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1994/02/25 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 環境特別委員会 第3号
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1994/02/25 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 環境特別委員会 第3号

#1
第129回国会 環境特別委員会 第3号
平成六年二月二十五日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十五日
    辞任         補欠選任
     真島 一男君     岡  利定君
     清水 澄子君     今井  澄君
     矢田部 理君     篠崎 年子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹村 泰子君
    理 事
                石渡 清元君
                小野 清子君
                堂本 暁子君
                河本 英典君
    委 員
                石川  弘君
                岡  利定君
                狩野  安君
                須藤良太郎君
                西田 吉宏君
                野間  赳君
                真島 一男君
                今井  澄君
                大脇 雅子君
                清水 澄子君
                篠崎 年子君
                西野 康雄君
                矢田部 理君
                粟森  喬君
                勝木 健司君
                刈田 貞子君
                横尾 和伸君
                有働 正治君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  広中和歌子君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        大西 孝夫君
       環境庁企画調整
       局長       森  仁美君
       環境庁自然保護
       局長       奥村 明雄君
       環境庁水質保全
       局長       野中 和雄君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        小林 正二君
   説明員
       厚生省生活衛生
       局水道環境部水
       道整備課長    浜田 康敬君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部環
       境整備課産業廃
       棄物対策室長   飯島  孝君
       農林水産省畜産
       局畜産経営課長  信國 卓史君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法案(第百二十八回国会内閣提出、第百二十九回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(竹村泰子君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○狩野安君 ヨーロッパなんかに旅行した方たちが、もう十年以上前ですけれども、ヨーロッパの水は有料でレストランへ行ってもワインよりも高いんだ、だからお昼でも水を飲むよりもワインを飲む、それから子供もビールを飲むんだということをよく話ししていまして、そういう話を聞いて、いやそんなものかなと。日本は水をただで飲んでいますから、それはもう当たり前という感じがしていまして、人ごとのように聞いておりました、まあ笑い話という感じでしたけれども。
 また、私のうちは井戸がありまして、最初は井戸水をおいしいものですから飲んでおりました。そして、水道はおいしくないからということで生活用水として使っておりましたけれども、だんだんたつうちに井戸水がおいしくなくなって、そして保健所の方からも飲み水に適さないということで逆転いたしまして、今度は水道の水を飲むようにし、そして井戸水は庭にまく水にするようなことになってきておりました。そしてまた、そのうちにだんだん、気がつきますと、私のうちにいつの間にかミネラルウオーターのボトルが冷蔵庫に入っていたり、それからどこのうちへ行っても水道の蛇口に浄水器がつけられていたりということで、本当に知らず知らずのうちに、私の身近な水の問題というのは変わってきているわけです。
 私はそういう意味で、うちに井戸があるものですから、地下水の汚染ということで大変心配しておりますので、そのことでちょっとお聞きしたいと思っております。
 トリクロロエチレンなどの有害物質による地下水の汚染が目に見えない中で全国的に広がっていると聞いております。飲み水として使う一般生活用の井戸水が汚染されつつありますことは、考えてみれば極めて恐ろしいことだと思います。飲み水はまず安全であること、そしておいしいことが条件ですが、ふだんだれが考えても、都会ではともかく、その条件を満たすのが井戸水だと思いますが、その井戸水が今取り返しがつかない状況になっていることは大変なことだと思います。上水道へ転換させたからそれでよいというのでは依然として地下水汚染の解決にはならないと思いますので、地下水汚染の実態と対策についてお尋ねしてまいりたいと思います。
 まず、今回の水質保全に関する本法案は公共用水域という川や湖の水のみを対象としておりますが、地下水を水源としているところもかなり多く、地下水の水質の保全は大変に重要であると思います。この点について環境庁はどのように認識をしているのか、お尋ねいたします。
#4
○政府委員(野中和雄君) お話しのように、地下水は大変重要でございまして、現在我が国の水の使用量で申しますと、全体の六分の一を占めております。また、水道水源だけについて見ますと、約四分の一が地下水に依存をしているというような状況でございます。また、災害時等緊急時の水道としても極めて重要でございますし、また各地の名水等でもごらんいただけますように、大変評価の高いものでございます。
 しかしながら、地下水は一たん汚染をされますとその影響が非常に長期にわたります。また、回復も非常に困難な場合が多いわけでございまして、やはり地下水が汚染をされる前に未然に防止して良質の水を維持するということは極めて重要な課題であるというふうに我々としても認識をしているところでございます。
 このため、環境庁といたしましては、元年に水質汚濁防止法の改正をいたしまして、地下浸透規制の措置を講ずるなどの対策について努めているところでございます。
#5
○狩野安君 次に、かねてトリクロロエチレン等の化学物質による地下水汚染が大きな社会問題となっておりますが、現在の汚染の実態をお尋ねしたいと思います。
#6
○政府委員(野中和雄君) 水質汚濁防止法第十五条に基づきまして都道府県が実施をいたしました平成四年度の全国の地下水質の概況調査結果でございますけれども、これによりますと、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンにつきましては、評価基準を超えております井戸、これは調査をしたものが四千七百六十二本、トリクロロエチレンはその中の十八本ということでございますけれども、比率で〇・四%、それからテトラクロロエチレンが〇・七%、これは三十五本ということでございます。しかし、その他の項目につきましてはおおむね評価基準以下というような状況でございます。
#7
○狩野安君 評価基準をオーバーした件数というよりも、調査された件数のうち有害物質が検出された件数と検出率というか、それはどのくらいあるのでしょうか。
#8
○政府委員(野中和雄君) これにつきましては、調査をいたしましたもの四千七百六十二本でございますけれども、このうちトリクロロエチレンにつきましては十八本の井戸から評価基準を超える値が出ております。また、テトラクロロエチレンにつきましては三十五本の井戸から評価基準を超える値が検出されておるということでございまして、その割合を計算いたしますと〇・四%と〇・七%になる、こういうことでございます。
#9
○狩野安君 化学物質による地下水汚染が進んでいると考えられるのが現状ですけれども、これらに関する規制の強化についてはどのようにお考えでしょうか。
#10
○政府委員(野中和雄君) お話しのように、化学物質による地下水の汚染が進んでおりますために、そういったことを未然に防止いたしますために、平成元年でございますけれども、水質汚濁防止法を改正いたしまして、有害物質を含む水の地下浸透の禁止、それから地下水の水質の常時監視といったような措置を講じたわけでございます。それに基づきまして、昨年の十二月には、環境基準の大幅な改正が昨年なされましたことを踏まえまして、ジクロロメタン等の十三物質を新たに有害物質に追加いたしまして、この地下水等の規制につきましても大幅な強化を図ったところでございます。したがいまして、今後はこの水質汚濁防止法の着実な施行によりまして地下水の保全に一層努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#11
○狩野安君 では、一度汚染された地下水は回復させるのに大変困難が伴うと思われますが、汚染した地下水の回復対策はどのように行うのでしょうか。また、その対策で十分なのかどうかをお聞かせいただきたいと思います。
#12
○政府委員(野中和雄君) お話しのように、一たん汚染されますと地下水の回復はなかなか困難でございます。
 まず、私どもといたしましては、地下水汚染が発見されました場合には、住民の方々に対しまして、代替の水源の利用を初めといたします飲用指導などによりまして被害の防止の措置をとることとしているわけでございます。
 それから、その汚染された地下水の浄化対策でございますけれども、大きく言いますと三つぐらいの方法が考えられます。一つは、汚染された土壌自身を除去してしまう方法、それから二番目に、汚染されました土壌から汚染物質を抜き取ります方法、それから三番目に、汚染された地下水自体をどんどんくみ上げてしまいまして汚染物質を除去するといったような方法が考えられるわけでございます。
 しかしながら、地下水の汚染源の特定ということは、地下でございますのでなかなか難しい面がございます。また、今のような対策でございますけれども、実施に多額な費用を要するということもございまして、我が国では浄化事例というのは限られたものでございまして、まだその手法が一般化しているわけではないわけでございます。
 そこで、環境庁といたしましては、一層効果的な地下水の汚染対策手法を確立しますように、現在、地下水の汚染機構の解明、どういうふうに汚染が広がっていくか、そういったような機構の解明、あるいは地下水の浄化手法といったような事柄につきましてこれまで検討を行ってきているところでございます。
 それからさらに、平成五年度からは、これらの方法につきまして一層経済的かつ効果的な浄化を行っていく必要があるということで、これまでいろいろでき上がっております技術につきまして実証試験、実際的な試験を実施いたしているところでございまして、その試験の結果に基づきまして技術マニュアルといったようなものを取りまとめまして、できれば地方自治体等に提供をしていくといったような形で各地で地下水汚染対策が進みますようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#13
○狩野安君 地下の問題で大変難しい問題だと思いますけれども、一たん地下に浸透した有害物質がどのようにして地下水を汚染するかということ、そういうものの動きをこれからもよく見きわめていっていただきたいと思いますし、また国としても強力に浄化技術の開発を進めていただきたいと思っております。
 それから、ヨーロッパやアメリカでは有害化学物質以外に硝酸性窒素による地下水汚染が問題となっておりますが、その実態についてお尋ねします。特に乳幼児に障害が多く出ていると聞いておりますが、どのような障害が生じるのかお聞かせをいただきたいと思います。
#14
○政府委員(野中和雄君) 硝酸性窒素による地下水汚染でございますけれども、ヨーロッパやアメリカの事例でございますが、例えばアメリカではコーンベルト地帯から東南部にかけましての多雨で窒素肥料の施肥量の多い地域、あるいはイギリスでございますと、中南部の雨が少なくて集約的な農業が行われている地域等におきまして高い濃度の汚染が見られるといったような報告もございます。また、これ以外にもロシア、フランス、デンマーク、ドイツ等におきましても汚染の事例が報告をされているところでございます。
 硝酸性窒素によります障害でございますけれども、これが体内に入りますと、体内で亜硝酸塩に還元をされまして、これが血液中のヘモグロビンに作用をいたしまして酸素の輸送を減少させるといったような作用をしますので、いわゆるチアノーゼ等の症状を伴いますメトヘモグロビン血症を起こすわけでございまして、場合によっては死に至ることもあるというふうに言われておるわけでございます。特に乳児につきましては、硝酸性窒素が体内で亜硝酸塩に還元されやすいわけでございますので、このメトヘモグロビン血症を起こしやすいというふうに言われているところでございます。
#15
○狩野安君 では、日本での硝酸性窒素による地下汚染はどのような状況にあるのでしょうか。そして、今後どのような対策を講じていくのかということをお聞かせいただけますでしょうか。
#16
○政府委員(野中和雄君) 日本における硝酸性窒素の地下水汚染の状況でございますけれども、先ほどヨーロッパ等の事例を申し上げましたけれども、やはり日本におきましても、近年硝酸性窒素が水道水質基準を超過する井戸の割合というのが比較的高率に推移をしております。平成五年三月の環境基準の改正に合わせまして、私どもといたしましても硝酸性窒素につきましても今後引き続き知見の集積を図っていかなければならないというふうに考えているわけでございまして、要監視項目、監視をして引き続き知見の集積を図るべき項目ということで昨年新たに設けられたものでございますけれども、この要監視項目に指定をしたわけでございます。そういう意味で、日本におきましても硝酸性窒素によります地下水汚染について一層の監視の強化に努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 対策としてはどういうことかということでございますけれども、硝酸性窒素によります地下水汚染の原因といたしましては、肥料、それから畜産排水、さらには生活排水といったようなものが考えられているわけでございまして、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、まず汚染の実態でございますとか対策手法をどうやっていくのかといったようなことの調査検討というのを急いでいるところでございまして、さらに、これら産業に関係をいたします関係省庁とも協力をいたしまして、硝酸性窒素の地下水汚染の防止対策に積極的に努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
#17
○狩野安君 では、次に農林水産省の方にお尋ねをいたします。
 硝酸性窒素汚染の原因の一つとして、今お話がありましたように、畜産からの廃棄物や肥料が問題となっております。これらについてどのような対策を講じているのでしょうか。
 また、環境と調和した農業の推進を目指していると聞いておりますが、一方では牛乳や米の自由化に傾く傾向があり、コスト削減を求められているという現状で、環境の保全と両立していくのは困難ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか、お聞きしたいと思います。
#18
○説明員(信國卓史君) 畜産経営に起因いたします環境問題は、畜産に大変マイナスなイメージを与えまして、後継者の確保難の一因となるなど畜産の発展にとって阻害要因になっておりますので、家畜のふん尿を適切に処理することは畜産の振興を図る上からもますます重要になっていると考えております。その場合、家畜ふん尿は多くの有機物を含んでおりますので、農地の地方維持の観点からも、これを堆肥化し農地へのリサイクル利用を進めていくことが重要であると考えております。
 このため、地域住民との調和を図りつつ畜産経営を存続させるためには、畜産農家の家畜ふん尿処理施設に対します負担、これをどういう形で軽減していくかということが重要でありまして、共同利用の家畜ふん尿処理施設の整備に対します助成、あるいは個人施設に対します低利の融資、リース事業、さらには低コストの家畜ふん尿の処理技術の開発といった対策を講じてまいったところでございますけれども、さらに来年度予算におきましては、新たに水質保全に係ります規制が強化されておることに対応いたしまして、より高度な家畜ふん尿処理施設の整備に対します助成、あるいは堆肥といたしましての使いやすさを向上させるための技術開発の事業、あるいは農林漁業金融公庫の貸付限度額の引き上げというようなことを実施することとして予算をお願いしているところでございます。
 以上のような補助事業、低利融資あるいはリース事業、さらにはふん尿処理技術の開発等によりまして、大変厳しい状況の中ではございますけれども、今後とも畜産環境問題の解決に努めてまいりたいと思っておるところでございます。
#19
○狩野安君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 汚染者負担の原則で、原因者がわかっている場合はその者の責任を追及できますけれども、実際には地下水の動きが複雑で、なおかつ広範囲に広がる場合には原因者の特定が難しくなってまいります。そうしますと、浄化対策に要する費用をだれが負担し、どの程度の浄化対策を講じなければならないのか、現在明確なルールがあるようには思えません。そのため、汚染状態を放置し、さらに汚染の範囲を広げてしまうということにもなりますので、ここが水質汚濁防止法の盲点だと思います。早急に適切な対応をすべきと思いますけれども、長官の御所見をお伺いしたいと思います。
#20
○政府委員(野中和雄君) 技術的なこともございますので、私の方からお答えをさせていただきますが、地下水の汚染につきましては確かにお話しのようにいろいろな問題があるわけでございますけれども、お話しのように地下のことでございまして、汚染の広がり方といったような汚染機構につきましての解明も必ずしも十分に進んでいないという状況でございます。
