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1994/10/24 第131回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第131回国会 税制改革に関する特別委員会 第3号
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1994/10/24 第131回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第131回国会 税制改革に関する特別委員会 第3号

#1
第131回国会 税制改革に関する特別委員会 第3号
平成六年十月二十四日(月曜日)
    午前九時開議
出席委員
  委員長 高鳥  修君
   理事 石原 伸晃君 理事 江藤 隆美君
   理事 中馬 弘毅君 理事 町村 信孝君
   理事 加藤 六月君 理事 左藤  恵君
   理事 津島 雄二君 理事 二見 伸明君
   理事 早川  勝君
      甘利  明君    金子 一義君
      金田 英行君    岸田 文雄君
      栗原 裕康君    近藤 鉄雄君
      塩谷  立君    橘 康太郎君
      谷  洋一君    西田  司君
      野田  実君    林  義郎君
      藤井 孝男君    穂積 良行君
      堀之内久男君    山中 貞則君
      安倍 基雄君    石田 勝之君
      今井  宏君    太田 誠一君
      北側 一雄君    須藤  浩君
      高木 義明君    武山百合子君
      谷口 隆義君    中田  宏君
      村井  仁君    山名 靖英君
      山本 幸三君    山本 孝史君
      吉田 公一君    渡辺浩一郎君
      伊東 秀子君    池田 隆一君
      遠藤  登君    北沢 清功君
      永井 哲男君    渡辺 嘉藏君
    五十嵐ふみひこ君    田中  甲君
      佐々木陸海君    矢島 恒夫君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  村山 富市君
        法 務 大 臣 前田 勲男君
        外 務 大 臣 河野 洋平君
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
        文 部 大 臣 与謝野 馨君
        厚 生 大 臣 井出 正一君
        農林水産大臣 大河原太一郎君
        通商産業大臣  橋本龍太郎君
        運 輸 大 臣 亀井 静香君
        郵 政 大 臣 大出  俊君
        労 働 大 臣 浜本 万三君
        建 設 大 臣 野坂 浩賢君
        自 治 大 臣 野中 広務君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官
        )       五十嵐広三君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 山口 鶴男君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (沖縄開発庁長
        官)      小里 貞利君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 三沢徳一郎君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      高村 正彦君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      田中眞紀子君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 宮下 創平君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 小澤  潔君
 出席政府委員
        内閣官房内閣安
        全保障室長   坪井 龍文君
        内閣法制局長官 大出 峻郎君
        総務庁長官官房
        長       池ノ内祐司君
        総務庁長官官房
        審議官     河野  昭君
        総務庁行政管理
        局長      陶山  晧君
        防衛庁参事官  熊谷冨士雄君
        防衛庁長官官房
        長       三井 康有君
        防衛庁防衛局長 村田 直昭君
        防衛庁経理局長 秋山 昌廣君
        防衛施設庁長官 宝珠山 昇君
        防衛施設庁総務
        部長      粟  成之君
        経済企画庁調整
        局長      吉川  淳君
        経済企画庁総合
        計画局長    土志田征一君
        科学技術庁長官
        官房長     新  欣樹君
        国土庁長官官房
        長       三井 康壽君
        国土庁土地局長 山田 榮司君
        外務省アジア局
        長       川島  裕君
        外務省経済局長 原口 幸市君
        外務省条約局長 折田 正樹君
        大蔵省主計局次
        長       伏屋 和彦君
        大蔵省主税局長 小川  是君
        大蔵省関税局長 鏡味 徳房君
        文部大臣官房長 佐藤 禎一君
        文部大臣官房総
        務審議官    雨宮  忠君
        厚生大臣官房総
        務審議官    太田 義武君
        厚生省社会・援
        護局長     佐野 利昭君
        厚生省老人保健
        福祉局長    阿部 正俊君
        厚生省児童家庭
        局長      佐々木典夫君
        厚生省保険局長 岡光 序治君
        厚生省年金局長 近藤純五郎君
        農林水産大臣官
        房長      高橋 政行君
        通商産業省産業
        政策局長    堤  富男君
        運輸省運輸政策
        局長      豊田  実君
        郵政大臣官房審
        議官      品川 萬里君
        労働大臣官房長 伊藤 庄平君
        建設大臣官房総
        務審議官    原  隆之君
        自治省行政局長 吉田 弘正君
        自治省行政局公
        務員部長    鈴木 正明君
        自治省財政局長 遠藤 安彦君
        自治省税務局長 滝   実君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        調査室長    前川 尚美君
        大蔵委員会調査
        室長      中川 浩扶君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月二十一日
 辞任         補欠選任
  長勢 甚遠君     塩谷  立君
同月二十四日
 辞任         補欠選任
  野田  実君     金田 英行君
  林  義郎君     岸田 文雄君
  村山 達雄君     栗原 裕康君
  山中 貞則君     橘 康太郎君
  北橋 健治君     高木 義明君
  須藤  浩君     武山百合子君
  山本 孝史君     渡辺浩一郎君
  佐々木陸海君     矢島 恒夫君
同日
 辞任         補欠選任
  金田 英行君     野田  実君
  岸田 文雄君     林  義郎君
  栗原 裕康君     村山 達雄君
  橘 康太郎君     山中 貞則君
  高木 義明君     北橋 健治君
  武山百合子君     須藤  浩君
  渡辺浩一郎君     中田  宏君
  矢島 恒夫君     佐々木陸海君
同日
 辞任         補欠選任
  中田  宏君     山本 孝史君
同日
 理事左藤恵君同日理事辞任につき、その補欠と
 して加藤六月君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 公聴会開会承認要求に関する件
 委員派遣承認申請に関する件
 所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の
 施行等による租税収入の減少を補うための平成
 六年度から平成八年度までの公債の発行の特例
 等に関する法律案(内閣提出第二号)
 所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第三号)
 平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置
 法案(内閣提出第四号)
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 第五号)
     ――――◇―――――
#2
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成六年度から平成八年度までの公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案、平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案、地方税法等の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。町村信孝君。
#3
○町村委員 自由民主党の町村信孝であります。
 私は、与党三党で税制改革大網を作成をいたしましたそのプロジェクトチームの一員といたしまして、政府が今般提出をされました税制改革法案、これを全面的に支持したい、こういう観点から幾つか質問をさせていただきます。
 質問に先立ちまして、実は、この際あえて野党・改革の皆さん方に一言申し上げておきたいのでありますけれども、この特別委員会は皆さん方の御要望で設置をされ、そのとき、議院運営委員会では、野党も速やかな審議に協力をする、こう改革側の理事も御発言をされたわけであります。
 ところが、先週の木曜日、与野党間の理事懇談会で、極めて円満に合意いたしました公聴会の日程を、一夜にして改革の皆さんはこれを覆されたのでございます。これは、国会の運営のルールを破った、公党間の信頼を失わせたという意味で大変私は問題が多い、こう考えておりまして、どうぞ今後、いわば古きあしき国会対策的な手法でこの重要法案である税制の審議をいたずらに引き延ばす、こういうようなことがないように厳にこういうのは慎んでいただきたい、このことを強く改革の皆さん方に申し上げておきたいと思います。
 ところで、私ども、今回与党三党で改革案をまとめたわけでございますけれども、私どもは、細川内閣が二月に出されました国民福祉税構想、まあ一日で撤回をされたわけでありますから全く国民的な支持を得られなかったわけでございますけれども、このことを大いに反省をいたしまして、私どもは極めて民主的な手法で、百時間を超える議論、二十回を超える会合を重ねまして一つの案をまとめさせていただいた。
 この間、各界の皆さんとの意見交換もやり、また野党の皆さん方からも意見を承りました。こういう中から、社会党の皆さん方も税制改革全体、そして消費税の意義というものを認識をされ、このような結論に達したわけで、このことをもって、やれ社会党の変身だ、公約破りだ、こういう批判をするのは全く筋違いでありナンセンスである、こう私は思っているわけでございまして、総理初め社会党の皆さん方の御決断に私は心から敬意を表する次第でございます。
 そこで、総理にお伺いをいたしますけれども、今回の減税の内容、減税三年先行、消費税はその後に上げる、地方消費税の創設等々、これは一体処理を決めたわけでございまして、これは非常に総理の言う、優しさのある政治ということと責任ある政治のベストミックスではないだろうか、こう私は考えておりますが、その点について総理はどうお考えか、あわせて今回の税制改革の意義を総理はどのようにお考えであるか、お伺いをいたします。
#4
○村山内閣総理大臣 バブル経済が崩壊した後、極めて厳しい経済環境の中にございましたこと、さらにまた急速に高齢社会が到来する、こういった事情を踏まえながら、税が国の礎をなす大事なものである、こういう観点もしっかり踏まえた上で、これは何よりも納税者である国民の皆さんの理解と納得を得る必要がある、こういう視点も踏まえながら、与党の中で慎重にも慎重な検討を重ねてきた結果として、今回国会に提案した法案を作成した次第でございます。
 一つは、今の税構造の中に持っておる矛盾を可能な限り是正をして、特に所得税の中に占める中堅層の重税感というものを可能な限り解消して、そして働く意欲をもたらす、同時にそのことがまた経済全体の活力を涵養することになる、こういう視点から、とりわけ一番重税感の強いと言われる中堅所得層の税の軽減を図って、そして、まあ平均的なサラリーマンが一生を通じて一〇%から二〇%ぐらいの税金の課税の枠内ぐらいにおさまるような、そういう仕組みというものを真剣に考える必要があるのではないかということが一つの視点で所得税の減税を行う。
 同時に、今申し上げましたような高齢社会を迎えて、これからの社会を支えていく税体系のあり方として、直接税だけに大きな負担をかけていくということについては若干の問題点があるのではないか。これはある意味では旧連立政権のときからずっと議論をされてきた経過もありますから、ある意味では国民的なコンセンサスも得られておるのではないか、こういう意味で、そうした問題を社会全体で負担をし合う、こういう立場から水平的な課税というものを考えて、消費と資産に可能な限りこの負担を転嫁していく、こういうこともある意味では必要ではないかというので、消費税の方に若干の負担増をお願いすることになった。
 こういう経過でございますから、私どもは政治に責任を持っておる立場あるいは政権を担うという責任ある立場から、この際、直すべきところは直す、同時に負担をお願いするところについては率直に訴えて、そして国民の皆さん方の御理解も得ながら、税全体ができるだけ公平な体制になるように努力をしていく、こういう観点から責任ある措置をとったということについて御理解をお願い申し上げたいと思います。
#5
○町村委員 まさにそういうことだろうと私どもも受けとめております。実は、これは先ほど申し上げたように、野党の皆さん方とも九月の上旬にこの税制改革の内容について意見交換をいたしました。そのとき、野党、たしか船田先生が話された内容を私も覚えておりますが、ほとんど今回政府が決めた案と野党の案とは同じ意見だったなと私は記憶をいたしております。
 ただ、強いて違いがあるとすると、三点違いがあったと思います。
 一点、これは大蔵大臣にこの後お伺いいたしますが、減税のやり方が、全部制度減税でやるのか、あるいは私どもが提案している制度減税と定率減税の組み合わせ、いわゆる二階建て、これでいくのかという点が一点。私どもは二階建てでいこうということをその後決断をしたわけでございます。
 第二点目の野党との違いは税率。私どもは五%というものを責任を持って提案をさせていただいておりますが、野党の皆さん方はかつて国民消費税で七%を挙げ、六月の時点では税率を決め切らなかったという点が違いでございます。
 また、第三点目は地方消費税。検討はされたようでありますが、野党の皆さん、結局創設を決められなかった。私どもは政治判断を総理に求め、総理の御決断でこの地方消費税の創設を決めた。
 この三点が大きく違うんだろうと思いますが、減税の内容につきましては、後ほど同僚の石原議員が詳しくお伺いをいたしますが、大蔵大臣、一点だけ、いわゆる二階建て減税について、大変野党の皆さん方の批判が強くあるわけでありますが、この点についてどのようなお考えであるか、その正当性、意義について大蔵大臣にお伺いいたします。
#6
○武村国務大臣 二階建て減税という、大変税制改革では余り聞かない特異を言葉が使われているわけでありますが、減税規模五・五兆円に二つの性格、二つの種類が重なっているからこういう表現になったんだと思っております。
 御指摘のように、そもそも五・五兆円という減税が今年度のいわば特別の景気対策としての減税として実施を見ているわけであります。この五・五という規模は、ことしの二月の細川内閣のときの国民福祉税の制度改革減税の規模でもありました。それをさらにさかのぼりますと昨年暮れの政府税制調査会の答申、これはまあ数字は明らかではありませんでしたけれども、中堅サラリーマン層以上の累進税率を緩和するということを基本に置いた答申を数字で表現するとそういう数字になっていったのかなと私は思っております。
 そこで、五・五というのがもう前提として何か存在しておりまして、制度減税も五・五でなければいけないとかいう話になりますし、しかし、とにかく村山政権がスタートしたときには景気はまだ大変重たい状況でもありましたし、ことしと同じ規模の減税を継続するかどうかという政権出発直後の真剣な選択に直面をいたしまして、対米関係もございまして村山総理の決断で来年もほぼこの規模を継続しよう、五・五兆円を継続しようという御決断をいただいた。そこから出発をいたしておりまして、したがって税制改革もどうしても五・五兆円という枠を前提に議論をせざるを得ませんでした。
 片方、本当に所得税や住民税の減税、あるべき将来の減税規模はどのくらいでいいのか、どこをどういじったらどのくらいになるのかということを新政権、特に税制改革の町村委員も御参加をいただいて一生懸命議論をいただいて、最終的には三・五兆円でほぼ中堅層のかなり思い切った減税は可能であるという結論を見出していただくことができたと思っております。中身は、一兆円は課税最低限の引き上げに使われますが、あと二・五兆円を中堅層を中心にして税率を引き下げるということで対応していただいて、合計三・五兆円という結論が見えてきたわけであります。
 しかし、政権出発直後に来年も五・五兆円という公約をいたしておりますから、その差額の二兆円はどうしても特別減税、あるいは定率減税とも申し上げておりますが、臨時の減税措置をそれにオンして、そして来年も、そして再来年も景気が特段予想以上の状態にならない限りは、向こう三年間基本的にはこの五・五兆円の減税を継続をさせていただくという大胆な方針を決めさせていただいた。その結果として二階建てという、最初に二階建てを目標にしたわけじゃなしに、結果として二階建てになったということをぜひ御理解をいただきたいと存じます。
#7
○町村委員 まさにそういう考えだろうと私どもも思います。大蔵大臣のお立場でそこまではおっしゃれないでしょうが、野党の皆さん方が言われますように、五・五兆円をすべて仮に制度減税でやるということになりますれば、これは多分著しく高額所得者優遇だという批判も強く出てくるでしょう。また、その財源としての消費税の税率はとても五%ではおさまらない。当然六%あるいは七%という御主張をあわせてなさった上で制度減税ですべてやれという御議論になるんだろうと私は推測をいたしておりますが、この点は今後のこの委員会での議論で次第に明らかになってくるんだろう、こう思っております。
 次に、今回の税制改革、もう一つのポイントは、総理が言われました消費税、消費課税の充実という点があっただろうと思います。
 私ども自由民主党は、まさに非常に強い反対を世の中から受けながら消費税の創設を数年前に決めさせていただきました。当時、税制調査会の会長として大変御苦労された山中貞則先生あるいは村山達雄先生など、私どもの想像を絶する御苦労があったんだろうと思いますし、私も、自分の選挙を振り返って、同じ選挙区で一人だけ消費税は必要だと言うのは非常につらかったという記憶が今でもまだ強く残っております。
 この際大蔵大臣にお伺いいたしますが、消費税の意義というものが、大分定着してきたとはいえ、まだまだいろいろな意見がございますので、消費税というのは一体どういう意味があるんだろうか、どういう意義を持っているんだろうかというそもそも論を改めてもう一回お伺いをすると同時に、今回は公平性やあるいは透明性の観点から消費税の改革というものを幾つか盛り込ませていただきました。その内容についてもあわせてお話をいただきたいと思います。
#8
○武村国務大臣 国税、地方税通じて数多くの税目があるわけでございますが、数年前に消費税が誕生をいたしまして今日に至っております。それ以前も個別の間接税は国・地方を通じてたくさんあったわけでございますが、一挙にその大半は整理をして、一般的な間接税でもある消費税を創設をいただいたということであります。
 消費税そのものの性格は、一言で申し上げると課税ベースの広い間接税だというふうに申し上げることができると思います。
 その中で特色を四点ほど絞って申し上げますと、一つは、所得の種類のいかんにかかわらず、どういう所得であろうと消費の大きさに比例して負担をお願いする税制である。消費ということは即生活規模と言ってもいいかもしれません。あるいは生活レベルと言っていいのかもしれません。たくさん消費する人は、同じ三%でありあるいは五%でありましても、掛ける金額でございますから、たくさんの消費税を納めていただく。消費の多寡に応じて消費税をお納めいただくという、こういう性格を持っております。そのことは先ほど村山総理から水平的公平というお言葉でおっしゃっていただいたことに通じます。
 二つ目は、勤労所得に対する課税ではありませんので国民の勤労意欲の阻害には直接つながらない、そういう意味では社会経済の活力を維持することができるというふうに考えております。
 三つ目は、社会保障等の公共サービスの便益を賄うための負担については国民全体が幅広く公平に負担を分かち合う、私がいつもみんなで支え合う福祉の日本と申し上げてまいりましたが、まさにそれに合う税目であるというふうに思います。
 最後に、もう一つの特色は、景気変動に対する振れが少ない、比較的安定的な税収が期待できるという特色がございます。
 それで、もう一つのお尋ねは、今回の税制改革で、この消費税、現行の消費税に対してどういう改革を考えていこうとしているのかということでございました。
 消費税のあり方、税率だけでなしに仕組みそのものもいろいろな角度から検討をいただいて、最終的にかなり大きな改革を提案をすることができたと思っております。
 その一つは、簡易課税制度という制度がございますが、二年前、五億円を四億円に一億円上限を下げさせていただきましたが、今回はその四億円をさらに二億円下げて、上限を二億円と約半分にさせていただきました。
 限界控除制度という、これも益税、免税の議論に絡まる問題の制度でございますが、この際、思い切ってこれは廃止に踏み切るという決断をさせていただいております。
 また、免税点そのものは、いろいろな議論をいただいて、結果的には存続ということになりました、将来の課題になりましたが。しかし、その中でも新設法人については、これは一千万円以上の資本金の企業でありますが、今まで免税扱いでございましたが、これは課税をさせていただくという改革を加えておりますし、最後に日本型インボイス制度、伝票をきちっと残していただくという制度を改正の対象に入れておりまして、すべての課題にメスを入れて改革ができたというわけではありませんが、言われておりますような議論のあります点については、かなり大胆に改革をさせていただくことができるというふうに思っております。
#9
○町村委員 今、大蔵大臣が言われましたように、消費税にまつわるいろいろな議論、随分整理ができたんだろうと私は受けとめております。
 確かに、事業者免税点三千万円の据え置きについて世の中の批判もございます。ただこの点は、私ども実際三千万円といっても、仮に粗利が一割とすると、サラリーマンに置きかえると年収三百万程度の話になります。ということは、いわば課税最低限が今度引き上げになって三百六十万近くでしたでしょうか、それとのバランスを見ても、三百万円程度の言うならば所得の人に対して余り過酷な事務処理負担能力、パパママストア的なそういうお店で余り過酷な事務負担を求めるのもいかがだろうか、こういう感じもいたしておりますし、仮に免税点三千万円以下であっても、仕入れにかかってきた分、これをやはり最低限は転嫁しなければならないのですが、その転嫁も実は政府の調査によると中小零細業者はままならないというような意見もありまして、これがすべて益税の温床であるという見方はやや一面的ではないだろうか、そんな議論をいたしまして、私どももこれを据え置きを決めたわけでございます。
 それからもう一つのポイントは、景気対策ということが先ほど両大臣からもございました。これだけの千三百億ドルを超える経常収支の黒字を背負っておる我が国としては、やはり国際経済に貢献をするという立場から思い切った減税先行の今回の税制改革をするのは我が国の責務でもあったろう、こんなふうに考えておりますが、実際に、例えばこの間日米包括協議が行われたとき、アメリカに通産大臣あるいは外務大臣が行かれたわけですが、そのとき立ち会われた外務省の方、アメリカ側の反応は実際にどういうものであったか、現場におられた感覚でお答えをいただきたいと思います。
#10
○原口政府委員 お答え申し上げます。
 今般の税制改革案に関しましては、この前の河野大臣の訪米においてクリントン大統領を初めとする米側関係者からは一様に歓迎の意が表されております。
 具体的に申しますと、九月二十二日の河野外務大臣とクリントン大統領の会談において、同大統領からは、経済貿易問題について触れたいとしつつ、今回の減税についての発表を歓迎する、こうしたことを通じて日本経済が成長すること、また世界経済にかかっている圧力が減少することを期待するという発言がございました。
 また、九月の二十三日に行われました河野大臣とベンツェン財務長官との会談におきましても、同長官から、消費税引き上げを三年延期したとの連絡を受けて大変喜んでいるという話がございました。
 なお、九月の二十日には、同長官から武村大臣に対しまして、今回の措置を歓迎するという同趣旨のステートメントが寄せられたと承知しております。
 さらに、包括協議の妥結直後に行われましたカンター通商代表の記者会見、これは現地時間で十月の一日でございますが、この記者会見におきまして、同代表からは、日本は重要なマクロ経済政策の改革を行うことを明らかにした、包括協議のマクロ経済政策面での進展を歓迎している、これは日本の成長を助け、米国の輸出を助け、そして日本の対外貿易黒字の縮小の継続に勢いをつけるものであるという発言がございました。
 以上でございます。
#11
○町村委員 アメリカ側の発言をまつまでもなく、我が国独自の景気対策ということでこれは決めたわけでございますが、同時に、諸外国にもこうした日本の内需拡大の姿勢が非常に評価をされているということは大変に喜ぶべきことだろう、こう考えております。
 やや時間も限られておりますので、もう一点伺いますが、今回の法律案の中には、いわゆる見直し規定というのが置かれております。二年後の九月末までに、行革あるいは財政改革あるいは福祉のビジョンの策定の状況でありますとか租税特別措置の適正化等々を見て、必要あらば二年後にこれを見直す、こういうことが書いてあります。特に私は、国民の期待の大きいポイントは、きっちり行政改革をやってくれということであろうと思います。
 自民党や社会党に行革ができるかといわれもなき批判まで現実に飛び交っているわけでございますが、私は村山総理に、今後二年間あるいはもっと先を見越すわけですが、私どもはこの二年間に行革を初めとする大変重い荷物、重い宿題を背負った、こう認識しながら、最大限の努力をしなければいけない、かように考えておりますけれども、特に行革の断行につきまして、総理の強い御決意を承らせていただきたいと思います。
#12
○村山内閣総理大臣 見直し条項は、今回の税制改革が当面やらなきゃならぬ最善の策であるというふうに私は申し上げてまいりましたが、しかし、不断にやっぱり税のあり方については直すべき点は直すという追求が必要であるという建前からするならば、これからさらにそういう今御指摘のありました点については検討を進めていく必要があると私は思うのです。
 税というのは、やっぱり国民が必要とする行政サービスの水準というものをどの程度に維持することが大事なのか、それを維持するためにとの程度の税負担が大事なのかという視点から私は設定されていくものだと思うのですけれども、これからそうした意味で高齢社会になっていく、社会保障の負担がふえていく、それは一体どういう水準で維持するのか、その維持された水準を賄う税はどうあるべきかといったような観点から、これからさらに論議を深めて、国民の皆さんにも御理解と御協力をいただかなきゃならぬという課題も出てこようかと思うのです。
 その限りにおいては、その前段において、やっぱり政府としての姿勢のあり方等々も問われるわけですから、行財政改革というものはやっぱり不断に、思い切って決断をもってやる必要があるというふうに考えておりまするし、そういうことを通じて、お互いに税の負担についても、あるいは行政のあり方についても国民の皆さんの御理解と御協力がいただけるものだ、こう考えておりますから、内閣を挙げてこの行革に取り組む体制を確立すべく現在努力しているところでございます。
 ちなみに、申し上げておきますけれども、例えば規制緩和につきましては、平成六年度内に規制緩和推進の五カ年計画を策定して進めていくということが一つ。それから、特殊法人等の見直しにつきましては、これは私は特に各閣僚にもお願い申し上げておりまするけれども、年度内に特殊法人の見直しを行って、それに基づき早急に整理合理化ができる計画を策定して実行していくということについても既に閣議で了解し、決めておるところでございます。
 さらに、これは今度地方消費税というものも創設をいたしましたけれども、地方分権というのはもう時代の流れになっておるという意味で、地方分権につきましても、平成六年内に地方分権大綱を決定をして、その大綱に基づいて、できれば次の通常国会あたりに分権を推進していく基本的な法案というものも策定したいものだといって、今内閣を挙げて努力をしているところでありますけれども、今申し上げましたようなスケジュールに基づいて行政改革、行財政改革については全力を挙げて内閣として取り組んで、必ず皆様方の期待にこたえなきゃならぬものだということをしっかり認識して遂行していく決意だけは申し上げておきたいというように思います。
#13
○町村委員 規制緩和、特殊法人の整理合理化、さらには地方分権、地方行革、大変総理の強い御決意を今伺いました。もとより私ども与党三党を挙げてその政府の方針に、総理の御決意に沿って最大限これを努力をしていきたい、このように考えております。
 最後に一問だけ、実はこの見直し規定の関連で、租税特別措置ということもその適正化がうたわれております。大蔵大臣に伺いますが、租税特別措置の実態ですね。私の記憶では、二兆円のうち約二割ぐらいが企業向けで、その他は大部分個人向けの租税特別措置である。租税特別措置というと、あたかもすべてこれ大企業向けといったかなり私はイメージが、誤ったものが世の中には伝わっているんじゃないんだろうか、こんなふうに実は思っておりまして、租税特別措置は措置として一つの目的があり、きちんと行われてきた。ただ、それは時代が変化をし、古くなったもの、目的を達成したもの等々、見直していくのは当然でございますが、その辺の租特も適正化を図るということがうたわれておりますので、その一点について、大蔵大臣にお伺いをいたします。
#14
○武村国務大臣 御指摘のように、租税特別措置は、まさに租税に関する特別の措置でありまして、特別の政策目的を実現するために税制を一つの有効な政策手段として選んで今日に至っているものであります。絶えず時代の変化によってその政策なり政策目的も変わってくるわけでございますから、数多くの租税特別措置を十分チェックをしながら、改廃に努めていかなければならないと思っております。
 今、町村委員御指摘のように、全体では二兆円ぐらいの規模になりますが、確かにおっしゃるとおり、そのうち法人税、いわゆる企業にかかわる特別措置は四千三百二十億ぐらいでございますが、ちょうど二割ちょっとでございます。
 じゃ、何が大きなウエートを占めているのかと申しますと、まず、何といっても、サラリーマンの皆さんに関係の深い住宅取得の促進税制、これが五千四百八十億を占めております。住宅をサラリーマンが取得される場合には、特別の減税措置を講じさせていただいていることによるものでございます。二番目は、生命保険や損害保険で、一定のルールに基づいて控除をいたしておりますために三千二百十億ございます。もう一つは、一番卑近な例では、マル優、老人マル優を一定の制約のもとに存続をさせていただいておりますが、これに伴う金額が二千七百四十億円ということでございます。
 その他が三千二百億と、かなり租税特別措置は、何となく廃止をしたらいいという見方もありますが、大変立派な政策目的を持ち、しかも政策効果を果たしているものも少なくないわけでございまして、そういう中で、来年度も一つ一つチェックをしながら全体の租特の見直しを進めていかなければいけないというふうに思っております。
#15
○町村委員 以上で終わります。
#16
○高鳥委員長 これにて町村君の質疑は終了いたしました。
 この際、石原伸晃君から関連質疑の申し出があります。町村君の持ち時間の範囲内でこれを許します。石原伸晃君。
#17
○石原(伸)委員 同僚の町村委員の持ち時間で関連の御質問をさせていただきたいと思います。
 ただいま総理の答弁の中で、行政改革に対する力強い決意と、そしてまた地方分権に対する具体化の実現、こういうお話があったわけでございますけれども、私は、今回の税制改革に当たりまして、その裏にあるもう一つの特殊な事情、この日本が抱えております財政事情について総理がどのように御見解をお持ちか。
 と申しますのも、今回の法律案の中では、租税収入の減少を補うために、平成六年度から平成八年度にかけて公債の発行の特例に関する法律案というものも出させていただいているわけでございます。これは、言ってみるならば公債を増発するというわけでございます。その一方で二百一兆円の国の債務がある、このような現状について総理がどのように御認識をされているのか、まずお聞かせ願いたいと思います。
#18
○村山内閣総理大臣 今委員御指摘のように、我が国の財政は、平成六年度末の公債残高が二百兆円を超える、こういう状況にございますし、同時に平成五年度決算におきましても、初めて二年連続決算上の不足が生じる、こういう極めて厳しい財政事情にあるということについては、十分認識をいたしておるところでございます。
 したがいまして、できるだけ公債を累増しないように、これは、借金がふえるということは子供や孫にその負担をやはり引き継ぐことになるわけでありますから、したがって、できるだけ公債の累増がふえないように考えていくということは当然のことだと私は考えています。
 それだけに、今後ともあらゆる経費について、経費の根本にまでさかのぼって見直しをするということが大事だと思いまするし、同時に歳出の優先度というものを、惰性に流れることなく厳しく見直していくという姿勢が必要だというふうに思いますし、さらにまた、税外収入等につきましてもやはりもう少し厳しく見直しをして、そして歳出を引き締める、効率的に歳出を使っていく、同時に、税外収入等につきましてもできるだけその把握に努めて欠陥のないようにしていくという努力はふだんからしなきゃならぬものだ、そういう努力を通じて財政の正常な姿を取り戻していくという努力をしていくことが内閣に課せられた一つの課題だというふうに受けとめて、これからも努力をしていく決意でございます。
#19
○石原(伸)委員 総理の決意を私も歩といたしまして、ともに増税を国民の皆様方にお願いするということでもございますので、そのときのために私たちはやはりしっかりと、総理のお言葉ではございませんけれども、歳出の優先度、めり張りのきいた予算の作成をしていただきたいと考えているところでございます。
 続いて、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 今回の税制改革の中での所得税の改正の部分について、御質問を大蔵大臣にさせていただきたいと思います。
 さきの抜本的な改革、いわゆる低所得者、中所得者の方に配慮をいたしました税制改革を行い、今回は、総理のお言葉には、中堅所得者層の方が働く意欲を持って、そして重税感を感じることなくできる税体系を構築するんだと総理の御答弁の中にもありましたけれども、言ってみるならば、前回の税制改革でしわ寄せを食ったのが私は中堅所得者層ではないかと思います。
 今、許可を得まして、パネルをつくってまいったのでございますけれども、前回の税制改革では、いわゆる税率ブラケットが一〇%の方々の累進度が大変きつうございました。これを直させていただいた。そして今回の税制改革、私考えますに、そこで取り残されておりましたいわゆる二〇%の税率ブラケットの方の累増感というものを緩和するために、今回の税制改革、特に所得税の見直しというものが私は行われたと考えております。
 これを夫婦に子供二人の給与所得者に換算してやりますと、これまで、この緑の部分でございます、現行が二〇%の方が七百九万円から一千四十六万円でございましたのを、七百七十二万円から一千三百四十九万円と倍にしたわけでございます。これまでの税制改革では、ブラケットが二〇%の方々が、実は一〇%の上位にあるにもかかわらず大変短かった。ここの部分を直した。
 そして結果として、さっき大臣がおっしゃられたように、三・五兆円という所得税全体の中での姿が明らかになってきたと思うのでございますけれども、その点につきまして、大臣、比較するのはなにかと思うのですが、細川政権当時に七%の国民福祉税構想というものが出てきて、その中でいわゆる五・五兆円の抜本的な累進構造の緩和というものが出てまいりましたけれども、それと比較いたしまして、三・五兆円の制度減税をどのように評価されているのか、お話をお聞かせ願いたいと思います。
#20
○武村国務大臣 今グラフで石原委員から御説明をいただいたとおりでございます。五・五兆円の制度減税のスケールから比較して、三・五兆円はかなり圧縮したという印象を与えている向きもありますが、中身を精査をいただきますと、一つは、中堅層、働き盛りの方々の所得税の累進税率は、今お話しのようにブラケットが倍くらいに広がった。この表で七百七十二万から一千三百四十九万、約一千三百五十万までがこれからは所得税の税率は二〇%で済む。それで、一千三百四十九万ということになりますと、標準家庭では九割を超す方々が、サラリーマンのもうほとんどが生涯二〇%以下で済むということにもなるわけでありまして、これは大変大きな改革だと思っております。私どもは、そういう意味では働き盛り減税というふうにも称しておるぐらいでございます。
 片方、課税最低限の方は、国民福祉税の場合は二兆円予定されていました。七%だから二兆円という考え方もあったかと私も思いますが、しかし、課税最低限については、学問的にも、日本が一番世界でずば抜けて高いレベルでございまして、もう上げるべきでない、というよりも、むしろ下げるべきだという主張も一部にあるぐらいです。政策判断としましても、なるだけ上げるべきでないなというのはほぼ共通の認識でありますが、消費税の御負担ということと絡ませて今回も議論をいたしましたために、やはり課税最低限、逆進性の面から手をつけざるを得ないということで、一兆円前後の金額をこれに充当をさせていただくことになりました。
 この面で見ると、課税最低限の数字だけを外して見ますと、五・五兆円の場合は三・五兆円が中堅層の累進税率の緩和に予定をされていた。今回はそれが二・五兆円になった。三・五兆円に対して二・五兆円、七〇%ぐらいの比率になるわけでありますが、最高六五%の税率を残しているというふうなことも含めて、私どもの精査した結果は、今石原委員のおっしゃったような、あくまでも中堅層、働き盛りの方に力点を置いて大改革をやらせていただこうということでありました。
#21
○石原(伸)委員 総理並びに大蔵大臣の話から、この三・五兆円というものが、積み上げられた結果このようなものになったということは十分認識をさせていただいた次第でございますけれども、いま一つ、世間の間に一つの批判がございます。それは、三・五兆円に特別減税の二兆円を乗せている、いわゆる、先ほども同僚の町村議員の中でも議論のありました、二階建て減税と言われるものであります。
 三・五兆円につきましては、積み上げていった結果、中堅所得者層の累増感を緩和するという観点から出てきたものであるということはわかったのでございますけれども、この二兆円の意味は、実は景気対策、こういう意味合いを非常に私は強く持っていたのだと思います。これによって低迷している景気を刺激して日本の国力あるいは経済というものを活性化しよう、これが実は二階建て減税の意義ではないかと考えるわけでございますが、ところが、こうした二階建ての減税も、平成九年に消費税の税率が引き上げられますときに廃止をすることになっておりますので、何だ、それでは消費税は上がる、所得税の減税はなくなる、ダブルパンチじゃないか、こういう批判がちまたでよく聞かれるわけでございます。しかし私は、この話は、冷静になって考えますと、ためにする議論に思えてならないわけであります。
 といいますのは、先ほどもお話しいたしましたように平成六年から平成八年の三年間に先行減税を行う、しかも赤字国債を出してまで先行減税を行うということを私は忘れてはいけないのだと思いますし、総理の御答弁の中にありましたように、本当に厳しい財政事情の中で、景気浮揚のために赤字公債を発行してまで行うのがこのいわゆる二階建て部分の二兆円の減税であり、この先行減税を考慮しないで増税のみを強調するのは私はおかしいのではないか。
 さらに付言させていただくならば、特別減税は、景気対策の二兆円というものをそこに位置づけされた臨時的な、一時的な措置であり、恒久減税については、先ほど大臣、総理の御答弁にあるように、この三・五兆円でほぼそれに見合ったものになっておるわけでございますから、これを考えたときにはその二兆円というものは実は全く別の減税なんだ、こういうことを私は皆様に思い出していただきたい。
 そして、さらに話をさせていただくならば、この二兆円の特別減税が終了したとき負担状況がもとに戻るということでありまして、これは、負担の増加イコール増税と世間で言うように称するのは、私は無理があるのではないかと思います。なぜならば、景気対策のために一年間減税を例えば行った、そしてそれがなくなるからその減税をやめていただきたい、こういうことを思われる国民の方は、実は私はいないのではないかと思います。
 こんなようなお話の中で、大蔵大臣が、このダブルパンチであるという批判に対して、どのようにお答えになり、またどのようにお考えになっているのか、最後にお聞かせ願いたいと思います。
#22
○武村国務大臣 おっしゃるとおり、特別減税はまさに景気をにらんで、この二年ないし三年という期間、景気対策の特例として減税政策を断行させていただいた、そのことによるものでありまして、幸い景気がよくなるということを期待しながら、期間が済めば旧に復するといいますか、もとに戻すというのは当然であります。
 今回の税制改革法案の、ある意味では全体を貫く大きな柱の一つがやはり景気対策であります。そこに全体をややわかりにくく複雑にしている嫌いはありますが、やはりこの戦後最大の不況に対して政府としては全力投球をさせていただく。そういう意味では、公定歩合はもう史上最低のレベルで頑張っていただいておりますし、過去の政権、宮澤政権から今日に至るまで四回、かなり大型の総合経済対策、公共投資の上積みを含めた政策を進めてきております。
 そこへ減税という最後の残された景気対策を出動をさせていただいて、一番金のないときでありますけれども、国家としては目をつぶって特例公債を発行しながら、五・五兆円、基本的には三年間という、こういう減税政策を進めさせていただいているわけであります。
 そういうことの結果として、来年、再来年は特例減税が二兆円残るということになりましたが、幸いその期間が済めばもう迷わず、これは特例、その問だけのまさに景気をよくするための臨時の措置でございますから、旧に復するといいますか、平常ベースに戻っていただくということで、これはまあ、ダブルパンチの一つのパンチは、確かにそのときに減税がなくなるという意味ではパンチかもしれませんが、五年も十年も続くということを考えていただくとすると、それがむしろ間違っている。これはもう、二年ないし三年間限りの臨時の措置であるということをサラリーマンの皆さんにもぜひ御認識をいただいて、そのかわり、時が来ればそれは終わる、そして平常ベースの税率に戻るということで御認識をいただきたいと思うのであります。
 むしろこういうつらい財政状況の中で、政府としましては精いっぱい特例減税を出動させながら景気に万全の対策をとらせていただいているということについてはぜひ御理解を賜りたいと存じます。
#23
○石原(伸)委員 これで終わります。
#24
○高鳥委員長 この際、中馬弘毅君から関連質疑の申し出があります。町村君の持ち時間の範囲内でこれを許します。中馬弘毅君。
#25
○中馬委員 残された時間で、特に今回創設されました地方消費税について関連の質問をさせていただきます。
