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1994/10/28 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 本会議 第5号
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1994/10/28 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 本会議 第5号

#1
第131回国会 本会議 第5号
平成六年十月二十八日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第五号
  平成六年十月二十八日
   午前十時開議
 第一 許可、認可等の整理及び合理化に関する
  法律案へ第百二十九回国会内閣提出衆議院送
  付)
 第二 一般職の職員の給与に関する法律の一部
  を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 特別職の職員の給与に関する法律の一部
  を改正する法律案(内閣提拙、衆議院送付)
 第四 防衛庁の職員の給与等に関する法律の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
 第五 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 検察官の俸給等に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、国民年金法等の一部を改正する法律案、国
  家公務員等共済組合法等の一部を改正する法
  律案、農林漁業団体職員共済組合法等の一部
  を改正する法律案、私立学校教職員共済組合
  法等の一部を改正する法律案及び地方公務員
  等共済組合法等の一部を改正する法律案(趣
  旨説明)
 一、日程第一より第六まで
 一、国会議員の秘書の給与等に関する法律の一
  部を改正する法律案(衆議院提出)
     ―――――・―――――
#3
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 浦田勝君から海外旅行のため八日間の請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(原文兵衛君) この際、日程に追加して、
 国民年金法等の一部を改正する法律案、国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案、私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案及び地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案、以上五案について提出者から順次趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。井出厚生大臣。
   〔国務大臣井出正一君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(井出正一君) ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国は、本格的な高齢・少子社会の到来を目前に控えておりますが、国民の老後の生活設計の柱である公的年金制度が今後ともその役割を十分果たしていけるよう、制度を将来にわたり揺るぎないものとしていくことが要請されております。このため、今回の財政再計算に当たり、二十一世紀を展望して、制度全般にわたり必要な見直しを行うこととした次第であります。
 その基本的視点としては、第一に、二十一世紀を活力ある長寿社会とするため、高齢者の雇用の場の確保を初め社会経済全体のあり方が問われている中で、年金制度もこれに対応し、人生八十年時代にふさわしいものに見直していくことであります。
 第二に、高齢化の進展に対応して、年金制度を長期的に安定させるため、給付と負担の均衡を図るとともに、将来の現役世代に過重な負担が生じないようにすることであります。
 以下、今回提出いたしました改正案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、六十歳代前半の老齢厚生年金につきましては、その年金の額を報酬比例部分相当額とし、一般男子については平成十三年度から二十五年度にかけて、女子については平成十八年度から三十年度にかけて、現行の仕組みから段階的に切りかえることとしております。さらに、在職老齢年金について、雇用促進的な仕組みとなるよう改善を図るとともに、雇用保険法による給付との適切な調整を行うこととしております。
 第二に、年金額につきましては、本年十月から、国民年金の基礎年金の額を月額六万五千円に引き上げるとともに、厚生年金保険については、現役世代との均衡を配慮し、再評価の方式を実質的賃金の上昇率に応じたものに改め、年金額を引き上げることにしております。
 第三に、遺族年金、障害年金等の改善であります。
 遺族年金につきましては、遺族基礎年金の支給要件等となる子の年齢要件の改善、老齢厚生年金と遺族厚生年金との併給調整の改善を行うこととしております。障害年金につきましては、障害基礎年金の所得制限の改善、障害等級に三年以上該当しなかった場合の取り扱いの改善等を行うこととしております。また、育児休業期間中の厚生年金保険料の本人負担分を免除するほか、年金受給権の確保を図るため、国民年金における高齢者の任意加入の特例や第三号被保険者の届け出の特例措置を講ずることとしております。
 第四に、保険料につきましては、国民年金については平成七年四月から月額一万千七百円に改定し、以後段階的に引き上げることとしております。厚生年金保険については、五年ごとの財政再計算期に保険料率を千分の二十五すっ引き上げることが必要となりますが、今回の改正に際しては、これと同様の効果を保ちつつ、二段階に分けて引き上げることとし、本年十月から千分の百六十五に、平成八年十月から千分の百七十三。五に改定することとしております。また、平成七年四月から、賞与等を対象として千分の十の料率の特別保険料を徴収することとしております。
 第五に、厚生年金基金につきまして、その普及育成を図る観点から、免除保険料率の設定方法を改善するとともに、基金の資産運用に係る規制を緩和することとしております。
 以上のほか、短期間我が国に滞在した外国人に対する脱退一時金の支給、国民年金の死亡一時金の改善を行うこととしております。
 また、沖縄の厚生年金につきまして、将来に向けて特例的に加入できる措置を講じ、年金額の改善を図ることとしております。
 さらに、年金福祉事業団における教育資金貸付制度の創設及び資金の運用方法の拡大等を行うこととしております。
 また、児童扶養手当等につきましては、年金額の引き上げに準じて額の改定を行うとともに、その支給対象となる児童の年齢要件の改善等を行うこととしております。
 以上が国民年金法等の一部を改正する法律案の趣旨でございますが、衆議院において、在職老齢年金の支給停止の基準額を二十万円から二十二万円に改めること、厚生年金保険法附則第八条の規定による老齢厚生年金と雇用保険法による失業給付及び高年齢雇用継続給付との調整の実施時期を平成十年四月からとすること、永住帰国した中国残留邦人等に対する特例措置を講ずること、基礎年金の国庫負担割合の引き上げに係る検討規定を置くこと等を内容とする修正が行われております。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(原文兵衛君) 武村大蔵大臣。
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(武村正義君) ただいま議題となりました国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、二十一世紀の活力ある長寿社会に向けて、国家公務員等共済組合法の年金につきまして、公務員制度の一環としての役割等に配慮しながら、公的年金制度の一元化を展望し、基本的に厚生年金保険の見直しと同様の措置を講ずるものであります。
 その大要を申し上げます。
 第一に、六十歳代前半の国家公務員の退職共済年金につきましては、その年金の額を職域部分を含む報酬比例部分相当額とし、平成十三年度から二十五年度にかけて現行の仕組みから段階的に切りかえることといたしております。
 第二に、標準報酬の再評価の方式を実質的賃金の上昇率に応じたものに改めることとするほか、加給年金の対象となる子等の年齢要件の改善、退職共済年金と遺族共済年金の併給調整の改善等を行うとともに、新たに期末手当等を対象として特別掛金を徴収することとしております。
 第三に、日本鉄道共済組合及び日本たばこ産業共済組合に対しましては、平成七年度以降の両共済組合の財政事情等を勘案し、被用者年金制度間調整事業による財政支援の前提として行われている自助努力の一環として、標準報酬の再評価の取り扱いにつき所要の特例措置を講ずることとしております。
 以上、国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。
 なお、本法律案は、在職中に支給する退職共済年金等と給与との併給調整の基準となる額及び退職共済年金と雇用保険法による給付との併給調整の実施時期等の規定について衆議院におきまして修正がなされておりますので、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○議長(原文兵衛君) 大河原農林水産大臣。
   〔国務大臣大河原太一郎君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま議題となりました農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国は、本格的な高齢・少子社会の到来を目前に控えており、国民の老後の生活設計の柱である公的年金制度を将来にわたり揺るぎないものとしていくことが要請されております。
 このような状況を踏まえ、政府といたしましては、他の公的年金制度と両様に、農林漁業団体職員共済組合制度全般にわたり必要な見直しを行うこととし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、六十歳代前半の退職共済年金につきましては、その年金の額を給与比例相当部分とし、平成十三年度から平成二十五年度にかけて現行の仕組みから段階的に切りかえることとしております。さらに、在職支給制度について雇用促進的な仕組みとなるよう改善を図るとともに、雇用保険法による給付との調整を行うこととしております。
 第二に、年金額につきましては、定額部分の額を引き上げるとともに、給与比例部分につきましては、現役世代との均衡に配慮し、再評価の方式を実質的賃金の上昇率に応じたものに改め、年金額を引き上げることとしております。
 このほか、退職共済年金と遺族共済年金との併給調整の改善、育児休業期間中の掛金の免除等、所要の措置を講ずることとしております。
 以上、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。
 なお、本法律案につきましては、在職中に支給する退職共済年金等と給与との調整の基準となる額及び退職共済年金と雇用保険法による給付との調整の実施時期並びに施行期日等の規定について衆議院におきまして所要の修正がなされておりますので、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○議長(原文兵衛君) 与謝野文部大臣。
   〔国務大臣与謝野馨君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(与謝野馨君) 私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 私立学校教職員共済組合の給付については、国公立学校の教職員に対する給付の水準との均衡を保つことを本旨とし、逐次改善が進められ、現在に至っております。
 今回は、最近における社会経済情勢にかんがみ、長期給付について、公的年金制度共通の措置として、厚生年金及び国家公務員等共済組合に倣った措置を講じる等、所要の改正を行うこととしております。
 次に、この法律案の概要について申し上げます。
 第一に、掛金及び給付の算定の基礎となる標準給与の上下限を引き上げること、第二に、育児休業中の組合員について当該組合員が負担すべき掛金を免除すること、第三に、長期給付に要する費用に充てるため新たに賞与等を標準として特別掛金を徴収すること、第四に、年金額の改善を図るため年金額の算定の基礎となる標準給与の月額についていわゆる再評価を行うことといたしております。
 また、国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案における六十歳以上六十五歳未満の者に支給する退職共済年金の見直し等の措置については、これらの措置に関する国家公務員等共済組合法の規定を準用することにより、私立学校教職員共済組合においても同様の措置を講じることとしております。
 最後に、この法律の施行日は平成六年十月一日といたしておりますが、育児休業者に係る掛金の免除及び賞与等に係る特別掛金の徴収については平成七年四月一日としております。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、退職共済年金と雇用保険法による基本手当等との調整の実施時期を平成十年度に繰り延べるとともに、施行期日等について所要の修正が行われております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#14
○議長(原文兵衛君) 野中自治大臣。
   〔国務大臣野中広務君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(野中広務君) ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、厚生年金保険や国家公務員共済年金の見直しと整合を図りつつ、二十一世紀を展望して、雇用と年金のあり方を人生八十年時代にふさわしいものとすること、さらに、地方公務員共済年金制度を長期的に安定させることを基本的な視点として、地方公務員共済年金制度全般にわたり必要な見直しを行おうとするものであります。
 以下、改正内容の大要を申し上げます。
 第一に、六十歳代前半の退職共済年金につきましては、その年金の額を給料比例部分相当額とし、一般職員については平成十三年度から二十五年度にかけて、特定の警察・消防職員については平成十九年度から三十一年度にかけて、現行の仕組みから段階的に切りかえることとしております。
 第二に、年金額につきましては、その算定基礎となる給料の再評価の方式を実質的賃金の上昇率に応じたものに改めるなど、所要の改善を行うこととしております。
 第三に、遺族共済年金につきましては、その受給権者となる子の年齢要件の改善、退職共済年金と遺族共済年金との併給調整の改善を行うこととしております。
 第四に、掛金につきましては、新たに、期末手当等を対象として特別掛金及び負担金を徴収するとともに、育児休業期間中の組合員については申し出により掛金を免除することとしております。
 以上、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。
 なお、原案の在職中一部支給する退職共済年金と給与との併給調整の基準となる額及び退職共済年金と雇用保険による給付との併給調整の実施時期並びに施行期日等の規定について衆議院におきまして所要の修正がなされておりますので、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#16
○議長(原文兵衛君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。勝木健司君。
   〔勝木健司君登壇、拍手〕
#17
○勝木健司君 私は、新緑風会を代表いたしまして、国民年金法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 我が国は、急速な少子化、高齢化が進展しており、二十一世紀前半には世界でもいまだ経験のない本格的な少子・高齢社会を迎えることが予想されております。このような中にありまして、国民が生涯を通じて心豊かに安心して活力を持って暮らしていける福祉社会を実現することが重要であります。
 まさに私どもの役目は長期的視点に立って国民の期待にこたえられるような施策を充実させていくことであろうと考えております。今回の年金法の改正は、ゴールドプラン、エンゼルプランと相まって福祉社会の根幹をなすものと認識いたしておりますが、そうした観点に立って何点か質問させていただきます。
 まず第一に、将来の福祉ビジョンについてお伺いいたします。
 今回の税制改正では、何らの将来の福祉ビジョン、年金制度のあるべき姿が論じられることなく、単に消費税率の引き上げと申しわけ程度の福祉予算の確保が盛り込まれているだけではないのかとの感想を持っております。理念もビジョンもない、いわばつぎはぎだらけの税制改革となったことは甚だ遺憾であり、将来どういった福祉社会を実現していくのか、それを支える国民全体の公平な負担とは何なのかというような根本的な問題の解決を先送りしただけではないのかとも思えるわけであります。そこで、まず国民の前に将来の福祉ビジョンを明らかにしていただきたい。総理と厚生大臣の御認識をお伺いいたします。
 第二に、国庫負担率についてお伺いいたします。
 人生八十年時代の高齢化社会にふさわしい年金制度の確立のためには、増大する年金給付額の安定的財源確保が急務であります。
 衆議院におきまして、在職老齢年金の併給調整額の水準の引き上げや失業給付等の実施時期の延長、中国残留邦人の年金の取り扱いなどの修正が加えられました。しかしながら、勤労者の実収入が横ばいないしは減少するという厳しい社会情勢の中で、今回の年金の掛金のアップに加え、新たにボーナスよりも一%徴収が、また、凍結した公共料金の値上げを解除したり消費税率の引き上げなど、国民の負担ばかりを担保としてまいったことを考えますと、年金につきましては国庫負担率を当然二分の一に引き上げていくことを明確に盛り込むべきではないのか、このことがこの参議院での年金法案の審議における最重要課題であると考えております。総理並びに厚生大臣の御見解をお伺いいたします。
 また、税と保険料とのバランスをどのように図っていくのか、中長期的課題として今後も引き続き国民の合意を得るために当然議論を進めていかなければなりません。
 私どもも将来の財源確保の問題については当然責任を持って取り組むものでありますが、果たして税金のむだ遣いは根絶されたのか、不公平税制是正は徹底して行われておるのか、行財政改革は一体どこまで本気で取り組まれるおつもりなのか、政府にはまだまだ汗をかいて努力すれば財源があるのではないか等、こうした疑問もあるわけであります。今後の年金財政のあり方について総理の御認識をお伺いいたします。
 第三に、年金の支給開始年齢の引き上げと雇用の連携についてお伺いいたします。
 今回の改正案は、本格的年金の支給開始年齢を六十五歳に引き上げ、六十歳代前半は多様な雇用形態を前提にした給付体系となっており、働きたい人が働ける社会の構築、人生八十年時代にふさわしい雇用環境の形成が前提となっております。
 企業の雇用管理状況を見ますと、定年を六十歳以上とする企業の割合は平成元年の六二%から本年には八四%と、多くの企業において定年年齢六十歳以上がほぼ定着をしつつあります。しかし、その一方では、定年前の早期退職優遇制度が急速に普及しつつあり、そのときの景気動向と相まちまして定年年齢の空洞化が見受けられます。また、定年後の措置として、勤務延長制度、再雇用制度を有している定年六十歳以上の企業の割合は平成元年の六六%から本年は六九%と横ばい、それほど制度が浸透していないのが現状であります。
 このような不安定な状況の中で、将来を予見をして本格的年金の支給開始年齢を引き上げて、六十歳代前半の人は一体どうやって生活を支えていくのか、本当に働くことを希望する人全員が働ける六十五歳現役社会が構築をされていくのか。その意味では、今回の年金改正の成否はまさに六十歳代前半の雇用の確保にかかっているわけであります。
 労働省も、さきの百二十九国会におきまして雇用保険法と高齢者届用安定法を改正して高齢者の雇用確保を打ち出しておりますが、両法案の改正により高齢者雇用が果たしてどの程度の実効性があるのか。政府は、少なくとも希望をすればだれでも六十五歳まで働けるようになる高年齢者雇用ビジョンといったものを国民の前に示す必要があるのではないか。総理並びに労働大臣の御見解をお伺いいたします。
 本当に安心して信頼できる年金であるためには、働きたくとも働けないといった状況に置かれている人々への配慮が十分になされる必要があると考えております。
 衆議院では、次期財政計算時までに十分な検討を行い必要な措置を論ずるとの附帯決議がなされましたが、特例措置の対象は年金四十五年以上の加入者並びに障害者等級三級以上の障害者となっております。例えば、障害者ではないが病気やけがで働けなくなった人、家族の介護のために働けないといった人は一体どうしたらいいのか。こういった人たちには満額支給の道を開くべきではないのか、そのための何らかの認定制度の創設なりの工夫をすべきではないかと考えるものであります。厚生大臣のお考えをお伺いいたします。
 第四に、少子化対策についてお伺いいたします。
 年金制度は、人口の将来見通しや経済情勢の変化等々をもとに、年金の収支が長期的に均衡しているか五年ごとに財政再計算を行っておりますが、特に我が国の出生率は平成五年に一・四六となり、人口の減少を招かないために必要とされる二・〇八を昭和五十年に下回ってから、現在も大きく下回り続けております。
 こうした少子化の進行に伴い、日本の総人口は二〇一一年をピークに減少し、しかも並行して超高齢化が進むと予測されておるわけでありますので、このことが後々の世代の負担額が増加していくことの一因となっておるわけであります。
 このためにも、エンゼルプランをただ単にプレリュードで終わらせるのではなく、本格的にエンゼルプランとして推し進め、少子化に歯どめをかけなくてはなりません。しかし、エンゼルプランについてはゴールドプランと比べまして具体的な施策、目標、さらには年次計画、総事業費といった全貌が見えてこないのが現状であります。
 総合的なエンゼルプランを実現するための子育てに関する関係閣僚会議を設置するとともに、政府としてエンゼルプランを閣議決定するなどの対応が必要ではないかと考えますが、総理並びに厚生大臣の御見解をお伺いいたします。
 第五に、公的介護保険についてお伺いいたします。
 社会保障制度審議会の報告では、公的介護保険の導入を提言いたしております。介護問題は早急に解決をしなければならない課題であり、新ゴールドプランはこうした介護の基盤整備であり、まず介護サービスの供給体制を整え、仕組みをつくっていくことが先決であろうかと考えます。その上で介護保険の導入といったことが当然議論されるものでありましょうが、この財源についてはどのようにお考えになっておられるのか、お伺いをいたします。
 また、介護問題が深刻化する中、家族の介護を行う勤労者が介護のために仕事をやめざるを得ない状況も発生をいたしております。こうした中、早急に介護休業制度を法制化していく必要があると考えますが、労働大臣にお伺いいたします。
 第六に、年金制度の一元化についてお伺いいたします。
 政府は、昭和五十九年の閣議決定において、平成七年度をめどに公的年金の一元化を完了させることを決めております。関係閣僚会議のもとにできた公的年金の一元化に関する懇談会では、この秋をめどに結論をまとめるといった予定で審議が進んでおるようでありますが、平成七年度までに果たして一元化の議論が十分にできる時間的な余裕がないのではないかといった危倶もあり、また、専門家だけの意見交換にとどまらず情報を公開しながら国民の納得を得られる結論を出すべきであると考えますが、総理並びに厚生大臣の御所見をお伺いいたします。
 最後に、年金未加入者の問題についてお伺いいたします。
 社会保険庁が去る八月にまとめました平成四年度公的年金加入状況等調査結果によりますと、第一号被保険者の未加入者は約百九十三万人、第三号未届け者が約四十三万人、その他の未加入者が百十一万人もいることが明らかにされております。国民皆年金といいながら未加入者がこれほどいるというのは、驚きと言えるのではないでしょうか。まさに年金制度の空洞化をもたらしかねない問題であります。
 国民年金の未加入・未納者対策は国民皆年金という年金制度の根幹にかかわる問題であるだけに、特に低所得者層が年金制度から脱落しないよう、国民の理解、あるいは制度の見直しにも積極的に取り組んでいただきたいと考えております。厚生大臣の御見解をお伺いいたします。
 厚生年金制度が発足して五十年余り、また国民年金制度が発足し国民皆年金制度となりまして三十年余りが経過をいたしております。年金制度は、保険料を拠出する現役世代にとりましても、また年金を受給する高齢者世代にとりましても、生活に密着をした大事な制度でありますので、この改正に当たっては国民が納得できるような明確な理念を示し、かつ十分な審議がなされる必要があろうかと考えます。村山総理と厚生大臣の御所見をお伺いいたし、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(村山富市君) 勝木議員の質問にお答え申し上げますが、第一の質問は福祉ビジョンについてのお尋ねでございます。
 今回の税制改革の中で見直し条項を入れてありますけれども、この見直し条項も踏まえながら、今後、新ゴールドプラン、エンゼルプラン等々の内容について今詰めを早めるべく努力をいたしておるところでございます。
 年金や医療等が今後どういうふうに推移していくのか、その自然増等も見きわめながら、その財源措置をどうしていくかといった社会保障全体像について私は明らかにしていくことが必要であるというふうに考えて今鋭意努力をいたしておるところでありますが、できるだけ早く詰めを行って皆様方の前にも明らかにしていきたいというふうに考えておるところでございます。
 それから、年金についての国庫負担率二分の一引き上げについてのお尋ねがございましたが、これは衆議院段階で御審議をされておるさなかで衆議院の意思として附帯決議の中に盛り込まれておるというふうに私は受けとめております。
 ただ、皆さん御心配のように、今一番大事なことは、先ほども御質問の中にございましたが、国民年金の未納者がふえていく、これはやはり、掛金が上がっていく割に国民年金の給付の条件等々に若干の不安もある、こういうことがそういう現象を生み出しておると思うんですけれども、基礎年金の部分を国民全体に最低保障する年金制度につくり上げていく、こういうことがこれからの課題として必要なものであると私は考えておりますけれども、しかし、ここで今直ちに二分の一に引き上げるということについては、大変な金がかかるわけでありますから、その財源措置というものも十分裏づけとして考えていかなければならないことでありますから、そういうことと見合った中で、今後私どもも検討させていただきたいというふうに思っておりますが、当面は二分の一に引き上げることは財源的な措置として無理であると、私はそういうふうに考えております。
 それから、歳出歳入の内容の見直しについての御質問でございますが、今後とも、行財政改革を推進しながら財政の効率化に向けた努力を続け、また、税負担の公平確保についても不断の見直しを行うことは申し上げるまでもございません。政府はこれまでも、臨調や行革審等の答申を受け、連年にわたって改革努力を行ってきておりまするけれども、行財政改革というのは、単に財源を生み出すというだけではなくて、行政のあり方、姿勢を改革していくというねらいもあると存じますから、そういう面も踏まえながら、今後一層行財政改革には努力をしていかなきゃならぬというふうに思っておるところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも、あらゆる経費について制度の根本にさかのぼった見直しや施策の優先順位等も厳正に行う中から、できるだけ行財政改革が推進されるように努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 それから、高齢者雇用の促進についてのお尋ねでございましたが、これは、できるだけ二十一世紀の初頭ぐらいまでに六十五歳まで現役として働けるような社会的条件というものを整備していきたい、こう考えておりますが、最近ようやく六十歳定年制が制度として確立されつつあるという状況でもございますから、政府としては、高年齢雇用継続給付制度といったようなものも実施をする中から、可能な限り六十五歳まで働けるような雇用情勢というものをつくり上げていくためにこれからも努力を続けてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 それから、高年齢者の雇用ビジョンといったようなものを明らかにされたらどうか、こういう御質問でございますが、今申し上げましたように、希望すれば六十五歳まで現役として働けるような社会を実現していくために計画的に取り組んでいくことが大事であるというふうに思いますので、年度内に今後の高齢者雇用のビジョンというようなものを明らかにしていきたいというふうに考えて、今作成の努力をいたしておるところでございます。
 次に、障害者じゃない者が病気やけがで働けなくなった場合の特例給付をしたらどうか、こういうお尋ねでございます。
 別個の給付の導入に際しましては、四十五年以上加入した者のほか、働くことが著しく困難な障害者に対しましては従来どおり満額年金を支給することといたしておるところでございます。
 この特例措置は障害年金の障害等級に該当する方を対象としておりますだけに、これ以上の特例措置を設けることは、現役世代とのバランス等を考えた場合に、なお慎重に検討しなきゃならぬ課題があるというふうに私どもは理解をいたしております。
 次に、総合的なエンゼルプランについての子育てに関する関係閣僚会議を設けたらどうか、こういうお尋ねでございますが、今後エンゼルプランの内容の詰めを行っていく過程において、どのような形でこれを策定し実効あるものにしていくかということについては、御意見等も踏まえながら今後さらに検討させていただきたいというふうに思っておるところでございます。
 次に、公的介護保険制度の創設についてのお尋ねでございますが、高齢者介護問題というのは今日国民的な課題として大きな問題になっておるということについては、私どもも十分認識をいたしておるところでございます。
 したがって、新たな介護システムの構築に向けて、介護問題をめぐる基本的な論点の整理を行いながら検討を今進めておるところでございますが、公的介護保険制度についても、高齢者介護に関する新しいシステムを検討する上で一つの選択肢として私どもも十分検討するに値する問題だというふうに受けとめておりますが、今後、諸外国の事例等々も十分参酌をしながら慎重な検討を進めていきたいというふうに思っておるところでございます。
 次に、平成七年度をめどとした年金制度の一元化についてのお尋ねでございましたが、今、公的年金制度の一元化に関する懇談会において検討していただいておりますが、その検討の結果も踏まえながら適切に対処してまいる所存でございます。
 その際、年金制度の現状や今後のあり方につきましても、国民の理解を得ることはこれは大事なことでありますから、一層必要な情報の公開には努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 次に、今回の年金制度改正の理念についてのお尋ねでございますが、今回の改正は、二十一世紀の本格的な高齢社会に向けて、高齢者の雇用と連携をとって、年金制度も人生八十年時代にふさわしい仕組みとすること、さらに、将来の現役世代の負担が過重なものにならないよう、給付と負担のバランスをどうとっていくかというふうなことを目的としたものでございます。
 今回の改正は活力ある長寿社会に向けて必要不可欠なものであると考えておりますので、十分御論議の上、一日も早い成立に対して皆さん方の御理解と御協力を心からお願い申し上げたいと存じます。
 以下の質問につきましては、関係閣僚から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣井出正一君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(井出正一君) 勝木議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、福祉ビジョンについてのお尋ねでございますが、本格的な少子・高齢社会にあっても、国民が生涯を通じて心豊かに安心して活力を持って暮らしていける福祉社会を実現していくことが重要であると考えております。
 一方、今回の税制改革法案には、社会保障等に要する費用の財源の確保等との関連で、消費税率について検討を加え、必要があれば所要の措置を講ずる旨の規定が盛り込まれております。
 その検討過程において、新ゴールドプラン、エンゼルプラン等の内容についてできるだけ早く詰めを行うとともに、年金、医療等の自然増の推計を行うなど、将来の社会保障の具体的な施策とその必要経費について明らかにしてまいりたいと考えております。
 次に、年金について、国庫負担率を二分の一に段階的に引き上げていくことを明確に盛り込むべきではないかとのお尋ねでございますが、総理からも御答弁申し上げましたとおり、改正法案附則の検討規定は、衆議院厚生委員会における法案の議決に際し付することとされたものでありまして、衆議院の御意思として定められたものと受けとめております。
 なお、政府といたしましては、財源確保の見通しがないままに国庫負担率を二分の一に段階的に引き上げる旨明示することは適切でないと考えております。
 障害者ではないが病気やけがで働けなくなった音あるいは家族の介護のため働けない者には満額支給を行う道を開くべきではないかといった、いわゆる別個の給付の特例についてのお尋ねでありますが、これも先ほど総理御答弁申し上げましたように、別個の給付の導入に際しましては、四十五年以上加入した者のほか、働くことが著しく困難な障害者に対して、従来どおりの満額年金を支給するといった配慮を行ったところであります。
 この特例措置の対象としては、働くことが困難ということの認定を客観的に行える基準であることや、障害年金が支給される現役世代とのバランスの確保を考え、障害年金の障害等級に該当する方を対象としたところであります。したがいまして、御指摘のような場合まで別個の給付の特例措置の対象とすることは慎重に検討する必要があると考えております。
 エンゼルプランについて、子育てに関する関係閣僚会議を設け閣議決定すべきではないかとの御質問でありますが、厚生省といたしましては、財源の確保にも配慮しつつ、できるだけ早くエンゼルプランの内容の詰めを行ってまいる所存であり、どのような形でこれを策定するかについても関係省庁と協議しながら検討してまいりたいと考えております。
 次に、公的介護保険制度の財源についてのお尋ねでありますが、本格的な高齢社会を迎え、高齢者の介護問題は早急に対応しなければならない重要な課題であると認識しております。
 このため、財源の確保にも配慮しつつ、できるだけ早く新ゴールドプランの策定に努め、介護サービスの供給体制を整えるとともに、高齢者が安心して生活できるような新しい介護システムの構築に向け鋭意取り組んでいかなければならないと考えております。
 新たな介護システムについては、本年四月、厚生省において高齢者介護対策本部を設置するとともに、七月からは学識経験者による研究会を開催し、現在検討を行っているところでありまして、年内にはその取りまとめを予定しております。
 御指摘の公的介護保険についても新介護システムを検討する上で選択肢の一つであると考えておりますが、いずれにせよ、国民だれもが身近に必要な介護サービスをスムーズに手に入れられるようなシステムづくりに向け、幅広い観点から議論を進めていく必要があると考えております。
 次に、年金制度の一元化についてお尋ねでありますが、一元化については、平成七年を目途とするという目標に向けて、現在、公的年金制度の一元化に関する懇談会において検討を行っていただいているところであります。
 その中では、平成六年度末で期限の切れる日本鉄道共済年金に対する支援の仕組みについての新しい枠組みづくりなど差し迫った課題を含め、一元化のあり方について精力的に検討してまいりたいと考えております。
 また、こうした検討とあわせ、年金制度の現状や今後のあり方について国民の理解が十分得られるよう、必要な情報の提供に努めていかなくてはならないと考えております。
 国民年金の未加入・未納者の対策についてのお尋ねでございますが、公的年金制度の運営に当たっては、未加入・未納者の解消を図り国民の信頼を確保していくことが極めて重要な課題であると認識しております。
 このため、国民の理解と信頼を深めるための広報活動の強化充実、基礎年金番号の設定、保険料を納付しやすい環境づくり等を進めることにより未加入・未納問題の解消に努めるとともに、低所得者層につきましては免除制度の適切な運用を図るなどの努力をしてまいりたいと考えております。
 最後に、今回の年金制度改正の理念についてのお尋ねでございますが、公的年金制度は、長期にわたる国民の老後生活の基本的部分を確実に支えていかなければならないものであり、将来にわたり長期的に安定した制度を確立していくことが課題であります。
 今回の改正案は、今後、人口の急速な高齢化等が見込まれる中で、一つには、活力ある長寿社会の実現に向けて高齢者の雇用を促進していくとともに年金制度もこれと連携のとれた仕組みとすること、二つとしまして、将来の現役世代の負担が過重なものとならないよう給付と負担のバランスを図る、という観点から制度全般にわたり必要な見直しを行うものであります。
 このように、今回の改正は二十一世紀の超高齢社会にふさわしい制度とするため不可欠なものと考えており、御審議の上、一日も早い法案の成立をお願いするものであります。(拍手)
   〔国務大臣浜本万三君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(浜本万三君) 勝木議員にお答えをいたします。二つありましたので、順次お答えをいたします。
 一連の高齢関係法の改正によってどの程度の実効性があるのかということと、それから高齢者雇用ビジョンをつくれという御質問でございました。
 今後の急速な高齢化の進展に対応して我が国経済社会の活力を維持していくためには、二十一世紀初頭までに希望すれば六十五歳まで現役として働ける社会を実現していくことが、極めて重要であると思います。
 このため、労働省といたしましては、さきの通常国会で改正されました高年齢者届用安定法及び雇用保険法に基づきまして、六十歳定年制を基盤とした六十五歳までの継続雇用の推進、高齢者が多様な形態によって働くことができるようにするための施策の実施、さらに、高齢者の雇用継続を援助、促進するための高年齢雇用継続給付の支給などによりまして、六十五歳までの雇用機会の確保に万全を期してまいりたいと思います。
 二十一世紀初頭までに希望すれば六十五歳まで現役として働ける社会を実現していきますためには、国、労使等の関係者の計画的な取り組みが重要となっております。
 このため、労働省といたしましても、施策の推進に当たりましては基本的な目標を明らかにして進めていくこととしており、労使の御意見も十分にお聞きした上で、年度内に高年齢者届用安定法に基づく高年齢者等職業安定対策基本方針を改定いたしまして、その中で今後のビジョンをお示しすることにいたしたいと考えております。
 第二は、介護休業制度の法制化の問題でございます。
 介護休業制度は、高齢化、核家族化が進展する中で、介護を必要とする家族を抱える労働者が働き続けるために重要な制度であると考えております。民間における介護休業制度の法制化につきましても重要な課題と認識をしております。現在、関。係審議会で、専門家会合の研究結果を参考にしながら、介護休業制度の法制化を含む有効な普及対策について検討を行っていただいておるところであります。
 私といたしましては、次の通常国会を視野に入れて、審議会の議論がまとまることを期待しておる次第でございます。
 以上です。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○議長(原文兵衛君) 横尾和伸君。
   〔横尾和伸君登壇、拍手〕
#22
○横尾和伸君 私は、公明党・国民会議を代表して、国民年金法等の一部を改正する法律案に関し、総理大臣、厚生大臣及び関係大臣に質問をいたします。
 旧連立与党の私たちは、昨年の夏、非自民の旗を掲げて四十年間の自民党一党支配体制を打倒し、新しい政治の流れをスタートさせました。そして、政治改革とともに取り組んだのがこの年金改革でありました。
 痛みを伴うことは避けたい、しかし人気取りのために国民の未来を切り売りすることこそあってはならない、やむにやまれぬこのような思いで、悪戦苦闘を重ねた結果、昨年年末に旧連立与党の私たちは年金改正法案をまとめ上げ、その後国会に提案をしたのであります。多くの困難な問題を抱えているため、もとより百点満点などと言うつもりはありませんが、これが今回の法案の生い立ちなのであります。まず、この点を思い出し、肝に銘じ直していただきたいのであります。
 そもそも、超高齢化社会に向かって確実に走り出している現在、このような大幅な年金改正の断行をしなければならないほど年金制度を切迫させた原因はどこにあったのでしょうか。
 我が国の年金制度のスタートは、掛金と支給額がバランスする完全積立方式でありました。これがインフレを契機に昭和二十九年にいわゆる賦課方式に改められるなど、多くの変遷を経て今日に至っておりますが、特に昭和四十八年の制度改正による年金支給額の倍増を皮切りに、頻繁に支給額の増額が図られてまいりました。しかも、これらの増額は、保険料をほぼ据え置いて行ったため、保険料に見合った支給額というバランスとはほど遠いものになってしまいました。
 年金の支給額さえ上げれば人気はとれる、その結果生ずる財源の不足は将来の世代に保険料として負担させるという考えてあります。しかも、将来の世代が支え切れないほどの重荷になることが明白であります。
 まさに国民の未来を切り売りして人気をとる、これがこれまでの政治の流れであり、中でもその骨格をなしてきたものこそ、痛みを避けて人気取りに終始してきた五五年体制だったのではないでしょうか。
 このたびの年金法の改正は、苦しみながらも未来のためにやるべきことはやるという意志を貫くことによって、私たち旧連立与党が作成した原案がほぼそのままの形で合成立しようとしているのであります。
 私たちは、法改正後の年金の支給を早くしたい、おくらせたくないとの思いでいっぱいであります。
 国民の大多数は、この年金の将来にさまざまな不安を抱いております。高齢社会に向け、この年金法を改正し国民の不安を解消することが急務であるにもかかわらず、今回の改正をここまでおくらせたのは、その大きな原因の一つは、現在の政府・与党、自民党の態度にあったのではないでしょうか。
 本年六月の衆議院における提案理由説明後の審議入りを強く阻んだことを、よもや忘れはしないでしょう。そのために、前内閣での法案成立が実現しなかったのであります。また、今国会の開会も大きくおくれました。まさにそれは政府・与党の責任であることを忘れないでいただきたい。
 とはいえ、私たちは早期成立を願う国民の声を第一義に考え、相応の審議時間の確保を前提に審議促進に全力を挙げることを表明するものであります。
 まず、国民年金の空洞化について伺います。
 平成四年度の社会保険庁の事業年報によれば、保険料を免除されている者は一四・七%、未納者一四・三%で、加入者の約三割の者が保険料を払っていないことが明らかとなり、本年八月に発表された平成四年度公的年金加入状況等調査では、都市部の二十歳代を中心に百九十三万人の制度未加入者がいることが明らかとなっております。さらに、第三号被保険者の未届け者も四十三万人に上ります。このままでは、本格的な高齢社会が訪れたときにかなりの無年金者または低い年金額しか受給できない者が生じることは確実であります。
 現在、高齢者収入の五〇%以上は公的年金によって支えられております。将来にわたって基礎的な保障をする制度の根幹が揺らぐことのないよう、未加入や未届け出のない真の国民皆年金制度の実現が期待されております。
 総理、この問題にどのように対応するお考えか、御所見を伺います。
 次に、国民に対する情報提供について伺います。
 国民に対する情報提供は、特に国民年金にとって重要な問題であります。二十一世紀を目前にして、ほとんどの国民が国民年金の行き先が見えず大きな不安を抱えているのが実情であります。国民年金に未加入の人、保険料を払いたくない人、拒否する人が少なからずいるのは、将来の年金制度に不安を持ったり、保険料の負担感が大き過ぎると感じているからではないでしょうか。
 国民が年金制度に関する理解を深め年金制度を信頼できるようにするためには、十分な情報提供が必要であります。この点についての総理大臣及び厚生大臣の見解を求めます。
 さらに、年金を含め社会保障制度に関する理解を深めるため、小学校、中学校、高等学校、大学における社会保障制度に関する教育の充実が必要であります。福祉教育を体系的に実施し、知識のみならず、実際に福祉活動に参画するなど体験学習を行うことも大切であります。また、大学教育においては、社会保障講座の重視、社会保障研究の充実に努める必要があると考えますが、この点について総理大臣、厚生大臣及び文部大臣の見解を伺います。
 今回の改正で残された大きな課題として、基礎年金の国庫負担率の問題があります。
 率の引き上げの明示等について、これまで与野党の厳しい攻防があり意見の調整ができなかったと聞いておりますが、その結果、与党の主張として附則第二条が追加修正されたわけであります。しかし、附則第二条は極めて難解な表現であり、何を言っているのかよくわかりません。
 そこで具体的に伺いますが、附則第二条は、国庫負担率を引き上げないという結末になる可能性はあるのでしょうか、ないのでしょうか、総理の明快な答弁を求めるものであります。
 基礎年金の国庫負担率については、自民党は本年六月の年金改革検討小委員会の中間報告で、段階的な引き上げを明確に提案をしております。また、社会党も本年五月の高齢社会福祉プログラムの中間報告において国庫負担率を三分の一から二分の一へ引き上げると明示しているのでありますが、これに対し、与党提案として修正された附則第二条ではこのことが全く示されていないのであります。なぜ従前どおり国庫負担率の引き上げが示されないのか、大変不思議に思うわけであります。
 附則第二条で引き上げを明示できないのはなぜだったのか。立場が変わると政策も変わるのでしょうか。社会党の代表でもある総理、及び自民党を代表する河野副総理、並びに大蔵大臣及び厚生大臣に、その理由を明らかにしていただきたい。国民のだれもがわかる明快な答弁を求めるものであります。
 昨今の社会情勢として、サラリーマン等の実収入が横ばいまたは減少していることが明白になっております。先行きの不安が募る一方で、さらに今後、消費税率の引き上げや公共料金の引き上げ凍結解除を村山政権が打ち出すなど、国民の側の負担の増加ばかりを担保しようとする政策がメジロ押しの状況であります。今回の改正による年金の掛金の引き上げも例外ではありません。
 このような状況において、私は、国民の立場から、年金の将来像を明確に示す必要があるとの認識に立ち、財源問題を踏まえた上で国庫負担の割合を二分の一をめどに段階的に引き上げること、このこと自体を法案の中に明示することが最も賢明で責任ある方策であると申し上げたいのであります。
 この点に関し、村山総理の所見を明確にお答えいただきたい。
 国民の側の負担ばかりを担保することが村山政権であるということであれば、私はそれは誤りであると断言して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕○国務大臣(村山富市君) 横尾議員の質問にお答えいたします。
 今、私は、横尾議員の質問を聞きながら、これまでずっと社会労働委員会で年金の審議等に携わってきた立場から反省もしておるわけでありますけれども、私どもはやっぱりできるだけ保険料の負担は軽くした方がいいというので政府案にたびたび反対をしてきた。これは野党一緒になってやってきた経緯があるわけでありますけれども、同時に、この年金制度というのは、五年ごとに再計算をして、そして絶えず給付と負担のバランス等を考えながら制度の見直しをする、こういう仕組みになっておりますから、私はやっぱりその両面を絶えず考えながらやる経過というものは大事に考える必要があるというふうに思っておりますから、今、一方的に言われたようなことについては、私は当たらない面があるのではないかというふうに思っております。
 年金制度の未加入者が大変多いということは、これはやっぱり十分憂慮しなきゃならぬ問題だと私も思っています。何といっても年金制度というのは国民の信頼をいただくということが大事なので、一部に、例えば国民年金なんか入って掛けておったって先々もらえるかどうかわからぬよと、こういうふうな不安がありますと、だんだん国民年金という基盤が不安になってくる、こういう面もありますから、したがって私は、何よりも年金制度というものは、これは長期的なものですから、信頼されることが一番大事だと。そのためには、やっぱり若年層等を対象にして広報活動も徹底して、よく理解をしていただく。
 同時に、国民年金というのは、市役所の窓口等では、市町村の窓口では、国民健康保険制度と同じような扱い方をされていますから、これとできるだけ結合させて、そして国民健康保険制度に入れば国民年金に入らにゃいけませんよというようなことを十分親切にPRしていって、そしてできるだけ未加入者をなくしていく、こういう努力をしていくことは当然必要だと思います。
 将来にわたって基礎年金番号制度といったようなものも今後検討していく必要があるのではないかというので今努力をいたしているところでございますから、その点も付して御答弁をしておきたいというふうに思います。
 それから、広報活動、情報提供が必要ではないかという御質問でございますが、今も申し上げましたように、これはやっぱり、年金制度というのは何よりも信頼していただくということが一番大事でありますから、年金制度の基本的な仕組みや、あるいは年金制度の再計算の際に、今、年金の現状はこうなっておりますというようなことをよく国民に理解していただいて、そして理解した上で国民の皆さんに加入して協力をいただくということが大事でございますから、情報提供等についてはこれからさらに一層深めていく必要があるし、充実していく必要があるというふうに私は考えています。
 それから、社会保障制度についての学校教育の問題でありますけれども、これは、これからだんだん高齢化社会に入ってまいりまして一層年金や医療や社会保障制度というものが大事になっていくわけでありますし、国民全体が担わなければならぬ課題だというふうにも考えておりますから、これから育つ若い方々にそういう理解を深めていただくということは一層大事だというふうに思いますから、これまでもそれぞれ年齢に応じて、学年に応じて社会保障制度の教育というものは行っていただいておりまするけれども、これからさらに一層充実をさせて、国民全体が将来にわたって不安のない社会保障制度が国民の手によってつくられていく、こういうことからも必要だと考えますから、一層充実をさせていきたいというふうに思っておるところでございます。
 それから、衆議院で附則第二条でなぜ引き上げの明示ができないのか、こういうお話でございました。
 これは、私は基礎年金の国庫負担を段階的に上げる検討をしていくことは極めて大事なことだというふうに思っておりますが、ただ、財源の裏づけがなければこれは単に絵にかいたもちに終わりますし、一体だれが負担をするのかということになりますと、これは問題になるわけであります。
 私もこれまで、かつて基礎年金の負担を税負担に切りかえたらどうかという意見をたびたび申し上げたことがございます。しかし、その際には、その基礎年金の財源を税負担に切りかえるためには何らかの福祉目的税といったようなものも考えて、そして、この税金は基礎年金の分に充当しますというふうにして財源と引き上げとが結合できるようなものでないと国民の皆さんは納得しませんから、したがって、そういう仕組みで考えるなら結構ですと、こういう御意見を申し上げたことがございますけれども、単にその当てもなくして二分の一に引き上げたらいいというような無責任なことはできませんから、その点はひとつ十分御理解を賜っておきたいというふうに私は思います。
 いずれにいたしましても、衆議院でいろいろ御審議をいただいた結果、附則の方にはそうしたこの引き上げについての検討という課題が入っているわけでありますから、院の皆さんの御意思も十分尊重いたしまして今後一層検討し努力をしてまいるということについて御答弁を申し上げまして、私の答弁を終わります。
 残余の質問につきましては、関係閣僚から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣井出正一君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(井出正一君) 横尾議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、年金制度の情報提供についてのお尋ねでございますが、年金制度は世代と世代の支え合いにより成り立っているものであり、国民の協力と連帯のもとに円滑に運営されていく必要がございます。このため、これまでもさまざまな媒体を活用し、制度の総合的な周知啓発活動に努めるとともに、財政再計算結果等、制度の運営状況についての情報の提供に努めてきているところであります。
 今後とも、学校教育との連携による年金教育の推進、年金週間、ことしも十一月六日から一週間でございますが、における集中的な広報活動の実施など、あらゆる方法を用いでわかりやすい年金の情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
 次に、社会保障制度に関する教育の充実についてのお尋ねでありますが、本格的な少子・高齢社会に向けて社会保障制度が国民生活の中で果たす役割が増大していく中で、国民の理解と関心を深めるための教育を充実していくことは非常に重要と考えております。
 このため、厚生省においても、社会福祉施設での体験学習などボランティア活動の推進を図っているところであります。また、これからの年金制度を担う児童生徒に対して公的年金の基本的仕組みや役割について正しく理解してもらえるよう、中学校、高等学校用の副読本の作成、教員を対象とした年金セミナ」の実施など、学校教育との連携に努めているところであります。
 それと、年金改正法案の附則第二条の検討規定で引き上げと明示できないのはなぜかというお尋ねでありますが、総理からもお答え申し上げましたとおり、この規定は、衆議院厚生委員会における改正法案の議決に際し付することとされたものであって、衆議院の御意思として定められたものと受けとめております。この規定においては、財源を確保しつつ国庫負担割合を引き上げることについて総合的に検討していくこととされているものと認識しております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣与謝野馨君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(与謝野馨君) お答えを申し上げます。
 まず第一に、社会保障制度に関する教育の充実についてでありますが、高齢化社会を迎える中で、学校教育において年金などの社会保障制度について正しい理解を深めることは極めて重要なことと考えております。
 このため、例えば学習指導要領において、中学校の社会科では、国民生活の向上と福祉の増大を図るためには社会保障の充実が必要であることを理解させるよう指導することを示すなど、児童生徒の発達段階に応じ小中高等学校において福祉の重要性や年金などの社会保障制度などについて適切に指導しているところであります。
 今後とも、学校教育における社会保障制度に関する教育の推進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、福祉に関する体験学習の重要性についてでありますが、学校教育において、社会生活経験の希薄化している児童生徒が体験を通じて思いやりの心や社会に奉仕する心を培うことは、極めて重要であると考えております。
 このたか、現行の学習指導要領においては、例えば特別活動で奉仕的な活動を明示するなど、関係教科等の内容の一層の充実を図ったところであります。また、福祉に関する体験活動を含めボランティア教育の推進を図るため、新たに児童生徒に福祉施設での奉仕活動等さまざまな体験活動の機会を与える事業等を実施しております。
 今後とも、学校教育において体験学習を含め福祉に関する教育の推進に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、大学における社会保障に関する教育研究の充実についてであります。
 現在、国公私立を通じて相当数の大挙が社会保障に関する講座、授業科目を置き、教育研究を進めております。例えば、国立大学においては十一大学で社会保障に関係する講座、授業科目が置かれております。高齢化社会におけみ福祉の確立を目指す観点から、大学においても社会保障に関する教育研究を推進することは重要な課題であると認識しております。
 今後とも、各大学において社会保障に関する教育研究についての積極的な取り組みを期待するものであり、文部省においてもそのために必要となる諸施策の充実に努力してまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(武村正義君) 基礎年金に対する国庫負担の引き上げについてのお尋ねでございますが、既に村山総理から明確にお答えをいただきました。全く同感であります。
 私も、この法律が提案されたときには、細川政権でありますから、与党におりました。あのころも議論がされて、当然財政状況もこれあり、国庫負担の引き上げに関する条文は盛り込められなかったわけであります。そういう形で公明党も了解をされたはずでありますが、野党に立場が変わると途端に、二分の一を明示せよと。なぜそうお変わりになったのか、伺ってみますと、租税特別措置があるじゃないか、行財政改革があるじゃないかと。
 そういう不急不要の措置で何兆円という財源がどう賄えるのか。御承知のように、これは本当に大きな、巨大な財源を要する政策選択でございますだけに、私は二分の一の議論は大いに真剣にこれからもしなければいけないと思っておりますが、やはり明示せよとおっしゃる以上は、みずからもどういう財源で具体的に数字を挙げて議論をしていかないと真面目な議論にはならないというふうに思っております。
 いずれにしましても、責任ある政治の姿勢を貫いていかなければなりません。(拍手)
   〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(河野洋平君) 私にも附則第二条の御質問がございました。
 明示できないのはなぜかということについては、総理あるいは大蔵大臣その他から御答弁がございました。
 私から申し上げるものは、各党にはそれぞれ各党の政策があって、それぞれの主張がございますけれども、この問題は衆議院の厚生委員会で審議をされ、その審議の中でさまざまな御協議が行われて最終的に改正法案の議決の折に付されたものでございます。つまり、院の意思としてこれが付されたということでございまして、これ以上申し上げることはございません。(拍手)
    ―――――――――――――
#27
○議長(原文兵衛君) 西山登紀子君。
   〔西山登紀子君登壇、拍手〕
#28
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、年金関連法案について質問いたします。
 本改正案の基本である被用者年金六十五歳支給は、もともと自民党政府が八九年に国会に提出し国民と国会が拒否したもので、昨年の総選挙では社会党も反対の公約を掲げていました。そして、当時、総理自身も、六十歳から六十五歳までのこの五年間は何で暮らすのか、平成二十二年の段階に六十五歳まで働く職場が確保されるということは保証の限りではないと追及をされていたではありませんか。
 本改正案は、その実施年度を三年おくらせるだけで、満額年金六十五歳支給という根本改悪は前法案と同じものです。したがって、これは国民に対する重大な背信、公約違反主言わなければなりません。総理、そうではありませんか。はっきりとお答えください。
 本改正案のルーツは八一年の土光臨調答申です。この臨調方針に基づき、八五年改正で年金給付水準と国庫負担を大幅に引き下げました。本改正案はこれと連動したものです。
 臨調行革発足後この十年で、社会保障費財源の構成比の変化を見ますと、国庫負担は二七%から二〇%へと激減し、その一方で、国民の保険料負担は五三%から五七%へと増加しています。すなわち、臨調行革の十年は、社会保障制度全般を連続的に改悪することによって、結局、国庫負担を大幅に減らし、それを国民負担へ転嫁してきた十年でありました。この道は、まさに憲法二十五条の空洞化への道にほかなりません。総理、御見解を求めます。
 政府が本改正案を合理化するために示した哲学なるものは、六十歳引退社会から六十五歳現役社会へです。六十五歳までは半分程度の年金しか支給しないで、六十五歳現役社会とは、その実、老後のゆとりや豊かさを保障しないで働かざるを得ない社会構造に高齢者を追い込むものであり、健康でない人などその枠内に入れない高齢者は半分程度の年金で生きていけという過酷な仕組みをつくり上げる宣言です。
 ILO調査の六十歳から六十四歳男子の労働力率を見ると、イギリス五四%、ドイツ三五%、フランス一八%などであるのに対して、我が国は七六%と異常な突出を示しています。一方、主要国の国民一人当たりの社会保障給付費を見ると、残念なことに、我が国は先進国の中で最低です。ここに生活のために働かざるを得ない我が国高齢者の老後生活の不安定性があります。
 総理、この事実のどこに、生産力世界第二位の経済大国日本の老後のゆとりや安心があるでしょうか。これでどうして「人にやさしい政治」などと言えますか。高齢者に過酷な政治そのものではありませんか。
 消費税を導入したのは竹下内閣、それを引き上げようとする村山内閣、その上高齢者に厳しい年金制度の改悪を仕上げる村山内閣。このような国民いじめの内閣という汚名を潔しとしないのなら、総理、六十五歳支給は削除すべきです。見解を問うものです。
 国民の要求は、六十歳支給を維持することです。
 例えば、通産省が委託した中高年労働者の就業意識に関する調査研究によれば、六十歳支給を維持すべきが五四%であり、五十五歳以上の者に限れば六六%の高率です。そして、現状では支給年齢の繰り延べはやむを得ないと答えた人はほとんどいない。対象者の支給開始年齢に関する考え方は明瞭であると結論づけています。これが労働者、国民の声です。
 労働大臣、年金六十五歳支給はこの労働者の声とかけ離れていることを率直にお認めになりますか。
 では、一体、雇用継続の保障はあるのでしょうか。政府は六十歳定年制は定着したと言いますが、生産の海外移転などによるリストラの進行で、若年退職優遇制度、離籍出向という名の首切りなど、深刻な雇用不安が拡大しているではありませんか。
 これに対して、日経連は、全労働者の継続雇用は無理で、企業の裁量に任すべきだという立場です。法で義務づけられている障害者雇用ですら、大企業の不当な態度のために障害者雇用促進法制定以来三十五年間も八割が未達成という状態が続いています。
 総理、こういう態度の財界にどう継続雇用の保障の確立を求められるのですか。総理もかつて要求されていたように、雇用と年金の継続を、努力表明だけでなく、具体的な見通しや対策をはっきりとお示しください。
 本改正案は最終的に保険料を、国民年金では二万一千円、厚生年金では約三〇%まで引き上げようとしています。保険料の引き上げは、国民の負担増だけでなく年金制度の崩壊に直結します。
 政府は、八五年改正時、国民年金で満額年金を受給できない人の将来予測を二五%程度としていました。ところが、既に二九%の人たちが保険料の滞納などで部分年金しか受けられないか無年金者になる可能性がある状況です。保険料の引き上げが滞納などに作用していることは明白です。今後の引き上げは、国民年金空洞化に拍車をかけるものとなります。無年金障害者の生活実態も深刻です。
 これらを避けるためにも、当面、国庫負担の引き上げで保険料の大幅引き上げを抑制すべきではありませんか。無年金障害者の救済対策もあわせて、総理の見解を求めます。
 この際特に私が強く主張したいのは、年金の男女格差の是正についてです。
 厚生年金の場合、二十年以上加入していた人の平均をとると、女子の老齢年金は男子の五八%しかなくしかもその四四%は月額十万円以下という状態です。この主な原因は、かつて私の質問に対して丹羽雄哉元厚生大臣も答弁されましたように、まさに男女差別賃金の所産です。
 総理にお伺いします。今回の年金改悪は、五万円程度の部分年金しか支給されない女性にとりわけ過酷な老後の生活を強いることになりませんか。総理並びに労働大臣に是正方針の答弁を求めます。
 我が党は、国民の声に沿って六十歳支給を堅持すべきであり、その上で雇用継続を望む労働者には雇用を保障する制度を確立する当たり前のシステムを構築すべきであると主張するものです。
 その財源は、年金水準の引き下げや保険料の引き上げに短絡的に求めるのではなく、多くの政党が国民に公約したように、国庫負担の引き上げや保険料負担割合を労働者に軽くするように変更すること、世界の趨勢に沿って軍事費を削減すること、力もあり社会的存在である大企業に応分の責任を果たさせるなどにより十分確保することができるものと考えるものです。総理の見解を伺います。
 総理もかつてはいろいろな工夫をせよと自民党政府に要求されましたが、まさにその点が重要です。私が指摘したような方策で年金財政の安定を図る、特に国庫負担増で保険料引き上げを抑制する、この真剣な検討を重ねて要求して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(村山富市君) 西山議員の質問にお答えいたします。
 最初の質問は、六十五歳支給と選挙公約との関係についてのお尋ねでございます。
 昨年の総選挙では、この点につきまして社会党は、雇用と年金の接続という観点から支給開始年齢の延長に反対してまいりました。これはやっぱり、雇用と年金というものがリンクをして、退職をしたら年金をもらえる、こういう安心できる基盤というものをしっかりつくることが大事ではないか、こういう観点から、それがない限りは六十五歳にすることについては納得できない、こういう立場で反対してきたことは事実であります。
 同時に、ここに私は昨年総選挙のときの公約文書を持ってきておりますけれども、よくごらんをいただきたいと思うんですが、「六〇歳以降の多様な選択を可能にするため「部分雇用・部分年金」の導入を検討します。」、こういう文言も入っているわけです。
 今度の法案の審議に当たって社会党は、この公約に基づきまして、六十歳代前半の雇用問題を一体どうするのかということを真剣に議論しながら、働きながら年金ももらえる、こういう仕組みも検討したらどうかというようなことも意見を申し上げてまいりまして、今回の改正案では、六十歳引退社会から六十五歳現役社会を目指し、高齢者雇用を促進するとともに、年金制度もこれと連携のとれた仕組みとすべきである、こういう観点から、具体的には、六十歳代前半の年金については賃金と合せて生活を支える年金として、六十五歳以降の年金とは別個の給付を支給することとなったわけでございますから、私はこの公約とは違反をしていないというふうに思っておるところでございます。
 次に、社会保障制度の改革の考え方についてお尋ねがございました。
 少子化、高齢化の急速な進展に伴いまして年金、医療、福祉などの社会保障需要が増大していく中で、適切な給付やサービスをできる限り過重な負担にならないように配慮して実現が求められておることは、申し上げるまでもございません。また、社会保障制度につきましては、世代間と制度間や、負担と受益という関係ができるだけ公平公正に確保されるということも大事でありますから、そういう観点も十分重視をしながら、社会保障制度改革もこうした観点から実施をされなきゃならぬと認識をいたしておるところでございますから、御理解をいただきたいと思います。
 それから、六十五歳現役社会と支給開始年齢についてのお尋ねでございますが、私は六十歳を過ぎてからの方々の意見もあらゆる角度からお聞きをしたことがあるんですけれども、もちろん六十歳を過ぎてからできるだけ年金制度で財政的にも経済的にも安定した生活ができるように、不安のないようにしてほしい、こういう気持ちがあると同時に、まだまだ元気だから、おれもまだ社会的には役に立っておるという意味からも、生きがいが感ぜられるような、やっぱりそういう方々の雇用というものももっと真剣に考えてほしい、こういう意見も十分承ってまいりました。
 私は、そういう意味で、六十歳になったらもう仕事をせずに隠居してしまうんだと、こういう時代ではないというふうに思っておりますから、そういう点につきましては、少なくとも六十歳代前半ぐらいまではそういう年金と雇用といったようなものも十分総合的に勘案をして考えていくことが必要ではないかというように思いますから、そういうふうに御理解を賜りたいというふうに思います。
 それから、継続雇用の保障の確立についてのお尋ねでありますが、今後の急速な高齢化の進展に対応するため、先般改正されました高年齢者雇用安定法に基づきまして、六十歳定年制を基盤としながらも六十五歳まで雇用は継続できるような、そういう方向に努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 それから、国民年金空洞化と国庫負担の引き上げ等についてのお尋ねでございますが、基礎年金の国庫負担の問題につきましては、年金給付費の急激な増大に伴い、現行制度のままで急増していく国庫負担の財源をどう確保していったらいいのか、あるいはまた社会保険方式のもとで税と社会保険料のバランスをどうとったらいいのか、こういった問題がこれから大きな課題としてあると私は考えております。したがって、今回の附則第二条の修正を踏まえながら、今申し上げましたような観点から十分検討されなきゃならぬ課題であるというふうに認識をいたしております。
 無年金障害者については、今回の改正でも見直しを行い、保険料を拠出していた方については障害基礎年金を特例的に支給することといたしておりますが、制度に加入していない方や保険料を滞納していたために無年金者となった方に対して障害年金を支給するということは、制度の建前から非常に困難な問題であると考えているところでございます。
 それから、男女の差別賃金の是正等についてのお尋ねがございました。
 これは、年金給付額の男女格差につきましては、残念ながら、これまで若干の賃金格差があったものですから、この賃金の違いとあるいは加入期間の差等々によって、年金は、幾らか現在受けている年金額は違うと私は思います。
 しかし、同一労働同一賃金ということはこれからの課題でありますから、そうした制度の向上等も含めて可能な限り男女の年金の格差を縮めていくということは当然の課題でありますから、いろんな制度を組み合わせながら今後一層努力を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
 それから、国庫負担を引き上げることについてのお尋ねがございました。六十歳支給を堅持すべきではないかというお尋ねもございましたが、今回の改正は、活力ある長寿社会に向けて、人生八十年時代にふさわしい年金制度に見直す、将来の現役世代の負担を可能な限り過重にならないようにしていく、こういう観点から、国庫負担の引き上げにつきましては、財源の確保の問題、さらに衆議院段階で附則がつけられたその問題等々も踏まえながら、これから十分慎重な検討を進めていく必要がある課題であるというふうに認識をいたしておりますが、ただ、労使折半の現行の保険料負担の割合につきましては、そういう制度が定着をいたしておりますから、したがって、それを変更することは困難ではないかというふうに私は理解をし認識をいたしているということを申し上げておきたいと思います。
 さらに、雇用継続を望む労働者には雇用を保障する制度を確立すべきではないかと、こういうお尋ねでございますが、先ほども申し上げましたように、希望すれば六十五歳まで現役として働くことができるような社会を実現するために、先般改正されました高年齢者雇用安定法及び雇用保険法に基づきまして、六十五歳までの継続雇用の推進、高年齢雇用継続給付制度の実施などによりまして、六十五歳まで何とか安定して働けるような社会的条件を整備していきたいというふうに考えていることを申し上げまして、私の答弁を終わりたいと思います。
 自余の答弁は、関係閣僚からお答えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣浜本万三君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(浜本万三君) 質問にお答えをいたします。
 まず第一は、年金の開始年齢の六十五歳引き上げについての認識についてお尋ねがございました。この点についてお答えいたします。
 今般の年金法の改正におきましては、急速な高齢化の進展に対応するため、年金政策の観点から六十歳代前半の年金のあり方の見直しを行うものであると承知をいたしております。
 雇用政策を担当する立場から申し上げますと、私は、本格的な高齢化社会のもとで高齢者が安心して生活が送れるようにするためには、雇用政策と年金政策との連携を図りつつ、二十一世紀初頭までに少なくとも六十五歳まで現役として働ける社会を実現していくことが極めて重要であると考えております。
 このため、さきの通常国会で改正されました高年齢者雇用安定法及び雇用保険法に基づき、六十歳定年制を基盤とした六十五歳までの継続雇用の推進、高齢者が多様な形態によって働くことができるようにするための施策の実施、さらに高齢者の雇用継続を援助、促進するための高年齢雇用継続給付の支給などによりまして、六十五歳までの雇用機会の確保に万全を期さなければならないと認識をいたしております。
 第二は格差の問題でございますが、男女間の平均賃金に格差が生ずるわけは三つほどございまして、一つは、就業しておる産業、規模、職種などが男女で異なっておるということ。二番目は、女子の平均勤続年数が男子に比べまして短いということです。例えば、平成四年度の賃金構造基本統計調査によりますと、男子が十二・五年、女子が七・四年というふうになっております。また三番目は、労働者の学歴構成が男女で異なること、などの要因によるものと考えております。
 労働省では、男女雇用機会均等法に基づく男女の均等取り扱いの実現、職業生活と家庭生活の両立支援対策に取り組んでおりまして、これらの推進により、結果として男女の賃金格差の縮小が図られるものと考えております。
 以上でございます。(拍手)
#31
○議長(原文兵衛君) 答弁の補足があります。村山内閣総理大臣。
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(村山富市君) 答弁漏れがあったと指摘されましたので、改めて御答弁を申し上げます。
 そめ答弁漏れと申しますのは、憲法第二十五条の空洞化への道にほかならない、総理の見解はどうか、こういう御質問に対してお答えをしていなかったと。
 謹んで改めてお答えを申し上げます。
 憲法二十五条は、すべての国民に最低生活を保障するというものでありまして、私どもは、これまでやってきたこと、あるいは今国会で御審議をいただいている問題につきましては、国民全体でできるだけお互いの最低生活を支え合って保障していこう、こういう建前から、いろんな角度から御議論をいただいて制度をつくっていこうという問題でありまして、二十五条を空洞化するものではないということだけはっきり申し上げまして、答弁にかえます。(拍手)
#33
○議長(原文兵衛君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#34
○議長(原文兵衛君) 日程第一 許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案(第百二十九回国会内閣提出衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方分権及び規制緩和に関する特別委員長小林正君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔小林正君登壇、拍手〕
#35
○小林正君 ただいま議題となりました法律案につきまして、地方分権及び規制緩和に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、行政改革の一環として、民間活動等に係る規制がもたらす負担の軽減を図るため、去る二月十五日の閣議決定「今後における行政改革の推進方策について」における規制緩和等の措置を実施に移すに当たり、七省、四十法律、百七十七事項にわたる許可、認可等について、一括してその整理及び合理化を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、規制緩和の効果と影響、今後の規制緩和の進め方、地方分権の推進方策等につきまして質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#36
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#37
○議長(原文兵衛君) 日程第二 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第三 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第四 防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長岡野裕君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔岡野裕君登壇、拍手〕
#38
○岡野裕君 ただいま議題となりました給与関係三法案につきまして御報告申し上げます。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、本年八月の給与についての人事院勧告を完全実施しようとするものであります。
 その内容は、一般職の職員の俸給月額、初任給調整手当、扶養手当、宿日直手当及び期末手当の額の改定を行うとともに、通勤手当の額の算定について特例措置を講ずること等を行おうとするものであります。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、一般職の職員の給与改定に伴い特別職の職員の給与の額の改定を行おうとするものであります。
 次に、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案は、一般職の職員の例に準じて防衛庁職員の俸給月額等を改定するとともに、自衛官俸給表の将の欄または将補の(一)欄の適用を受ける自衛官以外の自衛官に係る調整手当の支給割合の改定等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、三法案を一括して議題とし、人事院勧告の取り扱い方針、俸給表の決定原則、筑波研究学園都市移転手当問題等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わりましたところ、一般職職員給与法改正案に対し、日本共産党の聴濤委員より、期末手当の支給割合の引き下げに関する規定を削除する修正秦が提出されまし九。
 本修正案は予算を伴うものでありますので、内閣の意見を聴取いたしましたところ、山口総務庁長官より、政府としては反対である旨の発言がありました。
 次いで、順次採決の結果、一般職職員給与法改正案については、修正案を否決した後、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定し、また、特別職職員給与法改正案及び防衛庁職員給与法改正案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#39
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#40
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#41
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、両案は可決されました。
     ―――――・―――――
#42
○議長(原文兵衛君) 日程第五 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第六 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長中西珠子君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔中西珠子君登壇、拍手〕
#43
○中西珠子君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 両法律案は、一般の政府職員の給与改定に伴い、この例に準じて裁判官及び検察官の給与を改定しようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、裁判官の報酬の憲法上の減額禁止規定と期末手当削減との関係、裁判官・検察官の給与改定方式の合理性と見直し等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。
 質疑を終わり、順次採決した結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#44
○議長(原文兵衛君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#45
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#46
○議長(原文兵衛君) この際、日程に追加して、
 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長小川仁一君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔小川仁一君登壇、拍手〕
#48
○小川仁一君 ただいま議題となりました国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御報告申し上げます。
 本法律案は、一般職の国家公務員の給与改定に伴い、国会議員の秘書の給料月額の改定等を行おうとするものであり、本年四月から適用することといたしております。
 委員会におきましては、審査の結果、本法律案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#49
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#50
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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