くにさくロゴ
1994/10/27 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 法務委員会 第2号
姉妹サイト
 
1994/10/27 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 法務委員会 第2号

#1
第131回国会 法務委員会 第2号
平成六年十月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月十三日
    辞任         補欠選任
     志村 哲良君     上杉 光弘君
 十月十四日
    辞任         補欠選任
     上杉 光弘君     志村 哲良君
 十月二十七日
    辞任         補欠選任
     志村 哲良君     岡  利定君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中西 珠子君
    理 事
                下稲葉耕吉君
                糸久八重子君
                平野 貞夫君
                荒木 清寛君
    委 員
                岡  利定君
                斎藤 十朗君
                坂野 重信君
                鈴木 省吾君
                山本 富雄君
                北村 哲男君
                深田  肇君
                山崎 順子君
                國弘 正雄君
                紀平 悌子君
                安恒 良一君
   国務大臣
       法 務 大 臣  前田 勲男君
   政府委員
       法務政務次官   角田 義一君
       法務大臣官房長  原田 明夫君
       法務大臣官房司
       法法制調査部長  永井 紀昭君
       法務省入国管理
       局長       塚田 千裕君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局人事局長   堀籠 幸男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 恒男君
   説明員
       人事院事務総局
       給与局給与第一
       課長       藤原 恒夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
 法衛案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中西珠子君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
#3
○委員長(中西珠子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に下稲葉耕吉君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(中西珠子君) この際、前田法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。前田法務大臣。
#5
○国務大臣(前田勲男君) おはようございます。法務大臣の前田勲男でございます。
 このたび、中西珠子委員が法務委員長に御就任になられ、また新しく委員に選任された方々もいらっしゃいますので、この機会に一言ごあいさつを申し上げます。
 委員の先生方には、常日ごろから法務行政の適切な運営につきまして格別の御理解と御協力をいただき、厚く御礼申し上げます。
 私は、「人にやさしい政治」、「安心できる政治」を目指す村山内閣の政治理念を現実の政策に具体化していくためにも、社会の基盤というべき法秩序の維持が図られ、国民の権利がよく保たれることが極めて重要であると存じます。そのような理念から、私は、法務行政の各分野にわたり、時代の要請を踏まえ、適切な方策を講ずるよう今後とも一層努力してまいりたいと存じますので、引き続き先生方の御指導、御支援を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
 簡単でございますが、私のごあいさつといたします。よろしくお願い申し上げます。(拍手)
#6
○委員長(中西珠子君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から両案について順次趣旨説明を聴取いたします。前田法務大臣。
#7
○国務大臣(前田勲男君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を便宜一括して御説明いたします。
 政府においては、人事院勧告の趣旨等にかんがみ、一般の政府職員の給与を改善する必要を認め、今国会に一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしました。そこで、裁判官及び検察官につきましても、一般の政府職員の例に準じて、その給与を改善する措置を講ずるため、この両法律案を提出した次第でありまして、改正の内容は、次のとおりであります。
 第一に、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官の報酬並びに検事総長、次長検事及び検事長の俸給は、従来、特別職の職員の給与に関する法律の適用を受ける内閣総理大臣その他の特別職の職員の俸給に準じて定められておりますところ、今回、内閣総理大臣その他の特別職の職員について、その俸給を増額することとしておりますので、おおむねこれに準じて、これらの報酬または俸給を増額することといたしております。
 第二に、判事、判事補及び簡易裁判所判事の報酬並びに検事及び副検事の俸給につきましては、おおむねその額においてこれに対応する一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける職員の俸給の増額に準じて、いずれもこれを増額することといたしております。
 これらの給与の改定は、一般の政府職員の場合と同様に、平成六年四月一日にさかのぼってこれを行うことといたしております。
 以上が、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
#8
○委員長(中西珠子君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより両案に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○下稲葉耕吉君 毎年のように、人事院勧告が出されますと、裁判官、検察官の給与関係の法案が提案されるわけでございます。今回は私は、裁判官の問題を中心にいたしましてお伺いいたしたいと思います。
 憲法七十九条は、最高裁判所の裁判官、国民審査、定年、報酬を規定しているものでございますが、その第六項によりますと、「最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。」、こう規定されております。また憲法第八十条におきましては、「下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。」、このように、法律じゃございませんで憲法に裁判官の報酬についての規定というものがなされておりまして、いわゆるほかの公務員に比べまして、憲法上、今申し上げましたような身分の保障というものがなされているわけでございます。
 これは大変重いと受けとめているわけでございますけれども、この規定についての重さというふうなことにつきまして、最高裁判所あるいは法務省の方でも、受けとめ方、考え方等がございましたらお伺いいたしたいと思います。
#10
○政府委員(永井紀昭君) ただいま委員が申されました憲法第七十九条第六項及び第八十条第二項につきましては、裁判官の報酬減額禁止の規定が定められております。このような現行憲法の報酬減額禁止の規定は戦前の帝国憲法にはなかった条文でありまして、どうもこの由来をたどってみますと、アメリカ合衆国の憲法第三条第一節に、連邦最高裁判所及び下級裁判所の裁判官は、非行なき限りその職を保ち、またその職務に対して定時に報酬を受ける、その額は在職中減ぜられることはないという、どうもこういう規定に由来しているのではないかと思われるわけでございます。
 この規定の趣旨は、現在の憲法学なり従来の考え方といたしましては、個々の裁判官に安定した一定額の報酬を保障することによりまして、経済的事情に左右されることなくその職務に専念できるようにしようとするものでありまして、裁判官の身分保障を具体化し、ひいては司法権の独立を保障しようとするものであると、一般的にはこのように解されているところであります。
#11
○最高裁判所長官代理者(堀籠幸男君) 憲法第七十九条六項、それから憲法八十条第二項に規定しておる趣旨につきましては、ただいま法務省の司法法制調査部長が述べたと同じ認識を持っておりまして、これらの規定の趣旨は、要するに個々の裁判官に安定した一定の報酬を保障することによりまして、経済的事情に左右されることなくその職務に専念できるようにするものでありまして、裁判官の身分保障を具体化し、ひいては裁判の独立を保障するものであるという趣旨であるというふうに私どもも理解しているところでございます。
#12
○下稲葉耕吉君 そこでお伺いいたしますが、今回の人事院勧告は一・一何がしの上昇でございます。ところが、いわゆる期末手当は〇・一減額になっております。私もそういうふうなことでつぶさに、一・何%上昇するんだけれども、実際、期末手当は減額になるし、どの程度上がるものだろうかということで計算いたしてみますと、これはもう微々たるものでございますね。最高裁の長官、これは総理大臣と同じでございますけれども、月額にいたしまして税込み一万三千円。それから、判事補さんなんかの余り経験の深くない人なんかにいたしますと三千円ぐらいになるわけですね。三千円何がしかの、平均いたしましてですよ、というくらいの上昇になる。
 そういうようなことで、バブルがはじけて経済情勢が厳しくなってきている際に、給与に切り込むんじゃなくて期末手当だとか何だかんだに切り込んで、いわゆるボーナスを減額してくるというふうな状態が、今回もそうですし、前年もそうですね。というふうなことになりますと、例えば〇・一カ月分の減額じゃなくて〇・何カ月分の減額になると、プラスになるか人によってはマイナスになることもあると思うんですよね。そういうふうな場合には、憲法違反になるんですか、ならないんですか、どうでしょうか。
#13
○政府委員(永井紀昭君) 委員も十分御承知のことと存じますが、憲法七十九条六項及び第八十条二項を受けまして、裁判所法第五十一条におきましては、「裁判官の受ける報酬については、別に法律でこれを定める。」、こういうような規定がありまして、それをさらに具体化するものとして、ただいま御審議いただいております裁判官の報酬法が制定されているわけでございます。
 この裁判官報酬法の第二条には、報酬について別表で定めるということで、ただいま御審議いただいているわけですが、さらにその同法の第九条におきまして、報酬以外の給与について、特別職及び一般職の例に準じて支給するというふうに区別して規定しております。
 このような現行法の体系からいたしますと、憲法に言う報酬とは公務員の基本給たる俸給と同じ意味であって、報酬以外の給与というものに当たります各種の手当とは明確に区別された概念と考えるわけでございまして、いわゆる各種の手当につきましては、憲法上に言う報酬とは異なった概念と考えているわけでございます。
 したがいまして、憲法に言う報酬には手当は含まれないということでございますので、憲法上の減額禁止の保障は及ばないというふうに考えているわけでございます。ただ、これはいわば形式的なといいますか、解釈でございまして、実質的な解釈をいたしますと、例えば裁判官についてのみ手当を減額する、例えば他の公務員あるいは国会の職員等については手当はそのままにしておきながら、裁判官についてだけ手当を大幅に減額する、例えばこういうことがございますと、やはり憲法違反の疑いが出てくるという問題が生じようかと思います。
 ただし、一般的に公務員全体として財政上の事由あるいは今回の人事院勧告は民間の特別給との対比におきまして〇・一カ月減ずるという全体的な措置をとっているということから、実質的に見ましてもこの点は特に問題は生じない、こういうふうに考えているところでございます。
#14
○下稲葉耕吉君 役所からは当然そのような御答弁が出てくるものだと、こういうふうに思いました。報酬と手当は違うんだと、だから、報酬は減額しないけれども手当の減額は憲法違反じゃないんだというふうな理屈ですわね。それはそれとしてわからぬわけじゃないけれども、憲法でこういうふうなことを決めであることは、手当は別でございますということを予定してこういうような憲法の規定をつくったかどうか、私はそこまで議論があったかどうか、ちょっと調べてみたんだけれども、よくわからないんですよ。
 要するに、裁判官がいわゆる社会的に裁判官にふさわしい地位を保つためにほかの公務員とは、言葉は悪いですが、突出して身分上の保障を決めてあるわけですね。そういうふうなことからいいますと、今度本論に入るわけですけれども、今みたいに人事院勧告に倣って裁判官、検察官、きょうは裁判官を中心にして議論しておりますけれども、裁判官の報酬というふうなものを決める。これはずっと続いているわけですよね。私はその都度こう感じているんだけれども、憲法であれほど保障してあるのが、実質的には一般職の公務員に追随して裁判官の報酬が決められる、上昇率なりなんなりにしても。そういうふうな形でいいのかどうか。これは基本的な議論だと思いますが、その辺の議論はいかがでございますか。
#15
○最高裁判所長官代理者(堀籠幸男君) 裁判官の報酬につきましては、憲法八十条で相当額の報酬を受ける旨が定められているところでございます。問題は、何が相当額の報酬であるかということでございますが、この点につきましては、これまでも当委員会で申し上げてまいりましたように、裁判官の職務を行っていくにふさわしい、その地位を保障するに足る十分な報酬ということであろうかと思います。
 しかし、この相当額といいますものも、やはり裁判官が国家公務員であるということ、そして現在のような裁判官の任用制度をとっているということで、そういったさまざまな事情の中で考えていかなければならないわけでございまして、私たちといたしましては、裁判官の報酬が国家公務員全体の報酬の中で適正な地位を占めるということがその相当額の報酬となるゆえんであろうというふうに考えているわけでございます。
 このような観点から、現在の裁判官と行政官との報酬の較差というものを本俸で見てまいりますと、大体判事補につきましては行政官との関係では一・二倍ないし一・三倍になっております。また、判事になったころが裁判官の報酬が最もふえるわけでございまして、行政官との関係では一・七倍程度になります。そして、その後も行政官との関係では一・四倍ないし一・五倍の較差をずっと保っているわけでございまして、裁判官の判事補から判事に至る報酬の額の動きにつきましては、判事になったところでその責任の重大性から比較的若くても行政官との関係では非常に高い報酬をいただいておりまして、そして判事になった後は刻みが割合少なくなって、順次定年に至るまで昇給していくというような形になっているわけでございます。
 裁判官の報酬をどのように決めるかということは大変難しい問題ではございますが、このような現在の裁判官の任用制度を前提といたします限りは、裁判官の報酬は現在のような決め方がかなり合理性があり、現実的に妥当なものであろうというふうに考えているところでございます。
 なお、委員御案内のように、昭和三十九年の臨時司法制度調査会におきましても、裁判官の報酬の決定方式につきましては、「生計費及び一般賃金事情の変動による一般の国家公務員の給与の改善に伴う裁判官、検察官の報酬又は俸給の額の改定に関しては、現行のいわゆる対応金額スライド方式を維持すること。」とされているところでございます。
#16
○下稲葉耕吉君 今、最高裁からお話がございましたように、もう最高裁で現在のとおりで結構だとおっしゃるのなら、私はまた何をか言わんやだと思うんですよ。しかし、いろいろおっしゃいました、一・二倍だとか一・七倍だとか。それは数字を見ればそういうふうな形に、私は、一般の人は理解すると思いますね。
 じゃ、同期生の弁護士さんと比べてどうなんだとか、あるいは外国の裁判官というふうなものは、たまたまアメリカの憲法にああいうふうな規定があるから準用したんじゃないかという説明が法務省からございましたけれども、そういうふうな人たちと比べてどんなものだろうか。あるいは社会的地位は、評価というものはどういうふうなステータスなんだろうかとか、あるいはそういうふうな角度から最高裁判所なりが独自にいろいろ調査されて、そして一般の公務員とこういうふうなところが違いますと。
 例えば、約三千人ぐらいの判事補も含めて裁判官の方がいらっしゃると私理解しているんですけれども、それが全国にばらまかれている、僻地のところにも大分いらっしゃる。そして、俸給がもちろん基本になるんですけれども、じゃ生活環境というのは果たしてそれでいいのかどうか、居住環境はどうなのか、交通の関係はどうなのか、足はあるのかないのか。
 そういうふうなものをトータルとして考えて、そして裁判官というものが社会的にふさわしい地位というものはいかにあるべきかというふうな形で裁判所も私は検討なさるべきじゃなかろうか。ただ、人事院勧告がこういうふうに決まりました、それに従ってスライドしてこうこうやります、これでいいんですというわけにもいかぬのじゃないだろうか。何か特殊性があるんじゃないだろうかというふうな感じがするんですが、いかがでございますか。
#17
○最高裁判所長官代理者(堀籠幸男君) 裁判官の地位及び職務の重大性について温かい御理解をいただいて私どもも感謝しているところでございまして、裁判官の報酬というのは、裁判官の職務、特にその職員と密接につながるものでございまして、私どもといたしましても、憲法に定められております相当額は何かということにつきましては、委員の御指摘を踏まえて将来の検討課題とさせていただきたいと思います。
#18
○下稲葉耕吉君 私は、毎年こういうふうな機会があって検討するというのがあるんですけれども、本当のところを言いますと、余り前進がないですね。反対、対決法案でもないものですからすっと上がる。しかし、私は、裁判所は裁判所としてやはりその辺のところの基本的な御検討というのがあっていいんじゃないのかなというような感じがします。
 そういうふうなお話ですので、じゃ若干具体的にお話ししますと、三権分立という言葉がございますね、立法、司法、行政。そうすると、最高裁判所というのは司法の一番偉いところですよね。ですから、最高裁判所の長官は内閣総理大臣とこの表を見てみましても同じですね。最高裁判所の判事さんは大臣と同じだけの報酬をいただいておる。それはもう私は当然だろうと思うんですよね。
 ところが、最高裁判所の事務総長さん、これは事務方の一番責任者でございますし、先般その事務総長さんが最高裁の判事になられた。私は、最高裁の事務総長さんと衆議院、参議院の事務総長、同じぐらい給料をもらっているんだろうなと思って、いたずらして調べてみました。幾ら違うと思いますか。約三十万違いますよ。二十九万幾ら違うんですよ。そうですよね。
 あとは差し支えがあるから申し上げませんけれども、それは国会は国権の最高機関だからそれぐらい差があるというのなら、またその議論は議論といたしましても、やはりその辺のところが、それでいいのかどうなのか、何とかならぬものだろうかどうかというふうな形の検討というものは常になされてしかるべきじゃなかろうか。
 じゃ、もう一つの例を出しましょう。ここでいろいろ御議論をいただいて結果はいい方向に進んだわけでございますけれども、東京地方裁判所で警備員が殺害された事件がある。あの件についての補償の問題をお伺いいたしました。
 当時、最高裁判所を初めとする裁判所の中ではそのような規定というのは整備されておられませんでした。ところが、いわゆる公務員、なかんずく警察だとか消防だとかその他いろいろございますが、殉職されるような、あってはよくないことなんですが、そういうふうな事件が比較的発生しやすいような役所ではそういうふうなものに対する救済上の措置というのが整備されている。大変御努力なさって何とか、まだ私は十分だとは思いません、整備された内容でも十分だとは思いませんけれども、何とかそういうふうな方向に進んでこられた。
 ですから、裁判官の方々あるいは裁判所の職員の方々も含めて、裁判所のそういうふうな給与を初めとする全体の周辺の問題も含めました処遇上の問題というものは、これはやはり真剣に専門的にお取り組みいただいて、そしてそれは立場上、法律だとか予算のことは国会の議決ということになっておりますから、それは私どもに御相談ということになろうとは思うんですけれども、そういうふうなことにつきましてもう少し何か、活力といっては言葉が悪いんですけれども、訴えるものがあっていいんじゃないかなと。
 そういうふうなことが結果として一人一人の裁判官の運営にも影響してくるんじゃないだろうか、そういうようなことで日本の司法というものに縁の下からどんどんサポートができるんじゃないだろうか、こういうふうな感じが実はするものですからこういうふうな御質問を申し上げたのでございますが、何か御意見がございましたらお願いします。
#19
○最高裁判所長官代理者(堀籠幸男君) 委員御指摘のように、東京地裁における法廷警備員の殉職事件の際には、種々補償関係の規定に不備がございまして、委員からも懇切丁寧な御示唆、御助言をいただきまして、おかげさまをもちまして昨年中に災害補償に関する特別規定、本年度には賞しゅつ金制度の整備を図ることができましたわけでございまして、改めてこの場をおかりいたしましてお礼申し上げます。
 裁判官及び裁判所職員の処遇の問題につきましては、生活環境の整備という面も含めまして、トータルで考えてその改善に努めるのが私どもの職員だと認識しておるところでございまして、今後とも最大限の努力をしていきたいと考えております。
#20
○下稲葉耕吉君 私の質問はこれで終わりますが、最後に法務大臣ひとつ、今私いろいろ申し上げましたけれども、大臣としての御感想があるいはお考えがございますればお伺いいたします。
#21
○国務大臣(前田勲男君) ただいま下稲葉先生のお話もお伺いいたしておりまして、現在の裁判官の給与制度につきましては、御指摘のとおり、憲法上の大原則でございます司法の独立を保障するという観点から、その職務と責任の重要性を反映したものとなっておると存じております。
 憲法八十条二項はもとより、七十六条の三項にも「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行いこ云々とございますが、この裁判官の報酬が一般公務員に対して優位性を持たなければならない、これはまことに相当の合理性を有するものと考えております。
 今の御質疑の中で裁判所からも、判事、判事補の一般との比較は一・二から一・七というような大方の数字も伺っておりますが、この数字がそれでは相当の合理性があるのかどうか。最高裁の方から、ぜひ検討したい、こういうことでもございますし、私もこの裁判官の報酬の優位性につきましてこれから十二分に関心を持って、特に裁判所の所掌事務に最も近い関係にございます法務を担当する大臣として、職員にふさわしい裁判官の処遇が行われてまいりますように努力をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#22
○下稲葉耕吉君 ありがとうございました。終わります。
#23
○糸久八重子君 社会党の糸久でございます。
 昨年の裁判官、検察官給与法改正案の審査の際に、私は、給与勧告の早期完全実施そして改定差額の年内支給の必要性を強く指摘をいたしたところでございます。私どもの党が参画をしておりました細川連立内閣は、格段の努力と特段の配慮をもって従来に比べて完全実施を早期に決定をいたしました。
 さて今回ですが、「人にやさしい政治」、「安心できる政治」を目指す村山内閣は、さらに一歩進めて、閣議決定もそして法案提出も前回よりも早くなされたわけでございます。労働基本権を制約されております公務員労働者にとりましては早期改定は当然の措置とはいいながら、村山内閣の機敏な対応を高く評価をするものでございます。政府におかれましては、財政状況等を勘案しながら、次年度以降もさらに早期に給与改定を処理するように一層の御努力をお願いしたいと思うところでございます。
 人事院当局におかれましては、毎年早期勧告に御努力をなされていることは重々承知をいたしております。これは春闘後の民間給与実態調査によって決めるわけですから、早期勧告には物理的な限界があることはわかります。それを踏まえても、前年度を一日でも上回る早期勧告に来年度以降も努めていただきたいのですけれども、人事院当局の認識と決意のほどをまずお伺いしておきたいと存じます。
#24
○説明員(藤原恒夫君) 人事院の給与勧告は、情勢適応の原則に従いまして、公務員給与を民間給与に均衡させる趣旨のものでありますことから、人事院といたしましては、民間給与が大きく変動する春闘の終了後、民間給与を精密に調査し、較差があればそれをできるだけ早く埋めることができますよう早期勧告に努めてきているところでございます。
