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1994/12/02 第131回国会 参議院 参議院会議録情報 第131回国会 本会議 第10号
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1994/12/02 第131回国会 参議院

参議院会議録情報 第131回国会 本会議 第10号

#1
第131回国会 本会議 第10号
平成六年十二月二日(金曜日)
   午前十時六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十号
  平成六年十二月二日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(平成四年度
  決算の概要について)
 第二 オゾン層を破壊する物質に関するモンド
  リオール議定書の改正の受諾について承認を
  求めるの件(第百二十九回国会内閣提出、第
  百三十一回国会衆議院送付)
 第三 国際電気通信連合憲章及び国際電気通信
  連合条約の締結について承認を求めるの件
  (第百二十九回国会内閣提出、第百三十一回
  国会衆議院送付)
 第四 国際電気通信連合憲章、国際電気通信連
  合条約及び業務規則に係る紛争の義務的解決
  に関する選択議定書の締結について承認を求
  めるの件(第百二十九回国会内閣提出、第百
  三十一回国会衆議院送付)
 第五 千九百九十三年の国際ココア協定の締結
  について承認を求めるの件(第百二十九回国
  会内閣提出、第百三十一回国会衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、国家公務員等の任命に関する件
 一、日程第一より第五まで
 一、会期延長の件
     ―――――・―――――
#3
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、
 検査官に佐伯英明君を、
 原子力委員会委員に田畑米穂君を、
 公正取引委員会委員に柴田章平君を、
 公害健康被害補償不服審査会委員に中門弘君及び野崎貞彦君を、
 公安審査委員会委員に柳瀬隆次君及び山崎恵美子君を、
 社会保険審査会委員に大澤一郎君を、
 中央社会保険医療協議会委員に森嶌昭夫君を、
 運輸審議会委員に飯島篤君を、
 電波監理審議会委員に河野俊二君を、
 また、地方財政審議会委員に荒尾正浩君、佐藤進君、塩田章君、竹村晟君及び宮尾盤君を任命することについて、それぞれ本院の同意を求めてまいりました。
 まず、検査官、公正取引委員会委員、公害健康被害補償不服審査会委員のうち野崎貞彦君、社会保険審査会委員、中央社会保険医療協議会委員及び地方財政審議会委員のうち佐藤進君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#4
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、全会一致をもっていずれも同意することに決しました。
 次に、原子力委員会委員、公害健康被害補償不服審査会委員のうち中門弘君、公安審査委員会委員、運輸審議会委員、電波監理審議会委員並びに地方財政審議会委員のうち荒尾正浩君、塩田章君、竹村晟君及び宮尾盤君の任命について採決をいたします。内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#5
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、いずれも同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#6
○議長(原文兵衛君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(平成四年度決算の概要について)
 大蔵大臣から発言を求められております。発言を許します。武村大蔵大臣。
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(武村正義君) 平成四年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして歳入の決算額は七十一兆四千六百五十九億円余でありますが、この歳入の決算額には、決算調整資金に関する法律第七条第一項の規定により、平成四年度において予見しがたい租税収入の減少等により生ずることとなった一般会計の歳入歳出の決算上の不足額一兆五千四百四十七億円余を補てんするため、同額の決算調整資金からの組み入れ額が含まれております。
 また、歳出の決算額は七十兆四千九百七十四億円余でありまして、差し引き九千六百八十五億円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の平成五年度の歳入に繰り入れ済みであります。
