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1994/03/02 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 政治改革に関する特別委員会 第2号
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1994/03/02 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 政治改革に関する特別委員会 第2号

#1
第129回国会 政治改革に関する特別委員会 第2号
平成六年三月二日(水曜日)
   午前九時四十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月一日
    辞任         補欠選任
     太田 豊秋君     尾辻 秀久君
     会田 長栄君     堀  利和君
     川橋 幸子君     山田 健一君
 三月二日
    辞任         補欠選任
     堀  利和君     森  暢子君
     前畑 幸子君     種田  誠君
     山田 健一君     瀬谷 英行君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上野 雄文君
    理 事
                下稲葉耕吉君
                関根 則之君
                松浦  功君
                一井 淳治君
                本岡 昭次君
                平野 貞夫君
                白浜 一良君
                吉川 春子君
    委 員
                尾辻 秀久君
                岡  利定君
                片山虎之助君
                久世 公堯君
                坂野 重信君
                清水 達雄君
                鈴木 貞敏君
                永田 良雄君
                楢崎 泰昌君
                村上 正邦君
                森山 眞弓君
                岩本 久人君
                瀬谷 英行君
                種田  誠君
                角田 義一君
                堀  利和君
                前畑 幸子君
                村田 誠醇君
                森  暢子君
                山田 健一君
                渡辺 四郎君
                寺崎 昭久君
                寺澤 芳男君
                直嶋 正行君
                中村 鋭一君
                猪熊 重二君
                続  訓弘君
                聴濤  弘君
                下村  泰君
   衆議院議員
       政治改革に関す
       る調査特別委員
       長        石井  一君
       政治改革に関す
       る調査特別委員
       長代理      細田 博之君
       政治改革に関す
       る調査特別委員
       長代理      堀込 征雄君
       政治改革に関す
       る調査特別委員
       長代理      太田 昭宏君
   国務大臣
       内閣総理大臣   細川 護煕君
       外 務 大 臣  羽田  孜君
       厚 生 大 臣  大内 啓伍君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    佐藤 観樹君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 武村 正義君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  石田幸四郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       久保田真苗君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  広中和歌子君
       国 務 大 臣
       (政治改革)   山花 貞夫君
   政府委員
       法務省民事局長  濱崎 恭生君
       法務省刑事局長  則定  衛君
       労働省労政局長  齋藤 邦彦君
       自治省行政局長  吉田 弘正君
       自治省行政局選
       挙部長      佐野 徹治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正
 する法律案(衆議院提出)
○衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改
 正する法律案(衆議院提出)
○政治資金規正法の一部を改正する法律の一部を
 改正する法律案(衆議院提出)
○政党助成法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上野雄文君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を開会いたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案、政治資金規正法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び政党助成法の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題といたします。
 まず、提出者衆議院政治改革に関する調査特別委員長石井一君から趣旨説明を聴取いたします。石井一君。
#3
○衆議院議員(石井一君) ただいま議題となりました政治改革関連四法案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、政治改革関連法案につきましてはさきの第百二十八回国会において両院協議会成案を得て成立したところでありますが、両院協議会成案が得られるに至った経緯とその趣旨を踏まえて、ここに関係各法律の改正を行おうとするものであります。
 まず、公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 その一は、衆議院議員の選挙制度についてであります。
 衆議院議員の定数につきましては、小選挙区選出議員を三百人、比例代表選出議員を二百人に改めることといたしております。また、比例代表選出議員の選挙につきましては、全都道府県の区域を十一に分けた各選挙区において行うことといたしております。十一の選挙区を申し上げますと、北海道、東北、北関東、南関東、東京都、北陸信越、東海、近畿、中国、四国及び九州であります。なお、比例代表選出議員の選挙は、中央選挙管理会がこれを管理することといたしております。
 次に、小選挙区選出議員の選挙において候補者の届け出ができる政党その他の政治団体につきましては、所属国会議員を五人以上有するもの、または直近の衆議院議員の総選挙もしくは参議院議員の通常選挙における得票率が百分の二以上であるものに改めることといたしております。また、比例代表選出議員の選挙において名簿の届け出ができる政党その他の政治団体は、小選挙区選出議員の選挙において候補者の届け出ができる政党その他の政治団体のほか、名簿登載者数が当該選挙区の定数の十分の二以上であるものに改めることといたしております。
 なお、重複立候補は比例代表選出議員の選挙の選挙区の区域内の小選挙区に係る候補者についてできることとするとともに、名簿登載者の数は、重複立候補者を除き、選挙区ごとに当該選挙区において選挙すべき議員の数を超えることができないこととし、また、比例代表選出議員の選挙についていわゆる阻止条項は設けないことといたしております。
 以上のほか、再選挙等の特別選挙及び選挙運動に関し、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 その二は、戸別訪問について、何人も選挙に関し戸別訪問をすることができないことといたしております。
 その三は、あいさつ状の禁止について、公職の候補者等が選挙区内にある者に対して出してはならないあいさつ状は、答礼のための自筆によるものを除き、年賀状、寒中見舞い状、暑中見舞い状その他これらに類するものとすることといたしております。
 次に、衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 衆議院議員選挙区画定審議会設置法の施行期日につきましては、ただいま申し上げた公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律の公布の日から施行することといたしております。
 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 その一は、政党要件の緩和でありまして、政党とは、政治団体のうち所属国会議員を五人以上有するもの、または直近の衆議院議員の総選挙もしくは直近の参議院議員の通常選挙もしくはその前回の通常選挙における得票率が百分の二以上であるものに改めることといたしております。
 その二は、会社等の資金管理団体に対する寄附について、会社、労働組合その他の団体は資金管理団体に対して年間五十万円を限度に寄附することができることとするとともに、施行日から五年を経過した場合にこれを禁止する措置を講ずるものとすることといたしております。
 最後に、政党助成法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 その一は、政党交付金の交付の対象となる政党につきましては、政治団体のうち所属国会議員を五人以上有するもの、または国会議員を有するもので政治資金規正法と同様に国政選挙における得票率が百分の二以上であるものとすることといたしております。
 その二は、政党助成法の運用等について、政党は、政党交付金が国民から徴収された税金その他の貴重な財源で賄われるものであることに特に留意し、その責任を自覚し、その組織及び運営については民主的かつ公正なものとするとともに、国民の信頼にもとることのないように政党交付金を適切に使用しなければならないものとすることといたしております。
 その三は、政党の届け出について、政党交付金の交付を受けようとする政党は、当該政党の本部及び各支部の前年における収入の総額を合計した額から政党交付金、借入金及び本部や各支部において重複計上された額を控除した前年の収入総額を計算書等を添付して自治大臣に届け出なければならないことといたしております。
 その四は、政党交付金の交付額について、その年分として各政党に交付すべき政党交付金の交付限度額はその政党の前年の収入総額の三分の二に相当する額とするとともに、各政党に対する政党交付金の交付は毎年七月、十月及び十二月に行うこととするほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 なお、以上の四法律案の施行期日につきましては、いずれも公布の日から施行することといたしております。
 以上が四法律案の提案の趣旨及びその内容であります。
 何とぞ速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#4
○委員長(上野雄文君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○下稲葉耕吉君 自由民主党の下稲葉でございます。本日は同僚の関根理事とともに自民党の持ち時間の中でやらさせていただきたいと思います。
 まず、総理に内閣改造問題についてお伺いいたしたいと思います。
 総理は、昨日の衆議院政治改革特別委員会におきまして、内閣改造問題について、一両日中に総合的に判断して決めたい、こういうふうに答弁なさった旨が報道されております。報道によりますれば、連立与党の各党首の方々にその後お会いになったようでございます。きょうの朝刊をにぎわしておりますけれども、改造に賛成の党首もいらっしゃれば反対の党首もいらっしゃるように報道されておるわけでございます。
 他方、衆議院におきましては総理の施政方針演説を四日の午後一時からということに決めたように報道されておるわけでございます。本日、当特別委員会の審議が始まったわけでございますが、理事会の申し合わせによりまして特別委員会の審議は明日の午後までずれ込むことになっておるわけでございまして、最後の締めくくりでございます参議院の本会議がいつ開かれるかまだ現在の段階では決まっていないように私は承知いたしておるわけでございます。
 そういうふうになかなか厳しい日程の中でございますが、昨日、一両日中にという御発言をなさっておられるわけでございます。私の手元にありました辞書を引いてみましたら、本日を含めた明日と、こういうふうに書いてあるわけでございまして、きのうからいいますと、きのうときょうということになるわけでございますが、改造をこの段階でおやりになる気があるのかどうか国民が大変関心を持っていることだと思いますので、御答弁いただきたいと思います。
#6
○国務大臣(細川護熙君) 改造の問題につきましては、今お話がございましたように、連立与党の各党首あるいは代表者の方々からそれぞれ各党固有の御事情もございましょうから御意向を伺っているところでございまして、昨日、一両日ということを申しました。ですから、今おっしゃいましたように、きょうじゅうには判断をしたいというふうに思っております。
 国会の日程その他を総合的に判断して、もちろん各党の御事情もございましょう、国会の御事情もございましょう、そういうことを総合的に考えて最終的に判断をしたい、このように思っております。
#7
○下稲葉耕吉君 もう一遍重ねてお伺いいたしますが、きょうじゅうに御決断なさるということでよろしゅうございますか。
#8
○国務大臣(細川護熙君) おっしゃるとおりでございます。
#9
○下稲葉耕吉君 それでは、本論に入ります。
 昨年の十二月二十七日に本特別委員会の総括質問で、私は政治改革四法案につきましていろいろお尋ねいたしたわけでございます。
 衆議院の選挙制度の改正と私ども参議院の選挙制度の改正をやはり一体として考えるべきじゃなかろうかというふうな考え方を持っているわけでございますが、その点につきまして実は参議院議員でいらっしゃいますお二人の大臣に当時いろいろお話を伺ったわけでございます。いろいろ御答弁がございました。しかし、今、衆議院の選挙制度がまさに決まろうとしているわけでございますので、そういうふうな中において参議院選出の両大臣、経済企画庁長官と環境庁長官に、現在の段階で参議院の選挙制度についてどうあるべきとお考えになっているか、お伺いいたしたいと思います。
#10
○国務大臣(久保田真苗君) お答えいたします。
 衆議院の選挙制度が決まりましたならば、これを踏まえながら、各党各派でもっていろいろ御論議がいただけるだろうということでございます。
#11
○下稲葉耕吉君 大臣のお考えは。
#12
○国務大臣(久保田真苗君) この前、先生に私の考えの一端を申し上げさせていただきました。
 私は参議院議員でございますが、参議院の選挙制度がかつての全国区から比例区に改正されまして十年でございまして、この間を私経験しておりますけれども、私、議員としての立場からいいますと、参議院の制度に今それほど大きな変更を要する点があるのかどうかということを疑問に思います。したがいまして、今後衆議院がどういうふうに新しい制度を展開されるか、そういったこととの間にもし甚だしい不都合でも生じたらばそれはお互いに考えるべき問題ではないかなと、そんなふうに思っております。
 私といたしましては、参議院を改革するためには、常在戦場の衆議院のいわば足りない点、それを補ったり、これをチェックしたりするというそういう機能がありますのと、参議院は解散がございませんし任期が六年ですから、じっくりと立法作業に取り組んでいくといったそういう特性を持っていると思いますので、むしろ国会の運営の中で改革すべき点がかなり多いように思っております。
#13
○国務大臣(広中和歌子君) 私も、今、久保田大臣がお答えなさいましたように、衆議院の政治改革法案成立後に当然参議院の方でも、今までのそれぞれ各党各会派の参議院の政治改革、選挙制度の討議を踏まえた上で新たな考え方が出てくるのではないかと思います。
 私の立場といたしましては、特に申し上げることはございません。
#14
○下稲葉耕吉君 久保田大臣からは比較的はっきりしたお考えを伺えたように思います。
 次に、総理に伺いたいと思いますが、総理はやはり同じ十二月二十七日の特別委員会の総括質問で私の質問にお答えいただきまして、参議院が「ニ院の府として、良識の府として、衆議院のカーボンコピーと言われるようなことでなくして、チェック・アンド・バランスの機能というものをしっかりと果たしていっていただけるような参議院であるということを私は強く望んでいるところでございます。」というふうに御発言いただいているわけでございます。
 今まさに政治改革関連四法案が成立しようといたしているわけでございますが、衆議院は小選挙区とブロックの比例制というふうな形で、参議院の場合は都道府県単位の選挙区と全国比例区というふうな形でおさまっているようなことであるわけでございます。
 今度の法案は政府提出の四法案であるわけでございます。したがいまして、参議院の選挙制度改革についてもあるいは政府提出の法案になるのかなという考え方がないわけでもないのでございますが、総理、ざらにまた日本新党の党首といたしまして、今まさに衆議院の選挙制度が決まろうとしているわけでございますが、参議院の選挙制度はいかにあるべきかということについての総理の御見解を承りたい、このように思います。
#15
○国務大臣(細川護熙君) 参議院の選挙制度がどのようにあるべきかということにつきましては、衆議院の制度が今このように変わろうとしているわけでございますから、参議院の選挙の制度につきましても抜本的にいろいろな観点から見直しをしていく必要があるだろうということは、先般来この委員会におきましても御論議があっているとおりでございます。私もそのように認識をいたしております。
 まず、基本的に参議院がどういう機能を果たすべきかというところからやはり議論が起こされなければならないと思っておりますし、そういう観点で、先般、本委員会におきまして今お話がございましたようなことを申し上げたわけでございますが、よく言われますように抑制と均衡といったようなことも必要でございましょう。あるいはまた、党議拘束といったようなことについても、拘束がいいのか非拘束がいいのか、そういったような観点からの参議院のあり方というものも考えてみる必要がございましょう。あるいはまた参議院で扱うべきテーマというものが衆議院と同じでいいのかどうなのか、あるいはまた重点の置き方が衆議院とは違ったところにポイントが置かれるべきなのかどうなのか、いろんな考え方があるのではないかと思っております。
 そうした観点から、選挙制度につきましても拘束名簿式というものがいいのかどうなのかといったようなこともございましょう。あるいはまた総定数がどうなのか。あるいはまた格差の問題もございましょう。これもまた非常に重要なテーマだと思いますし、あるいはまた選挙区と比例区についての考え方をどういうふうに整理をするのか。衆議院との兼ね合いも考えながらいろいろな観点から検討をする必要があるのではないか、このように私自身は思っております。
#16
○下稲葉耕吉君 きょうはお忙しいところ各党の党首にもおいでいただきまして、ありがとうございました。
 参議院の自民党は、もう既に昨年、参議院の選挙制度の問題につきまして党内で議論いたしまして結論を得ているわけでございまして、公表されているわけでございます。
 御承知のとおりでございますが、特徴を申し上げますと、一つは定員を削減しようというふうなことでございまして、今二百五十二名の定員があるわけでございます。これは衆議院の五百十一名というのを本則に戻そうということで四百七十一名の話が出るわけでございますが、参議院の二百五十二名の定数は本則そのものでございます。それをもし削減、切り込んでみようというふうなことで、二百五十二名のうち百五十二名が御承知のとおりに都道府県単位の選挙で選ばれる選挙区の議員でございます。あとの百名が全国比例の議員でございます。その人たちが半数ずつ三年ごとに改選されておりますが、それぞれ十名ずつ切り込んで二百三十二名にしようというのが一つの定員削減のポイントでございます。
 それから、全国比例につきましては、現行の拘束式選挙方法につきましていろいろ問題もあるので、非拘束と拘束の両方を採用した全国単位の比例制度でどうだろうかというふうなことを考えております。
 それから、選挙区につきましては、今、総理お話しございましたように、人口の変化によりまして格差がございます。逆転しているところがございます。そういうふうなものを是正しよう、そしてその両方に今申し上げましたような削減というふうなものをかけよう、これが参議院自民党が現在考えて、党内でまとまった考え方であるわけでございます。
 今まさに衆議院の選挙制度が決まろうとしているわけでございますが、私ども参議院におります立場からいたしますと、早急にやはり参議院の選挙制度の問題も検討しなければならない、こう思います。
 そこで、それぞれの党首の方々に、党内で意見がまとまっていなければ党首個人のお考えでも結構でございますけれども、参議院の選挙制度について、今、総理からはお伺いいたしましたが、羽田大臣、官房長官、石田長官、大内大臣、お願いいたしたいと思います。
#17
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げたいと思います。
 やはり参議院につきましては、衆議院と違った独自性、こういったものを持っていただくために、衆議院に対する抑制、均衡、補完というもの、そして専門的な知識を持たれた方あるいは経験にすぐれた人、こういった方々が選ばれる方法というものを考えることが重要であろうと思っております。
 それから、私どもが皆さんとかつて議論したときにも、やっぱり参議院というのが余り政党化するということは一体どうなのか、これを何とか外していく必要があるんじゃないのかといったときに、今の拘束的な比例のやり方ですとなかなか問題があるねというお話なんかがございました。そういう中で、これ、憲法問題があるんですけれども、推薦制なんというのが相当議論されたわけであります。
 憲法の問題があるねということになっておりますけれども、いずれにしましても、そんな問題も含みながら、先ほど申し上げたような参議院の独自性というものを出すために、今お話がありました自民党の参議院の案というものなんかも一つの大切な意見としてお聞きしながら、私は与党とか野党ということでなくて、そういう中で徹底した議論をして一つの参議院の独自性というものを出すためにひとつ御苦労いただきたいし、私どももやっぱり勉強していかなければいけない。
 もちろん、そのときに衆議院と参議院、衆議院で今度できたものを見ながら参議院の独自性というもの、そして先ほど申し上げたような性格というものを浮き彫りにしていくことが大事であろうというふうに思っております。
#18
○国務大臣(武村正義君) 党としてはまだこの問題は意見の集約ができておりません。今、総理、羽田党首がお話しになりましたこととほぼ同じ考え方でございます。
 いずれにしましても、憲法が我が国の国会を二院制に規定いたしております。憲法の期待する二院制の意義がより発揮できるように、そして参議院が今以上に言われておりますような役割を発揮ができるようなそういう考え方に立って選挙制度の改革の議論をしていくべきではないかというふうに思っております。
#19
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。
 今、下稲葉先生から自民党案の参議院の改正についての骨子、お話をちょうだいいたしたわけでございますが、私は、衆議院の制度と違って一つの大きな特徴は解散がない、任期制になっているという点、これはやはり衆議院の解散の問題に対応する国政の重要性の立場からそういう議論になっていると思うのでございます。
 もう一つの問題は、衆議院の中選挙区制にしましても小選挙区制にしましてもいわば小さな地域の中から選ばれる代表というようなことになるわけでございますが、参議院の方はより大きな見地に立ってのいわゆる有識者の集団、しかもその参議院議員の個々の見識を高く評価され、その能力が発揮されることが期待をされておる、こういうふうに思うわけでございます。
 そういうような中で、今までの中での問題点としましては、特に選挙区におきます一票の重さの問題が大分全体で変わってきているわけでございますから、今後改正すべき議論としてはこの問題が重視されてこなければならないであろうと思っております。
 それからもう一点は、いわゆる全国区から比例区に変わったときの議論、これは全国区は大変に費用がかかり過ぎるという点が一つございました。現に、私どもも党を運営いたしておりまして、選挙区にいたしましてもあるいは全国区にいたしましてもかなりの費用がかかる。私どもの政党なんか極めてその点は厳粛に切り詰め切り詰めやっておるわけでございますが、相当の費用がかかる。この点の是正もやはり問題なのではないか。なぜかならば、参議院では有識者がその能力を発揮していただかねばならない、個人的な要素がかなり加味されなければならないはずにもかかわらず、どうしても政党の方にウエートがかかってしまうという点がやはり検討されるべき問題点ではなかろうか、私はこんなことを今感じておるわけでございます。
 党としましてはまだ全体の意見の集約をいたしておりませんので、確たるものを今まとめて申し上げる状況にはないことをお許しいただきたいと存じます。
#20
○国務大臣(大内啓伍君) 世界の先進国で二院制を採用している一つの物の考え方といたしましては、衆議院の政党政治の弊害というものをチェックする、俗に言うチェック・アンド・バランス、抑制、均衡、補完といったような言葉で言いあらわされておりますが、やはりそこに参議院というものの存在理由が非常に高まってくるのではないかと思っております。
 過ぐる段階で、参議院に全国区の比例、しかもこれは拘束名簿式という形でこの制度が導入されたときに、私どもはこれではこれが百名といえども参議院が衆議院のコピー化するおそれがあるのではないかと言って疑問を呈したのでございます。私は、参議院を設ける本来のねらいというのは、衆議院における政党政治のエゴといったようなものを高い見識と良識においてチェックし国民の総体的な意見というものをまとめ上げていくというところに重要な意味があるのではないかと思っておりまして、その意味から、先ほど下稲葉議員が御指摘のような定員の削減とか一部非拘束名簿の導入といったような問題は一つの御見識あるお考えではないかと思っているわけであります。
 したがって、衆議院よりか参議院というのは個人を重視する選挙、つまりその方の持っている人格、経験といったようなものを考えて投票が行われるような選挙制度が望ましいという考えを持っておりまして、私どもの党といたしましては、そういう見地から実はブロック別の個人名投票制度といったようなものを既に案として固めまして、参議院が政党政治化しないで文字どおり個人の人格と見識と力量というものが国政に反映されて衆議院の行き過ぎというものが是正される、そういう機能を発揮されるとすれば二院制というものが非常に重い意味を持っていくのではないかと思って、そういう案を実は提唱してまいりましたが、現在審議されておりますこの衆議院の選挙制度におきましてはさきにブロック別の比例という問題が導入されて新しい事態を迎えましたので、今党内におきましてもそれらを検討中でございます。
 したがって、与党のそういう話し合いにおきましても、私どもはそれらの主張、物の考え方というものを提案し、そしてお聞きいたしますと、三月じゅうぐらいにこれを与党としてはまとめ、自民党の皆さんを初め野党の皆ざんとも、これは共通の土俵にかかわる問題でございますから、十分お話し合いを尽くし、でき得ることであれば来年の選挙に間に合うような形でその制度改革が行われることが望ましい、こういう考え方に立ってこの問題に対処しているところでございます。
#21
○下稲葉耕吉君 各党の党首から大変貴重な御意見を承りました。今お話がございましたように、連立与党の皆様方も既にお取り組みを始めておられるようでございますので、実りある成果が得られることを心から期待いたしておるわけでございます。
 それで、最後に自治省にお伺いいたしたいと思いますが、地方議会では定員削減が進んでいるといいますか、一生懸命おやりになっているところが多いわけでございますが、ひとつ参考のためにその辺の実態を教えていただければありがたいなと思います。
#22
○政府委員(吉田弘正君) お答えを申し上げます。
 地方団体の議会の議員の定数の状況でございますが、これは御承知のように、地方公共団体の議会の議員の定数は、都道府県、市町村別にそれぞれ人口段階ごとに法定数が定められておりますが、「条例で特にこれを減少することができる。」というのが地方自治法の規定でございます。こういう規定もございまして、多くの地方団体が定数を条例によって減少させているところでございます。
 私ども自治省の調査によりますと、地方公共団体の議会の議員の法定数に対する減員の比率でございますが、これは全体で昭和六十二年度は二一・四%、平成元年度が二二・八%、そして平成四年度は二三・三%となっておりまして、上昇をしてきておりまして、全体として議員定数の減少の傾向が見られるということになるかと存じます。
#23
○下稲葉耕吉君 地方議会でもそういうふうに骨身を削って努力しておられるわけでございますので、私どもも十分意を体さなければならぬのじゃないか、このように思います。
 そこで、「政治改革協議会協議結果」というぺーパーを私は今手元に持っているわけでございますが、石井委員長と松永先生とのサインのもとに交わされた文書だと思うのでございます。これが骨子となりまして提案されております改正法になっておるわけでございますが、この問題につきまして若干お伺いいたしたいと思います。
 その前に自治省にお伺いいたしますが、中央選挙管理会、これは具体的にどのようなお仕事をなさっているか、そしてその管理会のもとの体制はどの程度の体制なのか、お答えいただきたいと思います。
#24
○政府委員(佐野徹治君) 中央選挙管理会の事務でございますけれども、この主な事務といたしましては、一つは参議院議員の比例選挙につきましての管理、それからもう一つは衆議院の総選挙と同時に行われます最高裁判所の裁判官の国民審査に関する事務を行っているところでございます。
 なお、中央選挙管理会の体制と申しますか、これは委員が五人でございますけれども、庶務的な事務につきましては自治省の選挙部で行わせていただいておるところでございます。
#25
○下稲葉耕吉君 石井委員長にお伺いいたしますが、中央選挙管理会が各ブロックの比例選挙を管理するわけでございますが、選挙長は何名置かれることになるわけでございましょうか。
#26
○政府委員(佐野徹治君) これは与野党の協議で決まりまして、衆議院の委員長提案ということでやらせていただいているものでございますけれども、選挙の管理執行の事務は中央選挙管理会、庶務は自治省の選挙部でやっておりますので、私の方から事務的にお答えさせていただきたいと思います。
 ブロックは十一ございます。十一のブロックそれぞれの選挙ごとに選挙長を置くということになっておるものでございます。
#27
○衆議院議員(石井一君) 事務的な問題でございますから、以上のようなことでございますが、中央に置くということにつきましては今後さらに検討を続ける必要があるというふうに私たちは認識いたしております。
 ただ、各ブロックに十一置くといたしましても、どこの地域をとりましても、その県庁所在地が他の地域を網羅できるかということを考えますと、それは必ずしもそうではない。近畿で大阪に置くということはある程度合法的かもわかりませんが、それぞれ大変広い地域がございますものですから、そこでそれぞれのブロックを管轄できるかどうかという問題も一つございます。
 それからもう一つの問題点は、各政党の本部が東京に所在しておるわけでございまして、恐らくブロックから出られます候補者にいたしましても、これは東京で総括をされるというふうな問題が出てこようかと思います。その場合に、それぞれの地方で届け出をするということの方がかえって煩雑になるというふうな問題もあろうかと思いますので、私は、佐野選挙部長が十一の選挙長だというふうに今申しましたが、しかし、統括的な責任はやはり中央管理会を中心にして推進するということが選挙の実施上最も適切なものになるのではないかと。これは今後の課題として検討していきたいというふうに考えております。
#28
○下稲葉耕吉君 中央管理会で管理するということはもうこれは決まったわけでございまして、私は、その中のそれぞれのブロックごとの実務の責任者、選挙長というのは法律で決まっておりますので、それはどうなるんですかというお伺いをしたわけです。そうしましたら、十一人それぞれのブロックごとに置かれるということですよね。それぞれのブロックごとに置かれて、そして、今、中央選管というようなお話がございましたように、我々は、全国比例、これがほとんど中心です。あとはもう最高裁の国民審査ということですね。今度は十一のブロックの選挙で、中央選管に一遍に集まるわけです。そして選挙長は十一人おられる。全国集計、ブロック集計というのが全部来る。今の体制で十分ですか。
#29
○政府委員(佐野徹治君) 現在、参議院の比例選挙と最高裁判所の国民審査に関する事務を中心に行われておりますけれども、今回新たに衆議院の比例選挙につきましてブロック選挙ということで諸般の事務量というものが増加いたしますれば、中央選管の庶務をいたしております私ども自治省選挙部におきましては、それらにつきましての体制の充実につきましては万全を期してまいりたいと考えております。
#30
○下稲葉耕吉君 万全を期したい、これはそうおっしゃるだろうと思うのですけれども、実際問題としては大変だと思うのです。加えて、衆参の同時選挙がないとは言えませんね。今、中央選管が参議院の比例区の集計をなさっているのも大変なんです。したがいまして、御承知のとおり当選者が大変おくれて発表されるでしょう。それは選挙区と比べて当然のことですけれども、それにまた輪をかけまして今みたいな問題ができてくるんじゃないか。
 ですから、ブロックごとに当選者を決めるとおっしゃいますけれども、それは体制を整備するというのは役人の答弁で、果たして即日開票をやってもさてその日に当選者が決まるのか、二、三日かかるのか。どこかの国々みたいに何カ月ということもないと思いますけれども、何カ月もというふうなことになったんじゃ大変なんですから、その辺のことを実務的に私は心配して御質問申し上げているわけでございますから、これも十分御検討していただかなければならない点だと思のでございます。
 それから、次の問題でございますが、いわゆる資金管理団体の問題について御質問いたしたいと思います。
 資金管理団体は政治家自身が代表者である政治団体のうちから指定する、こういうことになっておるわけでございますが、現在、政治団体で政治家自身が責任者になっている政治団体というのは全体の何%ぐらいございますか。
#31
○政府委員(佐野徹治君) その種の調査はいたしておりませんので、私ども自治省におきましては現在具体的な数字は把握をいたしておりません。
#32
○下稲葉耕吉君 把握いたしておりませんとおっしゃいますけれども、ほとんど政治家自身が責任者ではないと思います。
 じゃ、政治家自身が責任者である政治団体、裏から質問しますが、御存じでしょうか、幾らございますか。
#33
○政府委員(佐野徹治君) 先ほどお答えいたしましたことでもございますので、私ども自治省といたしましてはその数字を把握はいたしておりません。
#34
○下稲葉耕吉君 私は皆無に等しいと思うんです、実態は。そうしますと、今度は法律でこういうふうな規定になったわけでございますから、法律に適合する政治家が責任者である資金管理団体をつくらなくちゃいけない。つくらなければ動かないということになります。そういうふうなことになりますと、果たしてどういうふうな形で、例えば従来の政治団体の中から今度は政治家自身が責任者になって資金管理団体をつくるわけですから、その辺についての移行の手順なりなんなり、石井委員長、何かお考えございましょうか。
#35
○衆議院議員(石井一君) 下稲葉議員が仰せのとおり、下稲葉後援会がございましても代表者は必ず別だということでございますから、ほとんど皆無に近いというのが現況かと思います。
 そこで、複数あります団体を統合するのか、あるいは資金管理団体を新たに設立し、他の団体についてはそのまま存置して、それは政治団体として認めるけれども資金管理団体とは別だという判断をするのか、これは今後検討を加えていくべきことだと思いますが、私は、恐らく私が今申しました後者、新たにそれぞれがみずから責任者になる団体を申請し、資金の流れに関してはそれに統一をする、そして他の団体は一切資金に関係せず、長いこと後援会を持っておるというふうなものはそのまま存置し政治活動だけはそこで行うというふうな形が今後生まれてくるのではないかと。
 この質問も、今は法律がまだできていないということでございますから、今後の運用につきましては我々ともに知恵を出し合法的な措置をとらざるを得ない、そういうふうに認識いたしております。
#36
○下稲葉耕吉君 これも一つの問題だと思いますし、やはり円満にスムーズに資金管理団体というふうなものが設立されるためには、従来の政治団体に対する切り込みといいますか検討といいますか、これはもう当然必要なことだと思いますし、また全国の政治家がそういうような意味で混乱してもよくないと思います。
 そこで、次に移りますが、政治家には市区町村議会議員及び立候補予定者を含むものとし云々ということになっております。
 そこで、自治省にお伺いいたしたいと思いますが、現在自治省及び都道府県に届け出をされている政治団体の数というのは幾らぐらいございましょうか、それが一つ。それと、ここでいういわゆる地方の政治家、市町村議会議員、あるいは首長を入れて結構ですが、それのあらましの数字をまず質問の前提にお伺いいたします。
#37
○政府委員(佐野徹治君) 自治省及び都道府県の選挙管理委員会に届けられております政治団体の数は、これ概数で恐縮でございますけれども、約六万四千ぐらいではなかろうかと考えております。
 それから、市区町村関係の長及び議員の数でございますけれども、これは市区町村でございますが、約六万五千でございます。それから、県と政令市の長及び議員でございますけれども、これは約四千程度でございます。これも概数で恐縮でございますけれども。
#38
○下稲葉耕吉君 御答弁ございましたように、今まで六万四千ぐらいの政治団体があったということでございますが、今度は資金管理団体ということで各市町村の議員さんまできちっと資金の受け皿としてできることになるわけですね。最初の政府原案というのは、そういうふうな人たちに対してすら企業・団体献金というのは禁止していた。それを今回は資金管理団体を受け皿として認めるということになりました。
 ということになりますと、市区町村の議員さんたちも必ず一つは資金管理団体をおつくりになるというふうに考えていいんじゃないか、大体そういうような形になるんじゃないかと思いますね。そうしますと、今ですら六万四千、これは本当は集約され、数が大変減ってくると思います。しかし、それは資金管理団体に集約されたとしても政治団体としては可能でございますから、そういうような形でたくさんの政治団体あるいは資金管理団体というものができてくる。
 それで、大変いかがわしいことは、そういうふうな団体を通じまして、偽装献金といいますか、所得税法違反でありますとか献金したごとくやって税金を還付してもらうというふうな事案が新聞にいろいろ報道されています。そういうようなことに対する配慮というふうなものを私どももやらなくちゃいけない、このように思います。
 そこで、税制上の優遇措置というものは市町村区会議員あるいはその首長には適用されない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#39
○政府委員(佐野徹治君) 政治献金に係ります所得税上の寄附金控除の優遇措置でございますけれども、これにつきましては、現行制度では政令市以上の長及び議員、これが対象になっているところでございます。
 いろんな御議論がございましたけれども、与野党協議等でもこの点につきましては現行制度でやる、こういうことで結論がなされたものと承知をいたしておるところでございます。
#40
○下稲葉耕吉君 そこでお伺いいたしたいんですが、これは石井委員長にお伺いいたしたいと思います。
 全国を三百の小選挙区に今度切るわけでございます。私の郷里でございます鹿児島市だけでもおつりが来る。小選挙区が一部必ず分かれるんじゃないかと思いますね。
 第八次選挙制度審議会の答申で、仮に東京だけ見てみましても、一つの区で区割りが余って一部を割いてほかの区と一緒になって選挙区になるというふうなところが大田、世田谷、練馬、足立、江戸川、五つございますね。それから、一つの区そのもので一つの選挙区にはまるというのが杉並、板橋、江東それから八王子市、これが八次答申の内容でございます。
 そうしますと、区長の政治活動については税制上の優遇措置はとられませんね。ところが、それより小さな選挙単位の国会議員の政治活動については税制上の優遇措置がとられるということですが、委員長、これは不均衡じゃございませんでしょうか。
#41
○衆議院議員(石井一君) 御質問の性格上、これは行政府の方から答えてもらうべきものだと私は思うのでございますが、私の立場で理解をいたしておりますことは、一つは世田谷でございますとかあるいは堺市でございますとか、そういう行政区画が小選挙区三百よりも大きくなるというのが全国で五十六ほどあるというふうに伺っておるわけでございます。
 そして、その選挙区におきましては当該の議員、いわゆる府会議員、県会議員等々の問題につきましては、小選挙区の制度が施行されました後、順次地方におきましてはそれに準拠し、例えば世田谷におきましては、現在、区会議員は一つの選挙区で行われておりますけれども、これが二つに分かれました場合には、世田谷第一区、世田谷第二区の中において区会議員ができるというふうな方向ヘ徐々にこれは指導していくというふうに考えております。
 そして、委員が御指摘になりました区長の問題につきましては、確かに御指摘の点は正しいものがございますが、議員と区長と同じような形で政治資金の問題に携わるかということになりますと、区長の場合はやや行政サイドに立つわけでございますから、それほどの必要性もないというふうなこともあるのではないか。
 この点は、私が答えるよりも、自治省サイドが今後子細に検討をして、そこにやはり新しい制度のもとに合理的な納得のいく形を今後検討していくべき課題だ、そういうふうに認識いたしております。
#42
○下稲葉耕吉君 議員と首長は、それは仕事も違いますけれども、政治家であるということについては同じだ、私はこのように思います。
 そこで、話を次に進めますが、これは総・総会談の内容に基づきまして、投票方法は記号式の二票制、なお参議院議員の選挙制度との整合性を考慮して今後引き続き検討するというのは、これはやっぱり疑問が残ったからこういうふうな表現になっていると思うんですが、記号式一票制ならば話は私はわかるんです、一票制の場合だと。しかし、記号式二票制というのは、どうしてもその辺のところがよくわからない。参議院の制度を考えるときに整合性を検討するということになっておりますから、実際はそういうふうになるんじゃないかと思うんですが。
 試みに、これは自治省にお伺いいたしますけれども、一昨年参議院選挙がございましたが、比例区に候補者を出した政党というのは幾つぐらいございましたでしょうか。
#43
○政府委員(佐野徹治君) 一昨年の七月二十六日執行の参議院議員の通常選挙におきます名簿届け出政党等の数は三十八でございます。
#44
○下稲葉耕吉君 衆議院になりますとあるいはもっと多くなるんじゃないかと思います。ただ、それが十一のブロックに分かれますから、必ずしもそれが全部になるかどうかは疑問がございます。しかし、東京あたりは大変多いだろうと思いますね。
 そういうふうな場合の投票用紙の大きさというのはどの程度になりましょうかね。
#45
○政府委員(佐野徹治君) これはどの程度の候補者、立候補、その名簿の届け出政党があるか等にもよりますのでちょっと一概に申し上げることはできませんが、例えば最高裁判所の国民審査、これは現在も記号式といいますか、バツをつけるということでの審査方式をとっております。これにつきましては、審査対象になります最高裁判所の裁判官の氏名を投票用紙に印刷をいたしましてそれぞれ審査をしていただくということになっておりますので、そういうものが一つの参考になるのではないかと考えられます。
#46
○下稲葉耕吉君 私はああいうふうなものじゃ済まぬだろうと思うんですよ。
 そこで、お伺いすればわかることですが、大体全国に五万三千近くの投票所がございますね。五万二千幾らという数字ですが、約五万三千の投票所がある。そこで、今までのああいうふうな投票箱じゃ私は済まぬだろうと思うんですよ。これよりももっと大きくなるのか知りませんが。書いて入れるということになったらね。
 しかも、今までの投票箱というのは、衆議院の選挙だとか参議院の選挙だとか地方議員の選挙だとか、みんな一緒に使っている。ほとんど共通に使っているんですよね。ところが、今度はこれだけで五万幾らもまた大きな投票箱をつくる。その他いろいろ、細かく申し上げませんけれども、それだけでも大変だろうと思うんですよ。しかも、それは衆議院のブロックの選挙にしか使えない。使えないというか、用をなさないということになりますね。
 日本は識字率が非常に高いわけですが、そういうふうな中で何で記号式にせぬといかぬのだろうか。しかも、記号式にしますと例えば三十なら三十という政党がずらっと並ぶ。ざて、どういうふうにして候補を見つければいいか。これもいろいろ経験則であれしますと、一番上が一番丸が多いとか一番下がどうだとかいろんな問題があるんですよ。そういうふうな中で、大きな投票用紙を持っていって入れる。しかも、今申し上げましたような形で大変財政的にも問題があるのではないかというふうな感じがしますが、そういうふうな点は御議論なさったんでしょうか、いかがでしょうか。
#47
○衆議院議員(石井一君) 私から申し上げたいことは、今後この問題は自書式にするか記号式にするか真剣に検討をし結論を出す、また、御指摘のとおり、同時選挙等がございましたら明らかに国民に混乱を生ずる問題が出てくるわけでございますから、これを統一しなければいかぬわけでございます。
 この議論は私が自民党におりますときからかなり長時間いたしたわけでございまして、まず第一点目に御指摘したいことは、自書式を行っておるのは世界百数十カ国の中で日本だけであるということが一つの事実でございます。韓国でも記号式をとっておりますし、そのほかの国もほとんどすべて記号式をとっておるということが一つでございます。我が国は非識字率等から申しましても何の問題もない、そしてこれまでもう十分なれ切っておるというのでそれの方が自然なんですが、世界の趨勢の中では例外的存在であるということが一つでございます。
 それからその次に、実は自民党の選挙制度調査会から深谷隆司君と渡海紀三朗君がアメリカヘ調査に参りまして、向こうの投票方式をつぶさに研究をいたしましてたくさんのリポートを出してきておりますが、いわゆるオンラインシステムという制度のもとに、相当何十億という金はかかると思うのでございますけれども、マークシートにマークをするということによって自動的に直ちにそのオンラインで投票が集積されて、今やっているようなたくさんの人が集まってひっくり返して分けたりするようなものは全くなくなってしまう、そういうようなことをもう先進国では導入しておる。こういうふうなことをも考えますと、我が国においてそういう制度を導入するかどうかは今後の問題といたしまして、この際、世界の趨勢に従って我が国でも記号式を取り入れたらどうだろうか、こういうふうな議論もございまして、これは自民党の中に大変な記録が残っておりますから一遍見ていただきたいと思うのでございますが、そういう中からそういうことでございます。
 私、昨日、三十八名のリストはどうなるかといいますと、大体この程度の紙。(「そんなものじゃない」と呼ぶ者あり)いやいや、そこにあっただろう、四十、きのうあったのをちょっと見せてくれないか。
 これは今後の課題ですからここで議論する必要はございませんが、そういう問題があることは十分認めます。しかし、今私が申しました重要な二点につきましても、将来二十一世紀に今のような自書式をずっと続けていくのか、あるいはオンラインのパンチのもとに直ちに投票の結果が出てくるというふうなことを考えました場合には、この際別の観点からこの問題についても検討を要する課題ではなかろうか、こういうことを申し上げておきたいと思います。
#48
○下稲葉耕吉君 今、同僚委員から差し入れがございましたけれども、これは四十人でこれぐらいの大きさに大体なっておるようですが、これでもちょっと字が小さいというふうな感じがいたします。そういうふうな問題がなおあるということを指摘いたしておきます。
 それから、もう時間も参りましたので最後に自治大臣に一言お伺いいたしたいと思いますが、実は今度の百四十七条の二の問題で先般も私御質問申し上げました。いわゆる慶弔、激励、感謝、これらに類するもののためのあいさつ状の禁止の問題でございます。戸別訪問の問題等個々の問題につきましては私どもの主張を聞き入れていただいて、現行どおりといいますか、そのままにしていただくということになったんですが、その際、私は一歩踏み込みまして、性悪説と性善説の問題に絡みまして、例えば赤い羽根であるとか献血であるとか、ああいうふうな社会公共のためにやるようなものまで今はだめだと。しかも罰則をもって禁止しているんですよね、寄附だということで。
 ところが、これはいかにも性悪説で、やはり選挙というものは、我々政治家というのは国民の一人一人の心に訴えてやらなくちゃならない、そういうようなことであるにもかかわらず、何か性悪説ということで、何やるかわからぬとかいうふうなことなんです。私は、これは決めさえすればそういうようなものは条文化することは難しいことじゃないと思うんですよ。全く同じ立場で大臣は昭和四十四年に御質問なさっているんですよ。そして、今鹿児島の知事をやっている土屋知事が当時選挙部長で役所の立場から答弁なさっているんです。
 ですから、先ほど申し上げましたように、それは記号式二票制の問題なりなんなりありますし、いずれ解決せぬといかぬのですが、大臣、いつまでおやりになっているかわかりませんけれども、現職の大臣としてその辺のところをもうひとつ踏み込んだ御答弁ができませんですか。
#49
○政府委員(佐野徹治君) 寄附の禁止につきましてはいろんな経緯がございますので、ちょっと私の方からその経緯につきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 昭和五十年に寄附の禁止の強化がなされましたが、その後さらに平成元年に全会一致で現行のような規定になっております。
 この立法趣旨につきましては、これは私の方から改めて御説明を申し上げるまでもございませんけれども、いずれにいたしましてもそういう経緯で現行の制度が成り立っておりまして、私ども現在、この規定を受けまして、毎年相当の予算を計上いたしまして寄附の禁止の周知啓発に努めておるところでございまして、こういう点につきましても御理解をいただければありがたいと思います。
#50
○国務大臣(佐藤観樹君) ある市町村で議員の報酬を引き下げようということにいたしましたら、そしてそれを町に返すという場合に、これも寄附の禁止に当たるという例等がございまして、ここまでもいかぬのかなという感じが率直に言って私もございます。
 ただ、例えば下稲葉議員が言われましたように、じゃ赤い羽根、これ自身は極めて善意の問題でございますが、例えば教育資金を何とかするような団体に寄附をするとか、私も大分役人的になってまいりましたが、一体どこでこれが線が引けるものかどうか。それが直接自分の選挙にプラスになるとかマイナスになるとか、直接じゃない場合にはいいではないかという理解もできると思うんですが、それが一体どうやって具体的に線引きできるだろうかという点がこの問題の難しさでございまして、御指摘の点はよくわかりますのでよく研究はさせていただきたい。
 せっかくの御質問でございますから、私も矛盾を感じないわけではないのですが、いざ具体の例になりますと、結局、寄附の禁止ということの効力がなくなってしまうということでもいかぬものですから、具体的な線引きということが一体できるかどうか勉強、研究はさせていただきたいと存じます。
#51
○下稲葉耕吉君 終わります。
#52
○関根則之君 昨日あたりから景気の関係が少し明るくなったんではないかというような記事、報道が大分なされております。労働省の方の有効求人倍率も少しよくなってきているようでございますし、失業率も何か大分、失業率ですからこれは下がるんですかね、改善されてきているようでございます。日銀短観も少しよくなったという報道もあります。
 この辺の状況、石田長官、それから労働大臣から御説明いただきたいと思います。
#53
○国務大臣(石田幸四郎君) 昨日の閣議におきましても、私から、また労働大臣からも求人倍率等の問題で報告があっだんでございますが、有効求人倍率〇・〇ニポイント上昇というようなことでございます。確かに四年ぶりにそういうような兆候が見えておりますが、その中で、建設業関係は伸びているのでございますけれども他の業種の伸びは全く見られない、まだ厳しい落ち込みが続いているというような状況でございますので、やはりもう一カ月、二カ月の状況は見なければ底打ち宣言ができるのかどうか、私の方も、また労働大臣の報告も、そこら辺はなお慎重に見詰めていかなければならない、こういう現在のところの結論でございます。
#54
○政府委員(齋藤邦彦君) ただいま総務庁長官お答えいただきましたようなことでございまして、一月の有効求人倍率は〇・六七倍でございまして、前月より〇・〇ニポイント上昇いたしております。それから完全失業率も〇・一ポイント低下をいたしております。
 私ども、このような数字がどうしてこういうふうになったかということをいろいろ分析いたしておりますけれども、依然としまして企業の雇用過剰感が非常に厳しいということ、これは日銀の短観でも企業の雇用過剰感は減少しておりませんし、また、私ども全国の公共職業安定所を通じましていろいろの業界あるいは事業主の方々からヒアリングをさせていただいておりますけれども、そういうようなところからの報告を見ましてもなかなか改善の兆しを見たということを断言するわけにはいかないんではないかというふうな状況でございます。したがいまして、先ほど総務庁長官お答えありましたように、もう少し様子を見て判断をいたしたいというふうに思っております。
 いずれにしましても、十分いろいろな状況を見ながら適切な雇用対策は講じていく必要がある、このように思っております。
#55
○関根則之君 いろいろな指標が少しでもよくなってくる、特に失業率が二年ぶりに下がったというようなこと、明るい兆候が出ているということは結構なことだと思っております。
 ただ、依然として誤差の範囲内ではないかなんという観測もあるようでございますし、また新規学卒者の就職難というのはまだ大変厳しいものがあるわけですよ。私どものところまで、ことし卒業するんだけれどもどこか就職口ないだろうかと言って本当に真剣に相談に、力をかしてくれと言って来てくれる人がいっぱいいるんですね。私は選挙区が埼玉ですけれども、埼玉の川口の鋳物工業とかああいった自動車関連も含めてメーカーの中小企業の皆さん大変な苦労をしているわけでございます。
 ただ、せっかくそういう明るい、経済というのはもう気分の問題が大変大きく作用するわけでございますので、明るい気分というのはこれはもうどんどん進めていったらいいと思いますけれども、油断をすると大変なことになるわけでございまして、石田長官お話しのように建設関係が少し動いておりますから、その辺がだんだんとしみ込んでいるのかな、そんな感じもするわけでございますが、総理、ひとつぜひここで手綱を緩めないで、いろいろ政治的な問題が少しあるようでございますから、そういうものが経済の足を引っ張るなんということになりますと大変なことになりますので、ぜひひとつこの景気対策に引き続き全力で当たっていただきたいと思いますが、まず総理のお考えをお聞きしたいと思います。
#56
○国務大臣(細川護熙君) 今、総務庁長官の方からお答えを申し上げたとおりでございまして、この傾向が本物として定着をしてまいりますように政府としても最善の努力をしてまいりたいと、このように考えております。
#57
○関根則之君 そこで、総理にお尋ねをいたしますけれども、内閣の改造問題でございます。
 先ほど下稲葉理事の質問に対しまして総理は、きょうじゅうに結論を出される、こういう答弁をなさったわけでございますけれども、やるかやらないかはきょうじゅうに決めるにしても、いつおやりになるのか。やるかやらないかを決めるのはきょうであろうかもしれませんけれども、実際に改造をやるのはいつなのか。三日なのか四日なのか五日なのか、もう少し先なのか。どうお考えなんですか。
#58
○国務大臣(細川護熙君) 国会の御日程なども踏まえて総合的に判断をさせていただきたいと、このように思っております。
#59
○関根則之君 何か各党首との個別の会談も既にきのうから始まっておる。大分反対も多いようでございますけれども、報道によりますと賛成の方もいらっしゃるということでございます。
 そういう中で、今、国会の日程等もあるからというようなことでございますけれども、今の細川内閣は政治改革を最大の使命として成立をしたというお話を総理のお言葉としても我々は承っているわけでございまして、まさにそのとおり本当に内閣の命運をかけて政治改革に取り組んでいらっしゃるんじゃないかと思います。
 政治改革四法案、これは一たん死んだわけでございますが、それがまさに息を吹き返してきているわけでございまして、それで、この二、三日、日程としてはきょうとあしたぐらいでこの委員会は終わるかもしれませんけれども、それだけではないわけでございまして、法律が上がりますためには参議院の本会議の議決を経なければいけないわけでございます。
 そういう最大の課題である政治改革法案がまだ国会にかかっている間によもや内閣改造をおやりになるということはないだろうと思いますけれども、その辺はいかがでございますか。
#60
○国務大臣(細川護熙君) 繰り返しになって恐縮でございますが、すべてのことを総合的に判断して考えたいと、このように思っております。
#61
○関根則之君 それは、内閣の改造をどうおやりになるか閣僚をどう任命するかというのは総理の一存でしょうから、認証行為ということはございますけれども、しかし総理が決断をされればできる仕事ではあろうと思います。
 しかし、内閣最大の課題として政治改革四法案をずっと審議をしてきて、一月二十一日、当参議院におきましては本会議で一たん否決をされてしまいました。その後、総・総合意が行われまして、両院協議会の成案を得て、両院で可決されて一応成立をしてはいますけれども、その成立の姿というのは完全な姿ではありませんよね。施行日が「別に法律で定める日」ということになっている。これは言ってみれば、例は悪いかもしれませんけれども、植物人間のような形でただ置かれているだけですよ。あるいは臓器移植を待つために少し体温を下げてしばらく何とかしのいでいる、そういう状態ではなかろうかと私は思う。今回の一部改正法の一部改正等の四法が成立することによって初めて完全な姿に戻ってくるというものではなかろうかと思います。
 それがまだ終わらないうちに、この重大な内閣の命運をかけた法律が審議中に、その説明をずっとやってきた各閣僚が、これは本当に連帯して総力を挙げてこの法案の成立のためにかかってきたんじゃないかと思いますが、そういう方々が説明をしているその法案がまだ上がらないうちにかわっていってしまうというのはまことにおかしな話。
 いろいろなことを総合して決断をするんだというお話でございますけれども、少なくもこの法案との関係を考えれば、まだ法案が上がらないうちにメンバーをかえてしまうということになれば、もう一回説明をやり直してもらえますか。
#62
○国務大臣(細川護熙君) どのように判断をするか、先ほどから申し上げるように、きょうじゅうにと申し上げているわけでございまして、その中にはあらゆる判断が含まれる、このように御了解をいただきたいと思います。
#63
○関根則之君 あらゆる判断をなさるんでしょうけれども、いろんなことを考えられるんでしょうけれども、その中でこの政治改革法案が最終的に上がるか上がらないかというのは極めて私は重大な検討すべき要因ではないかと思います。いろんな要因があるでしょうけれども、このことについてはどう考えますか。
#64
○国務大臣(細川護熙君) この政治改革の法案がこの内閣の大きな課題である、最優先の課題であるということはもう繰り返し申し上げてきたところでございますし、その重みというものをしっかりと感じながら、そうしたことも踏まえて総合的に判断をしたい、こういうことでございます。
#65
○関根則之君 私は形式的なことを申し上げるつもりで言っているんじゃないんですよ。それは千も万もあるでしょう、いろいろ検討しなければならない事項は。だけれども、その中で今この政治改革法を仕上げるか仕上げないかという問題というのは、それはもう群を抜いて、日本の山でいえば富士山ぐらい高いものじゃないかというふうに私は理解しているんですよ。
 今度もいろいろ議論があったんです。この政治改革特別委員会を開くきょうの委員会の持ち方につきまして理事会で議論がありましたよ。それは、私どもは総括質疑という形で全大臣にそろってもらって、関係がない大臣、質問が出ない大臣もいるかもしれないけれども、内閣を挙げて取り組んできたこの法案が本当に一人前の形で誕生されるその最後の局面なんですから、いろいろ与党からの質問もあるでしょう、すると言っていますからね、野党からの意見、そういうものを皆さんもお聞きいただいて、ただ総理だとか担当の大臣だとかいうんじゃなくて、内閣を挙げて個々の議論というものを踏まえてこれからの政治改革を実施していただく、そのぐらいの重みのあるきょう、あしたの審議ではなかろうかと私は申し上げたんですよ。
 必ずしも与党サイドの理解が得られなくて、総理は自民党の審議のときにはおいでいただく、あと関係大臣は要求によっておそろいいただくということになりましたから、まあまあ私どももやむを得ないかなとは思っておりますけれども、そのくらい今回の審議、それからこの委員会が終わった後の本会議というものは大変重要だと私は思っております。ぜひひとつそういうことを認識して対応をしていただきますよう、重ねて総理の御意向をお聞きしておきたいと思います。
#66
○国務大臣(細川護熙君) おっしゃったようなことももちろん十分認識をしながら対応させていただきたいと、このように思っております。
#67
○関根則之君 総理が十分認識して対応するということですからおかしなことにはならないと思いますけれども、一月二十一日の悪夢が再びあらわれることのないように、ひとつ十分慎重に対応していただきますよう要望をしておきます。
 それでは、四法案の内容等につきまして入っていきたいと思います。
 念願の政治改革法案がここで参議院を通過いたしまして成立をするということになりますと、新しい選挙制度もできる、政治資金の規制に関する法律も一新される、政党に対する助成金法も新しく初めて日本で成立をするわけでございます。そのことによって、日本の政治、従来からのたび重なる腐敗、金権体質を非難されてきたわけでございますが、そういった日本の宿弊といいますか政治の腐敗体質というものを一掃いたしまして、そういうものと決別をして、真に清潔な選挙、清潔な政治というものが望まれるわけでございますけれども、総理は、どうですか、今回の法律ができることによってそういった本当にきれいな政治が日本の上にでき上がると、そういうふうにお考えですか。
#68
○国務大臣(細川護熙君) これも繰り返し申し上げていることでございますが、制度に万全のものはございませんでしょうし、この制度ができたことによって腐敗が完全に一掃されるかと、それはそんなことはなかろうというふうに思っております。しかし、これを契機に何とか大幅に改善をされるように我々自身も政治に携わる者自身も襟を正して努力をしていかなければなりませんでしょうし、また、その制度の趣旨が生かされるように、そうした意識を有権者の方々にも持っていただくような努力というものもまた必要であろう、このように思っております。
 いずれにしても、これだけ大きな一つの政治の新しいフレームができたわけでございますから、そのフレームというものが有効に機能していくように、本当に生きたものになっていくように、あらゆる角度から努力をしていくことが必要だと思っております。
#69
○関根則之君 まあ国民といいますか有権者の方々にも、やっぱり政治と金の問題について考え方を改めていただきたいという面もあると思います。しかし、国民の水準というものをそう一挙に上げたりあるいは考え方を変えたり、これはやはり難しいわけでございます。だんだんにしかできないだろうと思います。何といってもそういうものをリードしていくのは政治に携わる我々政治家でなければならない。政治家自身が本当に倫理観を高めて法律違反は絶対にやらないんだ、そういうやり方を常々やっぱり心がけて、自重自戒といいますか、もう世の中のシステムとか制度とかいうものは、最終的には自制心、みずから自分で反省をし自分でブレーキをかけていく、私はそれしかないだろうという考え方を実は持っておるんですが、なかなかしかし個々の政治家にそれを求めるといっても非常に難しい面もあろうと思います。
 そこで、一番大切なのは私は政党だろうと思うんですよ。政党というものは、これは今回のいろんな一連の法律の考え方の基礎にも、政党は悪をなさず、政党を中心にしてやれば政策本位の政治が行われ選挙も行われるだろう、また選挙の金との関係も清潔なものになっていくんではないかという期待が非常に込められているんですね。それを政党が本当にそのとおり受けて、しっかりと自分の所属党員、所属政治家を間違いのないように、少し離れそうな政治家についてはしりをたたいて追い込んでいくということもやらなきゃいけないだろうと思いますよね。それは、本当にどうにもならないのは出ていってもらわなきゃしようがないかもしれませんけれども。
 いずれにいたしましても、政党が本当に責任を持って所属政治家の倫理の確保というものをきちんとやっていくことが必要だと私は思いますよ。だってそうでしょう。今までは同士打ちが行われて政策本位の選挙が行われないんだ、それを政党本位にすれば政策というものを中心にして、本当に論理的なといいますか、条理に基づいた選挙というものが行われますよと。そういうことを言っているんだけれども、その政党が今まで持っていた政策なんかどこかに吹っ飛ばしちゃって、政権のためには今までの政策にはこだわらない、何か政権を維持するためにおれたちはどうしても中ヘ入っていかなきゃいけないんだと。
 本来、政党本位の政治が大切だというのは、政党に任せておけば政策を中心にいろいろな政治が行われるであろう、そういう期待があったんだと思うんですよ。もしその期待に反するような政党の行動があるとすると、何のことやらわからなくなってしまうんですよ。またサービス合戦に陥るかもしれないし、あるいはある特定の政権を守るために、自分が長い間ずっと堅持してきた政策なり信条なりそういうものを捨ててしまうかもしれない。そんなことになったら、これはもう小選挙区の理論も何もなくなってしまうんですね。政党本位とか政策本位とか言ったって、どこかへ飛んでいってしまうんではないかというような感じがしてならないわけでございます。
 そういう意味におきまして、これからは本当に政党というものが制度が期待し今回の法律改正が期待をしているようなそういう機能を果たしていかなければいけないんじゃないか。そういう意味におきまして、政党の最高の責任者の責任というのは、極めて重大ではないかというふうに私は考えるわけでございますけれども、今回の政治改革法案が成立するに当たって、その政治改革法案がねらった方向に即して政党の責任をどうお考えになるのか、また各政党としてどういうふうに対処していかれるお考えであるのか、羽田大臣を初めといたしまして、政党の代表者である大臣にお考えを承れればありがたいと思います。
#70
○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては、ただいま関根委員から御指摘のあったとおりであります。
 法律をつくりましても、これで済んだわけじゃないんであって、まずこの法律ができたところから新しく始まるんだろうというふうに思います。そして、それは今お話がありましたように、それにふさわしい政党にお互いの政党を切りかえていかなければならないというふうに思います。ですから、今まで例えば私たちなんかの場合には個人後援会で物事を進めてまいったわけでありますけれども、そういったものを政党を中心にしながらやっていくということ、そういう中で個人の候補者あるいは議員たちが、みずからが資金をそんなに集めなくてもいいような、そういうものにしていかなければいけないんだろうというふうに思います。
 それと同時に、これはただ資金の問題だけではなくて、国民の声を吸収する、あるいはいろんな中央で決まったりしたものを末端にまで知らしめていく、そういう国民の声を集約するような機関にしていかなきゃならぬだろうと思いますし、将来は候補者なんかについても地方の声というものが吸収されるようなそういう地方組織というものも相当しっかりとしたものをつくり上げていかなければならない。まさにこれからであろうというふうに思っております。
#71
○国務大臣(石田幸四郎君) これは関根先生が今御指摘になったとおりでございまして、新しい政治改革法案が成立をしたときに、それをどこまで政党が自覚を持ってこの制度をよりよいものにすることができるかどうか、大変な責任をしょっておるように痛感いたしております。
 一つのポイントとしましては、この特別委員会あるいは参議院の予算委員会等もございましたけれども、いわゆる政策に関する連立政権の対応の仕方に、今までの経過の問題もこれありということで、厳しい御指摘がございました。このことは、もし今後選挙をやる場合には私はこのあった御議論というものが相当大きな影響を与えてくるであろうというふうに思っているところでございます。どんな形の選挙が行われるかわかりませんけれども、仮に政党が一つの集団をつくって選挙に臨むということになりますれば、やはり基本的に政策が合意された中でのいわゆる統一政策的なアピールを行って選挙をしなければ国民の皆さんの同意を得られることは難しいのではなかろうかなと、この点が一つ感じておるところでございます。
 それからもう一つは、やはり小選挙区制、韓国等でもそうでございますが、あるいはまた奄美大島の一人区の選挙の問題についても大変大きな関心を呼んだところでございます。そういうような金権選挙になってはならないわけでございますので、政党が候補を選ぶ場合あるいは選挙のやり方等について、やはり清潔な選挙ができるようにこれは十分に政党の責任を感じながらやっていかなきゃならない問題であろうというふうに思っておるところでございます。
 もう一点申し上げますれば、今後のそういった政党というものは、政策本位の選挙になるということを考えますれば、やはり政党がそれなりの、例えば各党は政審の部局を持っているわけでございますが、こういうものを本格的に充実をさせた上で政策と政策が本当に議論し合えるようなそういうような選挙にしていかなければならないのではないか。
 いずれにいたしましても、御指摘をちょうだいした問題について十分自覚して努力してまいりたいと存じます。
#72
○国務大臣(大内啓伍君) 私自身既に外にコメントしているところでございますが、今度の新しい選挙制度を生かすも殺すもこれからの政党の姿勢、またその政党をリードするリーダーの資質によってよくもなり悪くもなってくる。
 この制度は民意集約型でございますだけに、特に政党の倫理性、なかんずくそのリーダーの倫理観、誠実さ、あるいは正しい時代認識や政策的なバランス感覚、こういうものが仮に狂っておりますと、この選挙制度は憂うべき権力政治を生むという場合もあり得る。しかし、それと逆であれば私はこの選挙制度はこれまでにないいい機能を発揮し得る。
 それだけに、この選挙制度ができた後の大問題は政党の改革である。また、政党のリーダーの改革というものが非常に大きな責任として登場してきている。私は本当にそう思っておりまして、何とかこの新しい制度がいい方向に進むように、これから我々政党もそれを担うリーダーたちも本当に謙虚さを持ってこの制度のいい方向への運用に心がけなければならぬ、こう思っておりますので、今、関根先生御指摘のような点が私はこれからの一番大事な問題だと思って、みずからに言い聞かせながら、この選挙制度がいい方向に、本当に祈るような気持ちでこの改革に取り組んでいる次第でございます。
#73
○関根則之君 お三人の党首から大変しっかりした、政党の責任が重大である、しかもその責任をきちっと果たしていきたい、そのことによって初めてこの政治改革法案が本当に生きるし日本の政治が本当の意味で清潔なものに変わっていくんだ、こういう力強いお話を承りましたので、ぜひひとつお願いを申し上げたいと思います。
 政党というのは、私は政策をもって存立するものだと思います。そのことによって国民との間に契約が成立する、国民にこういう政策を実施いたしますと約束するわけですから、それをきちんと果たしてもらわなければ、市民社会における基本原理でありますところの約束は守らなければならない、これが破られてしまうわけでございまして、近代政治も何もあったものではなくなってしまうだろうと思います。
 そういう意味で、政党は政策のためには政権に対して淡泊でなければならないというふうに考えます。政権に意欲ばっかり強くてぶら下がりたいために自分の持っているせっかくの政策を捨ててしまう、そんなことがあってはいけないし、また汚濁にまみれてしまうようなことがあってはならない。ぜひひとつそういうことのないように、本当に日本の政治を清潔なものにしていくために御尽力を賜りますようお願いを申し上げておきます。
 ところで総理、今回、資金のやりとりの問題に関しまして随分罰則の強化も行われましたし、連座制の規定も強化をされました。公民権の停止も、罰金刑の場合でも刑が確定してから五年間公民権を停止するというような規定も入ってまいりました。こういうことで、随分厳しい制度になったわけですが、まだちょっと、例えばイギリスの政治腐敗防止方策などに比べますと少し甘い点があるんじゃないかということが前から指摘をされております。総括主宰者でありますとか選挙運動の幹部が法律違反を犯しましたときには連座制の規定が動いてまいりますけれども、そのもうちょっと下の現場で動く運動員が選挙違反をやったというような場合、買収行為をやったというような場合に、連座制がまだ日本の場合には働いてこないわけでございます。
 そういったところまで連座制を少し広げていって、選挙違反、特に買収などの選挙違反をやったらもう絶対に政治家の生命は絶たれるんだ、そういう空気を、一般的な常識を体にたたき込むような形で日本人がみんな自覚をするようなそういう世の中にしていかなければいけないんじゃないかと思うんです。そのために、腐敗防止法というような形でさらにこの連座制を強化していくようなことを考えたらどうかと思いますけれども、腐敗防止法の制定について総理はどんなふうにお考えになりますか。
#74
○国務大臣(細川護熙君) 今お話がございましたように、罰則の強化とかあるいは透明性の拡大とか、そうした観点から腐敗防止につきましても今回の法律で相当強化をされているというふうに思っておりますが、腐敗防止の点につきましては確かに国民の強い関心のあるところであろうと思いますし、より一層絶えずその制度の整備に向けて取り組んでいく必要があることはおっしゃるとおりだと思っております。
 ただ、腐敗防止法をつくるということにつきましては、今特に連座制の問題についてそれを一般運動員にまで拡大したらどうかというようなお話もございましたが、おとり的なことがよく言われたりもいたしますし、そこまで拡大をすることが本当にいいのかどうかといったようなことにつきましては慎重に考えなければならないことではないかなと思います。
 いずれにしても、もろもろの腐敗防止に関する規定というものは、公職選挙法でありますとかあるいは刑法でありますとか、政治資金規正法でありますとか、それぞれの中に今回も相当盛り込まれておりますし、強化されておりますし、新たにそうした法制度と別に腐敗防止法をつくるということが適当であるのかどうかということについては、私は今後さらに検討を要するテーマであろうと、このように思っております。
#75
○関根則之君 念願の政治改革法案がやっと成立する段階ですから、次にすぐ腐敗防止法をやれと言ったってなかなかそうは簡単にいかない。それもよくわかりますし、それから国民がお互いに疑心暗鬼に陥るような、お互いに摘発し合うような、そういう世の中にするということは私も賛成ではありませんから、やっぱりこういう罰則を強化したりあるいは連座制の規定をやたらめったら広げていくということについては私も心配で、よっぽど慎重に注意しながらやらなければいけないと思うんですよ。
 ただ問題は、おとりの問題を今お話しになりましたけれども、おとりは今の法律だって排除するようになっているんですから、それはきちっと除外しておかなきゃいけないと思うんですね。しかし、それにしても、全体の日本の政治風土といいますか、国民の皆さんまで含めて本当に清潔な政治ができ上がってくれば、そっちへ向かっていけばそれほど私は抵抗がなくなるんだろうと思うんですよ。今のような状態の中で末端の運動員まで全部連座制でひっかかるよなんということを言ったら、みんなひっかかっちゃう。政治家はいなくなっちゃうというようなことになっちゃったら大変だという感覚があるんだろうと思うんですよ。しかし、それでいいんだという感覚は、これはちょっとやっぱり問題があると思うんですよ。そういう連座制の規定が現にイギリスにはあるんですからね。
 そういうものがあっても平気だ、ひっかかるやつはいないんだよというような状況を早くつくるために、総理もせっかく検討はしたいとおっしゃっているわけですから、早くそういう世の中をつくって、またそういう世の中なら本当は腐敗防止法は要らないのかもしれませんけれども、要らない法律でも堂々と置いておけるようなそういう清潔な政治の風土というものをつくっていただくために御尽力を願いたいと思います。我々も努力をしなければいけないと思います。
 それでは次に、今度、先ほども申し上げましたけれども、四法案の施行日が晴れて書き込まれるわけでございまして、区画法ですけれども、「別に法律で定める日」が、附則で「公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律の公布の日」、に施行する、こういう形になるわけでございますが、この施行日はいつごろになりますか。
#76
○国務大臣(佐藤観樹君) 現在、国会で御審議いただいているわけでございますし、関根委員から御質問ございましたように、これからの政局とも絡むのかもしれません。したがいまして、一般論としてお答えをさせていただきたいと存じますけれども、もう関根委員ももう十分御承知のことでございますが、法律の公布につきましては、成立をさせていただきますと直近の閣議で公布することを決定するわけでございます。その上で、官報に公布をするために必要な日にちが中二日と、こう言っておりますが、その際に、土、日、あるいは祭日というものを除きますので、そういった上で公布を行うということで、強いて言えば通例の形で公布をさせていただきたい、こういうふうに考えております。
#77
○関根則之君 そうすると、土曜、日曜の関係もあるからでしょうけれども、順調にいけばそんなに時間がかからないで本会議を通るということ、これは私が決めるわけにいかないんだから仮の問題ですけれども、仮にここ今週中ぐらいに参議院を通過したということになれば、もう来週ぐらいには公布、施行されるというふうに考えてよろしゅうございますか。確認ですよ。
#78
○国務大臣(佐藤観樹君) 特別な事由がなければ、関根委員御指摘のとおり、大体そのぐらいの日程になると考えております。
#79
○関根則之君 余り警戒をしないで御答弁いただいて結構でございます、私は人の言葉じりをとったりするようなことは決していたしませんので。
 それで、きのう衆議院の方で決議が行われましたですね。それによりますと、速やかにやれということが二回も書いてある決議でございまして、大分お急ぎのようでございます。私も、当然、政治改革が急務であることは知っておりますから、許すならば急いだ方がいいと思いますが、手続だけはしっかりと踏んでいただかなければいけないわけでございます。
 そうすると、すぐに急いでやるということになりますと、来週ぐらいに公布がなされた場合、これも仮定でしょうけれども、急いで画定審議会の委員の任命をしなければいけないと思いますが、任命はいつごろになりますか。
#80
○国務大臣(佐藤観樹君) これは審議会設置法が通ってから法律に定められておりますような人選、専門家をえり抜きましてお願いをするわけでございますので、今、いつまでにその人事案件を国会にかけられるということまで申し上げることはできませんが、しかし全体の政治改革の重要性から申しましてまさに速やかにやるべきことだと考えております。
#81
○関根則之君 これ、きのうの決議だって、速やかにということが二回も書いてあるんです。そういうものを受けてやっぱり内閣は行動をしなければいけないんじゃないですか。衆議院の委員長さんがお見えになっておりますけれども、委員長さんのお気持ちも多分そうではないかと思いますよ、決議しているんですからね。
 そういうものを受けてやる以上は、いつになるかわからないというのは困るので、大体どのくらいかかりますか。委員の任命なんですから、人選なんだから、そんなものは十日もあればできるんじゃないですか。そうすれば三月いっぱいぐらいにはできるんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
#82
○国務大臣(佐藤観樹君) それは私たちとしても、できるだけ早く任命をさせていただき両院の議を経て審議会を発足させたいと思っておるわけでございます。
 しかし、何分ともこれは極めて専門的な問題をやっていただくわけでございますので、そういう面では、しかもどう見てもこれは客観的にどなたからも批判を受けないような方を七人お願いするということでございますので、慎重ということもまた必要だと思いますので、その範囲内で、気持ちの中ではできるだけ早くと思っておりますけれども、しかし事の重要性から申し上げ、また衆議院議員にとりましては政治生命にかかわるような境界線の問題でございますから、そういう意味での人選はやっぱり慎重さも必要でございますから、そのあたりでひとつ御理解をいただきたい。ただし、のんびりやるつもりは全くございません。
#83
○関根則之君 我々は審議を急げ急げといって追いまくられてきたわけですよ。それで、ここで間もなく晴れてめでたく成立をするんですから、後の段取りぐらいは大体見当をつけておいてもらわなきゃこれは無責任というものではないかという感じがします。
 ただ、事が重大であるから自治大臣としても軽々に日を決めるというわけにいかないんでしょう。それはわかりますが、私は、大体三月いっぱいぐらいには人選を終えて国会の承認を、国会の方が何日かかるかというのはこれは国会相手ですから時によると大分時間がかかってしまうということがあるかもしれませんけれども、公正な人選さえ行われていればそんなに手間のかかるものじゃないだろうと思う。
 三月いっぱいぐらいには何とかそれは国会の承認が得られるということになれば、そこで任命が行われる。任命が行われると、勧告までの期間は六カ月でしょう。そうすると、三月に手続が全部終わるということになれば、四月から始まりますから九月いっぱいぐらいまでには大体勧告が出てくる。それを受けて、これもまたきのうの決議で速やかに国会に提出するということになりますから、十月には案が国会に出されてくる。このぐらいのタイミングを頭の中に置いておいてよろしいかどうか、いかがでしょうか。
#84
○国務大臣(佐藤観樹君) 審議会の審議は法律上六カ月以内となっているものですから、先生御承知のように、それは委員の方がどういうふうにやられるかということになってくるわけでありますので、本当に六カ月必要なのかどうか、それはもう全部委員の方にやっていただくということでございます。
 その後、審議会で決まりましたら、内閣法制局の審査、これは地名が入っておりますので現地に照会をしなきゃいかぬ等かなりの手間がございますけれども、そういったこと、それから印刷日数等々がございますが、まさにできるだけ早く国会に出させていただきたい、こういうふうに考えております。
#85
○関根則之君 くどいようですけれども、勧告がなされましてから国会に提出するまでに何日ぐらいを予定いたしておりますか。
#86
○政府委員(佐野徹治君) 先ほど大臣の方から御答弁申し上げましたように、どのような内容の勧告が出てくるか、それを受けまして法制局でどのような審査をするか、それからどのようなボリュームになるかということとの関連で印刷日数がどの程度かかるか、こういった不確定な要素が多々ございます。
 今の時点でまだどの程度の期間を要するかということについて明確なことは申し上げられませんけれども、私どもといたしましてはできる限り作業につきましては早くやらせていただきたいと考えております。
#87
○関根則之君 石井委員長にちょっとお尋ねしておきたいんですけれども、きのうの決議で、一項の最後のところに「国会はこれを速やかに審議するものとする」と、こういうくだりがございますけれども、国会というのは衆議院だけのことでございますか、それとも参議院のことを考えていらっしゃるのかどうか。参議院を考えているのだとすると、これは参議院を拘束するという意味があるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#88
○衆議院議員(石井一君) 衆議院で行いました決議でございますから、当面私たちは衆議院を考えたわけでございます。
 ただ、委員も御案内のとおり、審議の中身というのは、基本的には非常に厳正公正なものが出てくるわけでございますから、国会に対する中間報告というふうなものも求めたわけでございますけれども、括弧書きの中には具体的なことについて議員は口を挟まない、こういうふうな意図をも含めて、しかしそれほど重要だということで決議に盛り込んだわけでございます。当然参議院も通らなければいかぬ性格のものでございますから、同じような考え方において決議をされるとかなんとかということはこちらの自主的な御判断でございますけれども、願わくは同じような形で同一行動をとっていただきたいという希望を持っております。
#89
○関根則之君 一院が他の院に対して希望をお持ちになるということはこれまた自由だと思うんですけれども、これはいささかちょっと、やっぱり決議としては私どもとしてはどういう意味なのかなと理解に苦しむ面が少しあるということだけを申し上げておきます。
 ほかの院がどういう審議をなさるのか、それを片方の院が「国会はこれを速やかに審議するものとすること。」、言い切っているんですよね。それはゆっくりやるなんということはないと思います。故意におくらせるということはないと思いますけれども、審議のやり方そのものについてはそれぞれの院がそれぞれ良識を持って自分の責任と国民の負託にこたえながらやっていく筋合いのものではなかろうか、そんな感じがしてならないわけでございます。
 ところで、選挙区画定審議会の委員の人選でございますけれども、この前の第八次のときに二十七人任命されておりますが、女性は二人しかおりませんよね。もう少し女性の人数をふやしていくということは、割合の問題ですけれども、数が今度は少なくなりますから、そういう問題。それから、年齢的な配慮をなさるのかどうか。それから、選出母体の職業的なそういう母体を考慮なさるのかどうか、いわゆる言論界から入れるのか、学者から出すのか、あるいは場合によっては政治家、政党からの代表を入れるのかどうか。そういったことについてどんなお考えをお持ちなのかお伺いいたします。
#90
○国務大臣(佐藤観樹君) 審議会の委員の方にやっていただくのは極めて専門的なことをやっていただかなければなりませんので、選挙制度に大変造詣の深い方、あるいはそういう意味での選挙制度についての実務経験をある程度持っていらっしゃる学識経験豊かな方で、だれが考えてもやはりこの方なら公正な判断をしてくださるというそういう客観性を持った方を選ばなきゃならぬと思っているわけでございます。
 現段階でそれ以上の具体的な人選の方針を決めているわけじゃございませんけれども、法の趣旨にのっとりまして人選が行えますよう、今、関根委員言われましたように、女性のことあるいは職業別のこと、このあたりのことも十分頭に入れながら幅広く検討していかなきゃならぬと思っております。
 ただ、関根委員言われましたように、政党の関係者あるいは政治家、法律では国会議員を除くということだけ書いてございますけれども、元国会議員というのは法律には書いてございませんけれども、我々の頭の中ではやはり好ましくないのではないか、それは選考の範囲からは外させていただくということと考えております。
#91
○関根則之君 具体的な進め方ですけれども、この前の八次審のときには、何か調査票をつくりまして、都道府県から調査票をとっていますね。ああいうことをおやりになるかどうか。それから、その調査票に基づいて現地調査をやっていますね。そういうようなこともおやりになるおつもりであるのかどうか。いかがでしょうか。
#92
○国務大臣(佐藤観樹君) 本問題に答弁する前に、先ほど政治家と言った中には首長さんもやはりこれは除かなきゃいかぬというふうに思っております。
 それから、調査票の問題あるいは現地調査の問題、これはどういうやり方をするかは別といたしまして、当然のことながら地域の歴史的な成り立ち、何々町といいましても、そこにできる前に何々村、何々字からずっと連綿とつながった歴史を持っておるわけでございますので、やはりそのあたりのことは調べなきゃなりませんので、そういったことが十分わかるやり方は当然のことながらしなければならぬと考えております。
#93
○関根則之君 実は、この選挙区画定審議会の委員の選任でありますとか審議のやり方につきましては、与野党の両座長さんの間で覚書が交わされているわけでございます。皆様方御承知だと思いますけれども、まず委員の人選につきまして、真に公正な判断をすることのできる者が選任されるようにすること、それから二番目の問題といたしまして、画定審議会が必要に応じて地方公共団体の長等の意見を聴取する、また中間段階におきまして国会に報告をしていただく、こういうことについてその実現のために連立与党及び自由民主党はお互いに誠意を持って協力する、こういうことになっているわけです。
 これは石井座長さんのお骨折りもございましてできた覚書でございますが、各政党の党首の大臣が御出席をいただいておりますので、この覚書は座長間の覚書でございますけれども、これを受けまして与党各党がやっぱり協力をしていただかないと実効をもたらさないわけでございます。まことに恐れ入りますけれども、各党首にこの点について協力をいただけるかいただけないのか、その辺のところのお話しをいただければありがたいと思います。
 羽田大臣、ひとつお願いいたします。
#94
○国務大臣(羽田孜君) 今お話が既にありましたとおり、やっぱりこの区画につきましては本当に公正なものでなければいけないということでございまして、今御指摘の点を私たちも尊重していきたいというふうに存じます。
#95
○関根則之君 官房長官、いかがでしょうか。
#96
○国務大臣(武村正義君) 十分尊重していかなければいけないと思っております。
#97
○関根則之君 石田長官、お願いします。
#98
○国務大臣(石田幸四郎君) これはもう改めて申し上げるまでもなく、厳正公平に行われるそういった区割り委員会に対して、党としては全面的に協力をしなければならぬものと思っております。
#99
○関根則之君 大内大臣、お願いします。
#100
○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘の二月二十四日の覚書につきましては、私どもとしてもこれを全面的に尊重し、その実行のために協力してまいりたいと思っております。
#101
○関根則之君 大変ありがとうございました。ぜひひとつよろしく御協力をいただきますようお願いします。
 特に政治家、代議士を選びます共通の土俵づくりでございますから、本当に名実ともに公平公正に行われなければいけないわけでございます。そのために、数がちょっと多いからといって多数をもって押し切ってしまうというようなやり方を絶対になさらないように。そんなことをいたしますと、それこそ日本の政治史上に汚点を残すことになってしまう、せっかくできた政治改革法が本来の目的を達することができなくなってしまうと思いますので、よろしくお願いをします。
 次の問題に移らせていただきます。
 今度、ブロック制の問題、十一ブロックになりました。八次審で答申したとおりでございますので、それはそれでいいではないか、ともかくスタートはそれでいこうということで我々も同意いたしたんですから、内容についてとやかく申し上げるつもりはありません。
 ただ、しかし、特に関東地方の問題などを眺めてみますと、首都圏というのは一都三県なんです。そこでこれだけの三千万からの国民がここの地域で生活しているものですから、いろんな問題が起こってくるんです。
 この前の質問でも申し上げましたように、東京の地下鉄だって全部埼玉県へ行き、千葉県ヘ行き、神奈川県へ行っているわけでしょう。福祉施設をつくるといったって、東京都の中ではできないんです。今土地がないから、全部周りの県にお世話になっているわけです。まあどっちが世話になりどっちが世話をしているのか、それは物によってお互いさまであろうと思いますけれども。一体の地域としていろいろと公共施設、インフラの整備、福祉の問題から教育の問題まで、大学だってみんな東京ヘ通ってくるわけですから。これは田舎からも来ますけれども、このごろは東京の大学がどんどん近県に出ていっています。
 そういう全体の一つの、一体性を持った開発と申しますか、施設整備が行われているわけでございますが、そういうものと今度のブロックが全然違うわけです。
 もう一つの問題は、甲信越の問題をとってもそうなんですけれども、昔から甲信越という言葉があるんです。今度は山梨は南関東に入ってしまう。信越は北陸と一緒になってしまうわけです。今、長野なんというのは、オリンピックが間もなく行われますけれども、大体、東京圏なんですね。関東圏なんです、あの県は既に。南は松本を中心にして山梨を通って東京ヘ来ているわけでしょう。北の方は信越線で、新幹線が今度できますけれども、長野からストレートに群馬を通って埼玉を通って東京へつながっているんですね。越後だって、そうでしょう。新潟だって。
 そういうことですから、いわゆる首都圏とか、これからの広域的な地域運営と申しますか、そういうことを考えた場合に、そういうものの流れ、大きなブロックなり広域行政というものの流れと逆行するような形でブロックが組まれている、そんな感じがしてならないわけです。
 したがって、今回できたことについてとやかく言うんじゃない。これはこれでスタートさせるにいたしましても、将来の日本のいわゆる総理がおっしゃっている地方分権を強化していくということになりますと、もちろん道州制の問題もこれから検討されてくるでしょうし、どういった広域行政圏というものをつくっていくか、それとの兼ね合いにおいてこのブロックの問題も再検討といいますか、すぐに手はつけられないとは思いますけれども、常にそういう地域開発との兼ね合いというものを考えながらやっていかなければいけないんじゃないかと思いますけれども、総理、いかがでございますか。
#102
○国務大臣(細川護熙君) 今回のブロック制というものが直ちに道州制とかあるいは広域的な行政のサイズというものに結びつくものだというふうには思っておりませんが、端的に申し上げればそういうことだと思いますが、御質問の趣旨がちょっとよく私ものみ込めなかったんですが、いずれにしても、これからの広域的な行政圏というものについてどう考えるのかということも含めての恐らくお話であろうかと思います。
 私は、現行の府県制度というものは地勢的にも歴史的にも定着をしてきているというふうに思っておりますし、県人会とかなんとかいうようなものが皆できて、海外にまでそういう人たちがおられて、それぞれの郷土に誇りを持ってやっておられるわけでございますから、これを人工的に無理やりにくっつけてみたりあるいはまた切り取ってみたりというようなことはかなり無理のあることではないかなという感じを持っております。
 よく道州制ということが言われますが、私が一つの地域の経営に携わった感じから申しますと、例えば九州なら九州というもの全体を一つの広域的な行政圏として考えてそこの経営に携わるということは、なかなかこれは現実問題として難しいことだというのが私の偽らざる実感でございます。
 まあしかし、そこに仮に道州なら道州というものができて、どういう権限を付与するかということが問題になるわけでございましょうが、水の問題であるとかごみの問題であるとか、あるいはその他の問題でも広域的に処理した方がいいようなものはもちろんございましょうし、物によってはできるものもあろうかと思いますが、住民に身近な行政という観点からいたしますと、私はやはり府県ぐらいの単位というものが適当なサイズなのではないかなと、道州制というものになるとどうしても中二階的なものになってしまうのではないかなと、そんな感じを私の実感としては持っているところでございます。
#103
○関根則之君 地方制度の将来のあり方の問題につきましては、また席を別にしてゆっくり私も総理のお考えを承りたいと考えております。きょうの議論はそういうことではなくて、ブロックのつくり方そのものが、そういった府県制度だとかあるいは将来場合によるとあるかもしれない道州制度だとか、そういうものに固定観念みたいなものを与えてしまったり、あるいはそういう地域的な一体性を阻害するような形で動き出しては困るなと、そういう問題意識を申し上げているわけでございます。
 次の問題に移らせていただきます。
 政党の民主的な運営につきまして今度規定が新たに入ることになったわけでございまして、政党助成金の交付に絡みまして、政党の「組織及び運営については民主的かつ公正なものとする」という規定が入ったわけです。まさにそのとおりではないかと思うわけでございます。ところが、これはこれでいいんですけれども、もともと政党助成法であれだけの三百億を超える大変な税金がつぎ込まれるわけでございますけれども、それを受けて、受ける側の政党について、民主的な運営、組織とはいっても、それについての規定が何にもないんですね。ただ単に民主的であるとか公正であるとか、そういうことで、一切その内容は任せてしまっているわけですよ。
 それに対しまして、やはり少なくとも政党も一つの団体でございますから、団体の基礎的な運営のやり方につきましてのごく基本的な規定ぐらいは置いておくべきではないかという考え方を私は持っております。しかし、政党はもともと政党の活動の自由というものを侵害されては困りますし、活動の自由を保障されなければならないわけでございます。
 ところが、一つ参考になりますのが労働組合なんですよ。労働組合というのはもともと使用者からの支配介入というものを最も嫌うわけでございますし、また公権力の介入というものを極端に嫌う、歴史的なそういう中で育ってきているわけでございますから、公権力の介入なりあるいは使用者側からの支配介入を嫌いますために、組織の自由、そういうものを大変尊重をしなければならない団体としてあるわけです。
 しかし、それに対しては労働組合法で、組合法自身が直接規定はいたしておりませんけれども、民法の規定を準用しているわけです。例えば、民法の五十二条から五十五条まで、それから五十七条、こういうものが準用されております。その一つの重要な規定としての民法五十三条というのは、理事が法人の業務を執行する際に「定款ノ規定又ハ寄附行為ノ趣旨二違反スルコトヲ得ス」と、こういう規定がございます。
 これを政党に当てはめた場合にどういうことになるのかといいますと、政党は必ず綱領というものを持っていると思います、名前が別な場合もございますけれども。その政党の基本的な綱領なりあるいは規約というものに従って政党の役員というものは政党運営をしてくれなきゃ困ります、少なくともそのくらいの規定は置いておかなければいけないんじゃないか。
 今の法制度のもとでは何にもないわけです。そのトップに立つ人あるいは実際の権限を持っている人が勝手気ままに運営をいたしましても法律違反にならないわけです。いわゆる運営の基準がない。規約に従わなければならないということも書いてない。これはやっぱり問題だ。専ら構成員の批判にまつ。構成員がそれを必ず是正してくれるだろう。勝手なことをやっていれば、いつの日か必ず組合員あるいは政党の党員からのチェックがきいてくる。そういうことを信頼しているんでしょうけれども、しかしやはりそれだけではよって立つ原則というものは私は不十分なんではなかろうかと思います。
 そういう意味におきまして、今度せっかく公正で民主的な組織及び運営をしなければいけないということが書き込まれるわけですから、公正とは何か、民主的とは何か、少なくとも規約ぐらいはきちっと守って政党の運営をしなければいけませんよというぐらいは書き込まなければいけないんじゃないか、書き込むべきではないか。
 これからの問題でしょうけれども、そういった法制度をつくっていく意図がおありになるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#104
○国務大臣(山花貞夫君) 今、御指摘の政党に関する対応、法制をどうするかということについては、長い議論があったことについては委員御承知のとおりでございます。今の憲法をつくったその時点での制憲議会から政党に関する規制が議論されまして、あるいは内務省案、各政党の案、自治省の案、かつての自民党の案、そして第八次選挙制度審議会におきましても議論されてきたところだと承知をしているところでございます。
 今、委員おっしゃったような問題点があることについては、私もかなりの部分同感でございますけれども、例えば御指摘の労働組合法との比較におきまして、民法の規定の準用ということになりますと、恐らく民法三十六条そして六十七条あたりというところなども考えますと、監督官庁の問題、今御指摘の条項じゃない部分です、監督官庁があって監督をする、監督に必要な命令を発する、あるいは監督に必要ないろいろな実態の調査なども行う、かなり実態について介入になるおそれのある仕組みというものが入ってくるんじゃないだろうか、こういうようにも考えているところでございます。
 私、たまたま労働組合に法人格を与えるという問題については、労働委員会の仕事で実務的にやってまいりましたけれども、かなり審査は厳格でありまして、この規定にのっとってどこまでということについてはかなり突っ込んだ調査、実態調査というものを行うところがございまして、単なる形式的な審査とは全く違った実態を持っている等々のこともございますので、この問題については、御指摘があることについては大変大事だと思っておりますけれども、具体的にどのような仕組みということについては若干慎重な検討を要するんではなかろうか。
 したがって、今回もこの点につきましては、それぞれの法律の中に必要な政党要件などを書き込んだという、従来の法体系のもとにおいて提案をさせていただいているところでございます。
#105
○関根則之君 お話がありましたから法人格の問題に移りますけれども、労政局長、労働組合に法人格を与える場合に、組合法の十一条だったと思いますが、きちんと法律上定められている規約を労働委員会で証明を受けてそれを主たる事務所の所在地で登記所へ持っていって登記すれば、それでできるんでしょう。民主的な自由な組合活動をそれによって阻害されたり何か公権力に介入されているような、そういうことはありますか。
#106
○政府委員(齋藤邦彦君) 先生御指摘のように、労働組合法十一条は、労働組合が独立の団体として行動する上での便宜を図るために、法人格を取得し財産権の主体となり得る道を開いておるわけでございます。
 労働組合が法人格を取得するためには、労働委員会の資格審査を受けなければならない。その資格審査の際には、労働組合が労組法二条の要件に適合しているかどうか、それから労組法五条二項に規定されておりますような民主的な規約を備えているかどうかということについての審査をいたします。その辺の審査については、先ほど山花国務大臣がお答えになったとおりでございますが、そういう形で資格審査を受けた上で登記所ヘ持っていけば法人格が取得できるという形になっております。
 ただ、労組法の規定に基づきまして労働組合が取得をいたします法人格は労働組合法上の法人格でございまして、一般の民法上の法人とはやや違うところがございます。一般の民法上の法人には行政庁のいろいろの監督権限が規定されておりますが、その辺の一般的な監督権限はすべて労働組合の場合には適用除外になっておるという形になっております。
 したがいまして、労働組合が自主的な団体として活動するについての制約になるような規定はすべて外されておる。その意味におきまして、法人格を取得している労働組合が自主的な団体ではなくなるということにはならないだろうというふうに思っております。
#107
○関根則之君 大変あちこち神経を使いながらの御答弁で、齋藤さん、本当に申しわけなかったと思います。
 要するに、法人格を政党に取得させるということになると、そこへ公権力が介入してきて政党が自由な活動ができなくなるんじゃないか、ともかく官憲に手を突っ込まれちゃうんじゃないか、そういう心配が非常にあちこちから返ってくるわけですよ。
 しかし私は、組合と全く何も同じだと言っているんじゃないけれども、今、労働組合について、法人格を取得するために自分たちの自由な活動が阻害されているなんということは聞いたことないですよね。
 だから、仕組みは幾らでもできるんですよ。自主的な活動をきちっと保障する、そういう制度の中で権利義務の主体としての法人格は――特に今度は政党助成金が入っていてそれ返還命令が出ますから、そのときに財産請求をしようとしたら、自分の持ち物だって登記がしてなければ第三者が中へ入ってきて第三者のものだと主張されたどうにもならなくなっちゃうわけですから、強制執行も何もできない。名目的にはできても実際には行使できないということになってしまうわけですね。ともかく、政党によっては六十億とか百億とかいうような資金が今度は入るわけですよね。もとは国民の税金ですよ。だから、それだけのお金を入れる以上は、それを受ける団体としてやっぱり法人格はきちっとつくっていかなければいけないんじゃないか。
 私は、この問題は、ともかくこの間の政治改革協議会におきましては結論が出ているわけでございまして、「今後連立与党と自由民主党との間において協議を行い、衆議院議員の選挙区を定める法律案の国会提出までに結論を得るものとする。」、こういうふうになっているわけでございますが、ぜひひとつこの問題については真剣な、しかも前向きな協議をしていただきたいと思います。
 総理、いかがでございますか。この問題に対する総理の考え方をちょっとお聞きしておきたいと思います。
#108
○国務大臣(細川護熙君) 先ほどお話が出ておりましたが、審議会の設置法につきましては、これは両者が完全に一致をしているものでございますから、これはさっきからお話がございますように、それぞれ各党の党首も尊重してやっていきたいというお話がございました。
 後の記号式の投票と今の法人格の付与の問題でございますが、これにつきましては検討の継続で一致をしているわけでございますから、誠意を持って対処してまいりたいと、こういうことでございます。
#109
○関根則之君 ぜひ真剣に対応していっていただきたいと思います。
 これは、決して私どもも政党の活動を阻害しようなんという意図は全くございません。我々自身が縛られてしまうわけですから、それはまた日本の政治、将来のことを考えましてもそういうことがあってはいけないと思っております。要するに権利関係、国民の税金が相当大量に入るんだ、そういう観点からきちんとしていかなければいけないんじゃないかと、こういう考え方でございますので、ぜひひとつ御協力をお願い申し上げておきたいと思います。
 次に、投票方法の問題につきまして、一応今回は記号式二票制ということになりました。先ほど下稲葉議員からも質問があってやりとりがあったわけでございますけれども、そこでちょっと確認だけしておきたいと思います。
 石井委員長さんにお願いを申し上げますが、政治改革協議会の中でも議論をいたしまして、このなお書きで「参議院議員の選挙制度との整合性を考慮して、今後引き続き検討する。」ということになっているわけでございます。その前提として私の方から三点について申し上げまして、それを確認していただいたと思います。
 一つは、今回、衆議院で記号式を採用する、こういうことに法律上決まるわけでございますけれども、そのことは、参議院が今後いろいろな制度改正を行うわけでございますけれども、その参議院におきます制度改正の改革の方向を制約するものではない、参議院は参議院で自分のところの、自分のところといいますか、どういう制度がいいんだということを考えてやってもらえばそれでよろしいんだ、参議院も記号式に並べなきゃいけないよということを意味するものではない、ということが一点でございます。
 二点目は、現在の参議院の法律はあくまでも自書式であるという現状をしっかりと認識していただきたいということ。
 それから三点目は、参議院の制度改革におきまして引き続き衆議院とは違って自書式でいく場合には、まさにそのときに衆議院が記号式になっており参議院が自書式ということで並立していくわけでございますので、参議院が自書式でいくんだということとの整合性をきちっと頭の中に入れていただいて、考慮してこれから引き続き検討していくんだと、こういう意味合い、そういう理解でよろしゅうございますねということを確認したと思っております。
 この場でそういうことを御確認いただけるかどうか、御返事をいただきたいと思います。
#110
○衆議院議員(石井一君) 関根委員の御指摘の問題は三点とも御主張のとおりでございまして、我々はそういう理解をいたしております。
 ただ、その後、松永座長とこの継続案件、記号式の調整もその一点でございますし、そのほか法人化の問題につきましても議論をする、さらに選挙区画定審議会設置法の中間報告等をどこで受けるかという議論がございまして、そういう中で衆参にあります委員会の理事会というふうなことも議論いたしましたが、過去の議論を踏まえてその延長線上に行わなければいかぬということで、結局、先刻設置いたしました連立与党側六名と自民党側六名のそのままの協議会を今後存置し、その場所においてこれをするということでございまして、委員はそのメンバーの一人に入られておるわけでございますから、今申されましたような主張につきまして十分御議論をいただきたいと思います。
 ただ、私が先ほど記号式で申しました将来への展望等々につきましても、その点じっくりとお話しいたしまして、参議院がこうだからその整合性のために衆議院が寄れと言うのかあるいはその反対であるのか、その辺は今後の議論ではなかろうか、そう思っております。
#111
○関根則之君 ありがとうございました。まさにそのとおりであると思います。
 私どもも、何も参議院の方に合わせろなんということを一方的に申し上げるつもりはありません。ただ、両者が違った形で行くということはやっぱり問題があるかなと思います。
 それから、ほかの国でやっているから日本もやれという議論は、国際化が進んでくるということはありますけれども、国際化というのはいたずらに外国に合わせるということではない。やっぱり日本が日本なりの歴史と文化の上に日本人のアイデンティティーというものをしっかりと打ち立てていくことが外国から尊敬されるゆえんではなかろうか。これからますます国際化が進めば、日本独自のもの、日本の文化とか日本の物の考え方とか、そういうものに合った制度をつくっていって、それをむしろ外国に輸出していくというぐらいの意気込みが欲しいんではないか。これは私の考え方でございますけれども。
 そこで、石井委員長、先ほど下稲葉先生に対する御答弁の中でオンラインのお話がございまして、私も数少ない経験ではございますが、外国の制度も見せていただいております。一通りは理解をしているつもりでございますけれども、オンラインと自書式というのは決して両立しないものではないと私は考えております。特に日本の電子情報技術というのは非常に発達いたしておりますので、オンラインで集計を一発でぽんとやってしまうあのやり方は自書式でも十分できるだけの技術開発が既になされておりまして、そのための機器等もそろっているわけです。
 そういうことで、自書式にいたしましてもオンライン化は十分可能であるというふうに私は考えておりますので、そのことを私自身も申し上げておきますし、何か御意見がございましたら御答弁いただければありがたいと思います。
#112
○衆議院議員(石井一君) 私は、その問題でのテクニカルな専門的な知識を十分持ち合わせておりません。ただ、そのとき私、調査に出ました者から報告を受けたわけでございますが、記号式の場合は一定の一カ所にそれだけの特別な印刷ができておって、その一点にマークができればそれはすべて自動的に選別できるということになる。自書式の場合は、達筆な方もあれば片仮名、平仮名もある‥‥‥
#113
○関根則之君 それが識別できるんです。
#114
○衆議院議員(石井一君) それができるとおっしゃるんであれば、これは技術的な問題でございますから、今後の検討でございますが、まあ常識的に考えてここにおられる委員の皆さんも、そういうような機械に入れ、しかもその基礎になる投票用紙というふうなものがそういうふうに決められた場合には自書式よりも記号式の方がオンラインに乗りやすいんじゃないかなというようなことを、やや素人的な考えでありますけれども、そういう印象を持っております。
#115
○関根則之君 決して石井委員長に物を教えようなんというつもりで物を言っているわけじゃございません。
 ただ、そういう機器の開発というのは非常に進んでおりまして、人間の頭脳で名前が判別できるぐらいのものはこのごろは機械がきちっと読み取る、そこまでいっている。そういう実験があちこちで行われて実証されておりますので、私の考えとしては自書式はオンライン化を妨げる要因では既にもうなくなってきているんではないか、そういう考え方があるということだけを申し上げておきたいと思います。
 それから、もう時間がなくなりましたので細かい問題には入れませんが、重ねてちょっとお尋ねだけしておきますけれども、きょうは、補助金適正化法を政党補助金につきまして、この前質問をいたしておりますが、適用するおつもりはないというような答弁をいただいておりますけれども、これは今後とも変わらないのかどうか。それから、会計検査院の検査はどの程度までどの程度の精密さでおやりになる考え方であるか。きょうは担当がいらっしゃらないかもしれませんが、できましたらひとつ御答弁いただきたいと思います。
#116
○委員長(上野雄文君) 時間ですから簡単に願います。
#117
○政府委員(佐野徹治君) 私の方でわかります範囲でお答えさせていただきますが、補助金適正化法につきましては、政党交付金をその対象にするかどうかということになりますれば政令で指定をすることになりますが、現在のところその考えはないということを御答弁させていただいておきたいと思います。
 それから、会計検査院の関係につきましては、これはいわゆる任意的検査事項という事項に位置づけられております。現在、立法調査事務費が任意的検査事項という位置づけをなされておりますけれども、私ども、政党交付金につきましても立法調査事務費と同じような位置づけになるのではないかというように承知をいたしておるところでございます。
#118
○関根則之君 ありがとうございました。結構です。
#119
○委員長(上野雄文君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時二十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十二分開会
#120
○委員長(上野雄文君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、四案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#121
○一井淳治君 今回の改正を拝見いたしますと、資金管理団体に対して年間五十万円を限度として寄附の受け入れが許されるというふうになったわけでございますけれども、この資金管理団体について、一つは、これは明文の規定がないのでございますけれども、資金管理団体から他の資金管理団体に対する寄附は容認されるのかどうか、これが第一点でございます。それから第二点は、資金管理団体から政治家個人への寄附が許されるのかどうか、この二点についてお伺いいたします。
#122
○衆議院議員(太田昭宏君) お答えをいたします。
 資金管理団体間の寄附につきましては、政府案の段階ではこれが認められていたわけなんですけれども、総・総合意の中でこれをいかにするかということで、政治改革協議会の中で議論になりまして、その結果、資金管理団体間の寄附につきましてはこれは認める、そういうことで合意をいたしまして提案をさせていただいた次第でございます。
 資金管理団体一団体当たり五十万円を限度とするということが一つございまして、今までと違いまして五十万円に絞るということもありますし、また透明性ということからいきましても、五万円超のものについてはこれは公開をするということがついたものですから、これらの理由から、それほどこれによって資金が乱れるというようなことはないという判断のもとでさせていただいた次第でございます。
 政治家個人への献金は禁止をされているということは御承知のとおりでございます。
#123
○一井淳治君 法務省の刑事局長さんがお見えだと思いますので質問するわけでございますが、資金管理団体に対する寄附、例を申し上げますと、特定の業界の企業が百社、年間五十万ずつ一斉に寄附をする、それを受けた資金管理団体の代表者である国会議員がその業界のために例えば法案をつくることに成功した、そして請託を受けているというふうな場合に、資金管理団体に寄附するということが贈賄になるのかどうか、そこのところをまずお答え願いたいと思います。
#124
○政府委員(則定衛君) 一般に贈収賄は公務員の職務に関しまして利益を授受するなどした場合には成立するわけでございますが、御承知のとおり、その具体的ケースを想定いたしましてそれが犯罪になるかどうかという点につきましては、いわば捜査権限を持つ機関が適法に収集しました証拠に基づきまして判断する、こういうことになっておりますので、せっかくのお尋ねでございますけれども、法務当局からその成否について申し上げるのは差し控えさせていただきたい、こう思うのでございます。
#125
○一井淳治君 法務省の刑事局長さん、ちょっと今の質問に対する回答が理解できないんですが、証拠があるかどうかは関係なしに、こういう事実関係が現実にあったという前提で回答願いたいと思います。
 もう一遍言いますと、繊維業界を例にして繊維業界の方には悪いんですが、繊維不況で大変だから輸入製品が入らないように輸入を禁圧するような法律をつくりますということを国会議員がふれ歩いて、そして頼みます、じゃやりましょうということになって繊維業界の五十の企業から五十万ずつ寄附を受ける、そしてその国会議員が走り回って見事に繊維製品の輸入が困難になるような法案をつくってしまった、法律ができてしまった、これはもう確かに請託を受けていますよね。それで、そのお金は直接議員が受け取らないで、その議員の資金管理団体に政治資金として寄附されている、そういう場合です。これが贈収賄になるのかどうか、刑法上の贈賄になるのかどうか、あるいは収賄になるのかどうか、そこのところを質問しているわけです。証拠があるという前提でお答えください。
#126
○政府委員(則定衛君) 証拠で事実を固めていただいた上での御質問でございますけれども、贈収賄の基本的な構造という面からお答えをさせていただいて、その結論はそれぞれの証拠の細部の問題ということで御理解いただければと思います。
 御案内のとおり、贈収賄と申しますのは、その公務員の職務に関しまして、原則的には当該公務員に利益を供与する、その帰属主体もその当該公務員であるということになるわけでございまして、仮に今言及されましたケースのように別に権利主体があるというときには、一般的には贈収賄の成否の問題からいいますと消極的になる場合が多いと思われます。
 ただ、いわゆる第三者収賄というようなことにつきましては、この法文上の構成は、請託をして、かつ供与をさせるということが構成要件上必要になっておるわけでございまして、その辺を前提に具体的事件に当てはめて考えるということになろうかと思います。
#127
○一井淳治君 じゃ、私が犯人になって、私は商工委員会に所属しておりますけれども、繊維関係については職務権限があるという前提でお答え願いたいと思います。
 私が悪者になりまして、今言ったように繊維関係の法案を商工委員会で一生懸命にやってつくり上げたと、これはもう職務権限があるわけだと思います。職務権限があるという前提で回答を願いたいんですけれども、今回の資金管理団体というのは代表者が国会議員ですから、私が代表者です。私どもは日ごろぴいぴいですけれども、五千万も入ったらこれは使いようがないぐらいのお金です。本当にもう思う存分にお金を使えます。それほどのお金がどっと入ってきて、議員個人に対しては大変な利益があるわけです。直接お金が入らなくても、お金に準じたような大変な経済的な利益がぐっときているわけですから、これは私は贈収賄になるんじゃなかろうかと。
 確かに人格は別ですけれども、まあ総理府と大蔵省みたいなものでしょう。大蔵省が会計を持っている、こちらの方は総理がおるというような関係で、もっと緊密かもしれないと思うんです。資金管理団体イコール代表者、国会議員と言ってもいいぐらいの緊密な関係があって、しかもお金が入ればたちまち政治家に対して利益があるわけですから、そういったことを前提に具体的にお答え願いたいと思います。
#128
○政府委員(則定衛君) 問題の所在は、あくまでもその当該利益の帰属主体が問題になる公務員と見るかどうか。つまり、政治資金管理団体というものが今回の法律でできるわけですが、そこへ入っているものが当該公務員に実質的に帰属するかどうか、この辺の認定の問題だろうと思います。
 具体的事件の解明の場合には、これは非常に証拠上微妙な問題になるんだろうと思いますが、その帰属をどういうふうに見るかによって直接の贈収賄の成立が認められるかどうか、こういうことになろうかと思います。
#129
○一井淳治君 そういたしますと、私は、今の御回答は実質的に見るんだと、代表者である国会議員に実質的に経済的な利益、これは経済的な利益に限りません、利益が及んでおれば贈収賄の成立の可能性があるんだというお答えだとお聞きしましたけれども、それでよろしいでしょうか。
#130
○政府委員(則定衛君) お答えします。
 御指摘のように、実質的に帰属するかどうか、こういうところであろうと思います。それはあくまでも証拠の判断による、こういうことでございます。
#131
○一井淳治君 といいますと、どうもはっきりしないんですが、はっきりしないとすれば、職務権限の問題でもいろいろ贈収賄については議論があるところでございますし、それから国会議員でなくても、例えば政党の政審とか政党の法律や政策をつくっている部門の方々、こういった方は当該の公務員の方々よりかえって権限があるんじゃなかろうかというふうな論議もありますけれども、そういった現在の政治構造、どういった方々が政策をつくり法律をつくっておるのかということを見ながら、適切に、そして国民の期待に沿うような清潔な政治が行われるように贈収賄の規定を変えていかなくちゃならぬじゃないかというふうに思いますが、その点はいかがでございましょうか。
 この間、新聞を見ておりますと、東京佐川問題で二十数億円ぐらいお金が動いておる、そして億単位の金額を国会議員でもらっておる人がいるんじゃなかろうかということが指摘されておるんです。他方では、五万円ほどの例えば新築祝いという名目でありながら、たった五万円でも逮捕、勾留されている人もおるわけですから、余りにも格差が大き過ぎるんじゃなかろうかという批判もあるわけで、贈収賄の規定はやはり見直しが必要ではなかろうかというふうに思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
#132
○政府委員(則定衛君) いわゆる政治家とのかかわりでの金銭の授受の問題という御質問であるわけでございますけれども、その問題は現在まさに政治腐敗の防止対策という問題で種々の観点から御協議、御審議されているわけでございまして、法務当局といたしましては、それらの論議をよく見守らせていただきまして、その上で適切に対応していきたい、こう思っております。
#133
○一井淳治君 ところで、資金管理団体に年間五十万円の限度で寄附が許されるようになったわけでございますけれども、この金額が政治腐敗に結びつかないようにどのような担保がなされておるのかということをお答え願いたいと思います。
#134
○衆議院議員(太田昭宏君) 先ほど透明性の確保ということについて申し上げましたけれども、まず資金管理団体への上限が一団体五十万円ということ自体が一つの担保であろうと思いますし、また従来から、公開基準が百万円超から五万円超に引き下げられその透明性が高められている、また資金管理団体間の寄附のやりとりは収支報告書によって明らかにされることとなっております。それに加えて、資金管理団体から政治家個人に対する献金は禁止されることとなったところでございまして、これらの措置によって政治腐敗の発生というのは十分防止できるのではないかと判断をしております。
#135
○一井淳治君 この規定は五年後に全廃する扱いに今回の法案ではなっておるわけでございますけれども、これは法文を見ても、当然に廃止されるというのではなくて、その段階でまた立法が必要であるというふうに読めるわけです。そういうわけですね。
#136
○衆議院議員(太田昭宏君) 資金管理団体に対する企業・団体献金の五年後禁止ということについては、総・総合意によりまして、企業等の団体の寄附は政治家の資金管理団体に対して五年に限り年間五十万円を限度と認める、こういうことに基づいて提案をされたわけでございます。
 附則第九条によりまして、前国会において成立した政治資金規正法の一部改正法の施行後五年を経過した場合において、指摘のとおり別途立法措置を講じて資金管理団体に対する企業・団体献金を一切禁止するということでございます。これは五十万円を例えば十万円に下げるということではなく、企業・団体献金を五年後禁止するということでございます。
#137
○一井淳治君 当然禁止にはならないで、そこで立法が必要だと思うんです。その立法がきちんとなされなくちゃならないと私は思いますので、これは自治省の方にお尋ねしますが、私は政府の方がおつくりいただくのが一番いいと思うんですが、政府がつくらない場合はこれは議員立法でやってもいいわけですね。
#138
○国務大臣(佐藤観樹君) それは当然結構でございます。
#139
○一井淳治君 次に、今回御協議をいただきまして、二十四日付でまとめていただきました合意事項の第六項を見ますと、政党交付金について一つの合意に達しているわけでございます。
 その文書を見ますと、自由民主党の法人格を有すべきであるという意見に留意しながら今後協議を行うという取りまとめになっているのでございますけれども、そのような取りまとめに至りました経緯なり事情について御説明を願いたいと思います。
#140
○衆議院議員(太田昭宏君) お答えいたします。
 大切な税金をどのように使用するかということでございますので、政党としては、そこにも書いてありまして、また先ほどの関根先生からのお話の中にもありましたけれども、心して民主的また組織的にもそのような運営をしなくてはならないということでございます。
 その中で、法人格を有する方がよりそれが明確になるという議論と、法人格ということがそのまま政党法的なもので内容まで立ち入るということが危険であるという意見、双方出まして、政治改革協議会の中でそのような文書になりまして、協議をこれから行っていくということになった次第でございます。
#141
○一井淳治君 協議の内容について根掘り葉掘り聞く考えはないんですけれども、これについては社会党を初め与党の相当多くの党が反対の意向が強かったんじゃないでしょうか。
#142
○衆議院議員(石井一君) 仰せのとおり、大変広範にわたる、またかなり時間をかけた議論を協議会ではいたしたわけでございます。新たに国民に対する権利と義務を明示し法人格を付与せよという意見がありました反面、そのことによって政党法制定への道を歩む危惧というものが感じられるというふうな意見もございました。
 私は、これは協議会の継続事項になっておりますので、その点で今後十分審議をしていかなければいかぬと思いますが、やはり大部分の政党の合意に至るべき重要な問題であるとともに、国民の間でももう少しこの問題に検討を加えていただいて、国民世論の同意のもとに決めなければいかぬ非常に重要な問題だと認識いたしております。
#143
○一井淳治君 この事案を離れまして一般論、抽象論としてお尋ねするわけでございますが、政党というものは民主主義社会においては非常に重要な政治上の位置づけがある、そして政党が活発に活動しなくちゃならない、そのためには公権力の不当な介入があったら絶対いけないと思うわけでございますけれども、自治省の日ごろの政党に対する態度といいますか考え方、それについてお尋ねしたいと思います。
#144
○国務大臣(佐藤観樹君) 御承知のように、政党というのは極めて民主主義の土台になる団体でございますから、政治資金規正法上の報告書を出していただくときも全く事務的なミス以外はこれを指摘しないということで公開をしているということになっておるわけです。したがいまして、私たちとしては、今度の法案をつくりました基本の中に、政党の内部にはできるだけ介入をしないということをもって政党との関係におきましてこの問題に対処してまいりました。
 今、石井委員長から言われましたように、これから与党と自由民主党の間でいろいろ協議がされるわけでございますが、ただ、私たちいわば政治資金報告書を出していただく担当部署という意味での自治省ということから申しますと、一体法人格を付与する政党というのはどういう要件を要するんだろうか。例えば五人あるいは二%ということになっていますが、現在の法律の改正が成ればそうなるんですが、じゃこれの要件を欠いたときには法人格がなくなるのか、なくなった場合に一体財産の清算をその都度やるのかというような問題やら、そういうことになってまいりますと、例えば組織の意思の決定のあり方とかあるいは代表者の定め方とか、こういったものを民法によるかよらないかは別としまして、何らかの形で書かなきゃいかぬというときに、一体それをどう担保するのか。それはみずから決めたものと違うじゃないですかといって、だれがそれを指摘して、どうそのことの内容を担保するのかというような政党固有の問題が発生をしてくる。
 これは、政治活動の自由とか結社の自由とか、こういったものとどうなっていくのかということから申しますと、非常に問題をいろいろな角度から検討しなきゃいかぬ重要な課題が含まれているというふうに我々も理解をしているものですから、今後とも協議をいただきますが、あわせまして、自治省といたしましては政党のあり方についてはできる限り内部には立ち入らないということで法律全体をつくったわけでございます。
#145
○一井淳治君 政党に対して不当な公権力の介入があっては民主主義社会はつぶれてしまうわけですから、そういう自治省の態度を今後ともとり続けていただきたいと思うわけでございます。
 また、法人化の問題と最近言われております政党法の問題ですが、この政党法の問題といいますのは、政党の重要性にかんがみていろいろなルールをそこへつくっていこう、また政治資金を扱いあるいは政党助成を受けるわけですからそういったこともしっかりと考えて責任のある政党になっていこうとそういう意味で私個人は政党法をつくるという問題についてはかなりの意味があるというふうに感じますが、しかし、その問題と法人とする問題はやはり私は切り離して考えるべき問題であると思います。
 例えば建築確認ということがありますけれども、要件にさえ当てはまれば当然建築確認は下されなくちゃいけないんですけれども、実際にはいろいろ政治的なプレッシャーなんかがかかりまして建築確認がおりない、建築もいけない。多額の借金をしながら土地も購入しているんだけれども長い間建築できないというようなことも起こっているわけでございまして、法人の登記ということを考えますと、いろいろなプレッシャーがかかってきて登記がなかなかできないというようなことも考えられますし、また逆に、先ほどもちょっとお話が出ましたように、法人となる要件の定めようによっては、要件を欠くに至った場合に、実際に政党が政治活動をしている、しかしこの要件を欠いているから登記を抹消しなさいというふうになった場合に、大変な問題が現実に起こってくるんじゃなかろうかと考えがいたします。
 特に最近のように、価値観が多様化いたしまして、政党の分裂ということあるいは政党から一部出ていってまた新しい党をつくるということが非常に起きやすいような状況になってまいりますと、この法人化の問題が余り進行すると政治の自由といいますか政治活動の活発性を奪ってしまうというふうな危険性も考えられると思うわけでございます。
 もう一遍自治省にお尋ねいたしますけれども、最初の政府案には法人化しようということは全然書かれていなかったわけでございますけれども、こういった問題について論議があったのかどうかわかりませんけれども、政府案をおつくりになったときのお考えを改めてお伺いしたいと思います。
#146
○国務大臣(佐藤観樹君) 先ほど御説明しましたように、政党への国家の公権力の介入というものを極力排除する、政党の内部にはできる限り立ち入らないということを原則に我々はいろいろな法案を考えたわけでございますが、この政党交付金法でも、政党の届け出あるいは交付金の交付の方法、あるいは使った場合の使途の報告、あるいは返還の措置等をやる場合にいわば法人格がなくてもこれは十分対応できる、特段その必要がないということで御承知のような政府の提案になっておるわけでございまして、そういった意味で、私たちといたしましては、民主主義の発展のために政党はできる限り自由に政治活動ができるようにということがこの法律を脈々と流れている思想だというふうに考えていただいていいのではないかと思います。
#147
○一井淳治君 同じ協議結果の第七項でございますけれども、先ほども質問があったんですが、「記号式の二票制とする。」、そしてなお書きが加わりまして「参議院議員の選挙制度との整合性を考慮して、今後引き続き検討する。」ということでございますけれども、私は必ずしもこの参議院の選挙制度との整合性ということを考えなくちゃならないということはないんじゃなかろうかと思うわけでございます。
 今回の選挙制度の改正によりまして衆議院は政党本位になっていくわけでございますね。そして参議院の方は目標とすれば良識を持って対処する、そして人物を選ぶ参議院になるわけですから、投票する段階でもあの人を選ぶということで参議院の場合は自書式に傾いていくということもあり得るわけでありまして、衆議院と参議院の投票の方式に整合性が必要なんだという考え方を必ずしも常に持たなくちゃならないということでもないと思うわけでございますけれども、その辺のお考えもお聞かせ願いたいと思います。
#148
○衆議院議員(石井一君) 一つの御見識ある意見だと思います。
 この意見は参議院側の代表の方から強く御主張になりまして整合性という必要性を私たちは新たに認識したわけでございますが、本日の委員会の審議で別の参議院のサイドから整合性は政権の選択と個人の選択という考え方から必要ではないという意見があったということも留意し、今後協議会の場でひとつ十分議論をさせていただきたいと思います。
 ただ、一言私の私見を申し述べさせていただきますと、ただいまの議論は選ばれる側の議論であって、選ぶ側は、政権を選択するとか個人というよりも、選挙に行って投票をするという場合にやはりそこに戸惑いが起こってくるという問題もございますから、御意見は御意見としてお伺いしますけれども、やはり選ぶ側、国民のサイドからの視点も必要ではないかというふうに私は思います。
#149
○一井淳治君 整合性にもいろんな意味がある、選ぶ側の方も考えなくちゃいけないという御趣旨は私もよくわかりました。
 次に、政治改革でございますから政治腐敗をなくしていくということが非常に大切でございます。
 今回の税制改正によりまして使途不明金に対して課税を強化する、法人税と住民税を合わせて九六・九%の課税になるということでございますけれども、これにつきましては、早速、例えば日経新聞の記事なんかを見ますともう九七%の税金さえ払えばかえってお墨つきがもらえたんだというふうな極端な論議もされておるようでありまして、やはり基本は商法の場面において使途不明金の問題に真正面から対応していかなくちゃならないというふうに思うわけでございます。
 私は委員会があるたびにこの問題を取り上げましてやや失礼かというふうには思うんですけれども、御回答の方も真正面から答えていただけなくて、周りの方からお答えになってなかなか直接的な御回答がいただけないわけでございますけれども、平成五年六月三日の商法改正についての参議院法務委員会の附帯決議を見ますと、「会計帳簿の不実記載等を防止するための所要の措置について検討する」となっているんですが、これをきちんと法務当局の方では守っていただけるのかどうかということを質問したいと思います。
#150
○政府委員(濱崎恭生君) 御指摘の附帯決議に対する私どもの考え方につきましては前国会の予算委員会での一井委員の御質問に対しても御答弁申し上げたとおりでございまして、私どもといたしましては、附帯決議の趣旨を十分にそんたくしてこの問題についても注意を怠らないようにしてまいりたいというふうに考えております。
 ただ、先般もお答え申し上げましたように、さきの通常国会で通していただきました商法の改正の中で、そういう視点からも株主による監視機能の強化あるいは監査役の機能の充実強化という観点からの改正を実現させていただいたわけでございまして、その改正法の施行を受けまして、私ども承知しているところでは、企業の方でも大変緊張感を高めているというふうに伺っておるところでございますので、私どもとしては、いろいろな広報の手段を通じましてその改正法の趣旨が十分に実現され、それによって御指摘の面についても相当の効果が上がるということを期待いたしたい。そういう状況を見詰めつつ、将来の問題については御指摘の視点に立って十分考えてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
#151
○一井淳治君 附帯決議を守りながら企業の経理を正していくという点につきましては、昨年十二月十三日の予算委員会におきまして、総理からも私もそのようなしっかりとした認識を持っておりますというお答えをいただいているわけであります。
 今、法務当局の方からお答えいただいたことは、すべて商法改正が行われたときの所要の内容を充実させていくという趣旨のことであったわけでございますけれども、この附帯決議は「会計帳簿の不実記載等を防止するための所要の措置を検討する」というふうに書いてありまして、それとは別の措置を検討していくと、そういうふうに読むのが普通じゃないかというふうに思うわけでございます。
 ですから私は、改正されておるあるいは既存の制度を充実させていくというだけではなくて、新しい措置を検討しておつくりいただく、そこにこの附帯決議の主眼があるんじゃなかろうかというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
#152
○政府委員(濱崎恭生君) 御指摘の附帯決議はもとより参議院法務委員会で付されたものでございますので、その趣旨とするところがどこにあるのかということは私ども受けとめる側として理解するほかないわけでございますが、もちろん御指摘の中には当然将来の制度改正という御指摘も含まれているということであろうというふうに理解しております。
 ただ、先般の改正が、そういう企業の不正経理を波及的に防止するという観点から、その時点でできる範囲のことを実現したというふうに考えておりますので、当面はその実効性を見守らせていただきたい。その上で、将来のことにつきましてはさらにその情勢を見て考えさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
#153
○一井淳治君 当該の法案でできておることについて検討するということはないと思うんです。検討するということは新しい別の制度をつくることを検討するということですから、私はそういうふうに読むべきだと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#154
○政府委員(濱崎恭生君) ただいま御答弁申し上げましたとおり、もとよりそういう趣旨も含んでおられるというふうに理解しているということでございます。
#155
○一井淳治君 そういたしますと、検討してください。どうでしょうか。
#156
○政府委員(濱崎恭生君) 先ほども申しました繰り返しになりますが、当時改正を実現した時点では、これで所期の目的を達成するのではないかという考え方で改正させていただいたものでございます。
 ただ、将来の問題といたしましては、もちろん検討するにやぶさかでございませんが、具体的に現段階においてどういうことが可能かということについてはまだ申し上げられる段階にないわけでございます。
#157
○委員長(上野雄文君) もうこれで最後にしてください。
#158
○一井淳治君 ですけれども、附帯決議として「検討すること。」となっているわけですから、これはもう附帯決議を守るのかどうか、守る気があるのかどうかということに結局は収れんしてくるわけです。ですからもう一遍、附帯決議を守るのかどうかということをお答えいただきたいと思います。
 もう一つは、この違反については過料というふうになっているんですが、過料がほとんど取られていないんじゃないかと思います。使途不明金というのがもう腐るほどあって本当にみんなうんざりしておるんですけれども、これが野放しになって過料が取られていないと思うんです。過料をきちんと取っていく。私はこれは過料ではだめだから刑罰にしてほしいと言っているんですけれども、少なくとも現実にこれは過料になっておるんですから、過料をきちんと取っていくという、そこのところも何とか考えてもらわなくちゃいけないと思います。
 その二点を最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#159
○政府委員(濱崎恭生君) 附帯決議の件に関しましては、繰り返しになりますけれども、現段階で具体的な案というのは申し上げることができる状況にはございません。今後とも附帯決議の趣旨をそんたくして考えてまいりたいというふうに思います。
 それから、過料の制裁につきましてこれがどの程度実効性を上げているかということは、具体的に御指摘の会計帳簿等の関係でどの程度の過料の制裁が科せられているのかという具体的な数字は、ちょっとこれは裁判所に問い合わせてみても過料の原因ごとに区分して統計されておらないようでございますので、わかりかねますけれども、これは裁判所の運用の問題でございますので、私どもとしては御指摘の点を最高裁当局にも適正に対処していただくようにお伝えしたいというふうに考えます。
#160
○一井淳治君 ありがとうございます。(拍手)
#161
○聴濤弘君 日本共産党が政治改革関連四法の本体に反対であることは、もう御承知のとおりでございます。
 修正案についても、選挙制度の面では、民意を切り捨てる小選挙区制の定数を一番最初は二百五十だったのを三百にまで拡大するという問題。それからまた、政治資金の問題については、一たん禁止していた個人への企業・団体献金を復活させる。これは政治改革の目玉だと言われていました。この個人に対する企業・団体献金の禁止を復活させる等、一層の改悪である。我々としては到底容認することはできない。このことをまず最初に私は明確に態度を表明しておきたいと思います。
 このことを表明した上で、幾つかの実際上の具体的な問題について質問し、また問題の提起もしたいというふうに私は思います。
 まず第一は、具体的実際問題としての供託金の問題であります。
 この問題は、衆議院で我が党の日本共産党の東中議員も取り上げたところであります。日本の供託金はヨーロッパ諸国と比較して非常に高いものがあります。今回、私も調べてみて実際驚きました。日本では、今度小選挙区制になって三百万円。それで、三百の定数ですから、ここに全部立てた場合には九億円払わなきゃならぬ。それから、比例代表の部分ですけれども、これは六百万円。それで、ブロック定数になっていて、定数の二〇%を立てなければ政党要件として一人前に扱ってもらえませんから、これ全部合わせると四十五人最低は要る。六百万円掛けますと二億七千万円。合計で十一億七千万円要るんですね、供託金として。これを用意しなければともかく日本全体では戦っていくことはできない、こういうことになっております。
 参考のために申し上げますが、これをヨーロッパ諸国と比べてみますと、イギリスは九万七千円、フランスは二万三千円、オーストラリアは下院が二万一千円、上院は四万三千円、それからカナダは一万九千円、ニュージーランドは一万三千円、こういう状態であります。オランダだけが百七十七万で、百万単位で日本と並ぶのは、百七十七万ですが、オランダだけという状態であります。
 ついでに全部申し上げますと、アメリカは一体どうなっているのかということで私は国会図書館の協力も得て調べてみましたら、州によっていろいろちょっと違いがあるようでありますけれども、アメリカには供託金制度というものそのものが余りないということであります。州によって違うんですが、アメリカでは、これは立候補することによるいわゆる手数料とか申込料というようなものはある。ファイリングフィーと言うんだそうでありますが、書類をとじ込むための手数料のようなものを取る。ファイリングフィー、手数料、登録費用、こういうものがあるという程度の話であります。
 こういう状態でありますので、まず私は佐藤自治大臣にお聞きしたいんですが、ヨーロッパに比べて日本の供託金が非常に高いというこの事実そのものは事実としてお認めになるでしょうか。
#162
○国務大臣(佐藤観樹君) 一面ではそうでございますけれども、我が国にも、昭和二十五年以来だと思いますけれども、供託金等のいろいろな歴史があり、物価の上昇率があるということでずっと現在のところ来ているわけでありますし、それから選挙公営がここまで進んでいる国、ここにいろいろと国が公営で選挙運動の費用を出してくれるその度合いというのもまた世界一でございますので、そのあたりもトータルに考えていただきたいと存じます。
#163
○聴濤弘君 今、自治大臣の方から、日本では公営の度合いというのが非常に高い、これも考慮してほしい、物価のことまでトータルでひとつ考えてほしいということでありましたが、それでは具体的に日本で、一番最近の選挙でいいんですが、選挙のための公営費というのはどのくらい支出されたのか、教えていただきたいと思います。
#164
○政府委員(佐野徹治君) 選挙公営の関係でございますけれども、平成四年の参議院の通常選挙では百六十四億三千八百万円でございます。また、平成五年の衆議院の総選挙では百三十八億六千七百万円でございます。
#165
○聴濤弘君 平成四年の参議院選挙が百六十四億、平成五年のあれが百三十八億。こうしますと、私が思いますには、これはいわば当然の費用だというふうに思うんです。高ければ高いほどいい、そういうことを私は言っているわけじゃないんですが、参議院の場合は百六十四億円、衆議院の場合は百三十八億円。これが高いので供託金も高いんだという論理づけをされますと、これはやはりちょっとおかしいと思うんですね。
 この額がどのぐらいの額かといいますと、今度政党助成金で出すというのは三百九億円でしょう。平成四年の参議院選挙の選挙公営費というのは百六十四億円だというのだから、半分ぐらいですね。これで高いと言うわけにはいかぬと思うんです。
 私は、全体の公営費のことを言っているわけです。国民に各党の政策、各候補者の人柄、それから党の理念、政策、こういうものを知ってもらって、そして公正な選挙をやっていくというために使う費用なんですから、これは当然で、国がしかるべきそういう額を出すのは私は当たり前だと思うんです。民主主義のコストということが非常にこの政治改革で言われましたが、民主主義のコストというのはまさにこのことだと私は思うんです。政党にお金を配るということが民主主義のコストではなくて、こういうところに必要なお金を出していくということこそ民主主義のコストだというふうに私は思います。
 公営の度合いが非常に高い、したがってそれなりのお金はかかる、それで供託金も高いんだというふうにもし自治大臣がおっしゃるとするならば、それでは、供託金というのは国が選挙を行うための費用の分担金ということになるんですか。
#166
○国務大臣(佐藤観樹君) 聴濤委員の話は、一般経費の話と、いわゆる法律上の執行経費の話と公営費の話をちゃんと分けられて物を言っていらっしゃるのかなという気がちょっとするんです。
 いずれにいたしましても、平成五年の衆議院のときに、落ちた人も含めて候補者一人当たりのいわば選挙公営のための、例えば新聞広告の費用とか自動車の使用料とか通常はがきの公営費とかビラの作成費等々、こういった費用が候補者一人当たり千四百十五万円かかっておるわけです。それから、参議院の平成四年に行われましたものは候補者一人当たり千九百七十一万円、約二千万円かかっておるわけでございまして、これを高いと見るか安いと見るか当たり前と考えるか、それはいろいろな評価があると思います。
 いずれにしろ、供託金の三百万円あるいは六百万円というのはやはりこういうものとの比較を考え、かつ今の選挙運動の量というのは何を基準にするかというと、やっぱり候補者の数に応じて何らかの選挙運動の量というものを考えなきゃならぬとなると、ただとにかく運動量をふやすために候補者をどんどんふやすということについて一定の秩序を持つためには、国民の税金を片方では使うことも含めて、供託金の趣旨からいいまして、私たちはこれはそう法外なものではないというふうに考えております。
#167
○聴濤弘君 もう一度同じ質問になって申しわけないんですが、今一人当たり千四百十五万円、千九百七十一万円もかかっているというふうにおっしゃられるということは、だからその費用の一端を担う、供託金というのはそういう意味があるんだということですか。
#168
○国務大臣(佐藤観樹君) 昭和二十五年のときには供託金と分担金ということで、分担金というのは返らないということです。それは二十七年までそういうやり方をしてまいりました。
 ロッキード事件があったときに、政治家の入りの問題だけじゃなくて出の問題を考えなきゃいかぬと。そのときには、やはり選挙にお金がかかるからということもございまして選挙の公営というのをどんどんと進めてきたというわけでございます。そういった意味では、これはそういった選挙の公営の費用も含まれているというふうに考えます。
 しかし、これは御承知のように没収されなければ当然返ってくるお金でございます。今、委員が言われました分担金の場合には、当時は二万円でございましたけれども、昭和二十五年の話でございますが、これは返ってこないお金でございます。そういう意味では分担金と性格は違いますが、いずれにしろ一定の票をとれば返ってくるお金であるということもひとつ御留意をいただきたいと存じます。
#169
○聴濤弘君 私も少し研究させてもらいまして、一九四八年に、その当時国の財政が窮乏していたので選挙をやるのに分担金というのが導入された。しかし、分担金を負担し得ない者がいる。そうなりますと、それは財産、収入によって立候補が差別されるという結果になってくるので違憲の疑いありということでこれが一九五二年に廃止をされているというふうな経過であるというふうに私理解をしております。そういう意味で、供託金というのはそういう経過もあって分担金的性格は持っていない。
 こうなりますと、じゃどういうところに供託金というものの意味があるのか。端的に伺いますが、立候補を抑制するためか、こういう問題であります。
 日本で供託金制度が導入されたのは大正十四年です。例の普通選挙制度が導入されたときでありました。そのときの供託金というのは、調べてみて驚いたんですが、実に二千円です。当時、大正十四年、昭和の初め、私生まれておりませんが、いろんな話や、それからいろいろ読んだりなんかしますと、当時の二千円という金はこれは大変な金でございました。家が建つ。豪邸が建つんじゃないかと思います。昭和の初め、私の父の話しによりますと、百円の月給をもらっていれば女中さんを雇って生活ができたというようなことが言われていた時代でありました。そのときに実に二千円という供託金でありました。
 このような高い供託金の導入の直接のねらいというのは、いろんなことがいろいろなように言われますけれども、当時普通選挙制度を導入したので無産政党の立候補を抑制していくというところにねらいがあったことはもう間違いないと思うんです。
 戦後、一九五〇年に公職選挙法ができた。戦争が終わって若干の期間いろんなごたごたがありましたが、一九五〇年に公職選挙法ができた。そのときも三万円なんですね。戦後一九五〇年の供託金でも三万円、これもやはり非常に高い。
 日本の供託金というのは、今言ったそういうような意味を歴史的に持っていると思うんです。そこのところ、ヨーロッパが非常に低くて日本が非常に高いというこの差は、こういう歴史的な経過というものがあると私は思うんです。自治大臣の考え、いかがでしょうか。
#170
○国務大臣(佐藤観樹君) いずれにいたしましても、最初の昭和二十五年の三万円から今の三百万円にいくまでにはいろいろな物価の上昇その他もずっと掛けたこともございます。
 そもそも私は、供託金というのは、先ほどもちょっと触れましたけれども、運動量をふやすためにとにかく候補者を立てようと、乱立であろうと何でもそれの方が運動量がふえるということを一定の秩序のもとに律するものだというふうに考えておりますしへまた一種の売名行為というものを防止するという意味もその中に含まれておるというふうに考えております。
 そういった意味で、ヨーロッパはヨーロッパの歴史を持っていると思いますけれども、昭和二十五年から発したこういった金額、三万円と二万円の分担金というものから発してずっとそれなりに国会を通して議論をされて今日に来たわけでございまして、あくまでこれは没収するわけじゃございませんで一定の票をとれば返済される金額でございますから、聴濤委員が言われるほど候補者の立候補を制限するという性格のものではないと私たちは考えております。
#171
○聴濤弘君 今お答えになったことについて直接私の意見を申し上げる一つ前に、物価の上昇ということがこれまでの答弁で二回出てきましたので、ちょっと物価の上昇と供託金の関係について先に質問をさせていただきます。
 確かに、大臣もそう言われたし、いろんな議事録を読んでみますと物価の上昇というのが供託金を上げていく上での非常に大きな論拠になっているんですけれども、それを考えますと、一九八二年の改正で供託金が二百万円になって、その後九二年ですか、に三百万円になったと。この間の十年間の物価の上昇を調べてみますと、全国べースで一九・三%なんです。供託金は二百万円から三百万円ですから一・五倍ということになって、これはなかなか説明がつかないように思うんですけれども、いかがでしょうか。
#172
○国務大臣(佐藤観樹君) たびたび御説明申し上げておりますように、我々は、昭和二十七年を一回目と数えれば七回その供託金の金額の引き上げを国会に諮り、国会の御承認を得てやってきておるわけです。そのときは、今申しましたように物価の上昇率もございますし、もう一つは公営の拡大ということもございました。ただ物価の上昇率だけということじゃなくて、冒頭から申し上げておりますように公営も拡大をしている、こういったものとの見合いにおいておおむね妥当ではないかということで供託金というのも上げさせていただいてきている、こういうことでございます。
#173
○聴濤弘君 ヨーロッパに比べて高いということは先ほどもお認めになったと思うんです。事実は事実として認めるということは言われました。
 その後いろいろな議論を私とやっているわけですけれども、先ほど言われた運動量の問題、それから売名行為で出る候補者がいるからそういう問題をそれなりにチェックしていかなきゃならぬということも考慮されているんだという問題に戻りますけれども、当選する気もない――ちょっと正確にしておきますけれども、当選する気もないという人と、当然のこと当選したいが今はもう一歩実力がないので次回には何とかと思っているのとは全然違います。そこのところはひとつ区別して考えていただきたいと思うんです。当選する気もない人、それから売名行為ということで出る、そういうのをそれなりに押さえていかきなゃならぬということで、むやみに運動量、それから売名行為というようなものを何といいますか助長するわけにはいかないという大臣の答弁はそれなりに理解いたしますけれども、しかしヨーロッパと比べて先ほども言いましたように物すごく差がある。さっき言いましたが、日本はイギリスに比べて倍数で言いますと三十倍なんです。日本の方が三十倍高いんです。フランス、カナダに比べれば百五十倍高い。ニュージーランドに比べれば三百倍高いということになる。
 それで、じゃ各国は何で供託金をつくっているかといいますと、イギリスもインチキ候補の排除のために供託金を設定する。これは一九一八年なんですけれども、その後、選挙運営を妨害する者だとか道化師のような役割をする者、こういった者をやっぱりチェックする必要がある、そういう意味では大臣が言われたのと同じ趣旨なんです。それからフランスの供託金は、何でフランスでは供託金をつくるかというと、立候補者による選挙運動の誠実さを証明するため、立候補する者が誠実であるということの証明料だというのがフランスでの意義だそうであります。
 そうしますと、すごくおかしなことになるんです。要するに、日本はイギリスに比べて売名行為をするような人たちを抑えるためには三十倍金がかかる、フランス、カナダに比べれば百五十倍金がかかる、ニュージーランドに比べれば三百倍金が必要だ、これは説明のつく合理的根拠ではないと思うんです。日本人の方がイギリス人より三十倍売名行為をやりたがるとか百五十倍やりたがるとか、そんなことはないと思うので、ここはどういう合理的根拠がありますでしょうか。やはり日本の供託金は高いというふうに言わざるを得ないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#174
○国務大臣(佐藤観樹君) 日本の場合には、御承知のように七十年間中選挙区制という個人本位選挙をやってきたわけです。そして、いろいろな制度の改正があって、供託金の問題も選挙公営の問題も御承知のように今現状あるようになってきておるわけでございます。
   〔委員長退席、理事一井淳治君着席〕
 今挙げられましたイギリスについても、あるいはニュージーランドにつきましても、小選挙区制あるいは政党本位ということで政党そのものがいわば選挙も含めて政治活動ということをやってきているという、そういう歴史的な違いもあると思うんです。そういった意味では、おのおの私たちはその過去を持ってきているというふうに思っておるわけでございまして、これからさらに政党本位という選挙運動に進んでまいりますときに、おのおの政党の良識において候補者を乱立させるということがないという状況の中でどういうふうにこれを新たに考えていくか。
 いずれにいたしましても、選挙法の中で選挙の運動量ということを考えますときに、何をもって量を決めるかというと、やはり候補者の数で決めるよりほかに適切なものがないということになりますと、やはりその運動量の基礎になります立候補の数ということを一定の秩序をもっていくためには、まさに委員今御指摘のように、正直料、私はこれだけかけてもちゃんと誠心誠意やるんですよということ、そして法定得票数をとれなかった場合には没収になる、とれれば返ってくるというお金でございますから、そういった意味で、今、一委員は正直の量なりなんなりを比率で言われましたけれども、そういうものではなくて、おのおの選挙制度の中に歴史がございまして、今日現時点においてはその結果が私はあらわれているものだと、こういうふうに理解をしております。
#175
○聴濤弘君 今、大臣言われましたことで私ぜひ留意したいと思った点が一一つあります。それは、今の供託金の問題、過去のいろいろなものを引きずっているということをおっしゃいました。過去のいろいろなものを引きずっているならば、マイナスの面を引きずっているとすれば、これはきちっとしなきゃならぬという問題が当然起こってくると思います。そして、大臣、次のように言われたんですが、これから本当に政党本位の選挙というようなことが行われ、政党の良識においていわば売名行為だとか何かするような人間が出ないようなそういうようになっていくならば、今後どういうふうにこの供託金の問題をやっていったらいいかということはそれなりに検討しなきゃならぬ問題だという趣旨のことをおっしゃられた。これは私非常に重要な点だというふうに思います。それは一つ私は留意したいと思います。
 もう一つの側面から、この供託金の問題ですが、今私はヨーロッパ諸国との比較で言ったんですが、今度はヨーロッパとの比較だけじゃなくて日本そのもの、今度の選挙制度が変わることによる日本そのものの問題でいってもやはり今のままの供託金というのは大変問題があるというふうに思うんです。
 一つは、参議院の比例代表での政党要件は十名立候補させなきゃいけない。それで供託金一人六百万円なんです。ですから合計で六千万円なんですね。ところが、今度小選挙区比例代表の新しい制度ができるとすれば、小選挙区比例代表並立制の比例代表ではさっき言いましたように四十五人立てなきゃならぬ。そうしないと一人前に扱ってもらえません。そうしますと、さっき言いましたように二億七千万円が必要だということになるわけですね。今までですと六千万円で選挙に党は出られたわけです。ところが、今度二億七千万円じゃなければ出られないということになります。この差というのは大変大きいと思うんです、六千万円と二億七千万円ですから。どうしてこんなに大きな違いが必要なのか。やっぱり供託金の問題について検討を加える必要があるんじゃないかと私は思うんですよ。
 こんなに大きな差がどうして必要なのか、合理的な説明がありますでしょうか。
#176
○政府委員(佐野徹治君) 衆議院と参議院の比例選挙につきましてはそれぞれ定数が違うわけでございまして、参議院の場合には一回の比例選で選挙いたします数は五十人でございまして、五十人のうちの二〇%という考え方で十人以上の候補者数要件があるわけでございます。今度の衆議院の比例選挙につきましては比例の方の定数は二百人でございまして、これは十一のブロックに分けておりますけれども、それぞれの十一のブロックの定数の二割というのは参議院の比例選挙と同じような考え方に立っておるものでございます。
#177
○聴濤弘君 わかったようなわからないようななんで、非常に単純なこと言っているんですが、ともかく党は六千万円で今まで出られたんですね、比例代表。ところが、もちろん参議院との比較ですけれども、今度は二億七千万円じゃないとだめだと。こんな大きな差というのは何で起こるんだ、こんな差が必要なのかという質問なんですね。ひとつ端的にお答えください。
#178
○国務大臣(佐藤観樹君) 参議院の比例代表の一回の選挙は五十名でございます。衆議院は二百名でございます。一人当たりかかる費用は、先ほど公営費の話は申し上げましたが、そのことを考えれば当然金額は多くなると思います。
#179
○衆議院議員(石井一君) 政府と共産党とのお話の中に何か介入したようでまことに恐縮でございますが、私、衆議院の審議百三十時間の中、共産党の割り当て時間は七分でございましたが、毎日三十分お与えいたしまして、今、聴濤議員のやっておられます議論につきましてはこれまで十分お伺いをしてまいったわけでございます。御主張も非常によくわかるわけでございますが、結局、ヨーロッパとの比較を申しましても、日本の公営の費用が非常に充実し大きいということが一つの問題だと思います。
 これは否定できない事実で、先ほどから数字を挙げておりますけれども、衆議院の場合には一人当たり一千四百万円かかっております。そして参議院の場合には一千九百万円という金が、電波を初め、ポスターである、自動車である、あるいははがきである、そして交通費である等々かかっておるわけで、この問題についても一つの吟味を加えなければいかぬと思いますが、例えばこの間の全国の比例代表の選挙におきまして、これらに参入をいたしました三十八政党のうち残りましたのは八政党でございまして、あとの三十政党はどこかへ雲散霧消した。しかし、その候補者に対しては先ほど申しました一人一千九百万円ずつのお金がかかっておると。
 これから先申し上げるのは政治論ですから国会の場ではどうかと思いますが、その三十政党の中には、本当にこれが選挙を戦っておるのかと。雑民党とか風の会とか、あるいはもっともっと、一々名前を言うのは省略いたしますが、三十政党を御検討いただきたいと思うんです。
 共産党は立派です。政策もあり新聞もあり組織もあり、歴史、伝統もございます。
 それで、これらの政党は一・九政党と言っております。一・九政党というのは、全国区に一人出して六百万円、あとの九人は地方区の方へ出して二千七百万円、全部で三千三百万円で電波を買い、すべての宣伝費を使い、そういう中からなら三千三百万円は安いと。選挙を志向しておるのか、議員になろうとしておるのか、まじめに政策を訴えて国政に参加しようとしているのか。
 そういたしますと、日本の公営の費用の中に、ある程度の供託金というものについては、何も供託金を公営費としようとしておるわけじゃありません、二千万円に対して三百万円なり六百万円ということなんですから。そうじゃないんですが、そこの格差というものも国家財政の中から考えていかなければいかぬということでございます。
 最後に、私はあえて申し上げます。
 共産党は全選挙区、中選挙区の場合なら百二十六の選挙区に候補者を擁立されております。私はこれも立派な姿勢だと思います。しかし、当選は十五名でございます。そうすれば、その差額はどうなってくるのか。ここが共産党の大きな悩みではないかと思いますが、しかし国家はそのお一人お一人の落選された方にも、近寄って落選された方もあれば全く供託金没収の方もあるでしょう、堂々と当選された方も一人二人あります。共産党の高い当選者は委員長と沖縄の議員であります。あとはほとんど最下位、かじりつきであります。
 しかし、どうですか。私が申し上げたいのは、この方々は国家財政の一千九百万をそれぞれ皆使っておられまして、全国津々浦々に共産党の政策、綱領、その見識を示されておるわけでありまして、それに対する対価としてその供託金の一部をお払いになっておる。政党としては十分なものを得られつつ、その中でそういう主張をされておるわけでありますから、私はあなたの言われることも正しいと思いますが、国家財政を考え、先ほど申しました一・九政党の存在を考えた場合には、この程度のものはやはり許容しなければいかぬのではないか。
 私は昨日も委員長席におりまして、東中議員の激しい追及がございました。私はきょうは答弁席に座っておりましたので、一言所見を交え政治家論を申し上げさせていただきました。
#180
○聴濤弘君 一言だけじゃなくて大分長かったと思うんですが、今まで佐藤大臣と議論してきたことの繰り返しみたいなことになってしまっているんですけれどもね。
 分担金じゃないということが明らかなのに、今、石井委員長言われたのは、国家がこれだけ金をかけているんだ、そのうち一人はこれだけ使っている、だからそれぐらい供託金を出すのは当たり前じゃないかと。これ、全く分担金の発想だと思うんですね。一部であれ何であれ、そういうものはいけないんだということで、昭和二十五年、一九五〇年に廃止されているんですよね。それを一つ言いたいし、それから国家がしかるべき金を出して、これは一千九百万円が高い低い、そういうことは別として、しかるべき金を出して、そして公正な選挙、何々党、何々の候補、これはこういう政策でこの国をやっていきたいと思っている、そういうことを国民に広く十分知らせて、そして国民が正当な選挙を行っていく、そのために金を使うということは、これ当然だと思うんです。
 そこへ、何かちょっと聞いていますと恩着せがましいんですね。これ、何かおれたち、このおれたちというのは政権をとった場合のことですが、これだけ金を使っている、あなたたち払うのは当たり前じゃないかというような態度の所見であったわけで、まことにちょっと私は納得しかねるところです。
 それから、余りあの党あの党は何とか党だと言われると、これはちょっといろいろ問題になると思いますよ。だから、そこはこれ以上言いませんけれども、供託金という問題の本質がすごくゆがめられた形で今述べられたように私は思います。
 もとへ戻しますが、もう一つ、先ほど参議院とのことで言いましたけれども、六百万円でなくて仮に四百万円にする。そうすると、一億八千万円。えらい細かいそろばんをはじいているようなあれですけれども、四百万円にしただけで一億八千万円というのは、全体として一つの党として見れば、いわば出さなくても一人前として選挙に出られるわけで、六百万円を今仮に四百万円にするということが絶対できないという論拠も私ないんじゃないかと思うんです。その辺は佐藤大臣いかがでしょうか。
#181
○政府委員(佐野徹治君) 六百万円といたしましたのは、現在、参議院の方の比例選挙の供託金が六百万円である、こういうことを勘案いたしまして六百万円と決めさせていただいたものでございます。
#182
○聴濤弘君 それが問題だからといって質問しているんだから、そうやって決めたということを言われたって全くこれでは何の答えにもならない。仮に四百万円ではどうだろうかと言っているんです。まあいいです。ともかく六百万円だと。そういうのは参議院でこうだからこうだというんじゃないやり方があるんじゃないかということを提起しているわけですから、まともに答えていただきたいと思うんです。
 もう一つ、今度は中選挙区制のもとで一人三百万円なんです。それが今度は小選挙区制になったわけですから、全体として地域、範囲、これは小さくなったわけです。それなのに小選挙区制での供託金が中選挙区制のときと同じでいいという理由、これもないだろうと思うんです。
 仮に例えば三百万円を二百万円にして、どうして悪いんだろうか。そういうわけにはいかないんだという何か合理的な計算の根拠でもあるんでしょうか。
 佐藤大臣、いかがですか。
#183
○国務大臣(佐藤観樹君) 新しい制度になって今度どのくらい政党ができ、またどのくらい候補者が出るかわかりませんので、そのあたりの公営費はちょっとまだ現時点でははじきようがないわけでございます。したがいまして、先ほど申しました過去の平成四年の参議院、平成五年の衆議院という数字を使っているわけであります。
 ただ、公営費につきましては、面積が小さくなったから新聞広告の代金が安いか、ビラが安くなるか、あるいははがきの作成費が枚数が少なくなれば安くなるかということになりますと、余りそれはそんなには単価に影響がないんじゃないだろうかということもございまして、したがって、私たちといたしましては当面今までの数字を使って、物価上昇率もある、公営の拡大もある、それをもちまして三百万円、六百万円という供託金ということで法案に出させていただいたわけでございます。
   〔理事一井淳治君退席、委員長着席〕
 したがって、小選挙区になったからといって、一度これは新しい選挙のもとでやってみないと、公営というのは一体どのくらいになるか、何しろ候補者の数がわからぬ、政党の数がわからないものですから、一応予算には組みますけれども、そういった単価がなかなか決めにくいものですから、現状ある数字を使わせていただいたということでございます。
#184
○聴濤弘君 ここに来ていただいている公明党委員長である石田大臣、民社党の委員長である大内厚生大臣、さきがけの党首である武村官房長官、それから元社会党委員長としまして山花さんにも聞きたいのですが、今議論をお聞きになったと思うんですが、やはり日本の供託金は高いというふうに思いませんかという質問です。
 順番はどちらからでも結構なんですけれども、山花大臣、この委員会で社会党の参議院の委員の方が、この供託金の問題について質問されているんです。これはことしの一月十四日、参議院のこの特別委員会で社会党の渡辺委員です。「このような巨額の供託金を必要としておる国は世界に余り例がないんではないか。ですから、私は小選挙区にしても比例区にしても二分の一ぐらいの額に落としてもいいんではないかという気がいたしますが、いかがでしょうか。」という質問が社会党の中からも出ております。そういう点で、山花大臣、いかがお考えか。
 それから、石田委員長の公明党も、私たちも同じですが、党が本当に選挙をやっていく党でございます。そういう意味では先ほど言った金額というのは丸々かかってくるということでありますし、そういう点でまた民社党も私はそのように思います。それから武村さんのところは、今は確かに少数かもしれませんけれども、本当にフルにお立てになれば先ほど言ったような金額、十一億七千万円という金がかかるわけで、率直に言ってそのお金をどうやって調達されるのか、大変なものだと思うんです。
 そういうそれぞれの事情がおありと思いますが、やはり高いというふうにお思いにならないか、この点について質問したいと思います。
#185
○国務大臣(石田幸四郎君) 今いろいろ御論議を伺っておったわけでございますが、いわゆる選挙の公営化の問題で、衆参それぞれ千四百万、千九百万の金がかかっているということについては私ども承知をいたしておりますが、私どもは、供託金というのはそれに対する何か政党あるいは個人が選挙の対価を出しているというようなそういう感じでは全く受けとめておらないわけでございます。供託金の性格は、そういった意味においてまさに立候補を売名のために使用してはならないとか、そういう一種の制限行為であろうというふうに思うわけでございます。
 実態的に申しまして、私どもの党は供託金に関しましては個人の負担になっておるわけでございます。これは大体それぞれ選挙を争うという決心で立候補するわけでございますから、今まで各選挙区におきまして供託金を没収されるようなそういう状況はなかったわけでございますので、これは返ってくるということもありまして、それぐらいの金に対する苦労をできないような候補はまた候補に値しないんじゃないかというような気持ちもありまして、全体的にずっとそのようにいたしておるわけでございます。
 今度改正になりまして比例区が大幅にふえてくるわけで、比例区の場合はまさに政党の方でそれを負担するあるいは用意をするというようなことになろうかというふうに存じます。それはたえ得ない費用ではないなというふうに思います。ただ、私個人あるいは新しい候補の人たちの生活実態から見ますと、やややっぱり高いかなというようなそういう実感はいたしております。しかし、過去の経緯もこれありでございますので、直ちに改正というものは難しいのかな、このように思っているところでございます。
#186
○国務大臣(大内啓伍君) 先ほど来の聴濤委員の御意見を拝聴しておりまして、大変説得力があるなという感じを受けました。
 と申しますのは、やはり供託金というのは民主主義政治の健全な発展に寄与しないような立候補を抑制するというところに本来その性格が置かれるべきものではないかなと思っております。そうなりますと、今の三百万円、六百万円という数字は、先ほど自治大臣が御説明申し上げましたような歴史的な経緯とかあるいは公営費の負担割合とかそういうものによって決まってきているものではありますけれども、間違いなく諸外国に比べましてけた外れに高いということは事実でございますし、また、今私が申し上げました供託金の性格というものが果たして絶対的なものとして確立されているかどうかということについてはなお論議の余地があるのではないかという面から見ますと、やはり今後大いに検討していい課題ではないかと思うのであります。
 しかし、一方においては、自治大臣が先ほど来るる申し上げましたように、別にこれは完全に没収されてしまうものではなくて、相当のものが返ってくる。それから、先ほど公営費という形では千四百万円、千九百万円という数字が示されましたけれども、これは一般経費を含めますと衆議院の場合は四千三百万円、参議院の場合は五千二百万円も負担しているという面を考えますと、今のところでは確かに検討を要するものだと思いますが、やむを得ない面もあるなということもこれは事実でございます。しかし、にもかかわらずそれは決して絶対的なものではなくて、今後大いに検討していい大事な課題ではないか。
 高過ぎると思うか否かという御質問でございましたが、やっぱり高いなという感じがしております。
#187
○国務大臣(武村正義君) 供託金論争を拝聴いたしておりました。聴濤さんの質問で初めて外国との額の差の大きさは認識をいたしました。
 私どもの党は、昨年の選挙に十数名立候補しましたが、おかげさまで没収はなくて全部返ってきたわけでありますので、次の選挙もぜひ全部返ってくる範囲内、これは有効投票総数を定数で割ってさらに五分の一を掛けるんだそうですが、やっぱり最低それ以上の得票の可能な人しか立てないという姿勢で対応していきたいと思っております。
#188
○国務大臣(山花貞夫君) 供託金については、先ほど自治大臣が答弁したとおりのこれまでの歴史もございます。
 同時に、いろいろ御指摘いただきましたが、売名的な候補について防ぐということから始まったものであって、選挙公営と余りかかわりあるように考えるのはどうなのか、こういう御指摘もいただいたわけですが、それはそのとおりだと思うのですが、しかし、これまでの供託金の伸び率と選挙公営の拡大ということを考えていくと、これはまた全く無関係ということではないんじゃなかろうかということも考えております。
 例えば、供託金について、町村の議員については供託金がゼロである、なかった、こういうように思いますけれども、ただ町村の議員の場合には選挙公営についてそのほかほど全部やられているわけではないわけでありまして、法の制度としてはやっぱりそこのところは何らかの関係があるものとして全体が考えられてきたのではなかろうか、こういう気もしているわけでございます。
 また、供託金については、これまでの戦後の歴史を見ると大体五年に一遍ぐらい物価上昇等を勘案して見直されてということでございますので、今回は一昨年決まった供託金額、三百万、六百万ということに合わせた金額でございますけれども、大体五年ごとに見直すということになれば、今の御議論も含めて勉強させていただきたい、こういうように思っているところでございます。
#189
○聴濤弘君 今お答えいただいたんですけれども、石田委員長のおっしゃったことはよくわかりました。
 ただ、石田委員長も比例についてはやや高いかなというふうにおっしゃる。大内大臣は、検討していい課題ではないかと言う。いろいろなことをおっしゃいましたが、同時に、私がいろいろ質問し主張したことについて説得力もあるというふうにおっしゃいましたし、検討していい課題じゃないかというお話でありました。それから、武村さきがけ党首は、外国より高いということを初めて知ったということであって、高いことを認識されればこれは非常にいいことだと私は思っております。それから、山花元委員長も勉強したいということでありますし、先ほど佐藤自治大臣も、時間がありませんから繰り返しませんが、留意したい、過去のいろんなものを引き継いでおると言われた。だから、本来の立場に立ってどうなのかということは検討に値するものだということもおっしゃいました。
 私は、この問題についての質問はこれで終わりますが、日本のほとんどすべての政党の党首あるいは党首格の方々がそのような認識を持っておられるということでありますから、そうであれば、きょう、あすに幾らの額にしようというようなことを決められるわけでないことはこれはもう明らかですから、ですからそういうことを私は言っているんじゃない。次期選挙までにしかるべく党の協議を行って研究をしていっていいのではないかということを私は提案したいというふうに思います。
 供託金の問題はこれで終わりまして、次の問題に移ります。これもまた実際上あるいはまた具体的な問題です。ビラの問題でございます。
 選挙は、国民が政治に参加する最大の機会であります。そうである以上、有権者に各党、各候補者の政策理念、人柄、これが十分に知らされなければならないことは言うまでもありません。特に、今回、選挙制度の改革は政策中心、政党中心の選挙にするためだということが一つの建前として強調をされてきました。
 ことしの一月十三日、この本委員会で我が党の有働議員が次のように質問をしました。「選挙のときこそ、政党や候補者を正しく選択するために、選挙の争点、各政党の政策や理念がよく有権者にわかるように、国民の知る権利が十分に保障されることが憲法の精神上からも求められていると思うが、どうか」という質問をしました。それに対して山花担当大臣は、「全くそのとおりだ」というふうにお答えになっております。
 念のために聞いておきますが、このことについてはお変わりないと私は思いますが、いかがでしょうか。
#190
○国務大臣(山花貞夫君) 全く考え方は変わっておりません。
#191
○聴濤弘君 そこで伺いたいのでありますが、従来、個人ビラのほかに政党がまくいわゆる法定ビラというのがありました。これが今度は廃止されて、政党の選挙活動用ビラ、そういうふうに長く言っていると時間がかかりますので簡単に仮に政党ビラというふうに呼ぶとしますが、そういうものに変わりました。そして、その配布は新聞折り込みその他政令で定める方法に限定するということになりました。
 佐藤自治大臣にお聞きしたいんですけれども、政令の内容としてはどういうことを考えておられるんでしょうか。
#192
○国務大臣(佐藤観樹君) 政党ビラといいましても、今配っているのと違いまして、選挙運動用でございますから各候補者の名前は入っていいわけですね。したがいまして、私たちの方として考えておりますのは、選挙事務所の中での頒布とか、あるいは政党等による演説会の会場内の頒布とか、あるいは街頭演説における頒布、あるいは政党でありますから郵送も考えていいのかなというようなことを検討しております。
#193
○聴濤弘君 それでは、やはり従来認められていた全戸配布というのは禁止をする、全戸配布とか街頭でまくのは禁止するということですね。そうしますとやはり大きな問題があると思うんですよ。
 さっきも言いましたけれども、今度の選挙制度の改革というのは政党本位、政策本位、これの選挙をやっていくんだということでありますし、その場合に、この政党ビラ、前は法定ビラと言っていましたけれども、これが全戸にも自由に配布されて、そのことによって有権者はいろいろ各党、各候補者を判断してきたわけですね、それが従来のとおりできないということ、これは非常に大きな問題だ。
 それからもう一つ、これは大事な点ですけれども、結局、戸別訪問は禁止することになりましたですね。私たちは質問する時間に制約があってこれまでなかなか細かいところまで質問ができなかったので、私たち自治省にも以前聞いてみたんですけれども、何で全戸配布を禁止するんだということを聞きましたら、いやいや、それは戸別訪問ができるようになる、だからそれと引きかえと言ってはおかしいけれどもそういうことも考えているんだ、戸別訪問ができるんだから、ということでありました。ところが、今度は禁止になった。
 そうしますと、やっぱり再検討してみなきゃならぬというふうに思うんですね。ですから、やっぱりこの全戸配布、これは認められるべきだと私は思うんです。いかがですか。
#194
○国務大臣(佐藤観樹君) これはそもそも今の個人運動用ビラの制定をされるときにいろいろ議論がございました。もっと頒布できる方法を広げたらどうだという議論もありましたし、そういう話し合いの中で、先ほど申しましたように一定の限られたところで頒布をすると。それは、やっぱりビラ公害という言葉もあったり、あるいは選挙ビラがはんらんをして有権者に迷惑をかけるというようなことがないように一定の秩序の範囲内でそれを頒布できるというようにすべきであるという議論がその当時のものでございました。
 したがいまして、今回もやはりそれにのっとって、候補者にとりましても選挙運動が一定の公平のもとに行われる、日常の政治活動は活発にやっていただくことは結構でございますが、選挙運動という一定の期間内においては候補者にとりましても公平性というものを持って選挙を有権者に対してやれるという状況をつくっていくこと、公職選挙法でいろいろ決められているのもいわばそういう趣旨でございますので、その範囲内の頒布の仕方にしたということでございます。
#195
○聴濤弘君 実務的、実際的に質問すると私申しましたので、もうちょっと実際的、実務的に質問いたします。
 新聞折り込みならいいということですけれども、これ、新聞販売店によっては党を選別しまして、この党のは折り込まないということを言われる販売店もあるんですね。これはもう私たちも何回か経験しております。私たちだけではなくて、別の立場におられる新聞販売店だったら別の党を差別、差別というか取り扱わないというふうに言われるかもしれない。
 そうしますと、それは民間の選択だと言われればまたそれだけの話ですけれども、そういうことによって、政党がもう公然と選挙の際にみんなに訴えていかなきゃならぬことを、新聞販売店の意思によってこの党のは折り込まないんだ、この党のは折り込むんだというようなことが起こるということは、これは大変不公正、不公平だというふうに思いますが、そういうケースもあるんですよね。それは自治大臣も御承知だと思うんです。
 だから、そういうので一律に新聞折り込みにしてしまうという、まあ一律とは全部という意味じゃないですけれども、全戸配布をやめてそうしてしまうというのはなかなか重大な問題だというふうに思うんですが、どうでしょうか。
#196
○国務大臣(山花貞夫君) 今、選挙の実態として御指摘のような事態があるということは私も直接見聞きしているところでございまして、その点についてはそうしたことがないようにという努力と環境づくりが大切だと思っております。
 なお、今回戸別に配布することについて、それをやめるのはぐあいが悪いではないかという御指摘につきましては、従来はいわゆる個人の法定ビラと確認団体のビラ、こういう格好で、これについては散布はだめだったけれども戸別に配ることはよろしかったということについて、新たな制約ではないか、こういう御指摘と受けとめておったわけですけれども、今回政党中心の選挙の制度ということになったことによりまして、その意味におきましてはその政党の知恵比べということになると思いますが、そこに政党の政策宣伝と同時に個人の氏名等も載せることができる。こうなってまいりますと、それでは従来の確認団体がつくって配布したビラとはかなり質的に違ったものになるんじゃなかろうか、こういうようにも思っているところでございまして、そうなってくると従来の個人ビラと区別するような形で新しい方法をつくるのは一体いかがか、こういう議論もあるのではなかろうかと思っているところでございます。
 御指摘の点につきましては、そうする方がいいのかという議論があることについては私もよくわかりますけれども、今回そうしたビラの性格が変わったということに伴い、選挙の地域も狭くなってまいります。郵送その他のことを若干新しく考える等々のことによって今回は法案をつくり、そしてまた今後の自治省の省令についてもつくらせていただくことになる、こういうように考えているところでございます。
#197
○聴濤弘君 氏名を出せるようになったとおっしゃって、そこではだから単なる制限だけじゃない、そういう面があるんだとおっしゃったんだけれども、簡単に言いますと、氏名が出せるようになっても配れないんじゃ何のために氏名を出したかということになりますでしょう。だから、氏名が出せるようになったから制限じゃないと言っても、氏名を出せるんだけれども配っちゃいけないというんじゃ何のために氏名を出してもいいということになったのかわからないので、これは制限だけじゃないとおっしゃられるのはちょっといただけない。私納得できないんですね。
 また、氏名が出せるビラは全戸配布しちゃいけないんだという、そんな前提というのはあったらこれはおかしいと思うんです。今がそうだと、だからそうするんだというんじゃ、悪い方のレベル、自由を制限する方のレベルに何でも物を合わせようということになるので、これは納得しかねます。
 また、先ほど自治大臣は御答弁の中で政令の中に郵送も考えている、決めたわけじゃないけれども考えているということを言われましたが、これは物すごい金がかかるんですよ。私計算してみましたが、全国の世帯数は四千二百万世帯、全戸配布のときは全部配布できたんですから、仮にこれを全戸四千二百万に郵送したとしますと、今八十円ですから実に三十三億六千万円かかるんです、一回のビラをまくのに。これを三回できるということなんで、三回やるわけです。三十三億六千万円ですよ。本当にこんなことができる政党というのはないですよね。
 新聞折り込みはいいんだとおっしゃいますけれども、これも私調べてみたんです。仮に全戸に対して新聞折り込みができたとしますね。今大体千部当たり四千円なんです。私の近くの新聞販売所で調べてみました。千部で四千円だと言っていましたよ。販売所でいろいろ差があるかもしれませんけれども、大体そうだと。そうしますと、新聞折り込みをやりますと、実に一回で一億六千八百万円かかる。
 選挙に金をかけないということが今度の政治改革の大きな建前であったはずなんです。ところが、こうやってこうずっといろんな制限が出てきて、郵送すれば三十三億円かかる、新聞折り込みをやれば一億数千万円かかる、そういうような選挙の方向、まさに金がかかる方向、こういう方向に行ってしまっているんですね。
 私、先ほどと同じように、大内委員長、また石田委員長、武村官房長官、それから山花元委員長にお聞きしたいんですけれども、こんなことでいいんだろうかということを率直に伺いたいんです。
 私、ちょっと僣越でしたけれども、大内委員長が従来どおりの東京二区、今度の三区で立候補をされると仮定をいたしまして、だから僣越だと私は言ったんですが、それで計算してみたんです。あそこは大田区なんですが、そうしますと、大内委員長が仮にビラをおつくりになって郵送をするということになりますと、これは戸数じゃなくて有権者の数で計算したのでちょっと差がありますけれども、一回で六千二百八十万円かかるんです。新聞折り込みをやりますと三百十四万円かかる。
 それから、石田委員長のも愛知で出られるということでちょっと計算をしてみましたら、郵送代が一回で二千五百十万円、それから新聞折り込みが百二十六万円かかるんですね。
 それで大丈夫ですか、こういうことになるんですが、こんな宣伝の仕方、こんなことがまかり通って、こうやって金をかけなければ自分の党、自分自身を知らせていくことができないということになったら、これはやっぱり大変なことだと私思うんです。そういう意味で、この問題についても今申し上げた各大臣、委員長としてあるいは党首格としてどのようにお考えか、それぞれ考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
#198
○国務大臣(石田幸四郎君) いろいろ御計算をいただいて恐縮に存ずるわけでございますが、やはり今までの選挙用のビラ、まさに費用対効果の問題を考えますとかなり疑問の点もございます。
 私どもも、ポスターも含めてそういつた選挙費用、あるいは政治活動に対する費用、当然限られた予算であるわけでございますので、大変今まで苦労をしてきました。やはり少しでも効果があるというふうに判断をいたしますれば積極的にその費用を投じようというふうになるわけでございまして、それに制約を加えることの方が非常に難しい。しかし、我が党で言えば全体の予算がありましてそういう中でやっておりますものですから、例えばポスター一つにいたしましても、今まで、従来使っていたものをさらに半裁にして使うとかいろんな苦労をしてきたわけでございます。
 そういうような流れを見ておりますと、やはり個々の人たちが政治論議をして、そしてどの政策がいいかどの政党がいいか、そういったものを議論して決めていただくのが私は本来の選挙運動であろうというふうに思います。しかし、残念ながらこれは戸別訪問との問題があっていろいろその弊害を指摘される方もおりますので、その面である程度の制約はまたこれはやむを得ないことかなというふうに思います。
 今回は戸別訪問は全面禁止というふうに結論的になったわけでございますので、その点はしっかり守っていかなきゃなりませんけれども、しかし、欧米諸国のそういった政治活動を見てみますと、やはり議員と選挙民、あるいは選挙民対選挙民の個人的な会話の中でそういった選択がなされることが極めて望ましいというふうに思うわけでございます。従来のいろいろ流れもございますので、私はそういった選挙運動用のビラが無秩序にはんらんするというような御指摘もございますので、こういうような制限はやむを得ないだろうと基本的に思っております。
 ただ、今御指摘になりました郵送の件あるいは新聞の折り込みの件、こういった点を考えますと、相当費用がかかりますから政党の責任者としては私はこういった方法はなかなかとりにくいというふうに思わざるを得ないわけで、特に郵送関係ですと相当な費用がかかりますので、できるだけ効果のある方法で自主的に制限を加えながらやることになるのかなというような感じがいたしております。
#199
○国務大臣(大内啓伍君) 私が東京第三区で出馬するということを初めて知ったわけでございますが、今御指摘のような数字は恐らく有権者当たりということでございましょうから、一世帯に直せばその三分の一以下になるのではないかと思っておりますが、それにしましても大変巨額な数字でございまして、これは郵送の方はあきらめなければならないなという感じがいたしました。
 私は、やはり政党の宣伝活動というのは、もちろんビラも重要ではございますけれども、政党あるいは支部、その所属議員の日常の地道な政治活動あるいは宣伝活動というものがこれまで以上に重視され大事になってくる。また選挙時におきましては政見放送であるとかあるいは公報等々多様な宣伝活動の手段があるわけでございますし、またビラの場合は確かに全戸配布は自治大臣が御答弁申し上げましたように禁止されておりますが、その他のいろんなケースでのビラ活動はできるわけでございます。
 全戸配布というのは私どもの経験でもやっぱり相当の機材費と人件費がかかりまして、郵送あるいは御指摘のような新聞の折り込みではなくて純粋の戸別配布ということにつきましてもやはり相当のお金がかかる、かつまたそれが戸別訪問となかなか区別がつきにくくなるという面等々を考えますとあるいはやむを得ない措置なのではないか、そんな感じで受けとめておりまして、まさにこれからはそうした意味での政党、支部その他の地道なトータルな政治・選挙活動というものが重視されなければならないときになったと、こんな感じを持っております。
#200
○国務大臣(武村正義君) 党としましてはいろんな意見があろうかと思いますが、与党の一員としましては両大臣のお答えいただいたとおりであります。
#201
○国務大臣(山花貞夫君) 冒頭お答えいたしましたとおり、やっぱり選挙運動について文書図画を含む言論による政治活動というものが最大限尊重されなければならないということは大前提だと思っております。同時に、それが野方図に広がることによる問題を一体どうするかということについては、ビラ、ポスターの規制などについて一貫した議論ではなかったかと思っています。
 私の記憶では、戦前の明治二十年代の選挙法などについてはもちろんビラ、ポスター等についてうるさい規制はなかったわけですけれども、本格的にあらわれたのは戦後の法律以降だったと思っています。その時代時代の合理的な制限についての立法理由があったんじゃないでしょうか。戦後直後にビラ、ポスターについて規制があったときには、今ではちょっと想像つきませんけれども、当時の食糧問題、物資不足ということから貴重な物資というものがポスターあるいはのりとなって食糧が失われることはいけないのではないか、これがあの当時の立法理由にも書いてあったわけでありまして、その時代時代の背景があるのだと思っています。
 ここ十年来を振り返りますと、例えば裏打ちのポスターの問題等々については、これはかなりお金を使って、いわば金権的な宣伝媒体、多ければよい、できるだけたくさんならよい、こういう傾向が目に余るものがあってあの当時の規制というものが生まれたんだと思っておりますし、その後は駅頭における紙爆弾というようなことからビラについてもいろいろな問題が提起され今日に至っているということだと思っております。
 それぞれの時代の背景と経過ということを考えますと、先ほど来の各大臣の答弁の中にも、今度は戸別訪問の絡みも指摘されておりましたけれども、そうした状況を踏まえれば今回の規制というものは合理的な規制ということになるのではなかろうかと私は考えているところでございまして、もっとも、選挙運動の問題ですから、これからさまざまな場面で議論をしてよりよい方法について勉強するということは当然必要なことであろうか、こう思っているところでございます。
#202
○聴濤弘君 時間が迫ってきましたので、あともう一つだけお聞きしたいことがあります。端的に質問しますので、端的にまた先ほどの皆さんのお答えをいただきたいんです。
 ポスターの問題なんですけれども、ポスターが今回の改正によって、衆参両議員はもちろんですが、今度は地方議員も含めて、任期満了前の六カ月間、公職の候補者の政治活動のためのポスターは張ってはならないということになりました。ともかく公職の候補者の政治活動のポスターは選挙の始まる前六カ月間は張っちゃいけないということになる。突然解散でもされれば、これはもう張る余地がない。特に新人なんかは一体どうしたらいいんだという問題が起こっております。私はこういうのはやはり制限だと思うんですね。こういうのはやっぱりなくすべきだ、こういうことはやるべきではないというふうに思うんですが、いかがかということを端的にお伺いしたいと思います。
 あと三分しか残りありませんので端的にお答え願いたいと思います。そして、私全体としての結論を一言申し上げたいと思いますので、よろしくお願いします。
#203
○国務大臣(石田幸四郎君) 啓蒙のやり方については私はいろいろな手だてがあると思います、新人でも例えば駅頭に立って選挙民に呼びかけることはできるわけでございますから。
 もう一つ、やはり確かに事前ポスターというのは金が相当かかりますし、例えば参議院の選挙区ということになりますと一挙に何千万の金がかかるというようなこともありますので、この点の制限は私は選挙に金をかけないという趣旨からいけばやむを得ないものと存じます。
#204
○国務大臣(大内啓伍君) 一つはポスターの任期満了前六カ月という問題ですが、御案内のように、三木内閣のときに満了選挙がございましたが、その他はほとんど三年前後でございますから余り衆議院では実害は出ないのではないかということが一つ。
 それから、解散後はできないといいましても、これは解散から総選挙の時間というのは割合短いものでございますから、議員に出ようとする人はやはり日常それだけの備えをするべきであって、その問題が大きな障害になるというふうには必ずしも考えておりません。
#205
○国務大臣(武村正義君) この点は私は三つの理由から賛成です。
 一つは、ポスターは顔と名前だけPRするわけで、政策本位ではありません。一つは、金が相当かかります。もう一つは、街の美観を損ねます。
#206
○国務大臣(山花貞夫君) 担当大臣としての立場で一言触れたいと思うんです。
 政府提案にはなかったものですけれども、これは衆議院における修正段階で、禁止期間について自民党原案では衆議院選挙について任期満了一年前となっておったものにつきまして修正案で六カ月に短縮された、こういうことになって議決されたものと承知をしているところでございます。これは、政府案を出しましたけれども、院の議論として尊重する立場であるということについてはこれまでも申したところでございますけれども、そうしたさっき申し上げたのと同じ理由で合理的な制限になり得るのではなかろうかと、こう思っているところでございます。
#207
○聴濤弘君 三十秒で結論だけ言わせてください。
#208
○委員長(上野雄文君) もうオーバーしていますから。
#209
○聴濤弘君 はい。
 供託金の問題につきましては先ほどのようなことを御提案いたしました。皆様方の御意見を聞きました。それから、ビラの問題につきましてはやむを得ないというお答えの方がほとんどでございましたけれども、やむを得ないがやはり委員長としてはとりにくいということも石田委員長はおっしゃいましたし、積極的にこれがよろしいというお答えではなかったように思います。そういう意味で、実際の問題、具体的な問題になりますとたくさんの問題がある。この供託金、ビラ問題等について、これだけの党首の方々の御意見ですから、やはり協議をしていくべきであるということを私再度申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
#210
○下村泰君 私は、もう皆さん方と同じような能力を持ちませんので、やれ、どれが改正だ、どれがどうだという条項を読んでも余りぴんとこないんです。ましてやなかなか納得がいきません。納得いかないから余計いろんなことをお聞きしたいんですけれども、大変初歩的なことを伺うかもわかりませんけれども、どうぞひとつ我慢強くお答え願いたいと思います。
 この案の中に収入の認定というのがございます。これのお尋ねをしますけれども、収入実績の認定の方法というのはどんなふうなやり方なんでしょうか。
#211
○衆議院議員(太田昭宏君) お答え申し上げます。
 前年の政党の収入実績の三分の二を上限とするということがありますが、政党の本部及び支部が政治資金規正法の収支報告によって報告した前年度の収入の総額から三つ除いたということで、第一に政党交付金の総額、そして本部、支部の借入金の総額、そして本部・支部間で供与された交付金の総額という三つを除いたものを収入として扱うということでございます。
 なお、繰越金も前年に得た収入ではございませんので除かれることになります。
#212
○下村泰君 そうしますと、その収入というのは何ですか。どんなものなんですか。どういう項目が収入なんですか。それがわからないんです、私は。
#213
○衆議院議員(太田昭宏君) 例えば党費であるとか事業収入であるとかというようなたぐいのこと、それから寄附でございます。
#214
○下村泰君 そうすると、そういった収入、それからこれは献金などもあるんでしょうけれども、収入と認めないものというのは、今おっしゃったのが収入じゃないというわけでね、先ほど申された。それを除くという、その除かれた分は収入じゃないということになるわけですね。
 そうすると、例えば政党が分裂しないとも限りませんな。何か新聞紙上でいくと、どこの党がどういうふうになるか、どこの党が、いや別に山花さんの顔を見て言ったわけじゃないです、ただ右から左へ顔が行ったらそこに顔があったというだけですが、どこの党がどういうふうになるのか、それは私もわかりません。まして、私の方は何ら関心ございませんけれども。三引く一は答えは二なんだけれども、実際は三つになる。二つにふえるわけですね。そうすると、分かれた場合、そのときの今度の収入の認定というのは一体これはどういうふうになるんですか。真半分に分かれりゃいいけれども。
#215
○衆議院議員(堀込征雄君) 大変いろいろな問題を含んでいるわけでありまして、分割ないしはその分派というケースが出るだろうというふうに思います。
 つまり、ある党が分かれてもとの党がなくなってしまった、全く両方とも新しい二つの政党ができた、こういうケースの場合は二つとも政党助成の対象になるだろう。しかし、ある党から分派ができまして前年実績は分派の方はない、もとの党はもとで残っている、こういうケースの場合は、新しい党については前年実績がございませんから政党助成の対象にならない、こういうふうになるだろうというふうに思います。
#216
○下村泰君 そうすると、現在ある党でそれの対象になる党がありますかね。今はないですね。これから生まれてくるわけですね。じゃ、生まれる前に集めりゃいいわけですね。
 そうすると、今度は上限を設けたんですから、政府案の方の交付金が少なくなるということもあり得るわけですよね。今まで国民一人当たり二百五十円ですか、そんな安いコーヒーはないと思うんだけれども、モーニングサービスで安いのもありますが、そうすると、それだけのものを有権者に割り当ててこれだけの額が用意されているのが、当然上限を設けると交付金も少なくなることも考えられるわけですね。そうすると、予定をした額よりも下回った場合には、じゃその予定をした方の額で余ったお金はどういうふうになるんですか。
#217
○衆議院議員(太田昭宏君) お答えします。
 その分については国庫に戻るといいますか、支給されないということでございます。したがって、三百九億円が全部ということではなくて、それだけ減るということでございます。
#218
○下村泰君 そうすると、国庫の方へ戻るわけですね。
 そうすると、もしこの法案に反対してこういうものをもらわない、助成金をもらわないという党があった場合にはそれはどうなるんですか。
#219
○政府委員(佐野徹治君) これは政府提案の法律の関係でございますので私の方からお答えいたしますが、この政党交付金の交付を受け得る要件を満たします政党が基準日におきまして、これは通常一月一日が基準日でございますけれども、基準日におきまして政党交付金に係ります政党助成法上の届け出を一切しなかった場合には、その政党は政党交付金の配分の算定上対象外となるわけでございまして、届け出のなされた政党につきまして各政党ごとの政党交付金の額を算定して配分する、こういうことに相なるわけでございます。
#220
○下村泰君 何か今のはよくわからないんですが。ちょっと今のはよくわからない。(「それは選挙部長、正確じゃないぞ。わかりやすく正確に答えろよ。届け出をしてももらわない場合もあるじゃないか。」と呼ぶ者あり)
#221
○政府委員(佐野徹治君) 基準日の一月一日に届け出がない場合、それは先ほど申しましたようなことでございます。
 それからもう一つ、一月一日に届け出がございましたけれども、具体的な交付金の交付の申請をしなかった場合、こういうケースもございます。こういうケースの場合には、これは不用額として処理されるものでございます。
#222
○下村泰君 つまりは、要らないと言った政党には出さないと。それもやっぱり国庫に入るわけですね。
#223
○国務大臣(佐藤観樹君) 今、佐野選挙部長から申し上げましたように二つのケースがございまして、一月一日が基準日になっておりますので、そのときに手を挙げない、私の党は要りませんという場合には、簡単に言えば他の手を挙げてきた政党で三百九億を分ける、こういうことになるわけであります。
 一月一日に手を挙げてまいりましたけれども、これは請求主義でございますので、簡単に言えば七月に第一回目を配付することにしているんですけれども、請求書を七月までに出してこなかったという場合には、これはまさに不用額ということで国庫に返納する。
 こういう二つのケースがあるので、手を挙げなかったら何でももらわないということではないので、選挙部長が今言いましたように二つのケースがございますということでございます。
#224
○下村泰君 やっと何となくわかったような気がします。
 さて、報道によりますと、「この上限設定については、「カネをたくさん集めた政党ほど得をして、企業献金を少なくするために公費助成を導入する政治改革の本旨に反する」」と、こういうふうな御意見もある。そのほかに、「政党の所属議員が、歳費など個人の収入や資金管理団体に集まった資金を、いったん政党に上納し、支出に制限のない政党は組織活動費などの名目で、議員に還元することもできる。これによって議員は領収書のいらない自由に使える資金を手にすることさえ可能だ。また、各政党が政治資金パーティーを頻繁に開くことも予想される。」と、こういうようなコメントがあるんですけれども、この点についてはどういうふうにお考えになりますか。
#225
○衆議院議員(堀込征雄君) もしある故党が意識的にそういうことをやろうとすれば、それは決して不可能ではないと思います。
 しかし、今度の政党助成法は、その政党資金すべてあるいは活動の大部分を国庫で負担してもいいのかどうかという議論もこの委員会でもございましたし、与野党の間でございまして、そして三分の二の上限というところがやっぱり適切ではないか、こういうふうにしたわけでありまして、今、先生おっしゃられましたように、一生懸命資金集めをしなければ三分の二の上限にひっかかるという面も確かに否定できない側面としてございます。
 それからまた、いろいろな面で資金を集めないと、過度にこの政府の助成金ばかりに依存するという仕組みと今の先生がおっしゃられたこととのやっぱり適合性ということで今度の与野党合意がなされた、こういうふうに私ども理解しているわけで、御了解をいただきたいと思います。
#226
○下村泰君 まあここにも書いてございますが、新聞のコメントにも、「今回の政治改革関連法が政治腐敗の防止効果を上げるかどうかは、「政党の良識にかかわっている」」と。こうなるとすると、今までとちっとも変わらないということなんですね。
 私の想像することなんですけれども、上限の枠を少しでも大きくするためには、これから必死で集金活動に全力尽くしますわな。これ、残高が多ければ大きいほどいいわけですからね。だれが常識で考えたってそうでしょう。そうしますと、政治活動よりか集金活動の方が多くなるんじゃないですか、下手すると。一生懸命銭を集めればその次の年は上限の三分の二もらえると、こういうことになるんでしょう。そういうことが果たしていいものかどうなのか。これは私はもう旧態依然とした体質が残ってしまうのではないかなと、そういう心配が先に立つわけなんですがね。ここのところがどうにも私、納得いかないんですが、いかがですか。
#227
○衆議院議員(細田博之君) お答えいたします。
 三分の二の問題につきましては自由民主党が特に強く主張いたしました関係上申し上げますと、先ほど堀込議員からもありましたように、余りにも政府助成というものに全面的に依存する政党が出ることもおかしいということが一つでございます。つまり、政府から二十億もらう政党がそれだけで政党を運営するというのはややおかしいんで、むしろ、それに見合う三十億のものを集めて初めて四割に当たるものを政府からもらえるというのが妥当な線ではないかというのが第一点でございます。
 それから、委員が今、尋ねの、それではこれから今までにも増して余計なたくさんの政治資金を集めるということになるのではないかという点については実態認識をやや異にしておりまして、昨年、一昨年の政党の収支状況を見ますと、実は、今回もらう三百九億の各党割りの額に比していわばその二分の三、二に対する三の費用よりもずっとたくさんのお金を集めている政党がほとんどでございまして、ただ、日本新党やさきがけのような生まれたばかりの政党は実績がないものですから数字的にわかりませんけれども、各党別に見た場合に、この法律の規定がかえって余計に金を集めさせるという実態にはないということを確認した上で合意に至ったと思っております。
#228
○下村泰君 御意見は御意見として承りますけれども、何となく私はそれは信用できないような感じがするんですね。
 それで、金のかからない政治を実施するためにこの政治改革内閣というのができたはずだと思うんです。政党助成するのはかえって本末転倒の事態になりかねないというふうに考えますけれども、山花さんはどういうふうにお考えですか。
#229
○国務大臣(山花貞夫君) 下村委員御指摘のとおり、今回の政治改革、目標は国民の政治に対する信頼を回復すること、原点は腐敗の根絶、そしてそのためには政治の浄化、できる限り政治とお金の関係を断ち切っていこうというところが四つの法律をつくるに当たっての基本的視点でございました。したがって、この政党助成の部分だけではなく、選挙制度の問題、公職選挙法における連座制の問題、あるいは政治資金規正法における透明度の問題、全体としてぜひ御判断いただきたいと思うところでございます。
 今回、政党本位の選挙の仕組みということになりましたので、従来は個人の支出となっておった部分について、これを肩がわりしてと申しましょうか、政党が負担しなければいけない、そうした場合の政党の健全な財政をぎりぎり支えなければならない、こういったことから政党助成の考え方が出てきて、今回、金額は若干動きましたけれども、最終的に確定したところでございます。
 政党助成だけではなく政治資金の規制の関係におきましても、従来は一人が後援会を五十、百と持って、百万に分ければ五千万、一億のお金でも表に出さないで受け取ることが可能であった。こういうシステムについて、資金管理団体一つにしたということになりましたので、そこではかなり透明度が増してくるのではないだろうか。あるいはパーティーにつきましても、よく新聞に出ておりましたけれども、従来は何千万のパーティー券を買ったということがありましたが、一昨年来の百五十万というアッパーのリミットのほかに今回は二十万以上についてはこれを明らかにしなければならないということになっている点等々、四法全体としてお考えいただきますと、なるほど腐敗防止のためにいろいろきちんとした法が整備されておるということについて御理解いただけるのではなかろうか、こう思っているところでございます。
 政党助成だけではなくて全体をぜひごらんになっていただいて、そういった意味におきましては腐敗防止のための基礎がかなりできたということについて御理解をいただきたい、こう思っているところでございます。
#230
○下村泰君 それから、政治資金の企業・団体献金を全面禁止すると言っていたんですが、認めたことの理由というのはどういうことなんでしょう。
#231
○衆議院議員(堀込征雄君) 御指摘のとおり、さきの国会で、政党、政治資金団体以外に対する企業・団体献金禁止、こういうことにいたしました。
 しかし、論議の中で、この委員会でもそうでございましたが、地方議員を一体どうするのかとか、無所属議員をどうするとか、あるいは企業献金そのものについても一体すべて悪と決めつけていいのかどうかという議論もございました。そういうものを踏まえて、さきの連立与党と自民党の間の合意で一団体に限って五十万円と、こういうふうに認めたわけであります。しかも、これは改正附則で五年後廃止ということがついておりますので、議論の結果、当面そういう経過措置的に認めることになった、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#232
○下村泰君 この政治資金のことについて、こういう新聞の記事もあるんですね。各党の幹部や自民党の派閥領袖が多額の企業献金を所属議員の管理団体に分散させる形で集めることや所属議員の団体に金を配ったりすることが可能になる、自民党の派閥が行ってきたような金の流れが復活する懸念が出てきたと、こういう記事もあるんですけれども、こんなことで果たして五年後にこれが廃止できるんでしょうか。
#233
○衆議院議員(細田博之君) これは我が党にとっても極めて従来の流れに比して厳しい内容になっております。要するに、そういうふうなやりとりがございましても、一人当たり五万円を超えますと全部こういうふうに流れたというふうに示すことになっておりますし、実際上はそのようなことは不可能でありますし、そもそもやり方がこの法律に基づきまして大きく変わるということを認識しております。
#234
○下村泰君 もう一つ伺わせていただきたいと思いますけれども、政党法を制定するような動きが出ているようですけれども、これはどうして法人化しなければならないんでしょうか。そのことについてひとつ。
#235
○衆議院議員(細田博之君) 法人化の問題も自由民主党が主張をいたしましたのでお答え申し上げますが、先ほど、実は関根議員から御質問の中でいろいろ御指摘いただきましたので尽きてはおるわけでございますが、一番大きな論点は、仮にも三百九億という巨額な助成金を国税の中から支出するわけでございますが、国のあらゆる補助金、助成金、交付金などを見ましても、その交付の先が、権利能力がない、つまりきちっとした法人でもなければ個人でもない、人格を有しないというようなものは例がないようでございます。そして、一方そういう助成金を申請し受ける側も、場合によってはいろんな責任問題が発生するかもしれませんし、結果として虚偽の事項があったり、あるいはそこがなかなか資産上のいろんな問題を発生するかもしれません。しかし、そういうときに権利能力がないということは非常に支障を来すのではないかという観点から、ぜひ法人格を与えようという議論をしたわけでございます。
 それに対して、先ほども議論がございましたように、政党の自由を奪うのではないかという従来からの議論で御反対になった向きもあるんですが、その自由の問題と責任の問題を分けようではないかという議論をしまして、自由民主党も、何も自由を侵そうとかそういうことではない、我々はむしろ野党でありますから政府から自由にやらせてもらいたいし、政府・与党は政府を信頼しているだろうから別にそれを規制と考えないんじゃないかと思ったのでございますけれども、やや議論が交錯したわけです。
 そこで、自由というこの枠組みの中で、労働組合のように法人化はするけれども政府から規制を受けない形にして、しかし、先ほど申しましたが、今度は後段の責任の問題としては、巨額なお金を受け取って管理し支出する以上、法人格を明確にし、代表を明確にして、また資産も持てるようにして、適切に支出、運用をすべきである、そういうことから申し上げているわけでございますので、誤解のないようにお願いします。
#236
○下村泰君 こういう政党助成を受けている国々の中で、政党が法人化されているという国はあるんですか、幾つぐらいあるんですか。
#237
○衆議院議員(石井一君) 政府の政党に対する国家補助制度を持っておりますのは、ドイツ、オーストリア、スウェーデン、イタリア、フランス、また韓国、アメリカにもちょっと形が違いますがそういうふうな制度がございますけれども、政党法の非常に有名な国はドイツでございますから、そういう確固たる立場を与えられておりますし、そのほか私の理解しておりますところでは、オーストリア、スウェーデン、フランス、このあたりでは、はっきりとした形ではないかもわかりませんが、そういう形での法人的なものを与えておる。そのほか、「政党法」という本を読んでおりますと、二十カ国ぐらいでやはりそういう例があるように思います。
#238
○下村泰君 私はもうまるでこういうものは無知でございますので質問させていただきましたけれども、一応この法案に関するものはこの辺で終わらせていただきます。
 続いて、テレビの政見放送に手話通訳を入れてほしいと十二月二十七日にお話を申し上げて、大変前向きの、前向きといいますかこちら向きのお答えをいただいたんですけれども、その後その作業がどういうふうに進展しているか教えていただきたいと思います。
#239
○国務大臣(佐藤観樹君) 委員から御質問がございましてそのとき答弁させていただきましたけれども、今、自治省の中に政見放送研究会というのを持っていろいろと研究をして今日まで来たわけでございます。
 委員からの御質問もあり、大変長いこと慎重に審議をしておるものですから、慎重過ぎるのではないかということで、なるべく早く結論を出すようにということで私の方から要請をいたしましたが、研究会の方も極めて前向きに取り組んでいただいて、つい最近は二月十七日に研究会をやっておりますけれども、まさに前向きに取りまとめるように今一生懸命やっておるところでございます。
 これはNHKの協力もいただきましてもう既にビデオの試作品もつくったりして、もう大分テーマは煮詰まってきた、こういうふうに聞いております。
 いずれにいたしましても、研究会をつくってあるものですから、研究会から答申をもらわないうちに私が物を言うわけにいかぬということもひとつ御理解いただきまして、しかし、下村委員のお伺いのように極めて前向きに事は進んできていると御理解をいただいて結構だということでございます。
#240
○下村泰君 これは本当に自治省の方から漏れ承った話ですけれども、手話通訳もできることなら来年の参議院には入れてみたいと。それから自治省の方から、役所の方から押しつけるのではなくて、それぞれ候補者の都合もありましょうし、候補者自身が手話通訳をつけたいというならばそれはそれでよろしい、つけなくてもよろしいというふうなフリースタイルでいってもいいんじゃないかというようなお話を漏れ承っておるんですけれども、そういうふうに受け取ってよろしいんでしょうか。
#241
○国務大臣(佐藤観樹君) 今申しましたように、研究会の方から報告をまだ受けていないので、下村委員に漏れ伝わったところでございますが、いずれにしろ非常に重要なことでございますので、手話通訳をつけることについての責任を一体どこにするかということもちゃんとしなきゃいかぬと思っています。
 それから、我々としてはできるだけ早くそれが選挙のときに実現できるようにしていきたいというふうに思って、今その意気込みでやっておるわけでございますが、最大の問題は、委員御承知のように、特に政治用語、経済用語、こういったものの統一、このこともまた協会の御協力もいただいてやっていかなきゃならぬと思いますし、だんだん問題は煮詰まってきているように聞いておりますので、御期待に沿えるものだと思っております。
#242
○下村泰君 大変力強いお答えなんですけれども、何か明日中に首のすげかえがあるとかなんとか聞いておりますので、三月のおひな様も目の前ですし、人形の首のすげかえが終わったら一体どうなっちゃうのかなと思って、ひょっとして大臣がかわったらこの話は流れてしまうのかいなと、こういうような心配もいたしますので、お世辞じゃなくて、できるなら残っていただきたいとは思います。そうしませんと、この話どうなるかわからないものですからね。
 殊に、私はもう今三期目になるんですけれども、今までも社労委員会にちょうど六年間在籍させていただいて、その間に厚生大臣もかわったり労働大臣もかわったりするんですけれども、そのたびにうまいこといったのが逃げていっちゃうんですよね。この手話通訳のお話でも、これ、もう十年間なんですよ。よろしゅうございますか。十年間自治省は何をしているんだと言いたくなるんですよ、本当の話。
 もっとひどいのは、これ、今思い出しましたけれども、私、昭和五十五年にちょっとお休みいただきまして五十八年に戻ってきたんです。そのときに、遺骨収集はどのくらいやっていますかと私聞いたことあるんです。そうしたら、五十五年に二万体、よろしゅうございますか、厚生省のお答えが五十五年ですよ。それが三年たって質問したらやっぱり二万体なんですよ。それで毎年毎年遺骨収集していると言うんですよ。じゃ三年間何やっていたんだ、どこの遺骨を集めてきたんだと私怒ったことがありますけれどもね。
 そういうことを考え合わせますと、今、大臣一生懸命お答えくださったんですけれども、役所というのはどうなるか本当にわからないんですよ。それが心配なんです、私は。アメリカでさえ心配していますからね、日本の役所の強いのは。
 次に、ファクスやパソコン通信によって、コミュニケーションに障害のある人だけでなく多くの障害を持った人々が多くの人々と交流するチャンスがふえております。
 現在、公選法上、ファクス、パソコン通信の扱いはどういうふうになっておりましょうか、お教え願いたいと思います。
#243
○政府委員(佐野徹治君) 公職選挙法では、選挙運動のために使用されます文書図画につきまして、これは一定のものに限定をいたしましてその頒布だとか掲示が認められておるわけでございます。
 御指摘のファクスだとかパソコン通信におきましてのディスプレーに表示される画面だとか、こういったものにつきましては公職選挙法上の文書図画と考えられるわけでございまして、これらを選挙運動のために不特定多数に頒布または掲示をいたしますことは公職選挙法の規定に違反するおそれがあるのではないかと考えておるところでございます。
#244
○下村泰君 聴覚障害者や言語障害のある人については、ファクスやパソコン通信は自分の意思を明らかにする極めて有効な手段の一つなんですね。一般の健聴者にとってのものとは本質的に全然違います。その点をよく考えていただいて、今後どうするのか伺いたいと思います。
 難しい問題はあると思いますけれども、参政権を制限されているという実態を忘れずに、どういうふうに対応するのかということを本当に伺いたいと思います。もう一度ひとつお願いします。
#245
○政府委員(佐野徹治君) 今いろいろお話しございましたようなそういう問題につきましても十分私ども念頭に置かないといけないとは思っておりますけれども、一方で一定の選挙運動のために使用されます文書図画につきましての規制と申しますか、こういうもののルールというようなものもございます。選挙運動を公平公正に行う、こういう観点からの検討も必要でございまして、そういった諸般のいろんなことを考えながら検討してまいりたいと考えております。
#246
○下村泰君 それから、個人演説会だとか街頭演説会で手話通訳をつけるかどうか、これは候補者の判断でしょうけれども、この手話通訳者へのお礼の扱いがどうなるかということなんです。これはほとんどの方は候補者自身が御自分でお払いになるわけですよね。選挙のときには運転手さんというのは認められるわけですよね。そうすると、手話通訳を入れる方の分は認められないんですが、ここのところはもうちょっと何とかならないかなと思うんですよ。
 それで、これから手話通訳をつけることになれば、小選挙区にしてもあるいは参議院の地方区にしても、当然手話通訳をなさる方をつけると思います。またつけざるを得なくなると思います、これからの状況によって。そういう場合に手話通訳者の費用をどういうふうにするか、これはどういうふうにお考えでしょうか。
#247
○国務大臣(佐藤観樹君) そこは、手話通訳を連れてこられるのは一体どなたの責任にするか、候補者の責任にするか政党の責任にするか。そのあたりのことも、例えば選挙管理委員会が紹介したけれども、あの人は私の思うとおりにやらなかったなんということが起こったら我々の立場では困るものですから、そういう意味で先ほど申しましたようにどこの責任にするかということを申し上げたわけでございますが、そういった中で、今、委員御指摘のような問題はどうすべきかということを考えていくことだと思うのであります。
 先ほどちょっと言い忘れましたが、今度は、小選挙区の場合には政党が候補者のビデオをつくって持ち込んでいいということになっているわけですね。そういうときには当然、政党の御自由でございますけれども、恐らく私は手話通訳つきになるだろうと思うわけです、その政党の選択でございますから。やっぱりそういうことにもなってまいりますので、その辺のところを委員今御指摘のようなコストの問題について一体どういうふうにしていくのか、これも先ほど申しました全部の答えの中でどうしていくか早急に考えさせていただきたいと存じます。
#248
○下村泰君 次に、文字放送の公選法上の扱い、特に政見放送、経歴放送について現在どうなっているか伺いたいと思います。
 この間も申し上げましたように、障害手帳を持っていらっしゃる耳の不自由な方々に比べて老人難聴、途中難聴者が物すごくふえているわけですね、そうすると、手帳を交付している場合には四十万なんという推計の数が出てきますけれども、この間も申し上げましたように、そういう老人性の難聴とかあるいは薬害による難聴とかいろんな難聴があるんですけれども、そういうものを加えていきますと、これは何百万という数になってくるわけですね。そうなりますと、文字放送の活用というのは大変有効ということになってくるわけです。アダプターや文字放送対応型のテレビは、番組の数、そして内容、その機器の価格が高いこともあってなかなか普及はしていないんですけれども、今度は厚生省の来年度の予算で日常生活用具にこれが決まったわけなんですね。これは大変うれしいことで、今までずっと申し上げてきたんですけれども、やっとこれが入ったのでよかったなと思っているんです。
 そこで、この文字放送をきちんと法的に位置づけて政見放送を流すということも必要になると思いますが、どうなんでしょうか。ぜひ前向きに検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#249
○国務大臣(佐藤観樹君) 先ほど申しました政見放送研究会の中で、今御指摘の文字放送というものを字幕スーパーということで言いかえてもいいかと思うんですが、それを含めて検討していただいています。
 ただし、これは解散になってから告示の日までが非常に短いという時間的な制約がございます。それから、一定のスピードで字が流れるわけでございますけれども、内容を伝える量が今ですと五分三十秒の政見放送でございますが、非常に限られてまいるようなこと。それから、何も原稿をあらかじめ出さなくてその場ヘ行って自分でしゃべられる方もいらっしゃるわけですね。そうすると、その後それを録音してそれの意訳をして、それを今度テロップにして流すということになりますと、これは非常に限られた時間の中で放送事業者自身が技術的に非常に、私たち研究はさせておりますけれども、難しいというのが率直なことを言って実態でございます。
 これはせっかくの御提案でございますが、今後とも研究はいろんな格好でしてみますが、限られた時間の中でこれをやるというのは非常に困難ではないかと言わざるを得ないと考えておるところでございます。
#250
○下村泰君 確かに瞬間的には無理ですよ。ただ、最近いろんな方法が研究されまして、そして、大臣が今おっしゃったのは恐らくそれは自治省のお役人さんの言っていることだろうと思うんですけれども、実際の現場ではそれ相当の進歩をしているんですよ。ただ自治省のお役人さんの方がそれをやるかやらないかの問題で、面倒くさがってやらないのかそれとも研究の方が進んでいないと言って逃げているのか私にはわかりませんけれども、現場の方に言わせれば、ある程度のめどは立つているということは申し上げておきたいと思います。
 お役人さんの方の感覚と現場と違うんですよ。お役人さんの顔を見ながら余り言うのは気の毒なんだけれども、皆さんは逃げることしか考えていない。そんなことは関根理事が一番よくわかっていると思いますけれども。
 そういうことがありますので、言葉の上で前向きの研究とかなんとか言うんじゃなくして、自治省のお役人さんが本当に本腰を入れて研究してみてくださいよ。そうすることによってどのぐらい大勢の方が喜ぶのか。それは皆さんは目が見えて耳が聞こえて自分の足で歩いていられるからいろんなことを、その場で言葉を並べて逃げて歩くけれども、実際に見えない方、聞こえない方、歩けない方々にとってはどういうことかということを考えたことがございますか、皆さんは。いつも言うように、うちへ帰ってテレビをつけておいて音を消してごらんなさい、何を言っているかわからないんだから。
 だから、私ら体の丈夫な、どこも悪くない人間がすることは何だといったら、目の見えない人のかわりをすること、耳の聞こえない人のかわりをすること、歩けない人のかわりをすること、手の動かない人のかわりをすることなんでしょう。そのくらいのことは皆さんの方がよほど私よりか御存じのはずだと思うんだけれども、そういう方たちは、よりによってただただ逃げることばかりの答案を考えないで、もう少しこっちへ歩み寄ってくるような答案を大臣に渡していただきたいと本当に思う。
 公選法百六十七条で選挙公報の発行が義務づけられております。選挙公報の点字版では朗読テープによる公報の発行、こういうことも考えられるんですけれども、この現状について教えてください。それを聞いておしまいにしましょう。もう時間がない。
#251
○政府委員(佐野徹治君) 視聴覚障害者の方々の便宜を図りますための啓発事業の一環といたしまして、都道府県の選挙管理委員会におきまして、点字公報、選挙のお知らせ版、こういったものを配布いたしておるところでございますけれども、一昨年の七月に執行されました参議院の通常選挙におきましては、選挙区選挙では全都道府県、それから比例代表選挙では四十五の都道府県で点字による選挙のお知らせ版というのが配布されておるところでございますし、また昨年の七月に執行されました衆議院の総選挙におきましては全都道府県で配布されておるものと承知をいたしております。
#252
○下村泰君 終わります。(拍手)
#253
○委員長(上野雄文君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、明三日午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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