 来年度の勧告の時期について現時点で申し上げることはできませんが、勧告の基礎となる民間給与の動向を正確に把握するために七千七百の民間事業所に調査員を六月中旬まで派遣して調査を行うなど、勧告作業の短縮には物理的な制約要因もありますが、人事院としては従前同様、できるだけ早期に勧告を行うという基本姿勢で対処していきたいと考えております。
#25
○糸久八重子君 判事の報酬、検察官の俸給は直接人事院勧告に連動するものではないわけですが、判事報酬法の十条によりますと、判事の報酬は、一般の官吏について政府が俸給その他給与の額を増加する場合、一般の官吏の例に準じて増加することとなっておるわけでございます。また検事の俸給も、準司法官的機能にかんがみ裁判官の報酬改定に準じて改定されているようでございます。したがって、人事院勧告による一般職職員の給与改定というのは、裁判官の報酬、検察官の俸給改定と密接に関連しておりまして、判検事給与改定の大前提となっているとも言えるわけでございます。
 そこで、大臣、まず労働基本権制約の代償措置としての人事院勧告制度についての御認識と、それから判事、検事給与法改正のあり方、特に対応金額スライド方式の妥当性についての御見解をお伺いをさせていただきたいと思います。
#26
○国務大臣(前田勲男君) 裁判官また検察官の給与制度でございますが、憲法上、御指摘のとおり、三権分立の大原則の中で司法の独立を保障するという観点から、裁判官また検察官の職務の責任の重要性を反映した制度となっておるわけでございます。八十条二項はもとより、七十六条の三項にもございますとおり、裁判官、検察官の報酬が一般公務員に比べて優位性を持っておることは、憲法上、こうした相当の合理性があることと思っております。
 裁判官を含む裁判所職員また検察官の処遇につきましても、裁判官また検察官の担う重責また使命を考えますと、裁判所並びに裁判所職員にとりましてもふさわしい生活の保障ができるように定めなければならないと考えております。今日、準司法的な検察官においても同じ取り扱いといたしておるところであります。
 現行の裁判官、検察官の給与制度は、今申し上げました裁判官職務の責任の特殊性を相当程度反映をいたし、また給与水準において一般行政官に対してある程度の優位性を持つように、先生おっしゃる対応金額スライド方式を採用いたしておるものでございまして、これは一般職の公務員の給与に関する人事院勧告の重要性を尊重しつつ、裁判官、検察官の職務の特殊性を給与体系に優位性を反映させようとするものでございまして、相当の合理性を有するものと考えております。
#27
○糸久八重子君 法務大臣は給与関係閣僚会議のメンバーにはなっていらっしゃらないようでございますけれども、人事院勧告は検察官俸給法の改定について所管外なので触れていませんけれども、検察官は特別職である裁判官とは違いまして一般職でございますから、その意味からいえば法務大臣は給与関係閣僚会議のメンバーになることは合理的な根拠があるのではないかと思うところでございます。
 私は、法務大臣にはぜひこのメンバーの一員として、給与勧告の早期実施、決定について閣内でのリーダーシップを発揮していただきたいと思っておるところでございます。オブザーバーとしてでも出席をして、二千七百人を超える裁判官そして二千百人を超える検察官が安んじて職務に専念できるよう、その前提となります一般職職員の給与法改定に対して早期決定の必要性を主張するくらいの決意と御努力をお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#28
○国務大臣(前田勲男君) 糸久先生から大変御激励を賜りまして、ありがとうございます。
 現在、給与関係閣僚会議のメンバーでございますが、実は私も外れておりまして大変不満に思っております。メンバーは、御承知のとおり、大蔵、経企、自治、文部、労働、総務庁、官房長官となっておりまして、法務大臣が外れておりますことはまことに残念でございます。
 先生御指摘のとおり、裁判官は別といたしまして、検察官その他、この給与関係閣僚会議に当然出席をして人勧の早期決定、実現を努力をしなければならない立場だと、かように考えておるところでございます。
 最初に先生お話しいただきましたが、ことしは人勧も昨年よりもわずかでございますけれども早く決定をさせていただいておるところでございまして、今後この人勧の早期また完全実施のためにも関係閣僚のメンバーになるべく官房長官、総理にもじかにお願いをいたしたい、かように考えておるところでございます。
#29
○糸久八重子君 ぜひ頑張っていただきたいと思うところでございます。
 人事院にお伺いしますけれども、昨年の勧告では、三月期におきます手当を〇・〇五カ月分、そして十二月期の期末手当を〇・一カ月分、合計して〇・一五カ月分削減をいたしまして、年間の支給割合を五・三カ月分としたわけでございますね。本年度の勧告では、再び十二月期の期末手当を〇・一カ月分削減をして、年間の支給割合を五・二カ月分にするということにしておるわけでございます。二年連続で公務員のボーナスはトータルで〇・二五カ月分も減額をされることになるわけですね。
 ことしの給与勧告は一・一%ですけれども、去る九月六日の参議院の内閣委員会の会議録を見てみますと、期末手当引き下げ相当分は〇・六%と答弁をされております。したがって、実質引き上げ率というのは差し引き〇・六%程度にしかなりませんけれども、そう確認してよろしいですね。
#30
○説明員(藤原恒夫君) 先生おっしゃるとおりでございます。
#31
○糸久八重子君 平均額でいうと、期末手当の削減相当額というのは大体どのぐらいになりますか。
#32
○説明員(藤原恒夫君) 行政職におきます期末手当の減額の平均は約三万四千円でございます。
#33
○糸久八重子君 これ法務省にお伺いしたいところですけれども、人事院の本年度の報告では行政職(一)表、(二)表のことし四月の平均給与月額というのが三十三万五千七百三十七円で、平均年齢が三十九・五歳となっているわけです。
 それで、先ほどの下稲葉議員への答弁の中で、一般公務員に比較すると大体一・二から一・七倍程度の給与だというようなお話があったんですが、きょういただきましたこの表を見て、例えば判事の場合は一体どのあたりがその平均給与になるのでしょうか。
 一号から八号ありまして、これはいろいろ年齢とか人数とかあるんでしょうけれども、大体その真ん中の五号あたりが平均給与ということになるんでしょうか。その辺はわかりませんか、平均的には。
#34
○政府委員(永井紀昭君) 法務省から答えさせていただきますが、実は検事につきましてちょっと調べたのでございますが、検事の平均俸給月額は約六十九万八千円でございます。平均年齢は四十三歳という、こういうところでございます。判事の場合も、必ずしも一致しませんが大体そこらあたりが、もうちょっと若いかもしれませんが、その程度になるかと思います。
#35
○糸久八重子君 先ほどもお話があったわけですけれども、憲法の七十九条、そして八十条で、裁判官の報酬は、在任中、これを減額することができない。と定められているわけでございますが、ここで言う報酬とはいわゆる本俸のことで手当は含まないというのが通説になっているわけです。また、裁判所当局でもそういう御見解があるようですけれども、そしてまたこれが従前からの運用の実態だと思うわけですけれども、最高裁当局の考え方をもう一度お聞かせいただきたいと思います。
#36
○最高裁判所長官代理者(堀籠幸男君) 私どもといたしましても、先ほど司法法制調査部長がお答えいたしましたように、憲法七十九条六項、八十条二項で保障しております相当の額というのは本俸の報酬であるというふうに理解しているところでございまして、その他の報酬につきましては、直接は憲法の保障の対象外であるけれども、ただこれは一般公務員と同様の扱いをされた場合にはそういうことでございますが、個々の裁判官について差別的な扱いあるいは裁判官全体について差別的な扱いを受けるというようなことが万が一にありました場合には、これは憲法の問題にかかわってくるであろう、こういうふうに認識しているところでございます。
#37
○糸久八重子君 手当の減額そのものは憲法違反ではないということでございますけれども、期待権的な期末・勤勉手当の支給率が引き下がるということは実質ベアの低下にもつながるわけでございまして、そういう実質ベア率の低下ということについての裁判所当局の率直な御意見を聞かせていただきたいと思いますが。
#38
○最高裁判所長官代理者(堀籠幸男君) 今回の措置につきましては、報酬である本俸に相当するものについては値上げしておりまして、手当についての減額をほかの国家公務員の方と同様に扱われているわけでございますから憲法に違反する事態ではない。そうなりますと、あとは国権の最高機関である国会の立法政策の問題、それを提案される内閣の問題であろうというふうに私どもは理解しているところでございます。
