くにさくロゴ
1994/11/24 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 地方行政委員会 第6号
姉妹サイト
 
1994/11/24 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 地方行政委員会 第6号

#1
第131回国会 地方行政委員会 第6号
平成六年十一月二十四日(木曜日)
   午後一時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月二十四日
    辞任         補欠選任
     鈴木 貞敏君     中曽根弘文君
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 久人君
    理 事
                鎌田 要人君
                岩崎 昭弥君
                釘宮  磐君
                有働 正治君
    委 員
                石渡 清元君
                関根 則之君
                中曽根弘文君
                服部三男雄君
                真島 一男群
                松浦  功君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                小林  正君
                長谷川 清君
                続  訓弘君
                西川  潔君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野中 広務君
   政府委員
       警察庁刑事局長  垣見  隆君
       自治大臣官房長  秋本 敏文君
       自治省行政局長  吉田 弘正君
       自治省行政局選  
       挙部長      佐野 徹治君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
       自治省税務局長  滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局審査部管
       理企画課長    楢崎 憲安君
       大蔵省主税局税
       制第三課長    竹内  洋君
       大蔵省証券局企
       業財務課長    新原 芳明君
       大蔵省証券取引
       等監視委員会事
       務局特別調査課
       長        立石 久雄君
       国税庁調査査察
       部調査課長    若泉 征也君
       厚生省老人保健
       福祉局老人福祉
       計画課長     吉冨 宣夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方税法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○服部三男雄君 服部でございますが、大臣に少しばかりお伺いしたいと思います。
 今度の消費税率の改定もすべてが高齢化社会に向けてということで、実際問題としてこの十年から十五年後に爆発的に高齢化社会の対策のための負担というものがふえることは避けられないわけでございまして、そういうことで今回の税制改革になったということでございますが、その場合に、前提として行革とかあるいは地方分権ということが必要だと言われております。
 そのように、税構造の変化に伴って行政執行体制のあり方の見直しということが避けられないというふうに考えておりまして、その福祉の実施主体というのは地方自治体がほとんどを占めるわけですから、当然行革といいますと予算の見直しも大事ですが、中央省庁及び地方の行政主体というものの見直しか避けられないということだと思います。
 所管大臣としてこれにどのように取り組んでいかれるか、まず伺いたいと思います。簡単にお願いします。
#4
○国務大臣(野中広務君) ただいま服部委員御指摘のように、これからの高齢化社会に向かいまして、一つにはこの深刻な社会をどのようにしてそれぞれ国、地方が生きとし生ける老の生きがいのある社会に築いていくかということが重要な課題でありますとともに、そういう中におきます地方分権の推進が今大きく言われ、そしてこの受け皿となるべき地方公共団体の果たす役割はまことに重要となってきておるのでございます。しかし、それを取り巻く地方行財政の状況には非常に厳しいものがございまして、税制改革につきまして国民の理解と協力を得ながら、国、地方を通じて行政改革の実行が強く求められておるところでございます。
 自治省といたしましては、地方公共団体がこのような状況を踏まえまして改めて責任を自覚し、受け皿づくりとしての地方団体の責任体制を確立する、そして簡素で効率的な行政の確立を行うために自主的かつ積極的に行政改革を進めなければならないと痛感をしておる次第であります。
 そういう認識に立ちまして、先般、地方公共団体の自主的、主体的な行政改革の一層の推進に資するために、地方公共団体における行政改革推進のための指針を策定いたしまして地方公共団体に通知をいたしたところでございます。これを受けて、地方公共団体におかれましても地方の行政改革推進本部をそれぞれ設置をいただきます等、指針に沿って行政改革の一層の推進のために努力を合いただいておるところでございます。今後、私どももその推進を十分見守ってまいりたいと存じております。
#5
○服部三男雄君 今までも当委員会及び衆議院を通じて諸先輩がたくさん重要なポイントをただしておられまして、やや屋上屋を架す感もなきにしもあらずですが、高齢化社会の到来するまでに社会資本の充実をやらにゃいかぬ、これも国民の共通した認識だろうと思うわけであります。
 その際に公共事業のいわゆるシェアの問題ですね、前年度比と同じパーセンテージで伸ばしていくということではよくないのじゃないかということも強く言われておりまして、この点では、中央省庁の所管ではいわゆる縦割り行政というのは非常に長く批判されているがなかなか改善されない。ところが、地方単独事業の公共事業の分野別シェアというものほかなり可変的なというか、目配りやめり張りが割合きいている部分もあるわけです。例えば都市計画、街路、公園なんかの比率はかなりここ数年、五、六年で変わってきている、まだ必ずしも十分とは思わないんですけれども。
 こういったことについて、自治省としては所管官庁としてこれをもっと推進するためにどういう方法を考えておられるのかということについて端的にお伺いしたいと思います。
#6
○政府委員(遠藤安彦君) 御指摘のとおり、普通建設事業における補助事業と単独事業のシェアの問題については、国の補助事業はシェアが非常に固定しているということがよく言われるわけでありますが、実は調べてみますと、地方団体の決算は事業費ベースなものですから、国費ベースで余りシェアは変わらなくても、補助率の低いところとか補助率の高いものに事業が集中したりしますと事業費ベースでは地方の補助事業も若干シェアが変動しているという状況でございます。しかしながら、御指摘のように、数字から見る限りでは地方の単独事業のシェアの変化の方がやはり補助事業のシェアの変化より大きいかなというような状況でございます。
 御指摘にもありましたが、平成四年度の決算を見てまいりますと、五年前の昭和六十二年度に比べまして、地方単独事業の分野別のシェアでは街路、公園などの都市計画事業費が五年前と比べて四ポイントぐらい上昇をいたしております。それから、最近多くなってきておりますのが民生費、衛生費、これは福祉の関係でございまして、社会福祉総合センターなどかなり地方で単独事業で設定しているというようなこともございまして、こういう民生費、衛生費というくくりでいきますとやっぱり二ポイントぐらい増加している。一方、減っている方を申し上げますと、道路・橋梁費が二ポイント弱、それから農林水産業費がこれも二ポイント弱ぐらいシェアが減っているというような状況になっております。
 地方公共団体の予算の配分でございますが、やはり財源的には限られておりますからこの財源をいかに重点的、効率的に使用するかといったようなこと、それから社会経済情勢が刻々変化しておりますし、国民、県民、市町村民のニーズに応じた事業を実施したい、そういう面から地方公共団体が各種の施策について優先順位をつけながら厳しい施策の選択をしていくということをやっておりまして、そういった点では単独事業の方が対応しやすいという結果が出ていると思います。
 いずれにしましても、財源が厳しい中でありますけれども、地方団体が地域の実情に合った事業を自主的に積極的に実施できるように、地方単独事業の事業量の確保あるいはそれに対する財源の確保といったようなことについてはこれからも努力をしていきたいというように考えております。
#7
○服部三男雄君 公共投資の基本計画で、アメリカとの約束というわけでもないんでしょうけれども、数年前は四百三十兆円、これが一挙に二百兆円、とんでもなく金額がふえまして六百三十兆円を政府は約束したというふうになっておるんですけれども、実施主体である地方自治体の行う工事の関係で一般の事業を含めまして地方財政というのは大きな役割を持っているわけです。今後、特に地方単独事業について来年度以降も自治省としては可能な限り積極的に推進する予定なのか、それからそのような財源をどうやって今後つくっていくのか。大変難しい問題ですけれども、特に平成不況はもう四年目に入っておりまして、地方財政の構造は景気に左右されやすいという内在的要因もあるわけでございますから、今後この資産デフレと言われる不況が早期に解消されるというのはちょっと考えにくい状況のもとで、この六百三十兆円というものの中の地方単独事業を含めた公共投資の地方財源というものをどのように考えていくのかということについて見解をお伺いしたいと思います。
#8
○国務大臣(野中広務君) ただいま御指摘の公共投資基本計画に基づきます社会資本の整備のうち、住民に一番身近な社会資本の整備につきましては地方公共団体が主体となって行うことが基本とされております。したがいまして、今後重点化を図るべき生活に密着をしかつ関連した社会資本の整備につきましては、地方団体の果たすべき役割はまことに大きいものがあると存じます。したがいまして、長期的なビジョンに基づき、地方単独事業などによって地域の特性に応じた個性豊かな社会資本の整備を行い、魅力あるそれぞれの地域づくりを実施することが求められているわけでございます。それだけに、委員御指摘のように、地方財政の重点強化がより重要であると認識をしておるわけでございます。
 平成七年度の予算編成及び地方財政対策につきまして、国税、地方税とも平成六年度の税収入が昨年実績を割り込むような状況が続くわけでございまして、極めて財政的に困難な状況のもとでありまして、委員御指摘のとおりでございます。したがいまして、自治省といたしましては、地方団体が公共投資基本計画の趣旨に沿い、住民生活に身近な生活関連施設をより自主的、計画的に整備をしていくことができますよう、平成七年度の地方財政対策及び地方財政計画の策定を通じまして、必要な地方単独事業及びこれに要する財源の確保に努めてまいりたいと思うわけでございます。
 今、服部委員から、地方団体の借入金が百兆円を超えておるような状況において地方団体の今後の公共投資に要する財源の確保について御指摘もございましたが、御指摘のとおりまことに厳しい財政事情の中にあるわけでございます。そういうもとにおきましても、今後とも高齢化社会に対応した総合的な地域福祉施策の充実や生活に密接した関連施設、すなわち社会資本整備等について地域の特色を生かし、そして自主的な単独事業の推進を含めまして、より積極的に対応をしていくことが私どもに要請されておると認識をしておるわけでございます。
 地方公共団体がこのような役割を十分果たしつつ円滑な行財政運営をやっていきますためには、自主財源である地方税を中心に安定的でかつ伸長性のある地方税財源の確保が必要であり、かっこれを強化していく必要があると存じます。あわせまして、地方交付税などの地方一般財源の確保が極めて重要でございます。
 先ほど申し上げましたように、毎年度の地方財政計画の策定を通じましてその確保に努めてまいりたいと考えておる次第であります。
#9
○服部三男雄君 私に許された時間がもう尽きかかっておりますので、最後の質問をさせていただきます。
 税というのは社会構造の変化というものに常に合わせて改正していかなきゃならぬわけでございますが、特にこれからの分権の時代と言われますと、当然この消費税の改正の後に来る税制改革の最重要課題として、先ほどちょっと触れましたけれども、地方の法人税関係の方でその税のあり方というもの、要するに景気に左右されやすい法人所得に頼りがちな地方の税財源環境をどのように変えていくかということが論点となるだろうと思うんですけれども、これについて何らかのお考えあるいは方法というものがあるんでしょうか。
#10
○国務大臣(野中広務君) 今、委員から御指摘ございましたように、地方税におきます法人課税のあり方につきましては、今後、国税と同様、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げるという基本的な方向に沿って検討をする必要があると思うのでございますが、この場合におきましても、特に今、御指摘ございましたように、道府県税におきましては法人所得課税のウエートが例えば平成四年度におきましては四二%を占めるという、まことに法人所得課税に依存しておると言っても過言でないような状態でございまして、その軽減を図る場合にはその財源となる代替財源が確保されなければならないと考えておるわけでございます。
 現在、所得課税となっております事業税につきまして、税の性格等の観点から外形標準課税の導入を検討する必要があると存じておりますし、このようなさまざまな諸点を踏まえまして、地方税におきましては、先般来申し上げておりますように、景気の動向に左右されないような安定した税源の確保が達成できますよう多面的な検討を行ってまいりたいと考えておる次第であります。
#11
○岩崎昭弥君 実は一昨二十二日に地方制度調査会が内閣総理大臣に答申を出しました。これは、分権と地方行財政の充実をうたっておりますので、そのことに関してまずちょっとお尋ねしたいと思います。
 首相の諮問機関であります地方制度調査会が二十二日に地方分権と市町村の自主的な合併の推進について村山総理に答申をいたしました。現在、政府の行政改革推進本部地方分権部会が地方分権大綱の年内策定を目指して調整に入っております。したがいまして、地方制度調査会の答申は当初の予定からいたしますとこの大綱に反映されるはずでありますが、まずその見通しはどうかということでございます。
#12
○国務大臣(野中広務君) 地方分権の推進につきましては、今、岩崎委員から御指摘ございましたように、行政改革推進本部を村山総理を本部長といたしまして、鋭意地方分権部会の答申をも踏まえながら今後積極的に推進をしていかなくてはならないということで、先般も地方分権部会の専門員の皆さん方からそれぞれ意見をお聞きしたところでございます。したがいまして、今、御指摘ございましたように、去る二十二日に第二十四次地方制度調査会から地方分権の推進に関する答申が行われましたし、委員御承知のように、先般、地方六団体からも地方自治法に基づきます初めての意見書が内閣及び議会に提出されたところでございます。
 政府といたしましては、地方分権部会の専門員の皆様方からいただきました去る十八日の貴重な御意見を踏まえながら、かつ一昨日いただきました地方制度調査会の答申の趣旨をも踏まえ、今後、年内に地方分権推進に関する大綱方針を策定いたしまして、この大綱方針に基づきまして速やかに地方分権推進に関する法律の制定を目指してまいりたいと考えておるところでございます。
 村山総理も困難はあるけれども本内閣の最重要課題であると、それぞれ閣僚の強い決意を促しておられますので、地方分権の推進は我が内閣を挙げて取り組むべき最重要課題と認識をいたしまして、私といたしましても具体的な成果を上げるべく強い決意で取り組んでまいりたいと存じております。
#13
