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1994/10/25 第131回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第131回国会 農林水産委員会 第2号
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1994/10/25 第131回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第131回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第131回国会 農林水産委員会 第2号
平成六年十月二十五日(火曜日)
    午前十時四分開議
出席委員
  委員長 中西 績介君
   理事 亀井 善之君 理事 久間 章生君
   理事 中川 昭一君 理事 二田 孝治君
   理事 小平 忠正君 理事 千葉 国男君
   理事 仲村 正治君 理事 鉢呂 吉雄君
      赤城 徳彦君    菊池福治郎君
      岸本 光造君    栗原 裕康君
      七条  明君    蓮実  進君
      浜田 靖一君    保利 耕輔君
      松岡 利勝君    松下 忠洋君
     三ッ林弥太郎君    御法川英文君
      山本 公一君    今津  寛君
      倉田 栄喜君    木幡 弘道君
      鮫島 宗明君    実川 幸夫君
      田名部匡省君    畑 英次郎君
      初村謙一郎君    広野ただし君
      冬柴 鐵三君    増田 敏男君
      石橋 大吉君    遠藤  登君
      前島 秀行君    錦織  淳君
      藤田 スミ君
出席国務大臣
        農林水産大臣 大河原太一郎君
出席政府委員
        農林水産大臣官
        房長      高橋 政行君
        農林水産省経済
        局長      東  久雄君
        農林水産省構造
        改善局長    入澤  肇君
 委員外の出席者
        大蔵省銀行局銀
        行課長     窪野 鎮治君
        農林水産委員会
        調査室長    黒木 敏郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月二十一日
 辞任         補欠選任
  広野ただし君     金子徳之介君
同日
 辞任         補欠選任
  金子徳之介君     広野ただし君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  栗原 博久君     蓮実  進君
同日
 辞任         補欠選任
  蓮実  進君     栗原 博久君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、第百二十九回国会閣法第
 四九号)
     ――――◇―――――
#2
○中西委員長 これより会議を開きます。
 第百二十九回国会、内閣提出、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。千葉国男君。
#3
○千葉委員 公明党の千葉国男でございます。
 統一会派の改革の委員の皆様のお許しをいただきまして、農林年金制度の改正につきまして、基本的な問題について質問をさせていただきたいと思います。
 農林年金制度は、昭和三十四年一月、厚生年金保険から分離をいたしまして、発足以来、公的年金制度の一つとして年金給付事業による退職後の生活基盤の確立、あるいはまた零細な団体が多い中で福祉事業の実施など、農林漁業団体の職員の福利厚生に大きな役割を果たしてきたと思っております。
 このような中で、今回大幅な農林年金制度の改正が行われるわけなんですが、大臣、今回重要な改正と言われておりますけれども、保険料率の問題であるとか年金水準とか、あるいは支給年齢とか国庫負担などについて、将来展望も含めてわかりやすくひとつお答えをいただきたいと思います。
#4
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 千葉委員御指摘のとおり、今回年金制度は、他の被用者保険制度と同様な大幅な改正をいたすことに相なりました。その背景については御案内のとおりでございまして、平均余命がどんどん延びる、あるいは出生率が低下するという中で、高齢化社会が非常に進展する、二十一世紀には超高齢化社会だと言われています。
 このようなとき、これはまた年金財政にも非常に影響を及ぼすわけでございますが、この超高齢化社会においても活力ある長寿社会、これを考えなければ相ならぬということで、年金制度におきましても、現役の世代と年金受給世代との実質的な所得水準の適切なバランスをとったり、あるいは年金について雇用促進的な要素を取り入れたりし、他の被用者年金制度と同様な措置を講ずるのが今回の措置でございまして、法案の中身も御案内のとおりでございまして、六十歳代前半の年金の見直しなり、給付と負担の見直しなり、あるいは在職支給の見直し等の措置を講じておるところでございます。
#5
○東政府委員 一つ、御質問のありました中で掛金率のお話がございました。その点について、将来どうなるかということについてお答えいたしたいと思いますが、御承知のとおり、厚生年金は平成六年度が再計算の年でございますが、農林年金の方は平成七年度でございまして、厚生年金の方の再計算によりますと、二〇二五年に改正しないで現行のままいけば三四%強になるものが、この改正によって二九%強、三〇%をちょっと下がるところになるという計算が出ております。
 ただ、農林年金につきましては、諸要素まだ確定しておりませんで、これから計算のし直しをしなければならないということでございまして、それが済んでおりませんのでちょっと今のところはっきり申し上げかねるんですが、念のために、平成元年度の計算では、将来三二・九になっていくという計算ございましたけれども、今回の改正で厚生年金と同様もう少し下がる数字になると思いますが、ちょっとその辺がきちっとした数字が出てないということで御了承いただきたいと思います。
#6
○千葉委員 今もお話しございましたように、日本は大変急速に高齢化が進んでいくところに入っておりまして、我が国における高齢者、六十五歳以上の割合につきましては、終戦後十年間ほどは五%ほどに保たれておりましたものの、一九七〇年代に入って七%台に入り、二十年後の九〇年代には一二・一%、間もなく参ります二〇〇〇年に一七%、こういうふうなことが言われているわけです。
 一般的に高齢化社会は七%から一四%と言われているわけですが、問題は、その七%から一四%の間、どれくらいの時間あるいは準備期間をかけてそういう高齢化社会を迎えたか、この辺が一番大事なことと言われておりまして、ちなみにフランスは百年、アメリカ、イギリスが七十五年、残念ながら我が国は戦後五十年、実質三十年ぐらいが準備期間である。こうやって国も国民の皆さん
も一生懸命戦後復興にかけてきて、子供を育てて、気がついてみたらもう高齢化社会に入っていた、こういうのが実感だと思います。既に、二〇〇〇年に一七%台に入って、二〇二〇年には二五・五%台に入って、一気に世界の高齢化社会のトップに躍り出る、こういうふうな状況が言われている。その中で、実際に四人に一人がおじいちゃん、おばあちゃん。こういう、周りを見ると本当に高齢化社会だなというのが実感できるような時代が来ると思うのですが、こうした問題の中で、具体的にこの農林年金において、現在四人に一人の退職年金の受給者を支えている、こういうことになっておりますが、将来的にはどのように考えているのか。
#7
○東政府委員 先生御指摘のとおり、平成四年度末で四・二人に一人でございます。それが平成元年のときの、先ほど申し上げましたとおり平成七年度が再計算の年でございますので、元年のときのデータでございますが、二〇二〇年に二・二人に一人という形になりまして、相当高齢化が進んだ形になります。
#8
○千葉委員 先ほど大臣からも、今回の制度改正により活力ある長寿社会を築きたい、こういうふうなお話がございましたが、私は、この活力ある長寿社会のイメージを一つ言わせていただきますと、御年配の方々が、一つはお元気で健康であるということ、それから、孫が寄ってきたときに、よく来たなと言ってお小遣いがあげられるおじいちゃん、おばあちゃんは人気があるそうでございますが、ある程度のそういう蓄えがある、そして隣近所にお茶飲みができるようなお友達がいる、こういう中で初めて元気のいい、活力のある長寿社会、こういうふうに今イメージを描いております。一方、それを支える若い方々もやはり元気で社会生活や個人生活を楽しんで、あしたも元気に頑張るぞ、こういうふうになったときがお互いにとって、高齢者も、支える若い方々も活力ある長寿社会、そういうイメージを描いているわけなんですが、憲法第二十五条で国民は健康で文化的な最低生活を営む権利を保障しているわけですけれども、今回の改正で考えた場合、六十歳前半のこの年金の見直しを行って、平成二十五年度から六十五歳になる。こうなった場合、実際は従来の約半額の給付しかない。こう考えてみますと、果たしてこういう老後が、生涯学習をしたり、ボランティアで地域のために貢献したりするような元気のいい、そういう活力ある長寿社会ということを考えたとき、全く半分程度の年全体制で果たしてこういうイメージの高齢化社会が描けるのかどうか、よろしくお願いします。
#9
○東政府委員 御承知のとおり、今回の改正案を政府案として提出しておりますのは、やはり高齢化というところのもとで、一つのスローガンとして六十歳引退社会から六十五歳現役社会へ切りかえていくという形のものでございます。
 それで、六十歳代前半はどちらかというと賃金とそれから一部の別個の支払い、年金とは別個の支払いによる収入で、それから、六十五歳を超えると年金が保障の中心になるというような形で整理をしていくという方向でございまして、また、これは長い年月をかけてそちらへ持っていくわけでございます。
 その間でございますけれども、憲法との問題では生活保護との関係がございますが、それとはちょっと違って、もう少し上のところに、年金というのはみずから積み立ててやっていくわけですから、もう少し上のところになるわけでございますが、六十歳代の前半の年金というものにつきましては、年金と言っていいかどうか、雇用の促進を図るということと対にいたしまして賃金と年金を中心として生活を支える期間というふうに位置づけるという基本的な考え方に立ちまして、給与比例の相当部分を年金の形で支給するという形をとっていくという基本的な考え方に立っているわけです。これは、先生御指摘のとおり、今までの退職年金と比べると約半分程度になるのではないか。確かにそういうことでございますが、ここは賃金と組み合わせていくという形でやっていくわけで、政府部内におきましても、高齢者雇用の促進という方向で、六十五歳まで現役でいけるようにというような方向と相まってこういう体制をとっていきたいということでございます。
 なお、今回の改正におきましても、御本人の希望がある場合には、別個の給付のほかに老齢基礎年金を繰り上げ支給、これは六十歳以降ですが、この繰り上げ支給を受けるということができます。これはもちろん減額になりますが、繰り上げ支給を受けることができます。それから、働くことが非常に困難な方、身体障害の重い方等につきましては、今回はこれとは別に満額で年金が支給されるという制度も同時に入れ込んでおりまして、やはり新しい発想に基づく高齢化社会を構築していく上の一つの過程であるというふうにお考えいただきたいと思います。
#10
○千葉委員 今局長の方から、六十五歳現役社会というお話がございましたが、この農林漁業団体の定年の年齢構成を見て、ほかの産業に比べて現在のところは遜色のない状況と言われておりますけれども、現実に定年制の実態を見てみますと、六十一歳以上を定年としている団体の割合は現在四・二%ですよね。ですから、五十万人の構成メンバーがいて四・二ですから二万人程度で、あとの方々の先行きのお仕事というのは大変心配をされていると思います。
