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1994/11/25 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 本会議 第9号
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1994/11/25 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 本会議 第9号

#1
第131回国会 本会議 第9号
平成六年十一月二十五日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第九号
  平成六年十一月二十五日
   午前十時開議
 第一 日本放送協会平成四年度財産目録、貸借
  対照表及び損益計算書並びにこれに関する説
  明書
 第二 所得税法及び消費税法の一部を改正する
  法律の施行等による租税収入の減少を補うた
  めの平成六年度から平成八年度までの公債の
  発行の特例等に関する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
 第三 所得税法及び消費税法の一部を改正する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 平成七年分所得税の特別減税のための臨
  時措置法案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 地方税法等の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 久保田真苗君から海外旅行のため九日間の請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(原文兵衛君) 日程第一 日本放送協会平成四年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長山田健一君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔山田健一君登壇、拍手〕
#6
○山田健一君 ただいま議題となりました日本放送協会平成四年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本件は、日本放送協会の平成四年度決算書類でありまして、放送法の定めるところにふり、会計検査院の検査を経て内閣から提出されたものであります。
 その概要は、一般勘定について、四年度末における財務状況は、資産総額五千三百三十二億円、負債総額二千三百二十四億円、資本総額三千八億円となっております。また、当年度中の損益の状況は、事業収入五千四百四億円に対し事業支出は五千八十億円で、差し引き事業収支差金は三百二十四億円となっております。このうち、百七十二億円を債務償還のため、三十一億円を建設積立金のため資本支出に充当し、残余の百二十一億円は翌年度以降の財政安定のための財源として繰り越しております。
 なお、本件には、会計検査院の「記述すべき意見はない。」旨の検査結果が付されております。
 委員会におきましては、収支予算が適正かつ効率的に執行されたかを初め、公共放送としての放送番組のあり方、今次経営計画の達成状況と次期経営方針の策定等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本件は全会一致をもって是認すべきものと議決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 本件は委員長報告のとおり是認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#8
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、本件は全会一致をもって委員長報告のとおり是認することに決しました。
     ―――――・―――――
#9
○議長(原文兵衛君) 日程第二 所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成六年度から平成八年度までの公債の発行の特例等に関する法律案
 日程第三 所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案
 日程第四 平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長西田吉宏君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔西田吉宏君登壇、拍手〕
#10
○西田吉宏君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成六年度から平成八年度までの公債の発行の特例等に関する法律案は、当面の経済状況に配慮して所得税減税を先行すること等により平成六年度、七年度及び八年度の一般会計の歳入において見込まれる租税収入の減少を補うため、公債を発行することができることとするとともに、その公債等の償還に充てるため、国債整理基金特別会計法の規定による繰り入れを行うほか、平成十年度から二十九年度までの各年度において一般会計から国債整理基金特別会計に所要の償還財源を繰り入れようとするものであります。
 次に、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案は、活力ある福祉社会の実現を目指す視点に立ち、社会の構成員が広く負担を分かち合い、かつ、歳出面の諸措置の安定的な維持に資するような所得・消費・資産等の間における均衡がとれた税体系を構築する観点から、個人所得課税の累進緩和等を通ずる負担の軽減、並びに消費税の中小事業者に対する特例措置等の改革及び税率の引き上げによる消費課税の充実を図ろうとするものであります。
 次に、平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案は、所得税法及び消費税法の一部改正案による所得税の制度減税に加え、当面の景気に配慮して平成七年分の所得税について定率による特別減税を上乗せして実施しようとするものであります。
 委員会におきましては、三法律案を一括して議題とし、総理、大蔵大臣及び関係当局に対し質疑を行うとともに、地方行政委員会と連合審査会を開催し総理及び関係大臣等に対して質疑を行うほか、連合審査会公聴会を行う等、慎重に審査を進めてまいりました。
 委員会における質疑は、今回の税制改革に対する強い国民の関心を背景に、終始熱心に行われ、その対象も広範多岐にわたりました。
 質疑の主な内容について申し上げますと、所得・消費・資産等の間における課税上のバランスのあり方、二階建て減税方式の是非、消費税の見直し条項設定の趣旨、ヨーロッパ型のインボイス方式を導入する必要性、利子所得の総合課税化と納税者番号制度導入の見通し、税制改革の前提としての福祉ビジョンの具体的な内容、新ゴールドプランの財源問題、特殊法人等の見直しを含む行政改革推進のスケジュール、税制改革による税収の減収額と特例公債の発行見込み額等でありますが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、新緑風会を代表して池田治委員より減税特例公債法案に賛成、所得税法及び消費税法の一部改正案及び平成七年分所得税特別減税臨時措置法案の二法律案に反対、自由民主党を代表して竹山裕理事より三法律案のいずれにも賛成、公明党・国民会議を代表して白浜一良理事より減税特例公債法案に賛成、所得税法及び消費税法の一部改正案及び平成七年分所得税特別減税臨時措置法案の二法律案に反対、日本社会党・議意民主連合を代表して峰崎直樹理事より三法律案のいずれにも賛成、日本共産党を代表して吉岡吉典委員より平成七年分所得税特別減税臨時措置法案に賛成、減税特例公債法案及び所得税法及び消費税法の一部改正案の二法律案に反対する旨の意見が、それぞれ述べられました。
 討論を終わり、順次採決の結果、三法律案はいずれも賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(原文兵衛君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。野末陳平君。
   〔野末陳平君登壇、拍手〕
#12
○野末陳平君 私は、新緑風会を代表いたしまして、ただいま議題となりました三法案のうち特例公債の法案には賛成ですが、他の二法案に対しては反対の立場から討論を行います。
 今回の税制改革関連法案を虚心坦懐に検討してみましたが、高齢化社会の福祉ビジョン、それから行財政改革に関する基本的な考え方など、具体的な展望や施策が全く示されていない、ここが一番の問題であります。
 特に、所得減税を二階建てにして消費税率を五%としたものの、国民に知らすべき、そして国民が知りたい重要な部分を見直し条項の中にねじ込んでしまうという全くその場しのぎのやり方、これは、これまでの税制改革法案に比べましても実に無責任な、まるで空中楼閣を見るような内容ではないかと思います。
 国民に新たなる負担を求めるときには、徹底した行財政改革どこれによる冗費の節減で政府が満身創療の努力を国民の前に見せる、この努力を重ねることが前提でなければなりませんが、この前提が欠けておって、そして、あるのは消費税の税率アップだけというこのような内容の税制改正に対しては、反対するなというのが無理というものではないでしょうか。
 以下、反対理由を述べますが、反対の第一は、もう言うまでもなく、公約違反ということであります。
 村山総理は、公約違反ではない、前回の選挙ではもう反対とか廃止とは言っていない、消費税は定着しているんだと、そういう苦しい弁明をしておりますが、それならば社会党本部の前につい先日まで掲げられていたあの消費税の税率引き上げ反対運動本部という大看板は何だったのか、こういうことを言いたいわけですね。
 政党本部が掲げる看板は国民に対する訴えてありますから、これは税率引き上げはしないという公約ということになりますね。これこそ社会党が金科玉条としてきた基本政策だと国民はみんな理解しているわけでありますから、つい先日まであの看板を掲げながら、実は去年の選挙からは反対していないんだと、こういうような取ってつけたような理屈重言っても、これは詭弁にしかすぎない。自縄自縛の公約違反ということは明らかであります。
 これは、いや、私が言うだげじゃありません。公聴会に出席しておった公述人の先生方もこの点を指摘しておられました。ある先生などは、社会党はもっと早く政策転換をすべきであった、それを国民の前に率直に語るべきであったと、こういうコメントもしておりました。
 また、私たちのところへ届きます要望書にも、村山総理は、事情が変わった、だから政策転換をしたと説明しているが、国民を取り巻く事情は何にも変わっていない、変わったのは社会党が政権についたことだけだと、こういうふうになっていますね。つまりは、政権についたから政策を変えたんだと国民からは見られているわけですから、村山総理の苦渋に満ちたあの政策変更も単なる自己都合だったと、こういう皮肉のコメントも聞こえてくるわけであります。
 反対理由の第二ぼ、村山総理も武村大蔵大臣も、これまで、行財政改革は消費税率アップの前提だと明言しながら、しかも大蔵大臣に至っては、党首であるところの新党さきがけが特殊法人を初めとした行革のプランを出しました。数値目標まで出しました。乱暴な面もありますよ。しかし、霞が関ではあれを異端邪説のような扱いをしているとも聞くが、私に言わせれば、あの意気は買うべきであって、あのさきがけの行革案に対する内容が全く今度は反映されていないということは、個人的に言っても切歯扼腕の思いでいるところであります。
 ですから、思えば、あのさきがけ案は単なる人気取りであったのか、単に作文をマスコミに発表して国民の機嫌をとったのかという意地悪い見方すらできるのでありまして、大蔵大臣御本人も今のところはやるぞやるそのかけ声だけですから、じゃ、できない場合にはどうするんだと、期待どおりにならなかった場合に責任をとるのかといえば、責任をとるようなとらないような、まさにこれは隔靴掻痒の趣を呈しているという、これはどう考えても賛成するわけにはいかないということになりますね。
 国民の声は、言うまでもなく、消費税を先に決めるんでなくて行革を先にやれということですね。国民に負担増を求めるからには政府みずからがみずからの身を削れ、こういうことですから、これを真剣に受けとめて、やはり政府は早急に目に見える形で行革案をまとめ、国民の前に提示しなければいけなかった、こういうことになります。
 反対理由の第三ですが、高齢化社会に対する福祉ビジョンが欠落しているということでありまして、平成七年には一千億、平成八年は二千億というようなスズメの涙のような高齢化対策の枠を設けて、目先の深謀遠慮をめぐらしておりますけれども、本当に大事なことは、これからどういう福祉が必要で、どこにどれだけのお金がかかって、だから国民にはこれだけ負担してもらって、そして国民に安心してもらうというふうなビジョンが見えてくれば、賢明なる国民は、これは、消費税の五%でもあるいはそれ以上のアップでも、以心伝心の気持ちですよ、これ、理解してくれると私は思うのであります。
 反対理由の第四ですが、減税の中身が中堅所得層にはかなりの改正ですから評価します。しかし、課税最低限をここまで引き上げてよかったのかどうか。上げ過ぎではないかと私は思います。
 これは少額納税者への配慮ということらしいんですが、これが逆進性の解消を意図したとするならば、少額納税すらできないそれ以下の所得層の人たちは消費税のアップをもろに受けるわけですから、そういう層への気配りが歳出の面でできているのかといえば、村山総理お得意の弱者への優しさというのがほとんど見当たらないと言ってもいいわけですから、弱者にとってはまさに秋風索漠の思いの税制改正である、こういうことが言えるわけですね。
 ですから、その上に特別減税がいつなくなるかわからないということになりますと、ここで増税になってしまいますから、消費税アップとダブルパンチになると数年先はこの改革は暗雲低迷と言わざるを得ないと、こういうことになるんですよ。
 反対理由の第五。これは地方税にまで触れて恐縮でありますが、特別地方消費税及び自動車取得税は廃止できないのかということであります。
 地方消費税が創設された以上は、消費税に加えてこれらの税金が課せられるいわゆるタックス・オン・タックスという二重課税、これは検討しなければいけない。それから、酒税などに関しましても、やはり調整併課というのが筋である。それからさらに、国際化時代に対応した法人課税のあり方を検討して見直さなきゃいけない、これも当然であります。それから、納税者番号による所得税の総合課税、これは大蔵大臣は前向きの答弁をなさっておりますが、これも一刻も早く決めていかなきゃならぬし、資産課税の適正化の課題も一定の方向性を早目に固めておく必要がある。ここらで、村山内閣の面目躍如たるところを見せてほしいと私は願っておるわけであります。
 このほかに、財政面からの反対理由も二、三ありますが、時間の関係で割愛させてもらいます、残念ながら。
 以上をまとめて、さらなる要望を大蔵大臣にしておきたいと思うんです。
 行財政改革は、一日も早く具体的な数値目標を含めたプログラムを示すべきことで、これを新たなる公約としなければいけない。
 二番目は、福祉ビジョンは、新ゴールドプラン及びエンゼルプランの策定を中心にして、国民が安心できる高齢化社会の姿を明確に早急に国民に示す必要がある。当然のことでありますが、早くしてもらいたい。
 三番目。減税は二階建てでありますが、これをやめまして、やはり特別減税の部分を恒久税制にしなければいけない、そう思います。
 それから四番目。これはいわゆる不公平税制、これに鋭く切り込めばかなりの財源が出ると大蔵大臣の答弁をいただいておりますから、英断をもってこの実現を期してほしい。
 それから、問題は飲食料品の軽減税率の課題でありますが、消費税の中でこの手の逆進性解消をやり遂げるのはこれは無理なんです、消費税そのものが逆進性という面を持っておりますから。ここで大事なことは、内外価格差をなくし、公共料金を抑え、そして民間の物価下げの努力も期待し、この三つで物価を安くすることが先決なんです。そうなれば消費税の税率アップに対する抵抗感もやがては雲散霧消していくであろう、こう考えるのが筋ではないでしょうか。
 最後の要望は、消費税五%という、これが仮置きの数字であってはならない。ここで決めるべきなんで、見直し条項の中で安易なる税率アップということにならないようにくぎを刺しておきたいと思います。
 以上を強く要望しまして反対討論を終わりますが、ひとつ、大蔵大臣を中心とした村山内閣におきましては、横綱貴乃花にあやかって不惜身命の決意で最後の課題に取り組んでほしいと思います。
 どうもありがとうございました。(拍手)
#13
○議長(原文兵衛君) 続訓弘君。
   〔続訓弘君登壇、拍手〕
#14
○続訓弘君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となっております税制改正三法案のうち、所得税法・消費税法改正案及び特別減税法案に反対、減税特例公債法案に賛成の討論を行うものであります。
 我が国は、あと三十年足らずのうちに、国民の四人に一人が六十五歳以上の高齢社会を迎えることになります。しかも、我が国は、人口一億二千四百万人を擁する大国であります。この大国、日本国民のすべてに安心して生き生きとした活力ある豊かな社会を保障することが、政府の責任であります。このためには、二十一世紀の世界を展望した上で、我が国のこれまでの社会の仕組みや諸制度を抜本的に見直し、大胆な改革を進めるべきなどの認識に立って、細川内閣及び羽田内閣は政治改革、景気浮揚策としての大型減税及び公共事業の追加、規制緩和、地方分権の推進、抜本的税制改革の検討、行財政改革の推進等々に真剣に取り組み、国民の皆様の熱い御支持をいただいたのであります。
 今、国民の皆様は、村山内閣も、細川、羽田両内閣の改革の志を受け継ぎ、国民のための大胆な諸改革を進めてくれるものと大いに期待しております。
 この意味で、今回の税制改革に国民の皆様は次のような期待を寄せておられるのではないかと思います。すなわち、
 その第一は、改革の目的、改革の基本理念、改革の具体案の三点が明示された抜本的な税制改革であること。
 その第二は、確実に到来する少子・高齢社会に十分対応する税制政章であること。
 その第三は、税制改革の前提として、政府所管の特殊法人を含む行財政改革の断行と、租税特別措置や消費税の益税関係等のいわゆる不公平税制の是正の断行が行われること。
 その第四は、財政の健全性の確保の見地から、特例公債の発行を行わず、財政負担は後世代に残さないという財政運営の哲学が明示されていること。
 その第五は、衆参両院の全会一致の国会決議を踏まえて、地方分権推進の見地から、地方独立税制と財源拡充策が保障されることであります。
 さて、地方行政委員会、大蔵委員会は連合して、税制改革法案の審議に資するため、十一月二十一日、中央公聴会を開き、学者、地方公共団体の首長、税の専門家から成る六名の公述人からそれぞれ熱心に意見の開陳を伺い、活発な質疑を交わしました。その意見を私なりに集約すれば、今、回の税制改革の方向を是とする人も、さきに述べた国民が期待する五点については、それぞれ不十分であり、これから真剣に検討すべき課題だということでありました。
 ここで一、二の具体的指摘を御紹介申し上げますと、「消費税率については初めに五%ありきという感をぬぐえない。所得税の累進税率の緩和も不十分だ。定率減税と恒久減税を組み合わせる二階建でではなく、すべて恒久減税にしてもよかったのではないか。いずれにせよ、増税となれば行財政改革の実現が強く求められる。」、「改革は大枠で妥当だ。税制や財政、福祉政策の将来像については十分示されたとは言えず不満も残る。」、「地方消費税の創設による財源の確保の意義は大きいが、なお地方老人福祉計画の実施について財源面に非常に不安がある。」というのが公述人の要旨でありました。
 また、十一月十六日の地方行政委員会、大蔵委員会連合審査会の審議や、その後の地方行政委員会及び大蔵委員会での審議を通じても、村山総理大臣を初め関係各大臣からは、残念ながら国民の皆様が期待される明確な所信を伺うことができませんでした。
 私は三十八年間地方行政に携わった者として、今回の地方消費税の創設は画期的なものとして率直に評価したいところでございますが、次の点に問題がございます。
 その第一は、徴収権を当分の間国に委託したことであります。地方独立税として創設された以上、速やかに課税権、徴収権ともに地方が持つべきであります。
 その第二は、今回の地方消費税の創設により三千三百余の地方公共団体の財源となる金額は、平成九年度以降わずかに二千三百五十億円にすぎないのであります。少子・高齢社会対策の実際の担い手は地方公共団体であります。このことを踏まえて、地方公共団体の財源確保について担当大臣の所信をただしましたが、これまた明確な回答は得られませんでした。
 以上、主な反対理由を申し述べました。
 しかし、救いがあります。二年後の見直しに当たっては、二十一世紀を展望した真に国民の皆様の御期待にこたえる抜本的な税制改革を断行されることを強く求めて、私の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#15
○議長(原文兵衛君) 有働正治君。
   〔有働正治君登壇、拍手〕
#16
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、消費税増税法案及び関連法案に反対し、減税法案について賛成の討論を行います。
 反対の第一の理由は、公約違反の悪法だからであります。
 そもそも政党の公約は、国民主権、議会制民主主義の根幹をなすものであります。社会党は五年前に本院において消費税廃止法案を提出したにもかかわらず、その社会党が首班の村山内閣は、国民への公約を裏切り、消費税率を三%から五%へと、実に七割もアップする大幅引き上げを強行する最初の内閣になろうとしています。国民主権の名において、断じて認めることはできません。
 こうした公約違反の悪法を拝し通すためにしゃにむに採決を急ぎ、本院では、特別委員会も設置せず、実質審議入りに先立ちまして採決の前提となる公聴会を設定するなど、国権の最高機関である国会におけるこのような異常な運営は断じて容認することはできません。十分審議を尽くさぬまま、本日、我が党の反対を押し切ってのこの本会議での採決強行を、消費税率引き上げ反対の国民とともに厳しく糾弾するものです。
 第二に、国民大多数に大増税を押しつける悪法だからであります。
 消費税五%で、サラリーマンの九割に及ぶ年収八百万円以下の圧倒的多数の世帯が差し引き増税となります。また、政府は高齢化社会対策だと言いますが、税率五%へのアップによる税収増四兆八千億円のうち新ゴールドプランに回されるのは国費千五百億円、三二%、国と地方合わせても六・二%にすぎず、しかも消費税の逆進性によって最もしわ寄せを受けるのは高齢者であります。
 第三に、二年後の見直し問題であります。
 この見直しなるものの本質は、歳入歳出の抜本的見直しの具体的計画は棚上げし、逆に、自衛隊の海外派兵など国際貢献や対米公約に基づく公共投資の二百兆円増計画など、財政需要の新たな増大要因が打ち出されているため、結局、最終的には六%にも七%にもなる消費税増税を国民に押しつけるトリックにほかならないのであります。まさにこれは、歯どめなき大増税に道を開くものであります。
 第四に、地方消費税が真の地方自治に逆行するからであります。
 地方消費税の創設は、消費税の害悪をそのまま地方へ持ち込むのみならず、当分の間国が徴収することとされております。この実体は消費譲与税と何ら変わりません。真の自主財源、地方独立税とは無縁であります。
 第五に、国、地方の歳出のむだをなくし、大企業優遇の不公平税制の是正が全くなされておらず、その方向さえ示されていないからであります。
 政府がゼネコンの談合などにメスを入れ公共事業費のむだをなくせば、四兆円程度の財源は確保できるのであります。軍事費の大幅削減、大企業優遇の不公平税制の是正などに本格的に取り組めば、さらに財源は確保できるのです。そうすれば、消費税率アップが不要保となるばかりか、消費税そのものを廃止できるのであります。
 今でも、国民の三分の二以上は消費税増税に強く反対しております。公約違反の態度に対する怒りとともに、消費税なくせの声が全国に大きく広がっています。日本共産党は、この圧倒的多数の国民の皆さんとともに、二年五カ月後の税率アップ阻止、さらに消費税廃止を目指して引き続き意気高く闘うことを表明しまして、私の反対討論を終わります。(拍手)
#17
○議長(原文兵衛君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#18
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 まず、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成六年度から平成八年度までの公債の発行の特例等に関する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#19
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 次に、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   (参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#20
○議長(原文兵衛君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#21
○議長(原文兵衛君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#22
○議長(原文兵衛君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十六票
  白色票          百五十一票
  青色票          八十五票
 よって、本案は可決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百五十一名
      青木 幹雄君    井上 吉夫君
      井上 章平君    井上  孝君
      井上  裕君    石井 道子君
      石渡 清元君    板垣  正君
      岩崎 純三君    上杉 光弘君
      浦田  勝君    遠藤  要君
      小野 清子君    尾辻 秀久君
      大木  浩君    大島 慶久君
      大塚清次郎君    大浜 方栄君
      太田 豊秋君    合馬  敬君
      岡  利定君    岡野  裕君
      岡部 三郎君    加藤 紀文君
      狩野  安君    鹿熊 安正君
      笠原 潤一君    片山虎之助君
      鎌田 要人君    木宮 和彦君
      北  修二君    久世 公堯君
      沓掛 哲男君    倉田 寛之君
      河本 三郎君    佐々木 満君
      佐藤 静雄君    佐藤 泰三君
      斎藤 十朗君    斎藤 文夫君
      坂野 重信君    志村 哲良君
      清水嘉与子君    清水 達雄君
      下稲葉耕吉君    下条進一郎君
      陣内 孝雄君    須藤良太郎君
      鈴木 栄治君    鈴木 省吾君
      世耕 政隆君    関根 則之君
      田沢 智治君    高木 正明君
      竹山  裕君    坪井 一宇君
      中曽根弘文君    永田 良雄君
      楢崎 泰昌君    成瀬 守重君
      西田 吉宏君    野沢 太三君
      野間  赳君    野村 五男君
      南野知惠子君    服部三男雄君
      平井 卓志君    二木 秀夫君
      真島 一男君    前田 勲男君
      増岡 康治君    松浦  功君
      松浦 孝治君    松谷蒼一郎君
      溝手 顕正君    宮崎 秀樹君
      宮澤  弘君    村上 正邦君
      守住 有信君    森山 眞弓君
      矢野 哲朗君    柳川 覺治君
      山崎 正昭君    山本 富雄君
      吉川  博君    吉川 芳男君
      吉村剛太郎君    会田 長栄君
      青木 薪次君    穐山  篤君
      一井 淳治君    糸久八重子君
      稲村 稔夫君    岩崎 昭弥君
      岩本 久人君    上野 雄文君
      小川 仁一君    及川 一夫君
      大渕 絹子君    大森  昭君
      大脇 雅子君    梶原 敬義君
      上山 和人君    萱野  茂君
      川橋 幸子君    菅野  壽君
      喜岡  淳君    北村 哲男君
      久保  亘君    日下部禧代子君
      佐藤 三吾君    櫻井 規順君
      志苫  裕君    清水 澄子君
      篠崎 年子君    庄司  中君
      菅野 久光君    鈴木 和美君
      瀬谷 英行君    竹村 泰子君
      谷畑  孝君    谷本  巍君
      種田  誠君    千葉 景子君
      角田 義一君    堂本 暁子君
      中尾 則幸君    野別 隆俊君
      浜本 万三君    肥田美代子君
      深田  肇君    渕上 貞雄君
      細谷 昭雄君    堀  利和君
      前畑 幸子君    松前 達郎君
      三重野栄子君    三上 隆雄君
      峰崎 直樹君    村沢  牧君
      村田 誠醇君    本岡 昭次君
      森  暢子君    山口 哲夫君
      山田 健一君    山本 正和君
      吉田 達男君    渡辺 四郎君
      藁科 滿治君    赤桐  操君
      安恒 良一君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      八十五名
      栗原 君子君    西岡瑠璃子君
      足立 良平君    粟森  喬君
      井上  計君    井上 哲夫君
      池田  治君    石井 一二君
      泉  信也君    磯村  修君
      乾  晴美君    猪木 寛至君
      江本 孟紀君    勝木 健司君
      河本 英典君    北澤 俊美君
      釘宮  磐君    小島 慶三君
      小林  正君    木暮 山人君
      笹野 貞子君    田村 秀昭君
      武田邦太郎君    都築  譲君
      寺崎 昭久君    寺澤 芳男君
      直嶋 正行君    中村 鋭一君
      永野 茂門君    野末 陳平君
      長谷 川清君    萩野 浩基君
      林  寛子君    平野 貞夫君
      古川太三郎君    星川 保松君
      星野 朋市君    松尾 官平君
      山崎 順子君    山田  勇君
      吉田 之久君    荒木 清寛君
      猪熊 重二君    牛嶋  正君
      及川 順郎君    大久保直彦君
      風間  昶君    片上 公人君
      刈田 貞子君    黒柳  明君
      木庭健太郎君    白浜 一良君
      高桑 栄松君    武田 節子君
      続  訓弘君    鶴岡  洋君
      中川 嘉美君    中西 珠子君
      浜四津敏子君    広中和歌子君
      矢原 秀男君    山下 栄一君
      横尾 和伸君    和田 教美君
      市川 正一君    有働 正治君
      上田耕一郎君    聴濤  弘君
      高崎 裕子君    立木  洋君
      西山登紀子君    橋本  敦君
      林  紀子君    吉岡 吉典君
      吉川 春子君    青島 幸男君
      島袋 宗康君    下村  泰君
      西川  潔君    翫  正敏君
      國弘 正雄君    田  英夫君
      西野 康雄君    三石 久江君
      椎名 素夫君
     ─────・─────
#23
○議長(原文兵衛君) 次に、平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#24
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#25
○議長(原文兵衛君) 日程第五 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長岩本久人君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔岩本久人君登壇、拍手〕
#26
○岩本久人君 ただいま議題となりました法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、活力ある豊かな福祉社会の実現を目指す視点に立った今次の税制改革等の一環として、個人住民税について、税率適用区分の見直し、基礎控除等の引き上げ、及び平成七年度における定率による特別減税の実施等を行うとともに、地方分権の推進、地域福祉の充実等のため、消費譲与税にかえて消費に広く負担を求める地方消費税を創設することにより地方税源の充実を図ることとし、あわせて税制改革に伴い、消費税に係る地方交付税の率を引き上げるほか、個人住民税に係る減税による減収額を埋めるため、地方債の特例措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、大蔵委員会との連合審査会を開き、村山総理大臣、武村大蔵大臣等に対して質疑を行うとともに、同連合審査会公聴会を開催しております。
 委員会における質疑の主な内容は、地方分権推進と地域福祉充実のための地方税財源拡充の必要性、地方税体系における住民税の位置づけ、地方消費税の徴収の今後のあり方、地方消費税導入に伴う特別地方消費税等の負担調整のあり方、事業税の外形標準課税問題等でありますが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して有働理事より反対の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#27
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
 
#28
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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