 村山総理は自治労の御出身で、自治体で働く職・従業員を代表してこられたわけでもございます。五十嵐官房長官は北海道の旭川の市長でございましたし、武村大蔵大臣は滋賀県知事、そして野中自治大臣は京都府の副知事を歴任されてこられました。皆さん地方自治体に直接かかわってこられた方でございまして、この陣立てがあったればこそ今回この地方消費税が創設されたのだと評価する次第でございます。
 しかし、このことはまた一般に余り認識されておりませんで、これまでの国税消費税三%がただ五%に二%アップしたんだ、それが二年半後に実施されるんだ、このくらいの認識しか持っておられません。
 しかし、形はそうでありましても、厳密に申しますと、従来の国税三%、国に納める三%の消費税は四%になったのであって、あと一%が今度は地方に直接入る消費税として一%新しく加わった、それを合わせて二%アップになったんだ、こういうことなんでございますけれども、その認識が足りません。
 そして、今言いましたように、この地方消費税というのは、それこそこれまでの国税ではなくて地方に直接入って、地方が直接いろんな住民のことに使えるということでございますから、このことの評価といったことを我々国会議員ももう少し国民に知らしめなければいけませんが、自治省も大蔵省もそのところはもう少しPRしていただきたい、このことを申し上げる次第でございます。
 ところで、総理は、先ほどもお答えになっていましたけれども、地方分権の推進を内閣の一つの柱とされております。来国会には地方分権基本法を出したい、こういう御意欲でございますが、このことにつきまして再度強い御決意のほどを述べていただきたいと同時に、地方分権を進める以上は地方の自主財源がどうしても必要でございます。この自主財源の充実についてもそれなりのちゃんとした御配慮をされるかどうか、そのことの御決意のほどをまずはお伺いしたいと思います。
#26
○村山内閣総理大臣 今委員御指摘のように、今度の税制改革の中で地方消費税を創設するということも提案をいたしております。これは、今お話もございましたように、この地方分権というのはもう今時の流れになっておりますし、同時に昨年の六月には衆参両院でも地方分権の決議がなされた、こういうことに沿うものでありまして、この地方消費税の創設は極めて意義の大きいものがあると私は思います。
 特に、これから高齢化になってまいりまして、福祉の面に多くの責任を担う地方自治体に、それだけの財源を付与して自主的にこの運営ができるような行財政の措置を講じていくということはこれからますます重要になってくるというように思いますが、そういう意味で地方の財源、税体系を真に確立するということは当面の緊急な課題ではないかというように私どもは受けとめております。
 現在、政府の中に行政改革推進本部というものを設けておりますが、その中に地方分権部会というものを設けまして、ここで可能な限り早い時期に大綱の根幹を決めていただく、その根幹に基づいて大綱を作成をして、先ほども申し上げましたように、次の通常国会にできれば地方分権を推進する基本法的なものを提案をして、これはもう議論の段階ではなくて実行の段階だということも十分認識をした上で地方分権を推進をしていきたいというふうに考えております。
 経団連やあるいはまた地方制度調査会等々からも中間報告もいただいておりまするし、まさに国民の声としても地方分権はやらなければならぬという受けとめ方をしながら、これからも強力に推進をしていきたいというふうに思っているところでございます。
#27
○中馬委員 次に、自治大臣にお伺いいたしますが、先ほど申し上げましたように、この地方消費税の創設は画期的なことであるわけでございます。
 しかし、まず第一に、当分の間ということがついてはおりますけれども、徴収を国に委託していること。それから第二に、国の消費税の四分の一という規定があるがために、あたかも消費税に付随したものでこれに連動したもののような誤解を与えております。第三に、資産、所得、消費のバランスのとれた体系を地方税の中でもということでございますが、地方税における消費課税の割合はまだまだ小そうございます。
 こういったことを踏まえて、今後残された問題はまだまだ多いわけでございますけれども、この地方消費税の地方の独立税としての今後の位置づけ、そしてまた本来あるべき姿といったことについて大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
 あわせてもう一つ言っておきますが、これは主として府県におりる形になっております。我々は、大臣とも一緒に作業をいたしましたけれども、昨年の十一月の十二日に「地方分権の推進について」という自民党の基本政策をまとめて発表いたしております。
 その中では、地方自治の基本単位は市町村などの認識をはっきりとうたっておりまして、この地方自治の基本であります自治体が、それぞれの市町村が自主的に責任を持って課税をし、そしてまた運営をする、こういったことが必要ではないか、いわゆる条例課税権をそれぞれの市町村に与えて、住民の責任において、一%よその町よりも高いけれども自分の町は福祉が充実されているんだ、自分のところは三%高いけれども公園も学校もすばらしいんだ、こういったことの方が本来の地方自治のあるべき姿ではないかと思っております。
 今後の課題として将来そういうものにもつながっていくのが今回の地方消費税でございますから、そのことにつきましての自治大臣としての御見解をお示しいただければ結構かと思います。
#28
○野中国務大臣 委員御指摘のとおり、今回地方消費税の創設をお願いすることになったわけでございますが、地方分権の大きな流れの中で、先ほど総理からもお話がございましたように、本地方消費税の導入がお願いできることになりましたことは、地方分権確立への大きな弾みとして私どもも認識を新たにしておるところでございます。
 今日、委員御承知のように、国税に比べまして地方税は非常に直接税に偏っております。そして、いわゆる都道府県は非常に法人課税に偏っておりまして、不安定な要素を持っており、ことしなど深刻な影響を受けるわけでございます。
 そういう点で、一義的には、住民と一番近いところにある委員御指摘の市町村の税財源を拡充する、これが基本でございますけれども、今日的状況を考えますときに、やはり非常に不安定な状況の法人税に偏った都道府県が条例で制定をして、地方の税でございますから、委員がおっしゃるように、地方みずから条例で制定して賦課徴収するのが基本で、私もそれが基本であると思うわけでございますけれども、消費税の性格を考えますときに、今回五%のうちの一%を地方消費税として確立をするということになれば、納税者の立場を考え、より効率的、簡素で納税者に不便をかけないためには、税務署にお願いをして徴収するというのが一番今日的行政改革の課題に沿ったものではなかろうか。基本的には、地方がみずからやるべきことであると思っておるわけでございます。
 さらに、付言させていただきますならば、消費にかけるわけでございますので、それぞれ地域によって非常にアンバランスがあってはならないと思いますので、いわゆるこういう消費に対する税というのは一定の制約があることは避けられないと思うわけでございまして、今回は消費税とセットにしてお考えをいただくことにした次第でございます。
#29
○中馬委員 大蔵大臣にお聞きいたします。
 あなたも熱心な地方分権論者でございますが、今後地方分権を、先ほど言いましたように基本法もつくって実行していく、こうなりますと、地方の財源はかなり大きなものが必要になってまいります。しかし、その地方への財源を、従来のように補助金、学校をつくるにも、公園をつくるにも、老人ホームにも、何かというと中央にお伺いを立てて補助金をもらって、それでしか地方は仕事ができないというのではなくて、そのままぽんと国税を地方税に移すといったようなことも大いに必要になってこようかと思います。
 しかし、大蔵省はなかなかそういう抵抗が、やはり自分たちがちゃんと監督しなければといったようなこともあるのじゃないかと思いますが、ともかく、そのところは思い切って抜本的に国税の地方税への移譲をされるのかどうか、その御決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
#30
○武村国務大臣 熱心に地方分権とそのための保障として財源の御主張をお聞かせをいただきました。そのとおりだと思っております。
 大蔵省が個々の事業に対して渋いということはないのでありまして、各事業官庁の問題でございまして、大蔵省は国の財政全体の責任を預かりますから違った意味で大変渋い存在でありますが。
 しかし、時の流れというも言葉もございますように、戦後半世紀たって、日本の中央地方を通ずるこの行政の仕組みを思い切って変えていこう、中央から地方に事務をシフトしていこうというのが地方分権だと思います。当然、事務が動けば財源もそれに相応して動かなければなりません。地方交付税制度とかあるいは各種の補助金制度についても、改めて事務の移譲の論議と並行して新しいあり方を真剣に求めていかなければいけないというふうに思っております。
#31
○中馬委員 本日御答弁いただいたことをしっかりと踏まえていただきまして、地方分権の推進に御努力あらんことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
#32
○高鳥委員長 これにて町村君、石原君、中馬君の質疑は終了いたしました。
 次に、渡辺嘉藏君。
#33
○渡辺(嘉)委員 渡辺嘉藏です。尊敬する日本社会党の村山委員長に対して、きょうは内閣総理大臣、村山総理という立場で質問できるということについては、感激というか、感慨無量であります。
 そこで、この際、生きた国会審議をやってもらうために、今までも行われておりました、これからもますますそれを強化するためにも、官僚の方々がいろいろ答弁その他で御苦労なさっていらっしゃる、この御苦労は十分わかりますが、これを消化していただいて、政治家本人の生の声で国会審議をやっていただけるならば、国民はこれを注目して、そして国民は、ああ政治家が生で、本音で国会審議をやっててくれる、こういうことで、私は、非常に大きな前進になるのではないか、こう思いますので、これをまず冒頭にお願いをしておくわけです。
 まず第一の質問は、大蔵大臣にお願いしたいと思うのですが、まず、今回の税制改正、改革について、景気の回復と国民の期待にこたえた減税。
 そこで、この減税についてですが、本年行われました、夏に半分行ったわけですね、平成六年の減税は、前内閣が決めました減税でことしは行う。来年は、村山総理のもとで、村山内閣で大蔵大臣が中心になってお決めになった減税。これをひとつ具体的に、平成六年と平成七年とを数字で、四百万の標準世帯の方あるいはまた六百万の標準世帯の方、一千万の標準世帯の方はどうなったんだ、これをまずお示しいただきたい。
#34
○小川(是)政府委員 給与収入四百万円の方の場合、本年度の、平成六年度の二〇%の定率減税によりまして、それがなかったときの九万二千二百五十円の税額が、七万三千八百円という形で減額されております。御提案しております今回の制度が成立をいたしましたときには、平成七年度の税額は、この方につきまして五万五千六百七十円というふうに計算がされます。
 同様に、六百万円の方につきましては、現行平成五年度までの税法によりますと三十五万四千円、それが二割の減税によりまして、六年度は二十八万三千二百円、そして今回の減税後でこれが二十五万五千円という形になります。
 給与収入一千万円の方につきましては、現行法で百三十二万九千七百円の負担をしていただいておりますが、ことしの特別減税によりまして、これが百六万三千八百円の負担になっております。今回の減税後におきましては平成七年度に百十二万二千円、このようになる計算でございます。
#35
○渡辺(嘉)委員 そうすると、今度の減税は、上にはむしろ厳しいが、薄いが、低所得者には厚いということが今わかりました。
 私は、税制を見ると、そこの国の民度あるいはまた状態、あるいはまたその軸足の置き方によってその政権のあり方、こういうことも一目でわかると言われております。
 戦後の日本は、インフレと、戦争中のツケによって、戦費のツケによって大変な赤字体質にあった。そのときに、ドッジ・ラインが昭和二十三年にGHQで指令された。税収の範囲内で予算は編成しろ、それの税収をシャウプ勧告でこのように徴収しろ、こういうような経過をたどって今次の税制があるわけですが、それに戦後の経済復興、それがための資本蓄積と資本優遇、これが加味されて今日に来ておると思う。
 幾多の改正は行われましたけれども、しかし、いまだにまだ企業に対する優遇税制、特に大企業にそれは顕著に出るのですが、それから高額所得者あるいはまた不労所得と言われる利子配当課税、これらにはまだまだそれの片りんは残っておる。あるいはまた引当金、準備金制度、これらを見ますると、これらによって課税ベースが狭まっておる。二つ目には、不公平税制という指摘もある。こういう立場に立って、先ほども申し上げましたように、税制を見ることによってその政権の姿勢もわかってくる、こういうことは常に言われておるわけです。
 直間比率の問題でも、アメリカ型は九対一、EC型は五対五、国税において計算して。それから日本型が大体七対三。私は、直接税が垂直的な公平、応能負担、この考え方によってシャウプ勧告の一つの柱になっておることが、この直接税によって総合累進課税で柱を組み立てておる、これは御案内のとおりです。
 私は、この直接税のメリット、というよりも長所ですね、各種の控除を設けることによって、各人の家庭の実情や納税者の負担能力等々にきめの細かい配慮が可能である、こういうプラス面を持っておる。そして、法人企業や自然人に対する税率の区分もできる。
 ところが、間接税ということになりますと、これは機械的な平等であって、法人であろうと個人であろうとすべて三%とか五%とか、こういうことになるわけですね。ですから、個々の事情には一切考慮しない。だから、言うならば人間性無視、所得に対しては逆進的な一律税率である、こういうことが間接税においては言えるわけです。
 この意味において、私は今の日本の直間比率は妥当な比率だ、いい状態なんだ、こう思っておるわけですが、総理は「人にやさしい政治」を常にうたっていらっしゃるわけですが、この減税にもあらわれたように、やはり国民の大多数に恩恵を与えるような意味合いから見て、そして所得の再配分機能を考えても、どういうような税制が好ましいと思われるのか、所見をまず承っておきたい。
#36
○村山内閣総理大臣 渡辺委員冒頭に言われましたように、今まで同僚の委員で一緒に活動してまいりましたけれども、渡辺委員から質問をされて私がこういう立場でお答えするというのは全く感無量の感がいたします。
 今委員が御指摘になりましたように、税のあり方として、これは課税客体としては所得、消費それから資産といったものにかける、できるだけバランスのとれた形でやるということが今前提になっておるわけでありますけれども、税というのは、もう申し上げるまでもありませんけれども、やっぱり経済力の強い人にはそれに見合った税金を負担していただく、経済力の弱い方にはそれなりの負担もしていただくということが公平になる。同じ経済力の者については同じ課税をしていくというのがやっぱり公平の原則だと思いますね。
 したがって、今の所得税を考えた場合に、六十二年に税制改革をやって、比較的所得の低い方々に対する減税をやった。そのために、税体系全体としては、やはり累進のあり方が中堅サラリーマン層に一番大きな負担がかかってきている。ここを今度は是正する必要があるというので、そのならしをする。
 これは言うならば、サラリーマンの場合にはベースアップがありますけれども、ベースアップがあって所得が上がる、上がると税率が上がるために可処分所得が逆に減るというようなことさえあり得るわけですから、したがって、そういう点は是正する必要があるというので、できるだけ累進構造のあり方も滑らかにする。こういう意味で、今回は中堅サラリーマン層に対して若干の減税措置を講じたということについては、私は当然のことではなかったかというふうに思っておるわけです。
 しかし同時に、その所得税だけにこれから多くかかっていく国民的な負担を依存していくということについては、やはり若干の公平を欠くのではないか。したがって、そういう面については、多くの国民が可能な限り平等に負担をし合うということもまたあっていいのではないか。
 そういう意味から申し上げますと、この消費やら資産に対してやはりそれなりの課税をしていくということは当然な姿なので、私は、今回の場合には、そうした高齢社会を迎えるという前提に立って、その高齢化の福祉の負担というものを公平に国民全体で賄っていこうという立場から与党の中でも議論がされて消費税の見直しか行われたというふうに考えておるわけでございますが、私は、それはやはり国民の皆さんから、よくお話をすれば当然納得と理解をしてもらえるものだというふうに考えて、御提案を申し上げておるところでございます。
 さらにその上で、これから、今回の税制改革が、これはすべて完了したというのではなくて、これはやはりあるべき税制の姿を追求していく一弾として提案をされておるという立場から見直し条項も入っておりまするし、同時に、税全体のあり方として、例えば総合課税にして背番号制を設けたらどうかとか、あるいは租税特別措置法の見直しをしたらどうかとか、こういういろいろな意見もあるわけでありますから、そういう意見も十分しんしゃくをした上で、可能な限り公平さを追求していくということは当然で、あるべき姿だというふうに思っておりますから、これからも不断の努力を続けていきたいというふうに思っております。
#37
○渡辺(嘉)委員 今回、今おっしゃったように、それらの財源として消費税の税率の引き上げを平成九年の四月一日を予定していらっしゃる。その半年前に今度は見直し条項が生きてくるわけですね。
 今、野党の一部から、公約違反とかいろいろなことを言われておりますが、私は、まだまだこれはこれからの問題なんだ、これから二年間に、三党合意したあの行財政改革を断行する、不公平税制を是正する、そして透明な歳出をやっていくんだ、こういう条件が前提にあるわけですから、これから二年間にこれを実らせなきゃならないわけですね、そのことによって公約に忠実であったかどうかが判断されると思うのです。
 それがために二つ問題があると思うのですね。この今申し上げたようなものを、前提条件をきちっと国民の立場に立って、そして実現していただくことが一つ。それと同時に、それまで村山内閣が継続して、そのときに村山総理が胸を張ってこうしました、こう言えることが大事だと思うのだな。そのような意味合いで、これについての決意を承っておきたい。そしてこれは何とか引き下げができる可能性も追求してもらいたい。
#38
○村山内閣総理大臣 見直し条項に対して、私は本会議でも答弁をいたしましたけれども、予断を持っておるものではありません。これから行革なり不公平税制の是正なり、思い切って追求をしながら、結果的に今の五%でとまるのか、あるいは引き上げせざるを得ないのか、あるいはまた引き下げが可能なのか等々も含めて十分検討せなきゃならぬというふうに思っております。
 ただ、今公約のお話もございましたけれども、社会党の場合には、これからの税のあり方として、先ほど来申し上げておりますように、所得と消費と資産というものにバランスのとれた課税を考えていく、同時に、間接税の場合にはどうしても逆進性が強いから、可能な限り逆進性の緩和のためにも努力をしてまいりますということを公約として掲げてきた立場がありますね。したがって、俗に言われまする飲食料を非課税にしたらどうかとか、あるいは軽減税率を設けたらどうかとか、こういう意見があって、今回の税制改革の中でも、与党三党の中ではそうした点についても十分な議論が私はされていたと思うんですよ。
 しかし、技術的にも、あるいは運営の上からも難しさがあるというふうなことからも、今回は見送ることにしたわけでありますけれども、これからも私は、見直しの段階の中で、今御指摘のありましたような問題についても十分議論をしていただかなければならぬし、また、されるものだというふうに踏まえております。
 ただ、私は、逆進性の緩和というのは、税制の上でできるだけの軽減を図っていくという措置ももちろん検討しなければなりませんけれども、しかし、そうした弱い層の方々に対して、社会保障政策を通じでどのように歳出面で還元をしていくかということもあわせて考えていくことが大事ではないかというふうに思いますから、そういう両面から、社会的に弱い方々に対する配慮はこれからも十分やっていかなきゃならぬものだというふうに受けとめて、努力をしていきたいというふうに思っております。
#39
○渡辺(嘉)委員 ぜひ飲食料品の非課税、または、かつて政府が出しました飲食料品には一・五%の軽減税率、こういうものをぜひ検討の上、実現できるように、私どもも政府に協力して努力したいと思っておりますので、ぜひひとつお願いして、そのことによって、なるほど村山内閣はいい税制改革をやったという後世の評価が受けられるように、ぜひ期待をいたします。
 次に、不公平税制の見直しについてですが、かつてグリーンカード制度が実施直前に廃止になった。延期して廃止。あの歴史から考えまして、私は、あのときにグリーンカード制度が実現していたならば、納税者番号制は、今ここでばたばたしなくたって、あのときにもう実現しておった。それで、あれが軌道に乗って、利子課税その他の総合累進課税はあのときに実現したと思っておるんです。
 私はこれを計算してみまするに、この利子等の支払いについての総合課税をやりますと、そうすると、私の計算によると六千八百十四億、それから民間の非営利法人団体に対する非課税を源泉課税にしただけでも千五百八十一億、そして資本金十億以上の会社の受取配当を益金に算入しないという制度を改めることによって千四百六十一億、約九千八百億、一兆円近い増収が可能なんです。
 これは、今、グリーンカード制度もない、納税者番号制度もない。しかし、金融機関には利子その他の支払いの調書を税務署に出させておるわけですね。だから、税務署はそれを名寄せやっておるわけなんですよ。これだけででもできるはずなんです。
 ですから、与党の税制大綱では、納税者番号制を二十一世紀に考える、こういうようなことが出ておるのですが、私は、そんななまぬるいことではいけない、見直し条項の実現までの間にこれらを、今の支払い調書を有効に使うこと、それから納税者番号制度を早急に実施できる体制を大蔵省にとってもらう。これは可能なんです、と私は思う。大蔵大臣、どうですか。
#40
○武村国務大臣 納税番号制度につきましては、かねてから議論のあるところでございますし、大蔵省としても関心を持たしていただいている大きなテーマの一つでございます。
 渡辺委員のお話は、この二年間に、見直しの期間の中でそこまで運んではどうかという大変積極的な御提案でございました。
 三党の議論としましては、二十一世紀初頭までにという、こういう目標でございまして、これでも、昨年の秋の税制調査会の答申はまだそういう目標まで設定しないレベルでございましたから、かなり目標を定めたという点では前進でございますし、なぜ二十一世紀初頭なのかというと、御承知のように、年金制度の番号とか住民基本台帳をめぐる番号制度の問題が議論が始まっておりますが、これがほぼ実施に向かって進み出すだろう、それと並行してという考え方が頭にあるからでございます。その点も、ぜひ御理解をいただきたいと思うのであります。
#41
○渡辺(嘉)委員 私は、今の金融機関の支払い調書のあれを活用することでも総合課税は可能だ、こういうふうに思っております。これはひとつぜひ考えていただきたい。そして、見直し条項に間に合うようにこれを生かしていただきたい。
 それから、あわせて、退職給与引当金その他いろんな制度があるわけですね。これは法人税法に規定しておるわけですね。退職給与引当金は、何もこれは現金を積むんじゃないんですね。ただ帳簿上計上するだけなんですね。ですから、これが大企業の場合でもその企業にとっては資金運用で回っておるんです。あるいはまた、その他のいろんな引当金もあるわけですが、この際、私は、租税特別措置法の見直しだけでなくて、こういう幾多の引当金も、かつての資本蓄積の延長線上で流れてきておるわけですから、今退職給与引当金だけでも十二兆九千二百十五億円あるわけです。十三兆円もあるわけです。大変な金額があるわけです。こういうものも私はこの際、整理統合、見直し、これを行うべきではないか。
 それから、公益法人、共済団体等に対する収益事業に対しては、一般法人が三七・五%、これが二七%の軽減税率を受けて恩恵を受けておるわけですが、ちまたでよく言われる、これに対しては医療法人がどうだとかい学校法人がどうだとか、宗教法人がどうだとか、いろいろ言われておる。
 私は、東洋経済がこの五月二十八日に出しました「申告所得ランキング」、この中でそれら医療法人あるいはまた学校法人、宗教法人等を見てみますると、医療法人で、この書類で私が見た限りにおいては、最高が十三億八千九百万円の所得を上げておる。学校法人の場合には最高で五億四千二百万円の所得を上げておる。宗教法人に至っては、Sという学会は何と百三十七億二千八百万円と計上してある、所得が計上されておるわけですね。二位がM神社で、これは十二億九千万円ですから、格段の差があるわけですね。以下、一億以上の利益のところでも、三十四しか宗教法人では一億以上の利益があるところはないんです。だから、明らかに大部分は大変な低い層にこの宗教法人の収益事業はしておるわけですね。
 私は、こうなると、この百三十七億二千八百万円という巨大な利益は、これは宗教法人に対しては寄附金が二七%、所得の二七%まで今容認されておりますから、今までは三〇%、今度は減らして二七%ですから、そうすると、それを今度所得に置き直して一〇〇%活用しておったとすると百八十七億三千万円の利益があったことに推計できるわけです。
 私は、こういう大きな利益を上げる、そういう団体に対しては、やはり一般の法人税並みに、宗教活動による収益はこれは無税なんですから、ただし収益事業は、墓苑をつくって売る、石碑を売る、その他いろんな、結婚式その他をやって利益を上げる、収益事業でもやはり営利なんです。営利なんです。だから百三十何億も利益が出るんです、申告所得が出るんです。
 この際、私は、こういうところについては、低い宗教法人のところとは差別をつけて何らかの捕捉をしていく、こういう不公平な税制は一歩一歩改善していく必要があるんじゃないか、こう思うんですが、これらの改善によって税源が出てくる、その税源によって、見直し条項のときにはこれが活用されてくることによって税率の引き下げも不可能ではない、私はこう思っておるんですが、どうですか、大蔵大臣。
#42
○小川(是)政府委員 ただいまの公益法人等に対する軽減税率につきましては、これまでも税制調査会におきまして、基本税率、御指摘の税率との格差を縮小する方向で見直すことが適当であるという答申をいただいておるところでございます。
 ただいまの二七%という軽減税率は、これは政策的に軽減しているものでございますが、協同組合等に対して同じように政策的に適用されている軽減税率等々を含めた法人税率のあり方そのものの問題でございます。今後とも、法人税制の検討の一環として御指摘のとおり検討すべき事柄であると考えております。
#43
○渡辺(嘉)委員 ひとつぜひこれは積極的に、そして掘り下げてやっていただきたい。これらの諸問題につきましては、別の機会に大蔵委員会その他でまた深く掘り下げて私は質問させていただくことにして、きょうはこの程度で終わりますが、最後に総理にお聞きしたいことは、行財政改革の第一に取り上げるべきものは、冷戦構造は終えんしたわけです、その今日、今まで拡大の一途をたどってきた防衛費、これの縮減はまず第一に考えるべきことではなかろうか。軍縮を通じて憲法の理念である非武装により近づくというのが私どもの考え方であるわけです。
 民間でも公共団体でも官庁でもそうですが、今リストラで合理化をどんどん進めておる。労使一体になって今やっておる。昔なら合理化と言えば労働組合はすぐ反対、こうやったものだ。今一体となって労使は合理化に取り組んでいる、人も減らして。ところが、自衛隊につきましてはその縮減がまだなされていない。私は、この際、防衛費の縮減をぜひやってもらいたい。
 と同時に、これは正面装備だけでなくて、人員が現在、二十六万数千人の定数に対して実数は二十三万八千人と聞いておるわけですが、私は、これでも大変な自衛隊の量である。私も軍隊経験を持っておるだけに、こういう軍隊の縮減は不可能でない。私は実態を知っておるだけに、このような考え方から、一年に少なくとも五千人ずつぐらい減らしていく。そうすると、十年たてば五万人減らせる。そうすると、十八万人から十九万人の自衛隊ができるのです、十年先に。そういうことが憲法の非武装の理念なんです。
 この意味で、この際、総理はこれらの軍縮等を研究する諮問機関のようなものをおつくりになって、ひとつ積極的な取り組みをしていただけないか、ぜひしていただきたい。これについての御所見を承りたい、こう思います。
#44
○村山内閣総理大臣 今委員御指摘になりましたように、冷戦構造が崩壊をして、もう今や地球規模における大きな戦争というものはだれも想定できない。もうないのではないか。ただ、地域的な紛争は今あちこちで起こっているわけでありますから、−そういうものはこれからも絶えず続いていくのではないかということが想定されますね。しかし、全体として軍縮を前提にした平和と協調が追求される時代になってきておるということは、私は否定し得ないと思うのです。
 そういう世界の潮流に合わせて日本の安全保障、防衛力をどうするかということについて、今、大綱の見直しもこれからされなきゃならぬという段階にございますし、先般も前の内閣から諮問されておりました防衛問題懇談会からも報告をいただいております。こういうもろもろのものを参考にしながら、国民的な世論というものを踏まえ、同時に日本の近隣諸国のあり方、状況、理解度といったようなものも十分勘案をする中から、日本の経済力なりあるいは人的な資源の問題なり等々も勘案をしながら、やはり必要な最低のものは維持する、こういう前提に立って私は考えていくことが大事ではないかというふうに思っておりますけれども、今委員指摘のようなものが必要であるかどうかということについても、今申し上げましたような視点に立って、これからも慎重に検討させていただきたいというふうに思います。
#45
○渡辺(嘉)委員 終わります。
#46
○高鳥委員長 この際、伊東秀子君から関連質疑の申し出があります。渡辺君の持ち時間の範囲内でこれを許します。伊東秀子君。
#47
○伊東委員 持ち時間の範囲内で質問させていただきます。
 今回の税制改革、消費税率五%値上げという大変苦しい選択ではあるのですが、中堅所得者層の増税感を緩和したという点が、同時に一方では税の公平という面から見てやはり後退しているのじゃないか、さらには年収七、八百万円以下の方々がトータルでは増税になってしまうという矛盾を含んでいるのじゃないかというような御批判も受けているわけでございます。
 そういう観点から見ましても、どうしても現在まだ残っているこの不公平税制に対する政府の取り組みというのがより一層望まれるわけでございますけれども、前回の委員会で自治大臣が、租税特別措置に関して、個人的な御意見というお断りつきではございましたが、大変前向きな御答弁をいただきました。きょう武村大蔵大臣の方も御答弁いただいているのですが、やはり二兆円という大きな財源、これを、いろいろな政策目的、そのときそのときの政策目的で特別措置を講じてきたとは思うのですけれども、やはりゼロベースからこの政策目的ももう一回洗い直した上で、きちんとどうするかを問い直す時期が来ているんじゃないかと思うのです。
 そういう意味では、やはり低所得者層には非常に酷ではないかという、そういった問題点にお答えするためにも、この租税特別措置の削減整理、これをもうゼロベースから行うぐらいの意気込みがあるかどうか、具体的な方策等についても御答弁いただけたらと思います。
#48
○武村国務大臣 伊東委員のおっしゃるとおりだと思って伺っております。
 消費税の御負担をお願いをするわけでございますから、日本の税制全体にそれに優先して手直しをすべき問題がないのかどうか、あれば、そのことに先に手をつけて、その上で御負担をお願いする姿勢が大事だということでもあろうかと思って伺いました。
 その中に、租税特別措置の全面的な見直しというテーマをおっしゃっていただいておるわけでありまして、私も率直にこのお言葉を受けとめております。やはり公平、税の公平なら公平という一つの原則に従って税制が存在するわけですが、その原則の例外措置が租特であります。例外措置がたくさんふえてきているということでもあるわけですが、もう一度ゼロベースで、全部御破算にしてでも見直しの議論をしてはどうかという御提案であります。
 先ほど町村委員の御質問に対して、一応大きな項目別に申し上げました。住宅にかかわる政策減税が五千数百億ございます、老人マル優が二千七百億ございます、企業関係、法人税関係も四千何百億ございます、こういうふうに申し上げたのはそのとおりでございますが、これは一つ例外をつくり出すとあれもこれもということになって全体の見直しかできないということも考えますと、議論としては全体で御議論をいただくことは大変に結構なことだというふうに思っております。
 ただ、例外措置が何となくよくないという認識でとらえていきますと、これは住宅減税が既に非常に好評で、この政策減税があるためにと言ってもいいぐらいに、今の景気を支えるような大きな役割を果たしておりまして、住宅をつくりたいサラリーマンの皆さんにとっては大変朗報になっていることも御理解をいただきながら、最終的な御判断を賜りたいと思うわけであります。
#49
○伊東委員 やはり村山内閣が何に重点を置くかということをはっきりさせるためにも、もう一回ゼロベースから洗い直して、そしてその政策目的をはっきりさせるという意味から、私はぜひゼロベースから取り組んでいただきたいというふうに考えております。
 二つ目は、先ほど渡辺委員からも御指摘ございました公益法人、宗教法人への課税の強化の問題でございますが、先ほどの御答弁では、法人税率のあり方全体の中で考えて検討していきたいということでございました。
 私は、日本の法人税というのはやはり諸外国と比べて非常に高いという部分もある、そこから産業の空洞化という問題も起きてくる。とすれば、もうやはり収益を上げる者に対しては一切の特例を置かないで、収益事業、たとえ公益法人であっても宗教法人であっても、収益に対しては同じ比率で税を課していく、そして日本の法人税率が高いということに対しての手当ても考えていくという方向でなければ、もうどうにもならないんじゃないか。そういう意味では、一般に言われている宗教法人が莫大な不動産を抱えている、所有しているじゃないかということの国民が持つ不公平感、こういうことにももうきっちり手当てをしていただきたいと思っているわけでございますが、その点についての御所見はいかがでございましょうか。
#50
○武村国務大臣 御指摘の宗教法人を含む公益法人等に対する課税の適正化の問題でございますが、昨年十一月の政府の税制調査会の中間答申におきましても、軽減税率、収益事業の範囲、金融資産収益に対する課税のあり方、寄附金の損金算入限度額の特例といった点について、その活動実態等を踏まえて検討していく必要があるという趣旨の御指摘をいただいているわけであります。
 いずれにしましても、公益法人等に対する課税のあり方については、今後とも検討をしていかなければいけないというふうに思っております。
 法人税の議論としましても、御指摘のように、課税ベースをむしろ広げて、そして税率を下げるべきだという主張が、特に国際化の中でも強く出てきているわけでございまして、こういう公益法人の特例措置も、議論としては当然そういう中で、幅広い議論の中で検討がされてしかるべきだというふうに思います。
#51
○伊東委員 それから、消費税の中の益税部分にまだやはり国民的な不信が残っているのは免税点じゃないかと思うのですね。
 諸外国と比べましても、例えばイギリスでは七百十六万円、ドイツが六百三十万円、フランスが百八十万円、ECの第六次指令でも六十一万円というような形で、三千万というのは、やはり日本のは国際的に見ても免税点としては高いのではないか。さらにいろいろな事務負担、パパママ企業と言えば言えるのでしょうか、零細なところへの事務負担ということももちろん考えるにしましても、ただ、この免税事業者の数からいいまして、二千万までが全体で五三%であり、この二千万から三千万というのは事業者数にして五十六万、構成比で九・二%というような状況でございますので、やはりこの部分については、この益税部分もなくしていくという努力をより一歩進めてもらいたい。これを三千万に据え置いたということは、やはり若干、非常に消費税の手直しかなまぬるいという気持ちを国民全体で抱いている部分があるので、その辺はいかがでございましょうか。
#52
○武村国務大臣 およそ税の中で課税がきちっと行われているかどうか、課税に従って税がきちっと納められているかどうかということは、一番大事な点でございます。そういう中で、この消費税をめぐって、いわゆる益税と言われる、免税をめぐる、制度の中からそういう問題提起が出されていることも、決して無視をしてはいけない。今度の改革の中でもこの点は大変議論を真剣にいただきました。
 そして、三千万円以下の免税点の問題だけがこの益税の問題ではありません。御承知のように、限界控除制度もこれにかかわる問題ですし、簡易課税制度というのも一定の仕入れ税率で決めておりますから、これも厳格な意味では問題があるという意見もございました。インボイス方式の導入の是非論もここに絡まっている問題でございまして、今回中小事業者に対する何点かの改革をこの法案に盛らせていただきましたが、そういう簡易課税、限界控除、それからインボイス、日本型インボイスの導入といったような問題も、一歩も二歩もこういう免税、益税問題の解決に向かって前進を遂げる改革だというふうに思っております。
 しかし、これでもう終わり、十分ですと、私どもも申し上げるつもりはありません。今御指摘の点も含めて、今後とも、消費税にかかわる課税の適正化には、政府としてもさらに努力を重ねていかなければいけないというふうに思っております。
#53
○伊東委員 どうもありがとうございました。終わります。
#54
○高鳥委員長 これにて渡辺君、伊東君の質疑は終了いたしました。
 次に、五十嵐ふみひこ君。
#55
○五十嵐(ふ)委員 新党さきがけの五十嵐ふみひこでございます。私は、政府案に賛成の立場から質問をさせていただきます。
 私は、昨年も旧連立与党の税制プロジェクトチームの立場から年度改正にタッチをさせていただきました。昨年の改正時の税制改正大綱に、これからの税制というのは、一回ごとの改正に一喜一憂する、一回ごとの改正について損だとか得だとかいう議論はやめにして、トータルな姿として、税の構造がどうなのか、バランスがどうなのか、また水準がどうなのかということを議論をしていかなければいけないということを税制大網で盛り込まさせていただきました。
 その立場から、今回の税制改正の論点について一つ一つ見ていきたいのですが、大分論議が集約されつつあるのではないかと思われます。野党の皆さんの御意見、新聞紙上等でも拝見をいたしますけれども、一つは、中堅所得層に優遇が偏っているのではないか。二つ目は、先ほど出ましたけれども、ダブルパンチ論ですね、消費税が上がるときに二重の増税になるのではないかという御意見がございます。三つ目に、直間比率の是正が不十分ではないかという議論がございました。
 これについて、先ほど申し上げた立場から少し考えさせていただきますと、まず、金持ち優遇というのは、これは、それこそまさに一回ごとの改正にとらわれている議論だということを、前回の本委員会での質問でも取り上げさせていただきました。
 すなわち、前回の抜本改正、このときからの減税率を見ますと、年収四百万の標準世帯で七〇%、正確に言いますと六九・六%の減税になっている。そして二千五百万の年収の世帯で二五・八%の減税になっている。これがなだらかに並んでいるわけですから、これは決して金持ち優遇でも何でもない、二回の手当てを、直しできちんとした姿になったんだ、これは今後もあり得ること。ある階層だけがちょっとゆがんでいるということになれば、そこだけを直すという減税ないし増税もあり得ることでありますから、一回ごとの損得で計算をするというのは、もう実はやめにしていただきたいな、こう考えている次第でございます。
 それから、二重増税論、これについても私は、先ほども石原委員がおっしゃいましたけれども、全く同じことを申し上げたいと思うのですが、例えば、逆にサラリーマンが、自分の給料が何かのことで減額をされた、二〇%カットされた、これが三カ月たってもとへ戻ったときに、私の給料は二〇%も上がったんだと言って自慢をしたり、あるいはこれを大喜びしたりすることがあるかということと同じことでございまして、これはまさに一時的な景気対策のための減税、これをもとに復するということでありますから、これによってダブルパンチ論を言うのは、私は少し木を見て森を見ない議論がなということを言わさせていただきたいと思います。
 さらにまた、直間比率についても、私は直間比率論というのはちょっと行き過ぎた議論があるのではないか、そして国民の間にこれは誤解を生んでいるのではないか。直間比率というのは、我が国が高いというのは、所得課税が高いわけではない。そしてこれは何が原因がというと、これは法人事業税が乗っている分だけ日本においては直接税が高いんだ。ですから、これは法人課税全体の問題としてとらえるべきでありまして、これを所得税が高いという理由に結びつけて、直間比率の是正が今回のあれでは不十分だ、税制改正では不十分だという議論は、実はちょっと問題がずれている、論点がずれていると思わざるを得ないわけであります。
 今申し上げましたように、一回ごとの議論で論じるということがいかに問題があるか、あるいは全体の水準とバランスというものに目を向けなければいけないかということをまとめて話をさせていただきましたけれども、この点についての総理及び大蔵大臣の御所見をちょうだいをいたしたいと思います。
    〔委員長退席、中馬委員長代理着席〕
#56
○村山内閣総理大臣 御指摘の点は、御意見として私はやはり理解できる点もありますし、十分心してやらなければならぬというふうに思っておる点もたくさんあったかと思います。
 法人課税のウエートが高いというのは、これはもう言われるとおり、諸外国に比べて事実だと私は否定をしません。そのことにつきましては、それなりのやはり背景がございまして、例えば諸外国に比べて法人の数が大変多いとか、それから経済社会全体における法人の持つ影響力というものが大変強いといったような背景もいろいろあろうかと思うのです。
 しかし、全体の税のバランスから考えて、法人税が高いということについては、これは否定し得ない事実でありますから、これは答申等にもございますように、可能な限り、課税ベースを拡大する中から負担税率を軽減していくということは、これからも検討しなければならぬ課題であるというふうに私は思っております。
 それから、直間比率の問題については、比率がどの程度なら一番妥当なのかという、私は、根拠はないと思いますね。したがって、その国の経済やら社会やら歴史的な事情の違いというものがやはりそれぞれあるわけでありまして、幾らならいいという、そういう基準は私は存在していないというふうに思いますけれども、しかし、今の社会全体から考えた場合に、これから高齢社会になっていく状況の中で、垂直的な所得課税だけに負担をかけていくということについては、若干のやはり問題点があるのではないか。
 したがって、可能な限り公平に、国民全体が負担し合うという意味で、水平的な負担の方に若干のウエートをかけていくということも、私は、ある意味では国民的なコンセンサスが得られたやむを得ない措置ではないかというふうに思っておりますが、その限りにおいては、できるだけ弱い立場にある方々に対する配慮、これは歳入面でも歳出面でも行いながら、社会的公正と課税の公平が期せられるように努力していくということは当然のことであるというふうに思っております。
    〔中馬委員長代理退席、委員長着席〕
#57
○武村国務大臣 今回の税制改革をめぐる大変大事な三点を、整理しながら御指摘をいただきました。
 金持ち優遇という言葉は余り聞いておりませんが、それにしましても、中堅層優遇であることは事実です。しかし、これは五十嵐委員御指摘のとおり、前回、六年前の改革がいわば低所得者層に重点を置いた累進税率の緩和であったことを思い起こしていただきますと、今回は中堅所得者層に重点を置かせていただいた。
 全体としてバランスがとれておりますし、年収ベースでいきますと、御指摘のように、両方足しますと、四百万の方は七〇%ぐらい減税になっている。だんだんこれが、収入がふえるに従って七〇が六〇、五〇、四〇。二五%という例をおっしゃいましたが、だんだん金持ちほど減税率、二回の抜本改革による減税の率はだんだん縮まっていく、小さくなるというのが事実でございまして、全体としてはこれはバランスがとれていると私は思っております。
 ダブルパンチ論は、先ほど石原委員の御質問にお答えいたしましたが、それじゃ特別減税はない方がいいのかという声は出てこないはずでございます。景気対策として、臨時の過渡的な政策として断行させていただいているわけでございますから、一定期間過ぎればこれはもとへ戻させていただくのは当然でございますから、こっちのダブルの一つはパンチというふうには言うべきではないし、むしろそういう朗報、朗報といいますかラッキーな状況が二年ないし三年で終わるということで御理解をいただきたいと思います。
 最後の直間比率は、今回の改革で直接税七七%が七二%に五%下がりました。そして間接税は二三%が二八%、逆に五%上がる。五%プラスマイナスで、直間比率の見直しにこの改革が貢献させていただけるというふうに評価をいたしております。
#58
○五十嵐(ふ)委員 総理がお答えになったとおり、直間比率というのはあくまでも結果として生じるものであって、ここをどこを水準に定めていけばいいという性質のものではないと私も考えます。
 それからまた、前回の改正とあわせて今回行われた結果の姿としての税率の水準は、年収四百万の世帯で地方税も合わせて一・六%、それから六百万世帯で五%の負担水準であります。二千五百万世帯でも三〇・一%の負担水準でありますから、これは諸外国と比べても決して高いものではない、非常にでき上がりの姿としてバランスもとれ、かつ私は、社会の活力を失わせない姿だということを申し添えさせていただきたいと思います。
 次に、国民が何を我々に求めているかということを考えさせていただきますと、やはりこれは行政改革をきちんとやった上で国民の負担増を考えてくださいよということなんだろうと思います。我が国の実は行政改革、かなり官僚の皆さん方の努力で今までやられてきたことは認めざるを得ません。しかし、まだまだ不十分だというのが私の考えでございます。
 特に財政の面で、シーリング方式による財政の健全化といいますか、努力が行われてまいりました。これは余裕があるときは確かにいい方式だったわけですね。各省庁横並びにして、最近七年間ではたしか一〇%ずつの経常経費の削減というのが行われてまいりました。ところが、これがもう七年も続いてまいりますと、事業をたくさん持っている事業官庁はそれに付随して事務費がついできますからまだ余裕がありますけれども、事業を余り持たない官庁にとっては、これはもう底が見えてきた。
 すなわち、地下の中にアリの穴、モグラの穴、クマの穴というのがあったとして、その穴を同じ比率で埋めていく。ところがアリさんの穴というのは、これはもうすぐ底の、一番下の寝室まで着いてしまうわけでありまして、こういう余裕のないところと大きいところを一律にパーセンテージで論じていくというカットの仕方では限界がもはや来て、来年度の予算もなかなか組めない状態ではないかと思うわけであります。全くその発想を変える、すなわち、省庁の壁というものを取り外していかないとなかなか行財政効果が出てこないという段階に達したと思うのです。
 これから行財政改革を行っていかなければいけない、そういう立場から、どのような観点でこれを考えていくか、大蔵省の事務当局からお伺いをしたいと思います。
#59
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。
 各年度の予算編成におきまして、これまでもいわゆる制度、施策の見直しや歳出の削減合理化を図る一方で、社会経済情勢の推移に即応しました財源の重点的な、効率的な配分を行ってきたわけでございます。
 その場合に、やはりまず予算編成段階で、限られた資金の中で重点的、効率的な配分に努める場合には、要求官庁の要求段階でいろいろな見直しを行っていただきたい、そういう意味でシーリング方式を設けているわけでございます。
 財政制度審議会におきましても、いわば予算編成の削減のための一つのてことしてその役割が大きいという御指摘も受けておりまして、今後とも財源の重点的な配分に努めてまいりたいと考えておるわけでございます。
#60
○五十嵐(ふ)委員 シーリング方式ではもう限界が近づいているということでございまして、これを打ち破るには、この省庁の壁を、いわゆる縦割り行政の弊害というものを打破をしていかなければいけないわけでございます。
 それには、私は官邸機能の強化といいますか、総理の相当の覚悟が必要だと思います。今の日本の行政は、事務次官会議から上がってこないと閣議になかなかかからないという仕組みにもなっております。総理が、場合によっては人事権を行使してでも、行政改革について言うことを聞いていただかない役所には、人事権も振るっていただく。特殊法人の整理合理化については、人事権を振るうこともやぶさかではないという姿勢を持っていただかないと、この省庁の壁というのはなかなか破れない。そうでないと、国民の期待に沿える行財政改革も行えない。そうであれば、税制改革にも国民の御納得をいただけないということになりますので、ぜひ総理のこの点についての決意をいただきたいと思います。
#61
○村山内閣総理大臣 行革につきましては、さきがけの皆さんからも厳しい御意見をいただいていることについては、もう今さら申し上げるまでもないのですけれども、委員御指摘のように、税制の改革をする前提として、みずからのやっぱり姿勢を正すべきだという厳しい国民の声があることは、もう十分承知をいたしております。
 したがいまして、これはもう役人任せあるいは各省任せというのではなくて、とりあえず各大臣がみずから身を切るという決意で、自分の省内の特殊法人等の整理については具体的に問題提起をしていただくということを私は閣僚にもお願いいたしておりまするけれども、今回は異常な決意で行革に取り組む姿勢をやはり示していって、これももう議論の段階ではなくて具体的に何をするか、実行が求められている段階であるということも十分認識をして、委員の御指摘のように決意を固めて行革には取り組んでいきたいという決意だけを申し上げておきたいと思います。
#62
○五十嵐(ふ)委員 そして、その中で財政改革が伴わないとなかなか行財政改革の効果も伴わないという、これが大蔵大臣の持論でございますけれども、まさに最高の行政改革は、私は度を超した借金財政の是正ではないかと思っております。
 それは、社会資本の整備をするのに借金で行うというのは、これはとりもなおさず、その整備のコストを増加させるということになるわけですから、金利がかかるという意味ですね、かかるわけですから、これを減らしていくというのは当然のことだろうと思います。新たな公債管理政策を前回の私の質問でも要求をさせていただきましたけれども、ぜひ、頭のいい官僚の皆さんでございますから、新たな公債管理政策というのを打ち立てていただきたいと思います。
 最後に、時間がありませんので、自治大臣にお尋ねをいたします。
 今回の地方消費税ができまして、大変私は画期的なことだと思うんですが、積み残し事項の一つに特別地方消費税というものがございます。もはや国民が旅行に行って旅館に泊まるというようなものはぜいたくとは思えない。国民が快適で文化的な生活を送るのに当然のことだと思うんですが、これに税金がかかります。
 特別地方消費税の扱いについて大臣の御所見を伺いたいんですが、私は一方で、これが特定の地方団体に有利な財源として残っているという現実を踏まえて、これは財源手当が、あるいは激変緩和措置というのが必要ではないかと思うのですが、この特別地方消費税についての御意見をお伺いして、私の質問を終わります。
#63
○野中国務大臣 委員御指摘のように、平成六年度の抜本改正のときに、なお消費と、さらに今御指摘の宿泊とかあるいは料飲食、こういうものについて、地方の特定財源として調整しながら残されたものでございます。
 したがいまして、この税は特定の地域に偏っておるわけでございまして、そういうところの影響あるいはその財政問題等、それぞれ、今回の大綱におきましても、抜本的に考える中で措置しなければならないとされておるところでございまして、今御指摘のような状況を踏まえながら、私ども、これが基本的に現在の地方消費税と二重課税であるなどとは考えておりませんし、また、そこには議論のあるところであろうと思いますけれども、しかし、地域の税財源の実情等を十分踏まえながら対処してまいりたいと考えておるところでございます。
#64
○五十嵐(ふ)委員 終わります。
#65
○高鳥委員長 これにて五十嵐君の質疑は終了いたしました。
 次に、津島雄二君の質疑に入ります。津島君。
#66
○津島委員 当委員会の質疑でありますけれども、これまでのところ大変スムーズに進められてまいりましたね。これは、与党側の、つまり今度の税制改革案を提出した側の方々の質問でございますから、スムーズにいくのは、これは当然のことでございます。
 いよいよ私、統一会派の改革を代表して質問させていただきますが、これから私どもの質問、必ずしも御答弁もスムーズにいかない場合もあるかもしれませんけれども、国民の立場から考えて本当に実のある議論をやりたいと思いますので、どうか総理以下閣僚の皆さん方もできるだけ簡潔に、要点の御答弁にとどめていただきたいと最初からお願いを申し上げておきたいと思います。
 さて、代表権なきところに課税権なし、これはもう議会制民主主義の原点であると言われておりますね。税というものは対価なしに強制的に国民から徴収されるものでございますから、これは断じて権力者が一方的に決めてはならない。その内容を決めるに当たっては国民の代表が審議して国民の立場で決めていこう、こういうことでございますね。
 そういうことから申しますと、憲法に定められております租税法定主義というのは非常に深い意味があるということを御理解いただいていると思います。国民にとって、いつ、どこで、何についてどれだけの税を払うか、それはもう明確でなきゃならないし、それから、為政者が将来の税についてどういう考えを持っているかということもおおむね明らかになっていなきゃならない。これは村山総理も御同感だと思いますね。
 そういう立場から申しますと、最高責任者である総理大臣やそれから各政党、それから政党の党首などが税に対してどういうお考えを持ち、どういう発言をされるかということは重要な意味がある、国民はそれを頼りにして将来を考えていくわけでありますから。そのような角度から、まあ私もこの議論には終止符を打ちたいと思っているのでありますけれども、どうしてもやはり聞かなきゃなりませんね。
 総理が党首をやっておられる社会党、昭和六十三年、消費税に徹底抗戦されまして、ボイコットをされた、採決に。翌平成元年の参議院選挙では、消費税は不公平な税で撤廃に全力を尽くす、こうおっしゃった。これは否定しようのない事実ですね。その翌年の総選挙でも消費税を廃止しと、これは明確に主張として唱えておられるわけであります。
 それで今回、社会党村山政権がその消費税の引き上げを提案するということは、これはまことに皮肉な回り合わせで、国民にとっては驚きにたえないというところもあっても仕方がないと思うんですけれども、この昭和六十三年あるいは平成元年の当時の社会党の御主張について、やはり当時の土井委員長さんからお伺いするのが本当は一番いいかもしれませんけれども、まあまあ今議長になっておられるからなかなかそういうわけにはいかない。
 そのときの書記長、山口総務庁長官でしたね。委員長あるいは今の党首にかわられましてちょっとお伺いしたいんですけれども、この議論に終止符を打つためには、あれは誤りだったと、今改めますとはっきり言っていただければそれで決着つくんですけれども、山口総務庁長官、ひとつ御心境のほどをお願いします。
#67
○山口国務大臣 御指摘のとおり、一九八九年、九〇年当時、土井さんが委員長であり、私が書記長でございました。
 当時、参議院選挙に当たり、また総選挙に当たりまして、消費税廃止あるいはリクルート疑惑の究明等々の主張を掲げて国民の皆さん方にお訴えをしたことは事実でありますので、私ども、公約は守るべき重大な問題であるというふうに認識しておりましたから、したがって、一九八九年の参議院選挙で参議院におきまして与野党逆転が実現をいたしました。
 したがいまして、生時の野党でございました社会党、公明党、あるいは民社党、そして当時連合、これらの政党によって消費税廃止法案を作成をいたしまして、現在社会党の書記長をやっております久保さん、あるいは公明党からの峯山さん、連合の笹野さん等々の方々がこの提案者となりまして消費税廃止法案を提出いたしました。公約を守るために全力を尽くしたつもりであります。残念ながら、参議院では通過をいたしましたが、衆議院ではこれが通過いたしませんでした。
 また、したがって九〇年の総選挙で、今度は衆議院を与野党逆転にしたいものということで訴えまして選挙を戦いましたが、残念ながら衆議院ではそのような結果を生み出すことができずに、これまた、先ほど申し上げたような方々を中心にして消費税廃止法案を提出いたしましたが、成立に至らなかった。
 したがって、当時の私ども執行部としては、選挙公約を守るために、今申し上げたような形で懸命な努力をいたしたということはひとつ御理解を賜りたいと存じます。
#68
○津島委員 まあ、今までの経緯をいろいろおっしゃるのはこれはやむを得ないでしょう。努力をされたところもあるかもしれませんけれども、まあ簡単に言って、やはりいろいろ努力したけれどもそのうちに考え方が変わってきたと、どうも考えてみりゃあのときはちょっと言い過ぎだったなと、こう言う方が庶民的にはわかりやすい御答弁じゃないかと思うんですが。
 総理に伺いますけれども、あなたの発言もくるくる変わっておりますね。これはまあしょうがない。だんだんだんだんと権力者として地位を固めてくる中で、だんだんだんだんと官邸の中でお考えになるような形に変わってきていますね。
 去年の総選挙で、あなたはまだ党首でなかったけれども、当時の社会党は、税率を上げるべきでないと、これはおっしゃった。それで、飲食料品の非課税を実施して逆進性を緩和しろ、こうおっしゃった。今度出てまいりましたね。逆進性緩和措置というのは、僕の知るところ消費税には見受けられないんですね。総理は、けさの答弁でも言っておられるけれども、逆進性緩和は税法ではできない面もあるから、だからそのほかの面で、歳出の面でやりますと、大変答弁がうまくなるというか、巧妙になってこられた。
 これはまあ経験のなせるわざであろうというふうに思っておりますが、ここで申し上げておきたいのは、この消費税について逆進性の議論というのはなかなか理論的に難しいのでありまして、むしろあの税は中立の税だ、一単位の消費に対してみんな同じようにかけるというところに特色がありますから、これは後ほど同僚議員が少し詰めていろいろ御議論をされることになっております。
 もう一つ、どうも総理の発言で国民に多大な期待を持たせた発言がありますね、シンガポールのもの。増税と減税と同じ法律に書くのはブレーキとアクセルを一緒に踏むようなもので、それは避けたい、こうおっしゃった。今度、両方出てきましたね、時期的には違うけれども。まあ、同時に踏む人は自動車の運転でもないと思うのだけれども、まあとにかく両方出てきた。
 これは大蔵大臣に申し上げたいのですけれども、その増税と減税を同じ法律に書くのはだめだ、減税だけ国民にとりあえず提案をして後で考えるというのは、今の財政法の仕組みじゃだめなんですね。それは恐らく皆さん方だんだんわかってきたと思うのです。日本の財政法の原理原則でありますけれども、これは第四条に書かれているのだけれども、日本とドイツだけはそういうシステムをとっていると言われているのでありますけれども、とにかく公債によって、赤字公債によって財源を賄うことはできないという大原則を貫いている。
 そうしますと、恒久減税をやりますと、それに対してずっと公債を出すという法律は出せませんから、だからそこの議論をきちっとやらない限りは、それは総理の言われたようなブレーキとアクセルとを一緒に踏みたくないから減税法案だけ出しますというのは、これは日本の今のあれではできないことになっているのです。
 ですから、議論が長引くとあれでありますから私から申し上げますが、この基本問題にまで立ち入って議論するということなしに、思わせぶりに、今の建前のままで減税だけできる、本格減税ができるという議論は、総理も大蔵大臣もひとつお控えになっていただきたい。基本的な財政の建前まで議論されるなら別ですよ。
 いずれにいたしましても、綸言汗のごとしという言葉がある。村山総理も、非常に高い地位に立たれた、権力者になられたわけでありますから、一たんしゃべったことは汗のように戻ってきませんから、これからはひとつ慎重に、皆さん方の一言一言は厳粛なものであるということで対処していただきたいと最初にお願いを申し上げておきたいと思います。
 さて、今度の税制改革の所得税の分野でありますが、これは先ほどから議論がいろいろあって、与党の方は、二兆円部分と三兆五千億の部分と分けて、あるべき減税の姿は今御提案になっている三兆五千億である、一方、既に昨年から五兆五千億については景気対策として行われ、また外国にもコミットしている、だからその五兆五千億というのは、これはもう先食いしてしまっているし、約束もしているから、だから三兆五千億については、これはあるべき税制の姿として減税を恒久減税でいたしますけれども、二兆円は景気対策として、景気がよくなったらやめさせていただきます、こういう答弁をしておられるわけですね。武村さん、これでいいですか。
#69
○武村国務大臣 そういうことでございますが、五・五兆円の制度減税の論議において、当時の政府税調の中間答申におきましても、あるいは国民福祉税の構想を発表した時点におきましても、なぜ制度減税に五・五兆円なのか、津島委員は当時自民党の代表として、国会で五兆円の減税が必要だということを明確におっしゃっている議事録を先般拝読をいたしましたが、なぜ五兆円なのか、五・五兆円なのかというところの議論は、少なくとも国民ベースでは余りありませんでした。結果の数字だけは浮上をしておりましたが、その中身が一体どうなのか、実際は、まあ課税最低限に二兆円、税率緩和に三・五兆円というふうなアバウトな姿は見えておりましたけれども、じゃ、三・五兆円はブラケットをどういうふうに直していくのかというところまで詰めた議論はありませんでした。
 そういう中で、今回村山政権出発時に、実際この五・五兆円がどうしても必要なのかどうか、恒久的な制度改革として何が必要なのかというところを改めて論議をいただいて、その結果として、今の時期の減税政策としては三・五兆円でまずまずいけるなという結論を見出していただいたということであります。
#70
○津島委員 昨年私ども、五兆五千億の減税が必要だと申し上げたときに、私はいろいろな機会に申し上げましたけれども、例えば、課税最低限の引き上げで二兆円、それから税率の是正で三兆円、それから、給与所得控除の是正で五千億という数字も大体私ども、あり得る税制改革の姿と申し上げたことはある。これはここで訂正してもらいたいと思います。
 そこで、日本の経済の現況ですけれども、これはもう早く景気は回復してもらいたい。来年の景気について、企画庁長官の高村さん、どういうふうに見ておられますか。また、政府としてはどうするつもりでいらっしゃるのか、御答弁をお願いします。
#71
○高村国務大臣 景気は今年度中に本格的回復軌道に乗るのではないか、乗らせなければいけない、こういうふうに見ております。
 明るさが増してきたところでありますから、当面は本年度の予算を着実に執行する、そういったことが肝要ではないか、こういうふうに思っております。
#72
○津島委員 大変積極的な前向きな御答弁で、これはひとついただいておきますけれども、そこで、今御提案の政府の改正案、それによって負担がどうなるかということ。先ほど、考え方についての制度論は与党側の皆さんとるるなさいましたね。それから、パネルでお示しになった方もございます。
 そこで、私どもも私どもで、勤労者の立場を心配する方々に細かく税負担の推移というものを計算してもらいました。委員長の御了承を得て、パネルを示させていただきます。
#73
○高鳥委員長 はい、どうぞ。
#74
○津島委員 それじゃ、ここにございます。また、委員の皆さん方の御参考までに、これと同じような趣旨の紙を皆さん方のお手元に配ってあります。
 まず、総理。官邸へお入りになりますと、税制改正というと、まず大蔵省の人が来て、国税はこうなりますと、武村さんが今誇らしげに言っているように、九百万ぐらいまでの人はまあ大体一生二〇%以下のブラケットで済みます、こうおっしゃっておる。その次に、今度自治省の方がおいでになる。いや、地方住民税はこういうふうに軽減をいたしますと、こうおっしゃる。
 それから、いよいよ年金法の審議が今大詰めにきていますね。これは、ちょうど河野副総理もおいでになりますから、去年私どもの言ったことをよく覚えておいていただきたい。減税、減税とおっしゃるけれども、勤労者の立場からいうと、年金法の改正によって保険料が上がるということ、これを無視しちゃ困るよ。これは代表質問でも言っているんですね、自民党の皆さんは。この三つが絡むというその状況の中で、一人一人の勤労者、一人一人の生活者はどういう立場に置かれるかということをやはり真剣に議論しなければいけない。おまけに、実は年金の保険料がふえますと、その結果として保険料控除がふえまして所得税が減るという絡み合いもあるわけです。
 ですから、今私がお示ししているこの表は、この三つの絡み合いをひとつ解いてみる、そのために計算したらどうなるかということでありまして、まず年収七百万を見ていただきたい。これは大体今の平均的なサラリーマンのところですね。これは平成六年度、ことしは七百万のところは所得税、住民税で三十九万二千七百円、これが仮に、仮にですよ、高村さん言っているように、来年から景気がもうよくなって、そして平成八年度には二兆円減税をやめるということになりますと、四十一万三千五百円、こういうことになるわけですね。
 その下の社会保険料、これは今の年金のあれでありますから、これは年金も今度大体近く可決されるような方向で、負担がふえていくわけであります。平成七年からボーナスに対する一%の保険料の徴収が始まる。平成八年からは、今一六・五%であるものが、いや率直に言うとこの十月から保険料は一四・五から一六・五に上がったのですね、それが平成八年から一七・三五に上がるという案になっている。
 それに従って計算をいたしますと、両方合わせました負担率、これが今例えば七百万で一四・四%であるものが一五・五%になる。つまり、年金と両方合わせた、つまりこれが勤労者、生活者の立場からいった負担なんですよ。これが来年から、平均的なサラリーマンについては減っていくどころかやはりふえていかざるを得ない。
 このことは村山さん、あなたは今官邸に入って幾つかのお役所の方と対話しておられるでしょうけれども、しかしこれが勤労者の実態なんですよ。このことをお忘れになってはならない。今この数字をごらんになってどういうふうにお考えになるか。
 そして、この数字は、給与がふえていかないという前提で、まあいわば制度として、同じ七百万なら七百万の人がずっといった場合の負担率を書いてあるわけでありますが、そういう立場から見ますと、これでおわかりのとおり、ことしは例えば七百万の方は一四・四%、ところが来年は一四・五%、その次は一五・四、一五・五と上がっていく。低いところでは、例えば五百万の年収の方は一二・一、一二・三、一二・八、一三・○と、これはずっと上がっていくわけであります。
 さらにこれに加えて、いいですか、仮に経済がよくなってサラリーマンの年収が四%ずつふえていったとしますと、これはあえてここにパネルがありますけれども、お示ししますが、その上がっていくカーブはもっと大きくなる。それは当然そうなんです。それは累進構造が働く。上がっていくわけです。
 それで、この両方の表を比べてみるとどういうことが言えるかといいますと、年金の保険料のアップによって、実は、いわゆる減税というのは、つまりことしから行われている五兆五千億の減税というのは大体相殺されてしまう。平成九年には大体、これ、この前の年の平成六年のを実は書いてないからあれなんですけれども、前の年の、つまり五兆五千億前の状態に大体戻るのです。その上、その上ですよ、私はいいとか悪いとかここではまだ申しませんが、消費税の増徴が平成九年から来るのです。しかも、年収が上がっていきますとそれはもっと前、恐らく平成八年にその状態になってしまうだろう。
 これを聞いて、勤労者の代表としての総理の御見解をちょっとお伺いしたい。
#75
○武村国務大臣 大変わかりやすい表をおつくりをいただいて御説明いただきました。おっしゃるとおりのおおむね傾向になります。
 ただ先生、基本的に、当然津島委員は御認識の上でおっしゃっているわけでありますが、高齢化時代、少子化社会を迎えるということの中で、今後、税と社会保険料の負担が上がっていく、そしてその足した国民負担率をどのくらいの目標で考えていったらいいのか。第三次行革審も五〇%までという、これは二〇二五年という高齢化のピーク時点でございますが、そういう目標をお示しをいただいておりますが、私ども政府としましても、最高にいった場合も五〇%を上回ってはよくないという認識をお互いに持っているわけで、そんな目標を持ちながらも、しかし高齢化の進展に伴ってこの税と社会保険料の負担、したがって負担率も上がっていかざるを得ないという認識がございます。
 この二つの、所得税、住民税、社会保険料というグラフを示していただいておりますが、あくまでも社会保険料の方はこれは将来年金という形で返ってくるわけでございますから、税は社会のサービス全体に還元されてまいりますが、年金の負担というのは、大変つらいけれども、将来みずから年をとったときには年金という形でサービスを受けるわけでございますから、そういう性格の違いを十分御認識をいただきたいというふうに思うわけであります。
#76
○津島委員 総理いかがですか、御感想を。
#77
○村山内閣総理大臣 細かな計算をされて、大変参考になりました。
 ただ、前段に言われたくるくる変わるなんという表現は、私はくるくる変わった覚えはありませんから、そういうことを言いっ放しにされたんじゃ大変困るので、意見があれば意見をまた聞かせていただきますけれども、一応私の立場からも申し上げておきたいと思うのです。
 それから、今大蔵大臣からも答弁がございましたように、社会保険料の負担というのは、これは受益に対して見合ったものを負担していくという立場があるものですから、これは今もお話がありましたように将来年金として受給をするわけですから、その受給をする年金の財源をそれに見合って負担をしていくという建前のものですね。
 しかし、これはやはりおのずから負担の限度がありますから、いろいろな調査会の答申にもありますように、可能な限り、ピークの時代でも五〇%を下回る、そういう水準で維持してほしいという強い期待もありますし、私どももそのことは肝に銘じて、負担の限度額というものをしっかり押さえた上で考えていく必要があるというふうに思っておりますが、可能な限り、社会保障における負担とそれから租税負担というものが両々相まって、全体としてそれほど過重な負担にならないように心がけていくことは当然であるし、大事なことだというふうに受けとめております。
#78
○津島委員 今、年金の保険料について、これは将来の皆さん方のためだとおっしゃるのだけれども、もう一つやはり意味があるのです。これは、世代間の分かち合いなのですよ。ですから、私はだんだんと立証していきますけれども、今の世代、今働いておる中堅所得者が既に退職された方々を養っていくという面もあるわけです、これは現実に、再計算やるときに。その中堅所得層がどういう厳しい立場に置かれているかということを、やはり余り高いところに行かずに、総理は絶えず忘れずに考えていただきたいということなのであります。
 そこで、今大蔵大臣の答弁の中に、子育ても大切だ、将来の福祉の負担も、こう言われたのだが、厚生大臣の井出さん、あなたは子育てについて格別に御関心を持っていてほしい。私どものときからずっと厚生省はそういう心配を持っておったのだが、あなたのお立場から、今の中堅所得層七百万、この辺のところ、あるいは八百万、こういうところがどんどん負担がふえていくということについて、ちょっと簡単に一言、あなたの印象を聞かせていただきたいのです。
#79
○井出国務大臣 七百万層、あるいは年齢的にはちょうど私もその辺に属しておるのでございますが、子供たちが大学へ入るころ大変な負担になっておることは平成五年度版の厚生白書でも指摘されておるところでございます。
 こうした中堅所得層の子育てコストに対応するため、育英奨学事業とかあるいは特定扶養親族の控除の制度が設けられておりますが、今度御審議いただいております年金法の改正に当たりましても、教育費の方の貸付制度も創設することに相なっております。
 いずれにいたしましても、子育てコストについては、社会全体としてどのような支援を行っていくことが適当か、国民的合意を得ながら対策のあり方を積極的に進めていきたいと思っております。
#80
○津島委員 一生懸命努力していただきたい。努力していただくときに、やはり実態をよく踏まえてやっていただきたいのですね。
 井出厚生大臣、厚生白書をお読みになりました。忙しくて読んでいない。では、私から御解説しましょう。
 この表があります。これは、参考のために皆様方のお手元にも配っでございます。これは平成五年の厚生白書の実に核心部分、「子育てコストの推計」というのであります。私は、厚生白書、毎年いい仕事をしておられるけれども、これはもう出色の仕事であると思っておりますよ。一どういう内容かといいますと、総理、ごらんのように平均的なサラリーマン、そのサラリーマンの方が三十五歳で家をお買いになる。そんな高い家でなくて平均的な家をお買いになる。子供が二人ありまして、それでどういう状況に置かれるかということを実態調査から調べたものです。四十から五十三まで、私が抜き書きしてこういうパネルをつくったわけですけれども、大体年収の上の方が、この一番高いところ、つまり四十七から五十二歳ぐらいまでのこの年収の高さが大体八百万と見ていただいて結構です。もちろんこれは、本当にいじましい話でありまして、お父さんの年収は七百万で、お母様がパートで働いて目いっぱい百万稼いだ、その八百万です。
 それで、こういう平均的なサラリーマンがどういう状況に置かれているか。今まで、例えば私どもは、所得税という分野で物を考えるときに、例えば必要経費は何だという、これは税法からいうところの経費の議論をやってきた。しかし、生活者としてのコストの問題はありますね。
 その一つが、まず必需品については、どうしてもこれは人並みの生活をするために衣食住のコストはある。それから生活費がある。その次に、必需的経費の中に、子供さんが二人おられますから、子供さんが中学校から高校、大学へと入ってきますと、それなりの学費とか入学金の負担がありますね。これは無視することはできない。それがここに書いてあります必需的費用です。これは税法上は必要経費には到底認められないものなのでございます。しかし、社会人として、人の親として、これは払わざるを得ないものなのです。それで、さらに住宅ローン、四千万の家を買った、そのローンは結局払っていかなきゃならぬわけであります。
 その上に、もう一つ選択的費用というのがある。これは何が一番代表的なものか。これは塾なんですね。つまり子供さんをよりよくしようという、世の中の親御さんの普通の願望からやらざるを得ないという費用というものをこうやって実態的に調べてみました。
 そうしたら、どういうことになったかといいますと、この五十歳のところ、ここで、ほとんど自由になる所得はないのですね。ここの、普通は、税法上というか、よく言われている国民負担というのは上の二つの層、これを国民負担といいますね。だから、あとは可処分所得、こうおっしゃる。可処分所得というのは自由に処分できるという幻想を抱くことになるのだけれども、それはまず住宅ローンを払わなきゃいかぬ。それから、今の子供さんの経費があります。
 そうしますと、この四十八とか五十とか、この年代の親御さんたちというのは本当に全く余裕がない。もし、それが生活者の実態であるとすれば、やっぱり可処分所得をもう少しふやしてやらなきゃいかぬなという気持ちになるのが当たり前だと思いますが、総理、どう思いますか。
#81
○村山内閣総理大臣 御指摘のとおり、子供さんが学校、高校から大学に入る、あるいは家のローンも払わなきゃならぬ。私は、それに加えて、やっぱり四十前後になりますと、大体両親ももう扶養なり介護なりを要するような年齢になるのではないかということが想定されますから、この層が一番やっぱり厳しい、苦しい生活の実態に置かれているのではないかというようなことは、今お示しになったとおりだと私は思います。
 したがいまして、今度の税制改革の中でも、そういう層を一番中心にしてこの際税率を抑えて、そして所得税の軽減を図る必要があるのではないか。できるだけ滑らかに、全体として中堅的なサラリーマンの皆さんが二〇%ぐらいの税率の負担で、少なくとも所得税は終わるというぐらいのものに配慮する必要があるのではないかということを十分考えた上でやられたことである、私はそういうふうに思っていますが、それによってさらにその可処分所得がふえるかといえば、そんなものではない、なお厳しい生活実態にあるということは、委員御指摘のとおりだと私は思います。
#82
○津島委員 今、最後のところで総理は、であるから国税において大部分の方は二〇%で済むようにいたしたい、こうおっしゃったのでありますけれども、それが、はっきり申しますと、やや認識不足なんですね。
 つまり、私がさっきから申し上げているように、これは所得税に地方税があるのだ。それで、地方住民税は国税と関係なしにブラケットをつくっておられますから、どういうことになっているかといいますと、国税の方は三百三十万でブラケットが二〇%になって、それが九百万までいく。これは課税所得ベースですから、恐らく年収七百七十二万、これは家族構成で違います、子供二人の場合に恐らく七百七十万、ちょうど一番多いところ、普通のサラリーマンの状態のところから高い税率に上がっていくわけです。もちろん、それは根っこからいくわけじゃありませんよ、そういうことまで私は申し上げているのじゃないのだけれども。
 ところが、地方税の方が、今度は五百五十万のところから上へ、五百五十万であったものが七百万円から税率がまた五%上がる。ですから、今の二〇%というのは、実際は地方税合わせると三〇%の負担をしておるんですね。国税、地方税で合わせて、さっきから総理は二〇%、二〇%と言っているけれども、両方合わせて三〇%負担しておる。それが地方税がさらに今度の改正で七百万から上がっていくわけでありますから、そこから合わせて三五%の国税、地方税の負担になる。これは課税所得ベースですから、まあもうちょっと上のところだと、これは私はちゃんと区別して言っているんですけれども。
 いずれにしても、この国税と地方税と社会保険料負担というものを三つ合わせた場合に、二〇%のブラケットでおさめましたからというような話でないことだけは、総理、頭に置いてください。二〇%というのは地方税合わせると実際は三〇%であり、それに年金の保険料が入っているということを常に頭に置いてやっていただきたいと思うのであります。
 そこで、厚生大臣に伺いたい。こうやって改めて、あなたの方でおつくりになった立派な問題提起、子育てのためのコスト推計と書いてある、これをこのままにしていて、どうですか、あなたの子育ての政策はうまく進みますか。ちょっと一言御感想をお伺いしたい。
#83
○井出国務大臣 厚生大臣の先輩の先生から厚生白書を評価していただき、またその中の子育てが消費支出等に及ぼす影響を御紹介また御説明いただきましたことをありがたくお礼を申し上げます。
 御指摘のように、大変この世代、子育てのために苦しい状況にありますから、これは政府といたしましてもいろいろな施策を講じていく必要が大変あるところだと考えております。
#84
○津島委員 同じ閣内で、やはり負担が問題だなという意見、こうやってあるわけですよね。そういう立場から、中堅サラリーマンがこの税制改正で、もうこれでいいんですと言える状態になるかどうか、私は非常な危惧の念を持っておるわけであります。
 そこで、皆さん方の税制改革案に戻ってみますと、とにかく三兆五千億は減税のあるべき姿だ、こうおっしゃる。それで二兆円は、これは景気対策です、また、外国にも約束したからこれはしょうがない、やります、景気がよくなったらこれはやめるものであります、こう御答弁になっている。一方、企画庁長官は、必ず景気はよくします、来年からよくなるはずだと、こうおっしゃっている。そうすれば再来年の平成八年は、これは、二兆円の特別減税というのはやめるつもりなんでしょうね。そのくらい経済をよくするつもりなんでしょう、総理は、当然。どうです。
#85
○村山内閣総理大臣 景気は、そういうふうに期待して私どもも努力いたしますけれども、日本だけの経済で決まるものでもないし、やはり国際全体の経済の動向等とも関連をして日本の経済というのは動いているわけですから、したがって、ここで即断をして、来年はやめますとかなんとかいうことはなかなかここで断定できない要素があるということについては、御理解をいただけると思うのですね。
 ただ、私はやはり景気を持続的に発展をさせていくということからすれば、やはりその面からも考慮を払う必要があるということもございますから、ここで断定的に今お答えする限りのものではないのではないかということについては御理解をいただきたいと思います。
#86
○津島委員 考慮を払うというのはどっちの意味なのかよくわかりませんが、恐らくうんとよくなったらやめるという意味と私は理解をいたしましたが、どうなんでしょうね。皆さん方の要綱によりますと、著しくよくなった場合はやめる、こう書いてある。これは非常に問題なのですね。著しくよくなったというのは何%ですか。
#87
○村山内閣総理大臣 何%になればその著しくということになるのか断定的にここで基準を設けるようなものではなくて、全体を判断をしてみて、もう景気対策のために減税は必要ないのではないか、こういう総合的な判断に立ては、それは私はそういう結論になり得ると思いますよ。これは一つのものだけを基準にして考えるのではなくて、総合的な判断がやはり必要だというように思いますから、そのように御理解を賜りたいと思います。
#88
○津島委員 日本の潜在成長率が何%か、いろいろな議論がある。例えば、三・五%とか、いや、それでは高いとか、いろいろあります。常識的に言いますと、そういうものを頭に置いて、それを超えるような成長率になればというふうに考えるのが常識なのですけれども、しかし今の総理のように、それは神のみぞ知る、全然わかりませんということになりますと、これは普通の法律ならいいのですけれども、国民の負担に関することなのです、さっき申し上げましたように、これがずうっと上がっていってしまうのか、それとも幾らかでも生活者の立場に立ってこれを緩和していくのかという問題にかかわるわけでありますから、これはここの委員会の議論でいいかげんに済ますわけには私はいかない。国民もまた、いいかげんに済ましてはくれないだろうと思うのです。
 別の角度から言いますと、消費税の方だけは見直し条項がありますね。これは、いろいろな方が発言しておりますけれども、社会党の書記長さんは、この見直し条項というのは、消費税はですよ、六%になるかどうかの内容を含んでいる云々というようなこともおっしゃっているのだ。消費税の方は、上にいくかもしれないという見直し条項があって、所得税の方は、三兆五千億でこれこっきりよ、二兆円は戻します、あえて言えば増税になっても仕方がない、こういうのが今出てきている法律の構造なのですよ。
 つまり、税制改正要綱の、中では備考と称して、著しく景気が回復すればどうこうということを書いているけれども、しかし、実態は、我々が審議する法律としては、やめる、こう言っているのだ。消費税の、上がるかもしれないという、与党の書記長さんがはっきり言っているような、それについては見直し条項がある。これは、断然アンバランスじゃありませんか。どうですか。あくまでも二兆円はやめますか、景気がよくなったら。
#89
○武村国務大臣 御承知のように、この二兆円の特別減税は、まさに景気対策として位置づけをしているものでございます。そういう意味で、今後、来年、再来年、日本の景気がどうなっていくかと相関するわけであります。
 私どもの三党の合意では、景気が特に好転した場合を除き、こういう表現で合意をいたしているところでございます。特にとは一体何なのかという、当然そういう論議があり得るわけでございまして、私どもは、直近の需要面、生産面、金融面を含む経済諸指標の動向、消費マインドや企業の景況感等、経済状況をベースに財政事情等の諸要素を総合的に勘案をして、その時点で判断をさせていただこうということであります。あくまでも、景気対策としてこの二兆円の減税を位置づけているということに御理解をいただきたいと思います。
#90
○津島委員 大蔵大臣は、ある意味では正直でいいですよ。あくまでも景気対策、こう言い張っておられるから、これは勇気のあることだ。しかし、これは国民の負担に関することだし、さっきからるる申し上げておりますように、そんな余裕がないような勤労者の状態でもしあるとすれば、いやそれは総理は、そうじゃないよ、余裕があるよと言うんならそれは別ですよ、私どもはそうは思ってないんだから。であるとすれば、本来あるべき姿は、これは五兆五千億の本格的な所得税の減税を提案するか、あるいは今の二兆円の特別減税について、法律上は平成九年まで延ばして、その間に議論をするというようなことがあるのならば、我々は議論できますよ。
 しかし、皆さん方の提案は、とにかくやめちゃうという法律になっていて、そして備考と称して、いいですか、備考と称して、もし著しくよくなればこれはやめるかもしれませんと書いているけれども、法律的にはもう平成七年で終わりなんですよ。これは否定しようがないんだ、皆さん方の提案した改正法案だから。
 ですから、この著しくという言葉の内容にかかっているんです。平成八年まで国民が五兆五千億の今の税負担で済むかどうか、二兆円そこで増徴されるかどうか、そこにかかっている。だから、私は、この著しくというその中身についてはっきり言っていただかないと、これはこれ以上審議を進めるわけにいかぬと思いますよ。
#91
○村山内閣総理大臣 その二兆円というのは、今大蔵大臣からも言いましたように、あなたは正直だと言われましたけれども、これはもうはっきりしているんですよ、景気対策のために二兆円の減税をやりますと。これは、単年度単年度決めていくんですよ。ですから、平成六年度の五兆五千億円という減税も、これは単年度で決めたんですよ。ですから、その単年度で決める、例えば平成八年度の予算を編成する際に、景気全体の動向やら全体を総合的に判断をして、さらに継続する必要があるか、ここでもう景気対策の必要はないかという判断をするのは、これはやはり内閣の私は責任だと思いますから、それは責任を持って決めさせていただくということになると思います。
 それから、あなたは七百万円層を中心にこれだけ家計が苦しいんだ、可処分所得はふえないじゃないか、支出はふえるんだ、こういうお話でございましたから、極力負担を軽減するために、将来の見通しも含めて、これは私どもは、申し上げましたように、租税も社会保険料の負担も、言うならば総体的な国民負担というものを可能な限り五〇%以下に抑えるという目標を定めて、その範囲内でこの負担を位置づけていこうというための努力をしているわけでありますけれども、これはどんどんどんどん税金も下げる、社会保険料の負担も上げない、そして社会サービスは大いにまたふえていく。一体どこでどういうふうに財源を賄っていくのかということになれば、それはやはり総合的に出る方と入る方とのやはりバランスをとって考えていかなければならぬのは当然なので、私はそういう全体の動向を考えた場合に、今日的に考えられる範囲では私はこの道が最善ではないかということで皆さん方に御協力をお願いしている、御審議をお願いしているということですから、御理解を賜りたいと思います。
#92
○津島委員 一生懸命御答弁になったんですけれども、どっちも、今の御答弁の二つともおかしいんですよ。単年度単年度とおっしゃるけれども、消費税の方は平成九年からのあれをおっしゃった、上げるという先の話を。それで平成八年については、とにかく法律上はこれは景気対策ですから考えませんという法律になっている。これはおかしいんで、バランスを失しているということを申し上げているのだし、それから後の方でおっしゃった、必要な経費を賄っていくためにはそれは減税ばかりやるわけにいかない、これは当然のことですよ。
 そうであるとしたら、何で消費税の方だけは見直し条項があって、所得税の方は見直し条項がないんですか。今の二兆円の問題があるのに、これは見直さないんですか。そして、消費税の方の見直しについては、所得税の今後の負担の動向ということをどこにも書いていない。福祉の財源、税については租税特別措置、あとは行政改革と、こう書いてある。所得税の方はこれで終わり、こういう話だ。いいんですか、それで。私はその答弁には納得できない。
#93
○武村国務大臣 何もかも御存じの津島委員でありますが、先ほどもおっしゃったように、我が国はまあ赤字国債は出さないことを財政運営の原則にいたしております。今おっしゃったように、西ドイツと日本が一番厳しい財政均衡主義を貫いていこうという姿勢でございますが、したがって、赤字国債を出す場合には、その都度法律を用意をしまして、国会の御承認をいただいて例外的にお認めをいただく、こういう姿勢をとってきたわけであります。
 そういう中で、今年度の五・五兆円の減税にしましても、来年度、今予定しております二兆円にしましても、今の景気動向、状況をにらんでそういう決断を既にしているところでございますが、この二兆円の特別減税は、まさに申し上げたように景気との絡みでございますから、いきなりもう三年間今から決めてしまうというのも、これも大変粗っぽい話でございまして、責任ある立場から来年の減税規模はきちっと方針を決めて提案をしているところでございますが、再来年の八年につきましては、与党としては原則的に継続、五・五兆円を継続という合意をいたしております、政府・与党としては。しかし、法律は来年の時点で総合的に判断をして出させていただく。
 ただ、例外的に、特に景気が好転した場合は、この場合は考え直すという、大変これはもうまじめな考え方も既に政府・与党としては表明をいたしているところでございまして、全体でお考えいただいて、ぜひ景気の動向との絡みでこの特例措置に対する扱いについては御理解をいただきたいと思います。
#94
○津島委員 答弁しておられるんだが、肝心の点については答弁になっていないんですね。
 つまり、特に好転した場合の特にというのはどういうものであるかとか、そのような話をなぜ所得税の方は法律的にシャットアウトしてしまったのか。つまり、将来の負担のあり方の話はシャットアウト、法律的にはシャットアウトした。ですから、我々としては今これを議論するよりかしょうがないんですよ。あとは政府の方でお好き勝手にしなさいというわけにはいかぬのだ、所得税の負担でありますから。一方で、消費税の方は見直し条項があって、六%もあり得るなんというようなことを与党側の偉い人が言ったりする。これは断然均衡を失しているし、私どもはそういう姿の中では、これはやっぱりまともに議論できないな。もう一遍御答弁をお願いしたい。
#95
○武村国務大臣 今の御質問については、御承知のように、所得税はこの改革によって来年から施行になりますので、消費税は、御承知のように、平成九年四月一日という一定の猶予期間がございます。この違いが、もう来年から改正をして実施をする所得税について、さらに見直し条項においてこの項目を加えますと、これは大変大きな矛盾になります。そういう意味で御理解をいただきたいと思うのであります。
#96
○津島委員 まあ納得いく御答弁をいただかなきゃいかぬわけでありまして、徹底的にここで論議したいわけでありますけれども、しかし、きょうはずっと答弁者もたくさんおられて、解明したい問題点も多いのです。
 そこで、この問題点は後の質疑の材料として、質問を留保させていただきます。時間をいただきまして、またじっくりやりますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
     ――――◇―――――
#97
○高鳥委員長 津島君ほかの残余の質疑については、午後に行うことにいたしまして、この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事左藤恵君より理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、加藤六月君を理事に指名いたします。
 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    正午休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
#100
○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前中に引き続き質疑を続行いたします。津島雄二君。
#101
○津島委員 午前中は所得税減税のあり方についていろいろと質問させていただきました。
 今度の税制改革のもう一つの問題点が消費税をどうするかということでございますね。最初にはっきりさせておきたいのでありますが、けさの与党側の御質問の中で、野党は七%の何かを提案をしたというようなお話がございました。これはしっかりと訂正させていただきたいと思いますが、私ども改革として七%を提案したことは全くございませんし、もし仮にこの一月にその話が出されたときに、村山総理は当時は与党第一党の、その話を持ち出した与党側の第一党の党首だったわけですね。それから、武村さんもいろいろ御意見はおっしゃったけれども、やはり内閣官房長官だ。ですから、七%は私どもの話じゃなくてあなた方の話だという言い方は、ここできっぱりおやめになっていただきたいと思います。」そこで、消費税を平成九年から増徴するという案についてお伺いしますが、やはりこれは庶民的にいかないといけませんからね、余り専門的な話ばかりやっていてもしょうがないので。
 けさ総理のお手元にもお配りしました負担割合の変化、これではっきりわかりますように、要するに平成九年度から消費税が導入されますと、それまで例えば年収五百万の人について平均的に八万四千円の額になっておる、これは消費をモデル的にとらえて計算をされたのでしょうが、九年度はこれが十四万になるというようなこと。あるいは平均的な所得者である年収七百万のところでは、今十万九千円であるものが十八万二千円になる。これは常識的にはそうであろうと思うのです。実際に、少なくとも計算してみるとやはり負担はふえる。
 私がけさ申し上げた負担率についてはあえて、あえて私はこの部分は入れていないのですからね。入れていないんだから。けさお話ししたように、例えば所得税、住民税、社会保険料ではかなり平成九年度からふえてしまって、もとへ戻ってしまうよということにさらに足して、さらに付加して、こういう消費税の負担増があるということをまず頭の中に置いていただきたいと思います。
 そこで、さらに問題は、この五%を御提案になっているけれども、これをさらに見直しをするということが附則に書かれておる。この見直し条項の中身についてはいろいろな議論がありますけれども、与党側の書記長さんが六%になるかどうかの内容を含んでいるというようなことも言われるように、世間一般的には、行政改革という要因は、これは一つはできるだけその負担を軽減する要因になるであろうけれども、福祉のビジョン、将来の福祉政策などについては、これはどちらかというとやはり負担をふやさなければならない要因である、こういうふうに言われているわけであります。
 その関係で一つまず申し上げたいのですけれども、今度のこの消費税が増徴されるということから、例えばゴールドプランの見直し関係で四千億ぐらい足します、こういうようなことを言っておられる。これは、私はなかなか理解に苦しむところがあると思うのだけれども、ゴールドプランをそれこそ今言われているような二倍のペースで進めていく、例えばヘルパーの方を、十万を目標にしたのを二十万にするというようなペースでいきますと、とても年に四千億ぐらいの予算追加ではできないと私どもは常識的に考えている。八千億ぐらいは要るであろうという意見が強いわけでありますけれども、これは厚生大臣にまたお伺いしたいのですけれども、ゴールドプランのどこが一番難しいと思いますか。
 私はゴールドプランを提案させた立場でありますけれども、その後の推移を見てみますと、予算の消化じゃないのですよね。例えば、ヘルパーさんを本当にきちっと確保していくことはそんなに簡単ではない。おまけに、そのヘルパーの数の確保ばかりでなくて、その方々が適時適切に家庭の要望に応じてお邪魔ができる体制が在宅介護支援センターですね。在宅介護支援センターの設立は物すごくおくれているでしょう。今の、私どもが打ち出したときのゴールドプランよりおくれているのですよ。
 つまり、福祉というのは、鉛筆をなめて、予算がこうなりましたから進むというものじゃないんです。もっともっと難しい問題。地域社会の対応がなければならない。そういう意味で、福祉の問題を抽象的に数字の中身だけで論ずることは、少なくともあなたの立場から避けていただきたいとお願いをしたいのでありますが、どうですか、この福祉ビジョンを明らかにしていく過程で消費税についてはどういうインパクトがあると思うか、簡単に一言御答弁願います。
#102
○井出国務大臣 ゴールドプランを推進していく上で、今津島先生御指摘のように、キーポイントといいましょうか、やはりマンパワーをきちっと確保できるかどうかというところに一番のあれがあるんじゃないかな、こう思っております。例えば在宅介護支援センターなどは、ゴールドプランの予定では一万カ所をあれして考えておるのですが、平成四年度末ではまだ八百カ所ぐらいでございまして、大変進みぐあいがおくれているのでございます。
 ただ、地方自治体に策定をお願いいたしました老人保健福祉計画が昨年度末でまとまりまして、各自治体、大変積極的にやろうという熱意に燃えていてくださいますから、何とかその方向で、最初に目指したもの、あるいはさらに追加したものもございますが、実現していきたい、こんなふうに考えております。
 そういった意味では、今度の税制改革でそちらの方面、高齢者対策あるいは子育て支援対策の方にも御配慮いただいておりますが、これはあくまでも足がかりと考えております。
#103
○津島委員 将来の福祉について考えますと、これはもう要望は非常に強いものがございますし、それから年金や医療保険を維持することも、これもまた大変な仕事になると思うのであります。
 そういう中で、やはりけさの御答弁で、総理が、国民負担はできるだけ五〇%内にとどめたい、これは恐らく答弁としては初めてではないかな。まあ私が聞いたのは初めてであって、その方針を確認しただけでも一つ意味があったと思うんですけれども、これを実際そうするためには大変な努力が要ると思うんですね。
 そのかぎを握っている一つが、日本の行財政制度を基本的に見直して、やっぱり時代の要請に合った体制にしなきゃならないと思うのでありますけれども、これは私も与野党両方の立場ずっと振り返ってみまして、容易な仕事ではない。それで今、特殊法人の問題が取り上げられている。これももちろん大事な話でありますけれども、そればかりではなくて、やはり行政全体について、必要なものとそうでないものとやっぱり見直していく、それこそゼロからスタートする。
 けさ租税特別措置法についてそういう御議論がございましたけれども、行政需要についても、やるべきものとそうでないものとをきちっとはっきりさせていくという努力が必要だ。これはやはり与野党で徹底的に話し合って、国民的レベルの議論を起こしていかなければ成功しないと考えておりますが、私はそういう意味における与野党の協議機関の設置と、それによりまして今後五年か十年、どちらでもあれですけれども、その一定の期間内に、今の厳しい財政事情をもっと適切なものに改めて、そして国民負担が総理の言うような五〇%を超えるようなことのないようにするという仕事をやるべきであるというふうにお訴えをしておるわけでありますが、この点について総理のお考えを聞きたいと思います。
#104
○村山内閣総理大臣 委員お話しのように、行政改革というのは言葉で言うほど簡単なものではない、これは今までの経緯が十分物語っていると思います。
 したがいまして、私は、この行政改革を本当の意味で推進をしていくためには、内閣が一体となって進めていくことはもちろんでありますけれども、議会の今積極的な御協力がいただけるようなありがたい御発言もございましたけれども、議会も全面的に与野党を通じて協力していただく。同時に国民世論も、もうこれだけはやっぱりやるべきだ、こういう世論の背景というものもあって、そして全体として取り組んでいけるような条件をどうつくっていくか、それがやっぱり行革を本当に実行させていく大きな力の背景になるというふうに私は思っておりますから、ぜひ、そういうことを与野党を通じてお話し合いをしていただくことはありがたいことだというふうに私は思っています。
#105
○津島委員 総理から前向きの答弁がありまして大変評価をしたいと思いますけれども、そのようなつもりで本当に国会、立法府が先頭に立って進めていく行政改革をつくりたいというふうにお訴えをしたいと思います。
 そこでもう一つ、この消費税については後ほど同僚議員が集中して御質問することになっておりますが、一つだけ申し上げたいのは、消費税が国民に対してどういうインパクトを及ぼすかという大事なかぎは物価なんですね。例えば消費税が何%か増徴される、その場合に、同時に物価全体が上がっていくということによって非常な負担感になる。しかし、物価が仮に上がらないというような状態になりますと、これは大変、庶民の立場からいうと負担感が軽減されるわけでありますが、そのために今一番大事なことは、日本は内外価格差があって、外国から見ても驚くような基礎的な物品の価格状態になっている、食料品を初めとして。この内外価格差の是正を真剣にやっていただきたい。
 もちろん政府の方でもいろいろやっておられますけれども、これは、例えば一般国民に対してコミットして、一定の指標を設けて、例えばいついつまでに内外価格差というものを少なくともこの辺まで改善をし、その次にはこうするというような具体的な計画を打ち出していただく必要があるだろう、ぜひとも御検討をいただきたいと思います。
 そこで、これは御答弁いただくとまた時間があれですから、地方消費税の問題に入っていきたいと思います。
 地方消費税が必要なゆえんについては自治大臣、けさも言っておられた。法人税、法人課税に偏重した地方税源になっている、これは私も同感でありまして、それからこれを別の角度からいいますと、日本の法人企業に対する負担が国際的に高いと言われている一つの原因が、国税だけ見るとほどほどのところだ、しかし地方税を足すと超えてしまうという声が強い。私はこれは地方の分が悪いと言っているわけじゃないんですよ。トータルでやはり超えちゃうということですね。
 そういうことの中で、やはり何と申しますか、法人課税に偏重した地方税源を是正していくということの中でほかのタイプの税も考えていく、そして固有財源は確保していく、そういう方向でぜひやっていただきたい。自治大臣の御答弁はそういう方向だろうと思ってきょうは聞かせていただいたんですけれども……。
 そこで、問題だ。今度お決めになったやり方、国の方の消費税は四%だ、その二五%を地方に、こういうやり方、これは技術的には当たり前じゃありませんかということになるんだが、将来の税制改正を考えますと厄介な問題ですよ。
 例えば、見直し条項でどうもちょっと二兆円何がし足らないとかいうようなときに、これは国の方で、あるいは福祉でこれだけのことをやりたい、こういう場合に、一体地方との関係はどうなさいますか。消費税というのは性格上、何・何%というのは、これはもういろいろな迷惑をかけますから、これはあってはならない。そういう立場からいって今度のような決め方、これは付加税的な決め方と言ってもいいんだけれども、これに問題はないかというのが第一点。
 それからもう一つは、今まで譲与税であったものを廃してこういう形にしたんですけれども、それは一つの考え方なんだろうと思う。固有財源であるということを評価できるのかもしれないけれども、しかし同時に、いわゆる富裕団体とそうでないものの間の財源配分効果というものは、これは減殺されてしまう、やはり人がたくさん来て消費の多いところにどんどん打っちゃうという、このことについて自治大臣はどうお考えになるのか、この二点をちょっとお伺いします。
#106
○野中国務大臣 委員御指摘のとおりに、地方の独立税源であれば地方が当然賦課徴収すべきであるということは基本的な問題でございます。けれども、今回の消費税の引き上げに伴います地方消費税の創設に当たりましては、先ほど来申し上げておりますように、納税者の事務を効率的に簡素化し、そしてそちら側に負担をかけないための工夫として、国で一たん御徴収をいただいて、そしてそれを都道府県に配分をしていく。都道府県に配分を受けましたものは、おっしゃるように財源の偏在を避けますために一定のいわゆる国勢調査等におきますそれぞれの数値を与えまして、そして財源の偏在が生じないようにこれを都道府県間の財源調整をやってまいりたい。
 また、市町村に対しましてはその半額を交付をいたしたい。この際にも、商業統計を初めとする一定の数値をもちまして、労働人口等従業員の数によりまして財源の偏在が行われないようにやってまいりたい。こういう仕組みを入れますならば、私は、現在のいわゆる住民税以上に普遍化したなだらかな状態で財源の偏在が避けられるというふうに考えておるわけでございます。
 まあ、この税そのものの将来のあり方としては、なお地方独立税源として、基本的に委員がおっしゃるような考えを私どもも認識をしながら、当分の間の措置としてお願いをしたところでございます。
#107
○津島委員 地方の立場からいろいろ発言しておられる自治大臣の意見の中で、もう一つ私はぜひフォローしてもらいたいと思うのは徴税機関の一元化の話ですね。これがどんなに問題を起こしておるのか。これは行革の一環として、やはり納税者から見ても簡易でわかりやすい徴税体制を整えるという見地から、ぜひとも推進をしてもらいたいと希望を述べておきたいと思います。
 そこで、消費税について、福祉との関係、行政改革との関係あるいは租税特別措置法等との関係というようなことで見直しをするということを言っておられるわけだけれども、庶民、生活者の立場からいいますと見直しをしてもらいたい点はいっぱいある。いっぱいある。
 まず土地税制ですけれども、これは去年から議論が引き続き行われてきたわけでありまして、いわゆる地価も非常に安定をしてきている中で、地価高騰の中でつくられた土地税制をやはり見直す必要があるんじゃないか。譲渡益課税の特別税率についても、ぜひともこれはもう一遍考えてもらいたい。地価税をどうするかということも、あるいは結果として非常に不公平なことになっているのではないかという指摘もあります。これが第一点。
 それから住宅税制でありますけれども、これは、けさも大蔵大臣、かなり前向きに今後とも維持する、役割を果たしていると言っておられるのだけれども、不十分な部分もある。これは前々から言われてきていますね。面積制限等々ですね。これは非常に税収にかかる。これは私もよくわかっている。非常にお金が要るんですね。ただ、今いわゆる建てかえの場合には制限を取っ払っちゃった。ところが、最初から家を建てる場合には相変わらずかなり厳しい制限が付されておる。この点について、思い切って一般の住宅建設にもう少し役に立つような制度改正が必要だということを御指摘申し上げておきたいと思います。
 それから年金課税、これも今後検討すべき問題点であるということを言っておられるが、どちらかというと、年金者に対する課税は今まででいいのだろうかという見地の議論がどうも行政の方に多いようですけれども、例えば、高齢社会を目の前に置きましてできるだけ民間の力を、個人年金にもあるいは年金型の貯蓄にも配慮を加えるというような見地の検討も必要ではないだろうか。
 それから、その次にもう一つ、今度は全く忘れられておりますのは個別間接税との調整ですね。前回、三%の消費税の増徴をやったときに、酒税や個別間接税を調整減税をやった。日本の例えは酒類の中には、諸外国に比べて相当税負担が高いものもありますし、それから、もうこれはぜいたく品ではないと言われるタイプの種類がある。そういうものについての調整減税は、まだ来年以降間に合いますから、これもぜひ取り上げていただきたい。
 いろいろ問題点を御指摘だけ申し上げておく。これは御答弁いただくと時間を食いますから、先に行かせていただきます。
 残されているもう一つの問題でありますけれども、今、国際競争が非常に厳しくなってきた。それで、今度売られておりますアメリカの雑誌、タイムに特集記事がありますね。ついにアメリカはナンバーワンになった、日本を追い越したという非常に大きな記事でございます。
 これを読んでみますと、やはりこれからの日本というのは、戦後五十年近く国民が孜々営々として働いてきた、この延長線上で繁栄が保証されるとは限らないなという感を強ういたします。
 そして、今どうなっているかといいますと、やっぱり将来への心配があるものだから、一生懸命庶民は働いて貯蓄をする。その貯蓄のおかげで円はますます強くなる。輸出競争力自体はついてくればくるほど円高になる。円高になると不況になるし、不況になっても物価は下がらない。つまり、もうずっと自転車をこぎ続けていかなきゃならないという日本の経済社会であったら、これはやっぱり救いはないと思うんですね。ですからこの際、やっぱり全体として日本の経済社会のあり方を見直すような角度からの税制についての検討が要る。
 その一つは、先ほど申し上げた所得税の問題でありますが、いわゆる企業課税についても、この際、規制緩和とあわせて、さっき自治大臣に御指摘したような問題を踏まえて、つまり地方税も合わせますと、やっぱり日本の税負担は国際的に高いと言われてもしょうがないかもしれない。
 それから、資本市場に対する税制ですね。有価証券取引税を今までのままで置いていいのかどうか。日本の資本市場が空洞化している、みんな香港やシンガポールへ行っちゃっている、アジアの企業も日本の資本市場には上場しないという傾向がもうどんどん出てきているんですね。ですからこの際、本格的なことをやらなければならない。その一つが、やっぱり所得、資産、消費の課税のバランスを考えるということの中で、必要な資産課税に対する措置をとると同時に、やむを得ずやっているようなびほう的な措置についてはこの際やめる、有価証券取引税もやめられるような所得税制をつくらなきゃいけない。
 ところが、総理は盛んにバランスをとる、バランスをとるとおっしゃっているけれども、例えば納税者番号制度にしても、皆さん方の答申を見ると、二十一世紀の初頭になんて書いてある。まあ悠長な話ですね。これはもう五年以上先のことに先延ばしというような典型的な話だと思うので、この点はぜひ真剣に取り組んでいただきたいと思うのであります。
 今後、こういう方向に向けてどのように進められていくか、資産課税の適正化についてどういう決意を持っておられるか、総理から一言お伺いしたいのであります。
#108
○村山内閣総理大臣 私は、今のように、例えば有価証券取引税とか、あるいは利子の分離課税とかいうようなものがやっぱり一つの矛盾点として今指摘されているのではないかと思うんですね。そんな意味では総合課税が一番いい。総合課税をするためには、課税客体を完全に把握せにゃいけませんから、したがって、背番号制といいますか、そういうものも必要になってくるというようなことをやっぱり積極的に検討して、推し進めていく必要があるということはもう申すまでもないと思いますから、委員御指摘の点については、そういうことも十分踏まえた上で、これからも推し進めていく決意であります。
#109
○津島委員 そこで、今までいろいろ質問してまいりましたけれども、やはりさっきの、午前中の問題点ですね。消費税については見直しをする、しかし所得税は三兆五千億、びた一文、それ以上は基本的な見直しはしない、二兆円については、景気が著しくよくなればこれはやめてしまう。著しくよくなるのはどういうことかということについて明確な御答弁がない。本来であれば、その御答弁が得られるまで論議を尽くさなければならないわけでありますけれども、私は、委員長の御許可を得て、この点については質問を留保させていただきたい、改めてこの委員会で徹底的に議論させていただきたいと思います。
 要は、今度の税制改正、連立与党三党の間の意見を取りまとめて、御苦労があったことは認めます。しかし、依然として今後の方針についてはわからないことが多い。そして、消費税の税率のあり方や所得税のあり方について、肝心なところは先送りされているという感を免れないわけであります。
 このようにあいまいさが残るのは、やはりその原因は、今までの主義主張の違いを棚上げして、一挙に、お互いに変身したといってみんなが同じバスに乗っていくという今の体制に根差しているんじゃないでしょうか。理念を持ち、これを貫くことを避けて、大政翼賛会的な政治から妥協と灰色の決着をしたと言われても仕方がないんじゃないかと思うのであります。その結果として、将来に禍根を残すような人気取りの政策に終始して、結局最後、振り返ってみたら、あの所得税のように増税内閣になってしまったということになっては、村山さんも余りいいことはないと思うのでありますよ。
 ですから、この際、将来の道筋を求める努力を放棄してもらっては困る。今のような姿勢が貫かれていくのであれば、不幸なのは国民であるという感じがしたということを申し述べて、私の質問を終わらせていただきます。
#110
○高鳥委員長 この際、村井仁君から関連質疑の申し出があります。津島君の持ち時間の範囲内でこれを許します。村井仁君。
#111
○村井委員 津島委員の関連でお尋ねをさせていただきます。村井仁でございます。
 最初に総理に、社会党委員長としてのお立場で、そしてまた、内閣総理大臣として、消費税をどのように御認識になっておられるか、まずお伺いしたいと存じます。
#112
○村山内閣総理大臣 それは、先般予算委員会で村井委員から御指摘がございましてお答えを申し上げましたけれども、これはもう先ほどもお話がありましたように、この消費税が設置をされるまでには歴史的な経緯があるわけです。
 消費税が創設された当時、私どもは反対をしてまいりました。しかし、もうこれまで六年経過するのですかね、中で、もう消費税も定着をしてきておる。こういう状況を踏まえまして、昨年七月の総選挙の際には、これまで議論をしてまいりましたように、消費税を一応前提とした上で、逆進性を緩和するとか、あるいは所得と消費と資産とバランスのとれた課税というものを検討していくとか、そういう方向に社会党は選挙のときに訴えてまいりまして、一応消費税を是認するという立場からそういう改革を提言するという方針に変えたというふうに御理解をいただきたいと思います。
#113
○村井委員 ただいま総理から、消費税を是認するという立場であるというも言葉がございました。是認というのは、是と認める、よいものと認める、こういう意味であります。したがいまして、――それと違うのでしたら、総理、お答えいただきたいと思いますが、是と認めるというのは、字引を引くと、よいものと認める、このように書いてございます。だめなものはだめではなくて、よいものと認める、私はこのように受けとめますが、違いますか。
#114
○村山内閣総理大臣 是認という言葉が、それはどういうふうに解釈されるか知りませんけれども、一応法律が成立をして、制度としてできて、国民の暮らしの中に定着しておるわけですよ、そういう現状を認めますという意味ですから、御理解いただきます。
#115
○村井委員 これはまた、この間私は予算委員会で大変何回もやりとりをいたしまして、そして最後に総理に、消費税についてどういう御認識を持っておられるかと伺ったところが、最後に、消費税を是認するとおっしゃったから、私はそこで矛をおさめたわけでありますけれども、今のお話を伺っていると、あるものだからやむを得ない、こういうおっしゃり方、そんな位置づけなのですか。
#116
○村山内閣総理大臣 あるものだからやむを得ないという立場ではないのです。今の消費税が完全にいいものであるかどうかということからすれば、いろいろな改革する意見が出ているわけですから、ありますよね。ですから、そういう意味も含めて、いいという意味で是認をするのですかと、こう聞かれれば、いや、まだ消費税は完全なものじゃありません、ただ、法律がつくられて制度としてできているものですから、私どもはこれは認めて受け入れます、こう言っているわけです。
#117
○村井委員 もう一度、念のために伺います。それじゃ、だめなものはだめなものではないのですね、少なくとも。それはよろしゅうございますね。
#118
○村山内閣総理大臣 いや、私が今答弁したことと、だめなものはだめというのとどんな関連があるのかよくわかりませんから、これは答弁の限りじゃないと私は思いますけれどもね。私が答えたとおりに御理解をいただきたいと思います。
#119
○村井委員 いや、全然わからぬ。こんなの答弁になってないじゃないですか。一度は社会党はだめなものはだめと言って、国民に本当にわかりやすく御説明になった。大体国民にわかりにくいお話をされては困るのですよ。あれだけせっかく国民にわかりやすく説明なすった社会党の大委員長が総理大臣になられた。これはもうぜひわかりやすくおっしゃっていただきたい。だめなものでなくなったのかどうなのか、そこを伺います。
#120
○村山内閣総理大臣 今申し上げましたように、消費税というものが完全にいいものであるかどうかということについては、これは完全なものとは思いません。まだ是正する内容のものがございます。
 ただ、法律ができて制度として国民の生活の中にもう定着してきておる、この事実を私は認めます。したがって、消費税は受け入れた上で私どもは今度の改正案を出しているのです。
#121
○村井委員 まことに不明快であります。要するに、消費税の利点あるいは欠点、私は、税というものにはそれぞれ利点、欠点いろいろある、そんなことは承知の上でお伺いしている。いいですか。欠点がないとは私は言っていない。しかし、消費税に利点があるのでございましょう。そういうものもあるから、資産、所得とあわせて消費にも課税をするということをお認めになったのでしょう。そういう意味で消費税に市民権をお認めになっているのでしょう。私はその点を確認をしているわけですよ。
#122
○村山内閣総理大臣 いや、さっき答弁しましたように、消費税を認めた上で改正案を出しているのですよ。認めてなきゃ改正案を出せませんじゃないですか。当然のことです。
#123
○村井委員 はい、大変結構なお答えでございました。それで結構です。
 そこで、官房長官に一つお尋ねいたしたいと存じますけれども、九月二十二日だったと思いますけれども、消費税引き上げを含む税制改正関係法といいますか、関係の法律の骨子を内閣としてお決めになられたと承知しております。したがいまして、その際に、全閣僚はその所管の重要事項につきまして、その消費税の及ぼす影響について当然御了解になって閣議でお決めになった、このように理解してよろしゅうございますか。簡単にお答え願います。
#124
○五十嵐国務大臣 それは仰せのとおりだと思います。
#125
○村井委員 しばしば、きょうも実は渡辺委員の御質問に関連して出たわけでございますが、消費税の非常に大きな欠点として、逆進性ということが言われます。これは正確に言えば、所得に対して逆進的な税であるということでございます。その逆進性緩和のために、総理は、例えば歳出面で手当てをなさるとか、いろいろなお考えをお述べになっておられます。それは確かに一つの方法であるということを私も認めます。
 その上で私は、非常にその税の議論の上で苦になっている問題として、生活必需品には課税しない方がいいじゃないかとか、せめて食料品ぐらいは軽減した方がいいじゃないか、あるいは非課税にした方がいいじゃないか。社会党側自身、この前の選挙では、そういう方向で改善に努力する、このようにおっしゃっていたと記憶しております。この点につきまして、総理の現在のお考えをお伺いしたいと思います。
#126
○村山内閣総理大臣 消費税というもの、そのものが持つ性格の中で、これは所得に対してではなくて消費に対してですから、同じ物を買えば同じ税率を負担するということになるので、そんな意味では大変逆進性が強いというのはもう指摘されたとおりですね。したがって、やはり応能負担という、能力に応じて税金を納めていただくというこの税の基本的な性格からすれば、やはり逆進性というものは無視するわけにはいかぬ。ですから、可能な限り配慮して、そして逆進性の解消を図っていくということは、検討するのは当然のことではないかと思うのです。
 それで、私はさっきも答弁申し上げましたように、税そのものの中に、例えば、飲食費は非課税にするとか、あるいは軽減税率を設けるとかいう意味の配慮の方法もあるかもしれませんし、同時に、歳出面でその分はカバーして、できるだけサービスでもって返していくということも一つの方法ではないかというふうに考えておりまして、これまでも、そういう意味における議論というのは、三党の中で十分慎重な審議を続けてきたわけです。きた結果、今回は、この五%という税率の引き上げの中ではちょっと無理があるのではないかという結論に達して、見送ることにしたわけです。
 それで、私は、これはやはりずっと引き続いて、税全体のあり方について検討する一つの課題として検討されるべきものであるというふうに思っています。
#127
○村井委員 この内閣の閣僚の中に、主婦感覚でお答えをいただける国務大臣がおいででいらっしゃいます。
 田中眞紀子国務大臣にお尋ねをいたしたいのでございますが、食料品の非課税あるいは軽減課税、これについてはどんなふうにお考えになりますか。
#128
○田中国務大臣 お答え申し上げます。
 この食料品に関する課税ということについては、十二分に長い間いろいろな角度から議論がされてきているというふうに思います。私も個人的には、もちろん食料品とか日用品にかからないということが一番望ましいとは思いますけれども、連立の合意もございますし、それから現在高齢化が、私、福祉の問題に大変衝心を持って当選させていただいておりますけれども、一四%というふうな老齢人口になってきておりまして、活力のある福祉社会というものを将来構築するためにはどうすればいいかという観点は、必ずよく見ていかなければいけない重要なポイントであるというふうに認識をいたしております。そういう中でもって、広く人々たちで税金を負担をして、税の公平性とか中立性とか、よく言われていることでございますが、簡素性ということから見て、やはりやむを得ないというふうに思います。
 ただし、複数税率につきましては、将来の検討課題であろうというふうには思っております。
#129
○村井委員 将来の検討課題である。将来というのはいつの時点と考えるか、これは一つわからないのですね。
 これはまた村山総理にお伺いしなければならない問題でございますけれども、とりあえず現在五%に引き上げる、こういうお話になっていますけれども、これは、平成八年の九月までにいろいろな諸般の事情を考えて見直す、その上で平成九年の四月一日から実施する、こういうお話に、私ども御提議をいただいている案にはなっているわけでありますが、今、田中国務大臣からお話のあった、将来の課題だと考えておる、現在はその選択はしない、端的に言えば単一税率でいく。これは、平成八年の九月三十日までの検討、その中では含まないことだと理解してよろしゅうございますね、それ以後の話だと。もう一度言いますと、五%までのところはこれは単一税率でいく、こういう考えだと理解してよろしゅうございますか。
#130
○武村国務大臣 基本的にそういう考え方でございます。
#131
○村井委員 いや、基本的にと言われるのは、これは非常に困るのですね。また議論をした結果、変わってしまう可能性がある。税制というのは社会経済のいろいろなあり方というものに影響してまいりますから、そういう意味で、不確定要素をできるだけ少なくしていかなければならない。そういう意味で、いかにも食料品については軽減税率を適用するかもしれないというような雰囲気の御発言が、一部の有力な与党の幹部から、あるいは閣僚の一部からも示唆されるようなことが間々、新聞報道など見ておるとあるわけでございまして、私は、そういうことがありますから、あえてお尋ねをしているわけであります。
 そういう意味で、なぜ食料品だけそういうことに、そういう話題になってくるのか、どうもここのところが私はよく理解ができないわけでございますが、大蔵大臣、もし何でしたら、どうでしょう。
#132
○武村国務大臣 食料品は、国民すべてにとって欠かすことのできない生活必需品であります。その消費にまでかけるのかという疑問が、消費税創設当時から幅広く国民の皆さんにあったし、今もあると思うんです。それは率直に認識をしなければならないと思います。そういう意味で、食料品については、今も田中大臣も個人としてはとおっしゃったように、何とか外せないものかというふうにお考えになるのは、ごく自然な庶民感情に沿った考え方だと私も認識はいたします。
 しかし現実、この税を専門的に見詰めてまいりますと、これは村井委員も十分御認識の上だと思いますが、すべての消費を対象にするところにこの消費税の特色があります。課税ベースが最も広い間接税という表現をいたしておりますように、極力例外なしに、物、サービス、全部各般に一定の税率を御負担いただくというところにこの税の特色があることは事実でございますし、また、食料品を例外にすれば、衣食住といいますから、じゃ住も外してほしい、衣も外してほしい、こういう議論になるかもしれません。また、食料品そのものも、御承知のように、米、みそ、しょうゆのような本当に欠かせない食料品から、かなり奢侈的な、高価な食料品までございます。
 そんな議論にも入っていくわけでございますが、いずれにしましても、消費税の「課税の適正化」という附則の表現を使っておりますが、課税の適正化という税の議論で使う言葉としては、この消費税、食料品の複数税率は入っていないという認識でおりますが、当然、今申し上げたような国民感情もございますから、そのときにもこの議論は起こるだろうし、将来ともこの議論を避けることはできない。
 そういう中で、まあ私ども財政当局としましては、一定の消費税率になったときにかなり真剣な議論になってくるのではないか。ヨーロッパの例を見ましてもそんな認識を持っておりまして、この五%では、議論はございましたが、回避をいただきました。しかし、将来はこの課題を否定するわけにはいかないかなというふうに思っている次第であります。
#133
○村井委員 消費税を将来さらに上げる必要があるということを、大蔵大臣は今の御発言の中で含んでおられるようであります。
 そのことは別に置きまして、私、ちょっと具体的にこの問題、わかりやすくお尋ねをしたいんでございますけれども、生鮮食料品非課税という議論というのは、実は議員の中にも結構広くあるんですね、これはどうしてできないのかという議論が。そこで、非常に具体的にお伺いしますが、例えば生鮮食料品といいましても、よくキャビアだとか、あるいは何ですか、フォアグラですとかいうような話が例に挙げられる。フランスの場合、これは確かに税率が別になっている、これはもちろん過去のいろいろな沿革がある話でありますけれども。
 非常にわかりやすくお伺いしますけれども、例えば牛肉一つとってみましても、普通の国産牛肉の小売の値段というのは、百グラム四百円から八百円くらい、大体その範囲におさまっている。四百円以下ではまあちょっとペイしないという感じになっているようでありますので、安い輸入牛肉というのは、これは九十円くらいから売られている、こういう状況であります。ところが、例えば東京のデパートなんかの食品売り場をのぞいておりますと、百グラムで何と三千円、五千円なんという牛肉を売っているんですね。これ、どうですか、こういう高い牛肉というのは、これは私、総理にお伺いしたいのですが、これ、ぜいたく品だとお思いになりませんか。
#134
○村山内閣総理大臣 いや、そのぜいたく品というのは、価格で区別をするのか、物によって区別するのか、それは一概には言えないんじゃないかと思います。
#135
○村井委員 やはり非常によくおわかりになってきているようでございまして、大変結構なことだと思っております。
 農林水産大臣、おいででございますね。農林水産大臣にお伺いしたいと存じますけれども、仮に値段で仕切って、高いものはぜいたく品だと、高い牛肉、例えば百グラム三千円のものはぜいたく品だから課税しよう、あるいは牛肉はぜいたく品だから課税しよう、こういうことは成り立ちませんね。これ、ちょっと消費税に関連して。
#136
○大河原国務大臣 お答えいたします。
 牛肉についても、村井委員御案内のとおり、国産の酪農の方から出てくる牛肉と、それから黒毛和牛から出てくる牛肉では、品質その他非常に違います。
#137
○村井委員 それは品質が違うのはわかりますが、私がお尋ね申し上げているのは、それを税の世界で違う税率を適用するなんということは考えられませんねということをお伺いしているのです。きちんと答えてください。
#138
○大河原国務大臣 考えたことはございません。
#139
○村井委員 はい、わかりました。
 やっぱりこれはまじめに考えていきますと、複数税率というのはそう簡単な話じゃないんですね。私は、食料品について軽減税率を適用する、あるいは非課税にするということを通じて、それで消費税の逆進性をなくしていこう、これはできない相談なんだということを、こういうことで既に認識しておられるというふうに理解いたしますが、総理、そういうことでよろしゅうございますか。――いや、総理にお尋ねしているんですよ。
#140
○高鳥委員長 大蔵大臣から先に御答弁いただきます。
#141
○武村国務大臣 先ほど総理がもうお答えをいたしたわけでございますが、消費税のように広く消費一般に負担を求める税におきましては、所得に対する税負担の割合が逆進的であることは、これは否定できませんが、消費税は所得の種類のいかんにかかわらず、消費の大きさ、すなわち生活規模に応じて比例的な負担を求めることができます。いわば水平的公平の確保に資するという特徴を持っております。
 それで、逆進性の問題につきましては、総理は特に財政、歳出の面の配慮を強調されております。もう一点は、税制全体の配慮という視点もあろうかと思います。今回の減税も、そういう意味で課税最低限をさらに引き上げるという措置をとらせていただいておりますように、その他の税目の逆進性緩和に対する配慮ということもつけ加えさせていただきたいと存じます。
#142
○村井委員 ですから、私お伺いしたいのは、単一税率で消費税について、消費税の持つ逆進性という観点から、これを、例えば食料品について軽減税率あるいは非課税というような措置をとることによってこの逆進性という問題を解消する、こういう考え方はお捨てになった、こういうふうに考えてよろしゅうございますね。
#143
○村山内閣総理大臣 お捨てになったのかと言われれば、これは午前中の答弁でも申し上げましたように、将来のやっぱり課題として検討されるべき課題であるというふうに受けとめておりますと、こういう答弁をしているわけですよ。それは、いつまでにどうこうするなんということは申し上げられませんけれども、しかしやっぱり、これは現に今あなたもおっしゃったように、生活必需品にはこれはもうできるだけ課税を軽減するとか非課税にするとか、何らかの配慮をしてほしいという国民的な声が大変強いんですよ。これはもう否定し得ないものがあります。
 そこで、技術的に可能なのかどうか。例えば、今お話がありましたように、非課税にする範囲は、食料品はどの程度の範囲にするのかとか、これは大変難しい問題がありますよ。また、この食料品をつくっておる皆さんからすれば、つくるために仕入れた物には消費税がかかってきておる、出す物については消費税がかからない、こうなったのでは、このかかっている、払った分をどう負担するのかというようなこともありますから、技術的に大変難しい点があるというようなこともやっぱり考えなければなりませんから、したがって、税体系全体の中でそういう方式をとることが妥当なのかどうかという問題と、仮に妥当だとしても、実際にやれるのかどうかといったような問題も検討しなければなりませんから、簡単に結論は出せない問題だと私は思いますけれども、しかし、やはり暮らしというものを考えた場合に、これはこれから先も慎重に検討しなきゃならぬ課題であるということについては、私は否定できないものがあるというふうに申し上げておるわけです。
#144
○村井委員 現在出ています三%から五%への引き上げという限りでは、単一税率を維持されるというおつもりであるというふうに私はまず理解をさせていただきましたが、その先、これは仮定の議論ですけれども、大体どのくらいのところから複数税率という話が出てき得ることだとお考えになりますか。これは、私は政治家としての識見をお伺いしたいのですよ。三から五だからいい、そこから先だとわからない、複数税率という考え方をなかなか捨て切れない。ヨーロッパの場合、これは大体二けたですよね、基本税率は。そのあたりを念頭に置いて、総理の御見解をお伺いしたい。
#145
○村山内閣総理大臣 もう既に複数税率を採用している国もありますし、今お話のございましたように、そういうヨーロッパあたりの例等々も十分参考にさせていただきながら、これから検討していかなきゃならぬ課題であるというふうに思っています。
#146
○村井委員 いや、大体どのくらいのパーセンテージからそういう話になるんだろうかという、村山総理の御見解を私はお伺いをしているのであります。
#147
○村山内閣総理大臣 そのときの暮らしの状況やら経済の状況やら社会的背景やら、いろんな検討しなきゃならぬ懸案がありますから、したがって、今どの程度の率になったときにどうするかということについてお答えできる限りではないというふうに申し上げておきます。
#148
○村井委員 もう一つ、消費税の関連でちょっとお伺いします。
 郵政大臣お見えでございますか。郵便料金でございます。これは、今度の消費税値上げが起こりますと、現在八十円、五十円ですが、これはそれぞれ幾らになりますか。
#149
○大出国務大臣 御答弁を申し上げます。
 これは十一条、つまり現行の税制改革法の十一条で「円滑かつ適正に転嫁する」ということになっておりまして、したがって、前回もそうでございますけれども、転嫁をせざるを得ないという考えに立っておりまして、計算上こうなります。三%の消費税率が五%に引き上げられた場合、現行料金に百三分の百五を乗じるということになります。現行三%でございまして、今回トータルで五%になる。したがいまして、百三分の百五を乗じて試算しますと、はがきが今五十円でございますけれども五十・九七円、封書が八十一・五五円ということになります。
 そこで、これどうするかという問題があるのでございますけれども、前回もそうでございますが、丸い数字にしないと非常に扱いに困るということになる。そういう意味で、できるだけ利用者の皆さんの側に立って、どこまでこれを抑えられるのかという、ここを、これから決まれば検討してまいりたい、こういうふうに思っておるところでございますが、とりあえず御答弁申し上げました。
#150
○村井委員 あと、いろいろまだお伺いしたいことがございます。
 先ほど津島委員からも触れたことでございますけれども、地価税の問題でございますけれども、地価が鎮静して、一部ではこの税は現在の景気回復の足を引っ張っている、こんなような御意見があるわけでございますけれども、地価税というのは、本来固定資産税なんですね。担うべき――その土地の保有に負担を求める、そういう税金でございますが、それにもかかわらず、現実には取りやすいところに偏って課税されているいびつな税になっていまして、都市の大変重要な機能を担っているホテルですとか百貨店、あるいは日本の頭脳中枢ともいうべき事務所、そんなようなところに非常に過大な負担を課している、こういうことが言えるのじゃないか。地価税と固定資産税について見直しをするという必要があるのではなかろうか。
 それからもう一つ、土地の譲渡益に対する課税ですが、これは土地の税制をずっと見直したときに、国税二〇%、地方税六%という水準だったものを三〇%プラス九%、こういう形にしましたね。今度所得のブラケットが非常に広がりますね。それとの均衡において、それとのバランスにおいて、こういうところを見直していくというお考えは、大蔵大臣、お持ちじゃありませんか。
    〔委員長退席、石原(伸)委員長代理着席〕
#151
○武村国務大臣 まず、土地税制全体としましては、もう御承知のように、これまた所得、消費、資産のバランスといいますか、そういう税体系を目指しながら、その中で土地に対する課税をどう適正公平に進めていくかという視点を大事にしていきたいと思いますし、もう一点は、やはり土地基本法が制定をされて、土地税制全体の見直しをする中で地価税が誕生したという経緯でございます。
 たまたま時期がバブルの時期と重なってはおりますが、バブル対策、土地の高騰ということだけを対象に地価税が生まれたわけではありません。大変長期的、安定的な制度として考えられたものだと私どもは認識をいたしておりまして、そういう意味では、今後ともこの新制度の着実な実施に努めていくことが大事だという考え方であります。もちろん、見直しは考えていきたいと思っております。これは固定資産の評価がえの時期ともあわせながらぜひ議論をいただきたいと思います。
 それから、譲渡益課税の問題でございますが、これも土地に対する課税の適正公平な税負担を確保しつつ、土地の資産としての有利性を縮減する観点から、長期的な視点に立って安定的かつ確固たる制度を確立していこうというのがねらいでありました。大変めり張りのきいた制度になっているわけであります。このことが、特にめり張りと申し上げたのは、優良宅地の供給にも貢献をしてきているという考え方であります。
 なぜなら、優良宅地等、もちろん土地収用法の対象事業は当然非課税でございますが、優良土地等につきましても、この措置と並行してかなりの軽減措置をとっているところでございまして、そういう意味では、譲渡益課税の対象になる土地のおおむね八〇%が非課税ないしは軽減措置の対象になっている。めり張りと申し上げたのは、そういう公的な役割を担っていく土地の供給についてはほとんど軽減、非課税の対象になっていることも御認識をいただいて、この譲渡益課税の今日的な意味をごらんいただきたいというふうに思う次第でございます。
#152
○村井委員 これは、今の大蔵大臣の御認識は、私は大変甘いと思うんですよね。今の景気の状態というものをそんなに甘い状態だと考えておられるのかどうか。先ほど経済企画庁長官、これからだんだんよくなるのじゃないか、こういうふうにおっしゃった。これについては、また私いろいろ申し上げたいことがあるけれども、明らかに地価税の負担と固定資産税の見直しによりまして、都心にある本来都市になければならない機能というのは非常に重い負担を負わされて、経営的にも非常に苦しくなっている。この問題をなおざりにするというのは、私は許されないと思うんですよ。
 今の答弁じゃ私は納得できませんね。ちょっと大臣、もう一回答えてください、ちゃんと。自分の言葉で答えてくださいよ。今のを聞いていると、役人の言葉そのまま読んでいるんだ。
#153
○武村国務大臣 私もこの問題については恐らく村井議員と同じかもしれませんが、地元も含めて各関係者から大変熱心な陳情を今受けております。そういう意味で、この問題、特に私なりに勉強をいたしているつもりでございます。
 それで、景気が悪い、土地が動かない、これがまあ、土地が動かないところにまた景気の足を引っ張っている最大の原因がある、こういう見方が幅広く存在いたしますね。これは私もうなずける話だと思っておるわけでありますが、しかし、現実土地がなぜ動かないのか、そこのところに目を向ける必要があります。
 私はまあ余り専門的な議論に深入りするつもりはありませんが、やはりかつてまでは日本は土地に対する神話が堂々とまかり通っておりました。日本の国は狭い、人口が多い、したがって土地ほど大事な価値を持つものは、財産はない、土地は買っておけば必ず損をしない、普通で言えば上がる、こういう常識がまかり通っていたわけであります。その神話がバブルから消えたといいますか、大きく変貌してきているわけであります。土地はまだ下がるかもしれない、そういう見方をする人も少なくありません。もうこの辺で終わりだろう、そろそろまた上がるだろうという期待もある反面、まだ商業地を中心にしてもう少し下がるんじゃないかという見方をする人もあります。
 土地が上がらない、ないしは下がるという気持ちがある以上は、なかなかこの税制等によって簡単に土地を動かす大きなきっかけをつくることは難しいというのも事実でありまして、何となく地価税や譲渡益課税が元凶で、こんなことをやっているから土地が動かないんだという認識は、一面これは間違っているとは言いませんが、厳密に言えばそう正しくないというふうにも思うわけでありまして、ぜひこの問題をめぐる総合的な視点からの御判断をお願いをいたしたい。私どももこの議論には大いに参画をしてまいりますので、今ここで結論をつける場ではないと思いますけれども、関心は持っておりますけれども、今の私どもの考え方としては、これを廃止すれば土地は動いて景気は一挙に活気づくという見方はいたしておりません。
    〔石原(伸)委員長代理退席、委員長着席〕
#154
○村井委員 実は、地価税が導入されたときに、方向性は違うのですけれども、その当時野党であった社会党の皆さんの方から、地価税、低過ぎるじゃないかと、課税する水準が。そういう意味で見直すために、三年後に見直そうじゃないかという附帯決議がついています。その年がたしかことしの暮れに来るわけでありまして、来年度の話になるわけでございますけれども、私は、この問題は、やはりこれからの日本経済の活力を生かしていくという上から、非常に重要な問題だと思っておりますので、いずれもっとまた改めての議論をさせていただきたいと思います。
 続いてもう一つ、株式市場、さえませんね。株式市場がさえないということは、これは先ほど津島委員からも触れられましたけれども、やはり経済の先行きにどうも不安がある。株式市場というのは基本的に経済に対する先見性のある、そういう部分でありますから、その部分であのように状態が悪い、これはやはり経済の先行き、余り芳しくない、こんなふうに世の中がやっぱり見ているんじゃないだろうかと私は思うのでございますが、これは大蔵大臣、それから経済企画庁長官、それぞれ御見解をいただければありがたい。
#155
○武村国務大臣 おっしゃるとおり、株価というのは、やはりそのときどきの経済のこれは心理的なものも含めて実体を映し出しているというふうに思います。投機的な要素等も一部入ることもありますが、現在の株価がやはり日本経済のこの戦後最長の不況の状況を反映していることは否めない事実であろうかと思います。
#156
○高村国務大臣 株価のことはわかりませんけれども、経済そのものは緩やかながら回復の方向に向かっていると認識しております。ただし、為替相場等、懸念すべき要素があることももちろんでありますし、企業設備等まだ調整過程にあるということも、そのとおりであります。
#157
○村井委員 そういう状況であるこの日本の株式市場でありますけれども、私は、この株式市場が一向にさえないということに関連して、その理由というのは、やはり証券市場にいろいろなよその国にない規制があるということも、これももちろん指摘しなければならない問題点ですが、もう一つ、有価証券取引税というこの税金ですね。
 これはよその国に、主要先進国には例がない税金であって、これをある意味では嫌って、これは外国投資家も日本のいろいろな新聞などにも投稿しまして、それでこういう税が非常に邪魔になっているんだということを言い、そしてその結果として日本の市場の、日本の株式市場の魅力が失われて、そして世界の成長センターというのは今実はアジアなんですね。中国の株式だとか、あるいはASEAN諸国の株式、こういうものが日本市場をスキップして、そしてアメリカのマーケットあるいはヨーロッパのマーケット、そういうところに上場される、取引されるということになってしまう。これは、日本の投資家にとって投資のチャンスが奪われることである。
 それからまた、彼らにとっても、せっかく日本という資金供給センターがあるのに、それがアジアに資金還流がうまくいかない、こういう原因に一つなっているのじゃないかと私は思うのですが、大蔵大臣、有価証券取引税、これは見直すお考えはありませんか。
#158
○武村国務大臣 今直ちにこれを見直す考えは持っておりません。
 確かに、最近の証券市場を含めた、ある意味では金融・資本市場全体とも言えますが、国際的な動きが非常に活発であります。日本への参入もありますが、日本からシフトする企業もあります。また営業の面の取引としても、ロンドン市場での売買が少し目立ってきているというふうな現象も注目しなければなりません。そういう中に税の問題、有価証券取引税があることも事実でありますが、大変複合的といいますか、いろいろな要素が絡み合っておる問題でございまして、この税制だけをいじれば一挙に活気づくという話ではありません。
 そういう意味で、大いに議論はしていきたいとは思っておりますが、この金融市場における空洞化の問題の実態も十分に見きわめていきたいと思いますし、またその対策につきましても、総合的な対策として取り組んでいかなければいけないというふうに思っている次第であります。
 四千六百億ぐらいの総額に上っておりまして、先ほどの地価税もまあ数千億円。津島委員のお話でございますと、地価税は見直す、有取税はやめる、あるいは法人税も下げる。確かにこれは減税の方向を特に強調いただいておりまして、それはそれなりに一つの理由があることを私どもも認識をいたしておりますが、国家財政全体の立場も考えながらひとつ議論を進めていかなければいけないというふうに思っております。
#159
○村井委員 ちょっと別の話になりますが、自治大臣にお伺いしたい。
 例の特別地方消費税、遊興飲食税というのを、平成元年に消費税を導入しましたとき、あれは典型的な消費、流通にかかる税でございますよね、それを電気ガス税やなんかみんな整理した、にかかわらず、あれは整理しないで残して、言ってみますと、ホテルあるいは旅館あるいは特定の飲食、そういうものだけにまあ選択的に重い税が課せられる。ホテルへ泊まる、飲食、外食をする、旅館に泊まる、それがそんなに重い課税をしなきゃならないような行為なのか、私は非常に疑問に思うのですね。本来、これはもともとあのときに整理されてしかるべきだったんだが、ずっとそのまま来ている。それは地方財政のいろいろな事情があることはよくわかっています。しかし、今度地方消費税をお入れになった。当然私はこれは整理するべきものだと思いますが、その点、自治大臣、どうお考えになりますか。
#160
○野中国務大臣 お答えいたします。
 津島委員から村井委員と本日質問を伺っておりますと、この一年、余りにも激動が厳しゅうございましたので、予算をお組みになりました与党であった人、あるいはつい四カ月前まで野党であった人、私自身も、それぞれ御質問をお伺いしながら非常にその視点のとらえ方に戸惑っておるところでございまして、そういう点で、今回地方消費税の導入に伴いまして、ただいま特別地方消費税のお話があったわけでございますけれども、これも今お話がありましたように、電気ガス税等が整理をされる中で、前の料理飲食税、いわゆる旅館における宿泊あるいは飲食等について、高額なものは別途地方行政のサービスと絡めながら存続をさすべきであると、村井委員の仲間の皆さんが非常に御配慮いただいて、そして関係団体の交付金を含めて御整理になったものでございまして、私は、そういう現在の特別消費税の生い立ちを考えますときには、この今回の地方消費税とのいわゆるギャップがあるとか、あるいは重複するとか、そういう視点ではないと考えておるところでございます。
 がしかし、一方、またお説のように、これによって地方財源を、非常に潤っておるところは全国地方公共団体の中でも特定のところでございまして、約二千億に近い税源を得ておるところでございます。したがいまして、今後、この整合性あるいはあり方については、さまざまな議論を重ねながら、地方税財政にどのように影響を与えるかをも含めて、検討を加えていかなくてはならない重要な課題であると認識をしておるわけでございます。
#161
○村井委員 私は、自民党におりましたときにも、この税は廃止するべきだという主張をずっとしてきたのですよ。私は、その姿勢は全然変わってないのでありまして、やはりおかしな税だから変える、整理するべきだ。そのきっかけが、何といってもこうして地方消費税というものができてきたんだから、それが絶好のチャンスじゃないか、そういうときにどうしてこんな整理ができないんだというところをお伺いしているんですよ。やはりそういう決断をされるべきじゃないですか。
#162
○野中国務大臣 私は、村井委員がそうされたと申し上げたわけではないわけでございまして、お仲間の皆さん方が大変御苦労をいただいたということを、当時の事情を知っておる一人でありますだけに、特に申し上げたわけでございます。
 ただ、今度の地方消費税と私は合理性を欠くという認識は持っておらないのでございます。けれども、村井委員のような御指摘もあるわけでございますから、今後、平成九年四月一日の導入に向けまして、さまざまな議論をなお重ねていくべきであろうと存じておるところでございます。
#163
○村井委員 もう一度、総理大臣、お伺いします。
 今の野中自治大臣の御答弁、それから先ほど津島委員からも御指摘がありましたが、例えば酒税と消費税との調整の問題、こういった問題というのは、いずれも、本当は消費税を三%から五%に上げると決断をしたら、きちんと整理をして、一本の法律にして、片づけなければならない問題なんですね。それをみんな先に延ばしちゃっているから、議論が非常にしにくい。議論にならないのですね。
 これ、あれですか、特別地方消費税はもう廃止しない、そのまま存置する、こういうふうにもう総理は、村山内閣としては確定的にお決めになっている、あるいは酒税との調整というようなことはやらない、こういうふうにお決めになっていると理解してよろしいのか、それともそういうのは先へいって検討するのか、その辺伺います。
#164
○村山内閣総理大臣 今回の改革の中には特別消費税を廃止するということは入っていません。だけれども、今御意見もありますし、いろいろな意見があるわけですから、そういう意見も踏まえて、今後はやはり検討すべき課題であるということについては、申し上げておきたいと思います。
#165
○村井委員 その昔、消費税廃止法案というのが当時の野党から出されましたときに、国民税制改革協議会というのができまして、ここにおいての町村議員なんかと御一緒にいろいろ当時の野党の方々にお尋ねしたことがございます。何でもすべて国民税制改革協議会の検討にゆだねます、こういうお話になったのを私は思い起こすわけでありますが、これすべて検討、検討、こういうお話でありまして、こんなことで私は国民の納得のいくような議論が、税金という本来技術的なきちんとしなければならない問題について、一体どうやって議論するんだという気が払いたしまして、本当に腹立たしい思いをいたしております。もうちょっときちんとした形で提案をしていただかなければ困るのです。
 私は将来の日本の経済というものを考えますと、今基本的には財政の手を広げておくことが大切だと考えています。まあいつも言われていますように、国債で二百一兆円、地方で百兆円、隠れ国債も四十兆円近くある。国民一人当たりにすると、この国債だけで百六十一万円という金額になっている。大変な金額です。
 先ほど総理は、子供や孫に借金を残すのはいけない、こう言われた。私は問題はそれだけじゃないと思うのですよ。子供や孫に借金を残すだけじゃないのですよ。ここのところ、皆さん公債問題について考えるときに非常に間違えているのですよ。子供や孫に負担を残すだけじゃないのです。
 もっと問題なのは、子供や孫の世代で国債を持っている比較的恵まれた人のところへ、私たちの子供や孫の世代から、国債を持っていない比較的恵まれない人たちのところから所得の移転が起こる、このことが一番の問題なのですよ。いいですか、社会的により弱い人が――国債を片づけるには二つ方法ありまして、一番簡単なのはインフレを起こすことなのです。これはもう一番簡単なのです。これをやれば一発で片づく。しかしながら、これで一番悲劇的な影響を受けるのは、弱い、社会的に弱い人です、どちらかといえば。それから、後世税金で片づけるということにした場合には、私が今申し上げたようなことがそのとおり起こるわけです。そうでしょう。
 私は、問題は、今の時代に国債を増発して処理するということは、確かに現在の社会には優しいかもしれないが、後世にはこの上なく冷たい。私たちの子供や孫の時代になって、一体平成の初めの世の中というのは、日本は世界に誇る繁栄を謳歌し、そうして本当にいい時代だった、それなのに、まあ我々の時代にはどうだ。インフレは高進する、社会資本はろくに整備されていない、えらい世の中を残してくれたなあというふうに恨まれるというようなことになっては、私は本当に申しわけないことだと思うのですね。総理、ぜひそのあたりについてお考え、お伺いしたいのですが。
#166
○野中国務大臣 特別地方消費税につきまして関連されながら今の後半のお話がございましたので、私から申し上げておきたいと思いますが、いわゆる地方消費税と特別消費税は、私は、二重課税だというそういう議論は、それは一つの議論として承っておきます。
 ただ、先ほど来申し上げておりますように、非常に深刻な……(発言する者あり)質問が関連して行われましたので申し上げておきたいと思います。
 したがいまして、非常にこれから私ども、総理が申し上げましたように、一つの検討課題としていきたいと申しておるのでありまして、聞いておられる国民の皆さんからお聞きになりますと、今、村井委員おっしゃったことは、いわゆる景気対策として減税を皆さんの政権が先行されて、そして税制の改正の結果的処理を今の政権がやらなくてはならないということでございます。
#167
○高鳥委員長 自治大臣、簡潔にお願いします。
#168
○野中国務大臣 はい。
 減税先行の中で、平成九年四月一日に至る間になお収れんをしていこうということで、見直し条項等多くの問題をここに提起をしておるのでございまして、ぜひその点をお考えをいただいて、そして国民の皆さんにもおわかりをいただくようにお願いをしたいと思っております。
#169
○村井委員 特別地方消費税に関連してなんか、私聞いていませんよ。全然、その特別地方消費税の話は一応終わって、それで別の話をしているのですよ。それなのに、あんなことを言われるというのは、大変心外でありますし、ちょっと議事整理の点でも非常に私は、委員長、おかしいと思いますよ。
 いずれにしても、総理、ちょっと答えてください。
#170
○村山内閣総理大臣 お答えいたします。
 委員御指摘のように、国債というものが、単に子供や孫に借金を残すというだけではなくて、負担の格差を拡大していくという意味は言われると。おりだと私も思います。それは否定しません。ただ、例えば国債の中でも建設国債等は公共投資の財源として使われるわけでありますから、したがって、景気対策等々についてそれなりのやっぱり効果を上げてきておるという面も否定し得ない面があると思いますね。
 しかし、いずれにいたしましても、公債がもう二百兆円を超すというような状況になってまいりますと、財政の硬直化を考慮して弾力性のある運用ができないとか、いろいろな弊害も出てまいりますから、可能な限り収支が伴うような健全な財政を維持していくことは当然のことでありますから、これから歳入歳出、全面に洗い直しをして、そして健全財政が維持できるような、確保できるような方向に全力を挙げて取り組む必要があるということについては、もう申し上げるまでもないことだと思います。
#171
○村井委員 私は、実は一番冒頭に消費税の性格認識あるいは逆進性の問題、そういった問題についていろいろ総理にお尋ねしたのは、ほかでもない、私自身は、いろいろ議論はありましょうけれども、今日本の経済あるいは社会、活力のある時代に財政の手を広げ、ある程度積極的な社会資本の形成をしておくということが大切だと思っている一人なんです。そういう観点から、消費税というものを非常にあしきものとして言われた、社会党の以前おっしゃったことが国民の中に広く広がってしまって、そして消費税というものは悪いものだ、あれだけはやめてくれ、あるいは、せめて食料品にだけはかけないようにしてくれというような声が出てくることになってしまう。それに、しかも国民の皆さんの中には、何かやってぐれるんじゃないか、こういう期待を持っていらっしゃる方が結構いらっしゃる。しかし、それは無理なんだ、難しいんだということを、総理との御議論を通じて私はある程度ここで明らかにすることができたと思っています。
 単一税率というのは、当面私は、例えば二けたになるような、消費税率が例えば二けたになるような、一本の基本税率が二けたになるようなヨーロッパのような税構造になるときなら、また話は別でしょう。それは確かに、総理がさっき将来とおっしゃったのはそういう意味だろうと思いますが、そういうことなら別でしょうが、私は当面はやっぱりこれは単一税率でいかざるを得ないんだ、ここは変な迷妄と言っちゃなんですが、変な誤解を国民に与えてもらっちゃ困ると思うのです。
 私は、政治家というのは、今選挙権を持っている人に責任を持つというのは、これは当たり前なんです。そういう意味で私は、きょうは公約違反の問題については、別の同僚議員がおやりになるはずでございますから、特に申しませんけれども、公約違反をなすった村山総理、その点については、いろいろおっしゃることがあるんだろうと思いますけれども、本当にみずから承知していらっしゃることだと思いますけれども、私たち政治家は、やはりまだ選挙権持っていない人たち、それから若い人たち、子供たちですね、それからさらには、さっき私、将来の世代のことを申しましたけれども、まだ生まれてきていない、将来の日本を支える人たちにも責任を持っていく、それが私は政治家の本当のあるべき姿だと思うんです。
 それで、五十嵐さんが、私どもの同僚の五十嵐さんが、さっき公債管理政策について、頭のいい役人に考えてくれ、こういうことを言われた。私はあれ聞いてびっくりしたんですね、申しわけないが。やはり、こういうことを真剣に考えるのは政治家の責任なんですよ。やはり政治家が税制についてまじめに、真っすぐ取り組まないから、結局のところは、日本の財政の手もだんだん狭まっちゃったりいろいろ難しいことになってくるんですよ。
 それから、もう一つ申し上げたいのは、例えば日本経済の将来のために、例えば地価税ですとか、証取税ですとか、こういうようなものを整理していく、そのためにはどうしたって財源が要るんです。その手をどうしても練る、狭めてしまっている。それはやはり、消費税というものを諸悪の根源と考えてずっとやってきたところに私はもとがあるんじゃないかと思うんです。
 いずれにしても、もうちょっと自由な発想でこの税という国民の将来の生活にとって大変重要な課題を私たち議論をしていかなきゃならないと思うのであります。
 以上で質問を終わります。
#172
○高鳥委員長 この際、北側一雄君から関連質疑の申し出があります。津島君の持ち時間の範囲内でこれを許します。北側一雄君。
#173
○北側委員 改革の北側一雄でございます。改革を代表いたしまして質問をさせていただきます。
 総理、まず最初に、税制改革、今回の税制改革の目的について改めて確認をさせていただきたいと思うんですが、今回の税制改革の目的、必要性につきましては、総理が総理に就任なされました六月二十九日、この日に自民党、社会党、さきがけの三党合意、新しい連立政権樹立に関する合意事項、こういうものをつくられまして、ここで、この中でこの税制改革の目的、必要性について、このようにおっしゃっているんですね。
 「高齢社会と税制改革」というふうに題されまして、「二十一世紀の少子・高齢社会に向けて、高齢者介護や子育てなどの支援体制の確立、基礎年金の改革等年金制度の拡充を図るなど、福祉プログラムを推進する。
 このため必要な財源の確保に向けて、所得・資産・消費のバランスのとれた税体系を構築する。」、このように三党の合意の中には触れられております。
 私も全く同感でございますが、改めて確認をいたしたいと思います。税制改革の目的、もちろん、当面の景気対策とかそれから財政体質の改善だとか、さまざま目的はあるかと存じますが、その重要な目的の一つが、急激に進行している少子・高齢社会への対応であること、高齢者介護や子育て支援など緊急を要する福祉施策の充実のためにこの税制改革の目的というのが重要な目的の一つとしてあるんだ、こういう認識はよろしいでしょうか。
#174
○村山内閣総理大臣 今御紹介がございました、この三党連立がやっております合意事項の中に書いてあることは、今委員が申されたとおりであります。高齢社会に対応して、例えば医療、年金、福祉、とりわけ介護等に多額の金がかかるだろう、そのかかる金をどう負担をしていくかということがこれからの重要な課題であることは、もう皆さんがお認めになっているとおりですね。
 ただ、ゴールドプランというのが今ありますけれども、御案内のように、各市町村に市町村の保健福祉計画というものをつくっていただいた。それを今全国的に集約して、新しい新ゴールドプランを作成中なんですよ。したがって、その新しいゴールドプランと見合った形の中でどのような福祉政策がつくられて、それに見合う負担はどうなるのかということもこれから検討していかなければならぬ課題だと思いますね。
 したがって、来年度までにはそこまで確定できない要素がある。したがって、来年度の税制改革についてはこの国会に提案をしているような中身のものに集約をして、そして見直し条項を入れて、さらにそうした面については深めた検討を加えていこう、そして結論を出していこう、こういうことになっておるわけでありますから、御理解を賜りたいと思います。
#175
○北側委員 私は一つ一つお聞きしてまいりますので、税制改革の目的という重要な目的の一つとして、これは急速に今進行している高齢社会、少子社会、これへの対応が今回の税制改革の重要な目的の一つであるという認識に変わりはないのかという質問なんです。結論だけで結構です。
#176
○村山内閣総理大臣 その認識には変わりはございませんから、今度の改革の中では第一歩を踏み出しておるというふうに御理解を賜りたいと思います。
#177
○北側委員 それでは厚生大臣、これから厚生大臣に頻繁にちょっと質問させていただきますので、できれば前の方にいらっしゃってください。
 今国民の皆さんがやはり不安に感じられていること、私はそれは大きくは二つあるのじゃないかと思うのですね。一つは、私は介護の問題だと思うのです、介護。もう一つは、やはり子育てだ。安心して老後を暮らすことができる社会、また安心して子供を産み育てることができる社会、こういう社会を、そういう環境をぜひつくってもらいたいというのが、これは我々政治家に対する本当に切望している要望じゃないかと思うのですね。
 きょう厚生大臣にゴールドプランについてお尋ねをいたしますが、平成元年の十二月、このゴールドプランは今から五年前に、来るべき超高齢社会に向けて高齢者の保健福祉分野における公共サービスの整備充実が急務であるということでこのゴールドプランがつくられました。初年度が平成二年度、目標年次が平成十一年ということでございます。
 例えばホームヘルパーと呼ばれている方々がおられます。この方々は、日常生活をするのに支障のある高齢者の方がいる家庭を訪問いたしまして介護や家事サービスをする、在宅の介護の現場で福祉の現場を支えていただいている方でございます。このホームヘルパーの皆さんにつきましては、平成十一年度に全国で十万人にしようという目標で今やっておる。現在は約五万二千人程度ですかね。
 また、ショートステイという制度がございます。これは、寝たきりの老人がいる家庭で日常介護をしている方にかわって、特別養護老人ホームなんかが短期間その高齢者をお預かりするという制度ですね。平成十一年度に全国で五万床、これが目標である。現在約二万床。
 在宅介護という面では、ほかにもデイサービスとか在宅介護支援センターとかいうものもございます。それぞれこれは平成十一年に一万カ所が目標。その他施設の充実の面でも、特別養護老人ホームにつきましては平成十一年度に二十四万床を目標に整備を進める。
 このような形でゴールドプランが多くの高齢者への保健福祉サービスの充実に努めておるということでございまして、厚生大臣、このゴールドプラン、これを厚生省では全面的に今見直して、新たに新ゴールドプランを策定されようとされていると思うのですけれども、一体どういう理由で、どういういきさつでこの平成元年につくったゴールドプランを見直そうとされておられるのか、その点簡単に御答弁いただけますか。
#178
○井出国務大臣 お答えいたします。
 先生御指摘のように、五年前、ゴールドプランをスタートさせたわけでございますが、ちょうど折り返し点になりますものですから、各自治体にもう一度それぞれ老人保健福祉計画を策定してくれという要請をいたしまして、大変各自治体張り切ってくださいまして、また、五年前に比べてより高齢化の速度も進んできたという背景もあったと思いますが、具体的な数字を出してきてくれまして、これをまとめてみますと、どうも最初五年前に想定していたゴールドプランではちょいと足りないところもあるし、さらに新しい御要望もあるということで、それらを今まとめまして、新ゴールドプランというふうに名づけて、過日、連立与党のプロジェクトチームの方へお示しをした次第であります。
#179
○北側委員 今大臣おっしゃっていただきましたが、私の方からなぜこのゴールドプランを見直す必要があったのかということをもう少し御説明いたしますと、この新ゴールドプラン、厚生省が今案として考えられているこの新ゴールドプランというのは、厚生省のお役人さんたちが机の上で考えてつくったものでは決してないわけなんですね。今御答弁が少しございましたが、全国の三千三百余りの自治体が老人介護の現場のニーズを調査して、それを積み上げてできたものが今回の厚生省が考えている新ゴールドプランなんですね。
 平成二年の六月に法律が改正されまして、全国の市区町村、都道府県に、すべてに地方老人保健福祉計画の策定が義務づけられました。この計画、老健計画というのですけれども、この計画は地域のゴールドプランですね。地域の中のいわゆるゴールドプランでございます。この法律の改正を受けまして、厚生省は、平成四年の六月に地方に対して、全国のすべての自治体に対して、この老人保健福祉計画を平成五年度の末までにつくってくださいよ、そして厚生省の方に提出してくださいという通知を出したのです。
 その際、厚生省は、極めて詳しいガイドラインを各市町村に通知いたしました。全体で五十ページほどある。これはこのごく一部なんですけれども、極めて詳細にガイドラインをつくって、このような基準でやりなさい、趣旨はこういうことです、内容はこういうふうにしなさい、このようなガイドラインをつくって各市町村に通知を出しました。
 このガイドラインなんですけれども、このガイドラインを少しちょっと読ませていただきますと、こういうことを言っているのですね。
 住民に最も身近な行政主体である市町村が、地域の高齢者のニーズと将来必要な保健福祉サービスの量を明らかにし、保健福祉サービスの現状を踏まえ、将来必要とされるサービス提供体制を計画的に整備することを内容とする計画を作成する必要がある。さらに、市町村老人保健福祉計画は、地域の寝たきり老人や痴呆性老人などの介護を要する高齢者のニーズなどを踏まえて作成すべきものであり、このため、市町村は、地域の寝たきり老人や痴呆性老人などのニーズを把握しなければならず、必要に応じ、市町村老人保健福祉計画の作成のための調査を行うべきである。
 こう書いてあるのですね。市町村は、この言われるがままに、本当に現場に入って、福祉の現場、介護の現場に入って調査をしました。そして、昨年の秋からことしの春にかけてこの計画を策定しました。つくりました。そして厚生省に提出しました。これがことしの、平成六年の三月に厚生省の方に、全自治体です、三千三百を超える全国の全自治体が一つも漏れなく厚生省に対してこの計画を提出したのです。
 今、例で幾つか紹介します。これは大阪市の高齢者保健福祉計画なんです。そしてこれが大阪府の計画です。こういうものを全国の自治体、市区町村すべてつくったんですね。厚生大臣、そうですよね。
 それで、厚生省は、この全国の自治体から提出された計画、これをもとにし集計し分析をして、従来のゴールドプランで決めた目標ではとても間に合わない、急激な高齢化の進行と高齢者保健福祉サービスに対する現場の極めて深刻なニーズに追いつかないということがはっきりしたわけなんです。そこで、従来のゴールドプランを全面的に見直して新しいゴールドプランをつくろう、こういうことになったわけですよね。厚生大臣、間違いないですよね。
#180
○井出国務大臣 地方老人保健福祉計画の経緯を今先生詳細に御説明くださいまして、ありがとうございました。そのとおりであります。
#181
○北側委員 厚生大臣、この新ゴールドプラン、厚生省が考えておる新ゴールドプラン、これは現行のゴールドプランとどこがどう異なるのか、ちょっと簡単に答えていただきたいのですが、特に、目標がともに平成十一年であるのは変わらないのですね。平成十一年を目標とする保健福祉サービスの供給量がどう変わるのか。特に、ホームヘルパーとかデイサービスとかショートステイとか特別養護老人ホームについて、新ゴールドプランでは現行のゴールドプランとどう目標が変わってきているのか、簡単にお答えしていただけますか。
#182
○井出国務大臣 新ゴールドプランで特に強調して申し上げておきたいことは、まず理念を少し明確化したことであります。大きく分けて四つございます。
 一つは、一方的に行政の方からあてがわれるのじゃなくて、利用者本位でいくべきだ、行政としては自立を支援しよう、こういう形であります。それから、普遍主義といいまして、だれでも必要な状況になったときにはその対象となるということであります。それから、総合的サービスの提供。保健、医療、福祉を通じて在宅ケアを基本としているわけでございますが、多様なニーズに的確にこたえることのできるような、効率的な、総合的なサービスをしようということと、市町村を基本に、身近な地域において必要なサービスが受けられるようにという地域主義という四つの理念を掲げました。
 その中で、ゴールドプランで考えておりましたよりはずっと要望の多いものもございましたから、そういう量的な水準を上げたもの、それからさらにゴールドプランでは触れませんでした新たな事業、例えば痴呆性老人対策とかあるいは訪問看護ステーションといったような面、質的な向上も考えたところであります。
#183
○北側委員 例えば、新ゴールドプランですと、ホームヘルパーについていいますと、ゴールドプランでは十万人なんですよね。それが、新ゴールドプランでは二十万人にふえるんです。同じ平成十一年目標でございます。倍にふやさないといけないということでございます。デイサービスは、一万カ所であったのが、二万カ所にしないといけない。ショートステイは、五万床であったのが、六万床にしないと不足する。特別養護老人ホームについては、二十四万床だったのが、三十万床必要だ。こういう新ゴールドプランの内容になっているんです。
 この新ゴールドプランを仮に実施をするとすると、現行のゴールドプランの実施に必要な額よりどの程度経費が、費用がふえるのか。平成七年から十一年のこの五年間の実施期間全体で一体どの程度ふえるのか。また、来年度だけでは、仮に来年度から実施するとすると、来年度、七年度で一体どれくらいの予算が必要なのか。この点、厚生省は今回の予算の概算要求でどういう扱いをしているのか。国費ベースで結構ですから、お答えください。
#184
○井出国務大臣 国費ベースでは、この老人保健福祉計画の実施を支援していく新ゴールドプランを平成七年度から実施するとした場合の所要経費でございますが、五年間の総事業費で、国費一兆七千五百億、こう試算をいたしました。
 それで、七年度予算で幾らかかるかということでは、初年度に約三千三百億円の国費が必要と試算しております。
 それから、七年度概算要求についてでございますが、少子・高齢社会の到来への対応が急がれる中で、各市町村の今申し上げましたような老人保健福祉計画の策定等を踏まえて、新ゴールドプラン及びもう一つエンゼルプランもあるのでございますが、できるだけ早く策定したいと考えたところであります。
 ただ、一方、税制改革の議論との関連で、福祉の財源の問題が重要な問題となっておりました。したがいまして、少子・高齢化社会についての新たな対策につきましては、財源の確保が前提となることから、概算要求におきましては白紙要求とし、税制改革の動向等を見きわめながら予算編成過程で検討していくこととしたものでございます。
#185
○北側委員 委員長、ちょっとパネルを使わせていただけますか。
#186
○高鳥委員長 はい、どうぞ。
#187
○北側委員 これは今厚生大臣がおっしゃった話をもう少し図式化したものなんですが、これは厚生省がつくったものです。
 平成二年からゴールドプランが始まりまして、これは国費ベースのものでございまして、実際は総事業費ではこれの倍以上のお金がかかるわけでございますが、例えば平成六年、ことしですと、国費ベースで五千億円余りが予算計上されているということですね。来年から十一年まででございますが、この黄色の部分が、現行のゴールドプランを実施してもこの部分はまだふえていきますよ、金額は別にいたしまして、ふえていきますよという部分ですね。
 この赤い部分が、今厚生省がおっしゃった新ゴールドプラン、ゴールドプランではもう遅いので、全面的に見直して前倒しして新ゴールドプランをつくろう、それを実施しようとすると、さらにこの赤い部分の費用が必要である、その赤い部分の費用がこの五年同で一兆七千五百億円必要ですよというお話なんです。年平均しますと三千五百億ですか、年平均で三千五百億以上の上積みされた費用がこの新ゴールドプラン実施には国費として必要となってくるということでございます。
 それで総理、お聞きいたしますが、この新ゴールドプランを、厚生省が一生懸命つくりましたこの新ゴールドプラン、これをどのように評価されているのか。そして、これを厚生省は平成七年度から実施したいと言っているわけなんです。これを平成七年度から実施する意思があるのかどうか、この点御答弁をお願いしたいと思います。
#188
○村山内閣総理大臣 今厚生大臣から、ゴールドプランから新ゴールドプランへ移行する経過についての説明がありましたね。しかしこれは、新ゴールドプランというのはまだ確定されていないんですよ。まだ検討している段階にありますから、その検討に見合って財源措置等についてもやはり同時に検討していくということになろうかと思います。
#189
○北側委員 平成七年度から実施する御意思がありますかと私は聞いておるんです。平成七年度から実施する意思があるかどうか、そういう準備があるかどうか。
#190
○村山内閣総理大臣 それは決まれば当然そういうことになろうかと思います。
#191
○北側委員 そうしますと、新ゴールドプランというのは多額の財源が要りますから、この平成七年度から実施する可能性はまだあるという御答弁でよろしいんですか。
#192
○村山内閣総理大臣 これは単年度の計画でなくて長期の計画ですからね。したがって、初年度との程度の財源を必要とするのか、まだ確定していないわけですから、計画自体が。だから、確定と見合って財源措置についても検討させていただきますと、こう言っているわけです。
#193
○北側委員 じゃ質問を変えますよ。質問を少し変えますと、今回の税制改革案は、今厚生大臣からるるお話がございました新ゴールドプラン、この実施を前提としてこの税制改革案がつくられていますか。
#194
○武村国務大臣 今回の税制改革も見直し規定を含めれば全体としてそういうとらえ方をいたしておりますが、今回の五%の消費税の中では、もう御理解いただいておりますように、社会保障のための財源〇・五兆円、五千億円捻出をしていこうという考え方でありまして、そのうち一千億は物価スライドに充当いたしますから、平成九年度から四千億、新たな税制改革による財源が生み出される、こういう状況でございます。
#195
○北側委員 総理、もう一度お聞きしますが、今回の税制改革案では新ゴールドプランの実施を前提にしておりますか。
#196
○村山内閣総理大臣 これは、新ゴールドプランがまだ確定していないんですよ。これは、数字も変わるかもしれませんよ。確定していないものを前提にして、こうします、ああしますというような回答ができないのはこれは当然なんで、ですから、そのためにこの見直し条項も入れて、そうした新ゴールドプランを作成する過程とあわせてこれからもさらにその財源措置については検討していきましょう、こうお答えしているわけです。
#197
○北側委員 私が冒頭に今回の税制改革の目的は何ですかと改めてきちんと確認したのは、そのために聞いているのです。今回の税制改革の重要な目的の一つは、急速に今進行している高齢者対策、高齢化対応の施策をしっかりとやるための財源をつくっていこう、そこに大きな目的があったんじゃないですか。
#198
○村山内閣総理大臣 これはもう何度も答弁していますように、新ゴールドプランがまだ確定していないんですよ。確定していないものを前提にして物を決めるというのは、これはできませんからね。したがって、確定される段階とあわせてこれからも検討させてもらうという意味で見直し条項も入れてあるわけですよ。ですからこれは、確定すれば、初年度との程度の財源が必要になるのかということは当然問題になってくるでしょう。しかし、まだ確定していないものを前提にして物を決めるということは、これはもう実質的には難しい、できないことですから、そういうふうに御理解をいただきたいとお答えしているわけです。
#199
○北側委員 それでは、新ゴールドプランの内容について、今厚生大臣からお話がありましたこの新ゴールドプランの内容は、総理はどのように評価をされていますか。
#200
○村山内閣総理大臣 経過で御説明がありましたように、各市町村が実態に即して、それぞれ工夫して努力してつくり上げたものが今集約されているわけですよ。それを土台にして厚生省も真剣に、十分新しい時代に対応できて、介護も少子対策もやれるようなものをつくっていこうといって真剣に検討しているわけですよ。それを私は評価いたします。評価いたします。確定すれば、確定した段階で十分検討させてもらいます、こう言っているわけです。
#201
○北側委員 これは、きのう、きょう始まった話じゃなくて、例えば各自治体の大半は去年の秋にもう策定してしまっているのですよ。厚生省は、ことしの……(発言する者あり)何を言っているんですか。これを出せと言ったのは、四年の六月なんですよ。平成四年六月はだれの政権ですか。平成四年六月の政権が、全国の各自治体に対して、高齢者の介護についての現状を知るために各自治体からの計画書を出しなさい、平成五年の年度末までに出しなさいと言ったわけです。全国の各自治体は、この計画書を厚生省に出してきました。これがことしの三月の話ですね。これに基づいて、これを集計して分析して厚生省がつくったのが新ゴールドプランなんです。
 また、二十一世紀福祉ビジョン、これは平成六年の三月にできているわけですよ。これに基づいて新ゴールドプランができているわけなんですね。案ができているわけなんです。なのに、この十月になってもまだ先の検討課題だというのは、私はもうとんでもない、そのように思います。
#202
○村山内閣総理大臣 先の検討課題なんというような、何か遠い先のような話をされますけれども、そんなふうには考えていませんよ。今、作業を鋭意やっているんですよ。やっているんだけれども、まだ確定していません。確定していないから、これは中身が変わるかもしれぬし、数字が変わるかもしれませんよ。変わるかもしれないものを前提にして今ここでお答えしなさいといったって、それは無理じゃないですかと、こう言っているわけです。
#203
○北側委員 それでは、総理、これはいつまでに確定をなされますか。
#204
○井出国務大臣 今委員御指摘のように、自治体においては既に今年度から老人保健福祉計画に基づく事業を開始しているところもございますから、厚生省としてはこれを支援していくために、今回の税制改革に伴う一連の措置も一つの足がかりとして、引き続き財源の確保にも配慮をしつつ、できるだけ早く新ゴールドプランの策定を図りたいと考えておりまして、関係省庁と鋭意審議を進めていく所存でございます。
#205
○北側委員 厚生大臣地方は厚生省の指示に従って一生懸命調査してつくったわけなんですよ。全国の自治体がつくったんですよ。これを公表しているんです。早いところではもう平成六年度予算から前倒しして実施もしているんですね。集めた方の厚生省がこの新ゴールドプランについてはいつできるかわからないというのじゃ、これは地方が余りにもかわいそうじゃないですか。明確にやはりその時期について答えてください。
#206
○井出国務大臣 繰り返しになりますけれども、地方自治体において今年度から事業を既に開始しておるところも重々承知しております。したがいまして、引き続き財源の確保にも配慮しつつ、できるだけ早くこの新ゴールドプランが策定されるよう関係省庁と鋭意議論を進めていきたい、こう思います。
#207
○北側委員 大蔵大臣にお聞きしますが、今回の税制改革案でも、全く老人介護の問題について触れていないと私一つも言っていないんですよ。老人介護対策の前倒しについて配慮がされております。先ほどちょっとおっしゃいましたけれども、具体的に平成七年、八年、九年以降どのような形で配慮されているか、ちょっとお答えしていただけますか。
#208
○武村国務大臣 先ほど平成九年度以降のことは申し上げました。実質四千億という財源を見出していきたいと思っています。
 そうすると、来年、再来年、新ゴールドプランのこういう動きもございます中で、来年、再来年をどうするかというところも真剣に議論をしまして、最終的には、十分ではないにしても来年度一千億、これは事業費ベースですから地方の財源も入っています。それから、八年度は二千億という財源を考えていこうということであります。
 先ほど来お尋ねの問題も、結局、来年度はそういう意味では一千億というのは税制改革の中でお約束をもう申し上げて発表いたしておりますが、結局、財源を確保しながらと井出大臣がお答えを申し上げておりますのは、やはり来年度予算編成の中で、既設の予算全体、政府全体もそうだし、厚生省の中でもそうでございますが、一つ一つ制度の根底にまでさかのぼって見直しをする、改めて優先順位をつけながら予算編成をやっていこうということでございますから、その作業の中でどの程度の財源を見出すことができるかどうか、そういうところも見詰めながら最終的な判断を政府全体としてはさせていただこうということであります。
#209
○北側委員 今大蔵大臣、予算編成の中で検討しようというお話をされました。総事業費ベースで、今御答弁ございましたように、今回の税制改革案の中に平成七年度は総事業費で一千億上積みしましょうと書いてございます。ただ、これは国費ベースとすると恐らく半分ぐらいでしょう、予算では。五百億ぐらいでしょう。
 そうすると、先ほど厚生大臣がおっしゃった、三千三百億要りますよ、初年度。新ゴールドプランの実施のためには三千三石要りますよと厚生大臣はおっしゃったのですね。五百じゃとても足らないじゃないですか。あと二千八百を、二千八百きっちりとは言いませんけれども、二千八百全部とは言いませんけれども、これをほかの財政需要を調整して果たして上積みできるものでしょうか。
#210
○武村国務大臣 そこがまさに御指摘いただいているとおり大変苦心の要るところであります。北側議員も御認識いただいておりますように、今回の税制改革は、消費税率は五%でございますから、三・五兆円の所得税減税に対応する二%のアップを基本にしながら、その中で辛うじて〇・五兆円の福祉財源を見出していこうという考えてあります。
 したがって、わかりやすく言えば、将来の急速に進展いたします高齢化社会に対する年金、医療、介護の大きな財源をこの五%の消費税アップで見出すことは不可能であります。そこに附則条項を置いて、さらに福祉ビジョンを詰めていこう、しかし片方で、しかし入ることばかり考えていたのでは国民の皆さんは納得していただけない。やはり政府みずからの厳しいリストラをやろう、それが行財政改革の課題であります。その両面、ふえる要素と減る要素、両面をこの二年間かけて真剣に取り組んでいこうということであります。
 村山総理が福祉社会に対するこの税制改革は第一歩であるという言い方を申し上げたのは、そのことであります。
#211
○北側委員 大蔵大臣、二年後の見直し規定、附則二十五条にあるんですね。今そのことをおっしゃったのですけれども、これから二年間かけてじっくり検討しようということですね。ただ、この二年後見直し規定というのを総理も含めて盛んにおっしゃるんですけれども、今回の税制改革の肝要ともいうべき重要な課題を、これは先送りにしているにすぎないと私は思います。先送りというのはですよ、緊急の高齢者介護対策をおくらせているという意味で、しょせん高齢者介護切り捨ての税制改革なんですよ。間違っても抜本的な税制改革なんて文言、私は使ってほしくない。二年後の見直し条項で逃げるのは、到底私は納得できません。
 それで、私が最も問題だと思いますのは、大蔵大臣、聞いてください、最も問題だと思いますのは、この二年後の見直し条項というのをちょっと置いておいても、平成七年、八年どうするんだという話なんです。これは二年後条項では逃げられませんよ。平成七年、八年、全国の市町村や都道府県に作成させたこの地方老人保健福祉計画というのは一体どうするんですか。これに基づいて地方は予算編成をしないといけないのです。
 もう一度繰り返しますけれども、この地方老人保健福祉計画というのは平成二年の六月に法改正で義務づけられた、地方自治体に。そして平成四年の六月に厚生省が五年度末までに提出するよう命じたのです。全国の市町村や都道府県は厚生省の指示どおり、平成四年、五年と時間をかけて現場を調査して、介護の現場を調査して、意見を聴取して、議論をして、作成して、市民にも公表した。こうした冊子にして市民にも公表しているのです。もう一種の公約になってしまっているわけなんですよ。
 それで、この地方老人保健福祉計画を実施していくためには、来年度は現行のゴールドプランの実施に加えて、先ほど厚生大臣の御答弁にあったとおり、三千三百億円の積み増しの国費、予算をつけて地方を支援する必要があるわけなんですね。地方負担分も含めますと総事業費で七千億円近い積み増しか必要になってくるわけでございます。厚生大臣、今までのところ間違いないでしょう、私が言っているのは。
 ところで、今回の税制改革案では、地方負担分も含めて、今大蔵大臣から御答弁がございましたように、総事業費の前倒し分は老人介護の前倒し一千億円、一千億円分しか今回の税制改革案では確保されていないわけです。約七分の一。七千億円必要なものが、約七分の一しか国の支援が約束されていない。平成七年度の予算編成で、一体この地方老人保健福祉計画をどう支援するのか。厚生大臣、この三千三百億円というのは本当に予算確保できますか。まさか、全国の自治体が懸命に調査してつくり上げたこの計画を、市民にも公表して、一種の公約にもなっているこの計画を、これを変更させるのですか。
 厚生大臣、計画を変更するのですかと聞いているのですから。
#212
○高鳥委員長 それじゃ、まず厚生大臣、まず厚生大臣。
#213
○井出国務大臣 ことしの三月末に全国の各自治体から策定された計画が厚生省の方へ集まってまいりまして、これは、それに基づいて新ゴールドプランをつくったわけでございますが、これからその協議を各自治体と個別的にやっていくわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、既に事業を開始しているところのあることも重々承知しております。
 したがいまして、今回の税制改革に伴う一連の措置、これで決して十分とは思っておりません。したがいまして、できるだけ早くこの新ゴールドプランの策定を、財源の確保を図りながら関係省庁と鋭意協議していかなくてはならぬ、こう考えております。
#214
○高鳥委員長 次に、自治大臣。
#215
○野中国務大臣 北側委員、地方公共団体の福祉政策、特に老人福祉の上に非常に御心配をいただいておりますので、地方公共団体を預かる自治大臣としてお答えを申し上げて、そして現実を御理解をいただきたいと思っておる次第であります。
 確かにゴールドプラン、三千三百市町村が都道府県とともに提出をいたしましたのは、細川内閣のときでございます。そして、羽田内閣で成立をいたしました福祉関係予算は、ことしの特別養護老人ホームの新規採択分に対しまして、平成六年度新規採択について補助金が割り当てられたのは一カ所二割でございました。あと八割は平成七年度に交付するということになっておるのでございます。
 社会福祉団体が老人ホームを建設しようといたしますときに二割の国庫補助金では、介護を必要とする老人の施設どころか、人を確保する、介護に必要とする人を確保することすら困難なのでございます。そういう非常に大きなそごが最初のスタート台から起きておりますことを十分御認識をいただいておかないと、この北側委員の御意見をお聞きになっておる多数の皆さん方は、なぜゴールドプランがおくれてくるのかということをお考えになると思います。
 しかし、現実スタート台から、ことしのこの当初予算の、平成六年度予算から特別養護老人ホームは、今申し上げましたように二割より補助金を交付されておらない、八割は全部後年度負担になっておるということを御認識をいただいておきたいと思うわけでございます。
#216
○高鳥委員長 大蔵大臣から先に答弁を求めます。
#217
○武村国務大臣 北側先生、この税制改革では福祉切り捨てだというふうなことをおっしゃいましたが、これはよくよく冷静にお互い議論したいと思います。
 国民福祉税のときも、基本はやはり減税対応なんですよ。税収中立が基本なんです。それで八千億円の福祉財源を辛うじて見つけようという案でした。そして、皆さんの、羽田政権の与党の村井さんの御苦労されたまとめも、大胆に将来の年金や医療やこの新ゴールドプランの財源まで包括した消費税率の考え方を明確に示されたわけじゃなかったのです。政府税調もそうでした。
 そういう中で私どもは引き継いでおりまして、今回の五%は、やはり三・五兆円、縮めることができましたから七%を五%に抑えることができましたが、これに対する対応が基本になっていまして、おっしゃるとおり新しい、これからどんどんふえてくる福祉の財政需要に対応できる税制改革ではありません。それはもう十分御承知のはずです。その上で議論を進めていただきたい。
 それで、そのためにわざわざ附則条項を置いて、向こう二年間一生懸命この問題を、行財政改革という、減らす要素とふえる要素と両面から真剣に議論をしていこう。けさ津島委員からは与野党超えて共同てやろうという御提案もあったぐらいでございますから、ぜひそういう議論に参画をいただきたいというふうに思います。
#218
○北側委員 大蔵大臣、今のお話はよくわかるのですよ。二年間かけてしっかり議論をしましょうということなんです。それはよくわかるのです。平成七年、八年はその間にやってくるわけなんですね。地方の方は平成七年、八年と、去年に計画をつくって、具体的な、七年どうするか、八年どうするか、九年どうするか、十年どうするか、そして最終年次の十一年にはこうしましょうという具体的な計画を各三千三百の自治体がつくって、公表してしまっているわけなんですよ。
 委員長、私、幾つかの県の高齢者の保健福祉対策の担当幹部に話を聞きました。話を聞いたんですよ。そうしたら、どう言っていたかというと、仮に厚生省が案でつくられた新ゴールドプランの七分の一とか八分の一とかの財源しか国の支援がないならば、全国でつくった市区町村の計画はすべて台なしですと、共通して言っておりました。
 実施主体の、実施主体は市町村ですけれども、このほとんどの事業は、自治大臣も御存じのように、すべて国庫、大半は国庫補助事業ですよね。大半は国庫補助事業です。計画は、この幹部の人が言うには、現場のある県の幹部の人が言うには、この計画は、住民を巻き込む形でつくったんです、一種の公約になってしまっているんです、例えば老人ホームでも、待機をする人がたくさんおられます、施設がないために、自治大臣、一番よく御存じですけれども、ないために、不足しているために、待機者がたくさんおります、自分たち役人は、そのときに、どこかあいているところがないのかと言われたときに、私どもはしっかりした老健計画をつくりました、だからもう少し待ってほしい、ここまで現場の役人の人たちは言っているわけなのですね。
 この老人保健福祉計画が、国の方の税制改革について全く盛られず、来年からの実施ができないとなったら、私は大変な問題だと思います。平成七年度予算編成まであと二カ月足らずしかないわけでございます。地方老人保健福祉計画をどうするかについて、私はやはり明確な答弁をこの場でしていただきたい。それができないとするならば、余りにも私は無責任だと思うのです。それが決まらないと、全国の市町村や都道府県は高齢者の保健福祉対策に関して、来年度の予算案の計画もつくれないわけなんですよ。
 全国の市町村、都道府県が作成した地方老人保健福祉計画を変更させるのかどうか。去年つくった、全国の自治体がつくったこの計画を、もう七年度実施を前提にしています、変更するのかどうか。変更させないのならば、この地方老人保健福祉計画の実行のための財源の裏づけをどうするのかということを、私は明確に答弁してもらいたい。その答弁がないと、地方の自治体は本当に困ってしまいます。明確に答弁してください。
#219
○井出国務大臣 地方の自治体が、厚生省からお願いしたわけでございますが、そのいろいろな方式に基づいて、それこそ熱心に、真剣に計画を策定してくださったと私も考えております。
 ただ、これから個別の問題について厚生省とそれぞれ、何というのですか、精査といいましょうか、協議をする日程はこれからでございます。まさに、要望を全部受け入れて実現できれば、これはもう私もそれができたら望ましいと思いますが、これからそういう点は詰めていかなくてはならぬスケジュールもございます。
 しかし、それはそれとして、先ほど来申し上げておりますように、せっかくもうスタートもしておるわけでございますし、財源の確保に配慮しながら、できるだけ早くにスタートできるよう、財政当局その他関係省庁と協議を鋭意してまいりたい、こう思っておりますから、どうか、御心配は大変ありがたいし、その意味ではぜひまたお力添えもちょうだいしたいと思いますが、どうかよろしくお願いします。
#220
○北側委員 総理、何度も申し上げますが、全国の地方自治体はみんなつくってしまっているのです、こういう内容のものを。これはもうかなり具体的に、七年度についてはどうするかということまで詳しく書いてしまっているのです。三千三百自治体、みんなそうなんですよ。これは、新ゴールドプランというのがもう実施に移されることを前提につくられてしまっているのです。おっしゃっているように、三千三百億の来年度予算の計上がなされて実行できるような、そういう計画になってしまっているのです。これについてどうするかという政府の対応をやはり明確にしないといけないと思うのですね。総理、いかがでしょうか。
#221
○村山内閣総理大臣 何度もお答えしていますけれども、市町村が市町村の実態に基づいて保健福祉計画をつくられた、それを今厚生省に集約をして、集約をしたものを、それをそのままこの新ゴールドプランにするというわけじゃないのですよ。厚生省は、全体のやはり考え方がありますから、先ほど厚生大臣からお話があったような前提をつけた上で、新しいゴールドプランをつくるというので今作成しているわけですね。
 もう恐らく市町村では、市町村がつくった保健福祉計画に基づいて来年度から実施しようという市町村もあるかと思いますね。したがって、これはここで何ぼ予算を組むのかといって約束しておったって、これは無理ですよね。無理です。ですけれども、それは、そういうことに支障のないように、これからやはり厚生省、関係省庁含めて市町村と十分話し合いもしながら予算編成はされるものだというふうに思っておりますから、そういうことについて御理解をいただきたいというふうに申し上げます。
#222
○北側委員 厚生大臣、この新ゴールドプランというのは、厚生省としてはいつでき上がりましたか、案として。
#223
○井出国務大臣 三月末に各自治体から提出をしていただいて、それを集計したり分析をしながら、厚生省としては九月の初めにまとめて連立与党の福祉プロジェクトチームの方へお示しをした次第であります。
#224
○北側委員 厚生省は、今の連立与党の福祉チームですか、の方に提出したわけですね。その段階でもう厚生省の案は確定しているわけですよ。厚生省案は確定しているんですよ。
#225
○村山内閣総理大臣 私が聞いておりますのは、そのプロジェクトチームに九月に素案が提示された、これはあくまでも素案ですね。だから、内閣が決めたものではないのです、まだ。そういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#226
○北側委員 厚生省が案として九月に決めた。それでは、政府として、それに対する、やるのかやらないのか、この対応はいつまでに決められるのですか。
#227
○村山内閣総理大臣 これはもう何度もお答えしていますように、まず厚生省で確定をしましたら、その確定されたものが内閣に提出される、そこで内閣で検討して最終的に決めるということになろうかと思います。
#228
○北側委員 時間の制約がこれはある問題だと思うのですね。厚生大臣うなずかれていますね、今。時間の制約がある問題でございまして、せめて、例えばことしの予算編成の前までにはこの新ゴールドプランについての政府の対応については厚生省や自治省と相談しながら決めますと、これくらいは答弁していただかないと。いかがでしょうか。
#229
○村山内閣総理大臣 そういう経過を踏まえて、厚生省からは概算要求も出ていますし、これからまた予算を詰めていくわけですから、その詰める段階の中で十分検討されなきゃならぬ課題だというふうに申し上げております。
#230
○北側委員 総理、厚生省は予算、概算要求していないのですよ、この件。
#231
○村山内閣総理大臣 いや、いずれにいたしましても、来年度予算の編成についてはこれから詰めていかれるわけですから、その詰める段階で与党の方からも要求が出るかもしれませんし、新たにまた厚生省の方から出るかもしれませんし、いろいろなことがやはりこれからあるわけですから、そういう点も踏まえた上で予算というものは編成されるものだ、私はそう思っていますから、そのように御理解を賜りたいと思います。
#232
○北側委員 地方自治体はもう待っているのです。これがどうなるのかというのを、本当に待っています。ですから、平成七年度の予算編成の時期までにはやはりせめて決めてしまわないと、新ゴールドプランに対する対応を。地方は困ってしまいますよ。
#233
○井出国務大臣 先ほど私、与党の福祉プロジェクトの方へ厚生省の新ゴールドプランをお示ししたのが九月の初めだと申しましたが、これは厚生省素案骨子という形でお示ししたことをちょっと説明しておきます。
 それから、今の御心配いただいておる点でございますが、私といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、できるだけ早くこの新ゴールドプラン、スタートさせたいわけでございます。来年度からスタートさせる心がけで関係省庁とこれから接触をさせていただきたい、こう考えております。
#234
○武村国務大臣 今厚生大臣から、来年度からスタートさせる目標でというお話はしかと承りました。
#235
○北側委員 いずれにしましても、全国の自治体がこの問題については極めて関心を持っております。ぜひこの新ゴールドプランの厚生省がつくった案については、総理、高齢者介護対策というのは極めて緊急の課題でございますから、厚生省も新ゴールドプラン、今素案なんておっしゃいましたけれども、素案なんかじゃないんですよ、実際は。そんなこと言ったら、厚生省の大臣のもとにいる人たちが泣きますよ。すごい苦労してつくっているわけですよ。その新ゴールドプランの案ですね、これにどう対応するのか。やはり今回の予算編成までにきちんと今の政府で対応を明確にする。
 そしてもう一つは、大蔵大臣、今答弁していただきましたけれども、厚生大臣がおっしゃったように、来年度から実施できるように頑張る、その意味、その熱意をよく受け取ったというふうにおっしゃいましたけれども、そういう趣旨のことをおっしゃいましたけれども、先ほどの五百億と三千三百億とはえらい違いがあるわけですね。ここのところをよく御理解していただいて、何としてもこの新ゴールドプランの実施につながるようなことしの予算編成にしていただきたい。大臣、よろしくお願いしますよ、大蔵大臣。
#236
○武村国務大臣 北側委員の熱意もよく認識させていただきましたが、財源をどうするか、具体的提案は余りなかったので、それは残念であります。
 私どもは、必死で予算編成の中で既設の予算を見直しをして財源を見出す努力をしていかなければなりません、そういうことを申し上げているんですから。そういう努力をしてやっと貴重な財源を見出して、どこまで新ゴールドプランの新しい需要におこたえできるか、精いっぱい頑張っていきたいと思っている次第でございます。
 それにしましても、新ゴールドプランは政府全体としてまだオーソライズされていませんから、おっしゃるように、市町村からは要望として上がってきているんだと思いますが、きちっと国の方針全体として固めて、その方針に従って国も地方も、この新しい計画に対する合意を図っていかなければいけないというふうに思っております。
#237
○北側委員 私は、本来、大蔵大臣はもう五%だから仕方ないんだというお話だと思うんですけれども、ぶっちゃけた話は。皆さんのつくられた税制改革というのは、先ほど申し上げたように、三党合意の中でも、高齢社会対応ということがしっかりうたわれているわけなんですね。高齢者介護だとか子育てなどの支援体制の確立のため、その福祉プログラムを推進する、そのために税制改革やるんですよと書いてあるんですね。
 さらには、この税制改革大綱、三党の税制改革大網の中には、こんなことも書いてあるんですよ。「この「税制改革大綱」は、今後の少子・高齢社会への適切な対応のためには避けて通れない税制の抜本的改革という課題に対して真正面から取り組んだ成果である。」と書いてあるんですね。この福祉の問題、高齢者介護、それからエンゼルプランもそうです、入っていないんですよね。こうした問題にきちんと対応した税制改革になっていないんですよ。とても抜本的な改革なんて私は言えない、そのように思います。
#238
○武村国務大臣 そのことは、もう先ほど来お答えをしているとおりでございますね。今回の税制改革は、全体としては、見直し条項を入れておりますから、そういう長期の福祉のビジョンに対してもきちっと精査していこう、二年かかりますけれども。その上で最終的な結論を出そうという姿勢でございます。しかし、そうなると、二年後まで税率を決めないで、いわば分離といいますか、消費税の税率だけは先送りする姿勢をとらなきゃならない。それはそれで大変責任のない先送りの判断だ、恐らくそういうおしかりを受けることになります。
 そういう中で、新政権としても十分議論をした上で、とりあえずここは五%で一たん一体処理をしよう、この五%は……(「とりあえずか」と呼ぶ者あり)いや、五%は三・五兆円の減税対応であり、その中でまあ五千億の福祉財源を見つけることができたということであります。そして長期的には、まさに見直し条項を基本にしながら、ふえる要素、減る要素、全体をしっかり議論をして詰めて、最終的な判断をしていこう、こういうことであります。見直し条項を前提に考えれば、確かにここは、この秋の一体処理は五%という前提でございます。
#239
○北側委員 もう時間がないので終わりますが、いずれにいたしましても、この新ゴールドプランについて何とか策定をしていただけるようお願いします。また、地方の方はもう来年から始まりますから、老人保健福祉計画についての対応がもう迫られています。ぜひこの点、近い将来、何とか予算編成までにはきちんとした政府の方針をつけていただきたい、その点一点だけ総理に最後に質問いたしまして、終わります。
#240
○村山内閣総理大臣 これはもう国会全体、国民全体も期待していると思いますけれども、高齢化・少子対策は必要であるということの認識は共通するものがあると思いますね。したがって、市町村も真剣に福祉計画をつくる、新ゴールドプランもつくらなきゃならぬ、こういう課題を抱えておるところでありますから、そういう大きな荷物を背負いながら、十分その荷物を片づけていけるような段取りをつけてこれからも進めていきたいという決意にはいささかも変わりがないということだけ申し上げておきます。
#241
○北側委員 以上、終わります。
#242
○高鳥委員長 この際、安倍基雄君から関連質疑の申し出があります。津島君の持ち時間の範囲内でこれを許します。安倍基雄君。
#243
○安倍(基)委員 私は、ここで久しぶりに質問することに感無量の気持ちがございます。と申しますのは、過日の消費税導入のときの税制特別委員会の理事をしておりまして、その次の選挙で、いわば民社党は消費税に賛成であったんじゃないかということで落ちたわけでございます。三年五カ月落選期間を経ました。この場に立ちまして、村山総理から。いわば消費税是認、引き上げの答弁を得ている、まさに複雑な気持ちでございます。
 私、個人的には村山総理は非常に正直な人間だというので好感を持っております。しかし、村山総理が次々といろいろ主張を変えてくるということについては、私はこれはやはり批判せねばならないと思っております。
 まず総理にお聞きしますけれども、今回の改正は、高齢化社会に対応するものか、あるいは減税財源確保のためのものか、いずれでございますか。
#244
○村山内閣総理大臣 両面に対して対応していこう、こういう考え方で税制改革案はつくられました。
#245
○安倍(基)委員 実は総理は、まあ何を言った、こう言ったということを言うのは私は嫌でございますけれども、一九九四年一月の党大会、これは総理が初めて委員長になられたときだと思いますけれども、そのときに、減税の財源を消費税率アップに結びつけることについては断じて認めることができません、消費税のアップは、消費を抑圧させるばかりではなく、大多数の勤労者や年金生活者などには減税効果は全くなく、ただ増税を押しつけられるだけであります、ここまで言っているのですね。今回の消費税は、まあ忌憚のない言い方をすれば、やはり減税のいわば財源のためのものなんです。
 私はこう理解しております。社会党におきましては党大会が一番の最高決定機関であって、時に、それにかわる中央大会ですか、それがある。執行委員長はそれを執行する立場にあると私は理解しております。
 それで、実は、たしか自社連立ができる直前の党の中央大会におきまして、自社連立はすべきではないという決定があったかのごとく聞いております。とするならば、自民党から自社連立を組もうと言われたときに、本来ならば、私は、党大会あるいはそれに準ずる中央委員会において自社連立反対と言われているものだから、これは我々はそれに従うべきだと言うことが組織人としての態度ではないかと思います。
 その点私は、今の党大会で発言されたことが、当時はまだ細川内閣だと思いますけれども、今は非常に財源のために、補てんのためになっているこの改正でございますけれども、余りにもやはり話し方が違うのではないか。私は、村山総理が、いわゆる自衛隊いわば容認、安保堅持、そういう発言をされたことは、結果としてはいいと思っております。しかし本来は、こういったことは、まず選挙のときに公約し、党大会で決定し、そして総理が発言するのが筋でございます。ところが今回は、総理が発言したことによってそれを党大会で追認するという結果になっているわけです。これはいささかほかの国には例がないのではないか。
 それで私は、やはり民主主義の根本は、まず選挙民にあることを訴える、それによって一つの授権を得る、権限を自分が受ける、それを果たすのが民主主義ではないか。それで私は、かつて解散の問題について、解散権の問題についてイギリスの例を見ました。解散権を実行するためには、公約を使い果たしたとき、マンデートの原則と言います、授権の原則と言いますけれども、公約を使い果たしたときあるいは公約と異なったことをするとき、そこに解散権が生ずるという理論があるわけでございます。
 その面で私は、今回の自社連立につきましても、このいわば消費税の問題につきましても、やはり民主政治のもとにおける政治家として、そしてまた一つの組織人としての、政党人としてのいわば政治家としていささか問題があるのではないかと私は考えております。この点、いかがでございますか。
#246
○村山内閣総理大臣 言われる意味はよく理解できます。
 それで、これは、例えば自衛隊の問題にしても、いつかも申し上げましたが、突然変更したわけではないんですよ。ずうっともう社会党の中では両論意見があって議論をされてきている経過があるんですよ。その経過を踏まえて、もう詳しくは申しませんけれども、社会党は自衛隊を容認することにしようということにしたんです。これは時間的に、私が総理に就任する前に大会でも開いて、そして大会で決めて、決めたことを私が総理としてお答えするというこの筋道が一番よかったと思うんですけれども、時間的に後で追認していただくということになったことは極めて残念に思いますけれども、そういう経過になったことについても御理解を私はいただきたいと思います。
 それから、昨年の七月の総選挙の際に出した社会党の公約というのは、これはここにも持っておりますけれども、これはもう明確なんですよ。私の選挙公報も持っておりますけれども、その選挙公報には、消費税やら自衛隊の問題については一言半句も触れておりませんからね。これは党の方針としてそうなっておったんで、党の方針も、昨年七月のこの選挙の際には、消費税については、その逆進性をできるだけ緩和するために、食料品等については非課税にするとか軽減税率にするとか、そういうことの実現に努力する、同時に、資産と消費と所得に対するバランスのとれた課税を検討するという方針を出しておりますから、その限りにおいては、私は選挙の公約に反したとは思っていないんです。
 ただ、逆進性を緩和するということを約束しながらそれができなかったことについては、これは努力が足りなかったというか、力が足りなかったという点についてはまことに申しわけないということは、もう率直に申し上げておるところでありまして、やはり経過があるわけですし、これは、一言半句間違ったらもうそれは公約違反だと言われれば、これはなかなか政治というものはそうはいかないので、これはだれもこういう連立政権ができるというのは想定していなかったと思うのですよ。これだけ政治が変わる大きな変化の中で、やはり判断をする前提というものはある程度認められていいのではないか、私はこう考えておりますから、基本的に、別に、公約に違反しているというふうに断定していただくことについては、それはそのままそのとおりですと言ってお答えすることはできないと思います。
#247
○安倍(基)委員 まあ、これは物は言いようでございますけれども、しかし、やはりあなたを、あるいは社会党の議員をこうやって選べば、こういうことをやってくれるだろうと思っていた大勢の人間がいるわけです。そういった人々に対して、私は公約違反してございませんと言うだけで済む話かどうか。やはり皆さんの、いわば選挙民に対しあるいは党員に対し、私らは十分なことができなかったという遺憾の意は表明すべきと思います。
#248
○村山内閣総理大臣 ですから、消費税の問題等については、逆進性を緩和するために飲食料品は軽減税率にするとか非課税にするとか、そういうこともうたってありますから、そういうことについて、三党の中で十分議論も深めたけれども結果的にできなかったことについては、努力も足りなかったし力も足りなかったという面で大変申しわけなく思っています、こう率直に私は申し上げているわけですから、何も胸を張って公約は破っていませんと言っているわけじゃないんですよ。
 しかし、それは情勢が変わっていけば、お互いに判断をする許容の範囲というものは、政治家自体として責任を持ってやはり判断をしなきゃならぬところがあると思いますよ。その判断が間違っているかどうかというのは、これはまた有権者の方からは審判を受けることになるわけでありまして、政治というものはそういうものではないかというふうに思っていますから、政治家としての判断というものはやはりあっていいのではないか、私はそう思っています。
#249
○安倍(基)委員 いずれにしても、やはり党大会で決定するのではなくて、自分が決めて、それを後で党大会で追認するというような、こういうことは非常に私は、世界では、通常の民主主義国では成り立たないんじゃないかと思います。
 その次に、二番目の問題でございますけれども、今、武村大臣が腰だめみたいな話をちょっとされました、五%は。今度の税率引き上げがいわば減税の財源補てんという意味であれば、これから高齢化社会に向けて当然税率の引き上げが必要かと思われますが、これから、さっきゴールドプランの話も出ましたけれども、いろいろな種類のいわば社会保障の費用が必要である、そう考えますと、これからのいわば見通しと申しますか、見直し条項があるにしても、大臣は上がるか下がるかわからないよというようなことを言われますけれども、この点につきまして、本当に上げないで済むのか、やはり将来上げざるを得ないのか、その辺をきちっとお話をお聞きしたいと思います。
#250
○武村国務大臣 我が国の将来を考えますときには、まだまだ時代はどんどん動いていきますし、各般の分野で新しい財政需要が出てまいります。我々が今想像できない分野に出てくることも含めて、相当な財政需要が出ることを覚悟しなければいけないと思います。
 しかし、専ら福祉の分野、社会保障の分野に限定をいたしましても、あるいは、これはもう高齢・少子化という非常にわかりやすい社会事象がどんどん進んでおりますから、国民の皆さんにも理解がしていただきやすいわけでありますが、この分野に限定しましても、ひときわ大きな財政需要が膨らんでいくことはもう明々白々でございます。これは高齢化の先に進んだ西洋の例もございますが、既に生きているこの今の我々日本人の世代間の数を推計をするだけでも、そこそこ見通しが立つものであります。
 社会保障費は、これはもう大変アバウトな概略でございますが、今年度に限って言いますと、六十兆円ぐらいの総支出になります。それが六年後の西暦二〇〇〇年では百兆円ぐらいになる。それが、また一段と高齢化が進む西暦二〇二五年がピークでございますが、厚生省の推計では、そのときにはケースUの例を挙げましても三百十兆から三百七十兆と、今六十兆円がそこまで大きく膨らんでいく。その中にはかなりの国・地方の公的な負担が入っているわけで、ことしに限って言いますと、年金、医療、介護の公的な財源としては、国・地方を通じて十八兆円でございます。それが六年後の二〇〇〇年には三十一兆円に膨らみます。これだけでももう十三兆、六年間で十三兆円財源が膨らんでいくことがもう目に見えておりまして、そのことをきちっと認識をしながら、税制のあるべき姿も議論をしなければなりません。
 全く削減する要素がなければもう増税しかないという結論になるわけですが、行財政改革を片方で真剣に進めることによってこの上げ幅を減らしていく、できたら上げないで済ます、そういう努力を私どもは必死で始めなければいけないというふうに思っております。
#251
○安倍(基)委員 まあひとつ答弁は簡単にお願いしたいのですけれども、基本的には、やはり将来、税率を上げざるを得ないという御認識でいらっしゃいますね。イエスかノーかで結構です。
#252
○武村国務大臣 五年、十年、二十年というタームでとらえますと、その傾向になることは避けられないというふうに見ております。しかし、この二年間の見直し規定においては、必ずしもそういう判断を前もってしないで、観念的にはふえる場合も減る場合もとどまる場合もありますが、できるだけ削減の努力をして、ふやさないための必死な努力をしなければいけないという思いであります。
#253
○安倍(基)委員 私自身も将来はそういう時代が来るだろうという気がしておりますけれども、さっきお話の出た三・五兆円はいわば本式の税制改革、あとの二兆円は対外的な公約であるというような話で、五兆円の公約だからやったというお話を言われましたけれども、そうすると、五・五兆円の減税をすると、大体通常どのくらいのいわばGNPあるいはGDPの増になるという程度の御認識はお持ちですか。
#254
○武村国務大臣 これは高村長官の方で計算をいただきまして、今回の税制改革に限って一つのまとめをしていただいて、〇・四%ぐらいのGNPのアップになる、上昇になるという見通しを伺いました。
#255
○安倍(基)委員 要するに、五・五兆円でやったときのいわば増加分というか、よく乗数といいますか大体どのくらいと見て、何%というのはわかるのですけれども、私、一応調べてみましたら約半分なんですよね、初年度は。五兆円にしても二・五兆円くらいしか上がらないんですよ。減税効果というのは今非常に弱いんですね。その点を十分御認識の上やっていただいているのかどうかということを確かめたかっただけです。
 では次に、その話は話が長くなりますから、高村長官にお聞きしたいけれども、何で日本の経済がいつまでも立ち直らないのでしょうか、この不況が長いのでしょうか、それをお答え願いたい。
#256
○高村国務大臣 確かに長い不況でありましたけれども、今や緩やかながら回復の方向に向かっている、そういう認識は持っているわけであります。内外価格差等非常にある中で、価格破壊という言葉がいいかどうかは別として、非常に価格が今リーズナブルな方向に動いている。そういう中で、景気の一点から見れば必ずしも企業収益が上がらないというようなこともあって、そういう中での景気回復の方向に動いているということでありますから、今までのようなV字型回復はなかなか期待できない、ゆっくりした回復になるのではないか、こういうふうに思っております。
#257
○安倍(基)委員 今現在どうかというよりも、なぜかということが非常にあいまいでございますけれども、武村大臣はどういうぐあいに御認識ですか。簡単にしてください。
#258
○武村国務大臣 大変難しい質問でありますが、というのは、戦後五十年を経て日本の経済が一つの大きな厚い壁にぶつかっているというふうに思うからであります。そこに経済構造という、あるいは経済構造改革という言葉が使われる背景があると思っておりますが、世界じゅうから原材料を安く仕入れてきて日本人が器用にどんどん物をつくれば、世界じゅうでどんどん物を買っていただける、そういう経済は一つの壁にぶつかっている。むしろ、より知恵を働かせて創意工夫を凝らし、付加価値の高い物あるいはサービスをつくっていくような、そういう転換期に差しかかっているというふうに認識をいたしております。
#259
○安倍(基)委員 これはいろいろ意見もありましょうけれども、私はこう考えています。過去における景気回復のパターンは、公共投資がまず出る、それに対して民間の設備投資がどっと出てくるのです。それで消費が伸びるのです。それが景気回復のパターンでございますけれども、今回は民間の設備投資は全然出てこない。それとともに、むしろ海外に、例えばアジアとかアメリカとか、そういうところにどんどんと流出する。いわゆる製造業の空洞化なのです。これが一番大きな問題なのです。
 私は今高齢化社会の問題を論じておりますけれども、この空洞化が進んでいくと、本当に日本の経済は台なしになる。でありますから、私は、今の大蔵大臣あるいは企画庁長官の御返事で、単に何となく転換期に来ているというだけの話で、村山内閣の経済閣僚はそういう認識であるというのは、まことに私は心配であります。今本当に、私の選挙区でも大勢のいわば倒産に近い者、あるいは職場を要するに閉ざされる者、そういう者がおります。彼らの実情を見るとき、本当に、単に経済の変革期に我々がいるから景気が低迷しているのだというような御認識では、非常に私は不安でございます。
#260
○武村国務大臣 空洞化が進行していることはもう常識でございます。あえて私は申し上げませんでしたが、そういう状況の中でどういう方向にこの転換期の日本経済を運んでいったらいいのか、そこはニュービジネスとかベンチャービジネスという言葉も早くから使われてまいりましたように、より一層創意工夫を凝らした、付加価値の高い、そういう産業を目指していかなければならないと、その先のことを申し上げているわけであります。
#261
○安倍(基)委員 そこで私は、今、行財政改革ということが言われております。行政改革によってどのくらいのお金が浮くとお思いですか。
#262
○山口国務大臣 その問題をお答えする前に一言申し上げたいと思うのですが、私は予算委員長をいたしておりました。結局、景気の回復がおくれたことについて、私はやはり予算委員長として、とにかく暫定予算、暫定の補正までやってそれから本予算ということであって、予算編成が越年になったために非常に本予算の審議がおくれたわけです。六月二十三日にやっと本予算が成立をするというところに、やはりせっかく景気が立ち直りつつあるところの芽をつぶしたという点では、政治家として私は反省をしなければならぬというふうに思っている次第であります。
 それから、ただいまのお尋ねでございますが、行政改革はさまざまあります。規制緩和もあれば、地方分権もございます。それから、情報の公開もある。そうして、行政機構の改善の問題もあれば、さらには特殊法人の整理合理化の問題もございます。したがいまして、なかなか計量的にはかりがたい。例えば、規制緩和とかあるいは地方分権とかあるいは情報公開とか、こういう問題は、それをやったから幾ら経費が浮きますという課題ではございません。そういう意味では、総務庁としてなかなか計量的に計算しにくい課題であるということは御理解を賜りたいと存じます。
#263
○安倍(基)委員 行革によってどのくらい金が浮くかというのは、それはなかなか測定しがたい要素がございます。しかし、それが十兆円、二十兆円の大台になるとは私は考えておりません。幾ら人間を、首を切ってみても、首切りがいいわけじゃございませんけれども、その大台になるとは限りません。
 私は、ここで一番問題となっておりますのは、いわゆる公共事業の問題でございます。
 私は、お聞きしたいのですけれども、まあ私の口から言いましょう、時間的にもったいないですから。現在における国債残高が二百兆、地方債が約百兆、その他が六十兆と、まあほぼ三百六十兆の残高があるわけです。これは、建設国債、特別国債と分けますと、建設国債は二百兆のうち百四十兆、これは十年前は七十兆でございました。つまり、十年間に七十兆ふえているわけです。
 現在、いわゆる社会資本整備ということで非常に何か二十一世紀まですごい投資をするという話をしておりますけれども、果たしてこれが財源的にどこから出てくるのだろう。と申しますのは、これがもし累増したときに、建設国債であればいい、赤字国債では困るというのでは言えないわけです。本当に物をつくって、そこから収益が上がってくる。例えば、民間の企業であれば、まずリストラをするときには不良的な投資を全部切っていく。一文でもお金が上がってこないものはできるだけ節約するというのが、いわゆるリストラの最大の眼目です。
 現在の我が国は、公共事業はかさ上げ、かさ上げと。私がさっき申しましたように、経済は民間投資があって初めて――公共投資はむしろ民間投資の誘い水であるべきなんです。ところが、民間投資はほとんど冷え切って、公共投資だけで景気を回復しようとしている。その財源はどこかというと、これは建設国債だ。今のところ、建設国債ならいいのだ、物が残るからいいのだという観念でございます。しかし、本当に収益を上げないもの、経済効果の薄いもの、これは粗大ごみでございます。その面で、私は、行政改革の一つの大きな柱として、いかにして公共事業、これを単に建設国債に頼るのではなくて本当に効率的なものに限るべきだ、絞るべきだ、私は、その視点が全くいわば欠落していると思います。この点について、大蔵大臣あるいは総理大臣の御所見を承りたい。
#264
○武村国務大臣 公共事業を絞るとおっしゃいましたが、いずれにしましても、シェアが固定化する嫌いがございますから、本当の国民の皆さんの需要に合わせて、一番必要な公共事業に重点を置くような努力が必要だと思っております。あわせて、内外価格差という言葉もございますが、公共事業のコストについても、そういった比較をしながら、少しでもコストを下げる努力が必要かと思っております。
#265
○村山内閣総理大臣 今大蔵大臣が答弁したことで尽きると思いますけれども、やっぱり建設国債は、先ほども申し上げましたように、単に物をつくって、そこから収益が上がるというだけでなくて、景気浮揚のために、公共投資後の効果というものもやっぱり否定できないものがあると思うのですね。したがって、それなりの役割を果たすと思いますけれども、しかし、余りにも累増してまいりますと、逆に今度は財政を硬直化させるというマイナス面も出てきますから、そこらは十分考えていかなきゃならぬと思いますが、それだけに公共事業の中身についてはやっぱり十分精査をして、そして、今お話もございましたように、国民が最も必要とするところに重点が志向されていくというのは、当然の政府のとるべき責任だというふうに思っています。(発言する者あり)
#266
○安倍(基)委員 私が申し上げたいのは、これから高齢化社会が到来する。今でこそ日本の経済力は隆々としております。しかし、この十年間のうちに私は非常な危機が来ると思います、実際のところ。そのときに、こういった高齢化対策を幾ら文書の上で書いてみても、分けるべきパイが出てこなかったらおしまいです。でございますから、高齢化対策は、一つは、いかにして経済活力を維持するか。産業を高度化して、そして常に世界から金が集められるようにするということが第一でございます。第二は、出てきた財源をいかに高齢化対策に使うかということでございます。
 そのときに、私は、今のままの建設国債の累増を考えますと、最終的には集める税金をほとんどそういったものに使わざるを得ないという形になるかもしれない。こう考えますと、私は本当に、もちろん非常に経済効率の高い公共事業、民間投資を誘発するような公共事業ならいいけれども、金額をただ上げて、これで要するに景気が回復できるというのではだめです。
 と申しますのは、さっき申し上げましたように、公共事業はあくまで民間投資の誘い水であるべきなのです。民間投資がどんどんと流出しておって、公共投資だけで景気を支えようとすると、これは長もちしない。この点は、宮崎、大分あたりがなかなかとおっしゃいますけれども、これはやじの話でございますけれども、これは本当にもう少しシビアに考えなくちゃいけない。
 行財政改革の一つの大きな柱は、効率的な公共投資と言わざるを得ない。今までは、赤字国債は悪い、前回の藤井大蔵大臣は垂れ流しはいかぬと頑張りましたけれども、その前に建設国債にこそやはり目を向けるべきであって、本当に財源が調達でき、かつそれでもってペイするもの、それはもう一々個別的にはできないかもしれません。非常に大きな意味の経済効果は違うかもしれませんけれども、それでもって元が取れるような、本当は受益者がもっと負担せにゃいかぬのです。この点を私は提言しておきたいと思います。
 それとともに、建設大臣にお聞きしましょう、土地規制の問題が一番大事なのです。工場を建てようと思ってもなかなか、農地だから転用できないとか、土地が高いとか、そういったものがどのくらい日本の国内投資をしぼめているか。その意味で私は、規制緩和はいろいろございますけれども、その中の最大の眼目は土地規制の緩和だと思っております。私は建設委員会でもこの点をいろいろ話そうと思っておりますけれども、この点についての建設大臣の所見を一言お願いします。一言でいいです、短く。
#267
○野坂国務大臣 いや、あなたは長く私は短くというわけにならぬのですから、ゆっくりやらせてもらいますが、規制緩和の推進は、国民生活の資質の向上をやれとおっしゃるように、経済の活性化をやれということですから、これに向かって努力しなければなりませんが、今までの規制の緩和は、町並みの問題とか、あるいは安全であるということが原則。したがって、例えば今まで二階建てをしますと、八十平米が二階建てで、地下をつくれば、これは一階だけしか出ぬわけです。
 今度は緩和をして、地下をした場合はそれも認める。あるいは、先生も御案内のように建築基準法の改正をして、集約をすれば割り増しは五〇%までします、こういうふうに一つ一つ規制緩和をして、あなた方といいますか、羽田さんのとき二百七十九項目決まったときに、我々のところは四十七項目の規制緩和を決めております。(安倍(基)委員「ちょっと、もういいです」と呼ぶ)いや、私が発言中ですから困るんです、それは。だからしたがって、今計画推進会議をつくって具体的に進めておるということを申し上げまして、これで簡単に答弁をやめます。
#268
○安倍(基)委員 新聞紙上伝えるところによりますと、中国が核実験をする限り少しODAを考えるということを河野大臣は言われました。実はODAというのは大義名分としては非常にいいんですけれども、私は、ODA、ODAというのは、今世界一なんです、日本が。この十年間のうちにもう倍増しているんです。三倍くらいになっている。確かに協力はいいけれども、これは、だんだんと高齢化になってきて、我々が高齢化対策をやるというときに何でどうなんだという問題が起こってくるわけです。
 この点について、河野大臣の発言は、よく新聞紙上伝えられるものと同じように、核開発を行う場合にはODA問題について考慮せざるを得ないということは正しいですか。
#269
○河野国務大臣 議員御承知のとおり、我が国のODAには原則というものをあらかじめ定めております。ODAに対する原則、四つの基本的な考え方をもちましてODAには対応しているわけでございまして、このODAの考え方、四つの考え方のうちの一つに、大量破壊兵器その他に対する対応というものは考慮に入れるということを書いているわけでございます。
 ただ、私どもがODAを実施いたします際に、一つの事象でどうするということではなくて、その国とその問題について話し合って、その国がどういう考え方を持っておるか、どういう方向を将来考えようとしているか、そういったことについても判断をする必要があるということもまた同時に言っておることをつけ加えたいと思います。
#270
○安倍(基)委員 こういった問題は、私がさっきもちょっとお話ししましたように、財源がどう配分されるかということが非常にこれから大事なんです。要するに、税制でもってどのくらいお金が入る、それはどれに使われるかと。今のお話のようにODAにどう使われる、あるいは投資にどう使われる、建設国債も最終的には税金で要するに償却していますから、その意味で私は、この問題は税と直接関係があると思っています。
 そこで一つお伺いしますけれども、村山総理は戦後処理について非常に積極的であると。戦後補償について、よく慰安婦なんという問題もございますが、ただ私は、本当に日本の戦後、いろいろないわば被害を受けた人がいます。私の親戚の中でも玉砕した者もおります。引き揚げの途中に子供がいなくなった、いわば餓死した者もおります。戦災で要するに傷病者になった人も大勢いるわけです。また軍恩欠格者もおります。戦後補償の問題というのは非常に大事です。これをまたこれからの財源でどう要するに考えていくのかという問題があるわけでございますから、この点、一言お答え願いたいと思います。
#271
○村山内閣総理大臣 戦後処理というものについて、具体的にどういうことをお尋ねなのかというのがちょっと理解ができないのですけれども、戦後の賠償については、これはもうサンフランシスコで国と国との条約によって一応遅滞なく義務は果たされてきておる、責任を果たしておるというように思います。
 ただ、それ以外に、今世上言われておりますようにまだまだ戦後処理を要する問題もございますから、そういう問題については、来年はちょうど五十年を迎えるわけですから、この五十年を節目にして、やはり片をつけなければならぬ問題については、償いをしなければならぬ問題については償いをする、片をつけるものは片をつける、そして未来に向けて、もっと一層平和に向けて日本の役割が果たせるようお、そういうひとつ土台というものをしっかりつくりたい、こう思って、今与党間でも戦後処理の問題については、具体的な個々の問題についても御検討いただいておるという段階であります。
#272
○安倍(基)委員 戦後補償あるいはODAなどの処理に際して、過去の太平洋戦争をどう把握するか、理解するかという哲学があるわけです。この点につきまして、総理はいろいろ発言されておられますけれども、また社会党のいわば公約にもアジア諸国に謝罪しという言葉がございますけれども、侵略戦争とお考えですか、どうですか。
#273
○村山内閣総理大臣 侵略戦争であるかどうかということについては、これはいろいろな意見がございますから、そういう意見の混乱の中に私は巻き込まれたくないと思うのですね。ただ、本会議でも申し上げましたように、侵略的行為があった、そのことを通じて、我が国の国民はもとより、関係した諸外国の皆さんにも取り返しのつかないような被害と苦痛をもたらしておるということについては、もう率直に私は申し上げてきたところであります。
#274
○高鳥委員長 安倍委員に申し上げますが、この特別委員会を設置されたときには、実は、税制改革に関する調査を進めるということで、この付託された議案を中心に御質疑をいただき、御議論いただくという申し合わせになっておったわけであります。そういうことを踏まえてどうぞ、絶対いかぬとは申しませんが、踏まえて御質疑を続けていただきたいと思います。
#275
○安倍(基)委員 私がここでお話ししているのは、やはり制度もさることながら、これからの高齢化社会に対してどう対応するか、集まった財源をどう使うか、戦後補償に使うかあるいはODAに使うか、いろいろな、予算委員会、歳入すなわち非常に歳出に関係するわけです。さっき私が、いわば公共事業で言いました、建設国債の話を言いました。せっかく集めたお金が全部利子に使われてしまうという話になりますと、さっき話がありましたように、逆進性がますます広まる。そういう意味で私は、この特別委員会はそれなりの、いわば使う方の側も視野に入れたものでなければならないと私は思っております。
 そこで、お伺いします。
 橋本大臣は、遺族会の会長でございますけれども、前回の太平洋戦争についてどういう御見解をお持ちでいらっしゃいますか。
#276
○橋本国務大臣 確かに私は日本遺族会長を、皆さんの、遺族の方々の御推挙をいただいて拝命することになりました。そのとき私が感じましたことは、率直に申しまして二点であります。
 私どもの世代は、第二次世界大戦の途中からを記憶している最後の世代であります。いわば、日本が空襲を受け、各地で焼け出された人が出、あるいは私どもの身近から次々に出征兵士を送り出す、そしてその多くの人々が帰ってこなかったという記憶を持つ最後の世代であります。それだけに、過去の長い積み重ねの中で、そうした記憶を埋もれさせてしまってはいけないという気持ちから私は日本遺族会の会長をお受けすると会員の方々に申し上げました。そして、その気持ちで今日もおります。
#277
○安倍(基)委員 もう一度お伺いしますけれども、前回の太平洋戦争を侵略戦争とお考えですか。私はあなたの「政権奪回論」という本を読んでおります。
#278
○橋本国務大臣 大変長くなると恐縮だと思って、ポイントだけを申し上げました。
 私は、第一次世界大戦の途中から中国大陸に対する日本の政策の中に侵略と言われるものが出てきた、どこで一体日本の方針が変わったんだろうという気持ちを今も持ち続けております。
 そして、ドイツの植民地でありました部分に対する日本の攻撃からその後の行動の中に、現代の我々からすれば、当時の指導者がどうしてこういう方向をとったのか、侵略と言われていたし方のない部分があると私自身そう考えております。
 また、朝鮮半島の歴史をひもとくとき、今の歴史観からするならば当然のことながら植民地主義と言われて仕方のない行動を、我々の先輩方はその時点において選択をされました。この歴史というものも我々は忘れるわけにはまいりません。
 同時に、第二次世界大戦の各戦域に、私は国会に送り出していただきましてから随分各地の遺骨収集を続けてまいります過程で、我々の先輩に対する本当に涙のこぼれるようなすばらしい思い出話も現地の人々から聞かされたことがございます。本当に、立ち往生じてしまってどうにも答えようのないような情けない話を聞かされたこともありました。そして、その戦場となった各地域の方々に対しても、我々は多大の迷惑をかけてきたということはだれも否定ができません。
 しかし、侵略戦争であったかどうかと第二次世界大戦に限定をされて規定をされました場合、当時の日本が私は、アメリカと戦い、あるいはイギリスと戦い、オランダと戦いという記憶を持ち、戦争を行ったということは事実でありますが、侵略戦争と言い得たかどうかとなれば、私には疑問は残ります。なおかつ、少なくとも、敗戦の直前に旧満州地域に怒濤のごとく侵入を開始してきたソ連軍の行動までを含めて、日本が侵略戦争を戦ったと申し上げるつもりは私は断じてありません。
#279
○安倍(基)委員 御存じかもしれませんけれども、私が文部政務次官に就任したときに、細川首相の発言についてのコメントを求められました。私はそのときに、必ずしも侵略とばかりは言い切れないという発言をいたしました。その結果、大分新聞にも騒がれましたし、地元では、今までおまえを応援しておったけれどもこの次はたたき落としてやるという匿名電話も受けました。しかし、私はその気持ちを変えてはおりません。
 ただ、私はちょっと今ひっかかるのは、橋本大臣は、中国あるいは朝鮮に対するものは侵略だが、ほかのものはそうでないということでございますか。ではないですね。
#280
○橋本国務大臣 正確にお聞きをいただきたいと思うのでありますが、中国に対して私は侵略行為があったということを、そのとおりの言葉を使いました。朝鮮半島に対して植民地支配という言葉を私は使いました。
 そして、当時の日本としてその地域の方々を相手として戦っているつもりはないままに太平洋の各地域を戦場とした事実がございます。そしてそれは、戦おうとして当時の先輩方が選んだ、あるいは、例えばアメリカであれイギリスであれあるいはその他の国々であれ、その母国ではございません。ですから私は、それぞれの戦域になってしまったところの方々に本当に御迷惑をかけたと思っております。しかし、その地域に対して侵略であったのかと言われれば、これは私は、言葉の定義の問題として必ずしも侵略であったかどうかという、これはなかなか微妙な部分になるであろうと思います。
 そして、第二次世界大戦における日本というものを規定いたしますなら、私は、敗戦直前のソ連の参戦というものまで含めて我々は侵略戦争であったと申し上げるつもりはないということであります。
#281
○安倍(基)委員 村山総理、村山総理は社会党のいわば委員長として、アジアに対して謝罪したいという話をしておられました。橋本大臣は、これは中国に対して、私は中国に対するのがもし侵略であれば、中国で死んだ人間は侵略の加担者かと言いたいところですけれども、その辺は、まあちょっとまた論議がございますけれども、総理はどういうぐあいに今の御発言をお聞きでいらっしゃいますか。
 と申しますのは、桜井長官が、必ずしも侵略戦争ではなかったということでもって社会党から突き上げられて、まあ総理としては決断されました。今の橋本大臣の御発言をどう御理解されますか。
#282
○村山内閣総理大臣 ですから、侵略戦争というこの言葉の解釈については、これはやっぱり現実に照らして判断をしていかなきゃなりませんから、いろいろ私は見解があると思いますよ。
 しかし、今も大臣から答弁がありましたように、それは日本が侵略的行為があった、あるいは朝鮮やら台湾を植民地支配をしておったという事実は、これは否定し得ないわけですから。したがって、そういうことによって、アジア近隣諸国の皆さんにも、これは住民には、やっぱり日本がどんどんどんどん出ていって、迷惑をかけたりいろんな犠牲を強要したりなんかしていることは、もうこれは否定し得ない事実がいろいろあるわけですから、したがって、大変なやっぱり取り返しのつかないいろんな犠牲を与えた、そのやっぱり反省はきちっとして、そしてその償いもしなきゃならぬものはして、そしてやっぱり未来に向けて日本は二度とその過ちを繰り返さないという誓いのもとに立ち上がっていく必要があるんではないかということを申し上げているわけです。
#283
○安倍(基)委員 それでは、中国とか朝鮮は別として、アジアに対するものは侵略戦争ではないとおっしゃるんですね。
#284
○村山内閣総理大臣 私は侵略戦争という言葉は使っていないんですよね。侵略的行為があったと、こういうふうに言っているわけです。
#285
○安倍(基)委員 まあ、何か非常に、侵略的行為というような話であれしているようでございますけれども、この点について、私は、桜井長官がいわば地位を失ったということと関連して、本当にこの思想、信条の共有できる者同士だけが連立ができるのではないか。それは小手先の政策というものはいろいろ妥協できる。
 じゃあ、そこでもう一つお聞きしますけれども、南京で三十万人のいわば虐殺……
#286
○高鳥委員長 安倍君に先ほども申し上げましたが、この特別委員会設置の当初において、各党申し合わせで、税制改革を中心に御議論いただくということで設置されたということになっておりますので、その点を踏まえて、ひとつぜひ御質疑をお願いします。
#287
○安倍(基)委員 私ども、過去の予算委員会ではいろいろの、細川さんのスキャンダルをまあ皆さんが突き上げた。私は個人的なスキャンダルを突き上げるつもりはございません。ただしかし、本当にこういういわば、私はこの委員会はやっぱり大きな意味の歳出も考えていますから、そこで……(発言する者あり)いいですか。南京において三十万人の虐殺が行われたと言われております。これがでっち上げと発言したために、永野さんは皆さんから突き上げられて、要するに職を失いました。辞職しました。この点について、南京の三十万人の虐殺事件というのがあったとお思いですか、なかったとお思いですか。
 橋本大臣にお聞きしましょう。
#288
○橋本国務大臣 なぜ私をお選びになって御質問があるのか存じませんが、歴史的な事実として私どもは教えられました。
#289
○安倍(基)委員 それでは、急な質問で申しわけないけれども、広島の原爆で何人くらい亡くなったか、首相御存じですか。――じゃ一応、広島で十一万人です。長崎でも七万人です。
 そこで、私がお聞きしたいのは、これだけ被爆者援護法が問題となっているときに、私も、こういう数字をばっと聞いて答えられないからといって、それを非難するつもりはございません。私自身も調べてみないとわからなかったわけでございますから。ただ、やはり被爆者にとっては大きな問題だと思います。
 そこで、三十万人がでっち上げたという発言をして永野さんは法務大臣をやめました。ただ常識的に考えて、果たして我が陸軍が数日間のうちに原爆で死んだ何倍かの人間を殺したとは到底思えません。戦後五十年のこの時期に皆さんがどうお思いになるか、私はこういうときにきちっと主張すべきものは主張するべきだと思っております。
 この点、橋本大臣は、そう教えられましたと言われております。亀井大臣、どうお考えですか。
#290
○亀井国務大臣 私は、人類の歴史の中で戦争に随伴するいろいろ悲惨なことがあったと思います。南京のいわゆる大虐殺の被害者が何人であるか何人でないかとか、私が現場を見たわけでございませんので、私がそれをどうだということを断定する立場ではございませんけれども、いずれにいたしましても、そうした残虐な行為をですか、あったということを被害者である中国側が言っておる以上、数が多いとか少ないということよりも、我々としては、あの被害者という立場でそれを言っておられる以上は、多いの少ないのということよりも、そういうことを未来において繰り返さない、やはりそうした決意を持って対応することだと思います。
 なお、御質問はございませんが、私は、この間の大戦については、一刀両断に何々戦争だと言うわけにはいかない。先ほど橋本大臣がお話しになりましたけれども、中国との関係、また朝鮮半島との関係と、欧米のいわゆる植民地勢力と日本との関係とはまた別な私は観点があろうか、このように思います。
#291
○安倍(基)委員 私は、さっき申しましたように、思想、信条を異にする党で果たしてできるのかという意味で、この問題についての自民党と社会党との公式見解を求めます。文書で出していただきたい。
 委員長、いかがですか。
#292
○高鳥委員長 何ですか。――ただいま二見理事から理事会扱いにしてほしいというお話がございましたので、これは発言の趣旨がどうも必ずしも委員長もよくわかりませんが、発言の趣旨をよく二見理事から確かめていただいた上で、理事会においてしかるべく取り扱います。
#293
○安倍(基)委員 じゃ、この問題につきまして、また後日質問したいと思っています。この場合は内閣の見解も求めます。
#294
○高鳥委員長 では、安倍委員、時間になっておりますので、安倍委員の質疑はこれにて終わらせていただきます。
 この際、今井宏君から関連質疑の申し出があります。津島君の持ち時間の範囲内でこれを許します。今井宏君。
#295
○今井委員 改革の今井宏でございます。
 私は、昨年まで草加市の市長でございまして、答弁する側は多少なれておるんですけれども、質問するのは実は初めてでございまして、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思うわけであります。
 村山総理と私の議員会館の部屋が同じフロアですから、大臣になる前に、民間政治臨調の一員として政治改革のお願いに上がったときに、総理の部屋にパネルで初登壇の写真がございました。御自慢のそのまゆ毛がまだ真っ黒でございました。多分初登壇、御記憶にあるのではないかと思いますが、私もそんな気持ちでございますので、どうぞわかりやすい言葉でひとつ前向きに、しかも建設的な御答弁をお願い申し上げたい、こういうように思うわけです。
 きょうの限られた時間でございますが、三項目にわたって御質問をさせていただきます。一項目は、消費税の評価と再三議員さんが質問しております選挙公約との関係が一項目。それから、消費税の引き上げをやる前には行政改革と福祉のビジョンを明らかにするべきだ、もう当然でありますが、その行革について二項目目。三項目は、地方消費税と地方分権の推進につきまして御質問をさせていただきたい、こういうように思っておるわけであります。
 さて、消費税を総理はどう評価なさっでいるんでしょうかということでございますが、先ほども安倍議員初め数々の委員が、選挙公約に違反しているんではないか、こういう御質問がたくさん出ております。その都度、総理の言い方とすれば、政権を担う立場での責任ある決定であるので公約違反ではない、こうおっしゃっているわけですが、私はその辺のところがよくわかりづらいのは、もっと率直に、あれは選挙公約違反だったよ、ごめんなさいね、ただ、状況が変わって、こういう形になったから、消費税を認めて、消費税の法案をつくって提案しているんですよという率直さがあってほしいんではないかな、こういうように思うんですが、いかがでしょうか。
#296
○村山内閣総理大臣 何度もお答えしておりますけれども、確かに消費税が創設される際には、これはもう社会党だけでなくて、その当時の野党の皆さんは挙げて反対をしたわけですね。しかし、残念ながら成立をして、現在もう定着をして実行されているわけです。しかも、国民の暮らしの中に、あるいは経済行為の中にもう定着していますね。
 したがって、その定着している事実というものは、これは否定できないわけですから、その定着しているという事実を踏まえて、いかにいいものにしていくかという努力はやはりこれからしなきゃならぬ。それが私は政治家の責任だ、こう思って、この連立政権の中でも三党でプロジェクトをこしらえて、そしていろんな角度から検討して、今、国会に提案しておりまする税制改革大網というものをつくり上げたという経緯でありますから、その点についてはひとつ御理解をいただきたいというふうに思うんです。
 それから、私は先ほども申し上げましたけれども、昨年七月の総選挙の際に、党が責任を持って出しておるパンフレットの中には、こういうことが書いてあるわけです。
 所得税の実質増税構造の解消や、飲食料品の非課税化による消費税の逆進性緩和など、国民的な要望に責任を持ってこたえる取り組みを進めてまいります、こういう公約をしているわけですね。私の選挙公約の中には、この消費税の問題については一言半句触れてないんです。これは、党の方針がそれですから、そのことで皆さん方にも御理解いただけると私は思ったと思いますね。
 そこで、今読み上げました、党が七月の総選挙の際に申し上げたことと税率を上げたということは、これは大変な違いです。ですから、逆進性を緩和するために飲食料品等の非課税について努力をしたんです。これは三党の協議の中でいろんな角度から激しい議論をしてきているわけですよ。しかし、全体として、まあこの国会に提出をしているような法案に落ちついたわけですから、これは私はやはり了解せざるを得ない、こう思っておりますが、一言半句、一言半句言うたことが実行できなかったではないかということについては、大変申しわけなく思っております。
 しかし、この連立政権ができているという政治状況の大きな変化というものも、これは否定し得ない事実ですから。しかも、もう消費税というものはこれだけ国民の中に定着しておる。しかも、三党が連立政権をつくる際の合意事項の中にもきちっとやはり明記されているわけですから、その合意事項も踏まえながら今回の税制改革大綱というものがつくられたということについては、私は、国民の皆さんも御理解をいただけるんではないかというふうに思っておりますから。
 まあしかし、今申し上げましたように、一言半句間違いなかったかといえば、それは、約束どおり実行できなかったことについては大変申しわけないことだと思います。しかし、お互いに状況の変わった変化の中で、これくらいは許してもらえるんじゃないかというやはり政治家としての判断があってもいいんではないか。その判断が間違っておったか正しかったかということについては、これはまた次の段階で有権者の皆さんから審判を下されるんであって、その程度の政治家のやはり、何といいますかね、許容する範囲はどこかということで、自分なりに責任持って判断するという行為はあり得てもいいんではないか。こう考えておりますから、その点については御理解を賜りたいと思います。
#297
○今井委員 実は、民主主義の原点は言うまでもなく選挙ですよね。やはり選挙で社会党に票を入れた国民、主権者は、消費税反対を主張している社会党に入れた人がかなりいるはずですよ。だから、その後の変化を理解するというのはわかりますけれども、やはり政治家は、白を黒とまでは言いませんけれども、そういう公約に対して、いやちょっと違っちゃったんだよということは、国民に率直に言うべきだと思うんですよ。
 いわゆる選挙公約というのが、この辺の薬のこう薬じゃありませんけれども、どうも効くか効かないかわからないということでは、民主主義の原点を損なう形になる。やはり政党の政策というのは、これは大変重たいもので、それによって主権者である国民が投票していく。政策に対する信頼性というのを今回この件で大変失ってしまったんではないか、こういうふうに思えてならないわけです。
 特に、これから新制度の小選挙区比例になれば、理念、政策で国民に選んでいただくわけですから、それが状況によったら変わり得るんだよという形はいかがなものかと思えてならないわけですが、これ以上やりましても後ろ向きの議論になりますので、先に進めさせていただきますが、たまたま私ども草加で来週から市議会議員の選挙があるんですが、その中でこんなビラが、共産党の妨害ビラなんて入ってきているのですね。ここに写真が振れていまして、「公約も看板もなげすてて」というのですよ。社会党の本部のところに看板が出ていましたね。「消費税率引上げ反対運動推進本部」という看板を社会党の本部に掲げてあった。その看板を、今度はこちらの写真ではきれいに外した写真を、私の家庭にも入ってきたのですけれどもね。
 そうしますと、この看板が云々というよりも、まさに今まではどちらかというと消費税反対、だめなものはだめだというわかりやすい話だったわけですが、その消費税反対という看板はおろしたというふうに私どもも理解してよろしいのかどうか、それが一点です。
 それから、消費税を認めた上で今回の税制改革案を提案しただろうと思うわけでございますが、この消費税、当然のことながら相続税だとか所得税、いろいろな税がたくさんあるわけでございますが、この消費税をどのように総理は評価をなさっておるのか、その評価につきましていま一度お聞きしたい、こういうふうに思っております。
 三点目には、もし政権が、こういう時代ですから、かわることがあります。失礼ですが、社会党が野党になることも十分あるのではないかと思うわけです。野党になったときもこの消費税というものは認めていくのでしょうね。野党になったときは、また立場が変わって別なんだということではないのでしょうね。御質問させていただきます。
#298
○村山内閣総理大臣 ちょっと済みません。一番は何ですかね。――看板ですか。(今井委員「この看板じゃなくて、消費税の看板です」と呼ぶ)
 消費税率引き上げに反対という看板を出しましたね。これは考えてみますと、恐らく細川政権のときに国民福祉税七%引き上げということがあったときに、私どもは反対したわけです。したがって、その反対運動の継続として、こういう消費税率の上げ方については我々は同意できないと言って、消費税引き上げ反対の看板を出したのですね。しかし、連立政権をつくられている経過の中では、これは旧連立政権の場合もそうですけれども、消費と所得と資産とバランスのとれた形で課税を考えていく、同時に間接税の引き上げについても消費税の改廃を含めて検討していく、そして年内に結論を得るようにしよう、こういう合意事項になっておったと私は思うのですね。
 そういうこれまでの経過がありますから、その経過を踏まえた上でお互いに議論をしていったのですよ。議論した結果、先ほど来申し上げておりますような合意に達して、そして連立政権としてこの国会に法案を提出する段階になってい名わけです。したがって、消費税率引き上げ反対という運動はもうそれで終結したわけですから、したがって看板をしまった、こういう経過になっておるわけですから……(発言する者あり)いや、それはもう当然のことじゃないですか。それが一つです。
 それからもう一つは、連立政権から離れて野党になった場合にそういうことがあり得るのか、また戻るのかというお話ですけれども、私はこう考えているのですよ。これは二番目の質問とも関連すると思いますけれども、これから高齢社会に入っていく、もちろん少子対策もある。ここで盛んに議論をされていましたけれども、重要な課題を抱えておるわけですね。そういう場合に、年金や医療や福祉や介護に大変多くの金がかかる。その金のかかる負担をどういうふうにしていくかということは大変大きな問題ですよ。
 そこで、私は常々主張をいたしておりますのは、やはり所得税という垂直的な部面だけにウエートをかけて、そこからだけ負担を強いることは無理があるのではないか。そういう社会全体として抱えていかなければならぬような高齢化の問題等については、国民全体が可能な限り公平な負担をし合うということもまた大事ではないか。そんな意味では、垂直的な面が根幹になることは間違いありませんけれども、しかし、それに合わせて水平的な面でもって補いをしていくというような税体系のあり方というのは、これからやはり検討しなければならぬ課題ではないかということは、これまでも申し上げてまいりました。
 ただし、そうした場合に、水平的な課税というのは、例えば消費税の場合に、同じ物を買えば、金を持っている方も、そう言っては失礼ですけれども余り金を持たない方も、同じ負担をしなければならぬというところに本質的に持っておる逆進性があるわけですから、その逆進性についてはできるだけやはり緩和できるような工夫というものをしなきゃならぬことは当然だろう。そして、力のある者も、経済力の強い者も弱い者もお互いに公平な負担ができるような形に是正していくことは、やはりあり方としては検討しなきゃならぬ課題ではないか。
 しかし、それにしても、やはり税体系全体の中でそれを求めていくことについては限界があるし、無理がある面もある。したがって、そういう面については、社会保障制度という政策の面でカバーしていくことも大事ではないか、十分考える必要があるというふうに私は考えておりますから、したがって、その限りにおいては、野党になったからもう一遍またもとに戻って消費税反対というようなことはあり得ませんということを申し上げておきます。
#299
○今井委員 ありがとうございました。実は安心いたしました。
 実は私、市長、十五年前に就任したのですが、その前はいわゆる革新市長でして、うちは社会党と共産党の共闘の市長が続いたわけです。結果として財政の硬直化を招きまして、市民から大変な批判を受けたわけです。
 で、私が最初にやったことは行財政の改革です。直ちに本部をこしらえまして、本部長は市長が就任しまして、十五の部会をこしらえまして、一つ一つの項目を洗い直して、短期計画、中期計画、長期計画で一つずつ実践をしていった、こういうことでございました。
 職員給料も、ラスパイレス指数が一二五ですから国と比較して二五%も高い、こういうことでして、今、ことしでおかげさまで一〇三・九まで下がってきているわけでありますけれども、その職員給与を、私の市長の給料も含めて初めて広報によって公開したのですよ。組合と交渉を乱やっていましたら、公開できるのなら市長やってみろ、こう委員長が言ったものですから、じゃ、やらせていただきますということで公開いたしました。
 その後、自治省の通達その他で数年後に、今はどこの自治体も給与の公開をするということが義務づけられましたけれども、その結果として、大変自治労の人がわんさと草加市に押しかけまして、現地の対策本部ができたんですよ。だから私の交渉相手も、自治労本部の何とかさんという人と、草加市の委員長でない人と交渉しなきゃならない羽目になりましたし、数百人規模で私の自宅へデモが来るわけですよ。それで、行政改革をやる市長はやめろと言うのですよ。行革市長はやめろ、こういうシュプレヒコールをがんがんやられたんです。実は、行政改革がどれだけ難しいものかということを非常に私も身をもって体験をしているわけであります。
 総理の九月三十日の所信表明におきましても、「経済社会改革を進めるためには、まず、政府みずからが身を削って努力するとの姿勢が必要」である。「行政改革の断行こそ、この内閣が全力を傾けて取り組まなければならない課題」である。行政改革の幾つかのくだりがありまして、その後「行政改革を一層推進していかねばなりません。このうち各省庁における特殊法人の見直しについては、本年度内に行うことといたします。」行革、幾つも項目がありますが、特に特殊法人の見直しにつきまして強調なさっておりますので、きょうはその行政改革の二項目については、特殊法人の見直しにつきまして質問を進めさせていただきたい、こういうふうに思っております。
 特殊法人、最近見直しかなくて、昭和六十三年の十月、沖縄電力株式会社が民営化されて以降六年間全くゼロである、こういうことでございます。
 総理の前に、担当の山口総務庁長官にちょっとお尋ねしたいと思いますが、これから見直しする手順、年内というスケジュールがあろうと思います。そのスケジュールの具体的な内容をまずお聞きしたい、こういうように思います。
#300
○山口国務大臣 お答えいたします。
 特殊法人だけではございません。私どもこれから整理合理化をしていこうというのは、特殊法人もございますし、それから八十ございます認可法人もございます。それからまた、これは総務庁ではなくて内閣官房の方で所管をいたしておりますが、公益法人もございます。これらを含めましてこの整理合理化、見直しをやっていきたいというふうに考えております。
 具体的なスケジュールといたしましては、各省庁が具体的な見直し事項及び見直し体制を含む見直しの状況を十一月の下旬、十一月の二十五日までに総務庁に報告をするように求めました。さらに、年内に行革推進本部におきまして、共通事項を含む整理合理化の方針を策定いたしたいと考えております。そうしてその上で、各省庁は見直し結果を明年の二月の上旬、二月の十日までに総務庁に報告するように求めました。同時に、官房長官と仏とが各民間の皆さん方の御意見を十分に承りたいと思っております。その上で年度内に具体的な整理合理化計画、具体名を含めてこれを策定をいたしたいと存じます。
 以上が閣議におきまして各省庁にお示しをいたしましたスケジュールでございます。
#301
○今井委員 総理と長官に御質問いたしますが、総理はこの見直しにつきまして、何を基準にして見直しをするようにとか、具体的な指示を何かなさったんでしょうか。全く指示なしに見直しを各省庁でやってくるように、こういうだけの指示だったんでしょうか。こういう基準でもって見直しをやるべきだ、あるいはどういう形の最終的な見直しされた姿を自分なりにイメージして、そういう形でやってこいというような指示があったんでしょうか、全く指示がなかったんでしょうか。それが総理です。
 次に、長官に御質問させていただきますが、具体名を含めて、こういうお話をいただいたわけでございますが、そうしますと、お聞きしたいんですけれども、具体的な統廃合対象の法人名を絞り込んで、それを年内までにする、こういうふうに理解したいわけでありますが、それでよろしいのか、確認をさせていただきます。
 それから、その際に、統廃合で法人名のみならず、数値とかあるいは数量とかあるいは金額の明示、こういったことまでできるのかできないのか、そこまでやるのか。やらなければならないという立場でございますけれども、第二点目です。
 三点目には、私たちも与党時代、福祉社会に対する税制改革協議会、こういうことをやっておったわけでありますが、これも各省庁から大変な量の調査書ができたわけであります。ヒアリングも済んでおるわけですが、それらをもとにしながら、与党であります新党さきがけさんの方からかなり具体的な数字その他、具体名も出て新聞報道等々されておるわけであります。
 三党の連立政権、こういうことでございますので、このさきがけさんの提案、こういうことを具体的に詰めていくというのも方法の幾つかある一つなのかもしれませんけれども、もう既に名前あるいは金額、その他がひとり歩きしているというのも事実であるわけでございます。そういう状況の中でどの程度の、どういう内容の絞り込み、先ほど長官のお話ですと、具体名を含めて、こういう御答弁のその内容につきましてお聞かせをいただきたい、こういうように思う次第であります。
#302
○村山内閣総理大臣 行政改革につきましては、今委員御指摘のように、そう言葉で言うほど簡単なものではない。大変難しい困難な諸条件がある。その障害を乗り越えていくためには、先ほどお話もございましたように、これは内閣が全体として一体となって取り組んでいく必要があるし、同時に、国会全体の御協力もいただく必要があるし、同時にまた、国民的な世論の背景というものも必要になる。そして、全体として取り組めるようなそういう条件が整備されないと、右から左に簡単にできるものではないということについては、もう申し上げるまでもないと思うのです。
 与党三党の中で「行政改革を進めるに当たっての基本方針」というのがつくられておりまして、その中に特殊法人について、これはもう長く申しませんけれども、一応の基準等が示されておるわけです。その基準等に基づいて総務庁の方で作成いたしておりますから、それについては総務庁長官の方から御答弁をいただきたいと思いますけれども、私は、閣議で、これはもうどこの省がどうというのではなくて、自分の省については大臣がひとつ責任を持って検討して、そして具体的に法人の整理について出してほしい、こういうこともお願いしているわけです。
 これは時代とともに、そのときそのときには必要であったかもしれないけれども、もうこれだけ経過をたどって、客観的な情勢も変わってきておる。だから、もうただあるだけだというようなものもあるのではないか。そういう存在価値と効率というものを十分やはり検討した上で、ひとつ具体的な案を出してほしいということを強力に各閣僚の皆さんにお願いしてあるというところであります。
#303
○山口国務大臣 総理からもお答えございましたが、委員が例に挙げましたさきがけの案は、与党三党のうちのさきがけさんの方がさきがけの試案として提示をしたものでございまして、与党三党におきましてさきがけ案も考慮した上でいろいろ議論をいたしました結果、特殊法人等の見直しについては五つの基準を設定をいたしまして、この基準をもとにして、前の内閣では二年間の期間で見直すということであったが、これを前倒しをして年度内に見直すように全力を挙げようではないかという提案がございまして、政府・与党首脳連絡会議におきまして、それではそのように、特殊法人等の見直しについては年度内にこれを行うということで、現在進めておるということで御理解をいただきたいと思います。
 基準といたしましては、「事業目的をおおむね達成した法人は、その段階で廃止又は縮小する。」。二番目には、「採算性があり、国の事業として行う必要がなくなった法人、および企業的経営により効率化を図ることが出来る法人は、民営化する。」三番目に、「民法上の法人等により、同じ事業の実施が可能な法人は民間法人化する。」四番目に、「類似した事業を実施し、非効率的な法人は統合し、合理化する。」五番目に、「特定の地域を対象とし、設立当初の目的が薄弱になっている法人については、全国を対象とする法人に統合したり、地域的な事業主体に移管する。」
 このような五点を考慮して見直しを進めるべきだということでございますので、今申し上げたような五つの点を基本にいたしまして、社会経済的な必要性、民間能力の活用、事業の総合性、効率性、経営責任の明確化等の観点を踏まえまして各省においてひとつ見直しをやってほしい。
 そしてスケジュールは、先ほど申し上げたように、各省庁が一応九十二あります特殊法人、八十ございます認可法人等について全体的に見直しいたしました結果をこの十一月末に総務庁に報告をいただく。そうして、その上に立って具体的にそれではどうするかということにつきましては、二月の上旬に各省庁がさらに検討の上、総務庁に報告をいただいて、その上で政府といたしましてはこれを具体的にどうするか、具体名を明らかにした計画を年度内に策定をするということで努力をしているということで、御理解をいただきたいと存じます。
#304
○今井委員 最終報告の二月十日という御答弁があったわけでございますが、各省庁から上がってきたものを具体的に、具体名を含めてという、その具体をちょっとお聞きしたいんです。先ほど金額まで明示できるんですかと、行革の経費節減の金額ですね、それとか、数値あるいは数量であらわすところまで年内にやるんですかと、こういう御質問をしておりますので、それを再答弁をお願いしたいと思います。
 それから、あわせて中央省庁の本丸の方ですね。特殊法人は外郭でありますけれども、本丸の方の再編は全く触れていないようでございますが、へまするとトカゲのしっぽ切りで、周りだけ行革だという形になってはまずいのではないかと思うんですが、各省庁の統廃合あるいは再編その他についてはどのようにお考えになっているのか。
 きょうは総括質疑でございますので、次にもう一点だけお聞きしておきたいんですが、国家公務員の総数、定数管理ということも実は大変な仕事でございます。全体の総数並びに人件費の総額がどのくらいに及ぶのかお聞かせいただきたい、こういうように思うわけであります。
 私が心配しておりますのは、特に特殊法人は各省庁に大変かかわりの深い法人でございますので、今の長官のお話ですと、各省庁に検討を今ゆだねている、こういうことでございますが、そういう姿勢では及び腰ではないのだろうかと、大変懸念を感じるわけでございます。既に新聞報道等では、閣僚の中にもこの特殊法人の統廃合については消極論を発言しているというような報道も実はあるわけでございまして、大変心配をしております。
 かけ声で行革はできないわけでございますので、総理にいま一度御質問したいと思うんですが、元総理の細川さんが、総理大臣の地位にいささかもこだわらない、こういうことを公言して政治改革法案をなし遂げたわけです。まさに身を捨てて政治改革法案が成立、皆さんの協力でできたわけでありますけれども、この行革も身を捨てるぐらいの覚悟がないと行革の断行はできない、こういうように思うわけでございます。
 年内に具体的な、統廃合をする法人名それから金額、数字、そういったものをやりませんと、二年半後にはもう既に消費税の税率アップが目前でございますので、時間だけかかって先送りしたのでは、総理が言う消費税の税率アップ以前に行革をきちんとやる、この姿勢と言行一致しないわけでございます。その辺、どのようなお考えを持っているか御質問をしたい、こういうように思います。
#305
○山口国務大臣 年内は、各省庁が所管をしております特殊法人そして認可法人について全般的に見直しをした結果を総務庁に報告をいただくということでございまして、具体的な固有名詞を挙げてこれをどうするという整理合理化案を策定するということではないのであります。所管の法人に対して、ここはこういう問題がある、ここはこういうふうな改善計画を考えているというような全般的な報告を総務庁に求める。そして、さらにその上で、官房長官と私の方で民間の皆さん方の御意見も十分聞きたいと思います。そして、政府といたしましてどう対応するかということについても、当然検討をいたしたいと思います。
 その上で二月の上旬に、各省庁が検討した結果、具体的に特殊法人、認可法人等をこういうふうにしたいという考え方をひとつ報告をしてもらいたい。しかしそこでも、具体的な名前が絞り切れて、そうしてこれとこれは統合するとか、これは民営化するとか、これは廃止をするとかいう具体的なものが出てくれば結構だと思いますが、出てくるかどうか、これはそのときになってみなければわかりません。
 しかし、私どもとしては、政府としては、総理が何回もお答えいたしましたように、特殊法人等の整理合理化は必ずやるということでございますから、必ず固有名詞を挙げて、これはこのように整理合理化をいたしますということを年度内にきちっといたしたい、このことは私ども責任を持っていたしたいと思っている次第であります。
 参議院の予算委員会でもお答えしたのですが、この行革については、やっぱり私どもとしては、強い心がなければこれは断じて実現できないというつもりでこれに対して対応するという決意も申し上げました。そういうつもりで対応いたしまして、必ず成果を上げたいと思っております。
 そうして、金額はどうかという問題でございますが、これは、今直ちにどのような金額になるかということはお答えすることは無理だと思います。年度末、この法人についてはこうこうするという方向が出ますと、当然それにのっとりまして、与党の皆さん、野党の皆さんの御協力もいただく中で、法案としてかけるべきものは法案としてかけなきゃならぬと思います。そういう中で、具体的な金額等はそこで見通しを立てていくということになるのではないでしょうか。
 さらに、公務員については、国家公務員の数、約八十万でございまして、この十数年間の間に約四万人の定数削減をいたしてまいりましたが、具体的な、正確な数値、金額等については、事務当局から答弁をさせます。
#306
○陶山政府委員 御説明申し上げます。
 私ども総務庁が管理しております国家公務員の各省庁の定員、現業、非現業の合計でございますが、平成六年度末で八十五万九千二百十二人となっております。なお、自衛官、特別職、つまり大臣、議員等の特別職、それから国会、裁判所、会計検査院、人事院を含めました国家公務員の総計は百十六万三千九百四十九人、六年度末の定員の数字でございます。
 人件費についてお尋ねがございましたが、国の人件費の総額で、平成六年度予算の数字を手元の資料で申し上げますと、六兆四千八百二十六億円となっております。
#307
○村山内閣総理大臣 所信表明演説でも申し上げておりますし、あと予算委員会の質問に対する答弁でも答えておりますけれども、この内閣の持つ一つの大きな課題は行革にあると、これは断じてやらなきゃならぬという決意はもうたびたび申し上げてあります。
 私は、「人にやさしい政治」ということを申し上げましたけれども、「人にやさしい政治」をするためには、何よりもおのれに厳しくなきゃいかぬという決意で取り組むつもりですから、御理解をいただきたいと思います。
#308
○今井委員 ありがとうございました。
 年度末にかなり具体的になってくる、こういうお話でございますし、総理からは大変強い決意があったわけですが、当然、時期まで明示して具体策をと、こういうことになってきますと、できなかったときの責任というのは、政治責任というのは大変重たくなるわけでございますが、その辺のお覚悟もできた上での御答弁だと理解しております。
 次に進ませていただきます。
 さて、地方消費税と地方分権でございますが、私は二十四次の地方制度調査会の実はメンバーでございまして、先日、総理のところに中間報告があったかと思います。これの評価をお聞かせいただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
 この内容には、推進委員会をこしらえて推進計画を策定して、しかも監視業務、勧告までできる、こういうことになっておりますし、その勧告については内閣はそれを尊重する、こういうかなり具体的な報告になっているわけでございますし、時代の大きな流れという総理の言葉をかりれば、これも今まで先送り先送りされてきた課題でございますし、早急に地方分権の大綱を、年内どういう大綱をこしらえるのかというのが次の質問。それから、次期通常国会に基本法的なものを提案できるのかどうか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
#309
○村山内閣総理大臣 今井委員からお話がありましたように、第二十四次の地方制度調査会から中間報告をいただいております。私は、この中間報告は高く評価をしておりますが、これを参考にしてこれからさらに作業を進めていきたいというふうに思っております。これは単に私どもが聞いただけではなくて、今行政改革推進本部をつくっておりますが、その推進本部の中に地方分権部会を設置してありますが、この地方分権部会にも地方制度調査会の会長さんがお見えになって、そして中間報告の報告をされたというふうに聞いております。
 したがいまして、そうしたものも十分踏まえた上で、今その地方分権部会で大綱のこの根幹を議論いたしておりますから、その大綱が決まりましたら、その大綱を受けて地方分権推進本部の方で十分また議論をした上でまとめて、そして可能な限り次の通常国会に、地方分権が推進されるような、それに関する基本的な方針というものを法律にして提出をする作業を進めていきたいというふうに考えて、今鋭意努力をいたしておるところでございます。
 これはもう申し上げるまでもなく時代の流れになっておりまするし、もう地方の時代という言葉が使われてから随分久しいわけです。それなりに権限移譲とかいろいろな問題についても検討されながらやられてきたこともあると思いますけれども、しかし、基本的に地方の問題については地方が主体になってやるという、やはりそこまではまだいってないわけですから、したがって、ローカル性を持って、それぞれの首長がその住民の意向を十分踏まえた上で権限を持って仕事ができるような、そういう、国が持つ仕事のものと地方が受け持つ仕事の分野というものを明確にして、そしてこの地方分権が進められていく、こういう状況というものをつくっていくために、今申し上げましたような決意で今取り組んでいるということだけを申し上げて、御理解と御協力をいただきたいと思います。
    〔委員長退席、中馬委員長代理着席〕
#310
○今井委員 それでは、地方消費税につきまして自治大臣から御答弁をいただきたいと思いますが、地方分権の第一歩として消費税がここで案として提案されたわけでございます。やはり私も地方の首長出身でございますし、地方の財源をどう充実していくかというのは大変な課題であるわけでございますが、今後の展望につきまして大臣から第一点目御答弁をいただきたいと思います。
 次に、当面の間国が徴税の業務をするわけでございますが、そういう法律の内容になっておりますけれども、いつまでも国が集めてそれから自治体にという配分の仕方はいかがなものか。やはり自治体みずからが税を集めて、そして責任を持って使っていく、むしろ国に自治体から配分する、こういう形が本当の地方主権のあり方ではないかとさえ私は考えておるわけでございますけれども、この国が徴収していく時期はどのくらいのめどを考えておるのか。早く自治体にそういう業務をやはり分権するべきではないか。まして情報化時代でございますので、情報機器を使えばそんなに難しい問題ではない、こういうふうに考えておるのですけれども、いかがでしょうか。
 それから、最後にもう一点でございますが、現在の、現行の地方税の認識をお聞かせいただきたいと思うわけです。
 地方税が直間比率が極端に隔たっておりまして、直接税にかなりのウエートがあるわけで、特に都道府県は法人税の影響を景気の影響でまともに受けてくるわけでございますので、この辺の、所得、資産、消費の均衡のとれた税制をやはり地方でも確立していかなければならない、このように考えておるわけでございますが、野中大臣は副知事の御出身、こういうことでございますので、ぜひその辺の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#311
○野中国務大臣 総理からも御答弁がございましたように、二十一世紀をもう間近に控えて、かつて民族が経験したことのないような超高齢化社会を迎えようとしておるわけでございます。それだけに今、高齢化社会をどのように活力あるものにしていくかというのは、地方・国を通じた重要な課題であるわけでございまして、そういう点におきまして、今回税制改革におきまして、全体像としてそういう問題を深刻にとらまえて税制改正の視点とされましたことを、私どもは地方団体を統括する者としてうれしく存じておる次第であります。
 特に、今回のいわゆる税制改革におきまして、委員が御指摘をされましたように、地方分権の実効あるものとして地方消費税の導入が行われることになったわけでございまして、それぞれ地方がこれから自主的にかつ主体的な行財政運営を可能とするような行財政基盤というのを充実強化しなければならないというのは、喫緊の急務でございまして、そういう中で、今委員もお触れになりましたように、今後地方税において所得、消費、資産等の間でよりバランスのとれた安定的な税体系を求めていくというのは、私どもの重要な課題であり、地方消費税導入の大きなまた柱でもあろうと認識をしておるわけでございます。
 現在、地方財政は、委員が御指摘になりましたように、いわゆる都道府県におきましては、特に法人税の課税に偏った、また景気の動向によって左右をされる税収構造を抱えておるわけでございますので、より安定した税源を確保していかなくてはならないと考えておるわけでございます。
 さて、いわゆる税制改正によりまして、国にその賦課徴収の義務を移管したことについてお触れになりました。
 私は少なくとも基本的に、先般もお許しをいただければということで個人的見解を申し上げたわけでございますけれども、国の税だから国が賦課徴収する、地方の税だから地方が賦課徴収する、これは納税者にとってはまことに迷惑なことでございまして、今度国にこの地方消費税の賦課をお願いをすることにいたしましたことは、これは納税者に効率的でそして利便性のある方法を選択をしたわけでございまして、もちろん地方みずから、みずからの税を徴収するというのが基本でありますけれども、今私どもは一方において厳しい行政改革を求められておるときでございますので、地方のメンツにこだわってここに過剰な事務が生じるようなことは、より避けていかなくてはならないと考えておるのでございますけれども、当分の間これをお願いをしますとともに、先ほど委員も御指摘ありましたように、私も、これから国からも地方からも独立して税の賦課徴収を行い、あるいは地方がそれだけの能力を持つことによって、いわゆる地方分権が真に確立することにより、人材がまた養成をされることによって、でき得れば地方が徴収をして国にお渡しするような、そういう目標を掲げながら、地方みずからまたこの課題に勇敢にかつ厳粛な姿勢をもって取り組んでいかなくてはならないと思っておるわけでございますが、当分の間は、やはり納税者の効率的なあり方を考えまして、国にお願いをしたところでございます。
 また、これから直間比率の問題等、非常に、先ほども申し上げましたように、国税以上に地方税は偏った、いわゆる景気の動向に影響される法人税の、法人所得課税といったようなものの割合が高いわけでございますので、これからさらに、地方分権が時代の要請でありますだけに、高齢化の進展を一層踏まえながら地方税財源の確保に鋭意努力をしてまいりたいと考えておる次第であります。
    〔中馬委員長代理退席、委員長着席〕
#312
○今井委員 時間になりましたが、最後にお聞かせいただくわけですが、自治大臣、ぜひ今の御答弁の方向で早急な取り組みをまず御要望申し上げておきたいと思います。
 最後、大蔵大臣に一つだけ。選挙制度も大変詳しい大臣でございますし、実は今度の新制度、小選挙区比例代表制ですが、それとあわせて地方分権の仕組みというものを一緒にしませんと、間違えますと、地元利益誘導型の選挙になってしまうおそれが私は十分あるのではないか。国のことは国、地方のことは地方にすべてゆだねて、地方の責任でやってもらう、そういう分権のシステムをきちんと確立していかないといけないのではないかと私はかねがね思っておるわけですが、最後の質問になりますが、大蔵大臣からお答えいただきたいと思います。
#313
○武村国務大臣 全く同感でございます。
 いわゆる国から予算をとってきて票田を培養していくというやり方も、この新しい選挙制度の転換の中で変えていくことができればと。そのためには、たまたま時期を同じくいたしますが、今熱心に議論いただいたような地方分権が、事務の面でも、財源の面でも、さらにもう一歩言えば、人材とか人間の面でも国から地方にシフトをさせて、そのことによって地方が主体的に地方のことを進めていく、そういう日本の国を目指していきたいというふうに思います。
#314
○今井委員 ありがとうございました。
#315
○高鳥委員長 これにて津島君、村井君、北側君、安倍君、今井君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木陸海君。
#316
○佐々木(陸)委員 日本共産党の佐々木陸海です。
 我が党は、既にこれまでの本国会の予算委員会等の論戦の中で、社会党の公約違反の問題、それから減税と消費税増税の抱き合わせで九割以上の国民が増税になるという問題を追及してまいりました。きょうは、その上に立って、消費税の増税計画に強く反対する立場から質問をしたいと思います。
 消費税の税率を三%から五%に上げるというのは、実に約七割の増税ということになるわけであります。五年前に三%の消費税の導入がされたとき、政府の説明によれば、個別間接税の廃止などもありまして、間接税の国民への負担という点では約二兆円ということでありました。今回は間接税の増税として四兆八千億円、機械的に比べれば導入時の二・四倍、こういうことにもなっているわけであります。
 しかも、今回重大なのは、五%でも今言ったように大変大きな増税であるにもかかわらず、五%にとどまる保証さえないという点であります。いわゆる見直し条項で、実際の消費税の税率アップ、その半年前、九六年九月までに税率も再検討する、こういうことになっているわけであります。
 与党が税制改革大綱を決めた直後、当事者の一人である久保社会党書記長はこういうふうに言いました。この見直し条項というのは六%になるかどうかの内容を含んでいる。五%以下を想定した見直し条項ではない。六%以上にならないという担保があるのかという質問に対して、それはわからないというふうに久保書記長は言っています。
 六%はおろか七%の可能性まであるということを言明しているわけでありますが、社会党書記長のこの言明と、社会党委員長としての総理の立場、同じ立場でしょうか。その点をまず最初に伺いたいと思います。
#317
○村山内閣総理大臣 消費税についての見直し条項を設けておりますが、これは、私は本会議における質問に対しても答弁いたしておりますし、予算委員会でもたしか質問があってお答えいたしておりますけれども、この今の時点において何らの予断を持つものではなく、今後この条項に挙げてある諸点を厳密に審査をした上で結論を出す、こういうことを今申し上げているわけです。ですから、上がるとかどうするとか、そういう予断は一切持っていないということであります。
#318
○佐々木(陸)委員 予断は持っていないけれども、しかし、五%以下にはならない。六%、七%になることもあり得る。予断は持っていないですよ、予断は持っていないということは、それはわかりますが、そういう可能性はあるということは否定できないわけでしょう。そこをはっきりさせてください。
#319
○村山内閣総理大臣 予断を持っていないということは予断を持っていないんで、それ以上のことをお聞きになることはもうこれは無理ですよ。私は、今は全然予断を持っていないんですから。まだ前段に、お互いにやはり検討して審議しなきゃならぬことがありますから、その検討する諸点について十分なひとつ審議をして、検討を加えて、その出る結果について私は認めていくだけであって、決断をするだけであって、今ここで上げるのかどうするのかと言われても、予断は持っておりませんという答弁以外にはありません。
#320
○佐々木(陸)委員 上げる意思を持っているかどうかということを聞いているんじゃないんです。検討してみたけれども、結果として六%になる可能性も七%になる可能性もあるということでしょう。久保さんはそう言っているんです。
#321
○村山内閣総理大臣 私は、本会議でも予算委員会でも答弁しておりますように、すべて予断は持っておりません、すべては検討してもらった結果によって判断をいたします、こう申し上げているわけです。
#322
○佐々木(陸)委員 じゃ、ちょっと武村大蔵大臣に聞きましょう。
 大蔵大臣も、与党の大綱が決まった直後のNHKの討論会で、いきなり七という高い数字、今三ですから倍以上の数字をぽんと出しても、これはいい悪いよりも国民の皆さんからそう簡単に理解が得られないんじゃないか。そういう意味では、いい意味の政治的判断として、まあ倍以下というか、三%の倍以下というか、少してもこのパーセンテージはぎりぎりに絞ってまとめた方がいいという、そういう雰囲気がふわっとあったのは事実です。結局、見直し条項も入りましたから、とりあえず今次、この秋のまだ行政改革もきちっと進んでいない、あの数字で詰まっていない、福祉の議論ももう少し時間がかかる、そんな中で粗っぽく六、七とぽんと決めるよりは、ここは五%でやや低目といいますか、妥当な数字で抑えておいて、そういう問題はこれから議論して精査していこう、こういう判断をいたしました。つまり、まあ六%、七%にするのはちょっとあれだから、妥当な数字として低目にちょっと五%に抑えたということをはっきり言っておられるんじゃないですか。
#323
○武村国務大臣 御紹介いただいたような発言をテレビではしたと思います。
 きょうも申し上げておりますが、一体処理でいくか分離でいくかという議論が与党の中には最後までありました。何となく分離というのは、この際率を決めないわけですから、余りまじめでない、何となく嫌なことは先送りするような考え方のように批判を受けておりましたが、考えようによっては、きょうも福祉をめぐってさまざまな議論がありますように、やはり将来の福祉の財政需要をきちっと見据えて、片方、また行財政改革の努力目標もきちっととらまえて、その上で精査して率を最終的に決める。一回で決めるという考え方も当然まじめな考え方の一つとしてあり得たわけであります。それが分離論だと私は思っております。
 しかし、さまざまな議論を真剣に進めていただく中で、責任ある政治としては、やはりこの際、この秋の時点でまず締めくくろう、一体処理をしよう、そして残った大きな問題は附則条項でさらに議論を続けていこう、こういう総合判断になったわけでありまして、そのことを踏まえて先ほどのような御紹介いただいた発言をさせていただいた次第であります。
#324
○佐々木(陸)委員 要するに、本心は高いところにもあるということだと思うんですね。
 同じNHKの討論ではこういうことも言っているんですよ。
 中谷さんという方が、直間比率六〇対四〇とか五五対四五とか、その辺まで持っていくことをお考えですかという質問に対して、武村さん、ええ、徐々にそういう方向にやはり行くべきだと思っていますと、はっきり言っておられますね。六〇対四〇とか五五対四五ということになったら、消費税は何%になりますか。
#325
○武村国務大臣 消費税だけをとらまえて直間比率の見直しを議論する必要はないと思います。
#326
○佐々木(陸)委員 七%とか九%とかという数字に今のベースで言うとなるんですよ。そういう方向に徐々に持っていきたい、はっきり言っておられる。
 あるいはここに私、加藤紘一自民党政調会長の、自由新報十月十一日付に載った記事を持っていますが、今度決まったこの大綱というのは第一段階だ、「これから福祉財源と消費税の問題は第二段階として今後も基本的な論議を続けていかなくてはならないと思う。だからこそ見直し条項を入れることによって論議を続けることを法律に明記しているわけだ。」第二段階としてさらに上げていくという方向もやっている、こういうことをはっきり言っていると思うのですね。
 まあ、さきがけの武村さんも、消費税を五%にとどめておくつもりはない。自民党の政調会長も、第一段階だ。久保さんも、五%は最低限だ。どう見てもやっぱり五%にとどまらない危険は極めて大きい。そんなことはないと約束できますか。
#327
○村山内閣総理大臣 あなたは今、三人名前を挙げられましたけれども、三人が話されたことを、もう上げるものだ、上げるものだという前提で見ていますけれども、私はそうは見ていませんね。やっぱりこれから福祉の財源がどのぐらいかかるのかということも検討しなければならぬ、同時に、そのためにできるだけ消費税率を上げないようにするためには行革もやらなければいかぬ、不公平税制の是正もしなければいかぬ、それから租税特別措置法を見直すとかいろいろなことをやって、そして総合的に判断をして出る結論については尊重しようというので今鋭意やっているわけですよ。
 したがって、私は予断を持って見ているわけではございませんということを申し上げている。
#328
○佐々木(陸)委員 要するに、見直し条項というのは、今度五%と決めるけれども、六%、七%の可能性もある、もともとそういうことなんですよね。その可能性はあなたは絶対否定はできないわけでしょう。はっきりしているんですよ。
#329
○村山内閣総理大臣 いや、あなたが一人で判断して、可能性がないじゃないか、可能性がないじゃないか、こう言っているけれども、これは検討した結果によって五%でとまることもあるかもしれませんよ、これは。変動する場合もあるかもしれませんよ。これは検討した結果によるのであって、今は私は予断を持っておりません、こう申し上げておるわけです。
#330
○佐々木(陸)委員 要するに六%、七%になる危険もある。それは私たちの立場からそう言わざるを得ないと思うんですね。これは自民党内閣がやりたくてもできなかった長年の願いですけれども、そういう方向への道を社会党の首相が今開こうとしているということははっきり言わざるを得ないと思うんです。
 今総理は、行革の結果とか何とかといういろいろのことを言われましたが、じゃ、その行革という問題についてちょっと聞きますけれども、行革というのは、何よりも行政のむだ、浪費に徹底的なメスを入れることだと思いますが、その点で私真っ先にやらなければならぬことは、四十兆円とも五十兆円とも言われる公共投資で、大手ゼネコンなどの談合や設計変更などによって値段がつり上げられ、大変な税金のむだ遣いが行われているという問題、日本の公共事業はアメリカに比べて工事費が三割も高いという建設省の報告もあるほどですけれども、そういう問題に直ちにメスを入れる、そういうことが必要だろう、それが今の行革に求められている大事な問題だと思うんです。
 ところが、政府・与党が決めた、政府・与党首脳会談でも了承した「行政改革を進めるに当たっての基本方針」、いわゆる行革大綱、この公共事業の項を見ますと、新聞で伝えられた案の段階では、公共事業のコスト削減という言葉が入っていたんですね。どころが、最終的にでき上がったものは「透明性の一層の向上」とか「市場原理に基づいた価格形成の実現を図る。」とか、極めて抽象的な当たりさわりのない言葉に終わっているんです。
 総理、この公共投資の問題に本当にメスを入れて、むだを省く、コストを削減する、その意思がおありかどうか、お聞きしたいと思います。
#331
○村山内閣総理大臣 公共事業の計算をする場合に、やっぱり市場原理というものがありますから、その市場原理に基づいて計算を私はしてきているものだと思うんですね。したがって、言われるような、何といいますか、むだが、余計な金がそれに含まれておるというふうには思っていませんし、これはいろいろな事件もありましたことですから、その事件の経過も踏まえて恐らく建設省ではより厳しい取り組みをしていると思いますから、その御心配はないのではないかと思います。
#332
○佐々木(陸)委員 それじゃここに、いろいろ談合とかそういう問題点があるということは承知しているわけですけれども、そこに本当にメスを入れるというつもりはないんですね。本気でやれば相当なコストが減らせるということは、もういろんな経過から明らかになっているんです。
 実例があります。例えば米軍の横須賀基地や厚木基地の例がありますが、ここではアメリカ側が談合で価格を引き上げした者に対して損害賠償を請求して、横須賀では談合による水増し分二五%をゼネコン各社が返還せざるを得ない、こういうふうになっていますし、厚木の方では、ここに新聞報道がありますが、落札価格の二二・四%の支払いを求める和解案が出されて、今これが検討されている。この新聞報道によりますと、野坂建設大臣はこの二二%の根拠について、「落札しなかった業者に見積もらせた価格との差額のようだ」というふうに言っています。つまり、この二つの例で示されているのは、談合によって二〇%から二五%くらいの水増し請求がなされていたという事実であります。
 こういう問題を本当に考えるならば、四十兆、五十兆にも達するという公共投資の二割といったら十兆円にもなろうかということになるわけですけれども、こういうむだ遣いがあることがわかっている。それを本当に削減する、その立場に立つべきじゃありませんか、総理。
#333
○村山内閣総理大臣 今お話がありました、与党三党がつくりました「行政改革を進めるに当たっての基本方針」の中にもこういうことが明記されております。「公共事業の執行については、入札制度の改革により、透明性の一層の向上に努め、市場原理に基づいた価格形成の実現を図る。」
 私は、これは行政改革については閣議でも申し上げておりますけれども、そういうことについては厳に守って、そして少なくとも指弾を受けるようなことのないように注意してほしいということは厳しく申し上げておりますから、これからもそういう決意で取り組んでいきたいと思います。
    〔委員長退席、石原(伸)委員長代理着席〕
#334
○佐々木(陸)委員 今言ったように、この総理が読み上げたところに、原案には公共事業のコストを削減するとあったんですよ。そして、さきがけの案なんかでは一兆円ぐらいの削減をするということもあったわけですね。そういうのが削られているんですよ。総理は、今言ったように市場原理に基づけばそれでいいんだということを言っているわけですよね。だから、談合なんかの疑惑があるというのに対して、この公共事業の問題に本当にメスを入れてむだを削減する、それをやったらいいじゃないですか。どうしてやらないんですか。
#335
○村山内閣総理大臣 いや、それは、具体的な事実は私はよく存じておりませんけれども、今あなたが言われたようなことがあるのかどうか、これは事務当局に聞かなければわかりませんけれども、一方的に言われたから、それをそのまま、ああそうですか、そんなことがあったのですかといって受けるわけにいきませんけれどもね。
 しかし、いずれにいたしましても、これは税金を使うわけですからね、税金を。したがって、むだのないように効率的に使うのは当然の話ですよ。ですから、例えば工事を積算する場合でも、これは市場原理というのは無視されませんよ、安ければいいという問題じゃないのですから。安くて仕事が疎漏で、事故でも起こったら大変ですから、やはりそれだけの責任持った仕事をしてもらわにゃならぬ。その仕事をしてもらうためには、やはり市場原理というものを前提にして、そして計算をして出すことが当然の話じゃないかと私は思いますけれども。
 それに、入札制度等についても一般競争入札を導入して、そして透明性を高めて、少なくとも指弾を受けるようなことのないように気をつけてくれということはもう厳に申し上げてありますから、私はそういう取り組みをしていただいているものだというふうに確信をいたしております。
#336
○武村国務大臣 今月の初めに閣議了解をいたしました「公共投資基本計画」の中でも、「社会資本の整備・運営に当たっての課題」としまして、Bで明確に、公共事業等の「円滑な執行や建設コストの低減を図る」と、政府の方針としても言い切っております。
#337
○佐々木(陸)委員 その程度の話では、この問題に本当にメスを入れられないということを私は言いたいんですよ。
 つまり、与党のこの公共事業問題についても、公共事業のコストの削減を図るというような案もあったのに、その案さえ削られて、「市場原理に基づいた価格形成」というような抽象的なことになってきている。そして、その一方で、今大蔵大臣が言われたような、アメリカの要求に沿っでこれまでの十年間、四百三十兆円というものをはるかに上回る六百二十兆円というような新しい公共投資基本計画、こういうものがさっさと決められる。
 そして、こういうものが決められると、例えば、新聞報道にありますが、大蔵省の事務次官は、こういう財源、こういう基本計画の財源の問題も税率見直しの際の議論の一つにしなきゃいかぬ、これも税率をアップするような要因としてちゃんと受けとめてやろうとしている。だから、こういうものを本当にやり切るということをしない限り、こういうものを本当に削減するという方向に立たない限り、もう支出はふえる一方になる。これを減らすということが行革じゃありませんか。
 もう一つお聞きしますけれども、首相は、ことし一月の社会党の大会のあいさつの中で、減税の財源を消費税率アップに結びつけることについては断じて認めることができません、減税の財源として、世界の軍縮の波に沿って、防衛費の見直し等々を行うということをはっきりと述べています。また、総理は、自衛隊合憲をのみ込んだときの言いわけとして、軍縮を進めて憲法の理念に近づけるとも言われました。
 ところが、今年度予算の概算要求では、軍事費は〇・九%の増、ふやすことになっている。ふやす話になっているのですね。これはしかし総理、軍縮などとは到底一言えないんじゃないですか。
#338
○村山内閣総理大臣 これはもうたびたび申し上げましたけれども、これだけ冷戦構造も崩壊して世界情勢も変わって、恐らく地球規模で戦争が展開されるようなことは、もう恐らくない、どなたもそうお受け取りになっていると思うのです。地域的な紛争はあちこちに見られますけれども、しかし、それはやっぱり可能な限り平和的に解決をするための努力をしなければいかぬ。したがって、世界全体は、大きな流れとしては平和を志向して、そして協調と軍縮の流れになりつつある、私は、これはもう否定し得ない事実だと思うのですね。
 そういう世界全体の動向の中で、日本の防衛費についてもそれなりの削減を図っていくというのは、ある意味では当然のことではないかという視点から、今大綱の見直しも行っているわけですよ。ことしも、この〇・九%というふうに抑えるにはいろいろ問題がありましたけれども、しかし、そういう全体の動向の中から与党の方で十分議論した結果〇・九%で抑えていただいたという経過もあるわけです。これは、今のこの防衛費の中では恐らく人件費と食糧費がほとんどを占めていますから、したがって、そう極端に右から左に目に見えるような形で削減というのはなかなか難しいけれども、しかし可能な限りそういう努力はしていくというのは私は当然のことだと思いますから、そういう考え方でこれからも取り組んでいきたいというふうに思っています。
    〔石原(伸)委員長代理退席、委員長着席〕
#339
○佐々木(陸)委員 軍縮というのは、前の年よりも軍事費を減らして初めて軍縮なんですよ。日本の軍事費は五兆円に近づいて、世界第二位と言われている。これを○・九%ふやしている。そういう中で軍縮なんと言うのは本当にごまかしたと思うのです。しかも、糧食費とかなんとかと言いましたけれども、ふやす内容が大問題です。戦闘機とか戦車とか潜水艦などの正面装備、軍事的な中核ですけれども、その新規契約額は、今度概算要求では九千二百十五億円、四・五%もふえている。しかもこの九千二百十五億円のうち予算に計上するのは頭金二%だけ。あとは全部将来払う。九八%は将来払いということで、いわば将来にわたって軍事拡大を決定づけるような、こんなことをやられているのですね。こんなやり方のどこが軍縮ですか。総理、重ねてはっきり言ってください。
#340
○村山内閣総理大臣 七年度の防衛予算の概算要求の伸び率を〇・九%に抑えるというのは、これは本当に容易なことではないんですよ。しかし、今の軍縮の流れの中で、これだけは何としても認めてほしいという与党間の話し合いの中で〇・九%に圧縮をしたんですよ、これは。ですから、そのことも十分ひとつ前提として御理解を賜りたいというように思いますし、これから予算の編成が行われるわけでありますけれども、この予算編成の過程においても、できるだけ効率的で節度ある防衛力を維持していくという前提に立って、全体の状況も判断をしながら可能な限り圧縮を図っていくという努力を続けていくことは当然なことだと私は考えています。
#341
○佐々木(陸)委員 圧縮の努力を図ると言いますけれども、今言ったように正面装備などはもう全部後年度負担に組み込まれている。これから先ずっと減らせないような仕組みがつくられつつあるわけですよ。だから、余り詳しく言う時間がありませんけれども、行政改革、行財政改革といったって、公共投資とか軍事費とかこういう二つの分野をとってみても、公共投資の方は大した財源の保証もないのに六百三十兆円という新たな計画をつくる、そして軍事費の方も引き続き軍拡の方向を強めようとしている。その仕組みをちゃんと残している。
 これでは二年後に消費税の税率アップの問題を検討しようと思っても、結局、検討しましたけれども、歳出の削減はできませんでしたということで、税率をさらに上げようということになるのは目に見えているのですよ。まさにそういう意味では、軍拡やこういうゼネコンのための公共投資計画、こういうものに消費税を使おうというようなことまで言わざるを得ないような状況なんですね。そう言わざるを得ないと思うのです。
 そう言うと、福祉のための、あるいは高齢化社会のための税率アップだということを言われると思うのですけれども、これも初めから非常にはっきりしていると思うのです。消費税の増税は四兆八千億円ですけれども、福祉に充てるのはその中でわずかに四千億円、これで何で福祉のためかということを言わざるを得ないのですが、総理、どうですか。
#342
○村山内閣総理大臣 これは聞いていますと、公共事業の予算をこう膨らますとすべて悪のように言われる見解というのは、それは私はそのまま受け取るわけにはいきませんね。やっぱり公共事業というのは必要に応じて計上されておるのであって、例えば今一極集中し過ぎている、もう少し九州やら地方の方に公共事業を広げてほしい、こういう要望もありますし、それから高齢化社会になって、社会資本をもっと充実させて、お年寄りも子供も、それから障害者の皆さんも健常者と同じような社会的生活ができるような条件をつくってほしいと、いろんな要求があるわけでしょう。
 そういう要求を満たしていくためには、これは事業をせざるを得ないのですよ。そういう需要が高まってくることによって公共事業が膨らんでくることは、これは当然なんで、何か公共事業が膨らんでいくとみんな悪いことに金が使われるような、そういう印象を与えるような発言というのは私はやっぱりそのまま聞くわけにはいかぬと思いますね。
 ですから、そういう御理解を賜りたいと思うのです。できるだけ、税金を使うんですから、これは効率的にむだのないようにしていくことは当然だし、不正があってはいかぬというので、厳しくやっぱりお互いに戒め合いながら、国民の期待にこたえるということが大事なことなんで、そういう決意で取り組んでおりますということを申し上げているわけです。
#343
○佐々木(陸)委員 私も公共投資が全部悪いなんて言ってはいませんよ。ただ、公共事業をゼネコンが食い物にして、例えばアメリカの基地の場合だったら、非常に具体的にあらわれたんだけれども、二二%とか二五%とかという水増しかなされている。そして日本の公共事業費は非常に、三割アメリカに比べて高いというようなことも言われている。それに本当にメスを入れるかどうかということを聞いたわけで、そのメスを入れないまま、アメリカの要求に沿って六百三十兆円なんということを大ぶろしきを広げる、これがまた消費税の税率アップにかかってくるということを言っているわけですよ。(発言する者あり)いや、それはありますよ。
#344
○武村国務大臣 まあ佐々木さん、極端なケースだけを挙げておっしゃると、国民の皆さんも誤解されるんじゃないか。確かに米軍は、そういうケースが報道されました。それは認めますが、だからといって、何かすべての公共事業が二割、三割経費の見積もりがオーバーしているかのごときお話はいかがでしょうか。
 私どもは、現状、これまでの公共事業の金額の積算にしましても、執行のシステムにしましても決して完全だというふうに思っておりません。これは、党としましても政府としましても、大いにここには事業費の額が多うございますからメスを入れて改革の対象にしていこうということであります。
 先ほど申し上げた内外価格差というとらえ方をしましても、欧米と日本の公共事業のコストの比較を徹底してしながら、どこに高い理由があるのか、どう改善したらいいのか、その辺にも建設省は目を向け始めてくれております。全体としてそういう姿勢で取り組んでまいりますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
#345
○佐々木(陸)委員 極端な例を挙げたのじゃなくて、本当にむだを削減できる、大きく削減しなきゃならぬということの例を挙げたのです。その中で、本当に浪費を削減するという方向が政府の今の計画では全然ないじゃないかということを言っているわけです。
 福祉のため、高齢化社会のためという問題についてちょっとお聞きしますけれども、六十五歳以上の、大蔵大臣に聞きますけれども、今度の税率アップでお年寄りの負担はどのくらいふえるというふうにお考えですか、二%の税率アップで。
#346
○武村国務大臣 消費税はまさに消費の額に比例して負担が出てまいります。消費の多いお年寄りにはそれに相応して多くの消費税を御負担いただくことになります。お年寄りは所得の実態がまちまちでございますから、能力の問題はまた別の次元の話でございますが、お年寄りの消費税の負担の額の問題は、今申し上げたように消費の額によって決まるということしかお答えできません。
#347
○佐々木(陸)委員 高齢化社会のためということを言いながら消費税の税率アップをする、それがお年寄りにどんな影響を与えるか、もっと真剣に政府の方も考えるべきだと思うのですね。
 その点で、まあそんな詳しいことをやっている余裕はありませんけれども、年金、恩給の受給額約三十一兆円に今なっておりますけれども、年金から貯金するような余裕はほとんどないというのが実態ですから、これが消費に回るとすればその二%で六千二百億円、全くおおよその数字ですけれども、年金からだけでも新たにこういう消費税を負担するということにお年寄りはならざるを得ない。ということになりますと、お年寄りから新たに六千二百億円の消費税をこれは仮定の数字ですけれども取り立てて、福祉のために出すのは四千億円ということにもならざるを得ないということを今度の計画についても私ははっきり言っておかなきゃならぬと思うのです。
 総理は、これまでの我が党の追及の中で、消費税の税率アップに反対という社会党の態度を表明した朝日のアンケートやテレビなどでの党幹部の発言が昨年の総選挙の公約であったことを認めて、それが実現できなかったことはまことに申しわけなく思いますと繰り返し述べました。しかし、その中で、確かにできなかったけれども、この程度の消費税率の引き上げはやむを得ないのではないか、この程度は何とか了解してもらえるのではないかということも繰り返しておられますが、この大増税、お年寄りにも大きな負担を与えるこの税率アップについて、この程度という認識はちょっとひどいのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
#348
○村山内閣総理大臣 だれも喜んで税率を上げる者はいないので、できるだけ負担が軽い方がいいのは決まっていますから、できればそうしたいという気持ちは重々持っているわけですよ。だから、私どもは税率の引き上げに反対するという態度をとってきたのですね。
 しかし、今の諸般の情勢を考えた場合に、これはお互いに慎重な上にも慎重な意見を闘わし、同時にいろいろな団体の意見も聞いて、そして出した結論なんですから、この結論は当面考えられるという状況の中ではまあまあやむを得ない段階ではないかと。私はある意味では最善の案だというふうに申し上げたこともありますけれども、そういうものだと私は思っています。
 ただ、これだけは皆さん方に御理解いただきたいと思いますのは、これはせっかくの機会だから申し上げますけれども、やはり所得税だけにこれからかかってくるいろいろな社会的負担というものを求めていくにはもう限界がある。同時に、今の所得税の体系の中では、六十二年に税制改革をやりましたけれども、あのときには比較的低い層の軽減はやったのですよ。そのために累進構造のカーブが七百万円ぐらいから急激にぐっと上がっているわけですね。したがって、これはやはり是正せにゃいかぬ。
 特に中堅サラリーマン層というのは、これは先ほども申し上げましたけれども、もう子供も高等学校から大学に行く年齢になっておるし、家のローンも払わないかぬし、同時に両親も年をとって、家庭的に扶養しなければならぬ、あるいは介護を要する。こういう出費の一番多い世代が一番やはり負担が大きいわけですから、この軽減を図る必要があるといって所得税の税率の見直しをやったわけですね。これは、私はやはり平均的なサラリーマンが一生を通じて大体九〇%ぐらいまでは二〇%ぐらいの税率でおさまるということになっていくのではないか。
 サラリーマンというのは物を生産をしているわけですから、社会的生産の活力を与えていくためにはやはり大事なことではないかというふうに考えて、それをしたわけですね。
 しかし、それをして、しかも景気対策のために二兆円の一律減税をやった。五兆五千億円の減税になったわけですけれども、その財源をどうつくっていくかということについて、これは当面やむを得ないものとして二%の税率を引き上げていただくことにした。
 しかし、これは来年度からではなくて平成九年度から引き上げることになるわけですから、これはもうあくまでも減税が先行していく。そして景気の回復も若干にらみながら、できれば、見直しかあるけれども、五%で抑えられるものなら抑えていきたいという真剣な気持ちでこれから議論をしてもらうわけですよ。
 そういう点も御理解を賜りたいと思いますし、同時に、所得の低い方々に対しても配慮を行う必要があるというので、課税最低限も、これは本当は課税最低限は高いのですよ、高いけれども、この際やはり基礎控除なんかも引き上げて、できるだけカバーする必要があるというので課税最低限も引き上げて、そして幾らかカバーさせた。
 同時に、福祉の必要な弱い方々については、これは例えば物価が上がっても、一年後にスライドされて年金も上がっていくわけですから、この一年間は上げが遅くなるというので、その点をカバーしようという意味で、福祉年金なんかもらっている方々には一万円を差し上げるとか、あるいは寝たきりのお年寄りに対しては三万円差し上げるとかいうような手も講じて、できるだけやはりそういう方々への配慮も行う。
 そして同時に、社会保障についても、これから歳出の面で十分カバーできるような、そういう手だても講じていこうじゃないかという全体的な配慮を行った上でやってきたことであって、私は、その中身と真意が御理解いただけるならば、ある程度皆さん方も納得してもらえるのではないか、こう申し上げているわけでございます。
#349
○佐々木(陸)委員 そうおっしゃいますけれども、この消費税率を五%に上げると、公約に反して。そして、その税率アップと引きかえに一万円とか三万円とかいうことをやっても逆進性は解消されないんですよ。ひどくなることははっきりしているんですよ。
 そこで、もう一つ総理に最後に聞きますけれども、総理はさきの本会議で私の質問に対して、「昨年七月の総選挙の際には、社会党は、消費税の否認ではなくてこれはいいですね、「所得、資産、消費に対するバランスのとれた課税を追求し、消費税については逆進性緩和など国民的な要望に責任を持っておこたえしたいこということを訴えてまいりました、こういうふうに言われるんですね。
 去年の総選挙のときに、いいですか、「消費税の否認ではなくてこというのはいいですよ、それから「逆進性緩和」云々というのもいいですよ、「所得、資産、消費に対するバランスのとれた課税を追求」する、これは今消費税の税率アップを求めてきた論者がみんな、消費税の税率アップの別名として言ってきた言葉ですよね。「所得、資産、消費に対するバランスのとれた課税」、こんなことをあなた去年の総選挙で社会党公約しましたか。はっきりしてください。
#350
○村山内閣総理大臣 これは、昨年七月の総選挙の際に社会党が、社会党の政審が出した党の方針ですよ、方針ですよね。この方針の中に、先ほど読み上げましたけれども、「所得税の実質増税構造の解消や、飲食料品の非課税化による消費税の逆進性緩和など、国民的な要望に責任をもって応えられる取り組みをすすめます。」こう書いてあるわけですね。いいですか。
 ですから、私は、申し上げましたように、こういう公約をしているけれども、飲食料の非課税化による逆進性の緩和等ができなかったことについては……(佐々木(陸)委員「それはいいです。バランスの問題を言っているかということを聞いているのですよ。所得、資産、消費に対するバランスのとれた課税の追求ということを約束したのかということを聞いているんですよ」と呼ぶ)いやバランスの問題は、この公約に基づいて、三党連立政権をつくるときに……(佐々木(陸)委員「だから、総選挙の公約でそう言ったと言っているでしょう、あなた」と呼ぶ)いいですか、そのことを申し上げておるわけですよ。そのことを申し上げておるわけですね。ですから、この流れの上に乗りて一貫したものとして私どもは物事を考えてきておるというふうに御理解をいただきたいと思うのです。
#351
○佐々木(陸)委員 本会議で総理、たびたび答えておられるのですけれども、いいですか、「昨年七月の総選挙の際には、社会党は、消費税の否認ではなくて、所得、資産、消費に対するバランスのとれた課税を追求し、消費税については逆進性緩和など国民的な要望に責任を持っておこたえしたい、こういう訴えをしてまいりました。」総選挙のときに、この所得、消費、資産に対するバランスのとれた課税を追求するということを約束してまいりましたということをずっと本会議で言っているんですよ。それは総理、あれでしょう、連立政権になってからのことでしょう、こういうことを言い出したのは。違いますか。
#352
○村山内閣総理大臣 それは私は、本会議でこの公約を読み上げたわけじゃありませんから、私自身の考え方としてそうであったということを申し上げたわけです。この公約に書いてあるのはそのとおりですね。そのように御理解を賜りたいと思います。
#353
○佐々木(陸)委員 それはひどい言い分だと思いますよ。所得、資産、消費に対するバランスのとれた課税というのは消費税の税率アップのいわば代名詞なんですから。それを総選挙のときには言ってはいなかったわけです、そんなことを社会党はまだ。それを言った、言ったと本会議でずっと繰り返してきたんですから、あなた本当に本会議でこれはうそを言ってきたということになりますよ。そう言わざるを得ないと思いますよ。だって違うんだもの、この公約に書いていることは、全然。そうじゃありませんか。
#354
○村山内閣総理大臣 これはもう何度御質問があっても同じ答弁をせざるを得ないのですけれども、この公約を読み上げたわけじゃないのですよ。私は選挙のときにそういう立場で公約してまいりました、私の考え方ですということを、それは補足して申し上げれば、そういうことで御理解をいただきたいと思うのです。
#355
○佐々木(陸)委員 ともかく、それは全然真実とは違っている、非常に不誠実な態度だということを私はこれは率直に言わざるを得ない。消費税の問題についての社会党の態度というもの、本当に不誠実だ。今の総理の答弁では到底納得できないということを申し上げて質問を終わります。
#356
○高鳥委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#357
○高鳥委員長 去る二十日の理事協議による合意に基づき議事を進めます。
 お諮りいたします。
 審査中の各案につき議長に公聴会の承認要求をすることとし、公聴会は来る十一月二日に開会し、公述人の選定等は委員長に御一任願うことに賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者あり)
    〔賛成者起立〕
#358
○高鳥委員長 起立多数。よって、そのとおり決定いたしました。(発言する者あり)
    ―――――――――――――
#359
○高鳥委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。(発言する者あり)
 審査中の名案につき議長に委員派遣の申請をすることとし、派遣地、派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一任願うことに賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者あり)
    〔賛成者起立〕
#360
○高鳥委員長 起立多数。よって、そのとおり決定いたしました。
 次回は、明二十五日火曜日委員会、理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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