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1994/06/21 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 災害対策特別委員会 第4号
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1994/06/21 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 災害対策特別委員会 第4号

#1
第129回国会 災害対策特別委員会 第4号
平成六年六月二十一日(火曜日)
   午後三時四十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鎌田 要人君
    理 事
                大塚清次郎君
                上山 和人君
                江本 孟紀君
    委 員
                下条進一郎君
                野村 五男君
                松浦 孝治君
                松谷蒼一郎君
                山崎 正昭君
                小川 仁一君
                篠崎 年子君
                種田  誠君
                中尾 則幸君
                吉田 達男君
                釘宮  磐君
                萩野 浩基君
                山下 栄一君
                林  紀子君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  左藤  恵君
   政府委員
       国土庁地方振興
       局長       秋本 敏文君
       国土庁防災局長  村瀬 興一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        駒澤 一夫君
   説明員
       気象庁地震火山
       部地震津波監視
       課長       吉田  弘君
       建設省河川局治
       水課長      山田 俊郎君
       建設省河川局砂
       防部砂防課長   大久保 駿君
       建設省河川局砂
       防部傾斜地保全
       課長       瀬尾 克美君
       建設省道路局国
       道第一課長    辻  靖三君
       建設省住宅局民
       間住宅課長    藤田  真君
       建設省住宅局住
       宅建設課長尾   那珂  正君
       建設省住宅局建
       築指導課建築物
       防災対策室長   磯田 桂史君
       自治大臣官房参
       事官       武田 文男君
       消防庁防災課長  今井 康容君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○災害対策樹立に関する調査
 (雲仙・普賢岳噴火災害対策に関する件)
 (緊急情報基盤整備に関する件)
 (防災基本計画見直しに関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鎌田要人君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
#3
○松谷蒼一郎君 雲仙・普賢岳の災害対策につきまして御質問を申し上げます。
 最初に、現在の雲仙・普賢岳災害の状況について、国土庁の方より御説明をお願いいたします。
#4
○政府委員(村瀬興一君) 雲仙の状況でございます。現時点、まず噴火の状況でございますが、ここ数カ月間はかなり溶岩の噴出量も減ってきているような状況でございまして、その状況がここ数カ月間続いておるというような状況でございます。
 それから、御承知のように三年前に噴火いたしまして、長期継続する災害ということで二十一分野百項目にわたります対策を講じてきておるところでございます。
 その中で特に最近は、例えば安全面のところから申し上げますと、仮設導流堤の工事が相当進んできておるという状況でございます。今の仮設導流堤につきましては、警戒区域の下流において五月には完成をしておる、それから警戒区域内においても四月には着手をしておるという状況でございます。
 それから、中尾川流域の砂防事業につきましては、昨年の末に基本構想を発表しておりまして、これまで測量、事業説明を行っておりますし、最近用地単価を発表しております。
 それから、水無川の災害復旧助成事業については、広域農道下流について概成をしておるというような状況でございます。
 それから、被災者の生活の基盤となる住宅宅地対策事業につきましては、公営住宅を約八百戸建設いたしまして、既に完成して逐次入居をしていただいておるほか、船泊団地及び仁田団地において宅地を計二百区画造成しておりまして、船泊団地につきましては分譲済みでございます。
#5
○松谷蒼一郎君 ちょっと、被害状況だけでいいです。その後で私、対策について質問します。
 現在の被害状況についてお伺いしたいんです。したがいまして、例えば被災者がどういうような状態であるか、どういう状態の住宅に住んでいるのか、それから中尾川なり千本木地区がどういうような被害の状況になっておるか、対策についてはこれから各省に伺いますので。
#6
○政府委員(村瀬興一君) 被害状況でございますが、御承知のように、平成三年六月に発生いたしました火砕流によりまして死者、行方不明者四十三名の人的被害が出ております。それから、たび重なる火砕流、土石流によりまして住宅被災等の被害が出ております。平成五年に入りましても、四月二十八、二十九日、それから五月二日の大規模な土石流によりまして、中尾川流域で初めて住宅被災等の被害が出たのに続きまして、六月二十三日には中尾川方向への大きな火砕流によりまして死者一名の人的被害が発生するなどの被害が生じております。
 上空からの調査等により推定される被害額といたしましては、平成六年の一月末現在、建設省関係の公共土木施設で百五十四億円、同じく農林水産省関係の公共土木施設で約六百七十六億円等の被害が県等から関係省庁に報告されておるところでございます。
#7
○松谷蒼一郎君 最初に防災局長さんが復興対策についても若干言及されましたが、このたびの雲仙・普賢岳災害は極めて特殊な長期にわたる大規模な災害でありますし、都市型の災害であるわけです。これについては地元から苦しい状況の中でのいろいろな要望等もございますが、私は、政府、特に行政関係としては非常にいろいろな手厚い助成、支援協力を行っていただいているというように考えております。
 その中で特に、現在問題になっておりますのが住宅の問題でありますが、住宅関係につきましてどういうような住宅支援活動を行っているか。公営住宅の建設の関係、それから住宅金融公庫の融資、貸し付けの状況、あわせまして今制度として特定優良賃貸住宅制度というのがあります。これは地元でも非常に関心を持っている制度でありますが、これについての建設省としての方針。それからまた、がけ地近接等危険住宅移転事業の実績等についてお伺いします。
#8
○説明員(那珂正君) 被災者の方々のための住宅対策のうち、まず公営住宅等について御説明申し上げます。
 公営住宅につきましては、平成三年度に百三十六戸、四年度に百二十八戸五年度に三百七十四戸を建設いたしまして、既に入居済みでございます。
 また、お尋ねの特定優良賃貸住宅でございますが、これは昨年の五月に制定されました特定優良賃貸住宅供給促進法に基づくものではございませんが、その前身であります地域特別賃貸住宅として平成四年度に二十戸、平成五年度に百四十戸を建設し、これも既に入居済みでございます。合計五年度まで七百九十八戸を建設しております。
 六年度におきましては、現在造成中の仁田団地におきまして公営住宅十戸を建設する予定でございます。
#9
○松谷蒼一郎君 がけ地近接等危険住宅についてはいかがですか。
#10
○説明員(磯田桂史君) がけ地近接等危険住宅移転事業につきましては、被災地域のうち、地方公共団体が建築基準法に基づいて指定いたしました災害危険区域からの移転について、被災者対策の重要性にかんがみまして、昨年度、平成五年度から一般地域より高い補助限度額を適用しているところでございます。平成五年度におきましては、島原市において三戸の移転事業が実施されているところでございます。
 今後とも長崎県と十分連携をとりながら対処してまいりたいと考えております。
#11
○松谷蒼一郎君 三戸というのは少ないですけれども、これからできるだけ住民の方々にも理解を求めて、この制度の有効な活用を図っていただきたいと思います。
 それで、次でございますが、砂防事業が大変現在重要な事業として雲仙・普賢岳災害地区では行われております。この砂防事業の現在の進捗状況についてお伺いします。
#12
○説明員(大久保駿君) 雲仙・普賢岳の火山活動はまだ続いておりますけれども、現在水無川流域につきましては、平成四年の二月二十二日にまとめました水無川砂防計画の基本構想、これに基づきまして平成五年から国の直轄事業として実施いたしております。現在のところ、まだ警戒区域が設定されておりますが、警戒区域の外の導流堤につきまして当面の安全度を確保するために仮設導流堤の建設を行っておりまして、警戒区域よりも下流部分につきましては五月二十二日に一応の完成を見ております。
 それから、その上の警戒区域の中でも導流堤をつくるわけですけれども、それにつきましても十分な安全対策の実施を前提にしまして、四月十二日から仮設導流堤の建設に着手いたしておりまして、早期完成を目指して現在鋭意作業を進めております。
 それから、中尾川につきましては、昨年の五月に災害が拡大いたしましたけれども、これにつきましても、昨年暮れの十二月二十日に基本構想を発表いたしまして、以来地元に対する説明とかあるいは測量とかを実施いたしておりまして、警戒区域の中に含まれております上流の千本木地区、これにつきましては三日前の六月十八日に用地単価を発表いたしております。これから個別の交渉に入っていく段階になっております。
 それから、警戒区域よりも下流の中尾川の本川の拡幅をやる区間、私ども導流工区間と呼んでおりますけれども、これにつきましては五月二十八日に事業計画説明を実施いたしまして、六月に入りまして用地幅ぐい打設と用地調査を進めておりまして、これもできるだけ早期にまとめていきたい、こういうふうに考えております。
#13
○松谷蒼一郎君 警戒区域の中に重要な砂防工事の計画があるわけですが、警戒区域の中には、もちろん原則的には住民の立ち入りは禁止でありますが、一定の条件のもとに砂防工事をやるということは、これはやっぱり不可能なごとでしょうか。
#14
○説明員(大久保駿君) 警戒区域の中に砂防基本計画の一つであります砂防ダム等が含まれておりますけれども、現在その区域の中につきましては用地の交渉を進めております 現地に立ち入れませんので、航空写真等を使いまして土地の画定等をしまして、買い取り要求が出たところから順次交渉を進めているというところでございまして、現在のところ、警戒区域の中の建物については二〇%強、それから土地につきましては五%程度の契約ができております。
 今後、砂防ダムの施工につきましては、いつでも着工できるような準備すなわち設計等を進めておりまして、警戒区域の中でございますけれども準備を進めていきたい、こういうふうに考えております。
#15
○松谷蒼一郎君 警戒区域では解除になり次第直ちに工事ができるような準備をしたい、こういうことでございますね。
 それでは、道路について伺、ますが、島原一深江地区の一般国道五十七号線の道路改修事業の進捗状況についてお伺いします。
#16
○説明員(辻靖三君) 島原・深江地区の安全な通行を確保しまして、当地域の復興の基盤となる道路を緊急に整備する必要があることから、平成四年度の補正予算において一般国道五十七号の島原深江道路として事業を着手しておるところでございます。平成四年度は十二月から現地へ入りまして地元説明会を開催し、また測量とか地質調査を行ったところでございます。
 五年度につきましては、新たに設置されました建設省の雲仙復興工事事務所におきまして、五月に地元関係者に道路構造の説明とか用地の測量立ち入りの協議、それから用地測量とかを進めまして、島原地区については八月十六日から、深江地区については九月二十日から用地買収に着手しました。その後、鋭意買収を進めておりまして、平成六年五月末現在で、面積としまして約七六%の用地買収の進捗状況となってございます。
 また五年度におきましては、用地買収の完了した区間におして既に橋梁の下部工工事 それから上部工工事、工事用道路の整備も着手して、橋梁下部工につきましては、全体百三十一基のうち既に二一%である二十八基に着手してございます。六年度も引き続き用地買収を進めるとともに橋梁工事を促進してまいりたいと考えてございます。
 本路線の重要性にかんがみまして、長崎県初め地元の皆様の御協力を得まして、平成九年度までの第十一次道路整備五カ年計画内の完成を目途に事業の促進に努力してまいりたいと考えてございます。
#17
○松谷蒼一郎君 いろいろ事業について御協力をいただいておりますことを感謝申し上げます。
 さて、現地に参りますとよくわかりますように、普賢岳の被災地一帯は到底人が住めないような状況にあります。そこで、防災集団移転促進事業を実施して新しい団地に被災者の方々を集団的に移転をさせる、こういうような事業の実施に踏み切っていると聞いておりますが、現在の防災集団移転促進事業の実施状況についてお伺いしておきます。
#18
○政府委員(秋本敏文君) 防災集団移転促進事業についてでございますけれども、島原市安中地区につきましては平成五年八月三十日付で計画の承認をいたしておりまして、この計画に基づきまして地元では事業を進めてきているところでございます。
 この事業計画の期間は平成五年度から七年度までの三カ年でございますけれども、平成五年度におきましては、船泊団地において用地取得、造成、関連公共施設の整備、宅地の分譲が行われました。仁田団地につきましては、用地取得と基礎的な造成が行われたところでございます。また平成六年度におきましては、仁田団地では用地造成及び関連公共施設の整備が行われておりまして、船泊団地では住民の皆さんによりまして住宅の建設も一部進んできております。
 国土庁におきましては、こういった事業につきましてそれぞれ事業の進捗に応じた助成を行ってきているところでございます。今後とも地元長崎県等と緊密な連絡をとりながら事業を円滑に進められますように努力をしてまいりたいと考えております。
#19
○松谷蒼一郎君 この防災集団移転促進事業につきましては、地元としては非常に期待も大きい事業であるわけですけれども、条件がいろいろありましてなかなかスムーズに事業の中の適用を受けにくいというようなことがあります。
 例えば被災者の中には、住宅ローンが残っていて損害保険に入っていない場合に住宅ローンを返すことができないような状況があり、そういう関係で住宅金融公庫の融資が受けられない。せっかく公庫からの融資を受けてこの防災集団移転促進事業の補助金の対象として事業に参画をし、適用をしていただきたいという方々がそれができないような状況にあるわけでございますが、この点についてはいかがでしょうか。
#20
○政府委員(秋本敏文君) 御指摘のようなケース、住宅建設のための融資を受けられないといったような場合には、この集団移転促進事業の住宅建設費等の助成、これは御承知のように借入金の利子に着目しての助成ということでございますので、そういう助成を受けることはできないということになるわけでございますが、そういったような場合につきましても、地元の長崎県等ではそれぞれの被災者の方々の状況を的確に把握しながら、基金による個人の住宅建設の助成あるいはまた公営住宅の建設などいろんな手段を講じながら被災者の皆さんの住宅確保が進むように取り組んでいくというように聞いております。
 お一人お一人の事情に着目したきめ細かい対応というのは当然必要だろうと思いますけれども、私どもだけではなかなか限りがございますので、そういったことにつきましては地元の方でも対応を進めていかれると思います。よく連携をとりながら、被災者の方々の住宅の確保がそれぞれの方々が円滑に進みますように、私どもとしても努力してまいりたいと存じます。
#21
○松谷蒼一郎君 住宅金融公庫の担当の方がお見えになっていると思いますが、先ほどちょっと伺ったんですが、住宅金融公庫による融資の状況並びに今話がありましたような防災集団移転促進事業の貸し付けの問題について、若干適用の緩和といいますか、柔軟な対応ができないものかどうか、そういうことについてちょっとお伺いをいたしたいと思います。
#22
○説明員(藤田真君) 住宅金融公庫の災害復興住宅資金の貸付制度の運用状況でございますけれども、平成六年五月末現在におきまして建設資金として申し込みを受理しておりますのは八件でございます。
 この災害復興貸付制度は、御案内のとおり、全期間を通じまして三・八五%という非常に低い利率でお貸しをするという形になっておるわけでございまして、まだ貸付件数は余り多くございませんけれども、今後供給公社などが造成しております団地などの引き渡しの時期になりますとふえてくるのではないかというふうに思っております。
 既に貸し付けをしておるものにつきましても、金融公庫法の二十二条によりまして、主務大臣の認可を得まして、例えば償還元利金の貸し付けの払込期間を据え置きますとか、あるいはその期間の利率を下げるというような運用をしておるところでございまして、こういうようなことによりまして弾力的な対応をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#23
○松谷蒼一郎君 いろいろな事業あるいは融資、助成等々によって行政としても大変懇ろな支援をいただいているわけでございますが、基本的な問題がやっぱり残っているんです。それは、警戒区域を指定すると、やっぱり警戒区域に指定をされた区域の中の住民は立ち退かざるを得ない。農家の人が多いわけですから、そういった人は生活の糧を得ることができない。それに対して、生活の保障をするための法的措置というものが現在ではない。これに対してどういうような形で、こういった被災者の方々、特に警戒区域の中で立入禁止という極めて厳しい指定がされている地域の方々に対して国はどういうような支援措置をしていったらいいのか、こういう問題が残っているわけです。
 これについては、特別立法によって生活の保障をしたらどうかというような考え方があるんですが、なかなか政府としてはこれについては厳しいと。ほかの災害との関係もあって、この雲仙・普賢岳地域だけ生活保障をするということはできないというような見解であります。
 その点については確かに難しい点は種々あろうかとは思いますが、それに変わるような措置がないものか。それで、それに変わるような措置として災害対策基金を認めて、これについて自治省の方で融資の制度をつくっていただいた。
 ところが、この基金がスタートしたのが平成三年だったですか、当初スタートしたときの運用金利が七%だった。実は、この災害対策基金で基金を取りましながら被災者対策のために生活の保障をやっていくというのではなくて、基金によって生ずる運用金利の果実をそういった種々の対策に振り向ける、いわば生活保障のかわりとして使っていこう、こういうような制度で、この制度自体は非常に意味のある有効な制度であると思います。ただ、金利によって運用するわけでございますから、金利の上げ下げによって非常に事業の実施の範囲が大きくなったり小さくなったりするわけです。これが欠陥であるわけです。
 当初は、先ほど申し上げましたように七%の金利でスタートしておりました。まあそこそこの事業の実施ができたわけであります。現在は二・二%の運用金利。ということは三分の一ぐらいになっているんです。したがって、せっかくの制度が現在非常に厳しい状況に置かれている。全体で義援金も入れて六百三十億円、国の基金だけで五百四十億。せっかくこれだけの基金がありますが、運用金利が三分の一になったために被災者に対する支援措置が非常に手薄にならざるを得ない、この点に非常に問題があるわけでございます。
 これは国土庁に伺った方がいいのかあるいは自治省に伺った方がいいのかわかりませんが、当初この災害対策基金によってどのような事業を行っていたのか、これについてちょっと伺います。
#24
○説明員(武田文男君) 御説明申し上げます。
 この基金の目的は、いわゆる住民等の自立復興を支援するということで、先ほどお話が出ました住宅に関する事業あるいは農林水産業の災害対策復興関係の事業、また商工業あるいは観光振興事業その他各般にわたって住民のニーズに対応すべく設立をされ、現在も運用をされているところでございます。
 平成五年度におきます決算状況を見ますと、住民等の自立復興支援、住宅等を中心といたします事業ですが、十八億四千九百万、それから農林水産業関係が七億三千八百万、商工業、観光振興事業が一億八千二百万、その他事業で四千四百万ということで、全体合計で二十八億一千三百万円程度の事業規模ということで進捗をいたしております。
#25
○松谷蒼一郎君 それが現在ではどういった事業で、事業費総額としてどのぐらいの額になっておりますか。
#26
○説明員(武田文男君) いわゆる事業の分類といいますか縦分け区分は基本的に変わっておりませんけれども、その都度、その年度ごとに毎年度六月から事業年度というものを設置いたしております。
 一番新しい平成六年度、これは先般、六月の理事会で新しい予算が決まっておりますけれども、それを拝見いたしますと、新規事業を含めまして三十四億九千八百万円の事業が予算計上されるということで、地元ニーズに対応した所要の事業が実施をされてきているというふうに考えております。
#27
○松谷蒼一郎君 運用金利が当初は七%で現在二・二%だったならば、三分の一ぐらいに事業費というか、基金による事業は少なくなっているんじゃないんですか。
#28
○説明員(武田文男君) 確かに、いわゆる金利は低下いたしてきております。現在も低水準でございますので、平成三年度、四年度に比べますと、五年度、六年度はかなり減ってはきておるところでございますが、それらの運用益と合わせまして、先ほどお話出ましたいわゆる義援金を積み立てました基金もございます。これらの活用も含めまして所要の事業に対応している、このような状況でございます。
#29
○松谷蒼一郎君 義援金の活用といっても、義援金は三十億でしょう。
#30
○説明員(武田文男君) 義援金基金として六十億円積み立ててございます。
#31
○松谷蒼一郎君 その六十億をどのように今取りましているんですか。
#32
○説明員(武田文男君) 平成五年度までで取りましが約十億四千万程度というふうに伺っております。
#33
○松谷蒼一郎君 金利で運用していて、金利が三分の一以下になっていて事業費がふえるということはあり得ないわけですから、当初は全く取り崩されていない、そして現在は取り崩されている。そこのところをもう少し詳しく知りたいんです。
 平成三年度の基金に関連する事業費、例えば金利が幾らでその金利に応じてこれだけの事業、これは幾らで、取りましはない。それから、現在平成五年度は金利が幾らで、これに対応して幾らの金利運用による事業費で、取りましが幾ら、これについてちょっと説明していただけますか。
#34
○説明員(武田文男君) 平成三年度におきましては、いわゆる全体事業費が十九億一千七百万円、それに対して利息が十四億三千八百万円というふうになっております。その差額がいわゆる義援金基金の活用ということに相なろうかと思います。それから平成四年度におきましては、事業費総額が十七億九千八百万円、運用利息が二十四億二千三百万円ということでございます。平成五年度の事業費は今申し上げました二十八億一千三百万円、四捨五入いたしますと二十八億一千四百万円、それに対しまして運用利息が十六億八千八百万円ということで、それぞれその差額の分はこの義援金基金の活用で充当しているという状況でございます。
#35
○松谷蒼一郎君 最初に事業費を言われるとわかりにくいんです、わかりやすくちょっと言ってもらいたいんですけれども。
 事業費総額は後で言ってもらって、初めに金利運用によって何億の資金を調達し、それから取りましで、合計で何億の事業費になっているのか。ちょっと頭悪いものだから、よくお伺いしてもわかりにくいんで、そういうような形でちょっと御説明できませんか。
#36
○説明員(武田文男君) 差し引きでございますので、もう一度今すぐ計算いたします。
#37
○松谷蒼一郎君 差し引きじゃなくて、合計でね。――それじゃ、ちょっとそれを置きましてはかの問題を。
 では、国土庁長官に伺いますが、本年の二月に、災害対策基本法等の改正に関する意見書ということで日本弁護士連合会から提案がございました。この中で、基本的ないろいろな対策が提案をされているわけでございます。
 災害対策基本法は、基本的には今度の雲仙・普賢岳みたいな長期大規模都市型災害というものを想定していなかった、一過性の災害についての対応としての災害対策基本法である。ところが、このたびのような長期の大規模災害というのは初めてのことだと。したがいまして、災害対策基本法を改正して、これについての損失補償制度等の創設を行ったらどうか、こういうような提言があります。
 また、警戒区域というのは非常に厳しい立入禁止の地域でありますので、これについての設定のシステム、これは非常に問題があるんじゃないのか。例えば、島原で言えば島原の市長が警戒区域の指定をやらなければならない。ところが、被災区域というのは島原市から深江町にかけてずっと範囲が広がっているわけです。警戒区域を指定するということは住民に対する非常な厳しい措置になるわけでありますから、どうしてもそういった住民の生活の糧を奪うような警戒区域設定については市長や町長は二の足を踏むようなことになる。それからまた、科学的な資料というものが一市や一町ではなかなか十分に準備ができない。そういうことも含めて警戒区域等の設定、指定のシステムについて検討したらどうかと。
 そのほかにもいろいろありますが、まずはこういうような意見書としうのが出ているわけでございますが、損失補償制度については私は予算委員会で質問したときもお考えを承っておりますが、地域指定のシステムの問題についてはいかがお考えでございましょうか。
#38
○政府委員(村瀬興一君) 警戒区域の設定の仕方といいますか、それについて申し上げます。
 提言では、住民の意見を反映させるシステムを検討すべきではなしかとか、あるいは設定権者を市町村ではなく専門家で構成される第三者機関とすべきではないかというふうなことでございますが、私どもは、警戒区域の設定につきましては、地元の事情に最も詳しくかつ行政に責任を持っておられる市町村長が行うということが適当であるというふうに考えております。また、その警戒区域の設定というものが住民の個別の利害を超えた高度の公共性を有するというものでございますので、住民の個別の意見を取り入れることは適当ではないのではないかというふうに考えておるところでございます。
 それから、専門家の意見も聞くべきだという点につきましては それは確かに市町村長が必ずしも専門的知識を有するとは限らないわけでございますので、専門家の意見を聞くということは必要でございますが、雲仙につきましても専門家の意見を聞きながら判断をされているというふうに承知しておるところでございます。
#39
○国務大臣(左藤恵君) 災害対策基本法の問題につきましてお尋ねでございますが、これ長期災害に対応するための特別の立法と、うことではなくて、現在の災害対策基本法が、災害の種類とか態様とかあるいは長い短い、そういったものによって災害を区別しないで、すべての災害を対象として防災体制を整備し、施策を推進していこうという法律であるわけであります。
 現実の問題といたしましても、雲仙岳の噴火災害に対しましては、確かにおっしゃるように非常に長期でまた大規模であるということはあるわけでありますけれども、現行制度の活用とか弾力的な運用というものを今やっていただいているわけでありますので、これによって対策を講じていきたい。したがって、特別の法律の制定ということは今は考えていない、こういうことでございます。
#40
○松谷蒼一郎君 防災局長にちょっと伺いたいんですが、警戒区域の設定に当たっては前の島原市長と現長崎県知事の間で非常に議論がありまして、やっぱり市長の方は、住民の生活の問題を念頭に置いて、警戒区域を指定しますと生活が立ち行かなくなるという点から区域の指定についてはかなりちゅうちょしたわけですけれども、結局県の方で、危険な状態になってもし人命が損なわれるようなことがあれば大変だということで警戒区域の指定に踏み切ったわけです。
 この辺は、こういう大規模な災害、特に長期化する災害の場合には、一市長の権限に任せるのではなくて、やはり県なり場合によっては国土庁なりが第三者の専門家の意見も聞きながら一つの制度というものを考えていったらいいんじゃないだろうか。今は余りにも過重な権限というか責任がこの警戒区域の指定について市長あるいは町長に負わされているわけです。特に深江町などは小さな町ですから、そういうところで警戒区域を指定して住民の生活を脅かすというようなことについてはどうしてもちゅうちょする。
 したがいまして、やはり国なり県なりが何らかの形で関与するような制度というものが考えられないものだろうか、もう一度お願いします。
#41
○政府委員(村瀬興一君) 私も前島原市長のお書きになった本も読ませていただきまして、当時、警戒区域の設定を御判断されるに当たって大変な御苦労があったということは承知をいたしております。
 しかし、基本的にやはり先ほど申し上げましたように、地元の事情に非常に明るくかつ住民の生命、身体について責任を持っておられる一義的な公共団体である市町村長さんが、専門家の意見を聞くということはもう当然必要でございましょうが、最終的な御判断はいただかざるを得ないのではないかというふうに考えております。
 ただ極端な例といたしまして、市町村長が例えばお亡くなりになるとかあるいはけがをするとか、市町村が機能を果たせなくなるような場合には知事がそれにかわって措置をするというような規定もございますし、実際に実例はございませんけれども、極端な場合にはそういうことも可能であるということでございます。
 ただ基本的には、一義的には地方公共団体であります市町村長が判断をしていただく以外にはないのではないかというふうに考えておるところでございます。
#42
○松谷蒼一郎君 住民の生活状態を把握しているという意味では、それは市長や町長の方が確かに把握はしているんでしょうが、しかしああいった雲仙岳みたいな大規模な噴火災害になると、町役場の能力を超えて警戒区域を指定しなくちゃならなくなる。その点はいろいろな観点の意見はあるとは思いますが、やはり十分に検討されて今後の問題として処理をしていただきたい。
 特に、警戒区域を新しく指定するということはあるいは今後ないかもしれませんが、現在の警戒区域の解除の問題があるわけです。これは先ほど砂防課長に質問いたしましたように、砂防工事をやらなくちゃいけない。ところが、警戒区域が指定されていると、準備まではできるけれども工事には立ち入りできない。その問題が必ず二者択一の問題として起こってまいります。そうなると、普賢岳の噴火が果たして今後どういうふうになるかというような問題も絡めながらやはり判断しなくちゃいけない。
 したがいまして、国土庁は非常に多くのスタッフを抱えていらっしゃるわけですし、国土庁から関係各省庁にいろいろ協力を求めながら、警戒区域の解除についても時宜を得た指定解除の措置をとっていただきたい。そのために、ぜひ県や市、町とも協力をして、よろしく御指導のほどを願いたいと思うんですけれども、いかがでございますか。
#43
○政府委員(村瀬興一君) 地元でも、例えば気象観測関係の方々、国の機関でございますけれどもそういった方々、あるいは国の出先機関であります現地の自衛隊の連隊長等、いろんな機関が入った会議を、もちろん島原の市長等も入った連絡会議のようなものが設けられておりまして、そこで今先生がおっしゃいましたような山の状況であるとか、そういったこともお互いに連絡をしながら運営しておるということでございます。
 私どもも、先生がおっしゃいますように、必要な助言等できるものがあればやってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#44
○松谷蒼一郎君 それでは、先ほどの自治省の答弁を。
#45
○説明員(武田文男君) それでは、もう一度御説明をさせていただきます。
 平成三年度から順次、ます基金運用利息の総額から申し上げますが、平成三年度の運用利息総額約十四億三千八百万円、それから義援金基金の取りまし等によりまして約四億七千九百万円を充当いたしております。合計いたしまして事業費総額が約十九億一千七百万円というふうに承知いたしております。
 平成四年度におきましては、基金の運用利息総額が約二十四億二千三百万円ということでございまして、事業費が十七億九千八百万円でございますので、差額の六億二千五百万円はこれは翌年度への繰り越しということで、そういった意味での取りまし等を充当せずに財源として翌年度に繰り越すことができたという状況でございます。
 五年度におきましては、運用利息総額が約十六億八千八百万円、それから義援金基金からの取りまし等が約十一億二千五百万円、合計約二十八億一千四百万円、これは四捨五入の関係で端数が一つ合いませんけれども、約二十八億一千四百万円の事業費というのがこれまでの決算状況でございます。
#46
○松谷蒼一郎君 平成五年度の運用金利は幾らですか。
#47
○説明員(武田文男君) これも月によりまして大分変わっておりますけれども、県の方に確認いたしましたところ、平均利率約二・七%というように確認いたしております。
#48
○松谷蒼一郎君 義援金の取りましとか繰り越しとか、いろいろありますから明確に対比ができにくいんですけれども、平成四年度は金利の運用によって二十四億二千万、平成五年度が十六億八千万。平成五年度が平均して二・七%の金利、ということは、平成六年度は現在二・二%ですから、これよりもずっと下がってくる。となれば、金利が三分の一になったから三分の一ということではないようですが、そこのところ私もちょっとよくわかりませんが、いずれにしてもかなりの運用金利の低下による事業費の削減、低下ということになってくるわけです。
 したがいまして、これはもう御存じと思いますが、この災害対策の基金を何とか増額ができないものかどうか。せんだっての予算委員会で私の質問に対して石井自治大臣は、地元とも十分な連絡をとって前向きに検討していこう、こういうような御返事をいただいたんですが、いかがでございますか。
#49
○説明員(武田文男君) ただいま御説明申し上げましたような運用金利、これは確かにスタート当初から比べますと低水準になっているということも事実でございます。
 そういった中で、今後の金利動向も十分見きわめる必要もあろうかと思いますし、また先ほども御説明いたしました義援金基金の活用ということもこれあるかと思います。全体としての基金の総額六百三十億ということでかなり大きいものがございますけれども、全体のそういう状況も十分見きわめながら、また災害の動向あるいはこれから必要となる事業の状況、こういったものを十分に踏まえながら、長崎県の意向を十分に伺いつつ、私どもとして適切に対処してまいりたい、このように考えております。
#50
○松谷蒼一郎君 大臣の方は前向きな答弁をされたんですが、事務局の方はなかなか難しい面もあるのかもしれません。しかし、やはりこれは金利が二・二%まで落ち込んで、しかもこういう景気の状態ですから、直ちにこれがかつてのように七%にまで回復する、回復かどうかはわかりませんけれども、そこまで上がるということは考えられないんです。
 そういうようなところから勘案いたしますと、できるだけ早急に災害対策基金の増額について踏み切っていただきたい。地元といってもこの場合は県ですが、県との連絡あるいは検討等はされておりますか。
#51
○説明員(武田文男君) これまでも長崎県と十分連絡をとりながらやってきておりますけれども、今後さらに県の意向を十分に踏まえまして適切に対処してまいりたいと考えております。
#52
○松谷蒼一郎君 本日も、被災者の方々が島原市長、深江町長と一緒に陳情においでになりました。本日御出席の篠崎先生を初め長崎県選出の国会議員も一緒に陳情を受けました。昨日は島原市長、深江町長、私どもも一緒に総理にこの状況についてお話をしたわけでございます。
 被災者の方々の受け取っている感じとしては、現在国の基金が五百四十億ですね、それに義援金、それから県の積立金等々で六百三十億、これを一千億ぐらいにまでは増額ができるんじゃないだろうかというような感触を若干受け取られているようでございますが、そういった地元の被災者の方々の気持ちに十分留意をされて、特に警戒区域に指定されているところの住民の方々は年数がたてばたつほど生活が苦しくなっていくわけです。
 本来、災害対策基本法の考え方は自助努力だというのがあるんですが、地域全体が疲弊をしておりまして、なかなかみずから助けることができにくいような状況になっているわけでございますから、その点を十分勘案されて、この災害対策基金の増額について十分前向きに、自治大臣のおっしゃるように御検討をお願いいたしたいと思います。もう一度お願いします。
#53
○説明員(武田文男君) 具体的な数字も今挙げられて御質問をされましたけれども、私どもといたしましては、これから必要となる事業の見通し等についてまた県の方からの意向も十分お伺いをしなければならないと思いますし、そういった中で増額が必要となるのかどうか十分検討した上で適切に対処したいというふうに考えております。
#54
○松谷蒼一郎君 国土庁長官にお願いしたいんでございますが、予算委員会で自治大臣は、長官も御出席でいらっしゃいましたけれども、かなり前向きに検討するというような御答弁であったかと思うんでございます。これは羽田内閣全体としての受けとめ方であろうかと思いますので、ぜひ自治省とも御協議の上、この災害対策基金の増額について前向きに御検討をお願いいたしたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#55
○国務大臣(左藤恵君) おっしゃるように、確かに今預金金利が著しく低下しているということもございますので、どれだけのところまでやれるかわかりません。しかし、少なくとも基金の総額をふやさないことには、これはもう必要なお金を確保することができないというような非常に難しい問題も生じてきておりますので、自治省の方に働きかけをいたしますとともに、概算要求とかそういった面で大蔵省とも折衝して、こういった問題について少しでも対策基金の増額ができるように努力をいたしたい、このように考えております。
#56
○松谷蒼一郎君 国土庁長官より大変前向きの積極的な御答弁をいただきまして本当にありがとうございました。どうかよろしくお願いを申し上げます。
 つきましては、もう時間がございませんが、今までの総理は、当時の海部総理、宮澤総理、いずれも現地の視察をされたわけでございます。ところが、連立与党になりまして、細川総理も羽田総理もまだ現地にはお見えになっておりません。これはいろいろ事情はあろうかとは思いますが、できましたら総理にも視察に行っていただきたいというようにお願いをしているわけでございますが、国土庁長官も一度現地においでになって、現地の事情を十分に御視察していただいて、これはもう私が言うのもなんでございますが、まことに厳しい悲惨な状況でございますので、どうか現地の事情を直接肌で感じていただいて、今後の施策に前向きに取り組んでいただきたいと思います。
#57
○国務大臣(左藤恵君) 今のお話のように、私といたしましては、これはもう雲仙岳噴火災害の重要性を現地において十分認識させていただきたい、このように思いますので、国会が終わりましたら、この状況もございますけれども、なるべく早い機会に現地にお伺いいたしたい。それから羽田総理も、この間私もお話を申し上げましたら、副総理として現地に行くということを一度お約束されたそうですけれども、いろんな情勢で行けなかったので、ぜひ総理になってから、これは情勢はどういうことになるかわかりませんけれども、とにかく早い機会に視察したい、こういう御意思であったこともお伝えしておきたいと思います。
#58
○松谷蒼一郎君 国土庁長官より非常に前向きの御答弁をいただきました。どうもありがとうございました。
 若干時間はございますが、これからは政局も微妙な状況にありますので、この辺で終わらせていただきます。
#59
○中尾則幸君 中尾でございます。御苦労さまです。
 私も北海道選出の国会議員なんですけれども、北海道南西沖地震、昨年七月十二日の大地震でございました。早くももう一年近くになります。御存じのように死者、行方不明者二百三十名。奥尻島初め被災地は懸命の努力をしておりますけれども、災害のつめ跡はいまだ生々しく、関係の皆さんに大変御協力いただきまして復興は進んでおるんですが、まだまだといったところでございます。
 時間も限られておりますので、私は今回は、この大災害を教訓として緊急時における情報基盤整備のあり方一点に絞って御質問申し上げたいと思います。
 昨年の南西沖地震は直下型の地震でございまして、住民の方々に伺ったんですけれども、津波が襲ったのは五分から七分後、もう地震がぐらぐらときたら津波が直ちに襲ってきたという状況でございました。つまり緊急時の際、住民の方々をいかに早く避難させるか、これが最大の課題だと思っております。それには、迅速かつ的確な情報を住民の方々にどう伝えるかということであろうと思います。
 昨年八月三十一日の当委員会でも、私はこれに関して若干質問させていただきました。その際上原長官から、地震あるいは津波警報のシステム化や迅速な情報提供の確立について前向きな答弁をいただきました。
 まず、国土庁長官に伺いたいと思いますけれども、この点に関しての御決意等がありましたら伺いたいと思います。
#60
○国務大臣(左藤恵君) お話のとおり、津波情報の迅速かつ確実な伝達というのは、津波対策として最も重要なことであることは申し上げるまでもございません。北海道南西沖地震の経験等にかんがみまして、昨年の十一月に国土庁を初めとする関係七省庁でもって「沿岸地域における津波警戒の徹底について」という申し合わせを行いました。
 そうした一環といたしまして、気象庁におきましては、近海の地震では二、三分程度で津波予報が発表できるようにするとか、津波警報の発表と伝達の迅速化、確実化というものに努力をいたしております。今後とも、これらの津波対策を強力に推進していかなければならないと考えておるところでございます。
#61
○中尾則幸君 昨年七月十二日の南西沖地震の発生と住民への伝達の問題をここでちょっと整理させていただきたいと思います。
   〔委員長退席、篠崎年子君着席〕
 先月末私は、札幌管区気象台あるいは北海道庁防災消防課に再度確認をいたしました。
 七月十二日二十二時十七分、地震が発生いたしました。マグニチュード七・八だと思います。二十二時二十二分津波警報発表、気象台です。さらに、二十二時二十四分津波警報NHKにて放送。つまり七分、いわゆるNHK放送の字幕が出るのに七分かかっておるわけでございます。その後、北海道庁が津波警報をファクスにて檜山支庁へ、二十二時二十八分槍山支庁受信。二十二時三十二分檜山支庁ファクスにて奥尻町へ等々、いろいろな手続を踏んで現地に伝わるわけです。現地に伝わったのが地震発生十六分後でございます。つまり、この間に津波はもう既に襲っておりました。現地で聞きますと、二十メートル、三十メートルの高さがあったという証言もございます。
 ただ、ここでちょっと救いなのは、NHKの放送が終わった直後に、二十二時三十一分奥尻町長がテレビ放送を見て、これはもう住民を避難させよということを勧告したようです。
 しかし、今回の地震についての災害は、津波による災害で人命がいかに多く奪われたかということなんです。
 ただもう一つは、東大の社会情報研究所の調査、これは平成五年十二月四日の新聞報道でございますけれども、「津波警報が防災行政無線で被災地の奥尻町などに伝わるまでに、約五十分もかかっていた」と。いろいろ回線がございますから、全部が伝わっていないとは言いません。この中でこの研究所が指摘しているのは、「警報を一般電話回線のファクスで管内十町に連絡しようとした」、これがおくれた原因だと言っているわけです。そこで、この研究所の教授がどういう指摘をしているかといいますと、「人が介在しなくても警報が自動的に関係市町村の住民にまで伝わるシステムの導入が必要」と。つまり、警報が出たら直接住民に伝わる方法はないか、こういうふうに指摘している。これは当然のことです。
 そこで、ひとつ消防庁に伺いたいと思います。消防庁は市町村防災行政無線のうち、屋外にあります拡声機あるいは家庭に設置した受信機で直接住民に伝える、これは同報系システムと言っているんですけれども、この南西沖地震を教訓として、各自治体に早急に整備するよう要請したと聞いております。現状はどうなっているか、簡単に説明してください。
#62
○説明員(今井康容君) ただいまのお話にございましたように、市町村防災行政無線は、災害時におきまして迅速的確かつ円滑に防災対策を展開する上から極めて重要でございますので、消防庁といたしましてもその整備の促進を指導してきたところでございます。
 その結果、同報系または移動系のいずれかを整備している市町村は、ことしの三月三十一日現在で八二・二%になってございます。そして、そのうちの同報系について整備をしている市町村は五三・六%となっております。
   〔篠崎年子君退席、委員長着席〕
#63
○中尾則幸君 今度は気象庁に伺いたいと思います。
 今お手元に気象庁作成の資料を配付しましたので、ちょっと参考にこの後の質問を聞いていただければと思います。
 今、同報系、移動系についての整備は消防庁から伺いました。完璧ではありませんけれども、主な危険区域については網羅されているんじゃないかと思います。ただ、これでは解決できません。警報等の迅速かつ的確な情報伝達をどうするか。これは私は、いわゆる地上系だけでなくて、衛星系の通信システムを相互補完の意味でやっていくべきだろうと思います。
 その中で、気象庁はこの平成六年四月から、私は大変画期的なことだと思いますけれども、津波対策のための緊急情報基盤整備と銘打ちまして、平成五年度の第二次補正で三十五億円をかけて整備を行っていると聞いています。従来と情報伝達の時間短縮はどうなっているのか。先ほど長官からもちょっとその点は触れられましたけれども、その点について簡潔に御説明願いたいと思います。
#64
○説明員(吉田弘君) 御説明申し上げます。
 気象庁では、従来津波予報を発表しまして、直接または地方の地方気象台等を通じまして都道府県、報道機関等関係機関に通知してございます。それで、昨年度まで津波警報は地上回線を通じて行っております。先生今お話しのございました昨年度の整備で、新たに気象官署間の津波警報の通知としまして、気象衛星「ひまわり」を利用した通信方法を採用してございます。それで、このスピードそのものにつきましては、信号の流れでございまして、ほとんど同時でございます。
 以上でございます。
#65
○中尾則幸君 従来七分から八分かかったところが、この計画では二分から三分ということに大幅に短縮されている。ちょっとこのお配りした図をごらんいただければと思います。
 一番下に津波地震早期検知網とありまして、これは地震計を全国に百五十カ所整備したということでございます。私が説明するのもなんですけれども、時間がありませんので説明いたします。それが直ちに気象庁本庁から気象衛星通信所、これは埼玉県の鳩山にあると聞いておりますけれども、ここまで二分から三分で行くようになった。そして、これは気象衛星「ひまわり」まで直通で行きます。気象衛星「ひまわり」から地方気象台には瞬時に行きます。
 ところが、ここで問題になるのが一つ。地方気象台六十九カ所に「ひまわり」の通信を受けるいわゆる地球局を設けなきゃいけない。いわゆるパラボラで受ければ簡単なことでございまして、これは六十九カ所ほぼ主たるところに完備していると聞いております。ところが残念なことに、ここまでが気象庁の役割でございます。そして、受けた気象台は警察だとかにずっと流すわけです。流しちゃったら終わりです。
 私がここで指摘したいのは、例えばこの「ひまわり」の津波警報が二分から三分でできるはずなのに、どうして気象台あるいは市町村に行かないか。衛星ですから、受信施設だけあればこれは簡単にいくんです。その問題をちょっと取り上げてみたいと思います。
 それでは、ただ資金の問題ございます。受けをつくるにも何億もかかったら、これなかなか市町村で負担できない。例えば地方気象台等で六十九カ所に設置いたしましたこの緊急情報衛星受信施設、いわゆる。ハラボラでございますけれども、気象庁さん、一つのセット、幾らくらいでできるんですか。
#66
○説明員(吉田弘君) 御説明いたします。
 一セット二百万から三百万でございます。
#67
○中尾則幸君 そういうふうに私も伺っています。
 つまり、「ひまわり」で出てきた情報を各市町村で、例えばそれをどうやって住民に流すかというのはいろいろあるわけです、先ほど言いました同報系無線、これは消防庁の役目ですからちょっと後で聞きますけれども。それが二百万、三百万でできるわけです。これがなぜできないのか。四月からこういうシステムが開発されているわけです。もう一度気象庁さんに言しますけれども、例えば各市町村で二、三百万の施設をつくりました、「ひまわり」から緊急のものを受けたいと。ダイレクトで来るわけです。この場合は支障がございますか。
#68
○説明員(吉田弘君) 「ひまわり」によります津波予報の通知は無線通信でございまして、所要の手続をとっていただければ利用は可能かと考えております。
#69
○中尾則幸君 所要の手続というのは許可でよろしいんですか。
#70
○説明員(吉田弘君) 受信するということ、またそれをどのように使うかということの届け出でございます。
#71
○中尾則幸君 ここで国土庁長官にも伺いたいんですけれども、今の話で、届け出で許可が得られれば各市町村二、三百万、あるいはもうちょっとかかるかもしれません。そういういわゆる配信が、まあ電波を送るという専門用語ですが、配信が可能だと言っているんです。法整備の問題、これについては、ちょっと後ほどやります。
 災害はもうあしたにも待ってくれないんです。例えば二、三分で各市町村の山の中のどこでも入るわけです、これ電波ですから、上空三万六千キロから降ってくるわけですから。こういった方法があるということについて、長官、ちょっと予告はしておりませんでしたけれども、これについていかがですか。
#72
○国務大臣(左藤恵君) 今お話しのように、「ひまわり」を使いますということは、確かに今おっしゃった三万五千九百キロの上空から入ってきておるんですが、たしか往復で〇・六秒かかるだけなんです。そういうようなことで受信することができれば、だからあとはお話しのようなことで、これはそういう手続的な問題はともかくとしまして、各市町村がこういうものを設置することによって、それでそれを同報にかけて各家庭に連絡する、こういうことをやれば恐らく二分とか三分以内で私は完全にそういったものはできる、このように考えます。
 したがって、今度はそれに対しましての財政措置とかいろんな問題につきまして、これは自治省で考えていただくことじゃないかな、こう思いますけれども、私はこういう意味で、防災対策上、ぜひそういった問題を推進していただきたい、このように考えるところでございます。
#73
○中尾則幸君 最後に決意をお聞きしようと思ったら決意をいただきました。
 つまり、これはすぐできることなんです。ですから、今まで私が説明した図解で、もう一度ちょっとごらんいただければと思いますけれども、この気象庁さんの気持ちを酌み取ったんです。実線と点線になっているわけです。報道機関、地方公共団体等、津波予報、この点線の気持ちを酌み取ったときに、私たちはできるんですよということなんです。これ実線で書きたいところなんです。つまりここまでが気象庁であり、ここから自治省、消防庁と。もうこれは待ってくれないんです、災害は。そういう意味で、前向きに各省庁の隔たりを越えてこれはぜひとも取り組んでいただきたいと思います。
 そこでもう一つ、ちょっと前後しますけれども、今度は消防庁さんに伺いたいんですが、簡単に。
 これは私は、さきの委員会でも聞きましたけれども、富山県でスーパーバードを使って、気象情報だけじゃなくて、これは双方向性でやっているというのは聞いております。これで災害の場合どういうふうに使われているか、具体例があったら示していただきたいんですが。
#74
○説明員(今井康容君) 今お話のございました富山県における衛星通信ネットワークを活用いたしました防災情報システムがございますが、このうち気象情報の収集提供システムというものがございますが、これにつきましては、富山地方気象台、日本気象協会、富山県河川情報システム等から、注意報でありますとかあるいは警報等の気象情報、河川情報を県が収集をいたしまして、衛星通信ネットワークにより市町村あるいは消防本部に提供するものでございますが、これにつきまして、ことし津波警報につきましては二件自動的に配信した実績がございます。
 さらに、気象予警報につきましては、年間で六百件程度が自動的に配信をされていると聞いております。
#75
○中尾則幸君 もう一言。
 当然、気象台から県庁に上がります。県庁からいわゆる通信衛星スーパーバードに行きます。それからシャワーのようにと言ったらおかしいですが、シャワーのように各市町村が受けます。これは全市町村あるというふうに聞いておりました。ダイレクトで受ける。あとは地上系でいろいろ操作するわけです。同報系無線だとか移動系無線で住民に知らせる。
 こういう点で一言だけ、例えば富山県の例で今もお話伺いましたけれども、他県に比べて当然情報の伝達が非常に速いというふうに聞いておりますけれども、その点はいかがですか。
#76
○説明員(今井康容君) ただいまのお話でございますが、富山県の場合は、先ほどそのシステムの概要で申し上げましたように、富山地方気象台等からの情報を自動的に伝送するシステムそのものを活用しておりますので、その意味では相当速い情報伝達になっているかと考えております。
#77
○中尾則幸君 私は津波の話をしましたけれども、このシステムを活用すれば、例えば洪水あるいはがけ崩れ等のいわゆる緊急な通信が可能なんです。オフィシャルな通信が可能なんです。ですから二、三百万円で、ただ一つだけ二、三百万円というのは一方通行です。これで結構だと思います、第一報でございますから。あとは今までの地上系の無線を使えばいいわけです。ですから、これについては早急に、来月、再来月と言わないで、もうあすからでもガイドライン等をつくっていただきたいと思うんです。
 ところが、ひっかかることがあったんです。昨夜見つけまして、気象業務法という法律がどうもひっかかりまして、この気象業務法第三章予報及び警報第十五条というのを読みましたら、大した問題ではないんですけれども、つまりこの気象庁が伝達するシステムを順送りしているんです。気象庁は、例えば津波警報、災害の問題については警察庁、海上保安庁云々だとか書いてある。そしてそれを受けた警察庁及び都道府県の機関は今度市町村長に云々、今度市町村長はそれを受けて住民という、これは第一項、第二項、第三項できちっと書いてある。
 そうすると、これはあくまでも今までの地上系のシステムなんです。御存じのように、今はもうマルチメディアと言われているんです。その時代に全く合わないこの気象業務法を見直さなきゃいけない。大変であれば第四章に、私は法律の専門家じゃないですけれども、衛星系の、「ひまわり」なんか今動き出したわけですから、これを一部補完するかあるいは早急に見直しをするかしなければならないと思います。
 しかし、これは法律を整備するのを待っていられないという状況がございます。事人命に関する問題でございますから、ここは国土庁長官、ひとつ横断的に、ここは運輸省の管轄だとか自治省の管轄だとか言わないで早急に検討をしていただきたいと思うんです。
 それで、先ほどのお話の中にもありましたけれども、たしか昨年の十一月でなかったでしょうか、検討会ができているやに聞いております。そして、私のいただいたこの「平成四年度において防災に関してとった措置の概況」の中にも、これは今国会に提出した資料だと思いますけれども、この中にも書いてあるわけです。「静止気象衛星(ひまわり)の同報情報の活用のための所要の検討を行うこととしている。」と書いてある。これ検討だけじゃだめなんです。ボクシングではないんですから検討だけではだめなので、早急に結果を出していただきたい。最後に国土庁長官の決意をお伺いします。
#78
○国務大臣(左藤恵君) 先ほどお話し申し上げました津波警報関係省庁連絡会議というのがございまして、総理府、警察庁、国土庁、海上保安庁、気象庁、郵政省、消防庁、これだけの七省庁でもって打ち合わせを始めたわけでありますので、ここにおきまして今の問題も解決して、とにかく緊急情報の基盤の整備に全力を挙げたい、このように考えております。
#79
○中尾則幸君 よろしくお願いします。終わります。
#80
○篠崎年子君 まず初めに、土砂災害のことについてお尋ねをしたいと思います。
 我が国は、国土の形成構造上大変地すべりあるいは土砂災害等が起こりやすくなっているわけですけれども、今現在、土砂災害に対する危険箇所の整備状況はどのようになっているでしょうか。
#81
○説明員(瀬尾克美君) お答えいたします。
 急傾斜地の崩壊危険箇所、これにつきましては平成四年に調査がされておりますが、現在全国で八万一千八百五十カ所、こういうことでございます。そのうち事業を要する箇所につきましては、施設の整備が平成四年度末で二二%ということでございます。
#82
○篠崎年子君 二二%という今お答えがありましたけれども、これは急傾斜地だけですね。これはずっと累年数えてまいりますとだんだん率は上がっているんでしょうか、それとも下がっているんでしょうか、それとも横ばいなんですか。
#83
○説明員(瀬尾克美君) 一応、率としては非常に少ないんですが、一%程度は上がっているということになります。
#84
○篠崎年子君 これだけ産業が発達し、また生活が変わってきている中でわずかに一%というのは非常に少ないんじゃないかと思うんです。私いただきました資料の中でも、土石流危険渓流、ここでも一九%が二〇%になっているとかあるいは地すべり危険箇所につきましても全体的に二〇%ということで、余りこれは進展をしていないようですね。
 ところで、平成五年は第三次急傾斜地崩壊対策事業五カ年計画の第一年次に当たっているわけですけれども、この一年次の計画についてどういうふうな事業対策が行われたのか、それを簡単に御説明いただきたいと思います。
#85
○説明員(瀬尾克美君) 平成五年度につきましては、平成九年度に向けまして五千四百カ所を整備するということを目的にいたしまして、三〇%の整備率を設けるということで実施しております。一応五%の伸び率ということで平成五年度に実施をするということにしております。
#86
○篠崎年子君 そうすると、五%、それは伸びたのですか。
#87
○説明員(瀬尾克美君) そうでございます。
#88
○篠崎年子君 では、先ほどの二二%ということからいたしますと、全体的には一%しか伸びていないというふうにさっきおっしゃったようですけれども、五%伸びているわけですね。
#89
○説明員(瀬尾克美君) 予算にしまして五%の伸びということでございまして、整備率からしますとやはり一%程度ということでございます。
#90
○篠崎年子君 何だかわかったようなわからないような気がするんですけれども、もうちょっとわかるように御説明いただきたいと思います。
#91
○説明員(瀬尾克美君) 予算の伸びというのは絶対額の伸びでございまして、これが一応五%の伸びですが、整備率といいますのは、ただいまも申しましたように全国で八万一千八百五十カ所あるわけでございます。これについては、平成四年度が二二%の整備率でございます。実は、平成五年度はちょっと県関係の集計がまだとれていませんのではっきりとした数字は言えませんけれども、その概成する数からしますならば一%程度の伸びになる、こういうことでございます。
#92
○篠崎年子君 まだ大変不十分だと思うわけですね。数からしたら一%の伸びということは、数からしたら大変少ないというふうに私は受けとめたいと思います。こればっかりも言っておられませんので、次に移りたいと思います。
 がけ崩れや地すべりなどの場合には、大抵集中豪雨が起こったときにこれが起こりやすい。昨年の鹿児島の状況を見ましても、そのことが大変明らかになっているわけです。各地域で集中豪雨がある、こういったような場合に、先ほど同僚委員の中尾さんの方からの御質問にもありましたけれども、ハイテクを使っていくと集中豪雨というようなものもかなり集中的に周知方を徹底させることができるんではないだろうかと思うのですけれども、最近の気象予報の関係につきまして今どのような状況になっているのか御説明いただきたいと思います。
 気象庁お見えになっておりませんか。――それでは、これは要望として申し上げておきたいと思います。
 先ほどの同僚委員の説明にもありましたように、集中豪雨というものについては、最近気象情報がテレビで報道されますけれども、それを見ておりましてもかなり確率の高いものが予報されているようです。しかし、中には外れるときもあるかもしれませんけれども、これが地方自治体から住民に早く知らされてそこの住民が避難できる、そういう体制をとっておくことが必要ではないかと思いますので、今後、このことにつきましては十分努力をしていただきたいと思うわけです。
 次に、先ほど同僚委員の方からも大変詳しく御質疑がありましたので、私が改めて申し上げるまでもないと思いますけれども、雲仙・普賢岳の問題について、くどいようですけれどもお尋ねをいたします。
 まずその前に、先般いただきました「平成四年度において防災に関してとった措置の概況」というこの冊子でございますけれども、これの百十四ページに「火山噴火災害危険区域予測図(ハザードマップ)」というのがありまして、これの整備を進めている、こういう説明が書いてあります。六年度の予算では、これに二千万円の予算がついているようでございますが、火山国日本としてはやはり住民や観光客が避難する際に役立つ資料を目的としてこれをつくっているということですが、進捗状況といいましょうか今の進め方、それから今後の方針についてちょっとお尋ねしたいと思います。
#93
○政府委員(村瀬興一君) 先生おっしゃいますように、ハザードマップの整備というのは重要であるというふうに考えておりまして、測地学審議会におきまして、特に活動的で重点的に観測研究を行うべき火山というのは十三火山ございます。平成五年度におきましては、その中で樽前山、伊豆大島、三宅島、桜島の四火山につきまして、補助事業といたしまして火山噴火災害危険区域予測図緊急整備事業というものを創設いたしまして事業を実施しておるところでございます。
 それ以外の火山につきましても、逐次実施をしていきたい。先ほど十三と申し上げましたが、伊豆東部火山群は海の中でございますので、ちょっと作成するのに適当でございません。それ以外のところについては逐次進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
#94
○篠崎年子君 今の御説明の中に雲仙・普賢岳は入っていなかったですが、いかがですか。
#95
○政府委員(村瀬興一君) 雲仙につきましては、今の私どもの補助事業ではございませんけれども、島原市におきまして砂防・地すべり技術センターに委託をしてつくりました溶岩流、火砕流、土石流の災害予測図というものが公表されております。これを踏まえまして、平成三年六月七日の最初の警戒区域の設定につきましても活用しているというふうに承知をいたしております。
#96
○篠崎年子君 今、私手元に持っておりますのは桜島のものです、これ御存じだと思いますけれども。桜島はもう大変な火山ですし、それから噴火も起こっているわけですけれども、せっかくこういったような資料ができましても、どんなふうにこれ活用しているわけですか。
#97
○政府委員(村瀬興一君) 桜島の場合につきましては、全住民に配付しているというふうに聞いております。
 それから、今先生お持ちの地図以外に冊子、それを一緒に、両方を全住民に配付しているというふうに聞いております。
#98
○篠崎年子君 全住民に配付されているということは大変結構なことですが、これは鹿児島市、鹿児島県内、全部でございますか。
#99
○政府委員(村瀬興一君) 鹿児島市を中心といたしました桜島の影響のある範囲内ということでございます。
#100
○篠崎年子君 先ほどのところに、「住民や観光客が避難する際に役立つ資料とすることを主な目的として、」と、こういうふうに書いてございますね。そうすると、住民はこれを持っていて、ああなるほどこういうふうになるのかなとか、あるいはこっちに逃げればいいかというふうにわかるわけですけれども、観光客の場合にはどんなふうに説明をしていらっしゃいますか。
#101
○政府委員(村瀬興一君) 例えば、観光用の案内看板がございますけれども、それへ書くというようなこととか、あるいはあらかじめハザードマップの内容をビデオに編集いたしましてそれを放映するといったようなことで徹底をしていくというふうに考えております。
#102
○篠崎年子君 ビデオや何かを使うということもいいことでしょうけれども、こういったような縮小版といったようなものを観光客が上陸するときに渡すとか、そういうふうなことも今後考えていいんじゃないかと私は思います。今後、御検討をいただきたいと思います。
 次に、雲仙・普賢岳のことについて、先ほど来からの質問の中にありました基金のことについて、もうくどいようですけれども私もお尋ねをしたいと思うわけです。
 先ほど御答弁をお聞きしておりましたら、こういうふうな御答弁がありました。必要となる事業の見通しなどを勘案しながら前向きに検討いたしますということで、県や市からどういったような事業をするかということについて、それがどのくらいの金額か、そういったようなことの要望があれば、それに見合うだけ増額を検討するというふうに私はお聞きしていたんですけれども、この点はいかがでございますか。
#103
○説明員(武田文男君) 先ほど来の御質疑にもお答えを申し上げましたように、今後のいろいろな笠利の動向等も見きわめる必要もございますし、また、先ほど申し上げました必要となる事業の状況にどのような見通しを持っていくべきか、こういうことも大事な点であろうかと思います。
 長崎県の意向を十分伺いながら、その中で今後増額が必要になるのかどうか、十分検討した上で私どもとして適切に対処してまいりたい、このように考えております。
#104
○篠崎年子君 くどいようですけれども、雲仙・普賢岳噴火災害からちょうど三年ちょっとになりました。いつ終えんに向かうかわからないわけですけれども、ここで生活している人々にとっては今から先が非常に財政的援助を必要とするんではないだろうか。それは先ほどもありましたように、農業の再建とか、あるいは商工業者の仕事の再開とか、あるいは新しい家をつくるとか、そういうふうなことになってまいりますと特に財政的援助が必要になってまいりますので、この点については今後十分な措置をしていただきたいと思うわけです。
 そこで、次にちょっとお尋ねをいたしますけれども、例えば、住宅を建てて二、三カ月で火砕流で家がなくなってしまったわけです。この人が何年かたって、三年たったわけですけれども、やっぱり自分の家が必要だということで家を再建しようとする。そうすると、まあ五百五十万円の補助金が出ます。けれども五百五十万円では家は建ちません。義援金の方からも幾らかの補助があると思うんです。しかしそれだけでは足りない、それはまた融資を受けるわけです。前に買っていて燃えてしまった家の分のローンも払っていかなければならない、新しく建てた家のローンも払っていかなければならないということになると、この人は二重のローン払いということになりまして非常に負担が重くなってくるわけです。
 そこで、今このことについて住宅金融公庫にしましても幾らかの緩和措置をとってもらっているとは思いますけれども、この際思い切って終息までそのローンの支払いを凍結しておいて、そして雲仙・普賢岳の噴火災害が終わりを告げてから、そしてこの人がちゃんともとの仕事に戻ってもとぐらいの収入が取れるようになってから支払っていくというふうなことが考えられないだろうかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#105
○説明員(藤田真君) 今お話のございましたような、被災者が既に金融公庫の資金を受けている場合の既存債務の緩和でございますけれども、被害の状況でありますとか、被災者の今後の償還能力に留意いたしまして個別にその事情に対応するという形でございます。
 具体的に申し上げますと、公庫法の二十二条に基づきまして、払い込みの据え置きでございますとか、あるいはその償還期間を延長する、あるいはその払い込みの据置期間中の利率を引き下げるというような措置がございます。さらに、例えば一定の期間内は返済金を低額にいたしまして後で繰り延べて返していただくというような形でありますとか、あるいは法定の期間内ではございますけれども償還期間の全体の期間を延長するというようなこともできる形になっておりまして、それぞれ具体の事情に応じまして金融公庫の窓口で適切な対応ができるように指導をしてまいりたいというふうに考えております。
#106
○篠崎年子君 融資を受けたものは返さなければならない、これは当然のことですけれども、やはり目の前に融資が重なっていっているということを考えると落ちついて生活ができないんじゃないだろうかと思うわけです。
 今、繰り延べということを言われましたし、利率も少し下げられているとは思うんですけれども、ある程度期間を置いて繰り延べということになってまいりますと、その人の年齢が今三十歳だとすると、例えば二十五年間で払おうとしたものが三十五年なり四十年なりになると、これもまたなかなか難しいことになってくると。もうこれは何か堂々めぐりのようになってくるんですけれども、思い切って全部払わないでいいということはできないと思いますが、利率をもっとぐっと下げるとか、あるいは償還期限を、かなり長期にわたりても仕方がないからそれで何万かでというふうなことに、個人差にもよると思いますけれども、その辺の弾力的な運用ということはできないでしょうか。
#107
○説明員(藤田真君) 今お話し申し上げましたように、個別の事情に応じまして対応を図らせていただくということでございますけれども、金融公庫、財投から有償の資金を調達して融資をしているという機関としての制約もあるわけでございまして、いろんな個別の事情に応じてお話をさせていただきながら対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#108
○篠崎年子君 最後に、また同じことになるんですけれども、日弁連の方から災害対策基本法の改正に関する意見書が出ておりまして、これについてのお答えは先ほど出ておりました。
 しかし、考えてみますと、今国として施策をとっておられます二十一分野百項目ですか、こういうことについて一つ一つを検証していくとかなり法よりも踏み込んだ対策をとっていらっしゃるんではないだろうか。これは対策を受ける方の側にとりましては大変いいことだと思います。しかし、今後の状況を考えてみますときに、このような長期災害が、今は雲仙・普賢岳というあの地域だけで起こっておりますけれども、どこでいっどう起こるかわからないということを考えますときに、やはり法の整備をしておかないとこれから先の国民の生活を守ることはできないんではないだろうかと思うわけです。
 この点につきまして、法の運用とか計画の弾力的運用とかそういうことではなくて、法制自体を変えていくということにやっぱり踏み込んでいくべきではないだろうか、そこに政治の国民に対する責任があるんだと思うんですが、国土庁長官、大変申しわけありませんが、最後に御見解を承りたいと思います。
#109
○国務大臣(左藤恵君) お話してございますが、先ほど松谷先生にもお答えをいたしましたとおり、やっぱり今のお話のような、現在の災害対策基本法、あくまで基本法でございますから、それはもう災害の種類とか態様とか長短とか、そういうものにかかわらず、すべての災害を対象としておるわけであります そう、うことで、法制度そのものを見直すというのではなくて、先ほど申しました現行制度の十分な活用、弾力的な運用というものだけでとにかく対策ができるんじゃないか。こういうことで、今お話してはございますけれども、そういった法制度を根本的に見直すのではなくて、現行の法制度を一〇〇%や一二〇%に活用してやっていただきたい、こういうようなことを考えておるところでございます。
#110
○篠崎年子君 終わります。
#111
○山下栄一君 まず最初に、国の防災基本計画につきましてお伺いしたいと思います。
 大臣にお伺いしたいと思うわけでございますけれども、防災基本計画というのが昨年秋ぐらいから国土庁の方で見直し作業が始まっておるというふうに聞いておるわけでございます。前回の基本計画の作成からもう二十年以上たっておるということで、非常に意外な感じを受けるわけでございます。国土庁発足二十周年というふうにお聞きしておりますが、国土庁にとりましてもこの見直し作業、大変重要な事業の一つではないかと思うんでございますが、この防災基本計画見直し作業への取り組みにつきまして大臣のお考え、御所見をお伺いしたいと思います。
#112
○国務大臣(左藤恵君) 先ほど来いろいろな御指摘もありましたが、特に一般的な災害ということから考えますと、近年は都市化が進んでくる、それから情報化、高齢化社会、また国際化が進むというようなことで、社会現象が非常に大きく変わっておりますので、災害もそれに対応、変化してくるんじゃないかということが確かにあるわけであります。それに対応するための防災基本計画というものをもう一回見直して検討する必要があるんじゃないかということで、既に我々としては、社会経済情勢の変化とか、また昨年、大変大規模な災害があったというふうなこともございますので、その改定をしなければならないということで内部の検討を始めたところでございます。
 きょう閣議に御報告を申し上げました防災白書、これにもそういったことで、そういうはっきりした書き方はしておらない、現在検討を始めたところでございますが、これからとっていくべき対策というふうな中にそういった意味のことを記述してございます。我々そういった考え方で進めさせていただきたい、こう思っております。
#113
○山下栄一君 今も少し大臣触れられたわけでございますけれども、この見直しに当たっての観点、それから作業スケジュールにつきましてお伺いしたいと思います。
#114
○政府委員(村瀬興一君) 現在までのところ、人口、諸機能の集中に伴う都市型災害への対応、それから先ほど御議論がございました観測予測技術及び情報通信技術の進歩への対応、それから企業防災、防災ボランティアの活用、それから高齢者、在日外国人等の災害弱者の増加に対応した防災体制の確立、大規模災害後の地域復興対策等の、近年の社会経済情勢の変化に対応いたしました課題について計画の見直しに反映させるべく検討を開始しているところでございます。
 スケジュールにつきましては、本年度中に有識者の意見を承った上で改定のポイントを整理し、来年度には私どもで原案を整理し、関係省庁とも協議の上、中央防災会議で決定をいたしたいというふうに考えておるところでございます。
#115
○山下栄一君 来年度中に完成と、こういうことでございますね。
 その作業に当たりましての取り組みの体制なんですけれども、これは防災基本計画でございますので国家にとりましても、特に日本の場合、いろんな種類の災害が起こる可能性を秘めたそういう国であるわけでございます。体制としましては、国土庁庁内の内部作業という観点がぬぐえないのではないかと思いますので、さらにもう少し強化して、大臣諮問の審議会などを設置しまして本格的な検討を行うべきではないか、こういうふうに思うわけでございますけれども、この点いかがでしょうか。
#116
○政府委員(村瀬興一君) おっしゃるように、防災基本計画の見直しに当たりましては有識者の意見を踏まえて行う必要があるというふうに考えております。その場合に、中央防災会議に専門委員会を設けまして検討しているという例が従来もございます。今回につきましても、そういった格好で中央防災会議に専門委員会を設置いたしまして議論をしていただこうというふうに考えておるところでございます。
#117
○山下栄一君 この見直し作業のサイクルなんですけれども、前回がこれ二十年以上前ということで、こういうことでいいのかなというふうに思うわけでございます。定期的な見直しということを具体的に考えていくべきではないかと思いますが、この点いかがでしょうか。
#118
○政府委員(村瀬興一君) おっしゃるように、社会経済情勢の変化に伴って適切な時期に改定する必要があるというふうに考えております。おっしゃるように今回ちょっと間があいておりますけれども、今回改定いたしました後も、適切な社会経済情勢の変化を判断いたしまして検討してまいりたいというふうに考えております。
#119
○山下栄一君 二十年以上ほっておいたということであるわけでございますけれども、国全体の防災基本計画がやはり各地方の防災計画作成に当たっても大きな影響を与えると思いますし、また、この国の姿勢そのものが地方の計画に対する取り組みに影響を与えると思います。各地方レベルにおきましても、災害が比較的頻度の高いところとそうでないところといろいろあるでしょうけれども、やはり各地方の防災計画そのものも見直しをされないままにほっておかれておるということも聞いております。そういう意味で、定期的な見直しということも基本的な国土庁のお取り組みとしてぜひお考え願いたいと思うわけでございます。
 最後に、日本の防災技術、日本は防災先進国と言われておりますけれども、非常に高いものがあるわけでございまして、防災の観点からの国際協力が大事でございます。つい最近も我が国で国際防災の十年世界会議というものが開催されたのでございますが、国土庁もその中心となって取り組まれたと思うのでございます。ちょうど今国際防災の十年の折り返し地点でございます。十年たった後どうなるのかということが心配になりまして、十年経過後も引き続いてやはり防災面の国際協力を考えていくべきである、このように思うわけでございます。
 そのためにも今、国際防災の十年の推進室ですか、庁内にあると思うわけでございますが、臨時の体制というんじゃなくて、防災に関する国際協力の常設の組織を設置してはどうか。ここで積極的な取り組みを行いまして、日本の国際貢献の面でも防災の観点から技術を発揮していくべきである、リーダーシップをとっていくべきである、このように考えるわけでございますけれども、この常設の組織という考え方につきまして、ここは特に大臣の御所見をお伺いしたいと思うわけでございます。
#120
○国務大臣(左藤恵君) 今お話しのように、ちょうどことし横浜でこの会議をいたしまして、そして十年の世界会議というふうな意味におきまして、それの主要提案国として、我が国は防災分野の先進国としても今まで国連の活動に積極的に支援をしてまいりました。
 これからあと半分の五年、十年の後半といいますか、これにつきましても世界会議の開催国としても、会議の成果を踏まえてさらに貢献していかなければならないという決意でおるわけであります。
 今御指摘のように、常設の組織を設置するのがいいのかどうかということについてはなお検討させていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても国際防災協力の重要性というものから見て、これを実現する一つの方法としてどの方法がいいか検討させていただきたい、このように考えております。
#121
○山下栄一君 どうか積極的な取り組みをぜひお考え、またお願いを申し上げたい、このように思います。
 以上です。
#122
○林紀子君 私も雲仙・普賢岳の問題から質問させていただきたいと思います。
 既に三年が過ぎましたが、被害は水無川から中尾川、そして有明町の湯江川へと広がっています。梅雨に入りまして土石流も大変心配です。島原、深江の約八百世帯、三千人以上の住民が一千日以上もプレハブの仮設住宅で不自由な生活を強いられております。
 先ほどから、長官は災害対策基本法にのっとっての対策ということをおっしゃっているわけですけれども、地元の住民の皆さんや日本弁護士連合会などが強く求めているように、災害対策基本法をもとにした現行法の体系では既に限界に来ていると思うわけです。どうしても特別な立法措置が必要だということを私はこの委員会では何度も主張してまいりました。新政権になりまして、当時の上原長官は、質問に対しましてこうお答えになりました。防災局で今勉強というか検討を進めている、いろいろ検討は引き続きさせていただきたい。
 そこで、この間防災局ではどのような検討をしてきたのか、そして検討した結果、今後どうするのかお聞かせいただきたいと思います。
#123
○政府委員(村瀬興一君) 今、先生おっしゃいましたような災害の場合の個人の補償というようなことでございますけれども、政府といたしましては、自然災害によって個人の私有財産や事業に損矢が生じた場合に補償という考え方はとることはできないというふうに考えておるところでございます。ただ、そうかといって一方で個人の生活や生業の再建を軌道に乗せるための支援ということは重安でございまして、そういう観点に基づきまし、雲仙につきましても二十一分野百項目の施策を総合的に実施しておるところでございます。
 上原前長官も、今申し上げましたような、政府がそういう立場に立っておるということを申し上げておると思っておるところでございます。
#124
○林紀子君 そうしますと、検討というのは新たなところは進んでいないということになるわけでしょうか。
 それに関連するのかと思いますが、村瀬局長は、六月三日付の農業新聞、こういう記事が出ておりました。「生活補償に力点をおいたマスコミ報道は地元の人々の自助努力に水を差すことだ」、「特別立法の声が上がった当時とは違う」、局長がこういうふうに語ったと報道されているわけです。実態は、災害が長期化する中で特別立法をぜひ実現してほしいという声は地元ではますます大きくなっております。こうしたマスコミへの批判や地元住民の願いに耳をかさない態度、これに対しまして国は無責任だという声も出ているわけですが、村瀬局長はどういう意図でこういう御発言をなさったのでしょうか。
#125
○政府委員(村瀬興一君) 日本農業新聞から取材がございまして、それで、これから申し上げるようなことを申し上げたわけでございます。ちょっとお聞き取りいただきたいと思います。
 まず、先ほどもちょっと申し上げましたように、現在雲仙の地域では地域の安全を確保するために砂防事業等の防災事業が逐次進捗をしておりまして、例えば警戒区域の下流におきましては仮設の導流堤が完成をいたしております。目に見える姿になっておるところでございます。
 それから、住宅関係について言えば、公営住宅が約八百戸完成いたしておりまして、既に順次入居していただいておるところでございます。それから、船泊団地あるいは仁田団地という団地をつくっておりまして、二百区画造成をする。船泊団地につきましては既に分譲済みで、家を建て始めておられる方もいらっしゃるということでございます。当初、非常にたくさんの方々が仮設住宅に入居されておったわけでございますが、現在では二百六十戸ということになっております。これも今後ますます減っていくだろうという情勢にあるわけでございます。
 それから、地域の主要産業であります農業の再開のために約三百ヘクタールの農地等の災害復旧整備事業がことしの一月に着工されまして、これにつきましては激甚災害の指定をするということで国庫補助率の大幅なかさ上げもなされておるところでございます。
 それから、道路事業につきましても安全な通行を確保し、地域の復興の基盤となるということで考えております高規格の島原深江道路の建設を進めておりまして、一部は下部工の建設にも着手しております。これも住民の方々から見ても目に見える姿になってきておるわけでございます。
 今申し上げましたようなもろもろの施策あるいは先ほどから出ております基金による助成等も含めてございますが、総合的な施策を講じて住民の方々も前向きに自分たちの生活を再建しようという雰囲気が非常に出てきておるというふうに市長さんからも伺っております。
 そういった状況にある中で、警戒区域の設定による補償というような問題についても、先生おっしゃいますように、全然そういう議論がなくなったとは思っておりませんけれども、三年前に比べると大分状況の変化があるというふうに聞いておるところでございます。
 例えば、警戒区域の設定によって被害を受けた方々に補償があった方がいいのかない方がいいのかというふうに聞けば、それはあった方がいいと言うに決まっておると思っております。したがいまして、そういった議論も当然なくなったわけではございませんので無視するわけにはいかないと思いますが、先ほど申し上げましたように、目に見える姿で前向きに全体が動き始めておるときに、マスコミの報道が、警戒区域の補償ということがなされていない、そこが問題だということに焦点を絞った報道というのはいかがなものかという趣旨で申し上げたところでございます。
#126
○林紀子君 それがまさに焦点なので、マスコミもそのように報道をしていると私は思うわけです。
 それと関連いたしまして、先ほど来お話がありますけれども、新政権になりましてから、総理を初め対策本部の本部長である国土庁長官も関係大臣も、直接地元には出向いていただいていないわけです。ですから、ぜひとも地元に出向いていただいて実態を見ていただく。そして今のように、警戒区域の設定で自分の土地や家に立ち入れなくなったことへの損失補償、これもきちんとしてほしい。また基金事業、これはありがたいけれども、大半が資金の貸付制度であって、被災者が借金をするのを手伝うということであるから、それにも限界があるんだ、こういう地元の皆さんの声をぜひ聞いてきていただきたい。そして、特別立法、救済対策を真剣に考えていただきたいということを長官に心からお願いするわけですが、いかがでしょうか。
#127
○国務大臣(左藤恵君) 島原市、深江町には、ぜひこの国会を終わりましたら、なるべく早く訪れまして、そして実情を十分見せていただきたい、このように思っておるところでございます。
#128
○林紀子君 時間がなくなってしまったのですが、地元の広島の問題を一つお聞きしたいと思います。
 さきの十九号台風では、広島は大変な被害に遭いました。ほとんど雨らしい雨は降っていないのに、床上浸水が四百二十三棟、床下浸水千二百二十棟、被害総額四百七十六億円、こういう被害だったわけです。これは高潮対策が極めておくれているためなんです。もしこれが、もうちょっとおくれて一番の満潮時と重なったときには、広島旧市内ほぼ全域が浸水した。これは建設省の太田川工事事務所が出したシミュレーションなんです。
 一九七九年度から、建設省は高潮対策事業を進めておりますけれども、私は質問主意書を提出いたしましたが、それに対する答えというのは、「高潮対策の完了までには更に相当の年月を要する」、こういうものでした。この「相当の年月」というのはどのくらいの年月で、そしていつごろまでに完成させるつもりなのかと、うのを伺いたいと思います。
#129
○説明員(山田俊郎君) 太田川の高潮対策事業は、今先生おっしゃいましたように昭和五十四年度から、この地に被害のございましたルース台風のコース等のコースを伊勢湾台風クラスが来たらということで、全体延長二十八・三キロメートルにつき事業計画をして進めているところでございます。高潮影響の大きい河口付近から、順次上流に向かって進めているところでございますけれども、特に、今お話ございました台風十九号による浸水被害のあった区間につきましては、再度災害防止の観点から、重点的に施工しているところでございます。
 いつまでにというお話でございますけれども、この対策事業は、ほかの事業もそうでございますけれども、今後の財政事情あるいは河川改修事業全体の進捗状況、施工地区における権利関係者や関係機関との調整など、不確定な要素が多いということもございまして、高潮対策の完了までにはさらに年月を要するということでございまして、いつまでというふうにはお答えにくい状況でございます。
 しかしながら、今後とも治水事業全体の事業費の拡大に努めつつ、高潮対策を推進してまいりたいというふうに考えております。
#130
○委員長(鎌田要人君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後五時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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