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1994/10/04 第131回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第131回国会 本会議 第2号
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1994/10/04 第131回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第131回国会 本会議 第2号

#1
第131回国会 本会議 第2号
平成六年十月四日(火曜日)
    ―――――――――――――
  平成六年十月四日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 河野外務大臣の帰国報告についての発言
    午後五時三十三分開議
#2
○議長(土井たか子君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(帰国報告について)
#3
○議長(土井たか子君) 外務大臣から、帰国報告について発言を求められております。これを許します。外務大臣河野洋平さん。
    〔国務大臣河野洋平君登壇〕
#4
○国務大臣(河野洋平君) 私は、九月二十一日より米国ワシントンを訪問し、クリントン大統領を、初め米国主要閣僚と会談した後、二十四日にニューヨークに移動して第四十九回国連総会に出席をいたしました。
 その際、二十七日に国連総会におきまして一般討論演説を行ったほか、エッシー国連総会議長、ブトロス・ガリ国連事務総長及び計五十一カ国の外相などと会談をいたしました。
 国連演説におきまして、私は、国際貢献についての我が国の基本的な考え方について述べた上で、国際の平和と安全の維持、経済・社会問題の解決、国連改革の必要性の三点を中心に我が国の立場を申し述べました。
 まず、国際貢献についての我が国の基本的考え方について次のとおり述べました。
 我が国は、さきの大戦の反省の上に立ち、世界の平和と繁栄に貢献するとの決意を保持しております。我が国は、憲法が禁ずる武力の行使はいたしません。また、軍縮・不拡散に積極的に取り組みつつ、みずからは核兵器を保持せず、武器輸出を行わないなど、引き続き平和国家としての行動に徹してまいります。以上にのっとり、我が国は、これまでも国連の要請を受けて、カンボジア、モザンビークなどに自衛隊や文民を派遣してまいりました。我が国としては、今後ともこのような国連平和維持活動に積極的に協力してまいります。また、最近とみにその重要性が指摘される開発、環境、人権、難民、人口、エイズ、麻薬などの地球規模の経済・社会問題について、これまで以上の貢献を行う決意であります。
 国際の平和と安全の維持については、私より次の諸点をさらに申し述べました。
 軍縮・不拡散については、すべての核兵器国に対し一層の核軍縮努力を行うよう促すとともに、核不拡散条約の無期限延長を支持し、未加入国に速やかな参加を呼びかけました。
 さらに、現在行われている全面核実験禁止条約に関する交渉の早期妥結へ向け、特に、すべての核保有国が一層積極的にこれに参画することを求め、全面核実験禁止条約の交渉が妥結した暁には、日本、例えば広島市において条約署名式を行うことを提唱いたしました。(拍手)
 また、通常兵器の安易な移転とそれに伴う過剰な蓄積の問題については、それが世界のさまざまな地域の平和に対する不安定要因の一つであり、例えば、アフリカなどの一部地域の内戦における戦闘の激化及びおびただしい死傷者発生の背景となっていることを指摘いたしました。
 国際社会がこの問題の具体的解決策について真打に取り組む必要があること、さらに、我が国の提唱により発足した国連軍備登録制度の拡充や発展が必要であることなどを訴えた次第であります。
 地域紛争の予防と解決に関しましては、和平のための外交努力や、国連平和維持活動、人道援助、社会制度の構築及び復旧・復興援助といった平和の構築のための援助を総合的に組み合わせて取り組むことの重要性を指摘し、この関連で、ルワンダ難民問題に対処すべく、今般、我が国が、医療、給水、空輸のため四百人を超える自衛隊員を現地に派遣することを決定した旨紹介をいたしました。
 経済・社会問題の解決につきましては、開発の問題及び人類共通の課題について取り上げました。
 まず、開発の問題については、変革する国際環境のもとで、新たな開発戦略の策定が求められているとの認識を述べた上で、我が国がかねてより提唱してきている援助、貿易、投資、技術移転などを組み合わせた包括的アプローチと、各国の発展段階に応じた個別的アプローチを軸とする新たな開発戦略につき述べ、その関連で、開発のより進んだ途上国がその経験や技術を他の途上国と分かち合う、いわゆる南南協力推進の重要性を指摘いたしました。
 環境や人口など先進国、途上国が共同して取り組むべき人類共通の課題については、人類や地球に対する優しさを追求していく国家としての立場から、環境、人口、エイズ、女性、人権などに対する日本の考え方を申し述べた次第であります。
 これらの課題に効果的に取り組むための国連改革については、安保理改組の重要性を指摘するとともに、国際貢献についての我が国の基本的な考え方のもとで、多くの国々の賛同を得て、安全保障理事会常任理事国として責任を果たす用意があることを表明いたしました。
 また、総会の活性化、経済社会理事会の機能強化など幅広い国連改革に積極的に取り組んでいく旨を述べ、敵国条項の削除も訴えた次第であります。
 また、私は、この機会に国連総会議長及び国連事務総長と会談したほか、中国、ザイール、タイ、エジプト、インド、イスラエル、インドネシア、ロシアなどとの会談、アフリカ、EUトロイカ、リオ・グループ、湾岸協力理事会加盟国との会合を通じ、二国間関係、最近の国際情勢についての意見交換を行いましたが、その際、各国より国連改革の必要性に対して賛意の表明がありました。
 安保理改組については、多くの国が我が国の立場を理解し、支持する旨述べましたが、あわせて地域の代表性を求める意見や、先進国と途上国間のバランスヘの配意を求める意見も出されました。
 さらに、二十九日夜に、ロシアの外相の参加も得て先進国サミット参加国外相会合が行われ、北朝鮮の核開発問題、旧ユーゴ、核密輸問題など国際社会が直面する主要な政治問題について、一層の政策強調を図るとの観点から協議を行いました。
 その際、私からは、北朝鮮の核開発問題については我が国の強い懸念を改めて表明した上で、北朝鮮との間の困難な交渉を粘り強く行っている米国の努力を多とする旨述べました。
 また、旧ユーゴ問題につきましては、これまでの国際社会の一致した努力を評価するとともに、マケドニア、アルバニアなどへの地域に紛争が波及することを防ぐための予防外交の重要性も指摘をいたしました。
 さらに、近年重要な問題として浮上してきた核密輸問題への取り組みにつきましても、取り締まり面での国際的取り組みの強化とあわせ、核物質管理の強化の方途についても検討すべきである旨を強調いたした次第であります。
 今次外相会合は、ナポリ・サミットのフォローアップ及び明年のハリファックス・サミットに向けた協議プロセスの始まりとして有意義なものであったと考えます。
 国連においては、安保理改組問題について引き続き議論が行われてまいります。私は、今後とも国民各位の一層の御理解を得て、安保理改組を初め、総会の活性化、経済社会理事会の機能強化など幅広い国連改革に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 議員各位の御理解、御協力をお願い申し上げます。(拍手)
#5
○議長(土井たか子君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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