○岩崎昭弥君 答申では、地方分権の推進につきまして国の役割を外交、防衛、宇宙開発など基本的な政策に限定した上で、今後の進め方といたしまして、一つに時限立法で地方分権推進法を制定し五年程度で具体的な成果を上げる、二つ目に推進・監視機関として地方分権推進委員会を創設する、三つ目に見直しの具体的方針を示す地方分権推進計画を作成するというふうに論旨明快、極めて積極的な提言を行っております。その実行に向けては政治の強力なリーダーシップも求められているところであります。
 政府部内での作業では当然自治省が中心になるのでしょうが、自治省は答申の具体化について不退転の決意で臨んでほしいと思うのでありますが、その点についての自治省の決意を承りたいし、また地方分権推進法の国会提出の時期はどの辺になるのか、それもあわせて承りたいのであります。
#14
○国務大臣(野中広務君) 先ほども委員にお答えをいたしましたように、本部長であります村山総理は、地方分権の推進はこの内閣の最重要課題であると認識をされ、それぞれ関係閣僚に強い指示をくれておるところでございますので、私ども自治省といたしましてもその意を受けまして、具体的な成果が上げられるよう努力をしてまいりたいと考えておるのでございます。
 ただしかし、総務庁がその主務を取り扱われるわけでございますので、余り自治省がしゃしゃり出まして、そして地方分権の実りを得るためにかえって各省庁の垣根を高くいたしましてはせっかくの成果を上げることも難しい点もあろうかと存じますので、私といたしましては、山口総務庁長官を中心といたしまして、できるだけ裏方で自治省がこれをお手伝いしてその成果が上げられるようにしてまいりたい、このように存じますとともに、先ほどお話を申し上げましたように、大綱は年内にまとめられるわけでございますので、可及的速やかにこの大綱に基づきまして分権推進に関する法律案をつくりまして、可能な限りできるだけ早く次期通常国会に提案をできるように最善の努力をしてまいりたいと考えております。
#15
○岩崎昭弥君 次に、市町村の自主的合併の推進についてもうたっておりますので、お尋ねしたいと思うのです。
 市町村の自主的合併については住民発議制度が提言されまして、これは極めて前進的な提言であると思うんです。今日まで住民が全国のかなりの地域で合併運動をしてまいりましたが、議会の側が動かなくて市町村合併はむしろ停滞ぎみにあったと言っても過言ではないと思うのであります。そこで、住民発議制を法制化すれば市町村合併は必ず私は促進されるだろうと思うのであります。そのためには、答申が指摘する議員定数及び在任の特例措置の見直しが必要であると思うところでございます。
 それから、財政措置の充実も必要なんですね。
  市町村の自主的な合併を推進するため、国
 は、合併に関する財政措置を充実すべきであ
 る。その際には、合併に関する障害を除去する
 というだけでなく、市町村の合併に向けての環
 境を整備するため、合併市町村のまちづくりの
 推進を図る観点を含めて積極的な財政措置を講
 ずべきである。
  また、市町村の合併を支援するための都道府
 県の事業についても、必要な財政措置を講ずべ
 きである。と言っているのでございます。
 以上の点に関して、自治省の見解を承りたいと思います。
#16
○国務大臣(野中広務君) 市町村の自主的な合併の推進に関する答申は、市町村の合併が地域の一体的な整備また市町村の行財政基盤の強化、さらに住民に一番身近なところで行政サービスを行ってこれを充実していく、こういう有効で適切な方策であると考えられるわけでございまして、市町村の自主的な合併をこの答申がなされておりますとおりにやってまいらなくてはならないと考えておるわけでございます。
 今、委員から御指摘がございましたように、従来の市町村合併を振り返りますときに、昭和三十年の合併のときには約三分の一の市町村に大きく合併促進が得られたわけでございますが、その後、節目として大きくこれの数字を見ることができないような状況であるわけでございます。それだけに議会の議員の定数、在任の特例措置の見直し、そして特に今回提言をくれております住民発議制度の創設、さらには財政措置の充実、具体的な特例措置の拡充整備の必要性ということがあわせて言われておるわけでございまして、私どももこの指摘を受けまして、この合併がくらに十二分に果たくれるように、そして合併市町村の住民の意見をそれぞれ行政に一層反映させるような方途を講じてまいらなくてはならないと考えますとともに、提言にありますように、合併後の市町村の均衡ある振興整備を図ってまいらなくてはならないと考えておるわけでございます。
 自治省といたしましては、この答申を受けまして、議員の定数及び在任の特例措置、さらに合併の効果が一層確実に発揮されるような行財政の支援措置等を、先ほどお話がございましたように、住民の提案制度等を含めまして次期通常国会に市町村の合併の特例に関する法律の改正案を提案いたしたいと存じておるところでございます。
 なお、合併に関係する市町村の事業の推進のための財政措置、あるいは府県がこれをバックアップする財政措置等についても検討をしなければならないと思っておるところでございます。これにつきましては、具体的には財政局長から御答弁をさせていただきます。
#17
○政府委員(遠藤安彦君) 御質問のありました市町村の合併に向けての環境を整備するという意味から財政支援措置を充実すべきであるという考え方でありますが、基本的な考え方は先ほど大臣御答弁したとおりでございます。
 やはり現在の財政措置は、どちらかといいますと合併によって地方交付税が減ってしまう。技術的にいいますと段階補正という要素があるわけでありますが、人口が大きくなりますものですから一人当たりの経費が減ってくるということで交付税が減ってしまう。それを五年間減らさないで、これを合併算定がえと称しておりますけれども、そういう措置を講じているということだけであるわけであります。
 今回御答申をいただいております中身は、そういうマイナスになるのをとめるという措置だけではなくて、市町村の新しい町づくりといいますか、合併による町づくりをもっと積極的に推進するという意味から財政措置を充実すべきであるというような御答申でございまして、私どももそういった趣旨でこれから財政措置の中身をよく検討をいたしまして、次期の通常国会にはそういった中身について法案として出していきたいというように思っているところでございます。
#18
○岩崎昭弥君 次は、地方公共団体の税財政基盤の整備についてでございます。これは二点ありまして、地方税と地方交付税についてお尋ねしたいと思うんです。
 まず、答申の総論を言いますと、地方税財源の充実について答申は、
  真の地方分権を進めていくためには、権限の
 移譲のみならず、地方公共団体が事務事業を自
 主的・自立的に執行できるよう、地方公共団体
 の財政需要を地方財政計画を通じて的確に把握
 し、自主財源である地方税を、課税自主権を尊
 重しつつ抜本的に充実強化するとともに、あわ
 せて、地方交付税の所要額を確保し、地方税財
 源の充実を図っていくことが必要不可欠であ
 る。
  また、国と地方公共団体の役割分担の見直し
 に伴って国から地方公共団体への事務事業の移
 議を行うに当たっては、同時に、地方公共団体
 が事務事業を円滑に執行できるよう、税源の移
 譲など地方税財源の充実強化を図ることが必要
 である。と言っております。
 そこで、
  地方税については、地方における歳出規模と
 自主財源である地方税収入の飛離をできるだけ
 縮小するという観点に立って、抜本的充実強化
 を図っていかなければならない。
  その際には、できるだけ偏在が少なく、安定
 的な地方税体系を確立するとの観点に立って、
 所得・消費・資産等に対する課税の均衡のとれ
 た地方税制の確立を目指すべきである。と言っています。この点について。
 それから、
  地方交付税については、地方税源の偏在を是
 正して、全ての地方公共団体に、一定の行政水
 準の確保と自主的・自立的財政運営を保障でき
 るよう、その所要額を確保するとともに、算定
 方法を合理的でできるだけ簡素なものとするな
 ど、その財政調整機能の充実を図っていくべき
 である。
  あわせて、地方の固有財源である地方交付税
 の性格を明確にするため、国の一般会計を通す
 ことなく、国税収納金整理資金から、直接、交
 付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れるよ
 うにすべきである。これは我が党の山口議員もさきに指摘をされておったところであります。
 したがいまして、以上のような答申の趣旨に対して、今後の地方公共団体の税財政基盤の整備について自治省の考えを承りたいと思うのであります。
#19
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のように、地方分権を推進していく上におきまして地方公共団体がみずからその責任を適切に果たしていきますためには、地方におきます行財政改革の一層の推進を図りますとともに、より自主的、主体的な行財政運営が可能となるような行財政の基盤となるべき財源の充実強化が必要であることは言をまたないところであります。
 また、今後、地方団体においてより一層高齢化が進み、またこれを初めとする社会福祉や生活関連社会資本の計画的な整備のための経費が必要となってくるわけでございます。そういう意味で、先ほど御指摘がございましたように、安定的かつ伸長性のある税財源が付与されることが答申にありますとおりに望ましいと考えておる次第であります。
 このため、今後、地方税におきましては、答申にもありますように、所得、消費、資産等の間でバランスのとれた安定的な税体系を求めますとともに、その充実強化を図っていくことが適切なことであり、重要な課題であると存じておるのであります。その意味におきまして、従来消費課税の割合の少なかった地方税の体系にこのたび地方消費税の導入が図られることを今お願いをしておるわけでございますが、その意味においてまことに意義深いものがあると考えておるのでございます。
 地方制度調査会の地方税源の充実強化に関する答申の指摘は、今後の地方分権の流れに沿うものでございまして、大きく評価できるものでございます。この答申の趣旨に沿えるよう分権の推進の状況をもにらみながら今後の税制改正の中で私ども一層適切に努力をしてまいりたいと考えておる次第であります。
 地方交付税について所要の額を確保しなければならない、また算定方法の合理性、財政機能の充実の問題等は、今、委員が御指摘をされたとおりでございまして、もう私どもが付言する必要はないのでございます。より地方交付税の確保に努めてまいりたいと存じておるところでございます。
 地方交付税の算定方法につきましても、各種行政サービスに係ります財政需要について毎年地方団体の要望などを踏まえまして簡素で合理的な算定に努めておるところでございますが、平成六年度におきましても高齢者対策に係る施策をよりわかりやすく明示し、かつ充実を図る観点から、社会福祉及び保健衛生費で算定をされておりました高齢者関係の需要を統合いたしまして、新たに高齢者保健福祉費を創設するなどいたしまして措置を講じたところでございます。今後とも実態に即した需要算入を行えるように努めてまいりたいと考えておるところでございます。
 お説の交付税特別会計への直接繰り入れにつきましては、先般も山口委員から御指摘をいただいたところでございますし、また地方制度調査会の答申におきましても御提言をいただいておるところでございます。自治省といたしましても、地方共有の固有財産であり、この地方交付税の性格を明確にするとともに、その見地からその実現を図ることが望ましいと考えておりまして、平成七年度の地方交付税の概算要求に当たりましても国庫当局に対しまして要請を強くしたところでございます。しかし、残念ながら、これまでは地方交付税を一般会計から除くと一般会計が国の財政全体を反映しなくなるというような論点から、あるいは収納実績に応じて交付することになるとこういう各交付時期に法定額を交付することが困難である等々の理由から、今日その実現を、合意を見ておらないところでございまして、今後とも先ほど申し上げました基本に従いまして問題点をそれぞれ調整しながらその実現に向けまして努力をいたしてまいりたいと考えております。
#20
○岩崎昭弥君 今度は大蔵省に税の公正化に向けた挑戦を続けてもらいたい、そういう立場で質問をしたいと思うんです。時間がないので全部まとめて申し上げますから、答えていただきたいと思います。
 例えて言えば、税制はレールで、その上を走る列車が税務行政機関、運転士や車掌が国税局と税務署の役人、こういうふうに考えられるわけであります。納税者はその場合乗客です。レールである税制がきちんと整備され、税務行政がしっかりしておりまして、納税者がまじめに適切な納税をする、この三点がそろって初めて税務行政は円滑に運営されると思うのであります。
 所得税は、負担能力に応じて公正に課税することで過度の所得格差を是正し、活力ある民主主義の社会構築によい作用をするがゆえに最良の税金だと言われる説もあるわけであります。しかし、我が国では理念と現実の間に余りにも大きなギャップが存在をいたします。だから国民の間に税制に対する批判と不平が多いのであります。これを総合累進課税方式への政策の変更を通じて改善し、今後とも所得税をできるだけ我が国税制の中核に据えてよりよいものとしていくためには、税制の刷新と納税環境の整備が必要であると思うのであります。
 それには次に指摘する方策が真剣に探究されなければならないと私は思うのでありますが、まずは四点にわたってお尋ねします。
 その一。課税所得の適正な捕捉のためには、所得の支払い側と受け取り側の情報を番号で管理するシステムである納税者番号制を、プライバシー侵害と行政の過剰介入に対する徹底した歯どめを前提に、導入することについて国民的合意を求めたらどうかと思うんです。これを利子、配当に限定せず、賃金の支払い、不動産売買などに広く活用し、税務行政全般に使用できるように番号制とし、支払い者、受取人双方の納税申告書や情報申告書に番号記入を義務づけましてマッチングする体制にすべきだと思うのでありますが、どうかということであります。
 二番目に、我が党の山口委員からも指摘がありましたが、大企業を初め個人事業者に対する税務調査の著しい低下は、これらの申告納税者の納税協力度に好ましからざる結果を招来しているのは事実であります。税の公正化を実現するためには、真に国民の信頼にこたえる公正にして尊敬される税務行政の執行体制の確立が急務であると思うのであります。そのため、早急になすべきことは税務行政機関の機能の飛躍的な向上と強化であります。すなわち、業務量の増大に対応し、発想の転換による職員の大幅増員と思い切った処遇改善、そして職場環境の整備をすることであります。税務行政は極めて専門的で難しく、かつつらい仕事でありますから、正義感が強く使命感旺盛な有能な人材確保が緊急課題であると思うのでありますが、大蔵省の認識をお聞きしたいのであります。
 三番目に、税務調査の効率化と威力発揮については、課税情報を集め、活用することが有効であります。取引に関する支払い調書の提出義務と告知義務を拡大強化し、法定資料を初めとする情報申告制度の整備拡充を図るべきであると思うんです。なぜこのことを提言するかといえば、例えばサラリーマンと自営業者との所得の捕捉率に差があり過ぎるんですね。これは九一年度の調査ですが、サラリーマンを一〇〇とすると、自営業者は六一、農業は三〇です。
 次に四番目は、個人所得税の不公正是正を徹底すれば六兆円近くの増収になるとの試算もあります。これは中央大学の富岡研究室の試算ですが、不公正の視点をどこに置くかで数値は変わると思いますし、特定数値を出すのは議論のあるところだろうと思うんです。しかし、利子課税、配当課税、有価証券キャピタル課税、土地キャピタル課税、また医師の優遇税制など、税の公正の立場からするとなお一層の改革が必要であると思うのであります。私が強調したいのは、一律七%の国民福祉税といった悪平等拡大の選択というようなことではなく、不公正な税の是正という選択を重視して、税の公正化に向けた挑戦を大蔵省が一生懸命やってもらいたいと思うからであります。一方で少子・高齢化社会の到来がありますので、安定的な財源ということでの消費税のアップについても否定の立場をとるものではないことを表明しまして、以上四点をお聞きしたいと思うんです。
 これは主として中央大学商学部教授の富岡幸雄氏の説を引用しての質問でありますが、お答えを願いたいと思います。
#21
○説明員(竹内洋君) お答えいたします。
 まず、先生から納税者番号制度につきまして御質問がございましたが、納税者番号制度につきましては税制調査会におきまして我が国の現状に即した検討を進めてきておりまして、先般の六月の答申におきましては、この制度につきまして適正、公正な課税の実現のための手段として有力な選択肢であり、単に利子・株式等譲渡益課税との関係だけではなく、先生からもお話がございましたように、税務行政の効率化、機械化等も含めた幅広い観点から積極的に検討を進めていく必要があるとの指摘をいただいたところでございます。
 現在、大蔵省といたしましては、納税者番号制度によりどの範囲まで情報を把握すべきかという点を中心に具体的な検討を行っているところでございます。こうした検討の際、その番号利用に係る官民コストの問題、それから経済取引の影響、あるいは先生も言及されましたがプライバシーの問題などについてもあわせて検討する必要があると考えておりまして、今後、御指摘がございました番号をつける情報の範囲をどうするかという点と、その範囲の累計ごとのコストの問題等をあわせまして総合的に議論していく必要があると考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、納税者番号制度の導入に関しましては相当幅広い見地から慎重に検討しなければならないという課題が数多くございますので、今後とも精力的に検討を行っていく所存でございます。
 それから二つ目は、税務行政につきまして大幅増員、職場環境の整備という大変温かい励ましのお言葉をいただきました。これにつきましては、大蔵省に主計局もございますので、私ども主税局なり国税庁の立場としてぜひ先生のメッセージを主計局に伝えたいということで答えさせていただきたいと思っております。
 それから三つ目にございました情報申告制度の整備拡充、まさにこれも大変重要な課題と思っておりまして、機械化等情報化あるいは先ほど申し上げました納税者番号制度の整備等、そういう中で幅広く検討していきたいと考えているところでございます。
 それから、最後に御指摘ございました富岡先生のいわゆる不公平税制を是正すれば所得税で六兆円近く増収になるというお話でございますが、富岡先生の御指摘いただいた点につきましては制度に対する誤解あるいは積算根拠の問題等いろいろございまして、時間があれば一々個別に反論させていただきたいところでございますが、時間の関係もございますのでそれは省略させていただきます。
 私どもといたしましては、税負担の公平確保という点については従来から不断の努力を続けてきているところでございまして、この点は絶えず追求されるべき事柄と考えておるところでございます。このことによりまして今ございましたようないわゆる多大な増収規模になるとは到底考えられていないところでございますが、ことしの税調答申でも述べられておりますように、このような課税の適正化の努力は、財源確保というよりはむしろ税のあり方、税の公平の問題として真剣に取り組んでいかなくてはいけない課題と思っているところでございます。
#22
○岩崎昭弥君 大筋了解しましたので、終わります。ありがとうございました。
#23
○釘宮磐君 今回の税制改革議論も衆議院から参議院に回ってまいりまして、きょうはもう公聴会を含めて三日目を迎えるわけであります。そこで、我々の今回の税制改革に対する立場を明確にする意味で、幾つかの点について御質問をさせていただきたいと思います。
 最近行われました世論調査によりますと、今回の税制改革に関しては、消費税率を五%に引き上げることへの支持が二八%、支持しないは六五%、このようになっております。こうした結果を生んだ背景には、今回の政府案がさきの国会で全会一致で成立した平成六年度分特別減税法附則の抜本税制改革を行うという趣旨に沿わないばかりでなく、税制改正の前提であると主張してきた高齢化社会の福祉ビジョンの提示もされていない、さらにはまた行財政改革についても全く具体案が示されていないということであります。
 こうした指摘に対しまして、まず自治大臣のお考え、所見をお伺いしたいと思います。
#24
○国務大臣(野中広務君) 委員からただいま今回の税制改正に伴います国民の支持等を考えるときに抜本的な改革あるいは福祉ビジョンが示されておらない、こういう御指摘があったわけでございますけれども、村山内閣が発足いたしましたのは御承知のように六月三十日でございます。税制改革というのはさきに細川、羽田内閣において五兆五千億先行実施をされたものでございますので、この先行実施を伴ったこれからの財政措置を考えますときに、どうしても早期に提案をしなければならない責任を現内閣は継承したわけでございます。したがいまして、ある意味において減税先行だけをやることはいとやすいことかもしれませんけれども、内閣の責任としてこれを一体処理しなければならないという責任性を持ち、短日時にこれを国会に提案をしなければならないという状況があったのでございます。
 私は、そういうことを考えますときに、委員が今御指摘になりました二十一世紀の福祉ビジョンというのは、いわゆる長期的な視点に立ちまして福祉施策全体の基本方針を明らかにするために、当時、厚生大臣の私的諮問機関として高齢社会福祉ビジョン懇談会において細川内閣のときの三月二十八日に報告がされたものでございまして、私どもはその答申をまだ十分こなす間もなく今回の税制改革に入ったわけでございます。
 そういう点では、この答申どおり考えて、いわば細川さんが言われましたように名前を国民福祉税に変えて七%というのは安易な方法だったかもわかりませんけれども、私どもはそういう安易な方法をとるのじゃなく、福祉に対する考え方は十分認識をしながらも、今回の税制改革において実施を平成九年四月一日にすることによりまして、残された二年半で徹底した行財政改革を積極的に行うことにいたしました。その前提に立って見直し条項を平成八年九月までとして設けまして、その中で新ゴールドプラン等いわゆるそれぞれの福祉のあるべき方向をも出しながら検討を加えて、各省庁とも協議して適切な財政支援措置を行ってまいりたいという方法で今回の案を出させていただいた次第でございます。
 減税先行だけで、減税だけを出した場合には増減税一体じゃないじゃないか、一体に出していないじゃないかという批判をこの論議を通じていただくであろうと思いますし、また一体で出せば今のような御議論をいただくわけでございますけれども、私どもは可能な限りこの短い期間においてあるべき税制の方向を見定めつつ、かつ行財政の改革を大きな前提として考えてベストな案として出させていただき、そして国民に五%の負担をいただき、なおその引き上げの二%のうちの一%を地方消費税として創設をさせていただくという道を求めることになりましたことはまことに地方分権の言われておるときに時宜に適した税制改革であったと認識をしておる次第でございます。
#25
○釘宮磐君 命の大臣の御答弁を聞いていまして、時間がなかったというようなことでありますけれども、私はかつて自民党というのは決めるべきときにはぴしっと決めてきた、それで三十八年間国民から信頼されてきたと思うのであります。しかしながら、昨今の自民党のいろんな法案に対する対応を見ていますと、どうも責任が先送りされているのではないかというようなことを私は指摘させていただきたい、このように思っております。
 消費税が国民に定着してきた、このことは社会党さんもおっしゃっていますけれども、私もそうだと思います。なぜならば、私どもが耳にする最近の地元での声を聞きますと、高齢化社会が来る、だから将来若い人に負担を持たせないために、できるだけ軽減するために税制改革をやって直間比率をできるだけ縮めるんだということで、そのことについては私はもうかなりの国民に理解をしていただいておると思うんです。
 しかしながら、そういう中にあって、一方では消費税の税率アップということは認めるけれども、じゃ我々の親がまた自分が寝たきりになったときに特養にはすぐ入れるのか。今は正直申し上げて東京都あたりは二年、三年という待機をしなきゃならない、こういう状況があります。また、そういう状況の中でやっぱり介護問題については非常に皆さん不安を持っておられます。ヘルパーは本当に我々が要求したらいつでも来てくれるのか、こういうふうなことであります。特に我々の年代、これは団塊の世代、終戦直後の生まれでありますが、我々が一番そのターゲットになっているわけですけれども、この世代では、じゃ一体年金は将来本当に幾らぐらいもらえるのか、この辺も率直な不安として漏らしておられます。
 ですから、こういう意味からしましてもやっぱり私は福祉ビジョンというものはできるだけ早く出していく、そのことが一方では税に対する理解にもつながっていくと私は思うのでありますけれども、その辺について大臣のお考えを聞かせてください。
#26
○国務大臣(野中広務君) お説のように、私もできるだけ早く福祉のあるべき方向というのを見出し、これにたえ得る行財政のあり方、あるいは時に国民に痛みを分かち合っていただくということも率直に国民の理解と協力を求めなくてはならないと考えておる次第でございます。
 ただ、委員が自民党の時代は決断し実行したとおっしゃいますけれども、これは細川、羽田内閣のときから先送りされて減税だけが先行してきた問題でございまして、私どもはそういう意味において七%などという腰だめとも言われるべき税の負担を国民に安易に求めるのでなく、二年半かけて徹底して行財政改革を行い、その中におきましても前倒しをして規制緩和やあるいは特殊法人等の統廃合を行っていこうという、そういうみずからやはり身を切って財源を生み出していくという努力を傾けようとするものでございまして、これこそまさに、連立でありますけれども、連立の成果を生み出したものであると私は認識をしておるわけでございます。
 これからできるだけ可能な改革を行いまして、そして国民により負担を大きくかけないような状況の中に将来展望が描けるように一層の努力をしてまいらなければならないと存じておる次第でございます。
#27
○釘宮磐君 私は今、国民がいわゆる負担と給付という問題について徐々に理解を示してきているということを申し上げたわけであります。
 最近、総理府による社会資本の整備に関する世論調査というものが出されました。これによりますと、高齢化社会に対応した医療・福祉施設は不十分と答えた人が五六%、そしてその整備については負担増もやむを得ないとした人が四〇%に達しているということが報告をされております。
 大臣、この結果は何を意味するのでしょうか。要するに、国民は今、税率アップもさることながら、そういった問題についてより早く対応してほしいというせっぱ詰まった状況に置かれているというふうに私は理解をするわけであります。
 そういう意味で、このゴールドプランからさらには新ゴールドプランというものを手がけてまいったわけでありますけれども、この新ゴールドプランについては地方自治体、市町村、いわゆる福祉の最前線のところでいろんなそういう実態を見てきた自治体が計画を出して、そしてそれを積み上げてきたものを今出されておるわけですね。ですから、そういう意味からすれば国民のそうした悲鳴にも似たそういう状況というものを、二年も先にならないと出せないということではなくて、やはり早くこれにどういうふうに対応していくのか。
 実は、衆議院の予算委員会でも随分、この新ゴールドプランについては来年度からスタートをすべきだというようなことを総理にも言ったそうでありますけれども、どうも総理は、最後は財源論にはね返ってくるんでしょうか、このことについて、新ゴールドプランはまだ決まってはいないと思うんですねと、そういうふうなことを言っておられるようであります。私は、そういうのは逃げないで、こういう状況を地方は見守っている、それにちゃんとこたえていく、そういう姿勢が必要だと思うのでありますけれども、いわゆる地方自治を束ねておられる自治大臣のお考えをちょっとお聞かせいただきたい。
#28
○国務大臣(野中広務君) 委員がおっしゃいますように、住民の一番身近なところで身近な地方公共団体がきめ細かい福祉をやっていかなくてはならないし、そして今、国民からはこれからの民族が経験したことのない深刻な高齢化社会にどう対応して自分たちはそのときどうなるんだという、そういう不安が増幅をしておることは私もよく認識をしておるところでございます。
 ただ、そのことと平成九年四月一日から導入をするこの税制改革に先立ってその前年の九月三十日を期限といたしまして見直し条項を求めておりますことは、これはこれまでに可能な限り、先ほど申し上げましたように、行財政改革等を抜本的にやって、そしてできるだけそこから果実を生み出して国民に新たな負担を求めることのないような、そして国民に将来のビジョンをわかっていただくような、そういう努力をしたいということでございます。
 細川内閣のときに十年とされました規制緩和等も五年前倒しをして、そして五年間でやるということにした理由もそこにあるわけでございまして、それだけにこの前倒しをさらに一年やれと言われることにつきましては、私は、これから私どもが積極的に努力をする、そういう期間というのは一定期間必要であると。さっきより申し上げましたように、細川内閣ですら規制緩和を十年とされたのを五年間短縮したわけでございますから、この時期は非常にぎりぎりの時期であるというように考え、また早急に消費税率アップを求めるのじゃなく、みずから血を出し汗をかいて努力をした結果、国民の理解も得ながらこの平成九年四月一日実施というスケジュールを組んだというのは、まさしく国民に視点を当てた私は政治の姿勢であると認識をしておる次第であります。
#29
○釘宮磐君 大臣の今おっしゃられるように、私はいろんな血を出すような改革というようなものはこれから、政権交代が可能になったわけですから、お互いが大いに努力をして十年かかるものを五年にする、五年かかるものを三年でやるんだというふうにお互いが切磋琢磨していくということは私はすばらしいことだと思いますし、それは国民が望んでいることだ、このように思いますので、ぜひそういった問題については努力を引き続きやっていただきたい、このように思うわけであります。
 私は、今回の地方行政委員会の質疑で野中大臣の答弁を聞きながら、大臣が福祉の現場に大変お詳しいということで、実は私自身も大変心強く感じておるところであります。実は私も十五年間福祉の現場におりまして、施設で指導員をやり、そして施設長をやり、そういう中から現場の声を少しでも反映したいということで政治の世界に足を踏み入れた人間であります。
 それだけに、大臣から御指摘がありました特別養護老人ホームの、一度も面会に来なかった子供が遺留金品だけはくれ、お骨はおたくの方で処分してください、こういうふうな話が、実は私も実際に立ち会ったことで、何のために自分はこの人たちのために頑張ってきたのかという思いをしたこともあります。そしてまた、もうこれは随分古い話ですけれども、老人ホームの夕食時間が、これは公立の老人ホームでありましたけれども、四時ごろさせる。それは職員を五時に帰すためにやるんだ、こういうことがやっぱり起こっていた。私は、これから高齢化社会がますます進んでいく中で我々がやらなきゃならないことは、政策を競うということとは全く別の問題として、基本的な問題として私は同感でありまして、大臣とそういう意味では私は何ら変わるところはありません。
 そこで、大臣にこれはお願いでありますけれども、御案内のようにゴールドプランから新ゴールドプランに積み上げたために施設整備が間に合わずに、現在、国庫補助金が平成六年度二割、そして七年度八割というような状況が起こってきておるわけです。この問題は衆議院でも取り上げられて、これをやったのは実は旧与党だとかいうような話も大臣の答弁の中にありましたけれども、私はどっちがどっちとかいう話じゃなくて、それを言えばその前に概算をつくったのは旧政権ではないかということにもなってしまうわけで、そんなことを国会で議論をしていたら国民は本当に救われないと思うんです。
 私がぜひ大臣にお願いしたいのは、この八割がまた来年先送って次にまたやられるということになると、待機をして四月から入れると思った人が入れない、また職員も採用しているけれども四月からは採用できないというようなことにもなるわけでありますので、これはもうお互いの政争とかいうようなことにしないで、ぜひ大臣からこのことについては来年度予算の中で考えていただきたい。そのことについてお考えをお聞かせいただきたい。
#30
○国務大臣(野中広務君) 同じ福祉施設に釘宮委員もかかわっていただいておるというお話を承りまして、私どももよき理解者を得たとして喜んでおる次第であります。
 決して私は、平成六年度の特別養護老人ホームの新規採択がわずかに本年分は二割より補助金が行っていない、八割は平成七年度に回されておるというのは、政争の具にしようとしたわけではないのでございまして、福祉を重視したという言い方をされながら、今回の税制改革が福祉について十二分なプランを立てないままにいっているような御論議がややございましたので、実態を知っていただくために、現場にある一人として、この特別養護老人ホームの本年新規採択はわずかに、今、委員がおっしゃったように、二割より補助金が交付されておらない、八割は翌年交付であると。
 法人を抱えておる私どもにいたしますと、これは人も採用できない、あるいは建物の建築にもかかれない、そして来年から一体どうせよというんだということになるわけでございまして、私はそういう施設にかかわる者として、非常に言葉が過ぎたかもわかりませんけれども、そういうせっぱ詰まった気持ちで申し上げたわけでございまして、それだけにこれをまず来年支障のないようにしていくというのが私ども、また直接内閣の一員におる者の責任であると認識をしておる次第であります。
#31
○釘宮磐君 よろしくお願いしたいと思います。
 それでは視点を変えまして、今回の税制改革の前提として語られてきた行財政改革についてお伺いをしたいと思うんです。
 先ほどの世論調査の中で国民がもう一方で不満に思っていることは、行財政改革の明確な姿が見えてきていないということでございます。言うまでもなく、国民に広く負担を求める際には政府みずからがどれだけ汗をかくのか、血を流すのか、これは明確にすることが当然であります。総理、大蔵大臣もこのことについてはこの法案審議中ずっと言ってきたことでございます。
 そこで、実はきょうの朝の毎日新聞に「特殊法人見直しに非協力 所管官庁の大半 「統廃合案」は皆無」、その中に「統廃合など具体的な言及は皆無で、逆に現状維持のメリットだけを強調する内容となっている。」と、こういうふうな記事があるわけであります。
 私は、本来、行財政改革をやろうとすれば政治がある意味では強力なリーダーシップをとらなきゃできないというふうに思うわけでありますけれども、今回、閣僚懇談会で十一月二十五日までに所管法人の見直し状況について総務庁に報告をさせるというようなことを言っておりますし、その最終案を来年三月に閣議決定をするそうでありますけれども、こういうことで果たして本当にできるんだろうかという疑問が実は私のみならず国民の間にも出てくるのではなかろうかというふうに思うわけでありますけれども、これについて、大臣、いかがでしょうか。
#32
○国務大臣(野中広務君) 御指摘のとおり、けさの毎日新聞を見まして私もいくさか驚いた次第でございますけれども、内閣の取り組みはそんな生易しいものではないのでございまして、総理の所信表明にも「特殊法人等」と入れまして、特殊法人のみならず認可法人等、あるいは公益法人にまで足を踏み入れまして、むだのないように、そしてより効率的にこの見直しか、あるいは統廃合ができるように考えようということでやっておるわけでございます。
 私ども伺うのには、それぞれ省庁の動きは私どもが期待するほどのことではないかもわかりませんけれども、総務庁長官が二十五日にまとめられ、一応また次の機会に報告があろうと思うわけでございますけれども、我々は三月のこの決定までにやはり政治決断として、総理がこの間も、それぞれ閣僚から話がありました、しかしそれを遮りまして、この問題は我が内閣の最重要課題だ、もう一度強い決意で臨んでくれと強い決意で言われた言葉はまことに重い意味を持っておると私は思っておるのでございます。
 自治省も、きょうここに幹部が並んでおりますけれども、地方分権を推進しようとする省庁でございます。地方分権を推進するということは、より各省庁のしがらみをどう外していくかというのは大変な苦労の要るところでございます。したがいまして、自治省においてもみずから進んでその範を垂れなければ地方分権を推進することは不可能だと私は考えておりますので、所管大臣としてもその決意で臨んでまいりたいと存じております。
#33
○釘宮磐君 私は、政治改革というのはただ単に選挙制度とかそういうものじゃなくて、やっぱり政治の復権だと思うんですね。ですから、そういう意味で我々はこの問題については断固たる態度で臨まなきゃならないし、今、大臣からそういう決意を聞かされましたので私も非常に心強く思うわけであります。
 そこで、今回の行財政改革というのは、どちらかというと中央の特殊法人とかそちらの方に目が行っているわけでありますけれども、現実の問題としてやはり地方公共団体における行財政改革、この辺が私は余り今回は議論がされなかったのではないかと思うんです。私は、県会議員時代にこの問題について特に取り組んできました。とりわけ、県庁の幹部職員の黒塗り乗用車の廃止であるとか、それから土木事務所に配置されておる道路補修班ですか、こういうふうなものを外部委託にすべきだと。自治体病院は医療部門で赤を出しているんじゃなくてほとんど現業部門が赤を出している、そういう状況の中でやっぱり現業部門を外部委託にすべきだと。また、学校給食についても調理員は外部委託にしてもいいんじゃないかという議論もあるわけですね。
 こういうふうな問題について、私はやっぱりある意味でこれから地方に対してのそういった考え方を浸透させていかなければならないと思うわけですけれども、大臣はこの地方行革についてはどのようにお考えになっているか。
#34
○国務大臣(野中広務君) 御指摘のように、行政改革というのは、ひとり国のみならず地方も共通にこれをみずからの責任としてやらなくてはならない問題でございます。先ほど申し上げましたように、先般、地方公共団体における行政改革推進のための指針というものを自治省事務次官通達をもって全地方公共団体にお示しをしたところでございまして、それぞれ地方公共団体においては推進本部を設置され、そして逐次私どもも推進状況を見ながら地方の行政改革が鋭意進んでいくようにしていきたいと思っておるわけでございます。
 委員が今御指摘になりましたように、地方におきましてもさまざまな行政改革を行わなくてはならない多くの部門を持っておることを私も地方団体を経験した一人として認識をしておる次第でございまして、これから知事会を初めとする地方六団体の理解と協力と強い推進を得ながら、私どももまた目を離すことなく、この地方行革が鋭意進んでいき、それが分権の受け皿になるんだという、そういう責任感を持ってやっていきたいと思う次第でございます。
#35
○釘宮磐君 この地方行革という問題は、我々国会議員が云々するということではなくて、それぞれの行政、また議会でやられていくものであろうと思いますけれども、しかしそうはいってもこういった国民的な要望というもの、自治省としてもぜひ今後指導をしていっていただきたい、このように思うわけでございます。
 もう時間が参りましたので最後締めくくりたいと思うのでありますけれども、私は、現在我が国が抱えております国と地方の借金、いわゆる国債さらには地方債を合わせると三百兆を超えているわけですね。そして、これは国民一人当たりに直すと二百四十万円を超えるわけであります。一方ではこういう状況にありながら、高齢化社会はどんどん進んでいっている。この高齢化社会は、今の働き手がある意味では倍の老人を抱えなきゃならない、そういう状況にあることはもう国民が十分知っているところであります。しかしながら、こういった借金だとかの問題については、ともすると政治家が国民に知らさないできたという部分が私はあると思うんですね。
 最近、私は国政報告金をやっていまして、今、皆さんは二百四十万円の借金を、あなた方もあるんですよ、生まれてきた赤ちゃんは二百四十万円の借金をしょって生まれてきているんですよという話をすると、皆さん方は一様にびっくりなさいますね。やっぱりこの辺は私は少なくとも我々政治家がこういった問題に真っ正面からぶつかっていかなきゃいけない、このように思うわけであります。
 そういう状況に一方ではありながら、じゃ財政の現状はといえば、平成二年度をピークに税収が減少を続けてきておるのはもう御承知のとおりであります。そして、平成六年度の税収は総支出額の約七割しか確保できていない。一方、歳出需要はといえば、先ほどから議論になっています公共投資、これを四百三十兆から六百三十兆へ上積んだと。さらには農業対策、これはガット・ウルグアイ・ラウンドに対する農業対策として六兆百億。さらにはこれから新ゴールドプラン、エンゼルプラン、そしてまたさきの年金改革における国庫負担の二分の一への変更、これは今後の検討課題ではありますけれども。そして整備新幹線。また、人件費、年金、こういったものの自然増、こういうものをもろもろ考えたときに、一体この国は大丈夫なんだろうかというふうに思うわけであります。
 私は、そういう意味では、これから政治家がもっとそういうような問題に対して真っ正面からやっぱり国民に語りかけていかなきゃいけないと思うんですね。そのことが私は今回の税制改革議論の中でどうも欠けていたのではないのかな、このように思うわけであります。答弁は要りません。このことを私の所感として申し上げまして、私の質問を終わります。
#36
○続訓弘君 私は、参議院に議席を置きまして以来、ずっとこの地方行政委員会に籍を置かせていただいております。地方行政委員会は、党派を超えて地方行政に対して大変関心を持ち、そしてまた地方行政の推進に大変力をかしている、そういう委員会だと私は思います。先ほど服部、岩崎、釘宮、このお三方からそれぞれそういう気持ちで大臣に対して御質問されたと存じます。私は、同じ立場から今回の税制改革を総括させていただきたい、こう思います。
 まず、今回の税制改革に国民の皆様は次のような期待を寄せられているのではなかろうかと思います。
 その第一は、改革の目的、改革の基本理念、改革の具体策の三点が明示された抜本的な税制改革であること。
 その第二は、確実に到来する少子・高齢社会に十分対応する税制改革であること。
 その第三は、税制改革の前提として、政府所管の特殊法人を含む行財政改革の断行と租税特別措置や消費税の益税関係等のいわゆる不公平税制の是正の断行が行われること。
 その第四は、財政の健全性の確保の見地から、特例公債の発行を行わず、財政負担は後世代に残さないという財政運営の哲学が明示されていること。
 その第五は、衆参両院の全会一致の国会決議を踏まえた地方分権推進の見地からの地方独立税制と財源拡充策が保障されていること。
 これらの五点に集約されるのではなかろうかと存じます。
 地方行政委員会、大蔵委員会は連合して、税制改革法案の審議に資するため、十一月二十一日、中央公聴会を開き、学者あるいは地方公共団体の首長さん、税の専門家から成る六名の公述人からそれぞれ熱心に意見の開陳を伺い、活発な質疑を交わしました。その意見を私なりに集約すれば、今回の税制改革の方向を是とする人もただいま申し述べました国民が期待する五点についてはそれぞれ不十分であり、これから真剣に検討すべき課題だということでございました。
 先日もお話し申し上げましたけれども、ここで一、二の具体的指摘を御紹介いたしますと、消費税卒については初めに五%ありきという感がぬぐえない、所得税の累進税率の緩和も不十分だ、定率減税と恒久減税を組み合わせる二階建てではなくすべて恒久減税としてもよかったのではないか、いずれにせよ増税となれば行財政改革の実現が強く求められる、改革は大枠で妥当だ、ただ税制や財政・福祉政策の将来像については十分示されたとは言えず不満も残る、地方消費税の創設による財源の確保の意義は大きいがなお地方老人福祉計画の実施について財源面に非常に不安があるというのが公述人の公述の要旨であったと存じます。
 今申し述べた五点について、税制改革が十分でないということを指摘申し上げましたけれども、大臣、これには救いがございます。二年後の見直しかございます。今、大臣もるる申し述べられました。わずかの期間で一生懸命やった税制改革なんだと、理解してほしい、二年半の見直しの期間に行財政改革の断行等をやって国民の期待にこたえるんだということを力強くお述べになりました。重ねて大臣の所信を伺っておきたいと存じます。
#37
○国務大臣(野中広務君) 続委員から御指摘を賜りましたように、私もわずかでございますけれども参議院の地方行政委員会に出席をさせていただきまして、それぞれ委員の皆さん方が真剣に地方自治の進展のために熱いお心をいただきながら熱心に党派を超えて取り組んでいただいておることが肌に伝わり、心から感謝をしておる次第でございます。
 今御指摘になりました今回の税制改革のポイントにつきましては、それぞれまだ問題を抱えておるところも委員御指摘のとおりあるわけでございます。私どもはそういう中において、先ほど申し上げましたように、減税先行だけをやることはいとやすうございますけれども、そうじゃなしに、増減税一体として出すところに基本を置きながら、なおその実施時期を平成九年の四月一日に定めながら前年の九月三十日までに見直し条項を入れまして、その間になし得る可能な限りの行財政改革を初めとするみずからの財源を生み出すための努力を重ねて、そして実施へと移し、国民の背くん方の税制改革に対する理解を深めていきたい、あるいは福祉のあり方を国民にお示しをしていきたい、このように存じておるところでございまして、決意を新たにしながら、今回の税制改革を踏まえる一連の作業にお認めをいただきますならば、私どもも誠心誠意これに尽くしてまいりたいと考えておるところでございます。
#38
○続訓弘君 先ほど十大都市のそれぞれの責任者から委員長のもとで陳情を受けました。その際、有働理事からこんな質問がありました。今回の地方消費税に関連をして、自分が伺うところによると、新しく一%の創設はあったとしても、現行の地方譲与税あるいは住民税の減税等々があってむしろマイナスになるという試算がある市が横浜等にあると伺っているけれども本当か、こういう質問が先ほどございました。横浜市から具体的な答弁はございませんでしたけれども、代表して、実はそういう具体的なマイナスになる市もございますと、こんなお話がございました。
 私は、先日、遠藤財政局長にお伺いいたしました。遠藤財政局長は、今回の増税といいますか、新しく地方消費税を創設したその税収と今申し上げました振りかわりあるいは減税等々の要素を差し引くと、福祉に充てられる財源はおよそ二千三百五十億程度ではないだろうか、こういうお話がございました。一方、私どもの試算によれば、それは多過ぎることでありまして、百億程度の増収しか期待できないという試算もございます。これは試算でございますので、遠藤局長がせっかくお答えになりました二千三百五十億と仮にしましょう。
 いずれにしましても、地方公共団体は到来する少子・高齢社会の担い手であります。その公共団体は今度の税制改革に熱い期待をしているわけであります。有働委員が具体的に大都市ではむしろマイナスになるのかと。そういう都市も出てくるであろう、こういうお答えもございました。そのことを踏まえながら、これからの少子・高齢社会に対応する地方財政のあり方等について具体的なお話を願えればと存じます。
#39
○政府委員(滝実君) 最初に私から数字の御説明を少しさせていただきたいと存じます。
 指定都市の皆さん方が、今回の税制改革についてそれぞれ具体的にどうなるかというような御心配があるのは当然でございますけれども、その心配のよって来るところは二つぐらいあるんじゃないだろうかと思います。
 一つは、前々から申し上げておりますように、基本的に市町村の住民税の減税分を、今回この地方消費税の二分の一が市町村に回ることによって、大筋それでもって大方は補てんされるわけでございますけれども、トータルから申しましても当然ギャップがあります、補てんくれない部分がございます。それにつきましてはもう少し具体的な数字の検討を待って、これについては都道府県の県民税の所得割を回す、こういうことにさせていただいておりますけれども、その辺の数字の実態が明らかでない、そういう意味で心配だという点があろうかと思います。
 それから、もう一つのよって来るところは、実際問題として現行の消費譲与税を含めた財源の異動の問題があるわけでございますけれども、それと今回の地方消費税とを比較した場合に、一体全体個々具体的にはどうなるんだろうか、こういう問題があると思います。
 これにつきましては、その都市の状況によって多少のでこぼこが出てまいります。と申しますのは、私どもの基本的な試算から申しますと、農山村地域を多く抱えたような地域、これにつきましては従来からどちらかというと住民税のシェアがそれほど高くない、こういうところにおいてはプラスの要因が出てくる。ところが、ベッドタウンのようにかなり住民税に傾斜を持った、住民税の収入が多い団体、これはややマイナスの要素がある。こういう問題がございますので、その辺のところを兼ね合わせてどうするのか、こういうような御心配があると思うのでございますけれども、いずれにいたしましても指定都市が収入について心配をするようなことは今回のこの地方消費税の仕組みからいくとまず問題はないというふうに私どもは見ております。
 ただ、具体的にはもう少し計算をしてみませんと、皆さん方が納得するようなもう具体的に数字でお示ししませんとこれはなかなか理解が得られない問題でございますけれども、少なくとも普通の今おっしゃっているような、どちらかというと従来から収入が少し心配のあるようなところ、都市、これが心配することはまずない。一番心配いたしておりますのは、私どもはいわゆる交付税の不交付団体、どちらかというと従来から税収の極めて高いところといわれるところが若干気がかりかなというところがあるのでございますけれども、この辺のところは、例えば横浜市のように初めから達観をされておりまして、今回は出発点でもって少しマイナスになってもいずれそのうちまあまあ横浜市としてはそれほど心配することはない、こういうような達観をされるところもありますけれども、いずれにいたしましてもこの問題は今の段階では全くそれぞれが想定で議論している話でございますので、私どもはそういう意味でもう少しこの辺のところはきちんと数字を積み上げて皆さん方のまた御意見を承りたい、こう思っているところでございます。
#40
○続訓弘君 いずれにいたしましても、遠藤財政局長から御答弁をいただきましたように、この増減税は合わせて増収分は二千三百五十億、こういうことでありますので、地方財政からすれば地方団体自身が期待をしている、そういう状況からすれば今回の税制改革は少しも地方公共団体に潤わないなという感じを持たれるものと思います。
 きょうの大都市からのそれぞれの要望につきましても深刻な要望でございまして、大都市が抱えている大都市問題の解決には何としても地方自主財源の拡充が必要なんだ、国庫のひもつきではなくて自由に使えるお金がぜひとも必要だ、来年度の予算編成に当たっては地方交付税の満額といいますか、それを確保してほしい、そして税財源の充実も図ってほしい、こんな要請でございました。
 これを踏まえて、大臣の平成七年度の地方財政の財源に関する所信のほどをお聞かせいただきたいと存じます。
#41
○政府委員(遠藤安彦君) 来年度の地方財政計画の策定に関する御質問がと思いますので、私からお答えをさせていただきたいと思います。
 まだ実は一番重要であるところの国税、地方税の収入状況が、今年度の状況及びそれをベースにして来年度とうなるかというところが確定をしていないわけでありまして、そういったものが具体的に確定してまいりませんとなかなか来年度の計画がどのようになるかということが具体化してまいらないわけでございます。
 現在の段階を申し上げますと、時の推移を待ってそういった数値を極力把握しておる段階であります。
 総じて申し上げますと、国税につきましては過去三年間、前年度の決算を下回るというような厳しい決算状況が続いております。それから地方税につきましても、平成三年度をピークとして平成四年度、平成五年度は前年度の決算を下回ったという戦後初めてのようなケースになっておる。ことしは減税もありましたし、いまだ道府県税の収入状況を見てまいりますと法人関係税は前年をかなり下回っているというような状況で、非常に心配な状況であります。
 したがって、平成六年度、今年度の地方財政計画では、減税補てん債で充当しましたもの以外の財源対策といいますか、経常財源の対策として三兆円程度の対策をしたわけでありますので、景気は回復しているとは申しますものの、来年度の税収入がかなり順調な状況にならない限り、かなり厳しいものになるのではないかという予測が立てられるわけでありますが、いずれにいたしましても国税、地方税、その辺の数字が固まってまいります来月の中旬以降に本格的に大蔵省とも地方財政対策、地方財政計画の協議をいたしまして、地方交付税の所要額については地方団体の財政も影響、支障がないようにきちっと確保してまいりたいというような方針で今数字を集めているところであります。そのように御理解をいただきたいと存じます。
#42
○続訓弘君 二十三日の読売新聞の社説に「「分権」に向け大きく踏み出せ」ということが論じられておりました。それは二十二日に第二十四次地方制度調査会から村山総理に答申が出されたことを踏まえての社説であります。
 その社説の中をちょっと読ませていただきますと、
  政府の行政改革推進本部の地方分権部会専門
 委員もさる十八日、地方制度調査会の答申とほ
 ぼ同じ内容の意見書を首相に提出しているが、
 早くも各閣僚からは、省庁権益を代弁する反対
 意見が続出している。
  これでは、大綱の段階から骨抜きされた「分
 権もどき」になりかねない。と各省庁の抵抗を
 危惧しておりました。
 そして続けて、
 地方分権の推進は、単に行政改革の要の一つと
 いうだけでなく、答申にある通り、地域行政の
 「即応性、柔軟性、総合性」を増すことにより、
 「国民ひとりひとりが生活の豊かさを実感する
 うえで、多様で活力あふれ、住みやすい地域
 社会」を作るために必要な課題だ。
  村山首相は、臨時国会での所信表明で、「住
 民が身近な地域の問題を自ら考え、地域の政治
 や行政に参加して課題解決にかかわっていくこ
 と」の重要性をいろいろ強調したうえで、「地
 方が、その実情に応じて、責任をもって個性あ
 る行政を行う地方分権の推進は、今や時代の大
 きな流れ」と述べている。
  その認識に確信があるなら、今こそ、個別的
 省庁権益を超越した立場から、首相としての
 リーダーシップを見せるべきだ。こういう社説でありました。
 内閣の一員として、野中大臣の所見を伺いたいと存じます。
#43
○国務大臣(野中広務君) 地方分権につきまして、先般行われました、十一月十八日の地方分権部会におきます専門員のそれぞれの先生方の意見が開陳をされましたときに、二人ほどでございますけれども、閣僚からやや積極的にかく発言があったことは事実でございます。
 最後を締めくくられました村山総理が、役所が書いたメモを読みながら、これは役所が書いた文書でありますと、しかし今聞いておると若干それぞれ省庁の意見を代弁したかのような閣僚の発言があったけれども、この内閣における地方分権は内閣の最大使命であり課題である、したがってそれぞれ役所において困難な垣根はあろうけれども、閣僚は閣僚としての責任においてこの地方分権が内閣の最大使命であり課題であるということを認識してその任に当たっていただき、それぞれ省庁のトップとしての決断ができるようにしてもらいたいという自分の言葉での発言がございました。
 私どももまた、総理のこの発言を重く受けとめて、今回の地方分権に対する取り扱いにより積極的にならなくてはならないと考えた次第でございます。
#44
○続訓弘君 先ほど釘宮委員からも御指摘がございましたきょうの毎日新聞の大きな見出してあります。それに対して、野中大臣から、そんなことはない、税制改革の前提は何としても行財政改革の断行にある、それなくして国民の理解は得られない、内閣としては必ず国民の期待にこたえる、こんな力強い御答弁がございました。
 私はそれを期待して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#45
○有働正治君 私は、本委員会で二回目の本日は質問であります。私は、消費税率は引き上げは必要ないんだと、政府は手をつけるべき財源の手当てを尽くすべきであるという立場から、主として本日は地方自治体の大きな仕事でもあります公共事業の談合による価格つり上げの問題、一般競争入札による価格引き下げへの影響の問題、それから価格つり上げの要因となっています政治献金の問題、あるいは大手企業の所得隠しの問題等々について財源確保の立場から質問いたします。
 第一は、公共事業の談合による価格の不当つり上げの問題であります。
 自治大臣、まず確認を求めます。
 談合は違法でありまして、あってはならないということは明白だと思いますが、いかがでありますか。
#46
○国務大臣(野中広務君) そのとおりだと思っております。
#47
○有働正治君 ところが、相変わらずこの談合が横行しているわけであります。しかも、これに政治が絡むと余計に悪らつになるというのが、私が以下挙げる現実の事例として見られるわけであります。
 一つは、千葉県浦安市の談合疑惑の問題であります。
 浦安市議会に公共工事入札制度と官業の癒着構造の是正を求める請願が出されまして、去る十一月十五日、市議会の総務常任委員会で審査が行われ、談合告発の当事者であります泰洋建設代表の山本陣氏が参考人で出席され、その実態を明らかにされました。私も当人に直接確認を求めているわけでありますが、山本氏がそこでも述べた点は、私がかかわった市の工事はすべて談合だったと。つまり、日常的に談合が行われていることを指摘しています。市が予定価格を教えて、業者間では次はだれかを決めるのが談合だと。談合は一堂に余することはしない、電話で行う。落札する業者が内訳書と談合札、入札金額を指示した文書でありますが、この内訳書と談合札を指名された業者に置いていく、これが談合だと議会でも証言いたしました。その談合札には、第一回目の入札には幾ら書け、第二回目には幾ら、第三回目には幾らと書くように金額が指示されて、これで談合が成立すると。その浦安における実情を述べて、同時に請願に訴えられました理由というのは、この人が市長の選挙運動に協力しなかったと誤解され、今後の見せしめのために指名停止にされたということで述べられたわけであります。
 そのきっかけとなった背景は、平成五年二月から三月にかけて市が行いました市のコミュニティー道路工事の入札の際、当人は仕事がなかったので真っ先に入札を要望したら、浦安建設業協会会長志田大英建設社長が、この物件は浦安市長選挙のための物件だからあなたの会社には渡せないということを明言されたと。つまり、市長選挙のための物件だからあなたに渡すわけにはいかぬのだということをはっきりその当人に明言したと。そして、普通は行われない年度末をまたいだこの入札について、市長の選挙資金のためであったということ、そして結果的にはこの協会会長でもあります大英建設が正規の工事金額より三〇%ぐらい高いと思われる金額で落札したということを挙げ、告発しておられるわけであります。
 この談合の問題というのはあちこちで、私のところにもいろいろ指摘がされてまいっています。
 これはマスコミでも報道された点でありますが、川崎市の場合、公共事業の関連で公正取引委員会が談合という問題で一度摘発された経緯があります。その結果、一般競争入札になりましたら三割価格が下がったということが指摘されているわけであります。つまり、公共工事を食い物にする談合の中で三割も割高な発注がまかり通っていた事例があるという問題であります。
 そこで、まず公正取引委員会にお尋ねします。
 浦安の事例は極めてリアリティーな話であります。私も本人に直接確かめ、本人はもっと具体的な実情を、材料、データも示したいと、仕事に差しくわりがあるけれどもあえて名前を挙げてそういう対応をしているんだということで、もちろん我が党とは全然無関係の方だったわけですけれども、今回の質問に当たって確認したところであります。したがいまして、公正取引委員会として実情を調査し、厳正な対応を求めたいと思います。
#48
○説明員(楢崎憲安君) 御説明いたします。
 私ども公正取引委員会におきましては、官公庁、いわゆる入札談合の問題につきましては従来から厳正に対処し、違反行為があれば排除しているところでございます。また、今後とも入札談合が行われたとする具体的な情報に接した場合には、独占禁止法に基づきまして厳正に対処し、今後とも入札談合行為に対する情報の収集に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
#49
○有働正治君 私は明確に情報を提供したわけですから厳正に対応願います。
 この方は各方面にこういう問題を直接文書をもって訴えておられます。千葉の警察当局にも直接訴えをやっているというふうに聞いております。
 そこで、自治大臣、そしてまた国家公安委員長としての自治大臣にもお尋ねします。
 この浦安の場合、今述べましたように、市長選挙のための資金づくりのための談合入札だというふうに明言された、そして通常よりも三割ぐらい高い落札が考えられるということを指摘しているわけであります。こういうことはあってはならないと思うわけでありますが、しかるべく警察にも訴えておられるということでありますので、必要があれば厳正な対応を求めたいというふうに思います。
#50
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 御指摘の件につきましては、千葉県警察においても新聞報道等により承知しているものと考えておりますが、個別の事案についての捜査状況については、捜査しているか否かを含めまして、答弁を差し控えくせていただきます。
#51
○国務大臣(野中広務君) 警察といたしましては、刑罰法令に触れる談合につきましてはこれまでも積極的に捜査を行ってきたと私ども承知をいたしております。今後とも厳正に対処するものと承知をいたしております。
#52
○有働正治君 厳正な対応を強く要求しておきます。
 次に、いま一つの具体的な談合事例を取り上げてみたいと思います。
 委員長、資料配付、その一をお願いいたします。
   〔資料配付〕
 
#53
○有働正治君 これは岩手県大船渡市で市の環境衛生組合、管理責任者は大船渡市長さんでございますが、その環境衛生組合が発注いたしました一般廃棄物最終処分場の発注をめぐって、この秋実際にあった談合問題であります。
 ことしの九月十三日に入札が行われる予定になっていたところ、九月九日、我が日本共産党気仙沼地区委員会に対しまして、匿名の業者の方から、日産建設と池田建設のジョイントベンチャーが落札することに談合で決まっていると電話で通報がありました。そこで、早速、十三日の入札は延期し、事実調査を行うよう環境衛生組合及び市に我が党当該市会議員団が申し入れたところであります。それに対しまして、十三日の入札は延期され、九月十六日、入札に参加した二十四業者の責任者を呼び事情聴取をしたが、全員が否定したので誓約書をとって、我が党の反対にもかかわらず、九月二十七日、入札を強行した。この間、九月二十六日、落札価格は五億二千万円であること、九月二十日、談合の日時、場所、会議の議長、副議長、出席企業名と氏名、落札業者の氏名を示すメモも届けられました。お配りした資料がその一端であります。
 このメモを見ていただきたいと思いますが、実はこのメモは最初手書きでありました。しかし、手書きではだれが書いたかわかってしまうということで取り戻しに来られ、このワープロで書いたメモを置いていかれたというのが経過であります。
 それによりますと、談合は気仙建設業協会で九月二日から「研究会」と称して行われています。議長は杉山組社長。最初、この仕事を受注したい社は申し出てほしいというあいさつがあって数社が名のり上げました。次に、議長から今回は池田建設でいきたい旨の発言がありました。また池田かという声が上がり、会場は騒然となったそうであります。そして、もっと公平にやってほしいという反対論が続出して収拾がつかず、この日は散会。明くる九月三日、この日も午前十時から午後五時まで昼食を挾んで七時間もやったが、平行線のまま散会。九月四日、さすがに断念する人があらわれて出席者も初日の二十一名から十一名に半減、ほかの建設工事等で他社にも十分配慮するとの発言もあってようやく決着した。そして九月十三日、池田建設は五億二千万円、その他の業者は五億三千万円以上の価格をつけるよう指示された。これが一部始終であります。
 そして、九月二十七日に入札が行われ、五億二千八百万円で落札が決まりました。十月三日にこの談合の事実を隠すため八百万円を上積みしたと、そういうその後の経過があるという連絡が来たわけであります。これが資料二であります。
 以上、事実を簡潔に述べましたが、金額は五億二千八百万円、決して公共事業としては大きい事業ではないかもしれませんが、これほど談合の事実が具体的で端的に示されたケースも珍しいわけであります。
 警察庁に尋ねます。
 警察はこのような事件があったことは承知されているのかどうか。地元の人の話では、被疑者の一人が朝鮮人であることを理由に捜査を取りやめてしまったという話が出ているけれども、よもやそういうことはないと思うけれども、これを含めて端的に見解を示していただきたい。
#54
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 御指摘の事案につきまして種々情報があり、入札の延期、調査等が行われたことは報道等から承知をしているところでございます。
#55
○有働正治君 きちっと警察としても対応していただきたいということを強く要求しておきます。
 公正取引委員会に聞きます。
 私どもの地元の市会議員さんたちが、この後十月十九日に仙台の公取東北事務所に対し告発の申請を行っています。この点、間違いないか、受理しているかどうかだけお答えください。
#56
○説明員(楢崎憲安君) 申告者一般の秘密等もございまして、私どもの方からどういう申告があったかどうかについて明らかにすることは適当ではございませんですけれども、本件について申告があったということにつきましては既に新聞等で報道されているところでございます。
#57
○有働正治君 間接的な意味ながらも受理しているということだろうと思います。
 引き続き公正取引委員会に聞きます。
 最近、宇都宮の建設業協会に対しまして排除勧告を行ったと聞いています。事件の概要を、端的で結構です、どの程度の立証があったら排除勧告を行うのかを含めてお答えいただきたいと思います。
#58
○説明員(楢崎憲安君) 御説明いたします。
 今月十日、社団法人宇都宮建設業協会が、宇都宮市発注の土木一式工事及び建設一式工事につきまして、会員に受注予定者を定めさせ、受注予定者が受注できるようにくせていた事実が認められましたのでいわゆる排除勧告を行ったところでございますし、また同協会から勧告を応諾する旨の通知がございました。
 どの程度の証拠があればということでございますけれども、私ども違反事件審査におきまして証拠を適切に評価した上で事実認定を行っているところでございますけれども、具体的な立証の程度、内容等につきましては、この種の事件の今後の審査に影響いたしますので、お答えは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
#59
○有働正治君 引き続き公取にお聞きします。
 大船渡の場合、私が挙げました具体的な証拠も出されているわけで、そして公取委に対して告発の申告も行われているわけであります。私に言わせていただければ、排除勧告を行うところまで、これだけ明々白々な状況でございますから、公取としてぜひとも厳格な対応をお願いしたいということでありますけれども、いかがでありますか。
#60
○説明員(楢崎憲安君) 冒頭申し上げましたように、公正取引委員会としても従来から積極的に入札談合の摘発に努めているところでございますけれども、個別事件にかかわる処理でございますので、どういうふうに対処するかということにつきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
#61
○有働正治君 これだけの明白なことで、きっちりと対応していただきたいと、当然のことでありますが、強く要求しておきます。
 次に、昨年のゼネコン疑惑の際、岩手の建設業者から一度岩手の談合の実態を調査してもらいたいという要請があり、数回にわたりまして我が党は調査を行ってまいりました。その成果を我が党は例えば本院の予算委員会でも質問いたしましたし、岩手における天の声の図式にまとめ、赤旗等でも報道してまいりました。当然大きな反響がありまして、その後の事態というのはそれを裏づける情報がその後も相次いでいるというのが現実であります。その後も事態は改善されていないというのが実情であります。
 御承知のように、岩手では国や地方公共団体の発注する事業のほとんどが業者の談合で決められているという問題であります。これは別に岩手がということでもないとは思いますが、ただ岩手の場合は小沢一郎氏の新生党と自民党のせめぎ合いが極めて激しい、したがって情報が業界の外に飛び出してくる、我が党にも直接の訴えもあるということであります。
 例えば、ある新聞社の責任ある人の話によりますと、こういう事態が起こるわけであります。宿直で支局に泊まり込んでいると夜中にカタカタと音がしてファクスが動き出す、大抵は業者からの談合の垂れ込みである、事前情報だというわけであります。どこそこの事業についてはだれとだれのジョイントベンチャーだということで決まっていると具体名を挙げての指摘であり告発であります。そして、落札価格はこれこれだということまで極めて具体的に指摘されてくるわけであります。注意して結果を見ていますと、そのとおりになる、的中卒一〇〇%と言ってもいいという状況だというわけであります。私どもも確認をしてまいってきているところでありますが、事前情報と結果が符合した最近のケースとしては、胆沢病院の移転と建設をめぐる問題、盛岡競馬場、石鳥谷の庁舎建設、日向ダム等々があります。
 以上は岩手県レベルの県発注の工事ですが、胆沢ダムのように国が発注する千三百六十億というような巨額の工事についても事前情報があります。ここでは時間がありませんから私は別の機会にこれは譲りたいと思いますが、いずれにしても自民党と新生党の激しいせめぎ合いの中で、それが絡みながらこういう情報が飛び出してきているというのが事実のようであります。露骨な談合が行われているという業を煮やした告発ということでもあります。
 そこで、自治大臣にお尋ねします。
 ここに私は小沢一郎氏の後援会の機関紙である「暮らしと政治」というのを持ってまいりました。これは大判の「暮らしと政治」という後援会の機関紙であります。この中に、例えば平成五年度市町村別主要予算ということで、○○市の公共事業は今年度との部分が行われ、その事業費は幾らだという市町村別の公共事業一覧リストが示されているわけであります。私も後援会の機関紙にこういうのが示されるというのはちょっと奇異に感じまして、なぜだろうかということで地元の業者の方にいろいろお話も聞いた機会もございます。地元の業者の方々が言うには、こういう事業を受注したければうちの事務所にあいさつに来なさいよと言わんばかりのいわば後援会でのこういう事業の発表ですよということを異口同音に指摘されて、私もその声を聞きました。
 自治大臣、こういうことをお聞きになったことがございますでしょうか、あるいはこういう事態をどういうふうにお考えになられましょうか。簡単に。
#62
○国務大臣(野中広務君) 今、委員御指摘のような事実関係を私は承知をいたしておりません。ただ、一般論といたしまして、公共工事の入札、契約手続につきましては、透明性、客観性、競争性の高いものにすることが必要であり、公正に執行されることが必要であると考えております。
#63
○有働正治君 次に、警察庁に聞きます。
 十月十日、警察庁は小沢一郎氏の元秘書、有名な知る人ぞ知る小田島明氏の奥さんを詐欺の容疑で逮捕されています。これはこれだけの話なのか、それとも別の方向に発展する可能性もはらんでいるのか、念のために聞かせてください。
#64
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 お尋ねの事件につきましては、警視庁において詐欺容疑で元会社役員を逮捕した件だと存じますけれども、この事案につきましては現在捜査中でございますので、今後の進展、見込み等を含め、具体的な捜査の内容については答弁を差し控えさせていただきます。
#65
○有働正治君 これも厳正な捜査を求めます。
 警察庁にお聞きしますけれども、話はもとに戻りますが、最初に述べました大船渡の廃棄物処分場の場合にも、地元の業者、関係者の共通した話として、小沢一郎さんの地元秘書としてらつ腕を振るわれた方が談合を取り仕切っているという地元の方々の話が共通しています。岩手の場合には幾つかの事案について私も現地調査もいたしましたが、ある人の場合には、ここでは天の声が出されますと工事費のおよそ三%が転がり込むと。だからこれは裏献金としての三%という意味であります。したがって、ここでは三%のことを業者の方々は消費税と呼んでいるんです。あんたは消費税はちゃんと払ったか、わしは払ったと。三%のことを消費税という呼び方でこのことがまかり通っているというのを私直接お聞きしたわけであります。
 私は、こういうことはいかがかということを本当に痛感したわけであります。公共事業というのは結局国民の税金であります。国民の税金が価格としてその分上積みされているということを裏づける相次ぐ証言を得ているわけであります。少なくとも、例えば仮に三%がなくなれば工事費は下がることにもなるわけで、公共事業全体で莫大な何千億という節減にもなるわけであります。
 そういう点からいいまして、談合につきましては、業者だけではなくて政治家の方々にもバックにいろいろ地元では共通して指摘される事例があるわけで、これについても適切に目配りして対応すべき必要があると私は感じるわけでありますが、大臣の所見を求めます。
#66
○国務大臣(野中広務君) 公共入札のあり方につきましては、従来幾つかの問題を生んできた問題でもあります。私どもはそういうさまざまな問題を教訓としながら、これからより透明性、そして公正性が確保されるようにそれぞれそのあり方を戒めていかなくてはならないと考えております。
#67
○有働正治君 次に、一般競争入札による改善、その価格引き下げへの影響等についてお尋ねします。
 自治省にお尋ねします。
 自治省は、建設省とともに地方へ通達を出すなどして、国の場合は七億三千万円以上の工事、地方自治体は二十四億三千万円以上の工事で一般競争入札を奨励するなど、公共事業の入札、契約の改善に取り組んでいると承知しています。その結果、平成五年度におきまして制限つき一般競争入札を実施した県あるいは政令市の数、トータルで結構です、その件数は何件か、まずお答えいただきたい。
#68
○政府委員(吉田弘正君) 地方公共団体の入札、契約手続の改善につきましては、自治省といたしまして建設省との間に……
#69
○有働正治君 結論だけでいいです。件数と県。
#70
○政府委員(吉田弘正君) 私ども改善策について地方団体に通知をいたしまして、各地方公共団体はこの趣旨を踏まえて改善の手続に取り組んでおりまして、平成五年度でございますが、二十六の都府県で五十八件、それから九つの指定都市で三十一件の制限つき一般競争入札の施行が行われたところでございます。
#71
○有働正治君 入札制度の改善というのは、私がお聞きしているところはあのゼネコン問題等々に端を発しているわけでありますが、その目的というのは競争性の確保、公平性の確保等々を目的としたものであるということは私も承知しているわけであります。これが即入札価格、公示価格と直接かかわるものでないということは私も承知はしているわけでありますが、ともかくも一般競争入札をやったその結果として、その際もすべて一般競争入札の結果とは私自身も考えませんが、結果として事業費の節減にプラスとなっている面も幾つかあるのではないかと思うのでありますが、その点だけお答えいただきたい。
#72
○政府委員(吉田弘正君) 今お話にもございましたように、競争入札の方式として一般競争入札と指名競争入札がございますが、いずれの方式にいたしましてもこれは法令の規定に基づいて透明、公平な競争が行われて、その結果として落札価格が決まるものでございまして、必ずしも入札方式の制度的な違いによって落札価格が上下するものでないという性格のものであるというふうに考えておりますので……
#73
○有働正治君 結果としてプラスになった面があるのかないのか。
#74
○政府委員(吉田弘正君) その辺のことは、結果としてなったかどうかということで、私どもは特に調査はしているところでございません。
#75
○有働正治君 これだけ消費税を、税率アップをやるのか、国の経費節減をどうするのかというのが大問題になっていながらそのことを、状況を把握しない、それ自体が私は問題であると言わざるを得ないわけであります。
 具体的に聞きます。
 自治省の通達に基づいて山梨県が九三年度に施行いたしました一般競争入札で、流域下水道釜無川一号線下水道工事シールド第十四工区の入札結果につきまして、予定価格、落札価格及び最低制限価格以下のため失格したものの入札価格のうち一番高い価格は幾らだったのか、御報告できるものをお示しいただきたい。
#76
○政府委員(吉田弘正君) 落札価格という意味でございますか。
#77
○有働正治君 ちゃんとこれは通告してあることだから……
#78
○政府委員(吉田弘正君) 御質問の工事の落札価格につきましては五億九千七百八十二万二千三百円、これは税込みでございます。
#79
○有働正治君 税を引けば幾ら。
#80
○政府委員(吉田弘正君) 税を引きますと五億八千四十一万円と聞いております。
 それから、予定価格及び最低制限価格につきましては、工事の発注者であります山梨県において価格の公表は行っておりませんので、御理解をいただきたいと存じます。
#81
○有働正治君 確かに落札価格は五億八千四十一万円です。この場合、最低制限価格というのは実は五億八千万円であります。つまり、四十一万円プラスして、これは消費税を加えていない分でありますが、ということであります。
 そうしますと、予定価格というのは示されないということでありますが、山梨県の場合、最低制限価格というのは予定価格の約八割に設定されているわけで、逆算すれば予定価格が明確に示されることになるわけであります。つまり、競争入札の結果は予定価格の約二割減で落札して、結果として約二割の工事費節減になったというのがこの事案であります。
 そこで、私、主な自治体から報告をいただいて独自に、自治体の報告ですから客観性があるわけであります、その報告を取りまとめてみました。それがお配りしました資料三であります。
 それによりますと、もちろん一般競争入札は、先ほども申しましたように、その目的等々は違うわけでありますが、結果として公共事業費が予定価格に比べでどれだけの節減効果があったかということを調べてみますと、この表に示されていますように、約二割節減から一定の節減になっていまして、なかなか価格が示されない中で明らかになったもののうち示したこの十一案件につきまして、平均すると一一・二%下落している、節減効果があったということがわかったわけであります。滋賀県からは予算額と落札価格の比較について結論だけ示されまして、八割から九割が三件で、九割から一〇〇%が三件だという報告をいただいたわけであります。
 一般競争入札の目的等々については先ほど述べたとおりでありますが、結果として一定の節減効果があること自体は喜ばしいことではないかと思うわけでありますが、自治大臣、いかがでございましょうか。
#82
○国務大臣(野中広務君) 私も、都道府県あるいは指定都市等において一般競争入札の導入が行われまして、結果として同種工事の指名競争入札と比べました場合に、落札価格が下がる場合があるというお話を聞いております。
 一般競争入札におきましては、指名競争入札とは違いまして、制度の違いによって、先ほど行政局長からも御報告いたしましたように、落札価格が上下すると、私ども必ずしもそこまでは認識をしておらないわけでございますが、結果として委員がおっしゃいましたように落札価格が下がり、事業費が節約できる場合があれば、それは好ましいことであろうと考えております。
#83
○有働正治君 時間が限られていますので、私の方から強く要望しておきます。
 日本の公共工事費がどうかという国際比較等については建設省等で今具体的により詳細に研究もなくれているということを伺っていますが、建設省の公共工事積算手法評価委員会が昨年末にまとめた報告では、日本の公共工事費がアメリカより三割高いということが報告されておるし、建設経済研究所の試算で国土面積一平米当たりの公共事業費はアメリカの五十四倍、人口千人当たりで四倍に達しているということも言われているわけであります。また、ゼネコン幹部の話では、一、二割は確実に下がる、場合によっては半値近くになることもあるということがこの間のゼネコン疑惑等の中で証言も言い分も相次いだところであります。
 ある有力銀行の研究所の試算によりますと、こういう一般競争入札の結果によって、結果として価格が下落している状況等々を勘案して試算してみれば三兆数千億円の工事費の節減が可能である、これは消費税の一・四%にも相当するものだというような試算まで示されているわけでありまして、そういう点からいいますと、私も実情を調べて、あながち全く根拠がないものではないというふうに考えているわけです。
 したがいまして、大臣も結果としてはこれは喜ばしいことだということをおっしゃられたので、引き続き経費節減の役に立つものであれば、もちろん工事が適正にしかも安全に、また労働者や下請にしわ寄せがいかないようにする等々が必要であることは私も述べておきたいと思います。経費節減、片や消費税率引き上げとの関係からいえば、役に立つものは適正に今後も自治省、建設省はやっていただきたいということを強く私要望してこの点では閉めて、次のテーマに入ります。
 それは財源対策として大手企業、大企業の所得隠しにまつわる問題です。私は、これも具体的な事例からお尋ねいたします。所得隠しか行われて追徴課税が行われた等々がいろいろ指摘されているわけであります。
 具体的にお尋ねします。
 東京国税局が税務調査の結果、漢方薬と入浴剤販売の大手、いわゆるバスクリンなどの販売で知られるツムラに対しまして、所得隠しを認定して追徴課税を行ったということを聞いていますが、それはどういうことで幾らの追徴課税であったか、結論だけ簡単にお示しいただきたい。
#84
○説明員(若泉征也君) 御指摘のような報道があったことについては承知いたしておりますが、お尋ねの件は個別にわたる事柄でございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
 一般論として申し上げますと、国税当局におきましては、常に納税者の適正な課税を実現するという観点から、あらゆる機会を通じまして有効な資料、情報の収集に努め、課税上問題があると認められる場合には実地調査を行うなどにより適正な課税に努めているところでございます。
#85
○有働正治君 十億円が悪質な経理操作による所得隠しとして認定されて、重加算税を含め約四億円を追徴する課税一更正一処分が行われたと私は聞いております。
 このツムラというのは、そういう所得隠しを行った企業として世上でもさまざま今取りざたされているわけであります。それは例えば東海地方の系列代理店との間で架空売買を行っていたことが指摘されているわけであります。ツムラ側はそうではないといろいろ言いわけしているようでありますが、実態はツムラ側の言うとおりではないと私は言わざるを得ないというふうに指摘せざるを得ない。
 ツムラの有価証券報告書で、東海地方の系列代理店への売掛金残高が九一年度末が七億九千四百万円、九二年度末が五億七千万円、九三年度末が四億七千万円となっているようであります。そして、ツムラはこの代理店との間で三年間で約十九億円の製品を販売したようでありますが、実態は違うようであります。この代理店の言い分と違っています。私もその点は当人に確認しています。
 この代理店は法人登記もされていない小規模ないわば個人経営で、普通の薬局程度のものであります。ここに写真も持っております。その人は、ツムラに名前を貸しただけだと、古い付き合いがあるので断れなかったと。また、名古屋支店で割り当てられた入浴剤などの売れ残り分をうちが引き受ける形で計上したようだと。担当者は全国で同じようなことをしているからということも言ったけれども、その人はこんなむちゃなことは子供でも疑うぞと忠告したこともあると。そして、国税当局がツムラ本社に調査に入って不安になったので、税理士とも相談して昨年のツムラとのこの取引分、いわば架空取引について税務申告も行って所得税を払った、こんなことになるならツムラに税金分を負担してもらいたい等々を述べて、付き合い上やむなくやったということを述べているわけであります。
 そうなりますと、有価証券報告書そのものが疑わしいということにもなりかねないわけであります。そういう点についても、架空取引の疑いが極めて大きいということもあるわけで、これについて厳正な調査を求めるわけであります。
#86
○説明員(立石久雄君) お答え申し上げます。
 先年今御指摘の点につきましては、架空売買が行われているというなどの報道がなされたことは承知いたしておりますけれども、個別の調査に関することにつきましては答弁を差し控えさせていただいております。御容赦願いたいと思います。
#87
○有働正治君 情報収集等やりながら、必要があれば厳正に調査する、対応するということは間違いありませんか、大蔵省。
#88
○説明員(立石久雄君) 一般論で申し上げますれば、新聞等で報道された問題等につきましては監視委員会として関心を持って情報収集を行っているところであります。
#89
○有働正治君 その代理店と取引先とされています名古屋市内の倉庫会社に販売した製品を納めたとされます倉庫と代理店との間の契約関係や保管料の支払いを示すものは存在いたしません。倉庫との契約はこの代理店ではないわけであります。ツムラのかかわりがここにはあるわけで、またこの代理店は借りる力もないし品物も来ていない、扱っていないということで、実態は全くツムラの言い分等々と明白に違っているわけであります。
 大蔵省に聞きますが、ツムラでは一九九一年ごろから入浴剤製品を問屋に大量に押しつけて、請求代金を売上高として計上するいわば押し込み販売が複数の元役員の証言で恒常的に行われていたことが指摘されています。
 押し込み販売は、販売能力を超えた製品を問屋などに依頼して引き受けてもらって、出荷した形をとって請求代金を売上高に計上する方法であります。数カ月後に決済されるのが一般的でありますが、実際に代金を回収する前に売上高として計上できるため、その場しのぎの決算対策として使われることが多いと私は聞いております。しかし、製品の大半は実際には売れ残って、在庫が膨れ上がる結果になると。
 元役員らの証言によりますと、九三年三月、役員部長会議の席上で、出荷先の問屋に在庫として総額約八十億円分が残っているという内容の説明がされている。ことし三月にも説明があり、額は七十億円という内容だということであります。ツムラの入浴剤の売り上げ百五十億のうちの半分がいわば押し込み販売、架空売買と言われて、そういう面から見ますと粉飾決算の疑いもあるわけで、証券取引法違反あるいは納税額その他が適正であるかという問題等々も出てくるわけであります。そういう点からいって、厳正な対応を私は求めたいと思うわけであります。
 そして、そういう一つの例えはの話としまして、大蔵省に聞きますが、東京足立区の桜井倉庫にもツムラの架空売買の製品が大量に保管されています。私もきょう当事者に確認をいたしまして、その事実は認めました。ある問屋の要請、ある会社の要請によってということです。ここに保管させていただいていることは認めたわけです。こういうことが、東京のみならず、全体の売り上げの半分がそういう状況であるということが役員会でも指摘されるような状況ということは尋常でないということを思うわけであります。
 その点について厳正な対応を、先ほど述べた法律等々から見て厳正に対応する必要が私はあると思うわけでありますが、大蔵省、どうですか。
#90
○説明員(新原芳明君) お答え申し上げます。
 いずれにいたしましても、個別会社にかかわる事項でございますので、答弁は差し控えくせていただきたいと存じます。
 ただいまのお話も大いに参考にはくせていただきたいと存じますが、一般論として申し上げますと、売買の態様もいろいろでございますので、今伺っただけでどうこうという結論をここで申し上げるわけにはいかないと存じます。
#91
○有働正治君 ツムラは株価操作の疑惑も指摘されているわけであります。昨年一月に八百円台だったツムラの株価が三月末を境に急騰に次ぐ急騰を重ねて、六月十日に千九百七十円、八月十日に二千二百七十円の最高値をつけ、これの背景にはツムラの転換社債発行とツムラ商事という関連会社の巨額の資金調達、それとのかかわりで株価上昇が起こって株価操作の疑惑が証券業界でさまざま取りざたされている事情もあるわけであります。
 こういう問題を含めまして、最後に国務大臣として、法に違反している場合があるかどうかを含めて厳正に対応を求めたい、国務大臣として御見解をいただきたい。
#92
○国務大臣(野中広務君) それぞれ当該官署におきましては、疑惑がある場合は厳正に調査し、厳正に措置するはずであると認識をしております。
#93
○有働正治君 もう一つだけ次のテーマでお尋ねしたい。
 公共事業の価格つり上げの大きな要因に先ほど政治献金問題があると私は聞きました。
 自治大臣にお尋ねします。
 野中大臣の政治団体に建設業者から政治献金を受け取られたことがあるかどうか、確認を求めます。
#94
○国務大臣(野中広務君) あります。
#95
○有働正治君 資料配付をお願いいたします。
   [資料配付]
#96
○有働正治君 京都府の発注工事落札業者から野中自治大臣の政治団体への献金が行われている。私、時間がありませんのでその一覧表として示したわけであります。
 これを見ていただきますと、府の発注工事の受注事業者の入札落札日と献金日が極めて接近して、相前後しているというのが一つの特徴であります。政治家と公共事業の受注関係の間に府民、国民は疑惑を招くおそれがあると思うわけであります。これは事実関係が落札の日と献金額が極めて近似しているという点から私は指摘しているわけでありまして、そういう疑惑が持たれないように本来すべきだと思うわけでありますが、いかがでございますか。
#97
○国務大臣(野中広務君) 今お配りになった資料のようなものが日本共産党の発行される京都民報に載せられたことは私承知をいたしております。
 これはたしか八六年から八八年の間に私の政治団体が献金を受けたことであろうと思っておるわけでございますけれども、私はいやしくもいわゆる共産党一党支配のような京都府政からかわりました後の京都府副知事に就任をした人間であります。少なくともそういう府政の中で府政を担当し、知事を補佐する立場といたしまして勤務をいたしました経験だけに、企業のあり方と、さらにそれの発注をする京都府に何らかの働きかけをするようなことは今日まで一切やったことはございません。
 ただ、後から、この民報が出ましてから共産党の方から、あなたのところの政治資金の収支報告は百万円までは内容を書かなくてもいいのに正直に書き過ぎるからこんなことになるんだよといって注意を受けまして、私は政治資金の収支報告の百万円限度を十分承知をしなかったものでございますから、ああそんなことがありましたかと、こういうことで申し上げたわけでございます。
 副知事就任当時に、京都府庁は、赤旗、民報について、管理職の全員がこれをとっておりまして、その購読料はすべて公費で支払われておりましたのを、私は政党機関紙その他を自由に個人がとることはこれは一向差し支えがないことであるけれども、一党の機関紙を公費でとるということはあってはならないことだといって厳禁をいたしました。そういうことがこういう記事になってたびたびこの民報やあるいは赤旗の記事にお使いをいただくのかなと思って、自分の政治資金に対する認識の甘さ、事務手続が十分でなかった点、あるいはこういういわゆる業界の皆さんから献金を受けることの是非を含めてその後私どもは自重をしておる次第でございます。
#98
○有働正治君 いろいろ言われましたけれども、疑惑が持たれて、また荒巻知事自身も野中先生のおかげで京都の建設行政が進み、感謝しているということまで言われる状況もあったことを指摘しておきます。
 それから、自民党・国民政治協会がどれだけ献金を受けているかという資料もきょうお配りいたしました。私がなぜこういう問題を取り上げるかというのは、やはりそういう点が公共事業等の上乗せにもつながっているからだと、こういう問題はそういうことがないように厳正にすべきであるということであります。厳重な対応、禁止を私は求め、消費税率引き上げでなくてこういう公共事業のむだや浪費、あるいは軍事費を削減する、あるいは大企業優遇の税制についてもメスを入れる等々をやれば消費税率引き上げはいささかも必要ないということを最後に述べて、質問を終わります。
#99
○委員長(岩本久人君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、鈴木貞敏君が委員を辞任され、その補欠として中曽根弘文君が選任されました。
    ―――――――――――――
#100
○西川潔君 どうぞよろしくお願いいたします。
 十月二十日に衆議院で税制改革特別委員会の審議がスタートいたしまして、参議院地方行政委員会での質疑も私がいよいよ最後ということになりました。連日皆様、本当にお疲れさまでございます。
 これからの我が国は、高齢化、少子化が進んでいく二十一世紀に向けまして、どういった社会を目指すのか、またそのため費用負担のあり方をどのような姿にしていくのか、その手法、手順につきましては、皆様方それぞれにお考えに違いはございますが、国民の幸せを、またあるいは国益を思う気持ちはみんな変わりないと思います。今後数年間にわたり、試行錯誤を繰り返しながらも、その方向性を見出していくことが私たち一人一人の責任ではないかなと、こういうふうに考えます。
 今回の審議については、これからあと採決を残すのみとなりましたが、これまでの審議を通じて、大臣の御感想からまずお伺いしたいと思います。
#101
○国務大臣(野中広務君) 今回の税制改革は、人口の急激な高齢化が進展をしていきます中でより活力のある福祉社会をどのように実現をしていくかという、そういう視点に立ってこの税制改革が行われるわけでございますけれども、昨年来の紆余曲折を経ながらも、この間の経過を踏まえて作成されたきょうのこのときに思いますことは、今回の国会論議を通じましても、福祉のあり方、あるいは行政改革、あるいは不公平税制の問題等、それぞれ時代が今抱えており、かつそれを断行しなければならない問題について幅広い、奥深い議論が行われたと存じますし、また西川委員からはそれぞれ福祉の現場をお回りになった実見を体して非常に貴重な御意見を賜ったと存ずる次第でございます。
 今申し上げましたような福祉のあり方、あるいは行政改革、不公平税制、こういう大きな問題は、問題を先送りするのではなく、即刻取り組まなくてはならない重要な課題であると認識をしておる次第でございます。
 また、一方、今回の税制改革におきまして、地方税制について地方消費税が創設をされますことは、地方分権の昨年の六月の衆参両院の決議を踏まえまして、具体的な地方分権の足取りが見えてくる中において地方消費税として、地方の独自財源としてより安定的な伸長性のある税の方向として位置づけられましたことは地方分権に弾みをかけるものとして私ども認識を新たにし、またそれだけに地方のこの行革に対する責任を痛感しておる次第でございます。
#102
○西川潔君 質問のときには繰り返し御質問いたしました。今回も大変恐縮ではございますが、やはり福祉を志す人間といたしまして、逆進性のある、あるいは買い物するたびに負担感を感じる消費税率を引き上げるには、皆さん方に本当に毎日のようにお伺いするんですけれども、西川さん、何に使うのか、何のために必要なのか、我々にはどういう恩恵があるのか、そういうことをはっきりと示していただきたい、こういう御質問をたくさんの方々にいただくわけなんです。今後二年間をかけましてじっくりと検討するということでございますが、国民に対して最低限の国の責任といたしまして、私はその点を強く要望しておきたいなと、こういうふうに考えるわけです。
 先日、大蔵委員会との連合審査でも申し上げましたが、私は基本的には消費税は福祉目的税の姿が望ましいと、そういうふうに考えております。しかし、先日の公聴会でのたくさんの先生方の御意見をお伺いいたしましても、福祉の範囲をどこからどこまでにするのか、あるいは福祉の需要が大きくなるたびに税率の引き上げにつながるという、こういう問題点があるという指摘もございました。私といたしましても、何が何でも目的税でなければいけないということではございませんが、国民にとりましてはっきりと目に見える、また担保となる政策的な約束があればよいのではないかなと、こういうふうに考えるわけです。
 そこで、厚生省にお伺いしたいんですけれども、厚生省が作成されました新ゴールドプランについて、その内容とその財政需要額、またその財源確保につきまして厚生省はどのようにお考えになっているのかをお伺いしたいと思います。
#103
○説明員(吉冨宣夫君) まず、新ゴールドプランの案につきましてでございますけれども、その主要な内容としましては、まず高齢者介護サービスのあり方につきまして基本理念を掲げております。
 具体的に申し上げますと、利用者本位に立ったサービスの提供、くらには普遍主義の立場に立ちまして支援を必要としますすべての高齢者の方に必要なサービスを提供する、こういったこと。そしてまた、保健、医療、福祉を通じました総合的なサービスの提供を図りますとともに、住民に最も身近な地域におきまして必要なサービスをきめ細かく提供する体制づくりを行う、こういったような理念を掲げまして、こういった理念に立ちまして今後の高齢者介護対策を進めるべきであると、こういうふうに考えておるわけであります。そしてまた、自治体が老人福祉計画を策定する過程におきまして把握されました実際の地域ニーズを踏まえまして、現行ゴールドプランのサービスの目標水準を大幅に引き上げております。
 例えば、ホームヘルパーにつきましては、現行ゴールドプランでございますと十万人ということでございますが、新ゴールドプランの案では二十万人にするといったこと。さらには、デイサービスにつきましては、一万カ所を二万カ所に拡充するといったこと。さらに、特別養護老人ホームの入所定員につきましては、二十四万床を三十万床にする、こういったふうに数量目標の大幅な引き上げを図っておるところでございます。そしてまた同時に、特別養護老人ホームの居室面積の拡大等、サービスの質の改善も盛り込んでございます。
 また、訪問看護ステーションの計画的な整備や痴呆性老人対策の総合的な展開などの施策を盛り込むことによりまして、そしてまたマンパワーの養成確保等の対策、あるいは住宅対策や町づくりの推進など、介護基盤を整備していくための支援策も位置づけまして、総合的なプランとして作成をしたい、このように考えております。
 一方、今回の税制改革におきましては、与党におきます御議論の結果、高齢社会に向けまして、当面緊急を要する施策につきまして、平成九年度以降三千億円の財源措置が講じられております。また、平成七年度、八年度におきましても、地方公共団体の老人保健福祉計画の沖で特に緊要性コある特別養護老人ホームの拡充 ホームヘルプサービスの充実等に充てますためにそれぞれ一千億円、二千億円の公費を充当することとされたものと承知をしております。
 厚生省としましては、今般の税制改革に伴いますこれら一連の財源措置も一つの足がかりとしながら、引き続き財源の確保にも配慮しつつ、できるだけ早期に新ゴールドプランが策定されますように関係省庁と鋭意協議を進めてまいる所存でございます。
 なお、厚生省として新ゴールドプランの実施に必要な経費、国費ベースで五年間で一兆七千五百億円というふうに見込んでおります。
#104
○西川潔君 ありがとうございました。
 今、課長さんの答弁にもございましたのですが、関係省庁という御答弁もございましたが、この新ゴールドプランについて大臣にも一言お伺いしたいんですけれども。
#105
○国務大臣(野中広務君) 各地方公共団体におきましては、昨年度、地域の実態に応じた老人保健福祉計画を策定いたしたところであり、これを踏まえて厚生省におかれましては大臣の私的諮問機関として、先ほど釘宮委員の御質問にもお答えいたしましたように、その新ゴールドプランなる素案をおつくりになったものと聞いております。これにつきましては、現段階におきまして正式に自治省として協議を受けておる立場にはございませんので、その内容について私から評価することは差し控えくせていただきたいと思うのでございますが、自治省といたしましても地域福祉というのは地方公共団体の最重要課題でもございますので、これを重点としてプランを策定する必要があると考えております。
 また、税制改革法案には社会保障等に要する費用の財源の確保等の関連で消費税及び地方消費税の率について検討するなど、それぞれ見直し規定も入っておるわけでございますので、このくまざまな検討過程を通じて新しいゴールドプランを内容的に関係省庁と、今厚生省からお話がありましたように、十分協議をいたしまして支援措置を講じてまいりたいと存じております。
#106
○西川潔君 大臣、どうぞよろしくお願いいたします。
 いろいろな委員会に僕も寄せていただくわけですけれども、少数会派でございますのでいろいろなところへ行くことが大変勉強になるんですが、この地方行政委員会は質問をつくるときも大変難しゅうございまして本当に勉強になるんです。お願いすることばかりで本当に申しわけないんですけれども、どうぞひとつ一つ一つ小さなことからこつこつとやっぱり進めていただきたいと思います。
 そもそも新ゴールドプランにつきましては、国が定めた老人福祉法等の改正によりまして地方に策定を義務づけた老人保健福祉計画を積み重ねた結果であって、地方がスムーズに計画を進めていくために必要な措置を講じていくことが国の責任であると思います。
 そこでお伺いしたいんですけれども、自治省といたしまして地方の老人福祉計画の達成のためにどのような地方財源措置を講じていくのか、また地方財政計画にどう位置づけていくのかをお伺いしたいと思います。
#107
○国務大臣(野中広務君) 先ほど来申し上げておりますとおりに、地域福祉を推進していくことは地方団体に課せられた重要な責任であるわけでございますので、地域の特性に応じました地方単独事業をも含めまして、その財源確保に鋭意努力を傾けてまいりたいと存じます。
#108
○西川潔君 次に、厚生省にお伺いしたいと思います。
 ゴールドプラン見直しの基本的方向を踏んまえた新ゴールドプランの具体的施策の中で基盤整備法の策定についてうたわれておるわけですけれども、この点についてお伺いします。
#109
○説明員(吉冨宣夫君) さきに与党の福祉プロジェクトに厚生省の案として新ゴールドプランをお示ししたわけでございますが、こちらではサービスの目標水準のみならず、サービスの質の向上やサービス提供基盤の整備を支援する施策も盛り込んだ総合的なプランとして考えているところでございます。そうしましたことから、その着実な推進を図りますためには、財源確保対策を含めまして総合的な支援措置を講じていく必要があるものと考えております。
 具体的な支援方策につきましては、今後、財源の確保にも配慮しながら、新ゴールドプランの策定の検討をする過程におきまして御指摘の点も含めまして幅広い視点から政府部内で十分検討してまいりたい、このように考えております。
#110
○西川潔君 この部分を少しある報道で読ませていただきたいんですけれども、
  基盤整備法は、新ゴールドプランの計画期間
 である平成七−十一年度までの五年間の時限立
 法となる見込み。具体的には、@自治体策定の
 老人福祉計画を地方財政計画に明確に位置づ
 け、地方財源を確保するA特別養護老人ホーム
 など施設整備の国庫補助をかさ上げするB民間
 事業者がシルバー関連産業に参入しやすいよう
 規制緩和と税制上の優遇措置を実施するC高齢
 者仕様住宅への住宅金融公庫の低利融資と割り
 増し融資を行う――などを盛り込む案が浮上し
 ている。こういうふうに報道されているわけですけれども、仮にこういった内容の新法をお考えであるということならば私たちもぜひとも支持したい、こういうふうに思うわけであります。
 厚生省におかれましても、引き続きこれは御検討していただきたい、大臣の方にもそういうふうにお伝え願いたいと思うんですけれども、一言ございましたらお伺いしたいと思います。
#111
○説明員(吉冨宣夫君) 新ゴールドプランを着実に推進をしますためには、先ほど申し上げましたように、総合的な支援措置を講じていくことが必要であろうと考えております。
 具体的な支援方策につきましては、現在検討を進めているところでございまして、どのようなものがふさわしいかこれから十分検討してまいりたいと考えております。そのような意味で、御指摘のような方法論も含めまして住民の住みなれた地域において必要なサービスをきめ細かく提供できる体制づくり、こういったものを目指しまして引き続き努力をしてまいりたい、このように考えております。
#112
○西川潔君 ぜひよろしくお願いいたします。
 仮にこのように新ゴールドプランが法的に位置づけられるというふうなことになりますと、消費税に対する国民の理解に僕は大きく近づくものであるというふうに感じるわけですけれども、この点につきましてもぜひとも自治大臣にリーダーシップを発揮していただきますよう重ねてお願いをしたいと思います。
 自治大臣の御決意をお聞かせいただいて、最後の質問にしたいと思います。よろしくお願いします。
#113
○国務大臣(野中広務君) さまざまな経過をたどりまして、ここに今回の税制改革の結末を迎え、また委員各位の御賛同をお願いする立場に立ったわけでございます。
 私どもこの消費税導入に当たりまして、今回の五%がすべて福祉そのものに十分機能を果たすとは思わないわけでございますけれども、これからの深刻な少子・高齢化社会を踏まえました場合に、地域福祉を担う地方公共団体といたしましては最大の課題といたしまして、この論議を通じまして西川委員からもいろいろと御指摘あるいは御意見を賜りましたこと、あるいは他の委員各位からもいろんな意見を賜り御指導をいただいたことを肝に銘じながら、この税制がより国民の皆さんに理解をしていただけるような方策をとりますとともに、それの前段として大胆な行政改革を初めとする一連の改革に熱心に取り組んでまいりまして、委員各位の熱心な御論議にこたえてまいりたいと存ずる次第でございます。
#114
○西川潔君 ありがとうございました。
#115
○委員長(岩本久人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#116
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、地方消費税導入を柱とします地方税法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 まず私は、審議不十分なままの消費税増税関連法案の質疑打ち切り、採決強行に対し、消費税率引き上げ反対の国民多数の声を代表して強く抗議するものです。本委員会での質疑時間は、きょうを含めてもわずか二日間、実質九時間、連合審査を加えましても十五時間にすぎません。この短い審議時間の中でも多くの問題点が浮き彫りになっており、審議はやっと緒についたばかりであります。マスコミの世論調査でも消費税率引き上げ反対の声が七、八割になっており、国民は慎重で徹底した審議で問題点の全面解明を求めていました。本日の採決強行は国民世論への挑戦であり、国民の国会への期待を踏みにじる何物でもありません。
 反対理由の第一は、今回の地方消費税導入が消費税率の引き上げと一体のものとなっていることであります。消費税率の引き上げは、昨年の総選挙でも、社会党を初め、公約として掲げていた党はありませんでした。野中自治大臣も選挙公報やマスコミのアンケートヘの回答で税率引き上げは一言も触れておらず、本委員会の答弁でもそのことを認めました。こうした公約違反に加え、消費税増税法案は、税率二%の引き上げで四兆八千億円もの大増税となり、増減税の差し引きを見ましても、年収八百万円以下、サラリーマンの約九割が増税になる、国民に大増税を強いる悪税です。しかも、見直し規定により実施前に六%、七%へと引き上げることができるものです。少数者にしか減税効果がないのみならず、本委員会での審議でも鮮明になったように、高齢者など弱い者に最も犠牲を強いる不公平かつ逆進性この上ない悪税であります。
 第二は、地方消費税導入が地方分権確立への大きな弾みなどと言えるものでなく、地方の課税自主権さえ認めない、地方自治に全く逆行するものです。法案では、地方消費税を道府県税として創設していながら、附則で当分の間国が徴収することにしています。納税者の事務負担の軽減を理由にしていますが、大蔵省も納税者の事務負担がなくならない限り国が執行する旨を示唆しているように、実際は国に権限を握られた状態が半永久的に続くことになります。
 地方消費税の税収は二兆四千四百九十億円と見込まれており、導入されれば事業税、道府県民税に次ぐ税収を占める巨額の税収となるものです。しかし、税率は消費税額の二五%と法律で決められており、自治体が条例で税率を決定する権限もありません。これでは納税を通じて住民の地方行政への参加意識や監視機能が高まるという自治省の説明とは裏腹に、地方の独立税とは言えるものではありません。
 真の地方自主財源確立の道は、初めに消費税率ありきではなく、真の地方自治が拡充される方法、例えば現行税制のもとでも歳出に見合った割合に国から地方に税源を移譲する方法などで地方税源の充実こそ求めるべきです。
 なお、法案には個人住民税の減税部分が含まれており、これは不十分であるとはいえ深刻な不況を打開する上で当然の措置です。しかし、地方消費税が導入される一九九七年度時点では、平年度ベースで個人住民税減税を一兆円以上も上回る増税になります。
 日本共産党は、大多数の消費税率引き上げ反対の国民と手を結び、二年五カ月後の引き上げ阻止、さらに消費税廃止を目指し、引き続き意気高く全力を挙げる決意を表明し、私の反対討論を終わります。
#117
○委員長(岩本久人君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手]
#118
○委員長(岩本久人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、岩崎君から発言を求められておりますので、これを許します。岩崎昭弥君。
#119
○岩崎昭弥君 私は、ただいま可決されました地方税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議、二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方税法等の一部を改正する法律案に対
    する附帯決議一案)
  政府は、地方団体の行政需要の増大、引き続
 く厳しい地方財政の状況等にかんがみ、左記の
 事項についてその実現に努めるべきである。
 一、地方分権の推進や今後の少子、高齢化の進
  展に伴う地域福祉の充実等にかんがみ、地方
  団体が自主的で責任ある行財政運営を推進で
  きるよう、自主財源である地方税源の拡充を
  図るため、国と地方の税源配分の見直しを検
  試すること。あわせて、地方団体の円滑な財
  政運営を確保する上で必要となる地方交付税
  総額の拡充を図るなど地方一般財源の充実確
  保に努めること。
 二、公平・公正な税制を確立し、税制に対する
  国民の理解と信頼を確保するため、引き続き
  格段の努力を行い、地方税における非課税等
  特別措置の在り方について、国民生活の向上
  に役立つ政策意図の明確なものを除き、政策
  目的を終えた措置や政策効果が少ないものに
  ついては、今後とも速やかに廃止・合理化等
  を行うこと。また、赤字法人等の課税の適正
  化等の観点を含め事業税における外形標準課
  税の導入について、積極的に検討すること。
 三、利子及び株式譲渡益に対する個人住民税の
  課税の在り方については、課税の公平・道正
  化の観点等を勘案し、見直しに努めること。
  あわせて、納税者番号制度の導入等所得把握
  の環境整備の状況などに配慮しつつ、総合課
  税への移行問題等についても見直しを検討す
  ること。
 四、地方消費税の徴収については、納税義務者
  の事務負担等を勘案し、当分の間、国に徴収
  を委託することとしているが、地方税は本来
  地方団体が賦課徴収すべきものであることか
  ら、今後その在り方について検討すること。
 五、消費税率の引上げ及び地方消費税の創設に
  関連して、特別地方消費税について、今後引
  き続き地方における自主財源の必要性を踏ま
  えつつその在り方を総合的に検討すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#120
○委員長(岩本久人君) ただいま岩崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
 
#121
○委員長(岩本久人君) 多数と認めます。よって、岩崎君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、野中自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。野中自治大臣。
#122
○国務大臣(野中広務君) ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましてその御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
#123
○委員長(岩本久人君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
#124
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト