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1994/08/23 第130回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第130回国会 内閣委員会 第2号
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1994/08/23 第130回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第130回国会 内閣委員会 第2号

#1
第130回国会 内閣委員会 第2号
平成六年八月二十三日(火曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 田中 恒利君
   理事 大石 千八君 理事 近岡理一郎君
   理事 渡辺 省一君 理事 江田 五月君
   理事 西村 眞悟君 理事 山元  勉君
   理事 貝沼 次郎君
      相沢 英之君    池田 行彦君
      葉梨 信行君    石井 紘基君
      鴨下 一郎君    佐藤 守良君
      中島  衛君    鳩山 邦夫君
      上原 康助君    田口 健二君
      弘友 和夫君    宇佐美 登君
      松本 善明君    野呂 昭彦君
      佐藤 敬夫君    増子 輝彦君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官)五十嵐広三君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 山口 鶴男君
 委員外の出席者
        人事院総裁   弥富啓之助君
        内閣総理大臣官
        房内政審議室長 藤井  威君
        内閣委員会調査
        室長      松村 淳治君
    ─────────────
七月二十二日
 一、行政改革委員会設置法案(内閣提出、第百
   二十九回国会閣法第二一号)
 二、行政機構並びにその運営に関する件
 三、恩給及び法制一般に関する件
 四、公務員の制度及び給与に関する件
 五、栄典に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 公務員の制度及び給与に関する件(人事院勧告
 )
     ────◇─────
#2
○田中委員長 これより会議を開きます。
 公務員の制度及び給与に関する件について調査を進めます。
 まず、去る二日の一般職の職員の給与の改定に関する勧告につきまして、人事院から説明を聴取いたします。弥富人事院総裁。
#3
○弥富説明員 人事院は、去る八月二日、国会と内閣に対し、公務員の給与に関する報告及び勧告を提出いたしました。本日、その内容について御説明申し上げる機会を与えていただきまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 以下、その概要について御説明を申し上げます。
 初めに、職員の給与に関する報告及び勧告の内容について御説明をいたします。
 公務員給与の改定に当たりましては、人事院は、従来から社会経済情勢全般の動向を踏まえつつ、公務員給与を民間給与に均衡させることを基本として臨んでまいりました。本年も公務員給与に関する判断材料を得るため、民間企業の給与を的確に把握するとともに、厳しい経済情勢のもとでの企業の対応策についても調査を行い、また、広く各界から御意見を拝聴するなどさまざまな角度から検討をいたしました。
 本年の調査結果によりますと、民間企業においては、厳しい経営環境の中で雇用を中心としてさまざまな措置がとられているものの、賃金改定については大部分の事業所において、低率ではありましても引き上げが行われており、官民の給与の間には放置できない較差が生じていることが認められました。人事院は、このような諸事情を総合的に勘案した結果、本年も、職員の給与について所要の改定を行うことが必要であると認め、勧告をいたしました。
 本年四月時点における官民給与の較差は、公務員一人当たり平均三千九百七十五円、率で一・一八%となっております。
 この三千九百七十五円を給与改善原資といたしまして、俸給の改善に三千四百九十円、諸手当の改善に四百八十五円配分いたしました。
 改定の内容につきまして順次御説明を申し上げますと、まず、俸給表につきましては、中堅層職員の改善を中心として、全俸給表の改定を行うこととしております。なお、改定に当たりましては、昨年に引き続いて看護職員の処遇改善に意を用いるとともに、これまで同様、刑務官、少年院教官、若手研究員等に配慮をいたしております。
 次に、手当につきましては、まず、扶養手当について、民間の支給状況や高校生、大学生等の子を扶養する職員の家計負担の実情等を考慮し、満十六歳の年度初めから満二十二歳の年度末までの子がいる場合に加算する額を引き上げることとしております。通勤手当については、交通手段が限定された島などに所在する官署に通勤するため、やむを得ず有料の橋等を利用する職員に対する特例措置を設けることとしております。また、初任給調整手当及び宿日直手当について所要の改善を行うこととしております。
 期末・勤勉手当につきましては、本年四月までの一年間における民間の賞与等特別給の支給割合との均衡を図るため、支給月数を引き下げることとしております。
 このほか、義務教育諸学校等の教頭等の俸給月額については、昇格時の俸給月額の決定方法の改正が平成七年四月一日から本格的に実施されること等にかんがみ、所要の加算措置を講ずることといたしております。
 なお、俸給の調整額について、俸給表構造の変化等を踏まえた見直しを進めていくこととしております。
 実施時期につきましては、本年四月一日からとしておりますが、通勤手当については勧告を実施するための法律の施行の時期から、宿日直手当については平成七年一月一日から、教頭等に関する加算措置については平成七年四月一日からとしております。
 次に、公務運営の改善に関し言及しております部分について御説明を申し上げます。
 行政の整合性・一体性を確保する上で、人事管理の面では省庁の垣根を越えた政府職員としての一体感を高めることが重要であります。そのため、人事院は、全省庁職員を対象とする合同研修について、研修内容の見直し、計画的受講の推進、採用後早い時期の長期研修コースの研究など、一層の充実を図っていく所存である旨表明をいたしております。また、省庁間の人事交流を一段と進めるために、出向、受け入れの両面にわたって計画的に推進するなど政府全体として取り組みを強める必要があることを述べております。
 次に、職員の勤務時間等に関する部分について御説明を申し上げます。
 本年九月から施行されます新しい勤務時間法のもとにおきましても、人事院は、総実勤務時間の短縮、職員の健康及び福祉、個人生活と職業生活との調和などの視点から、民間の動向等を踏まえながら、引き続き必要な検討を進めることを表明
いたしております。
 総実勤務時間の短縮については、政府の国家公務員の労働時間短縮対策に基づいた超過勤務の縮減の努力と年次休暇を利用しやすい環境整備が重要であり、その一環として、年次休暇の翌年への繰り越し日数の制限を緩和することとしております。
 次に、公務における高齢対策について御説明を申し上げます。
 二十一世紀の本格的な高齢社会への対応といたしまして、公務においても、働く意欲と能力を有する六十歳代前半層の職員を広く雇用していくことが必要であります。
 本年の報告では、広く高齢者雇用を実現していくため、関係各方面と連携をとりつつ、一両年程度を目途に新たな再任用や短時間勤務の仕組み等の骨格を示すべく検討を進めることを表明いたしております。同時に、高齢社会に対応し得る中長期的な人事管理システムについて研究を進めることにも言及をいたしております。
 人事院は、本年も勧告に向けて、公務員の勤務条件に関し、中央地方を通じて、広く各界から意見を聴取いたしました。表明されたところによりますと、公務員給与を民間給与に準拠して決定する方式は既に定着したものであって、人材確保のためにもこの方式のもとで給与を初めとする勤務条件の改善を進める必要があるとする意見が大勢を占めております。同時に、民間企業においては厳しい経済情勢に対応するため種々の経営努力が行われており、公務においても業務効率の向上に一層努めるべきであるとの意見も多数見られました。
 人事院といたしましても、これらの意見を重く受けとめ、公務運営の一層の改善に努める必要がある旨指摘をしております。
 以上、給与に関する報告及び勧告の概要を御説明申し上げました。
 公務員給与に関する人事院の勧告は、申し上げるまでもなく、公務員が労働基本権の制約を受け、みずからの給与の決定に直接参加できる立場にないことの代償措置として行われるものであり、公務員にとってほとんど唯一の給与改善の機会となっております。
 人事院といたしましては、職員を適正に処遇することが、その士気の高揚を図り、職場の労使関係の安定に寄与するとともに、将来にわたって国の行政運営の安定を図るための基盤であると考えております。
 内閣委員会の皆様におかれましては、人事院勧告制度が果たしている役割、職員が真摯に職務に精励している実情、さらには、給与勧告が情勢適応の原則に従い一般職国家公務員の給与を民間給与の水準に追いつかせる趣旨のものであることに深い御理解を賜り、この勧告のとおり速やかに実施していただきますよう衷心よりお願い申し上げる次第でございます。
    ─────────────
#4
○田中委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西村眞悟君。
#5
○西村委員 改新(民社党)の西村でございます。
 人事院勧告について、今御説明いただいた趣旨及び人事院勧告の制度はよく承知しております。特に、私の大阪・泉州において関西新空港ができますので、有料の橋を利用する公務員についての給与等きめ細かく配慮していただいておることに感謝申し上げます。
 この際、一つ二つ、私、質問というわけではないですが、姿勢をお尋ねしたい。
 公務員の給与は、今御説明いただいたとおり労働に対する対価でございます。労働基本権の制約を受けている公務員において、給与を改定する唯一の機会でございます。行財政改革等の議論が、ともすれば既に労働を給付した公務員の労働の対価に関して影響を与え得るかのような議論がありますけれども、そのような労働の対価と制度としての行財政の改革は別問題でございます。
 したがって、このようなシステムを持っている以上、速やかにこれを実施することが公務員の士気を高め公務の発展につながる、私はこのように考えておりますので、慣例とは言いませんけれども、従来ややもすればその実施がいろいろないわゆる事情、与野党間の事情によっておくれるというふうなことがありました。このようなことがないように速やかに実施していただきたい。政府のこの点に対する御見解をお聞かせいただきたい。
#6
○山口国務大臣 ただいま西村委員から人事院勧告に対する御見解をお述べいただいたのをじっくり拝聴いたしておりました。私の考えも全く同様であります。
 人事院勧告制度は、憲法で認められた国民の皆さん方の労働基本権、これを国家公務員法でもって制約をしている、それに対する代償措置として生まれたのが人事院勧告制度である。したがいまして、この人事院勧告制度は尊重すべきものというふうに認識をいたしております。
 御指摘のように、過去においてこの人事院勧告の実施をめぐりまして与野党間でさまざまな問題があったことを私も承知いたしておりますが、今後は、そういったことではなく、まさに人事院勧告制度そのものの意味というものを十分踏まえました上で、財政状況その他もろもろの条件もあるとは思いますけれども、人事院勧告を尊重いたしまして、なるべく早く実施すべきものという立場で総務庁としては全力を尽くしたいと存じます。
#7
○西村委員 ともすれば世間で、大蔵省公務員、通産省公務員はあるが国家公務員はないのではないか、このような批判も耳にするのでありますけれども、人事院勧告の中で、今回省庁間交流ということで、官僚、公務員の一体感を高める研修を行うということも指摘されております。また、高齢者の問題でございますけれども、民間では非常に慎重になりがちであるけれども、公務員においては民間に率先して実施できる分野であります。
 この二つについて指摘されておりますけれども、やはりこれは実施するに非常に有意義な部分であろうかと思いますので、これに対する政府の決意をお伺いしたいと思います。
#8
○山口国務大臣 お答えいたします。
 御指摘のとおり、省庁間の交流の促進というものは極めて重要であると認識をいたしております。いわゆる縦割り行政の弊害というものが言われているわけでございますが、これを是正するためにも、広い視野に立った人材の養成と相互間の交流が重要であることは言うまでもないと認識をいたしております。
 特に、各省の上級職の幹部につきましては積極的に相互交流を推進をいたしまして、現在、幹部職員では各省間の交流の経験のある者がおおむね八〇%を超えるという状況になっているそうでありますが、さらにこれを高めていく。自治体間の交流も考える必要がありましょうし、また在外公館に対する交流というものもあるわけでございます。省庁間の交流、自治体との間の交流、さらには在外公館との交流、さまざまな交流を通じまして広い視野の幹部を養成するということに努めることにつきましては、西村委員のお考えと同様であります。精いっぱい努力をいたす決意であります。
#9
○西村委員 ありがとうございます。
 実施に向けて努力していただく旨御発言がございましたので、よろしくお願いいたします。
 委員長、この機会を得まして、私は、日本の祝日に関して官房長官に質問を申し上げたいと思います。
 官房長官、私がどういう問題意識で日本の祝日に関して政府の見解をお尋ねするかということについては既にお渡ししてあると思うのですけれども、この前提として、私、非常に重要な部分についての考えを一たんお聞きしてから具体的な問題に入りたいと思います。
 我々の国は、民族と国家は分裂した経験はございませんけれども、日本以外の世界においては分裂した経験がございます。その意味で、英語圏では、国という場合に統治機構としてのステートと民族文化共同体としてのネーション、この二つの要素を分けて考えるのが常識でございます。
 我々が今規制緩和だとか税制改革だとかいろいろな議論をしておりますが、これは統治機構の部分に関しての議論でございます。政治がいかに乱れようとも、わけのわからない状態になろうとも、ネーションがしっかりしておる日本においては統治機構の動揺が民族共同体としての国家の動揺にはつながらない。このような事実を前にして、私たちはいま一たび我々が所属すると思っておるこの文化民族共同体の意義、その深い意義を心して、いやしくも政治家ならそれに対処、思いをいたす必要があると思うのでございます。
 世界では、ソ連やユーゴの例を見ますように、民族共同体としての集団がみずから独自のステートをつくりたいというふうな動きを見せておる昨今でございますが、民族共同体とは何か、それは共通の歴史、つまり共通の記憶、そして共通の文化を持っておる、そしてもう一つ重要なことは、それにみずからが所属しているという意識、定義するに、それ以外は余りございません。
 それで、お聞きしたいのでございますけれども、事実として各国国民はすべて祝日、祝祭日というものを持っております。循環する一年のサイクルという時間の中で、国民こぞって、日本の祝日法の表現を借りるならば、国民こぞって祝い、感謝し、記念する日を持っております。これはどういう意味かと申しますと、やはり共同体の一体感を高める。例えば、新興団地で子供みこしをつくったら、そしてお祭りをすれば、そのコミュニティーの一体感が深まるという現象は新興団地でよく見られるわけですけれども、民族の段階においても、我々は、その知恵をもって先人が由緒ある日と定めた日を祝日として営々と祝ってきたのでございます。
 そこで、官房長官にお尋ねしたいのですが、具体的に、我が日本において、民族が我々民族であると意識して世代を超えて存続してきた、そのエッセンスと申しますか、これはお考えそのままで結構でございますから、何であったというふうにお感じになっておられますでしょうか。
#10
○五十嵐国務大臣 我が国の場合、これはやはり固有の日本の文化、伝統というようなものが一つの特色を持ってあるのではないか、こういうぐあいに思います。
 それは、一方では非常に近代的な文明国家でもありますが、しかし他方では、長い我が国の伝統的な文化というようなものもしっかり持ちながら、殊にさきの大戦後は憲法のもとに、平和を民族共有の最大の理念というお互いの約束事のもとに、世界に対してもあるいは我が国として見ても、平和国家に徹するという、これまた世界の中で一つの非常に誇るべき特色というものを持ちながら民族としての営みを持っている、こういうぐあいに思っているところであります。突然のお話で言葉が整いませんが、そのように考えているところであります。
#11
○西村委員 先ほど申しましたように、固有の文化というものは各民族おのおの持っております。具体的に、我が日本においてその固有の文化、我々がそれを共通の文化と認め得る焦点は何かというふうなことをお尋ねしたのですが、先ほど憲法を出されましたが、憲法第一条「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」である、この天皇制と、そして私と大臣が今しゃべっているこの日本語、これが我々の文化の要点ではないかと私は思うのです。この点はいかがでございますか。
#12
○五十嵐国務大臣 それらのことも含めて、伝統的な文化ということは言えると思います。
#13
○西村委員 さて、祝日の問題に入るのですけれども、祝日という意味。時間は流れ去りますけれども、我々の社会はそれを一年の循環として祝日ということを毎年定めておる。そしてよみがえる
 一つの思いとして、記念する、祝う、そして感謝するというふうな趣旨をもって定めております。
 そこで、現在一年十三日の祝日があるわけですけれども、この祝日と単なる休日はどう違うのかというのが私の質問の出発点なんです。
 お答えいただくまでもなく、申し上げますと、休日は、単に休む、祝日は、祝日法にありますように、国民がこぞって祝う、感謝する、記念する、これは国民統合の原点としてその日が設けられている、このように感じます。
 それから、今現在、自然環境保護、歴史的風土保護という問題がございますけれども、これもまたそれに関連するのでございまして、我々の先祖が大切にした風景、風土、自然を我々も大切にして子孫に伝えようではないか、こういうことでございます。
 しからば、我々の心の中の風土の共通性を伝えるには何があるのか。つまり、これは祝日というもので我々がこぞってこの共同体に参加しているという意識を毎年よみがえらせる、祝日にはこのような意味がある。単なる休日ではない。もし祝日が定着したとしても、その趣旨が没却されて、単なる休日、何のために休んでいるのかわからぬけれども、とにかく休めるのやからええわ、このようなことになってはいけないと思いますが、大臣、この意見に対しての御感想は、私の意見に同意していただけますでしょうか。
#14
○五十嵐国務大臣 民族としての連帯感あるいはコミュニティーにおける連帯感、こういうようなものが大変大事なことだということは、もう私も同感でありますが、祝日に関しましては、先ほど西村委員も御質問の中でお話がございましたように、国民の祝日に関する法律によりまして「美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」として定められているわけでありまして、そういう趣旨ができるだけ国民にも理解されていることの方が望ましいということは仰せのとおりであろうと思います。
#15
○西村委員 祝日の積極的な意義を各国の例で示しますと、ソビエトが崩壊して共産主義のくびきから解放された東欧諸国においては、すべからくソビエトから解放された日を解放記念日としております。そのくびきから脱した途端に、ルーマニアであれ、ブルガリアであれ、ハンガリーであれ、ハンガリーなどは千年前のハンガリーの初代の王位についたその記念日を国民の祝日と定め直す。このように、民族が独自に国家を形成していくというときに祝日というものは積極的な意味がある。私は、この問題意識を持って、以下質問させていただきます。
 四月二十九日は、単なる休日ではなくて、祝日とされておる。なぜ祝日とされておるのか。この点について、平成元年二月十日の衆議院内閣委員会及び同年二月十四日の参議院内閣委員会の議事録で二点ほど確認したいと思います。
 衆議院内閣委員会においては、浦井委員の質問、みどりの日が設けられるということであるが、なぜそれが四月二十九日でなければならぬのか、こういう質問に対して、的場政府委員はこのように答えております。プロセスからいえばそれは逆でございます。みどりの日がまずあって、それが四月二十九日に当てはめられたのではございません。四月二十九日がまずあって、四月二十九日をどうするか、このような話になった。祝日として残すべきであるという話になった。そして祝日として決まったのだ。
 同様の趣旨は、二月十四日の参議院内閣委員会において民社党の柳澤錬造議員の質問に対して的場政府委員が答えておる。四月二十九日を平日に戻していいかという事柄から出発したのでございます。ぜひ残すべきであるということに意見は一致した。しからば名称をどうするか、こういうふうにプロセスを踏んでいる。
 この点についてはそのとおりで、議事録にあるのですからそのとおりなのですけれども、確認しておきます。主体は四月二十九日という日であっ
た。これを単なる休日ではなくて祝日として残すべきだ、ここから出発したことは確かでございますか。ちょっとお尋ねしたい。
#16
○藤井説明員 的場元内政審議室長が衆議院、参議院でそういう御答弁をされた点、そのとおりでございます。
 四月二十九日が国民の祝日とされた理由につきまして、昭和天皇の御崩御という事態を受け、皇位の継承に伴い、従来六十有余年にわたって国民の祝日である天皇誕生日を四月二十九日ということでお祝いしてきました。そのことに伴いまして、四月二十九日を国民の祝日として残すべきかどうかというところから議論が出発し、残すとすれば何の日とするかということについて議論をしたということは先生のおっしゃるとおり事実でございます。
#17
○西村委員 四月二十九日というかけがえのない日があって、それを祝日として残す、新しくつくるのじゃなくて残すというところから議論が出発した。
 しからば、次にお聞きしたいのですが、祝日に該当する日として残すべきだという理由は何だったのでしょうか。大臣、お答えいただきたい。
#18
○藤井説明員 今ちょっとその理由についても申し上げましたが、昭和天皇の御崩御、皇位の継承、これに伴いまして、国民の祝日である天皇誕生日を四月二十九日から今上天皇の誕生日でございます十二月二十三日に改めるということが必要になりました。これに伴いまして、従来から六十有余年にわたって四月二十九日をお祝いしてきた、そのことを踏まえまして国民の祝日に残すかどうかということについて検討がされたわけでございます。
 その際、国民世論の動向等についても検討する必要がございますので、これも先生十分御存じのことだと思いますけれども、内閣官房長官が国民各界の有識者から成る懇談会、皇位継承に伴う国民の祝日に関する法律改正に関する懇談会というのが正式名称だそうでございますが、これを開催いたしまして御意見を伺い、これらの意見も踏まえまして、四月二十九日を引き続き、先ほど官房長官から御答弁がありました国民の祝日法によります国民こぞってお祝いする日として残すのが適当であるという判断をしたものでございます。
#19
○西村委員 その判断の前提である、何をお祝いし、感謝し、記念するのかという点について私は質問しておるのでございます。お答えいただきたい。
#20
○藤井説明員 今御説明いたしましたとおり、六十有余年にわたりまして天皇誕生日であり、我が国ではゴールデンウイークのいわば始まりの祝日として国民の間に定着している、そういう状況を判断したものでございます。
#21
○西村委員 六十有余年にわたって、戦前は天長節、戦後は天皇誕生日として国民の間に定着しておる事実、それを平日に戻すに忍びない、こういうことでまず祝日たる日であるということに決まった、このお答えでございますね。うなずいておられます。結構でございます。
 しからば、名称の問題に移ります。
 今お答えになった祝日として残すべきである、そして祝日として残す意義は、六十有余年にわたる昭和天皇のお誕生日としての国民の間にある定着てある、このようにお答えいただいたにもかかわらず、祝日法はこの四月二十九日を「みどりの日」として、その趣旨は、「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。」というふうになっておる。内閣がこの法案を提出したときの趣旨説明も今御答弁いただいたとおりであった。昭和天皇を抜きにして四月二十九日は考えられない、国民の間に定着しておる、こういう趣旨であった。
 しかし、でき上がった法案に昭和天皇の昭和という文字さえ、またその御遺徳をしのぶという趣旨さえ何ら記載されていない。これが私の本日の質問の出発点でございます。なぜこうなったのか、この理由はこの法案を提出された政府から伺いたいと思います。
#22
○藤井説明員 四月二十九日を休日として残すべきだという判断がまずあったと申し上げました点は、今委員から御確認があったとおりでございます。
 その際、この四月二十九日の取り扱いについてどうするかということもあわせて、先ほど申し上げました懇談会、皇位継承に伴う国民の祝日に関する法律改正に関する懇談会で御意見を伺ったところでございます。その際、懇談会に参加の、お願いした方の中からは、例えば昭和の日というようなそういう言及もございました点は事実でございますが、しかし、例えば明治天皇のお誕生日でございます十一月三日も文化の日ということで国民に定着しているというようなこともあわせ考えるということで、この懇談会においてもほぼ、ほぼといいますか意見が一致した形でみどりの日というふうに提言がなされたというふうに伺っております。
 今委員がおっしゃいますように、二十九日が昭和天皇の誕生日であり、六十有余年にわたりまして天皇誕生日として祝われてきたということはこれは紛れもない事実でございまして、それが国民の間に定着し、またゴールデンウイークの始まりの日として国民生活の中に密着した形で祝われてきたということもまた事実でございます。
 また、それとあわせまして、昭和天皇が植樹祭などで全国をお回りになる、あるいは生物学者として植物に関して極めて造詣がお深いということもまた紛れもない事実でございまして、緑に対して深い御関心があったということも踏まえた上で、それぞれの国民がその気持ちとしてみどりの日を通じて昭和天皇をしのぶ、昭和の時代を考えるということが極めてとうといものであり、適当であるというふうに判断されたものというふうに考えます。
#23
○西村委員 今のお答えで二点誤りがある。私が質問しておるのは、昭和天皇をしのぶ日ということを述べられたが、それは法文上どこにもあらわれていない理由は何かということを聞いておる。その答えにはなっていない。
 それともう一つ、明治天皇の御誕生日である文化の日が国民の間に定着しておる、こう申されましたな。文化の日、十一月三日を明治天皇の御誕生日と知っておる日本人は今どれだけおると思いますか。名称を明治天皇の御誕生日、明治の日と定めておれば、あなたのおっしゃるように明治天皇の御誕生日であるということは今の小学生でもわかる。しかし、文化の日と定めておる。だから、文化の日、文化勲章を授与する日だけだと国民のすべては思っておる。
 それと同様に、それと整合性を求める考え方で昭和天皇の御誕生日をみどりの日として定めたのならば、明治天皇の御誕生日が国民の間に忘れ去られているように、いずれ昭和天皇の御誕生日もわけのわからぬみどりの日ということになって忘れ去られるであろう。
 法案提出者の趣旨、今お答えになった趣旨から見て、多分この文化の日と同様に御誕生日のことは忘れ去られるであろうという予測に対して、この事態に対して、どう思われるのか。妥当であると思われるのか否か。これは大臣、お答えいただきたい。
#24
○五十嵐国務大臣 今、政府委員がるる説明をしたところでありますが、御承知のように、官房長官の諮問機関である祝日に関する審議会がございまして、そこの審議の議論の中では、委員御質問のような御意見も出たようでありますが、そういうことも含めながらここで議論をして、最終的に一致してみどりの日にしようという結論に到達したわけであります。
 それで、国会に御提案を申し上げた折にも、ほぼ各党の圧倒的な御賛同というものをいただいて成立を見ているところでありまして、何といいましても国民の祝日というのは、そういう国民全体の意趣ということが一番大事なことであろうというふうに思いますから、そういう点も踏まえて御理解をいただきたいと思う次第であります。
#25
○西村委員 私は、端的に申し上げて、今の政府の御答弁、やはり四月二十九日は昭和天皇の御誕生日であるという点から出発したという祝日である。正直に、昭和の日か昭和をしのぶ日として残すべきだと私は思っておるのですが、法律は我々国会議員の手で変えられるのですから、変更するということもやはりいいのではないか。
 この点について、法律の変更、大臣いかがでございますか。四月二十九日が祝日とされた趣旨と、全くその趣旨がわからない第三者が見て、外国人が見ても、この祝日法を見ても、ああこれは昭和天皇の御誕生日で、国民が六十有余年にわたってお祝いしてきた日を日本国民は祝日と定めたんだなとわかる、このように変更すべきなのが我々妥当な態度ではないのかと思いますが、この点、いかがですか。
#26
○五十嵐国務大臣 今申し上げましたように、この審議会、いわゆる有識者各層の方々の審議会での一致した御意見をいただいて、また国会におきましても圧倒的多数の御承認のもとに、国民としての祝日に定まっているところでございまして、かつ、その後まさにみどりの日として定着をしているところであって、こういう点につきましては、我々としては、今日このみどりの日の祝日としての存在について国民に十分になじんできているところでありますし、そういう形での祝日のあり方を継続して考えたい、このように思う次第であります。
#27
○西村委員 国民の間に定着しておるという、これは事実認識でございますね。事実認識でございますから、定着していないという事実をお示しすれば大臣はお考えを変更なさりますか。お示しいたしましょう。お示しする前提で、祝日として残すは国民一致した意見でございます。それをみどりの日として、法文に昭和天皇のことを何ら記載しない日として残すのはいかがかなと私は質問しておる。
 現在国民の中に定着しておると申しますけれども、ある意味では、祝日として六十有余年定着してきたんですから定着しておるのは事実でございますが、それは我々がともに、大臣も含めて、人生の大半を昭和という時代で生きていたからこそ六十有余年あったものがそのまま現在あるという意味で定着しておるのでございます。しかし、昭和天皇御崩御から五年を経過して、何か、何でこれがみどりの日やねんという意識が国民の中に芽生えてきております。
 委員各位にもお示ししておりますけれども、大臣、これはみどりの日を昭和天皇の日に変えるべきではないかというふうな四月二十九日の産経新聞の広告でございますけれども、このような運動が起こりつつあります。そして、この趣旨に賛同した方が七月現在で六万三千九百九十三名の賛同の署名を送ってきてくれております。
 賛同の署名のみではなくて、手紙を送ってきております。代表的な例、大臣、みどりの日が国民に定着しておるのか否か、私は、みどりの日が別にあってもいいんです。四月二十九日というかけがえのない日がみどりの日であるということに関して違和感がないのかあるのかということについて、二十九歳の主婦のお便りをちょっと御紹介しましょう。「私は二十九才の三児の母です。もちろん昭和天皇を見て育った中の一人です。確かに「みどりの日」という名前、何だか変だなとずうっと思っていました。昭和天皇のお誕生日なのだから、「昭和…」と名がっく方が良いと思っていたんです。昭和を知らない子供が「今日は何の日?」と言った時、やはり素直に「昭和の記念日」と教えてあげたいです。」これは千葉市に住む白井さんという方、女性です。
 さて大臣、時間が足りません。私は、大臣が国民の間に定着しておるという事実認識に関して、いやそうではないという事実を、資料と事実をもってお示ししたということでございます。先ほど文化の日が出ましたけれども、明治天皇の御誕生日が大正になって一たん祝日から外されました。しかし、昭和二年に明治節としてまた復活いたしました。その経緯は、大臣、御質問するよりも私から申し上げましょう。二万人の署名の請願がございました。そして明治節として復活し、先ほど御答弁なさったように、明治天皇の御誕生日である文化の日もあることだからということで、文化の日として我々の中に残っておるんです。
 今御紹介した、後でまた御確認するならお示ししたいと思いますけれども、今回全国的な組織というよりも、新聞で呼びかけただけで六万三千九百九十三名が、七月現在で、昭和の日、昭和記念日、いずれか昭和天皇のことを示すような祝日の名称にしてほしいという署名を寄せているんです。この事実によっても大臣の前提は、やはりいささか再検討していただかねばならないというふうに私は思います。
 きょうは、問題意識を大臣と共有したいと思ってこの質問をいたしました。GHQの指令のもとに現在の祝日法ができて、日本の歴史、歴史観を示すような文言ではいけないという指令のもとに、明治節が文化の日となり、新嘗祭が勤労感謝の日となりました。先ほど政府御答弁のとおり、そのような占領下にできた祝日の、歴史観なき、そして品格なき、そして心に響かない名称との整合性のみを考えて、我々は、一千万人も五年前に快癒の記帳にお祈りした昭和天皇の四月二十九日という御誕生日をこのまま放置していいのか。
 祝日法全体を、冒頭申し上げたように、民族が共同体として世代を超えて存続するその一つの大切な、東欧諸国が今やっておるように、大切な一つの日である、国民の祝日なんだ、お祭りの日なんだ、記念すべき日なんだ、共通の記憶を呼び覚ます日なんだということで、私たちは、いやしくも政治家なら、国家機構のことばかりではなくて、その国家機構がどうなろうとも、民族全体が世代を超えて存続するこの共同体のことを考えねばならない、そのような時期に来ておると私は思っております。
 きょうは、問題意識を共通にしていただきたい、この趣旨で御質問いたしました。ありがとうございます。
#28
○田中委員長 山元勉君。
#29
○山元委員 社会党の山元でございます。
 私は、一年前この内閣委員会に所属をしておりまして、弥富人事院総裁を初め多くの方々と公務員の問題について議論をさせていただきました。きょうは、久しぶりに復帰した内閣委員会で、山口総務庁長官、五十嵐官房長官に、与党という立場で質問をさせていただいて、公務員の賃金の問題やあるいは公務員制度の問題について漸進的に解決しよう、そういう場に立っていることに、私、大きな感慨を覚えますし、喜びでございます。
 長官お二人とも、公務員の問題については、公務員が何を願っているのか、何を問題意識として持っているのか、十分熟知をしておられる方でございます。大臣就任をお祝いを申し上げますと同時に、どうかきょうのこの場で、率直で前向きな、いわば村山政権の姿が見えるような御答弁を御期待申し上げたいというふうに思います。
 与えられた時間が大変短うございますから、端的に人勧の問題について御質問をしていきたいというふうに思います。
 最初に、官民比較方式の問題でございます。
 ことしの勧告は、御案内のようにベアが一・一八%、極めて低かった。加えて一時金が去年に続いて〇・一カ月削減をされた。いわば公務員の生活の維持改善ということでは大きな期待に背くものである、こういうふうに思いますけれども、このベア勧告は、民間の相場から見てある程度予測されたものだというふうに思います。しかし、それが過年度の物価上昇率一・二%程度で終わってしまった、そういう大きな原因というものを私たちは考えなければならないと思いますし、そこのところに私どもは大きな不満を持っているわけです。
 人事院は、九一年から四年間、この官民対応関係の見直しということを続けてこられました。し
かし、これはやはり部分の見直しでございまして、本当に公務員の給与として社会的に公正な給与ということにはならない、そういう比較方式だというふうに私どもはかねがね申し上げてきたわけです。そこで、この比較方式について抜本的な見直しのときになっているのではないか。
 私は人事院に、これは一年余り前ですけれども、ぜひその見直しを始めてもらいたいというふうに申し上げましたけれども、今、ちょうど十月から中労委の見直し検討委員会の議論も再開されるようであります。したがって、そういう時期にぜひ人事院に踏み込んでもらいたい。
 具体的に言いますと、調査対象規模の拡大にどんな問題があるのか、さらには、本格的検討の時期に来ているという私たちの気持ちを人事院としてはどのように今考えていらっしゃるのか、まずお伺いをしたい。
#30
○弥富説明員 お答えを申し上げます。
 官民給与の比較方法につきましては、平成三年や四年、当委員会におきまして、委員からいろいろと御質問をいただきまして、私も御答弁申し上げたところでございます。
 ただいま委員が申されましたように、三年以降行っております比較方法の見直しと申しますのは、ラスパイレス方式の対応関係のうちの現行の取り扱いが実情に合わなくなった部分が出てくれば、それを改めるという趣旨のものでございまして、本年も御承知のとおりに、そのような基本姿勢のもとに役職段階の対応関係の一部について見直しを行ったところでございます。
 今後とも同様の姿勢に立って検討をしていくわけでございますが、ただ、何しろ民間給与の比較方法のあり方というのは民間準拠の基本にかかわる事項でございまして、それこそ多様な意見がある、これらを踏まえつつ、慎重に検討を進めていく必要があるのではないかというふうに考えております。
 また、調査対象企業規模をどの程度のものにするかという、根本的に見直せというお話でございました。中労委のお話も私ども承知をいたしておるところでございますが、これは御答弁の繰り返しになって恐縮でございますけれども、従来から、大企業と比較すべきだという御意見がある一方、小規模企業まで含めて考えるべきではないか、いろいろな御意見があるところは御承知のとおりでございます。
 ただいまの人事院で行っております企業規模が百人以上の基準につきましては、会社組織の民間企業の常雇いの従業員の約六割をカバーしているということでございますので、これは各方面の御意見を承りましても、大方の納得が得られているものと考えております。
 仮に、例えば今委員が申されましたように五百人あるいは千人以上とした場合、あるいは県によっては対象となる企業の数が極端に減少してしまう、千人とか五百人とかという企業が極端に減少してしまうところもございまして、また一方、国の官署が全国各地の郡部等にも多く所在をいたしておりますことを考慮しますと、そのような大きな企業対象による官民比較方式で果たして国民が納得できるだろうかという問題もあることでございまして、慎重に検討をしなければならないのではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、ただいま申し上げましたように、企業規模の問題につきましては民間準拠の根幹となる事項でございますので、国民の理解と納得を得ることがぜひ必要でございます。そのように考えておる次第でございます。
#31
○山元委員 これは、平成四年の十二月、ちょうど私が質問した、そのときの御答弁を、これから重ねて私が申し上げるという前に繰り返して御答弁があったわけです。一年半たって、やはり公務員の皆さんの願いというのをしっかり受けとめるという姿勢に転換していらっしゃらない、そういうことだというふうに思うのです。
 五十万公務員の、国公の皆さんの人材、今盛んに公務員の質の問題等ありますけれども、どうしても人材を集めるということから、あるいは公務員の皆さんが、この人勧の報告の中でもおっしゃっているように、まさに士気を高めて職務を遂行できるような、そういう勤務条件をつくるという上からも、これはやはり根本的に見直す必要がある。
 今総裁は、前のときも同じように、国民の皆さんの御理解という言葉がございました。今六〇%をカバーしている、企業百人、事業所五十人という対象で六〇%がカバーできていて、国民の皆さんの納得を得られるのだというふうにおっしゃっておりますけれども、私は、ひっくり返して考えて、やはり公務員の皆さんの給料というのはこういうものだということを先導的に高めていく、そういうことで中小の企業の皆さんの努力も促していくという姿勢が大事なんだろうというふうに思うのです。
 たびたびの労働団体との交渉の中で、人事院は、言葉としては検討を重ねてまいりたい、慎重に検討を重ねてまいりたい、こういうふうにおっしゃっているわけですね。これで数年たっているわけです。
 私どもが言っているのは、企業規模でいえば千人だ、しかし一挙には難しければ、今の百人から五百人へ、あるいは三百人へというふうに拡大していくこと、そのことが今、公務員の給与を安定させる、あるいは中小企業の皆さんを奮い立たせるという意味で先導的な役割を果たすんだということを国民の皆さんに積極的に投げかけられたら、私は大きなハレーションは起こらないというふうに思っているわけです。
 人事院勧告に当たって、人事院総裁が毎年同じ意味のことをおっしゃっているわけです。公務員がみずからの給与決定に参加をできない、そういう代償措置、みずからの給与決定に参加をできないその公務員がずうっと、これでは不合理なんです、これでは優秀な人材が集まらないのです、これでは士気高らかに職務は遂行できないのですということを言い続けていることは受けとめなければいけないと思うのです。
 そうでなければ、本当に代償措置、代償機関としての人事院の積極性というものはないというふうに私たちは思いますから、これはもう一回、検討を慎重に重ねてまいりたいという答弁では私は納得しがたいわけですけれども、これからこの問題についてどう取り組んでいくおつもりなのか、これからのことについて所見を伺いたいと思います。
#32
○弥富説明員 お答えを申し上げます。
 確かに、平成三年、四年、五年の場合に、委員から御質問がありまして、先ほど申し上げましたように、同じような繰り返しで恐縮でございますということを申し上げたのでございますが、やはり我々といたしましては、公務員給与というのは民間準拠の問題であり、それから社会経済情勢全般の動向を踏まえ、それから各方面の御意見を十分に参照してこれに対処していくのが務めでございます。それに従いまして毎年毎年各地におきまして懇話会なるものを催しておりまして、各学識経験者その他の方々の御意見をよく承っております。その場合に、その企業規模の問題も必ず我々もお聞きをしておるわけでございます。
 全然企業規模について何もしていないというようなことではないと思いますけれども、例えば、御承知のとおりに、平成三年度の場合には本省庁職員につきまして、東京二十三区、本店、企業規模の五百人以上と比較をしたということもございます。それから、平成五年になりまして、平成四年の場合は、公務の七級と民間企業規模の五百人以上の課長代理とを比較するというふうに、一部ではございますけれども手直しをしてきております。
 今後とも、言葉だけではなくて、慎重に検討をして、真剣に検討していきたい、かように考えておる次第でございます。
#33
○山元委員 真剣にということで、そのことが来年は、わかっていただけましたねということになるようにぜひ頑張って努力をしていただきたいと思います。
 来年の勧告作業に向けて本格的な検討を始めていただきたいということ、それからもう一つは、そういう本格的な検討に際しては労働団体の皆さんと十分話を精力的にしていただきたい。そのことが、おっしゃるような士気の問題だとか人材確保の問題につながっていくだろうというふうに思いますから、ぜひそのことを最後にお願いをしておきたいわけですが、使用責任者の側として、総務庁長官、今のやりとりについてどのようにお考えでしょうか、お伺いします。
#34
○山口国務大臣 山元委員のお話しになったように、人事院が関係労働団体とも十分話し合いをした上で検討いただくことが適当ではないだろうかというふうに思います。
#35
○山元委員 それじゃ次の問題に移らせていただきます。
 次は、早期に完全に実施をしていただきたい。これは先ほどの御質問にもございましたけれども、このようにことしの勧告は極めて私どもは不満足なものだというふうには思います。しかしトータルでいえばプラスになる、あるいは景気が上向いているときに、そういう景気に好影響を与える、あるいは与えなければならない、そういう意味から一日も早く完全実施すべきだというふうに思いますが、そのことについて政府の見解をただしておきたいわけです。
 去年は連立与党の時代に入った年でしたけれども、幾つかの条件もありまして十一月には新賃金が支給されました。ことしは、端的に言いますと、なお一層早めてもらいたい。数で言えば十月中に新賃金が払えるようなそういう手続を進めていただきたいと思うのです。総務庁長官、これからの手順、今申し上げましたように、公務員は言うまでもなく一日も早くと思っているわけですけれども、どういうふうに手順を進めようと考えていらっしゃるのか、まずお伺いしたいと思うのです。
#36
○山口国務大臣 八月二日に人事院から勧告をいただきました。当日、直ちに給与関係閣僚協を開催をいたしまして、座長は官房長官でございますが、論議をいたしました。
 私の方からは、この代償措置である人事院勧告は最大限尊重して早期に実施をしていただきたい旨を主張いたした次第であります。他の閣僚の皆さんからもお話がありまして、さらに引き続き検討ということに現状はなっております。
 確かに国家財政、今大変歳入が厳しい状況でありますことは山元委員も御案内のとおりでございまして、そういう点もございますが、しかし、総務庁としては、速やかに実施するように、また給与関係閣僚協も開いていただきまして、そうして閣議決定をし、できるだけ早く国会に法案を提出するということで努力をいただきたいものと私としては思っている次第でございます。
#37
○山元委員 今総務庁としては、そういう希望、財政は厳しいけれどもというのがありました。今もありましたように、関係閣僚会議の座長の官房長官、これからどういうふうに進めていこうということになっているのか、お伺いをしたいと思います。
#38
○五十嵐国務大臣 今総務庁長官からお話がございましたように、八月の二日の日に勧告を受けたわけでありますが、その日のうちに給与関係閣僚会議を開かせていただきまして、種々御議論をいただいた次第であります。
 総務庁長官からは、特に早期に完全実施をというような御意見等もあったところでありますが、結論を得るに至りませんでございました。政府としては、これからさらに給与関係閣僚会議を開いて、財政需要など国政全般に関するさまざまな状況との関連があるわけでありますが、十分に議論を尽くして検討していきたい、こういうふうに思っているわけであります。
 しかし、いずれにいたしましても、今も長官からお話がございましたように、人事院勧告制度は国家公務員の労働基本権を制約する上で代償措置としてあるわけでありますから、したがって政府は、同制度を尊重するという基本姿勢のもとに、一方国民の理解と納得の得られるような結論を得るように、誠意を持って検討を進めてまいりたい、村山内閣としての適切な対処すべき方針を定めてまいりたい、こういうぐあいに思っている次第であります。
#39
○山元委員 今の御答弁では、どうも具体的に私どもすとんとこないわけです。
 先ほど、きょうに限りませんけれども、勧告される人事院は民間準拠が鉄則だ、こうおっしゃるわけですね。何事にも民間準拠だ、こうおっしゃるわけです。民間の皆さんの実態からいうと、春闘の段階、三月、四月に決まって、妥結をすれば、五月、六月には精算しますよ。生活が変わりますよ。ましてや、六月の期末手当は古い給与ベースだというようなところは、そんな会社はつぶれますよ。社長や工場長は走り回ってでも、あるいは自分が食わなくても、社員にそういう期末手当のときにはせめて精算をしてしまうというのが民間の努力です。
 そういう意味からも、やはりこれは民間の皆さんのこういう実態を調べて、民間の皆さんの生活に近づけるということであれば、これはしっかりともう少しはっきりとした御答弁を今の時点ではもういただかなきゃならぬというふうに思うのですね。
 ですから、日程的に言いますと、きのうの官房長官も入ってのお話で、およそれ月の末に臨時国会が召集をされる。そうすると、私先ほど申し上げましたように、去年の十一月よりも早めてということになると、早々に閣議決定をして法案作業に入って、そして九月の末、十月の初めの国会には法案を提出していただかなければ、十月支給ということはおぼつかぬわけでしょう。今やはり、そういう民間準拠といいますか、景気を刺激していくことも含めて、前向きに積極的な日程を立ててもらいたい。
 去年から一年間、与党、野党、与党、野党が入れかわりました。それぞれの立場から早期完全実施というのは全部の党が叫んでいる、理解をしている状況になっているわけですね。ですから、五十嵐官房長官、もう一回、今私が申し上げましたように、今度の臨時国会冒頭に何とか出して、去年の支給日よりも何とかして早めたい、早める努力はするということはおっしゃって、何月何日というわけにはいきませんけれども、そういう努力については明らかにしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
#40
○五十嵐国務大臣 先ほどの委員の御質問の中にございましたように、昨年に関しましては、従前から見ますと、ちょうど一月ぐらい閣議決定あるいは国会提出、あるいは国会での御決定も早いことになっております。恐らく十一月の差額支給というのは十数年ぶりであったろうというふうに思うのでありますが、そういうことであったことも我々としては一つの検討の土台にあるものであろうというふうに思う次第であります。
 いずれにいたしましても、ただいま申し上げましたように、給与関係閣僚会議等で諸般の事情というものを十分協議しながら、しかし委員の御発言の趣旨もよく体しまして、総務庁長官の御意見等を十分いただきながら適切に対処してまいりたい、このように思う次第であります。
#41
○山元委員 財源は一・五%以内でつりが来るわけです。ですから、財政状況が厳しいというのは、うがった言い方をすると、その一・五%の財源、ほかのところに忙しいからということになるわけでして、これは公務員の皆さんは承知できるはずがないと思うのですね。ですから、財政状況は厳しいけれども、財源はきちっと確保してある。ですから、そういう点で、やはり今前倒しといいますか、早めることで景気の問題あるいは公務員の皆さんの気持ちの問題を考えて、ぜひ今おっしゃったことを見えるようにまたお願いをしたいと思います。
 そのことに関連してですが、これは長い聞こういう早期完全ということを言い続けてきて、大きなエネルギーを両方ともが費やしているわけですね。これは残念ながら長い間、いわば公務員賃金
を人質にとって政争の具にする、こういう言葉がございました。そういう時代では今ないということをしっかりと認識すべきだと思うのですね。今そういうチャンスといいますか、余り村山政権ということではいきませんけれども、今チャンスだろうと思うのですね。
 ですから、ぜひ早めることとあわせて、憲法に保障された労働基本権の代償措置だと言うけれども、ずうっと早期実施について努力をしますという言葉だけが担保であったわけですね。ですから、前のときに私は提案したはずです。勧告が出たら、例えば三月以内に実施をしなければならないとか、そういうような義務規定といいますか、そういうルールを明確に、法改正も含めてする時期に来ているのではないか。この勧告が四月の時点で調べられて、八月になって勧告されて、ひどいときには年内支給云々というのがあったわけですが、そういうことでないルールをやはり決めて、公務員の労使間の信頼というものを高めるということが必要だろうというふうに思うのです。
 時間が余りありませんので、ほかの問題も触れたいので、この問題について、どうか総務庁でも人事院でも検討してください。義務規定というようなもの、早期に実施しなければならないという義務規定を検討するということをちょっとお約束をいただきたいと思うのですが、いかがですか。
#42
○山口国務大臣 山元委員御案内のように、内閣と国会に勧告をするというのは、人事院勧告以外にはございません。それだけやはり私は、人事院勧告というのは、憲法上の労働基本権から由来するものであって極めて重いものであるというふうに認識をいたしております。
 したがって、御指摘のような、明文で何カ月以内というようなことを書くかどうかということは別といたしまして、いずれにせよ最大限尊重しなければならぬものだ、そうして早期実施を積み上げて定着していく中で、勧告があったら直ちに、これが速やかに実施をされるという制度をつくっていくのがいいのではないだろうか。
 私、昨年は予算委員長でございましたが、当時の細川総理大臣や武村官房長官や藤井大蔵大臣に対しまして、速やかに閣議決定することを強く要請をいたしました。そういう中で、山元委員御指摘のような結果にもなったわけでございますが、その気持ちは今私は変わりがありません。ただ、立場が今度変わりましたけれども、総務庁長官という立場において、給与関係閣僚協の中で精いっぱい努力をして御期待にこたえたいということで御理解を賜りたいと思います。
#43
○山元委員 さらに申し上げたいのですけれども、ぜひそういう安定したルールというものをつくることが必要ではないかという提起についてこれからも御検討、留意をしていただきたいというふうに思います。
 時間がありませんから一つだけ、もう一つですが、今度の人勧で、今までも少し触れられておりましたけれども、縦割り行政の弊害を是正するための合同研修とか省庁問人事の交流ということが出ました。私はこれは当を得ているというふうに思います。したがって、その一つの合同研修も有意義だというふうに思いますが、具体的にどのように人事院は考えていらっしゃるのか。
 例えば、勧告の中にも、採用後早い時期で長期の研修とおっしゃっている。そうすると、それはやはり人的な量が要るわけだと思うのですが、そういうものも含めてこれからこの合同研修、縦割り行政を是正するための合同研修というのをどういうふうに計画をされるのか、少し教えていただきたい。
#44
○弥富説明員 お答えを申し上げます。
 ただいま委員が言われましたように、縦割り行政がいろいろ問題になっておりますけれども、それの是正のための合同研修、これは非常に大切なことだと我々も思っております。
 人事院の実施いたしております合同研修、これは、御承知のとおりに各省庁の幹部要員が一堂に会しまして、いわば同じかまの飯を食べながらさまざまな課題について議論をし、相互に理解を深める点に特徴があるわけでございます。
 省庁の枠を超えました政府職員としての一体感を養うことがますます重要となっております今日、このような合同研修の充実を図ることが非常に肝要であるというふうに考えておりまして、人事院では、本年度の係員級の研修の受講対象者、これを三百人から倍増して六百人にすることとしたほか、研修全般にわたりましてカリキュラムの編成や研修期間、実施回数等について検討を加えておるところでございます。
 また、各省庁幹部要員の行政研修への参加を促進するために、各省庁ごとに参加人員を設定するなどの方法を導入していっておるところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも研修内容全般について幅広く見直しを実施する所存でございます。
#45
○山元委員 時間が来てしまいましたから、この省庁間人事の交流についても、省益あって国、国民なしとか、ひどいことを言われるときには省益の申し子、その省にずっとおる。これが必ずしも悪いとかということではありませんけれども、やはり国民の側から見ての行政が省益があって国益なしとか、あるいは官僚の皆さんを省益の申し子というふうに見るような、そういう人を育ててはいけない。本当に一体になって国民の全体的な奉仕者としての公務員をつくっていくという意味でいえば、資料が出ていますけれども、局長になるまでに他省庁を経験したのは五四%、半数がよその省庁を知らないで局長になっていくわけですね。これはやはり好ましいことではないというふうに思います。
 ですから、ぜひそのことが研修も交流も含めて国民の側から見えるように、そういう幅の広い、官僚の皆さんが国民に見える、そういうことになるようにこの制度をぜひ実際に効果あるものにしていただきたいというお願いをいたしまして、少し残しましたけれども、終わります。ありがとうございました。
#46
○田中委員長 貝沼次郎君。
#47
○貝沼委員 先ほどから人事院勧告に対する質問が出ておりまして、私が大体お尋ねしようと思ったことがダブっております。したがって、同じことを何回もやるのも時間のないときにつまらないことでありますから、確認だけしておきたいと思います。
 初めに、総務庁長官にお願いしたいと思いますが、きょう内閣委員会が開かれることは前からわかっておったことでございまして、各党ともある姿勢で来ることもわかっており、そしてまた公務員の皆さん、あるいは国民の皆さんがこれを注目しておるということもよくわかっておったはずでございます。にもかかわらず、先ほどからの答弁を聞いておりますと、そういう意識があったのかなという感じがいたします。そうでなければ結構なんでございますが。
 そこで、先ほどからの答弁で、まず人事院勧告について、長官はなるべく早く努力したいということでありますから、なるべく早くがいつなのかは別といたしまして、この姿勢は私は大変結構だと。
 それからさらに、実施の方法で、完全実施かあるいはどうなのかという問題では、いま一つはっきりいたしませんが、これはこの委員会で、総務庁長官は完全実施をするというその決意を明確に示していただきたい。官房長官はこれは内閣の関係がありますから言えない立場にありますので、私は長官にそれをお願いしたい。
 それからもう一つは、この支給は、もちろん給与法の国会提出時期、いろいろあるわけですが、それも早めて、結果として支給は去年の場合よりも早めるということをここで明確に発言をお願いしたいと思います。
 先ほど官房長官からも総務庁長官の御意見を尊重してやりたいという御答弁がございましたので、簡単にその点についての御答弁をお願いいた
します。
#48
○山口国務大臣 昭和六十一年度以降は人事院勧告どおり今日まで実施を続けております。
 したがいまして、私どもとしては人事院勧告どおりこれを実施をする、そしてできるだけ早く実施をして御期待にこたえたい、こういう決意であるということを申し上げます。
#49
○貝沼委員 それで、今年度予算で既に給与改善費には一・五%の相当額の予算が一千四百八十三億円計上されておるわけでございまして、この枠内ですから、財政云々という話もありますが、ぜひともこれが完全実施を早くできるように要求しておきたいと思います。
 次に、人事院総裁にお尋ねいたします。
 人事院総裁の談話の中に、「公務員諸君においては、全体の奉仕者としての自覚の下に、厳正な規律と高い倫理を保持しつつ、国民の期待と信頼にこたえるよう」云々、こういう言葉がございます。中でも国家公務員法百二条では、政治的行為の制限が規定されております、文言はここで言う必要ないと思いますが。それから、百三条では、私企業からの隔離が規定されております。
 にもかかわらず、政治家あるいは政党が公務員を通じ、業界を通じて、参議院の比例区とか随分話題になったわけでありますが、票集めあるいは党員集めをしていることも随分問題になってまいりました。それから、政治家が行政の持つ権限を利用して、公務員に本来の職務を逸脱した行為をさせているのではないかという指摘もしばしばございました。
 こういうところから政官業の癒着ということが指摘され、公務員を利用する与党政治家及び利用される公務員に多くの批判が上がったわけでございます。
 そこで、私ども、この数年、一生懸命政治改革ということを国会でやってまいりましたが、この政治改革も、もとはといえばそういうところから起こっておる。細かく申し上げませんが、そういうところから人事院総裁としてはこういう事態に対してどのように受けとめておられるのか、簡単にそのお考えをお示し願いたいと思います。
#50
○弥富説明員 お答えを申し上げます。
 確かに、我が国の大きな転換期を迎えました中で、政官財の関係を含めまして行政の役割や行政を担う公務員のあり方などに対する議論は非常に高まっておるところでございます。例えば、官庁の中の書店に行きましてもそのような本がごまんと出ておりまして、これは非常に厳しい論評が加えられているのが常でございます。人事院といたしましても、そうした御意見等を謙虚にまず受けとめる必要があると認識をいたしております。
 それから、行政への信頼というのは本来国の成り立ちの基本でございまして、公務員は、憲法の規定を申し上げるまでもなく、「公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」ということが憲法十五条にうたわれておるところでありまして、それを受けまして公務員法でも、服務の規定におきまして、国民全体の奉仕者である、公共の利益のために全力を尽くせという規定がございますし、今言った政治的な行為の禁止あるいは天下り等の規制もあるわけでございます。
 公務員といたしましては、国民全体の奉仕者として、今申し上げましたような行政の使命を十分にまず認識をする、厳正な服務規律のもとに中立公正に職務に臨む、そうして国民の期待と信頼にこたえる必要があると考えておる次第でございます。
#51
○貝沼委員 実は、公務員の皆さんには大変お気の毒なことでございまして、大変優秀な人材が公務員になっておるわけでございます。ところが、やはりその公務員に対していろいろ干渉しておる、あるいはいろいろなことをさせようとする、そういう力の方が実は問題でございまして、この政官業の癒着といいましても多分に政の方の責任が私はあると思います。そういうところから政治改革というものがなされてまいりまして、これはもう与野党問わず一生懸命やってまいりました。
 ところが、今までの実態を見ますと、この業界と政治とのかかわりにおいて、官僚を中に使って、利用して、例えば天下り官僚会社の問題だとか、あるいは場合によっては、ある組織、民生委員みたいなものを使ったり、また、社員に無断で党員づくりをやったり、季節党員と言うんだそうですが、ゼネコン各社にいろいろ力を加えたり、そして経理は使途不明金でやったのだとか、まあここで言うのも恥ずかしいようなことが起こっておりました。そこで、国会は全員で政治改革を一生懸命やりまして、そして政権がかわったときに、細川内閣にかわったときに様子が一変いたしまして、もうやれないのじゃないかという空気が出てまいりました。
 しかし、また政権がかわりまして、そして今、例えば、ある閣僚などが自分の土地に帰るときに、帰る日の前日から道路工事をやめて道路をあけておけとか、いろいろな話があります。パーティー券は、自民党政権でもこんなことはなかったなとかという話もあったり、あるいは族議員が何が悪いんだとか、あるいは族議員の力を示すような発言があったりというふうに、国民の側から見ると一体これはどうなっているんだということで、常にそのときに犠牲になっておるのは、これは公務員の皆さんなのですね。したがって、今また新しい政権でありますから、この新しい政権として、私は政権の姿勢というものをきちんと示していただく必要があるのではないかと思っております。
 選挙制度も変わりまして新しい制度になっていくわけでありますから、また候補者の選定その他でいろいろな問題が出るかもわかりません。そういうことのないように、村山政権として公務員の本来職務の再確認ということをすると同時に、また政権としては、あるいは内閣としては、公務員を私ども守りますよ、皆さんがいろいろ言われても私どもが責任を持って守ってあげますから、変なことに動かされないでくださいというふうに、守る立場から、政治家あるいは政党から、選挙、金集め、業界への働きかけなどで公務員を利用させない、あるいは公務員も利用されないというような、そういう政権の意思を表明すべきではないか、こういうふうに私は考えておるわけですが、官房長官、いかがでございましょうか。
#52
○五十嵐国務大臣 御質問の趣旨、全く私も同感なのでありますが、ただ、閣議で決める決めない等につきましては、それはもうそういうことをするまでもないことだと言っていいのではないかというふうに思うわけであります。
 何といってもそれは国民全体の奉仕者としてしっかり中立性を守って頑張ってもらいたい、こういうふうに思っているわけでありますし、一方で政治改革が国会の熱心な御審議をいただきながら大きく前進を見ているわけでありますから、これに対応して、それぞれの公務員の皆さんも姿勢を正して、そうして毅然たる態度で中立を保持しながら国民の奉仕者らしい仕事ぶりをしていただくということであろう、こういうぐあいに思うのであります。
 殊に今日はいわゆる連立政権の時代に入って、それは改めて言うまでもなく、ここ一年で見ましても政権が次々にかわるというような状況の中でありますから、長い間の固定した政権のあり方という時代とは違うわけでありまして、そういう意味でもこれらはもうしっかりとこの機会に中立性を堅持して立派なお仕事ぶりをしてもらうということが当然であろうというふうに思う次第であります。
#53
○貝沼委員 私、閣議決定ということは今言わなかったのです。これはそう言うとそういう答弁になると思ったから言わなかった。政権の意思を明確に示すべきだ。したがって、あるいは申し合わせて言うことになるのか、それは官房長官、そこまで同感だとおっしゃったわけですから、そういう政権の意思というものを何らかの形で示すということはいかがですか。一言だけ。
#54
○五十嵐国務大臣 官房長官がこういうぐあいに
申し上げているのでありますから、それは村山政権の意思である、こういうぐあいにお受け取りいただいて結構だと思います。
#55
○貝沼委員 したがいまして、それならばその意思を全公務員に指導を徹底されることはお考えでしょうか。
#56
○五十嵐国務大臣 先ほども申しましたけれども、もう申すまでもないことであるというふうに我々、法の上でもそうでありますが、当然のことであって、なお、しかし委員の御発言でございますから、それぞれ各大臣を通じてしっかりとそういう意思をおろしていくというふうにいたしたい、こういうぐあいに思います。
#57
○貝沼委員 それから、官房長官に通告してなかったのですが、一言だけ。
 けさの新聞を見まして、臨時国会がどうも九月三十日ごろ召集、それで五十日ぐらいですか、というふうな官房長官の感触のお話があったようでございますが、これはこのとおり受け取ってよろしいですか。
#58
○五十嵐国務大臣 ちょっと私、けさ早くから走り回っておりまして、新聞を余りよく読んでいなくて、申しわけない。御指摘なんでありますからそういう記事があったのではないかというふうに思いますが、これは、政府としてはいろいろな検討はもちろんしているところでありますが、与党との協議等もこれからでございますし、いつからというようなことが決まっているものではございません。これから十分に協議をして決めてまいりたい、こういうぐあいに思っておるところであります。
#59
○貝沼委員 総務庁長官に、大変短い時間ですが、一つは行政改革委員会設置法案、現在継続審議になっているはずであります。
 これは、ずっと私座長をさしていただきましてまとめてきたものでございまして、当時与党の社会党、さきがけも含めて全会一致で閣議決定をしたものでございます。したがって、政府の姿勢は、一貫して現在のこの法案で成立、そういう考えで来たわけですが、村山政権になってもこれは変わらないということを一点確認をしたいのですが、いかがでしょうか。
#60
○山口国務大臣 御案内のように、行政改革委員会設置法案は衆議院において継続になっているわけでございますが、村山内閣になりましてから、それについて村山内閣としても継続の意思を明らかにいたしまして、過般の国会で継続の手続をとっていただいた次第であります。
 法案作成の過程で貝沼委員に大変御苦労をいただいたということを事務当局から私も聞いております。
 いずれにいたしましても、政府の立場としては、政府として法案を提出いたしたわけでございますし、また継続のお願いをしているわけでございますから、当然その法案が御審議をいただいて次の国会において成立することを願っている、これが政府の立場でございます。
#61
○貝沼委員 もう一つ、それに関連いたしまして情報公開法制定のことでございます。
 これは、もう以前、私ども、社会党さん、民社党さん、一緒になりまして国会に法案を出したこともございまして、精力的に進めてきたものでございますが、行政改革委員会はこの情報公開の問題も調査審議することになっております。したがって、総務庁長官は、この行政改革委員会設置の趣旨から考えましても、当然行政改革委員会で積極的にこの情報公開法制定を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#62
○山口国務大臣 先ほどお答えいたしましたように、政府、総務庁といたしましては、提案いたしました法律の成立を願っている次第であります。ただ、決定されますのは国会でございますから、国会でどのような御審議がありますか、これについてはとやかく私の方で今申し上げる立場にはないと思います。
 いずれにいたしましても、成立をいたしましたならば、貝沼委員が御指摘になりましたように、行政改革委員会におきまして三年間の間に情報公開法について方針を決めていただいて、そして情報公開法の成立のために御努力をいただくということになると受けとめております。
#63
○貝沼委員 終わります。
#64
○田中委員長 松本善明君。
#65
○松本(善)委員 人事院総裁に伺いたいんですが、ことしの人事院勧告はベアが人勧史上最低水準の平均一・一八%、しかも、その上に期末手当が昨年に続いて〇・一カ月削減するというものであります。期末手当〇・一カ月をベアに換算しますと〇・六%に相当するというものですから、結局実質〇・六%程度の勧告にしかならないというものではないかと思うんです。昨年度の消費者物価上昇率は一・二%でありますから、実質賃金は低下をすることになります。
 しかも、ことしは国家公務員共済の財源再計算期に当たりまして、十月から共済の掛金が一・四六%引き上げられようとしております。例えば月三十万の給料の職員の場合は、毎月掛金が四千三百八十円も引き上げられるということになります。物価上昇率、共済の掛金引き上げなどを考えますと、この低率勧告では、公務員給与の実質賃金の維持さえも難しく、公務員労働者の生活改善にもつながりません。
 総裁に伺いたいのは、人事院が提出した今回の勧告水準は公務員労働者の生活改善につながらないレベルのものであるということを今私はるる御説明いたしましたが、お認めになりますか。
#66
○弥富説明員 お答えを申し上げます。
 先ほど来るる申し上げておりますように、人事院の給与勧告、これは従来から情勢適応の原則に従いまして、社会経済情勢の動向を踏まえながら公務員給与を民間給与に均衡させる、これが基本でございます。この方式につきましては、客観性、納得性ある公務員給与の決定方式として大方の理解を得ているところと考えております。
 ところで、本年も民間給与を精密に調査をいたしましたところ、民間給与との間には、先ほど来申し上げておりますように、一・一八%較差が存していることが判明をいたしました。職員の給与について所要の改定を行う必要性を認めたものでございます。この一・一八%、較差が低率にとどまりましたのは、これは厳しい経済情勢を背景に民間における賃金引き上げが低率にとどまったということを反映したものでございます。
 今言われましたように、消費者物価等々を勘案いたしますと非常に微々たるものではないかというようなこと、さらに生活改善にはつながらないと思うというようなことでございました。しかし、過去におきましても、消費者物価と比較をいたしますと今度のようなことがあった場合も数回ございまして、それだからいいと申し上げるわけではございませんけれども、とにかく民間給与に準拠している以上、民間給与との較差がそのように出てくる場合には、これは低率であってもやむを得ないということで御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。
 改定率が非常に低い率となっております中でも、給与配分に当たりましては、それぞれの職員層の処遇改善の必要性あるいは緊急性に配慮しながら改定を行ったところと考えております。
#67
○松本(善)委員 御説明は、民間が低かったから低い、過去にもこういうことがあった、低率だけれども理解をしてほしいということですが、私の聞きました公務員労働者の生活改善につながらないレベルだということを認めますか。低率だということで事実上認めたというふうに思いますけれども、ちょっと一言だけはっきりお聞きしたいと思います。私の説明は御否定にならなかったの。
#68
○弥富説明員 お答えを申し上げます。
 生活改善につながるか、つながらないかは別といたしまして、とにかく一・一八%というのは過去において一番低率であるということは申し上げることができると思います。
#69
○松本(善)委員 生活改善につながるか、つながらないかは別としてというのは、結局生活改善になると言えないからですよ。
 国公法一条、三条によってもはっきりしておりますが、人事院は職員の福祉及び利益を保護するという責任があります。言うまでもなく、給与は職員の福祉の最たるものでありますが、その給与の引き上げが職員とその家族の生活改善にもつながらない水準の勧告を出す、これではあなたは胸を張ってこれは生活改善できるんだと言えないんですよ。職員の福祉、利益を保護するという人事院の責務から見て重大な問題だと思うのです。
 これは、国公法一条、三条というのは、昭和二十三年の国公法改正の際に衆議院で修正をして入れたものであります。もちろん、先ほど来総裁自身も、総務庁長官も、官房長官も言っておられるように、これは職員の労働基本権が制約、禁止されている代償措置だということはそれぞれ言われましたけれども、このために、これは職員の福祉、利益を保護する、その任にあるということを明記する必要があるということで修正をされたわけであります。
 初代の人事院総裁の浅井清氏は、著書の「新版国家公務員法精義」でこういうふうに言っています。
 国家公務員法が、ひとり国民に対して公務の民主的、且つ、能率的な運営を保障するのみならず、国家公務員の福祉および利益を保護すべきことを明らかにしたもので、当然のことではあるが、この修正は、この法律の性格を宣言する効果を強めたのみならず、この一句が人事院に投影され、人事院をして国家公務員の保護機関たる性格を浮きあがらせることになるこういうふうに言っている。これはもう保護機関なんですから、生活改善につながらないような勧告というのはとんでもないんですよ。
 最近の公務員制度の状況から見てみますと、実質賃金の維持もできない低額勧告、今あなたも過去に何回もこういうことがあったというふうに言われました。こういうことがあるとか、調整手当の引き下げだとか、一時金では役職者に厚く一般職員に薄い傾斜配分の導入とか、国家公務員の保護機関たる人事院の責任を投げ捨てているんじゃないか、こういうふうにさえ見えます。この立場を、しっかり国家公務員の保護機関なんだ、人事院とはそういうものなんだ、あなたはその認識がありますか。
#70
○弥富説明員 国家公務員法の大原則でございます人事院の職責、これは我々も銘記をいたしております。人事行政の公正の確保と職員の利益保護、これを使命としていることは十分に私たちも認識をいたしております。
 ただ、先ほど来申し上げておりますように、公務員給与につきましては、民間企業に均衡させることを目標としてやっておるわけでございまして、必ずしも職員の利益保護イコール民間給与よりもずっと高いものでしかるべしというわけにはまいらないのではないかというふうに考えております。
#71
○松本(善)委員 結局総裁は、やはり人事院のあり方についての考えが非常に薄いと私は思います。これは労働基本権の代償措置なんですから、そんな程度のことしかできないならば労働基本権を回復すべきなんです。
 私は、総務庁長官に伺いますが、先ほど来、完全実施、そして実施をおくらせるなということについて各委員からの質問がありましたが、皆さんが御質問されるということは、どうもやはり歯切れがまだ悪いという感じがあるからだというふうに思います。
 こういう、今お話ししましたような形で公務員の生活改善にもつながらないという低率な最低水準のものです。これをおくらせるなんというのはとんでもない話だと私は思う。武村大蔵大臣が、予算が組まれていてもそれを確保できるかどうか大変厳しい財政状況だと。どんな財政状況であろうと、労働者が生活改善もできない、これを完全実施しない、これをおくらせるなんてとんでもないことだと思う。
 担当大臣の総務庁長官は閣議で、これは完全実施だ、おくらせるなど断固反対だ、職を賭してもそういう主張はする、それが通るかどうかはそれはいろいろあるかもしれませんが、少なくとも総務庁長官はそのぐらいの決意が表明されるべきではないかと私は思いますが、改めて総務庁長官の御意見を伺いたいと思います。
#72
○山口国務大臣 先ほど、八月二日の給与関係閣僚会議におきまして、総務庁長官として、人事院勧告の実施は速やかに行われるべきである、しかも、憲法上規定された労働基本権を制約をしている代償措置のいわば基本でございますから、それだけに、これを尊重して速やかに実施することを求めました。
 今後もそういう態度で給与関係閣僚会議等において主張することは、この際申し上げておきたいと存じます。
#73
○松本(善)委員 官房長官、給与関係閣僚会議の座長という立場で、これは大蔵大臣が慎重意見を述べているということは報道もされている点、やはり官房長官としてその意見は抑える、そしてやはり完全実施をする、しかも臨時国会の冒頭にも提出、先ほども他の委員からも話がありましたけれども、そういうことで公務員の生活を守る、こういう立場をここではっきりと表明をしていただきたいと思います。
#74
○五十嵐国務大臣 官房長官は給与関係閣僚会議の座長で、全体の意見をいわばまとめていく仕事であります。全体の調整を私の担当としては第一と考えていくべきものであろう、こういうぐあいに思います。
 私なりの考え方については先ほど来お答えをずっとしているところでありますが、総務庁長官の御意見も伺ったり、あるいは関係閣僚会議の全体の意見を調整しつつ、また、法や制度の精神、趣旨というものに立ちながら努力をしてまいりたい、このように思う次第であります。
#75
○松本(善)委員 それは、座長の立場というのはそういうことだということですけれども、しかし先ほど来言っておりますように、人事院総裁自身が胸を張って生活改善につながると言えないわけですよ。史上最低の低率だと言っておるわけですよ。そういうものを踏まえた官房長官の発言としては極めて不満ですね。一体それで勤労者の生活を守るという決意があるのかどうかということを疑うものであります。
 私は、この機会に官房長官にお聞きをしておきたいと思いますのは、桜井前環境庁長官の辞任にかかわる問題であります。
 これは、辞任はされましたが、村山首相の任命責任の問題というのはやはり残っているんだと思います。この問題につきましては、村山総理自身が五月に社会党の委員長として永野元法務大臣の侵略戦争美化発言に対して羽田総理を追及して、これは総理の見識と日本の政治レベルが問われているんだ、こういうふうに言って追及をされました。この問題については各新聞が、辞任の翌日は、一体こういう発言が繰り返されるというのはどういうことなんだろう、それを掘り下げなければならぬということを言っております。
 私は、この村山内閣の官房長官として総理の任命責任についてどのように考えておられるかお聞きしたいというふうに思います。
#76
○五十嵐国務大臣 閣僚の任命に当たりましては国民の信託にこたえるべく適材適所に努めたところでありまして、桜井前環境庁長官につきましても、その任を十分果たしていただけると判断いたしましてお願いされたものであろうというふうに思います。
 今回、不適切な発言によって辞任という結果となりましたのはまことに遺憾なことがありますが、御承知のように、発言をしたその日に全面的にその発言の撤回をいたしまして、翌々日の朝、自発的に辞任を申し出られたというようなことでございまして、今後とも内閣が一丸となりまして、内外の諸問題にしっかり対処するよう努めてまいりたい、このように考えておる次第であります。
#77
○松本(善)委員 村山総理が社会党委員長のときにも、やはり永野さんはやめられた後なんです
よ。だけど、やめたからといって済まないんだと、この問題は、総理の見識とそれから日本の政治レベルが問われているんだということです。だからお聞きしておるのです。同じような答弁ですね、羽田さんのときと。私は、やはりそこを掘り下げなければならぬ。
 五月の本会議で、村山当時の社会党委員長は「戦後五十周年の節目を目前にしたこの国会で、侵略戦争の過ちに対する国家意思の表明として謝罪と不戦の決議を行い、」と、はっきり「侵略戦争の過ち」という言葉を使ってこの問題を追及されているわけです。
 村山内閣としては、この十五年戦争を侵略戦争だということをまだ総理は言いませんけれども、官房長官も、当時社会党の議員としてこの社会党委員長の質問を聞いておられたと思うのです。この十五年戦争についてどのようにお考えになっているのか、これを深く掘り下げることこそが、このような発言が、閣僚のこういう発言が相次ぐ、こういうことに根本的にメスを入れるということになるのではないかと思いますので、お聞きするわけでございます。
#78
○五十嵐国務大臣 村山内閣としての過去の歴史についての認識でありますが、これは御承知のように、村山総理が七月十八日、所信表明の中で申しているところでございます。ちょっとその部分だけ読みますと、「我が国の侵略行為や植民地支配などがこの地域の多くの人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたことへの認識を新たにし、深い反省の上に立って、不戦の決意のもと、世界平和の創造に力を尽くしてまいります。」このように申しているわけでありますが、私どもの認識はそのような認識であります。
#79
○松本(善)委員 これは、今までの自民党内閣でもその程度のことは言っているんですよ。
 それで、また、いろいろな問題の発言をされた方も、この戦争中にいろいろ反省すべき点があったとか、それから侵略的な問題があったとかということを否定されるわけじゃないんだけれども、戦争そのものの目的が、これは侵略戦争ではないんだ、目的が正当だったんだ、そういうことを言われる。だから、侵略戦争だということ、侵略の目的だったということが極めて大事なんです。だからこそ私は、この村山さんの野党時代の発言を引用したわけであります。実際に、事実からしても、これは言葉のあやではなくて、事実からしてもそうなんですよ。
 私ここへ持ってまいりました「大東亜政略指導大綱」というのがありますが、昭和十八年に御前会議の決定になっております。「「マライ」「スマトラ」「ジャワ」「ボルネオ」「セレベス」ハ帝国領土ト決定シ重要資源ノ供給地トシテ極力コレカ開発並ヒニ民心把握ニ努ム。」これは明白に侵略目的で戦争をやっているということの意思表示ですよ。こういうものがいっぱいあるから、極東裁判でも侵略戦争として認定し、それをサンフランシスコ平和条約でも受諾をするということになっているわけです。
 ここのところを認めるということは根本ではないか、改めてお聞きしますと同時に、もう一つ、この国会決議ということについて、村山総理は三カ月前に言われたわけです。この点についてどう考えているのか、二つの点についてお聞きをしたいと思います。
#80
○五十嵐国務大臣 前段につきましては、先ほど申し上げたとおりであります。
 後段につきましては、かねがね国会でそういう決議が、殊に来年は戦後五十年でありますから、この年に当たって、与野党で一致してそういう決議があればというようなことは、かねがね総理は委員長時代も申していたところでございまして、恐らく今もそういうお気持ちではないかというふうに思いますが、これは申すまでもなく、国会側で十分に御議論をいただいてお決めいただくところであろう、こういうぐあいに思います。
#81
○松本(善)委員 終わります。
#82
○田中委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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