方が三八%という数字が平成五年三月に出ております。約四割近くが何らかの形で農林漁業の収入があるということで、今おっしゃった兼業をやっている部分があると思います。
 それから、他産業への再就職というのは、これは調査がございませんので、申しわけございませんがちょっとわかりかねる点がございます。
 なお、農林漁業団体の定年が今平均では男子で五十九・四歳になっておりまして、六十歳以上の定年年齢となっているのが七一%ございまして、そこから今度は再雇用という問題があるわけでございますが、それの延長制度、勤務の延長制度を設けているのが、実はこれがちょっと低くて二二・四、これは他の産業では七割ぐらいがそういうことを設けておられるらしいんですが、ちょっと農業の方ではおくれているという点がございます。これはある程度団体が個別になっておりますので、例えば県の経済連というところではまた子会社がございまして、そちらへ移られたりすることがあるから、先ほどの人材センターという形でそちらへの派遣ということになっている面があるのでございますが、そういうのが全体の雇用の状況でございます。
#31
○都築譲君 それから、もう一つお聞きしたいのは、今回の農林年金制度の改正の基本的な視点が、一つは高齢化を踏まえて他の年金制度とあわせて雇用促進的な制度にするというふうな点がポイントだろうと思うわけですが、実際にその農林団体職員の皆さんの就業意識と申しますか、あるいは退職後実際に自分でどういうふうに働きたいと思っておられるのか、本当はもういいんだと、こう思っておられるのか、そこら辺の何か調査をされたようなことはございます。
#32
○政府委員(東久雄君) これな農林年金の方の調査でございますが、平成五年に組合員、まだ退職前の方でございます、これに調査をかけたのがございまして、男子の中で自分は五十五歳から五十九歳の間でもう仕事を引きたいとおっしゃっている方が約四分の一ございます。それから、それ以上、六十歳以上も働きたいというのが約三分の二ございまして、勤労意欲は、六十歳を超えても働きたいという組合員の意欲は強いようでございます。
 そのほかもう一つの調査で年金受給者に対する調査がございます。年金受給者の方はもっと働きたいという希望が強うございまして、フルタイムの現役ならということで六十五歳くらいまでないしは七十歳ぐらいまでという方まで含めますと、もう七割ぐらいの方がそうしたいとおっしゃっております。それからパートタイムでもやっぱり七割ぐらい、パートタイムの方が七十歳くらいまで働きたいという方が多うございまして、フルタイムだったら六十五歳ぐらいまでがいいかなという希望が多うございます。そういう意向の調査が出ております。
#33
○都築譲君 細かい話を聞いて恐縮ですが、働きたいというのは雇用の場で働きたいとおっしゃっているのか、それとも自営業という形で働きたいと、こういうことで言われているのか、その辺はいかがでしょうか。
#34
○政府委員(東久雄君) 自営業という場合は、農林漁業の場合は主として農業でしょうから、これは何歳まで働きたいというのは余りおっしゃらないので、調査は何歳まで収入のある仕事をしたいかという調査をしておりますので、恐らく農林業以外ということじゃないかと思います。
#35
○都築譲君 今お話を伺って、やはり日本の勤労者というのは本当に勤勉でございまして、自営の方も含めて、農業の方も全部含めてでございますけれども、年をとっても自分でしっかりと働いて自立していくんだという気概に満ちあふれている、そういったのが今日の日本の経済的な繁栄を支えてきたのだろう、こういうふうに思っておるわけでございます。
 そのことと、今回の改正によりまして雇用促進的な制度にする必要があるかということで、実はこれは世代間の負担の公平の問題にもつながるのじゃないか。本来だったら活力ある社会をつくるためには雇用の場で働くもよし、自営で働くもよし、農業で働くもよし、漁業に就労するもよし、いずれにしても積極的な経済活動にみずから参加をしていけば活力は維持されるわけでございますから、そういった人たちがいるのにもかかわらず、何も先ほどの別個の給付のような形で特別に設けて特別なまた配慮をやっていかなくてもちゃんと自立して六十歳代前半を乗り切ることが、特に農業とか漁業とか、そういった場合にはあり得るのではないのかなと。逆に言えば、別個の給付を支払うために若い層に過重な負担をかけることになるのじゃないか、こういうような気がするんですが、その点についてはいかがでございましょうか。
#36
○政府委員(東久雄君) 実は他の職で収入を得た場合の調整というのがございまして、最高のところで月収三十四万円というごとになります。その間については、もちろん二十万円以上のところは調整をするという形をとっておりまして、他でフルに働けるということで、しかも収入が相当程度ある、それは自分の現在の収入と比較して相当なものであるということであればそういう形になるんだろうと思います。
 ただ、農業の場合は、六十歳近くになって引退してまたおやりになるというときには、それは恐らくしっかりした農業が別途やられておって〔自分のところの中だけでおやりになる。要するに兼業収入というのは非常に少ない部分でございますから、そういう意味では先ほどの三十四万円を超えるような収入にはなかなかならないというふうに考えます。
 したがいまして、今のこの調整のやり方ということでやっていくのが適切な方法ではないかというふうに考えております。
#37