 最高裁判所としては、裁判官のトータルの報酬が上がることは、これはまことに喜ばしいことではございますが、その点につきましては政策判断というものでお考えいただいているという立場でございます。
#39
○糸久八重子君 ありがとうございました。終わります。
#40
○山崎順子君 新緑風会の山崎順子です。
 裁判官及び検察官の給与改定法案について質問させていただきますが、私としてはこの法改正には基本的に賛成です。時間の制約がございますので、最高裁に御答弁願うときは指名させていただきますので、それ以外は法務省のみに御答弁いただきたいと思います。
 既に改正点については他の委員によって触れられておりますので深入りは避けますけれども、ただ、ここで一点確認をしておきたいのは、裁判官、検察官の給与体系の根拠です。報酬、俸給は一般行政職に比べて二、三割あるいは五、七割優遇されているとも先ほどの御答弁にもありましたけれども、こうした体系は昭和三十年代にできたものを基本としているようですけれども、民間の給与体系が大きく変化している中で、昭和三十年代につくられた体系を踏襲していることの根拠を伺わせてください。
#41
○政府委員(永井紀昭君) 裁判官、検察官の給与体系につきましては、昭和三十年ではございませんで、もともと戦後発足した、昭和二十四年当時からのこれは歴史がございまして、やはり当時の三権分立の思想あるいは司法権独立というものを非常に重く見た結果、裁判官あるいは準司法官である検察官につきまして、相当較差を設けて給与を設定したわけでございます。
 その後、昭和二十六年に至りまして、やはり大きな意味では国家公務員の一種であるということから、優位性を保ちながらこれをどのように報酬を設定していくかという議論がありまして、昭和二十六年にいわゆる現在話が出ております対応金額スライド方式ということで、一般国家公務員よりもある程度の優位性を保ちながら、実際の生計費や消費者物価指数その他等も勘案した俸給、報酬の値上げを図っていくというそういう体系に、基本的な体系はそこから始まっているわけでございます。もちろん、国家公務員自体がいろんな紋別のあり方等時々変わっておりますので、しかし、それに対応させることにおきましては基本的な骨格は変わっていない、こういうふうに思っております。
#42
○山崎順子君 報酬、俸給は、今おっしゃったとおり、一般行政職に比べて優遇されていますけれども、司法修習を終えた者から裁判官、検察官にふさわしい人材を確保するのに毎年苦労していらっしゃるように聞いております。最大の理由は私は給与面にあるのではないかと想像しているんですけれども、司法試験といえば我が国でも最難関試験の一つですし、そのクリアをした人にふさわしい待遇が必要だと思います。現状の待遇は給与や住宅、官舎等を総合してどう認識していらっしゃるか。
 また、一般行政職との比較がされますけれども、国家公務員T種試験合格者の待遇自体が劣悪で、それが天下りの要因の一つともなっているのではないかということが言われておりますが、公務員の二、三割増しの持つ意味が先ほどの御説明のころとは、もちろんその後いろいろ勘案していらっしゃるとはおっしゃっていますが、全く違ってきているのではないかと思われまして、司法、検察に公正で優秀な人材の確保のためには給与体系全体の見直しということも必要ではないか。その辺について率直にどういうお考えをお持ちか、またほかにも採用に当たってどのようなことがネックになっているか、お聞かせ願えればと思います。
    ―――――――――――――
#43
○委員長(中西珠子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、志村哲良君が委員を辞任され、その補欠として岡利定君が選任されました。
    ―――――――――――――
#44
○政府委員(永井紀昭君) 優秀な人材が裁判官、検察官に来ていただきたいということは御指摘のとおりでございます。
 実は、昭和四十六年に新たに初任給調整手当という制度が入りまして、現在、判事補十二号あるいは検事二十号という一番下の俸給では、今度改定されましても月額俸給ないし報酬は二十二万五千九百円という金額なんですが、実はこれにプラスされます初任給調整手当が一番下ですと八万七千八百円プラスされます。したがいまして、それだけで既に三十万円を超えるという、こういう措置が四十六年以来とられてきております。こういった、これは司法官だけではございませんで、学校の先生の一部あるいは医務関係の、お医者さんの関係でもこのような措置がとられているわけでございます。
 そういう措置もとりながら、さらに裁判所、検察庁におきましても執務環境をよくし、あるいは住居等につきましても新しい、新しいといいますか、私ども、昔、任官した当時は住居ももらえませんでしたが、今の方々はもう住居は入れるようにする、あるいは住居手当等その他の配慮もするという、そういった配慮をしているわけでございます。
 そこで、ただ最近は任官希望者も相当ふえてまいっておりますが、やはり修習生を終わりまして弁護士になる方が多いというのは幾つかの要因がございまして、一つは、例えば年齢的に、相当司法試験難しいものですから、合格される年齢が相当高くなってきてしまっていることや、あるいはそのためにいわば任官をちゅうちょするという方がございます。それからもう一つ、実際の経験では、やはり裁判官、検察官は転勤が多いということがいろんな意味で実際的にはややネックになっているケースがあるのかなど、いろいろ細かい分析いたしますといろいろありますが、ちょっと所感といいますか、感じたところだけを申し上げたわけでございます。
#45
○山崎順子君 裁判官に優秀な人材を確保し、また公正さの確保をするということが国民が裁判に信頼を寄せる基本だと思います。
 ところで、その公正さの確保あるいは人材の確保という点において司法の分野への女性の参画、それは弱者の視点や生活感覚の導入ということでもあると思いますが、それが大変大切な要素であると思うのです。
 そこで伺いたいのですが、私は離婚や家族問題を専門に十五年間女性の立場で取り組んでまいりましたけれども、家庭裁判所といいましても、多くの女性は非常に近づきがたい、怖いところだという印象を持っていらっしゃいまして、調停と裁判は違うというふうに御説明しても、皆さん感覚的になかなか理解できないでいらっしゃる状況だと思います。普通の女性にとって怖くない、親しまれる裁判所とするためには、やはり裁判官や検察官に女性が多くいることも大切ではないかと思うのですが、裁判官も検察官も最近女性がふえてきておりますが、特に検察官における女性の比率について現状に問題意識を持たれていらっしゃるか。少ないと思われるとしたら何らかの対策を講じるお考えがあるのかどうか、ぜひ法務大臣にお聞きしたいと思うのですが。
#46
○国務大臣(前田勲男君) 女性検察官の採用ということのお問い合わせでございますが、検事につきましては、男女を問わず優秀な司法修習生が任官をしていただくように努力をしているところでございます。特に、御指摘の女性の修習生に関しましては、司法研修所教官の中に女性検事を登用いたしたりいたしておりまして、特に女性が進出しやすい職場であるということを具体的に見ていただき、また女性修習生の会をつくっていただいて、人事担当者が出席をいたしまして、検事の職務あるいは職場環境などについて詳しく御説明をいたしたりして、女性修習生が任官しやすい雰囲気づくりというものに努力をいたしておるところでございます。
 このような努力の結果もございまして、ここ二、三年かなり女性の進出がふえてまいりました。かつて平成二、三年ごろまでは任官数が、大体女性ですと一けた、六人、三人、四人ぐらいでございましたが、平成四年、五年、六年になりますと、八人、八人、十一名と。大体パーセントで、ここ二、三年は一五、六%の女性検事が任官をいただくというような状況になっておりまして、なおこの努力をさらに続けてまいりたいと、かように思っております。
#47
○山崎順子君 ぜひその努力を続けていただきたいと思います。ありがとうございます。
 それで、最高裁では細川内閣のときに史上初めて女性の最高裁判事を任命した実績がございますけれども、まだまだ女性が少ないというところがありますので、今後も頑張っていただきたいと思うんです。
 司法試験を受ける女性は今おっしゃったように年々ふえ、女性の合格率は男性のそれよりもずっといつも上回っているような状況で、そうした優秀な女性たちですけれども、その女性たちが働きやすい職場環境の整備を積極的に推進することが必要で、しかし、裁判官や検察官という仕事柄、一人で抱え込む仕事量が多いし、責任も大変重い仕事だと思います。つい仕事一筋にならざるを得ない状況もあると思うんですが、みずからの親としてや家庭人としての権利や責任を放棄するような形では、逆に裁判官としても検察官としても人の心を理解するのは難しくなると思います。
 例えば、そうしますと、育児休業や介護休業が取得しやすい代替、交代のシステムは十分なのかどうか、そうしたことを取得したことが報酬や昇格、そういったものに不利益となるようなことがないのか、最後にお聞きしたいと思います。
#48
○政府委員(原田明夫君) 女性の検察官に関しまして最近の状況でございますけれども、育児休業制度が一般公務員についてとられました際に、検察官、裁判官につきましても同じような制度を導入していただきました。実際、制度はございましても、ただいま委員御指摘のとおり、実際にとれるかどうかということになりますと、御本人を取り巻くさまざまな状況、特に職場の環境がかなり左右してまいるだろうと思います。これは一般の職場も同じようなことが言えるのではないかと思いますが、検察官ということで独立して仕事をしております職場柄、あるいはよりそういう面は強く出てくるのではないだろうかと思われます。
 そういう点で私どもといたしましても、上司または同僚においてその担当業務を例えば他の検察官に割り振る措置等をやりやすくするなど、気兼ねなく育児休業がとれるようにということで、まだぎごちないかもしれませんが努力をさせていただいておりまして、最近も三人の女性検事が育児休業をとってその実績を上げていただいております。
 これはなかなか難しい問題でございますけれども、私どもといたしましては、人員の補強等を含めまして、今後ともそのような形で女性が安心してその職務を遂行できるように努力してまいりたい。また、そのために当の女性検事の皆さん方からも意見を聞いてまいりたいと思いますけれども、また幅広い立場から御助言、御指導等ございましたら、どうぞよろしく御指導いただければと存じます。
#49
○山崎順子君 今の質問に最高裁の方でも御答弁いただければと思います。
#50
○最高裁判所長官代理者(堀籠幸男君) 裁判官の育児休業につきましては、平成四年四月発足以来十八名の方から申請がされ、全員について承認されているところでございます。
 育児休業、それからことしの九月一日から施行されました介護休暇のとりやすい環境を整備するためには、育児休業、介護休暇を取得した場合の執務体制を整えるということが一番重要であると考え、とりやすくするということでございます。
 そこで、裁判所といたしましては、裁判官の協力を得て、育児休業、介護休暇等の蓋然性についての情報を早くいただくとともに、育児休業が取得された場合には、臨機応変に裁判所内でのてん補、事件の配てん、あるいは係属事件の配てんがえ等適切な措置をとりまして、とりやすい環境を講じているところでございますが、今後とも裁判官が安んじて育児休業、介護休暇等を取得できるような執務体制、環境づくりを進めてまいりたいと考えているところでございます。
#51
○山崎順子君 終わります。
#52
○荒木清寛君 裁判所と申しますところは、憲法の番人、また人権保障のとりででございまして、そういう重責にある裁判官が報酬の面でも優遇をされておる、このことにはだれも異論がないと思います。ただ同時に、国民が今裁判官あるいは裁判に望んでおりますことは、何とかもっと裁判が速くならないのか、特に民事裁判についてはそういう要望が強いのではないかと思います。せっかく裁判を起こしましても、裁判官みずからが、裁判にすると時間がかかるから和解にしたらどうですか、そういうお話があるというのが一般の実態でございます。
 そこで、まず冒頭、大臣に、こうした訴訟遅延という事態について何か所感がありましたらお伺いしたいと思います。
#53
○国務大臣(前田勲男君) 先生から裁判の長期化の御指摘がございました。また、裁判官が調停ではなくてみずから和解を求めるというようなお話もございましたが、昨今、裁判の期間も民事においては短縮されつつあると認識をいたしておりますが、いかんせん、まだ時間がかかっていることは事実でございます。
 これは、裁判官の数もございましょうし、またそれのみならず、弁護士さんの数その他もございまして、法曹界全体で取り組んでいかなければならない極めて基本的かつ大事な問題であると認識をし、国民がひとしく裁判を受ける権利を保障するためにも御指摘に沿った努力をしてまいりたい、かように思っております。
#54
○荒木清寛君 最高裁にお尋ねをしたいと思いますが、こうした裁判の迅速化を図る上でも裁判官の増員というのがこれは不可欠である、足らないというふうに思うわけでございます。もっと積極的に任官する人がふえるように最高裁としても努力をすべきであると思いますし、もしそういう面からもっと報酬を上げた方がいいのじゃないかというお考えがあるんでしたら、率直にお伺いしたいと思います。
#55
○最高裁判所長官代理者(堀籠幸男君) 最高裁といたしましても、裁判官にふさわしい方、優秀な方がたくさん任官していただきたいということは常日ごろから考えているところでございまして、国民の皆さんと直接接している弁護士の方からの任官もお願いして裁判官の充実を図っているところでございます。
 同時に、報酬につきましても、増額されるということは非常に私どもの職員を評価していただいたことでありがたいことでございますので、今後ともそういう方面の努力をしていきたいと考えているところでございます。
#56
○荒木清寛君 今、弁護士からの任官の道も開いているというお話がございました。昭和六十三年三月に最高裁は、弁護士から毎年二十名程度の判事を採用する、そういう方針を打ち出しておりますが、現況はどのくらいの弁護士からの任官者があるんでしょうか。
#57
○最高裁判所長官代理者(堀籠幸男君) 委員御指摘のとおり、最高裁といたしましては従来から、裁判官以外の経験を有する法律家が裁判所部内で活躍することは有意義なことであり、弁護士の方からも適任者があれば多数裁判官に任官していただきたいというふうに考えてきたところでございます。
 委員御指摘のとおり、昭和六十三年三月に判事採用選考要領をまとめまして日本弁護士連合会に対する説明を行うとともに、全国の弁護士に対しまして周知方を依頼いたしました。その結果、この選考要領に従って裁判官になられた方は八名おりますが、この間、さらに判事補に四名、簡易裁判所判事に二名が任官しております。
 しかし、これでは数が少ないということでございまして、平成三年十月には任官しやすい環境を整えるという観点から選考要領を改正いたしまして、弁護士からの裁判官の任官を積極的に進めてまいりました。新しい選考要領では選考対象を、五年以上弁護士の職にあり、裁判官として少なくとも五年程度は勤務していただけるであろう方、それから年齢が五十五歳ぐらいまでの方というふうに拡大し、柔軟な対応策をとったところでございます。
 新しい選考要領に基づきまして、平成四年度には判事五名、判事補一名、平成五年度には判事七名、合計十三名の任官があったところでございます。そして、平成六年度につきましては、現在までに既に判事五名、判事補一名、合計六名の任官者がありますが、これ以外にも現在選考手続中の方もおられるわけでございまして、そういう方につきましては、弁護士としての残務整理が終了し、任官できる環境が整った方から採用していくことになろうかと考えているところでございます。
#58
○荒木清寛君 いずれにしましても、最高裁も努力はされておると思いますが、毎年まだ十名にも満たない弁護士からの任官者でございますから、もう少しこの道も開くように努力をしていただきたいということを要望いたします。
 それで関連しまして、人手が足らないという面では裁判所のみならず入管も大変人手不足で、もう忙しいという実態があるわけでございます。ぜひ私も法務委員会でそういうところに視察に行きたいと思っておるわけでございますが、数日前に大変気になる報道があったわけでございます。
 これは日系南米人の在留資格の更新の問題でございますが、入国した日系南米人の方が定住者ということで在留資格を更新をしようとした、ところが、東京ではその更新は却下といいますか不許可になったわけでございますが、大阪の入管の方に持っていきましたらそれが一転して許可されたと、そういう報道があったわけでございます。
 定住者としての在留資格の更新ということは、日系人であり、かつ在留期間中のそういう経済的な基盤がしっかりしているということさえ整えば認められるはずでありまして、そういう意味では、入管当局が裁量によって認めたり、認めないということはあり得ないはずなんです。ですから、東京では認められないけれども、大阪では申請が受理されるということはあり得ないはずなんです。
 そこでお聞きするわけでありますが、今の憲法のもとでの、法のもとの平等あるいは適正な手続の保障、そういう保障は外国人あるいは日系人に対しても、日系外国人ですか、そういう方に対してもその保障が及ぶのか、まずお考えをお聞きしたいと思います。
#59
○政府委員(塚田千裕君) 出入国管理上、日本人あるいは外国人、内外区別することなく私ども必要な審査あるいは許可等の決定を行っております。
#60
○荒木清寛君 私は、憲法の精神からしまして当然、在留資格の延長、更新につきましても平等であり、手続が適正であるということは要請されると思うんです。
 それで、この報道によりますと、単に東京で却下、大阪で許可というのはこの一件だけではなくて、どうも日系人の間には東京の入管は在留資格の審査が厳しいけれども、大阪に行くと比較的緩やかにこれが認められるというような認識が広まっていると。そこで、本来は東京にいる外国人なんですが、大阪、関西方面に移転をして、あるいは架空のそういう移転をして大阪の入管で延長の申請をする、そういう事態が大量に発生をしているという報道があったわけでございます。私、もしもこれが真実であれば、大変これはゆゆしき事態ではないかと思うわけでございます。
 そこで法務当局に、東京の入管は厳しいけれども大阪の入管は緩やかであると、そういう実態が本当にあるのかどうか。もしあるとしたら、東京の方が厳し過ぎるのか、大阪の方が甘過ぎるのかはっきりさせなきゃいけませんし、その上で、外国人の方にもよくわかるようにそういう審査基準というのを明示をして、親切に受理をして審査をしてあげる必要があると思うんです。
 そういう意味で、調査の上、もしそういう格差という実態があれば改善方を要請したいのでありますが、この点についてお伺いしたいと思います。
#61
○政府委員(塚田千裕君) いわゆる日系人として本邦に在留しようとする者は、日本人の配偶者等または定住者という在留資格を持って在留することになりますが、これらの在留資格に該当するための要件、これは入管法だとか法務省告示で明確に規定されておりまして、世間周知の形になっております。
 また、必要な提出書類、つまり在留資格に該当するんだということを客観的に証明する資料につきましても、これは入管法施行規則というもので、これこれこういう書類であるということが規定されておりますので、申請が提出される地方入管ごとに資料、書類というようなもので基本的な差はございません。
 例えば、不許可処分を受けた者でありましても……
#62
○荒木清寛君 済みません。もう時間がありませんので端的に答えてください。調査するのかしないのか。
#63
○政府委員(塚田千裕君) わかりました。
 現に、そういう報道がございましたことは事実でございますので、事実調査を進めております。
 報ぜられるように審査に地域格差があったのかどうかについても、慎重に検証いたしまして対処するつもりでございます。
#64
○荒木清寛君 最後に大臣に、この外国人の出入国管理につきまして、何か所感といいますか、抱負がございましたら簡単にお聞きしたいと思います。
#65
○国務大臣(前田勲男君) ただいま関西での事例をお引き合いにございまして、入管等に地方差があるかないか、これは当然あってはならぬことでございまして、調査をいたしておるところでございます。
 なお、先生から東京は厳しい云々とお話がございましたが、私はもう一つはやはり親切ということ、これを考えていきませんと、業務極めでこのところ数が急増いたしておりまして、えてして親切が後回しになるという傾向もないではないということを懸念いたしておりまして、親切ということも踏まえながら対応してまいりたい、かように考えております。
#66
○荒木清寛君 終わります。
#67
○紀平悌子君 時間、何分もいただきたいと思うんですけれども、六分なんです、打ち合わせでは。それで、六分間に質疑応答することは無理だと思います。それで、大変失礼な質問の仕方になると思いますけれども、質問を次々と申し上げまして、三つございますけれども、それに対してそれぞれお答えいただくという形をお許しいただきたいと思います。
 新法務大臣がやさしい、安心できる社会づくりのための法務行政を支える、そのための基礎づくりのきょうの二法案だと、こういうふうに思いますので、私はこれには賛成の立場をまずとっているということを申し上げたいと思います。
 そこで、少し、今入管のお話も出ましたことなので、ぶつかる部分もあるかもしれませんが、今からなるべく早口で申し上げさせていただきます。
 日本の入管行政について、これは出入国、入国管理行政というのは、日本と諸外国、外国の人々との接点でございます。したがいまして、この運用は、対外的には日本の国際感覚を示すバロメーターとなると考えます。基本的に、日本に来たいと思う外国の方々が短期であれ長期であれよい印象を持って帰ってもらう、そのことと、不法に残留し不法に就労するといういわゆる不法在留者の処遇、処置とを調和して行うということも必要でありましょう。
 そこでお伺いいたします。
 これは法務省にお伺いいたしますが、関西国際空港開港という現状にかんがみまして、出入国管理及び増員の体制整備の状況と展望につき概要を御説明いただきたいと思います。
 二番目には、現在ガット・ウルグアイ・ラウンドのサービス貿易交渉も進んでおるように承りますが、研修目的での農業関係のサービス提供に伴う人の入国の問題について、その現状と政府の方針をお聞かせいただきたいと思います。これは法務当局と法務大臣にも一言お願いをしたいと思います。
 次に、一般職給与法関係で質問を申し上げます。
 現在、入管業務及び矯正関係の職員の方々については、交代制勤務という厳しい条件のもとの労働だというふうに思います。また、その職員も最近極めて難しいものとなっておるやにも伺っております。こうした方々への給与改善は現在の急務であるというふうに考えますが、今後、待遇改善についていかなる方針で臨まれますか、お聞かせいただきたいと思います。法務省、そして法務大臣に続けてお願いいたします。
#68
○国務大臣(前田勲男君) それでは私から、三点の御質問の二点をお答え申し上げます。
 一つは、関西国際空港の開港に伴う出入国管理体制でございますが、関空、九月四日にオープンをいたしました。職員数二百六十名、大阪入国管理局関西空港支局として設置をいたしておりまして、関空における適正、迅速な出入国審査の実現のために体制整備を図っておるところでございますが、今後ともなお出入国者数の増加が見込まれておると思っております。適切に対処をしてまいりたいと考えております。
 それから、入国管理一般についても御質問がございましたが、入管、海外からお見えになる外国の方にとって我が国の第一印象を与えるまさに玄関口でございまして、我が国を訪れる外国人の大半の方、ほとんどが善良な方でございます。ただ、その中に一部不正に入国されるという人もあるわけでございまして、この入管における、厳しくすると印象が悪くなる、緩めると不法がふえる、この辺が実に現場におきましては難しい課題でございますが、私どもほとんどが善良な方の御訪問だということを頭に置きながら、なお不正に対しては厳しく対処していきたい、かように考えておるところでございます。
 また、入管及び矯正職員の待遇改善の問題でございますが、入管もこのところ、出入国者の急増ということで大変日夜厳しい業務がふえておるところでございますし、また矯正職員につきましても、交代制勤務という厳しい条件の中にあるわけでございます。特に、行刑施設におきましては、私も何カ所か刑務所も回ってまいりましたが、特に古くなりました老朽化施設の中で、受刑者と矯正官がまさに同じ暑さ、同じ寒さの中でお互いに信頼関係を結び合って、そして更生、改善に努力をされておるという姿に私も大変心を打たれておるところでございまして、これら入管、また矯正職員の処遇改善は極めて重要な問題であると認識をいたしておりまして、法務大臣といたしましても人事院勧告に基づきながら引き続き職員の処遇改善に最大限の努力を払ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
#69
○政府委員(原田明夫君) 職員の待遇改善につきまして、ただいま大臣から御説明申し上げたとおりでございますが、一点だけ、大臣の御指導のもとに法務省では公安職職員待遇問題研究会というのを大臣のいわば諮問機関という形で設けさせていただいておりまして、人事院勧告にも公安職、特に刑務所の職員、それから入管の職員等の公安職の俸給を適用される職員についての一般的な給与体系、また特別な手当の改善等につきましても改善が図られますようにお願い申し上げて、その結果が逐次実現されてきております。詳しいことは時間の関係で申し上げませんが、ただいま委員御指摘いただいたような形で今後とも努力させていただきたいと存じます。
#70
○政府委員(塚田千裕君) 農業関係についてお答えいたします。
 研修生を受け入れるということは、技術、技能の向上あるいは経済協力等の観点から望ましいと考えまして、真に日本で研修を受けようとする者の入国は農業関係の分野においてもこれを認めております。
 ただ、研修関係、平成四年までは順調に拡大してきたのでございますけれども、ここ二年ほどは景気の関係で四万人前後で停滞しております。
#71
○委員長(中西珠子君) 短くしてくださいね。
#72
○政府委員(塚田千裕君) はい。
 大部分が製造業でございますが、農業関係も相当数がございます。
#73
○安恒良一君 私もこの原案にはまず賛成だということを明確にしておきます。
 ただ、この際、大臣及び関係者にお願いしておきたいのは、戦後一貫をしてこの方式でやっておると、こう言われるんですが、法務委員会では毎年のように、高いのか低いのかとか、適正かどうかということでいろんなことの議論がされて、大体当局の答弁も同じことが議事録を見ますとほとんど繰り返されているんですね。
 そこで私は、この際、一般的に一遍これを全部洗い直してみる必要がある。例えば一つの例を挙げますと、三権の長である総理大臣と最高裁長官といわゆるここの議長は私は全く同じだろうと思って調べてみましたら、議長は低いんですよね。年間に百万以上も低いんです。なぜ低いのかということで調べてみましたら、議長には調整手当がない。そして期末手当が、ですから調整手当を含めたものに期末手当は倍数掛けていきますから、議長が年間百万円以上も低い。こんなことをみんな聞かれてびっくりする。私も調べてみてびっくりしたんです。そんなばかなことがあるかと。
 それからいま一つ、調整手当は現実にどうなっているかというと、東京が一二%で、浦和とか千葉とか大宮は三%なんです。しかも勤務地主義なんですね。裁判官や検察官がいろいろ転勤をします。そうすると、勤務地が変わると、東京から地方に、例えばすぐ地方の千葉へ行っても大宮へ行っても七%も下がるわけですね。それで、もう既にこの調整手当というのは民間では戦後の遺物でありまして、国家公務員とか地方公務員とかだけに残っておるんです。だから、残す必要があるなら私は一遍ここの、例えば勤務地主義といっても生活の大半は居住地でするわけですよ。
 ですから、そんなに、千葉が三%、大宮が三%、東京が一二%、横浜が一〇%と、そんなものをそのままにしておって、ですから今回の調整も、報酬だけ比べると今皆さんが答弁されたように七割とか五割高いということになっていますが、いわゆるその報酬プラス調整手当、それがアップ率が掛かっていきます。それから、期末手当の今度は月数がそれに掛かっていきますから、本当にどれだけの較差があるのか、皆さんが言われているような較差になっているのかなっていないのかということを、僕はもう戦後これだけたったら洗ってみないと、今回たまたまこれを調べてみまして思いました。これが一つです。
 それから、今回のアップ率を五年間過去をとってみたんです。そうしたら、中堅に薄くとか下に厚くというの、これは結構なことですが、これは上の方も結構厚くやっておられるわけですね。例えば裁判官の長官以下が六・五%上がっている。ところが簡易裁判所の、副がこの俸給表でいくと、ことし一・一のところを横にずっと見てみますと、そのときには三・五しか上がってない。もちろん下の方は五・八上がっている。ですから、この五年間の表を取り寄せてみて僕は実際に篤いちゃったんです、これでいいのかなと。
 もう一遍きちっと見直して、それはなぜかというと、行財政改革の積極的な推進ということを政府は言っておられますし、行政経費の節約ということも言っておられます。ですから私は、何もこれが高過ぎると言っているんじゃないです。余りにも中のアンバランスがあり過ぎやしないか、アンバランスが。勤務地によって、東京におった検察官がたまたま千葉に行ったらもう七%そこはばさっと下がるわけですからね。そしてそれは期末手当にも影響してくるわけです。
 しかし、今や東京と千葉にどれだけの生活差があるかというと、私はないと思うんです。そこらをきめ細かく私はやっぱり少し一遍洗い直してみないと、一般論で五割高いとか七割高いとか、そういうこと。でないと、なぜかというと、裁判官、検察官は転勤がしょっちゅうあるわけですよ、いろんなところに。大都市ばかりにおるわけじゃないんですから。そういうことからいうと、もちろん、それは一般公務員もあるからと、こうおっしゃるかもわかりませんけれども、私はそれらを含めてもう検討すると、戦後一貫してずっとこれでやってきていますから。そういう点を思いますが、そこらについて。
 それから、なぜこういうふうに上に厚く下に厚くということで聞きますと、四十歳前後を厚くしたと、ことしは一・一で。後を厚くしたと。四十歳過ぎた人は少しアップ率が低くてもいいと、こう言って一・一になった。ところが、これが五年間ずっと続いているんです。五年間そこの階層の人は全部同じ、一番最低に抑えられている、そんなことでいいのだろうかと思います。
 以上の点について関係省庁からの答弁と、最終的にはこれはやっぱり公務員全体に関することですから、大臣のお考えをお聞かせください。
#74
○委員長(中西珠子君) 時間がございませんが、短く御答弁をお願いいたします。
#75
○政府委員(永井紀昭君) ただいま安恒委員からの御指摘は、いずれもこれは裁判官、検察官に特有なことではございませんで、国家公務員全体の問題でございまして、これは人事院で基本的に御検討いただくべきことだと思っています。
 ただ、調整手当につきましては、最近も若干変更があった、見直しかされてこういう結果になっているわけでございますが、公務員については御存じのとおり、東京に勤めておられまして千葉に転勤いたしましても、三年間はそれは東京のもので処理されるということになっておりますので、そういう措置もされているということでございます。
 これは全体に、調整手当についてはかねてより人事院勧告、人事院においてどのように考えられるかということはいつも要検討対象とされていると承知しております。
 その次に、簡判五号、副検事二号あるいはちょうど判事補の一番トップクラスの上昇率が低いということでございますが、これは俸給体系全体の整合性をとるためにそういうことになっておるわけでございまして、人事院勧告が一般に下に厚くあるいは中堅層に厚くと言っておりますが、判事補のトップクラスは公務員の中では指定職の直前の十一級五号という非常に高位号俸なんです。そういう観点からどうしても、全体的な整合性をとりながら整序していきますと、そこらあたりが、比率としては少ないんですが、絶対額としてはむしろ高いあれになっているわけでございます。
 それからもう一つ注意すべきことは、実は判事補のトップまでが、これが勤勉手当とか住居手当とかそういうものが全部支給されます。それ以上、判事以降は勤勉手当あるいは住居手当等は全くございません。そういったことがございますので、年収総計でちょうど合うように整序しているものですから、結果的にそうなっているということでございます。総額としては全部整合性を持っているということでございます。
#76
○国務大臣(前田勲男君) お答え申し上げます。
 安恒先生から三権の長の比較もお教えをいただきましていささか、大いに問題あると私も問題意識を持っておるところでございます。
 特に、中身については調整手当が問題であるということでございまして、この調整手当のあり方、今既に出ておりますアンバランス等につきまして、特に人事院の方にもきょうの御議論を踏まえて私どもからよく連絡をとって、見直すべく努力を促してまいりたい、かように思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。
#77
○委員長(中西珠子君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに両案の採決に入ります。
 まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#78
○委員長(中西珠子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#79
○委員長(中西珠子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(中西珠子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト