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1994/12/08 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 地方行政委員会 第7号
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1994/12/08 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 地方行政委員会 第7号

#1
第131回国会 地方行政委員会 第7号
平成六年十二月八日(木曜日)
   午後一時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     中曽根弘文君     鈴木 貞敏君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 久人君
    理 事
                鎌田 要人君
                釘宮  磐君
                有働 正治君
    委 員
                石渡 清元君
                関根 則之君
                服部三男雄君
                真島 一男君
                松浦  功君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                小林  正君
                長谷川 清君
                続  訓弘君
                西川  潔君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野中 広務君
   政府委員
       警察庁長官    國松 孝次君
       警察庁長官官房
       長        菅沼 清高君
       警察庁長官官房
       総務審議官    山本 博一君
       警察庁生活安全
       局長       中田 恒夫君
       警察庁刑事局長  垣見  隆君
       警察庁交通局長  田中 節夫君
       警察庁警備局長  杉田 和博君
       自治大臣官房長  秋本 敏文君
       自治省行政局長  吉田 弘正君
       自治省行政局公
       務員部長     鈴木 正明君
       自治省行政局選
       挙部長      佐野 徹治君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
       自治省税務局長  滝   実君
       消防庁長官    紀内 隆宏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
   説明員
       内閣官房内閣内
       政審議室内閣審
       議官       白崎 徹也君
       総務庁行政管理
       局管理官     福井 良次君
       文部省初等中等
       教育局中学校課
       長        石川  明君
       文部省教育助成
       局財務課長    矢野 重典君
       建設省住宅局民
       間住宅課長    坂田 隆史君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
 (地方行財政、消防行政、警察行政等の諸施策
 に関する件)
○森林交付税(仮称)創設に関する請願(第一五
 号)
○特別地方消費税の撤廃に関する請願(第七二号
 外三四件)
○土地税制(住民税)に関する請願(第一八五号
 外五九件)
○地方公務員共済年金制度の改善に関する請願
 (第四〇二号外一〇件)
○地方消費税の新設に関する請願(第一七四三号
 )
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
#2
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月二十五日、中曽根弘文君が委員を辞任され、その補欠として鈴木貞敏君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岩本久人君) 地方行政の改革に関する調査を議題とし、地方行財政、消防行政、警察行政等の諸施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○篠崎年子君 私は、まず初めに、去る十一月二十七日でしたか、十三歳の命をみずから絶った愛知県西尾市の大河内清輝君の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。
 清輝君の死は、これは学校だけの問題ではなくて、社会全体で考えなければならない問題ではないかと思っております。
 昨晩、ちょうどこの原稿をまとめながらニュースを見ておりましたら、愛知県の県議会でこの事件を取り上げておりました。その中で、議員の質問に対しまして県警本部長が、この恐喝というのは犯罪行為に当たると認められるところもあるようなので、いじめに加わった少年については補導も考えているといったようなことを答弁しておりました。もっともなことだとも思うのですけれども、一面から考えますと、こういったような学校教育の問題に警察が深くかかわっていくということもまた大きな問題になるのではないか。その辺は警察としても大変慎重に考えていただきたいと思うのです。
 私は、ここで一番考えなければならないのは、今、社会全体の中に人の命を守るといいますか、人の命を大切にしないという風潮が大きく流れてきているのではないか、それと人権を守らなければならないということもまたおろそかになっているのではないだろうか、こういったようなことをもとにしながらけん銃の問題について警察庁にお伺いしたいと思います。
 ちょうど前の委員会が十二月の初めでしたので十一月の二十五、六日ごろから整理をしておりましたら、これはもう皆さん御承知のとおりですけれども、十一月二十五日の新聞ですが、銃弾の話が全部ここに出ているわけですね。
 見てみますと、十一月二十四日の午前四時ごろに福岡県田川市で病院に発砲、二十四日の午前六時ごろ栃木県の今市署に銃を持って出頭した、二十四日の午前九時ごろに大阪市中央区の南船場で撃たれて重体になった、二十四日の午後五時五十分ごろ大阪府箕面市で一人が死亡、それから二十四日の正午ごろ富山県でも事件があったと、こういったようなことが次々に出ているわけです。
 私たち考えますと、銃というものは今までは一部の人しか持っていなかったんじゃないか、こういったように銃が日本じゅうにばらまかれているということについては考えてもみなかったことなのですが、このごろ特にこのけん銃というものが非常に広く使われている事件が多発しているわけです。ことしになってからでも十一月二十九日現在で二百三十七件、昨日もあっておりましたのでこの件数はもっとふえているかと思うのです。
 現在、全国に一体銃はどのくらいあると思われるのか、これはなかなかつかみにくいことだとは思いますけれども、どのようにお考えになっていらっしゃるかということと、それは一体どのような形で所持をされているんだろうか、このことについて当局のお答えをお願いしたいと思います。
#5
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように大変難しい御質問でございまして、けん銃が国内にどれくらい流入しているかということでございますが、最近我が国において警察が押収しておりますけん銃の大半でございますけれども、九割前後でございましょうか、これは外国から密輸入されたものでございます。これは昭和五十年代ころまでは国内で密造されるといいますか、いわゆる改造銃が全体の半数近くを占めておったのでございますけれども、今はもうほとんどは外国から持ち込まれるものでございます。ただ、そのけん銃の数がどの程度なのかということについては、実際のところ具体的数字は把握できていないわけでございます。
 ただ、このところ毎年千五百丁前後の銃を押収しておる、それからまた昨年は過去五年では最高の千六百七十二丁を押収しておりますが、そういうようなこと、さらに暴力団以外の者からの押収もふえておるということなどから推測いたしまして、相当数のと言うより言い方がないのでございますが、相当数のけん銃が流入しているのは事実であろうというふうに考えております。
 こういったけん銃がどのような形で所持されているのだろうか、存在しているのだろうかという御質問でございますけれども、多くは暴力団あるいはその関係者により隠匿所持をされているというふうに見ております。しかし、最近の押収事例から見てまいりますと、暴力団以外の者の所持もまたふえておるというようなことかと思います。
#6
○篠崎年子君 今の御答弁にもありましたけれども、押収けん銃の数は大変ふえてきているということですが、「暴力団」と「その他」ということで見てみますと、これは割合なんですけれども、暴力団の方は、平成元年から見てみますと、前年比八一・三、九七・三、一〇三・九、一一二・四、一一一・六というふうになっているわけです。それに対しまして「その他」、これは一般だと思うのですけれども、これは平成元年が前年比七三・〇、五九・二、一七三・三、四八四・六、一二五・九というように非常に、平成五年はちょっと下がっておりますけれども、平成四年では五倍近くになっているわけです。
 こういうふうに見てみますと、今まで銃は特定な人しか持っていなかったんだというものが一般社会に広く流れてきているということがこれによっても明らかではないかと思うのですけれども、なぜこういうように一般に銃が広がってきているのでしょうか。
#7
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。
 暴力団以外の者からの押収がふえている原因あるいは理由でございますけれども、一言で言えば定かではないのでございますけれども、いろんなことを推測してみますに、一方では暴力団と見られる者から例えば匿名の電話などがございまして、コインロッカーに置いてあるからというような申告がありまして、実際に行ってみますとコインロッカーに置かれているというような形で提出されるけん銃がふえておることから、ちょうど昨年、国会で銃刀法の改正をやっていただきまして大変飛躍的に刑罰を重くした改正銃刀法ができておりますが、施行などを通じまして、こういったことをバックに最近の厳しい暴力団の取り締まりによりまして暴力団関係者の中にけん銃を処分する場合がふえているようにも見られるというようなこと。それから、他方、海外で購入し持ち帰ったり、あるいは持ち帰ろうとして発見されたけん銃の押収というものがふえております。そういうことや、あるいは多数のガンマニアが改造したけん銃を購入している事案なんというのもやはり幾つも見られます。
 そういうようなことから、けん銃の所持に対する国民の抵抗感といいましょうか、あるいは規範意識といいましょうか、そういうものが低下しているというふうにも見られることが相まちまして暴力団以外の者がけん銃を入手できる機会が広がるとともに、全体として暴力団以外の者のけん銃所持の実態が増加しているというようなことがうかがえるのではないかと思っておるところであります。
#8
○篠崎年子君 確かに銃刀取締法の一部改正、これが昨年七月に施行されたことによって銃刀類が、けん銃も含めてですけれども、本当ならば少なくなっていかなければならないのに、それが逆の効果になっているのではないだろうかということについては今お話がありましたので大体わかりました。やはり警察の皆さんが御努力をしていらっしゃることはよくわかるわけです。しかし、輸入のときの水際作戦あるいは改造けん銃、そういったことに対する厳しい取り締まりが行われなければならないのではないだろうかということで、この点についてはさらに御努力をしていただきたいと思うわけでございます。
 そこで、大臣に御所見を承りたいのですけれども、さきに大臣は所信表明の中で、警察行政について「私は、我が国が誇る財産とも一言うべき良好な治安を維持向上させるために全力を尽くし、国民の皆様の期待と信頼にこたえてまいる所存であります。」というふうにおっしゃっております。さらに、犯罪情勢と対策については「極めて凶悪な犯罪が多発し、けん銃が市民生活、企業活動、言論活動等に直接向けられるというまことに憂慮すべき情勢が生じております。現在、警察としては、これら事件の検挙、解明に全力を挙げるとともに、暴力団に対する取り締まり、けん銃摘発等を徹底し、この種犯罪の防圧に最大限の努力をいたしております。」とおっしゃったわけです。「努力をいたしております。」とこうおっしゃっておりますので、本当はそういうところはあらわれてこなければならない。
 大臣御就任後まだそう長くはございませんので今御努力中だと思いますけれども、今まで御質問いたしましたようなことも含めまして、大臣として、非常にくどいようですけれども、さらに今後どのような努力をされようとしているのか、御所見あるいは御決意を承りたいと思います。
#9
○国務大臣(野中広務君) 今、委員から私の所信表明について御指摘を賜りましたように、私は、我が国における良好な治安というのはある意味において貴重な財産であるとともに、他国に誇れる文化だと考えてまいりました。けれども、最近の一連のけん銃等を中心とする凶悪犯、さらには先ほど御指摘のありましたいじめ、こういう問題は近年我が国が当面しておる深刻な問題であろうと認識を新たにしておるところでございます。
 したがいまして、先般、村山総理の指示をいただきまして、そして関係閣僚会議を十一月二十九日に開催いたしまして、総理みずからも出席をいたしまして、関係省庁が相連携をしながら、今、政府委員が答弁をいたしましたように、一つは暴力団に対する取り締まりが強化をされましたために暴力団が所持をしておったけん銃が外に出ていく、もう一つは最近の傾向はやはり密輸入がいろんな手段で行われておる、こういう状況でございますので、徹底して暴力団の所持するけん銃の摘発、もう一つは各省庁が協力をしてけん銃の密輸入について水際でとめていく、こういう問題につきましてさらに連携を深めながら鋭意この犯罪検挙に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#10
○篠崎年子君 次に、交通安全対策についてお尋ねをいたします。
 交通戦争という言葉がこのごろちょっと聞かれなくなりましたけれども、今、交通事故の死者の数が六年連続して一万人を超えるというまさに憂うべき事態になっていると思うのです。
 この交通事故の件数が減らない、これは随分警察でもいろいろな工夫をされているし御努力をされていることはわかりますけれども、この減らない原因というのは一体どこにあるのでしょうか。
#11
○政府委員(田中節夫君) 交通事故の状況でございますが、本年に入りまして昨日現在で九千八百四十九人の方が亡くなられておりまして、昨年より若干減っておりますけれども、このまま続きますと昭和六十三年以降七年連続して一万人を超えるというような非常に厳しい情勢にございます。
 委員御指摘のなぜこのように交通死亡事故が減らないかということでございますが、交通死亡事故の原因、これは道路の構造とかあるいは車の問題とか、さらには人の問題とかいろいろ複雑に絡み合って起きておるわけでございまして、それぞれの所管する省庁がいろんな工夫をしながらこの交通事故防止対策について鋭意努力をしておるところでございますけれども、なかんずくやはり車社会が飛躍的に拡大してまいりますと、道路交通の場に参加していただく国民の方一人一人の意識と申しますか、交通安全についての認識といいますか、そういうものを高めるための努力をさらに続けなければこのような状況はなかなかに改善できないのではないか、そのように大きな問題になるのではないかというふうに考えておるところでございます。
#12
○篠崎年子君 今おっしゃったとおりだと思うのですけれども、その中で、先ほど冒頭でも申しましたように、やはり今の私たちも含めましてですけれども、日本人全体の中にどうしても人の命、人権を大切にするという考え方が少し薄らいできているのではないだろうか。例えば、道路を車で走っているときに、人の姿が見えたら人を優先させなければならないのに自分の車を先にやることを考える、そういったような風潮をやはり正していかなければこの交通事故はなかなか減っていかないのではないかと思うのですね。
 その場合に、一つはそういったような運転者のマナーの問題があると思うのです。これはいろいろ一般の学校でもあるいは自動車学校等でも十分に指導されていると思うのですけれども、特に力を入れていただきたいと思うのです。
 もう一つは、先般、ちょうどニュースを見ておりましたら、アメリカでの交通事故が大変減っているということで、それについては車の改造ということが行われていると。ぶつかったら前の方にすぐ膨らんでいくエアクッションですか、そういうものをつくっていくことによって事故死者の数を減らしてきたというようなこともあります。
 それからもう一つは、私は道路の構造上の問題といいますか交通体系の問題が大きいのではないかと思うのです。交通事故の件数をちょっと調べたのがありましたが、例えば交通事故のワーストファイブということになってまいりますと、神奈川県がトップで、あと東京都、大阪府、愛知県、福岡県ですから人口の多いところの順だと思うのです。そして交通事故死者の数ですけれども、これは北海道、千葉、愛知、神奈川、茨城というふうな順序になっております。
 それから、数はそういうふうなことになっておりますけれども、これは年々にどのくらい件数が減っているか、あるいはふえているかということを見てみますと、昭和六十三年では全体的に減っている県が十六、それから平成元年は交通事故の減っている県が六、それから次は三十三、二十、十、六というふうに、平成五年は交通事故の減っている県数が減っているわけですね。ところが、逆に死者の数を見てみますと、死者の数がふえている県の数が多くなっておりまして、特に平成三年が二十七、四年が二十、五年は三十四というふうに大変ふえてきているわけです。
 このことはやはり特にいろいろな施策を講じていかなければなりませんけれども、それには時間がかかりますので、時間をかけないで早急に対策をとるのには、先ほど私申しましたように、やはり運転者のマナーということを考えなくてはいけないということが一つ。それから、やはりどうしても被害を受けている方々というのは交通弱者と言われる方が多いわけですね。交通弱者と申しますのは子供たちであり、また高齢者であるかと思うのです。そこで、こういったような高齢者の人、あるいは子供たちが安心して道路が渡れるような道路の構造に変えていかなくちゃいけないんじゃないだろうかと思います。
 私は余り大きな町に住んでおりません。二十五万ぐらいの都市ですけれども、やはり横断道路があいておりますと、ちょっと右と左を見回しまして、やっぱり歩道橋を渡るよりも横断歩道で行った方が早いというのでちょこちょこと真ん中を通って走り抜けたりする人を見るわけですね。
 そこで、人口の少ないところではなかなかそうまでいかないと思いますけれども、かなりの人口のあるところでは歩道橋にエレベーターをつけるとか、あるいは駅舎に通じるところには歩道橋をつけるとか、あるいはエスカレーターをつけるとか、そういったような工夫はできないものだろうかと思うのですけれども、これちょっとお尋ねしておりませんでしたが、どういうふうにお考えでしょうか。
#13
○政府委員(田中節夫君) 今、委員御指摘の子供あるいは高齢者、さらには身体に障害を持たれる方、一般的に言って道路交通などにおきましては被害を受けやすい立場にある方々でございます。このような方々に対しましては、従前からいろんな施策を講じておるところでございます。例えば、私どもの所管で申しますと、交通安全施設の面で交通弱者の信号機とか、あるいは高齢者の方が使いやすいような、あるいは視覚に障害を持たれた方が容易に使えるような信号機の整備とかというようなことに努めております。
 今お話しのように、例えば歩道橋のエレベーターとかあるいはエスカレーターになりますと、これは建設省所管になりまして私どもの方からちょっとお答えはしにくいわけでございますけれども、そういう御意見があったということにつきましては建設省なり所管の方に伝えてまいりたいと、かように思っております。
#14
○篠崎年子君 総理が人にやさしい政治をと言っておりますので、どうぞそういう気持ちで頑張っていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#15
○山口哲夫君 地方分権についてお尋ねをしたいと思います。
 これまで行革審の方から何回か地方分権についての答申が出されておりますけれども、残念ながら今まで地方分権は一歩も進んでいないというのが現実だと思います。幸い、前の選挙でほとんどの政党が地方分権を公約に掲げて国民に訴えてまいりましたし、また各団体、特に経済界、労働界、それからそのほか各界の方からも地方分権に対する意見というのが随分出されるようになりました。また、村山総理も重点政策の一つに地方分権を挙げておられる。そういう点では、今このチャンスを除いてはなかなか地方分権は実現できないのじゃないだろうか、地方分権の法律をつくるには絶好のチャンスが訪れたというふうに考えております。
 そういう意味におきましては、地方分権推進の中心的な役割を担っていかなければならない自治大臣として、この地方分権に対する御決意をまずお伺いしておきたいと思います。
#16
○国務大臣(野中広務君) 山口委員からただいま御指摘を賜りましたように、地方分権につきましては、現在、行政改革推進本部に設置をされました地方分権部会におきまして、地方分権推進の基本理念を中心として、取り組むべき課題、手順、こういうところを御審議いただき、去る十一月十八日にはこの皆さん方の御意見を私ども関係閣僚がお伺いをさせていただいたところでございます。こういうものをまとめまして年内に大綱を定めることとしております。また、先般、十一月二十二日に第二十四次地方制度調査会から地方分権の推進に関する答申をいただいたところでございます。
 今お話しのように、村山総理も特殊法人等の見直しの行政改革、規制緩和、さらに地方分権というのは我が村山内閣の最大課題であると私どもに強い意思表示をしていただいておるところでございますので、私どもも、今日まで言葉が走り、あるいは活字だけでありましたことが、昨年の両院における地方分権推進の決議をはずみといたしまして具体的に歩んでまいりましたこの機会を逃してはならないと考えて、新たなる決意で取り組んでまいりたいと存じておるわけでございます。
 政府といたしましては、地方分権部会の専門員の皆様からいただきました意見やあるいは地方制度調査会の答申、あるいは地方六団体の意見書等を踏まえまして、先ほど申し上げましたように、年内に地方分権推進に関する大綱を定めまして、これに基づきまして速やかに地方分権推進に関する法制定を目指したいと考え、総理もそのように機会あるごとに申しておるところでございます。
 がしかし、先生から今御指摘がございましたように、長い歳月をかけてやってきた問題でありますけれども、具体像を見ることなく今日に推移したことはまことに残念であると思いますとともに、そういう経過をたどりながらそれぞれこの困難な壁を破りまして、この機会にこそ地方分権の新たなる実体像が見えますように、そして分権推進への足がかりができていきますように、私どもこの機会を逃すことなくとらまえてやってまいりたいと考えておるところでございます。
#17
○山口哲夫君 大変意欲を持った御決意をいただきまして感謝しております。ぜひひとつそういった意気込みでこれを実現させていただきたいと思います。
 そこで、少し具体的な問題について質問したいと思います。
 今、大臣からもお話がありましたように、この十一月十八日に行政改革推進本部地方分権部会本部専門員の意見というのが出されました。読んでみましたけれども、全体的に大変いい内容であると思っております。一、二問題はありますけれども、大体結構な内容でないだろうか、こう思います。
 大臣としてこの専門員から出された意見というものを、これから地方分権推進基本法を制定していくわけですけれども、そういう立法過程でこの意見をどのように位置づけていかれるのか、その辺についてお尋ねいたします。
#18
○政府委員(吉田弘正君) ただいま大臣の方からも御答弁ございましたように、現在、地方分権の推進につきましては、行革推進本部に設置されました地方分権部会で鋭意検討をしているわけでございます。今後の地方分権の推進の基本理念や取り組むべき課題と手順を明らかにした大綱方針の骨格をつくるということで鋭意検討を続けてまいりました。さらに、十一月十八日には、今、先生おっしゃいました本部専門員の意見の取りまとめがありまして、関係閣僚に対して報告をされたものでございます。
 政府におきましては、この地方分権部会の本部専門員の皆様方からいただきました貴重な意見でございますので、この御意見を踏まえまして年内に地方分権の推進に関する大綱方針を策定するということにしているところでございまして、こうした貴重な御意見がこの大綱方針に反映できますように私どもとして努力をしてまいりたいと考えております。
#19
○山口哲夫君 今、局長のお話にありましたように、年内につくろうということですけれども、年内というとあと非常に短い時間しかないわけです。そういうことで、時間的な余裕がない中でせっかくつくられる大綱が宣言的な抽象的なものに終わってしまったのではまずいだろうというふうに思います。
 それで、なるべくこの大綱というものは具体的な内容を持ったものにしていくべきであろう、こう考えますけれども、その点いかがでしょうか。
#20
○政府委員(吉田弘正君) 地方分権の問題につきましては、ただいま申し上げました本部専門員の意見もございます。地方制度調査会の先般の答申もございます。それぞれ具体的な意見、提言があるわけでございますので、これからつくります大綱方針につきましてもこれらの意見が十分反映しますようにぜひ努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#21
○山口哲夫君 ということは、専門員のこの意見というのは結構具体的に書かれていますけれども、大体こういう内容で具体性を持ったものにしていきたい、そういう考え方と理解してよろしいですね。
#22
○政府委員(吉田弘正君) この大綱方針は年末に向けて鋭意検討している最中でございます。答申なり専門員の意見を踏まえまして、答申とかあるいは専門員の意見は相当詳細にわたっておりますのですべてということではないと思いますが、できるだけその趣旨が反映するようにということで私どもは努力してまいりたいと考えております。
#23
○山口哲夫君 総務庁、いらしておりますか。
 この地方分権を進める省庁の一つであろうと思いますけれども、実際にこの大綱の原案をつくる、執筆するというか、これはどこが担当することになるんでしょうか。
#24
○説明員(福井良次君) お答え申し上げます。
 地方分権大綱方針につきましては、ただいま自治省からも御説明がありましたように、年内をめどに政府部内で検討を進めるということでございます。この問題につきましては、国、地方の行政全般に広くかかわりのある事柄でございます。したがいまして、政府部内の体制といたしましては内政審議室、自治省、総務庁、この三者が協力して取りまとめたいということになっております。
#25
○山口哲夫君 内政審議室、いらっしゃっていますか。
 内政審議室、自治省、総務庁、三者で書くということですけれども、具体的にはどこが担当するんですか。
#26
○説明員(白崎徹也君) お答え申し上げます。
 ただいま総務庁の方からお答えになったとおり、この問題につきましては内政審議室と自治省と総務庁、三者で共同して取りまとめに当たっているところでございます。三者協力しながら作成しているということでございます。
#27
○山口哲夫君 三者の中で具体的にどこが中心的な役割を担うんですか。
#28
○説明員(白崎徹也君) 行政改革推進本部そのものの庶務につきましては私ども内閣官房の内政審議室で行っております。
 この大綱方針につきましては、先ほどのお答えの繰り返しになりますけれども、内政審議室、自治省、総務庁、三者が共同して事務局を構成いたしておりますので、三者で協力しながら取りまとめに当たっているところでございます。
#29
○山口哲夫君 それじゃ総務庁と内政審議室にお伺いします。
 この大綱をつくるに当たって、今、自治大臣あるいは自治省の行政局長からお話がありましたけれども、意見書が出されております。この専門員の意見書というものを中心として、この精神を大切にしながら原案をつくっていくというふうに理解してよろしいですね。
#30
○説明員(福井良次君) 先ほど自治省行政局長からも御答弁がありましたように、本部専門員の御意見、これも大変貴重な意見でございます。分権部会の各閣僚におきましても、その場でいろいろ意見交換をされた状況もございます。そういうものを踏まえまして、自治省と我々と一体となってやっておりますので全く同じ気持ちでございます。
#31
○説明員(白崎徹也君) 私どもは行政改革本部の庶務を担当いたしておりまして、専門的な知識を持っている方に委員としてお入りいただいた立場でございます。幅広い項目につきましていろんな御意見をいただきまして、先ほど先生から御指摘がありましたのはその中の大要を集約整理したものでございますが、大変貴重な意見をいただいております。
 政府としましては、この意見を踏まえて、現在、政府部内で検討作業を行っているところでございます。その作業を通じまして最終的に大綱方針の取りまとめを行っていくという方針でございます。
#32
○山口哲夫君 ぜひこの専門員の意見というものから余りそれないような形で、これを一つの柱としてもっと内容の充実した、そういった大綱をつくっていただくように期待をしておきたいと思います。
 そこで、内政審議室にさらに具体的にお尋ねいたします。
 地方分権を進めるに当たりましては、どうしても欠くことのできない幾つかの基本的な事項というものがあると思います。特に、この専門員の意見の中にもありますけれども、例えば国と自治体との役割分担をどうするのかとか、それから地方分権を具体的に進めるためには推進委員会をつくっていかなければいけないとか、これだけは絶対に、必ず法律にも書かなければならないという問題が幾つかあると思うんですけれども、その重要な骨格になる部分について幾つかぜひひとつお挙げいただきたいと思います。
#33
○説明員(福井良次君) 個々の内容にわたる部分でございますので総務庁から便宜お答えさせていただきます。
 この大綱方針の具体的な中身についてのお尋ねでございます。まさに現在こういうことを政府部内、この三省及び各省庁とも議論を続けているところでございます。
 その内容につきましては、この地方分権部会において大きく三つの柱で検討をいただいておりまして、まず一つは地方分権推進の基本理念、それからもう一つは国、地方の役割分担等のあり方、権限移譲の推進などのいわゆる分権推進に関する基本方針、それから今後の推進方策のあり方、こういう事柄について現在検討が進められている。したがいまして、この分権大綱方針につきましてもこうした枠組みを念頭に置きつつ取りまとめるということになります。
 ただ、具体的内容につきましては、目下まさに鋭意検討を進めている段階でございますので、まだ御報告申し上げられる状況になっておりません。その点は御了解いただきたいと思います。
#34
○山口哲夫君 そこで、自治大臣にお尋ねいたします。
 やはりこの大綱なり法律の一番骨格をなすのは国の仕事、それから自治体の仕事、その仕事の役割分担というものをはっきりと法律に限定列挙をしていく必要があるのではないだろうかというふうに私は考えております。ただ、第三次行革審でも国の役割分担というものを限定列挙するようにという答申が出たことがあるんですけれども、しかし残念ながら各省庁の中でそれに反対する意見が結構あったというように思います。しかし、これを除いては地方分権というものが進まないわけでございますから、やはり私は国の役割分担というものをできるだけ限定的に列挙していくべきだと、そういうふうに考えますけれども、いかがかということ。
 それから、その際の書き方としては、地方六団体が十六項目を国の仕事として挙げているという極めて具体的な列挙の仕方もありますし、またこれは地方制度調査会あるいは専門員の意見も同じですけれども、大体三大項目くらいに分けて、そしてそれに括弧書きにして具体的な国の事務を例示をしていくという書き方もありますけれども、どちらがよいというふうにお考えでしょうか。
#35
○国務大臣(野中広務君) 今、委員から御指摘ございましたように、それぞれ地方分権の専門員の皆さん方の御意見、さらには地方六団体から地方分権の推進に関して意見が出されました中にも十六項目が列挙をされておるわけでございます。
 分権部会におきます三つの大きな項目、あるいは地方六団体からの十六項目等を貴重な御意見としながら、今それぞれお答えがございましたように、この御意見を踏まえながら今回の大綱の取りまとめを速やかに行っていこうとしておるところでございまして、またそういう大綱の取りまとめに当たりましては、具体的な内容が入るように私どもぜひ努力をしてまいりたいと存じております。
#36
○山口哲夫君 ぜひそういう形でお願いしたいと思います。
 そこで、次に機関委任事務についてお尋ねします。
 この意見書の三ページの中にも機関委任事務については「機関委任事務制度は廃止する。なお国の事務として残さなければならず、かつ執行に地方公共団体の協力を必要とする事務については適切な措置を検討する。」というふうにあります。地方分権を進めるためにはこの機関委任事務というものは当然廃止をするべきであるという考え方に立っておりますけれども、それについてはいかがかということ。
 それから、この意見書にも書いてありますけれども、廃止してもやはりどうしても自治体の協力を得なければならない仕事というものはあるわけですね。例えば戸籍事務とか国勢調査とか、あるいは国政選挙であるとか外国人登録とか、そういうようなものについて自治体との関係をどのようにしていったらいいか。
 後段の方は大臣でなくても結構です。前段の方はぜひ大臣からお答えいただきたいと思います。
#37
○国務大臣(野中広務君) それぞれ機関委任事務につきましては、基本的には廃止をされるべきであると考えております。ただ、中には廃止することによって非常に執行がしにくい問題も具体的にはあろうかと思いますけれども、それは十分選別して、先ほど申しましたように、基本的には廃止するという意向で進めていくべきだと存じております。
 以下、政府委員からお答えします。
#38
○政府委員(吉田弘正君) 機関委任事務の問題でございますが、これは御承知のようにこれまでも一括整理法等によりまして整理合理化を進めてまいってきたわけでございますが、先般の地方制度調査会の答申で「機関委任事務については、この概念を廃止し、現在、地方公共団体の機関が処理している事務は、地方公共団体の事務とすべきである。」という御提言があったわけでございます。
 いずれにいたしましても、機関委任事務問題についてはかねてからの検討課題でございます。私どもとして、地方の自主性、自立性の強化を図るという見地でこの答申等も踏まえまして、その見直しを着実に推進してまいりたいと考えているところでございます。
 それから、お話がございました国政選挙や旅券の発給等の問題について、国の事務として残るもの、これをどうするかというお話でございました。
 先般の答申におきまして、機関委任事務の概念の廃止に関連をいたしまして、「なお、例外的に国の選挙の管理執行、旅券の発給等本来的に国の事務と考えられるものであっても、国民の利便性と事務処理の効率性の観点から、地方公共団体が執行することが適当な場合がある。この場合の執行の確保等については、地方公共団体の自主性・自立性を確保する視点を踏まえ新たな仕組みを制度化する必要がある。」と提言されているところでございます。
 このような御指摘もございまして、機関委任事務概念を廃止しても、その執行になお地方公共団体の協力が必要となるような国の事務に関して、国と地方公共団体との関係でどのような仕組みが必要となるかについては今後検討をされるべき問題であるというふうに考えております。
#39
○山口哲夫君 自治体がどうしても協力しなければならない国の事務というのは当然今言ったように幾つか残ってくると思うんですね。その場合であっても、いわゆる機関委任事務という制度の形の中で行われることのないように制度そのものは廃止をして、あるいは個別法律でもって自治体の協力を要請するとか、そういうような別な形としてやれるような、そんなようなことをぜひ考えて進めていただきたいものだというように思います。
 そこで、国から地方への権限移譲の問題に移ります。
 当面は都道府県へ分権するということを最優先に扱って、そしてその後都道府県から市町村へ分権することを第二次的な課題とする、そういうふうに答申では書いてあります。専門員の八人は全員一致した意見でございますけれども、何か話に聞くと、閣僚の中には異論もあるようにも伺っております。第三次行革審の答申の中でも現在の都道府県制度、それから市町村制度という二層制の制度というものは定着をしているというふうに書いてありますので、当面は国の権限というものは都道府県、それから政令指定都市、それに移譲するべきものだというように私は考えますけれども、同じでしょうか。
#40
○政府委員(吉田弘正君) これも今御指摘ございましたように、先般の地方分権部会の本部専門員の皆さんからの御意見でございますとか地方制度調査会の答申に、国からの権限移譲等を進めるに当たっては、当面、現在の市町村、都道府県という二層制を前提として、都道府県により重点を置いて進めることが現実的かつ効果的である、その上で住民により身近な存在であり、地域づくりの主体である市町村への移譲を進めることが適当であるとされているところでございまして、私ども地方分権を当面進める上で貴重な御意見であると受けとめております。
 そういうことで進めてまいりたいと考えております。
#41
○山口哲夫君 ただ問題は、まず都道府県に移譲して、いずれ市町村に移譲するという形をとろうというわけですけれども、市町村といいましても大から小までいろいろとあるわけでして、いつでも受け入れることができますという市町村もなきにしもあらず。
 この間、地方分権・規制緩和特別委員会で参考人の意見をお伺いいたしました。そのときに、山口県の柳井市の河内山市長が参考人として出席されまして、大体五万人以上の都市であれば今の権限を我々に移譲してもらっても十分やっていく自信があります、こういうお話をされておりました。確かに五万人以上くらいであればある程度のことはできるのではないだろうかと私も思います。
 そこで、そうかといって、じゃ五万人以上の自治体にいきなり都道府県に移譲されたものをすぐにでも移譲しようといってもなかなかこれは大変なことでございますので、市町村の中で自分のところでは十分受け入れられますというような考え方に立ち、しかも県の方としてもそれであれば移譲しましょうというようにそれぞれまちまちであっても私はいいと思うんです。それぞれの県の中でそれぞれの自治体が県と市町村とで協議をしながら、じゃこの権限だけは私の方で受け入れましょうというような個別な移譲、そんなような制度も私は考えてもいいのではないだろうかというように思っているんですが、いかがでしょうか。
#42
○政府委員(吉田弘正君) 市町村の規模、能力、まさに千差万別でございます。お話がありましたように、非常に小さい村から大変大きな市までございます。政令指定都市については通常の市町村とは違った権限が付与されておりますし、また先般成立いたしました地方自治法の改正で中核市制度というものもつくって、ここでも一定の権限が付与されたということになっているわけでございます。
 今お話ありました個別具体の事務について県から市町村に委任をしていくという方式でございます。この問題につきましては、現在でもそれぞれの地域の実情に応じまして、都道府県の事務であっても市町村が処理することが可能な事務につきましては、その自主的判断によりまして、市町村の同意を踏まえながら都道府県から市町村に対して事務の委任が推進されているところでございます。
 今回、地方制度調査会の答申でございますとか先般の地方分権部会本部専門員の御意見の中にも、先ほど申しましたように、当面、都道府県に重点に置いて権限の移譲を進める、その上で住民により身近な存在であり地域づくりの主体である市町村への権限移譲を進めることが適当であるというふうにされておりますので、その際には、御指摘がありましたように、都道府県、市町村、双方の意向を踏まえながら、さらに都道府県から市町村へ権限の移譲を進めていくということが必要であると考えている次第でございます。
#43
○山口哲夫君 自治体の中には、この分権の基本的な考え方としては、都道府県ではなくして、基本自治体である市町村に権限移譲せいという声も結構あるわけですね。しかし、今回の答申並びに専門員の意見というのを見ておりますと、やはり二層制でとりあえずは都道府県にという考え方があります。私もそうだと思いますけれども、しかし基本自治体がやはり意欲を持っていることも事実でございますから、今お話がありましたように、できるだけ基本組織である市町村に一日も早く権限移譲ができるような、そういう方針というものをできれば大綱なり法律の中に私は書いていった方がいいのではないだろうかというように思いますので、そこを強く要望しておきたいと思います。
 その次に、地方債の許可制度の問題です。
 この意見書を見ておりますと、「地方債許可制度については、その制度の一層の弾力化、簡素化を図るべきである。」云々というふうに書いてありますけれども、この地方債というのが当分の間は許可制になって四十数年もたっているんです。当分の間というのは普通数年を指すというふうに法解釈では言うのだそうですけれども、それが四十数年たっているわけです。地方分権によってほとんどの仕事が自治体の方に移譲されるということになりますと、やはり起債の許可制度というものは「弾力化、簡素化してはなくして廃止するべきものだというふうに私は考えるんですけれども、その点についていかがかということ。
 それから、この際、分権を待たずに各自治体での予算との関係で一定の割合で起債の許可というものを廃止していくという方法だってあるのではないだろうか。せっかく地方分権を進めようと言っているときですから、それのひとつ先鞭を切ってこの起債だけは、ある程度の枠ははめながらも自主性を尊重して、許可制度を廃止するということに踏み切ってもいいときではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#44
○政府委員(遠藤安彦君) 御指摘の地方債の許可制度の問題でございますけれども、日本の地方財政制度というのは一つ大きな特色がございまして、これは自治大臣が地方財政計画を定めて三千三百の地方団体の財源を保障するといいますか、財政運営に支障がないようにするということになっておるわけでありまして、その中で地方債の許可制度というものも考えなければいけないんじゃないか。
 具体的には、自治大臣あるいは都道府県知事が許可をした地方債の元利償還金についてはすべて地方財政計画の中に織り込んで償還できるような財源措置を講じるというところが一つ非常に大きな役割を担っているわけでありますので、これを外してしまいまして、地方団体が自由に発行した地方債の元利償還を自治大臣が財源的に最終的に保障していかなければならないというような制度には今の段階ではなりにくいというようなことが非常に大きな地方債の許可制度の存続の一つの理由になっておるわけであります。
 そのほかにも、地方債の許可制度があることによりまして、国と民間との間の資金需要の調整の問題ですとか、それから個別の地方団体が適正な地方債の発行規模を存続するといいますか維持するということを見ておるというような役割もあるわけでございます。したがって、私どもはこの地方債の許可制度というものは今外せないなというように思っているわけです。
 実際問題としては、現実に平成四年度から地方債につきましては事業一件ごとに審査をするのじゃなくて枠配分で許可の手続をとっておりますので、事実上は地方団体が発行したい地方債というのは大体許可されるということになっているので、ある意味では許可制度を厳格に活用して地方団体が大変になっているということは私はないのじゃないか、軽くなってきているのじゃないかというように思います。
 御提言の予算の一定割合まではもう許可を廃止するというのも確かに一つの方法だとは思うんですけれども、具体的に考えてみた場合には、例えば補助事業と単独事業ではその財源措置の仕方、あるいは起債の充当率などというものがかなり違うわけでございますので、それらを一緒にして予算との関係で一定割合というようなことをするのは若干無理があるかなというような感じがします。
 いずれにしましても、許可制度はありますけれども、実態としては地方団体にかなり自由に起債をする自由が今は生じておりますし、最終的にチェックする場合には公債費、起債の制限比率だとか、そういった発行をした後に生ずる元利償還金の段階で数字的に私どもチェックして、余り大きくなると単独事業の起債の発行の制限をするというような形で抑えていくという後追いの姿になっているということを御理解いただきたいと思います。
#45
○山口哲夫君 この問題を議論したら時間がなくなりますから。
 ただ、ちょっと気になるのは、専門員の意見書を読んでみますと非常に前向きに書いているけれども、ここに限って、今まで当分の間許可制度であって、当分の間というのですからいずれ必ず許可制度を廃止するだろうと思っているのに、どういうわけか自治省が担当しているここだけが廃止にならないで「弾力化、簡素化」というふうに書かれているのでちょっとおかしいなというふうに感じたので、これはいずれ私どもは大綱なんかを議論するときにもやはりもう少し深く突っ込んでいくべき問題だろうというふうに思います。私は、一定の条件をつけるならば許可制度は必要はないというふうに考えておりますので、いずれやりたいと思います。
 それで、地方分権推進委員会の設置ですけれども、これはやはり私はもう少し地方分権推進委員会というものを重要視して考えたら、もっと権限を持つだ委員会にしていくということが非常に大事なことだろうと思います。そういう意味では、やはり国家行政組織法第三条に基づいて設置するべきものであるというように考えますけれども、これはどちらでお答えいただけますか。
#46
○政府委員(吉田弘正君) 地方分権推進委員会のお話でございますが、これは今回の本部専門員の意見にもございますし、また地方制度調査会の答申にもあるわけでございます。要はどういう委員会をつくるかということでございますが、地方分権を推進していく上で必要な権限や体制を整備した実効ある委員会をつくっていくということが重要でございます。
 そこで、三条とか八条とかいう議論もございますが、三条、八条ということよりも、要はこの委員会自体がその機能をよく発揮できるような委員会をつくっていくということが大変重要だと私も思っております。今後、年内に地方分権推進に関する大綱方針を策定し、さらにはそれに基づいて地方分権の推進に関する法律の制定を目指すわけでございますが、そういう中でこの推進機関についても規定してづくっていく必要があると考えている次第でございます。
#47
○山口哲夫君 できるだけ権限を強化するためには私は第三条に基づく委員会の方がよろしかろうというように思いますので、ぜひひとつそういった立場で設置を考えていただきたいと強くお願いをしておきたいと思います。
 そこで、これは内政審議室でしょうか、推進委員をこれから委嘱していくことになるわけですね、法律が決まりますと。その場合に、学識経験者をもってこの委員会を組織し、また地方自治体の経験者も入れると書いているんですけれども、問題はその学識経験者の中に元政府役人というのがいつも出てくるわけですね。防衛懇を見ておりましたら、たしか半数以上が、表向きは全部民間団体ですよ、肩書は。しかし、よく調べてみたら半数以上が政府元関係者ですよね。中には防衛庁の事務次官を経験した人まで防衛懇の中に民間人として入っているわけです。だから、これでは本当にいいものが書けないので、そういう元役人の肩書を持つ人を委員には入れるべきではないと。たしかいつかの内閣でそういうことを自重しようという、そういった閣議決定まであったというふうに記憶しておりますけれども、そういう考えについてひとつお考えをお聞きしたいと思います。
#48
○説明員(福井良次君) お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘の地方分権推進委員会の構想が地方制度調査会その他から提言されているということは当然承知しておるところでございます。この地方分権の推進体制につきましては、こうした諸般の御意見を参考として、現在、政府としてこれから分権大綱の中で検討を進めるというところでございます。したがいまして、もとよりそうした問題について、委員構成といった問題について具体的にコメントは申し上げられないわけでございます。
 ただ、一般論として申し上げますと、このいわゆる第三者機関の委員の人事というものにつきましては、その任務に応じまして、任命権者であります所管の大臣、さらには場合によりましては国会の同意人事というようなケースにおきましては国会におきまして、それぞれバランスのとれた有意義な議論が行われるといったことを念頭に置いて適切に判断されるべきものと考えております。
#49
○山口哲夫君 大臣にお考えをお聞きしておきたいと思うんですけれども、例えばパイロット自治体なんかは、あれは非常にいい原案がつくられたにもかかわらず、まるっきり骨抜きになってしまって、こんなものだったら要らなかったという、現在執行していてもその関係する自治体から大変苦情が出ている始末です。
 考えてみたら、自分の持っている仕事を地方自治体に全部渡してしまおうというのですから、そういうような役人の方々が原案を書くこと自体大変無理があると思うんです。それと同じように、元官僚の方々がそういう委員の中に入れば、結局は自分の出身省を守るために働くという今までの経緯もあるわけでして、私はやっぱり国民から誤解されないように純粋な形でこの地方分権の仕事をきちっとやっぱり推進していけるような、そういう委員の役割を果たせるためにも元官僚というのはぜひひとつ排除をするように御努力いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#50
○国務大臣(野中広務君) 今、委員御指摘のように、最初にお話しのありました地方分権推進委員会の設置そのものがなかなか、これの合意を得るのには大変な苦労がこれから大綱をまとめる上でも私は要ると、さらに法案を作成する上においても大変な問題があろうと認識をしておるわけでございます。
 けれども、先ほど申しましたように、総理を本部長とするこの推進本部がそれぞれ分権部会の先生方の意向を踏まえた大綱を定めるわけでございますので、こんな入口でとまるようでは分権はできない、このように考えておるわけでございまして、この委員会が組織をされる上におきましては、委員が今御発言をされましたような趣旨を十分生かして私どもも取り組んでまいりたい、このように考えております。
#51
○山口哲夫君 地方分権の最後に、ちょっとこれ通告しておりませんでしたけれども、総務庁あるいは内政審議室でも結構です。
 この意見書の中に専門の事務局体制をつくるべきだというようなことも書いてあります。先ほどお話を聞きますと、大綱の原案をつくるのも三者で協議をして力を合わせてやるということでして、それだけでも大変な仕事なんで、これから推進法ができましてそれを実際に今度推進計画を立てたり、その推進計画がどういうふうに実行されているか、そういうことに対する勧告をしたり、大変な仕事が出てくるわけですね。行政的な面からいえば、これは革命でしょうね。そういうことからいけば、これは専任の事務局なしにはとてもできるものではないというように思いますけれども、大臣の方がよろしいでしょうかね、これは。
#52
○国務大臣(野中広務君) 私は、専門の委員会、そしてそれに属する事務局が伴わなければ、当然これは具体的成果を得ることができないと思っております。
#53
○山口哲夫君 ありがとうございました。ぜひひとつそういう御決意で、ぜひ野中自治大臣の就任の間に地方分権推進基本法が見事にひとつ来年の通常国会で通過できますように立派な案をつくっていただき、我々も通過のために一生懸命努力したいというように思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 あと五分もありませんので、国と地方自治体との関係についてはちょっとこれは無理がと思いますので、頭だけ一つお聞きしておきたいと思うんです。
 最近、予算委員会を傍聴しておりまして気になったことがあります。それは、質問者がもっと地方自治体を指導せよとやっているわけですね。そうしますと、閣僚の中に、仰せのとおり一生懸命自治体を指導しますと、こうやっているわけですね。そういえば、かつて総理大臣の中にも、かつての内務省と同じような考えで地方自治体に対しては監督、指導する権限が政府にあるというふうに錯覚を持っていた総理もおりました。中には、自治大臣でありながら、いまだに地方自治体を指導できると思って胸を張って答弁した大臣もおりました。しかし、野中自治大臣はさすがに自治体の経験もあり、非常にその点は注意を払いながら自治体を指導するという言葉はとうとう一言もございませんで私は大変安心したんですけれども、閣僚の中にはまだ国というのは地方自治体を指導する権限があるんだと、基本的にそういうふうに錯覚を持っている方がいらっしゃるように思えてならないわけです。
 地方分権をこれから一生懸命進めていこうというやさきにそういう考え方を持っていらっしゃる閣僚がいるとすれば、これは大変なことでございますので、ぜひひとつ自治大臣のお力で内閣全体として、国と地方自治体との関係というものは決してそういうものではないということを、ひとつしっかり内閣として把握できるような御努力をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#54
○国務大臣(野中広務君) 委員御承知のように、各省庁におきましてはそれぞれ所管の行政に関しまして、地方公共団体に対し指導することは現にあるわけでございますけれども、もちろんこのような指導というのは過度にわたってはならないわけでございまして、私どもも今後そういう点を厳に戒めて、そして関係閣僚とも連携をとりながらやってまいりたいと考えております。
#55
○山口哲夫君 自治省が十月七日に出した「地方公共団体における行政改革推進のための指針の策定について」という文書があります。事務次官から都道府県知事、指定都市の市長に出した文書ですけれども、これを読んでみますと最後の方に「この指針に沿って、行政改革の推進に一層努力されるよう要請する。おって、この旨を貴管下市町村に対しても例示達の上、適切な指導をお願いする。以上、命により通知する。」と書いてあるわけですね。
 この文書をずっと解釈してみますと、これ通知文書だというんですけれども、通知と通達文書とは何ら変わらないわけですね。通達というのは告げ知らせること、通知も同じく告げ知らせること。通達というのは上級機関がその管轄の中にある職員に対して発する通知、通牒をもって通達というわけです。だから、そういう点では自治省が地方自治体というのは自分の所管する下部機関じゃないですから通知という言葉を使ったんでしょうけれども、しかし告げ知らせることにおいては何も変わらないわけですね。
 それで、質問ではこの通知文書はどこに法的根拠があるんですかというお尋ねをしているんですけれども、二百四十五条だというふうにお答えになるんでしょうけれども、この二百四十五条を解釈しますと、これはあくまでも自治体に対して技術的な助言、勧告をすることであって、指導するというものではないんだというふうに書かれているわけですね、解釈を見ますと。ところが、この文書を読んでみますと、「例示達の上」ということが書かれている。この「示達」というのは、広辞苑で読んでみましたら、上位者から下位者へ命令、通知などを文書で示し達することであると。だからこれは都道府県が市町村の上位にあるという考え方に立つからこそ「示達」という言葉が出てくるのであって、それでなければ、同等の立場にあるという考え方に立ては「示達」という言葉が出てくるはずがないと思うんです。
 だから、これを全部解釈すると、結局は、政府がこうこうこういうことを考えているから、都道府県知事は市町村長に対してこういうことをきちっとやらせるように指導しなさいよということにつながってくるのであって、地方分権が今進められようとしているやさきにこういう市町村に対して政府の考えを押しつけるような文書を出すということについては今後十分ひとつ注意を払っていただきたいということだけはお願いして、ちょうど時間ですのでやめます。
#56
○釘宮磐君 いよいよこの国会もあすを残すのみとなったわけであります。特に、自治大臣は今回、政治改革法案から行財政改革、さらには税制問題、そしてきょうの所信に対する質疑と、日程が衆参両院にわたって大変だったと思いますが、きょうが最後でございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 今、地方分権の問題につきましては山口委員からかなり詳細にわたって質問がありましたので、私は基本的な部分で大臣の決意をお聞きいたしたいと思うんです。
 まず、行革推進本部の地方分権部会が十八日に最終報告書を、また地方制度調査会が二十二日に地方分権の推進に関する答申をそれぞれ総理に提出いたしました。その議論は、今、山口委員との間であったわけでありますけれども、この中で総理は、地方分権が確実に進む何らかの足がかりをつけると強い決意を述べておられます。私どもにとりましては大変心強い限りであります。
 しかしながら、これから年内に分権大綱方針を策定し、そして次期通常国会に分権推進法を提出するというスケジュールになると思うんですが、そうなりますと来年の六月以降、分権推進委員会の設置ということに向かっていくわけでありますが、私はここで問題となるのはその内容であろうかと思うんです。特に、総論賛成各論反対の中での議論がこれから続くわけでありますけれども、こうしたスケジュールをこなしていく中で、例えば権限移譲が骨抜きにされるのではないのかな、そんなことを実は危惧するわけであります。
 地方自治経営学会が、昨年、全国の都道府県知事と市町村長を対象に行った分権に関するアンケート調査があるわけでありますが、その中で市町村が最も望んでいるのは国庫補助金の改善、縦割り行政の改善、さらには許認可権の改善が上位の三つであったというふうに言われております。具体的には都市計画の決定や農地転用の許可、国の補助金を受けた施設の目的外転用などに関する権限を地方に移譲することや手続の簡素化、迅速化を訴えております。
 そこで、大臣にお伺いいたしたいわけでありますが、こうした地方自治体の声を反映し、真の地方分権を実現するためには、これから中央省庁のかなりの抵抗があると思いますが、それらを排してこれを実現するためには毅然たる政治のリーダーシップが求められると思うわけでありますけれども、担当大臣である野中大臣の決意をお伺いしたいと思います。
#57
○国務大臣(野中広務君) 今、委員が御指摘になりましたように、この地方分権を大綱からさらに推進法に、そしてその中身に入っていきますには、お説のような大きな圧力なりあるいはそれぞれ抵抗も私は率直に申し上げてあろうと思います。しかし、村山総理が申しておりますとおりに、内閣の命運をかけた問題であると大きく認識をしておるわけでございますので、そこに求められるのはまさしく政治のリーダーシップであろうと思うわけでございます。内閣挙げて取り組むべき問題であると存じますとともに、地方分権をあずかります自治大臣としては、私自身、この問題について強い決意を持って臨んでいきたいと存ずる次第であります。
 これはまさしく細川内閣以来引き続いてきた問題でございますので、ぜひ与野党挙げてそれぞれ両院国会議員の皆さん方の熱い御支援と決断をお願いいたしたいと思う次第でございます。
#58
○釘宮磐君 これは行財政改革と並ぶ非常に難しい問題も含んでいるわけでありますけれども、今、大臣がおっしゃられましたように、これはもう我々政治家が与野党とかいう枠を乗り越えて実現をしていかなきゃならないことだというふうに思います。特に、私どもが与党でありましたときに、この行財政改革問題についてのプロジェクトチームに私も参画しておりまして、その際に、一言言うと二言ぐらい返ってくるというのが各省庁の対応でございました。こういうようなものを乗り越えていかなきゃならないということでありますので、ぜひ頑張っていただきたいと、このように思います。
 さて、この地方分権をこれから推進する中で重要な課題は、やはりこの権限をおろしていく受け皿がしっかりしていなければならないと思います。
 そこで、市町村合併についてであります。
 市町村合併については、市町村の合併の特例に関する法律で、合併市町村の合併の円滑化を図るなどの見地から、関係議会の議員の任期や選挙区、職員の身分などの保障措置を設け、交付税や地方債についての一定の配慮を行ってきているわけでありますけれども、これが来年の三月をもって期限切れを迎えるわけであります。大臣所信では「現在、地方制度調査会において御審議いただいているところであります。」と述べておられますが、地方分権が大変重大な政治課題になっている現在でございます。市町村のあるべき姿、分権の受け皿としてふさわしい地方公共団体というものを十分考える必要があると思うわけであります。
 調査会の答申はともかくとしまして、自治大臣は新しい合併特例のあり方をどう考えておられるのか、さらに積極的にこれの促進を図るためには自主性尊重のみではなかなか進まないのではないかという危惧もあるわけでありますが、こういった考え方についてどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
#59
○国務大臣(野中広務君) 先般、地方制度調査会からも市町村の合併のあり方につきまして御答申をいただいたところでございます。私ども、明年三月三十一日をもちまして期限切れとなります合併促進法につきまして、このいただきました答申を基本といたしまして、次期通常国会におきましてぜひ御成立をいただきたいと考えておるわけでございます。
 委員が今御指摘になりましたように、少なくとも市町村の合併というのが効率的に行われることが分権の受け皿としても重要な意味を持つと私は思うわけでございますので、従来と異なりました合併の障害となるような財政支援あるいは今御指摘になりましたような議員の任期、あるいは住民の提案制度等も踏み込んでこの法の中に入れることによってより合併が促進されるように努力をいたしてまいりたい。ただいまその成案を得るべく努力をしているところでございます。
#60
○釘宮磐君 住民発議の制度の創設等も考えられてこれから検討をされるというふうにお伺いしておりますけれども、要は合併をしたことによってそれだけのメリットが出てくるということがない限りなかなか自発的な部分というのは生まれてこないのではないかというふうに思いますので、そういった問題についてもこれから十分議論をしていきたいと、このように思いますのでよろしくお願いしたいと思います。
 そこで、私は、こうした地方分権が進んでいきますと地方公共団体の首長の権限が極めて強大なものになるというふうに考えるわけであります。都道府県知事、市町村長などの自治体の首長が直接公選制によって選ばれ、地域有権者に直接の信託を受けることで今でも政治家の中では最も強大な権限を持っておる自治体の首長の多選について最近議論がされてきております。今、機関委任事務問題や財政自主権が弱いという、三割自治と言われている状況においても首長の権限は相当に強いわけでございます。
 例を挙げますと、平成五年十二月未の段階のデータでも、都道府県知事のうち二十人は三選以上の多選知事であります。また、全六百八十六市区町村長のうち二百四十五人は三選以上、七選や九選の人もおるわけでありまして、中には十二回という人もあります。約半世紀村長を続けているわけでありますから、これだけ変遷が激しい時代に民主主義においてこれで果たしていいのかということも考えられるわけであります。
 そこで、地方分権の推進と言うなら、地方公共団体はその中で自浄作用を営める形にしておかなければならないと思います。強力な権限にはそれが暴走しないような歯どめを、議会との力の均衡を図るためにも歯どめが必要であると思います。多選を抑制する制度を、これは憲法問題ともかかわってくるのかと思いますけれども、私は考えていく必要があるのではないか、このように思うわけでありますけれども、この点について大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#61
○国務大臣(野中広務君) ただいま委員から御指摘のように、地方公共団体の長の多選に関しましては、一人の人間が長期に強大な権限を持って在任をするということについての弊害は、多数の例を残念ながら最近見ることによって、その意見も強まっておるところでございます。
 基本的に私は、本来、選挙民の選挙の意思によって決定されるべきだと考えておりますけれども、最近さまざま起きておる地方自身の残念な不祥事等を思いますときには、法律問題を含めて今後さまざまな検討をいただくべき事情にあるのではなかろうかと認識をしております。
#62
○釘宮磐君 長いということが必ずしもいいということにはならないことは、例えば今も話がありましたけれども汚職問題、そういう問題につながっていくということにもなるわけでありますので、この問題については一部に議員立法でやろうかというようなことも聞いておりますけれども、ひとつ国会の中で議論を起こしていってはいかがかと、このように思います。
 さて次に、さきの税制改革の議論のときにも大臣にお伺いをいたしました行財政改革の問題について質問をさせていただきたいと思います。
 地方分権の問題とあわせてこの行財政改革、これは村山政権発足以来、中央における行財政改革、さらには地方における行財政改革、これをやらずして税制改革はあり得ないんだということの力強い答弁があったわけでありますけれども、この点について、私は、自治省の所管する特殊法人、この問題についてちょっとお伺いしたいと思います。
 自治省所管の特殊法人は、公営企業金融公庫と消防団員等公務災害補償等共済基金の二つがございます。自治省における見直しの検討結果は、まず公庫については公庫融資事業の必要性は増大している、効率的な事業執行に努めている、経営内容は公開しているなどを理由に現在の事業の仕組みは不可欠であるということが中間報告における自治省の結論のようであります。また、消防関係の基金については、全国単一の法人で運営が不可欠、効率的な事業実施に努めている、経営内容は公開しているなどを理由に現在の事業の仕組みは不可欠であるとのことであります。しかし、このようなことで存続を認めていたのでは特殊法人の見直しなどできるわけがないわけでありまして、これでは現在の連立与党が国民に約束している行財政改革は何もできない、国民を裏切ることになるのではないかという危惧を持つわけであります。
 二つの特殊法人を有する自治省としてどのように行政改革に協力していくおつもりなのか、大臣の決意をお伺いしたいと思います。
#63
○国務大臣(野中広務君) 自治省で所管をいたしております特殊法人は、ただいま委員御指摘いただきましたように、公営企業金融公庫及び消防団員等公務災害補償等共済基金の二つでございます。それぞれ地方公共団体とともにやっておる問題でございますので、直ちに民営化等の問題に結びつけるには難しい条件を持っておるものでございます。
 ただし、今、事務次官を中心といたしましてプロジェクトチームを組織いたしまして、私が先般申し上げましたように、地方分権を言い、地方分権を実現さす以上、自治省がその範を垂れられないようでは各省庁にみずからの権限を地方に移すようなことを求めることはできないと私自身認識をしておりますし、先般の中間報告をまとめた結果に基づきまして、総理も関係閣僚を集めまして、総務庁長官と官房長官が個別に閣僚を呼んで、これからは具体的にこの法人をあなたの方ではやりなさいということをやると言って総理は強い意思を示しましたので、私ども総理のその意向を踏まえながら取り組んでまいりたいと考えております。
#64
○釘宮磐君 大臣の力強い決意をたびたび伺っておるわけでありますが、決意だけで終わらないで、これをぜひ何としてでもやっていただきたい。自治省のお役人さんはたくさんおるわけでありますけれども、自治省のトップであるとともに、まず大臣は政治家でありますので、政治家が政治のリーダーシップをとると先ほどのお話の中にもありました。ぜひ英断を奮っていただきたい、このように思います。
 それでは次に移らせていただきますが、警察庁にお伺いをいたします。先ほど篠崎委員の方からも御質問がございましたけれども、最近のけん銃犯罪の頻発に対する問題についてお伺いをしたいと思います。
 けん銃を使った事件が市民に恐怖感を与えておる、最近では全く予期しないところで予期しない事件が起こっておる、我々でもいつ銃弾に当たるかもわからない、こういう状況にあるわけであります。このことについては、平成四年の暴対法の施行、さらには平成五年の銃刀法改正による取り締まり強化でけん銃の処分を考える暴力団員がふえ、暴力団に近い人間にけん銃が流れる構図があるのではないかというような指摘が多く出されております。これは逆に言えば、今まで水面下に沈殿していたものがこうした二つの法律によって攪拌されてけん銃が浮かび上がってきたということにもなるわけであります。
 こういうことについて警察庁としてどういうような認識を持っておられるのか、また今後どう対処していこうとしているのか、この辺については国民が非常に不安を持っておるわけでありますので明快な御答弁をお伺いしたいと思います。
#65
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。
 今、委員の御指摘の関係でございますが、暴力団以外の者からのけん銃の押収がふえていることはそのとおりでございまして、そういったことからこういうような暴力団以外の者の不法所持がふえておるというふうにうかがわせるに十分なわけであります。
 ただ、この原因なり理由につきましては定かではないのでございますが、例えば暴力団あるいは総会屋あるいは右翼等のボーダーレス化というのがございます。そのようなものでありますとか、あるいは暴力団の一般社会への浸透等に伴いまして、暴力団の周辺にけん銃がにじみ出ているのではないかというようなことも考えられますし、また最近では暴力団と見られる者からコインロッカーなどに置いたというようなことで提出されるケースがふえておるわけでございます。
 これは委員の御指摘にありました昨年刑罰を飛躍的に重くいたしました銃刀法の改正などを武器にして暴力団に対しては厳しい取り締まりをやっておりますが、そのことによりまして暴力団関係者の中にけん銃を処分する場合がふえているのではないかというように見られます。また、一方、海外でけん銃を購入する人がふえたりもしておりますし、あるいはまたガンマニアが多数存在をして改造けん銃などを欲しかる人も多いわけであります。
 こういった現象からうかがわれますように、けん銃の不法所持とかあるいはその使用に対する我が国民の規範意識といいますか、抵抗感、拒否感といいましょうか、そういったものが低下していると見られるというようなことがございます。こういったことが相まって暴力団以外の者がけん銃を入手できる機会が広がっているのではないかというふうに思われるわけであります。こういった諸般の事情から全体として暴力団以外の者のけん鉄所持実態がふえておるというふうに考えております。
 私ども、それにつきましては供給と所持の根絶を目指して水際対策、そしてまた国内では暴力団の武器庫等をターゲットにした厳しい取り締まりをやってこの事態を改善してまいりたいと思っております。
#66
○釘宮磐君 けん銃の押収については、十一月が短銃取り締まり強化月間ですか、この月間押収丁数が三百二十四丁というようなことがここに示されております。実際問題、今までけん銃そのものが暴力団によってある程度保管をされていたのが、暴対法等で抗争事件も少なくなったためにそれが市中に出回るようになったというようなことも言われているわけですけれども、実際にけん銃が以前よりも国内にたくさん入ってき出したという認識はあるんですか。
#67
○政府委員(中田恒夫君) 御答弁申し上げます。
 先ほどもちょっと触れたところでございますけれども、現実にこのところ毎年千五百丁前後のけん銃を押収しておる、そしてまたこの丁数についてはことしにおきましてはさらにそれを上回る数字の丁数を押さえておる、毎年毎年押さえておる、それにもかかわりませず押さえるけん銃の丁数は減らない、それからまた暴力団以外の者からも押さえるケースがふえておるということから見まして、正確な数字はわかりませんけれども、それ相応のものが国内に流入しておるというふうに認識しております。
#68
○釘宮磐君 そうなりますと、例えば麻薬や暴力団関係の捜査員というのは非常に数がおるということでありますけれども、銃器関係の捜査員というのですか、これについて問題点があるのではないかというような指摘もあるんですけれども、この点についてはどうですか。
#69
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。
 確かに御指摘のとおり、けん銃事犯につきましては高度の潜在性というものがございます。あるいはまた国際性というものもございます。そういったことから、捜査には薬物事犯とかあるいは暴力団取り締まりという分野におきますと同様に、専門的な捜査官等を育成していかねばならぬということは御指摘のとおりだと思います。
 私どもとしましては、これまで専門的な捜査官の育成を図ってきたところでありますけれども、昨今の厳しいけん銃情勢にかんがみまして、今後例えば税関等との人事交流をさらに拡充するとか、あるいは警察学校等におきます実践的な捜査技術の教育訓練コースを新設する尊いたしまして、なお一層高度な専門的技能を有する捜査官の育成に努めてこの事態に対処してまいりたいというふうに考えております。
#70
○釘宮磐君 先ほどの答弁の中にもありましたけれども、水際での阻止というのですか、これは税関等でこれからその摘発というものに力を注いでいかなきゃならないと思うのでありますけれども、税関で摘発するということと、それからいわゆる港の外あたりで最近はブイを置いてそれに船を着けて引き揚げるというような、そういう巧妙な手口もあるというふうに聞いておるわけでありますけれども、そういった意味での水際阻止ということについてどのように考えておられるのか、その辺をちょっとお聞かせください。
#71
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。
 我が国で最近押収しておりますけん銃のうちの八、九割は海外からの密輸入でございます。そういった意味合いからも水際対策の強化は特に大事なわけでございまして、その水際対策を考えるとなりますと、当然のことながら税関、それから入国管理局、あるいは海上保安庁等の関係機関との協力はもちろんのことでありますが、さらに我が国の海岸線は長大でございます、そのようなことで漁業関係者あるいは海運なり航空業界等の捜査協力の確保にも努めてまいらねばならぬと思っております。今後さらに一層この協力関係を密にする必要があると考えておりまして、現在、御案内の政府内で関係省庁の連絡会議がございますが、ここでこのあり方について練り直しておるところでございます。
 また、広い意味での水際対策ということかもしれませんが、外国の関係機関との協力も大切でございます。そのようなことから、従来ICPOルートとかあるいは外交ルートを通じて捜査協力をやっておったわけでございますが、特に我が国で発見されることの多いけん銃の製造国でありますとかあるいは輸出元、仕出し国でございますが、こういった国との間でより緊密な共助関係をつくる必要があるということから関係各国への働きかけを行って理解と協力を得たいということで努力しておるわけでございまして、つい先週の十一月二十九日からこのような趣旨で銃器対策の国際会議を我が国において持ったわけでございますけれども、このようなことも通じまして捜査、銃器管理の両面について一層の国際協力もやってまいらねばならぬと考えております。
#72
○釘宮磐君 時間が参りましたので最後に一つだけお伺いをしたいのでありますが、最近テレビを中心とした事件、事故の報道について、報道機関としての理性を欠いた姿勢があるのではないかなというふうに私は思うわけであります。
 と申しますのは、この十一月初めに発生したいわゆる横浜港母子殺人事件、このテレビ報道を私は見ておりまして、まだ容疑者が逮捕される前からそれを予断をさせるような、そういう報道が行われております。これは以前、松本においてサリン事件が起こりましたけれども、このときは会社員が既にもう犯人であるかのような報道がなされたわけであります。こういう報道について、例えば今回の横浜港の母子殺人事件の死者のプライバシー、こういったものがテレビ報道の中でどんどん出てくるわけでありまして、これは非常に私はゆゆしき問題だというふうに思います。そして、このような行き過ぎた報道というものが、これを理由に国家権力の介入を許すというような懸念にもつながっていくのでないか、そういう意味でマスコミに大いに自戒を求めたいわけでありますが、この点について大臣にお伺いをしたい。
 それとあわせて、これらの報道を見る中で、例えば被害者の前夫の証言とか、それから三色ロープと鉄アレイのなぞとか、ロープ購入先を特定とか、いわゆる捜査の先を報道が行くということによって事件捜査に支障を来しているのではないのかというようなことも危惧されるわけですけれども、その点について警察庁の方のお考え、御見解をお伺いしたいと思います。
#73
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 報道機関による報道が国民の知る権利に奉仕する点で大きな役割を果たしていることは言うまでもないことでございますが、そういう中でいわゆる犯罪報道のあり方がいろいろ議論をされていることは承知をしております。ただ、この問題につきましてはやはり報道機関の責任において判断されるべき事柄であるというふうに考えているところでございます。
 ただ、捜査活動につきましては、事柄の性質上、秘匿をして行う必要性の高いものでございまして、そうした活動につきまして、犯罪報道によって実際に捜査活動に支障を来したというような事例がないわけではございません。そういうような事例につきましては捜査当局としては大変残念なことというふうに考えております。
#74
○国務大臣(野中広務君) 今、刑事局長から御答弁申し上げましたように、いわゆる犯罪報道のあり方につきましては、あくまで報道機関の責任においてその良識の上に行われるべきでありますけれども、国民の知る権利と関係者の人権、こういうさまざまな観点から配慮をされるべき事柄であると私は考えるわけでございます。
 言うまでもございませんが、いたずらに捜査を遂行していく上にこれが損なわれるようなことのないように、十分配慮を望みたいと考えておるところでございます。
#75
○小林正君 先ほど篠崎委員の方からも冒頭お話がございましたけれども、愛知県西尾市の東部中学校の生徒の自殺事件というものが世間の耳目を今集めているところであります。
 本日は、午後から衆議院の文教委員会等でもこの問題が取り上げられ集中討議がされているというふうにも伺っておりますが、あえて当委員会においてこのことについて御質問いたしますのは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、いわゆる地教行法上、地方公共団体が教育について負うべき責任と関与というルールがこの法律に明定をされておりますし、同時にまた地方自治体の予算の中では教育とか福祉という身近な行政サービスの比率が大変大きいということで当委員会においても極めて関心が高いテーマでもございますので、あえて取り上げた次第であります。
 まず、事実経過について文部省からお伺いをしたいと思います。
#76
○説明員(石川明君) 御説明を申し上げます。
 このたびの中学校の生徒の自殺事件につきましては、平成六年の十一月二十七日の十六時五十分に中学校の生徒、大河内清輝君、十三歳でございますけれども、自宅裏庭のカキの木にかけたロープで自殺をしていたところが発見されたというようなことでございまして、現在私どもも愛知県教育委員会等を通じまして詳細な状況の把握に努めているところでございます。
#77
○小林正君 今の釘宮さんのお話にもありましたが、連日のテレビで当該学校に対するマスコミ、テレビの集中というようなことがございまして、学校現場、そして通学する子供たちも取材の対象になっているというのがブラウン管を通して私たちにも伝わってくるわけでございますけれども、この対応の問題等を含んで、どうもこの事件が発生をして、遺書が発見をされ、そして事態が明らかになる、この間の経過について文部省としてどのようにお考えなのか、承っておきたいと思います。
#78
○説明員(石川明君) 先ほども申し上げましたように、詳細についてはなお調査中でございますけれども、遺書の内容を読みますと大変真に迫り、胸を打ち、涙を誘うものがございます。そういった意味で、それが中身がはっきりするまで、なかなか関係者が気がつかなかったといいますか、十分な察知ができないというようなことも聞こえてきておるところでございまして、これらの点につきましては、私どもも調査をすると同時に、大変残念だなというふうな気持ちを持っておるところでございます。
#79
○小林正君 八六年以降、この荒れる学校の問題をめぐって各学校にいじめ対策委員会の設置というようなことが行われてきているわけですが、文部省もそういう視点での御指導もなされているというふうに思いますけれども、このことについてはどのようにお考えでしょうか。
#80
○説明員(石川明君) 各学校におきます取り組み、例えばいじめ対策委員会のようなものについて、詳細な数というような形では今ここにお持ちできておりませんので申しわけございませんけれども、この学校においても教員がそういった会議を開いて取り組むというような体制はあったように聞いております。
#81
○小林正君 今後の課題についても文部省にお伺いをしておきたいと思いますけれども、このことを受けて具体的に今後どのような取り組みをされようとしているのか、お尋ねします。
#82
○説明員(石川明君) この事件を踏まえての今後の取り組みといいますか私どもの姿勢でございますけれども、文部省におきましては、この問題に関する緊急の対応といたしまして、明日、いじめ対策緊急会議、関係専門家のメンバーにより構成するものでございますけれども、これを今回の事件並びにいじめ問題に関する緊急の対応策等について集中討議を行っていただくという趣旨で開催することにいたしております。
 また、文部省におきましては、本年八月に発足いたしております児童生徒の問題行動に関する調査研究協力者会議というものがございますが、この会議におきましては、小中高等学校の児童生徒一万一千人、そしてまたその保護者あるいは教師約六百人程度を対象といたしましたアンケート調査を実施するようなことも予定しております。そしてまた、いじめ等に関する事例研究なども実施する予定でございます。
 先ほど申し上げましたいじめ対策緊急会議の検討の成り行きといいますか検討の結果等も踏まえまして、総合的な検討を進めまして所要の対策を取りまとめていきたい、このように考えております。
#83
○小林正君 地教行法上は監督権限を持つ教育委員会等の問題が出てまいりますけれども、西尾市の教育委員会なり、昨日は愛知県議会での教育委員会教育長発言というものが報道されております。
 この中で出てくるのは、学校の教師の指導上の未熟さといったような問題、子供が出しているいじめについてのシグナルをきちっと受けとめられない、そしていじめ対策委員会なるものがそうしたことについて十分機能していないんではないかというような指摘もされているんですけれども、この学校と教育委員会の関係の中で、教師の未熟さというような形でこの問題の指摘がされるということについて文部省としてはどうお考えなんでしょうか。
#84
○説明員(石川明君) 教育委員会と学校の関係の中でという、お答えになるかどうか存じませんが、こういったいじめ問題を含め生徒指導上の問題につきましては、私どもの方でも教師を対象としたさまざまな研修を実施したり、あるいは指導資料を作成して配付したりしておりますし、また都道府県の教育委員会におきましても同様の努力、そして日ごろの連絡協議がなされているものと、このように考えております。
#85
○小林正君 そうした取り組みが具体的に成果を上げているというふうにお考えなのかどうか、お伺いをしたいというふうに思うんです。
 というのは、非常に多発しているということですね。この前は山形県でマットにくるまって窒息死をするという、これもまた大変痛ましい事件もあって、そのときも学校の体制の問題として学校に批判が集中をするという形の中で、いつの間にか遠い事件になっていくという繰り返しかずっと来ていると思うんです。これらについていろいろ対策は講じていますよという御答弁ですけれども、また起きているわけで、そのことをも含めましてどのようにお考えなのか、しつこいようですけれども、よろしくお願いします。
#86
○説明員(石川明君) 若干繰り返しになりまして恐縮な面もございますけれども、文部省といたしましては、従来からいじめの問題につきまして、各種会議等において実態の把握や取り組みの充実などについて指導を行っております。
 また、教師向け指導資料の作成、配付ですとか、あるいは教員研修の実施、そして教育相談活動の推進、あるいは教員の配置上の配慮ですとか関連諸施策の充実に努めてきたところでございます。
 また、来年度概算要求におきましては、学校におけるカウンセリング等の充実を図るということが大変必要かつ有効というふうに思われるところから、高度な知識、経験を有する専門家を各学校に置いてスクールカウンセラーとして活用して、その効果等に関する実践的な調査研究を行うことといたしておるところでございます。
 先生の目からするともどかしいところもあろうかと存じますけれども、私ども一生懸命そういった施策を進めております。また今後とも、いじめの問題を根絶して一人一人の児童生徒が生き生きとした学校生活を送ることができますように、生徒指導関連施策の一層の推進には全力を振るっていきたいと考えております。
#87
○小林正君 教師の指導上の問題という指摘がされて、今、生徒指導の充実強化ということでスクールカウンセリングの重要性、そしてスクールカウンセラーを配置するというような予算要求のお話もあったわけですけれども、私は基本的には、教師が子供たちの命をはぐくみ育て、生きるための知識と技術というものを身につけさせていく国民教育の、言ってみれば最低の基準である義務教育という場の中でこうした事件が起きているということに対する深刻さというものについて、やっぱりもっと認識を改めていただきたいというふうに思っているわけです。
 そして、この問題は学校だけで解決がつくというものでは絶対ない。学校を取り巻く地域社会、家庭も含んで教育力の衰退ということが問われているわけですから、他人の子は知らないということではない。コミュニティーの中で学校があって、学校と地域社会、家庭が一体的に対応していくということがないと、いじめられている実態を知りながら見て見ぬふりをしてきたということも証言の中にあるわけですから、それは大事な要素だし、同時にまた学校、地域社会と行政というものが三位一体で取り組んでいくべきテーマだというふうに思うんです。これは、学校だけにすべての責任を転嫁して、学校と教師が悔い改めるということでは解決がつかないという課題であるというふうに思っております。
 私も学校現場におりましたころに、実は子供たちがいわゆる集金をやる、それを指導してきたという経過もございます。その背景には、地域社会に暴力団がいるわけです。その暴力団の手先として学校で子供たちが集金係をやって、そしてその上がりを上納するといったような社会と学校の間の構造的な問題にまで発展しているケースもあるわけです。
 そうなってくると、この問題というのは単なるいじめということではなくて、まさにこれは恐喝事件で、しかも刑法止の問題にまで発展をする内容を含んでいるというふうに思うんです。これは、確かに少年法の保護の問題等はありますけれども、客観的に事実問題として、そういう関係の中で事が起きてきたときに一体どうしたらいいのか。
 荒れる学校の問題というのは、公教育ではアメリカでも大変重大な問題になっていて公教育の衰退が言われているわけで、クリントン政権もこのことをどう解決するかというので、最近いろいろな手だて、取り組みもされているわけです。やがて日本もアメリカのような公教育の実態になったときに、きのう大河内君のお母さんがいみじくも言われておられた、こんな怖い学校、不安なところであるならば、みんな登校拒否をすればいいんですと、こういうことまで言っておられるわけです。
 ですから、そういう実態になったときに日本の公教育というのは地域社会の申から崩壊していってしまうということだって起こり得るし、公教育離れということが言われているのもそこに一つの要因があるとも言われておるわけで非常に重大な問題だというふうに思うんです。したがって、地教行法上の建前からして、自治大臣でかつ国家公安委員長である大臣から御所見を承りたいと思います。
#88
○国務大臣(野中広務君) 今、委員御指摘の今回のいじめ問題に端を発しまして、私どもも深刻な気持ちでこの事件をとらまえておるところでございます。委員がおっしゃいましたように、基本的には学校、家庭、地域社会が一体となって取り組まなくてはならない問題と考えておるわけでございます。
 実は、私は昨日韓国の三世の方とお話をいたしましたら、この方が、自分は日本で生まれ日本で育ったけれども、我々の母国では一対一で激しくけんかすることはあるけれども、十人で一人をやるなんてそんなことはあり得ない、日本だけばそういう点では異質な社会だということを言われて、私も実は愕然としたわけでございます。そういうことを考えますときに、これは単に学校現場だけの問題でなく、国民的な課題として私ども内閣も取り組んでいかなくてはならないと認識をしておるわけでございます。
 警察といたしましては、自殺の事案やあるいは悪質な事件がさまざま発生をいたしておる現状を踏まえまして、少年の相談や街頭補導等を通じまして早急にいじめを発見し、自殺や事件に至る前にこれが解消されるように努力をしてまいりますとともに、特に悪質で看過できないという場合につきましては、刑事事件として立証措置もとらなくてはならない事態もあると存ずるわけでございまして、的確な処理に対応をしてまいりたいと考えております。
#89
○小林正君 ぜひそういう視点で、少年法上の問題というのは常に教育との兼ね合いの中で論議の対象にはなっておりますけれども、どちらかといいますと加害者の人権というものに対する配慮ということが先行して、そうした悲劇を招来した本来の根源にさかのぼった対策ということになかなか手が届かないというのが教育現場の特殊性といったような点で多々あるわけでありまして、そのことについてはやはり今後とも、先ほど指摘したような事例、例えば地域の暴力団等との関係については十分に地域の実情も把握をしながら学校との協力関係の中で解決へ向けての御努力をお願いしたい、こういうふうに思うわけでございます。
 これも学校との関係ということで、若干視点を変えて、毎年問題になることでありますので話を聞きたいと思いますけれども、学校事務職員、栄養職員の国庫負担制度の問題が毎年予算編成期になりますと文部、大蔵の間で、文部省は基幹職員たる学校事務職員、栄養職員については従来の法の精神に基づいて対応しますと言うし、大蔵省の方は、一般財源化という形の中で、人件費がかなりの部分を占める文教予算についての対応でどこか切り口を見出そうとするという十年来の経過で毎年来ているわけでございますが、今年度の対応についてまず文部省からお伺いをしておきたいと思います。
#90
○説明員(矢野重典君) 委員御指摘の義務教育費国庫負担制度でございますけれども、これにつきましてはたびたび国会等で文部大臣等から御説明を申し上げておりますとおり、義務教育の妥当な規模と内容等を保障するための重要な制度でございまして、その対象となっております事務職員、学校栄養職員はいずれも学校の基幹的職員であるというふうに私ども認識しておりまして、そういう意味におきまして、今後とも適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
#91
○小林正君 そうすると、平成七年度予算編成に当たっては、従来私どもが指摘をしてきたような事態は起こり得ないというふうに受けとめていいですね。
#92
○説明員(矢野重典君) 今申し上げました文部省の基本的な方針はいささかも変化はございません。
#93
○小林正君 文部省の信念としてはわかりますけれども、今の段階での見通し、対応についてお伺いをしているわけですから、お答えください。
#94
○説明員(矢野重典君) 財政当局から具体的なお話があるわけではございませんので、今後どういう事態になりましても今申し上げたような基本的な考え方に立って適切に対処してまいりたいと考えております。
#95
○小林正君 実は、毎年このことが問題になって、学校現場の皆さんがさまざまな形での要請を国会に向けてされているというのが事実ですし、人件費が八割を超えるといったような構成になっている文部省予算ということの中で、人件費問題としてこのことがとらえられてきた経過、そして今御答弁にありました基幹的職員という位置づけで制度的に長年にわたってきている内容について切り込みがされるというような新聞報道が毎年されて、最終段階までこれが政治的に取り上げられてきた経緯もありますし、同時にまた昨年の編成段階では、私学助成の対応についても一般財源化という問題も招来をするような大変厳しい文部省関係の予算の状況が一方にある中でこのことが取り上げられてきたということです。
 そして、このことが、私もかつて予算委員会でも御質問したこともありますけれども、シーリングの問題と文教予算の特殊性、そして財源の問題等々から、教育費、物件費の部分ですけれども、大変厳しい実態になっているということも指摘をされ、シーリングについては当時宮澤首相は見直すというような御発言もあったんですけれども、科学研究費の分野だけにとどまって問題解決には至っていない。
 そういう経過の中で今あるものですから、そのときに常に話題になるのは自治省の対応なんです。この大蔵、文部の対応の中で最終的に例えば一般財源化というような措置がとられる場合には自治省としての対応も出てくるんですけれども、従来、大蔵省、文部省の間でこの問題についてのやりとりがされてくる中で自治省として基本的に自治体の教育水準の維持というものを考えた場合に、特に学校事務職員、栄養職員という基幹的な職員がそういう形で位置づくに当たって自治体財政との絡みでどのような御認識をお持ちなのか、大臣の方から御答弁いただきたい。
#96
○国務大臣(野中広務君) 今、委員から御指摘もございましたように、義務教育の国庫負担の制度あるいは昨年の私学助成のあり方等につきまして、委員が御指摘になったような経過があったことは私もよく承知をしておるところでございまして、義務教育に対して国が責任を持つという立場において、先ほど文部省からも答弁がございましたように、全国的に妥当な規模と内容の義務教育を保障するというために国が必要経費を負担するという趣旨になっておるわけでございまして、そういう趣旨から二分の一負担が行われてきたわけでございます。
 ただ、事務職員、また学校の栄養職員の人件費等についてもこの経過が出てこようとしておるわけでございます。これは基本的に私は、国の財政が逼迫したからその削減をするという観点で論じられ、あるいは結果としてそうなってはならない、こう思うのでございまして、国、地方の役割分担あるいは費用の負担等のあり方をやはり根本に立ち返ってこの際明確にし、そして地方が担当する部門、国が果たさなくてはならない役割というのを明確にしていかなければ、これは限りなく混乱をしてまいると思いますので、この隠そういう姿勢を明確に今回の予算編成においてもやってまいりたいと考えております。
#97
○小林正君 時間になりましたので終わりますが、という方針で従来自治省として対応されてきたというふうに受けとめて、自治大臣の御答弁に感謝をして質問を終わります。
 以上です。
#98
○続訓弘君 篠崎、山口、釘宮、小林、各委員から各般にわたった活発な質疑がございました。私は、重複を避けながら以下数点にわたって大臣やあるいは警察、消防当局にお伺い申し上げます。
 その前に、ここにおいての参議院地方分権及び規制緩和に関する特別委員会の小林委員長のもとで、去る十一月三十日に参考人の質疑がございました。二時間半にわたった活発な意見の開陳と質疑が行われたわけでありますけれども、その際に私も参考人のお三方に質問を申し上げました。それは地方分権推進の決め手になるものは何かといえば、私がかねて主張している地方自治法二百五十条の廃止にあるんじゃないか、それに関連をして私は御質問申し上げました。そのお三方の意見をここで大臣に御紹介しながら御質問申し上げます。
 まず、前島根県知事の恒松制治氏はこんな言い方をされました。自分はかつて学者であった、そして島根県知事に就任をした、学者のときに考えていた知事の権限と実際に知事になった権限とは天と地のような相違があった、何一つ知事としての権限は極端なことを言えはなかった、知事あるいは副知事、総務部長、財政課長等々国の天下り云々という話もされました。そして、願わくは地方分権推進の叫ばれている今のこの時期にそういうことをやめてもらって、そして名実ともに地方分権、いわゆる地方自治が実現するようにやっていただきたい、せっかくの御努力を期待したいというような趣旨のお話がございました。
 成田横浜国立大学名誉教授は、確かに二百五十条の廃止は将来的な課題だ、ただいま現在いろんな問題があってというようなお話がございました。その問題は、一つは受け皿論、一つは地方財政法に基づく計画の問題、それは元利償還が地方財政計画に基づいて調整をされている、そういう状況から考えれば云々と、こういうお話がありました。そしてさらに、許可を廃止することによってむしろ金融機関等が協力をしてくれない、非常に資金繰りが難しくなる、そんな御指摘もございました。そんな関係から、将来の課題ではあるけれども、三千三百の団体全体を考えたときになかなか難しかろう、こんな意見でございました。
 山口県の柳井市長であります河内山哲朗氏は、私はきょうこの委員会に出席のために羽田空港におり立ちました、ところがその八割が国に対する陳情の人たちでありました、この陳情は私自身むだだと思います、しかしやらざるを得ませんと。そして私ども、先ほど山口委員も触れられましたけれども、約五万人の市民を抱えた市であります、帝国大学卒業者は一人もおりません、しかしながら職員はかつての次男、三男ではございません、ちゃんとした行政能力を持っておりますと。今、国のがんじがらめの制度があるがゆえに私どもの地方自治はむしろ進みません、国の補助金がつかないがゆえにこの仕事はできませんとこう断りの口実に使っております、そういう意味では名実ともに私どもに財政権を、そして起債の自主権を与えていただければ立派な地方行政をやっていける自信がございます、こんな控え目ながら御発言がございました。
 私は、大臣にかねがねお願いをしております。そしてまた、先ほど大臣からも力強い御答弁がございました。せっかく衆参両院で全会一致で地方分権の推進に関する国会決議が出されました。そして、今や地方分権の声は津々浦々に高まっております。この際、お三方の声はこれは全国の声だと存じますけれども、これらを受けてぜひとも大胆に二百五十条の廃止に向かって所信を御披瀝いただければと存じます。
#99
○政府委員(遠藤安彦君) 技術的な面も含めまして私から先にちょっと答弁をさせていただきたいと思います。また、全体の考え方は大臣から御答弁があろうかと思います。
 先ほどもちょっと御答弁をいたしましたが、地方債の許可制度は日本の地方自治制度の枠組みの中でどう考えるべきかという問題がやっぱり非常に強くあると思っております。これは現在、三千三百の地方団体の財源を地方団体が財政運営に困らないようにこれを保障していくというのが自治大臣の非常に大きな仕事でありまして、これは地方財政計画の策定を通じて実現いたしておるわけであります。
 委員も引用になられましたが、この地方財政計画の中には、自治大臣が許可をいたしました地方債の元利につきましてはこれをすべて算入いたしまして、これが借入先に元利を各地方団体が返せるようにトータルの財源を保障するという重要な機能をこの地方財政計画は果たしているわけでございます。
 したがって、そういう面からいきますと、仮に地方債の許可制度を外しまして、個々の地方団体が自分の任意で地方債を任意の額で自由に発行するというようなことになりました場合には、これの元利償還をする財源というものをすべてやはり国の責任において保障しなければならないのかどうかというような問題も出てまいるわけでございまして、そういう側面から地方債の許可制度というものはやはり必要だろう。もちろん地方債の許可制度を通じまして、国と民間との資金需要の問題でありますとか、個別の地方団体、特に財政力の弱い地方団体が金融機関から財政力による格差をつけられる、あるいは借入利率の差をつけられるというようなことも生じてまいりますので、そういったデメリットが現状ではないわけでありますから、そういった意味でも許可制度というのは有効に機能しているのではないかというように私ども思っております。
 ただ、現実問題としては、先ほども答弁いたしましたように、平成四年度から地方債の許可は枠配分方式と申しまして、地方団体のほとんど自由な起債の要望というものを枠をもって許可していくというようなことになってかなり自由度は増しているということで、実際は許可制度をしいておりますけれども、非常にこの許可制度によってがんじがらめになっているというようなことはないわけでございます。現実問題、この地方債の許可をめぐりまして、私どもも陳情がひっきりなしにあるとか、そういうような状況にもないわけであります。
 いずれにしましても、資金調達その他についても、まだまだ地方債の発行手続等において弾力化、簡素化に努めてまいるべき分野もあろうと思いますので、事務的にはそういった面についてもこれから努力をしていきたいなというように思っているところでございます。
#100
○国務大臣(野中広務君) 今、地方債の許可制度につきましては財政局長から御答弁を申し上げましたように、地方分権そのものにつきまして、私は先ほど来答弁を申し上げておることに変わりはないわけでございますが、地方債につきましてはもう続委員は十分御経験で御承知でございますけれども、東京都のような人材もそろい、そしてチェック機能もあり節度のある地方公共団体もあれば、全国二千三百の中にはいろんな公共団体がございます。
 最近、私が知ったところでは、いわゆるその市の一般会計において既に地方債の償還が二〇%に近い、普通で言えば地方債の発行を停止する赤信号の出ておるところにもかかわりませず第三セクターである公社で約五百億のやみ起債をやっておると、そういうところが散見をされたわけでございます。
 こういうことを考えますと、そこではまた市長選挙が行われたわけでございますけれども、四年に一度行われる選挙のために、こういう地方債の許可制度を完全に歯どめをきかさなくなった場合に、前任者が徹底してそういう自分たちが目に見える仕事をするために、非常に節度のない自由な起債をすることによって後負担が重大な影響を受ける。こういうことが公選制の中で、また小さなチェック機能の十分でない自治体に行われるといたしますとまことにゆゆしき問題が発生をするわけでございまして、そういう点を考えますときに、あるいは先ほど財政局長が申し上げましたように、いわゆる地方財政計画の策定を通じて地方債の元利償還財源を保障するというこの基本に立ちました場合に、なかなかこれをすべて許可を自由にし、そして二百五十条を廃止するということは今日の現状においては困難ではなかろうか。
 しかし、今申し上げましたように、また先ほど山口委員からも御指摘がございましたように、その一定の取り扱いにつきましては、枠配分とかあるいは手続の簡素化、効率化という点では、今後も十分私ども検討を進めていかなくてはならないと存じておるところでございます。
#101
○続訓弘君 これは幾ら議論しても議論が尽きないわけであります。
 今、地方財政計画の中で云々と、こうおっしゃいましたけれども、三二%の財源に変わりがあるわけじゃないでしょう。要するに、全体の三二%の交付税の中で、これは地方の実は自主財源ですから、その配分だけなんですね。だから、地方財政計画の中で元利償還が保証されるというお話をいつもおやりになるんですけれども、私はこの議論はおかしいんじゃないかなと。個別の市町村に対して、確実にその財源を保障する意味で別枠で保障されるなら話は別ですけれども、そうではないんだと。
 それともう一つは、実は起債の許可制度があるがゆえに金融機関からの信用といいますかそれが保証され、そしてまた金融機関も安心して貸してくれるんだと、こんなお話がございましたけれども、柳井市長さんはこんなお話もされました。私どものところには金融機関の責任者が三日置きにおいでになりますと、そしてぜひ私どもにも資金の手伝いをさせていただきたい、こういう申し出も具体的にありますと。そういう意味で、実は成田参考人の陳述に対する私は意見の開陳だったと存じますけれども、そんなお話をされました。そしてさらに恒松参考人は、とにかく今の制度がある限り地方分権はあり得ない、地方自治はあり得ないと、こんな言い方をしておられたように私は受け取りました。
 いずれにいたしましても、ぜひこの問題については、せっかく地方分権の声が津々浦々に高まっているわけですから、このことについて前向きの対応をお願い申し上げたい。
 続いて、地方団体の行政改革について、大臣も所信表明の中で地方公共団体における行政改革の推進のためにこれから指針を策定して云々と、こういうことを述べられております。
 東京都の例をとってみますと、ここ数年間で八団体も各省の所管に係る団体が設立され、東京都に出資を求められております。恐らく、これは一東京都だけでなくてほかの団体にもこんな出資の申し入れがあり、かつそれに応ぜざるを得ないという状況になっていると思いますけれども、例えば建設省は局ごとにそういう団体をおつくりになり出資を求められたということもございます。
 したがって、これからの地方団体の行政改革を推進する意味でも、私はこのような国絡みの団体を押しつけられることに対してはいかがかと思います。その辺についての大臣の御見解を承りたい。
#102
○国務大臣(野中広務君) お説のとおり、残念ながら、認可法人等につきまして、それぞれまだ各省ごとに地方の要望あるいは関連団体の要望等もあろうと思いますけれども、そういう傾向がありますことは私も承知をしており、またその中には万やむを得ないと思うものもあるわけでございますけれども、こういう行政改革に大きく取り組もうとしておるときでございますので、厳にそういう設立につきましては戒めて、そして私どもは取り組んでまいらなくてはならないと考えております。
#103
○続訓弘君 短銃の根絶については、先ほど御質問がございましたので省略させていただきます。
 暴力団絡みの新聞報道でこんな記事が目に入りました。それは公共工事に関連をして、ある建設会社がかつて暴力団に関連をしておられた人を営業部員に採用された、それは一社だけじゃなくてそういう傾向が見られるという記事が載っておりました。
 これらに対してどんな情報を持っておられるのか、そしてまたそれに対する対応策はどんな対応策を考えておられるのか、その辺のことを伺っておきたいと存じます。
#104
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 暴力団の資金源活動が多様化、巧妙化している中で、公共工事、建設工事等への暴力団不当介入も懸念されるところでございまして、その実態把握及び対策の強化に努めているところでございます。中でも、建設省等関係機関との緊密な連携を図りながら入札業者としての指名停止等の措置を促進したり、暴力団関係者が役員になっている企業や暴力団に資金を提供している企業について公共工事からの排除を推進いたしております。
 これまでに暴力団事件捜査の過程において建設業者が暴力団と癒着している事実が判明し、関係行政機関において同業者を公共工事から排除した事例、あるいは建設会社を経営する暴力団関係者を建設業法違反事件で検挙し、その実態を解明したことにより、公共工事から排除された上、建設業許可が取り消された事例等もございます。
#105
○続訓弘君 少なくとも公共工事に関連する限り、そういう暴力団関連の人たちが出入りされるような状況だけはぜひとも排除してほしい、このことを強く御要望申し上げます。
 次に、消防行政について伺います。
 私は、「消防」という本を読ませていただきました。その中で水は消防の原点だと、消火の原点だと、そういう記事が目に入りました。そこで、注意深くそれを読ませていただきました。
 その論旨は、今、水の消火器に対しては大変関心が薄い、ほかの消火剤に基づく消火器についてはいろいろ規定をしてあるけれども水の消火器については何も触れておられない、しかし消防の原点は水ではないかと思うと、こんな記事が載っておりましたけれども、これに関連をして消防庁長官の所見を伺いたいと存じます。
#106
○政府委員(紀内隆宏君) 初期消火に当たりまして、消火器というものが人が用いるものとしては一番有効な手段でございます。どのような消火器を選ぶかということにつきましては、想定される火災の性状に適したような消火器を選ぶということが肝心なことだと思っております。
 現在、消火器につきましては、粉末の消火器、これが一般に考えられる木材であるとか紙とか油とか電気用品とか、そういう火災一般に対する消火能力を持っておりまして、幅広く適応できるものとして普及しているところでございます。
 ただし、布団などの火災の場合には、その表面だけではなくて中までくすぶって燃えていくわけでございまして、そういう場合には、もう一遍燃え上がることを防止するということのためには、やはり中にしみ込むものがいいということで、水系の消火器を使用することの方がより効果的であるというように思っております。
 私ども、一般住宅などにつきましては水系の消火器の設置等について指導しているところでございまして、実際に一般住宅の場合には消火器の設置義務というのはございません。したがって、私どもその設置状況を厳密に把握しているわけではございませんけれども、メーカーサイドの出荷状況でこれを見ていきますと水系の消火器が家庭用消火器の七五%ぐらいを占めておる、こういう状況でございます。
#107
○続訓弘君 その本によれば、アメリカやドイツでは既に水消火器と今お話しのような薬剤消火器が自由に選択できるという状況になっているんだということも書いてございました。
 次に、規制緩和に関連をして、無人ガソリンスタンドについてお伺いを申し上げたい。
 今アメリカに比較をしてガソリンは大変高い、アメリカの四倍だと。無人スタンドにすれば恐らく今のガソリンが相当廉価で購入できるんじゃないか。
 これは一つは、規制があるがゆえにこういう無人スタンドができないんだということを新聞報道で書いてございましたけれども、これに対する対策はいかがでしょうか、お伺い申し上げます。
#108
○政府委員(紀内隆宏君) セルフサービス方式によるガソリンスタンドにつきましては、昨年来種々議論が行われたことは御承知のとおりでございまして、ことしの七月五日に「今後における規制緩和の推進等について」という閣議決定がなされました。その中で、「安全性の確保に配慮しつつ技術上の基準等について検討する。」と、こういうふうに定められているところでございます。
 私どもといたしましては、この閣議決定を踏まえて、現在、諸外国の実情を把握するといったことを初め所与の調査を進めているところでございますけれども、消防行政に関する規制というのは何と申しましてもいわゆる社会的規制の典型でございまして、国民の生命とか身体とか財産とかというものを保護する上で極めて重要であるということでございますので、この観点を失わないように検討を進めてまいりたい、このように思います。
#109
○続訓弘君 時間が参りましたので以上で質問をやめますけれども、ぜひともひとつ自治省としては来年度の地方財政の財源について、地方団体が困らないような財源の獲得について御努力をお願い申し上げまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#110
○有働正治君 私は、大臣所信に関連いたしまして、まず国民の生命安全上大きな不安となっています銃器問題について質問いたします。
 警察庁からいただきました資料によりますと、銃器発砲件数の中で暴力団の比率というのがここ数年七〇%の半ば以降を占めていたようでありますが、ことしはそれが八割を超えているという状況のようであります。となりますと、このけん銃・銃器対策の大きな一つというのは、暴力団が持っている銃器、これに対する対応の問題、これは非常にウエートとしても大きいのではないかと思いますが、長官、いかがでございますか。
#111
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、銃器発砲事件は、暴力団関係者によって敢行される場合はもとよりでありますが、暴力団以外によるものでありましても、暴力団等から入手したけん銃が使用されるなど何らかの形で暴力団がかかわっている場合が多いわけでございます。このように、けん銃を相当数常に隠匿しておりまして、事あるごとにそれを使う、あるいはそれを他に流す、提供しているという中心はやはり暴力団でございますので、銃器犯罪対策における暴力団対策の重要性はそのようなところにあると思います。
#112
○有働正治君 長官、その点認識は同じでありますか。
#113
○政府委員(國松孝次君) ただいま局長が答弁いたしましたとおり、暴力団の管理するけん銃の摘発というのが中心的な課題であろうという認識であります。
#114
○有働正治君 そこで、私は今の問題を中心に質問いたします。
 具体的にお尋ねしますけれども、現在、暴力団の構成員と暴力団勢力はどれぐらいなのか。
#115
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 平成五年末における暴力団勢力は約八万六千七百人でございまして、その内訳といたしましては暴力団員が約五万二千九百人、暴力団準構成員が約三万三千八百人となっております。
#116
○有働正治君 平成元年版の警察白書によりますと、「暴力団の武装化の進展」の項目の中で、最近では「組員一人にけん銃一丁」とも言われていると。実際、準構成員等から広く銃器が行き渡っていることがうかがえるということを記載されています。
 今、御答弁いただきましたように、構成員が約五万三千人、準構成員を含めますと約八万七千人近いということになりますと、少なく見積もりましても五万丁以上のけん銃がいわば不法所持されている、実態はそれ以上にも当たるのではないかということが考えられるわけであります。こういう点からいっても、けん銃対策の中心というのがやっぱり暴力団対策にあることは御答弁のように明らかだと思います。
 そこでお尋ねしますけれども、この数年間のけん銃全体の押収量の中で暴力団からの押収量の推移を見ますと、いただきました資料によりますと絶対数では確かにふえているようであります。しかし、全体の押収量の中での暴力団からの押収量の比率で見ますと低下しているという傾向があるようであります。この低下傾向というのは私は見過ごせないのではないかと。
 この比率の低下というのをどのように認識されておられるのか。
#117
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。
 暴力団からのけん銃の押収丁数の絶対数、ただいま委員御指摘のとおり、平成二年以降年々増加しているところでございます。
 ただ、全体の中で見ますと相対的に比率が減少していることも事実でございまして、これは最近暴力団以外の者からの押収が飛躍的に増加していることに伴うものということで、けん銃の拡散化傾向をうかがわせるものだというふうに認識しております。
#118
○有働正治君 確かにそういう見方もあるだろうと思います。つまり、全体を分母とし、暴力団を分子としてその比率を見た場合に、この比率が低下しているということは、全体の押収量に応じて暴力団への対応もきっちり対応していれば比率の低下ということにはならないわけであります。これは明白なことでありまして、そういう点からいえば私は比率の低下というのは見過ごせないと、そういう点では警察の対応が甘いのではないかということを統計学上からも言わざるを得ないということを指摘しておきたいと思います。
 それから、暴力団の右翼化というのが言われておりまして、これへの対応も非常に重要だと考えているわけであります。そこで、けん銃の押収数、それからその中で右翼からの押収というのはどういうふうになっているのか、昨年なりとの比較でお示しいただきたいと思います。
#119
○政府委員(杉田和博君) お答えいたします。
 けん銃についてでございますけれども、右翼からの押収数につきましては平成四年が六十一丁、平成五年が二十四丁、平成六年が十月末現在で八十五丁という数字を把握いたしております。
#120
○有働正治君 警察庁としてもこの右翼への取り締まり強化のことを最近強調されている、これはまあ当然のことだと思うわけであります。
 そこでお尋ねしますけれども、右翼そのものの勢力をどういうふうに把握されているのかという問題であります。現在の右翼団体数、その中での暴力団系右翼と言われる団体数、構成員数、どれぐらいあるのか、お示しいただきたいと思います。
#121
○政府委員(杉田和博君) お答えをいたします。
 右翼団体の数、構成員数は、全国で約一千団体、十万人と把握をしておりますけれども、このうち比較的活発に活動しているものが約八百団体、一万六千名と見ておるところであります。
 この右翼の中には暴力団と何らかの関係を有しますもの、さらにまた暴力団が右翼運動をあわせ行っているものもございまして、こうした勢力は消長も厳しいといいますか激しいといいますか、毎年数十団体が消えたり新しくできたりいたしますので、そういう意味で把握が困難でありますけれども、おおむね三百団体、四千四百人ぐらいと見ておるところでございます。
#122
○有働正治君 公安調査庁も、九三年現在の時点でありますが、右翼団体につきまして約一千四百団体というふうに公表しています。これは公安調査庁のことし一月発表の「内外情勢の回顧と展望」の中に明確に指摘しているわけであります。今、警察庁の発表は一千団体だということで、これには落差があるわけであります。それから、その中で公安調査庁は一千四百団体の中の約五六%が暴力団系右翼団体というふうに指摘しているわけであります。約十万人のうち活動的な、活発な人数は八百団体で約一万六千人と警察発表は極めて低いわけであります。公安調査庁の認識と警察の認識というのは大きな乖離があると言わざるを得ません、それは職員上の認定の違いがあり得ることはあり得るかもしれませんけれども。
 そこで私は国務大臣としてお尋ねするわけでありますが、右翼なり、その中で行動右翼あるいは暴力団系右翼という団体がどうなのか、警察庁の所管とも密接にかかわるわけでありますから、やはり政府としては具体的にこういう団体はこう認識しているということ等々も一致させるなり、統一的に認識を一致させて対応しないと、警察の認定、評価、それが少な過ぎて対応も狭くなるということにもなりかねないわけであります。その点、政府としてきちんと対応していただきたいということでありますが、いかがですか。
#123
○政府委員(杉田和博君) 私どもといたしましては、右翼による犯罪の未然防止、検挙、そういう観点から右翼団体の動向に関心を払っておるところでございまして、その結果として先ほどお答えした数字になっておるわけであります。
 公安調査庁の数字との差異でありますけれども、これは委員がただいま御指摘になりましたとおり、警察の場合はいわゆる犯罪の防止という観点から右翼というものを比較的幅広くとらえております。これに対しまして公安調査庁においては、いわゆるその職務上、右翼団体というものを比較的狭くといいますか厳格にとらえておるのであります。そこで、その数字の差異につきましては、何で数字が違ってくるのかということをお互い認識をするということが大変大事でございますので、そういう点についても、これまでもしておりますし、これからも努力をしてまいりたい、かように考えております。
#124
○有働正治君 厳格にとらえて、結果が逆に警察庁の認識よりも公安調査庁の方が多いということは常識的にはちょっとおかしいという感じがするわけです。したがって、国務大臣として、国家公安委員長としても政府としても、ここらあたりについての認識をやはりきちんと一致させるなり対応を求めたいと思うわけでありますけれども、大臣、いかがですか。
#125
○国務大臣(野中広務君) 御指摘の事項はよく内部で検討してまいりたいと存じます。
#126
○有働正治君 例えば茨城県内の右翼団体というのは五十団体、六百人で、県警の暴力団対策課が暴力団関係者としてリストアップした団体は約九割で半数以上が松葉会系だというような指摘もあるように、暴力団系右翼が右翼団体の中でも非常に比率が高まってきているということがあるわけであります。また、警察の方でもそういう認識で対応されておられると思うのでありますが、この点ではきちんと対応していただきたいということを要望しておきます。
 私は、具体的な例を若干お尋ねします。
 松魂塾幹部による朝日生命元社長宅発砲事件についてでありますけれども、杉並区の朝日生命元社長宅が九月二十九日未明に銃撃された事件で、十月三十日に右翼団体松魂塾幹部が容疑者としてけん銃一丁を持参して警視庁に自首した事件がありました。
 松魂塾ということを考えますと、発砲事件前の状況からすれば、松魂塾関係者が犯罪を敢行した可能性が高いというふうに推測できる状況にあったと私は考えるわけであります。しかし、事件と実際の犯人逮捕との間には一カ月以上も落差が、時間を要したという点からいいますと、本当に総力を挙げた捜査であったのかどうかという点に私は疑問を持つわけでありますが、いかがでありますか。
#127
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 御質問の事件は、本年九月二十九日未明に杉並区内の朝日生命保険相互会社相談役宅に対しけん銃が発砲された事件でございまして、この事件につきましてはけん銃使用事案として警視庁においても重大事件として捜査をいたしているところでございます。
#128
○有働正治君 この松魂塾というのは、その幹部の野副なる者はことし五月三十日に新宿の京王プラザホテルで細川元首相に威嚇発砲をし逮捕されるという事件を起こしたことで知られているわけであります。それ以前にも野村証券や富士銀行に構成員が短銃や日本刀を持って立てこもる事件を起こしている団体でもあるわけです。そして、このけん銃発砲事件以前の昨年九月ごろからことし八月ごろにかけましても、朝日生命本社やその社長周辺などに街宣を繰り返し行っている等の事実関係を私は認識しているわけであります。こういうことがあったわけであります。そういうこと等々から見ますれば、当然松魂塾関係者がこの朝日生命元社長宅発砲事件にかかわっているということは認識できて、総力を挙げればもっときっちり対応を速やかにできたはずだというのが私の認識です。その点では、私は、総力を挙げて、関係部局と協力してということを最近警察庁としても強調されることは知っていますけれども、しかしそういうふうに言い分と現実にはかなり落差があるということを私は指摘せざるを得ない。
 それから、この事件で出頭した組員の持ってきたけん銃というのは銃撃に使った銃ではなかったわけでありまして、この点ではけん銃が少なくともここでもだぶついているということも言えるわけであります。
 また、宏道連合議長と警察との犯人逮捕をめぐる経過については、この宏道連合の田中なる議長が雑誌等で明確に犯人を二人出せということ、あるいはけん銃を出せとか幾度にもわたって警察と事前折衝が行われていたと。あるいはこの事件に関連しました判決文についても、そうした点が明確に指摘されているという点ではこういう右翼と警察とが不可解な癒着なり取引なりをやっているのではないかという疑惑さえ指摘されているわけでありまして、そういう点では毅然とした対応が求められているということを指摘しておきます。
 具体的に私は幾つかお尋ねしたいわけでありますが、企業幹部テロを防止する上で、企業と暴力団あるいは右翼団体あるいは暴力団系右翼との協力関係、あるいは資金面での協力等々に対してメスを入れるということが非常に私は大事であるというふうに考えるわけであります。
 その点で金融業界、銀行協会、これと右翼なり暴力団系右翼団体との結びつきが最近どういうふうになっているのか、どういうふうに警察としては認識されておられるのか、ちょっと簡潔にお述べいただきたい。
#129
○政府委員(杉田和博君) お答えをいたします。
 これまでに私どもが検挙した事件等から金融機関等の企業が右翼団体に対して賛助金等を拠出していたということは承知いたしておりまして、悪質な右翼団体に対する資金の提供拒否についてはこうした事件を契機として注意を喚起するなどいたしております。ただ、最近、金融機関を含む企業団体等におきまして悪質なこうした右翼団体等に賛助金を出すということについて拒否をする機運が出てきておりまして、警察といたしましては今後各企業等の毅然とした対応を期待いたしておるところでございます。
#130
○有働正治君 私は、悪質な団体に対しての対応というのは、今指摘ありましたけれども、警察が言うほどそう甘いものではないというふうに認識をしているわけであります。
 九三年の政治資金収支報告書を私見てみました。そうしますと、例えば日本青年祉、この団体は暴力団住吉会との結びつきが明白な団体であると私は認識し承知しておりますけれども、それとさくら銀行との関係、さくら銀行が一億七千二百二十七万円の融資を行っているわけであります。さくら銀行というのは日銀総裁をも出している日本の有数の金融機関でありますけれども、明白なこういう暴力団住吉会と一億七千万を超える融資その他の関係があるということは私はいかがなものかと思うわけでありますが、長官、この点はいかがでございますか。
#131
○政府委員(國松孝次君) いろいろと御指摘がございまして、私一つずつ事実をつまびらかにしているわけじゃございませんけれども、先ほど警備局長も申しましたとおり、悪質な右翼団体に対して金融機関であれ何であれ企業が資金提供を行うというようなことはお避けいただく方がよろしいというように判断しています。
#132
○有働正治君 三菱銀行の場合には別の右翼系団体に七千八百万円の融資をしているわけであります。そのほか金融機関の名前が相当に登場いたします。
 国民から見ますと、右翼、中でもさきに述べましたような暴力団住吉会等々と深いかかわりを持つような団体等々とこういう金融機関がお金の問題でかかわりを持っているというのは、こういう企業がその活動を支援しているということでいわば公的な信用を重視する機関としてどうかという点で厳しい批判もあるわけであります。
 そういう点については、利益のためには何でもいいというわけには私はいかぬと思うわけでありますが、こういう点についてはどういうふうに認識されますか、長官。
#133
○政府委員(杉田和博君) 警察といたしましては、いかなる立場のものであれ違法行為は看過しないという立場から、各種の情報収集活動を行っておるところでございます。当然のことながら、そうした前提で必要な程度の捜査活動を行っておるということでございます。
#134
○有働正治君 私はもう少し毅然とした対応を関係方面にも求めていくということを求めたいと思うわけであります。
 大企業の中にも暴力団あるいは右翼系のこういう団体に対し資産形成に協力している姿が幾つも見られます。三菱瓦斯化学、ジャスコ、三洋信販等々、ずらりと名前が出るわけであります。中にはコンサルタント料と称しまして一億円近い収入を得ている団体さえある。一億円ですよ。財界、業界団体等、きっちり対応すべきだということを明確に指摘しておきます。
 最近こういう事件というのは、例えば大阪の右翼系政治団体、政治結社日本国友会が一部上場の総合商社、化学メーカー等から一千万円相当を機関誌購読料として集めたり、それを集めておきながら政治資金収支報告書に記載しないで関係者が逮捕されるとか、あるいは茨城県つくば市などでつくります筑南地方広域行政事務組合発注の大型ごみ処理施設建設工事をめぐる汚職事件の中で、贈賄側の住友重機械工業が右翼団体の会長に暴力団やほかの右翼とのトラブル処理を依頼して報酬として二億円相当規模を支払っていたこと、あるいはそのほかにも大手橋梁会社から一億円をおどし取っていた元山口組系暴力団幹部等々の問題も指摘されているわけです。そういう点からいえば、最近改善されているとかいろいろおっしゃられる事態とは違った状況も多々指摘されているわけで、その点をきっちり対応すべきであるということを私は指摘しておきます。
 そこで、政治資金収支報告書とのかかわりでお尋ねしますけれども、右翼団体の政治資金収支報告書の中には幾つかの問題が私はあるということを感ずるわけであります。
 調査資料といたしまして、自治省の方に具体的に報告が義務づけられています政治団体の中の右翼の政治団体が幾つあるのか、その中で報告が行われている団体はどれくらいなのか、その比率はどれくらいなのか、収支ゼロの団体は幾つなのか、二年間報告をしていない団体はどれくらいなのか等々について資料提出を要望したいと思います。要望いたしましたけれども、本日には間に合わなかったわけでありますから後日きちんと提出いただきたいということをお願いするわけであります。自治省の方。
#135
○国務大臣(野中広務君) あらかじめお断りを申し上げておきますけれども、自治省といたしましては御指摘の団体がどのような団体か判断する立場にはございませんことをひとつ御理解いただいておきたいと思うわけでございます。
#136
○有働正治君 したがいまして、私の方から具体的に資料を提供して分析をいただきたいということまでお願いしているわけですから、担当局長さんなり、提出願いたい。はっきり答弁してください。
#137
○政府委員(佐野徹治君) 私ども、委員の方で政治団体を特定していただきますれば、その特定されました団体につきまして所要事項を確認いたしまして調査をするということは可能でございますので、これは委員の方で団体を特定していただくということが前提になるのではないかと思います。
#138
○有働正治君 そのことを含めまして提供もしておりますから、きっちり対応していただきたいということであります。
 そこで、きょうは私どもの独自の調べによることで質問をせざるを得ないわけであります。右翼団体の中で期限内に政治資金収支報告書を提拙した団体の比率を見ますと、九一年は六割、九二年は五八%、九三年は五六%と年々低下しているわけであります。つまり、一番新しい九三年につきましての収支報告書の未提出というのは四四%に私どもの調べによるとなるわけであります。四四%というのは極めてやはり高いわけであります。右翼団体以外を含めました政治資金団体全体の中で報告書を出していない政治団体というのは約二割、それから見ますと倍以上あるわけであります。
 とりわけ重視されるのは、報告書未提出が、今言いましたように、全体の四四%に加えまして収入ゼロの団体が二一%です。合わせますと六五%。つまり、右翼団体と私として認識しているような団体が三分の二は収入ゼロまたは未提出という状況、これは政治資金収支報告書の義務づけ等々から見ましても、法の立場から見ましても尋常ではないと考えるのが普通ではないかと思うんですけれども、この点、大臣、いかが認識されましょうか。
#139
○国務大臣(野中広務君) 一般論といたしましては、政治団体の会計責任者は毎年当該団体の収支報告書を提出しなければならないこととなっておりますし、提出期限を経てなお提出されないものについては提出の督促を行ってきておるところでございます。
 また、委員御承知のように、収支報告書の提出を怠ったり、または報告書に記載すべき事項を記載しなかった場合におきまして、いわゆる虚偽の記入をした者は五年以下の禁錮または三十万円以下の罰金に処せられることとなっておるわけでございますし、さらに政治団体が政治資金の収支報告書をその提出期限までに提出しない場合におきましては、その前年においても収支報告書を提出していないとき、いわゆる二年連続して収支報告書の提出を怠ってきた場合には当該政治団体につきましては政治団体の設立届け出をしていないものとしてみなされることになっているのでございまして、私どもとしてはそういう法に定める措置に従いまして適切にやってまいりたいと考えておるわけでございます。
#140
○有働正治君 やはり法律に基づいて適切に対応すべきである、そういう点では自治省は怠慢であると私ははっきり申し上げます。というのは、虚偽のことも考えられますし、二年連続してあるいは収入ゼロということは脱税の可能性だって内在している問題であります。そういう点からいきましたら国民としては当然納得できない問題でありまして、例えば最近地方の新聞等を見ますと、この問題で警察としても幾つか摘発されておられるということは承知しているわけでありますが、こんな異常な事態を放置すべきではないということを厳しく要求して、今、大臣の言明どおり、官報で二年連続報告を出していない場合には告示する等の指摘も法律に明確に指摘されているわけでありますからそれらを含めて、また国家公安委員長としていろいろ問題があると考えれば毅然とした対応を求めるということを主張して、ほかの問題で幾つか質問を予定して通告をいたしておりましたのですけれども、時間が参りまして後日に譲らせていただきたいということで、準備された方々にはおわびいたしまして、私の質問を終わります。
#141
○西川潔君 よろしくお願いします。長時間にわたって御苦労さまでございます。
 本日は、もう最後の質問になりますので、野中自治大臣を御紹介する新聞を読んでまいりました。これまでの御答弁でもお触れでございますが、自治大臣は、長年、障害者施設、老人福祉施設の運営をなさってこられているわけですけれども、自治行政が行う福祉政策につきましてもこれまでに増してきめ細やかな行政が展開されるのではないかということで我々も期待をいたしておるところでございます。
 まず、大臣から今後の抱負についてお聞かせをいただきたいと思います。
#142
○国務大臣(野中広務君) 私は、今、西川委員御指摘のように、長い間地方自治にかかわりますとともに、一面、また老人福祉施設とか重度障害者施設を現にそれぞれ経営をさせていただき、その経営にかかわってきておるところでございます。
 そういう経験を通しまして、今日地方自治が抱える課題というのはいわゆる我が国内政の基盤をなすものであるというように考えますとともに、今、委員が御指摘になりましたように、高齢化が急速に進展し、一方、少子化の時代であり、さらにそれぞれ国際化への対応が非常に求められておる状態の中において、地方団体がこの地域住民福祉の向上をどのように図っていくかというのが我々地方団体に与えられた大きな責任であり課題であると思いますとともに、それぞれ個性ある行政を行い、この個性豊かな地域づくりが積極的に進んでまいることが今日地方公共団体に求められておる重要な政策課題であると認識をしておるところでございます。
#143
○西川潔君 ありがとうございました。そしてまた、現場で働かれる皆さん方の待遇や処遇なともあわせて大臣によろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、私が当委員会にお世話になりましてはや二年が経過いたしましたが、この間にいろいろなことを質問させていただきました。言いっ放しては本当に我々大変不安でございますので、きょうはおさらいをひとつさせていただきたい、こういうふうにも思っております。
 まず、昨年の五月十三日でございますが、地方公営企業によりますシルバーサービスの供給につきまして、昨年三月に出されました公営企業金融公庫の報告書を踏まえまして自治省、厚生省の見解をお伺いいたしました。そのときの御答弁は両省とも前向きな評価をされたと記憶いたしておりますが、その後これまでの間に、介護つき高齢者住宅を地方公営企業が設置、運営する構想にまで発展しているとお伺いしております。
 これらの点につきまして、これまでの経緯と現状についてお伺いしたいと思います。
#144
○政府委員(遠藤安彦君) 御質問にありましたように、地方公営企業活性化研究会という研究会が実はございまして、この研究会は公営企業金融公庫でつくっているものでございますけれども、お話にありましたように、平成四年度に公営企業によるシルバーサービスの提供について検討をしたわけであります。地方公共団体がシルバーサービスといいますか、住宅サービスと生活サービスとそれから介護サービス、これを提供する場合に、受益者負担の原則というものがあるわけですが、そのもとで公営企業制度を活用することが適当であるというような提言がなされて御質問があったというように理解をいたしております。
 そこで、本年度先ほど申し上げましたこの研究会におきまして、シルバーサービスのうちこれから問題が非常に大きくなってくると考えられます介護のサービスを提供する介護つきの高齢者住宅事業を特に取り上げて、実際に財政収支のシミュレーションをして公営企業として成り立つのかどうかという研究を現在進めているところでございます。まだ最終結論は出ていないわけでありまして、私ども伺っているところによりますと、最終の報告書は来年の二月に出されるということでございます。
 ただ、これまでいろいろな角度から検討をしているところを聞いておりますと、建設費と入居後の介護経費を入居時に一括して納入する一時金で賄うという前提で試算した場合、その一時金が何とか今サラリーマンでも手の届く水準で事業が実施できるという試算結果も出されているというように聞いております。一人部屋と二人部屋と若干この一時金の大きさも違いますのでそこら辺の問題はありますけれども、何とか手が届くのじゃないかというような試算結果が出たということでございます。
 これから御指摘のようにますます高齢化の時代を迎えて介護問題というのは切実な問題になってくるわけでございますから、国民の多様な選択を可能にするという観点からいろいろな分野でさまざまな取り組みがなされるかと思いますけれども、自治省といたしましても、この研究会での結果が出ました場合に、有料の高齢者住宅事業、それからシルバーサービス、生活サービスと介護サービスとを合わせたようなものを地方公共団体でも事業化できる条件整備について研究会の結論を得ながら検討をしてまいりたいというように考えております。
#145
○西川潔君 ありがとうございます。何事も一朝一夕にはまいりませんが、ひとつよろしくお願いいたします。
 今後高齢化が進みまして、すべての面におきまして公が保障するということには当然無理があると思います。しかし、そうは言いましても、だれでもが例えば民間の有料老人ホームに入れるというわけでもまたございません。やはり、公的な部分と民間の部分との組み合わせが必要ではないかなと、こういうふうに思います。そのためにも一つでも多くの選択の幅を広げていただくと、よろしくお願いしたいと思います。
 その点から見ましても、公営企業がシルバーサービスに参入する、あるいは今御説明いただきました介護つきの高齢者住宅でありますが、設置、運営していくということは、老後の住宅をどうするかという視点から見ましても選択の幅が広がりまして、大変意味のあることではないかなと思います。
 大臣は、一言お伺いしたいんですが、この分野につきましてはどういうふうなお考えを持ってお保られるのか、お伺いしたいと思います。
#146
○国務大臣(野中広務君) 私、前にも申し上げたかと思いますけれども、今日まで、私どもの反省点として、与えるだけが福祉だという認識をしてきたのではないかと。これからの深刻な時代を考えますときには、自立していく中でみんながどうこの社会を支えていくかという、そういう視点に立ちながら老人介護は、家庭でやっておる人には家庭でやる負担について考え、養護老人ホームに入る人には措置費として考え、それぞれ異なる施策について考えていかなければ、年金制度は一律、そして措置費は一律というようなやり方を考えておって本当にこれからの深刻な時代を、口では福祉と申せてもそれを支えていくことができるのかなというように存じて、個別具体的な福祉施策というものをこれからは考えていかなくてはならないということをみずからの経験を通じて感じておる次第であります。
#147
○西川潔君 ありがとうございます。ごもっともな部分だと思います。手探りの状態から今は、そうですね、御家庭で言えば豆球がついたというんでしょうか、蛍光灯がついたというんでしょうか、でも先は本当にやる気を持って生活ができるような方向へよろしくお願いしたいと思います。
 次に、同じく昨年の五月十三日に御質問をいたしました。小中学校の余裕教室を福祉の施設に転用する問題をお伺いしたわけですが、このテーマにつきましては改めて申すまでもございませんが、地域におきまして大変子供さんの数が少なくなってまいりました。そして余裕教室が生じたわけです。福祉施設にこれを転用していただけないかという御質問をさせていただいたわけですが、実際に現実の問題になりますと財産処分の申請、そしてまた文部大臣の承認を得る、このあたりが大変制約が多くて難しくて、そして実現に至らない、そうした中で自治省にもできる限り自治体の御支援をお願いしたいということでお願いをいたしました。
 この点につきまして、大臣の地元であります京都府宇治市では、パイロット自治体の指定を受けたことによりまして、手続面等々においても大幅な簡素化に結びついたというふうにもお伺いしております。
 宇治市のケースについてお話をお伺いしたいと思います。
#148
○国務大臣(野中広務君) 西川委員の御指摘のように、パイロット自治体として指定を受けました宇治市におきましては、教育施設を老人福祉施設に転用いたしたいということで、文部大臣に財産処分の報告書を提出するだけで文部大臣の承認があったものと取り扱っていただいたわけでございます。取り扱いが西川委員の御指摘をいただきまして簡素になったわけでございます。
#149
○西川潔君 私も随分、大阪の方でもそういうお話がございまして、大変難しい縦割りの部分がございまして随分悩んだことがありますが、そのことで前回質問をさせていただきました。そのときに感じたわけですけれども、文部省の御説明をお伺いいたしましても、決してそれはだめですというふうにはおっしゃいませんでした。しかしながら、積極的に応援をしましょうという御答弁でもございませんでした。
 当然、そこには補助金等の大変難しい問題もあるかと思います。そういうことも私も十分承知はいたしておりますが、しかし今後の少子化、高齢化に向けて既存の社会資本をどのように有効活用していくかという視点に立ちますと、もう少し柔軟な対応ができないものかなといつも思うわけです。今御説明いただきました宇治市のケースは、その点でも一歩も二歩も大きく前進したものと思います。
 今後も宇治市に続いて各自治体がこうした事業を企画した際には引き続き自治省の御支援をお願いしたいと思いますが、大臣、いかがでございましょう。
#150
○国務大臣(野中広務君) 委員が御指摘いただきましたように、これからも地方分権の一つのあり方として、より簡素で効率的にこういう手続が行われ、有効利用が行われることが望ましいと私どもも考えておるわけでございます。また、そういう施策を行う市町村について鋭意私どもも協力し、努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
 本年につきましては川越市におきまして、教室の余裕教室を改造することによって同じく老人福祉施設を計画しておみようでございます。調布市におきましても高齢者の休息サービスを行いたいと考えておるようでございます。また、町田市におきましても老人福祉施設を考えておるようでございますので、こういう宇治市のような例にならいまして、簡素で効率的に取り扱っていくように取り組んでまいりたいと思います。
#151
○西川潔君 どうぞよろしくお願いいたします。
 私がいつも御質問させていただくことは本当に細かいことばっかりでございますが、地域の中でいつでもだれでも、本当に地域の中で支えていけるような福祉をよろしくお願いしたいと思います。
 また、地域の中のお風呂のデイセントー、お風呂屋さんとか地域の学校、そしていろんな方々が御協力をしていただいて、月に一回か二回の青空教室みたいなものもお年寄りと若い人たちと一緒にできないかなというようなお話もさせていただいておるんですが、ひとつその節にはまたよろしくお願いしたいと思います。
 次は、ことしの六月三日の委員会で質問をさせていただいたんですけれども、ひとり暮らしのお年寄りが民間の賃貸住宅に入居する際に、保証人を立てることができずに大変困っているケースがたくさんあるという質問をさせていただきました。このように身寄りのないお年寄りで保証人になってくれる人が見つからない場合は市町村などの自治体が保証人を代理する制度の創設を自治、建設両省にお願いをいたしましたが、その際の御答弁では両省から検討していただけるということでございました。その後建設省から生活福祉空間づくり大綱が出されました。その中で「民間賃貸住宅への高齢等を理由とする入居の制約があるとの指摘に対し、入居機会の確保等を図ることが必要である。」と述べられております。そしてまた、具体的な施策といたしましては高齢者の入居による貸し主の負担を軽減する保障制度が掲げられております。
 この大綱で述べられておりますが、この保障制度とは具体的にどのような内容であるのか、また実施時期についての見通しがございましたら御説明いただきたいと思います。
#152
○説明員(坂田隆史君) お答え申し上げます。
 まず、平成五年の住宅統計調査によりますと、六十五歳以上の方の一人または夫婦お二人で入居されております民間の賃貸住宅の数でございますけれども、全国で約七十万戸あるという結果が出ております。また、民間の賃貸住宅全体で申しますと、約千八十万戸でございます。
 こうした民間の賃貸住宅へ入居をされます場合に、高齢者であることを理由として入居が制限されるということがないように、貸し主さんの団体でありますとか宅地建物取引業者の団体を通じまして引き続き指導、啓発を行っているところでございます。
 また、大都市部の地方公共団体の中には、高齢の方が入居される場合、緊急時の通報システムの整備でありますとか、滞納家賃の貸し左への助成を実施している例がございます。建設省といたしましては、現在、住宅宅地審議会に高齢社会に対応した住宅政策検討委員会を設置いたしまして、高齢社会に向けての住宅政策について幅広く検討をさせていただいているところでございます。
 このような民間の賃貸住宅への入居についての地方公共団体の取り組みについても調査を進めているところでございます。審議会の結論は来年の夏ごろにいただく予定になっておりまして、この結果も踏まえまして高齢の方々が安心して住宅に住んでいただけるようなシステムづくりにつきまして鋭意検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
#153
○西川潔君 ありがとうございます。
 建設省の調査結果によりますと、民間の賃貸住宅の約二割が高齢者である、これを理由に制限があるということでございますが、ひとり暮らしのお年寄りの多い大都市になりますと問題は大変深刻化しております。例えば大阪府の調査によれば、保証人の有無にかかわらずひとり暮らしのお年寄りの入居を受けつけていない家主が、地元で大変さみしい思いがするのですが、何と六割もあります。そしてまた、住宅基本条例を制定して高齢者を差別しないように求めている東京都ではございますが、東京都におきましても約四割に上っているとお伺いしております。
 このような家主側の不安を取り除き、ひとり暮らしのお年寄りにも安心して貸していただけるようにするためには、やっぱり市町村のような公の立場で保証人になっていただく、これが最適ではないかなというふうに思うわけです。
 自治省といたしましてもこの制度の実現に引き続き御検討をお願いしたいと思うんですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
#154
○国務大臣(野中広務君) 今、西川委員から御指摘になりました事項というのは、市町村の事務でどれまで対応できるかまだまだ検討すべき課題は多いと思うわけでございますけれども、先ほど御指摘のように、建設省におきましても検討委員会が行われておるようでございますので、そういう結果を見ながら私ども自治省といたしましても相提携して、今、委員が御指摘のような課題に少しでも近づけるように努力をしてまいりたいと存じます。
#155
○西川潔君 どうぞよろしくお願いいたします。本当にこれからは地域の中でいかに細やかに支え合っていくかということが最大のテーマだと思います。
 最後になりますが、今度は警察庁にお伺いをいたします。
 これは昨年の四月二十七日でございましたが、道交法改正案の審議の際にお願いしておりました仲なんですけれども、小さな子供を抱えましてお父さん、お母さんが運転免許の更新手続に参ります。あるいは講習を受けに参ります。その際に負担を軽くするために施設内に託児のコーナーを設けていただけないかというようなお願いをしたわけです。いろいろ西川は細かいことを言うなというような御指摘もいろいろといろんなところでお伺いもするわけなんですけれども、日々の生活の中では、皆さん方にお伺いすると、そういうところの福祉をやってもらえると我々は大変ありがたいというようなことで、たくさんお便りをいただいた中からいつも質問をさせていただいているんです。その際の御答弁では、当時の関根政府委員より「今後は御指摘のような傾向があることは確かであると考えますので、この点につきまして前向きに検討してまいりたい」という御答弁をいただきました。
 その後具体的に本当に御検討いただいたかどうかをお答えいただいて、最後の質問にしたいと思います。
#156
○政府委員(田中節夫君) 運転免許申請者の負担を軽減するために免許センターと講習窓口に託児コーナーを設置してはどうかという大変御示唆に富んだ御指摘をいただきました。その後免許センター等にベッドや応急用の医薬品等を備えた授乳室あるいは育児室、母子ルーム等の建設が現在進められております。ただいまだ未設置のところもございますので、そういう府県につきましてはその整備を急ぐよう関係府県警察を指導してまいりたい、かように考えているところでございます。
#157
○西川潔君 ありがとうございました。
 終わります。
#158
○委員長(岩本久人君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#159
○委員長(岩本久人君) これより請願の審査を行います。
 請願第一五号森林交付税(仮称)創設に関する請願外百七件を議題といたします。
 まず、理事会において協議いたしました結果について、専門員に報告させます。佐藤専門員。
#160
○専門員(佐藤勝君) ただいま議題となりました請願百八件につきまして、理事会における協議の結果を御報告申し上げます。
 理事会におきましては、第一五号森林交付税(仮称)創設に関する請願外百七件はいずれも保留とすべきものと決定いたしました。
 以上であります。
#161
○委員長(岩本久人君) それでは、理事会において協議いたしましたとおり、第一五号森林交付税(仮称)創設に関する請願外百七件はいずれも保留といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#162
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#163
○委員長(岩本久人君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方行政の改革に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#164
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#165
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#166
○委員長(岩本久人君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#167
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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