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1994/12/08 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 農林水産委員会 第4号
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1994/12/08 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 農林水産委員会 第4号

#1
第131回国会 農林水産委員会 第4号
平成六年十二月八日(木曜日)
   午後一時三十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月二日
    辞任         補欠選任
     三上 隆雄君     谷本  巍君
 十一月九日
    辞任         補欠選任
     都築  譲君     吉田 之久君
 十一月十日
    辞任         補欠選任
     吉田 之久君     都築  譲君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         青木 幹雄君
    理 事
                大塚清次郎君
                佐藤 静雄君
                稲村 稔夫君
                菅野 久光君
                星川 保松君
    委 員
                井上 吉夫君
                浦田  勝君
                北  修二君
                高木 正明君
                吉川 芳男君
                谷本  巍君
                西岡瑠璃子君
                野別 隆俊君
                村沢  牧君
                井上 哲夫君
                都築  譲君
                刈田 貞子君
                林  紀子君
                喜屋武眞榮君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        秋本 達徳君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (派遣委員の報告)
○森林・林業・農山村の活性化・国有林野事業の
 再建に関する請願(第一一号)
○農林年金等公的年金制度改正に関する請願(第
 一六〇号外一〇件)
○農業農村整備事業予算枠の拡大に関する請願
 (第一九七号)
○中山間地域振興対策の充実強化に関する請願
 (第一九八号)
○国有林野事業特別会計制度の見直しに関する請
 願(第九一八号外九件)
○国営川辺川総合土地改良事業の中断に関する請
 願(第九九六号外一件)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(青木幹雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月二日、三上隆雄君が委員を辞任され、その補欠として谷本巍君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(青木幹雄君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。
 先般本委員会が行いました農林水産業の実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。浦田勝君。
#4
○浦田勝君 委員派遣について御報告申し上げます。
 去る八月三十一日から九月二日までの三日間にわたり、当時の青木理事、野別理事、星川理事、刈田委員、林委員、それに委員長を務めておりました私、浦田の六名で、熊本、宮崎の両県におきまして農林水産業の実情を調査してまいりました。
 以下、その概要について御説明を申し上げます。
 最初に熊本県に参りました。
 本県は、中核農家数、基幹的農業従事者数、農業専従者数がいずれも全国第二位、一戸当たり農業所得第四位という全国でもトップクラスの農業県であります。今後は、後継者の確保、生産基盤整備の推進、農産物の品質向上等を図り、食料生産基地としての地位の一層の向上を目指したいとのことであります。なお、ガット・ウルグアイ・ラウンド対策及び新農政の推進のため、熊本県緊急農業農村対策本部を設置し、構造政策及び中山間地対策に重点を置いた施策を展開していくとのことであります。
 また、林業につきましては、素材生産量が全国第三位、森林組合作業班員数は第一位という有数の林業県であり、特に県産材需要の拡大を図るため、熊本型木造住宅「郷の匠」の工法普及、新しいJASへの適合促進、乾燥材の安定供給体制の確立等に取り組んでおります。今後は林道整備の推進、高性能林業機械の導入促進等に努めていくとのことであります。
 水産業につきましては、海面養殖業の収穫量が全国第八位と大きなものになっております。今後は資源管理型漁業の展開を図りながら、優良魚介類の開発等を推進していくとのことであります。
 本県においては、ことし干ばつによる農林水産業被害が懸念されております。果樹、野菜、水稲等農産物の生育不良や暑熱による家畜への被害が発生しており、八月三十日現在の被害額は約五十億円に達し、今後の天候によっては被害がさらに増加するであろうとの見通しでした。このため、揚水ポンプの設置に対する助成、被害を少なくする栽培方法の指導等を行うとともに、農作物等干ばつ対策会議を設置いたしたとのことであります。林業では造林用苗木の枯死、水産業では魚介類のへい死等の被害が発生しており、林業・水産業干ばつ対策会議を設置し、対策を実施しております。
 熊本県での主な要望は、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意に伴う国内対策、本年における農林水産業干ばつ被害対策、漁港整備対策等について特段の配慮をいただきたいというものであります。特に農業団体からは、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の受け入れは認めがたいとの観点から、農産物輸入の総量規制等を求める要請がありました。
 以下、調査した主な箇所について御説明申し上げます。
 まず、岱明町の新川漁港に参りました。ここでは、漁港整備を実施中で、外郭施設を含めほぼ完成しております。しかし、干満差が五メートルもあり、土砂の流入によって港内が埋まりやすく、今もそれを防ぐための突堤工事を進めております。ここの名物であり、大きな収入源でもあるアサリの生産量が近年低迷しており、その原因を究明中とのことでした。
 次に、全国有数のミカン産地である天水町のミカン樹園地に参りました。本町のミカンは大部分が傾斜地で栽培されており、この傾斜が高品質のミカンを生産するには好ましいものの、コスト削減や省力化のためには障害になっております。一方では、ハウスでの果樹栽培等への転換も進んでおります。今後は価格安定が期待できる優良早生品種への転換、園内作業道の整備、優良園地の集積と規模拡大等が課題であるとのことです。また、ミカン生産と温泉や自然を活用して、観光地にしたいとの期待もあるようであります。なお、ここでも干ばつによる被害が出ており、農家はその防止のためにふもとから水を運び上げるなど大変な努力をしておりました。
 次に、熊本市の河内ミカンブランデー蒸留所に参りました。ここでは、ミカンの消費拡大、農家経営の安定等を図るため、熊本市直営でミカンを原料としてブランデーを製造しております。製品の品質向上を通じた販売増加により、余剰ミカンの使用量増加、蒸留所の経営改善等を図ることが課題であるとのことであります。
 移動の途中、八代市付近の山林におきまして、昨年来襲した台風十二号による風倒木がまだ山林に放置されている様子を拝見いたしました。二次災害の発生も懸念されているが、かなりの急斜面から搬出しなければならないため、熟練した林業労働者の確保と十分な予算の投入が必要とのことであります。
 次に、人吉市付近の球磨地区広域農道に参りました。この農道は、来年度じゅうに全線開通の予定であり、総延長は約三十キロメートルに及びます。自動車の交通量はかなり多く、農産物を積載したトラックはもちろん、一般のトラックや乗用車等も走っており、この農道が農業生産のみならず、地域の経済や生活に欠かせない動脈であることがうかがえました。この周辺の農地は、標高が高いため、水の確保が課題であるとのことであります。
 熊本県で最後に訪れたのは、人吉市の大畑国有林でありました。ここでは素材生産を民間林業事業体に請け負わせております。この民間事業体は、プロセッサー等の高性能林業機械を多く使用し、安全で省力的な作業を行っております。また、従業員の待遇は、月給制、社会保険加入など公務員並みとも言えるものであり、本年春にも高校を卒業したばかりの若者が二名入社しておりました。高性能林業機械の購入に当たっては、担保がない等のため、すべて個人資金によらなければならなかったということであり、低利融資制度の創設について要望がありました。
 熊本県を後にいたしまして、宮崎県に参りました。
 本県は、温暖な気候に恵まれており、全国有数の農畜産物生産県であります。農畜産物生産に当たっては、「つくったものを売る」から「売れるものをつくる」への発想の転換を図り、本県産のブランド確立をねらっております、今後は第四次農業振興長期計画に基づき、農業経営者の育成、経営基盤の整備、生活環境の整備等に鋭意努力していくとのことであります。
 また、林業につきましては、杉の生産量が全国第一位であるなど林業県であります。現在の経営は苦しいが、長期的に見ると、熱帯材の輸入規制強化、環境保護への関心の高まり等が見込まれ、経営は改善するだろうと予想しているとのことでありました。本県では、本年、国土保全奨励制度についての報告書を取りまとめました。本制度には、山村地域での担い手の確保、保全・管理に問題の生じている森林の公有化、農林家による民宿整備への助成等、広範で踏み込んだ森林・山村活性化施策が盛り込まれており、今後は本制度に沿って各種の施策を展開していくとのことであります。
 水産業については、黒潮と沿岸流の交錯により良好な漁場に恵まれている一方、内水面養殖業も盛んであります。今後は漁礁漁場や培養殖場の造成など沿岸漁場の整備を推進するとともに、種苗の生産及び放流事業など、とる漁業からつくり育てる漁業への転換を目指していくとのことであります。
 宮崎県での主な要望は、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意受け入れに伴う対策予算の確保、国土保全奨励制度の関連施策の充実、価格が低迷している豚肉の補給金制度の創設、負債整理時の資産処分に対する課税免除措置の創設、道路交通法改正により強化された過積載規制措置の緩和等を求めるものでありました。
 以下、調査した主な箇所について申し述べます。
 まず、小林市の西ノ原牧場に参りました。ここでは、七戸の農家が農事組合法人を組織して、三千頭余りの黒毛和種の肥育中等を飼養し、子牛生産から肥育までの地域内一貫生産体制を確立しております。また、宮崎牛の銘柄づくりのためすべて枝肉出荷販売を行うとともに、牧場直営の焼き肉・ステーキ店を経営しております。しかし、牛肉輸入自由化対策として繁殖施設を整備するなど努力をしているものの、牛肉価格の低落、割高な飼料代等のため、経営は苦しいとのことであります。施設整備への助成、低利の運転資金の創設等について要望がありました。
 次に、都城市の都城プレカット事業協同組合に参りました。ここでは、製材業者、建設業者等が共同して、大工や技術者の不足に対応するとともに、県産材の高付加価値化等を図るため、木造住宅建築用のいわゆるプレカット材を製造しております。外材に見合うコストの実現、国産材時代に対応した山元から消費地までの一体的整備が課題であるとのことであります。また、今後は輸入住宅の増加等に対応して、住宅のデザインを工夫していきたいとも話しておりました。
 最後に訪れましたのは、綾町の有機農業の現場であります。本町は、自然生態系農業推進に関する条例を制定し、有機農産物についての独自の認定制度を設定し、合格証票を交付する等の施策を行っております。販売方法は、従来は消費者との産直提携が中心でありましたが、目下、スーパー、宅配便等さまざまな流通手段を開発中であります。町、農協及び農家の出資により、収穫直前に害虫被害などに遭った農家に所得補償をする制度も設けております。今後は大規模農家の有機農業への転換促進、有機農業実施農家の所得安定、有機栽培技術の確立、後継者の確保等が課題であるとのことであります。そして、有機農業とともに照葉樹の美林、ガラス工芸や木工等の手づくりの里を組み合わせて、より多くの観光客が本町に訪れるようにしたいとのことであります。
 以上が熊本、宮崎両県における農林水産業の概況であります。
 なお、両県における要望の詳細につきましては、本日の会議録の末尾に掲載していただきますようお願い申し上げます。
 最後に、今回の調査に当たりまして特段の御配慮をいただきました方々に心から感謝の意を表しまして、報告を終わります。
 なお、一言付言させていただきますが、私、委員長就任中は大変皆様方にお世話になりました。心から御礼申し上げます。ごあいさつの機会がおくれてしまいまして申しわけございません。
 以上でございます。
#5
○委員長(青木幹雄君) 以上をもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、ただいまの報告にありました現地の要望につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することといたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(青木幹雄君) これより請願の審査を行います。
 第一一号森林・林業・農山村の活性化・国有林野事業の再建に関する請願外二十五件を議題といたします。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、第一九七号農業農村整備事業予算枠の拡大に関する請願は採択すべきものにして内閣に送付するを要するものとし、第一号森林・林業・農山村の活性化・国有林野事業の再建に関する請願外二十四件は保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(青木幹雄君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(青木幹雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#9
○委員長(青木幹雄君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産政策に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(青木幹雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(青木幹雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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