 それから、対策につきましても、先ほど申し上げましたようないろいろな方法というのが試行的に各地で実施をされているわけでございますけれども、これも、その地域地域におきまして実態に合わせまして試行錯誤で開発をし実施をしているといったような段階でございまして、これを全国的に利用できるものにしていくといったような作業がなおかつ必要であるというような状況でございます。
 この土壌汚染の防止対策につきましては、先生御存じのように、アメリカ等ではスーパーファンド法といったような法律もございまして、市街地の土壌汚染につきまして法的に措置をとるといったような制度もあるわけでございますけれども、これらもなおいろんな問題を抱えているというような実情でございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、この地下水汚染の問題あるいはそれに関連をいたします土壌汚染の問題というのは極めて重要な問題でございますし、また水利用の点からいいましても、先生冒頭にお話がございましたように、地下水には非常に良質な水というのが多いわけでございますから、これを今後重視して利用していくということは極めて重要なことであるわけでございまして、地下水問題あるいはその汚染の問題、利用の問題あるいは土壌汚染の問題というのは関連をいたしておりまして、私どもとしては今後の非常に重要な課題であるというふうに認識をしているわけでございます。
 ただ、現状につきましてはただいま申し上げたとおりでございますので、現在ではその汚染の実態あるいはその汚染の広がり方の解明、それから対策につきましてもいろんな技術がありますので、それらの実証試験をして、それを一般に普及できるような形に、マニュアル等にまとめていくといったようなことを一方で着実に実施をしていく。
 それからまた同時に、一方では市街地土壌の汚染対策につきましても、私どもの中に検討会を設けまして、欧米の制度等の検討あるいはそれの日本への適用の仕方といったような問題につきましても検討をし、さらにまた来年度予算におきましても一層その拡充を図っていくということにいたしているわけでございまして、そういった科学面、技術面、それから制度面といったような対策をなお総合的に推進をしていきまして、この問題に精いっぱい取り組んでいきたいというふうに考えている状況でございます。
#21
○狩野安君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 大変恥ずかしい話ですけれども、下水道もそれから側溝もまだ私のところはないわけです。ですから、生活雑排水ということも大変身近に感じておるわけでありまして、節水ということも大事ですけれども、どちらかといえば私は排水の方を節水するというような、そういう生活をしておるわけでありますので、生活排水の対策についてもこれから質問をしたいと思っております。
 近年、生活排水による水質汚濁が大きな原因となっております。発がん性物質とされるトリハロメタンの発生の原因物質も生活排水の中に含まれているとのことですが、今回の法案では生活排水対策をどのように位置づけをしているのかお尋ねをいたします。
#22
○政府委員(野中和雄君) お話しのように、今回の法案の対象といたしておりますトリハロメタンの原因物質の発生源はいろいろございますけれども、生活排水もその主要な発生源の一つでございます。
 そういう意味から、本法案におきましても生活排水対策の推進ということを重要な柱として位置づけをしているわけでございまして、具体的には水質保全計画におきまして施策の主要な柱の一つといたしまして、下水道あるいは合併処理浄化槽等の生活排水処理施設の整備をしていくといったような事業の推進を位置づけるということが一つでございます。
 また、同法の二十条で、都道府県知事が生活排水重点地域の指定あるいはその他の生活排水対策を推進しなければならないというふうに規定をいたしまして、事業あるいは地域の指定、計画の策定、普及といったような面から積極的に生活排水対策を推進していくこととしているところでございます。
#23
○狩野安君 次に、生活雑排水と水質汚濁の関係についての質問ですけれども、全国の下水道普及率が五〇%に満たない状況の中で、台所、ふろ、洗濯などからの汚水がそのまま河川に流れ込み、汚濁原因のかなりの部分を占めていると思われますが、生活雑排水が主な原因となっている河川、湖沼の汚濁状況をどう把握しているのか、また、環境庁ではこれに対してどのような施策を講じているのか、お聞きしたいと思います。
#24
○政府委員(野中和雄君) 生活排水の汚濁に対する寄与でございますけれども、公共用水域の水質状況の中で、特に湖沼等の閉鎖性水域におきまして水質の改善がおくれているわけでございます。その水質汚濁の原因を見ますと、例えば代表的な湖沼でございます霞ケ浦の例でございますけれども、生活排水の占める割合がCODでは四四%、窒素について見ますと三八%、燐につきましては四八%といったような大きな割合になっているわけでございます。
 こういう中で環境庁はどういう施策をとっているのかということでございますけれども、平成二年に水質汚濁防止法が改正をされまして、生活排水対策推進のための制度が導入をされたわけでございます。ここでは、都道府県知事が生活排水対策の重点地域というのを指定いたします。そして、重点地域に指定されました市町村は、生活排水対策推進計画というのを策定いたしまして対策の推進を図ることとされているところでございます。
 この地域計画等でございますけれども、最初に平成三年一月に群馬県の館林市あるいは甘楽町といったようなところが生活排水対策重点地域に指定をされたわけでございますけれども、その後順次指定が進行いたしまして、平成四年度までに全国で二百七十の市町村が指定をされております。そして、このうち百七十二の市町村で生活排水対策推進計画が策定をされまして、その計画に沿った対策を推進中でございます。
 この重点地域におきましては、この推進計画に基づきまして計画的、総合的な対策を推進していくわけでございまして、こういう中で下水道あるいは農業集落排水施設、合併浄化槽といったような生活排水処理施設の整備事業を位置づけているわけでございまして、これらが重点的に実施をされますように、環境庁としても関係省庁に働きかけをしているといったような状況でございます。
 また、環境庁独自のものといたしましては、推進計画を策定する際に、その策定等に対しまして補助制度を平成三年度より創設をいたしまして援助を行っているところでございます。それからまた、重点地域におきます事業といたしまして、汚濁した水路を直接浄化する事業といったようなものも環境庁の事業として実施をしているところでございまして、平成五年度では三億円の予算によりましてこれらの補助事業を実施しているといったようなところでございます。
 今後とも、この水質汚濁防止法によります生活排水対策の推進制度に基づきまして、いろいろな事業あるいは啓蒙普及といったようなことも含めまして積極的に推進をしてまいりたいというふうに考えております。
#25
○狩野安君 生活排水はどの家庭からも排出されるものでありますから、毎日暮らしの中で一人一人が気をつけていくことが大切だと思います。
 私が家庭の主婦からバッジをつけた途端に一番緊張したことは、自分がごみを出すときだれが見ているかわからないということで大変緊張いたしまして、ごみをなるべく少なく、そしてごみを集める人たちに迷惑がかからないようにということを本当に毎日毎日気をつけているわけです。そう思いながらも忙しいと、一番自分に便利なというか簡単な方法をと考えていきますと、やっぱりどうしてもごみがふえるわけです。ですから、もうジキルとハイドじゃありませんけれども、本当に自分がなるべく便利なようにしようとするとごみがふえるということで、被害者と加害者という立場で、どっちかといえば加害者の方が大きいんじゃないかということを感じております。
 ですから、私はそういう意味でも本当に教育が大変必要なんじゃないかと。それですごく身近な、本当に身の回りのだれでも、私は被害者です、被害者だけですという人はいないと思います、必ず加害者であるわけですから。これからの私たちの生活のリズムとかいうこと、そして気持ちよい生活をする上でも、本当にジキルとハイドのそういうことになりますので、そういう意味でも大変難しい教育だと思いますけれども、環境教育が本当に大事だと思います。これについてどういうふうに具体的に推進していかれるのか、長官、もしあれでしたらお聞かせをいただきたいと思います。
#26
○国務大臣(広中和歌子君) 先ほどから御意見などを伺っておりまして、生活経験というんでしょうか、それが非常に先生の場合と私の場合と近いので、大変興味を持って伺っていたわけでございます。
 井戸水などもあのおいしさがもう過去のものになっているという現実でございますが、環境教育についての御質問ですが、今御指摘のように、現在の環境問題というのはもう生活型と言われるように、私たちは被害者であると同時に加害者であるといったような認識を持つことが必要なんではないかと思います。本当に国民一人一人が人間と環境というんでしょうか、人間と自然とのかかわり、そういうものを十分に理解した上で具体的な行動に結びつけていくということが非常に大切だと思います。
 そういうわけで、環境庁としても、従来より広く国民に対する教材とか情報の提供、それから地方公共団体の事業に対する支援などを行うとともに、文部省と連携を図りつつ、教育の場においても環境教育がなされるようにお願いしているところでございます。
 指導要領などにも環境教育のことが書かれているわけでございますが、今申し上げましたように、環境教育というんでしょうか、環境に優しい行動、こういうものは国民一人一人が具体的な行動に結びつけていくことが非常に大切でございますので、政府だけではなくて、地方自治体そしてNGOの方などの御尽力も得ながら幅広に行っていかなければならないもの、そのように認識しております。
#27
○狩野安君 ありがとうございました。
 私、もう一つ国会に来てびっくりいたしましたのは、役所のいろんな書類が多いのと、それから封筒がたくさんあるわけですね。私、こういうメモ用紙は後で裏へいろんなものを書いたり落書きできますけれども、何か封筒だけはもったいないような感じがするわけです。一枚か二枚しか入っていないのに、それが各省にわたって何枚も何枚も封筒が来て、それを私は、家庭にいるときはその封筒をいろんなものに使っていたんですけれども、ここにいると余りに封筒が多過ぎて、それを使うということは絶対にないわけです。もったいないと思います。それで見ると、この封筒は再生紙なんというふうに書いてあるわけですね。でも、幾らそういうふうに書かれても、やっぱりもっと役所の方からそういうものを改善して、封筒なんかは欲しいという人だけに分けてあげた方が、必要だから封筒を下さいというときに分けてあげた方がいいんじゃないかな、私はそういうふうに思っておりますので、どうぞその辺もひとつよろしくお願いいたします。
 生活排水対策としては、こうしたソフトの対策と同時に、下水道や合併処理浄化槽などの生活排水処理施設の整備が重要であると思います。
 浄化槽には単独型と合併型とありますが、単独型の浄化槽は台所やふろなどの生活雑排水まで処理することができません。ですが、合併型の浄化槽であれば生活雑排水もあわせて処理することができますから、下水道が普及されていない地域については、整備されるまでの間、小型合併処理浄化槽を普及させることなどが水質改善には効果的だと思いますが、この合併処理浄化槽設置の推進について、環境庁はいかがお考えでしょうか。
#28
○政府委員(野中和雄君) 先ほどもお話がございましたように、今、公共用水域の水質保全を図りますために生活排水、特に約半数の家庭で未処理のまま放流をされております生活雑排水からの汚濁負荷を削減していくということが非常に重要でございます。
 それで、単独処理浄化槽でございますけれども、生活雑排水を処理するものではございませんし、それからまた、くみ取り便所のし尿をし尿処理場で処理いたしますと、汚濁物質の除去率が非常に高いわけでございますのでほとんど処理をしてしまうわけでございますけれども、これに比べますと単独処理浄化槽の性能というのは十分でないわけでございますので、比較をいたしますと、単独処理浄化槽の場合でございますと、むしろし尿のくみ取り等によりますよりも公共用水域への負荷の増大をもたらしてしまうといったような現状でございます。
 こういうようなことでございますので、お話しのように、し床とあわせまして生活雑排水を処理する合併処理浄化槽の設置につきまして、環境庁としても非常にこれは重要な施策であるというふうに考えているところでございまして、水質汚濁防止法に基づきます生活排水対策の推進におきましてもその普及啓発に努めているところでございます。
 具体的な合併処理浄化槽の設置の推進の措置といたしましては、現在、厚生省の方で合併処理浄化槽設置整備事業といったようなものによって進められているわけでございます。
 また、合併処理浄化槽の設置の義務づけにつきましては、既に建築基準法に基づきまして、特定行政庁が衛生上特に支障があると認めて規則で指定する区域におきまして五十一人以上の浄化槽を設置する場合には合併処理を義務づけているといったような法令の体系になっているわけでございます。
 したがいまして、これらの制度の活用を図りまして、合併処理浄化槽の設置を推進していくことが必要であるというふうに考えているわけでございます。
 この点につきましては、昨年来私ども、水道水の問題全般について検討をしてまいりました中央環境審議会の答申、十二月六日に出されておりますけれども、この中でも、汚濁負荷を低減するために単独処理浄化槽の新設等にかえて合併処理浄化槽の設置が行われるような施策を講じる必要がある、というふうにされているところでございまして、この答申を踏まえまして適切な対応が図られますように環境庁としても努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#29
○狩野安君 合併処理浄化槽の問題は水質保全にとって大変重要であると思いますので、環境庁長官としては政府内部でより一層力を発揮していただいて、推進に努力をお願いいたしたいと思います。
 次に、水道水源法案関係についてお尋ねします。
 昨年の夏ごろ、環境庁と厚生省が協力して一本の法律をつくるものと認識しておりましたが、当時はどのような法案を検討していたのでしょうか。また、法案は一本化すべきであると思いますが、その後どのような経緯で二本の法案となったのか、お答えください。
#30
○政府委員(野中和雄君) 法案の経緯についてのお尋ねでございますけれども、確かにこの水道水源水域の水質保全の問題につきましては、昨年の当初から環境庁、厚生省の間におきましていろいろ議論をし調整を進めてまいりましたが、お話しのように、昨年の夏ごろの段階では、有害物質対策、トリハロメタン対策あるいは農薬等の対策、さらには生活排水対策、それから上流地域におきますいろいろな開発規制の問題、こういったような広範な検討課題を抽出いたしまして、これらの課題を踏まえて新しい法律制度を仕組むことができるのかどうかといったような事柄につきまして、この通常国会を目指しまして事務的に検討をしていたわけでございます。
 しかし、その後秋になりまして、厚生省さんの方から、この問題につきましてはぜひ臨時国会に提出をしたいというようなお話がございました。環境庁といたしましては、こういった広範の問題でございますので、まだ検討も両省で十分ではございませんでしたので、中央公害対策審議会等にも諮問をする必要がありますので、通常国会ということを目指して時間をかけて検討したらどうかというような御提案をしていたわけでございますけれども、厚生省さんの方でぜひ臨時国会に提出をしたいということのような強い御希望でございました。
 そこで、私どもといたしましては、とりあえずこれらの問題につきまして昨年の九月から中央公害対策審議会に対しまして「水道利用に配慮した公共用水域等の水質保全対策のあり方について」ということで諮問をいたしまして、鋭意御審議をいただいてきたわけでございます。その答申を十二月六日にいただきましたので、その答申を踏まえまして、かつまた、国会の方では官房長官から、法案はできるだけ一本にするように努力をするというような御答弁もございましたので、一本の法案をつくるということで厚生省にも御提案をし、調整を進めたわけでございますけれども、厚生省さんの方は別の法案の方がいいんじゃないかというような御意見でございました。
 そういうことでございましたので、両省庁さらには政府部内でさらにいろいろと議論をし、調整をいたしました。結果この二つの法案、目的なり対象なり、あるいは対策の仕組みというようなことも違いがありますので、それぞれ別の法案として提案をさせていただいたというような状況でございます。
 別の法案ではございますけれども、トリハロメタン対策という点につきましては共通の目的を有するものでございますので、両法案が一体となって機能するように所要の規定を置いて一体的な運用を図るということにしているものでございます。
#31
○狩野安君 環境庁の特別措置法案と厚生省の事業促進法案との一体的な運用を図るということですが、どのように運用の一本化を図るのでしょうか。また、二つの法律が適用されるとするならば、別々に法律がつくられているため非常にわかりにくく、現場であります各都道府県は大変混乱するのではないかと思いますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
 また、知事が水質保全計画を策定する場合、厚生省法案に基づく都道府県計画または河川管理計画と一体のものとして策定することができると規定しておりますが、具体的なイメージとしてはどのようになるか、お伺いいたします。
#32
○政府委員(野中和雄君) 一体的な運用の仕方でございますけれども、この二つの法案につきましては、形式的に基本方針なり計画なりといったようなことで非常に似通った点がございますので、同じ次元で並列的に重なっているのではないかというような御指摘もありますけれども、実はそういうふうには私どもとしては考えていないわけでございます。
 私どもの環境庁の特別措置法案でございますけれども、具体的にトリハロメタン等の物質をどこまで下げていくのかというような水質目標というのを立てるわけでございまして、そしてその水質目標を達成していきますために、事業とそれから規制をそれぞれどういうふうに実施をして、その総合的な効果によってトリハロメタン等の濃度をどういうふうに下げていくかといったような計画を立てるわけでございます。
 そして、今度は実施の段階になるわけでございますけれども、そのうちの規制につきましては、私どもの特別措置法案自体によりまして規制措置というのを実施していくわけでございますけれども、事業といったような部分につきましては、それぞれの法律に基づいて実施をする。事業については私どもの法律はいわば全体的な枠組みを決めているというようなものでございます。