 実は、昨日、厚生委員会で地方公聴会がありまして、私どもの仙台で、京都と並んできのうは公聴会をさせていただいて、それぞれの代表の方から意見陳述を聞いたわけなんですが、その中で連合関係の方々の御意見として、現在の雇用状態はどういうふうになっているのか、こういうふうな報告もございました。特に、バブル崩壊後景気が低迷し、地元での有効求人倍率も相当厳しい状態になっているということが報告されました。例えば、三十五歳から三十九歳については二・〇七%、四十五歳から四十九歳は一・三八%。まだ一があるわけですが、五十五歳から五十九歳になりますと○・四%になって急激に落ちてきまして、六十歳を過ぎますと、六十歳から六十四歳の有効求人倍率は○・一九、こういうふうに言われております。したがいまして、現実には、六十歳以上は、今局長は働きながら、賃金ももらいながら、賃金プラス年金だというふうな方向性ですけれども、〇・一九%ということになりますと、就職状況は大変厳しいものがあるな、こういうふうに思います。
 また、かつての総理府の長寿社会に関する世論調査というのがありまして、その中で、六十歳以上の方々が将来ともに働きたいかどうか、こういうふうな調査に対して、仕事をしたい、こう言っている人が六五%、しかも長く働きたい。仕事をしたくないという人は逆に二六%ぐらいで、元気で長寿の社会に今なろうとしているわけですから、できるだけお元気な間は働きたいという気持ちは非常に強くなっていると思うのですね。ところが、気持ちは強いけれども、現実の求人倍率はほとんどない、こういうことですから、年金は半額になって職場がない。こうなりますと、大変生活は厳しい状況になってくると思います。
 そういう意味で、今後の、こういう団体関係者に限らず、高齢者雇用に関するやはり条件整備というものを相当急いでいかなきゃいけないと思いますし、力を入れていかなきゃいけない。例えば、アメリカでは既に雇用における年齢差別禁止法というのがありまして、これまでは六十五歳と言われたのですが、先ごろこれを法改正をして七十歳ということ、七十歳定年制、わかりやすく言えばそういうことを打ち出しているわけですね。ですから、これから将来にわたって本当にこういう年全体制で六十歳代前半が、仕事も厳しい、こういうことであれば、もう七十歳定年制ですよと言いながら各会社のそういうことが今現在六十でぎりぎりですから、七十歳だという大きい目標を国として立てて、全体的に六十五歳までいくぐらいのようなそういう条件整備を図っていくとか、こういうことを真剣に考えていかなきゃいけない、こういうふうに思いますが、いかがでしょう。
#11
○東政府委員 委員御指摘のとおりだと思います。それで今回の改正におきましても、その前提といたしまして、やはり高齢者雇用対策というものを政府全体として進めていくということで申し合わせが行われておりまして、一つは六十歳以上の定年にするということで、要するに、定年を定める場合には「当該定年は六十歳を下回ることができないものとする」ということを平成十年から施行していこうということもございますし、六十五歳までの継続雇用ということ、定年になってもその後の雇用が何らかの形で続けられるようなシステムをということで、これは雇用者の方に指導をするとともに、高齢者の雇用に関する関係助成金を拡充していくということも考えられております。
 さらに、高年齢の雇用継続給付という制度をつくろうとしておりまして、これは、高齢者が一たん定年でやめましても、その後ちょっと給与が下がって、それで再度そこで嘱託等の形での勤めをやるというときに、その下がった給与の一定部分を支給するようなことを来年の四月から実施するという方向で考えられておりまして、全体として高齢者雇用の対策を充実しようといたしております。
 農林省としましても、これらの施策に沿って、関係省庁とも連絡をとりながら適切にやっていきたいと思っております。
 なお、その定年の六十歳を超えてからというのは、年金の別途支払いのものと賃金とをあわせてやっていくわけで、今度、そこのところについて、併給される別個の支払いのところについて少し新たな調整をして、ある程度のところについては全体収入が上がっていくような形の改正が入っているのは御承知のとおりでございます。
 また、農林漁業団体関係の定年のお話がございました。実は、六十歳定年というところで見ますと、平成五年度の調査でございますが、農業関係団体も七一%ぐらい、正確には七〇・六%になっております。なお、全産業では七三・九%ということで、遜色のないところまで来ているのではないかと思います。そして、六十一歳以上というところが、先ほど言いましたように、再雇用ですとかそういう方向へやっていかなければならぬわけで、特に農業関係については、大体県の団体におきまして雇用あっせんセンター的なものを設けているという県が割合出てきておりまして、積極的にこの再雇用なり、またその他の職場なりへのあっせんをするというような形をとっていっております。
#12
○千葉委員 今実態についてお話しいただきましたが、私の一つの提案は、平成十年、六十歳というようなお話をいただきましたが、思い切って定年制を七十にするとか六十五にするという前向きなそういう形をこの農林年金から始めてはどうかとこう思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
#13
○大河原国務大臣 千葉委員の、アメリカの七十歳定年というような点についての御研究の上の御提言でございますが、他の被用者年金制度との均衡その他を考えたり、我が国の高齢者雇用の現段階における実情というようなことを考えますと、やはり慎重な検討を要するんじゃないかと、御提案の一つとして受けとめさせていただきます。
#14
○千葉委員 もう一つ提案をさせていただきたいと思っていますが、六十歳代前半の年金の改正、これは今お話がずっと出てきましたように、団体職員の生活設計に大きな影響を与えるものである、こういうふうに思っております。そういう意味で、今回の改正によって影響を受ける組合員に対して、たまたま私昭和十六年生まれですので、私たちのときからスタートになって六十一歳で影響を受けるわけなんですが、私はいろいろこういうことを勉強させていただきましたからたまたまわかりましたけれども、そうでない連中は全然わかっておりませんで、私の友人も、おおそうかよなんという程度ですから、非常に理解が、改正の云々というのは大きく盛り上がっていますけれども、個人個人にいきますとなかなか理解されていない、こういうふうにもなります。
 この農林年金のそういう改正を受ける六十歳から六十五歳の人ですね、この方々は大体どのぐらいいて、そういう方々に対して――例えば、今国民の大半が運転免許を持つ時代になっておりまして、書きかえのときに免許のあれを忘れて免許を喪失するみたいな話も出ておりまして、県レベルなんかでは、大体切れる三カ月ぐらい前に各人に全部通達をして、それで、実際に切れちゃってからあとまた少し余裕があるのですが、切れて来なかった人に再度丁寧に連絡をしてあげて救っている、そういう実態がありますものですから、そういうふうな十分な情報をどのように提供していく考えがあるのか。ぜひお願いしたいと思います。
#15
○東政府委員 農林年金の組織の中で毎月出しておりますのは、「農林年金広報」というのを一つ出しておりまして、全団体に交付されております。さらに、組合員に対しまして「農林年金は、いま」というようなものを、これは随時という形で作成をしております。特にこの法改正案の内容が固まりました本年三月には、このことをこの「農林年金は、いま」というものの中の特集のような形で広報をしたということを聞いております。さらに、この法案を成立させていただきますと、全組合員に対してその内容を十分お知らせするという計画であるということを私の方も聞いております。
 農林水産省といたしましても、やはり今先生が御指摘のとおり、年金制度がこれからの組合員の生活設計に大きな影響を与えるものですから、情報提供は十分やっていかなければならぬと思っておりまして、適切に指導してまいりたいと思いますし、また、これは年金の手前にならないと、私ぐらいになりますとちょっと関心を持つのですけれども、若い方はどうも関心が薄れぎみになりますので、その辺も頭に置きながらしっかりした広報に努めていきたいと思っております。
#16
○千葉委員 先ほどもちょっと出てまいりましたが、急激な高齢化が進んでいく中で活力ある長寿社会を築いていく、その中で年金料率というものをどのように抑えていくか、こういうことで急速に国庫負担の議論が出てきているわけであります。私は、基礎年金における国庫負担率を引き上げるべきである、こう考えておりますけれども、現行、今の計画でいきますと二九・六%となる、これが三分の一から二分の一にこの基金をふやした場合には二六%、あるいはきのうの委員会の意見でも三分の二にしてもらえば最高だ、そうなりますと二二%ということで、年金の国庫負担、それに対して財源の問題もありますが、これについて基本的にどのようにお考えになりますか。
#17
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 お話しのとおり、年金に対する国庫負担は、基礎年金に対して三分の一集中的に助成するという制度になっておりますが、段々の御指摘のとおり、今後の社会保険料が非常に増大する、したがって国庫負担を増額すべきであるという御意見が大変強いことも十分承知しておりますが、やはり国庫負担と社会保険料との関係、これは国民負担全体をいかにするかという観点からも慎重な検討を要するのではないか。また、財源等の問題をいかにするかというような点で、なかなかにそう、結論としては難しい問題であるというふうに承知しております。
#18
○千葉委員 もう時間になりました。最後になるかと思いますが、昭和六十年改正によりまして国民共通の基礎年金が創設されたわけでありますけれども、その上で各制度がそれぞれ分離をしておりまして、この結果、例えばJR共済に対して農林年金から援助をしていたり、また、農林年金の成熟度も厚生年金に比べれば結構高いものになっているわけです。こういうことを考えますと、公的年金制度全体の長期的安定、こういうこと等を考えた場合、整合性ある発展を図るためには公的年金制度の一元化というのは非常に重要な問題である、こういうふうに思います。
 そういう意味で、農林年金制度として、公的年金制度の一元化に向けて今どのような対応をして
#19
○東政府委員 委員御指摘のとおりだと思います。それで今回の改正におきましても、その前提といたしまして、やはり高齢者雇用対策というものを政府全体として進めていくということで申し合わせが行われておりまして、一つは六十歳以上の定年にするということで、要するに、定年を定める場合には「当該定年は六十歳を下回ることができないものとする」ということを平成十年から施行していこうということもございますし、六十五歳までの継続雇用ということ、定年になってもその後の雇用が何らかの形で続けられるようなシステムをということで、これは雇用者の方に指導をするとともに、高齢者の雇用に関する関係助成金を拡充していくということも考えられております。
 さらに、高年齢の雇用継続給付という制度をつくろうとしておりまして、これは、高齢者が一たん定年でやめましても、その後ちょっと給与が下がって、それで再度そこで嘱託等の形での勤めをやるというときに、その下がった給与の一定部分を支給するようなことを来年の四月から実施するという方向で考えられておりまして、全体として高齢者雇用の対策を充実しようといたしております。
 農林省としましても、これらの施策に沿って、関係省庁とも連絡をとりながら適切にやっていきたいと思っております。
 なお、その定年の六十歳を超えてからというのは、年金の別途支払いのものと賃金とをあわせてやっていくわけで、今度、そこのところについて、併給される別個の支払いのところについて少し新たな調整をして、ある程度のところについては全体収入が上がっていくような形の改正が入っているのは御承知のとおりでございます。
 また、農林漁業団体関係の定年のお話がございました。実は、六十歳定年というところで見ますと、平成五年度の調査でございますが、農業関係団体も七一%ぐらい、正確には七〇・六%になっております。なお、全産業では七三・九%ということで、遜色のないところまで来ているのではないかと思います。そして、六十一歳以上というところが、先ほど言いましたように、再雇用ですとかそういう方向へやっていかなければならぬわけで、特に農業関係については、大体県の団体におきまして雇用あっせんセンター的なものを設けているという県が割合出てきておりまして、積極的にこの再雇用なり、またその他の職場なりへのあっせんをするというような形をとっていっております。
#20
○千葉委員 今実態についてお話しいただきましたが、私の一つの提案は、平成十年、六十歳というようなお話をいただきましたが、思い切って定年制を七十にするとか六十五にするという前向きなそういう形をこの農林年金から始めてはどうかとこう思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
#21
○大河原国務大臣 千葉委員の、アメリカの七十歳定年というような点についての御研究の上の御提言でございますが、他の被用者年金制度との均衡その他を考えたり、我が国の高齢者雇用の現段階における実情というようなことを考えますと、やはり慎重な検討を要するんじゃないかと、御提案の一つとして受けとめさせていただきます。
#22
○千葉委員 もう一つ提案をさせていただきたいと思っていますが、六十歳代前半の年金の改正、これは今お話がずっと出てきましたように、団体職員の生活設計に大きな影響を与えるものである、こういうふうに思っております。そういう意味で、今回の改正によって影響を受ける組合員に対して、たまたま私昭和十六年生まれですので、私たちのときからスタートになって六十一歳で影響を受けるわけなんですが、私はいろいろこういうことを勉強させていただきましたからたまたまわかりましたけれども、そうでない連中は全然わかっておりませんで、私の友人も、おおそうかよなんという程度ですから、非常に理解が、改正の云々というのは大きく盛り上がっていますけれども、個人個人にいきますとなかなか理解されていない、こういうふうにもなります。
 この農林年金のそういう改正を受ける六十歳から六十五歳の人ですね、この方々は大体どのぐらいいて、そういう方々に対して――例えば、今国民の大半が運転免許を持つ時代になっておりまして、書きかえのときに免許のあれを忘れて免許を喪失するみたいな話も出ておりまして、県レベルなんかでは、大体切れる三カ月ぐらい前に各人に全部通達をして、それで、実際に切れちゃってからあとまた少し余裕があるのですが、切れて来なかった人に再度丁寧に連絡をしてあげて救っている、そういう実態がありますものですから、そういうふうな十分な情報をどのように提供していく考えがあるのか。ぜひお願いしたいと思います。
#23
○東政府委員 農林年金の組織の中で毎月出しておりますのは、「農林年金広報」というのを一つ出しておりまして、全団体に交付されております。さらに、組合員に対しまして「農林年金は、いま」というようなものを、これは随時という形で作成をしております。特にこの法改正案の内容が固まりました本年三月には、このことをこの「農林年金は、いま」というものの中の特集のような形で広報をしたということを聞いております。さらに、この法案を成立させていただきますと、全組合員に対してその内容を十分お知らせするという計画であるということを私の方も聞いております。
 農林水産省といたしましても、やはり今先生が御指摘のとおり、年金制度がこれからの組合員の生活設計に大きな影響を与えるものですから、情報提供は十分やっていかなければならぬと思っておりまして、適切に指導してまいりたいと思いますし、また、これは年金の手前にならないと、私ぐらいになりますとちょっと関心を持つのですけれども、若い方はどうも関心が薄れぎみになりますので、その辺も頭に置きながらしっかりした広報に努めていきたいと思っております。
#24
○千葉委員 先ほどもちょっと出てまいりましたが、急激な高齢化が進んでいく中で活力ある長寿社会を築いていく、その中で年金料率というものをどのように抑えていくか、こういうことで急速に国庫負担の議論が出てきているわけであります。私は、基礎年金における国庫負担率を引き上げるべきである、こう考えておりますけれども、現行、今の計画でいきますと二九・六%となる、これが三分の一から二分の一にこの基金をふやした場合には二六%、あるいはきのうの委員会の意見でも三分の二にしてもらえば最高だ、そうなりますと二二%ということで、年金の国庫負担、それに対して財源の問題もありますが、これについて基本的にどのようにお考えになりますか。
#25
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 お話しのとおり、年金に対する国庫負担は、基礎年金に対して三分の一集中的に助成するという制度になっておりますが、段々の御指摘のとおり、今後の社会保険料が非常に増大する、したがって国庫負担を増額すべきであるという御意見が大変強いことも十分承知しておりますが、やはり国庫負担と社会保険料との関係、これは国民負担全体をいかにするかという観点からも慎重な検討を要するのではないか。また、財源等の問題をいかにするかというような点で、なかなかにそう、結論としては難しい問題であるというふうに承知しております。
#26
○千葉委員 もう時間になりました。最後になるかと思いますが、昭和六十年改正によりまして国民共通の基礎年金が創設されたわけでありますけれども、その上で各制度がそれぞれ分離をしておりまして、この結果、例えばJR共済に対して農林年金から援助をしていたり、また、農林年金の成熟度も厚生年金に比べれば結構高いものになっているわけです。こういうことを考えますと、公的年金制度全体の長期的安定、こういうこと等を考えた場合、整合性ある発展を図るためには公的年金制度の一元化というのは非常に重要な問題である、こういうふうに思います。
 そういう意味で、農林年金制度として、公的年金制度の一元化に向けて今どのような対応をしていくつもりなのか、よろしくお願いします。
#27
○東政府委員 御指摘のとおりでございまして、農林年金も一元化というものは非常に重要な問題であると認識しております。これは、特に成熟度が農林年金は他の年金に比べて割合高いです。もちろん先生御指摘の、JRなんか物すごく高いわけでございますが、農林年金も、ここから先を見ていきますと非常に高い。したがいまして、できるだけ早く統合されて、要するに制度間の負担の不均衡を是正していくということと、全体の長期的な安定、御指摘の点でございますが、こういう観点からやはり一元化は重要な問題でございまして、農林年金としてもそうしていきたいという希望が強うございます。
 この進め方でございますが、御承知のとおり、公的年金制度に関する関係閣僚会議というのがございまして、その下に一元化に関する懇談会が設けられておりまして、そこには学識経験者だけではなく各年金の代表者も委員として参加しておりまして、その場で今後のあり方というものを深く検討していっております。そこの場でやはり十分理解をしてお互い合意をしないと、お互いの年金間の財政事情が違うものですからなかなか難しい問題がございますので、そういう中で調整をしながら進めていかれるのかなというふうに考えておりまして、私たちも、この推移を見守りつつ、一元化に対して整合性のとれた形で運営していく必要があるというふうに考えております。
#28
○千葉委員 以上で質問は終わりますが、いずれにせよ非常に大事な大事な改正でございますので、よく一人一人の方々に徹底されるように御努力をお願いしたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
#29
○中西委員長 広野ただし君。
#30
○広野委員 統一会派改革を代表いたしまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず冒頭に当たりまして、本日、ウルグアイ・ラウンドの国内農業関連対策をまとめられて、その御労苦には敬意を表しますけれども、そしてまた、大河原大臣にあられましては、過去の農林水産次官以来、農業についてのいろいろな場面場面で適切なお話をされて、また指導してこられた、そういうことについてはよく承っておりますし、評価もいたすわけでございますが、ことしの一月、参議院におきまして、大臣は元の畑農林大臣に対して問責決議案を提出をされておるわけであります。そういうことと、今回農業対策を決められた、そしてまたそういう中にあって現在どういうお気持ちで、どういう心境でおられるのか、まずお答えいただきたいと思います。
#31
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 昨年末のウルグアイ・ラウンドの農業合意の受け入れに際しましては、我々としては、農業協定の内容について、米の部分開放等の国会決議等の関係がございますし、さらには交渉について、交渉は外交交渉ですから、なかなかに表立ってないけれども、米・EC、当時のECですね、米・ECは閣僚ベースで数度にわたって国益を賭して交渉をした、そのことが、我が国においてはその努力が不足しているのではないかとか、それから部分開放を受け入れた農家の衝撃、そういうものを勘案いたしまして、我々はこの合意について反対を申し上げ、国会においても当面の責任者である畑農林水産大臣に対する問責の決議を提出した。これは否決されたわけでありますけれども、提出したわけでございます。
 ただ、細川内閣が受諾したといえども、外交、対外的にはこれはまさに政府の受け入れでございますし、その後四月のマラケシュにおける当時の羽田外務大臣における基本文書に対する署名、さらには七月のナポリ・サミットにおいても、主要列国の批准の促進等、外交関係の継続性という点を重く受けとめなければならないし、また、WTO協定はやはり多国間の自由貿易を伸長するんだという点についても、国際社会における我が国の責任というような問題もあるわけでございまして、そういう諸点を考えますと、やはり国内対策を、影響を最小限度に食いとめる、国内対策の樹立という以外にその道はないという心境を持ちまして、全力をもってこれに当たったというのがただいまの状態でございます。
#32
○広野委員 それでは、ことしの一月の段階では問責決議案を発議されたわけでもありますが、その後の経緯、そしてまた今度の関連対策ということで、現在はウルグアイ・ラウンドの批准について賛成なのか、どういうことでございましょうか。
#33
○大河原国務大臣 御案内のとおり、批准に伴う悪影響を極力防止して、二十一世紀に対して農業、農村に対する展望を切り開くというのが国内対策でございますし、また、受け入れのための主要食糧の需給と価格の安定に関する法律を提出する、あるいは関連の不足払い法なり、繭糸価格安定法なり、農産物価格安定法も提出しているところでございまして、批准を前提としてのということがお答えになると思います。
#34
○広野委員 それでは、批准に賛成ということに受けとめさせていだだきたい、こういうふうに思います。
 そしてまた、今回の関連対策大綱の中身、本格審議はまた別途あるということでございますのでそちらでやっていただくことにしますが、今回の場合、六兆円規模の事業対策、そしてまた一・二兆円ですか、一兆二千億の地方単独事業、こういうことであります。いろいろと中身を我々も調べ、またいろいろな形で大蔵大臣等のところにも陳情にも参りました。
 そういう中で、今回の措置の中で、私はどうも、これをやったから日本の農業が本当に大丈夫なのか、そしてまた農家農村の方々が安心して農業をちゃんとやっていけるのか、そういう本来の姿がなかなか見えてこない、こういう感じがするのです。
 簡単も言葉で言いますと、どうしてもばらまき的なものになっておって、例えば農家の所得がどれぐらいになるんだ、あるいは一番農家の皆さんが心配をしている減反政策、これについて生産が自由にやれるのかどうか、あるいは食糧備蓄の問題、去年はもう本当に底をついておりましたから、結局ああいう平成の大騒ぎ、こういうことになったわけでありまして、そういう問題について何か明確なものが見えてこない。ですから、農家、農村の方々は、これをやっても果たしてどうなんだ、こういう気持ちでやはりおられるのではないか、こういうふうに思いますので、その所見を承りたいと思います。
#35
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 本日、政府として決定いたしました国内対策の大綱については、今後も十二分な御検討をいただきまして、実行に当たりましてそれぞれの御注意をちょうだいしたらというふうに思っております。
 あの大綱にも明らかなとおり、やはり一つのビジョンを持ちまして、農業の、食糧供給だけではなくて多面的な役割を明確に国民的合意を得るとか、低下する食糧自給率に歯どめをかけるとか、あるいは消費者に対しては安全で良質、適正な価格で供給して、消費者とも手を握る、あるいは農山村についての活性化を図り都市と共存するとか、そういう一つの前提のもとに、農業構造につきましては、一昨年の新政策に示しました創意に富む安定的、効率的な経営、担い手、これを主体にした農業構造を確立する。今ちょっとお触れになりました所得等については、その担い手の一つのメルクマールとしてはその生涯所得並びに労働時間、これらについては地域の他産業従事者とバランスがとれるようにするというようなことも打ち出しておるわけでございます。
 また、お話しの備蓄等につきましては、これは大綱にも示されておりますし、このたびの法案、新食糧法案と略称させていただきますが、これについても、備蓄制度は制度の基幹、計画の基幹といたしまして位置づけて、単なるランニングストック的なものの在庫だけではなくて、大きな変動に対しても耐え得るような備蓄量を確保するという考え方で、制度として法制上も位置づけよう
としております。
 それから、生産調整の問題についても、生産者の自主的な選択を尊重するような形で生産調整を実施し、地域と生産者の自主的な意欲を尊重しながらこれを進めるというようなことになっておりまして、今後もその点については、それぞれの農家の方々にも十二分に御理解願うような措置を進めていきたい、さように考えております。
#36
○広野委員 大臣のお立場とすれば、万全なものだ、こういうふうにおっしやられますけれども、私は、農家の実態を見ますと、大事なのは、例えば豊かさを実感するという形では、農村の集落排水事業などは非常に大切だと思うのです。これは水回りですね。台所、トイレ、ふろ場などが非常によくなってくる、また環境問題もよくなる。こういうことで、そういうところの話が全然見えてこないわけですよね。
 ですから、何か公共事業一つつくってやっているだけ、こういうことですので、何か一つ明るいものが見えない。そういう点についてどうお考えですか。
#37
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、その基礎になる、一番根っこになります基盤整備事業については、大区画の圃場整備だとか、あるいは担い手に農地利用を集積するということを前提とした圃場整備とか、そういうものが例として強く出ておりますが、事業内容としては集落排水事業は中の重点事項として取り上げられておるわけでございまして、その点については御理解を今後賜るようにいたしたいというふうに思っております。
#38
○広野委員 それでは、本題の農林漁業団体職員共済組合法の一部改正の方に移らせていただきます。
 まず、六十歳を六十五歳に段階的に引き上げる、こういうことでございます。今回の提案の中では、二〇〇一年から六十一歳に引き上げ、三年ごとに一歳すっ引き上げる、こういうことになっております。
 ところで、大臣に自民党員としてお聞きもしたいわけなのでございますが、ことしの六月に、自民党では年金制度調査会でこれは四年に一歳ずつ引き上げていこう、こういうことを報告しておられますが、その四年どこの三年との関係はどういうふうに思っておられますか。
#39
○大河原国務大臣 先生御指摘の、私の所属する自民党における委員会の内容について、また論議にも参加しておりませんので、四年ごとの引き上げについては十二分に理解しておらないところでございまして恐縮でございます。
 端的に申し上げますと、六十歳代前半については、特別の給付をしながら平成十三年から引き上げていくというわけでございまして、できるだけ早い年金制度の長期安定というようなことを考えまして、この三年ということに政府案としてなったわけでございます。
 私どもとしては、政府としてはこの考え方に沿っていきたい、さように考えております。
#40
○広野委員 私もその点については、三年で早くやっていくのがいいんじゃないか、こういうふうには思っておりますが、意思のそごがあるのではないかというふうに思いましたもので、その点を明確にさせていただきたかったということであります。
 それと、六十歳代前半の年金のあり方、これについては、特に働きながら年金を受ける、こういう在職支給の問題でありますけれども、賃金と年金の合計額が二十万円までは働けば働くほどちゃんとふえる、こういうことになっているわけですが、二十万円から三十四万円のところまでは寝てくる、こういうことになるわけですね。ですから、働いてもそのものが全部加わるということにはなってこない。これでは勤労意欲がなえてしまう、こういうことになるわけで、私は二十万円というところを二十二万円とか二十四万円とか、そこまでもう少し引き上げるべきではないか、こういうふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
#41
○東政府委員 ただいま委員御指摘の点でございますが、御承知のとおり、二十万円と三十四万円と両方基準がございます。
 三十四万円というのは、現役の男子被保険者の平均標準報酬になっておりまして、それの六割程度というところで二十万円というものを決めております。その六割程度ということとのバランスを考えますと、やはり二十万円というのが適切なものではないかというふうに考えます。
#42
○広野委員 この点は、やはり長期的なことを考えると、そういう働く意欲がある、それが反映されるという仕組みに持っていかないと、結局年金にだけ頼るというようなことになってまいりますので、そういう点は今後とも長期的な課題で考えていただきたい、こういうふうに思います。
 ところで、国民年金の基礎年金、一階建て部分の国庫補助の問題でありますけれども、先ほど千葉委員からもありましたが、現在三分の一ということになっております。しかし、年金受給者の収入に占める年金の割合というのはもう過半を占めているわけですね。ですから、生計を立てる上での年金というのは高齢者にとって非常に重要な地位を占めている、こういうことであります。
 ところが、最近は、本当にサラリーマンといいますか、そういう全体にとって実収入がどんどん下がってきている、こういう実態にあるわけです。経済が横ばいだということもありますけれども、さらに今回の年金の掛金のアップだとか、消費税がさらに上がる、公共料金も上がっている、こういうようなことを考えますと、何か実収入が目減りをする、高齢者にとって目減りをしているというようなことになっているわけです。そういう中で、将来に対して非常に漠然とした不安感が広がる、そしてまた、年金制度自身について非常な、ある意味で将来おかしくなってしまうんじゃないかという不信感があるわけであります。そういうことにこたえるためにも、私は、将来の福祉ビジョンというものを明確に示して、そしてまた年金制度の将来の姿というものも示して、一元化の問題とも非常に関係いたしますけれども、そういうこととか、そしてまた今度の国庫負担率の問題ということもかっちりとやっていって年金制度を揺るぎのないものにしていく、そして信頼関係がちゃんと保てるような、そういうものにしていかなければならない、こういうふうに考えておりまして、やはり補助率三分の一ということではなくて、財源をちゃんと確保して、そうした上で二分の一の方向へ引き上げていく、そういう方向へ持っていかなければならない、こういうふうに考えておりますが、大臣いかがでしょうか。
#43
○大河原国務大臣 先ほど千葉委員にもお答え申し上げたわけでございますが、現在の年金に対する国庫補助は基礎年金三分の一ということに集中しておりますが、お話にあったとおり今後の社会保険料負担、いよいよ増大いたすということでございまして、その年金の安定化のためには国庫負担を増額すべしという御所論があるところでございますけれども、先ほど申し上げましたように、この点につきましては、国庫負担と社会保険方式との関係についてどう考えるか、あるいは国民負担全体の観点からどのような考え方をとるかという点については、なお慎重な検討を要するのではあるまいかという点でございます。
 財源の問題についても同様でございます。
#44
○広野委員 そういう財源の問題にも絡みますけれども、また年金全体のことを考えますと、年金の運用ということについて私はもっと注意を払うべきだ、こういうふうに考えております。
 先ごろちょっと新聞の方で報道されておりますけれども、高齢化日本の年金の運用が非常に悪い、低いというわけなんですね。利回りが非常に悪い。海外に比べたら、海外は十数%で回っているのに日本の方は本当に一けただ、こういう状況が言われております。そしてまた、私も、二十数年来にわたっての各年金制度の利回りを提出してもらいましたけれども、高いときは八%の利回りがあります。これは農林年金でもそうです。ところが、現在は五・八だ、こういうことで二%も差
が出てくる。そうしますと、今共済は一兆六千万の積み立てでありますから、もうすぐに数百億円違ってくる。また、全体の話をしますと、百三十兆円もの年金があるわけですね。その中で二%違ったら、すぐ二、三兆出てくるわけです。
 ですから、そういうことについて、年金運用をいろいろと調べてみたらば、これは各省別にばらばらでやっておる。それでまた非常に差があるのですね。大蔵省もよく全体を把握していない。そして、新聞には大蔵省の規制が厳しいものだから結局は利回りが低くなる、こういうことまで言われておって、どうやってこの年金の利回りを上げていくか、これは全体の年金制度の所管省がどういうふうになっているのか、そしてまた、各省における年金の運用についてどこまで関心があるのか、そういうことによって随分違ってまいります。実際のところ、それによって財源が出てくるわけなんですね。そういうことにもっと気を配ってもらいたい、こう思っておりますが、大蔵省、来ていますか。
#45
○窪野説明員 御説明をいたします。
 私ども、特に厚生年金基金とかあるいは適格年金の企業年金につきましての運用につきまして規制をしている立場から御説明をしたいと思います。
 特に、先生御指摘の報告書につきましては、数字は詳しくは承知をしておりませんが、ただ、一言申し上げられますのは、ちょうど報告書が指摘している時期、これは、バブルの崩壊がございまして、株価の下落等日本において資産価値が大変大幅に下落した時期でもございまして、またその後低金利が続いている、こういったことから、必ずしも運用規制の有無という点ではなくて、経済あるいは投資環境の変化によるものではないかということを一言御指摘させていただきます。
 なお、企業年金の運用につきましては、それが公的年金と相まって高齢者の老後の生活を支える、そういう性格からいたしまして、もちろん有利運用という観点で効率性を重視する。その一方で、非常に長期の性格がございますので、非常に長期の経済変動あるいはインフレに対応していかなければいけない。また、運用者の運用ミスによって元本割れが生じるというようなことで年金水準が不十分になったり、あるいは保険料の引き上げを余儀なくされるというようなことがないよう、他方におきまして安全運用あるいは分散投資、これに配意する必要がございます。そのような二つの要請のバランスをとりつつ必要な運用規制を行っているところでございます。
 しかしながら、安全かつより高い運用利回りが望ましいというのは先生御指摘のとおりでございまして、最近におきましても、厚生年金基金の例で申し上げますと、前回の年金改正、平成二年の厚生年金法の改正によりまして、一定の要件を満たしました基金につきましては、新規の掛金に係る部分につきましていわゆる自主運用ということで、投資一任会社を新たに運用受託機関として認めたところでございます。さらに、ちょうど今国会で御審議をいただいております厚生年金法の改正案におきましては、さらにその自主運用の範囲を拡大することとし、具体的にはニューマネーとオールドマネーの区分を廃止して、より一層有利運用と安全な運用とのバランスを図れるよう配意しているところでございます。
#46
○広野委員 そんなことで、大臣にもぜひ御理解いただきたいのは、これはお答え要りませんけれども、結局、年金の運用によって、農林年金であればもう数百億円の財源が出てくるということになりますし、年金全体でいきますと数兆円の利回りの差が出てくるということですから、そういう運用をうまくやれば、それこそ先ほど国庫補助率を上げるというような話も、いろいろな面できいてく谷わけですから、よく考えていただきたい、こういうふうに思います。
 年金一元化の問題についても、平成七年まで目標を決めてやっているわけですから、閣議決定をやっているわけですから、それについてもいろいろとあるのですが、先ほども千葉委員のところでお答えをいただきましたので、これは省略をさせていただきたい、こういうふうに思います。
 ところで、よく私も地元でいろいろと話を聞きますと、農協関係あるいは団体関係の職員の年金、それと、実際農業に携わっている農業者の皆さんとの間にえらい年金の差があるじゃないか、こういうことを言われるわけであります。そういうようなことが、まあいろいろな要素がかかわりますけれども、農協に対する不信感になったり、あるいは、こんなに低いのだったら農業をやめて農協へ勤める、こういうようなことになって、農業の後継者がまたいなくなる、こういうようなことになるわけで、実際問題としてどれぐらいの差があるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#47
○入澤政府委員 農業者年金の経営移譲年金の額の算定方式でございますが、これは委員御承知のとおり、老齢厚生年金の算定方式に準拠してやっております。したがいまして、額の水準は、農家の所得と、それから加入期間、これが大きな要素として決定要因になります。
 農業者年金の受給額を農林年金と比べてみますと、確かに御指摘のとおり低い。その低い理由は、四十五年に創設された農業者年金の加入が昭和四十六年度から始まっておりまして、新規裁定者ベースの加入期間を見ますと、農林年金で約三十二年でございますが、農業者年金は約二十年というふうに、まず加入期間が短い。それから、給付の基礎となる所得につきまして、農林年金は二十五万一千円でございます。これは平成元年の再計算でございますが、これに対しまして農業者年金は月額二十一万三千円。相対的に農業所得が低いということでございます。しかし、どのくらい今の時点で、最近の時点で差があるかということを申しますと、近く経営移譲年金の受給権が発生する昭和十一年生まれの人が昭和四十六年から二十五年加入した場合には、経営移譲年金と夫婦の国民年金を合わせた年金額の月額が十八万二千円となります。これに対応する農林年金の方は二十万二千円でございますから、ほぼ近くなってきております。今後、この差を縮めていくということが必要でございますけれども、そのためには、まず任意加入の資格のある後継者が早期に加入いたしまして加入期間の長期化を図るということ、それから、やはり問題になるのは農業所得でございますから、新農政を徹底的に展開いたしまして農業所得の向上を図っていくということが必要であると考えております。
#48
○広野委員 将来はだんだん縮まるようなことは私も試算でわかりますが、現状においては大体年額で五十万円は違います。それぐらい違うのですよ。
 ですから私は、大臣、例えば今度のウルグアイ・ラウンドの問題でも、国内対策でハードウエアの充実だとか、そっちばかり言っております。けれども、こういう年金についても対策をとるというようなことをすれば、後継者についても安心して農業をやれるとか、そんなようなことにもなりますので、ぜひそこの点もまた頭に残しておいていただきたいと思います。
 時間の関係で、もう一つお話をさせていただきたいと思うのですが、農業者年金法、今回のものとちょっと違うのですが、やはり農業者、農業に携わっている人たち自身がいろいろな面で年金について苦しんでおられる。
 特に、女性ですよね。農業に従事している女性の問題、これについては、いろいろな意味で不利益をこうむっている、そういうことが実際にあるわけですね。自分で国民年金に入るあるいは厚生年金に入るというような、そっちで対処しろ、こういうようなこともありますけれども、私は、そんな冷たいことを言うのじゃなくて、農業者年金を、年金基金法を改正して女性に対しても温かいそういう政策をとるべきではないか、こういうふうに考えておりますので、大臣の答弁をお願いします。
#49
○大河原国務大臣 お答え申し上げますが、現在の農業者年金の加入者四十四万人のうち二万人く
らいの女性の方が加入をしております。これは、経営主なりあるいは後継者という資格で、農業者年金所定の資格要件ということで加入をしておるわけでございますが、御案内のとおり、農業者年金は、農地保有の合理化とかその他、一つの政策年金であることと、もう一つは、既に自主的に系統農協組織の方で国民年金の上乗せのみどり基金というものをやっております。自主的な意味でその上乗せをやっておるわけですが、これらとの調整というようなことも念頭に置かなければならないという点もございますけれども、やはり私ども各地を歩きますと、女性の年金加入、これは非常に強いお話を受けておりますから、現在、農林省におきましては、農業者年金制度研究会を開きまして諸般の問題を検討しておりますが、女性の加入の問題についても、いかなる方式をとれば制度との整合性を保ちながら可能かという点について詰めてまいりたいというふうに思っております。
#50
○広野委員 ぜひその点について前向きの検討をまとめていただいて、次期国会には提出をいただきたい、こういうふうに要望をいたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
#51
○中西委員長 木幡弘道君。
#52
○木幡委員 千葉委員、広野委員に引き続きまして質問をさせていただきます。
 まず年金関係でありますが、今ほど広野委員から話がありましたのは、これは農家のサイドでありますが、農林漁業団体の職員の年金であります。これは、見てみますると、他の年金で一番高いのが地方公務員共済組合が月額平均二十一万七千円、一方農林年金の方は十五万八千円、月額でもって五万九千円も差がある。この点についてどのような認識をお持ちで、今後どのような考え方で進んでいくのか、これをまずお聞きしたい、こう思います。
#53
○東政府委員 年金の支給額について差が生ずるというのは、制度の大体の整合性をとりつつ一元化の方向へ向かっておりますので、やはりそれなりの要素が入っているのではないかと思います。例えば勤務年数それから給与の水準そのものというようなこともあると思います。特に厚生年金と農林年金の場合、農林年金の受給者というのはどちらかというと農村部といいますか、地方での勤務者が多いというようなこともあろうかと思います。そのかわりに、住んでおられるところも地方でございますから、生活コストの面もあると思います。そういうことで、同じような方式で計算をしておるのですが、自然にそこに差が出ておるということが現実ではないかと思います。
#54
○木幡委員 局長のおっしゃるところは八割方当たっておると思うのですが、二割は若干違うのですね。と申しますのは、今の話ですと、例えばJRでいきますと十八万三千円。これでも農林年金よりはるかに高い。ですから、その長い経緯とかあるいは持っている財源とかと関係なしに根本的に農林年金そのものが低いということを認識いただいているのかどうか、それに対してどうするのだということの考え方をお聞かせいただきたい、こう思います。
#55
○東政府委員 支払い方法で細かいいろいろな計算式があるのだろうと思いますけれども、まず一つは、認識として、農林年金の受給者の方が他の年金より平均で比べてみますと低いということは事実としてございます。その計算方法についてはある程度統一された計算でやっておりますので、これからまた一元化というような方向もございますので、徐々にそちらへきちっとした合わせ方がされていくのだろうと思いますけれども、そういうふうな認識でおります。
#56
○木幡委員 その一元化についてでありますが、一元化の問題は大変難しい問題が山積をしておるのは承知をしておるのでありますが、この一元化の中で農林漁業団体からは、この経緯とそれから特徴というものをきちっと踏まえた上で、関係省庁、特に農水省は当たっていただきたい、こういうことでありますが、その辺の基本的な考え方についてはどのようにお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
#57
○東政府委員 先生御指摘のとおり、農林年金制度というのは、御承知のとおり農林漁業の団体が農林水産業それから農山漁村の発展に寄与しているという点に着目して、資質のすぐれた職員また役員を確保するということを主眼としておりまして、三十四年に厚生年金から、先ほども御指摘ございましたとおり分離したわけでございます。資金の自主的運用だとか、組合員のニーズに合わせた福祉事業というようなことをやっているということが一つの独自の部分を有しているというふうに理解しております。
 先生御指摘のとおり、一元化というのはいろいろな問題がありまして、特に財源の問題等大変難しい問題がございます。これは、特に財源問題などは非常に大きな調整を要するところでございますので、今のところ、閣僚会議のもとに一元化の懇談会を設けて検討していただいておるわけですが、それはちょっと違った形のスタイルになっておりまして、学識経験者のみでなくそれぞれの年金の関係者が入って、合意ができるようにということで進めていただいておりまして、この場で十分な合意形成が行われるということで、農林年金につきましても、その特色を生かしたような方向で、この中で話し合われていくのではないかというふうに期待しておる次第でございます。
#58
○木幡委員 これは、特徴的なことで一番大きな問題というのは、職員の数がこれから先どんどん減ってくるということでありますね。今、農林漁業団体の被保険者数五十一万に対して、受給権者が十二万人。これは比率で二三・七%でありますが、これはこれから先、後ほど質問申し上げますとおり、農協の改革合理化、二段方式というものを進めていくことによって、どんどんいわゆる被保険者数というのは減っていくわけですね。
 そういうことを考えたときに、特徴を出すということは、要するに大変先行きが見える状態の農林漁業団体に対してどのようにやっていくか、こういうことであろうと思うのですね。とりわけそういうことになりますると、これは、やおら被保険者の数が少なくなれば掛金が多くなる、掛金が高くなるわけでありますから、今与野党間で協議をしております基礎年金の国庫負担率の引き上げの問題が、当然、農林漁業団体は他の年金の団体以上に深刻な問題になっている、こう考えざるを得ないわけであります。
 当然これは、きょう今、もう与野党協議をやっておるさなかでありますから、今の段階で、大臣がこの基礎年金の国庫負担率の三分の一から二分の一に引き上げることについてどのような考え方をお持ちなのか、現時点で結構ですからお聞かせをいただきたい。
#59
○大河原国務大臣 先ほども千葉委員なりにお答え申し上げたところでございますけれども、基礎年金に対して三分の一の国庫補助、それから社会保険料の増大、したがって国庫負担の増加をいたすべしという御議論もございますし、また特に、ただいま先生が農林年金の長期の安定というようなことを考えれば国庫負担に期待すべきである、増額すべきであるというお話があるわけでございますが、やはり本来の考え方としては、先生もお話しになったとおり、一元化、これによって各制度間の負担の均衡、その他バランスをとりながら安定させるということが本道ではあるまいか。この問題につきましては、農林年金問題が今後非常に多くの課題を抱えているという点に対する回答としては、一元化を進めるべきだというふうに私は思っております。
#60
○木幡委員 たった今の情報ですと、与党の一部にも、当然国庫負担率の引き上げというものをやっていかなければならないというような動きになっているやに、たった今入った話でありますが、これは当然国庫負担率の引き上げというのは国民的課題であろう、こう思うのでありますね。
 とりわけ、くどいようですが、農林漁業団体の職員の問題については、今申し上げたとおり、大変先行き合理化を進めていかざるを得ない状況になっている。とすれば、なおのこと、関係大臣と
しては政府内において、大変大蔵省がきつい状態だそうでありますが、今や国会と官邸の中で、国会の中は当然そうあるべきだ、しかしながら官邸の中は大変難しい状態だということでのせめぎ合い、こういうふうに認識をいたしておるわけでありますから、どうぞ閣内にあっても関係大臣としてしかるべき御発言をお願いしたい、こう思うところでございます。
 年金に関係いたしまして、実は土地改良区の問題で、これは御承知のとおり、土地改良区と土地連というのがあるわけでありますが、土地改良区の全国の数は七千八百九十二だそうであります。職員数が約一万八千人。土地連は、全国連と四十七都道府県で各一つずっということで四十八。この中で、土地改良事業に現場で努力をなさっている土地改良区の職員と土地連の職員との給料の格差が年々開いてきまして、大変な問題になっているというふうに聞き及んでいるのでありますが、その辺のところについてはどのように把握なさっているか。
#61
○入澤政府委員 平成五年度の農林年金の事業統計年報によりますと、土地改良区の職員の標準給与水準は月額二十五万八千八百七十四円でございます。これに対しまして、県土連の職員の標準給与水準は三十一万七百四十八円となっております。
#62
○木幡委員 同じ土地改良事業でひとしく現場で努力をしている職員が月々六万円も違うという状態を放置しておくと、これは将来当然この給与水準が年金にもはね返ってくるわけでありますから、この問題を考えたときに、実は、土地連の歳入、収入と改良区の歳入といいますか収入といいますか、この辺のところをよく精査をしなければならない、こう思っておるのでありますが、この点について、もしお考えがあればお聞かせをいただきたいと思うのです。
#63
○入澤政府委員 これは土地改良事業を行う者が自主的につくる団体でございまして、その経費は組合員の賦課金で賄うことが基本でありまして、これにつきまして精査するということは、私どもは権限の問題としてもできないと思います。
 しかし、土地改良区の経営基盤を強化し、職員の給与水準を上げるということは土地改良事業の円滑な推進にぜひ必要だということで、まず第一に考えますのは、今七千八百九十二あります土地改良区を財政基盤の強化をも含めまして六千八百ぐらいにまず合併統合させたい、そのようにして経営基盤を強化したいというふうに考えております。
#64
○木幡委員 これは今局長お話しのとおり、改良区といいますのは事業を実施しなければ歳入、収入がない、こういうことでありますね。土地連の場合には、当然、各都道府県の土地改良事業の公共事業についてのコンサルの委託のコンサル料、あるいはメンバーであります当該都道府県の市町村自治体からの分担金、負担金というものが安定して入ってくる。ですから、土地連そのものは安定収入によって賄うことができるが、現場で土地改良事業に、地権者交渉やらあるいはもろもろの、交換分合等々の大変難しい地権者との折衝に当たっている現場の土地改良は、御承知のとおり、事業によっての賦課金ということでありますから、これを極論をいたしますると、もし土地改良事業がいまだその地区で合意形成がなされなくても、土地改良区の維持のためにはしゃにむに事業を進めていかなければならないという問題も一部出てきているのでありますし、あるいは、逆に言いますると、本当によりよい土地改良事業をするための計画を、地元の地権者の方々と合意形成をする前にあらかじめの計画で進んでいかなければならないといったような問題が生じているというふうに私ども現場で見ているのでありますが、その辺の問題についてどのようにお考えなのか、局長の考え方をお聞きしたい、こう思います。
#65
○入澤政府委員 御承知のとおり、土地改良事業を推進するためには同意を得なければいけません。そのために、日夜、土地改良事業に関係する人、それから都道府県あるいは市町村の職員も含めまして、同意をとるための説得手続を一生懸命やっているわけでございますけれども、そのようなことに対して、私どもは可能な限りいろいろな角度から助成していかなければいけない。
 その意味では、私ども、土地改良区の活性化対策という名目のもとに、土地改良区の将来構想を策定したり、あるいは基本計画を樹立したり、あるいは合併をしたりする、そういうふうな指導について助成しておりますし、それから、土地改良推進対策といたしまして土地改良区を画定して土地改良施設を維持管理する、そしていろいろな助成をするとか、あるいは土地改良区の組織基盤合理化開発事業とかあるいは土地改良施設維持管理適正化事業、名前はいろいろとありますけれども、要するに、土地改良区が維持、発展していくためのいろいろな必要な経費につきまして、所要の予算措置はしております。
 しかし、これが十分であるとは必ずしも思っておりません。それは、土地改良区という団体の性格からして一定の制約があることは私は免れないと思います。しかし、土地改良事業発展のためには、円滑な事業推進のためには、やはり土地改良区の職員がきちんと事業から来る賦課金を得て一定の所得水準が確保できるようにしなければいかぬというふうに考えております。
#66
○木幡委員 土地連並びに土地改良区の問題は後日またお話し申し上げたい、お聞きしたい、こう思います。
 農協の問題に入らせていただきますが、先ほどお話し申し上げましたとおり、掛金を納めなければならない被保険者数というのを、これをどんどん減らしていかなければならない、減っていく。それは何かと言いますると、これは、ラウンドを受け入れた今日、最も忘れがちな国内農業の問題の中で、農協の改革というものがある、こう認識をいたしております。
 とりわけ、平成三年三月の総合審議会の答申にもう既に、三つの重要な項目の中の一つとして農協を合併しろ、これは一つです。当時は、全国で千にしろ、各都道府県平均で約二十ぐらいにしろ、こういうことでありました。二番目の原則が、二段方式にしろ、都道府県連を廃止して全国連と単協だけにしろ、これは二番目の原則。三番目が、自己責任の経営体制をしなさい。これが平成三年の、もう既に三年前の三月の答申であります。
 もちろんその後、全中初め各都道府県中央会が精力的に農協の合併を推進をしているということは聞き及んでおりますが、都道府県連の問題になりますると、年次計画の中の要員計画は四十七都道府県どこでも新規採用をしているということになれば、果たして、単協には合併を推進をさせているが、都道府県連そのものはこの平成三年の答申あるいはこれを受けた今後の農協系統のあるべき姿に対して積極的に進んでいるのかどうかということに対しては、甚だ疑問と言わざるを得ない。その辺の指導についてお聞かせをいただきたい。
#67
○東政府委員 職員数の問題が一つ指摘されております。
 実は、この九月の十四日に農協大会が開かれまして、それまでの間は、先生御指摘のとおり、合併とそれから事業並びに組織の二段階制というところに焦点があったわけですが、やはりずっと話し合い、これは私たちも入っていろいろお話ししていたのですけれども、農協職員数がほぼ横ばいというような状況の中で、これでいいのだろうかというようなことから、この九月十四日の農協大会におきまして、この農協大会は三年に一度ずつでございますが、三割を目標に生産性を向上させるという形で、その辺の意識を高めるということになっております。
 もちろん、これから県連をどういうふうに二段に持っていくかということは非常に大きな問題でございまして、これらについて、それぞれの都道府県の中央会を中心に方式というものが検討され、さらに国の段階で、これは私たちもオブザーバーとして参加しつつ、この事業二段、組織二段ということの具体的なあり方についての真剣な議
論が行われておりまして、もうそろそろ、ことしあたりから事業については二段になるところも出てまいりますし、これから加速的に合理化が県段階においても進められていくものだというふうに考えております。
#68
○木幡委員 この二段階、もう三年たって、今申し上げたとおり単協では積極的に合併を推進していますね。これはもう物すごく精力的になさっている。だけれども、今局長からお話しのとおり、全国段階は一部そういうものがあっても、四十七都道府県そのものが、県連が年次計画を組んで、何年を目途として、例えば何々県経済連の職員については同県内の単協に対して出向の形を最初とらせる、あるいはそのまま単協の職員として横滑りさせるという要員計画が明示されなければ、やりますよ、やりますよとは言っても、これは現実の問題として、年次計画で来年の例えは県の経済連の職員採用試験を受けて新規採用を行っているということからすれば、これはなかなかできないのではないか、こう思うのです。
 年次計画を組んで、今のような人員の配置についても話をするように指導なさっているのかどうか、それをお聞かせいただきたい、こう思います。
#69
○東政府委員 一般的に、農協は自主的な団体ということで、私たち、どちらかというと農協の合理化というものにつきましては、御支援申し上げるという立場で進めております。したがいまして、こうしろ、ああしろというような指導を厳しくやるということではなく、やはり自主的なものとしてやっていっていただく。それがこの農協大会で初めて生産性向上ということが強く打ち出され、これから私といたしましては各県連で、各県を中心にその合理化計画が立てられていくと思いますが、計画的に人員を減らすかどうかというようなことにつきましても、やはり自主的な機関としての自主性に任せざるを得ない。
 ただ、私たちとしては、一つの目標が全国で立てられておりますので、やはりそれに向かっての努力ということをこちらから、県の場合には直接ではございませんけれども、御助言できる立場になったのではないかというふうに思っております。
#70
○木幡委員 これは、経済団体であるからその自治というものを尊重する、あるいは系統内でもってそれぞれ意見を出し合って最終的な結論がどこに来るのかよく見守る、こういうことは、当然それは原則ではありましょうが、しかしながら指導監督機関が農水省でありますから。
 それで、とりわけこの問題と、もう一つの問題で大変な問題が生じておりますのは、バブルのときの外債の問題であろう、こう思うのであります。
 当然、都市銀行あるいは生保、損保、それぞれバブルの時代に抱えた外債の為替差損といった問題で、ことしの経常利益の中から損金処理を行っていく都市銀行が出ている。しかしながら、系統農協も御多分に漏れず恐らくや為替差損をこうむった、こういうふうに考えておるわけでありますが、これは系統農協全体の中で抱えた外債、今抱えている外債、そしてまたそれが円建て、ドル建て、どのくらいの比率になっているのか、もし手元に資料があればお聞かせをいただきたい、こう思います。
#71
○東政府委員 まず、単協につきましては、外債の取得は認められておりませんのでこれはございません。
 そこで、次に信連でございます。信連につきましては、御承知のとおり全国で五十二兆の資金量でございますが、そのうち外国証券に、証券というのはただ株券だけじゃなしに国債その他ございます、そういうものへの投資は一兆一千億強ということでございまして、全体の資金量からしますと二%程度のものでございます。これが信連でございます。
 それから中金、農林中金でございますが、これにつきましては、三兆七千億強のものが外国証券という形でございます。これは六十兆ぐらいの資金規模でございますから、大体の割合がおわかりいただけると思います。
 これらのものでございますが、円建て債が非常に多うございます。例えば、特に信連につきましては外国での、外へ行ってのその外債への投資ということができませんので、ですから国内で取得することになります。したがいまして、多くの場合は円建て債が多うございます。ドル建てといいますか、外貨建て債もございまして、恐らく四分の一ぐらいでございます。金額的にも二千六百億ぐらい、信連の場合、先ほど言いました一兆一千億の外債のうちの二千六百億ぐらいが外国の通貨建ての債券でございます。
 それらにつきましては、ほとんどが何らかの形でそのヘッジをしておりまして、そういう意味でそれほど為替差損というものは、これは幸か不幸かごの為替の操作というようなことは余り得意な方じゃございませんので、大きな損失というものは聞いておりません。また、中金の方は、外でのいわゆる預金といいますか資金調達がございますので、それとやはりこの外国証券との間でバランスがとれておりまして、そういう意味で大きな外債、外国証券を取得することによる為替差損ということは生じないというような形になっておりまして、比較的それは影響は少ないと思います。
#72
○木幡委員 局長御指摘のとおり、余り得手でない分野かもしれませんね、系統農協団体は。だからこそ住専みたいな問題が出てくるんですね。ですから、この問題もある程度明らかにできるものは明らかにして、余裕金の運用の仕方についてはしかるべき、まあもちろんこれは大蔵省との兼ね合いもありますが、何といいましても指導監督省庁が農水省でありますから。これは、ある日突然損失がこれだけ出ましたということになれば、今の農協系統は、合理化のおくれだあるいは後継者の減少だ、あるいは不良債権の抱え込み、畜産を中心とした不良債権の抱え込み等々によって大変厳しい中にあって、この組合員からいただいた、お預かりしているお金を資金運用でまた為替差損を出すような状況になれば、これは踏んだりけったりになるわけですから、ある日突然住専の問題のように新聞でぱっと出るという状態ではなくして、今ある合わせて四兆強のこれは大変な外債でありますから、これについては指導をきちっとしていただかなければならない、こう思います。
 その中で、特にこの抱えている外債、円建てが多いと言いますが、ドル建ての問題はこのままほうっておけばなかなか前に進みませんね。とすれば、このドル建てのままでアメリカやあるいは東南アジアに対する農業関係の投資に逆に使った方が、我が国が東南アジアやあるいはアメリカといった関係国との農業問題、摩擦が生じているものに対して幾分か和らいだ状態になる。なおかつ資金運用としてはプラスになるということを考えてみてはどうか、こう思うのですが、その辺についてはどのようにお考えですか。
#73
○東政府委員 外国証券といいますか、外債等をどの程度、どのような保有をしているかということとも関連するわけですが、こういう外国での債券の取得というものが一部農業関係に、二次的な形ではございましょうが、貢献している点はあろうかと思います。ただ、一般的にいいまして、農業そのものに対する投資というのは非常に効率が悪い面がございまして、アメリカにおきましても、やはり農家に対する特別の金融制度ということで、一般市中金利よりも安い金利の資金を供給するというスタイルが諸外国でも一般的でございます。我が国もそうでございまして、なかなかそこのところはいわゆる効率的な運用というものとの関係では問題があろうかと思うわけでございます。
 また、開発途上国ということになりますと、これはもうODAという形で、政府の海外援助という形でやっていかないと、これはちょっと民間の銀行もなかなか無理でございますし、それから、こういう農業関係の資金といえども、やはり効率運用ということを中心にいたします。特に、先ほど来お話がございましたように、コストの高い資金でございますから、なかなかそこは直接的にや
るのは難しいんではないかというふうに考えております。
#74
○木幡委員 時間になりましたから、最後に一つだけお尋ねしておきたいんですが、実は北海道が中心だといいますが、全国でその動きになってきておりますが、先ほど局長のお話のとおり、二段方式を進めていると言ってもなかなか遅々として進まない。そのために、組合員農家が、資材が系統農協よりも商系の方がはるかに安い、そのために第二組合あるいは広域農協といった形の組合をつくる動きがもう全国で出てきているというのは現実なんでありますね。生協と農協といいますのは、そもそも、一人は万人のために、万人は一人のために、資本力の少ない者同士が寄り集まって、集まったお金でもって共同購入して安い資材を組合員に供給する、経済行為としてはこれが一番の大きなねらいで、にもかかわらず、途中マージンが多過ぎる、要するに農協の合理化が進まない。そのためにこのような第二組合、広域農協といったものが出てきている。これは改革がおくれればおくれるほど全国的な規模になっていくということになると思うのですが、この動きについてどのように認識をなさっているのか、あるいはこれを是とするのか非とするのか、あるいはこれら農協についてどのような形で対処をしていくお考えなのか、最後にお聞かせをいただいて、質問を終わります。
#75
○東政府委員 やはり一番そういう資材の供給関係で合理化をしなければならぬということを痛切に感じているめはそれぞれの農協であろうと思いますし、また、連合会であろうと思います。そういう意味で、合理化を進めていかなければいけないという意識のもとに、現在ある程度の合理化が進んでいるというふうに考えます。
 ただ、これは北海道の例で、先ほどお話しのあった点でございますが、実は農協法によりますと、事業が健全に行われない場合等を除きまして認可しなければならないということになっておりまして、これは健全に行われないということが見込めない組合でございましたので、設立は許可されたわけでございます。
 農協の場合は、先ほど先生お話しのとおり、総合農協の場合には大勢の組合員に対して安価なものをということになりますから、一部の非常に大規模な方ですとか、そういう方々にとってはむしろほかから買った方が安いというようなこともあって、その辺はいろいろな形で、奨励金というような形でバックペイをするわけですけれども、やはり不満が起こる場合があるということは事実でございますが、そういう方々は他から購入できないわけではないんで、そちらからの手当て等をやっておられますが、今のところ私の方、寡聞にして、ほかにこういう農協を、供給農協をつくるという動きをちょっと知らないのでございますが、北海道の場合は、そういうことで、許可しなければならないという立場から許可されております。これが余り変な形で、曲がった形で運用されないように、我々十分気をつけながら、行き過ぎな状況があれば十分な指導に努めていきたいというふうに考えております。
#76
○木幡委員 ありがとうございました。
#77
○中西委員長 遠藤登君。
#78
○遠藤(登)委員 与党の皆さんを代表させていただきまして、二、三質問をさせていただきます。
 高齢化社会に向かって、年金制度の改革というのは極めて大事な課題であります。それで、今回法改正の中で、一つは、雇用保険との併給調整を緩和するという問題でありますが、雇用保険の失業給付、これはいわば労使関係で積み立てをして蓄積をされてきているという制度であって、一面からいえば、これはまた労働者の権利でもあるのではないかというふうに思います。それで、併給は禁止するということは少し過酷ではないのか。これはこれからの改善点にもつながるわけでありますが、移行措置はとれないのか、五年間くらいの移行措置をとれないか、そして五割くらい支給するというような制度にならないものかという点でありますが、これからの改善ということにもつながっていくということでありますが、どのようなお考えに立っていらっしゃいますか。ちょっとお聞かせをいただきたい。
#79
○東政府委員 お尋ねの点、退職の共済年金と失業給付との関係でございますけれども、やはり両方を一緒に給付しておりますと、例えば、御承知のとおり失業給付というのはある一定期間給付を受けるわけでございますが、その期間はではやめておいてそれからまた再就職するかというようなことにもなりかねないというようなことで、むしろ逆に高齢者の就業意欲を阻害する可能性もございます。要するに半年だか一年近くまでもらえるわけですから、そこで逆に、もうこれでやめちゃうかということで離職してしまうというようなことにもなりかねない、そういうふうなことが起こり得るという点が一つでございます。
 それからもう一つは、社会保障として両方が給付されるということについては、これは六十歳以上の方で就労し続ける、給与が下がりながら就労し続ける方とのバランスというようなことも考えた場合、やはり過剰ではないかというふうなことから、両者の併給調整をやるということに、今回他の共済制度と同じように提案をしているわけでございます。
 なお、これはすぐに実施いたしますと、自分が六十歳になったらちょっと失業しておいてそれからまたちょっと何かやるかというような形で生活設計をやっておられる方もございますので、ここの部分については平成八年四月からの実施ということで、他の、主として来年の四月一日からやるのに比較いたしますと、ここのところは一年間猶予を持たせてやろうとしておる点は御理解をいただきたいと思います。
#80
○遠藤(登)委員 いろいろ他の、これはそれぞれ年金制度のバランスの問題もあるし、財源の問題もいろいろあろうかと思いますが、今後一元化などに向かえばこの問題は解消されるという部分もあると思いますが、十分ひとつ御検討をいただきたい。
 それから、障害年金の給付基準の改善の問題でありますが、これも一元化になれば解消される問題だとは思いますが、国民年金あるいは厚生年金などについては、所得あるいは年金の制限がない、いわば給付の条件が満たされれば全額支給されるという仕組みであります。農林年金の場合は、一級あるいは二級の障害基礎年金の給付関係は除いて、一級、二級は除いて所得制限がある。したがって、在職中はほとんど支給されていないのではないか。年金制度が、いわば障害年金制度の趣旨がもっと生かされるようにありたいものだということでありますが、どのようなお考えに立っていらっしゃいますか。
#81
○東政府委員 農林年金制度のもとにおける障害年金というのは、他のいわゆる共済年金と同じような立場でございますが、これは特定の職域年金ということで運営しておりますので、原則としてその職域から離脱するということが年金給付の条件になりまして、これは障害年金としても同様でございます。したがいまして、一級とか二級とかという障害が起こったために退職されたということの場合には、障害年金は当然支給されます。
 それから、もう一つ。障害を受けたがために在職中でありながら給与が低くなる、相当の低い、一定の基準以下になるというようなことについては、これまでもある程度の在職支給、在職中の障害年金の支給ということも考えられているわけでございまして、それらについては、今回の改正で多少増加されるということでございます。
 ちなみに、平成五年度末で全額支給停止となっている、これはほとんどの場合、職場へ、もとに復帰されているということのようでございますが、百五十人ほどいられます。それから、在職支給の仕組みで一部の年金が支給停止となっているというのが六十七名ということになっています。
 そういうことで、職域年金としての限界であるというふうに御理解いただきたいと思いますが、先ほど先生がお話がありましたとおり、やはり一元化との絡みでどう持っていくかという問題の一
つであろうというふうに考えております。
#82
○遠藤(登)委員 これは十分検討される課題ではないか。
 それから、在職年金の所得制限の問題でありますが、先ほどもいろいろお話ありました。三十四万という制限、これは超高齢化社会に向かって意欲を持って働くということ、あるいはそれと連動して所得の関係ですね、三十四万というのはちょっと低過ぎるのではないか。これも一元化に向かっての一つの課題ではないかと思いますが、少なくても四十万とか五十万に引き上げる必要があるのではないか、こういうふうに思うのでありますが、これらの点についてどのようなお考えに立っているでしょうか。
#83
○東政府委員 在職支給制度の所得制限というものは、これは各年金とも同じ水準で統一をして、今御議論をお願いしている点でございます。これは、平成五年度末の男子労働者の平均賃金ということを基本にして、その三十四万円を超える場合にその賃金増加分の年金支給を停止するという形になっておりまして、そういう意味でやはり平均賃金ということとの絡みが一つございます。
 それと、もう一つは、やはりこれからの世代の方々に相当やはりこの年金制度というのは負担をかけることになるわけで、余りここのところが高額になるということになりますと、またそれは年金の掛金率に響いてくるというような点もございます。そういうことを勘案して、先ほど申しました平均賃金ということを基準にして調整をしておるということでございます。
#84
○遠藤(登)委員 超高齢化社会というのは、何といってもやはり、高齢化社会の中での活力というかやりがいのある社会をつくるということを基本的な課題として、年金制度のありようについて非常に大きくかかわってくると思います。今後、一元化に向かってあるいは制度の改善に向かって、各般の立場から検討が加えられると思いますが、十分今後の課題として御検討いただきたいというふうに思います。
 それから、この支給開始年齢でありますが、今の制度でもやはり船員とか鉱山労働者などについては特例枠というものを設けているということでありますから、この農林関係の分野においても、職種によってあるいは業態などによって特例枠というものを設置する必要があるのではないか。これも一元化に向かっての一つの課題ではないかというふうにも思いますが、どのようなお考えに立っていらっしゃいますか。
#85
○東政府委員 特定の職種や業態の者について特別の年齢による支給をすべきではないかというようなお話だったと思いますが、支給開始年齢に差を設けるということにつきましては、負担が同じでありながら職種によって給付の差が生ずるということになりますので、職域内での理解と合意がなかなか得にくいのではないかということが一つ問題があると思います。
 それからもう一つは、年金制度の一元化ということで、できるだけそういう差をなくすという方向で今やっていかないと、農林年金の中で格差のある支給年齢というようなものを持った制度といたしますと、それがむしろ障害になっていくわけでございまして、やはり他の被用者年金制度との整合性を図るという観点からもそこはなかなか難しい問題ではないかと思います。
 そういう意味で、この支給年齢を業態によって分けるということは、農林年金の場合には過去にもやった経験がございませんし、今のところはとるべきではないのではないかというふうに考えております。
#86
○遠藤(登)委員 これも、一元化に向かって解決される問題だと思います。
 最後に、兵役期間の通算の制度の問題であります。
 これは問題提起ということになると思いますが、御案内のとおり、国家公務員あるいは地方公務員は兵役期間の通算がずっとされてきているわけです。民間とか自営業者は、同じ国の命令に従って兵役期間に服務したという期間が通算されない。これは大変問題になってきた経過があります。ぜひこれは早い機会に、一元化を実現をするということと連動して、この不公平な制度の改善に向けて十分御検討される問題点ではないだろうかというふうに思います。今後に向けての問題点の一つとして提起をさせていただいて、質問を終わります。どうもありがとうございました。
#87
○東政府委員 先生御指摘の兵役期間の問題でございますが、兵役期間は恩給期間ということになっておりますので、その負担は全額国庫負担ということになっております。ところが、農林年金、国民年金、厚生年金、私学共済、この四つについては対象が民間であるということでございまして、これは保険料や掛金に応じた給付を行うということでございまして、兵役期間のある者だけを特例的に扱うということはやはりなかなか難しい問題だと思います。
 しかしこれは、一方、公務員共済年金制度にはこれは通算になるような形になっておりますし、これはやはり今御指摘のとおり、公的年金制度全体の問題として検討すべき問題だというふうに考えます。
#88
○遠藤(登)委員 終わります。
#89
○中西委員長 藤田スミ君。
#90
○藤田委員 午前中の議論を聞いておりましても、国民は今度の年金改正でどうなるのかということを十分知っていないという御発言がありました。そのとおりだと思います。そして、東経済局長もそのことを認められ、これから理解を得るようPRをしていきたいとおっしゃいました。私は、こういうことがあるから、参考人質疑も行い、この改正案については徹底的な議論をするべきだということを申し上げていたわけであります。本日二時間の午前中の審議は一巡のものとして、さらに徹底審議を行われることを私はまず委員長に申し上げて、質問に入ります。
 今回の法改正では、退職共済年金の支給開始年齢を六十五歳とし、六十歳から六十四歳までは現行の半分程度の別個の年金を支給するとしています。農林漁業団体の定年年齢の状況は、九二年度で五十九・四歳、まだ六十歳定年制も実現していません。まして六十一歳を定年としている団体の割合は四・二%、総合農協の単位団体ではわずか〇・二%であります。さらに、六十歳定年が形骸化し、定年まで働き続けることができない実態があります。
 農協では、役付定年制、選択定年制が進められてきておりまして、ひどいところでは、五十歳で役付ポストを外され、若い職員と同様手足になって働けと言う、そういう状態の中では役付職員はとても働き続けることができない姿になっております。また、三十カ月分退職金を上乗せするから五十歳で早期退職をと勧めるような団体も出てきておりまして、特に合併農協では、定年前にどんどんやめていくという訴えも聞いております。
 あなた方は雇用促進と言われますけれども、そういう実態を知らないはずはない。このような農業団体の状況でどうやって定年延長をやるんですか、再雇用の場をどう確保するとおっしゃるんですか。実効ある方策をここで示してください。
#91
○東政府委員 まず、私が先ほどお答えした、要するにどの程度今回の年金の改正について知られているかということですが、現在の政府が提出しております改正案につきましては、昨年の三月に全農林組合員に……(藤田委員「簡単にしてください」と呼ぶ)失礼しました。それで、これで変わっていった後のことがこれから問題でございます。
 次に、今後の雇用問題でございますけれども、六十歳定年ということが相当行き渡っておりますが、六十歳を超えて六十五歳までというのは、賃金と年金と両方でという形でございまして、定年制は六十歳、そこから先の雇用をどうするか。そこに高齢者の雇用促進という形で、政府としては先ほどお答えしたようにいろいろな種々の手を講じてやっていく。また、農協の方も、再雇用のセンター等をつくって六十歳を超えた方の再雇用ということに励んでいくということでございまし
て、それらを助長していきたいというふうに考えております。
#92
○藤田委員 とてもそれでは、そうか、安心だと言うわけにはいかないんですよ。
 JAの第二十回大会は、経営危機を理由にして総人員の圧縮を方針に打ち出しています。それから、共済組合の代議員による会議の中でも、「JAの経営環境、組織整備を考えれば、多くのJAがリストラに直面しており、定年の延びは期待薄」、こういうふうに将来の危惧を示しているではありませんか。働く場の確保は全く不確かで、年金の支給繰り延べだけは法律の改悪で国民に押しつけて、先取り的に六十歳からの年金は半額にする、こういうことでは、全く定年延長の見通しもない、退職後の仕事の保障もないままほうり出されるということになるではありませんか。余りにも無責任だ、こういうふうに考えるのです。大臣いかがですか。
#93
○大河原国務大臣 藤田委員のお話でございますけれども、政府を挙げての高齢者の雇用機会の確保あるいは多様な形態による雇用、就業の確保ということで今日当たっておるわけでございまして、したがって、六十歳代前半の雇用促進的な年金の導入と雇用政策の推進と、その両者が相まちまして目的を達成できるというふうに私は確信しております。
#94
○藤田委員 九三年度三月現在、農林年金の退職年金の平均月額は十五万八千円です。その半額では八万円以下にしかなりません。
 農林漁業団体職員共済組合が九三年三月に発表した「組合員の生活実態及び意識に関する調査報告書」を見ますと、農業収入がある人は三八%、そのうち二〇%は農業所得そのものが赤字で、給与で赤字補てんをしているということになっています。老後の生活費に六四%の人が、現況のこの年金制度のもとでも六四%の人が不安を感じており、定年後は年金が頼りだ、年金収入がなければ生活できない、こういうことになっているわけです。老後の生活を二人で暮らした場合に、月二十万から三十万生活費が必要だという人が六割近くを占めています。
 ところが、年金を半額に削られて、七、八万では到底生活できないですよね。給与収入と年金とで生活をしてもらいたいということではあっても、六十歳まで働くのが体力的にも精神的にも精いっぱいだというような声もこのアンケートの中では出ています。そうすると、六十五歳まで働けない人、働く場が得られない人はどうしたらいいのか。雇用保険を受ければ年金はストップ、そういうことで一体どうして定年後の生活を維持することができますか。
#95
○東政府委員 今回、基本的な年金の考え方を六十歳代の方について変更するということで、六十歳前半の年金につきましては、賃金と年金を中心の生活を基本とするということで考えておるわけでございますが、この別個の給付のほかに、もし御本人が希望されるとなれば、老齢基礎年金の部分の繰り上げ支給ということは可能でございます。そういう形でやることも可能でございますが、政府としては、先ほど大臣がお答えいたしましたとおり、できるだけ高齢者の六十五歳までの、例えば六十歳で定年になっても、その後は賃金が多少下がっても何らかの形で雇用が促進されるように努力をしていくということでございます。
#96
○藤田委員 基礎年金は、四十年間、一カ月の滞納もなく保険料を支払って、六十五歳からやっと六万円程度の支給が受けられる、こういうことなんです。そして、六十歳から繰り上げ支給ということになると、四二%減額されます。それが六十二歳で二八%、六十四歳でも一一%の減額ということになるのです。とてもこんな微々たるものでは生活ができないことは、言うまでもありません。結局、老後の生存権、そういうものにかかわってくるわけであります。
 掛金の問題に移りますが、平成五年度の財政再計算に基づく掛金率の見通しては、現在千分の百六十三が五年ごとに三十ずつ引き上げられ、最終的には三百二十九まで引き上げるとしています。二〇二〇年には給与の一六・五%、労働者負担分で一六・五%も年金の保険料として引かれることになります。さらに、ボーナスからも保険料徴収をするということになっています。
 各年金制度の標準給与の平均額を比較してみましても、農林漁業団体の職員の給与水準は、他産業の労働者に比べて格段に低い。掛金率は、他の年金よりもまた高くなっています。掛金率のアップが大き過ぎて、少々のベースアップでは実質賃下げになるというほど、生活を圧迫するものになっているのです。これは現状でもそうです。ことしは財政再計算で掛金率の見直し作業が行われますが、これ以上掛金率が引き上げられれば、現役労働者にとっても耐えがたい負担増になるというふうに思うわけですが、この点はいかがお考えですか。
#97
○東政府委員 掛金率の問題でございますが、恐らく再計算をした場合に、今の掛金率よりも上昇というようなことになってくるのではないかと思います。また、現在の制度のままいきますと、さらに高いところになっていく。それを抑えなければならないという一つの問題がございまして、特に現在の状況から見て支給年齢を引き上げることができるのではないかというようなことを中心に現在の提案をしておるわけでございます。
 そういう意味で、今後の世代間のバランスのとれた負担というようなことを考えていった場合、ある程度、今の給付とそれから掛金というもののバランスを考えていかなければならぬというふうに考えております。
#98
○藤田委員 結局、現行ではもっと上がるよ、ええんか、というような調子で、それを抑えるために今回繰り延べもし、それから年金額も六十五歳までは減らすということで、つまり、そういうことを言いながら、それをやれば年金掛金は低くなるよと言っているわけですが、結局あなた方のすることは、国の社会保障、福祉に対する負担を大幅に削減し続けながら、国民にのみ負担増を求め、老後の危機だけを残す、そういう改悪の中身になっているわけであります。
 あなた方は、口を開けば高齢化社会危機論ということをおっしゃるわけですけれども、このことは我が党はもうしょっちゅう予算委員会でも取り上げ、労働省も認めておりますが、その社会を支えることができるかどうかという物差しとして最も重要な就業者とその就業者が支える総人口の比率というものを見れば、高齢化のピークと言われる二〇二〇年も現在もほぼ一対二で変わらないし、その間の経済成長も正当に見込めば十分支えられるものになっているわけであります。本当に高齢化社会のためということならば、労働者や国民の負担の増加を抑え、劣悪な年金水準を引き上げ、そのために年金への国庫負担を早急にふやす、そういう道をとるべきではないでしょうか。
 大臣、一方の手で社会保障、福祉を削っておいて、そのもう一方の手で国民に負担増を押しつける、これがいわゆる村山内閣のおっしゃる人に優しい政治なんですか。私は、大臣にお答えを求めたいと思います。
#99
○大河原国務大臣 最後は国庫負担増等に対する御主張に収れんされると思いますが、この点については、千葉委員、木幡委員、広野委員の御質問に対して答えたとおりでございまして、国民負担全体の観点から検討いたすべきものであるというふうに考えております。
 社会保障経費を削減と言っておりますが、これらの経費は、それそれについては、御案内のとおり、ゴールドプランあり、老人介護問題あり、それぞれ経費の充実という方向に向かっておるわけでございまして、その点で、削減というふうには我々は考えておりません。
#100
○藤田委員 国庫負担の増額というものに対して、もう一度答えてください。
#101
○大河原国務大臣 先ほども、千葉委員、諸先生にお答え申し上げたとおりでございまして、社会保険料、先ほどは農林年金の掛金率が大変上がることを例に引きましての御質問でございますが、
したがって国庫負担も増大しろというお話もございますが、繰り返して申し上げますように、社会保険方式と国庫負担との関係をどう見るか、国民負担全体の中で社会保険に対する国庫負担あるいは財源という問題を慎重に考えるべきであるというふうに思っております。
#102
○藤田委員 これで質問を終わりますが、私たちは、もう本当に早急に国庫負担を増額し、そして国民の負担を軽減し、かつ充実した社会保障確立のために努めるべきである。福祉の実態というのは大臣がおっしゃったような実態にはなっておりません。この議論は厚生委員会でもやっていると思いますし、時間がありませんから重ねてもう言いませんけれども、余りにもその実態からかけ離れ過ぎている、そういう今回の改悪は本当に許しがたいものだと最後に申し上げまして、私の質問を終わります。
#103
○中西委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時十二分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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