 なお、平成四年度における財政法第六条の純剰余金は生じておりません。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額七十一兆四千八百九十六億円余に比べて二百三十六億円余の減少となりますが、この減少額には前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額七千七百三十一億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純減少額は七千九百六十七億円余となります。
 一方、歳出につきましては、予算額七十一兆四千八百九十六億円余に平成三年度からの繰越額七千六百九十一億円余を加えました歳出予算現額七十二兆二千五百八十八億円余に対しまして、支出済み歳出額は七十兆四千九百七十四億円余でありまして、その差額一兆七千六百十三億円余のうち、平成五年度に繰り越しました額は九千六百七億円余となっており、不用となりました額は八千六億円余となっております。
 次に、予備費でありますが、平成四年度一般会計における予備費の予算額は二千億円であり、その使用額は一千三十七億円余でございます。
 次に、平成四年度の特別会計の決算でありますが、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
 次に、平成四年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は六十兆二千九百二十五億円余でありまして、この資金からの一般会計等の歳入への組み入れ額等は六十兆二千八百二十八億円余でありますので、差し引き九十七億円余が平成四年度末の資金残額となります。これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものでございます。
 次に、平成四年度の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。
 以上が、平成四年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書等の概要でございます。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(原文兵衛君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。会田長栄君。
   〔会田長栄君登壇、拍手〕
#9
○会田長栄君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成四年度決算報告につきまして、当面する諸問題を含めまして、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 今国会の初め、この本会議場において三年度決算に対し是認議決がなされ、また、内閣に対する警告決議が全会一致をもって議決されました。平成元年七月の通常選挙以降、参議院は決算を是認しないとの議決を繰り返してまいりました。決算審査の集約としての警告決議を行うことが、その結果できませんでした。
 今回、我が党を初めとした議決態度の変更によって、決算を是認するとともに、再び警告決議を行うことができるようになったわけであります。その意味では、関係者の一人としてその意義を十二分にかみしめて、お互いにこの議場の皆さんと確認したいと思います。
 そこで、この六年ぶりの本院警告決議を内閣として今後の行財政運営にどのように生かしていくつもりか、その決意をまず村山総理に伺っておきたいと思います。
 特に、第一項目の「正確な経済見通しの策定」と「税収見積りの精度向上」については、七年度予算編成作業に向けての緊急の課題と思われます。いかがですか。その点について率直に御所見を承りたいと思います。
 次に、四年度決算について伺います。
 本決算の最大の特徴は、大蔵大臣から報告のありましたように、一兆五千四百四十七億円もの歳入欠陥を生じていることであります。
 その原因は、第一に、バブル崩壊後の我が国経済の実態を見誤り、しかも、経済成長率を意図的に高目に見込むことにより当初予算の税収見積もりを大きくしたことであり、第二に、四年度補正予算において、バブル崩壊の影響が深刻化する中、政府みずから税収を四兆八千七百億円減額いたしましたが、これは予算執行半ばの四年九月ごろのデータをもとにした修正であり、四年度後半における経済・財政・税収動向を反映したものではなかったことであり、第三に、補正後において、さらに大幅な税収不足が確実となり歳入欠陥という事態の発生が確実に予見されたにもかかわらず、二次補正による減額をせず、むしろ決算調整資金をトンネル機関とした国債整理基金からの繰り入れに頼る道を選択したことにあるのではないかと考えますが、四年度に歳入欠陥が生じた原因について、財政当局の認識をこの場で明らかにしてほしいと思います。
 また、本年七月末に締め切られた五年度決算でも五千六百六十三億円の歳入欠陥が生じておりますが、二年続いての歳入欠陥が生じた責任を政府、財政当局はどのように受けとめているか、あわせて伺いたいと思います。
 次に、決算調整資金制度の運用につきまして申し上げたいと思います。
 本制度は、一般会計に剰余が生じたときに積み立てておき、マイナスが生じたときにはそれを取り崩して、単年度の決算収支の均衡を図ろうとするものであります。制度創設時の昭和五十三年に二千億円の予算組み入れを行っただけであり、五十六年度の歳入欠陥に使用して以降は残高ゼロであります。我々は、決算調整資金に積み立てるべきであるとこれまで再三機会あるごとに主張してまいりました。しかし、バブル期における大幅な増収は、各種基金の創設には向けられましたが、特例公債依存体質から脱却した二年度、三年度においても決算調整資金への積み立ては顧みられなかったことであります。
 こういう現実を前にすると、イソップの「アリとキリギリス」の寓話を切実に思い出さざるを得ない四年度決算の姿なのであります。
 政府は、この間の経緯を反省し、また、これを教訓として、財政の対応力を回復した暁には、必ず決算調整資金を積み立てておき、国債整理基金からの借用に最初から頼るという事態を避けるべきであると思いますが、総理の決意と財政当局の答弁をいただきたいと思います。
 次に、消費税の問題につきまして決算のサイドから伺います。
 会計検査院は四年度検査報告で、消費税について、簡易課税制度の適用に関するもの五事項、仕入れ税額控除に関するもの二事項、計七事項、二千六百万円余の徴収不足を指摘しております。これは、会計検査院が全国の課税件数の中からごく一部を検査した結果であります。その指摘内容は、消費税制の構造的欠陥、すなわち国民が負担した消費税が国庫に納付されていないことを事例をもって実証していると思われますが、政府の受けとめ方はいかなるものでしょうか、お聞かせ願いたいと思います。
 税制改革においては、いわゆる益税の問題を初めとする消費税の欠陥部分にさらにメスを入れない限り国民の本当の理解は得られないと思いますが、どのように御認識されているかお聞かせいただきたいと思います。
 一方、最近、消費税の滞納額が年々増加の一途をたどっており、また、輸入を含めた消費税の申告漏れが増加しているが、国民から預かった消費税が適正に納付されないで企業の事業資金等に流用され秘匿されるならば、消費税に対する国民の理解は得にくいと思われますが、この点についても政府の対応をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、去る十月二十五日に決定されたウルグアイ・ラウンド農業合意に伴う関連対策について伺います。
 今日の厳しい財政状況の中にあって、我が国の農業、農村を二十一世紀に向けて持続的に発展させ次世代に受け継いでいくために、ウルグアイ・ラウンドに伴う今後六年間の対策として、総事業費が六兆百億円、地方単独施策の拡充を合わせると七兆二千百億円に達する諸施策、諸事業の大綱について決定を見たことは村山総理の英断として評価し、また、関係当局の努力に感謝したいと思います。
 しかし、基本方針と事業の総枠が決定されたとしても、これを予算等に具体化するためには、日本の農業、農山村の現場の実情を把握し、農業の担い手のニーズに応じた有効な計画ときめ細かな対策を樹立する必要があり、関係者の一層の努力をお願いしたいと思います。
 会計検査院は四年度検査報告で、水田農業確立助成補助金について処置要求、農地保有合理化促進事業について意見表示をされております。政府はこれらの指摘を真摯に受けとめて、その改善を図るとともに、ウルグアイ・ラウンド関連農業諸施策において同様の指摘を受けないように全力を尽くすべきであると考えますが、関係当局の答弁を求める次第であります。
 次に、近々発足する行政改革委員会について伺います。
 村山総理としては、この委員会にどのような期待を込めているのか、委員の人選、またそれを支える事務局体制についてどういう方針で進められているのか、お伺いしたいと思います。
 ところで、行政改革委員会の任務として情報公開制度の整備に関する調査審議と二年以内の意見具申が掲げられておりますが、私は、委員会の審議とその経過が公開され、何が行政改革を阻んでいるのか、問題点は何かが国民の前に明らかにされる必要があると思いますが、総理のお考えはいかがですか、お伺いいたします。
 官僚主導、密室審議、不透明という言葉は今度スタートする行政改革委員会には似合わないと思いますが、いかがですか。総理の御所見を承りたいと思います。
 最後に、会計検査機能の強化についてお伺いします。
 我が党は、村山総理もよく御記憶のように、会計検査の充実を図るために会計検査院法の改正案を提出したことがございます。政府においては、会計検査権限の強化を求める両院の相次ぐ決議を受けて、内閣官房副長官の二度の通達により政府関係金融機関の融資先に対する検査の改善が図られてきたところであります。
 しかし、その運用は必ずしも十分ではなく、会計検査院が最近の社会経済の変化と国際化に対応して国民の期待にこたえる検査活動をするためには、予算、組織の拡充だけでなく、新たな視点からの検討が必要ではないかと考えますが、総理の所見を承って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(村山富市君) 会田議員の質問にお答えを申し上げます。
 決算に対する警告決議を内閣として今後の行財政運営に反映せよとの御指摘でございますが、政府といたしましては、従来から、警告決議として御指摘いただいた事項につきましては誠意を持ってその改善に努めているところでございます。
 御指摘の、正確な経済見通しの策定につきましては、今後とも内外経済情勢の十分な分析等を踏まえまして策定するよう努める所存でございます。また、税収見積もりの精度向上に関しましては、従来からも努力を重ねているところでございますが、今後とも一層努力をしてまいりたいと考えています。
 いずれにいたしましても、警告決議の御趣旨に十分留意をしながら、国政に反映させるよう誠意を持って対応してまいりたいと考えているところでございます。
 さらに、五年度の歳入欠陥についてのお尋ねでありますが、五年度の税収見積もりにつきましても、それまでの各年度と同様に、見積もり時点における課税実績や政府経済見通しの諸指標等を基礎に、最大限の努力を傾けて行ったところでございます。しかしながら、一般的に、見積もり後の経済状況の変化等寸見積もり時点で予測しがたい状況の変化もあり、特にいわゆるバブル経済の崩壊の過程においては経済情勢の見きわめが極めて困難であったことにつきましては、御理解を願いたいと存じます。
 なお、税収見積もりの精度向上については、従来から努力を重ねているところでございまして、今後とも一層努力をしなければならないと考えているところでございます。
 次に、決算調整資金の積み立てに関するお尋ねがございましたが、決算調整制度につきましては、でき得れば決算調整資金に財源を十分積み立てることが望ましい姿でありまするが、我が国財政は一段と深刻さを増しており、多額の公債に依存せざるを得ない状況にあるため、決算調整資金への繰り入れを行う余力がないことを御理解願いたいと思います。
 いずれにいたしましても、今後の社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応していくためには、引き続き健全な財政体質をつくり上げていくことが重要であり、今後とも財政改革を強力に推進してまいる所存でございます。
 なお、消費税制度に関するお尋ねがございましたが、今回の税制改革におきましては、消費税制度をめぐる種々の指摘を踏まえまして、いわゆる益税問題について、限界控除制度の廃止、簡易課税制度の適用上限の四億円から二億円への大幅引き下げなど、現行制度を縮減するとともに、仕入れ税額控除の方式につきましても、我が国の実情に即したインボイス方式を採用するなど、消費税制度の抜本的な改革を行ったことを御理解を賜りたいと存じます。
 行政改革委員会への期待についてのお尋ねでありますが、国民の視点に立って政府による行政改革の実施状況を監視するとともに、行政情報の公開に係る法律、制度に関する調査審議を行う機関として、行政改革推進本部といわば車の両輪となって行政改革を推進していただきたいと考えております。
 委員の人選につきましては、同委員会の設置目的にふさわしい方を広く各界から公正かつ適切に選考し、両議院の同意をいただいて任命したいと考えているところでございます。また、事務局体制についても、委員会の活動を支えるものとして適切なものとしていきたいと考えているところでございます。
 次に、行政改革委員会の運営についてのお尋ねがございました。
 委員会の具体的な運営は、委員会の発足後、委員会の自主的な判断に基づいて決定されるべきものでございます。委員会の活動の透明性を確保するための工夫が行われることは望ましいことであり、委員会において適切に対応していただけるものと考えています。
 最後に、会計検査機能の強化についてのお尋ねがございました。
 内閣に対して独立した機関としての立場から、会計検査院の検査機能の重要性につきましては十分認識をいたしております。
 政府関係金融機関の融資先に対する会計検査につきましては、御指摘の通達を踏まえまして検査の実効を上げていると承知をいたしております。また、会計検査院の検査機能の充実強化に資するべく、予算、定員の確保につきましても従来から配慮してきているところでございます。
 議員の御指摘も参考とさせていただき、今後とも会計検査院の検査活動が円滑かつ厳正に行われ、その機能が十分に発揮できるよう、政府といたしましても配慮、協力してまいりたいと考えているところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(武村正義君) 平成四年度の税収見積もりでありますが、当初予算編成時には三年度税収が三割強しか判明しておりません状況でございますし、利用可能な資料に限界がある中で、見積もり時点における課税実績や政府経済見通しの諸指標等を基礎に最大限の努力を傾けて行ったものと思います。また、補正予算におきましても、補正時点までの税収実績や経済諸指標等の動向を踏まえながら四年度予算を四兆八千七百三十億円と大幅な減額補正を行いましたが、当時としては利用可能な資料に限界がある中での真剣な見積もりであったと考えられます。
 しかしながら、一般的に、見積もり後の経済状況の変化等、見積もり時点で予測しがたい状況の変化が税収に反映をし、結果的に予算額に対しある程度の増減が生じることは避けがたい面もございます。さらに、ウエートの大きな所得税の確定申告や三月期決算法人の法人税や消費税の申告の状況が五月ごろまで明らかにならないという事情があることも、御理解賜りたいと存じます。また、特にいわゆるバブル経済の崩壊の過程においては一般的に経済情勢の見きわめが極めて困難であったことも、御理解を賜りたく存じます。
 次に、平成五年度の税収見積もりにつきましても、これまでの各年度と同様に、見積もり時点における課税実績等を基礎に最大限の努力を傾けて行ったところでございますが、ただいまも申し上げましたように、一般的に見積もり時点で予測しがたい状況の変化があり、特にいわゆるバブル経済の崩壊の過程にあったことについては御理解を願いたいと存じます。
 いずれにしましても、税収見積もりの精度向上には従来から努力を重ねているところでございますが、今後とも一層努力をしてまいらなければならないと存じます。
 次に、決算調整資金につきましては、昭和五十六年度決算不足に対処するため全額を一般会計へ繰り入れたところでございまして、残高はゼロとなっております。
 資金の財源としましては、財政法第六条の剰余金のうち公債償還財源以外のものを予算の定めるところにより繰り入れることができることとされているほか、特別の必要がある場合には予算繰り入れを行うとされているところでございます。
 決算調整資金の運用におきましては、でき得れば、第一線準備である決算調整資金に財源を十分積み立てて、その財源で決算上の不足に対処し得るのが望ましい姿であると考えております。しかし、我が国財政は一段と深刻さを増してきておりまして、多額の公債に依存せざるを得ない状況にあるため決算調整資金への繰り入れを行う余力がなかったということを、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、消費税制度についての御質問につきましては総理から御答弁がございました。国民の理解を得るに足る消費税制度の抜本的な改革を今回実現をいただいたものと考えております。
 なお、会計検査院から指摘を受けた徴収不足の問題については遺憾に思っているところでございます。こうした執行上の問題についてこのような指摘を受けることがないよう、今後なお一層努力をしてまいりたいと存じます。
 最後に、消費税の執行に関する御質問でございますが、適正公正な課税は、納税者の正しい申告と課された租税が確実に納税されることによって達成されるものでございます。消費税も例外ではありません。
 消費税の執行に当たりましては、これまで広報、相談、指導、調査を基本とした施策を推進することによりまして制度の円滑な定着と適正公平な課税の実現に努めてきたところでございますが、今後とも、こうした施策を的確に実施をし適正な執行に努めてまいりたいと存じます。
 また、国税の滞納整理に当たりましては、租税債権の確実な徴収を図るため従来から厳正的確な処理を実施をしてきているところでございますが、今後とも、納税者に対する広報、指導等によりまして消費税の滞納の未然防止を図るため努力をしてまいりたいと存じます。(拍手)
   〔国務大臣大河原太一郎君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(大河原太一郎君) 会田議員の御質問にお答えいたします。
 まず、御指摘を受けました水田農業確立助成補助金につきましては、制度の趣旨等の周知徹底について指導を強化するなど、助成額の適正な交付が行われるよう所要の措置を講じたところでございます。また、農地保有合理化事業につきましても、関係通達の整備を行うなど、事業の効果が発現されるよう所要の措置を講じたところであります。
 今後、この種の事態を未然に防止するため、より一層指導監督等を徹底するとともに、ウルグアイ・ラウンド関連農業諸施策の実施に当たっても予算の適切な執行に最善を尽くしてまいる所存であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(原文兵衛君) 小林正君。
   〔小林正君登壇、拍手〕
#14
○小林正君 私は、新緑風会を代表いたしまして、平成四年度決算審議に当たり、村山政権の成立経過及び政治姿勢を中心に村山総理に御質問を申し上げます。
 六月政変によって誕生した村山連立政権は、五五年体制の崩壊の象徴、ハト派、リベラル政権と喧伝される一方、五五年体制を演出してきた影の主役が表にあらわれた国対政権であるとの指摘もあります。
 昨年八月以降、野党に転じた自民党は、連立政権の最大の政治課題であった政治改革を中心に据え、連立与党の離間を画策し、政権奪還の攻勢を強めました。
 この中で、本年一月二十一日、一本院において政治改革四法案が否決されましたが、これは小選挙区つぶしか共通の利益だった自民党と社会党左派の綿密な連携の結果であったことは言うまでもありません。以後、社会党の一部は、一方において連立政権にかかわりながら、他方自民党との新たな関係を模索し、羽田政権誕生の経過において改新問題を奇貨として連立離脱を図ったのであります。
 以後、少数与党となった羽田連立政権の社会党の政権復帰への協議は難航を余儀なくされましたが、この過程で、一方において自・社・さ間で村山首班へのシナリオが国対的な手法で進められて、六月末政変となったのであります。
 前国会において、社会党委員長である村山総理は、日米安保条約堅持、自衛隊合憲を表明し、非武装中立論について歴史的役割を終えたと述べました。これらはいずれも旧連立における政権協議を困難ならしめてきた課題ですが、この大転換の理由を、情勢の変化、国民世論の動向に沿うものとしています。しかし、旧連立政権の社会党の閣僚は引き続き自衛隊違憲の立場に立っていたことを思えば、この政策転換は、表の自・社・さ政権協議とは別に村山首班と基本政策の大転換がセットになっていたと見なければならず、これこそまさに密室での国対的手法と言わなければなりません。
 こうした社会党の政策転換について、ある論者は、倫理的、知的退廃以外の何物も感ずることができないと述べています。また、別の論者は、野党のときに掲げた政策は政権をとったときにいよいよ実現のチャンスがめぐってくるのであって、政権をとったら政策を変えてしまうというのは国民への欺晴、政党政治の否定であると述べています。
 本院における村山首相のこれら一連の発言に対して、してやったりと言わんばかりの自民党席からの拍手と、これとは対照的な社会党席の異様な沈黙は、何を物語っていたのでありましょうか。
 権力欲のみによって野合した自・社・さ国対政権の成立について、一部マスコミをも動員しての強権的○○ラインよりはましな選択との言説が流布されました。そして、それがあたかもみずからの正当性の根拠のようにも言われましたが、今指摘した自・社・さ連立政権成立と基本政策大転換の経過こそは、まさに議会制民主主義破壊の密室的、強権的手法と言わざるを得ないのであります。
 旺盛な批判的精神をお持ちの社会党の皆さんが、政権掌握とともに重要政策について沈黙を余儀なくされ、思考停止、判断中止の状況に追い込まれているのではないかと懸念するものであります。
 村山総理、以上私が述べた疑問や批判は、この連立政権に対して国民が抱いているものであります。
 これは十一月十三日付の新聞の投書欄「五五年体制」の「体制の崩壊で消えた民主制」と題して、前段、五五年体制における社会党の果たした一定の役割を評価しながら、
  しかし社会党はその貴重な財産を自民党等との野合政治によって捨て去った。自衛隊の違憲論を放棄し、日の丸、君が代を容認した。その容認の仕方は組織の末端から国民の声を吸いあげて十分議論せず、トップダウンのごり押しであった。また消費税の決め方でも、初めに数字ありきではなく、行政改革による節税効果を検討した上で税率を決めるべきだと主張しながら、政権党になるや否や初めに数字ありきを、組織の議論の積み上げもなく容認してしまった。ここに民主的手続きはなかった。と述べているのであります。
 さきの臨時党大会に出された「当面する政局に臨む我が党の基本政策」や「基本政策転換QアンドA」が国民の常識の批判にたえ得るものとお考えなのでしょうか。見解を承りたいと存じます。
 次に、村山連立政権の発足に当たって私たちが最も懸念したことは、数の論理や国対的手法が復活するのではないかということでありました。また、社・さの政策協議を自民党が丸のみする形で成立した政権ゆえに、各党間において政策的に矛盾する諸問題があいまいにされ、政権維持のため先送りされるのではないかということでした。税制改革における行革、福祉政策課題、WTO農業政策など、この間の経過はそれを裏づけるものとなっており、まさに先送り検討研究内閣と言われるゆえんであります。
 また、数の論理による手法についても枚挙にいとまがありません。
 今臨時国会の冒頭における会期幅をめぐる問題、各委員会における野党への質疑時間の配分についての野党優先の先例の無視、さらに、十一月九日、衆議院税制改革特別委員会における強行採決は、法案に盛り込まないまでも、今後の課題である物価、内外価格差、規制緩和、タックス・オン・タックスをめぐる諸問題について不可欠な附帯決議もなされないという結果を招来したのであります。
 連立政権の責任者の一人として、このような強権的な国会運営についてどのようにお考えなのでしょうか、伺います。
 さらに、次の場合は、何でも足して二で割る国対的手法のあしき例の最たるものであります。
 「学校における国旗・国歌の指導について」と題した政府統一見解について伺います。
 私は、前国会における村山総理の日の丸・君が代についての答弁は、本問題を政治の場で責任を持って解決するという姿勢を示したものとして、その見識を評価するものであります。しかし、九月の社会党臨時大会において、文部省を徹底的に監視するという方針が決められ、今国会での論議の中から政府統一見解が出されたものであります。
 私は、日の丸・君が代が、立法措置など政治の場での解決でなく、指導要領を通して学校教育で始末させるといった従来の対応が結果として学校現場を混乱させてきた経緯から、総理の答弁によって解決への条件が整ってきたと思っておりました。教育の条理に照らして、教育指導上の課題として指導を進めていくことが必要である事柄について、児童生徒の内心にまで立ち入らない指導などというものが本来あってよいものかどうかということであります。教える側の教師の立場をも無視したものと言わざるを得ません。
 私は、このような悪文が教育界に存在し続けることを恥とするものであり、この統一見解については撤回すべきであると思います。過去の答弁を踏まえ、総理の御見解を求めます。
 昨年八月に誕生した細川連立政権は、非自民各会派が総選挙後の連立政権づくりで基本合意に達し、国民の信託を経て多数派を形成し成立した政権であります。これを引き継いだ羽田政権も、同じ枠組みによって生み出された政権であります。しかし、六月政変によって出現した村山政権は、国民の意思とは無縁な政権と言わざるを得ません。
 直近の世論調査の傾向では、政党支持なし層の増加が目立っています。これは、国民の意思とは無関係に政権が力の論理だけで枠組みを変えることに嫌気した結果だと思います。この傾向が強まることは、政党を基盤とする議会制民主主義の危機と言わざるを得ません。
 今、五五年体制を実質的に終わらせるための新しい政治の枠組みづくりが最終局面を迎えています。衆議院の統一会派改革と連携する参議院の諸会派が一体となって、新進党に結集することになりました。また、新民連を中心に第三極を目指す動きも活発化しています。
 こうした情勢を踏まえ、私は、政権の正当性なき村山政権は、政治改革の完結後速やかに国民の信を問うべきだと思います。首相周辺からは、政治の空白は許されない、予算編成優先など、政治課題を理由に、党利党略の立場から先に送ろうとする発言が目立ちます。しかし、今、何にも増して最優先の政治課題は、国民の政治不信を取り除き、政党政治を基盤とする議会制民主主義が信頼を取り戻すことではないでしょうか。
 総理において、こうした立場を踏まえ、憲政の常道に立ち返って解散し国民の信を問う御決意がおありかどうかお伺いをし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(村山富市君) 小林議員の質問にお答えいたしたいと思いますが、最初の質問は社会党の基本政策についてのお尋ねであります。
 ここは参議院の本会議場で、総理に対する、私は、答弁ですから、委員長としてここで答弁することが適当であるかどうかということはわかりませんけれども、しかし、皆さんの御理解、お許しをいただきまして、せっかくの御質問ですからお答えをしたいと思います。
 社会党は、常に国民に開かれた議論をしてまいりました。また、連立政権におきましても、各党間の民主的な議論を積み重ねて結論を得るように努力をしてきたところでございます。九月の臨時党大会でも、時代の変化にいかに対応するかということでオープンな討議を経て政策の転換を行ってきたものでございまして、密室的、強権的手法との指摘は当たらないと考えております。また、「QアンドA」は、より一層国民の理解を得るために策定したものでございまして、社会党の政策の転換につきましては国民の御理解を得られるものと確信をいたしております。
 次に、現在の連立政権の政策形成及び国会運営についてのお尋ねがございました。
 率直に申し上げまして、政策形成に対する御批判は全く当たらないと考えております。これまでの連立政権の運営の反省に立ちまして、税制改革、WTO農業対策など、いずれも与党各党間で真剣な議論を積み重ね、単に与党三党間のみならず関係団体の意見も聴取するなど、民主的で透明なプロセスを経て結論を得たものでございます。
 国会運営につきましては政府としてはコメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、熱心に御審議をいただいてきたものと認識をいたしております。
 次に、学校における国旗・国歌の指導に関するお尋ねがございましたが、御指摘の見解は、十月十二日の衆議院予算委員会における私と文部大臣の国旗・国歌に関する答弁内容を整理いたしまして理事会に提出したものでございます。
 改めてこの考え方の概要を申し上げますと、学習指導要領を確認しながら、国旗・国歌の指導は、その内心に立ち入って強制しようとするものではなく、あくまで教育指導上の課題として指導を進めていくとしたものでございまして、適切妥当なものと考えております。
 次に最後に、解散により国民に信を問う決意があるのかとのお尋ねでありますが、私は、今日のような大きな変換期にございまして、行政改革や経済改革の推進を初め国内外に差し迫った課題がなお山積する中で、まずはこれらの課題を一つ一つ先送りすることなく誠実に遂行することこそが国民の期待にこたえるものであると考えています。また、私は、選挙をするからには、各党がその立場や政策課題を明確にして国民の審判を仰げるような状況をつくることも必要ではないかと考えています。さらに、来年は参議院の通常選挙も予定されておりまして、国政の場において国民に信を問う機会はあるわけであります。以上申し上げましたような意味で、私は今のところ、解散・総選挙については考えておりません。
 以上です。(拍手)
#16
○議長(原文兵衛君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#17
○議長(原文兵衛君) 日程第二 オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正の受諾について承認を求めるの件
 日程第三 国際電気通信連合憲章及び国際電気通信連合条約の締結について承認を求めるの件
 日程第四 国際電気通信連合憲章、国際電気通信連合条約及び業務規則に係る紛争の義務的解決に関する選択議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第五 千九百九十三年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件
  (いずれも第百二十九回国会内閣提出、第百
  三十一回国会衆議院送付)
 以上四件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長田村秀昭君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔田村秀昭君登壇、拍手〕
#18
○田村秀昭君 ただいま議題となりました条約四件につきまして、外務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正は、オゾン層を保護するための措置を強化する観点から、生産、消費等の規制の対象となる物質の範囲の拡大等を図ろうとするものであります。
 次に、国際電気通信連合の憲章及び条約並びに紛争の義務的解決に関する選択議定書の二件は、現行の千九百八十二年の国際電気通信条約及び選択追加議定書にかわるものでありまして、憲章等の恒久文書化に伴う規定の整備、連合の組織の改革等を図るとともに、憲章等の解釈、適用に関する紛争の義務的仲裁の手続等について定めるものであります。
 最後に、千九百九十三年の国際ココア協定は、千九百八十六年の国際ココア協定にかわるものでありまして、これまで採用していた緩衝在庫制度を廃止し、ココアの生産管理制度及び消費振興策等を採用することにより、世界のココア市場の安定に寄与しようとするものであります。
 これら四件は、いずれも第百二十九回国会において本院先議で審査した後、衆議院で継続審査中でありましたが、今国会において議決の上、本院へ送付されたものであります。委員会におきましては、別に質疑もなく、採決の結果、四件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いた促しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(原文兵衛君) これより四件を一括して採決いたします。
 四件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#20
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、四件は全会一致をもって承認することに決しました。
 これにて休憩いたします。
   午前十時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後十一時十六分開議
#21
○議長(原文兵衛君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、会期延長の件についてお諮りいたします。
 議長は、会期の延長について議院運営委員会に諮りましたところ、会期を来る九日まで六日間延長すべきであるとの決定がございました。
 会期を六日間延長することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#22
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、会期は六日間延長することに決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後十一時十七分散会
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ソース: 国立国会図書館
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