 そこで、厚生省の事業促進法案でございますけれども、私どもの特別措置法案との関係で言いますと、私どもの水質保全計画に位置づけられました事業のうちの事業法の一つというふうに位置づけられるわけでございまして、特別措置法案の水質保全計画に定められました事業のうち、一部の区域の事業につきまして、具体的に実施の区域でございますとか、あるいは実施の期間でございますとか、あるいは費用が幾らぐらいかかるかとか、あるいはその費用のうち水道事業者がどのくらいの費用を負担するかというような極めて具体的な計画を立てられるというようなものが事業促進法案の方であるというふうに理解をしているわけでございます。
 繰り返しになりますけれども、私どもの特別措置法案で全体の目標を定め、そしてその目標に向かってどういうふうに事業と規制を実施し、その目標を達成していくかというような大きな計画を立てまして、その事業の一部につきましてより具体的な計画を立てて事業の一層の促進を図るというのが事業促進法案というふうに位置づけていただいていいのではないかというふうに思うわけでございます。決して並列で重複をしているというようなものではないわけでございます。
 そういう運用でございますけれども、法律に則して具体的に申し上げますと、事業促進法案、これは厚生省の法案でございますけれども、この法案の基本方針というのは、私どもの特別措置法案の基本方針に調和をするように定める。これは両省よく協議をしてそういうふうに定めるというふうにいたしております。
 それからまた、先ほど申し上げました私どもの水質保全計画と、それから事業促進法案に基づきます具体的な計画ということの二つを立てていくわけでございますけれども、これは内容的に違いますので一つのものにはなりませんけれども、一体のものとして定めるようにしているということでございます。これまた後ほどちょっと申し上げます。
 それからさらには、水道事業者が措置をとってくださいというふうに要請をすることといたしておりますけれども、要請を両方の法案に基づいてするというのも煩瑣な話でございますので、片方の法案に基づいて県に要請をすれば、両方の法案がいわば発動できるように発動要件の調整を図っているということでございます。
 そこで、具体的にその両方の計画を一体として定めるというのはどういうことかというさらにお尋ねでございますけれども、この特別措置法案におきましては水質保全計画というのを立てるわけでございますけれども、その水質保全計画を立てますときに、県知事がつくりますけれども、関係方面に意見を聞いたりいろんな手続がございます。
 そこで、特別措置法案の水質保全計画の原案と、それから厚生省の法案に基づきます都道府県の原案あるいは河川管理事業計画の原案というのを一つのものとして取りまとめまして、中身は違うわけでございますけれども、一体、一つのものとしてまとめまして、そして事業実施者あるいは関係の市町村あるいは水道事業者といったような方々の意見を聞いたりといったようないろんな手続があるわけでございます。そういう手続を一本であるいは一体的に同時的に進めるというようなことにするということにいたしているわけでございます。
 こういうふうに意見聴取等の手続を進めます場合に、案を作成する者とそれから意見を述べる者の双方が、これらの二つの計画がございますけれども、これらが調和して作成をされるように配慮しやすくいたしますとともに、手続的に同一の相手に、例えば市町村とかそういうことでございますけれども、別々に同意等の手続をとるのではなくて、一度の手続で済ませてしまうということができるようにいたしまして、手続をする方々の負担の軽減を図るということにしているものでございます。
#33
○狩野安君 何かまだよくわかりにくい法律だと思いますし、また何かやっぱり混乱を招くのではないかなと私は思います。どうせ法律をつくるんだったらもっとわかりやすい法律をつくってほしかったなという感じがいたします。
 それから、この事業にかかわる費用の負担のルールというのは当事者間で決めることになるのでしょうか。その場合、協議を調えるのが非常に難しくなるのではないかと思いますけれども、どのようになっているかをお聞きしたいと思います。
 それから、場合によっては河川の上流の県や町に大きな負担がかかることもあるのではないかと思いますけれども、上流県に負担がかからないような配慮が必要ではないでしょうか。また、上下流の費用の負担問題について、環境庁はどのようにお考えになっておられますか。
#34
○政府委員(野中和雄君) この事業の負担の問題でございます。
 特別措置法案の第七条では、「水質保全計画に定められた事業は、当該事業に関する法律の規定に従い、国、地方公共団体その他の者が実施するものとする。」というふうにされているわけでございまして、水質保全計画に定められました事業は、例えば下水道の整備でございますれば下水道法、あるいはし尿処理施設の整備につきましては廃棄物の処理及び清掃に関する法律など、それぞれの事業に関する法律に従って実施をされることになっているわけでございます。
 したがいまして、これらの負担の問題につきましても、この法令に関連をいたしまして法律補助、予算補助、それぞれ補助金等の財政措置がなされているわけでございますので、それぞれの事業になされております。その措置によりまして費用負担をし、実施をしていただくというふうにいたしているわけでございます。
 その際に、確かに先生お話しのように、この法案の対象といたしておりますトリハロメタンにつきましては、かなり上流でその原因物質が発生をいたしましても途中で減衰しないで下流まで到達するということもございますので、この効果を上げますためには、指定地域といたしましてはその浄水場よりも上流の地域、したがって上流県も含めた地域を指定するという場合も出てくるのではないかというふうに考えております。
 そうなると上流県に過大の負担をかけるのではないかというような御心配、御質問がと思うわけでございますけれども、この点につきましてこの特別措置法案におきましては、地域指定自体につきましても、当然上流県の意見を聞いて指定をするということにもなっておりますし、それから具体的にこれらの事業を定めます水質保全計画の策定に当たりましては、上流県、下流県というのが協議をして一緒に計画を定めるということになっているわけでございます。それからまた、それを定めます場合には、当然市町村でありますとか水道事業者とかというような方の意見も十分聞くというふうになっているわけでございまして、上流県あるいは上流の市町村の意見が十分反映される形で地域の指定なり計画の策定を行うということになっているわけでございます。
 それからまた同時に、私どもこの法案をつくります場合に、そういう地域の負担の公平さとともに関係者の負担の公平というのが非常に重要であるというふうに考えておりまして、下流にあります水道事業者、それからそれに伴いまして事業を実施していきます上流の市町村なりあるいは規制を受けます上流にあります工場、事業場といったような関係者の負担の公平が図られることが極めて重要でありますので、その点につきましては、法律の中におきましても負担の公平を失することのないようにというような趣旨の規定も置きまして、水道事業者それから上流の地方公共団体、それから工場、事業場といったようなところの負担の公平が図られるように法律の中で特に規定をしているところでございます。
 こういうような法律上の状況でございますけれども、なお一層具体的に上流地域に負担がかからないようにすべきではないかというお話もあるわけでございまして、これらにつきましては、関係省庁の今後協力も得まして上流の地方公共団体に対する支援措置も図られますように最大限の努力をしていきたいというふうに考えております。
 なお、この上流下流の問題というのは、現在は各地域でそれぞれ具体的に解決をされておりますけれども、なお今後大きな問題になってくるというふうに考えております。その点、先生のお話のとおりだというふうに思うわけでございます。さきの中央環境審議会におきましても、この上下流の負担ルールの問題につきましていろいろ検討はなされたわけでございますけれども、結論的に申し上げますと、やはり慎重かつ多角的な検討が必要なので、今後の課題とすべきだというふうにされているところでございまして、私どももこれに従いまして今後とも一層の検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#35
○狩野安君 ありがとうございました。
 水道水源水域の水質の保全を図るためには、建設省、農林水産省、厚生省にまたがる問題でありますが、今回の特別措置法案のみならず、環境庁がリーダーシップを発揮して中央環境審議会答申に盛り込まれた各種の施策に積極的に取り組んでいくべきだと考えますが、最後に環境庁長官の決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
#36
○国務大臣(広中和歌子君) 環境庁がリーダーシップを発揮するべきであるという御提言に対しまして、心して承るところでございます。
 昨年十二月に出されました中央環境審議会答申の中には、水道水源の水質問題といたしましてトリハロメタン問題だけではなくて、有害物質による水質汚濁の防止、農薬による水質汚濁の防止、また地下水汚染の防止、カビ臭の発生防止等の問題について広範な対策が盛り込まれているところでございます。
 これらの対策は関係省庁にまたがるものも多いことでございますので、環境庁としてはこの中央環境審議会の答申を踏まえまして総合調整官庁として積極的に関係省庁と連絡をとりながら対策を図ってまいる所存でございます。
#37
○狩野安君 環境庁が力をつけていただくことを心から念願いたしまして、私の質問を終わりとしたいと思います。ありがとうございました。
#38
○野間赳君 この法律は国民生活に密着をいたしました水道水に関するものでありまして、ふだん私たち各家庭で蛇口をひねると、そのままで安くてうまい安全な水を口にすることができるのであります。そして、それを当然のこととして日常我々は生活をいたしております。ところが、近年家庭用浄水器やボトルウオーターが急激に伸び、普及をいたしてまいっております。このことは、少々高くてもよりおいしいより安全な水を国民が求めているあらわれではないかと感じております。
 一昨年十二月、水道水質基準が大幅に拡充強化をされました。そこで新しい基準も制定されたわけでありますが、実際に水道水の水質の現状、どのような状況であるか、そのことをまずお尋ねいたしたいと思います。基準をかなり超えているところもあるかのように聞き及んでおるわけであります。また、水道離れ、先ほど申し上げましたようなことで最近の消費動向についてどのように考えておられるのか、水道事業を所管される厚生省にお尋ねをいたしたいと思います。
#39
○説明員(浜田康敬君) 近年の水道水質に関する現状はどうかというお尋ねでございます。
 先生も御指摘なさいましたように、水道水の水質に関しましては近年さまざまな問題が懸念され、あるいは指摘されているところでございますが、具体的には、例えば水道水に嫌な味やにおいがあるという苦情などが大変多くなっておりまして、最近の私どもの統計では約二千万人にも上るという話でありますとか、あるいは発がん性が指摘されておりますトリハロメタンが含まれているということへの健康影響上の懸念が生じておりますことでありますとか、さらには合成洗剤の成分によります、これは水道水に泡立ちが生ずるというような問題でございますけれども、そうした問題が起こってきております。
 こうしたことから厚生省におきましては、ただいま先生のお話にありましたように、一昨年の十二月に新しい水道水質基準を策定したところでございまして、昨年、つまり平成五年の十二月からこの基準が施行になっております。
 こうした新基準に照らしまして水質の状況はどうかという点につきましては、例えばトリハロメタンに関しましては新基準で新たに五項目が追加されたわけでございますけれども、こうした新しい基準に照らすデータ、若干古うございますが平成三年度のデータで比較してみますと、トリハロメタンに関しましては四カ所が基準を超えているという状況でございますが、さらにこれを含めます六十カ所余の水道におきましてこの基準値の七割を超えている状況にございます。このトリハロメタンは年間の変動が非常に厳しゅうございますので、特に夏場などのことを考えますと、この六十数カ所につきましては基準値を超えるおそれがあるのではないかというように判断しているところでございます。
 また、先ほど申し上げました合成洗剤、具体的には陰イオン界面活性剤という基準項目でございますけれども、この基準は新基準で、旧基準に比べまして厳しくされたものでございますけれども、この厳しい基準に照らしますと、やはり平成三年度のデータでは、六事業体におきまして新しい基準値を満足していないという実態でございます。
 こうした背景もございまして、これまた先生のお話にもございましたように、最近国民が、水道利用者が水道水へのさまざまな懸念を持つようになってきているという事実がございます。その具体的なあらわれといたしまして、ボトルウォーターあるいは家庭用浄水器の利用が急速に進んでいるというようなことであろうかと思っておりまして、私ども水道行政を担当する者あるいは水道事業を運営しております市町村におきましては、こうした事態は大変残念なことでございます。したがいまして、一刻も早く水道水質への信頼の回復に努めていかなければならないというふうに考えているところでございます。
 具体的には、水道事業者におきましてさらなる努力、例えば最近普及しつつあります高度浄水処理施設というものを浄水場に導入していくなどの努力が求められているところでございますが、水道事業者側の努力のみではなかなか基準に適合した安全で良質な水道水を確保できないおそれも生じてきているところでございまして、現在当委員会で御審議いただいております環境庁の特別措置法案のほか、厚生省といたしましても今国会にいわゆる事業促進法案というものを提出し、御審議いただいているところでございまして、こうしたさまざまな施策と相まって、一刻も早く国民が安心して利用できる水道水の確保というものに努めてまいりたいと考えている次第でございます。
#40
○野間赳君 今回のこの特別措置法は特にトリハロメタン対策であります。この物質には発がん性があるということで、水道水質基準でも規制がなされております。しかし、一般的にはこの物質の実体というものはほとんど知らされておりません。水道水に発がん性の物質が混入をされておるというだけで、利用者は大変な不安に駆られることになっておる状況であります。
 そこで、発がん性があるというこのトリハロメタンの毒性は一体どのようなもので、どの程度の危険性があるものか、水質基準ではどのあたりに設定をされておるのか、ひとつわかりやすくお示しをいただきたいと思います。
#41
○説明員(浜田康敬君) トリハロメタンの毒性並びに水質基準値についてのお尋ねでございます。
 トリハロメタンに関しまして、先ほど申し上げましたように、新しい水質基準では五項目決めたと申し上げましたが、具体的には総トリハロメタン、つまりトリハロメタンには幾つかの種類がございますけれども、そのうち四つについてトータルいたしました値としての総トリハロメタン、それから個々のトリハロメタンといたしまして、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、それからブロモホルムというものが新しく基準に定められたものでございます。これらのうち、特にクロロホルムにつきましては、これまでの動物実験等によりまして発がんの結果が出ておりまして、国際的にもその点は認知されております。
 したがいまして、このクロロホルムの発がん性という問題がありますのと、それから残る先ほど申し上げました三種類のトリハロメタンにつきましては、これは一般慢性毒性という観点から定めたものでございまして、こうした観点からそれぞれの基準値は総トリハロメタンにつきまして〇・一ミリグラム・パー・リッター、以下クロロホルム〇・〇六、ブロモジクロロメタン〇・〇三、ジブロモクロロメタン〇・一、ブロモホルム〇・〇九それぞれミリグラム・パー・リッターという基準値といたしているところでございます。
#42
○野間赳君 トリハロメタンは浄水場で水道水に浄化をしていく過程で塩素処理することにより発生をするわけでありますから、この法律で直接対象となるのは原因物質でありますフミン質という有機体ということになると思います。この物質が一体どういうものかお尋ねをしたいわけであります。
 フミン質そのものは無害であるというように伺っておりますが、自然界の中においては発生をしている、有機農業からも生まれてくるというもののようであります。逆に、自然環境の中で何らかの有効な働きをしているものではないだろうか、ただ単純に規制をしてしまってよいものかどうか、そのあたりを含めてお答えをいただきたいと思います。
#43
○政府委員(野中和雄君) フミン質は、先生お話しのように、有機物が分解をする過程で生成をされます難分解性、非常に分解しにくい性質の腐植質ということでございまして、特定の化学構造を持った単一の物質というものではありませんで、むしろフミン酸、フルボ酸、ヒマトメラニン酸などの総称でございます。
 そのフミン質の発生源でございますけれども、お話しのように、植物などが土壌中で微生物分解して生成をされます自然由来のものもございます。それ以外に、人為的な発生源から排出をされるものといたしまして、下水処理水あるいはし尿処理水、生活雑排水といったような生活排水、それから工場、事業場排水、畜産排水といったようなところから出されているわけでございます。こういうように多岐にわたる発生源でございますけれども、水道原水中におきます人為的な発生源もかなりの割合を占めておりますので、事業の促進あるいは排水規制によりまして人為的な負荷の削減といったようなものも図っていく必要があるというふうに考えているわけでございます。
 このフミン酸の働きは、特に自然界で有用な働きはないというふうに私どもも承知をしているわけでございますけれども、先生お話しのように、山林、農業地帯等の自然由来の負荷の対策というようなことも重要でございます。自然地域における原因物質の挙動、消長、自然由来の発生源からの負荷の程度、あるいは原因の解明といったようなもろもろの事柄につきましてなお調査研究を推進していく必要があるというふうに考えているところでございます。
#44
○野間赳君 結局のところ、トリハロメタンは浄水場内で塩素処理に伴って副次的に発生をするわけであります。中環審でも指摘をされておりますが、浄水場での工程、薬品を工夫することによってトリハロメタンの低減策は難しいことかどうか。
 例えば私の地元には製紙工場がたくさんあるわけでありますが、あの嫌な塩素のにおいを随分長い間我々もかいできておるわけであります。その処理の段階で、昨今塩素からオゾンにかえていくことによって大変改善をされてきたというような話も、特にこれは排水の関係になるわけでありますが、聞いておるわけでございます。コストの問題等もあると思いますが、技術的にどのような対策が考えられておるのか、実際にどのような対策が講じられておるのか、厚生省にお伺いをいたしたいと思います。
#45
○説明員(浜田康敬君) 水道が行っております塩素消毒についてのお尋ねでございます。
 水道が普及してまいりました一つの大きな背景といたしまして、かつて大変猛威を振るいました水系伝染病等を防止するという観点があったわけでございます。こうした経緯もございまして、水道水が病原性の細菌あるいはウイルスにより汚染されることをきっちりと防いでおかなければならないという観点から、水道法に基づきまして、現在塩素による消毒を水道事業者等に義務づけておりまして、蛇口におきまして○・一ミリグラム・パー・リッターの塩素が残留していなければならないという厳しい規定を置いているところでございます。
 消毒の方法といたしましては、先生御指摘のような方法もほかにあるわけでございますが、塩素というものをなぜ使っているかということにつきましては、まずは消毒効果という観点で非常に効果が高く、かつ持続性があるということがございますし、そのほか、取り扱いが容易であるとか、コスト的にも安いという観点がございまして、水道の消毒剤といたしまして現在これにかわる適当なものはないというふうに判断されているところでございます。
 それ以外の消毒剤といたしまして、御指摘のオゾンでありますとか、あるいは二酸化塩素というようなものもございまして、厚生省におきましてもこれらについての消毒効果などにつきまして調査研究を行ってきておりますけれども、やはり消毒効果あるいはその持続性という観点から問題なしとしないという結論でございまして、現在のところ塩素にかえられるもの、匹敵するものではないという科学的な判断によって現在でも塩素注入ということを行っているものでございます。
 それから、トリハロメタン対策といたしまして、水道水としてどんな努力をこの塩素注入に関連しましてやっているかという点でございますけれども、トリハロメタンの生成は、原因となります有機物質と塩素が反応してできるということでございます。したがいまして、まずは有機物質をできるだけ少なくしていくという努力は水道側においても行っているところでございまして、浄水場で沈殿ろ過というシステムも持っておりますが、できるだけ塩素の注入点を後ろにずらすということによりまして原因となります有機物質を原水の段階でできるだけ除去して、それで反応しますトリハロメタンの量を防いでいこうということでありますとか、あるいはその有機物質を活性炭で吸着除去するという新しい手法の導入なども進んできております。
 さらに最近は、オゾン処理と活性炭処理を組み合わせました高度浄水処理といったような方法も一部規模の大きい水道事業体ではいろんな努力を重ねて導入をしつつございます。ただ、中間塩素処理と言っております塩素の注入点をできるだけ後ろに持っていくというような方法につきましても、原水の水質が悪化いたしますとなかなかそういう方法がとれないというような現状にあります。それから先ほど申し上げました高度浄水処理の設備を導入するというためには、水道側において相当高度な技術力が必要になってまいりますので、小規模な水道ではなかなか簡単に導入できるものではないといった問題がございまして、そうたやすくこの対策がとりにくいという現状にございます。
 しかしながら、私どもも水道事業者ともども水道側の最大限の努力を行っていく必要があるということで、今申し上げました処理の導入につきまして努力を続けているところでございまして、厚生省の施策といたしましても、特に良質で安全な水道水をつくり出すための高度浄水処理の積極的な整備促進ということで、平成六年度予算案におきましても二倍近い補助金の額を確保しているといった状況でございます。
#46
○野間赳君 きのうの厚生委員会で審議、採決の結果、水道原水水質保全事業の実施の促進に関する法律が全会一致で可決をされました。衆議院での審議の中でも議論をなされたところでありますが、私はどうして一本の法律にできなかったのか、今もって残念でならないのであります。
 先ほど狩野委員からの質疑でもそのことが述べられたわけでございますが、去年から厚生省と環境庁の対立ということで各種の報道がなされてきたところでありますが、いま一度その辺、どうして別個のものになったのかということ、また一本化に向けてどのような努力がなされたのか、環境庁からまずお尋ねをいたしたいと思います。
#47
○政府委員(野中和雄君) この法案につきましては、昨年来、私どもと厚生省さんといわば権限争い的にいろんな議論があるということが報道されましたことにつきまして、私ども大変残念に思っているところでございます。そういう中で、環境庁がこの問題につきまして消極的ではないかと言われるような一部の報道もございました点につきまして、私ども真実を伝えるものではないということで大変残念に思っているところでございます。
 今の問題にお答えするためには若干経緯に触れざるを得ないというふうに思うわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、昨年来、この水道水源水域の水質保全の問題につきましては大変重要な問題でもございますので、環境庁としても積極的にこの問題に取り組んでいきたいというふうに考えていたところでございます。
 そこで、それ以前に両省にいろんな議論はございましたけれども、昨年夏ごろの段階では、両省が相協力をして有害物質トリハロメタンあるいは農薬開発規制、いろんな問題を含めまして広範な課題につきまして新しい一つの法律ができるかどうか真剣に検討をしていこうじゃないかというようなことで検討も始まり、また両省以外の省庁にも呼びかけて一部勉強会も開くといったようなことで、この通常国会を目指して検討が進んでいたわけでございます。
 しかしながら、秋になりまして厚生省さんの方から、この問題につきましてはぜひ臨時国会に急いで提出をしたいというようなお話がございました。私どもといたしましては、水道の問題というのは広範な課題をカバーしなきゃいけないということもございまして、議論をなおしなきゃいけない問題が相当あるんじゃないか、また手続的にも、私どもでいえば中央公害対策審議会の審議を経る必要があるということから、臨時国会というのは少し無理であるので、通常国会ということにして両省で検討を十分尽くして、そして一緒に法律を提出しようじゃないかというふうに御提案を申し上げてきたわけでございますけれども、厚生省さんとしては、法案の対象範囲を事業に限ってもいいからとにかく急いで提出をしたいんだというようなお話であったわけでございます。
 そこで、私どもといたしましては、なかなかそういうことだと難しいけれども、急いで検討をすること自体は進めようということで、昨年の秋以来、中央公害対策審議会に対しまして諮問をいたしまして、そしてその対象といたしましては水道水源の問題、答申をごらんいただければわかりますように、非常に広範な問題全般にわたりまして今後どういうふうな方向で政策をとっていくのかというようなことについて諮問をし、御審議をいただいたわけでございます。この審議自体は毎週のように実は開催をいたしまして、事務的には大変忙しい思いをしながら十二月六日の答申にこぎつけたという状況でございます。
 答申が出されます少し前でございましたか、内閣官房長官も予算委員会で答弁をされまして、法案につきましてはできるだけ一本化の方向で努力をするというような方針も表明をされましたので、私どもといたしましては再度厚生省さんに、一本の法律で両省一緒にやろうではないかというふうに御提案を申し上げたところでございますけれども、厚生省さんの御都合もございましてなかなかその調整がつかなかったというような状況でございます。
 そこで、この問題は急ぐ問題でございますので、両省も含めまして政府部内でさらに鋭意調整をいたしまして、その結果、両法案は目的、対象、対策の仕組みといったようなものの違いがありますので、それではそれぞれ別々の法案として取りまとめることにしようではないかということに整理をしたわけでございまして、先ほど申し上げましたように、私どもの法案自体は、トリハロメタンにつきましては水質目標を定め、それに基づきまして事業と規制をその目標に向かって達成していくといったような計画をつくって実施をするという法律であり、また厚生省さんの方は、トリハロメタン以外の目的も含まれますけれども、トリハロメタンにつきましては事業という分野につきまして、水道事業者さんの負担を求めながら事業の促進を図るというようなものということで、別々の法案として提出をさせていただいたわけでございますけれども、関連も確かに非常に深い法案でございます。
 したがいまして、両法案の中でそれぞれ調整規定を設けまして、地方公共団体等がその実施をしていただく際に手続が煩雑にならないように、簡易な手続で進められるように法案の中で措置をいたしますと同時に、また、厚生省さんとよくお話し合いをいたしまして、この運用に当たりましては、都道府県等の部局におきまして両関係部局が十分連携をとって進めるというようなことで、その一体的な運用を図っていこうではないかということで合意をし、そういう方向で進めていこうということになっているものでございます。
 いろいろ御議論があったわけでございますけれども、私どもといたしましては、現状におきましてはそういう両法案の関係になっておりますので、これらの法案の一体的な運用を心がけてまいりたい。そして、両法案相まって、その相乗効果をもって一層の効果を上げていけるように努力をいたしたいというふうに考えているところでございます。
#48
○野間赳君 一本化について厚生省側にもお尋ねをさせていただきたいのでありますが、昨年十月十六日の朝日新聞、「厚生省は環境庁の同意が得られなくても、事業促進法案は建設、農水、自治省などとの協議を経たうえで、今国会での成立を目指す。将来的に環境庁の同意が得られれば、水源保全法案に名称を変えて、規制策を盛り込みたい考えだ。」というようなことが報道をなされたわけでありますが、その真意は一体どういうところにあったのかお伺いをいたしたいのであります。
 またその後、今それぞれに生活環境審議会、中央環境審議会の答申を受けて法案化されたわけでありますが、十二月二十日には官邸筋から法案の一本化について指示があったとも聞き及んでおります。いろいろの御努力があったわけでありますが、一体何が厚生省として問題になったのか、一本化することができなかったのか、そのことについてお尋ねをいたしたいのであります。
#49
○説明員(浜田康敬君) 今までの経緯につきましては環境庁の方からも御答弁があったわけでございますが、こうした法律が提案されるに至りましたきっかけになりましたのは、先ほど申し上げましたように、厚生省におきまして一昨年に水道水質基準の大幅な改定を行ったわけでございますが、これに満足できる安全で良質な水道水を確保していくという観点から考えました場合に、一つは水道事業者側の努力は不可欠でございますけれども、もう一つはどうしてもやはり水道原水あるいは水源の保全の対策の充実強化というのが緊急の課題であろうという認識に立ちまして、昨年の二月に厚生省に設けました有識者懇談会からの御報告をいただき、それに盛り込まれましたさまざまな政策提言を実現していくために、法制的な面で環境庁を初めといたしまして各省と精力的に議論をさせていただいてきたわけでございます。
 その結果、さまざまな法制度があります中でいろんな問題を整理していきますと、既存法制度で十分対応できる分野があるものはそちらで対応していく、それから残された課題といたしまして、水道水の水質で問題となっております水道の取水口の上流域での生活排水対策等のための事業を集中的に促進するという仕組みが必要ではないかということ、それからもう一つはトリハロメタン対策に関します規制等の措置が法制的に必要であろうというようなことから、二つの事項につきまして新たな法制度が必要であろうということが各省の間で一応合意を見てきたということでございます。したがいまして、そうした二つの課題につきまして二法案、私どもといたしましてはいわゆる事業促進法、環境庁の方で御提案になりましたのが特別措置法という姿になったわけでございます。
 一つの法案になぜできなかったかということでございますが、今申し上げましたような議論の経緯から両法案の内容を比較してみますと、厚生省提案の事業促進法案につきましては、トリハロメタンのみならず、異臭味でありますとか合成洗剤問題など、水道水で生じておりますさまざまな問題全般を対象として事業促進を図る法律であるということに対しまして、特別措置法案の方はトリハロメタンに限って対象となるというような対象の違いということのほか、いろいろな面で、つまりその対策、手段あるいは法的な性格等につきまして相違がございまして、これらを総合的に勘案いたしました結果、二つの法案とすることが適当であるという判断が政府全体としてなされたものというふうに考えております。
 なお、この両法案につきましては、先ほど環境庁の方からも御答弁がございましたように関係の深い法律でございますので、さまざまな連携規定を置くことにしたところでございますので、厚生省といたしましても、今後環境庁と密接に連絡をとりながら一体的な運用ということにつきまして十分に留意をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#50
○野間赳君 お話しのとおり、この二法案、環境庁はことしの一月十八日、厚生省は一月十四日に国会に提出をされました。百二十八国会が大幅な会期延長がなされた後の一月二十九日の会期末、まことに異例なことであると私は感じております。平成六年度の予算の編成を越年処理して、政治改革関連法案が大詰めを迎えた時期であります。実際に審議に入れる状況でないことは客観的にだれの目から見ましても明らかなところであったのでありますが、にもかかわらず前国会ぎりぎりに提出をなされたのはなぜなのか。もう少し時間をかけさえすれば今のような形でなく一本化もできたようにも思われるのでありますが、なぜこの時期に急がなければならなかったのか、環境庁並びに厚生省それぞれのお立場でお答えをいただきたい。
#51
○政府委員(野中和雄君) 法案の提出につきましては、私どもも十二月に答申を得たわけでございますので、時間をかけてさらにもっと検討してから出すという考え方もあるわけではございましょうけれども、しかし、この特別措置法案が対象といたしております水道の浄水操作に伴いまして副次的に生成する物質でありますトリハロメタンにつきましては、先ほどの先生のお話にもございましたように、発がん性のおそれのある物質であるということもございます。また、これらに関連をいたします水道水質基準が昨年の十二月に施行されたというようなこともございます。そういうようなこともございますので、国民の健康を保護するためにできるだけ早期に対策を実施していくというような観点から、厚生省とも連携をとりつつさきの臨時国会に提出をさせていただいたということでございます。
#52
○説明員(浜田康敬君) この提出時期に関しましては、先ほどの御説明でも申し上げましたが、水道水質基準の改定後施行までの間、できるだけ早く水道原水、水道水源の水質保全対策の充実が図られないと、十分その基準を満たした安全で良質な水道水を供給できなくなるおそれがあるということから、私どもいたしまして一刻も早く法制的な検討をし、法律案として取りまとめて御審議いただきたいということで、昨年の二月以来努力してきたところでございます。
 したがいまして、当初はできますれば臨時国会前の通常国会にでも提出を図りたいということで努力を続けたわけでございますが、なかなか各省庁との話が折り合わなかったということがございまして、さきの臨時国会でどうしても提出をしていきたいという努力をしてまいったわけでございます。その結果、結果といたしまして提出時期がおくれて会期末ぎりぎりになってしまったということでございまして、大変国会の先生方に御心配をかけた点私どもとしても遺憾に思っているところでございます。
 ただ、一つの法案としなかったという問題につきましては、先ほど申し上げたとおり、法制度上の理由によるものでございまして、提出時期の問題とは関係ないということでございます。
 いずれにいたしましても、両法案成立をさせていただきますれば、一体的な運用ということで十分努力してまいりたいということでございます。
#53
○野間赳君 現実に二つの法律になったわけでありますが、本来、お話しのとおり相互に深いかかわりがあるわけでありまして、基本的には水道水源の水質保全という目的でありますから一体のものとして運用されるべきだと考えております。
 そこで、この法律の基本方針はどのような手順で、またどのようなものが策定をされるのかお尋ねをいたしたいと思います。
#54
○政府委員(野中和雄君) 特別措置法案の基本方針でございますけれども、この法律に基づきます施策を、いろんな施策がございますけれども、総合的かつ計画的に推進をするということになっておりますし、また各地域によりましても施策の整合性の確保を図るという必要がありますので、推進すべき施策の全体像を総合的に取りまとめて基本方針を策定するということにいたしております。
 手続でございますけれども、トリハロメタン問題が国民の健康に関係をすることでございますし、国としての施策のあり方を明らかにする必要がありますので、国において策定をするということにいたしておりまして、具体的には内閣総理大臣の方で基本方針の案を策定いたしまして、閣議の決定により定めるということにいたしているわけでございます。
 内容でございますけれども、これはいろいろございますけれども、一つには水道の水源となります水道水源水域について、トリハロメタンに係ります水質の保全に関する基本的な考え方とか、あるいはどのような地域を指定水域なり地域として指定することになるのかといったような指定の要件といったようなものをより具体的に示すというようなこととか、あるいは水質保全計画は基本方針に基づいて策定をされますので、この水質保全目標の基本的な考え方など、水質保全計画に関する事項というようなものを定めていきたいというふうに考えております。
#55
○野間赳君 ところが、事業促進法では主務大臣が基本方針を定めることに相なっております。なぜ主務大臣としたのでありましょうか。また、特別措置法の基本方針との調和がそんなことで保たれるのでありましょうか、厚生省の考え方をお尋ねいたします。
#56
○説明員(浜田康敬君) 私どもで御提案しております事業促進法案におきましては、安全で良質な水道水の供給を確保するため、浄水場の取水口付近の上流地域において下水道、合併処理浄化槽の整備あるいは河川の浄化事業などの事業の実施の促進を図るということを内容にしているものでございまして、そうした観点から見ましても、基本方針は主たる事業を所管する省において作成することが適当であるという判断に立ったものでございます。こうした類似の、つまり事業の促進を目的とする類似の立法例を見ましても、おおむね関係の事業を所管する省が主務大臣となっているところでございます。
 それから、特別措置法案の基本方針との調和の問題でございますけれども、事業促進法案の基本方針におきましては、御案内のとおり、第三条の第三項におきまして、特別措置法の「基本方針との調和が保たれたものでなければならない。」ということが明記されておりまして、こういう規定がございますので、この基本方針の策定主体である主務大臣は、当然にこれに沿いまして特別措置法案の基本方針との調和が保たれた内容のものを策定していくということになるわけでございます。
 また、特別措置法案の基本方針につきましても、その策定に際しましては閣議決定を経るというような手続になっておりまして、こうした過程で両法案の基本方針の調和が十分図られていくものというふうに考えておりまして、私ども運用に当たりましても十分意を用いてまいりたいということでございます。
#57
○野間赳君 次に、指定水域、指定地域についてお尋ねをいたします。
 これらの指定は知事の申し出に基づき内閣総理大臣が指定をできるということになっておりますが、第四条で「水道事業者がその水質の汚濁の状況に応じた措置を講ずることにより特定水道利水障害を防止することが困難」であるという要件があります。これはまさに当事者である事業者が、自分のところの水道水は危険である、責任が持てないというのと同じことになります。指定水域、指定地域の指定がなされることによって、単に危険性があるということより、より強い意味が生じて住民の不安が極めて大きなものになるということが心配でならないのであります。このあたりはどのように考えておられるのか、何かの配慮が特にまた必要ではなかろうかと思いますが、お尋ねをいたします。
#58
○政府委員(野中和雄君) トリハロメタンにつきましては水道水質基準が定められているわけでございまして、その基準を超えるおそれがあります場合には、緊急避難的に水道事業者によりまして粉末活性炭処理等の措置がとられますほか、そのような事態が継続いたします場合には、最終的には給水停止の措置がとられるものというふうに理解をしているわけでございますけれども、本特別措置法案に基づきます制度といいますのは、こういうような事態が招来いたしますことを未然に防止をしたいということで措置をとるものでございます。
 実際的には水道水中のトリハロメタンあるいは公共用水域におけるトリハロメタン生成能を継続的に監視をいたしまして、そしてそれらの濃度が安全率を見込んだ一定の水準を超えますような場合に今の四条の適用等について検討をし、この法律の発動をしていくというような手続を定めたものでございます。
 したがいまして、水域なり地域の指定というものが直ちにそこの水道水が危険であるということを意味するものではないわけでございまして、未然防止的な意味を持つということでございますので、住民の方々の御理解を得ながら対策の推進を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
#59
○野間赳君 この法律は知事の役割が非常に大きなものであると思います。これは大変結構なことであると思っておりますが、しかし川上、川下問題等、他県との調整がまた欠くことのできないものであると思っております。広域的に大所高所から見た環境行政の指導が必要でないかとも考えておるわけでございます。具体的な規定はなされていないようでありますが、運用に当たって地方自治体とどのようにかかわっていくのか、お尋ねをいたします。
#60
○政府委員(野中和雄君) トリハロメタンの原因物質は環境中で減衰せずにそのまま下流に到達するものも多いということでございますので、私どものこの特別措置法案の指定地域といたしましては、原則として対象浄水場の取水口より上流部の集水域全域をその指定地域とするということにいたしているわけでございますので、複数県にまたがる場合もあるわけでございます。
 その際の上下流の協力と調整ということは極めて重要であるというふうに考えているところでございまして、上流県あるいは上流県域の市町村の意見を聞く等の手続を定めているところでございますけれども、考え方といたしましては、基本方針におきましてこういった計画の策定の際の考え方を明らかにいたしますとともに、国の指定あるいは水質保全計画につきましても策定に当たりまして国に協議等もございます。こういうようないろんな場面をとらえまして、上流県と下流県の負担が公平になるように、上流県に過大な負担がかからないように、国としても都道府県間の調整に十分努めてまいりたいというふうに考えております。
#61
○野間赳君 環境行政のあり方についてお尋ねをいたしたいと思います。
 いろんな経緯がありまして、昨年本委員会でも十分な審議がなされて基本法が成立をいたしました。環境元年とも言われた環境行政の新しい出発ができたわけであります。環境行政といいますと、ややもいたしますと事業を規制するだけと思われがちであるわけでありますが、本来は長期的展望に立って総合的計画的に調和のとれた事業を推進していくというものでなければならないと思っております。
 そして、環境基本法が制定をされまして初めて取り組んだのがこのたびの法案でございます。水道水源の水質保全を目的とする法律が、今回特別措置法と事業促進法というように先ほどから申し上げておりますような二つの法律に分かれて、事業は別であるという考えで進められましたことはまことに残念でならないのであります。特に事業の促進が先行をして後追い的に環境の網をかぶせるという今回の措置は、環境行政の軽視と思われます。
 環境庁は、総合調整官庁としてリーダーシップをフルに発揮して、関係する省庁と十分に連絡を取り合って理解を得、環境政策の総合的、計画的な推進になお一層努力をしていただきたいと思います。広中長官のお考え、御決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
#62
○国務大臣(広中和歌子君) トリハロメタンの発がん性が問題になる中で、国民に良質で安全な水を提供するために、環境庁といたしましては公共用水域の水質保全行政を預かる立場から、そして厚生省は水道事業をつかさどる立場から、ともかく一体となって良質な水の対策ということでやってきたわけでございます。今両省庁の関係者から御説明いたしましたように、結果的には二つになったわけでございますけれども、厚生省と環境庁が一体となって皆様方に良質な、そして安全な水を提供するということでございますから、どうぞ御安心いただきたいと思います。
 そして、なぜ前の臨時国会に出したかということでございますけれども、あのときに出しておきましたおかげで通常国会のこの冒頭におきましてこうして御審議をいただいているわけでございまして、本当にこれも結果的には大変よかったと思っている次第でございます。
 環境基本法の成立を踏まえまして、環境庁といたしましては総合調整官庁として積極的に関係省庁と連携をとりつつ、水質保全対策の総合的推進その処進めてまいりたいと思いますので、ここに御出席の各位の御理解と、そして一層のお力添えをお願いする次第でございます。
#63
○野間赳君 地球環境基金についてお尋ねをいたします。
 昨年に審議をして実現をされた制度、地球環境基金であるわけでございますが、ことしの一月の新聞報道で、地球環境基金を担当する環境事業団が、昨年十月に公表した助成案件八十一件のほかに二十件余をひそかに追加しておる、これは競馬等拠出に対する見返り助成であった、こういうことが報じられましたが、まずその事実関係についてお尋ねをいたします。
#64
○政府委員(森仁美君) 昨年発足をいたしました地球環境基金につきまして、環境事業団ではその御期待にこたえるべく努力をしてまいったわけでございますが、今回の一部の報道につきましてただいまお話しのような御心配をおかけしていることを大変心苦しく思っております。
 この状況につきまして御説明をいたしますが、昨年五月に開設された直後でございます。助成を受けて活動に入られる団体のことも考え合わせて、発足の直後でございましたが、六月二十三日から公募をいたしました。その結果、二百五十八件の助成要請がございました。
 これにつきまして、環境事業団ではその制度の趣旨を踏まえながら、民間の環境保全活動に詳しい方々によります助成専門委員会の御意見も聞きながら慎重に審査をいたしまして、助成するにふさわしい案件として百二件を選定いたしました。しかし、初年度でまだ財源的な制約もございましたものですから、助成財源が確保できているもの、これに見合うものとして八十一件、そして、残りの二十一件は財源が確保できればということで、将来の財源確保を予定して二十一件、こういう振り分けをした上で、財源がはっきりしておりました八十一件を公表いたしました。
 そしてその後、今年度の助成に充ててもらいたいという御希望で全国競馬・畜産振興会、車両競技公益資金記念財団、日本自動車工業振興会から合わせ九千万円の大口の寄託がございましたので、そこで財源が確定をしたということで、さきに決めておりました二十一件について助成決定をしようとしておったときにあのような形での報道がなされたということでございます。
 経過を考えてまいりますと、この八十一件と合わせ百二件選定をいたしました。今回は財源の上で都合がつく八十一件で、あとは財源ができたらまた公表をして決めます、こういう発表の仕方も考えられないではないわけでありますけれども、財源がまだ不確定なものについてこれを公表していくということはいかがなものだろうかという判断から、八十一件についてのみ公表をしたというのが実情でございます。この取り扱いが結果的にはわかりにくいということで御批判を受けたわけでございます。
 環境事業団に対しましては無用の誤解を招くことがないよう、また無用の混乱を生ずることがないように慎重に配慮して、特に今年度については、さきに一たん決めておりました百二件のうちの二十一件も含め、改めて助成専門委員会を開いて助成案件を決定するようにということを指導いたしまして、その指導に従い、環境事業団ではさきに今年度の第二回目の助成案件を決定した、こういう経過でございます。
#65
○野間赳君 また、二月二十二日、NHKの報道で、今年度の追加助成の対象に業界団体の活動が含まれておる、市民団体の皆さんがこれを問題視しておると報じられております。この事実関係についてもお尋ねをいたしておきたいと思います。
#66
○政府委員(森仁美君) お尋ねの件は、先ほどのお尋ねに続く一連の報道ということでございます。
 先ほど述べましたように、去る二十二日に第二次の助成決定をいたしましたが、その助成先の二十三団体の中にオゾン層保護対策産業協議会、全国牛乳容器環境協議会、ペットボトル協議会、こういう三団体が含まれておりまして、これらの三団体が業界団体であるから、これに助成をするのはいかがかと、こういう御批判の記事ではなかったかと思います。これらの三団体が助成先となっていることはそのとおりでございます。
 ただ、環境事業団では、この地球環境基金によります助成は、その助成を受けます団体の性格とか事業規模、こういったことよりも、助成先のその団体が環境保全活動として行う行動のテーマに着目をして判断をする、こういうことで、さらに、そういうテーマを民間の環境保全活動に詳しい方々にお集まりをいただいた助成専門委員会の意見も聞いて決めていく、こういう仕組みをとって判断をしてきていると聞いております。私どもとしましては、その判断に異を唱えるつもりはございません。
 また、このような基金の性格上、いろんなところからこれからもいろいろな御意見あるいは御批判というものが予想されるわけでございますが、環境事業団におきましては、それぞれこれらの批判あるいは御意見にも十分耳を傾けながら適切に対処をしていくということであろうと思っております。
#67
○野間赳君 最後に一つ。
 この制度は公平な運営に十分な配慮が必要であると考えております。御案内のとおりであると思います。ただ、団体の構成員がだれかというよりも、その活動が地球環境保全にどのように役立つかが重視されるべきものであるとも考えておりますので、今後ともひとつ大いに頑張っていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#68
○委員長(竹村泰子君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#69
○委員長(竹村泰子君) ただいまから環境特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#70
○清水澄子君 今回の水道水源の法律につきましては、午前中の質問にもありましたけれども、大変昨年来からマスコミをにぎわしていたと思います。そして、現在はこの水道水源について環境庁と厚生省の二つの法案が提出されたわけですけれども、この法案についてあるマスコミでは、最初は大きなふろしきだったけれども今は小さなハンカチほどの大きさになってしまった、そういう非常に皮肉な表現もなされております。厚生省が工場から出る有害物質や農業への規制、さらには生活排水に対する規制や事業を含めた非常に大きな総合的な法案を構想しておりましたけれども、それは環境庁の分野であるという環境庁側の対応によって、それは生活排水に対する事業だけの事業促進法になりました。そして一方、環境庁はトリハロメタンに関する規制のみを法制化したというふうに言われているわけです。
 そこでお尋ねしたいわけですけれども、初め広中長官は、事業促進だけを切り離した法案では好ましくない、そして中央環境審議会の答申を待って総合的な対策を講じたいといって中環審に諮問をされました。その中央環境審議会は水道水源である河川や湖沼、さらに地下水など幅広い対策と、そして有害物質、農薬、地下水汚染、カビ臭、カルキ臭など非常に広い十項目にわたる提言をされております。そういう飲み水の安全という立場から見まして、今回の法案がなぜ中央環境審議会の答申から出された十項目の中でトリハロメタンだけが対象になったのか、そういう点について長官にお尋ねしたいと思います。
#71
○国務大臣(広中和歌子君) 御指摘のように、中央環境審議会におきましては水道水源の水質保全問題としてトリハロメタン問題のほかに各種の対策が答申されたところでございます。このうちトリハロメタン問題につきましては、人の健康にかかわる問題であるということ、それから既存の制度では公共用水域においてトリハロメタンに着目した対策を講じることができないことという二つの理由で、事業と規制とを総合的、計画的に推進する枠組みを早急に整備すべく特別措置法案を提出させていただいたところでございます。
 トリハロメタン問題以外の有害物質や農薬等の各種対策につきましては、既存の法制度の運用強化等により実施できることも多いことから、環境庁としては関係省庁と連携をとりながら、答申の方向に沿いまして対策の総合的な推進が図られますように今後とも努めてまいりたいと思っております。
#72
○清水澄子君 いわゆるトリハロメタンの発生防止を環境庁のこの水道水源法も目的としておりますけれども、平成三年度の厚生省の検査結果を見ますと、トリハロメタンの最高値が基準値の七割を超過したという事業体は六十三ですね。そしてその関連、いわゆるそこでそういう水を飲んでいる人たちというのは約二百五十万人と伺っています。これらの地域では工場からの排水が問題なのか、それとも生活排水が問題になっているのでしょうか。水道水源の地域の実態がどうなっているのか御説明いただきたいと思います。
#73
○政府委員(野中和雄君) トリハロメタンの原因物質の発生源といたしましては、生活排水あるいは工場、事業場からの排水といったようなものがございますけれども、また同時に農地、森林等といったようないわゆる面源といったようなものがございます。
 それぞれの地域ごとの発生源の割合につきましては、その地域の人口がどの程度であるのか、あるいは工場等の立地がどの程度なされているのかといったようなことによりまして地域、水域によりまして大きく異なっているわけでございますので、一概にどういうような率になるということを申し上げることはなかなか困難な点がございます。強いて大まかに申し上げますと、先ほどの農地等の面源以外では生活系の排水がやはりかなりの割合を占めるということでございますけれども、しかしまた同時に工場等の排水濃度の高い業種がございます。特に一定の業種の工場、事業場が立地している地域などでは産業系の排水の割合がかなり高くなっているという地域もある、こういった状況でございます。
#74
○清水澄子君 その最も危険度の多い地域というのは、これは厚生省の担当になるんでしょうけれども、把握していらっしゃるんでしょう。だけどもそれは発表できないということですね。
#75
○政府委員(野中和雄君) 御質問の中にもございましたように、厚生省の調査によりまして全国の六十三の事業体でこのトリハロメタンが基準を超えているかあるいはそれに近い値を示しているというような調査はなされております。この調査結果等につきましては、私どもも厚生省からいただきますとともに、また私どもなりの調査というのも進めている段階でございますけれども、この調査結果につきましては、厚生省からいただいたものということもございまして、私どもの方からこの具体的な地域はどこというふうなことを申し上げるのは差し控えさせていただきたいというふうに存じます。
#76
○清水澄子君 先ほどお二人の方からも環境庁と厚生省のこの法案がなぜ二つかとか、一本化できないかとかいろいろ御質問がありましたので、そこは省きたいと思います。
 ただ、厚生省の法案は初め水道水源の水質保全に関するというふうなたしか名称になっていたと思うんですね。それが今度は「水道原水」となって、環境庁の法案は「水道水源」となっているんですけれども、何か間違いそうで、この水道原水というのは原っぱの原ですね、そして環境庁の方の水道水源というのは源の方なんですが、普通の人はなかなかこれは、なぜ途中で名称が変わって、この二つがどういうふうな違いがあるかというのが非常にわかりにくいと思いますけれども、その辺ちょっと説明してください。
#77
○政府委員(野中和雄君) 定義だけで申しますと、水道原水というのは公共用水域から取り入れられた水という意味でございます。それに対しまして、水道水源というふうに言っておりますのは、水道に取り入れる前の公共用水域あるいはその水というような意味でございます。
 私どもは従来から、御承知をいただいておりますように、浄水場に取り入れられる前の公共用水域の水質につきましては、水道用水あるいは農業用水、工業用水等々の利用目的を問わず、総合的に環境庁の方で所管をするといいますか、環境基準を決めたりいろんな規制措置をとるということで統一的に実施をしているというものでございまして、そういう立場に私どもは立ちまして水道水源水域の水質保全のための制度というのをつくったものでございます。
 これに対しまして、厚生省さんは浄水場以下のところを所管して従来からいろんな措置をされておりますので、そういう実態に着目をして水道原水という言葉をお使いになったものというふうに理解をいたしております。
#78
○清水澄子君 普通伺ってもなかなかわかりにくいと思いますが、それぞれの範囲がやはり違っていると思うんですね。ですから、これらは先ほど長官が環境庁と厚生省が協力をして安全で良質な水を必ず確保しますとおっしゃったんですから、それは絶対に実行していただきたいと思います。
 そこで、次に有害物質による水質汚濁防止について質問いたします。
 中環審の答申にもそこが触れられているわけですけれども、今回有害物質による水質汚濁防止については水道水質基準の新たな見直しか行われて、そしてそれに伴ってこれは環境基準と排水基準が定められたと思います。しかしながら、水質汚濁防止法の適用だけで、その規制措置だけで本当に水道水源地域の水質保全というのは十分に実効性を得られるのかどうか、そしてさらに今後この水道の水源地域に排出される化学物質や重金属類などの有害物質に対して環境庁はどのように対応していかれるおつもりか、御説明ください。
#79
○政府委員(野中和雄君) 有害物質によります公共用水域等の水質汚濁の防止につきましては、従来から水質汚濁防止法に基づきます規制措置を中心とした対策が講じられてきているわけでございます。その結果、水道水源となっております水域を含めまして有害物質に関する環境基準の達成率はほぼ一〇〇%ということでございまして、これまでの対策は十分な効果を上げているというふうに考えているわけでございます。
 昨年の十二月に施行されました新たな水道水質基準に定められました有害物質につきましても、昨年環境基準の健康項目の追加をいたしますと同時に、水質汚濁防止法に基づきます排水規制の拡充を図ったところでございまして、水道水源水域を含めまして、これらの措置によりまして公共用水域の水質の保全につきましては十分その目的が達せられるものというふうに考えているわけでございます。
 ただ、これ以外の、現在こうして規制をされております以外の有害物質につきましてでございますけれども、これにつきましても昨年の三月にいわゆる要監視項目というのを新たに設定、指定をしたところでございます。この要監視項目と申しますのは、人の健康の方に関連する物質ではございますけれども、現在の公共用水域等における検出状況などから見まして、引き続き知見の集積に努めるべきというふうに判断をされる項目として定めているものでございまして、今後監視あるいは知見の集積というようなことに努めまして、必要に応じまして水質汚濁の未然防止のための措置を講じていくということにいたしたいというふうに考えているところでございます。
 それからさらに、これ以外の物質につきましてもいろいろな予算措置等につきまして知見の集積等に努めているところでございまして、これらも引き続き進めてまいりたいというふうに考えております。
#80
○清水澄子君 それでは、やはり中環審の答申の中に農薬に関する新たな制度を提起しているわけですけれども、なぜ今回農薬に関してそれらが省かれているのか、その点ほどういう理由でしょうか。
#81
○政府委員(野中和雄君) 私ども、昨年来水道水の問題に関連をして広範な問題について検討をしてまいりました。私どもは決して小さなハンカチにするつもりはなくて、大きなふろしきを広げて全体的に検討してまいったというふうに思っているわけでございます。したがいまして、この農薬の問題につきましても、ほかのいろんな項目と並べまして中央環境審議会の答申の中に含まれているわけでございます。
 その項目といたしましては、例えば水質汚濁性農薬、水質汚濁に係ります農薬の登録保留基準の拡充といったような問題、それから水質汚濁に関します農薬の安全使用基準の策定とか、あるいは水質汚濁性農薬の指定といったようないろいろな項目があるわけでございますけれども、水田使用農薬についての個別農薬ごとの登録保留基準の設定、これは既存の農薬取締法の運用に基づきましてこの拡充をしていくことができるわけでございます。
 また、水田以外に畑農薬等につきましてもこれを拡充していく必要があるわけでございまして、設定自体は農薬取締法についてできるわけでございますけれども、水田以外ということでございますので、その設定方法等についてはなお検討を進めていく必要があるということで、近々検討会を発足させてやっていきたいというふうに考えているわけでございます。
 それ以外に農薬の安全使用基準、これも農林水産省の方で鋭意検討を進めていただいているというふうに考えておりますし、水質汚濁性農薬の指定につきましても私どもの方で鋭意検討を進めているところでございます。
 これらの措置につきましては、いずれも現在の農薬取締法にそれらの根拠となる規定があるわけでございまして、これらの農薬取締法の規定を運用することによりましてその目的が十分達せられるというふうに考えております。したがいまして、今回の法案には特に新たな農薬に関する規定を盛り込むということは避けた、こういう状況でございます。
#82
○清水澄子君 最近、除草剤のCNPの使用と胆のうがんの因果関係が問題になっていることは御承知だと思います。これについては衆議院の環境委員会でも取り上げられておりましたけれども、新潟大学医学部の山本正治教授グループの研究によりますと、新潟県の胆のうがんの死亡率は全国平均一〇〇に対して男性一三三・二、女性一四八・四となっております。こういう農薬だけじゃなくて、特にこういう公害、これを公害問題とは言わないんでしょうけれども、そういう公害問題と女性の健康への影響度というのはいつもいろいろ関係が出てくるわけですので、私はこの問題に非常に強い関心を持っているわけです。
 新潟県では信濃川、阿賀野川の河川水を原水としている水道の供給を受けている住民が、最近CNPの使用中止を求める調停申請書を知事に提出しております。この調停申請は公害紛争処理法に基づいて出されております。
 今おっしゃいましたように、既に農薬使用問題については、昭和四十五年の公害国会で公害防止の観点から農薬取締法の改正が行われたと思います。しかし、今このような仕組みがあっても、それが本当にどれだけ機能しているのか、やはりこのことが今回の中環審でも私は指摘されたのではないかと思います。
 つまり、農薬問題を環境問題として新たにここに重点を置く必要があるんじゃないかと思います。今厚生省ではこのCNPについて残留農薬安全性評価委員会の審議をやっておりますけれども、環境庁はその結論が出てから対応しますというふうにおっしゃっているわけですけれども、新潟県の住民は、やはりことしCNPの散布される田植え前に早く対策をとってほしいということを要求しておるわけです。
 私は、こういう健康に直接被害を与えるということがある程度判明した場合、この問題については厚生省のこの委員会の結論が出たならば、それはもう直ちに対策を立てるべきだと考えます。特に私は環境庁というのは、人体との因果関係というのが全部わかってからというのではとても遅いんじゃないか。ですから、私はやはり一日も早くこのCNPの対策に積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#83
○政府委員(野中和雄君) CNPにつきましては、かつて安全性が評価をされまして登録をされたものでございますけれども、お話しのように、最近新潟大学の山本教授の疫学調査結果というのが明らかになったわけでございまして、これは私どもも新しい知見というふうに認識をしているわけでございます。
 したがいまして、これをどういうふうに評価していくのかということでございますけれども、これにつきましては、この問題に関する専門家の方の集まった委員会でございます残留農薬安全性評価委員会というのが厚生省に設置をされているわけでございまして、従来こういった問題はこの委員会で専門の先生方によりまして評価をしていただくというようなことになっております。現在ここで精力的に検討が続けられておりまして、この山本先生の疫学調査結果も含めまして再評価がなされているという状況でございます。
 お話しのように、環境庁といたしましてももちろんこの問題に非常に大きな関心を持っておりますし、農薬問題につきましては、先ほども御説明を申し上げましたように、私どもは人の健康への影響を未然に防ぐという意味から積極的にいろいろな政策に取り組んでいるところでございますので、非常に重要な課題だというふうに認識をしているわけでございます。
 このCNPにつきましても、今の専門家の方々の再評価の結果がもうそう遠くない期間で明らかになるというような状況でございます。この結果が明らかになり次第、何らかの対策が必要でございますれば、速やかに適切な措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
#84
○清水澄子君 ぜひ本当によろしくお願いいたします。
 次に、厚生省にお伺いします。
 最近新聞、テレビで報道されております栃木県葛生町の産業廃棄物の安定型処分場の問題でございます。この処分場は、石灰岩を掘り出した非常に巨大な穴でありまして、ここには日量七千トンの湧水があります。下流の住民は、この処分場の水系を日常の飲料水そして農業用水として使用しております。住民側は今共有財産の森林を売って、そのお金でこの処分場を買い取って水源地として自分たちで保全したいという一種の水源地を守る住民トラストの提案をしております。しかし、この産廃の業者とか県との話し合いがつかずに、今業者の強行搬入のもとでいろいろ住民との間に激しいトラブルが起きているわけです。
 住民側は宇都宮地裁の栃木支部に操業差しとめの仮処分申請を出しておりますけれども、今この国会で水道の原水の水質保全のための法律を審議しているこういうときに、やはり私は住民の飲み水に影響の出るおそれのあるようなこういう産業廃棄物の処分場の操業問題、そういう問題とは無関係ではおれないと思うわけです。厚生省は、栃木県の当局並びにこの関係業者に対して、この仮処分の決定の出るまで、せめてその間でも操業を見合わせるような、そういう行政指導ができないのかどうか、その点いかがでしょうか。
#85
○説明員(飯島孝君) 御説明いたします。
 御指摘の葛生町の最終処分場の件ですが、栃木県はその操業の許可を昨年十二月に出しておりまして、そのときは厚生省とも十分協議の上、搬入する廃棄物の管理を徹底することあるいはモニタリングを実施すること等の生活環境保全上の条件をさまざまな事柄について付しております。したがって、この許可につきましては十分な措置が講じられており、廃棄物処理法に基づきまして適正な許可が行われたものと認識しております。
 ただ、先生御指摘のように、いまだ周辺住民の御理解が得られないということはまことに残念でございまして、憂慮すべき事態と受けとめております。実際に廃棄物の搬入が行われる場合には、先ほど申し上げました許可に当たってのいろいろな条件が遵守されなければなりません。これらに適合した処理が行われるならば、水質汚濁などの環境保全上の支障は全く生じないものと考えております。
 厚生省といたしましては、処理業者がこうした条件を確実に遵守するよう指導いたしまして、住民側の理解が得られるよう引き続き努力を払う必要があると考えておりまして、そのための具体的な方策が講じられるよう厚生省は引き続き県を指導してまいりたいと思いますが、先ほどの御質問にございました訴訟の決着がつくまで操業をストップさせるような行政指導は現在のところ考えておりません。
#86
○清水澄子君 私は大体水源地に産業廃棄物の処理場とか、それから農薬汚染を起こすようなゴルフ場をつくるとか、そういうふうな開発をやること自体にやはり問題があるんじゃないかということは、これはもう以前から指摘されていたことだと思います。特にこの廃棄物処理については、幾ら安定型といってもただゴムシートを一枚敷くというふうな状況ですし、それから各県の自治体の長はいつでも住民の健康に責任を持つというそういう立場にあって、住民からこれらのやはり要求が出るわけですけれども、この法律では自治体の権限が本当の意味では明確に発揮できないという欠点があると思います。
 そういう意味で、今厚生省は条件をきちんと守れば全く問題は生じないと言い切られましたけれども、私は今後こういう問題は全国的に起きてくるんじゃないか。私自身も今後これまでの大量に放棄された産廃場の地下水汚染とかいろいろなことが起きるんじゃないかと大変心配しておりますけれども、厚生省は、産廃の処理場の問題についてもう一度点検する、見直すという姿勢をおとりになるおつもりはございませんか。
#87
○説明員(飯島孝君) 元来、廃棄物処理施設というのは環境保全施設であると考えておりまして、きちんとした施設できちんと管理された処理をすることが重要だと考えております。きちんとした施設がなければ、例えば不法投棄等によってますます環境への影響が心配されるところでございます。
 先生御指摘の今後の規制強化等の話でございますけれども、安定型最終処分場の設置につきましては、一昨年の七月に廃棄物処理法を改正したばかりでございまして、そのときに、先ほど申し上げましたように従来届け出制であったものを知事の許可制として、かつその許可に当たりましては知事が生活環境保全上の条件をその地域の特性に応じて付することができる、こういった規制強化をしております。また、一番重要になります安定型廃棄物以外の廃棄物が混入しないような措置、これを講ずるということも新しい規制に入っているわけであります。
 厚生省では、現在、この安定型処分場に搬入する廃棄物の搬入管理のためのガイドラインの作成を進めておりまして、これも近くでき上がりまして各都道府県に通知することとしております。
 厚生省といたしましては、安定型処分場対策といたしましては、当面今申し上げました法令上の各種の規定やガイドラインを徹底することにより対応すべきと考えておりますけれども、一般的に廃棄物最終処分場に対する環境保全施設としての国民の信頼をより高めていくためにも、今後構造とか維持管理の基準の見直しについても検討を進めてまいりたいと思っております。
#88
○清水澄子君 もう時間がありません。また次にいたします。
 もう時間がなくなったわけですけれども、最後に一つ。ここでは本来、今度のこの水道水源法によって二千万人のカビ臭がなくなるというので、大変おいしい水が飲めるんじゃないかなんて大きな期待感だけ持たされた前段がありましたけれども、実際は今度の厚生省の事業促進法でも、これらは琵琶湖とか霞ケ浦、圧倒的多数の人口はそういうところからの水を飲んでいるわけですから、これらにはほとんど影響がないということですね。
 ですから、このカビ臭の原因というのは湖沼の富栄養化にあると思うわけですけれども、少なくとも環境庁はこの琵琶湖、霞ケ浦、諏訪湖などの指定湖沼については、水質保全の観点からこの地域では単独浄化槽は禁止する、そういう措置をぜひ今回は真剣に考えられたらいかがでしょうか。
 もう質問は終わりますので、そのことのお答えと、長官に最後に。これは厚生省と環境庁だけで水問題は解決できないと思います。これはもう国土庁を含め建設省、農水省、すべての省庁にわたるような、これからのやはり水循環とか水問題というのはもっと根本的に産業のあり方から考える必要がありますので、ぜひ長官はこの問題について各省庁にまたがるそういう問題を全体で協議できるようにリーダーシップを発揮していただきたい、このことを最後に一言決意を伺って終わりたいと思います。
#89
○委員長(竹村泰子君) 時間を超過しておりますので、短く答えてください。
#90
○政府委員(野中和雄君) まず、カビ臭の問題につきましては確かに湖沼等の富栄養化の防止ということが大事でございまして、さきの十二月の中央環境審議会答申におきましても、そういったことのさまざまな対策とあわせまして、単独処理槽の新設にかえて合併処理槽の設置を推進することが必要だというような御提言もいただいております。
 これらにつきましては、関係省庁もあることでございますので各省と協力をし、合併処理浄化槽の設置が推進をされますように環境庁としても働きかけてまいりたいというふうに存じております。
#91
○国務大臣(広中和歌子君) 御提言に沿いまして一層の努力をさせていただきたいと思います。
#92
○横尾和伸君 公明党の横尾和伸でございます。
 このたびは水道水源の水質問題に焦点が当てられて、水道水源特別措置法案が環境庁から今回出ているわけですけれども、厚生省からは水道原水水質保全事業促進法、これは略称なんですけれどもなかなか長い、略してもまだ長いという法律でございまして、提出されました。名前が長いことについては不満ですけれども、中身については大変喜ばしいことだと思っております。
 なぜうれしいかといいますと、約百年の日本の水道の歴史、近代水道ですけれども、この中でずっと水道水源の水質問題というのは水道業界という一業界の製品に対する原料、原料がいいか悪いかというような位置づけでこれまで来ました。
 最近といいますか、昭和に入ってからですと昭和二十年代、三十年代に水道水源の保全のための法律づくり、活発な動きがあったものの成立はしなかった、実現はしなかった。そんな中で、昭和五十二年六月に水道法が改正されましたけれども、やはりそこでも水道水源の保全について、これは一業界の問題ではないということで提案されようとしたんですけれども、これも実は関係各省との合意ができずに、項目だけ今残っております水道法の四十三条に水源の汚濁防止のための要請を水道事業者が関係省庁あるいは知事に対して行うことができると。要請ができるというだけで、行ったからどうなるということがないものですから、要請ができるという規定だけができてそれで現在に至っておりますけれども、昭和五十二年以来一度もそれが発動されたことがない、こういうものでございます。精神だけはあるけれども、中身は伴っていないということから発動されなかったという面が強いのではないかと思います。
 そういう観点から、一業界の限られた製品の原料であるという位置づけであったんですが、近年に至って特に普及率が九五%という国民皆水道時代、水道があって当たり前という時代になって、当たり前という裏には代替の手段を持たない。水道がだめになったら、じゃ昔使っていた井戸をというその手段さえもなくしてしまっている。例外として少しはあります。それはボトルウオーターを買うとか、あるいは家庭用の浄水器を買って、飲用のみですけれどもそれでしのぐというのがありますけれども、これは極めて特殊で、しかも少量であります。そういう意味で代替の手段を持たなくなってきた。
 また、水源水質が悪化、あるいは悪化というよりも最近の昭和四十年代、五十年代の悪化が改善されない状態が続くという中で水道事業者としての努力が行われ、しかしながら技術的な対応にも限界がある、限界が見えてきたという中で今回の問題が起こってきたんだろうと思います。
 また、さらにそれにつけ加えて、国民の生活の質の向上、生活者重視という観点が与党のみならず与野党そろってその視点を重視するという傾向、また社会的にもそういった傾向が強められている。こんなことから、一業界の原料であったのに対してこれから国民のための、国民みんなの問題としてとらえるべき法的な根拠が与えられるということで、私はそういう意味で、昨年成立した環境基本法がまたさらにその土台になりますけれども、大変意義深いものであろうと思います。
 そういう点では大変結構なんですけれども、もう一つそれと裏腹の問題として、これは二つの法案で共通していることは水道事業者の責務が出てきた。これはそれぞれ水系指定の内容が違いますけれども、特別な地域を指定する要件として、厚生省案でも水道事業者が要請をする、それから今回のこの環境庁案についても都道府県知事が内閣総理大臣に対して申し出をするわけですけれども、その申し出の根拠になるのが地元での水道事業者の要請ということで、要請から実質的に始まる。
 ということは、言いかえれば今まで水道事業者は前の水道法、先ほど冒頭に申し上げました水道法だけですと要請をするだけで、後は手段がないので先が見えているのでそれを発動しないということもあったわけですけれども、今回この二法案が成立しますと、要請をしないことは悪につながるということが明確になります。そういう意味で、ここは環境庁の場ですけれども、厚生省の水道担当の方も来ていただいておりますのでぜひここでお願いしておきたいのは、水道事業者の責務というのは、そういう意味では国民または水道の利用者ですけれども、利用者の声を正確に聞いて、それを聞きっ放しにしないで要請というところに反映させなければいけないという大変重要な役割、責務を負うことになりますので、その中での関係者の力のバランスがとれるであろうということで、私はそういう点でも大変結構なことだと思います。
 また、別な面でうれしいと思うのは、行政の対応が大変迅速であった、その点についても驚嘆と称賛に値するものと思います。一面では、マスコミの皆さん、また関係の皆さんには、待ち望んだという気持ちからいらいらしたときがあったかと思いまして、そういう意味では反対に長くかかり過ぎたという声もあろうかと思うんですけれども、ただやはり、これだけのものをこれだけの関係者が多い中でまとめ上げたということ自体、もう少し時間を置いて流れの中で見た場合には、実質一年で対応されたということはすごいことだと思っております。
 昨年二月に水道界から専門家の懇談会の意見として問題提起がされて、そのとき若干唐突さがあったとの声がありましたけれども、約半年間の成熟期間を置いて、半年後には厚生省、環境庁ともに新しい法案をつくって対応するという方針を確認されております。九月には、長官御就任直後でございますけれども、環境庁では当時の中公審、中央公害対策審議会に諮問をされて、十二月に答申という早わざというか、離れわざをやってのけたわけでございます。さらに一月には、厚生、環境両省庁からそれぞれ事業促進法、規制法という形で法案が作成されて今回の提出に至った、これもまれに見る早わざだと思います。
 私は、行政官をやっていた経験もありまして、そういう観点からすると本当に考えられないような、事業促進法については割合早く進むという面はありますけれども、特に規制法についてこんなに早くまとめられたというのは、環境庁のみならず、もちろん環境庁の御努力があったからだと思いますけれども、関係省庁の今までにない協力関係があったからだと思っております。そんなことで、環境庁、厚生省、建設省、農水省、通産省、自治省、まだいろいろあると思いますけれども、こういった関係機関や関係の皆様に心より敬意を表したい、こう思う次第でございます。
 今回の水道水源法案、長いのでとりあえずこう言っておきますけれども、これは大変新しい視点で、今までの規制とは別に、特定の有機物と塩素との反応によって初めて人体に影響のある物質ができるという観点に立った新しい分野に大きく踏み込んだ法律だと思います。そういった意味で大変評価すべきものだと思います。ただ、特別措置法とありますように、他の施策と相まって十分な効果が発揮できると。これだけでという、これそのものは今までにない、法体系の中にもない新しいものですのでいいのですけれども、やはりこの法律の前提になるところが大事であって、それが一緒になったときに初めて今回の目的が達成されるのではないかと思うわけでございます。
 この点に関して、中央環境審議会の答申で十項目にまとめております。
 項目だけちょっと読み上げますと、浄水場での対策、これは高度浄水をということだと思いますが、それから有害物質による水質汚濁の防止、農薬による水質汚濁の防止、地下水汚染の防止、カビ臭の発生防止、カルキ臭の発生防止、事故時の措置、開発行為に伴う影響の軽減、水質保全のための上下流の協力と調整、水質測定における関係者の連携の確保。これは本来お答えしていただこうと思ったんですが、時間を節約するために私の方から紹介させていただきました。
 そういった問題は、これは環境庁のみならず、関係省庁が多いんですけれども、環境庁が音頭をとって努力されるべきものと思います。ただ、その点は御信頼申し上げるしかないんですが、一点だけ申し上げたいことがございます。
 それは環境基準の当てはめについてでございます。ちょっとくどいようですけれども、環境基準、これは新しい環境基本法の中でも主要な柱として位置づけられております。
 環境基本法の十六条には、「政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。」と、こうなっておりまして、その内容は、一つは健康項目、これは全公共用水域に一律に適用されますし、それからもう一つは生活環境項目、これは類型を定めて基準値を設定し、具体的な水域に類型の基準値を適用する。それによっていわゆる類型指定、当てはめを行うということで効力を発揮するわけですけれども、これが公共用水域の水質保全の目標値になって、その目標に向かってあらゆるといいますか多数の施策が行われる。例えば水質汚濁防止法もそうですし、また下水道法の目的の一部にも、公共用水域の水質の保全ということが挙がっているわけでございます。
 時間の節約の関係で一人でしゃべっておりますけれども、もう少し御辛抱いただきたいと思います。
 そこで、水質保全の法体系というのはかなりある意味ではしっかりしていると思います。旧水質保全法が昭和四十年代の前半まで続いておりまして、それの反省として、つまり旧水質保全法は指定水系制をとって、ここが危ないよという指定の水系を決めて、そこをねらい撃ちする。しかし、それだけではどうもうまくいかないということで、環境基準を含む公害対策基本法をつくってその目標を全国に及ぶようにして、水質汚濁防止法で網をかけるということが前提になっております。
 今回のものも実はそのことが前提になって、もしそれをなくすのだったら後退なんですけれども、そういった全国の網を土台がしっかりしたところに、水質汚濁防止法、環境基本法という土台があって、その上で特定の地域に指定水域として的を絞る、そこにスポット対策といいますか、そこに焦点を当てていくというところに特色があるんだと思います。
 そういう意味では、大変今回のものはそういう位置づけの中ではすばらしいものだと思うんですが、それだけに土台となる環境基準の問題をしっかりしておかないと効果がない、あるいは薄れてしまうということがあり得るわけです。実はその土台の部分に、私は大筋においてほぼ問題はない、全く問題はないというぐらいの認識をしておりますが、一部にただちょっとしたきしみがある。
 そのきしみといいますのは、一つ例を挙げますと、水質に係る環境基準、特に当てはめ部分、生活環境項目ですけれども、全国の状況をくまなく調べたわけではないんですけれども、ちょっと目についたものだけを拾い上げてみますと、例えば阿武隈川では、これは全域ではありませんけれどもB類型が当てはめられていて、しかも過去三カ年を見ますと環境基準は達成されている。しかしながら、浄水場では異臭味問題が起きている。また、有名な淀川では、これもB類型で過去三カ年ずっと環境基準は満たされております。しかしながら、御存じのとおり、千何百万人もの異臭味被害の人たちが出ている。また、九州の遠賀川ではB類型が同じように当てはめられておりまして、これも環境基準は過去三カ年達成しております。ですから、環境基準という物差しで見ますと全く問題がないということになっておりますけれども、やはり異臭味問題が発生して六十万人もの被害人口を出している、こういう実態がございます。
 異臭味にはいろんな要素がありまして、言うまでもありませんけれども植物性プランクトンの異常増殖というのが主ですけれども、実はそれだけではなくて、有機性汚濁の進行や、またその有機性汚濁と塩素との反応によってわけのわからない未知の物質ができるということもございます。そういう中で、特に冬場でもまずいとか臭いとか下水臭とかがありまして、必ずしもプランクトンだけが問題ではない。さらに、現状では河口ぜきが多くなって、ダムとか湖ではないけれども河口ぜきで水が滞留するというような問題もございます。
 こういった問題も踏まえてお尋ねしたいんですけれども、まず生活環境項目ですけれども、環境基準の類型指定の指定状況とその達成状況を全国一本の数字で結構でございますが、お答えいただきたいと思います。
#93
○政府委員(野中和雄君) お話しのように、現在の環境基準で水道の利水を想定しております類型でございますけれども、河川で申しますとAAからEまでの六ランクの類型があるうちのAA、それからA及びBの三つの類型、それから湖沼につきましてはAAからCまでの四ランクの類型がございますけれども、そのうちのAA及びAの二つの類型が該当をするわけでございます。
 そこで、類型指定がされている水域数でございますけれども、平成四年度でございますが、河川でAAになっているのが三百十一、Aのものが千百、Bのものが五百二十七。湖沼ではAAが三十、Aが八十四という状況でございます。
 環境基準の達成状況でございますけれども、平成四年度の数字でございますけれども、河川で申しますとAAで達成をしているものが八三%、それからAにつきましては八一%、Bでは六九%。湖沼につきましてはやや低くなりまして、AAで二三%、Aで六〇%といった状況でございます。
#94
○横尾和伸君 類型によっては約二割ないし三割程度達成されていないということなんですが、類型指定はほぼ二十年前に終わっているわけです。二十年間ずっとその目標に向かって努力をしてきた。しかしながら、二〇%ないし三〇%の未達成率がある。しかも一般的傾向としてランクが下がる方が影響人口が多いということです。ただ、数字がありませんので混乱を避けるために推測はしませんけれども、実はこういう数字で二十年も経過しているけれどもなお未達成だ。やはりこれには重い責任感を持って臨まなければいけないのではないか。もちろん発表をして責任感を持っておられると思いますけれども、それを実際に関係省庁への働きかけあるいは具体的な施策の強化、そういったことに反映させるべきだと思うんですけれども、この点について環境庁いかがでしょうか。
#95
○政府委員(野中和雄君) お話しのように、私どもといたしましては、環境基準の当てはめがなされますと、その達成に向けまして水質汚濁防止法に基づきます対策、湖沼法に基づきます対策、あるいは地方公共団体におきましてもそれぞれの条例に基づきます対策とか、あるいは関係各省におきます下水道整備等々の事業といったような各般の対策を実施していただいているところでございます。
 確かに御指摘のように、一部の水域において環境基準がなお達成をされていないという状況でございます。この問題は確かに重要な問題でございまして、お話しのように、今後関係各省にもいろいろお願いをいたしながら、連携をとりながら引き続き大いに努力をしていかなければならないというふうに思っております。
#96
○横尾和伸君 そこで、今申し上げたのは、環境基準が達成されていないので達成させることに対してまたさらに努力をいただきたいということですが、もう一つ、話がちょっと前後しましたけれども、先ほどの、達成されているけれども具体的に間違いなく問題が起きているということの問題をどうとらえるかということなんです。
 土台の一部にわずかながら、しかしながら間違いなくきしみがあるというのは実はこのことでございまして、環境基本法では、環境基準は「常に適切な科学的判断が加えられ、必要な改定がなされなければならない。」という、この改定の中には見直しとか当てはめの見直しも含まれているわけですけれども、こういったことがやはり土台になる部分ですので、本来ならば同時並行で進めるべきですけれども、それはともかく、本法案成立後直ちに抜本的な見直しを行っていただきたいと思うんですけれども、大臣のお考えを。
#97
○国務大臣(広中和歌子君) 今までお話に出ましたように、生活環境項目の水質環境基準についてでございますが、昭和四十年代以降、逐次具体的な水域への当てはめが行われてきましたけれども、当てはめの行われた当時と比較いたしまして水域の利用状況等が変化している水域もございますところから、環境基準の類型指定の全国総点検、調査を行い、現在その取りまとめを行っているところでございます。そして、その取りまとめの結果を見まして水域の利用状況を勘案し、適切な類型指定を新たに行っていくということで今作業を進めているところでございます。
#98
○横尾和伸君 土台になる部分です。全体ががたがただとは思いません。一部のきしみですので、ぜひともこれを早く直していただけたらと思います。
 次に、建設省と厚生省に下水道の関係でお越しいただいているんですけれども、時間の都合がありまして項目だけ紹介をさせていただいておわびをしたいと思いますが、というのは、特に河川の中流部、上流部について下水道の普及というのが今回の水道水源法案という観点からしてもメーンになることは間違いありません。
 そういうことで、私も特に下水道の普及に関してわかりやすくしっかりした考えを持って、あるいはそれを公表していただきたいということをずっと申し上げてきて、そんな中で昨年建設省から清流ルネッサンス21という、若干私の言っている部分と違う目的も含まれておりますけれども、基本的におこたえをいただいている大変すばらしい一つの考え方であろうと思います。
 実はこの考え方について少し御説明をいただこうと思ったんですが、大変申しわけありません、項目だけで御勘弁をいただきたいと思います。
 それから河川の上流部、中流部の下水道そのものの普及が全国的に極めておくれていて、そのために河川の下流部の大都市では上流、中流の家庭雑排水の垂れ流しに近いものを活用しなきゃいけない。こういう中で建設省としてもその普及に相当な努力をされて、ちょっと名称はあれですが中小の専門官も置かれている。また、小さい市町村でも下水の普及が図れるように補助の制度を変えたり相当な努力をされていることも評価しております。さらに努力を続けていただきたいと思います。
 また厚生省では、合併浄化槽の普及についてこのところずっと倍々ゲームで予算も伸ばしておりますし、また今回も水道水源法の関連で新しい制度をつくって進められるということも聞いております。これも項目だけで御勘弁いただきたいと思います。
 関係省庁の連携をいずれにしても強めて最大の効果的な運用が図られるようにしなければなりませんけれども、関係各省の御努力をいただくように強く要請しまして、私の質問を終わらせていただきます。
    ―――――――――――――
#99
○委員長(竹村泰子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、清水澄子君、矢田部理君及び真島一男君が委員を辞任され、その補欠として今井澄君、篠崎年子君及び岡利定君が選任されました。
    ―――――――――――――
#100
○有働正治君 まず、私は具体的な問題から質問いたします。
 秩父多摩国立公園特別地域内にあります首都圏の水源、水がめであり、また地元の農業用水でもあります荒川上流の埼玉県大滝村にあります秩父湖水域に廃棄物が不法投棄されている問題があります。環境庁としてこの現状をどう把握されて、またどう対応されようとしておられるのか、簡潔にお願いいたします。
#101
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘の埼玉県の大滝村の廃棄物不法投棄の件でございますけれども、現在県において周辺にロープを張るなどほかの人が入ってこないような措置、それから注意喚起の掲示をいたしますとともに、洗濯機とか空き缶などの主な廃棄物について除去を行いまして、さらに引き続き廃棄物を廃棄した行為者の特定でありますとか投棄物の確認などの調査を行っているところでございます。
#102
○有働正治君 私、県からきょう報告をいただきました。それによると、事態を非常に過小に見られているということを率直に申し述べておきます。
 例えば、調査した結果、目視できるものはこういう廃棄物だということで、具体的な数字まで挙げて私のところに報告が来ました。しかし、私は現場を調査いたしましたけれども、極めて遺憾な調査だとはっきり申し上げておきます。例えば、タイヤは二本だというふうに書いてありますけれども、私はここに現場写真も持ってきております。十本近くあるんです。それから冷蔵庫、洗濯機、数も明白に違います。それからドラム缶も相当数あります。テレビ等もあります。それから建設廃材のトタン板、ビニール等合成樹脂の管、さらには乾電池、廃プラスチック。それから、県の報告によりますと飲料缶が二つや三つという。
 こういう調査結果を聞けば、私は噴飯物と言う以外にない。現場を斜面をおりてきちっと見て明確な調査をやったかどうか極めて疑わしい。私どもが我が党の県議団を通じて県当局から聞いたところによりますと、そういうものであります。マスコミでもこれが報じられまして、私はこの件に関しまして一部マスコミの報道は事実だというふうに現地調査してみてもはっきり言えると思います。
 それから、そういう点では多種多量のものが廃棄され、しかももうあと一メートル二メートルで湖におっこっちゃうというものも多々あるわけであります。環境破壊上も重要な問題であることは明白であります。そういう点では、私が聞いた県の報告というのは極めて事を小さく見せようという意図が、底意がありありだと。つまり客観的な事実に基づかないということであります。そういう点では、環境庁として厳格に事実を掌握して、環境庁の責務においてしかるべき積極的な対応が求められるということを痛感する次第であります。
 私もここの沿線に住んでいまして、よく地域の山に行って、秩父のここの国立公園は、私の家が小さいことから我が庭のように歩き回って、恐らく登っていない山はないであろうという、そういうところでこういう事態が一つ放置されればどういう事態になるかという一つのあらわれとして私は重視しているわけであります。
 そこで長官にお尋ねします。ここは秩父多摩国立公園特別地域にありまして、自然公園法二十四条一項でこういう汚物、廃物を放置することが禁じられている場所であります。そういう点から見ましても、一つには、不法投棄者を調査し、その責任を明確にする。それから廃棄物の撤去、それから大量の搬出されて捨てられた土砂、これが見受けられる。この土砂流出の防止等も当然考えられる必要がありますし、環境保全の手だても必要だというふうに私は考えるわけてあります。そういう点で、長官として責任ある対応を求めたいと思うわけであります。
#103
○国務大臣(広中和歌子君) 廃棄物の不法投棄でございますけれども、これが国立公園であろうとその他の地域であろうと、私は大変遺憾なことだと思っております。大変大きな問題意識を持っているわけでございます。
 お尋ねの秩父国立公園でございますけれども、これに関しましては、国立公園の風致の維持という観点から埼玉県と連携しつつ、投棄地の修景というんでしょうか、修景措置等、適切な措置が講じられるように努めているところでございます。
 また、廃棄物による環境汚染の防止につきましては、これからも厚生省と密接な連携をとりつつ、御案内のとおりこれは厚生省の所管でございますので、連携をとりつつ私どもの考え方を申し述べさせていただきたい、そして適切な措置が確保されるように努めてまいりたいと思っております。
#104
○有働正治君 そういう点で厳格な責任ある措置が貫徹されると。最後まで私見守ります。そのことを申し伝えておきます。
 私がきょう具体的な問題をお聞きしましたのは、水問題を考えた場合に、昨今、水源上流部における林地を削ってのゴルフ場建設などのリゾート乱開発、産業廃棄物処分場の建設、中流部での大規模宅造などの影響を受けまして、水道水源の水質悪化というのが懸念されているからであります。また、水道水源水域での水質汚濁は、下水道やし尿処理施設などの整備や進捗のおくれなど、近年化学物質が多用されている工場、事業所からの排出も問題にされているわけであります。こうした水道水源の状況悪化に対しまして、水道水を管理しています厚生省、河川、湖沼、公共用水域を管理している環境庁、あるいは河川管理の建設省など、各省庁一体となって総合的で実効ある対策が求められるわけであります。
 そこで、本法案作成経過とのかかわりで長官の基本姿勢について私お尋ねします。長官は、厚生、環境からの二法案の法制化作業の段階で、環境庁としての基本スタンスといたしまして総合的検討と総合的対応ということを繰り返してこられたと私は承知しています。国会の委員会での答弁でもその旨言明しておられますし、中環審に対する長官の諮問内容も、このトリハロメタン問題だけではなくて、農薬による水質汚濁防止、地下水汚染防止、それから異臭原因の抑制や生活排水による水質汚濁防止等々が含まれているわけであります。
 また、長官は十一月二十五日に、総合的検討が必要として待ったをかける内容の手紙を官房長官や建設大臣、農水大臣などに送っだということも報じられているわけであります。この点での事実確認ですけれども、間違いないんでありましょうか。
#105
○国務大臣(広中和歌子君) 水道水源の水質の保全につきましては、私はかねてから中央公害対策審議会の答申を踏まえて、立法措置も含めて総合的に対策が必要であるという考えを持っておりまして、そのことを折に触れ関係大臣を初め各方面にお話をしてきたところでございます。
 十月十九日の衆議院環境委員会において、谷津委員から水道水源の水質の保全について質問を受けた際にも、中央公害対策審議会に諮問をしており、その結果が十一月末か十二月の初めに出るので、その答申をいただいた後、法案化を含めて総合的な対策ができればいいと思っているといった趣旨の答弁をしたことがございます。
#106
○有働正治君 そこで、お尋ねします。
 今回の法案は、端的に言いまして、浄水処理に伴い副次的に生成する人の健康にとって見逃せない発がん物質でありますトリハロメタンの生成防止として対応している。その点では私どもも一定の評価をしているわけであります。しかし問題は、今も長官が御答弁されたように、長官が強調され、また私から言えば非常に大言壮語されていた、その総合的な対策という点から見ますと、ほど遠い内容になっている。そういう点では当初の決意と実態というのは乖離が甚だしい。その点での長官としての責任と今後の対応についてどう考えられるのか。
#107
○国務大臣(広中和歌子君) 御指摘のように、十二月に出された中央環境審議会答申では、水道水源の水質問題としてトリハロメタンだけではなくて、有害物質による水質汚濁の防止、農薬による水質汚濁の防止、地下水汚染の防止、カビ臭の防止等いろいろな問題が盛り込まれているわけでございます。
 今回は、トリハロメタンを中心としてこうやったわけですけれども、それ以外の問題につきましても、環境庁においてさまざまな対策を実施するほか、関係省庁においても取り組みが進められているところでございまして、今後関係省庁とも連絡をとりながら、すべてこうした問題が対応をされますように環境庁としてはリーダーシップを発揮していきたい、そのように思っているところでございます。
#108
○有働正治君 あれだけ総合的にと言いながら、対応が第一歩しか出されていない、その責任についての明確な答弁というのは私は聞かれなかったという感じがいたします。
 法案の目的、第一条では、総合的かつ計画的に水道水源水域の水質の保全を図って、国民の健康を保護するというふうにうたっているわけでありまして、総合的かつ計画的というのであれば、当然取水地点の上流部から水源地に至るまで指定水域及び指定地域を設定して、重要な水源涵養林であります森林、山林を破壊して水質汚濁の要因ともなっていますゴルフ場や廃棄物処分場などの開発あるいは農薬や排水を規制すべきというふうに私は考えるわけでありますけれども、これについて今後どう積極的に対応されるのか。
#109
○政府委員(野中和雄君) 私ども、この水源の水質保全の問題を検討いたします場合に、今お話しのような上流地域の開発行為に関する問題につきましても検討をいたしたわけでございます。
 しかしながら、現状におきまして、これらの問題につきましては、例えば森林法等によりましての相当の規制もございます。それから、廃棄物処理法等によりましても、処分場の許可制度といったような制度があるわけでございまして、これらの法律の運用を強化することによりまして十分目的が達せられるというふうに判断をしたわけでございます。したがいまして、そういったものにまで新たな法制度をつくる必要はないというふうに判断をしたわけでございます。
 ただ、これらにつきましても、今後一層の運用強化を図っていくことが必要でございまして、既に関係省庁にお願いをしているところでございまして、例えば保安林の拡大等の措置等を進めていただけるものというふうに関係省庁からも伺っているところでございます。
 今後、これらの上流地域の開発規制の問題につきましては、答申にも今申し上げたような趣旨が盛り込まれておりますので、それに沿いまして適切な措置がとれますように、関係省庁と十分連携を図ってまいりたいというふうに考えております。
#110
○有働正治君 事態の認識が、現実の実態それから住民が求めている要求から見て乖離しているとはっきり申し上げておきます。運用強化で事が済む事態に今日ない。そこに環境庁の姿勢の根本的な問題が私はあるとはっきり指摘しておきます。
 具体的な問題で私は一、二紹介します。
 大分県の野津原町に舟平安定型産廃処分場というのがあります。これは、名うての悪徳業者が森林法違反などを重ねながら、私から言えば県との癒着の中で進行しているいわくつきの廃棄物処分場です。事の重大性ということで事例を挙げるということで、これについての見解を求めるということではありませんので、安心してお聞きください。
 極めて急斜面の地形の自然涵養保安林である森林六万平米を皆伐しました。極めて土壌がもろくて、専門家からここで処分場をつくるのは不適切とかねがね指摘されていたところです。案の定、完成早々、昨年四月二十九日の大雨で大決壊し、大量の土砂、廃棄物が流出して県道、谷を埋めて通行不能にいたしまして、かつ真下の七十戸の簡易水道取水口と、大分市民と隣の町の野津原町民の水源であります川を汚染するに至りました。現に五カ月余りの間に少なくとも三回の地滑りを起こして三カ月の使用禁止命令が出されるという、いわば欠陥処分場であります。私も現場に何度も行ったところであります。
 京都大学の防災研究所の中川鮮先生の同処分場建設に関する調査結果による意見書によりますと、この地帯というのは山腹崩壊による土石流が多発した場所、水源地であり、森林機能を備えた緑地を大改造し、無理をしてまで産業廃棄物処分場を立地すべきではないと専門家が明確に指摘しているところであります。
 調査によりますと、処分場から流出している水は、ほかの周辺の水と比較して電気伝導度が三、四倍汚染されている結果を示しています。事実、昨年五月十八、十九日の測定数値では、異常値とされます四〇〇を超えて六三六を示しておりまして、およそ飲料水に使用されるべき水系の源流域のものとしては許されない数値だ、このように断じられているところであります。
 また、この処分場排水の水質検査で、カルシウムイオンと硫酸イオンが高度に検出されたことについて、水質学の権威であります大分大学の川野田実夫先生は、廃棄物中に硫酸が紛れ込み、コンクリートと化学反応を起こした結果、カルシウムイオンを発生させたと断じています。本格的な廃棄物の投棄に至れば、ほかの汚染物質流出を含めて水質汚染が顕著になって地域の大問題になることは明白であります。
 そういう点では、しかとこの処分場の問題は環境庁としても注視して対応してもらいたいということでもあるわけでありますが、私が具体的にお尋ねしたいのは、こうした産廃処分場につきましては先ほども議論ございました、全国各地で飲み水を守る住民の運動が起こっています。当然の運動であります。そこで、答申が求めています廃棄物処分場対策の具体化に当たって注目すべきというふうに私が考えますのは、一九九二年の十二月三日、仙台地方裁判所への宮城県丸森町萩野地区の産業廃棄物最終処分場に対する営業禁止の決定でありますけれども、長官、このこと自体は御承知でございましょうか。
#111
○政府委員(野中和雄君) 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 今、先生御指摘の件につきましては、本件の仮処分の決定におきまして、その最終処分場への安定型の産業廃棄物以外の廃棄物を搬入することを防止するために事業者がとるべき措置というような担保が十分ではなかったというような判断に基づいてなされたものというふうに承知をいたしております。
#112
○有働正治君 特に決定文でこのように述べています。人は、生存していくのに飲用水の確保が不可欠であり、かつ確保した水が健康を損なうようなものであれば、これも命あるいは身体の完全を害するから、人格権としての身体権の一環として、質量ともに生存、健康を損なうことのない水を確保する権利があると解されると断じています。
 また、安定型産廃最終処分場において投棄される安定五品目には廃プラスチック、金属くずなど有害物質が混然一体となって混入しており、さらに廃油、汚泥などが持ち込まれる可能性が高く、現に各地の安定型処分場付近からシアン、砒素など汚染物質が検出されている事例を決定は認めた上で、事後的に異常が判明しても汚染を除去するのは不可能に近いとして、産廃処分場の操業を禁止という決定を下したわけであります。
 そこで質問でありますけれども、こうした立場から見ますと、基本的には水源地に産廃処分場はつくるべきでない、これが住民の大きな要望でありますし、今の水に対しての大きな不安、怒り、自治体への要望等々となって、当然政府に対する強い要望ともなっているわけであります。そういう点ではこういう決定、処分があるわけでありますから、水源地に産廃処分場はつくるべきでないということを含めて厳格な指導、対処を関係省庁とも協力しながら対応すべきであると私は考えますが、これについての見解を求めます。
#113
○政府委員(野中和雄君) 産業廃棄物の最終処分場につきましては、廃棄物処理法に基づきまして県知事の許可制度ということになったわけでございます。従来、届け出制であったものが許可制度というふうな強い規制制度に変えられているわけでございます。
 また、許可に先立ちましては、構造維持管理基準というのが定められておりまして、これにきちっと適合をしていなければならない。また、その許可された最終処分場の使用に先立ちましては、事前検査できちっとチェックをするというようなことが法体系の運用としてなされているわけでございます。
 したがいまして、これらの制度の適切な運用が何よりも大事でございますけれども、直接の許可の所管は厚生省でございますが、環境庁の立場からいたしますと、こうした基準等の問題につきまして、最終処分場の信頼性の向上を図っていくということが何よりも大事であるというふうに考えているわけでございます。
 そこで、先般の私どものこの水道水源の問題に関連をいたしました検討の中では、廃棄物の最終処分場の排水規制につきまして、現在、今申し上げましたとおり構造維持管理基準で規制を図っているところでございますけれども、従来水質汚濁法に基づきます一般排出基準だけが適用されていたわけでございますけれども、これを地域の状況に応じまして、上乗せ基準といったようなものも最終処分場に適用していくというふうにしたらどうかというような御提言もございました。この点につきまして厚生省ともどもその方向で鋭意検討をいたしているところでございます。
 また、この最終処分場につきましては、安定型のものにつきまして、安定型以外のものが入ってくるといったような懸念、あるいは安定型の中にも心配なものがあるじゃないかというような点もございます。そういった点に関連をいたしまして、私どもといたしましては、最終処分場の廃棄物の受け入れ、管理の徹底等をさらに一層図りますとともに、一部ではございますけれども、安定型からより厳しい管理型に移していくといったような点についてもいろいろと検討しているという状況でございます。
#114
○有働正治君 運用や基準強化だけでは対応できない、もっと私が指摘したような方向での積極的な対応が必要だということを主張しているわけで、環境庁としての認識がまだ甘いということを率直に私は申し述べておきます。
 もう一つ事例を挙げてお尋ねします。
 熊本県八代市民十一万人の水源であります球磨川と隣村の坂本村の水源上流一キロの地点に日李製紙が森林七万五千平米を伐採して、石炭の灰など工場の全工程から出る産廃を埋め立てる百五十万立方メートル規模の産廃処分場建設について、飲み水が汚染されるおそれから、ここでも強い住民の反対運動が続けられています。会社の対応は極めて横暴であります。水質保全、環境保全上大問題であり、私は住民の合意抜きに強行されることは問題であるという立場から質問しているわけであります。
 ここでは、特に有害廃棄物として問題になっていますバークボイラー灰から検出されている鉛でありますけれども、今月一日から中環審の答申に基づいて強化された排出基準と比較しましても、坂本村当局の分析結果で鉛で七・五倍、住民の分析結果で二百四十倍、汚水で五倍となっておって、住民が飲み水の汚染を心配するのは当然であります。管理型であっても問題なしでないことは各地の事例からも明白であります。
 そこで、住民の要望といたしまして、企業に対しまして、灰の処理の仕方をれんがとかブロックとかにリサイクルする方向で研究し実現していただきたいという要望が出されています。また、県に対して水源を保全するための安全性の確保を保障していただきたいという要望であります。この点につきましても、関係省庁とも連携しながら住民の方々の不安解消の方向でできるだけ積極的に対応していただければと要望するわけでありますが、いかがでしょうか。
#115
○政府委員(野中和雄君) 具体的な地域についての御質問ではございますけれども、最終処分場につきましては、先ほど来申し上げておりますように、地元の状況を一番よく知っておられる知事さんが判断をして許可されているわけでございまして、本件熊本県の事例につきましても、県の知事さんが廃棄物処理法の規定に基づきまして地元の状況をよく御調査の上、適正に許可が行われているものと私どもは聞いているわけでございます。
 一般論といたしまして、廃棄物の最終処分につきましていろいろと住民の方々の不安があるというようなことは承知をしているわけでございまして、行政的には許可制度という非常に強い規制制度がとられておりますので、それを実施するに当たりましての適正な基準等につきまして、私どもは先ほど来から申し上げておりますように一層の強化等について検討をしているところでございまして、今後ともその方向で検討を進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
#116
○有働正治君 県知事だからすべて事態を掌握しているなんてとんでもないことであります。住民が不安なり要望、意見を出しているのは、そういうものに光が当たっていないし、不安があるということであって、すべてよしということで対応する環境庁としては極めて遺憾であります。そういう点では善処を求めます。
 時間が限られてまいりました。長官に最後にお尋ねします。
 命の水、その源を守りたいとの住民の請願や水源保護条例制定の運動が実りまして、全国の百五十を超える自治体で条例や指導要綱が実施されています。その条例や指導要綱の多くは、農薬を多量に使用するゴルフ場など、森林伐採などの開発や産廃処分場から水源の水質を守ろうとした運動と相まって制定されたものであります。
 そこで、長官にお聞きします。
 第一に、こうした運動と条例制定につきまして、長官としてどう評価なされているのか。
 第二に、住民や自治体は水道水源保全のための条例や指導要綱を支える国による新法こそ期待しているわけであります。ところが、本法案は残念ながらその期待にこたえることができていない、限られたものの法案ということで、住民の要望からは外れた、そういう感を関係者は持っておられます。住民や地方自治体の願い、期待、実態に対応して行政が行われるべきであるし、いやしくも国の行政が立ちおくれることは放置できないというふうに私は考えるわけであります。今後、政府が一体となって抜本的に水質保全のための、運用や基準強化だけでなくて、関係法令の見直しを含めて積極的にやはり対応すべきであるというふうに私は考えるわけでありますけれども、長官の決意と対応の方向をお聞かせいただければと思います。
#117
○国務大臣(広中和歌子君) 御指摘のように、地域開発の進展や地域の自然環境の保全及び良好な水環境の保全に対する意識の高まりを背景にいたしまして、近年自治体が独自に条例や要綱を制定し、水道水源の水質保全に取り組んでいる事例がふえていることは承知しております。これは各自治体が法令の範囲内において独自の判断と権限によって行うものでございますけれども、地域の実情に応じまして各自治体において水源の水質保全に積極的に取り組むことは非常に意義のあることであると考えております。
 昨年十二月にいただいた中環審の答申は、その審議においても地方公共団体の意見を聴取するなど、地方公共団体の意見を十分に反映したものとなっております。環境庁としては、この答申の趣旨を踏まえ、関係省庁とも十分に連絡調整をとりながら水道水源の水質保全に取り組んでまいりたい、そのように決意しております。
#118
○委員長(竹村泰子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#119
○委員長(竹村泰子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○委員長(竹村泰子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十二分散会
     ―――――・―――――

ソース: 国立国会図書館
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