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1994/10/04 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 本会議 第2号
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1994/10/04 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 本会議 第2号

#1
第131回国会 本会議 第2号
平成六年十月四日(火曜日)
   午前十一時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二号
  平成六年十月四日
   午前十一時開議
 第一 議員松本英一君逝去につき哀悼の件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、国務大臣の報告に関する件(外務大臣の帰
  国報告)
 一、平成三年度一般会計歳入歳出決算、平成三
  年度特別会計歳入歳出決算、平成三年度国税
  収納金整理資金受払計算書、平成三年度政府
  関係機関決算書
 一、平成三年度国有財産増減及び現在額総計算
  書
 一、平成三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 一、常任委員長辞任の件
 一、常任委員長の選挙
     ―――――・―――――
#3
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 日程第一 議員松本英一君逝去につき哀悼の件
 議員松本英一君は、去る七月十九日逝去されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 同君に対しましては、議長は、既に弔詞をささげました。
 ここにその弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院はわが国民主政治発展のため力を尽くされ特に院議をもって永年の功労を表彰せられました議員松本英一君の長逝に対しつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます
    ―――――――――――――
#4
○議長(原文兵衛君) 村上正邦君から発言を求められております。この際、発言を許します。村上正邦君。
   〔村上正邦君登壇〕
○村上正邦君
 あなたは逝く
 夏の夕立が宇宙の果てに消えるように
 慈しみの眼差し深く
 愛用のステッキを軽くついて
 真実一路の鈴を鳴らし
 無辺の浄土へ旅に出る
 理をもって己を律し
 義に立って不正を排し
 いのちの頌詩を
 あなたは魂で歌っていた
 郷里の詩人、松永伍一氏から贈られた惜別の詩の一節であります。
 本日、私は、各位の御賛同をいただき、議員一同を代表して、故松本英一先生のみたまに謹んで哀悼の言葉を申し上げます。
 松本先生は、大正十年、福岡市に生をうけられ、県立福岡工業高校を経て明治大学政経学部に学ばれました。
 昭和二十年十月、日本社会党の結成に参画され、政治への第一歩をしるされるとともに、解放の父と言われた御尊父、初代参議院副議長故松本治一郎先生の秘書としてともに部落解放運動に身をささげられました。常に日の当たらぬところに光を当てようとされるその真摯な魂の叫びは、差別をなくし基本的人権の確立を目指した世界のさまざまな運動にも大きな影響を与えたのです。
 昭和四十三年、父君の遺志を継いで全国区から圧倒的支持を得て参議院に籍を置かれて以来、今日まで五期二十六年の長きにわたり参議院議員として活躍され、昨年二月には院議をもって長年の功労をたたえられたのであります。
 この間、院にあっては建設委員、災害対策特別委員、産業・資源エネルギー調査委員として活躍されるとともに、特に国土総合開発審議会委員、国土開発幹線自動車道建設審議会委員として国土の健全な発展に寄与されたのであります。
 松本英一先生、あなたの生涯を貫いた政治生活の中で最も偉大な光芒を放った部落解放運動も、先生を初め多くの方々の長い長い御努力が実って、昭和四十四年、同和対策事業特別措置法が与野党一致で成立いたしました。
 明治四年の解放令からほぼ一世紀、幾多の艱難辛苦と長い年月を費やした御苦労の成果でありますが、本法の成立は部落解放運動が法律という形で国家、国民に認知されたまさに画期的、歴史的な意義を持ったものでありました。
 先生が座右の銘としておられた「東へも西へも行かんと思えなば先ず踏み出すべし 必ず行きつくものなり」、この遺訓のとおり、確実に偉大な足跡を一歩踏み出されたのであります。
 参議院内閣委員会における本法採決の日、委員を代表して質問に立たれた先生は、時の総理、佐藤総理に対し「本法案誕生の過程には部落解放同盟を中心とした差別と貧困に苦しむ六千部落、三百万人の人々の血と汗と涙の戦いのあったことを私は忘れることができません。」と切々と述べられ、ともに戦ってきた人々に思いをいたしながら無量の感慨を吐露されたことが議事録に残されています。その行間ににじみ出る人間愛に限りない感動を覚えるものであります。
 また、先生は、国内にとどまらず国際交流にも大きな情熱を注がれました。特に、隣国中国とは、日中友好協会の顧問、また福岡県日中友好協会会長として長い間日本と中国の友好のかけ橋として尽力され、日中平和条約締結に至るまでの民間親善外交の中心的役割を果たされるとともに、福岡県をして中国の玄関口としての地位を定着させたのであります。それはひとえに先生のあのひょうひょうとして細事にこだわらず竹を割ったような御性格、そして何事も懐に受け入れられる御気性と御風貌が人種、民族を超えて信頼感を得られた結果であり、その御功績は後世までさんとして輝き続けることでありましょう。
 松本先生、私はこの九月の初旬からマンデラ大統領のお招きで南アフリカ共和国に行ってまいりました。不屈の魂で三百七十年間続いた白人支配から黒人を解放した偉大な指導者です。二十七年間もの長きにわたって獄中にあっても、常に自由と人権を叫び、抑圧と差別に立ち向かっていったのです。マンデラ大統領の手のぬくもりと慈愛に満ちたほほ笑みが松本先生のありし日のお姿と重なり、遠く離れたアフリカの地において、先生を亡くした悲しみが改めて込み上げてくるのを抑えることができませんでした。
 松本先生は、昭和十二年の春、当時の全国中等学校野球選抜大会に選手として甲子園の土を踏まれ、また合気道五段の腕前というスポーツマンでもありました。また、こよなく歴史を愛し、自宅にあっては数万の蔵書に埋もれながら古代のロマンに浸り、その造詣深い歴史観は思想家としても高い評価を得られました。郷里福岡にあっては、空手道や母校の球友会会長としてスポーツの振興にも情熱を燃やされ、常に地域文化の発展に尽くされたことは、先生の温かい思い出として地域の人々の心にいつまでも残ることでしょう。
 昨年末より体調を崩され、入退院を繰り返しておられると聞き、案じておりました。
 本年一月二十一日、政治改革法案の参議院でのあの歴史的採決の日でした。思いもかけず、福岡の入院先の大学病院より直接登院され、苦痛をこらえながら賛成票を参事に委託され、代理投票を見届けられた後、体が大事、無理をして上京するなとあなたに忠告されたが、きょうは担架に担がれてでもここに出てこぬとな、龍の肩をかりて出てきたよと、御子息の名前をつぶやかれ、満足げにみずから納得されたようにうんうんと二、三度うなずかれながら、ありがとうと静かに議場を後になさいました。まさしくそのお姿は鬼神でも見る思いで、今も私の脳裏に鮮明に生き続けております。
 死線をさまよいながら、みずからの信念に従って国会議員としての務めを果たされる先生の悲壮なお姿に接したとき、私は思わず襟を正し、粛として声なく、ただただ御回復をお祈りするのみでありました。
 その折御謦咳に接したのを最後に、七月十九日、玄界灘の引き潮とともに黄泉の国へ旅立たれたのでありました。
 まさに巨星落つ。魂の命ずるままに差別との闘いに身を焼き尽くされた先生の生涯は、残された私たちに深い感銘となって永遠にとどめおかれるものであります。御尊父治一郎先生、英一先生と脈々と引き継がれた人間愛と正義感、その不屈の魂は、必ずや御子息松本龍代議士の高い志となってさらに大きく花開いていくものと信じています。
 戦後五十年、世界の新たな秩序づくりとともに日本も歴史の大きな節目を迎え、民主政治の新たな構築に向けた胎動が続いています。天界にあっても、国民の政治への信頼を取り戻し、良識の府参議院のあるべき姿を求め、改革に取り組む私たちをお見守りください。
 松本英一先生、どうか安らかにお眠りください。先生の心の友であった考古学の大家、古田武彦先生から託された詩を代読いたして、お別れの言葉といたします。
 泰山動き 我声を失う
 五尺の短躯天地を飲み
 孤独の人に涙そそぎぬ
 深く歴史を愛し
 多元のみなもとに迫る
 九州にこの人ありしもすでになし
 泰山動き 我声を失う
                 合掌
 平成六年十月四日
          参議院議員 村上 正邦
#5
○議長(原文兵衛君) これにて休憩いたします。
   午前十一時十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後六時一分開議
#6
○議長(原文兵衛君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 外務大臣から帰国報告について発言を求められております。発言を許します。河野外務大臣。
   〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(河野洋平君) 私は、九月二十一日より米国ワシントンを訪問し、クリントン大統領を初め米国主要閣僚と会談した後、二十四日にニューヨークに移動して第四十九回国連総会に出席をいたしました。
 その際、二十七日に国連総会において一般討論演説を行ったほか、エッシー国連総会議長、ブトロス・ガリ国連事務総長及び計五十一カ国の外相などと会談をいたしてまいりました。
 国連演説では、私より、国際貢献についての我が国の基本的な考え方について述べた上で、国際の平和と安全の維持、経済・社会問題の解決、国連改革の必要性の三点を中心に我が国の立場を申し述べました。
 まず、国際貢献についての我が国の基本的考え方について、次のとおり表明をいたしました。
 我が国は、さきの大戦の反省の上に立ち、世界の平和と繁栄に貢献するとの決意を保持しております。我が国は、憲法が禁ずる武力の行使はいたしません。また、軍縮・不拡散に積極的に取り組みつつ、みずからは核兵器を保持せず、武器輸出を行わないなど、引き続き平和国家としての行動に徹してまいります。以上にのっとり、我が国は、これまでも国連の要請を受け、カンボジア、モザンビークなどに自衛隊や文民を派遣してまいりました。我が国としては、今後ともこのような国連平和維持活動に積極的に協力してまいりますひまた、最近とみにその重要性が指摘されております開発、環境、人権、難民、人口、エイズ、麻薬などの地球規模の経済。社会問題につきまして、これまで以上の貢献を行う決意であります。
 国際の平和と安全の維持については、私より、次の諸点をさらに申し述べました。
 軍縮・不拡散については、すべての核兵器国に対し一層の核軍縮努力を行うよう促すとともに、核不拡散条約の無期限延長を支持し、未加入国に速やかな参加を呼びかけました。
 さらに、現在行われている全面核実験禁止条約に関する交渉の早期妥結へ向け、特に、すべての核保有国が一層積極的に参画することを求め、全面核実験禁止条約の交渉が妥結した暁には、日本、例えば広島市において条約署名式を行うことを提唱いたしました。
 また、通常兵器の安易な移転とそれに伴う過剰な蓄積の問題については、それが世界のさまざまな地域の平和に対する不安定要因の一つであり、例えば、アフリカなどの一部地域の内戦における戦闘の激化及びおびただしい死傷者の発生の背景となっていることを指摘いたしました。
 国際社会がこの問題の具体的解決策について真剣に取り組む必要があること、さらに、我が国の提唱により発足した国連軍備登録制度の拡充や発展が必要であることを訴えたわけであります。
 地域紛争の予防と解決に関しては、和平のための外交努力や国連平和維持活動、人道援助、社会制度の構築、及び復旧・復興援助といった平和の構築のための援助を総合的に組み合わせて取り組むことの重要性を指摘し、この関連で、ルワンダ難民問題に対処すべく、今般我が国は、医療、給水、空輸のため四百人を超える自衛隊員を現地に派遣することを決定した旨紹介をいたしました。
 経済・社会問題の解決については、開発の問題及び人類共通の課題について取り上げました。
 まず、開発の問題については、変革する国際環境のもとで新たな開発戦略の策定が求められているとの認識を述べた上で、我が国がかねてより提唱してきている援助、貿易、投資、技術移転等を組み合わせた包括的アプローチと各国の発展段階に応じた個別的アプローチを軸とする新たな開発戦略について述べ、その関連で、開発のより進んだ途上国がその経験や技術を他の途上国と分かち合う、いわゆる南南協力推進の重要性を指摘してまいりました。
 環境や人口など先進国、途上国が共同して取り組むべき人類共通の課題につきましては、人類や地球に対する優しさを追求していく国家としての立場から、環境、人口、エイズ、女性、人権などに対する日本の考え方を申し述べた次第であります。
 これらの課題に効果的に取り組むための国連改革につきましては、安保理改組の重要性を指摘するとともに、国際貢献についての我が国の基本的な考え方のもとで、多くの国々の賛同を得て、安全保障理事会常任理事国として責任を果たす用意があることを表明いたしました。
 また、総会の活性化、経済社会理事会の機能強化など幅広い国連改革に積極的に取り組んでいく旨を述べ、敵国条項の削除を訴えてまいりました。
 また、私は、この機会に国連総会議長及び国連事務総長と会談したほか、中国、ザイール、タイ、エジプト、インド、イスラエル、インドネシア、ロシアなどと会談し、アフリカ、EUトロイカ、リオ・グループ、湾岸協力理事会加盟国との会合を通じ、二国間関係、最近の国際情勢についての意見交換を行いましたが、その際、各国より国連改革の必要性に対して賛意の表明がありました。
 安保理改組につきましては、多くの国が我が国の立場を理解し、支持する旨述べましたが、あわせて、地域の代表性を求める意見や先進国と途上国間のバランスへの配慮を求める意見も出されました。
 さらに、二十九日夜にロシアの外相の参加も得て先進国サミット参加国外相会合が行われ、北朝鮮の核開発問題、旧ユーゴ、核密輸問題など国際社会が直面する主要な政治問題について一層の政策協調を図るとの観点から協議を行いました。
 その際、私からは、北朝鮮の核開発問題については我が国の強い懸念を改めて表明した上で、北朝鮮との間の困難な交渉を粘り強く行っているアメリカの努力を多とする旨述べました。
 また、旧ユーゴ問題につきましては、これまでの国際社会の一致した努力を評価するとともに、マケドニア、アルバニアなどへの地域に紛争が波及することを防ぐための予防外交の重要性を指摘いたしました。
 さらに、近年重要な問題として浮上してきた核密輸問題への取り組みにつきましても、取り締まり面での国際的取り組みの強化とあわせ、核物質管理の強化の方途についても検討すべきである旨を強調いたしました。
 今次外相会合は、ナポリ・サミットのフォローアップ及び明年のハリファックス・サミットに向けた協議プロセスの始まりとして有意義なものであったと考えます。
 国連においては、安保理改組問題について引き続き議論が行われてまいります。
 私は、今後とも国民各位の一層の御理解を得て、安保理改組を初め、総会の活性化、経済社会理事会の機能強化など幅広い国連改革に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 議員各位の御理解、御協力をお願い申し上げます。(拍手)
#8
○議長(原文兵衛君) ただいまの報告に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
     ―――――・―――――
#10
○議長(原文兵衛君) この際、日程に追加して、
 平成三年度一般会計歳入歳出決算、平成三年度特別会計歳入歳出決算、平成三年産国税収納金整理貸金受払計算書、平成三年度政府関係機関決算書
 平成三年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 以上三件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。決算委員長三上隆雄君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔三上隆雄君登環、拍手〕
#12
○三上隆雄君 ただいま議題となりました平成三年度決算外二件につきまして、決算委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 平成三年度決算は、平成五年一月二十二日に提出され、同年六月十一日委員会に付託となり、また、国有財産関係二件は、同年一月二十二日に提出され、同日委員会に付託となりました。
 委員会におきましては、国会が議決した予算及び関係法律が適正かつ効率的に執行されたかどうかを審査し、あわせて政府施策の全般について、広く国民的視野から実績批判を行い、その結果を将来の予算策定及びその執行に反映させるべきであるとの観点に立ち、審査を行ってまいりました。
 全体で十二回に及んだ委員会質疑では、後で述べるような内閣に対する警告にかかわる質疑のほか、政権交代後の決算審査のあり方、会計検査機能の強化、政府開発援助をめぐる諸問題、公益法人のあり方、行政監察及び会計検査指摘事項に関連した質疑等、行財政全般について熱心な論議が交わされましたが、それらの詳細は会議録によって御承知願います。
 平成六年九月十六日に質疑を終了し、討論に入りました。
 平成三年度決算に対する議決案の第一は本件決算の是認、第二は内閣に対する六項目の警告であります。
 討論では、日本共産党を代表して高崎理事から、決算外二件について是認することに反対し、内閣に対する警告案については賛成する旨の意見が述べられ、自由民主党を代表して守住理事、日本社会党・護憲民主連合を代表して今井理事、公明党・国民会議を代表して風間理事より、それぞれ決算外二件を是認することに賛成するとともに、内閣に対する警告案についても賛成する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、平成三年度決算を採決に付しましたところ、本件決算は多数をもって是認すべきものと議決され、次いで、内閣に対する警告案については全会一致をもって警告すべきものと議決された次第であります。
 平成三年度決算にかかわる内閣に対する警告は、次のとおりであります。
 (一) 平成三年度の一般会計税収は、バブル崩壊の影響等により、当初予算額に対し一兆九千五百億円の減収となっており、さらに、平成四年度には八兆五百億円、平成五年度も七兆一千七百億円の減収と、連年にわたり税収決算額が当初予算額を大幅に下回る税収の見積り違いが生じたことにより、その後の財政連営に支障を来していることは誠に遺憾である。
   政府は、今後、可能な限り正確な経済見通しの策定に努めるとともに、有効な資料の収集や適切な見積り方法により、税収見積りの精度向上に更に努力すべきである。
 (二) 公立の義務教育諸学校の教職員給与費等に対する国庫負担金について、事業主体である都道府県が教職員の実数や標準定数を誤って算定したことなどにより、連年、過大に交付されていることは誠に遺憾である。
   政府は、義務教育費国庫負担金等の算定誤りの原因を究明し、都道府県に対してこれを踏まえた指導の徹底を図り、今後このような事態が生じないよう関係事務の適正化に努めるべきである。
 (三) 国民年金の保険料について、収納未済額、不納欠損額が毎年度多額に上っており、殊に、国民健康保険の保険料は納付するが国民年金の保険料は納付しない者が相当数見受けられる状況にあることは、国民年金制度の健全な運営の観点から看過できない。
   政府は、国民年金制度に対する国民の理解をなお一層深める努力をするとともに、保険料の収納に当たっては、市町村において国民健康保険との連携を図りつつ国民年金の保険料未納者に対して積極的な納付督励を行うよう指導するなど、国民年金の未納保険料の解消に一層努力すべきである。
 (四) 我が国に緊急輸入された米の一部に、異物の混入やカビ・異臭等の発生が見られるという事態が生じ、輸入米の安全性に対する国民の不安を生じさせたことは遺憾である。
   政府は、輸入米の安全性に関して、輸出国に協力を求めるとともに、検疫の強化及び精米、流通等の各段階でのチェックに努め、いやしくも不純物、汚染米が、国民の口に入ることのないよう万全の措置を講ずべきである。
 (五) 公共工事の入札・契約をめぐるいわゆるゼネコン汚職事件の発生によって、公共事業に対する国民の不信を招いたことは極めて遺憾であり、地方公共団体に対する指導及び建設業界に対する指導監督をはじめとして政府はその責任を厳しく反省すべきである。
   政府は、建設業界の事業活動の適正化を図るとともに、公共工事の入札・契約手続について透明性・客観性を高めるなどのため、本年一月に策定された「公共事業の入札・契約手続の改善に関する行動計画」に基づき、実効ある改革を行い、もって、公共工事をめぐる不祥事件の再発防止に努め、国民の信頼回復に全力を尽くすべきである。
 (六) 国の補助事業で地方公共団体が発注した公共工事に関して、近年、設計業務を委託された設計コンサルタントの成果物に対する審査が不十分なまま施工された結果、構造物が不安定な状態となっている事例が見受けられることは遺憾である。
   政府は、設計業務の外部委託に係る設計計算書及び図面等に対する地方公共団体の審査体制が確立されるよう、その指導等に努めるべきである。
 以上であります。
 次に、国有財産関係二件については、採決の結果、いずれも多数をもって是認すべきものと議決された次第であります。
 なお、当委員会において再三にわたり提出を求めておりました湾岸平和基金の財務報告に関しましては、昨年十二月十四日、外務省から「湾岸平和基金への資金拠出について」と題された報告書が決算委員長あてに提出されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 初めに、平成三年度一般会計歳入歳出決算、平成三年度特別会計歳入歳出決算、平成三年度国税収納金整理資金受払計算書、平成三年度政府関係機関決算書について採決をいたします。
 本件の委員長報告は、本件決算を是認すること及び内閣に対し警告することから成っております。
 まず、本件決算を委員長報告のとおり是認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#14
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、本件決算は委員長報告のとおり是認することに決しました。次に、委員長報告のとおり内閣に対し警告することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#15
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、全会一致をもって委員長報告のとおり内閣に対し警告することに決しました。
 次に、平成三年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに平成三年度国有財産無債貸付状況総計算書を一括して採決いたします。
 両件を是認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#16
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、両件は是認することに決しました。
     ―――――・―――――
#17
○議長(原文兵衛君) この際、お諮りいたします。
 決算委員長三上隆雄君から委員長を辞任いたしたいとの申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#19
○議長(原文兵衛君) この際、欠員となりました決算委員長の選挙を行います。
 つきましては、決算委員長の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、決算委員長に前畑幸子君を指名いたします。
   〔拍手〕
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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