○都築譲君 第二点目は、ボーナスから特別掛金を徴収するという形になっておるわけでございます。これについては、これは年金制度全般の話でございまして、農林年金は一部の分野を占めるわけでございますけれども、従来であれば標準給与にあるいは標準報酬に見合った年金額を支給する、こういうふうな形になっておるわけですが、だからこそ三カ月を超えて支給されるような賞与などは対象となっていない。
 なぜかと言えば、恒常所得仮説とかアメリカの経済学者などが言っておりましたけれども、基本的な消費傾向というのは通常の所得に比例していくから、それに見合った年金額を確保すれば生活は安定できるということで、標準報酬月額のような月額報酬にリンクさせていたんだろうと思いますが、今回徴収する部分だけを賞与まで及ぼせるということは、何か従来の発想を転換するようなものではないか。むしろそれであれば総報酬、総所得に見合った年金額を保障するような形にしないといけないのではないか、こういうふうに思うんですが、いかがでしょう。
#38
○政府委員(東久雄君) 今御指摘のとおり、農林年金は他の年金、共済制度と整合がとれたものでないと、今後一元化云々という問題もございますのでいけないので、今の御指摘の点は年金制度全体の中で検討されるべきことだと思います。
 ただ、そういう意味でちょっと農水省としてといいますか私としての感触で申し上げますと、今回のものはそもそも月収にかかる掛金を抑えるというためにボーナスの部分へその一定部分を持っていくということが一つと、それからやはり今のやつでやっていきますと月収のところにかかるものですから、月収の方へ払わないでボーナスの方へ持っていってしまうという雇用者がいるということでございまして、ある程度ボーナスにも負担をしていただくという方がそういうものを抑制するという意味でいいのではないかということ。
 それで、特に、次に支給のところでございますが、総報酬という形でやりますとボーナスが非常に振れると思います。しかも、ボーナスをもらっている人ともらってない人にはえらい格差が出てくるという問題も生じます。したがいまして、ボーナスを入れることがいいのかどうかというのはそこで大きな問題でございますし、またボーナスの記録をどうするかという事務的なものも大変でございます。
 それからもう一つは、やはり今お話しのとおり一定の月収で生活するというのが基本の問題でございますので、そちらでやっていくべきだと思いますし、また現役とのバランス上過剰なものになる可能性もボーナスが非常に大きい人にはそういう可能性も出てまいりますので、それらのことは問題ではないかと思います。
 いずれにしましても、これはちょっと農林年金だけで議論するべきではなくて、広い場でやはり議論されるべきだと考えます。
#39
○都築譲君 それでは農林年金の関係でいきますと、今回の改正法案の第六十一条の二で特別掛金については政令で定める範囲内、それから定款で定める割合、こういうような形になるわけでございますけれども、具体的に政令ではどの程度のことをお考えになるか、それから定款ではどの程度のものになるとお考えになっているのか、そこら辺をお伺いしたいと思います。
#40
○政府委員(東久雄君) 政令で定める範囲というものにつきましては、実は厚生年金の特別保険料率が千分の十とされております。それから、政府管掌の健康保険の方でございますが、これが千分の十でございますし、組合管掌の健康保険も千分の十、農林固体はそういう組合管掌のものはございませんけれども、千分の十となっております。したがいまして、この政令で定める範囲ということにつきましても私たちは千分の十の範囲内とする方向で現在検討を進めておる、これは他の共済とも兼ね合いまして決めていくことになりますが、そういう方向で検討しております。
 また、先生御指摘のとおり、さらに定款の中で定める、これは組合員の合意を得てやっていくという必要性上そういうふうになっておりますが、今もう既にいろいろと議論はしておりますが、厚生年金等値の制度と均衡をということを頭に置かないと、一元化の問題もございますので、恐らく千分の十を基本に検討されていくのではないかというふうに考えております。
#41
○都築譲君 他の制度との均衡ということでございますけれども、その観点からいくと今度は厚生年金の方はたしかいろいろ議論がございまして、保険料率の将来見通しということでは平成三十七年、二〇二五年の時点でやはり三〇%を超えないような形に抑えよう、こういうふうな話になっておるわけでございます。農林年金についてはここら辺のところは大体どの程度のことをお考えになるのか。私なんか厚生年金の三〇%というのもこれは常識的には物すごく高い掛け率だろう、こういうふうに思うわけでございます。したがって、若い世代層、現役世代層が物すごい負担感を感じて、不公平感と申しますか、お金持ちのお年寄りに貧しい若者というふうな構図が何か出るような気もしないでもないんですけれども、いかがお考えでしょうか。
#42
○政府委員(東久雄君) 先ほど稲村先生のときにお答えをちょっと申し上げたんですが、現在御承知のとおり厚生年金につきましては平成六年度に再計算をしておりますので、お説のとおり現行の制度のまま行ったら三四%強になるのがこの改正によってたしか二九・六%になるというふうに数字が出ておったと思います。厚生年金が平成元年度に、前の再計算のときにやった二〇二〇年の掛金率が三一%強でございました。そのときの農林年金の計算が三二・九になっておったわけでございます。そういうものとの兼ね合いで数字が出てこようと思いますが、厚生年金に近いものになるのではないかと思いますが、格差がございます。先ほどの、前の計算のときの格差というものがございますし、それはその制度上そういう格差が出てくるわけでございまして、その辺の範囲になってくるのではないかというふうに考えておりますが、今のところ計算中でございますとお答えせざるを得ないと思います。
#43
○都築譲君 今の御説明はそういうことだろうと思います。
 ただ、先ほど来の質疑の中でお答えいただいたことを踏まえていきますと、今回特別掛金をボーナスから徴収するということは、何か通常の給与月額からの保険料率を表面的には低く抑えるためにボーナスから徴収をするというようなことにもなりかねない。今おっしゃったような形で将来三〇%程度には抑えるような方向でいくと、年金原資が足りなくなるということであれば今度は特別掛金率の率を引き上げていくということだって実は考えられる。ところが、法律でこの特別掛金の率が定めてあるのであればよろしいのですが、政令で定めるということになっております。さらに、具体的には定款で定めるということになるわけですから、何か野放しになりかねないような感じを持つわけです。
 だから、そこら辺のところは、本当に組合員の皆さんの合意をどういうふうにとって政令を定めていくことになるのか、本当に野放しにならないという保証があるのか、そこら辺のところを御説明いただけます。
#44
○政府委員(東久雄君) 掛金率につきましては、三〇%以内になるかどうかというのは私の方ではちょっと農林年金はまだわかりません。超える可能性もあると思います。
 それから、いわゆるボーナスに対する掛金率でございますが、政令の範囲内でということで、これは政令という形でもしこれを変えるということになれば、やはり政府内で真剣な議論が行われた上でということになろうと思います。
 それから、各組合は定款の変更ということは組合員の合意のもとでやられるわけでございまして、それはおのずからやはり限界といいますか、適正なところというのがあると思います。
 とりあえず現在のところはそういうことで千分の十ということになろうかと思いますが、そういうことでやはり野放しというようなことにはならないんじゃないかというふうに考えております。
#45
○都築譲君 ありがとうございました。
 それで、最後のポイントでございます。公的年金制度一元化に向けて平成六年の二月に一元化に関する懇談会というものが設置をされて議論をされてきている、こういうことでございます。
 ただ、先ほどもお話があったように、昭和三十四年に厚生年金から分離、独立の経緯があるわけでございまして、優秀な人材を確保するということと、今回、確かに高齢化が進展する中で制度分立による財政の不安定化とかあるいは制度間の不均衡、こういった問題を解消するために一元化の方向を目指すんだと、こういう二つの発想があるわけでございますけれども、そこら辺のところはどういうふうに整合性を持ってお考えになっていくのか。そして、将来的に活力ある農林漁業を支える農林漁業団体を優秀な人材でまた運営をしていくという観点からは、この一元化の問題についてどういうふうに農水省として臨まれるのか、これは大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#46
○国務大臣(大河原太一郎君) 先ほど稲村委員にお答えしたところでございますが、年金一元化問題につきましては、産業あるいは就業、これらの構造が大きく変わる、それに対応した年金財政を構築するということでございまして、各制度間の不均衡を是正するあるいは各年金制度が安定的に整合性を持って発展していくということで、やはり原則としては一元化に対して我が農林年金制度も取り組まなければ相ならぬ、さように思っております。
 そういうことで閣僚懇談会もてきておりますし、その下に各年金の代表者、学識経験者等を集めてただいま議論しておるところでございますが、年金制度については先ほどもお答えいたしましたが、分立の固有の歴史もあり、職域年金等の問題もあり、これらができるだけその一元的な制度の中へどう反映されるかという点が課題でございますので、今後もその一元化の関係機関の論議を見ながら進めていきたい、さように思っております。
#47
○都築譲君 ありがとうございました。終わります。
#48
○矢原秀男君 数点にわたり質問させていただきます。
 まず、大臣にお伺いをいたします。
 基本的な問題でございますが、二十一世紀は長寿社会でございますけれども、これは若年も老年も活性化、輝きに向けていくような社会でなくちゃいけない、こういう観点から昨日大臣の提案理由を伺っておりまして本当に同感をいたしたわけでございますが、二十一世紀を展望する農林漁業団体職員共済組合制度全般にわたる必要な見直しに非常に熱意を示されておりますことは、私も心から賛同するものでございます。
 しかし、我が国は本格的な高齢化、また少子社会の到来というものも数字的に非常に厳しくなっております。こういう中で、老後の生活設計というものとこの年金制度というものは非常な大きな役割等というものがあるわけでございますけれども、二十一世紀を展望する中で当団体の皆さんとの関係性というものをどのように取り組んでいくのか、そういうことをまず伺いたいと思います。
#49
○国務大臣(大河原太一郎君) もう改めて申すまでもなく、農林年金は農林漁業団体職員の方々の老後にとって大変大事なものでございますし、一層長引く老後生活においてこれを支えるものとしてその役割が期待されておるということはもう言うまでもないところでございます。
 ただいま委員御指摘のように、我が国の社会が本当に平均余命がどんどん延びる、あるいは少子、出産率が低下するという中で非常に超高齢化社会というようなことが二十一世紀に予定されるわけでございますが、それに対してやっぱり活力ある高齢化社会と申しますか長寿社会、これが何としても必要になってくるわけでございます。そういうことで、年金財政その他全体を見てもなかなかにこの点については我々としても長期の見通しを持って対応しなければ相ならぬ、さように思っております。
 年金については老後の国民生活を支える柱でございます。したがって、現役なりあるいは年金受給者、その他世代間の不均衡を是正しながら、また長期的に安定した給付が行われるように長期を見通して制度の運営改善を図っていかなければ相ならぬ、さように思っております。
 今回の改正も他の年金制度と軌を一にしておりますけれども、その第一歩であるというふうに考えております。
#50
○矢原秀男君 どうか頑張っていただきたいと思います。
 第二点は、東経済局長に伺いたいと思いますけれども、年金改正の全体像についてと、それに関連する平成五年十一月十六日の「制度改革に向けた取りまとめ」の概要として、農林年金制度に関する懇談会が有識者で行われておりますけれども、具体的な数点を出してそれらの内容等を伺いたいと思います。
 年金改正の全体像については既に御承知のとおりでございますけれども、二十一世紀の超高齢化社会を、活力ある長寿社会とするために六十歳引退社会から六十五歳現役社会へ、こういう流れの中で人生八十年時代にふさわしい年金制度、それらに対する具体的ないろんな項目があるわけでございますが、こういうふうな年金改正の全体像の中で私も今後の問題点としては、今までも先輩の方々からお話がございましたように、一つは公的年金制度の一元化、それからもう一つは制度改正に伴う財政再計算結果、こういう中からいろいろの諸問題が今後も出ると思うわけでございます。
 特に伺いたいのは、この懇談会で、先ほどからも話が出ておりますが、公的年金制度の一元化の中で四、五点問題点が絞られて議論になっているわけでございますが、その一つは、一元化の対象給付は、厚生年金の水準とすべきである。もう一つは、一元化の対象範囲は、各制度発足時以降の全期間とすべきである。もう一つは、一元化に伴う職域年金の扱い等の課題を農林年金として検討する上で、一元化した後において、農林年金独自で安定した財政基盤の上に立った運営が可能となることを基本に検討すべきである。こういうことがこの数年来ずっと学識経験者によって論議をされているわけでございますけれども、こういう議題がどの程度今度の改正、そうしてまた次なる改正に向かおうとしているのか、そういうような論議の内容を教えていただきたいと思います。
#51
○政府委員(東久雄君) 御指摘の懇談会でございますが、これは先ほどちょっとお答えしました農林年金制度に関する懇談会ということで農林水産省に関係者に集まっていただいて御議論いただいた結果で、昨年の十一月十六日に御指摘のとおり答申が出ております。
 その中での公的年金制度の一元化の方向の問題でございますが、これは今先生御指摘のような点が指摘されておりまして、これらにつきましては、今後一元化の懇談会、そこに農林年金の関係者も出ておりまして、そこでの意見調整を図っていく一つの基礎になる部分であろう、農林年金から調整意見として申し上げる基礎になる部分であろうと思います。
 そのほか、この懇談会では給付水準と負担の問題、それともう一つは支給開始年齢と高齢者雇用との関連の問題というところが出されておりまして、例えば支給開始年齢等の問題では、二十一世紀初頭へ向かって支給する年齢は六十五歳とするのが大方の意見。これはこの会合の意見でございますが、一方、定年の実態及び六十歳代前半の就業状況から見れば、これは六十歳からの年金を維持すべきとの意見もある。いずれにしても、六十歳代前半の雇用と年金のあり方について十分検討すべしと、それが今回の改正の六十歳代前半の年金の見直しというところに結びついております。
 さらに給付水準の問題では、先ほどお話がございました賞与からの問題で、賞与からも保険料を徴収すべしというようなこと、それから現役世代の実質的な賃金にスライドさせるべしというようなこと、こういう意見が、これらはほとんど今回の改正におきまして入れられているということでございます。
#52
○矢原秀男君 第三問でございますけれども、これも局長にお伺いしたいと思います。
 諸外国の年金制度を見ておりますと、国との関係ですから農林には関係は間接的かな、ちょっと距離があるかなと思いますけれども、しかし、私ずっと主要諸外国を見ておりますと、供給カロリーベースの食料自給率が一九八八年、ドイツで、西ドイツのときですが九四%、フランスが一四三%、そしてスウェーデンで八六%、ちょっと年度は一年おくれておりますが、イギリスで七三%、アメリカで一一三%、日本の場合は一九九二年で四六%になっている。こういう食料自給率の問題というものは国のやはり大きな、大切な問題でございます。
 なぜ他の国がここまで営々として日本よりもレベルが高いのかということで制度体系を見ておりますと、フランスやなんか、私も現地を二、三回は視察させていただきました。ヨーロッパ各国、東南アジアも見させていただきましたけれども、今申し上げているところでは、農業というものに対する前面に一遍に出て、そうしてやはり年金制度のクローズアップをされている、そういうふうな形成を私は見るのでございますけれども、当局としてはこういう諸外国の年金制度と比較をしてみて、こういうところが農林漁業の皆さんに対して現在までの歴史の中で抜けていたな、今後はこうしなくちゃいけないとかいう参考にするものが今まであって、議論の場にものったんではないかなと思うんですけれども、こういう諸点についてはいかがでございます。
#53
○政府委員(東久雄君) なかなかお答えしにくい点でございますが、まず年金制度につきまして、年金制度は各国で内容が非常に違っておりますので一概になかなか比較は難しいのでございますが、勤労者の年収ベースの賃金で比較いたしてみますと、ドイツの場合はその年収に対して年金は三四%になります。それから、アメリカが五〇%、スウェーデンは五七%、イギリス四三%。日本の場合は、これが厚生年金と農林年金の場合は四二%ということで、割合ここのところは均衡がとれているというか、割合高いところに来ているんではないかと思います。
 ただ、この年金制度ではほとんどの国は六十五歳からの支給でございまして、それとの兼ね合いというのが、これはまた労働条件といいますか現在の仕事の状況が違っております。先ほど先生御指摘のような農業の違いというようなものもございます。いろいろな面での国の違いがあってのことで、今回は六十歳代前半にも年金を少しお払いしながら六十五歳へ持っていくという制度になっておるわけでございます。そういうふうに年金といたしましては、諸外国に比べてある程度の備えはできているんではないかなというふうな感じがいたします。
 ただ、農村の状態でございますけれども、それじゃ一体農村部でどういうふうに考えているんだということでございますが、先ほどちょっと御質問がございましたように、兼業というのが農村の農林漁業団体の職員には割合多いと思います。それは老後の農業という形での、引退後の農業ということも今後は残っていくのがちょっとやはり他の国とは違った特色がなというふうな感じがいたします。
 それから最後に、それじゃ農林漁業団体の職員の状況と、それから諸外国の状況は直に比べてどうかというと、先ほど先生がお話しのようになかなか直に比べにくいんですが、やはりいずれにいたしましても老後がしっかり過ごしていけるようにという趣旨で今後とも年金制度には取り組んでいかなきゃいけない。ただし、負担の問題というのがあるということが裏腹になっている面がございますということを申し上げておきたいと思います。
#54
○林紀子君 政府は、年金制度を雇用促進的な仕組みにするとして、定年を過ぎても働かなければ生活できない状況に高齢者を追い込もうとしています。今回の改正で最も重大な問題は、年金支給開始年齢を六十五歳にするというものだと思います。ところが、農林漁業団体ではまだ六十歳定年制すら実現しておりません。
 農林年金の調査によりますと、昨年一月一日現在の定年の年齢は、男性で五十九・四歳、女性で五十九・一歳となっております。この数字だけ見ますと、もうほぼ六十歳だということになるかと思いますけれども、今までの経過を見てみますと、一年平均の伸びは〇・一歳から〇・三歳、五十五歳から六十歳へと定年が五歳延びるのに二十年もかかった。こういう話も聞いているわけです。
 また、農協などでは選択定年制などの早期退職制度が行われています。農協合併を進める際には、職務、職能給を採用す。参事などの幹部は、通例五十五歳、早い人だと五十歳になると役付を外される。退職金の上積みなどはするものの、合併する身がわりにみずからの首を切らなければならない事態もある、こういうことも聞いております。
 農水省は当然こういう実態御存じだと思いますが、こういう事態をどうお考えになります。また、定年を延ばすために今までどんな御指導をなさってきたのでしょうか。
#55
○政府委員(東久雄君) 先生御承知のとおり、今回の改正でお願いしている点は、支給開始年齢を平成十三年から六十一歳、それで順次三年ごとに一歳ずつ繰り上げていって、平成二十五年で六十五歳、約二十年後に六十五歳ということになります、十八年ですか正確には。
 現在、農協の定年につきましては先ほど先生の御指摘と近い数字でございまして、ただ六十歳以上と定めているものが平成三年の一月の調査では六二・三%だったわけなんですが、平成六年一月には七四・三%ということで相当数字が上がってきております。六十歳までの定年、そこから先が再雇用等による収入という形で、今度は部分年金をもらって両方で、賃金と年金とによる生活ということに設計がなっていくわけでございます。
 この定年の問題につきましては、従来から私の、経済局長名で通達を出して、できるだけ定年を六十歳に持っていくようにという指導もしておりますし、それから前の通常国会で御可決いただきました高齢者のための雇用の促進のための法律の中でも、定年を定めるときは六十歳にするべしということになっておりますので、これは六十歳までは相当早い段階で延びていくだろうと思います。
 また、その後につきましても、再雇用その他でいろいろと努力していく面がございまして、いろいろな政策を労働省を中心にやっていくということで、我々もその点について意を用いていくべきだと思います。
 なお、先ほど選択定年制の問題でございますとか、肩たたきといいますか、管理職の定年制、これらにつきましては、管理職をやめたら残れるというような形もございまして、強制的なものではないというふうに理解しておりまして、これはちょっと一般的な問題としては、やはり肩たたきという場合にはもうやめてくれというんではなくて他へのあっせん、これは要するに管理職としての新しい人材を育成するために他へ移ってくれというようなことが多いんではないかと私ども思っております。
#56
○林紀子君 肩たたきというのは制度になっていないで、みずからやめざるを得ないような状況に追い込んでいく、それだけにたちが悪いというところがあるわけなんですよね。
 六十一歳以上の定年制のお話もちょっと今ありましたけれども、六十一歳以上が定年だという状況というのは、これも農水省からいただいた資料ですけれども、全国連では六・九%。ですから今五十七団体あるわけですからそのうちの四つ、都道府県団体では三・五%、七百六団体中二十五団体、末端の総合農協、単協などでは〇・二%だということですから、全国で三千十団体あるうちのたった六つしか六十一歳以上の定年というのはない、こういう実態です。
 農業情勢が非常に厳しいために県中央会の幹部などからは六十歳を延長するというような言葉というのは一言も出てこない、こういう話も聞いております。前回八九年、この農林年金改正がありましたけれども、そのときやはり支給開始年齢六十五歳という案が出ていたと思うんです。ところがそれが取りやめになりました。どうしてかといいますと、ここに当時の経済局長が当委員会でお答えになっているものがあるわけですけれども、「農林年金に加入されている農林漁業団体における雇用条件の整備、そういうものと密接に関連をしながら、この年金支給開始年齢というものに対応すべきもの」と理解している、こういうお答えだったわけです。ですから、つまり支給開始年齢とそれから定年というのは一致するのは当然、こういう認識を示されたんだと思うんです。それじゃ、当時から五年たってこの六十五歳定年ということになったのか。今数字をお示ししたとおりですから、全然そんなふうにはなっていないわけです。
 どういう雇用条件の整備が行われて今回六十五歳から支給ということになったのか、その辺きちんとお答えいただきたいと思います。
#57
○政府委員(東久雄君) 定年につきまして、先生一番最初に申されたとおり、六十歳までの定年というのは七十数%、七五%近くになっています。したがって、その六十歳の定年後の雇用をどうするかというのが次の問題で、今回の改正では六十歳定年を目指して、その上のところへ行く部分は再雇用ですとかそれから他へのあっせんとかいうような形で収入を得ながら、したがいまして、年金とは称しませんが別途の支給ということでございますが、一定のものを同時に加給しながらそこの六十歳代の生活、六十歳代前半の生活をやっていく、それから六十五歳から年金だけの生活に移っていくという制度に仕組んだわけでございまして、また、これは実施年が平成十三年ということでございます。
 したがいまして、それに向かってできるだけ雇用環境を改善していこうということで、諸種の法律等の整備をやった上で今回のことをお願いしておるわけでございまして、そちらへ向かっての努力ということと相まって、六十歳定年とその後の雇用ということを頭に置いての年金制度の改善であるということを御理解いただきたいと思います。
#58
○林紀子君 人材センターをつくって関連会社に就職あっせんするとか、いろいろお話ありましたけれども、しかし今までの五年間かかっても六十歳定年制にすらなっていない。しかも人材センターで他にあっせんするといっても、今回この農林年金にかかわる方が六十五歳から支給ということじゃなくて、すべての働いている人たちがもう六十五歳からでないと年金というのは支給されないという状況になるわけです。
 そうしましたら、他にあっせんするといってもそんなに簡単にできるものです。もう方々で六十歳以上の人がやはり職を求めるということになりまして、もう自分たちのところだけで手いっぱいです、ほかのところから受け入れることなんかできません。じゃ、やっぱり農協なら農協でちゃんと確保しなくちゃいけないわけなのに、その定年がこういう状況だと。そんな甘い考えで六十五歳から支給なんということにされたら本当にたまらないと思うわけなんです。
 ここは大臣によくお聞きいただきたいと思うんですけれども、先ほど東局長が引用されておりました農林共済が調査をいたしましたアンケート、私もこれを見せていただきました。ここには、夫婦で老後に必要な生活費は十五万円未満でよいと答えたのが一・八%だけです。二十万円以上要るという方が七四・六%もいるわけです。また、老後働けなくなった場合の生活費は年金に頼るとした方は、六十歳以上の方で七一・八%、五十歳から五十九歳の方で七六・八%。さらに、そのうち何割ぐらいを公的年金に期待しますかという質問に、七割以上公的年金に期待をすると答えた方が五十歳以上で七三%。これが暮らしの実態じゃないです。
 今老齢年金の平均額十五万八千円。これも資料をいただきましたけれども、これそのものも低いと思うんですけれども、六十一歳から六十四歳までそのうちの半分、部分年金をもらう。男性ではおよそ八万円、女性で五万三千円、加入期間が短ければもっと低くなるという。これで本当に生活できるんでしょうか。
 大臣にお聞きしたいんですけれども、憲法二十五条、これは「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有す。」とはっきりうたっているわけですし、後段では国の責任というのもはっきりさせているわけです。六十五歳からの年金の支給というのは、まさにこの憲法二十五条に真っ向から反するものじゃないかと思いますが、どうお考えになります。
#59
○国務大臣(大河原太一郎君) しばしば各委員に対してお答えを申し上げているとおりでございまして、このたびの六十歳代支給の見直しについては、高齢者の老後の生活設計として六十歳までは現役として働いていただく、六十歳代の前半においては給与と年金、これによって生活を支えていただく、六十五歳以上になって年金で生活を支えていただく、そういうことでございまして、雇用の促進を図りながらこれを進めていくというわけでございます。
 もちろん給与については、年金の額については標準給与の問題とか、また各組合員の組合員期間等によっていろいろ変わるわけでございますけれども、給与比例部分の半額ということで六十歳代前半の生活は支え得るものであるというふうに私どもは思っておりますし、なお希望がございますと老齢基礎年金についても繰り上げ支給というような制度もございまして、それらをあわせれば妥当なものであるというふうに思っております。
#60
○林紀子君 今どき八万円で生活できる方法がありましたら、ぜひ大臣にその方法を教えていただきたいと今のお答えで思いましたけれども、時間がありませんので、最後に三点お聞きしたいと思います。
 掛金率の問題ですけれども、第一は五十五条で言われている労使折半ということですけれども、この規定は労使が五対五でなければならないというものではないというふうに解釈していますが、これは間違いありませんね。
 それから第二は、月々の一般報酬の労使折半割合が五対五であったとしても、ボーナスだけは四対六とか三対七にしても問題ないと思いますけれども、これはどうです。
 それから第三、ボーナスから保険料を徴収するということになっているわけですから、通常の掛金率を引き下げる要因になると思いますけれども、これはどうするおつもりか。その三点、簡潔にお答えいただきたいと思います。
#61
○政府委員(東久雄君) まず、今御指摘の農林年金法第五十五条の規定は折半というふうに書いてございます。これは原則として折半することを求めているということでございますが、仮に使用者側が五割を超えて掛金を負担した場合も直ちに法律に違反するということではないというふうに私たちは解しております。
 それから、ボーナスの件についても同様でございます。それから第三点でございます、ボーナスの掛金を徴収するという形になりました。これは当然月収にかかる掛金を抑制する効果を持っております。
 以上でございます。
#62
○喜屋武眞榮君 問いの一つは、社会保障制度審議会は本年三月七日の農林水産大臣への答申の中で、
 年金制度を長期にわたり安定的に運営していくためには、給付と負担の両面について、的確な長期見通しをもった年金財政計画を策定していくことが必要である。年金制度の一元化を控え、国民の理解を得るため、共通の基準に基づく財政計画をできるだけ早く明示することを求めたい。と注文をつけています。
 この答申に対して大臣はどのように対処されたのか、年金財政計画についてまずお伺いしたい。
#63
○国務大臣(大河原太一郎君) お話しのとおり、三月七日に社会保障制度審議会の答申がございました。「的確な長期見通しをもった年金財政計画を策定していくことが必要である。」そういう御指摘を受けておるところでございますが、これを受けまして今回の制度改正をも盛り込みまして現在年金財政計算を行っておるところでございまして、その際問題になります運用利回りなり賃金の上昇率あるいは消費者物価の上昇率等々については、厚生年金と同様な基準でもって行おうとしておるところでございます。
#64
○喜屋武眞榮君 もう一問、今回の一連の年金改革法案のうたい文句は、六十歳引退社会から六十五歳現役社会へ人生八十年時代にふさわしい年金制度ということであります。
 近ごろ高年齢者等の雇用の安定等に関する法律が改正され、六十歳を下回る定年の禁止、九八年四月施行、六十五歳までの継続雇用の促進、九五年四月施行が盛りまれております。一方、総務庁行政監察局は、去る六月に労働、厚生両省に対して、高齢者雇用対策が不徹底であるとの改善勧告をしています。
 農林水産大臣は、農林漁業団体職員の六十五歳までの継続雇用の促進についてどのような対策をとるおつもりか、御見解を承りたいと思います。
#65
○国務大臣(大河原太一郎君) 六十歳代前半についてのこのたびの制度改正につきましては、雇用の促進と表裏した問題として進めなければ相ならぬというのはお説のとおりでございまして、高齢者雇用の政策の促進あるいは加速化、これが大変重要なものだというふうに考えておりまして、これについては厚生、労働両省等におきまして、内閣を含んでこれについての対策が進められておるところでございます。
 今、先生も事例的にお話がございましたように、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の改正によって六十歳定年制を決める場合は六十歳と、あるいは段階的、計画的に高齢者の雇用を六十五歳に引き上げるような事業者に対する指導を行うとか、雇用機会の増大という点について各般の施策を講じるとか、あるいは多様な形態による高齢者の雇用を確保するというような点についての施策が進められ、さらには、お話がございましたが、雇用保険法におきまして高年齢雇用継続給付金あるいは高齢者に対する失業保険の給付率の改正というような各般の施策が講ぜられておるところでございまして、我々も農林漁業団体の職員の方々の高齢者雇用の動向については十二分の注意を払いましてその促進について努力をいたしたい、さように思っております。
#66
○委員長(青木幹雄君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#67
○林紀子君 私は、日本共産党を代表し、農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 第一の理由は、年金支給開始年齢を六十五歳に引き上げる問題です。
 農林年金においては、まだ六十歳定年制が実現しておりません。六十一歳以上の定年制を採用しているところは、全体の四・八%にすぎず、六十歳から六十四歳までの有効求人倍率は〇・〇八倍、十二人から十二人に一人しか仕事がないのが現実です。にもかかわらず、国民が安心できる雇用対策は何も示されていません。つまり、この改正は、所得に空白期間をつくり出すものです。引退と年金支給の継続は、社会保障の原則です。今回の改正は、これに風穴をあけ、憲法が保障する国民の生存権を根本的に脅かす大改悪です。
 第二の理由は、掛金を引き上げ、給付水準を引き下げる問題です。
 農林漁業団体では、賃金も年金の給付水準も他の被用者年金制度に比べて低い事態となっています。女性はさらに深刻です。今回、新たにボーナスから保険料を徴収するほか、掛金の大幅引き上げの継続も予定されています。その一方で、年金額は名目賃金から可処分所得スライドヘと減らされ、雇用保険との併給も停止するとされています。負担がふえるのに年金は大幅に減らされる。この点でも許すことができません。
 政府は、臨調行革以来、社会保障制度全般を連続的に改悪し、国庫負担を減らし、その分を国民負担に転嫁してきました。政府は、この年金法の改悪とあわせて、消費税の税率アップ、公共料金の値上げなどを行い、国民にさらなる大きな負担を負わせようとしています。まさに、自民党単独政権時代よりひどい大改悪であることを強調したいと思います。
 以上の理由で、我が党は、政府提出法案に反対するものです。
 最後に、八百三十九の地方議会で年金改悪に反対し、改善を求める意見書が採択されています。にもかかわらず本委員会では、参考人質問もしない、また審議の時間も一九八五年の改正時は十六時間であったのに、今回は二時間と極めて少ない審議のまま採択を強行するとしていることに強く抗議するものです。
 同時に、年金財源を国民の負担に求めるのではなく、軍事費の削減、大企業優遇税制の是正などによって国庫負担を拡充すること、労使の負担割合をヨーロッパ並みの七対三に切りかえることなどの根本的な改革を要求して、討論を終わります。
#68
○委員長(青木幹雄君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#69
○委員長(青木幹雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、星川保松君から発言を求められておりますので、これを許します。星川保松君。
#70
○星川保松君 私は、ただいま可決されました農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議及び二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 農林漁業団体職員共済組合制度は、制度発足以来三十年を経てきており、公的年金制度として、農林漁業団体職員の老後保障等において重要な役割を果たしている。
 よって政府は、高齢化社会の一層の進展等に対応して、本制度の長期的安定と円滑な運営を確保するため、次の事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。
 一 六十歳台前半に支給する退職共済年金の見直しの実施に当たっては、その趣旨の周知徹底を図るとともに、農林漁業団体の定年延長や高齢者雇用の推進等雇用環境の整備に対する適切な指導を行うこと。
 二 公的年金制度の一元化については、その全体像を可及的速やかに明らかにすること。
 三 掛金率の設定に当たっては、世代間の公平性を確保しつつ、あわせて急激な負担増を伴わないよう配慮すること。
 四 急速な国際化の進展等我が国農林漁業を取り巻く厳しい環境に対処し、本制度に加入している農林漁業団体の組織・経営基盤の安定強化が図られるよう適切に指導すること。
 右決議す。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#71
○委員長(青木幹雄君) ただいま星川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#72
○委員長(青木幹雄君) 多数と認めます。よって、星川君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大河原農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大河原農林水産大臣。
#73
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。
#74
○委員長(青木幹雄君) なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(青木幹雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト