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1994/11/22 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 地方行政委員会 第5号
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1994/11/22 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 地方行政委員会 第5号

#1
第131回国会 地方行政委員会 第5号
平成六年十一月二十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月十六日
    辞任         補欠選任
     笠原 潤一君     鈴木 貞敏君
     野沢 太三君     関根 則之君
     上野 雄文君     細谷 昭雄君
     長谷川 清君     星野 朋市君
 十一月十七日
    辞任         補欠選任
     細谷 昭雄君     上野 雄文君
     星野 朋市君     長谷川 清君
 十一月十八日
    辞任         補欠選任
     渡辺 四郎君     一井 淳治君
     小林  正君     野末 陳平君
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     一井 淳治君     渡辺 四郎君
     野末 陳平君     小林  正君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 久人君
    理 事
                鎌田 要人君
                岩崎 昭弥君
                釘宮  磐君
                有働 正治君
    委 員
                石渡 清元君
                関根 則之君
                服部三男雄君
                真島 一男君
                松浦  功君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                小林  正君
                長谷川 清君
                続  訓弘君
                西川  潔君
   国務大臣
       自治大臣     野中 広務君
   政府委員
       警察庁長官房
       総務審議官    山本 博一君
       自治大臣官房長  秋本 敏文君
       自治省行政局長  吉田 弘正君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
       自治省税務局長  滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
   説明員
       総務庁行政管理
       局企画調整課長  畠中誠二郎君
       総務庁行政管理
       局管理官     浜田 恵造君
       総務庁統計局統
       計調査部消費統
       計課長      古田 裕繁君
       経済企画庁物価
       局物価調査課長  吉川  薫君
       経済企画庁調査
       局内国調査第一
       課長       貞広  彰君
       外務大臣官房文
       化交流部文化第
       二課長      小野 安昭君
       大蔵省主計局主
       計企画官     南木  通君
       大蔵省主計局主
       計官       三國谷勝範君
       大蔵省主計局主
       計官       佐藤 隆文君
       大蔵省主計局主
       計官       丹呉 泰健君
       大蔵省主税局税
       制第二課長    渡邊 博史君
       大蔵省主税局税
       制第三課長    竹内  洋君
       文部省学術国際
       局国際企画課長  西澤 良之君
       厚生大臣官房政
       策課長      江利川 毅君
       厚生大臣官房政
       策課調査室長    皆川 尚史君
       厚生大臣官房統
       計情報部保健社
       会統計課長    菅野 忠典君
       厚生省老人保健
       福祉局老人福祉
       計画課長     吉冨 宣夫君
       厚生省保険局企
       画課長      辻  哲夫君
       厚生省年金局数
       理課長      熊沢 昭佳君
       社会保険庁運営
       部企画・年金管
       理課長      星野  順君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十六日、笠原潤一君及び野沢太三君が委員を辞任され、その補欠として鈴木貞敏君及び関根則之君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岩本久人君) 地方税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては前回既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○石渡清元君 ただいま議題となりました地方税法等一部改正案の地方税制に係る質問をさせていただきます。
 最近、地方分権をめぐりまして非常に活発な論議がなされ、平成五年六月の国会における決議を初めとして、第三次行革審あるいは地方制度調査会、さらにまた地方六団体からも地方分権推進に関する意見書等々が出され、自民・社会・新党さきがけの連立与党におきましても、その合意事項として地方分権の推進をうたっておるわけでございます。そういう中で、やはり何としても地方税財源の充実というのが求められるわけでございます。
 まず第一点として、歳出割合と租税割合の隔たりが出ておるということ。
 国と地方の歳出純計に占める地方の歳出の割合は約三分の二であるのに対しまして、租税総額に占める地方税比率は三分の一という乖離があるわけでございまして、その乖離というのはやはり国の地方に対するコントロールを意味するという指摘の向きもあるわけでございます。したがって、今後、権限移譲を進めると同時に、地方税源の充実を図る必要があると思いますが、この点についての大臣の認識をまずお伺いいたします。
#5
○国務大臣(野中広務君) ただいま委員から御指摘がございましたように、行政改革推進本部の地方分権部会からの答申、さらには地方制度調査会からの中間報告、現在最終的な報告をいただくことになっておりますけれども、あるいは地方六団体からの意見書等が出されまして、昨年の衆参両院における地方分権推進の満場一致の決議以来、ようやく地方分権に対する具体的なスケジュールが出てきましたことは、お互い地方自治にかかわる者として大変うれしく思う次第であります。
 けれども、委員が御指摘になりましたように、歳出ベースで考えますと、財源的には七割を国が持ち、地方は三割を持つということでございまして、いわゆる税源的に考えますと、財政的に税財源におきましては地方は三割、そして歳出においては地方が七割を負担するという非常にいびつな状態になっておるわけでございます。仕事の面では七割を地方が負担し、そして税財源の分では地方は三割よりも持たない、こういう状況が是正をされない限り、委員が御指摘になりましたように、真の地方分権というのは確立をしないわけでございまして、地方分権を確立しますためにはどうしても税財源を地方に安定的につくり上げていくということが喫緊の要務であろうと思います。
 特に、これから深刻な高齢化社会等を踏まえますときに、住民の身近にあるところでお世話をし、そしてそれぞれの個性のある地域福祉をやっていきますためには、委員が御指摘になりましたような趣旨で地方税財源の安定的な確保を図っていきたいと考えておるわけでございます。
#6
○石渡清元君 三割自治からのいち早くの脱却ということでございまして、そういう面では今回の地方消費税の導入、創設というのは、地方団体から見ますと非常に画期的なども言えると思うわけでございますけれども、しかし地方税財源ということを考えて地方分権を進めていきますと、今度は地方団体間での税収格差が生じてくるわけでございます。さっき国のコントロールと言ったら、ちょっと局長は首をかしげられたわけでございますけれども、財政力格差是正をどういうふうにするか、あるいはそのた目標準的な財政水準をある程度自治省が決めていくのが公平なのか、余りそれを決めるとこれも国のコントロールじゃないかという見方も出てきますし、その辺のところで地方団体間格差是正を地方消費税の導入によってどのように考えておられるのか。東京都においてはほとんど不交付団体の今の状態でありますので、その辺のところを考えて都道府県あるいは地方団体を含めての格差是正、あるいは逆に言えば標準的な財政水準というのをどこに置いておられるか、お伺いをいたします。
#7
○国務大臣(野中広務君) 地方の税源が地域的に偏在をしておるではないかということは委員御指摘のとおりでございます。
 したがいまして、これまでも地方交付税制度を通じまして地方財源をできるだけ均てんになるように図ってきたところでございまして、今後も地方交付税の基準財政需要額の算定に当たりまして、財政力の弱い団体に対する算入の強化をしましたり、例えば人口急減の地域における補正、あるいはお願いをしておりますふるさとづくり事業に算入をする等の施策を講じまして、また一方では過疎地域におきましては過疎債を導入いたしまして、過疎債は御承知のように七割を補てんすることができますので、こういうものを組み合わせまして、そして全体としてできる限りバランスのとれた形で地方の一般財源を確保していく、それによりまして委員が今御指摘になりましたような地域の格差ができるだけ解消をされるようにしてまいりたいと考え今日までも取り組んでまいりましたし、今後もまたそういう方向で積極的に取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。
#8
○石渡清元君 地方分権に当たりまして、地方の税財源、自主財源の充実をぜひお願い申し上げます。
 それでは各論に入りたいと思います。
 まず、個人住民税の減税についてお伺いをいたします。
 今回の住民税減税は、税率の適用区分の見直しなどによる制度減税、そして景気対策のための特別減税、いわゆる二階建て減税がなされるわけでございまして、住民税減税についてこの二階建て減税が本当に中堅所得者層の税負担の累増感の緩和になったのかどうか、その評価を含めて御見解をお伺いいたします。
#9
○国務大臣(野中広務君) ただいま御指摘になりましたように、国、地方を通じまして今回の税制改正はいわゆる二階建て減税を行うこととしたわけでございます。
 一つには、今回の個人住民税につきましては、ただいま委員から御指摘をいただきましたように、制度減税といたしまして一兆三百億円を行うことにいたしました。活力のある社会福祉、地域福祉を実現させていきますことを目指しながら、そういう視点に立ちまして税率構造の累進性を大幅に緩和することを柱として抜本的な減税を行うこととしておるわけでございます。また、当面の景気に配慮をいたしまして、六千三百億の特別減税を上乗せしたのでありまして、今年度と同規模の一兆六千六百億の減税を実施することとしておるわけでございます。
 いわゆる二階建て減税は、一つにはあるべき所得課税制度の構築、これは、今、委員がおっしゃいましたようないわゆる中堅所得者層への配慮を加えますとともに、一面、先ほど申し上げましたように、現在の景気対策を考慮に入れながら景気対策に対応する税制を構築するということで二階建て減税をいたし、総合的な地方減税のあり方として国と連動して行うことにした次第でございます。
#10
○石渡清元君 よくわかるわけでございますけれども、なぜ私がその質問を申し上げたかと申しますと、衆議院段階で野党からの修正案が出されているわけでございまして、これは今回の制度減税では中堅所得者層の税負担の累増感緩和は十分解消されていないから平成七年九月三十日までに負担軽減のための所要の措置を講ずるべきだという検討条項の修正案が出て、それは否決はされましたけれども、そういう減税が十分でないという考え方が議論をされております。
 しかし、私は地方税の本当に根本的なのはやはり住民税ではないかと思うんです。それは、地方の行政サービスと密接に関係をしておりますので、そういう面で、この中期答申でも最高税率の引き下げなどが提言をされていますが、本当にこれからどんどんどんどん住民税自体を下げていっていいものかどうか、基本的な住民税に対するお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#11
○国務大臣(野中広務君) 減税というのはやはり中長期的に考えなくてはならない問題でございますだけに、先般の税制改正というのはもっと低いところの、四百万のところの減税を中心にしてやってきたわけでございます。それを第一段階としながら今回は所得七百万あたりを中心として減税を行うことにいたしまして、全体としてバランスのとれた、しかもそれが中堅所得者の減税につながるような方法というものを考えて、国、地方を通じて今回の重要な視点にしてまいったところでございます。今回の税制における減税部分だけを見ると野党の御意見にあったようなことになるわけでございましょうけれども、それは税全体の体系から見ると私はあるべき税制の方向でないと思っておるのでございます。
 そこで、地方税について委員が御指摘になりました。
 これは一般論としてお許しをいただきたいと思うわけでございますけれども、私は地方税のあり方として、一つには地方住民がみずから自治体の経営に参画し、そしてその自治体のあるべき方向に責任を持つんだという認識を深めていただき、そしてみずからがやはり地域社会の福祉やその他全体の行政水準の向上のために努力をするんだという、そういう意図から考えますと、第一に私は地方税における均等割というのを、いわゆる市民権を持っておるという自覚の上に立って均等割というものをもっと考えるべきなんじゃないか。そして、地方においては減税ごとに、これは生活保護家庭とかいろんな所得水準への均衡性も配慮しなければなりませんけれども、減税があれば必ず課税最低限が上がっていくというそういうあり方というのは、これはこれから住民の、また国民のコンセンサスを得ながらいつでも課税最低限に手を入れていくという税の負担のあり方が本当に地方自治を真に振興せしめ住民参加のものにさす方向なのかどうかというのは、これは私自身、自治体経営に携わった一人として今日までも悩み苦しみ、またそういう中から自分の考え方として持っておるところでございます。
 今、一般論といたしまして私の考え方を申し上げたことをお許しいただき、今後はなお政府税制調査会を初め地方制度調査会等、いろんな視点から御検討をいただきたいと思っておる次第でございます。
#12
○石渡清元君 大臣のおっしゃるとおり、住民税というのは行政サービスの基幹税だと私は思います。さらに充実をお願い申し上げる次第でございます。
 次に、地方消費税の創設についてお伺いをいたします。
 いろいろの議論の中でこの地方消費税の導入が決まったわけでございますけれども、この意義はもう今まで何回も本会議を含めてそういう質問があったわけでありますけれども、しかし今回のものが当初自治省が考えていた地方消費税とやや違う部分もございますので、その辺も触れられて今回の地方消費税についての御感想をお伺いいたします。
#13
○国務大臣(野中広務君) 今回の消費税全体のあり方が検討をされる中におきまして、それぞれ関係の皆さん方の御支援をいただきながら大蔵、自治とも協議をし、あるいは関係機関の御協力、御推進をいただいて消費税率を五%に上げようとする中におきまして、従来地方譲与税と言われて国の税を譲与されるという形から地方消費税として新しくその一%を確保することになりましたのは、地方固有の税源として、さらに都道府県議会において条例においてこれを定めるというところに大きな意義があります。
 特に、都道府県の税というのは法人課税に偏っておりまして、景気によって大変左右をされる不安定な税源を都道府県は主としておりますだけに、その都道府県のそれぞれ住民の消費に応じてこの一%が安定的に、かつ伸長的な税として位置づけられて確保できることになりましたことは、私は地方分権が言われておるときにまことに大きな意義があると考えておる次第でございます。
#14
○石渡清元君 今回の税制改正の一つのテーマに直間比率の是正、そういうテーマがあったわけでありますけれども、この地方消費税の導入によって、いわゆる地方の法人関係税、法人道府県民税とかあるいは法人事業税等々の関係税は非常に景気の変動を受けやすい、したがってより安定的なものに地方消費税の導入がなるということでございますけれども、地方税全体としての直間比率の割合はどの程度変わったか、お伺いします。
#15
○国務大臣(野中広務君) 地方税の直間比率につきましては、税制改革前でございますが、もちろん特別減税を除いた平成六年度当初見込み額でございますが、これにおきましては直接税対間接税の割合は八九%程度対一一%程度となっておったわけでございます。これに今次の税制改革によります個人住民税の制度減税分及び地方消費税の創設によります増収分を加えて一応試算した場合の結果でございますけれども、八九%程度が八三%程度になり、一一%程度が一七%程度になるであろうと見込んでおるのでございまして、間接税の割合は六ポイント程度増加をしたと考えるわけでございます。
#16
○石渡清元君 次に、地方消費税の賦課徴収についてお伺いをしたいと思います。
 これも今までいろいろやりとりがございまして、当分の間国が地方からの委託を受けて消費税の賦課徴収とあわせ行う、そして事務費用の徴収取扱費を国に払う、こういうような形になっておりますけれども、これがいつまで続くのか。あるいは賦課徴収の国への委託に伴ってどの程度の地方から国に対する徴収取扱費というのがはじき出されるのか。それはまだ詰めてあるかどうかわかりませんけれども、今までまだ触れられなかった質問としては、その事務費用の関係はどのように大蔵との折衝をされているか、あるいはまた地方消費税の賦課徴収のあり方、一般原則論がございましたらお聞かせいただきたいと思います。
#17
○国務大臣(野中広務君) ただいま御質問いただきました地方消費税は地方税そのものでございますので、地方公共団体がみずから賦課し、かつ徴収するというのが私も原則であると考えるわけでございます。けれども、納税者の事務負担を考え、かつ今日効率的な行財政改革が言われておりますときに、国の税だからあるいは地方の税だからということで消費税率の中の一%を地方消費税としてみずからの税として確保する場合に、やはり納税者の立場を考えたら税務署あるいは税関等で一括して賦課徴収することが一番納税者にとっても利便性が多いのではないか。私ども地方自治の原則をゆがめたいとは思いませんけれども、こういう時代における効率的なあり方としては一つの方向ではなかろうかと考えて国にお願いをすることにしたわけでございます。現在でも都道府県民税は市町村が賦課徴収をしており、都道府県がこれの取扱手数料を支払っておるという状態も現存をするわけでございますので、これからなお検討をいたしまして、国に対して地方からの手数料をどのように支払っていくかということを詰めてまいりたいと考えておるわけでございます。
 当分の間というのはどの程度かというのは、またこれを一定の年限に考えておらないわけでございますけれども、しかし国、地方を通じた税の徴収等のあり方については、今後、先ほど申し上げましたように、より効率的に、あるいは住民そのものの視点に立って考えていかなくてはならない問題でございますし、地方分権からいえばさらに安定した税源を地方が確保しなければならないし、そういう分権にふさわしい税財源のあり方ということを考えますときに、そういう際に地方みずからがどのようにしてみずからの税を賦課徴収するかということを考えるべきではなかろうかと思うわけでございます。今回は当面の措置として、今申し上げましたように、納税者の事務的効率化を図りながら国にお願いをした次第でございます。
#18
○石渡清元君 賦課徴収の件についてお伺いしたのは、実はその後地方消費税の清算をしなければいけない、都道府県に納付された地方消費税は消費関連基準によって各都道府県間での清算が必要とされるわけでございます。各都道府県間で相互に行うとされておりますけれども、具体的にどのような手続あるいは仕組みで行うのか、私はかなり膨大な事務量を伴ってくるんではないかと思いますが、それをちょっと先にお伺いします。
#19
○国務大臣(野中広務君) 詳細につきましてはまた政府委員からお答えをいたしますけれども、今回の地方消費税につきましては、消費課税としての性格があるわけでございますので、各都道府県ごとの消費に相当する額に応じまして都道府県間においてその税収を清算する、こういうことにいたしておるわけでございます。
 委員が御指摘になりました清算の基準でございますけれども、消費に相当する額というものにつきましては、指標がどのように正確であるか、あるいは客観的であるかということを考慮いたしまして、指定統計を指標として、指定統計による算定を考えておるのでございます。具体的には、商業統計による小売年間販売額とその他のサービス等に係る消費に相当する額との合計額によることといたしておるのでございます。
 また、具体的な仕組みは、各都道府県はそれぞれ地方消費税の税収を各都道府県ごとの消費に相当する額に応じて案分することにいたしまして、他の都道府県分につきましては案分額に従ってそれぞれの都道府県に支払っていくということにいたしております。この場合、具体的には、他の都道府県に支払う額と他の都道府県から支払いを受ける額につきましては、それぞれ都道府県間では相殺をすることで処理をしようと考えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、清算は客観的な基準に基づく計算結果を踏まえて地方団体間で行われる手続でございます。現在、類似の制度をとっておりますものに住民税の利子割の例があるわけでございまして、特にこの例を考えてみますとそう煩雑な事務になるとは考えておらないところでございます。
#20
○政府委員(滝実君) 手続につきまして、大筋ただいま大臣が申し上げたところでございますけれども、少し補足をさせていただきますと、現在の住民税の利子割は相当細かい作業量を持っておりまして、したがって、これは各都道府県間でおやりいただいているわけでございますけれども、コンピューター処理でもってやっていただいている、こういう状況でございます。それに比べますと、今回の地方消費税は都道府県間で処理をしていただく、私どもは、国としてはこの清算事務にタッチしなくてもよろしい、こういうふうに思っているのでございますけれども、利子割に比べると至極簡単、こういうことになると思います。
 何となれば、利子割は個々の金融機関の利子の支払い先を各企業ごとに追いかけまして、それでもって清算していく、こういうシステムでございますから、企業をつかまえていく、こういうような作業が必要でございますからどうしても膨大なコンピューター処理が必要でございますけれども、今度のこの地方消費税は四十七都道府県間の処理でございますから、やはりコンピューター処理は必要とするというふうに私ども考えておりますけれども、利子割に比べるとはるかに、恐らくその十分の一、百分の一ぐらいの相当簡単な手続でいけるだろう、こういうふうに思っております。
 ただ、国の税務官署からは毎月毎月、二カ月おくれでございますけれども、この資金が入ってきますから毎月一回は都道府県間でこの清算事務をする、こういうようなことが基本的には必要でございます。都道府県間の協議でもって、いや毎月じゃなくて四半期ごとにやったらいいじゃないかとか、それは今後都道府県間でどういうような協議をされるかということに若干かかっておりますけれども、いずれにいたしましてもそれほどの事務量ではないというふうに私どもは考えているところでございます。
#21
○石渡清元君 計算自体はそうかもしれないです。ただ、その清算する基準、いろいろ大臣からも答弁がありました。例えば、消費動向について家計簿からのデータも出てくるわけでありますけれども、このサンプリングが、神奈川県の場合で恐縮でございますが、三百七十世帯ぐらいのサンプルでそういう数字をはじいているというんですね。本当にそれで正確なのが出るのか。それから、消費された場所、使われた場所と住んでいる場所がかなり違ってくる場合が都市部の場合はかなり出てきますので、その辺のところをきちっとやりませんと清算自体がまた公正を欠くような感じになるんじゃないかと思います。
 じゃ年何回やるのか、消費税の申告にあわせてやるのか、その辺の清算の時期とか回数というのはいかがですか。
#22
○政府委員(滝実君) ただいま御指摘としては二点ございました。
 要するに、清算の基礎となるデータでございますけれども、基本的にはこれはやはり国が恣意的にこの数字を操作するということのないような数字でなければいけないというのが第一点私どもが考えているところでございます。したがって、そういう意味では指定統計を使うと。しかも、それが消費に関連する指標、こういうことでございますから、そういう意味ではおのずから数字もそういろんな数字を組み合わせるというわけではないと思いますけれども、私どもとしては基本的には商業統計の中の小売販売額、それからもう一つはサービス業基本調査の中の売上高、こういうような二つの数字を軸として今のところ考えていると。もう少しほかの数字があるかどうか、その辺のところについてはなお精査中であると、こういうことでございます。
 それから、二点目におっしゃいました清算の時期の問題でございますけれども、ただいま申しましたように、国の税務官署からは最初二カ月おくれで入ってまいります。国が各税務署でもって収納した税を国税収入として分類していくまでには現在も二カ月かかっていますので、それが地方団体に入るのはやっぱり同じような時期に、国が個々の租税収入として収納すると同じような時期に地方団体にも回ってくる、こういうことでございますから、そういう意味では国が収納した後二カ月たってから、こういうことでございますけれども、これが回り出せばいわば毎月のように入ってくると。法人によっては、例えばその法人は年四回というふうに決まっているわけでございますけれども、いろんな法人ばらつきがありますからそれぞれの収納時期が少しずれてまいります。そういう意味では毎月のように入ってくる、こういうようなことだろうと思うのでございますけれども、基本的に、今申しましたように、それを毎月清算するのか、あるいは四半期ごとに、まとまって入る時期というのはどうしても特定の時期に集中しますから、そういう意味で四半期ごとに清算するのがいいのか、その辺のところは国の収納状況も見ながら各都道府県間で少し御協議をいただいてどうするかの方針を決定していただく、こういうような手続が必要かというふうに考えております。
#23
○石渡清元君 ちょっとそういう手続をお伺いしていますと、それじゃ今回の地方消費税は納税者と行政サービスの結びつきというのが明確になりますか、どうでしょうか。
#24
○政府委員(滝実君) 基本的に国が消費税として税務官署に申告納税をしていただきます。それから輸入取引についてもそれぞれ税関に申告納付をしていただく。これが建前でございますから、その段階で基本的にはその税務官署に入るべきこの地方消費税が当該税務署ないしは保税地域の所在する都道府県に税として直接結びついて納付される、こういうことでございますから、そういう意味での納税者との対応関係というのは明らかであるということになると思います。
 ただ、その収納した後、税務官署が収納した後の手続として、若干のタイムラグをもって各都道府県に振り込まれてくると。その振り込まれてきたものを今度は別途清算ということで、あっていの言葉、普通の言葉、易しい言葉で表現するならば、いわば徴調整みたいな格好になると思いますけれども、清算を行う、こういうことだと思いますから、基本的には一時的に国の税務官署に納付された時点で都道府県との結びつきがそこで確定する、こういうふうに私どもは理解をしています。
#25
○石渡清元君 それでは、次に関係税、地方消費税創設に伴い特別地方消費税あるいは自動車取得税、これは一部では二重課税だということでやめろとか、そういうお話がありますけれども、今の地方団体の非常に厳しい財政状況を考えたときに、自治省はこの二つの税について、今後の見通しを含めてどのような御見解をお持ちか、御説明をいただきたいと思います。
#26
○国務大臣(野中広務君) 今、委員から特別地方消費税及び自動車取得税等につきまして、衆議院等の議論を通じまして、地方財政に対する御理解ある認識のもとに御質問をいただいたことを感謝しておるわけでございますが、もう申し上げるまでもなく、特別地方消費税は平成元年の税の改正の際にもいわゆる宿泊とか飲食とか、こういう従来の料理飲食税につきましてはやはり都道府県なり市町村の行政サービスと密接な関係がある、すなわち観光行政やらあるいは道路交通問題あるいは清掃、広くは消防、警察等に及ぶそういうそれぞれ地域の行政サービスとの関連があるという認識のもとにこの税は、御承知のように、宿泊につきましては一万五千円を免税点とし、料理につきましては七千五百円を免税点といたしまして、それ以上の高額なものに課税をしようとして残されたものでございます。
 しかも、従来の税率一〇%を三%にし、さらに観光団体あるいは環境衛生団体等に一部交付をするという交付金制度をも併設をしてこれが残されたわけでございまして、地方消費税の内容とは趣を異にするものでございます。私は、その合理性において、今回の改正に基づきます特別地方消費税のこの存在が損なわれるということはないと考えておるわけでございます。
 ただ、率直に申し上げまして、消費税あるいは地方消費税、特別地方消費税、こういうものが三つ並ぶというのが本当に納税者に理解されるのかどうか、こう考えました場合、まだいろいろ議論のあるところだと思っておるところでございます。
 特に、私もホテルの会計のところで外国から来られた旅行者が消費税と特別地方消費税について文句を言っているのを随分見てまいりました。そういうことを考えますと、やはりこの税の存在は、私は現在の地方財政のあり方から考えてぜひ残していただかなくてはならない、また行政サービスのあり方から考えても残していただかなくてはなりませんし、特に観光地等におきましては市町村でも税収全体の一割を占めるというようなところもあるわけでございまして、非常に貴重な財源として確保をされており、また機能をしておるわけでございますので残していただかなくてはなりません。これはまた今後の議論を待ってお願いをしなければならないと思いますが、私個人といたしましては、やはり税目の名称のあり方、あるいは率でかけるのか、いわゆる額で明示するのか、そういったことは十分考慮をしなくてはならないのではないかと。
 しかし、現にもう今日までこの数年間、それぞれ地方における料理飲食にかかわるいわゆる観光団体なりあるいは環境衛生団体等には交付金として定着しておるものでございますから、そういう意味においても、あるいは行政需要においてもそう安易にこれを廃止するということで議論をされることは、地方財政の視点から考えても大変影響が大きいものであると認識をしておるわけでございます。
 連立与党、それぞれ税制プロジェクトにおかれましても、いろんな視点を考えられまして検討が加えられるものであろうと考えて、そういうときには今申し上げたようなことを十分私どもも反映をしていかなくてはならないと思っておるわけでございます。
 自動車取得税は、今、委員からも御指摘ありましたように、この税は道路目的財源として受益者の負担なりあるいは原因者の負担等の性格を持つものであると。したがいまして、自動車の取得に対して担税力を持った人たちに課する税であるわけでございまして、もう申し上げるまでもなく、その約七割は市町村に交付されて市町村の道路整備財源としては欠くことのできない大きな負担でございまして、平成元年の抜本改正のときにおきましても、消費税とは性格が全く異なるということから、この税のあり方については何らの調整の議論もなく併課をすることとされたわけでございます。
 以上のような事情で、消費税の導入のときの内容と今回のいわゆる税制改革におきましても全く同様でございまして、現在の劣悪な地方、特に市町村道の整備水準あるいは特定財源の比率等が非常に低い状況を考えますと、今後とも自動車の取得に応じて応分の負担を求めていくことは必要でありますとともに、道路はそれぞれ五カ年計画を定めております。こういう道路整備五カ年計画ともあわせ考えていかなくてはならない問題でなかろうかと認識をしておる次第でございます。
#27
○石渡清元君 これも実は衆議院で野党から特別地方消費税と自動車取得税、これを廃止する修正案が出されて否決されたという経過があるのであえてお伺いをしたわけであります。
 地方消費税関係の最後は、今までもかなり言われてまいりました外形標準課税についての見解を、簡単で結構でございます。
 そして、非課税等特別措置の課税の適正化。十一月十一日の日経によりますと、「電力・ガスの固定資産税 軽減措置を撤廃」、大臣はこれに対して非常に積極的だというふうに仄聞をしておるんですが、その辺のところをまとめてお願い申し上げます。
#28
○国務大臣(野中広務君) 地方税は現在国税以上に、先ほども申し上げましたように、直接税に偏った構造になっておるわけでございまして、さらに、先ほど御説明申し上げましたように、法人所得課税に偏りました景気に左右される不安定な税収構造になっておるわけでございます。
 今後の深刻な高齢化社会等を考えますときに、地域の福祉の充実と地方公共団体の財政需要の増大を考えますと、地方団体の歳入を支えます安定的な税体系を確立するということが重要な課題であると認識をしておるわけでございます。こういう認識の上に立ちまして、今回の税制改革におきます消費課税の充実の一環といたしまして地方消費税が、先ほど来委員御指摘のように、導入をされましたことは私は大きな意義を持つものと考えるわけでございます。
 がしかし、一方、事業税の外形標準課税の導入につきましては、税の応益的な性格、あるいは税収の安定的な確保等の養成が必要とされるわけでございますので、そういった観点を踏まえつつ地方の税における法人課税のあり方というものを政府税調においても御検討をいただいております。今後さらに検討を深めていただきたい課題であると考えるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今回の税制改革は安定的な税体系を確立していく第一歩だと考えるわけでございます。今後なお所得、消費、資産に対する課税がより均衡がとれました安定的な地方税体系の確立を目指して、事業税の外形標準課税の導入を含めまして、多面的に検討を進めることが必要であると存じておるわけでございます。
 私ども、今、委員御指摘のように、租税特別措置あるいは非課税措置等を含めまして、国、地方を通じて今日まで行われてきた税の特別措置というものは、その政策目的を既に達したものもございますし、長い間のしがらみとして一たんつくったものは絶対離さないという状況が、私も自由民主党の中におりましてそれぞれ党税調のあり方等を振り返りますときに、それを確保し拡大することがそれぞれ族議員をつくってきた背景に残念ながらあったのではなかろうかと。
 それがまた一つの国民の信頼を失うような腐敗にもつながったのであろうかと考えますときに、与党税調におきましても例外を設けることなく今度の見直しを大胆にやるべきであるという方向を見出していただいておりますので、私はやはりここにおいて新たなる税の負担を求める場合に、現在の租税特別措置あるいは非課税措置を含む現行制度の大胆な見直しをしないと、これは補助金にもまさる有利性のある制度であります、そういうところを認識して見直しを根本的にやって、なお行財政改革を行い、その上に立って国民に新たなる負担を求めていくという姿勢は現在の政権において貫かれなくてはなりませんし、村山総理もそのことを基本として行財政改革に積極的に取り組むことを最大課題としておりますので、私どももそういう方針で臨んでいきたいと考えておる次第であります。
#29
○石渡清元君 もう時間がございませんので、最後に地方税収の動向あるいはその対策を簡単にお示しをいただきたいと思います。
 減税補てん債とかいろいろな措置がなされて、自治体の公債費負担率がどんどん上がってきております。税収は減るわ、もちろん国税も減ってそれが交付税にはね返っできますけれども、時間がありませんので簡単に今後の動向だけちょっと教えてください。
#30
○政府委員(滝実君) 平成六年度、今年度の地方税収入でございますけれども、九月末現在で前年と比較いたしますと、個人住民税について減税をいたしておりますから収入ベースで昨年よりも当然落ち込んでいるというのが収入状況から出てきているわけでございます。それから、そのほかにも当然法人事業税等の収入状況はそれほど現在の段階で思い切った伸びをしているというわけでもございませんから、そういう意味では都道府県税につきましてはどうも個人住民税の特別減税分をカバーするような状況じゃない。数字的に申しますと、前年対比四%の落ち込みというような九月末現在の状況でございます。
 それから市町村は、これは悉皆調査じゃございませんのでなかなかつかみにくいところがあるのでございますけれども、これも当然のことながら住民税減税というものがございますから、その分の落ち込みを法人関係税その他でもってカバーする、こういうような状況ではございませんけれども、都道府県税の落ち込みよりは少しはましかな、こういうことでございます。
 いずれにいたしましても、市町村税全体としても前年度を上回るという期待はできない、むしろ若干低目のところで推移するんだろう、こういうような見込みを立てている状況でございます。そういう意味では平成六年度の税収全体も恐らく相当厳しいというふうに私どもは見込んでいるところでございます。
 それから、平成七年度でございますけれども、平成七年度につきましては現在作業中でございますけれども、現在の経済見通しからいうと、そうはかばかしい、急激によくなる、上向くというような見通しはございませんものですからそれなりに、やはり平成六年度分の落ち込んだところから出発する、こういうようなハンディを負っているわけでございますので平成七年度も六年度と同様な厳しい見込みではないだろうかなと。この辺のところはもう少し経済統計を確認しながら推計をしている、こういう状況でございます。
#31
○山口哲夫君 前議員の質問と若干ダブるところがあると思いますけれども、できるだけ観点を変えて質問をいたしますのでお答えをいただきたいと思います。
 まず最初は、地方分権と地方税のあり方について質問いたします。
 地方自治体の財政を見ておりますと、現在、自主財源というのは三六・九%、それから国からの税源というのがしたがって六三・一%。ところが、公共事業というのは七五%地方自治体が行っています。先ほど大臣、大体三割、七割というお話ですけれども、今まで各議員が、特に地方行政委員会の皆さん大変頑張って、自治省も随分努力をされて三〇%が三六・九%まで上がってきたわけですから、できるだけこういった数字をこれからひとつお使いいただきたいと思うんです。しかし、こういう数字を見ておりますと、結局国が補助金を出して自治体の行政に対していろんな面で口出しをし介入をしてくるという、それがこの数字によくあらわれていると思うわけです。
 地方分権がいよいよ政治課題になっているわけでして、近く法案も出すというところまで来たわけでありますけれども、ただ地方分権の法制定を待っているわけにはいかないだろうと思います。それまでの間にも私どもはできるだけ自主財源の拡大を図っていかなきゃいけないんじゃないだろうか、そのためにもやっぱり自治体独自の自主税源を確保することが非常に急務であろうと私は考えますけれども、そういうことについての大臣のお考えをまずお聞きしたいと思います。
#32
○国務大臣(野中広務君) もう私からちょうちょう申し上げるまでもなく、今、委員からお話があったとおりでございまして、地方分権をこれから大きな政治課題としていくためには、法の制定を待つまでもなく、これから自主財源、特に自主税源を確保していって行財政基盤の充実強化を図っていくことが喫緊の急務であると認識をしておる次第でございます。
#33
○山口哲夫君 新しく自主税源というものを何に求めていくかということは非常にこれから大きな課題だと思うわけです。その一つとして地方消費税もあるのかもしれませんけれども、また資産課税というのも非常に大事な自主税源になるんじゃないかと思います。いずれにしましても、どんな新しい税源を見つけ出したところで、やっぱり今日一極集中が進んでいる中ではどうしても大都市と過疎市町村との間に財政的な格差がだんだん大きくなってくるんじゃないだろうか。そういうことを考えるときに、今の地方交付税制度だけではなかなか処し切れないものが出てきやしないだろうか。
 したがいまして、今後こういう格差が出てきたときに一体どういう方法をとったらいいのか、その辺、基本的なお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
#34
○国務大臣(野中広務君) 御指摘のように、税源が地域的に偏在をしておるという現在の実態を考えますと、地方交付税制度だけで地方の財源の均てん化を図っていくことが可能かどうかというのは非常に問題のあるところでございまして、私どももなお積極的なこのあり方を考えていかなくてはならないことは委員御指摘のとおりでございます。
 現行制度におきましては、今後とも、地方交付税の基準財政需要額の算定に当たりまして、できるだけ財政力の弱い団体に対する算定の強化を行う。例えば、人口減の補正やあるいは今やっておりますふるさとづくり事業費を算入するとか、こういった方向を図ることによりましてできるだけの均てん化を図っていきたい。また、過疎債等を十分に生かしまして、これの算入等を含めまして、制度の適切な組み合わせによりましてできるだけ全体としてバランスのとれた一般財源の確保をしていき、地域格差のないように努力をしていきたいと望ておるわけでございます。またいろいろと御専門の先生方の御指導なり御意見を賜ってまいりたいと存じております。
#35
○山口哲夫君 いわゆる国税を中心とした地方交付税、これだけでは私はなかなか解決できない問題が必ず出てくるだろうと思うんです。そういう意味では、場合によっては自治体間の財政の配分等々についても検討しなければならない事態が出てくるかもしれません。そういう点についても検討を加えていかなければならない時期ではないだろうかと思いますので、ぜひひとつ御研究をいただきたいと思います。
 それから、具体的な問題ですけれども、地方消費税の一%、これもまた大都市と過疎市町村との間に格差を私は拡大するんでないだろうかと思うわけですけれども、それについてどうなのか。そして、過疎市町村の財政運営に今後支障が生じないようにするために、地方交付税の算定上、適切な何かの配慮を行う必要が当面出てくるのではないだろうか、こう思いますけれども、その点についていかがでしょうか。
#36
○国務大臣(野中広務君) お説のように、地方消費税は都道府県の消費に相当する額に応じまして清算をするということにいたしておりますために、都道府県の清算後の収入は地域の消費の実態を反映したものと一応なるわけでございますが、全国どこでも一定の消費活動が行われることを考えますと、地方消費税率の清算後の収入の都道府県間の偏在度というのは、現在の住民税に比べまして私は小さいものになるのではないかと考えておるところでございまして、そう大都市に偏在をするということは現在のところ考えられないのでございます。
 また、清算後の収入の二分の一を、委員御承知のように、市町村に対して交付することになるわけでございます。この場合の交付基準につきましては、先ほど申し上げましたように、市町村ごとの消費の額を直接把握できる統計資料というものが現在はないわけでございますので、これにかわる指標といたしまして、人口と従業者の数によって計算をすることといたしております。したがいまして、市町村において昼間人口を含めたそれぞれの地域の消費の全体を把握することができるわけでございますので、その点では適切な配分が行われるのではなかろうかと考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今回の税制改革に伴いまして減収となる地方公共団体が生ずる可能性は十分ございますので、この場合は、委員がただいま御指摘のように、その地方団体の財源補てん等を含めまして地方交付税等で十分配慮をいたしまして、全体として地方税財政のシステムが財政運営の上で支障が生じないようにしていかなければならない重要な課題だと認識をしております。
#37
○山口哲夫君 ただ、人口割、従業員割ということになりますとどうしても過疎市町村になりますと不利な条件でございますから、そういう点で過疎自治体に対する財政の配分というのがまた格差が大都市との間で出てくるのではないかという、そういう心配なので、今、大臣もおっしゃっておりましたけれども、少し細かいところを御配慮いただいて、できるだけその格差というものが縮まるような対策をぜひ考えていただきたい、このことをお願いしておきます。
 それから、その次は新ゴールドプラン、エンゼルプラン、それから六百三十兆の新公共投資十カ年計画、大変大型な事業がこれからずっと続くわけでして、来年からこれ始まるわけですね。そうなりますと、財政負担が地方ではますます大きくなってくると思いますし、またそれだけに国の介入もまた一層大きくなってくると思うわけです。
 それで、もっと自治体が仕事を自主的にできるように、そういうことを考えたら、来年度から事業が始まるわけですから、自主税源の確保というものをできるだけやって単独事業をこれからもふやしていく必要があるのではないだろうかと。幸いに、この十カ年の単独事業を見ますと、随分自治省頑張って、十年前は四二%だったのが今は六二・五%というふうに大体十カ年で二〇%も単独事業がふえております。これは自治体にとっては大変ありがたいことでして、これからもやっぱり自主的な判断で仕事をやるということからいけば単独事業をもっともっとふやしていただきたい、こう考えるんですけれども、それに伴う税源をどうしていくか、その辺についていかがでしょうか。
#38
○国務大臣(野中広務君) もう委員が御指摘されたとおりでございまして、これからの高齢化社会に対応した総合的な地域福祉、あるいは住民に一番密接に関連した社会資本の整備等それぞれの地域の特色を生かしてやっていく上に、今お話を賜りましたように、自主的な単独事業の推進というのは極めて重要な柱であると私は考えておりますので、これからも積極的に対応をしていかなければならないと思っておるわけでございます。
 また、今御指摘ございましたように、それぞれの事業が来年度からスタートをするわけでございまして、その財政需要を考えますときに、地方団体の現状から考えますと非常に深刻なものを考え、役割の重大さと地方財政の深刻さを考えて非常に悩むところでございます。
 私、よく申してかえって批判があるわけでもございますけれども、福祉十カ年計画としてそれぞれ前内閣において、また前々内閣において全国都道府県、市町村にそれぞれの福祉プランをとられたわけでございますけれども、特別養護老人ホームにつきましても平成六年度全国の新規採択分に対しまして補助金は本年度二割、来年度八割、こういう形で配分をされたわけでございまして、来年度ほとんど八割が残され、保育所等についても来年度に繰り越されておるわけでございますので、逆に来年度からスタートせんならぬものがことしからのしりふきからやっていかなくちゃならない、こういうことを考えますと、非常に私は深刻だと思っておるわけでございます。
 より単独事業をふやしましてその期待にこたえていきますとともに、地方交付税等のいわゆる確保やあるいはそれぞれお話のありました自主的でかつ安定的な、そして伸長性のある地方税をこれからも十分配慮をして地方財政の万全を期し、毎年度の地方財政計画の策定を通じまして、それぞれその確保に十分な配慮を加えてまいりたいと考えておる次第でございます。
#39
○山口哲夫君 ぜひひとつ御努力いただきたいと思います。
 次に、地方消費税、それから消費税の税率の見直しの問題ですけれども、これは十六日の大蔵、地方行政委員会の連合審査の中でも私から質問をしたことでありますけれども、二年後には税率の見直しをやるということですね。ということは、五%を七%にするのも見直しだろうし、五%を逆に四%、三%に下げるのも見直しだろうし、地方消費税については一%を二%にする、あるいは逆にゼロにすることも見直したと思うんですね。やっぱり国民の多くはできるだけ、ふやすのじゃなくして、できることであれば減率をしてもらいたいという、そういう期待は大きく持っていると思うんです。そのための努力というのは行政の中でしていかなきゃならないことだと思うわけでして、そういう観点について質問したいと思うんです。
 十六日の質問の中でも租税特別措置について大臣の方からお話がございましたけれども、今、前の石渡議員の方からも質問がありましたけれども、地方税における非課税等特別措置、具体的にどういうふうになっているのか、できれば個々の項目ごとに金額も挙げて説明をしていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#40
○政府委員(滝実君) 数字に関するお尋ねでございますので、私の方から簡単に説明をさせていただきたいと思います。
 単刀直入に申し上げますと、まず非課税等特別措置のうち減収額の大きいもの、これは地方税では何があるかと申しますと、例えば住宅用地の取得に係る不動産取得税の特例措置、これはいわばマイホームを取得しやすいようにということで不動産取得税の特例措置を講じているわけでございますけれども、これが約三千八百十億、これが最も項目として大きいものでございます。それから、同じように固定資産税でも新築住宅の軽減措置、これは三年間について二分の一やっていますけれども、この部分が千四百六十億、こういうことで、合計しますといわば住宅に関連する部分が五千二百億ばかりでございます。
 それから、所得税といわば並ぶものでございまして個人住民税の生命保険料控除、これが約一千億、それから社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置、これが七百十億、こういうところが金額としては大きいものでございます。
 それからもう一つ、鉄道関係が固定資産税の課税標準の特例、これが大きいもので六百二十億、こういうようなところがいわば非課税措置等の大手ということになろうかと存じます。
#41
○山口哲夫君 新聞報道によりますと、まず電気、ガス会社に対する固定資産税、これの軽減措置というものを撤廃したいという考え方が出ております。これは御存じのとおり、電気は昭和二十七年から、発電の方だけは四十九年から落としておりますけれども、二十七年からずっと続けられている制度でして、ガスの方は三十六年から続けられているわけです。
 これはなぜこんなことをやってきたのかなと思って調べてみますと、当時の経済というのが非常に落ち込んできたときでもありましたし、また日本経済をこれから発展させていくためにはこういう基幹的なガスとか電気事業というのは非常に重要な役割を果たすということもあったんでしょう。しかし、今日、電気事業やガス事業というのは、これはもう利益を随分上げているわけですよね。ですから、五年間は三分の二も減税をする、次の五年間は三分の一も、十年間にわたって三分の二、三分の一も減税していくなんということは、これは庶民の感覚からいったらとても考えられるものじゃないわけですね。
 通産省は相当頑張っているようですけれども、通産省に負けないように、ぜひひとつ自治体の立場に立って、大臣、頑張っていただきたいと思うんですけれども、決意のほどをひとつお聞かせください。
#42
○国務大臣(野中広務君) 先ほど来、租税特別措置あるいは非課税措置の問題について、一般的には国民自身も持っておる認識だと思って、私どももこれを全面的に見直すべきだという考え方、あるいは宗教法人等を含めてやはり広く検討されるべき課題であるというのはそんなに私は、強く従来から唐突的に言ったようにとられておる面がありますけれども、そんなに間違っておらないと思うわけでございます。四十年、三十年、おっしゃいましたように長い租税特別措置もございまして、一たん確保したらもうそれは絶対離さないというような考え方は、今回例外なく一遍見直してしまうというのが基本でなければならないと思っております。
 しかし、今、与党税調プロジェクトでせっかく熱心に議論をいただいておりますので、ぜひそこで今申し上げたような考え方で例外なくひとつ見直してほしいなと、そして政策目的を達したものは大胆に切り捨てていくという考え方で臨んでいただきたいと期待をし、私の方もぜひ先生方にお願いをしていきたいと思っておるところでございます。
#43
○山口哲夫君 民間企業が設置する公害防止施設への固定資産税の非課税措置も対象に挙げているわけですね。今や公害防止の施設というのは、これはもう企業としては当然最初からやらなければならないことであって、ひところのように全国的に公害問題が出てきたときに新しく公害防止のための施設をつくる、そのために若干の減税をしていくというのはわかりますけれども、今はもうそういう時代ではないと思うので、大臣がおっしゃったように、一回やれば最後まで既得権を確保するようなそういった考え方というのはこれは国民の立場ではとても理解できるものではありませんので、ぜひひとつ大臣のこれからの御検討をお願いしておきたいと思います。
 それから、国税の租税特別措置、これはすべて地方に影響してくるわけですね。非常に問題がある制度だと思うんですけれども、そういう意味で国税の租税特別措置についても私どもはやっぱり関心を持っていかなければならない、地方税の立場でですね。
 その一つに各種引当金というのがあるわけです。
 これはもう御案内のとおり、例えば銀行なんか、私は大蔵省にお願いして過去五年間の実績を調べてもらったことがあるんですけれども、貸倒引当金というのは貸した金額の〇・三%ですね、銀行の場合は。ところが、ずっと〇・一%なんですね、実績は。そうすると、実績の三倍も貸し倒れをしたものとみなして損金から落とさせるという制度がずっと続いているわけです。これもやっぱりおかしいと思うんですね。それから、退職給与引当金というのは、御案内のとおり、従業員一万人おれは四千人がやめても退職金が払えるように退職金の積み立てを許している。そんな会社なんというのはまずないでしょう。一割もやめない。それでも四割の従業員がやめてもいいように積み立てを許しておる。本来であれば、それは利益として当然税金がかかるわけですよね。
 ですからそういうのを、前に何か連合審査のあれを聞いておりましたら、例えば貸倒引当金、賞与引当金、退職給与引当金の残金が二十六兆円くらいあるものですから、それに法人税率を掛けると八兆円くらいの税金が取れるじゃないかという、そんな話もありましたけれども、私はそれほどむちゃなことは申しません。いきなり一〇〇%制度をひっくり返すなんということはなかなかできっこありませんので、せめて五〇%くらい強化できないだろうかということを考えて、五〇%をやった場合にどの程度の税収を上げることができるかと思って計算してみましたら、国税で二千七百二十二億円、地方税で千三百九十九億円の税収を見込めるという、そういう計算が出るわけであります。
 退職給与引当金を、四〇%の従業員がやめてもいいものを二〇%程度におさめよう、これは前から随分あっちこっちで出ていた意見でございますので、こういう国税に対してもぜひひとつ御検討をいただきたいものだと思うんです。特に、大臣の閣僚としての立場でこういった問題こそ閣議の中でも取り上げていただければ、地方税にこれだけ影響してくるわけですから、いかがなものでしょうか。
#44
○国務大臣(野中広務君) 国税の租税特別措置も地方税に影響を与えるわけでございまして、その見直しが必要であるということは委員が御指摘のとおりでございます。住民税、事業税等につきまして、今日までそれぞれ地方税は影響を受けて減収となってきたわけでございますので、あわせこれを考えなくてはならないと思うわけでございます。
 特に、今御指摘の法人住民税の課税標準は法人税額とされまして、また法人事業税の課税標準である所得の計算は法人税における所得計算の例によるものとされてきておるわけでございます。その結果、法人税における引当金の取り扱いは、特別にこれと異なる取り扱いをする旨の規定を設けない限り、法人住民税及び法人事業税に影響を与えできますことは御指摘のとおりでございます。
 引当金制度につきましても、法人税の課税所得を合理的に計算するために設けておるものでございますけれども、その制度自体を政策税制と考えることは適当でないと思うのでございまして、法人住民税及び法人事業税におきましても法人税と同様の取り扱いを行っておるところでございまして、御指摘のように政策減税ではないわけでございます。
 いずれにいたしましても、委員が御指摘のとおり、問題点を残しておるわけでございまして、平成五年の十一月に行われました政府の税制調査会におかれましても、「今後の税制のあり方」という答申のところで「個々の引当金については、今後とも、その利用実態等を踏まえ、不断の見直しが必要である。」と指摘をされておるところでございまして、今後とも利用実態を十分踏まえながら、実情に即した検討、見直しをしていかなくてはならない重要な課題であると認識いたしております。
#45
○山口哲夫君 ぜひ見直しかできるように大臣の御努力をいただきたいと思うんです。
 消費税の中にも大変矛盾した問題がありまして、今、EC型のインボイス方式、伝票制度と言うんですか、そういうものがとられていない。たしか今回の税制改正で若干は直したというふうに言っておりますけれども、ほとんど問題にならない程度だと思うんです。今、国民が一番頭に来ているというか、いわゆる益税ですね、自分が払った税金が本当に国庫に入っているんだろうか、そういう気持ちというのは買い物をしているとみんな思うわけですね。逆にお店屋さんだって、いろんな面でそういうふうに思われることに対して嫌な気持ちをされているんじゃないんでしょうか。
 ですから、私はやっぱり完全なEC型のインボイス方式をとるべきだというふうに思うんです。理論値だけで計算しますと、二兆二千億円くらい入りますね。これは理論的な単純計算でいきますと、二兆二千億円ほどインボイス方式をとれば新しく税金が入る。大蔵省は四千八百億円しか入らないと言うんですが、これは余りにも低過ぎるんではないかと思うんです。それで、日本総合研究所の調べによると一兆二千億から五千億は入るというんですね。ですから、どうかたく見積もっても一兆円を超えるのではないだろうかなと私は思うんです。
 こういうものが結局は地方にも全部交付税から譲与税でもってみんな影響してくるわけですから、私どもとしてはやっぱりここをもう少し閣議の中で取り上げて、国民がやっぱり不公平感を持たないで安心して税金を納められるようなことを、大臣は一番大事なのは公平だと言っているわけですから、税の公平さということを非常に強調されていらっしゃるし、総理も同じようなことを言っておりました。ぜひひとつこういう問題も閣議の中で取り上げてもらいたいものだというふうに思いますけれども、この問題に対するお考えをお聞きしたいと思います。
#46
○国務大臣(野中広務君) インボイス方式をとらなかった場合に益税が消費税の中でも生じるのではないかという、こういう矛盾につきましてはいろいろ議論のあるところでございまして、今、委員が御指摘になりましたように、この間の日経新聞でございましたか、理論値におきましては二兆二千億とか、あるいは大蔵省は今御指摘ありましたように約四千八百億と申しておるわけでございまして、日本総合研究所では一兆二千億から五千億という表現をしておられるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今回の改正では消費税制度をめぐる種々の御指摘があったわけでございまして、今、委員も申されましたように、総理もいかにして公平性、中立性と簡素な税を設けることによってその間のバランスを図っていくということ、さらには中小企業者に対する特例措置を講じていくということから、限界控除制度につきましてはこの際思い切って全面的に廃止をするとか、あるいは簡易課税制度につきましては適用の上限を現在の半分の水準まで大幅に引き下げましたこと、あるいは事業者の免税点制度におきましても、新設法人のうち資本金一千万以上のものにつきましては免税点制度を適用しないことといたしました。
 こういった諸般の改正を行うことによりまして現行消費税制度を大幅に改正し、国民の益税に対する認識というものをできるだけ排除していきたいという努力をしたわけでございますけれども、事業者の免税点の制度に関連いたしましては、消費税率の引き上げの機会に適正な転嫁をするという広報等を行うことによって、よりこのような措置を積極的にやっていかなくてはならない、そしていわゆる益税は解消できるというような認識を持っておるところでございます。
 いずれにいたしましても、いわゆる消費税及び地方消費税の課税の適正化につきましては、さらに委員が御指摘ございましたように、総合的な検討をしてまいりたいと存じておるところでございます。
#47
○山口哲夫君 余り明快なお考えをお述べにならなかったようですけれども、私はやっぱりEC型のインボイス方式をとらない限りこの益税問題は解消できないと思いますし、国民にやっぱり理解をしていただける消費税にしていくためにもぜひひとつこういった問題についてさらに御検討をいただきたいと思います。
 次に、前にもちょっと出ておりましたけれども、国税と地方税の遮断の問題です。
 今はもうほとんど国税が中心になって、それに合わせた地方税という、そういう所得計算ですね。国税が所得計算したその所得計算をそのまま住民税の計算に利用しているわけでして、これでは住民税というのは何か国税のいわば付加税的なものになっているんじゃないだろうか、独立性もなければ自主性も存在しないというふうに思うわけです。例えば、法人税をとってみても、それぞれの企業というのは地域においてそれぞれの行政サービスを受けているわけですから、やっぱり応益主義あるいは負担分任の原則、そういう面で考えた場合に、国税と地方税の遮断をやっぱりきちっとやっていくということが基本的に必要になってくると思うんですけれども、いかがでしょうか。
#48
○国務大臣(野中広務君) お説のように、国の法人税等における租税特別措置が地方税に影響しないように遮断すべきであるといったような議論、また国の特別措置の中には地方税においても同様な取り扱いをしておることがあるという、そういうことに対する議論もあるところでございます。国の租税特別措置の影響を完全に回避しようとすれば所得計算が大変複雑になりまして、納税者と課税の省庁との間にそれぞれ相当な労力とコストを負担させることになろうという、そんな事情から租税特別措置の取り扱いにつきましては原則として、法人税の準拠について、いわゆる法人税と異なる取り扱いを行うことが必要であり、国税の影響を回避をするべきであるというような認識に立っておるわけでございます。
 しかし、法人事業税におきまして、法人税の所得計算を遮断しておるものの例といたしまして、海外投資等の損失準備金あるいは技術等の海外取引等の所得の特別控除の不適用等はこれを遮断しておるわけでございまして、そういう点ではなお税制論の議論を深めなければならないと思っておる次第でございます。
#49
○山口哲夫君 一部でもそういった遮断をしようと思えばできるわけですから、そういう点では例えば国税の優遇税制、これだけでもやっぱり私は遮断をしていくべきだと思いますので、そういう面からまず入っていくことを御検討いただきたいものだとお願いしておきます。
 それから、先ほどもちょっと出ました法人事業税の外形標準課税ですけれども、これは税制調査会、昨年の十一月に出ております。いわゆる外形標準課税というものを応益課税としての事業税の性格、都道府県の税収の安定的確保、赤字法人に対する課税の適正化等の観点から検討をする必要があるんだというふうに出されております。これはもう昭和三十数年ころからずっと懸案事項になっているわけですけれども、一向に改善されないという面があります。先ほど申しましたように、企業もそれぞれの自治体で行政サービスを受けているわけですから。赤字企業というのはもう大半ですよね。そうなるとやっぱり非常に問題が起きるので、これは自治体の財政の安定化のためにもぜひひとつ早い機会に努力をして改善してもらいたい、外形標準課税というものをぜひ導入してほしいと思いますけれども、決意のほどをお聞かせください。
#50
○国務大臣(野中広務君) 先ほどもお答えをいたしましたように、外形課税につきましてはそれぞれ、今、委員の御指摘のような問題もありますし、赤字法人に対する行政サービスのあり方等から地方において考えなくてはならない重要な課題であると思っておりますので、これからも私ども積極的にこの問題の考え方につきましては、委員御指摘のような趣旨を踏まえながら検討を加えてまいりたいと存じております。
#51
○山口哲夫君 期待しております。
 それでは次に、地方交付税を地方交付税特別会計に直入する問題でございます。大蔵省、いらっしゃいますか。
 地方交付税がいわゆる地方の固有財源、そういう名実ともに固有財源ということにするためには、やっぱり今のように一般会計に繰り入れるのではなくして、特別会計がせっかくあるわけですから、これに直入をした方がいい、私はそう考えますけれども、まず大蔵省の考えをお聞かせください。
#52
○説明員(三國谷勝範君) 所得税、法人税等の一部を地方交付税といたしまして一般会計から交付税特別会計に繰り入れます現行の制度は、二十九年度の地方交付税制度創設以来とられている制度でございます。
 また、さらにさかのぼりますと、昭和十五年に創設された配付税制度のもとにおいても同様の取り扱いがなされているものでございます。これを変更いたしますことは、一般会計の総覧性等、国の予算制度あるいは会計制度にも大きな影響を及ぼすものであり、私どもとしては適当でないと考えております。
#53
○山口哲夫君 理由を聞いているんです。
#54
○説明員(三國谷勝範君) 若干敷衍させていただきますと、地方交付税が一般会計予算に計上されている現行方式は、一つは歳入面では税制の根幹をなす所得税、法人税等の税負担の状況、もう一つは歳出面では中央から地方への財源配分の状況、こういったものをそれぞれ一覧性のある姿で示すことにより国民に対しまして国の税収の状況及び財政状況を示すとともに、国及び地方を通ずる財源運営の総合的調整についての国民の理解と判断を求める上で必要な制度と考えております。
 なお、交付税特会へ直入するということになりますと、交付時期につきましても、実際に収納したものしか支払えないなど、地方財政に与える影響も大きいものと考えております。
 こういったことから、交付税特別会計へ直入することは適当でないと考えているところでございます。
#55
○山口哲夫君 いわゆる国の予算が一覧できないという問題ですけれども、国民が納める所得税がこれだけです、それからお酒の税金がこれだけです、法人税がこれだけです、そういうものがきちっとわからないということかと思うんですけれども、しかしそれは特別会計の方に入れても、所得税のうち三二%はこれは地方交付税として地方に回るお金です、お酒の税金も国民がお酒を飲んで税金を納める、一兆円なら一兆円納めた、しかしそのうちの三千二百億はこれは地方の税金として回るお金です、交付税として回る。非常に明快ですよ。かえってわかりやすいんじゃないですか。一般会計だったら全額しかわからないですよね。その金が地方に行くのか国で使うのかわからない。一覧性というのは、自分たちの納めた税金が一体どこに入っていくかということが見えるのが一番いいことであって、大蔵省のおっしゃる一覧できないという考え方は私はちょっと理解できないんですよね。
 それからもう一つ、収納された税金が、それに対する一定割合しか地方に配分できなくなるというのは、要するに、今、交付税は一年に四回ですか、四回に分けて地方に納めるけれども、最初に地方に配分しようとしたときに四分の一入っていなかった、したがって入っていない三二%しか渡せませんよ、それじゃ地方は困るんでしょうという言い分なんでしょう。
 しかし、それは特別会計に入ってきて、もしそれだけ足りなければ自治省が借金してきてでもそれはちゃんと払えばいいわけですよ、地方に。次のときには、今度その分余計に入ってくるわけですから、年間通じたら一〇〇%入るわけですから、だから足りないときは、最初はちゃんと借金をしてきてでも自治省は払えばいいことですよ。そうすると直入はできると思うんですよ。
 そういう決意が自治省におありなのかどうなのか、一覧できないという問題について自治省はどう考えるのか、この二つをお答えください。
#56
○政府委員(遠藤安彦君) 技術的な問題も含んでおりますので私から御答弁をさせていただきます。
 交付税を交付税特別会計に直入すべきではないかというのは、地方制度調査会の答申でもたびたび受けておりますので、私どもとしては悲願といいますか、必ず実現したいということで強く望んできているわけでありますが、先ほど大蔵当局の方から御答弁がありましたように、いろいろな点でまだ合意に至っていないという状況であります。
 ただ、自治省の方の考え方としましては、やはりこの地方交付税というのは地方団体の共有の固有財源で、国税という形になっておりますけれども、国税としての地方税を徴収しているんだというような考え方に立っているわけでありますから、そういった意味ではやはり特別会計に直入をするのが本来筋ではないかというように思うわけであります。
 ここで大蔵当局と議論するつもりはございませんが、一覧性の問題につきましても、例えば現行の消費税でございますけれども、消費譲与税という制度がございまして、全体の二〇%はこれは特別会計に直入されておるわけでございますから、先ほど委員御指摘になりましたように、一般会計の消費税の収入額というのは消費税の五分の四が計上されているということでございますので、そういう例もあるではないかということでございます。
 それから交付時期の問題でございますが、これは多少私は問題はやはりあると思います。というのは、地方団体、現在交付いたします交付税は、普通交付税の場合、四月、六月、九月、十一月と四回になっておるわけでありますが、現実問題として四月に交付しております交付税というのは、国の場合には収納時期の問題がありまして、ほとんど短期国債を発行してもらって資金調達をして出しているということになるわけでございますので、その点、交付税特会に直入されるということになりますと、その財源をどこかから探してこなければいけない。したがって、最低一年目は、委員御指摘のように借金をして資金繰りをするかというような問題点が出てくることがありますから、こういった点については地方団体全体が総体としてそういうことで一年目は我慢をするというような合意が成り立ては私はできる問題ではないかというように思っています。
#57
○山口哲夫君 大臣、決意のほどを。
#58
○国務大臣(野中広務君) 今、財政局長から具体的に申し上げたとおりでありますけれども、国にはいろいろ、一般会計が国の財政全体に反映しなくなるとかいろんな理由があると思うわけでございますけれども、少なくとも地方交付税は地方固有の財源でございますので、委員が御指摘になりましたように、私も直入をするべきであるというのが年来の主張であるわけでございます。
 地方分権が大きく言われておるときに、こういう問題はさらに従来の主張を通すことによって大蔵とよく合意を得るように最大の努力をしてまいりたいと存じております。
#59
○山口哲夫君 大蔵大臣に負けないように頑張ってください。
 最後に、厚生省、いらしていますか。
 高齢者人口と総人口のこの対比の仕方についてお尋ねします。
 これはこれから財政計画を立てる上で非常に大きな基本的な問題になると思うんですけれども、五年ほど前に全国の主要な新聞に政府広報、新税制実施円滑化推進本部ということで橋本大蔵大臣がこんな文章を載せております。「現在、一人のお年寄りを支えている働き手の数は、五・九人。しかし私たちの子どもたち、孫たちが働き盛りとなる三十年後には、働き手二・三人で一人のお年寄りを支えなければなりません。」「もし税制改革をせずに高齢化社会をむかえれば、あまりにも過大な負担が次の世代の数少ない働き手に偏ります。」「みんなで公平に高齢化社会を支える方法、それが消費税です。」と消費税導入の宣伝を当時橋本大蔵大臣がされているわけですけれども、確かに総人口で割っていきますと五・九人の人で老人一人、それが二〇二〇年には二・三人で一人、倍以上、大変苦しい負担を強いられるというふうな印象でとられるんですけれども、どうもこの比較の仕方というのはおかしいんじゃないかなというふうに疑問を私は最近持つに至りました。
 それは、やっぱり生産者と非生産者とに分けて見る必要がないんだろうかな、そんなふうにも思いまして、一つは生産年齢人口、十五歳から六十四歳、これは厚生省がよく使う数字ですけれども、そして老齢人口を割っているわけですね。ところが、この老齢人口というのは六十五歳以上なんですけれども、老齢人口の中には二〇%も就業者が入っているわけですね。それから、生産年齢人口十五歳から六十四歳と言っておりますけれども、全部生産年齢じゃないですね。主婦もおりますし学生も含まれているわけでして、そういう別な要件が含まれている人口で対比するというのは私はこれはちょっとおかしいんではないだろうかなと、そういうふうに思ったわけであります。
 それよりも一番適切なのは何かといえば、非就業者、働いていない人を働いている人口で割っていくということの方がいいんじゃないだろうかと、そういうふうに思います。そういう数字でいきますと、一九五五年が二・一八、それからずっと五年ごとに見ていきますと大体二・一から二・〇三くらいです。二〇〇〇年に至っても二・〇八、それから二〇一〇年に至っても二・一〇とほとんどそんなに大差がないんですよ。ですから、一人の就業者が扶養する人口というのはほぼ二人ということは、これは将来とも変わらないということになれば、そんなに強調して、倍くらい大変なことになるんですよ大変なことになるんですよという言い方というのは、ちょっとこれは国民に不安を与えるのではないでしょうか。
 こういう私の言っているようなやり方は間違いですか、いかがでしょうか。ちょっと時間がもうあと一分しか残っておりませんので簡単に。
#60
○説明員(皆川尚史君) 将来の就業人口でございますが、委員御指摘のような比較の仕方も当然あると思います。
 これ自体は労働省の推計ですが、委員御指摘の年次、厚生省の推計とそろった年次で出ておりませんが、数字だけ御紹介申し上げますと、二〇〇〇年には一・〇八人、要するに一・〇八人の就業人口で一人の非就業人口を支える。それが二〇一〇年には〇・九八人の就業人口で一人の非就業人口を支える。そういう意味で、委員が二・何ぼと言うのはそのちょうど倍数ですから、全体を支えるのはそういう同じような数字になっておりますが、そういう状況でございます。
#61
○山口哲夫君 それでは、そういうこともこれから厚生省として、高齢者対策のために国民の負担がどういうふうになるかというときに、今私が申し上げたような方程式ですか、それを使ってみたらいかがでしょうか。
#62
○説明員(皆川尚史君) そういった数字を含めて、高齢化社会全体を政府として考えてまいりたいと思っておりますので、委員御指摘の点を踏まえて、私ども今後とも高齢者対策を進めたいと思っております。
#63
○山口哲夫君 終わります。
#64
○小林正君 先日の本会議等でもこの問題についての質疑が行われましたが、各論に入る前に何点かにわたりまして総論的な問題について御質問をさせていただきたいと思います。
 この消費税をめぐる問題について、本院においては八九年、消費税廃止法案というものが議決をされたという過去の経過がございます。今日、平成九年度以降消費税率を五%に引き上げるという、そして一%の地方消費税が創設をされるという内容の提案がされてさまざまな論議をこの間呼んでおりますが、こうした論議を行う背景として環境的にはどうなのかということが一つあろうかと思います。
 戦後最長の不況という、やや明るい兆しか見えてきたということも言われておりますし、日銀なりあるいは経企庁等の発表によっても、そうした方向が徐々に出てきているという段階ではございますけれども、今度の法案の中には政策減税を打ち出してもおりますし、そうしたことでの景気対策がなお必要な課題という状況の中でこの問題が論じられているということが一つございます。
 納税者の立場からすれば、当然のこととして、こうした問題を論ずるに当たって、まず政府としてやるべきことは何なのかということが問われてくるわけでございます。行政改革、そしてまた規制緩和等の課題もありますし、加えてさまざまな歳出経費の縮減をどう図るかという課題も国民が注目をしている問題でもございます。
 そして、実は消費税の問題というのは、やはり三%が五%になるというようなことを単純に考えましても、物価問題と直結をしているというもう一つの側面もあるわけでありまして、現在円高が進行する過程の中で特に論ぜられておりますのが内外価格差をめぐる問題でもございます。平岩研究会等の中でも指摘をされておりますように、購買力平価で日本を一〇〇とした場合に欧米は六四であるということからすれば、内外価格差の三六という数字が何を意味しているかといえば、極端に言うと、三六%の消費税を日本国民は国際比較の中では払わされているんだと、こういう指摘にもなっているわけであります。規制緩和を行って、そして内外価格差を縮めていく努力、少なくとも五カ年計画を立ててその半分の一八%程度を削減するだけでも国民生活には大変大きな貢献をするであろうというような指摘もされているわけです。
 したがって、三%が五%になるという問題との比較でとらえた場合に、もっと大きな状況の中での政策的な努力というものが一方において求められているということも言えるのではないかというふうに思うわけでございます。一方、地方自治という視点からとらえていった場合にも、この問題を取り上げていく上で大変大きな課題があると思います。
 税制改革をめぐる論議の中で、私どももそれぞれ皆さん、地方団体その他から地方消費税の創設という問題について多くの陳情、請願等をいただいているところでございます。その場合に、やはり昭和二十五年以降のシャウプ税制の中で、地方が自主財源を持つということが実質的な地方分権推進の上で地方自治の本旨に基づく対応をしていくための前提条件だということも指摘をされ、今日まで来ているわけでありまして、そういう点からしますと、そのことの実現もこの問題を論議する上では非常に重要な課題になっておりますし、国民的な期待の高いテーマでもあるわけであります。
 そういう点を考えまして、これから政府としてこの問題についてどう解決を図っていくのかということが税制についての改革を進める上での国民的合意形成を図る上で極めて重要なテーマだというふうに思いますので、こうした周辺の環境の問題を含んで、自治大臣の御見解を承りたいと存じます。
#65
○国務大臣(野中広務君) 今回の税制改革の前提条件として、ただいま委員が御指摘になりましたように、また先ほど来それぞれ各委員からも御指摘がございましたように、内閣といたしましては、今回の選択をするに当たりまして、初めに増税ありきじゃなしに、平成九年の消費税率の改正までに、前年の平成八年の秋までに徹底した行財政改革を行うということ、特殊法人を初めとする公益法人等を含めた見直し等につきましても、特殊法人についてはもうここ一日、二日のうちに総務庁で一応の案をまとめ、そして年内にはこれを取りまとめる方向で努力をし、年度内には具体的にこれを実施に移せる、そういう結論を得たいという総理の非常な決意で今臨んでおるところでございまして、また規制緩和につきましても前倒しをいたしまして、そしてこれを実施していこうということで今せっかく努力をしておるところでございます。
 地方分権を含めまして、これはなかなかとは申せ、総論賛成、各論反対で非常に壁の厚いものでございますけれども、そこはまさに政治が決断をし、そして総理を初めとする閣僚、そしてこれを支えられるそれぞれの政党、会派の皆さんの御理解と決断と支援がなければ、私はこの困難な時代にこれをなし得ることは不可能であると考えております重要課題でございますだけに、心して我々の決断と実行を前提にして考えていかなくてはなりませんし、そういうものをなさない限り国民に新たなる税の負担を求めることは困難であると考えておるわけでございます。
 特に、見直し条項等につきましては、山口委員、先ほど御指摘ございましたように、単にこれは税率を上げるというのじゃなしに、下げることもその成果の中から含めて、そして益税を含めた、なお内部にわたっても考え直していく部門を見直ししようというわけでございますだけに、私どもとしては今回の一連の今申し上げました改革へ向けた努力というのは重要な内閣の当面する課題である、今の内閣でこれをなし得ない限り国民の負託にこたえられないという総理を初めとする認識に立って取り組んでおる次第でございます。
#66
○小林正君 五%という数字が平成九年度からということで、今御答弁がございましたように、もちろん見直し規定というものがあってのことではございますけれども、一つある。そして、今、これは衆議院段階でもそうでしたけれども、行財政改革を進めて、さきがけ等の具体的な試算も出ているわけですけれども、具体的にこういうことをやってこのぐらいの節減ができるというような数値目標といいますか、そういうものとあわせて、二十一世紀へ向けて活力ある福祉社会を進めるに当たって当然求められる負担というものはどういうものであるかということについての一定の数値というものがあって、そういうものを達成していく上ではどうしてもこれだけのことが必要ですよということになっていってパーセンテージが出てくるということであれば、国民の立場として返ってくる税金の話がわかったわけだから、じゃそうかと、こういうことに端的に言ってなるわけなんですけれども、その辺について今後の課題ということで具体的な数字が出てこないというあたりがやはり国民の立場からすれば釈然としないという思いに駆られるんだろうというふうに思いますが、このことについての押し問答をする気は今はございませんので、先へ進めさせていただきます。
 地方分権の課題が俎上にのって具体的な前進を今見ているという段階に入ってまいりました。大綱方針が今年中に出され、明年、分権推進基本法とも言うべきものが策定をされていくというような具体的な行動計画等もその中では提起をされ、同時にその進捗状況を監視する機構をつくるというようなことまでが論議をされているところまで来ているわけでありますけれども、憲法九十二条の言うところの地方自治の本旨という問題と地方自治法で言っている内容、それと分権推進基本法との関連、これについては自治大臣はどのようにお考えなのか。仄聞いたしますと、そうした憲法、地方自治法等があるので、あえて分権推進基本法といったようなものの制定が果たして必要なのかという議論も一方にあるというふうにも聞いておりますので、その辺の点について御見解を承りたいと思います。
#67
○国務大臣(野中広務君) 最初に、先ほどの問題に関連をいたしましてでございますが、減税先行という形で行われましたために減税はもう既に国民に約束した課題であったわけでございます。そういう中から今回の内閣が発足をしたわけで、減税は引き続いて行う中で、二年半私どもは期間を設けて、その間にそれぞれ今申し上げたような行財政改革やらあるいは歳出の見直し、そういうものを含めて徹底して行う。そういう上で、平成九年の四月から消費税の率を一応五%と決め、一%を地方消費税としてお願いをするという中に見直し条項を設けました趣旨は、そういうものを一層努力をしようということにあることをぜひ御理解いただきたいと私は思うわけでございます。
 さて、地方分権についてでございますけれども、先般、地方制度調査会の報告もいただき、分権部会の報告もいただき、ここ一日、二日のうちに地方制度調査会の御答申もいただき、地方六団体の御意見もいただいたところでございまして、年内に大綱をまとめまして、そしてできるだけ次期国会に分権の推進法的なものを提案して議会の御論議をいただきたい、こういうスケジュールで今の内閣は進んでおるのでございまして、推進に対する基本的と申しますか、推進のあるべき方向での法はぜひ次期通常国会に提案をさせていただきたいと考えておる次第でございます。
#68
○委員長(岩本久人君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#69
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地方税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#70
○小林正君 それでは、午前中に引き続いて御質問させていただきたいと存じます。
 納税者という視点に立って考えた場合にということで午前中も若干御質問を申し上げましたけれども、この税制改正問題が大きな課題になってまいりましたときに、午前中も申し上げましたが、地方消費税の創設という陳情、要請行動がたくさん参りました。そして、やはり三割自治と言われるような状況から脱却をして、地方分権あるいは地方主権という言葉が最近流行のようになってきているわけですけれども、その裏づけとなる税財源の確保という視点からの要請行動もかなり行われたわけでございます。地方住民にとって考えますと、自分たちの納めた税金が身近なところでどう生かされて使われているかということを目撃できるということが一番望ましい形だろうと思うんです。
 特に、私、この前カナダヘ参りました折に、トロント市の学校を見てまいりましたが、いわゆる不動産の税金の中で一〇%を教育税として地域住民が納めている、そのことによって学校が建てられる、そして納税者という視点とそれからその学校に子供を送っている父母という視点と両方で学校を見詰めて、自分たちの学校であるということで学校を中心としたコミュニティーが形成をされていくということで学校の運営、経営に住民が参加をして、そして開かれた学校をつくっているというような実態も見てまいりました。納税者の立場で自分たちの地域の学校や福祉、行政サービス等に直接的に参加をして責任を負うという体制、これがやっぱり地方自治の根幹をなす重要な課題ではないかなということを見てまいったわけであります。
 私は横浜に今住んでおりますけれども、青葉区というところですが、消費動向からいいますと青葉区都民的な消費動向というものがあるわけです。実はその地域の中で暮らすという実感が持てるのは、子供を学校に送ったとき地域社会との結びつきができる、そしてまた医療等のサービスを受けるときにやはり地域社会の中の位置づけというものが意識的にも芽生えてくるというようなことで身近な行政というものの持つ意味というものがコミュニティー形成の上でも非常に重要な課題となっているわけですけれども、午前中の御質問等も伺いながら、本当の意味でそうした裏づけとなる税源というものを自治体が確保していくというのがやはり一番重要ではないかなという気がするわけでございます。
 地方六団体が国の役割については十六項目というものに限定をすべきだということも言っていて、小さな政府、そして身近な行政を行う自治体の権限の強化という課題がこの税制論議の中でもとりわけ大きな課題であろうというふうに思うところでございます。
 そして、地方消費税が創設をされる、そのことを受けましてちょっとこれは心配だなと思いますのは、非常にその方向での過度な期待感というものが自治体の中にもありますし住民の中にもあるというふうに思うんです。いや、実はふたをあけてみたらこうだった、がっかりしたというようなことが起きかねない、そんな雰囲気もあると思うんです。
 先日、横浜市と若干の意見交換が行われましたが、この地方消費税の導入に伴って具体的にどうなるかということを言いますと、ほとんどマイナスであるというようなこともおっしゃっておりまして、余りに過度な期待を持つがゆえに逆にだまされたというようなことにもなりかねないんじゃないかなという気もしているわけでございます。
 そういう点で、住民税減税と地方消費税の創設によって都道府県などの各自治体において増減収効果といったようなものがどうなっているのか、お尋ねしたいというふうに思います。
#71
○政府委員(滝実君) 今回の住民税の軽減あるいは地方消費税の創設、こういうふうなことを数字的に申し上げますと、まず個人住民税で一兆二百九十億円の減収、こういうことになるわけです。その反面、地方消費税の創設がございますから、この分が二兆四千四百九十億円の増収、差し引き地方税の世界では一兆四千二百億円の増収、こういうふうになるわけでございますけれども、片や地方消費譲与税の廃止による減収額がございますからそれを差し引きしますと、地方税、譲与税込みの世界では百億円の減、こういうことに大筋としてはなるわけです。この残余につきましては、当然のことながら地方交付税でカバーする、こういうふうになるわけです。
 それから次に、都道府県と市町村との問題がどうなるかと申しますと、現在の段階では都道府県税で二千六百二十五億円の増収というふうに見ておりまして、反面、市町村税では二千七百二十五億円の減、要するに市町村の方が減が立っているわけでございます。
 この点はどうするかということになるわけでございますけれども、この点は今後のもう少し細かい数字を詰めた上の話になりますけれども、実際の地方消費税の施行段階までに都道府県民税のうち例えば所得割を移譲する、こういうことを中心にして都道府県と市町村間のこの辺の数字のばらつきを補てんしていく、こういうふうに考えてございます。この辺のところはもう少し市町村の個別の減税の状況の数字を分析してみませんと確たることが言えないものですから、もうちょっとここのところは時間がかかりますけれども、その辺のところは交付税の方にも調整を考えながら都道府県間と市町村間でもう一遍この都道府県民税の所得割の方をどうするか、こういうようなことで数字を詰めたいというふうに考えている次第でございます。
#72
○小林正君 今度一%、〇・二五という割合でスタートするわけですけれども、過度のと言っては語弊がありますけれども、地方消費税に対する自主財源、独立税としての期待感というものから考えた場合に、あるべき数字というのはどの程度と考えられておるんですか。
#73
○政府委員(滝実君) この辺のところは、あるべき数字というものをどういう根拠で算出するかというのはなかなかこれは難しい話だと存じます。なかなかそれができないものですから今日のような状況になっているわけでございますけれども、私どもとしては、地方としてふさわしい税につきましてはできるだけ税として取り込んでいくようにというような角度から、税制改革の都度そういう観点からやっぱり議論をしていただき、現在のような歳出と歳入の収入構造が逆転しているような構造を少しでも改善できるような方向で考えるべきであって、数字として今の段階で直ちにどうというような結論はなかなか得にくいのではなかろうかというふうに考えております。
#74
○小林正君 先ほど申し上げましたように、身近な行政サービスというとやはり高齢化社会の中での福祉の問題というのが大変大きいし、現在も地方が担っている課題が大変重いわけでございます。
 そうした意味において、先ほど来の御質問にもありましたが、国と地方の税源配分のバランスの問題が今後課題になるだろうというふうに思います。同時にまた、分権遂行上、国税の地方税への移譲という問題も検討していかなきゃならないのではないかと思いますが、これらの点についてどのような御見解をお持ちか、お伺いしたいと思います。
#75
○国務大臣(野中広務君) 今お話しのように、地方分権の推進とか、今後の少子・高齢化の進展に伴いまして地域の福祉の充実を考えますと、より安定的な税体系を確立し、地方税の充実強化を図っていくことが当面私どもの重要な課題であると考えておるところでございます。
 そういう意味におきまして、今後国税と地方税の体系を十分見直し、地方公共団体の自主的な税財源を拡充していくということが非常に喫緊の急務であると考えておるところでございます。この場合は、国、地方の税源の配分の問題について、国、地方の事務の配分、そして福祉というもののあり方をどこで筋を引くのか、これは非常に難しい問題でございまして、年金とかそういうところまで広げてまいりますと、これはまた国で一定の規格を持ってやらなくてはならない問題になりますし、そういうもろもろの事務配分に関する問題は地方行財政全体の問題として、それぞれ地方制度調査会なりあるいは税制調査会等でも十分にこの面についての御審議、御論議をいただかなくてはならない問題であり、私どももそれぞれの機関に対して適切に対応してまいりたいと考えておるところでございます。
#76
○小林正君 国の問題もそうですけれども、国と地方の問題、両方に共通した課題として直間比率の問題があります。地方税もまた直接税偏重ということがかねてから言われてきているわけでありますが、この問題について自治省としては均衡あるものにしていくための課題としてどのようなことをお考えでしょうか。
#77
○国務大臣(野中広務君) もう委員が今おっしゃいましたように、現行の地方税のあり方というのは、特に都道府県におきましては法人所得の課税に偏っておるところがあるわけでございますので、先ほど来もたびたび申し上げておりますとおりに、非常に景気に左右される不安定な税源になっているわけでございます。
 したがいまして、委員がおっしゃいましたように、これから地方分権の状態が刻一刻と進んでいく、そういう状況の中で一番要請されますことは、高齢化の進展に伴いまして地方団体の仕事がより増大し、役割が重要な課題となってくるということを考えますときに、地方税の充実とあわせまして、御指摘のように安定的な税体系を地方において確立するというのが当面の緊急課題であると思うのでございます。
 そういう点におきまして、今回お願いをいたしております地方消費税の創設というのはその一つの大きな足がかりになると考えまして、今後も地方の間接税のウエートを高めて、所得、消費、資産等に対する課税がより均衡のとれた地方税体系になるように私どもも目指していかなくてはならないと存じておる次第であります。
#78
○小林正君 次に、今回の住民税減税のためのいわゆる減税補てん債、これの元利償還が今後の地方財政にどういう影響を与えるのか、これまた重要な課題でもございますのでお伺いをしておきたいというふうに思います。
#79
○国務大臣(野中広務君) 今回の税制改革に伴いまして、一つには当面の景気の動向に配慮をしまして所得税及び個人住民税の減税を消費税の改正に先行して実施されたわけでございます。また、この個人住民税の先行減税に伴いまして減収になる地方財政の運営につきましては、支障が生じないように減税の補てん債の発行をすることにいたしまして減税補てんを行ったところでございます。
 この補てん債の償還財源につきましては、交付税特別会計におきまして借入金の償還財源とあわせまして、今御指摘のように、後世代の負担にならないように今回の税制改革の財源フレームの中で確保をいたしてまいりたいとしておるところでございます。
#80
○小林正君 もう一つの問題は、今後の高齢化社会での地方公共団体の公債費の負担比率をどういうふうにお考えでしょうか。
#81
○政府委員(遠藤安彦君) 公債費負担比率の今後の見込みでございますが、現状をちょっと申し上げますと、現在の地方財政、景気が低迷しているということもありまして税収が不振でございます。そういったことで本年度も三兆円に上る財源不足を生じたというようなことでございまして、また地方債に頼らなければならないといった面も出てまいってきております。平成六年度末で地方団体全体では大体百二兆をちょっと超えるぐらいの借入金の残高が生じているということになりまして、これ自体の償還というものが今後非常に重要になってくるというのがマクロ的な問題でございます。
 それから地方財政の場合は、御存じのとおり一千三百の地方団体がございますので、全体の借金の大きさだけではなくて個別の団体ごとに、我々公債費負担比率、こう言っておりますけれども、その状況がどういうことであるかということが非常に注目されるわけでございますけれども、現在この公債費負担比率が一五%以上の団体が地方団体の約三分の一を占めるというような状況になっておりまして、我々地方団体の財政を見る場合の一つの指標としてこの公債費負担比率を見るわけでありますけれども、一五%以上の団体は財政が黄信号ということで見ております。これが二〇%以上になるともう赤信号というような財政状況の判断をいたしておるわけでありますので、そういう団体が三分の一あるということは非常に財政が硬直化しつつあるということで問題であるわけでありますが、こういう不況の折、税収が伸びないといったときに、地方財政の運営に支障を与えないように、交付金特別会計における借入金であるとか、地方債の活用であるとか、こういうことでしのがなければならないというのも事実であります。
 こういう措置、なお減税も行うというようなことでこれから税収入が立ち直ってくれば、こういう公債費負担比率というような比率も下がってくるというようなこともあります。現実に、七、八年前でございますけれども、公債費負担比率が非常に高い時代がありましたけれども、その後平成になってからの好景気で税収がたくさん入りまして、公債費負担比率も落ちたという経緯もございます。
 したがって、税収動向によって変わってくるわけでありますが、いずれにしても地方団体の財政運営が円滑にいくように、こういった公債費も償還できるように私どもとしては毎年度の地方財政計画を適正に立てまして、非常にニーズの多い地方団体が仕事をこなしながら財政的にも健全になっていくように努めていかなければならないというように思っております。
#82
○小林正君 前の質問とあわせて、この問題は結局地方財政の硬直化の要因となってくるということになると、地方消費税の創設によっていろいろなバラ色の夢がある一方で、こういう形で財政の危機的状況が進行するという問題をどうするかというのが今後も自治省等を中心として対応が求められるというふうに思います。当委員会での今後の対応についても、ぜひ一員として頑張っていきたいなと、このようにも考えるところでございます。
 次に、実は六月末まで旧連立の税制改革協議会等の場でもいろいろ論議をしたわけですが、この地方消費税の創設をめぐっていろいろな論議が展開をされたわけですけれども、その中で大蔵省と自治省のお考えが食い違っていろいろ論議が展開をされたという経緯がございました。
 このたびこういうことで取りまとめられたわけでありますけれども、当初大蔵省が指摘をしていた租税理論上の問題点というのが今回どういう形で克服をされてこうした取りまとめになったのか、大蔵省、自治省、双方からの御見解を承りたいと思います。最初に大蔵省から。
#83
○説明員(竹内洋君) お答えいたします。
 今般の税制改革におきましては、消費に着目した地方税源の充実を図るということで、そのための具体的方策につきましては政府部内で十分な検討を行って地方消費税の導入を提案したところでございます。
 地方の消費課税といたしましては理論的には小売売上税が最もなじむものであると議論がございまして、税制調査会でも御検討いただいたところでございますが、御承知のように国の消費税が現存するもとでは、執行上の困難性もあわせまして、その創設については困難との指摘が多かったところでございます。
 大蔵省といたしましては、現在の国の消費税のような多段階型の消費課税をそのまま地方税と仕組んだ場合には、これは自治省と御議論があったところでございますが、税の最終負担者である消費者が消費を行った地域と税収が帰属する地域が一致しないという問題点、あるいは国境税調整をどうするのか、これ理論上の問題点ではございませんけれども、納税者に対するコストの問題といった点をどういうふうに解決したらいいかというふうなことについていろいろ御議論をさせていただいたところでございます。
 今回政府として御提案を申し上げている地方消費税は、今申し上げましたような税の性格論等々の問題点につきまして、国の消費税と同様、広く消費に負担を求める多段階型の消費課税として、地方消費税の収入は消費に関連する指標に基づき各都道府県に帰属するよう清算させるということによりまして消費税に負担した税は最終消費者の地域の収入になること、いわゆる税の帰属地と消費地の不一致という問題、税の性格論の問題を克服し、また国境税調整につきましては国の税関において実施することにする、また納税者の事務負担、これ理論上の問題ではございませんけれども、これにつきましては国に委託する等、当方が指摘していました検討課題について十分踏まえたものとなっておると考えておりまして、地方の消費課税としての性格に即した仕組みになったと考えているところでございます。
#84
○政府委員(滝実君) ただいま大蔵省から御答弁があったとおりでございまして、基本的には現行の国の消費税の体系、これにやはり地方消費税の場合にもよらざるを得ない、新たな消費税の体系を持ち込むということは大変混乱を来す、こういうことで私ども地方消費税を現在の多段階型の国の消費税に全くリンクした格好で提案をしていたわけでございますけれども、そういうことを前提としながら、基本的な問題点は、消費地と税の帰属地が不一致になるとそれは困る、こういう純粋消費税理論がございますものですから、それをどう解決するかということで私ども大変あちこち文献も調べたりなんかしまして苦心しました結果、結局これは最後は消費に関する指標によって生産システムというものを導入するのが最も簡便で現行の消費税に乗っかる形でしかも解決できる方法だろう、こういうことで最終的に大蔵省との間で決着を見た問題でございます。そういう意味では、少なくとも技術的な簡便さを前提とし、現行の消費税を前提としながら、いわばそういう理論的には両者納得いく形で決着できたんじゃなかろうかというふうに考えております。
#85
○小林正君 そういうことになりますと、大蔵省としては今回そういう方法論でやることによって租税理論上の問題点は克服された、こういうふうに認識をされているということを確認しますが、よろしいでしょうか。
   〔委員長退席、理事岩崎昭弥君着席〕
 
#86
○説明員(竹内洋君) 先ほども申し上げましたように、理論的には小売売上税が最もなじむという御議論は、学者の方にはおありになるわけでございますが、現行の国の消費税という仕組みを使った中での多段階型消費課税を地方税としてそのまま仕組むという場合には、現在御提案申し上げておりますものが地方の消費課税としての性格になじむ、即したものである、そういうふうに理解しております。
#87
○小林正君 それでは次に、今後の福祉の充実とそれから地方消費税の税率等のあり方の問題、先ほども若干触れましたが、この問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 これは条例等でも当然扱われる課題ではありますけれども、独立税としての意味合いも持ったものとして出されているという点を踏まえまして、消費税を据え置いたままの地方消費税率の引き上げというようなものの可能性はあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#88
○国務大臣(野中広務君) 今後の高齢化の進展を考えますときに、地域の福祉の充実をより安定的な税体系で確立をしていかなくてはならない、そういう意味におきまして地方税を充実強化することが、先般来答えておりますように、最重要課題であると考えておるのでございます。
 そういう点から、今回の税制改革におきまして消費課税の充実の一環といたしまして、今お願いを申し上げております地方消費税の導入をお願いいたしましたことは、いわゆる税負担の水準のあり方につきまして、将来の社会保障を初めとするさまざまの歳出の見通し等を考えますと、地方の消費税だけを上げるということにつきましては、多段階型の消費という観点から考えましても非常に議論のあるところだと存じます。
 かつまた、そういう中で地方だけが突出して税率を上げるということが可能かどうかというのは、これはもちろん平成八年の九月までにそれぞれやらなくてはならない問題でございますけれども、しかし消費税、地方消費税の全体のあり方といたしまして、やはりそれに先立つ行政改革あるいは財政支出の見直し、いろんな総合的な努力とそして成果を生み出す中になお議論を重ねていただき、かつまた国民的な同意と議論を尽くしていただく必要があると考えるわけでございまして、地方消費税の税率につきましてもそういう意味におきまして改正法の附則で検討条項を設けたところでございます。
 これからの地方消費税のあり方は、私、今申し上げましたけれども、基本として地方の独立財源としながらも、多段階型消費の税のあり方を考えて、そして国全体の問題との整合性を考えながら、議論をしていかなくてはならない問題であると認識をしておるわけでございます。
#89
○小林正君 その平成八年の見直しの段階で、今〇・二五という割合になっていますけれども、仮に今度消費税の方が率を上げる、そして地方消費税が据え置かれるというような問題が生じたときにどんな問題が出てまいりますか。
#90
○政府委員(滝実君) 御質問は、要するに国の消費税収入だけを引き上げる、地方の地方消費税の収入はそのまま据え置きと……
#91
○小林正君 収入じゃなくて率。
#92
○政府委員(滝実君) 率を上げるということですか。
 要するに、税の議論というよりも純粋に法制上の立場からだけ申しますと、地方の消費税の率だけを引き上げるということは理論上は可能でございます。例えば、今、国税消費税の二五%が地方消費税の税率でございますけれども、これをもう五%上げて仮に三〇%にするということは法制上の問題としては可能だと。ただ、それが現実的にいいかどうかということになると首がかしかるかなと。
 というのは、国税の消費税額を課税標準としているものですから、地方だけで単独でやりますとどうしても端数が出る場合が出てまいります。例えば今の二五%というのは国税と地方税を足してちょうど五%になるように税率を設定しているわけでございますけれども、地方税だけ単独に動かしますとどうしても端数が出てまいります。そういう端数というのはやっぱり消費税というものからするとどうも扱いにくい、こういうようなことでございますのでその辺のところを全体としてどう勘案するかの問題が出ますけれども、少なくとも法制上の問題として単独に動かすことが可能かどうかということであれば、それは可能であると。ただし、今申しましたように、その率の設定の仕方は非常に細かい注意を払いませんと消費税としては扱いにくいという、そういう問題、制約があるということでございます。
#93
○小林正君 そういうような問題が今後の問題として出てくるということを念頭に置いて、確かに政策的な要素があって税のテクニカルな問題ではないという要素も含んでいますから、見直し段階でどうするかという課題の一つとして重要なテーマになるのではないかなというふうに考えているところでございます。
 次に、地方消費税と徴収権の問題なんですが、「当分の間」の問題についてはもうこれも衆議院段階でもいろいろ論議があったということも承っておりますのでそれは除きまして、徴収取扱費について、その算定方法についてお伺いをしたいというふうに思います。
 それから、あわせて、配分の問題は既に午前中の論議の中でも出ましたので、県から市町村に対する配分基準のあり方について御質問をさせていただきたいと思います。
#94
○政府委員(滝実君) 徴収取扱費の、委託費の問題でございますけれども、この問題は基本的には国税庁当局と実際の経費がどうなるかという積み上げの作業を現在しているわけでございまして、それを待って基本的に設定をさせていただく、こういうことになろうかと思うのでございます。
 一般的に一つの類型数字としては、例えば国税の場合には国税全体として百円を徴収するのに一円で済みます、地方税は百円を徴収するのに二円もかかります、こういうことがよく言われるわけでございます。そういうようなのが大まかな指標としては当然あるわけでございますけれども、私どもは基本的に現在の国税たる消費税がどういう格好で経費がかかっているか、その辺のところを少し詰めて国税庁当局と少し議論をしていかなければいけない、こういうふうに思っております。
 ただ、当然払うべきものは払う、こういう姿勢というものはやっぱり地方独立税としてお願いする以上は当然だろうということも片や考えながら詰めをさせていただきたいというふうに思っております。
 それからもう一点の市町村の配分基準の問題でございますけれども、現在御提案させていただいております法律には、人口とそれから指定統計の従業者数を二分の一ずつ勘案して案分する、こういう立て方にいたしてございます。これは、市町村の場合には消費に関する指標がないわけでございますので、それにかわるべき指標ということでございまして、考え方としては、要するに市町村間の財源調整というよりも、この問題はやはり都道府県間の配分も市町村間の配分も消費に関連する考え方、消費に関連する指標でもって割り振りたいということのためにどう考えるかということでございます。基本的に、その結果やはり消費ということになりますと昼間人口というものも、これは日中、昼間の世界で物の取引というものが行われる要素が大変高いものですから、人口だけではどうもそれが不足します。したがって、従業者数を加味することによって日中、要するに昼間人口ベースでの取引が反映されるということを考えましてそういうような手法を用いるということにいたした次第でございます。
#95
○小林正君 これもよく言われるんですけれども、昼間人口等の考え方からしますと、ベッドタウンの市町村との関係がどうかというのを見ても当然あろうかというふうに思います。
 次に、地方団体等からも自主財源としての地方消費税の要望というのが大変強くて自主財源というものが非常に重要な課題になってきているんですが、同時にまた身近なところの行政であるがゆえに納税者としての住民が、地方自治体に対して行政効率上のむだがないのかどうか、地方の行政改革はどうなのかといったような視点からの目も大変肥えてきているといいますか、そういう状況に今なっております。
 よく言われる人件費の問題だとか、非常に一点豪華主義的な庁舎の建設の問題ですとか、地域社会の中でまだ優先順位の高い課題があるのにモニュメント的な大きな箱物をつくるとか、いろんな指摘もされているわけでありますが、こうした地方自治体がそれぞれの自治体の中で自治の本旨に基づいて民主的で公正で、しかも効率性が高くて、しかも透明性というような視点からの批判にもだえ得るというものにするための努力として、自治大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
#96
○国務大臣(野中広務君) お説のように、地方分権の推進が昨年六月、衆参両院において満場一致で議決をいただきまして以来、それぞれ、先ほど来申し上げましたように、行政改革推進本部におきます地方分権部会の報告、あるいは地方六団体の意見書、そして本日午後地方制度調査会からも答申をいただくわけでございまして、この答申に基づきまして年内に大綱を定めまして、先ほど来申し上げましたように、できるだけ早く地方分権推進のための法律を通常国会で御審議を賜りたいと願っておるところでございます。
 しかし、今日、国はもちろん、地方を取り巻く住民の多様な要求、さらにはこの厳しい財政状況を考えますときに、口で地方分権を申し上げましても、まことに環境は厳しいものがあるわけでございます。地方もまたその責任を十二分に担っていく、そういう立場にあるわけでございますので施策は、今、委員がおっしゃったような内容にならないように地方の責任においてやっていかなくてはならないと思っておるわけでございます。
 私ども自治省といたしましても、地方公共団体がこのような状況の中で真に地方分権を受け入れるに足る責任を果たすためには、どうしても簡素で効率的な行政のあり方が必要であると考えまして、もちろん地方の自主的積極的な行政改革が必要でございますので、先般、地方公共団体に対しまして行政改革推進のための指針を策定いたしまして、どうぞ地方公共団体の自主的主体的な行政改革を一層推進していただきたいということをお願いしたところでございます。
 この中におきましては、委員が今御指摘になりましたように、事務事業、組織機構の見直し、あるいは給与及び定員管理の適正化、効率的効果的な公共施設の整備のほか、行政の公正さ、透明性の確保等の観点から、行政手続制度の適正な運用、行政情報の公開の推進等を求めることにいたしておるわけでございます。現在、それぞれの地方公共団体におかれましても推進本部を設置されまして、この方針に従って行政改革の推進に一層努力をしていただいておるところでございますし、私どももこれを強く期待しておるところでございます。
#97
○小林正君 最後に地方分権、冒頭申し上げましたテーマに戻ります。
 権限の拡大という点で、国からの権限の移譲、そして同時に財源問題、加えていわゆる機関委任事務については原則廃止をするというような要望も出ておりますし、一つの方向性でもあるわけですけれども、この機関委任事務についての従来言われております費用負担の関係なんですけれども、地方財政法九条で言っている内容と地方自治法の二百三十二条で言っている内容とは矛盾するように読めるんですけれども、この問題についてはどのように認識をお持ちでしょうか。
#98
○政府委員(遠藤安彦君) 機関委任事務についての費用負担の基本的な考え方の問題だと存じます。
 おっしゃるとおり、地方財政法におきましては九条以下で国と地方の負担の関係ということで規定がいたしてございます。これは国の機関委任事務であろうが地方の固有事務であろうが、最終的にお金を払うのは地方団体がお金を払うということを地方財政法では基本的な考え方としております。国と地方との関係で、この点は十条から十条の四までにございますけれども、国の方が例外的に負担をする経費というものを経常経費あるいは投資的経費について規定をいたしておるものでございます。
 地方自治法におきましては、国の事務、いわゆる機関委任事務を地方がしたときにその財源を手当てしなければいけないということでございまして、この場合の「国」は自治大臣も含まれているわけでございます。国庫負担金の場合もありますし、地方の一般財源の場合もありますし、場合によっては手数料で取れるもの、例えば旅券の発給でございますとか戸籍抄本だとかは手数料を取ることによって国の事務に係る経費を地方が財源として取得する、そういういろいろな場合がありますから、地方自治法では国の機関委任事務をする場合にはそういう何らかの形で財源を措置しなければならないということを定めているということで、自治法と地方財政法とはそれぞれ規定の仕方が若干異なる、意味が違うということであろうと考えております。
#99
○小林正君 この問題は、国の方は交付税で措置済みだ、一方、地方の方は払ってもらってない、端的に言うとそういう印象が強いわけです。ですからこの問題の矛盾点について、今お話しいただいた点ではちょっとまだよく理解できないので、今後の課題とする必要があるのではないかというふうに私は思っております。
 時間になりましたので、最後に特別地方消費税の問題について、午前中いろいろ御答弁もいただいているわけですけれども、御答弁の内容を伺っていますと、やはり地方自治体の側の財政上の必要性ということでその重要さをお述べになっておられたわけですが、一方納税者の立場からしますと、消費税が三階建てになっているというのはいかにも「公正、中立、簡素」の簡素という視点に立ったときにどうなのかという問題もありますし、やっぱり問題点だろうと思うんです。
 将来これがこのままでいいとは到底思えませんので私ども今回衆議院段階では修正案も提示をしたわけです。自治体の立場も理解できるわけでありますけれども、あくまでも納税者の視点というところで申し上げたということだけ申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
#100
○長谷川清君 ただいま同僚の小林委員の方から納税者の立場でという話が出ました。この税制改革案がもし成立をいたしますと、国民は憲法において納税の義務をしょうわけでございます。そういう視点に立ちまして、私の持ち時間すべてを、いわゆる税を考える場合には、それを取る側と払う側というのがありますから、徹底的に払う側の立場に立っての疑問、考え、そういうものをひとつお聞きをしていきたいと思います。
 まず大臣にお伺いしたい。本来ならば総理や大蔵大臣にもお伺いしたいところでありますが、具体的な内容に入ります前提といたしまして、今回のこの税制改革というものの意義について考えてみたいんです。
 一九五〇年のシャウプ税制、あの当時と今日の改正案。来年は戦後五十年を迎えます。あの戦後のまだ荒廃した状況の中でシャウプ税制は今日の豊かさをもたらし、一方において公平という原則を当時ねらいました。それから、経済が非常に不安定でございましたので経済の安定ということを当時ねらいました。また、民生の民主化ということを促進するというねらいも持っておりました。これらの税制が非常に有効に作用いたしまして今日を築いてきていると思いますが、このシャウプ税制を実施した結果が、どちらかといいますと公平の追求というところから全体に画一的な社会をつくってきたと思います。あるいは経済の安定を期そうという、こういうことのために一極集中、権限やお金を中央に集めてという構造を生んできたとも思います。
 さて、そういう土台の上に立って、今回どこにねらいを持ち、そういう規模において税制の改革を行おうと、こういう視点に立ったのかどうか。そうではなくて、従来の税制は幾つかの時点においてその都度部分修正をしてきておりますけれども、そういう道のりの中における改正にとどまったのか、基本的にその辺のところをまずお伺いしておきたいと思います。
#101
○国務大臣(野中広務君) 今回の税制改革に対する意義について御質問がと存ずるわけでございますけれども、何といっても今回の税制改革は、かつて民族が経験をしたことのない急速な高齢化社会を迎えることになるわけでございますので、そういう状況の中においてなお活力のある福祉社会を目指していくための視点を考えまして、一つには個人所得課税につきまして働き盛りの中堅所得者層を中心に負担の軽減を行いましたこと、二つには社会の構成員が広く税負担を分かち合えるようなそういう消費税について現行制度の改革を行いまして、税率を引き上げることによって消費課税の充実を図りますこと、また地方が強く要望をしておりました地方消費税を創設することによって地方税源の充実の第一歩として、地方分権の推進、地域福祉の充実という出発点に立たせていただく、そういうことで創設をお願いしたということが大まか今回の意義であろうと存じております。
#102
○長谷川清君 ただいまの答弁にもございましたように、地方分権であるとか、そして活力という言葉もございました。安心して活力、そして豊かなと、高齢化をと、こういう表現に今回なっております。
 私が感じますのは、いわゆる納税側の立場から感じますのは、前回のシャウプ税制のときには非常に具体的にはっきりと目的が三点明示されておりました。わかりいいんです。今、活力とおっしゃいます。今までの公平、大金持ちもいないかわりにこじきもいないよ、中間的な階層が大体日本の全体を占めている。こういうものから今度活力を求める。活力を求めるということは、規制を緩和したり、そこから生ずる競争の原理が働く、活力が生まれる。多少の痛みを伴ってでもこのようにしていこうとする、そういう理念や物の考え方というものがここに入っていると思います。だとするなら、今の社会、国、これをどのように、これからイメージとしてどういう国と社会をつくろうとしているのか、そこのところが浮かんでこないわけであります。
 問題なのは、そういう視点に立った改正案だとするならば、どうこれ考えてみても、まず五%がだと、今の消費税三%を五にする、そして地方税を独立させるといいながらも、これは実際は国で取るわけであります。一体どこがどう変わっていて、ただ上がっていると、消費税が。自分の老後がどうなるのかという問題について提起がありません。こういう部分について少子化や高齢化に対応して安心と活力と豊かな社会福祉を支える税体系を新たに体系化すると、こう書いてあります。一体、じゃどこがそういう体系化になっているんだろうか。
 いま一つは、社会の構成員が広く負担を分かち合うと、こう言っております。それは今の世代だけの公平感を言っているのか、その中には次の世代の人々のことも公平と言うのか、世代間の公平というものもちゃんと視野に入った上でおっしゃっているのか。だとするならば、次の世代にはこうなりますといういわゆる青図がなければならぬと思います。
 そういう点について、もう一つ突っ込んで見解を聞いておきたいと思います。
#103
○国務大臣(野中広務君) 委員も御承知のように、今回の税制改革の前段には景気対策として減税先行を五兆五千億やったわけでございます。そういう中から、御承知のように、二月三日には消費税を名前を変えて国民福祉税なる七%というのが浮かび上がってきた経過もあるわけでございます。
 したがいまして、今回私どもが仮にこの減税先行を引き続いて減税先行だけ継続してやるといって法案を出した場合に、増減税一体論を考えない無責任な税のあり方であり、あるいは今後の見通しなしにやったでないかという批判を私は受けなければならなかったと思うわけでございます。
 そういうことを考えますと、やはり我々はこれから、初めに増税ありきでないけれども、二年半かかって、そして、先ほど来るる申し上げておりますように、行財政改革あるいはそういう中における大胆な特殊法人等の見直し、あるいは規制緩和あるいはいろんなさまざまな効率的な行政を目指す施策というものを考え、リストラを考え、そして先ほど申し上げましたように大胆な歳出の見直し等を含めまして、その中からなお国民に五%のいわゆる消費税をお認めいただかなくてはならないだろうと。しかし、その二%上がる部分の一%は身近で地方の住民の施策をやり、あるいは地域福祉を担わなくてはならない地方に対して地方消費税としてより安定的な税源としてこれを創設するという形で私ども今回の税制改革をお願いしたところでございます。
 もちろん、この二年半の間にこれからの深刻な高齢化社会を、そしてそれを支える人たちが少なくなっていく上における福祉の果たす役割、それに対する行政がどうあるべきか、そういう問題をさまざま検討いたしまして、そして平成八年九月までにこの検討の経過を出しながら改めてもう一度消費税あるいは地方消費税を含め、あるいはその非課税部分あるいは見直し部分を含めた議論を詰めてお願いをするという見直し条項を求めておるゆえんもそこにあるわけでございまして、そういう点で私どもは、早急に明年度から上げるというのじゃなしに、それまでの間にできるだけ減税は継続をしながら施策のあり方というものを模索していきたいというように存じておる次第でございます。
#104
○長谷川清君 ただいまのお答えの中にも中堅所得者に優しい、緩和するということもございましたけれども、後ほどこれはまた触れますが、実際は五・五兆円をずっと継続するのじゃなくて、二兆円はやがて切っちゃうということですから、ですからこれは当然五百万世帯の人から一千万世帯、それぞれの各ランクごとに見ましても、縦で見ても横で見ても増えることになっていますのでございますから、これは後ほど質問いたしますけれども、要はちっとも現実的に浮かんでこないことだけは事実なんです、イメージが。
 時間もございませんから各論に入っていきたいと思いますが、厚生省、いらっしゃいますか。
 例えば福祉のビジョンということについて、現在は年金と医療と福祉のバランスは五、四、一の比率ですね。これはどういうふうに変わろうとしているのか、この点をひとつ。
#105
○説明員(江利川毅君) 御指摘のありました二十一世紀福祉ビジョンにおきまして社会保障の将来の姿を書いているわけでありますが、その中では幾つかのモデルを想定しているわけであります。一つは、先般、この国会の中で年金制度が変わりましたけれども、変わる前の形でいくとどうなるか。現在の社会保障給付費の中で年金と医療と福祉のバランスが五対四対一でありますが、年金制度を変える前のままで推移しますと、これが六対三対一になるということでございます。
 ただ、この福祉ビジョンの中では、私どもの社会保障給付の中で福祉施策、これが大変おくれているということもありまして、年金制度の改正、医療関係の効率化を図りながら福祉関係の施策を重点的に進める、老人対策や少子対策を進めるということを考えておりまして、そういう形でいきますと二〇二五年における姿は五対三対二になる、そういう姿を目指していくということが提言されているところでございます。
#106
○長谷川清君 五対四対一が六対三対一、日本は現ナマ主義というところがございますから、年金のような現ナマでお金をもらうというところの部分は国際比較をしましても優等生の状況だと思います。
 こういうところよりかむしろ私は、現ナマも大事ではありますけれども、やはり自分の老後はどうなるということで、あらゆるものが一つずつ解決をしていく、そういう一つ一つの政策というものがはっきりしてこそ、自分が具体的に預貯金に回る原資を税金に回してもいいよ、あるいは年金の原資がそれほどなくたって大丈夫よと、こういう相関関係があると思うんです。
 したがって、具体的には早くこれは五、三、二の形に具体的に期限を切って持っていくべきだ、それをまた提示すべきである、しかもその内容について細かく明らかにしていくべきであると。
 例えば介護の問題につきましても、一日も欠かさず一人は必ず介護にだれかが入れる、そういう状況をもしつくるとすれば、現在の医療関係者、全体で二十四万人ぐらいおります人材が大体五十万人ぐらい要るようになるとすれば、それの費用がここにかかってまいります、ベッド数においても倍必要になってまいりますというようなことが出てくると思います。
 あるいは今のいろいろのシステムという問題を考えましても、今、日本人が死んでいく場所は大体七〇%が病院だと言われています。病院に入りますと、まず六人、七人の大部屋に入れられて、死ぬ直前になって個室に入れられて、独房みたいなところに全国から家族が集まってそこでお別れをしていくという、非常に人間の尊厳のないままにこの世を去っていくという現象。これがごく当たり前のようになっているとするなら、既にもうスウェーデンあたりは七五%、高齢化用の医療と住宅がドッキングいたしております。そういうもののシステムを変更するという計画、何年にはこうなりますというものになるのかならないのか。ここで細かく言う時間はございませんけれども、そういったいろんな問題について具体的に、高齢化にあわせてそれらが逐一完成していくようなプログラムというものを、年度別展開を示していくべきであると思います。
 そういった点について、身体障害者についてはどうなのか、あるいはまた国庫負担の問題もこれからいろんな面において引き上げる方向というようなものを将来考えていこうとしているのかどうかとか、多くのそこには現実的な問題がたくさん出てくると思いますが、そういった点について、新ゴールドプランなりあるいはエンゼルプランというものは、一体いっどういう状態でどのような問題で提起されるのか、その点をひとつお聞かせいただきたい。
#107
○説明員(江利川毅君) 高齢者の介護対策を中心としますゴールドプランにつきましては、これは今から五年前に計画を策定して進めているわけでありますが、市町村で独自につくりました計画を積み上げますと私どもがつくりましたゴールドプランでは絶対量が不足しているということが明らかになったわけでございます。それで、現在、新ゴールドプランをつくるべく作業をしておりまして、市町村の計画の合計を踏まえて厚生省なりの案をつくっているところでございます。これを政府部内でさらに調整してできるだけ早く策定してまいりたい、これは各年度ごとにどういう事業をしていくか、とりあえずはこれから五年間の事業量をまとめてやっていきたいということでございます。
 エンゼルプランにつきましては、特に少子化が並行して進んでおりまして、これを急ぐ必要がございます。これは厚生省のような保育対策のほかに、労働対策であるとか住宅の問題であるとか、さらには教育の問題であるとか、関係する省庁がございます。現在、関係する省庁と連携をとりながらその中身を詰めているところでございまして、これもまたできるだけ早く関係省庁間で話をまとめて、財政当局等とも御相談しながら具体的な中身をまとめたいと作業しているところでございます。
 もう一つ、障害者の話がございました。障害者につきましては、今年度中に総理府の方で市町村の障害者プランを作成するためのガイドラインをつくる予定でございます。それで市町村がそういう計画をつくりまして、その全国集計をもとにまた具体的な計画を考えていきたいというふうに考えているところでございます。
#108
○長谷川清君 世代間の問題についてもう一度お伺いしたいんですが、ケインズが見落とした最大の問題はこの世代間の問題だと、そう言う人もおります。現在、二百兆と百兆の赤字をしょっております。
 大蔵省、現在それの利息は一日とのぐらいになっていますか。一日とのぐらいになりますか。
#109
○説明員(南木通君) 平成六年度の一般会計利払い費は約十一兆六千億でございまして、これを一日当たりに直しますと約三百二十億円ということになります。
#110
○長谷川清君 自治省の方はどうでしょう。
#111
○政府委員(遠藤安彦君) 御指摘のとおり、地方の借金が大体百二兆八千億ぐらいでございますが、地方財政計画でこれらの利払い費、あるいは交付税特別会計で借入金をいたしておりますが、それの利子、そういったものを積み上げてみますと約四兆六千億ぐらいになります。したがって、これを三百六十五日で割りますと、一日約百二十六億円というように算定されます。
#112
○長谷川清君 これは聞いただけでも大変な、こうやっている間にも一時間当たり大体国の方で十三億ぐらいの利息がふえていると。国会を開会し閉会するまでの間に、赤字国債を発行しないのにこの元本と利息がどんどんふえている。一兆二兆とふえちゃう、こういう状況が全部次世代へ。
 これは六十年償還ですね。六十年ですね。
#113
○説明員(南木通君) 国債の償還につきましては、基本的に六十年償還ということでございます。
#114
○長谷川清君 きょう生まれた赤子が六十歳になるまでずっと払い続けるんですね。しかも、今、国は全体の税収が落ちておりますが、税収が年々落ちる、その落ちた中から二四%これにつき込んでいるんでしょう。つぎ込んでもなおかつ今言ったように新しい赤字国債を発行しなくても元本と利息でふえちゃうという。その二四%の原資は、要するに政策原資がそれだけ落ちでいると、使われていないわけです。これほどの大きな悪循環をしておる。さらにまた、よく隠れ借金と言われますような、財政投融資で郵貯から出しますと、これはやはり預金をしている人に借金をしていることになりませんか。
 地方自治体への地方交付税、地方に出す場合でもやはり金がないから借金ですね。特会から入れます。それでも足りないから特例措置で何年から何年までに上乗せして払うからと、これも借金だと思います。国鉄もずっと年間一兆ずつ、清算事業団という応援団をつけてもなおかつふえている。最後は一体どういうふうにするんだろうと。
 要するに、私は、国民という立場から見たときに、今の会計処理のあり方、ありようというものが、そういうものが全部映し出されて、ああ国はこうなっておるのか、地方もこうか、これは大変なんだなということが国民の肉眼で見えるようになっていない、そこにも問題があると思いますけれども、やはり私はこれ全部さらけ出すべきではないか。国民にさらけ出して、その上で今度は高齢化が急速でございますと。二十五年ぐらいでもう高齢化が来ちゃうというこのスピード。さらにまたその上に共有財産が、非常に社会資本が薄っぺら、ですからこれもまた次世代がやるんですよと。私はやっぱりそこら辺のところを今回の税制ではどのように見たのか、その点をひとつお伺いしたいと思うんです。
#115
○国務大臣(野中広務君) 今、委員から世代間の負担の分かち合いをどういう視点で税体系の中で織り込んでいくかという観点に立ってお話があったわけでございます。国、地方を通じて二百兆、百兆という膨大な借金を抱えておる現在の状況でございますので、非常に見通しは委員がおっしゃいますように深刻であり、かつそういう間で将来を見通しながらこれをどのようにして対応していくかという問題はまことに困難かつ深刻な問題であるわけでございます。
 今回の税制改革につきましては、一つは、先ほど来申し上げておりますように、景気の動向に配慮をいたしまして所得税及び個人住民税の減税を消費税の改正に先行して行ったこと、また所得税と個人住民税の先行減税による減収につきまして、地方財政の運営には支障が生じることのないように減税補てん債の発行及び交付税特別会計におきまして、委員が御指摘になりましたように、借入金によって補てんをすることとしたわけでございます。
 これらの減税補てんのための減税補てん債は、あるいは交付税特別会計によります借入金につきましても、委員が先ほど来るる仰せのとおり、後世代に一方的に負担を残すことのないよう、世代間で負担を分かち合っていくという、そういう観点に立ちまして、私どもといたしましては三十年間で必要な償還財源を確保することを基本といたしまして今回の税制改革の財源フレームを決めて、その所要額約二千六百億円を確保しておるところでございます。
#116
○長谷川清君 先ほどの赤字国債以外の借金、トータルで一体今どのぐらいになっているんでしょうか。数字をちょっと教えていただきたい、大蔵省。
#117
○説明員(南木通君) いわゆる隠れ借金ということであろうかと思いますけれども、これにつきましては必ずしも明確な定義がございませんのでその残高が幾らかということをお答えすることは困難でございますけれども、従来からこれに関連いたしまして大蔵省が提出させていただいております「今後処理を要する措置」というものがございます。この中にもさまざまの性質のものが含まれておりますので一つのものとして整理することには問題もあろうかというふうに思いますけれども、あえて単純な合計を行いますと、平成六年度末見込みで約三十八兆七千億円ということになるわけでございます。
#118
○長谷川清君 この問題はこれぐらいにいたしますけれども、単にこれは赤字というものを次世代に残していくだけではなくして、やはりこれからの時代においても、かつてそうでありましたように、一次オイルショックや二次オイルショックや、繊維の構造不況や鉄の構造不況や第一次オイルショックや、日本経済が大きな波をかぶるたびに赤字国債を発行して、それなりのいわゆる物価も抑えて薬の役を演じてきたんですね。それがもうここまで、二百兆、三百兆になってまいりますと、もう創業でございます。次世代はしからばそういう工ースカードを、エースカードといいましょうか、赤字国債という政策手段が使いたい時代を迎えてももう使えないというような、金額だけではないいろんな負担を次世代にはしょわせていると、この自覚が私は必要だと思います。
 それでは次に移りまして、中堅勤労者に対しての配慮、先ほどの件でございますけれども、これは見ていきますと、現在五百万円の年間所得の人、消費税を除いて所得税と住民税と社会保険料で一二・一%であります。これが九七年度になりますと、これは二兆カットされますから減税の方は三・五兆、これが比較をすると一三%にアップすることになります。この五百万の人がこれからどんどん稼いでいって六百万、七百万、一千万というふうになっていきますが、稼げば稼ぐほどこれは、九百万にいきますと一七・三、さらに九七年度を見ますると一八・六%へと。つまり、これは減税を二階建てにしたということ、しかもこれは消費税を抜いておりますから、それにプラス消費税がかかってくるということ。ちっとも中高年に優しいとか配慮したとかいう数字にはなっていないと思いますけれども、そういう点についてはいかがでしょうか。
#119
○国務大臣(野中広務君) 数字的なことはまだ政府委員から補足をいたしますけれども、今回の個人住民税につきまして申し上げますと、一兆三百億程度の制度減税を行いまして、活力のある福祉社会の実現を目指す視点に立ちまして、税率の構造の累進性を大幅に緩和することを柱として抜本的減税を行うことにしたわけでございます。
 また、当面の景気対策に配慮いたしまして、先ほども申し上げましたように、六千三百億円の特別減税を上乗せすることによりまして、今年度同規模の一兆六千六百億円の減税を実施し、いわゆる二階建て減税、一つはあるべき所得課税制度の構築、二つには景気対策という、二つの要請を満たして総合的に検討をした結果でございます。
 したがいまして、この景気対策への対応というのは、やはりその時点における景気の動向を見てなお考慮しなければならない問題であると思うわけでございますけれども、現行個人住民税が五、一〇、一五%という三段階に抜本改正のときにいたしました経緯から考えましても、私どもはあるべき税の方向として今回の税制改革は妥当なものであり、かつそういう中において地方消費税が私どもの要求どおりお願いすることのできましたことは時宜を得たものであると考えるわけでございます。
   〔理事岩崎昭弥君退席、委員長着席〕
 今回の特別減税がなくなるときは増税になるんじゃないかという御指摘もございますけれども、特別減税はあくまで景気対策のために実施する時限的な特別措置でありまして、これをもって負担の増減を論ずるというのは私は適当ではないのではなかろうかというように存じておるところでございます。
#120
○長谷川清君 社会の構成員が広く公平に負担をしていくという原則に立つ場合には、先ほども言ったように、これまではずっと直接税で、苦しいたびにいわゆる所得税あるいは法人税でこれを上げてきたんですね。だから、私は結論からいきますと、五・五兆円の減税はずっと継続すべきだという立場に立ちたいわけでございますけれども、一応これはもう既に議論がされておりますのでここでは質問いたしませんけれども、若干これは基本的なところとそれから方針で言っているところと具体的な内容とがかみ合っているとは思えないと思うのでございます。
 次に、所得税の減税の問題について。
 今回五%、三が五になります。この場合に、課税の最低限、これをまた引き上げておりますけれども、国際比較をしたときに、これはどのくらいまで引き上げていこうとしておるんでしょうか。
#121
○説明員(渡邊博史君) まず、所得税の方につきましてお答えを申し上げたいと思います。
 今、委員御質問にございましたように、現行の課税最低限、各国がどういう状況になっているかということ、例えば夫婦と子供二人のいわゆる四人家族の給与所得者について見ますと、日本の場合が三百二十七万七千円、これに比べましてアメリカが約百七十一万円、イギリスが約八十二万円、ドイツが二百五十万円、そしてフランスが約二百五十八万円という数字になっているところでございます。今回御提案しております改正案におきましては、これを三百五十三万九千円に引き上げるということにしているところでございます。
 なお、個人所得課税の課税最低限につきましては、政府の税制調査会におきましても、これまでも幾つが御指摘をいただいておるわけでございますが、本年六月の答申におきましては、これまでの累次にわたる引き上げにより国際的に見て高い水準にあることは事実であり、また個人所得課税は広く国民に負担を求めることが適当であることなどを勘案すれば、所得税制のあり方の問題としては、課税最低限を構成する基礎的な人的控除について、その引き上げを行うことは適当でないとしているところでございます。ただし、少額納税者層に対する消費税率引き上げに伴う負担増への配慮から、ある程度引き上げることもやむを得ないという御指摘をいただいているところでございます。
 また、中堅所得者層における累進緩和のためには課税最低限をむしろ引き下げるべきであるという御意見などもあるわけでございますけれども、これにつきましては、今まで納税義務のなかった低所得者層に新たな所得税負担を求めるということが適当かどうかという議論もあるところでございます。そのようなさまざまな御意見等を踏まえまして今回の減税におきましては、我が国の所得税の課税最低限については既に国際的に見て高い水準にはあるものの、消費税率の引き上げに伴う少額納税者への配慮として引き上げることとさせていただいているわけでございます。
#122
○長谷川清君 次に、各種控除のあり方についてでございますが、拡充するばかりではなくして、この控除のあり方を見直しまして歳出の方にも重点を置いていくということがいいのではないかと思います。
 例えば児童手当や何かを拡充していった方が、肉眼で見えますし、効果が上がるというふうにも思いますけれども、そういった点については方向性としてどうでしょうか。
#123
○説明員(渡邊博史君) 特別な人的控除につきましては、今、委員からも御指摘がございましたが、先般の税制調査会の中期答申、これは昨年の十一月に出されたものでございますが、ここにおきましても、制度創設時に比べて状況が変化してきているもの、あるいは歳出面において措置が充実している、そのような状況との関連を考慮すべきものも中には見られるといった指摘を受けた上で、各種控除が複雑なものとなっている面もあるので、こうした観点から極力その整理合理化について検討していく必要があり、今後そのあり方について引き続き検討を進める必要があると考えているという指摘を受けているところでございまして、基本的にはそのような問題意識を持っているところでございます。
 ただし、今回の個人所得課税の見直しにおきましては、このような観点から全体についての議論を行ったところでございますが、基礎的な人的控除につきまして、例えば国税で三万、地方税で二万といった引き上げを行う一方で、特別な人的控除につきましてはその金額を据え置くということで行ったところでございます。
#124
○長谷川清君 税率構造について、最高六五%という点、この点については今回手が入っておりませんけれども、これはもう少し下げてもいいのではないかと思いますが、どういう経緯だったんでしょうか。
#125
○説明員(渡邊博史君) 所得課税の最高税率につきましては、現在、所得税五〇%、個人住民税一五%、合わせて六五になっているわけでございますが、本年六月の税制調査会の答申におきましても、最高税率についての検討あるいは引き下げについて検討すべきであるという御指摘もあるわけでありますが、一方で、その答申の中におきましては、最高税率の引き下げを行うに当たりましては、その前提として資産性所得についての総合課税化を図る必要があるのではないか、あるいは最高税率の適用の対象所得、例えばこれまで二千万円を超えたものというふうになっておりましたけれども、これをもう少し高いところからといった形で適用対象のブラケットを大幅に引き上げればこれでも十分に累進緩和を図ることができるのではないか、したがって最高税率の水準を維持してもよいのではないかといった御意見が御紹介いただいているわけでございます。
 政府・与党といたしましては、これらの点につきまして十分検討した結果、今回は最高税率の水準六五という数字は据え置くことといたしましたが、例えば国税について申し上げれば、最高税率の五〇%の適用給与収入はこれまでの二千四百八十三万六千円というものから三千五百六十万円までに拡大するということでブラケットの改正をしたところでございます。
#126
○長谷川清君 中小企業の特例措置でございますが、免税三千万、これはそのままの状態ですね。税率の引き上げをしたのですから、これらの問題についてはそのままにした理由。
 それから法人税について、これは一口で言うと下げるべきではないかと私は思います。先ほど山口委員の方から、電気・ガス税の特例措置なんかやめちまえ、こういう話がありました。私はこれは反対でございまして、そんな右から左、そんな単純なものではないと思います。先ほども言っておりますように、四十五年前のあのシャウプ税制というときは、これは直接税に重きを置くという、そこを一つの特徴にしたんですね。そこしかなかったんです。その後、税制ではもうみんな、法人税なり所得税なり、そこを上げる以外なかったんです。どんどん上げてきております。
 私は、特に電気の場合などは、電気事業法で原価主義が義務づけられておりますのと、普通の競争産業と違ってやはり公益型、公益産業でございまして、原価主義だということはこれは価格にはね返ってまいります。そういう状況を考えますと、産業用あるいは家庭用すべてに影響が非常に大きくなります。
 今、さっきから言うように、金がだんだんなくなってきているからとにかく何か税をどこかで見つけ出さなきゃいかぬという論理からの短兵急な動きがあり過ぎると思います。私はもっと、どういう国をつくるのか、どういう社会にするのか、そういうところから本当の意味で全体に広くあまねくこれを公平にしていくということが大事なんだろうと思います。
 山口委員とは意見は違いますが、お友達でございます。仲がいいわけでありますが、先ほどそういう声がありましたから、それには私としてはそんなに生易しいものではない、もっとよく研究すべき必要がある、反対であるということを申し上げておきたいと思います。
 ただ、この法人税という問題はいじくればいじくるほど空洞化が起こってきたり、あるいは価格転嫁が起こったり、これまたいろんな意味の影響があるわけでございます。やはりもう少しく冷静に全体の中における法人税というもののあり方というものを考えるべきではないかと、こう思いますが、あえてこの問題については一言だけ簡単に触れていただきたいと思います。
#127
○説明員(渡邊博史君) それではまず私の方から消費税の免税点の問題と、それから国税の法人税の関係を御答弁申し上げたいと思っております。
 まず、消費税の免税点の制度でございますが、これはすべての事業者を納税義務者とするということが小規模零細事業者の事務負担あるいは徴税コストという面から見て適当ではないのではないかということから設けられているものでございまして、世界各国の制度にも設けられているところでございまして、制度自体は必要なものでないかというふうに考えているところでございます。
 ただ、そのあり方あるいは金額の水準につきましては、基本的には制度に対する理解、あるいは習熟に伴いまして相対的に規模の太さい免税事業者に対して課税事業者としての対応を求めていくことが適当であるというふうに考えられるわけでございますが、また一方で売上高三千万円程度の事業者に見られます平均的な従業員数は二ないし三人程度と極めて零細でございまして、その事務処理能力が乏しいというふうに判断されます。また、売上規模の小さい事業者におきましては相対的に価格への転嫁を行っている比率が低いという状況もございます。こういう面で、これらを踏まえて議論をさせていただいた結果、今回におきましては現行の免税点水準を維持するということにさせていただいたわけでございます。
 それから、法人税につきましては、国税の法人税というものは法人の所得に対する課税ということでございますので、法人の課税そのものにつきましてはさまざまな課税の形態はあろうかとは思っておりますけれども、とりあえず所得課税について申し上げれば、税制調査会の答申におきましても、税負担の公平あるいは経済活動に対する中立性といった基本的な問題、これは歴史的に万古不易な問題意識でございますが、それに加えまして、我が国の経済の国際化が一層進展していること、あるいは安定成長下においても企業の活力を維持していくということが長い目で見て必要であることといった視点を踏まえまして、今後の課題といたしましては課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる、そういう基本的方向に沿って今後とも検討を進める必要があるというふうに述べられているところでございまして、私どもといたしましてもこのような基本的考え方に沿って今後とも十分検討してまいりたいというふうに思っているところでございます。
#128
○長谷川清君 赤字法人の関係でございますが、これは全企業の半分が赤字法人ということになっております。これは地方税の中でも外形標準課税を講じていくべきだという点においては山口委員と全く同感でございまして、そういう点はぜひお願いをしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは行財政改革の点に移らせてもらいます。
 これは総務庁の関係だと思いますが、今現在は、行財政改革の全体的な作業状況、これがどうなっておるのかという点をお伺いしたいと思います。
#129
○説明員(畠中誠二郎君) お答えを申し上げます。
 行政改革につきましては、先ほど来自治大臣からも御答弁されているところでございまして、私どもといたしましても不断に進めていくべき国政上の重要課題であるというふうに考えております。行政組織を初め特殊法人、規制緩和、さらには地方分権など、各般の改革課題に積極的に取り組んでいるところでございます。
 例えば規制緩和につきましては、経済的規制については原則自由・例外規制、社会的規制につきましては本来の政策目的に沿った必要最小限度のものとするということを基本的な考え方としまして、現在抜本的な見直しを進めているところでございます。引き続きこのような考え方のもとに私どもとしましては内外からの規制緩和の要望を幅広く把握するように努めまして、この十一月下旬には総理を本部長といたします行政改革推進本部におきまして内外からの要望を聴取いたし、これらを踏まえつつ閣僚レベルで本年度内に実りある規制緩和推進計画を取りまとめるというふうに考えております。
 特殊法人につきましては、お許しを得て、同僚からお答えいたします。
#130
○説明員(浜田恵造君) 特殊法人の見直しについてでございますけれども、政府といたしましてはこれまで臨時行政調査会、累次の臨時行政改革推進審議会等の提言を踏まえまして、三公社の民営化、その他の特殊法人の統廃合、民営化を実施、推進してきたところでございまして、現在その総数が九十二法人でございます。
 これらの特殊法人につきましては、本年二月、行革大綱を閣議決定いたしまして、おおむね二年をめどに全特殊法人について見直すことといたしたわけでございますけれども、去る九月二十二日の税制改革法案決定の際の臨時閣議での総理の御指示に基づき、各省庁におきまして、この日程を前倒しいたしまして、本年度内にすべての特殊法人について総合的かつ全般的に見直すべく取り組んでいるところでございます。
#131
○長谷川清君 この行政改革につきましてはもう十数点用意をしてきたんですけれども、時間がなくなってまいりました。
 次に、地方消費税の問題についてお伺いをいたします。
 地方消費税の問題については、これは今回こういう形で独立をしたということは確かに一歩前進というふうに受けとめられますが、実質的に見たときにはこれは何ら変わっていないなという感じもするわけです。四対一ということであります。これはいつごろになったら独立するんだという点について、ひとつ見通しをお聞きしておきたいと思います。
#132
○国務大臣(野中広務君) 現行の消費譲与税は国税でございまして、これはもう委員御指摘のとおりで、消費税収の一部が地方に譲与されるものでございます。名前も地方譲与税、譲り与えるとなっておるわけでございます。地方公共団体と納税者の関係が切断をされておるわけでございまして、そういう点から考えますと、今日的課題であります地方分権、地方自治の充実という視点から考えまして、この地方譲与税というもののあり方は問い直されなければならない時期を迎えておったというように私ども認識をしておるわけでございます。
 今回提案をいたしております地方消費税は、御説明申し上げてきましたように、都道府県議会で条例として議決をいたしまして、そして地方の独立税としてその消費額の一%相当額が地域の都道府県の収入として税務署から直接入るわけでございます。そういうことを考えますと、消費者にとりましては受益と負担の関係が明白になりまして、地方行政への参加意識が私は高まると認識をしておるわけでございます。また、消費を盛んにすることが税収の増をもたらすことになるわけでございますので、地方団体によります地域の活性化に向けた取り組みのインセンティブになってくると考えるわけでございます。
 そのようなもろもろの観点から、譲与税とは本質的に内容を異にいたしております。その二五%という点だけをお考えいただきますと変わらないじゃないか、あるいは賦課徴収についてのあり方から考えても問題があるじゃないかという御論議もあろうかと思うわけでございますけれども、本来、地方独立税源であれば地方がみずから賦課徴収するのが建前でございますけれども、この税のあり方から考え、納税者の方々の事務負担等を勘案いたしますと、当分の間、やはりこの税は賦課徴収を税務署または税関等にお願いいたしまして、国が消費税を賦課徴収する例に従いましてあわせて行うことが、今、これだけ行財政改革が言われておる今日的課題でもございますので、私は時宜に適した一つの選択ではなかろうかというように認識をしておる次第でございます。
#133
○長谷川清君 確かに、地方がいろいろと果たすべき役割は高まる一方でございまして、それと逆に税源の不安定といいましょうか、依然としてそういう状況がまだまだ見通しとして確立がはっきりとしていない、こんな現状だろうと思います。道府県税は法人関係税を中心としておりまして、所得課税がまず柱になっております。市町村税は所得課税と資産課税が中心になっておりまして、いずれにおいても国以上に九対一の直間比率というような実情にあろうかと思います。これからの地方分権というものと兼ね合わせまして、この税の問題、特に地方の税源が自主的に確立をしていくという道筋をこれからも探求していかなければならぬと思います。
 また、先ほどからも出ておりますような地方税の場合に、各地方団体間における高低の問題、差の問題というものもこれからは問題になってくると思います。偏差の少ない地方税の体系というものも同時にこれをきちんと頭に置いてこれから対処していかなければならぬのかなと、こう思う次第であります。自治省は非常に大変な状況に今あると思いますが、ひとつそういう視点に立って、ぜひ税源が確立されますような自治体ということに御尽力いただきたいと思います。
 最後になりますけれども、これらの税制の問題が国民負担率との兼ね合いの問題でどういうふうになろうとしているのか。今現在は国民負担率もこれまた国際比較の中では、三七・八でしょうか、優等生の数字だと思います。しかし、これだけのことがずっとかぶさってまいりますから、やがてのことには、このままで道なり運転しますると七四%のようなスウェーデン型のようになっていくんじゃないかと思いますが。かつての細川政権では一応歯を食いしばって五〇%というふうな目標も立てたこともございましたが、現内閣においては国民負担率をどういうふうに目標を立てているのか。そのことはいわゆるGNPの数字との関係が出てくると思います。その場合の成長率をどのぐらいに見込んでおるのか、また高負担高福祉という視点に立つのか、あるいは中福祉中負担という、その辺のレベルのとり方とも関係をしてくると思います。そういう因果関係の問題を見た上での国民負担率というものはどう見通しておるのか、この問題を私の質問の最後にしたいと思います。
#134
○国務大臣(野中広務君) 今、委員が御指摘になりました問題は我が国及びそれぞれ地方公共団体が共通に抱える問題でございまして、今一概に税の将来のあるべき方向、あるいは具体的な福祉のあるべき負担の問題等をここで具体的に申すべき立場にはないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、非常に住民に身近にあります地方公共団体がその身近な行政を地域福祉を含めてやっていくというのが私は基本であろうかと思うわけでございますので、これからもより安定した、より伸長性のある税源確保、財源の確保というのは十二分に地方財政の上に果たしていかなくてはならない重要な課題であると思っておるのでございます。
 ただ、これから本当に、先ほど申し上げましたように、民族が経験したことのない少子・高齢化社会を急速に迎えるような状況になりまして、従来のような一方的に与える側だけの福祉施策というものを、私どもがお互いに痛みを分かち合う、そしてお互いに支え合う、そういう福祉社会に構築をしていかなければ、従来型ではとても、言葉では非常に耳ざわりはよろしゅうございますけれども、支え切れないのではないかというように考えるわけでございます。
 それだけに、時に国民に痛みを分かち合っていただき、そしてお互いに生きとし生けるものが生きることを喜び感謝し、そして生きていることが苦しくなるようなそんな世の中、あるいはこの国でそういう生きている人たちを支え合うことが困難なようなことを若い人が考えるような、そういう世の中を我々は政策の上でつくり上げてはならない、そういう将来に対する責任感を明示しながら歩んでいかなければならないと考えておる次第であります。
#135
○続訓弘君 本日は石渡委員、山口委員、小林委員、長谷川委員、それぞれの委員からただいま提案をされております法案に対して各方面から掘り下げた議論がございました。そしてまた、私が予定した質問も既に出されております。したがいまして、私は重複を避けながら幾つかの点で御質問申し上げます。
 まず、きのう参議院地方行政委員会、大蔵委員会連合審査会の公聴会で公述人の林宜嗣、石弘光、神野直彦、和田八束、松浦幸雄、関本秀治、この六人の方々が公述をされました。もとより、連合審査会での公述人の公述は、私どもの法案審議に資するという観点からの公述人の陳述を受けたわけでございますけれども、総じて、関本秀治公述人を除きまして、今回の税制改革については大枠よろしいと、こういうことだったかと存じます。
 ただし、幾つかの問題点があると。その幾つかの問題点は、資産課税や不公平税制の是正、福祉への取り組みなど細部について十分ではないという指摘があったかと存じます、そしてまた、それぞれの公述人が特徴として挙げられたことは、地方消費税の創設に関連してでございました。特に、神野公述人は、十一月五日の日経新聞に今回の地方消費税はシャウプ勧告以来の地方税制の夜明けだということを指摘しておられました。
 そこでお尋ねいたしますけれども、これは十六日の大蔵委員会と地方行政委員会の連合審査会で鎌田委員、そして岩崎委員が、せっかく創設された地方消費税が「当分の間」と書いてあります、その「当分の間」は一体幾年を予定しておられましょうか、こういう質問に対しまして大蔵大臣は、当分の間は当分の間だ、文字どおり当分の間だ、しかし百年を超えてはならない、こんな鎌田委員に対する答弁がございました。私はその答弁を受けまして質問をいたしました。先ほど鎌田委員に対する大蔵大臣の答弁はこんな答弁だったけれども、真意は一体どうなんだというお話を申し上げました。それに対して、確かに百年と申し上げたけれども、それは自分なりの比喩だという感じのことをおっしゃいました。
 自治大臣は大変積極的な御答弁があったかと存じます。それは、今回の地方消費税は我々がかつて経験したことのない高齢・少子社会に対する財源対策の一つなんだ、地方分権が叫ばれるというそういう状況の中で今回の地方消費税の創設は大変意義があることだ、そしてこれは地方独立税なんですよ、そして同時に地方の団体が条例で規定するんですよ、文字どおり地方の独立財源なんだ、だから「当分の間」はなるべく速やかに文字どおりの地方独立財源にしたい、こういう趣旨の御発言があったかと存じます。
 ところが、ただいま長谷川委員に対してそれよりも若干ニュアンスの違ったような答弁がございましたけれども、自治大臣の地方消費税に対する基本的な姿勢についてお伺いいたしたいと存じます。
#136
○国務大臣(野中広務君) たびたび御質問がありますので、積極的と受け取られ、あるいは消極的と受け取られるときもあろうかと思うのでございますけれども、私は、従来の地方譲与税にかえて地方消費税が創設されましたことは、昨年、衆参両院におきまして地方分権推進に関する決議が満場一致で上げられまして、自来、行財政改革推進本部におきます地方分権部会あるいは地方制度調査会、地方六団体、このようにしてそれぞれ意見書あるいは答申が、きょうも地方制度調査会から出されるわけでございますけれども、さまざまな、今日まで地方の時代と言われまして長うございますし、あるいは地方分権と言われましても言葉と活字だけが躍ってきたことを考えますときに、昨年の決議以来、具体的な構図として地方分権へのあり方が進んできたことは非常に我々地方公共団体にかかわる者としてうれしいことだと考えておるわけでございます。そういうときに、地方譲与税にかわって地方消費税が創設をされ、それは、今、委員が御指摘になりましたように、都道府県議会において条例として制定をする。
 ただ、納税者の事務のあり方等を考えますときに、この地方消費税は、本来は私どもの地方独自の税でございますので、地方みずからが徴収するのが基本であり建前であります。けれども、今日、一方において事務の効率化、納税者の尊重、あるいは納税者自身の事務の効率化、こういうものが言われ、一方においては行財政のコストをどのように下げていくか、むだを省いていくかということに思いをいたしますときに、我々が国、地方のメンツにこだわってそしてこの税の徴収をそれぞれの分野に分けることによって、そのことによってコストを大きくし高くしていくことは現代の時流に逆らうことであります。
 今後なおなお地方分権が進み、そしてこれからの高齢化社会を考えますときに、ぜひ地方に対する税財源の拡充ということはより図っていただかなければならないことであります。そう考えましたときには、そういうときにはやはり地方がみずからみずからの税を賦課徴収するという大基本に立って考えるべきであろうと思いますけれども、そういう時期までは一応「当分の間」として国に委託をしてお願いすることがとるべき手段ではなかろうか、このように存じておる次第でございます。
#137
○続訓弘君 石渡委員と滝税務局長と先ほどやりとりがございました。今回の消費税については事務的に大変複雑だ、だから賦課徴収は国にお任せしなければならないんじゃなかろうかという一般的な認識に対して、実は滝税務局長は、現行の利子割の計算は大変難しいんです、複雑なんです、しかしながら今回の地方消費税はコンピューターで四十七都道府県で計算をすればそれよりも何百分の一で済むんじゃないかと考えております、こんな答弁がございました。
 私は、今せっかく大臣が御答弁をされましたけれども、大臣が情熱を込めて地方分権、地方自治の推進に力を尽くしておられる、そういう姿勢からぜひともこの問題に早い時点で決着をつけていただいて、文字どおり住民の自治意識の高揚に、そしてまたどんな使われ方をするか、福祉財源の使われ方等々に関心を持つようにしていただきたいということを強く御要望申し上げます。
 さて、地方消費税が創設をされる。となると、来年から二兆四千四百九十億円のお金が地方団体に転がり込んできて地方財政は大変裕福になるというのが実は一般的な認識であります。
 ところが、実際にはそうはいかない。例の二兆四千四百九十億の中には消費譲与税の廃止の分がございます。さらには住民税の減税の要素がございます。さらには特別減税の要素がございます。特別減税の先行分に対する元利の支払い分もございます。そういうことを差し引きますと、今回の地方消費税の創設による税収分、それらを全部差し引きまして地方に幾ら残るのか、その辺を具体的に御説明いただきたい。
#138
○国務大臣(野中広務君) 基本的に私から申し上げまして、あと政府委員からお答えをいたしたいと存じます。
 委員、来年からは二兆数千億が入るとおっしゃいましたけれども、これは平成九年四月から入るわけでございまして、そのために市町村に二分の一をお渡しするわけでございます。けれども、先ほど来政府委員も説明をしておりましたように、市町村の財政はそれではとてもこの住民税減税を含めて賄い切り、かつ地域福祉にこたえることは不可能でございますので、消費税にかかる地方交付税を二四%から今回二九・五%まで引き上げることにいたしましたり、あるいはいわゆる都道府県民税のうちの所得割をある程度市町村に分与しなければ地方の、特に市町村の財政の期待にこたえることは不可能ではなかろうかというように、トータルにおいてこの地方消費税が独立税として創設されることは大きな意義があるわけでございますけれども、財源論から申しますと、今申し上げたようなことを考え、基本的には、先ほど来たびたび申し上げておりますように、法人の所得課税に偏りがちであって非常に不安定である道府県民税に対しまして、普遍的かつ安定性と伸長率のある地方消費税が導入されるということは、地方分権の意義からいたしましても一つの大きな弾みになるというように認識をいたしておる次第であります。
#139
○政府委員(遠藤安彦君) 数字的な関係につきまして私からお答えをさせていただきたいと思います。
 委員お尋ねの趣旨は、今回の税制改革におきまして、地方消費税の創設及び地方交付税率を一四%から二九・五%まで引き上げたわけでありますが、これらの措置についてはほとんど対応する費目が決まっておるではないかと、一体幾ら手元に残るのかという御質問かと思います。
 そういう観点からお答えするのがいいのかどうかとは思いますけれども、今回の地方税財政措置、税制改革に伴います措置といたしまして、財源フレーム上では個人住民税等の恒久減税に対する補てん、それから先行減税をいたしました償還財源としての財源、それから消費税が三%から五%に上がりますと、地方団体の歳出の中で消費税がかかっているものがございますのでそれにかかる経費もあります。
 したがって、その消費税負担の増加部分をカバーする意味の経費といったようなものを除きまして、社会保障関係に二千三百億の財源を確保したところでございますので、委員のお尋ねの趣旨とぴったり合うかどうかわかりませんけれども、新しい歳出関係の経費の財源として使えるものはこの二千三百億の社会保障関係、社会福祉関係、手元に残るという表現がいいかどうかわかりませんけれども、が該当するのではないかというように思われます。
#140
○続訓弘君 今、遠藤財政局長からお答えのとおり、わずかに二千三百億しか残らない、こういうことなんです。
   〔委員長退席、理事岩崎昭弥君着席〕
 そこで、実は公述人がこのことについて大変危惧の念を持っておられました。それはどういうことかというと、今回の高齢・少子社会に対応するそういう財源を地方は渇望していますよ、そのためにはこれから税制をしっかりしなくちゃいけません、その一つの手段として外形標準課税なりあるいは資産課税の強化なり、幾つかの手法があるでしょう、そういうことを真剣に考えてほしい、こういう実は提言でございました。
 このことは大臣も事務当局からきのうの公述人の公述内容については篤と御承知だろうと存じますけれども、ぜひこのことも考えていただきたい。
 地方は二兆四千四百九十億がもう丸々転がり込んでくる、それだけ福祉財源がふえると、こんなふうに思っているんです。にもかかわらず、そうではないんだということをやはり明らかにしておく必要があるんじゃないだろうかと私は思います。
 さて、せんだっても私は毎日新聞の報道に関連をして大臣に御質問申し上げました。今回の平成七年度の予算編成を通じて、地方が当然権利として受けるべき地方交付税の中で、大蔵が国の財政難を理由に七千億ないしは九千億繰り延べるのではなかろうかという、そういう見出しか報じられておったものですから、それに対して御質問申し上げました。
 大臣答えていわく、そんな情報は聞いたことがない、ただいま新聞を見てびっくり仰天をしているんだと、そういうことはさせないという力強い御答弁がございましたけれども、その後の対大蔵との折衝状況はどういうふうになっているか、お答え願いたい。
#141
○政府委員(遠藤安彦君) 平成七年度の地方財政対策でございますけれども、まだ大蔵省の事務当局と具体的な話を詰める段階には至っていないわけであります。国庫当局の方も来年度の税収状況、それから主計局の各係の査定の状況等最終状況まで至っていないわけでございまして、具体的な折衝というものはまだ始めていないという状況でございます。したがいまして、御質問の件につきまして、大蔵省当局からさような御提案を受けたという事実はございません。
#142
○続訓弘君 ぜひとも地方団体の味方として、今のような対大蔵折衝がなされたときには大臣のお力でそれをぜひとも防いでいただきたいということを強く御要望申し上げます。
 実は私、地方財政再建特別措置法二十四条の第二項に関連をして、以下、御質問申し上げます。それは国連大学の関連についてでございます。
 まず、文部省当局に国連大学が今青山に立地している経緯等について御説明願いたい。
#143
○説明員(西澤良之君) 国連大学の青山本部への立地につきましては、誘致以来数カ所、都内ほかの候補地を検討いたしましていろいろ実情等を調査したわけでございますけれども、いずれも当時既に利用計画が確定している、あるいは国連大学側の希望条件等を満たさないというような問題点がございました。
 そういう中で、東京都の方から、今、先生御指摘の東京青山の都電跡地に国連大学を誘致したいという話が昭和五十六年にございまして、正式に国連大学長からも青山に国連大学本部を設置することが望ましいというような要望書も出されましたことを踏まえまして、国連大学東京本部を青山車庫跡地に設置するということで昭和五十六年の九月に閣議に文部大臣からこの方向で進めたいということで報告申し上げたところでございます。
#144
○続訓弘君 この委員会とはちょっと場違いかもしれませんけれども、私は、地方財政再建特別措置法第二十四条の二項に関連をする関係がございますものですから、あえて御質問申し上げます。特に、私は最初からこの問題にかかわってまいりました。したがいまして、どなたよりも私は詳しいわけであります。
 かつて、大来佐武郎学長特別顧問が外務大臣に就任されました。その後に元文部大臣の永井さんが学長特別顧問に就任された。その数カ月後に鈴木知事のところに永井さんが見えまして、米駐留軍跡地の横浜の本牧に九九%決まりかけていると。しかし、昭和四十八年でしたか、国が国連大学を誘致するという経緯の中で、やはり東京の一等地に立地させる必要があると自分は思う、一%の可能性を求めて実はお願いに来た、こんな話がございました。当時、私は財務局長でありました。同時に立ち会っておりました。直ちに四カ所の土地をリストアップして、一週間後に私は御案内をしました。その今の車庫跡地を案内申し上げたところ、当時のスジャトモコ学長が大変気に入られて、ぜひこの土地を割譲してほしい、こんな内容です。もちろん、地方財政再建特別措置法第二十四条の二項について、私どもは大変その後、仮に土地を提供することに対して、それに違反するんじゃないかということの危惧をいたしました。
 実は、昭和六十年三月二十六日、当参議院の地方行政委員会で当時の社会党丸谷金保委員が大変厳しい質問をされまして、今回東京都が無償で提供するこの措置は地方財政再建特別法第二十四条二項に違反するのではないかと厳しく自治当局を追及されました。それに対して自治当局が答えていわく、必ずしも適当ではありません、しかし必ずしも法律に違反するものでもありませんと何だか玉虫色の大変苦しい答弁ではございました。
 しかし、鈴木知事としては、せっかく国が全会一致で国連大学を日本に誘致した以上は、やはり魂を入れる必要があるのだ。それには大東京都が土地の提供は請われれば積極的に応じていいんじゃなかろうかと、こんな考え方から実は話が進んだわけであります。そして、その後、国はなかなかみこしを上げません。既に私どもが意思表示をしてから八年もかかってやっとこ予算化され、現在地に着工され、二年前に竣工した、こんな経過でございました。
 その際、ここが問題です。最初、本部の建物は国がつくる、しかし一体的な機能を果たすべきである研究・研修センターは国がつくれない。そこで、国連大学当局から私のところに土地信託方式で国連大学が建物をつくって利用したい、こんな提案がなされました。
 私どもは都議会がございます。都民がいる。あの時価数千億の土地を無償で提供し、その上に国連大学が土地信託をもって利益を上げられることについてはいかがかと思っている。それでは東京都が信託方式をつくってあなたの方の必要な面積約六千平米に対しては無償で提供します、そういう話を進めて実は来年七月にその建物は完成いたします。三万平米ぐらいの建物をつくって、その中の六千平米を無償で提供する。その無償で提供するためには、資金等々合わせて二十億四千万円の予算が必要であります、初年度。そして平年度は七億四千万円の維持管理費が必要なんだ。それは東京都がお約束のとおり国連大学に提供するわけです。
 ところが、この信託方式を採用する際に、信託収入が上がった場合には別途国連大学に対する維持運営費として数億円を、これは金額は明示しませんでした。しかし、あうんの呼吸で五億円程度の補助金を出しましょう、こういうことをお約束申し上げました。
   〔理事岩崎昭弥君退席、委員長着席〕
 ところが、今、こういう時期でございます。当初の見込みに対して、信託収入は見込みどおり入りません。二十年間で千億を超える信託配当が予定されておりましたけれども、むしろ逆に三十五年を経過しないとプラマイにならない、こういう厳しい状況になってまいりました。したがって、当初の約束は信託収入の範囲内において都議会の議決を経て補助金を出しましょう、こういう約束が守れない状況になってきている。
 そういう状況の中で、来年度予算編成に際して、国は一たん約束したことだから東京都に補助金を出せと、こういう強い要請があるやに聞いております。それは事実かどうか、文部、外務の両省からお答えいただきたい。
#145
○説明員(小野安昭君) 私より経緯をよく御存じの続先生の前で御回答するのは非常に心苦しいのでございますけれども、ただいまの国連大学の誘致及びそれにかかわる本部施設の建設並びにその下部機関であります高等研究所の建設の経緯につきましては大方先生が御説明になられたとおりでございます。
 そういう非常に厳しい財政事情あるいは経済事情のもとで来年度の予算要求を現在私どもでやっておるわけでございますけれども、現在の要求の内容といたしまして簡単に御説明いたしますと、私どもとしては通常予算として同大学の本部の事業費として三百七十万ドル、これを要求させていただいております。また、来年開設予定になっております同大学の高等研究所の事業費として外務省予算として百二十万ドルを概算要求ということでございます。
 他方、東京都との関係につきましては、これまで東京都の方で一九八八年のブラジリアで行われました国連大学の理事会で、一応財務部長ほかの方々が同席されて、具体的な数については必ずしも明確に言われなかったんですが、約五億円程度の補助金をできれば継続的に出していきたいというようなお話がございまして、また国連大学側でもそういう東京都のオファーに対する期待感というのもございまして、現在非常に厳しい財政状況ではありますけれども、都としてもこのような経緯を踏まえてどういうことを行っていただけるか、まだ事務折衝中というところでございます。
#146
○説明員(西澤良之君) 文部省といたしましては、国連大学本部を誘致してまいりまして以来、昭和四十九年から平成四年までにわたりまして暫定本部が渋谷の東邦生命ビルの中に設けられたわけでございますけれども、これを借り上げして国連大学に提供する経費、あるいは恒久本部施設を現在の青山の地に建設しましてこれを無償で国連大学に供与するための経費等々を措置してきたところでございます。
 また、国連大学の事業関係への拠出といたしましては、ユネスコと国連大学との共同研究事業を実施いたすための経費として十二万ドルを毎年ユネスコに拠出しておりますほか、平成四年度から日本の大学、学界と国連大学とが共同していろんな研究を進めるための経費といたしまして、日本国連大学共同研究事業拠出金約一億二千万円を国連大学に拠出しているところでございます。
 今お話しございました本部施設に附属いたします研究・研修センターが来年七月に開設されるというようなことに対応いたしますために、特に開発途上国からの若手研究者に対します研修センターで行われます研修事業を支援するための経費といたしまして、来年度予算で国連大学研究・研修センター(高等研究所)学術協力事業信託基金及びその関連経費といたしまして約一億三千万円の要求を行っているところでございます。
 東京都との関連におきましては、現在、小野課長のお答えの中にございましたようないろんな事務的な御相談を外務省と協力して行っているというような状況にあるわけでございます。
#147
○続訓弘君 大蔵省に篤と聞いてほしい。
 要するに、東京都は三年続けて対前年度比マイナス予算を組んでおった。組まざるを得ない状況になっておった。にもかかわらず、来年度はお約束どおり二十億三千九百万円、最初のいわば敷金その他の初度詭弁等を含んで二十億三千九百万円の予算措置をする、そして平年度は九億三千五百万の予算を毎年計上して六千平米の無償提供の約束を果たす、さらに信託収入が好転をすればそのお約束はできるだけお守りするという約束のもとに今この対応に真剣に取り組んでいるわけです。
 そこで、ブラジリアの理事会で東京都が確かにそういう発言はしておりますけれども、それはあくまでも信託収入の範囲内で都議会の議決を経てと言ってある。そういう状況の中で、文部、大蔵両省の予算要望の前提として、あるいは予算を決定する前提として東京都の補助金なかりせば相ならぬ、そういう厳しいことを言わないでほしい、そのことを篇とお願い申し上げたい。御答弁願います。
#148
○説明員(佐藤隆文君) 国連大学の高等研究所に係る予算につきまして続委員の方からお話を承りました。七年度の概算要求といたしまして、先ほど外務省及び文部省から御答弁ございましたように、要求がなされておるところでございます。経緯につきましてもお話を伺っておるところでございます。予算編成過程でございますので、いろいろな観点から要求官庁と私ども財政当局との間で議論はいたしました。
 今後、七年度の予算編成の過程で結論を得るべく努力をしていくということかと存じますがあ、方で我が国に本部のある数少ない国際機関であることといった背景、それから他方で委員も御案内のような異例に厳しい、国も極端に厳しい財政状況にありますので、こういった点を踏まえながら、外務、文部両省とよく議論をして結論を得ていきたいと思っております。
#149
○続訓弘君 これは質問ではありません。
 鈴木知事は、かねがね大東京都が国際貢献をするということは当たり前の話だと。したがって、先ほど来申し上げていますように、地方財政再建特別措置法第二十四条の二項にいろいろ抵触する疑念はなしとしなかったけれども、あらゆる努力を払って議会に対しても理解を求め、そして今日、に至っているわけです。そして、今申し上げたように、大変苦しい財政の中でちゃんとお約束は守る、こういう方針でございますので、その辺のことを考えあわせながら国の予算編成の中でぜひとも国連大学に魂を入れてほしい、このことを強く御要望申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#150
○有働正治君 当委員会の質疑が本日から開始されたわけであります。
 国民のマスコミ等での世論調査を見ましても、税制法案につきましては多数の方々が反対であります。納得いかぬということで徹底した十分な審議を求めています。政党や政治家の公約とのかかわりの問題、あるいは消費税そのものの持つ逆進性の問題、あるいは見直し条項、それによる将来的な増税が加速されるという危惧の問題、あるいは福祉や行革、財政需要等々の見通しの問題、あるいは本当に財源対策がないのかどうかという財源問題、また地方消費税にまつわるさまざまな問題等々、解明されるべき問題が山積しているわけであります。その点では本委員会でも徹底して十分な審議が求められているということをまず強く訴えたいと思うわけであります。
 そこで、まず私、第一段といたしまして、消費税率引き上げの問題と、さきの選挙時あるいは従前の選挙時の政党あるいは政治家の方々の国民に対する公約あるいは言明、それとのかかわりにつきまして自治大臣に御質問いたします。
 自治大臣は、さきの総選挙の際に、消費税率引き上げをやりますということを選挙で訴えてこられたのでありますか。事実確認を求めます。
#151
○国務大臣(野中広務君) 私は、さきの選挙におきましては、選挙公報におきまして、税制改革につきましては長期的展望を見きわめ、特に相続税、所得税の軽減に努め、不公平感のない税制改革に取り組みます、こういう趣旨を選挙公報で掲げてまいっております。
#152
○有働正治君 税率引き上げをやりますということを国民の皆さんに訴えられましたかということをお尋ねしております。
#153
○国務大臣(野中広務君) 訴えておりません。
#154
○有働正治君 今おっしゃられましたように、確かに選挙公報ではそのように述べておられます。
 また、選挙中マスコミから寄せられましたアンケートの中で、大臣は相続税や所得税の軽減、これについても選挙公報で今述べられたようなことを述べておられます。
 その際、財源対策として挙げられてまいりましたのは、このように述べておられます。これは朝日新聞九三年七月九日、選挙中でございます。大企業優先の租税特別措置の大胆な見直しということを述べておられます。
 消費税率アップとは言っていないということは大臣も認められました。この大企業優遇税制の大胆な見直し等々によって所得税の軽減等を図るということで税率アップということにはならないと、そういうことは言っていないということではないかと思うんですけれども、いかがですか。
#155
○国務大臣(野中広務君) 朝日新聞等でも申しておりますとおりに、私は与野党にあります間、終始一貫して租税特別措置、非課税措置の大胆な見直しということを申しております。また、選挙を戦った際に、不公平感のない税体系を確立したいということにつきましては、直間比率を含めた見直しも不公平感のない税制の確立と認識をして言っておるわけでございます。
#156
○有働正治君 不公平感の問題については後で議論したいと思います。
 また、あなたは、選挙中のこれは産経新聞七月十三日付でありますが、景気対策として消費の拡大ということを訴えておられます。
 税率アップという問題が消費拡大とつながるというふうにお考えでいらっしゃいますか。
#157
○国務大臣(野中広務君) それは今日的課題に立ってのこじつけでありまして、いかがでございましょう、選挙のときのアンケート調査とかあるいは政党の公約とか選挙公報というのは、それを一々公約違反じゃないかという問い詰め方をしたら、失礼でございますけれども、共産党の主張とか公約というのは全部私は違反だと思うんですね。いいことずくめで並べてありますけれども、何一つ実現したことがないんですから。だから公約というのは、そういう詰め方をしますと非常に問題を残すのではないかという認識をしております。
#158
○有働正治君 全くの居直りそのものであります。私は事実関係を明確に指摘しているわけであります。
 消費税率アップにつきましては、その後九三年十月二十日付朝日新聞のアンケートに対して、消費税率アップは反対だと明確に述べています。そこではどういうことを質問に求めたかといいますと、「大型の所得税減税が浮上し、そのための財源を消費税の税率アップに求める考えが提示されています。所得税減税の財源を消費税に求めることに対する賛否と、その理由をお聞かせ下さい。」、こういう質問に対しまして、野中大臣は明確に反対ということを言っておられます。
 国民に対する公約というのは、今いろいろ大臣言われましたけれども、政党や政治家は文字どおり命にかかわる問題です。確かに、私どもが直ちに実現しない、それはあるかもしれません。(発言する者あり)しかし、そのことの実現を求めて努力するというのが政党としての生命であるし、筋だと。そういう立場から我々はやって、国民に対して明確に反対したその公約とまるっきり違うことをやるということとは全く違うわけであります。
 そういう点で極めてこの問題は、選挙公約あるいは国民の皆さんに対するお約束というものが大臣にとってそれほど軽いものかということを指摘せざるを得ないというふうに私は言わざるを得ません。
 また、今、若干の不規則発言がございましたが、したがってあえて申しますと、例えば一九八九年七月の参議院選挙で当選なされた社会党議員は、すべて消費税廃止をイの一番に選挙公約に掲げられました。社会党の議員はこの選挙で四十六人が当選されたわけです。国民はそれに一票一票を託されたわけであります。その中で、例えばある人はこういうふうにおっしゃっています。選挙公約からの言い分でありますが、「「毎日が納税日」「一生払い続ける」消費税は公約違反の大衆増税です。私は、庶民の台所を直撃している消費税の廃止に全力をあげます。」と、こういうことをおっしゃっていました。これは現在当委員会の委員長をなされている岩本議員の選挙公報であります。
 公明、民社党も消費税廃止を公約に掲げられました。参議院はその後、日本共産党も賛成して、先ほど不規則発言ありましたが、消費税廃止法案を可決しています。その後、前回の参議院選挙でも消費税廃止を公約に政党として掲げられた政党があることは御承知のとおりであります。国民はこのことを直視しているということをはっきり述べておきます。
 次に、福祉対策と消費税導入、今回の税率アップとのかかわりについて幾つかお尋ねいたします。
 政府は、消費税導入の際も、また今回の三%から五%への税率大幅アップに際しても高齢者福祉対策をその理由あるいは大義にしてこられました。高齢者福祉対策、いわゆるゴールドプラン、さらに来年度からでもスタートさせたいとしておられる新ゴールドプランは地方自治体の大事な仕事の一つであることは御承知のとおりであります。
 そこで、私はこの高齢化福祉対策、高齢老問題と消費税とのかかわりについて、実態についてまず質問いたします。
 これは先ほど大臣が強調されましたお年寄りに対する不公平感の問題、果たして税が公平であるかという問題とも直接かかわる問題でもあるわけであります。
 まず、大臣にお尋ねします。
 消費税導入時以降、今日までの消費税と高齢化社会対策費とのかかわりについてでありますが、平成元年の消費税導入に当たりまして、平成二年からスタートしたゴールドプランの推進につきまして、消費税、これを福祉充実に充てたいという趣旨のことを政府はたびたびお述べになってこられたと思いますが、大臣、いかがでございますか。
#159
○国務大臣(野中広務君) 高齢化が急速に進んでいきます中で、これにどのように的確に対応していくかということは、それぞれの地域あるいはその実情に即して住民に一番身近な地方公共団体が多様な施策を展開していくことが私は極めて重要であると存じておるのでございます。
 このため、自治省といたしましては、これまでも毎年度の地方財政対策の中で福祉関係経費の充実、拡充を図ってきたところでございますけれども、平成六年度におきましてもゴールドプランにかかわります地方負担額につきまして財源措置を講じますとともに、社会福祉系統経費を前年度に比べまして八・〇%増の三兆一千三百四十二億円を計上いたしますなど、地方単独事業についてその積極的な展開と支援をしてきたつもりでございます。また、今般の税制改革に当たりまして、今お話しになりました少子・高齢社会に向けまして、当面緊急を要する施策といたしまして一定の福祉財源措置を講じることにいたしておるところでございます。
 今後とも、これからの少子・高齢化社会の進展に対応していくために、自治省といたしましては、関係省庁とも十分協議をいたしまして、福祉施策の充実を図ってまいりたいと存ずる次第でございまして、今後必要となる財源につきましては毎年度の地方財政計画の策定を通じましてその確保に努力してまいるつもりでございます。
#160
○有働正治君 例えば、消費税導入に際して、大蔵、厚生、自治、三大臣の合意がございます。平成元年十二月でありますが、そこでは消費税導入時の趣旨を踏まえ、高齢者の保健福祉の分野における公共サービスの基盤整備を進めることとし、在宅福祉、施設福祉等の事業について、今世紀中に実現を図るべき十カ年の目標を掲げ、これらの事業の強力な推進を図ることとするとうたい、そして大臣も言われたように一定の推進を図ってきたことは事実であります。
 そこで、まず事実関係を大蔵省にお尋ねします。
 消費税が導入された八九年度から本年度、本年度は当初見込みになろうかと思いますが、消費税収は各年度及び合計で幾らか、結論だけお示しいただきたい。
#161
○説明員(三國谷勝範君) 平成元年度から六年度までの消費税収の合計でございますが、約三十六・八兆円でございます。このうち地方への地方交付税交付金及び消費譲与税譲与金、これらを差し引いた国の分は約二十二・四兆円でございます。
 年度別に申し上げますと、元年度は約四・一兆円のうち国分が二・五兆円、以下二年度分は約五・八兆円のうち三・五兆円、三年度は六・二兆円のうち約三・八兆円、四年度は約六・六兆円のうち約四兆円、五年度は約七兆円のうち四・二兆円、六年度は予算ベースでございますが、約七・二兆円のうち四・四兆円でございます。
#162
○有働正治君 議論の参考にするため、私は資料を配付させていただきました。そこに示されているとおりであります。
 厚生省にお尋ねします。
 九〇年度から始まりましたゴールドプランの中の上積み分、つまりそれまでの老人福祉事業を含めてではなくて、ゴールドプランスタート以来の上積み分、いわゆる六兆円ベース分の予算額、国庫負担分は各年度幾らで、合計は本年度を含めまして幾らになるか、結論だけ。
#163
○説明員(吉冨宣夫君) 現行ゴールドプランにより上積みされました予算額は、国費で平成二年度約九百億円、平成三年度で約千四百億円、平成四年度で約二千億円、平成五年度で約二千四百億円、平成六年度で約二千九百億円でございまして、平成六年度までの合計で約九千七百億円でございます。
#164
○有働正治君 消費税導入の際、当時の政府は消費税が高齢化社会に対応する福祉目的の税であるといろいろ言及され、現行のゴールドプランを策定、推進されてきたわけであります。
 しかし、今、答弁でも明らかなように、この間消費税総額は大蔵省の答弁で約三十六兆八千億円。この中でゴールドプランの上積み分の国庫分は、今、厚生省御答弁になったように、九千七百億円でその比率は二・六%。消費税収の国庫配当分で比較しますと四・三%ということになるわけであります。したがって、消費税全体からいいますと、いろいろ言われるけれども三%にも満たないということで、消費税導入というのが高齢化社会のためというのは、私に言わせれば誇大広告、誇大宣伝と言わざるを得ないではないかというふうに考えるわけであります。
 実は、そのことは加藤税調会長がこう申していたわけであります。消費税を導入したとき、高齢化社会に備えると言い、我々税調もそう説明しましたが、本当はあれは一般の人にわかりやすいからということでした。消費税本来の意義はそういうものではないんですと本音を加藤税調会長は述べておられる。このことがこの統計数字からも私は裏づけられているというふうに言わざるを得ない。先ほど大臣はいろいろ努力してまいったということを言われましたけれども、たかだかこういう実態であるということを事実が指摘していることをはっきり申し上げておきます。
 次に、今回の消費税アップと新しくスタートさせようとされておられる新ゴールドプランとの関係についてお尋ねします。
 大蔵省の方に事実関係の確認を求めます。
 来年度スタートの新ゴールドプランに際し、消費税を税率五%に引き上げる際の福祉に回される財源というのは、つまり九七年度を幾ら予定されているのか、今決まっている段階で。そのうち国の分は幾らと見込まれているのか、少子対策を除いてお答えいただければと思います。
#165
○説明員(丹呉泰健君) お答えいたします。
 平成九年度から消費税が五%にアップした場合、少子対策を除いた経費として福祉に充てられるのは三千億円となっております。社会福祉の予算におきましては、公費負担のうち二分の一が国庫負担となっております関係で、この公費負担三千億のうち二分の一が国庫負担となると思料しております。
 なお、具体的に九年度の予算につきましては、九年度の予算の段階でこういった方針のもとに検討されるべきものと考えております。
#166
○有働正治君 そうしますと、おおよそ一千五百億円程度ということになるわけであります。消費税が二%アップされると四兆八千億円の増収ということが説明されてきたわけであります。その際、新ゴールドプランに回国費分というのは一千五百億となりますと、その比率は約三・一%程度ということになるわけであります。
 そこで、私はグラフを持ってまいりました。これがそのグラフであります。(図表掲示)
 今まで論議いたしました消費税の税収額とゴールドプラン、これは九四年までが現行、消費税収が青の数字であります。棒グラフであります。ゴールドプランの積み増し分、それから九七年度予定、いずれも国費分でありますが、これを赤で示した。
 大臣、いろいろ政府としても努力してきたということをおっしゃられましたけれども、先ほど述べましたように、これはグラフ作成上余りにも落差が大きいものですから若干縮図をして作成しました。私は、大学で数学を専攻していた関係で、こういうのが見やすいということで作成したということであります。
 そうしますと、縦に消費税収がどんと伸びている。これは一目瞭然であります。その中で政府がおっしゃられるゴールドプランの現行及び新規対策がどれぐらいあるかということを見ますと、本当に探してみなければわからないという赤が、これが事実であります。統計にあらわれた実態であります。
 したがって、今回の法案につきましても、高齢化福祉対策を推進する上で地方消費税の導入そのものも必要だということを述べておられるわけですけれども、いろいろ検討される部分は今後あろうにしても、そう大きな増加は見込まれないという状況から見まして、福祉、高齢化を云々ということは私は実態に合わないということを率直に指摘せざるを得ない、看板に偽りありと言わざるを得ないということを指摘しておきます。
 次に、先ほど大臣もおっしゃられました公平な税制の問題とのかかわりで、お年寄りとこの消費税との影響の問題について事実を幾つか確認したいと思います。
 消費税はお年寄りなど低所得者、あるいは年金、恩給等の生活者に非常に影響が大きいと、そのことの訴えが私どもにも強く寄せられるわけであります。
 まず、厚生省に確認を求めます。
 厚生省の一九九三年国民生活基礎調査の概況によりますと、高齢者世帯は全国で五百十八万五千世帯となっているようであります。また、その概況の中の所得金額階級別に見た高齢者世帯の相対度数分布を見ますと、所得二百万円未満の高齢者世帯が一九九二年で四四・七%となっています。その確認をまず求めるわけであります。その四四・七%で換算いたしますと、所得二百万円未満の世帯というのは約二百三十二万世帯と推計されるわけでありますが、おおむねそのとおりではないかと思いますが、いかがでございますか。
#167
○説明員(菅野忠典君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、平成五年の国民生活基礎調査では、高齢者世帯における所得二何万未満の世帯数は約二百三十二万世帯と推計されます。
#168
○有働正治君 次、総務庁にお聞きします。
 御夫婦二人の高齢者世帯で年収二百万円未満の世帯の場合の年間の平均収入はお幾らぐらいでありますか。
#169
○説明員(古田裕繁君) お答えします。
 当庁が実施しております平成元年の全国消費実態調査の結果によりますと、高齢者夫婦世帯、ここでは夫が六十五歳以上、妻が六十歳以上の夫婦のみの世帯をとっておりますけれども、こういった高齢者夫婦世帯のうち年間収入が二百万未満の世帯の一世帯当たりの平均年間収入、これは百四十三万円となっております。
#170
○有働正治君 そこで、平均年収百四十三万円程度の世帯は、私が試算いたしますと、消費税を一年に四万四千円支払っておられる。消費支出に占める消費税の負担率というのは三%ではなくて実は三・一%になるわけです。三%を超えるわけです。なぜかといいますと、こういう世帯は貯蓄を取り崩すかお子さんなどからの援助を受けないと生活ができないというわけで、三・一%になっているというのが私の試算結果であります。これが消費税率が五%になりますと、消費税負担額は七万三千円になります。つまり、現行より消費税負担額が約三万円アップするということになるわけであります。
 こうした平均年収百四十三万円というような高齢者世帯の方々は三万円もアップされるというのは本当に影響が大きいというふうに考えざるを得ないわけでありますが、大臣、いかがでありましょうか。
#171
○国務大臣(野中広務君) 先ほど委員からいろいろ数字なりグラフをお示しになりましたけれども、私の認識では、前回の税制改革というのはいわゆる消費税三%を導入することによって個別間接税を原則ほとんど廃止したわけでございます。そして所得税減税を行ったわけでございます。そういうことから考えまして、トータル大きな財源確保になっておらないという認識を私は持っておるわけでございます。
 今回の税制改革も、申し上げるまでもなく、高齢化の加速やあるいは進展を踏まえまして、そういう中でどのようにして少しでも活力のある福祉社会を実現し、構築していくかというのがこの税制改革の視点でございまして、そういう意味において、一方では個人所得課税について累進構造の緩和等の負担軽減を行うこと、あるいは社会の構成員が広く税負担を分かち合えるように消費課税の充実を行うことという措置を講じようとするものでございます。
 ところで、所得に対しまして累進的なこの構造が逆進的であるといった問題も指摘をされるわけでございますけれども、税制全体ではさらには歳出面を含めて財政全体で判断をし、対応すべき問題ではなかろうかなというように考えておるわけでございます。
 今回の税制改革につきましては、低所得者層に対する配慮の観点から、個人所得課税において課税最低限を引き上げるとともに、真に手を差し伸べなくてはならない人々に対しましては、社会保障制度といたしまして、総理が申し上げておりますように、それぞれ一万円、三万円等のきめ細かな配慮をも行った次第でございまして、さようなさまざまな配慮を行いつつ、今度の税制改革をお願いしておる真意を御理解いただきたいと存ずるのであります。
#172
○有働正治君 いろいろ言われましたけれども、大きな財源確保にならなかった、だから対応としても少なかったことを事実認められたということが私は重要だと感じたわけであります。いろいろ手だてをとっても消費税率アップによる負担増に追いつかないというのが実態であります。
 厚生省に、総務庁管轄かと思いますが、あわせお答えいただければと思います。
 今現在、年金と恩給総額はお幾らですか。
#173
○説明員(熊沢昭佳君) お尋ねの恩給等を含む年金支給総額は、平成四年度において二十七兆六千四百八十二億円となっております。
#174
○有働正治君 そのほとんどが消費に回るとして、二%アップで五、六千億円、仮に六、七%になれば非課税品目を除いても一兆円以上の負担額が予測されるわけであります。これではゴールドプランヘの積み増し分を全額高齢者に出させた上、さらに搾り取ろうというふうにならざるを得ないと、私はそのことを指摘しておきます。政府税調等では、高齢者の方々からも、平均的に見れば高齢者の経済状況も改善が進んでいるということで、しかるべく消費税を負担させてもらうという方向が示されています。大蔵省の方、結構でございます。
 時間の関係で、厚生省にお尋ねいたします。
 国民年金のうちの老齢福祉年金と老齢基礎年金受給者は合計いたしまして何万人で、その受給総額を含めてお答え願います。
#175
○説明員(星野順君) お答え申し上げます。
 国民年金の老齢福祉年金と老齢年金の受給者の合計数でございますが、平成四年度末現在で九百五十九万人でございまして、その年金総額は四兆二千四百四十億円でございます。
#176
○有働正治君 九百五十九万で四兆二千四百四十億。そうしますと、これを割りますと平均三万円台になるわけであります。年金受給者の五六%、九百五十九万人がいまだに月額三万円台という事実があるわけで、これで社会保障の充実と言えるのかと。また、高齢者世帯の五割が年収二百万円以下、五割近くが年収二百万円以下という現実がお年寄りの、あるいは高齢者世帯の経済状況の改善と言えるかと私は思うわけであります。
 そこで、経企庁に聞きます。
 今回の消費税五%へのアップは物価を幾らアップさせると見込んでおられますか。
#177
○説明員(吉川薫君) お答えいたします。
 消費税は最終的には消費者に負担を求めることを予定している税でありまして、税率が引き上げられますと物価を押し上げる要因となりますが、これは一回限りのものでございます。
 三%から五%への消費税率の引き上げが消費者物価の水準に与える影響につきましては、消費税の引き上げ分が価格に完全転嫁されるという前提で試算しますと、もしすべての財、サービスに課税されれば、税率の上昇分の消費者物価の押し上げとなりますが、非課税品目が存在すること等から一・五%程度の押し上げになるものと見込まれます。
#178
○有働正治君 結論だけお示しいただきたい。
 経企庁に再度お尋ねします。
 八九年四月から三年間で消費者物価上昇率は幾らか、結論だけお示しいただきたい。
#179
○説明員(吉川薫君) 平成元年四月の消費者物価指数が九七・〇でございますが、三年後の平成四年四月は一〇五・五でございまして、この間の消費者物価指数は八・八%の上昇でございます。
#180
○有働正治君 つまり、八九年四月、消費税が導入された後の物価上昇を見てみますと、その後二年から三年にかけまして、翌年には見送られた地方公共料金が次の年、その次の年、ほぼ丸三年を経過してほとんど上積みされたわけであります。また、諸物価等へのはね返りも行われてきたわけであります。
 政府は当時、物価への影響は一・一%しかないと言ってきたわけでありますが、実際の物価上昇は結果として導入後三年間に八・八%。もちろん、私はすべて消費税のせいだということを言おうとは思いませんけれども、決定的な大きな要因になったと言えるのではないかと。そういう点から考えれば、二%アップにとどまらないということも私は予測できる、また国民も心配しているということになろうかと思うのであります。
 そこで、経企庁にお尋ねしますけれども、個人名義貯蓄の総額は幾らでありますか。額をお示しいただきたい。
#181
○説明員(貞広彰君) お答えします。
 日本銀行の調査によりますと、平成六年六月末の個人貯蓄の残高は約八百九十五兆円でございます。このうち預貯金が約五百六十五兆円で最も多く、次に保険で二百八兆円となっております。
#182
○有働正治君 預貯金の総額が約五百六十五兆円ということで、消費税が仮に二%アップに対応した物価上昇が少なくとも二%といたしますと、実際に物を買えば二%分、十一兆円分が目減りする勘定になるわけであります。この五百六十五兆円のうちの一般家庭分が仮に半分といたしましても、五、六兆円目減りする勘定になるわけであります。つまり、消費税増税というのは高齢者の懐に手を突っ込んで預金通帳を奪うということにもなるというわけであります。
 厚生省に聞きます。
 厚生年金の積立金は幾らでありますか。
#183
○説明員(星野順君) お答えいたします。
 平成五年度末におきます厚生年金の積立金の総額は九十七兆八千七百五億円でございます。
#184
○有働正治君 老後のための国民共同の貯蓄である年金の積立金も目減りするわけであります。二%消費税アップ、物価上昇を仮に二%として二兆円相当が目減りするということであるわけであります。
 次に、二十一世紀ビジョンとのかかわりで厚生省にお尋ねします。
 二十一世紀ビジョンと社会保障給付の見通し試算の中で、二〇二五年の社会保障給付の見通しにつきまして、現行制度の延長のケースと、ケースU、つまり年金、医療の改正を含む場合と国民所得対比がそれぞれどうなるように見通しを示されておられるか、結論だけお示しいただければ。
#185
○説明員(江利川毅君) 二十一世紀の福祉ビジョンにおける将来推計でありますが、現行制度のままといいますのは今国会の年金制度の改正が通っていないという前提でございます。そういう前提でいきますと、国民所得の伸びはどうなるかというので幾つかのケースを置いていますから若干の幅があるわけでありますが、二八と二分の一%ぐらいから三二と二分の一%ぐらいの間になるだろうと。ただ、この国会で年金改正が通ったわけでございます。
 それからまた、一方、この福祉ビジョンでは高齢者の介護対策とか少子対策とか、そういうものを充実していく必要があるというふうに言っているわけでありますが、そういう諸施策がとられていくということを前提に考えますと、これも国民所得の伸びによって幅があるわけでありますけれども、二八%から三一と二分の一%ぐらいになるということでございます。
 なお、一つだけ先ほど先生のお話の中でちょっと気になる点がありまして、補足させていただきますが、高齢者の年金から消費税率のアップ分を搾り取ることになるのではないかとお話がありましたが、物価が上がりますと年金水準もその物価にスライドさせて上がりますので、その点だけ申し添えさせていただきます。
#186
○有働正治君 そういうふうにきちんとスライドしていないのが問題なわけで、言いわけにしかならないと。
 私は、今の答弁からいいますと、ケース皿、つまり年金や医療の改正が行われた場合であっても、現行制度の延長で受け取る側は同じ水準どころか給付は減る、つまり現行の場合二八・五から三二・五とおっしゃられたし、ケースUの場合は二八から三一・五とおっしゃられたわけで、減るわけであります。結局、消費税アップだけが押しつけられて、給付水準の改善というのは行われないということになるわけであります。
 いずれにいたしましても、先ほど大臣は公平な税制の実現ということをおっしゃられましたけれども、こういう点から見まして、とりわけお年寄り等について不公平感が拡大されるということ、それから高齢化社会のために消費税を導入し、また今回の税率アップもそのことがまくら言葉にされて大宣伝されているわけですけれども、実態がそれに伴わないという点でこういう消費税率引き上げ等は行うべきでないということを私述べて、次の質問に移ります。
 次は地方消費税の問題で若干お尋ねいたします。
 地方消費税の問題につきまして、大蔵、自治省間でさまざまな意見の違いがありながらも早々に決着をつけられた。つまり、消費税率アップという点では一致して妥協したということだろうと私は感ずるわけであります。
 まず、自治省に聞きます。
 地方税原則というものはどういうものであるか、それをまずお示しいただければと思います。
#187
○国務大臣(野中広務君) 国税、地方税、双方に通ずる問題でありますけれども、租税原則といたしましては、通常言われておりますように、公平、中立、簡素の三原則であります。
 地方税につきましては、この三原則に加えまして税収の安定性と税源の普遍性の原則が加わるわけでございますし、さらに自主性の原則が地方自治との関連から言われておると思うのであります。地方税におきまして、公平性の確保の点からは国税の応能という原則から地方税は応益原則に立たなければならないし、重視されなくてはならないと思っておるのでございます。
 いずれにいたしましても、地方の場合、税収の伸長性ということが地方税の原則にならなければならないと存じております。
#188
○有働正治君 今、例えば応益性の問題だとか負担分任の問題だとか自主性の問題とか、いろいろ言われました。
 私、自治省税務局編の「地方税制の現状とその運営の実態」を拝読いたしますと、大体大臣がおっしゃられたような内容が明記されているわけであります。この中で、私としては負担分任性と応益性というのがあえて言えば地方税としての特色をあらわす、また地方税の自主性ということも当然非常に大事な問題だというふうに考えるわけであります。
 この負担分任という点からいいますと、先ほどもいろいろ議論しましたように、所得に対して著しく逆進性がある、低所得老ほど重税となる全く不公平なものであるわけであります。応益について言いますと、消費税が行政サービスの受益の対価とはとても言いようがないと。自主性について言いますと、地方消費税の課税標準自身国の消費税であり、税率も国から押しつけられるままのものと言わざるを得ないわけであります。これでは地方消費税というのは、今言われたような地方税原則という点からさえも私は反したものと言わざるを得ないのではないかなと。これが地方自主財源の拡大だ、あるいは地方分権だと言うのはいかがなものかということを痛感するわけであります。
 そこで、自治省にお尋ねしますが、地方譲与税と地方税、これの違いというのは、今回は地方税、地方税ということをおっしゃられますけれども、違いは何でありましょうか。
#189
○国務大臣(野中広務君) もうこの違いにつきましては、ずっと御論議の中で私申し上げておりますように、地方消費税は地方独自の税源でございます。地方譲与税は国税であります。しかもこれを譲与するという形で今日まで歩んできたわけでございます。
 地方消費税は、委員御承知のように、都道府県の議会において条例として議決をされるわけでございまして、その賦課徴収につきましては税務署にお願いを申し上げますけれども、税務官署から都道府県に直入をするものでございまして、譲与税とは本質的に異なるものでございます。
#190
○有働正治君 最大の相違は、国が徴収するのか、あるいは地方がみずから徴収するのか、ここの違いになってくるんじゃないかと私は思うのであります。
 今、地方の独立税ということをおっしゃられたわけでありますが、この点について言いますと、マスコミでもこういうふうに言っています。例えば、法律的には地方税だが、国が消費税と一括して徴収するため実質的には消費譲与税と変わらないというふうに言っているわけであります。地方消費税は、国の消費税収を課税標準といたしまして、税率は消費税収全体のうち地方に幾ら配分するかを示しているにすぎないわけであります。消費税とあわせ納税著から一体として徴収するものであります。これでどうして地方の独立税などと言えるのか。
 その点でお尋ねしますが、住民税や固定資産税などのように自治省だけの判断で税率を変えることができるかどうか、この点をお聞きします。
#191
○国務大臣(野中広務君) 原則的には、私、地方団体の自主的な判断によって税率を変えることは可能であると考えております。
 しかし、この税の特殊性にかんがみまして、多段階の消費課税である地方消費税につきましては、前段階税額控除を行うという税の性格を持っておるわけでございまして、そういう点では一定の税率とならざるを得ないと認識をしておるわけでございます。
 現行の地方税法におきましても、委員御承知のように、自動車取得税、あるいは府県税でありましたり市町村税でありますたばこ税、あるいは軽油引取税、こういういわゆる流通課税にありましては一定税率とされておることを考えますと、今回の場合、やはり地方消費税については、先ほど申し上げたような状況から、私は一定税率とならざるを得ないと考えておる次第でございます。
#192
○有働正治君 大臣もいみじくもおっしゃられたように、原則としてでありまして、実際上はそうならないということであります。国の消費税の税率変更がなければ実際上は改正ができないということにならざるを得ない、これが実態だと思うのであります。
 そこでお尋ねしますが、当分の間国が徴収するというふうになっていますが、これはずっと国が徴収するということにならないかということでありますが、いかがでありますか。
#193
○国務大臣(野中広務君) これも先ほど申し上げましたように、地方消費税は地方税であります以上、地方団体がみずから賦課徴収することが原則でございます。
 しかし、納税者の事務負担を勘案をいたしますときに、やはり今日的行財政の効率化、あるいは人員等の増加等が厳しく私どもみずからに戒められておるときを考えますときに、あるいは今申し上げましたように、納税者の事務負担等を考えますときに、この際国に委任することが適切な方法であると考えておる次第でございます。
#194
○有働正治君 いみじくもそういうお考えを示されたわけであります。
 大臣は、例えば十月二十四日の衆議院の税特委の御答弁の中でこうも言っています。消費税の性格を考えますときに、今回五%のうちの一%を地方消費税として確立するということになれば、納税者の立場を考え、より効率的、簡素で納税者に不便をかけないためには、税務署にお願いをして徴収するというのが一番今日的行政改革の課題に沿ったものではなかろうかと、こういう趣旨を述べておられるわけであります。こうした考え方からは地方が独自に地方消費税を徴収するという結論は私は出てこないと言わざるを得ないわけであります。
 現に、大蔵省はこう言っているようであります。「当分の間は当分の間。納税者の負担軽減が理由なのですから、その負担がなくならない限り、国が執行するという理解です。」と。これは九月二十六日付官庁速報の中で示されている意向であります。こういうことに実際はならざるを得ないというのが大方の見方であるし、大蔵省の考えでもあろうというわけでありますが、いかがでありますか。
#195
○国務大臣(野中広務君) 大蔵省の見解を私はお聞きをしたわけではございませんけれども、少なくとも現在でも都道府県民税を市町村が委任を受けて賦課徴収をしておるということがございます例をかんがみますときに、地方分権を言う今日、国の委任事務が非常に多い、見直しをしなければならないというときに、一つぐらい地方から国に委任するということもある意味において私ども地方のあり方として考えられるべき選択ではなかろうかと考えておる次第でございます。
#196
○有働正治君 なかなか苦しい答弁のようであります。結局は大蔵省が言っているようにならざるを得ないと私自身は考えるわけであります。
 それはそれなりに例があるからであります。地方自治法二百五十条には、自治体が地方債を起こす場合、「当分の間、政令の定めるところにより、自治大臣又は都道府県知事の許可を受けなければならない。」という規定であります。「当分の間」というふうな規定であります。この「当分の間」と規定されてから今日まで何年になるのか、事実だけお示しください。
#197
○政府委員(遠藤安彦君) この規定は昭和二十二年の自治法改正の際に設けられたものでございますので、以後四十七年経過していると認識いたしております。
#198
○有働正治君 この問題についても自治省などは、従来、全国の地方団体がまんべんなく借りられるようにするためにも許可制は存在しているし、有効だと言わんばかりの答弁をされてきたわけであります。しかし、全国的に資金確保をしやすくする上では、制度制定当時から見れば地方団体の行政能力は蓄積されているわけであります。だから、あなた方も地方分権を進めるための行政移譲というのを言っているわけであります。
 地方団体といいましても、都道府県から市町村まで財政規模がさまざまであることは言うまでもありませんが、例えば小さい町や村におきましても銀行が保証しやすいような機関を共同でつくるとか、国と地方自治体が対等の立場で臨む協議機関をつくってそこで協議するとか、その気になればやり方はいろいろあるわけであります。「当分の間」と言いながら半世紀近くも続いているというのは論外だと言わざるを得ないわけであります。こうした規定を残しておいて地方自治体が徴収しますと言っておいても、じゃ自治体でやってくださいというふうにはならないということだろうと思うんです。
 そういう点からいっても、この地方自治法の規定を改正するとかという意向はないのでありますか。
#199
○政府委員(遠藤安彦君) 地方債の許可制度の問題でございますが、委員も御質問の中で述べられておりますようにいろいろ理由があるわけでございますけれども、今いろいろな理由の中で最もウエートの大きい問題は、やはり地方債を地方団体が起こした場合の元利償還金を地方財政計画全体の中で財源保障をするというシステムになっておるわけでございますので、そういった観点からもやはり地方債の許可制度というものは残していくべきであると私どもは思っております。
 ただ、行革審その他の答申がありますように、その弾力化とかそういった点についてはこれから努力をしていかなければならない問題であるというように認識をいたしております。したがって、自治法の規定を今すぐ改正をするとかどうこうするとかということは考えていないところでございます。
#200
○有働正治君 これが自主財源拡充等々を言ってきた自治省の答弁かということを言わざるを得ません。また、大臣も一つぐらい地方から国に徴税をお願いするのがあってもいいんじゃないかというような態度、これが我が国の自治大臣の答弁かということを私は率直に指摘せざるを得ないということを痛感いたしました。
 しかも、当分の間と言いながら長年その状態が放置されてきたわけでありまして、そういうことを放置したままにしておいて、それを是正する意向もなくて自主財源確保という方向を確立していくという展望は私は出てこないというふうに言わざるを得ません。地方消費税の創設が地方分権確立への大きな弾みだということもるる述べてこられているわけでありますが、私に言わせれば実態は地方譲与税と変わらないという点から見まして、地方分権確立への弾みなどということは言えないと。
 私は、そういう点では、地方分権を口にするのでありますれば、初めに消費税率の引き上げありきという態度ではなくて、真に地方自治が拡充される方法をやはり検討すべきだと考えるわけであります。例えば、自治省が地方の自主財源の少なさを国と地方の税収と歳出の割合でいろいろ説明されます。そうであるならば、この割合を地方にシフトさせる、つまり現行税制のもとでも歳出に見合った割合に国から地方に税源を移譲するという方法でも地方税源の充実というのは可能であるし、そういう方向で私は頑張るべきだということを痛感するわけであります。
 具体的に申しますと、地方自治強化の観点から、租税総額に占める国税の割合は六四%ほど、これは九一年度ですけれども、地方税の割合は三六%程度であります。これを地方交付税、地方譲与税、国庫支出金を地方に配分した後の割合、つまり国の実質配分三六・一%、地方の実質配分六四%、これに近づける税財源の移譲、例えば所得税や法人税の一定の割合の地方への移譲等々を含めまして、そういう方向でやって初めて本当の意味での自主財源確立てあるし、地方独立税の確立の方法ではないかということを痛感するし、その点から言えば今回の地方消費税法案というのも消費税の構造的欠陥をそのまま引き継いだもので、その実態も問題が多々あるということを指摘して、時間でありますので私の質問を終わらせていただきます。
#201
○西川潔君 長時間、皆様、御苦労さまでございます。私で最後でございます。重複を避けて質問をいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、自治大臣にお伺いをいたします。何度も質問をいたしておりますが、もう一度お伺いしたいと思います。
 今後、高齢化そして少子化が進んでいく中で、二十一世紀を見据えた地方自治とはどういう姿であるべきだと今までの大臣にも何度か御質問をさせていただきましたが、野中大臣にも改めてお伺いをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#202
○国務大臣(野中広務君) 地方自治というのは、もう先刻先生十分御承知のように、民主政治の骨幹をなすものでありますとともに、我が国内政の基盤となるものと認識をいたしております。
 御指摘のように、高齢化や少子化の急速な進展を初め、国際化への対応あるいは情報化の進展、近時の社会情勢の変化等に対応をする中におきまして住民福祉の向上をどのように図っていくかということは、地域のそれぞれの事情に応じた個性豊かな地域づくりを積極的に進めていくことが今日の地方公共団体に求められておる政策課題であると存じておるのでございます。
 こういう政策課題に的確に対応をいたすためには、住民に身近な地方公共団体において思い切って政策を行っていくというのが今日の課題でありますとともに、大胆に地方公共団体にその事務を委任し、あるいは分権をして、そして国、地方の事務配分に見合った適切な税財源の配分を行い、財政面を含む地方公共団体の自主性、自立性を強化していくことが必要でありまして、地方分権を一層推進して地方自治の充実発展を図っていくことが現下の急務であると考えておるのでございます。
 私といたしましては、行政改革推進本部に設置をされております地方分権部会での大綱の取りまとめや、本日午後、地方制度調査会から答申もいただきましたし、また先般申し上げましたように地方六団体からも御意見を賜ったところでございますので、今後この地方分権の推進を一層の課題といたしまして真の地方自治の実現のために最大限の努力をいたしてまいりたいと存じております。
#203
○西川潔君 ありがとうございました。
 今まで大臣におなりになる前の質問などもお伺いさせていただきまして、そして自治大臣になられたときに、地方行政委員会でございますので、僕は委員でございますので、ちょっと怖い人ではないかなというような印象を持っておりました。そして、何度か質問をさせていただきまして、私程度の質問にも実に懇切丁寧にお答えいただきますので、ひょっとしたち本当に質問をさせていただくことはいい方向に向かうのではないかなというようなことを秘書なんかとも話をしておるんです。別にお世辞を言っているわけでも何でもないんですけれども、本当に地方の福祉というようなことをひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 今の国の役割と地方の役割を素朴な視点から見ますと、どうもはっきりしないという疑問を感じることが僕もございます。例えば、今後住民にとって最も大切になる医療や年金、そしてまた福祉。医療と年金については国の役割、福祉については地方の役割というイメージがございますが、ところが最近ではこうしたイメージも変わりつつあるのではないかなというふうに感じます。
 例えば、ことし十月にスタートいたしました医療保険制度などの改正によりまして病院の給食について患者の一部負担が導入されたわけですけれども、将来の医療財政を考えますと、数字の上では私たちも、うん、この制度改正もやむを得ないなということを理解したわけですけれども、しかしその一方で現場の実態を見ましたところ、わずかな年金収入だけで生活をなさっているお年寄りの方々も実はたくさんいらっしゃいます。お金持ちのお年寄りの方々もたくさんいらっしゃいます。
 しかし、ここへ自分が何をしに来たかということをしっかり認識しなければいけないと思いまして、例えば、せんだってもいただいたんですが、両親とも入院をしている家族の負担をとかいうお便りもたくさんいただきました。こういうことをいろいろ考えました場合に、そうした方々への配慮につきまして必ずしも十分であると私自身思いがたいわけですけれども、本会議では私は反対の立場をそこでとらせていただいたわけですけれども、現実には十月から制度がスタートいたしました。
 これまでわずか一カ月半程度でございますけれども、手紙、はがき、そして電話もかかってまいります。中にはオーバーに言っておられるのかなというふうにこっちがさもあれば疑いたくなるような方もいらっしゃらないわけではないですけれども、本当に悲痛なお便りもございます。その際になかなか私自身といたしましても明快なお返事を差し上げることができません、大変心苦しく思うわけですけれども、自治大臣にとりましては直接の御所管ではございませんですが、一般論で結構ですからぜひ僕はこの実態について、そしてこのことについてどういうふうに大臣が考えておられるのかお伺いしてみたいなと、こう思います。
#204
○国務大臣(野中広務君) 委員からただいま御指摘がございましたように、入院の際におきます食事につきまして、国民生活の水準の向上に伴いまして、栄養的なもの、あるいは質の向上、患者の選択の幅の拡大といったようなさまざまの患者のニーズが高まっている一方、医療費、特にそういう費用負担が非常に多くなってくる、こういった点。あるいは同じ医療にかかっておりましても、入院をした人、在宅で通っている人、あるいは健常者で働いておる人、こういうさまざまなことを考えますときに、やはり食事は同じくとるわけでございますので、そういう点での負担はある程度していただくべきではなかろうかと。
 余談になりますけれども、私はちょうど十六年ほど前に京都の副知事をいたしました。そして、一カ月たって私の昼飯代の請求書をくれと言いましたら、そうしたら、いや、京都府は蜷川さんの時代からずっと課長以上は昼食は公費で払っております、こう言うわけであります。ああ、そういうものが革新府政というのかなとこう思いながら、おれは家におろうがどこにおろうが昼飯は自分で食っておるのだから、夜遅くなってどうしても公務で帰れないときに弁当をいただくのを公費で負担してもらうのは仕方がないとしても、いつどこでも食う昼飯を公費で負担するというのはおかしいじゃないかと言って一斉に直した経験を持つわけでございます。
 これから、より与えることが必要でありますけれども、しかし、もう委員が十二分に御承知のように、パイは一つでございます。それだけにある程度共通して、そして負担してもらうべきところは負担をしていただくというそういう考え方はある程度福祉の社会にも入れていかなければ、言うは易うございますけれども、なかなかこの困難な時代を支えていくことはできないのではなかろうかと、こう思いますとともに、そういうことを考えますときに、診療自身の充実を図ってみたり、サービスの向上を図るというそういう公平性を保つ中においてやむを得ざる選択ではなかったかと思うわけでございます。
 ただ、委員が御指摘のように、老人夫婦が入院して、そして負担がある、こういった問題はそれこそきめ細かな地方団体の福祉施策として、よりその人たちの軽減をするための努力は、これは個々の地方団体がやっていくべきである、そのように思っております。
#205
○西川潔君 ありがとうございます。
 今回のこの制度改正によりまして多くの自治体で独自の補助制度を創設していると伺っておるわけですけれども、この現状について御説明をいただきたいと思います。
#206
○説明員(辻哲夫君) お答えいたします。
 今、大臣から申し上げましたように、入院時の食費の自己負担ということを今回の法律改正でお願い申し上げたわけでございますけれども、従来から地方自治体で身障者、乳児等を対象といたしますいわゆる地方単独事業として医療保険の自己負担分を助成する措置が講じられてきておりますが、今回のこの入院時の患者負担をお願いしたことにつきまして、その患者負担について引き続き助成対象とする、したがってその点について負担を求めない、こういうような地方単独事業が現実に行われてきております。
 私ども詳細は把握できておりませんけれども、九月末の段階で実施直前ということで各都道府県に電話でお伺いしましたところ、全国で二十二の都府県がこの食費の自己負担につきまして助成を決定あるいは助成の方向で検討中であるというふうに掌握いたしております。
#207
○西川潔君 お答えありがとうございました。
 この点につきましては、先週の十七日の新聞報道で、私、新聞を持ってまいりましたのですけれども、少しだけ読ませていただきます。
 「厚生省は、都道府県に「肩代わりは違法で、国民健康保険(国保)法による国の医療費補助を減額する」と事務次官通知を出し、引き締めに躍起。」というふうな新聞記事。そして、少し飛ばしますが、「自治体が過剰な施策によって入院が長期化し、医療費が増額した場合、国保法と省令による計算式に基づいて医療費補助を減額する」というふうにこの新聞には書いてあるわけです。
 この報道の内容の事実関係については少し誤った点もあるのではないかなと私自身も思うわけですけれども、通知の内容、趣旨も含めて現状の御説明を再度厚生省にお願いします。
#208
○説明員(辻哲夫君) それでは、ただいまの通知あるいは報道に関係する前提として、通知の趣旨と今回の自己負担導入について若干御説明させていただきます。
 大臣からも仰せのように、基本的に在宅におきましていわば食費というものは御負担していただいているわけでございまして、入院したからといって新たに負担がより要るときに医療保険というものが新たな負担をいわばヘッジするといいますか、保険で負担していただくとするために医療保険があると考えておりますので、そういう意味で平生負担している程度のものは医療保険の対象でないということにしても、むしろ在宅のいわば療養者はいっぱいいらっしゃるし、これからは在宅というもののできる方につきましてはできる限り在宅で療養することが大切ではないか、また患者さんも求めているのではないかという状況のもとにおきましてはそのような権衡上御負担を求めることもいわば御理解をいただけるのではないか、こういう考え方で御負担をいただいたわけです。
 その負担につきましては、もともと医療保険の制度というのは、保険事故と申しておりますけれども、医療費の必要なときに医療費が出るようにあらかじめ保険料をいただき、そしてまたそのときに一定の自己負担もコスト意識を持っていただき、また他の方々との均衡上いただく、こういう約束事で医療保険は成り立っておりますので、私どもといたしましては、この医療保険を大切なものとして守っていくためにその御負担もいただくことが必要だと。したがって、それが地方単独事業で負担を全部肩がわりされてしまった場合にはそんなような意味における約束事が成り立たなくなってしまう、こういう観点からそのことが不適切であるという御指導をさせていただいております。
 ちょっと次官通知を読まさせていただきますと、いわゆる地方単独事業により入院時の食事にかかる患者負担を軽減、解消することは、その事業の名目が何であれ、入院時食事療養費制度の創設という今回の制度改正の趣旨に反するものであり、不適切であること、このことは次官通知によって示させていただいております。
 ただ、これは違法であるという趣旨ではありませんて、私ども違法であるというような趣旨でこの通達を説明したこともございません。したがって、違法であるとしているという報道は誤りでございます。
 それから、もう一つ、これに伴って国庫負担をいわば減らすというような方針を通知で出しているといったことが報道されておりますけれども、これもそのような指導はしておりません。
 ちなみに申しますと、現在の国民健康保険でそのような今までの医療保険の自己負担分などにつきまして地方単独事業で肩がわりをしましたときに、それによって医療費がふえますときは負担がないから受診率が上がるというようなことで、これは結局そうでないところよりさらに医療費がふえまして、その結果国庫負担が全国的に見てふえることについて不公平であるということから、その点については公平の観点からふえる分について国庫負担を削減するという措置が現行制度でございます。
 食事につきましては入院した者についての負担でございますので、この負担に基づきまして医療費がふえるかどうか、これはまだわからないわけでございまして、私どもはふえる場合にはどういうようなことが必要かどうかという議論はあろうかと存じますが、現時点におきましては、ふえているか、ふえるかどうかもわかっておりませんので、私どもそのような措置をとるという方針を示したこともございませんし、当面は私どもむしろ施行状況、このようなものを十分いわば見守るという状況にございまして、今、報道にございましたような国庫負担の削減を行うというような方針は、繰り返してございますけれども、示したこともございませんし、また口頭においてそのようなことを公に言ったこともございません。
#209
○西川潔君 ありがとうございました。御丁寧に御答弁いただきまして、よく理解いたしました。
 次に、実際に今回の制度改正によって苦しんでいる方々がありますし、最初に訴えていくのは身近な市町村であると思います。また都道府県であると思うわけです。一方、住民から訴えかけられた場合は、市町村はもとより都道府県にとっては、まあまあそれは国で決めたことですからということで我々は納得してしまうわけですけれども、見るに見かねて、それでは自治体はほっておくわけにはいきませんし何とか考えましょうということで、そのあたりの判断によりましてこうした補助制度が設けられたのではないかなというふうに理解するわけです。
 こうした自治体の判断、そして取り組みについてはいかがお考えであるか、この点につきましては自治省と大臣にも一言お伺いしたいと思います。
#210
○政府委員(遠藤安彦君) 地方団体の実態に関する御質問も入っておりますので、私の方から前段お答えをさせていただきたいと思います。
 地方団体が、社会的な弱者といいますか、従来から心身障害者でございますとか乳幼児、一人親の家庭といったような方々を対象に、これ独自の福祉施策だと思うのですけれども、その医療費の一部を助成している、これはやはり地域の実態あるいは実情に応じて助成をしているのだろうと思うのです。こういう取り組み自体は私どもとしては地域の自主的な対応として受けとめていいのではないかという感じを持っております。
 こうした団体の中には、今回の改正に伴う入院時の食事療養費の自己負担額に対しても同様な趣旨から、先ほど厚生省の方からお答えありましたけれども、助成を行う団体が見られるわけでありますが、これらはそれぞれの地方団体の実情に即した自主的な判断を行った結果だというように考えているところであります。
 ただ、この種の福祉施策というのは、せんだって委員会での北海道の福祉灯油の御質問にもお答えをしたところでございますけれども、社会的にばらまき福祉ではないかと言われるような取り組み方はやっぱりまずいわけでございますので、そういう点を注意しながら各地方団体が社会的にも受け入れられるような対象、そして方法等に基づいて独自に地域の実情に応じてやっていただくというのがよろしいのではないかなと、こんなふうに考えているところでございます。
#211
○国務大臣(野中広務君) 個別に財政局長がお答えしたとおりでございますけれども、西川委員よく御承知のように、入院して食事をいただく患者よりも給食に従事している人の時間に合わせて食事が提供される。だから患者のところに来るときには非常に冷たくなっている。大体五時か遅くとも六時ごろにはもう夕食が来るわけであります。そして朝はずっと遅く、八時半か九時ごろに朝食が来るわけでございます。それは給食に従事しておる人の勤務時間に合わせて、患者に合わせるのじゃなしに。そういうところをこれから私どもが福祉の現場で一番考えなきゃならぬ。それは勤務時間が悪いというわけじゃないんです。そういう人たちが患者の食べる時間に合わせられるような、そういう勤務体系を我々がつくっていくことが一番私は大切であろうかと思いますし、また国と地方との役割分担というのはむしろそういうところにあるのではないか。
 そして、障害を持たれる方、あるいは非常に困難な難病の方、あるいは生活困窮の方、こういう人を個別に、今、財政局長が申し上げましたように、ばらまきじゃなしに個別にきめ細かに地方自治体が果たすべき役割というのは、我々として十二分に発揮していかなくてはならないのではないかというように認識をしておるわけでございます。
#212
○西川潔君 ありがとうございます。
 僕もずっと現場をいろいろと勉強に回らせていただいているわけですけれども、大臣も実にそういうお食事の面まで細やかなところをよく御存じだなと思います。今お伺いした話は、本当に現実でございます。
 次に参ります。
 今回のこの医療保険制度の改正だけではなく、例えば乳児医療でありますとか障害者への医療補助など国の制度を地方がフォローするという仕事は珍しくないわけですけれども、そういたしますと、今後国が政策の変更をするたびに今度は自治体がフォローをするということであっては当然自治体にはそのしわ寄せが生じてまいります。また、そのことによりまして自治体の自主的かつ計画的な行政運営の妨げになるのではないかなというふうに私は心配を強くするわけですけれども、大臣からひとつこの部分も力強い答弁をいただきまして、私随分重複する質問がございましたので質問はこれを最後で終わりにしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#213
○国務大臣(野中広務君) 委員、お説のように、地域福祉を推進していく場合に国と地方との役割分担というのは基本的に整理をしておかなくてはならないと思うわけでございます。
 地域福祉の推進というのは、やっぱり住民に一番身近な地方団体が担うべき責任でございますし、また国は全国的な制度の企画、立案、そういう原則に立って、国が担うべき役割というものをやはり前提として国、地方が一体となって福祉そのものを支えていかなくてはならないと思うわけでございます。
 ただ、実は私も老人福祉施設、さらに重度の障害者の施設の理事長を二十数年やりながら、今、重度障害者は収容、授産施設を含めまして二百人、三施設に入っております。
 こういうものを見てまいりますと、この間も私、福祉に三十年ほどかかわりながら情けないなと思ったのでございますけれども、あるお年寄りがお亡くなりになりました。平素訪ねてこない家族が亡くなったという報を聞いたらざっと寄ってきまして、そしてこの人は相当高給を取っておられた、年金も相当高い方でございましたので亡くなられたときに四千万ほどの金を持っていらっしゃいました。そうしましたら、調べてみたらこの家族とは世帯分離がされておるわけです。だから老人施設に入っても自己負担がないわけであります。そうしてしかも、残ったこの四千万に、親が亡くなったのを嘆き悲しむのじゃなしに、群がるようにけんかしているんですね。これを見て、我々一体福祉の仕事は何しているのかな、こう思いました。
 私どもの重度障害者の施設などは順番をお待ちいただいておる人が非常に多うございます。何とかして入れてほしい入れてほしいと言われるんですけれども、一たん入りましたら、二月、三月はお訪ねになりますけれども、後はもうほとんど訪ねてこられることはないわけでございます。そして、約一年か二年たちましたら、西川委員もそこそこ歩いていらっしゃるのでおわかりでございましょうけれども、悲しいかな、この子供たちがもらっておる障害手当を取りに来る親がおるんです。これを見まして、私は、これから本当に少子社会が出てきて高齢化が進んでいく中で、本当に与えるばっかりの福祉がいいのかなと。
 やっぱり自分たちがどういうように支えていくのかということ、そしてそういう中で我が国の家族制度やあるいは相続制度やそういうものをすべて考えて、そしてこれからの深刻な時代を考えなければ、物価は安く税金は安く、そして給料は高く医療はただでと、こんな世の中はなかなかあらわれないわけでございまして、やっぱりみんなで私どもはこの深刻な時代をお互いにどう支えていくかということを考えなければ、私が現実に直面している問題だけでも、世の中崩壊しちゃうんじゃないかというような、本当に身につまされる思いを今日しておるわけでございます。
 そういう点を考えますときに、やはり国、地方を通じて国の役割、地方の役割を明示しながらきめ細やかな福祉施策というものを私どもは個別に、そして先ほどお話をいたしましたように、ばらまきにならない中で心のこもった福祉というものをやっていき、お互いにみんながそれを担っていくという気持ちにならなくてはならないし、そして福祉年金というもの、老齢年金というもの、共済年金というものも施設に入って措置費をもらっておる人も同じ額、健常者で一生懸命老後であろうと働き、かつ社会活動をしておる人も同じ額、こういうことが本当に世の中を支えていく上で許されることなのかな、ここまで私はこのごろ真剣に個々の経営に当たってみて考える次第でございまして、どうぞそういう点ではまだまだ私どもも御教示をいただかなくてはならないと思うわけでございますが、今おっしゃいましたように、地方公共団体としては住民にきめ細やかな心遣いをしていくべき立場にあろうと存じておる次第であります。
#214
○西川潔君 ありがとうございました。
#215
○委員長(岩本久人君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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