くにさくロゴ
1994/11/01 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 地方行政委員会 第2号
姉妹サイト
 
1994/11/01 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第131回国会 地方行政委員会 第2号
平成六年十一月一日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 久人君
    理 事
                鎌田 要人君
                岩崎 昭弥君
                釘宮  磐君
                有働 正治君
    委 員
                石渡 清元君
                関根 則之君
                服部三男雄君
                松浦  功君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                小林  正君
                長谷川 清君
                続  訓弘君
                西川  潔君
   衆議院議員
      修正案提出者    山名 靖英君
   国務大臣
      自 治 大 臣
      国 務 大 臣
      (国家公安委員
       会委員長)    野中 広務君
   政府委員
      警察庁長官官房
      長         菅沼 清高君
      自治大臣官房長   秋本 敏文君
      自治省行政局長   吉田 弘正君
      自治省行政局公
      務員部長      鈴木 正明君
      自治省行政局選
      挙部長       佐野 徹治君
      自治省財政局長   遠藤 安彦君
      自治省税務局長   滝   実君
      消防庁長官     紀内 隆宏君
   事務局側
      常任委員会専門
      員         佐藤  勝君
   説明員
      大蔵省主計局共
      済課長       松川 忠晴君
      大蔵省主計局税
      制第一課長     福田  進君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○小委員会設置に関する件
○地方行政の改革に関する調査
 (地方行財政、消防行政、警察行政等の諸施策
 に関する件)
○地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法
 律案(第百二十九回国会内閣提出、第百三十一
 回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、小委員会の設置に関する件を議題といたします。
 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の運用及び風俗営業に関する制度及び運用等について調査検討するため、小委員八名から成る暴力団員不当行為防止法及び風俗営業等に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
#3
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、小委員及び小委員長の選任は、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
#4
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認めます。
 それでは、小委員に鎌田要人君、服部三男雄君、岩崎昭弥君、篠崎年子君、釘宮磐君、続訓弘君、有働正治君及び西川潔君を指名いたします。
 また、小委員長に鎌田要人君を指名いたします。
 なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及びその補欠選任、並びに小委員会から参考人の出席要請がありました場合の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
#5
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(岩本久人君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題とし、地方行財政、消防行政、警察行政等の諸施策について、野中自治大臣・国家公安委員会委員長から所信を聴取いたします。野中国務大臣。
#7
○国務大臣(野中広務君) 委員長、理事、委員の皆様におかれましては、平素から地方行政及び警察行政の推進に格段の御尽力をいただき、厚く御礼を申し上げます。
 新内閣が発足して四カ月が経過いたしました。私も、内閣の一員として、行財政改革、税制改革などの山積する諸課題の解決に向けて全力を尽くしているところであります。政治改革につきましては、衆議院議員選挙区画定審議会からの勧告を尊重したいわゆる区割り法案を国会に提出し、その早期成立に向けて努力いたしております。
 この機会に所管行政の当面する諸問題につきまして所信の一端を申し上げ、皆様の深い御理解と格段の御協力を賜りたいと存じます。
 さて、内外ともに大きな変革期を迎えておる今日、国民が豊かさとゆとりを実感できる社会を実現していく上で、地域の総合的な行政主体である地方公共団体の役割はますます増大しております。
 地方行財政を取り巻く環境には依然として極めて厳しいものがありますが、高齢社会に対応した地域福祉対策、自主的・主体的な地域づくり、社会資本整備、地域環境の保全・創造などをさらに推進していく必要があります。このため、国、地方を通ずる行政改革を一層進めるとともに、今後とも地方税財源の充実確保を図り、地方分権を推進していかなければなりません。
 私は、このような基本的認識のもとに、真の地方自治を確立するため、最大限の努力を払ってまいります。
 以下、概要について御説明いたします。
 まず、地方分権の推進について申し上げます。
 申し上げるまでもなく、今日、地方公共団体の自主性・自立性を強化し、地方分権の推進を図っていくことが重要な課題となっております。
 政府といたしましては、年内に地方分権推進の基本理念や取り組むべき課題と手順を明らかにした大綱方針を策定することとし、現在、行政改革推進本部に設置された地方分権部会におきまして、大綱方針の骨格の検討を精力的に行っております。この大綱方針に基づいて、速やかに地方分権の推進に関する基本的な法律の制定を目指すこととしております。
 去る九月二十六日には、全国知事会を初めとする地方六団体から、国会及び内閣に対し、地方分権の推進に関する意見書の提出がなされ、また本年四月に発足した第二十四次地方制度調査会においても、去る十月五日に、地方分権推進について専門小委員会からの中間報告が出されたところであります。
 私といたしましては、地方分権部会での大綱方針の取りまとめや地方制度調査会の審議等も踏まえ、今後とも一層地方分権を進め、真の地方自治の実現に最大限の努力を傾けてまいりたいと考えております。
 また、地方分権の推進は、地方公共団体としてその期待にこたえるべき責任と行動を求めるものであります。地方公共団体における行政改革につきましては、去る十月七日、地方公共団体における行政改革推進のための指針を策定し通知したところであり、地方公共団体がこの指針に沿って自主的・主体的な行政改革の推進に従来にも増して積極的に取り組んでもらいたいと考えております。
 なお、市町村合併に関する制度等につきましては、来年三月には現行の市町村合併特例法が期限切れになることも踏まえ、現在、地方制度調査会において御審議いただいているところであります。
 このような地方分権を進める基本は、国民が豊かさとゆとりを実感できる魅力ある地域社会を実現することにあります。地方公共団体は、地域の総合的な行政主体として、みずからの創意に基づく施策を積極的に展開していくことが何よりも必要であります。
 このため、地域の特色を生かした社会資本整備、高齢社会に対応した福祉施策、地域環境の保全・創造、文化・スポーツ等地域振興、国際交流・国際協力の推進等、総合的な地域施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 次に、地方税制について申し上げます。
 地方公共団体と住民との税による結びつきは荊方自治の基盤であり、この上に立ってこそ時代の要請である地方分権の推進が図られるものと考えます。したがって、裏づけとなる地方税源の充実確保は極めて重要であります。活力ある豊かな福祉社会の実現に向けた今次の税制改革等の一環として、個人住民税について税率適用区分の見直し、基礎控除等の引き上げ等を行い、また平成七年度において定率による特別減税を実施するとともに、消費譲与税にかえて平成九年度から地方税としての地方消費税を創設し、地方税源の充実を図ることといたしました。また、これにあわせて消費税に係る地方交付税率を引き上げることとし、現在これらを内容とした法律案を御審議いただいているところであります。
 私は、今回の税制改革等により、地方分権の推進や地域福祉の充実に向け一層弾みがつくものと期待しております。
 また、基地交付金及び調整交付金につきましては、基地所在市町村の実情にかんがみ、増額を図りたいと考えております。
 次に、地方財政について申し上げます。
 現下の地方財政は、景気の低迷を反映して大幅な収支不均衡の状況に陥った上、平成六年度には所得税、住民税の特別減税等の影響が加わり、巨額の財源補てん対策が必要になるとともに、百兆円に及ぶ借入金残高を抱え、その償還が大きな負担となっているなど、極めて厳しい事態に直面しております。
 その一方で、地方公共団体は高齢社会への対応、生活関連社会資本の整備等、内政上の重要政策課題についてまずます大きな役割を担うことが求められております。
 したがって、今後とも事務事業の見直し、給与・定員管理の適正化等、行政改革を積極的に推進して行政経費の節減合理化を図るとともに、当面しているさまざまな課題に適切に対応できるよう、地方税、地方交付税などの地方一般財源の充実確保に努めてまいる所存であります。
 さらに、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策として、国の施策にあわせて、地域活力の低下が懸念される農山村地域等について、地域の自主性、創意工夫を生かした活性化方策の推進が図られるよう、農山漁村ふるさと事業の創設を含め、農山漁村対策等の地方単独施策を拡充することとし、平成十二年までの六年間において、ソフト事業、ハード事業を合わせて約一兆二千億円程度の地方単独施策を実施してまいりたいと考えております。
 また、地方公営企業につきましては、効率的な経営に努めつつ、社会経済情勢の変化、住民ニーズの多様化等に的確に対応し、上下水道、地下鉄、病院等の生活関連社会資本の整備を積極的に進めてまいります。
 次に、公務員行政についてでありますが、公務が国民や住民の福祉向上を目指すものであるとの基本に立って、さらに公務能率の向上、厳正な服務規律の確保、給与・定員管理の適正化、正常な労使関係の樹立等に努めてまいります。
 また、二十一世紀初頭には本格的な高齢社会を迎えることとなることから、共済年金制度につきましては、適切な給付水準を維持しつつその長期的な安定が図られますよう対処するとともに、高齢者雇用について検討を進め、雇用と年金の連携に十分配慮してまいりたいと考えております。
 次に、消防行政について申し上げます。
 我が国の消防は、自治体消防として発足してから約半世紀を迎えようとしており、この間、制度、施策、施設等の各般にわたり着実な歩みを進めてまいりました。
 しかしながら、先般の北海道東方沖地震、四月の名古屋空港中華航空機事故、昨年の北海道南西沖地震や豪雨災害などの災害、事故が発生し、多くのとうとい人命や財産が失われております。雲仙岳も今なお活動を続け、予断を許さない状況にあります。さらに、近年の都市化の進展、社会経済の変化等に伴い、災害の態様も複雑多様化しております。
 私は、このような状況にかんがみ、何よりも人命の尊重を基本とし、国民生活の安全を確保していくため、消防力をさらに充実強化するとともに、住民、事業所及び消防機関が一体となった地域ぐるみの消防防災体制を確立することが重要であると考えております。
 このため、大規模災害に備えた消防防災通信ネットワークの強化や航空消防防災体制の整備を行うほか、救急業務の高度化を進めるなど、施設の整備や装備の高度化を図るとともに、消防団の活性化と自主防災体制の整備に努めてまいりたいと考えております。また、危険物施設の安全の確保、住宅防火対策、災害弱者の安全確保等にも努めてまいりたいと考えております。
 次に、警察行政について申し上げます。
 良好な治安は国家社会発展の基盤であり、国民一人一人が豊かで安心できる生活を送るために欠くことのできないものであります。
 最近の治安情勢は、変化の著しい内外諸情勢を反映して、各種警察事象の多様化、広域化、国際化が急速に進むなど、極めて厳しいものがありますが、私は、我が国が誇る財産とも言うべき良好な治安を維持向上させるために全力を尽くし、国民の皆様の期待と信頼にこたえてまいる所存であります。
 初めに、犯罪情勢と対策について申し上げます。
 最近、企業幹部を対象とした襲撃事件や無差別けん銃発砲事件、報道機関に対する発砲事件、現金輸送車襲撃事件、さらにラッシュ時の駅構内において通勤途上の医師が射殺される事件が発生するなど、極めて凶悪な犯罪が多発し、けん銃が市民生活、企業活動、言論活動等に直接向けられるというまことに憂慮すべき情勢が生じております。現在、警察としては、これら事件の検挙、解明に全力を挙げるとともに、暴力団に対する取り締まり、けん銃摘発等を徹底し、この種犯罪の防圧に最大限の努力をいたしております。今後とも、暴力団の壊滅、銃器犯罪の根絶を目指し、関係部門の総力を結集した諸施策を強力に推進してまいる所存であります。
 一方、近年、広域にわたる凶悪犯罪が多発し、また集団密航事件や来日外国人による犯罪が急増するなど、犯罪の広域化、国際化の傾向が顕著となっております。こういった情勢を踏まえ、第百二十九回国会において、広域捜査、国際協力等に関する制度、組織を整備する警察法の一部改正がなされたところでありますが、本改正法の効果的な運用を図るとともに、捜査員のプロフェッショナル化、科学捜査力の向上に努め、対応の万全を期してまいりたいと考えております。
 また、薬物事犯については、覚せい剤の乱用に加え、大麻事犯の少年への浸透や来日外国人による薬物事犯の増加が見られるなど、薬物乱用は拡大、多様化する傾向にあることから、密輸密売ルートの遮断や薬物乱用根絶のための諸対策を一層強力に推進することとしております。
 次に、警備情勢と対策についてであります。
 極左暴力集団については、昨年来、多くの秘密アジトや活動家を摘発、検挙した結果、テロ、ゲリラ事件の発生は大幅に減少しているものの、依然として武装闘争を指向しております。また、右翼は、不健全な資金獲得活動に伴う犯罪を引き起こす一方、反体制の傾向を強めつつあり、内外の諸問題に敏感に反応してテロ、ゲリラ等の凶悪事件を敢行するおそれがあります。今後とも不法行為の防圧、検挙の徹底を期していく所存であります。
 次に、交通情勢と対策についてであります。
 本年の交通事故死者数は既に八千人を超えており、このまま推移すると七年連続して一万人を超すとうとい人命が交通事故により失われることが予想され、まことに憂慮にたえません。また、交通渋滞や違法駐車、過積載、暴走族の問題等多くの課題があります。
 このため、本年五月に施行された運転者対策の強化等を内容とする改正道路交通法の効果的な運用に努めているほか、交通安全教育の推進、交通安全施設の整備、効果的な指導取り締まり、違法駐車対策等を総合的に推進し、安全で円滑な道路交通の確保を期してまいる所存であります。また、高齢者の運転免許人口や事故が増加しているため、道路交通の場に高齢者を優しく受け入れる道路交通環境づくりに努めていくこととしております。
 次に、地域社会における安全の確保についてであります。
 国民各層は、発生した犯罪を確実に検挙することはもとより、犯罪、事故、災害による被害が未然に防止され、安全で平穏な市民生活が確保されることを強く求めています。警察としては、犯罪等の未然防止と被害の回復のための警察活動を充実させ、特に高齢者や障害者の方々も安全を実感できるようなきめの細かい諸施策を展開していくこととしております。
 そのため、交番、駐在所による事件、事故への即応能力を高める一方、市民への安全に関する情報の提供、各種相談への対応を充実させ、生活安全センターとしての機能を強化することとしております。また、地域の安全活動に取り組んでいるボランティアの方々や自治体とも連携し、地域住民の視点に立った幅広い地域安全活動を展開していく所存であります。
 あわせて、少年をめぐる有害環境の浄化、地域ごとの少年非行や少年被害の実態に応じた防止対策等により、我が国の将来を担う少年の健全育成にも引き続き努力していくこととしております。
 以上、警察行政の当面する諸問題について申し上げましたが、諸情勢の急激な変化に迅速かつ的確に対応し、治安の万全を期するためには警察体制の一層の充実整備を図ることが必要であります。このため、警察職員一人一人の能力の向上と厳正な規律の保持に努めるほか、装備資機材、情報通信システム、警察施設の拡充等所要の体制整備を図ってまいりたいと考えております。同時に、第一線警察職員が誇りと使命感を持って職務に精励できるよう、処遇の改善や勤務環境の整備にも取り組んでまいる所存であります。
 以上、所管行政の当面する諸問題につきまして所信の一端を申し述べましたが、委員長、理事を初め委員の皆様の格別の御協力によりましてその実を上げることができますよう、一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。
#8
○委員長(岩本久人君) 以上で所信の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(岩本久人君) 次に、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野中自治大臣。
#10
○国務大臣(野中広務君) ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 我が国は、本格的な高齢社会の到来を目前に控えておりますが、国民の老後の生活設計の柱である公的年金制度が今後ともその役割を十分果たしていけるよう、年金制度を将来にわたり揺るぎないものとしていくことが要請されております。
 このため、政府といたしましては、厚生年金保険制度や国家公務員共済年金制度等の見直しと整合を図りつつ、二十一世紀を展望して地方公務員共済年金制度全般にわたり必要な見直しを行うこととし、この法律案を提出した次第であります。
 その基本的視点としては、第一に、二十一世紀を活力ある長寿社会とするため、高齢者の雇用の場の確保を初め社会経済全体のあり方が問われている中で、公的年金制度もこれに対応し、人生八十年時代にふさわしいものに見直していくことであります。
 第二に、高齢化の進展に対応して、地方公務員共済年金制度を長期的に安定させるため、給付と負担の均衡を図るとともに、将来の現役世代に過重な負担が生じないようにすることであります。
 以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、六十歳代前半の退職共済年金につきましては、その年金の額を給料比例部分相当額とし、一般職員については平成十三年度から二十五年度にかけて、特定の警察・消防職員については平成十九年度から三十一年度にかけて現行の仕組みから段階的に切りかえることとしております。さらに、在職中の退職共済年金の一部支給措置について、雇用促進的な仕組みとなるよう改善を図るとともに、雇用保険法による給付との適切な調整を行うこととしております。
 第二に、年金額につきましては、定額部分についてその額を引き上げるとともに、給料比例部分につきましては、現役世代との均衡に配慮し、再評価の方式を実質的賃金の上昇率に応じたものに改め、年金額を引き上げることとしております。
 第三に、遺族共済年金等の改善であります。遺族共済年金等につきましては、遺族共済年金の受給権者等となる子の年齢要件の改善、退職共済年金と遺族共済年金との併給調整の改善を行うこととしております。
 第四に、掛金につきましては、新たに、期末手当等を対象として特別掛金及び負担金を徴収するとともに、育児休業期間中の組合員については申し出により掛金を免除することとしております。
 このほか、短期間我が国に滞在した外国人に対する脱退一時金の支給等、所要の措置を講ずることとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。
 なお、原案の在職中の一部支給にする退職共済年金と給与との併給調整の基準となる額及び退職共済年金と雇用保険による給付との併給調整の実施時期並びに施行期日等の規定について、衆議院におきまして所要の修正がなされておりますので御報告いたします。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#11
○委員長(岩本久人君) 次に、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員山名靖英君から説明を聴取いたします。山名君。
#12
○衆議院議員(山名靖英君) 山名でございます。
 ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、衆議院における修正の理由とその内容について御説明申し上げます。
 第一は、組合員である間の退職共済年金等の一部支給の改善についてであります。
 政府原案におきましては、退職共済年金等の受給権者が組合員である間に受給する年金と給与との併給調整の基準額を二十万円とすることとしておりますが、高齢者の就業促進の観点から、本修正案ではその基準額を二十二万円に引き上げることといたしております。
 第二は、雇用保険と退職共済年金との調整についてであります。
 政府原案におきましては、雇用保険法の失業給付受給中の退職共済年金の支給停止を平成八年四月一日から、また高年齢雇用継続給付受給中の退職共済年金の調整を平成九年四月一日からそれぞれ実施することとしておりますが、近年の雇用状況等を勘案して、本修正案ではともに平成十年四月一日に繰り延べて実施することといたしております。
 第三は、施行期日についてであります。
 政府原案において平成六年十月一日を施行期日としている事項につきましては、施行期日が既に経過しているため、公布の日から施行するとともに、年金額の改善措置については平成六年十月一日から適用することといたしております。
 以上が衆議院における修正の概要であります。
#13
○委員長(岩本久人君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 山名君は退席されて結構です。御苦労さまでした。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#14
○山口哲夫君 ただいま提案されました一部改正案についてでございますけれども、期末手当から掛金を徴収するというようにしている、こういうような内容になっております。もちろん、この中には寒冷地手当等も含まれるのではないかという話も出ております。これは政令で決めることですからまだ決まってはいないんでしょうけれども、寒冷地手当というのはそもそも地域的な特殊性のもとに支給されているものでありまして、しかも実費弁償的なものなので普通のいわゆる期末手当とは性格が異なるであろうというように私は考えております。したがいまして、寒冷地手当までも仮に含めて掛金を徴収するということについては私は反対でございます。どうかひとつ、政令で決めることでございますから、そういった趣旨を十分御検討いただいて、この寒冷地手当までを含めることのないようにしていただきたい、そういうふうに考えております。私の考えでございますので答弁は不要でございます。
 さて、政府側の皆さん、こういう話を聞いたことはないでしょうか。
 北海道は、冬になりますとデパートの前に、デパートの開店のころになりますと非常に高齢者がたむろしているという話がよくあります。これはなぜかというと、北海道で一人で家に住んでおりますと、暖房をどうしてもたかないわけにいかないわけです。それで、息子夫婦と一緒に暮らしているとどうしても嫁さんに気兼ねをしまして、じいさんが一人で部屋にいると朝から晩まで大変な石油をたくのでどこかへ行っておいでよというような、そんなことなんでしょう。それで暖かいデパートに行って転々とデパートを一日歩いて帰る。暖房料は使わないで済む。こういう話が実は本当にあるわけです。非常にこれは私どもとしては悲しい話だと思いますけれども、実際にそれが現実なわけです。
 ちなみに一体どのくらい北海道で暖房料を必要としているのか。なかなかちゃんとした資料がないんですけれども、例えば民間で燃料手当を支給する基準があるんですけれども、昨年はドラム缶で九・七本。物すごく大きいドラム缶がありますね、あれ十本ぐらいたいているんです。単価は、去年一番安かったんですけれども、九千百十四円ですから約九万五千円。石油の価格が高いときですと十五万円くらい一年間に実は灯油をたいている。これは大変大きな金だと思うんですけれども、こういったものが寒冷地手当の中に実は含まれているわけです。
 ちなみに公務員の場合、寒冷地手当がどのくらい出ているかと申しますと、そちらに座っていらっしゃる課長さんクラス、課長補佐クラスでしょうか、本俸四十万円ぐらいとしますと課長補佐クラスでしょうか、地方の県庁あたりに行きますと課長クラスではないかと思うんですけれども、計算する基準が複雑なので簡単に申しますと、そういう方で約二十五万円ぐらい寒冷地手当が出る。そのうち約半分ぐらいはもう石油でなくなってしまうわけですね。そのほか防雪用だとか防寒用だとか、いろいろなものが冬になると必要になりますので、そういうものも含めて約二十五万円くらい必要としているわけです。けれども、その金額が年金生活者に入った途端にすぽっと落ちるわけです。
 これはもう年金生活者にしてみると大変苦しい生活を余儀なくされるわけでして、一体どのくらい、生活保護世帯とちょっと比べてみたんですけれども、札幌市の生活保護一年間の支給額、これ高齢者の夫婦二人暮らしですけれども、百九十二万四千何がし、約百九十二万四千円です。それに対して、北海道の市町村職員の共済組合退職共済年金の平均を見ますと百九十八万二千円なんです。札幌の生活保護の基準と比べて年間で五、六万円ぐらいしか違わないわけです。平均ですから生活保護世帯よりも年間を通すとずっと低い年金しかもらわないで生活しているという人が非常にたくさんいるということなわけです。ですからさっき申し述べたような、冬になるとデパートを渡り歩くような人が出てくるわけです。
 実は、私どもはそういう意味において、年金の中にやはり寒冷地手当のようなものはこれから含めてもらわないと大変苦しい生活を余儀なくされるわけですから、ぜひ考えてもらいたいと思っているわけです。毎年、北海道の退職者の方々が政府に対してこういう要請の行動を続けてきているわけですけれども、仮に政令としてこの寒冷地手当も含めて掛金を徴収するなんということになった場合においては、当然将来においてこれはやっぱり寒冷地手当等についても支給額にはね返らせるようなことを考えなければ、一方ではただ取られる一方で、ほかの方にはさっぱり反映できないということになれば問題があるんじゃないか。
 そういうことについて、大蔵省共済課長さん、ぜひひとつお考えをお聞きしたい、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
#15
○説明員(松川忠晴君) 先ほど委員からは寒冷地手当の性格についての言及もございましたし、今回のボーナス保険料の導入に関連しての御議論もございました。そこでお尋ねは、こういった手当等につきましても将来年金給付額に反映させるべきではないかとのお尋ねだと思います。
 御案内のとおり、今回の改正におきますいわゆるボーナス保険料の導入は、一つには保険料の対象を拡大することによりまして月収に係る保険料の上昇を抑制する、もう一つは保険料の負担を逃れるために月収を抑えてボーナスを増額するというような現象が間々見られるわけでございますが、こういった現象を回避させるという観点から行われるというものでございます。
 こういった意味におきまして、今回のボーナス保険料の導入はいわば現役世代内の負担の公平を図るためのものでありまして、年金の負担と給付の基本的な関係を変更しようとするものではございません。そういったところから、特別ボーナス保険料につきましては給付には反映させないこととする一方、保険料率につきましては一%ということに低く設定させることにしたところでございます。
 そこで、このボーナス保険料を年金の給付に反映させることは、いわゆる年金の給付及び保険料の算定基礎を現行の月収を基準にした仕組みから年間の総報酬を基準としたベースに移行させるのかどうかという問題に関連してくると思われます。この点につきましては、一つには現行の年金制度の給付設計のままでおきますと過剰な給付が生じるということになりますので抜本的な給付設計の変更が必要となるということが考えられます。また、第二番目には月収を基礎として年金額を算定してきておりますこれまでの仕組みから円滑な接続をどのように図るかという問題もございます。また、実務におきましても、新たに被保険者個々人のボーナス額等についての記録管理が必要となるなどの現行の事務処理を大幅に変更する必要があるといったさまざまな問題がございます。
 したがいまして、ボーナス等の給付への反映をどのように考えるかということは、確かに御指摘ございますように、長期的に研究を行っていくべき課題とは認識いたしておりますけれども、今申し上げましたように、費用徴収の面のみならず、給付につきましても制度、実務両面にわたる諸問題について十分な検討が必要と考えられますので、今回の改正に当たりましてはこれを給付に反映させない扱いにさせていただいたところでございます。
#16
○山口哲夫君 今回は給付に反映させないけれども、将来の問題としては検討してみる必要があるだろうというお答えだと思います。
 この間、北海道の代表の方々が大蔵省にいろいろと説明をいたしまして、今私が申し述べたように、将来はやはりこれは給付に反映させる性格のものでないかということについて、課長の方からも将来については一度考えてみる必要はある、そういうお答えをいただいて大変みんな期待をいたしておりました。今お答えのように、将来の問題としても一度検討をぜひひとつしていただきたい。
 特に、先ほど申しましたように、寒冷地手当、年金者については深刻な問題でありますだけに、仮に寒冷地手当からも掛金を取るようなことになった場合におきましては、その特殊性からもぜひひとつ高齢者の寒冷地手当等も含めて今後検討していただくように強く要請をしておきたいと思います。
 さて、もう一つ自治省の方にお尋ねいたしますけれども、北海道の各自治体では、今私から申し上げたような実態を踏まえて、これは自治体としてもとても見過ごせない、何らかの暖房料を考えないと生活保護に転落してしまう、そんなようなことを考えたときに、やはり年金者の人たちが意欲を持ってこれからも生活していけるように暖房料を、灯油を実際に支給をするという、単独事業としてこれを行っているところがあるわけです。大変結構な施策だと私は考えておりまして、今後北海道の中でも、北海道だけに限りませんけれども、寒冷地帯の中でそういう施策が行われることが出てくると思いますけれども、そういうことについて、これは自治体が単独事業で行うことでございますので自治省がとやかく言うべき問題ではないかと思いますけれども、この辺の考え方についてお聞きしたいと思います。
#17
○政府委員(遠藤安彦君) 今御質問は、福祉灯油制度と言われているものの問題だろうと思います。福祉との関連もありまして、地方団体がその地域の実情にいろいろ照らしながら独自の政策をやっていくということだろうと思いますが、これらの問題については、当然当該団体の議会の同意を得て実施されていることであって、我々がとやかく言うべきことではないだろうと御指摘のように思います。そういう意味からいえば、市町村の自主的な判断というものを尊重してもいいのではないかというように思います。
 ただ、この福祉灯油制度がどうのこうのということではありませんけれども、一般論として言いますと、現金の支給というような施策については、やはり助成の対象だとか金額だとかが適切妥当であるということが必要なことは、これは言うまでもないことだと思います。私ども地方財政を預かる立場から心配しますのは、それがばらまきの施策ではないかなというようなことが社会的に言われないように、そこのところはよく注意をして各地方団体で考えてやっていただきたいなというように思います。
 いずれにしても、この福祉の灯油制度は、私どもの方で全部を詳細に把握したわけではありませんけれども、今、先生御質問になったように、助成の対象も一定の人に制限といいますか限定されているとか、いろいろ工夫がなされて行われていることでございますので、単独施策として地方団体が自主的な判断に基づいてやったものだというように認識いたしております。
#18
○山口哲夫君 この制度のもともとの起こりというのは、御存じかと思いますけれども、もう十年ぐらい前だと思いますが、厚生省の方でこういう寒冷地における灯油問題についてどういう考え方を持ったらいいか学者先生方にいろいろと諮問をしたことがありまして、その諮問の結果がこれはやはり非常に重大な問題だと、ただ地域的な問題の性格もあるのでローカル的な面での行政にひとつ反映させていったらどうだろうかという、そういう答申もございましたので、そういったことを受けて各自治体でローカル的な問題として真剣に取り組んでいるということだと思います。
 今お話がありましたように、やはりばらまきになってはいけませんから、当然高齢者といいましても高額所得者もいらっしゃるわけでございますし、年金者も同じくそういうこともあるわけでございますから、その辺は十分注意をしながら年金者が安心して暮らせるような対策としてやっていくべきでないだろうかというふうに私は思っております。
 その次の問題は、ことしはちょうど年金の再計算の年になります。五年に一度ということでございますけれども、五年に一度というのはちょっと長過ぎはしないだろうか。高齢者に言わせますと、来年の話はしないでくれと言うんです。これから先五年間生きているかどうかわからないんだと、それを五年に一度計算されたのでは、四年目に死んじゃったらどうするんだと。こんな話もよく出るわけでございまして、本当に高齢者の方々のことを考えるならば、もう少しこれは短縮してもいいのではないだろうかというふうに思います。短縮することによって事務量も大変ふえることだと思いますけれども一度ぜひこれは検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#19
○政府委員(鈴木正明君) 年金財政の再計算のことでございますが、これは将来にわたって年金財政の安定を確保していくということで現在は各年金制度全部共通しまして五年ごとに行っているということでございまして、この時期に合わせまして年金額についていわゆる賃金スライドの政策改定も行っている、こういうことでございます。
 六十年の改正後の状態で今申し上げていますが、これは厚生年金の年金の額の改定方式に倣っているわけでございまして、毎年毎年は物価スライドということで自動改定方式を取り入れておりまして、五年ごとの再計算時においてさらに賃金スライド、これは年金額の算定のもととなります平均給料を再評価して賃金スライドの政策改定を行っている、こういうことでやってきております。
 財政再計算は年金数理的な作業を伴いまして、将来の受給者の状況等を推計したり、あるいは最近数年間における組合員あるいは受給者の状況の推移、あるいは年金額の変化、それから五年ごとに発表されます完全生命表等の資料を用いまして年金数理的な計算を行うということでございまして、現段階では技術的な作業手順などから見まして五年ごとに行うことが適切である、こういうふうに考えております。
#20
○山口哲夫君 本来は毎年行うべきものだと思いますが、しかし事務量のことを考えながら五年ごとにやるということになってきたものだと思うんです。
 ですから、できるだけ本来の姿に戻していく、原則に戻していくということがやはり正しいのであって、今、事務量といったってそんなに大変な時代ではないと思うんですね、コンピューターの時代ですから。そういうことを考えて、いきなり毎年やれといったってそれは無理ですから、それを少し短縮するような方向で検討する余地はありませんか。
#21
○政府委員(鈴木正明君) 年金財政の再計算に当たりましては、他方で年金の額の改定、他方で収入の方の、年金の保険料の方の引き上げ、そういった作業を伴うものでございましてかなり膨大な作業量を伴う、あるいは生命表等を活用しながらやっていくものですから今の段階ではなかなか見きわめがっかないんですけれども、これは各制度共通の問題でございますので、今後そういうことについては話し合ってみたいと思います。
#22
○山口哲夫君 ぜひひとつ各省庁と相談して検討していただきたいと思います。
 その次に、大蔵省にお尋ねいたします。
 これは年金者から非常に強い要求として出てくるんですけれども、年金の確定申告をする場合に、これはどこに該当するのかと思ったら、所得の種類が雑所得なんです。それを聞いただけで年金者は、雑所得とは一体何だというわけですね。本来、雑所得というのは、これはいわば不定期の所得、原稿料だとかあるいは出演料だとか、そういった種類のものをその他の部類として雑所得というふうにしているんですけれども、年金というのはこれは定期的に収入として入るわけですから、それを雑所得と扱うというのはちょっといかがなものだろうか。
 年金者にしますと、もっと年金額を上げてもらいたいという要求もあります。それから、税金をもう少し安くしてほしいという要求もあります。しかし、その問題は今はちょっと横に置いておきまして、とりあえずこの雑所得扱いというのはいかがなものか。年金者の心理も考えながら、一度検討して改める必要はないものでしょうか。
#23
○説明員(福田進君) 御案内のように、現行の所得税法では、個人の所得につきまして利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、そしてこれらの九種類の所得のいずれにも該当しない所得として今御指摘の雑所得という十種類に分類し、これらの所得ごとにその所得の金額を計算いたしまして、これを基礎に課税所得を計算し、その上で所定の税率を適用して課税する、こういうことにしております。
 御指摘の雑所得という所得区分は、他の九種類の所得のいずれにも該当しない所得を包括的に定義した所得概念でございまして、これによって重要性が低い所得であるといったことを意味しないことは言うまでもございません。
 公的年金等の場合には、昭和六十二年九月の税制改正までは給与所得に実は分類しておりまして、給与所得控除の適用を行ってきたものでございますが、公的年金は給与等のように勤務関係を前提としたものではございませんことから、この六十二年九月の税制改正によりまして雑所得と改めさせていただいたところでございます。ただ、同じ雑所得のうちでも公的年金等に係る雑所得につきましては、他の雑所得とは異なりまして、例えば公的年金等の控除を適用するなど行っていることも御理解賜りたいと存じます。
 なお、所得を今申し上げましたように十種類に分類いたしまして、これらの所得ごとに所得金額を計算しております。これを基礎に課税所得と税額を計算することは、実は我が国の所得税法に基本的な課税方式として確立されて定着しているところでございます。
 従来から存在いたします公的年金につきまして、昭和六十二年九月、さっき申し上げましたこの改正で給与所得の分類から外したため雑所得の分類になったものでございます。あえて新たな所得区分を設けることがどうかという点については、その意義はいかがかなというふうに感じております。
#24
○山口哲夫君 もともと給与所得だったんですね。しかも、勤務関係はないと言うけれども、法律に基づいてきちっと支給されているものでして、やはり一つの勤務的なものというのが、そういう要素は含まれていると私は思うんです。ですから、あえて雑所得の中へ入れなくたって、給与所得で分類したっていいわけでしょう。普通の給与所得と第二給与所得とか、いろいろ書き方はあると思うんです。
 要するに、大した問題ではないかもしれないけれども、年金者というのは非常にやっぱりひがみの気持ちというのをどうしても持ちやすいんですよね、それでなくても生活レベルがぐっとダウンしてくるわけですから。そういうことからいえば、せめてこのくらいのことは、余り感情を壊すことのないように、言葉の問題ですから私は改めてもそう大した問題ではないと思いますのでぜひひとつ検討していただきたいものだと思いますけれども、大臣、何かこういうことについてのお考えがあったらお聞かせいただけますか。
#25
○国務大臣(野中広務君) 今、山口委員御指摘のとおり、私ども年金受給者の会合に出かけましても、受給者の皆さん方は、我々がいかに政局の話をしておりましてもその話は余り熱心にお聞きになりませんけれども、役所から係長さんが来られまして年金の話になってまいりますと、いきなり手帳を出して目の色を変えて一生懸命書かれる、こういう姿を見ておりますと、この人たちが年金にかけられる関心とかひたむきに年金にすがっておられる姿というのはそれぞれの場面で痛いほど感ずることがあります。
 したがいまして、今、委員御指摘のこと等はこれからも政府部内でよく検討して、そしてこういう年金受給者の心を心として対処してまいるべき課題であろうと私は考えております。
#26
○山口哲夫君 決断力の早い大臣でございますから、大変期待しております。ぜひ御検討いただきたいと思います。
 大蔵省、ありがとうございました。
 次に、今、大臣から所信表明の中でも雇用と年金の連携の問題については十分配慮してまいりたいというような話がございました。
 実は、その問題なんですけれども、定年は六十、そして年金の支給は六十五歳。もちろん、これは段階的に行われるわけでございますけれども、やめた後一年でも二年でも、長ければ五年、そういった間働く機会がなしに生活するということは大変な苦痛なわけでございまして、今、大臣からお話があったように、この定年と年金の支給というのをやっぱり接続できるようなことをぜひひとつ考えていただきたい、そう思います。
 人事院の方でも公務員の高齢者の就労問題について大変積極的に今検討しているやに聞いておりますし、政府としてもその方針を示しておりますけれども、自治省の方でも随分検討されているというお話も聞きますので、私が述べたようなことも含めてどういう対策を今考えていらっしゃるか、お聞かせください。
#27
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のとおりに、今回の改正はまさしく雇用と年金の連携を配慮しながら進めていくものでございまして、それには高齢者の雇用についてこれから六十五歳まで現役として働くことができるような社会というのをどのように実現していくかというのが私どもの大きなまた責任でありますとともに、これは民間におきまして高齢者の雇用施策を視野に入れながらも、私どもの公務部内におきましても高齢公務員の雇用に積極的に取り組んでいかなくてはならないというように基本的に考えておるわけでございます。
 一方、六十歳代の前半におきます退職共済年金につきましては、高齢者雇用の推進を図りながら、今、委員が御指摘になりましたように、六十歳代前半期は雇用と年金を組み合わせて生活を支える期間と位置づけまして、六十歳から六十四歳までの間は今回におきましても給料の比例部分の年金を支給することとして、さらに希望すれば六十五歳から支給されます老齢基礎年金の繰り上げ支給等の併給も認めておることとしております。
 また、こうした見直し措置につきましては、これから十分な準備期間を置いてやらなくてはならない問題でございますので、二〇〇一年から二〇一二年にかけて段階的に実施することといたしておるわけでございます。
 高齢者の雇用の推進や組合員の生活設計というものは十分配慮いたしましてスケジュールとして考えていかなくてはなりませんし、お説のように、定年と年金の接続についてはこれから重要な私どもの課題として取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。
#28
○山口哲夫君 まだ先の話でございますから、今、大臣のお話があったようなお考えをぜひひとつ実現させていただきたいと思うんです。
 通告しておりませんけれども、今の大臣のお答えに関連いたしまして、一つだけお聞きしておきたいことは、この次の再計算の時期というのは一九九九年だと思いますけれども、そのときに六十歳代の前半層の雇用情勢、そういったもの等を十分にひとつ考えながら支給開始年齢の繰り下げ、これを見直すような方向でぜひひとつ検討していただきたいと思うんです。ぜひこのことについては強く要請をしておきたいと思いますけれども、御検討をしていただけますでしょうか。
#29
○国務大臣(野中広務君) 今、委員御指摘のお話は、お気持ちとしては私どもも十分わかるわけでございますけれども、この再計算のときに再度検討し見直すと申しますことは、早期に六十歳代前半の年金のあり方を切りかえを行いますと御承知のように後世代に大変なツケを残すことにもなるわけでございます。高齢者の雇用への取り組みや個々の生活設計にも影響を与えるであろうと思うわけでございまして、現在のところは私どもはそういうことを視野には入れておらないわけでございます。
#30
○山口哲夫君 少し先の話でございますから、大臣、先ほど申し述べられたような考え方を進めていけば、今私が申し上げたようなことについてもこれまた検討せざるを得ないようなことも起きるかとも思いますので、その時点でぜひひとつ御検討いただくように要請をしておきたいと思います。
 最後に、共済組合の役員構成についてちょっと聞いておきたいと思うことがございます。
 共済組合年金制度というのは、いわゆる労使折半というのが原則になっておりますね。ですから、掛金もそうですし、それから役員構成については共済組合法の九条で労使から同数を出すというふうになっているわけでして、したがって組合会の議員の数は確かに同数労使から出しているのです。ところが、支部長ということになりますと、地方職員共済組合ですけれども、支部長というのはこの法律で知事というふうになっておりますが、副支部長を置いているところも随分あるわけですけれども、ほとんどが副知事とか総務部長とか、いわゆる当局出身なわけですね。そういうことからいくと、これは労使折半の人事の原則にもちょっと反しているのではないかということを感じるのですけれども、この点いかがでしょうか。
#31
○政府委員(鈴木正明君) ただいま地方職員共済組合の関係で支部長あるいは副支部長のお話がございましたわけでございますが、これは定款で定めておりまして、定款で都道府県知事をもって充てるというふうに定められております。
 それから、支部の副支部長につきましては、本部の方から準則を示しておりますが、支部において組織規程で副支部長は副知事なり担当の総務部長にする、こういうような定め方をしているわけでございます。
 いずれにいたしましても、執行組織ですね、理事機関でございまして、これはあるいは法令の規定、あるいは運審、組合会等で審議、決定されました定款とか予算等に基づきまして仕事を執行していく、こういう機関でございます。それで、重要な事項に関しましては、地共済の場合は運営審議会で審議することとなっておりまして、この運営審議会の委員の半分は組合員を代表する者で構成する、こういうふうになっておりまして、事業面において組合員の意向は十分反映するものとなっている、このように考えております。
#32
○山口哲夫君 運営審議会は確かに同数で出ておりますけれども、さらにその上にある役職というんですか、支部長とか副支部長とかそういうものは定款で決めるのであって、これはそうするとそれぞれの組合の方の定款で定めればいいわけですね。そうすると、その副支部長は必ずしも副知事をもって充てなくてもいいわけですね。
#33
○政府委員(鈴木正明君) 今、副支部長につきましては支部の組織規程で定めることになっておりますが、共済本部の方での準則を示しておりまして、その準則では副知事あるいは担当の総務部長、こういうことで示されております。
#34
○山口哲夫君 それは、準則というのは自治省の考え方を示しているのであって、その準則というものはそれぞれの独立した共済組合の定款を拘束するものじゃないわけでしょう。
#35
○政府委員(鈴木正明君) 共済組合の運営を考えまして、準則そのものは地方職員共済組合自身が支部に対して示しているものでございますけれども、それは自治省の考え方を反映していると思っております。
#36
○山口哲夫君 それは自治省の考え方を反映しているだけであって、拘束するものではないでしょうということなんです。私は拘束するものではないと思うんです。それぞれの独立した組合会でもって定款を定めているわけですから、その定款で決めればその副支部長が必ずしも当局の人でなくたって構わないわけですね。一人でなくても二人だっていいわけですから、そういうことはそれぞれの組合会の方で決めるべきだと私は思います。
 それで、最後の質問ですけれども、地方公務員共済組合連合会の役職員というのを見ると、これどういうわけか、常任理事ですね、常勤理事というのは二人いるんですけれども、二人ともこれが当局ですね。大体自治省のOB、それから文部省のOBですね。それから非常勤の理事を見ましても、七人いるんですけれども、当局が五人で組合側は二人なんですね。連合会そのものの理事の人事まで非常に使用者側に偏っているという、そういう内容になっているんですが、私はこれもちょっと折半の原則からいったらおかしいんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
#37
○政府委員(鈴木正明君) 地方公務員共済組合連合会の役員でございますが、御案内のとおりに、理事長につきましては自治大臣が任命する、理事は理事長が自治大臣の認可を受けて任命する、監事は自治大臣が任命する、こういうことでございまして、現在の構成は、常任理事は学識経験者が二名、非常勤理事は加入組合の理事長から四名、それから労働側から二名が任命されている、こういう状況でございます。
 いずれにいたしましても、幅広くこの共済組合の運営に造詣の深い適任者が得られることが重要だと考えております。
#38
○山口哲夫君 共済組合法の理事でなくして議員、組合会の運営に関係する議員ですね、そういうものがはっきり法律で折半だというふうにうたわれていることから、その趣旨から考えても、当然こういう連合会の理事とかそういうものについても余り使用者側に偏るようなことを行うというのは決して好ましいことではないと思いますので、一度検討されることを要請いたしまして、終わります。
#39
○岩崎昭弥君 時間の範囲内で質問したいと思います。
 初めに、本改正案に対する評価について触れてみたいと思います。
 我が国においては、急速に少子・高齢化が進展いたしまして、二十一世紀初頭には世界的にも極めて高水準の少子・高齢化社会が到来することが見込まれております。今後ますます老後の所得保障の中核としての公的年金がそのゆえに重要になってくるわけであります。このような状況のもとで、長期的で安定した、かつすべての国民に信頼される年金制度を実現することは全国民にとっての最優先課題であるというふうに思うんです。
 今回の地方公務員等共済組合法等の改正案は、地方公務員共済年金について給付額の改善を行い、六十歳から六十五歳未満の者に支給する退職共済年金を見直すとともに、遺族給付等について所要の改善を行うなどの措置を講じておられます。また、雇用保険法による給付との適切な調整を行うほか、年金額のうち報酬比例部分についての再評価の方式の改善、遺族共済年金の受給権者となる子の年齢要件の改善、退職共済年金との併給調整の改善等の措置を講じておられます。これらの措置は、二十一世紀の少子・高齢化社会に向けて雇用促進的な仕組みに年金を改め、また現役世代の負担が将来にわたり過重にならないようにするなど共済年金制度の長期的な安定の確保を図る観点から講じられたものでありまして、全体としてやむを得ない措置だと思っております。
 そこで質問ですが、まず自治省のこれからの社会福祉施策についてお尋ねしたいんです。
 少子・高齢化社会を迎えるに当たって、住民に身近な自治体に対する期待と役割は極めて大きいわけであります。自治省としては、今後の少子・高齢化社会を展望して、どのような福祉施策を打ち出そう、あるいは取り組もうとしておられるのか、そこは大臣に聞きたいと思うんです。
#40
○国務大臣(野中広務君) 今、岩崎委員御指摘のとおりに、急速な少子、そしてどの民族も経験したことのない高齢社会が目の前にやってこようとしておるわけでございます。そういう状況を踏まえながら的確に対応いたしますためには、それぞれの地域の実情に即したさまざまな施策が委員御指摘のとおりに必要であると考えております。そのために、住民に身近な地方公共団体が多様な施策を展開することが最重点でありまして、今、地方分権が強力に叫ばれ、かつ実行のスケジュールにのろうとしておるところもまさしくそこにあるのではなかろうかと考えておるところでございます。
 このために、自治省といたしましては、これまでも毎年度の地方財政対策の中で福祉関係経費の拡充を図ってきたところでございますけれども、平成六年度におきましても、ゴールドプランに係ります地方負担額につきまして財源措置をしますとともに、社会福祉系統経費を前年度に比べまして八%増の三兆一千三百四十二億円計上するなど、地方単独事業についてその積極的な展開を支援することといたしております。
 また、今回お願いいたしております税制改革に当たりまして、委員御指摘の少子・高齢社会に向けて当面緊急を要する施策について一定の福祉財源措置を講じることとされたところでございます。今後とも、今御指摘になりましたような深刻な事態を踏まえながら、自治省といたしましては、税制改革の趣旨をも踏まえまして、関係省庁とも十分協議をし、そして単独事業の充実等適切な施策を行うことによりまして地域地域に根づいた福祉施策が行われるようにさらに一層努力をしたいと存じます。
#41
○岩崎昭弥君 福祉は主として地方、つまり地方が現場で負担しているわけでございますし、施策を現実に推進しているわけでございますので、これは大臣が言われますように、地方分権を推進する中でぜひとも分権の中の大きな柱に福祉というものを上げていただいて努力していただきたいことをお願いしたいと思うんです。
 次に、山口議員からも質問がありましたが、高齢者雇用と年金との連携についてお尋ねしたいと思うんです。
 退職共済年金の見直しに伴う地方公務員の六十歳代前半期の雇用の施策については議論があったとおりであります。
 一つは、自治省が三月二十五日に閣議決定とあわせて公務部門における高齢者雇用についての行政局長通達を出しておられますが、どのような検討を行っておられるのか、基本的な話はさっき大臣からもありましたが、これは自治省からお聞きしたいと思うんです。
 それから二番目に、地方公務員にはいろんな職種があります。特殊な職種があるわけですね。例えば清掃や消防、病院職員など、職務の性質等から公務内の雇用が著しく制約され、再就職が困難な職種があります。これらの職種については今後どのように対処していかれるのかお聞きをしたいわけです。
#42
○政府委員(鈴木正明君) 六十歳代前半期の高齢者雇用の問題でございます。
 公務部門につきまして、本年三月の閣議決定を踏まえまして公務部門における高齢者雇用に積極的に取り組むことといたしておりまして、国との均衡をとりながらその推進方策の検討を進めております。各地方団体に対しましては、既に具体的な問題点の洗い出しとその対応策の検討ということを進めてもらいたい旨連絡をいたしております。自治省といたしましては、地方団体の実情やあるいは御意向も把握しながら推進方策の検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
 具体的には退職管理の現状、あるいは新たな再任用の仕組みを導入するに当たってどういった検討課題があるのかということで幅広く調査検討を行っております。当面は職務編成あるいは業務運営の見直し検討、あるいは高齢期における働き方のイメージ、また新たな再任用制度の仕組みの骨格といったことに向けて検討を進めていくことといたしております。その上で具体的な枠組みを固めまして、国家公務員の扱いと歩調を合わせて検討を進めてまいる所存であります。
 それから、いわゆる再就職が困難な職務のことでございますが、これから業務運営や職務編成というものを見直しながら新たな再任用の仕組みというものを検討していくわけでございますが、その際、その職務の特殊性等にかんがみまして、高齢公務員の雇用が著しく困難な場合というものがあるのかどうか、またそれがどのような場合であるのかなどについても他の職種との均衡を図りながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 地方団体は国とは異なる多様な職域を抱えております。いわゆる困難職種と考えられる場合、そういった職種の職員の雇用機会というものをどのように確保していくかといったことなどにつきましても、地方団体の実情あるいは国の検討状況というものを踏まえまして具体的な検討を進めてまいりたい、このように考えております。
#43
○岩崎昭弥君 認識は一致しておりますので、地方の自治体と十分議論していただいて、遺憾のないようにお願いしたいと思います。
 次に、保険料の値上げについてお尋ねします。
 負担と給付のバランスの観点から考察しますと、ある程度の保険料の値上げはやむを得ないと思われるのであります。しかし、急激な引き上げは当然のことながら避けるべきです。
 したがって、質問は次の二点ですが、一つは急激な引き上げを避けることに対する自治省の基本的な考え方はどういうところにあるのか、二番目に、今回の引き上げは所得税、住民税の減税の実施と矛盾するという声があるわけですが、引き上げ方法について配慮できるのかどうか、ここを承りたいんです。
#44
○政府委員(鈴木正明君) 保険料率の引き上げの関係でございます。
 地方公務員共済年金の財源率につきましては、財政再計算におきまして将来にわたって財政の均衡を保つことができるように段階的に引き上げを行っていく、こういう考え方で再計算に臨んでおります。ことしの十二月に予定されているわけでございますが、そこにおきましては最近数年間における組合員あるいは年金受給者の状況、また年金額の状況、こういった実績を基礎といたしまして、現在、連合会において作業を行っております。
 現時点では計算結果の明確な予測は困難でございますけれども、一つには、成熟度の上昇、あるいは平均余命が延びているということを考え合わせますと、財源率の引き上げが相当程度必要になるものと考えております。
 所得税、住民税の減税との関係で配慮はどうかということでございますが、財源率は将来にわたっての年金財政の均衡ということが非常に重要でございます。したがいまして、基本的には将来の現役に負担をしわ寄せしたり、あるいは年金財政の安定を欠くことがないように適切な保険料率の改定が必要だと考えております。
 しかし、現下の経済情勢等に配慮をいたしまして、厚生年金あるいは国共済におきましては今回の保険料の引き上げを二段階で行うということといたしておりますので、私どもの地共済におきましても同様の配慮を行うよう、二段階で行うように今作業をしております連合会に通知をいたしております。
#45
○岩崎昭弥君 次に、公務員の育児休業についてお尋ねしたいと思うんです。
 その一つは、育児休業については九二年四月一日から実施されましたが、地方公務員の現在の取得状況はどうなっているかということ。二番目に、民間では雇用保険で九五年四月から育児休業給付が支給されることになっておりますのは御承知のとおりです。地方公務員についても雇用保険制度におくれることなく同様の対応をすべきだと考えておりますが、この点についての自治省の見解をお聞きしたいんです。
#46
○政府委員(鈴木正明君) 育児休業の取得状況でございますが、平成四年度に育児休業を取得した職員は四万二百四十三人、うち女子職員が四万二百十一人、男子職員が三十二人ということでございまして、平成四年度中に一歳に満たない子供を養育している女子職員、これに対します割合、いわゆる取得率は七七・二%ということでございます。その育児休業取得者のうち、九カ月以上の場合が半分以上の五二%という状況でございます。
 それから、育児休業給付への対応でございますが、今お話のございましたように、民間部門では平成七年の四月から育児休業給付が雇用保険制度によって支給されるということとされましたが、公務部門においてもやはりこれに見合う措置というものが必要である、こういうふうに考えております。
 国家公務員につきまして、先ほど人事院から、共済制度の中で給付水準、実施時期を含めまして民間のこの育児休業給付に見合った給付を行うことが現実的かつ適当だという考え方が示されたところでございまして、これを踏まえ具体的な措置につき検討が進められる、こういうふうに承知しております。
 地方公務員につきましても、国家公務員の取り扱いに準じまして所要の検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#47
○岩崎昭弥君 実はもう一つは消費税の二%値上げに伴う物価への影響とそれに影響される年金についてお聞きしたいと思いましたが、時間ですからまた次回に譲ります。
 以上で終わります。
#48
○釘宮磐君 新緑風会の釘宮でございます。若干の質問をさせていただきたいと思います。
 まず、今回の年金制度改正の目的でございますが、これはどこにあったのか、改めて確認をさせていただきたいと思います。
#49
○国務大臣(野中広務君) もう委員御承知のように、今回の改正は、二十一世紀をどのようにして活力ある長寿社会にしていくか、第一は高齢者の高い就業意欲と知識、さらには長年の経験を生かして希望すれば六十五歳まで現役として働ける社会を実現していかなければなりませんし、また六十歳代の前半を中心とする高齢者の雇用の推進を図るとともに、年金制度自身もこういう少子・高齢化の事態を深刻に踏まえながら雇用の促進という仕組みを入れて改めていかなくてはならない、こういうことを基本にしながら共済年金制度を長期的かつ安定的に運用していきますために、適切な給付水準を維持し、さらに将来の現役世代に過重な負担が生じないように給付と負担の均衡を図っていく、これを基本的な考えとして行おうとするものでございます。
#50
○釘宮磐君 今回の改革についてはさまざまな改革案が盛り込まれておるわけでありますけれども、私は、今、大臣が言われましたけれども、何といっても高齢化社会をこれから迎える中で、年金をいただく方の方がいわゆる支える、負担をする人たちの数よりも多くなるというような時代を想定してのことであろうと思います。そうであるならば、今回の改革の主眼は現役世代の負担を極力抑えるというところにあったというふうに思うわけであります。そういう意味で、私は今回の改革が必ずしも十分なものにはなり得なかったのではないかという評価をせざるを得ないのであります。
 確かに年金の支給開始年齢を引き上げることによる現役世代の負担軽減等が図られてまいったわけでありますけれども、現役世代の負担軽減については、少なくともその目的がいわゆる国庫負担率の引き上げという問題に最後になって議論が集中し、そこでこの問題が最後に日の目を見なかったというところに私は非常に失望感を持っておるからであります。
 衆議院においてこの基礎年金の国庫負担率の引き上げについては結論が出なかったのでありますけれども、私はここで大臣にちょっとお尋ねをしたいのであります。
 衆議院での国庫負担率の引き上げ問題についての結論が次期財政再計算期をめどに検討するとの附則、並びに二分の一をめどに引き上げを検討するという附帯決議をつけておられます。このことについて大臣は今までのいわゆる若年者層、現役層の負担軽減との絡みにおいてどう評価なさっておられるのか、お聞かせいただきたい。また、政府として今後この問題についてどう取り組むつもりなのか、その方針を確認させていただきたいと思います。
#51
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のとおりに、でき得れば後世代のことを考え、かつ現役世代ができるだけ負担が少なくて、そして年金が安定的、持続的に保たれていくというのが一番望ましいことでございますけれども、なかなかこれは言うべくして非常に難しい問題でございます。そういういろんな苦悩の中から、衆議院におきましていろいろと与野党議論をいただく中から、先ほど申し上げましたように、また委員御指摘のようないわゆる国庫負担の割合の引き上げについて総合的な検討を加えるということが附帯されたわけでございます。
 私は、こういう言い方は適切かどうかわかりませんけれども、この法案というのは、委員御承知のとおりに、前政権が出されて、そしてこの負担率も前政権からこういう法案で決められてきたものが、政権がかわるとにわかに出した原案に対してまた負担率を上げるという提案が出てくるというのを一人の政治家として非常に私は、与党と野党にかわるとこんなにも変わるのかなという、そういう手法について一人の政治家として疑問を感じてまいりました。けれども、相なるべくはやはり現役世代にできるだけ負担を軽減し、国庫負担を可能な限り努力していくということはこれは必要なことでございますので、今後この規定に基づきまして十分私どもとしても検討を加えていかなければならない重要な課題であると認識をしております。
#52
○釘宮磐君 今、与野党がかわったら主張が変わるのかという大臣からのお言葉があったんですけれども、私は、ここで問題なのは、今回の結論がいわゆる国庫負担率を上げるのか上げないのかの意思を明確にしていないところに問題があるということを指摘しているわけであります。国庫負担率をいつからどの程度引き上げるのかが決まっていれば法律の本則に盛り込めばいいわけで、結局意思が明確にできないために結論を先送っただけのことではないでしょうか。財源論に言及することなく、一方で国民の人気取りで二分の一の国庫負担をほのめかすような今回の手法はまことに残念と言わざるを得ないと思います。
 私は今回の議論は国民注視の的であったと思います。年金財源の多くを現役世代の掛金に依存するのか、はたまた広く国民が負担する税、この場合はもう消費税に頼るしかないと思うんですけれども、それによる国庫負担の増額によって年金財源を安定させ現役世代の負担を軽減していくのかという選択だったと思うんです。その選択肢を国民の前から奪い去ってしまったわけですから、私は与党としての責任は大変重いというふうに言わざるを得ないと思います。
 今、政治に必要なのは、この国の将来に向けて責任ある施策をあるときはつらくとも苦しくとも国民の皆様に提案していかなければならないのではないかと私は思うわけであります。先ほどのお言葉を返すようで恐縮でございますけれども、そういう意味で我々は二分の一負担の提案の際には、財源については消費税のアップも含めてこれに対応するんだということも確認をさせていただいたわけであります。
 これから訪れる超高齢化社会はなまはんかな対応では乗り切れないと思います。我々の子や孫にツケを回さないためにも政治の責任は大きいと思いますが、こういったことについて、私はこれを政争の具ということではなくて、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#53
○国務大臣(野中広務君) 衆議院の審議過程を見ますときに、今、釘宮委員がおっしゃったような、税制改革特別委員会におきましても社会党の公約違反だとか、そういう論点で話があるだけでありまして、結局年金につきましても委員おっしゃるようないわゆる二分の一負担にするためには消費税をこうするべきなんだ、そういう議論は私どもに届かなかったわけでございます。それだけに私は率直に先ほどのような一人の政治家としての見解を申し述べたのでございます。
 これから私どもは、限りなく困難な時代を迎えていく中におきまして、第一に大胆な行財政改革を行い、そして私どもはそういう成果の中からなお国民に新たなる負担を求めていくという態度でなければいけないのではなかろうかな、こう思っておるわけでございまして、もろもろの整理をする中でより財源を生み出すことによって現役世代の負担が軽減されるとするならば、私どもはそのことに努力を惜しまないでやっていくべきだと存じておるわけでございます。
#54
○釘宮磐君 大臣の今のお言葉、私も同感でございます。そういう意味では、これから政治改革法案、区割り法案が決まっていよいよ小選挙区制による選挙が行われる。このことはある意味では、これからの日本の政治がまず選挙の前にしっかりとした自分たちの考えをまとめて、それを提示して国民に選択させるというような形に変わっていかなければならないという思いでいっぱいであります。
 今回の年金改革法案の国庫負担率の中でその辺のところがはっきりと明示できなかったということは私どもも含めて大いに反省をしなければならないのではないかな、こんな思いをいたしております。
 さて、今回の年金制度の問題の中で私は非常に危惧していることがもう一点ございます。それはいわゆる基礎年金の空洞化問題についてであります。
 社会保険庁が八月七日に発表した調査結果によりますと、国民年金の第一号被保険者となるべき人の未加入は百九十三万人で、第一号被保険者の約一割に相当するそうであります。しかもその半数は今後も加入の意思がないとしております。年代別では二十代が四六%で、特に都市部に住む学生や短期アルバイト者に未加入者が多いと言われております。全国民の老後生活の基礎的部分の所得保障を担う基礎年金としての目的をこれでは十分に達しないのではないかという気がしてなりません。
 地方公務員を含め、国民年金制度に加入している人に負担のしわ寄せを及ぼすことや、さらには若年層にこうした傾向が広まれば年金制度そのものの崩壊にもつながりかねないと思いますが、政府としてこうした状況をどう認識されておられるのか、またどう対処していかれるおつもりなのか、お伺いをいたしたいと思います。
#55
○政府委員(鈴木正明君) 基礎年金の未加入者あるいは未納者の増加の問題、いわゆる空洞化の問題でございます。
 御指摘のように、公的年金全体の信頼にもかかわる問題であり、またこれを解消していくということが重要な課題と、このように認識をいたしております。
 この基礎年金の空洞化の防止対策につきましては、直接には厚生省において種々検討、取り組みが行われているというふうに承知をいたしております。
 まず、未加入者対策といたしましては、幾つかありますが、一つは二十歳到達者を中心とした適用対象者の把握とそれに対します適用勧奨、それから国民健康保険との連携によりまして届け出漏れを防止する、あるいは中高生を対象といたしまして年金教育等の広報活動などを推進しているという状況でございます。
 また、未納者対策でございますが、未納者の方に口座振替の促進など保険料を納付しやすい環境づくりを進めていく、あるいは納付の督励の徹底をしていく、さらには専任徴収員の活動の強化を図っていくということで従来にも増して力を入れて取り組んでいる、このように承知をいたしております。
 また、これらの対策におきまして、地方団体、特に市町村の協力というものが非常に肝要であり、また必要なものもございますので、自治省といたしても、市町村の活動が行いやすいような条件整備につきまして厚生省と十分協議してまいりたい、こういうふうに考えております。
#56
○釘宮磐君 私はここでこの空洞化問題についてちょっと事例をお話し申し上げたいと思うんです。
 あるとき、私は若い人たちの集まりに出かけていきました。その場で、ちょうど年金の空洞化の問題が最近とみに言われているときなので、あなたたちは年金にちゃんと入っていますかというふうに言いましたら、そこにおった六人のうち五人までもが入っていないと。何で入らないんだと、入らなかったらあなたたち先々行って困るだろうという話をしましたら、何で我々がじじばばのために年金を掛けなきゃいけないのか、先々行ってもらえるかもらえないかわからないような年金を我々が掛けたってしょうがない、それだったら民間の保険会社に入ってそれでやった方がよほど間違いのないというようなことを、これは女性の方でしたけれども、異口同音におっしゃっていました。じゃ、あなたたちは健康保険はどうしているんだと言ったら、これについては、保険証は友達から借りていけばいいんだ、だからそんなものに入る必要はないというようなことも言っておりました。
 私は、こういった問題については、我々がここで年金制度を一生懸命議論してよりすばらしい制度をつくっても、こういう制度を運用していく、またこれに参加していく国民の層から、しかも若年層からこれが崩れていくということになれば大変なことだと思います。
 私は、きょうは文部省にぜひこの問題について、こうした問題というのはやっぱり子供のころからしっかりと互助共助、そして弱者に対する思いやりだとか、そういうふうな教育をもっと施すべきではないのかということを文部省に聞きたかったわけでありますけれども、きょうは文教委員会があってどうしても、この問題については後日また説明に伺いたいということで、許してくれということでありましたので、私はこの問題について、大臣、個人的な見解で結構でありますのでちょっとコメントしていただきたいと思います。
#57
○国務大臣(野中広務君) 今、委員御指摘のような状況がそれぞれ若い人たちにもありますことを私も否定することはできません。けれども、我が国は三十年代後半において国民皆保険、国民皆年金という道を歩んできたわけでございまして、今アメリカにおいてクリントン大統領が保険制度のあり方で苦しんでおることを見ましたときに、非常に我が国はその意味において先進的に、やや弾力的にこの政策を、そしていかにして平等化をやるかということで努力をしてきたわけでございます。
 こういう努力が今若い人たちの認識の中で崩れていくというのはまことに残念なことでございまして、これからの、今、委員おっしゃいました教育はもちろんのこと、行政各般にわたりましてこういう空洞化が生じないような住民意識の向上、あるいは教育のまたさらなる充実等について熱心な努力を傾けていかなくてはならないと考えておる次第であります。
#58
○釘宮磐君 次に移りたいと思います。
 今回の改正のもう一つの課題であります高齢者雇用の促進についてお伺いをさせていただきます。
 年金支給開始年齢の引き上げという今回の年金改正は公務員の人生設計にも大きな影響を及ぼしてまいります。そのため、支給切りかえ該当年齢に達する方々、とりわけこれは我々の世代でありますけれども、この世代の不安は相当なものであります。したがって、それらを解決するためにも高齢者の雇用機会の確保に努めることは政府の喫緊の課題と考えるわけであります。
 公務員の高齢者雇用の現状について、自治省としてはどのように認識をなさっておられるのか、まずお伺いいたします。
#59
○国務大臣(野中広務君) おっしゃいましたように、どのように公務員の高齢者の雇用を図っていくかというのは非常に重要な課題でございます。また、一概に公務員と申しましても、一般行政を扱う公務員、あるいは清掃、病院、消防等、公務員は多種多様にわたっておるわけでございますので、そういう人たちの再雇用をどのようにしていくかというのは、これから私ども本年三月の閣議決定を踏まえて共済年金との整合性を図りつつ、民間の御協力もいただき、さらに公的な部門においても短期あるいは長期を含めた雇用のあり方というものを十分考えて、そして可能な限りこの人たちの長い公務員としての経験あるいは学識が十分生かせるようにしてまいりたいと存じておるところでございます。
#60
○釘宮磐君 公務員の場合は、退職をいたしまして、一部の人たちは行く場所が確保されているケースが多いわけでありますが、これは中央官僚では天下りというようなイメージでとらえておるようでありますけれども、この天下りというものが決して私は公務員の場合に否定できないという現状を考えたときに、これから六十歳定年で、その後六十五歳まで年金の支給が半額になるということになればどうしても働かなきゃならないわけでありますから、そういう意味で民間の方以上に公務員の方というのはその行き先が限られてきておりますので、この辺十分配慮していかないといけないというふうに思います。自治省は特に地方公共団体を指導する立場にあるわけですからその辺のところについて、先ほども岩崎委員から指摘がありましたけれども、ぜひしっかり取り組んでいただきたい、このように思います。
 一方、民間企業ではリストラによる雇用形態が最近大きくさま変わりをしてきております。こういう雇用状況が厳しくなってきている中で公務員に行財政改革の波が国民世論として押し寄せてきております。こうした背景を踏まえた場合に、高齢公務員雇用はますますその難しさが増してくるのではないのかなというふうに思っておりますが、その点について若干のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#61
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のように、今後とも国及び地方を通じまして、先ほど来私も申し上げておりますように、行政改革を積極的に進めてまいらなくてはならないと考えております。特に、村山総理からはこの内閣の最大の課題であると言われておるわけでございます。したがいまして、地方におきます行政改革も、また私ども、先ほど申し上げましたように、先般、地方みずからがやはり地方分権を受けるにふさわしい状況をつくり上げるためにも行政改革を積極的に推進するべきであるという考えに立って指針をお示ししたところであります。
 そういう意味におきまして、今後一方において地方公務員の高齢者の雇用を検討いたします場合に当たりましても、今、委員も御指摘ありましたように、民間企業もリストラをやっておるそういう状況でもございますので、民間における高齢者の雇用施策のあり方も十分視野に入れながら行財政改革の要請にも私どもは十分取り組んでまいらなくてはならない、このように考え、我々は行政改革を通じてなお公務内における六十歳代前半の雇用というものをぜひ考えていかなくてはならない。経験あるいは知識を生かしますときに、行財政の改革の中で地方公共団体がみずからまた高齢者を雇用する場というものができ上がってくるのではなかろうか、いやつくらなくてはならない、そして雇用の拡大を図らなくてはならないというように存じておりますので、その推進のあり方につきまして積極的に検討を進めておるところでございます。
#62
○釘宮磐君 私も質問をしながら、一方で人を削減していかなきゃならない、しかし一方では年老いてさらにまだ働く意欲のある人には働いていただかなきゃならないこのジレンマ、これを感ぜざるを得ません。しかし、そういう中にあって、国民の皆さん方が理解をしていただけるような形の中での新しい雇用のあり方、とりわけ公務員の高齢者雇用のあり方というものが模索されていかなければならないと思いますので、どうかよろしくお願いをしたいと思います。
 最後に、公的年金制度の一元化についてお尋ねをいたします。
 年金制度改正の最終段階とされる年金の一元化のめどとなる年次がもう来年に迫ってきております。今回の改正は年金の一元化との関連ではどう位置づけられるものなのか、お伺いをいたしたいと思います。また、年金の一元化についての検討状況はどうなっておるのか、さらに公務員共済年金の将来の見通し等についてお聞かせをいただきたいと思います。
#63
○国務大臣(野中広務君) 公的年金の一元化につきましては、もう既に委員御承知のように、昭和六十年以来、基礎年金の導入と被用者の年金の給付の公平化、さらには負担の制度間調整が実施をされてきたところでございます。
 これまでの施策の成果の上に立ちまして、残された課題やあるいは具体的な一元化の方向につきまして論議するために、本年二月に公的年金制度の一元化に関する懇談会が設置されましたことは御承知のとおりでございます。この懇談会におきまして、今日まで五回の審議が行われました。これまでの経過、各制度の状況、給付面の比較、諸外国の制度等の検討及びフリートーキングが行われたと聞いておるところでございます。
 今後の見通しにつきましては、この懇談会で決定されることになるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、この懇談会の場を通じまして各制度を通じての議論と関係者の合意形成が図られていかなくてはならないと思っておるのでございます。
 地方公務員共済といたしましても、今後とも財政窮迫に陥った制度への財政支援を一方ではやっていかなくてはなりませんし、また公的年金制度全体の安定した運営を図り、必要な取り組みをしていかなくてはならないという重要な課題を抱えておるわけでございます。この際、共済年金制度全体が公務員制度の一環として役割を担っていくこと、あるいは各制度がそれぞれ今までの沿革、さらには運営の仕方等をそれぞれ異にしていること等を十分踏まえながら適切に図ってまいりたいと思うわけでございます。
 お説のように地方公務員共済も、旧国鉄共済などの例を見ますときに、非常に深刻な将来を踏まえておるわけでございますので、そういう事態を踏まえながら我々も深刻な事態として取り組んでまいりたいと存じております。
#64
○政府委員(鈴木正明君) 今回の改正と年金一元化との関係でございますが、今回の制度改正は、厚生年金保険制度あるいは国家公務員共済制度の見直しと整合性をとりつつ必要な改正を行おうとするものでございまして、その意味では年金の一元化の考え方を踏まえているものでございます。
#65
○続訓弘君 先ほど山口、岩崎、釘宮、各委員から幅広い、かつ掘り下げた御質問がございましたので、私は重複を避ける意味で一つ二つお伺いをいたします。
 一つは、年金制度とちょっと関係のないホットな問題で大変恐縮でございますけれども、十月三十日の毎日新聞を見ましたところ、一面で大きな見出しで「来年度地方交付税交付金 七−九千億円減額 大蔵省方針 加算分返済繰り延べ」、こんな見出しで報じられておりました。近く自治省と協議をする、こんなことでございます。
 先ほど大臣も所信表明で力強く述べられました。今や地方の時代だと、大臣としてこの問題に真剣に取り組む、こんな強い決意の表明がございました。
 細川、羽田両内閣に引き続いて、地方分権の推進は村山内閣のもとでも最重要課題の一つであると思います。その中でとりわけ地方公共団体の財政自主権の象徴ともいうべき地方公共団体固有の財源を国の財政難を理由に勝手に取り上げることは言語道断と言わざるを得ません。この地方行政委員会の諸先生方は挙げて地方の味方であります。
 そこで、二点にわたり御質問いたします。
 その第一点は、事務当局から事実関係について御説明を願いたい。さらに第二点は、これに対します野中自治大臣の不退転の決意をお伺いいたします。
 野中大臣は地方行政の経験者で、三千三百余団体の地方公共団体は挙げて野中大臣に期待を寄せていると私は思います。去年もこういう状況になった。こんなことで先ほど申し上げたような地方公共団体の固有財源を取り上げられるということは問題であります。ぜひともこの点について、この場で大臣から三千三百余団体の地方公共団体は大丈夫だと、こんな胸を張った所信の表明をいただければと思います。
#66
○国務大臣(野中広務君) 私も、今、委員が御指摘になりました十月三十日付の毎日新聞を見まして、実は驚いたところでございます。
 今日までの地方交付税だけでなく地方財政、国家財政全体の大蔵省と自治省とのあり方を考えますときに、こんなことが意図的に大蔵省から流されるということはあり得ないと私は信じておりますし、そんなことがあってはならないことであるとも存じておるわけでございます。
 もう御承知のように、来年度の地方交付税につきましては八月終わりに概算要求を通じまして大蔵省にいたしておるところでございます。加算分をその中には含めておるわけでございます。来年度の交付税につきましては、地方団体の財政運営に支障が生じないようにするのが私ども自治省の仕事でございまして、今後地方財政の対策につきましては大蔵省と十分協議をいたしまして所要の額を確保してまいる決意であります。
#67
○政府委員(遠藤安彦君) 事務的に補足をさせていただきますが、全体の方針はただいま大臣からのお答えがあったとおりでございまして、事実関係といたしましては、八月末日に大蔵省に対して概算要求をいたしております。
 その中で一般会計から交付税特別会計に繰り入れられるべき地方交付税の要求額については、おおよその数字で申し上げますと、約十五兆五千億円を要求いたしております。問題はその中に自治大臣、大蔵大臣との間で過去に交わしてきました覚書等に基づきます特例措置、特例加算の部分でございますが、これが五千七百億ほどございます。それから、地方交付税法の附則の四条の第二項に法定加算と申します額が既に記載をいたしてございまして、これが四千億弱ございます。両方合わせますと約九千七百億ほどになりますので、この金額のことを新聞では報道されているというように承知いたしております。
 なお、大臣からもお答えがありましたとおり、大蔵省からはこのような加算部分について繰り延べをしたいとか減額をしたいとか、そういった協議はまだ一切ございません。
#68
○続訓弘君 そうであるとすれば安心いたしました。ぜひこの際、地方団体の熱い期待を裏切らないで、地方団体が安心して来年度の予算が組めるような、そういう財源の確保を自治大臣にお願い申し上げます。同時に事務当局にもお願い申し上げます。
 さて、十月二十八日付の産経新聞の「主張」欄に「六十代前半の雇用対策強化をしとの見出しで今回の年金改革法案に関連して幾つかの問題点を指摘しておりました。その中で「今回の改革でも企業の高齢者雇用を促すインセンティブはほとんど働いていない。従業員五十人以上で定年が六十一歳以上の企業は五%、定年後に希望者全員を継続雇用する企業は二八%で、とくに千人以上の大企業は九%にすぎない。」「今後は官民一体となって高齢者の雇用に本腰を入れて取り組まなければならない。」と主張しております。
 なお、本日の朝日新聞の社説にも「六十五歳現役時代をどう迎えるか」と題してこの問題を取り上げております。
 今回提案の地方公務員共済年金制度改正案に関連しても両新聞の指摘と全く同様で、地方公務員の高齢者雇用対策に真剣に取り組む必要があります。
 そこで、二点伺います。
 第一点は、自治省としての具体的な取り組み案があればお示しいただきたい。第二点は、高齢者向きの非常勤ポストを拡充することはどうだろうか。
 御参考までに東京都の制度について御紹介申し上げます。
 東京都は、鈴木知事のもとで、一貫して職員定数の削減ないしは職員の条例定数の増を行わないとの方針を今日まで貫いてまいりました。しかし、一方、事務事業はふえ続けております。このふえ続けている事務事業に見合う適正な職員には六十歳定年後の人たちを再雇用する、こういう方法をとっております。六十歳定年が施行されました六十年度からこれを実施しております。月十六日勤務、給料は当時は十万九千円、現在は十九万円になっているわけでございます。そしてその数は、職員数が全体で二十万弱おりますけれども、その再雇用者は一万人を数えております。
 こういうことを参考に申し上げましたけれども、今、二つの点で事務当局からお答えをいただきたい。
#69
○政府委員(鈴木正明君) 高齢者対策の今後の進め方でございますが、高齢者の高い就業意欲にこたえていくということで、民間あるいは公務部門を通じまして高齢者雇用の推進ということが重要であると考えております。本年三月の閣議決定に基づきまして、関係省庁で構成する検討委員会を中心に具体的な検討も進めているところでございます。
 共済年金制度の改正が二〇〇一年から順次行われていくわけでございますが、それと連携をいたしまして雇用につきましても所要の準備期間を経て段階的に進めていくことが必要であると考えておりまして、地方団体の実情あるいは意向を把握しながら推進方策の検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
 それから、高齢公務員の非常勤ポストの関係でございますが、現在、一部の地方公共団体、東京都も含めてでございますが、退職者の知識、経験というものを公務に活用するということで、非常勤職員として再雇用しているという例があると、このように聞いております。私どもとして、これから共済年金制度の改正と連携しながら公務内の高齢者雇用というものを推進していく場合に、一つは現行の定年年齢というものは維持した上で、さらに定年に達した職員を改めて任用するような新たな任用制度というものが考えられないかどうかということを検討することといたしております。
 また、その際に常勤的雇用、フルタイムだけでなくて短時間の勤務といった勤務形態も考えて、公務内での雇用機会の拡充、あるいは多様な勤務を可能とするといったことにつきましても検討いたしてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、高齢者の公務員にふさわしい職務というものがどのようなものがあるのか、その場合の勤務形態あるいは処遇をどのようにするのか、また職場全体の活力をどのようにして維持していくか、こういったいわば実情に即した検討というものを行っていく必要があると思います。地方団体とも十分連絡をとって、また国家公務員の状況というものも見ながら進めてまいりたいと考えております。
#70
○有働正治君 まず大臣、端的にお尋ねします。
 年金者組合の調べによりますと、支給開始年齢六十五歳繰り延べ反対を含めまして、公的年金の改善を求める政府への意見書を採択した地方議会が全地方議会の四分の一を突破しています。これは文字どおり各党派一致で議決して政府に要望しているわけであります。
 全地方議会の四分の一を超えるということは非常に重みのある決議だと考えますが、自治大臣、いかがでありましょうか。
#71
○国務大臣(野中広務君) 今、委員御指摘の政府への意見書につきましては、四分の一という御指摘をいただきましたけれども、私どもといたしましては現在のところ二百九団体と認識をしておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今回の改正案を取りまとめるに当たりましては、地方公共団体の代表、あるいは組合の代表の方々からそれぞれ地方公務員等の共済組合審議会におきまして正式諮問前の懇談会形式の審議も含めまして十回も御審議をいただいて、広く関係者の御意見を賜ってきたところでございます。
 また、その審議に際しましては、地方公務員共済組合協議会からの要望等も参考に供して検討をしていただく等、積極的かつ精力的な各般にわたる御審議をいただいて、最終的には三月四日お示しいたしました原案を了承いただいたところでございます。
 今回の制度改正は、もう申し上げるまでもなく、これからの……
#72
○有働正治君 簡単にお願いします。
#73
○国務大臣(野中広務君) そういうことでございます。
#74
○有働正治君 実情も掌握していないというのは私は問題だとはっきり言わざるを得ません。
 全地方議会の四分の一をはるかに突破しているのは、これは明白な事実なんです。そういう関係方面の意見を聞いたにもかかわらずそれだけの意見が上がっている、ここに問題点の大きさがはっきりうたわれるわけであります。
 私は、限られた時間なので幾つかに絞って質問いたします。
 一つは、支給開始の繰り延べと議論になっています雇用問題ですけれども、六十歳定年制のもとで六十五歳支給となれば五年間の空白が生まれるわけで、具体的に一つお尋ねします。
 制度完成時の六十歳代前半のモデル年金額は幾らか、結論だけお答えください。
#75
○政府委員(鈴木正明君) 厚生年金のモデル年金の条件というものをベースにいたしまして試算しますと、次のようになります。
 夫婦とも六十歳代前半の場合の年金水準ですが、職域と厚生年金相当部分を合わせまして十二万一千二百円でございます。なお、六十五歳からになりますと二十五万一千二百円、こういうことでございます。
#76
○有働正治君 自治省の調査によりますと、退職者の世帯の一カ月の生活費、現金支出は二十五万円以上三十万円未満というのが三割で最も多い。次いで二十万円以上二十五万円未満というのが四分の一を超えて、合わせまして過半数を突破しているわけであります。これは数年前の調査であります。モデル年金の二倍以上、または二倍前後というのが過半数を超えているという状況であります。
 一方、東京都人事制度調査研究会の調べによりましても、退職者の生活は何で賄うか、これは三つまでの複数回答でありますが、全体の九五・四%が退職共済年金などの公的年金を当てにしていると、文字どおり大多数の方々が年金が最大のよりどころだということを答えているわけであります。
 今おっしゃられたモデル年金によりますと、六十歳から支給が従来どおり実施されるとしますと、夫の基礎年金相当部分の定額が年間七十八万円でありまして、部分年金の導入によりまして五年間三百九十万円も減らされるということになるわけであります。したがいまして、本来もらえる年金も減らされる。しかも、生活実態から照らしましても、受給者の方々は生活に非常に大きな支障が出ることは明白であります。
 大臣、この点とう考え、どう暮らせというわけでありますか。端的に。
#77
○国務大臣(野中広務君) そういう時代を私どもはもう目の前にしながらやはり今から準備にかからなくてはならないということで取り組んだのが今回の改正でございまして、この六十歳代前半の雇用につきましても、地方公共団体は、先ほど申し上げましたように、さまざまな業種を持っておるわけでございます。
 けれども一方、地方分権によりまして身近な行政を住民にきめ細かくやっていかなくてはならないわけでございますので、例えば窓口のこれからの拡充の問題あるいは介護の問題、あるいは休日のふえていく中における住民サービスの問題、各般にわたって住民サービスをより濃度にしていくためにはこの六十歳代前半の人たちの経験した知識、あるいはとうとい経験を十二分に今後公的な部門においても活用し得るのではなかろうか。あるいは荒廃した森林、中山間地等の現状を思いますときに、こういうところにもまたこの人たちの雇用の場を求めていかなくてはならないと私は考えておるわけでございます。
#78
○有働正治君 大分先取りした答弁までなされたようであります。
 地方公務員の再就職の実態、今、大臣も述べられましたけれども、退職者のうち何%ぐらいが就職できて、また地方公共団体における再就職はどうなのか、結論だけお示しいただきたい。
#79
○国務大臣(野中広務君) 自治省が実施いたしております地方公務員制度の実態調査によりますと、平成五年度で平成三年度中の定年及び勧奨によります退職者は六万七千五百二人であります。このうち平成四年度中に再就職した者は二万五千二十人であります。うち当該関係団体に再就職をいたしました者は一万二千九百十七人であります。
#80
○有働正治君 つまり、再就職者数は三七%で、当該地方団体への再就職というのは二割にも達してない、こういう実情であります。
 東京都の人事制度調査研究会の調査、一九九二年度によりますと、都道府県レベルでは四十七団体中二十団体。このうち新規の再雇用者は十人未満が三団体で、十一人から二十人が五団体。二十一人から四十人が六団体。再雇用の職員数が五百人を超える団体はわずか三団体。政令指定都市レベルでは再雇用を実施しているのは十二団体中五団体。再雇用職員が百人を超えるのは一団体。こういう極めて深刻な状況であります。
 にもかかわらず、五年間繰り延べるということは極めて重大な影響を及ぼさざるを得ないということにもなるわけであります。また、職務の性格上、公務内雇用、民間再就職が著しく困難な職種の問題もあるわけであります。例えば教員、看護婦、保母、清掃関係の労働者等々、仕事がきつくて定年まで働けないという人が少なくないわけであります。
 全教、全日本教職員組合の調査によりましても、教員の一カ月の仕事時間が二百三十九時間に上っていると。長時間労働上位三業種、観光バス乗務員、長距離トラック乗務員、ダンプカー運転手、これに匹敵するひどい状況であります。その結果、学校をやめたいと思う人が、アンケートに対して、男の方が四八%、女性の場合六九・八%と七割近い。なぜかというと、忙し過ぎるということと体がもたないということを言っているわけであります。
 そこで、再雇用制度を具体的に本当に確立するかどうかというのは極めて重大なわけで、いろいろ述べておられますけれども、もう一歩突っ込んで責任ある答弁を大臣に求めたいと思います。
#81
○国務大臣(野中広務君) お説のように、再雇用というのは非常に多くの問題を持っておるわけでございます。
 私ども公的部門で再雇用をいたそうといたしましても、かつての上司とどのようにして職場でより和合しながら勤めていくかといったような問題等も非常にこれから難しい問題でございますけれども、何にも増して年金制度の実態を考えますときには、やはり六十歳代前半の皆さん方の認識を改めていただいて、そして地方団体では先ほど申し上げましたように、それぞれ税の徴収とかあるいは用地交渉とか、こういういろんな今までの経験、知識を生かしてそれぞれ活躍していただける場所というのはまだまだ残されるわけでございますので、退職される方の意識革命、あるいは後に続く後輩たちの意識革命も含めて公的部門での雇用というものをより拡大していかなくてはならない、こういう問題を今鋭意検討を進めておるところでございます。
#82
○有働正治君 関連しまして、ぜひ改善をとの要請がありますので産業医、公立学校教職員保健管理費のことについてお尋ねします。
 教員の中に現実に過労死に至ったりそれに近い労働条件で働いている人は少なくないわけであります。学校現場において教職員の健康管理、安全衛生管理に携わる産業医などの交付税措置が依然不十分なため、県が産業医への報酬分を補てんしなければやっていけない状況があるわけであります。産業医は、月一回の学校巡視、教職員の健康管理のために細かいデータをとって指導をしなければならないなど、相当仕事に熟知しなければ役割を果たせないと言われるほど大変な業務だと聞いているわけであります。ところが、現実はそれに見合った報酬が出されておらないで、県がその不足分を負担していると。宮城は一人当たり年間二十四万、京都十二万、愛知七万二千、長野五万一千二百円などであります。
 一方、自治省としまして、従来の措置に加えまして平成四年度から公立学校教職員保健管理費を措置するなど一定の努力をされていたことは私も承知しています。しかしながら、この三年間わずか十三万円しか総額でふえていないわけです。したがって、その改善、増額を来年度予算から実現していただきたいという要望があるわけで、その点についての改善を求めます。
#83
○政府委員(遠藤安彦君) 御指摘のように、産業医に対する報酬につきましては、事務部局につきましては平成二年度から、それから現場の公立学校の教職員については平成四年度から地方交付税の単位費用に算入しているところでございます。
 現場の教職員に係る産業医につきましては、実際は生徒の分につきまして学校医が設置されているということもありまして、その単価を使いながら現在その他の教育費に御指摘のように需要額に算入しているということでございますので、これら産業医につきましての措置につきましては、地方団体の実態等も勘案しながら、これから適切な算入を行ってまいりたいというように思っております。
#84
○有働正治君 次に、年金の積立金の問題ですけれども、この実態、運用を見ますと、九二年決算だけで一兆七千億円の黒字となっています。年度末積立金は二十三兆九千億円であります。しかもその管理運用について、共済組合員が掛金として積み立ててきた積立金を財投資金として大型プロジェクト中心の公共投資あるいはODA資金などの財源として運用するなど問題は多いと私は考えるわけであります。二十三兆九千億という膨大な積立金は、九二年度の支出額に対して六年分の積立金に相当する額でもあるわけであります。掛金の引き上げを抑制するためにもこの積立金等を適正に運用すべきだと考えるわけであります。
 基本的な考えだけお述べいただきたいと思います。
#85
○政府委員(鈴木正明君) 共済組合の積立金は、お話しのように、平成四年度末で二十四兆円でございます。
 この運用でございますけれども、これは共済組合及び連合会がそれぞれ行っているわけですが、全体で見てみますと、約六兆三千億がお話のございましたような、これは財投というよりも地方債とか公庫債で地方団体が行う事業に充てられるものですが、それが約六兆三千億でございます。それから五兆五千億は組合員に対します貸し付け、住宅貸し付けなど、こういうものに利用されておりまして、残りの十二兆三千億はいわゆる自主的運用というものでございます。
 基本的考え方は、年金財政基盤の強化に資するように安全性を確保しながら、かつできるだけ効率の高い資金運用というものを目指しておりまして、近時、特定金銭信託あるいは単独運用指定金銭信託、あるいは団体生存保険である生命保険、こういう運用対象商品も広げてきております。いずれにいたしましても、より効率的、適切な運用が図られることが大事であると考えております。
#86
○有働正治君 今申しましたように、現在の積立金は地共済の場合、直ちに収入ゼロになったといたしましても六年分の年金を支払える積立金を保有しているわけであります。公的年金全体の場合は現在約百六十兆の積立金が二〇二五年には七百二十兆円にも達するわけであります。したがって、これまでの積立金を二年程度の給付財源を確保しつつ保険料掛金は現行労使五対五、これを三対七にすれば掛金率を引き上げなくてもいいと私どもは考えるわけであります。
 また、厚生省の試算でも、基礎年金への国庫負担を引き上げれば保険率を引き下げることができ、三分の二にすれば七%下がるということも明らかにされているわけであります。こうした対応を私は積極的にやって、今度のような大改悪などすべきではないということをはっきり申し上げておきます。
 もう一点だけ要望、主張をしておきますけれども、この積立金の民主的管理運営の上で、自治省直轄の地共済連合会の審議委員のメンバー、これを公正に任命する必要があると考えるわけであります。現在の審議委員メンバーのうち、労働界では自治労や日教組は含まれているようでありますが、大きな労働組合であります自治労連、全教などは入っていないわけであります。もっと広く公正に選んで、広く聞いて民主的運営管理をすべきであるということを強く要望して、時間になりましたので私の質問を終わりたいと思います。
#87
○西川潔君 よろしくお願いいたします。
 たくさんの先生方からたくさんの質問が出ましたので重複しないように気をつけて質問をさせていただきたいと思いますが、これだけはもう一度お伺いしておきたいと思います。
 今回の年金改革法案の修正をめぐって与野党のやりとりを国民の目から見ますと、将来の保険料の負担をどう考えるか、またそのために国庫負担率をどうするのか、そしてその財源は一体どうするのか、国民にとって非常に大切な論議がなされているにもかかわらず、どうもすっきりしないというか本当にそれが加入者のあるいは受給者の視点から考えてくれているのであろうか。
 先ほど釘宮先生からの質問、大臣の答弁も聞かせていただきました。国民の一人として国民生活に直接大きな影響もある大切なこの問題を政争の具にしているのではないかというような新聞の記事も目にいたします。国民の目に映ってもやむを得ないというふうにこれも思います。
 もう一度野中大臣に、どのように受けとめておられるのか、お伺いしたいと思います。
#88
○国務大臣(野中広務君) 基礎年金の国庫負担の引き上げというのは、より国庫負担が多い方がいいにこしたことはないわけでございますけれども、いわゆる社会保険方式のもとで税と保険料のバランスをどのように考えていくのか、あるいはこれから深刻になってくる少子・高齢化社会を踏まえながら、限られた財源というものを社会保障、社会福祉にどのように重点的に配分していくのか。特に、西川委員は児童施設とか老人施設に深い関心を持たれまして訪問等をいただいておることを私ども承知しておるわけでございますけれども、先ほど釘宮委員がおっしやいましたように、この国庫負担率を上げるために消費税率をもっと上げたらいいじゃないか、これも一つの私は識見だと思います。
 けれども、私どもは初めに増税ありきじやなしに、また消費税を上げるということはより社会的弱者に負担を求めていくことにもなるわけでございます。できるだけ消費税率を上げることを少なくする中で全体の財源をどのように重点的に配分をしていくかという問題から考えましたときに、前政権がお出しになりました三分の一というのが私どもも引き続いてお願いすべきことであろうと考えて引き続いて提案をさせていただいたわけでございますが、衆議院の附帯決議等を踏まえながら、今後とも引き続いて検討をしてまいりたいと存じておる次第であります。
#89
○西川潔君 ぜひいい方向によろしくお願いしたいものでございます。
 次にお伺いしたかったのですけれども、これはまた岩崎先生の方から御質問がございましたので二番目の質問は飛ばさせていただきたいと思います。
 次に、三番目には年金の一元化についてということもお伺いしたかったんですけれども、これも釘宮先生の方から御質問が出ましたので四番目に移りたいと思います。
 六十五歳以降についての取り扱いについてお伺いいたします。
 現在、共済年金の場合は六十五歳になっても引き続き組合員である方には年金と賃金の調整があります。保険料は徴収するという取り扱いになっていますが、一方、厚生年金の場合は六十五歳になれば無条件に支給されることになっています。共済の場合は老齢年金ではなく退職年金という考えに立っているために両者の違いが出ているということだと思うわけですけれども、この点一部には、今回の改正によってみんなが少しずつ痛みを分かち合うというときに、非常に恵まれた方は例えば六十五歳を過ぎても所得が高いのに年金は満額出てしまう、四十年以上働いて心身ともに疲れ、仕事がない、あるいは健康を害した、こういう六十歳の人はかなりの痛みを受けるのに、これはバランスがとれていないのではないか、こういうふうに言われる方もたくさんいらっしゃるわけです。
 一九九三年の有識者調査の結果では、六十五歳以降の年金と賃金の調整について、賃金のある者についても年金を支給することとするが、一定以上の賃金の者については年金の一部を支給停止するとする意見が何と六七・一%と最も多いわけでございますけれども、今回の改正案には直接関係はございませんが、近い将来の年金の一元化のときにはこの問題を解決する必要があると思います。
 こういう御意見もたくさん僕らは聞くわけですけれども、この点につきましては自治大臣といたしましてはどのようにお考えでしょうか。
#90
○国務大臣(野中広務君) 六十五歳以降の取り扱いにつきましては、御指摘の差異は、今、西川委員が御指摘のように、共済年金は退職すれば支給する退職年金であり、これをもって構成をされておるわけでございます。あるいは厚生年金は老齢年金として六十五歳以上の現役世代として扱わない前提で構成をされているという両制度の基本的な差から由来をしておることは委員御指摘のとおりでございます。
 したがいまして、この違いを仮に厚生年金の扱いを共済年金に合わせる形で調整をするとすれば、例えば厚生年金において老齢の基準年齢とされます六十五歳以降も保険料を徴収するとともに、年金と賃金との調整を行わなくてはなりませんし、関係者の理解を得なければならない問題があるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今後年金一元化の懇談会の議論を通じまして、この論議をいただきながら関係省庁とも十分他共済年金の整合性をとりながら検討をいたしてまいりたいと存じておるところでございます。
#91
○西川潔君 大変声の多いところでございますのでよろしくお願いいたします。
 次に、退職共済年金等の受給権者が他制度に移行した場合の賃金と年金の調整措置についてお伺いをいたします。
 今回の法改正を初め、六十歳代前半の雇用促進施策によりまして六十歳以後に再就職をされる方が確実にふえてくるわけですけれども、そうした中で民間から民間へ、あるいは官から民へ、または民から官へという複数の選択が考えられるわけですけれども、そのいずれの場合におきましても賃金と年金の調整措置にはかなり開きがございます。
 例えば、民から民への場合は在職老齢年金の適用がございますし、官から民の場合は所得制限、民から官になりますと厚生年金は全額受給できることになっておるわけです。どのケースが得でどのケースが損ということではございませんが、今後雇用と年金、賃金と年金を合わせた生活設計を一人一人が組み立てていかなくてはならないと思うわけです。
 その状況の中で、再就職いかんによってはその生計に大きな開きが生ずるのであれば、再就職を考える際に選択の幅を狭くするのではないかなというふうに思うわけですけれども、そのような疑問を感じる人もたくさんいらっしゃると思うのですけれども、この点については、大臣、いかがでしょうか。
#92
○国務大臣(野中広務君) 年金と賃金の調整につきましては、退職前と退職後の再就職のときの適用制度が同一であります場合はその制度において月々の賃金が把握をできるわけでございます。けれども、この退職前と再就職のときとの適用制度が異なる場合には、年金給付を行う制度におきまして月々の賃金が把握をできないということから、厚生年金におきましては賃金との調整を行わずに満額支給するということにしておるわけでございます。
 一方、共済年金におきましては、税法上の給与所得を指標といたしまして賃金との調整を図っておるところでございまして、このような年金と賃金の調整の取り扱いの違いにつきまして、技術的に非常に制約を受ける要因が多いわけでございまして、今後の取り扱いにつきまして、今申し上げました技術的事情も含めまして、関係者間で総合的な検討がなされるべきであると考えております。
#93
○西川潔君 よろしくお願いいたします。
 もうあと五分ほどになりましたので、次に育児休業のこともお伺いしたかったんですけれども、岩崎先生の方から御質問がございましたのでこれも割愛させていただきます。
 そして、介護制度の方もこれは割愛させていただきます。
 次に、官民格差についてお伺いいたします。
 以前には各制度間の格差について官民格差という声をよく耳にいたしましたが、この十年間の間に制度改革が進められてきた結果、その格差も次第に解消に向かっておると思います。官民格差を指摘する声も、小さくなりつつあるように思いますが、しかしそうした状況でもまだまだ官民格差を感じるという方も少なくはないと思います。
 現実にどういった指摘があるのかと申しますと、例えば遺族年金の転結です。遺族年金の転結をおっしゃる方がおられますが、厚生年金の場合ですと、夫が死亡して遺族年金を受給している妻が仮に再婚をいたしますと遺族年金の支給は停止になります。一方、共済年金では、場合によっては父母への転結が認められております。これなんかはどうも納得がいきません。
 この問題についてはむしろ厚生年金に格差の是正をお願いしたいところですけれども、本日は地方行政委員会でございますので自治省にこの指摘に対する認識と官民格差についての現状をどのように認識されておられるのか、お伺いをいたしまして最後の質問にしたいと思います。
#94
○政府委員(鈴木正明君) 遺族年金の関係でございますが、まず遺族の順位につきましては、厚生年金、共済年金、いずれも第一順位が配偶者及び子、第二順位が父母、第三順位が孫、第四順位が祖父母、こういうふうになっております。
 厚生年金においては夫婦と未成年の子というものが家族の基本的な単位という考え方で、これを一グループというふうに考えております。したがいまして、配偶者及び子を第一順位の遺族ということにしておりまして、本人死亡時に配偶者や子供が全くない場合、その場合に限って父母等について遺族と認めて、それで遺族年金の支給を認めると、こういうふうに非常に限定しております。
 他方、共済年金の方は、これまでの沿革もございまして、父母が組合員によって生計を維持していたと、こういう実際の必要性も考えまして、本人死亡時に一定の配偶者や子があった場合にもさらに、今お話しのように、再婚等により受給資格を失う、一定の配偶者や子供が受給資格を失った場合には父母等の受給資格を認める、こういう扱いとなっているわけでございます。ただ、この場合でも一人一年金の原則でございますので、配偶者が自分の年金をもらえる場合には、それと遺族年金とのいずれかを選択する、こういうことになるものございます。
 このような取り扱いの違いというものは、いわば従来からの取り扱いの経緯によるという面が強いわけでございまして、今後横並びでどう考えていくかということにつきまして、共済制度全体を通じた問題でございますので、関係省庁と検討をしていくつもりでございます。
 なお、官民格差の現状認識でございますが、今お話のございましたように、六十年改正以降順次制度改正が行われまして、給付面ではほぼ各制度同一のものになっているというふうに考えておりますが、なお公務員制度等の一環という共済年金の性格、あるいは技術的な面からの制約、あるいは従来からの取り扱いの経緯といった点に起因しまして厚生年金と共済年金の間で取り扱いの違うものも見られます。今後の取り扱いにつきましては、一元化懇の論議などを通じまして関係者間で十分検討していく必要がある、こういうふうに考えております。
#95
○西川潔君 ありがとうございました。
#96
○委員長(岩本久人君) 以上をもちまして、本法律案に対する質疑は終局いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト